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1977/12/07 第83回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第083回国会 運輸委員会 第1号
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1977/12/07 第83回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第083回国会 運輸委員会 第1号

#1
第083回国会 運輸委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十二年十二月七日)(水曜
日)(午前零時現在)における本委員は、次のと
おりである。
   委員長 大野  明君
  理事 小此木彦三郎君 理事 加藤 六月君
   理事 増岡 博之君 理事 坂本 恭一君
   理事 渡辺 芳男君 理事 石田幸四郎君
   理事 河村  勝君
      石井  一君    北川 石松君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      関谷 勝嗣君    田澤 吉郎君
      永田 亮一君    藤本 孝雄君
      古屋  亨君    堀内 光雄君
      箕輪  登君    太田 一夫君
      久保 三郎君    兒玉 末男君
      斉藤 正男君    田畑政一郎君
      草野  威君    宮井 泰良君
      薮仲 義彦君    米沢  隆君
      小林 政子君    中馬 弘毅君
―――――――――――――――――――――
昭和五十二年十二月七日(水曜日)
    午後二時五分開議
 出席委員
   委員長 大野  明君
  理事 小此木彦三郎君 理事 加藤 六月君
   理事 増岡 博之君 理事 坂本 恭一君
   理事 渡辺 芳男君 理事 石田幸四郎君
   理事 河村  勝君
      石井  一君    石橋 一弥君
      鹿野 道彦君    北川 石松君
      佐藤 文生君    関谷 勝嗣君
      田澤 吉郎君    福島 譲二君
      藤本 孝雄君    古屋  亨君
      堀内 光雄君    太田 一夫君
      久保 三郎君    兒玉 末男君
      斉藤 正男君    田畑政一郎君
      草野  威君    宮井 泰良君
      薮仲 義彦君    米沢  隆君
      小林 政子君    中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 福永 健司君
 出席政府委員
        運輸政務次官  三塚  博君
        運輸省船員局長 高橋 英雄君
        運輸省鉄道監督
        局長      住田 正二君
 委員外の出席者
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 杉浦 喬也君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道副
        総裁      天坂 昌司君
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月七日
 辞任         補欠選任
  佐藤 守良君     鹿野 道彦君
  永田 亮一君     石橋 一弥君
  箕輪  登君     福島 譲二君
同日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     永田 亮一君
  鹿野 道彦君     佐藤 守良君
  福島 譲二君     箕輪  登君
    ―――――――――――――
十二月七日
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第二号)
 地方陸上交通事業維持整備法案(久保三郎君外
 三十八名提出、第八十回国会衆法第二四号)
 中小民営交通事業者の経営基盤の強化に関する
 臨時措置法案(久保三郎君外三十八名提出、第
 八十回国会衆法第二五号)
 交通事業における公共割引の国庫負担に関する
 法律案(久保三郎君外三十八名提出、第八十回
 国会衆法第二六号)
 中小民営交通事業金融公庫法案(久保三郎君外
 三十八名提出、第八十回国会衆法第二七号)
 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案(内
 閣提出、第八十二回国会閣法第八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第二号)
 船員の雇用の促進に関する特別措置法案起草の
 件
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸行政の実情を調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため、
 一、陸運に関する事項
 一、海運に関する事項
 一、航空に関する事項
 一、日本国有鉄道の経営に関する事項
 一、港湾に関する事項
 一、海上保安に関する事項
 一、観光に関する事項
 一、気象に関する事項
について、本会期中調査をいたしたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○大野委員長 この際、運輸大臣及び政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。福永運輸大臣。
#5
○福永国務大臣 このたび運輸大臣に就任いたしました福永健司でございます。この席をおかりいたしまして一言ごあいさつを申し上げ、皆様の御理解と御支援をお願いいたしたいと存じます。
 御承知のように、現在運輸行政には種々の問題が山積しておりますが、中でも国鉄再建問題は、きわめて深刻な状況でございまして、さきの国会で国有鉄道運賃法等の改正案が廃案となりましたために、いま一刻の猶予も許されない状態に立ち至っております。したがいまして、可及的速やかに本法案を成立させていただき、国鉄再建の基盤を確立することができますよう、委員各位の御協力を心からお願いいたす次第でございます。
 また、新東京国際空港につきましては、これまで開港の障害となっておりました諸問題が解決し、開港についての地元自治体からの合意も得られましたので、明年三月三十日に開港いたす運びとなりました。
 今後は、都心と新空港間のアクセス対策を初めとする諸般の施策について鋭意努力してまいりたいと存じておりますので、従来にも増して一層の御助力を賜りますようお願いいたします。
 このほか、新たな海洋秩序に対応した海上保安体制の充実強化や造船、海運業等の不況対策を初めとして多くの問題を解決してまいらなければなりません。
 私は、直接運輸行政の衝に当たるのは今回が初めてでございますが、全力を挙げてこれらの問題に対処してまいりたいと考えておりますので、皆様におかれましても、何とぞ絶大なる御支援を賜りますようお願いいたしまして、私の就任のごあいさつといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#6
○大野委員長 次に、三塚政務次官。
#7
○三塚政府委員 このたび福永運輸大臣のもとで政務次官をやることになりました三塚博でございます。
 一年間、運輸委員の各位、また委員長には大変御指導、御鞭撻を賜ってまいりまして、まことにありがたい幸せでございました。これからは、運輸大臣がただいま述べられました大変多難な問題を抱えておるわけでございますので、これを補佐申し上げまして、問題解決のために、微力ではございますが、一生懸命努力を進めてまいるつもりでございます。従前にも増して委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえます。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#8
○大野委員長 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。福永運輸大臣。
    ―――――――――――――
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。福永運輸大臣。
    ―――――――――――――
#9
○福永国務大臣 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 国鉄は、過去百年間、国内輸送の大動脈として国民生活の向上と国民経済の発展に寄与してまいりました。今日全輸送機関の中で国鉄が占める輸送割合は逐年低下し、かつての独占的地位は薄れてきてはおりますが、今後とも、国鉄はわが国の交通体系の中で、主として都市間旅客輸送、大都市圏旅客輸送及び中長距離大量貸物輸送の分野に重点を置きながらその役割りを果たしていくことが強く期待されております。
 国鉄の財政は、昭和三十九年度に赤字に転じて以来急速に悪化の傾向をたどっており、政府としても、このような事態に対処すべく数次にわたり再建対策を策定して、その実施を推進してきたところでありますが、最近に至り、その経営状況は極度に悪化し、もはや一刻の猶予もできない状態となっております。
 このように悪化した国鉄の経営について、その健全性を確立するためには、徹底した国鉄経営の改善と政府による所要の行政上、財政上の援助を行うとともに、国鉄がその自主的な判断に基づき適切な収入を確保することができるように措置することがぜひとも必要であります。このため、今後の運賃改定に当たって、経済、社会の動向、他の交通機関との関係等を考慮しながら、適時適切にこれを行うことができるよう、今回、暫定的に、運賃改定についての一定の限度を法律上明らかにした上で、具体的な額の決定について運輸大臣の認可を受けて国鉄が定めることとしようとするものであります。
 また、国鉄再建を確実に達成するためには、所要の運賃改定とあわせて国鉄経営全体にわたって改善を行っていくことが必要でありますので、この際、こうした経営改善の一環として、国鉄の投資対象事業の範囲を拡大し、新たな発想のもとに、関連事業の充実、資産の有効活用等を推進して、経営の健全化に資する道を開こうとした次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず、国有鉄道運賃法の改正の内容について申し上げます。
 第一に、当分の間、鉄道の普通旅客運賃の賃率、航路の普通旅客運賃及び車扱い貨物運賃の賃率につきましては、運輸大臣の認可を受けて国鉄が定める賃率または運賃によることといたしております。
 第二に、右の期間中、国有鉄道運賃法の規定により賃率、運賃または料金につきまして運輸大臣が認可しようとするときは、一つの事業年度において実施されるすべての新たな賃率等の実施による平年度収入の増加見込み額の総額が、当該年度の国鉄の経費の増加見込み額を超えないものとすることといたしております。
 第三に、さきの日本国有鉄道法の改正により、いわゆるたな上げ措置を講じた特定債務に相当する額である二兆五千四百四億五百万円を除いた国鉄の累積赤字が解消されたときは、右の措置により新たな賃率または運賃を定めることはできないことといたしております。
 次に、日本国有鉄道法の改正の内容について申し上げます。
 第一に、国鉄の投資対象事業の範囲を拡大いたしまして、国鉄の委託によりその業務の一部を行う事業、国鉄の所有する施設またば土地の高度利用に資する事業及びその営業線の利用の促進に資する事業を追加することといたしております。
 第二に、政府は、国鉄の経営の健全性の確立のため必要があると認めるときは、国鉄に対し無利子貸し付けを行うことができることといたしておりますも
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
#10
○大野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#11
○大野委員長 これより質疑に入るのでありますが、申し出もありませんので、討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺芳男君。
#12
○渡辺(芳)委員 私は、日本社会党を代表して、国鉄関係法案に対して反対の討論をいたします。
 この関係法案は、第八十国会以来審査してまいりましたが、前回の第八十二国会で審議未了となったものであります。われわれは、今日まで長期にわたり国鉄の再建方策について論議を重ねてまいりました。その過程で、政府が従来から堅持してまいりました国鉄財政の再建対策は、財政の均衡に焦点を合わせた、いわゆる三方一両損方式でありました。この対策の中で、大きな比重を持って行われてきましたのが運賃と料金の値上げでありました。
 この再建対策について、われわれは、わが党の再建対策を提示して、その政策転換を要求してまいりました。すなわち第一に、国鉄財政再建のがんである膨大な長期負債はすべて政府の責任において処理すべきである、第二に、国民経済的見地からローカル線、自動車、船舶、手小荷物等の各部門の赤字を補償すべきである、第三に、工事費について、これに見合う費用を国が出資すべきである、第四に、法定の公共割引は国が補償すべきである等について、政府と国鉄がその責任分野を明確にし、国鉄の経営基盤の確立を要求してまいりました。
 この過程で「国鉄再建の基本方向」がつくられ、合意を見ましたが、問題は、この国鉄再建対策が速やかに閣議了解され、具体的に国鉄再建対策が実施されなければなりません。
 石油ショック以来今日なお四年続きの経済不況に、さらにこの数カ月間の円高で深刻な不況に見舞われている中で、国鉄運賃決定について政府にフリーハンドを与える弾力化法案は、その運用次第によって、政府が一たび大幅な運賃値上げを強行すれば、国鉄離れがさらに強まり、国鉄再建を一層困難にするばかりか、不況の物価高に一層拍車をかけることになります。
 以上の理由により、国鉄運賃の弾力化法案について反対の討論といたします。(拍手)
#13
○大野委員長 次に、石田幸四郎君。
#14
○石田(幸)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、反対の立場から討論を行うものでございます。
 まず、本法案によりますと、恒常的に値上げができるような仕組みになっておりますし、この値上げが物価に与える影響を決して無視することはできないと思います。
 最初に申し上げたいことは、仮に二年間にわたって二〇%ずつの値上げをするといたしますれば、物価に与える影響は相当大幅になりますし、また、その値上げが他の物価に影響を及ぼすことは必至でございます。そういった立場から本法案の成立については反対をいたすものであります。
 また、五十一年度において五〇・三%の大幅値上げを行った際にも、結果的には九千億を超える赤字であったわけでございますので、運賃値上げによるところの国鉄再建は、その時点においてすでに破綻を来しておるわけで、その運賃値上げ主導型の再建については、全くめどがないわけであります。そういった立場から反対をいたします。
 さらに、再建対策を拝見いたしましても、来年度以降の政府の助成がどれだけ明確化されるか、それによって再建の方向がほぼ見通しがつくわけでありまして、その方向が定まらないうちは本法案のいわゆる法定主義緩和という問題を取り上げるべきでない、このように考えます。
 以上、三点だけを述べまして、公明党・国民会議を代表いたしまして反対の討論といたします。(拍手)
#15
○大野委員長 次に、小林政子君。
#16
○小林(政)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に反対する立場から討論をするものであります。
 私は、まず当委員会における本法案の取り扱いが、議会制民主主義の基本に反する国民への許しがたい挑戦であることを厳重に指摘するものであります。
 各党間で一致していない大きな問題点のある悪法を、ごく短期間の臨時国会で強行成立させようとすることは、さきの臨時国会の会期再延長と事実上同じことであり、国会を政府の提出法案承認登録機関にかえることにほかなりません。憲法は会期制を明確に規定し、一つ一つの会期ごとに独立した国会の意思を決めるたてまえのもとに、提出法案の必要な審議を求めるのが当然のことであります。
 しかも本法案は、前国会の審議で解明すべき多くの問題点が提起されているものです。本法案を事実上審議抜きに等しい状態で無理やりに成立させることは絶対に許せません。
 反対の理由に入ります。
 第一に、本法案は、私が前国会でも指摘をいたしましたとおり、国鉄再建対策どころか頻繁な運賃値上げに道を開くもので、国鉄再建に逆行するものにほかなりません。
 また政府は、本法案を法定制の弾力化措置であるなどと言っていますが、その内容は、事実上の法定制撤廃であること、さらに前国会で行われた自民党など三党による修正の前提になっているところの「国鉄再建の基本方向」は、政府の「国鉄再建対策要綱」にも増して一層採算本位の企業主義的方向を強め、国民の足を奪おうとしていることから見ても明らかなとおり、まさに国民生活を圧迫する悪法であります。
 第二に、前国会の審議を通して、本法案の問題点が一層明らかになり、特に財政法第三条の規定に反することが明白になったことであります。経費上昇見込み額の範囲内と改めた値上げ上限が、上限率の算定基礎に、値上げ前年度の収入見込み額、名目値上げ率を決めるための客離れの見込みが必ず入ってくるため、だれがやってもこれは予想や見込みになります。現に三者三様の値上げ率の上限が現在出ている事実を見ても明らかであります。これでは値上げ率上限は、国会の意思いかんにかかわりなく、収入見込み額や客離れの見込みを立てるものが上限を決めることにほかならないものであります。
 また、本法案による法定制骨抜きの期間が全くないということであります。
 政府は、再三の要求にかかわらず、国鉄再建計画を提出しておりません。これは収支均衡の目標年度さえ提示せずに、法定制の緩和だけはひとり歩きするということにほかなりません。
 さらに政府は、参院審議の中で本法案によって線区別運賃制度が可能との態度を明らかにしましたが、「当分の間」が終わり、現行法に戻ったときのことを考えれば明らかなとおり、明白に国鉄運賃法に違反するものであります。
 政府は、きわめて短期間のこの臨時国会で本法案を成立させようとすることを直ちに断念して、本法案の撤回を求め、私の討論を終わります。
#17
○大野委員長 これにて討論は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#18
○大野委員長 これより採決に入ります。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○大野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
#21
○大野委員長 この際、福永運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福永運輸大臣。
#22
○福永国務大臣 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきましては、御採決をいただき、まことにありがとうございました。謹んで御礼申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#23
○大野委員長 船員の雇用の促進に関する特別措置法案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先ほどの理事会におきまして、御協議願いました結果、お手元に配付いたしてありますとおりの起草案を作成いたしました。
 その趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。まず、本案起草の趣旨につきまして申し上げます。
 近年、わが国海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等は著しく、このため離職を余儀なくされる船員が多数発生し、再就職が容易に進まない状況にあります。また、外航海運業を中心として船員は過剰雇用の状態になっており、このまま放置すれば、近い将来、さらに多くの離職船員の発生という憂慮すべき事態を招くおそれがあります。このような事態に対処するため、船員の雇用対策を拡充強化し、特に船員の技能を生かした雇用の確保を図ることは緊急の課題であります。
 しかしながら、現行法においては、離職船員が再び船員として就職しようとする場合、国際的規制等により減船を余儀なくされる漁業を除いて、再就職促進等のための給付金制度が一般的に設けられておらず、特定不況業種離職者臨時措置法案においても、船員になろうとする離職者については特別の措置が適用されないこととなっております。また、わが国船員が船員として活躍の場を確保することを促進するための体制が必ずしも整備されておりません。
 以上の点にかんがみ、特定の事情に基づく離職船員が、船員として再就職しようとする場合に支給される就職促進給付金について、一般的制度を設けるとともに、特定不況業種離職船員に係る就職促進給付金の支給について特別の措置を講ずることとするほか、船員の雇用の促進等の事業を行う法人として、運輸大臣が船員雇用促進センターを指定することができることとし、同センターの事業内容、国の監督等必要な規定を整備しようとするのが本案起草の趣旨であります。
 次に、本案の内容について申し上げます。
 まず、第一に、政府は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、経済事情及び国際環境の変化等に伴い離職を余儀なくされた船員であって再び船員となろうとするものの就職を容易にし、及び促進するため、求職者または事業主に対して就職促進給付金を支給することができることといたしております。
 第二に、特定不況業種離職船員に係る就職促進給付金の支給については、特定不況業種離職者臨時措置法の規定による給付金等の支給の例に準じて特別の措置を講ずることとするとともに、この特別の措置については、昭和五十二年十二月一日から同法の施行までの間に離職した特定不況業種離職船員に関しても適用することといたしております。
 第三に、運輸大臣は、一定の要件を備える公益法人の申請に応じて、船員の職域の開拓、技能訓練その他船員の雇用の促進等のために必要な事業を行う者として船員雇用促進センターを指定することができることとし、同センターの事業、船員職業安定法の適用除外、国の監督等についての規定を設けるとともに、国は、予算で定める金額の範囲内において、同センターに対し、船員雇用促進事業に要する費用の一部を補助することができる旨の国の補助の規定を明定いたしております。
 以上が本案起草の趣旨及び内容であります。
#24
○大野委員長 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきます。福永運輸大臣。
#25
○福永国務大臣 船員の雇用の促進に関する特別措置法案につきましては、政府といたしましては、やむを得ないものと存じます。(「全会一致の法案に対してやむを得ないとは何事だ」と呼ぶ者あり)まあ、そういうところだろうと思います。
#26
○大野委員長 お諮りいたします。
 船員の雇用の促進に関する特別措置法案起草の件につきましては、お手元に配付いたしてあります草案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#27
○大野委員長 起立総員。よって、さよう決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#29
○大野委員長 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 地方陸上交通事業維持整備法案
 中小民営交通事業者の経営基盤の強化に関する臨時措置法案
 交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案
 中小民営交通事業金融公庫法案
 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案
 陸運に関する件
 海運に関する件
 航空に関する件
 日本国有鉄道の経営に関する件
 港湾に関する件
 海上保安に関する件
 観光に関する件
 気象に関する件
以上、各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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