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1947/11/22 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第22号
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1947/11/22 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第22号

#1
第001回国会 労働委員会 第22号
  付託事件
○労働基準法の適用除外規定設定に関
 する陳情(第二百五十二号)
○企業再建整備その他に関する陳情
 (第三百四十三号)
○労働基準法第四十條の特例に関する
 陳情(第三百四十四号)
○労働者教育充実に関する陳情(第四
 百四十五号)
○積雪寒冷越冬手当即時支給並びに越
 冬衣具特別配給に関する請願(第四
 百五号)
○税務職員の待遇改善に関する請願
 (第四百二十一号)
○別府市の勤務地手当給給を特地に引
 上げることに関する陳情(第五百三
 十号)
○税務職員の待遇改善に関する請願
 (第五百四十二号)
○税務職員の待遇改善に関する請願
 (第四百五十五号)
○雪害地手当支給に関する請願(第四
 百六十五号)
○税務職員の待遇改善に関する請願
 (第四百八十三号)
○各縣吏員の暫定加給國庫補助等に関
 する陳情(第五百六十三号)
○日傭労働者に対する特例制定に関す
 る請願(第五百十九号)
○京都府綴喜郡の地域給支給に関する
 請願(第五百二十三号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月二十二日(土曜
日)
   午前十一時二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○一般労働問題に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(原虎一君) 只今から委員会を開催いたします。最初に労働省基準局長から、十一月一日より施行になりました基準法に基く報告を求めることにいたします。
#3
○政府委員(江口見登留君) 御承知の通り基準法は九月の一日にその総則的な部分を施行いたしたのであります。それで專門的な、極めて技術的な部分を十一月一日に施行いたしたのであります。十一月一日に施行いたしました基準法附属の規則の名前を申上げますると、先ず一番厖大なのが労働安全衞生規則というのがございます。これは基準法の第五章に基きました規則でございます。これは非常に厖大なものでありまして、四百数十條に上つております。只今から御説明申上げまする規則は、全部併せますと六百條ぐらいになりますので、内閣の印刷局へ今頼んで懸命に印刷を急いで貰つておりますが、何分にも昔と違つて印刷能力が落ちておりまするし、條文が厖大でありまするために、この月末にならないと皆さんのお手許にお届けすることができないのであります。從いまして一般民間といたしましても、これらの規則がつまり労働基準法を九月一日に施行した残りの部分が十一月一日に施行になつたということはうすうす皆が知つておるのでありますが、果してどういう條文になつて、それぞれの使用者、労働者にかぶさつて來ておるかということは、まだ、一般民間には知れていないのであります。この点甚だ不都合だと思いますが、從つてこの間に違反事件がございましても、これをどうするというようなことは実はできない事情にあるわけであります。非常に規則が厖大でありますので、この月末までには印刷になつたものを皆さんにお配りし、地方にも配りまして、地方で各事業場ごとにこの規則を滲透させるのにやはり一、二ケ月はかかるのではないかと思います。從いまして基準法が形式の上で全面的に動き始めるのは來年に入つてからではないかと考えるのであります。併しながら違反事件の檢挙というものにつきましては、いよいよいつから本腰で檢挙するようにするかというような点につきましては尚一般普及徹底の状況を見極めました上で、司法省とも相談いたしまして、適当な措置を講じたい、かように考えております。
 それで申方げたいのは事業附属寄宿舍規則でございます。事業附属寄宿舍規則と申しますのは、これはやはり基準法の中に寄宿舍と称する章がございまして、その詳細は規則で決めろということになつております。これは三十條ばかりの條文でございます、第一種寄宿舍と第二種寄宿舍とに分けまして、相当多人数で半年以上にも亘るような可なり恆久的な寄宿舍を第一種寄宿舍と称し、臨時的な土建などで行われまする臨時的の飯場のようなものを第二種寄宿舍と称しております、現在ありまする寄宿舍規則、現在工場法附属関係の寄宿舍規則があるのでございますが、これに多少進歩的な内容を盛りまして施行されることになつております。
 もう一つは、技能者養成規程であります。技能者養成規程はやはり基準法の一章から出ておるのでありまして、御承知の通り技能者つまり特殊の技術を要する者を労働の過程において教習しようとする場合には、多少基準法で決めた勞働條件を下廻つてもいいということが規定されております。併し從來のごときいわゆる徒弟制度の弊害は、これを除かなければならんのでありまして、それらを留意いたしましてできましたものが、技能者養成規程でございます。
 それからもう一つは、これは婦人少年局長が見えてから、内容を御説明するのが至当かと存じますので、名前だけ申上げまするが、女子年少者労働基準規則というのが出ております。これも三十條ばかりの條文でございますが、内容は婦人少年局長から御説明申上げたらと存じます。大体基準法施行規則の施行状況はそういう程度でございます。
#4
○委員長(原虎一君) 只今の報告について質問ございませんか、別に御発言がないようでありますから、次に主税局長が見えておりますから、堀委員の御質問をお願いしたいと思います。
#5
○堀末治君 私は業者でございますから、大体政府の御方針等は分つておるのでありますが、同僚の二、三の人から尋ねられたものでございますから、この機会に御当局から直接お話を願つて置いた方が結構じやないかと、実はかように存じて、今日主税局長にお出で願つた次第であります。それは酒の問題であります。來年度は米の割当も不足で、その外諸原料も別に昨年より殖えておらん。從つて酒が非常にまあ減産されることになるのでありますが、それがために労務者用の配給酒はどうなるか、こういうことであります。私どもは造る方でございますので、その配給の面は一向まだ詳しく伺つておりませんが、幸いそういう質問を私も受けましたし、又私も成るべくならそういう方面を詳しくお聽きして置く方が立場上結構だ。こう思いまして実はお出で願つたわけであります。成るべく來年度の酒の生産計画並びに配給の計画、殊に労務者方面はどんなようなことになりますか、前年度との比較的もお示し願えれば太変結構だ。実はかように存ずるのであります。
#6
○政府委員(前尾繁三郎君) 御承知のように、最近來年度の酒の原料につきまして、國内の食糧情勢並びに対外関係からいたしまして、相当量、大体三分の一くらいの分量が減ぜられるというようなことになつております。從いまして本年度は、基準数量にいたしますと百六十三万石ぐらい配給し得たのでありますが、來年度になりますと百十九万、大体百二十万石程度しか配給し得ないというようなことに相成ると思います。從いましてこれをどういうふうに配給するかということにつきましては、現在我々も苦慮いたしておるのでありますが、いずれにいたしましても、労働者特配につきましても、或る程度の減少は止むを得ないというふうに、我々としては考えておる次第でありますが、併し労務者特配という方面を削減することはできるだけ避けたいというような氣持で現在おるのであります。併し実際問題、具体的な計画はまだ立てておりません。殊にこれが安本とも相談しなくちやならん問題でありまして、現在下半期の配給計画が決つた程度でありまして、來年度の配給計画については、まだ私の方の案も立てておりませんし、安本との話合いもまだいたしておらんような状態であります。
#7
○堀末治君 本年度の労務者方面に配給された数字はどのくらいになりますか、この百六十三万石の内で。
#8
○政府委員(前尾繁三郎君) 大体四十六万石ぐらいだと思います。本年度は御承知のように家庭配給も大体その程度の数字となるわけであります。ところがその中で二十万石くらい、或いは二十万石にもなりませんが、自由販賣と言うのですか、特價で販賣する方に廻すというようなことで、家庭用としては五割減らすことになつております。
#9
○堀末治君 労務者に四十三万石ですか。
#10
○政府委員(前尾繁三郎君) 四十六万石です。
#11
○堀末治君 四十六万石ですか。
#12
○政府委員(前尾繁三郎君) 尚二十七万五千石を別に農村の供出用というので出しております。
#13
○堀末治君 そうすると、來年度の百十九万石の配給計画はまだできませんのですね。
#14
○政府委員(前尾繁三郎君) 三月頃になるのじやないかと思います。
#15
○堀末治君 來年の三月ですか。
#16
○政府委員(前尾繁三郎君) そうです。
#17
○堀末治君 今の政府の御方針で、やはり労務者用の配給はいくらか本年より減らすという見込ですか。
#18
○政府委員(前尾繁三郎君) 減らさざるを得ないと思います。
#19
○千葉信君 減らさざるを得ないということは、非常に問題になると思うのですが、とにかく労務者に対する酒の特配は非常に増産上役に立つておりまして、特に北海道のような寒い土地では、労務者がこれを唯一の樂しみにしておるというわけでございまして、御存じのように、石炭の増産問題なんかにつきましても、特に炭鉱向けの特配酒が出た後は相当結果がいいということを言つておりますので、一つの労務者の特配の酒だけは、できるだけ減さないやうに御配慮願いたいと思います。
#20
○政府委員(前尾繁三郎君) 我々も勿論労務者特配をできるだけやるというふうには考えておりますが、御承知のように、家庭用を現在の五割切つて参りますと、殆どまあ盆と正月に配給する程度だけでありまして、それすら削るというわけにも参りませんから、先ずそれをどこまで削り得るかという問題と、それからもう一つは、この特價販賣によつて、この酒の收入は、現在とまあ來年度も同じ醸造高でありますと、四百五十石くらいになるのじやないかと思います。それが三分の一減石になるということになりますと、非常に財政收入が減つて來るわけであります。だからできるだけ國家販賣酒の方に廻して財政收入をカバーしなければならんというような事情もあるわけでありまして、それらと睨合いで行かさるを得ないということになりますと、勢い労務者用の方もまあ削減するというようなことに相成ると思うのであります。ただ労務者特配にいたしましても、もう少し労務者の統計なんかをはつきり取ることができますと、重点的な配給がしつかり行われるということになつて、そういうような点でできるだけ余裕を出して行きたいという氣持は持つております。
#21
○深川タマヱ君 今日日本の勤労者の方々には満たされないことは非常に多いと存じますけれども、私は特にその中の被服と住宅の問題を取上げてお尋ねいたして見たいと思います。敗戰後國民の生活になくてならないものであつて、而も日本の絶対量の足りないものは、大抵統制されており、必要以上のものは隱匿物資として摘発もせられておりますし、貨幣の場合は、封鎖されたり、新円の切替えなんかありまして、大体今までの生活が御破算されまして、國民の生活が平均化されておるはずでございますけれども、ただこの焼けなかつた家庭の持つておる被服、これに私は着意いたしたいのであります。これは未だ隱匿物資の摘発も受けておりませんし、本当に國民の生活になくてはならんものであつて、而も日本の國では非常に絶対量が足りません。今年は戰前の一割八分かの配給の予定しかございません。そこへ戰災者や引揚者や水害罹災者なんかが多うございますし、勤労者の方々も貧乏人はたとい焼けてなくても、殆ど物交してしまつて、この寒天にも堪えられないほどだと存じております。今度非戰災者特別税法というのが設けられまして、焼けなかつた家屋に対して、大体賃貸價格の三倍の税金をかけることになつたようでありますけれども私はむしろ貨幣の形でなく、この際焼けなかつた品物である家屋と被服の現物で徴收して貰いたいと考えます。蒲團とか着物、一定以上の生活をしておる人から相当ずつ出して頂いて、それを配給して貰わなければ到底やり切れないと存じております。古着屋には成る程古着は取つてありますけれども、到底手が届きません。あんなものはあてにしておれません。それから住宅でございますが、この非戰災者特別税法を見ますと、寺院、社寺、こういうものがこの税金から除外されておるようでありますけれども、お寺を將來の勤労者の住宅に暫く開放して頂きたいと思います。青疊を敷き詰めた、あんな廣い場所を遊ばしておかれる時ではないと存じますが、あれはやはり宗教的な目的がありまして、莊嚴神聖な場所として、取つておかなければららんのかも知れませんけれども、今日そんな贅沢を言つておられない時であつて、坊さんが説教するならば、暫く私達が街頭で演説しました時のように、墨染の衣を着て街頭に出て來て貰つて、説教をして貰いたいと思います。もう一つは、料理屋さんの貸座敷に使つておる家と、もう一つは進駐軍に接收されている元の軍需工場、あれを勤労者の住宅にして頂きたいと思います。今度関西方面を視察いたしました結果、住宅を持つていない勤労者が非常に就職難に陥つております。東京でも、上野の地下道の有樣を見ても分りますように、今日贅沢を言つておられない時であります。税金の形でなく、住宅の場合は、これは暫く貸して貰うのですけれども、被服の場合は、税金の形で取立てていいと思います。それと、もう一つ落しましたけれども、被服の場合は、ことによると五年後になつて來て日本の経済が復興した後に、國家が返すというような意味で、現物公債を作つて頂いて、配給でもして貰わないと、罹災者がやり切れないと思いますが、それについて何かお考えありませんか。
#22
○政府委員(前尾繁三郎君) 只今のお話は、税の形でそういうことをやるということは、ちよつと考え得られないのであります。又被服を一々各人の持つている被服を調査するということは、これは到底不可能なことでありまして、いわんやその中でどれをとるかということになりますと、これは税の形では到底やり切れない問題であります。又我々が御覽の通り家屋と動産とを対象としてやつているのですが、動産調査ということは到底不可能でありますので、その家屋の賃貸價格を課税標準にとるというようなことをやつておることによつても、お分りだろうと思うのでございます。併しこれは別個に供出させるというような戰時中もやつておつたのであります。その別個の法律で、又別個の建前でやるということになりますれば、全然考え得られないことはないと思います。又、住宅の住居の問題にいたしましても、これは税の形でどの家を納めるというわけには参りませんが、それを單に解放するなりなんなりして、措置は別個の法律でやれば十分やり得ることだと思うのであります。これは私の方の担当というよりも、むしろ或いは厚生省あたりでお考え願つたらいい、こういうふうに考えます。
#23
○千葉信君 又問題は酒のことに返りますが、私は酒をこういうふうに減量するということは、私どもとしても食糧政策の点からいつても止む得ない措置だとは考えますけれども、併し私ども承知する限りでは、実際問題としてたといこういう数量が減量されても、食糧の問題に関する限り相当密造者が多くあるということが考えられます。政府で減量した分だけが今度は逆に民間の方でその程度の減量された分の酒の密造が殖えて來るということになりますと、これは非常に考えなければいけないと思いますが、特に酒の原料としての米の場合は、これは非常に大事だということは分りますけれども、同じ主食の中でも芋だとか、「とうきび」だとか、こういうものから酒を取る設備が沢山できておるはずなんですから、そういう点を何とか考慮して密造の部分の廻わる米を何とか防止するような方向に持つて行かなければいかんじやないかと、かように考えるのでありますが、密造酒なんかに対してどういうふうなお考えをお持ちになつておりますか。
#24
○政府委員(前尾繁三郎君) 誠に御尤もなことでありますが、結局これは酒の減石は対外関係から起つておる問題であります。ドイツは御承知のように醸造禁止になつております。又現在日本といたしましては、相当の食糧輸入も懇請しなくてはならん。でこちらに來ておりますマ司令部の方は、現在ではお話のように若し減石すれば密造酒が殖えるのだというような実情はよく知つておるのでありますが、何と申しましても本國に対する関係、殊にアメリカ國内におきましてもウイスキーの五割制限というようなことをやつておる。そういうような点を思い合わせますと、我々としては現在三分の一の減量、削減するということは止むを得ない措置だと考えます。その削減の仕方におきましては全体として三割でありますが、米は五割、全体として三割減ということになつております。で、ただ未利用資源、あるいは芋を使いまして酒を作るにいたしましても、これは減量が必要である。実際問題は石炭の割当等が不足いたしておりますので作れないというような実情になつております。
#25
○千葉信君 税の取立ての問題もございますけれども、税の取立ての問題に話が触れると、官公吏の中で特に税務官吏の待遇が非常に惡い。そのために成績の挙らない部分もあるのではないかということが考えられておるのですが、実は議会の方にも税務官吏の待遇のことについて請願が參つておるような問題もありまして、どの程度税務官吏だけが同じ官公吏の中で待遇が惡いのか、その点一つ具体的にお話願いたいと思います。それから承りますと、税務官吏の待遇改善について相当具体的にお考えになつておるそうでありますが、どういう方策をお持ちになつておるか、この二点をお伺いいたしたいと思います。
#26
○政府委員(前尾繁三郎君) 最初の税務官吏がどういうふうに惡いかという点を申上げますと、すでに昨年の七月のカード調査の際に全官公吏の平均より税務官吏が千六百円ベースの場合は百三十六円だつたと思いますが、まあ間になつておるわけであります。ただ問題は昨年の七月以降にも閣議違反か何かによつて昇給を認めておるような省もあるというようなことを盛んにいわれておるのであります。それは別といたしましてカード調査によつてそれだけは確かに惡い、待遇より二号俸程度は惡かつたわけであります。この点は、どうも從來大藏省は自分のところで予算をはつきりやるわけでありますから、非常に嚴格に給與の基準を守つておつたのであります。ところが他の省は予算の関係が幾分樂でありますから、そういうような点で相当昇格ができたというようなことで、この問題が起つたと思います。從つて結局給與に対する統制が、最近、殊に公務員給與法を出しまして嚴重になれば、結局只今それが今回凸凹是正資金によりまして、十月以降は引上げという形態でやられますれば、一般の公官と同樣な待遇になつて参るわけであります。
 次に現在も我々が税務官吏の優遇として考えておりますことは、何と申しましても、他の官廳と基本給その他を違えるということは、他にも影響があるわけでありますから、やり得ないというような考えからいたしまして、税務官吏の特殊的な点、これは実際に調査に行つて調べて來る。あるいは滯納処分に出掛けるというような点に特殊性がありますので、その際に直接税、間接税等の調査、檢査に出ました日には、基本給と暫定給を日額に割りまして、その日額の三割というものを出す。滯納処分の場合には四割でありますが、そういうような特別な支給をいたしております。もう一つは最近非常に危險を伴います密造檢挙というような場合には、特殊な場合に限りまして危險手当を一日五十円出す。それからそれ以外におきまして、これはすでに逓信省とか、外では、現金出納の危險の場合に現金出納手当というものを出しております。最近は税務署も現金を取扱う場合が多くなりまして、一日に何百万円という現金を取扱う場合がありますので、そういうような場合は逓信省と同じような程度の現金出納手当を、その係りの者に出そうというふうに考えております。
#27
○千葉信君 重ねてお伺いいたしますが、その現金出納手当というのは金額によつてやるのでなく、逓信省と同じような率でございますか。
#28
○政府委員(前尾繁三郎君) 只今のところ、その現金の取扱い高が非常に多うございますから、ああいうふうな方法で直ぐ出すというわけにはいかんと思いますが、月にしまして百円までだろうと思いますが、その程度のものを出したいと思います。
#29
○堀末治君 この間十七日の毎日新聞に出ましたが、税務官吏の待遇改善といつて衆議院の予算委員会で、何か御説明があつたのですね。今の大体の御説明がこれに出ておるのでありますが、やはりこういうように政府は御方針をお決めになつたのでありますか。
#30
○政府委員(前尾繁三郎君) 決めまして、只今関係方面とやつておるのですが、大体よさそうに思つております。
#31
○堀末治君 はあ、そうですか。もう一つ同じく給與関係ですが、この間から決まつておつた越冬に手当三千円、千円という隨分前からのようですが……
#32
○政府委員(前尾繁三郎君) あれは関係方面でもいいことになつたそうです。
#33
○堀末治君 北海道でも騒いでおつて、遅れるほど金の値打がなくなるので、出されるならば早い方がいいので、もう一つお尋ねしたいのですが、勞政局長にお尋ねいたしたいのですが、同じく十一月二十一日の讀賣に出た記事でございますが、北海道の問題でありますが、北海道の知事が掘らない炭鉱には、増配を止めるといつて通告を出したというわけですが、大分問題を起したというようなことが出ておりましたが、これは事実かどうか、それとも又知事だけの單独の権限で、折角決めてある増配などもやらないでいいということができるものでございましようか。
#34
○政府委員(賀來才二郎君) 讀賣新聞の記事は拜見しましたが、事実に関する報告はまだ出ておりません。ただ御參考までに申上げて置きたいと思いますのは、勞務加配の問題、これは傾斜生産、重点主義に基く加配と合せて、若しでき得ますれば実質賃金の裏づけとしての案も、考えられておるわけでございまして、ところが御承知のような貧糧事情でありますので、全体の枠を殖やすことは困難であろう。從つて例えて申しますならば、從來傾斜生産、重点主義でやつておりまするものの中、例えば甚だしい例と申しましてはなんでありますが、休んでおりましても貰うというふうな、そういうふうな点がありはしないかと、そういう点については國民全体が耐乏しておるときであるから、よく嚴重な監督もし監査もして、そういうところから幾分でも余裕も出れば、これを他の勞働者に廻すべきじやないか、ということはいろいろ現在議論があるのであります。関係筋でもさような点については当然やるべきではないか、世界中の食糧事情が今日のような状態下において、輸入を懇請しておる状況も考えなければならんじやないかという御意向が、あるようには聞いたこともあるのであります。そこで多分そういうことから北海道の問題については、現地で何か問題があつたのかとも思つております。
#35
○堀末治君 こういう問題は知事や所長の権限でやり得るものでございますか。
#36
○政府委員(賀來才二郎君) この点は勞働省といたしましては、直接管轄いたしておりませんので、よく分りませんです。
#37
○深川タマヱ君 主税局長さんにお尋ね申上げますが、今度勤勞所得の控除をどのくらいになさるのでございますか。
#38
○政府委員(前尾繁三郎君) 勤勞所得につきましては、從來三万円までの金額について、二割の控除をしておつたわけであります。それを今度は五万円まで二割五分の控除をするというように引上げたのであります。それから十円に引上げたもう一つは勤労所得には限らないのでありますが、扶養家族の控除は月額税額で從來二十円引いておりました。それを今度は倍額の四十円に引上げた。で、これは殊に千八百円ベースの問題と関係がありますが、千八百円ベースの場合に、扶養家族三人で、結局二千九百二十円というのが標準給與でありますが、それ場合において現在……そこで月額にして百三十九円の減税ということになるわけであります。それから税率は七万円を超える金額から税率の引上をやつたのでありますが、併し勤勞所得につきましては、今言つたような勤勞控除の引上なり、扶養家族の控除の引上というのをやりますので、十六万二千円ですか、そこらまでは増税になつておりません。すべて相当程度減税になるわけであります。でありますから勤勞所得についてはいずれも減税になるのであります。
#39
○深川タマヱ君 ここにおります事務補助員のような、例えば千百円くらい貰つている人からも矢張り引きますね。
#40
○政府委員(前尾繁三郎君) これは結局におきまして、現在の所得税の建前はいかに少い人でありましても、それ相應の税金を負担して頂くというのが建前でありますので、基礎控除の額というものは、月額四百円の控除しかしないのであります。その代り千円くらいの人になりますと、かかる税は極く僅かな税金であります。僅かであつても先ず税金を拂うというのが現在の所得税の建前になつております。
#41
○深川タマヱ君 只今の御説明によりますと、四千円貰つている人の手取金が大体三千円くらいになりますので、この勤勞所得というものは、こういう人たちにとりましては相当痛手であると思いますので、今仰つしやつたような、小月給を貰つている人から一應とるということはこれは無理であつて、生活ができないような人からとるのはどうも無理ですから、相当免税点というものを引上げて頂かなければならんと思います。最近鉄道運賃の値上をなさるということを承つておりますが、どうしても値上げをしなければならないのなら、勤勞者の方々の割引をうんとして貰つて外の人から多くとるようにして貰わないと働く人はやり切れないと思います。全体として官公吏の方々の給料の値上げをしますと、一つは財源がない。官公吏であるが故に、租税から取らなければならないが故にその財源がないというのが一つと、もう一つはインフレをそそるという点でありましようけれども、財源がいくらないといつても國民の生命にまで喰ひ込むようなとり方をなさるのは不健全財政であつて、そういう方面からとらなければならないものならば、支出の方面を考えなければならないと思います支出の中で氣がつくことは國立公園、あれらはそんなに急いでなさるべき問題ではないと思います。というのは不健全なる、將來の收入の不確定な投資は余り急いでなすべきではないのでございまして、私この國立公園は成る程惡いことではございませんけれども、これが完成するには五年もの月日がかかるのでありましようが、そういたしますと、大分先にならないと收入が入らない。それ故にそれができましても、その間この燒跡の赤錆の屋根のない所へそう観光客が來んでありましようし、原子爆彈の被害の状況でも調査するような特殊な人は別です。すべての予算面を見ますと、非常にいろいろの算非に予算を割いておられるが、こういうところを少し節約して貰つて、働く人、勞働者の人々からこれ程無理な税金をとつたり、給與を節約なさることをなさらんで、もつと給與を増額して頂きたいと思います。もう一つはインフレをそそると仰つしやるが、勤労者の人たちの……官公吏の人たちの給與を少々上げたところで購買力をそそつたり、物價騰貴の原因にはならない。たかだか配給して頂く米のお金を拂い切れないで居留守を使う。その居留守を使わないで済む程度であつて、そう大して物價が上ることはないと思います。若し上るということが御心配であるならば、それは統制で抑えておけば物價は上らないのだから、やはり官公吏の方々の給料をもつと上げて頂かなければならない。國民の生命を維持すること、これは最低限度確保して頂かなければならないと思つておりますので、それを一つ申上げておきます。
#42
○政府委員(前尾繁三郎君) 勤勞者の税金が非常に高いということについては我々も認めておるわけでありますが、併しなんとしましても、その程度負担して頂かなくちや敗戰國の日本として再建ができないという次第であまして、勿論現在の税金が安いというふうな考え方は毛頭いたしておらないわけであります。從いまして、勤勞所得以外の事業所得に対する課税の決定ということについては結局努力いたしておるような次第であります。いずれにいたしましても、現在の官公吏の給料が非常に安いので、これを引上げるということにつきましては、財源の問題が大きな障碍となつておる次第であります。財源に現在租税としても千三百億から取つておるのでありますが、そのうち支出の大きな部面は我々が今敗戰國民として負担しなければならない大きい費用があるわけでありますが、ただそのうちに國立公園の問題その他いろいろな問題があるのであります。私担当ではありませんので、むしろ厚生省の方々からその必要性についてお話を願つた方がよいと思うのでありますが、随分切りつめて、支出としてはこれ以上削減ができないというところまで努力いたしておるわけであります。実際今回でも或いは千五百億くらになるのではないかというような歳出を、九百億足らずに削減したのでありまして、御承知のように六・三制なんかにしても非常に重要な問題でありながら、そういうことになつておるのでありまして、極めて僅かなもので御辛抱して貰つているというような状況であります。從いまして現在の給料引上の財源というものは殆ど考えられないようなわけであります。又鉄道運賃の値上のお話がありましたが、値上をするかしないか、まだ決まつておりません。併しいずれにいたしましても、恐らく定期で通勤する関係のあるような運賃については考慮されることと私は考えております。
#43
○小川久義君 これは労働省に関係があることでありますが、勤労者の中には自由労働者、農業労働者がありまして、最近農業労働者が軽んせられておるということ、これは労働省の担当の方から御答弁を煩わしたいと思います。そういう見地から從つて納税関係においても身体一つ弁当持つて働きに行く方にも月四百円の控除がある。一ケ年にして四千八百円です。農業労働者に対しては四万円も五万円もする馬を使つて農業労働に從事しておる。それの基礎控除が四千八百円である。かような不均衡な税の改正をする意思があるかないか主税局長にお尋ねいたします。
#44
○政府委員(前尾繁三郎君) この基礎控除の問題につきましては、結局誰も同じ基礎控除でなくてはならんわけでございます。基礎控除をいたしておりますのは、結局において税金の累進税を強くして行くというような意味合からいたしておるのであります。ただ定額的な給與の場合におきましては、今二割今度は引上げるのでありますが、二割の勤労控除というのをやつております。ただ事業所得につきましては、或いは勤労の部分が非常に多いわけでありますが、併しいずれにしましても、勤労控除というのはいたしておりません。これは税の理想としては、あらゆる所得はすべて同一に取扱つて区別しないというのが理想でございます。現在アメリカの税法では勤労控除というのをいたしていない。又英國等におきましても一割、ドイツにおいてもたしか一割でありましたが、日本ほど二割もの控除をやつておるところはないのであります。が最近のインフレの経済状況からしまして、定額的な給與を受けております勤労者に対しては、何らかのやはり措置を講じなくちやならんというわけでやつておるわけであります。農村の勤労者につきましても、実際の実情は、むしろ都会の勤労者ほど生活に困つていないというような点がありますので、その点は区別しない方が税の建前としてはよいんだというふうに考えておるわけであります。
#45
○小川久義君 農村の勤労者が生活に困つていないというお話でありますが、それは農村の実体を知らざる者の言だと考えます。現在全國の平均から見ましても、一家の農家の作つておる耕作反別は大体七反ぐらいです。これから二石の米を取りまして、今千七百円に見積りましても、一般勤労者よりもずつと所得が低いわけであります。その所得の低い農村がどうして惠まれた生活にあるということが言い得るか。私は一耕作農民でありますが、かような局長の言に対して実体を知らざる者の言だと、かように判定しておりますが、もつと農村の実体を知つて貰いたい。千七百円で而もこの農家の経済が成り立つか。先程申しました通り七反作つて三千六百円取りましても二万余円、その七反を作るには家族全部が働かなければならなん。小学校へ行つておる子供までが働いておる。そういう点からして、一方は一人行けば最低千八百円、併し今の千八百円というのは名目賃金であつて、決して実質賃金でない。この間労働大臣の説明からしても、大体民間の工場では二千二百円になつたというお話ですが、それに一方の同じく働いておる農業労働者と一般勤労者との均衡はとれない。而も局長の言では農民は惠まれておる、生活は安易だというお言葉ですが、農民が消費する物が勤労者の消費する物と何ら変らない。從つてその点におきましてはもつと眞劍にお考え願いたい。一人の者が働くのでなしに、農家では子供の果までも働いておる。而も多額な、高い肥料を得て、先程申しました高い偕馬料を拂い、又高い四万円、五万円の馬を使つておる。そういうことからしてもつと眞劍にお考え願いたいと思います。
#46
○政府委員(前尾繁三郎君) 現在日本全体が困つておるわけでありますから、勿論安易に生活しておるふうには私は考えておるわけではありません。ただ都会の勤労者と農村の勤働者ということになりますと、現在は何といつても大きな支出は食糧費等であります。この食糧費等から考えまして、都会の勤労生活者よりも農村の勤労生活者が惠まれておるということは、私十分言い得るんじやないか、こういうふうに考えております。
#47
○委員長(原虎一君) よろしうございますか、主税局長に対する質問は打切りましてよろしうございますか。発言がありませんから打切りいたします。
#48
○堀末治君 実はこれは直接労働省関係の問題ではないと思いますが、先般來國管問題が取上げられてから後、商工省方面にお尋ねしておるのでありますが、今以て御回答が得られないで、この点を非常に遺憾に存じておりますが、北海道の要するに石炭が非常に不振である。その不振の原因は一体どういうところにあるかということについてお尋ねしておるのでありますが、先般商工大臣のお答えでは、科学的に調査をして、はつきりとした要するに原因を掴みたいと思つておるということでありましたが、それも段々延び延びになつて、漸く今月の初めになつてその調査來が出る、現地では非常に経営者も労働者も深切に協力して呉れておるから、近い中に中間報告ができるであろう、こういうことでありました。併し果してこの議会にその調査が間に合うかどうか、ちよつと分らないというようなことでありました。それはそれといたしまして、労働省方面から見た、つまり北海道の不振の原因をどういうふうに御覧になつておるか、その点についてお尋ね申上げたい。実は十月八日の北海道の新聞であります。「躍る会議の連続」、こういう見出しの下に、美唄の三菱炭鉱の労爭の問題が出ておる。そうして現在の労働組合には、石炭を掘らん組合幹部が四百名に激増ししおる。こういうように、ここにずつと長いこと出ておるのでありますが、労働省の方ではこれらの記事を御覧になつたかどうか分りませんが、若し御覧にならなければ持つておりますから御覧に入れますけれども、とにかくこういうようなことで労働者諸君が稼がないという批判を受けておる。現に先程もお尋ね申上げました通り、北海道知事も、稼がないところへ行つて六合の配給するのはやり切れんというようなことで、こういう処置を取つておるということで、これらを想像いたしましても、どうも北海道の労働者諸君は本当に増産ということに協力しておらないのじやないかというような、こういうふうにも観察されるのでありますが、それらのことについて労働省の方ではどういうふうに御覧になつておるか、それが一つ。もう一つはいわゆる先般緊急増産対策として政府が十月三日に発表されたいわゆるマツカーサー元帥の書翰に対する御返事の発表によつて、緊急増産対策、これが主として労働者諸君を対象にしたのが大部分だと思うのでありますが、それらが実際どういう方面に、どの程度まで各炭鉱に行われておるか、その後の実績等も、若しお分りでございましたらお聽かせ願いたい、かように存ずるのであります。
#49
○政府委員(賀來才二郎君) 石炭の増産の問題は、直接労働省の所管でございませんが、併し北海道の石炭の減産に関連いたしまして、労働組合の動きというものがいろいろ批判をせられたり、或いはかれこれ言われたりしておるということは聞いておるのであります。只今の新聞の記事につきましても拜見をいたしております。労働省といたしましては、健全な組合の発達するということに対しましては、あらゆる努力とサービスをするというのが、現在の方針で進んでおるわけであります。さような意味合からいたしまして、北海道の現在の問題が、果して世間で言われておりまするように、事実であるかどうかということについては、北海道廳の関係と今連絡をとつて具体的に調べておるのでありまするが、実は本日経済安定本部を中心といたしました現地の指導班が北海道に向つて出発をいたしたのでありまして、労働省からも二名事務官がそれに同行いたしまして、実際の指導、或いはその援助に当るということになつたのであります。これには関係方面の強力なる援助が加わつておりますので、いずれ具体的な御報告ができるだろうと思つております。ただこの北海道の減産につきましては、これは日本全体の現在の生産状況の動きと同じように、いろいろなフアクターが入つておるのでありまして、労働組合だけが強く言われても実は無理な点もあるのじやないかということも考えておりまするが、いずれにしましても労働組合がさように言われるような実情についてはつきり掴んで、そうして健全な労働組合の発展に協力をして行きたい、かような考えでおるわけであります。
 第二点のお尋ねでありますが、これはマ司令部の書翰に関連いたしまして、関係各省、労働省も參加いたしまして、そうしてあの書翰に対しまする政府の施策方針というものを決めまして、これはマ司令部の方にも総理の返書の形を以て報告いたしましておつたのでありまするが、所得税の減免の問題に関しまして、なかなかはつきり進まなかつたような関係で、今日まで具体的にまだ実施には移つていないのであります。特にああいう要項を決めましても、これは從來のような作文に終るようではいかないのでありますから、これをいかに現地において使用者、労働者側双方共に納得ずくで本当に仕事をするかという点が問題になります関係から、その具体的な実施の方策についていろいろやはり研給をいたしておつたのでありますが、先程第一点でお答えいたしましたように、本日北海道に向つて出発をいたしました指導援助班と申しますか、その人々が北海道に着きましてから、毎日ずつと各やまを廻りまして、一つ一つのやまでどこが隘路か、どういうことになつておるかというのを、使用者と労働者と納得ずくで一つ一つ決めて行くというので、あのマ司令部の書翰に対しまする非常増産対策というものを、現地において実施するということに着手したのでございます。
#50
○堀末治君 ちよつと今のに関連して……先般商工省で調査班を出したわけでありますが、その調査班の中には、この労働省関係の人が入つておりませんのでしようか。
#51
○政府委員(賀來才二郎君) この前の調査班には、あれは大体石炭の原價がどういうことになつておるかというので行つたように聞いておりますので、この前の調査班には労働省の関係官は入つておりません。
#52
○堀末治君 今のお答えですと、これは所管が違いますけれども、原價計算などのことでなく、つまり増産に対する隘路がどこにあるかということを、科学的に調査したいというので調査班を三班に分けて出すということに商工大臣からはつきり答弁を受けておるのですが、その構成の内容は、私承りませんでしたけれども、どうしてもその構成の内容には私労働省関係が入つておらなければならんとかように思つて、これをお尋ねするのでありますが、入つておりませんかしら。
#53
○政府委員(賀來才二郎君) この前の調査班には入つておりません。三班に出したのには入つておりません。
#54
○深川タマヱ君 婦人局長の山川さんが初めてお見え下さいましたのでお教え願いたいと存じます。
 第一番に、闇の女の対策について、どういうお考えをお持ちになつていらつしやるか。
 第二番目には、今日の都会に住んでおります男子の方々に、たとい職に就いておりましても、半失業者の状態だと存じますので、これの生活を助けるためにどうしても婦人が生産者として働かなければならないと存じます。この内職が非常に困難な状態にありますが、これについて、何か先生、お考えをお持ちになつておいでになると存じますので、お聽かせ願いたいと思うことと、第三番目は、非常に生活困難のために、男女とも婚期を逸しております。働く婦人が非常に惨めな状態におりますが、この婚期を逸しておる、これに対しては何か御対策をお考えになつておりますか。
 その次は、その外婦人少年対策に対して緊急になさろうと御計画なさつておることがおありになりましようか。簡單でよろしうございますから……。
#55
○政府委員(山川菊榮君) 只今の第一の御質問の、闇の女の問題でございますが、これはいろいろな方面に関係しておりまして、生活保護の問題につきましては、厚生省、それからいろいろな法律関係につきましては、司法省とも連絡が要りますし、それから労働者の生活保護の問題については、労働省の中の他の局と婦人少年局とか、各方面の連絡が要ります。非常に複雜な問題でありまして、今直ちにこれをどうするというわけに參りませんけれども、関係各省と連絡を保ちまして、そうして当面の対策と、同時にそれを防止するようなことは徐々に考えて行きたいと思つております。何分問題が非常に複雜な大きい問題であつて、私共極く少数の役人や又僅かな予算の全部を挙げましても、これを解決するわけには行きませんので、先ず根本的な対策を考えて行きたいと思つております。
 それからもう一つの御質問の内職のことでございますけれども、これは職業補導協会や安定局その他と連絡を保ちまして、今いろいろ研究しております。輸出工業の中に内職に出されるものもございますけれども、又一方では只今工場の経営状態がよくないというために、工場労働者を馘にして、その仕事を内職に出すというような傾向もあると聞いております。それでそういうことのないように、内職を受ける人が組織を持つて賃銀を維持して行く、又その外の基準法の適用を受けるような工場労働者の切り崩しをすることがないように、十分の注意を持つてやつて行くように氣をつけております。
 それから婚期を逸するという問題でございますけれども、これも非常に複雜な問題で、一般の経済状態、生活状態それから結婚に対する考えの問題もあるだろうと思います。個人的に御相談のあつた方には結婚相談所何かに御紹介しております。又若い人が結婚するためにいろいろな便宜を與えるということも必要だろうと思います。そういう問題はどうしても厚生省が主になりますので、段々厚生省との連絡が緊密になりました上で相談じたいと思つております。
 婦人少年の保護について、特に婦人及び少年の労働保護につきましては基準局と密接な関係を保ちまして、基準法に違反することがないように注意いたしますし、又労働状態が惡いために闇の女に落ちるとか、少年の犯罪を殖やすというようなことがないようにいろいろな方面と力を合せてできるだけのことをいたしております。大体御質問の要旨はその程度であるかと存じます。
#56
○山田節男君 基準法で婦人並びに年少者の保護が実施されますが、これにつきましてはいわゆる年齢、殊に年少者の就業年齢の制限が、現在働いておる者に対しても適用されるわけでありますが、現在基準法によつては働けなくなるそういう婦人、あるいは殊に年少者に対する教育、殊に技能的な教育、それから生活上のための職業の斡旋、こういうことについて、何か具体的な案があるかどうか質問いたします。
#57
○政府委員(山川菊榮君) 只今の御質問の、この基準法の適用によりまして働けなくなるという範囲の人の処理でございますが、それはまだ当分仕事によりましては、半歳、若しくはそれ以上の猶予期間が認められておりまするので、その間に今度禁せられまする、重作業から、もつと軽易な作業に配置轉換をするとか、又他に必要な技能教育をするというようなことは十分に考慮いたしております。これもいろいろな方法を取つております。そうして失業者を出さないように、その婦人や少年を使つておりますところの官廳なり会社なり、いろいろの企業とも十分協議いたしまして、配置轉換に際しましても今までよりも待遇が決して惡くなることがないように十分の注意を以て保護を加えることになつております。
#58
○山田節男君 殊に婦人年少者の労働保護ができますと、やはり地方自治体の、特に教育方面、これとやはり密接な何と申しますが、諮問委員会と申しますか、そういつたような委員会式のものを作つて、そうして、地方にある労働基準局、それからその支所である監督署、こういうようなものとやはり十分な連絡を取らないと婦人年少の労働保護ということ、並びにその補導ということが非常にむずかしいのではないかと思います。そういうことについて今政府には具体的な案がおありですか。
#59
○政府委員(山川菊榮君) 只今のお話のような地方の当局と連絡を取つてやるということはすでに官制としても認められておりまして、中央でも地方でもそれぞれの委員会を持つことになつております。十分とは参りませんけれども、その予算を取つてございますので、昨今早速開くようにその準備にかかつております。
#60
○山田節男君 殊に只今お尋ねしました教育ですね、教育方面の機関との連絡はどうなつておりますか。例えば今度基準法で就業のできなくなるという者の今後の再教育の問題もあります。そういつたような方面、教育関係とあなたの方との特別な行政的な関係がありませんか。
#61
○政府委員(山川菊榮君) 只今の御意見のように地方の教育者も委員会の中に当然加えることになつております。
#62
○委員長(原虎一君) その外に御発言ございませんか。
#63
○奥むめお君 御質問というわけでないのでございますけれども、山川さんに御相談を兼ねてお伺いしたい。それは私今予算の面をいろいろ勉強しておるわけでございますけれども、素人の私が初めて予算の数字を見まして一番驚きますことは、人件費と物件費に國の予算が分けられております中で、今問題になつておるのは人件費の千八百円ベースの問題ばかりでございまして、物件費の問題が殆ど取上げられていない。局長さんもいろいろ実際に婦人少年局の予算の面に毎日突き当たられておるわけでありますけれども、大変に物件費の方に無駄が多いと私は指摘せざるを得ない感想を持つのであります。人件費を上げたら物價が高くなり、予算が崩れるというようなことを頻りに言つて、人件費を抑えることばかりに一生懸命になつておりますけれども、私共はむしろインフレというものは人件費だけで起るのでなく、役所がいろいろの物を買つたり、放漫な仕事のやり方をすることによつて同じ意味のインフレを助長するのは分り切つておるのでありますが、その面は誰も考えていないことに私は不満を持つておる。殊に現実に非常に困つておる家庭生活あるいは働く婦人が働こうにも働けないようになつておる。例えば一人一人が自分で自分の身の廻りを処置しなければ誰も社会的施設で助けて呉れない、國家は働くために、これを助ける保護の手を延べていない、施設も持とうともしない、そういう予算はちつともない。こういうことが子供のことを考えても、家庭のことを考えても、いろいろの意味で予算の立て方が非常に事務的に大ざつぱになつておると思うのでございます。ですからこれは婦人少年局長だけでできる問題でない、関連した問題でありますけれども、例えば増産を進めて行く、或いは皆が働くいろいろの態勢、生活の態勢を整えて行くということになれば、丁度華命ロシアが初めに一生懸命託兒所をどんどん殖やした、又共同食堂を拵えたりミシンの普及を図つたといわれますが、今は戰災で燒けた託兒所の復旧さえできない、現にある託兒所の経営も立たない、このようにやりつ放しになつておつて、そうして女も働けというようなことになつても、実際抽象的な解放をさせた、殊に生活は解放の生活の線に副つていない、農村なんか非常に生産的に働かなければならないんですけれども、働かせるような設備や予算はちつともとれないのでございます。これは農村など協同組合というものを段々やつて行けばいいと言われますけれども、そういう地方の團体の力で、あの程度のことが直ぐできるはずもないことであります。こういうことを考えますと、例えば私の見たことのほんの一例ですけれども、婦人少年局という新らしい局はいろいろな物をすべて買わなければならない、物品なんかも随分要るでしようし、すべてが新規の開業ですから、費用も要ると思います。今まで長年仕事をしておる役所は、相当の物品購入費というものを持つておる。それから交際費、通信費といろいろ持つておる。私はらはらと見ておると、一つの部門なんか、通信費が一人一人の役人が、上の人も下の人も全部の人が一日に七十枚ずつ葉書を書かないと、その通信費が使えない。そういう通信費になつている。それは役所が通信販賣でもするのなら七十枚でも足りんかも知れないけれども、とにかくどの数字をいくらか削つたとか、いくらか辻褄を合わしたというような予算であつて、これを削るということはもう私は相当実際にできると思う。それでむしろそれを削つて人件費に廻すということができるというふうに自分は思つて見ておりますのです。とにかくどうしても女を働かせるため、又子供を保護するため、働いている女を保護するための予算というものがないからと、厚生大臣に私もたびたびその問題で、個人的にも又普通の会でも聞いてきたのですけれども、予算がないからというようなことがいつでも逃げ口上になつておるのですけれども、全体のことが、予算の立て方をそういう新し全体の建前の上に組直すというふうな、私は一つの動きを作る必要があるということを考えておるのでございますけれども、これは御相談というわけにも行かないけれども、婦人少年局長あたりが先ずその会計の、本当に明朗に、どの程度に、どういうふうに助けるかということを一つやつて見て頂いて、そうして全体の方に見て頂いて、そうして私が申上げたような生活体制を整える基礎工作を各連絡方面と進めて下さるように骨折つて貰いたい。こう思うのでございます。
#64
○政府委員(山川菊榮君) 只今の奥さんのお話は徹頭徹尾御同感に存じまして、大変に教えて頂くところが多うございました。私どもできるだけそういう氣持で局員一同やつておりますけれども、次の年度での仕事の一つといたしましては、新生活運動を採り上げまして、それも單に個人の生活を切りつめるという、そういう一点張りでなしに、いろいろな面で、もつと積極的な社会的な施設、又個人の氣分においても、もつと積極的に生産に関與し易いような態勢を整える。そういうふうな点においてできるだけ強力な運動を起したいと思つております。今民間で多年運動の経驗を積んでいらつしやる奥さんその他の方々の御協力をお願いしたいと思つております。
#65
○山田節男君 さつきの山川局長の御返答は、ちよつと私の質問が理解されていないように思いましたが、私が今申上げた質問は、もつと具体的にいうと、今度できました職業安定法、これによりますと、いわゆる職業安定委員会というものができる。その中には少くとも一人以上の婦人を加えるということと、それからやはりあの中にありように、学校を出て新規に就業する場合、そういう場合にはやはり職業安定所はその地区のそういつたような特別の職業安定委員会によつて学校と連絡をとるというふうになつておるのです。そういうことに関して婦人少年局等がそういう面にどういうようなタツチを持つておる。接触面を持つておるのかということをお尋ねしたのです。
 それからもう一つ、基準局長がおられるからこれをお尋ねしますが、私は過去三ヶ月間、殊に四國、北海道を除けて九州の北部、本土全部を廻つてきましたが、特に地方における労務行政で目立つことは、新規にできました労働基準局の予算がない。これはもう実に惨膽たるものです。殊に北九州、それから山口、北陸地帶もそうであります。それから新潟、東北に行きましてもそうです。これはもう現場では全く開店休業のような有樣です。殊に創業匆々いろいろな出張をしなくちやならんし、或いは書物を見るということに、全然その金が少いということで非常に困つておりまして、せつかくのあの重要な労働基準法の実施に伴つて最も重要な任務を持つ基準局の機能というものが、予算に障碍されて思わしくできない。非常に残念であります。この予算は一体いつ頃出せるのか、これは規模と、それからその時期がお分りになればお示し願いたい。
#66
○政府委員(江口見登留君) お話の通り基準局におきましても、監督署におきましても、非常に経費が足りないということは我々にも聞こえて参つております。できるだけそういう方面の予算も増加いたしたいと思いまして、大藏省とも始終折衝しておるのです。從いまして、近く御審議頂くと思います第何号議案かには、多少基準法の普及宣傳費として、事務費なり旅費なりを盛り込んでおります。それから又強制労働の禁止ということを理由といたしまして、そういう事態が起りそうな基準局には、相当の事務費、旅費を合せまして、やはり六七十万円にはなると思います。一基準局になりますと、やはり僅かなものにはなりますが、これで多少潤うて貰えるではないかと思つております。それから現在配付しております金は、事務費は第三・四半期分を送つておるだけでありまして、もう十二月も間近でありますから、殆どそれも使い切つておるではないかと思います。第四・四半期分につきましては、できるだけ速かに、只今お話してしたものと合せて、幾分でも潤沢になるようにいたしたいと思つております。ただ先程奥さんのお話もありましたが、決して事務費自身だぶついておるわけではないのであります。單價が非常に古い昔の單價を取つておりますために、机なんか実際買う値段の十分の一ぐらいしか盛り込まれておらない。例えば旅費にしても、大昔の二級官にして千二百円しか実は計上されないのです、実は監督官にしても、もつと多額に特別の旅費として貰つておりますけれども、すべてがそのように不足しておりのでありまして、その不足しておる情況は、勿論基準局、監督署は新設の役所でありますから、その不足は目立つて見えるのでありますが、その他の方面においても、段々そういう方面の経費は出なくなつておるのでありまして、基準局だけを見まして特別に大藏省に話しにくく思つております。その点を御了承を願いたいと思います。
#67
○山田節男君 もう一つ忘れましたが、この基準局の、勞働基準法の普及宣傳ということは、例えば大阪におきましては、基準法の普及会というものがあります。民生委員とか、司法保護委員とか、そういつた人を会員にしてやつております。それから北九州あたりでは、これは宣傳普及もいたしますけれども、岡山もそうだと思いますけれども、普及宣傳もいたしますが、やはり有志の人をいろいろと團体等を通じて会員としております。これは非常にいいことと思いますが、先程申上げましたように、現在の各地方の勞働基準局並びに監督署は、非常に例えば財政的に困つておる。それで十分の活動ができないというので、このままではとてもやつて行けないから、有志の人から寄附を求めなければしようがないではないかという話も一部には出ております。そうしますと、やはり資本家あたりから金を貰うということになると、監督官廳として非常に不公平になる。だからむしろそれはできないから、一方的に貰わないで、どうしても金がないというときには、労働組合からも資本家からも半々にして金を貰つてやろう。それならばいいではないかというのですが、そういうような実情も他にあるかと思いますが、私一二聞きましたことは、そういうようなことは、監督官廳としたならば、ない方がいいのです。只申上げましたように、財政的な部面に非常に困つておるのでそういうことがあるのじやないか。で今言われたように非常に財政は苦しいでしようけれども、早急にこの金は地方へ送つて頂きたい。そうして同時に、そういつたような勞働組合或いは商工会議所というようなものから金を取るというようなことは結構で、一つ指令か何か出されるということはないでしようか。こういうふうに考えております。
#68
○政府委員(江口見登留君) 今お話がありましたように基準法の普及宣傳というようなことを目標といたしまして、或いは民間の方からそういう寄附をして下さつている向きもあるように聞いております。現に地元の東京におきましても、勞資の双方が熱烈に基準法の普及宣傳のための会というようなものを設けることに努力いたしまして、末弘さんを会長として普及宣傳会ができております。今この場合の経費の捻出方法につきましては、やはり國庫から補助を貰いたいという要望が強いのでありますが、こういう補助費はなかなか計上しにくいのであります。從いまして出発としましては、やはり勞資両方からいくらかなりとも持つて集つてそういう会を作ろうという機運に向つております。これは東京だけではないのであります。他の基準局におきましても、そういう会を作ろうという機運があるということを私は聞いております。併しこれを我々本省といたしまして、そういう方向に出発しろということを通牒で出しまするということは、いろいろ寄附強要の問題などに絡みまして、誤解を招く虞れもあるのじやないかと考えますので、私ども自発的に民間の方で声が上つて、そういう会のできることは大賛成ですけれども、基準局自身が乗り出してこういう会を作りたいから、寄附してくれというようなふうに言つてはならんということを嚴重にいつておる次第もあるので、事実上の指導で、それらの会が円満にでき上るようにして行きたいものだと考えております。
#69
○政府委員(山川菊榮君) 先程の御質問の安定局とのことでございますが、これは中央におきましては婦人少年局と安定局とが種々密接な連絡を保つております。それから地方におきましても社会教育課と同時に安定局との関係は、非常に絶えず注意して、密接な連絡を保つて、委員会の中にも入つて頂くことになつております。その方でできるだけ手落のないようにやつておるつもりであります。
#70
○委員長(原虎一君) 他に御発言がなければお諮りいたしますが、次に請願第五百二十三号、京都府綴喜郡の地域給支給に関する請願、請願者京都府綴喜郡有郷村藤澤芳太郎、招介議員奧主一郎君、それから今一つは、第五百十九号、日傭労働者に対する特令制定に関する請願、請願者東京都中央区木挽町四丁目二番地内山正人、紹介議員木下源吾君、以上二つの請願につきまして、先般構成されました請願陳情に関する小委員会に付託いたしたいと存じます。御異議ありませんか。
#71
○委員長(原虎一君) 異議なきものと認めまして、付託いたします。本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     原  虎一君
   理事
           堀  末治君
           小川 久義君
   委員
           天田 勝正君
           千葉  信君
           山田 節男君
           紅露 みつ君
           平野善治郎君
           深川タマヱ君
           奥 むめお君
           竹下 豐次君
           姫井 伊介君
           藤井 丙午君
           川村 松助君
  政府委員
   労働事務官
   (基準局長)  江口見登留君
   労働事務官
   (労政局長)  賀來才二郎君
   労働事務官
   (婦人少年局
   長)      山川 菊榮君
   大藏事務官
   (主税局長)  前尾繁三郎君
ソース: 国立国会図書館
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