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1949/03/28 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第10号
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1949/03/28 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第10号

#1
第007回国会 運輸委員会 第10号
昭和二十五年三月二十八日(火曜日)
   午前十時五十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国有鉄道運賃法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中山壽彦君) それではこれより開会いたします。
 先ず国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題にいたします。この法律案は、四月一日から実施する予定で提案されておりますので、できますならば、本月の委員会で終了するように取運んで行きたいと存じます。
 去る二十三日の委員会におきまして、一応政府の提案理由の説明を聽取いたしましたが、これより御質疑に入りたいと思います。何か御質疑はございませんか。
#3
○飯田精太郎君 この間、ちよつと御説明がありましたが、定期の運賃の改正のものはどれによつてやるわけですか、どこに入るのですか。
#4
○政府委員(石井昭正君) 定期運賃は法律の方では、これは現行の運賃法におきましては、割引の最高限と申しまするか、最低限と申しますか、一ヶ月定期については五割、又三ヶ月、六ヶ月定期については六割引であることを要求されておるだけでございます。現行の定期の賃率はその制限の中でございまするので、法律として御審議願う場合には、今回の定期運賃の割引につきましては何ら変りがないことになるのでございます。ただ実際上そういう処置をいたすということを御了承願つておきまして、手続といたしましては日本国有鉄道総裁から運輸大臣の認可を得て実施する、こういう運びになつております。
#5
○高田寛君 この通行税の改正、或いは又これに関連した国鉄の運賃改正、これと関連して私鉄の方の運賃はどういうふうになる見通しか、これを一つ承りたいと思います。
#6
○政府委員(足羽則之君) 私鉄の運賃のことの御質問でございますが、実は私鉄の運賃を改正して欲しいという希望は随分前からありまして、たまたま今回の税法の改正を契機として一つこれを考えて進めて参りたい、こう考えまして、いろいろ内容を検討して一つの案を得たものでございますから、それを進めるように実はいたじた次第でございます。現在私鉄の運賃は物統令によりまして、物価庁の專管になつておりますので、実質的には私の方でも件業いたしたわけでありますが、物価庁と共同作業をいたしまして、物価庁の方で案をまとめた形になつて、それが閣議に先週末から提出されたわけでございます。ところがいろいろ内容についてもう少し検討する必要があるというので、まだこれを如何に取扱うかということは決定をいたしておりません。そこで実は通行税の廃止に伴いましてこの四月一日から実施をしたい。こういう心組でおつたのでございますが、閣議でそれがまだ決定をいたしておりませんので、現在では私鉄の旅客運賃の改正につきましては、四月一日からの実施はできない。事実上、手続き上もできない。こういう状況になつております。
 尚そこで通行税の関係でございますが、通行税の関係といたしましては、取敢えず通行税を廃止のまま四月一日から現在の運賃の告示をし直す。こういうふうな手続で進めて参ろうかと考えております。尚旅客運賃の改正の案の内容につきましては、大体こういう考え方で査定をし、案をまとめたわけであります。大体現在私鉄の旅客運賃は、二十三年の七月に一般の物価改訂がありました時に、国鉄私鉄全体の旅客貨物の運賃の改訂をいたした際に私鉄の旅客運賃も改正をされまして、その後現在に至るまで私鉄の旅客運賃は、全然改訂をされないままに大体参つております。約十二社ばかりの極めて少数の小さい会社でありますが、これが僅かな運賃の改訂をいたし、大体そのくらいで、それ以外には全然旅客運賃の改訂をいたさんままで現在に至つております。
 そこで現在の私鉄の運賃はどういう状況かと申しますと、或いは、東京、大阪の大きな私鉄を例に取つて見ますと、東京の大きな私鉄では大体キロ当り一円二十銭、それから関西の大きな私鉄では大体キロ当り一円三十銭という賃率でございまして、国鉄のキロ当り一円四十五銭という賃率よりは遥かに低位にある。従つて国鉄はその後昨年の五月十六日に改訂をいたしたのでありますが、私鉄の方はそういうふうに一昨年以来旅客運賃の改訂もいたさず、又主要な鉄道について、比較いたしますと、国鉄の旅客運賃の線よりも低い、こういうので、是非これを上げたいという希望が非常に強い。かたがた先般の電力料金の改訂に、伴いまして、相当電力料の増加が見込まれ、それからこれは一部の私鉄でございますが、併し相当影響が大きいのですが、進駐軍の運賃が相当実は減りまして、それの影響も見込まれ、或いは最近の税法の改正に伴う支出というものが相当殖える。或いは一昨年の九月に実施をいたしました、進駐軍からの指示によつて実施をいたしました施設、車両の特別監査の結果、これを是非相当直せという指示が参つております。それに対する実行が資金の関係でなかなか行われておりませんので、そうした特別補修というものが相当見込まれ、いろいろ收入減、或いは支出増の要素がございますので、大体そうした要素をいろいろ勘案いたしまして、計算上は今回旅客運賃を約六十一億値上をしたい、こういう計算が出るのであります。そこで私鉄の運賃全体といたしましては、純収入約二百一億と推定をいたしておるのでありますが、従つてそれだけの値上をしなければならんという数字上の計算になりますと約三割三厘、こういう値上率が出るわけなのであります。併しながら先程申しましたような主要な鉄道について考えて見ましても、仮に賃率が二円なり或いは二円五十銭になりましても、国鉄との関係でそういうふうに上げるわけには参らん。やはり一円四十五銭ということで抑えられるわけであります。それから或いは地方の鉄道にいたしましても、バスの現在キロ当りの運賃は二円二十五銭でございます。従つてこれ以上の値上をするという計算が出ましても、それは單に計算上のことであつて、実際問題としては妥当しない場合が相当ある。そういうのでいろいろそうした要素も勘案をいたしまして、私鉄を動力別に蒸気、或いは電気、或いは蒸気電気併用、こういうふうな種類に分けて、以上のいろいろな要素を勘案いたしまして運賃を査定したのでございますが、大体その結論は、総括して平均一割七分四厘、こういう値上をしたい。こういう率になつたわけであります。そこで先程卑しました東京、或いは関西の主要な私鉄について見ますと、大体これが一円四十五銭の国鉄の線まで行くと、こういう内容の査定をいたしたわけでありますが、併しそれを実際の結果について見ますと、一キロ当りの運賃、それぞれ運賃は端数処理をいたしますから、従つて一円二十銭の運賃のところが一円四十五銭になりましても、確か六キロのところで五円が十円になり、九キロと十キロのところで十円が十五円になる、この程度の値上。それからキロ当り一円三十銭の私鉄で、六キロのところが五円から十円になる。それから九キロのところが十円から十五円になる。この程度の近距離としては影響を考えられるわけなんであります。ところが私鉄の五キロ以下という旅客が非常に多いものでありますから、従つて私鉄の近距離については殆んど影響がない、こういう査定の結果結論が出まして、そういう形の運賃値上げなんでありますが、そうした結論で実は閣議に物価庁の方から出まして、いろいろ検討されておつたわけでありますが、まだ実はその決定を見るに至つていない、こういう恰好でございます。私鉄の経営については可なり苦しい面もあるようでございますので、我々としてはこの機会に是非運賃値上げを十分とは参りませんが、一般に余り影響のない程度で是非運賃値上をするように持つて行きたい。実はそう考えておつたわけでありますが、今お話し申上げました事情で、今の内容のものですが一この四月一日からの運賃値上ということは、現在といたしまして、時日の関係上見送らざるを得ないのであります。
#7
○丹羽五郎君 運賃値下は甚だ私共待望しておつたことで結構だと思いますが、実は今回の値下は、国鉄自体の経営状態から、値下をしてもいいという観点からこの値下案を出したのであるか、今の説明のちよつと一端を聞いて見ると、関係方面からの示唆もあつて運賃植下をするのだというようにちよつと聞いておるのでありますが、折角国鉄も大体可なりのところまで来たのでありますが、今回又運賃値下をしたために折角でき上つて来た施設が又廃頽する、折角客車が整備して来たやつが、又終戰直後のようなガラスのないような車になるというようなことはないのでありますか。それは即ち今国鉄自体の独立採算制の立場から、値下しても十分にそういう施設を完備して行けるという立場から運賃値下の法律案を出されたのでありますか、その点を一つはつきりお伺いしたいと思います。
#8
○政府委員(石井昭正君) 今日の運賃改正の過般の提案理由を御説明申上げました際に申上げました通り、実は国鉄の経営上の立場から、或いは国鉄が黒字になつた、それで国民の負担の軽減をする、国民の方にその利益を戻すという意味合でやる、或いは国鉄の経営上運賃を値下して増收を図るというようなことを主眼といたしたわけではございませんので、実は四月一日から通行税法の一部改正によりまして、通行税の税金というものが免除されることになつておりますから、只今の運賃は通行税込みで乗客から受取つておりまするが、それが三等につきましては、その分だけ鉄道が乗客から取りまして一般の国庫收入となります分だけ余分に入つて来ることになるのであります。従つて通行税法が廃止されましたので、当然その分だけ乗客に戻さなければならないのでありますから、その税率が五%という極めて低税率でありますので、実際の操作といたしましてこれを各個々の旅客にお返しすることは極めて効果も少いし、極端な例で申しますると、例えば東京から横浜までの例を取りますと、東京から横浜まで十三駅あるのでございまするが、その中川崎、鶴見、新子安の三駅だけ五円安くなる、その他は今までの運賃と違いはないのであります。これは端数切捨、四捨五入の関係で少くなるのでありますが、この財源の通行税によりまして、これで参りますと旅客の負担軽減になります三十億の財源を以ちまして、先般の旅客運賃改正の際に非常に運賃の形態上から面白くない、そういう負担が重くなり過ぎていると思われる点につきまして幾分なりとも修正いたしたい、こういう意味におきまして一応通行税をこめたものを運賃として収入することをお認め願つて、その上でそういう増加分だけをこういう恰好で運賃値上げすることを御承認願いたい、こういう趣旨であります。従いまして予算面から申しましても、今回の運賃の改正によりまして、現在御審議を願つております国鉄の予算については何らの影響はないのであります。従つて予算編成当時企図いたしました修繕費或いは改良費等につきましても、何ら手を加える必要はない。そのまま当初の計画通り実施して参りますので、お話のございましたように、補修の程度がおろそかになつて修繕が遅れるというような御心配は全然ないのであります。
#9
○高田寛君 運賃の遠距離逓減というようなことも旅客のために結構なことなんですが、この旅客に対するサービスの大事なものの一つとして、列車の増発、殊に遠距離列車の混雑を緩和するために二十五年度において列車を増発する見込があるかどうか、その点を一つお尋ねしたいと思います。
#10
○政府委員(石井昭正君) 只今の旅客列車は戰前の旅客列車キロに比較いたしますと相当減つておりまして、従つていろいろな各種の線区につきまして非常に御迷惑をかけているということは事実でございます。できるだけこの輸送事情を緩和したいということにつきましては、これは国鉄当局といたしまして、また我々運輸省といたしましても常に念願いたしているところであります。二十五年度におきましてもできる限りの旅客列車の増加をいたしまして、一般の乗客の苦痛を緩和して、なるべく愉快な旅行ができるようにということで計画いたしております。これが実施につきましては、いろいろ準備の都合上、大体四月五月の頃と、九月或いは十月頃の二段階として只今計画いたしてお町ます。その概要を申上げますると、現在旅客列車は、一日平均約旅費混合両列車キロを合わせまして三十万八千キロ程度でございます。これを二十五年度におきましては一日年間平均三十二万一千キロに計画しております。四月或いは五月頃はその中七千キロの増加をいたしたい、大体の計画といたしましては主として幹線、或いはこの幹線に次ぐ亜幹線と申しておりますが、幹線に次ぐ線区にまず主力を注ぎたい、九月十日以後におきましては一万二千キロ近くの増加キロを計画いたしておりますが、これは只今湘南電車と申しまして、東京沼津間の近距離列車の電車化を図つております。十月までにはこの列車を殆んど電車化いたします。そうして汽車の方といたしましては、そのために四千五百キロ列車減になりますが、それを入れまして約一万九千キロほどの列車キロ増加を考えております。大体主なる点を申上げますると、先ず東京と大阪に特急をもう一往復増加いたしたい。れは大体東京を十二時或いは十二時半頃出発する、大阪を朝の九時頃出発する、只今の「つばめ号」の裏表をなす列車にいたしたい。その外東海道、山陽線に広島までの急行を新設する、まあそういうような工合に考えております。そうして九月以降におきましては、主として今度はこれを地方線区の現在列車回数が少くて御迷惑を感じておる方において新設いたしまして、同時にスピード・アップを断行いたしまして、できるだけ到達時間を短くいたしますると共に、両支線と本線との接続等についても調整を加えたいと思つております。それから電車でございまするが、電車は現在一日平均十三万四千キロでございます。四月から七千キロ、九月から三千キロ、合計一万キロの増加を計画いたしております。大体これは東京附近に集中いたしまして、そうしで大体通勤或いは日常の混雑の緩和を図りたいと思います。只今申上げました一万キロの増加の中には湘南電車の分は入つておりません。これは別になるわけであります。そうして電車もスピード・アツプをいたしたい、ラッシュ・タイムの時間の間隔を短縮いたしたいと考えておるわけであります。
#11
○小泉秀吉君 これは船舶の旅客運賃、一、二等は通行税の関係で、汽車の方の改正運賃と船舶の旅客運賃とが均整が取れなくなつて困るということをしきりと言うておられますが、こういうものの運賃率を下げることに対して、どういう考察を加えられたか、この点。
#12
○政府委員(石井昭正君) 一、二等の運賃率の引下げは、これは私共から申しますると、戰前は御承知のように一、二、三という割合になつておりました。今般改正を企図いたしますのは、法案に書いであるように一、二、四という割合でございます。これが一、三、六という現在の割合になりましたのは昭和二十年の確か三月か四月頃かと思いますが、戰争中殆んど高級車を連結いたしません。殆んど例外的に動かしておりましたので、半ば禁止的なと申しますか、制限的な意味を以ちまして高率な倍率を使つておつたわけでございます。そこでやや現在のように正常に復して参りまして、お蔭を以ちまして最近では高級車の連結も、主要列車はもとより、各線区にこれを実施するような段々運びになつて参りましたので、普通の利用状態に戻ざなければならん、それには大体戰前のよぶな運賃率に戻すのが当然であろうかと思うのであります。この点は客車の收益率の点から見ましても、又諸外国の例から見ましてもそうでございまするし、又一面この外国の観光客の渡来に関連いたしまして、大体現在の三百六十円為替レートで換算いたしまして栢、現在の一等運賃を以ていたしましては、大阪までの大体一等の運賃がマイル当り三・六セントぐらいになるわけであります。これが大体アメリカで申しますと、プロマン・カーの賃率に匹敵するような次第でございます。プロマン・カーのごとき、極めてハイ・クラスの最上級の設備を持つておりますところの客車と、日本の一等客車とを比較いたしまして、これと同率であるというようなのは、非常に観光客の印象を悪くいたしている、こういう点から見ても下げなければならんということは、これは先程丹羽さんが何か関係方面の指示があつたのではないかというお話でございましたが、そういう運賃の倍率の引下げにつきましては、指示と申しますか、サゼスション、群唆と申しますか、そういうものは何遍もあつたのでございます。財源その他の関係で今日まで実施できなかつたのでありますが、今回そういう意味合において運賃の倍率を修正いたしたのであります。船舶運賃との比較が取れないという問題でございますが、これはもともと日本の旅行の態勢におきましては、従来ともそういうような態勢であつたのでございまして、汽車と汽船とは殆んど輸送能力及び速度の点から申しますると、比較にならない程、鉄通の方がすぐれているのでございます。併しながら一方船舶の方は、旅行の快適どいう点から見ますると、これは汽車と比較にならない程快適である。殊に瀬戸内海航路などのごとく、非常に平穏な内海を航海いたします場合におきましては、非常に快適なものでございまして、一例を申しまするならば、別府、大阪間を考えましても、汽車で参りますれば、丁度半日行程で参れるのであります。船で参ればどうしても一日はかかるというような状態でございまするから、やはりその旅客の御用向きとか、或いはその意図されておる点でいろいろご選択になつておるのでありまして、同じレベルにおきまして運賃を調整いたしましたからといつて、汽車と汽船との間に乗客の転化が、これは多少はあるかも知れませんが、広く起るべき性質のものではない。これが大体今までの船舶の旅客と鉄道の旅客との分野の考え方ではないかと思うのであります。そういう意味合におきまして、今回一、二等の倍率運賃と非常にバランスが取れにくいかと冠うのでありますが、併しながら船の一等の旅行のごときは、これは誠に汽車の旅行と比較いたしますると、快適という点から言えば、比較にならない性質のものでございますから、この点から言つて必ずしも私は均衡を失しておるということは言いかねるのじやないかと思うのでございます。
#13
○前之園喜一郎君 列車増発によるサービスの点については、只今御説明を承つたのでありますが、先程高田先生からの質問がありましたように、遠距離の旅客に対するサービスということは、最も重点的に考えなければならん問題じやないかと思うのであります。鉄道は公共企業体であり、独立採算性を堅持しなければならないという建前ばかりを考えておつてはいかんのじやないか。鉄道というものは国民の交通機関であるという公共性を私はやはりこの列車のサービスということね強く織り込んで考えなければならんものじやないかと思うのであります。現在の或いは又将来の列車増発ということを見てみると、どうも都会中心主義に偏しておる。東京、大阪というものが非常に強く浮び出ておつて、遠いところの門司であるとか、博多であるとか、南九州であるとかいうようなものがとかく等閑に附せられておるという傾きが強いようであります。私共はこの四、五月乃至九、十月頃のダイヤの編成替えによつて当然門司或いは博多までの特急が実現するものだということを期待しで、又同地方の人達も要望しておる。ところが今御説明によると、それが織込んでない。この点につつておるかということを先ずお伺いしたい。
#14
○政府委員(石井昭正君) 只今御質問にございましたように、国有鉄道は国民の鉄道であつて、公共性ということを第一に念頭におかなければならんという点につきましては、私共全く同感でございます。独立採算と申しますのも大きな広い意味におきまして全体として收支のバランスをとつて、一般利用者の方々に御迷惑をかけないという点においては極めで必要であろうかと思うのでありますが、個々の具体的な現象につきましてさようなことを以て政策の対象にすることは間違いであると思つております。ただ、只今山陽線に特急を計画しないのはなぜかというお話でございますが、これは現在山陽線には急行が二往復動いております。合同の改正では更にもう一往復これは広島まででございますが、その外長崎の急行或いは大阪門司間の山陽線急行等も現在動いておりますので、輸送力と、たしましては、私相当山陽線につきましても不足はないのじやないかと思つております。ただハイ・スピードのサービスのよい列車が動かないという点が誠に御不満の点じやないかと思うのであります。この点につきましては、戰前山陽線、東海道線には特急が走つておつたのでありますが、当然それが回復しなければならんと思つておりますが、御承知のように、山陽線は戰争中非常に酷使を受けました。そうしてこの回復に相当資材を注ぎ込まなければならんという状態でございます。線路の状態が十分回復いたしておりません。従つて只今別途御審議を願つでおります予算におきまして、軌條交換等の経費を御承認願いまして、そうして、軌條交換等の工事ができまして、大体山陽線の整備ができますれば、そうしてスピードの列車を走らせましてサービスの向上を期待し得ると思うのであります。そういう時期を一日も早く招来いたしますように努力いたしておるのであります。どうぞ一つ御了承願います。
#15
○前之園喜一郎君 終戰前におきましては鹿児島東京間なんか二十七時間ぐらいで走つたのであります。それが現在では三十六時間もかかるというような状況でありますが、今御説明によりますと、当分特急が走るということもないように考えられ、非常に失望するわけでありますが、大体本年度の予算が通れば、そうして線路の復旧等に全力が注がれて、いつ頃になつたら門司、或いは博多、或いはその先まで特急が走れるお見込でありますか。運転されるお見込みであるかということをお伺いいたします。
#16
○政府委員(石井昭正君) 御承知のように戰前の「つばめ」が東京大阪間を八時間で走つております。只今は九時間でございまじて、これはなかなか八時間に縮まらないのであります。そういうような状態でございまするので、今後山陽線に手を加えていつ特急ができるかというお尋ねにつきましては、只今ここで直ぐ御即答を申上げられません。研究いたしておりません。大変申訳ないと思うのであります。尚調査研究いたしまして次の機会に御答弁させて頂けるようにお許しを願います。
#17
○前之園喜一郎君 それでは、現在ありまする急行のスピードでは、こうやつてどのくらい南九州まで、鹿児島まで、或いは博多までの時間の短縮ができるお見込であるかということが一つ。それから一二等の急行列車に、一列車、二列車の急行列車に二等寢台を連結される御用意がないかどうかという点をお尋ねしたいと思います。
#18
○政府委員(石井昭正君) 只今予算面で御審議を願つております車両の新造車といたしまして、二等寢台三十両の内容の内訳になつております。それを新造いたしますれば、当然一二等の鹿児島行の一、二列車には二等寢台車を連結し得る状態になると思つております。
 それから尚二等寢台ではございませんが、カーシートと申しまして、廻転式の傾斜式の座席を二等の寢台につけることになつております。この車が約六十両、これも来年度の予算を御承認願いますれば着手し得る。そうなれば長途の御旅行には非常に御便宜だと思つております。
#19
○前之園喜一郎君 大体この九月十月のダイヤ編成までにそれが間に合うお見通しですか、どうですか。
#20
○政府委員(石井昭正君) 逐次只今建造いたしておりますが、まだ予算が御承認になりませんために、正式の発注ができかねておりまするので、来年度中には必ずそういうことになると思うのであります。殊に早くでき上りますれば、でき上つただけ早く一番必要であるところの一、二列車に連結するということになると思うのであります。今時期はいつということをはつきり申上げられないのは残念でございますので、でき上るのは先ず一等先にこの東海道、山陽に繋げるということは間違いないことを申上げられると思います。
#21
○前之園喜一郎君 もう一点。交通公社と運輸省、並びに国有鉄道との法律的な関係について御説明願います。
#22
○政府委員(石井昭正君) 交通公社は、運輸省所管の法人でございまするから、従いましてその設立の許可等は運輸省の所管において行つておることになります。それに伴いますところの法規上の監督を運輸省でいたしております。国有鉄道と交通公社とはこれはそういう行政法上の関係はございません。たた單に片方はいわゆる鉄道企業体でございます。片方は旋行斡旋なり、外客誘致を目的といたしておりますところの財団法人でございますので、その両者の間におきまして、私契約的な契約による私契約という恰好にとりまして、売買契約或いはその他の旋行斡旋に関するところの契約を結んでおるという恰好でございます。
#23
○前之園喜一郎君 交通公社というのが、国民の旅行或いは観光その他に大きな役收割をしているということは私共特に感謝しているのでありますが、一面においては、又或る意味において国民の負担を増しているという面もあるのじやないかと考えます。一例を申上げますると、寢台券の発売に交通公社が当る。ところが東京で寢台券を買いますと、これは寢台料金だけを拂う。ところが地方で買うと、それに一割以上の手数料を取るというようなことになつているのであります。これらの点について当局はどういうふうにお考えになつておりますか。料金の外に交通公社が或る地域で手数料を取つてもいいとお認めになるのか、この点について。
#24
○政府委員(石井昭正君) 寢台料金、或いは急行料金につきまして、それを鉄道の料金以上に高く売るということは違法でございます。そういうことはないと思つております。ただ交通公社といたしまして、その乗車券をお宅までお届けするとか、或いは何かその外のサービスを乗車券の発売と附帶しておやりになり、その対価として頂いているということはあり得るかと思うのであります。ただ乗車券に割掛けをし、て取るということは認められておりません。
#25
○前之園喜一郎君 寢台券の発売を交通公社に一任しておられるのはどういう意味ですか。私共はむしろ地方などでは駅で御発売になることが便宜ではないか、交通公社並びに駅においてお取扱いになることが便宜じやないかと思うのですが。
#26
○政府委員(石井昭正君) 駅でも発売いたしております。何分にも寢台の数が少うございますので、早く売切れてしまうということは、あるかと思います。ただ公社に扱いをお願いしておりますのは、外客が相当御利用になるのでありまして、外客の接遇、或いは外客を優先して或る程度リザーブしなければならない。そういう点から申しますと、駅では割当の操作が非常にしにくうございますので、そういう意味で公社に発売方を委託しているわけであります。又お買いになる方からも、駅までお出でにならないで、シティ・センターにある公社で以て御用が足りるということの方が便宜ではないかと思つております。
#27
○前之園喜一郎君 寢台券の発売を駅で扱つておりますか。扱つていないでしよう。交通公社だけだと思うのです。
#28
○政府委員(石井昭正君) 後程割当の枚数を調べまして御報告して御了承を得たいと思います。
#29
○前之園喜一郎君 先程申しました寢合料金の外に、一定の手数料を交通公社が取つているというのは事実であります。併しこれは配達その他のサービス料じやない、手数料として取つている。私は現に何回も拂つているんです。この点についても一つ御調査の上御報告願いたいと思います。
#30
○政府委員(石井昭正君) 大体附帶的なサービスでなくしてそういうことをしてとるとは私考えられないのでございますが、事実がございましたらお示し願いまして、それに基いて調査いたしたい、かように考えます。
#31
○丹羽五郎君 交通公社の問題が出たので私も一つお尋ねしておきたいと思います。昨二十四年度までは交通公社は、切符の発表に対して五分の手数料を政府が與えておつたように聞いておりますが、二十四年度からはその手数料は政府の方から與えないということで、現在交通公社は切符の発売については無手数でやるというように聞いているのですが、今前之園君のようなお話の、地方によつて交通公社が切符に寢台券以外に一割の手数料を取るというようなことがあれば、これは由々しき問題である。独禁法から言つても相当これは考慮すべきことだと、かように考えております。恐らくそういうような事実が、前之園君はここではつきりあるということをおつしやつていられるので、非常に私驚いているようなわけですが、政府はそういうことに対する取締はどう心う方法でやつているか、その点をお聽きしたい。
#32
○政府委員(石井昭正君) 二十三年度までは代売の乗車券といたしまして五%の手数料を国鉄から交社に拂つておりました。二十四年の六月以降一応予算がございませんので差止めたわけでございます。交通公社といたしましては多年旅客の斡旋をいたしておりました沿革的の関係から、代売手数料の交付がなくなりましたからと申しまして、直ちに乗率券の代売を停止いたしまして、多年縁故のある旅客に不便をかけるのは忍びないという点と、それからこの乗車券に附帶いたしましていろいろ、観光と申しますか旅館の斡旋とか、そういう附帯業務を乗車券の代売と併せて行いますれば、必ずしも代売において手数料が得られなくても交通公社といたしましては斡旋手数料によつて相当の手数料が得ることができるというような関係で必ずしも手数料が廃止されたからといつてそのまま代売を中止すら程の必要もないために今日までやつておりますし、又乗車券の配達その他のサービスに対しまして代売手数料が廃止された関係で、そういう附帶サービスに対して或る程度合理的な手数料を取るということはこれは差支ないことではないかと、かように考えておるわけでございます。又急行寢台料金につきましては、急行寢台、殊に一等寢台ができましてから後につきましては、これは国鉄といたしましても事務的な手数料は支拂つておるわけでございます。そういう観点から申しまして、交通公社の方で取る理由のない不当な手数料を取つておるといたしますれば、それは確かにおつしやる通り甚だ怪しからんこととかように考えておるのでございます。この取締方法如何ということでございまするが、これは私の方といたしましては直接地方に手足を持つておりません。国有鉄道当局から十分実情の報告を徴しまして、運輸大臣の権限に基きまして交通公社の方に警告を発しましたり、又その行為自体が物価統制令に違反する行為ならば、これはその方面の検察当局なり、或いは経済査察庁にこれを通報いたしまして取締る、こういう運びになるかと思つております。
#33
○丹羽五郎君 関連のあることで、昨右も実は観光委員会において交通公社に政府から外客誘致に対してどういう方法を採つておるかということで質問をいたしました。政府は今三千万円の補助金を與えておる。そのうち一千万円は全観光連盟協会ですか、それに一千万円、日本交通公社に対しては二千万円の補助金を與えておる。その補助金は、外客誘致に対してあらゆる宣伝をするのである。政府は單独に外客誘致の機関も全然何も持つていない。ただ交通公社に、何か世界に観光地帶ととて非常な優越した場所を持つておるということを交通公社というものによつて宣伝をさせる。それについては二千万円ぐらいの交付金で、この観光日本の最も必要な観光事業の目的を達成するのに、二千万円の宣伝費で……或るビール会社は、一会社で二千万円の宣伝費を使つておる、而も外客を誘致する、海外に向つて二千万円ぐらいの交付金で外人を誘致する宣伝をするのに甚だ僅少だ、これはもう少し増額をして、もう少し加速度的に外客誘致の方法を講じなければならんということ、これを昨日の委員会でも力説いたしておつたのですが、交通公社に対しては現在政府としては二千万町の補助金、事業に対する宣伝補助金を與えておるということを聞いておりますが、それ以外には與えておるのですか、ないですか、それを一つ……
#34
○政府委員(石井昭正君) 政府といたしまして交通公社に補助いたしておりますのはそれだけでございます。
#35
○委員長(中山壽彦君) 他に御発言もなければ、これより討論に入ることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(中山壽彦君) それではこれより討論に入ります。御意見のありまする方は賛否を明かにお述べを願いたいと思います。
#37
○丹羽五郎君 この法律を見ますのに、最も国民が待望しておる運賃の値下ということでありまするが、何人もこの何には反対されるわけはないと私は固く信じております。ただ先程も申上げた如く、運賃は安くしても、又汽車のいろいろの事故の発生しないように、特に政府においては、運賃を安くしたために又かような修復或いは改善が低下したという声が起らないように努めて頂きたい。本朝最も幹線の東海道線において貨車が大量転覆して上り下り両線とも不通になつて、明日の午前十時頃までは開通の見込がないというようなことを聞いている最中に、ここに私共は運賃の値下の案を審議しておりますので、非常にそこに関心を深くする者であります。どうか政府としても、国有鉄道をよく回復して再びかような災害の起らないように努めて頂くことを希望いたしまして、私はこの案に賛成いたします。
#38
○前之園喜一郎君 この法案によりまして特に遠距離逓減で……常に要望いたしておりましたように、遠距離逓減が実現されるということは非常にありがたいのであります。特に九州方面におりまする者は非常に喜んでおるのであります。ただ先程も申上げましたように、どうも列車の編成などを見ますると、都会中心主義であるという感じが非常に深いのであります。單に遠距離の運賃を下げたということによつてのみ鉄道のサーヴィスが満点であるということは言えないのだと私は考えます。私共この際特に政府に要望いたしますることは、速かにそれぞれの機関を整備され、東海道線の特急というものは直ちに実現の可能性がないものであるならば、或いは準特急というようなものでも運転されて、そうしてできるだけスピード・アツプするということに努力せられることを私は特に強く要望しておきたいのであります。更に又遠距離旅行者のために二等寢台、又或いは一般大衆のために三等寢台というものについても十分に考慮されてそうしてそれらのものの実現を図られるようにお願い申上げたいのであります。尚この際私は列車内のサービスについて一言希望を申上げておくのでありますが、私共は年十回以上東海道線東京鹿児島間を旅行いたします。ところが東京から門司まで二等によく乗るのでありますが、殆んど車内の掃除をしない。私の経験では東京から門司までの間に車内の掃除をしたのは一回もない。汽車に乗つて見ると窓枠には埃が溜まつておる。途中で便所に行つても手を洗えないというようなことも非常に少くないのであります。列車給仕が乗つているが、これは何のために乗つておるのか分らない。どこかかたまつて何かやつておるのでありましようが、列車内の整頓、サービスには非常に無関心であるという状態であります。手近かなこういうような問題、サービスを改善されるということはさして手のかかることではない、監督さえ届けば十分にできると思う。こういつ点について非常に政府当局は十分に御考慮になつて、直ちにそういう直ぐできるサービスについて改善をせられるように、特にお願い申上げておく次第であります。以上私は希望意見を申上げまして賛成いたします。
#39
○委員長(中山壽彦君) 他に御意見もないようでありますから、これより本案の採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#40
○委員長(中山壽彦君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#41
○委員長(中山壽彦君) 全会一致であります。よつて原案通り可決することに決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則百四條によつて、予め多数意見者の承認を得ることになつておりますので、御承認をお願いすることにして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(中山壽彦君) 御異議ないものと認めます。次に慣例によりまして本案を可とせられる方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    内村 清次  早川 愼一
   前之園喜一郎  植竹 春彦
    小泉 秀吉  飯田精太郎
    丹羽 五郎  高田  寛
    村上 義一
#43
○委員長(中山壽彦君) 次に水路業務法案を議題といたします。これは前回の委員会において両質疑が未了になつておりますので、これより質疑を継続いたします。前之園委員には確か質疑があつたと思いますが……
 それでは討論に入るに先立ちまして御了承を得たいのでありますが、前回の委員会における審議に際しまして、法人の行為能力について飯田、小泉両委員から質疑があり、專門調査に研究を命じておりましたが、お手許に配付されましたような案に対しまして目下関係方面と折衝中でありますので、これが済みました上で本案の討論を行うことにいたして、本日は一応打切りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(中山壽彦君) では本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中山 壽彦君
   理事
           小泉 秀吉君
           飯田精太郎君
           丹羽 五郎君
   委員
           内村 清次君
           植竹 春彦君
           横尾  龍君
          前之園喜一郎君
           村上 義一君
           早川 愼一君
           高田  寛君
  政府委員
   運輸事務官
   (鉄道監督局
   長)      足羽 則之君
   運輸事務官
   (鉄道監督局国
   有鉄道部長)  石井 昭正君
   海上保安官
   (海上保安庁水
   路部長)    須田 皖次君
ソース: 国立国会図書館
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