くにさくロゴ
1949/04/04 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第11号
姉妹サイト
 
1949/04/04 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第11号

#1
第007回国会 運輸委員会 第11号
昭和二十五年四月四日(火曜日)
   午後一時三十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十一日委員安達良助君辞任につ
き、その補欠として栗栖赳夫君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水路業務法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○造船法案(内閣送付)
○倉庫業法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○船舶運航令に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中山壽彦君) これより会議を開きます。先ず水路業務法案を議題に供します。本案に対する質疑は前回を以て終了しておりますので、これより討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中山壽彦君) 御異議ないと認めます。本案に対して御意見のおありの方は御発表を願います。
#4
○飯田精太郎君 本案につきましてはいろいろ審議がいたされましたが、一部修正を必要と認めますので、ここに修正案を提案いたします。
  水路業務法案の一部を次のように修正する。
  第二十九條の次に次の一條を加える。
 第三十條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前條第三号の違反行為をしたときは、行為者を罰する外その法人又は人に対しても同條の罰金刑を科する。但し、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため当該業務に対し相当の注意及び監督が盡されたことの証明があつたときは、その法人又は人については、この限りではない。
 その理由は、第二十四條及び第二十五條第一項にそれぞれ海上保安庁の刊行した水路図誌の複製、海図等の類似刊行物の発行については保安庁長官の承認又は許可を受けないで複製又は発行した者は第二十九條第三号によつて罰金に処せられることになつておりまするが、違反者が法人である場合の適用が不明確でありますから、他の法律例えば測量法の例と同様法人の両罰規定を加える必要があるからであります。
#5
○委員長(中山壽彦君) 飯田君の修正に対して採決をいたします。修正案に対して賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#6
○委員長(中山壽彦君) 全会一致可決いたしました。
 尚修正案を除いた原案につきまして採決いたします。原案に賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#7
○委員長(中山壽彦君) 全会一致可決いたしました。
 それでは事後の手続きは恒例によりまして成規の手続により処理いたしたいと思いますから、本案を可とされた方の御署名を願います。
  多数意見者署名
    飯田精太郎  小泉 秀吉
    横尾  龍  入交 太藏
    丹羽 五郎  早川 愼一
    高田  寛  村上 義一
   前之園喜一郎
  ―――――――――――――
#8
○委員長(中山壽彦君) 次に造船法案を議題に供します。先ず提案理由の御説明を願います。
#9
○国務大臣(大屋晋三君) 我が国の造船技術は戰時中の低質大量生産に災いされまして今日におきましては、世界の水準に及ばないことは勿論、我が国戰前のそれにさえ達していない状態であります。この点につきましては第二国会における参議院の決議の御趣旨からも速かに何分の適切な措置を講じ、以て造船技術の速かな回復向上を図らなければならないのであります。
 前国会におきましても運輸省設置法中に造船技術審議会を設けることを規定いたしまして目下その運用により具体的審議が行われつつあります。
 本法案におきましては、更に船舶の推進性能試験機関の性能試験を行うことの外造船技術の向上に関して右申しました造船技術審議会の議を経まして各造船所に対し、適切な指導、勧告を行うことを規定いたしております。尚、我が国の造船所の施設は有効需要に比し能力としては余裕があるに拘らず目下のところ、大いに近代化の立遅れておる現状に鑑みましてその施設の新設、拡充等は適切なる事前指導を行うことが必要でありますが、その危險と責任は各企業の負担とすることが最も合理的であるとも考えられますので、関係方面とも協議いたしまして従来の通牒による統制の趣旨を緩和いたしまして事前届出の制とし、不適当な工事につきましては工事着手前に適切な指導を行うことを以て止めることといたしました。
 又造船業は海運業と共に直接苛烈なる世界競争場裡にあることは御承知の通りであり、技術的方面の向上と共に経営の合理化、企業原価の引下げは刻下喫緊の急務であります。これらの点にかんがみまして船舶造修関係各事業の現状を的確に把握するために報告を徴し、随時適切な指導を行い得るため運輸大臣が意見を述べ勧告をする旨の規定を設けておるのであります。
 本法案の要旨は以上申述べた通りであります。
 何とぞ愼重御審議の上速かに御可決あらんことを切望いたします。
#10
○委員長(中山壽彦君) 何か提案理由につきまして御質疑がありましたら……。別段御発言もないようでありますからこの法案は次回に続行することにいたしまして、次に移りたいと思います。
#11
○飯田精太郎君 造船法案の逐條の説明を承つておきたいと思います。
#12
○委員長(中山壽彦君) それでは造船法案の逐條説明をお願いいたします。
#13
○政府委員(甘利昂一君) 第一條でありますが、造船法案制定の目的をここに規定しておるのでありまして、この法律の目的は條文でも明らかなように、造船技術の向上を図ることと、それから造船に関する事業の円滑なる運営を期することの二つに分れておりまして、造船技術の向上を図るためには、第四條及び第五條に規定しておりますところの船舶推進性能試験及び機関の性能試験によつて行えますし、それから事業の円滑なる運営を期する面におきましては、各條に規定されておりますところの勧告であるとか、或いは情報の提供及びその他の届出の内容によりましてこれを行うことにしておるのであります。以下詳細につきましては、それぞれ各條文で一つ詳しく御説明申上げます。
 第二條の施設の新設でありますが、本條におきましては新らしく造船施設を新設しようとする者は、届出する義務が規定されております。従来はこれは許可制でありましたが、新憲法下におきましてこういうものを許可制にするのはどうかと思いますし、関係方面の慫慂もありましたので、この際これを一応許可制でなくて届出制に変更をいたしました。我が国の現状から見まして、相当長期間に亘る見通しを以て造船施設をしなければならないのでありますが、特に大型の鉄船を造るような造船施設につきましては、これを或る程度規整する必要がありますので、これについて事前に届出をなさしめて、運輸大臣から、意見を述べ得る余地を残すことによつて、この目的を果すということにいたしたのであります。勿論その意見につきましては、法的の何らの強制力のないことは当然であります。この施設の定義でありますが、これは造船施設の中の個々の設備をいうのではなく、造船所として有機的に一体となつて働くところの設備をいうのであります。それから総トン数百トン以上又は長さ二十五メートル以上の鉄船の造船施設を対象としたのは、これらの施設は相当永久性を有するものであり、且つ多額の資金、資材を要するからであります。木造船であるとか、或いは小型船舶の造船施設につきましては、比較的経費も資材も少くて済みますので、届出だけに止めまして、いろいろな煩雑な点を省略いたしております。それからそこに総トン数百トン以上又は長さ二十五メートル以上と両方書いてありますのは、船のいろいろな性質によりまして、必ずしも総トン数において、百トン以上のものが二十五メートル以上あるとも限りませんので、大体総トン数数百トン以上の船舶というものをすべて含ましめる意味において、長さの方も一緒にそこに書いておいたのであります。
 それから第三條の設備の新設でありますが、これは第二條と同様に過剰の、造船能力をこの上殖すことについてはやはり適当の規整を加える必要がありますので、届出制によりましてこれを事前に、必要のものについては大臣が勧告して止めるというふうな趣旨を規定いたしておるのでありまして、この設備の新設と申しますのは單に工場の中にある個々の設備を移転するという意味ではなく、或いはその中の設備の改築というふうな意味ではなくて、よその施設を持つて来るとか、或いはよその工場の設備をそこに持つて来るというふうなことを考えておるのであります。設備の内容でありますが、どんな小さな設備をしても一々届出するのではなくて、相当造船能力に影響を及ぼす程度のものを対象といたしておるのでありまして、これについては別に省令で、例えば運搬機械であるとか、或いは工作機械であるとか、或いは鑄物類というものを省令で決めるつもりでおります。
 それから第四條の推進性能試験でありますが、これは従来とも運輸省所属の船舶試験所、今度は運輸技術研究所になりましたが、そこの水そう、或いはその他の附属の設備を利用いたしまして、予め船を建造しようと思う者、若しくは要望する場合にはここで性能試験を受ける。性能試験の内容は船の船型とプロペラについて、模型によつて水そう試験をいたしまして、その船が本当にでき上りました際に実地試験を行いまして、その水そう試験の結果を修正し、今後の新らしい船の試験に対して、又新らしい修正された設計によつて、次の船を設計するというふうに性能試験と実地試験とを併用いたしまして、その完璧を期しております。特に今保安庁でやつておりますところの安全法の関係の船舶検査は、單に船の運航上差支ない程度の安全性を確保するための要求でありますし、この性能試験は、それとは異なりまして、むしろ積極的に優秀船を建造いたしまして、日本の海運界を発展せしめたいというふうな意味のものであります。それからその試験した結果を広く関係業者に通知せしめるために、その結果を公表いたしまして、或いは設計等について、又必要があればそれの変更を勧告するということもできるように規定いたしております。
 それから第五條の機関の性能試験でありますが、これも船型と同様に、船舶用の機関の性能試験についてここで規定いたしておるのでありますが、機関の性能試験の内容は、船型試験と異なりまして、模型でこれを行うことができませんので、試作いたしましたものについてこれを行いまして、その結果を通報し及び勧告いたして、その機関全般の性能を向上させたいという意味であります。その試験の内容は、果して設計されただけの出力が出るかどうか、或いは回転速度がどうであるかというような細かい点を測定いたしまして、機関の燃焼効率であるとか、そういうものを詳細に出しまして、機関の出力、性能を試験するものであります。その外に新造船について行う性能試験としては、前進方向と後進方向に交互に機関を運転して、どのくらいの時間で回転できるか、或いは一番低い回転率はどのくらいまで出るかというようなことを試験するものであります。その他には振動の試験、これは非常に船の性能に大きな影響を及ぼすものでありますし、特に最近のように機関の馬力が増大し、回転数が相当上るものについては船の振動と機関の振動との間に関連した振動ができまして、機械或いは船体のみではそう大したものでなくて、両方が関連いたしますと相当大きな振動を起しまして、旅客に不愉快を與え、或いは機関の一部を破損するというようなことも考えられますので、こういうようなものについて試験をするわけであります。それから船舶用のボイラーについても同様の試験を行いまして、そのボイラーの燃焼率がいいか悪いかというようなことを試験するものであります。同時にその蒸発能力等もこの試験において行います。
 第六條でありますが、これは届出制でありまして、鋼製の船舶及び鋼製以外の船舶、例えば木造船であるとか或いは小型船、そういうものは総トン数二十トン以上、或いは又長さ十五メートル以上のものについて、それらの推進機関を製造するもの、並びにそれに要する受熱面積が百五十平方メートル以上の船舶用のボイラーの製造をなす事業については、その事業の開始或いは休止或いは廃止の実情を的確に把握して、適切な勧告、指導を行うためにこれを届出制にしまして、これらのものを作ります二ケ月前に届出をするということを規定いたしております。
 それから第七條は業務に関する勧告でありまして、これは造船関係事業の合理化を図るために政府が適当の勧告をすることができる旨の規定をいたしたものであります。
#14
○委員長(中山壽彦君) もう少し簡單に願います。
#15
○政府委員(甘利昂一君) 第八條は技術に関する勧告でありますが、これも前條同様に、造船技術の改善のためにいろいろ技術上の勧告をするということであります。
 第九條は情報等の提供でありまして、内外のいろいろな資料を整理いたしておきまして、これが要求があつた場合には提供することを義務付けた規定であります。
 それから第十條は、いろいろな造船事業の関係の運営の実態を正確に把握するために、生産面とか販売面とか或いは労務、施設等についていろいろの報告をさせることであります。以上が事業に関する大体のあれであります。
 第十二條は、そのいろいろな届出義務の違反及び虚偽の届出に対する罰則を書いてあります。
 それから第十三條は、同様事業者の代理人、その使用人、そういうものに対する違反行為をした場合のやはり監督責任上事業者も罰するという規定を設けたものでありまして、これは外の方の一般の通例であります。
 以上が造船法の大体の骨子であります。
#16
○小泉秀吉君 今度御提出になつている造船法案というのは、この前項までに私共が内示を受けておつた造船法案と許可認可とか、或いは届出罰則とかいうような点において、非常な相違があるように思うのですけれども、どうしてこういうふうな相違ができたんだか、その点を一つ。
#17
○政府委員(甘利昂一君) 従来は新造船の許可につきましては、臨時船舶管理法でやつております。或いは又関係方面からのメモも出ておりますので、それでやつておりましたが、当然この際、この法案に盛るべきでありますが、然し新らしい憲法の実施された現在におきましては、余り義務付けるのもどうかと思いましたので、これを届出制にしまして、事前届出でありますから、実際工事に着手する前に不適当なものであれば運輸大臣が変更させ、或いは中止させるというような方法を採つております。従つてこれは造船の今の施設の許認可でありますか、造船の許認可につきましては、先般来漁船法等の関係上、なかなか事務当局におきましても折合いがつきませんので、これはこの際本法案を速く通しまして、許認可以外にこの法案には技術の勧告、それから事業上の勧告とかいうようなものがあります。この際速く通しまして、これを実施したいと考えましたので、それをここから省きまして、これらにつきましては従来通り管理法で許可制を布くということで進んでおります。
#18
○横尾龍君 ちよつとお伺いいたしますが、四條で従来は強要しなかつた推進性能試験を、強要されるのであります。第五條は、従来強要しなかつた性能試験を強要されておりますが、これらは現在のところにおいて造船業者が何らの保護規定がないのであります。然るに外国では相当に保護規定があるのに、日本にないのでありまするから、こういうふうな強制された規定に対する費用は、国家でお持ちになる御意思でありますか。
#19
○政府委員(甘利昂一君) 四條も、五條も強制しておるのじやなく、要求があつたときにはやらなければならんというふうに書いてございますので、その点は従来とちよつと違つております。むしろこれは積極的に強制して、而もまあそういう手数料を取らないというのが理想と存じますが、いろいろの関係で、要求があつた場合にはどうしてもやらなければならん、こういうふうに書いたわけであります。
#20
○横尾龍君 技術の改良、その他について非常にこの法案で政府は力を入れて頂くということになります。消極的な要求があつても積極的に要望された方がよくないか。
#21
○政府委員(甘利昂一君) 勿論今の性能試験につきましては、強制いたしましてやるのが結構でありますが、然し今の財政下におきまして、手数料を取らなければならんという情勢におきまして、これを強制する、而で手数料を取るということについては、いろいろ難点がありますので、要求があつた場合のみこれを行うというふうにしておるわけであります。
#22
○横尾龍君 そうすると要求がなければ、それは業者の任意にお任せになるというのですか。こういう性能試験は……。
#23
○政府委員(甘利昂一君) そうであります。要求がなければならないということであります。
#24
○飯田精太郎君 今お話の勧告という字が盛んに使つてありますが、これは強制力は全然ないので、どの程度に効力があるのですか。
#25
○政府委員(甘利昂一君) 先程申しましたように、大臣の勧告についても当然強制力はないのでありますが、併しいろいろな外の点におきまして勧告を無視してやるという場合には、恐らく外の点において、相手掣肘も受けますし、又その後において、いろいろな事業を運営して行きます場合にも政府の勧告を無視して行なつたのだというようなことについて、資金の獲得であるとか、或いは融資等についても相当不利益になるのじやないかと思いますので、飽くまでそれらを無視してまでも施設をしたいというものについては、これは政府として干渉する余地がありません。併し先程申しましたような、いろいろな資金の面、造船の許認可の面、或いは技術の面において、非常に不利になるのじやないかと考えておりますから、自然罰則に代るようなものが附随的に発生して来るのじやないかと考えております。
#26
○飯田精太郎君 いろいろな面で不利になるということになれば、何かそこに制裁のようなものが行われるというと、一方費用を負担せずに、政府がそういうことをやるということはどうなんですか。
#27
○政府委員(甘利昂一君) いや、そういう意味じやなくて、政府の勧告は、恐らくいろいろな審議会とか、委員会等を通じて、誰でも適当と考えるような勧告をいたすのでありますから、その勧告を無視してやつたものは、自然に、施設をやつた後においても、附随的にいろいろな不利を招くのじやないか、こういうように考えるわけであります。
#28
○飯田精太郎君 第三條に「前條の施設を所有し、又は借り受けている者」云々ということがあるのですが、所有者も、借受者も、両方とも届出を出すのですか。
#29
○政府委員(甘利昂一君) いや、所有している者、又は借受けている者と、別々であります。
#30
○飯田精太郎君 借受けている者が新らしく作るというのはなんですか、ちよつと分りにくいのですが、所有しておる者がやるということは分りますが……。
#31
○政府委員(甘利昂一君) 所有しておる場合でも、或いは借受けている場合でも、実際造船業を自分でやつている者について、施設の拡充、或いは新設をする場合には、届出させるということを規定しているわけであります。
#32
○飯田精太郎君 今のお話ですと、施設を新設、拡張する者が届ければいいので、所有とか、借受けているということには関係がないような気がするのですが、どうですか。
#33
○政府委員(甘利昂一君) ですから、この條文は、或いは現に造船施設を運用している者が云々というふうに書いた方がいいのじやないか、こういうふうなお話のように承りますが、それを、その内容を詳細に施設を持つている者或いは借りている者、こういうように規定したわけでありまして、実際上としましては、先程申しましたように実際その設備を使つて仕事をしている者に対して、いろいろの届出をするように規定しているのであります。
#34
○飯田精太郎君 この文句が変なような気がするのですが、借受けているものがあれば、それを使用している者も同時にあるわけですね。一体どつちが届出ていいのか分らない。「又は、」と書いてありますけれども、借受けている者がやるとなると、それの所有者があるわけです。
#35
○説明員(林坦君) 只今のお話、ちよつと文句が適当でないとの御指摘ですが、この場合は移転しようとするわけですから、或いは拡張しようとする、そのしようとする場合に届出ればいいのではないかと思いますので、借受けている者或いは所有している者がしようとする場合にやる。こういうふうに解釈したらいいのじやないかと思います。大体現実に所有しておる者がありましても、借受けておれば、借受けておる者がその施設を運営しているわけです。そうしてそういう人がそれを殖そうとする場合は或いは拡張しよう、新設しようという場合は、その人が届出でる、こういうふうに考えております。
#36
○委員長(中山壽彦君) この法案は予備審査でもありますので、質疑は本日はこの程度で打切りまして、次の倉庫業法の一部を改正する法律案の審議に移りたいと思います。
  ―――――――――――――
#37
○委員長(中山壽彦君) 倉庫業法の一部を改正する法律案提出理由の説明はすでに終了いたしておりますので、本日は質疑に入りたいと思います。
#38
○早川愼一君 この倉庫業法改正の提案理由を見ますと、最近戰後特に木造倉庫が非常に殖えて来た。只今は取締法としては倉庫証券を発行する倉庫については許可事業になつておる。だけれどもその倉庫証券を発行する倉庫は極めて少いので、むしろ倉庫証券を発行しないものが非常に多いというわけで、倉庫業法の一部を改正するという提案の御説明であります。併しよく提案の理由を拝聽しますというと、そういう物資はどういうものであるかというと、大部分が主食とか綿花、肥料、塩というような政府の統制品というものだとしますというと、これらは倉荷証券を発行する必要のないものでありまするから、いわゆる倉庫業法の取締の範囲の中に入つて来ないもの、併しこういうものを寄託するのは政府か、若しくは公団その他の統制品を扱う所でありまするから、この提案理由に説明された多数寄託者のためというものには該当しない、こういうふうに考えられるのであります。勿論倉庫業が今後統制が漸次外されて自由取引になる、或いは金融事情が緩和されれば倉荷証券がどんどん発行される。倉庫営業としても倉荷証券を発行しなければ倉庫営業が成立たんという時代に段々なつて来るのではないか。そういう際に特に倉荷証券を発行しない倉庫までも含めて倉庫業法の一部を改正される理由が、提案の趣旨に我々はちよつと納得の行きかねる点がありますが、この点について一つ政府の御説明を願います。
#39
○政府委員(後藤憲一君) お答えいたします。現在の倉庫業法はおつしやいます通り全く倉庫証券発行の法律なのであります。それを拡張して非発券の倉庫に届出制を採るのは時期じやないというお話のように聞えるのでありますが、この非発券の倉庫は大体において質の低下しておる倉庫が多いのであります。それに入れておりまする物資が主として統制物資のようなものが多いということでありますが、統制も漸次外されて参りまして、一般公衆の荷物の方が逐次多くなるというのが現在の趨勢のように我々考えるのであります。又もう一つは倉庫というものそれ自身の性質から行きますれば、公共的な性質、例えば一般公衆の財貨を安全に保管するという点にありまして、又その性質から行きますと、地域的に或る一種の独占的な性質もありまして、その倉庫に入れなければ外にはないというような性質もありますので、どうしても倉庫というものに寄託してあります寄託者が安心できる、安心して保管して貰うことのできるというようなものであるべきだと思うわけであります。併し戰後に応急にできましたものは非常に粗末だ。これは当時の事情、資材、資金というものにいろいろ拘束された事情の下に、止むを得ずに建てた倉庫が多分にあると思いますが、そういうようなものを、逐次やはり質をよくして、でき得るならば発券倉庫にまで向上するように仕向ける必要もあると思うのであります。そういうふうな点を考えますれば、現在において單に倉庫証券発行の法に止まらず、倉庫業全体をカヴァーいたしますところの状態に持つて来ることが必要じやないか、こう思いましてこういうような改正の提案をいたしたわけであります。
#40
○早川愼一君 御趣意は分る点もあるのですが、一体倉庫業というものは、單なる寄託を受けておるということでなくて、この流通する面において非常な効用があるのでありますから、勿論倉庫に寄託して買主を探すということを寄託者は考えておるわけです。そういたしますというと、それの売買は若し統制経済から離れて来れば自然に倉荷証券を出さなければ、そういうところに寄託しないようになる。倉荷証券を発行するようになれば現在の法規で十分じやないか。又政府の統制品とかいうようなものは、寄託者がその倉庫を選定するのでありますから、何もこの法律で或る基準を決められなくても、寄託者がこの倉庫ならば安全であるとか、或いはどうであるとかいうようなことを当然考えるべきだ。むしろその倉庫に預けてあつて、それが倉荷証券のごときものが売買されるというところに、初めて取締法が従来あつたのだろうと思う。今日段々そういうような時勢に還つて来る際に、そういうような範囲に拡げてやらなければならんという特別な理由がどうも納得行きかねるんですが……。
#41
○政府委員(後藤憲一君) 発券倉庫になるようにするということは、非常に我々としても希望するところで、又寄託者といたしましても流通面に動かすということも大いに希望しておるのでありますが、戰前の例を見ましても寄託物の五割弱が発券流通しておるような実情でありますので、尚非発券倉庫といたしましても、十分に実情を知つて倉庫業務の健全な運営、又寄託物の安全性ということを確保することが必要ではなかろうかということを考えておるわけであります。
#42
○早川愼一君 それではこの問題は一応この程度にして、私も一応考え直すことにいたしまして、次に今度許可制を布かれることになるわけでありますが、これは何故免許制までに一歩進められなかつたか、と言いますのは、この第何條でしたか、第九條に倉庫を作つた人が、倉庫を作つて営業を開始しようとして届出……倉庫は勝手に作つてもよろしい。但し届出をしろ。届出をしてから一定の基準に合しないというと業務を休止するか、廃止するか、いずれかを選べと、これは非常に倉庫を建てさして置いて、その倉庫の死命を制するような許可制が残つておるということは、むしろ免許事業にして一定の基準を示し、予め許可を受けていなければ倉庫が建設できないというふうにした方が、業者のためにも新らしく新設される倉庫業者にとつてもよいのじやないか。若し、こういうような第九條の規定によつて倉庫は建てたが、営業はできないというようなことになることは国家の損失のみならず、その業者も非常な迷惑をするというふうに考えられますが、その点はどういう御見解なんですか。
#43
○政府委員(後藤憲一君) 倉庫は現在におきましてやはり自由営業の状態になつております。今度の九條の改正はこれを届出制にしようと、こういうわけなんであります。その届出制と、九條によりますところの或る規格に合せなければ直すか、でなければ休廃止するという強い條文になつておりますために、むしろ免許の方が親切でないかという御意見でありますが、一応その点はそういうように考えられますが、今後新らしく届出て営業を開始しようという人達の施設につきましては、できるだけ省令の方で決めますところの施設の基準に合致したものを建てるようにお奨めもいたしたいと思つております。又こういう公共性の強い事業でありますから、営業をやろうとする人も、そういう基準があるならばそれに則つた方式に行こうという考えを持つて来るだろうと思います。すでに余り室のよくない倉庫で営業している方を、直ちにこの九條によつてどうという……、逐次この精神に乗るように改善をするように指導いたしますが、ただ非常に何と言いますか、性質的によくないものがある場合に、この問題を、而も又公聽会とかいう面倒な非常に手数がかかりますが、極く民主的な方法によつて、それらの行政をし得るような方法を開いておりますので、最初から免許という固い国家権力を直ちに振り廻すというようなことがない方法で、而も事業自体を改善して行くという目的に沿うというような方法をとつたわけなんであります。できるだけ自由営業というような性質を残しながら施設にしても、経営にいたしましても改善する途を見付けて置きたい、こういうのがこの法律の狙うところであります。
#44
○早川愼一君 政令に定むる基準というものは非常に重大な問題になつて来ますが、それはすでに御用意があるのでありますか。
#45
○政府委員(後藤憲一君) その点は、お差上げいたしました資料の案を一応考えております。更に未だこれについては十分研究の余地があると思いますが、一応の案はございますからお手許の……。
#46
○早川愼一君 とにかく詳細にお決めになることは結構でありますし、これが又非常に業者にとつても重大な影響がございますから、これは未だ我々も十分内容を検討することができませんが、業者にとりましては非常な重大な問題でありまするから、業者の死命を制すると申しますか、廃業するか、直すかというようなところに追込まれる重大な関係を持つておりますから、この省令を出されるときには十分周知できるように、又現在の経済状勢に余り無理なことを強いられるということは、却つて逆効果を来たすように思うのでありますが、その点は愼重に御考慮を願いたいと思います。
#47
○政府委員(後藤憲一君) 只今の御注意は非常に我々としても有難いお言葉で、十分にそれに沿うように各方面の意見も聞いた上で以て実施いたしたいと思います。
#48
○早川愼一君 もう一点お伺いしたい点があるのでありますが、それは第一條の問題でありますが、ここには物品を保管することを業とする者というように規定されておりますが、尚その上に、政令を以て定むる構造を有するということでありますから、この物品を保管するという範囲内においての政令をお決めになると解釈してよろしうございますか。それとも物品を保管する以外に、それに類似した業務でも、これに嵌めようとなさる御意図があるかどうか。この廃止されました第一條の規定に基く政令案要綱には、物品保管、又は荷捌きの目的に供せられるもの、この荷捌きの目的に供せられるものまでも、倉庫業法の第一條に該当するものとしてやられる、倉庫業法の一部になるのだというお説でありますというと、これは相当の問題であるように自分達は考えるのであります。この配付されました政令案要綱の荷捌きの目的に供せられるものとは、如何なることを指される御意図でありますか。この点を明らかにして頂きたいと思います。
#49
○政府委員(後藤憲一君) 倉庫というものの定義が甚だ不完全で、判然といたさない点がありますので、第一條のところで政令というお手許に差上げましたような要綱で、尚その面についても幾分疑問があるわけでありますが、同じこの土地を有し、建物を有して保管するというのでありますが、建物がなくても軒端にでも一定の囲いを施して、東南その他の危險のない状態に置きますところの施設は、やはり保管の倉庫を考えられるわけであります。併しながら例えば自転車の仮置場でありますとか、手荷物の一時預り場所というような性質のものを倉庫と考えられるわけではないのでありまして、それで以てこの政令の一條というところに、ここに言う倉庫というものの定義は、どの程度かということを考えているわけであります。それから只今荷捌きの問題は、いわゆる上屋というものの性質なんでありますが、上屋と倉庫との間には、極めてはつきりしない点があります。この点我々といたしましても、観念上実はいろいろ混乱を生ずるわけでありますが、この場合には、倉庫業を営む者、或いは又営業の目的で荷捌きをやるという性質のものを指しておるわけであります。併しながら、倉庫と、荷捌きをやります上屋とはおのずから性質も違いますから、その間に料金などについては差等のあるのは当然でありますので、そういう点は勿論考慮いたしますといたして、荷捌きをやる倉庫的な性質のある上屋というようなものを、この中に含めて見たらという考えを持つております。
#50
○早川愼一君 抽象的に申上げるというと甚だ分りにくいのでありますが、例えばこの船舶業者が集荷荷捌き倉庫を持つ、つまり船が入つて来るまで荷物をそこに集荷して、いわゆる保管している。これは勿論その荷主は倉庫に寄託する意思はないのであります。ただ輸送過程において、一時荷物をそこへ置いておく。そうして船が入つて来たときに初めて積み出す、こういつたようなものとか、或いは又運送業者にいたしますれば、集荷をして来ましても、貨車との手配がうまく計画通りに行かない。その場合は、これは輸送の契約でありますから、荷主の方は寄託しているのではありません。ただ併しどこそこまで送るというのには、どこか一時置いておかなければならん。或いは又その逆に到着した貨物を、指定の場所に配達するのには、やはり自動車の手配とかいろいろの関係で、一時荷物を置く。こういうことが通常行われるわけであります。ところが荷捌きの目的に供せられるものというと、それらが倉庫業の範囲に入るということになりますと、これは一々荷主と寄託契約を結ばなければならんというような甚だ変なものになる。成る程荷捌き倉庫でも、只今のお話のあつた上屋で倉庫に代用されるものがあれば、それは勿論のことでありますが、そのためにこういう政令案のごとく、荷捌きの目的に供せられるものまでも倉庫の範囲に入るのだというような解釈をずつと延長して来ますると、止まるところを知らないのでありまして、そうなつて来ると、非常に倉庫業法なるものは非常な無理なことを強いられることになるというふうに、我々は考えるのでありまして、その点今日この議案を議するときに、はつきり当局のお考えを聞いて置かないと、政令で決めるということでありますから、勿論我々は、保管というのでありますから、この点は單なる領置とかいうような意味ではないと思いまするから、この通り行けばそんなことは考えられんと思いまするけれども、一部ではそういうような危惧の念を懐いておる者もあるやに聞いております。そういうような点から、これははつきりどうなさるつもりかをお伺いして置きたいと思います。
#51
○政府委員(後藤憲一君) 今お話にありましたような、純然たる上屋という性質のものはここに入れておりません。倉庫というのはどこまでも保管を本務といたしますから、保管ということにおいて考えられる倉庫的な上屋の場合は別といたしまして、例えば、築港の岸壁の上にあります上屋から船に積むまでの期間、或いは船から下した荷物を、それから奥の倉庫なり、或いは仕向地へ持つて行くまでの極く僅かな期間置くというような性質のものは、倉庫というような性質のものではないというように考えておるわけであります。
#52
○早川愼一君 重ねて申上げて置きますが、すでに小運送法では、かような場合を想定して保管料というものを荷主から頂戴することになつておる。例えばそれが運送業者の責に帰すべき理由でなくて、一日から二日保管しなければならん、例えば貨物引換証の付いた荷物は、荷物引換証を持つて来なければその貨物を配達するわけには行かんのでありますが、そういう場合には荷主の責任でそれが遅れておるのであります。併し荷物は渡すわけには行かんのでありますから、自然その証券が来るまでは運送業者としては引渡しができない。そういうときにはやはり保管ということになつておりまして、そういう場合にも保管料金を決めておるわけであります。勿論日割で行つておりますから、倉庫のように一日入れても十五日分取るというような規定ではありません。そういうようなことになつておる点、又輸送過程においてそういうことがしばしば起こるのでありまして、これは必ずしも倉庫業としての寄託契約を前提としたものではないのであります。ただ文字だけで、そういうような行為をすべて倉庫業の範疇に入れられるとすると、非常に無理な法律のように考えられるのであります。これは政令として特に荷捌きの目的に供せられるものというようなことが書いてありますために、我々としては何でもかんでも皆これに入つてしまうというふうに考えられる。若しまだ御研究が済んでおりませんのならば、それらの点を十分検討せられまして、政令を作られるときにはもつとはつきりしたものにして頂かないと、業者に迷惑するということを特に申上げて置きたい。
#53
○政府委員(後藤憲一君) 政令につきましてはまだ草案でありますが、只今の御指摘の点は非常に大事な問題で、特に上屋と倉庫の観念も極めて曖昧な点は御指摘の通りであります。この点はおつしやるように実際扱う際に、誤解のないような表現を取るように気を付けたいと思つております。
#54
○前之園喜一郎君 簡單なことですが、第七條ノ二にありますこの事業計画ですね、事業計画というものはどういうものを政府としては考えておられるのかお伺いします。
#55
○政府委員(後藤憲一君) 倉庫業のお手許に差上げました施行規則、昭和十年九月二十三日商工省令第六号、これが現行法であります。そこにあるように
 第二條 事業計画ニハ左ノ事項ヲ定ムベシ
  一 営業所及倉庫ノ位置
  二 保管スベキ物品ノ種類
  三 倉庫ノ構造ノ概要
  四 倉庫ノ棟数
  五 倉庫ノ面積(各階別)
 というように細かくそこに記してございます。
#56
○前之園喜一郎君 ああそうですか。それならば第九條について少しお尋ねしたいのですが、この倉庫業者ですね、犯罪に用いるところの物、或いは犯罪によつて得た物、例えば密輸入の品物であるとか、密輸出をやる物品などを預つて呉れという申込をされたときに、そういう事実が分つておる場合には、倉庫業者はこれを拒絶をしなければならんですね、当然……
#57
○政府委員(後藤憲一君) その関係はこの業法にないのでありますが、刑法の方面で……
#58
○前之園喜一郎君 非常に大事なことだと思うのです。これは港附近の倉庫に積出す物を持つて来て預けるというようなことがよくあるのです。又持つて来た物を預かる、事情を知つておつて預かるという場合が相当あるのじやないかと思う。又中途においてこれはやはりそういうものだということが分つた場合には、どういう処置を取るかということは大事なことだと思うのですが。
#59
○政府委員(後藤憲一君) こういう犯罪的な性質のものにつきましては、こういう業法に盛るべき性質と違いまして、それは刑法関係の方に規定せられるべきものと思います。
#60
○前之園喜一郎君 これは事業計画というものの中に、はつきりとそういうものを謳つて置くことが必要なのじやないか。そうするとあなたの方の取締という面から言つても非常に楽になる……
#61
○政府委員(後藤憲一君) その関係は我々の方の性質と違いまして、刑法関係で検察当局の方の所管になりますので、この業法等に盛るべき性質のものではないと考えております。
#62
○前之園喜一郎君 それは非常に考えが違うと思うのです。これは倉庫法という法律によつて行うところの倉庫営業というものは、適正な事業でなければならないということが前提でなければならない。ですから当然そういうものを預つてはいけないということが考えられなければならないと思うのでありますが。
#63
○説明員(四方田耕三君) 只今の御指摘の点は、実は現在の倉庫業法によりまして役員の届出をしております。そうして施行規則の中に謳つておりますが、役員が起訴された場合、或いは犯罪を犯したような場合には届出義務を課しておりまして、それによつて相当悪質な経営者が倉庫を経営しております場合には、そういうことが発見された場合は、倉庫証券の発行停止という処分を行うような途を開いております。その以上には出ておりません。
#64
○前之園喜一郎君 それは今取締規則の中にあるのですか。
#65
○説明員(四方田耕三君) 今お手許に差上げました法律にはありませんが、法律に基く施行規則の中にあります。
#66
○前之園喜一郎君 施行規則の中にあるのですか、これは大事なことだと思うのです。法律の中に当然織込むべきものではないのですかね。今お分りにならなければ一つ研究されて……。これは予備審査ですね。
#67
○委員長(中山壽彦君) そうではありません。できれば今日終りたいと思つておりますが、ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#68
○委員長(中山壽彦君) 速記を始めて下さい。
#69
○前之園喜一郎君 今私が質問しましたことは非常に大事なことだと思うのですがね、これは、倉庫というようなものは、そういうようなものに非常に悪用されておるのです。将来もそういう恐れがあるのですから、この点をはつきり政府も認識されて、これをどういうふうにして防止するかということに、やはりお考えをおかれるべきものだと思うのですが、若し今日御答弁ができなければ後でもいいですから、よくそういう点をお調べ願いたい。
#70
○政府委員(後藤憲一君) 只今の問題は刑事事件の問題でありますので、業法というようなこういうものに盛るよりも、刑法の方面で取締るべき一般法則というものがありますから、それちよつてやり得るのではなかろうかと私は思うのであります。
#71
○前之園喜一郎君 それはよく分ります。贓物寄託とか何とかいうのがありますから、これは無論それを利用してやれば……、分ればそれは問題はない、併し分るのは極く稀なんです。ですからこれはやはり倉庫業法の中に、或いは取締規則の中にそういう物の寄託を受けることができないということをはつきりさせておく必要があるのではないですか。若しそれがあればどうするということも決めておくべきであると私は考えますが、單に問題があつたら、刑法によつて処分するということは、私は非常に手落ちだと思うのです。
#72
○説明員(四方田耕三君) 只今の点は、実は倉庫業法というものは飽くまで行政法規でありまして、新憲法下におきましては三権分立ということを法制局でやかましく言われたのでありますが、司法権に関する問題を行政法によつて決めるということは、我々としても愼まなければならんところでありまして、飽くまで行政法としての倉庫業法の中に司法的な規定を入れることについては、新憲法下に許されないのではないかと思いますのは、例えば、今度の改正法の第七條ノ二の最後に、臨検検査をいたします場合は「第一項ノ検査ハ犯罪捜査ノ為認メラレタルモノト解釈スベカラズ」、こういうふうに行政権限が司法権限を犯すことを阻止するための法律規定がありまして、その点は法制局事務局としても強く堅持しておる点でございますので、その点は実は無理ではないかと考えます。
#73
○前之園喜一郎君 とにかくこの法律で定める倉庫業というものは、正常なる業務ということがこれは前提でなければならん。この倉庫業というものが悪用されるということを未然に防ぐということを考えるべきだと私は思うのです。何をやつてもいいのだという考え方は、私は非常に業者に対して不親切でもあり、又法規の体裁から言つてもそういうことは許されるべきものでないと思うのです。
#74
○説明員(四方田耕三君) 運輸省関係の法律といたしましては、他に運送業法、海上運送本法、或いは道路運送法等いろいろございますが、いずれも犯罪的な規定は全然挿入されておりません。その建前から申しましても倉庫業法だけにそういう犯罪捜査的な規定を入れることは非常に困難であり、又憲法上も非常に疑義があるのではないかと思います。
#75
○前之園喜一郎君 やはりこの倉庫業法の中にもやはり罰則を設けてあるのですね。ですから事業計画の中にはつきりとそういうことを謳つて置いて、事業計画に違反した行為をした場合は、営業をした場合には第九條によつて休止又は廃止を命ずることができるということになればはつきりするのです。事業計画というものの中にそういうものは扱つてはいけないということを、はつきり謳つておくべきだと思うのですが、そうすると第九條によつて措置ができるようになると思うのです。
#76
○説明員(四方田耕三君) 今の事業計画の中に、そういう項目を入れたらどうかという御意見でございますが、これは現行法でも改正法でも事業計画の内容までは法律事項として規定しておりませんで、命令に譲つておりますので、命令事項を訂正する場合に只今の御意見を各関係方面とも御相談申上げました上、御趣旨に沿うように行きたいと存じます。
#77
○前之園喜一郎君 分りました。
#78
○委員長(中山壽彦君) 他に御発言がなければ……
#79
○小泉秀吉君 第一條の旧法と、この改正法との実質的な差はどういうことを狙つておりますか。
#80
○説明員(四方田耕三君) 現在の倉庫業法は、倉庫証券を発行する倉庫会社のみを対象といたしております関係から、倉庫営業者の定義というものは特に必要がなかつたのであります。ところが今度の改正法によりますと、倉庫営業者が全部法律の対象となるわけでございますが、倉庫営業者とは何ぞやということは商法に規定されておりますが、重要な要素をなくしておりますところの倉庫とは何ぞやという定義が実は商法学者の間においても学説が多岐に分れておりまして、或る者は建造物でなければならんと言う学者もあれば、或る者は建造物でなくても、水面であつても、野積みであつてもいいと言う者が、定義がないのであります。そこで御論議がありましたように、定説のないものを要素とする倉庫営業者というものは、定義が明らかでない。それでは民間の業者の中でも、自分は一体倉庫営業をやつているのかはつきり認識できないという避難の起ることを虞れまして、実は法律の中にも書こうと考えたのでありますが、非常に技術的にむずかしい問題がありますので、法制局の事務局とも協議の上、それでは政令に讓つて、愼重に定義を確立しようではないかということで、第一條括弧が入つたわけであります。
#81
○小泉秀吉君 今のお話だと、倉庫というものの定義さえはつきりしていないから、従つてそれは政令に讓つた、その政令というものも先程の政府委員の御説明だと、まだはつきりしていないので、ここに一つの要綱を出したのだが、研究して見ようというような程度であるならば、もう少し私は政令の内容について研究をした上でこの最終新規まで持つて行きたいと思います。今日のところは最終審議にして頂かないようにお取計らいを一応委員長に私は願いたいと思います。
 それから更に政府委員にお伺いしたいのは、先刻もちよつと触れたようでございますが、いわゆる預証券又び質入証券、倉荷証券を発行しないような倉庫、而も倉庫というもの自体の定義さえもなかなかむずかしいというにも拘わらず、特にこの法律で縛らなければならない、或いはこの法律で保護しなければならんというような、その法律制定の目的をもう少しはつきりしたいと思つております。私はどうもはつきりしていないと思う。
#82
○説明員(四方田耕三君) 只今の御指摘の点は、倉庫業の定義の点がはつきりしないと仰せでございましたが、実は我々の方で現在倉庫営業者というものの観念は実際上は明らかなんであります。普通の建造物を持つております倉庫会社、それから横浜、清水などにございますところの水面木材倉庫会社、そういう倉庫会社と銘打つた実体が存在しているのでございます。ただ倉庫業という定義の中で疑問が起つて参りますのは、例えば駅の一時預所でございますとか、先程御論議の出ました船会社、或いは通運会社の持つております機関庫でありますとか、そういうものをむしろ廃止して、実体上倉庫会社とみなされているものを取上げるという考え方でございまして、表現法が困難なんでございまして、実体はすでに明らかになつている次第でございます。
 それからなぜそういう倉庫証券を発行しないものに対してまで届出制の監督規定を加えなければならないかという点につきましては、先程局長からも御説明申上げました通りでありまして、戰後特に地方的な倉庫が殖えて参りまして、而も立地條件が独占事業でございます関係上、荷主に選択の余地がない場合がありまして、そういう倉庫に貴重な物資が保管されているという結果、我々といたしましては、倉庫行政を担当しております関係上、法律の根拠に基いて改善したいという考え方から、本案を提出したのであります。
#83
○小泉秀吉君 倉庫業が独占事業だという見解が私には少しはつきりしないのでありますが、一体預証券その他のものを発行しないような倉庫は、今までも自由に作つておつたならば、それを自由に作らして、そうしてむしろそういう利用者の自由選択に委しても一向差支ないと思うのですが、その点をもう少しはつきり……
#84
○政府委員(後藤憲一君) その点は只今も申上げましたように、倉庫営業というものが自由営業であることは是非堅持いたしたいのでありますけれども、独占事業という意味は、実はこういう意味で独占性ということを言つたのであります。土地に倉庫というものは付いている、従つて例えば或る駅へ行つて、その近くに倉庫を探す。今ありますところの倉庫というものだけがまあ預かれるわけであります。そういうような、定着しているものだという意味での独占性があるのだということでありまして、強い意味の企業独占とかいうような意味ではないのであります。自由に選択がきかない。こちらの駅に持つて行つたら、こちらがまずければ次の駅に持つて行くという、そういう自由選択がきかないという意味での独占性と申上げたのであります。どちらにせよ荷主にいたしますれば貴重な物品でありますから、これを預けるのでありますから、できるだけ安全な確実な保管をするところに預けたい。又預けることが一般公衆のためになることであると確信するわけであります。そういうことのために逐次倉庫の室をよくし、経営を健全なものにして行くというようなことは是非ともやつて行かなければならないことであるというふうな考え方から、單なる証券発行法からもう一歩進んで一般的な倉庫の実体を把握して行こうと、こういうふうなわけで届出制というところに持つて来たわけであります。そんなふうに御理解願いますれば……
#85
○委員長(中山壽彦君) 小泉委員からご希望もあつたのでありますが、本案の採決は次の委員会で処理することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(中山壽彦君) 御異議ないと認めます。さようにいたします。
  ―――――――――――――
#87
○委員長(中山壽彦君) それでは次に船舶運航令に関する政府当局の御説明を願います。
#88
○政府委員(岡田修一君) 四月一日附を以ちまして政令第四十八号、船舶運航令の実施をいたしたのでございますが、この政令は先般御説明申上げました三月三日附の日本海運に関する指令をそのまま政令化したものでございます。議会中でございましたが、その実施期が非常に迫つておりましたので、政令を以て指令の内容を実施することにいたしたのでございます。
 その内容といたしましては、第一條で外航船舶に関する規定を設けております。外航船舶に指定しようとするものはその旨を届出でなければならんという規定でございます。第二條はそれらの外航船舶が外航に出ようとする場合の手続規定でございます。商船管理委員会を経由してクリアランスの手続、或いは運賃の事前審査を受くべきことを規定しておるのでございます。第三條はそれらの外航船舶が受取つた運賃、或いは海外で支拂つた経費、これらを報告する旨を規定してございます。
 第二章は沿岸航路に従事する船舶についての規定でございまするが、第四條で船主は内航船舶に従事させる船についてその船がスキャッピンでいつておりまする一種、二種、三種、四種の中どれに街頭するかということを届出をして、そうして運輸大臣の認定を受ける、こういうことになつております。第五條は繋船補助金の規定でございまするが、この繋船補助金を受けるものは三十日引続いて繋船をした船に限る。かようになつておるのでございます。これは指令にそういう制限はないのでございまするが、繋船の目的を達しますがためには三十日以上の長期でなければならないというふうに、国内的に規定をいたしたわけでございます。この点が指令と多少違うわけでございます。その繋船補助金の支給の基準は運輸省で決めた基準で出す。但し、これは十月一日以後になりますると運航を停止してから三十日以内のものは拂わないということになつておりまするので、その旨も記載しております。それから十月一日以降に相成りますると、第三種の船は補助金が二割減、一月一日以後には第三種の船は五割減、それから第四種の船は十月一日以後は全然やらない。こういうことでありますので、その旨を五條の第三項で規定しておるわけでございます。それから第六條で内航船舶が外航船舶に切替えようという場合には、繋船の継続期間が三十日にならないでもやる。又海上運送法で航海命令を出された場合、これは非常緊急の場合に海上運送法で航海命令を出すことができますが、航海命令で動いた場合には三十日に満たないでも補助金をやる。かようにいたしております。それから第七條は補助金の申請でございまするが、この補助金の交付を受けようとする者は、その繋船開始前に、その繋船しようとする期間並びに場所を決めて運輸大臣に申請する。第八條はその決定並びに支給の方法を規定いたしておりまするが、商船管理委員会は繋船補助金の額を決定して、そうしてその支給の仕事をやる。こういうことを、指令に書いてある事項を法文化したわけでございます。第九條はその交付の期日、その他の交付の手続は省令で決めるということを規定してあります。十條においては繋船期間中に繋船場所を変更しようとする場合には海運局長にその旨を届出でる。そうして海運局長において繋船中に船舶を運航したりしてこの繋船の目的を免れる、繋船の裏をかくというようなことのないような監督をせしめる考えでございます。十一條においては国、公共団体、国有鉄道等の持つておる船にはこの補助金は適用しない。十二條は共有借入の場合の規定でございます。十三條は報告の聽取、十四條はこの政令施行に関する検査の規定でございます。
 次に附則の点におきまして、附則の第三項におきまして、原則としては三十日以上繋船をした場合に補助金を交付するのでありますが、附則の第三項において、船を受取つておりながら一ケ月以内、この政令の施工後一ケ月以内においては繋船期間が十日以上の短期である場合においても補助金を與えよう、こういうふうにいたしたのであります。而も本令施行直後におきましては、船主においてこの船を繋船すべきであるか、或いは動かすべきであるかということが、指令が出てまだ日にちも経たず十分営業の準備も整いませんので、なかなか判断がつかないわけでございます。従つて荏苒船を留めたまま日を送る。従つて繋船も事前に届出るということができない事情もありまするので、この政令開始後一ケ月後におきましては、繋船開始後五日以内においてこの船を繋船しますとか、しませんとかいうことを届出させる。その場合においても五日以内に繋船をするということを届出た場合において、その繋船を認めて補助金を交付する、こういうふうに規定いたしております。
#89
○委員長(中山壽彦君) 只今の説明に対しまして御質疑等がありましたら……
#90
○村上義一君 この補助金の内容はどんなふうになつておりますか。
#91
○政府委員(岡田修一君) 補助金の内容といたしましては、三月三日附の指令は非常に細かく規定してございまして、最低の保險料、それから最低の船員費、それに燃料並びに船用品費、これだけ補給して、それ以外に船主に対する支出をしてはならないというふうな指令の規定があるわけでございます。従つて目下その指令の枠内において與う限り繋船の目的を達し得るに必要なものが貰えるようにということを目下関係方面に交渉いたしておるわけでございます。
#92
○村上義一君 確か三人とか、四人とかいう極めて少数の船員で食い止めるという内容であつたかと記憶するのですが、これは実際問題だと思いますが、暴風警報が出た場合、こういつたことは一例ですが、そういう場合に対して今の繋船の人員で十分に手当ができるようになつておるのですか、その辺どういう事情でありますか。
#93
○政府委員(岡田修一君) 指令では今御指摘の通りに、八百トン以上二千トン未満の待機乗組員といいますか、繋船番に相当する乗組員の数は船長を含めて四人、これ以上の大型船もそれに準じた最少限度の船員数、こういうふうに書いてございまして、そのままで参りますと、その補助金も非常に少いものになるわけでございますけれども、関係方面におきましては、これは乗船中の船員を制限したのでなくて、これ以外の船員は予備員として認めて行きたい。従つてその予備員の給料は補助金助成金の中に入れて考えるようにいたしたいという意向の表明があるわけでございまするが、これはまだ関係方面の全部局がそういう意見になつたというわけではないのでございまして、その方面に向つて目下その実現方について努力をいたしておる次第でございます。
#94
○村上義一君 陸上におる予備員ですね、それについてはどういう工合に処置をとつておられるか、まだ交渉中で不明だという現状なんですか。
#95
○委員長(中山壽彦君) ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#96
○委員長(中山壽彦君) 速記を始めて下さい。
#97
○村上義一君 今規定の通りにしますれば、予算との関連はどういう工合になりますか。
#98
○政府委員(岡田修一君) 予算は商船管理委員会に対する補助金四十二億というものが計上されておるわけです。ただその委員会の支出費目の中に助成金という費目がないわけでありまするが、これは大蔵大臣の権限において費目の変更をいたして、これが支出可能にできるように実は手当をいたしておるのでございます。
#99
○村上義一君 大体金額はどれぐらいの今予想を持つておられるのでしようか。
#100
○政府委員(岡田修一君) その金額につきましては、目下保險料を幾ら見込むか、又船員費として幾らを見るか、燃料費、船用品費につきましても関係方面と私共の考え方に相当の開きがございまして、ここで幾らになるということを申上げるわけには行かないのでありまするが、私共の一応の見込といたしましては約三十億円あればやつて行ける。かように算定し、目下関係方面とも交渉いたしております。
#101
○小泉秀吉君 今の繋船手当は一応覚書にあるような期限で切れまするけれども、期限が切れてしまうとその金は出なくなりましようけれども、船員の方の、つまり予備員と言いますか、過剰船員に対する補給と言いますか、補助と言いますか、一定の割合で行つて、それはどこで打切ることになりますか。
#102
○政府委員(岡田修一君) 予備員費の補給でございまするが、スキャツピンの方法で参りますると、第三種の船は十月以降においては二割減、一月以降においては五割減、第四種の船は十月以降においては零、こういうことに相成るのでありますが、その場合にこれを船員の方に、船員費に及ぼすかどうかということは目下関係方面とも打合せ中でございまして、その前に第三種の船の取扱、或いは第二種の船に該当せしめるかという船の種別の点において、非常に大きな問題があるのでございます。ここでちよつと申上げることができないのでございまするが、根本的な問題がございまして、それをどう取扱うかということもまだ決まつてないのでございます。端的に申しますと、海事協会のクラスではあるが、特殊のクラスを持つている、これをどうするかということがありまして、それの取扱い方によつて、その船員に対する給料補助をどういうふうに取扱うかとういことも変つて参ります。これをどうするかということは、目下私共関係筋とこの問題について一日おきに打合せをして、目下その問題はどうするかということを取上げて検討中でございます。まだ結論にまでは達しておりません。それからこの補助金が、これは来年度又どういう風が吹くか分りませんが、先ず本年度限り、こういうふうに考えております。
#103
○委員長(中山壽彦君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#104
○委員長(中山壽彦君) 速記を始めて。
#105
○小泉秀吉君 この外航船ですが、いろいろ制約がある。そういうことに対して業者から役所の方にいろいろ要求があると思うが、そういう仕事をするに差支のないような外航船ですな、いろいろな制約というものを取除くことに奔走しておるだろうと思うが、その見通しはどういうふうになつておりますか。
#106
○政府委員(岡田修一君) 外航の制約でございますが、従来運営会でやつておりました当時よりは或る程度緩和された点があるわけでございます。それは先ず第一に日本の船会社が海外に代理店を持つことでございます。これは今度の民営還元と同時に関係方面でも日本の船会社が直接海外に代理店を設置するということを認めております。但しまだ日本の船会社の監督員を派遣するとか、駐在員を置くというところまでは行つておりません。代理店の指定は認めております。それから海外でバンカー・オイル、或いはバンカー・コールをとるというようなことも、日本の外貨資金が許す限りにおいては、何ら差支ない、こういうことでございます。それから定期航路の開設も、従来は積極的であつたのでございますが、この民営還元後においては、日本の船会社による定期航路の開設については何ら異議ないのみならず、積極的に援助する。定期航路が開設されました場合に、その機能を発揮するには、外国の船会社等で作つておりまする海運同盟への加入問題、この加入ができませんと、十分定期航路としての働きができないわけでございますが、その加入につきましても、積極的に援助する。こういうことを言つております。但し加入できるかどうかは、同盟構成員が受諾するかどうかにかかつているわけでございますから、司令部が援助するからと言つて直ぐに加入できるとは思つておりません。関係方面でそういうことを言つております。それから運賃につきましては尚事前審査が残つておるわけでございますけれども、この審査についても従前のようなやかましい審査はしないということでございますので、その司令部の言葉を信じておるわけでございますが、これはまあ今後のやり方にかかるわけでございます。而もその事前審査もできるだけ早い機会にこれを事後報告に換えたい、こういうことであります。それから各船出航後のクリアランスでございますが、これも関係方面で非常に努力をして呉れておりまして、まだ具体的にどうというまでには至つておりませんが、それでも二、三の国におきましてはまあ殆んど包括的な協定ができたと同様の状態にまで来つつあるわけでございまして、この民営還元に伴いまして、関係方面でも積極的に外航制限の緩和について努力を拂つて呉れておるのであります。又例えば日本船が外国諸港間の荷物をとるとか、そういうふうなところまでの制限緩和には至つておりませんが、まあ大分我々の要望して来ておつたところが容れられつつあるわけであります。それから最も問題にしておりました外航グループに入つた船が内航に従事してはいけないということでございまするが、これも関係方面ではその制限を課さないということになりまして、外航船は内航グループに入つて、補助金は受けることはできないが、国内の輸送には従事することができるということになりまして、この点非常に緩和されたわけでございます。
#107
○小泉秀吉君 もう一つ伺いますが、アメリカから来る食糧その他の物資は、従来はアメリカの船だけで持つて来たらしいと思つていますが、それに日本船を使うというようなわけには行きませんですか。その点を伺いたい。
#108
○政府委員(岡田修一君) アメリカ方面への配船、殊にアメリカからの援助物資の積取りに日本船を参加させて貰いたいということは、日本海運多年の要望であり、関係方面にも要請をしておるのでございますが、まだその点につきましては具体的な何らの兆候も出てないような次第でございます。アメリカの国内関係において相当デリケートな問題もあるのじやないかと考えておりますが、関係方面ではこの点につきましては何ら具体的な言明も又サゼッションもないわけでございます。ただ日本海運といたしましては、今後新造船並びに改造船が続々出て参りますのに、これを消化いたしまする方法としては、どうしてもアメリカ配船ということが一部実現しないと船腹の消化が困難になつて来るのではないかと、かように考えるのであります。尚この方面における懇請を続けて行きたい、かように考えるのであります。
#109
○小泉秀吉君 その点は折角努力されるというお話で、大臣なり総理大臣なりを動かして、そうして是非実現するようなふうに御努力を願いたいと思います。
#110
○村上義一君 もう一点お伺いして置きたいのですが、只今も運賃のお話が出ましたが、運賃同盟につきまして、勿論まあ運賃同盟に入る入らんは、これは自由だと思いますが、関係方面の意向はどういうふうでありますかということを一つ伺いたいと思います。
 それから今一点、独禁法に抵触の問題があるように聞き及んでおりますが、これはどういうふうに解釈なさいますか。
#111
○政府委員(岡田修一君) 只今の御質問でございまするが、先程お答え申上げました海外航路における海運同盟、外国海運会社等において構成をしておりまする海運同盟に対しましては、日本の海運会社が定期航路を開いた場合に、その海運会社をその同盟に入れるということについては関係方面では積極的な援助をしたい、こういう意向であります。これは従前におきましても、戰前においては日本の海運会社はそれぞれその構成員であつたわけであります。ただ今日におきましては、いわゆるスカジャップとして配戰されます関係上、果してその同盟の構成員が受入るかどうかということが問題として残つておるわけであります。それから国内におきまして、過剰船腹をまあ調節して、いわゆるこの指令に言つておる繋船を円滑にやりまするがために、又海運同盟を締結するということが問題になつておるのであります。で海上運送法によりましていわゆる運賃同盟、若しくは配船同盟は独占禁止法か事業者団体法でございましたか、それを排除して合法的に結成し得るということになつておるのであります。で目下その運賃同盟という形において繋船を円滑に進めて行きたいいうので、船主の間でよりより打合せ中でございます。例えば北海道炭の積取同盟、或いは九州炭の積取同盟こういうものを結びまして、その同盟で配船協定をするということで、その裏において繋船をやるというふうな形になつております。これならば事業者団体法に触れずしてやれる、こういうことであります。私共の関係しておりまする部局におきましては、この海上運送法の第二十八條の規定をうまく活用して、この繋船を円滑にやるようにということを言つておるのでございますが、目下その線に沿つて進めるよう努めておる次第であります。
#112
○委員長(中山壽彦君) 外に御質疑はございませんか……。今一つご報告が残つておるようでありますが、それを一つお願いいたします。
#113
○政府委員(岡田修一君) 政令第三十八号によりまして、この四月一日から向う六ケ月間例の船舶運営会の存続期間の延長をいたしておるのでございます。で船舶運営会は同時にこの政令によりまして商船管理委員会、こういうふうに名前を変えた次第でございます。国家総動員法に基く戰時海運管理令を指令によつて一年前までは六ケ月ずつ延長をして来たのでありますが、それがこの三月末日を以て期限が切れましたので、四月一日以降六ケ月間戰時海運管理令の中にありました船舶運営会を、商船管理委員会と改めまして、今後商船管理委員会の名前で行こう、こういう規定でございます。これは毎回政令を実施いたしまする都度、ご報告申上げておる事項でございます。
#114
○丹羽五郎君 ちよつと遅れて来たので……、簡單ですが……、今の政令で四月一日から六ケ月間延長したという例の戰時立法による船舶管理令が基本になつておるんであつて、ただ名前が商船管理ですか、船舶運航管理という名前に変つたというだけで、法の精神はらやはり戰時立法で樹てた海運統制令の精神が、ずつと延長になつておるというように我々は解釈していいのですか。
#115
○政府委員(岡田修一君) 形は戰時立法としてできました戰時海運管理令の延長でございまするが、終戰と同時にその実体が戰時機関というのではなしに、極東米海軍が日本商船を管理する一機関に変つたわけでございます。現在におきましても成る程、形は戰時海運管理令をとつておりまするが、内容は極東米海軍の或いは商船管理機関という実体をもつて動いておるのでございます。で今度の指令によりまして船舶運営会の内容が実質的と申しまするか、日本の全船舶を一元的に運用するという、その実態がすつかり変つたわけでございまするけれども、尚多少そこに残つておりまするのは、帰還輸送船の運用でございます。帰還輸送船は昨年の四月一日に定期傭船にすべての船を切り替えましたときにおきましても、やはり戰時海運管理令に規定しておりますような国家使用の形で船をとつております。現在におきましても国家使用として船会社からとつたものを運営会に貸下げて、運営会が運営するという形は昔の形をとつておるのでございますから、現在におきましてもこれを廃止して、全然新たなものにするわけに行かない点があるわけであります。
#116
○委員長(中山壽彦君) 外に御質疑がないようでありますから、今日はこの程度……
#117
○小泉秀吉君 ちよつと政府委員に伺うが、商船管理委員会が名前が変つただけということは分つたのですが、実際上商船管理委員会が運営会の幹部というようなところは、人間も変つたのですか、それはどうなつたんですか。
#118
○政府委員(岡田修一君) 名前を変えますと同時に、中央の機関におきましても、目下のところ改変する考えはございません。ただ従つて幹部も現在のところそのままでございます。或いは今後これが変更されるかも知れませんが、現在におきましては船舶運営会で船を運航するという実態がなくなりましたので、後の商船管理委員会でいたしまする業務に必要なる支部だけを残して、例えば舞鶴、それから佐世保、横浜、これはアメリカから貸與されておりまする船の輸送なり、帰還輸送に必要なる支部でございます。こういう支部は残存いたしまするが、その他の支部、出張所は全部廃止することにいたします。
#119
○委員長(中山壽彦君) それでは今日はこの程度で散会いたします。
   午後三時四十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中山 壽彦君
   理事
           小泉 秀吉君
           飯田精太郎君
           丹羽 五郎君
   委員
           入交 太藏君
           横尾  龍君
          前之園喜一郎君
           高田  寛君
           早川 愼一君
           村上 義一君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 大屋 晋三君
  政府委員
   運輸事務官
   (海運局長)  岡田 修一君
   運 輸 技 官
   (船舶局長)  甘利 昂一君
   運 輸 技 官
   (港湾局長)  後藤 憲一君
   海上保安官
   (海上保安庁水
   路部長)    須田 皖次君
  説明員
   運輸事務官
   (船舶局管理課
   長)      林   坦君
   運輸事務官
   (港湾局倉庫課
   長)      四方田耕三君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト