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1949/05/02 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第17号
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1949/05/02 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第17号

#1
第007回国会 運輸委員会 第17号
昭和二十五年五月二日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公共企業体労働関係法第十六條第二
 項の規定に基き、国会の議決を求め
 るの件(内閣送付)
○港湾法案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木鹿藏君) 只今より委員会を開きます。
 先ず公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題といたします。前之園委員より質問の通告がございました。お願いいたします。
#3
○前之園喜一郎君 昨日質問してありますから御答弁をお願いしたい。
#4
○政府委員(石井昭正君) お答え申上げます。仲裁委員会の裁定に関する訴訟事件の経過についてその概要を述べろというお話でございました。
 御承知のように仲裁委の裁定は、第一次裁定、これは昨年十二月本国会劈頭において、国会の御審議を願つた問題でございまするが、この第一次裁定と、それから本年に入りまして再び労組側が仲裁委に提訴いたしまして、その結果下りましたところの第二次裁定、只今議題となつております、この二つの裁定があるのでございます。訴訟にかかつておりまするのは、この第一次裁定の方の問題でございます。これは最初に組合側の方から一応仮処分の申請をいたしたわけでございます。これは仲裁裁定に基いて、国鉄は組合員に裁定通り給與を支拂う義務がある、その本案の判決が確定するまで、仮に公社側は仲裁委員会裁定の各條項に服しなければならない。従いましてその裁定第二項におりました職員の賃金、その中年末に支給されました十五億五百万円を除いた残額を、申請人たる組合員を通じて各組合員に交付しなければならないという仮の処分の判決を求める申請をいたしたわけでございます。この提訴は昨年の十二月二十三日に行われたわけでございます。これに対しまして国鉄の方はまあいろいろの理由を具しまして、特に申請人が主張する仲裁委裁定の金額は、その債務はまだ効力は発生していない、国会の承認があつたときに初めて遡及して効力を発生するのである、現在においては国会の承認が得られなかつたのであるから発しておらない、こういう主張をいたしたのでございますが、これに対する判決が去る二月二十五日にございまして、この判決は大体におきまして組合側の言い分が容れられまして、従いまして国鉄と組合員との間にありますところの債券、債務は存在しておる、従つてその中の、年末に支拂つた分の残りの裁定額のうち三億円、約三億円でございますが、これは国鉄の経理上、支出可能であるからこれを出さなければならない、直ちに交付する必要がある、併しながら残余のものについては、これは債券債務があるに止つて、予算上、資産上、可能になつた場合に支拂うのだ、こういうような意味合いの理由を以ちまして、主文といたしましては、仲裁委員会が十二月の一日に出しました第一次裁定に従わなければならない、こういう主文判決を下したわけであります。これに関しまして国鉄側といたしましては、直ちにこれを不服といたしまして控訴いたしております。これは三月の四日に控訴いたしておりまして、只今繋争中になつておるわけでございます。それと同時に第一次仮処分に対しまして、本案訴訟の起訴命令を出して貰いたいということを国鉄から申請いたしました。これに対しまして東京地方裁判所は、組合に対しまして決定送達の日から十四日以内に本案訴訟を提起するように組合に命令したのであります。この命令は三月二日に決定いたしまして、送達が三月七日に決定いたしまして、三月十日に行われております。これによりまして組合は三月の二十四日に本訴を起しております。この本訴の内容は、第一次裁定を実行するように、国鉄は第一次裁定を実行しなければならないという請求になつておるのであります。これはまだ第一審で提訴が行われたまま、まだ訴訟の手続が進んでおらないという状態でございます。
 次に今度は又もう一つ別の仮処分申請が起つたわけでございます。と申しますのは、先に二月二十五日の判決によりまして、組合側が勝訴いたしましたので、今度は組合側といたしまして、具体的にこの賃金の、特に三億円の賃金の具体的な給付を受けるという問題に相成りまするので、これは組合の方といたしましては、国鉄側に対しまして団体交渉によつてその配分方を協議して貰いたいと申し込んだのであります。国鉄側も一応これに応じまして二、三度協議いたしたのでありまするが、国鉄側の言い分は、まだ控訴中であるから、従つて具体的に只今支拂う義務はない、併しながらそれが若し支拂わなければならなかつたという場合にはどうするかいとう意味において協議に応じたわけでございます。併しながらその協議も余り円滑に進捗いたしませんので、組合の方は最初の第一次裁定に両者の協議が調わなかつたときには、仲裁委員会の指示を受けろということが仲裁裁定の第四項に書いてあります。それに従いまして仲裁委員会に配分方についての指示の申請をしたわけであります。これに対しまして仲裁委員会は直ちに一人当り六百五円一律に支拂うべしという指示をしたのであります。そこで具体的な債券額が決定いたしましたので、それに基きまして再び一人当り六百五円ずつ拂うようにということの、国鉄労組側から仮処分の申請をいたしたわけでございます。この組合の提起に三月の二十五日に行われたのでありまして、その後審訊、口頭弁論の手続を経まして、去る四月十九日に判決が下りまして、これがやはり組合側の勝訴になつた。国鉄側は組合に対しまして一人それぞれ六百五円ずつ支拂えという判決が出たわけであります。そこでこの仮処分の判決によつて直ちに組合側は執行権を獲得するわけでございます。若し国鉄側が六百五円の支拂をいたさない場合には強制執行の手段に訴えることが明らかでありましたので、国鉄といたしましては直ちに控訴いたすと共に、この強制執行停止の申立をいたしたわけであります。東京高裁におきましては、この申立を直ちに受理して決定をいたしまして、強制執行停止の決定が同日中に出たという恰好になつておるわけでございます。
 只今申上げましたように甚だ訴訟案件として複雑になつておりまするので、お分りにくかつたと思うのでありまするが、仮処分の案件が二つございまして、同じ事柄に対して二つありまして、第一次の方は抽象的な結論を得るに止つておる、それに基きまして具体的の裁定の債務額が確定してからの仮処分が第二次の仮処分の決定額であります。一次、二次共大体において組合側の勝訴となつておるのであります。いずれも控訴中でございます。控訴審はまだ確定いたしておらないということでございます。本案訴訟の方は、組合から提起があつたなりで未だに進んでおらない。かような進行状況になつております。甚だお分りにくかつたと思いますが……
 尚附加えて置きまするが、この案件に対しまして国が訴訟参加をいたしておる、これは第二次の仮処分の申請関係に参加をいたしまして、直ちにそれに引続きまして最初の仮処分判決に対する控訴につきましても同じく参加をいたしております。
#5
○前之園喜一郎君 これは裁判所は東京地方裁判所ですね。
#6
○政府委員(石井昭正君) 第一次、第二次共東京地方裁判所です。
#7
○前之園喜一郎君 これは部は違いますか。
#8
○政府委員(石井昭正君) 同じ部でございます。
#9
○前之園喜一郎君 同じ部ですね、裁判長は一緒ですか。
#10
○政府委員(石井昭正君) 裁判長も同じでございます。
#11
○前之園喜一郎君 この公労法の三十五條によつて、私共は当初からこういう判決があるということははつきり分つておるということを私はこの前の委員会でも申上げたんです。三十五條に「当時者双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならない。」ということがある、これはこの三十五條はつまり当事者の関係を決めたのであります。十六條の第一項の方は、政府と当事者の労組側との関係を大体において謳つてあるのだということは私共は信じておる。私は前のときにも、まだ訴訟にならない前に、この事件は訴訟になるならば必ず国鉄は負けるということを言つておつたのですが、その後裁判になつておる。こういうように明瞭な問題、法律上明瞭な問題を殊更に私共は国鉄が争つておるという感じが非常に強いのであります。この裁判に対して控訴審において勝訴を得られる確信があるのかどうか、若し又不幸にして国鉄が負けられたならば、更に上告せられるのであるかどうかということについて御意見を承りたいと、こう思います。
#12
○政府委員(石井昭正君) 国鉄のみならず、国といたしましてもこの訴訟に参加いたしておるのでございますが、勿論訴訟いたすからには十分勝訴を得るという確信の下に訴訟をやつておることは申すまでもないことでございます。併しながらこれは勿論司法権の決定されるところでございまするので、その確信にも拘わらず、或いは前之園委員のおつしやるように、国定側の敗訴になるということもあり得ることではあろうと思います。さような仮定の場合にどうするかというお話でございまするが、勿論上告までもいたしまして、最終判決が確定いたしますれば、当然これは裁判の判決に従うべきことは、法治国として当然のことであると考えます。
#13
○前之園喜一郎君 私共は国鉄が勝訴になるということは考えられない。併し勝訴の確信があると言われるのですが、勝訴の確信のあるその根拠を具体的に御説明願いたいと思います。どういうところで勝訴の確信があるのか。
#14
○政府委員(石井昭正君) 私共の、政府の方の主張の主たる点は、公労法の解釈でございまして、その点につきまして前之園委員のお考えと意見を異にしておるのは、大変遺憾でございまするが、要するに仲裁、裁定の内容のうち、予算上、資金上、不可能なる部分につきましては、これは国会の承認が停止條件となつて、初めて効力を発生する。それまでは効力を発生しておらないという解釈に基いておるのでございます。
#15
○前之園喜一郎君 本件について議論をしても始まらんと思うのですが、私共はそういうふうに確信をいたしております。それは結果的に現れることですから、遠からず分ると思うのですが、仮に控訴で国鉄並びに政府が負け、更に上告で負けたとすると、それはもう支給しなければならん。ところが問題になつておりまする第二次裁定も、やはり同じようなことになると思うのです。やはり同じ取扱になると思うのですが、上告で負けられた場合には、この第二次裁定はそのまま御承認になるのですかということをはつきりと伺つて置きたいと思います。
#16
○政府委員(石井昭正君) 只今私の言葉が足りなかつたので、恐縮でございまするが、只今行われております提訴は、仮処分で、仮の地位を定める問題でございますから、最終判決と申しますのは、本案の訴訟が最終的に決定いたして初めて可能である。仮に仮処分の方が上告で敗訴になりましても、これは一応仮に支拂わなければならんという義務が生ずるだけでございます。本当の債券債務は、本案訴訟が確定して初めてなるのでございます。そういう意味に一つ御了承願いたいと思います。尚、只今仮に本案訴訟においても敗訴となつた場合に、第二次の方はどうなるかというお話でございまするが、この第二次の裁定につきましては、これは御承知のように予算上、可能なる範囲と申しますか、不可能なる部分ということについて、まだ政府として研究中でございまするので、ここで何とも申上げかねるのではないかと思うのでありますが、予算上、不可能とはつきりいたしておりまする部分につきましては、第一次裁定と同じ考え方をしなければならんと思うことは、これは当然だろうと思います。
#17
○前之園喜一郎君 この第一次の本案の裁判ですね、はつきりと国鉄が債務があるということになれば、第二次においても同様なんだから、あなたの言われるように、この裁判に服従すべきものじやないでしようか。重ねてそれも争うということは非常に愚だと思う。
#18
○政府委員(石井昭正君) 第一次の裁定は、御承知のように問題が二つございまして、予算上、可能であるというのが、これが十八億と認定されておる。で、それに対しまして政府側といたしましては、大蔵大臣が流用承認した十五億五百万円が可能になるという意見でありまして、これに対して国鉄総裁が、一応可能として申請した十八億が支出可能分である。で、差引の約三億というものが即時支拂われなければならない問題であるという面が一つの論争点でございます。それから全体として債券債務があるという問題は、これは予算上、資金上、可能となつたときという條件附で判決が下つておるのでありまして、従いまして第一次の裁定でも、現実に、仮にこの第一次の仮処分の論争点がそのまま本訴まで行つて確定するといたしましても、問題はこの予算上、可能の三億、見解の相違である三億という点に帰着するのじやないかと思うのであります。今度の第二次の裁定につきましては、その点につきましては、未だどこまでが予算上、可能であるというような点が明瞭になつておりませんので、第一次裁定の訴訟の結論が、直ちに第二次裁定に適用されるかどうかという点については、模様を見なければ何とも申上げかねるのではないかと思う次第でございます。
#19
○前之園喜一郎君 私は最後に政府委員に対して希望を申上げて置くのですが、この公労法の解釈は、全く私は政府の曲解だと思つておる。分つておつて殊更にそういうふうな解釈をしておられるのか、分らずにそういうふうな解釈をしておるのか分らないが、これは明瞭なんです。第十六條によつて、債券債務は当事者の間で確定しておる、最終的に決定しておるのですから、こういうものはこれは裁判は負けるに決つておる。若しこの裁判が、国鉄が勝つということになればそれは正しい裁判でないということを私は言いたい。ですからこれは一つ愼重にお考えになつて、徒らなる控訴、上告等によつて時間を空費するということはなさらん方が私は賢明だと思う。多数の、数十万の従業員が今日非常に生活に苦しんでおる、政府の無為無策、或いは無法、法律を正しく解さざるがために裁判を長引かして国鉄の多数の従業員の生活を苦しめるということは私は以ての外だと思う。この点について十分に一つ御考慮をお願い申上げたいと思うのです。
#20
○委員長(佐々木鹿藏君) 外に御質疑ございませんか。
#21
○村上義一君 議事進行について意見を述べてよろしゆうございますか。
#22
○委員長(佐々木鹿藏君) 結構でございます。
#23
○村上義一君 この問題は、尚考究すべきいろいろの点があります。元来本件は衆議院においてもこれは研究中であり、審査中であります。昨日衆議院は継続審査をするということは決定した趣きでございます。で、予算審査をしております当院におきましては、やはり継続審査という取扱をして貰いたいと思うのであります。
#24
○委員長(佐々木鹿藏君) お諮りいたします。村上委員の御動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(佐々木鹿藏君) 御異議ないと認めます。それでは継続審査にいたすことにいたしたいと思います。審査要求手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(佐々木鹿藏君) 確定をいたしました。
  ―――――――――――――
#27
○委員長(佐々木鹿藏君) 次に港湾法案を議題といたします。御質疑の方は順次御発言を願います。
#28
○小泉秀吉君 この港湾法案に対して少しく質疑をしたいと思います。第一條でございますが、この第一條にございます「利用及び管理」というようにありますが、これはこの「利用及び管理」というのは、昨日の政府委員の説明によると、運営というようなことをも「利用及び管理」の字句の中には含れているようなふうに御説明があつたと思いますが、改めてこの点を政府委員にお伺いして置きたいと思います。
#29
○政府委員(後藤憲一君) 全くその通りであります。
#30
○小泉秀吉君 もう一つは、第四條並びに第三十三條に関連するのでありますが、港湾の管理者を設立する場合に第四條によるか、又は第三十三條を取るかは自由であるというようにこの法案によつて私は解釈しますが、併しこの第四條の中にある「予定港湾区域を地先水面とする地域を区域とする地方公共団体」というもののこの解釈において相当論議なり疑義があると思うのですが、昨日の政府委員の説明によりますると、この「予定港湾区域を地先水面とする地域を区域とする地方公共団体」というものは、大体において市町村を重点的に考えておるというようなふうに了承して差支ないものだと思うのですが、この点一応確認したいと思います。
#31
○政府委員(後藤憲一君) 只今のお話は、全くその通りの意味で昨日説明申上げました。
#32
○小泉秀吉君 更に第十三條及び第十二條に関連してお尋ねをいたします。第十二條及び第十三條によりますと、港湾施設の管理につきまして、事実上の必要に基いて事前に行われる監督的作業というものは港湾管理者がやつてもよいが、港湾における行政権の作業、管理者の作業並びに私企業の行為などの間に尚様々な調整を要する点があるように考えられるのでありまするが、この法律案が成立したあとにおいて、更に実績如何によつては、その修正等に対して必要の措置をとるというような心構えが今日政府において将来に対して約束ができるかどうか、そういうことも私共はこれは相当不備であると思うので、この際これを通すということには、そういうことに対していわゆるお座なりでなしに、政府が十分検討もし、又その用意があるという御確約が願いたいと思うのですが、そういうことに対しての御見解を伺いたい。
#33
○政府委員(後藤憲一君) 只今のお話はその通りの意味で昨日も説明申上げました。この港務局なり管理者なりの業務の内容でございますから、政府といたしましても港務局、管理者というものの正常なる成長、発達ということを非常に希望するわけでありますが、逐次それらの成長と共に港務局の発達、港務局の活動のできるように改善するということは当然なことだと存じております。
#34
○小泉秀吉君 もう一度最後にお伺いしたいのですが、本法案の第四條で規定しておる港務局というようなものを設立するということのためには、この法文の上から言つて相当複雑でもあるし、困難が伴うのじやないか、早急にやるためには……、そういうふうな気がいたすのであります。従いましてこの法案が通れば、大体において地方公共企業体は、第二十三條によつて、管理主体を設定するというようなことが適当じやないか、かように思うのでありますが、そういうふうな場合に、政府は快くそれに同意するかどうか、この点を一つお伺いしたい。
#35
○政府委員(後藤憲一君) 第四條の定めによる管理者であるか、三十三條の定めによるところの管理者であるか、そのいずれを取るかということは、関係の公共団体が御相談してお決めになることは全く自由でありまして、政府としてはこれに対して干渉する意思はございません。そうして現実の問題といたしまして、まあ港務局を若し取る形といたしますれば、どうしても大きな港湾、重要な港湾だと思うのでありますが、それらに対しましても、現実の変換される状況によりますれば、直ちに四條を採用するということが実質的に、実際に適当や否やという点は相当な議論の余地もあると思いますので、三十三條の形式を取られるということは、実際上において行れることじやないという想像もいたすわけでありますが、この点は全く自由に御裁量下さつても我々としては異存はないわけであります。
#36
○小泉秀吉君 もう一つ小さい問題ですが、第二條の第二項で、「重要港湾」というものは、政令で決めるのだということになつておりますが、政令でどういう所を重要港湾にするかというようなことが、凡そ御腹案なり確定なりしておるならば、一応御発表願いたいと思います。
#37
○政府委員(後藤憲一君) この第二條第二項によりますところの「重要港湾」の政令を、いろいろと腹案作成中でございますが、大体の考えといたしましては、外国貿易に対する港湾が先ず第一の資格でございます。それから地法的ではあるが、可なり広範囲な地方の利害に関係する、言い換えればその点から言いまして国の利害に相当深く関係するという点が第二でございます。それから更に極く辺鄙ではありますけれども、海運という立場から考えまして必要なる港湾につきましては、「重要港湾」として、その施設に国の積極的な助成を必要とするという考えを持つております。尚従来の経歴から出入の船舶或いは荷扱いのトン数ということ、こういうような点からもこの点を考えねばならんと思つておりまして、大体の輪郭といたしましては、只今第一種、第二種という重要港、只今の制度におきまして第一種、第二種という二種の需要港湾が現在在りますが、それは盡く包含せられる。それから旧軍港、それから従来は、現在の制度で地方港湾でありますが、その地方港湾の制度が可なり古い時代でございまして、現在非常にその個々の状況によりまして発達した港がございます。そういうものを積極的に拾い上げて、そうしてその「重要港湾」の中に入れたいというような腹案で、まだ腹案の形になつておりますので、その案を参考にお示しいたします準備ができておらない点は申訳ないと思つております。
#38
○小泉秀吉君 その政令は、凡そこの法案が今議会で通つたとすると、まあ仮定ですが、大体この政令はいつ頃発布になるお考えでございますか。
#39
○政府委員(後藤憲一君) これは是非急ぎたいと思いまして、少くとも今月中には発布いたしたいというつもりで官庁も督励いたしたいと思います。
#40
○前之園喜一郎君 今小泉先生がお聞きになつたところなのですが、政府は今急いでおられるということですが、大体において「重要港湾」というものが全国にどのくらいあるとお考えになるのですか。それを九州は幾つ、どこは幾つというような大雑把でいいですが、大体の見当を承わりたいと思います。
#41
○政府委員(後藤憲一君) 現行の制度では、第一種が四、第二種が約四十ばかりございますが、合せてそれだけで四十四ばかりございますが、運港が四つでございます。それに更に追加として附け加えますれば、恐らく七十ぐらいの程度は指定いたしたいという気持で、実はいろいろと標準を考えてやつてみておるわけであります。
#42
○前之園喜一郎君 大体の表は出ていないのでしようか。まあそれは仮定的なものだと思うのですけれども……
#43
○政府委員(後藤憲一君) まだいろいろと実はありまして、いろいろと関係がございますので、まだ御覧に入れるところまで行つておらないわけであります。
#44
○前之園喜一郎君 それはその程度でよろしうございますが、これは私は素人で非常に簡単なことをお聞きすることになると思いますが、この用語がよく分らないと困りますのでお聞きしたいが、第二條の第五項のところで「水域施設、航路、泊地」とありますが、こういうものに対する御説明、それから第五号の「航行補助施設」、それから七号の「旅客施設」、それから九号の「船舶補給施設」、それから七号に見えます「避難港」、こういうものについて簡単に一つ御説明願います。
#45
○政府委員(後藤憲一君) 「水域施設」と申しますのは、水面の方のことを申します。それにあります船舶の出入いたします航路、船の通ります水路ということでございます。それから「泊地」というのは、荷役をいたしますとか、或いは停船しておる場合に船を泊めて置くというあの広い錨を下ろしております所を大体泊地と申しております。その場合「船だまり」と申しますのは、これはここにもありますように……
#46
○前之園喜一郎君 船だまりは聞いておりません。
#47
○政府委員(後藤憲一君) 「航行補助施設」というのは、これは港内におきまして、只今の航路の浅いところにある標識でありますとか、信号とか、又は照明、それから港内の船舶出入に対するいろいろな通信関係の設備を申します。それから「旅客施設」と申しますのは、本船が岸壁におりますときの昇降用の階段類がございます、そういうもの、又は乗客が船待ちいたします際の待合所、又は手荷物を扱いますところのいろいろな荷物の荷扱い所というようなものでございます。それから「船舶補給施設」、船舶のために、特に水を大量に要しますが、その水を供給いたします施設、それから石油又は潤滑油類を供給いたします設備、それからバンカーで石炭を供給いたします設備でございます。そうして「避難港」は、主として本船、大きな四千トン、五千トンという大型の船ですと、比較的荒浪に堪えるわけでありますけれども、機帆船のごときは、港によつては天候を見ながら行くというようなのが現実だと思いますので、大体一日か或いは一日半くらいの航海をするのに当つて、安全な所がありますれば、一番小型の機帆船などの航行に便利であります、そういう意味での避難をするのが趣旨であります。これは勿論機帆船ばかりでなしに、漁船の場合にもあるわけであります。
#48
○前之園喜一郎君 今の避難港の問題ですが、これも政令でお決めになるわけなんですね。
#49
○政府委員(後藤憲一君) その通りであります。
#50
○前之園喜一郎君 大体避難港というのは、どういうところに、どれくらいできるという見当は付いておるわけですか。
#51
○政府委員(後藤憲一君) これもいろいろと研究いたしております。避難港の必要といたしますのは、主に灘の附近とか、或いは岬を廻ります場合というような所が直接波の荒れる所でありますので、そういうような要所要所を考えますために、大体北海道を含みまして、全体で二十港程度のものは指定いたしたいと存じます。避難港の設けられます所は非常な寒村で、そうして非常に人家も少いというような所が多いのでありますために、これは御質問にはございませんでしたが、特に国としての助成も強くしておるというようなわけでございます。
#52
○前之園喜一郎君 第四條の第一項につきましてお尋ねしたいのですが、現在までに地方の港で、或いは県と市との費用を以て作つたような港か沢山あると思います。例えば鹿児島港のごときは、県が五割五分で、市が四割五分、実際は鹿児島県が管理しておるというようなことになつておるのですが、第四條によつて、そういうものも外にあると思うのですが、市と県と共同してでなければ港湾局を作るというようなことができないのです。こういうような場合は第四條第七項によつて、調停されるわけですが、基本要綱で調停されるのに双方共譲らないで、結局調停になるわけですから、どういうような方針によつて調停を進めて行かれるものであるかどうかということについてお尋ねしたい。
#53
○政府委員(後藤憲一君) 四條第一項の運用につきまして、結局は、現に施設を管理する、又は従来からこの港湾について費用を負担した、或いはその地先水面とする公共団体というのが相談して管理者を決めるわけでありますが、その際協議を調えかねるという点について、どういう点で調停をするかということは、これは調停の申出でございますが、第九項に、「第七項の申出があつたときは、運輸大臣又は都道府県知事は、従来の沿革、関係地方公共団体の財政の事情、将来の発展の計画及び当該港湾の利用の程度その他当該港湾と、関係地方公共団体の関係を考慮し」、そういう点において調停の筋にいたしたいと思うております。
#54
○前之園喜一郎君 私の聞きたいのは、調停ですからお互いの気持ちを十分に受入れてやらなければならんのだ、これは強制調停になるのかどうかということを聞いているんです。
#55
○政府委員(後藤憲一君) この調停は、全く強制ではございません。善意の仲介者の意味で強制をいたしておりません。
#56
○前之園喜一郎君 いや、お互いが、調停ですから妥協して、そこでどちらがやるとか或いは共同でやるとかいう調停になればよいのですが、どちらも譲らんという場合に、強制的に調停されるのかどうかということなんです。
#57
○政府委員(後藤憲一君) その場合に更にいろいろと事情を聞き、九項によるような点を考慮いたしまして、調停に出しますけれども、その調停は決して強制力を持つわけではございません。
#58
○前之園喜一郎君 そうすると、調停は不成立に終ることもあるわけですね。
#59
○政府委員(後藤憲一君) あります。この調停で以て不成立になる場合は当然予想されるわけです。従つてどこまでも調停によるなり、協議の行きつくまではその港についての管理者は決定しないということになります。
#60
○前之園喜一郎君 第十二條の九ですが、「港務局が管理する港湾施設で、一般公衆の利用に供することを要せず」、この「要せず」というのは、どういうような施設か。それから次に、「自ら運営することを適当としないもの」、これはどういうような施設であるか。それからこれらのものを貸付けるとすると、その條件、いわゆる貸付の対象となるべきものの條件等はどういうことになるかということの御説明を願いたいと思います。
#61
○政府委員(後藤憲一君) この場合の、「一般公衆の利用に供することを要せず、又は自ら運営することを適当としない」という点は、結局港務局それ自身の判断からも来るわけでありますが、岸壁なり桟橋なりが相当程度ある場合に、そのうち現在の荷役なり船の着く程度では、極く一般的の公衆的なのは、そのうちの一部分でもいい、そのうちの残りの一部というものは、特定な会社に特定の用向で以て使用さしてもさして差支ないというような判断のされる場合、又第二のみずから運営するということの適当でないという、例えば倉庫のごときでありますが、これが港務局なり管理者というものは非営利公法人でございますから、倉庫の営業をみずからがやるということは、この法律の趣旨にも反するわけであります。併し家主になることは少しも差支ないわけであります。そういう場合には適当の事業者にそれを適当な條件で貸付けて、営業させるというような場合を言うておるわけであります。
#62
○前之園喜一郎君 その貸付の対象になるのはどういうところなんでしようか。又その希望者が競合するような場合、或いはその岸壁を、倉庫を何人もの人が借りたいという場合に、どういうような措置を講ずるか。
#63
○政府委員(後藤憲一君) そういう場合は、結局港務局なり、管理者の当事者が、いろいろそのときの経済状況又は競合いたしますところの申出の人達の資格というようなものを判断いたしまして、或る場合には競争入札をいたさせますのもいいでしようし、或る場合は特定な協約によることもいいでしようし、その点は自由に港務局の経営方針によつてやるのがいいと思います。
#64
○前之園喜一郎君 次に同條の十二の「港湾労務者の休泊所等これらの者の福利厚生」、この休泊所の外にどういうものを考えておられるのか。
#65
○政府委員(後藤憲一君) この船員又は港湾労務者の厚生施設といたしましては、ここにあります休泊所、それから風呂場、それから診療所、それから脱衣所、理髪所、又晝食をやるような簡易な食堂、それから又講演会や映画なども見せる場合もあります。そういう一種の娯楽的な設備、こういうような性質のものが考えられるわけであります。
#66
○前之園喜一郎君 それから第十七條の第一項の第一号ですが、「国会議員又は地方公共団体の議会の議員」は委員になれないということになつておるようですが、これがなれないというのはどういうわけですか。
#67
○政府委員(後藤憲一君) この点は昨日の説明にも少し申上げたと存じますが、港務局なり管理者なり、これ自身が全く非営利的な法人であります。で、国会は勿論のこと、地方公共団体の議会にいたしましても、これは立法府でございまして、その間判然としたけじめを付ける必要がある、それから又更に経済行為をいたします公法人であるといたしますならば、地方政治の直接の影響のない組織において自由に経済行為をやるというところに本筋があるのではなかろうか。こういうふうに考えられますので、議員という資格でこういう委員になられることは避けるべきだと、こういうふうに考えておるわけであります。
#68
○前之園喜一郎君 成る程この地方の議員は弊害があるということが考えられるのですが、今お話の国会議員という考えで無論入るのじやなくて、これが適任者であるかどうかという判断をして考えて、国会議員がこれになれないとするのは私はおかしいと思う。適任者であればちつとも差支ないのじやないですか。
#69
○政府委員(後藤憲一君) この点はお互いに議論のような感じがいたしますが、この欠格につきまして、事情は只今申した通りでございますが、尚、三十三條の地方公共団体の一つの部局といたしまして港湾管理者を決定さした場合のときに、この場合もやはり委員制を取れるのでありますが、この委員に関する欠格條項を実は定めてございませんのです。論理的に言うと首尾徹底しない憾みが実はあるわけでありますけれども、併しこの三十三條によりますときは、比較的規模の小さな港湾に関係いたしますので、この方面において余りむずかしい條件を付けるということは人材を広く選ぶという点におきまして不便を感ずるのではないか、こういう点を実は考えまして、三十三條の方には欠格條項を実は落しているわけでございます。
#70
○前之園喜一郎君 十七條の二ですね。第一項の二のところ、「役員と同等以上の職権若しくは支配力」、職権は分るのですが、支配力というものは抽象的なものなのか、いわゆる社会的に考えてそこに何か大きな力を持つているというような支配力なのか、具体的なものなのか御説明願いたい。
#71
○政府委員(後藤憲一君) ちよつと速記を止めて頂きたい。
#72
○委員長(佐々木鹿藏君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#73
○委員長(佐々木鹿藏君) 速記を始めて。
#74
○前之園喜一郎君 もう少し二、三点……。十三條に帰りまして、十三條にこういうことが書いてありますね、「港湾運送業、倉庫業その他輸送及び保管に関連する私企業の公正な活動を妨げ、その活動に干渉し、」てはいけない、これはまあ当然のことだと思うのですが、無論進んでこれを助長するということに考えられるのじやないかと思うのですね。これは非常な消極的な考え方……そういうことを防禦するようなことはできないことは、これは当然のことであります。更にこれを積極的に助長して行くという考え方であるべきじやないか、こういうふうに私は考えるのですが、如何でしようか。
#75
○政府委員(後藤憲一君) その点私も同感でありますが、表現といたしまして、消極的な面を禁止しておるわけでありまして、当然の責務としてこれを助長するということをとるように仕向けるべきだと思います。
#76
○前之園喜一郎君 そういうお考え方であるならば、もう少し條文の訂正というか、が考えられるべきだと思うのですがね、これじやどうも非常に傍観的な、法律上だけ悪いことをしなければいいというような態度にしか受取れない。もう少し積極的な文句であつて然るべきであると思うのですが、適当にこれを御修正になる方がいいのじやないですか。
#77
○政府委員(後藤憲一君) そういうようなお考えも勿論行けますが、一応消極的なところに線を引いた上で、更に積極的な方面に移るというように考えていいのじやないかというふうに考えまして、こういうふうな表現をしているわけであります。
#78
○前之園喜一郎君 今そういうような消極から積極に移るのだというような、何か具体的なことを考えておられるわけですか、或いはこれを修正するとか、或いは別に何か作るとかいうような……
#79
○政府委員(後藤憲一君) 別段そういう線はございません。将来本法案に改正するときがありますれば、更にいい表現がありますれば、附け加えるなり或いは改正するなり、ということに応じて少しも差支ないと思います。
#80
○前之園喜一郎君 今政府委員の御答弁で、これは積極的に助長して行くのだという御答弁でありますから、それは了といたしますが、そういう気持でやはりおやり下さるようにお願いいたしたいと思います。
 もう一つ第十八條ですが、「委員の任期は、三年以内とする。」「以内」とされたのがよく分らないのですが、どういう意味ですか。
#81
○政府委員(後藤憲一君) この「以内」というのは、この委員七名が、一年、二年、三年或いは二年、三年と申しますか、この任期が来まして変りますときに、元の全部が一度に変更してしまはないということでありますために、こんなふうな表現になつたわけであります。
#82
○丹羽五郎君 簡単にお尋ねします。今前之園君のお話のところにもあつたのでありまして、この第三十七條のところで、專売公社又は国有鉄道とこの港湾管理者との間に協議が調わなかつた場合には、四十一條を適用して公聽会等を開いてやつて行くのですか、その運用についてお尋ねしたい。ここには許可ということになつておつたのですが、「許可」を第三項においてこれは「協議」ということに直しておるのですが、そうすると協議が調わなかつた場合には、その結論はどういうふうにして出すのか、それは四十一條の公聽会を開いてそうしてそれによつて行くのか……
#83
○説明員(松村清之君) 只今御質問の三十七條と四十一條とは全く別個の問題でございまして、三十七條の方では、特定の港湾工事或いは土砂の採取、水域の占用について、港湾管理者の許可を受けるのを建前といたしておりますのですが、專売公社、国有鉄道等につきましては、これはまあ古い観念とは思いますが、国と同様に扱いまして、許可でなくて協議という言葉を使つたに過ぎないわけでございます。それで三十七條の二項にありますように、当該港湾の開発発展に著しく支障がない場合には、必ず協議に応じなければならないということにしたわけでございます。四十一條の方は、これは三十八條、三十九條にございます分区の制度を港湾管理者が採用いたしました場合に、その分区内に有害構築物がありまして、それが管理者が決めまする條例等に反しておる、そういう場合に、建物を除く場合に、港湾管理者の長が公聽会等を開いてやるという趣旨でございまして、一応別個の規定になつております。
#84
○丹羽五郎君 そうしますと、折角港湾管理者が港湾開発にいろいろなことをやつて来た場合に、国或いは公社の方から強圧的に、その自分の使用の目的を、最大限度に使うために強圧的な方法を持つて来る、ここをああせいこうせいというようなことが起つて来ないですか、その憂いを考えておるのです。
#85
○政府委員(後藤憲一君) その場合はこの三項の一般に許可という性質のものを、国或いは公社の点でありますから、協議という表現を用いただけでありまして結局協議に応じないということで以て、その処置はできるわけでございますから、まあ国、公共にいたしますれば、やはり公共性を十分に認識して物を判断する性質のものでございますから、そう無理なことは起り難いのではないかという感じをいたしております。
#86
○丹羽五郎君 それからもう一点、三十條で、債券を発行することができるようになつておりますが、これはその債券発行は、その港湾管理者が、自主性の立場において、経済面において必要であるから債券を発行するのであるということで、これについては、何ら国家としては、制約をすることもなければ、それは自由にやらすのですか、その点を伺います。
#87
○説明員(松村清之君) それは三十條の二項にございますように、これはまあ経済状態が平常になりますれば、債券の発行ということは自由になりましようが、地方自治法によりまして、地方公共団体の債券の発行について、内閣総理大臣の許可を受けるようになつておりますが、それを準用いたしまして、地方公共団体と同様に、或る一定の期間は制約を受けることになります。
#88
○委員長(佐々木鹿藏君) 他に御質疑はございませんか。
#89
○村上義一君 一点だけお伺いしたいのでありますが、十六條、先刻も質疑が出ましたが、この十六條の二項であります、二項、「港湾に関し十分な知識と経験を有する者」ということがこの委員の選定要件になつておりまするが、この「関し」という意味であります。「関し」というのは、港湾そのものに著しい経験を有するという非常に狭い意味にこれは解すべきものではなく、海上運送であるとか、或いは臨港倉庫であるとか、又は臨港鉄道というような、陸上運送に関するものをも含むと解釈すべきものだと考えるのですが、政府委員の御意見をこの際承つて置きたい思います。
#90
○政府委員(後藤憲一君) この「港湾に関し」の港湾というものは、物理的な港湾というものと、それから港湾の機能を活かしますいわゆる利用開発という意味での港湾全部を含んでおるわけになりまするので、港湾において経済活動をいたしますところの、只今お話の、港湾作業者でありますとか、臨港鉄道又は倉庫業、或いは又海運業、又貿易業というようなものに経験を有する者は、盡くやはりその意味で広く考えるべきものだと解釈いたしております。
#91
○委員長(佐々木鹿藏君) 外にございませんか。質疑はないようでありますから、討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(佐々木鹿藏君) 討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#93
○村上義一君 この法案については、各所に考慮せしめられる点がないでもないのでありまするが、併し政府委員の御説明によりましても、是非今期国会で立法化する必要を認めると、尚、昨日も原口神戸市長の御意見もありまして、私は本法案に賛成するものであります。
#94
○小泉秀吉君 私共この法案を検討して見ますると、幾多の不満の点もあり、又相当更に審議検討を加えるべき性質のものだと思いまするけれども、一方この港湾法が成立しないことによつて、今占領軍の調達、要求下に置かれておる幾多の施設を開放を受け、又それの受入態勢が整わなければ、その現在の施設の開放が思うように行かないというような実情に鑑みまして、いろいろな不便不満もありまするが、この際政府委員の説明、応答にあつたようなことを十分検討し、又斟酌を加えまして、そうしてできるだけ早い機会において、この港湾法の不備の点に対しては、更に改正を加えるというようなことを條件にいたしまして、そうしてこの法案を、只今申しましたような意味合において賛成をして成立をせしめるという意見であります。
#95
○前之園喜一郎君 私は村上先生、小泉先生と大体において同じ意見であります。ただこういうような画期的な非常に重要な法案が国会の閉会の間際に出され、僅かに一日二日しか審議する期間がないということは、私共非常に不満であります。これは前国会から問題になつておるので、早く国会に御提出になつて十分に審議する機会がなければならんと思うのであります。そういう意味において、私共これは実際において十分審議を盡くしておりません。まだ質したい点もあるわけでありますが、ただ時間の関係で打切つたわけで、これで質問が盡きたわけではないのであります。ですから、将来この点については政府は十分に考えて頂いて、こういう法案をお出しになるときは、十分審議の期間もあり、修正もできるような出し方をして頂きたい。これには無論修正すべきところが非常に多いと思う。神戸市長の御発言もありましたが、その他政府でもお考えになつておることがあると思う。速かにそれらのものを整備されて、近い機会において修正をされるということを強く要望いたしまして、民主党は賛成いたします。
#96
○丹羽五郎君 私も前之園君と同じ意見を持つておりまして、甚だ不備な法律であると、而も審議をする期間が少いということには、非常に不満を持つておりますが、現在日本の港湾に対する基本の法律というものは今一つもないので、この基本法律がなければ、小泉君の言われたように、受入れ、或いは軍用施設に造つたものを返して頂くというようなことも、法律の上においてでき得ないのでありまするから、それを考えて、来国会におきましては、是非とも本当に国の港を開発することのできる法律を政府もよく考えて、ここで修正をするということに政府の確約があるように私も聞いておりますから、それによつて、私はこの法案の通過に賛成いたします。
#97
○委員長(佐々木鹿藏君) 討論終結と見て御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(佐々木鹿藏君) 御異議ないと認めます。それでは採決に入ります。本案に賛成の方の御挙手を願います
   〔総員挙手〕
#99
○委員長(佐々木鹿藏君) 全員賛成と認めます。今後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。御異議ありません。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(佐々木鹿藏君) そのように取計らいます。御賛成の諸君の御署名を願います。
  多数意見者署名
    小泉 秀吉  飯田精太郎
    丹羽 五郎  内村 清次
    横尾  龍 前之園喜一郎
    高田  寛  村上 義一
#101
○委員長(佐々木鹿藏君) 大変御苦労でございました、有難うございます。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木鹿藏君
   理事
           小泉 秀吉君
           飯田精太郎君
           丹羽 五郎君
   委員
           内村 清次君
           横尾  龍君
          前之園喜一郎君
           高田  寛君
           村上 義一君
  政府委員
   運輸事務官
   (大臣官房長) 荒木茂久二君
   運 輸 技 官
   (港湾局長)  後藤 憲一君
   運輸事務官
   (鉄道監督局
   長)      足羽 則之君
   運輸事務官
   (鉄道監督局
   国有鉄道部長) 石井 昭正君
  説明員
   運輸事務官
   (港湾局管理理
   長)      松村 清之君
ソース: 国立国会図書館
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