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1976/04/27 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
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1976/04/27 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

#1
第080回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
昭和五十二年四月二十七日(水曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     川村 清一君
 四月四日
  委員亘四郎君は逝去された。
 四月七日
    補欠選任        岩本 政一君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     星野  力君     渡辺  武君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     古賀雷四郎君     上田  稔君
     岩本 政一君     亀井 久興君
     鈴木美枝子君     森下 昭司君
     藤井 恒男君     三治 重信君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         稲嶺 一郎君
    理 事
                岡田  広君
                佐藤 信二君
                対馬 孝且君
                相沢 武彦君
    委 員
                上田  稔君
                大鷹 淑子君
                亀井 久興君
                高橋雄之助君
                林田悠紀夫君
                川村 清一君
                森下 昭司君
                吉田忠三郎君
                二宮 文造君
                立木  洋君
                渡辺  武君
                三治 重信君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       藤田 正明君
   政府委員
       沖繩開発庁総務
       局長       亀谷 禮次君
       沖繩開発庁振興
       局長       井上 幸夫君
       運輸政務次官   石井  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        服部比左治君
   説明員
       防衛施設庁施設
       調査官      多田 欣二君
       防衛施設庁施設
       補償課長     窪田  稔君
       環境庁水質保全
       局企画課長    神戸 芳郎君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    水野  勝君
       国税庁厚生課長  高橋 昭平君
       食糧庁総務部長  小野 重和君
       資源エネルギー
       庁計画課長    田口健次郎君
       運輸省観光部長  浜田直太郎君
       労働大臣官房参
       事官       鹿野  茂君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(稲嶺一郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、本特別委員会の委員一名を補充するため、岩本政一君が選任されました。
 また、昨二十六日、星野力君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(稲嶺一郎君) 沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤田総理府総務長官。
#4
○国務大臣(藤田正明君) ただいま議題となりました沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び概要を御説明いたします。
 沖繩の復帰に際しましては、沖繩県の区域において本邦の諸制度の円滑な実施を図るため、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律により、各般の特別措置が設けられたのでありますが、政府は、その後沖繩県を取り巻く社会経済情勢の変化等に顧み、内国消費税及び関税に関する特例について、その期限の延長等を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その概要を申し上げます。
 まず第一点としまして、内国消費税については、沖繩県産酒類に対する酒税の軽減措置、揮発油税及び地方道路税の軽減措置並びに料飲店用輸入ウイスキー類に対する酒税の軽減措置の期限を五年延長するとともに、砂糖消費税の免除措置及び沖繩県産品に対する物品税の免除措置を免除まには軽減措置に改めた上、その期限を五年延長することにしております。次に、第二点といたしまして、関税については製造用原料品及び消費生活物資に係る減免措置の期限を五年以内において所要の延長等を行うとともに、発電用の燃料油に係る免除措置及びいわゆる観光戻し税制度について、その適用期限を五年延長することといたしております。以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
#5
○委員長(稲嶺一郎君) 以上をもって説明は終わります。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言をお願いいたします。
#6
○対馬孝且君 いま提案がございました特別措置法案に関しまして、これから率直にお伺いいたしますので、時間もありませんから、ひとつ答弁はだらだらはやめてもらって、質問のポイントに答えていただきたいということを冒頭に申し上げておきます。
 まず、復帰特別措置の延長される経過につきまして、いかなる理由をもってなされるのか、初歩的なことでありますが、冒頭ひとつお伺いしておきます。
#7
○政府委員(亀谷禮次君) お答え申し上げます。
 ただいま復帰特別措置法の一部改正法案につきまして長官から提案の理由の説明がございましたように、今回、本年五月十四日をもって期限切れになります復帰特別措置につきましては、県民生活に直接影響を与えるものが非常に多く、かねてより沖繩県知事を初め地元関係者からこの措置の期間を延長してほしい旨の要請が三十項目余りにわたりましてなされておったところでございます。
 開発庁といたしましても、こうした事態を中心に関係省庁と連絡をとり、実情を調査をした上、復帰後の沖繩県を取り巻きますところの社会経済情勢の変化及び沖繩県の民生安定、経済動向の実態等を総合的に勘案をいたしました結果、ただいま長官より趣旨説明を申し上げましたような本改正の提案をさせていただいたところでございます。
 なお、お尋ねの復帰後の社会経済情勢の変化ということでございますが、御案内のように、復帰五年間、沖繩の県民の経済成長あるいは県民所得あるいは社会資本の整備等につきましては、私どもの見ますところ、かなり本土との格差が縮小し、県民所得の向上も著しいものがあったとは思うのでございますが、一面、産業基盤、産業経済構造等なお幾多のひずみも介在をしておりますことも事実でございます。特に復帰後の社会経済情勢の中で大きな問題としていわゆる石油ショック、あるいは海洋博後の不況といったようなことが沖繩県の経済及び県民生活にかなり深刻な影響を与えておると、率直に考えております。
 こうした状況の中で、復帰特別措置を現在の時点で打ち切るには、県民所得の現況や脆弱な経済力を考えますとき打撃が非常に大きいと思われますので、冒頭申し上げましたように、県民生活の安定と地場産業の振興を図るため、今回特別措置の再延長を法案としてお願いした次第でございます。
#8
○対馬孝且君 私の聞かないことまでお答えを願ったわけですが、結構でございますが、ひとつポイントに答えていただければいいんで、書いたもの読まなきゃならぬというのではないので、ポイントしぼってお答えを願いたいと思います。
 それでは、いま実情として、住民の切実な生活の問題として、ぜひ住民の声としてこれを延長せざるを得ないという、これは当然のことだと思うんです。
 そこで私は、いまもちょっとお答えがありましたが、復帰後の石油ショックによる物価の上昇、あるいは海洋博後の不況といった問題が、非常に予期しない問題が今日出ているんじゃないか。こういった沖繩県の経済に与えた負担というものは非常にやっぱり私は大きいと思うわけです。
 そういう意味で、この際、制度のかさ上げというような復帰特別措置ではなくて、むしろ沖繩の振興開発計画の一環として抜本的にひとつ特別措置を考えてみる、こういう考え方についてどうお考えになっておるか、お答え願います。
#9
○政府委員(亀谷禮次君) 先生のただいまの御質問の御趣旨は、まさしく私どもが今回政府の提案として復帰特別措置法の延長をお願いしておるわけでございますが、御案内のように、沖繩が本土に復帰しましたときに、沖繩の県民の経済及び県民福祉を向上するための復帰時点における政府の対策として法律でこれを具体化いたしましたのが、御案内のとおり大きな種別をいたしまして二つあるわけでございます。
 一つは、今回の提案もその中心でございますが、沖繩が本土に復帰します際のいわゆる行政、財政、経済諸制度というものをそのまま本土に移行するには余りにも激変を起こし、県民生活に影響が大きいということでこういう特例措置を講じた種別でございます。
 もう一つは、先生も御案内のように、本土に復帰した時点で沖繩を本土と同じような経済及び社会資本の整備水準に達するための積極的な振興策、こういうことで、御承知のとおりの沖繩振興開発特別措置法に基づきますところの十カ年計画を策定したわけでございます。
 いま先生の御質問はその後段の、まさに基本的に今後沖繩を積極的に振興する具体的な施策を、もっぱらこういう激変緩和といういわゆる経過的な施策ではなしに根本的に講ずるべきではないか、こういう御趣旨と存じますが、私ども冒頭御質問に申し上げましたように、この五年間沖繩の振興開発計画に基づきますところの社会資本の整備その他、かなり資本投下等施策の面について講じてきたつもりではございますけれども、御案内のように、五カ年がたちました現在、十カ年計画の後半に入ったわけでございますが、沖繩の経済の実情及び社会資本の整備の現況にかんがみまして、後期五年に対しましてはなお一層振興計画の線にのっとって努力を積み重ねていくつもりでございまして、その点については今後もそういう方針でいく所存でございます。
#10
○対馬孝且君 まあ、抜本的な沖繩振興開発という基本に立ってこれから見直ししていきたいということですから、それなりに了といたします。私が言っているのは、むしろ当初から振興開発計画ということで出発をすべきだったのではないかという基本のことを言っているのであって、そういう意見で一応見直ししていくということですから、それなりにひとつ了としたいと思います。
 そこで、過去五年間を振り返ってみまして、復帰に伴う特別措置が県民生活にどれだけのことを寄与し、あるいはまた沖繩経済に与えた影響はどのくらいあるのかということを、これは端的にひとつお答えを願いたいと思います。
#11
○政府委員(亀谷禮次君) 先生も御案内のとおり、この復帰特別措置の具体的な内容を大きく分けますと、いわゆる県民一般の方に対しますところの県民生活に対するショックの緩和、いわばこれは何と申しますか、消費経済の面に及びますところのいわゆる消費物価、物価対策的な面が非常に強いと思います。もう一点は、各般の中小企業のいわゆる産業構造の近代化に至る過程におきます激変を緩和し、企業の自力をつけるという意味におけるいわば中小企業を主体としました企業体策、こういう面も税制その他の措置で御案内のとおり講じてきたわけでございます。第三点は、農業生産その他いわゆる生産者としての方々に対する対策、そういったいわば一種の企業といえば企業でございますが、大きく分けますと、いわゆる企業対策といわゆる消費者対策といいますか、こういう流れがあろうかと思います。
 端的に言いまして、たとえば法律の事案にはなっておりませんが、現在政府が詰めております消費者米価の問題がございます。これは先生も御案内のように、復帰後その時点における本土との特別の格差というものを、本土の消費者米価の改定に応じてそのままスライドしてきておるという現状も御案内のとおりあるわけでございますが、毎年度のそれに対しますメリットの額というのは一定ではございませんが、たとえばの例で申し上げますと、こういった消費者米価、食管制度の特例だけを取り上げましても、本土との間におきますところの特別の手当てに所要する見積もりの金額が約百数十億、こういう金額になるように私は理解しております。細かい関税その他の問題はその年のいろいろな問題が要素にございますので、金額的には申し上げかねるのでございますが、一例をとればそういう問題もございます。
 なお、抽象的な御答弁で恐縮でございますが、石油ショック等いろいろな物価問題、企業悪化の問題が本土全般の企業に応じて起こったことは御案内のとおりでございますが、こういった事態も考えますと、この経過措置というものはかなりこの五年間においては沖繩の経済に有効に作用したというふうに考えておるところでございます。
#12
○対馬孝且君 昨年の九月十七日に開催されました当委員会で、沖繩の現地報告が詳細に委員会で報告をされております。これも十分に私も検討させていただきました、見せていただきましたが、現実にはいま政府側が言うような体制になっておりませんね。これは経済の問題にしても雇用率の問題にしても、後から御質問申し上げますが、実態的には消費者物価指数は本土より非常に高い、あるいは失業率も六%という失業率を見ておると、これはまさに本土と比較して、全く沖繩県民の生活の実態というのは非常にいまなお改善をされていないという私は感を深くするわけであります。
 そこで、次の問題としまして、先ほども地元関係者からぜひこの法案を強く延長してもらいたいと、当然のことでありますが、二十数目にわたるあれが出されておるということでありますが、この改正案の内容から、もしこの法案か通った――通ることは間違いありませんが、通さなければなりませんけれども、その上に立ったとしましても、地元県民の要望にこたえたものとしてこれがなるのかならないのか、その点のひとつ政府側の考え方をお聞きかせ願いたいと思います。
#13
○政府委員(亀谷禮次君) 私どもが昨年来この復帰特別措置の法案の延長問題に取り組むに際しましては、もちろん県民の方々の重大な関心事でございますので、県当局とは随時連絡をとりつつ協議も重ねた結果、県知事を初め関係の皆さん方の御要望を十分しんしゃくをして今回の法律の改正を取り運んだつもりでございます。
 県からは、私どものところに二十数項目にわたります基本的な要請がございましたが、私どもはさらにそれを精査しまして、冒頭申し上げましたように三十数項目にわたる検討を加えて、現在法案として所要のものは法案としてお願いし、政令その他実態として処理すべきものも現在協議中でございます。
 なお、この五年という延長でございますが、基本的には、非常に恐縮でございますが、米価をとりましても、御案内のとおり、本土に復帰しました際の沖繩におきます特殊的な米価と本土の米価の差を一挙に縮めるのは激変であるということで、当時の特別のレートと申しますか、格差を五年間維持するということで推移した事態も一つございます。こういった事態を現在考えますと、御案内のように、本土の米価は毎年改定して上がってきております。そうした結果、当時、実は沖繩が復帰しましたときの沖繩の米価と本土米価は三分の一の格差がございました。しかし現実には本土の消費者米価が毎年上がってくるものですから、実額としては現在二分の一になっております。
 実は、具体的な例で申し上げるのは恐縮でございますが、県当局ともこういった問題についてずいぶん論議をしたのでございますが、県当局も、たとえばそれを数年といいますか、短い期間に激変を緩和するのは困るけれども、こういった特別の制度を半永久的に続けるとなりますと、いま申し上げたような仕組みからいきまして、いわば期限が経過すれば経過するだけ格差が広がる、いつの時点になっても本土のような制度には合わせられない、こういう、矛盾と言えば言い過ぎでございますが、事態についてお互いの認識があったわけでございます。そういったことを問題にしまして、いずれ基本的には本土に合一させるといいますか、同じにしなければならないだろうという基本原則の中で、冒頭申し上げましたように、米価は別の事案もございまして、現在検討しておりますが、基本的に県からやはり五年という原則の中で延長の検討をしてもらいたい、こういう御要請を受けまして、個別の事案についてそれぞれ軽重彼此、具体的な実益及び現状における利用度、そういうものを勘案をして今回お願いしたような基本として五年間、五年間で本土並みにするという再延長をしたと、こういうことでございます。
#14
○対馬孝且君 これは私らの方にも陳情参っておりますが、この法案は一応の現地住民の声ということで取り上げられて延長という形になっていますが、後ほど具体的に項目別にお伺いしますけれども、量的、質的にはやっぱり多くのまだ問題が残されておる、むしろその方が多いのではないかしらという現地住民の感情がございます。これは後ほど項目別にひとつお伺いをいたしてまいりたいと思っております。
 それで、これは大臣にひとつ基本的な考え方としてお伺いをしておきたいのでありますが、今回の法案の示されたこの復帰特別措置の延長を見ると、原則としていまお答えになっているように五年間、提案のあります五年間延長する、その間漸次本土並みにしていくという方針のようでありますが、いずれにしても、延長期間に限定しての基本的な考え方は漸増方式という形で進められていくと、こういう考え方には変わりはないと思うのでありますが、そこで延長期間の五年後において、今回延長をしてその後の事情、背景というものが解消されなかった場合に一体どうするのか。もし五年間延長してなおかつこれが解消されない、こういう時限に立った場合の特別措置の取り扱いは一体どういうことになるのか。端的に言うなら廃止をするのか、あるいはさらにその時限で考えようというのか、そういった点をひとつ率直に、これは基本の問題ですから、大臣としてどうお考えになっているか、これをお伺いします。
#15
○国務大臣(藤田正明君) ただいまの御質問は、第一次五カ年か、特別措置の方が終わった――第一次とはついておりませんが、特別措置の五年が終わったわけでございます。いま御審議いただいておるのがその延長ということでございます。再延長がまたあるのか否か、それは基本的に沖繩県の状態が本土並みになるかならぬかということがその背景にあると思います。それにはやはり産業構造といいますか、いまのところ第三次産業の方は、一時的な空白があったにせよまずまずのところに行きつつある。第一次、第二次の産業が予定どおりいかなかった、その点でさっき申されたような失業率も本土平均よりもずいぶん高い失業率にある、いろんな問題がそこに生じておる。ですから、やはり基本的にはこの第一次、第二次産業の振興がうまくいくかいかぬか、それによって次の五カ年間のことを判断すべきであろうと。ですから、いまここで延長の予ての計画を審議していただいているときに、これはもううまくいかなかったらどうするんだと言われてもちょっと確たる返事は申し上げられないんですが、その背景とともに考えるべきことであろう、かように思います。
#16
○対馬孝且君 いま大臣から、これからさらに五年間進めていくという段階ですから、そのとおりなんですが、しかし、現実に五年をやってこれから五年をまた延長すると、しかし、なおかつ沖繩県民の生活というのは非常にやっぱり本土差はいまなお解消されていない、その間にまた経済変動がどう起きるか、第一次、第二次、第三次の産業の構造というものがどういうふうに推移をしていくかという見通しというものはもちろんこれはつけなきゃなりません。しかし、そういうことがあったとしても、果たしてやっぱり五年後どうなるのかなというのが素朴な沖繩県民の私らのところにきておる声として上がっているわけですよ。だから、その時点、もちろんそれを達成するのがいま最大の目標でありますが、そういう事態を踏まえて、むしろそういう事態に対しては少なくとも本土並みを達成できるというぐらいの大臣としてのやっぱり決意でこれから取り組まれると、こういう決意のほどを私はお伺いをしたいと思います。
#17
○国務大臣(藤田正明君) 対馬委員のおっしゃるとおりでございまして、一日も早く本土並みになることを沖繩県民の方々も望んでおられましょうし、そのためのまたこれ特別措置でもございますから、それからまた、そのための振興十カ年の計画もあるわけでありますから、振興の十カ年の計画が終わる時点においては、ぜひひとつ本土並みにすべての面においてしたい、かような決意はかたく持っております。
#18
○対馬孝且君 大臣の力強い決意の表明がございますから、ぜひひとつそういう方向で県民の切なる要望にこたえていただきたいと、特に要望しておきます。
 次に、復帰特別措置は、復帰前の沖繩の諸制度から本土の諸制度にどうしたら円滑に移行するかというための経過措置として設けられたわけでありますが、文字どおり経過措置ですから、役割り以上のものを求めるのは無理とは思われますがしかし、同時に沖繩と本土の格差、いま申し上げましたが早急に是正をすると、特に全域にわたる国民的標準を確保する、つまり自立的発展の基礎条件を整備をするために策定をされました先ほど来言われております沖繩振興開発計画との整合性が保たれない限り、やはり沖繩百万県民の福祉の向上、あるいは沖繩経済の安定的な発展というものは期待できないんではないか、こう思うわけであります。
 そこで、要するにこの特別措置と振興開発は復帰対策の二本の柱として復帰時の混乱の緩和に役立つことは否定はしないわけでありますが、復帰時の予見できなかった石油ショックやインフレなどの要因により、この五年間の経過措置で、いまも質問申し上げましたが、本土並みが実現できず、もし仮にこれが実現できなかったと、そういたしまして、これを今回五年間延長をし、それが五年後に、いまも関連いたしましたが、沖繩振興開発の計画的な実施により復帰特別措置にかわって安定的な県民志向の自立発展の基礎条件が整備されなければならないのじゃないか。
 したがって、結論的に申し上げますとこういうことですよ。つまり、復帰特別措置の延長と同時に、振興開発といまあなたがお答え願ったつまり十カ年、四十七年から五十六年までの十カ年というもののこの兼ね合い、つまり整合性をどういうふうに保っていくのかという点についてどうお考えになっておるかということをお伺いしたいわけなんであります。
#19
○国務大臣(藤田正明君) おっしゃるとおりに、復帰特別措置といまのような振興開発計画が相関連していくことは事実でございますが、ただ特別措置の方は、二十七年間というもの日本の制度と違った制度の中におられた沖繩県民の方々でありますから、それらを一挙に日本の制度に引き直すということは無理があるということが主眼点でありまして、それで五カ年の特別措置があり、そしてまた、今度まだ十分ではないということでこれが延長になるわけでございますから、関連がないとは申しませんが、関連はありますけれども、いまの開発振興計画の方は、これは基本的に沖繩県がどうやって自立ができるか、この開発の振興が目的でありまするし、関連がないとは思いませんけれども、主眼点は違っておるわけであります。
 そこで振興開発の方なんですが、これはこれなりに前期五カ年を見直しまして、今後の五カ年間をまた重点的に新しく県民の期待に沿えるべく考えておるような次第でございます。
#20
○対馬孝且君 なぜこれをお伺いをするかといいますと、やっぱり振興開発と、いまの五カ年をやってこれからまた延長していく、この実績を見た結果でトータルを出していくんだという考え方では、その時点でやっぱり問題がむしろ遅過ぎるんじゃないか。つまりそういう五年間延長するという実績体験の中で振興開発というものをより急速にやっぱり内容を充実していくという姿勢が、当然そういう意味での整合性というのは必要ではないのか、こういうことを私は申し上げているわけです。この点ひとつ、直接関係はもちろんあるとかないとかは別にして、そういう立て方をしていかないと振興開発計画というものはおくれていくんじゃないか、実らないんじゃないか、こういう懸念をして申し上げているわけでございますから、この点についてひとつ再度お伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(藤田正明君) 帰するところは、豊かな沖繩県といいますか、本土並みの沖繩県を確立することにあるわけですから、おっしゃるとおりにその整合性といいますか、関連をしながらやっていかなければならぬことは、これは確かであります。ただ、私先ほど申し上げた主眼点がちょっと違うんだけれども、しかし実際は整合していかなければならぬことである、かように申し上げた次第でございます。
#22
○対馬孝且君 そこで、この振興開発計画はマスタープランでありますが、私も原本を読ましていただきましたし、それなりに内容についてはかなり計画としてはごもっともな基本計画になっているわけですが、このマスタープランの中では基本的な推進すべき諸施策を記したもので、事業費や事業量の年度別計画というものが示されていない。特に人口問題ではすでに目標年次を上回って、五十年度国調では百四万ということになっていますね。これはあいまいであれば御指摘を願っていいんですが、産業構造の面では復帰時と大差なく、依然として三次産業に傾斜をしている。雇用面では、先ほどもちょっと私指摘いたしましたが、労働力の需給ギャップが拡大をして、結果的に失業率は六%、非常に高いことは大臣もお認めになっているんですが、そういう現状に置かれている。そういう意味では非常に社会的な問題ではないかと、こう考えるわけであります。そこで、今後の振興開発計画をどのようにこれから具体的に、もちろん計画があるわけですから、どういうふうに実践的な段階で進めようとしているのか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
#23
○政府委員(亀谷禮次君) 振興計画に関連した御質問でございますが、先生もいま御指摘にございましたように、後期五年にこれから入ってくるわけでございますけれども、この前期五カ年を振り返ってみますと、私どもから申し上げさせていただきますならば、道路を初め空港、港湾あるいは文教施設等いわゆる公共施設の整備は、かなり計画的に整備が進んできておるとわれわれは理解をさせていただいております。そういった意味で、大体この振興計画にのっとったプランニングと申しますか、目標に到達できるのではないかと思っております。また、県民所得につきましても、全国の県民所得がこの五年間後半停滞をしていた中では沖繩県が相対的に高い伸びを示し、向上したことも事実であろうと思います。ただ、先生も御指摘のように、やはり沖繩の問題としては依然として産業構造が第三次産業に偏重して、県内の雇用力を増大させる力がなかなかアップできないという大きな問題がある、こういうふうに理解をしております。
 先生の御質問に関連してでございますが、御案内のとおり、この五年間を振り返りまして、昨年開発審議会にいわゆる中期的な展望が報告されておりますが、この中でもいろいろな指摘がございますけれども、やはり先生が触れられましたように、人口はすでに計画の上限を超えております。今後の五年を見通しますと、やはり人口はかなりまだ減らないであろう、むしろ若干上回るのではないか、こういう見通しもございますし、県内雇用の問題については依然として後期五カ年では大きな問題として残る。それから、水を初め資源としてのそういった問題の厳しさも十分認識をする必要がございます。こういった問題を踏まえて、やはり後期の五年におきましては、冒頭大臣からの御発言もございましたように、何といっても沖繩の経済の地力をつけるためにはやはり二次産業を、経済開発を進めることは申すまでもありませんが、沖繩の地場におきますところの一次、二次のいわゆる地場産業というものを地道に積み上げ、これをやはり浮揚力をつける、これによる雇用効果を期待する面も相当しっかり考えまして、政府も関連の投資あるいは行政施策を遂行する必要があろうということに、はなはだ抽象的で恐縮でございますが、基本の理念としてはそういう認識を現在持っているわけでございます。
#24
○対馬孝且君 いま、そういう基本理念の抽象的な考え方ではございますが、方向として出ておりますから、それなりにわかりますが。
 次に私は、昨年の十一月、沖繩振興開発審議会が計画の中期的展望というのを報告されていますね。この報告に対しまして、これはどういう性格のものなのか、あるいはこれが、現行の振興開発計画が計画どおり進んでいないというようなことを、結果的にはこれを示唆をしたように思われてならないんですが、この点どういうふうにお考えになっておるか。
#25
○政府委員(亀谷禮次君) 私やや先回りをして御答弁申し上げたきらいがございましておわびをいたしますが、先生の御質問のように、さきも御答弁申し上げました、昨年この振興開発審議会に中期的展望というテーマで報告をいただいております。中身は、やや重なった御答弁になって恐縮でございますが、人口が予定以上にふえ、今後もややふえるという傾向が強いということを前提に、依然として後期においても労働力需給のギャップというものが大きな問題になり、あるいはまた、水需給の問題につきましては今後とも厳しい見通しを持たなければならない、こういった問題を含め、公共施設の整備等は冒頭御説明いたしましたように、かなり計画的な整備はできる見通しであるけれども、問題は雇用のギャップの遠因となっております県内における地場産業の振興といいますか、こういった産業構造の問題がやはり大きく問題として取り上げなければならない、こういうことが主眼点になっているわけであります。
 いずれにしましてもこの中期的展望は、大臣からもお話がございましたように、十カ年の振興計画のいわば節目と申しますか、前期五カ年が終わった時点におきまして、これまでの各般の沖繩における経済及び県民生活の状況、変化というものを踏まえまして、今後における問題点を抽出するとともに、その問題点の打開のために国、県を含めまして関係機関がどういうふうな努力をどの面に傾けるべきかといういわゆる示唆と申しますか、そういうレポートになっておるわけでございます。
 もちろん、われわれは現在の時点で産業構造等を中心にした計画の乖離といえば乖離でございますが、いろいろな問題が出ていることは十分理解をしておりますけれども、先生も御指摘がございましたように、この十カ年の振興計画の理念と申しますか、具体的な中身というものにつきましては、基本理念はこれを修正するということにはまだ至らないのではないか、あくまでこの目標といいますか、計画の到達地点というものの計画に沿うべき、これからの努力をどういうふうに積み上げていくかということに主眼を置くべきでございますので、今後五カ年につきましては、いま申し上げましたようないろいろな問題点、要因を踏まえながら、大臣からも繰り返し御答弁ございましたように、何といっても一次、二次産業を中心にした地場の地力をつけるということに政府の各般の施策も集中すべきであろう、こういうことに考えておるわけであります。
#26
○対馬孝且君 審議会が中期展望、報告を出すということ自体が、やっぱり振興計画どおりなかなか見通しとしては好ましくないと、こういう懸念からこれは出されておることは事実ですよ。私はあえて、報告が出ているわけですから、時間がありませんから省きますが、時間があれば本当はこれ全部出したいんですけれども、人口問題から始まって七つの問題が、中期展望を要約すると大体七項目に分かれています。
 いま言った経済構造の問題、産業構造の問題、労働力の問題、あるいは水の問題、公共施設の国の直轄事業の問題等がございます。これは挙げれば時間がありませんからあれですが、こういった問題が出されたということは、やっぱり振興開発計画どおり進まないだろう、こういう懸念から中期展望というものを示唆をして、このシンボルを誤らないような方向で進めるべきである。このことを私は政府側として胸に秘めてこれからの施策にひとつ対処してもらいたい。これは特にひとつ大臣に要望申し上げておきます。よろしゅうございますか。
#27
○国務大臣(藤田正明君) 全くおっしゃるとおりでございまして、振興開発の最初の五カ年間でうまくいっていないのです。第一次産業、第二次産業がなかなか振興しないのです。ですから後期におきましては、いまの第三次産業に極端に偏った産業構造をどうしても是正していかなければならぬと思うのです。しかし、地理的関係から考えてみても、日本全体の産業構造のようなパーセンテージには私はならないと思うのです。どうしても第三次に重点が置かれてくることは、日本唯一の亜熱帯の島としてこれはやむを得ないと思うのですが、それにしてもいまの状況では、雇用機会の喪失といいますか、そういう面ではどうしても失業率が高くならざるを得ない。
 そこで第一次、第二次を、基本的にどうやってこれを振興していくか、まあ第二次産業とするならばこれはもう地場産業の発展、これが第一番だと思います。それからまた、県外からの誘致ということも第二点目にあると思います。しかし地元で、県で産出する資源、これを加工し、そういうふうな地場産業が興ってくることが一番好ましいことでありますから、そういう意味の地場産業をぜひ興していきたい。
 それから、まあ第一次産業はパイナップルだとかサトウキビだとかいろいろあるわけでありますけれども、もう少しこれも品質の改良その他いろいろな面から基礎的に、土壌の改良から起こして基礎的に改善していかなければならぬ、このようなことも考えておるような次第でございまして、全体的には十年間に基礎もつくり、そうしてそれらが第一次、第二次の産業が発展し、第三次に偏らないだけのものは後半でつくっていきたい、かように考えております。
#28
○対馬孝且君 いま大臣からそういうお答えがございますから、 いずれにしてもいま言った産業を、どういう均衡バランスを沖繩の現地にタイアップして本土並みに回復をするかということが基本ですから、その点でひとつ、先ほど申し上げました中期展望の方向を出されたこの時点を踏まえて、積極的に取り組んでもらいたい、これをひとつ申し上げておきます。
 ちょっと労働省にお伺いしますが、先ほど来沖繩の雇用、失業につきましてちょっと触れましたが、沖繩県の失業率が全国一高いということはいわれながら一向に改善されていない。もちろん雇用の場が少ないということもありますが、政府は必ず広域職業紹介の制度、そういった施策をもって改善していくという、あなた方はいつも言明をするわけですが、一体どの程度の効果が上がっているのか、もう一つ、産業の振興による県内の雇用力の増大を図るということはもとより必要なことでありますが、要は失業の内容に応じた具体的なきめ細かい配慮がなければならないのじゃないか、そういうことについて労働省はどういうふうにこれからやろうとしているのか、また、現在どういうことをやっているのか、その取り組み方についてお伺いします。
#29
○説明員(鹿野茂君) 先生御指摘のように、沖繩県におきます失業率はことしの二月で五・九%と全国平均の二・三%に比べますと三倍という高い水準でございまして、そういう意味で雇用情勢は非常に厳しいものがございます。こういう失業者の方々の再就職につきましては、基本的には先ほどから御提案されてありますように、地元産業の振興による、まず県内企業の振興によります雇用機会の創出ということになろうかと思いますけれども、当面そういうことは非常に困難な情勢にもありますので、労働省におきましては、昨年五月に沖繩県の労働者のための職業安定のための計画等を策定いたしまして、広域職業紹介の可能な方についてはできるだけ本土就職をやっていただくということを考えておるわけでございます。そのため特に本土の主要な都市に相談員を六名置きまして、また本年度からは地元の那覇の安定所を中心に二名の相談員を置いて、広域職業紹介を推進しているわけでございます。昨年度の実績でいわゆる学卒、新しく学校を出られた方以外でも約五千名の本土就職を見ているところでございます。
 そのほか、公共事業への労働者の吸収率を特に定めまして、地元におきます公共事業へ労働者を、失業者を吸収していただく。あるいは先生御指摘のように、各種の就職援護措置をきめ細かく講じながら、これらの失業者の就職の促進を図ると、そういうふうに考えております。
#30
○対馬孝且君 沖繩県の雇用対策というのは、労働省は最重点対策として、現地にひとつ労働省の分庁ぐらい労働対策として持っていって、きめ細かい、相談員のこと出たけれども、そんな五人や六人の問題じゃないんですよ。そういうやっぱりきめ細かい職業訓練とか、そういう機会を積極的に取り組むよう強く申し上げておきます。
 時間もありませんから、農林省に、先ほども政府側からございましたが、沖繩の米麦の価格について、復帰特別措置法では復帰前の沖繩の事情を考慮して、復帰後の五年間は復帰時の価格をもとに、その後の本土の価格の引き上げ率に応じて定めると、五十二年五月から三カ年で本土価格と同水準にするようになっておりますが、これをどのように取り扱っていくつもりか、その点ひとつお伺いをいたします。
#31
○説明員(小野重和君) 現在、米の売り渡し価格でございますが、本土はトン当たり二十二万四千円、沖繩では十万円になっております。この格差が十二万四千円でございます。比率が四五%、こうなっております。比率は復帰時と同じでございますが、額としては開いていると、こういう関係でございます。これを現行政令では三年間で本土並みにする、こういうふうになっておりますが、そうなりますと非常に大幅な引き上げをせざるを得ない、こういうふうになりまして、これには問題があると私ども考えております。
 一方、沖繩県当局その他各方面から、これを三年間の調整期間を五年間延長して八年間にしろという御要望を十分私ども承っております。いずれにしましても、私どもといたしましては、沖繩県の県民生活、経済事情を十分に配意しながら、現在関係省庁と協議しながら検討しておるところでございます。
#32
○対馬孝且君 時間もありませんから、ひとつ農林省この点、いま沖繩県民の実情というのはもちろんおわかりのとおりですから、ひとつ本土並みの実態というものを踏まえながら、何と言っても基本ですからね、米と麦というのは。そういう点で特段の御努力をお願いすることを要望しておきます。
 最後に、大臣に一問だけ。
 先ほど私がいろいろ、時間もありませんので具体的な段階まで入れませんでしたが、この基本的ないま出しました沖繩振興開発計画、これはひとつ何が何でも五カ年計画で本土並みに解消ということについては、重ねて申し上げますが、沖繩開発庁長官というだけでなくて、ひとつ国の使命として、しかもこれはやっぱり同じ国民の中でこれだけの差別があってならないわけですから、一段とこれを大臣として問題の解決に当たっていただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
    ―――――――――――――
#33
○委員長(稲嶺一郎君) この際、委員の異動について御報告申し上げます。
 ただいま藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君が選任されました。
    ―――――――――――――
#34
○二宮文造君 引き続いて、私も沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正、いま提案されておりますが、その件についてお伺いしたいのです。
 まず長官、先ほど御説明いただきました提案理由の説明、これによりますと、「内国消費税及び関税に関する特例について、その期限の延長」をすると、こういうふうな、またその後第一点、第二点と御説明がありますが、この提案理由に関する限りは、現在沖繩が受けている特別措置、それがそのまま期限が延長されるような趣旨の提案理由の説明になっておりますが、先ほどの対馬委員のお話を伺っても、今後この特別措置がだんだん漸増する、漸増するということは後退をしてしまう。沖繩が受けている利便といいますか、それが後退をする、そういうことを含みながら、この提案理由によりますと、単に軽減措置が延長されるような説明になっておりますが、これはちょっと舌足らずじゃないでしょうか。やはりこの提案理由の中に、軽減措置を見直しながら期限を延長するという一項目がなければ、ちょっと提案理由としては舌足らずじゃないかと思うのですが、長官いかがですか。
#35
○国務大臣(藤田正明君) おっしゃるとおりで、そのまま延長するわけではございませんので、品目によっては二年で打ち切ろうというものもございます、三年で打ち切ろうというものもございます、五年そのまま延長するというものもございますし、おっしゃるとおりちょっと舌足らずな趣旨説明であったかと思います。
#36
○二宮文造君 したがいまして、われわれがこの法案を審議する、あるいは国民がこの特別措置に関心を持って検討する限りは、今後五カ年間延長はされるけれども、その一つ一つの項目がどういうふうに変化するかということもあわせてこの審議の過程で問題にしなければならないと思うんですが、残念ながらその材料はすべて政令にゆだねられています。したがいまして、今日の時点では全くそれが予測できないわけですが、こういう場合は、やはり法律の要綱とともに政令の要点というものも同時に審議の過程に乗せるべきではないか、こう思うのですが、この点はどうでしょう。
#37
○政府委員(亀谷禮次君) 先生から御指摘がありましたように、この復帰特別措置の具体的な五年間の制度……。
#38
○二宮文造君 簡単にしてください。あなたの答弁、長いんですよ。
#39
○政府委員(亀谷禮次君) 内容につきましては大臣からも答弁がございましたように、品目によりまして二年ないし三年あるいは五年、あわせまして漸次これを本土並みに引き上げるための経過措置が全部含まれております。いま御質問がございましたように、政令につきましてなるべく本法案の提案にあわせて関係省庁で協議が確定しておれば御提案するべきではございましたけれども、この法律によらない、たとえばいま申し上げましたような食糧管理制度その他政令だけの事項につきましても現在関係省庁で協議中でございまして、
  〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
方向としましては県民の要望に沿うような線で延長したいと思っておりますが、いま申し上げましたように、具体的な政令の内容につきまして、法案にあわせて資料提出がおくれましたことはおわびを申し上げたいと思います。
#40
○二宮文造君 そんな答弁聞いたって仕方がないんです。本来ならば、軽減措置を漸増していくわけでしょう、負担が大きくなるわけですから、これは当然出すべきではないか、出さなければわれわれが審議に差し支える。今後もありますから、ひとつ今後そういう場合は必ず政令と一緒に委員会に御提案を願って、中身を明確にしていただきたい。提案理由も舌足らずだし、どういうように変化していくのか政令も出てこないということになりますと、全く不完全なまま審議をしなきゃならぬことになりますので、今後その法案の提出の仕方について御検討いただきたい。私は要望です。
 時間がありませんから、直ちに細かい問題でお伺いをしたいんですが、特に内国消費税の関係で揮発油税及び地方道路税の軽減措置、こういうものについてお伺いしたいんですが、今日、いま今日の段階で揮発油税並びに地方道路税、これの本土と沖繩との違いは一体税の面で幾らになっておりますか。
#41
○政府委員(亀谷禮次君) お尋ねの点でございますが、現在、昭和五十一年七月現在で申し上げますと……。
#42
○二宮文造君 今日。
#43
○政府委員(亀谷禮次君) 現在、沖繩県の税率がキロリットル二万六千四百円、本土の税率が四万三千百円でございますので、対本土との税差が一万六千七百円、こういうふうに承知しております。
#44
○二宮文造君 それが、ただここの提案理由では五カ年間延長する、軽減措置を延長するとなっていますが、話に聞きますと、すでに漸増の考え方を持っているということですが、今後どうなりますか。この軽減措置がどう変化するように予定してますか。
#45
○政府委員(亀谷禮次君) 私どもの、県と調整をして現在関係各省庁と詰めております具体的な予定としましては、五十二年の五月から五十四年の五月までにはこれを約三分の二に、いま申し上げますのは税差の縮めぐあいでございますが、また五十四年の五月から五十七年の五月まではこれを三分の一に縮小すると、こういうふうな計画を考えておるところでございます。
  〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
#46
○二宮文造君 ところが、本則の方は五十三年の三月三十一日までしか決まってない。いいですか、本土の方の揮発油税並びに地方道路税の関系の部分は来年の三月三十一日までしか決まってない。もしそれを法律が改正にならないともとへ戻す、もっと軽減するわけですね。そういう予測できないような、本土の方は来年の三月までしか決まってないのに、特別措置の方の政令としては、本則で決めてない五十七年まで予定してこういうふうな政令を用意するというのはどういうわけですか、もとがはっきりしてないんですよ。
#47
○説明員(水野勝君) ただいまの点につきましては、開発庁の総務局長から御答弁申し上げておりますように、現在の税差を三分の二にし、三分の一にするという方向で、私ども開発庁とお話しして決めさしていただいておるわけでございます。そのもとになる税率でございますが、確かに先生のお話しのように、特別措置法で来年の三月までの規定はございます。しかし観念的には、形式的には揮発油税法におきまして二万八千七百円という税率は法律として存続しておるわけでございますので、それとの税差を三分の二にし三分の一にするという、観念的にはそういうことになろうかと思われます。しかし、その二万八千七百円に戻るのかどうか、それはまた今後の問題でございますので……
#48
○二宮文造君 冗談じゃありません。自治省の方から出ているのは、あなた方はいま巧みに答弁を半分だとか三分の一だとか言ってすりかえていますけれども、自治省の方から出ている資料によりますと、その三分の一とか半分とかいう表現ではなくて、差額は一万一千二百円とか五千六百円とか、いわゆる来年の三月三十一日で切れる本則の税額、これに見合って二分の一、三分の一という金額を出してます。あなたの答弁間違いですよ。それじゃ自治省の資料が間違いですか。
#49
○説明員(水野勝君) いや、そういうことではございませんで、その数字は、恐らく私どもが去年の暮れからことしの初めにかけまして、開発庁を通じまして現地沖繩県とも詰めましたときに、現在の四万三千百円という数字をもとにいたしますと税差がこれだけございますと。これを二段階、三段階で分けて三分の一ずつ税差を縮めてまいりますと五千何百円とか一万一千円とか、そういう数字になるわけでございます。それは詰めるときの実質的な詰めの経過でございまして、それを現在の法律に翻訳いたしまして今後政令を書くといたしますと、それが、現在、四万三千百円は来年の三月までしかございませんので、違う方式で書かざるを得ませんが、そのときのお互いの詰める段階でのお話では、四万三千百円で五年間続くものとしての交渉をいたしましたので、そういう数字が一時資料として出たことはございます。
#50
○二宮文造君 政府提出の資料は、そういう未確定の要素を含んで、変わった場合はこうなりますけれども、いまの場合はこうですというような、それならただし書きをつけて出すべきです。そういう不確定な資料を出すべきではない。またあなた方も、本則が決まってないのに、将来にわたってまでそういうことを検討すべきではない。
 さらにもう一つ、じゃ、現在の時点で考えますと、先ほどお話がありましたように、本土と沖繩とではキロリッター当たり税差が一万六千七百円ある。これガソリンのリッターに直しますと十六円七十銭。しかしもっと細かく言いますと、沖繩では先島との関係があって、地方税としてキロリッター当たり千五百円、いわゆる石油価格調整のための税をとっていますから、それを差し引いても、一リッター当たり十五円二十銭の差が出るわけです、税額の面で。ところが、現在沖繩と本土とのガソリンの小売価格の差というのはどれだけあるか、開発庁つかんでいますか。
#51
○政府委員(亀谷禮次君) お答え申し上げます。
 この格差につきましては、いろいろと見方もあろうかと思いますが、私どもが承知をしております数値で申し上げますと、本土の場合、これもいろいろ価格の変動があるようでございますが、高いところでリッター百三十円、最低の方で言いますと百八円程度。沖繩では、いま私ども承知しておりますところでは百十二円だと、こういうふうに理解をしております。
#52
○二宮文造君 そういうことをおっしゃっちゃいけません。全国平均は百十九円、埼玉県では現金売り九十八円、よろしいですか、沖繩では百十二円、これはほとんど統一です。そうしますと、せっかく特別措置で十五円二十銭という税差を設けておきながら、現実に沖繩は本土と同じか、場所によっては本土よりも高いガソリンを消費しているわけです。せっかくの特別措置が何ら生きてない。しかもこの五月十五日以降はさらにまた税差が縮まってしまいますから、今度は恐らくこの五月十五日以降は沖繩は本土よりもガソリンが高くなる。こういう状況ですが、通産省見えていると思いますが、この本土と沖繩の税差がそのまま生きてないというのはどういうわけですか。
#53
○説明員(田口健次郎君) 先生おっしゃいましたように、最近三カ月間、五十一年の十一月からことしの一月までの沖繩のガソリン小売価格を見ますと、総理府小売物価統計報告によりましてリッター当たり約百十二円というふうになっております。全国平均小売価格はリッター当たり百二十円ということでございますから、八円程度リッター当たり安くなっているということです。
 なお、税差につきましては、価格調整税を引き上げる前でございますので、一応十六円二十銭の税差でございます。末端の小売価格について見ますと、スタンドの規模の大小、販売経費等によりまして少し違うものでございますので、本土で見ましても先ほど御指摘ございましたように、地域的に見ても非常にばらつきがある、最低百八円、最高百三十円というのが実情でございます。
#54
○二宮文造君 ですから、やはりこれは行政指導の誤りだろうと思うんです。せっかくこれだけの特別措置でもって税差をつくっておきながらそれが生かされてない、また、生かすように政府の方でも指導されてない。しかも、今度は長官、五月の十五日から上がるんですよ。こういう事態を考えますと、せっかくの特別措置の趣旨が生かされていない現実、これをやっぱり政府は反省をしていただいて、これからの政令の改正というものについてもその点は加味されなきゃならぬ、行政指導を的確にして税差を生かすか、この税差を生かすだけの力が政府にないならば、今度は政令の方で特別措置を、値上げをするのを抑える、どちらかしませんと沖繩にはもろに影響してきます。この点どうお考えになりますか。
#55
○国務大臣(藤田正明君) 適切な例を御指摘いただきましてありがとうございました。
 このようなせっかくの特別措置が生かされないような現状であることはまことに遺憾のきわみでございますから、どちらをとるかは研究さしていただくことにしまして、この特別措置が現地において十分生かされるような措置を厳重に今後とってまいります。
#56
○二宮文造君 努力をお願いしておきます。
 時間がありませんから、問題は幾つもありますので次の問題に移らしていただきます。
 運輸省の政務次官並びに関係の方もお見えになってますのでお伺いしたいんですが、四月の一日から、いわゆる沖繩の団体包括旅行割引運賃制度、こういうものをお決めになりまして、その場合、団体割引の場合は航空運賃を二五%引きにする、これは大変な、沖繩の観光をもうひとつ目覚めさせるための決め手になるようなことで大方の期待を受けているわけですが、私いろいろ旅行会社のパンフレットを見ますと、せっかくのこの四月一日から二五%割引というものの趣旨が生かされてないんじゃないかと、こう思うんです。
 具体的に申しますと、日本交通公社が募集しております。パンフレットによりますと、これは一月十日現在の資料でつくったものですというただし書きがあります。これによりますと、「エース会員旅行沖繩」という表題がついていますが、ここで三月の二日からずっと順次団体を組みまして、最終の日程として五月の二十九日まで二十一回にわたって団体を募集しています。もちろんこれは三月の二日から五月ですから、その間に四月一日以降があります。毎回の募集定員は四十名ですよろしいですか、この四十名の沖繩のいわゆるエース会員旅行という旅行費が十二万七千円、こうなっています。さらに、今度は四月の一日の資料をもとにつくったものですという、同じように交通公社の。パンフレットがあります。これによりますと、やはり「日本の旅情沖繩八重山エメラルド」、これは旅行の日程が六月の五日、十九日、七月の二十四日、八月の二日、十二日と五回団体を組んでいます。この料金も同じく十二万七千円。
 そうしますといままでは一割引きしかなかった、今度は二割五分引いた、大変な割引ですね、にもかかわらず、それが業界の第一人者と言われる交通公社の。パンフレットに全く生かされていない。これではせっかく沖繩の観光を再び呼び起こそうという趣旨で運輸省が努力をされたことが生かされてないと思うんですが、この点いかがでしょう、政務次官。
#57
○政府委員(石井一君) 二宮委員御指摘のとおりでございまして、私たちも遺憾に思っておるわけでございますが、私たちが情報を集めたところによりますと、旅行の業者がすでに事前から新しい運賃が導入されるというふうなことを察知いたしまして、すでにそれを組み入れた形で計画を立てておった。したがって四月以降も、すでにそれまでにそういう形での運賃をその計算の中に挿入しておったために、ここで改めて二五%の顕著な運賃のダウンというものが出てないというのが現状のようでございます。しかし、私もそのことを担当局から説明を受けまして、いやそれは少しおかしいんじゃないかということを再度問い直したわけでございますが、要は、海洋博以降訪問客というものが非常に減りまして、年間百五十万人もありましたものが半分になってしまった。こういうふうなことから、航空業者にいたしましても旅行の業者にいたしましても大変苦慮しつつ、すでに認可運賃というふうなものをある程度ダンピングしながら旅行全体の。パッケージを組んでこういうふうなものを、旅行客というふうなものの誘致に努力をしておったというふうな事実があるようでございます。
 われわれは、運輸当局として何もダンピングを認めるわけでも何でもございませんが、これは全体の中には運賃だけでなくホテルの費用であるとか案内の費用であるとか、いろいろ含まれておるわけでございますけれども、そういうふうな中から、これまでの運賃がすでにかなり押さえた形で捻出されておったと、それがいま先生御指摘の十二万七千円であると。したがって、今度の新運賃によりまして何かこれまでの実勢運賃を現実にオーソライズしたと、こういうふうな片手落ちと言えば片手落ちということにもなろうかもわかりませんけれども、結果になっておるようでございまして、そういうことから、いま御指摘の点は値段の差が出ておらないと、こういうふうなことのようでございます。
#58
○二宮文造君 確認しますが、交通公社の例を私出したわけです。そうすると政務次官の答弁は、すでにもう三月二日から、恐らくもう四月の一日から二五%引きになると、そういうことを予想して、少しリスクを冒すけれども、それをもう三月の二日に割り込んでそれでもうやってますと、ですから交通公社としては三月分についてはむしろサービスですと、こういう答弁のように伺ったんですが、それでよろしいでしょうか。
#59
○政府委員(石井一君) そういう面も確かにあるようでございます。場合によっては三月でなく、海洋博以来かなり長い間そういう形での配慮を航空会社がしておったのではないかなということが想定されるわけでございます。
 それからもう一点、旅行業者の商売の慣習上、どれだけが運賃でどれだけがホテル代でどれだけがバス料金だというふうなことは一切なかなか明確にしない点がございまして、いまの点をきっちりと詰めていきますと、その辺の割り振りというものが非常にはっきりといたしませんが、いろんなところに節約をしたり何かして客を誘致するための苦肉の策をしておったのではなかろうか、こういうふうに推察するわけでございます。
#60
○二宮文造君 問題二点ありますが、漸次御資問いたします。
 政務次官の答弁によりますと、三月の二日以降の分については四月一日から割引になることを承知の上でリスクを冒して業者のサービスでやったと、こういう面があるというお話ですが、御承知のように、この運賃割引制度は各旅行業者が航空会社に申請をして承認を求めることとなっているそうです。運輸省は全然タッチしない。こういう団体を組みましたと、したがって、これはいわゆる団体包括運賃割引制度を適用してもらいたいということを航空会社に申請をする、航空会社は見てよろしいということで承認をするということですが、よろしいですか、全日空もそれからJALも、今日までのところ日本交通公社からこのGIT運賃の申請を受けていないのです。全く受けていない。これは私の方で調べました。JALについては、名前は伏せますが、本社の国内旅行課の方に伺いました。日本交通公社の申請はございませんと。それから全日空の方につきましては、本社営業本部業務部業務課に照会をいたしました。ここにおいても、三月十五日付で、この制度が四月の一日から発足しますということは業者には連絡はしてありますけれども、四月二十日現在、搭乗ベースで見た場合、該当件数はございませんと、こういうことです。この点はどうなりましょうか。政務次官まことにお気の毒です。事務当局から上がってきた答弁をそのままおっしゃったんですが、事務当局はそこまでタッチしていない。せっかくの割引制度をつくり、沖繩の観光のブームを呼び起こそうというせっかくの政務次官を初め大臣の御苦労にもかかわらず、担当部局は全く努力していない、こういうことになりますが……。
#61
○政府委員(石井一君) いまの点でございますが、はっきり申しまして、私はそういうことを一切聞いておりません。直ちに調査をさせたいと思います。
#62
○二宮文造君 運輸省。
#63
○説明員(浜田直太郎君) いま先生御指摘の、申請がまだなされていないというのは事実のようでございます。
#64
○二宮文造君 じゃ、なぜ政務次官にそんな答弁させるのですか。
#65
○説明員(浜田直太郎君) いま聞きましたところ……
#66
○二宮文造君 いま聞いたといったって、あなた、政務次官大変じゃありませんか。
#67
○説明員(浜田直太郎君) それで、その事実関係につきまして早急に調査をいたしたいと思っておりますので、まことに申しわけございません。
#68
○二宮文造君 政務次官、このように、せっかくの政府――政務次官、大臣の努力が担当部局なり、あるいは旅行会社なりの手によって生かされてないわけです。これはまことに、二五%――一五%余分にマイナスになるということは、いままで五万幾らでしたか、大変な割引ですよ。いままでが往復一割引きで五万三千円でしょう。今度は四万一千百円ですから、往復で一人当たり九千円の割引です。これは大変なものです。したがいまして、これが一万円安くなるかならないかという問題が一つ。
 もう一つは、この一万円安くなることに目をつけて、業者がいままでの分を取り返す。先ほどおっしゃいましたね。ダンピングしていたのをカバーしてしまう、こういうことになりますと、せっかくの趣旨が元も子もなくなってしまうわけです。しかも四月に入って、もうすでに一カ月になんなんとするというのに、JALで調べたところによりますと四件しか申請がない。全日空は全くない。こういうことでは、これは観光部長、怠慢ですよ。
 それから、これからお願いしたいのは、こういう。パックの中身についても看板に偽りがないように業者を指導していただきたい。個々の商品の中身にタッチすることはできないなんてということは、これはきれいごとでして、本来の趣旨が沖繩に観光客を呼ぶということの趣旨ですから、そのために努力したのですから、それが業者の食い物にならないように、今後しっかり指導していただきたい。私、これこのまま深く追及いたしませんが、こういう実態があるということは現実にとめておいてください。よろしいですね。政務次官ひとつ。
#69
○政府委員(石井一君) いま二宮委員が御指摘になりましたように、十二万七千円のうちの運賃が約五〇%以上を占めているようであります。したがって、大方七万円近いものが運賃である。それの二五%と申しますと、一万円というよりももっと大きな額である。私はこれに対しては何らかの今回の措置の効果が出るようにするべきであるということを、今回この御質問を受けましたときに事務当局に命じたところでございますので、この点ひとつ善処をしたいと思います。ただ、先ほど申しましたように、沖繩海洋博以来この関係業者も非常に苦しんでおるようでございますから、だからいま、これまで損をしたものを取り返すということではございませんけれども、その辺もやや配慮していかなければならぬのではないかなあと、こういうふうに考えるわけでございます。
#70
○二宮文造君 それから、私はパック旅行、これは経済的になって非常によろしいわけです。これは別に私否定するわけじゃないんですが、ややもすると、このパックに組み込まれるホテルがいわゆる海洋博ブームで本土から出ていったデラックスなものに全部吸収されてしまうわけですね。海洋博を目当てに地元資本も相当にホテルをつくっています。そうしますと、パック旅行でお客さんはふえたけれども、そのホテルは偏りがしてしまって、沖繩本土の業者の方のホテルは相変わらず閑古鳥が鳴いてしまう。具体的にもうすでに八十七件、一万一千三百人の収容施設を持つ業者の方が転廃業を希望されている。ですからパックも結構、ですけれども同時にこのパックの中身に、いわゆる沖繩の中小のホテル業者が恩恵をこうむれるような、そういう行政指導もなさってしかるべきではないか。これはひとつホテル関係のいわゆる旅行業者の指導というものについて政務次官にお伺いしたいし、それから総務長官、このようにせっかくの思惑が外れて、ホテルはつくったけれどもすでに転廃業しなければならぬ。これは政府関係機関とかあるいは病院とか、そういうものにもかえなければ生活ができない、こういう希望を持たれているのが八十七件、一万一千三百人の収容施設のホテル業者がそういう感じを持っている。これをどういうふうに掌握し指導されるか、ホテル業者の転廃業の問題はひとつ総務長官からお伺いします。
#71
○政府委員(石井一君) ただいまの運賃の問題でなく、グループ・インクルーシブ・ツアーの中にはホテルもすべて入っておるわけでございますから、当然、運賃に関する検討をいたしますときにホテル業者に関する問題につきましても観光部を通して指導をしていきたい、このように考えております。また、最近徐々に需要がふえておるようでございますから、特に地元業者に対する手厚い保護ということを考えていきたいと思います。
#72
○国務大臣(藤田正明君) ただいまおっしゃいましたことは大きな問題であろうと思うんですが、いま県当局とその点では開発庁は相談をいたしておりまして、いまおっしゃいましたが、病院に切りかえるのも一つの案でございますし、本土の大企業の保養施設というふうな面にこれが使えないかということで、実はもうすでに当たっておるという事態でございますが、まだその実は上がっておりません。なお、今後そういう線で努力をいたしていきたい、かように思っております。
#73
○二宮文造君 それから政務次官、もう一点、これはかねがねの宿題になっているんですがね。昭和四十八年十一月二十八日の当院の決算委員会で、私は当時南西航空、いわゆる沖繩のローカル線ですね。南西航空の航空運賃の値上げの問題に絡みまして、沖繩の県民にとっては、特に先島の人にとっては南西航空というのは足だと。それが大幅に値上げされては困る。特に南西航空の場合は搭乗率は非常にいいし、その面に関する限りは全日空や東亜国内航空やあるいはJALとは比較にならぬほどの搭乗率を持っている。だから、ここで大幅な値上げというのは納得できないというのがその当時の先島の人たちの要望でした。それを受けまして、私は、値上げというのは種々やむを得ない面もあるかもしれぬけれども、そういう状態なんだから先島の人がこの南西航空を利用する場合は特別の運賃を考えるべきではないでしょうかというふうに提案をしました。そうしますと、当時の航空局長の寺井さんですね、それと呼吸が合いまして、確かにおっしゃるとおりだ、したがって、先島の人のための特別運賃というものは考慮しなきゃならぬ、現に考慮する予定です、運賃値上げについて。イエスかノーかというところまで詰めますと、イエスですというところまで話がいって、昨年の六月ですか、運賃値上げになりました。私はその特別割引が先島の人にあるのかと思って楽しみにして、先般沖繩へ行って様子を聞いたら全くない。与那国や大東やそういうところから那覇へ行くのはこれはSTOLですか、小さい飛行機、これは特別運賃がある。だけれども、南西航空の石垣だとか宮古だとかそういう方々が、たとえば五日なり十日なりの予定で往復しても全く特別運賃がない、割引がないということですが、これはせっかく約束していながらその証文をほごにするのは私はいささかいただけないんじゃないかと思うんですが、政務次官、この決算委員会の航空局長とのやり取りを読んでいただきましたか。御感想を伺いたい。
#74
○政府委員(石井一君) 四十八年十一月二十八日の先生の御指摘は私精読してお伺いさせていただきました。
 多少経過を説明させていただきたいのでございますが、いま一つはSTOL、それからもう一つはYS11が入っているわけでございまして、比較的距離の長いものはYS、それから短い離島航路をSTOLがやっております。STOLに関しましては、これは非常に採算性も悪いもんでございますから、運輸当局といたしましては、一つには航空機購入に関する補助金の交付、補助率七五%を実施いたしておりますのと、それから運航費補助というふうなものを出しております。これは国と県とが、たとえば本年度三千万円ずつ出しておるということでございますが、こういうことで離島の皆様方の足を確保するために努力をいたしております。
 それから、二宮先生が御指摘になりました直後、四十九年一月十日よりSTOLの航路につきましては、離島島民の特別割引制度というものを導入いたしまして、これによりまして割引率三〇%を施行しておる、こういうことでございます。問題はそのYS11のところでございますが、この点に対する御指摘があったわけでございますけれども、これは現在本土の離島並みの運賃を旅行しておるということ、それからもしここへ割引を導入するということになりますと、これまで非常に苦しい経営もやってきたようでございますから、そんなにもうかっておるというふうにも全体的には私たちは掌握いたしておりませんので、そのはね返りが本土の料金に返っていくというふうなことにもなろうかと思いますので、いましばらくこの長い路線に関してはむずかしい問題があるのではないかなと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#75
○二宮文造君 そうすると、この寺井航空局長の答弁は、これでやみ討ちですか。
#76
○政府委員(石井一君) いやいや、御指摘がございましてほんの数カ月後にSTOLに関することに関しましては早急措置をしたつもりでございますし、その後もいろいろの補助等をやっておるわけでございますが、もう一つの方につきましては、確かにやみ討ちと申されますと大変苦しいんでございますが、現在のところまで方策がとれずにおるということは確かでございます。
 私、何か方法がないのかということを検討さしたのでございますが、飛行場整備という面で、石垣と宮古に関しまして滑走路を長くしジェット化を推進する、こういうことによってもっと多くの人々を運ぶこともできますししますので、そういう措置がとられた暁には割引の料金というふうなものが導入しやすい状態になるのではないか、こういうことを言っておりますので、この点も検討していきたいと考えております。
#77
○二宮文造君 じゃ、やみ討ちではなくて、先楽しみということに私はきょうのところは了解しておきます。先楽しみ、このことを、私執念深い方ですから、また、ある一定のときが来て問題の整理をしたいと思います。
 時間が参りましたので、一点だけ総務長官お願いしたいんですが、ハンセン氏病の施設の沖繩の愛楽園、それから宮古の南静園、これが本土復帰にはなったけれども全く本土並みの整備がされてない、これはまことにお気の毒な状況なんでして、たとえば本土の療養所におきますと、昭和三十七年から独身者の個室制、いわゆる一人四畳半という切りかえが一斉に実施をされまして、大体だれに気がねすることなく療養生活ができる、こういう方向に進んでいる。それに比べて愛楽園の場合はまだ一個の個室もない、四人一部屋の雑居生活が強いられている。さらには不自由な体でまきを運んだり、また、五右衛門ぶろをたきながら湯あみをしなきゃならぬ、こういう状況で、まさに復帰前の状況のまま放置されている。これは本土の国立の療養所に移管する、こういう復帰の措置があったにもかかわらず施設はそのままだ、これはまことにもって人権問題も含み、あるいはその本土復帰というものに胸をふくらませた患者の方々の希望もちぎってしまっていることになるわけです。これは早急に措置をしていかなきゃならぬと思うんですが、この愛楽園ないし南静園のこれからの整備の目標というのはどう置かれるのか、また、どういう姿勢で取り組まれるのか、時間がありませんからこの点だけお伺いして、きょうのところ終わりにしたいと思います。
#78
○政府委員(井上幸夫君) 御承知のように、沖繩にあります国立療養所は厚生省所管でございまして、実情把握は沖繩開発庁としては正直申しましていたしておりません。ただ、現地に地方医務局の分室がございますので、厚生省の方でその系統は一元的に計画を組んでおられると聞いております。
#79
○国務大臣(藤田正明君) ただいまおっしゃいましたことについて、当面は厚生省が全国的に約二十億の予算で、中にいまの愛楽園にしましても、もう一つの石垣島の病院にいたしましても含まれていることだと思います。思いますが、それはそれなりにわれわれといたしまして、沖繩開発庁といたしましては関心のあるところでございますから、厚生省と緊密な連絡のもとに、いまおっしゃいましたような施設の不十分、また、医者の数が足りないそうでございますので医師の充足、これらにつきましては緊密な連絡のもとにやってまいりたいと思います。五十二年度ではある程度それを進めていきたい、かように思います。
    ―――――――――――――
#80
○委員長(稲嶺一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。ただいま、鈴木美枝子君が委員を辞任され、その補欠として森下昭司君が選任されました。
    ―――――――――――――
#81
○渡辺武君 私は、復帰後返還されました軍用地あるいは施設・区域などに対する借地料相当額の支払いの問題について伺いたいと思うんです。
 この問題につきましては、昭和四十九年の三月八日の衆議院の予算委員会の第一分科会で、当時の山中防衛庁長官が次のような答弁をされております。速記録を読んで見ますと、「境界画定された私有財産として使用が自由であるようになるまでの間は、これは賃借料とは申せませんが、見舞い金の形で、賃借料相当額を支給してまいります」ということを答弁しておられるわけですが、この問題については、基本方針はいまの読みました山中さんの答弁と同じ立場でやっておりますか。
#82
○説明員(多田欣二君) お答え申し上げます。
 その山中大臣の方針に従いまして、それを具体化いたしました方針でいまやっておるわけでございますが、その内容を具体的に申し上げますと、御承知のように返還財産の管理費、これは通常管理費と言っておりますが、地料の相当額でございます。管理費の補償期間は、本土の場合におきましては、その上物等があります場合には、その物件撤去が終わりましてから三カ月を限度として支払うというのが原則でございます。ただ、沖繩における場合は地籍不明確地というような問題がございまして、関係の地主の方々がいわゆる集団和解というような方式をもとにいたしまして、境界設定作業を進めていくという特殊な事情がございますもんですから、この作業期間といたしまして、復帰前の琉球政府によりましてそういう作業が行われました実例でありますとか、関係省庁の御意見等を参考にいたしまして、いわゆる集団和解に必要な期間として一年間という認定を当庁ではいたしております。この間には、いわゆる地代相当額を一〇〇%お支払いをするというたてまえでございます。
 また、この集団和解ということが終了いたしますと、現場においては各個人の地主さんの土地の境界が明らかになるわけですから、土地の利用ということは現実的には行われるようになるわけでございますけれども、これを完成するためには不動産登記の更正ということが必要でございます。この変更登記が完了しますまでの間には、いろいろな調整作業というようなものがあると思われますので、そういう調整作業に必要な期間といたしましてさらに一年間。ただし、この場合には土地の利用はできる。しかし、何らかの御不便が地主さん方にはあるということで、地代相当額の十分の一の管理費を支払う。したがいまして、管理費の対象期間としては二年間、金額といたしましては十三・二カ月分、こういうことで現在処理をいたしております。
#83
○渡辺武君 そうしますと、いま読みました元防衛庁長官のお言葉の中で、「境界画定された私有財産として使用が自由であるようになるまでの間」という、それはいつまでのことですか。登記完了ということですか。
#84
○説明員(多田欣二君) お答え申し上げます。
 それは登記完了までの期間、こういうふうに見ております。
#85
○渡辺武君 もう一つ伺いたいのは、十三・二カ月分の地代、借地料相当額ということになると思いますが、その計算根拠ですけれども、つまりいつからいつまでのことということになりますか。たとえば工事に着工して、そしてその工事を完了して登記が終了するまでと、そういうふうに理解していいですか。
#86
○説明員(多田欣二君) お答えいたします。
 まず施設が返還になりますと、その時点からということではございませんで、先ほど申し上げましたように、その土地の上にたとえば建物等の上物が乗っておるという場合には、これは特別管理費とわれわれ称しておりますけれども、その撤去が終わりますまでの間は地代相当分がいわゆる年限に、時間に関係なく支払われるわけです。撤去が完了いたしまして、いわゆる集団和解の作業に入れる状態になりましてから、先ほど申し上げましたように集団和解のために必要な期間として一年間、さらに登記を更正するために必要な期間として一年間、合計二カ年間、金額にいたしまして十三・二カ月分、こういうことでございます。
#87
○渡辺武君 その集団和解ができる期間ということなんですが、つまり工事費を支払いますね、そしてそれ支払われてから工事が始まりますね、その工事費の支払われたそのときから計算するのか、それともまた、現実に工事が始まってから登記終了までということを考えておられるのか、その点はどうですか。
#88
○説明員(多田欣二君) 先ほど来申し上げておりますように、物件撤去工事が終わりました期日を起点にいたしまして十三・二カ月、こういうことでございます。
#89
○渡辺武君 いまおっしゃいました、旧琉球政応当時の実例に基づいてという趣旨のことを言われましたし、なお関係省庁の意見に基づいてということも言われましたけれども、それはたとえば旧琉球政府当時の実例というのはどういう実例ございますか。それから関係省庁の意見というのはどの省庁からどういう意見があったのか、それも伺いたい。
#90
○説明員(多田欣二君) 琉球政府時代の実例と申しますのは、私ども十五例ほど調査をいたしました。提供施設にほとんどかかわりがなかったという地域が五例、それから提供地域にかかわっていたという事例が五例、それから提供地域にかかわりがあってしかも大変大幅な形質変更が行われた地域というのが五例、合計十五例を調査をいたしまして、その地籍確定作業に必要とした期間というものを調べたわけでございます。そうしますと、この十五例の平均期間というのは一年十一カ月かかっておるようでございます。ただし、この場合にはいわゆる権利者を確定をする作業とか、現況を確認する作業であるとかといったもろもろの事前準備の期間を含めてそういうことになっております。私どもが実施をいたします場合には、これは契約者でございましたから、権利関係ははっきりわかっておりますし、さらにいろいろな資料、たとえば航空写真でありますとか、現況図でありますとか、それから戦前の航空写真でありますとか、そういったような集団和解に参考になるようなもろもろの資料を原則として差し上げまして、それから作業に入っていただくということでございまして、そういう期間等をいろいろ勘案いたしますと、一年あれば適当ではないだろうかというふうに判断をしたわけでございます。
 それから関係省庁と申しますのは、沖繩開発庁さん及び現地における法務局の御意見でございまして、登記簿等の更正にどれくらい時間がかかるかというようなことについていろいろお教えをいただいたと、こういうことでございます。
#91
○渡辺武君 いま御答弁のあったもの、もう少し詳しいものを資料としていただきたいと思いますが、どうですか。
#92
○説明員(多田欣二君) 琉球政府当時の事例等につきましては、資料を後刻お届けをしたいと思います。
 ただ、その関係省庁との打ち合わせ等については実は記録はございません。口頭の連絡でございますので、御了承をいただきたいと思います。
#93
○渡辺武君 そこで伺いたいんですが、その十三・二カ月というのがいま現地の地主の方々の強い不満の的になっている。これはあなた方も御存じだと思うんですね。それで、いま旧琉球政府当時の事例と言われましたけれども、私も県当局から伺ってみますと、政府が事例としてやっているものですね、琉球政府当時のものは、これはもうほとんど地籍を改めていろいろ調べて確定しなくても済むようなところばっかりだったということも言っているんですね。それでなおかつ、いまの御答弁ですと一年と十一カ月もかかっているということでしょう。ところが、もう軍用地に使われちゃって、そしていろんな施設もある程度つくられている。一々これもう上物取って、その上で一体地籍の標識があるかどうかというようなことも調べて検討するという場合には二年間一応設定されているわけですね。その間の借地料相当額十三・二カ月分ということではとうていこれは実情に合わないんじゃないかと、私にもそう考えられるんです。
 その点で具体的に伺いたいと思うんですが、これは私ども、星野議員が施設庁からいただいた資料ですが、この中にトリイ通信施設というのがあります。昭和四十八年九月十五日に返還されて、そうして境界確定費の支払いの行われた日が四十九年四月の三十日、ですからその間七カ月たっているわけですが、工事に具体的に着工したのが五十年十一月の二十五日。そうすると、返還されたときから二十六カ月すでにたっております。そうして工事の完了したのが五十一年の七月六日で、返還されてから三十三・五カ月もたっている、こういう状況ですね。もしこの間十三・二カ月分の借地料相当額しかもらえないということになりますと、これは地主にとっては大変な問題だと思うんです。
 それからもう一つ申し上げますと、同じ読谷の近くにありますボロー・ポイント射撃場、これは四十八年の六月三十日に返還されて、境界設定費の支払われたのが五十一年の四月二十八日、この間三十四カ月たっているわけですね。そうして工事の着工が同じ年の七月二十七日、工事の完成予定が五十二年の七月二十六日となっています。これも同じような問題をはらんでいるわけですね。しかも、返還されてから四十九カ月というのが工事完成のこれは予定の日になっているんですね。そういう状況です。
 それからもう一つついでに申しますけれども、これは宜野湾の近くにありますキャンプ・マーシー、これの大部分を占める上の方の土地ですけれども、去年の三月三十一日に返還されて、まだ設定費の支払いも行われていない、工事計画書も施設庁の方から出されていない、いつどうなるのかということも不明だという状況になっているわけです。こういうものについては十三・二カ月分の借地料相当額ということでは余りにこれは実情に合わないんじゃないかと思いますけれども、どうでしょう。
#94
○説明員(窪田稔君) お答えさせていただきます。
 最初に、トリイ通信施設の問題でございますが、これは四十八年の九月十五日に返還になりまして、上に国有財産、いわゆる米軍の建てたものがございまして、それの撤去工事にかかっておりました。これは五十年の三月三十一日までかかりまして、この間は、先ほど申し上げました特別管理費というものが支払われてございます。それから、境界設定費は四十九年四月三十日に払われたにもかかわらず、工事の着工が五十年十一月二十五日に非常にずれ込んだという理由でございますが、実はこの間に境界設定費の支払いは当時の村長さんに地主さんの代理になっていただきまして作業をやっていただくということで、お金も支払いまして、作業にかかっていただく予定でいたわけです。その後、村長さんがおかわりになりまして、いろいろその間問題がございまして、新しい村長さんは、まあ村の本来の義務としての仕事ではないのに地主の代理ということでやって、もらった工事費の中で工事が完成しなかったりなんかすると村に赤字が出たら困るというような問題とかいろいろございまして、それで若干問題視されて、その間の折衝が延びたわけです。しかし、われわれやはり地主さんのための仕事でもあるし、国の仕事でもありますが村のための仕事でもあるというようなことでいろいろ説得しまして、村には御迷惑かけないということで、地元の私どもの出先機関の施設部長の方から村長さんとの間に覚書を交わしまして、それで御納得していただきまして作業に入っていただいた。作業に入ってからは、先生御存じのとおり半年ぐらいでできています。いろいろ延びたことは地元の理由もいろいろございまして、必ずしも私どもの決めた二カ年――十三・二カ月、これか不適当かどうかということは言えないんではないかと思うわけです。
 ただし、先ほどちょっと申し上げましたとおり、航空写真等ができ上がったのが五十年の八月末でございます。それから地主さんにお渡ししていますので、それまでの間は、地元でもいろいろ手をつけようと思ってもむずかしかったであろうというようなことも推定しまして、現在まだ財務当局と調整中でございますが、いわゆる管理費の支払いの始期を航空写真を渡したとき、五十年の八月三十一日。そうしますと、一年と仮にしますと、それから一年、五十一年の八月末ぐらいになりますか、何とかしたいというようなことで検討中でございます。
 あとボロー・ポイントも同じような問題があるわけですが、最後に先生おっしゃいましたマーシーの件でございますが、これは返還になりまして、地主さんの方で、これは本来国でやる仕事であるというようなことで、金銭をもって支払うということにいろいろ抵抗があったようでございます。現地の担当官なんかいろいろ御説明しまして、われわれは契約上の賃借人の立場でいろいろやっているので、役所の権限その他限度もありますし、そういうようなことで納得いただいて、近く工事費だけのお支払いがまとまるように報告を受けています。
 以上でございます。
#95
○渡辺武君 トリイ通信施設については若干のプラスアルファを考えているとおっしゃるんですが、そのほかの、いま挙げた、ほかにも問題ありますけれども、時間ないものだからはしょって言うわけですが、少なくともいま挙げたところについて、やはり実情に即したようにプラスアルファを考えるべきじゃないかと。特にプラスアルファと言っても、いま言ったように、上物の撤去されている間は特別管理費がつくとしても、上物のほとんどないようなところもあるわけですね。そういうようなところについては全然考慮にならぬと、特別管理費もつかないわけですから。だから、そういう点で少なくともやっぱり実情に即して、十三・二カ月というのではなくて、そのプラスアルファも借地料相当額という点を考えるべきじゃないかというふうに思いますが、その点どうですか。
#96
○説明員(多田欣二君) 先生おっしゃるとおりでございますけれども、期間が延びた事情は、先ほど窪田課長も説明いたしましたように、いろいろ地主側に御理由がある場合もございます。いろいろございます。ただ、私どもの考え方といたしましては、このトリイだけではなくて、やはり航空写真等集団和解が円滑に行えるような資料が整備をされましたのが五十年の八月でございます。したがいまして、そういう態勢に入る前に返還された施設で期間が非常に延びたというような特殊な場合につきましては、個々に検討をいたしまして、先ほど申し上げましたように、何らかの措置をしたいということで現在財政当局と交渉をしておるわけでございます。したがいまして、トリイだけの例ではございません。
#97
○渡辺武君 そうすると、そのプラスアルファというのはどの程度のことを考えているんですか。やっぱり借地料相当額を補償するという方向なんでしょうか。
#98
○説明員(多田欣二君) 先ほど来申し上げましたように、原則は物件撤去が完了したときから起算を始めると、こういうことで処理をしているわけでございますが、先ほど申し上げました特殊な施設につきましては、いわゆるその準備態勢が国側がいろいろ資料を提供して整った時点を起算点にする。具体的には五十年の八月を起算点にする。こういうことで、その間はいわゆる地代相当分という考え方で現在検討を進めております。
#99
○渡辺武君 それはそういう方向でぜひひとつ実情に合ったようにやっていただきたいと思うんです。
 なお、もう一点伺いたいのは、先ほどおっしゃいました境界の確定ということは登記完了の時点という意味だということをおっしゃったわけですね。ところが、少なくともいま私が挙げたこの三地点ですね、これについてはまだ登記完了もしてないわけですね。トリイ通信施設は五十一年の十二月三十一日に和解したということになっていますが、登記はまだ完了されてないということなんですね。それで、これは私が申し上げるまでもなく、この登記というのがその本土のように右から左にすっとできるというような事態になってないことは御存じのとおりだと思うのですね。そうしますと、登記官がいつ登記についてオーケーを出すかということはまるで未確定の問題だというふうに考えなければならぬと思うのですよ。その点は、その登記完了まで借地料相当額をやっぱり国として出すべきじゃないかと思いますが、その点どうですか。
#100
○説明員(多田欣二君) 私、先ほど、登記完了は集団和解の終了だと、いわゆる地籍確定の終了だと申し上げましたが、いわゆる一〇〇%の意味ではそういうことでございますけれども、御承知のように、集団和解作業というのが進みまして、それが一応終わると現場には各個人別にくいが入りまして、その時点で事実上何と申しますか、現場において各個人個人の権利関係というものははっきりするわけでございます。したがいまして、その時点以降は、事実上土地を利用したければ各地主さんがそれぞれ御利用できる態勢になるわけです。それをいわゆる第三者対抗要件まで完備するという意味で登記というものが必要なわけでございます。したがいまして、私どもは管理費をお支払いする意味と申しますか、その意味は、土地の利用が制限をされる、事実上できないから、その間借料相当分を支払いましょうと、こういうことでございますから、現場においてくいが入って土地の利用ができるような状況になれば一〇〇%は要らないのではないか。ただし、登記のためにさらにいろいろな調整作業がございまして、登記が完了する一年ぐらいまでの間はいろいろ地主さん方に御不便もあるでございましょう。したがいまして、その間は地代相当分ではなくて地代の十分の一ということで御勘弁を願っていると、こういうことでございます。
#101
○渡辺武君 いや、その地代の十分の一というのは、つまり一年間は借地料相当額を払った後の話ですね。大体一年間というのが全く実情に合ってないということは、あなた方もプラスアルファをつけなければならぬということを言っているところからも私は明らかだと思うのですよ。しかも、沖繩の場合の登記というのはああいう状態だもんですから、それで終戦後所有権確認の認定事業があって、そしてそれに基づいて一応登記はされているという状況で、それが現行の登記ということになっているわけですよ。そうすると、集団的に和解が成立して、そして確定した地籍が、現在登記されているものとそのまま同じだった場合は、これはそう問題なくいくと思いますけれども、しかしそうでないと、第三者から異議があったというような場合にはさらに登記は延びるわけです。そこを勝手に使うということも恐らく事実上はできなかろうと思うのです。そういう現状が私はあると思うのです。だとすれば、その点も十分に考慮をして、十分の一というようなことではなくて、もっとやっぱり実情に適したように借地料相当額の支払い期間というのももっと延ばすということを考えなければならぬじゃないか、そう思いますが、どうですか。
#102
○説明員(窪田稔君) お答えします。
 いわゆる集団和解ができて現地でくいが打たれたという時点においては、いろいろな御意見の人も、和解といいますか、譲るところは譲りまして、それで確定した時期でございまして、後で問題が起きるということの少なくともなくなった時点というふうに考えています。
 それから、一部いろいろ文句のある人がいてできない場合もあるというお話でございますが、仮にそういうものが一カ所あるとしましても、たとえば全面積何平方キロというような全区域がそれに影響されるわけではございませんで、集団和解をやるときにはなるべく小さなブロックに分けまして、それでやるわけでございます。それでたまたま不満のある方の属したブロックでは若干問題が出てくるかと思います。ただしかし、われわれがやった事例始めるまでには御心配もあっていろいろあったようでございますが、やはり現地の市町村長の方々も地主の方々も、みずからの問題でもございますので非常にまじめにやっていただいた。それである程度目鼻がついてきましたので最近ではわりあい進んでいる。場合によっては年以内にも終わったものもあります。
 で、そういうものを、じゃ十三・二を打ち切るのかという問題も実は出てくるわけです。われわれはこの期間というものは賃貸借契約に基づく通損期間だ、それに準ずるものだ、こういうふうに考えて処理していますので、まじめにやって早く終わった人の分も取り上げたりはする必要はないのだ、こういうふうに考えています。
 ただ、いろいろな理由でおくれた場合、いろいろ問題はあるかと思いますが、少なくともわれわれも納得し、第三者も納得させ、財政当局も納得させ得るような理由がない限り、この通損期間を延ばすのはやはり問題があるように私は考えています。
#103
○渡辺武君 私はどうも納得できないですね。というのは、一番最初の答弁では、登記完了時点だということをおっしゃったのです。ところがいま伺うと、集団和解の成立のときを事実上その十三・二カ月の中の終期にしているという感じがしますですね。それはやっぱり間違っていますよ。登記完了時点だというなら登記完了時点で計算すべきだと思う。特に山中長官はどういうふうに答弁しているかと言いますと、「境界画定された私有財産として使用が自由であるようになるまでの間は、」と、こう言っているのです。登記が完了しなければ事実上――まあ本土のように登記以前に事実上使用が行われているというそういう状態のもとでならば、それはあなた方がおっしゃったように登記をやらなくても使うことはできますよ、ということは言えましょうけれども、まさに地籍確定そのものが争点となって、苦労に苦労を重ねてやっと集団和解が成立し、登記をしなければならぬと、こういう現状ですからね。だから登記の確定というのは登記の確定としてそのとおりにやっぱり考えてもらわなければ実情に合わないですよ。また、長官の答弁の趣旨にも私は反すると思う。その点はなお私は十分に検討してほしいと思うのです。きょうは時間がなくてこの問題はもうこれ以上追及できませんけれども、その点どうですか、検討する余地ありますか。
#104
○説明員(多田欣二君) 再三申し上げておりますように、私どもは集団和解が成立をいたしますと、集団和解が成立するということは、関係の全員の方が御納得をするということでございます。この時点で事実上土地の利用ができるものだというふうに理解をいたしております。これは利用されるかどうかは地主さんの御自由でございますが、やろうと思えばできる状態になる。したがいまして、それまでの間は土地利用はできないわけでございますから、地代相当分を払う必要があるだろう。しかし、それから後、登記を更正するまでの間というのは、土地の利用は一方ではやろうと思えばできる状況にある。手続のため、調整のためにいろいろお手間がかかるでしょう。したがって、そのお手間に相当する経費というものは支払う必要があるということで、いわゆる最初の集団和解期間の一カ年とは別の意味で経費をお支払いするわけでございますから、その経費は地代相当分でなくてもよろしいのではないか、こういうふうに考えております。
#105
○渡辺武君 この問題はまたいずれ日を改めていろいろ意見を言いたいと思います。
 次に、時間が余りありませんので、はしょって申しますが、沖繩の国税庁の職員の宿舎の問題について二、三点伺いたいと思うんです。
 いま、職員の間から国税庁の公務員宿舎をつくってほしいという要求が非常に強いんです。それで、現状はどうなっているかという点をまず伺いたいと思う。公務員宿舎あるいはまた自宅、こういうところに住んでいないで非常に不安定な条件に置かれているという人たちですね、どういうような状況ですか。
#106
○説明員(高橋昭平君) お答えいたします。
 沖繩の国税職員の宿舎問題でございますけれども、五十一年の六月現在で調べましたところによりますと、職員四百五十七名のうち二百五十三名が大体宿舎に落ちついておると、さらに八十三名が宿舎に入っておりまして、残りの職員、約二七%の職員でありますけれども、これが宿舎が欲しいというような状況になっております。
#107
○渡辺武君 そうしますと、いわゆる不安定な宿舎状況にいる人たちが残りの百二十一人と、こういうことになりますね。
 私、いただいた資料見ますと、四十七年の九月一日現在では九十九人おったんですね。それが五十一年の六月一日には百二十一人ということで非常にふえているということ。それから、いわゆる自宅にいる人や公務員住宅等々に入っている人たち、これの率、いわゆる充足率、四十七年の九月一日には七八・一%であったものが五十一年の六月一日には七三・五%というふうに充足率も下がっている、こういう状況ですね。私は、やはり沖繩というところは御存じのとおりで非常に住宅事情が特別に困難なところです。したがって、官庁に勤めている人たちが安心して仕事ができるように国税庁としての公務員宿舎をつくってくれという、そういう要望にも特別な妥当性があると思う。その点どう考えていらっしゃいますか。
#108
○説明員(高橋昭平君) お答え申し上げます。
 ただいまの先生のお話でございますが、充足率が下がっておるという問題でございますけれども、この充足率と申しますのは、現在宿舎に入っていないで、自宅でありますとか、あるいは民間のアパート等に入っておりまして、非常にいい宿舎があれば入りたいというような希望を持っておる者はございますと、調査のときにそういうものは宿舎を希望するかどうかということに希望を徴するわけでございますけれども、その希望がそういう数字で出ておるということでございます。しかしながら、この中身をよく見ますと、たとえば自宅であって狭隘でありますとか、民間アパートで高額家賃であるとかいうようなことでありますけれども、宿舎があれば入りたいけれども、現在そこで一応落ちついておると。したがいまして、宿舎が仮にできましても直ちに入るかどうか、その辺は若干問題があるわけでございます。したがいまして、その充足率というのは主観的なところにかかっておりますので、ふえたり減ったりしておりますけれども、全体としまして宿舎の戸数は逐年ふえておりまして、充足していることは事実でございます。また、職員の希望がだんだん高度化してまいりまして、いい宿舎に入りたいという希望が高まってまいりまして、なお宿舎が欲しいという希望も多いことも事実でございます。数字はそういうようなことで、多少主観的な面にかかる面がございますので、そういう前後しておりますけれども、毎年設置戸数がふえて安定しつつあるということは御理解いただきたいと思います。
#109
○渡辺武君 安定してないから要求が強く出てくると思うのですね。たとえば、昨年宿舎が五戸できた、最近ですか、この総合事務所から配分されたと。ところがその五戸というのは浦添にできているというのですね。ところが税務署は那覇と名護にあるのですね。ちょうど中間辺ですよ。あの交通混雑ですから交通が非常に渋滞するということで希望者が少なかった、こういうような状況なんです。やはりその職場にできるだけ接近したところで十分仕事にも支障のないような宿舎をつくれば、これ喜んで入ってくると思うのですね。それから、いまおっしゃいましたが、民間のアパートなどに入って一応落ちついているというけれども、私家賃を聞いてみましたところが、2DKで大体三万円から四万円だというのです。ところが、公務員宿舎に入れば2DKで四千七百円。住宅手当どのくらい出ているかといったら九千円だというのですよ。そうするととうていこれは民間アパートの高い家賃で、住宅手当をもらってもなかなか暮らしが苦しい、こういう状況になっている。
 それからもう一点申しますと、その総合事務所が米軍宿舎を借り上げて、それをそのまま税務署の職員の宿舎に充てている。ところが、これもま外人向きで窓は高いし、下はコンクリートでじめじめしてとても住めないというのですね。それで冷蔵庫その他の費用は自分持ちだ、こういうことになっている。だから、やはり本土の人たちが公務員宿舎にいるように、沖繩の人たちについてもやはり適切な公務員宿舎をつくってほしいという要望がある。しかも、いま着々ふえていると言って確かにふえているようですけれども、その反面で不安定居住者というのがずっとふえて充足率低下しているという状況ですから、やはり現状をもっと改めて、もっと急速につくるということを考えるべきだと思いますが、その点どうですか。
 なお、時間の関係でもう一点伺いますが、特に独身の人たちですね、これについて独身寮をつくってほしいという要望が非常に強いんです、特に離島に行くような人たちについては。とにかく公務員宿舎は世帯主しか入れない、独身者入れないわけですから、やはり独身寮について特別な考慮をすべきだと思いますが、その二点について伺いたい。
#110
○説明員(高橋昭平君) お答え申し上げます。
 いま先生のおっしゃいました、ことし新たにできた宿舎五戸配分受けましたわけでございますけれども、これについて交通不便だというような事情で辞退者がございましたことはそのとおりでございます。私どもとしまして、この問題一番宿舎設置上悩むところでございまして、できるだけいい土地が欲しい、いい土地を見つけてそこへ満足する宿舎をつくるということには従来からも努力しておるわけでございまして、今後とも努力していく所存でございます。しかしながら、沖繩の事情で、なかなか土地が手に入らないというような事情でそういうところに建ったかというふうに承知しておりますが、今後とも私どもといたしましてできるだけ職員の満足のいく場所に質のいい宿舎をつくっていくということで努力するという考えでございます。
 それから、独身者の問題でございますけれども、いままでやはり宿舎を考えます場合に、困窮度と申しますと世帯持った方が優先するというふうな考え方で世帯宿舎に力を入れてやってまいりましたけれども、独身寮の設置要望も次第に高まってきておりますので、今後独身寮の設置について検討していきたいと、かように考えております。
#111
○喜屋武眞榮君 時間が少のうございますので、しかも結論を簡明にお尋ねしたいと思いますので、お答え願いますのも結論をひとつはっきりお答えしていただきたいことを最初に申し上げます。
 まず最初に、沖繩県の戦争の犠牲が余りにも深かったために特別措置がとられ、それが五カ年間きてもなおその傷が深いと、こういうことから延長の問題が出ているわけです。その特別措置の中身についても私お尋ねしたい点いっぱいあるわけですが、それはきょうは余り触れないことにいたしまして、復帰五年、そして戦争で亡くなった方はことしは三十三年忌である。三十三年忌というと亡くなった方の最後の弔い、そのような長い長い間に至るまでなお沖繩に戦争のつめ跡がこのように残されておる。しかも、残っているだけでなくして、特別措置はそれは一語で言えばプラスの面になるでしょう、またそうでなければいけない。ところがその反面、生命、財産、人権の失われるところのマイナスの面が余りにも多いというこの面から私、二、三の問題に触れたいと思います。
 まず、なぜそのような問題がよどみなく、限りなく次々と出て起こってくるかと、こういうことを考えた場合に、私は何としてもこの日本政府の特に沖繩に対する政治姿勢の問題、このことにどうしても触れなければいけない衝動にかられるわけなんです。なぜかといいますと、復帰前は沖繩のいろいろの問題を訴えるというと、はね返ってくる言葉はもう例外なくこうでありました。いや、施政権がアメリカにあるのでどうにもならないということがもう返り言葉でありました。ところが復帰後はどうなっておるかといいますと、復帰後もまた返り言葉は、安保と地位協定があるので、それによってどうだこうだという、これも絶えず聞かされることなんです。この前の福田総理の答弁の中にも、日米安全保障条約を尊重して云々、ぜひとも御理解を願いたい、これが私は総理以下政府の姿勢から出た言葉だと思います。
 ところが、沖繩に起こっておるもろもろの現状ですね、問題は、百歩譲って安保の精神からしても、地位協定に照らしても、沖繩振興開発のこの措置の振興開発の目的に、目標に照らしても、それから環境庁の環境行政の立場からも、どの立場からとらえても、私はこれでは許されないんじゃないか。すべてその政府の姿勢から、みんなそのしわ寄せが沖繩県民への犠牲となって、さらに県民の声をずばり申し上げますと差別じゃないか。犠牲と差別の形で吹きだまってくる。これを思いますときに、私はどうしても政府の政治姿勢、まずこれを追及しなければならない。そして、その隠れみのであるところの地位協定、どうしてもこの地位協定を洗い直す必要がある。そうでなければもう沖繩県民を救えない、ますます踏み散らされてくるだけである、下敷きになるだけである、どうしても私はがまんがなりません。
 県民の生命、財産、人権、一体だれがどのように守るのか。安保の名において、地位協定の名において、そのような犠牲を一方的に強いられなければいかぬということになるのか。われわれ沖繩県民は一体どうすればいいのか、許されていいのであろうか、そういう根本の問題にもう私はきておる、壁に突き当たっておる。その枠内で皆さんは一生懸命にやっておるおるとおっしゃっておられるけれども、それでは沖繩県民はどうするのか、こういうことなのです。だから、どのように国策だ国策だとおっしゃっても、同じ日本国民である沖繩県民だけが安保条約による広大な基地の中で、矛、のしわ寄せの中でがまんしなければいけないか、こういうことなんです。そこでこの地位協定、本当にこれじゃ、沖繩は大変だから洗い直さなければいけない、こういう気があられるかどうか、それをお聞きします。
#112
○国務大臣(藤田正明君) 政治姿勢の問題並びに地位協定の問題、これの政府の考え、こういうことでございますが、確かに日米安保条約の中におきまして日本における米軍基地、これの五〇%以上が沖繩県にあるということは確かでございますし、そういうためにいろいろと沖繩県民の方々に御不便を生じておるということもよく承知いたしております。そういうことも含めまして、今後沖繩県の産業の振興、開発につきましては政府はより以上努力をいたすつもりでおります。日米安保条約のもとにおけるそういうふうな犠牲を沖繩県だけにしわ寄せしていこうという考えではございませんで、一日も早くやはり基地の返還が望ましいというふうには考えておりますけれども、しかし、また別の立場から、日本の安全、そういう立場から日米安保条約というものは厳然としてある。事実もうこれが存在しておるわけでございますから、それらを兼ね合わせて、沖繩県民の方々に犠牲を強いることなく、振興開発計画を強化していく、かように考えておる次第であります。
#113
○喜屋武眞榮君 厳然と安保条約が存在しておるとおっしゃるんなら、安保条約が日本国民の生命、財産、人権を安全に守るための安保条約ではありませんか。そのために沖繩県民だけの生命、財産、人権は不安と危険にさらされてもいいという、枠外的な立場でいまお考えになっておられるのかもしれませんが――おられぬだろうと思うのですが、実際問題としてはそうなっておるんです。枠外に置かれている。このことが問題なんです。
 ということを申し上げて、時間がありませんので、それじゃ次に、そういうことを前提にして、復帰後――復帰前にさかのぼるというと、もう本当に枚挙にいとまがありません。復帰後もさらにそうなんです。米軍基地の強化あるいは軍人による犯罪の多発、飛行機の騒音、航空燃料や薬物等の流出、原潜寄港、B52の飛来、県道一〇四号線の実射訓練、戦車道の建設、基地労働者の一方的大量解雇、海洋博後の倒産、失業問題、戦後処理、請求権の放棄、もう枚挙にいとまがありませんが、その一つ、いま当面している、最もいま沖繩県民の世論になっておる、切実な問題になっておる、知事もその問題で来ておられる、それから県議会では全会一致で決議をして訴えにきておりますあの戦車道の建設の問題。その実情がどうである、こうであるということは私はもう申し上げません。この要請にずばりこたえていただきたい。これは知事の要請の内容も、それから県議会の内容も一致しております。
 まず第一点、戦車道建設を即時中止して原状回復を図ること、これが第一点。
 二、被害に対し適正な補償と被害防止対策を万全に対策を講ずること。
 三、両地域の返還措置を講ぜよ。返還措置を講じてもらいたい。
 これが要請の内容であります。これに対してどう受けとめておられるか、答えていただきたい。
#114
○説明員(多田欣二君) 地位協定の第三条によりまして米軍は施設・区域の中におきまして、それらの設定、運営、警護、管理のために必要な措置をすべてとることができるわけでございまして、そういう意味で道路の建設も一応認められているところだというふうに存じております。ただし、同じ地位協定の中には「公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」、こういうことが書いてございまして、そういう点、米軍の配慮が欠けたということは大変遺憾であったと思います。
 で、現在米軍は工事を中止いたしております。これは私ども三月の末から数次にわたりまして現場を調査をし、戦車道の建設が周辺の河川とか、特に水源地の水を汚すというようなおそれが多分にある。したがって、現在の工事の手直しを至急やらせるべきだということで、種々具体的に申し入れを米軍にいたしました。その結果、米軍は工事を中止いたしまして、現在いわゆる土砂の崩壊防止でありますとか、のり面の保護でございますとか、それから水の流れをよくするためのカルバートの設置工事でございますとか、そういった障害を周辺に及ぼさないような防止工事を現在実施をしているということが実情でございます。これが第一点に対するお答えであります。
 それから第二点でございますが、被害の防止、それから補償ということでございますが、これは調査の結果、現時点では水源の汚染等が出てはおりませんけれども、雨期に入りますと水源を汚染するおそれというものが多分にございますので、先ほども申し上げましたように米軍に手直し工事を具体的に申し入れまして、現在米軍が手直し工事をしている。一方現地の防衛施設局におきましても、米軍の手の届かないような水源の汚染防止対策というようなことで、具体的に申し上げますと水源四カ所、名護市の許田水源、それから宜野座村の松田の第一水源、潟原の水源、それから川田の水源、最後に申し上げました川田の水源は直接今度の戦車道工事とは関連ございませんが、従前の工事で現に被害を受けた、こういうことでございますので、この四つの水源については急速ろ過池を設置をするというような対策、あるいは松田水源の下流地域、これは潟原水源の上流部に当たるわけですが、そこには土砂どめ工事を早急に施工をするというようなこと、あるいは県の明治山試験林、この周辺に土砂流出のおそれがあるということで、どういう施策をとったらいいか、早急に具体的な調査を現地で行うというような応急施策を現在講じているところでございます。さらに今後の状況を見まして恒久的な対策が必要であると、たとえば砂防堰堤をどこかにつくるとかというような恒久的な施策が必要であるとするならば、その点につきましても早急に手を打ちたいというふうに考えております。
 それから補償の問題でございますけれども、立木を伐採をしたといったようなこと、その他もろもろの被害、あるいは県の試験林を切ったというような被害について、知事さん等からもお申し出もございます。これらの点につきましても、現在現地調査を延べ五日にわたりまして実施をいたしまして、現在その成果を分析、まとめ中でございますので、それらの結果が出ますれば、早急に適正な補償をいたすということにいたしたいと思っております。
 なお、まあ現地ではそのほか養鰻場の被害でありますとか、宜野座湾のモズクの被害だとか、金武湾の漁網の被害というようなことは新聞等に報道をされましたけれども、これらも係官が関係者と一緒に現地の調査をいたしまして、これらの施設につきましては、漁網だけはきょう調査に行っているはずでございますが、養鰻、モズクにつきましては現時点では被害が出ていないということを確認をいたしております。将来、被害が出るということであれば適切に措置をいたしたいというふうに考えております。
 それから、第三の問題の返還でございます。これは先生御承知のように、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンというのは、沖繩における大変重要な演習場でございます。実弾射撃訓練を行うための演習場でございまして、この地域を返還をさせるということは大変実現見通し困難なむずかしい施設であろうというふうにわれわれは感じております。県知事さんからも特に明治山試験林、あの周辺一帯は県民の森ですか、そういう計画もあるので、県民の森の用地として返還をしてもらいたいというお話もございましたけれども、これも実弾射撃を行っておりますキャンプ・シュワブ演習場の一部でございまして、大変実現の見通しが立たない地域である、こういうふうにわれわれは感じております。
 以上、簡単でございますが……。
    ―――――――――――――
#115
○委員長(稲嶺一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま古賀雷四郎君及び岩本政一君が委員を辞任され、その補欠として上田稔君及び亀井久興君が選任されました。
    ―――――――――――――
#116
○喜屋武眞榮君 時間がもう迫っておりますので、最後に幾つか申し上げますから答えていただきたい。
 いまの問題は、そのような状態になるまでの過程においても私は問題を追及したいのですが、それはきょうは、いつかに譲りたいと思います。
 そこで次の問題は、先ほど私は騒音の問題を申し上げたのですが、これは嘉手納町議会の決議として出ておる。要約しますと、「昼夜の別なく鳴り響く殺りく的爆音」、これ百ホン以上がざらにあるのですよ。幾度となく基地の縮小と一部返還を訴えたが耳をかさない。嘉手納基地は併合、拡大、強化されつつある。常駐機百四十余機、離発着数一日三百回以上、生活破壊、人間殺戮、たび重なる抗議を黙殺してきた政府、諸外国における航空機離発着規制の示す午後七時より翌朝七時までエンジン調整、そして飛ばすことをとめてほしい、世界にもない状態だ。このような深刻な命につながる、生活破壊につながることが常時繰り返されておる。そこでお約束していただきたい。これ全部一つずつ申し上げたいのですが、一つだけでも約束していただきたい。
 まずその一つというのは、午後七時から翌朝の七時まで飛行機が離着する、それからエンジン調整をする、この爆音だけはぜひとめてほしい。これはもういかなる理由があろうとも守ってもらわなければいけない。これは人道問題、これが一つ。
 次に、いま国会で問題になっております、きょうあすの問題に迫っております緊急な例の基地確保法案の問題です。反対の強い基地確保法案を取り下げて、県知事初め県民が要求しておる地籍確定法、野党三党か共同提案をしておられるあの確定法を早期に立法してほしい。このことについてどのように進めておられるか、それを承りたい。
 もう一つは米麦、消費者米価、麦の問題、結論を四月いっぱいに出すということをたびたび私ども御回答いただいておるのですが、これがどういう現状になっておるのか、以上お答え願って、もう時間ですから終わりたいと思います。
#117
○説明員(多田欣二君) 最初の二点は防衛施設庁からお答えすべきだと思います。
 第一の点の嘉手納の飛行場、夜の七時から朝の七時まで飛行を全面的に停止をしろという問題につきましては、御承知のように嘉手納飛行場は極東の枢要な飛行場でございまして、しかも軍事目的の飛行場でございます。したがいまして、午後七時から朝の七時まで一律に飛行を停止するということはほとんど困難であろうと思います。しかしながら、できるだけ夜間における騒音を少なくして住民の皆さんに静穏に眠っていただくというようなことにつきましては、さらに施設庁といたしましても努力をいたしたいと思います。並行的に学校防音工事、あるいは住宅の防音工事、その他の防音施策につきましても進めていきたいというふうに考えております。
 それから第二の、政府の提出している法案を取り下げて三党提出の地籍確定法案を早期に制定せよという問題につきましては、政府といたしましては、やはり住民の皆さん方の御要望にこたえて地籍確定をできるだけ早期にしたいというお願いと一緒に、やはり防衛上の必要という点もぜひ御理解をいただいた上で法案をつくっていただきたいというふうに考えております。現在衆議院におきまして十九日に内閣委員会で趣旨説明ができまして、現在野党といろいろ御調整中というふうに承っております。時間もないことでございますので、私どもとしてはできるだけ早く法案が成立していただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#118
○政府委員(亀谷禮次君) 食管制度の特例の問題につきましては、これまでも今月中をめどに関係省庁と詰めるということで現在鋭意協議中でございますが、他の機会にもしばしばお答えいたしましたように、この問題は沖繩の県民の消費者物価と申しますか、県民生活に与える大きな影響のある問題でございますので、県知事を初め地元の皆さん方の要望を踏まえて、できる限り要望の線に沿うよう、せっかく現在関係省庁と協議中でございます。
#119
○喜屋武眞榮君 環境庁もせっかく来てもらっているのだから、たくさん申し上げたい点はありますが……。
#120
○説明員(神戸芳郎君) 先生御指摘の水質汚染の問題は、先ほど防衛施設庁からお話がありましたように、防衛施設庁におきまして所要の調査等現地において具体的な措置を講じておりますので、私たちとしましては関係省庁、外務省を含めて連絡を今後とも密にいたしまして、適切な措置がこの件について講ぜられるように努力していきたい、こういうふうに考えております。
#121
○喜屋武眞榮君 非常に消極的ですよ。もっと積極的に任務を果たしてもらいたい。
#122
○委員長(稲嶺一郎君) 他に御発言もないようでございますので、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようでございますので、これより直ちに採決に入ります。
 沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。対馬君。
#124
○対馬孝且君 私は、ただいま可決されました沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   附帯決議
 本法施行に際し、政府は次の諸点に配慮し、適切な施策を講ずべきである。
 一 復帰特別措置を延長し、その間、漸次本土並みに移行するについては、沖繩の社会経済事情、県民生活に与える影響等を考慮し、慎重に対処すること。
 二 沖繩の特性に適した第一次産業、伝統工芸を含めた第二次産業、観光産業等の振興及び沖繩県民の文化遺産の保全並びに県民生活の安定向上について、なお一層の努力を行うこと。
 三 沖繩振興開発金融公庫の運営に当たつては、県民の要請を踏まえてなお一層の努力を行うこと。
 四 米麦の政府売り渡し価格等食糧管理法の特例その他の沖繩に対する特別措置については、県民の実情を十分配慮し、遺憾のないよう処理すること。
 五 交通方法の変更に際しては、県民生活への影響等を十分配慮し、県民の理解と協力を得て、その円滑な移行に努めるとともに、総合的な交通体系の確立についてもさらに検討を進めること。
 六 第二次大戦及びそれに引き続く米国施政等による沖繩の特殊事情については、県民の立場を十分に理解し、速やかに円満な解決を図るよう一層の努力を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。委員各位の御賛同をお願いいたします。
#125
○委員長(稲嶺一郎君) ただいま対馬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(稲嶺一郎君) 全会一致と認めます。よって、対馬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、藤田総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。藤田総務長官。
#127
○国務大臣(藤田正明君) ただいまは、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御可決をいただきましてありがとうございました。
 附帯決議につきましては、十分その趣旨を尊重いたしまして努力をいたします。
#128
○委員長(稲嶺一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(稲嶺一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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