くにさくロゴ
1976/03/11 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
姉妹サイト
 
1976/03/11 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会 第4号

#1
第080回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
昭和五十二年三月十一日(金曜日)
   午後零時四十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐々木静子君
    理 事
                岡本  悟君
                福岡日出麿君
               目黒今朝次郎君
                阿部 憲一君
    委 員
                小川 半次君
                加藤 武徳君
                中村 太郎君
                平井 卓志君
                森  勝治君
                河田 賢治君
                山中 郁子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  田村  元君
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小川 平二君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       室城 庸之君
       警察庁交通局長  杉原  正君
       運輸大臣官房審
       議官       真島  健君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (交通安全対策の基本方針に関する件)
 (昭和五十二年度における海上交通及び航空交
 通安全対策関係予算に関する件)
 (昭和五十二年度における交通警察の運営に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木静子君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 交通安全対策の基本方針について関係大臣から所信を聴取いたします。田村運輸大臣。
#3
○国務大臣(田村元君) 交通安全対策特別委員会の御審議が開始されるに当たり、運輸大臣といたしまして交通安全対策に関する所信を申し述べます。
 わが国の経済社会活動を支える運輸サービスの基本となるものは、安全の確保であり、運輸行政を預かる責任者といたしまして、交通安全対策を最も基本的な課題として取り組んでいるところでございます。
 昨年は、昭和三十三年以来、十八年ぶりに道路交通事故による死者が一万人以下になりましたが、これは関係者の一致協力した努力の結果であると考えられます。
 しかしながら、海、陸、空の各分野において、高速化し、大量化している輸送の現状を見ますと、不注意や気の緩みがないよう関係者は、さらに一層、心を引き締めていく必要があります。今後とも、人命の尊重が何ものにも優先するとの認識のもとに、交通安全の確保のための諸施策を強力かつ効果的に推進し、事故を一層減少させるよう努めてまいる決意でございます。
 次に、具体的施策について申し述べます。
 まず、海上交通の安全につきましては、航路、港湾、航路標識の整備を初め、東京湾における情報提供・航行管制システムを整備する等、交通環境の整備を図るとともに、事業者の運航管理体制の強化の指導、船員の資質の向上に努めてまいります。
 また、水先制度につきましては、本年一月一日から東京湾のほぼ全域が強制水先区となりましたが、引き続き強制水先区の拡大等について海上安全船員教育審議会で御審議をお願いしております。船舶検査につきましては、検査官の増員等による検査体制の強化を図り、検査対象船舶の拡大等に対処する所存であります。
 また、ヘリコプター搭載型巡視船の建造を含む巡視船艇、航空機の増強等を図ることにより、海難救助体制及び海上防災体制を一層強化することとしております。
 さらに、海上航行の国際的ルールを定めた一九七二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約が本年七月十五日から発効することとなっており、このため、本国会に海上衝突予防法の改正案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
 次に、陸上交通のうち鉄道につきましては、踏切道の改良、自動信号化等の保安施設の整備、列車運行管理体制の充実、索道設備の検査の徹底等を推進するとともに、特に、鉄道従事者に対し、安全のための基本動作の励行について厳しい反省を求め、いやしくも気のたるみによる事故が絶無となるよう監督を徹底させる所存であります。
 なお、三月八日、国鉄上越線において、山腹斜面からの落石による列車脱線事故が発生し、多数の負傷者を生じましたことはまことに遺憾であります。
 同種事故の再発防止のため、落石、崩壊危険個所の再点検を実施し、万全を期するよう厳重に注意を喚起いたしました。
 自動車交通につきましては、事業者の安全管理の徹底、車両の安全基準の強化、型式審査体制の充実、検査要員の増員と検査コースの増設等による検査体制の充実及び自動車整備事業に対する監督の強化等によって安全の向上を図ることとしております。
 また、自動車事故対策センターによる交通遺児に対する貸付を拡充する等、被害者救済対策の推進を図ることとしております。
 次に、航空交通につきましては、第三次空港整備五カ年計画に基づき、引き続き、航空保安施設、空港の整備、航空気象業務の充実等を推進することとしておりますが、特に、重点的に進めてきました航空路監視レーダー網がほぼ全国的に完成いたしましたことから、昭和五十二年度中には「耳で聞く管制」から「目で読む管制」へと新しい管制システムに移行し、航空保安業務要員の資質の向上と相まって、安全面で飛躍的な向上が図られるものと確信いたしております。
 さらに、運航乗務員の資質の向上、運航及び整備の管理体制の充実についても指導の強化を図ることとしております。
 なお、去る一月十三日、アンカレッジ空港において、航空機事故が発生しましたことはまことに遺憾であります。目下、事故の原因は、米国関係当局において調査中であり、わが国としても関係者を派遣したところでありますが、とりあえず航空従事者の乗務規律の厳正な実施について厳重に注意を喚起いたしました。
 最後に、気象業務につきましては、気象の的確な予報や情報の提供が交通安全に深い関係がありますことに留意し、本年打ち上げることといたしております静止気象衛星による気象監視体制の強化を初めとする気象観測の充実、迅速、的確な情報の伝達等に努めていくこととしております。
 以上、交通安全対策の重点施策について所信の一端を述べてまいりましたが、交通の安全に対する国民の期待にこたえるべく最善の努力をいたす決意でありますので、何とぞ委員各位の一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。
#4
○委員長(佐々木静子君) 小川国家公安委員長。
#5
○国務大臣(小川平二君) 私は、昨年暮れ国家公安委員会委員長を命ぜられました小川平二でございます。本委員会の開催に当たり、一言ごあいさつを申し上げるとともに、所信の一端を申し述べ、一層の御指導を賜りたいと存じます。
 委員各位には、平素から交通問題について多大の御尽力をいただいておりまして、まことに感謝にたえません。
 御承知のように、わが国の交通事故による死傷者は、関係機関を初め、国民各層の方々の懸命な努力により、昭和四十六年以来六年間連続して減少し、特に、昨年の交通事故による死者は九千七百三十四人にとどまり、昭和三十三年以来十八年ぶりに一万人を下回ったのであります。
 しかしながら、年間の交通事故による死傷者はいまなお六十万人を超えており、国民生活に重大な脅威を与えているのでありまして、交通事故防止は依然として緊要な課題であります。また、都市を中心とする交通渋滞の激化、騒音、振動等による生活環境の悪化等も深刻な問題であります。
 警察といたしましては、歩行者や自転車利用者の保護を重点に各種施策を推進して、交通事故の減少傾向を長期的に定着させ、特に、交通事故による死者については、過去の最高であった昭和四十五年の死者数の半分以下に抑えることと、安全で住みよい生活環境の確保を図ることという二つの長期目標を設定いたしております。
 本年は、この長期目標達成のため、昭和五十一年度を初年度とする第二次交通安全施設等整備事業五カ年計画を軸といたしまして、都市総合交通規制の推進、交通指導取り締まりの強化、運転者を初め広く国民一般に対する交通安全教育の充実等、総合的な交通安全対策を展開し、国民の念願であります交通安全の確保に努める所存であります。
 委員各位の一層の御高示と御鞭撻を賜りますようお願いしまして、私のごあいさつといたします。
#6
○委員長(佐々木静子君) 以上で関係大臣の所信聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(佐々木静子君) 次に、昭和五十二年度における海上交通及び航空交通安全対策関係予算について説明を求めます。真島審議官。
#8
○政府委員(真島健君) お手元の「昭和五十二年度海上交通及び航空交通安全対策関係予算 運輸省」と書いてございます三枚紙の資料に基づきまして五十二年度の安全対策関係予算について御説明を申し上げます。
 まず、海上交通安全対策関係予算でございます。港湾関係で実施計画その他がまだ一部未定になっておりまして、金額が決まっておらないものがございますが、これを除きまして合計で三百六十五億九千四百万円を計上してございます。これは前年度の予算と比較いたしまして四十二億四千六百万円の増加、約十三・一%増となっております。
 各項目ごとに御説明申し上げますと、まず1の交通環境の整備でございます百七十八億七百万円。
 この内容は、(1)の港湾等の整備といたしまして百十二億三千五百万円を計上しております。
 内訳は1の航路の整備、これは東京湾口、瀬戸内海、関門航路その他七航路の整備を行う費用でございまして、九十九億一千五百万円でございます。2の避難港の整備といたしまして、深浦港初め五港の整備のために十三億二千万円がでございます。3の防波堤・泊地等の整備を行うための経費がございますが、先ほど申し上げました現在、実施計画作成中の項目でございまして、金額は未定となっております。
 以上申し上げました港湾関係、航路関係は、五十一年度を初年度といたします第五次の港湾整備五カ年計画の第二年度目として計画をいたしておるものでございます。
 次に、(2)の航路標識の整備でございます。燈台等の光波標識あるいはデッカ等の電波標識、これらの新設、改良を行うための経費六十五億七千二百万円がございます。このうちには、去る二月二十五日からすでに業務を開始しております東京湾の海上交通センターの整備のための経費も含まれております。
 次に、2の船舶の安全性の確保といたしまして一億四千一百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、(1)の船舶の安全基準の整備等といたしまして三千二百万円がございます。これは、条約あるいはIMCOの勧告、その他国際的な動向に対応いたしまして船舶の安全基準を整備する等のための経費でございます。
 次に、(2)の船舶検査の充実といたしまして一億九百万円を計上してございます。
 内訳といたしましては、当省が直接船舶の検を行いますための経費八千九百万円及び小型船舶の検査を国にかわって実施しております日本小型船舶検査機構に対する出資のための経費二千万円でございます。
 次に、3の安全運航の確保といたしまして七十六億三千五百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、(1)で海上交通関係法令の周知徹底等でございます。先ほど大臣からも申し上げました国際基準に基づいて改正が必要となりまして、今国会で御審議をお願いすることになっております海上衝突予防法あるいはその他の海上交通関係法令を円滑に実施するために関係者に対する法令内容の周知などを行うための経費五千九百万円でございます。
 次に、(2)の海上交通に関する情報の充実といたしまして、海図の刊行その他の水路業務、海洋気象情報の提供などの海洋気象業務の充実のための経費十二億三千四百万円がございます。
 次のページにまいりまして、(3)の運航管理の適正化等といたしまして、旅客航路事業者の監査、船員労務監査及び船員災害防止指導のための経費二千六百万円がございます。
 さらに(4)の船員の資質の向上といたしまして六十三億一千四百万円を計上してございます。
 内訳といたしましては、1の船員養成機関の充実といたしまして、海技大学校、海員学校における教育等の充実、航海訓練所における訓練の充実のための六十二億一千九百万円がございます。この経費が五十一年度に比べて減少しておりますが、これは航海訓練所の練習船の建造が五十一年度をもって終了いたしたことによりまして多少の減額となっております。
 2の海技従事者国家試験の実施等といたしまして、船舶職員として船舶に乗り組むべき者の資格試験のための経費、船員制度の近代化のための調査に必要な経費といたしまして九千五百万円がございます。
 このほか(5)のその他といたしまして、水先人試験の実施等のための経費二百万円がございます。
 次に、4の警備救難体制の整備といたしまして百九億九千四百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、(1)の巡視船艇及び航出機の整備強化といたしまして、ヘリコプター搭載型巡視船を初めとする巡視船艇の増強・代替建造並びに航空機の増強及び航空基地の新設、拡充を行うための経費百三億三千百万円がございます。
 それから、(2)の海難救助・海上防災体制の整備といたしまして、救難・防災体制及び海上保安通信体制の充実強化を図るための経費六億六千三百万円がございます。これも五十一年度に比べて減少しておりますが、主として昨年設立されました海上災害防止センターに対する出資が五十二年度はございませんので、その分が減ったものの主なものでございます。
 最後に5の海難防止に関する研究開発といたしまして、備考欄にございますような技術的な研究を実施するための経費一千七百万円を計上してございます。
 以上が海上交通安全対策関係の経費でございます。
 次に、次のページにまいりまして、航空交通安全対策関係予算でございますが、合計で一千十億一千百万円を計上してございます。これは前年度と比べまして百四十七億八千七百万円、一七・一%の増加となっております。航空交通の安全確保につきましては、昭和五十一年度を初年度といたします第三次空港整備五カ年計画、これを主たる柱といたしまして各種の安全対策の充実強化に努めてまいることとしております。
 その内訳を御説明申し上げますと、1の交通環境の整備といたしまして九百四十五億一千百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、(1)の空港の整備・維持運営としまして、滑走路などの空港施設、ILSなどの空港用航空保安無線施設の整備あるいは維持運営、このための経費八百十六億二千五百万円がございます。
 それから、(2)の航空路の整備・維持運営といたしまして、航空路監視レーダー、管制情報処理システムなどの管制施設、VOR/DME等の航空路用航空保安無線施設などの整備・維持運営のための経費百二十八億八千六百万円がございます。これが五十一年度に比べて減少しておりますのは、昭和四十六年の連続事故後、航空路監視レーダーの整備を初めとする一連の緊急整備がほぼ完了したことによるものでございます。
 次に、2の航空機の安全性の確保といたしまして、航空機の型式証明検査、耐空証明検査などを行うための経費五千万円がございます。
 それから、3の安全運航の確保といたしまして六十三億七千六百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、(1)の航空保安施設の検査といたしまして、航空保安施設の運用状況について飛行検査機による検査等を行うための経費十三億五千五百万円がございます。
 (2)の航空気象業務の整備といたしまして、航空気象施設、設備の整備など、航空気象業務の充実のための経費四億六千七百万円がございます。
 次に、(3)の航空従事者の資質の向上といたしまして四十五億五千四百万円を計上してございます。
 内訳といたしましては、1の航空従事者養成機関の充実としまして、航空大学校、航空保安大学校における教育等の充実のために四十五億一千八百万円、2の航空従事者技能証明等の実施としまして、航空従事者技能証明及び航空管制官の資格試験の実施のための経費三千六百万円がございます。
 最後に、4の航空事故防止に関する研究開発といたしまして、備考欄にございますような研究を実施いたすための経費七千四百万円を計上してございます。
 以上が航空交通安全対策関係予算でございます。
 簡単でございますが、これをもちまして海上交通及び航空交通安全対策関係予算の説明を終わらせていただきます。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(佐々木静子君) 次に、昭和五十二年度における交通警察の運営について説明を求めます。杉原交通局長。
#10
○政府委員(杉原正君) 昭和五十一年中の交通事故の概況と昭和五十二年の交通警察の重点施策につきまして御説明をいたしたいと思いますが、御説明をいたします前に一言ごあいさつ申し上げたいと思います。
 私、過般の人事異動によりまして警察庁の交通局長を命ぜられました杉原正でございます。よろしく御指導、御鞭撻を賜りますようにお願いをいたします。
 説明はお手元にございます二つの資料に基づきまして説明をいたしたいと思いますが、一つは「都道府県別交通事故発生状況」というのがございます。一つは「昭和五十二年中における交通警察の運営」という、この二つの資料に基づきまして御説明をしたいと思います。御承知のとおりでございますが、この資料の「都道府県別交通事故発生状況」に基づきまして昨年の全国の交通事故の状況を御説明をいたしたいと思います。
 これの一番下欄にございますように、発生件数四十七万一千四十一件、死者数九千七百三十四人、負傷者数六十一万三千九百五十七人でございまして、前年に比べていずれも減少をいたしております。発生件数につきましては過去七年連続減少を見ております。死者及び負傷者につきましては過去六年連続減少になっております。特に、死者につきましては昭和四十五年がピークでございまして、昭和四十六年以来の連続減少の後を受けましてきわめて厳しい条件下にございましたけれども、前年に比べて千五十八人、九・八%と大幅に減少をいたしたわけでございまして、昭和三十二年以来、十八年ぶりに一万人を下回ることができたということでございます。
 このような成果が上がりました要因には、交通安全施設の整備、国民の交通安全意識の向上等、いろいろあると思いますけれども、関係機関、団体を初め、国民各層の方々の長年にわたる総合的な交通安全対策が実を結びつつあることを示しているものと考えられます。
 しかしながら、交通事故によります死傷者はいまなお六十二万人余に上っております。また、内容的に見ましても解決すべき多くの問題が残っているのでございます。
 この都道府県別発生状況の二枚目に「死亡事故の分析」というのがございますが、これをごらんいただきますとわかりますように、交通事故全体の中で歩行者と自転車利用者の占める割合が依然として高いということでございます。死者の中で、歩行者はなるほどマイナス一一・三%ということで平均を上回る減少になっておりますものの、なお三四%を占めております。自転車利用者の一一・七%と合わせますと四五・七%にもなっております。欧米各国の歩行者、自転車の割合がイギリスを除いて大体二〇%前後というかなり低いのに比べまして、わが国ではまだかなり問題が残されているように思います。
 また、原動機付自転車乗車中並びに、年齢欄をごらんいただきますとわかりますように、十三歳から十五歳いわゆる中学生の層の減少率が全体の減少率よりかなり低いことも問題であるように思います。このほか、都道府県間において、また都市間において人口当たりの事故率に大きな較差があることや、また、年々夜間の死亡事故の比率が高くなりまして、昨年は夜間の事故が昼間よりも高くなったというふうなことも問題であると思います。
 さらに、交通事故のほかに都市部を中心といたしまして交通渋滞の激化とか、騒音、振動、排気ガス等によります生活環境の悪化の問題も生じております。
 このような状況下におきまして、警察といたしましては二つの長期目標を掲げておりまして、この目標の達成に向かって諸施策を結集してまいりたいと考えておりますが、以下、その概要につきましては「昭和五十二年中における交通警察の運営」という資料に基づきまして御説明をしたいと思います。
 まず一ページの下欄の方にございますが、その長期目標の一つは、歩行者、自転車利用者の保護を重点に、交通事故の減少傾向を長期的に定着させたい。特に、交通事故によります死者については、昭和五十五年までに過去の最高でありました昭和四十五年――これは一万六千七百四十五人の人が亡くなっておられますが、この昭和四十五年のピーク時の死者の数の半分にしたい、半分以下にするということを目標に掲げております。
 いま一つは、交通公害の防止、交通渋滞緩和対策を自動車交通が過密化しております都市を中心に推進をして、安全で住みよい生活環境の確保に資するということでございます。
 本年におきましても、この長期目標の達成のために、関係機関との連絡協調を密にして、都市総合交通規制の推進、交通安全施設の計画的な整備、効果的な交通指導取り締まりの強化、運転者対策の強化、交通安全教育の推進等、総合的な道路交通対策を展開してまいる所存でございます。
 以下、これらの対策の主な点について申し上げてみたいと思います。
 第一は、都市総合交通規制の推進についてでございますが、この資料の五ページから八ページを御参照いただきたいと思います。
 御案内のように、昭和四十九年以来、人口十万人以上の都市を中心に進めてまいりましたところ、都市部における交通事故の防止と生活環境の改善に相当な成果が見られますので、本年も引き続きこれを実施するとともに、人口十万人未満の都市につきましても交通事故等、交通障害の程度に応じて生活ゾーン対策、バス優先対策、駐車対策、自転車安全利用対策等の対策を積極的に推進することにいたしております。
 また、交通事故が都市部からその周辺部、都市間幹線道路等に分散化する傾向が見られますので、このような都市周辺部などで交通事故の発生の危険性の高い地域、路線等については、道路交通環境に応じた適切な速度規制、あるいは追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止などの規制を実施するとともに、歩行者、自転車利用者のために路側帯、横断歩道を設定し、その安全通行の確保を図ることにいたしております。
 また、新しく開発される地域につきましては、各種規制を先行して積極的に実施することによって交通障害の発生を防止してまいりたいと考えております。
 第二に、交通安全施設の計画的整備についてでございますが、資料の九ページから十ページをごらんいただきたいと思います。
 交通安全施設は、交通規制と相まって交通事故防止に果たす役割りが非常に大きいことにかんがみ、先ほど申しました長期目標を達成するための中軸となる施策としておりまして、昭和五十一年度を初年度とする交通安全施設整備の新五カ年計画に基づきまして、都市交通対策に有効なバス感知式信号機等の新規事業を含め、計画的かつ効率的に整備を進めることにいたしております。なお、信号機、道路標識等については、常に良好な状態に保たれるようさらに保守・管理を強化していきたいものと考えております。
 第三に、効果的な交通指導取り締まりについてでございます。資料の十一ページから十三ページを御参照願いたいと思います。
 交通取り締まりは、都市総合交通規制の実効を担保するとともに、交通事故の防止に大きな効果がありますことは広く認められているところでございますが、死亡事故の抑止効果を最大にするよう、事故分析及び違反実態の把握に基づきまして、死亡事故の多い地域、路線、時間帯について、その原因となった違反に重点を置いて効果的な取り締まりを強化する一方、生活環境を守るための取り締まりの推進を図ることにいたしております。悪質な交通違反、ひき逃げ事件等につきましては、さらに捜査を徹底し、両罰規定の適用など、雇用者等の背後責任の追及をも強化してまいる所存であります。
 また、暴走族につきましては、その実態及び動向の把握に努めて、広域体制を強化し、徹底した取り締まり、悪質グループの解散その他総合的対策を推進することにいたしております。
 第四に、運転者対策の推進についてでございますが、資料の十六ページをごらん願いたいと思います。
 運転免許保有者は、昨年末現在ですでに三千五百万人を超えております。運転者対策の充実は、交通事故の減少傾向を維持していく上でますます重要になっているところでございます。運転免許の更新時講習等、各種の講習につきまして内容の一層の充実を図りますとともに、悪質、危険な運転者を迅速、的確に排除するため、行政処分制度の迅速、適正な運用を図ることにいたしております。
 また、昨年一月から業務を開始しております自動車安全運転センターにつきましても、積極的な指導、助言を行いまして、その業務を通じて運転者対策の充実強化を図ってまいる所存でございます。
 第五に、交通安全教育の推進についてでございますが、資料の十八ページをごらんいただきたいと思いますが、関係機関と協力しながら幼児と母親ぐるみの組織的、地域的な安全教育と、子供に対する自転車の正しい乗り方の教育を推進いたしますとともに、夜間における交通事故を防止するため、歩行者、自転車利用者等に対しまして、自動車の運転者が発見しやすい明るい衣服の着用とか反射材等の活用、その他夜間事故防止に関する知識の普及を図ることにいたしております。また、座席ベルトや乗車用ヘルメットの着用につきましても、各種講習会、交通安全運動、日常の街頭活動などを通じまして、その指導を強化していくことといたしております。
 以上は、本年推進しようとする施策の概要でございますが、その他の詳細につきましては、お手元の資料によりまして御理解くださいますようにお願いをいたします。
#11
○委員長(佐々木静子君) 以上で説明聴取を終わります。
 関係大臣の所信及び関係各省庁の予算等の説明に対する質疑は、これを後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト