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1976/03/23 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会 第5号
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1976/03/23 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会 第5号

#1
第080回国会 交通安全対策特別委員会 第5号
昭和五十二年三月二十三日(水曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     安武 洋子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐々木静子君
    理 事
                岡本  悟君
                福岡日出麿君
               目黒今朝次郎君
                阿部 憲一君
    委 員
                加藤 武徳君
                中村 太郎君
                瀬谷 英行君
                森  勝治君
                河田 賢治君
                安武 洋子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  田村  元君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       藤田 正明君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       室城 庸之君
       警察庁交通局長  杉原  正君
       運輸省鉄道監督
       局長       住田 正二君
       運輸省自動車局
       長        中村 四郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       労働省労働基準
       局監督課長    倉橋 義定君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      高橋 浩二君
       日本国有鉄道常
       務理事      尾関 雅則君
       日本国有鉄道総
       裁室法務課長   栗田 啓二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (上越線津久田・岩本駅間における列車脱線事
 故に関する件)
 (交通安全対策の基本方針等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木静子君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐々木静子君) 交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 去る三月八日の上越線津久田−岩本駅間における列車脱線事故について、国鉄当局より発言を求められておりますので、これを許します。尾関常務理事。
#4
○説明員(尾関雅則君) 去る三月八日の上越線の落石による列車脱線事故につきましては、お客様が一人お亡くなりになる結果になりまして、まことに遺憾に存じます。謹んでおわびを申し上げたいと思います。
 事故の概況につきまして、お手元の資料によりまして御説明をさしていただきたいと思います。
 事故の発生いたしましたのは三月八日の二十時三十分でございまして、場所は高崎鉄道管理局管内の上越線の津久田−岩本駅の間の下り線でございます。脱線をいたしました列車は、急行の七〇五M列車佐渡三号でございまして、十三両の編成でございます。原因は、山腹の斜面からの約二メートル大の落石でございまして、これに衝撃したためでございます。
 状況は、佐渡三号が敷島駅を四分おくれて通過をいたしまして、時速七十五キロメートルで運転中に、列車の進行方向の左側の斜面から線路わきに落ちた落石に衝撃をいたしまして、一両目の電車が進行右側に脱線しまして、約四・七メートル下の国道十七号線に転落横転をいたし、二両目の電車は脱線をして上り線上で横転をしました。三両目の電車は上り線を支障して全軸脱線をいたし、四両目は前一軸が脱線をいたしました。
 この事故によりまして、お客様八百三十七名の方のうち百八名の方が負傷をされました。うち、重傷の方が三名でございます。そのほか、電車運転士と車掌がいずれも重傷を負っております。この重傷者のうち一名の方が三月十三日の十四時二十五分にお亡くなりになりました。まことに申しわけなく存じております。
 このため、負傷者は、付近の病院に収容をいたしまして治療をいたすとともに、高崎の鉄道管理局では復旧対策本部を設置いたしまして復旧に努めた結果、九日二十二時に復旧をいたしまして、翌朝六時十分から運転を再開いたしました。この事故には本社からも、あるいは研究所からも関係者を派遣いたしまして調査を行いました。
 なお、落石は、高さ五十五メートルの山腹の斜面の岩盤の一部が線路上に落下をしてきたものでございます。
 落石の個所には、落石止め擁壁が二十六年に設置してございましたけれども、落石はコンクリート壁の一部を壊して、乗り越えて線路上に落ちたものでございます。
 最近におきます落石の検査は、昨年の九月六日に実施をいたしましたが、そのときは異常はございませんでした。
 また、このところの線路状況は半径四百メートルのカーブで、千分の五の下り勾配でございます。
 列車の関係――関係列車は、この図面にございますように、この列車の前を約十分前に上りの列車が通過をし、下りの列車は四十分前に通過をしております。
 それから上りの列車は、この事故の発生と同時に停電をいたしましたので、岩本駅の出発信号機が赤になってそこで止まっております。そこで併発事故が避けられたわけでございます。
 負傷の程度――お客様は、重傷の方がここに書いてあります三名の方でございまして、一番後の松田さんが先ほど申し上げましたように亡くなったわけでございます。職員が電車運転士と車掌の二名でございます。
 輸送概況は、十日の六時開通をいたしました。この間、不通であった間は、バス代行で接続をいたしまして、上野の方面は渋川と敷島で、新潟の方面は水上でそれぞれ折り返し運転を行っております。
 対策でございますが、応急対策といたしまして、当該現場付近の地形状況を調査し、落石、崩落のおそれのあるものを取り除きました。
 それから立木等を利用いたしまして金網のさく三段を設置をいたしております。
 それから現場付近に落石警報装置を新設する考えでございます。
 なお、今回の落石規模にかんがみ、当該付近の防護さくをさらに強化をいたしたいと考えております。
 それから全国的につきましては、落石に関して総点検を行いつつありますが、その結果に基づいて斜面に対する安全対策を再検討いたしまして、見直し、この種の事故の再発防止に万全を期したいと考えております。
 その次の図面に、現地の様子が平面図と断面図が書かれておりますので、御参考にしていただきたいと思います。
 以上でございます。
#5
○委員長(佐々木静子君) これよりただいまの事故報告を含めて交通安全対策の基本方針等について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○目黒今朝次郎君 わずかな時間でありますから回答の方も要領よくお願いしたいと思うのです。
 いま概況報告があったのですが、客観的な報告だけであって、その原因と責任はどこにあるのかということについて一言も触れていないのですが、原因と責任はどこにあるんですか。
#7
○説明員(尾関雅則君) 落石の原因については、詳しいことは現在調査中でございますけれども、岩の割れ目にしみ込んだ水が凍ったり解けたりすることを繰り返しまして、だんだん割れ目が大きくなりまして、そこに木の根が入り込んで、木の根が成長していくというような原因で岩の深いところの割れ目が発達して、ある日突然落下したというように推定をいたしております。今回の落石は非常に奥行きの深い、深さ三メートルのところで起きたわけでございまして、その予測は現在のところでは非常にむずかしいというふうに考えておりますが、なお詳細は調査中でございます。
#8
○目黒今朝次郎君 この用地は、鉄道、国鉄が管轄する用地ですね、この用地は。そうすると、いまのような原因はあったにしても、その総体的な責任は国鉄側にあると、こういうふうに受け取っていいんでしょうか。
 そして、調査中とありますが、その調査の結果はいつごろ明確になるのか。この調査によりますと、鉄道技研ですか、鉄道技研から関係者を派遣すると、こういうふうに言っておりますが、私も現地を見てきたんですが、この調査結果はいつごろ出る予定なんですか、責任と調査結果。
#9
○説明員(高橋浩二君) ただいま国鉄の本社、それから現地及び専門家として鉄道技術研究所から、事故後、直ちに現地に参りまして、現地を詳細に調査いたしました。いまその真の原因について調査をして、間もなくこれは一応原因としては結論が出ると思います。
 いま尾関常務から申し上げましたように、ここは安山岩の岩盤でございまして、通常ならば、柱状の節理に従って細かく破砕した岩石が落ちるということがここの場所では通常でございましたけれども、今回非常に奥行きの深いところで非常に固まった岩石が落ちてきたということで、奥の深いところに、その亀裂があったんだというふうに推定をいたしております。
#10
○目黒今朝次郎君 いや、私が聞いているのはそういう客観的な問題じゃなくて、国鉄の用地で、国鉄が管轄する用地でしょう。そういう土質、そういうものであるという点は、主体的に関連する施設関係がそれを把握しているのが当然でしょうと私は言うんですよ。把握しているからいまのような具体的な事実が述べられるんじゃないですか。私は、その点と責任の関係はどうなのかということなんですよ。
#11
○説明員(高橋浩二君) 当該へ落ちてまいりました岩盤は、たまたま何年か前に別の落盤、落石がございました。国鉄で用地を広げまして、対策を講じた中にあった岩石でございます。したがいまして、当然この岩石が落ちたことによる、あるいはそれを通常検査する責任というのは国鉄がその責任を持っておるということでございます。
#12
○目黒今朝次郎君 この記録によりますと、同じところが昭和二十二年六月十四日八時、落石で列車脱線転覆事故を起こしていると、この同じ場所で。それで当時は、落石個所に見張り小屋を設置して徹宵で、たとえばなだれが発生しやすい、あるいは集中豪雨が発生しやすい、そういう天候と気象の条件に応じて、常に見張り小屋を設置してずっと徹宵で見張りをしておった、そういういわくつきの個所なんですね。ですから、当然暑さと寒さが交互にくると、こういう段階では、そういう過去に事故があった跡ですから、当然想像されるというか、予見されるといいますか、そういう区間じゃなかったんですか、この区間は、特にこういう事故の関係から考えて。その点はどうなんですか。
#13
○説明員(高橋浩二君) 先生おっしゃいますように、岩盤が目で見ましても露出している現地の状況でございます。したがいまして、いま先生のおっしゃいますように、以前は固定警戒ということで非常に落石の数が多いということで、固定警戒要員を従前は配置をいたしておりました。しかし、その後私の方で防護壁――落石が落ちてきたものをとめるための防護壁等を設備をすることによりまして、固定警戒、終夜、一晩じゅうついているというような過酷な作業をなるべくはずしたいということで防護設備をつくりまして、固定警戒をやめることにしたという場所でございます。その点は先生のおっしゃるとおりでございます。
#14
○目黒今朝次郎君 そうすると、仮にそういう危険区域などについては、異常天候とか集中豪雨と、こういう際に人手は当然かかるんでしょうけれども、そういう重点的な危険個所には、やはり徹宵の監視体制をとっておけば、この地点からこの地点に監視体制とっておけば、この事故は未然に防止できる可能性を十分含んでおったという見方についてはいかがですか。
#15
○説明員(高橋浩二君) のり面の崩壊には、土砂崩壊の部類と、それから今回のような岩盤が落ちてくるという二つの種類がございまして、土砂崩壊等については、通常雨が多いとか、あるいは雪解けというふうに決まった時期で、ほぼ予測がつきますので、そのときには私どもの方は保線関係の職員が巡回警戒、場合によってはもっと密度の高い警戒をいたしますんですが、今回のは岩盤が落ちてきたということで非常に時期的な予測が困難であったということで、そういう場所についての落石に対する固定警戒というのはちょっとむずかしいということで、ここの場所ではむしろ防護設備を中心に、落ちてきたものをコンクリートでとめてしまうということを中心に、それを主たる防護ということで、ここの区間は実施をいたしていたところでございます。したがいまして、この点については非常に突発的に今回落ちてきたというに考えて、固定警戒については考えてなかったというのが実情でございます。
#16
○目黒今朝次郎君 何か新聞によると、当日このそばで保線作業をやっておったというのは、これ事実ですか。
#17
○説明員(高橋浩二君) 私の方でも、当日というか、事故のありましたのは夜でございますけれども、昼間約二、三百メートル離れたところで線路関係のレールの交換作業を実施をいたしておりました。それは事実でございます。
#18
○目黒今朝次郎君 私、現地見てきたんですがね、この図はちょっとうそがあると思うんですよ。その壁をぶち破ったところは、これは一段下であってね、この赤線書いてあるのが私見てきた現地ですよ。この黒点が、これ破った個所でしょう、この黒点が。黒点の脇の、これ本当は高さが高いんですよ。ここだけが低いんですよ、ここだけが。両方が高くて、これも、これも、これも高くて、この一カ所だけが低いと、その低いところをこう乗り越えてきたんですがね。仮にこれが全部同じ高さであったならばあるいは食いとめられた可能性もあったかもしれぬ。なぜここだけが低くなって、この盲点をつかれたと、同じ岩壁があってなぜこの個所だけが、突破された個所だけが一体一段低くなっておったのか。同じ施工をしていれば、これは防げたはずだと、こう私は見てきたんですが、いかがですか。
#19
○説明員(高橋浩二君) 先生のおっしゃいますように、たまたま落ちてきたところの擁壁は、その他の区間に比べまして高さが低かったのが実態でございます。したがいまして、この区間についてはもう少し高さが高ければ、今回落ちてまいりました一番大きな落石は二メートルないし三メートルの直径でございますので、ここの擁壁でとまったんではないかというふうに私どもも推定をいたしております。
#20
○目黒今朝次郎君 そうしますとね、国鉄用地で、まあ二十二年の事故が起きて見張り小屋やっておった。ところが、この防壁をつくったから振りかえ、やめたと、その防壁も一カ所だけ低目のところにたまたま落ちてきたと、これが高ければあるいは防げたかもしれぬと。そういう可能性を追求しますとね、どうもやっぱり何といいますか、これは大臣にも関係あると思うんですがね。問題わかっておっても金の面で、財政の面で制約されて、やろうと思った工事も中途半端と言ったら語弊がありますが、一〇%やりたいところを八%でおさめてしまう、あるいは五%でおさめてしまう、そういうおたく側の管理体制全体のいろんなものが絡み合ってこの事故が発生したんじゃないかと、こんなふうに私は想像するんですが、その点はやっぱり大臣としても、まだ現地見ないからあれですけれども、私は現地見てつくづくそういう感じをしてきたんですが、大臣この問題についてどんな所感をお持ちですか。私はそんなふうに思うんですが。
#21
○国務大臣(田村元君) 大変貴重な経験、ある意味においては申しわけのない経験をしたわけでありますが、率直に言って、私も乙の事故が起こりましたときに抱いた感じは目黒さんと同じような感じでありました。国鉄の予算の立て方、あるいは重点度の置き方等について運輸省から平素よく指導しておるはずでありますが、こういう現場がまだまだ相当たくさんあるということも聞きまして、今後の予算の立て方等について、何と言っても人命に関することでございますから、十分の配慮を従来以上にうんとすべきであると、乙のように考えております。
 いずれにいたしましても、大変申しわけのない残念な事故が起こったものと、われわれもこの経験を、将来生かさなければならぬというふうに決意を新たにいたしておる次第でございます。
#22
○目黒今朝次郎君 大臣のそのような気持ちをさらに裏づけするために、これは国鉄側にお伺いしますが、五十年の四月の十四日、九時四十分、同じ上越線の湯檜曽で土砂崩壊がありましたね。これは五月の二十六日開通、約一カ月近く――事故があったんですが、これは国有林で、当時、私も現地で山の中をみんな歩いて見てきたんですが、そのときの総括としておたくのこの出ておるやつを読み上げますと、「類似災害の防止対策」鉄道沿線の国鉄、部外管理斜面を含めた広域災害については、関係機関の協力を要請し、必要な場合、部外学識経験者を含めた検討を行い、要注意個所の把握につとめ、防護設備の整備、運転規制等適正な災害対策を立てると、こういうふうに方針を当時明示して私も了解したわけなんですよ。この方針どおりいけば私は今日の災害はなかったと、こう思うんですが、実際その学識経験者を含めて、いまおたくの方が、言った岩壁の問題なども含めて点検をしたのかどうか。これは文章だけに終わってしまって、学識経験者を頼んでまだやってないと、こういうことなのか。やらない理由は、やりたいけれども金がないからやらなかったのか。その辺はどうなんでしょうか。りっぱなこれは五十年の湯檜曽の土砂崩壊で私が行って、結論なんです。この結論についてどういう点検を行っているということなんでしょうか。
#23
○説明員(高橋浩二君) 国鉄の線路は山間部を走っている延長が非常に長うございましたし、私の方は、危険個所というよりも、線区によりましてどの線区が土砂崩壊が多いかという統計的な資料は持っております。とりあえず、そういう災害の多いところについて、しかも国鉄だけでは防護し切れない、いわゆる国有林があったり、あるいは道路等があったりというところについて幾つかの例をとりまして、地方の自治団体あるいは建設省、農林省関係、そういう方々と御一緒にそういう特にむずかしいところについていろいろ協議を申し上げるということはございますが、まだ全国的にすべての岩盤まで、部外の方々と御一緒に勉強しているというところまでは至っておりません。
 今回の上越線のここについては、岩盤でございますので、その原因等に――原因というか、原因になるであろうかということについては、私の方は防護壁等の処置をすればよろしいんじゃないかという、実はその点が判断が甘かったと思いますけれども、そういう判断で当該区間については防護壁で防護するということでいけるのではないかというふうに判断をいたしました。他の地区では土砂崩壊等については原因が非常に複雑多岐にわたりますので、またそれの対策自体も国鉄自体でなくて、林野庁だとか、そういう方々と御一緒でないと防護ができないということで、いま先生の御指摘のありました五十年に事故のあったこの湯檜曽では、林野庁と御一緒に相互で持ち寄って防護対策を実施いたしております。
#24
○目黒今朝次郎君 ちょっと要領を得ないのですけれども、時間がないから。
 大臣ね、この国鉄の事故防の資料を見ますと、若干数字がまちまちなんだけれども、約二千カ所、そのうち要注意個所が約千、岩盤とか地盤でね。それが、国鉄の管轄もあれば、民有林の管轄もあれば、それから私立の管轄もあれば、都道府県が持っている管轄もある。膨大な金で、現場の方に聞くと、約一千億から千五百億程度かかるんじゃないか、こう言われるんです。そうしますと、私はきょう、本当は大蔵省とか農林省でも来て、聞けば一番いいんですけれども、国務大臣ですから……、こういう問題があるときに赤字財政の国鉄にいますぐやれと言ったって、ちょっと私は無理だと思うんですよ、財投でも使えばいざ知らず。しかし、現に列車は走っているんですね、やっぱりスピード百二十キロ、百三十キロで飛ばしていると。そういう点から考えますと、今回の事故で、私の経験では〇・一秒、〇・一秒早かったか遅かったら百人は死んでいるでしょう、これは。われわれ乗務の経験から見ると。それだけの大事故なんです、これね。ですから、ここで私は大臣に対して、こういう非常に危険な個所については内閣全体として早急な緊急措置を講ずると。そういう意味で、私はぜひ大臣の決断をお願いして、具体的な問題は国鉄なり建設省なり、あるいは大蔵省と相談するとしても、こういう類似する事故は早急に手を打つべきだと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#25
○国務大臣(田村元君) 検討しなきゃならぬでしょうね、率直に言って。内閣の問題として取り上げていただくということで、たまたまここに総務長官もおるわけでありますが、何と言っても人命の問題ですから、真剣に検討しなきゃならぬと思います。
#26
○目黒今朝次郎君 総裁も見えたのですが、ここに国労、動労、全施労、実際山を守っている、あるいは線路を守っている方々の具体的な申し入れがいっぱい来ていますよ。これはやっぱり私は、運輸大臣が今度再建問題で経営参加を考えてもいいという十八日特別発言やっておるらしいんですけれどもね、そういう問題に入ることも必要ですけれども、現場で現場を守っている方々の意見というものをやっぱり素直に聞いて、これをどういうふうに具体化するかという方向に、前向きにやはり私は取り組むのが最も今日の段階では必要ではなかろうか。それから、山の問題であれば、やっぱり林野庁関係の皆さんの毎日山を歩いている方々の御意見も聞くと、それぐらいの私は現場重点主義の事故防対策をやる必要があると、こう私は読めば読むほど考えるんですが、時間がありませんから言いません。そういう基本路線についていかがでしょうか。国鉄側。
#27
○説明員(高木文雄君) 安全につきましては、何よりも私どものように大量輸送を仕事といたしております者にとりましては最も重要なことというふうに考えておるわけでございまして、にもかかわりませず、今回このような事故になりましたことは、まだまだ私どもの及ばざるところがあるということを痛感しておる次第でございます。それを具体的にどのようにして処理をするかというのは、まあ地域も広範でございますし、災害の種類も多いわけでございますので、従来から安全会議等を中心にしていろいろ御検討いただいておりますが、まだなかなか事故を絶滅するというには及ばないわけでございます。反面、たとえば踏切事故のように対策がいささか効果をあらわしてまいりまして事故件数の減ってきているようなものもあるわけでございます。ただいま御指摘のような点も含めまして今後ともじみちに対策を積み上げてまいりたい。同時に、これは時間の問題と申しますか、早く処置をする必要があることでもございますので、ただいまお話ありましたような各省間の連絡というようなことについても、いろいろと私どもからもお願いをいたしたいというふうに考えております。
#28
○目黒今朝次郎君 それからもう一つは、これは私の調査では、こういうおたくの方、国鉄側なり他動的なことで乗務員がここ五年くらいの間に七、八人私は殉職していると思うんですよ。私の記憶だけで大体八名ぐらい亡くなっていると思うんですがね。それから、こういう事故で乗務員も毎月六名から八名、多いときは十五名ぐらい重傷を負っていると。そういう経過から見ますと、やっぱり私は乗務員の皆さんが本当に安心してハンドルを握れる、プライドを持って運転すると、そういう条件下にはだんだんなくなってくる。いまの若い方々は乗務員の希望者がいないというぐらいの傾向がしていると、こういうふうになりますと、運転保安という問題と喜んで仕事ができる環境づくり、条件づくりということについても、もっとやっぱり真剣にやってやらないと、将来機関士、運転士の卵がいなくなってしまうと、こういう事態にもなりかねない、こういうことを憂慮するわけですが、そういうことについて直接担当の国鉄の総裁はどんな感じをお持ちですか。
#29
○説明員(高木文雄君) 何といいましても、多くの職種の中で、私どもの多くの職場の中で、乗務員の仕事というのが基本といいますか、重要な仕事であることは言うまでもないわけでございますし、いま御指摘のように、乗務員の傷害事故というのは、長い目で見ますと多少は減ってはおりますが、まだまだかなりの数に及んでおるわけでございます。これは何分にも、全体として安全ということの水準が上がっております状態からいたしますと、乗務員の安全問題というのはきわめて重要なことと考えておるわけでございます。これらにつきまして決して軽く見ておるわけではないわけでございまして、ただ地域も広く、いろいろなケースがありますので、その対策がすぐには効き目をあらわしてこないということで歯がゆい思いをいたしておりますが、気持ちといたしましてはきわめて重要な問題として取り組んでおるつもりでございますので、いましばらく様子を見ていただきたいというふうに思います。
#30
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、私の調べでは、この電車は一八五系型であって、運転室の高さを三十センチ高くしておったいわゆる改良電車、俗に言う前部補強改良電車、これ改良電車でなかったら運転士は一思いだと。たまたま改良電車であるために足をはさまれて助かったと。あれが三十センチ低ければ胴腹やられて内臓破裂、こういうことになったと言われるんですがね。私は、車も大型化しておりますし、電車の改良、前部補強ということについては、大臣、少し専門的になりますけれども、岩壁の方の調査と同時に電車そのものの前部補強、電車全体も含めて、そういうことについてやっぱり予算面でも特段の配慮をお願いしたいし、国鉄側の見解を聞いておきたい、こう思うんですがね。
#31
○説明員(高木文雄君) 車両の前頭部を強化するということが、同じ事故が起こりました場合でも傷害の程度を軽くする上において、きわめて役立っておることは具体的な例で私ども体験しておるところでございますので、数年前から強化に努めております。
 ただ、これは内部事情で大変恐縮でございますが、一面検修と申しますか、保守と申しますか、そういう面では非常に手間がかかるということもありまして、いろいろ論議を重ねました末、たしか、いま正確に覚えておりませんが、毎年いま五十台ないし六十台のペースで改良を進めておるわけでございますが、そういったペースではなかなか前頭部改良の車両が全体の中に占める両数が少ないわけでございますし、ただいまお触れになりましたように、ダンプその他、衝突が起こります対象車両の方が強くなってきておりますので、いまの五十両ないし六十両というペースでの改良ではいささか間に合わないのではないか、不十分なのではないかということをつい数日前も役員会で議論をいたした次第でございまして、いまの点は非常に重要な点だと考えております。一挙にはまいりませんが、改良のテンポを速めるという方向をとりたいと思っております。
#32
○目黒今朝次郎君 ぜひそういう点で御配慮をお願いしたいと思うのです。
#33
○委員長(佐々木静子君) この際、国鉄総裁から発言を求められておりますので、これを許します。高木国鉄総裁。
#34
○説明員(高木文雄君) このたびの上越線におきます事故につきましては、非常に幸運であったといいますか、死傷者の数が少なかったということでございますけれども、その背景は非常に大きな事故につながる心配のある事件でございました。
 日ごろ安全につきましては相当注意をいたしておるつもりでございますし、一例を申しますと、昨年資金的に行き詰まりが起こりましたときにいろいろ工事の抑制というようなことで御迷惑をおかけいたしましたが、安全に関するものについては一切そういうことはしないというようなことでいたしましたのも、日ごろ相当心を入れていることのあらわれとしてお汲み取りいただきたいわけでございますが、何分にもまだまだ多数個所問題点が内在をいたしておるわけでございまして、先ほど来御指摘のような点を含めまして対策をとります、それを早く進めてまいりますということをお約束申し上げたいと思います。
 事故の起こりました乙とにつきましておわび申し上げますと同時に、このおわびを空虚なものにしないためには対策をより早く、より適切に進めていくことが何よりかと思いますので、そのような心組みで臨んでまいりたいと思います。非常に御心配をいただきまして恐縮いたしました。私ども今後努力を続けてまいりますので、どうか御注意等がございましたならば折に触れて御指摘いただきますようにつけ加えてお願いを申し上げます。どうもありがとうございました。
#35
○目黒今朝次郎君 自動車関係でひとつ警察庁にお伺いしたいのですけれども、各大臣の施政方針を聞きますと、去年は一万名を割ったという点で成果成果と上がっておるのですが、北海道だけはどういうわけかちょっと余り芳しくないと。新聞などの記事によりますと、去年の十一月も青少年ドライバー交通事故防止強調月間と、こういうものを設けたにもかかわらず、若い方々の事故が十四名もふえていると、総体としてむしろ逆に昨年よりもふえておると、けが人も含めて。こういう特殊事項があるのですね。事故防止月間を設けたにかかわらずふえておるというのは、ちょっと私も腑に落ちないのですけれども、何か北海道に特殊的な問題があるのか、あるいはそれはどうすればこういう問題についていわゆる全国並みに歯どめがかかるのか、何か御所見があったら聞かしてもらいたい、こんなふうに思うのですが。
#36
○政府委員(杉原正君) 御心配いただきましてありがとうございます。
 北海道でございますが、先ほど目黒委員からお話がございましたように、人口当たりで見ましても全国の平均が大体人口十万当たりに死者が八・七人ということでございますが、北海道の場合には九・〇というふうなことでございます。それから、これは救急医療体制、これは地域が広いということもあると思うんですけれども、救急医療体制との関連だと思いますが、交通事故でけがした中でいわゆる亡くなる率が非常に高うございまして、全国平均ですと一九・五%の致死率というのが北海道の場合には二七・二%、運び込むまでにかなり時間がかかるというふうな問題等があるように見受けられます。
 また、われわれが考えております北海道のこれからの安全対策上の問題点でございますが、数点申し上げますと、道路の延長キロというのが昨年末現在で七万三千キロ余ということで、都道府県の中で全国一番長いのでございますが、他府県と比較いたしますと道路網が薄い、なお薄いと。そこで、自動車交通が幹線道路に集中をするという状況がございます。それから、自動車の保有台数でございますが、去年の末現在で百五十五万台を超えております。全国平均が大体国民三・七人に一人の車でございますが、北海道は三・五人に一台ということで保有率も高いという問題がございます。
 それに対しまして、いわゆる警察を中心にいたします監視力の面から見てみますと、この昨年の取り締まり件数を見ますと、全国平均では一六%余を超えておりますが、北海道の場合には取り締まり件数が前年並みにもいかなかったということ、それから交通規制をいろんな形でやりますが、規制率が低うございまして、たとえば歩行者用道路というのがございます。いろいろ車を締め出して歩行者の安全を図るということでございますが、この歩行者用道路というのが全国平均ですと四・六%ぐらいを占めますが、北海道は一・八%というふうな点がございます。それから、速度の四十キロ規制というのが全国は一六%ぐらいに対して北海道は八・六%、いろいろな駐禁その他のあれも全国よりもかなり下回っている。それから、安全施設の面でございますが、これ、事故件数とか死者数とか道路延長とかいろいろな要素を八つばかり出しまして平均値を出しておりますが、それを全国を一にしました場合に、北海道は、信号機について見ますと、平均に比べて全国一に対して〇・九二、道路標識が〇・六二、横断歩道が〇・七七というふうなことで、かなり下回っております。それから、この取り締まりの面から見ました交通違反の種別の中で、交通事故に直結する悪質なものがまだ非常に多い。たとえば無免許の取り締まりでございますが、全国平均ですと全取り締まり件数の中の一・九%、これが北海道の場合には二・一%、それから酒酔い運転、これが二・五彩に対して三・六%、最高速度違反というのが全国は四二%に対して約四九%というふうなことでございます。これあたりがやはりこれからの北海道の安全対策を進めていく方向というものと重点を示唆しているものというふうに思いまして、そういう面につきましてこれから格段の努力をしていきたいというふうに考えております。
#37
○目黒今朝次郎君 よくわかりました。時間がありませんから、きょうは問題提起とおたくの考え方を聞いて、あと時間をかけて、やっぱり北海道は特殊な、全国的に見ますとやはり集中的に対策なり検討する必要があるんじゃなかろうかという点で私も検討したいと思っております。
 最後に総理府にちょっとお伺いしますが、総理府所管の予算といたしましては、民間における交通安全確保の推進及び交通事故被害者の救済云々という点が重点になっているんですが、私も植物人間とか交通事故に対する救急体制ということについては、何回か社会労働委員会あるいは運輸、この場を含めて問題を提起をしているんですが、特に植物人間関係については対策が依然として、まあほとんどと言っていいくらい進んでいないわけなんです。これは一各省の問題でなくて、総合的に関係するものですから、各都道府県の状態を見ますと、皆さんお金を民間の方からカンパしてもらって、そのカンパを集めて皆さんに出している、三十万とか四十万と。この不景気でカンパもなかなか渋くなりまして、七十万もらっておった金が宮城県の場合は五十万になったり、あるいは山形県の場合は三十万になったり、そうするとどうしてもやっぱり本人に負担がかかってくるという点で、大変な苦労をしながら植物人間の方々が闘っているわけなんです。ですから、これは何回も言いませんから、総理府長官の方でひとつ各省調整をとって、この重点政策に見合った対策を早急に立ててもらいたいということをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#38
○政府委員(室城庸之君) ただいまお尋ねのいわゆる植物人間対策でございますけれども、いま私どもで承知しております範囲では、植物人間と称せられるような気の毒な方が全国で二千ないし三千人ぐらいいると。そのうち、いろいろ原因が分かれておりまして、交通事故によっていわゆる植物人間のような気の毒な立場になられるという方は全体の約三分の一ぐらい、千人足らずぐらいではなかろうか。この辺、実ははっきりした調査がございませんで推計でございますけれども、そんなことじゃなかろうかというふうに考えられております。したがいまして、いわゆる植物人間対策といいますと、交通事故防止対策という面からだけのアプローチではやや範囲が狭過ぎるということで、もっと幅広く、医学対策とか、あるいは社会保険的な意味での対策というものが必要であろうと思いますが、その中で特に交通事故防止対策の面から考えますと、やはりこういった重傷患者を出さないように交通事故防止を考えていくということで、最近は特にシートベルトの着用でございますとか、あるいは夜間の被害者にならないようないろいろな反射材を身につけるとかというような、御自分で努力すればかなりできるであろうと思われる防止対策についても、私ども大いにこれを推奨いたしまして、国民運動としてこれを展開していこうというようなことをやっておるわけでございます。
 そのほかに、いろいろ被害者救済という面から見ますと、従来交通遺児というような立場で、交通事故で亡くなった方の子弟というものだけを対象に考えておりました事業を、こういった植物人間というような方が実際に生活が、亡くなられた方あるいはそれよりももっと以上に家族に負担をかけるというような方については、その子弟は遺児並みにこれを対象として取り上げていくというようなことで進めておりますので、全然これを度外視してやっておるというわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、まだ実態さえはっきりつかめておらないというような点ははなはだ私どもも不満足でございまして、来年度運輸省の方の御指導で交通事故対策センター、こういったところでもこういったいわゆる植物人間という方の実態なりその生活の実態といったようなものを調査をしたいというふうに計画しておられるように聞いております。私どもは全体としてこういった実態調査を基礎にいたしまして、今後できるだけこういった方を特別な手厚い保護を加え得るように考えてまいりたいというふうに考えておりますが、最初に申し上げましたように、交通という問題だけではちょっとその手に余るという面もございますので、幅広く検討してまいりたいというふうに思います。
#39
○国務大臣(藤田正明君) 目黒先生から五十年のこの委員会で御質問いただきまして注意を喚起されたそうでございますが、それ以来、ただいま交通安全対策室長が申し上げましたように、やってはおりますが、まだまだ不十分な点がございますので、ただいま御趣旨のように促進方を各省庁と話し合って図っていきたい、かように思います。
#40
○目黒今朝次郎君 時間が来ましたから三十秒だけ。
 私は、これは実態調査と言うけれども、私は五十年の予算委員会の分科会でもこの問題の集中審議をしたし、十分具体的な資料も提示をしてあるはずですよ。それで、植物人間には脳卒中とかいろいろあることは私も知っています。でも、やっぱり中心は交通事故でなった方の対策をどうするかと、そこがどうしても重点なんですよ。脳卒中でなった方は、自分の持病でなったんですからある程度あきらめがあるし、対策も出てくる。ところが、交通事故の場合は、それがなかなか、ふいにやってくるものですからきわめて惨めなんですよ。ですから、まず交通事故に対してどうするかという基本方針をあなた方が中心になって、労働、厚生も含めてやってもらって、その延長線上に、じゃほかの方々をどう乗っけるかと、そういうふうなのを調整しないと――五十年ですからね、五十年、五十一年、五十二年ですから、もう二年間ぶら下げっ放しなんですよ。ですから、私はぜひこの問題については集中的な対策をお願いしたいということを要望いたしまして質問を終わります。
#41
○瀬谷英行君 この落石事故についてちょっと質問いたしますが、この断面図を見ますと、線路の構造そのものにかなり問題があるんじゃないか、こういう気がいたします。これは、こういう決まりでもってできているから別にミスだということにはならぬかもしれませんが、岩がころげ落ちてきた場合に、やはりかなり危険な状態であったということは断面図からうかがうことができるわけです。そこで、たとえば下り線と上り線との線路の中心間隔三・八メートルという――これは車両の幅が二・八ないし二・九メートルだと思いますので、そうすると下り列車と上り列車がすれ違う場合の車両の間隔というのは一メートルあるかなしかということになるわけですね。そうすると、この場合はそういうことがありませんでしたけれども、下り線が脱線をして、その脱線をした場合には、図で見ると左の方からおっこってきたわけですから、どうしても右の方へ脱線をした場合には傾いたり、あるいはこの場合はまたいでしまったりということになるわけです。そこへたまたま上り列車が突っ込んできたというふうな不運が重なりますと、これは鶴見事故の二の舞あるいは三河島事故の二の舞、こういう結果になってしまう。とんでもないことになる可能性があったんですね。
 そこで、これはこの落石事故で考えるわけなんですけれども、たまたまこういう運の悪い落石事故だったためにマスコミでも大きく報道されましたけれども、岩じゃなくてダンプカーが飛び込んできてそして脱線するといったような事故はもう無数にあるわけです。――無数というとオーバーかもしれませんけれども、やや無数に近いほどたくさんあるわけです。そういうことを考えますと、上り線と下り線の間隔というものをもう少し広げるということが線路の構造上望ましいのではないかということが一つ考えられる。それからもう一つは高さなんですけれども、一体どうしたらこの事故が防げるか。一つの方法として考えられるのは、線路の高さを十七号国道と同じところまで下げてしまってトンネルにしてしまう、こういう方法が一つ。それから現在の高さからさらに高架にして、仮に土砂もしくは落石があっても足の下を、線路の下をくぐり抜けるような方法を講ずるということ、そういう方法が考えられるんですけれども、これらの方法は技術的に可能かどうか。資金面でなかなか問題はあるでしょうけれども、もし技術的に可能であるとすれば、どちらの方がより安全なのか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
#42
○説明員(高橋浩二君) 最初の上り線と下り線の線路中心間隔がこの図面のようにここでは三・八メートル――ここではと申しましたけれども、全国ほとんど三・六メーターから三・八メーターの間に線路中心間隔はございます。いま先生のおっしゃいますように、もし脱線といいますか、レールから車輪がはずれてきた場合に、当然この間隔が広ければ上り線、下り線との関係はそれだけ関係が遠くなるわけでございますけれども、ちょっとぐらいの間隔ではなかなかそういうわけにもいかないということで、もし完全に分離するならば上り線と下り線を別の線路にして、おのおの別々の線路ということにする以外には方法はないんじゃないかというふうに考えております。
 それから第二の点の落石で落ちてきた場合にいろいろな防護方法があるではないか。いま私どもも線路をすっぽり覆ってしまういわゆる落石覆いという形式をとっている区間、それからここのように落石どめ、コンクリートで落石をとめるという方式及び斜面に防護さくのようなものを途中途中に斜面に置きまして、金網を張ってまず力をそいで大部分はそこでとめてしまうという大きく分けて三つの方式がございまして、全国その地形地形に応じまして三つの方式を組み合わせてやっておるのが実態でございます。
 ここの場所で、いま絵でごらんになるように、もっと線路を下げて覆いを全部してしまったらどうだということですが、この絵を見ますとそういうアイデアが出てくるかと思いますけれども、前後の線路の高さの関係からなかなかここではそういうふうにはいかなかったために、ここを複線化いたしますときにこのような設計にしたものと考えております。いま仮にここを覆うといたしますと、その覆いの強度がまた非常に問題でございまして、覆った場合に落石が直撃いたしますと覆い自体が壊われてしまうというケースがございますので、覆ったほかに、なおかつ緩衝地帯として覆いの上に土砂を三メートルぐらいやわらかい緩衝地帯を乗せるという設計が普通の落石覆いの場合の通常の設計でございます。ここでも今回のような大石ですと、覆いをした上に土を三メートルぐらい乗せて緩衝地帯を設けておれば線路の方は安全であったかと思います。ただ、隣に国道等がございますので、その辺とよく協議をしないと最終確定いたしませんけれども、先生のおっしゃいましたように、覆ってなおかつ緩衝地帯の土砂を盛った方がより安全な方法であったのではないかというふうに私どもも感じております。
#43
○瀬谷英行君 この落石事故に関連をしていろいろ考えることは、この種の危険な地域というのはかなり多いわけですね。たとえば、これは上越線の場合は、水上の駅だって片側見るというと見上げるような壁になっているわけですな。ここで石でも落ちてきたら線路の上へ落ちやしないかと、こう思われるわけです。だからああいう場所についてはやはり根本的な対策というものを考える必要があるだろうと思う。場所がなければこれはトンネルのような方式もやむを得ないと思うんです。しかし、できる限り場所をとるという考え方が私は必要だろうと思うんです。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、やはりここの場合は高架にするということが果たして妥当かどうか。これだけ場所が狭いんですから何ですけれども、線路の用地の幅は十メートル足らずなんですよ。普通、国道の場合は、いま行われている高速道路などは、やはり二十メートルないし三十メートルはあります。それから、その路肩を入れますと四、五十メートルはとってある。高速道路にそれだけの場所をとるんですから、幹線の線路用地もそのくらいの場所をとるということができれば、高架にして、その安全の面でも万全を期すると思われるんですけれども、そういう方法をこれは国家百年の大計として考えてみていいのではないか。国鉄の現在の火の車の財政の中でそれをやれと言ったって、これはやる気にならないことはわかり切っているわけです。しかし、それは国の問題として当然考えてしかるべきことじゃないかという気がいたしますが、大臣はどう思いますか。
#44
○国務大臣(田村元君) 大変大きな問題でございますので、いま私が直ちにここでそれに対する見解を申し述べることはちょっとはばかられますけれども、いずれにしても国鉄の財政問題と無縁ではあり得ないわけでありますから、確かにいま瀬谷さんおっしゃったようなことが実現すれば非常に安全度は増すわけでありますが、私もまだ着任間もない立場でもありますし、十分そういうことも含めて、今後の安全上の問題について検討をしてみたいと考えます。
#45
○瀬谷英行君 大臣、そんなことで遠慮することはないんですよ、就任間もなかろうと、ベテランであろうと。こういうことは遠慮する必要はないことなんで、どうせ自分の身銭切ってやらなければいけないということじゃないんだから、構想は大きく持ってもらいたいと、こういうふうに思うんです。
 やはり平面交差というのは危険が多いわけですよ。落石だってやはりまずいし、落石以外に踏切事故というのが多いわけです。だから、平面交差というものは極力これはやめていくと、特に高速鉄道の場合は新幹線のようなかっこうで幹線鉄道は全部そうしていくというようにしないと、時速百キロ前後で走るようになったら、やっぱりこの種の事故というものはこれからだってあり得ると思わなきゃいかぬ。だから、監視体制をとって何とかということじゃ、これはとてもやり切れないと思うのです、これは。四六時中監視をつけておくわけにもいかないでしょうから。そうすると、やはり線路の構造でもって金をかけるということが私は必要になってくると思う。
 そこで、事の次第でもって金をかける問題にちょっと入りますけれども、この上越線の落石とは今度はちょっと違いますが、私、北海道と東北地方の豪雪地帯をことしは見てまいりました。雪のためにダイヤが大混乱をすると、こういう事態がありました。北海道でどうしてこれが特にひどかったというと、車が北海道向けの、寒地向けの車両でなかった。特に四八五などというのは、こちらの内地を走っている分には余り問題はなかったけれども、北海道へ行くとからっきしどうにもならぬと、こういう事態がありました。
 それから車両の安全という面でも、向こうの急行に乗っていて感じたんですけれども、上下動が激しいんですね。つまり凍ってしまっていろんな機能がだめになるということが出てきて、そしてたとえばまあ俗な言葉で言えばバネがきかなくなっちゃったわけでしょう。それで、車に乗っていても上下にがたがた揺すぶられる、ちょうどトラックに乗ってでこぼこ道を走っているような、こういう感じです。これはちょっと北海道以外の地域では経験しなかったことです。こういう体験をしました。これはやはり安全上かなり問題があるんじゃないか、こういう気がいたします。
 で、これらの問題を根本的に解決するために、暖かくなりゃ問題は解決すると思うかもしれませんけれども、また冬になりゃ同じようなことが繰り返しになるわけですから、こういう問題を車両の面でも根本的に解決をする必要があるんじゃないかという気がいたします。
 それから設備の点ですね、粉雪が車両に巻きついてしまって、それが凍りついて検修の作業員はまず氷を解かすという作業をしなきゃいかぬ。氷を解かすのにゴムホースでお湯かけて解かしているわけですね、なかなかはかどらない。はかどらないのも無理はないと思う。ああいうことをやっておりますと、これは骨が折れるだけで能率が上がらないということになる。しかも、運休であるとか、欠車であるとか、こういう事故は後を絶たないということになる。国鉄としては、根本的にこれらの冬季の――ことしは特に寒かったといえばそれまでなんですけれども、来年だってまた寒くならないという保証はないですから、その点を考えてどういう対策をこれから講じられるのか、安全の面と、それからサービスの面と、両方に分けて考えていただきたいと思うんですが、その点はどうですか。
#46
○説明員(尾関雅則君) 雪害につきましては、いままでは昭和三十八年の豪雪という経験によりまして対策を立てて進めてまいりました。ちなみに、四十年から四十九年までの雪害対策費としましては、一年平均二十億ないし三十億であったわけでございます。しかし、その後四十八年の経験をしまして、これでは足りないということで、主に車両の耐寒耐雪構造化それから除雪車両の能力を増強するという問題、あるいは除雪機械の開発増備、地上設備の強化などを中心にして、今後はもっと雪害対策を強化しようということに相なりまして、五十年、五十一年と一年平均七十五億の金をかけてまいりました。
 車両の検修設備につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、交番検査以上の車両は全国的に上屋根のあるところでやっておりますが、寒冷地におきましては仕業検査でも屋根がないとなかなか作業がむずかしくなりますし、十分な検査も大変ですし、検査に携わる人の苦痛というものも相当なものでございますので、これは早急にそのような設備を整備するように考えております。お湯で解かす場合、熱風で解かす場合、いろいろございますけれども、それは車両の性質によりまして、電車のようなものは余りお湯をかけると電気の絶縁が悪くなるというようなこともございますので、その場所の気候あるいは車の種別というようなものに最も適した方法でやってまいるというふうに考えております。
 それから寒地用の電車について御指摘がございましたけれども、御指摘ございました北海道を走っております四八五系という特急電車は、北海道へ持っていくために、応急的に、寒地向けということで、内地を走っておりましたのを設計を手直をいたしまして北海道に回したものでございます。改造ではございませんで、新製ではございますけど、設計を後で追加したということでございます。これが見通しが若干甘かったというふうに反省をしております。ことしの雪は大変な記録的な寒さと豪雪ではございましたけれども、もう一つの七一一という電車が走っておりますが、これは相当徹底して寒地対策を行った電車でございまして、これに比べると、確かに四八五系の方は差がある。
 それじゃ、なぜその七一一のような設計ができないかということでございますが、これはPCBを使っておりますので、これにかわるものをいま開発模索をしておりまして、そういったことで、今後やはり本格的な寒冷地向けの車両というものを設計していくべく研究検討を進めておる最中でございます。
#47
○瀬谷英行君 まあ、私が見ました範囲では、青森あるいは旭川といったところを見てきましたけれども、青森の方がわりあいと設備はよかったように思いました。それでも、あれだけ雪が降ると動きがとれなくなってしまう。北海道の方は、第一、設備が悪い。建物に彫ってありますのをよく見ますと、明治三十何年とか四十何年とか、要するに石川啄木が北海道へ渡っていったころの設備がそのまま使われておるわけです。車両の方を見ますと昭和十年代ですよ、これは。戦前のものがわがもの顔に走っておるわけです。で、変わったのは蒸気機関車が電気機関車に変わった。電気に変わった方がかえって弱くなってしまった、蒸気だったら雪にもっと強かったなんという話がある。そうすると、要するに設備も車両もみんな古いんです。で、そういう古物を使っておって、そして雪が降って、そして故障を起こす。並んで待っていたお客さんが、時間になっても来ない、そのうち運休だと言われる、それは怒るのは当然ですよ。さらに走っている車の暖房が切れてしまう、車内の気温が寝台車の中で氷点下十一度になったという話を聞きました。これじゃやはり車掌に文句を言うのは当然なんです。で、文句を言われる方は、ただ頭を下げる以外に手はない。局長とか部長とかいう人のところへ文句を言うわけじゃないわけですね。手っとり早い車掌とかあるいは駅の担当者に文句を言う。言われた方はどうにもならぬというわけなんだ。それはお客のサービスの面でも困るというだけじゃなくて、働いている現場の人たちの立場になって考えてみた場合に、きわめて気の毒なことだと思う。だから、これらの問題をもっと根本的に解決する必要がある。特に北海道に新幹線を延長するという計画があると思うんでありますけれども、あんな状態で新幹線が走れば、関ヶ原だけで手を上げておる状態が、東北から北海道まで雪の中を新幹線が走っていったらどういうことになるんだろうという気がいたします。そうすると、新幹線をあそこまで――これは採算の問題は別として、国の政策としてどうしても延長するということであれば、それ相応の考えも当然必要になってくると思うんでありますけれども、これはこの機会にちょっと大臣にお聞きしますが、新幹線は札幌あるいは旭川まで延長するという考え方が青函トンネルの進行状況から見て当然推定されるんでありますけれども、その考え方はどうなんでしょうか、この機会にちょっとお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(住田正二君) いま御指摘のありました東北新幹線の盛岡以北の延長と、それから北海道の中の函館−札幌までの北海道新幹線、さらには旭川まで延ばすという新幹線、現在いろいろな計画があるわけでございますが、最終的にこういうものをどういう方針で取り扱うかにつきましては、全国総合開発計画の改正の中で検討いたしたいと考えているわけでございますが、いま御指摘ありましたように、青函トンネルとの関係もございますので、青函トンネルの進捗度合いを勘案しながら東北新幹線の延長についてはまず決めていく。さらには北海道新幹線、まあ、どこまで延ばすことになるかわかりませんけれども、青函トンネルの進捗状況を勘案しながら決めていく必要があるかと思っております。
#49
○瀬谷英行君 青函トンネルは今現実に掘っているわけですよね。あれを掘っている以上、北海道新幹線というものを考えてないなどということは理屈にならないわけですよ、だれが考えたって。青函トンネル掘り上がったら、歩いて渡ってくれというわけにいかないでしょう。当然あそこは新幹線を通すようになっているんだ。それならば、世間に対して妙にひた隠しに隠さないで、政府とすれば北海道新幹線の構想があるのだということをはっきりさした方がいいんじゃないかと思うんですよ。これはよしあしについてはそれまた批判は出てきますけれどもね。そういうことはやはり率直に私は明らかにすべきだと思うんですよ、現実に青函トンネル掘っているんですから。また北海道では、新幹線用のテストをやっているわけですからね。だけれども、私が言いたいのは、新幹線どころじゃない、在来線が、雪が降った、ちょっと寒かったというだけで、こんなにごちゃごちゃになってしまう、機能を喪失してしまうわけです。そういう状態で新幹線を通したら、一体どういうことになるだろう。いまの新幹線は関ヶ原だけであのとおりだ、そういうことは大臣としても慎重に考えていただく必要があるんじゃないかということを特に言いたいわけです。まあ、このことはまた改めて申し上げることにしまして、最後にもう一点だけ。
 北海道から沖繩の方に話が移って恐縮ですけれども、沖繩の左側通行の問題、実はこのことがきのうもいろいろとわれわれの方の部会で問題になりまして、問題提起があったわけです。この左側通行というのは、いままで右側を走っていたのが左側を走らせるようにするわけですから、バスの構造からガソリンスタンドの配置から、全部影響してくるわけですね。これについて、どうも聞くところによると、なかなか窓口がたくさんあって、運輸省なり、あるいは開発庁なり警察庁なり、それぞれの主張というものが錯綜をしているように聞いておるわけでありますけれども、いつから行うのか、行うための準備というものはもう万全なのか、予算措置あるいはバス等に対する助成措置等について現地と話し合いがついているのかどうか、安全の面で支障なく行い得るという見通しがあるのかどうか、それらの点についてお伺いしたいと思います。
#50
○政府委員(室城庸之君) 沖繩の交通の方法変更につきましては、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律というのがございまして、この中で、本土復帰の日から起算して三年を経過した日、すなわち昭和五十年五月十五日以後の日で政令で指定する日に変更することになっておるわけでございます。現在までのところ若干の経緯がございましたけれども、五十三年七月末を変更の時期とするというめどで諸般の作業を進めるということが五十年六月二十四日の閣議決定で定められておるわけでございまして、したがって来年の七月末ごろに現在の右側通行から左側通行に切りかえるという事業を実施したいということで考えておるわけでございます。
 これにつきましては、いずれこういった問題に対処しなければならないということで、沖繩県交通方法変更対策本部というのを設けまして、これは本部長に総理府総務長官が充てられておるわけでございます。そのもとに各種の委員会が設けられておりまして、全体としては総理府総務長官が各省庁の関係の次官を招集して開かれます対策本部会議というので各般の調整を行っておるわけでございます。その下に幹事会というのがございまして、これは各関係省庁の局長クラスの方々、これにはもちろん、本部会議にも沖繩県の副知事さんもメンバーとして入っておられるわけでございますし、それぞれの幹事会以下の管理部会、交通部会、車両部会、建設部会、こういった部会には、それぞれの沖繩県の関係部長あるいは県警察本部長以下関係部長といったような人たちがメンバーとして入っておるわけでございます。したがって、従来、この問題にどのように対処するか、どのような事業内容で、これに必要な経費として、これ予算化するためにはどういう時点でどういうものを予算化していくかというようなことにつきまして、関係各省庁、こういった部会を通じていろいろ意見調整をやってまいりまして、これを総理府総務長官が調整をしておるということでございます。
 なお、現在のところ、中央のそのような組織はできておりまして、沖繩県の現地の方とも、いま申し上げました各部会のメンバーということで、沖繩県の方にも御参加いただいて中央での対策を進めてまいっておるわけでございますけれども五十二年度予算にただいま提出をいたしております予算案の中には、五十二年度に手をかけなければ、準備を始めなければ来年七月までに間に合わないというようなものにつきまして五十四億円ほどの予算が計上されておるわけでございまして、なお引き続き五十三年度も所要のものについて予算措置を講じたいということで考えておるわけでございます。そういうことで、ほぼ予算の上でもめどが立ってきた段階でございますので、この辺でそろそろ現地の連絡会議というようなものをつくっていただきまして、現地の問題の処理というものを今度は前向きに進めていく必要があるということで、現在、沖繩開発庁の総合事務局、沖繩県、沖繩県教育委員会、沖繩県警察それから沖繩県内の各市町村等の方々にメンバーになっていただきました現地連絡協議会というものをおつくりいただきまして、これに中央からも総理府その他関係のものが参加いたしまして現地問題の処理に当たりたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、沖繩開発庁の総合事務局には所要の部門がございまして、たとえば車両等につきましては、現に総合事務局の方でいろいろ現地の方ともお話し合いに入っておるわけでございますが、一つの部門だけの事業ということではなくて、関係各省庁が全部これは関連することになりますので、中央のそういった総合調整機能というものを十分に発揮しながらこの問題を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#51
○瀬谷英行君 大分細々とした話がありましたけれども、要するに各省庁にまたがっている問題なんです。開発庁長官の方で権限を持ってまとめてやるということなんですか。予算が、たとえば運輸省の方で持ってもらいたいという予算もあるだろうし、警察庁の方で持ってもらいたいという予算もあるだろうと思う。それらの問題についてはだれがまとめるのかということをちょっと聞きたいんです。ごちゃごちゃ、ああだとかこうだとか言うんじゃなくて、中央における窓口、権限というのは、総理府長官なのか、運輸大臣なのか、警察庁長官なのか、一体どうなっているのかということをちょっと長官に聞きたいんですけどね。
#52
○国務大臣(藤田正明君) いまの事前の対策なり協議なりにおきましては、総理府長官がこれを行います。そうして、決定した後の実施段階は各省庁において行われますから、運輸省は運輸省、建設省は建設省、警察庁は警察庁――なお、通産省にも関連がありますので、通産省。予算はそのように各省庁についてまいりますから、実施はすべて各省庁で行ってもらいます。ただ、それをどのような対策をするかというその相談は、総理府で各省庁からそれぞれ出てもらいましていまやっておる最中でございますが、その意味の事前の決定といいますか、これは総理府長官の方で行います。
#53
○阿部憲一君 わが国の交通事故、これは昭和四十六年以来年々減少の方向をたどってまいりました。これは結構なことでございますが、これは、やはりまあこの関係者を初めとして、国民各層の努力の結果と言えると思います。特に昨年は、昭和三十三年以来十八年ぶりで死者が一万人を下回ったということでございます。しかし、これは年間の交通事故による死者が一万人を切ったということだけを見てただ安心するというわけにはいきませんので、現実に負傷者を合わせますと六十万人も超えておるわけでございます。また、この交通事故による死者が一万人以下になったといっても、これは道路交通の事故による死者だけであって、鉄道事故だとか航空事故または海難なども含めますと、一万人を超えてしまっている現状ではないかと思います。こういうようなことを踏まえまして、これからの交通事故に対する対策というものについて、御所見を承りたいと思います。総理府長官いかがですか。
#54
○国務大臣(藤田正明君) 対策室長からお答えさせます。
#55
○政府委員(室城庸之君) ただいまお話がございましたように、道路交通事故による死者は確かに一万人を切ったということでございますけれども、そのほかに鉄軌道事故の面で見ますと、これは昭和五十一年でございますが、運転事故で国鉄が五百四十一名、民鉄が二百三十七名という死者を出しております。それから、踏切事故で国鉄が二百三十名、民鉄が百五十二名。さらに、海上交通の面で、海難等によりまして死亡または行方不明という乙とになっております方が四百六十七名。航空交通の面で死者が二十六名というふうな数字が、五十一年の事故として報告されております。
 したがいまして、道路交通の問題はともかく、こういった鉄軌道、海上、航空、すべての面にわたる交通安全について、さらに事故防止に万全を期してまいりたいということで、先般御説明申し上げました昭和五十二年度の予算の計画の中にも、陸、海、空にわたるこのような事故防止対策を含めて、推進してまいる予定にいたしております。
#56
○阿部憲一君 次に、去る三月十二日に起きました神戸電鉄の粟生線の踏切事故について、少々関係官庁にお伺いしたいと思います。
 まず、この事故の概要を説明していただきたいと思います。
#57
○政府委員(住田正二君) いま御指摘の事故は、三月十二日十六時二十八分に、神戸電鉄の粟生線の栄と押部谷の間にあります上垣内踏切道、これ第四種の踏切でございますが、これにおいて下り電車が三両編成で約五百人のお客さんが乗っていたわけでございますが、その踏切でこの下り電車がダンプカーと衝突いたしまして、そのため乗客四十六名、電車運転士と自動車の運転手、計四十八名が負傷いたしました事故でございます。この負傷は、いずれも軽傷で済んでおります。
 この事故の原因でございますが、この電車と平行に道路が走っておりまして、このダンプカーは電車と平行して列車の進行方向に走っておったんでございますが、この踏切道で急に右に折れまして横断したために、電車の方が非常ブレーキをかけたわけでございますけれども、間に合わなくて衝突したということでございます。まあダンプカーの運転手の無謀運転というような感じでございます。
 で、この踏切につきましては、従来幅員が二メーターしかなかったわけでございますが、これを五メーターにすでに直しておりますので、踏切道改良促進法によりまして、昨年の十二月八日に第一種の踏切遮断機を設けるという指定をいたしております。当初の予定では、この遮断機を五十三年ぐらいに設けるという予定になっておりましたけれども、今回の事故にかんがみまして四月いっぱい、来月中に整備するということにいたしております。
#58
○阿部憲一君 この事故でいま運転手の無謀運転が原因だというような御説明がございましたんですが、事実普通の運転をしておればこういう事故は起こらなかったと思いますが、これはいまお話しのように、この踏切にはまだ残念ながら警報機がついていなかった現状でございます。遮断機もなかったということであったわけでございますが、こういったことに関連しまして踏切の保安設備の整備計画はどうなっていますか、簡単に御説明願いたいと思います。
#59
○政府委員(住田正二君) 踏切道の整備でございますが、昭和四十六年から昭和五十年まで第一次の整備計画が実施され、昭和五十一年から昭和五十五年まで第二次の整備計画をいま実施中でございます。
 第一次整備計画の目標と実績でございますが、立体交差につきましては、連続立体交差と単独立体交差とあるわけでございますが、連続につきましては目標が百キロメートルに対しまして、実績は百四十七キロメートルということになっておりますので、実績の方が上回っております。また、単独立体をいたしまして踏切を除却したり、新たに道路を新設するということで踏切の除却が、目標が六百カ所でありましたのに対しまして、実績が七百三十八カ所でございます。それから道路の新設が四百カ所に対しまして、実績が六百七カ所ということでいずれも目標を上回っております。
 新しい二次計画では、連続立体交差を三百キロメートルぐらいやりたい。また、単独立体交差では踏切の除却を五百カ所、道路新設を六百カ所やりたいということでいま進めておるわけでございますが、まだ本年度からの計画でございますので、実績は出ておりません。
#60
○阿部憲一君 警察庁に伺いますけれども、この踏切の幅員は四メートルということですが、大型車などの交通規制は行われていたんでしょうか。
#61
○政府委員(杉原正君) 大型車の交通規制は行われておりませんで、いま大型車の交通規制の問題については、迂回路等との関係も考えながら規制を検討しております。
#62
○阿部憲一君 検討ということですけれども、どうなんですか、見込みとして、時間的に。
#63
○政府委員(杉原正君) 実施をする方向でやっております。
#64
○阿部憲一君 このトラックには過積みもしていたわけですね。一たん停止を怠ったというふうに報道されておりますけれども、これは実際はどうなんですか。
#65
○政府委員(杉原正君) 過積みの事実はないようでございます。
#66
○阿部憲一君 この場合には過積みはなかったということで、そうすると一たん停止するとかというような義務も、過積みしていたために停車せずに線路上に乗ったというふうにも考えられないんで、ただそういう過積みとか積み荷に無関係に運転手が電車の線路に乗ったと、こういうふうに受け取っていいわけですね。
#67
○政府委員(杉原正君) 踏切での一時停止、左右の確認が励行されなかったということでございます。
#68
○阿部憲一君 ダンプは、電車というようなものの衝突だけでなくて、一般の道路上を走っている場合にも非常に車体がでかいということや非常に重量が多いというようなことから、事故が起きますと非常に損害が大きく出るわけでございますけれども、総理府にちょっと伺いたいんですけれども、今後公共事業がますます活発化してまいりますということを予想いたしますと、このようなダンプの事故というものがまたこれからますます起こりはしないかと、こういうふうにも危惧されるわけでございますけれども、これに対する事故防止対策というのは具体的にどのようになさっていますか、伺いたいと思います。
#69
○政府委員(室城庸之君) ダンプカーを中心とする大型貨物自動車の交通事故防止につきましては、従来もいろいろな機会に国会の決議等にも御指摘をいただいておりまして、私ども関係の機関といたしましては、数次にわたる交通対策本部決定等を通じてダンプカーの取り締まり、その他過積載をしなければならないというような実態にできるだけ着目して、問題を根本的に是正する方法はないかということを検討してまいっておるわけであります。ただ、従来もそうでありましたが、全体の事故の減少率の中でダンプカーの起こします事故もそれなりに減ってはきてまいっております。ただ、本来大きな型の自動車でありますことと、いま御指摘にもありましたように過積載というような異常な状態で運行しますために、特に事故が起きました場合の致死率というものが一般の車両に比べて非常に高うございます。そのほか、実際に車両当たりの事故発生件数ということから見ますと、減っているとはいいながらも、かなりほかの車両に比べまして大型貨物自動車の交通事故というものは事故率が高いというような結果も出ておりますので、今後ともこういったダンプカーを中心にする大型貨物自動車の対策を進めてまいりたいというふうに考えておるわけであります。ただいまダンプカーの過積載そのものをなくすための工夫といたしまして、御指摘もいただいておりますので、各省庁でそれぞれ必要な調査費等を準備いたしまして、そういった基本にわたる実態調査並びに将来の対策というものを検討しようということで、実は昭和五十一年度に通産省では約三百五十万円かけまして、その実態、通産サイドの実態の究明をいたしております。さらに総理府では五十二年の予算に一応八百五十七万四千円というものを計上いたしまして事故の実態、ダンプカーの運行の実態の調査をやりたい、労働省におきましても五十二年度百七十二万九千円という予算を計上いたしておるのでございまして、こういったそれぞれのきめの細かい実態調査を通じまして、今後さらにいわゆるダンプ規制法の一部改正というようなことも考えながら、将来にわたってのこの種の事故防止に基本的な対策を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#70
○阿部憲一君 この過積載の問題につきましては、非常にいまお話しのように種々対策を練っておられると承りましたけれども、こういった取り締まりを遂行するために、関東地方では特に骨材の価格の引き上げを要求するために骨材の出荷停止などが行われたというふうにも聞いておりますけれども、実情とまたこれに対してどのようにお考えになっているか、承りたいと思います。
#71
○政府委員(室城庸之君) ダンプ対策ということで、実は昨年十月ごろから警察庁を中心に取り締まりを強化していただきまして、警察による取り締まり並びに陸運事務所等の車両に対するいわゆる差し枠、その他違法改造といったようなことについての取り締まりをやっていただいております結果、過積載そのものはかなり極端なものが減ってきたというような現象が出ておりますけれども、同時にそれをやりますとダンプカー側で食っていけないんだという非常に深刻な問題が出てまいりまして、自分たちもあえて法を無視して過積載をやろうという気持ちはないんだけれども、実際に買いたたかれるので、どうしてもたくさん積んでいかないと食っていけなくなるというようなことを訴えておりまして、その結果が運賃値上げというような形で問題化してまいっておるわけであります。
 主として砂利等の第一次的な買い取り先は、いわゆる生コンでございまして、生コンの方もまた、それを自分のところでいわゆるダンプカーの要求するような価格でこれを買い取るわけにはいかぬと、これはやっぱり大手の建設業者の方でしかるべき価段で引き取ってもらわなければならないんだということで、結局いままでも、そういったことが何回も繰り返されながら、結局最後には一番弱いダンプカーにしわ寄せがいって、したがってダンプカーはいつまでたっても法の目を逃れて過積載をしていかなければ食っていけないというような、何といいますか堂々めぐりをやってまいったというような面があろうかと思います。
 したがいまして、いわゆるダンプ規制法というのは、そういったいわゆる弱者としてしょい込まなければならないというような立場からダンプカー業者に協業化というようなものを勧めていく、これにダンプカー協会というようなものをつくらせまして、交通安全の面からも国もしくは都道府県が助成をしていく、こういった組合に入ってみんなが違法な過積載をやらないでも済むようなそういう事業形態をつくれというのがこの本旨であったと思うわけでございますけれども、せっかく法律ができておりながらも、そういった社会実態は必ずしも私どもの考えておりますような方向に向いておらないというようなことで、先ほど来申し上げましたように、その辺の実態というものをもう少しきめ細かく追及をいたしまして、それに対して、やはり食っていけないということのために交通安全の問題を無視せざるを得ないというような、そういう事業形態があっていいはずはございませんので、そういったものを根本的に是正するような手が打てないかということを考えたいというふうに思っておるわけでございます。
#72
○阿部憲一君 このダンプカーに働いている人といいましょうか、ダンプカーの業者なり、あるいは一人一車のような自分の車を持って働いている人たち、こういう人たちの車が何か全国でも二十万台ぐらいあるというお話でございますけれども、いわば非常に多い。いわゆる、それがまたある意味においては非合法な白トラと言われるような行為もしているわけでございますけれども、これに対してのいろいろな御努力の一端もいま拝承しましたんですけれども、現実にこの実態というものについて労働省ではどのぐらいに把握しておられますか、承りたいと思います。
#73
○説明員(倉橋義定君) ダンプの運転手の方々につきましては、いわゆる労働者として労働基準法の適用のある方と、いわゆる一匹オオカミと申しますか、一人親方と申しますか、そういう請け負い形式でダンプを――両者の方がいるわけでございますが、労働省といたしましては、これらの方々の労働者数全体は把握しておりませんが、いわゆる基準法の適用のある事業所といたしましては八千九十八事業所というふうに押さえております。
#74
○阿部憲一君 それで、いまのお話のように、非常に弱者の立場に置いておかれるわけですけれども、これに対しての救済方法とかなんとか、その他どのようにお考えになっていますか。
#75
○説明員(倉橋義定君) ダンプの運転者を含めまして自動車運転手の方々の労働条件の確保につきましては、監督行政といたしましても重点的なものとして取り上げております。とりわけ労働条件の中の賃金でございますが、賃金が安いために結果において非常に労働が苛酷になる、さらには過積みの原因になるということがございます。したがいまして、積載量等によりまして歩合制の賃金形態をとる場合におきましても、定額部分につきまして平均賃金の六割部分については保障給を付するような行政指導をいたしておりますし、また、極端な歩合給、歩合率になりますような刺激的な歩合制度につきましては、これを行わないような行政指導を進めてきております。
 なお、いわゆる一人親方の方々の実態につきましては、労働省では現在のところ把握しておりませんが、先ほど総理府の方からお話がありましたように、来年度予算におきましてその実態を把握いたしまして、これらの方も労働者の周辺にあるという労働実態でございますので、できるだけ労働法の範囲の中に取り入れるというような措置を検討してまいりたいと思っております。
#76
○阿部憲一君 このダンプの事故というものを見ますと、結局これはいまの複雑なダンプの置かれた実情から起こっているわけだと、こう思うわけでございます。したがって、これにもいまのお話のように、個人免許を与えていくとか、あるいは免許基準を改めて個人でやっていけるようなふうにもっていくとか、いろいろな方法があるんじゃないかと思いますが、やはり一番下積みになっているダンプカーの運転手諸君の生活、これを政府でもって考慮していただいて安心してダンプで働けるようにする。これは結局事故をなくするということに結びつくと思いますので、この辺のところをよく関係官庁として考慮していただきたいと、こう思うわけでございます。今後このような一番悲惨な交通事故を想起させるようなダンプ事故というものはぜひ絶滅を期していきたいと思いまするし、また先ほど例に挙げましたような電車との衝突事故なんということは、今度は一人や二人、三人、五人というような数でなくて、何十人、何百人の事故にもつながるわけでございますので、特段のひとつ対策を講じていただきたいと、こうお願いする次第でございます。
 次に、時間がなくなりましたが、一言だけ。
 先ほど問題になりました上越線の事故についてお伺いしたいと思いますが、先ほど承りましたが、事故で非常にお気の毒な死傷者が出たわけでございますが、これに対してその後の様子、おわかりでしたらちょっと……。
#77
○説明員(尾関雅則君) 事故直後は、治療を受けられた方が百三名でございまして、入院なさった方が二十五名でございます。そのうち重傷の方が三名でございましたけれども、一方お亡くなりになりまして、二十二日現在では、現在入院中の方が七名、うち重傷の方が二名でございます。この数字の中にはわれわれの方の乗務員二名は含まれておりません。
 以上でございます。
#78
○阿部憲一君 この負傷者あるいは死者に対しての救済措置、補償措置というのはどうなっておりますか。
#79
○説明員(尾関雅則君) 現在までの間、入院された方は病院へ、また入院されない方は自宅にそれぞれ職員を派遣しましてお見舞いを申し上げてきたところでございます。
 補償問題につきましては、現在なお、多くの方々が治療をされておる最中でございますので、近く全治を待って、誠意をもってお話し合いをさしていただきたいというように考えております。また、万一身体に傷害を残された方がおられました場合でも、そのケース・バイ・ケースで専門家の意見などを十分聞きまして対処してまいりたいと思います。また、不幸にしてお亡くなりになった方に対しましては、御遺族の状況等を勘案いたしまして、誠意をもって対処する所存でございます。
#80
○阿部憲一君 こういった事故でけがされた方は、いまの対策講じておられることわかりましたが、不幸にしてお亡くなりになった方一人いますが、こういった場合の見舞い――補償金といいましょうか、そういったものは一体どのくらいな額になるもんですか、参考までに聞かせてもらいたいと思いますが。
#81
○説明員(尾関雅則君) ケース・バイ・ケースでございまして、過去の多くの事故の場合にいろんな方式で算定をしておりますが、その場合場合でどのくらいということはここで申し上げるのを差し控えさしていただきたいと思います。
#82
○阿部憲一君 今回の事故は列車が進行中、この直前に落石があったということなんですが、このような危険と思われる場所が全国では非常に数千カ所、千七百カ所ですか、あるということを承りましたけれども、このような非常な危険の発生する事故に対しまして、落石の検知装置というようなものを、こういうものをすれば万全の事故対策ができるというようなことにも聞いたんですが、これがどのくらいの効果があるか、また、どの程度こういうことについて実験なさっておるか、承りたいと思います。
#83
○説明員(高橋浩二君) いま落石等に対する対策として、先ほどから申し上げましたけれども、直接的には防護壁あるいは落石覆い等で私の方は対処するのを原則にいたしておりまして、いま先生のおっしゃいます落石があった場合に警報が鳴る装置というのは、全国で延長にいたしますと四十キロメートルぐらいの区間にはその落石警報装置というのをつけております。これは、石が落ちてまいりまして網を破った場合、網を破りますと警報が鳴るという装置でございまして、したがって、網を破った上、線路の上に石が落ちてくるという――網を破ると警報が鳴るということでございますから、石自体は線路の上に乗ってくる可能性がある。したがって、出合い頭に落石と列車がぶつかる場合には効果がないということで、私どもは、原則的には落石警報機というのは補助的な手段でございまして、落石防護設備等をやるのを原則にしていままで対策を講じてきたということでございます。いま列車の速度が非常に遅いとか、あるいは見通しが非常に立てにくいというような場合に、補助手段として落石警報装置、これはいま電線等が――線というか、網が破れますと発煙筒が出るというような装置でございます。
#84
○阿部憲一君 そうすると、この装置はちょうどいまの地震対策に使っている地震の予知というような程度のもので、現実にすぐ効果のあるところまでいっていないわけでございますね。
#85
○説明員(高橋浩二君) 効果がないということではございませんが、いまの補助的な考え方で警報機をつけております。したがって、いま全国で四十キロほどの延長にしてそういう警報装置をつけたところがございますが、それはそれなりの効果を出しております。
 それから、地震のときの予知というのは、これはある一定以上の地震が発生しますと電源が切れるというような、そういう装置でございますので、それとこれとは直接は構造的にも違うものでございますけれども、一応予報するという意味においては同じ種類のものでございます。
#86
○阿部憲一君 以上で私の質疑を終わらせていただきますが、せっかく大臣もお見えですから、ひとつ全般的な交通事故に対する、これは空も海も含めまして非常に重大な問題だと思いますので、大臣、これから運輸大臣として御就任になった以上、これに対しては真剣にひとつ対策に取り組んでいただきたいと思うわけでございますが、一言何か御所感を承りたいと思います。
#87
○国務大臣(田村元君) 交通安全ということは、私は交通政策の一番基本であろうと思うのであります。速く行くこともよいし、また快適に旅行することもいいことでしょうけれども、その基本はやはり絶対安全が確保されていなきゃならぬ。でありますから、国鉄なら国鉄一つを例にとりましても、国鉄の災害防除、いわゆる災害対策、そういうものについても国鉄にだけ任せて、苦しい中のやりくりをさせておく、果たしてそれだけでいいのだろうかという感じが非常に強くいたすのであります。
 交通安全につきましては、私は、もちろんこれは航空会社もあり、国鉄もあり、私鉄もあり、たくさんあるわけでありますが、運輸行政の最重要問題として、むしろ行政以前の使命感というか、倫理のようなそういう考え方で取り組むべきであろうと存じます。少なくとも私が運輸大臣として運輸行政の責任をとっていきますにつきましては、交通安全ということを私自身にとっても最大の義務だと心得て、思いを新たにしてやっていきたいと、このように考えております。
#88
○安武洋子君 まず最初に自転車置き場の問題についてお伺いいたします。
 私どもはこの自転車置き場の問題を大変重視いたしまして、昨年の秋にも私質問をさせていただきました。そのときに、総理府の試案は秋には発表すると、こういう御答弁でございましたけれども、まだ発表されておりませんが、一体いつ御発表になるのか、時期をお伺いいたします。
#89
○政府委員(室城庸之君) 前回の御質問の際にもお答えいたしましたのですが、非常にむずかしい問題がたくさんございまして、当面やれることについては最大限やりますけれども、これから先の問題につきましては、早急に結論をまとめる努力をいたしたいということで、実は研究会をやってまいっております。で、少なくとも年度内にその研究会の中の学者グループの提言という形で、一つの将来の方向を打ち出してほしいということをお願いいたしておりますので、今月末までにはその学者グループの提言がまとめられてその委員会に出されるということを期待しております。それに基づいて各関係行政庁がそれぞれのところでこの提言に書かれております問題を、今後行政の面でどのように実現していけるかという具体的な取り組みを考えてまいりまして、いずれは交通対策本部でこれをまとめてまいりたいというふうに考えております。
#90
○安武洋子君 もう二年もたっているわけですね。いずれはとおっしゃらないで、総理府試案を示す時期をお示しいただきたいんですが。
#91
○政府委員(室城庸之君) 実は、昨年四月からこの研究会が発足いたしまして、いろいろな面からこの問題を検討いたしておりますが、現実にもかなりできておるところは不十分ながらもできておるわけでございまして、それができない部分につきましては、共通のいろいろな問題があるわけでございます。で、これについて今後どういう方向で解決を図っていくかということは、場合によっては新しい法律をつくらなきゃならぬということもあろうかと思いますし、そういうことで、非常に右から左というわけにはまいらぬ問題がございますので、かなりの時間がかかっておるということでございます。
#92
○安武洋子君 じゃ、全く時期的な見通しをお持ちにならないのかどうか、それが一点です。
 それからいま、大変簡単にいかない問題があるというふうにおっしゃいましたけれども、そういうふうに簡単にいかない問題があるなら、その問題を各省庁間で持ち出して、その問題について、一体実態はどうなっているんだというふうな実態調査をお進めになる。そういう意思がおありかどうか、この二点をお伺いいたします。簡潔で結構です。
#93
○政府委員(室城庸之君) いまの研究会の研究の過程でも、たとえば柏につきまして――千葉県の柏でございますね、自転車の需要というものは一体どういう形で出てくるのかというようなことを実態調査いたしました。それぞれの駅前の自転車放置状況、これはそれぞれ、そういった実際の自転車需要というものとのかかわり合いで出てきておるわけでございますから、これをどう処理していくかということにつきましては、柏でやりましたような実態調査というものを今後各地でやらなきゃならぬと思いますけれども、まあ、駐車施設を仮につくるといたしましても、現在あるものを始末すればそれで済むのか、さらに将来もっとふえてくるのか、その辺の予見なしに、行き当たりばったりというわけにもまいりませんので、その辺のプロセスをどういうふうにやっていくことが今後の自転車駐車場対策として、十分な物の考え方になり得るのかということを、実はいろいろ詰めておるわけでございまして、そういったものを基礎にして、さてその次には、それじゃだれの責任でどういうものをつくって、いまの放置自転車を処理していくかということで、これはなかなか問題解決がむずかしいところについての手法を勉強しておるわけでございますけれども、現に道路法の中でも道路管理者が自転車駐車場を道路の付属物として整備することができるということも法律上可能なような措置がなされておりますので、そういうことができるところについては、それでやっていく。また、個々のケースで鉄道側が用地を貸してくださる、あるいは売ってくださるというようなところにつきましては、現に不十分ながらも自転車駐車場というものはつくられつつあるわけでございまして、当面の解決の方向と将来の問題と、両方に分けて進めておるということでございまして、できるものからやっていくということでございますので、いまの交通対策本部というところで、今後自転車駐車場対策についてはこうするんだということがまとまる時期について、はっきり示せとおっしゃることにつきましては、いまこの場でいついつまでにということを、実ははっきりお約束申し上げかねると。しかし、火のついたような問題でございますので、できるだけ早く、できるものからやれるようにしたいということで考えております。
#94
○安武洋子君 火のついたような問題であると同時に、去年の秋に御発表になると一応おっしゃったわけなんですね。ずいぶんとおくれておりますので、私は急いでこれを発表していただきたいということをお願いいたします。そして質問を移らせていただきます。
#95
○政府委員(室城庸之君) ちょっと委員長、恐れ入ります。
 発表するということは実は申し上げておらないと思うんですが。
#96
○安武洋子君 秋にはまとまるっておっしゃいましたですね。
#97
○政府委員(室城庸之君) ええ、まとめる方向で努力しますということを実は申し上げてまいっておりまして、その発表という形が、実は研究会の結論ということではなかなか出せない事情もございますので、いま申し上げましたように、三月末までに学者グループの提言という形で、一つの中間的な結論を求めたいということで考えておるわけでございます。
#98
○安武洋子君 だから、私は総理府の試案をまとめる作業を大急ぎでやっていただきたいと、もう火のついた問題だからと、そういうことをお願いしているわけなんです。ぜひ早急におやりいただきとうございます。
 それから、上越線の事故の問題に移らせていただきます。
 これは三月の八日に事故が起こっておりますけれども、三月九日には私も現場に参りました。そして、十日には運輸大臣、それから国鉄総裁に対しましても申し入れをさせていただいております。
 私は、九日、現地の病院にも回りまして、被災者の方をお見舞いも申し上げました。被災者の方は、軽症だと言われる方の中にも、頸椎を損傷されたり、肋骨を骨折されたり、骨盤を強打されたり、後遺症が心配されるような方がたくさんいらっしゃるわけなんです。私は、今後の措置については万全を期していただきたい。これは後遺症も含んで医療も、それから慰謝料も、本人の生活保障もというふうなことで十分お考えをいただきたいと思うわけですけれども、こういう被災者の問題については万全の措置を講じていただけますでしょうか。
#99
○説明員(尾関雅則君) 被災者の方々につきましての措置は、誠意をもって十分納得のいくようにお話し合いを重ねて、万全の措置をいたす所存でございます。
#100
○安武洋子君 それにしましては、いま国鉄のこの示談書の様式でございますね、ここに、後遺症について云々という一項目がないわけなんです。後遺症について責任を持とうという私はやはり態度がないと見られても仕方がないと思うので、この示談書の中に、後遺症についてはやはり責任を持って解決をしていくという一項をお入れになるべきだと思いますけれども、いかがでございましょう。
#101
○説明員(尾関雅則君) 示談書の様式がどのようになっておるか、私、つまびらかにしておりませんけれども、かつていろいろな事故の際の実績を申しますと、十分そのようなことは御納得いけるようにやってまいったつもりでございますので、その点で御了解をいただきたいと思います。
#102
○安武洋子君 お入れになることに何か支障がございますか。私は物事がはっきりすると思いますが。
#103
○説明員(栗田啓二君) ただいまの点、多少細かくなりますので、私の方から御説明申し上げたいと存じます。
 現時点ですでに後遺症の予想されておられます方につきましては、これははっきり、当然のこととして書き込んでおるはずでございます。
 それから、現時点では後遺症の予側されていない方でも、お申し出がございました場合には、念のための事項として書き込んでおります。
 これは申すまでもございませんことでございますが、仮に示談書にそのような記載が一切なかったといたしましても、現在の判例の考え方に従いまして、将来後遺症が発現いたしました場合、それが専門家の御意見によりまして私どもの事故に起因するという場合には責任をとらしていただく所存でございます。
#104
○安武洋子君 どうしてそんなややこしいことをなさるんでしょう。そういうことをなさらないで、もし後遺症が出た場合には最後まで国鉄が責任を持ちますよという一項目を入れるのは、私は何の支障もないと思いますけれども、大臣、いかがお考えでございましょう。
#105
○国務大臣(田村元君) 私もその示談書を見たわけではありませんから何とも申せませんが、私、いまここで拝聴しておる範囲内では、おっしゃるとおりだと思いますがね。
#106
○安武洋子君 じゃ、国鉄さん、お入れいただくということで御検討していただきとうございます。やはりそうしていただかないとだめなんです。
 北陸トンネルの事故で、その後の処置が不十分であるということで、関係者から不満が出ているわけですね。これは国鉄の方が何の予告もしないで被災者のお家を訪れられて、被災者がいないにもかかわらず、本人がいないにもかかわらずお金を渡して示談書を持って帰っておられる、こういう事例があるんですけれども、今後このようなことはなさいませんか。念のためにお伺いいたします。
#107
○説明員(尾関雅則君) そのようなことは厳重に注意をいたしまして、ないように指導いたすつもりでございます。
#108
○安武洋子君 それから補償額ですね。この基準は、自動車事故の自賠責保険、これをベースになさっていらっしゃるんですけれども、まあそういうふうに伺っております。
 私、自賠責といいますのは最低補償を目指したものだというふうに思うわけなんです。保険の経営によって支払い限度額の引き上げも左右されるものなんです。自動車事故っていいますのは、いろいろありますけれども、マイカーなんかに乗っておりますと、自分の判断というのが相当働くわけなんです。しかし、列車に乗っておりますと、これはもう国鉄さんに全生命をお預けしたという形になって、乗客の自分の判断で事故を避けるということはできないわけなんですね。ここに私は一つの違いがあろうかと思うわけです。ですから、国鉄の責任は大変重い。それを自動車事故と同じような補償ベースということで、自賠責と同じようなベースで考えられるというのは、これは私はいささか誠意がないんじゃなかろうかというふうに思うので、補償の見直しをぜひされるべきではないかというふうに思いますけれども、いかがお考えでしょう。
#109
○説明員(尾関雅則君) 補償の基準が先生御指摘のようなことになっておるかどうか私よく存じておりませんけれども、事故の原因につきまして国鉄の責任が非常に大きい、自動車の事故の場合とは違うという御指摘は全くそのとおりだと考えます。補償につきましては、国鉄が全責任があったというように考えまして十分誠意を持って話し合いをいたさせていただく所存でございます。
#110
○安武洋子君 では、私は、まだ御存じないとおっしゃいますので、御自分のところの補償の基準についても、ぜひごらんになっていただいて見直しをしていただきたいということをお願いいたします。
 それから、先ほどの目黒委員に対する御回答を聞いておりましたんですけれども、何か危険個所だったところで見張り小屋だけもうやめてしまったんだというふうなところで事故が起こったと受け取れるような御答弁をなさっていらっしゃいましたですけれども、私、あそこは国鉄が危険個所の対策を必要とする個所これ以外だというふうに認定されているところだというふうに承知しているんですけれども、違うんでしょうか。
#111
○説明員(高橋浩二君) ちょっと質問の意味がよくわかりませんが、当該個所は以前に要注意ということで固定警戒を置いておいた個所でございます。その後、固定警戒はやめて、そのかわりに防護壁等をつくりまして、落石対策は一応処置済みというふうに当該区間はいたしたところでございますというふうに申し上げたんです。
#112
○安武洋子君 ですから、いま危険個所と認めていらっしゃらないところですね。
#113
○説明員(高橋浩二君) 当該区間についていわゆる落石については処置済みというふうに考えておりました。
#114
○安武洋子君 危険個所からはずされているところで起こった事故なんですね。で、背景としては先ほど国鉄総裁もおっしゃっておられましたように、あれは支柱がなければ列車が、国道十七号線ですか、あそこに墜落していって利根川にまで突っ込んだであろうというふうなことが予測されるわけなんです。で、あの十七号線といいますのは大変混雑するところなんですね。で、当時はスキーなんかにも行く人もいるからスキーバスも通るかもわからないというふうなところに落ちれば大変なことになるし、利根川までこの車両が突っ込めばさらに大惨事になったと、また貨物線が反対車線から来るというふうな時間帯でもあったわけなんですね。ですから背景としては大変な大きな事故につながるというふうなことで、いままでの落石対策、安全対策というものが抜本的に私は見直さなければならないというふうなのが今度の事故の教訓ではなかろうかというふうに思うわけです。そして、あの現場といいますのは、私現地の人にも聞きましたけれども、そして国鉄労働者もおっしゃっておられますけれども、危険の大変多いところだと、いまでも危ないんだというふうなことをおっしゃっているわけなんです。そこに対して落石対策としてはどういうことがされていたかというのは、二年に一回の構造物検査、そして現場付近はこれが五十一年九月六日にやられたままなんですね。こういう個所について、こういう体制では今度のような事故は防げなかったと思うんですけれども、その点いかがお考えでしょう。
#115
○説明員(高橋浩二君) 二年に一回の構造物検査というのは、これは構造物自体がどうなっているかということを検査するのでございまして、それ以外にこの落石危険個所という落石の予想されるところについては、おのおの落石等に印をつけたりしてそれの変化があるかどうかという、そういう巡回検査も常時行われておるわけでございます。で、ここにおいては、この数年間落石どめの後ろにたまりました落石というのは、やはりこの何年間にあるわけでございます。それらはいずれも非常に小さな落石でございますので、またここの岩質から見て、従来ありました落石はほぼ一個の大きさが一メートル以下の大きさのものはあり得るんではないか、そういう予想をした上でこの落石防護設備で一応対処できるんじゃないかというふうに考えていた、そこに実は実際に落ちてまいりましたのが三メートル近くのものであったというところに私どもの技術的な限界を感ずるというか、この点の判断が誤ったというふうにただいま反省しておるところでございます。そういう意味においては、この点については、この場所については、もっと大型の防護設備が必要であったというふうにただいま考えまして、今後ともそれらに対しても大丈夫のような処置をしたいというふうに考えております。
#116
○安武洋子君 落石の危険個所というのは国鉄で千七百カ所というふうに聞いておりますけれども、九日に総点検の指示を出しておられますね。どのような体制で一体点検をなさっていらっしゃるのか、いつまでにおやりになるのか。で、今回の事故の教訓ですね、こういう教訓を踏まえれば、私は千七百カ所とおっしゃっているけれども、危険個所というのはさらにふえるんじゃなかろうかというふうに思うわけなんですけれども、そういう点はどういうふうにお考えでしょうか、こういう点をお伺いいたします。
#117
○説明員(高橋浩二君) 落石については危険個所というその言葉、ちょっと実態と合わないかと思いますけれども、私の方が落石を警戒をしておる区間及びそれについて網等の処置があるいは要るのではないかというふうに考えておる、そういうところがただいまのところ千七百カ所ございます。これは、落石といいますのは、年数にたつに従って岩石は風化その他の現象で変わってまいりますので、処置をしてまいりましてもまた次に新たに発生するという、そういう性質のものでございます。それに対して従来からいろいろ金網を張ったり防護壁をやったり、次から次にこの何十年間逐次対策を講じてきたところでございますけれども、結果から見ますとまだ十分でなかった。私の方は、この落石以外に土砂崩壊という、のり面崩壊というものもあわせて実は現地では管理をいたしておりまして、両方ともなくなるように処置脅していかなくちゃならないというふうに考えておりますが、落石については、そういうことで確かに線路に落ちてくる数はこの十年前に比べて半減をいたしておりますけれども、まだ年に何十件か落石が線路の上に落ちてくるというのが実態でございますので、これを極力なくすように処置をやっていきたい。
 総点検と申しますのは、それらをもう一度振り返って、通常から巡回検査その他やっておりますけれども、もう一度点検をいたしまして、これに対してどういう対策をしたらいいかということを新しい目で見直すように現地に指示をいたしております。
 いつまでかと言いますけれども、場所によっていろいろあるかと思いますが、この梅雨前までにはそういうことの処置をして、一応ここは巡回をもう少し強化するとか、ここは速やかに何かの設備をする区間というふうに区分けをした報告をとって処理をしていきたいというふうに考えております。
#118
○安武洋子君 今度の事故を教訓にされて総点検をなさるわけですけれども、今度の事故では、在来の防護壁では間に合わなかった、あの対策ではだめだったということが教訓だろうと思うんです。そうすれば、千七百カ所といういまの御説明ございましたけれども、さらにふえるという見通しはないわけですか。
#119
○説明員(高橋浩二君) 個所としてはそれほど多くなるのではございませんので、その同じ千七百カ所の中にも、従来の経験では恐らく小さな落石しかなかったろうというのが、今回見ますと大きく落ちてくるというものが中に出てくると思います。そういう意味で、個所数が急速にふえるということでなく、同じその個所数の中の私どもの点検のやり方、また技術的な処置の仕方、そういうものをもう一度今回の経験に見ていろいろ点検をし直した上で処置を考えたい、そういうことでございます。
#120
○安武洋子君 落石対策としては、さくとか擁壁とか、それから先ほどおっしゃっていた落石覆いとかネット、それから落石の警報装置ですね、先ほどこれは四十キロというふうにおっしゃいましたけれども、五十年度の実績、それから五十一年度計画の実績見通し、これについて個所数とキロ数をお知らせいただきたい。それから年間予算は一体どれぐらいなのかということ、それから五十二年度の工事規模、これを個所数と予算でお教えいただきたい。このベースで大体いまの点検をおやりになるとすると、終了するのはいつごろか、見通しをお教えいただきたい。
#121
○説明員(高橋浩二君) これまでに線路の際にやっております防護設備の延長は約三百七十キロぐらい実はあるわけでございます。これには、実は同じ線路防護も二段にやっているところもございますので、線路延長とは少し違いますけれども、一応そういう防護壁あるいは防護さく等の延長は三百七十キロほどございます。ただいま危険個所というか、警戒を重点に置いているのが千七百カ所ぐらいございますというふうに申し上げましたけれども、これは延長にいたしますとおよそ二百キロぐらいの延長かというふうに考えておるわけです。
 これをいま総点検した結果どういうふうにするか、その結果を見ないと定かには申し上げられませんが、従来土砂崩壊等いわゆる落石も含めまして防災設備費という、災害対策費といいますか、そういう関係の予算を年間に約二百億ぐらい実は投じております。土砂崩壊あるいは落石等に直接振り向けておりますのが、およそそのうちの一割、約二十億前後かというふうに考えております。で、五十二年度におきましては、それ以上にいろいろ対策を考えていきたいというふうにただいま考えておりますが、幾ら入れるということについてはただいまのところまだ定かでございません。
#122
○安武洋子君 国分寺の鉄道技術研究所ですね。ここの防災室を中心にして研究を進めておられると聞いております。八つのテーマの中でメーンテーマというのが斜面災害の危険度判定と、こういうことになっているというふうに聞いているわけですけど、これは四十九年度から発足しておりますけれども、大体この災害の危険度判定というのはいつできるんでしょうか。
#123
○説明員(高橋浩二君) 技術研究所でのり面の崩壊現象というのを、これは四十九年からじゃなくて、もう十数年も前から、こののり面の崩壊というものの研究は、テーマを取り上げまして研究を続けておるわけです。で、のり面の崩壊というのは、地質の条件だとか、あるいは気象の条件だとか、いろんな要素がかみ合って非常に技術的には判断のむつかしいものでありますが、そういう成果を取り上げて、従来ののり面をどういうふうに直したらいいかということを、従来もそういう成果を踏まえていろいろ処置をしてまいりました。したがって、これいつ研究が終わるかという問題じゃなくて、これはずっと続いて、しかも、基本的な基準がわかりましても、実際には個々の現場で処置が違ってまいりますので、技術研究所は、基本的な研究とともに、現地に直接出向いて、この区間ではこういう処置がよかろうという指導をするための基本的な研究をしているということでございます。
#124
○安武洋子君 一応五十三年度にこの研究は終了するというふうになっておりますけれども、引き続いておやりになるんですか。この五十三年度に、一応斜面災害の危険度判定というこの判定ですね、おまとめになるという予定じゃないんですか。
#125
○説明員(高橋浩二君) 斜面判定の危険度というテーマでは、五十三年度、一応年度を決めて私の方もやっておりますが、その斜面判定の中に、また細かくブレークダウンいたしますといろんな要素がございます。それらを一つずつ解決しながら、また一つの区切りができましたら、新たに別の、同じ斜面の危険度判定というテーマの中の、ほかのブレークダウンされた項目については引き続いて検討をしていくという、これはもう長年続いてまいっておりますし、今後とも長年続けていかなければならないというふうに考えております。
#126
○安武洋子君 今回の事故といいますのは経験則を超えた事故だったわけなんです。ですから、やはり今後こういうことを防いでいこうと思えば、多数地点の多数の観測データ、その分析、こういうものが私は不可欠だろうと思うわけです。やはり順次修正、改良、こういうものを加えていかなければならないし、老朽化ということもあるわけなんですね。ですから、防災施設というのは絶えず見直しし、それから補正し、補強すべきだというふうに思うわけなんです。それにすれば予算が大変少ないというふうに思いますけれども、国鉄としては、この防災施設というのは絶えず見直しをされるかどうか。そういう考えに立っておられるかどうかということと、それから、落石危険個所なんですね、そういうものをリストアップするときに、国鉄労働者とか地元住民の声をお聞きになる、そういう意思がおありかどうか、この点をお伺いしとうございます。
#127
○説明員(高橋浩二君) 先ほどから総裁も申されておりましたけれども、安全に関しては、何をおいても基本に考えてやっていく。この防災もその安全の中の一項目でございまして、私ども、防災関係については、安全に直接関係する問題でございますので、従来より以上に力を入れていきたいというふうに考えています。
 なお、落石の個所についていろいろの意見を聞くかと。当然幅広く御意見を伺うことについてはやぶさかではございません。ただ、落石という問題と土砂崩壊という問題は、ちょっと技術的に違います。落石の方については、非常に判断がいまの技術ではむつかしゅうございます。経験だけでなくて、精密な、場合によっては非常に精密な調査もしなければなかなか予測ができないというものでございますので、そういう技術的な検討と、いま幅広く御意見を伺うということについては、当然そういうことをして万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#128
○安武洋子君 これは何も国鉄に限ったことだけではないと思うんです。先日、三月の十四日に、長野電鉄の木島線の安田−田上間というところでも、落石、五十トンの石ですね、これが起こっております。これは、百メートルの上から線路に落ちまして、線路を破壊して、三メートル下の国道二百九十二号線上にとまっているわけです。事故の性質としては今度と全く一緒というふうに言ってもいいぐらいなんです。これは終電車の通過後でしたので、国道もちょうどこのときは通行どめをして車が迂回しておりましたので、事故には至っておりませんけれども、これも事故につながるというふうなことじゃなかろうかと思うんです。私は施設の安全の総点検も要ると思うんですけれども、大臣いかがお考えでしょうか。
#129
○政府委員(住田正二君) 私鉄につきましても、今回の国鉄の上越線のような落石事故があり得るわけでございますし、現に長野電鉄の場合には二回にわたって落石があったわけでございます。で、これまでも、私鉄に対しまして、沿線の地形等に応じて落石防護壁等の施設を設けるように指導をいたしてきておりますし、また、私どもの方で、中小私鉄に対しまして近代化の助成をいたしております。これは県の方の協力を得る必要がありますが、県が協力する場合には施設整備費の四割までを助成するという制度になっております。その中でこういう落石警報装置であるとか、あるいは落石防護壁、こういうようなものも対象に取り上げてきているわけでございますし、今後も関係会社に対して十分指導をいたしてまいりたいと思っております。
#130
○安武洋子君 それに関連して、神戸電鉄の三月十二日の踏切事故の件ですけれども、あれは私、事故発生と同時に現場に駆けつけております。この神戸電鉄といいますのは、どんどんどんどん神戸電鉄沿線が日一日と開発されていくというふうなところで、あのダンプカーも、造成地に運ぶ土砂を運んでいた最中なんですね。毎日毎日踏切の様子もだから変わっていくということで、いままで農道同然だったようなところに大型車が入っていくというふうなこともあるわけなんです。しかも、この神戸電鉄といいますのは、一種踏切が六十三カ所で、三種が十一カ所、四種が百三十三カ所というふうなことで、圧倒的に六割が四種なんですね。放置をされているというふうな状態で、現状としては非常に合わないわけなんです。こういうふうに、日一日と変わるような造成地がつくられていき、人口がふえるというふうな神戸電鉄沿線の踏切については、これは早く安全対策を講ずべきだというふうに思うんですけれども、そういう御指導いただけますでしょうか。
#131
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、この事故の起きました踏切につきましては踏切道改良法によります指定をいたしているわけでございまして、いま御指摘のように、こういう住宅地の開発されているようなところでは、できるだけ早く一種化を図る必要があると思いますので、そういう方向で指導をいたしたいと思っております。
#132
○委員長(佐々木静子君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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