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1949/03/03 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 考査特別委員会 第13号
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1949/03/03 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 考査特別委員会 第13号

#1
第007回国会 考査特別委員会 第13号
昭和二十五年三月三日(金曜日)
    午後四時二十八分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君
   理事 菅家 喜六君 理事 小玉 治行君
   理事 高木 松吉君 理事 内藤  隆君
   理事 吉武 惠市君
      安部 俊吾君    井手 光治君
      岡延右エ門君    佐々木秀世君
      篠田 弘作君    田渕 光一君
      塚原 俊郎君    西村 直己君
      福井  勇君    福田  一君
 委員外の出席者
        証     人
        (林野庁業務部
        薪炭課長)   濱田  正君
三月三日
 委員大橋武夫君、村瀬宣親君及び梨木作次郎君
 辞任につき、その補欠として小玉治行君、大西
 正男君及び神山茂夫君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 理事大橋武夫君及び横田甚太郎君の補欠として
 小玉治行君及び神山茂夫君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 証人出頭要求に関する件
 委員会報告書に関する件
 薪炭需給調節特別会計赤字問題
    ―――――――――――――
#2
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。理事横田甚太郎君より都合により理事を辞任いたしたいとの届出が出ておりますが、これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではこれを許可することに決しました。
 なお本日理事大橋武夫君が委員を辞任されましたので、引続き理事の補欠選任を行うことといたしますが、これは前例に従いまして委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それでは小玉治行君、神山茂夫君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○鍛冶委員長 次にお諮りいたします。
 本委員会設置の決議に基き、月一回意見を付した調査報告書を議院に提出することになつておりますが、休会もありまして延びくになつておりましたが、ただいまお手元に配付してある通りの、簡単な調査の経過報告書を委員会の調査報告書として提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○鍛冶委員長 それでは御異議なきものと認め、委員会の報告書として提出することといたします。なお字句の整理等に関しましては委員長に御一任願います。
    ―――――――――――――
#7
○鍛冶委員長 本日は濱田正証人、富岡正雄証人、細見才次証人がお見えになつておりますが、本日は濱田正証人の尋問だけでも十分時間がかかるので、濱田証人一人だけにしまして、富岡、細見両証人の喚問は延期いたしまして、両証人を六日に喚問いたしたいと思いますが七御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさようとりはからいます。
 なお先日決定いたしました証人の出頭期日を変更し、三月八日に山本卒保君、大久保正市君、中馬進君、三月十日に廣瀬與兵衞君、小室章君と変更したいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさよう手続いたします。
    ―――――――――――――
#10
○鍛冶委員長 それではこれより薪炭需給調節特別会計赤字問題につき調査を進めます。証人の証言を求めます。ただいまお見えになつておる証人は濱田正さんですね。
#11
○濱田証人 そうです。
#12
○鍛冶委員長 ただいまより薪炭需給調節特別会計赤字問題につきまして、証言を求めることになりますが、証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりましてそれ以外には証言を拒むことはで研きないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の徴役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。
    〔証人濱田正君朗読〕
   宣誓書
 良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
#13
○鍛冶委員長 署名捺印を願います。
    〔濱田証人宣誓書に署名捺印〕
#14
○鍛冶委員長 濱田正さんですね。
#15
○濱田証人 はい。
#16
○鍛冶委員長 あなたは林野庁の薪炭課長をおやりのようですが、いつからおやりでございますか。
#17
○濱田証人 昭和二十四年四月二十七日に発令になりまして、現在に及んでおりまする
#18
○鍛冶委員長 その前は何でしたか。
#19
○濱田証人 林野庁の企画課長をやつておりました。
#20
○鍛冶委員長 薪炭特別会計の運営機構及びその百他概要を御説明願いたい。
#21
○濱田証人 薪炭特別会は昭和十五年から始めておりまして、その間やり方も数次変更正を見ましたので、これを一々こまかぐ話しますと長くなりますから、かいろまんで典型的なところを申し上げます。
 まずどういう機構でやつておつたかと申しますと、林野庁――昔は山林局でありますが、現在は林野庁ですが、その中に薪炭課が一つありまして、その下に全国けにこれは年次によつて違いますが、四十七箇所、各県に一つ、北海道に二つあります。四十七箇所の木炭事哨務所がありましてその木炭事務所のさらに末端――末端といいますが、先端に産地で現物を授受する検收員、それから消費地では現物を渡す荷さばき人、こういうものがおりまして、これらのものがこの会計の運営を担当しておつたわけであります。
 それからこのやり方でありますが、やり方のルートを申し上げますと、これも数次の変更がありましたので、典型的な例を申し上げますと、山元――山元といいますか、産地の山の中です。山元で検收員が検收をして、そこで政府のものになりまして、そこから集荷業者というものがありまして、集荷業者がそれを保管し、また駅まで持つて来る仕事をやつておるわけであります。そこで駅べ持つて来たときに、それを日通に渡し、海上輸送の場合は船の方ですが、輸送機関に渡し、輸送機関がそれを着の駅まで持つて来る。着の駅まで持つて来ると、そこで目通なり船会社なりが卸売業者に渡す。そこまでが政府の仕事です。そこの卸売から小売に渡すのは、その卸売、小売の関係できまるわけであります。これを概括して申し上げますと、どういうふうに言いましたら表現がうまく行くんでしようか、このやり方を見ますと、政府職員自身がみずから集荷し保管し輸送し荷渡しをする。こういうことではなくして、その段階々々において民間の団体を使つてやつておつた、こういう関係であります。もつと表現をどぎつくやりますれば、政府は資本主で経営は民間がやつたというふうな表現もありましようし、その相互の間の決済をやつたという表現もありましようし、そういうやり方で特別会計の運用をやつておりまして、昭和二十四年の八月一日をもつて買入れ機能を停止し、一路清算に入つたわけであります。
#22
○鍛冶委員長 これは長い間ですが、たいへん大きな赤字が出たそうですが、どのくらいの赤字があつたか。またどういうところからその赤字が出たか。
#23
○濱田証人 どのくらいの赤字かと今言われたのですが、正確に申し上げる段階まではまだ行つておりません。何となれば現在まだ清算の進行中でありまして、最後において幾らになるかということを断言し得るほどの勇気をまだ持つておりません。ただ今やつている状況から――これは違つて来ればそのときに修正しなくてはなりませんが、今の状況から一応推定いたしてみますと、この三月末の推定のバランスシートをつくつてみますと、大体五十億、ほんのわずかに五百万円くらい切れるかどうかというところへこぎ蒔けております。これはもう少し話さぬといかぬのですが、もう一つ先を推定しますと、非常に有利な材料と不利な材料と二つあります。有利な材料と申しますのは、前回の国会でいろいろ資料を出しましたように、いわゆる現物不足というものがある。この現物不足をとことんまで追究して行つて明らかにするというその裏を返せば、とるべきものは薪炭会計で回收する。こういう作業が大きな作業として残つておるわけであります。まず四割程度まで進行しましたが、まだ大部分が残つておるわけであります。これを取出しまして、再検討して確立して行く。こういうことが有利な材料といいますか、赤字をもう少し少くする材料であるということが一つ。今度は不利な材料といいますのは、現在相当程度政府が未收金を持つております。これの取立ては相当厳重にやつておりますが、最後においてどうなるかということを今にわかに断言しかねる点がありますからして、これが不利な材料になる。これを差引きしてどうなつて来るかということは、今のところ断言できない状況であります。
 それからもう一つの点の、赤字はどうしてできたかという原因であります。これは昭和十五年からやつておりまして、その経過というか、そのときの経済情勢というか、あるいは状況といいますか、その方から一応説明する方が、根源に追つて行くのに便利であろうと考えるのですが、赤字の原因といいましても、時代によつて内容的なものが違つて来ておることが、従来の書類を見ておりますとはつきりわかつて来ます。これを大わけに考えてみますれば、需給声非常に逼迫しておつた時代、黒い色をしておれば、あれは炭じやないか、ほしいというふうに消費者が飛びついて来るような時代、それを逆に言いますれば、政府としてはそういう時代であるから、何が何でも生産を増強し、できるだけたくさん供出してもらつて、そうして配給する、こういう需給調整の重大な使命があるわけです。従つてそういう需給の逼迫した時代、時代的に見ますれば昭和十五年の初めから二十二年をかけて二十三年の前半期まで、この需給の逼迫した時代は、どちらかといいますれば産地側に重点を置くわけです。消費者としては、黒い色をしておればあれは炭じやないかと飛びついてくる。われわれはこの産地からどうしても出さぬと需組調整の目的は達しない。そこで産地側に重点を置いて行く。その逆を言えば、産地側は強くというか、産地側から見れば非常に強気になつておる。そこであるときは価格に対して――昭和十五年ごろですが、十銭を加算して買うとか、あるいに距離の遠いところは加算率をふやして買うとか、あるときは季節的に、つまりこういう季節に出したものは特に五十銭高くしてやるとか、あるいは集荷委託費を出すとか、あるいはあらかじめ私は何俵出す、こういう予約をして、確かに何俵出すということになれば、その人には特に何銭か加算して買つてやるとかいうやり方、あるいはまた実質的にその産地価格の値上げになるのですが、一番初めは着駅で買つて着駅で売る、こういうやり方が、今申しましたように産地側のごきげんをとるというか、産地側にだんだん寄つて行く。着駅がしばらくしたら今度は発駅にまで行く。発駅がしばらくしたら山元に入つて行く。そうして集荷場所にまで入つて行く。それでもいかぬからというので、山の奥のかまをついておるそのかまの前までも買う場所を進めて行く。こういうふつにだんだん奥に入つて行くことは、迫を言えば山元の価格を何ぼときめておいて、その価格でもうひとつ山べ入りて行くということは、結局値段を上げたということにもなるので、そういう需給の逼迫した時代は、そういう経済関係を受けて産地に重点を置くかへら、それにいろいろの手を打つて行いく。そうしてまた供出を促進させる。それから相当の悪路でも強引にそれをひつぱり出して行くというために、輸送賃にも相当むりにむりを重ねる、こいつた状況がその需給逼迫時代にはも考えられるわけであります。事実それは資料によつて探求できます。それから二十三年の後半期になりまして、御承知のように需給が相当緩和して来たわけであります。ちようど二十三年は需給逼迫と需給の緩和とが時期的に混合しているといつてもよいような時期でありまして、二十三年の後半期になりますと、経済界の不況を受けて、農村不況がだんだんと深刻になつて来ているようでありまして、木炭とかもあるいはわら工品とかいうような農村副業製品は、農村が不景気になればなるほど生産がふえて来るわけであります。これは統計資料によつて明らかに出て来る、というのは、それだけ金が話まつて来るから、現金化したいものか出て来る。それで副業に飛びついて行くというので、そういう関係もあつたでありましよう。生産がぐんとふえて来たわけです。炭が一五〇%、薪などは二〇〇%計画をオーバしてふえて来ております。ところで生産のふえて来たことは、物の需給関係から見れは、今度はその不況を受けておる消費者の方において、購買力というものが退減しておるわけです。なかなか売れ行きがよく行かぬ、消費者は昔ならば、黒いものなら炭じやないかといつて飛びついて来るが、だんだん物がふえて来ると、丸俵はいかぬ、角俵のばりつとしたものでなければいかぬというので、非常にそこにあわてぬでもいいというような状況に逆転して来たわけです。そうしますと今度は産地側では、つまり消費地側の方が強気になつて来るといいますか、それに対して頭を下げるといいますか、ちよつと政府も非常にやりにくくなつて来る。こういうかげんで、前回の国会資料にも出しておりますように、性格的にかわつて来まして、長尺物の値下げとか、あるいは備需品の値下げとか、横持料を出して、とにかく配給を頼むとかいうように、赤字の原因が、そういう経済界の関係を受けて、内容的に時代によつて違つて来ているということが言えるわけです。先ほども言いましたように、二十三年度は、前半期はまだ需給逼迫の流れを引いておりますし、後半期になつて緩和しておりまして、二十三年度になりましてはその両方が混在しております。従いまして二十三年度の内容を見る場合は、その逼迫と緩和との過渡期の悩みがありまして、今から考えればおかしいようでありますが、片方においては特別小出し賃とか、あるいは早期築窯費とかいうもので片方においてはつたりといいますか、鞭撻をすると同時に、片方においてはずつと後半期になつて、さあ出て来た、困つたというので、備蓄経費とかいうものがどかどかと出て来た。こういう事情が二十三年度、二十四年度を受けまして、その性格の緩和が端的に現われて来た。その建直しにずいぶん懸命に努力したわけでありますが、大勢には抗し得ず、遂に八月一日をもつて清算期に入る、こういう状況になつております。なおもつと詳しい具体的な数字は、あとで申し上げます。
#24
○鍛冶委員長 あなたの方で、借入金の限度というものが法律か何かできまつておつたようですが、それを超過して金を借りて、会計検査院からそれが不当だと言われたことがあるそうですが。
#25
○濱田証人 証券あるいは借入金の限度は、薪炭特別会計法で規定されておりまして、たしか昭和二十三年七月までは三十億、その以後は五十五億が借入金の限度であります。ところがい生産者に対する支拂いは中金が立てかえ拂いをやつて行くという関係になつておりまして、その立てかえ拂いの額も加えますと、五十五億のわくを突破しまして、検査院からの批難事項で、国会に報告されております。
#26
○鍛冶委員長 それはどうしてもそうしなければならなかつたのですか。
#27
○濱田証人 その事情は、先ほども言いました赤字の原因のところで申し上げましたことと、話が一連の関係を持つて来るのでありまして、先ほど言いましたように、昭和二十三年の後半期、つまり需給が緩和して来た時代との関連が出て来るわけであります。この超過し出したのは、二十三年のたしか九月ごろからだと記憶しております、それはちようど需給の緩和の時期に相当しているのでありまして、先ほど言いましたように、産地からはどんどん入つて来る、消費地は売れ行きが悪い。そうかといつて、特別会計法によつて生産者は政府以外に売つてはならないというふうに規定してある。政府ががんばつておれば、生産者はどうにもならぬという状況にある。そこでどんどん買い入れた。それで片方、ちようど配給機関が十一月十四日ですかに閉鎖機関になるのでありますから、それに政府が渡すと大ことになる。だから閉鎖機関に渡してはいかぬ。そして今度新しい登録制度によつて新卸ができて来るのが約二箇月かかりました。その間は政府が持つている、備蓄している、備蓄しているということは金にならぬということです。だからほんとうを言いますれば、片方において薪炭証券を買つて生産者に拂いますが、片方は卸から入つて来る收入でそれが縮まつたり大きくなつたりするという、予算にしても計画にしても、そういう計画でありますが、事態はそういう華態でなくなつた。産地からはどんどん来る、消費地には今の卸の閉鎖機関、新卸が出て来る、この関係で両方からふん詰まつて来まして、どうにもこうにもならぬという状況があつて、やむを得ずそういう形になつてしまいまして、運用よろしきを得なかつたことにつきましては何とも申訳がありませんが、事情を申し上げますれば、そういう事情であります。
#28
○鍛冶委員長 そういう政府が一手で買い受けるという制度である以上は、避けることはできなかつたというわけですか。
#29
○濱田証人 そういうわけであります。
#30
○鍛冶委員長 その次にまた問題になつたのは、二十三年に卸業者に対して横持料、それから指定業者に対して特別手数料というものを出しておられた、これも問題になつたようですが、これは結局どういうことになつたのですか。
#31
○濱田証人 この二十三年の十二月一日から卸売業者に対して横持料、木炭については一俵当り三円を出しております。指定集荷業者につきましては、二十四年の一月から従来の手数料、木炭について言いますれば一俵当り六円、これに対して四円を加算しまして十円を支出しました。これは二十四年の四月二十一日をもつて打切りました。卸売業者に横持料三円を出さざるを得なかつた理由は、卸売業者のマージンをきめた当時は三千六百円ベースの時分でありまして、その後六千三百円ベースになつた関係があつたということと、あの大備蓄を急速に荷さばきをしなければならぬ。ところがちようど卸売業者も例の新規則、従来は独占機関として一本の組合でありましたが、集荷配給を民主化する、こういう意味におきまして、登録制によりまして卸が相当分割してこまかくなつて来た。こういうなりたてのほやほやであの大備蓄を急速に処分せよどいつて、ちようどあの時分は十一月、十二月、一月という寒い最中だから、急速にそれを促進させる、こういう意味もありましたし、それからまたちようど公正取引委員会の調査部でしたか、それからも卸、小売のマージンがあまり少な過ぎるじやないか、こういうような指摘も事実あつたのです。そういう意味もありまして、三円出さざるを得なかつたわけであります。
#32
○鍛冶委員長 これは予算外の支出ではなかつたのですか。
#33
○濱田証人 それは予算の中には積算してありません。
#34
○鍛冶委員長 これはやはりそういうことをあなた方の方でとりはからつたのか。
#35
○濱田証人 これは薪炭課長、林政部長、林野庁長官で決定したわけであります。
 それから集荷業者の手数料の問題でありますが、これも登録制によりまして従来木炭ならば販連系統、まきならば森林組合系統というふうに、これも品物によつて独占的になつておつたのでありますが、それはいかぬというので、登録制によりまして、各県とも三倍程度まで集荷業者がふえて来たわけであります。従つてそれだけ取扱い分量も減つて来る、それだけ集荷業者の経営もむずかしくなるということと、先ほど言いましたベースがかわつて来ているということ、その集荷業者の活動能力が鈍るということになればまた因るということを勘案しまして、四円を値上げせざるを得なかつたのが当時の実情であります。これも予算の積算としましては、一俵当り六円という積算であつたのであります。
#36
○鍛冶委員長 それをやらなければ動かなかつたのですか。
#37
○濱田証人 その当時の要求は、たしかこまかい原価計算か何かありまして、十八円かだかの要求でありまして、これを査定しまして、ようやくそこまでこぎ着けてもらつてやつてもらう、こういう実情であつたのであります。
#38
○鍛冶委員長 それと同時に、特別小出賃というものもそういうようなふうで出しておりますね。
#39
○濱田証人 特別小出賃は、これは特に二十三年度に出したというものではないのでありまして、終戰までの時分は、炭かま増築とか増産奨励とかいうものは一般会計からもらつており、同時に価格調整というようなものも一般会計から相当の補給があつたのでありますが、終戰後それが全然打切られた。それでは打切られたのを、しようがないというのでほうつておくというわけに行かないのでありまして、政府は薪炭の需給調整をやるということが何としても一大目的であつたのであります。そこで先ほど言いましたように、実地になればなるほどそれだけ苦しくなるのでありますから、あるいはそこに災害が起きたりして橋がこわれたりすると、こちらからぐるつとまわつて来るということになりますので、一定の運賃では苦しくなるもこういう事情がありましたので、たしか二十一年からそういう事態々々に応じて特別小出しといいますか、特別運賃といいますか、そういうものを出して、生産者各位からどんどん生産したものを出してもらう、こういう措置をやつて来たのであります。
#40
○鍛冶委員長 この備蓄についてもずいぶん大きな金が出て、赤字のもとにたつておるようだが、入庫料だとか出庫料だとかいうものは、木炭事務所の帳簿をもとにしてあなた方は拂つておつたのですか、それとも相手方から請求書が出て、それをそのまま拂つておつたのですか、どうですか。
#41
○濱田証人 備蓄の請求支拂いの関係でありますが、これは何用何日に何号の汽車で何俵入つたというのを帳面につけておきます。備蓄台帳といいますか、そういうものに書いても何用何日にそのうちから何俵拂い出したというをわれわれの方で持つおりまして、その資料に基いて、相手方から出て来るものをその資料と照し合せながら出したのでありまして、今の御質問に対しては、請求があると同時にこちらの資料からも出しておるという点でふります。ただここに問題がありますのは、当時のあの大入庫といいますか、入荷で事務陣が相当の混乱を呈しておりましたので、そういうふうに整理をして、ぴしやつと帳面に全部書き上けてやつているとは限らぬところもあります。そこでそういうところは書いていなかつたならば、事務所は昔の発送報告書をひねくり出して、それと帳面と伝票を照し合せて、拂つたら帳面をこしらえるという前後したとこるもなきにしもあらずであります。
#42
○鍛冶委員長 なきにしもあらずじやない、そういうことは多かつたんじやないですか。
#43
○濱田証人 そこでこの清算の事務に入りまして、二重拂いがあつたり、過誤拂いがあつたり――清算事務の中心は帳面をきれいにやつて行くということが仕事の中心になつて、それから波及して賠償金をとるとかいうことが出て来るのでありますが、帳面を洗い上げながら、二重拂いなどがあつたら回收して行くというやり方てやつているわけであります。
#44
○鍛冶委員長 商人だつたら普通さようなことはないわけだね。政府のものだから、ついそういうことになるのだろうと思いますがね。それから長尺まきでひどい損害がいつておるようですが、これはただ値段が下つたからですか。
#45
○濱田証人 これは長尺まきについて値下げをしたために生じた損害であります。
#46
○鍛冶委員長 しなければならなかつたのですか。
#47
○濱田証人 二十三年度になりまして、最初申し上げましたように、生産供出も非常に多くなりましても特にまきにつきましては供出量が計画の倍、二〇〇%というふうな状況になつて来たわけであります。そこでまきの中でも、特に今の長尺まきが価格の関係上大いに増産され、大いに入つて来たわけであります。ところが御承知のように、長いものは一々たくときに切らぬといかぬというので、消費者から見ればこれは迷惑千万なものであります。生産者から見れば値段の関係上重宝といいますかそういう関係でありますが、どんどん出て来た。あまりこれが売れなくて、また備養するということになると、備蓄経費とかなんとかいろいろ勘案してみると、この際値引きして売る方がむしろ得ではないか、こういう関係がありまして、位引きをしておつたわけであります。
#48
○鍛冶委員長 それから売掛代金の收入は、非常に困難だとこの間聞いたのですが、その困難な根本はどこにありますか。
#49
○濱田証人 売掛代金の收入はまことに困難であります。われわれも薪炭課、木炭事務所だけでなくて、さらに経済調査庁なり一これは怒られるかもしれませんが、ときどき国警の威力を使つてみたり、あらゆる政府機関を動員してやつておるのでありますが、事実困難であります。その困難な理由は、これはあまり一般的な話をしてもいけませんが、私自身も收入を督励に参りまして、その人たちの言うことを聞いてみますと、第一はこれは一般の経済界の問題でありますが、金融が非常に逼迫して、銀行から金をなかなか借りられないということ。これは特別会計がやつておつた時分は、相手が政府さんであるというので、銀行も比較的安心して金を貸しておつた。ところが特別会計からはずれてしまうとどうなるのかわからない。あれはあぶないという傾向が出て参るのであります。と申しますのは、そもそも根源をたぐれば例の登録制度であります。登録制度によりまして、要するに消費者が小売に登録する、小売が卸売に登録する、その登録が一定の票数に達すれば、それで取引の相手になるのだ。相手が三百万円の資本命であろうが、政府は一千万円の売掛をせざるを得ない。こういう状況であつても、銀行は相手が最後は政府さんがいらつしやるからということで、比較的その点は安心しておつたのですが、いよいよ政府の手を離れてしまうということになれば、そういう登録制度によつて出て来た、しかも会社は一県五つとか六つとかに非常にこまかく分割されたということで、会社の信用能力というか、機動力というか、そういうものが減つて来ておるということ、そういう意味で金融機関もおいそれと簡單に金を貸さないということと、もう一つは、今までは政府が産地で政府の金を買つてくれて、政府の金で輸送して卸にわけてくれた。ところが政府からはずれたものだから、卸は産地に自分の金で買出しに行かなければならぬ。プラス・エックスがまた出て来たというわけで、苦しさがもう一つある。向うの陳弁ばかり言つておるようではなはだ恐れ入りますが、そういう苦しさがあることと、もう一つは売掛を相当持つておるということ、小売も登録制で現在なかなか商売がないときで、政府さんが相手ならこれもよかんべえということで立候補して登録された。小売マージンがたしかその当時一俵当り九円三十銭、五百俵持つて行つたところで五千円程度しか入らぬ。生活費に食い込んでおるという事情もありまして、なかなか卸が小売からとれないという事情がある。従つて政府に納められないという事情がある。これが最近二月、三月とだんだん深刻になつて来たのであります。相手方の陳弁をするわけではありませんが、そういう理由が多分にあると私は考えます。
#50
○鍛冶委員長 政府の金でただで商売しておることばかりあるべきでないので、商人なら当然のことですね。あなた方の方で、木炭事務所その他業者に対する監督ということは相当やつておりましたか遺憾の点はなかつたのですか。
#51
○濱田証人 木炭事務所に対する監督はもちろんやつておりまして、業者に対する監督は契約によつてきめておりますから、その契約を履行せぬということになりますれば、それに対して政府側の手を打つということはあります。ただその監督と申しましても、問題の中心は長い間の慣例によりますがとにかく一俵でもたくさん送れという事業的の督励、そういう点が主力になつておりまして、出納簿の検査とか、あるいは経理上の監督は、政府の需給調整という責任上、重点が多少ずれておつたということは遺憾ながら認めざるを得ない、かように考えます。
#52
○鍛冶委員長 それに検收をやることを業者団体の者にやらしておつたそうですね。
#53
○濱田証人 検收はこういう事情があつたわけです。委員長の先ほど指摘されたように。業者団体に検收員を頼んでおるという点は確かにあります。その事情を申し上げますと、その指導の精神はそういうことではなかつたのであります。生産者団体なりあるいは輸送業者にやらせるのはいけない、公正なる第三者にやらせなければならぬのだという指導精神であつたのであります。ところが実際を見ますと、あの例の集荷機構の民主化という線によりまして、集荷も複数制になり、卸も複数制になつた。それを急速に実施をして行かなくちやならぬ。そこで産地においてはそういう検收員を任命して、検收と同時に出荷計画なりを立てさせなくちやならぬ。それから消費地においては、従来は一本の卸であつたからさしつかえなかつたのですが、五本も六本も卸ができると、それに荷を渡すときには、荷をうまく公平に配分せねばならぬ。八月何日の規則の改正により、十一月ごろからいろいろすでに卸が発足したときに、一挙にそれをやらなくちやならぬという事情があつて、相当大幅に検收員、荷さばき人を充実しなければならぬという事情もあつたわけです。ところがその木炭を検收するにしてもずぶのしろうとではできないのです。ひよつと見てこれが白であるか黒であるか、白であつても黒であつても、これは堅であるか雑であるかということは、そう簡單にしろうとでほいつというわけにはできないのでありまして、片一方を急速に充実しなければならぬ。そうかといつてしろうとではできぬ仕事であるということで、実情といたしましては、やむにやまれず結局くろうとに落ち着いてしまつたということになつて来たわけであります。
#54
○鍛冶委員長 それはそうだろうが、そのかわり、そういうものは相手方とよく結託しやすいのじやないですか。そこに非常な弊害があつたのでしよう。
#55
○濱田証人 これはだれでもいいというわけではありませんので、市町村長の推薦により、最小限度五名以上の身元保証人をつけてやるということになつておつたのでありますが、今委員長の指摘されますように、結託関係はなかつたとは断言できないのでありまして、その関係はこの清算事務の進行によりまして、事故の起つた薪炭につきましての清算の仕事として、弁償金なりあるいは現物補填なりでこれを追究して、最後のつじつまを合して国民におわびをしなくちやならぬ、かように考えておるわけであります。
#56
○鍛冶委員 長福島県の林産部長、それから山形県の木炭事務所長が、昨年五月、東京燃料林産株式会社からずいぶん大きな借金をしておるそうだが、これは個人の借金ですか、あなたの方の特別会計の借金なのですか。
#57
○濱田証人 福島県の林産部長が借金したという話は私は存じておりません。ただ委員長の質問の核心に触れるかどうかはわかりませんが、こういう話は聞いたことがあります。当時福島県は未拂いが非常に多かつたのです。生産者に対する未拂いが一億円以上ありました。全国で一番目か二番目くらいに多かつたのです。それで福島県の林産部長も非常に弱られて、何とかしなければならぬそこでこういう話を持ちかけられたことがあつたのです。木炭事務所が卸から金を吸收する以上にもしわしの力でうんととれたら、これを特別会計に入れて、福島県は全国で一、二を争うほど一億円も政府支拂いが遅れているのだから、入れたらそれを拂つてくれぬかという話があつてそれはわかつた、木炭事務所の力でできぬ以上、あなたがとつてくれるのはけつこうだそれを薪炭会計に入れたらわれわれの收入になる、そうすれば全国一、二に未拂いが多いのだから、それを拂うということは筋は立つというので、その努力は、やつてくれるのははなはだけつこうだということを聞いたことはありますが、そういうことと関連するかどうか知らぬです。そういうことはあります。
#58
○鍛冶委員長 借金してくれと言わなかつたんだね。そういう名前で借金して来たのじやないか。それは知りませんか。
#59
○濱田証人 借金したということは知りません。
#60
○鍛冶委員長 山形の方はどうですか。
#61
○濱田証人 山形の方は、あの特別会計の停止は八月一日だつたのでありますが、その前から木炭事務所長にはこういうやり方であとの整理をやるのだということを指揮しておりまして、山形木炭事務所が持つておるトラックをいよいよ不要になるから売るというので、東京へ出た機会に東燃に買わぬかという話を持ちかけたようであります。持ちかけられたら東燃が、それでは買いましようというので、内金を持つて帰つたそうです。ところがその後東燃が現地べ行つて見たや、二台でしたか、どうもそのトラックはあまり感心しなかつたから、買入れをかんべんしてもらいたいということになつて、その金を返したということを聞いております。
#62
○井手委員 ちよつと私は数字的なことを聞きたいと思うのですが、先般企業会計という雑誌に、計理士の花田雄治という人が、薪炭会計の赤字の内容という論文を発表したのを私は拝見した。これは仄聞するところによると、おそらく農林省が太田哲三氏に委嘱して、その下でその人たちが働いたのを、結果報告を発表されたものだということだそうですが、その計数の内容を薪炭課長は御存じですか。またそういうものを事実上取寄せて、個々の計数と照し合せてお調べになつたことがございましようか。その資料は農林省の中に、お手元にあるかどうか、ちよつと伺いたい。
#63
○濱田証人 あの計数の内容につきましてはわれわれが経理分析をやつた結果、前会の国会の農林委員会なり大蔵委員会に報告しました数字であります。その数字はわれわれの手元にあります。
#64
○井手委員 そうしますと、あの数字は特別にプライベートに農林大臣が処置して調査した結果、農林省の数字と照し合せて発表された、こう解釈してよろしいですね。
#65
○濱田証人 その後調べたのとは多少違いますが、あの当時の資料としてはさようであります。
#66
○井手委員 そうしますと、ここに出されている資料を見ましても、最近ますます赤字が上昇している。そこで先限薪炭特別会計の報告を本会議でせられましたときに、社会党の井上君が、われわれの内閣のときに絶対ない、自由党になつてからこういう赤字が生したということを本会議で報告している。そうしますとあの数字とこの資料に発表されている数字と照し合せてみると、明らかに社会党の内閣の時代に六億以上の赤字を出している。この事実をお認めになるかどうか。
#67
○濱田証人 これはもう少し詳しく御説明しなければなりませんが、特別会計令十何條ですか、今記憶はありませんが、問題の所在は、年度末の在庫を三月三十一日の市価でもつて評価すべしと制度上なつておりますから、従つて従来の決算――現在もそうです、その制度に基きまして評価益を出しまして、決算をいたしますと、今までの国会に提出しました決算報告と同様でありまして、ただいまの問題の昭和二十二年ですか、わずか二万幾らかの黒字になつております。それは問題は評価益によつてその点がカバーされておるということであります。従いまして、従来の制度上の決算の方式から行けば、今まで国会に出した資料は正しいのであります。ところがそれを企業会計の低価主義で評価益、つまり未実現り利益というものを出さないでやつてみますと、そこにいろいろの経費が出ておつたのがあらわに出て来る、こういうことになりますと、二十二年度もまた欠損だという形になつて来るのです。そこで問題は従来の決算方式によるか、それから企業会計の原則によるか、どつちによるかということだけでありまして従来の決算方式によるならば、二十二年度も二万何ほかの黒字になりますし、評価益という問題をとつて考えれば、六億幾らの赤字になる。御参考までに言いますと、政府の会計でありましても、たしかこの三月三十一日で市価に準拠して評価がえをやるというものは、薪炭会計、食管会計だけでありまして、その他の印刷庁とかあるいは五つ、六つ特別会計がありますが、そういう特別会計はすべて原価主義といいますか、経営の堅実化からして原価で行くという主義になつておるということを御参考までに申し上げておきます。
#68
○井手委員 評価益の問題は私は最後に結論として御質問申し上げますが、その前提です。そこでそういうことを言いますと、評価益を一般のいわゆる企業会計の計算で出してみますれば、なるほど計算上の黒字というものも出て来る。しかしながら現実に薪炭会計は総体において五十四億という赤字を出しておる。だから評価益の問題はこれは事実上の欠損と切離して、企業上の、計数上の締めくくりとして考えるべきであつて、現実の欠損にはどこの会計でも影響はない、貸借対照表で黒字になつても、現金がなければその会社は事実上は赤字です。その議論は別としまして、そういう点をはつきりしてもらいたい。われわれは政治的にこの問題を、わが党の内閣において、現政府の手において、この赤字を国民の前にさらけ出した、それにはそういうものを超越した深い意味を持つておるということを、ひとつ頭に入れてもらいたいと思いましたので、私はその質問を申し上げたのです。
 そこで次にお伺いしたいのは、いろいろな赤字の出ていることは資料の上でもわかつておりますし、私もある程度の調査をしてわかつております。ただ伺いたいのは、今あなたの証言の中に、小売商が生活のために使い込んだものがあつて、小売商のマージンというものがその当時の物価から見て生活をささえるほどでなかつたので、これによつて相当赤字が出て、この計数が出ておりますということを言われたが、国民の立場に立つと、台所に乏しいまきなり木炭を運ばれて、これは財布の底がからになつても政府の配給物資であるというので、国民は現金を支拂つておつたのであります。現実に末端配給されたものは完全に現金にかわつているが、国民に配給されたものと政府の收入との純計をあなた方はおとりになつたことがあるか。現実に何千何百万俵配給され、その売渡し価格、配給価格が幾らであつて、それが現実に政府の收入が幾らになつておるか、その純計をおとりになつておりますか、いかがでありますか。
#69
○濱田証人 御質問の趣旨をもう一ぺん伺いたいのですが、小売に対して配給をしたのが幾ら、そこでその小売がマージンとして上げたのが幾ら、その純計をとつたことはあるかということですか。
#70
○井手委員 そういうことじやないのです。その小売商のマージンを入れてもいい、マージンを入れたならば、マージンだけ小売商の手に残る、そのマ治ジンを除いたものが政府に、小売業者、配給機関を通じてもどつて来止る、そのもどつて来た金額と、末端の小売業者、配給業者が台所に持つて行つた金とかえたという総額との対照をしたことかあるか、それを伺いたい。つまり何千何百万俵完全に配給されて、小売業者の手に渡つて、マージンはその中から差引いてさしつかえない、現実にマージンを差引いた残りの配給された総数の金額と、現実に政府の收入になつた金額とを対照したことがあるかということを伺つているのです。
#71
○濱田証人 政府との売渡しの関係は、卸のところで一応切れて、あとの関係は卸と小売の関係になつて、政府外になる。それから、小売と消費者との関係は切符でつながる。こういう関係になつておりますから、政府としては、小売の内容を、具体的にそういう数字によつてつかんだことはありません。
#72
○井手委員 それは私一番末端のことを申し上げたのですが、今あなたの御説明になつたように、本来は卸売業者が小売業者に引渡して幾ら收入したかという関係を調査すれば出て来るのですが、消費者に配給されて、現実にわれわれの台所から金が安排われておりますが、その間に小売業者の手において幾らか消えていると、先ほどあなたは証言された。つまり国民が拂つた金を小売業者が食つている、さらに卸売業者も食つている。こういう現実に苦労して薪炭会計で国庫の経費をもつて出したその金が政府に帰つて来ないというのが欠損の基本になつている。これが国民の生活に重大な関係を持つている。山で焼かれたものが滞貨になつておつて、それが計数上赤字になるということはあり得る。しかしそういう問題は別個の問題です。薪炭会計としましては、実はそれで赤字になつておつても、そういうことを考慮しなくてもいい問題です。しかし現実には国民の手に渡つて、その炭代を現金で国民が拂つているのに、それが現実に政府の收入になつていないということが国民が納得しない。この点を聞くために実はお尋ねしたわけですが大体今の御答弁でわかりましたから、その問題はやめます。
 もう一つ最後に聞いておきますが、資料を見ると、大体業者に命じた弁償金というものが完全に收入されておらないということも、大きな原因になつておるということが結論であつたと思いますが、そういう点については、もうすでに今日までにそれが整理されておらなければならない、それは基本的な問題です。売渡し代金が入らないという未收金の問題ではない、そういうもの対して一体どういう手段をとつているか、それを伺いたい。
#73
○濱田証人 その問題は、現物不足の薪炭との関係と解釈してよろしゆうございますか。
#74
○井手委員 そうです。
#75
○濱田証人 現物不足の薪炭につきましては、前回の国会にも提出しましたように、十何項目かについてのそれぞれの原因があります。それを現在たぐりにたぐつておるのでありまして、何しろ古いものになると、昭和二十一年ごろからのが出ておりまして、その不足のものに対して現在まで解決がついておるのが、約四割程度であります。そこでその四割程度の中であるいは不足のものについては現物で補充せよ、あるいは弁償金を出せ、あるいは品物がすでに渡つておつた、しかし帳面で処理するのが遅れておつた。こういうものに対してはただちにその措置を講じまして、現在まで約二億六千万円程度というものが收入になつております。将来あと残つた六割、これをとことんまで追究して債権として確立する、そして收入をはかつて行くということに努力しております。
#76
○井手委員 わかりました。この問題は相当基本的な問題ですから、できるだけ明らかにして、それらの整理を促進する必要があると思います。いろいろ関連事項がありますけれども、私の質問はこれで終ります。
#77
○高木(松)委員 今井手委員からお話があり、井手委員はよくわかつたように言われたが、私としてはつきりしておきたい点が一、二点ある。というのは、年度末に評価益を出すとこう言つておりますね。この評価益は帳簿の上で出すわけですか。
#78
○濱田証人 帳簿の上で出すのです。
#79
○高木(松)委員 そこでこの点はつきりしておきたいのは、現実帳簿に記載した炭があつても、事実調べてみたらない場合がありませんか。
#80
○濱田証人 そういう事実があります。
#81
○高木(松)委員 そこでそれが問題で、要するに年度末の赤字、黒字の問題は單なる架空の問題であつて、実際の事実を調査して結論を出したのではないのですね。
#82
○濱田証人 実際のたなおろしをして出したのではありません。
#83
○高木(松)委員 それでわかりました。そこでこの薪炭特許会計を終結したときに、初めて現実の品物のたなおろしをして、そしてそこに赤字が生まれたわけですね。これは現実のものと照し合した赤字ですね。
#84
○濱田証人 さようであります。
#85
○高木(松)委員 そうするとその赤字は一体いつの年度に起きたものかということは、あなた方の方ではおわかりにならないわけですね。
#86
○濱田証人 現物の不足につきましては、今までたなおろしをしてやつたことがありませんし、従つて先ほど申し、ましたように、買つた数字、売つた数字、差引帳簿残、これで見ております。そこでこの清算において初めて現物というものにタッチするわけでありますから、確かに不足だつたというものがどの年度に起つて、どれがどういうふうに繰越されて来たかということは、残念ながらわかりません。
#87
○高木(松)委員 そこで私が聞きたいのだが、それだけ明らかになれば、そうすると最終の清算において相当の赤字を出しておるが、この赤字というものは、その年度に買い受けて売つたのから見ればそして現実の足りないものがあつたとしたならば、前年度のいわゆる赤字にならなくちやならぬわけになりますれ。
#88
○濱田証人 そうです。それは前回り国会にも出しましたように、二十三年度末までの赤字が幾らかということを出しましてそうして二十三年度末におけるたなおろしを一ぺんしてみたら、現物がこれだけ足らなかつたから、これを約十億何ぼ差引いて、二十三年度末までの赤字、こういうふうにして出しております。
#89
○高木(松)委員 そうしますと、その計算をあなた方が精を入れてやれば、逆算していつの年度にはいくら赤字が出たということがわかるわけじやありませんか。いわゆる政府が買つたのと政葉売つたのと、その年くのやつを照し合せて逆算して行くと、毎年度の赤字がはつきりと現われて来ませんか。
#90
○濱田証人 現物が足らなかつたということに対しての赤字は、残念ながら各年度別にたどつて行くということにはできません。何とならば、まず話が十五年度なら十五年度で買つたもの、十五年度で拂いましたもの、その残が幾らで、どれだけ翌年度に繰越したか、そのときに幾らなかつたかということはわからない。それをそのまま引受けて、十六年度で買つたものは幾ら、十六年度で売つたものは幾ら、十七年度へ繰越したのは幾らかということはわからない。こういうことでありますから七現物不足について申し上げれば、各年度に幾ら不足があつて、従つてこれが赤だというのを今はじき出すということは、物理的に不可能じやないかと考えます。
#91
○高木(松)委員 それでは要するに最終の清算の場合に赤字の生じたのは、この特別会計を設定していた長い期間に赤字が生じたということになりますね。
#92
○濱田証人 これは時代によつて非常に混乱した期間もありますから、いつ出たとは言えませんが、程度の差こそあれ、これは各年度にずつとまたがつているものと考えるのが至当ではないかという程度しか、言い切れないと思います。
#93
○高木(松)委員 あまり長くなりますから簡單にお尋ねしますが、現在この特別会計の赤字は幾らになつておりますか。
#94
○鍛冶委員長 五十億。
#95
○高木(松)委員 その内訳を説明してもらいたい。何によつてそういう赤字が出たか、内訳があると思いますが……
#96
○濱田証人 二十三年度までの赤字を、大体現物不足も考えまして三十四億と見ております。今その関係の資料を持つて来ておりませんが、二十四年度におきまして二十億程度、その大きな内容は、先ほど述べました特別会計廃止時に持つておりました薪炭を売り拂うときに値下り損が出て参ります。それが大部分の要素を占めております。その他こまかくは今の弁償金とか、木炭事務所を閉鎖しますからその退職金とか、あるいは五十四億という借入金は年の初めから年の終りまでずつと借りておつたわけではありませんが、それをずつと借りざるを得なかつたというための金利の増加そういうものをつつ込みましてその程度の赤字になります。
#97
○高木(松)委員 その点はあなたの方にわかつていますか。
#98
○濱田証人 わかつております。
#99
○高木(松)委員 わかつていれば、詳細に委員長の方に出立ていただきたい。
#100
○佐々木(秀)委員 私も一つだけあなたのお気持を伺いたいのでありますが、莫大なる赤字を出したということにおいて、国民に申訳ないとあなたが仰せられた通り、そのやり方、あるいは今までとつて来た経過等をお聞きいたしますと、まことに不手ぎわであつた。ことにまたいろんな薪炭の不足な時代の状況あるいは豊富になつてからの状況等もお尋ねいたしましたが、その間において何らかの手を打つ方法があつたろうとわれわれは思いますが、しかしそのことを今いろいろ追究してみようとは思いません。ただわれわれ国会議員として、またあなた方が行政面に携わる役人として一つお聞きしたいことは、たとえばここにありますような横持料とか、あるいは指定業者に対する特別手数料というようなこの金が、横持料は一億一千六百万円、手数料が一億七千一百万円、両方合せましても約四億近くの金をあなた方は便法的に出している。予算上にきめられた以外のことを、お役人独自の立場でこうしなければならなかつたというような簡單なことで支出をするなどということのお気持が、どこにあるかということを私は承りたいのです。
#101
○濱田証人 先ほど申し上げましたように、その当時のせつぱ詰まつた実情から出さざるを得なかつた。そういうふうにせないとこの需給といいます。か、横持ちにつきましては急速に荷さばきをやつてしまわないと、むしろこの会計自体があぶないという事情もあつて、ずいぶん内部で検討した結果、そういうことにならざるを得なかつたわけであります。ただそれが赤字の原因になつて来たということはまことに申訳ない、かように考えております。
#102
○佐々木(秀)委員 それです。そこが申訳ないと言つて済むのですか。その申訳ないという赤字をだれが負担するか、それはやはり国民の血の出るような税金で負担しなければならない。しかも大きな金額なのです。それをあなた方がただ課長とか部長とか、長官限りにおいて、便法的に苦しいながらもやるということが、たまたまいろいろな方面に現われて来ている。たとえばこの薪炭の問題にしても、油糧公団の問題にしても、この考査委にかけられたこと自体が、今まですべてそういう観念でやることが、最後の大きな過失となつて現われて来るのです。そういうことのやむを得なかつたということに行く前に、なぜ予算的な措置をとつておる国会なり、あるいはその他の正当なる機関に、予算的な措置を講ずるお気持になれなかつたか、またその時間的な余裕がなかつたのか、こういうことも私はお聞きしたい。
#103
○濱田証人 横持料については特にそうでありますが、積算になかつたことでありますから、当然予算に計上して、国会の承認を経なくてはならぬ問題であります。同時に、話がちよつとそれますが、この会計検査院の決算の批難事項にありますように、その他あの大増産、大輸送で予算をオーバーしそうになつたという関係、それから借入金も予算をオーバーしそうになつた関係、そういう関係もありまして、当然予算を出してやるべきであつたのでありますが、この会計の終りごろに近づいたあの大混乱期で、ちようど事態は寒い最中を控えておりまして、この持つておる荷物を操作すること自体において手一ぱいでありまして、それ以上の仕事が全然できなかつたという事情があつたのであります。これはよけいなことでありますが、薪炭課長が歴代九箇月ごとにかわつておるということは、薪炭課長としては、実際一冬越せばからだがくたくになるという事情であつたので、それを一年も二年も続けてやるということは、事実上仕事としてできなかつたという忙しさのために、ついそういうことになつたということはまことに申訳ないと考えるわけであります。
#104
○佐々木(秀)委員 濱田君率直に仰せられて、予算的な措置を当然講じてもらわなければならなかつたものが、いろいろなことでできなかつたというその御答弁で私はけうこうです。それ以上責めようとは思いません。またあなた個人の責任でもありませんただ今後すべてのお役人――あなたばかりでなくすべての役人というものが、国会軽視的な傾向が非常に多い。すべての国民の声を代表してきめる国会できめたその通りやるということが、あなた方のお仕事でなければならないということを私は一言申し上げて質問を終りたいと思います。
#105
○高木(松)委員 濱田さんは重要な役割をしておるので、この種の経済取引を役人によつて統制することが適当とお思いになるか、そうじやなく、政府は適当な監督をする程度で、自由に経済人にやらす方が適当とお思いになるか、あなたの体験からどうお考えになるか、そう結論をつけてください。
#106
○濱田証人 ほかの物資について言う資格はありませんが、薪炭について言いますれば、これほど複雑な、しかも減耗の激しい、あるいは濫造の激しくなるようなものをわれわれがやるということはうまく行かないのではないか、かように考えます。
#107
○田淵委員 私は佐々木委員が一応御自分として了とされたことは、そう認めます。しかし私はそう認めない。たとえばあなたに伺いたいのですが、二十四年四月二十七日に薪炭課長になられる前に、企画課長をされていた。そうなると少くとも炭の生産の方を分担されておつたのか、これをまず伺いたい。
#108
○濱田証人 私が企画課長をやつておりましたときは、今度国会に造林措置法というのが出ますが、あれの前身の立案を一生懸命やつておつた時代であります。
#109
○田淵委員 それではその以前は追究いたしますまい。そうすると二十四年四月、つまり二十四年度の会計において二十億円の赤字をあなたが出されておる。しかも二十四年の初頭において、まきが二〇〇%、炭が一五〇%も生産が過剰して来た。こういうようなことは、どうして薪炭課長として生産制限の面に気づかれなかつたか。まきを高くして行けば、まきの山ができ、原木が高くなるのだから、炭を焼いても合わないから炭が減つて来る。まきの価格の政策でも、炭の政策でも非常に大きな失敗をしておる。ことに現地で焼いている炭焼きから、一俵三円か五円しかもうからぬという陳情書がたくさん出ておる。しかも扱つたところの業者に一儀十円のマージンをやつて生者産を苦しめ、一方また消費面では、先ほど井手委員から言つた通り、ことごとく配給で金を回收しておる。しかもその金が二十四年度においてともあれ二十億も赤字が出た、こういうことに対してあなたの措置が適当でなかつた。これはあやまつて済むものではありません。少くともあなたが薪炭課長に就任されたその年度において、二十億の赤字が値下げその他によつて出ておる。もつとも物価がずつと下りつつあるというくらいのことは、あなたも御存じである。とかく配給あるいは統制の面をとるときには、官庁側では非常にやりたがるけれども、失敗して来たときは、国民の責任である、こういうように非常に軽視する点がたくさんあるのです。これは炭ばかりではありません。石炭配給公団においても、亜炭においてもそうである。生産するものは自分の務めでやるが、買うものは政府でから、よかろうが悪かろうが、これは無責任なものである。また売る方も、とれてもとれなくても結局政府の金、国民の金だというような、要するに無責任な官僚行政がこういう失敗を来しておるのでありますが、この二十億の赤字は、とれるものかとれないものかということだけ私は伺いたい。
#110
○濱田証人 二十四年度に入りまして私が引継いだときは、現物不足がまだはつきりわかつておりませんでした。バランスシートでは約十億そこそこの赤字みたいなかつこうになつておりました。それはもちろん評価益もありました。しかし事態はどうもそうでないようだ、このくらいの赤字で片方でものが買えぬとかということはどうもおかしいというので、だんだん調べてみますと、現物不足が相当あつて、金がつまりそれに固定しておるということがわかつた。だからこれは何としても建直しをやらぬと、生産者に対して買わぬということを意味する。政府以外には売つちやならぬと言うておいて、その政府が買わぬととんでもないことになる。だから建直しをやらなければいかぬ。建直しの一番簡單な方法は、消費者価格を上げるという方法ですが、こういうことはできない。産地価格を下げる、そういう簡單なこともできない。これは中間経費を切るよりほか方法がないというので、海上運賃、陸上運賃を五月から一割かた切りました。一ぺんに切つたらなんですから、だんだん切つてやろう。これを年間やれば約十五、六億は節約できるつもりで切つてかかつたのです。一年切れば相当出ますが、一月ぐらいの間一割切つたところで大したことにはなりませんで、大勢には抗し得なかつた。生産者はつくつたが、政府は買つてくれぬ。よそへ売れるかというと売れないで、需給不調整ということになつたのです。それで大きな赤字を出したというおしかりをこうむつたのでありますが、そのときとしましては、先ほども言いましたように、よいものは売れて悪いものが結局残つたわけです。他方よいものと悪いものと競争になりいつまでもこれを持つておると損になるので、ある程度見込みをつけてやらなければならぬ。当時としては、行政監察部の報告にもありますように、産地は五割、消費地では四割ぐらい引かぬと売れぬというような状況なんです。そういうことではとんでもないことになる、最小限度にこれを食いとめることが当面のわれわれの急務である、この点に対して作戰をこらさなければならぬが、そうかといつて一々本省と相談してやつておつては遅れる。当時は産地五割、消費地四割であるから、木炭事務所長としては最大限がんばつて、産地は三割、消費地は二割下げて、これを越すようなことがあつたら本省に相談せよという作戰でやりまして、三割、二割の線でやればそのくらいの赤字が出てくるということであつたのですが、これはその後の事情によつて三割、二割以内にとどまりました。それは毒をもつて毒を制するといいますか、こちらの業者はこちらの業者で牽制され、あちらの業者はあちらの業者で牽制されているということで、今二十億と申し上げましたが、推定では五十億少し切れると言いましたのはその関係であります。二十三年度三十四億、これに二十億足せば五十四億になりますが、三月三十一日のバランスシートで見ますれば、五十四億でなくして五十億少し切れるという見通しを立てております。しかしそうかといつて、五十億出したことをどうこう言うわけではありません。五十億出したことはまことに相済みません。しかし現物不足の今日、これをたたき出すことによつてその何分の一かの責任を果したい、かように考えているのです。
#111
○鍛冶委員長 それでは済みました。本日はこれにて散会いたします。
    午後六時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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