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1976/05/20 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 決算委員会 第8号
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1976/05/20 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 決算委員会 第8号

#1
第080回国会 決算委員会 第8号
昭和五十二年五月二十日(金曜日)
   午後一時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     岩上 妙子君     戸塚 進也君
     河本嘉久蔵君     佐々木 満君
     今泉 正二君     亀井 久興君
     山内 一郎君     岡田  広君
     藤川 一秋君     中村 登美君
     木内 四郎君     上田  稔君
     寺下 岩蔵君     増田  盛君
     石本  茂君     堀内 俊夫君
     加瀬  完君     福間 知之君
     竹田 現照君     栗原 俊夫君
    茜ケ久保重光君     志苫  裕君
     加藤  進君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木  力君
    理 事
                遠藤  要君
                望月 邦夫君
                大塚  喬君
                峯山 昭範君
                塚田 大願君
   委 員
                青井 政美君
                上田  稔君
                岡田  広君
                亀井 久興君
                佐々木 満君
                坂元 親男君
                鈴木 省吾君
                世耕 政隆君
                戸塚 進也君
                中村 登美君
                永野 嚴雄君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
                案納  勝君
                栗原 俊夫君
                小山 一平君
                志苫  裕君
                野口 忠夫君
                福間 知之君
                矢原 秀男君
                小笠原貞子君
                田渕 哲也君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣   福田 赳夫君
       大 蔵 大 臣  坊  秀男君
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
       厚 生 大 臣  渡辺美智雄君
       通商産業大臣   田中 龍夫君
       運 輸 大 臣  田村  元君
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
       建 設 大 臣  長谷川四郎君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  石原慎太郎君
   政府委員
       内閣法制局長官  真田 秀夫君
       内閣総理大臣官
       房会計課長兼内
       閣参事官     豊藏  一君
       公正取引委員会
       事務局長     後藤 英輔君
       警察庁長官官房
       会計課長     大高 時男君
       皇室経済主管   石川 一郎君
       行政管理庁長官
       官房会計課長   田畑 正夫君
       行政管理庁行政
       管理局長     辻  敬一君
       防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君
       防衛庁経理局長  原   徹君
       防衛施設庁次長  安斉 正邦君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   小林  進君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   劔持 浩裕君
       沖繩開発庁総務
       局会計課長    隈   健君
       法務大臣官房会
       計課長      枇杷田泰助君
       外務大臣官房会
       計課長      柳  健一君
       外務省アジア局
       長        中江 要介君
       外務省経済局長  本野 盛幸君
       外務省経済協力
       局長       菊地 清明君
       大蔵省主計局次
       長        高橋  元君
       大蔵省理財局次
       長        吉岡 孝行君
       大蔵省銀行局長  後藤 達太君
       文部大臣官房会
       計課長      宮地 貫一君
       厚生大臣官房会
       計課長      持永 和見君
       厚生省医務局長  石丸 隆治君
       厚生省社会局長  曽根田郁夫君
       農林大臣官房経
       理課長      石川 博厚君
       通商産業大臣官
       房会計課長    小長 啓一君
       資源エネルギー
       庁長官      橋本 利一君
       運輸大臣官房長  山上 孝史君
       運輸大臣官房会
       計課長      西村 英一君
       運輸省鉄道監督
       局長       住田 正二君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   松井 清武君
       郵政省経理局長  高仲  優君
       労働大臣官房長  石井 甲二君
       労働大臣官房会
       計課長      寺園 成章君
       自治大臣官房長  近藤 隆之君
       自治大臣官房会
       計課長      中野  晟君
        ―――――
       会計検査院長   佐藤 一郎君
        ―――――
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     柴崎 敏郎君
       会計検査院事務
       総局第一局長   前田 泰男君
       会計検査院事務
       総局第二局長   高橋 保司君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小沼 敬八君
       会計検査院事務
       総局第四局長   松田 賢一君
       会計検査院事務
       総局第五局長   東島 駿治君
       日本専売公社総
       裁        泉 美之松君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道監
       察局長      川越 美昭君
       日本電信電話公
       社総裁      秋草 篤二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十八
 年度政府関係機関決算書(第七十五回国会内閣
 提出)
○昭和四十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十五回国会内閣提出)
○昭和四十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十五回国会内閣提出)
○昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各
 省各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十年度特別会計予備費使用総調書及び各
 省各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十年度特別会計予算総則第十一条に基づ
 く経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調
 書(その2)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和五十一年度一般会計公共事業等予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)(内
 閣提出、衆議院送付)
○昭和五十一年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その一)(内閣提出、衆
 議院送付)
○昭和五十一年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その一)(内閣提出、衆
 議院送付)
○昭和五十一年度特別会計予算総則第十一条に基
 づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額
 調書(その一)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書
 (その2)(内閣提出)
○昭和五十一年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(その1)(内閣提出)
○昭和四十九年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十九年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十九
 年度政府関係機関決算書(第七十七回国会内閣
 提出)
○昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十七回国会内閣提出)
○昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十七回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 総理に対する質疑時間等につきましては、理事会におきまして協議し、各質疑者に御通知申し上げたとおりであります。大変窮屈な時間でございますが、質疑をされる方並びに答弁をされる総理の御協力をお願いいたします。
 それでは、これより質疑に入りますが、まず私が、各党のお許しを得て、先例によって、決算委員会の委員長として若干総理に御質問申し上げたいと思います。
 第一は、会計検査院の検査機能の充実についてであります。
 憲法上の独立機関である会計検査院の機能の充実のためには、有能な人材をなるべく多く集めるために、処遇の改善や旅費を多くつけるということは言うまでもありません。ところが、人員は定員、実員とも昭和二十三年以来、千二百人前後とほとんど固定されております。また、処遇も一般職国家公務員として遇されているだけであります。
 旅費は、五十二年度予算でややふえたようであります。また、外国旅費も昭和四十六年から新しくつけられておりますが、外国旅費は多いときで四百三十六万円、五十二年度は二百三十七万円という少額でございます。検査のうちでも、書面検査より実地検査の方が実効が上がることは申し上げるまでもございませんが、しかも、最近のような多様化した財政運営、また、対外経済協力を初めとした国際協力が頻繁に行われるようになりますと、どうしても外国へ出かけていって国民の血税や財政投融資の使い方等について検査されなければならないと思います。こういう点につきまして、総理大臣として財政当局に特段の配慮を行わせるよう指示してもらいたいと思いますが、いかがでございますか。
#4
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま委員長から会計検査院の定員の充実、また機能の強化、特に外国における国費の使用についての調査、そういうことについて財政当局において特に配慮せよ、こういうお話でございますが、これはもう私どもも、会計検査院が大いに機能を発揮いたしまして国費が有効に使われるということが保障されるということは、本当に好ましいことでありますので、ちょうど大蔵大臣もここにおりますから、この席で大蔵大臣にそのような会計検査院からの御協議に応ずるように指示いたします。
#5
○委員長(鈴木力君) 第二には、受検官庁側の態度についてでございます。
 ともすれば、各省庁は、検査庁の指摘を何か免れようとする傾向が見えます。検査院がその役割りを利用して過剰に介入することは、当然戒めなければならないことでございますが、こういうことがあれば決算委員会として十分監視し、注意もいたします。しかし、法に基づいての正当な検査につきましては、各省庁は進んで協力すべきであり、ありのままを見てもらうようにすべきであると思います。そして、指摘されたら早急に改善するという謙虚さが必要であると思われます。各省庁はいままでも協力しているとは思いますけれども、しかし、老婆心ながら、ぜひこの際、さらにこういう趣旨を徹底すべきものと思いますが、いかがでございますか。
#6
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの御指摘もまことにごもっともと思うのであります。これからの財政は非常に窮屈な状態でございます。その窮屈な中で効率を上げるということでございまするから、これはやはり会計検査院なんかの御協力もぜひ賜わらなきゃならぬ、こういうふうに考えます。会計検査院がさような機能を発揮するために政府といたしましては、各省各庁におきまして積極的な御協力を申し上げ、また、御指摘を受けました事項につきましては、これを必ず遵守するというふうにいたしたい、かように存じます。
#7
○委員長(鈴木力君) 第三点について御質問申し上げます。国政調査権の尊重についてであります。
 大きな汚職や政府の不正不当行為の疑惑がありますと、各省庁は守秘義務を盾にいたしまして消極的な態度を見せるのが常でございます。しかし、隠せば隠すほど疑惑が濃くなるのは世の中の常のことでございますので、決算委員会は決算そのものの審査のほか、行政の非違、財政の使用、調達の不当性について追及するところでありますから、いわば政府のいやがることを取り上げる場合が多いのでございます。しかし、政府にも行政上の配慮から守秘義務で資料の提出等を断ると本当の国政調査にならない、国民も納得しないし、政治不信となる、そういう傾向があってはならないと思いますので、いままでも政府は、国政調査権を尊重すると言っておりますけれども、この点について、なお一層積極的に尊重するようにしていただきたいと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
#8
○国務大臣(福田赳夫君) 国政調査権とそれから守秘義務との間には、そのおのおのによって守られるところの公益というものがあるわけでありますが、その公益をいかに調整するか、こういう問題があるわけなんであります。そういうことから、かねがねこの問題をめぐって御論議がありまするが、とにかく国政調査、特に非常に政治的に大きな問題なんかについての調査等につきましては、国政調査に協力をするという姿勢のもとにひとつ対処してまいりたい、かように考えます。
#9
○委員長(鈴木力君) 最後に、総理にお願いかたがた御見解を承りたいことがございます。
 それは、決算委員会にもっと総理の御出席の回数をふやしていただきたいということであります。決算委員会には、ここ数年は最後の総括質疑のときで、しかも短時間しか御出席していただいておらないのであります。御多忙とは思いますけれども、予算委員会のように総括質疑中全部出席せよというわけではございませんけれども、もう少し御出席の回数をふやしていただく、時間をとって、政策全体の姿勢や考え方などをもっと総理から直接承れるような、そういう運営をいたしたいと思いますので、御見解を承りたいと思います。
#10
○国務大臣(福田赳夫君) 委員長の御指摘、まことにごもっともだと思います。私もできる限り本委員会に出席いたしまして旨様の御理解と御協力を賜りたいと、かように存じます。
#11
○委員長(鈴木力君) 以上で私の御質問終わりまして、あと質疑の方……。
#12
○大塚喬君 早速、限られた時間でありますので、総理に質問を申し上げたいと存じます。
 初めに、福田総理の政治姿勢についてお伺いをいたします。
 福田総理は、組閣以来いわゆる働こう内閣ということで、これを看板に掲げてがんばってこられました。大変結構なことだと存じます。期待をして見守っておるところでありますが、また総理は、特別の別荘も持っておられない、こういうことを聞いて私どもも敬服をいたしておるところであります。
 ところで、去る五月十五日、日曜日であります。どこに総理がおられたのか、そしてその日は国会でどういうことが行われておったのか、これはすでに御存じのことと存じます。総理は、お孫さんや御家族の方と御一緒に箱根の旅館で休日を楽しんでおられたように承知をいたしておりますが、日曜だからどのようなことをされようとも、これは構わないわけであります。しかし、この日は沖繩地籍法の審議で、国会では異例とも言える日曜審議を終日重ねておった日であります。地籍法案がどういう法律で、どういう影響を持ち、どのように審議をされたか、いまさら言うまでもございません。片や休日を楽しみ、片や日曜審議をする。福田総理は本法案の提出の最高責任者であります。一国の総理、与党の総裁であります。こういうことが社会的に、道義的に政治家として許されるのかどうか。私は大きな疑問を持つものであります。
 また、日曜審議に追い込んだのは自民党政府だ。そういうことを総理が御存じないのか、あるいはお忘れになっておるのか。総理のこういう政治姿勢では、このこと自体国会軽視と言わざるを得ないのではないかと私は考えるわけでございますが、総理の率直な見解をお聞かせいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(福田赳夫君) この間の十五日、私は、私が総理大臣に就任して以来初めて、休養日を屋外、自宅外においてとったということでございますが、私はその日といえども、別に遊びこけておるというわけじゃありません。国政を一体どうするかということを静かに考えるその場として、そういう時間もとったわけであります。しかもその日は、参議院におきましては沖繩地籍法の重要審議が行われておる、この成り行きもよく連絡をとっておかなければいかぬ。終始連絡をとりながらも、ひとつ総理大臣としての見識を養わなければならぬ、こういうことでああいう措置をとりましたが、私のところへたくさんの人が、福田さん、体が一体もつかもたないか心配しております、この間の日曜日に一日箱根に行かれた、大変よかった、安心した、こう言ってくれる人が実は多いのですよ。しかし、一部の中には、ただいま大塚さんから御指摘のような御感想を持つ人もあろうかと思いまするけれども、これは私は、ただ単に自分のために、自分の気休めのために行っているのではありません。やっぱり日本のためにああいう行動をとっているんだという意識でございますので、そうひとつ御理解のほどを切にお願いしたいと思います。
#14
○大塚喬君 総理といえども生身の体をお持ちですから、休日に静養されるということは当然のことと存じます。ただ、あなたの率いる自民党の与党の議員諸君は、野党の諸君と一緒に終日悪戦苦闘を続けられておる。そしてその翌日の新聞紙上には、片方の面には総理の悠々としてくつろいでおる姿が報道されており、片方の面では自民党、そして野党の諸君が真摯に地籍法の審議を繰り返されておる、まことに皮肉な取り合わせだと私は率直に受けとめたわけでございます。このこと自体、平日の場合ならともかく、あのような重要な段階にあって、総理ともあろう方が、率直に不謹慎というか、私はそういう気持ちをぬぐうことができませんでした。率直に私の感想を述べさしていただいて、今後総理の、振る舞いと申しますか、最高の責任者であります総理大臣の行動でございますので、ひとつ善処をいただきますように強く要請を申し上げて、次の質問に入りたいと思います。
 次は、先進国外交についての基本的な受けとめ方、基本的な姿勢について質問をいたします。
 総理には、次元の高い見地から質問をいたしたいと思いますが、その一つは外交関係であり、第二は景気の問題であります。まず外交についての基本的姿勢について伺います。
 先日行われた先進国首脳会議の評価は、大分福田総理の奮闘が報道され、政府もPRに挺身をしておるように感ずるわけであります。正直のところ、これはつくられた世論ではないか、こういう疑問も率直にあります。いまのところ日本は、日本の経済力によって先進国の市場に進出していることは確かでありますが、資源が少なく人口の多い日本が生きていくためには、貿易立国はやむを得ないものである。日本の繁栄は、第一に、国民が勤勉でよく働く、第二に、教育が行き届いて水準が高い、第三に、防衛や国防に必要以上の金を使わないためにもたらされたものであると考えるわけであります。
 特に、教育が現在のように過当な姿で知育優先でなければ、なお一層国力が上がるだろうし、現在の役にも立たない防衛力をやめれば、そのお金を福祉の充実に回し、なお物も心も豊かになる、私どもはそういうふうに考えておるわけであります。問題は、政府の政策運営のかじ取りが悪いために、インフレや雇用不安を引き起こしておるのであると、私はこう理解をいたしておるわけであります。
 しかし、先進国の政府は、そうはとっておりません。何でもかんでも日本の経済進出を阻んで、自国をその経済的影響から守ろうとしてきゅうきゅうとしておる、これが現実の姿であろうと思います。したがって、先進各国はときには集まり、ときには個別に日本を袋だたきにしようともしております。日本に不利になるような条件を押しつけてくることは、これから先も続いてまいりましょう。
 日本は、経済には強いが外交には弱い、こういう定評があります。それは第一に、自民党政府の外交姿勢が、さきの佐藤総理時代には訪米一辺倒、田中内閣は札束外交と一部で言われているように、基本姿勢に対して諸外国が信頼をしておらない、こういうことに原因があるだろうと思うわけであります。第二に、海千山千の諸外国の外交駆け引きに対応できていない。在外公館を中心とする情報の密度かきわめて薄い。むしろ商社などの民間情報が早く、かつ密度が濃いと言われている始末であります。福田内閣の基本的な外交姿勢は一体何なのか。まず、これを総理から承りたいと思うのであります。
#15
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、国内におきましても政治姿勢として協調と連帯、こういうことを言っておるんでありますが、国際社会でもそうなければならぬと思う。私の外交方針の基本的測面は何か、こういうお尋ねでありますれば、私は協調と連帯だ、そういうような中で私どもは各国の繁栄、各国の平和、その中でわが国の繁栄と平和を求めていきたい、こういうふうに考えておるわけでありまして、その基本的な考え方に沿いまして、経済外交あるいは政治外交をそれぞれ展開しておる、また、これからもそういう姿勢でいきたい、こういうふうにも考えております。
#16
○大塚喬君 ただいまの答弁で、私の質問に答弁が漏れておるところがございますので、次の質問と一緒に関連をして答弁をいただきたいと思います。経済協力等に関する姿勢について関連をして質問をいたします。
 対外経済協力において、決算委員会審査で明らかになったことが二つあります。
 一つは、賠償や経済協力が、わが国と相手方との特定の人たちや業者の手で黒い取引が行われている。国民の血統をいいように使われているという疑惑が濃いということであります。日比賠償に絡む問題や、日韓癒着の問題がそのよい例であります。
 第二の点は、対外経済協力についてのチェック機能がうまくいっていない、働いていない、こういうことであります。確かに外務省も所管主務官庁も認証という制度があるが、これなどは形式的でたかだか書面審査の域を出ないというのではないか。実際に全く形式的な審査しか行われておらないという実情が明らかになってまいりました。総理は、外交姿勢についてはいわゆるタカ派と世間一般では評され、そういう評価を受けておるようであります。親米、親韓国である、こういうことも言われておるわけであります。対外経済協力の大半は国民の血税や貴重な財投を使うわけでありますから、不当な使用やむだ遣いは許されないはずであります。こういうことがないと思っておられますのか、また、相当機関のチェック機能は現状のままで十分である、決して過ちはないと、こういう認識をされておるのかどうか、この点について総理の所見をお聞かせいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(福田赳夫君) 私、先ほど協調と連帯という姿勢でやっていきたいということを申し上げたのですが、その中で注意しなけりゃならぬ点が幾つかある。
 一つは、通商上の問題なんです。昨年のわが国の輸出は非常にふえた。その中で、ある特定の国に対しまして特定の商品が集中豪雨的な勢いで出ていった。そしていろいろな物議を醸した。これはもう率直に私は改めなければならぬ点である、こういうふうに考えております。改める努力をいたしておる。
 それからもう一つは、いま大塚さんの御指摘の問題なんです。対外経済協力、これは先進工業国の総平均を見ますと、いわゆるODA援助におきまして〇.三六%の援助をしておるのですよ。わが国はそれが〇・二二%そこそこのものにとどまる。これはどうしても私は改善しなければならぬ、こういうふうに考えまして、五十二年度の予算におきましてもそれを〇・二八まで持っていったわけです。そしてすみやかに国際水準までいきたい。ちょうど御指摘の賠償が終わりになったという時期でありましたので、GNP対比の比率が下がった時期でもありまするけれども、それにしても〇・二%何がしであるというような状態はよくない、こういうふうに考え、これが改善をいたしたいと考えておるのですが、それだけにこれは国費でございますから、国費がいかに有効に利用されておるかということについては、深甚な配慮をしなければならぬ、こういうふうに考えております。
 この対外経済協力をめぐりましては、これはその協力の方針の決め方、あるいは具体的な施策の決め方、そういうような点につきましても政府部内の関係をどういうふうに調整をしていくか、こればあらゆる官庁が関係してくるような問題でございますので、その問題をどういうふうに調整するかというむずかしい問題が一つはあるのです。また、そういうむずかしい経過を経まして決められたその援助でありますので、それが実行された後の追跡をどうするかということも、その援助の決め方のむずかしさと同じような意味合いにおいてむずかしさがあるのでありますが、これらの援助が有効に使われまして、そして相手国の政府、国民から喜ばれるような成果を、正しい道筋を経て行なわれるようにしなければならぬというふうに考えますので、さらにそのような目的が実現できるようなことにつきましては十分配慮していきたい、かように考えております。
#18
○大塚喬君 ただいま総理の答弁がございましたが、現実に戦時賠償やあるいは経済協力、こういう間の中で国家資金が流れる、その国家資金の流れの中に政界や財界、こういうところにその黒い資金の吸い上げが行われておる、こういう疑いの濃いものが幾つも最近発生をいたしておるところでございます。総理のおっしゃるようなきれいごとでこの問題が現実におさまるものかどうかは、今後の推移を見て明らかになっていくことだろうとは思うわけでありますが、これからもひとつ総理が十分この点について厳重な監督をされ、指導をされ、こういう問題について国民の疑惑を起こさないように、特段の御努力をお願いいたしたいと存じます。
 次に、社会主義体制国家への姿勢についてお尋ねをいたします。
 中国、ソ連、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム共和国など、一連の社会主義体制国家に対する総理の外交姿勢がどうもはっきりいたしません。確かに、同じ社会主義体制国家ではそれぞれ人権、歴史の伝統、風土の環境、体制のあり方等は画一ではありません。そのために、わが国の対応もまたむずかしいことがあることは十分わかりますが、問題は、相手国に信頼をされることであり、その上に立ってわが国の国益が相手国の国益とどの程度調整できるかにあるのだろうと思います。
 たとえば、日ソ漁業交渉の行き詰まり、難航、中国との平和友好条約締結のおくれ、これらは実に福田総理の政治体質に対する不信感のあらわれではないかと思うのであります。このような不信感がある限り幾ら交渉してもむだであり、日本の国益を守り、成果を上げる、こういうことは困難であろうと考えるわけであります。この点、総理はどのように理解をし、どのように対処をされようとするのか、総理の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(福田赳夫君) 体制が異なる国々とのつき合いの方針はどうか、こういうことでございますが、私は、体制が違った国だといって、私が先ほど申し上げました協調と連帯という関係、これの道筋から外れさせるというような、そういうような考え方は持っておりません。世界は一つです。体制が違おうとどうであろうと、これはやはり相協力しなけりゃ、この人間社会というものは平和で繁栄というわけにはいかぬだろうと思います。そういうことを考えますときに、わが国といたしましては、いま御指摘のソビエトでありましょうと、あるいは中国でありましょうと、これと善隣友好の交わりをするということは、もう当然そうでなければならぬ、こういうふうに考えておるわけです。
 何か中国側で私に対して不信感を持っている、それだから平和友好条約が進まないんだというようなお話でございますが、つい数日前、あなたの党の山本幸一さん、参議院では田英夫さんなんかも行かれましたが、よくひとつお聞き取り願いたいんです。そんな福田が不信だから日中平和友好条約をしないんだなんというような考え方は毛頭持っていない由でございまするから、ひとつそういうふうに、お話のとおり私は理解していいんじゃないか。私どもの政党の方で行って聞いてきたというんなら、これは格別ですが、あなたの政党の代表的な人が行って聞いてきてそう言っておるんですから、これは私は間違いないんだろう、こういうふうに思います。
 ソビエトにおきましても、福田不信が日ソ交渉を長引かしたんだというようなことではない、私はこういうふうに思っております。日ソ間には領土問題という非常にむずかしい問題がある。その問題をどういうふうに処理するかということ自体、これは時間を要する問題でありますので、この日ソ漁業交渉もそういう背景のもとに長引いたんだということであって、私個人に対する不信という問題ではないと私は固く理解をいたしておるわけであります。
#20
○大塚喬君 大分胸を張ってお答えをいただいておるわけですが、一つの例として日ソ漁業交渉の問題について触れてみたいと思います。もちろん、この日ソ漁業交渉の難航が領土問題あるいは日米安保問題こういう問題にからんでおることも承知をいたしております。しかし、先ごろのミグ25事件、この事件でとった福田総理あるいは福田内閣、この問題がこの日ソ漁業関係の難航に何らの悪影響、尾を引く、そういう問題をはらんでおらなかったのかどうか、全く無関係だと、一国の総理大臣福田さんがそういう理解をされておるのかどうか、この点についてもう一度はっきりと見解を承りたいと思います。
#21
○国務大臣(福田赳夫君) 確かにあのミグ事件というのは私は、わが日本がとった行動に対しましてソビエト側でいい感触は持たなかった、こういうふうに思います。思いますが、しかし、あれは前の内閣のときの事件であり、前の内閣の処置なんですよ。それが私は、対日、対福田問題への評価として発展している、こういうふうには思いませんがね。しかし私は、特に園田官房長官をわざわざコスイギン首相、ブレジネフ書記長のところへ派遣いたしまして、そして私の真意を伝えさした。
 なぜかと、こう言いますれば、日ソ両国というのは隣組じゃないか、しかも文化の面を見ましても、あるいは経済の面を見ましても、あるいは資源の問題を見ましても、漁業の点を考えましても、これはもう協力すべき多くの分野があるわけなんだ。これをうまく調和さしていけば、これはもう非常に明るい日ソ関係というものが展望されるんだ、その展望を傷つけるようなことをお互いにしないようにしようじゃありませんかという訴えをしたのが、あの園田特使の持参した親書でありまして、私は、その親書の意味するところはかなりソビエトの両首脳に対していい影響を与えておる、こういうふうに見ております。しかし、御指摘のミグ問題が悪い感触を与えておったというようなことにつきましては、私は大塚さんと同じような感触を持っております。
#22
○大塚喬君 この問題は、機会を改めて論議をすることにして、次に福田さん専門の、いわゆる経済問題について突っ込んでお尋ねをいたしたいと思います。
 安定成長の可能性、福田さんがおっしゃっております安定成長というのは今後果たして可能なのかどうか。福田総理は、財政経済運営の党内第一人者であることを自負されております。経済はかねてから安定成長の持論を持っておられることも承知をいたしております。先般の首脳会議でも、実質成長率六・七%に合意をされておるようであります。安定成長とは一体何だろう、何なのか、こういう問題でありますが、それは高度成長のように一〇%以上の実質成長率ではなく、景気の過熱も沈滞もないなだらかな成長で物価も低位に抑えようというものであろう、こう理解をするわけであります。ところが、現在の経済は何といっても不況ムードが漂い、雇用の不安や倒産が引き続いております。しかも五月の連休明けには、私鉄、タクシー等の公共料金の値上げ、加えて魚転がし、こういう物価押し上げ要因がメジロ押しに並んでおるのであります。
 日銀は、この不況対策のために公定歩合の引き下げ、政府もまた公共事業費の早期支出等、一連の施策を行って景気浮揚に努めておるようでありますが、実は、公定歩合の引き下げは預貯金金利の引き下げという庶民の犠牲を強い、公共事業費の早期支出は土木、建築業と鉄鋼、セメント等の関連産業だけを潤すということにとどまりそうであります。一方、庶民の足は高いものにつくという、いわば国民の大多数にとって踏んだりけったりの経済運営、こういうのが現状であろうと思います。安定成長などは夢のまた夢、こう思うわけでありますが、この点について総理の率直な見解をお聞かせいただきたい。
#23
○国務大臣(福田赳夫君) 本会議のときからそのようなお話を承るんですが、私は、私の立場を別に申し上げる意図はございませんけれども、客観的に、国際的には日本の経済政策というものは非常にうまくいっている、第二の奇跡が日本に実現したとこれまで言われているんですよ。つまり、あの石油ショック、あの直後の日本の経済というのはもう崩壊寸前というくらいな大きな打撃です。それがもうそれから三年でしょう。三年で大体国際収支の問題も他の国から黒字責任論だなんという言葉が出るくらいの改善をしておる。
 物価はどうだ、こう言いますれば、とにかく四月の時点で言えば、卸売物価ですね、年間上昇率三・六%、それから消費者物価が八・四%というところまで来ておるんです。今後これから成長はどうだと言えば、五%台、これは先進工業国の中で一番高い成長を示したわけです。それにもかかわらず不況感というものがあります。つまり、三年越しのとにかく低成長でございます。そういう中で設備に遊びが出ておる、あるいは人手に遊びが出ておるという企業が多いんです。そういう結果賃金の負担、またその金利の負担、これが重く企業にのしかかる、そういうようなことで、不況感というものが相当強く漂ってはおるのでございまするけれども、私は、五十二年度というこの年にはこれが大体解決できる、こういうふうに考えておるのであります。
 何か、公共事業を使ったら、これは土建屋しか潤わぬじゃないかというようなお話がありますが、これはそうじゃないんです。公共事業というものは、これは景気の側面以外のことを申し上げれば、国民の財産としてそれだけ残っていくんですよ。しかもわが日本は、下水道なんかとってみますればこれは後進国だ。その後進国がだんだん公共事業を通じて先進国になっていくんですから。住宅だってずいぶんおくれております。これもだんだんと整備されていくんです。それから地方の道路、こういう状態を見ましても、これも大変おくれておる。
 それで、公共事業を何とか進めなきゃならぬというやさきにこの不況、ですから不況対策といたしましては、公共事業を用いるというと、そういうわが国の社会、生活環境を整備するという意味もあるんですが、同時に、この事業をやるということが物の需要を喚起するという効果は一番これは強いです。そして直接的である。この五十二年度予算では実に十兆円の公共事業を行うわけであります。しかも、その半分の五兆円を四、五、六の三カ月でこれはひとつ契約をしちゃおうと、こういうんですから、私は、この一両月の間にかなり景気の動きに顕著な改善の動向が出てくるということを、確信をいたしております。
 他方、物価の問題につきまして、これは気をつけなきゃいかぬ、これはもちろんであります。昨年あたりの物価が思わしい状態じゃなかった。これは季節的な問題もありまするけれども、物価を上げておる要素は二つあるわけです。需給の問題とコストの問題。
 需給関係は、不景気ですから物価にはよい影響はありますものの悪い影響はない、これは無視してよろしい。ところが、コストの問題から見ますと、昨年はコストの大きな要因は、一つは賃金です。やっぱり賃金が八・八%ですか、上がったんです。これは物価を押し上げる要素になるわけです。それからもう一つは公共料金です。国鉄で、とにかく国鉄再建ということで五〇%の値上げをしなきゃならぬ、これも響く。それから電電料金をおととし上げましたが、その余波というものが去年は相当強く響いてきたわけでありますが、公共料金的要素。
 それから、昨年の上半期は海外の市況が非常に活発でございました。そういう関係から、海外からの輸入の品物の値上がりというものも見られた、そういうような状態がありましたが、さて、ことしを展望してみますると、もう国鉄料金、皆さんがずいぶん御論議になっておられまするけれども、これは引き上げを政府案どおりに実行いたすにしても、五〇%じゃないんです。これは一九%なんです。電電問題はもうありません。そういうようなことで、公共料金というものが一山越しておるんです。そういうことがある。
 それから、もう一つは円の価値、これが国際収支が改善されたというのに伴いまして高くなってきておる、これは輸入価格はそれだけ安くなる、こういうことでございます。したがいまして、これもいい影響がある。異常天候、これがあるかどうか、これは予断はできませんけれども、これが普通の年であるということになれば、物価安定の傾向への要素の方が私は強いんじゃないか、こういうふうに見ておりまして、何とかしてことしは消費者物価上昇率七%台にこれをとどめたい、こういうふうに考えており、また、それを実現できるのじゃないか、こういうふうに見ておるわけであります。
 それから、経済の成長につきましては、ことしはとにかく公共事業中心の予算を編成した、そしてこれが動き出す、これが一波万波を呼びまして民間の経済活動も逐次活発化していく、こういうふうに見ておりますので、私は六・七%成長ということを言っておりまするけれども、その程度のことは必ず実現可能であり、また、これは実現できる、こういうふうに考えております。
 その後の経済につきましては、つまり安定成長、あんまり突拍子もなく成長の高さが高くなるということもなく、あんまり低くなるということもなく、なだらかに伸びていくというようにしたいし、同時に、安定成長と私は申し上げておりますのは、そういう成長の高さ、低さの問題、それもありまするけれども、この成長の内容を充実していきたい、こういうことなんです。いままでは産業中心の経済、こういうことでございましたけれども、産業をもとより軽視するわけじゃございませんけれども、産業中心から生活中心、そういう方向へ国民経済の中心を移していきたい、こういうふうに考えておるので、ぜひその方向を定着さしたいというのが私の念願でございます。
 そういう中で、景気政策の一つとして公定歩合の引き下げがあった、それに伴いまして預貯金金利の引き下げをやる、そうすると目減り問題というのが起きてくるじゃないかという御批判でございますが、確かに私は、目減り問題という問題が起きてきており、さらに預貯金金利の引き下げによってそれが顕著になる、こういうことになると思うんです。しかし、いま世の中全体を考えてみるときに、経済活動をここで活発にしておくということをいたさないと、社会全体に相当大きな混乱が来るだろう、こういうふうに憂慮しておるんです。そのためには景気政策をとらなきゃならぬ。景気政策は公共事業一本じゃまあ足らないところがある、そこで金融政策もこれと並行しなきゃならぬ。金融政策としてどういうことをしなきゃならぬかと言うと、もう金融の量をふやすというのは、これはそう必要はないんです。というのは、金融の量的な問題につきましては、十分に金融界はその機能を尽くしておるわけであります。
 問題は、その金利なんです。先ほども申し上げましたが、企業一つ一つは重い金利で苦しんでおる、その金利負担を軽減をするということ、これが必要になってくる。そして、とにかく景気を回復しなければ財政の方もうまくいかぬし、また、国家の諸政策も進まない。そういうようなことを考えますときに、私は、その預貯金金利の引き下げによって目減り問題という深刻な問題がある、それはよく承知しておるところでございますが、ひとつ国全体をよくするためだ、御協力願いたいという気持ちであの預貯金金利の引き下げということに踏ん切りをつけたわけです。ただし、零細ないわゆる社会保障対象の人々の預金がそういう政策の犠牲になるというようなことは、これはよくない、こういうふうに考えまして、ここにおる坊さんなんかは大分抵抗したんですが、ひとつ踏ん切ってもらいたいというので、この方の預貯金の金利はこれを据え置きとする、こういうことにいたした次第でございます。
#24
○峯山昭範君 私は、きょうは特に、現在全国民が注目をいたしております日ソ漁業交渉の問題についてお伺いをしたいと思います。
 昨日来、非常にあわただしい動きがあったわけでございますが、総理のこの日ソ漁業交渉に対する見通しについて初めにお伺いしたい。
#25
○国務大臣(福田赳夫君) 日ソ漁業交渉はことしは特別な年なんです。毎年毎年日ソ漁業交渉というのがある。これはサケ・マスを中心とするいわゆる北洋漁業交渉でございます。それに加えましてソビエトが二百海里漁業水域を設定するということに伴いまして、日ソ間において、ソビエト水域内において日本の漁業をどういうふうに扱うかという問題、逆に今度は、わが国もまた御協力を得まして二百海里漁業水域を設定するということになりました。その二百海里漁業水域の中でソビエトがいかなる操業をするかという問題を決めなけりゃならぬ、そういう問題が新たに出てきたわけでございます。
 その中で、いままで漁業交渉をずっとやってまいりましたのはサケ・マスの北洋漁業の問題、これが一つ、それから、わが国の漁民がソビエトの漁業水域の中でいかなる操業をするかというその問題でありまして、ソビエトの方がわが国の水域において操業をするという場合の交渉は、まだ今後の問題として残されておるわけです。そういう状態でありますが、わが国のこの漁業交渉全体に臨む基本的な考え方は、第一、これは漁業交渉の過程において、わが国がかねてソビエト連邦に対しましていわゆる北方四島、これはわが国の固有の領土であるという主張、これを損なわないこと、それから第二は、わが国にとりまして北洋漁場は、これは非常に重要な漁場になっておるわけであります。この北洋漁場におけるわが国の伝統的漁獲量をできる限り確保する、この二点がわが国のこれらの交渉に臨む基本的な方針であったわけであります。
 北洋サケ・マス漁業の方は、もうしばらく前に大体決着がつきまして、ただその調印を待つのみという状態になったわけでありまする。ところが日ソ、つまり日本がソビエトの漁業水域内において操業するその仕方を決めるところの日ソ漁業暫定協定、これが意外に長引いた。なぜ長引いたかと申しますと、ソビエト側の引く漁業水域、これの決め方いかんによりますと、私が基本的なわが国の方針であると申し上げました第一の領土主張の立場を阻害することになりかねない。そういうことで、交渉をやっている間に領土問題に絡まりを持ちかねない、こういう空気が、動きがありましたので交渉が長引くということになったわけでございます。
 ところが、昨晩深夜になりましてから、ソビエト側がわが国の主張であるわが国の領土的立場、これに対する理解、これを示すようなことになってまいりまして、ここで妥結して結構だろう、こういうふうに考えられることになってきたわけであります。非常にむずかしい交渉でありましたが、領土は領土、漁業は漁業、こういう扱いにしたいというわが国の基本的姿勢というものが最終的には貫かれた、こういうような結末になりましたわけでありまして、これは結局、与野党を挙げて領土的な問題に関するわが国の国民的主張を援護くださった、国民もまたこれに協力してくださった、こういう結果である、こういうふうに考えて、この機会をおかりいたしまして御礼を申し上げたい、かように存じます。
#26
○峯山昭範君 確かに私は、戦後幾つかの問題で、与野党一致して支援して、そして国民的合意を見出した問題は少ないと思いますね。そういうような中で――総理、総理の説明は非常に長いので、できるだけ簡単に、端的におっしゃってほしいわけです。
 実は私、この問題暫定協定ですね、一応新聞の報道等では二十一日、あす仮調印の見通しだ、こういうようになっておりますが、仮調印の見通しについてはどうですか。
#27
○国務大臣(福田赳夫君) これは、日ソ両国が条文の突き合わせを十分にいたしましてその上というようなことになりますので、きょうじゅうに仮調印というふうにいきますか、これは昨晩深夜検討のときの見通しですよ、つまりそのときの時点の問題でありますが、きょうじゅうにいきますか、あるいはあさってにずれ込みますか、このようなことでございましたが、ただいまこの時点における見通しにつきましては、まだ私は、定かに承知をしておりませんです。――いま外務省の方に確かめたところ、明日または二十三日月曜日ということになるだろう、こういうふうに申しております。
#28
○峯山昭範君 そうしますと、あすか二十三日仮調印をされると。それでまず総理、これは内容等についてはもうここまできたわけですから、これから新たにまた何か出てくるなんていうことは考えられないわけですね、これはどうです。
#29
○国務大臣(福田赳夫君) もう新しいむずかしい問題が出てくるというふうには私は見ておりませんです。
#30
○峯山昭範君 これはもともと十八日にはもうすでに大体まとまっていたわけですね。それが突如ソ連側の方から、昨日ですか、おとといですか、修正案が夕方出たわけですね。その修正部分というのはどういうことだったのですか。
#31
○国務大臣(福田赳夫君) これはまだ公開できない段階と思うんです。この交渉の経過についてどういうふうな公開をするかということにつきましては、日ソ両方で打ち合わせをしなければならぬ、恐らくまだ打ち合わせは済んでおらぬ。したがって、せっかくのお尋ねでございまするけれども、どういう内容の提案があり、またどういう内容の再提案があったのだと、このことにつきましてはまことに申しわけございませんけれども、お答えいたしかねます。
#32
○峯山昭範君 大体、報道機関ではこの点については言われているわけですけれども、総理、これは私は対ソ外交の面から言いましても、国民のバックアップがあって当然政府も力を入れて交渉ができる。国民に理解してもらうためには、その中身についてはもうどんどん公表していい。その交渉がうまくいくいかぬは別にして、私はうまくいかぬというのは困りますけれども、やはり国民の理解を求めるためにはその中身を公表する必要があるんじゃないか、実際問題はそう思うんです。そして、修正案が出て非常に関係者がびっくりして、それでその後、またその修正案の訂正が行われた、こういうふうになっているわけですが、その後の方についてはどうですか。
#33
○国務大臣(福田赳夫君) 内容をここで申し上げるわけにはいかないんですが、要するに一昨日ですね、ソビエト側で提案をしてきた、それを素直に受け入れるということになりますると、わが国の領土的主張、これを傷つけるというがごとき性格なものであったわけであります。したがって、昨日の交渉におきましては、ソビエト側の提案はこれを拒否する、こういう態度をわが方としてはとったわけでありまして、それに対してソビエト側は新たに提案をしてきた、それにつきまして政府としては検討いたしましたが、これならばわが国の領土的な主張にいささかも傷つくところはない、こういうふうに判断し、鈴木農林大臣に対しまして、それでまだいろいろ付帯意見もありますよ、ありますが、大筋はそれで妥結してしかるべきであるという訓令をいたしたわけであります。
#34
○峯山昭範君 そうしますと、総理、これはなかなか正味お答えできないようですから申し上げますが、初め合意していた文章からソ連側がちょっと引っ込めてきましたですね、これは全く前のいわゆる合意されていた暫定協定の中身に返ったわけじゃないんでしょう。ある程度削除するなり何なりやったわけですね、これはどうなんですか。
#35
○国務大臣(福田赳夫君) 一昨日、双方で双方の首脳部に請訓をしようと、こういう案が両大臣の間で決まったわけなんです。ところが、それがソビエト側におきましてひっくり返っちゃった、そして新しい提案が出てきた。その提案を見てみると、これはとうていわが方としてはのみ得るものではないというので、昨日それを拒否するということになったんです。そうすると、またソビエト側では新しい提案を持ってきた、こういうことになるわけであります。
#36
○峯山昭範君 いわゆるソ連側の修正案というのは、これは中身は言わないんで、総理、いま私たちの手元に報道機関からのいろんな情報で提供されているのは、この暫定協定というのは第一条から第九条まで一応なっているわけですね、そうですね。
#37
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりでございます。
#38
○峯山昭範君 そうしますと、問題になったのは第八条でございますね。
#39
○国務大臣(福田赳夫君) 大体そのとおりでございます。
#40
○峯山昭範君 そうしますと、その第八条の一部を修正して決着をつけるようにきのうは訓令をされた、こういうことですか。
#41
○国務大臣(福田赳夫君) 第八条と申しましても、これは日ソ両国で意見がありまして流動的だったんです。ですから、決まったその第八条というものがあるわけではないのであります。これは全く領土問題とは関係のない問題の書いてある条項ですが、その条項を何とか利用いたしまして、領土問題、これはこの漁業問題とはかかわりのないものであるという性格のものにするかどうか、こういう議論があったということは御紹介申し上げて差し支えない、かように存じます。
#42
○峯山昭範君 これは総理、その点はわれわれ総理から詳細に説明をしていただけませんので、報道機関の報道によるしがなかったわけですが、第八条の内容を読んでみますと、本協定は、国連第三次海洋法会議で検討中の海洋法の問題に関しても、それに関するその他の問題に関しても、両国政府の立場と観点にいかなる損失をも与えないものとする、こういうふうな文章が報道されております。それで、この中の「その他」というところを削除した、こういうふうに聞いておりますんですけれども、これは非常に重要な将来の問題として、総理が先ほど二百海里問題とからんでこの暫定協定が長引いた根本の理由の中に、北方、いわゆるわが国固有の領土の問題が含んでいると第一点でございました。この問題とからんで、私は、やはり今回の協定が報道されている中身で考えてみますと、特に第一条、第二条はソ連側の主張を全面的に認めているわけですね。そういうような意味でいきますと、第八条のこれを抜くということについては、かねがね総理が主張していた領土問題の主張が弱まっていくんじゃないか、これはやはり厳として、そこらのところの問題についてはこれを抜いても大丈夫という判断ですね、ここらのところはもうきちっとされたわけでしょうか。
#43
○国務大臣(福田赳夫君) その辺は、わが国の国益にかんがみましてきわめて重大なところでございますので、慎重に検討をいたしました結果、わが国の領土的主張をいささかも傷つけるものではない、こういう結論に到達した次第でございます。
#44
○峯山昭範君 これは総理、当然、この暫定協定が調印されますと国会に報告される予定でございますね。
#45
○国務大臣(福田赳夫君) もちろん国会に詳細に御報告しなければならぬし、それからその前に、これは各党に対しまして概要の御報告をいたしたい、そういうふうに考えております。
#46
○峯山昭範君 そうしますと、とりあえず両大臣の仮調印は二十一日か二十三日に行われる、そういう見通しは立ったわけですけれども、あと漁獲量の問題やいろいろまだありますね、交渉事項が。そうしますと、実際問題相当いろんな期間があとかかるであろうとわれわれ思うんですが、そこら辺の見通しについてはどうですか。
#47
○国務大臣(福田赳夫君) まあ日ソ漁業暫定協定ですね、つまり日本がソビエト水域において操業をする、こういう点につきましては、これは大山を越したです。残るのは何かというと、これは漁獲量の問題になってきておるわけであります。この漁獲量の問題は、かねてからずっと論議をしている問題でありまして、決着をつけるのにそう時間はかからぬ、さように見ております。
#48
○峯山昭範君 国会の会期も、総理、来週いっぱいなんですが、間に合いそうですか。
#49
○国務大臣(福田赳夫君) この条約の条文の整理、それをするわけでございまするから、これは若干の時日がかかると思うんですが、ぜひこの国会に御審議をお願いし、御承認を賜りたい、そういうふうに考えております。
#50
○峯山昭範君 非常に私は、国民注目の的ですからこの点はがっちりしていただきたいと思うんですが、実際問題として、もしこの問題が間に合わないとすれば、会期の問題については考えざるを得ないということになるんですか。
#51
○国務大臣(福田赳夫君) まだ会期末までには十日ばかりあるわけでありますので、いま会期問題云々ということは私の念頭にはないんですが、何とかひとつ早く御提案申し上げまして、そして御理解を得て、ひとつ御承認賜りたいというふうに存じております。
#52
○峯山昭範君 それではさらに、これと絡みまして平和条約の交渉の問題ですね。これは今回の暫定協定の交渉を初め、日ソ交渉の中でやはり何とかこの問題を早く片づけないと、この問題が出てくるたびに重要ないわゆるそのしわ寄せを漁民に全部かぶせられるということになるわけですけれども、総理としてはソ連との平和条約の交渉、この問題についてはどういうふうにお考えでございますか。
#53
○国務大臣(福田赳夫君) ソビエトとの間の平和条約交渉は、できればもうなるべく早く締結したいと思っております。この平和条約交渉において論議される問題、これは若干ありましょうが、論議らしい論議となるのは北方領土問題だけだ、こういうふうに思うんです。これはしかし、わが国の主張もかたい、ソビエト連邦側の主張もかたいですから、そう簡単に折り合いがつくというふうにも思いませんけれども、とにかく、漁業問題とは切り離してそういう問題の論議を進めていきたい、かように考えまして、ことしの後半期におきまして、外務大臣を訪ソさせるということを考えております。
#54
○峯山昭範君 総理、私は、今度の漁業交渉に絡んでもそうでございますが、国の姿勢としてやっぱり、国民のバックアップというものが非常に大きな重大問題になってくる。それが国論が統一してきちっとしていないと、こういう交渉事も非常に弱い。そういう意味では、平和条約交渉の対外的な問題は別として、国内における国論の統一という問題もあります。いわゆるそういう問題については総理はどうお考えです。
#55
○国務大臣(福田赳夫君) 今度このむずかしい漁業交渉が、わが国が最も強く主張した漁業と領土問題とは別なんだ、こういう路線の上で妥結に至っておる。これは考えてみると、やっぱり超党派で各政党が御協力してくれたこと、それから国民の圧倒的な多数の方々が声援を送ってくれたこと、これによると思うんです。でありまするから、今後ともむずかしいそういう案件、これにつきましては、ぜひこの体制でいかなければならぬなと、さように考えております。
#56
○峯山昭範君 そこで総理、今回のこの問題について、特に国益という問題があります。この大きな国益のために、それこそ歯を食いしばって耐えてきたいわゆる北洋漁民がいるわけですが、こういう方々に対する補償の問題、こういう問題については、総理はどのように対処していかれるおつもりですか。
#57
○国務大臣(福田赳夫君) 関係漁民の方が、とにかく歯を食いしばってくれたと思うんですよ。国益を守れ、おれたちの立場はおれたちの立場としてひとつ考えろ、こういうことでありましたが、私は、この漁民の心持ちを十分くんで、漁民のよって受けるところの損害に対しましては十分の手当てをしなければならぬ、こういうふうに考えておりまして、その実行をいま急いでおる、こういうことであります。
#58
○峯山昭範君 それからもう一つは、この問題と絡んで魚価の高騰という問題があります。特に国内の消費者を守るためのいわゆる対策ですね、この点については総理どうです。
#59
○国務大臣(福田赳夫君) ことしの漁獲ですね、一部の魚種におきまして、漁獲高が前よりも減少するという動きがありまして、その結果、魚価の高騰ということがありました。しかし、日ソ漁業交渉が始まりましてから、私は特に魚価の動きというものに注意を払いながら見守ってきておったんですが、格別変わった動きも見られない。しかし、他方において、漁業交渉が長引くという展望がだんだんと私の頭の中を去来する、こういうふうになってきたわけであります。そういうことでありますので、これは予防的措置をとっておく必要があるな、そういう考え方から、農林省、経済企画庁に指示いたしまして、場合によれば、変な動きが出てくるというような状況があれば、これは買い占め売り惜しみ法の発動をいたしますということをひとつ声明しておいてもらいたい、同時に、これを必要な場合には発動するための実際的な準備も進めてもらいたい、こういう要請をしたわけであります。
 また同時に、そういう法発動というようなことにならないように業界関係者の協力を求めて、そんなことにならぬことが最善でございまするから、しばしばそういう方々に御参集願い、昨晩も農林大臣、企画庁長官が関係者を集めまして、変な動きのないように協力を求めた次第でございまするが、今後とも、魚価の動きに対しましては厳重にこれを見詰めてまいりたい。このために、魚価の混乱が起きないということにつきましては十分の配慮をしていきたい、そういうふうに考えております。
#60
○峯山昭範君 最後に総理、私はあと二つお伺いして終わりたいと思います。
 一つは、きょうの本会議でも質問がございましたが、いわゆる海外経済協力の問題です。これは賠償問題を含めまして東南アジアの四カ国、あるいはASEAN諸国に対する日本の経済援助、これは総理、現実の問題として、先般から国会でも問題になっておりますように、賠償として輸出したいろんな問題、たとえば地下鉄とかYS11とか、あるいは船舶とか、そういうものが非常に高いお金で輸出されていたり、あるいはこれは事実であるかどうかということは別にいたしまして、総理、そういう問題が現実に提起されているということですね。
 そういう意味で私は、非常にこれは今後のあり方として、いわゆる日本に対する地元の人たちの、そういう国々の人たちの感情という問題かありますね。こういうようないろんな問題に対日感情が非常にそういう点では悪い。そういうふうな問題も絡めまして、日本の基本的な姿勢というものはどうあるべきか、この点についてはやっぱりいろんな角度から検討をしなけりゃならない、いままでと同じような姿勢ではいかない、こう思うんです。この点が一つ。
 それからもう一つは、総理、総理は先般のあのロンドン会議で、東南アジア諸国を訪問する、そういうようなことを表明されたということが報道されております。これは現実の問題として、ASEAN諸国、ASEAN五カ国ですか、を訪問されるという場合、総理は現在、いつごろ訪問することを考えていらっしゃるのか、また、その日程がわからなければ、いつごろにしようと考えていらっしゃるのか、その計画等についてはどうなっているのか。
 これも私は、前々総理の田中さんが現実にASEAN五カ国を訪問されて、それで非常に勧迎されなかった国もある。一部の人たちとおっしゃるかもわかりませんが、いろんな問題も起きた。そういうふうないろんな問題とも絡んで、これは総理が現実にそういう東南アジアのASEAN諸国を訪問される場合、前々総理のいわゆる轍を踏むわけにはいかない。現実の問題として日本としてはどういうような姿勢でいくべきであるのか。これは総理のやっぱり基本的な姿勢、これからの日本の対外援助のあり方等も含めて大きな問題であると思います。この点をお伺いしておきたいと思います。
#61
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、なるべく早い機会に東南アジア諸国、特にASEAN、ビルマ、そういう国々を訪問してみたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 一つの機会は、八月上旬にASEAN首脳会議というのが、これはクアラルンプールにおいて開かれるわけであります。その機会に、その会議に私が出るわけじゃないんですよ。会議に出るわけじゃないんでありますが、首脳が一堂に会するというから、それが開かれる前とか、あるいは終わった後とか、そこへ行って一度でそれらの方にお目にかかり、また、ついでというか、その際、その前後にそれらの国々を訪問するのも一つの機会じゃなかろうか。あるいは、そのASEAN首脳会議の前後というと、首脳も前なら前でその準備のために忙しい、後なら後でまだ帰っておらぬとか、そういうようなこともありはしないか、そんなようなことも考えますと、そういう機会にASEAN諸国訪問がさて適当なものかどうかとも考えられるので、それならば秋ごろにするか、別の機会にするか、その辺を相手国の都合もいま伺いながら日程を考えておるということであります。
 そして、それらの国々に臨むところの私の基本的な姿勢は、これはやはりこれらの国々の自助努力、これに対して協力をする、こういうことを基本にしたいと思うんです。わが国が何か援助を押しつける、こういうような態度をとっちゃいかぬ。自主的に国家再建の計画を持ち、これを実行するためにぜひ必要だというような場合において、わが国はできる限りその計画の実現を援助していく、こういうような姿勢をとりたい、かように考えております。
#62
○塚田大願君 私は、去る五月二日、あの領海法と二百海里法が農林水産委員会で採択されますときにも、福田総理大臣にこの日ソ漁業協定の問題で質問をいたしました。特に領土問題を中心に質問いたしました。そして今日の段階に来たわけでございます。総理は、本会議場におきましてもこの委員会の場におきましても、いろいろあったが、とにかく領土と魚を切り離すことに成功した、皆さんの協力に感謝する、こういうふうに言っておられるわけでございますけれども、少なくとも私どもが見た限り、まだまだこの交渉はかなり玉虫色である、あるいは一歩後退したのではないかという疑念すらはさまざるを得ないような点が多々ございます。
 そこで、きょうは改めてこの問題でまずお尋ねしたいのでございますが、当初政府は、わが国は二百海里法、つまり漁業水域法を設定すれば、大体北方四島においてはソ連と日本は領土の問題では相打ちである、相打ちするんだ、だから急いでくれというので、私どもも農林水産委員会で一生懸命に審議をいたしました、採択をいたしました。ところが、結果から見ますと、あの第八条が、漁業問題に限定するというあの条項、あるいは昨日は「その他」という字句、この問題もみんな消えてしまったということになりますと、このソ連の領土主張というものを結局追認してしまったことになるのではないかという疑問であります。これが一つであります。
 それから、次にお尋ねしたいのは第二条の問題であります。
 ソ連が日本の十二海里内の領海内で操業したいという、この要求についてははなはだあいまいである。ある一部の報道によりますと、国連海洋法会議まで保留すれば、国連海洋法会議で大体領海内の操業というものが認められるというふうな暗黙の了解の上に立って進められた、こういうことも言われているわけでございますが、そういう点で、大変昨晩までの交渉というのはまだまだ玉虫色で、どうも当初のわが国の主張、総理が国益に立ってと言って胸を張っておられました立場が大変あいまいではないかと思うのでございますが、それをまずひとつお聞きしたいと思います。
#63
○国務大臣(福田赳夫君) わが国の領土に関する主張というものは、きわめて明快にこれは損われなかったということを申し上げることができると思うんです。それから同時に、今度はわが国の領海内においてソビエトがどういうふうな操業ができるかという問題ですね、これはこれから先々、今度は日ソじゃなくて、ソ日漁業暫定協定というところで本格的には問題になってくるわけでございまするけれども、わが国といたしましては、領海内、これはわが国の主権の及ぶ地域である。この地域においてソビエト側が操業するということを許可するという考えは持っておりません。
#64
○塚田大願君 第二条の問題はさておきまして、この第八条では、もう一度確かめますが、去る四月七日に鳩山外務大臣が発言をいたしまして、魚に限ってソ連の二百海里を認めるんだ、こういうことで大変物議を醸したことは御承知だと思うのでありますが、どうもそういうところまで後退しているのではないかという感じでございますが、その点はどうですか。
#65
○国務大臣(福田赳夫君) 今度の協定は、ソビエト側の水域でわが国の側の漁業従事者が操業する、その態様を決めたわけでございます。これからいつになりますか、六月、七月ごろになると思いますが、今度はわが国の漁業水域においてソビエト側がいかなる操業をするかという、その態様を決めるということになるわけでございます。いずれにいたしましても、これは漁業に関することであって、そして領土問題につきましては、これは関係しない問題であるということが、お話のとおり、この日ソ漁業暫定協定においてきわめて明快にされておりますので、私は、私どもの主張が貫かれておるということは非常に明快である、こういうふうに考えております。
#66
○塚田大願君 総理は盛んに明快である、明快であると一方的に宣言されておるのでありますけれども、やはりこの第一条のソ連の二百海里の問題、二条のソ連の操業、十二海里内操業の要求の問題さらに第八条でああいう何となくあいまいなことで妥協してしまったということになりますと、日本にとっては余りメリットというものがなくて、ソ連には一応メリットがある、日本では余りメリットがないということになるんじゃないかという心配でありますけれども、その点も大丈夫でございますか。
#67
○国務大臣(福田赳夫君) それは私はそうは考えないんです。とにかく領土問題はわが国の主張は傷つけない、そういう立場において、ソビエトの漁業水域内において日本が操業し得ることが確保され、しかもこれからの問題になりまするが、漁獲の高までが決められるというわけでございまするから、それは決してわが国の損になる、そういうような性質の協定ではない、こういうふうに考えております。
#68
○塚田大願君 じゃ最後に、この問題に関連してお伺いしますが、今後のこの協定の批准ですね、先ほど仮調印は一両日中に行われるという話でございましたが、批准ということになりますと、どういう手続でおやりになるのか、お聞きしたいと思うんです。
#69
○国務大臣(福田赳夫君) 批准は、これはソビエトの方はどういうふうになりますか、わが国といたしますと、国会の御承認を得て批准という手続をとる、こういうことになります。
#70
○塚田大願君 その国会の承認に至る間、どんなふうな段取りで総理は構想を練っておられるのか、もしそれがお話しできるならばお聞きしたい、こういうことです。
#71
○国務大臣(福田赳夫君) 速やかに条文を法的に整理をする、それからまた御説明のために、漁獲量、これは非常に大事な資料になると思いますが、そういう漁獲量交渉、こういうものを速やかにやる、これはそう時間はかからぬと思いますが。そういうことを含めまして、速やかに協定案を成立化いたしまして国会に御提出申し上げたいかように考えております。
#72
○塚田大願君 一部の報道では、この問題で総理は各党代表、首脳会談を開きたいというふうなことが報道されておりますけれども、そのようなお考えはございますか。
#73
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、各党の絶大なる御協力を得まして、この困難なる交渉が、とにかくわが国の守るべき国益を踏まえてこのようになったということについては、心から感謝しているんです。そういうようなことで、早速けさ各党党首、宮本さんも含めましてお電話でとりあえず御礼を申し上げておいたわけでございますが、なお、まだ仮調印という手続までの準備ができておらないんです。先ほど申し上げましたように、あすになるかあるいは月曜日になるか、こういう段階でございますが、その前後の段階で、この内容につきまして、具体的にあるいは外務大臣かだれか、まあ一番よく知っている人から各党に御説明を申し上げたい、こういうふうに考えております。
#74
○塚田大願君 では、この問題は一応このぐらいで終わりまして、次に魚の問題をお尋ねいたします。
 まさにこの漁業、外には外交交渉、内では魚価の問題が大変やかましく論ぜられております。いまもちょっと問題になりましたが、総理は、買い占め売り惜しみ防止法、これをとにかく必要があればやるんだ、発動するんだということを言っていらっしゃるわけでありますけれども、この問題は私はそう簡単にいかないと思うのであります。とにかく今日の魚転がし、魚隠しというのは、まことに計画的といいますか、悪質なものでありまして、大手の水産会社が中心になってやっているというような、これはいわば常識になっております。
 そこで、この国会でも問題になりましたし、経企庁、農林省、運輸省、それぞれ対策をやっておる、こうおっしゃる。経企庁は魚価対策調査班をつくってやっておると。聞いてみたらたった十人だ。それで大した権限もない。それで、やりました、やりましたと胸を張っていらっしゃる。運輸省は倉庫を調べたとおっしゃる。しかし、倉庫は営業倉庫だけでありまして、大手水産の倉庫なんか何にも手がつかないのである、その程度のことである。農林省も同じようなこと。政府はずいぶん調べているんだ、任しておけ、いよいよとなればあの防止法を適用するんだとおっしゃるんですけれども、実際に口先だけあるいはポーズだけで、事はちっとも進んでいない、依然として魚価は上がっているんじゃないですか。消費者や国民にとっては、まことに怒りに燃えているというふうに言って差し支えないと思うんです。私ども毎日魚を食べておりますけれども、一つも下がってない。政府はやっておる、やっておると言う。
 そこで、東京都などは御承知のとおり、とにかく余り権限もないにもかかわらず、一生懸命にやっておるんですね。しかし、権限がありませんから、大した効果も上がりません。やっぱり私はそういう点で、政府の姿勢がただポーズだけつくって、ゼスチュアだけやっていればいいんだという、そんな甘いものではないということなんです、申し上げたいのは。ですから、やっぱりその点で、もう各省に任しておくんでなくて、総理が先頭に立って問題の解決に当たるというぐらいの決意が必要だと思うんで、そういう意味でこの買い占め売り惜しみ防止法、これを今日の段階でも、総理が、やるんだとここで一言おっしゃれば、これは私はかなり事態が進むと思うんですが、見解はいかがでしょうか。
#75
○国務大臣(福田赳夫君) いま塚田さんのおっしゃったようなことがあり得る、日ソ交渉でも長引いたらそういうことがあり得る、こういう心配がありましたので、私はいち早く農林省並びに各庁当局に対し、買い占め売り惜しみ法を発動するぞということを宣言してもらいたいというふうにして、しかも、その発動のための準備もしてもらいたい、こういうことで、各省庁ともその方向で動きをしておるわけであります。
 ただ、日ソ漁業交渉妥結というようなことにもなってまいりまして、気分はかなり落ちついてくる、こう見ておるんです。そういうふうに見ておりますが、とにかくこういう際でありまするから、私が先ほど申し上げましたような方向で万遺憾なきを期してもらいたいということを、もう毎日のように指示しておるわけであります。まあ遺憾なきを期したい、かように考えます。
#76
○塚田大願君 総理は、どうも毎日の新聞をごらんになっているはずなんだが、毎日の新聞で依然として魚が下がっていない、きょうの新聞だって各紙みんな書いています。それが実情です。総理は外交問題でそこまで目が届かなかったと言えばそれまでのことでありますけれども、国民生活にとって大事なこの問題が依然として一つも解決していない、落ちついているなんというものじゃないんですよ、総理。そういう意味で、やっぱりこれは各省庁云々じゃなくて、この場でもう私が陣頭指揮して問題を解決する、防止法の適用も直ちにやる、発動をやるんだと、こうおっしゃれば、これはもう政府あるいは業界にも大変大きな影響を持つのであって、ツルの一声ですよ、福田さんはやせているからツルだと言うわけじゃないけれども、ひとつその辺の決断を私は望みたいと思うんです。これはいいです、もう何回も同じことをおっしゃっているんだから。それを望むということ。
 そこで、第二の問題でありますけれども、これは大変時間がもうなくなってきましたが、ここが一番大事なことなんですが、政府がそういう消極的な姿勢をとっている原因が一つある。それは総理、自民党の政治資金団体である国民協会、こういうところ、あるいは総理自身の政治団体、あるいは閣僚の政治団体が大手水産会社から金をもらっているということが官報にはっきり出ているんですが、その点を総理は、知っておられますか、どうですか。あなたの政治団体が、金をもらっているんですよ、大手から。
#77
○国務大臣(福田赳夫君) そういうことがあろうと、こういうふうに思います。ただ私は、いわゆる福田派というのは解散をいたしまして、そうして福田派を支える資金団体、これももう解散の届けをしましたので、そっちの方はないんです。ただ私は、政界はもう二十五年になりますから、その間に多数の福田応援団というものが出てきておりまして、福田個人を中心とする後援会というものがあって、その中に水産業者も入っておるということ、これは私はそういうことはあり得る、こういうふうに思っております。
#78
○塚田大願君 もう時間がありませんから、後で――ここに私は官報から引き抜いて、ちゃんと資料を持っておりますが、たとえば大洋漁業ですね、これは業界第一の会社です、国民協会がこの数年間で千三百八十五万円もらっております。福田系の、福田さんの系統の新政治経済研究会は、これは少し古いですけれども、四十八年、前のことでありますが、二千二百万もらっております。園田さん――官房長官の直系の政治団体が八百万円、こういうことであります。日本水産、これは業界第二位の会社でありますが、国民協会が数年間で一千百万円、園田さんが百八十万円、鈴木農林大臣が二百万円。業界第三位の日魯漁業、ここから国民協会が九百十五万、鈴木農林大臣が百万、園田官房長官が四百万円、こういうふうに大手とつながっておるということです。ここにやっぱり一つ私どもは問題があると思うんです。
 これはいま自民党のことまで申し上げましたが、政府から言えば、それは法律で認められているんだ、合法的なんだとおっしゃるでしょう。でありますから、私はあえて自民党自身までは申しません。自民党の国民協会は、一切もらっちゃいかぬなんという、そういうやぼなことは申しませんけれども、少なくとも今日のような、外交的にも魚の問題が中心だ、国内的にもいま物価の問題で魚が中心だという時点におきましては、政府の閣僚、もちろん総理大臣を先頭にして政府の閣僚は、こういう大手の水産会社からの献金を断るというのが政治的、道義的責任ではないか、少なくともそういうふうに考えるのでございますが、このことを最後にお伺いしまして、私の質問を終わります。
#79
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、そういう問題は、何というか、良識というか、ほどほどというか、節度というもので解決しなきゃならぬ問題である、こういうふうに考えております。政治活動をやるには金が要ります。金は一体どこから調達するんだということになれば、個人であろうがあるいは企業であろうが、これは回しじゃありませんか。個人がどっさり金を持ってきた、そして何かやってくれなんというようなケースだってないと言えないんですから。ですから、節度ということが非常に大事なことじゃないか。根本的には金のかからない、きれいな政治が行われるような体制、そういうことに向かっての選挙制度の改革なんということは大変大事だというふうに思います。しかし、水産業界から何がしかの政治献金があった、そのことが、こういう事件が起こったからとがめられるというようなことでなくって、ほどほどのことを越えて、節度を越えて何か問題が起こっておるというようなことであればとがめられてしかるべきだ、こういうふうに思います。私は、どこまでも節度を重んずるという姿勢でこういう問題には対処していきたい、かように考えます。
#80
○塚田大願君 断るという気持ちはないということか。
#81
○田渕哲也君 現在、日ソ漁業交渉は調印を目前に控えておりますけれども、これはきわめて緊急性の高い問題でもあり、また、領土という国家百年の大計に影響する重要問題だと思います。したがって、あえてこの際、総理の見解をただし、また、私の要望を申し上げたいと思うのであります。
 総理は、先ほどの答弁を聞いておりましても、領土に対するわが国の立場をいささかも損なわない、このように述べられておりますけれども、私はそうは思えないわけです。なぜかといいますと、まず一つに線引きの問題があります。この線引きは、日ソ漁業交渉の案文では、ソ連最高会議幹部会令第六条とソ連政府の諸決定に基づく、こういう線引きについて合意をされるわけであります。したがって、今度はソ日漁業条約の交渉に際しましても、この線引きはあくまで前提となって、従来の相打ち論というものはもうすでに崩れたということになりますね。この点についてまずお伺いをします。
#82
○国務大臣(福田赳夫君) そうじゃないんです。どこまでも今度の協定は、これは日本側がソビエト水域に行って操業をする、その水域を決める、こういう性質のものでありまして、ソビエト側がわが国の水域に来て操業をする、こういうこととはいまかかわりがない、これからその次の問題は両国において協議をしなければならぬ問題である、そういうものでございます。
#83
○田渕哲也君 日本側がソ連の水域に入る場合の線引きとしてソ連の主張するラインを認めた。そうすると、ソ日漁業交渉では、日本はこれと違ったラインというものを主張されますか。
#84
○国務大臣(福田赳夫君) まあこれは、とにかくわが国はすでにもう二百海里法案というものを御審議いただいておる、こういう立場にあるわけでございまするから、わが国はわが国の立場に立ちまして二百海里漁業水域を主張する、こういうことになるわけであります。
#85
○田渕哲也君 そうすると、ソ日漁業交渉の線引きに当たっては、今回の日ソ漁業交渉の線引きとは全くとらわれないで、わが国の主張を出せるということですか。
#86
○国務大臣(福田赳夫君) これはわが国の主張で出すんですけれども、その交渉の経過が一体どういうふうなことになっていくかということは今後の問題で、また別個の問題です。わが国としては、とにかくわが国の国内法として、わが国の主張する領域全部に二百海里漁業水域をしくという態勢ができているんですから、その態勢を今度妥結した漁業協定で損なうということはないわけなんです。ただ、いま日ソですから、今度はソ日ですね、ソ日協定ができる場合にどういう表現になるか、その点は今後の問題になってくる、こういうことでございます。
#87
○田渕哲也君 では、確認しておきますけれども、ソ日漁業交渉におきましては、あくまで現在日本が主張する国後、択捉島も含めた、つまり日本領とした二百海里の線を主張するということですね。これは確認しておきたいと思います。
#88
○国務大臣(福田赳夫君) わが国はわが国で、国会で御承認をくださって二百海里漁業水域というものができるんですから、しかもわが国は、いわゆるこの四島についての固有の領土権を主張しておるんですから、それがわが国の漁業水域の基盤になるという立場をとることは、これは当然でございます。
#89
○田渕哲也君 では、もう一度確認しますけれども、ソ日漁業交渉において、日本の主張はあくまでそのラインである、国後、択捉を含めてわが国の領土とした場合の二百海里の線引きである、それでよろしいですね。
#90
○国務大臣(福田赳夫君) そういう立場で交渉をする、こういうことになろうと思います。ただ、これは今後の問題なんです。いま決めておるわけじゃない。
#91
○田渕哲也君 それから、私はもう一つ、領土の件においていささかも損なわないと思わない点は、領土に関する日ソの間の合意事項というのは、四十八年の日ソ共同声明というのがあります。この中では、「第二次大戦の時からの未解決の諸問題を解決して平和条約を締結することが、」云々ということがあるわけです。今度はこの内容については総理はまだ明らかにされておりませんけれども、報道によりますと、これについては「相互関係の諸問題に関しても、両国政府の立場と見解をなんら損なうものではない。」、まあいずれにしても玉虫色であることは間違いがありませんけれども、私は、この表現の問題で玉虫色が一層濃くなったという気がするわけです。第二次大戦後の未解決の問題というと、これは領土問題が含まれるというような趣旨に解釈しやすいわけですけれども、「相互関係の諸問題に関しても、」というふうな漠然とした表現になりますと、これはきわめて玉虫色の解釈ができる。恐らく交渉の過程で、ソ連はこの中に領土問題を含むという確認は、わが政府としてはされていないと思いますけれども、この辺の見解についてお伺いをしたいと思います。
#92
○国務大臣(福田赳夫君) 今度の漁業暫定協定は、これは率直に申し上げまして、わが国の立場をプラスしたものでもなくマイナスしたものでもない、ソビエトといたしましても、プラスしたものでもなくマイナスをしたものでもない、漁業交渉によって両国の領土についての主張、これにかかわりはもってこない、こういう見解であります。
 それで、いま後退をしたんじゃないかというような、あるいは玉虫色がさらに濃化したんじゃないかというようなお話がありますが、これは玉虫色が強くなったのでもなく弱くなったのでもない、こういうふうに率直にお答え申し上げます。
#93
○田渕哲也君 そうしますと、この点についても再度確認をしたいと思いますけれども、四十八年の田中・ブレジネフの日ソ共同声明のときに決めた線から、今回の漁業協定は領土問題では一歩も後退していない、そういうふうに総理は言い切れますか。
#94
○国務大臣(福田赳夫君) その点は明快に申し上げることができます。
#95
○田渕哲也君 それからもう一点、日本の主権に関する問題は、領海内の操業の問題があるわけです。これは今後のソ日漁業交渉の中で決められる問題と思いますけれども、総理は、あくまでわが国十二海里領海内のソ連の操業は認めないという基本方針を貫かれるのかどうか、この点を確認しておきたいと思います。
#96
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、今度領海を十二海里に拡大をした、これはわが国の主権の及ぶ範囲が十二海里まで拡大された、こういうふうに考えておるわけであります。わが国の主権の行使ということで、よその国の船に漁獲をさせるかさせないかということを決め得る問題だ、こういうふうに考えておりますが、私は、今度拡大されたこの領海内において他国の漁船が操業するということは認めない、こういう考えでございます。
#97
○田渕哲也君 時間がなくなりましたので、最後に要望を申し上げたいと思います。
 私は、この日ソ漁業交渉というものは、きわめてむずかしい交渉であるということはよくわかっております。しかし、魚をとるか領土をとるか、二者択一の立場というものも政府に迫られてくる。しかし私は、領土の問題はやはり国家百年の大計にかかわる問題である。だから、確かに魚の問題も重要です。また、漁民の立場というものの救済も政府としては万全を尽くすべきであります。しかし、そのためにいささかもこの領土問題で妥協してはならない。やはり腰を落ちつけ、腰を据えてソ連に対する交渉をすべきであって、国会の会期が迫っておるから急がなくてはならないとか、そういうことで余り左右されるべきではない、このように考えております。また、それに対する対応策としましては、漁民並びに漁業関係従事者の補償、救済という措置を、これはより手厚く万全の体制をとるべきである、以上の点を要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#98
○下村泰君 大変毎日頭の痛い問題で、総理大臣もお疲れのことと思いますけれども、私は、福祉問題に関してお尋ねをいたしたいと思います。
 第八十回国会における福田内閣総理大臣施政方針演説というこの中に、総理が福祉のところで、「真の福祉社会は、福祉の心に裏打ちされてこそ初めて成り立ちます。従来のように経済成長に多くを望むことが困難となった今日、真に社会の援助を必要とする恵まれない人々への心温かい配慮は、格段の重要性を持ってまいっております。私は、社会連帯の考え方のもとに、福祉対策を着実に前進させていきたいと存じます。」、こういうふうにお話しになったはずなんでございますが、総理は本当にこのようにお考えでしょうか、それともこれは国会対策用のお言葉なんでしょうか。
#99
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、心からそのとおりに考えております。
#100
○下村泰君 そうしますと、たとえばいまちょっとこれは社会的な問題になっておるんでございますけれども、ベーチェット氏病の厚生施設の問題で種々もめておるんですけれども、それは少しでもお耳にしていらっしゃいましょうか。
#101
○国務大臣(福田赳夫君) その話は私は承知しておりませんです。
#102
○下村泰君 承知していらっしゃらないわけですか。
#103
○国務大臣(福田赳夫君) いらっしゃらない方です。
#104
○下村泰君 いらっしゃらなければ御説明申し上げます。
 ベーチェット氏病というのは、大変これは発見は最近のことで、最近と申しましても昭和十二年でございますけれども、これはいまだに原因が不明で発病するものです。厚生省のちょっとした見解の誤りから、一時は伝染病ではなかろうかなどというデマが飛ばされました。しかし、いまでは伝染病ではないという完全な認定がされております。
 この病気は、口のまわりのやわらかいところですとか、あるいは目もとですとか、皮膚のやわらかいところ、たとえば外陰部でございますとか、そういうところに痛みを覚える潰瘍ができます。これを繰り返しているうちに今度は失明をします。発病した多くの方々がほとんど失明に及ぶわけです。最近は大変この方の専門家もいらっしゃるようになりまして、完全失明とまではいかないまでも、大体その線を抑えられるような結果にはなったんですが、この方たちが埼玉県の秩父市の郊外にリハビリテーションの施設を設けようとしたんですが、地元の反対でだめになりました。そして当事者同士がお話し合いになりまして、今度は同じ埼玉県の江南村の小原療養所というところの敷地の一角を借りることになったんですが、ここでもまた反対運動が起きて、その要求書を白紙に戻せというような署名運動まで起きて、その署名運動が完遂して、またまたここでこのリハビリテーションの施設ができなくなりそうだという、いま現状がそこまで来ているわけです。
 このベーチェット氏病協会というものをつくった方は、神田の三崎町で三崎町医院というところに勤めていらっしゃる福山正臣さんというお医者さんなんですが、この方の義理の妹さんがやはりこの病に冒され、見るに忍びず、おれはこの道に一生をささげようということで、私財をなげうっていまやっておるんです。法人組織にはしたんですけれども、いまや金庫には一銭もない。この方は銀行から個人的に借金をしてこの福祉施設を何とかして建てようと努力なさっていらっしゃるんです。ところが、すべていま申し上げましたようなことで隘路になりまして、もう目先真っ暗になっております。
 このリハビリテーションのことについて、いっか予算委員会で質問させていただきましたところが、国立の視力障害センターでそういう方々を収容しておると。ところが、国立視力障害センターというところでは――ベーチェット氏病の場合には症状が出てくるんです。そのために、病人は扱えない、この視力障害センターは。ですからここにも入れない。東京医大に在学中に視力をなくしました田中一郎さんといいまして、この方は国立の東京視力障害センターの教官を兼ねております。この方は完全なめしいでいらっしゃるんですけれども、いまでも講師を続けております。アメリカのワシントン州の州立大学の医学部に留学しまして――あちらでは日本にはない、職場に勤めていて途中でお目が不自由になられても、またその職場へ復帰できる、つまり原職復帰のできるようなリハビリテーションの施設が向こうには完備されているが、日本にはない。この先生を初めとして帝京大学医学部の第二内科の清水保教授、この方々も協力なさって、病気を治しながら社会復帰のできるような施設、それを望んで秩父市の郊外にできるようになったんです。ところがこれが全部だめになったんです。いまはどうしてもこれを完遂しようとするならば、国有地の払い下げをしていただかなければ、ある程度の土地も確保できませんし、いま私の申し上げたような内容を持った更生施設ができない、これが現状なんです。これで総理、ひとつ何かこういうことで総理の方から御助言がいただけるものなんでしょうか、いただけないものなんでしょうか、御意見を伺いたいと思います。
#105
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、そのベーチェット病というものを初めて伺うわけで、この状況を詳しくしませんので、いま厚生省の方から状況をお話をさせまして、その上で私の判断を示します。
#106
○政府委員(曽根田郁夫君) ただいまお話のありましたベーチェット病関係の施設建設の問題は、御指摘のようにいろいろ事情がございまして、大変遷延しておったのでございます。三月末に、埼玉県知事の非常なお骨折りによりまして最終の候補地が一応決まったのでございますが、必ずしも地元の村に対する、何といいますか、説明その他手順に多少問題かあったようでございまして、いま御指摘のような一部反対があるというふうに私ども聞いております。しかし、この段階で、これはせっかく県知事が責任を持って推薦されたところでもございますので、いま私どもがすぐどうこうということをすることは、かえって混迷を招くおそれもございますので、しばらく事態を静観いたしたいと思いますが、これは先般予算委員会で先生が御指摘になりましたように、必要とあれば、私どもが現地に乗り出して調停の努力をいささかも惜しむものではございません。なお、この施設は、仮に敷地が最終決定いたしまして施設整備をするにいたしましても、これをどういうふうに運営していくかについては、非常にいろいろとむずかしい問題があろうかと思いますけれども、その点は、私どもはできる限りの協力をいたすつもりでございます。
#107
○下村泰君 いまのお答えは、昨年実は、法務委員会で私はこれを扱ったことがあるんです。これは総選挙の前です。そのときと同じ答えなんです、いまのお答えは。あれからちっとも進展していないんですよ。この方たちはどんどんふえているんです、この患者は。事務要局の調べでは、すでにもう一万五千人、そしていまこのベーチェット氏病協会の方に種々の問い合わせが来ているんです、いつどうなるのか、どうしてまだできないのかと。これは患者にとっては切実な心の叫びなんです。
 それで、埼玉県がやっているから、埼玉県の方に持っていったから厚生省は手が出せない、政府当局の方としても手が出せない、それは地方自治体に任せるべきであると、こういうようないままでのずっと御返事なんです。ところが、社会復帰を目指そうとして、この病に冒されている人は、日一日が地獄のさたなんです、これ。ですから、ここで本当に福田総理が、神の声か天の声か、あるいは仏様になれるか、あるいは地獄の使者になるか、これは二つの分かれの一つの道をひとつ選んでいただきたいと思うんですがね。何とかして政府の方の御援助をいただいて、国有地の払い下げでもして、そういったすばらしい施設ができるようなぐあいにはならないものなんでしょうか。
#108
○国務大臣(福田赳夫君) 経過は、ただいま社会局長から申し上げたとおりでございますが、国有地というお話でございますが、国有地とてそういま残っておるものは非常に少ないんです。それから国有地に持っていくにいたしましても、その周辺の地域住民との間に回しような問題があるんだろうと、こういうような感じがいたします。しかし、非常に深刻な問題であるようでありますので、厚生省を督励いたしまして、何とかその気の毒な人たちのお役に立つようにいたしたい、かように考えます。
#109
○下村泰君 ぜひひとつこれは実現させていただきませんと、この方たちにとっては大変な苦しみなんですよ。先ほどお尋ねしましたら、総理は、いや、わしは丈夫ぶだから、何の因果か知らないけれどなんておっしゃっていましたけれども、丈夫な方は結構なんですが、患っている方にとってはそれはもう大変な問題なので、できるだけひとつ早く実現するように、厚生省の皆様方にもお願い申し上げておきます。
 野球好きのある人がこう言っていました。福田内閣というのは、守るときは張本で、打つときは三振王だと、こう言っておりました。どうぞひとつそういうことのないように、守備もきちんとしていただいて、数々のクリーンヒットを飛ばして三割打者になっていただきたいと私は要望して、質問を終わらせていただきます。
#110
○委員長(鈴木力君) 福田内閣総理大臣、御退席していただいて結構でございます。
 他に御発言がなければ、昭和四十八年度決算外二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#112
○委員長(鈴木力君) それでは、昭和四十八年度決算外二件につきましては、これを一時中断し、次に、昭和四十七年度決算につきまして、内閣に対し警告の議決を行いましたが、その警告に対し、内閣のとった措置などにつきまして説明を聴取いたします。坊大蔵大臣。
#113
○国務大臣(坊秀男君) 昭和47年度決算に関する参議院の審議議決について講じました措置の概要を申し上げます。
 政府は、従来から決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいったところでありますが、昭和47年度決算に関する参議院の審議議決について、各省各庁において講じております措置を取りまとめてその概要を御説明申し上げます。
 1 国会の国政調査権につきましては、政府としては、従来からこれを尊重し、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考えており、今後とも、可能な限りこれに協力してまいる所存であります。
 なお、田中角榮氏及び同氏のいわゆる関連企業等の資産問題に関する国税の課税関係につきましては、見直しのための調査を完了し、その結果に基づき必要な措置を講じ、昭和50年5月7日両院決算委員会に対し報告したところであり、今後とも、税務の運営に当たっては、国民の納税道義を高め適正な自主申告と納税を期待するため、税法の適正な執行により一層適正公平な課税の実現に努力していきたいと考えております。
 次に、信濃川蓮潟地区の廃川処分問題につきましては、議決の趣旨を十分に尊重し、国民の納得のいくよう適正に措置してまいる所存であります。
 2 輸出保険特別会計の経理処理につきましては、その適正を期するため、通商産業省内における輸出保険業務の改善を図る体制を整備し、業務全般にわたる合理化及び改善を推進しているところであります。この結果、すでに、保険料の徴収について原則として保険契約締結後翌月末日までに納入告知することとしたほか、監督関係の明確化、関係職員の研修の強化、電子計算機処理システムの抜本的改善のための作業などを実施し、適正な経理処理に努めているところであります。
 今後とも、事務処理体制について一層の整備改善を図り、経理処理の適正を期してまいる所存であります。
 3 石油コンビナート等における災害の防止等につきましては、政府としては、第76回国会に石油コンビナート等災害防止法案を提出し、その成立を見たところであります。
 この法律に基づき、石油コンビナート等特別防災区域を指定し、この区域内における事業所の新設等について規制を強化するとともに、関係事業者に対して防災施設及び防災組織の設置等を義務づけ、都道府県に防災本部を常置するなど、特別防災区域内における総合的かつ一体的な防災対策の推進に努めているところであります。
 さらに、消防法に基づく危険物の規制に関する政令の一部を改正し、石油タンク等の屋外貯蔵所の安全を確保するため、その構造設計、防油堤等の技術基準を整備強化したところであります。
 また、海上における油及び危険物の流出、火災等による被害を防止するため、第77国会に海洋汚染防止法の一部を改正する法律案を提出し、その成立を見たところであります。
 政府といたしましても、行政機構の整備を図り、関係者に対する指導を強化するとともに、国及び関係地方公共団体における各種防災資機材の整備に努めているところであります。
 なお、三菱石油株式会社の重油流失事故に係る被害者救済につきましては、汚染者負担の原則を基本に当事者間の話し合いにより、補償が適正かつ円滑に行われるよう指導してきた結果、その支払いも完了したところであります。
 また、刑事責任につきましては、検察当局において捜査を遂げ、現在岡山地方裁判所において公判係属中であります。
 次に、瀬戸内海の環境保全対策として、すでに当該事故に関して環境影響調査を行ったところでありますが、引き続き産業排水汚濁負荷量調査等を行うこととしており、また、同沿岸における大規模な石油基地の設置については、決議の趣旨を体し、今後慎重な配慮を行ってまいる所存であります。
 4 自動販売機の構造上の欠陥から生ずる事故等自動販売機に係る種々の弊害による消費者からの苦情につきましては、その迅速かつ適正な処理を図るとともに、自動販売機の管理責任体制を明確にするため、自動販売機に故障時の連絡先等を明示する統一ステッカーを貼付するよう関係業界に対し指導を行ったところであります。
 また、自動販売される食品の衛生の確保につきましては、各都道府県等に対し、監視指導の強化を図るよう通知したところであります。
 さらに、自動販売機による酒類、たばこ販売に起因する飲酒運転、未成年者の飲酒、喫煙の防止につきましては、酒類自動販売機等に未成年者飲酒禁止等のステッカーを貼付する措置を講ずる等の指導を行ったところであります。なお、酒類小売業界では、昭和50年4月以降、夜間における自動販売機による酒類の販売をしないこととしております。
 また、空きかん公害につきましても、廃棄物の再資源化促進という観点を含め、その対策を推進しているところであります。
 5 国立大学の入学試験の公正の確保につきましては、従来から大学入学者選抜実施要項等を通じて、入学者選抜の厳正公平な実施について各大学を指導してきたところでありますが、今回の議決にかんがみ長崎大学に対しては、決議の内容を同大学に伝え、厳正な管理を自主的に行うよう指導したところであります。
 長崎大学においては、長崎大学入学試験体制検討委員会の答申に基づき、昭和50年度に51年度以降の入学試験体制について改善措置を講じたところであります。
 6 増養殖魚類等の魚病の絶滅については、従来からその研究に取り組んできたところでありますが、今回の議決の趣旨にかんがみ、引き続き国立水産研究所等において主要な魚病の研究を推進するとともに、診療技術者の養成、全国魚病被害実態調査、外国から輸入される増養殖用魚卵等のウイルス等の抜き取り検査、魚病予防ワクチンの開発の推進等を図ってきたところであります。
 さらに、昭和52年度においては、主要な魚病の診断液を購入保存して、診断の迅速化等を図るとともに、魚類防疫技術者の養成を充実することとしております。
 7 郵便物の正確、安全かつ迅速な送達につきましては、従来から常に努力してきたところでありますが、今回の議決の趣旨にかんがみ、労使関係の安定化を初め、要員の確保、機動力の強化、職員の資質向上のための訓練等の総合的な対策をさらに推進し、郵便物送達業務の円滑な運行に一層努力してまいる所存であります。
 8 労働災害防止のための監督指導に必要な測定機器につきましては、従来から職業性疾病対策を重点として計画的にその整備を図ってきたところであります。
 今後とも、事業場の作業環境の変化に即応した測定機器の整備充実を図り、労働安全衛生の確保に努めてまいる所存であります。
    ―――――――――――――
#114
○委員長(鈴木力君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま今泉正二君、岩上妙子君、河本嘉久蔵君、山内一郎君、藤川一秋君、木内四郎君、寺下岩蔵君及び石本茂君が委員を辞任され、その補欠として、亀井久興君、戸塚進也君、佐々木満君、岡田広君、中村登美君、上田稔君、増田盛君及び堀内俊夫君がそれぞれ委員に選任されました。
 また、ただいま加瀬完君、竹田現照君及び茜ケ久保重光君が委員を辞任され、その補欠として、福間知之君、栗原俊夫君及び志苫裕君がそれぞれ委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#115
○委員長(鈴木力君) 先ほど一時中断いたしました昭和四十八年度決算外二件を再び議題といたします。
 これより直ちに討論に入ります。
 各党討論に入るに先立ち、理事会におきまして協議いたしました内閣に対する警告につきまして、お手元に配付いたしましたような案文とすることに意見が一致いたしました。
 それでは、警告の案文を朗読いたします。
   内閣に対し、次の通り警告する。
 (1) 自然公園及びその周辺地域のうちには、砂
  利採取、採石等についての規制、管理が十分に
  徹底されていないこともあつて、自然環境の
  破壊、治山治水効果の減退等の事態が、未だ
  に是正されていない事例が見受けられる。
   政府は、環境行政の積極的推進を図るため、
  環境庁をはじめ、関係行政機関及び地方公共
  団体が、今後とも協議を尽くし、協力して、
  この種地域の乱開発の防止、環境の保全に遺
  漏のないよう努めるべきである。
 (2) 私立医科歯科大学等に対する経常費補助
  は、年々増額されているにもかかわらず、入
  学に際し、相当額の寄付金が納入されている
  事例が見受けられ、この対応策としてとられ
  ている文部省の通達その他の措置では、未だ
  改善の効果が十分とは認め難い。
   政府は、入学の公正を期するとともに、経
  営の健全化を図るため、私立医科歯科系大学の
  自主的な努力を促すとともに、すみやかに、
  適切な措置を講ずべきである。
   なお、政府は、入学時における学生納付金
  の前納制については、私立大学等に対し、受
  験生の負担を軽減するための取扱いを、一層
  普及させるよう、指導すべきである。
 (3) 救急医療については、国、地方公共団体、
  民間の各医療機関の受け入れ体制が、必ずし
  も万全でないため、患者の転送など、応急処
  置が適切を欠き、そのために、生命の危険を
  招来する事例も生じているのは遺憾である。
   政府は、救急医療体制の充実強化のため、
  一層、各医療機関の整備及び情報網の整備を
  推進するほか、効果的に、これらの協力体制
  が確保されるよう、特段の措置を講ずべきで
  ある。
 (4) わが国の自主開発原油の安定確保を目的と
  して、設立された石油開発会社であつて、石
  油開発公団から出資を受けた会社のうち、鉱
  区の返還を行うなど、いわゆる休眠状態にな
  つている事例が見受けられ、そのため、数年
  にわたつて、同公団の投融資資産の一部が、
  経理上、不良資産化しているのは看過できな
  い。
   政府は、不良資産とみられるものの整理を
  行うため、このような休眠会社の解散、清算
  等を促進するよう、同公団の指導に努めるべ
  きである。
 (5) 日本住宅公団が、供給する住宅のうちには、
  周辺の関連公共施設の未整備のほか、地方公
  共団体、または地元住民との協議の未調整な
  どのため、工事の立遅れ、あるいは入居不能
  のまま、推移しているなどの事例が数多くあ
  り、また、入居後の住宅にも、施工上の不備
  に基づく欠陥問題が発生したことは看過でき
  ない。
   政府は、同公団が、低廉、かつ、利便な住
  宅を供給するため、用地の購入、造成には慎
  重を期し、とくに、現在未使用用地について
  は、関係者との調整を早急に図るとともに、
  住宅の工事管理については、今後とも十分徹
  底して行うことにより、入居者に不安を与え
  ないよう配慮し、再びこのような事態が発生
  することのないよう、同公団に対する指導を
  強化すべきである。
 (6) 国及び公共企業体の発注する工事のうちに
  は、請負の責任関係が明確でないため、元請
  負人から下請負人へ支払われるべき代金の額
  が、通常の商慣習を下回つて見積られ、ある
  いは代金支払が遅延する等、妥当でない条件
  で取引されていると疑われる事例が見受けら
  れ、また、土木、建築、鉄道工事における労
  災事故についての補償措置が、必ずしも適正
  でない事例が見受けられる。
   政府及び公共企業体は、発注者としての責
  任を再確認するとともに、政府は、これら請
  負関係の適正化を図るため、その実情を把握
  し、下請負人または建設労働者の不利益にな
  らないよう、指導監督に努めるべきである。
 以上であります。
 なお、議決案はお手元に配付されているとおりであります。
 それでは、討論をされる方は賛否を明らかにして御意見をお述べ願います。小山一平君。
#116
○小山一平君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十八年度決算外二件に対し、これを是認することができないことを表明し、内閣に対する警告案に対しては、賛成する立場から討論を行います。
 反対の理由について若干申し述べます。
 第一に、財政経済運営の失敗を指摘しなければなりません。昭和四十八年度予算は、国際収支の均衡、福祉の向上、物価安定を同時に解決するとして、超大型積極予算が編成されたのであります。すでにインフレ基調にあった日本経済は、石油ショックという事態に際会して大混乱に陥り、その上、石油ショックを千載一遇の好機とうそぶきながら、ほしいままにした大企業、大商社の買い占め売り惜しみなど、悪徳商法の横行を許し、狂乱物価と言われる物価の大暴騰を招き、国民を不安と窮乏に陥れ、特に老人、母子家庭、生活保護世帯など、社会的にも経済的にも弱い立場の人々に、最もむごい打撃を与えたのであります。
 政府は、総需要抑制政策をとって対応したのでありますが、インフレと不況という最悪の事態を招き、今日もなおその苦境から脱出することができず、史上最高の倒産を続出させ、百万を超える失業者を抱えているのであります。
 政府は、昭和四十八年を福祉元年と宣伝し、また、経済優先から福祉優先への政策転換を約束したはずでありますが、財政経済運営の失敗によって財政危機を招来し、これを口実にして福祉を後退させ、福祉見直し論が平然として唱えられているがごときは許すことができません。
 昭和四十八年を最後にして、政府自民党がしゃにむに推進してきた経済の高度成長政策と列島改造論は完全に破綻して、低成長時代を迎えたのでありますが、当委員会の論議によっても明らかにされたように、そのひずみと後遺症は深刻であって、日本民族の将来にもかかわる憂慮すべき問題は枚挙にいとまがないのであります。
 乱開発による自然破壊、石油流出による海洋汚染、塩ビモノマー、六価クロム、カドミウムなどの汚染、原子力船「むつ」問題など、いずれも環境破壊や公害が日本列島のすみずみに拡散している姿の一端にすぎません。
 進学のための小、中学生を対象にした学習塾のはんらん、偏差値弊害、いたいけな児童、生徒の家出や自殺、事故、幾千万円に及ぶと言われる医科歯科大学入学寄付金問題など、教育の荒廃がございます。
 医療における過度の投薬、注射など乱診、乱療、薬害、救急医療問題など医療の荒廃は、国民皆保険といいながら、すべての国民がその健康と生命を守るために、いつでも必要とする医療を受け得る保障はないのが現実であります。
 政治献金と深くかかわっていると思われる、大企業を優遇する不公正税制を是正する措置も、遅々として進んでおりません。
 田中金脈事件、ロッキード事件などの暴露によって、奥深いどす黒さと汚さははかり知れないのでありますが、これらはいずれも氷山の一角にすぎません。
 わが国が戦争によって多大な被害を与えた東南アジア諸国を初め、韓国などに対する賠償及び経済協力を通じて、相手国及び自民党の政府高官の間に巨額な政治資金が流れているのではないかという疑惑についても、幾たびか追及が行われました。
 その一つとして、フィリピン賠償として供与された航空機YS11にかかわる問題がございます。
 また、ロッキード事件以上の汚い汚職が日韓癒着の中にひそんでいるといわれる疑惑もございます。金大中氏事件がわが国主権にかかわる事件であったにもかかわらず、自民党政府によって、きわめて不明朗な屈辱的政治決着がつけられたのでありますが、その陰には、幾億円という取引があったのではないかといううわさも流れております。
 さらに、ソウル地下鉄車両輸出問題、インドネシア賠償問題など、徹底的に究明されなければならない疑惑は数知れないのでありますが、政府は常に疑惑の究明をサボり、決算審査をも軽視するものと言わざるを得ず、遺憾至極であります。
 かくして、国民の政治不信、政党及び政治家不信を招く結果となっていることは、重大と言わなければなりません。
 次には、財務の執行については、会計検査院の検査報告のとおり、毎年同じような指摘が繰り返されている不当ないし不効率の問題点は、恒常化の傾向を示しております。
 私がただいま、不十分ではありますが申し述べたごとく、政府の予算執行及び財政経済運営は、政府の政策的、体質的欠陥と相まって、憂慮すべき問題を山積させ、いまや自民党政治の罪科が問われているのであります。本件決算には反対せざるを得ません。
 政府は、本決算委員会において指摘された点を謙虚に反省し、その改善に努力するとともに、警告の趣旨の実現を図るよう強く要望いたしまして、討論を終わります。
#117
○委員長(鈴木力君) 望月邦夫君。
#118
○望月邦夫君 私は、自由民主党を代表して、昭和四十八年度決算外二件に対しましてこれを是認するとともに、委員長提案の警告決議案に対し賛成の意思を表明するものであります。
 昭和四十八年度は、国際収支、物価、さらに福祉という、いわゆるトリレンマを解決するための予算を組み、年度当初は順調に進んでまいりましたが、その年末に至り、世界経済の流れを変えた石油危機の発生という思いもかけない外圧に見舞われるなど、厳しい経済環境の中にありました。
 これに対して政府は、何よりも物価の安定と国民生活の不安を取り除くため、いわゆる石油二法の施行や、財政金融の引き締め、公共事業を中心とした財政執行の抑制措置等の強力な総需要抑制策が講じられたのであります。こうした諸施策の実施がきわめて効を奏し、いわば一種のパニック状態が鎮静し、安定成長への道が開かれたのであります。
 このような昭和四十八年度の政府の経済運営は、まことに時宜に適した妥当なものであったと言えるのであります。しかし、一部には、本委員会の審査の過程で明らかとなった事項あるいは会計検査院から指摘された事項など、行政上または国費の使用調達の面で留意反省すべき点もあったことは事実であります。
 政府は、この際、より国民の信頼にこたえるためにも、警告の意を体するとともに、姿勢を正し、経済財政運営の効率化と行政の適正化に一層心がけるよう要望して、賛成討論を終わります。
#119
○委員長(鈴木力君) 矢原秀男君。
#120
○矢原秀男君 私は、公明党を代表して、昭和四十八年度決算外二件に対して反対を表明し、委員長提案の内閣に対する警告案に対しては賛成をするものであります。
 ここにその主な反対の理由につき申し述べます。
 第一は、経済政策の失敗である。
 昭和四十八年度は、国際収支対策に政府の政策が適切を欠いたため、円の変動相場制への移動という事実上の円切り上げを余儀なくされ、また、同年の後半には石油ショック等に便上し、一部の大資本による買い占め売り惜しみはその極に達した。政府はただ傍観し、ついに狂乱物価となり、国民生活を破壊したのである。
 四十九年二月には、卸売物価は対前年同月比で三七%、消費者物価は同二六・三%の上昇を示しまたまた物価の高騰、物不足という悪循環の中で狂乱物価は続き、それが不況の因となり、ついに経済の活力を奪ってしまった。まさしく政府の経済政策の失敗であった。
 第二に、環境破壊について。
 長年にわたる高度経済成長政策は、ついに国民不在の政治となり、ひいては日本列島改造は公害列島としての悪評を世界に流し、乱開発は自然を破壊し、地域住民は環境悪化に健康を害した。まさしく人間生命尊重の政治は無視されたと言っても過言ではありません。また、瀬戸内海などには赤潮多発生、養殖魚等の死による漁民の生活を脅かす事例が数多くあり、関係官庁の相互連携は全く不十分で、乱開発、公害続発の様相であったことは、国民優先の政治を思考するとき許せないのであります。
 第三は、ロッキード疑獄について。
 五十一年二月四日、米国上院多国籍企業小委員会で明らかになったロッキード事件は、日本の保守政治及び財、官界構造の腐敗ぶりを改めて浮き彫りにしたものであった。ロ社のトライスター導入にまつわる問題としてはなお未解決であり、政界においても逮捕、起訴されたのは三人のみで、残りの灰色高官は全く公表されていない。
 また、次期対潜哨戒機問題等、丸紅、児玉各ルート合わせて約二十五億円の多額にわたり黒い霧に覆われている。
 結論として、自民党政府が国産化の白紙還元等の問題を含めてその疑惑の徹底解明をなすべきであるのに、全力を挙げようとしない。全く遺憾である。
 第四に、住宅問題について。
 政府は、しばしば景気浮揚の一環として住宅建設を取り上げてきた。大事なことは抜本的な対策である。日本住宅公団が行っている賃貸、分譲の住宅建設を発注しても、長期間にわたって着工できなかったり、住宅完成後も国民からそっぽを向かれ、空き家住宅が一万二千戸と、何のための住宅なのかと国民から批判も出ている。しかも、土地の買収費用は金融機関からの借入金であり、その利息だけでも高額に上っております。そして、住宅を求めている国民にそのまま転嫁して多大な負担を強いるなど、土地の利用、資金の運用に大きな不備があります。
 この問題については、四十八、四十九両年度の決算の検査報告に二カ年連続して指摘をされるなど、住宅政策に欠陥があります。
 以上四点、反対の理由を述べ、昭和四十八年度決算外二件に対し反対をいたします。政府はよくこの点を反省するとともに、警告の趣旨実現について万全を期することを強く要望して、討論を終わります。
#121
○委員長(鈴木力君) 小笠原貞子君。
#122
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十八年度の決算に対し、これを是認することができない旨の反対討論を行います。
 先般、ロンドンで開かれました先進国首脳会議は、今日の資本主義諸国を襲っている経済的危機がいまや抜きがたい構造的な危機であり、ありきたりの手法では解決し得ないことを示す結果に終わりました。このような深刻な経済危機を一挙に表面化させる契機となったのが、あの四十八年秋の石油ショックであります。
 資本主義諸国は、四十七年後半以降、いずれも大幅な物価上昇に悩み、世界的にインフレーションが激しくなっていましたが、さらに石油ショックの発生は景気の停滞を生み出し、主要資本主義諸国は一様に典型的なスタグフレーションという状況を示すに至ったのであります。わが国においては、大企業が石油ショックを千載一遇のチャンスと、史上空前の買い占め売り惜しみ、便乗値上げを行い、あの狂乱物価と物不足を引き起したことは記憶に新しいところであります。
 当時、政府は、国民生活に多大な犠牲を与えたこの物価暴騰と物不足の要因を、石油ショックの発生によるものと説明しようとしました。しかし、わが党も早くから指摘していましたように、田中内閣の誕生とともに始まっていた大企業の投機に対し、政府が何ら有効な規制策をとらないのみか、四十八年度予算において、戦後最大の赤字公債の発行などに見られる超大型インフレ促進予算を編成し、列島改造論に典型的に示された大企業本位の景気拡大策を行った政府の経済運営策こそが、その元凶であることは明瞭であります。本決算もそのことを如実に物語っているのであります。
 以下、本決算に反対する理由を具体的に申し述べます。
 第一は、大企業本位、国民生活犠牲の財政執行であります。
 たとえば、狂乱の兆しを見せ始めた物価の動向にあわてて、翌年度に繰り延べされた公共事業費について見ても、道路などの産業基盤整備が高い執行率を示す反面、上下水道や住宅など生活関連はきわめて低い執行にとどまっています。文教、科学振興費でも、電算機開発促進費など、大企業関連では当初予算をはるかに上回る伸びが見られる反面、学校等の整備は前年を下回っています。中小企業の設備近代化補助金の執行率を見ても、六四%という低さであります。
 第二には、大企業本位の高度成長政策の仕組みを温存したまま総需要抑制策が行われたため、中小企業や地方自治体に深刻な打撃を与えたことであります。
 中小企業の四十八年度下半期の月平均の倒産件数は七百九十五件と、前年度平均の三三%増と急増いたしました。地方自治体は、諸経費の暴騰、資材不足により、国民生活に密着した事業をおくらせざるを得なくなるとともに、補助金と地方債の一方的な抑制の結果、地方債に占める政府資金の割合は五〇%を割り、単独事業が一〇%も上昇するなど、地方財政はまさに破綻に陥れられたのであります。
 第三には、南西航空混成団の発足やファントム、T2など四次防が推進され、日米軍事同盟の再編強化、軍国主義復活が強引に進められていることであります。
 自衛隊の航空機の購入費は三四・六%もの大幅増額なのであります。インドシナ反共かいらい政権への無償援助を倍増していることも認めることができません。
 さらに、今日、ロッキード事件で白日のもとにさらけ出された外国企業の賄賂と戦犯右翼の政治への介入は、四十八年度には一層露骨になっています。田中角榮にかかる金銭の授受は、四十八年に行われていたことを特に指摘するものであります。
 なお、国有財産無償貸付総計算書については、その積極的活用には賛成するものでありますが、要求資料の未提出などもあり、その運用に不明瞭な点がありますので、棄権の態度を表明いたします。
 また、内閣に対する警告決議案については、これに賛成するとともに、政府がこれを尊重し、誠実に実行するよう強く要望いたします。
 以上をもって、日本共産党の態度表明を終わります。
#123
○委員長(鈴木力君) 田渕哲也君。
#124
○田渕哲也君 私は、民社党を代表して、昭和四十八年度決算外二件について是認することに反対し、委員長提出の警告決議案については賛成の態度を表明いたします。
 以下、反対の理由について申し上げます。
 本件決算につきましては、本委員会において予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうか、また、政府の施策が行政効果を上げているかどうかなどの観点から、鋭意審査に努めてまいりました。その結果、行財政の執行上、是正、対策を要する数々の問題が浮き彫りにされてきたのであります。そして、その一部は先ほどの警告事項として表示されておりますが、その他の点について若干触れてみたいと思います。
 第一は、ロッキード事件の一環として、いわゆるPXLの国産化白紙還元の問題があります。この点について政府は、しぶしぶ統一見解を示しはしましたものの、私が指摘したように、研究費予算が執行を中止されるという矛盾がありながら、その理由等納得ができる解明はほとんど行われず、疑惑はかえって深まっているのであります。
 第二には、一昨年来引き続き行われた田中角榮氏の資産形成にからんで、租税の見直し調査が特に実施されたにもかかわらず、四十八年度の会計検査院の検査では、なお関連会社の税の徴収不足が指摘されておりまして、国民の信を失う結果になっております。
 第三には、相も変わらず血税のむだ遣いなど十四億円もあり、このほかいわゆる処置要求事項に処置済み事項を加えますと、推計七十六億円に上る指摘が検査院からなされているのであります。
 これら事態の根本的原因は、個々の事例からも知られるように、予算の執行段階における場合のほか、予算編成や査定の甘さにもあるのでありまして、財源不足の危機にもかかわらず、四十八年度財政運営がいかにずさんであったかということを物語る大きな証拠であります。
 なお、財政運営のみでなく、たとえば監督体制の不備による労働条件の悪化や、あるいは沖繩海洋博の閉幕に伴う失業者の増大、また、樺太残留者の引き揚げ問題、教育の荒廃と負担の増大など欠陥行政の実態は、政府の福祉向上というお題目とはうらはらに随所に見受けられ、国民の政治不信は増幅されるばかりであります。
 わが党は、昭和四十八年度のこのような予算執行や政策実績を見る限り、本件決算に賛成するわけにはまいりません。
 政府は、警告の意図するところを十分にわきまえるとともに、指摘された行財政の問題点に対し実効ある対策の確立をされるよう期待をしまして、この討論を終わります。
#125
○委員長(鈴木力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより順次採決に入ります。
 まず、昭和四十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十八年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十八年度政府関係機関決算書を問題に供します。
 第一に、本件決算は、これを是認すると議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#127
○委員長(鈴木力君) 多数と認めます。
 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(鈴木力君) 全会一致と認めます。よって、昭和四十八年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決されました。
 次に、昭和四十八年度国有財産増減及び現在額総計算書を問題に供します。
 本件につきましては、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(鈴木力君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。
 次に、昭和四十八年度国有財産無償貸付状況総計算書を問題に供します。
 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(鈴木力君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべきこれら案件の報告書につきましては、ただいまの本委員会の議決内容によりこれを作成することといたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、関係大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。石原環境庁長官。
#132
○国務大臣(石原慎太郎君) ただいま御決議のありました砂利採取、採石等に関する対策につきましては、関係行政機関等が連絡をとり、必要な措置を講じているところでありますが、今後とも御趣旨に沿うよう努力してまいりたいと存じます。
#133
○委員長(鈴木力君) 海部文部大臣。
#134
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま御決議のありました私立大学における入学時の寄付金等に関する件につきましては、御決議の趣旨に沿って、今後なお一層適切な措置を講ずるよう善処してまいる所存でございます。
#135
○委員長(鈴木力君) 渡辺厚生大臣。
#136
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました救急医療体制の整備につきましては、今年度から、最重点施策としておおむね三カ年を目途に各般の施策を推進しておるところであり、今後ともその充実に努力をしてまいりたいと存じます。
#137
○委員長(鈴木力君) 田中通商産業大臣。
#138
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御決議のありました石油開発公団につきましては、従来から投融資資産が不良資産化しないよう指導してきたところでございますが、今後ともになお一層、同公団の指導をいたしてまいる所存でございます。
#139
○委員長(鈴木力君) 長谷川建設大臣。
#140
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまの御決議のうち、日本住宅公団の未入居住宅、未使用用地問題につきましては、御趣旨に沿って速やかに適切な対策を樹立し、その解決に努力することとし、住宅の欠陥問題につきましては、今後適切な工事管理を徹底することにより、再びかかる事態が招来することのないよう公団に対する指導を強化し、遺憾なきを期してまいる所存であります。
 また、工事の請負関係の適正化につきましては、御趣旨に沿うよう、建設業者及び工事発注に当たる関係機関を十分に指導してまいる所存であります。
    ―――――――――――――
#141
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その2)外二件、昭和五十一年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外三件、昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)及び昭和五十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上九件を一括して議題といたします。
 これら九件につきましては、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、昭和五十一年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十一年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十一年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上六件を一括して問題に供します。
 これら六件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#143
○委員長(鈴木力君) 多数と認めます。よって、これら六件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、昭和五十一年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)を問題に供します。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#144
○委員長(鈴木力君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、昭和五十年度一般会計国庫債務負担行五総調書(その2)、昭和五十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上二件を一括して問題に供します。
 これら二件について異議がないと議決するこしに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(鈴木力君) 全会一致と認めます。よって、これら二件は全会一致をもって異議がない、議決されました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべきこれら案件の報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#147
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十九年度決算外二件を議題といたします。
 それでは、昭和四十九年度決算、すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書につきましては、これより概要説明を聴取いたします。坊大蔵大臣。
#148
○国務大臣(坊秀男君) 昭和四十九年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、昭和四十九年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額についても国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和四十九年度予算は、昭和四十九年四月十日に成立いたしました。
 この予算は、国民生活の安定と福祉の充実に配意しつつ、経済の正常化を速やかに達成するため総需要の抑制を図ることを基本として編成されたものであります。
 さらに、その後における人事院勧告の実施に伴う公務員の給与改善等について措置するほか、経済情勢の変化等に伴い特に緊要となった経費について所要の措置を講ずるため、昭和四十九年十二月二十三日補正予算が成立いたしました。
 この補正によりまして、昭和四十九年度一般会計予算は、歳入歳出とも十九兆千九百八十一億三千百四十万六千円となりました。
 以下、昭和四十九年度決算についてその内容を数字を挙げて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして歳入の決算額は二十兆三千七百九十一億二千三百四十一万円余、歳出の決算額は十九兆九百九十七億九千三百三十七万円余でありまして、差し引き一兆二千七百九十三億三千四万円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和四十九年度における財政法第六条第一項の純剰余金は四百六億七千二百十七万円余となり、この剰余金の二分の一を下らない金額は、財政法第六条第一項の規定によりまして、公債または借入金の償還財源に充てることとなるわけであります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額十九兆千九百八十一億三千百四十万円余に比べて一兆千八百九億九千二百一万円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額一兆二千五百九十一億六千十七万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和四十九年度の歳入の純減少額は七百八十一億六千八百十五万円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における減少額三千三百八十一億三千四百九十七万円余、専売納付金における増加額二百六十五億千九百九十二万円余、官業益金及び官業収入における増加額十億八千八百五万円余、政府資産整理収入における増加額十一億五千六十二万円余、雑収入における増加額二千三百十二億二千五百六十八万円余、公債金における減少額千七百四十七万円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額十九兆千九百八十一億三千百四十万円余に、昭和四十八年度からの繰越額五千六百十三億六千二百三十六万円余を加えました歳出予算現額十九兆七千五百九十四億九千三百七十七万円余に対しまして、支出済み歳出額は十九兆九百九十七億九千三百三十七万円余でありまして、その差額六千五百九十七億三十九万円余のうち、昭和五十年度に繰り越しました額は四千七百八十七億二十五万円余となっており、不用となりました額は千八百十億十四万円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和四十九年度一般会計における予備費の予算額は千四百十億円であります。その使用額は八百二十億七千七百九十五万円余でありまして、その使用につきましては、すでに国会において御承諾をいただきましたので、説明を省略させていただきます。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は五千五百九十八億七千百六十四万円余でありますが、実際に負担いたしました債務額は五千百九十四億四千二百十九万円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額五千七百七十一億二百七十七万円余を加え、昭和四十九年度中に支出その他の理由により債務が消滅いたしました額四千六百六十九億二千三百八十九万円余を差し引きました額六千二百九十六億二千百七万円余が翌年度以降に繰り越された債務額になります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は八百億円でありますが、実際に負担いたしました債務額は百九十一億八千四百七十二万円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額四十八億七千六百八十五万円余を加え、昭和四十九年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額四十八億九千九百三十三万円余を差し引きました額百九十一億六千二百二十五万円余が翌年度以降に繰り越された債務額になります。
 次に、昭和四十九年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十二でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和四十九年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は十五兆四千三百八十七億四百二十五万円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は十五兆四千五十二億二百七十万円余でありますので、差し引き三百三十五億百五十四万円余が昭和四十九年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和四十九年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額でありますが、昭和四十九年度末における国の債権の総額は三十兆八千六百九十二億二千九百六十二万円余でありまして、前年度末現在額二十四兆三千三十八億六千九百九十四万円余に比べて六兆五千六百五十三億五千九百六十八万円余の増加となります。
 その内容の詳細につきましては、昭和四十九年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 次に、物品増減及び現在額でありますが、昭和四十九年度中における純増加額は千三百三十七億五千二百八十四万円余でありますので、これに前年度末現在額九千二十七億八千百九十八万円余を加えますと、昭和四十九年度末における物品の総額は一兆三百六十五億三千四百八十二万円余となります。その内訳の詳細につきましては、昭和四十九年度物品増減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 以上、昭和四十九年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書等につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。
 なお、昭和四十九年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったところでありますが、なお会計検査院から八十六件に上る不当事項について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。
 予算の執行につきましては、今後一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#149
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、その概要説明を聴取いたします。坊大蔵大臣。
#150
○国務大臣(坊秀男君) 昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに第七十七回国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 一、まず、昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。
 昭和四十九年度中に増加しました国有財産は、行政財産六千二百六十二億千二百三十二万円余、普通財産八千九百六十九億五千三十四万円余、総額一兆五千二百三十一億六千二百六十六万円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産は行政財産千三百三十五億千九十五万円余、普通財産千四百六十二億二千七百四十九万円余、総額二千七百九十七億三千八百四十五万円余でありまして、差し引き一兆二千四百三十四億二千四百二十一万円余の純増加となっております。これを昭和四十八年度末現在額十三兆七千六百四十七億六千六百五十一万円余に加算いたしますと十五兆八十一億九千七十三万円余となり、これが昭和四十九年度末現在における国有財産の総額であります。
 この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては公用財産四兆七千六百十五億四千九百四十八万円余、公共用財産千六百七十三億九百十万円余、皇室用財産千七百二十一億八百七十九万円余、企業用財産三兆六千七十八億二千九百六十五万円余、合計八兆七千八十七億九千七百四万円余となっており、普通財産においては六兆二千九百九十三億九千三百六十八万円余となっております。なお、この普通財産のうち五兆三千四十七億九千五百八十万円余は政府出資等となっております。
 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地三兆八千五百三十二億三千七百五十四万円余、立木竹二兆二千六百六十一億九千八百七十一万円余、建物一兆六千二百二十七億四千百六十五万円余、工作物一兆二千九百八十三億七千四百七十万円余、機械器具九億四千九百四十九万円余、船舶二千九百七十三億百二十七万円余、航空機三千六百二十一億千九百五十七万円余、地上権等六億九千七百四十二万円余、特許権等十七億七千四百五十二万円余、政府出資等五兆三千四十七億九千五百八十万円余、合計十五兆八十一億九千七十三万円余となっております。
 次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。
 まず、昭和四十九年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は一兆五千二百三十一億六千二百六十六万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は一兆三千二百五十九億六千四十一万円余でありまして、このうち購入、新営工事、政府出資等歳出を伴うものは一兆二千六十一億四千八百二十九万円余、現物出資交換、寄付等歳出を伴わないものは千百九十八億千二百十二万円余となっております。
 第二に、国の内部における異動によって増加した財産は千九百七十二億二百二十五万円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の増加は千五百四十三億八千百五十四万円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の増加は四百二十八億二千七十万円余となっております。
 次に、減少額について申し上げますと、その総額は二千七百九十七億三千八百四十五万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は千四百五億七千三百二十一万円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは三百四十八億七千二百三十七万円余、交換、譲与等歳入を伴わないものは千五十七億八十四万円余となっております。
 第二に、国の内部における異動によって減少した財産は千三百九十一億六千五百二十三万円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の減少は千三百三十二億九千五百十七万円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の減少は五十八億七千六万円余となっております。
 以上が昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 二、次に、昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について申し上げます。
 昭和四十九年度中に増加しました無償貸付財産の総額は百五十三億四千六十九万円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は百十八億四千七百二十二万円余でありまして、差し引き三十四億九千三百四十六万円余の純増加となっております。これを昭和四十八年度末現在額千八百七十二億六千九百六十三万円余に加算いたしますと千九百七億六千三百十万円余となり、これが昭和四十九年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。
 この増減の主なものを申し上げますと、増加したものは公園の用に供するもの百四十六億八千二十三万円余、ため池の用に供するもの二億四千六百五十五万円余等であります。
 次に、減少したものは公園の用に供するもの百十二億二千二百二十九万円余、ため池の用に供するもの一億四千九百八十七万円余等であります。
 以上が昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#151
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十九年度決算中、日本専売公社の決算につきまして概要説明を聴取いたします。坊大蔵大臣。
#152
○国務大臣(坊秀男君) 昭和四十九年度日本専売公社収入支出決算につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、事業の概況について申し述べます。
 たばこ事業におきましては、製造たばこの販売は二千八百八十七億本余、金額にして一兆一千六百七億四千三百二十五万円余であり、予定に比較いたしますと、七十二億本余、金額にして三百二十七億八千二百二十五万円余の増加となっております。
 また、葉たばこの購入は二十三万九千トン余、金額にして二千五百二億四千百一万円余であり、予定に比較いたしますと三百トン余、金額にして百四十八億三千七百七十七万円余の減少となっております。
 塩事業におきましては、塩の販売は八百十五万四千トン余、金額にして四百五十二億三千三百八十七万円余であり、予定に比較いたしますと七十八万二千トン余、金額にして九十一億九千百二十六万円余の減少となっております。
 また、塩の購入は国内塩百十一万四千トン余、輸入塩七百四十八万七千トン余、金額にして合計四百五十九億一千九百五十四万円余であり、予定に比較いたしますと三十九万五千トン余、金額にして六十八億八百八十二万円余の減少となっております。
 次に、決算の内容について申し述べます。
 まず、収入支出について御説明いたします。
 昭和四十九年度における収入済み額は一兆二千八十四億七千九百九十三万円余であり、収入予算額一兆一千八百五十八億四千四百三十二万円余に比較いたしますと、二百二十六億三千五百六十一万円余の増加となっております。
 また、支出予算現額は一兆二百九十二億九百三十八万円余でありまして、このうち支出済み額は九千八百七十三億六千五百四十五万円余、翌年度に繰り越した額は三百六十五億四千五百二十六万円余でありまして、差し引き不用額は五十二億九千八百六十六万円余となっております。
 次に、損益計算について御説明いたします。
 総収益一兆二千百三十億三千八百四十九万円余から総損失八千五百七十億三千六万円余を控除した純利益は三千五百六十億八百四十二万円余であります。これから日本専売公社法第四十三条の十三第三項の規定により積み立てる利益積立金百三十五億六十七万円余を控除した専売納付金は三千四百二十五億七百七十四万円余であり、予定額三千百五十八億百八十七万円余に比較いたしますと、二百六十七億五百八十七万円余の増加となっております。
 以上が昭和四十九年度の日本専売公社の決算の概要であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#153
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十九年度決算中、日本国有鉄道の決算につきまして概要説明を聴取いたします。田村運輸大臣。
#154
○国務大臣(田村元君) 昭和四十九年度日本国有鉄道決算書を国会に提出いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十九年度における日本国有鉄道の運輸成績は、対前年度比、旅客輸送人員及び旅客輸送人キロはそれぞれ約三%増、貨物輸送トン数及び貨物輸送トンキロはそれぞれ約一〇%減となり、収入においては、旅客収入において対前年度約一三%増、貨物収入において約一%増加いたしました。
 以下、収入支出の内容を勘定別に御説明申し上げます。
 まず、損益勘定におきましては、収入済み額は二兆二百九十六億四千三百九万円余、支出済み額は二兆二百五十六億七千五百六十三万円余でありまして、収入が支出を超過すること三十九億六千七百四十五万円余でありますが、これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では昭和四十九年度純損失は六千五百七億九千七百九十二万円余となっております。
 この決算額を予算額と比較いたしますと、収入予算額二兆七百八十三億四千七百八十七万円余に対しまして四百八十七億四百七十八万円余の減収となっております。これは雑収入百七十三億五千四百四十六万円余の増加に対し、運輸収入五百八十五億八千百四十八万円余、資本勘定より受け入れ七十四億七千七百七十五万円余の減少によるものであります。
 他方、支出は予算現額二兆一千五百三億九千七百五十四万円余に対しまして、支出済み額は一千二百四十七億二千百九十一万円余下回っておりますが、そのうち一千二百四十億八千十八万円余は翌年度への繰越額であり、残額六億四千百七十二万円余は不用額となっております。
 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は一兆六千八百十四億八千百七十九万円余、支出済み額は一兆六千九百五億八千七百三十六万円余であります。
 この決算額を予算額と比較いたしますと、収入は予算額一兆五千二百六億円に対しまして一千六百八億八千百七十九万円余の増加となっております。
 これは資産充当四百七億三百四十二万円余の増加、鉄道債券及び借入金一千二百一億七千八百三十七万円余の増加によるものであります。
 他方、支出は予算現額一兆七千三百七十六億八千百三十六万円余に対しまして、支出済み額は四百七十億九千三百九十九万円余下回っておりますが、そのうち四百六十三億一千七百九十五万円余は翌年度への繰越額であり、残額七億七千六百三万円余は不用額となっております。
 次に、工事勘定におきましては、収入済み額は九千九十八億五千六百九十万円余、支出済み額は七千九百一億三千八百九十九万円余であります。
 この決算額を予算額と比較いたしますと、収入は予算額七千三百四十七億五千五百八万円余に対しまして、一千七百五十一億百八十一万円余の増加となっております。これは資本勘定からの受け入れが多かったことによるものであります。
 他方、支出は予算現額八千九百六十四億四千八百九十三万円余に対しまして、支出済み額は一千六十三億九百九十四万円余下回っておりますが、そのうち一千四十七億二千九十五万円余は翌年度への繰越額であり、残額十五億八千八百九十八万円余は不用額となっております。
 この工事勘定の内容に関連して主要施策の実績について申し上げますと、輸送力の増強、業務運営の能率化及び安全の確保等を図るため、昭和四十九年度におきましては、新幹線四千四百二十六億九百七万円余、大都市圏輸送六百二十八億八千八百七十二万円余、幹線輸送一千二百九十二億八千五十五万円余、安全・公害対策合理化等一千五百五十三億六千六十四万円余、合計七千九百一億三千八百九十九万円余を投資いたしました。
 最後に、昭和四十九年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。
 以上をもちまして、昭和四十九年度日本国有鉄道の決算に関する御説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#155
○委員長(鈴木力君) 次に、昭和四十九年度決算中、日本電信電話公社の決算につきまして概要説明を聴取いたします。小宮山郵政大臣。
#156
○国務大臣(小宮山重四郎君) 昭和四十九年度日本電信電話公社の決算書類を会計検査院の検査報告とともに国会に提出いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十九年度における日本電信電話公社の決算は、四十八年秋の経済情勢の急激な変化に伴う人件費、物件費の高騰による支出の急増及びこれに加えて最近の利用度の低い電話の増大による収入の伸び悩み、あるいは景気停滞による収入の減少等によって収支状況が悪化し、損益計算上、公社発足以来の大幅な赤字を生ずるに至りました。損益計算上の総収益は、収入の大宗を占める電話収入を初め、電信収入、専用収入とも収入予算額を下回ったため、一兆八千八百二十億一千七百三十四万余円となりました。これに対する総損失は、給与その他諸費、利子及び債務取扱諸費等の増大もあって二兆五百七十二億九千三十三万余円となり、差し引き一千七百五十二億七千二百九十八万余円の欠損を生ずるに至りました。
 また、建設計画につきましては、物価高騰の影響及び政府の総需要抑制策により、一般加入電話三百十四万六千加入の建設を初めとして、電話局建設、市外電話回線増設等の主要工程の実施は一部工程の繰り延べもありましたが、おおむね計画どおり実施されました。
 以下、決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。
 まず、損益勘定におきましては、収入済み額は、予算額一兆九千二百七十七億八千万円に対し七百八十八億一千五百五十三万余円下回っております。これは、電話収入が六百三十一億八千七百四十九万余円下回ったのを初め、電信収入、専用収入、雑収入のいずれもが予算額を下回ったことによるものであります。
 他方、支出済み額は、支出予算現額一兆九千二百九十四億二千八百五十八万余円に対し、八百四十一億一千九十九万余円下回っておりますが、この差額のうち二十億九千百十一万余円を翌年度繰越額とし、残りの八百二十億一千九百八十七万余円を不用額としております。
 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は一兆五千八百四十二億六千六百十三万余円、支出済み額は一兆五千七百六十四億二千三百七十四万余円でありまして、収入が支出を超過すること七十八億四千二百三十九万余円となっております。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入済み額は、予算額一兆四千九百二十九億二千百万円に対し九百十三億四千五百十三万余円上回っておりますが、これは予算に対し、損益勘定からの受け入れが二百二十億一千六百三十八万余円少なかったにもかかわらず、資産充当が五百二十七億四千九百四十三万余円増、設備料が六十四億六百五十六万余円増、電信電話債券が五百四十二億五百五十一万余円増となったことによります。
 他方、支出済み額は、支出予算現額一兆五千八百七十九億五千五百七十万余円に対し百十五億三千百九十六万余円下回っておりますが、この差額のうち三十七億三千六百三十九万余円を翌年度繰越額とし、七十七億九千五百五十六万余円を不用額としております。
 次に、建設勘定におきましては、収入済み額は一兆三千四百五十三億四千五百十三万余円、支出済み額は一兆三千四百五億三千七百五十八万余円でありまして、収入が支出を超過すること四十八億七百五十五万円となっております。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入済み額は予算額一兆二千五百四十億円に対し、九百十三億四千五百十三万余円上回っておりますが、これは資本勘定からの繰入額が多かったためであります。
 他方支出済み額は、支出予算現額一兆四千三百三十六億六百四万余円に対し九百三十億六千八百四十六万円下回っておりますが、この差額は全額を翌年度繰越額としております。
 なお、昭和四十九年度は、日本電信電話公社の電信電話拡充第五次五カ年計画の二年目に当たりまして、加入電話の増設に最重点を置き、一般加入電話は、三百二十万加入の計画に対し三百十四万六千加入の増設を行ったほか、電話局建設、市外電話回線増設、データ通信施設増設等の工程が実施されましたが、物価高騰の影響並びに政府の総需要抑制策により、一部工程の繰り延べが行われました。
 最後に、昭和四十九年度の予算執行につきましては、会計検査院から改善事項一件の指摘を受けましたが、これにつきましては、日本電信電話公社において検討を加え改善を図っておりますが、今後とも業務の適正な実施に努めるよう日本電信電話公社を指導監督してまいりたいと考えております。
 以上をもちまして私の説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#157
○委員長(鈴木力君) 次に、会計検査院より、昭和四十九年度決算検査報告並びに昭和四十九年度国有財産検査報告に関する概要説明を聴取いたします。佐藤会計検査院長。
#158
○会計検査院長(佐藤一郎君) 昭和四十九年度歳入歳出決算は、五十年十月十七日内閣から送付を受け、その検査を終えて、昭和四十九年度決算検査報告とともに五十年十二月十一日内閣に回付いたしました。
 昭和四十九年度の一般会計決算額は、歳入二十兆三千七百九十一億二千三百四十一万余円、歳出十九兆九百九十七億九千三百三十七万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において三兆六千百七十一億四千五百五十二万余円、歳出において四兆三千二百十四億九千五十四万余円の増加になっており、各特別会計の決算額の合計額は、歳入三十三兆五千九百三十億三百八十五万余円、歳出二十八兆四千八百五十四億六千二百七十七万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において六兆四千六百二十二億二千百四十三万余円、歳出において五兆四千六百八十八億九千四百三十五万余円の増加になっております。
 なお、国税収納金整理資金は、収納済み額十五兆四千三百八十七億四百二十五万余円、歳入組み入れ額十五兆四百十三億七千百九十五万余円であります。
 政府関係機関の昭和四十九年度の決算額の総計は、収入十一兆六千六百七億四千三百八十七万余円、支出十一兆二千四百二十九億五千百五十二万余円でありまして、前年度に比べますと、収入において一兆八千八百二十一億千七十一万余円、支出において一兆八千百八十億五千五百四万余円の増加になっております。
 昭和四十九年度の歳入歳出等に関し、国及び政府関係機関から提出された計算書二十三万余冊及び証拠書類六千四百二十三万余枚につきまして書面検査を行い、また、三千四百余の局所等につきまして四万四千余人日をもって実地検査を行いました。
 このようにして検査いたしました結果につき、その概要を説明いたします。
 まず、不当事項について申し上げます。
 不当事項として検査報告に掲記いたしましたものは、合計八十六件でありますが、これを収入、支出等の別に分類し、態様別の金額を概計いたしますと、次のとおりであります。すなわち、収入に関するものとしては租税収入や保険料収入の徴収額が不足していたものなどが十二億千五百万円、支出に関するものとしては工事の実施計画及び設計並びに物品の調達計画が適切でなかったため、不経済になったものが五千九百万円、工事費の積算が適切でなかったため、契約額が割高になったものが千百万円、工事の監督、検査が適切でなかったため、施工が設計と相違していたものなどが四千二百万円、保険金等の支給が適切でなかったものが四千九百万円、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが二億四百万円、職員の不正行為による損害を生じたものが六千五百万円であり、以上の収入、支出に関するもののほか、繰りかえ払い現金について職員の不正行為による損害を生じたものが千百万円ありまして、これらの合計額は、十六億五千九百万円になっております。これを前年度の十三億九千五百万円に比べますと、二億六千三百万円の増加になっております。
 これらの不当事項は、租税、保険、工事、補助金、不正行為、その他の項目に分けて検査報告に記述してあります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。
 五十年中におきまして、会計検査院法第三十四条の規定により意見を表示し是正改善の処置を要求いたしましたものは十二件、また、同法第三十六条の規定により改善の意見を表示いたしましたものは一件であります。
 このうち、会計検査院法第三十四条の規定により意見を表示し是正改善の処置を要求いたしましたものは、総理府の護衛艦の定係港における停泊中の給電に関するもの、文部省の児童生徒急増市町村公立小中学校施設特別整備事業費補助金の交付に関するもの、農林省の水路トンネル工事の設計積算に関するもの、郵政省の簡易生命保険の契約締結及び貯蓄奨励手当の支給に関するもの、郵便貯金の超過契約分にかかわる支給済み貯蓄奨励手当の回収に関するもの、宿直勤務者等を配置していない特定郵便局の防犯対策に関するもの、建設省の下水道工事における薬液注入費の積算に関するもの、日本国有鉄道の排水処理施設の設計に関するもの、工事用品の準備要求等に関するもの、日本電信電話公社のマンホールの展開図の整備に関するもの、環境衛生金融公庫の貸し付けの適正化に関するもの、日本道路公団の高速道路等の照明及び通信設備等工事の設計及び積算に関するものであります。
 また、会計検査院法第三十六条の規定により改善の意見を表示いたしましたものは、建設省の多目的ダム建設事業の負担金の割合に関するものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省各庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省各庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう、望んでいる次第でございます。
 次に、昭和四十九年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書は、五十年十月二十一日内閣から送付を受け、その検査を終えて、昭和四十九年度国有財産検査報告とともに五十年十二月十一日内閣に回付いたしました。
 四十八年度末の国有財産現在額は、十三兆七千六百四十七億六千六百五十一万余円でありましたが、四十九年度中の増が一兆五千二百三十一億六千二百六十六万余円、同年度中の減が二千七百九十七億三千八百四十五万余円ありましたので、差し引き四十九年度末現在額は十五兆八十一億九千七十三万余円になり、前年度末に比べますと一兆二千四百三十四億二千四百二十一万余円の増加になっております。
 次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、四十八年度末には、千八百七十二億六千九百六十三万余円でありましたが、四十九年度中の増が百五十三億四千六十九万余円、同年度中の減が百十八億四千七百二十二万余円ありましたので、差し引き三十四億九千三百四十六万余円の増加を見まして、四十九年度末の無償貸付財産の総額は千九百七億六千三百十万余円になっております。
 検査の結果、昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、昭和四十九年度決算検査報告に「不当事項」または「意見を表示し又は処置を要求した事項」として掲記したものはございません。
#159
○委員長(鈴木力君) 以上で、昭和四十九年度決算外二件に関する概要説明の聴取を終わります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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