くにさくロゴ
1976/04/14 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 予算委員会第二分科会 第2号
姉妹サイト
 
1976/04/14 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 予算委員会第二分科会 第2号

#1
第080回国会 予算委員会第二分科会 第2号
昭和五十二年四月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   分科担当委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     粕谷 照美君
     瀬谷 英行君     神沢  浄君
     秦   豊君     対馬 孝且君
     小平 芳平君     矢原 秀男君
     三治 重信君     田渕 哲也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主 査         中村 太郎君
    副主査         内藤  功君
    分科担当委員
                糸山英太郎君
                亀井 久興君
                源田  実君
                夏目 忠雄君
                林田悠紀夫君
                粕谷 照美君
                神沢  浄君
                瀬谷 英行君
                対馬 孝且君
                矢原 秀男君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  坊  秀男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       倉成  正君
   政府委員
       防衛施設庁施設
       部長       高島 正一君
       経済企画庁長官
       官房長      田中  敬君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   小林  進君
       経済企画庁調整
       局長       宮崎  勇君
       経済企画庁国民
       生活局長     井川  博君
       経済企画庁物価
       局長       藤井 直樹君
       経済企画庁総合
       計画局長     喜多村治雄君
       経済企画庁調査
       局長       岩田 幸基君
       大蔵大臣官房会
       計課長      高木 壽夫君
       大蔵省主計局次
       長        松下 康雄君
       大蔵省主計局次
       長        加藤 隆司君
       大蔵省主税局長  大倉 眞隆君
       大蔵省理財局次
       長        戸塚 岩夫君
       大蔵省理財局次
       長        吉岡 孝行君
       大蔵省銀行局長  後藤 達太君
       国税庁直税部長  谷口  昇君
       資源エネルギー
       庁石油部長    古田 徳昌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    加藤  晶君
       防衛施設庁総務
       部施設調査官   多田 欣二君
       法務省民事局第
       三課長      清水  湛君
       大蔵省造幣局東
       京支局長     宮原  翠君
       水産庁漁政部水
       産流通課長    塩飽 二郎君
       日本国有鉄道旅
       客局長      畑  耕平君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(中村太郎君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 秦豊君、小平芳平君及び三治重信君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君、矢原秀男君及び田渕哲也君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(中村太郎君) 昭和五十二年度総予算中、大蔵省所管を議題といたします。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○瀬谷英行君 最初に、一般的な問題について大臣にお伺いしたいと思うんでありますが、公定歩合の引き下げ、それから預貯金の金利の、したがって連動的にそれを下げてほしいと、こういう要請があるようでありますけれども、政府としては、この預貯金の問題について、われわれこれから春闘でもっていろいろとベースアップの問題が出てくると思うんでありますけれども、実質賃金といったようなことを考えますと非常にこれは影響の大きい問題であります。したがって、公定歩合をさらに下げる、あるいは預貯金の金利の方も下げるといったようなことはきわめて重要な問題だと思うんでありますが、所管の大臣としてはどのようなお考えを持っておられるのか、お伺いをしたいと思うんであります。
#5
○国務大臣(坊秀男君) 公定歩合の引き下げにつきましては、先般〇・五やりましてまだ日にちがたっておりません、余り。だから、これの影響なり結果というものがどういうふうに響いてくるかということを、今日これを熱心に注目しておる、見守っておる段階でございまして、今日、公定歩合をさらにどうしようかこうしようかというようなことを考える段階には至っておりません。
 それからまた、預貯金金利でございますが、これはそのときどきの経済情勢や、あるいは預金者というものは、何しろ預金については自分の、預金です、大事なものでございまするから、そういう方々の立場というものもこれは配慮していかなければならないというようなところでございまして、これにつきましても、今日なおどういうふうに決めていこうかというようなことを決めていく段階には達していないことをお答え申し上げます。
#6
○瀬谷英行君 公定歩合の引き下げによる影響を注目をしているというお話でございますが、公定歩合引き下げによる影響はどのようにいま見ておられるのか、どういう影響があるのか。現在までのところ、その一つの判断の材料となるべきものがあるならばお示しをいただきたいと思うんであります。
#7
○政府委員(後藤達太君) 御承知のように、三月十一日に引き下げの決定をいたしまして十二日から実施でございますが、これに伴いまして、各銀行の方はプライムレートあるいは並み手のレートをやはり同幅の〇・五引き下げるということをそれぞれ決定をしたようでございます。ただ、実際の市中に対する適用の方は、やはり手形の期限が参りましたときに、新しい貸し出しから適用していくということでございますので、まだ一月ほどでございますのでその適用例が余り出てきておらないという状態でございます。これをどういうふうに実際の適用が行われるかは、ただいま金融が量的にはかなり緩和をいたしておりますので、銀行の方は前向きに取り組むと思いますが、まだ実質的な例を引きますにはもう少々時間がかかるかと思います。その実際の出てきますところを見てまいりたい、こういうことでございます。まだちょっと、時間が余りございませんので現実には出てきていないと、こういうことでございます。
#8
○瀬谷英行君 たとえば日銀筋の方でいろいろと公定歩合の引き下げ、もう少しといったようないろいろの考え方はあると思うんです。しかし、当分の間はこの影響がどういう形であらわれてくるかを注目をする段階にあるので、近いうちに再度引き下げをするということは、これはないというふうに考えてよろしいのかどうか。
#9
○政府委員(後藤達太君) 金利の問題は、これは中央銀行といたしましては、あるいは私ども含めてでございますが、常時経済情勢を見ながら勉強をしてまいらなければならないことでございまして、機動的、弾力的と申しますか、そういう対応をすべき性質のものでございますから、常時勉強はいたしております。しかし、現段階では、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、具体的にどうするというお話を承っている段階ではございません。しかし、いつごろそれじゃどういうことを考えるかとなりますと、これはもうそのときどきの経済情勢に応じて考えてまいるとしか申し上げようがございませんので、絶対ないとか、あるいは近くあるとか、こういうことは申し上げられる段階ではございません。
#10
○瀬谷英行君 大変慎重なお答えなんで、そういうことを言っておられれば問題はないかもしれませんが、やはり春闘もゴールが近づいたと思うんですね。そこで世の中の景気はどうなのか、不況の克服はできたのかといったようなこともわれわれとしては気になるんです。公定歩合を引き下げる、ねらいがあってやったわけでしょう。そのねらいのとおりになっているのかどうか、これはだから具体的なことを言えといっても無理かもしれません。ねらいのとおりになっているのかどうか。不況というふうに言われておるけれども、不況から脱却できる、春闘についても労働組合側の要請にこたえられると、こういうふうに見られるのかどうかといったようなことですね、これは大臣の判断になると思うんでありますが、したがって、それと預貯金の金利は下げないと、これもまた断定的に言えるかどうかわかりませんが、さしあたっては下げないのか、もう少し様子を見て考えるのか、その点も大臣の方からお答え願いたいと思います。
#11
○国務大臣(坊秀男君) 先ほどお答え申し上げましたが、公定歩合を引き下げてから本当にずっと見ておるんですが、まだ御承知のとおり日にちがそれほどたっていない。こういうことというのは、やったから、ぱっと桜の花が一気に咲いてぱっと散るというようなものではないんですね。それでじっと本当に熱心に注目をしておるというところなんです。
 それから預貯金についても、これは大変御不満のことと思いますけれども、もともとこの公定歩合というものは日本銀行の決定事項でございますし、一般の預貯金となるとそうでありませんけれども、要するに、いまのところこれを具体的にどうせなければならないというような情勢とはまだ見ていないと、こういうことでございます。
#12
○瀬谷英行君 ほかのことと違いまして、これの影響は特定の人だけじゃありませんので、その点はやはり慎重を期していただきたいというふうに考えるわけです。できれば、せめてこういうふところのさびしいときに預金金利だけでも下げないでいってもらいたいというのは、これは庶民の願いだろうということでありますので、その点、庶民の要望にこたえてほしいと、こういう気がいたします。
 そこで、春闘の関係になってくるんでありますけれども、まあ私鉄の問題がいつ決まりがつくか、これはわかりませんが、一応財政当局として考えておかなきゃならぬことは、どういう経路を経るにいたしましても、遠からずこの春闘は決まるところに決まると思うんです。その場合に仲裁裁定という問題が出てまいります。その裁定をいろいろと注文をつけずに実施をするということを約束をしていただけるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(坊秀男君) 仲裁裁定につきましては、政府は従来から、公労法三十五条の精神を踏まえまして、その実施にでき得る限り努力を払ってきたところでございまして、この精神には変わりはないと、こういうことを申し上げたいと思います。ただ、ことしの仲裁裁定の具体的な取り扱いにつきましては、裁定提示前の段階におきまして、具体的に何も申し上げられないということを御了承願いたいと思います。
#14
○瀬谷英行君 だから、遠からずこれは問題になることは目に見えているわけです。具体的にこうだああだという予想を立てろと言っているわけじゃない。しかし、遠からず仲裁裁定という問題は財政当局として措置をしなければならない問題になってくる、この点はお認めになるでしょう。その場合に、この問題が政治的にいろいろ絡んできて、じゃ運賃の法定主義の緩和といったようなこれらの問題とある程度ひっかけて解決をするということになると話がややっこしくなる。したがって、そういうことなしに、裁定はいろいろと注文をつけずに完全に実施をするということを約束をしていただけるのかどうかということをお聞きをしているわけです。
#15
○国務大臣(坊秀男君) いろんな問題が起こってこないように、たとえば公労法第十六条付議というような事態をこれはできるだけ避けるために、政府といたしましては法案の成立に全力を挙げてまいりたいと、かように考えます。
#16
○瀬谷英行君 法案の成立にとおっしゃったけれども、これはどういう意味ですか。
#17
○国務大臣(坊秀男君) 法案の成立が実現すれば、これはもうそんな問題、大きな厄介な問題にならずにいけるわけでございますが、そのためにも、そういう問題を避けるためにも法案の成立を期してまいりたいと、かように考えます。
#18
○瀬谷英行君 だから、その法案の成立とおっしゃったけれども、具体的に何を意味しておられるのか、その点。
#19
○政府委員(松下康雄君) ただいまの御答弁を補足して申し上げますと、十六条の問題は、裁定の実施が予算上、資金上可能であるかどうかという問題になってまいるわけでございます。したがいまして、これを予算上、資金上可能なものにいたしてまいりますためには、関係の公企体でありますとか、あるいは国でありますとか、いずれにいたしましても、その財政状態におきましてこれを実施することが可能なような条件をつくってまいる必要がございましょう。その場合には、財政状態に関連のある法案と申しますと、たとえば鉄道の運賃法等の一部を改正する法案でございますとか、あるいは国の財政特例法案でございますとか、いろいろの財政関係法案がございますので、それらの法案の成立を期するということによりまして、十六条付議を必要としないような状態をつくり出すことに努力をしてまいりたいという趣旨でございます。
#20
○瀬谷英行君 私の言っているのは、いろんな法案と連動させないで仲裁裁定はてきぱきと実施をするということにしないと、春闘もいろいろとこじれるんじゃないかということを言っているんですよ。ところが大臣の方は、せっかく人が言っているとおりに答弁してくれればいいんだけれども、そうじゃなくて、法案をなんということを言うから余分な話が出てきた。その法案は、今度補足説明だと、運賃法から何からいろいろぞろぞろ出てきた。こうなると、私が心配しているそういうことになりはしないかと、いろいろな法案と連動してきたんじゃ事の解決がややこしくなりはしないかというふうに心配しているので言っているわけなんだ。大臣の方から、裁定が出たならばほかの法案の成り行きは考えずに、ともかく裁定は完全に実施するんだと、こういうふうに言ってくれれば、私は何もくどく聞く気はないんですが、その点はどうなんですか。
#21
○国務大臣(坊秀男君) とにかく三十五条の精神を踏まえて、それでできる限り努力をしてまいりたいと、そのためにやっぱり国会に付議するなんということの、そういう過程をたどることの要らないようにするためには、あえて法案に連動するとかなんとかということじゃございませんが、そのためにはやっぱり財政上、資金上それができるようにするために法案の成立ということが期待されておるということでございます。
#22
○瀬谷英行君 私が申し上げたかったのは、その後の段じゃなくて、裁定はつべこべ言わずに実施をするということを言っていただけるならば、それはそれでよろしい。そこへ必ず取ってつけたように法案も成立をさしてほしいと、こうくるから、そうすると、衆議院でまだ運賃法だってやっと上程されたばっかりじゃないですか。特に衆議院でも、この財政法との関係、運賃法定主義の緩和というのはいろいろ問題があるということで指摘をされているわけですよ。だから、これを裁定とひっかけられたのでは事はめんどうなことになるというふうに思うんですよ。で、政府だってこの運賃法定主義の緩和ということについては、そう簡単なことだとは思ってないと思うんですね。だから、これらの関係する法案の成立をということで裁定と結びつけられると迷惑なことになると思うので、そこで、その法案の方は法案の方、裁定の方は裁定の方というふうに、これは分けて処理をするんだということを明確にここで断言できないのかということを私はお聞きしているんですが、わかりますか、言っている意味が。
#23
○政府委員(松下康雄君) 公労法の三十五条の政府におけるこの実施努力義務につきまして、従来から政府がそのような姿勢で努力をしてまいった、あるいはまた、ことしにつきましてもそのような姿勢で努力をしてまいるということは、ただいま大臣からはっきりとお答えを申し上げたとおりでございます。ただ、同じく公労法の三十五条の規定によりますと、予算上、資金上仮にこの裁定の実施が不可能な場合には十六条に定める手続をとるということになってございまして、しからばその裁定が出ました場合に、それが予算上、資金上可能であるかどうかということを判断する必要があるわけでございますけれども、これはいずれにいたしましても、裁定が実際に出ました段階でそのときの財政事情をよく検討いたしまして判断をしていくことでございます。しかしながら、まだ春闘そのものにつきましてもこれから山場に差しかかろうという段階でございまして、従来の例から見ましても、公企体におきますところの、仮にこれが仲裁裁定までまいりましたとして、裁定が出てまいりますのはもっと大分先のことに相なろうと思うわけでございます。したがいまして、この十六条の方の手続にいく必要がありますかどうかというのは、その裁定が出ましたときの時点で判断をしなければいずれともいまの段階で決めてまいりかねることでございますけれども、大臣の申し上げましたとおり、私どもとしましては、この裁定の実施が可能になりますようにいろいろな努力をしてまいりたい。その努力の中の一つとして、法案の点についてもお触れをいただいたというふうに御了解をいただきたいと存じます。
#24
○瀬谷英行君 まあ余りこういう話でもって時間をとりたくはないんですが、限られた時間の中ですから。だけれども、私の言っていることは、それはまだ裁定が出ないのはわかっているわけです。お互いにわかっているわけです。だけれども、近々裁定が出ると、春闘の方もゴールになるだろう。その場合には裁定が出てくる、財政当局として考えなきゃならぬ、これはわかり切っていることなんです。数字はわからないけれども、その出るものが出た場合には関係法案といろいろとひっかかりを持たせないで実施をするんだということをここで約束をしてくれれば、春闘の片のつき方もそれだけ早いんじゃないかということを言いたいんですよ。そこのところは大臣にもわかってもらえると思うんですが、どうなんですか。余分なこと言わずにどうですか。
#25
○国務大臣(坊秀男君) とにかく三十五条の精神を、これを尊重してやっていくと、そのためにはいろんな努力をせねばならないと、こういうふうに考えておる。その努力の一つの方法として、これはやっぱりその法案が成立しておるということによって三十五条の精神というものを、これを本当に生かしていくということができると、こういうふうに考えますものでございまするから、そこで法案の成立ということを念願しておると、こういうことでございます。
#26
○瀬谷英行君 答弁の、それはやっぱり以下は要らないんですよ、本当はね。それは、やっぱり以下が続くからこっちも言いたくなるんです。しかし、これを繰り返していると時間がかかりますので、ともかく、じゃ春闘の方は、出るものが出たら金額を検討して、できない場合があったら困りますからという余分なことを言わずに、春闘はなるべく早く解決をしたいという気持ちで努力してもらいたいと思うんですよ。途方もないものが出てきやしないかなんて余分なことを考えることはないと思うんですね。そういう局長クラスになると頭がいいせいか悪いせいかわからないけれども、余分なことまで答弁を大臣に教えるものだから、それはやっぱりとかなんとか、ヘビの足がたくさん出て、ヘビの足にげた履かせるようなことが出てくるのでありますが、まあこの話はこの点で打ち切ります。
 そこで、今度は具体的な問題なんですけれども、米軍の基地の跡地利用でもって地元からいろいろと陳情があるんです。陳情の趣旨は、地元に十分使わしてもらいたい、こういう内容なんでありますけれども、関東周辺の米軍基地返還の見通しと、この跡地利用についての政府の考え方、地元の、要望にこたえられるのかどうか、その点を端的にお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(坊秀男君) 跡地の利用でございますけれども、御承知のとおりいわゆる三分割方式というものをとっておりますが、これは、国有財産中央審議会から、基地跡地に関する地元地方公共団体の要望に配慮しつつ、同時に国民全体の立場に立って国有財産の有効適切な利用を図るべく答申された処理方式でございまして、大蔵省といたしましては、これを行政の指針として今後地元地方公共団体と十分話し合い、円満な解決をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#28
○瀬谷英行君 地元では、たとえば三分割反対といったような、いろいろな意見が出ているんでありますけれども、関東周辺の米軍基地返還の見通し、これは防衛施設庁の方にもお答えいただきたいと思うんでありますが、それと沖繩の米軍基地、これは多少事情が違ってくると思うんです。沖繩の米軍基地返還の見通しの問題、あわせてお伺いしたいと思うんです。
#29
○説明員(多田欣二君) お答え申し上げます。
 まず関東周辺の米軍基地のことでございますが、御承知のように、十四回の安保協議委員会でいわゆるKPCPと言われる計画が進められておるわけでございます。これの対象になりました施設は、関東地区の立川飛行場ほか五つの米軍基地でございますが、これらの施設につきましては、四十八年度以来横田に移設関係の工事を進めておりまして、立川飛行場と、それからキャンプ朝霞南地区の一部を除きましてすでに返還になっております。残余の工事を現在鋭意続けておるわけでございまして、五十二年度中には恐らく関東局全部の終了ということになろうかと思います。したがいまして、立川基地、それからキャンプ朝霞の一部残っております部分も五十二年度には返還を見るであろうということでございます。
 それから沖繩でございますが、沖繩につきましては、御承知のように本土と違いまして、非常に米軍施設の占有面積が高いという事情もございますので、沖繩返還以来施設の統合整理というようなことにつきまして、地元の御要望というようなこと、利用計画というようなもの、あるいは安全保障体制との調和というようなことを図りながら、政府としてはいままでいろいろ努力をしてきたところでございまして、復帰以来いままで約千九百九十七平方メートルの返還ということが実現をされております。さらに御承知のように、十四回、十五回、十六回というような安保協議委員会等でいろいろ返還について協議をされている施設がございまして、それらの関係でまだ未返還な施設というものが約四千七百三十万平米ほどございます。これらの施設をできるだけ早く返還をするということで現在鋭意努力をしているということが現状でございます。
 以上お答え申し上げます。
#30
○瀬谷英行君 沖繩と関東周辺じゃ多少事情が違うし、関東でもそれぞれ事情が違うわけです。そこで共通している問題として、返してもらった基地、それの使用、跡地をどうするかという問題、それはほかのことと違って、土地はいま非常に貴重なものですから、この跡地利用は地元としてもぜひそういう要望が強いことは、これは私も無理もないところだと思うんです。いままでその基地のために不自由をしていたということなんですから、せっかく返してもらったならば、まず地元の方でたっぷり使わしてもらいたいという気持ちはわかると思うんですけれども、しかし、政府は政府として、政府機関をというような考え方もこれは出てくるわけです。そこで、跡地の利用の問題で、実は私どももこの陳情に立ち会ったことがあるんですけれども、理財局の関係では、なかなか地元の要請どおりにはいかないという事情があることをわれわれも承知しております。承知しておりますけれども、地元と話し合って、両方のそれじゃ考え方をどこかで折り合って、そして解決をするといったような方法も一つの方法だろうと思うんでありますが、その点についての大蔵当局の考え方はどうでしょうか。
#31
○政府委員(吉岡孝行君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、大口の返還財産の処理の方針につきまして、昨年国有財産中央審議会からその基本方針につきまして答申をいただいておるわけであります。もちろん、国有地といいましても土地でありますから、ほかの財産と違いまして、ほかに動かして持っていけるものでもありません。それぞれの地方公共団体に存在するわけであります。ただ、これらの国有地というものは、最後の貴重な国有地といいますか、これだけの大規模な国有地というのは将来首都近辺においては望み得ないわけであります。われわれとしましては、これは現在いろいろ地元公共団体はもちろん、国側の要請もある。それから、そういう貴重な国有地でありますから、現時点だけの観点から利用計画を立ててしまうのはいかがかという御意見もあります。そういう意味で、保留地も残すという意味も含めまして三分割という方針が打ち出されているわけであります。それで、具体的な問題になりましては、いろいろその土地の事情、それからそこにつくられる地方公共団体側の施設なり利用計画、それから国側がつくる施設、利用計画というのも、いろいろ中身があるわけであります。そういうことで、われわれとしては、その具体的な中身を話し合っていけばおのずからそこに最も有効な利用方法が見出せるのじゃないかということで、何よりもその具体的な利用計画に即して地元と十分話し合っていきたい、こういう方針で臨んでいるわけであります。
#32
○瀬谷英行君 地元と話し合っていきたいということは、地元の要請についてもどこまで耳を傾けるかということはここでは言明できないでしょうけれども、地元の要請も、全面的にというふうにいくかいかないかは別として、取り入れられるものは取り入れていくという考え方だというふうに理解してよろしいですか。
#33
○政府委員(吉岡孝行君) ただいま申し上げましたように、地元側はもちろんのこと、いろいろな要望がそこに殺到しているわけであります。これを調整していくための方法としてこのような方針が答申されているわけでありますので、われわれはそれを指針としまして、とにかく各般の需要を調整して、その場合、地元の要請というのはその枠内においてできる限りもちろん尊重していくことは当然であります。そういう方針で最も適切な利用計画を立てていきたいということであります。
#34
○瀬谷英行君 これ以上余り細かく突っ込むとお答えにくいだろうと思うのでこの辺にしておきますけれども、しかし、地元の要請ということもなかなか深刻なものがありますので、十分に御配慮願いたいというふうに思います。
 そこで、土地の問題が出てまいりましたので、これは午後の分科会、国土庁関係のところで私は質問する予定でありますけれども、土地価格ですね、土地価格の再評価といったような問題は、これは大蔵当局としても考える必要があるんじゃないだろうか。地価というのは一番物価の中では割り高になっていると思うんです。地価を抑制するということがインフレを抑制するということにも通じると思うんですね。その問題については建設省か国土庁かということで聞いてみたら、建設省から国土庁の方に回ったということなんですけれども、地価をどうやって抑制をするかということは住宅問題にもこれは影響してくるわけです。したがって、石油ショック以前に土地の買い占めをしたといったようなところは現在使い道がなくて困っているという面もあるかと思うのでありますけれども、地価の抑制問題と、それからこれと関連をして、日本列島改造論でもって地価をつり上げるのに役立った新幹線の問題があります。ところが、この新幹線の凍結を、つまり上越、東北新幹線のほかに、たとえば長崎新幹線であるとか、北陸新幹線であるとか、北海道新幹線、鹿児島新幹線、こういろいろとあるわけですが、これらの新幹線について凍結を解除するという話があるんでありますけれども、これらの問題は、国鉄財政がまさにピンチに立っておるときに、国鉄にさらに大きな荷物をしょわせることになりはしないのか。国鉄に荷物をしょうわせないでこれらの新幹線の凍結解除をやるんだという考え方が財政当局としてあるのかどうか。あわせて、地価の抑制についての対策は持っておられるのかどうか、これをまとめてお伺いをしたいと思います。
#35
○国務大臣(坊秀男君) 一般の土地の価格に対する問題というものは非常に広い大きな問題でございまして、大蔵省といたしましても、課税等の関係もございますし、これはこの際一遍全面的に見直していく必要があるだろうと思いますが、これは別にまたお答え申しますが、新幹線の問題です。五つの整備新幹線につきましては、東北やなんかと別に、たとえば長崎だとか、そういったような新幹線につきましては、四十八年に整備計画が策定されて以来国鉄と鉄建公団で調査が続けられてきたところでありますが、特にこれを凍結されていたわけではございません。しかし、今回、今後の取り扱いについて、この間関係閣僚会議を開きまして話し合いました結果、その新幹線をめぐる環境等を含めて徹底的に調査すると、こういうことになった次第であります。したがって調査をさらに徹底して行うこととなりますが、整備新幹線、いまの五つの新幹線につきましては、御指摘のとおり、建設されてもなかなか、採算ということにも考えにやならぬ点が多々あるということでございますので、相当考えなければならない、こういうふうに思います。他方、国鉄財政をいま再建することがもう最重要な国民的課題となっておることを考えますと、国鉄に新たな赤字要因を持ち込むということは、財政再建の方向に逆行することとなるほか、国の財政の状態も御案内のとおり極度に悪化しておりますので、この新幹線についての建設着手についてはなお慎重に検討しなければならない、こういうふうに考えております。
#36
○矢原秀男君 では簡単に質問をしたいと思います。
 まず、五十五年度に赤字国債発行をゼロにするためには歳入歳出両面での慎重かつ有効な財政運営が必要となるわけでございますが、今後の具体的な青写真を国民に示す必要があると思います。その内容、めどについてまず大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
#37
○国務大臣(坊秀男君) いま御指摘のように、国の財政を再建していくためにはいろんな手段を慎重にしかも真剣に考えていかなければならない、そのためにはどうしたって現在の歳出の面でも歳入の面でもこれは相当な手を打っていかなければならぬということは痛感いたしております。このままでいったのでは、これはとうてい日本の財政の再建ということは完成しがたいということでございますので、歳出の面におきましては従来の慣行だとか制度だとかというものへ根本的にメスを加えてこれを改善していくということ。歳入の面におきましては現行の租税体系でもって自然増収を頼りにいたしておりましても、とても高度成長時代とは違いますから、それはとうてい十分な期待をかけられないということから、で奉るだけ近いうちに何か租税収入を中心とした増収を図っていかなければならぬということで、ただいま、昨年の六月あたりから日本の国の今日の中期税制というものを目指しまして、直接税、消費税、それから資産課税といったようなあらゆる税の、何と申しますか、税源と申しますか、そういうものを俎上に上せて、税制調査会で広範な真剣な勉強をしていただいておるということでございます。この結果がもっと早くあらわれるべきはずのところ、それがいろんな都合でまだあらわれておりませんけれども、ことしの秋ごろには大体のめどが、それは一つになってあらわれてくるか二つになってあらわれてくるか、また、こういったような材料が直接税ではどういう税があるとか間接税ではどういう税があるとか、まず資産課税を新たにやるべきかやらざるべきかといったような材料の提供をしていただけるか、いずれにいたしましても、ことしの秋ごろにはめどがついてくるということを期待しておりますが、現在のところいま日本の来るべき租税体系についてこういう体系だという青写真をつくる段階には至っておりませんが、その点を御了承願いたいと思います。いずれできましたならば国会にもお諮りを申し上げまして、国民の御批判なり国民の選択ということをお願いすることとなろうと思います。よろしくお願い申し上げます。
#38
○矢原秀男君 大蔵省の財政収支試算によりますと、五十一年度、五十二年度のケースAをとりますと、そのうち五十二年度、五十三年度の対前年比の税収の伸びが、五十一年度の試算では五十二年度が二四・三%、五十三年度も二四・三%となっております。そうして五十二年度に試算をされた面を見ておりますと、その方では五十二年度に一六・四%、五十三年度が二七・四%となっております。こうなってまいりますと、五十五年度へ向けてしわ寄せされていくことが数字の中で明らかになっておるわけでございますが、そこで具体的に五十三年度からの税収の伸びを確保するにはどのような対策を講ずるのか。先ほどの御答弁と重複するかもわかりませんけれども、御答弁いた、だいたわけでございますが、重ねて質問をしたいと思います。いま私が申し上げたように、五十一年の試算と五十二年の試算が、増収の伸び率が年度によって変わってきているんですね。そういうことで私も疑問を持っているわけでございますが、いずれにしてもその詳細、対策、それをお願いしたいと思います。
#39
○政府委員(大倉眞隆君) まず計数の方でございますが、おっしゃいますように五十二年度でお出ししました試算の方が、五十一年度ベースで昨年お出ししました.ものに比べて一層困難の度合いが大きくなっている、おっしゃるとおりでございます。違いでございますが、これは両者お比べいただいておわかりいただけますように、五十五年度の三十五兆五千八百億円という、まあこれ、だけないと公共投資をふやし振りかえ支出をふやし、なおかっ特例債をゼロにするということはできないという姿を書いているわけでございますが、これは昨年も本年も実は変わっていないわけでございます。三十五兆五千八百という五十五年度の姿が先に置かれておりまして、それを昨年の場合には五十一年度との間をいわば機械的につなぐ、今回は五十二年度との間を機械的につなぐという作業がいたしてございますので、その意味では各年度はいわば機械的な輪切り計算でございまして、必ず各年度こうしなくてはならないという意味の計画というようなものではないということをしばしば申し上げているわけでございます。昨年度の試算に比べて五十三年度、五十四年度、五十五年度いずれも対前年の税収の所要伸び率が大きくなったということは、それは五十二年度がやはり大きな増税を考えることができない年になってしまったために、昨年度の試算でございました二十兆という税収にならなくて十八兆七千九百でとまってしまった。それと三十五兆を結びますと、やはりどうしてもその間の伸び率は高いものとして出てくるという関係になっているわけでございます。
 さて、そのために具体的にいかなる項目での増税を考えるかという点につきましては、先ほど大臣がお答えいたしましたように、昨年六月以来非常に粘力的に御審議いただいておりますが、いまだに具体的な結論をお出しいただくまでには至っておりません。私どもとしましては、ことしの秋に何らかの方向づけをいただきたいということをお願いしている段階でございます。
#40
○矢原秀男君 五十三年度からの増税について伺いたいと思うんですが、まず間接税、法人税の増税についてのお考えについて、また間接税に対しましては一般消費税的なものとなるとの意向も伺っておるわけでございますが、これはいわゆる付加価値税ということであるのか。またその内容はどうなのかお伺いしたいと思います。
#41
○政府委員(大倉眞隆君) 御承知のとおり、昨年六月以来の税制調査会の御審議は部会を二つつくっていただきまして、分かれて御検討を願っでおります。それで、資産税と流通税、消費税は第二部会の方で御担当願っておるわけでございますが、第二部会は、まず現在ございます各種の税目につきましてもう一度根元から洗い直すという作業を四回にわたってやっていただきました。その御審議の過程で、それぞれの税目についてなお負担の増加を求める余地があるであろうという方向での御審議が続いたわけでございますが、第三回会合の終わりましたところで、部会長から御提案がございまして、いままで現在ある税目を洗い直してみたんだけれども、それぞれなお負担の増加を求める余地があるにしても、なかなかそれだけで足りないということが出てくるかもしれないように思われる。したがって、従来から国会で御論議があり、あるいは税制調費会の中で論議をしたことがあるといういわば新税についてすべてを一遍検討してみたらどうだろうか、その材料を出してほしいという部会長の御指示がございまして、それを受けまして昨年の十一月二日に中期税制の一環として論じられている新税等の概要についてというメモをお出しいたしました。これにつきましては、先般予算委員会の一般質問の中で青木委員から御質問がございまして、それにお答えして資料としてお出しするといきことにいたしましたので、お手元にも掃いているかと思いますが、その中に八項目のいわゆる新税というものがごく簡単に並べられております。しかし、これも一回御審議を願っただけで、あと五十二年度の具体的な税制改正の方に、審議が移ってしまいましたので、なおかなりの時間をかけて、またもう少し資料もそろえて御審議を願わないといけないのではないかというのが現在の状況でございますので、その新税をやるべきかどうかというところがまだ戸口の議論。したがって、もしゃるとしたらどういうタイプの新税かというのはまだこれから先の議論という段階になっております。
#42
○矢原秀男君 間接税にしぼってちょっとお伺いをしたいわけでございますが、まず五十一年八月現在の所得階層別分類によりますと、一分位の月収が二十一万一千円、五分位で五十八万七百七十八円となっております。間接税の負担の状況はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
#43
○政府委員(大倉眞隆君) ただいまお示しになりました数字は、総理府の家計調査の数字であろうかと思うわけでございますが、これは矢原委員よく御承知のように、家計調査は実は原票までたどってまいりませんと、現在ございます消費税の課税品目をどのように購入されたかということがわからないわけでございます。公表されている統計では勤労所得税は別掲してございますけれども、その他の税というのは固定資産税なども含めまして全部その他ということで一括して出てまいっておりますので、個別の家計での支出を全部ばらして、原票までたどってみれば、その中にたとえばお酒はどういうお酒を買われたとか、たばこはどうだったということが出るようにはなっているようでございますが、そこまでたどればそれなりの計数は出てこないことはございません。そういう意味で、十数年前になりますが、税制調査会にそのようなトレースをしてみて資料をお出ししたこともございます。ただそのときにやはり家計調査そのものが非常にサンプルが少ないということから、果たしてこれで全国民の負担というものを類推してしまっていいのだろうかという点にかなりの疑問が出されたようでございまして、それ以後、家計調査を基礎にするそういうような調査というものは実はいたしていないわけであります。
#44
○矢原秀男君 私、気にしますことは、やはり今後増税という面がどうしても出てくる。しかし国民の立場から見ておりまして、試算というものが明確に出されたものでないとやはりある面では納得されないのではないかというようなこともあると思うのですけれども、そこで間接税についてあなたからもいま御答弁いただいたわけですけれども、逆進性の強い税として問題になっていることはこれは論を待たないわけですが、この点について税制調査会では、昭和三十八年ごろまでは所得階層別に間接税の負担割合を作成しておられました。あなたがいまお話しございましたような、面があったので、やめられたのではないかなともいま思うわけでございますが、やはり増税という問題が出てくれば、どうしてこういうような形になるかという、そういうやはりきちっとしたものがなければ、私いけないと思うのですね。そういう意味で、間接税についてその内容を国民に知らせる義務というものがあると思うわけです。そういう面からは、いま一度この間接税の負担割合というものを、もう今後作成されないのか、そういうふうな点と、それからいずれにしても実態というものを把握していただきながら、そういう面の割合というものは、どうしても私は作成というものが必要ではないか、こう思うわけなんですが、あなたの御意見を伺いたいと思います。
#45
○政府委員(大倉眞隆君) 御指摘の御趣旨は私どもなりによくわかるわけでございまして、私ども何かそういう調査が必要だという問題意識を持っているわけでございますが、それがただいまのところは、消費支出を非常に具体的に記録していただいているものとしては家計調査しかないわけでございまして、家計調査というものが非常に少ないサンプルだものでございますから、それを全体に押し広げていくことでいいのかどうかという問題で非常に悩んでいるわけでございます。しかし何かの方法で非常にラフなものであり、あるいは非常に多くの留保条件をつけなくてはならないものであるにしても、何かやらなくてはいけないではないかという御指摘は私どももよくわかりますので、なお多少時間をいただきまして、どういうものならお示しできるか、勉強を続けてみたいと考えているわけでございます。
#46
○矢原秀男君 いま、私の手元に、元主税局長、国税庁長官の著書があるわけでございますが、その中には総理府の家計調査から、間接税の負担率の推計が載っておるわけなんですね。そういうこともありまして、そして先ほど申し上げましたように、税負担がさらに国民の中にふえていく、こういう場合に、やはり私は先ほども申し上げましたように、国民の納得のいく税という立場から考えてみて、皆さんの先輩である国税庁の長官もそういう負担率の推計をあらわしていらっしゃる。そういう観点から、やはり大蔵省としても将来のためにはこの資料というものを作成されなくてはならないのではないか、こういうふうに、私はこういう観点から質問をいたしているわけでございますが、政府の調査機能からして所得階層別の間接税の負担の実態、これはまあわからないわけはないと考えるわけでございますが、この十年近く所得の格差も変化していると思うんですね。そういうふうな観点の中から、やはりその実態というものがあなたのところでも把握をされていらっしゃるのかどうか、まずそういうこともお伺いをしてみたいと思います。
#47
○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど来お答えしておりますのとダブってしまうわけでございますが、原資料がどうも家計調査しかない。したがって家計調査をトレースしていまおっしゃったような計数を出してみることは、これは時間をいただけばできると思っておるわけでございますが、ただ、それをおっしゃるような意味での全国民の負担の配分がそうなっているというふうに使っていいんだろうかという点に非常に疑問があるものでございますから、なかなかこれでございますと得ってお出しできないような気がしておる。しかし、学者の方もずいぶん参加していただいておりますので、もう少し何らかのやり方があるのかどうか御相談を続けているわけでございますが、少なくとも具体的に負担の増加をお願いする段階までには何かそういうものが必要だという感じは私ども持っているわけでございまして、なお勉強を続けさしていただきたい、そういうことでございます。
#48
○矢原秀男君 最初に申し上げましたように、財政収支の試算ケースAによりますと、五十三年度の対前年度比の税収の伸び率が二七・四%となっておりまして、これは明らかに私は大幅な増税になるわけと、こういうふうに私は解釈をしているわけです。何回も重複するかもわかりませんが、増税に占める間接税の所得階層別の負担率といったものを具体的な内容を示さなければ国民の方々も納得しないでございましょうし、また、審議をする立場にしてもなかなか私は進捗しないと考えているわけでございます。そういう意味から、資料の作成についてお伺いをしたわけでございますが、いま国民生活の立場から見まして、国民の庶民層と言われる方々の大半が税に対して非常に納得をされておられない、こういう大きな不満を持っているところへ物価値上げ、上昇等々で非常に生活が大変になっている。ですから、やはり増税、そういうふうな場合があるときには、国民の皆さんに御理解をいただいて納得をしていただきながら御協力をしていただかなければならない、そういう立場からやはり間接税に対する明示というものを国民の方々にはっきりしていかなくちゃいけない、そういうことを私は感じるわけでございますが、最後にもう一度この点について大蔵大臣、あなたの御見解をお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(坊秀男君) 御指摘のように、やはりある程度の租税収入の増額というものを図っていかなければならない。そのときに、先ほども申し上げましたとおり、具体的にどういう租税体系をとるかということはわかりません、まだ目下のところ決まっておりませんけれども、しかし、その中で直接税と間接税、これをどういうふうに一体間接税がそのシェアを占めるのか、構成比がどうかということを非常に重視なすっていらっしゃるようでございますが、私どもももちろんそう考えておりますが、租税体系をつくるに当たりまして、それはそのときの財政経済事情等が一番大きな土壌と申しますか、税体系を立てていく土壌になろうと思いますが、そのときに、あらかじめ直接税を何パーセント、間接税のシェアを幾らというふうに決めてかかっていくことが必ずしも妥当なことであろうかどうかということについてもまだ決定的な意見はございません。そういうような事態に応じて直接税をこう増収を図っていったと、これでは足りないというところで間接税にかかっていったと、その結果どういうふうになったかということですね。あるいはまた、いずれにしても間接税に重点を置いて、間接税からいって、そして直接税を補完するために直接税を充実さしていく、この考えは私は、まあヨーロッパではその考えがずいぶんあるようでございますけれども、日本ではそれが適当かどうかということも、私はまだどちらがどうという判定はつかぬと思う。かつて日本の国では直接税よりも間接税の方が大きくシェアを占めておったということもあったようでございますが、要するに、今度の増収計画を具体化するに当たりましては、いまの日本の国に最も適当なというような税目――税によって税体系を立てていくということを考えるべきでございまして、非常に御心配いただいておりますが、その間接税の比重をどうしていこうかということにつきましては、目下のところはそういったような考え方に立っていないということを申し上げたいと思います。
#50
○矢原秀男君 私、いま間接税にしぼってお話をしておりますのは、大臣、税に対して国民階層は怒ってますよ。本当にわれわれが働きながら、所得も少ない、物価は値上がりしている、これ以上なぜ税の負担を多くわれわれは受けなくちゃいけないのか、出すのであれば明確にしてくれと、そうして国民の方々にやはり批判をしていただく数字を明確にしなくちゃいけないのです。そうして、この間接税の問題については、われわれの収入からは非常に不合理な点があるではないかと、まあ皆さん方はそうではないです、こういうようになるでしょう。そういうふうに広く国民の階層の方々に、皆さんに対するこの物品の間接税についてはこうなんですと、御批判があったらどうぞ言ってくださいと、そういうふうにわかるような明示をびしっとしながら、やはり公開の原理の中で国民の方々に御理解をいただく、そういう私、庶民のささやかな本当の感情、ささやかというよりも憤りの感情の中から、きょうは静かに質問させていただいたわけでございますが、やはり国民の皆さんに、こういうふうにしていただいておるんですよというふうにして、明確にきちっとして、そうして、やっぱり国民の皆さんからも堂々と御批判を受けていく、そうしてそれを検討していくというふうな立場から私は数字の明確なものをという主張をいまさしていただいたわけです。ですから、どうか働く人、そうして働いても収入が少ないために税金も払えない方々、そういう方々の生活というものを考えて、やっぱり大資本と働く人というものの税の取り扱いというものは公平にしていただかなくちゃいけない。そういう意味で、私は庶民の立場からいま申し上げているわけでございますが、まあ何回も言いますように、税の負担に対して国民は本当に憤りに燃えているわけです、大臣。それがいま具体的な事項を申さなくてもおわかりだと思いますけれども、そういう基本的な立場の中から質問申し上げたわけでございますので、どうか国民の庶民層応対して重税のかからないように、今後とも大蔵省にはお願いしたいと思います。
    ―――――――――――――
#51
○主査(中村太郎君) 分科会担当委員の異動について御報告いたします。
 瀬谷英行君及び久保亘君が委員を辞任され、その補欠として神沢浄君及び粕谷照美君が選任されました。
    ―――――――――――――
#52
○神沢浄君 私は造幣局が行っておる貴金属製品品位証明の問題について若干お尋ねをしていきたいと思います。
 まず第一に、これはどういう法制上の根拠に基づきやられておるのか、同時にその目的はどういうことなのかという点からお尋ねをしたいと思うんです。
#53
○国務大臣(坊秀男君) 金の検定に関して、どういう理由でやっておるのかと、こういう御質問のように承ったんでありますが、造幣局がやっておるそうでございますが……。
#54
○神沢浄君 造幣局が貴金属製品の品位証明ということをやっていますね。要するに検定をやっているわけですね。したがって、それはどういう法制上の根拠に基づき、同時にそのことはどういう目的を持っておるのかという点をお尋ねをしているわけであります。
#55
○説明員(宮原翠君) 事務局の方から答えさせていただきます。
 ただいま行われております貴金属製品の検定でございますが、これはただいま大蔵省設置法の第十五条に定めてございまして、造幣局の業務の一つとして行われております。その目的は、業者の方から製品の品位の証明をしてくれという依頼を受けまして、その場合に公正な品位の試験を行いまして、これを証明し、そして貴金属取引の全体としての安全を図り、あるいはそれを買い求めます消費者の保護を図るというようなことを主たる目的といたしております。
#56
○神沢浄君 そうすると、結局法律はないと、省内の規則に基づき、業者の依頼があるからそれでやっておると、こういうことですか。
#57
○説明員(宮原翠君) ただいま申し上げましたように、法律といたしましては、大蔵省設置法の第十五条に造幣局の業務という項がございまして、その中にこの貴金属製品の証明につきまして業務とするという一項が入ってございます。これが一番の基本でございます。
#58
○神沢浄君 この辺を確かめておきたいんですが、設置法の中にその業務の一項としてあると、したがって、その規定された項目に基づいて業者の依頼があるからやっておると、大蔵省自体がもっと、たとえば業者取引の安全だとか消費者の保護だとかというような目的をはっきり定めてやっておるのではないと、こういうことでしょうか。
#59
○説明員(宮原翠君) 私どものやっておりますことは、あくまでも強制的なそういう証明制度ではございませんで、任意のものでございますので、やはり業界の方から依頼がありました場合に、それを受けて証明、分析をして差し上げるというふうな仕組みになっております。
#60
○神沢浄君 この検定はいま全国何カ所で行われておりますか。
 それから、私は山梨ですけれども、きょうの委員長も山梨だな、山梨におきましては、これは御承知のとおり伝統産業的に貴金属の製造加工というようなものが非常に盛んなところでありますが、そういうような地域などの扱いはどうしておられるかということをお尋ねをいたします。
#61
○説明員(宮原翠君) ただいま貴金属製品の品位証明の私どもの仕事は造幣局の本局、これは大阪にございますが、本局と東京支局、広島支局並びに熊本の出張所、この四カ所で行っているわけでございます。この業務は、昭和四年からさかのぼって五十年近く行われておりますが、現在のところそういう四つの場所ということで行っておるわけでございます。
#62
○神沢浄君 それで、大阪、東京、広島、熊本と、こういうお話ですけれども、ここで取り扱われております、要するに検定をされておりますところの数量は、それは全国の貴金属加工製品の流通量に対してどのくらいのパーセンテージになっておるか把握されておるでしょうか。
#63
○説明員(宮原翠君) これにつきましては、私、業界の方々に時折お話を伺うわけでございますが、業界の話によりますと大体四〇%前後というようなことをお聞きしておりますけれども、私ども自身といたしましては、残念ながらいまのところその正確な統計等が手元にございませんで、正確な数字は何%であるかということについては必ずしも把握できていない状態でございます。
#64
○神沢浄君 扱われておる量はこれはおわかりでしょうね。造幣局が扱われておる量はどのくらいになっておりますか。
#65
○説明員(宮原翠君) これは、たとえば昭和五十年度につきまして、全国四カ所の取扱量でございますが、これは個数で私どもとっておりますが、約五百七十万個ということになっております。昭和五十一年度につきましても、大体ほぼ横ばいであるということになっております。
#66
○神沢浄君 それはいま個数でおっしゃられたけれども、キロ数というかトン数というか、そういうようなものにはちょっと換算はむずかしいですか。
#67
○説明員(宮原翠君) 御依頼を受ける品目が非常にさまざまでございまして、ネックレスだとか指輪だとか、いろいろメダル的なのもございまして、ちょっと重量的にはなかなか把握がむずかしゅうございます。
#68
○神沢浄君 それはまあやむを得ぬですけれども、私どもが聞き及んでおるところでは、さっきも申し上げましたように、私の県、特に甲府市などにおきましては非常にこの種産業の盛んなところでありまして、年間に消費しておる金の量というのが大体六トンくらい、一カ月五百キロぐらいです。そのうち、造幣局の検定を受ける量――受ける量というか、受けられる量というのをパーセンテージで出してみますと、三〇%になっていないですね。そんな程度なんです。先ほど四〇%前後というふうにおっしゃられましたけれども、まあ省の方でも数字はつかんでおられぬようですし、私の申し上げるのもいわば推定でございまして、三〇から、いま出ました数字の上でも四〇というふうなところになるわけですが、そこで実はいま非常に業者などの間に問題が起こっておりますのは、これは新聞折り込みなどになった広告ですけれども、後からそちらへ回しますが、ほかにもあるようですけれども、ここに二種類ばかり持ってきておるんですが、ここに「大蔵省造幣局「品位証明」刻印入」、こちらにも「大蔵省造幣局刻印」、何か日の丸の例のマークがありまして、「入指輪」というふうなことでもって、いわば造幣局検定というものに過大な権威づけをして、それを営業のために利用をしているような行為がいま頻繁に行われているわけなんですね。そこで、いま業界で非常に問題になっておるのは、こういうようなことが行われてくる以上は、結局造幣局の検定を受けた業者はそのために非常に有利な立場に立つと。ところが造幣局の検定が受けられない業者は、これは不当な不利な立場に立たざるを得ないと。国が行っておる検定という業務を通じまして、実はこの種業界においては、非常にそのために不当な営業上の利益を供与をしておる面と、今度は逆にこれは不当に、利用のできない、利用困難な業者には不利を国が与えておるというような、こういう実情がいま生じているわけでありまして、大蔵省造幣局の側からすれば、頼まれたからやってやっているんだと、こういうことかもしれませんけれども、しかしそのことが、これは民間の検定業かなんかならいざ知らず、少なくとも国がやる業務が業者の間に不当に利益を与えたり不当に不利を生ぜしめたりというようなことになると、私はちょっと国の仕事としては問題になる点ではないか、こういうふうに考えざるを得ないと思うんですけれども、これはひとつ大臣の御見解など先に承りましょうか。
#69
○説明員(宮原翠君) 最初に私の方からちょっと説明さしていただきますが、最初に御質問ございました、ちょっと誇大な広告と申しますか、折り込み広告等でございますね、私どもよく新聞で折り込んでありますのは見ておりますので、そこにお持ちの――確かに広告によりましては非常に造幣局刻印云々などというのが非常に大きな文字で打ち出されておりまして、非常に目立つという場合がございます。それで私ども、余りこういうことは問題があるではないかということで、かねてからそういう事例につきましては業者の方にお話をして、できるだけそういう誇大な広告は慎むようにという指導――お願い、指導ですか、そういうことは申し上げておりますし、また、今後ともそれはやっていくという所存でおります。
 それから御質問のございました、ある特定なところはその検定を受けることができないで、受けたところだけが有利ではないかというような御質問の御趣旨かと存じますが、これにつきまして、私ども業界の方々からもそういう御意見を時にお聞きしておるわけでございます。私ども、これは本当に何とかうまく行われる方法がないかというふうには考えておりますんでございますが、何分いまのところ、造幣局は全国四カ所にしか置かれていないと、限られた人員と限られた予算で一生懸命やっておるわけではございますけれども、どうしても地域的に若干離れたところの方々には、そういう意味ではお持ち込みになる御不自由とか、時間とか、そういう点で問題があるというような、そういう御意見はよく体得しておるわけでございますが、どうもいまの体制では、私ども精いっぱいの内部的な努力はいたしますけれども、そこのところは非常に基本的な解決がなかなか困難ではないかというようなことで、私ども頭をちょっと痛めておるわけでございます。
#70
○国務大臣(坊秀男君) 金の検定をして刻印を押すということについて、希望者にはこれを行い、あるいは行っていないということによりまして、刻印希望者として刻印を押してもらった業者が刻印を押したということによって社会的な信用を受けることによって、検定をしなかった人たちに、これは消極的ではございますけれども、不利益を与えるじゃないかと、こういうお話でございますが、そのお話の実情はよくわかります。
 そこで、私はそもそもこういったような検定をするということは、金というものの性質上、金を指輪の形においてでも、あるいはネックレス、装身具の形においてでも、これを店で購入する人、この購入する人が本当に素人目ではこれは純金なのか二〇金なのか、まじり気があるのかないのか、あるいは、贋物であるかというようなことを素人はなかなか買う場合に判定しにくいと。そこで唯一の判定のよすがとしては、造幣局なら信用してもらっておるから、そこで造幣局の刻印を押すということによって、贋物だ、それからうその表示じゃないということで購入者が安心して買えると。つまり、取引の安全ということを、これを私は目的としてこの制度が行われておるんだと思います。
 そこで、そんなことをやったら刻印を押さぬ人は非常な不利益を招くじゃないかということになりますと、その救済の方法は、これはもうそういったようなことはやめてしまった方がいいじゃないかと、みんなもう一緒にして。そうなりますと、私はいまはとにかく刻印を押してあるのと押してないのとがありますけれども、一般的には、その刻印を押すということによりまして贋物や何かは出ないように相当そういうことに効果が上がっておるんだと思います。それからそれをやめるというわけにもまいらないから、それじゃ全部を強制的にということにするということは、これは理想的な話でございましょう。だけれども、やっぱり造幣局の機構というものはこれがいま日本の国に四つしかないと。不便なところは非常にそういう刻印を押してもらいに行くのは困るじゃないかというお話でございますが、そこで、これは二つ両立しない問題でございます。やめろということと両立しない問題でございまして、何としてでもやっぱり取引の安全を期していくというためには、何とかやっぱり刻印を押すという制度、これを普及していくというような方向をとるのが、まあまあいまに処するべき道のように思えますが、いまのところしかし造幣局の機構というのは、御承知のように大変これは日本全国に対しましては小さい、それには余りに貧弱な機構でございますが、じゃそのために造幣局を税務署みたいに全国にそういったようなことのできる機構をつくっていくということ、これまた大変なことのように私は思います。しかし、いまの御質問の趣旨、御意見、私はよく理解されます。早急にどうしろ、こうしろということは、これはなかなか困難なことでございますけれども、常にこれは頭の中に置きまして何とか考えてまいりたい、かように考えます。
#71
○神沢浄君 いまの大臣御答弁と私も同じ考え方の上に立って御質問をしておるわけですよ、やめろとかいうような、そういうことでなくて。ただ、いまお話の中にも触れられておりますように、消費者の保護を考え、それから業者の取引の安全を考え、この検定というものが非常に大きな役割りを果たしておるということは、それはそのとおりだと思うわけです。ただ、いまいみじくもお話の中に触れられましたように、造幣局の機構と規模というものがこれは限界がありますから、恐らく私の推定ではいま全流通量の三割前後ぐらいのものではないか。さっきの局長さんの御答弁をそのまま受け取っても四割だということでありますと、検定を受けることのできない量の方がこれは大きいわけでありまして、そこに問題が起こってくるわけですね。あるデパートにおいては造幣局の刻印がなければ取引に応じないというような、こういうような問題などもありますし、そういうために何か数年前には刻印が偽造されたというような事件などもたしかあったはずであります。
 事がこういうふうになってまいりますと、造幣局は取引の安全あるいは消費者の保護のために依頼をされたものにだけ検定をして刻印を押しておればいいということではこれは相済まぬことで、少なくとも国の業務といたしまして。そこで、やはりこれは国としても検討を加えていかなければならない問題にいまやなってきておるんではないか。一番いいのは、そういう検定の施設をそれぞれ産地などには配置をいたしまして、全流通量に応じられるような体制がとれればこれはいいでしょうけれども、しかし、それは恐らくいまの、何も検定が主たる目的の省ではないでしょうから、これは無理のことにならざるを得ないということになりますと、それではどうしたらいいかという点を、これは国の立場からいたしましてもこの際急いで検討をしていただくことが非常に必要ではないか、こう考えるわけであります。
 そうでなければ、いまのままでは何か非常に業者間に営業上の不均衡を生ぜさせましたりするだけでもって、またそういう不均衡や矛盾が拡大をしていくという、恐らく流通量だってふえていくでしょうから、ということにならざるを得ない。そうすると、大蔵省の立場というのはどういうことかというと、検定という業務を通じてただ検定料を取って大蔵省の収入がそれだけふえているにすぎないというような、何か収入のための事業だというようなことになってしまわざるを得ないわけでありまして、しかもその結果業界に対しては相当の迷惑を及ぼしておる、そういう不公平だとか矛盾だとか不利益だとかいうようなものを与えてしまっておると、こういう現実になってきておるわけであります。そういうような点で、大蔵省は設置法に基づく規定によって依頼があるからやっている、別に何も悪いことはないというようなことで済まされるのか、それとも、これはなるほど国民生活に対して非常に大きな影響を生ぜしめておるものだから、大蔵省、いわゆる国という立場でもってこの検定問題というのを、金製品の検定の問題というのをここでもってとにかく考え直さなきゃならぬじゃないかというような――私は別に大蔵省のいまやっていることをやめなさいなんということを言っているのじゃなくて、もっと建設的な方向でもって、利用できるなら全流通量に及ぼし得るような利用の機構などを考える、何かやっぱりそういう方向への問題打開を考えていかなきゃならないと、こういう事態にいまは際会しているんじゃないかと思うんですが、そういう点でのひとつ御見解をお聞きをいたしたいと思うんです。
#72
○説明員(宮原翠君) 先生の御質問の御趣旨はよくわかるわけでございます。全国の三割あるいは四割という数字にとどまっておるということでございますけれども、この業者は、本当に府県ごとに見ますとかなり少数ずつですけれども全府県に散らばっておることと存じますので、繰り返しになりますけれども、やっぱり四カ所だけではどうしても限界があるわけでございます。ただ、大阪、東京というところはかなり業者の方が集中しておりますので、これはある程度の御要望にはこたえられるとは思っておるわけでございます。
 ただ、私ども国の行う検定のほかに、あるいは民間の方ででもそういう検定機関、権威のある検定機関ができまして検定をなさることについては私ども決して異存ございませんので、そういうものができてだんだん権威を高めていくというようなことも一つの方法ではないかというふうには考えております。
 そこで、私どもとしていまできますことは、やはり内部で人員をやりくりして重点的な配置を行って、期間をできるだけ早目に検定をして差し上げるというようなことの方向で積極的な努力をいま払っておるわけでございますが、あるいは東京近辺の近くの業界の方々にいたしましても、あるいはある程度の量をまとめてお持ち込みくださいまして、できるだけ格別に行き来するというような御不便がなくて検定の作業も全体的に合理化の方向を検討いたしたいと、業界の方にもよくお話をお伺いし、またお願いいたしたいというふうにして、精いっぱいの努力はいたす考えでございますが、ひとつそこら辺の私どもの意のあるところをおくみいただきたいと存ずるわけでございます。
#73
○神沢浄君 いま民営の話が出ましたけれども、私の県の場合は、繰り返し申し上げるように、この種産業の非常に盛んなところであるものですから、民営検定施設があるんですよ。これは県がカバーをしましてね、県の指導所がカバーをしてそういう施設を設けてみましたが、これはもう権威上対抗ができないわけですわ。これは結果としては民営が打ち出したものだっても同じものですよ。私はそう確信をしておるんですけれども、しかし、何といってもあの日の丸のついた造幣局の刻印があるとないでは一これは同じことなんです。だからもう成り立たないですね。せっかく民営の施設をつくってもこれが成り立たない。したがって、私は大臣、ここでもってひとつ問題提起をしたいと思うんですけれども、これは造幣局の業務を私は云々するんじゃなくて、金といえば、私ども庶民にとってはそれこそ高ねの花みたような貴重なものですわね。こういう貴重なものが、造幣局の刻印を打ったものだけが権威づけられて、あと六割か七割か、他の流通しているものについては全然その恩恵に浴せないというようなことになったんじゃ、これは国としても問題です。ですから、全流通量が利用可能、要するに検定が受けられるような民営の検定機関というようなものを、それぞれ必要個所には設置をするようなことを、これはもっとやっぱり指導をされて、そしてその監督と指導というようなものは、これは大蔵省というか、造幣局がそれを握って当たられると、こういうようなことにすれば、それこそ文字どおり、その結果取引の安定も、それから消費者の保護も達成できることになるのであって、私はそういうようなことをひとつ国の立場でもって考えてみていただいたらどうかと、こう思っておるわけなんですけれども、造幣局のやっているただ検定業務という狭い考え方じゃ、それは別に間違ったことをやっておるわけじゃないんだからということにもなるかもしれんですけれども、事、金製品の検定という一つの問題として取り上げれば、これはそのまま放置してはおけないような問題ではないか、やっぱり国もそのままどうも見過ごしていてはならぬ問題じゃないかと、私はこう思うんですが、大臣の御見解など、どうでしょうか。
#74
○説明員(宮原翠君) 民営機関のお話でございますが、山梨県には独自のものがございますというお話は私どもかねて伺っております。ただ、これがお説のように、あちこちにこれをつくって造幣局が監督をしてはいかがかというお説だと思いますけれども、これにつきましても、やっぱり残念ながらそう数ができますと、いま私どもが抱えております要員を出張をさせて監督をするということに必然的になりますけれども、いまなかなか、部内におりまして受け付けてこれを処理をするのが本当に精いっぱいでございまして、そういう数の問題とか、あるいは経費等の問題を考えますと、どうもいまの体制ではそこまでなかなか余力がございませんで、したがって、そういうことを仮にやりましても、民間がやられた検定の結果を造幣局が最終的に責任を持ってこれでよろしいというところを、自信を持ってそういうことを指導を申し上げることが非常にむずかしい状態であるというように考えておるのが実情でございます。
#75
○神沢浄君 実情はそうでしょうけれども、私は、しかしこのまま済まされる問題ではない、そういう現実の事態が生じておると、こういう点から問題を取り上げているわけです。私は、造幣局がいまの業務をやめなさいなどということを申し上げようとは思っておりません。造幣局はいまの業務をさらに続けられて当然だと思います。しかし、それだけでは全流通量というものに対応できないんだから、やっぱり民間の――まあ造幣局がもっとあちらこちらに支所、出張所のごとき施設を設置ができて、そして造幣局の立場でもってすべての流通量に対して要求があれば刻印が打ってやれるようなところまでいけば、それはそれにこしたことはないでしょうが、これはどうも機構上不可能だ、困難だということになれば、残された問題解決の道というのは、造幣局ももちろんいまのままやられていいが、民間の検定施設というようなものを、造幣局がやっぱり指導をしたり監督をしたりするような立場でもって、造幣局の検定とそれは少しもまあ差のあるものではないというような方法でもとらざる限りは、これはすべての流通量に対応するということは不可能なことだと、こう思うわけですよね。そうして、そういう造幣局が監督する民間の検定にしても、造幣局の検定にしても、私は刻印などは統一をしていただいて、別にそこに何か非常な差別が現実に取引上生じておるなどということのないようにしていかないと、これは国の仕事としては、業界に不当の不利益を与えたり、かえってこれは重大な問題だと。いまのままでもってどうにも手がつかないなんというようなことで終わってしまうならば、むしろ今度は逆の立場から考えると、業界に、一方には不当な利益を与え一方には不当な不利益を生じさせているなどという、国の業務としてはこれは大変な問題だというふうに考えざるを得ないわけでありまして、その辺のお考えはどうですか。私は、問題を何とか解決、打開をしていくために、国は真剣にやっぱり検討をされるべきだと、こう思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#76
○国務大臣(坊秀男君) お話の趣旨はよくわかるんですよ。だが、きょうとにかくここで、この問題につきましては私は初めてお聞きをしたわけであります。で、これをいかにして救済していこうかという具体案につきましては、いま私にもちょっとこれをここでお答えするだけの用意も勉強も足りておりません。だがしかし、御趣旨はよくわかります。何とかこれは考えていかなければなるまいという気持ちになっておることだけは申し上げます。
#77
○神沢浄君 私はここでもって、急な話でもって大臣に具体案をひとつお聞きしようなんという無理を申し上げているわけじゃございませんで、しかし、いままでの論議を通じて、私から問題を提起をしてまいりましたように、とにかくこれは国としてもこのまま見逃していっていいという問題ではないと、こういう御認識と、何とかこれはひとつ検討をしなきゃならない問題だと、こういうようなことだけは私は大臣にもはっきり認識していただきたい、こういうことでお尋ねをしているわけでありまして、いかがでしょうか。
#78
○国務大臣(坊秀男君) ただいまお答えを申し上げましたとおり、私は重大問題として受けとめたいと思っております。
#79
○神沢浄君 時間ももうありませんから、簡単なことを一、二点お尋ねをして終わりたいと思うんですが、この検定の技術といいますか、これはやっぱり大蔵省というか、造幣局でなきゃできないような種類のものなのか、養成すれば民間でも何でもできるというようなものなのかという点が一つと、それからもう一つは、この業務を通じて大蔵省ではどのくらいのいわゆる事業上の収入というものが上がっておるのか、この二点をお尋ねをしておきたいと思います。
#80
○説明員(宮原翠君) 恐縮ですが、私もその余り細かい技術上のあれというのは承知いたしておりませんのでございまするが、私どもがやっておる技術にいたしましても、あるいは民間で業界でおやりになる技術にいたしましても、そう大差のあるものではないというふうに考えております。要は、これが信頼感が高まってみんながそれを信用してくれるというところにあろうかと存じております。私どものこの検定作業につきましては、先ほど申しましたように年間五百七十万個ぐらいのものを受け付けてやっておりますが、できるだけその手数料等は低目に抑えましてサービスに心がけようと思っております関係上、収支は若干現在のところ赤字の状態でございます。
#81
○神沢浄君 これで質問を終わりますが、そうすると、まあ養成すれば民間でも十分検定そのものはできる、問題はしたがってあの刻印が問題になっている、こういうことですね。造幣局の刻印がついてあるかないかということでもってこういう問題を起こしているわけですから、これは私はやっぱり民営の検定の機関というようなものを養成、指導、そして監督をされて、全流通量にわたってそれが機会均等に利用をされるような体制、そういうことこそやっぱり国の考えるべき事柄ではないかと思います。そういう点をひとつ真剣に検討していただきたいことを申し上げて、質問は以上で終わります。
#82
○主査(中村太郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十分開会
#83
○主査(中村太郎君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、大蔵省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○内藤功君 信用金庫に対する大蔵省の指導監督問題について御質問したいと思います。
 信用金面は、中小業者あるいは庶民の一般勤労者の金融機関として、国民生活に非常に近いところにある金融機関として、これらが健全な経営をやり、また、その中小企業や勤労者のための金融機関としての奉仕の姿勢を持つということが非常に大事だと思うんですが、この点についての大蔵大臣の基本的なお考えをまず最初に承っておきたい。
#85
○国務大臣(坊秀男君) 信用金庫の使命というものは、いまおっしゃられました中小企業等に対しての金融というものを円滑に行っていくということが一番大事な点であろうと思います。
#86
○内藤功君 そういう前提での大蔵省の指導監督がどのように行われているかという問題の一例としまして、東京信用金庫の問題をきょうは取り上げたいと思うんですが、警察庁にお伺いしたいんですが、東京信用金庫の中井駅前支店の不正融資事件というものが新聞でずうっと報道されておる。元支店長らが検挙されるという事態を生じたように聞いております。
 まず、本件の捜査状況の概要を警察庁から御説明願いたいと思います。
#87
○説明員(加藤晶君) 警視庁におきまして、元東京信金の支店長大森富哉という者を背任の容疑で本年三月十日逮捕し、取り調べの上、この大森が東京信金中井駅前支店長在任中の昭和四十九年七月にその任務に背きまして六千五百万円余りの金を不正融資したという背任罪を立件いたしまして、検察庁に送致いたしております。同人は、三月三十一日、東京地検から本件をもって起訴されたというふうに聞いております。
#88
○内藤功君 重ねて警察庁に伺いますが、不正融資にもいろんな種類、態様がありますが、この場合はどういう態様の不正融資であったのか。それから、差し支えなければ融資先はどういうようなところであったのか、二点お伺いしたいと思います。
#89
○説明員(加藤晶君) この融資先は、現在は倒産しておりますけれども、株式会社でございます。
 それから、その態様でございますけれども、当座預金の資金残高を超えました手形が呈示されましたときに、本来ならばその超過分の手形は不渡りとして返還すべきであるというところでございますけれども、これをやらずに新たにその会社振り出しの決済見込みのない小切手三通を持ち込ませまして、これを現金と見なしまして、さきに呈示された手形を資金残高を超えて過振り決済したということでございます。
#90
○内藤功君 重要な背任行為だというふうに理解をいたしますが、一体そういう会社融資先と何かの特殊な関係というものでもなければこんな事態は起きない、あるいは支店長の私利私欲というようなものがなければこういう事件は起きないと思いますが、この原因、背景、つながりというものはどういうふうに理解をしていますか。
#91
○説明員(加藤晶君) この中井駅前支店長をやっておりましたときに、初めは通常の取引関係を持ったということでございます。背任でございますので、おっしゃられるとおり、図利加害の目的をもってこういうふうな行為をやったということでございます。過去、それ以上に特別な関係があったかどうかということにつきましては報告に接しておりません。
#92
○内藤功君 相手の融資先には暴力団関係者が絡んでいる疑いは認められませんでしたか。
#93
○説明員(加藤晶君) 大森元中井駅前支店長がいわゆる不正融資をいたしました元会社の社長でございますけれども、これはかつて暴力団に関係していたという情報はございますけれども、現在暴力団との関係につきましては、警視庁ではこれを把握しておらないということでございます。
#94
○内藤功君 大蔵省に伺います。
 この事件をどう把握をしているかという問題であります。つまり、この種の金融機関の事件が発生しました場合に、単なる一支店長の、一職員の不届きなる事件という範囲でこれを把握をして対策などを講ずるか、それともこれは氷山の一角であって、もっともっとずっと深いその金融機関の経営全般に及ぶところの諸問題がある。その一環があらわれたというのか、二つの見方があり得ると私は思う。どういうふうに見ているかという点が一つ。
 関連しまして、金融機関の問題は慎重でなければならない。私もきょうの質問はそういう意味で節度をもって聞いていくつもりでありますが、預金者や従業員への影響は無視し得ないものがある。これをどう考えているか。信用金庫であるから、よく福田総理が言われる、きわめて小さい力の弱い者だという観点じゃだめなんです、国民生活に密着しているのだから。預金者、従業員への影響をどう認識しておられるかという御決意のほどを、認識のほどを伺いたい。
 それから、こういう事件はやはり一信用金庫だけじゃなくて、信用金庫全体、ひいては中小金融機関全体のイメージダウンにつながることがないかどうかというところまで配慮してこういう事件には接しなければならないと思うが、個々の問題に入る前に大蔵省としてのいまの対処姿勢、いまの三点に関連してお伺いしたいと思う。
#95
○政府委員(後藤達太君) 具体的な先生御指摘のケースにつきましては、ただいま警察当局の方からお答えになりましたように、司法当局で厳正な捜査をしている、行われておると承知をいたしておりますので、その結果、真相がいずれは明らかになるものと存じます。したがいまして、その真相が明らかになりました上で、私どもとしては本件については具体的にどう処すべきかということを検討させていただきたいと思っております。
 一般的に申しまして、金融機関におきまして、これは信用金庫に限りませず、こういう問題が起きたことは大変私ども遺憾に思っております。特に預金者あるいは会員、信用金庫の場合には会員等々に不測の迷惑をかけるというようなことがあってはならないということはもちろん金融行政の基本でございますので、そういう点につきましては御指摘の点なども頭に置いて常時指導に当たってきたつもりではございますけれども、なお一層その点は十分注意をしてまいりたいと思います。本件につきましては、信用金庫自体におきまして、そういういま御指摘のような預金者、取引先等への不安がないようにというようないろいろの配慮はしておるようでございますけれども、私どももそのしぶり等をつぶさにさらに聞きました上で必要なる指導はしてまいりたいと存じております。現在のところ、特に一般的に何か心配をかけるとかいうような事態にはもちろん立ち至っておりません。今後一層注意してまいりたい、こう考えております。
#96
○内藤功君 警察の調べを待つといいますが、刑事事件の調べは警察が専門であります。しかし、いまは一般的にそういうことはないというが、たとえば信用金庫の純預金者の中には、ほかの銀行に入れかえようかという動きもありますよ、それは。あるんです。それから、新規のお得意さん開発に外務員の方が回れば、おたくのこんなことが新聞に出ていましたが、どうなんですかと言われますよ。そういうことはもう新聞に出て以来必ず起きていることなんです。ですから、警察に任せていけることと、それから早目にやはり手を打って、原因対策を究明するという大蔵省の任務は、これは別なわけですね。ですから、警察に何でもかんでも任せるというんでは、これでは責任が済まぬと思いますね、私は。
 そこで、お伺いしますが、まず、いまの中井駅前元支店長の問題及び中井駅前支店に絡む融資の問題点ですね。この警察で問題になっているこれだけじゃなくて、特に中井駅前支店に関する不良貸し付け、分類債権というか、そういう問題についてこれは問題があるということを大蔵省がお気づきになったのは、よもや新聞記事が出てからじゃないと思うんですが、いつごろから気がついておられたのか。それから、いつごろからどういうような指導を大蔵省としてなさってきたのか。特にこの貸し付けの問題についてですね。それから、特にこの問題の会社、エヌエスシイという会社だと思うんです。これも新聞などに出ています。エヌエスシイというこの融資先に対して債権の保全、これでよかったのかと。特に物的担保の問題はこれでよかったのか、はなはだしい問題はなかったのかどうか。ここらあたりは事前に気がつき、また指導をしていたんだろうと思うんですが、してなかったとしたら、これはまた別の問題になりますが、この点大蔵省の率直なところをお聞きしたいと思います。
#97
○政府委員(後藤達太君) 先ほど私申し上げましたのは、本件、この捜査対象になっております点あるいは背後関係等々につきましては、司直の解明を待ちたいと申し上げましたことでございまして、信用金庫自体の営業の仕方等々につきましては、これが適正なやり方をしていなければならないということで監督するのはもちろん間然でございます。これは本件とはまた別に当然やるべきことだと存じております。
 なお、先生御指摘の当金庫、特に中井支店の貸し出しの内容あるいはいま御指摘の会社に対する担保関係等々につきましては、これは私どものたてまえといたしまして、信用金庫の具体的な取引内容あるいは資産内容に触れることにつきましては御答弁を差し控えさしていただきたいと存じます。
 ただ、私どもは常時報告を徴し、あるいは検査を行いまして、信用金庫の内容の把握には努力をいたしておりまして、その結果是正を求めるべき点がございますれば、具体的な指示をいたしまして是正をさせるように努力をさせております。また、金庫側におきましても、経営陣がその指示を受けまして、みずからいま改善を要する点があればその改善に努力をしておるというのが現況でございます。
 大変一般的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、具体的な内容につきましては御答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
#98
○内藤功君 これは大蔵省の指導監督の問題ですから、この国会で、どういうふうな方針で、どういう認識でやっているかということはやっぱりお答えなさらなけりゃならぬと私は思いますよ。
 そこで、具体的に聞いていきましょう。まず、大蔵省の検査ですね、これはこの東京信金については一年おきに日銀と交代で行っておるんですか。
#99
○政府委員(後藤達太君) 信用金庫に対する検査は、私どもの関係の財務局におきまして実施をいたしております。日本銀行の考査と私どもの検査とが重複しないように、ほぼ同じような間隔を置いて交互にやるというようなことが一般的なルールになっております。
#100
○内藤功君 昭和五十年において大蔵省の検査やりましたね。何月ごろやりましたか。
#101
○政府委員(後藤達太君) 五十年の十月に検査をいたしております。
#102
○内藤功君 十月ですか。
#103
○政府委員(後藤達太君) 十月でございます。
#104
○内藤功君 その検査においては、特に貸し付けを中心にして違法、不当のかどは見受けられなかったんですか。
#105
○政府委員(後藤達太君) 大変恐縮でございますが、検査の結果の内容につきましては私は御答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。ただ、先ほど申し上げましたように、そこで気がつきましたような点につきましては是正をするように指示をいたしております。
#106
○内藤功君 その是正するように指示したというのは、どういう項目ですか。
#107
○政府委員(後藤達太君) 大変恐縮でございますが、これも具体的にどういう点、どういう点と申し上げますことは検査内容を明らかにすることに相なりますので、これは具体的に申し上げることは御遠慮させていただきたいと存じます。
#108
○内藤功君 それでは一般的に聞きますが、この信用金庫における不良貸し付け、不良債権は、貸付額全体の中で大体何%を超えた場合はこれは非常に危険である、これは厳重に注意しなきゃならぬというような基準があると思うんですが、普通どのくらいのパーセンテージと大蔵省は考えていますか。
#109
○政府委員(後藤達太君) 一概に貸出額の何%になると危険とかいうことはございません。これはパーセンテージが低い場合でもその内容が非常に悪い場合もございますでしょうし、あるいは私ども検査に参りまして貸し出しを見ますときに、ロスになってしまうものとか、あるいはロスの見込まれるものとか、あるいは回収に特別の管理を必要とするもの等々を分類をして検査をいたしておりますが、そういう意味におきまして、回収にたとえば、長くかかるものというものの割合が高いというようなことでは直ちに問題になるというわけではございません。したがいまして、大変具体的な内容いかんによることでございまして、私どももパーセンテージで何%程度ということを決めておるものはございません。
#110
○内藤功君 たとえば全体の貸付額の二%を超える、一一・六七%というような不良貸し付けがある。これは健全な経営と言えますか。
#111
○政府委員(後藤達太君) 一般的に申し上げまして、いま先生が御指摘のような数字でございますと、これは内容をよく見なければいけませんけれども、やはり是正を要する点があると思います。
#112
○内藤功君 この中井支店の場合特にひどくて、あなたがなかなか口が重いから私の方である程度指摘せざるを得ない。私の調べでは、昭和五十年度において四三・六四%、これが不良貸し付けですね。一〇%を超える不良債権。この信用金庫では分数債権、これが六支店もあります。それから全体では百七十七億円の不良貸し付け一一・六七%、さっき私が指摘した。これはやはり是正を要する数字になっておると思います。これは具体的に答えられないというのなら、一支店が四三・六四%の不良貸し付けを融資している。さっき警察庁が言った、問題にしているこの支店長の出た中井駅前支店だが、四三・六四%、これは大蔵省の監督の上でどう見ますか。
#113
○政府委員(後藤達太君) 当金庫あるいは中井駅前支店の分類額がどうであったかということは私申し上げるわけにはまいりません。ただ、一般的に申し上げまして、先生が御指摘のような分類債権があるといたしました場合には、これはなかなか融資の仕方等につきまして是正を要する点があるという疑いは大変あると存じます。ただ、それはどういう点であるかという点につきましては、その分類というのは私どもの大変技術的な数字のつけ方でございまして、これが全部焦げつきで回収不能であるというわけのものではございません。分類と申しますのは、そういうものもございますし、また担保関係はあるけれども、ただ回収には非常に長期を要するというようなものも含まれておるわけでございます。したがいまして、その内容がどういうものであるかということによってどういう点が問題になるかあるいはないかということを判断しなければならないわけでございます。ただ、御指摘のような数字でございますとすれば、一般的にはいろいろ問題があるんではないかという疑いは私どもも持たざるを得ない。そして、いろいろ是正の指示をせざるを得ないという場合が多かろうと考えております。
#114
○内藤功君 もう一つ、決算内容です。昭和五十年度の決算、これは利益金五億六百万円という一応黒字決算になっております、五億六百万円。しかるに、五億六千万円の不動産及び動産の処分益が出ておる。逆に言いますと、この五億六千万円の動、不動産処分益がありませんとこの五億六百万円の黒字が出なかったと、こういう内容であります。これは、信用金庫の経営の一般論で結構ですが、どういうふうに見ます。
#115
○政府委員(後藤達太君) いまのような不動産の売却益等の出し方につきましては、違法不当というような問題は私はないと存じます。ただ、一般論として申し上げますれば、最近信用金庫等におきましても……
#116
○内藤功君 経営の健全性を聞いておるんです。
#117
○政府委員(後藤達太君) はい。利ざやは非常に圧縮をされてまいっております。したがいまして、期によりましていま御指摘のような恐らく経常益では赤字ではないかというお話であろうかと思いますけれども、期によりまして、そういうふうにかなり経常益のところが苦しくなるということはあり得ることでございます。ただ、それはそれ自体直ちに不健全とか健全とか申すことではないように存じます。
#118
○内藤功君 健全とは言い切れないわけですね。ですから、これはやはり十分に調査をしてもらいたいと思うんですね。
 そこで次に、ずっと収支決算内容の悪化の原因を、私なりに、素人ですが見まして、こう思うんです。四十六年以降に物件費が急増しているんです。これは私この帳簿の方は素人ですから間違っているかもしれませんよ。しかし、物件費が急増している。信用機関の物件費の急増はよくないですよ、一般に。店舗の新築、新設によるものですね。それから人件費が四十六年以降急増とまではいかないが増。しかも、その増の原因は、ベースアップならまだいいんです。いまいる人が働いてくれるように上げてやるんならいいんだが、人員の急増があるんです。こういう点はどうですか。信用金庫の一般の経営のあり方としてどう思いますか。
#119
○政府委員(後藤達太君) 御指摘のように、信用金庫に限らず、金融機関が経営比率を極力合理化をいたしまして、それを預金者なり融資先に還元すべき努力をすべきことはもう基本的にそうでございます。また、そういう方向で私ども指導をいたしております。ただ、東京信用金庫のいまの物件費が上がっておる、あるいは人件費が上がっておるという問題につきまして具体的にちょっと申し上げようがございませんけれども、まあ最近一般的な問題としましては、物件費につきましてはコンピュータリゼーションという関係で若干上がらざるを得ないという場合が間々ございます。それから人件費につきましては、これはやはりそのときどきの給与水準というようなことで上がってまいることだと思いますが、そういうところを経営者としては極力経営努力によりまして、経営全体の合理化によりまして吸収をしていくべきものだと考えております。
#120
○内藤功君 私は、もっと指摘したい点があります。私は、もう検査のときどんなことが言われたかもある程度知った上での質問ですから、また細かいことは別の機会にやりますよ。
 最後に、私がこういう細かいことをこの委員会で言うのは、預金者とそこに働いている職員のこと、それから金融機関全体の信用を考えればこそなんですよ。
 それで、まず顧客対策です。一番こういう金融機関がこの程度の段階で大事なのはお客対策、これを誤ると昔から大変な金融事件が起きているんです。払わなくてもいい犠牲が払われるわけです。そこで、顧客対策は万全かというと、店頭掲示もチラシの配布も余りやっていないんです。来店客、訪問先、電話応対に職員がどう事件を説明したらいいか、経営者の統一見解もまだ出ておらない始末。資金対策、弁明策、こういったものをいま講じることが非常に大事ですね。特にお客さんへの説明、これは大蔵省、どう指導しておりますか、また指導していきますか。
#121
○政府委員(後藤達太君) そういう点は、まず第一に経営者が考えるべきことだと存じます。したがいまして、経営者のやり方がまだ不十分ではないかという御指摘かと思いますが、具体的なやり方等につきましては、なおいろいろ模様を調べまして、御指摘の点も頭に置いて指導してまいりたいと思います。
#122
○内藤功君 指導しなさいよ。指導しますね、この点。
#123
○政府委員(後藤達太君) しかるべき指導をいたしたいと思います。
#124
○内藤功君 この点の最後に、この東京信金には、名前は一々挙げませんが、いわゆる天下りと言われておる大蔵省、日銀、それから某都銀から行った人が四人おるんですよ、役員に。こういうときのためにこういう天下り役員は動かなきゃいけないじゃないですか、こういうときこそ。一体何をしているんです。しっかりこういう人――特に大蔵省から行った人がおるはずだ。名前はぼくは言わないけれども、わかっているでしょう。
#125
○政府委員(後藤達太君) 大蔵省にしましても、ほかの銀行から行かれた人にしましても、行った限りはそこの金庫の人になり切って金庫の仕事をする、こういう決意でやっておると存じます。どうもそれ以上のことを私どもが具体的に指導すべき立場ではないかと考えております。
#126
○内藤功君 残念ながら時間が来たので、次の問題に移ります。
 これは、沖繩の復帰後返還された軍用地の問題であります。この復元補償の問題。まず、復元補償の一環をなす地籍確定問題について、従来、山中元防衛庁長官などは、境界が確定されるまでの問地代相当額を地主に払うということを衆議院予算委員会などで明言してきておりますが、この一般的な方針は現在でも変わりないですか、施設庁に伺います。
#127
○政府委員(高島正一君) お答えいたします。
 沖繩の管理費につきましては、土地の返還後、物件撤去のある場合は物件撤去完了後でございますが、三カ月間を限度として従来処理してまいったわけでございますが、御案内のように、沖繩におきましては地籍不明確地が非常に多いという実情から、このような原則では処理し切れないということで、関係土地所有者間によるいわゆる集団和解を基盤として境界確定作業が進められることになりますので、この作業期間として、いま御指摘のような先国会等で山中大臣もお話しされましたように、復帰前の琉球政府による地籍確定作業の事例とか、沖繩開発庁、国土庁等、関係省庁の意見等を参考にして、原則にとらわれず一年ということといたしております。さらに、この一年を過ぎた後でもやはり調整期間というのが必要であろうということで、現在は十三・二ヵ月というふうなことで処理をいたしておるところでございます。
#128
○内藤功君 そうしますと、さっきの政府の方針と違うことになってくると思うのですね。私は、昭和五十年七月八日の時点でこれまでの方式を改めると、こういう通達を出したのはなぜか、この時点で出したのはなぜか、この点を聞きたい。
#129
○政府委員(高島正一君) 御案内のように、沖繩の土地には米軍がいろいろな施設を構築してございます。したがいまして、返還後これらの物件を撤去する期間というのが相当期間を要するわけでございます。五十年の七月八日に通達を出しましたのは、その日までに、いま申し上げました特別管理費補償期間が十分まだそこまで続いておったわけでございます。したがいまして、先生の御指摘は七月八日以前というのでは処理が違うではないかというふうな御指摘であろうと思いますが、いま申し上げましたように、五十年七月八日までにはまだ物件撤去に要する期間が十分あった、その物件撤去が終わってから初めて管理期間というのが出てまいりますので、別言いたしますと、五十年七月八日までにまだ管理費支払いを了したという事例が全然なかったわけでございます。したがいまして、この五十年七月八日付の通達でもって復帰後返還になった土地の管理費は全部カバーできると、こういうことでございます。
#130
○内藤功君 法務省に伺いますが、いま問題になっておるいわゆる集団和解の合意ができたと、それだけでこの登記手続というものができますか。
#131
○説明員(清水湛君) 集団和解と俗に言われているわけでございますが、集団和解のための特別の登記手続というものはこれはないわけでございます。いまの不動産登記法の規定に従いましてその和解の成果を登記簿なり地図に反映するということになりますと、これは一般の土地についても行われておりますように、たとえば隣地の所有者の承諾を得るというような形で地籍の更正なり地図の訂正をするということに相なろうかと思います。ただ、しかし、沖繩のように一定の地域のかなりの筆数について位置境界が不明であるということになりますと、結局その隣地の所有者の承諾を求めるといたしましても、その隣地の所有者がだれであるかわからないということになるわけでございまして、結局その一つの地域全部につきして関係者が話し合って境界を決めるということになりませんと、具体的にある特定の個人の土地について地籍の更正なり地図の訂正をするということも不可能になるということになろうかと思います。したがいまして、集団和解をストレートに登記簿に反映するということではございませんが、いわゆる集団和解というものを通じまして隣地の所有者を明らかにして、その境界について合意をして、個々の土地について地籍の更正なり地図の訂正をとるということに手続的にはなるというわけでございます。
#132
○内藤功君 まあ非常にむずかしいということがいまの答弁でわかりました。
 最後に、大蔵省に伺いますが、実際は一年でも境界確定の合意なんということはいまの沖繩の実情からできないです。隣地所有者といま言うけれども、隣地所有者が極端な場合はブラジルにいることだってあるし、内地にはいっぱいいる、だれだかわからない、物理的に証明する図面もないというところですから、二年でもできないだろうと思う。ところが、十三・三ヵ月分の支給で一切切り捨てということになっておる。これはもう実際上できないことを承知の上で、前提で、この打ち切りということを押しつけてきているのじゃないかというふうに私どもは思えるわけですが、この辺についての大蔵省のお考えを聞きたい。
#133
○政府委員(加藤隆司君) ただいま防衛施設庁の方から御説明がありましたが、私どもといたしましては、施設庁の方で沖繩の特殊事情を考慮されまして、いろいろの実例等をさらに考慮されて、こういうような案で処理ができるというようなお考えを聞いた上でわれわれなりに検討いたしたわけでございますが、施設庁の考え方で予算の適正な執行がお願いできるのではないかと、そういうふうに考えております。
#134
○主査(中村太郎君) 内藤君の持ち時間の超過分は、経済企画庁質問の際これを差し引きます。
#135
○田渕哲也君 先ほども若干論議をされた点ですけれども、大蔵省は三月に中期財政見通しというものを出されております。これによりますと、昭和五十五年度には赤字国債の発行をゼロにすると、こういう目標を立てておられるわけですけれども、果たしてこれが可能かどうか、まずこの点について大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。
  〔主査退席、副主査着席〕
#136
○国務大臣(坊秀男君) 今回提出いたしました「財政収支試算(五十二年度ベース)」でいきますと、わが国財政の再建は一層困難の度を増していると言えますが、政府といたしましては、財政収支試算を一つの手がかりといたしまして、今後とも既存の制度、慣行の見直しを含む歳出の一層の合理化を進めるとともに、租税や公共料金の負担水準の適正化等に全力を尽くしまして、経済計画で述べられているとおり五十年代の前半には何とか特例公債に依存しないような財政を立ててまいりたいと、かように考えております。
#137
○田渕哲也君 そうすると、改めて確認をしたいと思いますけれども、五十五年度に特例公債をゼロにするというのが前提になって増税その他の方策が決められる、このように考えていいわけですか。
#138
○国務大臣(坊秀男君) 五十五年度には、おっしゃるとおり、赤字公債から脱却をしてまいりたい。そのためには、歳入歳出を通じまして、相当の歳出面においての整理等もやらなければなりませんし、歳入面において増収を図っていかなければならないと、かように考えております。
#139
○田渕哲也君 まず、歳入面でのことについて試算の表が出ておるわけです。これはケースA並びにケースBというふうに分けてありますけれども、これは経済成長率の関係で二つのケースに分けて書いてあります。これによりますと、大体五十三年度以降どの程度の増税が必要になるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#140
○政府委員(大倉眞隆君) これは非常にお答えがいたしにくい問題でございまして、結局、三十五兆五千八百億に至る過程で現行税制のままでどの程度自然増収があるだろうかということを考えて、それとの差額がいわば増税所要額という計算になるわけでございますが、何せ今後三年間の自然増収の見込みというのをはっきりと立てるということは、これは不可能に近いわけでございます。ただ、大蔵委員会で栗林委員から御質問がございまして、まあ弾性値というものを仮定してみたら何かの計算はできるのではないかという御質問がありまして、仮に弾性値一・四という前提で、そこまでは自然増収という計算をして、なおかつ五十三年度、五十四年度には格別の増税をしないということになれば、それは四兆五千数、百億が計算上足りないというような計算はできますというふうにお答えいたしたわけでございますが、そういうふうな非常に仮定を置いた計算しかこの表からは出てこないと申し上げるしかないと思います。
#141
○田渕哲也君 もちろんこのケースA、ケースBそのものが仮定に立った計算ですね。成長率を仮定した場合の試算であります。したがって、ある程度そういう仮定に基づいた見通しであることは避けられないと思いますけれども、税収のGNPの伸びに対する弾性値は一般には一・三と言われておると思いますが、その点はいかがですか。
#142
○政府委員(大倉眞隆君) これは年ごとに非常に振れるわけでございます。私がいま便宜一・四という仮定を用いましたのは、実は四十五年度から四十九年度までの平均が一・三九ということでございましたのでそれを使ったわけでございますが、この五年間でも四十五から四十九まで順次申し上げますと、一・四五、一・一八、一・四二、一・八四、〇・九五というふうに年ごとに大きく振れますので、なかなか弾性値だけで結論を出してしまうわけにはまいらないかと存じます。
#143
○田渕哲也君 いずれにしましても、もうすでに五十三年度から自然増収だけではとても足りない、増税が必要になると思います。さらに、五十四年、五十五年と年を追うに従って増税の額というものをふやしていかなくてはならない。これは避けがたい事実ではないかと思います。したがって、現在税調でも新しい税金についていろいろ論議をされておると思いますけれども、現在中間の審議の報告の中で触れられておりますのは、土地増価税、それから富裕税、製造者消費税、EC型付加価値税、大規模売上税、大規模取引税、ギャンブル税、広告課税、このような項目が主として取り上げられておるようであります。こういうもののうちやはり幾つかはいわゆる大型新税として設けなければとても賄い切れないと思いますけれども、その点についてはいかがですか。
#144
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま御指摘になりました八項目は、十一月二日の第二部会に、その前の第二部会での部会長の御指示によりまして今後の御審議のたたき台という意味でお出ししたものでございます。そのときにどういう論議があったかということはお手元の部会長報告の四十七ページに書かれているわけでございますが、何せ一回このメモを基礎にして一種の自由討議をしていただいただけでございまして、これからさらに掘り下げて資料も出して勉強しようではないかというところでとまってしまっておりますので、この中からどれかが具体的に必ず浮かび上がってくるということでもない、まだそこまでとても議論が行っていない。また、これで尽きているわけでもない。たとえば四十八ページの真ん中辺にございますが、検討対象に小売売上税を一遍入れてみて、それとここにあるのとどう違うかというようなことも議論したいとおっしゃっておられる委員もございまして、まだ本当の戸口のところだという段階でございます。
#145
○田渕哲也君 具体的にはまたこれからの討議に待たなければならないと思いますけれども、もうすでに五十三年度からかなりの増税をしなくてはならない。さらに、増税の規模から見まして、いままでのすでにある税金の増額だけではとても賄い切れないという感じがするわけです。だから、いままである税の増額だけではなくて、やっぱり大型の新税というものをつくらなければならないと思いますけれども、その点はいかがですか。
#146
○政府委員(大倉眞隆君) 委員の中でそういう御意見をお持ちの方が確かにございます。そういうバックグラウンドがございますので、ひとつ新しい税も検討材料に出してほしいという御指摘になってきておるわけでございますが、しかし、やはり三十人いらっしゃいます委員の中には、それは新税をいきなりやるのは早過ぎるんだという御意見の方ももちろんいらっしゃるわけでございまして、いままでの税制に入っていない新しいものを五十三年度からどうしてもやらなくてはいけないというほど御意見が熟しているわけではございません。
#147
○田渕哲也君 私どもここで指摘したいのは、経済成長の一つの見通し、仮定というものの上に成り立った試算ですけれども、その経済成長の見通しと、いま論議しております増税というものが、やはり矛盾する関係にあるのではないか。たとえば、税金をあんまりふやしますと、それは経済を抑制するということになりかねない。そういう面で、それだけ大幅の増税をやってなおかつこれの仮定になっておりますような平均名目十三%という経済成長は可能かどうか、この点についてはどうお考えですか。
#148
○政府委員(大倉眞隆君) これは財政収支試算の前提が田渕委員よく御承知のように五十年代前期の経済計画によっているわけでございますが、五十年代前期経済計画はやはり多数の本数を持つモデルを基礎にして、数多くのシミュレーションをやられた上での作業でございますけれども、その中では国税・地方税含めまして租税負担率が四十八−五十年度平均に対して五十五年度で三%上昇するという前提をモデルに組み込んで、成長率、物価、国際収支すべてに響かせてという、響かせてと言っていいのかどうかわかりませんが、すべてそれらが整合的に働き合った後の姿として出されているというふうに私ども理解しておりますので、一般会計で申せば二%の負担率アップというものはいわば成長率の中に組み込まれておるというふうに考えていいのではないかと思っておるわけでございます。
#149
○田渕哲也君 ということは、この試算にある程度の歳入をふやすに必要な増税をやってもこの仮定である十三%の名目経済成長には影響がないと、そのような計算が成り立っておると言われる、そういう理解をしていいですか。
#150
○政府委員(大倉眞隆君) 中期経済計画をお持ちだと思いますが、そこに描かれております五十五年度におけるわが国経済の輪郭というものは、五十五年度に至るプロセスで負担率が三%上がるということを前提にしてなおこういう姿を書いておるというふうに私どもとしては理解しておるわけでございます。
#151
○田渕哲也君 私は若干そこには無理があるような気がするわけです。本年度の経済見通しにしましても、六・七%の達成が現状でどうかということになれば、かなり困難だというふうな評価がされておるわけです。また、税金面におきましても、これは衆議院の予算委員会におきまして与野党折衝の中で政府修正というかっこうで減税の上積みがされた。こういうような状況から見ますならば、私は五十五年度までにこれだけの増税をするというのはちょっとむずかしいというような気がします。ということは、赤字公債、赤字国債をゼロにするという前提が崩れるわけで、実際は五十五年度赤字国債をゼロにするというのはきわめて困難な情勢ではないか、この点はいかがですか。
#152
○政府委員(大倉眞隆君) その点につきましては、総理大臣も大蔵大臣も、きわめて困難であるということは否定できないけれども、しかし、何とかこの姿を実現させなくてはならないんだというふうにお答えをいただいておるわけでございまして、私も決して簡単にできるとは思っておりません。また、昨年度から今年度にかけての経済の動き、今年度のただいまおっしゃいましたような動きで一層困難の度合いを加えているということもまた事実でございますけれども、やはり何とか五十五年度には特例債を脱却しなければならないという、その柱を動かしてしまうというつもりはございません。
#153
○田渕哲也君 それから私がもう一つこの計画を見て感ずることは、既定経費の節減、洗い直し、あるいは補助金等の整理、それから行政機構の簡素化とか合理化による経費の節減、そういうものをどの程度見込んでおるのか、これはいかがですか。
#154
○政府委員(加藤隆司君) 具体的に御説明してみますと、いまごらんになっておりますケースAの内訳表でございますが、五十二年度のところをごらんいただきますと、「その他」というところがございますが、いまお手元の数字は十四兆三百になっております。昨年の場合に国会にお出しいたしました数字はここのところが十四兆一千六百でございまして、本年の場合、伸び率が書いてございませんが、十三・九の伸びになっておりますが、昨年の場合は一五・〇というのでお出ししたわけでございます。もちろんこれでいいなどとはとうてい思っておりませんので、ただいまここに響いてございます「その他」の数字は、来年たとえば十六兆一千四百でございます。これは、ここの中に、公共投資、振替支出以外の文教とか中小企業とか、かなり重要な経費が入っております。交付税も入っております。さはさりながら、いわゆる一般的な行政経費につきましてはさらに努力をしなければいかぬというふうには考えております。
#155
○田渕哲也君 私は、先ほど論議になりましたようなきわめて多額の増税というものが、経済成長そのものが鈍化しておる中で国民の負担にたえ得るかどうか、これはきわめてむずかしいと思います。そうすると、やはりこの「その他」のところの歳出をもっと思い切って削減をする必要があるのではなかろうか、こういう気がするわけです。五十年から五十五年度の平均伸び率は十三・一%となっておりますけれども、これは仮定の名目経済成長率と同じであります。したがって、数字で見る限り余り削減の努力がされていないと見ても差し支えがないのではないか。したがって、この辺はもう少しシビアに努力をすべきではないかと思います、けれども、いかがですか。
#156
○政府委員(加藤隆司君) ただいま申し上げたことと同じことになりますが、五十五年の数字が二十兆二千六百になっておりますが、昨年の場合は二十兆四千三百というような数字をお出ししたわけでございます。まあ「その他」というのは中身がきわめてささいなもののように受け取れる可能性がございますが、非常に重要な交付税だとか、ただいま申し上げました文教とか、中小企業とか、そういうものが入っております。そういうようなものを除いたものをどうするかという問題でございます。私どもといたしましては、いま御指摘の一般的な補助金だとか、行政経費だとか、そういうようなものについてはさらに努力をしなければいかぬというふうに考えております。
#157
○田渕哲也君 時間の関係もありますので次に進みますけれども、本年の予算で三千億の減税上積み、こういうことになったわけですけれども、それの財源について現在衆議院の大蔵委員会で検討中だということを聞いております。大蔵委員長から出された案としまして、五十一年度の剰余金をそれに充てる、そして、さらに足りない分は、五十一年度分の枠の中で未発行分の赤字国債を発行してその財源に充てよう、こういう案が出されておるということを聞いております。もちろんこれは衆議院の大蔵委員会で各党の相談の上どういう結論になるかまだわかりませんけれども、一応それは別といたしまして、私はここでこの問題についての大蔵省の見解を聞いておきたいと思うのです。
 まず、剰余金の扱いですけれども、これは財政法第六条で二分の一以上は国債の減債に充てなければならない。それから財政特例法の論議の中で、前大蔵大臣の大平さんは、剰余金は全額国債の減債に充てる、こういう発言をしばしば国会でもされております。こういう政府の方針なり、あるいは財政法第六条から見ると、この剰余金を五十二年度の減税上積みの財源にするというのは若干矛盾するような気がするわけですね。この点についての大蔵省の見解はどうですか。
#158
○政府委員(加藤隆司君) 私どもといたしましては、三千億の追加減税の財源のめどが目下のところ全くついておりませんで、その財源の捻出には日夜苦慮いたしておるところでございます。ただいま御指摘のように、過日衆議院の大蔵委員会におきまして小渕委員長から理事会の席上お話しのような案が提示されたことは承知いたしております。私どもといたしましては、もしもそういうような立法措置が議員立法でやっていただけるならば、三千億追加減税の財源について一応のめどがつくのではないかというふうに考えるわけでございます。
 それから第二点に、財政法六条の剰余金の二分の一は国債償還財源に充てるという規定の問題でございますが、大平前大蔵大臣、それから現大蔵大臣も、御指摘のように、剰余金が出た際には国債償還に全額充てるということは再三御発言になっております。この問題につきましては二つございまして、一つは、六条の二分の一を国債整理基金に入れるという現行制度についてどう考えるかという問題と、それから特例公債発行中は剰余金が出た場合には満額償還財源に入れるという問題と、二つあるわけでございますが、前段の剰余金の二分の一につきましては、たとえば三十八年、三十九年の発生剰余金につきましては、国債整理基金の金繰りから見て、公債の償還に支障がないという判断のもとに五分の一に特別立法をお認めいただきましてやった例がございます。四十八年度におきましても、そういうことをやはり五分の一でございますがやった例がございます。現在国債整理基金の状況を見ますと、本年三月三十一日末現在で大体七千五百億くらいのものが出てまいります。そういうような問題を考えますと、この三千億の減税の問題と別に考えまして、剰余金の財政法条文について何らかの合理的な理由があるならば特別措置をお願いする、立法措置をお願いするわけでございますから、国会の御審議をお願いするということは必ずしも違法の問題とかそういう問題ではなかろうと思うわけでございます。
 それから第二点の方の問題でございますが、この点については、私どもといたしましては、こういうような多額の公債を発行しておる、まして特例公債を発行しておる、そういう際に、公債の償還に支障のないように十分配慮いたさなければならないことはもちんのことでございまして、国民の公債政策に対する信頼と理解を求めるためにも現在の減債制度が設けられたわけでございますから、そういう趣旨から申しまして、減債財源の充実を非常に重要視していることは事実でございます。ただ、先般与野党の六党の合意に基づきまして三千億の追加減税がなされたという特別な事情もございまして、五十二年度の財政執行の過程で、たとえば歳出の節減、あるいは税収の自然増収、あるいは赤字公債の追加発行、この三つしかないわけでございますが、これらをいろいろ検討いたしますと、いずれも非常に困難ではなかろうか。そうしますと、今回の減税の条文を見ますと、一年限りの特別措置といたしまして五十一年分の所得税について特別減税を行うというふうな案が衆議院法制局から出されておりますが、そういうようなことを考えますと、五十一年度の剰余金をこの減税財源に充てることも、きわめて臨時異例のことではございますが、やむを得ないのではなかろうか、そういうふうに考えているわけでございます。
  〔副主査退席、主査着席〕
#159
○田渕哲也君 まあ理屈の上からはそういうことになろうかと思いますけれども、私は結局これは赤字国債の増発と全く同じだと思うのですね。五十一年度の剰余金は本来なら全額赤字国債の減債に充てる。その分を五十二年度で減税の財源に使う、それからそれで足りない分は五十一年度の未発行の枠の中で赤字国債を出して使う、これは全くやりくり算段で、何とか五十二年度の赤字国債発行を避けるために五十一年度の剰余金なり未発行の枠を使うということで、つじつま合わせにすぎないのじゃないかと思うのです。私は、野党の要求も入れて三千億の減税上積みをしたその歳入については、野党はそれぞれ意見はあったわけです。ところが、この予算というものをいじらないで三千億の減税をするからこういうつじつま合わせをしなければならないんで、本来なら五十二年度の減税の上積み分は五十二年度の予算措置をすべきである。歳出の削減を考えるとか、あるいは別の増税を考えるとか、あるいは赤字国債の増発とか、そういうことで処理をすべきであるのに、この予算をいじらないで済まそうとするからこういうこそくな手段をとらざるを得ないのではないか、私はこう思うわけです。この点はいかがでしょう。
#160
○政府委員(加藤隆司君) ただいま申し上げましたように、私どもといたしましては、急なお話の巨額の三千億の追加減税ということになりまして、目下のところ全くそのめどがついておりませんで、日夜苦慮いたしておるところでございまして、衆議院大蔵委員会の理事会におかれる議論、この議論がどういうふうになるのか、それをお待ちしておるという段階でございます。
#161
○田渕哲也君 まあ衆議院でどういう決定がされるか知りませんけれども、結局こういうことになるならば、五十二年度の赤字国債を増発によって財源を賄ったというのと何ら変わらないと思うのですね。年度がずれるだけの話であって何ら変わらない。思想においては変わらない。私はきわめてこれは安易なやり方だという気がします。大蔵大臣はどうお考えですか、この点。
#162
○国務大臣(坊秀男君) 私ども最初に考えましたことは、ぜひともこういうことにならないようにやっていきたいと、こう考えましたが、いま主計局次長が申し上げておるように、目下のところ、本当にこの財源のめどがついていない。ここで今日どうするかということになりますと、まあ衆議院大蔵委員会の委員長がこういう私案というか出されたようでありますけれども、これは私もお聞きしておりますけれども、なるほどこれでいけばどうにかいけるのじゃないかというようなところまで考えておりますけれども、これが絶対にいい方法だというふうには考えておりません。
#163
○田渕哲也君 次に、公定歩合の再引き下げ論というのが最近総理もそういう趣旨の発言をされておりますし、いろいろ新聞等で取りざたをされておるわけです。私は、現在の景気の状態から見るならば、やはり公定歩合の再引き下げはやらざるを得ないと思います。しかも、先進国の首脳会議の前あたりにはやらないと、やっぱりまずいのじゃないかということも言われておるわけですけれども、ただ、もう一つは、預金の金利の連動が大幅な引き下げをする場合には不可欠であるということも、言われております。それから国債の金利というものもこれと関連をしてくると思うのですけれども、最近は国債の流通利回りが発行利回りより下回ってきたというようなことも、言われておるわけです。この辺の公定歩合の引き下げ、それから預金金利をどうするかという問題、それに関連して国債金利をどうするか、この辺の見通しについて、もしあればお伺いをしたいと思います。
#164
○政府委員(後藤達太君) 公定歩合の問題は、申し上げるまでもなく、日本銀行政策委員会の立場でございますので、大蔵省からどうなるだろうかということを申し上げるのは御遠慮したいと思いますが、去る三月に、先月やったところでございます。金融当局としましても、どういう効果が出てくるかということを見守っておる段階であろうと存じます。
 それから預貯金金利の問題でございますが、この預貯金金利につきましても、それはそのときどきの情勢に応じまして検討すべきことでございます。つまり、金利政策の効果の面からはどうあるべきか、同時にまた預金者の立場から見てどうあるべきかということを検討すべき段階だと思います。前回要求払い預金の〇・五引き下げをいたしましたのもそういうことを検討してやったわけでございます。今後につきましても、そのときどきの情勢に応じて私ども勉強してまいりたい、こう考えておるところでございます。現在具体的にどうこうということは考えているものはございません。
#165
○政府委員(戸塚岩夫君) 国債の問題についてお答えいたしますが、国債の発行条件につきましては、そのときどきの金融情勢に応じまして、他の公社債とのバランス、あるいは財政負担に及ぼす影響などを考慮して決定してきておりまして、昭和四十一年度に歳出の財源としての初めての国債を出しましてからことしが十二年目になるわけでありますが、その間にそういう観点から過去十三回にわたって国債の発行条件の改定を行ってきております。最近、御承知のように、事業債等の流通利回りが低下傾向にございまして、国債につきましても、きょう午前中の国債の最長期物の取引所の価額でございますが、九十八円七十五銭で出しているものが九十九円三十銭というように利回りが八・一三となっておりまして、そういった利回りの低下傾向に対しては私どもも十分注視しているところでございます。したがいまして、他の金利の動向等を見きわめながら、いましばらくはその推移を見守っていくというところでございます。
#166
○田渕哲也君 終わります。
#167
○主査(中村太郎君) 以上をもちまして大蔵省所管に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#168
○主査(中村太郎君) 以上をもちまして大蔵省所管に対する質疑は終了いたしました。済企画庁所管を議題といたします。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#169
○対馬孝且君 私は景気及び物価の問題を中心にいたしまして経済企画庁長官初め関係者に御質問申し上げます。本予算で本委員会でも長官とずいぶんこの問題を中心に質問いたしてまいりましたが、まず最初に景気回復の見通しにつきまして簡単にお伺いします。時間もありませんので、簡潔にひとつ要領よく政府側も答えていただきたいということを特に要望しておきます。
 最初に、現在最も問題になっている景気回復の見通しについてお伺いをしたいと思います。
 まず第一番目の問題は、政府は一体この景気の現状をどう見ているかということであります。そして、いつごろになれば現在の中だるみ状態を脱出することができるのか、この点についてまずお伺いいたします。
#170
○国務大臣(倉成正君) 景気は、マクロで見ますと、大変緩やかでありますけれども回復過程にあります。しかし、業種におきましては非常にまだ不況感の残っている業種がございますので、全体としては不況感がかなりあるというのが実情ではなかろうかと思っております。十−十二月は、国民所得、GNPの四半期別の統計で見ますと、前期比〇・六%上昇、年率に直しますと大体この四倍ぐらいの速度で景気は上昇しているわけでございます。一−三月は、これよりもかなりマクロベースで見ますと高いのではないかと思っております。ことしに入りまして、公共事業の請負金額で見ますと、五十二年の一月が六・三%上昇、それから二月が一八・四%上界ということになっておりますし、三月はまた官公需が四二・二%前年同月比ということで、公共事業がかなり出ております。これはやはり昨年の十一月の七項目、それから補正予算が響いていることと思います。それから住宅関係もまた新設の住宅着工戸数も昨年の十二月が二・三ということでございましたけれども、一月は一五・六ということで、住宅、公共事業等が伸びておりますので、マクロベースで見ますと、緩やかでありますけれども回復をいたしておるという状況だと思います。しかし、最初に申しましたように、企業別、業種別にはいろいろ格差がございますので、そういうところの不況感がまだ残っておるということを申し上げたいと思います。
#171
○対馬孝且君 いま、長官から、マクロ的に見ると景気の不況感というのはよくなってきていると、一口に言えばそういうことなんでありますけれども、それではちょっとお伺いしたいのでありますが、五十二年度の政府の経済見通しによると、年度を通じて安定的な拡大過程をたどると、こういうあれがあるわけですが、問題は民間の経済見通しを見てみると非常に悲観的な見方が強いのですね。大臣とは逆ですよ、民間の方は。特に最近発表になりました三月十四日の日経センターの十八カ月予測では、現在の政策を前提とする限り、五十二年度の実質成長率は五・一%程度よりならないと、さらに一兆円減税と五千億の公共投資、五万戸の住宅融資の追加をしないと、政府見通しの六・七%成長はとうてい困難ではなかろうかと、こういうのが実は出ているわけであります。また、経済指標の最近の動きを見ましても、実質GNPは昨年の十−十三月は前期比でいま大臣も答えましたが〇・六%、年率に直して二・四%だし、鉱工業生産指数も、昨年の十−十二月期に続いて一月は前月比〇・七%、二月も〇・二%とほとんど横ばいです。それから稼働率指数を見ましても、年度末、五十二年三月には九四まで持っていくという政府の指標でございましたが、一月時点では八五・八%にとどまっております。政府は、四月の月例報告で、国内の民間需要は総じて盛り上がりを欠いているけれども、政府投資の増加が見られるなど、一部で景気回復のテンポが持ち直す無配を示していると、こう言っております。しかし、日銀総裁は、四月十一日、全国の支店長会議を招集しまして、ここで言ったことは、企業の設備投資や個人消費の盛り上がりに欠け、企業の先行き景況感に明るさが見られない、こう明快に言っている。明るい明るいと言っているのは政府だけではなかろうかというふうに今日考えざるを得ないのであります。
 そういう意味で、私は、その政府の言わんとする気持ちはわかりますが、景気は、そういう国民大衆の感じというのはそこにあるのでありまして、このままでいきますと、何らかの手を打たなければやっぱり重大な景気の回復というのは困難ではなかろうかと、こういうふうに判断いたしますので、これからの今後の見通しを含めてお伺いをしたい、こう考えます。
#172
○国務大臣(倉成正君) 日銀の支店長会議の模様も私もよく伺っております。不況感がまだ相当あるということは、もう日銀総裁と私の意見と決して食い違いをいたしておりません。ただ、先ほども申しましたように、一部で景気回復のテンポが持ち直す気配というのは、公共事業や住宅投資で先ほど申したように明らかでございます。
 それからもう一つは、稼働率指数が異常に低いわけでありますけれども、出荷の方は若干伸びておるわけでございます。それはどういうことかといいますと、生産を落としてしかも出荷が伸びているということは、結局在庫が減ってきたということでございますね。ですから、在庫調整がだんだん進んでまいりまして、終わりますと、今度は生産増加ということになっていくということで、おおむね在庫調整は終わったのではなかろうかというのが私どもの見通しでございますので、だんだん生産も回復してくると、そういうふうに思っておる次第でございます。
#173
○対馬孝且君 だんだん回復すると言ったって、先ほど私が指摘したように、当初の五十二年三月末では九四ということを目標にしていながら、現実には八五に下がっているのですから、達成できていないのですから、これはやっぱり出荷が伸びたと言ったって稼働率が上がらなければ根本的に回復したと言えないので、その点は一つ指摘しておきたいと思います。
 そこで、私は次に設備投資の問題についてちょっと触れたいのですが、政府の見通しと民間の見通しを比べてみた場合に、一番違いのあるのはこの設備投資なんですよ。政府はマクロ的に言えば回復しているんだと、こう言ったって、設備投資がなかったら実際上これは伸びがないでしょう。その設備投資については、政府は名目で十二・二%も伸びるというんです。ところが、民間見通しは大部分がこれを下回っているんです。これはあなた方の資料によっても明らかなんですが、特に最近の不動産銀行の調査等によりますと、五十二年度はマイナスとなってきているという状況さえ出ているわけですよ。したがって、設備投資の見通しの一二・二%というのは一体どういう根拠で示されているのか、これをお伺いしたい。
#174
○国務大臣(倉成正君) 民間の各調査機関が五十二年度の見通しをつくっておりまして、この中で設備投資を私どもより低く見ているということも承知いたしております。ただ、民間の調査というのは、全部の企業を調査したものではございません。調査の対象になっているのは、三割から四割以内ぐらい、全体の三分の一程度の調査ということでございます。特に大企業が中心になっておることも事実でございます。
 そこで、来年度の見通しでありますけれども、製造業は確かに設備投資意欲というのは冷え切っている。特に製造業の横綱であります鉄鋼が大きな設備が相当できまして、しかも稼働率が低いということでございますから、設備能力が余っている。したがって、これから新しい設備投資をしようという意欲はございません。したがって、鉄鋼の設備投資はかなり減るのであろうという見通しでございます。
 ところで、非製造業の方、その中には電力とか流通関係が中心でありますけれども、電力に関しましては民間の予想というのはほとんど全部二割前後の伸びをするというのが、民間でも立地難とかいろいろと言われておりながらも、すべて一九・何%あるいは二〇%超すのもございますが、大体二割というのが民間の一致した電力の見通しの伸びでございます。それから流通関係では、御案内のとおり、かなり各地で流通関係についての設備投資が行われている状況にございますし、また、直接民間の調査機関の対象になっていない中小企業やその他の中にも、それ一つとしてとりますと小さいのですけれども、設備投資をやるというところもございますので、全体として見ますと、政府見通しはそう過大な見通しではないと思っておるわけでございます。
 それから御案内のとおり、設備投資の見通しをやるときの状況で見通しというのはずっと変わってくるわけでございまして、昨年の五月ごろでありますと、そのころの評論家やあるいはいろいろな人が言っていることを私は調べてみたわけですけれども、どうも政府の見通しは少し低いのじゃなかろうかというような御意見が多かったわけでございます。したがって、調査時点で違う。現在の状況で特に一月ぐらいの時点で見通ししますと非常に低いのですけれども、予算が成立して公共事業もかなり出てくる、住宅投資も出てくる、輸出の方もかなり好調であるという状況の中でまた考えていきますと、また若干民間の見通しというのも変わってくるのじゃなかろうかと思うわけでありまして、決して私も楽観しておりません、政策をよほどうまくやらないといかないなと思っておりますけれども、最善を尽くして六・七%成長を達成できるように努力をしてみたいと思っております。このことがやはり日本の経済、雇用を安定さしていくことにも非常に大切なことであると思っておる次第でございます。
#175
○対馬孝且君 いま長官のお答えを聞いていると、何か暗やみから薄日が差して太陽が照るような感じがするのですけれども、そんな甘いものでないということは、これは明らかにそういうふうになっているんだったら今日景気は回復していますよ、長官。去年予算つくるときだって、ことしはもうちゃんと薄日が差すようなりますと言ったが、現実になっていないでしょう。けさほどのNHKニュースでも発表したけれども、ことしの三月の中小企業倒産が千八百件でしょう。いまなおどんどん進行しておるわけですよ。そういう状況で、片一方で設備投資は製造業が伸びていると言ったって、現実に企業倒産は千八百件、ウナギ登りで上がっていっているということになれば、これは実感としてなかなか受けとめられないんですよ。どうもそういう甘い何かパラ色の政府の感じがあって、それが全部裏目裏目にここで出ている。この点も一つ指摘しておきたいと思うのです。
 そこで、個人消費の問題だって、政府の見通しでは十三・七%伸びを出しているのですけれども、ことしの一兆円減税だって結果的には六千五百億程度。春闘がいまやっていますけれども、これは一けただな、大体いま出ている相場でいくと。こういうことで、結果的には春闘を抑え、減税も物価調整減税にちょっと毛のはえたようなところまでしかいかないような結果で、一体十三・七%伸びるのかということです、個人消費が。この見通しについてちょっとお伺いしたいのです。一方では春闘を抑えつけて、一方では減税を抑えつけて、そして個人消費を伸ばせ伸ばせと言ったって、どこで伸びるのですか、これを率直にお伺いしたい。
#176
○国務大臣(倉成正君) 個人消費ですけれども、マクロベースで見ますと、五十二年度は十三・七、実質五・四で見ておるわけでございますけれども、暦年で見ますと、五十一年暦年、一月から十二月までは、もうすでに経済企画庁の経済研究所国民所得部でやっております調査が出ているわけですけれども、実質で四・四という数字が出ているわけです。したがって、これは国民経済べースでございますから、一般の生活実感ということとどうかという問題はあるかもしれませんけれども、かなりやはり個人消費というのは少しずつ回復してきておるわけでございまして、ことしの一月を見ましても、都市世帯では実質の消費支出が三・四、農家世帯で一・九というふうに伸びてきておるわけでございまして、だんだん物価が安定してまいりますれば個人消費というのは出てくるのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。したがって、いまのところ、企業も個人もちょっと気迷いがある、先行きどうなるだろうかという心配が個人消費の足を引っ張り、あるいは設備投資の足を引っ張っておるということですから、前途について苦しいながらも大体こうだという見通しがつけば、設備投資も出てくるし、また個人消費も少しずつ回復してくると、そういうふうに思っておる次第でございます。
 それからちなみに申しますと、個人消費を細かく分析いたしますと、一分位――非常に全体としての所得の低い層の収入の増加、それから実質の消費支出がふえております。五十一年度について申しますとふえております。減っておりますのは、五分位層――非常に所得の高い層の人たちの収入が減る、そうして実質の消費支出も減っているというのが、家計支出の調査によっては出ておるわけでございます。
#177
○対馬孝且君 個人消費の十三・七というのは、ことしは私はむずかしいと思う、はっきり申し上げて。春闘の期待感だって、結果的に二けた台というのが一けたになってしまった。期待する減税も一兆円は全くおぼつかないと、こういうことで、結果的に、いま大臣はそう言っていますが、これは物価見通しと同じで、個人消費が現実に――この間も参議院の中央公聴会でサラリーマン・ユニオンの青木大妻女子大学教授が来て、政府の実感とサラリーマンの実感というのは四%違うというんですよ。だから、そういう実感の中でやっぱりものを見ていかないとだめだとあの人がこの間私の質問に答えておりましたが、政府がここで十三・七と言っても、現実の問題としていまさっき言ったような指数からもっていきますと、私は不可能だと見ていますよ、やっぱりこの問題については。だから、そういう実感の差がすでにもう四%なり五%というような政府統計と国民の差というのがあるんだということは、サラリーマン・ユニオンのアンケート調査でもはっきり出ているんですよ、長官。そういう認識を持ってもらいたいということが一つ。
 もう一つは、ぼくはこの間予算の本委員会でもちょっと時間がなくて触れられなかったのですが、十二月の総理府の統計のアンケートが出ているんです。この先物価高が一体安定するかどうか、これは総理府の出したアンケートですが、もう一〇%以上と答えた人が六八%あるんです、これははっきり申し上げるけれども。これは政府がやっているんです。それが実感だということです、はっきり申し上げて。そういう政府がアンケ−ト調査で出したものをあなた方が尊重しないで、じゃこれから何とかよくしていくんだと、こう言ったって、そういう実感に立ったこれからの景気見通しというものを立ててもらわなければ困るということをこの機会にきちっと指摘しておきたいと思います。
 それで、私は、次の問題としまして、景気の見誤りということが出てくるのじゃないかという心配をしているんです。先ほど来、政府は、何とかなるんだ何とかなるんだと、こう言っているが、いまなお国民の方はそうなっていないのです。なっていないから、出てくるのは公定歩合をもう一回下げざるを得ないだろうということが出てきているんで、現にけさほどの日経に正式に総理でさえ公定歩合の再引き下げをこの際指示したと。こう出ているわけですよ。だから、そういう不況感というものを克服するということが大事なんで、そういう点からいけば、景気の盛り上がりがないのは政策発動の時期を誤ったからだという説があります。これははっきり申し上げますが、日経センター理事長の金森久雄さんが四月十一日の日経でも言っていますが、すなわち、その時期は、在庫調整を完了した昭和五十年と輸出がふえた五十一年前半だというのです。この時期には財政金融面から需要をつけるのは政策の常道であるのに対しまして何ら手を打つことがなかったと、これは金森さんが指摘をしているわけです。こういう状態というのは、私が言っているのじゃなくて、エコノミストのそういう権威者が一つの指摘をしているのですから、ここでやっぱり政府は耳を傾けるという姿勢が成要だと思うのです。
 そこで、私がお聞きしたいのは、景気回復を軌道に乗せるためには一兆円程度の減税と公共投資というものをわれわれは強く訴えてまいりました。そこで、公定歩合をさらに二%引き下げざるを得ないというような大型補正を中心にした景気対策が必要であるという説が、これは成長派といわれるエコノミストの関係者の中からでも出ています。自民党の河本政調会長あたりも、この際公定歩合の再引き下げはやっぱり考えるべきであると、こう自民党部内でも言い出してきた。こういう問題について企画庁長官としてはこれをどう考えるのか。公定歩合再引き下げということになれば、これに連動して預金の利率を下げると、これはたまったものじゃない、庶民はもう大変な話だ。なけなしの金で貯金してその片方では預金利率をまた連動して下げざるを得ないということが出てきたらこれは大変なことだ。私に言わせたら往復びんたを食らうようなものだ、国民は。そういう問題について見通しを含めてどう考えるのか、これをちょっとお伺いします。
#178
○国務大臣(倉成正君) 公定歩合の問題は日銀政策委員会の専管事項になっている、いわゆる通貨当局が政治から中立で金融政策をやるべきであるというたてまえからそういう政策委員会の専管事項になっているということは、もう申すまでもないことでございます。しかし、財政政策、為替政策あるいは産業政策と並んで金融政策が非常に重要な役割りを示す。したがって、われわれもこれに深い関心を持っておるわけでございます。
 わが国の場合は、御承知のように、金利が自由化されておりません。すなわち、預金の金利等法律事項になり、あるいはいろいろな制約があるわけでございます。したがって、公定歩合の操作ということも、金利の自由化がされていない日本の中で操作をするということは、いろいろな制約条件があるわけでございます。そこで、企業の立場から言うと、いま一番欲しいのは、金利負担が非常に高い。それからもう一つは、雇用の方の、高度成長期にかなり多くの人を雇い過ぎたという面で、そういう点が企業の経営に一番大きな負担になっておるわけでございまして、そういう意味から公定歩合ということへの要望が非常に強いと思うのです。現存の稼働率の状況で公定歩合を下げたからといって設備投資がすぐ出てくる情勢ではないと私ども思っております。ただ、金利の負担を軽くする、そして全体の気分を明るくして将来の設備投資の意欲等のきっかけになると、そういう意味があるのじゃなかろうかと思います。もう三月の十一日に〇・五%他の施策と同時に公定歩合が下げられたばかしの状況、しかも予算が十六日に成立をするという時期でございますので、われわれは何としてもこの予算の成立後最大限にこの予算を活用いたしましてそして景気回復の手がかりにしたいというのがいまの姿勢でございまして、いろいろ新聞紙上で伝えられておるかもしれませんけれども、まだ政府としてそういう態度を決めたわけではございません。また、総理からもそういうお話も私は聞いていないわけでございますので、いろいろ新聞が推測的な記事を書いておられるかもしれませんけれども、現在どうしようということを政府が決めておるわけではないということでございます。
#179
○対馬孝且君 どうも長官はまだ政府は決めていないと言ったって、これはっきり自民党の政策審議会での部会会議で緊急七項目というものまで具体的に出ているじゃないですか。政府が決めていないと言ったって、自民党のあなたのところで、七項目で一番先に飛び出してくるのは何かというと、公共事業と公定歩合の再引き下げということで、ばんと出ているでしょう、七項目の中に。しかも、これは総理が指示したというんです。あなたそんなことを言ったってそれはだめです。そういう見通しだから、経済企画庁は、経済見通しは狂っちゃうし、物価の見通しは狂うのですよ、はっきり申し上げて。だから、やっぱりこういう問題が出されているという段階でいま国民が聞きたいことは、再引き下げされれば預金利率も引き下げられるのかということを一番国民が心配している、はっきり申し上げて。そういう見通しは一体どうなんだと。ないならないでいいんですよ。その点をはっきりしてもらわぬと、ないと言って後から出たらぼくは責任を……。
#180
○国務大臣(倉成正君) 正確に申し上げますけれども、党の関係でそういう話が出ていることは聞いております。しかし、総理が指示したとか政府で決めたということはございません。私はいやしくも経済企画庁長官でございますから、またこういう席でいいかげんなことを申すわけではございませんから、その点はひとつ十分御理解いただきたいと思います。
#181
○対馬孝且君 それで預金利率はどうするんですか。そういう情勢を踏まえて今後あるのかないのかと、こう聞いているんです。国民が聞いてくれと言っているんですよ。
#182
○国務大臣(倉成正君) 先ほども申しましたとおり、日銀政策委員会の専管事項でございます。専管事項についてどうするこうするということを私が申し上げるのはいささか適当でないのじゃなかろうかと思うわけでございます。重大な関心は持っております。
#183
○対馬孝且君 関心は持っておると。そんなことはわかっておる。日銀政策委員会のことはわかっておるが、物価担当大臣として、いまの場合預金利率を引き下げるというような動きに対してのあなたの感想はどうなんだと聞いているのです。そういう動向に対してどういう考え方を持っているのかと聞いているわけですよ。国民は聞いてくれと言っているのですから。
#184
○国務大臣(倉成正君) まだ日銀もまた政策当局者も公定歩合を下げるなんというようなことは申していないわけでございますから、いまその段階でいろいろな意見を申し上げるというのは適当でないのじゃなかろうかと思っております。私の発言はかなりやっぱり影響が大きいものですから、なかなか簡単にそういうことに意見を申し上げるのは差し控えさしていただきたいと思います。
#185
○対馬孝且君 差し控えさしてもらいたいということだから、それはそれなりにあれだけれども、やっぱりあなたは物価担当大臣なんだから、国民の立場に立たなけりゃならないわけだ。だから、見通しが狂っちゃって、物価だって見通しが狂うのですよ。そういうことを指摘しておきますよ。少くともこういう問題については預金利率は絶対下げてもらいたくないと、これだけは国民の声だということを私ははっきりこの機会に申し上げておきます。
 次に、物価問題です。私もこの閥補正の段階でも申し上げましたが、結果的には政府見通しが狂ったということでしょう、はっきり申し上げて。この点はどうなんですか。
#186
○国務大臣(倉成正君) 年度中上昇率については政府見通しを上回ったということでございます。年度平均につきましては――いまの申し上げているのは消費者物価でございますが、消費者物価については年度平均についてはほとんど政府見通しは変わらない。しかし、年度中、すなわち前年同月と比較いたしますと、政府見通しを実際の物価指数が上回る、こういうことでございます。
 それからちなみに卸売物価指数につきましては、政府見通しを下回ると、こういうことでございます。
#187
○対馬孝且君 そこで、これはこの間も申し上げましたが、結果的には私が寄ったようなことになったのだ。私の二月二十一日の質問のときに、いや、何とか落ちつくでしょうなんて言っていたけれども、結果的にならなかったでしょう、私の言ったとおり。私があそこで指摘したのは、結果的に東京都区部の九・三が全国的に直すと九・二になると、あと残されたものは〇・三ぐらいよりないんだから、二月が〇・一四、三月が〇・一四でいかないとあなた方の見通しになりませんよと私はあのときに明快にあなたに指摘したはずです。しかし、結果的にはいま言ったように、新指数でいった八・六が結果的にいまの見通しでいくと最終的にはやっぱり八・九でしょう、あなた方の見通しでいくと。八・九ないし九%前後じゃないですか。この点をもう一回確認しておきたいのですがね。
#188
○国務大臣(倉成正君) いま東京都区部が九・三が出た段階で、東京では衣料費が少し高く出るので全国で見ると九・二ぐらいじゃなかろうかということですが、これもあくまで推測でございます。小数点以下ぐらいのところの議論をいましているわけでございますから、もうしばらくすれば確報が出るものですから、この段階で小数点以下についてなかなかこう議論を申し上げるというのは必ずしも適当ではないのじゃなかろうかと思います。しかし、いずれにしても、政府見通しよりも年度中の上昇率については高くなるであろうと、そういうことでございます。
#189
○対馬孝且君 結果的には政府見通しが年度中狂ったということをいまはっきりしましたけれども、私は、そのよって来る物価の値上がりの原因が、長官の説明を聞きましても、異常な寒波で季節商品が上がったんだと、これが大きな理由になっているようでありますが、私は、それだけとしても問題があると思うのですよ。これはそういうものに手を打つのが経済企画庁なんだから、政府なんだから、それは私は理屈にならぬと思うのです。異常寒波というのは当然あの段階で半年前から予測されておったことで、しかも相当な動きがあるということは事実なんで、それは理屈にならぬ。やっぱり今回の一番問題は何といっても公共料金じゃないか。結果的に今日の政府の見通しを上回る物価の指数になった要因というのは、もちろん季節的なものもあります。これはやっぱり後手後手だったと思うのです、私に言わせれば。私、もっと言わしてもらうなら、後でもお答えを聞いてから言うけれども、それと、公共料金が当初の見通しと結果としてどれだけの狂いがあったか、この点も含めて物価値上がりの原因とは何を見ているのかということをお聞きします。
#190
○国務大臣(倉成正君) 五十一年度の物価、特に年度中の上昇率ということで見ますと、季節的商品の値上がりというのが大きかったということははっきり申し上げることができると思うのでございます。もちろん、寒波の見通しについてもう少し的確な見通しがなかったかというお話でございますが、その点についてはわれわれが見通しが甘かったと率直に認めざるを得ないわけでございます。しかし、御承知のように、ことしの寒波というのは大変なものでありまして、各地の雪害なり寒波の影響なり、あらゆる委員会でこの寒害対策あるいは除雪対策等についての御要望が出ている状況ということも御理解いただきたいわけでございまして、東京都区部の速報、これは新指数で出ているわけでございますが、この中で一番値上がりの大きかったのはお魚でございます。これは、御案内のとおり、魚が不漁のために値上がりが高かった、二五・六%上がっております。それから果物が二三・七%、これはリンゴ、ミカンの上不作でございます。それから野菜は、年度中としては一〇%ですけれども、ことしの一月から三月までに五割上がりました。これが年度中の上昇率の一番大きな原因だと思います。
 公共料金は、旧指数で申しますと二・六%程度、新指数で三%程度、これが公共料金の物価上昇に対する寄与率でございます。
#191
○対馬孝且君 そこで、はっきり私が申し上げておきたいのは、この間も申し上げましたが、結果的には、私に言わせれば、フードウイークをやって、農林省関係で三十七億、通産省関係を含めて約四十億だ、大安売り、官製バーゲンをやったのが。それが若干の指数に入っているんですよ。入ってさえ八%そこそこ、政府公約が守り切れなかったのですから、フードウイークをやらなかったらまだ違っただろうと私は思うのですよ。私の言いたいのはそこなんですよ。そういう四十億も農林省対策その他をやっていながら、なおかつ物価が公約を達成できなかったということ自体に政府の根本的な対策の後手があったのではないか、これは私は素直に認めなきゃならないと思うのですよ。私は、この点、この間から言っているのですが、それは人っているとか入っていないとかいろんなことを言ったが、私が調べた限りでは一々間違いなく入っている。それがキャベツとか野菜とか果物に結果的に影響している。こういう状態を素直にいまあなたが認めたから、人間のやることだから間違いもあるだろうから、ぼくはあんまり言わないが、むしろ四十億のあれだけの対策をしておってなおかつ答えは公約を達成できなかったということを謙虚にひとつ反省をしてもらいたいと、こう思うのです。
 そこで、私は次に申し上げたいことは、公共料金がそれほどでもないという印象をいまちょっと受けたのですけれども、当初二・五でしょう、五十一年度の見通しというのは。それが結果的に三%になったというのは、私は何といっても、どう長官が説明しようと、去年ごらんのとおり上がったというのは、NHK料金、やれ電力、国鉄運賃、電信電話、消費者米価から始まって、ちなみにあれだけの物価が上がったわけです。そうでしまう。だから、公共料金とのバランスという問題をかなり物価の安定のウエートに置くべきことはもう当然なんですが、そこらあたりが、福田総理の言う、公共料金は一巡して一通り回るんだと、こう言っているが、回る回ると言ったって、五十一年度の場合は公共料金の占めるウエートというのは非常に大きかったのじゃないか。この点をどういうふうに考えているか、お伺いします。
#192
○国務大臣(倉成正君) 先ほどのフードウイーク、商業セールに費やしたお金が四十億というお話でございましたが、小数点が一つ違うのじゃないか、三億八千万ですから、まあ四億弱ということではないかと……
#193
○対馬孝且君 ぼくが聞いているのは四十億と聞いていますよ。
#194
○国務大臣(倉成正君) 四億弱、そういうふうにわれわれは聞いております。
 それから公共料金が五十一年度の物価上昇率に大きな要素であったということは私ども率直に認めます。ただ、狂乱物価のときに非常に低く抑えたものですから、これをいつの時期にか調整しなければならないわけです。それをいつやるかということの判断が非常にむつかしいわけであります。いつまでもこれを調整を延ばすということになると、だんだん雪だるまみたいに大きくなってまいりまして、ある時期によほどの大きな財政支出をするか、あるいは大幅の値上げをするかという選択をしなければならない。したがって、公共料金はある時期にやはり調整をとっておくということが将来の物価安定にもつながると、そういうことで考えたわけでございまして、結果的には旧指数で二・六程度、それから新指数で三%ちょっとということじゃないかと思います。したがって、二・五が三%になったのじゃなくて、新指数、旧指数でそういうことになっている。われわれが当初見通ししましたのは、まあ官庁の言葉でどうも余り適切じゃないのですけれども、二%強という言葉を使ったわけでございます。二%程度というのは、四捨五入して二%になる。二%強となると、やっぱり二・五ぐらいは入るのじゃなかろうかということですけれども、これはまあ一つの官庁の言葉でありますから余りこれにはこだわりたくないと思いますが、公共料金はいつの時期にか上げなければならなかった。したがって、五十一年度にもかなり大きな形で出てきたというのが実情でございます。
#195
○対馬孝且君 一応公共料金が物価上昇要因のウエートを占めたということをお認めになっていますから、まあそれは二%強が二・五だなんと言ったって、そんなものはへ理屈であって、それは理屈にならぬ。国民に言った数字は数字なんだからね。
 そこで、今年度物価が七・七と政府は言っていますね。五十二年度達成は年度末七・七と。これに占める公共料金のウエートが大体二%と、こう言っているわけです。これは間違いであれば指摘してもらっていいのですが、この間あなたは予算の本委員会で同僚の前川委員の一質問に対しまして、国鉄運賃を含む電話料金の基本料金を含める値上がり率は〇・六%に相当すると。そうすると、あと残りが一・四よりないんですよ。そうすると、一・四で公共料金をわれわれの考え方でいくとおさめなければならぬだろう。それにしては、ことしは、これから上がるものは、国鉄運賃は一九%上がる、これから米価が上がってくる、もう地方の公営鉄道は上がった、バス料金が上がってくる、すでに北海道では北バスが料金改定をしてきているということで、一連のものがどんどん上がって、今度は私学が上がる、今度は授業料が上がったということで、上がってきているのは私の数字でいくと全部で二十数項目になります。こういうことで一体残りの一・四でおさまるのか、この点が問題だと思うのですよ。この点は一体どう考えているのかということをこの機会にきちっと、それと、七・七が一体守れるのかどうかということ、これをお聞きしたいと思います。
#196
○国務大臣(倉成正君) いまお話しのように、予算の中で値上げを予定しておるのが国鉄の値上げとそれから電電の値上げはもうすでに決定しまして四月実施ということで自動的に五十二年度に入ってくる。これが〇・六%程度ということで、お話のとおり、公共料金の五十二年度値上げが二%程度ということになると、残されたのは一・四しかないじゃないかというお話は、お話のとおりでございます。したがって、この中に何とか抑え込むように努力をしていきたいと思っておるわけでございます。いろいろな個々の問題がございますけれども、まあ一つで〇・四も〇・五もというのは余りないわけでございまして、小さいのがずっと積み重なってきましてそういう数字になってくるわけでございますので、何とか努力をして公共料金の値上げを五十二年度には二%程度に抑えたいと、五十一年度よりは低い数字に抑えたいというのが私どもの考え方でございます。
#197
○対馬孝且君 その範疇でおさめるということですから、その状態を見守っていきたいと、こう私は考えます。
 そこで、これからの新価格体系の中で一番個別物価で問題になりますのは、何といっても家庭用の石油製品ですね。中でも私は家庭用灯油に一番重大な関心を払わざるを得ません。前回、私は、本予算委員会でも通産大臣のお答えを願いましたが、いずれにしても、ことしの実態を長官に認識してもらう意味で申し上げるのでありますが、これはおたくの方の調査で出ているのでありますが、北海道ではことしの異常な寒波に伴う実態がどうなっておるかということをちょっと参考までに申し上げたいのでありますけれども、現実に北海道ではことしの暖房用の占める指数は次のように出ています。ドラムかんが平均十五本から十七本ぐらい――ドラムかんですよ、間違ってもらっては困るんですよ。十八リットルの石油かんじゃないですからね。北海道はドラムかんを使用しているのですから。これで見ますと、消費支出が一世帯当たり十八万四千五百三十五円、これは北海道庁の出した数字です。これに対して、灯油の消費率によるアップ、つまり例年よりもアップされたのが二・七%、それから電気代が二千九百八十四円で一・六%と、こういうことになっているのです。これは大変なことだったのですね、ことしのあれで。そこで、この間、私の質問に対しまして、五月の需要期の段階までは何とか現状で凍結していきたいと、こういうことで、きょう石油部長もお見えになっておりますが、石油部長通達を出していただきました。それで、一応需要期を凍結していただいているわけであります。そこで、これからの問題なんですよ、問題は。それは、去年一年じゅう北海道は石油をたいたんですよ。これは去年通産省にも行ってもらったんです、私の要求で。
 そこで、この問題について、石油製品の中で一般的な石油製品の値上がりをどういうふうに考えているのか、中でも家庭用灯油についてどう考えているのか、これらの問題についてひとつお伺いをいたします。
#198
○政府委員(古田徳昌君) 本年一月一日からOPECの原油価格の引き上げに対応しまして、石油各社は三月一日ないし四月一日以降石油製品価格の引き上げをしたいということで発表したわけでございますが、その後の為替レートの動向等を反映しまして、現在までのところ価格引き上げは実現しておりません。しかしながら、私どもとしましては、値上げ発表が行われた時点で、需要期に灯油の価格が変動するということは非常に国民生活に与える影響が大き過ぎるということで、その抑制指導をいたしたことは先生ただいま御指摘になられたとおりでございます。今後の動向につきましては、私どもとしましては、現在の円レートの動向を当面見守りたい、最近の動きは非常に流動的でございますので、その動向を暫時見守る必要があるということが一つでございます。
 それからもう一つは、OPECの引き上げが、先生御存じのとおり、二重価格制ということで非常に変則的な形になっておりますので、各社ごとに影響が区々であるということがあります。
 それからもう一つは、景気動向全体が必ずしもよくないということで、現在の時点で価格に積極的な介入をするということは逆に価格の支持的な強化をもたらすのではないかというような危惧もあるというふうなことで、当面私どもとしましては石油業界と需要業界との価格交渉の推移を見守りたいというふうに思っております。
 それから灯油の価格につきましては、先ほど言いましたように、需要期につきましては抑制指導ということをしたわけでございますが、今後につきましては、今後の需給動向の推移とそれから他の石油製品などの価格動向の動きといった点をも十分考慮しながら、何といっても最も重要な量的な意味での安定供給の確保という問題と価格の安定ということとの調和を図りながら十分これに慎重に対処していきたいというふうに思っております。
#199
○対馬孝且君 そこで、私はちょっとお伺いしますが、この間私の質問に対しまして橋本長官も答えているのでありますが、これは日生協の出した昨年十二月までの円高による差益金が九百九十六億、これに対しまして、橋本長官は、五十一年の上期で四百億、それをイコールしていくと八百億くらいになるだろうと、こういうお答えがありました。したがって、この差益金が出ておるわけですからね。しかも、今日の段階では二百七十五円まで行ったわけでしょう。四月十一日現在の為替レートが一ドル二百七十二円ですよ。こういう状態からいって、私は少なくともいまの石油部長のお答えでは納得できないのですが、夏場に入ったから使わないという、それは量的に若干の目減りはあったにしても、北海道は一年間じゅうたいておるという実情は、あなたも去年行っておわかりになったと思う。だから、あなたにお伺いしたいことは、これは大臣にもちょっとお伺いしたいのですが、民生用灯油については、当面、あなたが通達を出したこの方針については、そのとおりこの方針を凍結をしていくのか、この方針を撤回されるのか、ここが大事なんで、この通達については当面そのとおり通達どおりやってもらいますという考え方なのかどうかということが一点と、それから長官として、先ほど私が訴えた実態に伴ってどう対処していくつもりなのか、この点をちょっとお伺いします。
#200
○政府委員(古田徳昌君) 今需要期につきましては、私どもとしては、当然のことながら通達を守るように指導いたしますし、これは守られるものというふうに考えております。
 ただ、需要期後の動向につきましては、先ほども御説明しましたように、この次の需要期の量の確保といった問題がやはり非常に大きな課題として出てまいりますので、それとの関係を考えながら価格についての検討をしたいというふうに思っておる次第でございます。
#201
○対馬孝且君 そこで、ちょっとお伺いしますが、これはきょうの日経新聞ですが、「資源エネルギ庁六月までに新石油政策」と出ているのですが、夏の灯油の備蓄強化と、石油業法第十五条の精神に従って値上げ・値下げ幅は弾力的に対応していきたいという趣旨のことが新聞に載っております。それまでに審議会の答申を得たいというようなことで検討も行っているというのですが、そこらあたりはどうなっているのですか。やっぱりこれは憶測ですか。
#202
○政府委員(古田徳昌君) 私も実はけさ新聞を拝見しまして初めてこういう動きがあることを承知したわけでございますが、実は現在私どもはエネルギー政策全体を見直す作業を始めておりまして、この最終的な取りまとめは来年の夏ごろということでいま考えておるわけでございます。ただし、できることならば五十三年度の予算要求に反映できるものはしたいということで、ことしの夏までにまとまるものはもとめてみたいという気持ちも若干あるわけでございますが、そういう全体の検討との関係で石油の需給問題につきましても事務的に種々議論していることは事実でございますが、同時に、それとの関係で今需要期に灯油が私ども想定した以上に非常に量的に伸びたわけでございます。北海道の需要につきましても、ただいま先生御指摘いただいたとおりでございますが、全体として見ますと、ことしの需要期につきまして三月末までの数字を見ますと、私どもの想定をかなり上回りまして前年同期に比べまして一六%近い増加になっております。こういう傾向は今後も続くということになりますと、量的な意味でどういう形で確保していったらいいのか、石油精製業の供給構造との関係をどう考えたらいいのかということで問題が出てくるのではないかというふうに考えているわけでございますが、そういう議論を進めていきたいと思いますし、同時に、その関係で、つまり量的な確保というふうな視点との関係で価格問題も検討したいということでございます。
#203
○対馬孝且君 それでは、初めて石油部長が知ったというんだから、これはちょっと私も唖然としているのですけれども、いずれにしても、これでいくと六月には何らかの審議会を開かれるということだけは間違いないようですね。その点どうなんですか、それが一点。
 それから先ほどあなたに申し上げましたように、五十二年二月十八日付、ことし出したあなたの通達、これはそのままこの通達どおり行政指導をしていきますということは間違いありませんね。これをちょっと確認しておきます。
#204
○政府委員(古田徳昌君) ただいま御説明いたしましたように、具体的な結論が出る部分につきましては審議会にお諮りしたいと思っておりますが、石油審議会の場で議論をいただくか、あるいはエネルギー調査会の中の石油部会で議論をしていただくか、まだ決めておりません。
 それから二番目の通達につきましては、今需要期につきましては先生御指摘いただいたとおりでございます。
#205
○対馬孝且君 そこで、いま言った審議会になるか、エネルギー部会になるか、あるいは総合調査会になるかは別にして、それまでの間はこの通達が――いずれは新たな先ほどあなたが、言ったように価格、油種のバランス全体の方針が出るまではこの方針どおりいくということでいいでしょう、そういうふうに理解していいですね。ここをきちっとしておいてください。
#206
○政府委員(古田徳昌君) その通達は今需要期についての指導方針をあらわしたものでございます。需要期後の動向につきましては、先ほど言いましたように、灯油の需給動向の問題、それから他の石油製品の価格動向との関係を考えながら方向を検討していきたいというふうに思っております。
#207
○対馬孝且君 だから、需要期とは何ぞやということになるわけです。この前予算委員会で私が言ったのは、需要期とは通称五月までだと、こうなっているのですが、北海道は一年中たいておるのですから、これは不需要期も需要期もないのです、北海道については。私は、だから、新たな石油政策、あるいは油種、価格のバランスが出るまでは現状のままだというふうにこの通達が生きていかなければ筋が通らないではないかと、そのことを言っているわけですよ。だから、新たな政策が出ればこれはまた別ですよ。審議会だとかあるいは総合調査会の結論を得たとか、エネルギー部会の結論を得たというならこれは別です。その点はどうですか。
#208
○政府委員(古田徳昌君) 従来の灯油価格の指導につきましては、価格面で特に軽油とかA重油等からの需要のシフトが起きないように中間留分とのバランスをとるということが一つ、それからもう一つは需要期の前に在庫を十分確保しておきたいということが第二点、それから第三に需要期中の混乱を回避するということでやってきたわけでございまして、この考え方に基づいてその通達は出されておるわけでございます。したがいまして、その通達につきましては、従来の考え方に基づきまして今需要期についての行政指導をしたというわけでございます。
#209
○対馬孝且君 これから新たに出るまではどうなんですか。
#210
○政府委員(古田徳昌君) したがいまして、需要期後の動向につきましては、私どもとしましては、現在、先ほど言いましたように、長期的な議論としましては、審議会なりあるいはエネルギー調査会の石油部会なりの議論ということで考えていきたいと思いますけれども、需要期後の問題につきましては、現在出しておりますその通達は、撤回するといいますか、期限が切れるといいますか、ということになると考えております。したがいまして、先ほど申し上げましたような従来からの指導方針に基づいて検討していくということになります。
#211
○対馬孝且君 そうすると、五月いっぱいは一応この段階でいくと、それ以上の場合は中間留分の三油種の関係で従来どおりバランスを考えていくんだと、こういうふうに理解していいですか。
#212
○政府委員(古田徳昌君) 審議会なりあるいは調査部会での検討が行われますまでは従来の考え方で進めてまいります。
#213
○対馬孝且君 わかりました。それじゃ、長官ね、いま石油部長からありましたように、新しい政策が出るまでは従来どおりこの方針でいくというお答えですから、そこで、私もちょっと大臣に認識の意味で、これは大臣はちょうどかわったからわからぬけれども、福田前副総理時代はよくわかっているのですから、いずれにしても北海道のこの問題は実は重要な問題なんですよ。そこで、私の言いたいのは、特に民生安定の灯油については、当時の福田副総理も、極力全力を挙げて行政指導として安定に努めていきたいと。北海道にとっては米とこの灯油というのは同じだと、こういう認識に立っていただいたのですが、物価担当長官としてこの問題をどういうふうに、福田副総理、当時経済企画庁長官同様な考え方をもってこれから行政指導されるかどうか、ここが一番大事なところですから、確認しておきます。
#214
○国務大臣(倉成正君) 灯油が北海道の経済にとって非常に重要な位置づけにあるということは、私もしばしばの御質問もありますし、また承知をいたしております。ただいまエネルギー庁の古田部長からお話しされましたように、最大限に与えられた条件の中で努力をしておられるところでございます。私どももその努力を期待したいと思うわけでありますが、これは将来非常にむつかしい問題をはらんでおると思うのです。それは、元来エネ庁からのお話しがしかるべきでありますけれども、どうもガソリン高の重油安ということで、灯油も非常に低く抑えられているわけですね。そうしますと、下手をすると、灯油がなかなか出てこないという形になってくる問題が一つ将来の問題としては出てくるのじゃないか。それからもう一つは、他のエネルギーとの比較ということになると、都市ガス、プロパン、電気、灯油ということになると、やはり灯油が一番カロリー計算しますと割安になっているわけですね。かなりの差が出てきておる。したがって、ただ無条件に灯油を安くするということになってくると、これはやっぱり灯油に全部需要が集中するということになってくるわけで、大変な問題が出てくる。実際困っているところに灯油の配給ができないということになるわけですから、その辺のところをあわせて、基本的には対馬委員のお話を生かすようなことでどういう工夫ができるか、やはりかなり掘り下げてみる必要があるのじゃなかろうかと思います。経済の原則というのは冷酷に動いてまいりますので、余り無理なことをするとどこかでやっぱりほころびがいくのじゃなかろうか。私もずっと企画庁長官をやる前にエネルギーの問題を専門で少し勉強しておりましたので、むしろエネ庁からのお話しが適当かと思いましたけれども、そういう認識のもとに真剣に取り組んでみたいと思います。
#215
○対馬孝且君 いま長官から私の訴えたことを真剣に生かして検討していきたいというお答えですから、それを了といたします。
 いま申し上げましたように、これはいつも業界が言うのは、安くしていくと品物がつくれないと、こう言うのですけれども、これは業界の手なんですよ、これは常に業界が言う手ですからね。値上げをするたびに品物がなくなると言うのですけれども、品物がなくなったら、石油業法第十五条が何のためにあるんだと私はいつも言ってきているんですよ。石油業法第十五条というのは、その目的のために生産が少なければ生産をふやすということも石油業法に書かれているし、場合によっては上げる場合もあるし下げる場合もあるというのが石油業法第十五条の精神なんだから、品物がなくなるという理由にはならないんですよ。足らなかったら生産をふやせばいいん、だから、それが法律の精神なんだから。だから、そういうことも踏まえて、私も長年これは手をかけているので、北海道だけの問題ではなくて、国民の切実な課題なんだということをとらえて、大臣が私の精神を生かしていただけるということで真剣に検討されるということでありますから、この問題は特段にひとつ努力してもらいたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 以上です。
#216
○矢原秀男君 東京都が都民を対象にした都市生活に関する世論調査の結果を発表したわけでございます。それによりますと、都民の生活実感からくる物価上界、もちろん国民も一緒でございますけれども、政府の発表する消費者物価指数よりも三倍近い指数が出ているのでございます。これが生活実感でございます。物価高による生活の苦しみが如実に感じられるのでございますけれども、経企庁長官はこの発表についてどういう所感を持っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#217
○国務大臣(倉成正君) 私も東京都のこの調査、都市生活における世論調査、昨年の十二月、生活局が行いました調査の結果、物価についての感じの表を見せていただきました。私は、やはりこの指数と実感のずれということになりますと、やはり実感では値上がりが非常に目立つ品百、特に主婦のような立場になりますと毎日生鮮食料品の野菜を買ったり魚を買ったりいたしますので、そういうものについての感じが実感として出てくるんじゃなかろうかと思うわけでございます。したがって、そういう値上がりの目立つ品目についての感じがこの実感として出てくるということが一つでございます。
 それからもう一つは、やはりこの消費水準が上がってくる、したがって生活費が増加してくる、これが消費者物価の上昇と生活費の増加というのが一緒にこうオーバーラップいたしまして、実感としてどうも物価が上がったという感じが出てくるというのが実情じゃなかろうかというふうに思います。
#218
○矢原秀男君 政府の発表する物価指数が生活実感と乖離していることは、従来からも問題となっているところでございます。物価指数が国民年金等のスライドの基準になっていることであり、極力生活実感も反映するものであってもらいたいことは言うまでもございません。
 ところで、三月十一日の経済対策閣僚会議の決議の中には、物価対策については私は何も見当たらないと言っても過言ではないと思うんでございますが、その点について長官は、物価についてはもう大丈夫なんだと、こういう立場で余り議題にならなかったのかどうか、そういう点を伺っておきたいと思います。
#219
○国務大臣(倉成正君) 三月十一日に発表しました四項目についてのお尋ねだと思いますが、五十二年度の予算を編成いたしますときに、私ども、大蔵省あるいは関係各省に対しまして、今回の予算について物価に非常に悪影響を及ぼさないようにということを強く要請をいたしまして、物の方の勉強も各省にしていただいておるわけでございます。たとえば住宅について申しますと、住宅をむやみに毎月毎月建てていくということになりますと、建築資材が値上がりしたり大工さんの手が足らなくなってくるというようなことで、まあせいぜい十二、三万戸あるいは十四、五万戸程度までなら何とかそういうことがなくていけるんじゃなかろうかと、そういう見通しを立てておるわけでございます。したがって、そういう前提のもとに立って五十二年度の予算を少し前倒しでやっていく。それから住宅を九万戸の募集をするというような項目、それから公定歩合の引き下げというような問題を四項目の中に上げておるわけでございまして、この程度のことであれば物価に悪影響を及ぼすことはないであろうと、そういう前提のもとでございますので、当然ながらそういうことを考えます前に、物価が上がっては困る、そうしてその点には最善の配慮を払っていくということはもう大前提になっておるものですから、とりたてて申さなかったような次第でございます。
#220
○矢原秀男君 物価抑制の政府目標八・六%をまたまた上回っていくわけですから、私は先般も申し上げたんですが、一つは公約違反である。それから公共料金とか大企業の製品の一斉値上げが迫っているわけでございます。で、政府の言葉は異常気候、そういうふうなために魚価であるとか野菜であるとか果物が非常に上がったと、こういうことでございますので、きょうは魚価安定についての質疑を一本にしぼってやらしていただきたいと思います。
 二百海里時代に入りまして、日本が今日まで外国の二百海里水域から漁獲をしていた水産量は年間の四割に当たると言われております。アメリカでは三月から入漁料を取り始めているわけでございますが、ソ連との交渉は目下難航状態にあります。そこで、今後の水産物の量あるいは価格についての見通し、これについて水産庁の方からお願いしたいと思います。
#221
○説明員(塩飽二郎君) いま御指摘のような漁獲量と価格の関係でございますけれども、漁獲量につきましては先生がいま御指摘になりましたように、日本の全漁獲量は約一千万トンございますけれども、この中で外国の二百海里内でとっている分が三百七十万トン近くございます。中でもアメリカとソ連の二百海里内でとっておるものが相当なウェートを占めておるわけでございます。アメリカをとりますと、百四十万トン、ソ連についても同様に百四十万トン、合わせて三百七十万トンのうち二百八十万トンが米ソの二百海里内でとられています。アメリカにつきましては、御指摘のように先般日米間で交渉を終えまして、百四十万トンに見合うことしの割り当て量といたしまして約実績に対して八九%の漁獲量を割り当てとして確保しております。したがいまして、実績に比較しますと、全体といたしましては一一%の減になるわけですけれども、漁業の場合、御承知のように気候、海況によりまして、かなり年によって漁獲量に変動があるということで、まあアメリカの二百海里の漁獲量につきましてはこの程度の削減量は一応耐えていける数量ではないかというふうに見ております。
 それからソ連につきましては、目下非常に微妙な交渉の段階に至っておるわけでございまして、特に最もわれわれとして関心を持っております漁獲量、ことしの割り当て量がどうなるかということにつきましては、ソ連側から、目下のところ全然ソ連の考え方が具体的な形で出ていないということで予測の域を出ないわけでございます。しかし、いずれにしましても百四十万トンという日本の漁獲量の一側以上をソ連海域でとっておりますので、その削減量のいかんによりましてはかなり大きな影響を日本の生産者、流通業者、加工業者、ひいては消費者の方にも影響が及ぶんじゃないか。何分にもソ連との交渉が最終的に決まっておりませんので、具体的にどの程度の影響が及んでくるのかということを数量的なもので申し上げることは非常にむずかしいわけでございますけれども、一方そういう削減の要因があると同時に、最近の魚の消費の動向は、かつてのように高度経済成長時代のように、毎年一〇%も伸びていくというような状況ではございませんで、かなり消費者の財布がかたくなった、あるいは堅実化しているということで、消費の方から見て高い魚価を受け付けるような状況はなかなかないということで、そういう面からは、需給事情を総体的に勘案しますと、削減量が即消費者の価格にそのまま高い伸び率となってはね返るということはないんじゃないか。いずれにしましても非常に不確定要因がございますので、これ以上具体的に申し上げるのは非常にむずかしいのじゃないかと思っております。
#222
○矢原秀男君 三月ごろ水産庁では、水産流通業者に対して日本近海で豊富にとれるイワシ、サバなどの大衆魚を積極的に市場に出荷販売するよう要請をされたことがあるのか。もしなければ要請されるべきではないかと思うわけですが、この点いかがでございますか。
#223
○説明員(塩飽二郎君) 御指摘のような流通業者に対するイワシ、サバの出荷要請という形で具体的に行ったことはございませんけれども、現在の国会で御審議をいただいております五十二年度の予算案の中では、やはり現在のような漁業情勢のもとで日本の近海でとれますイワシ、サバの消費を拡大していくということが非常に重要な政策的眼目になりますので、それを推進するための予算的な措置といたしまして、イワシ、サバ等多獲性の魚類についての消費を推進するために、テレビ等によりましてイワシ、サバについての状況を国民によく伝えていく、それからどうしてもやはりこういうものについては、若い方々の消費が伸び悩んでおりますので、新しい食べ方を紹介するとか、あるいは新しい加工技術を開発していくというようなPRのための予算と、それから技術開発のための予算措置をお願いしたいということで、予算の中に計上いたしておるわけであります。まあ流通業者の方においても、これは主としては卸、小売ないしは仲卸の方でございますけれども、そういうわれわれの問題意識と全く同じ問題意識を持っておりまして、何とかイワシ、サバ等の消費流通の拡大を行いたいということで、業界独自での消費宣伝等を進めておるように伺っております。
#224
○矢原秀男君 四月三日の毎日新聞の調査になりますと、二百海里規制の外側でとれるアジ、サバ、イワシ等がここ数カ月の間で相当な値上がりとなっている、昨年の同期間に比べてアジが一八二から二一二%、サバが三〇一%、イワシが一六〇%と、もちろん諸経費のためだと思いますけれども、そういうふうな数字というものが出ているわけでございますが、もしこれが事実とすれば、非常に納得のできない高値ではないかと私も思うわけです。その原因はどういうところにあるのか、お伺いしたいと思います。
#225
○説明員(塩飽二郎君) ただいま御指摘になりました魚種につきまして、最近の漁獲量を申し上げますと、サバにつきましては、昨年の一月から十二月までの一年間に日本の主な漁港に揚がりました水揚げ量が、一昨年の同期閥に比べまして約六三%に低下しておる、それからサンマにつきましても、同様に昨年の水揚げ量が一昨年に比べまして六、七割という大幅な漁獲量の減少があったわけでございます。それからイワシにつきましては逆に非常に好況でございまして、一昨年に比べて倍以上の二三六%の数量のイワシが日本の港に揚がったわけでございます。それを反映しまして、御指摘のようにサバ、サンマにつきましては非常に値段が上がったという事実がございます。それからイワシにつきましても、水揚げ量は倍以上にふえたわけでございますけれども、競合するサバであるとか、あるいはサンマであるとか、あるいはイカであるとか、いわゆる大衆性の魚の漁獲量が非常に減ったということで、それに引っ張られて上がったという要因があります。
 それから、世界的に去年はえさの値段が非常に上がったわけでございますけれども、日本のイワシは、一般の家庭での消費のほかに、相当高いウエートのものが国内では飼料なりあるいは肥料に向かっておるわけでありまして、そういう世界的な畜産のえさの値段が上がったということから、えさの原料としてのイワシの価値が上がったということで、漁獲量が上昇いたしましたイワシについても非常に値段が上昇しているという状況でございます。ただ、サバにつきましては、昨年の暮れからことしにかけまして相当漁獲量が回復いたしてきておりますので、ことしの一月あたりの値段を見ます限りでは、昨年の同時期に比べますとかなり低下してきておるという状況でございます。
#226
○矢原秀男君 魚価の全体の上昇傾向の中で、どうしても大衆魚でございますアジ、サバ、イワシ等については当面の価格安定対策を講ずべきだと思うわけですね。私は消費者の一人としても、畜産のえさ等もございますが、アジ、サバ、イワシは好みでございますけれども、なかなか安くは食えないという感じがするわけでございますけれども、これについては、消費者の立場から、企画庁としてはこういう価格安定についてはどういうふうに考えていらっしゃるのか。
#227
○国務大臣(倉成正君) ただいま水産庁からお話がございましたように、イワシがかなりとれているけれども、イワシの食用としての利用が必ずしも十分でないという点がございます。実は私の郷里も長崎で、まあ日本有数の水産県でございます。東京に参りまして、魚がなかなか高い、あるいはイワシなどについても非常に食べ方が上手でないということを痛切に感じておりまして、毎日食卓に魚が出ますから、これが一匹幾らするのか、百グラム幾らするのかと私は聞いております。そういうことで見ますと、たとえばイワシでありますと、フライにするくらいのイワシが一匹五十円ぐらいで二、三日前はございました。しかしこれがカマスになりますと、ちょっとおさらに載せるぐらいのカマスが、やっぱり二百五十円か三百円ということになるわけでございますから、どうしてもやはりそういう大衆魚をうまく料理して食べるという工夫が非常に大事じゃなかろうかと思います。同時にやはり生産地から消費地につなぐ流通問題ということが非常に大事な問題じゃなかろうかと思います。ちょうど一昨年でありましたか、国鉄のストライキがございました。あのときは、長崎あたりでは貨車で魚を送るものですから、なかなか送れないで腐ってしまったということもあるわけでございまして、円滑なやはり輸送ということも非常に大事な問題でありますし、またその間における、まあイワシを長く保管するということはむずかしいかもしれませんけれども、保管のきくものについては、やはり冷蔵その他考えていくというようないろいろな工夫がまだあってしかるべきじゃないか。特に二百海里時代を迎えてまいりますと、いろいろな工夫をしながら、これから魚を上手に食べていく、また魚の流通をうまく生産者から消費者につないでいくということが非常に大切なことであると思っております。
#228
○矢原秀男君 その点でもう一つお伺いしたいんですが、水産物価格の急騰に投機的な動きはなかったかどうか、これについては調査されたのかどうかですね。
#229
○説明員(塩飽二郎君) 投機性の動きはなかったかというお尋ねでございますけれども、最近日米漁獲交渉、それから日ソ交渉等、日本の漁獲量が非常に削限されるんじゃないかということがかなり流通業者等に心理的な影響、あるいは加工業者の先行きに対して非常に不安感を与えるというようなことが確かにあろうかと思います。そういう要因もございまして、特に北洋系の魚あるいはその加工品については、若干通常のベースよりは高目に価格が推移している事実がございます。ただ、御承知のように、魚を含めまして生鮮食料品につきましては、大部分のものにつきまして、産地における市場、それから都市の消費地における卸売市場を通じまして、競りその他の公的な規制のもとに取引を行っているわけでございまして、そこにおける取引量なり価格の動き等につきましては、常時、取引市場の開設者ないしはその監督の立場にございます地方公共団体、あるいは中央卸売市場の場合でございますと、農林省の担当部局にそういう情報が入っておりまして、そういう数量なり価格をつかんで、われわれは常時流通の部面で、余りそういう投機的な動きがないかどうか、そういう面をチェックし、必要があれば適切な指導を行っていく体制をとっております。ただ、目下のところ著しく投機的な動きがあって、それが消費者の生活に悪影響を及ぼすというような事態には至っていないんではないかというふうに、あるいはやや楽観に過ぎるのかもしれませんけれども、そういうふうに見ております。ただ、日米交渉なり日ソ交渉で最も影響を受けます、漁獲量が大きいという点で影響の大きいスケトウダラにつきましては、主たる水揚げ地である北海道あるいは三陸の産地市場における価格の上昇が非常に急速であったという事実を踏まえまして、三月の中旬に関係の流通業界なり、あるいは加工業界に対しまして、水産庁長官名でもってスケトウダラの加工業の原材料として、あるいは最終的には、かまぼこその他の製品の消費者生活に占めるウエートというような点を十分留意して、需給の安定なり適切な価格の形成に努力をするようにという通達を出しております。あわせて販売量なり、あるいは在庫量などにつきまして、定期的に情報をわれわれの方でキャッチするという手だてをとっております。
#230
○矢原秀男君 いま御説明いただきましたように、確かにスケトウダラの高値が続き、昨年末キロ当たり三十円から四十円していたものが、現在では百二十円前後の高い値段になっております。ですから、冷凍施設を持って御商売していらっしゃるところはどうしても、特に商社等関係すると思いますけれども、輸入量であるとか、市場への放出量の操作、そういうことで価格に影響を受けるおそれも出てくると思うわけです。一応いま手を打たれたということでございますが、ここで経企庁長官にお伺いしたいわけですが、もし将来二百海里の問題の中で、またこの漁価が非常に高騰してくる関係等ございました場合、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律を適用して漁価の安定を図る考え等、またそのほか、そういう場合に対応としていかように考えていらっしゃるのか、お伺いします。
#231
○国務大臣(倉成正君) いまお話しのように、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律というのがございまして、現在の時点はまだこういう緊急事態でないという判断でございますけれども、将来供給量が減少して価格が高騰する、そしていろいろ買い占めや売り惜しみ等が行われる可能性が出てくると、そういう段階であれば、当然この法律の指定物資ということで考える段階になるのじゃないかと思っております。
#232
○矢原秀男君 長官、こういう二百海里時代を迎えて魚の不足が予測されるわけですが、価格の高騰、これも心配されます。そういう中でいまも質疑を重ねたわけでございますが、日本近海で年間約二百三十万トンもとれると言われている、推定でございますが、イワシやサバ、これらの大半が料理用にも向けられず、イワシは七割、サバは約五割が養殖や家畜のえさにされている現況について長官としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、お伺いします。
#233
○国務大臣(倉成正君) イワシに限って申しますと、私自身がイワシが非常に好きでございまして、イワシの刺身くらいおいしいものはないと思っておるわけでございます。フライにしてもおいしいし、いろんな料理の方法があるわけでございまして、私は毎日でもいいと思っております。しかし、一般の通念としては、どうもイワシは余り上等な魚じゃないというような気持ちがあるようでございますけれども、もう少しやはり、もちろん新鮮でなければならないわけでございますけれども、やはりイワシの食べ方の工夫ということもこれから大いに考えていかなければならぬじゃないか、せっかくのそういう食用に供することができるものが飼料やその他に回るということは残念なことであると思っております。ただ、イワシは御承知のように回遊性の魚でございまして、よくとれる場合ととれない場合と非常に差があるわけでございます。したがって、一遍にどかっと来た場合に、それをすぐ食用に全部供することができるかどうかという問題が一つ残っておりますので、いろいろな工夫が要るのではなかろうかと思っております。
#234
○矢原秀男君 栄養価においても非常にいいものがあると思うんですけれども、将来食生活の改革というふうな必要性も出てくると思いますね。
 そこで、これは経企庁か水産庁か農林省かわかりませんが、流通機構の一一面として、そういうところから国民の台所までという形のコールドチェーン体制といいますか、流通機構というものを今後どういうふうに改善充実していくのか、そういう点をお伺いしたいと思います。
#235
○説明員(塩飽二郎君) 御指摘の新しい流通経路なりコールドチェーンの開発をどう進めていくかという点につきましてでございますが、生鮮食料品、特に水産物の場合そうでございますけれども、やはり商品として非常に腐りやすいとか、あるいはかさばるものであるというような特性がありますし、それから生産者が非常に零細で、多数のものを集める、そして種類も非常に多いというような周知の事実がございまして、どうしてもその流通には一定の制約が伴うわけです。その結果、長い間の累積から現在のような卸売市場を、消費地では卸売市場という機構、それから消費地に入る前に水揚げがされた段階で産地市場で一たん受けとめて、そこで競り等を行いまして値段を決めていくというような流通形態が非常に大きなウェートを占めているわけでございますが、私どもは、この古来の流通経路にいろいろ批判がございますけれども、今後の生鮮食料品の流通においても、大筋としてはそういった中央卸売市場なり産地市場を通す流通というものをやはり基本に据えていかなくちゃいかぬ。もちろん、その運用面なりあるいは施設の能率化といった面からは、なおいろいろ改善すべき点があろうと思います。
 農林省におきましても、中央卸売市場の整備のための長期計画を立てまして、これのための予算の裏づけを行って、年々市場の整備を行っているわけでございます。ただ、そういう伝統的な流通経路のほかに、いわば産地と直結する流通経路といいますか、あるいはより商品の特性を生かしたような流通が行われる流通形態というものを育成するねらい、あわせて中央卸売市場との、在来の取引法にもいい意味での刺激を与えるというようなことから、たとえば集配センターの都市における設置等、いま先生が御指摘になりましたような施策が実現できるような予算措置もかなり前から講じておりまして、今後ともそういった裏づけを講ずることによって、そういう新しい流通経路を育成していく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
#236
○矢原秀男君 時間が参りましたので、長官に一言要望しておきますけれども、先ほどからもお話がございましたように、また私も予算委員会で質問したわけでございますが、やはり公共料金の一斉値上げというもの、大企業の製品値上げ等々も国民生活を非常に圧迫をしますので、もり三月を過ぎれば一斉に値上げ開始だと、こういう感覚を国民の方々が持っていらっしゃるわけでございますが、そうではなしに、国民生活を守る立場で一生懸命物価安定のために努力をしていただきたいと思います。
#237
○内藤功君 まず経済企画庁長官にお伺いいたしますが、いま問題になっている円高の見通しについてどうお考えか。関連しまして、大変率直な質問ですが、長官はこの間、十二日の日の記者会見で二百六十円台は高過ぎるという御趣旨のお話をされたことを新聞で拝見いたしましたが、率直に言いまして円ドル為替レートは幾らぐらいになるのが妥当であるとお考えか。質問も大変率直でありますから答えもひとつ率直にお答え願いたいと思います。
#238
○国務大臣(倉成正君) いま二百七十二円前後の円の相場が、二百七十一円から二円程度の円の相場が続いているわけでございます。
 先般、私が記者会見で申しましたのは、為替相場というのはどうしていま円高が続いているかというと、輸出が非常に好調であるということがやはり基本的な原因ではなかろうか、その他欧州の通貨事情であるとか、あるいは為替銀行の短資の取り入れであるとかいろいろありますけれども、しかし基本的には輸出の好調ではなかろうか、したがって一時的に二百七十円を割るというようなことがあるかもしれないけれども、輸出の動向その他を考えると必ずしもこの円高がいつまでも続くとは限らないという趣旨のことを申し上げたわけでございます。
 したがって、これからの見通しということになりますが、やはり為替相場はそういう為替の需給関係でいくわけでありますから、政府として積極的にこれに介入するのは適当でないと。ただし、余り為替相場が大きな乱高下を続けてくると、あるいは投機によって為替相場が動いていくということは、これは防がなきゃならない、そう考えておる次第でございます。
#239
○内藤功君 経済企画庁が最近まとめた大企業九百六十社に対する新たな対応を目指す企業行動調査というのがございますか、あるかないかだけ。
#240
○政府委員(岩田幸基君) ございます。
#241
○内藤功君 これによりますと、輸出が円高に耐えられる限界として二百五十円以下でもというのが七%、二百五十円台というのが五%、二百六十円台というのが二一%と、こういう数字が出ておるようですね、これは事実ですか。
#242
○政府委員(岩田幸基君) この調査は、円が上がってまいりましたときに主な輸出産業について損益分岐点を越えると思われるのがどの辺であるかというアンケート調査でございまして、そのアンケート調査の結果は、いま御指摘のような数字になるわけでございます。したがいまして、損益分岐点を越えるかどうかというのは仮定の質問でございますから、七%とか十何%というのがぴったりそのとおりかどうかということは若干疑問がございますけれども、大体の傾向としてはそういう感じじゃないか。
 なお、その調査には書いてございますが、産業によって相当違いまして、繊維というようなものは二百七十円を割りますと多くの産業が損害をこうむる。それに比べまして自動車であるとか鉄鋼であるとかいうものはまだかなりの企業が耐えられるというような、そうした傾向を調査したわけでございます。
#243
○内藤功君 いまの御説明でもわかるように業種によって非常に違う、それから力の強い大企業とそうでない中小企業でも違うということが読みとれるような感じがするんです。
 そこで、新聞によりますと、円の急騰によって輸出に頼っておる中小企業のメーカー、特に繊維、雑貨など、こういう輸出に頼っておる企業の中で倒産などのおそれが非常に重要なやっぱり問題になってきている、こう言われておりますが、いま言われておる円高のこういう企業に対する影響の実情、これはどういうふうに長官はごらんになっておるか、こういう点をひとつお話し願いたいと思います。
#244
○国務大臣(倉成正君) ミクロの細かい分析は主として通産省にお願いしているわけでございますが、私ども全体を見る意味において、ただいまお話しの繊維、雑貨、これはやはり円高によって輸出に非常に影響を受けております。特に円高で採算ベースに合わないからそれじゃ輸出しないかというと、そうではなくて、やはり操業して輸出をするということになると出血輸出ということになってくる、そういう状況が繊維等には起こっておるというのが実情ではないかと思います。
#245
○内藤功君 政府委員の方から補足がありますか。
#246
○政府委員(岩田幸基君) いま長官が御答弁したとおりだと思いますけれども、現在までのところ企業の倒産は二月、三月はわりあい高くなっておりますけれども、特に繊維とか雑貨というような部門で輸出面から倒産が起こっているということは余りないようでございまして、主として過剰設備の問題あるいは金融的な操作上の問題というようなところでございますので、いまのところそれほど影響は強くないと思います。
#247
○内藤功君 しかし、たとえば日本軽工業製品輸出組合、こういったところのお話を聞きますと、いまの円高傾向が続いていくと輸出が非常に困難になってくる、輸出がストップすればもう仕事がなくなってくる、その先どうなるか目に見えているという非常に深刻なやっぱり見通しを持っておられるところもあります。ですから、いまの政府委員のお話のような楽観だけでは私はいかぬと思いますね。そこでやっぱり対策が必要になってくるであろう。これらの繊維とか雑貨などに代表される業種に対していろんな多角的な救済措置というものを考えて、それを講じておかなくちゃいかぬと思うんです。これは福田内閣の看板である景気対策という上から言っても急を要する問題になるだろうと思うんです。この点についての経済企画庁のお考えをお伺いしたい。
#248
○国務大臣(倉成正君) ただいまお話しのように、繊維については非常に構造的な問題があるわけでございます。この構造的な問題に今日の円高という問題が拍車をかけておるというのが実情ではなかろうかと思います。したがって、基本的にはやはり構造的な問題に取り組んでいかなければ繊維の不況感というのはなくならないのではないかというふうに思っておるわけでございます。それにしても繊維は大部分が中小企業という実情でございまして、非常に関係業者が多いわけで、その業態も非常に千差万別の状態になっておりますので、やはりきめ細かい対策が必要じゃないかと思います。昨年は、御承知のとおり多少価格景気が出たもんですから少しもうかったと、それをだんだん赤字が出ても吐き出して耐えておるという実情ではないかと。私の友人に実際繊維の企業を経営している中小企業の者がおりますので、細かく実情を聞いておりますので、そういう人たちの話を聞くとそういうことのようでございます。したがって、通産省の方にも当面一生懸命がんばっておって企業がつぶれるということがないように、また同時にこれだけの大きな転換期であるので、やはりある程度の構造的なものに取り組んでいかなければならないと。これは政府だけで済むものではなくして、業界自体もそういう問題に基本的に取り組んでいくという姿勢がなければ解決できないんじゃなかろうかと思いますので、面々相まってそういう構造改革にもこれから取り組んでいかなきゃならないのじゃなかろうかと思っておる次第でございます。特に開発途上国の追い上げが繊維とか雑貨とかにあるもんですから、大変むつかしい問題をはらんでおると思います。
#249
○内藤功君 そうすると、やはり円高がいまの状況に拍車をかけているとしますと、やはり経済企画庁長官として、あなたは専門家でいらしていろいろよく勉強しておられることには私ども敬意を表しますが、あなたのお立場で、出血のこのドルと円との換算レートというものはやっぱりこうあってほしいというものがあってしかるべきだと思う。二百七十円台の大台を割ってはならぬというお気持ちがあって、この間のような記者会見の御発言になったと、こう承っておいてよろしいですか。
#250
○国務大臣(倉成正君) 必ずしもそうではないわけでございまして、為替相場というのはやはり短期的には為替の需給関係で決まるわけですが、長期的に見ますと両国の、ドルとの関係でありますと卸売物価で大体指数の比較で決まる。もっと申しますと、両方の経済力、そういうのが為替相場に反映してくるわけでございますから、これを人為的に決めるということはなかなかむつかしい。これはフロートしている状況ですから、現在の為替相場というのは変動相場制のもとでございますから、それは非常にむつかしいと思うわけでございます。したがって、幾らが適当であるかということを私が申すのはいささか適当でないんじゃないかと思いますけれども、現在の円高というのは日本の輸出の好調というのが非常に原因であるので、この状態がいつまでも続くとは思わない。したがって、そう円高傾向がこれからずっと続いていく、またさらに円高になるということはないであろうと、そういう私の見通しを申し上げたわけでございます。
#251
○内藤功君 次に、円の急騰によるこういういまのいろんな問題は、日本の経済が不況とインフレの同時進行という状態を抜け切っていないというところに基本的な問題があると思うんですね。私どもは、これを解決するためには物価を安定させて国民の購買力、勤労者や中小零細業者の方たち、特に働く国民の購買力を高めていくことが最大の景気対策だということを一貫して主張してきたわけであります。私は、このやり方がいよいよいま重要になってきている、このことが非常に重要になってきていると思うんですね。この円高という条件によって、輸入原材料の価格を引き下げる、価格の安定ですね、これがいま可能になっている状況じゃないか、またぜひやらなきゃならぬ重要性を帯びてきている現況ではないか、こう思うんですが、この認識とそれから可能性、こういった点について経企庁長官のお考えをぜひお伺いしたいと思うんです。
#252
○国務大臣(倉成正君) いま、御承知のとおり国際商品市況、ロイター指数、これはドルに換算した指数にしましても全部上がっておるわけでございます。しかし、輸入の価格、卸売物価が比較的安定しているというのは円高が響いておるわけでございまして、国際商品市況の上界を円高である程度打ち消していると申しても差し支えないと思います。
 そこで、個別の物資の問題でありますけれども、輸入品――原材料、燃料等というのが円高によって差益を得るわけでございますけれども、これは取引の当事者の企業、そういう原材料や燃料を使う需要家、たとえば鉄鋼でありますと鉄鋼が使う石油というようなことで、石油会社が値上げをこの前から言っておるわけですけれども需要家の方がなかなかそう簡単に承知しないということでございまして、大きな取引関係の企業の交渉ということで、需要家と供給者との閥の交渉力に任せておっても差し支えないんじゃなかろうか、決まるべきところに価格が決まっていく、そう不当な差益が出てくるということは考えられないというふうに実は原材料や燃料等については考えておる次第でございます。ただ、消費物資については、しばしば申し上げておりますように、消費者というのはそう専門的な知識を持っておるわけでもないし、仮にいろいろなことがわかりましてもなかなか対抗力がないわけですね。したがって、政府の方でできるだけ価格の動向というのを監視して、差益の還元ができるものは還元させるように指導していくという態度をとっておる次第でございます。
#253
○内藤功君 私が引用するとちょっとおかしいかもしれませんけれども、経団連の土光さんが――土光さんでさえと言ったらいいのかもしれぬが、こう言っているんですね。「円高になっている以上、食料品はじめ輸入物価に反映しないのはおかしい。政府、関係企業はもちろん、消費者も輸入物価を下げる努力をすべきだ」ということを十一日の記者会見でしゃべっておられる。私は、いま長官が指導のことを言われましたが、これは強力に指導すべきだと思うんです。政府はやはり輸出中小企業の救済措置をさっきお話しのようになさると同時に、大商社などの扱う輸入原材料の価格の引き下げを強力に積極的に指導していかれる必要があるんじゃないかと思うんです。重ねて長官の御所見を伺います。
#254
○国務大臣(倉成正君) いま、御承知のとおり、特に原材料や燃料を使う企業というのは、非常に基礎産業、素材産業の部門で稼働率も低いし、大変な不況感があるわけです。その不況感のある企業に原材料や燃料を値上げせよと言いましても、それはなかなか、もう目をさらのようにして毎日の世界の情勢や為替相場を見ておりますから、これは鉄鋼にそれじゃ石油の値上げをしてくれと言いましても、そう簡単に承知をするものでないわけでございまして、おのずから私は両方の交渉力に任せておっても適当なところにおさまっていくんじゃなかろうかと思うわけでありまして、ここに余り政府が、どこが適当であるというような介入をするのは適当ではないというふうに、私自身原材料や燃料についてはそう思っております。
#255
○内藤功君 この問題の最後にもう一つ聞いておきますが、もう一回お確かめしたいのは消費者物価です。消費者物価の指数の中には、輸入価格と直接リンクしないものも確かにある。それから人為的にそういう連動を断ち切られているものもありますが、当然下がるべきものも多いはずなんです。まあ円高の御利益は一体何か。海外旅行に行くときに安く行けるというようなことだけが御利益だということになってほしくないわけです。消費者物価の安定、消費者物価の引き下げという政策にこの円高の条件をどういうふうに生かしていくかということについて、最後にこの点で長官のお考えを伺っておきたいと思います。
#256
○国務大臣(倉成正君) いまのお話のように、何とかこれを消費者物価に反映できないものだろうかということで、いろいろな品目について追跡調査をして、そしてその結果をひとつ明らかにしたいというふうに思っておる次第でございます。確かに、たとえば丸善の洋書、そういうのはもうすぐある程度の円高というのが反映してくるわけですけれども、そのほかのいろんな物資につきましては、それじゃ円安になったら今度は値段を上げてよいかというような問題が出てまいるもんですから、やはりある程度の期間円高が続くという見通しがないと、なかなか円高をすぐ消費者物価に反映させるということが非常に困難な面もございます。しかし私どもは、そうではありますけれども、前回の円の切り上げのときの経験やその他のことがございますので、何とかいま御質問の趣旨を生かしながら、総理の指示もあることでもございますので、努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
#257
○内藤功君 もう少しこの点議論したいんですが、次の問題がありますので、別の機会にまた長官の御意見を伺いたいと思います。
 そこで、いま消費者の問題出てきましたが、ことしも消費者関係の対策のいろんな予算を経企庁で苦労しているようですが、私はきょうは国民生活センターの問題一つ取り上げて伺いたいと思う。まあこれは法律によって、国民生活センター法によりまして「国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行なう」という目的でつくられたものであります。
 そこでお尋ねしますが、国民生活センターが設立されて以来、どういう調査研究を行ってきたか、また、情報はどのようにして広く国民に知らしておるのか、この概況を簡潔にひとつお答え願いたい。
#258
○国務大臣(倉成正君) 直接担当しております国民生活局長からお答えをいたしたいと思います。
#259
○政府委員(井川博君) 具体的に申し上げますと、大体六つばかりの項目に分かれると思います。
 一つは、テレビ、ラジオあるいは出版物等によりまして消費に関する知識の普及、啓発を図るという仕事がございます。
 それから次の問題といたしましては、消費者が備品サービス等につきましていろいろな相談あるいは苦情という問題がございます。そうした一般的な相談であるとか苦情の相談というものを受けて、これを解決をしていくという問題がございます。
 それから三番目は、その一環もなしますけれども、具体的な商品につきましてテストをやっていく、これはまあ三年ないし四年前から始めてございますが、一つの項目について数社の商品を集めてテストをいたします比較テスト、あるいはまた、苦情の中で商品に関連いたしますためにそのテストをして、その苦情が本当かどうかというのを調べるテスト、二つございますけれども、その商品テストがございます。
 それから第四番目といたしましては、地方の消費生活センターあるいは都道府県の職員あるいはまた消費団体等々、消費生活に関するいろいろな研修をしていく、そういうところのリーダーとか行政者の研修をしていくという業務がございます。
 それからもう一つ、いまの中にも出てまいりましたけれども、都道府県とか市町村の消費生活センターとネットワークを結んで、全国的に効率的な仕事をしていくという面がございます。
 最後に、まあいろいろそのほかに、国民生活に関する調査研究とか、あるいは情報収集というふうなことをやっているということでございます。
#260
○内藤功君 最後の質問と要求になると思いますが、まとめて申し上げたいので、長官も含めて御答弁願いたい。
 ことしの、本年度の予算を見ますというと、国民の要求にこたえる上で一番大事なものの項目である試験検査に必要な経費、これが前年度四千二百万円であったのが三千六百八十万円、金額にしまして約六百万近く、パーセンテージにして一二・五%も削られている。いま欠陥商品だとか欠陥食品だとか、あるいは薬品問、題だとか、もう国民生活センターでは何と言ってもこの試験検査が一番大事なもの、だろうと思うんですが、その予算が削られて減っているということは、これは大変問題じゃないかと思いますね。
 そこで、経済企画庁長官にお伺いいたしますが、こういう試験検査に必要な経費というのはどんどんふやしてもらいたい、ふやすようにがんばってもらいたい、こう思うんです。それから、国民生活センターの機能をやっぱり次第に充実させて、国民のこういう各方面のニーズにこたえるように一層がんばってもらいたい、その点を最後に要求を含めまして申し上げておきたい。いかがでしょう。
#261
○政府委員(井川博君) 実は、試験検査経費でございますが、五十年が四千六十三万、それから五十一年が三千八百二十九万、それから五十二年が三千六百八十八万となっております。確かに先生おっしゃいますように数字の上では落ちているという感じがしますが、もう一つ別個に危害情報提供費というのが新たに五十一年度からついてございまして、これはその商品を検査するという業務のうち、危害に関係するものを別途取り出して充実をしていこうということでございます。これが五十一年度につきましては九百七十五万円、五十二年度につきましては大幅にふやしてもらいまして千六百六十万円とふやしてございます。両方合わしますと大きい画期的な拡充になっておりますのと、もう一つは、これから五十二年、三年、四年と三カ年かかりまして現在の研修施設を倍増していこうということのために新たに七億三千六百万の用地の費用を計上いたしておるわけでございまして、いま先生おっしゃいましたように、画期的な拡充のために五十二年度から努力をいたしておるということを説明さしていただきます。
#262
○内藤功君 最後に、国鉄来ておられますか。――一点だけ伺いますがね、この間の国鉄の大幅運賃の値上げ以来グリーン車に乗りますと非常にすいていますよ。空気を運んでいるといううまい言葉が出ているようです。これは何でも上げれば収益がふえるというものじゃないということを示している。ぼくはもう時間が切れているんで、いま主査から注意されたから、端的に聞きますが、グリーン料金の値下げをやる気持ちはないですか、そういう考え方はないかということ、それだけ聞きたい。
#263
○説明員(畑耕平君) 確かにおっしゃるように非常に大幅な値上げであったものでございますが、特に十一月から一月、二月、非常に新幹線の西の方を中心にグリーン車があいていたことは事実でございます。ただ、私の方これが本当に――雪害があったりいろんな影響があったものでございますから、もう少し様子を見ながら将来の施策を、これ一回やりますとなかなかもとへ戻らない施策でございますので、もう少し様子を見て決定したいと考えております。
 ただ、グリーン値上げの問題でちょっと案をいろいろ、営業施策で利用を促進する意味で若干の案を考えたのでございますが、それも現在検討中でございます。まあ、値下げといいますより、たとえばいままでですと熱海までが、うちのグリーン料金が百キロきざみになっておりまして、百キロまで二千円、百キロから二百キロまでが三千円と、こうなっております。そういたしますと、熱海ぐらいの距離は百四キロぐらいでございまして、たった四キロのために千円高くなって、しかも運賃よりもグリーンの方が高くなる、こういうような心理的な状況が抵抗としてはございますと非常に悪うございますので、この辺を当分とにかく、こう薬張りではございますが除去をして、もうちょっと将来の展望を見たいと、こういうふうに考えております。
#264
○田渕哲也君 五十一年度の消費者物価上昇率は政府見通しの八・六から実際は九・二%というふうに公約を果たせなかったわけですけれども、これはまあ主として異常寒波の影響だということが言われておりますが、しかし、この五十二年度の目標である七・七%という年度中の上昇率というのは本当に大丈夫なんですか、この点をお聞きしたいと思います。
#265
○国務大臣(倉成正君) 五十一年度の物価上昇が異常寒波に非常に――そういう伏兵があったということと、まあ公共料金がこの中でかなりの率を占めたということでございますけれども、五十二年度につきましては、年度中上昇率を七・七%程度ということを私ども見通しを立てておるわけでありますが、一番大きな五十一年度との相違点は、やはり公共料金の点では電力、ガス等大口のものが五十一年度に一巡したと、それから国鉄の運賃値上げと電電の値上げも、すでに確定したものの四月の値上げがございますけれども、五十一年度と比較すると、御案内のとおり五十一年は国鉄も五割、ことしの場合は国鉄が九月から一九%ということで、これもかなり高いわけでありますけれども、五十年度と比較すると少ないということでございます。したがって、他にいろいろな、地下鉄であるとかタクシーであるとか、その他多くの項目があることは事実でございますけれども、しかし何とか努力をいたしまして、二%前後のものに公共料金はとどめたいということで努力をしてまいりたいと思います。
 その他の問題につきましては、二百海里の問題であるとか、あるいは海外の物価の問題であるとか、不確定ないろいろな要素がございますけれども、あらゆる政策を動員いたしまして、この七・七%の年度中上昇率を達成してまいりたいと思っておるわけでございます。
 ただ一つ、五十一年度の物価について私は非常に何と言うか、わかりにくい要素があったと思うんであります。それはどういうことかと言いますと、ちょうど五十一年度の物価見通しを立てたときには四十五年の指数しかなかったわけでございますが、途中で新指数、五十年の指数が出てきた。それもしかも、消費者物価だけ出てきて卸売物価の方は新指数はまだ出ていないというようなことで、大変わかりにくい問題があって非常に混雑した。したがって、新聞記事等におきましてもどうも十分な理解を、われわれの努力も足りませんでしたけれども、得るに至らなかったということでございます。
 したがって、五十一年度におきましても、異常寒波ということを私どもしばしば申し上げるわけですけれども、たまたま何か値上がりがありますと、前年同月と比較すると高くなるわけです。そうすると、前年同月がたまたま非常に高いということになると今度は低くなるというような、非常に偶然的な要素があるわけでございます。したがって、年度の、平均ということで見てまいりますと、政府の見通しと今回の実際出てまいります数字とはほとんど変わりがないという点は御理解いただきたいと思うんであります。ただこれをいま申しますと、年度中年度中ということで前長官から申しておりますので、いかにも言いわけするようでございますから申しておりませんけれども、この点はひとつ御理解を賜りたいと思います。五十二年度はひとつ最善を尽くして努力をしてまいりたいと思っております。
#266
○田渕哲也君 これはある時点にこういう目標をつくるわけですから、それからの情勢の変化その他いろいろあることは間違いがないわけで、したがって、つくる時点で想定されるだけの要素というものをできるだけ正確に把握する必要があると思うんです。当然これはOPECの原油の値上げは見込んでつくられたと思いますけれども、実際には何%原油が上がるということの想定でつくられておりますか。
#267
○政府委員(藤井直樹君) この七・七%見通しの根拠といたしまして、原油値上がりにつきましては七%ないし八%ぐらいを見込んでいます。
#268
○田渕哲也君 それから最近のこの円レートの上昇については、これは見込んでおられなかったと思いますけれども、その円レートは幾らで計算してありますか。見込みの設定の当時ですね。
#269
○政府委員(宮崎勇君) 政府の経済見通しの中には円レートという直接の想定はございません。ただし、物価を初めといたします経済の諸指標を推計いたしますのに、当然円レートを想定するわけでございます。円レートそのものが非常に変動するという性格を持っておりますので、ただいま先生御指摘のように、変動するという前提はとってはおりませんで、この経済見通しをつくります段階における円レートをとっております。具体的に申しますと、昨年の十二月の直物の中心相場でございますが、これは月間を見ますと、最高最低が二百九十二円十銭から二百九十七円五十五銭ということで、作業といたしましてはその中間の二百九十五円程度をとっております。
#270
○田渕哲也君 そこで、資源エネルギー庁にお伺いをしたいのですけれども、石油価格と円高との関係ですね。原油価格がOPECの値上げによってことしから上がっているわけですけれども、これは加重平均でしますと大体何%の値上がりになりますか。
#271
○政府委員(古田徳昌君) 本年一月一日からのOPECの原油価格の引き上げは御承知のとおり二重価格の形になっておりまして、サウジアラビアと首長国連邦が五%、その他十一カ国が一〇%ということでございます。昨年のわが国の輸入実績で見ますと、五%引き上げ国からの輸入比率が四二%強という形になっておりまして、この輸入構成が大幅に変わらないということを前提としまして計算をしてみますと、大体ドルベースで平均七ないし八%程度の上昇ということになるのじゃないかと思います。
#272
○田渕哲也君 それからこの円高の、円の為替レートの問題は、去年の十二月時点で二百九十五円としますと、大体昨今で二百七十一円前後というふうに言われておりますから、これまた八%前後のアップになっておるわけです。もしいまの相場が大体、これでずっと続くかどうかわかりませんけれども、二百七十円前後で上がったり下がったりで安定するとすると、これは相殺されるわけですね。だから現在石油価格の値上げ交渉というものが行われておるわけですけれども、こういう状態なら本来はもう原油は値上げしなくてもいい、石油は値上げしなくてもいい、こういうことになると思いますけれども、その点はいかがですか。
#273
○政府委員(古田徳昌君) OPECの原油価格引き上げに伴いましての石油各社の製品価格の引き上げの打ち出し幅は二千円ないし二千四百円ということになっています。これは原油価格の引き上げのほかに備蓄コストの上昇、あるいは消防法の強化に伴います諸対策費の増加といったふうなものも織り込まれているわけでございますが、これを相殺する要因としまして、御指摘のとおり最近の円高傾向というものは当然考える必要があるかと思いますが、現在の円レートがこのままの水準で定着するかどうかということにつきましては、当分情勢を見守りたいと思いますし、それからさらに、その水準としましても現在石油会社が考えております値上げ幅全部を吸収するものではないのじゃないかというふうに考えています。
#274
○田渕哲也君 需要業界では大体六月ぐらいまでは値上げに応じないというような態度を示しておるようですけれども、この円高の影響というものの調整は、これはもちろん政府が直接介入すべき問題ではないと思いますが、やはりその時期を延期するとか、石油業界の要求しておる値上げ幅を縮小するとか、そういうことになろうかと思いますけれども、これはどうなんですか。
#275
○政府委員(古田徳昌君) 私どもとしましては、OPECの値上げが二重価格制になっております関係上、各社ごとの影響が非常に区々であるというふうなこと、それから最近の景気動向からしまして、現在何らかの方針を出すというのはむしろ価格支持的な効果が出るのじゃないかというふうなこと等を考えまして、石油業界と需要業界との交渉の推移を見守っているところでございますが、実際の動きとしましては、三月一日の値上げはもちろん完全に見送られております。それから四月一日の値上げにつきましても、現在交渉中のようでございますけれども、全く実現していない状態でございまして、今後両業界の交渉によりまして値上げの時期あるいは幅といったものが具体的に決まってくるのじゃないか。その中で円レートの動向等も織り込まれていくというふうに考えております。
#276
○田渕哲也君 先ほどこの円レートの問題が消費者物価というものに与える影響についての論議がありましたけれども、もちろんこれは海外の物価の動向等が関係しますから、直に消費者物価に結びつくものではないと思います。しかし、理論的にこの円高があった場合となかった場合とはやっぱり差が出るわけです。たとえばこの円レートが去年に比べて大体七、八%上がっておるとするならば、卸売物価の場合は大体円が一%上がれば〇・一%下がるというふうに言われておりますけれども、消費者物価の場合は大体どれくらい影響するものですか。
#277
○政府委員(藤井直樹君) 産業連関表によりまして仮の計算をいたしてみますと、卸売物価につきましては、直接効果で円が一%上がりますと〇・一%、それから直接、間接効果を含めまして〇・三%、それから消費者物価についてはまた非常に関係が複雑になってまいりますが、一応の試算では〇・一%となります。
#278
○田渕哲也君 一%の為替レートの上昇で〇・一%下がるということですか。
#279
○政府委員(藤井直樹君) 卸売物価の場合は直接効果は非常に早く出てまいります。それから間接効果になりますと、やはり原材料を使いまして生産していくというプロセスが入りますからさらに時間がかかる。それから消費者物価になりますと、その卸売物価に示される製品がまた消費生活に入って使われるという段階までありますので、期間として非常に長くなる。その辺の時間についての想定はなかなかむずかしいという問題がありますし、それから当然のことながら、消費者段階にいくまでには流通過程をたくさん通ってまいりますし、それからそのときの需給の状況等によっても変わってまいりますので、なかなかそういう試算した数字がそのままいくということについては非常に問題があるかと思いますが、一応の試算でそういう数字になろうかと思います。
#280
○田渕哲也君 もちろんそのタイムラグというものがあるわけですけれども、理屈で言いますと、最近の円高が去年に比べて大体八%としますと、〇・八%消費者物価は安くなってしかるべきだと、こういうことになるわけですね。
#281
○政府委員(藤井直樹君) 先ほどから前提いろいろ申し上げましたけれども、計算上そうなりますが、その間にいろいろなまた物価その他の原材料価格、それから人件費その他の上昇等もございますので、そういうものと一緒になった形で最終的には価格が決まるものでございますから、すぐそのままそれが〇・一%という形になるということについては、にわかに判断できないと思います。
#282
○田渕哲也君 次に、二百海里問題と物価の関係に触れたいと思いますが、先ほどの答弁によりますと、三百海里問題がわが国の漁獲量に与える影響というものは、対米で約一一%減、それからソ連がまだわかりませんけれども、まあこれが仮に半分に減るとしましても、全体に与える影響というのはそれほど大きくないような気がするわけです。せいぜい一千万トン前後の漁獲量が一割までいくかいかないかというところではないかと思います。もちろんこれが二百海里問題が実施されましても、輸入というかっこうで魚を輸入することも可能ですし、それから合弁ということも可能だとしますと、実際の供給量というものはそれほど大きく減らないのではないか、このように考えるわけですけれども、この辺の見通しはいかがですか。
#283
○説明員(塩飽二郎君) 全体の将来における日本の魚の供給量がどういうふうな見通しになるであろうかという御質問かと思いますけれども、確かに、現在日本の漁船がとっております漁獲量の規模といたしましては、一千万トン前後をとっております。その中で外国の二百海里内の分が三百七十万トンございます。アメリカとソ連の二百海里内のがそれぞれ百四十万トン前後ございますので、アメリカ、ソ連の二百海里内にどれだけ実績確保できるかというのが非常に大きな供給に与えるファクターになるわけでございまして、ただいま御指摘のように、アメリカにつきましては実績の一一%減でとどまったということで、まずまずの実績を確保できたんではないか。それからソ連につきましては、目下交渉の最終段階でございまして、非常に厳しい内容になるんではないかということは一般的に予測できますけれども、どの程度にとどまるのかということにつきましては、ただいまのところでは申し上げるのに非常に困難なことだと思います。いずれにしましても、先生の御指摘になりましたように、ソ連の百四十万トン、日本の一割、一四%ぐらいでございますけれども、その漁獲量の削減は輸入によって、あるいは合弁方式によって回復できるので、漁獲量、割り当て量の削減即供給量の減ではないではないかという、そういう側面は確かにございます。
 ただ、合弁方式を例にとりましても、その相手国であります開発途上国、あるいは先進国でも同様でございますけれども、合弁をつくってまいります場合には出資の比率に制約があるとか、あるいは現地の労働者を雇用しなくちゃいけないとかいったような制約が当然ございまして、他の産業、製造業の場合のようにスムーズに漁獲が確保できるかどうかについては、過去の経験等から見ましてかなりむずかしいんじゃないか。もちろんそういうものについての政府としての資金的な援助等すでに措置はとってございますけれども、なかなかむずかしい見通しがあるんじゃないか。
 それから輸入につきましても、主として海外からの輸入水産物として期待できますのは、比較的単価の高い中高級種の魚介数であるということで、割り当て量の削減をされる魚種と輸入が期待できます魚種とは必ずしも一致しないというような面がございますので、将来の供給の見通しについては、御指摘のような点も確かにございますけれども、なかなか厳しいんではないかというふうに一般的には見ております。
 ただ問題は、今後二百海里制度というものが定着するに伴って、やはり海外での水域に日本の漁船が依存するということでは非常に制約が大きくなりますので、やはり今後は日本の近海における近海漁場の見直しといいますか、再開発といった点にもっと力を入れて、日本近海における生産力を高めていくというような余地もございますので、こういった面に力を入れることによりまして供給力について維持拡大を図っていきたいというふうに考えております。
#284
○田渕哲也君 私は二百海里問題は、これは漁業そのものにとっては非常に重大なことですけれども、国民の食生活、それから物価というものを考えた場合は、本来はそれほど大きな影響があるべき問題ではないという気がするわけです。ただ心配なのは、石油ショックのときと同じように投機が起こる。あるいは便上値上げが起こる。その影響の方がはるかに重大ではないかという気がするわけです。
 それから石油ショックと今度の二百海里問題と違うところは、これは食糧ですから代替品がいっぱいあるわけですね。特定の魚種はもう激減をしても、その魚しか食べられないということはないわけでほかの魚が食べられる。それから魚でなくても動物性たん白質というのはほかにも幾らでもあるわけです。だから、石油ショックのときにトイレットペーパーがなくなってトイレットペーパーが一挙に何倍もはね上がったというようなことは今度は起こり得ないと思うんです。ただそれよりも、あの当時と違って心配なことは広範囲に便乗値上げが広がるのではないかということなんです。だから、特定の魚種が激減してその魚種だけ上がるなら話がわかるけれども、他の魚種、全然影響を受けない魚種まで便乗値上げで上がっていく。それから全然これと関係のない今度は動物性の牛肉とか豚肉とか鶏とかそういうものまで便乗値上げで上がっていく、そういうことは非常に心配があると思うんです。だから、先ほど買い占め防止法の適用とかそういう話がありましたけれども、具体的にはこういう法律を適用する段階には至らないかもわかりませんけれども、広範に便乗値上げが広がるというおそれは多分にある。私はこれに対する対策をすでにもう考えていただいておかなければならないのではないか、このように考えるわけですけれども、この点はいかがですか。
#285
○国務大臣(倉成正君) 私は、多少田渕委員よりも問題を深刻に考えております。これはいろいろな見方がありますし、外交交渉によって最善を尽くしてお話しのような線にとどまることを期待しているわけでございますけれども、やっぱりわが国のたん白資源としての魚の地位を考えてまいりますと、仮に量が確保されましても入漁料を払わなければならないとかいうような問題もございますし、これはまた沿岸で魚をとると申しましても、私の県が水産県でございますから魚のことはよく知っているのですが、そう簡単なものではないということでございます。
 それはさておきまして、お話しのように便乗値上げということがあるとこれは大変でございますから、魚の流通形態の問題、特に魚は貯蔵がきかないという点があるわけでございますね。たとえばイワシの量が二倍になったという先ほど御説明がありましたけれども、これが毎日二倍とれていくんなら、これは確かにいいわけですけれども、とれるときはぐっととれるけれども、とれないときは全然とれないということになるものですから、一挙にとれたときには、それは食ぜんに全部上せるわけにいかないで、飼料とかあるいは肥料になっていくという場合もあり得るわけでございます。そういう性格を持っておるものですから、なかなかむずかしい問題があると思います。しかし、お話しのように便乗値上げを絶対避けるように、われわれも水産当局と打ち合わせをいたしまして、最善の努力をいたしたいと思っております。
#286
○田渕哲也君 私が申し上げたいことは、大変でないとは思いませんけれども、石油ショックのときにそうであったように、大変だ大変だと騒ぐことによってよけい便乗値上げがひどくなる。それと同じような傾向が今回も起こらないかということなんです。もうすでにスケトウダラの産地価格が二倍以上にはね上がっておるし、すり身が三割も上がっておる。現実にはまだスケトウダラの入荷量はそんなにはね上がるほど減っていないわけですね。こういうものもいずれとれなくなるということを宣伝しながら業者が上げていく、買い占めをする、こういうことがあるわけです。私は今回、石油ショックのときよりも、個別的にそういうことがなくても広範に便乗位上げが広がるという恐れがあると思うのですね。これは二百海里問題を騒ぐことによって肉まで上がっていくということになりかねないわけです。だから生活関連物資等の買い占め防止法をまだ適用する段階ではないと言われましたけれども、個々にはそういう段階ではないかもわかりません。しかし、その便乗値上げが広範に広がっていくという可能性は大いにあるわけです。だから私は、政府とすればやはり正しい情報を国民に流してもらう。それから一時的に値上がりするものはあるけれども、やがてこういうものは代替品でこういうものができるとか、こういう魚でかわり得るとか、そういうPRもやっぱり適切にしてもらわないといかぬ。国民の生活指導と言いますか、食生活における選択の指導ということもやってもらわぬといかぬ。
 それからもう一つは価格の監視です。これも広範に食料品、魚にかわるべき動物性たん白質なら、そういうもの全般についての価格監視をやってもらわんといかぬ。二百海里問題で牛肉まではね上がったということがないようにしてもらいたいわけです。
 それから同時に、本来そういう価格というものに行政が余り首を突っ込むべきではないと思いますけれども、こういう短期間のショックを受ける閥は、ある程度やっぱり行政が介入せざるを得ないと思うのです。それでいまもフードウイークというようなものをやっておられるようですけれども、これも物価指数測定のときにちょこちょことやるようなことじゃなくて、こういう国民の生活がショックを受けるようなときに、そういうことも大々的にやってもらってショックを緩和する、そういうことで物価の大きな振れというものがないようにしてもらいたいと思うのです。だから私が恐れておることは、実態以上に大変だという宣伝が大きくなって実態以上に物価が上がると、そういうことは絶対にないようにやってもらいたい、この点をお願いしたいのです。
#287
○国務大臣(倉成正君) 田渕委員のただいまのような御趣旨でございますれば、全く同感でございます。トイレットペーパーにしても、あるいは洗剤にしても、あのときの状況は間違った情報というのがやはり大きな原因であったと思います。したがって、あのときの教訓がございますので、私どもも十分ただいま仰せのような点については気をつけて、最善の努力をしてまいりたいと思います。
#288
○田渕哲也君 余り時間がなくなりましたけれども、最後に、最近の円周が輸出に与える影響というものはやはり無視できないと思います。五十二年度の政府の輸出の見通しは前年度に比べて一二・一%増ということですけれども、これに影響が出るような気がするんですけれども、この点はいかがですか。
#289
○国務大臣(倉成正君) 五十二年度の見通しについては、世界経済全体がどうなるかということで、OECD等の見通しを見ましても、大体五十一年度の半分ぐらいの伸びであるというふうに、六%台の伸びということを見ているわけでございますので、日本の輸出輸入について、輸出については昨年が、通関で申しますと五十一年が一九・七に対して一一・九と、十二%弱に見ておるわけでございますので、この程度の輸出は何とかいくんじゃなかろうかというふうに考えております。
#290
○田渕哲也君 私は、この見通しをつくられた時点では円高の要素は入っていなかったと思います。それが、円が八%も高くなってもこのとおりいくというのはちょっと楽観的過ぎるんじゃないかと思いますが。
#291
○国務大臣(倉成正君) 確かに円高ということで、ドル建ての価格という場合になりますと円の手取りが減るわけでございますけれども、御案内のとおり、若干の品目については輸出価格の値上げということも行われておりますし、また、そういうことのできない商品もあるわけですけれども、総じて申しますと、これから円高がいつまでこういう形で続くかということも、まだ未確定の要素でございますし、まあ努力をしていけばこの程度の見通しはできるんじゃなかろうかというふうに思っております。
#292
○田渕哲也君 私は、その答弁はちょっと納得いきかねるわけです。なぜなら、この数字はそんないいかげんなことで出した数字じゃなくて、やっぱりいろんな情勢を背景にして算出されたものだと思いますね。それに、そのレートが八%も上がっているのに修正しなくてもいいなんて言えるほどのものかどうか。それほど大ざっぱな腰だめ的な数字なのかどうか。ちょっと疑問に思うわけですが。
#293
○国務大臣(倉成正君) 円がまだ流動的じゃないでしょうか。まだ、御案内のとおり五十一年平均しますと二百九十六円でございますが、三月に入りましても一日が二百八十二円で、きょうの寄りつきが二百七十二円、五十銭ということでございますが、かなりフロートしておるわけでございますし、いまの段階で急に見通しを変えるというのもいかがなものであろうかと思います。確かに、輸出について影響が出つつあるということは言えるわけでございますけれども、日本の商品の優秀性、競争力、いろいろ勘案いたしてまいりまして、いますぐ、現在二百七十円であるから輸出の見通しを大幅に変えなきゃいけないという状況ではないんじゃないかと思っております。
#294
○田渕哲也君 終わります。
#295
○主査(中村太郎君) 以上をもちまして経済企画庁所管に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十二年度一般会計予算、同特別会計予節、同政府関係予算中、防衛庁、経済企画庁、外務省、大蔵省及び通商産業省所管に対する質疑は終了いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#296
○主査(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト