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1976/04/07 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 予算委員会 第15号
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1976/04/07 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 予算委員会 第15号

#1
第080回国会 予算委員会 第15号
昭和五十二年四月七日(木曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     堀内 俊夫君     玉置 和郎君
     峯山 昭範君     矢原 秀男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 半次君
    理 事
                坂野 重信君
                園田 清充君
                中山 太郎君
                吉田  実君
                小柳  勇君
                竹田 四郎君
                桑名 義治君
                内藤  功君
                向井 長年君
    委 員
                安孫子藤吉君
                石破 二朗君
                糸山英太郎君
                岡田  広君
                亀井 久興君
                熊谷太三郎君
                源田  実君
                後藤 正夫君
                佐藤 信二君
                玉置 和郎君
                中村 太郎君
                秦野  章君
                林田悠紀夫君
                宮田  輝君
                最上  進君
                片山 甚市君
                対馬 孝且君
                寺田 熊雄君
                野田  哲君
               目黒今朝次郎君
                相沢 武彦君
                太田 淳夫君
                矢原 秀男君
                小巻 敏雄君
                三治 重信君
                下村  泰君
   国務大臣
       外 務 大 臣  鳩山威一郎君
       大 蔵 大 臣  坊  秀男君
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
       厚 生 大 臣  渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  田村  元君
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
       労 働 大 臣  石田 博英君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (北海道開発庁
       長官)      小川 平二君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  三原 朝雄君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  石原慎太郎君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  田澤 吉郎君
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       北海道開発庁総
       務監理官     黒田  晃君
       防衛庁参事官   水間  明君
       防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君
       防衛庁人事教育
       局長       竹岡 勝美君
       環境庁水質保全
       局長       二瓶  博君
       外務大臣官房長  松永 信雄君
       外務省アジア局
       長        中江 要介君
       外務省条約局長  中島敏次郎君
       大蔵省主計局長  吉瀬 維哉君
       大蔵省主税局長  大倉 眞隆君
       大蔵省銀行局長  後藤 達太君
       文部省初等中等
       教育局長     諸沢 正道君
       文部省大学局長  佐野文一郎君
       厚生省環境衛生
       局長       松浦十四郎君
       厚生省医務局長  石丸 隆治君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
       農林省農林経済
       局長       今村 宣夫君
       農林省畜産局長  大場 敏彦君
       水産庁次長    佐々木輝夫君
       通商産業省通商
       政策局次長    間淵 直三君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        武田  康君
       運輸省鉄道監督
       局長       住田 正二君
       海上保安庁長官  薗村 泰彦君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   松井 清武君
       郵政省人事局長  浅尾  宏君
       労働大臣官房審
       議官       谷口 隆志君
       労働省労政局長  青木勇之助君
       労働省労働基準
       局長       桑原 敬一君
       労働省職業安定
       局長       北川 俊夫君
       自治大臣官房審
       議官       石原 信雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊池  拓君
   説明員
       外務省大臣官房
       領事移住部長   越智 啓介君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
   参考人
       中央大学文学部
       助教授      村越 邦男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小川半次君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 昭和五十二年度一般会計予算
 昭和五十二年度特別会計予算
 昭和五十二年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、一般質疑を行います。目黒今朝次郎君。
#3
○目黒今朝次郎君 ちょっと外務大臣にお伺いしますが、きのういろいろ園田特使の件であったんですが、聞くところによると、きのう一日待ちぼうけを食ってきょうの夕方四時からと、こういう状況なんですが、何か変わった情勢があるんですか。
#4
○国務大臣(鳩山威一郎君) 園田特使は到着されましてから、最近に入りました電報によりますと、本日モスコー時間で十時三十分、日本時間にいたしますと午後四時三十分から首脳と会談の予定ができたわけでございますが、先方のいろいろ事情がだんだんわかってまいりますと、チュニジアの首相の滞在がなかなか時間が延びて、昨日の午後までかかるというようなことになったそうでありまして、これはもっぱら先方の首脳の方の他国とのいろんな交渉等によります、本当の物理的な都合からそのように延びたということでございまして、昨晩は先方のイシコフ漁業相並びに外務次官と、いろいろな歓待を受け、サーカス等に招かれましていろいろ歓待を受けて、大変友好的な雰囲気であるということの報告が参っております。
#5
○目黒今朝次郎君 まあ物理的なものであるというふうに理解をしておきます。
 次に国鉄総裁にお伺いしますが、四月五日の各新聞の朝刊によりますと、国鉄再建に関する報告書を運輸大臣に出したと、こういう報道があるわけですが、その骨格は何ですか。
#6
○説明員(高木文雄君) 昨年の秋に国会を通していただきました国有鉄道法の改正の際に、私どもの方から経営改善計画というものをつくりまして提出をするということが法律上定められておりまして、それに基づいて提出したわけでございますが、骨格と言われますと、今後の国鉄経営は、まず第一に国鉄自身が経営をしっかりやっていくということが大事である、国鉄の経営努力が第一。それに関連をして、一部政府からの助成もお願いをしなければならない。また運賃改定といいますか、利用者にも負担をしていただかなければやっていかれない。この三本の柱で今後経営を立て直していくということになりましょうが、その中で最も一番重要なものはやはり国鉄自身の経営努力であると考えますので、その経営努力をどのようにやっていくかということの基本的なものをそこに並べたということでございます。
#7
○目黒今朝次郎君 昨年の再建計画と特に違った点はどこですか。
#8
○説明員(高木文雄君) 昨年国会で運賃法等を御審議願いました時点と一番違っております点は、やはり昭和五十年の十二月三十一日に閣議了解されました再建要綱では、五十一年、五十二年の二年間で再建を、収支の均衡を図るということであったわけでございますが、これを、事実上やってみましたがなかなかうまくいかないということで、五十二年の一月二十日の閣議了解でそれが一部修正をされまして収支均衡のめどを五十四年度ということに改定をされましたので、それが一番昨年度の場合と違う点だろうと思います。その基本が変わりましたので、今回の改善要綱におきましてもそれを前提として考えております。
#9
○目黒今朝次郎君 それは時間的にずれただけであって内容的に違ったとは言えないじゃありませんか。内容的にどこがこの前と変わっているんですか。
#10
○説明員(高木文雄君) 内容的にはそう大きな隔たりはないといってよろしいかと思いますが、ただ最近の情勢にかんがみまして、いよいよ国鉄の仕事はまあ競争産業と申しますか、国鉄が独占性を失ってきておる。したがって、運賃改定に頼るといいますか期待するといいますか、それによって経営の改善を図るということの可能性というものがだんだん狭まってきておるという認識を深めておるわけでございまして、そのことは、裏から申しますと経営に当たります私どもといたしましては私ども自体の経営努力といいますか、厳しい姿勢といいますか、そういうものがよけい強く求められるようになりつつあるということを痛感をいたしておる次第でございまして、まあ内容的に変わっているとか変わってないとかいうことではないかもしれませんが、ニュアンスの相違かもしれませんが、そういう点ではやはり経営努力というものについての期待といいますか依存度といいますか、そういうものは高まりつつあるというふうな気持ちを持っておりますので、そういうことがその文書の言葉の端々にもあらわれてきておると思っております。
#11
○目黒今朝次郎君 運輸大臣にお伺いしますが、前回の国鉄問題を論議する際にいろいろ運輸委員会等で議論をしておるわけですが、その基本方針は今度の大臣でも継承する、そういうことを確認していていいですか。
#12
○国務大臣(田村元君) 従来の経緯を踏まえてのことでございますから、基本的にもちろんそういうことでございます。
#13
○目黒今朝次郎君 これは大臣と総裁にお伺いしますが、国鉄の競争市場が激しくなった、したがって、その経営の原則に返って企業努力する。それは一つの柱としてわかるんですが、国鉄は公共性を持っておって地方線であるとか貨物の割引であるとか、そういう経営的に成り立たない公共性が一面にあるわけですね。そのためには総合交通政策の面で財政制度面でもてこ入れをするというようなことを前回ここで言われておったんですが、今回のこの計画立案に当たってそういう点が具体的に加味されたかどうかという点を、監督官庁の運輸省と国鉄側にお伺いいたします。
#14
○説明員(高木文雄君) 先ほどもお答え申し上げましたように経営を立て直す柱は三つの柱であると思っております。その中で政府からの行財政上のいろいろ援助をいただく必要がどうしてもあるわけでございまして、それは私どもが公共的な役割りを担っております以上、たとえ経営的に引き合わないような仕事でもいたさなければなりませんので、それが他の、何と言いますか、いわば利益の上がる部分から埋め切れないということになりました場合には、やはり行財政上の援助をいただかなければ公共事業としての、公益事業としての使命を果たしていかないと思っております。ただその点は、今度の経営改善計画とはちょっと別の問題でございまして、経営改善計画では、私ども自体がどういう努力をするかということを明らかにすることが主たるねらいであるという認識のもとに立っておりますので、経営改善計画のその文章の中では、その点は余り、ごく軽く触れているだけでございまして、触れておりませんけれども、しかし、その三本の柱の一本部分の説明でございますので、そういうことになっておるわけでございます。
#15
○国務大臣(田村元君) 先ほど国鉄総裁が申しましたことで尽きておるわけでございますけれども、もう一回私から繰り返して申し上げれば、本来国鉄が提供するサービスに見合うものは、これは当然利用者負担という大原則はございます。けれども、公共性の強い、目黒さんおっしゃるとおりの公共性の強い輸送機関でございますから、本来負担すべきものの限界を超えた部分がある。それは相当あるわけでございます。それは国が当然助成等でこれを見ていかなければなりません。再建計画を出されまして、それを踏まえて運輸省がどのようにするかということを財政当局と相談をすると、こういうことでございます。
#16
○目黒今朝次郎君 今回のこの経営改善を見ますと、五万人の要員合理化というやつを相当具体的に中を見ますと提案しておるわけでありますが、この五万人の合理化の問題について関係労働組合と何回ほど話されましたか。
#17
○説明員(高木文雄君) 現在労働組合との間で、交渉ということではございませんけれども、経営問題についてざっくばらんにいろいろ意見を交換しよう、話し合いをしようということで、名前はいろいろつけておりますが、まあ労使問題の懇談会といいますか、そういうものを昨年の六月以来開いております。その中で、折に触れていま御指摘の点にも触れてはおりますけれども、まだこれは詰めた議論ではないわけでございまして、さらにその経営改善計画にありますアウトライン、これは計画のごくアウトラインでございますので、さらにその具体的な計画といいますか、プランをこれから立ててまいりますから、その過程を通じて組合の諸君とも話をするということになろうかと思います。いままで何回その問題で話をしたかというほどには、まだその懇談会での中心議題として取り上げるところまでには立ち至っていないと申し上げる方がよろしいかと思います。
#18
○目黒今朝次郎君 国鉄労働組合が同日反対声明を出しまして、何ら根本問題に触れないまま遂行されていると、こういう受けとめ方をしておるんですが、総裁としてどう感じますか。
#19
○説明員(高木文雄君) 組合としては組合としてのやはり考え方がございますから、したがって、私どもの計画に対してわかったと、そうしましょうというわけにはなかなかいかないということは私どもも十分理解できるわけでございますが、しかし、経営者的な立場での私どもの立場としましては、やはり相当経費の節減を図る努力をやっていかなければならない。そのことの影響としては、やはりこういう時代でございますから、省力化と申しますか、なるべく少ない職員数で運営ができるようにしなければならないと考えているわけでございまして、これらについてとっくりとこれから話をしていくといいますか、話し合いをしていくといいますか、そしてそれが現場の諸君の労働過重にならないようにしながら、どうやって具体的に省力化を進めるかを個別具体的に議論していくことになろうかと思います。したがいまして、現段階で反対的な意見表明がありましても、ある意味では私は組合サイドとしての立場としては、ある立場としてのそういう見解はそれなりに理解ができるというふうな考え方でございます。
#20
○目黒今朝次郎君 私もこの資料をもらってざっと一通り読んでみたんですが、一口に言うと運転部門、施設部門、電気部門、そういう国鉄輸送の根幹部門には全部省力化、機械化という形で要員減らしをやっている。それ以外のところはほとんど手をつけていないと言っても過言ではないんですけれども、そういう基本的な輸送の部分に手をつけるということはどういうことなんでしょうか。私は非常に危惧の念を持つわけでありますが、それ以外の部門にもっと積極的に手を入れるべきじゃないかと、こういうように思うんですが、いかがでしょうか。
#21
○説明員(高木文雄君) 現在のところは、いろいろの省力化の計画の中で貨物の赤字ということが非常に表面化いたしております関係で、その貨物の赤字を小さくすると申しますか、なくすると申しますか、そのためにはどうしたらいいかということについての具体的プランが比較的他のものよりも先行いたしております関係上、そういう文書にあらわれました姿でも目黒委員がお持ちになりましたような感触がにじみ出ているということは私は否定できない、おっしゃるとおりであるというふうに思います。ただしかし、必ずしも他の部門については全く触れてないということではないわけでございまして、たとえば駅におきますところのいろいろな切符の販売であるとか、あるいはまた、プラットホームにおけるいろんなサービスであるとかという点について、いろいろさらに省力化したいということも触れておるわけでございまして、あるいはその触れ方といいますか、進度にいささか違いがあるかもしれませんけれども、それは余りどれもこれも私どもも一緒にできませんといいますか、作業が進みませんものですから、多少、少し進んでいるものとおくれているものとあるかもしれませんけれども、しかし、全体としてそういうことについてバランスを欠かないようにはやっていかなければならないということは十分心得ておるつもりでございます。
#22
○目黒今朝次郎君 一例を見ると、新しい検査修繕の徹底、列車キロの削減、乗務員運用で約二万九千人ですよ、削減の要員がね。五万人のうち二万九千がそういう新しい検修方式。ところが、この冬北海道の欠陥列車はどうでしたか。新幹線はちょっとした車両故障が起きると運用に困ってずたずた、一体新幹線は何だと言われるくらい車両運用はできないじゃありませんか。そういうくらい追い詰められておる現在の検修体制を新しい検修体制で二万九千も浮かすというのは、これはどういうことなんですか。私は専門でないからわかりませんが、教えてください。
#23
○説明員(高木文雄君) これは先ほどもちょっと触れましたように、この要員の数のところではそういうふうになっておりますが、別のところをごらんいただきますと貨物のやり方をいろいろ変えていくと、これ相当思い切って変えていくということを考えております。貨物の列車キロといいますか、運行キロといいますか、それを二五%ほど五十五年までに落とすということを考えております。そういたしますと、たとえば貨物の貨車の検修というようなものもいろいろと切りかえが可能になるだろうというようなことが考えられるわけでございまして、いま申しましたように、一面において貨物問題のいろいろな作業といいますか、プランが進んでおります関係でそういう点にかなりウエートが置かれた姿になっていることは事実でございます。
#24
○目黒今朝次郎君 私は具体的な問題については余り触れませんが、一つだけ、この管理部門の問題については全然触れてない。いま九人に一人の割合で国鉄には管理者がおりまして頭でっかちと、こう言われているんですが、こういう問題については私の経験から言っても問題があるんじゃないか。それから、これだけ安定した段階で鉄道公安官三千二百名も一体国鉄が自前で養うということももう時代おくれじゃないか、こういう点については考える余地はないんですか。
#25
○説明員(高木文雄君) 管理部門は従来から一方において縮減を図っておるわけでございますけれども、半面において電子計算機等が大量に入ってくるというようなことから、振りかえみたいなかっこうになって思うように減らないということで、私も気にいたしております。当然この全体の職員の数が縮小ぎみになってくれば、現場の職員諸君の数が縮小ぎみになってくれば管理部門も当然減ってくるのがあたりまえでございまして、また、管理部門の仕事のやり方もさらに省力化を図る余地は十分あるのではないかと思っておりますが、これまた、同じようなことを繰り返して恐縮でございますが、その作業が余り進んでないわけでございまして、これは御指摘のように十分これから詰めていかなきゃならぬフィールドとして残っておる問題でございます。
 公安官の問題につきましては、これは一時いろいろ問題がありましたけれども、現在は、前の時代とはやっている仕事の内容というのは大分変わってきておるわけでございまして、もともとの数がそれで十分かどうかという問題もありますので、私どもも、私自身はいまちょっと迷っているといいますか、もう少し勉強してみなきやならぬというふうに考えております。これは旅客誘導等にも相当な働きをなしておりますし、それから、実は余り外向けには言っておりませんけれども、車内犯罪についてかなりの実績を、車内犯罪の防止とか、あるいはまあ何といいますか、いろんな事件の発見とかに相当功績を上げておりまして、関係の方面からしばしばおほめをいただいているような結果も出ておりますので、これはこれなりに相当いま役に立っているんではないかと思います。ただしかし、全体が減ってくるときにそこだけが変わらぬのはおかしいじゃないかという御議論は当然あり得るわけでございまして、もう少し勉強してみたいと思っております。
#26
○目黒今朝次郎君 私は、前の磯崎総裁が謝罪文を出してマル生の洗い直しをするということを言っておったんですから、しかし、この管理部門であるとか公安関係については、やっぱりそれ以来ちっとも変わってないという現状なのでぜひ見直しをしてもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#27
○説明員(高木文雄君) 公安官の仕事の中身が時代とともに移ってきておるわけでございます。現在の公安官の仕事のやり方について、過去においてはまあいろいろ問題があった時期もございますけれども、現在のいまの公安官の仕事のやり方についていろいろ御批判を受ける問題は余り起こってきてないんじゃないかと思うわけです。その意味で前に、前々総裁のときにあるいはそういう御答弁といいますか、お約束といいますか、そういうものがあったかどうかは、ちょっと申しわけありません、私いまよく存じ上げないわけでございますけれども、現状において考えますと、いまここでそこに非常に焦点を当てて縮減を図らなければならぬというような喫緊の問題は起こっていないんではないかというふうに考えておるわけでございます。特に、こういった仕事は機械に置きかえるとかなんとかいうことができないものでございますから、そこでそれなりに、いまの数はそれなりの意味があるんではないかと思っておりますが、しかし、とにかく全体として経費を減らさなきゃいかぬわけですから、決してこれをこのまま検討対象外にしておいていいという問題ではないというふうに思っております。
#28
○目黒今朝次郎君 これは、昨年の十月十九日の運輸委員会で合理化の取り扱いについて私と総裁、当時の運輸大臣の三者で合意に達した点があるんですが、それについて確認をしたいと思いますが、いかがですか。
#29
○説明員(高木文雄君) お尋ねの趣旨は、要するに、いろいろ合理化計画といいますか、経営改善計画を進めていく過程において当然労働問題が起こってくる、労働条件の変更が起こってくるということが考えられますので、そこで、そういう計画を進めるのについては組合側と十分話し合いをするということをお約束をしたことを御指摘かと思いますが、その点については当時の考え方と今日と変わっていないわけでございます。
#30
○国務大臣(田村元君) いま高木総裁が申したことに尽きておると思います。
#31
○目黒今朝次郎君 すると、頭から何万人という設定をしないで現場からの積み上げ方式をとるということなんですかな、それ確認していいですか。
#32
○説明員(高木文雄君) そこに経営改善計画には示しました考え方がございますが、これはまだきわめて大ざっぱなものでございますので、これを具体的なものにいたしまして、どういう地域においてどういう方法を通じて省力化を図っていくかという案をまず立てまして、その上でそれを組合側と十分詰めていくということでございまして、いわば積み上げ段階になりますに当たりましては、当然に十分と協議をした上でなければいたしません。それはまた、そうでなければ動かないというふうに考えております。
#33
○目黒今朝次郎君 そうすると、今回出した五万人というのは一つのめどであって、絶対的なものでないということを確認していいですか。
#34
○説明員(高木文雄君) 経営改善をするための計画としては、その五万人といいますか、五万人プラス・マイナス・アルファということを一つの目安として私ども経営サイドからは作業を進めていきたい、いかなきゃならぬと思っておりますけれども、しかし、それは具体的に詰めてみませんと、プラスになるのかマイナスになるのかということはわからないわけでございまして、そういう数字がまずあって、そして、それに無理に詰め込むといいますか、数字合わせをやるというようなつもりはございませんので、個別個別の作業のやり方についてプランを立てまして、ただその場合に全く目標なしでもいけませんから、一応の目標として五万人プラス・マイナス・アルファというような感じを目標にしてやってみようということをそこに決意として示したわけでございます。
#35
○目黒今朝次郎君 そうすると、従来のようにココンクリート化してしまってもう一歩も引かないと、そういうものではないですな。
#36
○説明員(高木文雄君) 恐縮でございますが、従来のやり方についてそう定かに細かいことを私承知いたしておりませんが、その従来のやり方の中にいささか硬直的な面があったのではないかという印象を私は持っておりますので、従来よりは一層労使間での話し合いを尊重していくといいますか、大事にしていくという態度が必要だと考えております。何度も同じことをお答えして恐縮でございますけれども、労使懇談会というような場をつくりましたのもそういう趣旨でございますので、まだ労使懇談会について組合側の受け取りは必ずしも一いささかまちまちになっておりますが、組合側にも十分その点を理解してもらって、そうして、そういう場でとっくりと話を続け、さらに最後の段階では交渉形式で詰めていくということをやっていきたい、そういう懇談会をつくりましたということにもそういった気持ちがあらわれているということでひとつ御理解をいただきたいと思っております。
#37
○目黒今朝次郎君 運輸大臣、この計画に基づいて再建、四条の三項で大蔵大臣と協議するんですがね。この際にも、いま総裁が言ったことについては十分弾力を持って臨まれると、そういう態度かどうか、お考えを聞きたいと思います。
#38
○国務大臣(田村元君) 私は、国鉄の再建の一番大きな要素は、何と言っても値上げとかあるいは助成とかということではない。労使の正常化であり経営努力だと思うんです。それほど私は労使の正常化について重視いたしておりますので、いま総裁が申しましたこと、当然のことだと思う。これを支持いたしていきます。
#39
○目黒今朝次郎君 もう一つ、これは国鉄の方にお伺いしますが、この前三月八日の上越線の佐渡号事件があったわけですが、その際に千七百カ所、八百億円ほどの金がかかると、こういう話もあったわけですが、この問題についてどんな対策を持っておられますか。
#40
○説明員(高木文雄君) わが国の地理的状況からいたしまして、山沿いといいますか川沿いといいますか、に非常に長いレールが走っておりますので、率直に申しましてこの落石対策には手をやいているといいますか、なかなか容易でないわけでございます。いまも相当のお金を投じてはおりますけれども、とてもいまのペースで進めていったんでは、たとえば五年でできますとか七年でできますとかという程度に進めることができないわけでございますので、何かこういろいろ工夫をしなきゃいかぬと。その工夫の方法としましては、まあ私どもだけではない、道路の方もこの間また事故があったというようなことでございますので、少し各省庁間で協議といいますか、連絡会議といいますか、そういうことを通じ、そしてまた、皆でお金を出し合ってやっていくというようなことを考えませんと、ばらばらにやっておったんでは金ばかりかかることになるというので、何かこう横の連絡をもう少しよくすることによって改善してはどうかなというようなことを、いま事務方に研究さしております。
#41
○目黒今朝次郎君 運輸大臣、この三月二十三日も国道三百三号線で定期路線バスが墜落した。佐渡号と同じようなケースが道路にはあるんですがね。あなたはこの前運輸委員会で、国務大臣として関係各省とよく相談して答弁すると、しばらく時間がたっているんですが、どういうことになっておりますか。
#42
○国務大臣(田村元君) その後、総理府が中心になっておると思いますが、国土庁や林野庁や皆で相談していただくということに私の方でお願いをしてございますが。
#43
○目黒今朝次郎君 お願いしてありますがじゃなくて、現に毎日列車が走り、道路は走っているんですからね。やっぱりこういうことは緊急に、早急に対策を立ててもらうと、そういう緊急性が必要だと思うんですが、いかがですか。
#44
○国務大臣(田村元君) 早速きょうから私自身作業にかかります。
#45
○目黒今朝次郎君 大蔵大臣、そういう際に金の都合はどうですか。
#46
○国務大臣(坊秀男君) 国鉄が、いろいろの事故が起こったといったような場合でございますが、これはやっぱり本来は国鉄によらず、私鉄であろうとどこであろうと、その復旧については、これはそれぞれの経営主体が第一に責任を持つべきものであって、それの費用の負担というものは結局は利用者が負担をしていくということになるのはこれは筋だと思います。しかしながら、これ筋でございますが、いろんな場合もまた考えられることでございまするから、そのときはそのときに、また国鉄と相談をいたしまして適宜の処置をとっていかなければならないと。まず第一は筋によってやっていただきたいと、こういうことでございます。
#47
○国務大臣(田村元君) 先ほどちょっと申し忘れましたが、早速実は大蔵省主計局に対して私から相談をかけております。これは私個人からも相談をかけております。
 まあ本来、国鉄だけを例にとりますと、目黒さん十分御承知の工事費補助をしてその中で処理をすると、こういうことになっておりますが、もちろん工事費の中における予算の立て方等も問題もございましょう。同時に、たとえば林野庁の山腹砂防をどうしてもらうか、あるいは建設省の渓流砂防をどうしてもらうか、特に砂防なんか非常に大きな問題になろうかと思いますが、そういう災害対策面につきまして、私から主計局に対しても十分検討してくれということを、これは早くから申してございます、あの当時から。しかし、いずれにいたしましても災害ばいつ来るかわかりませんから、急がなければなりませんから、先ほど申し上げたように作業を急ごうと思っております。
#48
○目黒今朝次郎君 大蔵大臣、筋論を言っておるから現在の事故が起きているのですよ。筋論ではどうにもならぬというのが、裏を返せば鉄道とか道路とか、あるいはこういうとうとい人命が亡くなっているのですから、筋論でなくて総合的にどうするかと、こういう私は見地で検討してもらいたいと、こういう要求なんですが、いかがですか。
#49
○政府委員(吉瀬維哉君) 先ほど大蔵大臣が申し上げましたのは、一般的な工事費負担の問題でございまして、目黒委員の御質問は、現実に危険個所があるというようなところでそれをどうするかということでございますが、私どもといたしましては、やはり人命にも関係ございますし、物資輸送にも重大な役目を果たしておりますので、まず重点個所を選別していただきまして、それにつきましてはいま運輸大臣がお答えしましたとおり、関係各省の既定予算でいろいろ応急にできるものと、こういうものを重点個所の選定が終わりました段階で直ちに調整過程に入りたいと思っております。できるだけ急いでやりたいと思っております。
#50
○目黒今朝次郎君 六月、七月また入梅期になりましてね。ことしは異常――雪が多かったので、大変な私はまた気候条件が来ると思うのですよ。来るとまたやはり線路、道路、河川の問題で事故が起きると、そういうことは目に見えていますからね。やはり緊急に私はこれやってもらいたいと、こう思うんですが、結論は金の裏づけですから運輸と大蔵と、この辺のやっぱり当面の対策について、いま局長からあったけれども、考え方をずばり聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#51
○国務大臣(田村元君) おっしゃるとおりで、あの積雪を考えれば実際寒けのするようなことでございます。早速、私自身大蔵省なりあるいは建設省、農林省等を歴訪いたしまして懇請を申し上げるとともに、国鉄に対して作業を急ぐ上にも急ぐという指示をいたしたいと、このように思っております。
#52
○国務大臣(坊秀男君) 私は筋論を申しましたが、実際に具体的の場合ということになりますと、これは運輸大臣から何らかの私どもに対しての御協議なり御相談なりがあろうと思いますから、その具体的の場合に対処してこれを処理してまいりたい、こういうふうに考えます。
#53
○目黒今朝次郎君 再びとうとい人命が消されないように最大の努力を要請しておきます。運輸関係は終わります。
 次は、各委員会の関係などがあるそうですから、救急医療関係をちょっとお伺いしますが、私は問題を提起したならば、やっぱりその問題が決着つくまでお互いに責任を持つべきだと、こう思うのですが、昨年の五月七日の予算委員会、それから五十年の三月二十七日の予算委員会で、救急医療の問題について問題を幾つか提起したわけですが、これに対する厚生省の取り組みについてお答え願いたいと、こう思うんです。
#54
○政府委員(石丸隆治君) 先国会におきまして、先生から救急医療につきましていろいろ御提言があったわけでございまして、そういった御提言に基づきまして、われわれの方といたしまして、その前からございました救急医療問題懇談会等の答申も得まして、その答申の線等に基づきまして五十二年度予算につきましてできるだけの努力を払っておるところでございます。
#55
○目黒今朝次郎君 具体的に。
#56
○政府委員(石丸隆治君) 具体的に申し上げますと、救急医療につきましては三つの段階で考えておるところでございまして、まず第一番が第一次救急でございまして、第一次救急医療につきましては、従来から行っておりました休日夜間急患センターの設置につきまして、さらにこれを拡充強化していくという方向で努力いたしております。
 それから在宅当番医制の問題につきましては、従来、これを医師会の好意によってこの在宅当番医制を実施いたしておったわけでございますが、この在宅当番医制をさらに拡充定着化させるために、それぞれの地区医師会に対しまして助成を行
 っていくという方向で努力いたしております。
 それから第二次救急医療対策でございますが、第二次救急医療対策につきましては三つの方策を考えておるところでございまして、一つは、それぞれの地域におきます病院、これはある一定度以上の規模を持った病院でございますが、その病院の臨番制による対策でございます。すなわち、それぞれの病院が、毎日救急医療を担当するというのは非常に困難でございますので、当番的に担当していこうと、こういう方法でございます。
 もう一つの二番目の方法は、いわゆる共同利用型病院の設置でございます。これは従来もそれぞれの地区医師会等が医師会病院として運営してお
 るところでございまして、そういった病院に特に必要のある場合に地区医師会の人たちを呼び集め、いわゆるオンコール方式による共同利用型病院の設置でございます。これは新規事業といたしましてその助成、設置を行っていくということでございます。
 それから三番目の方法といたしましては、そういった大きな病院がない地域等におきまして、診療科協定型という新しい方式をとろうとしておるところでございます。すなわち、現在、医学が非常に分化いたしておりますので、一人の医師がすべての患者に対応できないという、そういった問題がございまして、いわゆる専門医不在ということで診療ができないという問題が起きておるわけでございまして、そういった点、それぞれの地域内の病院におきまして、A病院は内科、B病院は外科というふうに当直医の診療科を協定いたしまして、それぞれの病院が相合しまして対応していこうと、こういう方法でございます。
 第三次救急医療につきましては、従来から行っております救命救急センターの設置、これは五十一年度から新たに設けた制度でございますが、この救命救急センターの設置をさらに強化していこうということでございます。
 それから、こういった一つの、受け入れ体制の整備はいま申し上げたようなところでございますが、従来から一つの問題として提起されておりますのが、搬送機関と医療機関との間の連携の不足ということでございます。すなわち、救急患者を搬送いたしますのが消防関係でございまして、それからその患者を受け取るのが医療関係でございます。その間の連絡が必ずしも従来十分でなかった、そのためにその受け入れがスムーズにいかなかったというような問題がございますので、その点につきまして救急医療情報の広域化という、そういった点を考えておるところでございます。
#57
○目黒今朝次郎君 私が前回で提案しました公的病院の救急医療の告示、こういう問題については、いま全然報告がありませんが、どんなふうになっておるか、年次別に報告してもらいたいと、こう思うんです。
#58
○政府委員(石丸隆治君) 先生御案内のとおり、救急告示病院の拡充強化ということに、われわれ従来からも努力いたしておるところでございますが、御案内のとおり、救急告示病院は、外科の手術可能な施設を救急告示いたしておるところでございまして、最近の救急の実態というものが、内科あるいは小児科系の、いわゆる内科系の急病患者の救急ということが一つの大きな問題になっておるところでございまして、救急告示施設の拡充ということには努力いたしておりますが、それのみではただいまの救急対策は十分でございませんので、それぞれの地域に存在いたします医療機関の総力を挙げてこれに対応するというようなことで、先ほど申し上げましたように、一次救急から三次救急までの医療施設の整備ということで、その中にこの告示病院の拡充ということを含めて対応いたしておるところでございます。
#59
○目黒今朝次郎君 公的病院の救急告示を年度別に教えてくださいというんです。
#60
○政府委員(石丸隆治君) 先国会におきまして、先生から、特に公的病院の救急告示の拡充につきまして御発言があったわけでございまして、その御発言に基づきまして、国立病院、三公社五現業一の病院等につきまして、昨年十月十二日でございますが、十月十二日の閣議におきまして、厚生大臣から関係各大臣に、公的病院の救急告示を受けるようにというような要請をいたしますとともに、事務当局からも関係各省あてに協力を依頼しているところでございます。
#61
○目黒今朝次郎君 その結果どうなんですか。
#62
○政府委員(石丸隆治君) その結果でございますが、国立病院のうち大学関係の病院でございますが、これにつきまして一カ所が増加しているとともに、昭和五十二年度の予算におきまして、文部省の方に新たに国立大学付属病院の救急受け入れ方についての予算化が図られておるところでございます。そのほかのところの公的病院におきましては、必ずしも十分その対応ができていないと、かような状況になっておるところでございます。
#63
○目黒今朝次郎君 閣議で発言して通達を出して、その後どういう努力を厚生省はなさったんですか、具体的に。
#64
○政府委員(石丸隆治君) 公的病院のうち、三公社五現業等につきましてはいま申し上げたようなところでございまして、閣議発言とか、あるいは関係各省にお願いするという、そういう状況でございますが、そのほかのいわゆる自治体立病院等につきまして、特に自治体立病院がそれぞれの地域で非常に大きなウエートを占めておりますので、自治体病院の救急部門の拡充につきましては、従来からこの救急部門を特殊診療部門として助成を行っておるところでございますが、これを従来のAランクからBランクの病院まで拡充するという、そういった予算措置等も行っておるところでございまして、この自治体立病院の救急受け入れにつきましては、先日も全国の衛生部長会議等におきましても指示いたしたところでございます。
#65
○目黒今朝次郎君 五十二年度予算で三段階の提案がありましたですね、これはほとんど民間のお医者さんが中心なんですよ。民間のお医者さんにお願いする前に、国並びに公的な機関が整備しないというのはどうしても私は逆論だと、こう思うんですよ。なぜそういう点で努力しようとしないんですか。
#66
○政府委員(石丸隆治君) 先生御指摘のように、この救急医療につきましては、自治体立病院を含めての公的病院がその大きな役割りを今後とも果たしていかざるを得ないというふうには考えておりますが、先生御承知のように、この公的病院のうち、特に三公社五現業等の病院につきましては、これは職域病院というような特殊性、また国立大学の付属病院におきましては教育というような特殊任務がございまして、必ずしもそういった点ではこういった地域医療計画の中には取り込みがたいようなこともございますが、そういった点、さらに今後努力してまいりたいと考えております。
#67
○目黒今朝次郎君 もうそんな答弁は、私この前議論済みなんですよ。それを受けて努力すると、これは三木前総理そのものが、前向きに努力しましょうと総理答弁をもらっているんですから、その総理答弁に従って厚生省はどういう努力をしたか、問題点をどう掘り起こすための努力をしたかということを聞いているんですよ。大臣ちょっと御答弁願います。
#68
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま医務局長から答弁申し上げたとおりでございますが、先生がおっしゃるように、民間に協力を求めるんだから国が率先をしてやるのはあたりまえじゃないか、私もそれはそう思うんです。ところが、御承知のとおり大学病院等は、やれ研究だとか、なんだとかかんだとかいろいろ理屈もあるんでしょうが、御協力はいただいておるんだけれどもまだ十分でないということも私事実だと思います。したがって、医局に百人も百五十人も医者がおって、毎日大学へ来ているのか来ていないのか知りませんが、そういうような問題等も含めてこれはやっぱり検討しなきゃならぬ。厚生省で幾ら命令するといったって、私の方じゃ命令はできないんだから御協力をお願いをするということで、閣議決定に基づいて去年の暮れからやってはおるんです。そして、どの大学がどれぐらいというふうな数字は私手元に持っておりませんが、今後ともやはり、それは関係各省の協力を得て、まず国の機関が奉仕をするということでなければ、それは民間に義務づけるなんて言ってみたところで始まらない話ですから、今後とも国家公務員あるいはそれに準ずる者は、これは率先してやってもらいたい。ところが現実はなかなかこれはむずかしい問題がいろいろあるようです。ありますが、これは労働の問題とも絡んでくる話でございますけれども、これは極力御協力を今後ともお願いしていくつもりであります。
#69
○目黒今朝次郎君 時間がありませんからこれ以上追及しませんが、閣議で決定して努力する、こういう基本姿勢を確認したんですから、その点さらに取り組んでもらって、問題点がどこにあるのか、次の国会までにきちっと明確にするように要求したいんですが、いかがですか。
#70
○国務大臣(渡辺美智雄君) さようにいたしたいと存じます。
#71
○目黒今朝次郎君 じゃ、その要請を受けた各省にお伺いしますが、文部大臣、この国立病院、公立大学関係はいかがですか。
#72
○国務大臣(海部俊樹君) 大学の付属病院で救急病院等を定める省令に基づく告示を受けております病院は、国立で三病院、三つであります。公立が五つ、私立は二十一でございます。なお、告示病院数は、御指摘のように大学、国立まだ三つでありますけれども、告示のあるとないにかかわらず地域医療に協力すべきは当然でありますから、救急患者については昨五十年度は四万五千人受け入れて実施をいたしておりますし、なお、告示を受けておりません大学でも救急部というものを整備しておりますが、昭和五十二年度にはこれを三つふやしまして、全部で十にしてできるだけ御協力をしていきたい、こう考えております。
#73
○目黒今朝次郎君 まあ一つふえたことは認めますが、永井文部大臣も同じことを言っておったんですが、事実受けているのならなぜ告示に変えられないのか、その点は何が問題があるんですか。
#74
○国務大臣(海部俊樹君) これはどういう問題があるのか私もちょっとここで具体的にお答えできかねますので、よく調査をしてみたいと思います。
#75
○目黒今朝次郎君 そういう私は聞き流しというのば余り感心しないんですよ。やはりここで大臣、答弁したら、それをどう具体化するかというぐらいの私は実績報告ぐらい質問者に提示するというぐらいの私は点検があってほしい、こう思うんですよ。一年間投げっ放しでまた同じことを答弁される。だから、実際に大学病院が救急を受け持っているならば、それが告示病院にできない理由は何か、これとこれとこれを解決すればなるんだという点をやっぱり厚生省に出すのが筋道じゃないですか。私はそう思うんですが、いかがですか。どこに問題があるんですか。
#76
○政府委員(石丸隆治君) この救急告示がなかなか普及しないという点につきましては、いろいろの原因があろうかと思いますが、特に大学の付属病院がこの救急告示を受けにくいという点は、一つは定員の問題があろうかと思います。先ほど文部大臣から御答弁がございましたように、私立医科大学におきましてはわりにこの救急告示を受けておるところでございますが、国立におきましてはやはり総定員法との関係における定員の問題等もあるようでございまして、それが一つの大きなネックになっておるように考えております。
 それともう一つは、やはり大学の付属病院という特殊性から考えますと、大学付属病院には救急のうちでも非常に高度な救急医療、たとえば、先ほど申し上げましたような救命救急というような、非常に高度な医療を担当していただくことが必要ではなかろうかと考えるわけでございまして、そういったシステムづくりがまだ完全に行われていない段階でございまして、われわれといたしましては、今後三カ年でそういうシステムづくりを行おうとしておるところでございまして、そういったことと並行いたしまして、大学付属病院の方でこの救急部門を、特に高度の救急の部分を受け持っていただくよう今後とも連絡を密にしてまいりたいと考えております。
#77
○目黒今朝次郎君 救急告示病院が赤字になることはもう何回もわかっているんですから、いま言った定員の問題なんというのは、私はこの前の大臣答弁から見ると問題にならぬ。定員を直せばいいんであって、その直そうとする努力が全然なされていない。ですからそういうことでは私は納得できません。どこに問題があるのかもう一回文部省側から言ってください。
#78
○政府委員(佐野文一郎君) ただいま厚生省からお答えを申し上げましたように、やはり大学付属病院が持っている高度な医療水準というものを活用して、地域の医療のシステムの中で救命救急その他の高度の救急を担当できるようなシステムというものをつくるということが必要であり、またその努力を私どもも、また厚生省も極力やっているわけでございますけれども、そこの体制づくりがまだ十分にいかないという点が、大学側が救急告示というものを受けることについてまだ十分に積極的にならない最も主要な問題点であると考えております。
#79
○目黒今朝次郎君 この前の社労の参考人の意見開陳でも、私立病院がどんどんどんどん救急やっているのに、大学病院と国立病院が全然がらあきだ、そして私立病院に市民の負担がかかっている、ベッドもいっぱいだ、同一市内で――仙台市ですよ、仙台市内でそういう関係であるというのは非常に私は遺憾だと思う。そういうのをなぜ解決しようとしないんですか。国立病院と大学病院、なぜ救急に指定できないんですか。私は怠慢だと思いますよ、いかがですか。
#80
○政府委員(佐野文一郎君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、救急の告示を受けておりません場合でありましても、もちろん積極的に救急患者の受け入れを図っているわけでございますし、四十九年度から比較いたしますと七千人ふえて五十年度四万五千人の受け入れをしております。もちろん、救急告示を受けることを含めて、さらに積極的に救急医療に協力をするように医学、部長会議あるいは病院長会議、さらには病院の事務部長の会議等で私どもも積極的に指導を続けております。今後ともそれを続けるつもりでございます。
#81
○目黒今朝次郎君 ちょうど一年前の討論をやっているのと同じなんですよ。去年の議事録を見てみたって同じことを答弁しているんです。四十七も文部省の大学があって、二つから三つのところは診てくれますよ、一つは。四十七もあるんですからね。私は現に受けておるならば、裏を返して告示病院になりなさいと、この点はどうですか、文部大臣、現に受けているんなら。
#82
○国務大臣(海部俊樹君) 告示を受けようと受けまいと現に救急医療の患者を受け入れて、できるだけの協力をいたしておることでございますし、また救急部の整備等もしておりますので、各大学病院に対して積極的に受けるように指導をしてまいりたいと思います。
#83
○目黒今朝次郎君 努力を要請して、これは予算委員長にも、国会で答弁したやつ、やっぱりきちっと各官庁が責任を持ってやるというぐらいなだめ押しもひとつ予算委員長としてお願いしたい、こう私から要請いたします。
#84
○委員長(小川半次君) よくわかりました。
#85
○目黒今朝次郎君 次は郵政省関係、これどうですか、この前の大臣答弁と。
#86
○国務大臣(小宮山重四郎君) 昨年の十月の閣議決定、また昨年の十一月の当委員会での目黒先生の御質問を受けまして、郵政省といたしましては、逓信病院の救急医療に対しての、どのようにしたらいいかということで調査をいたしております。一番問題点は、やはり外科医、特別な医師の勤務をどうするか、あるいは看護婦さんをどうするかという問題で、現在各逓信病院にどのようにしたらいいかということで検討中でございます。
#87
○目黒今朝次郎君 郵政関係と電電、ことしはなかったということですか。
#88
○国務大臣(小宮山重四郎君) さようでございます。
#89
○目黒今朝次郎君 われわれの調査だと、逓信病院にはベッド数は千九百ある、そのうち千七百は使って二百の余裕がある。それから電電病院はベッド数二千九百、利用数ば二千四百五十、ここにも余裕がある。職域病院という一面はわかりますけれども、これだけの余裕があればやろうとすればできるじゃないか、なぜできないんでしょうか。
#90
○国務大臣(小宮山重四郎君) 確かにベッドの問題はありますけれども、非常に看護婦さんのローテーション、それから.医師、特に外科医でございますけれども、やはり産婦人科の方が非常に多いんですけれども、ほかに一四%ぐらい外科医を必要とする患者さんがいらっしゃる。そういうようなことで、非常に大ぜいの患者を扱っている関係上、ローテーション、その他、各逓信病院の特殊性もございますので、そのようなことをいまどのようにしたらいいかということで検討を命じているところであります。
#91
○目黒今朝次郎君 いつごろを目安に結論を出そうとするんですか、目標。
#92
○国務大臣(小宮山重四郎君) 厚生省ともよく話し合い、どのようにしたらいいか今後とも前向きでやっていきたいと思っております。
#93
○目黒今朝次郎君 これは三木総理も、わざわざ郵政大臣の答弁のとき、いろんな困難あるけれども前向きに検討いたしますと、去年は総理が答弁をやっているんですよ。ですから、同じことを繰り返さないように、ぜひ私は今年度中に具体化してもらいたいという点を要望しますが、いかがですか。
#94
○国務大臣(小宮山重四郎君) 前回、村上郵政大臣が非常に困難であるということを言った。これは事実、大変ローテーション、その他人間のところで困難な問題が相当ございます。しかし、その困難もやはり救急医療としての重要性を認識して、今後とも厚生省と大いに相談して前進をさして、何とか国民医療の役目を果たしたいと考えております。
#95
○目黒今朝次郎君 次は大蔵大臣、専売、造幣、印刷、こういう問題についても昨年大平大蔵大臣から答弁があったんですが、その後どうなっていますか。
#96
○国務大臣(坊秀男君) 救急病院、救急医療対策というものが当面の最大の社会的要請だと思っております。そういうようなことから、五十二年度の予算におきましても何とかそういったような対策の実を上げたいと、かように考えまして、五十一年度の予算に対しまして四倍の予算、百工億でございますか、それを組んだところでございまして、今後とも関係各省と相談をしましてさらに充実を図ってまいりたいと、かように考えておりますが、大蔵省所管の専売等の病院についてのことは事務当局からお答えさせます。
#97
○政府委員(吉瀬維哉君) 専売、造幣、印刷、地域的には数は限られておりますけれども、やはり救急病院の使命にかんがみまして、厚生当局とよく相談しながら考えてまいりたいと思います。
#98
○目黒今朝次郎君 大臣答弁を受けて大蔵省では議論したことがあるんですか。どういう議論をされて、いつ議論されたか、関係各省にどういう連絡をしたか、具体的に教えてください。
#99
○政府委員(吉瀬維哉君) 専売、印刷、造幣のいろいろ監督するのはちょっと主計局じゃございませんのであれでございますが、これはよく大蔵省としては昨年のいろいろな趣旨を受けまして、予算編成過程でも厚生省ともいろいろ相談している.ところでございます。
#100
○目黒今朝次郎君 いつやりましたか。
#101
○政府委員(吉瀬維哉君) これは予算編成過程の具体的な過程でございますので、たとえば去年の何月何日ということを具体的に示すことはありませんが、編成過程では常に救急の予算をつける段階でいろんな、こういうものは利用できないかという議論は行われたわけでございます。
#102
○目黒今朝次郎君 議論したとすれば、どこに問題があるんですか、問題点は。
#103
○政府委員(吉瀬維哉君) やはり一つは地域的な偏在の問題もあり、それからもう一つは要員の確保の問題があり、それから厚生大臣も御答弁なさりましたような、いわゆる従業員の勤務体制の問題があるということあたりが中心でございました。
#104
○目黒今朝次郎君 そうすると大蔵大臣、共通して言えることは要員の関係と勤務体制、看護婦の問題と、こういうことになってくるんですよ。すると、やっぱりこれは予算にかかわってくると思うんですがね、こういう点では、大蔵大臣は積極的にこれらの問題について見る姿勢を持っているのかどうか、大臣の見解を聞きたいと思うんです。
#105
○国務大臣(坊秀男君) 厚生省初め関係各省とこれはよく協議をいたしまして、とにかくこの必要であるという実態、実相はよくわかっておりますから、そこで具体的に検討をしてまいりたいと、かように思っています。
#106
○目黒今朝次郎君 すると厚生大臣、いま大蔵大臣がこれらの問題になっている要員、勤務、その他の問題については十分大臣の方でも前向きに検討すると言うんですから、早急に厚生省の考えをまとめて年度内にはきちっとする、そういう方向について努力してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#107
○国務大臣(渡辺美智雄君) 本当にきょうは目黒先生から各省に対して叱咤勉励をしていただいて、私は厚生大臣として厚く御礼を申し上げる次第でございます。大蔵省の方も、そういうようなことで相談に応ずるということでございますから、今後とも内容を調べて要求すべきものは要求するし、そうしてまいりたい。ことに、やはりやる気があるかないかということが先決問題だと私は思うんです、実際の話が、根本問題は。ですから、それはもう公務員またはそれに準ずる者が率先垂範するのはあたりまえのことなんだが、あたりまえのことがうまくいかないのがどうもこの世の中で、そういう点は、私はきょうの御質問は大変役立ったと深く信じて疑いません。
#108
○目黒今朝次郎君 その答弁が来年の予算委員会で繰り返されないようにひとつお願いしたいと思います。
 それで厚生大臣、一つお伺いしますが、私はこの救急医療の問題については法的に、消防法であるとか、そういう整備が非常に不十分だと。したがって、昨年の予算委員会では救急医療法を制定したらどうかという問題を厚生大臣に提示しましたが、当時の厚生大臣は、法制化の問題については十分検討していきたいと、こういうような御答弁があったんですが、その後の経過について考えを聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#109
○国務大臣(渡辺美智雄君) 法制化の問題も一つの見識だと存じます。存じますが、いろいろ検討いたしました結果、現に国の機関が私から見たら受けるのがあたりまえじゃないかと思うのが、まあいろんな事情で受けられないというような状態の中で、一般医に対して法制化をして義務づけるというところまでいきましても、トラブルばかり多くてなかなかうまくいかぬのではないかというようなことから、法制化ということよりも、やはりその指導と御協力、御理解、こういうようなものを先に進めるべきであるということで、ことしは、救急医療については去年の四倍で百一億七千万円というような、本当に消化できるのかねというような実は議論もあったのですが、それだけの予算もいただいてまずやってみようということになっておるわけでございます。
#110
○目黒今朝次郎君 各官庁が、統一した法律がないから、まあだらだらと言っては語弊がありますけれども、逃げ口上になるのじゃないか。救急医療法をきちっと制定をして、きのうの空港公団の論争じゃありませんが、きちっと法制化して、それに伴う準備なり予算措置をすればこういう論争はなくなると、こう思うのですが、いかがでしょうか。
#111
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど申し上げましたように、それも一つのいい考え方だと思います。しかし、ことしはとりあえず予算も大幅にふやしたことでもあるし、これだけ救急医療の問題が社会問題として国会でもずいぶん取り上げられて、お医者さん方も、それは公務員であると民間であるとを問わず、そいつに対する使命感というものはずいぶん深まってきただろうと、かように思いますので、とりあえずことしばいまの体制でやらしていただきたい、かように考えております。
#112
○目黒今朝次郎君 まあ世論も、国会の議論も、いまの公的な議論も、大蔵大臣の予算の裏づけの問題についても、これは十分条件が整いつつあるわけでありますから、これと並行して、次の国会あたりにやっぱり救急法の制定と、こういう方向について積極的な努力を重ねるべきだと思うのですが、その方向についてはいかがですか。
#113
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私といたしましては、なるべく、この医療の問題、特に大多数の民間の問題等については、医師会とも、権利義務というふうなことでなくて、理解と協力ということでやろうというふうなことになっておりますから、それでやってみて、それでにっちもさっちもいかないというときにはまた御相談を皆様に申し上げるということで、いまのところ法制化のことは考えておりません。
#114
○目黒今朝次郎君 そうすると、田中前厚生大臣の前向きに検討するということよりも後退しているような形に受け取れるのですが、いかがですか。
#115
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ後退しているということでなくて、救急医療を義務づけるということはやっぱり法律が必要ですね。なかなかこれはぎくしゃくした騒ぎに実際なるんですよ。そのことよりも、やはり理解と協力をしてもらって実績を上げればいいわけですから、まずは。ですから、ともかく実績を上げることが法律をつくった方がいいのか。まあともかく救急医療が進まないということは、一つば使命感の問題もあるでしょう。それからやはり赤字でどうしようもないという問題もあるでしょう。人手の足りない問題もあるでしょう。いろいろあるわけですから、それにはそれなりのそういうような手当てをまずやっていって、それでこれだけの手当てをしたのにもかかわらず、それでもエゴで協力しないんだという場合は、これはまた別問題だと存じます。したがって、とりあえずそういう手当てをして協力していただけるような床づくりをやるということが先ではないだろうか、かように考えておるわけでございます。
#116
○目黒今朝次郎君 われわれとしては、現在たらい回し事件がこれだけ問題になったのは、いま大臣が言ったような幾つかの問題があって、それだけではどうにもならぬ、やっぱり法体系の不備があるんじゃないか、そういうことでずいぶん問題を提起しておるわけなんですよ。ですから、私は、大臣に、現実的な問題について手当てをすることについては了といたしますが、それらを全部総体的に体系化する、そういうことについてやっぱり前向きに検討してもらいたい、こう思うのですが、いかがですか。
#117
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまもお答え申し上げましたように、義務づけ、法制化ということは非常に大きな問題がございますので、とりあえずこれをやらしていただいて、それでもうまくいかぬというときには、これは法の強制をかけるということもやむを得ないと思いますが、現在の段階はとりあえずかなり順調に進んでおるんですよ。
 それからもう一つは、たらい回しの件数というのがうんと出てくるということは、一つは情報システムということがうまくいっていないこともあるんです。盲めっぽう、あそこへ持っていったり、こっちへ電話かけたり、あっちへかけたり、最初から休んでいる病院にわかっていて電話をかければ、ああ断られた断られたとなるわけです。ですから、そういうものがあらかじめ全部もう一目瞭然とわかるようになれば、もう断られるところがわかっていて電話をかける必要もないし、持っていく必要もない。ですから、そういうような情報システムというものを先に完備をしていくということによって、たらい回しの件数なんかも減ってまいりますしね。ですから、まずそういうことをやってみるということでひとつ御了解いただけませんかね、とりあえず。
#118
○目黒今朝次郎君 私は、事実認識が違うのかどうかわかりませんが、やっぱり救急医療法が、いままで大臣が答弁したことがあればあるほど機は熟している、こういう私は考えを持っておりますから、これば今後とも議論をしていきたいし、大阪府のように面接請求運動まで起きている、こういう段階ですから、そういう方向について、これはもう論争が尽きませんから、私は考えだけ立場を明らかにしておきます。
 次は、外務大臣にお伺いしますが、私は昨年五月七日、本委員会でブラジル移民の老人の問題について提案をしたわけでありますが、当時、外務省は、目下調査結果を集計中である、そういう答弁があったんですが、その集計結果について答弁願い、資料の提出をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#119
○国務大臣(鳩山威一郎君) ブラジルにおきます日系人につきましての調査でございますが、昭和四十九年、五十年の両年度のサンパウロ日伯援護協会の調査によりますと、生活保護を要する老人は、比率にいたしまして〇・三%、三万五千人のうちの約百人ということでございます。目黒委員は、昭和五十一年五月七日の御質問におきまして、要生活保護者が二千名、うち老人が八百名と述べられておりますけれども、大分違った数字が出ておるようでございます。
 なお、詳細は政府委員から補足をさしていただきたいと思います。
#120
○説明員(越智啓介君) お答えいたします。
 目黒委員の御指摘のように、四十五年の国勢調査の一環として、総理府統計局の依頼によって本邦域外における日本国民についての調査を実施しました。そのとき、サンパウロ総領事館については二千世帯調査しております。なお、その後四十八年六月八日までに、いろいろ現地に事務官を派遣したり、サンパウロ日伯援護協会三百名を対象とする調査を行ったり、いろいろやった結果、なお詳細な調査を行う必要があるということになりまして、四十九年度と五十年度に調査の予算をいただきまして、四十九年度百五十八万円、五十年度百五十六万円、サンパウロ日伯援護協会をして調べさした結果が、ただいま大臣のお答えになったとおりでございます。
 なお、詳しく申しますと、昭和四十五年十月現在の結果として、ブラジル在住の日本人の永住者総数十四万三千二百十一名、うち六十歳以上が三万四千七百三十四名、独身者が一万九百六十七人、このブラジル日系人の九五%以上がサンパウロ総領事管内に居住をしておりまして、老齢者についても、この三万四千人のうちの三万三千人がこの管内に住んでおります。これらの人たちは、すべて昭和一けたの時代に移住してきた人たちでございます。実際問題として農村地帯では深刻な老人問題は余りございませんで、問題はサンパウロ市など大都市の居住者に集約されております。それで、四十九年、五十年度の調査によって救済を必要とする困窮老人というものが全体の〇・三%という調査結果が出ております。それから毎月赤字の暮らしの者が一・一%、ひとり暮らしの老人は四十九年の調査では約全体の二・二%、五十年度では二・九%となっております。ただ、その後の施策として、保護を要する老人のうちで施設に収容されている数字が出ております。四十八年八月一日現在、日系人の施設に収容されている者が二百三十五名、ブラジル側の施設に収容されている日系老人が三十五名と、このほか、海外移住事業団の移民の家というものを四十九年度に譲り受けましてサンパウロ日伯援護協会が経営しているサントス厚生ホームというものをつくりまして、これは収容人員が四十五名でございます。したがって、なおホームに空きがないので入居を待っている間、救済会が生活費を補助し、知人の家などに頭かってもらっている、いわゆる居宅保護の制度、対象は常時三十人から四十人ございます。
 それからこれは先般の答弁でも申し上げたのですが、なお、一元的にはブラジル政府が福祉政策をやっておるわけでございまして、ブラジル政府から年金を受けている者が四十九年度調査では三・六%、五十年度調査では六・六%、こういう形の結果が出ております。
 以上でございます。
#121
○目黒今朝次郎君 今後の調査の必要がありますから、いまの資料をもらえましょうか。
#122
○国務大臣(鳩山威一郎君) 資料を提出いたします。
#123
○目黒今朝次郎君 それで、私は昨年の予算委員会で、これらの老人等については、日本の場合には老齢年金をもらっていると、それに見合うような対策をとるべきではなかろうかと提案をしておつたわけですが、その問題についてどういう議論をなされたか、外務省と厚生省から聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
#124
○国務大臣(鳩山威一郎君) ブラジル政府といたしましてブラジルにおきまして年金制度が施行され、わが日本の国籍を持っている者につきましてもその年金制度が適用されておるといたしますと、そのブラジル国の制度を尊重すべきであろうというふうに外務省としては考えております。
 なお、日本国の制度の問題といたしましては、厚生大臣からお願いいたします。
#125
○国務大臣(渡辺美智雄君) ブラジルの在留邦人に福祉年金のようなものをくれられないかと、こういうようなことで、本当に人情論としては私どもも何かしてやらなきゃいかぬと、こう思っていろいろ検討いたしたわけでございますが、御承知のとおり、日本の老齢福祉年金は無拠出でございますが、これは所得制限等もついております。したがって、向こうで本当に困った者をどういうふうに救うか、どういうふうに調べるかという手段方法というのが現実にはない。また、あんまり外国政府の中まで干渉するようなこともいかがなものかというようなこと等もあって、外務省の予算で、去年、いろんな保護、困窮者のための予算あるいはリハビリテーションの予算等をつけてもらっておるわけでございますが、こういうような、在留邦人の援護といいますか、そういうようなことで、厚生省で直接やるということよりも、外務省が友好団体みたいなものをこしらえて、そいつに予算をつけてめんどう見るということの方が実務的ではないだろうかと、かように思っておるわけでございます。したがって、外務省関係のそういうような予算も、いまもございますが、増額をしてもらって、困窮をするために何か老人が自殺をするとかあるいは非行を働くとかいうことは、国全体の、国民の名誉にも関する問題でございますから、そういうことのないように側面的にわれわれも主張をし、外務省にもがんばってもらう、こういうっもりでおります。
#126
○目黒今朝次郎君 外務大臣ね、ブラジルの老人の方々は相当年配で、国策によって行った方が大部分だと思うんですよ。三人労働制という全然関係のないやつが帳簿上だけ三人になって向こうに行ってばらばらになってしまう。成功した人がいるでしょうけれども、そういう変則的に移民してそれで非常に国の犠牲を受けた、そういう方々がいま老人で困窮している方々の大部分だと思うんですよ。したがって、これは国として、そういう移民政策の償いといいますか、そういう観点からこの問題を考える必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
#127
○国務大臣(鳩山威一郎君) いま目黒委員の申されたとおり、ブラジルの移民の方々につきまして、生活に困窮されている方がありといたしますと、外務省といたしましても捨てておけないわけでございます。できる限りの措置をとりたいと思っておりますが、現在行っておりますことは、わが国の在外邦人の保護謝金といたしまして、五十二年度政府予算案では四千万円を計上してあるところでございまして、現地の援護協会、日本人会などの相互扶助団体を通じましてできる限りの援助を行ってまいっておるところでございます。また、生活困窮者等で日本に帰国を希望する者に対しましては、帰国旅費の貸し付けによりましてめんどうを見ておるところでございます。
#128
○目黒今朝次郎君 その程度の手当ではどうにもならないということで、いま全ブラジルで、ここにもありますが、現地の新聞を見ますと、全ブラジルの方が集まって老人大会をやって、何とかしてくれないかということまで騒いでおるわけですよ。ですから、私は、いま両大臣が答弁したことではもう現地の問題は解決しない、こういう現状でありますので、そういう現状を十分認識しておるかどうか、いま両大臣が答弁したことで十分か、こういう問題についてどういう認識を持っているか、その認識の仕方をちょっと聞かしてもらいたいのですがね。
#129
○国務大臣(鳩山威一郎君) なお実情の把握に努めまして努力をいたしたいと思っております。国際協力事業団におきましてもこれらの実態の把握に努めておるところでありますが、今後もなお努力をいたしたいと思います。
#130
○目黒今朝次郎君 外務大臣、年金のことを言いましたけれども、これは資料を持っていますが、現地の年金はもらえるんだけれども、年金の掛金すら掛けることができない困窮の老人がいっぱいいる、こういうことなんですよ。だから、年金制度では救済できないんですね。そういう点はどう思いますか。掛金を掛けられない、困っておって。
#131
○国務大臣(鳩山威一郎君) 生活に本当に困っておる方々につきましては、先ほど申し上げましたように、現地のいろいろな組織を通じまして直接的に援護の手を差し伸べたいと、こう思っておるところでございます。
#132
○目黒今朝次郎君 どういう援護の手があるんですか。私は一年かかって研究したけれどもなかなかわからないので、どういう現地の手当ての方法があるか、教えてください。
#133
○説明員(越智啓介君) お答えいたします。
 具体的に申しますと、保護謝金という形でございます。これは四十八年度二千五百万円を大蔵省につけていただいて、四十九年度に二千五百万、五十年度に三千二百万、五十一年度は三千万でございますが、そのほかにリハビリテーションセンターで三千二百万、五十二年度は四千万と、逐次でございますが一生懸命われわれもこういう形でやっておるわけです。あくまでこの出し方ばそのうちブラジルが大多数でございます。六〇%以上は大抵ブラジルになっておりますが、その国の主権を侵さない限りにおいてその国の社会福祉政策を補完するという形で、しかも政府が直接というわけでございませんで、いろんな援護協力とかそういう現地の組織を通じて援護をしておると、こういう形でやっております。
#134
○目黒今朝次郎君 そうしますと、そういう形はできておっても、実際にそれが的確に運用されておれば、私はそれなりに成果が上がると思うのですが、こういう苦情が海を越えて目黒議員あたりに来るということは、やっぱりどこかパイプが詰まっているということを裏書きしているのじゃないですか。一回でも追跡調査をしたことがありますか。
#135
○説明員(越智啓介君) 先ほど来お答えしていますように、毎年一度ずつ必ず追跡調査をやらしております。それから四十九年度、五十年度は特に予算をつけて追跡調益をやっておる。それで、その結果、着々として大蔵当局の御理解も得て金額はこのようにどんどんふえております。
 なおまた、先生の御指摘のように、われわれのところにいろんな苦情が来ますと、すぐ現地の大使館なり領事館に訓令を発しまして、実情を調べて、何とか少しずつでもわれわれとしては前向きにこの問題は取り組んでやっていく所存でございます。
#136
○目黒今朝次郎君 その追跡調査の報告書があったらくれますか。
#137
○説明員(越智啓介君) お答えします。
 報告書という形じゃございませんが、取りまとめて後ほど先生のお手元に届けたいと思っております。
#138
○目黒今朝次郎君 それはもらってから検討します。
 それで、昨年私も例がないかと思って調べたのですが、宮城県の場合には一人年間二万円宮城県からブラジルにいる方にやっていると、そういう制度が現に存在しているんです、都道府県に。それから西ドイツのような場合には、年金に準ずるといいますか、ブラジルの社会保障制度に抵触しない範囲で、生活の困っている者については、西ドイツの年金法に準じて支給する手続がある、直接本人にね。そういう例もあるんですよ。ですから、私は、三木総理が、この前、もう本当に戦前、戦中に御苦労かけた方については、そういうことがあればやっぱり年金に準ずるような方向で検討しようと、そう三木総理が答弁しているんですから、そういう方向について私はもう一歩やっぱり前に出るべきだと、こう思うのですが、この宮城県とか西ドイツの例についてはどういう考えを持ちますか。
#139
○国務大臣(鳩山威一郎君) 地元の各地方団体におかれましていろいろ努力をされておりますことば大変ありがたいことと思っております。西ドイツの例もございますので、本件につきましてはなお一層努力いたしたいと、こう思います。
#140
○目黒今朝次郎君 これは五十一年十二月十六日の全国福祉協会の書面ですが、ここで金をカンパして、これは一人当たり一万五千円をお年得りの方に見舞い金として差し上げますと、民間団体でもそういうことをやっているんですよ。ですから、国自体として、外務大臣がやっぱり戦前の国策の一つの落とし子だということを確認されれば、もう一歩民間団体に先んじたような政策を国として打ち出すのはあたりまえじゃないか、こう思うのですが、なぜ出せないのでしょうか。民間はきちんとやっているんですよ。な.ぜ国でやれないのですか、思い切って。
#141
○国務大臣(鳩山威一郎君) 援護の問題につきましては、厚生省ともよく連絡をとって検討いたしたいと思います。
#142
○目黒今朝次郎君 だから、これも、三木総理が、老齢年金にまるまるいくか、あるいは見舞い程度になるか、激励金になるか、つかみ金になるか、それはわからぬけれども、絶えず政府としてもその趣旨に沿うように努力すると、こう言っているんですから、再度厚生大臣と外務大臣に決意のほどを、前の三木総理の発言を再確認した上で、どうするかという決意を両大臣からブラジルの皆さんに届くように述べてもらいたいと、こう思うのですが。
#143
○国務大臣(渡辺美智雄君) 外務大臣とよく相談をしてみます。
#144
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今後、現地の生活困窮者の状況の把握に努めまして、鋭意努力をいたしたいと思います。
#145
○目黒今朝次郎君 ここに現地の文書があるんですが、老人たちの三大希望は、自由になる小遣いがほしい、健康で長生きしているうちに日本に一回行ってみたい、それから健康の保障、これがいまブラジル語もしゃべれないお年寄りの方々の三つの願いなんですよ。いっかはブラジルの骨になってしまうと、こういう方々ですから、やっぱり生きている間にこの三つの希望をかなえるような方向へぜひ努力してもらいたいと、こう最後に要請をしておきます。
 同時に、大蔵大臣も、金に関することですから、こういう国策についてはぜひ金の方でも十分めんどうを見てもらいたいと、こう思うのですが、最後の締めくくりで、大蔵大臣、いかがですか。
#146
○国務大臣(坊秀男君) 実態を把握いたしまして、できるだけのことをいたしたいと思います。
#147
○目黒今朝次郎君 では、そのことについてひとつ要請をしておきます。
 それから労働大臣、雇用関係について、五十二年度の経済見通しの中で雇用の安定という点が最大課題だと、こういうことになっているんですが、このごろ雇用の安定と完全雇用というこの二つの使い分けの言葉がちょいちょい出てくるのですけれども、国自体としては、労働省自体としては、どういうところに焦点を置いた雇用対策をやっているか、このことについて聞かせてもらいたいと、こう思うのです。
#148
○国務大臣(石田博英君) 完全雇用という状態のつかみ方には、数字的にいろいろなつかみ方があると思うんです。それから完全失業の状態と、それからいわゆる完全失業者には入らないけれども不安定雇用の状態にある人たち。したがって、完全雇用というものも、数字的にこれは完全雇用だというものを出せませんが、それの前提となる雇用の安定ということは、結局雇用状態というものが、雇用されている人が数的にもそれから質的にも不安感を抱かない、そして失業率の低い状態と、こういうことを含んで雇用の安定と考えております。
#149
○目黒今朝次郎君 現在、統計を見ると、百二十五万程度の失業者がおる、こういう段階ですね。雇用対策についてどういう方向でこれらの問題に対する解消と確保という点を考えておられるか、所信のほどを聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
#150
○国務大臣(石田博英君) 三月という月は例年とも失業者の多い月であります。したがって、百二十五万という数がこれ以上続いていくとは考えておりませんし、昨年と比べましても四万人程度は減っておるわけであります。徐々ではありますが、雇用の回復が見られていっていると考えてはおりますが、労働政策としては、まず失業の予防、それからやむを得ない場合は休業の状態ででも雇用が続けられるように雇用安定給付金等を支給する、こういう状態、それからこれから産業構造の変化が見られるわけでありますから、その変化に対応せられるように雇用安定基金制度を設定する、そういう方向で、労働省としては要するに失業の発生を防止する、それから同時に、やむを得ない場合でも休業の状態に置いて離職しない状態に置いてもらう。それからさらに、産業構造の変化に応じては、離職しない状態の中で転換のための職業の訓練をするというようなことによって、極力離職を防ぐと同時に、一面におきましては経済の回復を待って雇用率の増進に努めていくと、そういう方法を考えているわけであります。
#151
○目黒今朝次郎君 雇用調整給付金が出てから三年目になるんですか、給付の状態と、これがどの程度の方々を実際に失業の状態から救うことができたかということについて、具体的に提示願いたいと、こう思うのです。
#152
○国務大臣(石田博英君) 細かい数字は政府委員からお答えを申しますが、大体、昭和五十年度において二十万ないし三十万の失業を防止できたと考えております。それからその五十年度におきましては、鉱工業生産が一一%ぐらい前年比で落ちているわけでありますが、しかし、常用雇用指数は二%程度にとどまったわけです。このことはやはり雇用調整給付金の制度の成果ではなかろうかと思っております。
#153
○政府委員(北川俊夫君) 雇用調整給付金の五十年一月から五十一年十二月までの支給の実績についてお答え申し上げます。
 対象になりました事業所総数が六万九千二百二十一事業所でございます。休業の対象になりました労働者数は、三行四十四万七千八百六十一人でございます。それによります休業延べ日数は二千九荷四十万人目でございます。支払いました雇用調整給付金の総額が六百五十九億八千万円になっております。
#154
○目黒今朝次郎君 五十一年はどうですか、十二月まで。
#155
○政府委員(北川俊夫君) いまのは五十年の一月から五十一年の十二月までの数字でございますが、五十一年だけを申し上げますと、五十一年の支給事業所総数は延べで約四千事業所でございます。休業対象の労働者延べ数が約二十四万人でございます。休業延べ日数が百九十万人目でございます。支給決定金額は約五十二億、こうなっております。
#156
○目黒今朝次郎君 いま局長から報告されたこれを見ますと、五十年と五十一年で大体一割――五十年が六百五十九億、それから五十一年の十二月まででは大体五十二億で、大体前年に比べて一〇%にずっと落ちているわけですね。これは私は雇用調整給付金という性格から言えばうれしい現象だと思うのですが、休業を補償する事由がなくなったこと。しかし、片面で、製造業の常用労働者指数を見ますと、ずっと減っているんですね、完全雇用の労働者指数が。だから、雇用給付金をくれる対象はなくなったけれども、常用の方がどんどん減っている、裏を返せば失業者がふえていると、こういうことになるんで、雇用調整給付金というのはある程度の機能はあるけれども、常用者が減っているというものを抑える機能を発揮していなかったと、こう思うのですが、いかがでしょうか。
#157
○国務大臣(石田博英君) 雇用調整給付金制度だけで失業防止ということが完全にできるとは私どもも考えておりません。しかし、先ほども申しましたように、鉱工業生産が二%落ちているのに常用雇用指数というものが二%でとどまっているということは、やはりそれだけの効果があったろうと思うのです。しかし、それだけでやられるというわけではございませんので、今度は雇用安定基金制度を設けたり、またこれからも新しい方法を考えていきたいと思っております。
#158
○目黒今朝次郎君 労働者からもらった資料で、常用雇用数は、五十年を一〇〇にすると、五十一年十一月を見ると九六・六と、三・四%落ちているのですが、これはどうなんでしょう。
#159
○政府委員(北川俊夫君) いま先生御指摘の数字は、五十年を一〇〇にいたしますと、五十一年が九八・三と、こういう減になっておりますが、対前年減少比をいたしますと、大臣が申しましたように、一・七%減、約二%の減にとどまっておる、こういうことでございます。
#160
○目黒今朝次郎君 わかりました。
 労働大臣、別な統計を見てみますと、労働時間を考えてみますと、所定労働時間についても、五十年を百六十七・八にしますと、五十一年の暮れが百八十・四ですか、所定労働時間がふえている。それから時間外労働についても、五十年の平均を見ますと九・一時間が、五十一年の暮れには十三・九時間。ですから、常用雇用は減っているけれども、所定労働時間なり時間外労働という点はずっとふえているのですね。ですから、私は、労働者が減って時間がふえているということは、そこに行政なり企業の政策がありまして、人を雇わない、そういう政策が別な面で動いておって、常用指数が減ってくる、こういうことになってくるのではなかろうか。したがって、産業の発展にも関係しますけれども、やはり時間外を規制する、そして労働者を雇用する、そういう行政指導がどうしても必要ではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
#161
○国務大臣(石田博英君) 労働時間の短縮ということは、まず第一には労働者の福祉の増進のために望ましいことでありますが、第二にはやはり最近諸外国との間に日本の輸出についていろいろ問題がございます。その場合には、賃金についてはもう以前のように問題はなくなってきました。特にフランスやイタリアやイギリスよりは上位にある。しかしながら、これはボーナスとか、あるいは退職金とか、諸外国にない制度がありますものですから、もっと実質的には上になっていると思います。しかし、問題にされるのは労働時間の問題であります。それからもう一つは、有給休暇を十分にとらない、そういう点が問題になっております。そういう意味におきまして、外国とのいわゆる公正な競争というものを確保するためにも、労働時間の長時間の労働というものは望ましくない。したがって、そういうことについては行政指導を強化するつもりでありますし、特に長時間労働の多い業種につきましては重点的に監督署を通じまして基準法との関連において監督行政を進めているところであります。
 それからいまの鉱工業生産の伸びとそれから有効求人倍率の伸びが最近ちょっと並行していないのですね。前は大体こう並行しておった。それは、一つには、やはり終身雇用制によってかなり過剰な人員を抱えておった、そういう過剰な人員を働かせる。それからもう一つには、労働者側の所得意欲といいましょうか、そういうようなものとの関連がありまして、使用者の雇用マインドというものがどうもわれわれの期待どおりにいっておりません。これも使用者の社会的責任をも考えてもらうようにいたしまして所要の効果を上げるように努力をいたしたいと思っております。
#162
○委員長(小川半次君) もう一問だけですよ。
#163
○目黒今朝次郎君 はい。
 私は、雇用問題の抜本対策ですね、労働基準法の労働時間を週休二日、四十時間制と、こういうふうに法律できちっとするということが最も法制面で抜本的な対策ではなかろうかと、行政指導を越えてそういう時期にもう来ていると、こう思うのですが、週休二日、四十時間制を法体系の面で直す意思があるかどうか、考え方を聞きたいと、こう思うのです。
#164
○国務大臣(石田博英君) 週休二日、四十時間制というものがだんだんと普及してきていることは事実であります。これはまあ四十八時間を法定するまでの間の経過と似ておりまして、急速にそういう要件が整わないうちにやりますといろんな混乱が生じます。それからもう一つは、公衆の利便との関係に影響がある部門もあります。そういう点の調整もありますので、いまにわかに四十時間を法定するということは困難だと思いますけれども、これは四十八時間を法定したときと同じような状態で、そういう条件整備を先行さしたい、現に先行しつつあります。
#165
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして目黒今朝次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
  〔委員長退席、理事園田清充君着席〕
#166
○理事(園田清充君) 玉置和郎君。
#167
○玉置和郎君 いま園田官房長官が総理の親書を持ってお出かけになっておりますが、親書の内容について……。
#168
○国務大臣(鳩山威一郎君) 園田官房長官が福田総理の親書を持たれてソ連の首脳にきょうお会いする予定でございます。総理の親書でございますので、これを私から申し上げるのは適当でないと思いますが、その内容というものは、総理がここでも答弁されたことでございますけれども、今回の日ソ漁業交渉が大変厳しい環境のもとで行われておりますので、この解決はなかなかむずかしい、そのために日ソの友好関係が損なわれるおそれがあるということでありまして、そのようなことのないように、日ソの友好関係を増進するという見地から、どうかこの漁業問題を円満に解決したいという希望を主として述べられたものというふうに伺っておるところでございます。
#169
○玉置和郎君 いま農林大臣がお出かけになるようでありますが、農林大臣が行かれるということは、園田特使とソ連首脳との間である程度の合意に達して、あと魚の問題で専門的な話し合いをいたしたいという前提があると思いますが、その点はどうなんですか。
#170
○国務大臣(鳩山威一郎君) 園田特使が行かれましたのは、ただいま申し上げましたように、円満に話し合いをつけたいということを申されるのが主たる目的と伺っておりますので、具体的な折衝は、鈴木農林大臣がイシコフ漁業相との間で最終的な詰めを行われるというふうに伺っておるところでございます。
#171
○玉置和郎君 外務大臣、いま農林大臣が行かれるということは、そういう専門の話し合いに入るということですから、その前にいろいろな背景になる問題が解決をされるという前提がなければ農林大臣が行っても意味がないと思うのです。だから、私の聞きたいのは、そういう前提になる大きな日ソ間の問題、そういう問題については解決が一できるのかできないのか、それが農林大臣が行くということはできるんだというふうに受け取っていいのかどうか、その点どうですか。
#172
○国務大臣(鳩山威一郎君) 会談の見通しにつきましては、いまここで悲観をしたり楽観をしたりということは慎むべきことであろうと思います。園田特使も最善の努力をされるであろうと思われますし、その努力の結果といたしまして最終的な詰めが行われることを政府としては期待をいたしておるというところでございます。
 それから鈴木農林大臣が本日行かれるということは、先方のイシコフ漁業相の日程が大変詰まっておる、先々またほかの国との漁業交渉が詰まっておるというような事情がございますので、急遽本日出発されるというふうに解釈をいたしておるところでございます。
#173
○玉置和郎君 そうすると、鈴木農林大臣がイシコフさんと話し合いをするということについては、これはソ連の方も合意をした上で行かれるわけですね。そういうことを考えますと、いろいろ取りざたされております領土の問題、あるいは中国を斜めに見ていろいろ考えているということも私たちは聞きますが、そういう問題、あるいはシベリア開発に日本が協力をしていくという問題、こういつた問題については、外務大臣としてはある程度の合意に達し得るという、そのことから農林大臣が行かれると、こういうふうに私は解釈いたしますが、いまのお話では期待をすると、いわゆる願望であるということで農林大臣が行かれるということになりますと、これは非常に国民的に心配の種は消えないということでありますので、その辺をもう一回お聞きします。どうですか。
#174
○国務大臣(鳩山威一郎君) 情報によりますと、イシコフ漁業相も鈴木農林大臣の訪ソを期待しておられます。そういう意味から、私は、漁業問題は漁業問題といたしまして解決できるはずであるというふうに、いまここで楽観をしてはいけないと思いますけれども、そのように私どもとしては希望的な考え方を持っておるということでございます。
#175
○玉置和郎君 これは非常にうれしいことでありまして、いままで漁業交渉の背景にあった、いろいろ取りざたされた問題が大体話がっくのじゃないかという見通し、外務省のことですから、慎重な外務省のことです、特に日本の外務省は慎重居士だと私はいつも言うのですが、やりたいこともやれないような外務省ですから、そこまで害われるということは、国民は非常に期待を持っておる。それだけにもう一つ聞きますが、この後あなたが訪ソするのかどうか、この辺はどうですか。
#176
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私自身の訪ソの問題のお尋ねでございますが、日ソ間には、御承知のように、定期的な閣僚会議を設けておるのでありまして、そして昨年行われるべきはずのものが、福田政権発足間もないということで昨年中には行われなかったわけでございまして、私自身といたしましては、この国会が終了して適当なしかるべき時期におきまして訪ソをいたしまして定期的な協議並びに未解決の問題を解決をいたして平和条約の締結問題につきまして最大限の努力をいたしたいと、こう考えておるところでございます。
#177
○玉置和郎君 北方領土と魚の問題を人質にして、経済協力を迫ったり、中国問題にひっかけてきておるという憶測がありましたが、そういうことはそうすると心配はない、こういうように見ていいんですか、どうですか。
#178
○国務大臣(鳩山威一郎君) 漁業の問題につきましては、ソビエト側もECの二百海里の実施という問題を控えて大変苦しい立場にあるというふうに私どもは判断いしておりまして、ソビエト政府といたしまして日本との間に漁業問題ば円満に解決をしたいという、そういう立場にあるであろうというふうに私どもは考えておりまして、両者の満足のいく解決を漁業問題として決着をつけていただきたい、このように考えておるところでございます。
#179
○玉置和郎君 考えてもらいたいということでは、私のいま聞いた答弁にはならぬと思うのです。そういうことにひっかけてくることの懸念は、園田特使が行かれたことで解決をしたのかするのか、その辺のことを聞きたいわけですよ。
#180
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私どもの得ておる情報から判断いたしまして、漁業問題は漁業問題として解決し得るという観測を持っておるわけでございまして、他の問題と切り離して漁業問題は解決をいたしたい、またすることができるはずであるというふうに考えておるところなのでございます。
#181
○玉置和郎君 そこで、外務大臣、この前も総括質疑の中で私が申し上げましたが、ソ連の方は以前もそういう意思の表明がありましたが、中国と日本の間の領土問題の中で尖閣列島の帰属、これがやっぱり明確化していない。日本はそれは固有の領土だ、わが領土だと言っておりますが、中国の方では、あれは私のものだ、自分のものだ、こう言っていますが、その辺の認識はどうですか。
#182
○国務大臣(鳩山威一郎君) 中国側がそのような主張をしておるということは承知をいたしておりますけれども、日本といたしましては、尖閣列島ば従来から日本が有効的に支配しておる地域である、わが領土であるという考え方を貫いておるところでございます。
#183
○玉置和郎君 尖閣列島にいま日本の国旗なんか立っておるんですか。
#184
○政府委員(中江要介君) 国旗は立ってはおりませんけれども、わが国の海上保安庁の巡視船が定期的にこれを巡視しておりまして、これに対する不法な入国その他不法な接近がないかどうかということについては実効的に支配している、こういうことでございます。
#185
○玉置和郎君 それだけのことをやっておったら、中国に、あなたは、そういうことを言うのは間違っておると抗議をしたことがあるんですか。
#186
○政府委員(中江要介君) 中国側が、尖閣諸島は自分の領土であるということを言いますたびに、わが方としては、それは間違っている、日本はこれが固有の領土であるということで何らの疑念がないということを中国側に申しております。
#187
○玉置和郎君 中江君ね、日本がそう言ったって中国はおれのものだと言っているんですよ。また、中華民国もおれのものだと言っているんですよ。それなのに、どうなるの、これはそのままほうっておいていいの。
#188
○政府委員(中江要介君) 先ほど申し上げましたように、いまのところは実効的に支配しておるわけでございますので、これに対する具体的な挑戦といいますか、障害が出てきますれば、これをどう解決するかということが具体的な措置として出てくるかと思いますけれども、いまのところは、日本は固有の領土であると主張し、かつ実効的に支配しているという現状でございますので、相手がそういう、日本から見まして間違った主張をいたしましたときには、その相手がどこであれ、日本としてはそれは間違っているということを言うということでとどめているわけでございます。
#189
○玉置和郎君 中江君ね、あなたに前に話したかどうか知らぬが、日華間で国交が切れたその後で、漁船に乗って尖閣列島に近づこうとしたときに、中華民国の警備艇によって近づくことができなかったという事実があります、それはどうなるの。
#190
○政府委員(中江要介君) いま御指摘のケースは、ちょっと私明確に記憶しておりませんけれども、その後の状況は、むしろ逆でございまして、外国の特に漁船などが台風を避けるために入ったり、あるいは間違って漁労をしながらあの尖閣諸島の三海里以内に入ったり、そういうことがありますときには、日本側が警告いたしまして立ち退いてもらっている。この立ち退いてもらっているそういう事柄の推移の中で、いざこざがあったり、あるいは紛争らしきものがあったりということはいままでなくて、わが方が警告いたしますと立ち退いているというのが、いままで私どもが受けている報告でございます。
#191
○玉置和郎君 海上保安庁、そういう事実関係について、いついつあったということをはっきりしてください。
#192
○政府委員(薗村泰彦君) 尖閣の警備につきましては、いまお話しのように、大体四ないし五日に一回ということで私どもの巡視船が巡回をしているという現状でございます。いまお話しのように、外国の漁船が尖閣の付近で漁をしているというのを視認する場合が年間を通じてかなりの件数でございますけれども、われわれは、いきなり違反として取り上げるということよりも、現状では退去を求めるということで、荒天避泊であるとかそういう事情を聞いて退去を求めているという現状でございます。
#193
○玉置和郎君 外務大臣、これだけ聞いたら、あなたは、中国に対して、今後尖閣列島は日本のものであるから、おまえさんのところはおれの領土であるなんということを言うなということのちゃんとしたけじめをつけてもらいたい。どうですか。
#194
○国務大臣(鳩山威一郎君) 玉置委員のただいまの御趣旨はよく胸にとめまして対処いたしたいと思います。
#195
○玉置和郎君 それは、大臣、こういうことなんだよ。これがはっきりしないと北方領土の問題には入れませんよ。これをはっきりしないと北方領土に入れないというのは、私はこれば五十年三月三十一日の予算委員会の分科会で宮澤さんとそのときやり合いした。その後外務省の措置を見ておったら、ちっとも中国に言わない。これがソ連をしてつけ上がらした一つの原因です。それだけに、もう一回確認しておきます。やってくれますか。
#196
○国務大臣(鳩山威一郎君) 領土につきまして、国際紛争と申しますか、わが国の領土を外国が認めないと申しますか、それが、尖閣列島の問題と、竹島の問題と、北方四島の問題と、この三カ所あるわけでございます。この三カ所の問題につきましては、同じ立場におきましてわが国の立場を貫きたいと、このように考えているところでございます。
#197
○玉置和郎君 外務大臣、この写真をちょっと見てください。それからここで一つの事実を申し上げますが、沿海州の方、いわゆるラザレフの方と樺太の方のポギビ岬の間にこういうふうにソ連が突堤を築いておる、突堤をね。そして、いま一番狭いところは、七・五キロしかないところにこうして両方から突堤を築いたり人工島を築いたりして、いま幅は二キロしかない。二キロのために、アムール川から流れてきた淡水がずうっとこの辺でたまっておって、ニシンが一番きらうのは淡水なんです。それだけに北海道の西岸の方にニシンが回遊しなくなったという事実、これを認めますか。水産庁でもいいですよ。
#198
○政府委員(佐々木輝夫君) 北海道の沿岸のニシンにつきましては、昭和の初期には大体六十万トン以上の漁獲がございましたが、戦後海況の変化等もあってかなり減少いたしております。その原因につきましては、いろいろ長年資源研究をやっておりますけれども、一つはやはり産卵のために沿岸に寄ってまいります親魚を相当量漁獲したということの影響と、それから一番基本的な要因としては、いまの科学者の理解では、海況の長期的な変動、特に水温が平均的に徐々に上がってきたということが、ニシンの産卵後の稚魚の生き残りに相当悪い影響を与えた、そういったことが相まって資源が減少したというふうに私どもとしてば理解しておりまして、ただいま玉置委員の方から御指摘の具体的なその施設の影響ということについては、私どもとしてはそれが直接的な影響とはちょっと考えにくいのじゃないかというふうに思っております。
#199
○玉置和郎君 あんた、この事実を知っているの。
#200
○政府委員(佐々木輝夫君) ただいま伺いました段階で、私どもとしてはいまの施設の影響その他について十分科学者の中でまだ議論をしたわけではございません。
#201
○玉置和郎君 これを見てみなさい、写真を。これは外務大臣も各閣僚もおりますけれども、ニシンは淡水を一番きらうんだそうです。サハリンと沿海州のこの間を通って北海道に近づかぬようになったというのは、ここに淡水がたまっておるということです。それで、船員の話によりますと、そこではいまニシンが一匹も見えないで、キュウリという魚が釣れるんだそうです。日本のキュウリに似た魚だそうですが、キュウリという。これがやっぱり原因だというふうに私たちは見ておりますが、薗村長官、この施設がこういうふうにしてできておることを認めますか。認めるか認めないか。
#202
○政府委員(薗村泰彦君) 私は存じておりません。
#203
○玉置和郎君 これは大変なことです。ソ連はスターリン時代にこれをやった。日本がこういうことについてちっとも知らないということは、これは大変なことですよ。両方からずっと出てきておりまして、この写真のとおりです。これはどこから入手したか私は言いませんが、写真のとおりだ。それで、いまや七・五キロのところが幅二キロに迫っている。そして、アムール川から出てくる大量の土砂、淡水、それによってこうした浅瀬がずっとできておる。そして、いま北海道の西岸の方にはニシンが来ないんですよ。ところが、このニシンはオホーツク海でぐるぐるぐるぐる回っておって、そのあふれたのが、いままで来なかった根室沖だとかこういうところへ来ておるということですよ。釧路の沖まで流れてきておる。ニシンがないことはないですよ、これを見たら。現実にあの穀物不作のときにソ連ば相当量の牛豚を外国から輸入した。平時よりも五倍も輸入した。それでも足らなかった。そのときにたん白資源をどこで補ったかと言うと、オホーツク海のニシンです。そういう事実はいままで知らなかったということは、政府の怠慢だ、関係者の怠慢である。この事実はどう認めますか。――水産庁、おまえさんみたいな者が答える問題じゃない。おまえさん、事務屋じゃないか。国務大臣が答えるんだ、そういうものは。
#204
○政府委員(佐々木輝夫君) ニシンの関係だけについてちょっと補足をさしていただきたいと思いますが、現在も樺太の西の方のいわゆる樺太ニシンというのは年間で約二万トンないし三万トンぐらいの漁獲を毎年上げております。この資源は比較的私どもとしては安定していると考えておりますが、一番主力は、オホーツクの北の方のニシンの資源が数十万トンの資源がございましたのが減少しているのが一番大きな問題になっているということをお答えしておきます。
#205
○玉置和郎君 それはこういうことなんです。これははっきり言いますと、二十八年に工事ができて、二十九年から西津のニシンが激減していくんです。六万四千トンとれておったのが、十万トンになり、九万トンになり、四万トンになった。それからこの東岸の方、あふれてきた方は、三十年に五万トン、それから三十一年に五万トン、三十二年に十万トンとふえてきた。この事実はどう認めるのだ。これはやっぱり大臣の判断ですよ、国務大臣としての判断。おまえさんたちの技術屋が言うことじゃないんだ。
#206
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまの点、私も初めて伺うお話だものでございますので、今後農林省と鋭意検討さしていただきたいと思います。
#207
○玉置和郎君 水産庁次長ね、おまえさん技術屋さんだから言っておくけれども、おまえさんたちだれかソ連の沿海州に行く船に乗って行ってこの事実を見て来いよ。見て来ないでつべこべ言ったってだめじゃないか。これはぼくらが撮りにくい写真を撮ってきたんだよ。事実が数字にはっきり出てくるじゃないか。どういうことなんだね。
#208
○政府委員(佐々木輝夫君) 北洋でのニシンの関係につきましては、水産庁でも従来から調査船を出しましてニシンの資源状態についての調査はずっとやっておったわけでございますけれども、ただいま玉置委員の方から御指摘の施設の問題につきましては、私どもも詳細を初めて伺いましたので、今後の調査の中で、また、日ソ間でそういった問題を論議する際にもその点についての意見交換等もしてまいりたい。調査そのものについては、できるかどうかちょっとまだいまのところは検討を要しますが、可能な範囲で今後情報の収集に努めたいというふうに考えております。
#209
○玉置和郎君 民間の日本人が撮れた写真が、なぜおまえのところで撮れないんだ。どうなんだ。
#210
○政府委員(佐々木輝夫君) 従来、資源調査をやりますときには、やはり沖合いの方でニシンの一漁獲努力当たりの漁獲最のデータを中心にして集めておりまして、それに基づいて資源解析をやっておりましたので、ただいまのような特定の施設との関係というような点について科学者の中でも問題意識がなかったわけでございます。そういった点について、今後もさらにいろんな情報を集めて検討してみたいというふうに思っております。
#211
○玉置和郎君 大臣ね、超党派の議員が、いま、ソ連の私は理不尽なやり方だと思いますが、阻止されたような形になっている、これについてどう考えるかということと、国会の決議――国会の決議というのは、議員外交がこうして正式に決めてやったのにかかわらず、阻止されておるということについて、国会の権威との間でこれをどういうふうに考えていくかということ、それから私の意見を言っておきますが、あなたはもう帰らにゃいかぬから言っておきますが、ソ連のやり方を見ておりますと、私は非常に遺憾だと思うのは、魚なんというもの、海底資源なんというものは、これは人類共通の資源ですよ。それを自分のところだけよかったらいいということでいまのようなこういう堤防をこしらえたり、そうしてよそへ逃げさせないようにするというような、こういうばかげたことをやって、それと交渉していくときには相当腹を据えてやるべきだ。しかし、一番大事なことは、国益とは一体何かということだ。国益とは何か。当面のお困りになっておる漁師の方々、この方々に対してのいろんな措置、これは当然考えていかなきゃなりませんが、そのことに目がくらんでしまって、そして一番大事な固有の北方領土の問題、そういう問題を忘れたり、あるいはソ連に迎合するために中国問題、それに乗っていったり、とにかくいま大事なことは、日本が自主性を失わないということ、それで、ここ一年、二年のことでなしに、長い日本民族の立場、これをどうしていくかということを考えないとだめなんだ。その点どうですか。
#212
○国務大臣(鳩山威一郎君) 一番最初におっしゃいました、超党派議員団の訪ソがまだ実現いたしておらないという点につきましては、東京並びにモスコーにおきましてただいまの国会の御決議、これをこの超党派議員団が訪ソされて日ソの友好のために大変大事なことであるということを先方によく伝えてあるところでございます。これが実現できないことにつきまして先方の申しておりますことは、これはただ本当に物理的な事情によりましてこの四月中はいっぱいなんだということを先方は申しておるところでございます。先方が申しておりますことは、立法機関の方々がお見えになるということは、これは先方としてもこの接遇につきましては大変心を配らなければならないことであるということで、ただいま、各国の交渉団と申しますか使節団が大変たくさんモスコーに見えておるということを申しておるわけでありまして、そのような理由から、もう少し前もってお知らせ願いたいのであるということを申しておるわけであります。
 それから引き続いて申されました国益、何が国益かということにつきまして、これは本当にこの短期的、目先の利益ということでなしに、日本として長期的観点から真の意味の国益ということを何より大事に考えなければならないことは、これは玉置委員のおっしゃるとおりだと思います。
#213
○理事(園田清充君) 午後三時まで休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時六分開会
#214
○委員長(小川半次君) 午前に引き続き、昭和五十二年度総予算三案を一括して議題といたします。
 質疑に入るに先立ち、委員長から、この際、各省庁官房長に申し上げます。
 閣僚が他の委員会出席等のため本委員会に出席不能の場合は、必ず理事の承認を得なければなりません。質疑者との個人的了解を取りつけても理事会は認めませんから、ここに御注意申し上げておきます。
 それでは、質疑を続けます。玉置和郎君。
#215
○玉置和郎君 外務省にお伺いしますが、昨年、デンマーク、スウェーデンなど北欧諸国政府では、北朝鮮在外公館員が外交特権を利用して、酒、たばこ、果ては麻薬まで売って国外追放処分になりました。外国のことかと思ったら、今度日本でその事実が出てきた。それは、中華人民共和国の外交資産である横浜の総領事館の、前の中華比国が持っていた総領事館のところ、そこで駐車場を経営しておる。こういうことが許されていいのかどうか、どうですか。――外務省が来ていないとはどういうことだ。きょうは、外務大臣が来れぬというから、アジア局長が来れぬというから、その下のだれか来ておけと言っておいたんですよ。どうするか。これは外務省を呼んでもらって、その答弁を後でしてもらいましょう。けしからぬ、実際。これば後で時間をいただきます。
#216
○委員長(小川半次君) 玉置委員、外務省の官応長もアジア局長も出席しておりませんので、早速呼び寄せますから、別の問題でひとつ続行してください。
#217
○玉置和郎君 ソ連の漁業省の機関紙「漁業」という機関紙がありますが、昭和三十年六月に、サケ・マスの不漁の原因についてソ連自身が報道しておりますが、それについて水産庁答えてください。
#218
○政府委員(佐々木輝夫君) いまお話のございましたソ連漁業省の「漁業」という報道紙につきまして、実は私ども手元に現在持っておりませんので、先ほど先生からその要旨をお示しいただきました。それによりますと、サケ・マスの資源が減少した原因について、ソ連の国内の河川の流域開発による河床の荒廃、それから川岸の森林を伐採したことによる水路の減少、それから伐採した流木によるサケ・マス等の遡河の阻害、こういったことが資源の減少に大きな原因になっているというような要旨でございまして、私どもとしても、当然この環境の悪化ということがこういう資源の方に影響していることは事実だと思いますので、早速原文を入手いたしまして十分検討したいと、かように考えております。
#219
○玉置和郎君 次長ね、一番大事なのは、その当時、日本の乱獲に触れていないんです。それで、自国の責任でこういうことになったんだと公表しておるんですね。それについてどうですか。
#220
○政府委員(佐々木輝夫君) 漁獲の影響が、その後三十二年以降ぐらいにかなり強くなりましたので、その時点での判断として、環境の悪化ということが相当大きな問題であったということは間違いないと思います。漁獲の影響も当然検討はしなければいけませんけれども、環境問題というのは非常に重要だというふうに考えております。
#221
○玉置和郎君 海上保安庁長官、この二丈岩の問、題について、知っておる範囲で答えてください。
#222
○政府委員(薗村泰彦君) いま先生お話しの二丈岩は、恐らく樺太の南の方の約十海里ぐらいの無人島のことだと思います。わが方の宗谷岬からだったら三十海里ぐらいのところでございますが、私どもの海上保安庁に関します業務といたしましては、関係のあるのは灯台の業務かと思いますが、戦前は、海上保安庁といたしましては、昭和三年にその岩に灯台を建設しまして、終戦までずっと点灯を続けてまいりました。終戦によってやむなく撤去をした次第でございます。その後、恐らく、いつごろか知りませんが、ソ連の方で灯台を建設して点灯をしておるということで、現状は、冬季とか事故のときに一時消灯することはございましても、原則的にはソ連側が点灯しているものと現状を把握しております。
#223
○玉置和郎君 水産庁の次長、これは三十一年に、宗谷の漁民から、これに点灯してほしいという要請が来た。その時分はその二丈岩の岩礁でケガニをうんととっておった。この事、実はどうですか。
#224
○政府委員(佐々木輝夫君) 二丈岩の周辺がケガニの大変いい漁場になっているというのは事実でございまして、大体漁期としては四月から十月ごろまで、漁狭量で年間大体百六十万尾から七十万尾ぐらいを採捕いたしております。ただ、昭和三十一年ごろの当時に、ただいま御指摘のような、漁民から水産庁の方へ連絡なり要請があったということについては、実はちょっとかなり古いことでございますので、私どもとしても確たる記録その他はございませんけれども、そういった漁場の重要性から見て、そういうこともあり得たのではないかというふうに思っております。
#225
○玉置和郎君 海上保安庁の、長官、ソ連では、昭和三十二年にある日突然補消して点灯したと。その日からその付近で日本漁船が漁労したら拿捕し出したんですが、その事実ば認めますか。
#226
○政府委員(薗村泰彦君) いつからソ連側が点灯したというのがちょっと私どもの方にはっきりしておりません。
 それから拿捕は、三十一、二年ごろの実績をちょっとっかんでは来なかった次第でございます。
#227
○玉置和郎君 ぼくなんかは、私たちの方の友人を使ってその当時の詳しい状況を調べた。だから、昭和三十一年のあのあたりは、一生懸命にたってあの魚礁でケガニをとっておった。昭和三十二年のある日突然、ソ連が補油して灯台にランプをつけた。そのときから、ソ連は、その周辺十二海里をわがものだとして、入ってきた日本の漁船を全部拿捕してしまった。この事実をもっとはっきり調べてこの国会に報告してもらいたい。報告しますかどうか。聞きますよ。
#228
○政府委員(薗村泰彦君) 当時の拿捕の実績をよく調べてみます。
#229
○玉置和郎君 次に、この前ここで上田耕一郎君が自衛隊スパイ問題をやりましたが、これについて私の見解を申し上げます。
 まず、そこで先に見解を申し上げます前に聞きますが、防衛庁長官、国際的に見ていわゆるスパイとは何か、何を指すのか。
#230
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、スパイという言葉について明確な定義もないようでございまするけれども、ハーグの陸戦隊条規がございます。
 参考までに申し上げますけれども、一方の交戦者に通報する意思をもって他の一方の交戦者の作戦地帯において隠密に行動し、または虚偽の口実のもとに行動して情報を収集し、または収集せんとする者をスパイと言っておるようでございます。
#231
○玉置和郎君 そうしたら、この前の上田議員のスパイというのは何を指しておるのか、ここで確認をしたいと思います。
#232
○国務大臣(三原朝雄君) いろいろな例を次々に挙げられてスパイと称ぜられましたが、実態は、いま申し上げましたように、実際に情報を収集するとともに、他をだまして行動するというような行為は、自衛隊に関する限りはっきり申し上げてございませんでしたが、いま一々を申し上げることにいたしましようか、どうしましょうか。
#233
○玉置和郎君 一々言うてください。
#234
○国務大臣(三原朝雄君) まず第一に申し上げたいのは、自衛隊並びに元自衛官等において、金大中事件と関連を持ってやっておるのではないかというような指摘がございました。この点につきましては、ちょうどそれの事件が起こりました四十八年のことでございまするが、当時、四十八年の九月の参議院本会議において、時の公安委員長でございまする江崎公安委員長は、明確にこれを否定しておられます。なおまた、警察当局におきましても、国会の場において、何回も、そうした自衛隊のスパイ行為はないということを明確に言っておられるわけでございます。
 なおまた、二名の元自衛官の興信所を開設しての行動等が、これまたスパイ活動として言っておられまするけれども、こういう点につきましても、全く言われることと、実際とは一致いたしておりません。事実無根のものでございます。なおまた、自衛隊の情報活動におきまする、国民大衆あるいは政党に対してスパイ活動をいたしておるというようなことも指摘がございましたが、これ自身もございません。
 次には、塚本陸将のことで、在韓国時代、駐在在韓武官をいたしておったときがございまするが、このときに、朴大統領、あるいは金鍾泌、KCIAの部長でございまする李厚洛、金炯旭あたりと連絡をして云々というようなことがございまするけれども、この点につきましても、本人を呼んで私がただしたわけでございまするが、全くそうした事実はございません。朴大統領とは、公式のパーティーにおいて、そのパーティーの席で朴大統領と面識をしたことである。したがって、金鍾泌あるいは李厚洛、金炯旭等とは全く関係はございませんということでございます。
 また、これらの問題と関連しまして、この塚本陸将の人事の異動を行いましたのでございまするが、その人事の異動において通信学校長になるのをそうしたアリバイをつくるためにそうした人事がなされたのだというようなことでございましたが、全くそうではございません。その当時の七月一日は防衛庁全体の人事の異動でございます。そういう点において、適材を適所に配置する人事異動を行ったわけでございます。
 また、次には、防衛庁陸幕の第二部別班ということを言っておられるのでございまするが、防衛庁の陸上幕僚部第二部に別班というのはございません。そういうような、事実と全く反するものでございます。そしてしかも、それ自身がスパイ組織であるというようなことも言っておられまするが、そういうようなものではございません。あくまでも陸上自衛隊といたしましては専守防衛の立場で国内外の情報を収集し、それを分析し、そして国の上安全と独立に寄与するという任務を堂々と遂行いたしておるわけでございます。そういう問題でございます。
 あるいは、自衛隊のヘリコプターが金大中事件に関係をしたというようなことを挙げられたのでございます。これ自体も全くそういうことはございません。自衛隊のヘリコプターを一機動かすにつきましては、計画を立て、相当な順序を要する、事前の準備をしてそういうことをやるわけでございまして、絶対にそういうことはいたすわけでございません。
 まあ以上のような問題でございまして、私どもといたしましては、いわゆるスパイ的な行為をやったことはございませんし、あくまでも自衛隊といたしましては国家国民の上安全、国家の独立を守るために、また専守防衛という立場をとっておりまするから、あくまでもそうした内外の情報を収集し、そして任務遂行に備えてまいるという立場で堂々と業務を遂行いたしておるわけでございます。
#235
○玉置和郎君 長官ね、陸上自衛隊の調査学校の学生が山谷地区ドヤ街に潜入し、ビラ配り、暴動の扇動をしたとか、過激派集団と接触して行動をともにしたとかという不穏当な話がありましたが、これは事実はどうですか。
#236
○国務大臣(三原朝雄君) 少し細かいあれでございますから、政府委員をして……。
#237
○政府委員(水間明君) お答えいたします。
 先般問題になりましたのは、陸上自衛隊調在学校の課程のうちの心理戦防護課程で実習をやらせておりますが、その実習の中で大変問題になることをやっているのではないかという御指摘があったわけでございます。心理戦防護課程と申しますのは、自衛隊が有事におきまして戦場で敵の心理戦攻撃をしかけられる、その際に有効な防御を行い得るようにその基礎知識を与える課程でございますが、内容といたしまして、どういう攻撃が行われるか、その効果、それからそれを防護するための方法、戦場心理等の教育を主たる内容としております。実習といたしまして山谷で行いましたのは、これは自衛官という立場を隠して山谷にもぐり込むことができるかというそれだけの実習体験をやらせた教育でございます。これは学校から上野公園へ参りまして、そこから分散しまして各自山谷のいわゆるドヤ街で一泊いたしまして翌朝上野公園に集合すると、その間一回だけ教官に連絡するという内容のものでございます。ごく初歩的なものでございまして、そこで単に一泊したというだけのことでございます。
 なお、ビラを配ったという御指摘が別にございました――というか、一緒に山谷でビラを配ったというふうな御指摘がありましたが、ビラを配りましたのばこれは別の教育でございまして、これは別にやっております。ビラ配りというのは、宣伝というものがどういうふうに行われるかをやはりこれも基礎的な体験をさせるという意味でやらせたわけでございまして、これは場所は違いまして、調査学校の周辺地区で非常に簡単な内容のビラを、これは学生が自分で考えてつくった内容のものでございますが、それを町を通る人に渡して配ったというだけのことでございます。別の教育内容でございます。
#238
○玉置和郎君 その学生がつくって自発的に配ったというビラの内容はどんなものですか。
#239
○政府委員(水間明君) 代表的なものは、環境浄化を訴えるような、たとえば町をきれいにしようといったような内容のものでございます。
#240
○玉置和郎君 私は、自衛隊員であったって、環境を浄化しよう、町をきれいにしようと配るのはこれはあたりまえのことで、りっぱなことです、これは。何を言っておるかという――あっちの方でブーブー言うておるが、あんなことを言うのは間違っておるんであって、これはおかしいですね。共産党というのは、ちょうどギリシャが崩壊したときに扇動政治家が出てきた。デマをまき散らかして、そうして大衆に迎合していく。ちょうどいまその上田君がここで言ったことは、無責任きわまる。こういうことで、光栄ある伝統を持っておる自衛隊を傷つけることおびただしい。だから、国会というところは、そういうデマに似たようなことを平気で言って、そうして責任をとらないばかりか、逆に証人を八人喚問しようという要求をした。大変なことですよ。ぼくをして言わしむるならば、これはむしろその前にそれが真実かどうかということを明らかにすべきである。そのためには、むしろ上田君がこの予算委員会の証人に立ってわれわれの質疑を受けるべきである。私はこのことを要求しますからね。大臣、どう答えますか。
#241
○国務大臣(三原朝雄君) 証人喚問の問題につきましてはこれは国会の問題でございまするので、国会において、委員会において御処理を願うことだと思いまするが、ただ、私といたしましては、前段申されましたように、自衛隊が国の安全と独立に対しましてどうしてもやはり国内外の情報を収集をし、これを分析し、また、こういうことにつきましては教育もいたさねばなりませんので、そうしたことをやっておることを、いろいろと、私から見ると抽象的な言葉であると思うのでございまするが、そういうことを言われたことに対しましては、やはり国会の場で十分私は事実を申し上げる、そして理解を願いますとともに、国民の正しいやはり理解と了承を願い、自衛隊の名誉を傷つけないように努力をしてまいる所存でございます。
#242
○玉置和郎君 長官ね、上田君がここでJCIA、JCIAと何回も言っておるんだ。JCIAというのはあるのかないのか。
#243
○国務大臣(三原朝雄君) 上田先生は何回も使われましたけれども、私どもはJCIAなんというようなものの存在を承知いたしておりません。
#244
○玉置和郎君 JCIAというのは、長官、考えたらどういうものを言うの。ちょっとあなたの個人的発想でいいわ、JCIA。
#245
○国務大臣(三原朝雄君) 私自身承知をしませんし、どう思うかと言われましても申し上げることもできない、そういう事情でございますが。
#246
○玉置和郎君 このJCIAというのは国会の記録に残った。これはやっぱりしっかり解明しないで国会がこのまま見過ごすというわけにいかない。国権の最高機関として、立法を通じて国家の最高意思を創造する国会として、こういう何もありもしない言葉をそのまま議事録に残すというわけにいかない。だから、上田君をここに証人喚問して、私にやらしてください。委員長、どうですか。
#247
○委員長(小川半次君) この問題はきわめて重大でございますので、理事会において相談することにいたしますから、いま委員長としては答えるわけにはいきません。
#248
○玉置和郎君 そこで、さっきアジア局長がおられませんでしたので、私のお聞きをした点、アジア局長、だれかに聞いたと思いますが、この中華人民共和国の外交資産である槌浜のあの土地を、駐車場をつくって有料で貸して、そのお金はどこへ行ったんですか。それはやれるんですか。
#249
○政府委員(中江要介君) 冒頭、遅参いたしましたことをおわび申し上げます。
 御質問になりました問題の土地といいますのは、これは一体中国大使館としてどういう目的で使うつもりでいるのかという点が非常に不審に思われましたので、照会いたしました。それに対しまして、一昨年の十二月十六日付で、在日中華人民共和国大使館発の口上書をもちまして、あの土地は中国総領事館の用地として使うものであると、こういう回答がございましたので、私どもといたしましては、一種の外交領事財産としてその不動産を所有するものと、こう思っておりましたところが、いま御質問のように、これを有料駐車場に使っているという情報が入りましたので、これは少し筋の違う話であるというので、早速中国大使館の責任者を呼びましてその真偽を確かめまして、そして、もしそういうことがあるならば、これは外交領事特権の乱用にもつながる問題であり、事は重大であるということで注意を喚起いたしました。中国大使館では、その事実を調べまして、もしそういうことがあるならば早急に是正措置をとるという回答でありましたので、その後、私どもはその是正措置がとられているかどうかということを監視しておりますけれども、現在までのところ、是正措置がとられた、つまり領事財産として使うということに戻ったという報告がないので、これは二月の末にも厳重に注意を喚起して成り行きを見守っている。それにもかかわらず、有料駐車場というような、およそ外交領事目的と違った目的に使用するということが続けられるならば、これは次の手段をとらなきやならない、あくまでも黒白ははっきりしていきたい、こういうふうに考えております。
#250
○玉置和郎君 アジア局長ね、三月一日に既契約者の契約を変えて、従来一万円前後が一挙に一万五千円に三月一日からはね上がっておるんですよ。それで、依然として白ペンキを塗って囲いをして、百台以上収容しておる。こんなことで、ちょうど北朝鮮のスウェーデンでやったのと一緒じゃないか。追放しないのか、どうですか。大体、中国に甘過ぎる、おまえたちは。
#251
○政府委員(中江要介君) 駐車料金が値上げされたという情報も私どもつかんでおりまして、これは許されないことであるということで、早急に是正措置をとるように強く申し入れております。向こうの反応を見きわめた上でしかるべき措置をとらなきやならないこともあろうかと、こういうふうに考えております。
#252
○玉置和郎君 各大臣に。あなた方、所管大臣であるとともに国務大臣です、その前に。国務大臣としてこの話を聞いてください。こういうことを許されていいはずはないじゃないですか。しかも、二月に注意をして言うことを聞かないで、三月一日にまたこの既契約のやつを値上げして、そして有料の行為を続けておって、依然として言うことを聞かぬというものだったら、追放する以外にないじゃないですか。中華人民共和国の大使に責任をとらせなさい。追放しなさい。北欧の国では全部追放したですよ、北朝鮮を。なぜやらぬですか。これは国務大臣としてだれか答えなさいよ。石原さんでも答えなさいよ。
#253
○政府委員(中江要介君) 私どもといたしましても、どういう措置をとるかにつきましては、先生の御意見も大臣にもお伝えいたしまして、間違いのないようにいたしたいと、こう思っております。
#254
○玉置和郎君 これは二月に注意して言うことを聞かないで、三月一日にさらに値上げをして、依然として――私ら写真も持っていますが、ちゃんと車が入っておるんですよ。有料駐車場というあの大きな看板だけは外した。看板だけ外しただけで、依然として経営を続けておるじゃないか。その金はどこへ行ったんですか。年間三千万以上になりますよ。どこに行ったんです。
#255
○政府委員(中江要介君) 収入になりました金がどこに流れているかというところまでは私どもは承知しておりません。
#256
○玉置和郎君 これは、国務大臣、聞いてほしいのは、ソ連とこの四年間、日本と貿易して幾ら貿易額があったかというと、百十五億ドルです、米ドルで。それで中国とは百二十億ドル。お隣の、国会でよく野党にいじめられる韓国、国交を切っておる中華民国、この方がずっと貿易額が四年間で多い。こういう共産主義国家に対してはもう非常に甘い、日本の国会は。マスコミも甘いですよ。とにかくもう中国へ小便しに行ったら大きな活字になる。それでどれだけ取引したかというと、三十億ドルしかない。それでいじめ抜かれている韓国は四十七億ドルある。中華民国は三十五億ドルある。この辺もしっかり考えていかないと、日本が誤りますよ。私はもうこれ以上言いませんが、どうか、共産主義国というものは日本にとっては仲よくはせにゃいかぬが、日本の国是である貿易立国ということを考えるならば、この辺で性根を据えてしっかりやらなきゃいかぬということだけ言っておきます。
 以上で終わります。
#257
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして玉置和郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#258
○委員長(小川半次君) 次に、相沢武彦君の質疑を行います。相沢武彦君。
#259
○相沢武彦君 昨年来、北日本各地は豪雪や異常寒波に見舞われて、住民の人たちは積雪寒冷という自然環境の中での生活の厳しさというものを改めて感じております。
 私は、最初に積雪寒冷地域の住民にかかわる税制上の問題についてお尋ねをしたい。人事院総裁、国家公務員に対して支給されている寒冷地手当制度の性格等について御説明願いたいと思います。
#260
○政府委員(藤井貞夫君) 寒冷地手当というものがございますが、これは寒冷地に勤務をいたしておりまする国家公務員につきまして支給をいたしております、いわば生活給的な地域給と申しますか、そういう性格だろうと思います。これは、御承知のように、いわゆる寒冷地につきましては、符に冬季、寒冷あるいは積雪というような、ほかの暖地とは違った現象がございまして、このためにやはり大変生活費がかかるという現実がございます。詳しいことは御承知でございますから申し上げませんですが、雪おろしの経費でありますとか、そういうものが代表的なものでございますが、その他燃料費等について、ほかとは違って大変やはり経費がかかるという現実がございます。したがいまして、そういう寒冷のための増高費と申しますか、そういうものに手当てをする必要があるということで支給をされておるのがこの寒冷地手当というものの性格であり目的であるというふうに承知をいたしております。
#261
○相沢武彦君 かなり広範囲の支給対象地域があると聞いておりますが、その範囲と支給該当の公務員数の内訳を述べてください。
#262
○政府委員(藤井貞夫君) 寒冷地手当の支給対象の地域区分というのは、一級地から五級地に分かれております。五級地が手厚いことに相なっておりまして、漸次比較的に軽度になっていくという仕組みでございますが、この五級地の中で主体をなすものは、もちろん先生御承知のように北海道でございまして、北海道がさらに三つに分かれて甲、乙、丙ということに相なっておりますが、そのほか北海道以外の地域でも五級地というものはございます。こういう地域区分で、それぞれわれわれの方で詳しく調べました結果に基づいて支給をいたしておるというのが実態でございますが、いまお尋ねの人員数なり支給地域の問題でございますが、これは一般職の給与法を適用されております者のうち、空冷地手当の支給を受けております職員の数は、昨年の国家公務員給与等実態調査によりますと、約十三万名でございます。これら一般職給与法適用者については、約五十万ということでございますので、二六%がその支給を受けておるということに相なっておるわけでございますが、先刻申した、その支給地域別の受給者について見ますと、北海道で約三万六千、これは寒冷地手当受給をされております者の約二八%でございますが、そのほかに東北地方では約四万二千名、これが三二%、それからその他、やはり信越、北陸、山陰、その他で五万二千名ということで、これがパーセンテージにいたしまして約四〇%と、こういう支給対象ないし支給区分に相なっておるわけでございます。
#263
○相沢武彦君 支給する場合の額ですが、民間企業の寒冷地手当支給額を当然参考にされていると思うのですが、民間企業の実情についてどの程度人事院総裁としては把握をされておりますか。
#264
○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘のように、われわれの方といたしましては、民間におきまする寒冷地手当の支給状況についても調べております。最近では四十九年の四月に調査をいたしておりますが、この調査をいたしました対象は、株式の上場会社及び企業の規模といたしまして二千人以上の従業員を擁しておる会社というものを対象にいたしまして、もともと本社が暖地にあると、暖かいところにあると、そして北海道とか東北の地方に事業所のある企業を抽出いたしまして、これに該当する約五百三十社について調査をいたしました。
 この調査によりますと、この中で回答のあったのが四百三社ございまして、このうち三百七十八社、すなわち。パーセントにしますと九三・八%が寒冷地手当またはこれに相当する手当を何らかの形で支給をいたしておるということが明らかでございます。
 ただ、平均的にごく概略で申し上げますと、公務員の場合の寒冷地手当は、当初諸般の事情から議員提案ということで発足をいたしました手前もございまして、他の給与その他とは違って、やや民間よりも有利な取り扱いに村なっておることは御承知のとおりでありまして、現在の制度では、定率分、定額分及び石炭、薪炭の加算分という三者構成に相なっておりますが、特にその定率分ということの部分がございますために、これは毎年基礎になる給与がアップされますとそれに応じて上がると、実額が上がるということでございますので、われわれといたしましては、まあかなり民間と比べて有利な取り扱いを受けているのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#265
○相沢武彦君 大蔵大臣、所得税法の第九条第五号、これに通常の手当に加算されるものとして通勤手当が規定されておりますね。これは一定限度額まで非課税扱いになっておるわけですが、いまずっと人事院総裁からお話しありました寒冷地手当、これはかつて経緯を見ますと、石炭などの現物支給されたいきさつもあるわけでして、本来実費弁償的な性格を持つものだと思うのですが、やはり同じく一定限度額まで非課税扱いにするのが筋ではないかと思いますが、この辺はいかがですか。
#266
○国務大臣(坊秀男君) 通勤手当を御指摘になりましたが、通勤手当と申しますものは、ある場所へ通勤するということで、ある職業についておるという場合には、これは必ず直接にそれだけのものが要るというような性質のものでございまして、通勤手当とほかの手当とは大分性格が違うと、私はかように考えます。
#267
○相沢武彦君 税制調査会等ではこの検討はどんなふうなぐあいになっていますか。
#268
○政府委員(大倉眞隆君) 御質問の寒冷地手当を非課税にしてはどうかという御要望は、実はかなり以前から出されておりまして、ほかの住居費手当でございますとか、別の意味でまた教育費控除でございますとか、いろいろな御要望等もあわせまして何度か税制調査会で御検討いただいておりますが、いままでのところ、このような手当について非課税とすることは税制上では適当でないだろうというお答えをいただいております。
#269
○相沢武彦君 大蔵大臣、東北、北陸、北海道、信越もそうですが、積雪寒冷地の県民平均所得というのは、全国平均を若干上回るところもあるかもしれませんが、ほとんどそれ以下のところが多いと思いますが、しかも、冬季間生活上の出費というものは非常にかさみますね。住居にかかわる保温設備、それから暖房器具、それから燃料費、防寒衣服費、それから屋根の雪おろし、除雪、こういった地理的自然条件から来る免れがたい生計費の支出の増加分に対して、これも従来から強く要望されてきた積雪寒冷地特別控除制度、これは税制調査会でも相当検討されてきたのですが、やはりそろそろこの創設へ勇断をふるって踏み切られる御決意はありませんか。
#270
○国務大臣(坊秀男君) 東北地方のほかのところと違う特別の気候風土といったようなもので、給与が低いということではないのでございましょう、給与が。普通の役人さんにしましても、あるいは大きな会社の東北地方の支店に勤める人、これはやはり給与が低いということではない。そこで仕事をされるという方が、いま列挙されました、あるいは暖房だとか、あるいは雪に対する費用だとか、それから着物はむろん著いところよりは相当経費がかかるといったような、そういうことをおっしゃって、そういうものを引きますと、ほかのところよりはこの引いた後の給与が低くなると、こういうふうに私は考えますけれども、そういったようなことをいまおっしゃったのじゃございませんか。もとの給与そのものが東北が低いということではないのじゃありませんか。
#271
○相沢武彦君 国家公務員あるいは大手企業のサラリーマンの場合は、いまおっしゃったとおりだと思うのですけれども、そうでない場合の人たちが問題になってくると思うのです。寒冷地手当を支給されているサラリーマンはまだよいとしても、小規模.零細企業に働く労働者の人たち、この人たちは、給与水準も低いし、寒冷地手当も支給されていない例が多いですね。特に、暖房用の燃料というのは、冬の生活にとっては米と同じ生活必需品で、なくちゃ暮らせません。しかし、給料が安くても、手当がなくても、最低限の暖房はしなければ暮らせないわけですね。寒冷地手当を支給されている階層との格差を幾分でも是正をするという考え方で、この公務員に支給されている各等級地ごとの平均支給額、これぐらいを限度額としての減免措置というものはお考えになれませんか。
#272
○国務大臣(坊秀男君) いまの所得税のたてまえは、そういったような事情につきましては、これは課税最低限というものが御案内のとおりにございまして、その課税最低限でもって対処しておるというのがいまの税制のたてまえであろうと私は思います。それで、いまのお話を分析して考えますと、これは課税最低限以下の人たちに対してはもちろんこれは税金がかかっておりませんが、そういったような人たちに対して、どういう――課税最低限に達するまでは何か手当を出すようにとのお話でございますか、そこのところをちょっと解しかねるのでございますが。
#273
○相沢武彦君 課税最低限以下の方についてはまた別の項目でお尋ねしたいと思うのですが、課税限を超えた人、それで支給を受けていない方、こういうふうにしたらどうですか。
#274
○政府委員(大倉眞隆君) 寒冷地手当を支給されている場合に、それを非課税にしたらどうかというお話と並行しまして、ただいまの御質問のように、寒冷地に住んでおられる方については特別にかかります費用があるということで、特殊の控除を認めたらどうかという御議論、これもまたかねてからございまして、たとえば昭和三十九年のいわゆる長期答申におきまして――失礼しました。長期答申ではないかもしれませんが、三十九年十二月の答申で、ちょっと引用させていただきますと、「寒冷地控除ば、積雪寒冷地帯の居住者が光熱費、被服費、住居費等の面において、他地域に見られない多額の生計費の支出を余儀なくされることに着目して、その地理的自然条件からくる不可避的な生計費の増加支出分に対して特別の控除を設けて考慮」してはどうかとするものだと言って、御趣旨のようなことを十分説明しました上で、なおかつやはり結論としましては、「税制上納税者の個別的事情を配慮するにはおのずから限界がある」ので云々ということで、税制としては適当でないのではないかという御結論をいただいております。そういう経緯がございます。
#275
○相沢武彦君 労働大臣にこの際承っておきたいのですが、民間企業における寒冷地手当の有無から生ずる賃金格差についてはどんな御見解を持っていらっしゃるのか、また、賃金格差是正の対策、指導等はどのように講じられているか。
#276
○国務大臣(石田博英君) いまの寒冷地手当を支給されているところといないところとがある。大体、事業所を、寒冷地とそうでないところと、二カ所以上持っているところにおいては、寒冷地に特別な手当を支給しているところが多いと思いますが、私は、そういう状態は、寒冷地が特に暖房費その他費用が要ることでありますから、そういう状態はあり得ることだと思いますが、そういうことだけのための賃金格差、ほかのいろいろな条件がございますので、寒冷地手当というようなものが支給されることは望ましいとは思います。思いますけれども、そういう事態について具体的にどう処置するか、これはほかの企業別賃金格差の問題もございますし、そういう点と関連して研究をしなければならぬ課題だと思います。
#277
○相沢武彦君 大蔵大臣不意の質問で恐縮ですけれども、昨夜の東京の温度と北海道の気温差、この四月に入ってどれぐらいのまだ差があるとお思いですか。
#278
○国務大臣(坊秀男君) これはもし申し上げましても私の当てずっぽうみたいなことになりますから、さようなことはどうもわかりかねます。
#279
○相沢武彦君 気象台に先ほど確認しましたら、きのうの九時現在で東京が十六・七度、札幌が一・六度で約十五度の差があるのですが、冬はもっと厳しくなります。
 私は、インフレ物価高の中で、所得税の課税最低限に達しない低所得サラリーマン、こういった家庭ですね、特に社会的弱者の立場の人たちが今後来る、来年ですが、また冬期間の生活はますます厳しいものになるだろう、こう非常に憂えるわけなんです。地方自治体では、こういりた社会的に弱い立場の人たちに福祉灯油というような形で冬の燃料費、灯油購入の際に助成金を出したりしていろいろカバーしています。しかしまあ、地方財政は逼迫して大変苦労しているわけですが、今後の課題として、国でも歳出面でこういった人たちに対する燃料費の財政的な援助というものを政策的に講ずる用意をなさるおつもりばございませんか。
#280
○国務大臣(坊秀男君) いろんな意見のあることはお聞きしております。たとえば課税最低限に達しない方々に対しまして、まあこれば言葉が正しいかどうかは知りませんけれども、負の所得税といったようなものをかける、こういったようなことで、そういうことを、世界の各国でまだそれを実施しておる国があるということは聞いておりませんけれども、研究をしておるということは聞いております。しかし、これは社会保障の一環として考えるべきものであろうと思いますが、そういったようなことも、いま日本の今日のこの財政の厳しい折から、なかなかそこまで手が回りませんけれども、やはりそういったような方面のことも勉強をする対象ということには私はなるであろうと思いますが、いまこれを、おまえ、これ何とか考えて実施するかということをおっしゃられましても、それにはそれのいろんな現行の所得保障、つまり社会保障等いろいろ複雑なる関係もございますし、そういったようなことを総合いたしまして考えていかなければ、ちょっと結論が出かねております。
#281
○相沢武彦君 すでに研究している国もあるんですから、ぜひひとつ、鋭意取り組んで実現されるように努力してください。これは要望としてお願いしておきます。
 次に、合成洗剤の問題についてお尋ねをしていきたいと思います。
 合成洗剤による被害がまた最近大きな社会問題.として話題に上ってきております。厚生省に対して消費者団体から何回となく合成洗剤の使用を禁止するような申し入れがなされているようですが、最近の申し入れの内容だけを簡単にまず説明してください。
#282
○政府委員(松浦十四郎君) 私どものところへ、一部の消費者の団体の方からこの合成洗剤につき−ましていろいろと陳情があるわけでございますが、その理由としましては、手荒れであるとか、あるいは奇形が出るのではないかとか、あるいは有毒なのではないかとか、大体そういったようなことが私どもの方へいただいておる陳情でございます。
#283
○相沢武彦君 四十九年度以来だけで、私が確認しただけでも三十七回の申し入れがあるそうですが、いまお渡ししたその写真は、仙台市の皮膚科医院長牧野好夫氏から送ってきた乳児寄生菌性紅斑にかかった乳児のおむつかぶれの痛々しい症状写真です。厚生大臣、環境庁長官、ごらんになってどうですか、感想をまず。
#284
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大変ひどいかぶれだと思います。
#285
○国務大臣(石原慎太郎君) 厚生大臣と同じように、大変痛々しい症状だと思います。
#286
○相沢武彦君 このおむつかぶれの問題は山形県の公衆衛生学会に発表されておりまして、この疫学調査は山形県立新庄病院の医師三人と新庄市の保健婦など二十人のチームが行ったと言われています。このおむつかぶれは二十年前と現在と比べますと約二百倍に患者数がふえている。合成洗剤をやめて石けんに切りかえただけで患者数は十分の一に激減したと言われているわけです。この際、厚生省はこういった全国にわたる実態調査をされる必要があるんではないですか、いかがですか。
#287
○政府委員(松浦十四郎君) ただいま先生御指摘になられました山形県のこれは公衆衛生学会で発表されたものだと思いますが、そこでは一応おむつかぶれについていろいろな注意を与えて、そしてその後でということでございますので、ストレートに合成洗剤をかえたらということとは、必ずしもいきなり結びつけられるかどうかという疑問があろうかと思います。
 それで、実際にそのおむつかぶれが起きるということは、結局屎尿がまたのところにつきますので、しかもこれがむれてしまうということがございまして、それからまたカンレィダ症ということから考えますと、季節の問題、地域の問題ということがございまして、それからそこのとこを何回かえるかとか、どのくらい洗うかとかいうことの方がむしろ非常に大きな影響がある問題でございますので、それからストレートに合成洗剤ということへ結びつくのはなかなかむずかしいのではないかと、こんなふうに考えております。
#288
○相沢武彦君 いまお渡しした写真は、合成洗剤の使用によって生じた指先の荒れ、顔や足への湿疹症状を示すものです。洗剤をやめて石けんに切りかえるともとのようなきれいな手に治っている。両大臣のところの奥方様は合成洗剤を使用されているんでしょうか。手の荒れのぐあいに気になったことはないかどうか、ちょっとお尋ねしておきたい。
#289
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も実は自炊をいたしておりますから、自分で食事もつくっておりますし、洗剤も使っております。私はそう長時間使わないものですし、そう特別に荒れるというようには感じておりません。うちの家内などはゴムの手袋をはめて使っておるようであります。
#290
○国務大臣(石原慎太郎君) 私は、あくまでも個人的な見解でございますけれども、わが家ではできるだけ洗剤を使わないようにしております。使うときは家人にも手袋をしろということを私から申し渡しております。
#291
○相沢武彦君 手袋はめても間に合わないような状態がどんどんいま出てきているんですよ。現在全国の主婦の七割が洗剤について不安を感じつつ使用をしておるそうです。全国の家庭にこの合成洗剤が急激に普及していったのは、日本食品衛生協会が、合成洗剤は公衆衛生の向上に大変よいものだとして推薦奨励品として認定した、それを製造メーカーがにしきの御旗にしてコマーシャルに乗せて大々的に宣伝して売りまくった。そこで社団法人日本食品衛生協会というのは一体どういう団体なのか、御説明を願いたい。
#292
○政府委員(松浦十四郎君) 社団法人日本食品衛生協会と申します協会は、一口に申せば、業界が――食品衛生の問題というのは非常にたくさんの零細な業界がこれば扱っている食物に関する問題でございますので、これを外から行政的に指導監督ということはもちろんいたすわけでございますが、非常に数が多いわけでございますので、やはり本質的には業界自体が衛生的なことをしっかり守っていくということが基本でございますので、そういうことを、自主的に衛生を守っていくということを奨励していくためのそういう協会でございます。すなわち、伝染病あるいは食中毒といった危害の発生を防止して、それから食品の品質向上と、そういった公衆衛生の増進に寄与するというのを目的としてつくられたものでございます。
#293
○相沢武彦君 その日本食品衛生協会が合成洗剤を推奨した理由は何なんですか。また、推奨に当たって毒性の検査は十分にされたんでしょうね。
#294
○政府委員(松浦十四郎君) これは、食品衛生協会が合成洗剤の推奨を行いましたのは昭和三十一年であったかと思いますが、これはもう先生御承知のとおり、昭和三十年ごろというのは、わが国ではまだ屎尿を肥料として野菜等の生産に使っておったわけでございます。そのために非常に寄生虫が当時流行しておりまして、そのころのいわゆる回虫の虫卵の保有者というのは全国民の三割ないし四割といった非常に驚くべき数の寄生虫感染者がおったわけでございます。そこで、厚生省としましてはいかにしてこの寄生虫の駆除をするかということは、当時の公衆衛生上の非常に大きな施策の一つであったわけでございます。そういうところへこの合成洗剤というのが出てきたわけでございまして、しかも、この合成洗剤で野菜を洗えば九〇%は卵が落ちると、こういうことがわかりましたので、何とかしてこれを早く普及したいということから、この合成洗剤につきまして食品衛生協会が推薦すると、こういったことを行っておったわけでございます。
#295
○相沢武彦君 毒性検査。
#296
○政府委員(松浦十四郎君) 毒性検査につきまして、当時国立の衛生試験所におきまして急性毒性の検査を行いました。たしかそのときのLD50――LD50と申しますのは、動物を使いましてその動物にある物質を食べさせる。食べさせて一週間以内に半分死ぬ量をもってLD50と、こう言うわけでございますが、これは当時一週間で、いまは二週間見ることにしておりますが、当時のやり方ですと、一週間たって動物が半分死んでしまうという量をもってLD50と、こういう言い方をしたわけでございます。そのLD50の値は約五グラムでございまして、これは塩などよりもはるかに多い量であるわけでございます。裏返せば、塩よりも急性毒性は少ないと、こういった量でございます。それと同時に、その死んだもの、生きたものにつきましても一週間後に剖検いたしまして、特に病理的な変化はほかにないと、こういうことで、この毒性を検査した結果この推奨を行ったものでございます。
#297
○相沢武彦君 急性毒性検査をしたと言われましたけれども、昭和三十七年、合成洗剤を誤って飲んだことによって起きた死亡事件がありましたが、これはどう説明しますか。
#298
○政府委員(松浦十四郎君) 昭和三十七年にいま先生御指摘の事件でございますが、ちょっとこれを申し上げますと、子供が――赤ん坊が夜中に目を覚まして泣き出したので、ミルクをつくるために台所へ行きまして、ミルクを調合しようとしたけれども、半分眠っている状態で、ミルクと間違えて洗剤の粉末を百ccぬるま湯に小さじ五杯溶かしてその液をつくってしまった。同人はその間違いに気がつかないで赤ん坊にこれを飲ませようとしたところが、赤ん坊が飲まなかったと。不審に思いまして、電気をつけて見たら色が、ミルクと違ってるんで、これは何かと、こういうことで、その人は哺乳びんの乳首を外しまして一口ほど口に含んでこれを飲んだと、そうしたところが、しばらくたって亡くなったと、こういう事件がございました。
 なお、これにつきまして続けて申し上げますと、これがその後裁判になりまして、その判決が出たわけでございますが、簡単にその判決を申し上げますと、要するに、この死んだ方の胃袋から出たのは〇・五グラムのABS、いわゆる合成洗剤が出てきたわけでございます。しかし、大学の実験によりますと、サルについては体重一キロ当たり二グラムから五グラムという量を与えても死なないという実験があるじゃないか――あると、そこで、必ずしもこの合成洗剤の中毒死であるという、そういう鑑定はにわかには採用し得ない、こういうことでこの原告の請求は棄却すると、こういう結果になっております。
#299
○相沢武彦君 急性毒性はないというなら、一口含んだだけで、どうして死ぬんですか。それから、量の大小にかかわらず、やはり人間にかかわる問題としてはこれは慎重にしなきゃならないし、害があるとしてこれは注意を促すべきだと思うんですね。それから、洗剤メーカーが、洗剤を誤飲した消費者から問い合わせした場合に、必ず胃洗浄を勧めているというんですね、量にかかわらず、一口飲んでも。毒性はないという一点張りで宣伝するメーカーがなぜ胃洗浄を勧めるんですか。その調査をした一覧を各メーカーは持っているといいますが、それを把握していられますか。
#300
○政府委員(松浦十四郎君) いま申し上げましたように、一口飲んだから死んだというふうに原告は訴えたわけでございますが、裁判におきましては、その量で死ぬということはあり得ないと考えられましたので、その判決におきましては棄却したわけでございます。
 それから、先生ただいまおっしゃいました間違えて飲んだというケースがございます。しかし、そこでは一部のものにつきまして確かに胃洗浄を行っている例があるわけでございますが、これはまあその時点におきまして念のため胃洗浄をしたのではないかと思いますが、これはそのときの医師の判断でございますので、必ずしも私ども、それが毒だから胃洗浄をやらなきゃならぬというふうに一般的に申し上げることではないのではないかと思います。
#301
○相沢武彦君 厚生省は誤飲した消費者にはどう指示されますか。
#302
○政府委員(松浦十四郎君) 本来、誤飲するということは、非常に何といいますか、あんまりあり得ないケースでございまして、一般的に厚生省どのような指示をするかということは、いまここで一言に申し上げられることではないかと思います。
#303
○相沢武彦君 それから、毒性検査をされたと言いましたけれども、その検査の中にはABSの含有量、報告書にまとめられておりますか、最初の検査のとき。
#304
○政府委員(松浦十四郎君) 池田論文では、ライポンFを何cc飲ましたと、こういうことはございますが、そのライポンFの中に……
#305
○相沢武彦君 誤飲と関係なしに。
#306
○政府委員(松浦十四郎君) 池田実験でございますか。
#307
○相沢武彦君 はい。
#308
○政府委員(松浦十四郎君) ライポンFを動物に飲ませた実験をやっておるわけでございますが、ライポンFの純度と申しますか、その中のABSの量というものはちょっとこの実験に書いてございませんので、私ども存じません。
 なお、昭和三十一年の実験でございますので、この文書以外持っておりませんので、どのような純度であったかということはわかりません。
#309
○相沢武彦君 厚生省が昭和三十一年の時点で合成洗剤に毒性なしとしたのは池田博士の論文、報告書を根拠にしているわけでしょう。その中ではABSの含有量は報告書に記載されておりませんね、やってないわけですね、その当時は。――うなずかれているから、そのとおりだと思います。
 すべての、いま現在、合成洗剤に含まれているABSは人体に多様な悪影響をもたらすことはすでに専門家から数々指摘されておりますが、厚生省は当然それをつかんでいるはずです。御説明願いたい。
#310
○政府委員(松浦十四郎君) 合成洗剤につきましてのいろいろな毒性実験というのは、国内、国外通じまして非常に百何十という数がございます。それら全体総合いたしてみますと、私ども必ずしもその中からこれが現在の使用量で、通常の使用する場合に有毒であるというふうには考えておりません。
#311
○相沢武彦君 通常の使用量というのはどれぐらいなんですか。その使用量は飲んでも大丈夫というのですか。御自分で飲めますか。
#312
○政府委員(松浦十四郎君) まず後ろの方の、飲んでみるかとおっしゃいますが、そもそも飲むものではないので飲む気はいたしません。
 それから、通常の使用量というのは、通常台所等におきまして水に溶かして食器等を洗う、こういうことでございますので、その程度の使用量なら問題ないのではないかと思います。
#313
○相沢武彦君 現在わかっているだけで、ABSの毒性については肝臓障害、発がん性の助成、催奇性、白血病、コレステロールの増加、溶血性が強い、細胞の死滅、体質を酸性に変える、こういう影響があると学術的に報告されております。こういつた人体に善性を有するABSの含有量も検査せずに、十分検査はやったと言うわけにはいかないと思うのです。この食品衛生協会の審査会は何を基準に審査をしたのか、また審査記録を読んでほしい。
#314
○政府委員(松浦十四郎君) まず前提としまして、いろいろ実験のデータが出たというのは、その最初に食品衛生協会が推薦したのは昭和三十一年でございますので、その後のデータは非常にたくさんございますが、これはまだ非常に古い段階でございまして、その時点においては、いろんなまだ実験がそんなに進んでなかったということが一つ前提にございます。
 それからもう一つ、これも時代が違っておりますので、御理解いただきたいと思うんですが、慢性磁性というような考え方というのはもっと後に非常に強く出てまいりまして、この当時はまだそれほど慢性毒性という考え方が学界ではなかったということが言えるのではないかと思います。それと実際問題といたしまして、その当時は冷暖房完備、空調つきの動物実験小屋というのは大体ございませんで、ほとんど普通のところで飼っておったわけです。そういう状況でございますと、普通ネズミ等は半年ぐらいしか生きられないわけでございます。現在は実験装置が非常によくなりましたので、二年、三年というふうに動物を飼うことができるようになったわけでございまして、そういういわゆる科学の発展の問題と、それからそういった実験装置の変化という問題が一つ違うということを前提としてお考えいただきたいと思います。
 で、そういうことでこの三十一年の最初の選定委員会の審査記録がここにございますが、予備審査としまして毒性は先ほど申し上げましたようにLD50はパーキロ五グラム以上と推定される、かつ著名な中毒症状及び主要臓器の変化を認めていない、主としてこれと回虫卵の洗浄効果が非常にある、こういう審査の上でこれが推薦に値すると、こういうことになっております。
#315
○相沢武彦君 日本食品衛生協会が出した推奨状の内容、「食品衛生研究」に載せた公告を読んでください。
#316
○政府委員(松浦十四郎君) 申しわけありません。現在、手元に持っておりませんので。
#317
○相沢武彦君 さっき確認したら持ってきたと言ったじゃないか。委員長、事前に全部確認させたんですよ。全部そろっているという報告があったじゃないですか。ずるいんだよ、全部さっき確認したんだから持ってきているはずなんだよ。
#318
○政府委員(松浦十四郎君) 申しわけありません。書類の中に紛れておりました。
  「推奨状」、これは第一号のものでございます、
  一、品名 ライポンF
  右の名称で当協会に提出された洗浄剤について審査したところ次の理由に基き野菜果実乃び飲食用器具等の洗浄に優れた効力を有するものと認めこれを推奨する
 1 本命は純中性にして水に透明に溶け無味無臭である
 2 本品は野菜果実等の洗浄に使用する場合その実質を害せず蛔虫卵除去並びに大腸菌等の除菌に優れた効果を現わす
 3 本品は飲食用器具の洗浄に使用する場合その実質を害せず且つ洗浄効果が極めて顕著である
 4 木品は毒性を有せず有害な不純物を含有しない
 以上でございます。
#319
○相沢武彦君 「附記」も読んでください。「食品衛生研究」に載せた公告。
#320
○政府委員(松浦十四郎君) ただいま先生からお借りしたのをお読みいたします。
  附記
  協会が行う推奨は極めて大きな意義を持つものでこの審査にあたっては厚生省の関係官をはじめ学界、国家機関等の権威者が審査委員として厳密な審査を行って決定することになっておるので食品衛生の向上に資するは勿論のこと推奨を受けた商品も非常に価値づけられ宣伝、販売等にも影響するところ尠くないものと思われるので業界の進んで利用されることを切望します。
#321
○相沢武彦君 四項目日がおかしいのですよ。池田博士の検査報告の結論は、一言で言えば毎性大なりとは考えられずというような結論じゃなかったですか。毒性は大ならずというのは、少しはあるということじゃないですか。全くないということじゃないでしょう。それをこの「推奨状」には、「本品は毒性を有せず」、こうあるじゃないですか、なぜですか、おかしいですよ、インチキですよ。
#322
○政府委員(松浦十四郎君) すべて毒性ということを非常に厳密に申し上げますと、毒性のないものというのは世の中にはないのではないかと思うんです。そういう意味で池田先生はそのような書き方をなされたのではないかと思います。たとえば先ほど申し上げましたように塩でもたくさんとれば毒があるわけでございます。これもLD50は体重一キログラム当たり五グラムと、こうなっておりますので、五グラム飲めば半分の動物は死んでしまう。こういうことですから、それはもう毒性ないということではないかと思います。それから一方、今度協会の方の推薦状ということは、当然洗浄剤として使う、こういうことを前提として書いてあるので、そこで毒性はない、こういうふうに書かれたものと思います。
#323
○相沢武彦君 合成洗剤についての推奨状は、今日まで何社、何品目について出していますか。
#324
○政府委員(松浦十四郎君) 昭和四十八年三月現在におきまして四十一社、九十四品目でございます。
 なお、つけ加えますが、この推奨制度は昭和四十八年四月にこれを取りやめております。
#325
○相沢武彦君 その取り消した全文を読んでください。
#326
○政府委員(松浦十四郎君) 中性洗剤の推奨取消について。
 拝啓 新緑の候、貴社益々ご隆昌の段お慶び申し上げます。
  さて、中性洗剤につきましては、当協会では、昭和三十一年以来十七年間に亘り食品衛生上、有益な製品として、推奨品の指定を行ない、使用奨励を行なってまいりましたが、昨年の食品衛生法の改正に伴い本年四月二十八日付で洗浄剤の規格基準が制定され告示されたことにより、今後の推奨品指定につき、慎重に協議を行ないました結果、今回の規格基準の制定によりこれが推奨制度については概ね所期の目的を達成したものとの結論に達し、「食品の器具容具及び容器包装等推奨に関する規程」第九条一項六号に基づき五月十七日付をもって、推奨の取消を行なうことに決定致しました。
  つきましては、推奨品指定各社におかれては、現在まで、容器、パンフレット等に使用されておりました「日本食品衛生協会推奨品」の字句の使用を禁止致しますので、早急に善処されるよう、お願い致します。
  まずはご連絡労々お願いまで
                  敬具
#327
○相沢武彦君 もっともらしい取り消し理由はついているんですが、これは十分消費者にはもう宣伝されたし、被害が今後出てきて騒がれて問題になると将来困るので、責任を追及されると困るので、この辺で推奨を取り消しておきたい、こういうことじゃないんですか。昭和三十七年二月五日、日本食品衛生協会発行の「食品衛生研究」という雑誌がございますね。その三十五ページの「ライポンKISS」という表題の広告文を読み上げてください。
#328
○政府委員(松浦十四郎君) 申しわけありませんが、ただいまその本を持っておりませんので、読み上げることできません。
#329
○相沢武彦君 おかしいね、全部そろったと。またどっか紛れているんだよ。
#330
○政府委員(松浦十四郎君) 先生からその号を御指摘になったんですが、ほかのところのプリントを持っておりましたので、いま先生がおっしゃったところは持っておりません。
#331
○相沢武彦君 じゃ、この題名から、ここですね。
#332
○政府委員(松浦十四郎君) ただいま先生からお借りしたものをお読みいたします。
 「ラインポンKISS 井関雅夫 秋田県」……
#333
○相沢武彦君 「マグロ」のところから読んでください。すばらしい文章で、皆耳を澄まして聞いてください。「マグロの切り身」云々と書いてあります、そっち。
#334
○政府委員(松浦十四郎君) 「マグロの切り身をこころみにライポンFで洗ってみた。脂気が抜けてしまうかと思ったが、決してそんなことはなくかえって色が鮮かになり、味は少しも変らないということを発見した。特に東京湾のように、大腸菌や好塩菌がウヨウヨしている海で取れた魚なんか、一応ライポンFをくぐらせるのが安全ではないだろうか?
 ここでオハナシを一席。
 彼と彼女は頬を寄せて、ささやきを交していた。」――もっと読むんでございますか。
#335
○相沢武彦君 全部。(「何だ、これは」と呼ぶ者あり)いやいや、もうすぐで終わり。
#336
○政府委員(松浦十四郎君) 「彼は彼女の唇を求めた。男は燃えていたし、女は渇いていたのである。だから女の唇は熱を持っていて、少々しらけていた。男はライポンFのうすめた液を、ソッとハンカチにしませて、唇をふいてやった。彼女の唇から脂気が抜けないばかりか、鮮度がぐっとよくなったように色があざやかになった。男は増々燃えたのである。そして魚肉のような女の唇を、安心して、心ゆくまでたべたのである」。(「石原文学だな」と呼ぶ者あり)
#337
○相沢武彦君 はい結構です。
 この雑誌の編集責任はどこにありますか。これが問題なんです。いまの読んだ雑誌の編集責任。
#338
○政府委員(松浦十四郎君) それは日本食品衛生協会にございます。
#339
○相沢武彦君 発行はそうだけれども、編集責任、違うでしょう。はっきり言いなさい。――見なさい、こういうちゃんとはっきりした雑誌なんだから、印刷されておる。ぐずぐずしないでここだけ読めばいいんですよ。ここだけ、その一行。表紙のところ、書いてあるじゃないですか、一行目。
#340
○政府委員(松浦十四郎君) 厚生省食品衛生課、乳肉衛生課編、社団法人日本食品衛生協会発行、こうなっております。
#341
○相沢武彦君 いま読み上げたように厚生省編になっているんですよ、この雑誌は。業界誌ならともかく、厚生省の編さんの雑誌の中にただいま読み上げたような広告文を載せるのは行き過ぎじゃないんですか、厚生大臣どう思いますか。「ライポンKISS」、実験して見せてくれますか。
#342
○国務大臣(渡辺美智雄君) 初めて聞いたことでございますが、それはやっぱり厚生省編の雑誌としては行き過ぎでしょうね、それは。
#343
○相沢武彦君 です、と言ってください。
#344
○国務大臣(渡辺美智雄君) 行き過ぎです。
#345
○相沢武彦君 こういう文句を企業が商品に刷り込んで宣伝すれば、消費者はもう買いますよ。だから、ざあっと広がったわけです。ところが、この商品は十分な毒性の検査がされていない、いるいろ問題になった。だから、その後科学技術庁が一千五百万円の研究費を投じて追試を行っているわけです。その結果内容は、ABSは皮膚に吸収することが明らかになりましたし、その上、体内に入ったABSは肝臓に移行するだけではなくて、細胞が破壊されることが明示されております。そのような商品が現在各地の商店に並んで売られているというわけですね。この事態を厚生大臣、環境庁長官はどのように考えますか。人間の生命にかかわる重大問題ですよ。
#346
○国務大臣(渡辺美智雄君) 学問のことでございますから、専門家をして答弁させます。
#347
○相沢武彦君 専門家は要らないよ。環境庁長官、政治家としていまの一連のことをどう考えるか。もう技術の方は要らない、時間のむだです。国務大臣としての感想を聞いたのです。環境庁長官。
#348
○国務大臣(石原慎太郎君) 洗剤は環境問題の大きな要件の一つであります水質の汚染に非常につながる要因だとかねがね思っております。同時に、それが人間の体にある危険性を潜在的に持っているんではないかという疑問は、少なくとも私個人の見解ではぬぐい切れないものがあるわけでございまして、そういう点、総合的に環境問題から考えましても、これはやはりもう少し徹底的に究明されるべき問題ではないかと心得ております。
#349
○相沢武彦君 日本食品衛生協会が発足した当時はどこにあったのか答えてください。
#350
○政府委員(松浦十四郎君) 発足当時は厚生省の中にございました。
#351
○相沢武彦君 その後変遷して現在どうなっているか。現在の常任理事、専務理事、理事、事務局の中で厚生省出身の幹部はだれだれですか。
#352
○政府委員(松浦十四郎君) 先ほど申し上げました発足当時は厚生省の中にございましたが、その後日本勧業銀行に引っ越しまして、現在渋谷の食品衛生センターというものの中にございます。なおそこの役員には厚生省の関係者が三名現在おります。
#353
○相沢武彦君 いやもう一遍これは調べ直しだね。
 現在の役職と、厚生省当時の役職一覧表を出すようにお願いしておきましたよ。委員長請求してください、確認したんだから。全部きちっとした資料持ってきて答弁してくださいよ、一覧表持ってきて。
#354
○政府委員(松浦十四郎君) 前に先生に資料差し上げました。現在手元に持っておりませんが、記憶で申し上げますと……
#355
○相沢武彦君 じゃ、これ。――違っていたら取り消してください。
#356
○政府委員(松浦十四郎君) 現在は常務理事の方はかつて厚生省では環境整備課長でございます。それから一人の理事は精神衛生課長でございます。それからもう一人の理事は検疫所の職員だったと思います。それからもう一人おりますのは、これは衛生試験所の研究所の室長でございます。
#357
○相沢武彦君 人数合わないじゃないの、全部読んだ、違いますか、ずるいよ。ちゃんと五人も六人も書いてあるんだから。
#358
○政府委員(松浦十四郎君) 私が申し上げましたのは現在の職員でございます。
#359
○相沢武彦君 そうしますと現在三人、そうするとこれまでに何人行っているんですか。
#360
○政府委員(松浦十四郎君) ちょっといますぐにそれは、私ども手元にございませんので不明でございます。
#361
○相沢武彦君 発足当時は厚生省内の中にあり、また数多くの厚生省の現役の人が天下っております。しかも昭和三十一年第一回の推奨状が出された当時、その審査委員会に協会の役員兼務の厚生省現役課長が加わりましたね。これでは先ほどの推奨状について厚生省は全面的に責任がある、このように判断されますが、これまでの被害者、あるいはこれから被害を受ける消費者に対しては厚生大臣は責任を感じなきゃなりませんが、いかがですか。
#362
○国務大臣(渡辺美智雄君) 洗剤と被害の問題については、どの程度の量で被害が出たか、あるいはどういうような因果関係があるのか、そういうことはきわめて学術的な問題でございますから、調べた上でないと何ともお答えはできません。
#363
○相沢武彦君 どうも政治的責任が薄いですな。天下りに対してはどう感じますか、天下りの問題。
#364
○国務大臣(渡辺美智雄君) 天下りの問題については、それぞれ所定の人事院等の手続をとって行ったものと思われます。
#365
○相沢武彦君 どうもその辺にも行政の不明朗さは感じられるんです。
 それからこの食品衛生協会の資産についてお尋ねしますが、昭和二十四年発足当時幾らで、四十七年が幾らで、五十一年は幾らになっていますか。
#366
○政府委員(松浦十四郎君) 現在持っておりますのは昭和三十二年三月現在の貸借対照表でございますが、これが三百六十万七千五百四十円でございます。それから昭和五十一年三月三十一日現在の資産でございますが、これが合計六億三千六百二十万でございます。
#367
○相沢武彦君 二十四年発足当時が五十万、その資産が四十七年には三億六百万にはね上がって五十一年には六億三千万円だそうです。
 厚生省に聞きますと補助金と委託費、推奨業務費とで収支はとんとんでやっていると、こういう御返事でした。本来そういう趣旨の団体だそうです。ところが、どうしてこんなにはね上がるのですかね。企業から多額の寄付や裏金でも入っているのかという疑問も持つ声が聞かれますけれども、そんな癒着があったら国民の衛生向上を果たす使命は果たせないと思いますが、監督官庁の厚生省として調査指導すべきだと思いますが、大臣いかがですか。
#368
○国務大臣(渡辺美智雄君) 詳しいことはわかりませんが、よく調査をして適正に指導したい、さように存じます。
#369
○相沢武彦君 環境庁長官にお尋ねしますが、ことしの文芸春秋の三月号での野坂昭如氏との対話の中で洗剤に関して、海の復原力を低下させたのは洗剤の規制が野放しになっていることでしょうねと発言されております。長官、あなたは環境汚染という公害の元凶の一つに洗剤があるということを確信しておられますか。
#370
○国務大臣(石原慎太郎君) 確信には至っておりませんけれど強い懸念を持っております。それを科学的に裏づけるべく、私なりの立場でいま鋭意努力をしているわけでございますが、実は私の個人的な体験一つ申しますと、私が毎夏参ります小さな伊豆の島がございます。これは式根島と申しまして、いままで水が全くなかった島でしたが、一、二年前から本島の新島から水道が海底を通って引けるようになりました。人口二百程度の島でございますけれども、夏の間の人口が十倍以上にふくれ上がります。水が来るようになってからいままで物を売っていた店先になかった品物、つまり洗剤が並ぶようになりまして、これが十倍以上の人口を抱えてふんだんに使われるということで、私は個人の趣味でございますけども、アクアラングで水にもぐります。そうして一年たってみましたときに、同行の水中カメラマンが、一体何でこんなに生態が変わったんだろうかと首をかしげるほど、海中の生態が、水道が引け島で洗剤が使われるようになりましてから驚くほど一変いたしました。これはごく個人的な体験でございますけど、それを科学的に裏づけるべく私は努力しておる次第でございますが、必ず環境問題に私は大きな因果関係を持っていると、現在確信まで至りませんけども、強い危惧を持っておる次第です。
#371
○相沢武彦君 燐の規制だけはやりますと、違いますか、書いてあります。
#372
○国務大臣(石原慎太郎君) でございますから、燐だけではなしに洗剤に含まれております界面活性剤含めまして、この催奇性でありますとか、人体、生体に及ぼす因果関係というものをもう少し究明し、その上で、しかるべき規制がされるベきならば、これは積極的に行うべきではないかと思います。
#373
○相沢武彦君 ここに昭和四十九年十月第三十三回日本公衆衛生学会総会講演集の写しがありますが、元厚生省環境衛生部長だった楠本正康さんが「ビルダーの燐酸塩の存在を併せ考えると、合成洗剤は水域の生態系にかなりの乱れを与えるものと思われる。」と述べておりますが、これについて厚生省はどういう見解を持ちますか。
#374
○政府委員(松浦十四郎君) 水質、生態系の問題は私どもの方で特に所管いたしておりません。
#375
○相沢武彦君 縦割り行政だからしょうがないと言えば言えるわけですが、こういうものはやはり連携をとってやらないと将来大変なことになりませんか。
 それから、念のために、将来のためにもう一つお尋ねしておきますが、厚生省はハード型からソフト型に変わった、こう言っていますけれども、現在使用されているLASでも、いかに分解が速くても、日本の流れの速い川では分解し切れないで、毒性をそのまま持ち込んで海へ流れ込んでいる、このことは学者の多数が認めているわけです。鳥羽市の神鳥、ここは島の周りでとれるアワビが十年前の四分の一に減った。これは島内二百四十世帯から海へ流される家庭汚水の洗剤のためだ。このように水産試験場の調査結果が出ましたので、勘ぐるみ現在洗剤の追放運動をやっているということです。
 そこで石原長官、渡辺厚生大臣、現在でも鳥羽を初めとする各地で起こりつつある養殖魚の洗剤による公害の予測されます。今後、将来放置しておいて被害が起きた場合、その補償の責任は一体どこがとるのでしょうか、企業なんですか、それとも国なんですか、御見解を承りたい。
#376
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほども申し上げましたように、洗剤そのものについてどういうような毒性があるのか、使い方その他、量の問題も関係あるでしょう。そういうような因果関係がはっきりしないうちに、私がどこが責任をとるということはこの場で申し上げられません。
#377
○国務大臣(石原慎太郎君) 洗剤そのものは厚生省の所管でございまして、どのような手続で販売が許可されているか私よく存じませんが、いずれにしましても、因果関係がはっきりしません段階では、補償というものの所在がどこにあるかということはにわかに申し上げられないと思います。
#378
○相沢武彦君 そんななまぬるいこと言っている間に、だんだん被害がふえますよ。
#379
○桑名義治君 関連。
#380
○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。桑名義治君。
#381
○桑名義治君 先ほどからいろいろと洗剤についての論議が行われたわけでございますが、先ほどの答弁からもありましたように、野菜を洗浄する場合にこの洗剤を使ったのはいわゆる回虫を除去するためだと、こういうようなお話がございました。で、それと同時に、最近ば公害が起こりつつあるという問題の提起も行いました。また、環境庁長官も体験を話されまして、この洗剤については環境破壊に強い疑問を持っている、こういう御発言もあったわけでございます。さらに、先ほどからの論議の中で、食品衛生協会も四十八年の五月の十八日に中性洗剤の推奨取り消しの文書を発行しております。また、昭和四十八年には、東京都が野菜、果実は合成洗剤で洗う必要はないという見解を発表いたしました。それ以来、全国でも野菜、果実洗いに合成洗剤を使うと人体に悪い影響があるという、これが一般的な常識にもうすでになっているということは否定することのできない事実であろうと思います。当時、野菜等については、先ほど申し上げましたように、回虫を除去するためには有効であったかもしれませんけれども、厚生省のお答えの中にもありましたが、現在は化学肥料が使われているためにその必要はなくなったと、こういう御答弁もありました。
 そういった立場から考えますと、厚生省としてば昭和三十一年の厚生省通達はもはや取り消すべきであると、こういうふうに考えるわけでございますが、その点についての大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
#382
○政府委員(松浦十四郎君) 実は、先ほど申しましたように、合成洗剤で回虫が落ちるということがありますが、そのとき同時に、このごろ農薬等が使われておるので、やはりそれも洗い落とすのに役立つということを申しておるわけでございまして、その辺のところを十分検討した上で対処したいと思います。
#383
○桑名義治君 後手後手に回れば必ず被害が起こるわけですよ。環境庁長官も、もうすでに自分の体験を通されて大きな疑問があるというふうに言われておりますし、あるいはそのために、実際にはいわゆる食品衛生協会も取り消しているわけですよ。何で厚生省はそんなにためらわなければならないわけですか。しかも、先ほどから学術的な問題も提起をし、そして病院の先生からもらった証拠の写真も提起をしているわけですよ。どうしてそんなにちゅうちょしなければならないか、その理由は何ですか。
#384
○政府委員(松浦十四郎君) 食品衛生協会が推薦をやめたと申しますのは、その時点におきまして厚生省の方で洗剤の規格、基準を決めたわけでございます。その規格、基準を決めたというのは、こういう品質のものでなければならないということを決めたわけでございまして、そういうことから、食器、食品を洗うために用いるところの洗剤というのは、それに違反したものは売れなくなったわけでございますので、そういうふうに品質が全部担保されたからもう推薦はしない、こういう意味合いでございまして、推薦をやめたというのはそのことが理由でございまして、ほかに理由があるわけではございません。
 それからなお、先ほどの通知の件でございますが、これも先ほど申しましたように、農薬というような問題がございますので、そこらの農薬の問題とあわせて検討さしていただきたいと思います。
#385
○相沢武彦君 もうほとんど、食器や野菜は洗うと後から危険が起きると困るということで、だんだんやめている人が多いのですから、農薬の関係は特定の人だけに限るわけですから、この通達を一遍やめて、どうしても使わなければならないそういう部分だけに対しての通達を出し直したらどうですか、大臣、いかがですか。
#386
○国務大臣(渡辺美智雄君) 洗剤は便利なところがあるけれども、やはりその洗剤を使って農薬を落とすのはいいが、逆に洗剤が今度は野菜についておることでも困るわけですから、使い方の問題がひとつ大事なところがあるわけなんです。ですから、やっぱり洗剤を使ったら水洗いを完全にするというようなことが大切なことであって、私は自分でも使っておりますがね、毎日。水洗いはきちっとやっておって特別被害は受けていないし、学問的なことについてはわかりませんから、私のところには専門家がたくさんいますから、私が政治的にここでどうだこうだと言うことよりも専門家の意見に従いたいと、かように思います。検討させます。
#387
○相沢武彦君 早急によく検討してください。
 合成洗剤の人体にもたらす影響についてさらに突っ込んでお尋ねをしたい。
 厚生省は、合成洗剤について今日でも通常の使用では無害であるとの見解に立っているのか、いないのか。
#388
○政府委員(松浦十四郎君) 通常の使用であれば、無害だと思っております。
#389
○相沢武彦君 その根拠はどこに求めているのですか。
#390
○政府委員(松浦十四郎君) 昭和三十七年の食品衛生調査会の御検討の結果を受けております。
#391
○相沢武彦君 その三十七年以降、ABSの毒性検査というのは進んできているのですよ。三十七年時点、その調査会が通常の使用では無害だ、こう言った後から、その人体に一切の悪影響はないと言われたものが覆ってきているじゃないですか。いろいろと疑念が沸き、疑問視され、それを裏づける実例がたくさん出されてきてるんじゃないですか。昨年の日本解剖学会で、第八十二回の総会で名古屋市大の渡教授が、界面活性剤による肝障害についての超微形態学的研究という研究発表をしていますが、手元にございますか。この要旨を説明してください。
#392
○政府委員(松浦十四郎君) ちょっと、英語で書いてございますので……。
#393
○相沢武彦君 簡単に要旨だけ。
#394
○政府委員(松浦十四郎君) 簡単に申し上げますと、五〇〇ppmを水の中へまぜてマウスに用います。その後一カ月、三カ月、六カ月、九カ月、十二カ月後にこれを解剖いたしまして、肝臓の細胞について電子顕微鏡の検査をいたしますと、形態学的に変化があると、こういうことでございます。
#395
○相沢武彦君 学術研究発表としては、これは一番新しいものです、昨年の四月なんですが。要するに、ここに書いてある結論は、これまでないとされてきた肝臓機能障害が発見されたということが書かれていますね。食品衛生調査会は三十七年の調査時点でLASのテストと助剤ビルダーのテストはやっておりますか。
#396
○政府委員(松浦十四郎君) 三十七年の当時の調査会では、それまでに行われました実験をすべて検討した結果ということで、私どもはその結論を答申としていただいておりますので、ちょっといま先生のおっしゃったような中身、具体的に当たっているかどうか……
#397
○相沢武彦君 LASと助剤の検査をやってないでしょう。やってないという意味ですよ、やってないんだ。結構です。その時点ではやってないんです。
 だから、要するに厚生省ば三十七年時点の調査会の答申を根拠にしていますけれども、無害であると、通常の使用では無害であると。その根拠にしている食品衛生調査会なるものの答申は、肝心な検査は、現時点で問題にされているような検査は、物の検査は何一つやってないということなんです。十数年前の検査を盾にして少しの進歩もしてないのが現在の厚生行政だと、こう言わざるを得ないんですよ。
 それから大臣、この食品衛生調査会は、かつてサッカリン、AF2の毒性の問題で世論が騒いだとき、無害だと主張をし抜いたいわくつきの調査会なんです。ですから安全性についての発言については私たち全く信用できません。大臣どうですか。
#398
○政府委員(松浦十四郎君) 公式的には三十七年.の食品衛生調査会の御答申をいただいておるわけでございますが、その後、もちろんLASにつきましていろいろと多くの実験データはございます。そういうデータを私ども見ておりまして、その中で特に、非常に毒性が強いというようなことで問題になるデータをまだ必ずしも十分に理解しておりませんので、そういうことがそういう段階におきましては、その後まだ調査会に御意見を伺うというようなことは考えてないと、こういうことでございます。
#399
○相沢武彦君 要するに信用できないということなんですがね。四十八年に厚生省は京都、広島、名古屋、三重の四大学に対して洗剤の研究調査を依頼しましたが、初め厚生省は、依頼した研究の課題を合成洗剤の安全性試験、こうしたけれども、その後皮膚の塗布による胎児への影響の試験、これに変えましたね。次に三転して、LAS塗布の催奇形性試験というように研究課題が二転三転しているのですけれども、これはどういうわけですか。奇形以外の安全性の問題には触れなくて結構という趣旨なんですか。
#400
○政府委員(松浦十四郎君) この実験は昭和四十六年ごろから三重大学の三上教授がLASを使いまして、このLASでもって奇形ができると、こういう研究発表がございました。それから、さらに四十九年にも同じような発表がなされたわけでございます。そこで、LASの奇形をつくるかどうかという内外の報告は非常にたくさんあるわけでございますが、その結果、奇形ができるという実験はこの三上先生の報告だけであったわけでございます。そこで、この三上先生の実験は非常にそういう意味でユニークであったわけでございますので、これをもう一度追試してみるというふうに計画したわけでございます。で、この追試をするためにこの研究班が組織されたわけでございます。そういう意味でこの催奇形性の試験になったわけでございます。
 で、この実験は五十年に行われたわけでございますが、そのやり方は、四つの大学におきまして完全に統一した動物を使う、要するに飼育管理で影響が出るということ、あるいは系統で影響が出るということを避けるために、全部同一系統の基準のものを一カ所で動物をつくりまして、それを四つの大学に配付するという方法をいたしました。それから、その実験の塗り方、あるいは奇形を調べるわけでございますから子供を産ませなければなりません。そういう意味でどの時点でどういうふうに交配を行って子を産ますかというようなすべての条件を四つの大学で、特に三上先生が奇形が出るという発表をなさったわけですから、三上先生の実験を追試するという考え方を中心にいたしまして、四つの大学で全く同じ実験をいたしました。そうして、その四つの大学の実験を最終的には全部集めて検討すると、そういうやり方をやったわけでございます。そういう意味でこれが合成洗剤LASの奇形性の試験と、こういうふうになったわけでございます。結果は催奇形性はない、こういう結論でございました。
#401
○相沢武彦君 それは四者共同の報告ですか、それとも班長の西村さん個人の見解ですか。
#402
○政府委員(松浦十四郎君) LASの催奇形性に関する合同研究班長西村秀雄先生の報告でございます。
#403
○相沢武彦君 その辺があいまいなんですよ。三上先生は長年にわたる研究の結果を踏んまえて疑義を主張しているわけですね。そして、この催奇形性なしとする発表については学者の良心として責任を持てない、こういうことで合同研究の発表の名前から抜けてますよ。厚生省、これは個人見解じゃないですか。
#404
○政府委員(松浦十四郎君) この報告は班長の西村先生の報告ということになっております。班長でございます。
#405
○相沢武彦君 班長であった個人だね。
 大臣、事国民の生命、健康に重大な影響のあるこの研究結果の報告、また行政というものを多数決でクロだとか、シロだとか、あるいはあたかも共同、研究発表の結論報告みたいな、そういうあいまいな形で過ごしてしまうというのは、これは重大な問題ですよ。これからもそういう多数決で何でも厚生行政は押し切るんですか。当然公開討論の場をつくって、学者の、この催奇性についても国民が十分わかるようにもう一遍これは検討すべきじゃないですか。大臣の見解を聞いている。これまでのやりとりを通して。
#406
○委員長(小川半次君) 質疑者は大臣を要求していますから。
#407
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常にむずかしい問題です。厚生省は、御承知のとおり、薬学博士もいれば医学博士もいれば弁護士さんもおるし、いろんな方がおりますけれども、こういうような純学術的な問題は、厚生省の試験場とか、そういうものばっかりでなくて、やっぱり一般のそれぞれ著名な一流の学者を集めて、食品の衛生調査会等もこしらえておるわけです。また、それだけでは足らぬというようなことで、大学等にも委嘱をして、いま言ったような研究をやらしておるわけです。したがって、私の聞いておるのは、四人で共同研究をやった結果がそういうような奇形はないという報告が出されたということですから、そういう報告を採用するのは当然のことであります。まあ、たくさんの学者がおりますから、中には違った意見のことを言うこともございます。しかし、国の大きな政策をやるのに、それには謙虚に耳を傾けなければならないけれども、最終的な問題というものは、やっぱり大多数の学者の意見を尊重していくということでないと厚生行政としてはなかなかやっていけないというのが実情でございます。したがって、そういうような少数意見の方が仮におありになった場合には、それには十分に耳は傾けていくつもりであります。
#408
○相沢武彦君 四大学に依頼して、四人の人たちは、一人がなし、二人は黙して語らず、三上さんは反対、こういうことだと聞いておりますよ。
#409
○太田淳夫君 委員長、関連。
#410
○委員長(小川半次君) この際、関連質問を許します。太田淳夫君。
#411
○太田淳夫君 その前にちょっとこの写真を、よろしいでしょうか。
#412
○委員長(小川半次君) どうぞ。
#413
○太田淳夫君 三上教授の実験によりますと、妊娠したマウスとラットの背中の皮膚に市販の合成洗剤――ママレモンを使ったらしいんですが、〇・一%から二〇%まで、いろいろの濃度に薄めて塗ってみると、濃度によって差はあるものの、胎児には一致して背中の真ん中あたりに出血が認められ、はっきりとした奇形が見られた。それで皮膚から吸収された洗剤は母マウスの内蔵を障害するとともに、胎児に奇形を誘発するなど、催奇性はほとんど否定し得ない、こう述べているわけです。厚生省は、この三上教授の実験レポートについて、どのように受け取って催奇性なしと結論を下したか、その点の見解を承りたいと思います。
#414
○政府委員(松浦十四郎君) そういうことでございますので、その三上先生の実験のやり方を中心にして四人の大学の先生に御依頼をいたしまして、完全に同じ形の実験を四カ所でやったわけでございます。そうして最後にそのデータを持ち寄
 って、病理組織標本なども全部同じ場所でごらんいただきまして、そしてその答えが催奇性はないと、こういう答えでございまして、その点につきましては、この西村委員会の報告というものをそのとおりと受け取っておるわけでございます。
#415
○太田淳夫君 合成洗剤を使った催奇形性の研究というのは、ほかでもやっているわけです。ここにもありますけれども、これは三重県の鳥羽市の水産試験所の石川先生がウニを使って実験しているわけです。これでも濃度によって受精率が下がり、また奇形ができることは明らかにされているわけです。どれもこれも皆一様に安全だという結論が出ているなら問題ないと思うんですけれども、こういうふうに一度一つでも危険だという結果が出ているなら、厚生省はこの実験結果について謙虚の姿勢で、どこでどういうような危険があるのかただしていくべきじゃないかと思いますし、また、いまいろいろとお話がありました四大学の合同研究で統一的な実験結果が出たと、そういう統一的な実験結果が出たということになれば、これば問題ないと思うんですけれども、そのうちの一つでも疑義をはさむ、有害であると、こういう結果が出ていることにこれは重大な意味があると思うんです。厚生省はもっと慎重に対処しなければならないはずだと思いますし、また薬についてもいろんなクロとかシロとかはっきりしない段階での厚生行政というのはどうあるべきか、厚生行政の基本は何であるか、事は人間の健康、生命にもかかわっている問題ですので、その点大臣から見解をお伺いしたいと思います。
#416
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは厚生省といたしましては、人間の健康という問題を最優先で考えておることは当然でございます。しかし、そういうようなどこが健康を冒すのかというような問題等については、それは厚生省の中にも専門家がおって、その専門家がさらに調査会なりあるいは大学なりに委嘱をして、その結果によってともかく安全だというように決定したものについては、私もそれは安全だと思うほかにはないのでありまして、それは慎重な上にも実は慎重にやらしておるわけであります。
#417
○相沢武彦君 とにかく厚生大臣、厚生省のやり方、打つ手はいつも後手後手に回っているわけですよ。だから、AF2のときもそうだったし、PCBにしてもリジンにしても、あるいは水俣病、イタイイタイ病、どれを取り上げても危険信号を発した学者や市民の声というものは、どれもこれもすぐに取り上げないで、実際に厚生省が動き出すのは健康をむしばまれた患者たちが血の叫びを上げ、動かしがたい証拠を突きつけたときか、あるいは外国で有害データが相次いで何らかの規制措置がとられた後でしょう。今回の合成洗剤の問.題にしても、すでに研究を委託したところから危険信号がもたらされているわけですから、四大学の実験結果が一つにまとまったのならいぎ知らず、奇形を生むかどうかという最も重要な問題について疑いが憤れてないわけですね。疑わしきは許さず、使用せずというのが厚生行政の根本じゃないですか。西村教授という方は、サリドマイド裁判のときに最後まで企業側の弁護に立って論陣を張ったお方だと聞いておりますけれども。これまで本院においても合成洗剤の毒性を認める発言をされた国務大臣は何人もいらっしゃるけれども、少しも行政で変わっていない。渡辺厚生大臣は少しこの合成洗剤の問題について勉強されて、さすが渡辺厚生大臣、よくぞ国民の不安を除去するそういう結論を出された、こう言われるようにがんばってください。今後の取り組み方。
#418
○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分慎重に取り組んでまいりたいと思います。
#419
○相沢武彦君 その十分慎重にというのは便利な言葉でしてね。これまでも大臣がその場限りの答弁にとどまって、行政はなかなか変わらない。そうして各種の被害者がどんどんふえ続ける、こういうことできたわけですね。ひとつここで十分に慎重に対処する、じっと黙っているのでなくて、再度すべての合成洗剤の毒性について、権威ある幅広い機関において研究委託して再調査さす、これをおやりになったらどうですか。
#420
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうことも含めて慎重に検討します。
#421
○相沢武彦君 早急に決断して実施をしていただきたい。その再審査の結果が出るまで一時中止の通達を出すぐらいの強い姿勢で臨むお気持ちはありますか。
#422
○国務大臣(渡辺美智雄君) 目下考えておりません。
#423
○相沢武彦君 研究者の一人でも使用に疑義があれば、毒性について疑義を申し立てておれば、合成洗剤の使用についてはもっと厚生省は厳しい態度で臨むべきじゃございませんか。
#424
○国務大臣(渡辺美智雄君) 当然厳しい態度で臨みますが、使用方法等についても、やはり水洗い等は十分にやっていただかなければならぬというような使用の仕方ですね。水洗いを不十分にしておって、洗剤が残っておるとかどうとか言われても、これは困ることでございますから、そういう問題も含めて、使用の方法等もやはりPRをして、安全な使用をするように、これは指導をしてまいりたい、かように考えております。
#425
○相沢武彦君 雇用保険法における季節労働者の特例一時金問題と冬季間の雇用安定対策についてお尋ねします。
 全国季節労働者の中における北海道の労働者の比率、特色について。
#426
○政府委員(北川俊夫君) 雇用保険におきます季節受給者の数は全国で六十五万四千でございます。そのうち北海道における季節受給者は二十八万人で、全国の四三%を占めております。
 なお、北海道におきます季節労働者の多くは、もっぱら建設を中心とした季節的業務に従事をいたしております。冬季は積雪、寒冷のために離職を余儀なくされ、いわゆる専業型の季節労働者であると、こういうふうに承知しております。
#427
○相沢武彦君 季節労働者の冬季間の生活は従来雇用保険で賄われてきたんですが、本年四月から特例一時金制度が全面的に実施をされたために、これまで九十日支給から五十日支給へと大幅に短縮されました。労働者、その家族は深刻な生活危機に陥っているわけですが、労働省はその実態をどのようにとらえておりますか。
#428
○政府委員(北川俊夫君) 北海道におきまして、今回の雇用保険法による特例一時金制度を中心にいろいろの御要望が強く出ておることは承知をいたしております。昨年の十一月段階で、先ほど申し上げました二十八万人につきまして、自分ではどうしても就職の場が得にくいという方の数を把握をいたしておりますが、安定機関での把握は約七万人と、こういうふうに承知をいたしております。
 なお、いまの北海道につきまして、各市町村で、たとえば生活資金の貸し付け、あるいは単独事業等のことも行われておりますので、われわれの雇用確保の対策につきましてもよく実態を把握して、これを進めるべく、昨年の十一月以降北海道庁を通じまして実態を現在調査をいたしておりますが、この二月には現地に課長を派遣をいたしまして、関係者あるいは労働者等に直接お目にかかりまして事情聴取をいたしておりますが、現在のところ、この調査全体につきましては六月に調査の実態を把握したい、こう思っておりますので、今後この調査を生かして対策を進めたいと考えております。
#429
○相沢武彦君 給付五十日の打ち切りは、季節労働者を抱える市町村の財政や経済活動に大きな影響を与えます。日本海沿岸の留萌市、岩内町、ともに漁師町ですが、漁業危機による経済の落ち込みに加えて季節労働者の給付四十日分の減収というものが町の経済をすっかりもう冷え切らしている。一人平均十六万円の減収として留萌市は二百人で三億二千万、岩内町が三千人で四億八千万、北海道全体としても、北海道経済の冷え込みというのはひどいものです。また、冬季間就労機会が今後増加したとしても、それが遠隔地でなきやないとなりますと、夏も土地を離れて働き、冬も家を離れて働かなきゃならない、そうなりますと、いっそ家族を就労先へ呼んで暮らそうということで、過疎化に一層拍車をかける結果にもなりなす。市町村では、人口流出防止や季節労働者の家庭の生活苦を一時的に救済するために、生活資金の貸し付けだとか、短期事業を組んでおりますけれども、財政難で苦しんでおります。
 そこで、自治省はこの財政援助策をどのように今後講じられようと考えるか。また、国土庁としては、こういうことに対する過疎対策の場からどう対処をされようとするか。
#430
○国務大臣(小川平二君) 雇用保険法に関連をいたしまして、地方自治体の財政運営がはなはだしく圧迫されるというような事実が出てまいりますれば、これに対しましては十分研究をして適切な措置を講じなければならないと思っておりますが、ただいまお言葉の中にありまする、まあお金を貸してやると、それが焦げついて自治体の負担になるという問題でございますが、これは改めて申し上げるまでもなく、先生御高承のとおり、過疎対策というのは実は金額的には災害に次ぐ重点が置かれておるわけでございまして、過疎債、辺地債、元利償還を八〇%、七〇%交付税で見るということもやっておりまするし、国庫補助負担の特例措置で大幅なかさ上げもやっておる、あるいは交付税におきましても人口急減補正、実際に減った人口の四割を戻して算定するというようなこともいたしております。あるいは特交におきましても、五十一年の特交が四百五十億、相当大きなものを出しておる。ことごとくが過疎町村の一般財源を緩やかにするという目的で実行をいたしておるわけです。
 いま御指摘のようなことのほかに、それぞれの町村がいろいろと独自の施策をとっておるわけでございますが、それらは現に行っておりまする財政措置の範囲内で解決をしていただく、こういう方針をただいまとっておるわけでございます。
#431
○国務大臣(田澤吉郎君) 過疎対策については、国土庁としては、基本的には長期計画を策定する段階でまず地方振興の促進を図る、その上で雇用の場をやはり地方に与える、そうして地方生活圏のいわゆる人口の定住化構想を進めてまいる、そのためにはどうしても、これまで進めてまいりました、現にありますいわゆる交通体系、あるいは通信体系、あるいは教育、文化、医療というようなものを見直していかなければなりません。特に地域の特性を生かして、産業の基盤あるいは生活環境の整備というものを図って、この過疎対策を長期的に計画の上で考えると。で、現在過疎地域においては過疎地域対策緊急措置法に基づいて地域振興後期五カ年計画を推進いたしまして、産業の振興、あるいは安定的な雇用対策を考えまして労働力の流出防止というものを進めておるような状況でございます。
#432
○相沢武彦君 各地において私どもの党で独自の調査を行ったんですが、宗谷管内の猿払村というところがございます。ここで男女百三十五人の季節労働者たちでアンケート調査をまとめましたが、この村は冬季間雪と氷に覆われるオホーツク沿岸の寒村です。完全失業期間は五カ月間と答えたのが三七・九%おりました。それから冬季間の雇用が確定していたのは、村内一名、道内二名、道外二名の計五名だけでした。雇用保険による一時金の内訳を聞きますと、十万円未満が四十四人、十万円から二十万円というのが五十五人、二十万円以上というのが六人でした。
 労働大臣、十一月末から十二月半ばで仕事が切り上がって、その後この程度の金額で生活を維持できる期間というのは、もう二月下旬、三月せいぜい半ばまでがもう精いっぱいです。三度の食事を二度に切り詰めたり、早寝遅起きをして燃料費を節約しても蓄えがなくなっちゃって、五月までの就労まで暮らしてはいけない。五十日分で打ち切られ、厳寒の地域で暮らせるかどうか、政府の役人で同じ条件でひとつ体験してみてくれと、こういう厳しい訴えがございました。労働大臣は二月の二十七日札幌へ出かけられて関係機関の人との話し合いの結論として、就労機会をふやすことで解決を図りたいとしておりますが、納得のいく具体的な説明をお願いしたい。
#433
○国務大臣(石田博英君) まず第一に、五十一年度の補正予算の実施を二月二十五日まで完全に終わりました。それから、予算外負担によって災害復旧事業、これもすでに全部終わっております。それから五十二年度の予算が成立いたしますならば、それを少なくとも一カ月程度早く実施させるようにいま関係各省と連絡をして進めておるのであります。一カ月というようなことをはっきりお約束はできませんけれども、できるだけ早く実施はできると思います。それから、何と申しましてもやっぱり通年雇用というものを確保しなきゃなりませんので、その通年雇用を奨励する制度の活用等も図っております。それから、職業訓練を施してやっぱり常用化を求めてまいらなきゃなりませんので、従来もやってまいりましたけれども、これからは北海道において、特に来年度予算等においては重点的な配慮をしたい、こう考えております。
#434
○相沢武彦君 労働大臣は特に公共事業の早期発注で解決を図りたいと期待をかけられておるんですが、開発庁長官、今回五十一年度それから五十二年度の早期発注、どの程度の効果があると思われますか。また、そういった公共事業の早期発注でこの北海道の季節労務者の問題がすべて解決つくという御見解に立たれますか。
#435
○国務大臣(小川平二君) 早期発注は、ただいま労働大臣の答弁にございましたようにきわめて望ましいことでございまするので、極力早期に発注ができますように努力をいたしておりますが、これは御参考でございますが、五十一年度に北海道庁が施行いたしました、発注いたしました状況、これは四月に一六・七%という数字が出ておるわけでございます。季節労務者の雇用という観点からいたしますると、直轄事業の方は場所的にも限られておるということがございますので、もっぱらこれは北海道庁のやっておりまする事業に期待をするわけでございますが、五十二年度におきましてはこの一六・七という数字を相当上回るようにしてほしいということでただいま督励をいたしておるわけでございます。五十二年度の予算そのものも、季節労務者が非常に北海道において多いということを念頭に置きまして、あとう限り十分な予算の獲得に努めたわけでございます。今後もその方向で努力をいたしますが、きわめて率直に申しまして、公共事業だけでこの問題を一挙に解決をするということば非常にむずかしいことだと考えておるわけでございます。
#436
○相沢武彦君 先日、後志管内の方から陳情に見るえておりましたけれども、公共事業の早期発注工事に期待をかけていたけれども、この後志管内は一件も恩恵に浴さない。そういうわけで、多少の早期発注では解決つかないということがそこで本証明されると思うんですが、特に若年、壮年と違って、高齢者の場合、最初から冬季間の就労条件の中ではねられちゃう。せめて高齢者だけでも九十日支給の回復を図ってほしいという声が強いわけです。そういうわけで高齢者、それから積雪多量地域、それから辺地に居住の季節労働者という人たちだけにでも五十日と九十日の選択権を保留するとか、その他特別な制度を検討される、こういうお考えはございませんか。
#437
○国務大臣(石田博英君) 現在の雇用保険法の範囲内では、常用されておる人たちが失業された場合の失業給付は、再就職がむずかしいと、こういう観点から高年齢層の人たちに対しては長期に給付するようにいたしておるわけであります。それは再就職を保進するということが目標であります。年々同じことを繰り返す場合には、年齢によって給付のあり方を変えるということは非常に困難であります。ただ、そういう人たちの状態が気の毒なことはよくわかりますので、そういう気の毒な状態については考えなきゃならぬとは思いますけれども、現在の状態では非常に困難というよりも不可能であります。
#438
○相沢武彦君 北海道における季節労働者の冬季雇用安定を実現するためには、積雪寒冷という特殊性を十分考慮した総合的な対策を推進する必要があると思いますが、開発庁と労働省にあらかじめ要望した点について、それぞれ御答弁をいただきたい。
#439
○政府委員(北川俊夫君) 労働省に対して先生から三点の御要望がございます。一つは、事業主に対する通年雇用制度の充実強化を図ること、雇用奨励金を最低現行の三倍程度に引き上げる等々でございます。それから第二点は、季節労働者の技能向上を推進するため、冬季における短期の公共職業訓練を拡大実施する、この点でございます。それから第三点が、季節移動労働者の援護事業の充実拡大を図ること、この三点でございます。
 まず一番初めの通年雇用奨励金制度等につきましては、季節労働者の雇用安定対策の重要な柱としましてその活用に努めて、今後なるべくその支給要件等につきましても改善を加えて、十分利用されるようにいたしたいと思います。当面、五十一年には支給要件を緩和をいたしまして、従来三人以上雇うことを要件としておりましたけれども、一人で十分であるというふうに要件緩和をいたしますとともに、本年度からば支給額五万四千円を八万円に引き上げております。それから第二点につきましては、公共職業訓練、現在千三百人を実施いたしておりますけれども、通年雇用のための技能向上ということは、これは不可欠でございますので、この冬におきましてはさらにこの充実強化をぜひ図りたいと思っております。それから、最後の出かせぎ労働者の援護事業でございますけれども、これも逐年充実を図っておりますけれども、御趣旨に沿ってさらに関係官庁との連携を深めて充実を図りたいと思います。ただ、先生御指摘の雇用保険の移転費等の就職促進給付につきましては、常用労働者を対象といたしておりまして、季節労働者につきましてはその対象にすることが困難でございますので、その点だけは御了承いただきたいと思います。
#440
○政府委員(黒田晃君) 季節労務者問題につきまして先生から御要望がありました点は二点であろうと思うわけでございます。第一点は、冬季施行の公共工事を別枠設定として大幅に施行できないかという問題だろうと思います。それから第二点につきましては、いわゆる冬季施行をする場合に、いわゆる単価とか歩掛かり、あるいは諸経費の増高があるだろうと、それを適正な単価で行えないかというこの二点だったと思うわけでございます。
 で、第一点につきましては、私どもいわゆる冬季施行という前提で考えますと、いろいろ現在のやり方と変わった問題があるわけでございまして、先ほどの御要望の点の、いわゆるいろんな増高の問題だとか、あるいはどういうところでどういう工種のものが冬季施行できるかとか、そういういろんな問題点がございます。で、これにつきましては、現在建設省が中心となりまして冬季施行の問題についての研究会を持っておりまして、そうして現地の北海道開発局もその一員として参加して研究をやっておるわけでございます。これが若干来年からというわけにもいかないような状況でございます。したがいまして、季節労務者対策といたしまして、いわゆる北海道の公共事業費の枠というようなものを、私どもとしても最大の努力でもって確保していきたいわけでございますけれども、そういう枠の問題につきましても、現在のいわゆる財政状態を考えますと、これを大きく持っていくということは非常にむずかしい問題があるんじゃないだろうかというように考えておるわけでございます。それから歩掛かりとか諸経費、いわゆる増高にかかわる問題でございます。これにつきましては先ほど申し上げましたように、現在研究の途中でございまして、どういう工種ができるかという問題からスタートしなければならないわけでございまして、そういう研究をやり、そうして実験の試験施工をやって、その上ではっきりしてまいりたいというように考えておるわけでございます。
#441
○相沢武彦君 最後に、労働大臣にもう一度お尋ねします。いまいろいろ対策を述べていただきましたが、こういった総合的な対策を講じ、また今後、公共事業の早期発注あるいは拡大等を行っても、なおかつ北海道季節労働者の冬の生活の救済ができないと、こういうときには保険給付について再度検討をするお考えはないのかどうか、もしないとお答えならば、北海道の季節労務者に対してばきわめて冷たい仕打ちをなさった労働大臣として、後世に長く名をとどめることになりますので、しかと御答弁いただきたい。
#442
○国務大臣(石田博英君) 旧来の失業保険の実情では、保険の本質、保険制度というものの本質、あるいは給付と負担との公平という点から言って非常に大きな問題があるんです。そこで今度の改正が行われたわけでございます。それから同時に、北海道の実情は内地と違いますが、北海道は専業が八七%もあるわけです。私は東北の出身で、私の方はいわゆる農業、林業との兼業が多い。事情が違うことは確かにわかります。わかりますが、私どもの方で調査をいたしましたら、現在の制度の方がいいというのが六一%に上ります。そうして前の制度に戻してもらいたいというのは十数%であります。現在、この季節労働の実情を申しますと、納付金が七十八億円、それに対して給付の額が千三百九十億円。北海道の事情はよくわかりますが、それを全部雇用保険で見ろというのは無理である、保険の制度自体として無理だ。したがって雇用保険法の改正という考えはございません。これはしかし他の方法――労働省としてできることは、昨日対馬委員にもお答えをいたしましたが、何とか常用化のしやすいような方途を考える、通年雇用ができるように考える、そのためには職業の訓練その他の方法をとって増強を図るよう、いま検討を命じているところであります。比較的若い人の層が多いの.で、職業訓練に、また若い人については需要が多い、そういう点を勘案をいたしまして、そういう方向に向けて努力をいたしたい、やっぱり総合的な政策の中で処理してもらわないで、保険だけに全部おっかぶせるというのは保険制度というものの現状から、あるいは本質から言って無理であると考えます。恨まれても仕方がございません。
#443
○委員長(小川半次君) 以上をもちまして相沢武彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#444
○委員長(小川半次君) 次に、小巻敏雄君の質疑を行いますが、この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 総予算三案審査のため、本日、中央大学文学部助教授村越邦男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#445
○委員長(小川半次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#446
○委員長(小川半次君) 小巻敏雄君。
#447
○小巻敏雄君 文部大臣並びに大蔵大臣に教育の行政についての若干の御質問を申し上げます。
 ことしは、日本国憲法、教育基本法のもとで新しい教育制度が発足をしてからちょうど三十年目に当たるわけでございます。この中で義務教育の修了者の九〇%を超える者が後期中等教育、高校へ進学をするというような大きな発展もございますけれども、その陰に、学習が定着をしないでついていけない子供、落ちこぼれの問題というのが広く国民の憂慮するところとして今日登場しておるわけであります。あわせて青少年の非行がなお勢いが衰えない、増大をしそうして低年齢化まで加わってくる。また体力についても、体格の発達に伴うところまでの体力が得られないで、しかも体格のピークに至る前から衰退が始まるというような問題も新たに指摘をされておるところでございます。何としても。学校というのは子供を成長発達させるためにあるところであり、この恩恵はすべての子供に及ばなければならぬ、これがひいては国家社会のあすをつくるのでありますから、この点について特にお伺いをするわけであります。
 六年前に、全国の教育研究所連盟の方で、半分の子供が学業についていけていないのだという意識調査の発表を行いました。この内容が。昨年、特に国民教育研究所と日教組の共同研究をもって、直接子供に対しての検査を行って、そうして実態が明らかにされておりますし、また昨年暮れ、これは政府機関である国立教育研究所も到達度調査というものを行って、ことしの一月にはこの結果を発表しておる、こうい.つた実態を明らかにするために、まず、参考人の意見陳述を求めるものでございます。
 本日はこの陳述をひとつ大臣にお聞きいただいて、あした以降御質問をいたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは参考人にお伺いをいたします。いま申しましたように、今日国民の注目は、子供の学力が本当に身についておるのか、落ちこぼれの問題はどうなのか、どうすればこれを正すことができるのか、注目が集まっておるわけでございます。ひとつ調査の対象、方法、実態等について、まず明らかにしていただきたいとお願いするわけでございます。
#448
○委員長(小川半次君) 中央大学文学部助教授村越邦男参考人。
#449
○参考人(村越邦男君) 私は中央大学の教師で、教育心理学を専門としております。
 私は一昨年から去年にかけて、国民教育研究所と日教組が協力して行いました学力実態調査のために組織された委員会のメンバーとして、算数部会と統計部会に参加させていただきました。
 初めに、今回行われた調査に関して若干説明いたしますと、今日の学習指導要領と、それをもとにしてつくられた教科書のもとでは、多くの子供たちが取り残されているのではないか、最も基礎的な学力を身につけることができないのではないかというふうなことが多くの方から指摘されているわけですが、この問題に関して客観的に明らかにして、この実態を浮き彫りにするために、今回の調査は行われたものであったわけです。調査対象は六つの県の児童生徒を対象にいたしまして、約五万人の生徒を対象にいたしました。そして協力をしてくれた学校は約二百校に上るわけです。また、今回の調査は国語、算数の二教科について標本抽出による基本調査、これは中学校の一年生と小学校の五年生を対象としているわけですが、それと補充調査、これは国語、算数の歴史比較調査、それから計算力の発達調査、算数の理解度調査、算数の意識調査という幾つかのものを組み合わせたわけですが、これを実施して、特に国語では漢字の読み書き、算数では計算力を中心として、多面的に今日の児童生徒の学力の実態が浮き彫りにできるように工夫いたしました。特に、ここで留意していただきたいのは、この調査で出題をされた問題は、現行の学習指導要領の範囲の中から出題をされていることでありますし、今回の調査を通して、立場はどうであれ今日の教育課程のもとにおける学力の実態をそれなりに、客観的に浮き彫りにし得えたという事実であります。それは今年になって文部省の教育研究機関である国立の教育研究所の調査の結果が発表されたわけですが、それとも若干の解釈の食い違いはあったとしても、データの部分だけから見てみますときわめて類似するところが多いということからも知ることができます。ところで、今回の調査ではどのような子供の学力の特徴が示されたのか、詳細は報告書が出ておりますので、それを参照にしていただければというふうに思いますが、私はここで四点だけ算数にしぼってその特徴を指摘してみたいというふうに思います。
 それは、まず第一に、中学校の一年生の段階で、小学校で身につけるべき計算力が身についていない子供たちがきわめて多く見出されるという事実です。たとえば、これは議員の先生方にいま計算問題をやっていただきますが、九割ることの四十三というふうな、こういう簡単な問題に関して、中学校の一年生で正答する子供が一四・四%、ですから十人のうち九人は間違えてしまうという結果。それから五・〇〇八割る五・六というふうな問題に関しても一一・九%、それから〇・七割ることの五・六に関しても一一・九%。こういうふうに小数の割り算の問題に関しては大部分の問題で七割から八割、もしくは九割の生徒が間違えてしまうというふうになっています。また、三カ六分の五足す十四分の三というふうな問題に関しては三〇・七%、それから一カ六分の五引く〇・二五というふうな問題に関しては三〇・六%、それから九カ四分の一割ることの二カ五分の七というふうな問題に関しては三九・〇%というふうに、分数の加減乗除算の問題に関しても、中学校の一年生で六割から七割の生徒が間違えてしまうというふうな事実です。特に分数の問題に関しては、国立の教育研究所の調査でも、八カ六分一引く二カ三分の二の正答率は、小学校の六年生で三九・七%というふうになっています。つまり両方の調査を通して正答率は低というふうな同様な結果が出ているというふうなことになっているわけです。
 さらに、第二番目に指摘されなければならないのは学年進行に伴う学力の格差の広がりの問題です。たとえば、それは小学校の三年生、四年生の段階ですでに見出された学力の格差が中学校の一年生ではさらに広がって、いわゆるできない子供の場合には、中学校に入る時期には小学校で身につけるべき計算力が全く身についていないことによって示されます。すなわち、基本調査の対象となった千八十人の生徒の中で、中学校の一年生で五十二点満点中十一点までしかとれなかった生徒二百二十二人の場合には、ほとんどの問題に対して正しく答えることができないというふうな驚くべき学力の遅滞というふうなものがここで生じています。
 また、第三に指摘されなければならないのは、学年が進んでも学力が向上しないというふうな事実です。たとえばそれは国立の教育研究所の調査でも、小学校の六年生と中学校の三年生に出題した同一の計算問題で、正答率がほとんど変わらないということにも示されています。私たちの調査ではこの傾向がさらに顕著にあらわれて、同一問題では小学校の三年生から四年生にかけては計算力が向上するが四年生から五年生にかけては計算力が停滞する、そして小学校の六年生では正答率が小学校の五年生よりも低くなるというふうな、いわゆる私たちはこれを逆転現象というふうに名づけているものですが、こういうふうなものが生じて、これは教育学の言葉で言いますと学力の剥離現象というふうなことで言われているものですが、そういうものが非常にはっきりと見出されるということになっています。
 また、第四には子供の学習意欲の問題です。すなわちこれも国立の教育研究所の調査とも一致しているわけですけれども、学年が進むにつれて計算ぎらい算数ぎらいが増加してくる。特に小学校の低学年ではまだ学力の低い児童でも算数や計算が好きだというふうに答える者がかなり見出されるのに、高学年になりますと、学力の低い児童はほとんどが算数や計算はきらいだというふうに答えていますし、つまり児童が学習意欲の面でも大きくむしばまれていることを知ることができます。
 以上、私は算数に関してその特徴を挙げましたが、国語に関しても同じようなことが言えます。特に読むよりも書くことが劣るというふうな事実でありますとか、幾つかの文字を書くことに関しては、学年進行とともに正答率が低くなるというふうな事実、さらに一九五二年に文部省が実施した漢字の書きに関する調査と同一の問題を今回やったわけですが、そうしますと以前よりも正答率が低くなってくるというふうな事実。これらのことも児童の漢字の読み書きの深刻な実態というふうなものを物語っているんではないかというふうに私は思います。
 以上、私は簡単に今回の調査について紹介いたしました。私見を許していただければ、私は大学に職を奉ずる一教師としても、一研究者としても、今回この調査に参加して非常にショックを受けたわけです。私はこの報告を全国さまざまな府県で現場の先生方や父兄に報告する機会を多く持ったわけですが、多くの方々からいわゆる落ちこぼれ現象に関して、文部省や学校教職員その他教育関係者がともにこの問題に総力を挙げて取り組むことの必要性というふうなものを訴えらました。そういう意味で、ぜひ関係各氏の御協力をお願いできればというふうに思っています。以上です。
#450
○小巻敏雄君 続いてもう一問、お願いをしたいと思います。
 なぜ子供たちはこういうふうにつまずくのか、なぜそれが伸びないのか、こういうこととか、それを解決していくに当たっての問題分析を行われたかと思うわけですが、その点について簡潔にお伺いしたいと思います。
#451
○委員長(小川半次君) 参考人、要点のみ簡潔にお願いします。
#452
○参考人(村越邦男君) なぜこういうふうな学力の遅滞というふうなものが生ずるかという問題に関しては、さまざまな要因が複合しているので、決定的なことは私も言うことができないわけですが、少なくとも二点だけは申し上げられるんじゃないかというふうに思います。
 第一点は、昭和四十六年以降、小学校で実施された学習指導要領の問題というふうなものを見過ごすことはできないというふうに思います。思い返してみますと、今日の学習指導要領は教育の現代化の名のもとに作成され、そこでは小学校の段階でも、算数の領域で言えば集合や確立が導入され、いわゆるらせん型の教育システムというふうなものになってきました。その結果、たとえば算数に関してはどの学年でもすべての領域を網羅して教えなければいけないというふうなことになってしまい、各学年ともいわば細切れ的な知識を詰め込むことになってしまったということがあるんではないかというふうに思います。たとえば、それは従来から多くの人々の批判にかかわらず、小数の問題で言えば、小学校の三年生から五年生までの三年間にわたって教えられることになりますし、分数では三年から六年の四年間にわたって教えられるというふうなことになってしまう。その結果、児童の中では、まず二つの側面から学力の遅滞が発生するというふうに私は思います。それはまず第一に、児童生徒が繰り返し丁寧に計算操作を練習する時間が学校の中で保証されていないということです。児童はある計算問題が与えられたときに、それに十分習熟する以前に次の教材を学ばなければならない、その結果教えられた知識が定着しない結果になってしまう。つまり今日の学習指導要領が、教えられることが多過ぎて新幹線教育になっているというふうに批判されるのもこの点にあるんではないかというふうに思います。
 このことは、国語に関しても全く同様で、たとえば漢字に関しては以前の学習指導要領に比べて今日の学習指導要領では覚える漢字が小学校で八百八十一文字から九百九十六文字と百十五字ふえている。しかもそれが低学年にその増加する漢字というのがふえている、集中しているというふうなことにもあらわれているわけです。
 さらに第二に挙げられるのは、今日の教育課程が子供がわかること、理解することというふうなことを基礎としてできるというふうなことを目指していないということにあります。たとえばそれは小数足す整数の足し算の問題で、小数部分のけたをきちんとそろえるということができない生徒が全生徒のうちの三割以上いるという事実に示されるように、小数の意味とか、小数の計算の意味というふうなものが児童に教えられていないということにも示されると思います。また分数に関しても、分数の意味がしっかり教えられていないというふうなことから生ずる過ちが非常に多いですし、それから、いまの子供たちが応用問題が苦手であるというふうなことにも示されると思います。つまり、今日の子供の学力の遅滞というのは、子供の学習がともすれば意味のわからないままドリルを積み重ねる、いわゆる暗記学習に転落しているということが最も大きな原因として考えられると思います。そこで、今日の児童のいわゆる落ちこぼれを解消するには生徒自身がわかることを基礎としてゆっくり確実に新しい教材になれ、それに習熟できるような教育課程を構想するということが必要に思われます。
 それから、またさらに、初めに申し上げた二点の後者の問題ですが、今日の子供の落ちこぼれの問題は教師の教育条件の改善というふうなものを抜きにしては考えられません。今回の調査で明らかになったことの一つに、先ほど触れましたように、子供の間の学力のばらつきがきわめて大きいということがあったわけですが、このことは教育課程の思い切った改善ということを基礎にして一人一人の児童生徒の学習に対するきめ細かな配慮が必要になっていることを意味していると思います。そのためには教師の目が一人一人の学習課程に注がれ、自由で創造的な指導が実践できるような教育条件の改善がどうしても不可欠なことになっているのではないかというふうに私は思います。
#453
○小巻敏雄君 きょうは終わります。
#454
○委員長(小川半次君) 村越参考人には、御多用の中を当委員会に御出席していただきありがとうございました。御退席されて結構でございます。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#455
○委員長(小川半次君) 速記を起こしてください。
#456
○小巻敏雄君 文部大臣にお伺いをしますが、すべての子供に対して人間として生きていくために必要な基礎知識と必要な学力をきっちり身につけさせるということが、これが基本法でもうたう理念、目的にもかなった教育の基本ではなかろうかと思うんですが、その点どうですか。
#457
○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃるように教育の目的は人格の完成を目指して心身ともに健康な国民を育成することにあるわけでありまして、義務教育段階で国が準備します基準というものは、やっぱり義務教育ではこの程度のことを身につけてもらうことが、国民としてその人が将来社会に出ていく上においても必要なものではないかと、こういうことを基準に置いて考えておる次第でございます。
#458
○小巻敏雄君 いま大臣が答えられた意味は、国が示しておる基準と、これは学校にやってくるすべての子供に身につけさせるのがたてまえだとこういうことですか。
#459
○国務大臣(海部俊樹君) 個人個人にはいろいろとその能力の差もございますし、理解をしてもらうのに早い遅いいろいろございますけれども、一応の基準としてやっぱりすべての人にこれだけのことは身につけてもらいたい、こう願っておるわけでございます。
#460
○小巻敏雄君 基準とするものはどの子供にも身につけさせるんだと言われておりますし、まさにそれが教育基本法のいうところの思想だろうと思うわけですね。いま参考人からもありましたし、新聞等でも伝えておりますように、国立教育研究所でやったテストの結果を見ても、この点で内容がかなりに空洞化しておる、自習はするけれども修得を終わっていない。低学年でつまずけばそのまま回復の機会がなくて中卒までいってしまうというような例が挙がっておるわけであります。
 教育研究所の計算問題は私もやってみましたけれども、むずかしいものじゃありません。六分の五プラス八分の三というようなこれが分数が、子供のときにつまずくだけでなくて、高校へ行っている子の中で三〇%ぐらいが誤答をやっておるわけですね。こういう状況、そこでお伺いをするんですが、この学習指導要領に小学校四年程度で記載をされたこういう単純な分数の加え算などというものは、全体に身につけさせるものとして組まれているんじゃないですか、その点お伺いします。
#461
○国務大臣(海部俊樹君) もちろんそういう考え方で小数、分数の計算問題等は出されております。
#462
○小巻敏雄君 まあいろんな能力の子供がいると言っても、すべての子供、少なくともほとんどの子供にできるようにさせなければならぬし、教えるやり方と条件によっては、そのことは可能だと思うんですけれども、どうですか。それともつい、いけぬ者は仕方がないわけなんですか。
#463
○国務大臣(海部俊樹君) これはやはり、ついてこれない子供は仕方がないと言い切ってしまってはいけないわけであって、どうしたら身につけてもらえるか、どうしたら理解してくれるだろうかこいうことを、いろんな角度からそれぞれの立場の者が考えなければならない問題だと、私はこう思います。
#464
○小巻敏雄君 それは身につけさせなければならないという答弁は得ておるのでありますけれども、それを今日不十分であれば条件を整備し、あるいは教師の努力によって引き上げることができるというふうに考えておられるのかどうか、そこのところをお伺いしたいわけです。
#465
○国務大臣(海部俊樹君) この問題につきましては、たとえばいま御指摘のあった参考人の御発言で、分数や小数の計算の正解が一四%とか一一%というのは、私はこれは余りにも少な過ぎる正解率だと思います。もっとこれは身につけてもらわなければならぬ、やっぱり人間として基礎的、基本的に大事なことだと思うんです。じゃあこれはこうしたらいいかということでありますが、御指摘のように詰め込みに過ぎるのではなかろうか、教科内容がむずかし過ぎる、多過ぎるのではなかろうか、こういう御指摘もいろいろな角度からごごいまして、教育課程審議会の答申も得て、現在学習指導要領で精選作業をしておるさなかでありますが、同時にどうしたら生徒が身につけ覚えてくれるだろうかという現場の先生の創意工夫、御努力というものもやはりあわせてお願いをして、ともにいけないところを補いながら、みんなが身につけるように努力をしていくべきだと、私はこう考えております。
#466
○小巻敏雄君 少なくとも、いま参考人からも供述があったような程度のああいう問題内容ですね、具体例を挙げて出された分数、加え算などは小学校四年生で教えると、こういうものですけれども、これが中卒の段階でそれが一割とか五%とかいうことでなくて、数十%の者がこれを身につけないということになれば、教育する側の責任として問われる必要があるんじゃなかろうか。少なくとも大部分の者はやりよう次第で到達させることができるんだと、こういうふうに言われるのかどうか、そこを再度お伺いしておきます。
#467
○国務大臣(海部俊樹君) そういう基礎的な計算というようなものは、やはり大部分の人が理解をし身につけてもらわなければならぬわけでありまして、いろいろな努力をし、またいけないところを改善することによってそれはできるものだと私たちは信じたいのでございます。
#468
○小巻敏雄君 基礎学力が定着をしていない子供に対して、能力が不足なんだからこれは見限ってしまうと、こういう態度をとりますと、初期につまずいて後から補充すれば直るものがそのまま固定されてしまうわけですね。実際にそこが肝心なところだと思うんですけれども、まあ一部能力説などというようなわけで、おくれた者につき合っていたのでは進んだ子供が迷惑をするというようなことで、見切っていこうとする一部の意見があることも事実であります。こういう状況の中で、いやしくも文部省が切り捨ての考え方を容認するというようなことがあってはならぬと思うわけですけれども、その点はどうですか。
#469
○国務大臣(海部俊樹君) 最初に私がお答え申し上げましたように、それはもうだめだと言ってあきらめて見放してしまうのではいけない。それはそういう考えはとっておらないということでございます。
#470
○小巻敏雄君 小学校、中学校の学習指導要領、これにはそういう学業不振の子供に対してはどういうふうにしろというふうに書いておりますか。
#471
○国務大臣(海部俊樹君) 具体的にどういうふうにしろと書いてあるかについては、ちょっと指導要領を私ここに持ち合わせておりませんので、政府委員からお答えをいたします。
#472
○政府委員(諸沢正道君) 現在の小学校の学習指導要領の総則の、これは教育課程一般についての基本的な考え方でございますが、その総則7の(6)というところに、「学業不振の児童については、特別の配慮のもとに指導を行なうこと。」ということがございます。
#473
○小巻敏雄君 それ小学校のものでしょう、中学のはどうなっていますか。
#474
○政府委員(諸沢正道君) 中学校については特にそのような規定はございません。ただ、高学年の数学、英語等につきましては、その履習の態様について、個別の生徒について、その部分は履習をさせなくてもよろしいというような配慮はございます。
#475
○小巻敏雄君 小学校のものには確かに言われるように特別の配慮のもとに指導をせよと、こう書いてある。特別の配慮というのは、これは特に学力補充でも行ってよく到達するようにせよという意味だろうと普通思うわけですけれども、中学の方を見ると、同じ部分に、通常の教育課程による学習が困難なそういう生徒に対しては、学業不振児に対しては、各教科各学年各分野の目標及び内容の一部を欠くことができると、こう書いているんではないですか。
#476
○政府委員(諸沢正道君) おっしゃるように総則のところではそういう規定があり、そして具体的に各教科のところでその個所を示しておると、こういうことでございます。
#477
○小巻敏雄君 さっき文部大臣からもあったように、学習指導要領で決めるのは、すべての子供に大体教え込むべき基本になる問題なんですね。ほかにいろいろあるでしょうけれども、それをできの悪い子があったら、できない部分は免除してやってもよいと、こういうことが中学の方には書いてあるわけですけれども、その点は一体どういうわけなんですか。
#478
○政府委員(諸沢正道君) 学習指導要領は、大臣が申しましたように、すべての子供がそれを修得するというたてまえのものでございます。しかしながら、実際に中学校の高学年になりまして、各教科を見ました場合に、いたずらに全部画一的に履習をするけれども、修得をすることができないというような場合には、やはり本当に基礎基本に重点を置いて、実質的にそういうものを身につけさせるという方がはるかに大事でありますから、そこで高学年の場合には、いま申しましたような趣旨の考え方を示しておるわけでございます。
#479
○小巻敏雄君 基礎基本でない部分は省いてもいいが、基礎基本だけを教えろと、こういうことですか。
#480
○政府委員(諸沢正道君) どこまでが基礎基本といい、どこまでが基礎基本でないかということは、物によっても考え方もまた違うかと思いますけれども、一般的な考え方を申し上げますならば、やはりこれはどうしても修得させなきやならぬというものは必ず教えよというたてまえになっておるわけでございます。
#481
○小巻敏雄君 学習指導要領の記載事項は、教育課程は基本だけを決めて、これは法的拘束力で全部にやらせるのだと、こう言っている中に、やらなくてもいい部分がまじっているのですか。
#482
○政府委員(諸沢正道君) 御指摘のように、学習指導要領は法的拘束性を持っておりますけれども、この内容を一つ一つお読みいただきますならば、全部そうやれと書いてあるわけではないんで、取り扱いについての留意事項として、こうすることが望ましいとか、あるいはこういう点に留意をしろということも、すべて学習指導要領に書いてあるわけでございますから、その内容によって学習指導要領の拘束性と申しましても、読んでいただかなければいけないというふうに思うわけであります。
#483
○小巻敏雄君 大臣にお伺いをいたしますが、いまお聞きになったように、基本事項に入っておるこの学習指導要領の目標でも、ごくできない子には省いてもいいと、こう言っているわけですね。実際に中卒で、先ほど言われたように基本事項の中心になるような簡単な小学校の問題を、中学出るまで欠いたままで卒業してしまう、これが百人に一人とか二人じゃなくて、これはまあ百人に一人、二人なら別途教育機関というようなものもあるでしょうけれども、これが十数人に及んだり二十人に及んだりするなら、これはやり方の問題だということになるのではなかろうか、どうでしょう。
#484
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほどの参考人のお話を聞いておりましても、出発点における基礎的、基本的なことがわかりませんと、学年が進行するに従って勉強もいやになり、さらにその格差も開くという御指摘がありましたが、やっぱり基礎的、基本的なことはみんなに身につけてもらうようなものでなければなりませんし、またそのような努力をしなければならない、これは当然のことだと思います。
#485
○小巻敏雄君 当然、大臣が言われるような趣旨であるなら、この学業不振児に特別の配慮をするというのは、もう学業を免除してやって、低い段階で卒業させるんではなくて、そのために補充の特別な措置をするというような方向へいくのが自然な考えじゃありませんか。
#486
○政府委員(諸沢正道君) 確かに、義務教育という立場から全部到達目標は同じでなければならないということは一つの考え方ではあろうと思いますが、いまも申しましたように、たとえば三年の数学の場合に、簡単な関数について逆関数の意味を理解させるというような部分がございますが、そういうような点は生徒によっては取り扱わなくてもよろしいんだと、こう指導要領にはっきり書いてございます。その趣旨は、やはり中学校の数学として到達するところは、いま申し上げたような点も含めて、およそこのくらいということを書いてございますけれども、しかし子供のこの時代までに至る能力の発達ということを考えました場合、全部画一にそうしなきゃいかぬということは、またこれは実際上いろいろむずかしい問題もございますので、私は教育的な配慮としてはこの程度のことはむしろやりまして、そして一人一人の能力に応じてしっかり身につけさせる部分は、必ず身につけさせるということの方がよろしいんではないかというふうに考えるわけであります。
#487
○小巻敏雄君 大臣にこれはお答えいただきたいと思うのですが、こういうことが学習指導要領に書いてあるので、三〇%の子供が基礎学力をつけないままで中学を卒業しても、教員の責任は免除されているのです。特別な配慮をして、こういう普通のだれでも覚えないと物理も化学もできないというような問題ですね、分数の簡単な、こういうことは補充をしてもそのときに四年生なり五年生のときに教え込んでおくと、ちょっとやりゃできるのです。塾に行ったら現にかなりできるのですからね。これを学校の中でやってやるのだというのが正しいのと違いますか、どうですか。
#488
○国務大臣(海部俊樹君) これは御指摘のように、そういう基礎的、基本的なことは学校の中でみんながきちんと覚えてもらうことが一番望ましいわけでありますし、また、そういったことに対する御指摘等もあって、やっぱり学習指導要領というものはどうあるべきかという精選作業もいまやっておるさなかでございますから、御指摘のとおり、わからないままにどんどん上に上げていくのはこれは好ましい姿ではございません。
#489
○小巻敏雄君 それでは大臣、わからないままで卒業さしてもよろしいという条項に読み取れるこの学習指導要領の、目標を欠くことができるというのを知っていましたか、こういうことが。
#490
○国務大臣(海部俊樹君) そういう正確な表現でそういうことが書いてあるということは、正直に申し上げて存じませんでした。
#491
○小巻敏雄君 大臣がそれだから幾らいい精神で言われても、文部省の中にこういうものがあって、これを使えば三〇%の学力不足で卒業しても何ということないんですよ。文部省は判こ押しているんですよ。これをやめて、むしろここでは特別の配慮と措置というのは、できない子を少なくとも引き上げてやるために学校では特別措置をとることができると、補充のための措置をとることができるというふうにやられるようなお考えはありませんか。
#492
○国務大臣(海部俊樹君) 申し上げておりました、ただいまちょうど学習指導要領の精選をやっている最中でございますから、いろいろな問題については御意見等もあり、検討を加えさしていただきます。
#493
○小巻敏雄君 本日最後の質問にいたしますので、いろいろな問題じゃなくて、この問題についてひとつしっかりとお答えをいただきたいと思うのです。学力補充のために特別な配慮をすることが必要で、目標を欠く、こういうものは学習指導要領から落とさなければいけない、改めて御返事を聞きますから、その点を確認しておきます。
#494
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろな問題と申しましたのは、私はやっぱり多過ぎたり、それからむずかし過ぎたりするようなものがありますと、出発時点でつまずくと、だんだん上に行くほど進歩がおくれるわけでありますから、そういう意味で内容がむずかし過ぎはしないか、多過ぎはしないかというような面について、いろいろな検討をいましておる最中でございますが、ただいま御指摘の問題についても十分検討さしていただきます。
#495
○委員長(小川半次君) 小巻君の残余の質疑は明日行うことにいたします。
 明日は午前十時から委員会を開会をすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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