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1976/03/22 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 建設委員会 第5号
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1976/03/22 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 建設委員会 第5号

#1
第080回国会 建設委員会 第5号
昭和五十二年三月二十二日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小谷  守君
    理 事
                土屋 義彦君
                赤桐  操君
    委 員
                遠藤  要君
                神田  博君
                中村 禎二君
                堀内 俊夫君
                望月 邦夫君
                栗原 俊夫君
                二宮 文造君
                矢原 秀男君
                上田耕一郎君
   国務大臣
       建 設 大 臣  長谷川四郎君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  田澤 吉郎君
   政府委員
       国土庁土地局長  松本 作衛君
       建設大臣官房長  粟屋 敏信君
       建設大臣官房会
       計課長      加瀬 正蔵君
       建設省計画局長  大富  宏君
       建設省都市局長  中村  清君
       建設省河川局長  栂野 康行君
       建設省道路局長  浅井新一郎君
       建設省住宅局長  山岡 一男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        淺村  廉君
       日本住宅公団総
       裁        南部 哲也君
       日本住宅公団理
       事        沢田 光英君
       日本住宅公団理
       事        有賀虎之進君
       日本道路公団総
       裁        前田 光嘉君
       日本道路公団理
       事        吉田 喜市君
       水資源開発公団
       副総裁      小林 誠一君
       宅地開発公団総
       裁        志村 清一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (建設行政及び国土行政の基本施策並びに建設
 省及び国土庁関係予算に関する件)
○治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小谷守君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日の委員会に参考人として住宅金融公庫、日本住宅公団、日本道路公団、水資源開発公団及び宅地開発公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(小谷守君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、建設行政及び国土行政の基本施策並び建設省及び国土庁関係予算について、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○栗原俊夫君 初めて建設委員会というところへ配属されまして、まことに素人でございます。しかし、国民の標準的な観点でいろいろとお尋ねをしてみたいと思いますが、まず最初に、この国会で、予算の中で景気浮揚は公共事業が第一番だという福田総理の主張に対して、公共事業も確かに必要だけれども、この不況を何とか切り抜け、景気を浮揚させるためには国民大衆に実際的な購買力を持たせなきゃだめだということで、私たちは一兆円減税というものを強く主張してまいりました。もちろん減税だけでいいというわけではなくて公共事業も必要だ、しかし、公共事業の中でも大型プロジェクト等に偏って一般的にその金が流れないのではうまくないのではないか。公共事業の中でも全般的に金の散る、特に生活に関連した住宅その他、地方にも金の散るような公共事業が大事なんではないかというような論議が展開され、今日ただいまでも予算委員会等で展開されるわけでありますが、減税については、先般三千億円の上積みをし、そしてまたいろいろと年金その他共済等の早期実施等によっておおむね七千数百億の減税的な処置がとられる、こういうことになりました。
 この間、公共事業の大変な部分を担当する建設省では、長谷川大臣を中心にして、前年度に比して非常に大幅な予算増がある、こういうことで大臣も胸を張っておられるわけでありますが、景気浮揚について公共事業が減税よりもいいんだと、そういう金があるならば公共事業をやるよと主張しておる福田大臣、そしてその指揮下にある長谷川大臣は、景気浮揚と予算の関係についてどのような御所見をお持ちですか、まずお伺いいたしたいと思います。
#6
○国務大臣(長谷川四郎君) お説のように、両立いたしまして減税相伴って施行することになりましたから、かなりの効果はあると思いますけれども、その中において生活関連の事業、こういうような点に特に意を用いまして、そして今回の予算をつくったわけでありますが、世論調査の結果から言いましても、総理府でいろいろ調査した結果から見ましても、公共の方がはるかにいいじゃないかというような数字があらわれてきております。しかし、といって、この取り扱い方でありますけれども、大型プロジェクトのようなもののみにこだわっているわけではございませんし、生活関連というものから考えていく、またちょっと大型になりましても、いままでのような大型を一会社に請け負わせるとか二つの会社に請け負わせるとか、そういうようなことでなく、本年度は特に中小商工業者の中小の業界になるべく行き渡るように、大きなものでありましてもこれを分割をいたしまして、そして専門にそれに携わるようにもしてありますし、特にまた中小におきましては、中小で受けられないような方には企業体をつくらせまして、企業体によってこれを引き受けるというようなことまでをやりまして、そして、なるべくその予算が広く大きく効果があるように使っていかなければならぬ、これが基本方針であります。したがって、ただいま御審議を願っておる予算が通過をした後には、そのような方法をもって今後の使用方法を行っていくと、こういうふうにやっております。でありますから、私たちは公共という問題につきましては、かなり広く行き渡っていくだろうと。この問題には関連業界が多くございます。いろいろ数を数え切れないほどの関連業界がありますので、その関連業界に対する大きな刺激にもなることだろうと、こういうふうに考えておるのでございます。
#7
○栗原俊夫君 景気浮揚のために莫大な予算を獲得する、そしてこれを景気浮揚のために使っていく、そのためにはやはり予算がきわめて効果的に、しかも公正厳正に使われなきゃならぬ。このように思いますが、近ごろいろいろと各地で汚職事件が頻発しております。恐らく汚職が表面化しておるのは氷山の一角にすぎないだろうと思うんでありますが、およそ汚職が起こる問題には、認可許可権をめぐっての問題等も多々あると思いますけれども、多く私たちの耳目を驚かせるものは、請負に関連した汚職事件でございます。
 そこで、請負に汚職が起こる、一体何で汚職が起こるんだと、どういう理由で汚職が起こるんだとお考えでしょうか。なぜこういうことを聞くかというと、原因がわからなければこれを抑えていくことはできないわけでありますから、何で汚職が起こるんだと、どうとらえておるのか、この点についてひとつ御所見を承りたいと思います。
#8
○国務大臣(長谷川四郎君) 私もまだ短い年月でわかりませんけれども、われわれの関知するところによりますと、大体国内に建設業者と建設業と称する方々が四十万を突破するだけあります。したがって、それだけの方々に対する仕事がまんべんなくというか、その方々に充足するだけの仕事の量がなかったと、こういうような点。そこで、なるべく自分の会社にそれを指名してもらうとか、入札をしてもらいたいというような点、こういうような点についてのいろいろな競争率が非常に激しいというような点がまず一点挙げられていくだろうと思う。そこで、なるべくその人たちに近づいて、そしてその内容を知りたいとか、その内容に近い金額を教えてもらいたいとかいうような意欲がその結果を生み出していくものだと思えます。したがって、今後はそういうことの間違ってもないように、あり得ないような方法をどうすればいいか。ただ言葉の上では、いろいろな次官通達も出しますし、いろいろ言葉の上でも注意を喚起しておりますけれども、なかなか徹底しなかったことだったと思うのでありまして、昭和五十二年度、私が入ってからは特に全員の職員に対しましても、間違っても行政の上に立ってそういうような間違いがあっては相なりませんということを申しつけてもありますし、今後はそういうことの絶対ないように十分に注意を促しておりますし、また業界の方々に対しましても、それ相当にやはり注意を促しておるところでございます。今後は恐らくそういうことがないであろうというように、いまのところは考えておる次第でございます。
#9
○栗原俊夫君 きわめて初歩的な質問でありますけれども、一般国民にもわかっておるようでわからないのが、請負はどんなぐあいにして行われておるんだということが、恐らくそんなことはわかっておるはずではないかということなんだけれども、実際には国民にはよくわかっておりません。予算が具体的に使われていくまでの経過について、基本的なところを概略御説明を願いたいと思います。
#10
○政府委員(粟屋敏信君) 予算が成立いたしました場合には、個所ごとに事業実施の金額を定めまして、地方建設局直轄工事の場合においては支出負担行為の示達をいたすわけでございます。同時に、都道府県施行の分もございますので、都道府県につきましては国の補助金額の内定通知をいたします。そうして、初めて直轄並びに県――県の場合はもちろん県の予算が通ることが前提でございますが、契約権限が発生をいたすわけでございまして、それから契約に向かうわけでございます。契約をいたします場合には、土木工事の場合におきましては競争入札が原則でございます。競争入札の原則は、大原則は一般競争入札でございますけれども、土木工事のように専門的、技術的な知識が要るものにつきましては、指名競争入札に付するのが一般でございます。指名競争入札の場合は、大体十社以内に指名をいたすわけでございます。そうして指名競争入札をいたしまして、予定価格の範囲内で一番安い者が原則として落札をいたすわけでございます。そうして落札に基づきまして正式に契約を結びまして、それから工事の実施に入るというのが一般の順序でございます。
#11
○栗原俊夫君 一般競争入札、指名競争入札、そのほかに随意契約なんという方法もあるとか聞いておりますけれども、そういうものはあるんでございますか。
#12
○政府委員(粟屋敏信君) いま申し上げました指名競争入札、一般競争入札が原則でございますが、場合によっては、会計法上特例で随意契約が認められている場合がございます。土木工事につきまして随意契約をいたします場合においては、関連をした連続した工事で切り離すことができないもの、または、その工事を請け負っておる者が契約をした方が工事の一体的な施工に便利なもの、たとえばダム工事で申しますと、砂利の骨材の採取でございますとか、あるいは工事道路の整備等、そういうものが随意契約でなされる場合がございますが、きわめて例外でございます。
#13
○栗原俊夫君 かつて私、衆議院でごやっかいになった段階で、日本電電公社等で非常に随意契約が多いのでということでいろいろ議論したことがございますが、特殊な技能があるとか、いろいろなことを言って説明を受けました。建設省関係でそうした特殊な技能とか特殊な技術、こういう関係で相当まとまった工事で当初から随意契約になる、こういうような場合はこれはほとんどないのでございますか。
#14
○政府委員(粟屋敏信君) 会計法上随意契約が許される場合は、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合」というふうに書いてあるわけでございますが、まあ建設省の場合は先ほど申し上げましたが、特殊な例を除いてきわめて例外でございます。ただ、災害が発生をいたしました場合に応急に復旧工事をやる場合、そういう急ぐ場合におきましては随意契約による場合もございます。そういう意味できわめて例外でございます。
#15
○栗原俊夫君 競争入札の中には一般入札と指名入札があり、多くの場合十社以内程度を指名する、こういうことでありますが、指名の仕方、これらについてどんな標準があって、あらかじめこの工事はできるというランクづけをしておいて、その中から特定十社以内というような指名、こういうことでございますか。このあたりを少しく説明を願います。
#16
○政府委員(粟屋敏信君) 建設省におきましては、直轄工事につきましてあらかじめ建設業者の登録をいたすわけでございます。登録をいたします場合には、その者の客観的要件、すなわち財産的基礎でありますとか工事実績でございますとか、そういう客観的な要件と同時に、主観的要件として、その者の過去の非行がなかったか、あるいは優良な工事を行ったかどうか、そういうことを勘案して登録をいたすわけでございます。その登録をいたします場合に、工事規模に応じましてA、B、C、D、Eのランクを設けておるわけでございます。たとえばAランクは三億円以上、Bランクは一億二千万円以上三億円未満、Cランクは三千万円以上一億二千万円以内、Dランクは一千万円以上三千万円以内、Eランクは一千万円未満、そういうふうに、それだけの工事をし得る業者をそれぞれランクづけをいたしまして、入札をいたします場合にはその能力に応じまして選定をいたすわけでございます。そういうふうにあらかじめ業者を登録して、かつ発注区分ごとにランクづけをいたしまして、工事の規模に応じましてそのランク内の業者から指名をいたすと、こういうふうに相なっているわけでございます。そのまたランク内の業者の指名につきましては、これはその業者の得意の分野でございますとか、あるいはまた関連した工事をやっているかどうか、あるいはその年度内における業者の受注回数とか、そういうことを見まして、工事が適正に執行でき、かつ業者が機会均等を得るというような観点を加えて指名をいたしておるということでございます。
#17
○栗原俊夫君 ただいま一応能力を認定してランクづけがしてある、こういうことですが、そのランクの中にあり、特に指名されるということになれば、これは当然その仕事は指名されたどの業者でも完全に行い得ると、こういう前提に立って指名されると思うんですね。
 そこで、いま一つお聞きをしますが、この指名するときに世間では、あれは指名競争入札ではあるけれども、グループ指名をしておるというようなことをよく言うんですよね。つまりお仲間で、あの仲間へ渡せば、あの仲間は形は競争入札ではあるけれども、本当の競争はせぬというグループが指名されるというようなことがささやかれる。そういうことが事実あるのかどうか。ずっとその指名をひもといて、まあコンピューターにでもかけてやればその姿が出てくるかどうかわかりませんけれども、具体的な工事に対してランクの中から指名を拾い上げるときに、その拾い上げ方については何か特別な方途はあるんでございますか。
#18
○政府委員(粟屋敏信君) 先ほど申し上げましたように、その工事の特性から見まして、どの業者がこの工事を得意とするか、あるいはまた、その関連をするような工事をほかにやっている場合にはそういうことがあるかどうか、また、一ランクの中にはかなりの数の業者がおりますので、受注機会がある程度均等に渡るように、そういう点を考慮しながら総合判断をして指名をいたすわけでございます。
#19
○栗原俊夫君 指名ができた、予定価格はできた、さて入札と、こういうことになるわけですが、予定価格以上で、なかなか契約に入れない場合が多いと思うんですね。インフレ時代は特にそうだったろうと思うんですが、やや落ちついてきた今日でもやはりなかなか予定価格で一発で落札しない。予定価格以上の札しかない場合にはどんなぐあいに取り運ぶんですか。
#20
○政府委員(粟屋敏信君) 第一回でいま先生御指摘のように、予定価格内におさまらないということは往々にしてあるようでございます。その際には二回、三回と繰り返しまして、予定価格内におさまった段階におきまして落札者を決定をするということにいたしております。
#21
○栗原俊夫君 おおむね数回で予定価格には入ると思いますが、普通私の聞いているところでは、大体三回で一応入札を打ち切って次の段取りに入ると聞いているんですが、そのあたりはどうなんですか。
#22
○政府委員(粟屋敏信君) 大体三回で落札者が決定をするのが普通のようでございますが、場合によりましては五回、六回というようなこともございます。
#23
○栗原俊夫君 少ししつこい議論ですが、三回で落札しない、四回、五回とやると。まあ実は私、昔村長をやったことがあるんですがね。私も指名入札で学校建設やって、三回やったら落札しない。三回やって落札しない業者は必要ないと言って、これみんな切っ払ったことがあるんですよ。ところが、切っ払ったら大あわてにあわてて、何とかしてくれというんで業者がわっさわっさとやってきたという経験を持っておるんですが、一たん指名した以上、落札するまで何回でも続けていく、こういうのが方式なんですか。
#24
○政府委員(粟屋敏信君) 先ほど申し上げましたように三回ぐらいは普通やります。場合によりましては六回程度のものもあるわけでございますが、どうしても落札者といいますか、予定価格内におさまってこないという場合におきましては、さらに見積もり合わせ等をいたしまして随意契約による場合もございます。
#25
○栗原俊夫君 そこで、さっき言った、なかなか予定価格に到着しない、数回やったけれども予定価格に到達しないので見積もり合わせ等をやって、世間では一番安値に入った人と随契に入るというのが常だというようなぐあいに聞いておるんですが、そういうことなんですか。
#26
○政府委員(粟屋敏信君) 一番最低価格の者と契約を結ぶのが原則でございます。
#27
○栗原俊夫君 そこで、先ほど言った世間でうわさされるグループ指名、そして世間ではボーリングをするという言葉を使っておりますが、受ける人を決めておいて、それを最安値にしながら予定価格に近づいていき、そしてその最低価格が話し合い随契に入ると、こういうことをやるんだというようなことを言われておりますが、そんなことはございませんか。
#28
○政府委員(粟屋敏信君) 先生の先ほど来のお話、まあいわゆる談合が行われているではないかということでございますが、巷間そういうことを私どもよく聞きますが、建設省の発注のものにつきまして、そういうことが行われるとは考えておりません。なお、談合につきましては刑法に触れる場合もございますし、あるいは独占禁止法に触れる場合もございます。そういうことがございましたならば、そういう法的な面の発動が当然なされるものと考えておる次第でございます。
#29
○栗原俊夫君 いままでは予定価格の上の話をこれまあ論議したんですが、競争が激しくなってくれば予定価格より下で競争が行われるという場面も当然出てくるだろうと思うんですが、指名入札をした以上、予定価格以下であれば一番安いものをとる、これがまあ常識的なんですけれども、具体的にはどうなんですか。
#30
○政府委員(粟屋敏信君) 具体的にはそれが原則でございます。ただ、いまの問題は、きわめて安い値段で落札をした場合にそれをどうするかというお話ではないかと思います。いわば最低入札価格について調整をする場合が出てくるのではないかということであろうと思います。先生御承知のように、昭和三十三年に東宮御所の入札をいたしました際に、七社に指名をいたしたわけでございますけれども、一社が一万円という入札を、落札をいたしたことがございます。その場合には、この落札価格によっては契約の内容に適合した履行がなされないおそれがある。また、社会常識的に考えてもきわめて問題があるということで、建設省といたしましてはいろいろ調査等をいたしたわけでございますが、その際、当該落札をした者は辞退をいたしまして、その後、最初指名をいたしました七社の共同企業体にこれを契約をしたという例がございます。
 いま申し上げましたように、常識を逸した、その価格によっては契約の内容に適合した履行がなされない場合におきましては、会計法の二十九条の六に落札の方式の特例を定めておりまして、その際には、発注者におきまして、契約が果たして履行できるかどうかにつきまして必要な調査を行うという制度を設けております。その調査結果によりまして、その金額によって履行が可能であるということが明らかになりました場合におきましてはその者と契約をいたしますが、履行が不可能であるということが調査結果で判明をいたしました場合におきましては、さらに、建設省の場合で申し上げますと、各地方建設局内に契約審査委員会というものがございまして、その契約委員会の意見を聞いた上でその者を落札者にしないという決定をし、次順位者を落札者とするというような手続がとられることに相なるわけでございます。
#31
○栗原俊夫君 いまのお話によりますと、東宮御所の問題が、これはけた外れの常識外だということは私にもよくわかりますが、予定価格以下で、ある程度のところで最低価格が出てきたと、それができるかできぬかという判断は、判断にのせる入札価格というものはどういう価格なんですか。まあ一万円なんというのは、これはもう論外だということはわかりますけれども、予定価格以下で指名各社が競うと、競って、開札してみた結果ずらっと並んできておるけれども、一番安いのはどうも、非常識とは言えぬけれども、これはできぬかもしれぬというような判断は、これはどこでやり、どんな基準でやろうとするんですか。
#32
○政府委員(粟屋敏信君) その基準につきましては、建設省は官房長通達をもちまして各地建にその基準を示しております。その場合に、工事費の中には直接工事費と間接工事費があるわけでございますけれども、直接工事費の額を下回った場合におきましては一応調査の対象にするということにいたしております。さらに、場合によりましては、契約ごとにその予定価格の十分の八、あるいは二分の一というような範囲内で契約担当官が判断をいたしまして、個別にその調査をするか否かを決定をいたしておるということでございます。
#33
○栗原俊夫君 そうしますと、基準を持っておると、こうおっしゃるんですが、具体的には、最低見積価格という性質のものが具体的な数字としてあるんですが、あと水公団にもそういうことについて聞いてみようと思っているんですけれども、最低見積価格といいますか、予定価格といいますか、そういうものがどんぴしゃりと出ておるんですか。さもなくて、一応その基準があり、基準によって、できるかできぬかというようなことを判断するということになると、開札はしたけれども、ちょっと競争が激しいというか、数字が出てきた、そうすると、そこでは落札が決まらぬというと、その間に時間もかかり、判断をするという、判断が入りますから、かなり問題が介在でき得る余地がある、外から見るとですよ。判断によってどうにでもなる、物差しでぴたりとはかるんではなくて、判断によって落札者を決めるという場面が出てくる、このように思えるんですが……。さらにつけ加えれば、そういうところに問題の起こる余地が出てくる危険性があると思われるんですけれども、この辺はどうなんですか。
#34
○政府委員(粟屋敏信君) いままで申し上げましたわが国会計法二十九条の六の制度は、いわゆるローアーリミットと申しましょうか、最低入札制限価格制度とは異なっておるわけでございます。といいますのは、その予定価格は一千万円としましても、八百万円以下の場合にはこれを排除するというふうな制度とは若干異なりまして、その案件ごとに、その落札価格が本当に契約の内容に適合した履行がなされ得るかどうかということを判断をして、その案件ごとに十分調査した上で、否とする場合は落札をさせず次順位者を上げる、可とする場合はその者に落札をさせる、こういうような制度でございますので、ある程度の基準を設けて、その都度判断をしていかざるを得ないということでございます。また、その判断につきましては、先ほど申し上げましたように、契約担当官だけの判断ではなくて、審査委員会を設けまして、その審査を経た上で判断をするという仕組みをとっておるわけでございます。
#35
○栗原俊夫君 まあなにを聞いてみますというと、そうなると、一応基準は持っておる、実質的には指名会社から見積もりを出させ、見積もり合わせの中から一番この工事に適格者を選ぶというようなことになりそうな感じがするんですけれども、その辺はどうなんですか。どうも入札、落札という制度とちょっと内容的に変わってくるような感じがするんですけれども、どうなんですか。
#36
○政府委員(粟屋敏信君) いま申し上げましたいわゆる低入札価格の調査制度は、あくまでも競争入札の中の一環の制度でございまして、先ほど申し上げましたように、調査の結果、それが工事履行が担保されるということがはっきりいたしますればその者に入札をさせますし、その者によっては履行ができないという場合には次順位者を契約の相手とするということで、あくまでも競争入札の中の一環だというふうに考えておる次第でございます。
#37
○栗原俊夫君 ばかにしつこく聞くのは、先ほど大臣にも聞いた、汚職の問題はどこに発生するかということで、私は大きく分けて、指名獲得に問題が起こる危険がある、それからいま一つは、落札する価格の問題でやはり問題が発生する危険がある、あと言えば、これは中枢ではなくて、第一線で監督に手心を加えるというようなところに問題の発生する危険があると、こんなぐあいに素人考えで思うんですけれども、どうもそういうことで、おたくの方で基準は持っておる、入札して開札した、基準に合わない部分の積算の入札値段が出た、値は安いけれども、この物差しを当てるとどうもうまくいかぬから、これは排除で次の者にいくんだと。こういうことで、業界には、全くそのとおりだと、おれは入れたけれども、しかも安値であったけれども、おれが何で排除されたんだと、こういうことなどは十分納得されて、おれはこれでやれるつもりで入札したんだけれども、まあそういう物差しで排除されたんだと、こういうことで業界にすでになじんで十分了解され、世間から見ても、まあ安値が排除されて安値よりも上値が通ったんだと、これから聞く水公団の方では恐らくローアーリミットが引かれてあるから、これから下だからだめだったんだと、これは世間ですぐわかります。しかし、そういうものがなくて安値が排除されるという論理というものが、一般国民から見るとなかなかこれはわかりにくい。何かあるんじゃないかというような観点からやはり見られがちだと。しかも具体的にはそういう、そのことで起こった問題かどうかはしれぬけれども、まあ請負を通じていろいろ問題が起こっておる。こういうところはどんなぐあいに国民に理解できるようにやっていけておるのか、そのあたりをひとつ。
#38
○政府委員(粟屋敏信君) まあいまの低入札価格調査制度は、先ほども申し上げましたように、その価格によっては契約の内容に適合した履行がなされないおそれがある場合に発動される制度でございまして、まあ粗漏な工事が行われる、あるいは技術的に不十分な工事が行われることによってかえって国民に損害をかけるということがあってはならないという、いわばぎりぎりの歯どめの制度でございます。建設省は、先ほど来この制度のことについて御説明を申し上げておりますけれども、昭和五十一年度からこの制度を実施いたしておりますが、いまだ適用した事例はございません。なお、今後こういう事態が発生するかどうかにつきましては、まだ確言は申し上げることができませんけれども、先生の御指摘のように、この制度の活用によって――活用といいますか、使い方によって国民から疑惑を招くことのないように十分注意をしてまいりたいと考えております。
#39
○栗原俊夫君 ただいま建設省にいろいろと入落札の問題についてお聞きしたわけですが、水公団の方、見えていますか。――水公団の方は一体、まあ官庁の方とはちょっと違った入落札の段取りだそうですけれども、ちょっと説明をお願いします。
#40
○参考人(小林誠一君) 先ほどから粟屋官房長の方からいろいろ御説明ありましたことでございますが、大体あれに準じましていろいろやっておるわけでございますが、私たちの方では、請負業者の選定でございますが、これにつきましては、それぞれ当公団の仕事をやりたいという請負業者から隔年ごとにその申し出を受けまして、審査をいたしまして有資格者名簿に登録をしておりまして、その中から先ほどA、B、C、D、Eのランクを粟屋官房長が申されましたが、ああいうようなことで、それぞれの工事の規模に応じまして、それぞれの業者をその名簿の中から選んで指名をいたしまして指名競争入札にいたしておるわけでございます。
 大体、原則といたしまして、大きな工事につきましては十社程度を指名いたしておるわけでございます。この指名競争入札をいたしました場合、その中で最低価格を入れました請負業者と契約を結ぶのでございますけれども、先ほどもお話がございましたように、その相手方がどうもこちらが期待しているような質のいい仕事ができないような落札価格である、あるいは不公正な競争が行われるような落札価格であると認められました場合はそれを除きまして、他の最低価格に入れました請負業者と契約をすることに相なっておるわけでございます。
 いまの場合、それではどういう方法でそれをやっておるかということでございますけれども、これにつきましては、最低の制限価格というものを設けておるわけでございまして、この最低制限価格でございますが、これにつきましては見積価格に最低制限率を掛けます。その最低制限率は、これは契約審査委員、現在公団では本社で五人いるわけでございますが、その人の意見を聞きまして、その率を定めるわけでございまして、その予定価格の積算基礎となりました経費について、企業努力あるいは能率向上あるいは作業配置の合理化というようなものによって労務費が節減されると、どれだけ節減されるか、またいろいろ資材等によってもどれだけ勉強ができるかというようなこと等を考えまして最低制限率を決めまして、それを見積価格に掛けまして最低制限価格を決めておるわけでございます。この最低制限価格に達しません価格を入れました請負業者につきましては、これは先ほど申し上げました、この価格によって契約の内容に適合しました履行がなされないおそれがあるというふうに思われますものとして、これにつきましてはやはり契約審査委員に対しまして契約職から諮問して、その意見を聞いてどうするか決めるということにいたしておるわけでございます。
#41
○栗原俊夫君 なお、お話によりますと、官庁とは違って、予定価格をつくり、予定価格から何がしかを引いたローアーリミットを設定すると、こういうことなんですが、実はあんまり古い話でカビが生えておるではないかというけれども、私、群馬なので、下久保ダムとか、また当時神通川事件なんというものが起こって、一番高値が落札したというので、世間では一番高いやつに落札するのはどういうことなんだというようなことで大分世間を騒がしたわけです。下久保ダムは初め排水路をつくり、次に本体の入札に入ったのですけれども、あれはどんなことでした。少し古過ぎてカビが生えているかもしれませんが、準備してありませんか。
#42
○参考人(小林誠一君) この下久保ダム仮排水の隧道工事でございますが、これは昭和三十八年の七月に行われた入札の関係でございます。その入札の結果でございますが、一位と二位がこの最低制限価格を割りまして、したがいまして、契約職は契約審査委員にさらに再諮問しましたけれども、やはり最低制限価格がある以上、これを割ったものは契約の相手方にしない方が適当であるということで、三位の熊谷組と契約をいたしたのでございます。そういういきさつでございます。
#43
○栗原俊夫君 事前におたくの方々と話もして、いまではどんぴしゃりとローアーリミットを下に抜けたものは排除するということになっておるやに聞きましたけれども、まあ私が思うのは、それは一応わからぬではありません。しかし、私は、指名する以上はとにかくその仕事を完全にやり遂げる資格がある、縦から見ても横から見ても資格がある、技術からも資力からいっても資格があると、これがやっぱり指名の内容でなけりゃならぬと思うのですね。その指名した会社がこれならやりますよと言った場合に、それをローアーリミットをもぐったからといって排除する、どうもこの辺が実はよくわからぬのですよ。下へもぐってできぬような業者なら、初めから指名しなきゃいいではないか。指名自体に問題があるじゃないか。これでやりますと言う以上は、信頼のできる業者を指名すべきであるというぐあいに考えるわけです。これが一点。
 いま一つ、続けて申しますと、受けた業者が必ず親請となってある程度下請に出すだろう。下請に出した部分がローアーリミットを下回って出されていないかどうか、こういう問題が当然発生してくると思うんですよ。親請の場合に、ローアーリミットを下回ればどうも完工することに危険を感ずる、不安を感ずる、だからローアーリミットを下回るものは排除するというけれども、ローアーリミットを上回って受けた会社が下請に出すときに、その部分が少なくとも発注者である公団が積算した数字のローアーリミットを下回って下請に出される心配はないのか、こういうことを考えるわけです。親請に渡すときだけ安心して渡せば後はどうなってもいいと。特に最近は重層下請とかという言葉を使っておるそうですけれども、孫請、ひ孫請というような形で下がっていけば、やはりぴんぴんとピンはねをされて、これだけなけりゃりっぱな仕事ができぬと公団が想定する金額以下で工事を実施させられるという場合がないのか、こういう点についてひとつ御所見を承りたいと思います。
#44
○参考人(小林誠一君) 指名いたします請負業者でございますが、これ、建設業者でございますが、これにつきましてはわれわれの方としても適格な業者を指名いたしておるわけでございますが、あるいは過度の競争であるとか、あるいは錯誤によりまして間違ったというようなことも場合によってはあろうかと思います。そういうことから、低価格で対応する場合も出てくることも考えられまして、こういう建設業者と契約を締結いたしました場合は、やはりわれわれの考えておりますような質的にすぐれた工事はできないんじゃないか。また、せっぱ詰まっていろいろ手が抜かれるというようなこともないことはないんじゃないかというようなことで、いまのような最低制限価格を設けまして、それを下回った請負業者につきましては、先ほども申しましたように契約審査委員に諮問いたしまして、その相手方を最低価格に落としました者に決めるかどうかということをやっておるわけでございます。確かに、いまのわれわれの方でも一括下請につきましては、これは契約約款で承認しておりますが、一般の下請につきましては承認を必要といたしておらないわけでございますので、そういう意味で、実態がどうなっておるかということについてつまびらかにしないのでございますが、先ほど申し上げました最低制限価格は、最低制限率というものは全体の工事について設定をいたす、あるいは設定をいたしておるわけでございますので、したがいまして、個々の下請についてどれだけのものが適当であるというようなことについては、これまたなかなか判断が困難なところであろうと思います。また、実際にこのようにして下請に出しておる、その点についてはわれわれつまびらかにしないところでございます。
#45
○栗原俊夫君 これは官房長にお聞きしますがね。まあいま言うように、こちらでは余り安くては心配があると、おたくの方でもまあある程度安値に入るとこれは審査しなきゃならぬと、こういうことになっているわけですが、いま下請の話に話が入りました。下請に出すということはもうあらかじめ予定はしておるようであって、下請代金のいろいろとか、法律などもできているようでありますが、どのようなぐあいに下請におりていっておるかということを報告するとか、あるいはこちらから積極的に聞き取るとか、こういうような制度はいまはないんですか、どうなんです。
#46
○政府委員(粟屋敏信君) 下請の問題でございますが、先生も御承知のように、建設工事は各種の専門化した工事の組み合わせから成る、ある意味の総合組み立て産業的性格も有するので、ある程度の下請はやむを得ないのではないかと考えております。ただ、重層下請になりますと、先生先ほど御指摘になりましたようないろいろな御懸念もあり、また工事の適正な施工とか労働者の保護という点においても欠くる点が出てくるおそれがございますので、建設省といたしましては、毎年度事業執行について事務次官通達を出しておりますけれども、不必要な重層下請は厳にこれを避けるようにということで指導をいたしておりますし、また、現場説明等でもその点を厳しく申しておるところでございます。
 問題は、下請に出した場合に、先ほど御指摘になりました、上ではローアーリミットということで言いながら、下請に元請が出す場合にそういうようなことが行われて、結果として工事の適正な施工が確保されないではないかという御質問もあったわけでございますが、発注者の立場からいたしますと、要するに国の予算が適正に施行されるということが確保されればそれで一応目的は達するわけでございますが、先ほど来申し上げましたような下請の保護育成、さらには労働者の保護という点で下請が赤字を出すようなことがあってはならないということで、この点も、建設業法にも、改正建設業法では相当充実した規定がございますが、発注者としても関心を持っていきたいと考えておるところでございます。
 それから、下請関係につきましてどの程度発注者が介入をするかという問題でございますが、まあ先ほど公団の副総裁から申されましたように、現在の中央建設業審議会の答申で定められております公共工事標準請負約款におきましては、一括下請負については発注者の承認を得ることになっておりますが、そうでない個別の下請につきましては、必ずしも報告義務とか承認とかいうことになってはおりません。建設省の直轄工事につきましては、その標準の請負約款をもとにして実施約款を定めておりますが、その中には、必要がある場合におきましては、下請業者について必要な事項の報告を求めることができるということがございます。まあそういう制度を活用をいたしまして必要な事項の報告を求め、指導に遺憾のないようにいたしておるということが実情でございます。
#47
○栗原俊夫君 いま大分多岐にわたってきましたけれども、これは今度は業者のサイドに立って私がいろいろ業者から意見を聞く、それも中小からの意見ですがね。まあ業者にいろいろランクがつく、これは当然であろうと。ただ、発注の場合に、次から次へと下請に出せる部分というものは分割発注ができるんではないか、一応ランクによって請負金額がチェックされる、そうすると、分割できるものを分割せずに一括発注ということになれば、ランクの低い者は手が届かぬ、こういう不満がかなりびまんしていることは事実です。いろいろと心配して、予定価格あるいは予定価格に近い価格でなければ安くても完全な施工はできないと、こういう心配があれば、そうした価格で受けた親請がすべてを直接やることが一番安心のできる、金の流れとしては考えられるわけなんですが、すぐ下請に出せるようなものを、これは行政指導になりましょうけれども、技術的に、構造的にどうにも分割できぬというものはこれは別です。しかし、すぐ下請に出し、全体工事の上で特に支障がないというものは、できるだけ下請に出さなくても完工できるような発注分に仕分けて発注するのが一番やはり目的に近いのではないか、このように思います。これに対するひとつ所見。
 それからいま一つ、ただいまは下請の状況について報告を求めることができるというような制度があるやに聞きました。しかし、そうではなくて、少なくとも下請に出した場合には、幾らで出したということは報告させる義務がある、この辺ぐらいまで強行していかぬと、これはどうも問題がこの辺に発生する要因があるように思えてなりません。ひとつできるだけ下請のないようにする工事の発注の仕方、つまり分割して発注できるものはできるだけ分割して発注する、むしろ下請をするときには許可を要するぐらいの、あるいは認可を要するぐらいの、要するに直接工事をするというたてまえを貫く方向に持っていけないか、こういうことについてひとつ御意見を承りたいと思います。
#48
○政府委員(粟屋敏信君) 工事の分割発注につきましては、先ほど冒頭大臣から先生にお答え申し上げましたように、来年度予算の景気浮揚効果を高める上にも、やはり下請関係をなるべく排除して、分割できるものは分割をして発注をするということがその面においてもいいではないかという大臣からのお話もございました。私どもといたしましても全くそのとおりに考えておりまして、建設省といたしましては、五十一年の事業執行に当たりまして、工事の性質、労務、資材の調達等を考慮した上、地元建設業者の活用により円滑な施工が期待できる工事については極力分割発注をするということで指導をいたしておりますが、なお、先ほどの大臣の御趣旨も生かし、先生の御指摘になったことも踏まえまして、その点はさらに一層強力な指導をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
 それから、二番目にお話ございましたいわゆる下請関係につきまして、その相手方あるいは契約金額等を許可もしくは報告を全部について励行すべきではないかというような御意見だと拝聴をいたしましたが、元請、下請関係、まあいわば経済的な契約関係でございますので、発注者は要するにその工事が適正に施工されるということが確保されるということを最大の契約の目的といたしておりますけれども、その目的からいって、そういう元請、下請の経済的な関係にどの程度立ち入るかということについては、なお検討すべき面があるのではないかというふうに考えておりまして、先生のいまの御指摘の点を踏まえまして、検討さしていただきたいというふうに考えております。
#49
○栗原俊夫君 いま官房長は、大分慎重な答弁をしているのですが、これから大臣に最後の締めくくりをやってもらうわけですが、まあできるだけ受けた以上は自分でやると、そうすれば、要するに工事金の効果が一〇〇%工事に投入できるわけですが、しかし、下請をしなければならぬ場合も当然ある。請け負うときに諸材料やあるいは人件費等、諸掛かりが一応見積もられて出てくるのですから、受けた以上、下請に出す部分についてもそうした観点に立てば、この部分はこういう経費でやるのだということぐらいは、民間の工事はいざ知らず、公共事業については明らかにしていいんではないか。いや、いま一歩言えば明らかにすべきである。こう考えるのだけれども、これを制度化したらどうかと思うのだけれども、大臣の御所見を……。
#50
○国務大臣(長谷川四郎君) お話、私も以前は栗原さんと同じような考え方を持っておりまして、なかなか入ってみると、建設業界の中にも特別な特許を持っておる方々もある。でありますから、その特許を持っている方が仕事をする場合には、その特許権というものがありますから、これはどうもゆるがすことのできない日本の制度もあります。したがって、さらに下請に初めからどうだということでございますけれども、ある程度契約をする場合には、この業界の人、このランクの人ならばこれに適合をするという上に立っての請負を行わしめる、発注をする。でありますから、その請け負った方々は、たとえば下請の部分で出ていきましても、それに対する全体の責任を持たなければならない、これは下請にやらせたのだからどうだというわけにはいかない。したがって、会社の中に入っていろいろ調べ、聞いてみますと、それには相当のやはり技術というものが、技術陣営というものがその中にある。その技術、技術の専門的なものがその請負業者の中にはある。それによってその技術を生かしながら、下請に出した部分というものはその人たちが責任を持って監督施工をしていくということにもなる。
 なかなかそういう点についての問題がありまして、先ほどいろいろこの問題から出まして、まず素材の問題につきましても、価格という面にすると現在鋼材が幾らぐらいのどういう価格であるか、たとえば労働賃金がどうで、労働力はどのくらいの人員が必要であるかというような問題、こういうようなことから、材料、すべてのものが積算をされて、つまり請負が入札ということになる。でございますものですから、なかなかこの部分だけを切り離して、一人でこれだけじゃ多過ぎるじゃないか、そうじゃなく、やはり私は、一応は大きな工事でございます。大きな工事はいま大体三会社ぐらいか、四会社ぐらいに分割して、これをジョイントとかなんとか言うのだそうでございますけれども、そういうようなつまり請負をさしていって、その請負業者に下請に出した部分も絶対なる責任を持たせるというところに妙味というか、その価値づけられているものがあるのだ、こういうふうにも考えているのです。
 お説は、要するに、ひとつ出した請負の中に、請け負った以上は自分でそこでやれ、できない部分は他の下請というものに渡してやって直接入札さしたらどうかというようなお話でございますが、なかなかむずかしい問題だと思えます。しかし、考え――いろいろこの点については思想が、分割して出そう、そうして多くの人にという、請け負ってもらっていこうという五十二年度の考え方の上からいけば、そういう面も十分に考慮すべき点ではあると思います。でき得る限りはそういうようになるべくしていきたい、いくように指導をしてもらうようにいたしますが、なかなかそういう点についてのむずかしい面があって、一つの、請負業者にある、その請負業者の中の技術を十分に生かしてもらう。それには下請に出し、下請の監督を怠らないように、その契約どおりの仕事をしていくという点に尽きるわけでありますから、そういう技術陣営という、こういう点にも、なかなか下請となるとランクが下になりますから、それだけの人間を抱えておくというだけのことができ得ない面もあるわけでございまして、ただ設計に出ているじゃないか、設計どおりにやればいいじゃないか、その設計どおりにやるというのにはやはり相当な技術を要するということは議論をまたないところでございますので、よくお話は十分承りましたから、できる部分があったらばそういうふうな方向づけをしてまいりたいと、こう考えております。
#51
○栗原俊夫君 この問題について最後の締めくくりは、できるだけ分割して下請が出ないような発注をしてもらいたい。しかし、下請も含んだ発注もせざるを得ない場合は多々ある、そのことは私も認めます。ただし、公共事業で下請を含んで一括請け負う場合には、その下請についてはやはりいま少しく厳しい下請関係の内容がはっきりと発注者に握れるような制度をやらなければ、せっかくローアーリミットとか、あるいは審査をするとか、いろいろ世間から議論をされながら執行しておるやり方が実を結ばないではないか。世間のいろいろな疑惑を持たれることまでも押し切って、りっぱな工事をやるために、仕事をしていくためにはひとつ下請関係をもっとはっきりする何らかの方法を講ずべきだ。これは同僚議員とも相談して、何らかひとつ考えていきたいと思います。そのときにはひとつよろしくお願いいたします。
 それでは次に、時間も大分経過いたしました。河川行政について少しく質問をしてみたいと、このように思います。
 去る三十九年ですか、河川法が全面書きかえになりまして、河川の認定ということから河川区域の認定ということになりました。かつては河川法第三条によって、私権の対象になることができないというような条章で、河川認定になればその瞬間、河川にあった私権はすっ飛ぶんだというような解釈があったようであります。私はこれには賛成いたしません。河川認定する前に買収するなり寄付を受けるなりして公用土地にしたところへ河川認定をすべきだという持論を持っておったんですが、今日はもはやそういう必要はない。河川区域の中に国有地あり、公共団体有地あり、民有地あり、こういうそれぞれの権利を認めて河川区域を認定しておるわけでありますが、その後河川区域の中にそのようないろいろな権利というものが存在しておる、これはかなり分明になっておるんでございましょうか。すでに新河川法ができて十数年たっておるわけでありますから、この点、行政上どうでございます。
#52
○政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいますように、河川区域の中におきます権利関係でございますけれども、現在河川台帳を整備しまして、その内容につきまして整備しておる段階でございます。
#53
○栗原俊夫君 河川台帳は法の示すところで、管理の大臣が責任を持ってやっておられるように書いてあります。特に一級河川については、その監督下でそれぞれ地建がいろいろ保存しておるようでありますが、全国の河川台帳、河川図面等の整備状況はどんなぐあいでございますか。
#54
○政府委員(栂野康行君) 河川台帳につきましては、いま先生おっしゃいましたように、一つは調書と、もう一つ図面と、二つから成り立っておるわけでございます。それで、一級河川にかかわります河川台帳のうち、調書につきましてはおおむね整備されておる次第でございます。それから図面につきましては、昭和四十年度以降計画的に整備を進めているところでございますが、直轄管理区間につきましては指定のあった年度に図面を作製する、知事管理区間につきましては、いわゆる重要度に応じまして逐次整備を進めておりまして、現在、全河川の延長にしまして約四〇%につきまして図面については作製が終わってございます。ただ、その中におきますいわゆる官民境界につきましては、現在調査でき次第記載するということにしてございます。
#55
○栗原俊夫君 この河川調書、河川台帳というのは川にとっては戸籍簿だと思うんですよね。問題が起こったときに、この戸籍簿がしっかりしていなければ何もできぬと思うんですね。特に河川区域内の民有地は河川管理上の諸制限を受けていますね。したがって、河川区域内でいろいろな掘削であるとか、あるいは工作物とか、こういうときには許可を得なきゃならぬことになっておりましょう。そのときに、関係民間人が許可を申請した場合に、台帳、図面等が整備されていなければ少なくとも認許可の判断もできないことだと思うんですけれども、一級河川、そして知事に嘱託するのでない、直轄しておる部分はどのくらい整備ができていますか。
#56
○政府委員(栂野康行君) 直轄管理区間につきましては、図面は一応整備されてございます。
#57
○栗原俊夫君 調書の方はどうなんです。
#58
○政府委員(栂野康行君) 調書も整備されております。ただ、官民境界につきましては、工事をやる段階とか、そういうふうに必要に応じまして現在整備中でございます。
#59
○栗原俊夫君 それは、前の旧河川法の時代ならそのくらいの答弁で事は済んだわけですよ。しかし今度は、河川区域内に国有地、公有地、そして民間地というものが共存しているわけですから、こういうものがはっきりしなきゃ、これは調書にも図面にもならぬでしょう、これ。どうなんですか、これは。
#60
○政府委員(栂野康行君) 先生のおっしゃるとおりでございます。それで、官民の面積につきましては大体わかってございまして、はっきりここまでは官地であってここが民地だという境界につきましてはいま整備中でございます。たとえて申し上げますと、河川工事をやるためにいわゆる民地を買収せぬといかぬとか、そういうふうに河川工事をやる段階におきましても官民境界を明らかにしておりますし、また、昭和四十五年から行政部費をもちましていわゆる官民境界を明らかにすることを計画的に現在施行中でございます。たとえて申し上げますと、昭和四十五年から四十九年度までの第一期計画というもので約二千ヘクタールをやってございまして、また、昭和五十年度から第二期計画というもので現在官民境界を調査中でございます。これは緊急にいわゆる調査を必要とする都市区間につきまして、主要区間につきまして調査をやっておる次第でございます。
#61
○栗原俊夫君 ただいまのお話では、河川工事をする場合ということが表へ出てきておるわけですが、そのほかいろいろありますね。特に問題になっておるのは、最近逼迫を続けておる河川砂利等の問題でね。建設省の方では、河川区域内にある民地の上に累積した砂利、砂はだれの所有だという判断をしているんですか。
#62
○政府委員(栂野康行君) 一応民地にあります砂、砂利につきましては、いわゆる民地の所有者に所有権があるというふうに考えてございます。
#63
○栗原俊夫君 非常に河川砂利が逼迫してきて、河川砂利、砂の採取をめぐって、ここが民地であるか、あるいは旧来の河川敷、すなわち国有あるいは公有であるかというような問題でかなり問題が発生しておるはずであります。そこで、これがはっきりしないということは、これは大変な問題じゃないですか、これらをどう処理しているんですか。
#64
○政府委員(栂野康行君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる官民境界というものは大体の線はわかっておるわけでございます。それで、先ほど先生おっしゃいましたように砂利問題が出てきて、いわゆる厳密に官民境界を明らかにせぬといけないという場合には、民地の方々の立ち合いを求めまして、そして必要に応じまして厳密に官民境界を明らかにしておる次第でございます。
#65
○栗原俊夫君 実は先般、私のごく近間にいろいろ問題がありますので、資料としておたくの方から台帳の調書並びに図面をいただきました。まことにどうも不完備なものであって、これで果たして河川行政ができるのかと、まず第一に指摘します。
 これは第一級河川利根川の支川、烏川の問題ですがね、調書の中にとんでもないものがあるんですよ。烏川の調書の中に、現実には神流川の調書が烏川の調書といって入っているんですよ、これ。それは新幹線の鉄橋の許認可の問題でそういう書類が出て認可しているわけですが、烏川の調書の中に現実神流川にかかる橋の許可書が入っているんですよ。こんなでたらめな調書で一体河川行政ができますか、これ。
#66
○政府委員(栂野康行君) 現時点で資料を持ち合わしておりませんので確認できませんけれども、いわゆる神流川は烏川の支川でございます。したがいまして、いわゆる烏川の中に神流川のが入ったんじゃなかろうかと考えますけれども、これにつきましてはまた十分調べてみたいと思います。
#67
○栗原俊夫君 私も未熟ですから、烏川という形で支川の神流川というものが川として位置づけられていない、支川である神流川は烏川の一部であると、こういう取り扱いをしていると言えば、私がいまでっかい声を出したのは、これは取り消さざるを得ないんですが、とにかくまことに私の常識から言うと、神流川というのはかなり大きな川のつもりでおりますから、一応川として取り扱われておるというような観点で言ったんですが、この辺調べていただきたいと思います。
 ここにあるのは河川図面なんですが、これはちょっといわくつきの場所の河川台帳なんですよ。というのは、群馬県で昭和十一年に河川認定をしたという地域の図面を私はこれもらっているわけなんです。その後――これから国土庁に関連があるんですが、国土庁で国調をした結果、滅失処分をしたというところが含まれておる図面なんです。ところが、この図面を見ると、そういうことが全く何にもわからぬのですね、これ。確かに河川区域の線だけは入っています。しかし、河川区域内の民地、官地、こういうものの境界などは一切わかっておりません。
 私は、いまお話があったように、第一期計画、第二期計画で順次やっておる過程において、それは、まだこの地域はその順番が来ないんかなというような善意の解釈の仕方もないわけではありませんけれども、国土調査の結果をとらえて滅失処分をし登記閉鎖になっておる。そして河川認定が有効であるかないかというようなことで大騒動をして、ついに認定による登記閉鎖ができないまま国土調査に移っていって、国土調査の段階で滅失処分をし登記閉鎖をしたと、こういう経過の土地なんです、約五十一町歩。これが一向に図面には載っていない。ところがまた、これは砂利の問題ではなくて、問題になってきたのは、信越高速道路の土羽を築くために遠方から土砂を運ぶ、そのために一般道路は使えないというので河川敷地をその通行路に設定して、いまアスファルトで道路をつくっております。その道路をつくっておるところが、実はこの関係者に言わせると民地を通過しておる、こういうことなんです。一方ではこれは滅失、登記閉鎖された土地なんだと、こういう議論をする。こういう点で河川上一向明確になっていないんですよ。この点について何か特に知り得たことがあったら知らしていただきたいと思うんですがね。
#68
○政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいました土地は、昭和十一年にいわゆる当時の群馬県知事が河川区域に認定したわけでございます。それで、認定と同時にその土地がいわゆる民地じゃなくなるわけでございます。しかしながら、当時としまして嘱託登記をしなくて、いわゆる登記簿閉鎖しなかったということで、現時点では一応登記上は民地になっておるわけでございます。しかしながら、実質的には官地であることには、国有地であることには変わりがないというのが実態でございます。それで、いま先生おっしゃいました、それと関連しました国土調査の問題でございますけれども、これは国土庁の方の問題でございまして、ちょっとお答えしかねます。
#69
○栗原俊夫君 少しまたどうも変なことを言うから議論しなきゃなりませんがね。河川認定を確かに現行法でしておるんですよ。これは十数年前に大分論議したんですけれども、この河川認定というのが無効の認定なんですよ、無効の。ということは、実体がないんです。どういうのかというと、河川の右岸と左岸に番号ぐいを打ち、その見通しの線の中を河川と認定すると、こういう工事なんです。ところが、くいの位置がちっとも明確になっていないんです。われわれの主張は、一番ぐいを最寄りの三角点から何度に振って何メートルのところに立てると、一番ぐいから何度に振って何メートルのところに二番ぐいを立てると、こういう河川認定の公告ならば地域の具体的な指定ができるけれども、くいが打ってない。位置が決定してない。くいなんかそんなものはあるはずがない、どんどん流れちゃいますからね。だから、これはできないんですよ、現実に。だから、内容のない無効の河川認定であるという論議を展開して、河川局もこれには往生したわけなんですが、どうにもならぬと、これは。封鎖をするなら封鎖してごらんなさい、封鎖できぬじゃろうと、登記簿を。土地が具体的にわからぬのだから。くいの見通しの線の中というそんなでたらめな公告じゃだめなんだ、これは無効なんだと、おおむねそれで往生したわけなんです、河川当局も。当時群馬県の土木でも大騒ぎをして、何とか封鎖しようとしたけど、封鎖しようがないんだ、これ、土地が決定しないから。そうこうしているうちに期限が切れた、そこで国土調査法を今度は執行してきた。
 そのときに、これから今度は国土庁の長官の方へかかるわけなんだけれども、そういう河川認定で消せない部分を滅失処分にする、こういうことをやったわけなんだ、これは。河川認定ではどうにもならぬから国土調査法で何とか消してくれやと、頼まれてやったような感じがしてならない、こういうことなんです。私はそのときにこれは政府質問をしました。国土調査法によって新たな権利を発生させ、あるいは既存の権利を消滅させることができるか、できぬはずだ、お説のとおりできません、こう答弁している。しかし、その後滅失処分によって法務局は閉鎖し、法務局へ行ってみると、私がやったんではない、滅失処分の通達があったから通達によって登記閉鎖をいたしました、私のところではどうにもなりませんと、こう言っておるわけなんですが、改めて長官にお伺いしますけれども、国土調査法による滅失処分というのは、一体どういう実態を持ったものを滅失処分するんですか、お伺いいたしたいと思います。
#70
○国務大臣(田澤吉郎君) 地籍調査につきましては、先生御案内のように国土調査法の規定に基づきまして、毎筆の土地について、その所有者あるいは地番、地目等の調査並びに境界及び地積についてのいわゆる測量を行いまして、そしてその地図をつくったり簿冊をつくったりすることが本来の役割りなんでございまして、ただいまお話のいわゆるその調査の結果を、その土地の権利の発生だとか消滅にわたるものじゃないということがこれは当然なんでございまして、もしその滅失の措置を行う場合には、認定された段階においてそれが進められるものと私は解釈いたしているわけでございます。
#71
○栗原俊夫君 答弁、わかったようなわからぬような答弁なんですが、実はこういう問題を抱えながら昨年の秋、たまたま愛知県下の田原という干がたで埋立権をめぐって問題がありました。この判決は、時の行政府がその地域を何とか埋め立てよう、それにはやはり権利を確保しなきゃいかぬというので、まあ干がたですから潮の満ち干で水がかかったり干たりする。これは一番満ちたときに水面下に没するところは滅失だ、こういうことで相当部分の人たちに滅失の申請を出させ、そして登記封鎖をやった。ところが、残部の人たちは、冗談言うな、これは長い間おれたちが所有した土地であり、滅失なんとはもってのほかだというので、滅失登記取り消しの訴訟を起こして、まさに原告の言うとおりということで、この滅失処分による登記封鎖は取り消せという判決が下ったわけです。
 この判決の中でも、いろいろと河川敷の問題等について論及しておりますけれども、群馬のただいま話題になっておるところでは、決して水が常時たたえておるわけでもなし、洪水のときに荒れて、まあ砂利河原になっておることは事実ですけれども、これは滅失も何もしていない。したがって、これを一括して滅失処分にすることは少なくとも国土調査法の結果としてはおかしい。で、私たちは、これは確かに民間所有の個々の境界はこれは不明であろう、したがって、国土調査の結果は滅失ではなくて、境界不分明という形で白地図となって報告さるべきものではないか、それを滅失としたことは誤まりではないか、こういう議論を展開してやってまいりました。長官の御感想はいかがでございましょうか。
#72
○政府委員(松本作衛君) ただいまの点は、先生からいろいろお話しの事情は私ども必ずしも明かでない点がございますが、私どもが調べました範囲におきましては、現在の場所につきましては、河川区域の認定があったという前提で、三十五年の十二月から三十六年二月までの間に現地調査を行いまして、一月二十三日から二月十一日まで成果の関係者に対する閲覧を済ませ、それで三十八年の十二月十日に知事が認証したということを前提として、登記所にその結果を送付したものというふうに承知をしておるわけでございまして、一応国土調査法の手続に基づいて処置がされたものというふうに承知をしておるわけでございます。
#73
○栗原俊夫君 これはまあ議論をすれば長くなりますが、時間も参りました。いずれこういうところばかりでなしに、具体的な問題ですから、とっくりと話し合いを進めるということで、本日の質問を終わらせていただきます。
#74
○委員長(小谷守君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四分開会
#75
○委員長(小谷守君) ただいまから委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#76
○二宮文造君 私、きょうは住宅の問題だけに限って、大臣あるいはまた政府のいろいろな御意見をお伺いしたいと思うんですが、まず大臣、先般の所信表明の中でまず住宅を第一に挙げられて、しかもこういうふうにおっしゃっているわけですね。「住宅対策につきましては、すべての国民がその家族構成、居住地域等に応じて良好な水準の住宅を確保できるようにすることを長期目標として」と、その言葉としては非常にいい言葉なんですが、果たしてこの「すべての国民がその家族構成」云々についてですね、良好な水準の住宅を確保できるような長期目標というのは一体どういうことをお考えになってこの文言を述べられたか、この点をお伺いしたい。
#77
○国務大臣(長谷川四郎君) きょうは二宮さんの御質問があるというので、専門に御研究なさっている二宮さんですから、そういうことなのでよく間違いがないようにということで、私も、政府の住宅行政について基本計画があることはもう御承知のとおりで、この第三期住宅建設五カ年計画につきまして、住宅統計調査を十分に踏まえてどうやっているかということと、統計調査にのっとった作成はどういうふうにできているかというふうなことをよく聞いて承ってきたんですけれども、こういうことになりますと、統計調査を、一応私がいままで聞いてきたことによると、十分踏まえて作成されておると思うんです。それらのデータは十分また活用されているというふうに考えております。また、現在発生している問題は、この第三期住宅建設五カ年計画を推進していく上に立っても、十分にこれらの解決ができるものだと、こういうふうに考えまして、いまあなたのお話のように、国民全体がもう、かつての時代とは住宅政策においても大分大きな相違が来ていると、やっぱり現実に合った政策を行わなければならぬ。こういうようなことで、現実に沿ったということになりますと、いろいろな調査をしてみますと、まだいろいろな不満も出てきております。
 なるほど数でいきますと、住宅と一般家庭全体を見たときには住宅の方が多い。多いけれども、それではその多いものがなぜ不満を唱えるのかということになりますと、やはり生活に合わない部面というものがある。その合わない部面というものは、要するに狭いとか、遠いとか、高いとかいうような問題が出てきているわけでございますので、こういう面を五十二年からはさらに調整をして、そして現実に合ったやはりその人間が要求する――欲望でなくて要求するものに対して、その住宅をつくっていくということがわれわれの使命ではないか、こういうような考え方によりまして、かつてつくられた二DKというようなものを改良して現実に合うような住まいに変えていったらどうなんだ、こういうような考え方と、もういままでと違うということは、狭いという面については、いずれにしても三DKあるいは三LDKというようなものに変えて今後の建築というものはかかるべきであって、数だけで物を考えることなく、もっと質というものに重点を置くべきではないか、こういう考え方を申し上げたものですから「良好」という言葉を使ったわけでございます。大体そういうようにして今後の、五十二年度は特にそういうところに重点を置いて建築をしてもらう、こういうようなお話を進めたところでございます。
#78
○二宮文造君 いま大臣からは質の向上ということを主眼に御説明をいただいたわけですが、住宅政策としてどういう階層を対象にしてそれに力を注いでいくかということも、いまの住宅対策として非常に大事な問題だと思うわけです。私はむしろ何といいますか、広い範囲で解釈をしまして、「良好な水準」ということの中には、いわゆるいまの国民の多くの方が持っている住宅政策についての要望、それを幅広くとらえて「良好な水準」というふうに大臣がおっしゃったんではないかなあと、こういうふうに広義な解釈をしたわけですが、さて、政府のいわゆる住宅政策というものが、これからどの階層を主眼に施策を進めていくかというのは重要な問題だと思うんですが、この点、大臣のお考えどうでしょう。
#79
○国務大臣(長谷川四郎君) 私の考え方ということになりますと、言葉においていけないかと思いますけれども、労働者階級と言っては失礼になるかもしれませんけれども、大体日本国の国内の実態からいって中産階層がこの程度であろう。そうすると、それにマッチした要するに住宅というものが必要になってくる、そういうような考え方を、中産階層といいますか、それを対象にしたつまり住宅というものに今度は重点を置いていく。その重点を置くにしても、すでに先ほど申し上げたように、かつては六畳の間一間が必要であって、それでもって喜んだときもある。現在ではそういう段階から抜け出してこれだけの経済の国になったとするならば、国の経済の実態の上からも割り出さなきゃいかぬだろう、こういうような考え方でそういうような建築方針にしていきたい、こう思うのでございます。
#80
○二宮文造君 大臣が非常に言葉を選んで中産階級ということをおっしゃった。私は言葉を返すようで大変恐縮なんですが、それは要するに持ち家政策をこれから重点的に取り上げていきたい、いままでもそういう方向を志向してきたし、これからもさらに重点的にそれに力を注いでいきたいという意図のようにも受け取れるわけです。ならば、それに重ねて、それではいわゆる社会的に弱い立場にいる方、それ以下の階層の方々の住宅の手当てはどういうふうに考えていらっしゃるか。
#81
○国務大臣(長谷川四郎君) でありますから、たとえばいまの二DKとかいうような前につくった家でございますけれども、そういうような方に、たとえば寡婦あるいはひとり暮らしの人、老人、こういう人になるべく使ってもらうように振り向けていったらどうなんだと、こういう考え方で新しくつくっていくもの、それでは古いものはみんなそうかというとそうではない、やはりその人たちでも三DKぐらいのものは必要だというんですから、それらの方々にも住めるような住宅に変えていったらどうなんだ、こういう考え方でございます。
#82
○二宮文造君 それで、これは住宅局長にちょっと説明していただきたいんですが、いままでいわゆる政府の施策住宅、たとえば公営もありましょう、あるいは公庫の融資住宅もありましょう、さらには公団、公社の分譲住宅もありましょう、あるいは賃貸もありましょう、それぞれのねらいとするところはどういう所得の階層をねらいとして施策を進めてこられたか、これちょっとお伺いしたい。
#83
○政府委員(山岡一男君) 先生御案内のとおり、勤労者の所得によりまして五分位階層というのを設定いたしております。そのうちで公営住宅につきましてはおおむね第二分位の中以下、最近つくりました収入基準ではカバー率三三%というのが大体の考え方でございます。それから公団の賃貸住宅につきましては、これもおおむねでございますが、第二分位の中位から第四分位の中位ぐらいまで、先ほど大臣がおっしゃいましたちょうど中間あたりをねらうというのが大体政策態度でございます。それから公団の分譲、公庫の個人住宅融資等の公的融資につきましては、第四分位以下をおおむねの対象とするというのが基本の姿勢でございます。
#84
○二宮文造君 先ほど大臣が、いわゆる先般四十八年に行われた住宅統計調査、あるいは建設省でおやりになったと思いますが、住宅需要調査ですか、こういうものを踏まえながら若干質問したいわけですが、そのいまの住宅統計調査、四十八年ですね、その後やられてないと思いますが、それから住宅需要実態調査、これらを見ますときに、全国の住宅の総戸数は総世帯数を上回った、確かにそうなっております。しかし、同時にまたその実態調査の中であらわれているのは、大臣もさっきおっしゃった、狭いとか不便だとか老朽住宅だとかいうような理由で全世帯の三五%がいわゆる住宅の困窮を訴えている。三五%となりますと千三百万世帯と、こういうふうに数字が挙げられておりますが、これを政府はどのようにとらえて、この訴えですね、これをどのようにとらえて、それからつくられた第三期五カ年計画にお入りになったか、この辺の背景をちょっと御説明いただきたい。
#85
○政府委員(山岡一男君) 第三期の五カ年計画を策定いたしますに当たりまして一番下敷きにいたしましたものは、第一は住宅統計調査でございます。第二は住宅需要実態調査でございます。それからさらに基本的な姿勢の問題といたしましては住宅宅地審議会の答申を踏まえております。それからさらに各都道府県からの第三期の期間におきます住宅の需要実態の見込みを出していただきました、そういうものも下敷きにいたしております。それからやはり国勢調査等につきましても十分踏まえております。そのほかにも各省が行いますいろいろな統計調査もそれぞれの時点において加味いたしておりますが、そういうものを踏まえまして、先ほど先生おっしゃいましたように世帯の数よりは住宅の戸数がふえておる、しかも国民の皆さんの要望は質の向上に対して非常に強い要望があるということでございますから、やはり第三期五カ年計画はむしろ、戸数は最小限の必要なものは当然必要でございますけれども、質の向上に重点を置くべきだという見地に立ちまして、で、いままでの閣議決定ではなかったわけでございますけれども、六十年を見通しまして国民の世帯の皆さんに達成してもらわなければならない最低の居住水準、それから国民の皆さんの平均の世帯には確保していただきたい平均的居住水準、この二つを閣議の決定の中に一応決めていただいております。そういうふうな目標を立てまして、そういう目標を自分の力だけではどうしても到達できないという方々に対しては公的な援助をするということで組み立てております。しかし、六十年までの長期の見込みでございまして、五十五年はその中間でございますので、たとえばその中の最低居住水準以下の解消等については、その二分の一を解消するということを前提として第三期の五カ年計画をつくっておるということでございます。
#86
○二宮文造君 もっと住宅需要実態調査の中身に入ってみたいんですが、実に淡々といま局長御説明いただいたんですが、もっと数字を分析をしてみる必要があると思うんです。その住宅需要実態調査の中に、狭いあるいは過密だということで住宅困窮を訴えられているのが百八十九万六千世帯、それから老朽だとか同居だとか非住宅、これで住宅に困っていると訴えられた方が五十八万、合計二百四十八万世帯という数字がここに挙がっています。御承知のとおりです。さらに、食事と就寝の部屋が共用になっている、七百万世帯ですね。もう一つ、六歳以上の子供と夫婦が同じ寝室に寝ざるを得ない、いわゆる何といいますか分離就寝、これが不可能な世帯が九百四十七万世帯、あるいは日照時間が一日三時間程度しかない、だから住宅に困っているというのが三百六十万世帯、もちろんこれにはそれぞれダブリがありましょう。ダブリがありましょうけれども、少なくともこの二百四十八万とか、あるいは食事と就寝の部屋が共用になっているという七百万世帯とか、分離就寝が不可能な九百四十七万世帯、こういうことになってきますと、要するに所得のわりに低い階層の方がこういう悪条件の中でがまんせざるを得ない。したがって、そこに政府の住宅政策の大幅な変更を求めている。こう私はこの数字の中から読むわけですが、この点については大臣どうでしょう。
#87
○国務大臣(長谷川四郎君) おっしゃるとおりに感じます。
#88
○二宮文造君 それで、今度の第三期住宅五カ年計画、これは局長、先ほどそういう実態を踏まえてお考えになったと言っても、質の面では確かにお考えになっているでしょう。しかし、要するに量の方は相変わらず公的な住宅の割合をいわゆる財政に縛られてしまって四割程度と、この民間自力に依頼するのが六割、それから政府の施策住宅が四割というこのバランスは、四十八年の統計調査、あるいは住宅需要実態調査を余り勘案しない六割、四割という配分ではないか、むしろこれを検討するならば、もっとこの割合が変わってしかるべきではないかと私は感ずるんですが、この点はどうでしょう。
#89
○政府委員(山岡一男君) 先ほど先生がおっしゃいました二百四十八万というのは、住宅統計調査による住宅難世帯でございます。それから三時間日照、分離就寝ができない世帯、いずれも先生のおっしゃるとおり、需要実態調査、統計調査等では出てまいっております。で、第三期五計をつくります際には、先ほどの閣議決定の際に規模の水準を決めたと申し上げましたけれども、同時にやはり住宅宅地審議会等の答申を踏まえまして、たとえば低所得の方々に対しましては賃貸住宅を準備いたしますけれども、その賃貸住宅の中で夫婦二人子供二人の標準的世帯でございますと、大体公営住宅入居階層の方々になると思いますけれども、そういう方々に対しましては大体所得の一五%以下の家賃で入居できるということを前提とすべきだと。それから、ちょうど中層の値につきましては、持ち家等を準備するわけでございますが、分譲住宅の返済もしくはローンの償還等につきまして世帯収入の二五%以下程度で進めるべきだということを前提といたしまして、今後における世帯の推移の動向等を察知をいたしまして、どうしてもその二五%以下、一五%以下では閣議で決定いたしました最低の居住水準を達成できないという方々に対しましては公的援助を準備をするということで積み上げてみましたものが四一%、三百五十万戸になったということでございます。
#90
○二宮文造君 特にそれらの調査で明らかになったのは、東京、東京圏ですか、それからまた関西、近畿圏ですね、臨海地帯、これが中心になってきたんですが、これは住宅需要実態調査だと思うんですが、東京圏を例に見てみましょう。東京圏を例に見まして、収入階級別住宅所有状況、この調べがたしか出ていたと思いますが、いわゆる一番最下位の収入階級、八十万円未満という欄を見てみますと、持ち家も確かにありますが、民間借家ですね、民営の借家、これに入っていらっしゃる方が四五・四%、それから公営の住宅に入っていらっしゃる方が六・一%、公団、公社に入っている方が〇・七%。さらにまた、その上のクラスの八十万円から百二十万円未満、この方々の住宅の状況をパーセンテージで見ますと、民営の借家に三九・八%、公営に四・五%、公団、公社に二・四%。こういうふうな数字を見る限りにおきましては、一番収入の少ない階層の方々が民間の借家に入っているパーセンテージが、一番下、さらにその上と、二つのクラスをながめてみても、はるかに民間に入っているわけですね。ですから、この方々の要望というのは公営住宅、それに入らしてもらいたいという希望が非常に多いわけです。それにしては、いわゆる公営住宅、第三期五カ年計画の公営住宅の配分の割合が従来の姿勢と全く変わらない。過去の数字をただそれに上積みをしているにすぎない、あるいはそれを横に並べているにすぎない。持ち家志向というのはわかりますけれども、それに耐えられない階層の方々の住宅の施策というものが非常におくれているんではないか。そういうことを私はこの実態調査とそれから第三期五カ年計画とを並べてみた場合にまず感ずるんですが、この点はどうでしょう。
#91
○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいますとおり、収入階層別に見ましても、困窮世帯では八十万から百二十万以下の方々の困窮率の方が平均よりは高うございます。四一%ということになっております。したがいまして、確かにそういう方々に対する対策は重要であろうと思います。第三期の五計におきましては、従来の第二期までと若干内容等も施策の方向を変えてまいっておるわけでございますが、目標といたしますのが居住水準ということでございまして、全体といたしまして、古い家につきましても増築をするもしくは改築をする、それから住みかえが相当行われるというようなことも過去の統計の中からトレンド等で推定をいたしまして、住みかえによる居住水準の改善、それから住居の改良による居住状態の改善等も含めまして、それらのものから全体の数字をはじきまして必要最小限の公営住宅の供給量を決めておるというものでございます。
 それからなお、当面の施策といたしまして一応四十五万戸というのを公営住宅の数字にいたしておりますけれども、調整戸数という、これは十七万五千戸を準備いたしておりますが、本来の閣議決定の中でも事業の進捗状況その他の状況により建設大臣が適切に決めるということになっておりますが、たとえばこの五カ年計画の答申をいただきます際の審議会等の付記されました条件の中にも、今後公的賃貸住宅を重点にそういうものを考えるべきだというようなことが書かれておりまして、われわれとしては、そういうふうなものも一応われわれはいまのところ十分自信を持っておりますけれども、その中の実態に応じまして必要な際にはそういうものを取り崩していくということは必要だと考えておる次第でございます。
#92
○二宮文造君 局長の答弁の基本線は、いわゆる第三期計画というものをもうがっちり踏まえて、それに基づいての御説明だと思うんです。私はもっとそれより一歩出ましてね、それはこの五カ年計画というのは財政その他の理由でこうならざるを得なかったのはわかりますよ。その事情はわかりますけれども、本来の住宅政策のあり方とするならば、いろいろな条件は別として、公営住宅を大幅にふやさなければ現在の国民の住宅に対する要望にはもうはるかに外れてしまうことになりはしませんか、ということを私は指摘しているわけです。
 調整戸数が云々とおっしゃっていますけれども、大体五カ年計画の公営住宅の総枠が四十九万五千戸でしょう。調整戸数といったって十七万五千戸です。これを全部公営に回してみたところで全体は六十六、七万戸にしか当たらないわけです、五カ年で。そういうことで、そういう公営住宅に入りたいと希望されていらっしゃる国民の要望にどれほどもこたえることができないじゃないでしょうか。したがって、この大枠というものを、いわゆる民間自力と、それから公的資金による住宅と、こり割合を大幅に変えなければそういう欲求にマッチした施策にはならないんじゃないでしょうか、現在の状況の中から。それを私は指摘しているんですが、そのことについてのお答えはないわけですか。
#93
○政府委員(山岡一男君) 先ほども申し上げましたように、公営階層につきましては、大体所得水準等から見まして、国民の五分位の中の第二分位の中位以下ということを対象にいたしておるわけでございますけれども、そういう方々の現在の居住状況、住宅需要実態調査におきます将来の住宅需要の動向、それから将来の給与の伸び、それから価格の上がり等々を相当詳細に検討いたしまして、当面そういうようなことでよかろうというふうに第三期では推測をしたのでございます。
#94
○二宮文造君 くどいようですが、これでもう最善だと、こういうようにお考えですか。それとも、諸種の状況の中からこうならざるを得ないという考え方ですか。これがベターだと、まあベストだとは言いませんが、ベターだと、あるいは、こうならざるを得ないんだと。この五カ年計画の中身をどういうように評価されますか。
#95
○政府委員(山岡一男君) われわれとしては、でき得るベターのものであると考えております。
#96
○二宮文造君 それではいわゆる余り国民の皆さんの気持ちというものは建設省自体が察知されていない、残念ながらそういう評価をしなければならないと思うんです。
 いろいろ問題がありましょう。持ち家の場合にも問題が出てきましょうし、あるいは、いま言いました公営住宅については数が足らない、あるいはまた地方団体がそれを建てようと思ってもなかなか建てられないという現実の問題もありましょう。あるいは公団につきましては、遠いだとか高いだとか狭いだとかいうふうな、いま最悪の問題が山積をしております。したがいまして私は、持ち家ないしは公営、さらには公団住宅、さらに公庫住宅というふうに、今度は目先の問題でぜひとも検討していただかなきゃならぬ問題を私これから細かい点にわたりますけども指摘をしたいと思うんですが、いま持ち家政策を政府が志向されておりますけれども、国民の皆さんが頭の中に考えていることは、一体持ち家は、自分のいまの収入の状況の中から持ち家は一体可能なのか、一生働いて家ができるんだろうかという心配を持っていらっしゃるし、さらにまた、仮に持ち家が手に入ったとしても、その価格だとか通勤時間というものは一体どうなるのかと。じゃ、まあ持ち家ができないとするならば賃貸住宅でもしようがないんだけれども、賃貸住宅に入れるだろうか。いろいろな悩みをいま国民は持っていらっしゃると思うんですが、大臣、いま東京圏、いわゆる東京を中心にした埼玉、千葉あるいは神奈川、茨城、この東京圏で敷地面積が二百三平米、それから建築面積が九十五平米、大体これぐらいの、いわばこれが非常に平均的な個人住宅だと言われておりますが、それを取得するとしたら一体幾らぐらいかかる、どういうようにお聞き及びですか。
#97
○政府委員(山岡一男君) とっさのことで正確に言えないと思いますが、上物で一千万、上下そろえば二千万ということが大体のことかと思います。
#98
○二宮文造君 もっと公庫の方で細かく五十一年度の個人住宅調査というものをやっていらっしゃるようですが、それで取得価格を試算していると思うんですけれども、それはどうなっていますか、もうちょっと細かくおっしゃっていただきたい。
#99
○参考人(淺村廉君) 住宅金融公庫では、ただいま先生がお話しになりました個人住宅の建設資金というのを貸し出しておりまして、これが私どもの融資の非常に大きな部分を占めております。まあ大体私どもの統計で見ますと、五十一年度の融資いたしましたものにつきましては、一戸当たりの総建築工事費というものは平均しまして八百二十万円ということになっております。
 その資金をどこから調達するかということを、ちょっと細かくなりますけれども申し上げますと、私どもの調査では住宅金融公庫からの借入金が三百七十二万円、割合にいたしますと四五・四%となっております。それから利用者が手持ちの金を持っておりますので、その額は二百二十五万円、割合にいたしますと二七・四%でございます。それだけでは足りませんので、公庫以外からいろいろな方法で融資を受けておりまして、この借入金が二百二十三万円、割合にいたしまして二七・二%と、こういうようなかっこうでございまして、まあそれでやっていただいておるんですが、ただいまの先生の御質問の東京圏でたとえば土地を取得して、そして家を建てたらどうなるかという御質問かと思います。
 なかなか土地を買って家を建てるということは現在では非常にむずかしいことでございまして、そういうことのために私どもは別に分譲住宅の制度というものを持ってやっておるわけでございますが、一つの試算として行いました結果を申し上げますと、東京圏で五十一年度に公庫融資を申し込まれた方が、仮に少し前に土地を買って家を建てたということになりますと、土地の取得価格が千二十五万円、それからその上に建てます住宅の建築工事費が八百九十四万円、合計千九百十九万円ということになっております。
 その資金をどうやって調達するかということでありますが、公庫からの借入金が、この場合は東京圏でございますので少しく高くなりまして四百十六万円、それから手持ちのお金が七百六十万円、あとはまあ金融機関その他からの借入金と、こういうことになっております。
 一応私どもの調査の結果を申し上げます。
#100
○二宮文造君 公庫の総裁から、土地を買って家を建てるのはなかなかむずかしいことでございますというような御答弁いただきますと、本当に大変な問題になるんです。私どもがいま住宅問題を取り上げて云々しているのは、まさにそういうありのままの姿の中でどういう住宅政策を進めるべきかということを議論するんでして、貸し出しの本家である金融公庫の方から、土地を買って家を建てるのはなかなかむずかしいことでございましてというただし書きつきの御説明では、まことに心もとなくなってしまうわけです。これ、余談ですが、さて、いわゆるその土地に千二十五万、それから建築工事費で八百九十四万、千九百十九万円というお金が要ると、それについていろいろまあ公庫の借入金とかあるいは各種の借入金等に手持ち金を加えてそれだけのものを取得したとしますと、その場合一カ月当たりの返済額並びに、平均月収としましょう、平均月収の中でいわゆるその返済の負担率ですね、この割合はどうなりましょう。一カ月の返済金額それからその負担割合、収入に対する負担の割合、これはどうなりましょう。
#101
○参考人(淺村廉君) これは私どもの一つの試算でございますから、まあいろいろございましょうが、いま申し上げましたケースによって御説明申し上げますと、この場合、毎月公庫に返します金額が三万円、それから公庫以外の金融機関その他から借りておられますその分の返済が六万七千円、合計いたしますと毎月九万七千円返していかなきゃならぬという計算でございます。
 しからば、この方が月収どのくらい取っておられるかということでございますが、これは東京圏でございますので、私どもの融資対象の平均二十四万円程度のものから見ると少しく高くなっておりまして、二十七万一千円ということになっております。したがいまして、返済額の返済負担率と申しますか、毎月どのくらい収入の中から返すかという率でございますが、三五・八%という結果になっております。
#102
○二宮文造君 建設省の方で、公団とか公社の分譲価格の一カ月の支払い額というのは一体どうなりましょうか。
#103
○政府委員(山岡一男君) 公団分譲住宅につきまして、昭和五十一年度の平均分譲価格は千百六十万円ということになっております。一カ月の支払い額は、毎月払いの場合とボーナス払いの場合がございますが、毎月払いの場合は、最初の五年間が約五万二千円、六年目から十年目までが約七万円、十一年目から三十年目までが約七万三千円。これは先生御案内のとおり、公団分譲住宅につきましてはすべて長期の特別分譲というかっこうをとっております。当初五年間は元金据え置きの五分五厘、六年目から十年目までは元金均等の五分五厘、十一年目以降がいわゆる資金運用部資金の金利ということでございますので、後半に至るほど返済が上がっておるというのが実情でございます。ただ、ボーナス併用払いの場合もございまして、そういう場合には、通常月の支払いは、最初五年間が約三万九千円、それから六年ないし十年が五万二千二百円、十一年目から三十年目までが六万一千円ということになりまして、年二回のボーナス月に、最初の五年が十一万八千円、六ないし十年が十五万六千六百円、それから十一ないし三十年が十八万二千円というのが公団の分譲住宅の一例でございます。それから公社分につきましては、これは三十五年で分譲することになっておりますが、五十一年度の平均分譲価格を見ますと、共同住宅の場合は千四百万円となっております。これに対する公庫融資額は約七百六十万円でございまして、一カ月当たりの返済額は約四万円ということになっておろうかと思います。
#104
○二宮文造君 要するに先ほどの、特に公庫の場合試算された一カ月の返済の負担率が収入に対して三五・八%、しかもこれは公庫の場合の五・五%の金利の場合です。逆に今度は七・五%の金利の場合には三七・六%という負担率になってしまう。これはまあ最初そういうことも踏まえて総裁が、先ほど土地を買って家を建てるというのはなかなかむずかしいと言う実態がこの返済の負担率の中からも十分に私は参酌できると思うわけです。したがって、こういう問題もこれからの施策の大きなポイントになってくるんではないかと思うわけです。
 そこでもう一つ、もっと細かいことになって大変恐縮なんですが、公庫で五十一年度既存の中古マンションの購入というものに融資の道を開いたようですが、その実績はどうでしょうか。
#105
○参考人(淺村廉君) 仰せのとおり、五十一年度に初めて中古マンションの購入者に対する融資の制度を開かせていただいたわけでございますが、私ども実はなかなか実態がよくつかまりませんでしたので、いろいろ考えまして二千戸の枠を当初用意いたしました。第一回の申し込みの受け付けが昨年の八月十日から九月九日までということでございましたが、非常に申し込みが低調でございまして、戸数で五十五戸応募があった程度でございました。したがいまして、第二回といたしまして十一月の十五日からことしの二月の二十八日まで引き続きやりましたところが百十二戸の申し込みがございまして、全体として百六十七戸という実績にとまったわけでございます。
#106
○二宮文造君 ちょっとその実績があんまり芳しくないようですが、その融資の条件ですね、融資の条件の中で私ども考えるのは、対象区域を全国に広げるとか、あるいは階数の制限をなくするとか、建築年限の制限、これを緩和するとか、それから購入価格の限度額を引き上げるとか、こういうふうな融資条件の変更というものをお考えになるべきではないかと思うんですが、この点はどうですか。
#107
○参考人(淺村廉君) この制度は昨年始めたばかりでございまして、中古住宅の流通市場というものもまだ確立もされておりませんし、なかなか実態もつかまえにくいような状態もございます。そこで私どもは、いまお話がございましたいろいろな条件のもとにこの制度を始めたわけでございますが、一挙にこれを変えるというわけにもなかなかまいりません。これはやっぱり相当実績を積み上げて、実情に次第に合わせていくということの方が正しかろうかと思います。
 そこで、来年度の私どものいまの考え方といたしましては、建築後五年以上十年以内の建物という一つの制限がございますが、これを緩めまして三年以上たったものならいいと、こういうことにひとつしようと考えております。これがまあ余り――余りといって五年じゃそう古いわけでもございませんが、もっと新しい住宅でも中古として出回っておるものは手が届くようにということで、一つの前進といたしまして、私どもは来年度はこういう考えでやらせていただこうと考えておるわけでございます。
#108
○二宮文造君 さらに、それに加えて、やはり階数の制限とか、そういうものも同時にお考えにならなければ、せっかくの施策がやっぱり実を結ばないで終わってしまうんではないかと、こうも感じます。
 さて、新築住宅の購入資金は金利が五・五%ですね。ところが、中古マンションの購入資金の金利が七・五%というのは一体どういうわけですか。
#109
○参考人(淺村廉君) 金利が一般では新築は五.五でありますが、これは七・五ということで始めさせていただいております理由は、既存の住宅、中古住宅というものはこの新設のものに比べますと、立地、規模等は類似いたしておりましても、価格の面では一般的に低いということもございますし、そういうことも考慮をいたしまして、私どもは新設の場合は、これは一番の主眼でございますから五・五%という定着した金利でやっておりますけれども、こういう新しい制度でございますし、いま申し上げましたような考え方もございますので、購入を受けられました方々の負担の点から申せば、まあ新築の場合と余り変わるまいということで七分五厘という金利にさせていただいておるわけでございます。
#110
○二宮文造君 大臣、いまの総裁の答弁でよろしゅうございますか。新築の、新規の住宅の場合は時価だから高かろう、だから五・五%だと。中古マンションの場合は古いから安かろうと、だから負担の割合から考えてみれば七一五%にしていいんだとこういう御説明ですが、こういう論理で通りましょうか。
#111
○国務大臣(長谷川四郎君) 住宅公団の現在おやりになっている方法全体にわたって再検討を少ししてみたらどうなんだろうというような構想を持ちまして、一カ月たたないかな、三週間くらい前に……
#112
○二宮文造君 いまの公庫、金融公庫の。
#113
○国務大臣(長谷川四郎君) そこで、次官を長としていろいろこの研究をしているわけなんです。御指摘のあったような問題もその中の一部に加わっておりまして、これらを十分検討してみる必要があるんじゃないだろうかというように考えまして、いろいろいま検討を精力的に考えておるところでございます。
#114
○政府委員(山岡一男君) 先生ただいまおっしゃいました公庫の中古融資につきましては、先ほど申し上げましたとおり、第三期の五カ年計画になりますと住宅ストックの有効活用ということが非常に重要な問題になってまいりますので、何とかしてそういうものについて道を開きたいということで、昨年度の法律改正でぜひともということで実現したものでございます。ただしかしながら、住宅政策上、既存住宅の住宅貸付制度がやはりまだ主流ということではございませんで、やっぱり補完的なものでございます。したがいまして、初年度におきましては戸数も少なく、制度もある程度限定的に始めたわけでございますが、逐次改善をしてまいりたいと考えておるのが現在でございます。特に今度の制度も新設のものでございますので、やはり一般会計、率直に申し上げますけれども、一般会計等のいろいろな支援のことも考えますと、やはり資金運用部資金の利子補給金なしということで当面始めてみたいと。その一つの理由といたしまして、先ほど公庫総裁申されましたとおり、全く同じところに新築と、それからやはり何年かたったものとあれば、当然何年かたったものの方が低いはずだということもございまして、全体の割合等につきましてはそういうふうに考えたということでございます。
#115
○二宮文造君 そうしますと、とりあえず発足したんだから七・五%だと。しかし、その辺には若干矛盾もあるので、将来の問題として検討に値する問題だと、こういうふうに御説明を受けたと理解してよろしゅうございますか。
#116
○政府委員(山岡一男君) 将来、財投金利のあり方等につきまして、いろいろと世間の金利の変動等によって差が出てくると思います。そういうものも前提といたしまして、実情に沿うように検討してまいりたいと思っております。
#117
○二宮文造君 あわせて、いまちょっとお触れになりましたけれども、中古マンションの場合はこういうふうに融資の道が開けたわけですね。ところが、既存の住宅の購入資金、これは全くいま閉ざされておりますが、この点についてはどうでしょうか。マンションはいいんだ、中古マンションでも融資の道はあるんだと、既存の住宅はないんだと、これもまたひとつ大きな矛盾の点だろうと思うんですが、この既存住宅の購入資金に対する融資という道は、これはどういうふうにお考えになりますか。
#118
○政府委員(山岡一男君) 既存住宅につきましても、やはり良好な既存住宅の流通ということが今後必要でございますので、この第三期の間においても検討してまいりたいと思っております。
#119
○二宮文造君 なかなか持ち家というのは非常にむずかしい問題がたくさんありまして、やはりそういう細かい問題にまで配慮をされながら施策を進めていただきたいという気持ちです。
 これに関連しまして、新築住宅の取得に当たっては、所得税とか登録免許税、あるいは不動産取得税、こういうものの軽減措置が施されているように聞いておりますけれども、
  〔委員長退席、理事赤桐操君着席〕
既存住宅の取得についてこうした軽減措置がない。これはちょっと私は、こういう住宅事情の中で、特にやっぱり住宅の取得ということはそれぞれの家庭にとっちゃ大変な問題なわけです。ですから、新築住宅の場合は軽減措置をすみ、既存の住宅を取得した場合にはその措置がない、これも一つの矛盾ではないかと、こう思うんですが、この点は持ち家政策を進めていく担当の主管官庁として、この問題はどういうふうにそれぞれのところに折衝をされるつもりかどうか、お伺いしたい。
#120
○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいますとおり、新築住宅につきましては、国税におきましても所得税、登録免許税、地方税につきましては不動産取得税、固定資産税等につきましてそれぞれ所要の減税を行っております。これらにつきましては中古住宅には現在行われておりません。したがいまして、今後、いままでは先ほど申し上げましたように量の供給ということが重点でございまして、新築に税制上も重点を置いたということでございますけれども、第三期におきましてはストックの有効活用ということも非常に大きな政策課題になってまいります。したがいまして、建設省といたしましては、既存住宅の有効活用に格段の配慮を行う必要があるという見地に立ちまして、今後も各種の税の軽減措置につきまして全体税制の中で十分検討してまいりたいと思っております。
#121
○二宮文造君 先ほどの話に戻りますけれども、たとえば公庫の融資を受けた、その返済負担率が三五%を超える、これはなかなかもって住宅を取得された方の負担というのは大変なものです。そこで、持ち家政策を進めていくというんであるならば、やっぱりその辺にも細かい配慮が必要ではないか。特にローンの利用者、この方は、いままでの高度成長の場合ですと、毎年の賃上げが相当の幅で上がっていきますから、ある程度当初は高い負担率であっても年々それがカバーされていきます。ところが、低成長に入って、安定成長に入ってきますと、一けたとかということになりますと、ローンで住宅を取得された方の思惑はここで大きく外れているわけです。まさに青息吐息というのが実情ではないかと思うんですけれども、この点、私どもの原田議員が前回の政府に対する、総理の所信表明の中でも、こういう考え方を取り入れたらどうだと、たとえば年間五百万円以下の階層を対象にして民間住宅ローンの償還金の利息の一定割合、これを、具体的にはローンの金利と公庫金利の差ですね、こういうものを所得税から控除する、いわゆる私どもはマイホームローン減税と、こういうふうに名前をつけたわけですが、まさに念願の持ち家はできたけれどもその返済に非常に困っている、こういう方々の気持ちも配慮して、金利の差、これの減税という考え方は一体どうでしょうか。
#122
○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいますとおり、いろいろな政府施策によりまして手の届かないところまで手を届かしていくというのが公的応援の態度であろうかと思います。したがいまして、建設省では、かねてから住宅貸付の償還金額につきまして、税制面からの実質的な金利負担にも当たるというような意味で減税を行ったらどうかということを考えてまいりました。昭和五十二年度の税制改正におきましても、原田先生御提案に非常に似ておるわけでございますが、一定の所得以下の個人が、自己の居住の用に供する住宅で一定規模のものを取得した場合におきましては、その住宅、敷地等の取得のための資金をもし民間金融機関から借りた場合につきましては、その借入金の毎年の償還金につきまして、利息に相当する額に一定の率を乗じて得た額を五年間毎年所得税の額から控除するというふうなローン減税というのを実は考案いたしまして、関係方面には提案いたしたわけでございます。しかし、これにつきましても、先ほど申し上げました中古の減税と同様、税体系全般の中でもう一回検討しようということで、現在引き続き検討を続けておるというのが実情でございます。
#123
○二宮文造君 この原田議員の質問に対して総理は、税の均衡上からむずかしいと、こういうような答弁をされたんですが、これは私はいただけない答弁じゃないかと思うんです。局長そうでしょう。だって、公庫融資を受ければ五・五%、それの抽せんに外れたわけでしょう。で、やむを得ず民間ローンで家を仕上げたという場合は、むしろ財政の都合で枠をつくり、家を建てたいというそういう方々の要望を受け入れることのできなかった施策の貧困の方に問題があるのでして、抽せんに外れた人には責任がない。したがって、そういう方々をカバーするために、いわゆる金利の差というものを、もっとも所得制限も必要でしょうが、そういう範囲内でやるということは決して税の均衡上は問題はないのではないか。むしろ財源の問題であろうと思うのですが、この点はどうでしょう。
#124
○政府委員(山岡一男君) その場合、税の均衡と申します際の均衡の相手は、賃貸住宅におきます家賃の問題でございます。一応持ち家を持つということになりますと、やはり貯金もあり、頭金も方々で借りられるということでございますけれども、実は相当高い家賃を払って、まだいろいろと家賃で苦労なさっている方がございますが、そういう方々に対する減税につきまして現在余りないわけでございます。したがいまして、そういうものとの均衡を総理はおっしゃったのだと思っております。したがいまして、そういうものも含めまして、全体の住宅税制の中でさらに引き続き検討中であるというのが現状でございます。
#125
○二宮文造君 これは確かにそういう意味での民営の賃貸住宅、この家賃との均衡ということであればいいんです。私どももその面についても後でまた問題にしたいと思いますが、家賃についても一定の所得の制限は当然必要だろうと思いますけれども、やはり減税の対象にすべきではないか、こういうふうな考え方を持っておりますが、ぜひこれはこれからの問題として必ず実現をして……。むしろその方が私は均衡を欠いていると思うのです。施策の貧困の中から一般の国民に迷惑をかけている部面は早く是正をしてもらいたい、こういう感じでおります。
 それからもう一つ、最近住宅ローンの焦げつき現象、先ほど言いましたいわゆる支払いが非常に負担が大きいものですから、賃上げとの関係、あるいはまた最近の不景気との関係で倒産をしたとか、資金繰りが苦しくなったとかいうことで住宅ローンの焦げつき現象が非常にふえてきた。で、損保業界では不安を抱きまして、保険料の引き上げを図ろう、こういうふうな考え方があるようですけれども、大臣、この点はどういうふうにお考えになりますか。また、保険料の問題については建設省としてはどういう考え方で対処していかれるか。
#126
○国務大臣(長谷川四郎君) いま先ほどのお話のような税制の問題につきましては、五十二年度の税制改革につきましてもかなり強く主張したようでございまして、しかし、実現しなかったことだけは御指摘のとおりでございます。
 次の点につきましては、局長の方から御答弁を申し上げたいと思います。
#127
○政府委員(山岡一男君) 損保の料金につきまして、これは実は私どもこの損保の保険ができますときに、建設省がずいぶん関係方面と相談をいたしました。まあ私どもから言わせていただければ、建設省の協力でできたというぐらいに実は思っております。そこで、いまでもいろんな損保の皆さん方から絶えず実情等を聞いておりますけれども、やはり私どもといたしましては、損保の保険が非常にふえてまいっております。そういうことから申しますと、やはり全体といたしまして少し料金の値下げをむしろすべきだという提案をいたしております。損保の方もことしの一月であったと思いますけれども、料金の値下げにつきまして大蔵省の方へ現在進達中と私聞いております。私も先日、保険部長のところへ参りまして、損保の料率引き下げ等については前向きに検討してくれるようにという申し入れをしてきたところでございます。
#128
○二宮文造君 じゃ、値上がりなどもってのほかですね。率の引き下げをいま要求しているところであって、値上がりなどはもってのほかだと、こういう方針で指導されると、こういうことで確認してよろしゅうございますか。
#129
○政府委員(山岡一男君) 建設省の方といたしましては、損保の料率値上げは反対でございます。
#130
○二宮文造君 さて、持ち家は非常にいろいろな状況で取得が困難、まさに高ねの花というような状況にならざるを得ない。そこで勢い賃貸という問題、住宅の要求を満たそうとすれば賃貸ということになってくるわけですが、まず民営の賃貸住宅の家賃の値上がりですが、これは答弁を求める前にもう資料等に基づいて申し上げてみますと、四十八年から四十九年については一〇・五%、四十九年から五十年には三〇・七%、五十年から五十一年にかけては四・九%と、このように年々値上がりをしておりますし、四十八年と五十一年を比較してみますと五一・六%、民営の賃貸住宅の家賃が上がっております。まあ地価や建築費との相関関係というのは否定できないんですけれども、これは強気な家主による強引な家賃の値上げ、引き上げもないではないわけです。ここでやはりこういう状況になってみますと、家賃という問題についても公的機関の監視というのが必要な段階に入ってきたのではないか、こう考えますが、この点はどうでしょう。
#131
○政府委員(山岡一男君) 適正な居住水準をみずからの力によって確保できない低所得階層の方々に対しまして、公営住宅、公社住宅、公団住宅の供給に努力しておりますが、特に民営の方につきましても公庫融資、それから利子補給、たとえば特定土地担保賃貸、それから農住、いろいろございますけれども、そういうようなものによります補助、利子補給も行っております。そういうふうな援助を行いましたものにつきましては家賃の規制が現在できておるわけでございます。しかしながら、それ以外のものにつきましては画一的に家賃の統制その他に入るということは現在できておりません。また、そのことがいいか悪いかについても十分検討を要することだと思います。ただ、公的の賃貸住宅等を大量供給することによりまして、それがいろんな家賃のリーダーシップをとるというのが一番望ましいことであろうかと思っておりますけれども、われわれといたしましては、まだそこまで来ていない現状でございますので、今後ともそういう面に十分に努力するということが一点でございますが、なお全体の家賃問題のあり方につきまして、民間の家賃も含めまして住宅宅地審議会に残された一番大きな問題ということで、家賃対策はいかにあるべきかということを昨年暮れから大臣から諮問いたしまして現在鋭意検討中でございます。その中におきまして、そういう点もいろいろと踏まえまして検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#132
○二宮文造君 土地の場合、それはしばらく地価が鎮静してきましたけれども、これは地価公示制度、これがやっぱり大きく影響したのではないかという説が非常に強いわけですね。そうしますと、この家賃の問題についても標準家賃というような考え方を政府の方でせっかく努力をされて、一定地域の標準家賃というものを公示する、こういう考え方で、何といいますか、野方図な値上がり、あるいは強引な家主による値上がり、納得できないような、借り主というものはどうしても弱い立場にありますから、そういう人たち、消費者保護という考えになりましょうか、そういう立場で一定地域の標準家賃というものを設定をする、こういう要望は次第に高まっておりますけれども、この点についてはどうでしょう、それも含めて検討されますか。
#133
○政府委員(山岡一男君) 今後の住宅政策におきまして、民間賃貸住宅の居住水準の向上、それから健全な借家関係の確立というようなことは非常に重要な問題でございます。したがいまして、その一環として現行家賃制度の改善策の検討は当然必要でございます。しかしながら、現時点におきまして、先生おっしゃいますように地価公示制度に準ずるような公示制度はどうかというようなことでございましたけれども、やはり入居時期、借家慣行等も相違が相当いたしておりますし、また住宅の規模、構造、設備、立地条件等々どのように反映さすかというような基本的な問題もございます。それらの面も含めまして、先ほど申し上げました家賃政策のあり方は今後どうすべきかということの中で十分検討してまいりたいと考えております。
#134
○二宮文造君 それから先ほどちょっと局長が言われた、さっきのマイホーム減税、金利ですね、あの減税のときにちょっと家賃のいわゆる控除制度といいますか、税からの控除制度というものに関連して、税の均衡を欠くというような意味で、税の均衡を欠くという答弁があったんだろうという説明がございましたけれども、私どもはやはり政府の住宅政策のおくれによって高い、あるいは高いということを承知しながら、あるいは条件が悪いということを承知しながら民営の賃貸によらざるを得ない、そういう階層の方は相当多いわけです。ですから、その辺もやはり考えて家賃の控除制度というのはどうしても政策の爼上に上せていかなきゃならぬ段階に来たんじゃないか、こう考えるんですが、この点について御見解を伺いたい。
#135
○政府委員(山岡一男君) その税金につきましても実はわれわれ内部の検討をいたしておりますが、その前に、やはり先生おっしゃいますように、かける家賃のあり方につきましていろいろな差がございます。そういうようなものにつきまして、今後いかにあるべきかということについても相当真剣な討議が必要でございます。しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、全体の税体系の中でそういうものを検討すると申し上げました趣旨は、そういうものも含めて十分検討しようということでございまして、一生懸命研究してまいりたいと考えておる次第でございます。
#136
○二宮文造君 審議会の答申に逃げてしまわれたんですが、答申は一体いつごろいただくような予定で諮問されているんですか。
#137
○政府委員(山岡一男君) 実は審議会を開きまして、その後基本問題小委員会というものを設置いたしております。大体二週間に一遍ぐらいのペースでやってまいっておりますが、本当に家賃学を確立すると前の竹下大臣から言われたわけでございますが、そういうふうなつもりで相当な積み上げを行ってまいっております。いつまでということを言われますと、私もここで確約できないと思いますけれども、先生方にお願いしておりますのは、少なくとも短期的な考え方で当面やらなければいけないものは本年度予算に反映するまで、本気で制度的にやるものにつきましては、第三期の中には少なくともなるべく早く実現できるようなタイムスケジュールでやろうじゃないかというふうなこともお願いをし、聞いている次第でございます。
#138
○二宮文造君 審議会に諮問された案件にまで立ち入るわけですが、おっしゃるような短期的な、少なくとも来年度の予算の編成の中にそれを盛り込まなければ、盛り込めればいいというような考えで示されている案件というのは、たとえばどういうことですか。
#139
○政府委員(山岡一男君) たとえば、公団家賃におきますと、応能的なものがいいのかプール的なものがいいのかというような基本的な問題については、来年度はまだ間に合いません。しかしながら、当面の緊急避難的なものといたしまして、たとえば住宅宅地審議会の御答申にございます、適正な負担の範囲内で行わなきゃならないとされている持ち家もしくは賃貸の所得区分のあり方等につきまして、それがなかなか実現できないとなれば、当面はやっぱり利子補給を少しふやす方向で検討する必要があるとか、もしくは傾斜家賃の中身の検討をする必要があるとか、そういうようなことが当面の問題になろうかと思います。
#140
○二宮文造君 ちょっと待ってくださいよ。それは、いまの、公団住宅でしょう。私はまだ公団住宅に触れていないんです。持ち家とか、持ち家のローン減税とか、あるいはいま民営賃貸住宅の家賃の控除という問題とか、あるいはまた民営の賃貸住宅の標準家賃、そういうものも設定されたらどうかというような問題をいま議論してきたわけですが、それらについては短期的な考え方でお進めになっているのか、それとももっと長期的な考えで進められているのか。
#141
○政府委員(山岡一男君) いまの問題の中で申しますと、たとえば標準家賃等につきましてはなかなかむずかしいと思います。ただ、いろんな来年度の減税のあり方等につきましてはやはり急ぐべき問題だと考えております。
#142
○二宮文造君 さて、その持ち家もむずかしい、それからまた民間住宅も非常に高いというようなことで、やはり所得の非常に少ない方々の期待というのは、公営住宅に対する期待が非常に強いわけです。しかし、その公営住宅も家賃の値上げが非常に昨年からことしにかけて値上がりがされているわけですが、いままでの値上げの状況、それから今後の動向、こういうのを概略御報告願いたい。
#143
○政府委員(山岡一男君) 最近の報告によりますと、五十年から昨年の十二月末までに五百四十四事業主体、約五十五万戸の公営住宅の家賃が是正されております。戸当たりの平均値上げ額は二千七百円、値上がり率は約五七%となっております。今後も相当の事業主体で家賃是正が実施される見込みという報告を受けております。
#144
○二宮文造君 大体その新規供給の公営住宅もだんだん家賃が高くなってきた。こういうところに、そこにお入りになる方々の苦労もあるわけですが、問題は、まあ家賃の問題も大変ですけれども、建設状況が遅々として進まない。これがいまの一番大きな問題だろうかと思いますが、ここ数年の公営住宅の建設状況、たとえば当初計画を消化できなかった県というのは一体どのぐらいありましょうか。
#145
○政府委員(山岡一男君) 当初計画を消化できませんでした県は、昭和四十六年度には八県ございました。昭和四十七年度は八都府県、昭和四十八年度は三十都道府県、昭和四十九年度は十三都道府県、昭和五十年度は三十二都道府県にわたっております。
#146
○二宮文造君 問題はどこにあると思いますか。これはもう議論し尽くされてきたことですけれども、結局地方自治体の裏負担の軽減ということがやはり問題になろうかと思いますが、まず一番に、公営住宅の家賃の高額化というものを抑えなきゃならぬという点が一点、それからその建設を促進しなけりゃならぬ、そのための裏負担を軽減するということが第二点。こういう裏腹の関係になろうかと思いますが、具体的には現行の国庫補助率の第一種二分の一、第二種三分の二を引き上げるとともに、建設費の算定基準、これを実情に照らして改めなきゃならぬと。さらにはまた、用地取得のための地方債の利子を全額国庫負担にしなけりゃならぬとか、こういうふうな問題が出てきておりますし、仮にそれらが無理とするならば、せめて用地費を全額政府資金をもって充当する、こういうふうなことで一応その自治体の裏負担という問題、それが家賃の高額化にはね返らないように手を打たれるべきではないかと思うんですが、この点についてはどうですか。
#147
○政府委員(山岡一男君) 公営住宅のまず補助単価でございますけれども、従来から実額に見合うものとなるように適正単価の確保に努めております。昭和五十年度におきましても、建設物価の動向を勘案をしまして七・二%の引き上げを行うということにいたしております。
 それから二分の一、三分の二の問題でございますけれども、公営住宅はその目的に書いてございますように、「国及び地方公共団体が協力して」建設するというたてまえでございます。で、復帰後、間もない沖繩県につきましては、現在第一種を三分の二、第二種を四分の三ということにいたしておりますが、その他の都道府県につきましては、われわれといたしましては、現行の補助率で国と地方の負担としては妥当なものではないかと考えております。
 それから公営住宅の建設の裏負担でございますけれども、昨年まで起債の充当率が八五%でございました。これは確かに最近の他の公共事業に比べまして起債の充当率は低いということでございまして、昭和五十二年度は九五%というところまで一〇%引き上げていただいたわけでございます。今後もその方針を堅持していきたいと思います。
 それからさらに、公営住宅の建設に要する用地費だけでも全額利子補給したらどうかというお話でございましたけれども、現実には用地費の補助に相当するものといたしまして、家賃収入補助というのを別に行っておりまして、それで現在のところ用地費に対する補助関係は、従来の二分の一もしくは三分の二の補助があったというふうなことと同じように、家賃に反映するようにしておりますので、現在の制度といたしましてはこれでよかろうじゃないかというふうに考えております。
#148
○二宮文造君 もう一つ大きな問題は関連公共施設。これの公共公益施設の整備に地元負担がかかり過ぎる、これを軽減しなければいわゆるお断りという問題が、これはまあ公団にも関係してくるわけですが、出てまいりますが、このいわゆる最大の隘路となってきました関連公共公益施設、これの整備に関する地元負担、これを軽減するのにどういう対策を建設省はお考えになってきたのか、これを伺いたい。
#149
○政府委員(大富宏君) お述べになりましたとおり、現在宅地開発等に伴う必要な関連公共公益施設の負担というのは、単に公営住宅、公団住宅のみならず、もう民間の場合でも非常に大きいウエートを占めております。公庫あたりの調べによりましても、公的開発で四五・五%、民間では五〇%近いのが関連公共施設の負担になっているわけでございます。これは本来宅地開発に伴うところのこういった公益施設あるいは公共施設というものは地方公共団体が持つのが筋ではございますけれども、こういう宅地開発、ことに大規模になればなるほど一時に急激にこういうのが地方公共団体の負担になるということで、やはりこういった開発者がある程度持つということもある程度やむを得ざる問題があろうかと思いますが、しかし、それにいたしましても、こういう関連公共公益施設の負担が大きくなればなるほどそれが宅地の価格にはね返ったり家賃にはね返ったりするという非常に基本の問題がございます。
 そこで、御案内のとおり、四十二年の五省協定以来、これに対する対策といたしまして、開発者におきまして立てかえ施行して、それで三年とか五年の据え置き期間を置いて長期割賦で償還してもらうという立てかえ施行制度を逐次充実いたしておるわけでございますが、そのほかにも人口急増市町村における補助率のかさ上げとか、あるいは地方債のかさ上げないし利子補給、こういうことを現在までずっとやってきているわけでございまして、これで相当、住宅公団はもとよりでございますが、金融公庫、これは公的機関のみならず民間もこういう融資対象になるわけでございますが、こういう部面について私どもは改善いたしてきたつもりでございますけれども、一層この辺の制度を充実させまして、なるべくひとつ地方公共団体の負担が軽くなるように、また最終需要者にしわ寄せがいかないように努力いたしたいと思っております。
#150
○二宮文造君 関連して御説明があるかと思って私触れなかったんですが、昨年の九月に建設省の方で住宅団地建設促進臨時特別税、こういうものの構想を御発表になりました。これはどういう考え方をその中に盛り込んでいるのか、制度のいわゆるこの考えのあらましですね、それから見通し、これなんかについて御説明いただきたい。
#151
○政府委員(山岡一男君) 制度を考えました基本といたしましては、いろいろな住宅の問題がございますけれども、特に大都市地域に企業と人口が集中しておるということがやはり住宅難の一つの大きな原因でございます。可住地面積が全国の一六・五%のところに、人口がこの間から、三十五年から五十年までの間にふえました千七百万のうちの千五百万、約九割が三大都市圏でふえております。その他事業所数もその間に五六%、従業者数も五二%、それから普通世帯数も六三%がその地域でふえております。したがいまして、大企業というのは相当そういう大都市の住宅難の原因者であるまいかということが一つでございます。それからさらに、周りの近郊の市町村等に立地をしておりますたとえば住宅公団の住宅を基本にいたしまして、その住まっている方々の勤め先を見ますと、二十三区の方に通われる方が七〇%を超えておるというような実情でございます。そういたしますと、大都市へ立地をされる企業のために周辺の市町村がやはり団地の建設を受けて、そのためにいろいろな関連公共公益施設等の負担をしておると、それで苦労をしておるという実情がございます。特に、住宅団地開発につきまして第二期五カ年計画の半ばから非常にむずかしくなってまいったわけでございますが、その場合に地方公共団体、特に市町村のそういうふうな団地建設お断りの一番大きな原因、六八%を占めております第一順位の理由が、やはり公共公益施設の整備がますます必要となる一方、歳入が追いつかない等のために財政運営が困難となるというふうに示されております。
 さらに、ただいま計画局長が申されましたように、われわれといたしましても現行の立てかえ制度、低利融資制度、それから地方債とリンクいたしました利子補給制度等、次々といろんな改善を講じてまいりましたし、それぞれの制度の中身も十分充実してまいったつもりでございますけれども、大都市近郊の人口急増市町村におきましては、いろいろなそういうふうな投資的経費の決算額が、地方債の累増残高と比べまして、地方債の残高のがどんどん超えるというふうなことも出てまいっております。したがいまして、そういうところにつきましては、やはり何らかのそういうふうな負担を容易にするだけではなくて、軽減する措置が必要だろうというのが発想のもとでございます。したがいまして、そういう場合に、大都市地域において種々の経済活動を営みいわゆる集積の利益を受けている大企業を対象とする、そのため人口の集中をもたらして深刻な住宅難問題の主要な原因をやはり持っている点に着目をすると。で、一般的に応分の負担能力があるというふうなことを頭に置きまして、たとえば一億円の年間で給与の支払いをされたところでは二十五万円程度、四億円の人件費を払われたところでは百万円程度という程度の税負担を求めまして、そういうものを国税として徴税をいたしまして、周辺の市町村に補助裏の補充、それからいろいろなメニュー的なものの補助というふうなものの道を開いたらどうかと、そういうことによりまして関連公共公益施設の整備の促進を図ってやはり団地開発促進の一助にしたい、これもやはり住宅事情の安定するまでの間の臨時の措置としてお願いしたいというふうな実は提案をしたわけでございます。
  〔理事赤桐操君退席、委員長着席〕
 これにはいろいろと論議がなされておりますけれども、これも全体の税制の中で今後十分に検討していこうではないかということでございまして、また引き続き検討ということが現在の状況でございます。
#152
○二宮文造君 次に、公団の問題に移りたいんですが、公団はちょっと時間もございませんし、非常に大きな問題を抱えて、先ほど大臣からも答弁があったように、建設省の中にその対策の委員会等を設置されて、住宅公団が抱えるもろもろの問題について対策を協議しようということになっておりますので、これは住宅公団については別途質問をさしていただくことにして、問題は、またより細かくなって大変恐縮なんですが、単身世帯ですね。いわゆるお年寄りだとか未亡人だとかあるいはまた単身の方、そういう方々の単身世帯の場合の施策が抜けているということが非常にいま問題になってきているようでありますけれども、公営住宅法の第十七条第一項ですか、これを早急に改正をして、まあすべての単身世帯というのは無理かもしれませんけれども、年齢制限を設けるとか、あるいは身元引受人をつけさせるなどの、定の条件のもとに単身世帯向けの公営住宅と、こういうものの道を開いてもいいんではないかと思うんですが、この点はどうでしょう。
#153
○政府委員(山岡一男君) 現在、公営住宅におきましては世帯を単位として申し込むということになっております。先生おっしゃいますように、私どもの住宅宅地審議会におきましても、将来の状況を見通されまして、将来は老人世帯もしくは寡婦世帯等がだんだんふえる状況にある。したがって、そういうものについても単身者のための公的住宅のあり方を十分検討する余地があろうというふうな御答申をいただいております。したがいまして、現在鋭意そういうものにつきましても検討中でございますけれども、現在のところ、いまでも公営住宅の応募倍率は、全国で申しますと四倍ぐらい、大都市圏で申しますと八倍とか九倍というのが現状でございます。しかも現在の公営住宅の実情でございますけれども、四十年代の後半からは三DK等がだんだんふえてまいっておりますけれども、従前のものは二DK、二K、一DKというようなものが非常に多うございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、新しくつくるものにはいいものをたくさんつくりまして、お住みかえをいただいた上で、そういうようなものについて新しく世帯が入るよりは単身の方がいいというような状況になりましたら道を開いたらどうかというようなことが現在の検討の中身にも挙げられております。しかし、いずれにいたしましても、住宅宅地審議会の長期的な見通しの中にそういう御提案をいただいておりますので十分検討してまいりたいと思いますが、先ほど申し上げましたとおりの状況でございますので、現在直ちに公営住宅法を改正するということは目下考えておりません。
#154
○二宮文造君 検討の課題にしていただいて、早急に道を開くべきではないかと思います。
 また、飛び飛びで大変恐縮なんですが、時間の関係でちょっと整理して飛び飛びに質問しますが、生活保護世帯。これはまあ厚生省の関係なんですが、これは住宅政策としてお考え願いたいんですが、住宅扶助の最高限度額は現在一カ月当たり一、二級地で二万一千三百円、三、四級地で一万八千四百円、こういうふうな状況になって、普通の家賃とは相当にギャップがある。これを実情に合わせるようにやっぱり改められるべきではないかと、こう思いますが、大臣、この点はどうでしょう。
#155
○政府委員(山岡一男君) 数字の問題でございますので事務的に答弁さしていただきたいと思いますが、生活扶助世帯につきまして、現在その中にございます住宅扶助料につきまして、実は私、額をここに手持ちしていないんでございますけれども、大体生活扶助料の中で第二種公営住宅の家賃につきましては必ず出していただくということを厚生省との間でお約束しておるわけでございます。したがいまして、生活扶助世帯の方が公営住宅にお入りになるということであればその分だけ出るわけでございまして、十分なわけでございますが、必ずしも全部が公営住宅にお入りになっていないという実情があろうかと思います。そういう点につきましては、やはりそういう方々ができるだけ優先入居ができますように、空き家等を活用いたしまして、公営住宅を活用していただくように厚生省にもお願いをしたいと考家ておる次第でございます。
#156
○二宮文造君 また一点。金融公庫にお伺いしますが、公庫でも単身者の融資は締め出していますが、これは改善される予定があるんですか、ないんですか。
#157
○参考人(淺村廉君) 仰せのとおり、私どもでは個人住宅の建設資金の融資に当たりましては、二人以上の普通世帯ということに限定をいたしております。これはずっとこういう形で私どもやってまいっておりまして、私どもの調査でも最低の居住水準を割っておる方々が単身世帯では五十四万人と出ておりますが、二人以上の世帯でございますと九百二十六万世帯と、こういうような数字もございますので、一番御要望の多いところから私どもは融資をさせていただいておるということで、現に今年度も個人住宅の融資をいたしましたその結果、申し込みが大体それでも倍ぐらいございまして、なかなか御要望に応じ切れませんので、ただいまの段階ではずっとそういうふうにさせていただいておるわけでございます。
#158
○二宮文造君 じゃ、あと一問。これもやっぱり将来の問題として御検討を願いたいと思うんです。これは大臣にお伺いしたいのですが、お聞き及びであろうと思うんですが、東京の中野区で一昨年の四月から住宅に困っているひとり暮らしのお年寄りを対象にしまして、区独自で民間のアパートを借り上げて、これを低家賃で賃貸をするという、いわゆるお年寄りアパート作戦と名づけているんだそうですが、これをやって好評を得ているようです。時間がありませんので、制度の概略等はこっちには資料がありますけれども、こういうふうな方式で、たとえば単身者を、ひとり暮らしの寡婦だとか独身の人だとか、そういう人を全国的に制度化してこういう方式でやっていくということも、単身世帯の住宅難を救済する方式になるんではないかと、こうも思うんですが、この辺のことはお考えの中に入りませんか。
#159
○国務大臣(長谷川四郎君) 中野区のお話でございますが、先日もそういうような話が出まして、老人のたとえば住宅対策、単にまた老人ばかりじゃなくて、住宅を提供するだけにとどまらずに、要するに緊急の場合には看護体制を含むと、いわゆる老人対策全般を含んだ問題も加味するんだから、こういう問題については、やはり軽費老人ホームの建設促進、福祉対策の充実強化、こういうような点にひとつ力を注いでやることになる。それには十分検討を加える必要があるんじゃないだろうかというような話も出まして、ひとつ十分これらを検討してみてはどうだろうという話が、つい最近でございますけれども、省内でも出たところでございまして、十分これらは検討に値するものだというふうに考えております。
#160
○二宮文造君 ひとつ要望だけ。住宅公団の問題、ちょっと時間の関係ではしょりましたけれども、要するに、お伺いしていて、政府の住宅政策というものが、しばしば景気対策の問題としては取り上げられるけれども、実際問題、国民のあらゆる階層にわたっての住宅に対するいろいろな要望がそのまま政策の中に生かされていないということには私ども本当に歯がゆさを感ずるわけです。住宅というのは非常に重大な問題ですから、五カ年計画も単に数のつじつま合わせということではなくて、あるいは公的なものと民間自力との配分を逆にするとか、要するに住宅に対する需要に即するような住宅政策に切りかえていく、そういうきめの細かな政策というものを今後展開されることを私は要望しまして、本日のところ、これで終わりにしたいと思います。
#161
○上田耕一郎君 最初に、建設行政の政治姿勢についてお伺いしたいと思います。
 昨年十月十九日の当委員会で当時の中馬建設大臣に質問をいたしまして、そのとき大臣が調査することを約束された問題があります。まずその問題をお聞きしたいと思います。
 私が取り上げましたのは、朝日新聞、五十一年九月七日付で、「灰色の土壌」という連載の四十三回に建設省の河川局長の問題が報道されております。これは、新潟のある町で、河川改修の問題が起きて建設省に陳情となった。「越山会系の町長が「目白」に頼むと、」――目白というのは田中角榮のお屋敷のことであることはもう周知のことですけれども、「建設省の幹部が料亭で会う、という。指定された料亭へ、町長や議会の役員たちがでかけた。なんと河川局長以下、担当課の課長補佐まで来ている。正面の席へ田中と並んで局長がすわると、芸者がやって来て、まわりを囲んだ。「さすが、先生だ」と、」みんな驚いた。こうして「その後、河川改修の予算がついたことは、いうまでもない。」ということです。こういう「料亭はたいてい決まっている。東京都内の「千代新」「木村屋」「永福」などはおなじみであった。「二次会、三次会は、役人が行きつけの高級クラブ、払いはもちろん、市町村長の交際費。役人のツケを、田中の選挙区の市町村が交代で払ったような時代もあった」こういいながら、地元の自民党有力者は、田中系といわれる建設省歴代幹部の名をつぎつぎとあげてみせた。」という記事であります。
 私、この記事の概要を質問いたしましたら、建設大臣は、これは初めて実は聞きました、本当に知りません、この新聞というのは。前のは見ましたが、後のやつは見なかった。――私が、だれがこの河川局長なのか、これも調べてくださいと言いましたところ、建設大臣は「はい」と答えられておりますが、この問題についての調査結果をお答えいただきたいと思います。
#162
○国務大臣(長谷川四郎君) 五十一年の九月七日の朝日新聞の「灰色の土壌」、これに対しまして調査をいたしました。その調査結果がここに出ておりますが、田中角榮氏と河川局長が宴席をともにしたということは事実であるが、それは年に一回程度の、建設省の幹部一同と、大臣以下各局長との儀礼的な懇親会であったということが出ております。したがって、そこに列席をした方でございますけれども、局長は川崎精一、それから松村賢吉、水資源公団の理事、増岡康治、建設省の専門委員、それから岡崎忠郎、これが下水道事業団の理事、栂野康行、現在の河川局長、本間俊朗、これが東北地建の局長。――失礼しました。ただいまのは列席した人じゃなくて、調査をした方だそうでございます。調査結果が、五十一年の九月の七日の朝日新聞の「灰色の土壌」に記載されたとおりであるが……、その事実はないとのことであります。
#163
○上田耕一郎君 事実はないんですか。
#164
○国務大臣(長谷川四郎君) ええ。
#165
○上田耕一郎君 どうも大臣、その資料の読み方もきわめてあいまいで、いまの読み上げ方のあいまいさ自身が、こういう問題についての大臣の姿勢のあいまいさを示すものと思うんですが、事実はあったんですか、なかったんですか。この朝日新聞に書いてあるとおりの事実が。
#166
○国務大臣(長谷川四郎君) 事実はないと、こういうふうに書いてあるんです。
#167
○上田耕一郎君 事実はない……。田中角榮と河川局長が酒を飲んだのは年に一回儀礼的な会合だけであると、こういう事実はないと言うんですか。
#168
○国務大臣(長谷川四郎君) そういうことだね。
#169
○上田耕一郎君 大臣、答えてください。
#170
○国務大臣(長谷川四郎君) そのとおり。さっき読み違ったのは大変失礼しましたけれども、そのとおりです。
 先ほど名前を挙げたのは調査に当たった方々の話でございます。調査にこの方々が当たって、調査をした結果、そういうことはないと。
#171
○上田耕一郎君 先ほど読んだのは増岡さん自身が、増岡専門委員、この人が調べたんですか。調べられる側だと思いますがね。
#172
○政府委員(栂野康行君) ちょっと詳しく御説明したいと思います。
 最近七、八年間に在職した河川局長の皆さん方に、こういう朝日新聞にありました事実があるかないかということを確かめた次第でございます。先ほど大臣が読みましたように、川崎精一氏、松村賢吉、増岡康治という三人の局長にそういう事実があるかないかということを確かめたところ、そういうふうな記載されたとおりの事実はないということでございました。
#173
○上田耕一郎君 いや、まことにそれはひどい話で、三人のこれまでの河川局長に確かめたというのでは客観的な調査と言えないわけですよ。これは、朝日新聞の報道は、疑惑をかけられているのが河川局長で、私はその河川局長だれなのかということを調べろと言ったんで、その本人たち、疑惑をかけられている人にどうかどうかと聞いたんでは、これはぼくは事実を調べたということにならぬと思うんですね。これは、これだけ書いてあるんですから、新潟の町長がだれだ、この中には社会党の町会議員も参加していたというふうにありますしね、調べようと思ったらもっと幾らでも調べられる余地があるわけで、まことに紙の上の調査であると思いますけれども、もう一度再調査をお願いしたい。
 疑惑をかけられている御本人に聞いて、記憶がありませんとかなんとかというのがこのごろはやっておりますけれども、そういう事実はありませんと言うだけでは、これはこの責任ある委員会として、責任ある朝日新聞が書いた記事に基づいて私は質問し、中馬建設大臣が、調べます、はい、と答えられたわけですから、それについての調査結果が、三人の前河川局長に聞いてみたと、そういう事実はないと言うだけでは全く納得がいきません。
#174
○政府委員(栂野康行君) 三人の河川局長のほかに治水課長も三人、それから担当の課長補佐三人、合計河川局長入れますと九人の方に聞いておるわけでございます。それで、私はいま現在河川局長でございますが、四十七年の暮れから治水課長やっておりまして、私自身もそういう経験はございませんでした。
#175
○上田耕一郎君 あなたの経験を聞いているわけではありませんので、この問題は私は再調査を要求したいと思いますが、朝日新聞はこれは全く事実無根の記事を書いたということになりますけれども、そうお考えですか。そうしたら建設省の名誉を棄損したということで、たとえば名誉棄損の措置をとるとかというようなこともお考えの用意がありますか。
#176
○政府委員(栂野康行君) 朝日新聞の記事の中、いわゆる二次会、三次会へ行ったとか、そういう事実はありませんし、また、その場でそういうことがいわゆる予算の陳情の予算獲得に結びついたという事実はございません。しかしながら、先ほど大臣が御説明しましたように、年一回儀礼的な、昔、儀礼的な会合が田中角榮先生と持たれたということはございます。
#177
○上田耕一郎君 少し口をすべらされたと思います。先ほど大臣が読み上げられた資料の中で、東北地建のどなたですか、出席されていたと言われましたね。
#178
○国務大臣(長谷川四郎君) 出席したんじゃなくて……
#179
○上田耕一郎君 調べた方ですか。
#180
○国務大臣(長谷川四郎君) 調べた方ですね。
#181
○上田耕一郎君 いま河川局長は、二次会、三次会という事実はないと。しかし、二次会じゃなくて一次会はあったと。一次会は、田中角榮と河川局長その他建設省の幹部が集まっていたという事実はあったんですね。そこにはこの新潟の河川改修の難題が持ち上がって陳情に来ていた越山会糸の町長も同席していたんですか。
#182
○政府委員(栂野康行君) 調べたところによりますと、いわゆる新潟全般の期成同盟会とか、そういう儀礼的なことが年に一度程度田中先生と一緒に会合があったということでございます。しかし、四十七年以降は、私そういうのは出席したこと、治水課長について以来ございません。
#183
○上田耕一郎君 各県とそういう儀礼的な会合をやっているんですか、新潟県以外にも。
#184
○政府委員(栂野康行君) やはり、たまにはございます。
#185
○上田耕一郎君 たまにはというのは、どういう県ですか。
#186
○政府委員(栂野康行君) 県の名前を覚えておりませんけれども、年に一度くらいあることもあります。
#187
○上田耕一郎君 新潟県と年に一回、つまり毎年ですね。毎年建設省の幹部が田中角榮を交えて、新潟の県の関係者と儀礼的な会合を毎年持っているということがもうこの疑惑の一番の大きな問題です。そういう問題がもう現にあるということがいまの問題から浮かび上がっているじゃありませんか。ほかの県とはこういう儀礼的な会合をやっているんですか。それとも、なぜ新潟県だけがあの田中角榮を囲んで建設省の幹部が年に一回会合をやって、どうして儀礼的になるんですか。どうしてそういう儀礼的な会合を新潟県に限って毎年田中角榮を囲んでやらなければならないのですか。
#188
○政府委員(栂野康行君) よその県におきましても、先ほど申し上げましたように年に一回程度ある場合もございます。
#189
○上田耕一郎君 建設大臣にお伺いします。非常に疑惑を持たれることですよ。料亭で建設省の幹部が、新潟に選挙区を持つ田中角榮という代議士、当時自民党の幹事長であり、その後大臣、総理大臣にまでなった男と、毎年建設省の幹部が新潟県の関係者を交えてこういう会合を持っている。儀礼的で済むはずはありません。そういう料亭で酒を飲んで、芸者まで出てきた。そういう事実についてこういう疑惑が出ていて、それだけ毎年やっておりましたら、新潟県の予算をどうするこうするという話がその場で出ないにしても、恐らくその場でも出ているでしょうけれども、建設省がもう田中角榮系の大臣がずっと歴代あるという深い関係であれだけ疑惑が書かれているわけですから、そういう問題についていまのような逃げの答弁をして、全く事実がなかったということは、私はこの委員会をも愚弄するものであると考えますが、いかがでしょうか。
#190
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は群馬県でございますけれども、群馬県でも、この河川とか道路とかの関係で、国会議員が皆集まって、出られぬ方は秘書が出てきて、そして市町村長さんが出て、それで本年度はひとつぜひ頼みますよというような会合には私も出たことがございますが、必ずしも、たまたま田中角榮さんがこの席に、ああいうことになったからなんでしょうけれども、他の府県にもたまには、毎年ということでは、私の方も毎年というわけではありませんけれども、たまには一応何かこう大きな仕事があるとか、あるいはこの事業の推進のためにどうかひとつお願いをしますという一同そろってのお願いというのは、私もその体験がありますけれども、たまたまこのときは田中角榮氏が出ていたということでいろいろの疑惑を持たれるのでしょうけれども、このときには、私もきょうこれは、先ほどいただいて、そういう前回あなたの質問があって、これにお答えするのだという話がありまして、ただ私はもらってきていま見たんですけれども、これは先ほど読み上げました九名の方が調査をしてみて、そういうようなことは、灰色だとかなんとかというようなことは全然考えられないという話で、また、そういうことに局長そのもの自体は出ておらなかったというような話も承ったのでございますけれども、必ずしも田中角榮さんがそういう事態になったからではなくて、なる前にそういうことがあったということでしょうけれども、この報告には、九人の方が、調べてみて、そういう事実はございませんでしたという結論が出ているのですから、私はこの人たちの調査報告を信頼する考えでございます。
#191
○上田耕一郎君 そういう事実があったと、非常に重大なことですから、首にもかかわりますから言うはずはないでしょう。
 河川局長、あなたは年一回田中角榮と建設省幹部とこういう儀礼的な会合をやっていると言われましたが、毎年やっているんですか。
#192
○政府委員(栂野康行君) 先ほど私申し上げましたように、四十七年以前にはあったということでございます。
#193
○上田耕一郎君 四十七年は田中角榮総理大臣になりましたから、恐らく田中角榮は今度は出ないでやったんでしょうけれども、いまのお話だと、四十七年以前には毎年こういう会合をやっていたらしいと、いたと受け取らざるを得ません。私、古いことを一々追及して、黒白を明らかにするという必要があるといま考えておりませんけれども、問題は、やっぱりこういうことが建設省で田中角榮が総理大臣になるまでは普通に行われていたという、大変なことです。きょうの答弁でその一端がやっぱり浮かび上がったと思いますけれども、料亭で自民党の有力幹部とその出身地の選挙区の人々と集まって、建設省の幹部が、芸者を呼んで酒を飲み、これが恒例化しているという事態そのものにやっぱり国民の前に反省すべき事態があると思います。建設大臣、そういう問題についてどうお考えか。
 それから、今後こういう種類の料亭でこういうことをやるということは、一切やめるということをこの委員会の席上で明言できるかどうか、明確に御答弁願います。
#194
○国務大臣(長谷川四郎君) さかのぼって四十七年の問題は御理解をいただいたようでございますので……
#195
○上田耕一郎君 いや、理解してませんよ。
#196
○国務大臣(長谷川四郎君) 今後はこういうことのないように、私も就任と同時に、厳にこういうことは慎んでもらいたいということを職員全体に向かってお願いを申し上げておきました。今後はこういうことがあり得ないということを、私はあなたの前ではっきりと申し上げられると思います。
#197
○上田耕一郎君 いまの決意をお伺いいたしました。ぜひ言葉だけでなくて実行していただきたい。
 それから、特に建設省の幹部の方々は、これまで田中系建設省とまで言われているような多くの疑惑があったという事実について深く反省し、一点曇りのない建設行政を国民のためにしていただきたい、このことを強くお願いいたします。
 次に、私あのときもう一つ取り上げた問題で、これもやはり田中ファミリー関係の問題ですが、北陸自動車道土砂採取場の疑惑の問題です。これは、北陸自動車道の土砂採取の場所が決まったところが、長岡越山会の副会長で田中ファミリーの中越興業の社長の細川氏が、その土砂採取予定場の土地を、土砂を全部買い取ってしまった。十二名の組合員ということで、細川氏が組合長になっておりますけれども、実質は幽霊組合で、十二名、組合員、名前はあるけれども、細川氏一人が組合員になっている。組合員から約一千万円で土砂を買い占めて、道路公団に一億六千八百万円で売り渡す契約を結んだという事実で、この点について調査をお願いしましたが、調査結果及び今後の対策について報告していただきたいと思います。
#198
○国務大臣(長谷川四郎君) 私が承った件につきまして、本件に関しては道路公団に手落ち、不適正な事実はないものと、私はそういうふうに考えております。けさほどいろいろ伺いました結果、そういうふうな私は考えを持ちます。しかしながら、公団の事業の執行に当たっては世間の疑惑を招くことのないようにさらに十分に気をつけてもらいたいということを、けさほど申し上げてきたわけでございますけれども、あと、以上の細かい点につきましては公団総裁がおいでになっておりますから、どうかひとつ承っていただきたいと思います。
#199
○参考人(前田光嘉君) 昨年十月に上田先生から、調査をして善処をするようにという御指摘いただきました大積の土地利用組合の調査の概況につきまして申し上げます。
 この土地利用組合は、大積土取り場のほか近接の未開発地区の高度利用を企画推進し、組合員の新しい農業経営の確立と経済的地位の向上を図ることを目的として、昭和五十年四月二十八日に設立されたものであります。組合は、当該地域の土地所有者、土砂の採取権者等十三名で構成されておりまして、それぞれの有する、いま申し上げました土地所有権あるいは土砂採取権等を組合に出資いたしまして、そして組合をつくっております。その組合長には、ただいまお話がございましたように、中越興業の細川一氏が選任されております。組合の主たる仕事は、当該地域から出る土砂を販売いたしまして、その資金によりまして、ただいま申し上げました目的に沿って跡地を整備し、また造成いたすということを仕事といたしております。
 それから、組合に出資されました土地の土砂の採取権でございますが、それを調べてみますと、ただいま御指摘ございましたように、組合員である中越興業の細川氏に土砂採取権が譲渡されております。しかしながら、このことによりまして組合員の構成とか、あるいは組合の目的、あるいは権利関係等は特段の変更はないようであります。組合内部におきましても、特別にこれに関連した紛争とかあるいは苦情等も生じていないようであります。このことは、ことしの二月に組合の総会がございましたのですが、そのときにも確認いたしております。こういう事情でございますので、われわれといたしましては、この組合と契約して、土砂を採取していくことは妥当であると考えております。
 なお、この組合の活動でございますが、これはこの地域内の跡地を整理いたしまして、そして土地利用計画をつくって、昭和五十四年にはわれわれの公団の方ですべての土砂を予定どおり買い取ることになっておりますので、その土砂の採取の完了を待って、組合員がそれぞれ協議、あるいは組合として立案をいたしまして、整理及び新しい利用の方法等について協議するようになっております。当公団といたしましても、せっかくできた組合でございますので、この組合の中の運営が全般にわたりまして円滑に、事業も公正にいかれますように注意深く見守り、また必要があれば適切な助言をしたいと考えております。
#200
○上田耕一郎君 大体いまの総裁のお答えで、私は事実がどう処理されていったかが浮かび上がってきたように思います。つまり、組合員に何らその苦情も何もないと言われましたけれども、いまもう苦情を言うことも恐らくできなくなっているんだろうと思うんです。私たち共産党がこの問題を取り上げたのは、土砂を買い取られた組合員たちからの苦情で問題をわれわれ取り上げたわけで、きわめて安いお金で売ったところが、総額で約一千万円ですから、ところが、細川さんが一億六千八百万円、それで売り渡すんだ、大変な暴利だというので問題になりまして、組合員たちもだまされたと。確かに売るときには土砂だからこのぐらいでいいだろうと思ったけれども、実際に契約が結ばれてみると、だまされたということになりまして、問題が持ち込まれたわけであります。組合は、二月に総会が開かれたといま御報告がありましたが、それまでは一回も開かれておりませんし、ほんとの幽霊組合で、名前だけありまして、委任状を私も全部そろえておりますけれども、全部細川氏に組合員すべての権利を委任すると。形は十二名ですけれども、実質は細川氏一人の組合という形になっていた。この委員会で取り上げた結果、いまのような報告でまとまったんだと思うんです。
 実際私が指摘したとおり、つまり土砂の所有権その他は全部売り渡されていた。しかし、組合はあるし、組合員の権利にも構成にも変化がないと、二月に総会も開いたと、いまは苦情もないと、これからまあよく指導するからということだと思うんですね。それで、恐らくその指導には、暴利を細川氏が得ないようにという指導があるいは加わっているのかと思いますけれども、一つお伺いしたいのは、公団が支払いになる一億六千八百万円という金額は、その土砂の所有権全部を細川氏が持っているんですけれども、細川氏にいくんですか、それとも組合にいくんですか。または、組合に支払われたという形で、実質はその一億六千八百万円は細川氏のふところに入るのでしょうか。
#201
○参考人(前田光嘉君) 公団は組合と契約いたしておりますので、そのわれわれが現在すでに支払ったもの及び今後支払うべきものは、組合の資金であります。
#202
○上田耕一郎君 組合に支払ったんだけれども、その土砂の所有権はすべて細川氏の個人のものだということになりますと、組合に支払ったけれども、その後は当然細川氏のふところに入るんじゃないんですか。
#203
○参考人(前田光嘉君) 先ほど申し上げましたように、この組合は土砂の販売をして、その販売して得た金によって、あるいは土地の整理をする、あるいは土地の必要な防災対策をする、あるいはまた土地に必要な利用施設をつくる、そういう事業をやります。その資金に私はなるものと考えております。
#204
○上田耕一郎君 ところが、組合員十二名が細川氏に渡した委任状がここにあります。これは、たとえば土砂採取権代金の請求及び受領に関する一切の件、土砂採取後における跡地整理、土地境界の確認及び土地の引き渡し等に関する一切の件、その他土砂採取に関する一切の件、これをすべて細川氏に委任するという委任状、こういうものを取っていて、形は組合に支払うと、組合とちゃんと契約してやっているんだから、これは組合が、ちゃんとその後の跡地整理や何か組合のためになると思うと言われても、こういう委任状をすべての組合員から取って細川氏がやっている以上、いまの総裁のお言葉は全く文字どおり紙の上の幻想にしかすぎないと思いますが、いかがでしょう。
#205
○参考人(前田光嘉君) 組合員と、その組合長である細川氏との内部の関係をどういう形で処理したか、私も詳細には承知しておりませんけれども、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、この組合の目的が、土砂を採取して、それを組合の事業として使うということでございますので、細川氏がその組合の規約及び総会の方針に従って、得た資金を適切に活用して、当初の所期どおりの組合の、成果を得て、十三人の組合員の組合長としての期待にこたえるべき私は責務を当然持っていると考えております。
#206
○上田耕一郎君 公団は細川氏とこの件について話し合い、細川氏からどういう約束を得たんですか。
#207
○参考人(吉田喜市君) 道路公団は、この土地利用組合の組合長である細川さんと契約を結んでおります。その際にはいま御指摘のありましたように、土砂の採取代として一立米百五円を払う、これが大体百六十万立米採取の予定でございます。最終的に全部取り終わりますと、先ほどお話のありました一億六千八百万、こういうふうな金額になろうかというふうに思います。その百五円の土地代の中には、土砂代のほかに立木補償、及び近隣の、近くの農作物の減収補償等の一切の損失補償、それから将来ここを菜園になさるようでございますが、菜園にする際には農業用の貯水池が必要でございます。貯水池の造成費、あるいは菜園にするための土砂採取後の敷地の造成、あるいはのり面の整備、あるいは排水溝、こういうもの、それからその間の――約四年間かかりますが、土砂採取中の管理費、あるいは防災費、こういうものが全部その中に含まれておるわけでございまして、そういうこともあわせてこの組合は施行をする、こういうことになっております。したがいまして、最後のしからばどういうものを具体的につくるかということは、先ほど総裁の答弁にもありましたように、五十四年の秋に大体私たちは土を取り終わる予定でございます。取り終わりまして現地の状態がはっきりした段階において、組合員の全員が協議をして具体的に計画を立てて、そこでその土砂代と公団が払いました中で――恐らくこれは組合で内部保留しておくんだろうと思いますが、内部保留をした金でその跡地を造成をする、かようなことになっておるというふうに伺っております。
#208
○上田耕一郎君 次の問題もありますから、まだ問題残っておりますけれども、この問題はこれで終わりにしたいと思いますが、この問題は、土取り場選定の時期に田中ファミリーの中越興業が乗り出して強引に買い占めたということから生まれたことです。つまり、公団の選定作業の情報が流れたのではないかという疑惑がありますが、これは信濃川河川敷でも鳥屋野潟でも、いつもこの田中ファミリー、田中金脈というのは新潟でこういうことがあるわけで、それが先ほど指摘しました建設省に絡まるやっぱり疑惑をも生む問題なんですが、こうしたことをやっぱり今後も繰り返さないために厳しい態度をとっていただきたいと思います。公団側としましても、この大積の土取り場、その後の跡地整理ですね、それがその組合員、地域の農民の本当に利益になるように今後指導を強化していただきたいと思います。大臣、指導監督者の立場として、こういう問題についていかがでしょうか。
#209
○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほど組合との契約を上田さんがお読みになったとおり、われわれの方は監督ではありますけれども、組合が一切の権利をその方に与えてあるということになりますと組合内部の問題でありまして、そういう組合の内部の問題にまで干渉することはできないと私は思う。しかしながら、そういうようなことに跡地を使うのだということまで話があったとするならば、それらについては履行してもらい、そうしなけりゃならぬだろうと思って、その点についてのつまり助言はできるだろうと思います。しかし、組合内部の問題であって、われわれがそれに、それの金額のやりとりとか契約云々に対しての私たちは口を出すわけにはいかないのじゃないでしょうか。これはもう上田さんも御承知のとおりだろと思いますが、私たちその中に、内部の問題について口出しをしてどうこうということはできないだろうと思います。
#210
○上田耕一郎君 いまの大臣の、組合内部の問題ということに問題があるわけで、こういう形ですと、組合内部の問題ではなしに、組合が本来組合であるかどうかというレーゾンデートルですね、存在理由そのものにかかわるので私たち問題提起しているわけです。この問題、論争をする時間もありませんので次に進みます。
 あのときもう一つ取り上げた問題は、北陸自動車道の路線決定の問題で、やはり田中角榮氏のかかわっている問題だと考えております。北陸自動車道、長岡から柏崎ルートが田中角榮の御殿のある西山町で大きく湾曲している、インターチェンジがわずか一キロのところについているということであります。これについては、当時総裁は、ただたまたまそこに田中氏の家があったということでございましてと、そうお答えになりましたけれども、やはりたまたまということでは見過ごされない問題があると思います。この西山のところで非常に大きく湾曲しているわけですけれども、こういうルートが技術的に最適だったという答弁がありましたが、これが最適だという理由はどこにあるんでしょうか。
#211
○政府委員(浅井新一郎君) 北陸自動車道のルート選定の問題でございますが、高速道路の路線の選定につきましては基本計画、整備計画の段階で地方建設局が十分な調査をやるわけでございますが、その際には地形、地質、気象、あるいは土地利用の状況、文化財があるかないか、そういったことをいろいろ勘案しながら技術的に検討を加えて、さらに地元自治体の意見も聞きながら慎重に選定しているわけでございますが、その建設省で大体整備計画で決めましたルートに沿って、その後日本道路公団に施行命令が出てからさらに詳細な調査を加えておるわけでございます。
 それで、御指摘の北陸道のあのルートの選定の理由でございますが、これは御承知のように、あの地域は国道八号線が通っておりまして、国道八号線は曽地峠という峠を越しているわけであります。これが毎年雪で悩まされている非常に有名な峠でございます。それから、あの辺一帯は地すべり地域でございまして、非常に各地に地すべりの跡が残っているわけであります。この二つの要件があの地域のルート設定の一つの大きな選定のポイントになろうかと思いますが、まず地すべりの問題につきましては、いろいろ地質的な調査の結果、地蔵峠付近で抜くのが一番地質的に問題がないということで、地蔵峠付近をねらったわけでございます。
 それから国道八号線のルートが雪で非常に困っているということは、あの地域は、御承知のように日本海岸に早く出れば出るだけ雪の問題は少ないわけでございまして、そういうことから長岡から西進しまして、峠を抜く位置としては、なるべく長岡に近い位置の峠を抜いて早く日本海岸に出るということが必要なわけでございまして、そういうことであの位置で湾曲したように見えますが、早く刈羽平野に出るということがルート選定の一番大事なポイントであるわけでございます。そういうことから、刈羽の平野に出て柏崎まで一直線につなぐというルートが選ばれたわけでございまして、技術的に十分自信のあるルート設定でございます。
#212
○上田耕一郎君 国土開発幹線自動車道審議会が、このルートの、どこの町を通るという整備計画で決めただけじゃなくて、ルートそのものもここで最終的に決めるんですか。
#213
○政府委員(浅井新一郎君) 先ほど申しましたように、建設省において前段に十分調査をいたしまして、一つのルートを持って審議会にお諮りして、その際にいろいろ御意見を聞いて一応決めていただくわけでございます。
#214
○上田耕一郎君 審議会で決める際、建設省が案をつくるわけですけれども、案をつくる際、新潟選出の政治家、たとえば田中角榮などから圧力あるいは話があったことはありませんか。
#215
○政府委員(浅井新一郎君) ルート設定の経緯は、長年の間に、先ほど申し上げましたようないろんな条件を踏まえて技術的に決める問題でありまして、その間にルートをここへ通せというような圧力はないというふうに考えております。
#216
○上田耕一郎君 圧力はないとしても、田中角榮氏とこの問題について相談したことはありませんか。
#217
○政府委員(浅井新一郎君) 私は聞いておりません。
#218
○上田耕一郎君 当時の審議会に田中角榮氏が入っていたと思いますが、いかがですか。
#219
○政府委員(浅井新一郎君) 御承知のように、この審議会は国土開発幹線自動車道建設法によりまして一応審議会のメンバーが決められておりまして、これには総理大臣を会長にしまして関係各省の大臣、それから衆参両院から衆参両院議長の推薦によってそれぞれ委員を出していただくということになっておりまして、当時自民党からは幹事長ということで、自民党からの推薦で、衆議院の推薦という形で一応田中前総理が委員になっておったわけでございます。
#220
○上田耕一郎君 あなたは、田中角榮と相談したことは聞いておりませんと言われましたが、これはいま答弁のありましたように、当時の審議会の委員なんですね、しかも自民党の幹事長で、新潟県選出の代議士であれだけの力を持っていた。あなたは自治体の意見も聞くと言われましたが、しかもこの審議会の委員である田中角榮とこの問題について相談したことがないとはっきり言われますか。
#221
○政府委員(浅井新一郎君) 私も高速道路課長を二年半ばかりやりまして、その間に審議会のおぜん立てをした経験もございますが、審議会にかける場合には、建設省の原案を一つにまとめまして、いろいろ説明資料をつけてその場で御説明するということでございまして、審議会のメンバーの方に事前にこういうことでございますというふうに御説明はいたしておりません。
#222
○上田耕一郎君 御説明はいたしておりませんと言いますけれども、田中角榮はロッキードのトライスターを買うのにまで口を出し、文化勲章にまで口を出す男で、自分の地域の、しかも自分の実家のある西山部落を通る道について何ら関心がないということはあり得ない。むしろこのインターチェンジが田中角榮の家からわずか一キロのところにつくというようなことは避けるべきなんです。道路公団総裁は、私の前回の質問のときに、たまたまそこに田中さんの家があったんだと言われましたけれども、たまたまそこに家があるようなところに道路を通したり、インターチェンジをつけるようなことをすべきでない。昔から有名な「李下に冠を正さず」という言葉がありますけれども、地元では、あれは田中が曲げて、あすこにインターチェンジをつけたんだというふうに地元では言われておりますし、だれが見てもそういう疑惑ができるわけです。そういう疑惑ができないようなルート決定とインターチェンジの決定を当然すべきであると思う。
 この問題、いろいろ詰めていきますと、技術問題等々言うでしょうけれども、こういう問題が起きるゆえんの一つには、私は審議会の構成の問題があると思う。先ほど局長から説明がありましたように、内閣総理大臣を会長にして政府から八名、総理大臣を合わせて九名ですね。衆議院議員八名、参議院議員五名、学識経験者が九名、全部で三十名ですけれども、このときは政府は自民党政府ですから、自民党議員は全部合わせると十七名になるんですね。三十名中十七名自民党議員で占めてしまうというようなことが、非常にこういう路線決定のやっぱり政治的な決め方ということについての問題が生まれ得る審議会としての問題点だと思う。かつて急行の一つや二つと言って選挙区に駅をつくろうとしてやめた大臣がおりますけれども、政治家にとって道路だとか、鉄道だとか、路線決定というのは非常に関心が地元の利益と結びついてあり得るわけです。ここにまた金の動く危険もある。私はこういう審議会問題、これ、一つの例ですけれども、衆議院の予算委員会でもわが党の三谷議員と山原議員がこの審議会の構成や運営について問題を出しましたが、国土開発幹線自動車道建設審議会委員の構成そのものも、政府から九名、衆議院、参議院合わせて八名、学識経験者九名という構成そのものももう一度再検討する時期に来ているのではないかと思うんですね。
 それで、特に地方自治体の意見を聞くと言われますけれども、自動車道路の路線決定は全国の地方自治体にとって非常に重要な関係を持っておりますので、当然地方自治体の見地をやっぱり代表する委員も加えるべきだと思う。こういう観点から、こういう審議会の構成そのものをも見直すべきだと思いますけれども、建設大臣いかがでしょうか。
#223
○国務大臣(長谷川四郎君) 恐らく、国会でございますから、その党の数によって決定をされている、選出されていくのが当然のことでございますから、いま与党も野党も数字が変わらない、変わりませんから、数字は当然直せと言わなくても直されていくことだと思うんです。任期は三年だそうでございます。ですから、もうそろそろ三年ですから、まいりますから、当然次回これが推薦を受ける場合には、その割合をもって選出されるということが当然なことでございます。
#224
○上田耕一郎君 いや、議員がかわって三年たつので、もう一度選出され直すという見直しではなくて、たとえば自民党議員がその審議会の過半数、十七名も占めるというような構成、それから地方自治体の代表し得る委員が全く入っていないというような構成、こういう構成そのものについて検討する用意はないかということを質問したわけです。
#225
○政府委員(浅井新一郎君) 御指摘の審議会は、御承知のようにメンバーの構成、組織が法律で決められておる問題でございまして、これは国土開発幹線自動車道という国家的な基盤をつくるネットワークを決める大切な審議会でございますので、時の総理大臣が会長をやって、しかも国の行政のそれぞれに責任を持つ関係大臣がそれぞれの立場で審議するというような非常に大きな形の審議会でございまして、そのために関係各省の大臣が構成メンバーとして決められておるわけでございます。そのほかに国民の代表ということで、各党から衆議院議長及び参議院議長の推薦でメンバーを選んでいただくということで、そのほかに学識経験のいろいろ深い方の御意見を聞こうということで組織の形が決められておりまして、これはこれなりに国土開発幹線自動車道という大きな計画を固める審議会としては一応の形になっておろうかと思います。まあ今後の問題につきましては、また大臣から……。
#226
○上田耕一郎君 審議会問題は、これ一つではありませんし、日本の審議会の役割りそのものがいま大きく問われているところです。審議会というのはほとんど法律案についての答申だとか、さまざまな国家的な重要問題について答申をし、この自動車道路の路線決定もそうですけれども、そういう国の重要な諸問題が非常に一方的な構成――しばしば財界が大きな役割りを占めている審議会が多いんですけれども、そういうところで決められている。そして実は国権の最高機関、国民の代表機関の国会そのものの機能を、実はこの審議会と官僚と自民党との結びつきで、あるいはそのバックに財界がいて政治を動かしているという疑惑が、国民の批判が強まっておりますけれども、その一つのかなめにこの審議会のあり方ということがあると思うんです。私、審議会はこの問題一つだけではありませんし、今後われわれは日本の審議会全体についてもっと国民的な注視をしなきゃならぬ。その一つのあらわれとしてこの国土開発幹線自動車道建設審議会に大きな問題があるということを指摘して、次の問題に移りたいと思います。
 次は、やはり去年この委員会でかなり長期にわたる審議が行われました宅開公団の問題です。おととしの九月、宅開公団が発足して、ことしで三年目を迎えることになりますが、あのとき鳴り物入りで宣伝された割りにはさっぱり事業が進んでおりません。その実態について、これは国民的な関心もあると思いますので、公団総裁にお伺いしたいと思います。
 まず、五十一年度の事業の進行状況はいかがでしょうか。どうもうまく進んでいないようですけれども、この理由も公団側の見解をお伺いいたします。
#227
○参考人(志村清一君) 先生御指摘になりましたように、宅地開発公団、昭和五十年の九月に発足いたしましてほぼ一年半を経過いたしております。何にせよ私どもの仕事は、国会の附帯決議によりまして三百ヘクタール以上の大規模な団地に手をつけろと、こういう御指示でございますので、いわば百万坪近い大きな面積でございますので、相当慎重に事業の調査をし進まねばならぬと思っております。さような意味で、昭和五十一年度におきましても目に見えた大きな仕事の進展はございませんが、五十一年の四月に茨城県の竜ヶ崎につきまして約七百ヘクタール、ほぼ二百万坪でございますが、の開発事業に手をつけております。この事業は地主さんと共同でやる区画整理事業でございますので、地元の地主さん等の御了解を得て土地区画整理事業の計画をつくってまいらねばならぬわけでございますが、その折衝をいたしまして、本年の八月ごろには区画整理事業の認可をいただきたいと、こういう目標で目下計画の作成を進めておる次第でございます。もっとも、計画ができませんと各般の事業ができないわけでございますが、あらかじめこの辺はもうやっておいてもよろしいぞという御了解のついたところについては若干手をつけているところもございます。また、そのほか、千葉県でやっております北千葉ニュータウンでございますが、非常に大事業でございますが、これにつきまして県と共同で私どもに事業に参画をさせてほしいという申し出をいたしまして、県と御一緒にその点についての詰めをいたしております。そのほか、首都圏あるいは関西地区につきまして何カ所か事業にかかるための調査を進めている状況でございます。
 以上が五十一年度の事業の状況でございますが、事業がはかばかしく進まないという御指摘でございますが、先ほども申し上げましたように、相当大規模な事業でございますので、うっかり手をつけますと大変な大きな額の出費になりますので、十分事前に調査をいたして進みたいと、かようなことで慎重を期しておるのでございますが、やはり問題といたしましては、大都市圏の公共団体は、人口が集まり過ぎるのは困るという、いわば人口抑制の立場で、必ずしも大きな団地のできることを歓迎されない向きもございます。それからまた、大きなニュータウンとでも申し上げるような規模のものでございますので、交通の問題、水の問題というふうなことが非常に重要な問題でございますので、これらにつきましても十分関係方面と折衝をして進まねばならぬというふうに考えております。さらには地価が、大分鎮静してはまいりましたが、山林とか荒れ地みたいなところでも現在相当高くなっております。素地価格が相当高い呼び値をしておりますので、その高い呼び値でつくりますと大変高価な宅地になってしまうので、これらの点についても十分持ち主との折衝を重ねるというようなこと等々がございまして、ただいま申し上げましたような個所について事業を進め、諸計画を進めておると、こういう段階でございます。
#228
○上田耕一郎君 五十一年度の事業費は五百五十億円だったと聞いておりますけれども、そのうち実際にどのぐらいの事業が行なわれたのでしょうか。
#229
○参考人(志村清一君) 五十一年度はお金としては五百億、それから債務負担行為として五十億、契約だけできるということでございますが、合計五百五十億でございますが、お金としては五百億でございます。そのうち、ただいまのところ、今月末までに約百八十九億ぐらいの支出が見込まれておる状況でございます。
#230
○上田耕一郎君 なかなか困難な状況ですけれども、五十二年度の見通しはどうでしょうか。それから計画造成面積三千ヘクタールというものを消化できる見通しは一体あるんでしょうか。
#231
○参考人(志村清一君) 五十二年度の事業の見通しでございますが、竜ヶ崎につきましては先ほども申し上げましたように、本年の夏ごろに区画整理事業の御認可をいただきまして、直ちに事業を進めてまいりたいと、かように存じております。また、北千葉ニュータウンにつきましても、私どもの参画につきまして県と相当話を進めておりますので、五十二年度中には具体化ができるのではないかと、かように存じております。また、そのほかのいろいろな地区の調査をいたしておりますが、それぞれ問題がございまして、まだ公にできない段階ではございますが、そのうちから何カ所かぜひ実現をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
 さて、三千ヘクタールという問題でございますが、竜ケ崎が大体先ほど申し上げましたように七百ヘクタールでございます。それから千葉の北千葉ニュータウンが、計画といたしましてはほぼ三千ヘクタールでございます。これは共同でやりますものですからそれ全部というわけにはまいりませんが、三千ヘクタール。そのほかの個所等々も考えまして、できるだけ目標であるヘクタール分の事業に取りかかりたいと、かように考えている次第でございます。
#232
○上田耕一郎君 竜ケ崎ニュータウンが一番最初に手をつけたというんですが、これは最初の売り出しのとき、いまの予想では大体価格は坪当たりでどのぐらいになりそうですか。
#233
○参考人(志村清一君) 竜ケ崎のニュータウンの事業につきましては、先ほど先生に申し上げましたように、地主さんと共同でやる開発でございますので、地主さんと御一緒に造成計画をいまつくっております。まあ大変いいものをつくりますと、おのずから高くなるというふうなこと等もございまして、また地主さんの御了承を得なけりゃならぬというふうなこと等もございまして、計画ができませんと幾らだということは出ないんでございますけれども、まあ私どもとしては本年八月ごろに計画をつくりたい、御認可をいただきたい、そして直ちに事業に着手をいたしまして昭和五十六年ぐらいに第一回の売り出しをいたしたい。その際は、先ほど来申し上げましたようにいろいろな条件がございますが、何とか坪十五、六万円ぐらいでやるように努力をしてもらいたいと、かように思っておる次第でございます。
#234
○上田耕一郎君 やはり宅地開発公団総裁のいまの答弁にも明らかなように、かなり困難な状況にあるということはこれは認めざるを得ないと思うんです。竜ケ崎も地主さんとの共同開発ですし、それから北千葉ニュータウンは県との共同ということでありますし、あの公団法審議のときに各委員から相当いろいろな問題が指摘されました。あのときそれぞれの委員が問題点、これとこんなにあるということを指摘し、私も相当、こういうものはつくらないでも、住宅公団の土地開発の仕事をもっと充実強化することによってできるのではないかと、これは屋上屋を架することになるし、結局天下り先のない都市計画局の先に天下り先をつくるというようなことになりかねないではないかということまで言ったわけです。いまの答弁をお聞きしましても、あのとき大塩局長は、これはかなり有名になりましたけれども、大体坪十万円ということを言われて、土地価格で一平方当たり五千円ないし一万円という土地はまだまだあるんだということも言われておりましたが、いま総裁お話しのように、山林、荒れ地もなかなか高くなっているということで、竜ケ崎も昭和五十六年で坪十五、六万円に売り出したいという希望が述べられる程度で、実際には二十万円を超えるということもやっぱり考えられるような状況だと私は思うんですね。
 これは私あの当時指摘したんですが、やっぱりこういう結果になってくる一つ大きな問題は、たとえばこの宅開公団法の目的の第一条のところに、「住宅に困窮する勤労者のために」という住宅公団法にある文字がやっぱり抜かれておる。こうなると、かなりふところに余裕のある層に宅地を供給していくということに結局なるのではないかということも指摘いたしましたけれども、全体として私は、この宅開公団の設立とその後の事業の内容、それから今後の問題についてわれわれが危惧したようなさまざまな問題があることを指摘せざるを得ません。公団総裁、このむずかしい仕事に初代におつきになられて、その点では御同情せざるを得ませんけれども、こういうところに私はやはり少し無計画的な建設省の指導方向と申しますか、日本の土地問題解決についてのやや場当たり的な対し方ということの一つのあらわれがあるのではないかと、そう考えますけれども、建設省としてはこの宅開公団の問題について、いま公団総裁が言われたような現状、それから当時のこの委員会での審議の答弁と照らし合わせて、今後どのように指導し進めていこうとしているのか、その点お伺いしたいと思います。
#235
○政府委員(大富宏君) 第三期住宅五カ年計画八百六十万戸を建設するためには、これに必要な宅地は六万六千ヘクタールと言われているわけです。その中で特に三大都市圏につきましては約五〇%、三万四千ヘクタール、これは五十五年までの宅地の需要でございますけれども、現在国土庁で三全総等の研究が進められておりますが、少なくとも昭和六十年段階に一体日本の人口がどのくらいふえ、その増加人口が一体どこに張りつくかということで、国土庁では非常に地方分散という政策を進めないと昭和六十年までに千三百万ぐらいふえるであろう。それがそっくり三大都市圏に集まるであろう。千三百万という人口は東京都の人口に匹敵する人口でございますが、こういうことでは大変だから極力地方に分散をさせる。抑制型でいった場合でも五百万はふえる。膨大なこの三大都市圏の宅地あるいは住宅需要、潜在的な需要に備えて一体これをどうするかということで、七十五国会でも非常に御審議いただいたわけでございますけれども、住宅公団は住宅を建設するという大使命がある。
 したがって、住宅公団は住宅建設に専念していただく、そのかわりそれに対しまして宅地開発公団は住宅の用に供する宅地を大量に供給するという公団として設立してはどうかということで、住宅公団と別個に設立されたものでございますが、お述べになりましたように、現在既存の社会資本に依存するような小規模な開発でございましたらこういう新たな公団も必要ではございませんでしょうし、また開発も容易ではございますけれども、いま公団総裁からもお話ししましたように、宅地開発公団は少なくとも三百ヘクタール以上の大規模な宅地をということでございますと、勢いそれに要するところの関連の公共公益施設、大変なものでございます。そのためにはやはり地元の市町村はもとよりでございますが、都道府県、地方公共団体とも十分話を進めていかなきゃいけないわけでございます。三百ヘクタールとなりますと、用地買収から完成までには少なくとも十年ぐらいかかるわけでございます。現在多摩ニュータウン等は四十年ぐらいから始めておりますが、まだ宅造の段階は四〇%も満たない、こういうところでございます。いまから大規模な開発をするということではやはり少なくとも五年ないし十年かかる。そのためには、確かにいろいろ御指摘受けまして、宅地開発公団発足して一年半で、まだ本当にその事業の見通しもつかないわけでございますけれども、少なくとも長期の昭和六十年というような段階を見ますと、やはり鋭意いまからそういう基礎固めを私はしていく必要があるんではないかということで、公団ともども私ども勉強いたしている次第でございます。
#236
○上田耕一郎君 しかし、そうおっしゃいますけれども、先ほどの答弁に明らかなように、実際にはなかなかもう手のつく見通しが余りないわけですね。大都市圏は人口抑制で地方公共団体がなかなかいやがるという問題だとか、交通、水の問題、地価の高さの問題、そういうことを公団総裁は非常にむずかしい点をいろいろお述べになりました。そういう点で私は、どうもこのままではさっぱり目的を達成しないと。宅地の欲しい勤労者のために新しいニュータウンをつくるといううたい文句は、もうこのままではどっかにいってしまうことになるのではないかという危惧さえ持たざるを得ない。住宅公団はあれだけの仕事をして、最近の状況の中で空き家も一万六千戸というように大きな問題を抱えて、いま曲がり角にきているということが指摘されておりますけれども、宅開公団の場合には、つくったばっかりでもう早くも曲がり角と、真っすぐ全然進んでいないという状況にあるとさえ思われるわけで、建設省は、住宅公団に対して空き家対策問題で委員会をつくるということが伝えられておりますけれども、宅開公団の事業の見通し、先行きについてそういう何らかの委員会をつくって対策を考えるというようなことは必要あると考えておりませんか。建設大臣にお伺いします。
#237
○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のように、遅々として進まない感もありますけれども、ただ、ここでいま手がけているというか、手がけようとしている地名を挙げて場所を明らかにすることのできない問題もこの中にございます。たとえば関西方面の方におきましてもあるわけでございますけれども、そういうような観点からいくならば、すぐこれをどうこう云々と考えるわけにもいきませんけれども、いずれにしても今後の問題でございますけれども、そういうような委員会というようなものをつくって、そしてこれに対処するということは、これは私は結構な話じゃないだろうかと、こういうふうにその御指摘はまことに結構なことだと思っております。十分その点も検討を加えてみる必要があると、こういうふうに考えております。
#238
○上田耕一郎君 それでは、時間も迫ってまいりましたので少し先へ進ませていただきます。
 先ほど二宮委員から住宅問題について、かなり広範なテーマについて問題が取り上げられました。私は時間の関係で公営住宅問題にしぼって最後にお伺いしたいと思います。
 公営住宅について五十年度予算では八万五千戸組みながら、実際に都道府県に配分されたのは六万九千七百二十戸でした。五十一年度についても同じく八万五千戸に対して配分したのは七万戸ということになっております。これでは年度当初から一万五千戸切り捨てということになるわけで、こういう点で昭和五十一年度から第三期住宅五カ年計画が発足したわけですけれども、一期計画、二期計画に続いて、この第三期計画も同様な状況に落ち込みかねないというように考えるんですけれども、こういう事態を建設大臣はどのように考えておられるんでしょうか。
#239
○国務大臣(長谷川四郎君) 公営住宅につきましていろいろな考え方を持って、いままでもお話がありましたように住宅公団のあり方、また今後の問題等について次官を長として委員会をつくり、またこれらに非常に明るい方、民間からも入っていただきまして、そして検討を加えているところでございますけれども、大都市地域を中心としての公営住宅の建設が困難となっておることはそのとおりであると、したがって、五十一年度の事業においてもその完全実施は少し困難ではないだろうかというふうに私も考えます。今後とも建設促進のために諸施策を推進して五カ年計画の目標達成には何としてもこぎつけていきたいと、こういうふうに考えて、せっかくただいまいろいろな角度から努力をしているところでございます。
#240
○上田耕一郎君 大都市圏の都府県は特に大量に建設する必要があるわけですが、都府県別の計画戸数を見てみましても、たとえば五十一年度で非常に住宅難の著しい大都市圏にたくさん配分されているとはやっぱり思えない数字があります。東京は七千二百ですが、これは大阪五千二百三十、兵庫三千七百八十五、愛知五千八百十八と、それほど差がない状況にあります。それから都市圏で千葉だとか埼玉なんかは福島、茨城よりも少ないというような状況にあります。これはいま大臣が述べられたように、大都市圏に公営住宅を建設する上で非常に困難があることのあらわれだと思います。
 その困難は幾つもありますけれども、まず私は関連公共施設の整備問題ですね。特に東京都の都営住宅をつくっていく際、この問題が非常に大きな隘路になっているということを指摘したいと思うんです。東京の都営住宅建設の場合、財政上の問題もちろんありますけれども、地元の区や市町村との調整の問題、周辺住民との調整の問題などがかなり大きな問題になっている。先ほど宅地開発公団総裁も言われましたけれども、区や市町村は余り公営住宅が来るのを好まない。金も出さなければならなくなってくるし、関連公共施設の問題もある。しかも建てても最初は入ってくる税金が余り取れない。十年ぐらいたたないと税金収入にならないというような点も考えまして、なかなか強い姿勢で東京都が都営住宅を建てようとするのに対して受け入れないわけですね。そのために東京都の場合は、これは全国でも東京だけだと思うんですけれども、関連公共施設のすべてを都が単独事業として行うという状況があります。道路、河川、公園という公共施設から小中学校、幼稚園、保育所、児童館、敬老館、図書館など、こういう公益施設をもすべて都が負担して、ようやくそれによって区や市町村の同意を得ている。
 先ほど、計画局長ですね、立てかえ施行の問題を言われました。東京の場合には立てかえ施行で、たとえば十年据え置き、二十年年賦というような条件を出しても、それも困るというので区や市町村が拒否するわけですね。そのためには立てかえ施行制度も実際には余り使えない。結局、都が全部こういう公益施設を負担してやる。小中学校は当然国の補助もつきますけれども、国の補助が当然つくべき道路とか河川、公園あるいは保育所、こういうものを全部単独事業で都が負担してやっていくという状況になるわけです。
 東京都の事業概要を見ますと、都が負担した関連公共事業の実績が、都営住宅関係ですが、昭和四十八年に五十六億三千万円、四十九年で八十八億九千五百万円、五十年度で九十三億六千万円――約百億円にいま達しているわけで、こういう実態について建設省どう認識されており、また、どういう対策あるいは援助を考えておられるか、この点お伺いしたいと思います。
#241
○政府委員(山岡一男君) ただいま先生おっしゃいましたとおり、大都市圏におきます公営住宅の進捗がおくれてまいりますゆえんの一番大きな原因は、関連公共公益施設の整備に関する地元公共団体との調整の難航ということが第一でございます。そのほかに周辺市街地の居住環境の整備保全に関する周辺住民との調整の難航、特に東京、大阪等の場合では建てかえ事業における入居者との交渉の遅延等が非常に主なものでございます。そういう結果を反映いたしまして、いま東京都を例にとられたわけでございますが、昭和四十六年には一万八千戸ぐらい東京都では公営住宅が建っておりました。その後激減をいたしまして、昭和四十八年にはもう千二百戸というところまで落ちてまいりました。最近に至って次第にまた回復してまいっておりますけれども、確かにそういう点につきまして東京都も非常に悩みがございました。
 そこで、東京都では昭和四十八年に都営住宅建設に関連する地域開発要綱というのをつくっておりまして、原則といたしまして、そういう公共施設等につきまして、都が管理するものは都が整備をする、市区町村が管理をするものは市区町村が整備をする。ただし、市区町村が整備することが困難なものについては都がかわって整備をするというふうな方針を決めておられます。さらに、区、市町村が行うような整備事業につきましても都は必要な財政的援助を行う。こういうふうなきわめて前向きな姿勢で地域開発要綱をつくっておられます。そのための費用の負担は、先ほど先生がおっしゃったとおりであろうと思います。
 しかし、このような事態に対処いたしまして、実は国の方でも昭和五十年度から公営住宅の建設関連公共公益施設整備に関する立てかえ施行制度というのを、これは公営住宅について特別な制度を開いております。従来の公団、公社、都が行います立てかえ施行と異なりまして、これは国が補助金を出す。それから府もしくは道、県がその補助金の一部を持つ。全額起債を認めていただいて、その分において立てかえ施行をするというふうな制度でございます。したがいまして、この制度を五十年につくったわけでございますが、それよりも前に東京都はそういう制度を開いておられるわけでございます。現在国が開きました制度も東京都においてもやろうと思えばできるわけでございます。ただ、その後調べてみますと、われわれが準備いたしておりますのは、たとえば五十二年度でも七十五億という事業費でございまして、東京都のものを全部カバーできるほどではございませんけれども、いろんな意味で東京都の行っておられます事業の中でそれに変わるような施策も国も準備をしてまいっておりますので、将来こういうものも次第に活用していただくように東京都にもお願いしたいと考えておる次第でございます。
 それからさらに、東京都につきましては、特にわれわれお願いしておりますのは、やはり都営住宅を区に建てるという場合の調整の難航が非常に問題になっております。そこで、むしろ東京都といたしましては権能上、区にはやはり区の住宅をつくる、区営住宅ができるというふうな権能がございますので、できる限り区営住宅を今後も推奨したらどうかという提案を都にもいたしておるところでございます。
#242
○上田耕一郎君 どうも五十年度にそういう立てかえ施行、公営住宅のための立てかえ施行の補助制度をつくったということでございますけれども、先ほども申しましたように、道路だとか、河川だとか、公園という公共施設、それから小中学校、幼稚園、保育所、児童館、敬老館、図書館などの公益施設ですね、こういうものは当然国の補助があっていいわけで、ところが、公営住宅、都営住宅をばつくろうとする場合、もうすでにそこの地域にはこういう道路にしろ、河川にしろ、公園にしろ、国の予算限られているので、ここに補助事業としてやるんだということが決まっておりますので、この都営住宅をこうつくっていく場合に、その補助のある枠にはどうしても入れられないと。で、補助をつけるとその区や市町村の他の事業が削られてしまうので勘弁してくれということなので、結局こういう当然国の補助があるべき公共施設がすべて東京都が単独で負担するということになっているわけですね。ところが、都営住宅に対する都民の要求が非常に強いというわけで、都営住宅を建てるためには住宅施設、周辺の住環境整備をあわせて行わなければ建てられないわけで、そういう現状に対していまのお答えでは実際の解決が進まないと思うんですけれども、さらにこういう実情を考え、日本の首都の東京の都営住宅をもっともっと建てられるような国の補助について積極的に検討をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#243
○政府委員(山岡一男君) 団地式で開発いたしますそのようなものにつきましては、やはり団地お断りに対する対策ということで、先ほど二宮委員にもお答え申し上げましたけれども、新しい財源を求めてそういうふうな措置を振ったらどうかというふうな提案もいたしまして、鋭意検討を進めておるところでございます。しかし、これについてはいろいろと協議する先もございますので、ただいま直ちに必ずできるとお約束するわけになかなかまいらない状況でございます。
 ただ、公共事業の配分につきましては、先生おっしゃいますとおり、確かに既成の市街地に対しますいろんな要望もございます。したがいまして、団地に関連するもの等につきまして要望をしなさいといっても、順位が低いというふうなケースは確かにおっしゃるとおりございます。しかし、そういうものもやはり従来の枠にとらわれずに引き上げて配ったらどうかというのが、省内にもそういう空気ございまして、次官を長といたしまして数年前からそういうふうな関連公共施設の配分調整委員会というのをつくっております。ことしも先ごろやったわけでございますが、実は私ども、たとえば住宅公団に関しましての例を申し上げますと、住宅公団等で相当長期にわたって計画できているもの等につきましてはその委員会に報告をいたしまして、ほとんど補助事業として採択するものは採択するという方向を出していただいております。さらにそういうものを、公営住宅の団地、公社の団地、それから民間の開発許可をもらう大きな団地等につきましても、府県に照会をいたしまして、そういう問題があればその委員会にかけるぞということで、すでに公営住宅でも一、二挙がってまいっておりますけれども、そういうものにつきましても、そういうふうな従来の経緯にかかわらず採択していこうというふうな努力は現在しておるわけでございます。したがいまして、そういうふうな現実の配分の問題における努力とそういう制度面の努力と、今後、二つながら十分に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
#244
○上田耕一郎君 いま配分調整委員会をつくってこの配分、はみ出す部分についてなるべく配分されるような努力をしている、もう一つ制度面の努力というお答えがありましたが、どうか東京都の都営住宅建設がもっともっと進むように、そういう配分並びに制度上の施策の強化をお願いしたいと思うんです。
 それから先ほど区営住宅の話もありました。区営住宅をつくる場合には、確かに都道府県の助成事業として国が二分の一の利子負担ができるという制度、公営住宅関連環境整備助成事業などが使えると思うんですけれども、東京都が行っているのはそういう助成事業ではなくて、先ほど申しましたように、まるまる都の単独事業として行っているものなので、この制度を、東京都がまるまる単独事業で行うものについてはそういう助成が当てはまらないという点もあります。ぜひこの公営住宅建設事業を進めるために、周辺の住宅市街地環境の向上に必要な施設を一体的に直接整備できるような新たな補助制度をつくることをも検討していただきたいと思います。
#245
○政府委員(山岡一男君) 昭和五十年度予算におきまして、そう大幅なものではございませんけれども、新しい公営住宅団地をつくるに当たりまして、周辺の皆さんと共同で使う集会所、共同で使う公園等につきまして、一部はみ出したものにつきましても特例加算ができるという制度を開くことにいたしております。これもその応援の一部でございますけれども、さらにさらに徹底した応援の手があるだろうと思いますので、財源等の検討もいたしながら制度の検討してまいりたいと思っております。
#246
○上田耕一郎君 次に、超過負担の問題ですが、先ほど二宮委員の質問に対する答弁にもありましたように、単価差に関する超過負担は少なくなりつつあるということはやっぱり事実だと思います。ただ、やっぱりこの用地費の場合ですね、用地費の場合には、公営住宅の用地費については実質上の超過負担がかなり出ているわけです。なお、先ほど建設上の超過負担は少なくなりつつあると申しましたけれども、やはり実際には二、三年かかる高層建築、高層の公営住宅を建てる場合には当初の予算以上にかかるということもありますし、東京都の場合にもまだまだ超過負担はあるんですけれども、用地費の場合にもかなり大きい実質上の超過負担が出ている。昭和五十年度の実績を調べてみますと、一戸当たり実際にかかった用地費が五百二十五万九千円でありますが、起債の基本額が四百三十一万六千円となっております。差し引きますと超過負担は一戸当たり九十四万三千円。この一戸当たり九十四万円の用地費について都が持ち出しをしなければならなくなっているというのが実情です。これでは都営住宅をもっとつくろうと思ってもこの問題でさらに財政上困難ということになりますが、この四百三十一万六千円という標準単価で東京の場合実際に用地購入がきわめて困難だということだと思います。標準価格と実勢価格とのギャップ――ギャップというのは全国的な問題でもありますので、公営住宅建設用地に対する地方債の標準単価を実勢単価と一致するように引き上げることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#247
○政府委員(山岡一男君) 用地費の地区別単価につきましては毎年度改定を行うことにいたしております。それから原則といたしまして地区分を、全国を従来は八地区に分けておりまして、特に最近では東京都等につきましては一ランク高いのをつくりまして、全体として九地区でやっておりますけれども、その地区区分も二、三年ごとに実情を勘案しながら組みかえをするということを方針としてやってまいっております。実際にはこういうふうな用地費の算定に当たりまして一応の用地取得造成費の基本額を示しております。たとえば東京でございますと、五十一年度では五百十五万円というのが用地取得費でございまして、用地造成費が百七万円ということになっておりますけれども、いずれもおおむね一〇%の程度の範囲内では上限を超えることができるようにいたしております。それからさらに、同じ年度の中でできます全体の用地費の起債枠といたしまして、あるところは低くあるところは高くというような場合には、全体をプールいたしまして、こういうふうな標準単価が使えるというふうな運営をいたしまして、できるだけ実情に沿うようなことをやってまいっておるわけでございます。
#248
○上田耕一郎君 現在、標準単価を五百十五万円に引き上げられたということですが、まあ東京都で聞きますと、昭和五十二年、現在は一戸当たり用地費が七百万円から高い場合にはやっぱり一千万円かかるというのが実情だということで、五百十五万円に引き上げられたことはいいことであっても、この用地費の超過負担、依然として解消するどころか、さらに拡大しつつあるということであります。まあ地価は一時鎮静しつつあると報じられましたけれども、最近また上昇模様にもありますし、ぜひともこの標準単価を実勢単価に一致する施策ですね、さらに引き上げを要望したいと思います。
 もう時間がありませんので、最後にもう一問したいと思いますが、都市再開発事業で再開発住宅の制度があるわけですが、大都市の場合、この住宅密集地の住環境改善のために都市改造を行う必要があると、その手法として住民参加の再開発事業がもっともっと進められなければならない状況にありますが、再開発のためにはデパートやスーパーが来るとうまくいくと。建設委員会も江戸川橋に前、見学に、調査に行きましたが、ああいう大きな団体が入る場合、あるいはデパートやスーパーが来るとうまくいくけれども、そのほかの場合にはなかなかむずかしいという実情で、そうだとすると住民本位の都市改造というのがなかなかむずかしくなるわけです。それで、デパートのかわりに自治体が保留床を購入する、そしてそれを公営住宅にする、そうすれば都市改造も促進されますし公営住宅もふえると、一石二鳥だと思いますけれども、現在の公住法で自治体がこういう再開発の場合保留床を購入するということが可能なのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
#249
○政府委員(山岡一男君) 現在の地方公共団体が単独でやる場合は余り問題がないと思いますけれども、補助をいたします場合は、建設する場合に対する補助ということでございます。で、学校施設のように購入を含むというのがことさら書いてございませんので、買い入れ補助は現在では認められないというのが現行法のたてまえでございます。
#250
○上田耕一郎君 この買い入れ補助を認められないという場合、これいまの公住法の第一条が「住宅の建設」と書いてありますが、そこに「及び購入」というようなことを入れればそういうことも可能だと思います。
 それからもう一つ、買い入れの場合でなくて、最初からこの再開発の場合に自治体が組合員になると、そういう場合ですね、その場合は可能ですか。二つの問題、お答えいただきたい。
#251
○政府委員(山岡一男君) まあ公営住宅が市街地再開発に参加する場合には二つやり方があると思います。一つは、従前の権利をあらかじめ取得する方法でございますが、これはまあどちらかというと大変むずかしゅうございます。特に先生がいまおっしゃいました参加組合員となる方法、これは当然できることでございますし、現在までもすでに大阪府、東京都等では実施したものもございますし、計画中のものもございます。参加組合員としてその中に参加するということはできるわけでございます。ただ、公営住宅そのものは収入制限を設けた低所得者のための住宅でございまして、全体の設計、付帯施設等につきまして計画段階から十分打ち合わせをするということが必要だと思っております。
 それからさらに、市街地再開発等に関連をいたしまして、当該市街地再開発施行区域内の借家人等の零細権利者の方々で、やはりそういうところに公営住宅が欲しいという方もいらっしゃいます。そういう方のためには、収入制限がない再開発住宅というのを実は公的住宅といたしまして予算補助で制度上設けております。そういうものの活用を今後大いに図っていくべきだろうというふうに考えておる次第でございます。
#252
○上田耕一郎君 やはりこれから都市再開発が進んでいきますので、その際、最初に参加組合員になるか、あるいは公住法を改正して、「及び購入」というのを入れて公営住宅にするということが可能になると、これは再開発も進むし、公営住宅もふえるということで一石二鳥であると思いますので、ぜひ御検討をいただきたい。
 その際、ひとつ問題が起きますのは、いまの再開発住宅と違って都市再開発に組合員として参加するというような場合、かなりやっぱり家賃が高くならざるを得ないという問題があります。その点で、ことし建設省が提出した概算要求の中には公営住宅に対する家賃対策補助制度と。傾斜家賃制度をとって、この傾斜家賃をとるために減額されるが、その差額に対して一種二分の一、二種三分の二という家賃対策補助制度の創設が入っておりました。これはどうも認められなかったようですけれども、こういう考え方をお持ちだとすると、こういう再開発をした際に、その保留床を自治体が組合員として公営住宅にするというような際に、こういう形を援用して家賃補助をするということが行われたら非常にいいのではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#253
○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいますとおり、家賃問題につきまして、先ほど二宮議員にもお答え申し上げましたけれども、息の長いと申しますか、根本的に検討すべき原価主義からの脱却という問題と、当面の家賃対策ということがございます。その当面の家賃対策の一環といたしまして、もう背に腹はかえられない措置といたしたして、公営にも傾斜家賃制度を導入し補助金を出したいという要求をしたことは事実でございます。しかしながら、それにつきまして、まあ通りませんでした理由といたしましては、公営住宅のやはり家賃によります償還金、相当入るわけでございますが、たとえば割り増し家賃もしくはいまの家賃の不均衡の是正等による財源等を引き当てにいたしますと相当なことができるということでございまして、そういう点との引き合いでこれは実は落ちたものでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、家賃制度のあり方につきましては基本的な問題がございます。したがいまして、今後におきましてはその基本的な問題の中でこういうものも一緒に検討してまいりたいと、そのときにはできる限り公営住宅等につきましても、再開発事業の中でもできるような制度も加味してまいりたいというふうに思っております。
#254
○上田耕一郎君 ひとつ建設大臣、われわれも大いに応援しますから、いまの公営住宅に対する家賃補助制度、その実現のために努力していただきたいと思います。
#255
○国務大臣(長谷川四郎君) 私も上田さんのおっしゃることには賛成でございまして、その交渉にもいろいろ当たってみたのですけれども、なかなか遅々として進みませんでしたけれども、来年度は一歩踏み出して、なるべく御期待に沿うような方向を目指していきたいと、こういうふうに考えております。
#256
○上田耕一郎君 質問を終わります。
#257
○委員長(小谷守君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#258
○委員長(小谷守君) 次に、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨説明を聴取いたします。長谷川建設大臣。
#259
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま議題となりました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 政府におきましては、現行の治山治水緊急措置法に基づき、昭和四十七年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定し、これにより治山治水事業の計画的な実施を進めてまいりました。
 現行の五カ年計画は、昭和五十一年度をもって終了いたしますが、一方、国土の利用、開発の著しい進展に伴い、山地及び河川流域においてしばしば激甚な災害が発生するとともに、各種用水の不足が深刻化し、治山治水事業を一層強力に推進する必要が生じております。
 このような情勢に対処するためには、現行の五カ年計画に引き続き昭和五十二年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することにより、これらの事業を緊急かつ計画的に実施して国土の保全と開発を図る必要があります。
 以上がこの法律案を提出した理由でありますが、次にこの法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一に、ただいま申し上げましたとおり、現行の五カ年計画に引き続き昭和五十二年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することといたしました。
 第二に、昭和五十年度より国の補助事業として実施しております準用河川に関する事業を治水事業五カ年計画の対象となる治水事業に追加するとともに、この事業に関する経理を治水特別会計において行うようあわせて改正することといたしました。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。
#260
○委員長(小谷守君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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