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1976/03/24 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第4号
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1976/03/24 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第4号

#1
第080回国会 逓信委員会 第4号
昭和五十二年三月二十四日(木曜日)
  午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         神沢  浄君
    理 事
                長田 裕二君
                最上  進君
                案納  勝君
    委 員
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
               茜ケ久保重光君
                森  勝治君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  佐藤 昭一君
       郵政省電波監理
       局長       石川 晃夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   参考人
       日本オリンピッ
       ク委員会総務主
       事        柴田 勝治君
       日本放送協会経
       営委員会委員長  工藤信一良君
       日本放送協会会
       長        坂本 朝一君
       日本放送協会副
       会長       藤島 克己君
       日本放送協会専
       務理事      沢村 吉克君
       日本放送協会専
       務理事      山本  博君
       日本放送協会専
       務理事      川原 正人君
       日本放送協会専
       務理事      堀 四志男君
       日本放送協会専
       務理事      中塚 昌胤君
       日本放送協会理
       事        橋本 忠正君
       日本放送協会理
       事        反町 正喜君
       日本放送協会理
       事        武富  明君
       日本放送協会理
       事        高橋  良君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(神沢浄君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に日本オリンピック委員会総務主事柴田勝治君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(神沢浄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(神沢浄君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山郵政大臣。
#5
○国務大臣(小宮山重四郎君) ただいま議題となりました日本放送協会昭和五十二年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について概略を申し上げます。
 事業収支におきましては、事業収入は前年度に比べ六十四億二千万円増の二千百八億一千万円、事業支出は前年度に比べ二百十五億九千万円増の一千九百七十億八千万円となっております。
 この結果、事業収支差金は百三十七億三千万円となっております。
 この事業収支差金につきましては、百十七億二千万円を債務償還のため資本収入に繰り入れることとし、二十億一千万円を翌年度以降の財政を安定させるための財源として、その使用を繰り延べることといたしております。
 資本収支におきましては、テレビジョン、ラジオ放送網の建設、放送設備の整備等のための建設費として、二百八億円を計上いたしております。
 沖繩県の区域における受信料の月額につきましては、同地域における放送サービスが本土並みとなったことを契機に、普通契約にあっては二百五十円から三百三十円に、カラー契約にあっては四百円から六百十円に、それぞれ改めることといたしております。
 次に、事業計画につきましては、その主なるものは、テレビジョン放送及びラジオ放送の全国普及を図るため放送網の建設を行うこと、テレビジョン放送及びラジオ放送番組の充実刷新を図るとともに、テレビジョン放送番組のカラー化を完了すること、視聴者の意向吸収と事業運営への反映の強化を図るとともに、視聴者の生活態様に即した営業活動を行うこと等となっております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。
 郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等については、慎重に検討いたしました結果、これらをおおむね適当であると認め、お手元にお配りいたしたとおりの意見を付することといたした次第であります。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどをお願いいたします。
#6
○委員長(神沢浄君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。坂本日本放送協会会長。
#7
○参考人(坂本朝一君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和五十二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。
 協会の事業運営は、昭和五十一年度に受信料月額の改定を行いましたが、二カ月にわたる暫定予算の実施等の事情によりまして、なお厳しい状況下に推移しております。
 昭和五十二年度は、この厳しい状況を引き継ぎ、昭和五十一年度から昭和五十三年度までの経営計画の第二年度として、財政の安定を重要な課題とし、受信料収入の目標確保のために最大の努力を傾注するとともに、建設計画は重点的に実施することといたしております。
 また、新規拡充計画を必要不可欠なものに限るなど、極力、業務の合理的効率的運営を推進するとともに、視聴者の意向を吸収して、これを事業運営に的確に反映し、放送の全国普及、番組の充実刷新に努めることといたしております。
 また、沖繩県の受信料につきましては、宮古、八重山地区における放送サービスが、昨年十二月海底ケーブルの開通により、本土並みとなりましたのを契機に、将来、本土と同一の受信料額とする第一段階として、昭和五十二年度におきましては、前年度の本土受信料の改定率に合わせて、普通契約受信料の月額を二百五十円から三百三十円に、カラー契約受信料の月額を四百円から六百十円に調整することといたしております。
 次に、昭和五十二年度の主な計画について御説明申し上げます。
 建設計画につきましては、テレビの難視解消をより効率的に推進することとし、中継放送局の建設及び共同受信施設の設置を行うとともに、ラジオについては、超短波放送局の建設などを行うこととしております。
 また、老朽の著しい放送設備についても、必要最小限の取りかえ、整備を実施することといたしております。
 次に、事業運営計画について申し上げます。
 まず、国内放送では、テレビ、ラジオ放送ともに、視聴者の意向を積極的に受けとめ番組内容を充実刷新するほか、教育テレビのカラー放送時間を四時間増加して全放送番組のカラー化を完了することとし、また、FM放送ローカル番組のステレオ化を完了して、地域社会に直結した番組の充実刷新を図ることといたしております。
 国際放送においては、国際間の理解と親善に寄与するため、番組の刷新を図ることといたしております。
 次に、広報及び営業活動につきましては、視聴者会議の運営などの諸活動を通じて幅広い視聴者の意向を積極的に吸収して、これを事業運営に的確に反映させ、また、視聴者の生活態様に即した営業活動を推進して、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めることといたしております。
 調査研究につきましては、放送番組、放送技術の向上に寄与する調査研究を行い、また、経営管理においては、経費の節減と業務の合理的運営を一層徹底するとともに、企業能率の向上に努めることといたしております。
 以上の事業計画遂行のための要員数は、前年度どおりに据え置くこととし、また、給与につきましては、適正な水準を維持することといたしております。
 これらの事業計画に対応する収支予算について申し上げますと、事業収支においては、収入総額二千百八億一千万円を計上し、このうち、受信料収入については、有料契約の増加目標を、契約総数において七十万件、カラー契約において百十万件として、二千六十億五千万円を予定しております。
 これに対して、支出は、国内放送費などの事業運営費、減価償却費、支払い利息などにより総額一千九百七十億八千万円を予定しております。
 なお、事業収支差金百三十七億三千万円につきましては、このうち、百十七億二千万円を放送債券及び長期借入金の償還に充て、二十億一千万円は翌年度以降の財政を安定させるための財源として、その使用を繰り延べることといたしております。
 次に、資本収支は、支出において、建設費二百八億円、債務の償還に百三十七億五千万円、総額三百四十五億五千万円を計上し、これに対する財源として、収入に、事業収支差金受け入れ、放送債券、借入金等を計上いたしております。
 以上、昭和五十二年度の日本放送協会の収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べましたが、国民生活の向上に放送の果たすべき使命がますます重要になっていることに思いをいたし、今後の協会事業の運営に当たっては、一層視聴者の理解と支持を得るように努め、協会全体の力を結集して、業務全般にわたる合理的運営と改善に不断の努力を傾注し、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございますので、委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞ速やかに御審議御承認賜りますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(神沢浄君) 以上で説明聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○森勝治君 小宮山郵政大臣が就任されましてから、私は初めて大臣に質問をいたします。そういう関係で申し上げるわけではないのでありますが、この際でありますものですから、電波行政についての大臣の基本的な所見を、この際、お伺いしておきたいと思うのです。
 御承知のように、社会経済の転換期を迎えている今日におきまして、国民の放送に対するニーズはますます増大してきておりますことは御承知のとおりであります。省資源、省エネルギー対策という面からも電波の有効活用というものがますます重要になってまいりました。したがいまして今後の電波利用というものをどのように推し進めていかれるのか、また放送の持つ社会的機能というものをどのように発揮させていくのか、今日的な政策課題でもあるわけでありますから、この際、大臣は、いま私が冒頭で申し上げたように、新大臣として電波行政はいかにあるべきかという、若い大臣でありますから、少壮気鋭で非常に活動的な大臣であると私どもは聞いておりますし、私と同じ選挙区の出身の方でありますから、あなたの人柄も十分知っております。非常に積極的に、いま私が以上申し上げたような問題につきましても、十分御活躍、御指導くださるものと期待を込めて質問をしているわけですから、ひとつそういう意味で、あなたの隔意のない電波行政に対する、私はこうするんだという、あるいはまた電波行政とはいかなるものかという問題についても、この際、お聞かせをいただいておいた方がよかろうかと思いますので、あえて冒頭にこの質問を申し上げました。
#10
○国務大臣(小宮山重四郎君) 大変御激励いただきましてありがとうございます。
 特に、いま先生の電波の話の基本的な考え方ということでございますけれど、電波については、コミュニケーションを含めて、あるいは電波航法とか高周波利用、いろいろな問題がございますけれど、特に私が重要といたしておりますものは、電波というものはコミュニケーションの基本になるものである、あるいは社会活動の中心になるものである、そういうことで情報の伝達機関としては大変重要なことである。また、その情報伝達という一つのものを考えてみますと、これは情報というものは大変価値の高い価値観がある。ですから、そういう意味でも、放送法等に盛られております基本的概念をやはり踏まえてやっていかなければならないと考えておりますけれど、そのほかに新しい時代を迎えたという森先生のお話のとおり、多重等々非常に新しい時代を迎えていることも事実であります。
 今後も、私がその電波行政をやる上に一番重要な観点として考えることは、先ほど申しましたように、情報は価値であるという考え方、それから正しくかつ不偏不党に情報が流れること、かつ、その情報が国民等しく享受できるような方向に向かっていくべきである。そういうような観点をもちまして、ぜひ今後とも積極的な電波行政をやっていきたいと考えております。
#11
○森勝治君 私の設問がやや抽象的なきらいがありましたから、大臣の御答弁も相似たるお答えになったんだろうと思うのです。ですから、この際でありますから、私は、抽象論をここで私とあなたでやりとりするよりも、より具体的な実際的な問題について二、三質問をしたいと思うのです。
 小宮山郵政大臣は、先般の当委員会におきまして、今後「適時適切な電波行政を推進してまいりたい」、こう所信を表明されておられましたが、われわれは電波行政の推進に当たりましては、その基本をなす電波、放送両法の抜本的改正を行うべきであることを長い間主張してまいりました。しかるに、政府は、昭和四十一年第五十一国会におきまして両法の改正案が審議未了となって以来、すでにもう十年余を経過したわけでありますが、それにもかかわらずいまだその内容改正の片りんすらもうかがうことができません。先ほど申し上げましたように、またあなたがお答えくださいましたように、あなたは所管大臣としてあらゆる問題について積極的に時代の変遷を踏まえて、その上に立って郵政事業、電波行政というもののあるべき姿というものにつきまして特に積極的に発言をしておられますから、この両法の改正のいきさつにつきましても十分御承知であられると思うのであります。でありまするから、今後、この両法案の措置をどうされるのか、ひとつこの際お聞かせを願っておきたい。
#12
○国務大臣(小宮山重四郎君) 昭和四十一年に、五十一国会で放送法の一部を改正する法律案と電波法の一部を改正する法律案が出て、それ以後成案を見ていない、確かにそのとおりであります。
 私は、この問題を討論する前に考えなければならない問題が幾つかあるのではないか。先ほど申しましたように、多重方式あるいは衛星放送等もございますし、また、きょう議題となりましたNHKの経営の問題等にもやはり長期ビジョンというものを持って当たっていかなければならない。それは放送法の一部を改正する法律案、四十一年に出した法律案の中にも盛られている条項でもございますけれども、そういうことが相当ございますけれども、私自身も、難視聴の問題も含めて、そういう未解決の問題をどのような方向に持っていくか、そういうことを今後ともある程度整理した上で放送法あるいは電波法の改正をやりたい。つい最近もジュネーブで日本の割り当て八チャンネル、こういうものについてはまだまだ白紙でございます。今後ともどうするのかという国際的情勢をも踏まえて、この両法の改正もしていきたい。それについては先生方の御意見も十分拝聴の上で、今後とも対処いたしていきたいと考えております。
#13
○森勝治君 大臣、その問題ですね、あなたの在任中、特にあなたが若くて少壮有為の大臣でありますから、長くその席にとどまることを同じ選挙区の人間として期待を込めて私は質問をしているわけでありますが、在任中にこの問題を政府案として具体的にまとめられますか、そういう期待を込めてよろしいですか。
#14
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私は、さきの質問の中で難視聴の問題などは特に早く解決したい、そういうようなことで省内で精力的にいま難視聴をどうするのか、いわゆる民放とNHKとの問題等も含めて難視聴についてもいま解消の研究を進めております。これもいましばらく時間をいただいて、在任中に方向を出し、少なくともNHKだけの放送が聞けるわけではない、民放も全部聞けるような方向に持っていきたい、その方向だけは、また制度だけは確立していきたいと考えております。
#15
○森勝治君 ということは、こういうことですね、かつて放送法が誕生した当時の対象は、御承知のように、NHKだけでございましたが、今日の段階においては、もうテレビの波はたくさんそれぞれの企業が運営をされ、この波の許可を受けてそれぞれの立場で放送をしておられるわけですから、そういう面から見ただけでも、この現行の放送法というのが新しい時代に対応できなくなったきらいがあることはこれはだれでも認めておるわけですから、そういう面からいたしましても、新時代に対応する放送法の抜本的改正というものを現職の大臣であるあなたが基本的にお持ちであるということだと私は理解をしてよろしいかどうかということが第一点。
 私が理解をしたということがそうだと、もし大臣が御了承願えるならば、かつて五十一国会にこの法案が出される当時、すでに昭和三十七年の十月から臨時放送関係法制調査会の設置、こういうことをやって、そしてまた三十九年の九月まで約二カ年間にわたってもろもろのこの改正法案の問題を各界各代表の皆さん方の手によっていろいろ解明をされ、答申をまとめてもらったわけであります。そうしてまた同調査会の報告を踏まえて、政府は四十一年にこの改正案を提出するという経過に至ったわけでありますから、私がいま前段に設問いたしました点が、重ねてお伺いいたしますが、大臣の同意を得られるならば、やはりこういう手続を踏む必要、手続というか、やっぱり具体的に前向きの姿勢を示す必要があるだろうと思いますから、この二点にわたってひとつ御意見をお伺いしたい。
 前段はおわかりですから、うなずいておられますから、後段について、五十一国会で提案したように、この商法改正の諮問をしたことが経過にありますから、臨時放送関係法制調査会という名のもとに行われたわけですから、今回も大臣がそういう意思を示されるならば、前例を踏襲せよというわけではないが、それに等しいような機関を設定して改正の糸口を開いていく必要があるのではないか、こういうことを私は申し上げているわけです。
#16
○国務大臣(小宮山重四郎君) いまの先生の御意見については、私も、まず放送法、電波法を改正する前にやはり片づけるものは片づけておかなければならない、そこで問題点が出たときにこの放送法、電波法というものは本当にどう抜本的に改正しなければいけないかという問題が一つあります。それから私も特にNHKの経営などを長期的展望に立って見ておりますと、やはり放送法などの改正が必要だろうという感じを持っております。そういうようなことの努力もひとつその前にあるんですけれども、そういう問題を踏まえて前向きに積極的にやっていきたい。ただ、難視聴などは、ただただ放送法あるいは電波法を改正したところでそれは前進することではございません。ある程度制度的にどうしたらいいのか、あるいは電波法、放送法を改正するには、どういう方向がベターな法律案になるのかということを政府部内でいましばらく検討さしていただいて成案を見たいと考えております。
#17
○森勝治君 それでは、ぜひとも私の特に第一点については大臣も同意を示される所作をあらわされましたから、よけいな言葉でありますが、期待を込めて、この十数年来、四十一年以来の懸案事項であります電波、放送両法の改正の具体的な行動を起こしていただきたいのであります。
 そこで次に移りますが、同じく先般の所信表明におきまして、大臣はこう言われておるんです。テレビ、ラジオの高度普及につれて放送の果たしつつある役割りが増大している、こう言っておられる。さらに、その次に番組の向上化対策や難視聴地域の解消施策について今後とも積極的に取り組んでいく所存であると、あなたは抱負を述べられておられました。そこで、これらの点につきましていままでどのような措置をとられてきたかということが第一点。それから大臣が積極的に抱負を述べておられるわけですから、これからどのような措置を講ぜられようとするのか、これが第二点であります。
 第一点につきましては、これは大臣の知るところでございませんから、就任以前でございますから、これは電波監理局長からお答えいただき、後段のこれからの措置について大臣からひとつ所見を承りたい。
#18
○国務大臣(小宮山重四郎君) 第二点の方の問題でございますけれども、テレビ放送等については大変多くの問題点を抱えております。ある意味では交通整理をする必要があるし、NHKだけ聞けるということは大変私もいけないことだと、いわゆる民放もうんと聞けなきゃいけない。私は、その物の考え方の根底には、情報は価値である、財産であるという考え方が根底にございます。それを選択するのはやはり国民でございますけれども、そういう意味では日本放送協会と民放連が共同で積極的な難視聴解消をしなければいけないという考え方を持っております。で今後ともそういう機器の開発等についても両者が積極的にやっていくということを望んでおるわけでございます。
 あと、番組等については、こういうことを言うと放送法の一条、三条等に触れるかもしれませんけれども、私自身考えてますのは、やはり放送というのは親が見ても恥ずかしくない放送をしてもらいたい。いわゆる教育番組的な、やはりコミュニケートする側にももう少し考えていただきたいということも私自身思っております。そういうようなことも今後とも民放連あるいはNHKとも積極的な、番組に限るのではないのですけれども、経営の中でいろいろな話し合いをさしていただきたいと思っております。
#19
○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生から御質問ございました従来の措置の状況について申し上げたいと思います。
 まず、放送番組向上についてでございますが、この件につきまして私どもがいたしました措置といたしましては、昨年十一月一日付で放送局の再免許を行ったわけでございます。その再免許を行いました際に、郵政大臣から民間放送の各社長あて、それからその民間放送の中につくられております放送番組審議会というのがございますが、その放送番組審議会に対し、それから放送番組向上委員会というのがございますが、そこの委員会に対し、その三者に対しまして再免許後の放送番組の向上については一層努力を払っていただきたい、このような郵政大臣からの要望書を出しております。
 それからまた一般の放送事業者に対しましては、やはり従来からこの放送の大きな目的でもございました教育、教養番組、こういうものの確実な実施を図っていただきたいというために一定の割合の番組の放送を行うように条件をつけたわけでございます。でNHK総合それから民間一般につきましては教育番組は一〇%以上、教養番組が二〇%以上。それから日本教育テレビと東京12チャンネル、これに対しましては教育番組が二〇%以上、教養番組が三〇%以上。それからNHKの教育放送につきましては教育番組が七五%以上、教養番組が一五%以上。かような措置をいたしております。
 次に、難視聴解消のために現在まで行いました措置でございます。
 いろいろございましたが、主なものを申し上げますと、まず、先般の難視聴対策の調査会からの報告を受けまして、省の中に委員会を設置いたしました。これは五十年の八月二十九日でございますが、ここで解消方策については多角的に検討を開始いたしております。
 それから、従来電波の届かないところ、いわゆる相当僻地でございますが、そういうところに置くのに適切な放送局としまして極微小電力テレビジョン放送局というものを開発いたしました。通称ミニサテと申しておりますが、それの免許方針等を一昨年の十二月に策定いたしまして、現在ミニサテ局も相当数がふえてきております。それの、ことに民間放送とそれからNHKとなるべく共同建設するようにということも推進いたしまして、そうして難視聴の解消を図っております。
 それから次に、再免許の際に、やはり各社に対しまして難視聴解消の促進を要望いたしております。それから今後の計画に対しまして、それぞれの地方電波監理局におきましても指導を行っております。
 それから、これは都市における難視聴といいますか、受信障害問題に対して非常に有効な手段でございますが、SHF帯を使いまして放送を行いたいということで、この実験局をNHKに対して昨年の二月に免許いたしまして、その実験を行っております。これによりましてSHF帯を使いました放送の実用化ということを図るわけでございますが、現在、大体実験の段階が終わりまして、そうして免許方針の策定の作業を行っております。
 それから高層建築物による受信障害でございますが、非常に各方面にいろいろ問題を起こしたわけでございますが、これの解消についての各地方電波監理局の指導を統一するために指導要領というものを策定いたしまして、これは昨年の三月に各地方電波監理局に通達いたしまして、そうして地元における受信障害の紛争の当事者間の協議に当たっての解決がしやすいように指導を行っております。
 それから、現在、二カ年計画で、辺地と都市における難視聴の実態調査を行っております。これはやはり先般の調査会の報告書にも提言されておりましたので、その内容をつまびらかにするために、われわれとしては調査を行いまして、そうしてこの難視聴の実態を把握してこれに適切な対策を立てよう、こういうことで現在調査を行っておるところでございます。
#20
○森勝治君 電波監理局長に再質問をしたいのですが、いまの報告の趣旨は、かつてNHKと民放というのはあらゆる面で競合的な立場でしたね。たとえば4チャンネルとNHKが放送塔の高さの競合をいたしましたね、五百五十メートルだ、六百メートルだ、六百五十だという競合をいたしました。そういう愚は改めよと言って私は当時指摘をして、そんな民放とNHKがけんかする時代じゃないじゃないか、相寄り相助けていくべきではないかと言って指摘したように私は記憶をするのですが、いまはそういう競合時代から共同の時代に変わったというふうに私はあなたの説明から受け取ったのですが、そういうことですか。
#21
○政府委員(石川晃夫君) 考え方といたしましては、ただいま先生おっしゃったとおりでございます。ただ、やはりそれぞれの立場がございまして、完全に同一歩調をとってこういう建設を行うという段階までは至っておりませんが、考え方としては、非常に両者とも歩み寄りまして、そしてなるべく難視聴地帯の解消を行おうという方向に来ております。特にこのミニサテなどの建設におきましては、そういうような考え方が顕著に出てきておりまして、NHKが大体中心になりまして、民間放送がNHKのつくった設備に乗ると申しますか、共同して同じ地区にサービスをする、こういう体制になっているので、先生のおっしゃったとおりだというふうに考えております。
#22
○森勝治君 それでは、NHKも民放もこれから共同への同一歩調というのがずっととられていくことが好ましいのでしょうか、自由競争に力量の限りみずからの力で突っ走った方がよいんだろうか、その点ちょっと。
#23
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先ほど先生から五百五十、六百五十メーターの鉄塔の話が出ました。私らは見てまして、大変、なぜあんなに鉄塔が要るんだろうという疑問を素人ながら持ちました。私は、もう民放とNHKというものは共同歩調。中で、特に争わなければいけない問題は番組でございます。よりよい番組を国民に提供するという意味では競争の原理が働くべきであって、少なくともその流される番組というものは高い価値観のあるものであります。ですから、そういう意味でやはり共同して、今後とも民放、NHKが国民によりよい番組を、また、だれかれなくすべての人が見られる方向に持っていくべきだと考えております。
#24
○森勝治君 それでは次の問題に移ります。
 本収支予算に対する郵政大臣の意見書を拝見いたしましたが、例年になく多項目にわたって配意事項というものを指摘されておられます。これは小宮山郵政大臣が公共放送に対する考え方、換言すれば積極的な行政姿勢を示したものとして私はこの点は評価してよかろうと思うのです。別にほめているわけじゃないんです、評価してよかろうと言うんです。
 さて、何といってもNHKの最高意思機関というものは経営委員会にあるわけであります。したがって経営体質の転換はこれを構成する委員、メンバーの消長いかんによって私はいろいろの変遷というものが出てくるだろうと思うのです。私どもは昨年度の収支予算の承認の場合でも附帯決議をもって経営委員会の体質改善あるいはまたメンバーの構成について善処方を要望してあるわけでありますが、新しい所管大臣としての郵政大臣は現在の経営委員会の構成というものを最上と見るのか、現状やむを得ないとするのか、もう少し事態に対応する工夫が必要であろうとされるのか、この辺をひとつ大臣からお聞かせを願いたい。
#25
○国務大臣(小宮山重四郎君) 大変むずかしい御質問でありますが、その前段に私が申し上げたいことは、経営委員会あるいは理事者側あるいは職員というものが現状のNHKの経営のあり方、また長期展望に立ったNHKの物の考え方というものを持っていただく。特に経営委員会の方々あるいは理事者側には、昭和六十年ぐらいの展望から逆算して、いま何をすべきか、そういう展望を持って経営に当たっていただきたい、そういうことが私の今回の意見書の大きな要点であります。
 で、いま先生の御質問のNHKの経営委員会の構成あるいは経営委員会を最上のものとするかということになりますと、これは大変むずかしい問題であります。しかし、そういう機構そのものというものがどうあるべきかということになりますと、現状そういう方向で長い歴史と伝統のあるNHKがそうやってこられた中で、私はそういう機構よりも危機感というものが先行すべきである、そういうふうに考えておりますし、NHKの経営委員会についてはそういう危機感の上であるいは長期展望の上に立って理事者側、職員の方々に方向を示すべき、また理事者、職員もそういう方向に向かってやっていくべきだと考えております。
#26
○森勝治君 ところで、大臣、五人の経営委員が二月で任期が切れておりますね。これからいよいよ後任を決める、あるいは人によっては再任ということになるのかもしれませんが、この人選に当たっては受益者の利益になるような、何と申しますか受信者の利益代表とでも申しましょうか、そういうことになるような立場の人や、また、経営委員会の機能というものを活発化させるように年齢的にもその構成について御配慮を煩わさなければならぬような気がするのであります。
 過去における経営委員会は、必ずしもわれわれが万全の御期待を申し上げてきたと口外するにはいささかちゅうちょする姿が幾たびか見受けられました。したがって私どもはもっと大所高所からあらゆる角度から期待される民主化されたNHK像というものを前面に押し出し得るような経営委員会の構成こそ望ましいものだと考えます。したがって将来はいざ知らず、二月の二十五日ですか、任期が切れたこれら五人の諸君の後任問題についてどういう立場で選ばれるか、このことをひとつお聞かせを願いたい。
#27
○国務大臣(小宮山重四郎君) 経営委員の後任につきましては、現在取り運び中でございますので具体的なことは申し上げることは差し控えさしていただきたいとは思いますけれども、私は、経営委員もさることながら、やはり開かれたNHKであるということ、そういうことも考えておりますし、実際いままでいろいろな努力をされてこられた経営委員の方々の御苦労に対して多といたしますけれども、郵政大臣として、経営委員、その他の問題についても、また経営そのものについてももう少し積極的な経営をやっていただきたい、また積極的な意見の交換をやっていただきたいという考え方を持っております。
 ただ、経営委員そのものは大変努力をされて今日のNHKをつくられ、しかし、一つの危機に来た、転換期に来たことは事実だと考えておりますけれども、最初に申し上げましたように、任期満了となる経営委員の後任については現在取り運び中でありますので具体的なことは申し上げることを差し控えさしていただいて、先生の御意見は参考として承らさしていただきたいと思います。
#28
○森勝治君 大臣、参考じゃ困るんです。
 われわれは、十数年間、経営委員の任命、選出に当たっては、民意を反映できる者、公平無私で当たる者、積極的に発言のでき得る者という幾たびか数項目にわたって指摘をして、毎年、同じようにこの委員会でも、またほかの機会のあるごとにこの線を主張してきたのであります。だから参考などというそういう官僚的なことでなく、私の主張というのは恐らくどなたも御期待されている、会長みずからもそういうふうにしたいとお思いだと私は思うのです。しかし、会長のせんさくはさておきまして、何と言ってももう少し開かれた経営委員会であるべきではないかと思うので、もうひとつ重ねてその点お伺いをしたい。
#29
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先生のおっしゃいますように、私も同意見です。開かれた委員会であるべきだと考えております。また、開かれたNHKであると思います、そうならなけりゃならぬと思います。
 先生方がいままでいろいろなお話し合いをされたことも十分承知しております。参考ということでは困るということでございますけれども、いろんな方からの御意見がございますので、勘案して十分参考にさしていただいて今後ともやりたいと思っております。
#30
○森勝治君 今度はNHKにちょっとお伺いをしたいのです。
 坂本会長就任のときに、はからずもという表現を用いられたような気がしますが、はかったか、はからないかは私どもは知る由もありませんが、NHKの新しい、職員の仲間から出た新会長であるという、この厳たる事実というものは私は評価していいと思うのです。だから、はからずもなどと言わないで、もっと胸を張ってやっていただきたいような私は気がするんです。
 そこで、畳みかけて聞くわけじゃございませんが、大臣にも電波行政に対する所信表明の開陳をお願いした立場から、この際、やはりあなたからも、おれが会長になって前田や小野と違った出し物をする――出し物というのはちょっとげすの勘ぐりで適当でありませんが、いま大臣がいみじくも私の設問にお答えになって開かれたNHKにしたいと大臣はおっしゃる。だから、あなたはそういう問題についてどう考えられるか、この際、所信表明はお伺いしましたが、所信じゃなくてもいいんです、願望でもいいんです、部内から出た職員の代表会長としてNHKのあるべきあなたの展望をひとつここで披瀝していただきたい。
#31
○参考人(坂本朝一君) 先生御指摘のように、私に課せられました使命というのは非常に重大であるという認識をまず第一に持っておる次第でございます。ただいま大臣からNHKが一つの転機にある、会長以下危機感を持って事に当たるべきではないかというような御指摘もございました。まことに私もそのとおりだと思います。
 そのためにはNHKがどうあるべきかということは、私がNHKの内部から選出された、されないは別といたしまして、やはり視聴者のためのNHK、視聴者の意向を十分吸収し、それを反映し、フィードバックするNHKということでなければならないんじゃないか。そのためにはNHKの使命である、何と言っても番組の充実と申しますか、そういうところにすべての知恵と努力を結集する。半面、NHKを支えます受信料制度を守るということのためには、受信者の方々にお一人お一人負担していただく、そういうことをNHKを理解していただく上に立って万全を期す。この二つの柱、それに当然法律で定められております難視聴の解消というのはこれはもう当然言わずもがなのことでございますが、そういう線で私は懸命の努力をしたいというふうに考えておる次第でございます。
#32
○森勝治君 私どもは、当委員会におきまして、前年度の収支予算を承認するに当たりまして附帯決議をもってこういうふうにNHKに要望をしておるわけです。広く国民の意向を吸収し、これを運営面に反映させる施策をさらに積極的に推し進めるべきことと要望をしたところでありますが、この点についてNHKはどのような措置をとられたのか、第一点。
 と同時に、数項目にわたって決議をしていますが、それらの問題についてひとつどう措置をされたのか、されなかったのか、簡潔に御報告を願いたい。
#33
○参考人(坂本朝一君) 五十一年度予算御承認の際に承りました附帯決議の趣旨に沿いまして、私どもといたしましては、昨年の七月に国内放送番組審議会の委員の構成と機能の充実ということの基本的な方針を明らかにいたしました。それから八月に副会長を長といたします広報推進本部というのを設けまして、視聴者の方々の意向を反映することの具体的な手だてをこの広報推進本部において検討いたしました。その結論といたしまして、全国に府県を単位といたしまして五十三の地区に視聴者会議を設けまして、これは十二月から始めておりまして、その視聴者会議を通じて具体的な御意思を吸い上げる、開かれた経営ということの一端にしたい、こういうことでございます。
 なお、五十二年度の事業計画の遂行の中でも、当然、この点は最重点の項目として推進する予定でございます、また、従来実施しておりました世論調査であるとか、その他もろもろのモニター制度等の充実ということもあわせて行いまして、附帯決議の御趣旨に沿いたいというふうに考えております。
 なお、個々の具体的な点につきましては、担当の理事者から補足説明をお許しいただきたいと思います。
#34
○参考人(堀四志男君) 御説明申し上げます。
 番組審議委員の構成及び年齢の若返り等につきましては、かねてから問題になっておりまして、私たち、ただいま会長が申し上げましたように、昨年七月、審議会の学識経験者という法律の規定をさらに進めまして、その分野も明らかにした方がよろしいということで、中央番組審議委員につきましては、マスコミ、産業、経済、農業、漁業、労働、消費関係、福祉、スポーツ、教育、それから学術、芸術等に分けまして、さらに地方番組審議委員につきましてもほぼ同様の趣旨で分野を一応定めまして、そこも学識経験者ということで新しい委員の任命の基準としたわけでございます。
 なお、この番組審議委員につきましては、それに先立ちまして、昭和四十八年の秋に、何としてもいま番組審議委員の先生が昭和三十四年に法律で定められて以来余りメンバーの交代がなかったということからこれの規程を一部改正いたしまして、連続四期を限度にお願いしようということを決めまして、そしてそれ以外の数は、中央番組審議委員におきましては十一名の方がおやめになりまして、新たに十二名委嘱して五二%ということで、年齢も約六歳若返りました。また御婦人も二名から四名になりました。地方番組審議委員も約三分の一刷新いたした次第でございます。さらに具体的に申し上げますと、昭和五十一年一月一日に比べまして一年間で地方番組審議委員につきましては年齢が四歳若返りました。そしてまた婦人の総数において二十二名ふえたというような結果に相なっておりまして、この委員会での附帯決議の趣旨を十二分に生かすように努力をいたしておる次第でございます。
#35
○参考人(反町正喜君) 五十一年度の参議院逓信委員会の附帯決議のその後の実施状況について概略申し上げさしていただきます。
 「難視聴解消を効率的に推進するとともに、その抜本的対策を速やかに具体化すること。」これにつきましては昭和五十一年度テレビジョン中継放送局及びテレビジョン共同受信施設設置計画に対します暫定予算実施による影響を極力解消するよう努力しておりまして、年度計画の中継局二百地区、共同受信施設九百地区の設置については当初の予定どおり実施できる見通しでございます。これらの施設を進めるに当たりましては、極力、効率的な難視解消の推進に努めておりまして、特に先ほどからお話がありました小規模地域に適した低廉な極微小電力のテレビジョン放送局、いわゆるミニサテを積極的に導入いたしておりまして、民放の併設につきましても十分配意して取り組んでいる次第でございます。
 また「国際放送に対する国庫交付金を増額するほか、受信料免除措置を検討し、協会の財政負担の軽減をはかること。」これにつきましては郵政省御当局の御尽力によりまして昨年よりも大分増額されておる次第でございます。
 なお、受信料免除云々のことでございますけれども、これにつきましては受信料免除措置全般について検討いたしますとともに、昭和五十一年度及び五十二年度の各省庁概算要求時に合わせまして関係各省大臣あてに免除額の国庫補てんに関しまする要望書を提出いたしました。その後も折衝を続けてまいりましたが、いまだ免除額の国庫補てんは実現に至っていない実情でございます。
 それから「協会は、事業の運営にあたり、広く国民の意向を吸収し運営面に反映させる施策を、さらに積極的に推進すること。」につきましては、いま会長が申し上げましたんですが、これは各界各層の方々、全国五十三カ所に一カ所約二十名の委員をお選び申し上げまして、すでに第一回が終わりましたが、大体におきまして年間三回、つまり新事業年度の五月ごろに一回、それから次年度の事業計画、予算計画を策定する事前の九月ごろに一回、それからそれらがまとまりまして国会へ提出する段階の二月ごろに一回、都合三回程度――東京は五回程度やろうと思っておりますけれども、そういうふうなことで第一回が二月末日に全国的に終了したということでございます。
 以上、はなはだ簡単でございますが……。
#36
○参考人(山本博君) ばらばらで恐縮でございますが、効率化の問題の附帯決議に対しましては、五十一年度を起点といたしまして三カ年間もろもろの施策を講じましてできるだけNHKの合理的な効率的な運営を図る、その結果、受信料の負担というものをできるだけ少なくするということはこれは当然の努力すべきことでございますので、五十一年度におきましては、御審議を願いましたときに約十二億円の節減というものを図る計画にいたしておりましたが、ほぼこれを上回る節減の効果、約七億円ぐらい上回る節減の効果を五十一年度末までに上げることができる予定になっております。
 なお、五十二年度につきましては、それに加えましてさらに七億円強の節減を図りたいということで、御要望の趣旨に沿うように努力をいたしております。
#37
○参考人(中塚昌胤君) 附帯決議の中に「受信料制度について受信者の理解と協力を得る方策を強化して、受信料の収納、負担の公平に万全を期すること。」というのがございます。今年度、五十一年度御承知のように協会は受信料の改定を行いました。私どもも、当然のことながら、この改定された受信料が確実に収納される、新しい受信料額が定着するということが何よりも受信料制度を維持していく上に必要であるということで最大の努力をいたしました。そのためには、まず協会の使命、これが受信者の方々に十分理解され、その上に立ってこの協会の使命を達成していくための財政制度としましての受信料制度、これについて十分な御理解を得て御支持をいただかなきゃならぬということで、事業の内容あるいは協会の使命等につきましていろんな方法、たとえばNHKの放送番組あるいは新聞その他のマスコミ機関を通じまして最大の周知をしてまいりました。そしてまた日常の収納の業務につきましては、第一線の集金の担当者に最大の努力をさせまして、私どもが予想しておりましたよりは収納面でもよい結果が出た。しかし、昨年度に比べまして収納の低下はございますけれども、この受信料の改定というときに当たりましてある程度の成果を得たというふうに考えておりますが、今後、さらにいろんな広報活動、視聴者会議あるいは視聴者懇談会その他のマスコミ等によります周知によりまして十分な御理解を得て、収納の向上に努め、負担の公平を期してまいりたい、このように考えております。
#38
○参考人(川原正人君) 附帯決議にございました従業員の待遇の改善につきましては、社会的な水準に合致しますよう最大の努力をいたしまして、当然のことながら労働組合とも十分な協議をいたしまして、今後とも社会的な水準に合うような待遇をいたすよう努力をしてまいります。
#39
○森勝治君 この際でありますから、特にNHKの皆さん方に私の考え方を、決議なるものの考え方を述べて御協力を願いたいと思うのであります。
 従来、私どもは、しばしば予算案採決に当たりまして、毎年のように数項目の決議を行ってまいりました。しかし、過去におきましては、どのような形で生かされたかという追跡はほとんどしておりませんでした。しかし、決議にいたしましても、かりそめにも当委員会の意思決定ということになるわけですから、当然、皆さんはこれの意思を尊重して事業の運営に取り入れるものは入れてもらわなきゃならぬわけです。
 ところが、われわれもその追跡を怠ったせいかもしれませんが、決議のときにはかしこまって候とおっしゃっておられるが、なかなか実行の段階ではわれわれの意思が具体的に反映できない、実現できないうらみがございました。それではならじというので、私はこういう決議の行方について追跡質問をしているわけですが、これからどうかひとつわれわれ委員会の決議という形で行われるにしても、開かれたNHKに期待をする余り、もろもろの注文をつけるわけですから、決議の内容などをおろそかにせずに、できるだけひとつ委員会の意思を業務の上に反映するように特にお約束を願いたい、会長、お約束を願いたい。
#40
○参考人(坂本朝一君) その点につきましては、先生のおっしゃるとおりだと私もかねてから考えておりますし、いま担当の役員が一つ一つについて御報告申し上げましたように、努力をいたした結果、必ずしも決議の精神に十分沿い得なかったという点ももちろんあろうかと思いますけれども、その基本的な姿勢としては、そういう方向で今後もやるということは申し上げられるかと思います。
#41
○森勝治君 いま会長の意向は決議を尊重するという御意向だというふうに私は承りますが、よろしいですね。――
 それでは次に移ります。
 先ほど質問の中で、決議の内容についてそれぞれ数項目にわたって所管の方々から説明をいただいたわけであります。番組審議会についてもお答えをいただいたのでありますが、私どもがこうした番組審議会の問題についても決議をした「受信者の意見が的確に反映できるよう」等々、われわれが要望いたしましたのは、どうも最近のNHKの報道姿勢や番組について不満を表される向きがあるわけです。だから、われわれのこの決議となり、私の申した質問ということになってくるわけでありますが、この番組審議会にいわゆる視聴者の意向をより的確に反映させるためには、メンバーの構成の改善だけであってはならぬと思うのです。番組審議会の民主的運営と申しましょうか、体制の整備がどうしても必要になってくるような気がするんです。
 そこで、たとえばその番組審議会の中の審議内容を外に出す、すなわち公表するとか、そこでもろもろの交換された考え方というものを議事録に残すとか、そうしてそれを視聴者の縦覧に供するとか、いろいろ方法はあるだろうと思うんでありますけれども、何といたしましても、NHKはどうも時の権力に押されがちだという世評と申しましょうか、そういうふうに何かこう政治権力か何かが介入したようなうわさが出るときには、あたかも毅然とした態度をきのう唱えているかと思うと、台風一過、波間にそよぐアシの気配をたまたまNHKは示すということで、非難が集中される向きがときには出てくるような気がするんです。
 ですから、そういう面からいたしましても、私は重ねて申しますが、この審議会の役割りや審議状況などというものをむしろ番組を通じて周知徹底をして、開かれたNHKというものを具体的にそういう場面でもやはり見せていく必要があるのではないか、私はそう思うのでありますが、私が幾つか思いつきで恐縮でありますが、一、二、こういうこともいいじゃないか、ああいうこともいいじゃないかと質問の中で提示をいたしましたが、そういう問題は全く耳をかす意思がないのか、それともそういうふうにやっていこうとするのか、それを聞きたい。いずれにしても、どうしたら開かれたNHKであり、どうしたら番組が皆さんの期待を持たれるような番組として生まれ変わって生き返っていくのか、この辺についてひとつ考え方をお聞かせ願いたい。むしろこれは会長というよりも担当の理事の方がいいだろうな。
#42
○参考人(堀四志男君) お答え申します。
 全く御趣旨のとおりだと思っております。そうしてわれわれといたしましても、去年の新しい構成による番組審議会の発足とほぼ時を同じくいたしまして、記者会見において、はっきりそのたびごとの中央番組審議会の模様を公表いたします。そうしてさらにその同趣旨を「NHK通信」に掲載して公表し、場合によっては同趣旨の印刷物を希望者に渡すように、相談センターなどに昨年の秋以来用意してございます。さらに番組審議会に対するいろいろな世論の反映といたしまして、単に先生方の個人的な情報だけではと思いまして、世論調査の結果とか、あるいは放送番組モニターの報告とか、さらにことしに入りましては、視聴者会議の結果等について各責任者が番組審議会に赴きまして内容を説明いたしまして審議のお助けをするという運営をいたしておるわけでございます。また、NHKの番組におきまして、中央番組審議会の委員長でございます東畑先生に御出演願って、番組審議会の活動等についてお話をし、直接視聴者に訴えたという例もございます。
#43
○森勝治君 いま各担当からるる改善策、方針等をお伺いいたしましたが、皆さんがせっかく御努力して御答弁をしてくださったにもかかわらず、開かれたNHKになろうと努めておられるにもかかわらず、残念ながら受信料の不払いは減少しておらないというこの厳たる事案をどうしても私は見逃すことができないのです。
 かつて、私は、先般やめられました小野会長が副会長時代に、言葉をかえますと前田会長時代に、NHKの不払いの問題について、いま善処しなければやがて将来NHKの命取りになるぞと私は警告したことを、私が提言したのですから覚えておるのです。そのときに当時の副会長でありました小野さんは、先生それは杞憂にすぎませんよと、未払いはわずか三万人そこそこですから、そんなに拡大しませんから、どうぞ御心配これなきようにというのがお答えでありました。そのときに私は言葉を重ねて小野さんに申し上げた。小野さん、あなたはそんなことを言っておるけれども、針の穴から崩れたというたとえもあるじゃないか、いまにして対策を講じなければどんどんどんどん広がっていくよと私は警告を発したことを、自分で言ったのですから覚えておるのです。残念ながら私のこの警告がいま現実の姿になっている。NHKがどんなに当面を糊塗しようともこの事実を払拭できないようなむしろ根が生えつつあります。非常に私は残念だ。
 あの当時、もっともっと皆さんが開かれたNHKであってくださるならば、もっともっと番組に対する国民の期待というものをどんどんどんどん吸い上げて新しい時代に対応する番組の編成をしてくださったならば、本当に私が心配したことは当時の小野副会長が言われたように単なる杞憂であったかもしれません。しかし、いまこの問題をNHKは避けて通れません。受信料の不払いの問題は避けて通れません。先ほど受信料の収納等の問題についてもお答えがありましたけれども、私はまだまだNHKがやるべきことがたくさんあるような気がするのです。期待にこたえる開かれたNHKにしますと言うけれども、一つ一つの事象をとらまえていくと、どこが一体NHKの体質が変わったんだ、どこに改善策があったんだ、なかなか見られないじゃないですか。見られるならば胸を張って皆さん答えてください。集金の問題についても、不払い運動を続ける諸君との会話にいたしましても、開かれるどころじゃないじゃないですか。あなた方は門戸を閉ざして会見すらもしないじゃないですか、なぜ門を開いてみずから出向いて話をしないのですか。包囲された戦国の武将ならいざ知らず、NHKは、門戸を開くならば、進んでそういう方々の不信感を払拭する努力をすべきだ。このことについてどうです、不払いの問題について。――いや会長じゃなくて、これはもう担当の所管がやっているんですから、会長がそんな一々答弁をしなくてもよろしいです、担当にさしてください。
#44
○参考人(中塚昌胤君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、滞納の数というのがふえていることは事実でございます。五十一年の九月末の時点を見ましても滞納の数が約六十五万ということです。その中で常時不在というのが約七〇%で四十四万ほどございます。そのほかに約二十万あるわけでございますけれども、その中の約八万は航空機による騒音であるとか、あるいは受信障害等によって不払いというのでございます。で約十二万七千、約十三万は、無理解と申しますか、NHKの番組が気に食わない、あるいはNHKの経営姿勢がなってないというふうな理由によってお支払いいただけない、そういう方でございます。
 この無理解による不払い、これは前年度、五十年度の数字に比べまして約二万二千ふえておりまして、パーセンテージにいたしますと約二〇%ふえております。常時不在というのは約三万ふえておりまして、これはパーセンテージは六・三%でございます。航空機騒音による不払いとかあるいは受信障害というのはほとんど変わっておりません。で、このようにNHKに対する批判、番組なり経営姿勢に対する批判によって払われないという方のふえ方が一番多いということは私ども一番やはり問題にしなけりゃならぬ。もちろん常時不在という方に対しては、私ども営業といたしまして、在宅されるときにお伺いをして収納するという、いろんな手だてを考えてやってまいりたいというふうに考えておりますが、NHKに対する批判によって支払われないという方々に対しては、先ほども申し上げましたように、NHKの使命とかNHKの業務の内容、NHKの経営姿勢というものについて十分お話し合いをして御理解をいただいて支持を得るという努力をこれからも最大に続けてまいりたいと思います。
 で、先ほど先生御指摘になりましたNHKに対するそういう不払いのグループがございます。そういうリーダーの方に対しては、従来も現場で直接お会いをいたしましてお話し合いをしてまいりましたけれども、先ほど先生の御指摘のように、現場の第一線の責任者だけではなくして、私ども経営の責任にある者がやはり直接お会いをしてお話し合いをするという努力を今後続けてまいりたいというふうに考えております。
#45
○森勝治君 いまのは、昨年の新料金を実施後の状況の説明でしたね、そうでしたね。
 そこで、いま最後に言われました現場の係のみならず、NHKの幹部も――批判等でいろいろ申し込み、これこれの理由でと、こう言ってくる模様ですが、そういうもので、いまのお話では現場の係ばかりじゃなくて本部の皆さんも会うべきである、また会ってもらいたい、こういう意向だろうと思うのですが、会長、そのとおりやってくれますか。気に食わないから会わないなんという殿様商売だめですよ。
#46
○参考人(坂本朝一君) いま中塚担当専務が申し上げたとおりで、われわれの努力ということは、そういうところからやはりスタートすべきだろうというふうに考えております。
#47
○森勝治君 皆さんがこの問題について努力されていることは私は多とします。大変御苦労されておられます、現場では。しかし、残念ながら収納実績というのは漸次低下している。たとえば昭和四十七年度のときに一%であったものが四十九年度にはもう二%にこれ上がっちゃった。料金改定後にそれがさっき言われたようにぐっと。漸増じゃない、激増しているこの状態ですね。したがって、これを解消するためには、やっぱり何といっても現場の諸君の士気を高揚する必要があるんじゃないですか。
 皆さん、いま集金制度はどうなっていますか、集金制度どうなっていますか。委託ですね。そのシステムをちょっと教えてください。
#48
○参考人(中塚昌胤君) 現在、集金のやり方といたしましては、NHKの外務の職員、これが直接集金する分、これは非常に全体のパーセンテージはわずかでございます。ほとんど大部分は委託の集金の方々にお願いをいたしております。それから一部辺地と申しますか、そういうところは郵政省に委託をいたしております。
#49
○森勝治君 私は、NHKがいわゆる営業コストと言うんでしょうね、営業コストを度外視したことをやれと強いておるんじゃないんです。しかし、先ほども説明がありましたように、常時不在とか世帯の移動等に対してはもう少し手の打ち方があるんじゃないかと思うのです。ところが、いまいみじくも言われました集金の方々は委託であります。実効が上がらなければ報酬が払われない、対価が払われない。常時不在で何回行っても一銭にもならないでしょう、皆さん。それで集金せい集金せいと言ったって、その辺がなかなかむずかしい問題があるんじゃないでしょうかね。何回行っても不在、不在だから自分の収入にならぬでしょう。これを何回でも努力して行けるように何とか身分の保障を考えてやらぬことには、あなた方が幾ら口でうまいことを言ったって実効は上がってこないんじゃないですか。やれやれと言ったって人間は生きなきゃならぬでしょう。
 いま前段に中塚さんが言われた職員としての外務員ですね、外勤職員ですね、そういう人たちは、こういう請負の方々がこれは行ってみてだめだと、こう回ってくるものを、それからどんどん行く、そういう方々は何回行っても生活を保障されているから行けるかしらぬが、外務の人は行けないでしょう。大部分が請負契約でやっておるんでしょう。ですから、その辺のことをもう少し思いやりのある施策を講じなきゃ受信料の回収向上なんというのは改善されないんじゃないですかね、どうですか。
#50
○参考人(中塚昌胤君) ちょっと先生誤解されておるんじゃないかと思いますので御説明さしていただきたいと思います。
 収納の仕事は、ほとんどは御承知のように委託の集金人に請負契約で委託しております。で何回行ってもどうしても会えない、収納できないという、先ほど申し上げました昨年の九月末現在の滞納六十五万というのは、これはその委託の集金人の受け持ちの中には入れておりません。で、そういうふうに滞納になりましたものは、外務のNHKの職員、これが滞納対策としてこの外務の職員が担当を受け持って、それの対策に当たっているというのが実情でございます。
#51
○森勝治君 中塚さん、言葉を返すようですが、ここは四階ですから、私は誤解した質問はしておりません。
 私の言うのは、いいですか、あなた方はいま滞納という言葉をじゃどこで規定するんですか。一回行ってだめなら全部本職員の外務職員が行くんですか、そうじゃないでしょう。一回や二回行ったって回ってこないでしょう。請負人が何回も行ってこの始末容易ならぬといって初めて回ってくるんでしょう、そうでしょう、中塚さん。だから言っているんですよ、だから。三度も四度も行ったってむだ足になるんじゃないか、幾ら努力しても。NHKはその集金の努力を、請負人が何回行ってもあなた方は一つも認めないじゃないですか。集金してこなければ労働の対価は払わないから、認めないじゃないかと言うんです。これで滞納を整理しなさいとか、完全に集金もしなさいと言ったってうまくいかない、実効が上がらぬじゃないかと言っているんですよ。誤解もハチカイもないんですよ、あなた、よく聞いてください。
#52
○参考人(中塚昌胤君) 確かに、委託の集金人が従来は一回ないし三回行けば収納ができたというのが、さらに足を運ばなければ収納ができないという状況にあるのは御指摘のとおりでございます。私どもが委託の集金人の方から、これはもうとてもわれわれの手には負えないから滞納として処理をして外務の集金の職員でやってもらいたいということが出てまいりました場合には、それを滞納の処理として外務職員にその対策に当たらせているというのが実情でございまして、確かに、先生御指摘のように、従来よりも委託の集金人の方々のロード、困難さというものが増加していることは事実でございます。
#53
○森勝治君 だから、どうすればいいんですか。委託の皆さんが何度行っても実効が上がらない、困難さが増してきた、じゃどうすればいいんです。
#54
○参考人(中塚昌胤君) 常時不在の方につきましては、早期あるいは夜間、それから休日等にそれに当たらせる。またアパート等におきまして不在の多いところにおきましてはアパートの管理人に預託をするというふうなやり方をやっております。
#55
○森勝治君 私の言うのは、そのことを言っておるんじゃないんですよ。請負の皆さんが集金が困難になったら、一体、どうしてあげればいいんだと聞いているんですよ。やる人がなくなっちゃうじゃないですか、そんなほったらかしておったら。
#56
○参考人(中塚昌胤君) その集金のやり方についていろいろ教育をし指導をいたしますと同時に、委託の集金人の方々の処遇についても私どもとしてできる限りの努力をしているつもりでございます。
#57
○森勝治君 大臣ちょっとお伺いします。
 大臣は、本年度のこの収支予算案の大臣の意見書として「極力受信者の負担増を来さないように努めるとともに、長期的展望に立った経営の在り方について検討を行うべきである。」と、こう指摘されております。これは何を指されるんですか。
#58
○国務大臣(小宮山重四郎君) いま先生がおっしゃった意見書に私が書いた「極力受信者の負担増を来さないように」、それから「長期的展望に立つた経営の在り方について検討」する、二つの事項でございます。
 まず第一に、私が一番懸念いたしておりますのは、収入増というような問題は少なくとも五十三年程度まで見ていかれますれども、五十三年以降その伸び率というものは相当少ないであろう、しかし、支出というものから考えますと相当伸び率を考えざるを得ない。そうなってまいりますと、やはり経営というものが行き詰まる、また、それはひいてはよい番組を提供できないということになりかねない。そういうようなことで、特に「長期的展望に立った経営」というもの、それは長期的展望に立って、逆算していま何をすべきかということ。
 たとえば昭和六十年というものを設定いたしますと、少なくともNHKの職員の年齢というものは相当高いものになる、それから相当高い給与を受けなければならないということになりますと、それにはどのようなことが必要なのだろうか。経済的に言いましても、黙っておっても全国的な就業者の平均年齢というのは三歳延びる、それから定期昇給がある、その上にベースアップが出てくるわけでありますから、そういう長期的展望から逆算して、いま何をすべきかということを私はNHKに問うておるのであって、苦しいから前段の「極力受信者の負担増を来さないように」ということを、ただイージーゴーイングで物を考えないでいただきたいということであります。
#59
○森勝治君 私は、数年前から、受信料の免除措置、この再検討についてしばしば要望してきたのでありますが、ことしも、また、この問題がそのままにされております。ちなみに昨年のNHKの負担による免除額は約四十五億円、本年度は五十億円に上ろうとしております。
 そこで聞くんでありますが、私はこの種のものは当然国庫補助でしかるべきだ、国庫が補てんをすべきだという考えを持つものでありますが、いまNHKが経営が大変だ大変だと言っている中で、五十億だ六十億だという巨額に上るこの免除措置の問題については、何といってもこの辺でこの問題について新しい観点に立たなきゃならぬような気がするんです。本来、この種のものは国がやるべきものをNHKの犠牲においてやっておるわけですから、したがってNHKが今日経営の危機が叫ばれているときには、こういう問題についても新たな角度で見直さなきゃならぬ。すなわち、NHKみずからが行う負担の免除措置などというものは一考する必要があるではないかという声がもうそろそろ出てきておることは事実であります。したがって、この点についてどう対処されるのか、NHK並びに電波監理局長にこの点をお伺いしたい。
#60
○参考人(中塚昌胤君) たびたびの当委員会の附帯決議がございまして、私どもその線に沿って努力を続けてまいりましたが、残念ながら必ずしも実現に至っておりません。
 先生ただいま御指摘のように、私どももやはり国庫による補てんというものが原則であるというふうに考えております。しかし、この免除措置をいたしております中で、いろんな歴史的な経過を踏んできているものもございます。で、そういうものを全般的に再検討いたしまして、どういうふうにするかということを郵政省とも十分御相談しながら決めてまいりたいというふうに考えておりますが、この免除措置をいたしておりますものの中で、社会福祉的な見地からやっているもの、あるいは教育的な見地からやっているもの、かつ社会福祉的な見地からやっておりますものの中で施設について行っているもの、それから世帯について行っているもの、こういう種類がございます。やはりそれぞれの趣旨を十分考えまして抜本的に再検討をいたしたい、このように考えております。
#61
○政府委員(石川晃夫君) 郵政省といたしましても、NHKの負担を何とか軽減できないかということで関係各省庁とも折衝してまいりました。しかし、この問題につきましては従来からの長い経緯がございますために、各省庁とも何とかこの制度を存続していただきたいという希望がきておりますので、実は、各省庁との結論がまだ出ていないという段階でございます。
 しかし、この受信料免除の問題につきましては、従来も、御案内のように、NHKの方で免除基準というものをつくりまして、郵政大臣の認可を受けるという形になっておりますので、やはりNHKの方でも十分検討していただかないといけないということで、先ほど中塚参考人が申しましたように、NHKといたしましてもこの問題に本格的に取り組もうということで、現在、検討中ということを聞いております。この見直しにつきまして検討の進む段階におきまして、当然、われわれといろいろ相談が持たれると思いますので、その際には、NHKの内容を十分反映できるような形で相談に乗ってあげたい、かように考えております。
#62
○森勝治君 事業所と呼ばれる数が大体六百万前後と、こう言われていますが、非世帯の契約数は五十一年度で六十四万、五十二年度で七十二万というNHKの数字が出されています。しかし、電電公社の電話の関係を見ると、五十一年度末で事務用電話が約一千百七十三万加入、住宅用は二千二百六十二万加入。ところが、五十一年度末のNHK契約総数は二千七百十八万件、うち非世帯が六十四万件、五十二年度二千七百八十七万、うち非世帯数が七十二万と見込まれています。これを見てもわかるように、電話加入者はテレビ契約者数をはるかに上回っております。しかも、事務用と住宅用では基本的に基本料がすでにもう変わってきておることは皆さん御承知のとおりです。受信料に世帯、非世帯の格差を設けることをもう当然検討する時期に来たと思うのですが、この点はどうされようとされるのか。さらに契約区別というものを厳格にすることによって数百万の契約件数の増加が図られるのではないか、こんな気がするのです。
 NHKは財政の安定化というものを重要課題に掲げておりながら、なかなか殿様商売的で新機軸を出そうとしない。もっとも現状維持が身の安全を保つのには一番よいんでしょうから、変わったことはやる必要がないかと思うのですが、大臣もいみじくも言われたように、もうNHKも開かれたNHKにしなければならぬし、開かれた開かれたと言いながらさっぱり開かれないNHKを、この辺でひとつ開かれたというような、目が覚めるようなことをひとつやってもらいたい。
 これらの受信料にしても、私はNHKが至るところでむだ遣いをしているなんて失敬なことは言いません。しかし、われわれの目から見れば、あるいはこうすればもっと効率的になるんじゃないかということが幾たびか指摘されました。私は数年前に具体的に一つ一つの特徴的な事象、これはむだ遣いじゃないか、これはむだ遣いじゃないかということを指摘したことも、私は私が発言したのですから記憶いたしておりますが、きょうは、そこまで言いません。言わないけれども、どうもそんな気がして仕方がない。NHKは優等生であるから過ちを犯すことが許されない――だれも許されないなんて言っていない。許されないと言っているのはNHKだけが言っているんですよね。しかし、そういう尊大と言っちゃ失敬だが、そういう考え方が脳裏の奥底のどっかにうごめいているようだと、これはもう激しい時代の進運におくれをとるような気がする。だから、この辺で、その点では非常に抽象的な表現を用いますが、ぜひとも新しい時代に対応できるように脱皮していただきたい。
 私は、この際、きょうは申しません。しかし、私がかつて一つ一つ指摘したような問題が今後もわれわれが見て改善策がなされなければ、この次の発言のときには、ここがむだ遣い、ここがむだ遣い、ここがこうだということを私は指摘せざるを得ないのです。恐らく部内から会長を出したということはNHKにとって画期的な出来事である、全職員が恐らくふるい立っていると思うんです。新しい民主化されたNHKを目指して、全員が会長以下私はいま勇躍、何というか、おれはやるぞという気持ちになってくださっていると思うのです。だからそれに御期待申し上げて、私はいまのような発言をしているわけです。この点についてこれはもう、もっとも、増収といいましょうかね、料金徴収の方法としての一、二を私は申し上げたわけですから、まず、そのことについてお答えをいただきたい。
#63
○参考人(中塚昌胤君) 非世帯の受信料について、世帯受信料と格差をつけるべきじゃないかという先生の御指摘でございますが、私どもは、現在、世帯契約につきましては、一世帯で何台受像機を所有しておられても一契約ということにいたしております。それに対しまして、非世帯につきましては、その台数分だけ契約をしていただくということで、そこで世帯と非世帯について差をつけているということで、これ以上非世帯の一契約について高くするということについては、その格差をますます広げるということになるのではないかというふうに考えております。
 それから非世帯の中で小規模の店舗、住居と店舗が隣接している、同じ屋根の下にあるというふうなものにつきましては、その区別が実際上非常にむずかしい点もございます。それから、こういう小規模の飲食店であるとかあるいはたばこ屋であるとか、そういうところでその台数分だけ契約をするということにいたしますと、こういう小規模な企業の方々、そういう方々に非常にシビアになる。やはりこういう方々については世帯契約ということでやっていいんではないかというふうに考えております。
#64
○森勝治君 どうもお殿様商売と話しているような気がしてならぬのですよ。私は積極的にやれと言っているんだが、会長、いまの話は消極的ですね。やりません、やりませんと言っている。自分たちがそう思わなくても、私たちがこれで提案したら、検討する価値があるんじゃないでしょうか、私はそう思う。
 そこで一つ聞きたい。たとえば、遠い話をします、遠いというのは距離的に遠い話。北海道に網走市というところがありますね、網走市の契約率が一〇三%というんですね、これはどういうことですか。私は一〇〇%というのが最高だと思ったら、契約率一〇三%と言います。これがNHKの算術計算ですね。
 私はこう思うのですよ。たとえば網走市にテレビが百台あるとする、このうち九十七台契約すれば契約率が初めてここで九七%達成したという統計が成り立つと思うのです。ところがNHKさんは網走市に何百台あろうともお構いなしだ。世帯が五百戸あれば、一世帯に一個だから五百つけば一〇〇%、こういうことをおやりですね。これじゃ、一体、予算案を出したのと実態と大分金が違うんじゃないですか、上がってくる金が。違いませんか。この統計をとる基準というものを明らかにしていただきたい。テレビがその町に何台あるか、重ねて申しますよ、この町にテレビが何台あるか。さてこの何台のうちNHKと何台契約されているのか、だからパーセンテージが幾らだと、こうなるんじゃないですか。
 皆さんは、全国のテレビの分布状態を調査されたことがありますか。これが二点目の質問です。
#65
○参考人(中塚昌胤君) 網走市の契約率が一〇〇%を超えているという御指摘でございますが、私、いま手元にそのデータを持っておりません。
 私ども、ある県にあってある時期に、普及率、世帯の数に対して契約の数、これが一〇〇%を超えるというのが統計の数字で出ている場合がございます。それは私どもが外部に普及率ということで出しております数字は、その分母にいたします世帯の数、これは五年ごとに行われる国勢調査の結果の世帯数を分母にして、そして契約の数を分子にいたします、それで普及率というのを出しております。したがいまして分母が五年間同じでございますので、その間に契約数がその世帯数を上回る――もちろん、その世帯のふえているというのがほとんどでございまして、非世帯契約によって一〇〇%を超えているということはございません。
 それから契約の数によってテレビが全国的にどういうふうに分布しているかというのはわかりますけれども、テレビの受像機が全国的にどういう形で分布しているかという資料は手元にございません。
#66
○森勝治君 後段の問題、それでよくあなた方は進め進めと号令かけられますね。全国にどのくらいテレビがあるかわからぬでね、よく料金算定ができますね。世帯数を勘案するのは古きよき時代の話でしょう、世帯数で計算の時代じゃないでしょう。テレビが何台あるか、そのテレビが普通のいわゆる一般家庭ならば三台あってもそれは一つの契約料金で済むということでしょう。そういう実態を調査しないでどうやって料金徴収をするんですか。だから殿様商売だと言うんですよ。そのくらいは調査網を広げなさい。たとえば国会の中にはテレビが何台ある、衆議院は何台、参議院は何台というふうに。全国のそのために出先があるんでしょう、そのために全国に営業網が広がっているんでしょう。それがわからぬで世帯数でやっていて、いやここは一〇〇%だ、これは何%って言ってみたって天につばするようなもんじゃないですか、それは、実態を把握しないで。
 五万なら五万その町にある。このうち何台契約しなければならない、契約してもらわなきゃならない、ぴしゃっと出さなきゃおかしいじゃないですか。どうですか、会長、そうでしょう。何台あるかわかりませんと、とにかく契約してもらうんだと言ったって目標が定まらないんでしょう。私はそう思うな。どうも最近のNHKのそのやり方、どうもぼくは了解しがたい。
#67
○参考人(中塚昌胤君) 先ほど、統計に出します分母に使います世帯数というのは五年ごとの国勢調査の結果の数字を使っているというふうに申し上げました。私どもが現実に毎年の事業計画を立て、この営業活動を進めてまいります場合には、厚生省の人口問題研究所の推計によって年々の世帯の数というものを推定いたしまして、でランダム調査によります数字でその世帯の数に対してテレビを持っておられる世帯数というのを出します。これは大体世帯数の九〇%。で、それを一つの対象にいたしまして、どれだけの契約をとるか、来年度ならばどれだけの契約をふやすかという計画を立てるわけでございます。
 それから非世帯につきましては、やはりモデル調査をいたしました結果によって六百万非世帯の中でどれぐらいのテレビの設置数があるかということをはじき出しまして、それで計画を立てるわけでございます。で現実にこの非世帯の契約を進めます場合には、それぞれの事業所、会社あるいは官公庁あるいはホテル等に直接伺って設置台数をお伺いをして、それで契約をするということでございまして、立ち入り調査というのがなかなかできませんので、まあ御申告のあった数で契約をしていただくというふうにして進めております。
#68
○森勝治君 ですから、皆さんの統計をとるときの基準というものが、NHKが普及率一〇〇%一〇〇%と言っても、あなた方の言っているのはおかしいじゃないかと私は言ってるんですよ。その町に何万台あるかお構いなしなんですよ。世帯数で掛けていくだけじゃないですかと言ってるんだ。それでは実態にそぐわないと申し上げているのがわかりませんか、この点。
 その町に、もう一回言いますよ、百台で言いましょう、余りでかいとわからなくなるから。この町に百台ある。その百台の中でNHKと契約をしてもらわなきゃならぬのは何台ですと。たとえば九十台ですと、この町で九十台。ところが八十台だけしか契約されてなければ、あと十台未契約でしょう。そんなこと一切お構いなしに、普及率普及率と言って一〇〇%一〇〇%と言ったってだね、もう古きよき時代じゃないんですから、昔ならいざ知らず、いまはそういうことじゃもう通りませんぞと言ってるんだよ、わかりませんか。
#69
○参考人(中塚昌胤君) 先生も御承知のように、現在の契約は世帯単位の契約になっておりますので、ある町にテレビの台数が百台あるから幾ら契約するということではございません。世帯がどれだけあるか、それに対してテレビを持っておられる世帯、これを対象にして契約をするわけでございます。それから非世帯につきましては、そこに設置されている台数によって契約をするということでございます。
 それから、先ほど普及率ということを申し上げました。で今日まで統計的に、郵政省へ出します業務報告でございますとか、あるいは図書館等に出しております年鑑でございますとか、そういう中に普及率というのを使っておりました。で先生御指摘のように、確かに普及率が一〇〇%を超えるというふうなことがございます。で、その原因は先ほど申し上げました。これは誤解も生みますので、そういう普及率というものは今後使わないで、実際の世帯数をもとにして契約されているのが幾らであるかというふうにしてまいりたい、このように考えております。
#70
○森勝治君 優等生に質問をいたします。
 一世帯一個という契約ですね。それだけですね、いまの方法はね。いまの説明はそうですね。いいですか、そういうことでいいですか、一世帯に一契約ということですね。
#71
○参考人(中塚昌胤君) 一世帯については一契約でございます。
#72
○森勝治君 そのほかの契約方法はないんですか。
#73
○参考人(中塚昌胤君) 世帯については現在はそれ以外のものはございません。非世帯につきましては、多数契約、台数による契約でございます。
#74
○森勝治君 だから言っているんですよ、世帯世帯とばかり言っているから。ホテルなんかたくさんあるでしょう。だから世帯と掛けたって統計が合わないじゃないですか。だから、それを言ってるんですよ。そうでしょう、数が合わないはずでしょう。皆さん方一世帯一世帯と言っている。網走なんか観光地にはたくさんホテルがある、だから一〇三%なんて統計が出てきちゃうと言うのだよ。一〇三%という統計が出るはずはないなんという顔つきをしているけれども、出てきちゃうのですよ。世帯ばかりじゃないでしょう、テレビを見ている事業所というものがあるでしょう。だから、普及率は当然やっぱりその町で何個あって、実際の契約対象は何個だ、そのうちの未契約とか何かが何個だと、こういう統計を出さない限り正確性というのは求められないじゃないですか。
 どうも皆さんメンツにばかりこだわるんで、実体論でいきましょうや、実体論で。一〇三%なんて実際おかしいじゃないですか、統計で出てくるのが。ところが優等生の算術にはあるのですよ。一〇〇%が完全契約でしょう、これ以上ないはずでしょう、ないのが出てくるのだ、現実にNHKの優等生の算術では。だから殿様商売だと言っているのだよ。そういう計算はもうおやめなさいよ。一般の人がわかるような計算にしなさいよ。頭は利口か知らぬが、自分の頭だけでわかっているようなことを言わないで、われわれ朴念仁もわかるような算定の仕方をしなさい、これから。
#75
○参考人(中塚昌胤君) 確かに先生御指摘のように、世帯については一契約、それから非世帯については台数による契約、それを一緒にして普及率なりあるいは契約率なり、そういうものを出すということにつきましては、先生御指摘のとおりでございますので、再検討いたしたいと、このように考えております。
#76
○森勝治君 じゃ次へ移ります。
 先ほども話に出ました難視聴解消の問題です。これは何と言ってもNHKが非常に努力してくれましたから、難視聴解消の実効は非常に上がってきています。しかし、まだまだわれわれが満足する段階まで至っていません。五十一年度末における難視聴の世帯は七十三万世帯、完備されたと言われるNHKでもそうです。民放に至っては二百万世帯を数えると、こう言われています。しかも、文化施設に乏しい地域の住民が一日も早くテレビを享受できるようにするためには、これはわれわれは毎回のように決議をいたしておりますが、NHKがさらに努力をする責務があります。民放には難視聴解消の責務はございません、NHKにだけ難視聴解消の責務があるわけです。もちろん民放は営業網を拡大したいということで放送のエリアを広げれば別ですけれども、責務はないのです。NHKだけがそれをしょわされている。しかも、NHKがこの難視聴を解消するというその裏には、いわば民放の分まであわせて地域住民がテレビの電波を享受でき得るようにというのが法の精神であります。おれのところの放送網だけが全国で完備すればいい、民放なんかどうでもいいということをNHKでは言っちゃいけないのです。
 私は、先ほど、競合から共同化という表現を用いて質問をいたしましたが、従来はNHKが難視聴解消で勝手にやっていたものを民放にも呼びかけていろいろおやりになっていることは、どこでもやっていますから、これは労を多としますけれども、もう少し積極的にやらなければならぬような気がします。特に料金改定のときには、料金をこれこれ上げてくださるならば難視聴をもっと解消しますというお約束を国民に向かってNHKは申しているわけですから、したがって、これからどうこれを処理されるか、お伺いをしたい。
#77
○参考人(沢村吉克君) 先生御指摘のとおり、難視聴の解消は私どもNHKに課せられました非常に大きな使命でございます。前々からこの解消に努力をいたしてまいりました。先生も十分御承知のとおりでございます。
 たまたま五十年度、経営の非常に苦しかった時期、若干やむを得ず難視解消に当たりましての置局の数あるいは共同受信施設の数が減った年がございますが、五十一年度に受信料の改定をお願いいたしまして、その際にもとの規模の二百局あるいは九百施設というところまで努力をいたしたわけでございます。また、これを推進いたしますに当たりまして、ミニサテの開発も含めまして、民間放送とできるだけ同時期に共同してやろうじゃないかと、郵政省の御指導もいただきながら努力を続けてまいりました。
 五十一年度の年度末までまだ数日を残しておりまして、最終的な数字は申し上げかねますけれども、民間放送と共同いたしましていま進んでおりますものを含めまして申し上げますと、ミニサテにつきましては七〇%余りのものが民間放送も同時にやってくださるというところまでこぎつけております。その他の局につきましては、ほぼ一〇%が民間放送と同時にやっていただいているところでございます。なお共同受信施設につきましては、地元の御要望にこたえまして、私どもがつくりました施設に若干の付加設備をつくりまして民間放送も同時に映るように工事を進めておるわけでございます。
 五十二年度につきましても、同様の精神で今後とも努力を続けたいと思っておる次第でございます。
#78
○森勝治君 私は昨年一年間は当委員会を主宰しておりましたから質問に立つことはできませんでしたが、小野前会長からもすでに、言質を得ておったというのは失敬な表現でありますが、お答えを、お約束をいただいているように、四十八年から五十年度までは財政逼迫だから難視聴解消に多額の金を使うことはできないが、財政再建が成り立ったとき、すなわち料金改定が実現したときにはいち早くこの難視聴解消に努力するという約束を小野さんはしておるわけです。
 ところが、この五十一年度から建設投資額というのは確かに増額されておりますが、難視聴解消の投資額は従来とほとんど変わらないのじゃないですか。これじゃ、大臣も口を開けば難視聴解消だと先ほどおっしゃる、NHKの会長もおっしゃる、担当の理事さんもおっしゃっておるけれども、金の裏づけがなければ難視聴解消はできないのですから、残念ながら。その予算措置がさっぱり図られでないということは、言っていることとやっていることが違うということじゃないですか、皆さん。どうされるおつもりですか。
#79
○参考人(沢村吉克君) 御指摘のように、難視聴解消に直接置局なり共同受信施設をつくってまいりますために充てております予算総額といたしましては五十数億でございまして、そう大幅にどんどんふえているという状況にはございません。が、この三年間の見通しを立てました場合に、難視解消は非常に大事でございますけれども、従来の難視解消の施設、基幹局と申しましょうか、あるいはそれにつながります中継放送所の施設が非常に老朽しております。こういうものをある程度取りかえてまいりませんと、その先はかり広げましても、全体のサービスが低下をしてまいるわけでございまして、そういうものとのバランスも考えながら、できるだけ早期に難視解消をお待ちいただいている世帯の方にまで電波を届けたいということで努力をしているわけでございます。
 ちなみに三年間で考えました規模というものは、本年度の暫定予算の影響を受けまして、全体の予算規模につきましては、建設予算につきましても若干の圧縮を図らざるを得ないような状況の中で、この難視解消だけはもとの計画を少なくとも低下させちゃならぬということで最善の努力を続けたつもりでございます。
#80
○森勝治君 あなた答えが間違っているのと違いますか。皆さんは私どもに約束をしているんですよ。いまは財源が逼迫しているからだめだが、料金改定がなされれば真っ先にこの問題を取り上げて、難視聴解消のために最善の努力をすると約束しているんですよ。何ですか、いまの答えは。前の予算より下らぬことを努力している。ふやしてやっていくのが当然じゃないですか、そうじゃないですか。だから、あなた方はいつもそうやってその場逃れのその場さえ通りゃいい言い逃れをしているんですよ。だから私が先ほど冒頭に五十一年度の予算案をわれわれが承認するときにつけた決議案を尊重したかしないかという質問から始めざるを得なくなるんですよ、あなた方に。
 約束を実行しなさい、予算もつけて。だから建設予算から回すのも一つの方法じゃないかと言っているんです。前年度を下回らぬように努力したなんて言われたって、へえそうですかって聞けますか。あなた方はそれなら空手形を発行したことになるんです。どうするんですか、その点。そこで相談して決めなさい、三役で相談して。
#81
○参考人(沢村吉克君) おっしゃるように、五十一年度の予算の御審議を願いますときに、私どもの三年間を見通した計画を御提示申し上げました。その上に立って、なおかつ難視解消は優先的に努力をしろという決議をちょうだいいたしております。私どもといたしましては、一応のめどを立てまして三年間の計画も立て、また年間の計画も立てるわけでございますが、実行の段階につきましては、さらに努力を重ねまして、できるだけの促進を図りたいということは常々考えておるところでございますし、今後も一層努力したいと思います。
#82
○森勝治君 おざなりの答弁ではだめです。少なくとも前会長から約束を得ておるわけですからね、難視聴解消のこのおくれを取り戻すということで言われているわけですから、予算をつけて約束を守るように努力しなきゃならぬ、当然でしょう。あなた方責務があるでしょう。前のことは知らない知らない、そういうおざなりの答弁は納得できません。その場逃れのお答えでは、私は、はいそうですかと言うわけにはまいりません。
#83
○参考人(沢村吉克君) 御趣旨を体しまして、極力努力をいたします。
#84
○森勝治君 追い打ちをかけるわけじゃありませんが、あなたは五十一年度のそういう決議がなされ要望がなされたというさっき答弁されましたがね、それもあります、もちろん。しかし、その前に前会長の約束があるんですからね、それをお忘れなく、いいですか、それをお忘れなく、決議ばかりじゃないのです。そういうことを皆さんは言っておりながら予算措置をさっぱりしてないから、約束を果たせというのが私のこの質問の趣旨なんですから、これ以上追い打ちはかけません、かけないけれども、当然、この約束を果たしてください、いいですね。
#85
○参考人(沢村吉克君) よくわかりました。
#86
○森勝治君 それでは、もう一つ難視聴の問題に触れてみたいと思うのです。
 テレビ放送難視聴対策調査会の提言におきましても、ミニサテの早期実用化と、この設備を利用した中継局の設置に当たってはNHKと民放と共同して建設して効率的な難視聴の解消に当たれと、こう指摘されておるわけでありますが、その実態はどうなっておるか、ひとつ行政官庁の郵政省それからNHKと双方から御意見を承りたい。
#87
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御指摘いただきました、ミニサテについての実用化の問題でございますが、これにつきましては、われわれといたしましても難視聴解消のためにできるだけ便宜を図らおうということで、建設につきましても共同建設、あるいは費用につきましても費用の分担について、つくりやすいというかっこうにしたわけでございます。
 建設費を参考までに申し上げますと、従来の中継局でございますと約八百万円ほどのものが、このミニサテになりますと一局――一局といいましても、たとえば例をとりますと、NHKの総合、教育と民放二局、いわゆる波が四つ出るという形では、大体二百九十万円ほどででき上がるわけでございます。
 そういうことで促進しましたところ、五十二年の一月末現在でございますが、NHKは九十四地区で総合、教育おのおの九十四局でございます、放送局の数でございます。それから民放が七十二地区で二百二十七局ということでございますので、合計いたしますと、地区としては九十四地区、局数として四百十五局でございまして、この九十四局の中に七十二局というものがダブっておるというふうに考えていただければいいと思います。以上でございます。
#88
○参考人(沢村吉克君) この五十一年度の年度末の見込みを含めまして、ミニサテの利用状況を申し上げたいと思います。
 前年度末、五十年度末におきまして置局をいたしました場所数が四十三でございまして、今年度中、五十一年度中に七十カ所に完成をいたす予定でございます。もうほぼ数日のうちにこれは実現すると思います。合わせまして、この年度末におきましては百十三カ所にミニサテ局ができる予定でございます。そのうちで、いままで民間放送さんと御相談をいたしまして、民間放送さんが設置をされ、あるいは現在工事中のものを含めまして、八十三カ所でございます。したがいまして全体の比率で申しますと、民間放送が併設をされますと、比率といたしまして七三%の地区が民放、NHK両方の波が見えるようになるということでございます。
#89
○森勝治君 次の問題に移ります。
 三年後にモスクワで開かれると言われる、すなわち第二十二回オリンピックの放送権問題について、ちょっとNHKに聞きたいことがあります。
 従来もそうでありましたが、これからもそうであるでありましょう、すなわちオリンピックは民族の祭典でありますから、まさに私どもにとっては国民待望の競技ということを申すことができるでありましょう。ところが、何かこの放送権をめぐってNHKが大変激高しておられるという話を聞きました。NETが放映権を獲得したから、そういうやからとは話もできない、頼まれても話し合いに応じないと、NHKは大変りっぱなことをおっしゃっている模様だが、一つ忘れていることがあるんじゃないでしょうか、それは国民を忘れたんじゃないでしょうか。
 皆さんの話し合いがうまくいかないからと言っても、国民はオリンピックを見たいんですね。頼まれてもやらぬと、こう言っておる。後ろに国民が待望しておるこの競技の実況というものをやはりNHKは最善の努力を払って国民に提供する責務があるんじゃないでしょうかね。他の民放の皆さんは取った、取られたということで、取れなかったのはその会社はそれでみずからかこち顔をするだけで済むかしれませんが、NHKは気に食わないからいやだというわけにはまいらぬのじゃないでしょうかね。どうですか、会長、このことについて余り私はしかつめらしい問いただし方はいたしません。ですから、違った角度で私はいま話を申し上げているんですから、そういう面でひとつお答えをいただきたい。
#90
○参考人(坂本朝一君) 私ども非常に激高をしたとか、あるいはまあ相手にしないとか、そういうような不遜な気持ちはさらさらございません。ただ、国民的行事といえども、民族の祭典といえども、やはりわれわれといたしましては適当な、受信者の方々に御納得のいただけるようなプロセスの中で放送をすべきまた責任があるんではないかというふうに思いまして、そのプロセスのところでいま多少ごたごたしておるということは実情でございます。
 ただ、御承知のように、今回の場合は、私どもとNTV、TBS、フジ、その後12チャンネルも入りましてお話し合いをしておりますので、結果だけから私どもがすぐNETさんとお話し合いをするというわけにも、ある意味では、信義上いきかねる点もございますので、そういう立場であるということを御理解いただきたい。決して、先生が御指摘になりましたように、平静さを失うというようなことにならないように、やはりわれわれといたしましては何が受信者のためであるかということを念頭に置いて事に処さなければならないというふうには常に考えておりますので、そういう点は御理解いただきたいというふうに思います。
#91
○森勝治君 それは競争の世の中だからいろいろなことはあるでしょう。過去の慣例から言うと、ずっとNHKさんが中心で国際的なこういう問題に当たってきたということは聞いて知っております。今度の一民放が世俗で言う出し抜いたということでありましょうが、出し抜いたのもそう私は感心はしません。しかし、いずれにしても現実が生まれてきたわけですから、NHKさんは、出し抜かれたという表現はまずいかもしらぬが、出し抜かれてむくれている、こう私どもは理解せざるを得ないんです。
 そこで私はNHKにこの点物申したいんですが、先ほどもちょっと触れましたNHKの優等生的な自覚症状がともすればそういうふうになりかねない要因というものをはらんでおったんじゃないでしょうかね。いままでやってたんだからこれからもおれたちがやらなきゃだめだ、NHKを抜きには何もできやせぬ、民放なんか束にかかったってできないじゃないかという、かりそめにも自負心が鼻にかかっておったとするならば、これは改めてもらわなきゃならない。特に新会長はNHKを背負って立つ生え抜きの会長であります。内外ともに風当たりが非常に強いNHKであります、脱皮を要求されているNHKであります。しかしNHKに対する国民の信というのは長くつながれてきたわけですから、これからも信頼は寄せられるでありましょう。この国民の信頼にこたえるためにも、こういうときにこそ優等生の冷厳なる頭をもって現実に対処していかなければならぬと私は思うのです。
 それぞれの新聞紙上の皆さん方幹部のそれぞれの御発言の模様を断片的に私はここへ収録して持ってきました。どの理事さんが、どの局長さんが何を言ったなんていうことは時間がございませんから言いません。しかし、こういうことがかりそめにも載るということは、NHKは冷静さを失ったのではないか、ちょうど小野会長の事件があったときと同じような姿がNHKの上下を駆けめぐったのじゃないか、大変だ大変だという周章ろうばいの姿が私はそこに描き出されたのではないかと思って、実は、さびしい思いをしているのです。そういうときにこそ国民の信をつなぐNHKであってほしいのですよ。メンツにこだわるなんていうのは昔のやり方です。国民が何を期待し何に望みをかけているか、そういうところに深く思いを到達させるならば、NETが話をしてきたってそんなのは乗らないなんていうこんな言葉はNHKの幹部の口から出せないはずです、私はそう思う。
 会長首を傾げておられるけれども、まだ三年あるわけですね、これから。どういういきさつでその放映権を手に入れるかどうかということは国民は二の次です。NHKのブラウン管を通して従来のオリンピックの報道と同じような形で見たいというのが一般国民の希望ですから、この素朴な要求というものはかなえてください、お約束をしてください、最善の努力をしてください。いまの立場でできない、そんなこと、出し抜かれたと思えばくやしさが先行するからおもしろくなくてやれないかもしれない。しかし、こういうときこそ感情で処理するものじゃないでしょう、国民が期待しておるのですからね。余り法外な料金で放映権を手に入れることができないというならまた別ですよ、話し合いもしていない、くそおもしろくもない、出し抜きやがってということで、まかりあげつらうということは大NHKのなすべきことではないのです、私はそう思う。重ねて会長の見解をお伺いをしたい。
#92
○参考人(坂本朝一君) まことに不徳のいたすところで、何かNHKがいわば非常に出し抜かれたというようなことにこだわって話し合いにも応じないというふうに受け取られているという点、それはわれわれの不徳のいたすところでまことに残念でございますけれども、ただ先生もちょっと御指摘になりましたように、今度の放送権問題はかなり経過の中では複雑なことがございますので、そういうことをもう少し明らかにさせるところをさせた上で、それで先ほど申し上げましたような何が視聴者のためであるかという点に立ってわれわれは判断する、その場合に私といたしましてはこの問題に御一緒している民放の責任者の方ともお話し合いをしながら結論を出すということにしたい、こう思っております。そういう点についての御理解を、まげてこの席をかりてお願いしたいと思う次第でございます。
#93
○森勝治君 重ねて質問いたしますが、結論を出したいというその奥底を流れるものは、国民が願望するモスクワオリンピックをNHKの電波を通じて放映したい、こういう願望というものが前提にあるということですね。
#94
○参考人(坂本朝一君) そもそもモスクワへ交渉としてNHKが代表を送ったゆえんのものは先生のおっしゃるような趣旨で送ったわけでございますから、それを全然考えていないということではもちろんございませんけれども、しかし、何が何でもやらなければならない、その経過はどうであれ、国民がそれを希望しているんだから、それをやらなければならないということになりますと、私といたしましては、その経過を明らかにして、それで国民に御納得いただくという結論がございませんと、いまここでそういう形での御答弁をしかねるという点も御了察願いたいと思う次第でございます。
#95
○森勝治君 会長、さっぱりお答えがわからぬのですがね、私は大乗的見地に立てと申し上げているんですよ。これからの情勢を踏まえなければ国民の期待にこたえられないというのは思い過ごしじゃないでしょうか。まだ努力すべきことがたくさんあるでしょう。時間的空間が三年間という間があるわけですから、当然、努力して国民の期待にこたえたいとおっしゃるのがNHKの会長としてのこれこそ責務じゃないでしょうか。
 もちろん、あなた方にも感情論があるでしょう、放映権をめぐるギャラの問題、いろいろあるでしょう、そういうことたくさんあるでしょう。それはわかってますよ、百も二百も承知で私は言っている。しかし、そういういろいろな問題は難関とか何かあるでしょうが、やりにくいこともあるでしょうが、少なくとも素朴な国民の期待している放映であるから、その願望を満たしてあげる努力をNHKはすべきだと、NHKの責務としてすべきだと、そのことだけでも当然あなた発言できるでしょう、期待をさした、しかし、その前にいろいろあるから、これがごたごたしていますから、そのためにどん詰まりで本当にもうしばらく待ってくださいというのは口だけでしょう。あなた、責任あるんです、あなたは。NHKとしては従来も放映してきたんだから、どんな難関があってもそれを飛び越えていかなきゃならない任務、責務があるんだ、これが民放とNHKの違いなんですから。いいですか、あなた方の気持ちわかりますよ、それは。わかっても国民が願っておるんだから、NHKのテレビを通じて放映したいという国民に伝える言葉が必要ですよ、この際。これがなかったらおかしいですよ。NHKなんかという話がまた出てまいりますよ。責任があるでしょう。しかし、そうあってもなかなか相手や先様の話ですからどうなるかわかりませんが、NHKの願望としてはこうだということはやっぱり当然この際発表しておかなければいかぬ。国民にこたえていかなければなりませんよ、それは。
#96
○参考人(坂本朝一君) それは先生のおっしゃるとおり、国民の皆様方がオリンピックの放映を期待しておるということは私はもう十分理解しているつもりでございます。そしてそれにこたえるために代表を派遣したということも御理解いただけたかと思うわけでございます。したがいまして今後のプロセスの中でそういう御期待に沿えるか沿えないか、それはNHKとしては沿う努力をすべきだという御指摘も十分理解いたしますし、そうあるべきだと思いますけれども、その経過を見守っていただきたい、いましばらく時間をおかし願いたいと、こういうことでございます。
#97
○森勝治君 私は、何も無節操に、言いなりほうだいに、国民がそれを願望しているから理由なしに何でも頭を下げて何もかもはいと言っておやりなさいなんという、そんなことを言っているんじゃないんですよ。相手のあることですから、願望を頭で描きながらも実現し得ないことが幾たびかあるんですよ。しかし、何といってもいろいろのそういう障害を乗り越えてもNHKは国民に放映する責任が負わされているというこの厳たる事実というもの、責務というものだけは忘れちゃいかぬのですよ、いいですか。
 前提があるでしょう、ギャラの問題もあるだろう、いろいろあるだろうけれども、あっても、ここのところはやはり冷静さを取り戻して、いわゆるわめくような印象を受けるこういう談話(資料を示す)は余り幹部は出してもらいたくない。あなただってあるんでしょう、これちゃんとこんなの載っかっているでしょう、輝けるNHK会長でしょう、いいですか、後でお見せしますよ。いまこそNHKは冷静さを取り戻す。もちろんギャラが余り高ければ受信者の皆さん方の台所へ響いてくれば受信者のふところもまた痛むんですから、そういう努力をしてどうしてもだめだというならば、視聴者は初めてああそうか、これで放映は不可能になったんだ、これならがまんしよう、あきらめましょうと、こうなるんですが、いまのような、大体言ってきたって話し合いしないというこの尊大ぶりだけはこの際はかなぐり捨てなさい、このことを言いたいんですよ。いいですか、会長、私の申し上げているのはおわかりですか。このことは後でゆっくりまた皆さんと相談して、いずれ、いまは新年度のNHK予算の問題でやっておりますから、この事項は、これだけは別に改めて後日やりたいと思って私どもは考えています。
 しかし、私も放送関係の担当議員の端くれですから、少しはその辺のところ揣摩憶測の乱れ飛んでいるのはわかります。わかりますけれども、ただ民放と違うところは、いろいろの前提条件は何かあるだろうが、最終的には国民の期待にこたえなきゃならぬ義務があります。また国民はそれをNHKに期待をしておるわけですから、この努力だけはひとつ最善の努力を払っていただきたい。どうもいま会長のそのかたさから見ると、いつもの会長らしからぬ会長ですな。これでは脱皮された会長というふうには申し上げられぬ、きょうは。硬直状態です、あなた、このことについて。メンツもあるでしょう、出し抜かれたという面もあるでしょう、感情的にも理由はいろいろあるでしょう。ただ何といってもこれはあれですから――まあやめましょう、あなたお困りですから。このことは後でゆっくりやります。会長、いいですね、その点、最善の努力をもう一遍約束してください。
#98
○参考人(坂本朝一君) 御指摘の点については十分考えていきたいというふうに思っております。
#99
○森勝治君 この問題については、後日また、それぞれの立場の方々に来ていただいて、私はよき結論を発見したいという立場でそういう質問もしてみたいと思いまして、きょうはこの問題はさておきまして次に移ります。
 先ほど川原さんでしたかね、五十一年度の決議の最終に、NHKの業務に従事する職員の待遇是正に努力するという一項がありましたね。それにお答えして何か世界的とか社会的水準よりは下がらないようなことをしたいとかなんとかという意味のことをおっしゃいましたが、具体的にはどういう意味なのですか。
#100
○参考人(川原正人君) 先ほど申しましたのは、職員の待遇につきましては社会的な水準を考えてそれに合うように待遇を改善してまいりたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。
 社会的水準と申しましても、大変これは解釈の幅があるということは私自身も承知をして申し上げているわけでございますけれども、一般的に言えば、日本のいまの――世界的という意味じゃございませんで、日本の現在の社会におきまして他の企業の給与水準、これは当然もう考慮していかなければなりません、こういうふうに思います。と同時に、NHKは特にこのような情報産業と申しますか、文化的な事業をしているわけでございます。それなりにやはり優秀な職員を確保いたさなければなりませんし、それなりの職務もしていかなきゃならぬ、こういうことも社会的水準という言葉の中には含まれております。と同時に、やはり私どもは全国民の受信料によって支えられている企業でございますから、そういう意味でも国民の皆様に社会的に私どもの職員給与が納得をされると、財政状況ももちろん勘案いたさなければなりませんし、そういう広い意味での社会的な公正ということも社会的水準という言葉の中に入ってくるかと思っております。
#101
○森勝治君 いまの社会的水準というのは、他の同種同業に肩を並べるという言葉で置きかえていいですね。
#102
○参考人(川原正人君) 同種の企業というものは当然私どもの場合の水準になりますが、それぞれの企業のいろんな職員構成とかあるいは財政状況というものもやはり考えていかなければならないと思います。しかし、できるだけそのような同種企業に見劣りのしないようにしたいというのが私どもの理想でございます。
#103
○森勝治君 同種同業ということになりますと、民放を指すことになりますがね、私の頭では。民放とNHKの賃金水準は比べものにならないのではないでしょうか、この辺はどうですか。
#104
○参考人(川原正人君) 民間放送は、全国的に見ますと、職員構成にかなり差がありますようで、一概にどこということを申し上げられませんが、常識的に見まして、いわゆるキー局等の給与水準等の比較におきましても、何と申しましてもこのところキー局の民間放送の財政状況と申しますか、経営状況、内容等もかなり余裕があるようでございますので、勢い職員の給与水準にも若干の差があることは私ども承知しております。
#105
○森勝治君 いつもNHKへ行って戸惑うのですがね、どこがどこやらまさに迷路ですね、NHKは。どこへ行っていいかわからない。あんまさんならつえついて行けますけれども、つえも持っちゃいかないというわけですから、新館へ行っても旧館へ行っても――新館、旧館というのですか、東の館という、全くわからないので、もっとわかりやすくしてくれませんかな。まさに迷路ですね。くるくる回っているうちまたもとのところへ出てきてしまって、今度はまたもとのところへ出てみたいと思うと絶対にもとに戻れない仕組みになっているね。特に会長のところへ恐る恐るお伺いしようなんと思ったら三十分かかるんですね、自分一人で歩くと。何かもっと、われわれ議員が余り行かない方がそっちは助かるんでしょうけれどもね、すっと行けるように何か案内図とかそういうものをつくってくれませんかね。私だけじゃないと思うんですね、皆さん戸惑いになるのは。
#106
○参考人(橋本忠正君) 実は、先生御指摘のように、あの会館ができまして、各部局、セクションまで全部案内のあれをつけました。エレベーターの中にもつけたのでございますが、その後、例の爆破事件等々いろいろございました関係で外してございます。いらっしゃるようであれば、いつでも十分御案内いたしたいと思います。
#107
○森勝治君 私どもが事前に連絡しなければNHKの中に入れないという、まさにこれは閉ざされたNHKじゃないでしょうかね、開かれたという言葉と全然反対ですね。私はちょっとしゃれを言いましたが、ただ皆さん方の放送の重要性もまんざら知らぬわけじゃないから余り御無理は申し上げませんがね、もう少し抵抗なしに入れるようにしてくれませんか。
 私のような心臓の強い者が重圧に負けそうなんですからね。会長、いいですか、会長は頂点に立っておられるからおわかりにならぬでしょう。私なんか特に背が低いですから、下から会長を見上げなきゃなりませんからね、とても重圧感を感ずる、正直言って。私ごときがそう思うのですから、他の議員でない方々はもっと何となく恐る恐るNHKの門をたたくという、とびらをたたくのじゃないですな、たたくというのは積極的ですからね。だから、そっととびらを半開きにしてのぞくような、こういう危惧の念というものを人々に抱かせてはいけないのじゃないでしょうかね、親しみやすいNHKにすべきじゃないでしょうか、私はそう思うんです。これは私の希望です。いいです、それはお答え要りません。
 それからもう一つ、これで三回同じようなことを発言いたしますが、部内から会長を出したこと、出せたということで職員が非常に希望を持ったことはそのとおりであると思うのです。ならば、NHKの機構というものもまたそのように新しい体制に組みかえしなさいとは言わないが、せっかく意欲が燃え始めた職員の期待感を損なうような姿ではだめですから、この際、やっぱり機構というものも刷新をして、何もこれは国会の承認が要らないんですから、新機軸というものを生み出す必要があるんじゃないでしょうか。たとえば人事の問題にいたしましても非常に停滞といいましょうかね、頭打ちになっていますね、頭打ち。何も機構をふやしポストをふやすことはかりが機構の改善ではないことは私は重々知っておりますが、やっぱり世界一の放送協会になったのですから、もう少しそれはそれなりに放送というものを新たな観点から私は描く必要があると思うんです。すべての部門にわたって、人事の刷新も当然であります、機構改革も当然であります。
 いま申し上げたように、抵抗なしに入れるような――先ほどの説明は外から入るまでですが、私の言うのは中へ入ってから戸惑うということですから、これは爆破事件と何ら関係がないんです。ですから、そういうところ脱線した話は恐縮でありますが、いずれといたしましてもNHKには新しい時代が訪れてまいったわけですから、いまこそ会長以下全員が協力して、放送法を改正してやろうというこの新しい時代になってきたわけですから、時代の対応と同じようにNHKも脱皮し、また躍進していかなければならぬと思うんです。ところが、残念ながら、三役はかわったけれども旧態依然たるものがある。このままでいけば半年たてばみんながいやになってしまう、私はそう思う。もちろん、その中にはNHKカラーというもの、職場の規律は当然あるのはあたりまえですけれども、もう少し職員の衆知というものを吸い上げる、この努力を新機軸の中の一つとして私は加えていただきたい。いままでは何を出したってぽいとやられてしまって、あほくさくてしようがないと言う人もおるんです。そうじゃなくて、やっと部内から会長を出せるように歴史と伝統というものがもうできてきたNHKですから、いまこそ私はNHKカラーというもの、よさというものを発揮すべきであって、鳴かず飛ばず、物言えばくちびる寒しなどということを職員に言わせることのないようにひとつお約束をしていただきたい。
#108
○参考人(坂本朝一君) 先生御指摘の点につきましては私ども全く同感で、そういう趣旨でのモラルアップというのは私の責任としてやらなければいけないというふうに考えております。組織の問題、その他人事の問題できるだけ御期待に沿うような形での努力をしたいと思っております。
 また、職員の方々のいろんな御意見、あるいは事番組に関しましても提案というようなことを、広く職員のセクションにこだわらず提案してもらいたいということで、近くそういうような施策も講じたいということで担当に命じております。余り短兵急にやってまたおしかりを受けてもいけませんけれども、そういうことでの努力は大いにやりたいということをお約束したいと思います。
#109
○森勝治君 まだたくさんあるんですが、もう時間もたちましたから私はこの程度でやめますが、最後に大臣に一つ要望があるんです。
 それは、先ほどのオリンピックの問題に端を発して、衆議院の逓信委員会の質問の中でだと思うんでありますが、大臣はここに介入するという――介入というのか狭義か広義か知りませんが、ある紙によってはこの問題に介入するというふうに出ています。そうかと思うと、担当の電波監理局長は介入は絶対しないと、こう出ております。このことは非常に大事なことですから、ひとつ所管大臣としてはその辺のところはよく考えて、いわゆるこの問題をめぐる問題についてこれからも御発言を願いたい。このことについて私は別に注文をつけるわけじゃないですから、後々のためのこともありますから、そういう要望だけつけて、これはお答えは要りません、きょうの私の質問を終わります。
#110
○委員長(神沢浄君) 午前の審査は、この程度にとどめます。
 午後二時十分再開することとし、休憩いたします。
   午後一時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十一分開会
#111
○委員長(神沢浄君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#112
○最上進君 昭和五十二年度のNHKの収支予算に関連いたしまして質問をさせていただくわけでありますけれども、その前に、先ほど前質問者からも御指摘がありました、先般、三月九日、モスクワにおきまして調印をされましたところのNETとモスクワオリンピック組織委員会とのオリンピック国内放送権の問題につきまして、幾つか御質問させていただきたいと思います。
 特に、きょうは、日本オリンピック委員会の柴田さんにも御出席をいただいておりまして、心からお忙がしい中を御出席いただきましたことに対してお礼を申し上げる次第であります。
 この問題につきましては、いろいろ指摘がすでにいろいろな場面であったわけでありますけれども、私も、これは単なる一放送権の問題だけでなくて、さまざまなやはり問題点を含んでおるということを感じざるを得ないわけであります。これを契機にわが国放送界の将来に大きな変革をもたらす分岐点になる可能性すら秘めている問題であるというふうに感じますだけに、ひとつこの問題につきまして時間の許す限り皆様方にも質問をさせていただき、また率直な御意見を聞かせていただきたいというふうに考えているわけであります。
 そこで、会長にまずお伺いをするわけでありますけれども、今回のこの一連の問題につきまして、会長はどのようにお考えになっておられるか、この点からお伺いをしてまいりたいと思います。
#113
○参考人(坂本朝一君) モスクワのオリンピック放送の放送権の問題につきましては、いろいろと御心配をいただきまして恐縮に存じておる次第でございます。
 御承知のように、オリンピックの放送権は開催されるごとに高騰しているというのが実情でございまして、ミュンヘン、モントリオールというふうに経過をたどってきているわけでございますが、その間、放送事業者といたしましては、やはりNHK、民放一本になって組織委員会と交渉することによって放送権の高騰ということにある程度のブレーキもかけられるんではないかということで、常にアメリカの放送権が基準になっていろいろと他の放送権の高騰をもたらすものでございますから、そういうことでモントリオールの際はNHKが代表いたしまして先方と交渉する。でNHKはNHKで御承知のアジア放送連合のメンバーの一人でございますが、アジア放送連合はまたヨーロッパ放送連合、EBUと協力いたしまして先方と交渉いたしました。
 結論を申し上げますと、ミュンヘンのときの放送権が百五万ドルでございましたのが、モントリオールの場合には百三十万ドルというようなことで、かなりそういう意味での成功をおさめましたので、来るべきモスクワオリンピックも同様の態勢でいきたいということで、昨年のモントリオールのオリンピックが終わりました後、放送事業者間ではそういう方向で進もうということに一応の合意を得ておったつもりであったわけでございますけれども、NETさんが独自のお考えである種の御交渉をモスクワ側としておられたようでございます。
 それはさておきまして、やはりモントリオール方式でいこうということでわれわれは協力し合うつもりでおりましたところが、ことしに入りまして、モスクワ側から各事業者に交渉を個別にしたいという要請がございました。これについて、われわれがそれに応じますと、どうしても現地でもって競合入札というようなことになって好ましくないんではないかということで、何とか御一緒していこうというお話し合いを進めたわけでございますけれども、残念ながら、御承知のような経過でNETさんがモスクワにおいでになるということになりました。それでも民放連の会員社といたしましては、何とかこの点をもう一度合同するということで御努力になったようでございますけれども、三月三日に至りまして、もうすでにそのときにはNETさんが代表を送っておられた状況でございますが、どうしても御一緒にできないということになって、それでNTV、TBS、それからフジテレビの社長さん方が御相談になって、NHKに代表して交渉に当たってほしい、こういうことになりました。われわれもそこで集まりまして、代表して出かけることはよろしいのですけれども、現地で余り競合するというようなことも好ましくございませんので、できましたら現地でさらにNETさんの代表と話し合って、何とか結論を出さずに、もう少し先に結論を出す努力をしたいと思ったわけでございますけれども、残念ながら現地においてのNETさん側との接触がとれずに、結論といたしましてやや競合入札のような形になりました。で、その結果はNETさんが放送権を御獲得になった、こういうことでございます。
 したがいまして、帰りまして、われわれといたしましては非常に残念な事態でございますけれども、なお、どういうような交渉内容、どういうような契約内容でNETさんが御獲得になったのか、そこら辺のところが不分明でございますので、この際、しばらく静観しよう、こういうことでございます。したがいまして、現状では、私どもNTV、TBSそれからフジテレビ、さらには東京12チャンネルの社長さんと御一緒になりましてその経過を発表し、現在は静観している、こういう状況でございます。
#114
○最上進君 経過について、概略いま会長から御説明をいただいたわけでありますけれども、今回のこの問題につきまして郵政大臣はどのような御見解をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
#115
○国務大臣(小宮山重四郎君) モスクワオリンピックの放送権をめぐる問題というのは、大変国民も関心があり、また、放送法の趣旨からいって国民あまねくその放送を見ることができるような形に持っていくべきであろう。で、私は、少なくともNHKを含めて放送業界というのは日本の最高のインテリジェンスの集まりである、また良心の集まりであると解釈いたします。残念なことではございますけど、各社がまとまらないということは大変残念でございます。ですから、衆議院の逓信委員会でも私は三点について申し上げました。
 まず第一点には、放送はだれのものであるかということを考えて話し合いをしていただきたい。第二番目は、非常に積極的にこの業界がまとまり、モスクワオリンピックの放送ができる、ただ日本だけではございません、ある意味では東南アジアにも関係のある問題でありますので、そういう意味でも積極的に話し合いをしていただきたい。第三番目は、私は、放送法第一条の不偏不党、また、放送による表現の自由というものを確保する、あるいは第三条というものを尊重していきますけれども、あくまで話し合いがつかなければ、郵政大臣としてはその仲に入らざるを得ないかもしれない。そういうことがないように積極的な話し合いを続けて円満な解決を望んでおります。
#116
○最上進君 実は、私は今回のこの問題をいろいろ考えてまいりますときに、一つやはり言えますことは、NHKと放送法に決められております一般放送事業者の使命の違い、これがおのずとあると思うのでありますけれども、一般放送事業者に対してNHK会長としてNHKというものがどういう立場であるべきか、また現実に民放との関係というものがどういう状態になっているのか、この辺の考え方をひとつ明確に会長からお示しをいただきたいというふうに考えております。
#117
○参考人(坂本朝一君) NHKとそれから一般放送事業者、それぞれ法律によって存在の基礎が示されておりますので、私といたしましては協調的競合と申しますか、あくまでも番組における競争ということはこれはもう当然だと思いますけれども、しかし今回のような場合における対外的な場合には、お互いに手を携えるということが必要なんではないか。そういうことで少なくとも私どもの方が上であるとか下であるとか、そういうような考え方は全く持っておりませんで、わが放送界に公共放送と民間放送の二本立てというのが私としては理想的な形ではないかと常々思っております。そういう趣旨でおつき合いをしておりますし、したがいまして今回のことははなはだ残念だと、こういうふうに思っておる次第でございます。
#118
○最上進君 そのNHKの民放に対する立場というのは協調的競合である、特に番組についてはそうである、これは私それでいいと思うわけであります。しかし、やはり現実にこういう問題が生じた背景というものを考えていきますときに、先ほど前質問者の指摘にもあったと思いますけれども、まあ悪い言葉で言えばNHKのうぬぼれ、自意識過剰、こういうようなものがやはりかなり災いをしていたのではないかということを感じざるを得ないわけであります。
 特に人類の祭典とかあるいは世界の祭典ともいわれるような特異なオリンピックの国内中継というものは、当然、NHKが中心でNHKのチャンネルをひねればどこの局よりもまず画面にすっとオリンピックの競技ほ姿が映し出されるというふうに考えているのが私は国民の自然の姿、考え方だというふうに考えております。でモントリオール方式というものもあったわけでありますけれども、今回、先ほどもお話ししましたとおり、NHKなくしてオリンピックの国内放送というものはあり得ないんだというようなお考えがやはり幹部の方々にあったんではないか。よい意味での自意識というものは使命感にのっとって大切であると思いますけれども、自分がなくしてはというようなうぬぼれに近い自意識があるとすれば、これはこの際お捨てになっていただいて、すっきりした民法との関係というものを確立をしていっていただきたいというふうに私は考えているわけであります。
 特に巷間伝えられておりますところによりますと、今回の問題の原点はNETのNHKに対する不満の爆発であるというようなことも一部言われているわけであります。わが党の通信部会の席上におきましても、はっきりとNET三浦常務の口からNHKに対する批判を聞くことができたわけでありますけども、やはりこれまでのNHKに対する一つの批判というものがここで一挙に噴き出たんだというふうにも当然とれるわけでありますけれども、私はNHKの幹部の皆さんにここでお願いしたいのは、NETがとにかく悪いんだという批判に終始するんでなくて、やはりわが身を省みながら今後の民放との関係についてじっくりお考え直しいただける好機にしていただきたい、これが私の考えであります。したがいまして、この点についてNHK会長はどのようにお感じでございましょうか。
#119
○参考人(坂本朝一君) まことに残念でございますけれども、私は全く先生御指摘のようなうぬぼれも独善もないつもりでございます。ただ、そういう御指摘があるということを否定するわけにまいりませんので、その点については謙虚に反省するところは反省したいというふうに思います。
 ただし、オリンピックの放送権問題につきましては、結果がこうなったんだからまあメンツにこだわらず話し合ったらいいじゃないかという御指示はまあ少しく経過を飛び越しているのではなかろうかと、私どもの方はNETさんが御獲得になりました経過並びにその内容等の検討を十分こちら側もしたいし、それからまたNETさんもそういう形でなさったことについてのお考えがどうであるのか、そこら辺のところも明らかにしていただかないと、いきなり結果がこうなったんだから、それじゃひとつあなたが買った放送権をこっちにも分けてもらえないかというふうにお話し合いをすぐ進めるというのはちょっと短絡しているかと思いますし、また私といたしましても、御承知のように、NHKが単独でモスクワへ行ったんではございませんで、やはりNTV、TBS、フジの三社と談合いたしまして、その負託を受けて伺ったわけでございますから、これら三社の方々のお考えなり何なりを全くお聞きしないで、ストレートに私どもがNETさんとお話し合いを進めるというわけにも信義上いきかねる点もございますので、したがいまして現状ではその協定を結ばれた中身等もはっきりいたしませんしいたしますので、静観しているというふうに冒頭申し上げた次第でございます。
#120
○最上進君 私はまだ質問の中でそこまでお答えを要求していないわけでありますけれども、先ほどNHKとNETを除く民放各社とで今度はモントリオール方式でいこうじゃないかということで話をされたというお答えがありました。それは大体いつごろの話でございましょうか。
#121
○参考人(堀四志男君) お答え申し上げます。
 その前に、ちょっと一言触れさせていただいてよろしゅうございますか。――
 モントリオール方式と申しますのは、結果において放送権をNHKが入手いたしましたが、それは、約三年前に、これからのオリンピックのような事業、しかも高騰する放送権料をどうしようということでいろいろ考えまして、結局、オリンピック取材はNHKも民放もないと、日本チームということで取材し、日本という単位で放送権を獲得したらいいじゃないかと思いまして、三年ほど前に、当時の民放連、現在もそうでございますが、民放連の報道委員長の名古屋テレビの社長さんになりました川出さん、NET系列の方です、とお話ししまして、そしてそれは原則的にいいだろうと、すべて日本という単位でいこうじゃないかということになりまして、そしてそれならば放送権取得についてはNHKが一番経験もあるしあれだから、そちらへ任せるということになりました。それで放送権を獲得し、そしてわれわれはNHKもNETさんも参加されまして日本チームというものを編成いたしました。そしてそのシンボルマークを新たにつくって、それを胸に張ってモントリオールに行って取材し放送したわけでございます。したがいましてNHKのブラウン管の中にも民放さんのアナウンサーの声が流れております、逆でももちろんでございました。
 そういう経過でございまして、それが去年の夏のモントリオールでございます。したがいまして、その後、行った人たちがいろんな機会に会合を持ちまして、ことしは、今度はよかったんじゃないかということで報告書も作成いたしまして、去年の暮れに民放連の報道委員会でやはりこれはよかったと、来年もそうだろうということで、実はこれは情報でございますが、向こうで集めた報道委員会の金が若干余りがございましたが、これが来年この次もどうせこの方式で行くだろうからという意味で、そのファンドにしようということを言ったということでございました。したがいまして、いまでも川出さんが報道委員長にございますので、私その機会に先輩ではございますが親しくしていただいておりますので、その方を通じて大体民放の意向というものを承知いたしていた次第でございます。去年の終わってからことしになるまでの間、大体雰囲気としてはそういうように承知をいたしておりました。
#122
○最上進君 そうすると、NETが実際にソ連・モスクワオリンピック組織委員会との交渉に動いているということを知られたのは、いつになるわけでしょう。
#123
○参考人(堀四志男君) ことしに入っての二月の初めでございます。きっかけは、民放東京キー局五社の社長会でTBSの社長がモスクワ特派員からの情報として、どうもモスクワにおける組織委員会とNETとの間に何かあるらしいと、今回はモントリオール方式によらずしてNETが放送権について積極的に動いているという情報を得たらしゅうございまして、それで二月のたしか九日と承知いたしておりますが、その社長会で諏訪社長がNETの高野社長に対して聞いたそうでございます、こういう情報があると。そうしましたらどうも高野社長のお答えがはっきりしなかった、それがどうもちょっとおかしいということで、そこから表面化したというふうに承知いたしておりますし、われわれも、その社長会の後、直ちに連絡を受けた次第でございます。
#124
○最上進君 ことしに入って二月の初めにNETがそうした動きをしているということを察知され、二月九日に社長会の席上でもおかしな空気が見られたといういま御答弁だと思いますけれども、それ以後、NHKを中心にしてNETを除く民放各社はどういう対策をすぐにおとりになったんでしょうか。
#125
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 その連絡を受けた際に、やはりこの前のモントリオール方式でいこうというのが民放連としての一つの意思決定になりかかっておりましたので、民放連の方で、ひとつこの際はNHKは少し見ていてくれと、われわれの方でNETを説得してモントリオール方式にこぎつげるからしばらく静観していてくれというような意味のお話がございまして、われわれとしても直接NETとお話しする筋合いでもないと思いまして、民放連及び民放連会長である小林さん、さらに報道委員長である川出さんの御努力を期待していたわけでございます。
#126
○最上進君 NET側と直接交渉、話し合いをするのを控えておられたようでありますけれども、実際に三月四日にJSNPを解散をされているということはこれはどういう意味なんでございましょうか。
#127
○参考人(堀四志男君) JSNPというのはジャパン・サテライト・ニューズ・プールと申しまして、実は、これも先ほど会長が申し上げましたように、同じような精神で、アポロが昭和四十四年に打ち上がりましたが、それに先立ちまして昭和四十三年、その当時通信衛星がアメリカから一回線しかございません。それにあれだけの世紀の大事業が行われるということで、各放送会社がその通信衛星の回線確保に躍起になりました。これは五つございますが四つの放送局で殺到したわけでございます。それで予約等々をしなくちゃいけないという事態になりまして、そこでNHKとして考えまして、これがやっぱり公共放送の一つの使命だろうと考えまして、ひとつこの際NHKも民放もないと、一本しかないものをみんなで奪い合ってむだなお金を使うのはつまらないじゃないかと、ひとつまとまって、ジャパンとして、日本の放送界としてこの通信衛星を有効に使おうじゃないかということで、非常に簡単な申し合わせでたしか四十三年の暮れにでき上がりまして、四十四年以降、ずうっと一種の紳士協定に基づいて各社が寄り集まってそれを結成しているものでございます。
 それからモントリオールの方式というのはこのジャパン・プールの精神をそのまま引き継いだ形で結実したものでございますから、当然、モントリオール方式以外の方式をとる場合には、首尾の一貫性からいってジャパン・プールをお抜けになってからそれから単独交渉にお出かけになるものだとわれわれは考えておりました。ところが、その気配がないというところから、残念ながらジャパン・プールは解散したわけでございます。
#128
○最上進君 どうも私はその辺がひっかかるんでありますけれども、やはりNET側の動きを察知されて、そして何とかそれを食いとめようという一つの方策として、私はもっと、体面とかメンツとかというものを捨てて、率直にやはりその時点でもう少し交渉、話し合いができなかったのかどうか。まあすぐに、いま御説明をいただいたわけでありますけれども、JSNPの問題をとって、これをもってひとつ阻止をしようとか、あるいはまた一説伝えられるところによりますと、これは報復措置だというような報道までされているということは私は非常に残念なことだと思っております。で、このJSNPの問題をもってNETにNHKやほかの民放の方々がこの放送権の問題に対して力を加えることができる、抑制することができるというふうに考えていたとすれば、やはり私は非常に大きなこれは誤算であったと思うんです。そういう意味で、私は、このJSNPの問題の報道を聞きましたときに、こういう問題のこじれ方というものはなかなか解決すべき問題も解決しなくなってしまう、まさにその糸口さえわからなくなっていく状態というものを推測せざるを得なかったわけでありまして、非常に残念に思ったわけであります。
 そこで、きょうは、ちょうどモスクワオリンピック組織委員会との直接の交渉に当たられました橋本理事がお見えでありますから、いわゆるモスクワオリンピック組織委員会との交渉過程の概要につきまして、ひとつお示しをいただきたいと思います。
#129
○参考人(橋本忠正君) モスクワに私が参りますまでの経過は、いままですでに出ておりますが、その前に一、二申し上げてみたいと思います。
 繰り返すようでございますが、私どもは最後までモントリオール方式というものを捨てたくない、何としてもこれをモスクワに生かしたいという一種の理想的なあれを追求する気持ちもございましたし、また、そうすることがある意味では妥当な値段で、かつ適正な条件で放送ができるというふうに確信しておりましたものですから、最後まで民放連さんにお願いして、何とか一本にまとめていただかなければということでございます。
 ところが、二月の末にまいりまして、どうも様子がはっきりしない。三月の一日にNETの三浦常務がモスクワへ立って、同日夕刻モスクワへ着いたということは聞きました。そうしましたら、三月の二日にモスクワの組織委員会からこちらに重ねて電報が参りまして、日本側が何かテレビ局のプールをやっているようだけれども、まあそれは立場上理解はできる。しかし、交渉をこれ以上余り延ばすことは好ましくない。組織委員会にとっても、あるいは皆さん方日本のテレビ局にとっても好ましくないだろう。したがって、なるべく早く来てくれというあれがございました。で三月三日の日に、先ほどお話があるいは出たかと思いますが、民放連の会長の小林NTV社長と民放連報道委員長の名古屋放送の社長の川出さん、このお二方がNETの高野社長に会いまして、いわゆる三者トップ会談をいたしました結果、そこで正式にNETさんとしては、今回は単独交渉をやるということで、もはや一本化の見込みはなくなったということでございます。それを受けまして、私どもは、四日の日に、NHKの会長、それからNTVの小林さん、TBS諏訪さん、フジの浅野さん、それぞれ四会長並びに社長が集まりまして、今後の対策を検討いたしました。NETが行っている以上、われわれとしては、残った東京の四者が今度は一括して連合を組んでやろうということで、その交渉をNHKにお任せするということで、NHKの私がモスクワに派遣されるということがそこで決まりまして、直ちに渡航の準備等をいたしました。その旨をNHK、NTV、TBS、フジのそれぞれの社長名でモスクワの組織委員会に打電いたしました。
 ところが、向こうからはなるべく早く来いということで、五日の日にでもビザは出すからすぐモスクワへ来い、そうして五日の日の午後五時を限度として、ある種のおまえたちの言っている金額を提示せよという電報が参りましたんですが、時間的物理的に不可能であるということで、最終的には、向こうの組織委員会の了承を得まして、越えて三月の八日に私が東京を立ってモスクワに参りました。もちろん、その前に、NHKと民放三社との間に最終的ないろんな詰めや金額等の打ち合わせはやってございます。そうして八日の午後着きまして、九日から実は早速交渉を始めましょうということでございますので、三月の九日の朝十時にモスクワのオリンピック組織委員会の建物のあります組織委員会に来てくれということでございましたので、そこに参りました。で九日の朝十時過ぎから向こうさんと実際のお話し合いに入ったわけでございます。
 はっきりしておきますが、私は、その際、NHKを代表すると同時に、東京にございます民放三社を代表しておると、NTV、TBS、フジでございますから、したがいまして、あくまでも四者の代表として来たということは冒頭はっきりさしておきました。
 従来ですと、普通、オリンピックのこういう放送権等の交渉をやります場合には、一応こちらから大体どの程度の放送計画があるかという粗筋を持って、そのために、相手側の組織委員会並びに相手の国の基幹放送協会あるいは放送局から、どの程度の機材あるいは機械あるいはスタジオ、カメラ、いろいろございますが、あるいは競技場におけるマイクロホンの位置、アナウンサーボックス等細かなあれがございまして、そういうものを順々に詰めていって、ああこれならばわれわれの大体予想する放送ができる、そのためには一体幾らぐらい実費がかかるんだということで、われわれが技術なり施設を借りる一種の実費的な技術提供料はもちろん払います、そういうことが決まった上で、今度はいよいよ問題の放送権料についていろいろ話し合う。その際には、従来ずっと、向こうが用意したいわゆる基本契約といいますか放送権の契約に対して、こちら側も場合によっては用意する、あるいは向こうが出したものを十分そこでお互いにディスカッションして、まあ場合によっては字句を変えるとか入れるとか、いろんなあれがございます。そういう過程を経て、その上で、さて権料を幾らと、もちろんそれは過去の例もございますし、それまでにすでに解決しておりますほかの国なり放送機関の権料というものももちろん参考にいたしますが、そういうことを含めて最終的に幾らというのが従来の交渉でございます。
 今回参りまして、相手側は組織委員会と、それからソビエトの国家ラジオテレビ放送委員会、これは国営放送でございます、それの代表、それから国際オリンピック委員会、IOCの代表も見えておりまして、要するに三者の代表が向こうに座り、私がこちらに座って、NHKと東京の民放三社を代表するという形でいろいろ話し合いました。
 向こうから渡されたものが基本的な協定となるべき放送権料についての契約書の草案、それから、こちらが技術、スタジオ等を借りる場合のまた別の技術提供の契約書がございます。その契約書並びに向こうが実際にモスクワオリンピックのときに日本のために用意するであろうところのそういう技術なりスタジオなり細かなリストがございますが、そのリスト、三つの文書を渡されまして、そうして向こうの言うのには、なるべく早く交渉を終わりたい、金額を早く提示してくれということでございまして、私の方は、そういう具体的な詰めがない以上は、そう簡単に金額提示はなかなかむずかしい。従来のあれから言いますと、相当時間をかけて、場合によっては一回出直してやるぐらいの十分なあれをやったのでございますが、今回のあれは向こうとして非常に急いでおるということで、最終的には九日をもって最終日とするというふうな一方的な時間といいますか、交渉の締め切りの設定までございまして、最終的にいろいろ向こうから出されました協定文そのものについても、私自身として、NHKだけでございませんで、四者を代表するという形でございますから、十分私として納得のいく内容でありたいし、また、ものによっては疑問もある。場合によっては、こちらから訂正を申し入れなければならぬというような個所もございましたので、何とかしてもう少し時間を欲しいということで主張したのですけれども、最終的にどうしてもだめだということで、そういうことを勘案し、最終的にこちらが用意してまいりました金額の上限を提示したのでございますが、最終的に、向こうの組織委員会から、金額等について受け入れることはできない、また私がいろいろ出した条件等についても一切受け入れることはできないという形で、交渉は残念ながら終わりました。したがいましてNETさんが日本における独占権を取ったという結果でございます。
 細かな交渉の内容、特に金額の数字等は、向こうとの話し合いで一切出せないことになっておりますが、最終的にまとまった金額と最終的にまとまった協定文は、当然、公表さるべきものでございまして、それ以外のあんまり細かなことは出せないということでございますが、向こう側が日本側に対して期待しておったといいますか要求しておりました金額は、放送権料と技術提供費合わせてアメリカの一〇%ないし一二%ということでございまして、御承知のように、アメリカはすでに八千五百万ドルで妥結しておりますから、その一〇%、十分の一ということになりますと八百五十万ドルということになります。したがって八百五十万ドルないし一千万ドル、まあ一ドル三百円として単純に計算しますと二十五億五千万、最低二十五億五千万円という数字が出てまいりまして、これは私ども四者はとうてい認めることはできないということははっきり申し上げました。
 以上が経過の概要でございます。
#130
○最上進君 御説明いただいたわけでありますけれども、橋本さんが向こうに行かれまして、最終的に金額を提示したものとこちらから出した条件が受け入れられないで、この契約は不成立に終わったということでありますけれども、やはりこの契約の交渉の過程で、橋本さんに率直にお伺いしたいんでありますけれども、どういう点が日本側としては、NHKあるいはNETを除く民放各社にとってのめない条件と申しましょうか、どういうことがとにかく障害になっておられたのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#131
○参考人(橋本忠正君) 何分にも交渉事でございますので、余り微に入り細にわたって詳しく申し上げるということはちょっと差し控えたいと思いますが、最初に交渉のテーブルに着きまして、向こうから渡されました基本契約といいますか、放送権に関する協定文の草案、それは英訳でございましたんですが、これをさっと見まして、私としてはどうも首をひねる点があちこちにございました。具体的にどうかということでございますが、ただ、私は、いままで、この前のモントリオールそれからその前のミュンヘン等、全部交渉をやってまいりまして、そういった私がサインした過去のそういう協定文なりあるいはその基本文と比較いたしまして、足りない部分あるいは逆にいままでなくて今度入ってきたというものがすぐ目につきました。
 一、二申し上げてお許し願いたいと思うんですが、オリンピックはこれから三年半も先のことでございますから、ソ連に対してはあるいは失礼な言い方かもわかりませんけれども、いろんな状況で果たして完全にできるかどうかという保証もない、今後の国際情勢いかんによっては、場合によっては中止といいますか、あるいは延期だとか、あるいはものによっては大会の規模が大いに縮小されるというふうなことも考えられないわけではない。
 それから契約によって向こうが各競技場からテレビセンターまで国際映像、音声をきちっと送ってくることになっていますが、それが何らかの理由でできなかったというふうな場合には、こちらの一種のセーフガードがあるわけですが、従来のミュンヘンそれからモントリオールの場合には、明らかに、理由のいかんを問わず、オリンピック大会が中止あるいは延期あるいは規模が大きく変わった、あるいはオリンピック大会の名称が変わった、あるいは先ほど申し上げました放送素材が十分来なかったという場合には、直ちにこちら側はその契約を破棄いたしまして、いままで払った契約金の全額を返してもらう、またケース・バイ・ケースにその後の契約の料金を値下げする交渉の権利を有するという、いろいろな条項が記してございまして、これが、実は、私交渉いたしますについては視聴者から預かっております貴重な受信料でかなり高額のあれを出すわけでございますから、万一の場合をおもんぱかってそういう保証がきちっとないと、私としてはどうも代表といってサインするにはいささかちゅうちょするし、大いに悩むわけでございますが、そういうところがいままでのモントリオールなりミュンヘンに比べて明確にないということがどうしても私最後まで気にかかったという点が一点でございます。
 それから、もう一点は、実はスポンサーの問題でございまして、いままで私はNHKの代表として行っておりますから、スポンサーなりそういうCMの問題は全くございません。今度初めてそういう条項が入ってまいりまして、いろいろ見た中に、この権利を取得したNHKなりあるいは民放さんなりがその放送のために、番組のためにスポンサーと契約する場合には事前にモスクワ組織委員会の同意を得なければならないというふうにとれる文言がございまして、これは民放も代表している私としては民放三社の御意向を伺った上でないとどうしてもここのところがすっきりしないという点がございました。そのほか全部克明に読んでいきますといろいろございますんですが、先生のせっかくの御質問でございますので、以上二点だけひとつ申し上げてお許し願えればと思います。
#132
○最上進君 会長にお伺いをしたいんでありますけれども、私がやはり心配しておりますのは、前質問者の言葉の中にもたびたび出てきたわけでありますけれども、やはりこの放送界の混乱がこのまま続いていって、まだ三年先だとは言いながらも、実際にオリンピックが始まったときに国民が迷惑をこうむるようなことがあるとすれば、これはゆゆしき事態だというふうに考えているわけであります。特に、まだ三年あるわけでありますけれども、実際に三年後にNHKで最後までこのオリンピック中継というものが放送されることがなかったということになると、公共放送としてのNHKに対する国民の批判というものは、こういうものをきっかけにして、特にいま不払い運動なんかでも何か口実を見つけながらこれを展開していこうという人たちが現実にいる中で、こういうこともやはり一つ私は取り上げられていくんではないか、そんなことも心配をしているわけであります。
 そこで、先ほどちょっともう会長から御答弁をいただいたわけでありますけれども、NETとこのまま対立というものを続けていって一切その放映権をNETから買うことはないんだというような、そういう考え方で言い切っていくのか、あるいはまだ三年あるからその間に交渉していく話し合いの余地というものがあるんだというのか、この辺は非常に私は今後重要な問題になっていくと思いますので、その辺はひとつ率直な意見を聞かせていただきたいと思います。
#133
○参考人(坂本朝一君) 先ほども申し上げましたように、私の立場から言えば、何が視聴者のおためになるのかということから事柄の判断をつける基準にすべきであろうということはしばしば申し上げてあるとおりでございまして、それが即オリンピックをそのまま放送しなければならないということなのか、あるいは事柄のいかんによっては放送できないということを御了解願わなきゃならないということなのか、そういう事柄は非常に重要なことでございますので、いま申し上げましたように、NETさん側の取得されました条件等不分明な中でいま直ちに事を起こすということはいたしかねますと、こう申し上げたわけでございます。
 それと、もう一つ私の立場といたしましては、モスクワに同僚を派遣いたしましたのは、NHKの一存ではございませんで、NTV、TBS、フジという民放の三社と協議してお引き受けして派遣したわけでございますから、それらの方々の御意見等も承って事を起こさなければならないというふうに考えておる次第でございますので、放送できるのかできないのかという非常に直截的な御質問に対しますと、なかなかすっきりした御答弁ができかねるわけでございますが、その点はひとつ事情を了としていただきたいと思う次第でございます。
#134
○最上進君 そこで石川電波監理局長にお伺いしたいんでありますけれども、最悪の場合を想定して、NETのみのいわゆる独占放映というものが行われた場合に、そのネットワークを考えて、国民がやはりこうした世紀の祭典に対しては強い関心を持っておりますだけに、どの程度まで国民に迷惑をかけないでやれるものなのか、その辺ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#135
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御質問の件でございますが、結局、独占的な形で放映されるということになりますと、わが国におきますどの程度のエリアをカバーするかという問題だろうと思います。
 現在、このいわゆるNET系と申しますか、こういう系列化というものも実際あるわけでございますが、これのつくり方は現在はニュースで大体その系列というものを組んでおります。このニュースの系列といいますのはやはりそのときそのときによって契約によって変わりますので、果たしてそのオリンピックの時点でどういう系列が組まれているかということはわからないわけでございますが、現在の様子から見ますと、大体十七社ほどの地方民放がこの系列に入りまして、そうして世帯数といたしまして日本の約八〇%の世帯に一応このニュースが配られるようなかっこうになっております。したがいまして、このオリンピックの放送はまたそれぞれ契約料なりいろんな問題で必ずしもニュースと同一に見るわけにはいかないと思いますが、大体、そのあたりで御検討いただければ結構じゃないかというふうに考えております。
#136
○最上進君 大臣にお伺いしたいんでありますが、先ほどお答えの中で、この問題の解決に積極的に取り組むといいましょうか、介入という言葉が適当でないかもしれませんが、あり得るという、そういうお答えだったと私は解釈しております。そういうふうにならないように願うという意味であったとも思いますけれども、この点ひとつ、先般の衆逓におきます御答弁に対しても石川電波監理局長の答弁とやはり食い違いを感ずるような点があったかに報道されているわけでありますけれども、この点につきましてひとつ御両者から御答弁をいただきたいと思います。
#137
○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生から御指摘ございましたが、あの際におきます、衆逓におきます私の発言については、一部の新聞において、いま食い違いがあるかというような表現がございましたが、実は私が申し上げた内容は、大臣の方で放送法の第一条、第三条、これは尊重するんだということをおっしゃったわけでございます。私はその第三条、いわゆる「(放送番組編集の自由)」ということでございますが、これについて、大臣と同じように、この第三条はわれわれとしては守るんだということを述べたことでございますので、私といたしましては食い違いはないというふうに考えております。
#138
○最上進君 やはり究極は国民に迷惑をかけないと申しましょうか、国民の期待を裏切らないNHKの姿勢であってほしいという観点から、ぜひひとつこの点につきましては、問題がこじれてこじれてどうにもならない状態になる前にひとつ、どうにもならなければ介入もやぶさかでないというような姿勢でなくて、むしろ、やはりこういう問題というのは、三年先であってもこじれ初めにやはり解決するということが私は非常に大事なことじゃないかというふうに感じますので、この点につきましてひとつ大臣のお力添えをお願いをしたいというふうに考えているわけでございます。
 そこで、大変お待たせしたわけでありますが、日本オリンピック委員会の柴田さんにお伺いしたいんでありますが、こうした今回の一連の放送権の問題に対してどのような御感想をお持ちか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#139
○参考人(柴田勝治君) 基本的に、このモスコーオリンピックの放送権をNETが独占したといったような問題につきましては、各国内オリンピック委員会、日本オリンピック委員会ももちろんでございますが、全然関係ないわけなんであります。と申しますのは、テレビ権利金の問題はIOC、国際オリンピック委員会の専権事項であって、その国際オリンピック委員会の中の理事会、さらにその理事会の中と申しますか、理事会の中にテレビコミッティーと申しますか、そういったテレビの権利金関係を扱う専門の委員会があって、そこが交渉しておるというのが実情でございます。
 そこで、日本オリンピック委員会といたしましては、ただいまのいろいろなNHKの会長さんあるいは大臣等々の御意見をお伺いしておりまして、オリンピック委員会としてこの問題等で申し上げますことは、要するに日本のオリンピックの選手がモスコーに行って大いに奮闘するという場面を日本の津々浦々の国民全部が応援しながら見られるという事態になることが一番理想であるということだけは申し上げられると思います。したがって、どこの会社が独占したとか、どこのこれがこうだとかということは全く無関係でございますので御了承いただきたいというふうに考えます。
#140
○最上進君 いまの柴田さんのお話によりますと、この放送権の問題というのは私どもいままで開催国の早く言えば自由裁量で売買できるいわゆる権益であるというふうに感じてまいったわけでありますけれども、いまの御説明伺いますと、IOC本部の専決、特に理事会での専決事項であるというような御説明であったというふうに承ったわけでありますが、そうなりますと、今回のモスクワオリンピック組織委員会とわが国のNET、民放の間でこうして直接交渉がされているということは、IOC本部の専決事項という考え方からすれば、まさに相入れないところがあるんではないかというふうに感じるわけでありますけれども、この点はいかがでございましょうか。
#141
○参考人(柴田勝治君) こういったまず背景と申しますか、ちょっと申し上げてみたいと思うんであります。
 オリンピックのテレビ放送といったようなものの過去でございますが、これはローマ大会の前の
 一九五八年ですか、IOCの憲章の中に、たしかテレビ放映は権利金を取ってやるといったようなことが決められた。そしてローマのオリンピックの際には、それほど通信施設等が進んでおりませんで大したことはなかった。それが東京オリンピックになりましてから、通信衛星ですか、等が打ち上げられ非常に脚光を浴びてまいりまして、たしか東京オリンピックの際にはテレビの権利金が約二百万ドル、そしてこの二百万ドルのうち東京オリンピックの組織委員会に約百六十六万ドル返されております。そして売り上げと申しますか、その二百万ドルのうちIOCに三十四万ドル入ったということになっております。
 そこで、このテレビ権利金の分け方はどうかと申しますと、一応、ルール上は全額IOCにその国のオリンピックを組織した組織委員会から払う。そしてその三分の二を組織委員会が運営等で返してもらう。その三分の一を、IOCが、ルール上は、国際競技連盟、IFと申しておりますが、この各国際陸上競技連盟あるいは水泳連盟といったような国際競技連盟とNOC、各国のオリンピック委員会に配分するというルールにはなっております。そこで、その三分の一を、IOCが取った三分の一はIOC自体の運営費に充てる、そしてその三分の一は各国際競技連盟に配分する、あとの三分の一は各国内オリンピック委員会に配分するという仕組みにはなってはおりますが、実質は、この各国内オリンピック委員会にはいまだ一回も配分されておりません。そしてそれがほとんどプールされておるという形で、国際競技連盟に対しましては現実に配分されております。そういう事情でございます。
 それからもう一つは、非常に毎回オリンピックごとにテレビの放映権といいますか権利金が上がっておる、それは事実でございます。なぜなれば、たとえば私が申し上げましたように、各国際競技連盟とかNOCに配分すると、IOC自体も各国からの維持金の納入があるわけでございますが、これはほとんど大した額でなくて、IOCのいろいろな運営に足りるほどの額でない。IOC自体がほとんどテレビの権利金に頼るしかないというのが現状。と同時に、各国の国際競技連盟もこのテレビの権利金を非常に問題にいたしまして、その額をよこせよこせと、これじゃ足りないじゃないかと言ってIOCを突き上げる。そういったようなことから、IOCは、最近では、何と申しますかテレビの権利金というものに非常に執着をもって、むしろIOC自体がつり上げようとしておるというのが現状であろうかというふうに考えます。
 それで、なおまた御参考までに……まだ時間よろしゅうございますか。
#142
○最上進君 結構でございます。
#143
○参考人(柴田勝治君) IOC規則の一部を読み上げてみますと、「IOCは、放送権利金の支払いを条件としてオリンピック大会を取材したフィルムを放送または配給する権利を交付することができる。これらの権利が交付された団体はIOCに対してその放送並びに配給の権利金の総額を支払わなければならない。IOCは、一テレビ会社に一定の地域内において大会の放送権を独占的に交付することができる。この場合いかなる他のテレビ会社といえどもこの定められた地域内において上記第二段落の規定にかかわらずいかなるオリンピック競技種目を取材した放送であってもその国内の独占的権利をすでに獲得した会社がその取材した前述種目のニュース放送を完全に終了するまで行ってはならない。この禁止は遅くともその取材された種目または式典が終了して四十八時間後に終止する。いかなるテレビ団体といえどもIOCの許可なくして第三者に上記条項の規定によって獲得したいかなる権利といえども譲渡してはならない。」これはIOC憲章第四十九条にあるわけでございます。
 したがってモスコーのオリンピック組織委員会の場合でございますが、最終的な決定権はIOC理事会にあるということになっております。大体、しかし、組織委員会がいかにまあ高くつり上げて売るかどうかということはほとんど組織委員会の腕前に任せられている。それは高過ぎるからよせとか、もう少し引き上げろとかいったようなことはまずIOC自体は余り干渉しないのが実情であるようでございます。
 大体、以上でございます。
#144
○最上進君 大体、実態がわかったわけでありますけれども、ぜひひとつ柴田さんにお願いしたいことは、いまの御説明いただいたようなIOC本部の姿勢でありますと、今後どういう国で開催されるにしても、当然、膨大な放送設備に対する費用というものがかかるわけでありますから、しかも、御説明にありましたIOC本部がむしろ値段のつり上げを望んでいるというようなことになりますと、こういう状態をほっとくと、やはりモスクワのオリンピックのみならず、とにかくこれから永久に続くであろうオリンピック開催国にとりまして、必ず放映権をめぐって各国――私は、すでにこの問題というのは、先ほど橋本理事から御説明いただきました中で、スポンサーに対してまで事前に開催国の組織委員会の了承を得るというようなことになりますと、内政干渉にも通じるような一つの外交問題になってくるんではないかということを考えざるを得ないわけであります。
 そこで、ぜひひとつお願いしたいのでありますが、このIOC本部に対して、日本オリンピック委員会として、こうした問題で世界の国々が仲よくするためにする祭典を通して放送権益をめぐって対立が起きたりあるいは混乱が生じたりするということに対してはぜひひとつお考えを改めていただくように、りっぱな規約があるようでありますけれども、とにかく本来のオリンピックの精神がこの放送権益についても通じるようなやはりやり方というものを全うしていただくように御尽力をいただきたい。日本オリンピック委員会としても、強硬にひとつわが国でこういう問題が起きているということに対して御発言、御提起をいただきたい、お願いするわけでありますけれども、その辺ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#145
○参考人(柴田勝治君) 最上先生のごもっともな御意見でございまして、各国NOCはIOCに対してただいまのようないろんな意見を提出することができる、そして会議にかけることができるという仕組みになっております。たとえば、私、明日立って象牙海岸のアビジャンに、その会議のために参るんでありますが、これは各国のオリンピック委員会とIOC理事会との合同会議が行われます。三月二十八日からでございますが、それでその前に各国オリンピック委員会からいろんな議題の提出を求められておるわけでございます。
 日本は、現在、御参考までに申し上げますと、たとえばモントリオールのオリンピックの開会式で、禁止されておる写真機をぶら下げて行進したり、あるいはひどいのになるとロイヤルボックスの前を通るときに写真をとったりしながら行動した者があったじゃないかとか、いろんな問題があって、ああいう規則が守られないような開会式であるなら規則をやめろといったような提案もしているわけです。その他ドーピングの問題、そういったような四点ばかりを日本のオリンピック委員会からIOCに提案して、それが議題になるわけでございます。
 そういったようなこともございますので、ただいまの最上先生の御意見、非常に参考になりますので、ことに現実に日本がこういった、たとえ日本のオリンピック委員会が全く無関係であるとはいえ、社会的に問題になっておるということをよく踏まえまして、何らか前向きの、IOC自体ももうすでに考えなければならぬ時代に来ておると思います。そういったような点を踏まえまして、IOCに対して働きかけるということをいたしたいと存じます。
#146
○最上進君 四月一日から日本オリンピック委員会の委員長に内定されておられます柴田さんから力強いお言葉をいただきまして、期待するところまことに大なるものがございます。どうかひとつ私どもの意に沿うような結果が出ますように、御尽力をいただきたいというふうに考えております。
 もう一つ、坂本会長にお伺いしたいのでありますが、事態が混乱をしているからということをもって、モントリオール方式のときには大変ABUの陰に隠れて、しかも低廉な価格をもって契約に臨むことができた日本として、このABU、アジア放送連合に対して、何ら連絡をいまのままでされないでいいのかどうか、この辺についてお尋ねしたいと思います。
#147
○参考人(橋本忠正君) 全く先生御指摘のとおりでございまして、すでに、私どもは、日本の国内で残念ながら一本にまとまりができないという情勢を踏まえた段階から、ABUの会長でありますオーストラリアABCのダグマントン会長あてに私の名前で電報並びに手紙を出してございます。さらに結果的に日本がこういうことになったということも詳しくそのいきさつをABUの会長あてに通知を出してございますので、ABUはそれらの点については十分インフォームされているというふうに私は了解いたしますので、決して都合のいいときだけABUを利用して、悪いときほっておくというふうなことは全くございません。
#148
○最上進君 それでは、柴田さん、ありがとうございました。NET問題、この放送権益の問題につきましては以上で終わりたいと思います。
 五十二年度の収支予算の件につきまして質問したいんでありますが、先ほども森委員から、すでに五十一年度の収支予算審議の際につけられました参議院逓信委員会での附帯決議の内容の実施状況に対して御答弁があったわけでありますけれども、ただ一つ私が気になりましたのは、この附帯決議の第一にうたわれております、いわゆる放送の自由を確保して、放送の不偏不党を堅持するという点につきまして、何か意図的なんでしょうか、お答えがなかったわけでありまして、他の問題についてのみ御回答があったように考えたわけでありますけれども、一番大事なこのいわゆる放送の不偏不党を堅持するという点について、どのようにお守りになってこられたか、お聞かせをいただきたいと思います。
#149
○参考人(坂本朝一君) まことに答弁不十分な点があったことをおわびいたしますが、それはもう御指摘のとおりでございまして、常にその精神と申しますか、その決意で事に当たっておるわけでございまして、そのために具体的にどうであったかということを一々事例をもって申し上げるあれはございませんけれども、基本的にその点は絶対守らなければならないということで事に処しておるつもりでございます。
#150
○最上進君 まあ前質問者から、何か国民の中に、NHKが時の政治権力に屈することがあって、これに対する国民の批判があるんだというような御発言があったと私は受けとめたわけでありますけれども、むしろ、私は、現時点で、これは逆の現象ではないかというふうにも感じているわけであります。
 そこで新会長にお伺いをしておきたいんでありますが、前委員会におきましても私が指摘したわけでありますけれども、日放労が特定の政治志向を明確にしておりますところの総評の傘下にある労働組合であるということに対して、会長はどのようなお考えをお持ちでありましょうか。
#151
○参考人(坂本朝一君) 日放労というのは、独立した組織、独立した機関でございまして、その独立した日放労がその意思によって決定したことでございますので、それに対しまして、経営の責任者である私がとやかく批判めいたことを言うことは適当でないというふうに存じますので、その点は御理解いただきたいと思います。
#152
○最上進君 まあよく不偏不党という言葉が、これは放送法にもあるわけでありますけれども、非常にむずかしい言葉でありながら安易に用いられているようなきらいがあります。
 で会長にお伺いをしたいんでありますけれども、わが国は御承知のとおり議会制民主主義という形態の中で、国民の支持による多数を握った政党が中心で政府を形成するという議院内閣制になっていることは御承知のところであります。そこで、私は、はっきり会長の口からお伺いしたいんでありますけれども、この不偏不党という言葉は非常にもっともらしいんでありますけれども、同時にまた意味深長でありますが、これは、一体、じゃどういうことを基準にしての不偏不党であるのか、この辺についてひとつ明確にお示しをいただきたいと思います。
#153
○参考人(坂本朝一君) 協会の編集の意思で、ある政党なりある立場なりを支持するというような放送を行うことではないということで、あくまでもあらゆるそういう勢力から離れて、そして文字どおり不偏不党という形での編集を行使する、こういうことかと思います。
#154
○最上進君 議会制民主主義をとっているわが国におきまして、いま自由民主党が辛うじてでありますけれども単独政権を維持しているわけであります。したがいまして国民の支持の上に立った現時点で政府が形成され行政が運営されている中で、現職の総理大臣と国民が語るとか、あるいは公共放送であるということならば、むしろ野党の人たちが言うのと逆であって、私は、こうした機関を通じて国民の上に立ってできているこの政権の担当者が時の重要な問題について国民に率直に訴えかけるような機会というものを率直につくっていくということの方が正論であるというふうに感じるわけでありますけれども、この点はいかがでございましょうか。おかしかったら明確にしていただきたい。
#155
○参考人(坂本朝一君) 私は、要するに総理は行政の最高責任者である、そういうことで「総理にきく」というような番組、それが御承知のように放映されてるということで、これはあくまでも行政の最高責任者だというお立場においての総理という形で御出演願っているわけでございますので、その点はひとつ誤解のないように御理解いただきたいと思う次第でございます。
#156
○最上進君 たとえば、これは国が違いますけれども、同時にまた政治の仕組みも違いますけれども、いわゆるアメリカのカーター新大統領が「炉辺談話」というような形の中で国民にテレビ放送を通じて率直に自分の主義主張をお訴えになっておられる、ああいうことがやはり私は民主主義国家においては当然あってしかるべきである。何も自由民主党は自由民主党の力だけでいま単独政権、独裁政治をやっているわけでありません。選挙というものを通じて、わが国の議会制民主主義にのっとって政権を担当している。国を代表する総理という立場の人が、もっとやはり国民に時の問題を率直に訴えかけるような機会を公共放送というものがして私は何らおかしいことはないというふうに、これは野党の人とは見解を異にするでありましょうけれども、信じているわけでありますが、この辺はいかがでございましょう。
#157
○参考人(坂本朝一君) いささか同じ答弁を繰り返すようで恐縮でございますけれども、一国の総理というのは行政の最高責任者だということで、国民生活に非常に大きな影響があるということから御出演いただいているわけでございますが、かたがた、しばしば御意見もございますように、自民党の総裁でもあるというお立場でもあるわけですから、その点はわれわれとしては慎重に対処する必要があろうかというふうに考えます。
#158
○最上進君 そこが私はおかしいと思うんです。自由民主党の総裁を兼ねるということをもって野党に大変気がねをしておられるんじゃないかと思いますけれども、わが国はやはり先ほどから私が主張しておりますとおり政党政治であり議会制民主主義をとっているわけでありますから、これは国民の選挙という一つの大きな洗礼の中で、そして多数を持った者が政権を担当できる仕組みの中で、現実にいまわが党の総裁が総理になっているわけであります。私は、自由民主党の総裁であることをもって一国の総理という立場に対して何かやはりそうしたお考えを持つということはおかしいと断じざるを得ないんでありますけれども、いかがでしょうか。
#159
○参考人(坂本朝一君) 要するに、はなはだ失礼でございますけれども、私どもがお願いしているのは、総理――行政の最高責任者としての総理に御出演願っているということで終始しているつもりでございます。
#160
○最上進君 先ほど、いみじくも自民党の総裁であるということをも考えてという御発言があったわけでありますから、そういうことはひとつ抜きにして私はNHKの運営に会長として当たっていただきたい、これをお願いしておきたいと思います。
 次に、NHKは五十一年度に受信料額の改定を行ったわけでありますけれども、財政基盤の強化を図ったけれども、とどのつまり二カ月間にわたる暫定予算の実施等の関係で、事業運営はなお厳しい状況のもとに推移をしている、そういう御説明があったわけでありますけれども、そこで、まず五十一年度の事業収支の見通しまたはその裏づけをなす受信契約の増加というものはどのような状態にあるのか、加えて受信料の収納状況を御説明をいただきたい。
#161
○参考人(山本博君) 契約、収納の状況は担当の専務からまた御説明させますが、予算の実施の模様について御説明いたします。
 五十一年度につきましては、ただいまお話がございましたように、当初の予算を見込みました以降、暫定予算が二カ月ございましたので、それの収入の不足が百十二億でございます。それから目標といたしまして白黒からカラーへの転換、契約の変更、これが百二十五万と見込んでおりましたけれども、三月末の最終統計を見ませんと確定した数字は言えませんけれども、ほぼ百万前後になるであろう。それから契約の総数は、これも当初七十万見込みましたけれども、これも最終的にはほぼ五十万どまりになるんではなかろうか、こういう面の収入不足が約十九億見込まれます。したがいまして百十二億と十九億合わせまして百三十一億というものが五十一年度の収入の不足として見込まれております。
#162
○参考人(中塚昌胤君) 契約、収納状況でございますが、先ほど山本専務からも申し上げましたように、契約の状況は、今年度の上半期までが非常に悪うございまして、それは一つは料金を改定いたしましたので、その収納に非常に力を入れた、その半面、契約の進行状況、進みぐあいが非常に悪うございました。で十月以降の下半期にこの上半期のおくれを取り戻すために契約の増加に全力を挙げまして、二月末現在でカラー契約の増加は約九十二万、契約総数の増加が四十四万という状況でございます。それから収納状況は、これは二カ月ごとの集金期で結果を出しておりますので、年度末、三月末はまだ出ておりません。一月末の第五期末で収納率九六%でございました。これは前年同期に比べまして〇・八%の落ち込みという状況でございます。
#163
○最上進君 受信契約の普及開拓について大変御努力いただいていると思いますが、増加目標の件数を七十万件に置いていたのでありますけれども、五十万件と伸び悩んでいるようであります。しかもカラー契約が四十万件も減少しているというのは、一体、どこにその原因があるというふうに分析をされているのでしょうか。
#164
○参考人(中塚昌胤君) 契約総数七十万件に対して年度末五十万件ということで、二十万件の計画よりも落ち込みということ。それからカラー契約は百二十五万に対しまして百万、二十五万件の減少ということで、それに対しまして先ほど九十二万件まで二月末でいったということを申し上げたわけでございます。
 このように契約の増加が当初の目標に対しまして非常に落ち込みましたのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、五十一年度受信料の改定を行いました。で、この改定いたしました受信料を確実に収納する。これがもし崩れるようなことがありますと受信料制度そのものが崩れる、したがってこの新しい料金額を何とかできるだけ早く定着をさせたい。で前納の精算もいろいろ御意見がございました。国鉄の定期代は値上げになってもそのままであるけれども、NHKの受信料は前納の場合に精算するのはおかしいではないかというふうな御批判もございました。しかし、私どもといたしましては、何とかこの精算もスムーズにやりたいということで、要するに収納面に全力を挙げました。そのために六月以降九月までの間の契約の伸びというのが非常に落ち込んだ、上半期だけで約三万の総数の増加しかございませんでした。下半期に入りまして、二月までで約四十万件の増加をさした。この十月以降は、各月とも契約総数の増加では前年度の各月を上回る増加をやっておりますけれども、上半期の落ち込みというのが最後まで響いたというのが実情でございます。
#165
○最上進君 坂本会長、先ほどの御説明で五十二年度は財政の安定化を重要課題として受信料収入の目標確保に最大の努力を払われるという、そういうお話があったと解釈しております。しかるに、財政計画を見てまいりますと、三カ年間における受信料収入の見積もりというものは、沖繩の特別料金の改定による増収分を含めまして、当初計画に比べて百七十三億円の減収というふうになっているわけであります。この辺をやはり考えてまいりますと、お話と実際に出していただいておりますこうした予算案と、どうも相入れない感じもしないでもないと感じるわけでございます。五十一年のその営業不振につきましてはそれなりの理由もあるとは思いますけれども、五十二年度以降については経営努力の余地がやはりまだ残されているんではないか、そういうふうに考えざるを得ないのでありますけれども、この点、坂本会長の御所見を賜りたいと思います。
#166
○参考人(坂本朝一君) 御指摘の点につきましては、おっしゃるとおりでございますので、私といたしましては、経営計画の見直しということをいたしまして、できるだけそういう点についての努力をしたい、こういうことで具体的な見直しの内容につきましては山本専務から説明をお許しいただきたいと思います。
#167
○参考人(山本博君) ただいま御指摘がございましたように、三カ年間で通して見ますと、百七十三億円の減収を見込まざるを得ません。しかし、当初三カ年間につきましては、NHKの財政の安定を図るという、これは一つの至上課題でございます。したがいまして五十二年度ないし五十三年度、今後の二カ年間に、この百七十三億円という大きな収入不足でございますけれども、これをいろいろな方策をとりまして、たとえば不動産の処分あるいは可能な限りの節減に努力する、あるいはいま御指摘がありましたような契約総数を予定どおり必ず収入として実現させる、もろもろの方法を今後五十二年、五十三年度を通じてとりまして、最終的には、これはまだ二年間ございますので最終的な厳密な意味の数字として裏づけになるということまでは申し上げかねますけれども、ほぼ五十億円ぐらいの差額が残りまして、それの処分を最終的にどうするかということで、三カ年間、何とか収支の安定というものを図れるんではないかというふうに感じております。
 その五十億円につきましては、これは借入金の返還その他を延期するということも含めました資本収支の中のやりくりで大体処理ができるんではないか。したがいまして総体としまして、今後、NHKの努力を重ねることによって三カ年間は財政の面におきましては、国民にお約束をしました財政面においてのいろいろな御負担をおかけするというようなことはないようにやっていけるというふうに思っております。
#168
○最上進君 時間でありますので打ち切りたいと思いますが、今回出されました郵政大臣の意見書を見ましても、いままでにこんなに大臣の意見が羅列された意見書というものはなかったんではないかというふうに考えております。したがいまして、ぜひNHK当局におきましては、現行の受信料制度のもとで国民の放送局としてより一層の発展を遂げるために、事業運営の面におきましては、先ほど来指摘をされてまいりました視聴者の意向をとにかく積極的に反映をさせていく、あるいは受信契約の契約漏れだとか受信料の収納漏れというようなものをなくしていく、営業面においても万全の措置をひとつとっていかれるように心からお願いをいたしまして、質問を打ち切りたいと思います。ありがとうございました。
#169
○茜ケ久保重光君 大臣、午前から質問がありまして大分問題はもう出てまいりましたから、私はなるだけ重複しないように簡潔に質問をしたいと思っております。したがいまして答弁の方もなるべく要領よく短い言葉でお願いしたいと思います。
 モスクワの五輪の話が大分出ておりますが、これは先般衆議院でも問題になっております。もちろん、こういう大変な競技でありますから、その放送権をめぐってとかくの論議があるのも当然だと思うんでありますけれども、少し日本人は騒ぎ過ぎるような気がするんです。いままでNETの思うつぼにはまっているような気がしてなりません。その点はそれとして、とは言いながら、やっぱりNHKがオリンピックの放送ができないということは、これはあってはならぬと思うんです。民間放送ならこれはやむを得ないといってもいいんですが、また、私は、これがNHKが関係なく、民間放送だけの問題なら、これほど問題にならなかったんじゃないかと思うんです。やはりそこにNHKというのがかんでいるから問題になった。ということは、私は国民がああいう世界的というか、また日本自身としてみますと国民的な関心のあるものはNHKに放送してもらいたいという願望があるから、こういったふうに問題になるんだと、こう思うんです。
 そこで、私は、ここに至った経過についてはいろいろと御説明を伺いましたからとやかく申しませんが、しかし、事は決まったわけです。決まったんでありますから、その経過を踏まえた中で、私は、NHKとしては何としてもNHKがこの放送を具体的にやるということが結論でなければならぬと思うんです。もちろん、いろんないきさつもあったんでありますし、今後も問題がいろいろありましょうけれども、それはやはり克服して、NHKはとにかく国民の前にNHKとしてオリンピックの放送をするという結論を出すためのあらゆる努力をしてもらう必要があると思うんです。やっぱり、坂本会長、あなたのNHK会長としての責任であると思うんです。それを私はいまさらなぜ――NHKかこの放送権を取り得なかったかというんじゃ済みません、こうなったんでから。済みませんが、しかし、それを外していま言ったように、NHKは必ずこれを放送するというひとつ基本的な立場を崩さないで、これは三年という日時であります、これがどうなるかは別として、その基本線であらゆる努力をしてもらいたい、また国民もそれを期待している、こう思うんですが、ただ単に御指示に従って努力しますということでなくて、ひとつそれに対する会長として、いままでのいきさつを踏まえた中で、どういうふうに御対処いただけるか、この点ひとつ。
#170
○参考人(坂本朝一君) 茜ケ久保先生のNHKに対する御期待、それはひいて言えば国民全体の御期待であろうかと思いまして、私も素直にその御期待についてはこたえなければならないというふうには思います。ただし、他の先生方にもお答えいたしましたように、ここに至りましたプロセスがございまして、そのプロセスが視聴者の方々にも御納得のいくような形で解明されませんと、ただ、結果だけのことで放送するしないというふうに結論づけますことは、やはり責任者の一人として不十分ではないかというふうに思いますので、静観しておりますというふうに申し上げた次第でございます。
 ただ、そういう御期待、そういう使命等をNHKに強く御要求になっているということは、私自身として、ひしひしと感じておる次第でございます。したがいまして私としては何が視聴者のためになるかということを常に考えながら判断しなければならないというふうに申し上げたわけでございますが、しかし、さればといって、そのプロセスのことについて問答無益というわけにはいきかねるという点も御理解賜りたいというふうに思う次第でございます。
#171
○茜ケ久保重光君 当然、それはそうですね。しかし、結論としては、国民はやはり何としてもNHKに放送してもらいたいという願望があるわけですよ。また、いわゆる聴視料を出していみのですから、せっかく年間かなりの負担をしているNHKがこういう重大な放送をできぬということでは、これは皆さんが心配しているんです。
 これは、坂本さん、ちょうど三年後がね、放送料金の問題も出てくる時期でしょう。そういう時期にNHKがオリンピックの放送ができぬなんていったら、これは料金値上げどころか、いわゆる不払い運動がこれはもうずうっと広がって、これはそれこそNHKお手上げですよ、と思うんですよ。決して私はそれを宣伝するわけじゃない。したがって、あなたもそうだ、会長としてはそういう慎重な言葉を使いたいのでしょうけれども、そこがいわゆる先ほど森委員もおっしゃったように、いままでの官僚出身の会長ではなくて、部内からお立ちになった会長としてある程度大胆な発言もあっていいでしょう。それは国民をバックにした、視聴者を大事にした立場からの発言なら私はいいと思う。あなたが依然として官僚出身の会長であるということになると、やっぱりしようがないんだな。そこで、いま言ったように、この放送についてはいろいろなことを無視して、結論としては放送できるということを踏まえて全努力をしなくちゃならない。それをあなたに聞くと、どうもその決意がないんだな、決意がない。しかし、私はそのぐらいの決意をここではっきり言ってほしいと思う。
 そのことかやっぱり――NETはいわゆる反国民的なことをしたんじゃない、これはやはり私はならぬと思う。いまはそれでいいですよ、三年後においてね、いわゆるあくまでもNHKが本当に視聴者の立場、国民の立場を踏まえてやった結果、もしこれをNETがむげにけ飛ばすようならそれはやっぱり反国民的なと言うことができますよ。いまは石川君の答弁ではNETのキーステーションを使っても国民の八〇%はとおっしゃっているが、これはまあニュースですわね、それに安い単価だね。恐らくオリンピックならば、かなりな無理をしているんですから、かなりの高額なあれが要ると思います。そうすると果たして八〇%に届くかどうか、これは問題があると思う。やはり何といってもそれはNHK、そういう意味でひとつこの辺で、坂本会長、腹のあるところを見せたらどうです。必ず放送権を確保して、これはNETと相談をしてですよ、いろいろいきさつあるけれども、それを踏まえて、やるだけの腹をひとつ見せていただきたいと思います。
#172
○参考人(坂本朝一君) どうも茜ケ久保先生から温情あるお言葉で、正直言って申しわけないんでございますけれども、ただ、私の立場をもう一回言わさせていただきますと、NETとNHKとの間柄でございますれば、私がこの席でいかようにも申し上げる自由もございますけれども、私の立場といたしましては、NHKがTBS、NTV、フジという民放の三社の方々の負託を受けてモスクワへ代表を派遣したというそういう前提でございますので、やはりそれらの方々との協議ということを無視するわけにはいかない。これはやはり同業者の信義ということもございますので、ただし、全体的に視聴者のためを考えるということについてのポイントは私としては外すべきではないとは思いますけれども、そういう前提を、この際、御理解いただいて御了承いただきたいというふうに思う次第でございます。
#173
○茜ケ久保重光君 これ以上言っても御答弁はなんですが、やはり国民がそれは要望していますから、そういうことを踏まえていただいてやっぱり最善の努力をしてもらわなきゃならぬと思います。
 郵政大臣の先ほどからの御答弁を聞いてますと、あなたもまあいわゆる官僚出身の方じゃないと思うんですがね、これはやっぱり干渉するんじゃないけれども、いま言ったようなことから、郵政大臣もあるときには少し何といいますか、強い態度というか、これは決して抑えるんじゃなくて、やっぱり国民の期待に沿うためにはある程度の、何と言ったらいいかな、民放とかいろんなものを抑えると放送に対して容喙したことになりますけれども、価値あることは国民の側から考えてやっぱりしかるべき対処は相談して――これはここであなたが具体的にどういうことをするということをお答えになる必要はありませんよ。大臣も、やはりこのことは、いま言ったように、かなり問題にしてあらゆるマスコミが取り上げている、歓心を買うと言うのですか、これはひとつ私はあなたにここで具体的な答弁は要求しませんけれども、ひとつそのことを踏まえて最善の努力をしてもらいたい、要望だけしておきます。これはお答え要りません。たくさんこの問題でありますけれども、これはもう二、三回ありましたから、私は多くを申しません。
 そこで、次にNHKの予算の問題に入ります。
 いろいろありましたが、これは逓信委員会調査室の資料でありますが、「受信料滞納件数の推移」というのがあります。これを見ますと、四十七年から五十年度までその項目別に、航空機騒音に関するもの、それからビルの関係、それから無理解、それから常時不在というのが出ております。だんだんふえておりますね。五十年度を見ますと、航空機関係が五万、ビルの関係が三万、無理解が十一万、常時不在が四十一万、こうなっております。この表の五十一年度の何かデータありますか。ありましたら、それをお示し願いたい。
#174
○参考人(中塚昌胤君) 五十一年度につきましては、九月末の数字がございます。滞納契約者の全体の数が約六十四万六千。その内訳でございますが、航空騒音による障害、これを原因とするのが四万五千、受信障害等によるのが三万三千、無理解というのが十二万七千、常時不在等が四十四万一千、以上でございます。
#175
○茜ケ久保重光君 だんだんふえておりますね。
 そこで、この中で、いろいろありますけれども、ひとつお尋ねしたいのは、常時不在の場合に対して、中塚さんは、あなたはいつかの説明会で、早朝とか夜間とかにやると、その努力を払ったとおっしゃいましたが、その結果、どのぐらい常時不在のものがいわゆる回収が可能になっているか、データがありますか。
#176
○参考人(中塚昌胤君) いまちょっと細かいデータございませんので、すぐ調べまして御答弁いたしたいと思います。
#177
○茜ケ久保重光君 データはいま調べてもね、中塚君、大体、データは別として、その結果かなり進展しているかどうか、その点どうですか。効果が上がっているかどうか、数字は別として。
#178
○参考人(中塚昌胤君) 普通の時間帯と申しますか、九時から夕方の五時ごろまでの普通の時間帯で参りますと、面接できるのが約二十数%でございます、在宅率と申しますのが。で一それ以外の時間になりますと、もう少し高くなりますけれども、そういうやり方をやらせておりますけれども、そう顕著な効果は上がっておりません。
#179
○茜ケ久保重光君 四十四万というこの常時不在のこれが全部徴収されますと、概算幾らになりますか、年間、見当でいいから。
#180
○参考人(中塚昌胤君) 四十四万全部が一年間滞納ということにいたしまして、それを全部回収するということになりますれば、約三十億でございます。
#181
○茜ケ久保重光君 これ見るとね、四十七年からですが、四十七年は二十四万、四十八年は三十二万、四十九年が三十八万、五十年が四十一万、それから五十一年が九月の時点で四十四万。そうすると一年だけじゃないわけですね、ずっとあるわけですよ。大きな数字になりますが、いわゆる前の障害とか無理解とかいうんでなくて、昼間いないから取れぬというわけですから、これは私はやっぱり努力すればある程度必ず回収できると思うんですよ。
 そこで、早朝とか夜間となりますと労働条件等でいろいろ問題もありましょうけれども、こういう実態が他の不払いとかあるいは未納に連鎖反応しますね。これはやっぱり大きいんだな。したがってこの四十四万が取れぬだけじゃなくて、このことがあるためにほかのにいろいろと影響して、ここにいろんな新聞記事や投書のあれを持っておりますが、やはりこれを要約すると、たくさんありますが、自分だけ正直に払っているのはばかばかしいと、こういうような結論が出てくるんですね。したがって私はこういういわゆる常時不在というようなことがふえてくることはそういう影響があると思うんですね。
 これに対する対策をもっと検討して、いまあなたは早朝行っても夜間行っても余り効果がないとおっしゃるが、しかし、不在という理由だけなら、夜間あいていらっしゃるときに行けば、これは私はできると思うんです。夜間もいろいろありますね。そこで労働条件等の問題もありましょうけれども、これはほかの労働者でも二交代とか三交代ありますね、夜間もされる方もある。したがって私はやはりこの点はそれなりに労働条件に対する考慮はしなくちゃなりませんが、夜間勤務があってはならぬとは言えないと思うんです。その辺をもっと検討して、これはやはりだんだん少なくする努力はしなけりゃならぬと思うんですね。これはできるんですから、やろうと思えば。ほかのものはなかなか容易じゃない、航空障害とか、これは物理的な関係もありますから。そこの常時不在というのは私は違うと思う、これはNHKの努力いかんではできると思う。私は、これに対しては余りにも――努力したとおっしゃるけれども、本当は努力してないと思う。NHKには常に攻撃されるいろいろな問題点がありますが、これがやはりこういうところに出てくるんじゃないかと私は心配する。もっとこれこそNHKは腰を据えて対処するべきことではないかと思うが、いかがでしょうか。
#182
○参考人(中塚昌胤君) 確かに先生の御指摘のとおりでございまして、私どももこの不在者対策ということ、収納の面ではこの不在者対策というのに一番の重点を置いて現在も進めておりますけれども、今後もさらに力を入れていきたいというふうに考えております。
 で先ほど夜間、早朝あるいは休日等の訪問をさらに強化したいということを申し上げました。先ほどちょっと答弁を保留さしていただきましたが、在宅率は二十時まで延ばしますと約五五%ぐらいの在宅率でございます。それから二十一時まで延ばしますと約六〇%が在宅率でございます。これは東京の豊島区、板橋区、練馬区それから中野区の木造賃貸アパート、そういうところで調査した結果でございます。で確かに早朝、夜間というのは在宅率は昼間より高いことは当然でございますけれども、訪問いたします集金者の労働条件もございますけれども、また一方、その訪問される側の問題もございます。余り朝早く、夜遅くお伺いいたしますとまた苦情が出るということもございまして、私どももその辺が痛しかゆしで、おのずから一つの限度があるわけでございますけれども、さらにそういう点に力を入れていきたい。
 それから、何と申しましても、現在の生活態様から申しますと、単身世帯、あるいは二人世帯でも共働きの方が多いというので、昼間不在の世帯が非常に多うございます。したがって、そういう方々からの収納を確実にするというためにはやはり口座振替、これを積極的に進めまして、現在全国で三五%ぐらいございますけれども、これを年々七十万ないし八十万ぐらいふやしてやっていきたい。そうすることによりまして不在世帯のまず第一の対策にしたい。それから、どうしても訪問しなければならない方々につきましては、先ほど申しましたように、早朝、夜間、休日の訪問というのをさらに強化して、先生御指摘のように、この約四十四万の不在世帯の対策、こういう方々からの収納を確実にしていくということにさらに努力をいたしたい、このように考えております。
#183
○茜ケ久保重光君 質問いろいろあるのですが、しかし、NHKが一番努力しなければならぬのはやはり未収の回収だと思うのですよ。で、やはりこれをしませんとNHKは常に問題を抱え込んでいるということになります。
 それで、いままでの経緯に対して夜間もいいし早朝もいい。この人たちの、不在者の勤務先の状況はつかめませんか。勤務先に行く、つまり勤務時間は別として勤務先における休憩時間等を調査して、勤務先に行くというこれも一つの方法だと思う。その勤務先を調べて、勤務先に訪問するということはいままではやったことはありませんか。
#184
○参考人(中塚昌胤君) 不在の御世帯につきましては、お近くの方にその勤め先をお伺いして、そのお勤め先へ御連絡をするということも部分的にはやっております。ただし、これを余りやりますと、やはりまたプライバシーの問題でいろいろ苦情も出てまいりますので、慎重にやっておる次第でございます。
#185
○茜ケ久保重光君 当然ですね、しかし、やはりこれはあなた方の熱意と、これを何とかしようということならば、相手のプライバシーを傷つけたり勤務先にテレビの集金に来たというのは、これはぱっとしませんね、その辺はいろいろありましょうが、しかし、これは一つのNHKがこれだけの努力をしているという何かあれにもなると思うのですね。いろいろなことを考えてやっていただいて、私は、当面、やはり不在者対策を立ててもらいたいということを要望しておきます。
 先ほど経営委員会の問題が出されました。御答弁聞いていると、大分いろいろな方面から入れた、それから年齢も六歳ぐらい若返った、こういうお話でありましたが、この経営委員会で一番お若い方は幾つぐらいでございましょうか。
#186
○国務大臣(小宮山重四郎君) 五十歳でございます。
#187
○茜ケ久保重光君 経営委員の中では一番若いわけですね、五十歳。いま年齢構成が国民もずいぶん変わっていますわね、若い人がずいぶん多いですね。もちろん御年配の方も、特にいま私どもずっと回りますと、八十歳、九十歳の御老人が昔は何もなくて非常に一日をもてあましていらっしゃったが、いまは昼間でもテレビを見て非常に老後を楽しんでいらっしゃることでもありますが、やはりテレビというものは若い人がより多く見たり、これによっていろんな影響を受ける。
 五十歳も結構でしょうが、思い切っていわゆる二十代、三十代の人が経営委員会に入っていろんな発言をするという――これは視聴者会議、あるいはそっちかもしれぬ。しかし、経営委員会にも私はやはり若い人の非常にフレッシュな、しかも思い切った意見が出ることが望ましいと思うんですが、経営委員会の中に青年代表というか、男女を問わず、若い二十歳、三十歳台の人を入れるということはあなた方考えませんか。私は、この際、お年寄りも結構、たくさんいらっしゃるんだから、が一人や二人思い切って若い人を入れて、ひとつ斬新な意見をNHKの経営に注入するということも大事じゃないかと思うんですが、その辺の決意はひとつありませんか。これはいわゆる経営委員会の任命は政府ですがね、大臣、どうです、本当に。ぐっと若い者を入れて思い切ったことをやるということはできませんか。
#188
○国務大臣(小宮山重四郎君) 経営委員については、国会承認事項でございます。私は、先生の御意見も大変重要なことかと思います。しかし、経営委員というのは、少なくともNHKの最高方針あるいは経営の方針を定める重要な事項であります。若い、年寄りというようなことを抜きにして、見識のある、思慮のある高潔な人を選びたいと考えております。
#189
○茜ケ久保重光君 それだから、やっぱしどうもNHK弱いんだな。高潔もいいし経験もいいですよ、しかし、それだけじゃNHKは何か固まっちゃうんだな、それでいろんなことが出てくるんですよ。いま言った思い切ったことをやっぱりやらぬと、この際どうにもなりませんよ。それは若いだけがいいのじゃありませんよ、若いだけがいいんじゃないから、決して――何人でしたかね、経営委員は。
#190
○国務大臣(小宮山重四郎君) 十二です。
#191
○茜ケ久保重光君 十二人全部でなくていいから、十二人の中で二人ぐらいであっても、若い人を――こげついた意見だけじゃどうにもならぬ。それよりもっと新鮮な思い切った意見が出てきて、そのまま若い者が決めるんじゃないんだから、決めるのは全員で決めるんですから、そういうふうに私はものを吸収するようなことがなくちゃならぬと思うんですよ。まあ大臣もやりますと言えぬかもしれないが、そのくらいのひとつ思い切ったことをやりませんと、NHKは私はいつもいろいろなことで苦情が出たり、つつかれたりすると思う。これは私の意見としてきょうは無理は言いませんが、それくらいのことはやっぱり……。
 そこで、それはそれとして、やはり今度は視聴者会議、これはNHKでやっているんですがね、これはつくられました、附帯決議で。私もちょっとこの間群馬県でそのメンバーをもらいました。なかなかバラエティーに富んでおる。ところが、これも若い人がいないのですよ。労働界や農業界とか、いろいろ階層別はありますが、若い人はやっぱりいない。視聴者会議ぐらいは、これは、会長、いま言った若い人を入れることが私は望ましいと思うのだが、この点いかがでしょう。
#192
○参考人(坂本朝一君) 先生の御指摘そのとおりだと思います。それでそういう方向で努力をしておりまして、かなり視聴者会議には青年の御意見を代表してくださるような方々の人選もしておるつもりでございますけれども、現実の年齢が二十か三十かということになりますと、ちょっと私いま手元にデータがございませんので、担当に答えさせていただきたいと思います。
#193
○参考人(反町正喜君) 視聴者会議の全国のメンバーは千二十九人でございます。平均年齢は五〇・六歳。年代別に見てまいりますと、二十代が五十名で四・九%、三十代が九十六名で九・三%、四十代が三百四名で二九・五%、五十代が三百五十四名で三四・四%、六十代が百九十八名で一九・二%、七十歳以上が二十七名で二・六%というような構成になっております。
#194
○茜ケ久保重光君 いまの表で見ますと、やや若い人も入っています。まあしかし平均年齢が五十歳ですから決して平均しては若いとは言えませんが、しかし、私のいま指摘した点ではかなり接近しているようであります。
 そういったものがせっかくできたのですから、経営委員会は別として、視聴者のいわゆる代表の会議の意見の集約――この間も群報県の会議の様子をお聞きしましたが、ローカル放送に対する期待は非常に大きいのですね。これは先般の去年の予算の場合にもこれは大分出たのですが、ローカル放送を拡充してもらいたい。今度の計画を見ますと、教育テレビは全部カラー化とか、こういうことを言っております。ローカル放送も重要視しているが、まだ私は足らぬように思う。
 関東地方を見ますと、六時四十分からですか、関東地方。しかし、各県のローカル放送、これは全国で見ますと各地の放送局ではそれぞれ電波を出していますが、関東は出ていないのですね。群馬、茨城、栃木、こういうところは出ていない。これは個別的に先般話しましたが、関東地方の地方局が電波を出す出さぬは別として、もっとやはりローカル放送を重視してもらいたいという意見がかなり出ていると思いますね。したがって、今後、そういったローカル放送をかなり重点的にやっていくような施策を持っておられるかどうか、持っておられるならば、その計画をお示しを願いたいと思う。
#195
○参考人(堀四志男君) ローカル放送につきましては、先生いま御指摘なさいましたように、実は、今年度から初めて集中的に六時四十分ないし六時四十五分から二十分間の編成をしたわけでございます。したがいまして、これはその前から国会においてもローカル放送の重視ということが指摘されたのにこたえて思い切ってやったわけでございまして、それ相応の努力をしたつもりでございます。それで来年度はこれの充実ということに努力をしてまいりたいと思います。さらに、それ以後につきましては全体的な経営の中でもう少し検討すべきものは検討し、努力すべきものは努力したいというふうに考えておりまして、特に時間的に現在ございます一時間三十分、テレビにおけるローカル放送の時間枠については、来年度はそのままにしておきたいということでございます。
#196
○茜ケ久保重光君 ぜひ今後ともローカル放送充実には力をいたしてもらいたいと、こう思います。
 それからいま一つ、沖繩の先島は全部一応同時放送になりましたね、これは非常に結構なことであります。恐らく先島の皆さんは大変な喜びだと思います。それと同時に、南大東島というのがあります、御存じですね。あそこにこれは私が逓信委員長時代に沖繩に参りまして実情を調査して、特にNHKにお話ししてVTRを沖繩から送ってもらったんですか、この現状と将来の計画がありますならば、ここでひとつお答えを願いたいと思います。
#197
○参考人(沢村吉克君) 先生の御指摘のように、沖繩の南大東島につきましては、残念ながら現段階でケーブルもございません、マイクロ回線もございませんで、番組を生で送る手段がないわけでございます。したがいまして沖繩本島から三百六十キロも離れた孤島でございますし、非常にテレビを期待していらっしゃる皆さん方に何かの方法でお届けしたいということで、先年、放送試験局という形でテレビ局の開設をさしていただきました。沖繩から飛行機でテープを送りまして、ほんの、不十分ではございますけれども、御期待の一端にこたえているというのが実態でございます。
 なお、番組の面につきましては担当の方から――。
#198
○参考人(堀四志男君) 番組につきましては、平均二時間程度、場合によっては少し長い時間放送をいたしておりますが、ことしに入りまして番組内容がもうちょっと、慰安のときであるので娯楽を多くするようにという島の人たちからの要望もございまして、それにこたえるように指導をいたしております。
 なお、時間等の増加につきましては、現在のところ、ちょっとその計画がないというのが実情でございます。
#199
○茜ケ久保重光君 二時間ということは、最初からずっと二時間ですわね。これは時間的に延ばせませんか。どういう制約があって延ばせぬのか、技術的にいけないのか、経費がかかり過ぎるのか、どうなんです。二時間では少し少な過ぎると思うんですよ。十時間とは言わぬが、五時間ぐらいは、昼間はいいから、夜間五時間ぐらいの放送を、いま言ったように古くともニュース、いろんな実録等も含め、さらに劇等も出すということで、五時間ぐらいに延ばすということはできぬものですかな、どうでしょう。それができないとすれば、経費がかかり過ぎるのか技術的にできないのか、この点をひとつはっきりしてもらいたい。
#200
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 実は、二時間の放送にいたしましても、毎日、那覇の放送局においてできるだけ画質のいいものをというところで、放送波じゃございませんで、わざわざVTRの質のいいのを使いましてこれを録画し、そして送っているわけでございます。それが三時間、四時間になりますとそれ相応の人手もかかりますし、また輸送費等にもはね返ってくるかと思いますので、現在の経営状況では現状を維持するという方針でございまして、せっかく先生のお話でございますので、また検討は続けさしていただきたいと思いますが、来年度においては現状維持ということで御了解願えればありがたいと思います。
#201
○茜ケ久保重光君 難視聴解消にはかなり努力してもらっていますわね、しかし、やっぱりああいう離島にありまして本当にほかに娯楽もなければ何もないというところなんですね。したがいまして、これは私はある程度人口に対して経費がかかったとしても、その辺はある程度負担をして、ああいう本当にもう孤島というか、そういうところにいらっしゃる方にもやはりサービスするのが私はNHKの使命であると思う。また、どうしても経費がよけいかかる場合には、これは国もある程度のことを考えなくちゃならないし、いわゆる身障者とかその他に対しては無料で出していらっしゃる、負担をしていらっしゃる。しかし、そういうところに住んでいる人は全く置き去りで、南大東島も何年か前からそういうことになったけれども、それはそれでいいと言えばそれまで、しかし、もう少しやはり私はそういう人に温かい思いやりのある措置をしてあげるということが大事だと思うのです。したがいまして、いま堀参考人の御答弁その辺が精いっぱいとは思いますが、なるだけひとつ努力して、まあ三十分でも一時間でも延ばすような御苦労を願いたい。
 大臣ね、まああなた御存じかどうか知らぬが、全くそれは大変なものなんですよ。したがって、やはり政治と申しましょうか、そういうところに温かい思いやりが行き届くことが大事だと思うのです。あなたもいま初めてお聞きでしょうから何とも言えぬかもしれませんが、やはりそういうことも踏まえて今後運用してもらいたいと思うのです。大臣から、できたらひとつ思いやりのある御答弁をいただきたいと思います。
#202
○国務大臣(小宮山重四郎君) 南大東島については、VTRを持ってきまして地元の人が放映しているという形で行われているやに聞いております。しかも非常に遠距離である、同軸ケーブルで送ることは大変な費用を要することであるし、電波は本島から届きませんので、あるいは電話ケーブルではなかなかそのようなこともできない、そういうところの難点もございます。VTRを運ぶにしても、小型機でございますから、コストの問題、そう多量に積めない。
 しかし、私は、難視聴というのはそういう問題も含んでいるのだという認識に立っております。ですから、それは少くとも世界のNHKである以上、知恵を出せば何らかの形の方法論が出るであろうし、かつ一万六千人の職員が働いているNHKであるから南大東島に一人ぐらいの職員が送れないこともないであろう、いろいろなことを感じます。ただ、私は、そういうものを直接的に指導する立場にはございません。私自身も、NHKにそういうものを積極的に難視聴解消の一環として、少なくとも先ほど問題になったオリンピックなどはちゃんと見られるような姿勢でNHKが行政をやっていただきたいということを念じている者の一人であります。
#203
○茜ケ久保重光君 いろいろ質問を用意しましたが、時間が参りましたので私の質問はこれで打ち切りますが、とにかくNHKも幸か不幸か大変大きな組織と大きな力を持ってまいりまして、これは私はマスコミとしては常に一部には羨望もありましょうし、一部にはいろいろなことがありましょう。したがって何かというとやっぱりNHKは問題にされます。それは私は、委員会は別として、やはりいまや――いま大臣は世界のNHKとおっしゃったが、それほどの価値があるかどうかは別として、まさに規模といい、いろいろなものがそういう状態であります。したがって国民の期待も大きいだけに、常にいろんな問題が提起される。それに私は一々会長は細かな神経を使う必要はない。しかし、細かな神経は使う必要はないけれども、やはり国民の期待と国民の信頼を常に私は受けとめて運営に当たっていただく必要があろうかと思う。
 いわゆる全国にNHKの報道記者それからカメラマンあるいはいろいろな人たちがおります。地方におきましてもNHKという存在はそれぞれやはり常に問題になるところであります。そういうことで、ひとつ先ほども言ったように、何も外から来た会長だから中から生まれた会長だからといって区別があるはずはありませんけれども、やはり坂本会長に対する私は期待は違った意味で大きいと思うんです。何か国民の期待に沿ったいいことをしてくれるんじゃないか、いままでいろんなNHKが批判を受けたこと、それとは別に何か坂本会長はいわゆるわれわれにとっていいことをしてくれるんじゃないかという何かがある。それにこたえるために、坂本会長は、そんなことを踏まえながら、ひとつあるときには大胆に、あるときには非常に温かい思いを込めながら運営をして、NHKが自他ともに公共放送として、そしていわゆる視聴者から聴視料をいただいているということを踏まえながら運営をしてもらいたいと思うんです。したがいまして最後に坂本会長のそういうことを踏まえた上での御所信をお聞きして、私の質問を終わります。
#204
○参考人(坂本朝一君) 常々申し上げておりますように、NHKの存在はやはり視聴者の支持の上に成り立っているというふうに理解しておりますので、私が部内出身者であるとか、あるいは部外から来たとかということとは別に、やはり会長である以上、そういう期待に沿う渾身の努力をすべきであろうというふうに考えておりますので、御期待に沿うための努力を今後も続けたいということを申し上げて、御答弁にかえたいと思います。
#205
○藤原房雄君 昭和五十二年度NHKの収支予算それから事業計画、資金計画等につきまして、若干の質問をさしていただきたいと思います。
 最初に、午前中からいろいろ論議がございましたので一部重複する点があるかと思いますが、できるだけその点はひとつ避けて核心に迫りたいと思うんでありますが、ダブる点はひとつ御了解をいただいて、限られた時間でもございますので、ひとつ端的に御答弁をいただきたいと思います。
 最初に、当委員会は、考えてみますと坂本会長が就任になって最初の予算の審議という、こういうことでございます。坂本体制のもとに、体制というのはおかしいかどうかはわかりませんが、坂本会長のもとに組まれたこのたびのこの予算というものがいままでとどういう点で違いがあるんだろうか、これだけの大きなNHKのことですから、会長の意思でそんなにあちこち変化があろうとは思いませんけれども、やはり先ほど来お話にありましたように、内部から会長に就任になって、もう生え抜きといいますか、NHKのことについてはよく御存じの会長が采配を振るってのこのたびの予算ということであります。それなりに抱負なり、または決意なりというものをお持ちの上で、このたびの予算をおつくりになったんじゃないかとこう思うわけでありますが、その間のことについてはいかがでしょうか。
#206
○参考人(坂本朝一君) 五十二年度の単年度の予算でございますけれども、これは御承知のように五十一年度、五十二年度、五十三年度という三カ年の中期経営計画の中の一年度という位置づけでもございますので、その三カ年の経営計画の中の単年度としての使命が一つございます。
 それからもう一つ、いま先生御指摘の私が会長になったことによっての考え方というのは、この席でもしばしば申し上げておりますように、NHKを理解していただく、NHKを支持していただくというためには、何といっても番組がやはり見られ聞かれるという、そういう前提でなければならない。したがいまして番組の充実ということについての予算上の配慮を柱としてしておるつもりでございます。
 それからもう一つは、やはり受信料制度を守るということからいって、受信料の公平負担ということで未収、滞納等についての抜本的な検討を加えなければならないだろうということ、それから視聴者の意向吸収というこの問題を中心に営業方法というところに重点を置いておるつもりでございます。その他、三カ年の計画の中での位置づけということで当然増になっている部分もございますが、私の考えておりますポイントとしては、そういうところにあろうかというふうに思います。
#207
○藤原房雄君 番組制作等、今日まで部内でずっとお働きになっていらっしゃったそういう坂本会長に対しての期待というものは非常に私ども大きいわけであります。会長は第五十二回の放送記念日の記念式典で聴視者と手を携えと、こう仰せになったと聞いております。そうしてまた冷静な頭脳と温かい人間性とを持ってということも強調なさったと伺っておるわけでありますが、こういうNHKが坂本会長の過去の経験等を通しまして、そうしてまたこれからどうあらねばならないかという上に立っての抱負といいますか、そういうものはいまお話あったわけでありますが、この記念式典での発言、これはまあ視聴者と手を携えてというか、また人間性云々ということはいまよく使われる言葉ではありますけれども、会長が初めて経験をした記念式典でこの言葉を吐かれたというのはそれ相応の自分の過去の経験の上に立って、また現在もNHKの立場というものを踏まえて、何かそのお考えがあっての御発言であろうと私は思うのでありますが、この点についてはいかがでしょうか、お伺いしたいと思います。
#208
○参考人(坂本朝一君) 私、新年の職員にいたしましたあいさつの中でも、同様に、やはり視聴者とのつながりということを重視しようということを呼びかけたわけでございますが、そのために具体的な施策としては、先般来申し上げております視聴者会議等の設置というようなことで努力をしておるわけでございますけれども、やはり何と申しましても視聴者の御意向を聞くという姿勢が開かれたNHKというところにつながるのではないか。その場合に、多少ペダンチックな言い方で恐縮でございますけれども、「きく」というのは、門の中に耳と書くのではなしに傾聴の「聴」だという絵解きをしてあいさつをしたような次第でございまして、そういう意味合いでやはり放送記念日の式典の中のごあいさつにそういう趣旨を申し上げるような気持ちになった次第でございます。
 ただ、そうは申しましても、具体的な問題になりますと、御承知のように二千六百万世帯という膨大な方々と御契約をいただいておりますし、視聴者の中の御意見も非常に価値観の多様化している現在、まちまちの点もございまして、それを具体的に聞いた結果どうするかということになると、正直言ってはたと戸惑うところが多々ございますけれども、やはりそれでもなおかつそれを乗り越えてわれわれとしては勉強していかなければいけないのじゃないかというふうに考えておりますので、今後といえども、いろいろと御叱正をいただきたいと思う次第でございます。
#209
○藤原房雄君 午前中からの審議を通しましても、NHKのこれからについては非常に考慮しなきゃならない大事な問題があるわけでありますが、それらに対しまして、いま会長がおっしゃったことをひとつ何といいますか、まあその人生経験といいますか、また現在の置かれておりますNHKの立場に立って、理想といいますか、実践のためにひとつ力強く進んでいただきたいものだと思います。もちろん放送法の第一条にあります精神というものを踏まえてのことではございますが、ますますひとつ、去年あれほど長期間にわたってのいろいろな論議があったのでありますので私はくどくど申し上げませんけれども、不偏不党また公共性という立場の上に立って、国民の期待にこたえる坂本会長であっていただきたいと心から要望したいと思います。
 さて、このたびの予算編成に当たりまして、これまた新しい大臣がこの予算を審議をいたしまして、過去にない長い項目にわたりまして、いろいろな意見を付された。これも若い大臣が本当に小まめに御検討なさっての上のことだろうと思うんであります。去年値上げ問題を中心といたしまして、五〇%ということですから大変な値上げでございまして、またNHK受信料だけではなくて、ほかの公共料金の値上げもございましたので、いろいろな角度から多方面にわたっての論議があったわけであります。そういうものも十分に参酌し、そしてまたNHKがこれからどうあらねばならないかということで、この御意見を付されたと思うんであります。
 この一つ一つについて大臣のお考えと、また会長のこれからの具体性の問題についてお聞きしたいんですが、項目も多いですし、その中の一つだけちょっとお伺いしたいと思います。
 「長期的展望に立つた経営の在り方について検討を行うべきである。」これは確かに、私がくどく申し上げるまでもなく、現在の放送事業というものがどうなっているか、このように見ますと、NHKの受信料収入というのはおよそ二千億、伸び率が二、三%ということであります。これから一生懸命がんばれという話をするわけですが、せいぜいがんばったって二けた台なんというのは大変なことだと思います。民放の方は、御存じのとおり、広告費の五千億ということでございますから、そしてまた伸び率もこれも一二、三%ということですから、相当な伸びである。これは民放は一社じゃございませんで、数多くの民間放送の方々のことを言っているわけですから単純に比較はできませんけれども、しかし、伸び率が経済成長とともにさらにまた伸びていくわけでありますが、NHKの受信料というやつはそうはまいりません。そういうことからいきまして、まあ巨大化という言葉が妥当かどうかわかりませんが、大きくなるであろうこの民間放送とNHKというものは将来どうあらねばならないかということは非常な大きな課題であろうと思います。
 「長期的展望に立つた経営の在り方」ということは、長期ったって余り長期なことについては経済のいろいろな推測ということも相伴ってむずかしいことでありますが、しかし、そういう経済的な問題は別にいたしましても、この公共放送と民間放送――大きくなる民間放送ととういうふうに競合して、そしてまた共存であるべきかと、こういうこともまた非常に重要な問題だろうと思うのです。こういう意見を付された大臣は考えたから書いたというだけではないんだろうと思うのですが、またそれを受けたNHKといたしましても、当然、いままでも検討していらっしゃることでもありましょうし、これからどうしますなんていうことは結論めいたことを私は聞こうとは思いませんけれども、やはりこれは経営の基本にかかわる問題でありますから、いまからしっかりした対処をしませんと、三年計画といいましても五十一、五十二、五十三年――来年で中期の三カ年計画が終わるわけであります。そしてまた少なくとも経営的にやはり大変な事態を迎えるであろう、こういうことも考え合わせますと、長期にわたって視聴者が納得する、こういう形というものをいまから十分知恵をしぼって衆知を集めてこういうものを検討しなきゃならない、こう思うのですが、こういう点で、十分に具体的な問題についてはどういうものをつくってどうするかということについては御検討なさっていらっしゃるんだろうと思いますけれども、どうでしょうか。
#210
○参考人(坂本朝一君) 大臣の意見書につきましては、われわれとしても慎重にこれを検討をし、受けとめなきゃならないというふうに考えておりまして、いま御指摘の長期経営構想については当然のことでございますので、その方向でわれわれ検討しようということで、先般、五十一年度の予算の際にNHK基本問題調査会を設けましたけれども、それに引き続きますような意味合いの協会経営に識見を有している方々でもって委員会をつくって、そしてそれらの先生方のまた御意見等を拝聴しながら勉強しようということで、そういう準備を進めておる次第でございます。
#211
○藤原房雄君 ぜひひとつこれはNHKの今後の重要な課題でもありますから、当然のことではありますが、あらゆる角度からひとつ御意見をまとめ、そしてこの視聴者、国民に納得のいくものを一つ一つくみ上げていただきたい、こう思うのです。
 それから、去年、二十何時間か三十何時間か知りませんが、五〇%からの値上げということでずっと審議をいたしました。それらを集約した形で附帯決議というふうにいたしました。また、基本問題調査会の報告書を見ましても、受信料の改定なんていうのは考慮せざるを得ない、現在のNHKとしてはやむを得ないだろう。しかしながら、受信者たる国民との間に生まれる相互理解と信頼こそがNHK存立の基本条件であることを十分認識して、受信者との結びつきを強化し、開かれた経営の実を上げるよう努力すべきである。私どもも諸物価高騰のこの公共料金の値上げの中で、非常に受信料値上げというのは、しかも五〇%ということで、これはいかがなものかというずいぶん論議をしたわけであります。しかし、公共放送の原則に立てば、これはなすべきはなし、そしてきちっとしなければならないことはしてもらわなければいかぬ、こういうことであったわけであります。
 そのいろんな審議の中で付された附帯決議、これは一つ一つお聞きするつもりもないんですけれども、あらあらについては先ほどお話がありましたんで、ぜひひとつこれは去年の委員会でこういうことがあったということじゃなくて、すぐできることと、またこれからも永続的に改善しなきゃならないこともあろうかと思いますので、ぜひ御努力をいただきたいと思うのですが、その中の一つ「放送による表現の自由を確保し、放送の不偏不党を堅持すること。」これはいつも附帯決議にはつくんですけれども、実際、NHK部内でこれを具体的にどういうふうに受けとめて、機構的といいますか、そういう点で何かチェックする機関を設けるとか、また週に一遍そういう問題について討議するとか、これを受けての具体的なものは何かないんでしょうか、どうでしょう。
#212
○参考人(堀四志男君) 具体的と申しましても、実は、私、放送総局の責任者として一週間に総局の会合――副編集長を含めた責任者の会合を一週間五回やっております。毎日のように会合を開いて、情報の交換、問題点の解明、さらに決定をいたしております。具体的に申せば、それが一番でございますが、そのほか、責任体制の明確化をきちんとやりまして、委譲すべき権限は委譲し、自由なる創造活動と、そして責任ある番組が立てられるように、非常にむずかしいことではございますが、できる限り努力をしておるのが実情でございます。
#213
○藤原房雄君 どうしても部内ですとマンネリ化する傾向もありますので、視聴者の声、また、そのほかいろんな機関があるわけでありますから、ひとつそんなところでチェックをして、NHKの公共性というものが失われないようなひとつシステムなり、そういうものを、部内の限られたところだけでやっておりますとどうしてもマンネリ化するから、そういう点については十分ひとつ配慮をして御検討いただきたい。
 さて、五十二年度の予算のことに入りたいと思うのでありますが、その前に、同僚委員からもいろいろお話がございましたが、いまNHKが抱えておる、抱えておるというか前面に大きな問題としてございますモスクワの五輪放送のことについて、これは私もちょっと一、二点ただしておきたいと思うのであります。
 私が長々申し上げるまでもなく、電波というのはこれは国民共有の財産でありますし、また放送というものは国民福祉の向上を目的としたものであって、こういう原点に立ち返ってやはりこの問題の取り組みをしなければならないだろう、こう思うわけです。会長の先ほど来のお話を聞きますと、とにかくプロセスの解明、これが先なんだということは一生懸命お話ししておりました。われわれは中身のことについてどういういきさつがあってどうなっておるのかということは十分わかりませんから、会長の立場からすると、とにかくプロセスを明快にしなければ、民族の祭典と言われるこのオリンピックの放送というのはNHKがやることを国民が望んでおるんだぞと、そういかに言われても、まずその前にすべきことがあるんだというお話を一生懸命されておりました。これはプロセスの解明をなされることも、これはもちろんNHKの立場を鮮明にする、またNHKだけのことでなくて、民放四社の代表ということでありますから、そういういろんな手続が必要であることもわれわれは十分これはわかりますが、これにはやっぱり相手のあることではありますし、会長の話だけ聞いておりますと、相手がこうだからこうなったんで、公共性がどうだ、NHKがどうだと、こう言われても、まず相手が変わらなければ解決の糸口は見出せないじゃないかというふうに、そうとられる趣が先ほど来のお話の中に私はどうも感じられてしようがない。
 そんな気持ちで言っているんじゃないとは思いますけれども、代表的な見地に立ってこうあるべきだといろいろお話ございましたが、何度も同じ言葉を繰り返しておりましたので、それはいろんな複雑なことが今日までの経過の中にはあったんだろうと思いますけれども、これはいろいろ聞くところによりますと、七四年、憲章の改正によって、テレビとラジオ――ラジオも何か聞けなくなるといいますか、権利が向こうの方に行って、NETがもしそれを独占するということになりますとそうなるということのようにも聞いておりますから、テレビだけのことじゃなくてラジオもということになりますと、これは非常に問題がさらに大きいのじゃないか。
 そういうことを考えれば考えるほど、NHKが今後とらなければならない態度というものは明確ではないかと思うんです。何といっても、先ほど申し上げましたように、電波は国民の共有財産であるということや、放送の持つ使命という上に立ち、またNHKの公共性という上に立って、やはり解決の糸口を見出すために――これはNHKか放送するということを前提として、そういうことを本当に踏まえた上でそういう糸口を見出すように努力をする、こういうことが一番大事なことではないかと思うんですが、先ほど来からの答弁を聞きますと、どうも同じことをおっしゃっているようにしか聞こえないんですけれども、この辺どうでしょうか。
#214
○参考人(坂本朝一君) 毎々、同じような御回答でまことに恐縮でございますけれども、やはり今回のモスクワのオリンピックの放送権の問題につきましては、その経過の中で十分国民の皆様方に御納得のいくような形でなければ、公共放送としてこれに取り組むわけにはいかないのではないだろうか。ただ、結果が右になったから、その右になった結果を踏まえてそれをどうするかというふうに簡単な問題ではないというふうに考えておりますので、その点はぜひ先生方にも御理解をいただきたい。何が視聴者のためになるかということについては十分理解もし、その責任もあるということを承知の上で、あえてそういうふうに申し上げております点を、この際、御理解いただきたいと思う次第でございます。
#215
○藤原房雄君 それは国民の前に、その手続なり、また理解いただくような経過を踏まえなければならないことは、これは当然だと思います。
 それで、こんなことを聞いていいかどうかわかりませんが、やっぱり一つのわだかまりというか、こういう問題、まあいきさつがいろいろあったけれども、現在、結果としてこういう形になっているわけですが、そういう問題を複雑にし、そしてまた問題が絡まってなかなかかみ合わない原因に契約金の問題が一つの大きな問題なのか、また契約内容ということについてこれはいま問題があるんだということなのか、これはいずれに問題があってのことなのか、この辺はどうなんでしょうか。
#216
○参考人(橋本忠正君) 第一点の契約金の問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、向こう側のソ連組織委員会の要求は、アメリカの一割、最低一割、ということは八百五十万ドルでございまして、一ドル三百円として計算いたしますと二十五億五千万円でございます。この数字は、私どもが民放三社と考えておりました数字より多うございまして、われわれはそこまでは出せない。われわれの数字は申し上げるわけにはまいりませんけれども、開きがあったということは事実でございます。つまり金額の点で向こう側がわれわれの出した案を受諾できないと言ったこと。
 それからもう一点は、先ほどちょっと触れましたけれども、向こうさんが出してきた契約内容について、私として頭をひねらざるを得ない、もう少しクリアにしなくちゃならない、はっきりしなくちゃならない、あるいは場合によっては民放さんと十分相談をしなくちゃならないという点があったということは事実でございます。それについてはある種の条件をつけましたけれども、これは拒否いたしました。したがいまして金額とその二点というふうに御理解いただければと思います。
#217
○藤原房雄君 いずれにしましても、この問題はNHKだけに問うてもなんでございますので、また関係者の方を呼んでというお話もございますので、後に譲りたいと思います。
 それでは、予算書の資料に従って順次御質問したいと思うんでございますが、この財政安定化対策、財政の問題でございますが、去年五割からの値上げということで、それが財政を再建するためには、三年の中期計画を達成するためには必要なことだという御説明、それは一応わかるけれども、しかし、公共料金の値上げ等の中での受信料の値上げ、その他NHKの受信料というものの性格からしてこれは決して収入増というストレートではいかないいろんな問題が起きるんではないか、私まあいろいろ危惧をして申し上げました。暫定を組まなければならないような事態にも至りまして当初の計画どおりいかなかった、そういう点もあろうかと思いますが、総体的に見まして、去年、五十一年度、まだこれ五十一年は締めていませんから全部はわかりませんけれども、値上げになって当初の予定どおり順調には決して進んでいないという、収入が伴っていない、計画どおりいっていないというふうに私どもは資料を見て感ずるんですけれども、いかがでしょう。
#218
○参考人(山本博君) 先ほども御質問がありましたのでお答えをいたしましたが、五十一年度の冒頭に二カ月間の暫定予算がございましたので、御承知のように百十二億の収入不足を生じております。その後、最終的な数字を確定するまでに至っておりませんけれども、目標契約総数、あるいは白黒からカラーへの転換、こういうようなものの目標が予定どおりまいっておりません。したがいましてそれに伴う収入不足が約十九億生じております。合わせて百三十一億が五十一年度の収入減ということで見込まれるというのが実態でございます。
  〔委員長退席、理事案納勝君着席〕
#219
○藤原房雄君 これはもういままでやはり値上げのときにはこういう現象というのはやっぱりあったんだろうと思いますけれども、今回は大幅であったということで、特にこういう現象が大きかったんではないでしょうか。
 普通契約を解除してカラー契約にする、これは相対的な数においてはその月の増ということでそう大きな変動がないはずなんですが、これはちょっと見ますと、確かに普通契約とカラー契約合計したもので見ますと、五月、七月、九月ですか、やっぱり契約数が落ちているということもございますし、それから、いま御報告のありましたように、収入額というものにつきましてもだんだん落ちてくる。当初七十万、この五十一年度でという目標でありましたが、目標を五十万にして何とかがんばろうということですが、現在、無料にしているやつも入れて三十六万五千、一月で。あと二月、三月ということで五十万にはとうてい到達し得ない。これは値上げのために特にこういう進みづらいといいますか、当初の目標がなかなか進まなかったということももちろんあるかと思いますけれども、やはりこの値上げを契機にして皆さんの意識といいますか、受信料を払わないという意思表示をする人たちが特にふえたような傾向というのはこれはないんですか、その辺どういうふうにつかまえていますか、ちょっとお伺いしたいんですが。
#220
○参考人(中塚昌胤君) 五十一年の九月末の滞納契約者約六十五万の中で、常時不在が四十四万、それからNHKに対して非常に批判的な意見を持っておられて、そういうことで支払いを拒否されているという方が約十三万、それから難視聴あるいは受信障害等で支払いを拒否される方が約八万ということでございます。
 航空騒音とかあるいは受信障害等で支払いを拒否される方は五十年度末に比べましてほとんど変動はございません。常時不在者、これは約二万六千ほどふえておりますが、パーセンテージとしては六・三%。ところがNHKに対して批判的な意見を持っておられる、それで支払いを拒否される方、これが二万二千ふえております。これは前年度五十年度末に比べまして約二〇%ふえていると
 いうことで、この部分のふえ方が率としては高いということでございます。
#221
○藤原房雄君 それから当初の予算と実績、こういうものをずっと推移をたどってみましても受信料の欠損額というのはだんだんふえていますですね。収納率も落ちておるという、決算的には、実質的には四十九年までしかわかんないようですけれども。これはやっぱりいままでテレビ台数がどんどんどんどん普及していた時代とは違う。そういうことで条件も以前と同じような条件で見るわけにはいかないかもしれません。ですから、いままで以上に努力しなければ収納率というものは上げることはできない、契約台数も上げることはできないという、そういう面もあろうかと思いますけれども、しかし、数的には年々収納率が落ちておるということは、相当努力しているにもかかわらずと皆さん方ではそういうお考えだろうと思うんですけれども、これはやっぱりいままでのようなやり方をしておったんでは同じように減少していくということで根本的に取り組まなきゃならないんじゃないでしょうか。
 先ほど御答弁ありましたけれども、受信料の前納ということで、なるべく捕捉率といいますか、つかまえたい。四十九年、五十年、五十一年、大体こう見まして受信料の前納率というのは決して上昇はしていないんですね。これはもう全体の契約したものの中での割合でしょうから、ふやした分とそれから前納にした分というこういう関係でいきますから単純には比較はできないかもしれませんけれども、しかし、数的に見ましても、受信料の前納という制度も、幾ら一生懸命やりますとか、そうすることによってという話ですけれども、全体的には進んでいない。今度、計画の中では、取扱銀行を拡張するとか、そういうことで、さらにこの受信料の前納を、収納については口座制度とかいろんなものを通してやるようにしたいということはこの中には書かれていますけれども、現在の状況、推移の姿を見まして、現在の体制では、先ほど来同僚議員に対しての答弁等を聞いておりましても、いままでのようなやり方では、これはだめじゃないかという、相当これは力を入れてやらなければならないというふうに私は強く感じているのですけれども、いかがでしょうか。
#222
○参考人(中塚昌胤君) 確かに、先生御指摘のように、現在、約六十五万の滞納がございます。その中で無理解というのがふえる率が高くなっておりますけれども、一番絶対数として多いのが常時不在の方、これが約七〇%でございます。で先ほども答弁で申し上げましたけれども、この不在者対策というのに私どもは一番の重点を置いて、さらに一層の努力をいたしたいというふうに考えているわけでございます。それから、こういう滞納になるのをできるだけ阻止をする、滞納にならないようにするということが先決でございまして、それの一番の方法は口座振替を極力ふやすということ、これが受信料収納の安定化の一番の方法であるというふうに考えております。
 これの全国的な現在口座の利用率は約三三%でございますけれども、これを東京都だけにとってみますと約四八%、五〇%近くいっておりまして、東京電力あるいは東京都の水道等とそう大きな開きはないということでございますが、さらに各地方におきましても、この取扱銀行をふやす、あるいは金融機関に対しましてさらに強力に口座の推進をしていただくように働きかける。
  〔理事案納勝君退席、委員長着席〕
それから一般の委託の集金の方々にも、口座にすることによってそれの事務費の単価をふやして刺激を与えるというふうな、そういう促進策を講じまして、口座を何とかさらにふやしていきたいというふうに考えております。
#223
○藤原房雄君 移動世帯というのは相当多いので、これを捕捉するということはむずかしいとか、いろんなことがあるのだろうと思います。また一方では、こういう口座によります前納制というやつをやりますと、移動したときにうっかりしていまして両方で取られるという、こういう問題もありまして、善意のやつがかえってあだになるような場合もありますので、そこらあたりはやっぱり細かく配慮をして、そういう不平不満といいますか、そういうことを受けないような配慮というのは大事だろうと私は思うのです。
 それから、契約台数、ことしは暫定を組んでいろいろあったので五十一年は七十万を五十万にしてということで、目標を二十万減したわけですね。しかし、今度五十二年度は七十万やるぞということで意気高らかにこれからやろうというわけですけれども、しかし、五十一年度の実績を見て、本当に七十万ができるのかなという危惧を持つのですけれども、午前中からの質疑を見ましても、非常に一生懸命努力しているんだけれども、いろいろ手を変え品を変え努力しているけれどもという、そういうことと考えあわせて七十万という目標というのは少し大き過ぎるのではないか。目標は大きい方がいいかもしれませんが、着実ないままでの実績等を考えますと、七十万というのはどうかなという感じがするのですけれども、この七十万達成――七十万という数を出すには相当御検討を部内でなさったと思いますけれども、相当これ自信あるんですか、どうですか。
#224
○参考人(中塚昌胤君) 昨年、五十一年度予算審議のときに、先生方にもお出しいたしました三カ年計画、これによりますと五十一年度、五十二年度、五十三年度、それぞれ七十万ずつ増加する、三年間で二百十万の契約総数をふやすというのが三カ年計画でございます。
 先ほどから御指摘ございますように、五十一年度これを五十万に引き下げて、五十二年度予算を作成したわけでございます。本来ならば、この落ち込んだ二十万は五十二年度、五十三年度で取り戻すというのが本来の考え方かと思います。しかし、先ほどから御指摘のように非常に苦しい困難な状況にございます。しかし、来年度の七十万、これは私どもとしては絶対にやらなければならない。自信があるかと申されますと、ここでたんかを切るわけにもまいりませんけれども、私は何としてでもこの七十万は達成をしなければならない、またする覚悟でこれから取り組んでまいりたい、このように考えております。
#225
○藤原房雄君 覚悟のほどはよくわかりましたが、これ中期計画にあるからどうしてもがんばるんだということのようで、それにはそれのような、それを達成するだけの体制といいますか、精神的なものだけではだめなんで対応するものも十分になければならぬと思います。先ほど来、午前中からの質疑を見ましても、これといって変わった何もないようで、意気込みだけは盛んなんですけれども、そういうことからできるのかという、こういう危惧を持つわけなんですが、ぜひひとつこの予算成立と同時に御検討いただいて、目標を立て、そしてまた基本問題調査会等におきましても不公平感を与えるようなことがあってはならぬという、こういう指示もあるわけでありますし、ひとつ御努力をいただきたい、こう思うんです。
 次に、受信料云々のことで、今度の法案の中心といいますか、私どもが最も問題にしなければならないのは沖繩の受信料が値上げになるということであります。本土並みになるんだから上げていいだろうという、こういうことは私どもも理屈の上からはわかるわけですが、何とか沖繩の経済がよくなるようにということで沖繩海洋博もやったわけですが、それは決して政府の思惑どおりの成功は見なかったという沖繩の経済の現状を踏まえまして、今度の値上げについて私どもも非常に危惧をするわけであります。
 特に沖繩につきましては、私からくどくど申し上げるまでもなく、沖繩の収納率というのは本土よりもずっと落ちておるという現状の中で、これだけの値上げをして果たして沖繩では今後どういうふうに推移するんだろうか、こういう私どもは心配をするわけでありますが、まず、このたびの値上げを決めた、金額を定めた根拠をお示しいただきたいと思うんです。
#226
○参考人(山本博君) 御承知のとおり、沖繩が本土に占領下から復帰いたしました当時、ドル建てで沖繩の受信料が決められておりました。そのドル建てで決められておりました金額を円に換算をしました受信料がずっと継承されてきたものでございます。NHKもそれ以来ずっと受信料の値上げというものはいたしておりませんでした。五十一年度から初めて受信料の改定ということになったわけでございますが、その際、沖繩につきましても、本来からいいますと、先ほどもお話がございましたように、本土の改定に合わせまして何がしかの改定をするのも一つの考え方だと思いますが、その当時なお沖繩につきましては本土とサービスが完全に一致いたしておりません状態でございましたので、これを見送ってまいりました。昨年の暮れに本土とサービスが同じになりましたので、五十二年度から沖繩の料金についても改定をさせていただきたい、こういうふうに考えたわけでございます。
 それで、その額の決定につきましては、五十一年度の本土の受信料の改定の率を同率で、同額ではなくて、同率で沖繩の受信料、現存の受信料にその比率を掛けまして、本土並みの率で上げたわけでございます。しかし、それは同率でございますので、結果といたしましては従来六十五円の絶対額の差でございましたものが、今回は、百円の絶対額の差になるということで、額そのものからいたしますとむしろ格差が開いたということでございますが、決める基準としましては、本土の改定の率を準用したということでございます。
#227
○藤原房雄君 沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律百三十五条によりますと、NHKが「徴収する受信料の月額は、当分の間、沖繩県の区域における日本放送協会の業務の実状及び社会的経済的事情を考慮して定められなければならない。」と、こうあるわけですね。業務的には確かに先ほどもお話があったようにサービスもずいぶん改善されたわけでありますし、それなりの事情もわかるわけでありますが、「社会的経済的」ということになりますと、この五月の何日ですか、この特例法がなくなるという時点で確かに本土並みのこういういろんな措置をとらなければならない時点であることはわかりますが、「社会的経済的事情」というものを考慮せよということで、ここにもうたわれておるわけでありますけれども、沖繩の経済状態がこれをこのような形にしていいかどうかということは非常に私どもも危惧するところです。
 大臣、国務大臣の一人として沖繩のことについても、おれは放送のことだけだというような顔をしているけれども、十分沖繩の経済等については御存じだと思うんですけれども、「社会的経済的事情を考慮して定められなければならない。」ということ等を考え合わせますと、沖繩のこの値上げというのは、いろんな配慮をしてこういう計算をしたのだというその事情はわかるんですけれども、これを決めるには、大臣も相当頭を痛めながらこれでいいかどうか相当検討して決めたのでしょうか、どうでしょう。
#228
○国務大臣(小宮山重四郎君) 藤原委員にお答えいたしますけれども、何でも安い方がよろしいんでございまして、私も大変苦慮いたしました。
 実を言いますと、これは打ち明けて話しますと、当初、やはり公共料金、沖繩の実態を見ておりますと、その辺公共料金の値上げというものがいいであろうかというようなことも大変苦慮いたしました。しかし、先島までの同軸ケーブルが敷設され、大変な投資が行われて本土と同じような状況になり、かつ非常に鮮明な画像が出てきたということで、しかも今回提出いたしました受信料が本土とは差額がございますので、沖繩の復帰に伴う特別措置法の百三十五条の規定も考慮し、かつ、ほかの物品についてもさような措置がとられておりますので、今回は、このようなことで私もおおむね適当であろうと考えまして承認した次第であります。
#229
○藤原房雄君 私は何でも安い方がいいという、そういうことで言っているわけじゃございませんが、先ほどの御説明ですと、六十五円の格差が百円に開いた、こういう数字も出ますが、今度の値上げによってパーセントで言うと五二・七%値上げという、パーセントでいうと昨年の値上げ以上の値上げということになるわけでありますから、こういう数だけで追ってああでもない、こうでもない、そういうことで私はどうこう言うつもりはないんですけれども、やはり沖繩の現状というものをよく考え、そしてまた、ここで大事なことは最初会長が言われたやっぱり視聴者との対話といいますか、沖繩の方と事前に相当お話し合いをした上でこれは納得をいただいたという、そういうものもあり、また郵政省としても相当な検討をし、そうしてまたNHKとしても地元にもこういう点については十分納得をいただく話し合いも持ったという、こういう上でのことなのかどうなのかという、そういう手だてを経た上でやはり今度のこういう決定をしたんだということであれば、私もそれなりの了解をするわけですけれども、どうでしょう。
#230
○国務大臣(小宮山重四郎君) さきの公共料金の値上げの中で公共料金のウエートを見ますと、総合で放送受信料は〇・二%ぐらいのアップになります。しかし、先ほど申しましたように、私はその辺の問題点をNHK当局と大変討論をいたしました。かつ、会長自身、視聴者会議に出席し、大変な激論を交わしてまいった結果でありますので、私自身としては、そのような努力がなされたという意味においてはよろしいのではないかという結論に達したわけであります。
#231
○参考人(坂本朝一君) 藤原先生御指摘の点につきましては、私も、最も悩んだところの一つでございます。
 ただ、御承知のように、本土並みと申しましても段階的な措置でございますので、ある意味では本土とのかかわりの中でやはり考えなければならないということもございまして、私自身、沖繩へ参りまして、視聴者会議、審議会の先生方その他の方々にひざを交えまして実情を御説明し、実情を訴えました。で私の得ました感触といたしましては、沖繩の方々ももちろん値上げは好ましいとは思わないけれども、しかし、段階的という協会の経営判断については一応評価しようというふうに受けとめていただけたように判断いたして帰ってまいりました。その後、いろいろな形で理事者も沖繩に派遣し、現地の方々との接触を深め、一層の御理解を得る努力をした次第でございます。
#232
○藤原房雄君 わかりました。
 経営委員につきまして、これは沖繩から一人出ておったわけですね。今度は沖繩・九州ブロックということになるわけですね。これは経営委員が一人減るということになるわけですが、沖繩の現状というものをいままで代弁した方がいらっしゃらないということで、それはみんな関心を持っていらっしゃると思いますが、その中にいて本当にその問題について詳しい人がいなくなるということになれば、いままでと同じようにはいかないかもしれません。それだけに、沖繩のことにつきまして、やはり地元では相当ローカル番組をふやしてもらいたいとか、地元のいろんな要望が特にあろうかと思いますけれども、また、私どもは、先ほど来大臣もまた会長も非常にこの値上げについては心配をし、いろんな角度から御検討なさったようですが、そういう問題についての配慮を欠くようなことが今後あってはならぬ、このように思うんですけれども、その点については今後どういう手だてをして、そういう面をカバーするのかということについてお伺いしたいと思うんです。
#233
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先生御指摘のように、経営委員は、今回、沖縄の復帰に伴う特別措置法との関連で一名増加になっておりましたけれど、本年をもってもとの数に戻す予定であります。
 しかし、私は、NHKという非常にきめ細かい施策をしている放送事業体が沖縄の意見を無視して今後いろいろなことをやろうとは思わないし、私は、いまの現状から見て、NHKの会長が沖縄へ行って積極的に意見の聴取をしたなどということは今後継続的に行われて、かつ沖縄のローカリティというものを尊重し、かつ沖縄のローカルニュースを積極的に流す方向に向かっていくべきであろうと思っておりますので、経営委員を一名減らしたことによって私はそのような障害が出るとは考えておりません。
#234
○参考人(坂本朝一君) 経営委員その他の法律的な問題はピリオドを打つといたしましても、沖縄についての配慮というのは番組を通じ、いろいろな施策を通じ、当然しなければならないと思っておりますし、視聴者会議は当然存続して引き続きございますし、沖縄のローカルにつきましても、沖縄の特別な事情を配慮して、本土よりかやや長いローカルアワーができるような編成上の措置もとってございますので、沖縄についての配慮ということは引き続き熱意を持って当たりたいというふうに考えております。
#235
○藤原房雄君 また、本土並みに近づけるということですから、やがては本土と同じ受信料ということもこれは考えなければならないことになるわけですけれども、これは今度の中期計画の中でどうするということは私も見てはおりませんが、いつごろになるかという目標といいますか、そういうお考えはあるんですか、本土並みの受信料にするという日がいつごろを目標にしておるという。
#236
○参考人(山本博君) 先ほど大臣の御答弁の中にもありましたが、特別措置法の百三十五条という条文がございます限りにおいては、本土と完全に同一料金にはできないという仕組みになっております。したがいまして、その法律が今後どういう取り扱いになってくるかということを見定めませんと、NHKといたしましてはすぐ判断できかねるわけでございます。
#237
○藤原房雄君 五月十四日で、一応、その後どういうふうになるか、なった時点でということなんでしょう。先走ってそんなことは申し上げられないということなのかもしれませんが、私どもは、沖縄の料金値上げにつきましては、一つは経済がまだ安定していないということで経済圧迫やインフレ助長というきらいがないかということと、もう一つは収納率が非常に悪いので、こういう現状の中で果たして今後さらにまた悪化させるもとになるんじゃないかという危惧の上から申し上げておるわけであります。
 収納率が悪いというのは、去年ですか、当委員会で視察に行きまして、現状をいろいろ沖縄の局長さんからお話を聞きました。私どもびっくりしたわけでありますが、それは歴史的ないろんな経過もありますので一遍にはいかないかもしれません。また土地のいろんな事情もあるようであります。しかし、歴史的経過があるといって、また地元のいろんな条件があるといって、この収納率が上昇しないということですと、先ほど来申し上げております公平の原則の上に立って考えると、これは非常に困ったことになるわけであります。それだけにいろいろな対策を講じなきゃならぬ。本土から見ますと非常に悪い収納率をこれからどうするかというのは、NHKにとりましても一つの大きな課題であろうと思うんですけれども、具体的なお考えがあるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
#238
○参考人(中塚昌胤君) 確かに先生おっしゃいますように、収納率の面におきましては本土の約半分ぐらいの収納率しかございません。復帰後五年経過いたしましたが、多少よくなって一〇%近く収納率が上がったという程度でございます。確かに御指摘のとおり、このような状況で推移いたしますならば、料金改定後においてますます公平負担の原則に反するという事態になる危険が十分ございます。
 したがいまして、来年度におきましては、この沖縄の収納体制に、本土から内務、外務の職員、これを応援に派遣をいたしまして、外務職員につきましては約九十名、延べ千三百二十人目、内務の職員につきましては約五十名、延べ三百八十五人目、これを派遣いたしますとともに、現地におきます集金取扱者、これの増員も考えております。そういうことで、この収納体制、一番の問題は、率直に申し上げましてこちら側の収納の体制がやはり弱いということは事実でございますので、この収納の体制の強化を図るつもりでございます。また、これは来年度料金改定に伴います特別の対策でございますけれども、これにつきましても本土から内務、外務の職員、これを十七名、四カ月にわたって派遣をするつもりでございます。それと同時に、この料金改定に伴いまして現地の集金取扱者に対して講習会を開きまして、この委託の集金の方々のレベルアップを図るというつもりでおります。
 それから、何よりも過去、戦前から今日までの歴史的な経過がございますので、NHKというものについての十分な認識を受信者の方々、県民の方々に持っていただく、NHKの使命あるいはNHKの業務について十分な周知を図って、その認識を十分お持ちいただいて御支持いただくように、そして受信料制度というものについて十分御理解を得るように、すでに現地に二名の特別推進グループ、これを派遣いたしておりますけれども、今後も継続して本土からこの営業の特別推進班の要員を派遣いたしまして、現地の方々にそういうNHKというものについての認識を深めていただくということに重点を置いてやってまいりたい、このように考えております。
#239
○藤原房雄君 沖縄の問題につきましては、大体、以上で終わりたいと思います。
 沖縄の問題に触れたついでといいますか、それに伴ってローカル放送についてちょっと若干御質問したいと思うんでありますが、これは私毎年申し上げておることでありますが、最近は、地方におきまして局舎の統廃合といいますか、だんだん県庁所在地に一局というふうに合理化されつつある。こういうことでどうしても画一的な――全国で流すそれはいろんなことを配慮してやっておりますけれども、地方の生のものを地元の方々にという、こういうものはだんだん体制上そういう形が薄らいできている、こういうように感ずるわけですけれども、ローカル番組の充実というのはこれはNHKにとりましても非常に大事なことだろうと思います。
 去年、時間帯やそれらにつきましては相当考慮しまして、七時前の時間をとっておくとか、朝とか、いろいろ曜日によって午前午後このローカル放送の入る時間を検討しまして、一日大体一時間半ぐらい、一時間ちょっとですか、なさるようになったようですが、一つは、ローカル放送の時間量というものはこれ以上ふやすということはもうできないものなのかどうか。
 それから、質的にやっぱりわれわれのNHKということですと、ずっと遠くの方の話ばかりじゃなくて、たとえば身近なことを、そういうことを十分にこれは配慮しなければならぬと思います。一面から言うと合理化を進めにゃならぬということと相反するようなことで、余り大きい声でこれしゃべって私もこれどうなるかと思いますけれども、しかし、これは体制の中でできることはやっぱり最大努力しなければいかぬ、これは当然なことだと思います。県によっては相当地域の違うところがございますので、たとえば福島県みたいに浜通りと中通りと会津という、それが画一的に福島県として一つのものが流されるということでは身近に感じがたいし、私どものNHKという感じというのはやっぱり出てこないんじゃないか。そういうことで時間帯のことと、また質的な問題について、ローカル放送についてはどういう方針というか、取り組みをお考えになっていらっしゃるのか、これひとつお聞きしたいと思うんですけれども。
#240
○参考人(堀四志男君) お答え申し上げます。
 ローカル放送の本質的な問題については、いま先生が御指摘になったとおりでございます。それで昨年度、時間の量は変えないけれど、一種細切りでやや全中ニュースの後に付属物的に見られるようなローカルニュースの編成をやっておりましたが、それでは大事な電波を使って伝えるにふさわしい生活情報的なものも入らないということで、これを集中編成いたしました。しかし、それには三分あるいは五分というものが集まって十五分ないし二十分になったと、量的には変わらないけれども、質的には大きな変化がございます。それでその面では非常な充実をしたつもりでございます。
 しかし、いま先生も御指摘になったように、人をふやすということでは全体の計画の中ではおかしいということでございまするので、人を絶対ふやさないという前提でひとつ各地方の放送局の努力ができるかどうか、それに先立ちまして約一年間諸般の準備をいたしました。すなわち各地方の放送局の意向を聞き、それを集約し、それをフィードバックし、さらに説明しということを繰り返しまして、そうしていわゆる七時前の十五分ないし二十分のローカル時間の設定をいたした次第でございます。そうしてそれには人はふやしませんでしたけれど、機材、物を、やや時間的にはおくれたところもございますが、充実いたしまして、いまのところ六時四十分を中心にローカルはかなりの充実を見たものと思っておりますし、来年度はさらに、乏しい中ではございますが、予算面で格段の配慮をいたしまして、地方のローカル局の勤労意欲というものに沿いたいというふうに考えている次第でございます。
#241
○藤原房雄君 視聴者会議等においても、全国が画一的にならないよう、テーマなどにも地域の特色を出すように、こういう地域性を加味したものをぜひ取り上げるようにということです。これはやりようによっては、現地からの中継の番組をつくるとか、また視聴者が参加する番組、こういうことで視聴者との接触を多くするような番組をやはり質的な面で考慮する。
 この前、放送記念日ですか、あのときの表彰された中に「あなたの中継車」という番組担当者、これは四国本部のやつが表彰になっておりましたですね。これは「視聴者からの提案により各地にテレビ中継車を派遣し、地元の人びとがみずから話題を伝える親しみやすい視聴者参加番組を制作して、NHKローカル放送の声価を高めた。」とありますけれども、これもやっぱり四国の方々がみんなで知恵をしぼってなさったことだと思います。あんな中継車なんか各県ごとに配られたら大変だなんていう、そんなお気持ちはないんだろうと思いますけれども、やはりより住民に密着したNHKのあり方ということから、ローカル番組の時間量というものとまた質的な問題ということについては、実際四国等でこういう工夫をしてやっておるところもあるわけであります。これは四国だけじゃないのかもしれませんけれども、ぜひこういう点でローカル放送の質的な問題についてもう少しがんばっていただかなきゃいかぬ、こう思うんですけれども、どうでしょう。
#242
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 先生の御指摘は、実は、そのままわれわれの努力目標でございますので、その線に沿ってさらに努力を続けたいというふうに思っておりますし、また、現に「あなたのスタジオ」だけじゃなくて、その種の番組が徐々に定着しつつあるということでございます。
#243
○藤原房雄君 今日まで、去年の委員会等でいろいろな論議があって、そして視聴者会議というものを設けることになった。視聴者会議も、年三回ですか、もう何カ所か開かれておるようでありますが、そういうところでいろいろな要望が出るわけですが、地方においてのこういうローカル放送に対しての要望というのはやっぱり相当大きいのじゃないかと私は思うのですけれども、そういう視聴者会議等についての要望、そういうものが一つは時間的なことと内容的なことがあるだろうと思うのです。具体的にどこで何がどうしたということは、これは全国のことですから私どもは一々申し上げませんけれども、いまお話ししたこと等もひとつ考え合わせて、努力目標と言って努力しますというのじゃなくて、現在、五十二年度の予算の中で、予算を提出する段階で去年よりも一歩前進した、こういうことを考えておりますというのは何かないですか。
#244
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 去年より、まず、そういうローカル番組全体について予算的に配慮いたしまして、さらにこの種のものはむしろ地方の自発的意思と企画というものを大事にしたいということでございますので、その線に沿って検討を行っており、具体的な番組ではその地方地方にむしろゆだねるという形でいい良質番組の実現を期待しておるわけでございますし、また同時に、視聴者会議の意向は、直接放送に反映するだけじゃなく、地方番組審議会あるいは中央番組審議会にもこれを反映させまして、具体的に努力していきたいというふうに思っております。
#245
○藤原房雄君 ローカルの時間量というのは、もう大体これぐらいが精いっぱいというところなんですか。内容については地元に任せるということですけれども、やっぱりいいことはどんどんひとつまねしてやってもらいたいし、そういうことは当然主張なさるのだろうと思いますけれども、ローカル放送の時間量というものは大体現在のこの一時間二、三十分というのがもう精いっぱいなのか、今後まだその検討の余地があるのか、その辺どうなんですか。
#246
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 現段階においては一時間三十分、沖縄は一時間四十分でございますが、総合テレビにおける放送時間の内容充実を考えるべきときであり、かつ相互に、さっき先生がおっしゃいましたように、地方の自発的な意欲が出たいい番組を交換したり、あるいは選奨したりということで内容の充実を図るのが当面の目的でございます。時間量につきましては、内容充実と相関連いたしまして、検討すべき時期が来ましたら十分に検討したい。必ずしもかたくなに一時間三十分ということに未来永劫固執するつもりはもちろんございません。
#247
○藤原房雄君 次は、先ほど受信料収入のことについていろいろお聞きしたわけで、午前中にお聞きになった方もいらっしゃいますので、系統立てて詳しくはお聞きしませんが、あらあらのことについてはお尋ねいたしました。入る方と今度は出る方と両方これはバランスをとらなければならぬわけでありますから、今度は出る方のことについてお聞きするわけでありますが、一つは、受信料の伸び率が非常に低くなりつつあるという現況からいたしまして、経営の安定化ということから、去年も、いろいろな審議の中で、現在の支出、こういうものについてはひとつ全部洗い直さなければいかぬ、国際放送についてはどうか、また受信料免除措置についてはどうか、こういうことを一つ一つ申し上げたのであります。
 国際放送につきましては、ことしは一般会計の伸び率よりも大きいという、一億以上の増額になったということですが、しかし、それとても国際放送の経費のおよそ二割程度というふうに私どもは聞いておるわけですけれども、これは法律から言いますと予算の範囲内でやるということでありますが、やっぱり郵政省も――現在いまNHKがやっておる国際放送というのは命令でやっているのと自主的なものと二つあるわけですけれども、その経費をどういうふうに立て分けるか、どこまでがどうかというふうになりますとむずかしい面があるのかもしれません。しかし、こういう国際環境の中で日本が立たされている立場の中で、電波を通し、また書物を通し大いに日本の現状というものをPRすることは、また在外邦人に対して正しい認識を与えるということで非常に大きな役割りを担っておると思うのです。そういうことからいたしまして、国の予算の中でやればいいんだ、たくさんやったのは、経費をかけたのはそちらさんの方でやったことだからということでは、これは済まされないことだし、特に現在こういう経済環境の中では、ことのほかやはり国としてもこれは見なければならぬと私どもは思うのですけれどもね。これはひとつ郵政省としてはこの間のことについてどうお考えになっていらっしゃるかお伺いいたします。
#248
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御質問の国際放送でございますが、この国際放送につきまして、ただいま先生から御指摘ございましたように、われわれも国際放送については同じような考え方を持っております。で国際放送の充実の必要性というものについてもわれわれ十分認識いたしまして、そうして大蔵省へ国際放送に必要な金額を要求しているわけでございますが、何分財政当局の問題もございまして、われわれの希望するだけの額という伸びはございませんが、しかし、先ほど先生からお話しのように、本年度は前年度に比べますと一億六百万円の増ということで、今後ともさらにこれに努力していきたい、かように考えております。
#249
○藤原房雄君 大体、国際放送の交付金の推移を見ますと、かつて高度成長、そしてNHKの経営の非常によかった時代は余り伸び率も伸びもしないで同じ金額がずっと交付されておる。四十八年ごろから、わあ大変だということで、あわてふためいたかどうしたか知りませんが、増額してくれろと一生懸命陳情したのじゃないかと思うのですが、四十八年ごろからだんだん増額なさるようになった。
 そういう経過もありますから、現在のこのNHKが実際制作に当たって国際放送の経費、それのどれだけのものを占めるかということになると、これはむずかしいことだと思うのですが、二三%という伸び率だということですけれども、去年は三〇%、五十年には三九・六%というこういうことですから、こういうパーセントだけでは見られない過去のいきさつもありますが、NHKが精力的に命令もありやっている、また自主的なものもあるのかもしれません、どこに線を引いてその負担区分はどうするかというむずかしい法的な規定はないのかもしれませんけれども、やっぱり小宮山大臣、この新鮮な、ことにこういう問題について非常にこれは大事な問題だという御認識の上に立って閣議でしっかりやってもらいたいと思うんですね。村上大臣はあんまりやらなかったなんて私は言いませんけれども、がんばっていただいた。しかし、NHKの国際放送の重要性というものを、こういうときだけに大臣からもひとつ閣議等でも、また予算折衝の段階でもしっかりがんばっていただきたい、こう思うんですけれども、大臣、どうでしょう、がんばりますか。
#250
○国務大臣(小宮山重四郎君) 国際放送の重要性は、私が申し上げるまでもなく、日本の置かれた地位、また日本の今後の経済協力というようなことから考えましても大変重要なことでありますし、かつ、大ぜいの在留邦人がこのNHKの海外ニュースを大変心待ちにし、それによってエンカレッジされているという実情を考えますと、私も、今後、やはり国際放送というものをどのようにもっと充実するにはどうしたらいいのだろうということをNHKとともに考えて、りっぱなニュース番組あるいは放送番組を作成していきたいという考え方でやっております。
#251
○藤原房雄君 郵政の一般会計の伸び率が六・五%とか、電波関係の予算が六%とか、そういうようなことをいろいろ勘案して大蔵省では決めるんだという話でした。ここへ大蔵省の担当者でも呼んでがっちりやろうかと思ったけれども、そういうお話で、やっぱりこの現状をしっかり認識させること、そしてまた、より充実したものを作成するように、どうぞ小宮山大臣、積極的にがんばっていただきたいと思います。
 もう一つは、受信料免除のことについて午前中も質問がなされたわけですが、これも各省に一生懸命がんばっております、過去のいろんな経緯があります、そんなことは私どもも十分知っているんですけれども、いままではどちらかというと各省にかくかくしかじかでございますのでよろしくお願いしますという要望書を提出するということで、またNHKの役員の方と事務次官の方で折衝するということで、やっぱり大臣が、一つのからを破るんですからね、その先頭に立って、いままでのいろんな歴史的な経過があろうかと思います、しかし、その中で現実に沿った形にするために努力しませんと、NHKの役員の方が各省を回って要望書を置いてくる、置いてきてもそれでちゃんと見てくれるようないまの日本の機構ならいいんですけれどもね、衆参逓信委員会でこういう附帯決議がございましたとか、かくかくしかじかでございますということで要望書を置いてきて、それで、そうかと言って配慮をするほど日本のいまの政府は甘くないんじゃないでしょうか。こんなことを言ったら、そんなことございませんと言うに決まっているけれども、本当にこれね、大臣、ここらあたりの概算要求の段階でいろいろお話しになるんですけれども、大臣が本当に力を入れてやっていただきませんと、これは進みません。どうですか。
#252
○国務大臣(小宮山重四郎君) 大変むずかしい問題であります。しかし、私は一番重要なことは何かと言うと、やはりNHKにもう少し積極的アプローチ、また郵政省と積極的な方策の打開の相談事をやるべきだと思います。私、郵政大臣になりまして大変びっくりいたしましたことは、慣例でそのような話し合いがなかなか行われていなかった。私はそういうことではやはり先生のおっしゃるような問題ができ得るであろうかということを感じております。この国庫補助の問題についても、私は何らかの方策を考えて発言をし、これが前進するような方向をとっていきたいと考えております。
#253
○藤原房雄君 NHKの方はみんなりっぱな方で人格高潔なものですから、NETとのモスクワオリンピックのああいう問題も起きたんだろうと思います。それでもう少し積極果敢にと、こう言っていますけれども、NHKの方はいままで精いっぱいがんばってきたんだろうと思います。やっぱり新しい大臣で新しい時代を築くという気持ちでひとつがんばってください。
 それからNHKの要望書を置いてくるだけじゃなくて、ひとつがっちりやっていただきたいし、また郵政省の方も事務レベルでどうしたこうしたとか、また提出をしたとかということじゃなくて、ひとついままでの旧来の陋習を破るわけですから、これは相当な説得力のある資料と関係性というものをお話しいたしませんと、なかなかできないんじゃないかと思います。余り細々しいことは私申し上げませんが、各種学校やそのほかの問題について、これはもう当然この段階ではと思うものもたくさんございますので、そういう点ひとつ洗っていただいて、折衝の先頭に大臣が立っていただきたい、こう思うんです。
 もう一つ、いろいろなことがあるんですが、これは私もよくわからないからお聞きするんですが、放送番組センターというのがございますね。これは五十二年度ここへ二億三千万からNHKがお金を出すことになっているんですが、これはどういうシステムのもので、NHKはそこでどういう役割りをしているんでしょうか。NHKがいろいろなところへお金を出してやる、これは当然公共性の上から、また高度な技術を持っているということの上で、なすべき当然のこともこれは私どもはわかる面もあります。だけれども、放送番組センターというのは、ぼくらよくわからないからお聞きするんですけれども、そんな何十億というお金ではないかもしれませんけれども、どういう役割りを担っていらっしゃるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
#254
○政府委員(石川晃夫君) 放送番組センターの業務の内容を申し上げますと、放送番組センターは教育教養番組の企画、制作、管理、配給、こういうような事業を行いまして、そして民間放送の教育教養番組を一層充実させて向上を図る、そしてわが国の放送事業の伸展と教育の振興とかあるいは文化の発展に寄与する、こういう目的を持っているものでございます。これは昭和四十三年の三月に郵政大臣の許可を得て設立された財団法人でございます。
 現在、主な事業といたしましては、教育教養番組の企画、制作それから管理、配給、販売、海外との交流、その他これに関連する調査研究、このような種類の業務を行っておりまして、これに対しまして、経費といたしましては、NHKを初め民間放送あるいは放送文化基金、日本自動車振興会あるいは日本万博記念協会それから中央競馬会、社会福祉財団というようなところから負担金というかっこうで資金を入れているわけでございます。
#255
○藤原房雄君 NHKがそこでどういう役割りを果たして、それがNHKにとってどういうメリットがあるかという、何かがあるからするんだとかというのじゃないですけれども、いままでの経緯の中でそれはどうなっているんですか。
#256
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 NHK側といたしましては、番組基金を拠出するだけで、基金からのバックペイと申しますか、援助は受けないような仕組みになっております。すなわち、一般放送事業者、民放の教育教養番組の質的向上のためにそのお金が使われるということでございます。そのほか、NHKといたしましては、教育教養番組をこれに拠出いたしまして、そして低廉な価格で民放にも利用され得るものはしていただくということになっております。したがって放送センターによってNHKが何らか具体的な利益を得るということはございません。一般的に放送番組の向上にNHKが努力し、そしてそれなりの理解を得るという、いわば抽象的なことは十分あり得るものと考えております。
#257
○藤原房雄君 私もお金とか、そういうことでメリットがあるからという、そういうことを言っているんじゃないんですがね。まずは高い技術を持っているわけですから、いろんな面で民間放送ではできない技術面や教養番組等の編集や何かについてそういう力添えをする、また指導的な役割りを果たす、そういうことで制作とか何かにタッチするということであれば、お金も出し、いろんな面でこっちからまた技術を提供しということであれば、この放送番組センターというのは一体どういう性格のものなのかというそんな疑問もあったものですからお聞きしたんでありまして、そこからどれだけのお金が返ってくるとかどうとかということを言っているんじゃ別にないわけです。
 そのほかNHKとして、この前も申し上げましたが、とにかく経営が大変なんだから、何でももうけられるものはどんどんやれなんという、そんなつもりもありませんが、副次的な収入の確保ということについても去年の審議のときに触れました。今年も前年よりも幾らかふえて、そんな大きな金額じゃ決してないかもしれませんが、五十二年度は約三億三千万ですか、これからについてもこの副次的な収入の確保ということで、今度の予算書の中には、五十二年度で何か真新しいことを計画なさっていらっしゃるんですか、どうですか。
#258
○参考人(山本博君) 特に目立って真新しいということではございませんで、ただ従来やっておりますものをできるだけ拡張をして、可能な限り、収入の可能なものにつきましてはそれを結びつけるということで、前年度に比べますと副次的収入というのを五十二年度につきましては三億三千万の予定を見ております。
 内容といたしましては、技術協力の収入とか、それから番組提供料とか著作権の使用料あるいは研修の分担金、テキストの原稿料、編集手数料、内容的にはいまの法律の仕組みの中でやれる限りのものはとっておるということでございます。
#259
○藤原房雄君 時間も大分進んでまいりましたので、それからまた同僚委員からもお話がございましたが、やっぱり審議の中で私どもどうしても触れなければならないのは難視聴の問題でございますが、難視聴対策につきましてはNHKもいろいろ配慮して今日まできておるわけなんでありますが、難視聴とは直接関係ないかもしれませんが、ローカル、地方の方の問題になるかもしれません。中期経営計画の当初の計画よりも二十五億削減せざるを得ないことになりましたですね。まあこれはいろいろな事情があったのだろうと思いますが、どうしてもこういうことになりますと地方の方にしわ寄せがいくという、また建設計画そういうものがどうしても削減される、こういうことになるように私どもは危惧するわけでありますが、これの内訳というのはどういうふうになっていらっしゃるか、ちょっとお伺いをいたします。
#260
○参考人(山本博君) ただいま御指摘がございましたように、五十一年度から五十三年度までの建設計画を約二十五億円減らすことにいたしまして、これは第一年度すなわち五十一年度の収入が先ほども申し上げましたように非常に予定されたものに到達いたしませんという事情から、もろもろの点につきまして節減を図るなり、あるいは解決を図るなり、いま申し上げたような副次的な収入を上げるなり、いろいろ手を尽くしておりますけれども、それだけでは十分な三年間の見通しというものがつくということに至りませんので、同時に建設計画の部分につきましても二十五億減らしたわけでございます。
 その中身は、NHKの主要な仕事でございまする難視解消、こういうようなものにつきましては手をつけておりません。むしろNHKといたしましては重大なものにはできるだけ傾斜をして重点的配分をする。したがいましてこの二十五億減らしました中身は、地方の放送局で古くなった部分につきましてこれを改修しよう、あるいは新しく建て直しをしようというような計画を考えておりましたものを先に延ばしましたり、あるいは研修所をこれも相当もう古くなりまして本来ならば建てかえる時期に来ておるものでございますけれども、こういうものもできるだけがまんしようということで、この三カ年の期間よりも繰り下げたというようなもので二十五億ということでございまして、主要なものにつきましては手をつけているわけではございません。
#261
○藤原房雄君 難視聴は、ビル陰や新幹線、高速道路、いろいろな都市型といいますか都市を中心としてのものと、それから辺地における難視聴と大体分けて考えていいのじゃないかと思いますが、都市における場合はどっちかというと原因者というものはありますので、折衝とかいろいろなことができるわけで、技術的な発展がそれに伴えば解消の方途はできるわけですけれども、僻地におきましては非常にこれは施設をいたしましてもカバーできる世帯というものはだんだんだんだん少なくなっていくということで、投資をしてもそれだけの効果、効率的な運用というものがなかなかむずかしいという、だんだんこういう時代に入ってきたのじゃないかと思います。
 難視聴解消は、都市についてはそういうことで、ある程度都市の場合には原因者というものを究明し、それに対してのいろいろな問題が討議されておるわけであります、すべて解決したわけでは決してございませんけれども。僻地においての難視聴解消という問題についてはどうしても技術的に解消できないというそういう地域といいますか、そういう点はあるのですか。何とかお金さえかければと言ったって経済も考えずにどんどん建設するというわけにはいかないでしょうけれども、難視聴解消に対する一つの目標といいますか手だてといいますか、今日まで目標を踏んまえてやってきているわけですけれども、ことし五十二年度の予算でどこまで難視聴が解消できるか、今後またどういう推移をたどるのか、どこまで解消に努力することによってできるのか、こういう難視聴の問題についてちょっとその経過と今後の見通しについてお伺いしたいと思うんです。
#262
○参考人(沢村吉克君) 先生御質問の僻地の難視解消の件でございますが、このところ、本年度現在努力いたしておりまして、二カ月間の暫定期間新規工事ができないような困難もございましたけれども、何とかこの三月末までに予定の二百カ所の置局、それから九百地区の共同受信施設の完成、さらには百施設ばかり従来の共同受信施設の拡張と申しますか増設というようなものも含めまして今年度の計画を完遂したい、また、ほぼ完遂できる見込みになったわけでございます。で、その結果、本年度、五十一年度末におきまして約七十三万世帯程度の難視世帯が残るわけでございます。
 いま御審議いただいております五十二年度の予算におきましても、さらに当年度と同様の二百カ所の置局、九百施設の共同受信の新設並びに百施設の増設ということでは、ほぼ十万世帯の難視解消が図れるものと予想をいたしております。ただ、その間におきまして、毎年のように都市近辺におきます宅地の造成でございますとかいうようなことで電波の十分届いてないところに人口が移動するという現象が続いておりまして、そういうものを差し引きますと実効的に九万世帯程度の効果になろうかと思うわけでございます。したがいまして五十二年度末におきましては約六十四万世帯がまだ解消されずに残るというふうに見込んでおるわけでございます。やはりこういう努力を重ねまして五十三年度まで見通してまいりますと、五十三年度末では約五十六万世帯程度は残るのではなかろうかというふうに見込んでおる次第でございます。
 なお、このような僻地の難視の解消につきましては、どうしてもできないところというのがあるのかという御質問でございましたけれども、次々といままであります電波を受信をいたしまして再放送していくという方式でまいりますと、陸続きのところでございますればいずれはその終点まで到達できるだろうということは申せるかと思います。ただ、非常に離れた離島でございますと本土の電波が直接なかなか届きかねます。で先般の先島のようにケーブルが架設されるとか、何らかの方法がございませんと、普通の形の放送中継局というものはできないわけでございまして、先生の御質問のどうしてもできないところというのはある意味ではそういうところかと思います。それにしましてもケーブルを敷けばできるじゃないかということを考えますと、これは金さえ出せばどうしてもできないところはないということになろうかと思いますけれども、普通の常識的な経済性を加味いたしまして考えますと、そのように考える次第でございます。
#263
○藤原房雄君 それから、どっちかというとNHKは長い歴史を持っておりますので、この難視聴解消に対しては法律もございますから積極的に取り組んできているわけであります。そのあとを追って民放が来るということになりますので、どうしてもNHKは見えるけれども民放は見えないという、こういう問題がやっぱりあちこちにあります。最近、どこも見えない、はっきりしないという場合にはNHKの方が中心になって民放さんとの話し合いの上に立っていろいろ施設をするという、こういうことをずっとやってきておるわけでありますが、先にNHKのそういう施設ができておりますと、民放同士ということになるとなかなかこれはどっかが音頭を取ってやらなければできない。
 北海道でもそういうところが何カ所かございまして、この前もちょっとお話ししたんですけれども、襟裳のところに数百世帯ございまして、町長さん一生懸命駆けずり回りまして、NHKさんの方は見えるものですから民放さんの方にかけ合ってもなかなかそれをまとめてくれない。地元でも、もう個人個人もそれぞれ負担してもやむを得ない、また地方自治体も幾らかやっぱり余り住民に負担をかけられない、こういうことで何とかひとつというそういう声、これはここだけではございませんで、あちこちにいっぱい私どもも聞くわけですけれども、そういうことはやはり、法律的に義務づけられてはいないかもしれませんが、民放は民放でそれぞれ予算化してこの難視聴解消にはある程度取り組んでいるわけです。そういう点では郵政省が音頭を取ってこういう問題については対処しなきゃならないんじゃないか、こう思うんです。
 今日までもこの問題についてはいろいろ話し合いしてきた経過も私ども聞いてはおるんですけれども、これからだんだんせっかく施設を立ててもカバーできる世帯が少ないということになると、民放さんもなかなか商業ベースに合わないということで、そう数多くはできないでしょうし、だんだん窮屈になる。そういう中でやっぱり郵政省が聴視者との仲に立って電波行政という行政面でどう対処していくのか、こういうことについてひとつ大臣からしっかり御答弁をいただきたいと思います。
#264
○国務大臣(小宮山重四郎君) NHKがいままで特に先頭に立って難視聴の解消をされてまいりました、特に放送法第七条の「あまねく」というような問題がございますので。しかし、私毎度申し上げますんですけれども、情報というのはいかなる情報でもそれは財産であるという考え方がありますので、現在、テレビジョン放送難視聴対策調査会の報告書を受けまして、事務次官を長としまして郵政省の中で難視聴対策委員会なるものをつくりまして、民放とやはり一体となってNHKが難視聴の解消に持っていくべきであろう。
 難視聴にもいろいろ先生がおっしゃいますように、僻地あるいは都会あるいは大きな意味では離島、また基地周辺のフラッター現象というような問題もございますし、そういうものを一日も早く解消するように、NHKだけではなかなかできません、またNHKのニュースだけを流すことはいけないかと思いますので、民放にも参加を求めて、今後とも積極的に難視聴解消をやりたいと考えております。
#265
○藤原房雄君 それから、今度、番組の中で社会的に弱い立場の方々のために新しい試みといいますか、いままでもいろいろそういう人たちのための配慮が払われてきたんですが、ことし五十二年度新しいのを何か計画していらっしゃるように聞いていますが、何と言うんですか、御説明いただきたいと思います。
#266
○参考人(堀四志男君) 新しく手話による聴力障害者のための時間を設定してはどうかという御意見も多くありますので、来年度から手話を中心とした聴力障害者の方のための時間を設定いたします。一週間一回十五分間でございまして、一回はリピートさしていただきたいというふうに思っております。内容は聴力障害者に必要な情報その他を中心にしたもので、演出等につきましては画面いっぱいに手話の人を出しまして、実際に聴力障害者の方が見て役立つ番組にしたいということで、かなりの研究の末放送いたすものでございます。
#267
○藤原房雄君 いろいろ申し述べましたが、それぞれ同僚委員からも意見があり、私も抜けた点も時間の制約があってあったかと思いますが、いずれにいたしましても当初会長からお話ございましたように、視聴者と手を携えてというこの精神の上に立ちまして、NHKと民放との推移を見ますと、非常にNHKも体質的に大きな転機を迎えていると私どもは思うわけでありますが、一層ひとつ国民各層の方々に親しみを持たれ、公共放送としての使命を全うできるように御努力をいただきたいと、こう思うわけであります。
 最後に会長から御決意のほどをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#268
○参考人(坂本朝一君) 先生の御指摘の数々につきましては、私といたしまして、今後の経営の中で十分参考にさせていただいて万全を期したいと、そう考える次第でございます。
#269
○委員長(神沢浄君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#270
○委員長(神沢浄君) じゃ、速記を始めてください。
#271
○山中郁子君 五十二年度のNHK予算の審議に当たりまして、具体的に私は五点の問題にしぼって質問をする予定でおります。で具体的なテーマに入ります前に、けさほどから議論になっておりますオリンピック放送の問題に関して、一つだけ基本的な考え方の範囲の問題としてNHKに見解を伺っておきたいと思います。
 この問題は、他の議員の方も申されましたように、しかるべき時期に直接の担当者でもあります民放の方も含めた審議の場所が設けられることと存じますので、総合的にはそのときに譲りたいと思っておりますが、私がいまここでぜひとも明らかにしていただきたいし、私の見解も申し上げたいと思っておりますことは、放送法、電波法に基づく電波の公共性との関係においての今回の問題についての基本的な姿勢です。一口に申し上げまして、それはNHKにもあるいは民放の方にもそれぞれ言い分はおありになるのだと思います。言い分の片りんは本日の委員会でも何回か伺いました。私はいまそのことを問題にする気持ちはありません。それは先ほど申し上げましたように、しかるべき場所で究明をしたいというふうに思っております。問題は、NETの言い分がどうであれ、あるいは他の民間各社の言い分がどうであれ、さらにNHKの言い分がどうであっても、放送事業者としての共同の責任、放送事業者と国民との関係、ここに一つの大きな基本的な問題があって、それに対してしっかりとした姿勢が確立されていなければ、私は、放送事業者としてのかなえの軽重を問われる、そういう重要な問題を含んでいるというふうに考えておりますが、その点についてまず会長の見解をお伺いいたします。
#272
○参考人(坂本朝一君) 私もしばしば申し上げておりますように、この問題についてのNHKの責任の重要性というのは十分認識しておりますし、山中先生御指摘のように、放送事業者としてもやはり電波の公共性という視点から考えなければならないポイントがあるということも十分承知しておるつもりでございます。
#273
○山中郁子君 一つ具体的な点でお尋ねしたいんですが、オリンピック放送をかなりの国民の方たちがごらんになる、したがって電波の公共性という点からも強い結びつきができてくるということですけれども、オリンピック放送の視聴率という点から言えばどういうふうな状況になっているというふうに把握されているか。私は視聴率ということ自体にもそれはいろいろな問題はあるという認識はしておりますが、現時点での視聴率ということのバロメーターから言えばどういう状況にあるかということを、担当の方からで結構ですが、お伺いをいたします。
#274
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 オリンピック放送に対する視聴率は、視聴率として正規な世論調査所による視聴率はございません。と申しますのは、一年間二回にわたりまして春と秋にやるものですから、その期間にオリンピックはございませんでした。ただし、はがき等によるアンケート調査はございます。しかし、それも平均というよりは高いものの順序からございまして、去年行われましたモントリオールオリンピックにおいては、関東一都六県において住民千二十人についてお尋ねしたわけでございますが、その結果、上位は男子体操が八八%、女子バレー八四%となっておりまして、その後、女子体操、男子水泳、女子水泳という順序になって、いずれも七〇%を超えております。また、ミュンヘンオリンピックにおけるほぼ同様な意向調査におきましては、カヌーの決勝の四六・七%を筆頭にいたしまして、男子バレーの準決勝が四一%、メキシコオリンピックにおきましては開会式が二六・七%という結果でございます。なお、ビデオ・リサーチ等によりますと、上位でマラソンがモントリオールオリンピックにおきまして三九・七%というのが最上位でございまして、以下ボクシング、男子体操、ハンドボール、重量挙げということで、いずれも三五%を超えております。
#275
○山中郁子君 いまお示しいただいた数字によりますと、常識的に言ってこの視聴率というのはかなり例外的と言っていいほどの広範な国民が視聴しているというふうに判断してよろしい数字でございましょうか。
#276
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 一概にオリンピック放送全体が例外的にいいと言うには余りにもデータが不足でございまして、そうは申し上げられないかと思いますが、いいものについては例外的によろしいと申し上げて差し支えないかと思います。なお、平均につきましては、専門家の間で、大体ゴールデンアワーで二〇%を超える程度ではなかろうかというようなことが業者仲間といいますか専門家の間で言われていることでございます。
#277
○山中郁子君 私は、具体的にオリンピック放送だからということで特別にこれが国民的な要求であるということだとか、そういうふうな根拠の薄弱な断定はするつもりはないんです。だけれども、いまNHKでもお認めになりましたように、一般的にかなりたくさんの国民の方たちがこれを視聴することを望んでおられる、現にいままでそうした実績があるということは事実です。ですから、私は、そういう点から考えても、やはり国民の要求を満たすということが放送事業者としての第一義的な事業運営に対する姿勢でなければならないというふうに思います。
 それで、けさほど来の質疑の中でも、会長からも、いろいろ経過もあったし、その経過もちょっとわかってもらわなければならないというふうな発言が何回かありました。しかし、私は、それよりまず第一の問題として、こういうことが起こるということは、放送事業者が公共のものである、国民の財産である電波を私物化するというそういう誤った姿勢あるいは商業主義的姿勢、そうしたものがさまざまな形で災いをした結果、こうした事態が起こってきているということは否定できないというふうに思います。
 ですから、どういう言い分があったとしても、放送事業者はそれなりの大義名分に基づいて免許も受けて、そして大義名分に基づいて存在し営業しているわけですから、その範囲の責任において、放送事業者としての責任において国民の不信を買ったりするという事態は絶対にあってはならない、そういうことが現にいま起こってきているわけですから、それからまた過去にそうしたことがなかったとは決して言えません。そういう問題は、私は、放送事業者としてみずから墓穴を掘ることであるし、また放送法、電波法の精神を形骸化するもの、これにつながっていくというふうに警告も申し上げたいし、そこの点を、一放送事業者としてだけでなくて、特殊な任務とそれからそれなりの背景を持っているNHKがきちんとした位置づけでもって責任を持った形で、経過がどうであるとか、他の民放の各社がこういう態度をとったからとか、そういうことをおっしゃる前に、放送事業者の責任ということを明確にして、国民の前に、国民の期待にこたえるという約束をしていただく、このことがいま一番求められていることだというふうに思っておりますが、その点についての会長の見解を重ねてお尋ねいたします。
#278
○参考人(坂本朝一君) 山中先生の御指摘も私もちろん理解できるわけでございますけれども、しかし、いかに国民的要望であると申しましても、その結果だけで私どもが責任ある行動をとるというわけにはいかないんではないか。したがいまして午前中からしばしば申し上げておりますように、何が受信者のためかということを考えるのが私の一番大きな責任であるということは自覚しておりますけれども、その間の問題について、やはり明らかにするところは明らかにした上で御判断願うという姿勢は御理解いただきたいと思う次第でございます。
#279
○山中郁子君 端的にお尋ねいたしますけれども、私のいま会長からお答えをいただきたいと思っておりますことは、放送事業者同士のトラブルないしはそういう範疇で起こった問題が結果して国民に迷惑をかけるということは、日本の放送法、電波法からいって誤りである、このことをはっきりNHKの会長としても自認をしていただきたい。そして、そういうことのないような国民の期待にこたえる姿勢を堅持するということを言明していただきたい、こういうことを申し上げております。
#280
○参考人(坂本朝一君) 私も、その点ははなはだ残念であったし、ある意味では申しわけないと思っておるわけでございますけれども、私が申し上げております点も山中先生の御理解を得たいと思う次第でございます。
#281
○山中郁子君 この問題に私は時間をかけるつもりはありません。ですから、私はいま会長がおっしゃることを理解しないともするとも言ってないです。このことはしかるべき場所でまた質問もいたしますし、御意見も伺う機会がありましょう。
 だけれども、問題は、いろいろ残念であるということと申しわけないというふうなことを並列的におっしゃるけれども、私は、国民に対して放送事業者として申しわけないことだということをまず端的に第一義的に認識していただかなければ、放送事業者としての姿勢に問題があるではないか、このことを申し上げているのです。重ねて御答弁願います。
#282
○参考人(坂本朝一君) そういう意味でございますれば、まことに申しわけないと思っております。
#283
○山中郁子君 第一番目のテーマについて質問に入ります。
 経営委員会の問題について。経営委員会の問題につきましては、経営委員の選任の問題とそれから経営委員会のあり方について二点にわたってお尋ねをしたいと思います。
 で、これは主として郵政省、郵政大臣にお伺いをするわけですけれども、私もいままでの委員会の中で提起をいたしました。それから衆議院においても、ごく最近の衆議院の逓信委員会におきまして、わが党の藤原委員が提起をいたしました。また他の委員の皆さんも何回かこの問題に触れられました。で一番大きな問題は、重要なNHKの最高のある意味では機関である経営委員会委員の人々がどういうふうにして選ばれるのかということがやはり大きな問題の柱になっているわけです。それでまず初めに、私は、額面どおりの御答弁をいまお願いしているわけではありませんで、具体的に経営委員というのはどのようにして選ばれるようになっておりましょうか、このことについて、まずこれは担当者の方でも結構ですけれども郵政省から御答弁いただきます。
#284
○政府委員(佐藤昭一君) お答えいたします。
 NHKの経営委員会の委員の任命の件でございますが、経営委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、最もふさわしい者を、教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されるよう配慮しながら、慎重に選考し、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命していくというたてまえになっておりますし、また、そのとおりやっているわけでございます。
 なお、この具体的な手続というお尋ねでございますが、両議院の同意を得るその段階におきまして、その人選につきましては、関係者すなわち主管である郵政あるいは内閣というところで協議をいたしまして、それぞれ候補者の選定ということをやっているわけでございます。
#285
○山中郁子君 まあ額面どおりに答えていただくのではなくてというふうに申し上げたのですけれども、いまのお答えを予想したから私はそのことを申し上げたのであって、そんなことはよくわかっています、放送法にもちゃんと書いてありますから。
 私が申し上げるのは、そうしたいまおっしゃったようなことを現実に政府、内閣が提案をして両議院の承認を受けるという具体的なメンバーの名簿、リストにどういうふうにしてなっていくのか。内閣が任命するといったって総理大臣があの人とあの人とあの人を経営委員にしなさいといって出すわけじゃありませんでしょう。いまおっしゃる話によると、郵政省ないしは関係各方面と、こういうふうにおっしゃるけれども、じゃ候補のリストというのはどこでつくるのですか、そうしてどういう基準に基づいてそれをつくるのですか。いまお答えになった放送法の基準というものはごく抽象的なものです。そうすると、そういう方たちがこういうふうな人だから、だからここでいう「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、」云々というそれに該当するのかどこで判断をされて出されるのか、そのことをお尋ねいたします。
#286
○政府委員(佐藤昭一君) ただいまちょっと御説明いたしましたように、主管省でございます郵政省といたしまして、この経営委員にふさわしい人物というものにつきましてそれぞれ御推薦を申し上げる、その御推薦を内閣の方に申し上げまして、そこで御協議いただいて、そこでふさわしい人物についてその都度候補者というものを決めていただくという形になっております。
#287
○山中郁子君 郵政省が推薦なさるわけですが、郵政省の責任で推薦なさるわけですか。
#288
○政府委員(佐藤昭一君) 郵政省といたしましては、それについてふさわしい候補者という方について御推薦を申し上げるということでございまして、その後におきましては、内閣部内におきましてお決めをいただいておるということでございます。
#289
○山中郁子君 郵政大臣にお尋ねしますけれども、郵政省の責任で推薦なさる、こういう御答弁でございました。そうしますと、郵政省は推薦の方たちがどのようにNHKの経営委員として適任であるかという、どういう調査なり資料なりをお集めになって、そしてその上で判断をされていらっしゃるのか。私どもがいただくのはごく一般的な経歴書だけです。そういうことで、ここでいう「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」と、しかも、これは放送事業ですから、NHKの問題、放送に関してのしかるべき識見がおありになるということで推薦なさると思いますが、どういうふうな手続なり資料なりをお集めになって推薦なさっていらっしゃるか、そのことをお尋ねいたします。
#290
○政府委員(佐藤昭一君) ちょっと私がただいま御説明しましたのが舌足らずだったかもしれませんが、郵政省といたしましては、ふさわしい候補者という方につきまして御推薦を内閣の方にいたしますが、同時に、そこで御協議いただく段階で、別な御意見が出てくる場合もあろうかと思います。個々の事例につきましては、過去につきましては余りつまびらかにいたしませんが、郵政省としては候補者について推薦していくということでございます。
#291
○山中郁子君 私がお尋ねしたことについては、それじゃぜひ大臣御答弁お願いします。
#292
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先生御承知のとおり、経営委員については全国的な方と地域代表の方に分かれます。かつ、これには第十六条の四項の問題も付されております。しかし、文化、いろいろな問題ございますけれども、電波だけではなくて、少なくとも経営あるいは識見等を持っていらっしゃる方をわれわれはそれなりに物色して内閣に提出し、内閣からまた衆議院、参議院にそれぞれ提出して、国会においての御審議を経て任命するのであります。私たち、いろいろな方が出てまいります、それなりに討論をされて任命されておる。ですから、私自身も、それぞれ経営委員の方々は大変りっぱな方々が任命されていると認識いたしております。
#293
○山中郁子君 私が具体的にお尋ねをしたいと思っておりますのは、経営委員の方たちが放送に対して――具体的にこれはNHKの経営委員ですから、一般的に「広い経験と知識を有する者」ということの中に含まれるということだけでなくて、放送に対してどういう見識を持ち、見解を持っているかということは、これは大変重要なことだというふうに思っております。
 まず、その点について大臣も御異議ないと思いますが、御異議があればお考えを聞かせていただきますが、そうだとすれば、おのずと郵政省が責任を持って推薦なさる人たちに対して、事前に放送の問題についてどういう所見を持っておられるかというふうなことについてもお尋ねなさるか、あるいはそれぞれのデータをお取りになるかということになると思いますが、どういうふうにされていらっしゃるのでしょうか。
#294
○国務大臣(小宮山重四郎君) 経営委員がそれぞれ放送のプロフェッショナルな方であるとは限りません。私自身も放送に対しては十分な知識を持っておりません。しかし、その後勉強をし、山中委員もそうであったろうと思いますが、私はそれなりに経営見識、人生に対しての見識というものがやはりNHKの今後の経営というものに対して大変影響力があり、それは職員をエンカレッジし、かつ理事者が出した懸案に対して批判し建言し、それを運営に持っていくのであって、私は、そういう意味でそういう見識等がある人が経営委員になるべきだと考えておるのであります。
#295
○山中郁子君 ですから、放送に対してその方がどういう考え方を持っているかということは当然知らなくちゃいけないことですよね。そのための手段としてどういうふうな御努力をされているかということを私はいまひとつ伺っているわけです。でも御答弁によりますと、特別にたとえば放送の問題について郵政省が推薦をしたいと思う方に御意見を伺うとか、そういうことをされていないというふうに理解せざるを得ないのですけれども、たとえば両議院において承認を求めると、こういうふうに言われて承認を受けているんだから、これは正当な国民の代表であると、こういうふうにおっしゃるわけですけれども、たとえば私ども共産党も具体的な名前をごく最近の問題として申し上げるならば、大来佐武郎さんについては反対いたしました。これは私はこの参議院の逓信委員会においてもそのことについていろいろと質疑もいたしました。しかし、一般的に経歴書だけを持ってきて、それでぽいと渡してこれで賛成してくれ了解してくれ、こういうことじゃ余りにも国民の総意と経営委員として選任するということとはかけ離れているというふうに思うのです。
 ですから、せめてその推薦をなさる方たちが一般的な識見というものの中で、特に放送の問題についてどういう考えを持っているのか、どういうふうな抱負を持っているのか、そういうことぐらいの資料は当然添えて、そして提出してしかるべきだというふうに思いますし、場合によったら、たとえばこうした逓信委員会にそういう方たちに来ていただいて、それぞれNHKの問題、経営の問題に対しての御意見を伺う、そういうふうな方策をとったって当然のことだというふうに考えております。いま、私は、大臣から具体的にそうしたことについての考え方とそれから今後の積極的な対応をぜひ伺っておきたいというふうに思っております。私の提案はいかがでしょうか、具体的に。
#296
○国務大臣(小宮山重四郎君) 放送というものを特別に取り出していきますと、それは大変問題が出てまいります。少なくとも人生の経験あるいは人生に対しての見識、そういうものがやはり私らは一番放送の中で円満に、経営委員としては大変重要な――たとえば理事者側は会長を初めこれは本当に放送のエキスパートであります。しかし第三者の経営委員の方々、やはりそういう外部からのあるいは常識的な、またその経営委員の方々が持っている人生観、世界観というものから出てきた批判というものが大変重要で、それがやはりNHKを成長させた大きな力になっておったのであろうと思います。
 ですから、先生の意見というものも私は大変貴重な意見だとは思います。また、私たち、そういう形がいいのか悪いのか私はそれは経営委員自体が決める問題であって、私、郵政省がそこまでとやかく言うべきではない、経営委員の方々が積極的にいままでやられておるのでありますから、私たちは良識の場としての経営委員、また、この世界に冠たるNHKにアドバイスする経営委員の方々を御信頼申し上げておりますので、私はいまそのような考え方は持っておりません。
#297
○山中郁子君 経営委員の方の問題だというふうにおっしゃいますが、私は、その前の問題として申し上げているんです。郵政大臣ね、そういうふうにおっしゃるけれどよ、小佐野賢治の例を見てくださいよ、あれはNHKの経営委員じゃないですよ、だけど電電公社の経営委員だ、逓信委員会の問題ですよ、郵政大臣の問題ですね。ああいう人が経営委員として電電公社にいたんですよ、こんなばかな話がありますか。私どもその点についても事前にずいぶんいろいろ意見を申し上げました。だけれども強引にそのことを推し進められたんです。その結果がそういうことです。私はいまこれは電電公社の経営委員の問題として申し上げています。ですけれども、一般論でおっしゃるから私も一般論で申し上げるんだけれども、そういうふうには大臣はおっしゃり切れないはずです、小佐野賢治の問題一つとってみても。
 ですから、私が申し上げるのは、いま言いましたように、放送の問題だけ特別に取り上げてというふうに少しずれて受け取っていただかなくても結構なんですけれども、少なくとも放送の問題などについて、郵政省が責任を持って推薦なさる、内閣がそれでもって了解を求めるというならば、少なくともそうした問題についてもその方たちのお考えも伺わなきゃならないし、ということは当然の調民の要求じゃないですか。そのことについては、当然、御同意いただけると思いますけれども、いかがでしょうか。
#298
○国務大臣(小宮山重四郎君) それなりに、経営委員になる方々のその地域での活動あるいはその地域でのディクテーションというようなものについては、われわれは承知しておるつもりでございます。
 大来佐武郎さんの問題が出ましたけれども、私は、大来佐武郎さんが立候補されるという時点の問題では、この法律の十六条の問題で、そういう決意をしたら早くやめるべきだと私は思います。私は、そういう意味では、いまの経営委員の選考を郵政省がやって、内閣で討論されて、また両院で討論されているという経過は非常に民主的な方法であろうと思っておるのであります。
#299
○山中郁子君 じゃ、大臣、重ねてフランクに答えていただきたいと思います。
 大臣も、そういうふうに自分が単なる形骸化した大臣ではなくて、中身のある大臣としてやっていきたいと、こういうふうに抱負も述べられているわけですから、私はあっちこっちおもんばかったそつのない答弁を伺うのは大変残念なんですけれども、私が先ほどから申し上げている、国民が、そうした経営委員なら経営委員として政府が責任を持って推薦をしたり、あるいは決めていくという、そういう方たちについて、たとえばNHKの経営委員なんだから放送の問題についてはどういう考え方を持っていらっしゃるのか、必ずしもプロフェッショナルなことを私はそこで問題にしておるんではないんですよ、そういうことについてもっと資料もいただきたい。そしてまた、たとえば私どもが国会議員としてそれについて両院の承諾を得るというそういう責務を果たす上でも、そうした意味での見解なり何なりを資料としてもいただかなければならない、こういうふうに思っていることは、そんなに見当違いなことですか、全然耳をかすことができないということですか、今後の研究の課題としても御答弁いただきたい。
#300
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私は、経営の問題については理事者側と経営委員がやはり積極的に取り組んで経営をやっていく。私も、先ほどのほかの先生の御質問の中で、NHKの経営については郵政省はただ単に意見を書くだけである、私は非常に不満であります。将来の展望についてどうあるんだということを考えますと、大変NHKは岩頭の上に立っておると思っております。
 私は、そういう意味でも、経営委員の方々がりっぱにいままでのNHKをやられる。しかし、こういう時期に来たならば理事者側と経営委員が四つに組んでやっていく。しかし、私は経営そのもの自体について触れようと思っておりません。これは放送法の第一条の「不偏不党」等々の問題がございます、私は、そういう意味では申し上げたくはない。しかし、国会が承認していただいた委員の方々にやはりNHKが今後とも健全な経営が続けられるような願いを持っておりますし、われわれもその経営委員の方々に干渉する意思は全然ございませんし、番組の編成についても干渉する意思はございません。ただ、本当に腹を割って、ただ単にNHKだ、経営委員だ、郵政大臣だということではなくて、もっと裸になって、どうしたらいいんだろうという悩みを本当にぶちまけていくのがこれからの経営ではないかと私は思っております。
#301
○山中郁子君 だから、私は、もっと国民が納得できる経営委員の選任のされ方がされなきゃいけないし、少なくとも一歩でも二歩でもそういう方向に近づかなければならないと思っています。そういう意味で、先ほどから申し上げました。ということは、経営委員として政府が推薦なさる方がどういう考え方を持っていらっしゃるのか、そういうようなことについてもっとデータを知らせてほしい。郵政省自身だってもっと知らなきゃならないはずですね。そういうことについて積極的な姿勢を示していただきたい。
 いま具体的に私は答弁しなさいというふうに言ってはおりません。だけれども、いまのような形で、小佐野賢治の例にあらわれてくるようなそういう選ばれ方は大変国民の要望とかけ離れた形で行われている。これについて一歩でも二歩でももっと民主的に、それこそまさに開かれたNHKというのにふさわしい選ばれ方を、結果としてですね、されなければいけないし、そういう要求が強いし、私も一議員としてもっと国会にもそういう資料を出してほしい。放送なら放送に対する考え方、こういうことを伺った上で内閣としては提案するんですとか、あるいはこういうところに来ていただいてお話も直接聞きたいというようなこと――具体的にそれをするというふうに答えていただかなくてもいまは結構ですよ。だけれども、少なくとも漸進的な現状のままで全部いいんですと、それなら何で小佐野賢治みたいな問題が起こったんですか、これは電電公社の問題ですけれどもね、重ねて言いますけれども。そういうことでない積極的な姿勢を大臣は抽象的でもいいからお示し願いたい。それが国民のいま声ですよ。これは後の問題とも関連しますけれども、先ほどからの答弁でもまさに郵政大臣は開かれたNHKでなければならないということを繰り返し言っていらっしゃるわけでしょう、だったら、当然、そうした積極的な姿勢、工夫する、検討する、そういう姿勢があってしかるべきだと考えておりますが、いかがですか。
#302
○国務大臣(小宮山重四郎君) NHKと経営委員の関係というのは、たとえての例で言いますと、国会と行政府の関係のようなものだろうと私は思います。私は、先ほどもほかの委員の先生方に御答弁申し上げましたことは、NHKというものが、その理事者側がやはり郵政省と今後どうするんだという開かれたNHKであってほしい、それを経営委員がどう把握し、どう指導していくかという問題だろうと思っております。ですから、私は、そういう意味では開かれたNHKにすべき、しかし、NHKの中で最高の機関である経営委員というものはやはり権威あるものであろうと私は思っております。ですから、非常に今後とも積極的に経営の指導に当たっていただきたいと考えております。
#303
○山中郁子君 じゃ次の問題と関連して、もう一度大臣に伺いますけれども、国民が経営委員の選任のされ方についてもっと詳しくいろいろ聞きたいと、私ども議員ももっと知りたいというふうなことについては、それは御努力いただけますね。いま具体的に何を約束しろとは申し上げません、姿勢の問題です。そのことも御答弁いただけないんだったら、あなたのおっしゃることは全く口先だけということになるのよ。
#304
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私が任命するのではなくて……
#305
○山中郁子君 姿勢の問題として申し上げていますんですよ、推薦するのは郵政省ですから。
#306
○国務大臣(小宮山重四郎君) やはり姿勢としては、確信を持って推薦をいたして、両院で御承認を得るわけでございますんで、大変その辺はデリケートな問題でございます。その辺のところからぜひ御理解いただいて、私は先生の意味がわからないんではないんです。しかし、言葉の上で表現することが非常にむずかしいことでございます。その辺も御了承いただいて、今後とも開かれたNHKの経営委員になるべきだと考えております。
#307
○山中郁子君 少壮気鋭の小宮山郵政大臣にしても何か言葉の上で言いがたいというほどの中身のことじゃないと私は思っておりますけれども、いずれにいたしましても、国民が期待する、国民がより納得したいと、だからそういうふうにいろいろ努力してほしいと、こういうことについて郵政大臣としてはそれを了とされるというふうに理解してよろしいですか。
#308
○国務大臣(小宮山重四郎君) 国民が納得する、国民が要求する、確かにそうだと思います。また、そういう方々が任命されていると私は思っております。
#309
○山中郁子君 その前段と後段の間に物すごい深い段差があるんです。そのことについては後ほどまた引き続き究明もしたいというふうに思いますけれども、国民が納得し、あるいはわれわれが要求するそういう方向に近づけるということがあなたの本当の本心からのお考えであるならば、当然のことながら、積極的に経営委員の推薦の問題についてさらに検討もし工夫もし、多くの意見を聞くということがされなければならないと思っております。そういうふうにされるという意思は表明されたものと私は理解いたします、違いますか、よろしいですね、それは。
#310
○国務大臣(小宮山重四郎君) そう畳みかけられますと大変苦しい答弁になります。しかし、私は両院が承認していただけ、少なくとも私は国務大臣である前に衆議院議員であるという、国会議員であるという誇り、その両院が認める委員でございますから、りっぱな方を認めていただけるものと期待いたしております。
#311
○山中郁子君 検討していただくことを強く要求もし、また期待もいたしますが、経営委員会の次の問題としては、公開、あり方の問題具体的には経営委員会の公開の問題でございます。
 遅い時間に経営委員長にお越しいただきまして恐縮でございますけれども、この問題につきましてもいままでも指摘をいたしましたし、また検討もするということで推移してきておりますけれども、いま大臣も言明されました開かれたNHKであるという観点に立脚するならば、当然、私は経営委員会は公開すべきだというふうに考えておりますけれども、まさに開くということは公開するということですから、公開してないということは閉じているということですから、それはもう間違いなくそうでしょう、日本語の解釈から言えば。そういう意味で経営委員会が公開されてないということは、一体、どういう理由に基づくものか。この点につきましては、先回の衆議院の逓信委員会においても、わが党の藤原議員が提起をしたところでございますけれども、この辺をもう少し詰めたところで御意見も伺い、打開も図っていきたいというふうに私は考えて、いまテーマにしている次第です。まず、経営委員長に、これはお尋ねをしているのですけれども。
#312
○国務大臣(小宮山重四郎君) ちょっと、いま開かれたという問題について……
#313
○山中郁子君 どうしても何か御答弁いただくなら、どうぞ。
#314
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私は、開かれたということを、ただ戸が開かれたという意味ではない、もっと水平思考的な、もっと経営に官僚的でないNHKが生まれていただきたいという意味で、開かれたということなのであります。ですから、経営委員会の問題については、私は、経営委員がそれぞれ自主的に決めることで、かつ自由な討論ができる場があるべきだと、こう考えております。
#315
○参考人(工藤信一良君) お答えいたします。
 先般のこの委員会でも、衆議院の委員会でも、経営委員会を公開すべきであるという議論が出ました。それを踏まえまして、昨年の八月に、お約束どおり、経営委員会が相寄りまして、定例の経営委員会において、普通は八月はやらないのでございますけれども、特に開きまして、経営委員会のあり方なるものについて一日論議を尽くしたのでございまするけれども、その結果、もう経営委員会を公開すべきであるとおっしゃる御意向、御意見はよくわかるんでございますけれども、実際問題として、この経営委員会は御承知のように十三名でございます。今回、大来氏がやめましたから十二人、近く沖繩の経営委員がこれはおやめになる模様ですから、そうすると、もとの十二人、欠員を補充いたしましても十二人でございます。
 十二人の者が会議をやる場合に、いままでの会議のやり方というものについて、ちょっとくどいようですけれども御説明したいのですけれども、大体、経営委員会だけがやらなければならないということ、それの一番大きなことは会長の人選でございます、会長の人選及び監事の人選ということは経営委員だけで決めるわけでございます。この場合は経営委員だけでやりまして、十三名の者が隔意なき意見の活発なる交換をして、これは完全に何といいますかラウンド・テーブル・システムでやっております。こういう人事に関したものをちょっと公開できないことは、これは先生もよく御了解願えるかと思いますが、それ以外のNHKの経営全般に関する問題を毎月三回例会を開いてやっております。やっておりますが、これは会長以下執行部の全員と経営委員とが一緒になってやる。したがって、そこで論議され討議されましたことは、必要とあれば、これは当然執行部の方の広報部から公表されるという形になっております。
 そのときのやりとりをそれじゃ公開したらどうかということも一つの御意見でございましょうか、これは会社の――会社の例をとって悪いかもしれませんけれども、重役会、あるいはこれ間違いかもしれませんが、政党の中央執行委員会とか何とかというものに類するものじゃなかろうかと思うんです。それを公開にいたしますということは、これはやっぱり利点もございますが、いろいろな欠点もできてくるんじゃないだろうかという気がいたしまして、ことに一番困ったと私思いますことは、公開されるがために、どうしても正直なところ発言に制約を受けると思います。そして一遍反対したことをもう一度賛成に戻す、あるいは意見を変えて賛成にするということが非常にむずかしくなると思うんです、公開の場合は。ところが、現在までの経営委員会のやり方というものは、甲論乙駁しましていろいろ議論を交わした後に、最後は大体満場一致と、皆の意見が一致したというかっこうで取り決める。私の知っている限り多数決で決めた議案はございません。そういう意味からも、議論を活発にし、あるいは議論が円滑に結論を生むというためにも、公開よりも現在のやり方の方がよいのではないかというのが昨年の八月のわれわれの結論でございます。
#316
○山中郁子君 私はやはりかなり根本的な問題があると思うんです。経営委員会の総意としての御答弁かあるいは経営委員長としての御見解かということはまた後ほどお伺いしたいと思いますけれども、といいますのは、NHKというのは国民が支持をし、積極的に受信料を払うということによって成り立っている仕事ですよね。そのことについていま時間を費やして述べるつもりはありませんけれども、そうであるならば、だからこそ開かれたNHKでなければならないとか、国民の前にガラス張りでなければならないとか、隠し事があってはならないとか、不明朗なことがあってはならないとか、こういうことがいろんな言葉を使って繰り返し繰り返し言われているわけでしょう。だとしたら、私は、経営委員会で議論されていることがそのままやはり国民に知らされなければならないということ、これはもう当然の理屈で大前提の大前提だと思うんです。
 いま一番最初に人事の問題のお話がありましだ。私は人事は例外だというふうには決して思っておりません。しかし、若干質的な違いがあるということはありましょう。ですから、そのことはいま主要な問題としなくても結構です。人事問題だから公開しないんだという当然のこととしては私は考えておりませんけれども、いずれにしても若干質的な内容の違いがあるというふうに考えてもそれはよろしかろうと思います、基本的には私は同じだと思っていますけれども。
 だけれども、そうでないさまざまな経営委員会での討議ですね、これは当然のことながら制限なしに国民が知り得る、そういう状態にしなければならないし、いま幾つか委員長がおっしゃいました公開にしない方がよろしいというふうに判断される中身というのが、具体的に伺えば、たとえば究極的に言えば公開するといろいろ自由な発言が妨げられるというふうに理解してよろしかろうというふうに思いますが、私は、それこそ先ほどから大臣が確信を持っておっしゃっているような放送法の基準に基づくすぐれた経営委員で断固確信を持って推薦してそのようにいままで取り計らわれてきたとおっしゃるならば、そうした人々が国民の本当に各層を代表する、あるいはするべき高度な識見と経験を持った方ならば、積極的に国民に自分の声を聞いてもらいたいというふうになって当然だと思うんです。そのことについては、一つは私は経営委員長が個人としてどういうふうにお考えになるかということも伺いたいところでございますし、なぜそのように経営委員会が合意ができないのかということは、もう一つ突っ込んで見解を承りたいと思います。
#317
○参考人(工藤信一良君) 私が先ほど述べましたのは、八月の経営委員会の結論でございまして、経営委員長としての考えではございません。また経営委員長だけとしての考えを述べるということは余り意味のないことだと思いまして、そういうふうに御承知願いたいと思います。
 いま先生おっしゃったように、われわれは、この放送法には書いてございませんけれども、国民の代表としてNHKのあり方に助言をし、あるいは監視をして、国民のNHKというものを守っていかなければならないという使命は、これは各委員十分に考えております。その上での話でございますから、その使命を果たすのには公開がいいか公開でない方がいいかというところへ詰まってくるわけなんですが、私は、何も閉鎖されたなにとか、閉ざされたなにとか、すぐにそういうキャッチフレーズみたいのが出てきますが、決してそう思っておりません。経営委員会、私の経験によりますれば、経営委員たった十二名ないし十三名のものでございますが、誠心誠意といいますか、良識と自分たちの知識、経験に基づいて、国民の側から見てNHKに何を求め、NHKの経営をどう持っていかなければならぬかという点を本当に真剣に考えることが国民のためだと、国民の代表としてそうしなきゃならないという使命感は十分持っております。
 で、それじゃ公開すればいいじゃないかということですが、それにも一理はあることは、これはもう私認めます。認めますが、いまの話でむずかしい人事の問題で経営委員会だけで論議する以外の議案は、たとえば一番大事な予算でございますが、予算などは、予算の方針を決めるところから経営委員会が関与いたします。昔は予算ができ上がって経営委員会へほっと持ち込まれてそれを決めるという形になっておりましたけれども、これではいかぬというので、予算の方針を決め、その方針がどう具体化していくかという点を、大体、毎年十月ごろから一月にかけて、中には臨時経営委員会も開いて、本当に討議検討し、あるいは執行部を、俗な言葉で言いますと、叱咤激励するというふうにしてつくり上げていくような経過をとっておるので、これを一々公開に出すということは、これはやっぱり私どもとしてはいまの段階では無理ではなかろうかというふうに考えております。これは私だけの考えでございません、八月の経営委員会における皆の結論だったというわけでございます。
#318
○山中郁子君 私は、いま経営委員長がおっしゃったことは違っているというふうに思うんです。本当に国民の期待に沿ったNHKの経営をするために公開がいいか非公開がいいかということはそれは即断できないと、こうおっしゃるわけだけれども、私はそれは即断できる。ということは、国民がみんなお金を出して、そして経営委員会が選ばれて、そして経営に当たっているわけでしょう。それだったら、国民がそれを知る権利があるんです、視聴者が。そうでしょう、それは当然のことだと思います。
 経営委員長の私揚げ足を取るというようなつもりは毛頭ありませんけれども、会社の会議だとか政党の会議だとか、そういうものと根本的に違うわけですよね。ですから先ほど一番最初に経営委員長が必要なものについては議事録というか報告書みたいなもので、公開に準じた措置をとっているというふうにおっしゃっておられましたけれども、じゃ必要だと思うのは経営委員会が審議上に必要だというふうに決めるものに結局限られるわけでしょう。国民の側からは、そうではなくて、こういうものも必要だということが経営委員会の議論の中にあるはずですよ。もっと言えば、すべてが国民にとっては、視聴者にとっては必要なんですよね、知るということは必要なんです。
 ですから、そういうことでおとりになっているなら、すべての問題について、まず第一歩として、経営委員会を公開にする、本当の意味で公開にするということへアプローチしていくまず第一段階として会議録の公開――番組審議会の問題なんかについてもいままで私もそういう観点から質問もいたしましたし、またNHKでもしかるべき努力をされているということも知っておりますけれども、少なくとも経営委員会では、当面、そうですね、会議の内容をそこの会場に入って聞けないまでも、全容を把握できる、こういう措置をとるための積極的な御相談なり検討なりをぜひしていただきたい。このことは国民、視聴者がすべて望んでいることです。その権利があることです。そのことについて経営委員会の方で恣意的にこれは国民、視聴者が必要であろうからお知らせするけれどもというふうなことは私は本末転倒していると思うんですね。基本的にはすべて国民が知らされなければ、視聴者が知らされなければならない。NHKというのはそういう性格の事業体としてあるということは私がいまさら経営委員長に申し上げるまでもないと思いますけれども、そこのところの見解なり今後の積極的な姿勢をぜひともお伺いしたいと思っております。これは大変強い要望があることだし、経営委員会に対する期待です。ある意味では、経営委員会が、先ほど郵政大臣が言われているように、国民の代表として本当にその価値のあるものであるかどうかを問われる問題だというふうに思っております。
#319
○参考人(工藤信一良君) 御趣旨よくわかります。無論NHKというものが視聴者によって支えられておるものであるという点では、これはもう疑う余地のないことでございまして、国民の支持を得なければ、あすの日にNHKは倒れる、これはもうわれわれよく承知しております。
 ただ、それが即経営委員会の公開につながるかどうかという点については、私もよく考えますし、経営委員会も今後一つの宿題として考えたいと思います。思いますが、現在、申しましたように、人事を除いたほかのことは大体理事者と一緒の席でやっておりまして、ということは、大事なことあるいは知らしておかなきゃならないことについては適当な手段で必ず発表するというふうにしておるのと、もう一つは、御紹介があっただろうと思いますけれども、全国に視聴者会議というものを設けまして、この席上でいろいろ説明をするわけでございますが、そのときには当然経営委員会で行われた議論なり検討されたことについては、視聴者にそれをその視聴者会議を通じてやっぱり知っていただくというふうに持っていくのでありまして、全然密閉されたものではこれは決してないわけでございます。しかし、先生おっしゃった公開にすべきであるということもわからぬわけではございませんので、今後の宿題として考えてみたいと思っております。
#320
○山中郁子君 国会の質疑も、たとえばこういうもの(会議録を示す)でやりとり全部こうして出るわけでしょう。それとか本会議の代表質問だとか予算委員会の総括質問なんていうのはみんなテレビでずっと放映するわけですね。これはだから国民が知らなきゃいけない、知る権利があるという、そういう観点でのNHKの一つの仕事になるわけですね。
 私は、ですから、いま委員長がおっしゃいましたことをもうひとつ積極的に進めまして具体的に提起をいたしましたが、決してすべてを、全部秘密裏でやっているなんていうふうには私は申し上げておりません。先ほどから委員長がおっしゃっているような措置をとられていることも知っております。それをもっと公開に近い、国民が経営委員会はやっぱり公開されているのだ、ガラス張りなんだ、隠し立てされていないのだというふうに信頼できるような、そういう具体的な措置に積極的に一歩進めるということをぜひとも急いで経営委員会として検討していただきたい。このことを強く御要望申し上げると同時に、お約束もいただきたいと存じますが、重ねてもう一度だけ経営委員長の御答弁をお伺いしておきたいと思います。
#321
○参考人(工藤信一良君) むろん検討いたしたいと思います。
 しかし、ここで最後に一言私もお断りしておきたいのですが、何しろ、何回も申すようですけれども、十二人のごく少数のグループでございまして、これが物が多数決で決まるというふうなことは一度もいままでないのでございます。これは悪く言えば一種の談合、妥協というふうにもとられるかもしれませんが、しかし私はそうでなしに、全員が忌憚なく意見を活発に交換した上で一つの合意点に達する、一つの結論に達して、そのときには、たった十二人のことでございますから、全員大体一致しているという形で物を進めたいというふうな念願を持っておるので、そういうことをそういうふうに進めていくという点では、一々だれがどう言った、こう言った、これに反対してしかし最後には賛成したというふうにいくことは私はなかなかむずかしいのじゃなかろうかという――これはまあ経営委員会の意見ではございません、私自身の感想でございますが、それをお断りしておきますが、ちょっとそれだけつけ加えさしていただきます。
 十分検討いたします。
#322
○山中郁子君 積極的に受けとめて検討していただけるという御答弁をいただいたのですけれども、私もいまの御発言に対して一つだけ申し上げますが、いま経営委員長が委員長として心配なさるということについての御意見は承りました。それはそれでおっしゃる趣旨はわかります。だけれども、裏返して見れば、そういうことによって国民にすべて公開されていないということが、受け取る側から言えば、どうなのか。そういうふうに言っているけれども、それじゃ公開されてない部分でどういうことが行われているのかということについて疑心暗鬼になりますよね。だから、それがすっかりわからないということが基本的な問題にかかわるのではないかということを申し上げる。そういう反面、裏返しの面からも、私は、経営委員長としてもぜひとも御検討もいただき御研究もいただきたい、こういうふうに思います。
 で、あと一つだけできょうは終わりたいと思っておりますが、この経営委員会の公開という問題に関連いたしまして、NHKに視聴者会議の公開をぜひしていただきたいというふうに私は思っているのです。
 で視聴者会議の経過その他について伺いたいと思っておりますが、ごく簡単にどういう状況でどういうふうにいま行われているのかということについて伺うと同時に、これをぜひ国民に、視聴者にもっとわかるように公開をしていただきたい。私は一番いい方法は、毎回とは申しませんけれども、たとえば視聴者会議それ自体をテレビに乗せて放映するということなんかは、最もいい、視聴者に対してNHKの内容を訴え、そして国民とともに視聴者とともに研究もし、それからいい番組をつくっていくというNHKの番組の上でもそうですし、経営のあり方の問題についても一致する問題だと思って、これは御提案を申し上げるわけですけれども、ぜひとも積極的に受けとめていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#323
○参考人(反町正喜君) お答えいたします。視聴者会議の経緯等についてごく簡単に。
 先般の附帯決議その他を受けまして、昨年の十二月から順次運営をしておるわけでございますけれども、大体の傾向は、各府県全国で五十三カ所、一カ所につきまして各層の方々約二十名程度の委員を御委嘱申し上げまして、年に大体原則として三回、東京は年五回程度であろうかと思っておりますけれども、年三回というような形で構想をまとめまして、十二月から運営を開始いたしました。二月末段階では、大体、全国的に第一回の視聴者会議が行われた次第でございます。
 次に、内容はどういうものが出たかということでございますけれども、この件につきましては、全国で千二十九名の委員の御意見を各放送局で取りまとめて、ただいま本部でそれを集計、分析している段階でございますので、正確なところはちょっときょう申し上げられないんでございますけれども、大体、番組関係に対する御要望、御意見が約八〇%、そのほか経営関係でありますとか、受信料制度の問題がそれに次いでおるという状況でございます。
#324
○参考人(坂本朝一君) 公開の問題につきましては、会議を開きました後、その内容を責任者が記者会見その他で御報告し、あるいは一部カメラを入れまして、その模様をテレビの番組の一つとして紹介するという手だてを講じておりますけれども、全部、たとえば一般の方に会議場にお越しいただいてごらんいただくとか、あるいは新聞記者の方々にお越しいただいてごらんいただくということになりますと、これは正直に申しまして、相当御発言その他に影響を及ぼすおそれもございますので、その点の公開ということにつきましては必ずしも御要望に沿いかねる点がありますけれども、内容の公開と申しますか、それは努めて正確を期して御報告するようにいたしております。
#325
○山中郁子君 それは私はやはりずいぶん問題だと思うのですね。結局、視聴者会議というのはより多くNHKの番組編成の問題が多く出るというふうに言われましたけれども、本当に視聴者がどういうものを望んでいるかということをNHKが正確に把握するというための一つの組織でもあるし、仕事でもあるわけですね。そういうものをもっと本当にフランクに視聴者に広げて、それこそ開いて、そうして知ってもらうということは私は運営の基本でなければいけないと思うのですね。
 そういう意味では、まずテレビに乗せて、それを全部長時間放映しろとは言いませんけれども、視聴者会議ということはこういうことをやっているのだという、それでこういうことが論議されているのだと、やはりNHKは視聴者の意見を聞いて、そうして番組をつくっていく努力をしているんだなということを視聴者の人にわかってもらう一番いい手だてだと思うのですよ。経営委員長が何かお話ししたり、坂本会長がテレビに出てきていろいろ国民の皆さんに意見を聞いてますなんておっしゃるよりも、よっぽど一目瞭然で視聴者にはわかると思いますよ。こんな有効な方法は私はないと思うのですけれども、これはぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
#326
○参考人(坂本朝一君) 現実の問題となりますと、やはりそこで交わされます中身や番組のいい悪い、あの役者がうまいまずい、いろいろな微に入り細をうがったような話も出てまいりますので、そういうような問題を全部オープンにして傍聴していただくということになりますと、やはりその視聴者会議のメンバーの方々がつい言いそびれる、あるいはおっしゃるのにティミッドになられるというおそれは私はなしとしないと思います。したがいまして、そういうどなたがどう言った、だれがどう言ったという具体的なことでなしに、こうこうこういう御意見がありましたということをむしろ正確にオープンにするということが一番会議の中身を実らせる方法ではないかと思いますので、もちろん先生のおっしゃるように、時と次第によってテレビで映したらいいじゃないかということは検討に値する問題かと思いますけれども、基本的にはそういう点をぜひ御理解していただきたいと思う次第でございます。
#327
○山中郁子君 私も一から十まで一〇〇%全部しろなんて申し上げてないんです。御理解いただけると思いますけれども、そういう趣旨でもって検討をしていただいたらよろしいと思っていますので、いま検討に値するというお言葉でしたので、ぜひそういうことを期待をして、お約束も果たしていただきたいというふうに思います。
 で、残されたテーマにつきましては、後の機会に譲りまして保留をいたします。
#328
○委員長(神沢浄君) 本件に対する本日の審査は、この程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。
  午後八時散会
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ソース: 国立国会図書館
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