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1976/03/29 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第5号
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1976/03/29 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第5号

#1
第080回国会 逓信委員会 第5号
昭和五十二年三月二十九日(火曜日)
   午後六時五十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     森  勝治君     片山 甚市君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     川野辺 静君     遠藤  要君
     郡  祐一君     堀内 俊夫君
     山田 徹一君     塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         神沢  浄君
    理 事
                長田 裕二君
                棚辺 四郎君
                最上  進君
                案納  勝君
    委 員
                遠藤  要君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                堀内 俊夫君
                片山 甚市君
                塩出 啓典君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  佐藤 昭一君
       郵政省電波監理
       局長       石川 晃夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   参考人
       日本放送協会会
       長        坂本 朝一君
       日本放送協会副
       会長       藤島 克己君
       日本放送協会専
       務理事      沢村 吉克君
       日本放送協会専
       務理事      山本  博君
       日本放送協会専
       務理事      川原 正人君
       日本放送協会専
       務理事      堀 四志男君
       日本放送協会専
       務理事      中塚 昌胤君
       日本放送協会理
       事        橋本 忠正君
       日本放送協会理
       事        反町 正喜君
       日本放送協会経
       理局長      堀場 仁徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(神沢浄君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 森勝治君、山田徹一君、川野辺静君及び郡祐一君が委員を辞任され、その補欠として片山甚市君、塩出啓典君、遠藤要君及び堀内俊夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(神沢浄君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○山中郁子君 前回の委員会におきまして、私は、最後に視聴者会議の公開の問題について質疑をいたしました。関連いたしまして、国民、視聴者とNHKを結ぶという観点から二、三続きまして質問いたします。
 一つは、受信料の問題でございます。これは受信料制度の基本的な問題についていま繰り返し申し上げるつもりはございませんけれども、実は、私が前の委員会で小野前会長のときでございましたけれども、現在の受信料制度についてのNHKの考え方をただしましたところ、小野会長はこのように答弁されております。「私は受信料制度はきわめて積極的意味におきまして、いわゆる報道の自由を保障する一つのすぐれた制度として堅持すべきものだと考えております。」このように小野前会長が答弁をされました。
 いままでの質疑を通じましても、私は、そのようにNHKが理解をしておられるし、そのように対処しておられるというふうに考えておりますが、最近、また収納問題、NHKの財政上の問題が議論されるに際しまして、たびたび受信料制度そのものの根本に目を向ける意見も起こっておりますし、受信料の徴収を義務化するべきである、その他幾つかの意見が出ております。これに対しまして、衆議院の委員会の質疑の中で坂本会長が答弁された中の感じとして、私は小野前会長が言明されたそういう姿勢がもうちょっとあいまいな感じになっているという個所がありまして気になったものですから、ちょっとこの点についてただしておきたいと思います。いま私が読み上げました小野前会長の答弁に代表されるNHKの受信料制度に対する積極的な堅持する姿勢というものは変わらないということであるかどうか、初めにお考えを聞かせていただきたい。
#5
○参考人(坂本朝一君) 私は、小野前会長とその点は全く同様で、受信料制度というのは守っていかなければならないというふうに考えております。これは昭和五十年の十一月にNHKの基本問題調査会の調査報告の中でもこの制度について触れておりまして、やはり現行の制度というものの定着ということをうたっておりますので、私もその趣旨に全く同感でございますので、そういう認識を持っております。
#6
○山中郁子君 放送の自由を初めといたしますNHKの基本的な姿勢の欠かせない重要な認識の一つというふうに私も考えておりますので、重ねて見解を伺った次第です。
 視聴者とNHKとの結びつきの問題に関連いたしまして私も再三ここで取り上げましたし、また多くの委員の方たちからも質疑がありましたけれども、集金人の方たちとの関係です。この前、予算の説明にNHKの幹部の方においでいただいたときに、その御説明の中で、都市における収納率を上げていくために夜間とかあるいは休日の業務を制度化していく方向を検討しているというお話でございましたので、それらの内容についてちょっとお伺いしたい。
#7
○参考人(中塚昌胤君) お答えいたします。
 現在、大都市におきます生活態様というのは非常に変わっておりますので、それに合った集金のやり方、これはわれわれ大いに考えて進めていくつもりでございますけれども、夜間とか休日とかそういうときの訪問、そういうものを別に制度化してやるつもりはございません。実行上、そういう夜間とか休日とか、そういうときに訪問するのをできるだけ多くやっていく、それにはいろんな問題があることは当然でございます。訪問される側にもございます、また訪問する働く者の側にも問題はございます。そういうものをわれわれ十分考慮いたしまして、できるだけ受信者の方に面接をしやすいようにやっていくというつもりでございまして、それを制度化するというつもりはございません。
#8
○山中郁子君 で、この問題につきまして、収納率を高めるということと同時に、そのことの保障になるNHKの番組に対する国民、視聴者の意見の反映とか、それから視聴者のNHKに対する支持だとか、そうしたことの一つの接点として集金人の方の仕事があるということは再々指摘されてきたとおりです。
 この点は、NHKの方がいままで努力をいたします、教育もいたしますというふうに言われてきていらっしゃることについて、私はそれはそういうこととして承っておきますが、もう一つ基本的な問題は、やはりその集金人の方たちが本当にNHKを代表する人間であるということで、番組の中身についても、たとえば不払いの問題についても、責任を持って、そして情熱を持って、意欲を持って視聴者に当たる、国民に当たるという役割りを果たすためには、NHKの中でしかるべきやはり位置づけが、その仕事ないしはその仕事に従事されている方たちに対して、されてなければならないと私は思うんです。だけれども、現行のあり方はそうしたものを求めてしかるべきあり方になっているかといえば、私は決してそうなってないと思うんです。そこのところはいますぐどうこうということではないにしても、たとえば待遇の問題だけでなくて、本当にその仕事が、NHKの国民との結びつきという観点からも、またNHKの経営を支えるというごく第一線の重要な仕事としてもしっかりとした位置づけがされて、そしてそれだけの内容をもって集金人の方が働くという状態にならなければ、私はない物ねだりになるというふうに思うんです。で私たち国会議員として、このことについていまNHKにそうした要望をするにしても、そうしたことの保障が片方でなければ、働く人たちにない物ねだりをするという結果になることは片手落ちになると思っておりますので、その点についての会長の御見解をお伺いしたいと思います。
#9
○参考人(坂本朝一君) 先生のおっしゃることもちろん私も理解できますけれども、ただ、しからばそういう方々を全部職員化しなきゃならないかというようなことになりますと、それはやはり経営とのかかわりの中で問題がございますので、やはりそこら辺のところは先生にも御理解いただいて、委託の制度の中で十分そういう意味合いの視聴者とのパイプ役を務めていただけるようなそういう教育なり研修なり、そういうものを積んで御期待に沿う努力をし、なお、そこで解決つかない場合に職員が出向いていく、あるいは管理者が出向いていってお話しするというような二段構えの体制はどうしてもやむを得ない点ではないかというふうに御理解いただきたいと思います。
#10
○山中郁子君 具体的な問題について私ここで詰めるつもりはありません。ただし職員化の問題も当然その内容の問題として含まれるというふうに考えてはおりますけれども、現状の問題点はお認めはいただいていると思いますので、ぜひともそういう観点で積極的な施策について検討していただきたいと思います。
 次に、やはり視聴者とのつながりの問題ですけれども、私は、NHKがどういう番組を放映いたしますということについて視聴者に知らせる仕事が、いま現在は全然NHKの責任においてされていないと思うんですね。で日常のことを考えますと、毎日、新聞にテレビ・ラジオ欄がありますね、ですから一般視聴者はその新聞による番組を見て、ではきょうは何があるのかと、何を見ようかと、こうなりますね。だけれども、よく考えてみると、NHKが受信料を取って放映している番組について、NHK自身の責任で何らか視聴者の特別な負担に依拠しないで当然の仕事としてそれが行われてしかるべきだと、まず一般論として、そういうふうに思います。
 それから二つ目の問題としては、いま新聞は毎日のを一応番組を出しています。ですから、きょうは何があると、せいぜいあしたですね。もう少し、今月中の見通しだとか、大体いまコンピューターで番組の基本編成が二ヵ月先ができるというお話を聞いておりますけれども、それでしたら、その基本編成ができた時点で、大体これから以降二ヵ月はこういうところを骨組みにしてこういうふうな放映をするつもりですということが何らかの形で私は視聴者に周知されてしかるべきだと思っておりますけれども、その辺の見解と、それからもし施策について御検討したものがおありでしたらお示しいただきたいと思います。
#11
○参考人(坂本朝一君) その点も確かにおっしゃるとおりで、いささか一般の新聞の報道に頼り過ぎているんではないかという御指摘かと思います。
 私どもの方も、いま先生のおっしゃる視聴者の負担にかからないように、なおかつ親切なPRということが一番望ましいことでございますので、それにはまず第一に自分自身の電波を利用することが考えられるんではないか。それも余り押しつけがましいPRになりますとまた問題があるかと思いますが、そこら辺のところは考えて、もう少し電波による御指摘のPRを考える必要があるんではないかというふうに思います。
 それから印刷物等というようなことになりますと、かなり経費的な、あるいは経営的なはねっ返りがございますので、必ずしもそうお約束しかねる点もございますが、ただ一、二、たとえば「グラフNHK」であるとか、あるいは「あなたのダイヤル」であるとかいうような印刷物によりまして、多少長いスパンの計画のものはPRするという努力はいたしておりますけれども、今後、一層そういうようなものを総合的にさらに再検討して、視聴者のお役に立つようなふうに考えていきたいというふうに思います。
#12
○山中郁子君 この点は、ぜひ私は印刷物によるものを考えていただきたいと思うんです。電波というのはやっぱり一時流れればそれでおしまいでしょう、そうすると見ない人の方が数としては多いですよ、どういう時間帯に放映したとしましてもね、で、それはいまされていることも存じております。それから「グラフNHK」みたいなものも私も見させていただいていますけれども、あれはまたお金出して買うようになっているんですよね。私はやはりNHKが自分のところの番組を皆さんに知らせる、つまり雑誌で言えば次号予告なんていうのがちゃんと出ますよね、次の雑誌にはどういうものが載りますよということで、その雑誌の責任でそこの中でちゃんと予告するわけでしょう、当然、私はNHKはそれをするべきだと思います。それもしかも印刷物でですね、つまり一時的に消えちゃうものでなくて。
 そういうものは具体的にどうするかということについては、いまお話があったように、たとえばお金がかかるとか、まあいろいろそちらの御都合もあるし御意見もおありでしょうけれども、基本的にはそういうものとしてやはり提供することがNHKの仕事の一つであるということについてもし特に大きな反論がないならば、ぜひとも印刷物でどういうふうに考えるかということに積極的な姿勢を示していただきたい、このように思いますが。
#13
○参考人(堀四志男君) お答え申します。
 御趣旨については、なるほどそういう筋としてはよくわかりますが、何せ二千六百万を超える対象でございます。一部十円かかりましても二億六千万を超えるということになりますと、これが百円ということになりますと二十六億ということに相なります。われわれとしては、当然、総合的な見地から、御趣旨は御趣旨として理解できても、検討せざるを得ない問題だと考えます。
#14
○山中郁子君 百円もかかるようなものというふうに申し上げているわけでもないんです。それからまた、どういう形でするかということもそれはぜひNHKで御検討いただきたいと。だけれども、一たん放映されて消えてしまうようなもので流していますよということではなくて、やはり視聴者に対するサービスとしてのその方法をぜひとも積極的に検討していただきたいと、こういう趣旨でございますので、御異論がなければ会長から一言お約束をいただきたいと思います。
#15
○参考人(坂本朝一君) 御趣旨につきましては、私も十分理解しておるつもりでございますけれども、何分にも経営全体の中の問題でございますので、そういうものを勘案しながら御趣旨の点について検討させていただきたいというふうに思います。
#16
○山中郁子君 ぜひお願いしておきます。
 それから次に、NHKが視聴者の支持を受け、視聴者とともに活動するという一つの問題として、ぜひともNHKに所属する楽団だとか劇団だとか、そういう方たちにより多く求められている活動に積極的に参加もし援助もしサービスもしていただく、こういうことはもっと積極的にやられていいんじゃないかと思うんです。つまり直接放映することを目的とするたとえば公演だとかいうものだけでなくてですね。
 これは放送法によりましてもそうしたことが言われておりますけれども、私は、ごく最近の例として、ここに三月十八日のこれは朝日新聞の多摩版なんですけれども、「立川子ども劇場」が発足して三年でピンチになったというふうな記事がありました。これは子供たちに生の演奏だとかよい舞台だとか、そういうものを見せようということでお母さんたちが積極的に集まって自主的な運動として起こされたんですが、結局いろいろ経費がかかってという、まあこれは立川の例が出てたんですけれども、全国的にいろいろ親子劇場だとか子供劇場だとかということで広がって、子供さんたちに、またお母さんたちに喜ばれているわけですけれども、これがたとえば交響楽団一つ呼ぶとなると大変お金がかかるので、そうしたことが具体的な原因になってもうピンチになってきているという報道でございます。
 たまたまこれは朝日の三月十八日に載りました報道で、立川の子供劇場のケースですけれども、ぜひともこうしたところにNHKの仕事をさらに積極的に広げていただきまして、そしてそのこと自体でこうした意義のある活動も盛んにしていく、つぶさないようにし、また発展させていくようにすると同時に、そのことによってNHKも視聴者から大きな支持を受ける、視聴者とNHKがさらにいろいろな多方面で一体化していく、こういう方向は大変必要でもあるし、有効な方針だというふうに思っております。いまは全然そういうことをされてないとは私も思っておりませんけれども、ぜひこんな子供劇場のピンチの報道されるようなこうしたことに関しまして、ぜひともNHKにさらにそうした活動を広げていっていただきたいというふうに思うんですけれども、その点についてお願いいたします。
#17
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 そういう子供あるいは地方文化の向上についてNHKが何がしかのお力になるということについては、われわれも従来同様の気持ちでおりますが、最近、直接的にNHK自体が何らかのシンフォニーを持っていったりという形でなくって、いろいろな中央線沿線の各都市で行われておりますようないわゆる放送アカデミーとか、そういう地方自治体その他自発的グループによる文化活動あるいは放送利用の会合等に間接的に御協力するという形でやっております。その方がより効果的でもございますし持続性もございますし、さらに何となく控え目なNHKの態度も御理解できるかと思いまして、そういう形でいまやっておりますので、先生がおっしゃるような意味で、基本的な精神では先生のおっしゃるとおりでございますが、具体的方法になりますと、多少時代の変遷等によって変えさせていただいている次第でございます。
#18
○山中郁子君 何かよくわからないんですけれども、間接的な方法というのはどういう方法なのかということと、控え目にとおっしゃるけれども、控え目にしなきゃならないどういう理由があるんですか、大いに積極的におやりになっていいんじゃないですか。
#19
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 間接的方法と言いますと、たとえばこういう問題について、放送利用あるいは文化活動についてどういう人が一体講師としていいんだろうかというようなお問い合わせ等にお答えするということでございます。
 控え目にというのは、やや表現が的確を欠いたと思いますが、われわれはできるだけ――いま番組単価等もかなり上がっておりますので、直接ブラウン管あるいは電波に主力を注ぐという意味で、そういう非常に金のかかるあるいは将来とも金がかかるようなそういうことについては、なるべく、気持ちはとにかく、余り恒常的にお約束をするというわけにはいかない、こういう意味でございます。
#20
○山中郁子君 恒常的にたくさんのお金をかけて、そして主流になるようなというふうに私申し上げているわけでは決してありませんで、いまたとえば申し上げましたように、こうしたところでは、きっとNHKにそういう体制があるとすれば喜んでぜひとも力をかしてくれということになりましょうし、そういう意味で地方文化の振興ないしは子供のための活動の推進、そうしたことに一層積極的な姿勢でNHKが協力をしていただくということは、NHKと視聴者との間、国民との関係、そういうことについても大変積極的な役割りを果たす、こういうふうに申し上げていますので、その点がもし御理解なさるならば、ぜひともそのような受けとめ方をされて、何もそれを恒常的な一つの仕事として位置づけろとか、たくさんのお金をかけたり、たくさんの日程を使えということを一つも申し上げているわけではありませんから、そのことについてはいま堀さんがおっしゃったようなそういう受けとめ方ではなくて、そうしたNHKの地方文化の振興や子供のための活動、そういう中の一つの仕事として位置づけられて積極的に取り組んでいただきたい、このように申し上げておりますので、再度御答弁をお願いいたします。
#21
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 趣旨においては先生のおっしゃるとおりでございます。しかし、具体的方法については私たちにお任せ願いたい、こういうふうに思っております。
#22
○山中郁子君 もちろん、具体的な方法についてはNHKにお任せをいたします。そのようなちょっとわけのわからない答弁をしていただくのが私の本旨じゃないのです。
 たとえば、この立川の子供劇場がせっかくそういうことでつくられた、だけれども、こういうピンチに襲われている、ぜひともNHKに力をかしてほしいというふうにこの人たちが言っていったら、NHKは積極的に相談に乗ってくれますかということを申し上げているんです。もう少しちゃんとわかるように答弁してください。
#23
○参考人(堀四志男君) 相談には乗ります。
#24
○山中郁子君 次に、私は再放送番組の問題についてお尋ねをいたします。
 再放送の番組のことをいま私が提起をいたしますのは、決して再放送番組が悪いからこれは少なくしろとか、そういうことを前提にしていないということを初めに誤解のないように申し上げておきます。これはたまたまやはり私がこうしたことについて検討した日なんですが、三月十八日のNHKの教育テレビ、3チャンネルです。3チャンネルの番組をずっとチェックしていきましたところ、十七時間の放送の中に再放送番組による放送時間が八時間二十分あるんです、ほぼ半分ですね。普通でもやはり第三チャンネルを見ていますと再放送というのは非常に多いですね。私は、きょうの質疑はかなり問題提起的な意味で質疑をいたしますが、この再放送というのはどういうふうなものとして位置づけられ、そしてどの程度までこれが許容されていくというふうにNHKが考えておられるのかということをお尋ねしたいんです。
 一つは、現在の再放送の番組の時間帯ですね、これは大体平均すると、どのくらいになっているのか。総合テレビについても再放送時間帯ございますけれども、これはぐっと少ないと私も思います。まず時間帯がどうなっているかということをお示しいただきたい。
#25
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 時間帯のみについてお答えをいたしますと、教育テレビにつきましては、今年度、四二・九%の再放の比率でございます。総合テレビにおきましては一六・八%、ラジオ第一において四・七%、第二放送において四一・四%でございます。
#26
○山中郁子君 再放送をするという基準は、どういうところに置いておられますか。
#27
○参考人(堀四志男君) 再放送は、カテゴリーが三つございます。
 一つは、教育番組についてでございます。組織的かつ系統的学習につきましては、これは外国でもそうでございますが、再放送があるということで学習を始めよう、たとえばフランス語の勉強を始めようという方がおりますので、再放送があるということが視聴者を獲得する一つの方法でもございますので、原則的に再放送をいたすという種類のものでございます。これが第一。したがって教育テレビ及び教育放送において再放送が多いのはその理由でございます。
 第二は、たとえば朝の連続小説について、時間帯があれだから昼にもやってくれ、そういう意味でコンスタントに要望がある再放番組、それが第二のカテゴリーでございます。
 それから第三が、どうしてもこれはよかったからもう一回見たい、ぜひ再放してくれというリクエストに応じた再放送、これが第三のカテゴリーでございます。
#28
○山中郁子君 それぞれについてお尋ねいたしますが、教育番組は原則的に全部再放送だということです。これは再放送までですか、つまり二回ですか。三回、四回というふうにやるというふうなことがあるのかどうか、そのことを一つお尋ねいたします。
 それから二点目のコンスタントに要望のある番組ということなんですが、それと、それから三点目のリクエストが非常に強いというのは、それぞれどの程度のことをもってリクエストが強いというふうに判断されるのか、コンスタントに要望があると判断されるのか、この辺をお伺いします。
 これはなぜかといいますと、再放送番組が確かにいい番組があって、決してこんな番組はもうかなわぬというふうなことは、たとえば教育テレビなんかの番組を見ますとそうあるわけじゃないです、一般的に常識的にいきまして。そうすれば、必ずどこからかまたあれを見たいとか要望があるということは出てくると思うんですね。それの多少科学的なチェックをする機構というのはどうなっているのか。たとえば視聴率が何%以上だったら再放送するというのか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたい。
#29
○参考人(堀四志男君) まず第一点について申し上げます。
 二回だけじゃなくて、非常に数は少のうございますが、三回やるものもございます。これはたとえば働いている人が見る番組で、非常に限られております。
 それから、その再放送についての具体的基準ということでございますが、これはコンスタントにやるものにつきましては、たとえば「明るい農村」の再放送とか、その時間に見られないということが十分予想されるというようなものについては、これはいたします。その他、リクエストによるものにつきましては、やはり番組をわれわれが見まして、いい番組だなというふうに考えて心ひそかに思っている、それが一つのカレントになりまして、そして電話による再放要望とかあるいははがきによる要望とか、そういうものが多いもので、これにつきましては、その要望に基づきましてわれわれの組織の中で検討いたしまして、そして再放送を決める、こういうことになっておりまして、それが放送視聴率が何%というわけには多少まいりません。
 たとえば、ベイ・シティー・ローラーズというイギリスのスコットランドのロックのグループが参りまして、これを放送をいたしましたら視聴率が四・八%ぐらいでございましたが、再放希望が何と二万三千通を超えるはがきが参りまして、したがって視聴率と再放希望のはがき等とが必ずしもバランスいたしませんので、委員会を開いて総合的に検討するという手順を踏んでおります。
#30
○山中郁子君 これは仮にですよ、仮にということで申し上げますので、私はNHKがそういうことをしている、そういうふうにやっているというふうに言っているわけじゃないんです。だけれども、仮にたとえば経費の節減だとか、それから合理化だとか、そういうことのために、それは再放送番組がふえればそういう点ではずいぶん楽になりますよね、一般的に言えば。そういうこととの関係で、再放送の基準とか、あるいは本当に求められているものが積極的な意味で再放送があるんだということがやはりもっと公に多くの視聴者に納得できるような関係でもってNHKの中ではっきりした確立がされないと、私はまずいんじゃないかというふうに思うんです。そのことについてのお考えをひとつ伺いたいということ。
 それからもう一つは、いまやはり大体教育番組で五〇%近く再放送番組がコンスタントに行われているわけですよね。これはどの辺を限度として考えていらっしゃるのかということもあわせてお伺いしたいと思います。
 つまり、いい作品、いい番組ができれば、確かにいまおっしゃった、御回答があったような見解を基準にしますと、どんどんどんどんいい番組ができればできるほどみんな再放送していくということにだってなっていく必然性があるわけですね。そういうことについてはどのような限界を考えて、あるいは限界を考えなくて、いいものができれば全部再放送でやっていけばいいんだというふうに考えていらっしゃるのか、その辺のことをお尋ねいたします。
#31
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 再放の率は、大体、毎年決まっております。したがって、われわれとしては、たとえば総合テレビにおいて一七%を超えないというようなところをやっぱり一つの基準にすべきだというふうに思っております。また、教育テレビにおきましても四二、三%というのがここ数年来の趨勢でございますので、これを超えてやるということは差し控えたいというふうに考えております。
#32
○山中郁子君 時間の関係がありますので、この点は私はちょっと問題提起だけしておきますから、次の機会にぜひとも少しNHKとしても見解をまとめておいていただきたいんですが、いま言われた、たとえば総合テレビで一七%ですか、教育テレビ四二ないし三%で、これはまあある意味ではここ数年の実績だというお話ですね。そうすると、もっとはっきりした理論的にもあるいは実質的にも根拠に基づいて再放送に対するもう一つ見識をやっぱりNHKが持っていただくということは必要なんじゃないかと思います。これは提起をしておきます。
 それから、この教育番組に関連してですけれども、いま再放送番組はもちろん要求もあるし必要もあるということでされているんだというお答えでした。ところで、この教育番組、特に学校放送の番組については現場の教師の皆さんなんかもずいぶんいろいろ意見も持っていらっしゃるし、希望も持っていらっしゃるわけです。私はいろんな方からお話聞きました。で、いまそのことを一つ一つ御紹介する時間がないのは残念なんですけれども、ぜひとも現場の教師の方たちのこうした声を教育番組に反映していただくということが必要だと思うんですけれども、この辺のところでは、大体、どういう機関なりルートでもって教育に関係する関係者の直接の意見なり声を取り入れたり反映したりする措置をとっておられるのか、そこをお伺いいたします。
#33
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 形式的には、学校放送の諮問委員会というものと企画委員会ということで外部の先生の御意見を聞いておりますが、教育・学校番組をつくりますPDの最上の希望は、できるだけ多くの学校で有効に利用されるということでございますので、かなり日常的にも現場の先生と接触をとりまして、そして番組をつくっている次第でございます。
 なお、学校放送の諮問委員会にいたしましても、あるいは企画委員会にいたしましても、これは先生方の意思をくみ取り、同時に、われわれの企画及びねらいというものを浸透させるための会合でございまして、われわれがこれによって学校番組編成の責任を回避するようなつもりは全くございません。
#34
○山中郁子君 いまお話が出ました企画委員会なり諮問委員会なりの問題なんですけれども、NHKから資料をいただきましたところ、学校放送中央諮問委員会の委員というのは、いま現在二十八名委嘱されていまして、この中に現場の教師が全然入ってないんですよね。で、内訳をちょっと整理しましたら、学校長が十三名、これは小中高等学校まで含めてですが。それから幼稚園の園長が四名。それから文部省の関係者、課長や何かです、これが五名です。それから、いわゆる学識経験者というんですか、大学の学長だとか国立教育研究所の所長だとか、こういうところに類する方が六名ということで、一番大事な現場の教師の方たちがこうしたところに入ってないということは、私やっぱり検討していただいて何らかの形で改善をしていただく必要があると思います。
 本当にこれが単なる形式であって、このことについてNHKがどうするんではないというふうなことだったら、私はこんな形式的なものは即刻やめてもらいたいと思います、ちょっと御回答の前に申し上げておきますけれども。
#35
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 学校放送中央諮問委員会については、いま先生が御指摘のとおりでございます。しかし、これは各都道府県における諮問委員会の結果を踏まえての中央の諮問委員会でございまして、各都道府県におきましては、約千三百人の方の御意見を聞いて、その中のほとんどが現場の先生でございます。したがいまして各都道府県のいわば代表みたいな形で出てまいりますので、そこの学校放送の研究会の会長とかあるいは副会長が中央番組の諮問委員になっておられますので、結果的に校長とか副校長という方が多くなっているのは、これはもうここの研究会の構成によるものだというふうに考えております。
#36
○山中郁子君 最終的には、でもやはり中央諮問委員会ですから、だんだんとそういう意味では比重は高まってくるわけです、NHKが意見をお聞きになるのが。これがやっぱり最高のパイプになるわけでしょう。だから、私はいまここで具体的に何人たとえば現場の教師を入れろとか、そういうふうなことを申し上げるつもりはありませんけれども、現場の声をやっぱり反映して吸収して、よりよい教育放送をつくるという観点にNHKが立たれるならば、こういうふうにして現場の教師が一人も入らないで、二十八人もいるのに、学校関係はみんな学校長だけだというふうな構成というのは私はやはり検討していただいて、現場の声がより反映できる、そういうふうに考え直していただきたいということを申し上げておりますので、ぜひともその点は御理解いただくならば、今後の検討課題としてお約束をいただきたいと思いますけれども、会長からでも結構ですが、答弁をお願いいたします。
#37
○参考人(坂本朝一君) この諮問委員会にも長い歴史と伝統がございますので、私がここで軽々にどうこう申し上げるわけにもいきかねるかと思いますけれども、せっかくの御提言でございますから、その点は十分検討したいというふうに思います。
#38
○山中郁子君 次に、受信の障害の問題について一件質問をいたします。
 これは島根県の江津市というところでラジオの難聴が大変強く訴えられているのです。私のところにも陳情にも見えました。これ多分NHKに行っていますね、このりっぱな陳情書ができているのですけれどもね。まず難聴の原因と、それからこうした事態がほかの地域にもあるのかどうか、その実情をちょっと初めにお伺いいたします。
#39
○参考人(沢村吉克君) 先生お話しのラジオの夜間におきます難聴の件でございます。江津市につきましては、地元からのお話も承っております。
 いま御質問の原因の点でございますけれども、御承知のようにラジオの電波の物理的な性質から申しまして、夜間になりますと、かなり遠方のところの電波が地上に上空を経由いたしまして戻ってまいります。そのために国際的な近隣諸国の電波が邪魔をいたしまして、つまり混信でございます、そのために非常に難聴になるということでございまして、江津市におきましても、昼間は十分実用になる受信ができておるわけでございまして、夜間は、いま申しましたような原因のために、これが阻害をされているということでございます。
 なお、そのほかにも日本全国にそういうところがあるのかという御質問でございますが、もちろん江津市ばかりが例外的にやられているわけではございませんで、全体のラジオの受信可能地域、昼間はほとんど一〇〇%と言ってもいいくらいに受かっているわけでございます。夜間になりますと、そのうちの二割程度が混信を受けまして、聞きづらくなるというのが現在の実情でございます。
#40
○山中郁子君 私は、前に、NHKから御説明を事前に伺ったときに、これは何か韓国の関係の電波に結局影響されると、いまおっしゃった外国というのがきっとそうなんだと思いますけれども、そういうお話を伺いました。それで私が申し上げたのは、ですから、そうした障害の原因を同じくする難聴がほかの地域でもあるのですかということをお伺いしたのですけれども、韓国関係の障害によって、原因が。江津市のこの一帯のほかに、さらにほかにも何ヵ所かあるんでしょうか。
#41
○参考人(沢村吉克君) 江津市の難聴の原因が韓国というふうなお話でございますけれども、私どもの推定でございますが、確かに韓国も問題の原因点だと思っております。そのほかに中国もあるように感じております。これは本当にどの地点からどのような電力で電波が出ているかということは、現地の方まで行って確認するわけにもまいりませんので、私どもは外国電波を定期的に測定をいたしまして、この方向から来ているらしい、で、その方向にある放送局はどういう局だと、しかもその妨害をする周波数を使っている局はどこだということで見当をつけましたのが、中国並びに韓国の放送局がどうも江津の混信には原因を与えているようだということでございます。
 なお、中国あるいは韓国からの電波で混信を受けます地域というのは非常に多うございまして、そのほかに日本が大きく妨害を受けておりますのはシベリアの方の電波でございます。大きく言いましてその三ヵ所、三ヵ所と申しますか、三国と申しましょうか、三地域と申しましょうか、そういうところからの電波で、いま申しましたように、夜間が二〇%程度の混信難聴地域を生じているということでございます。
#42
○山中郁子君 これは解決の見通しはどうなっていますか、つまりこの難聴を解決するという見通しです。
#43
○参考人(沢村吉克君) 従来、放送局の少なかった時代には、そういう問題が起こりますと、郵政省の方にお願いをいたしましてその送信周波数の変更をする。海外の方を日本の方から変更を命ずるわけにもまいりませんので、日本の中でできるだけ混信の少ないように、場所によって相手局が変われば混信を受ける程度が変わるわけでございますので、国内の使います周波数をあっちこっち入れかえていただきまして、できるだけ総合的に混信を排除するという手法をとってまいりましたが、とても最近のように放送局の数が多くなりまして、特に近隣諸国の放送局の数がふえてまいりますと、少々のことではこれは解決しないということで、先般、国際会議におきまして世界的に電波の有効利用を図ろうということで再編成が行われたわけでございます。その実施はあと一年ばかり後になるわけでございますけれども、それによりまして少しでも混信が軽減されるものと期待をいたしております。
#44
○山中郁子君 当面の解決という方策がないのかどうかですね。結局は、私、直接陳情をいただく人たちもこういう人が多いんですね、受験勉強をするのに番組が夜聞かれないということで、一番高い受信機を買わなきゃならなくなっちゃっているらしいんですね。受信機の性能のいいものを買わなきゃならないから、それでもう最高級品をみんなそこのそういう地域では買うというふうな状態だそうです。これはやっぱり不公正ですよね。しかも、それが対外関係でもって起こってきているということですから、私は早急にやはりこうした不公正を解消するために特別な手だてを検討していただく必要があるというふうに思います。
 これは私は郵政省の方にもちょっとお尋ねをいたしますが、何らかの形で、いますぐどういういい案があるのかどうかということは、いまの御答弁じゃどうもなさそうなんですけれども、いまおっしゃった御答弁にまつのではなくて、それも頼りない話よね、そういうふうになれば多少解決されるだろうと思いますということであって、本当に解決できるのかどうかはそのときになってみなきゃわからない、こういう状態になっていますから、これはぜひともやはりこうした不公正を解消するために、たとえば素人考えによると第二FM局をつくるとか、そういうふうなことだって可能性あるんじゃないかというふうに思いますけれども、そのことにこだわりませんが、何らかの積極的な責任ある措置を早急に検討して、こうした難聴地域を解消していただきたいと思いますので、これはNHKそれから郵政省それぞれから御答弁をいただきたいと思います。
#45
○政府委員(石川晃夫君) ただいまNHKの方からも説明がございましたように、現在、わが国におきます中波のいわゆるラジオ放送でございますが、ラジオ放送が外国から混信を受けているという状況につきまして、夜間は、大体、わが国の放送局の六割方が混信を受けているわけでございます。江津もその中に入るわけでございますが、昼間は浜田局あるいは松江局からの第一放送、第二放送が受かっているわけでございますが、夜間になりますと、ただいま先生からお話ございましたように、非常に混信を受けて住民の方が困っておられるということも存じております。
 しかし、先ほどNHKの方からも説明がございましたように、このような外国からのラジオ混信を何とかして排除しようということで、一昨年、実はジュネーブで国際会議が催されまして、その席上、技術的な問題としてどのようにすればこの混信が排除されるかということをいろいろ検討いたしました結果、周波数が各国の割り当てが違っていた場合には混信を受ける率が多いということで、周波数の割り当て間隔を九キロヘルツ置きということが決まりました。これが実施されますと、いままで周波数が一キロヘルツあるいは二キロヘルツの差のためにそういうビート混信が起きていたということがこれで解決されるわけでございます。
 それからまた一つの方法といたしまして、ある周波数に限りまして、これは大体三つほどの周波数を予定しておりますが、その周波数を使った放送局は電力を少なくしようというようなことでございます。ローパワーチャンネルと称しておりますが、そのチャンネルを使った場合にはやはり混信が軽減される。
 そのほか技術的基準で相当いろいろなものができ上がりましたが、実は、これを世界各国いろいろ実施の時期を協定いたしまして、五十三年の十一月二十三日以降ということになっております。したがいまして実施時期が一年半ほど後になるわけでございますが、その時期になりますと、われわれから見ましても、技術的に相当解決されるであろうというふうに考えております。ただ、現在、まだ設置されていないラジオ放送局が各国にございます。日本の場合はほとんど完成されておりますが、中国、それから韓国、それから北鮮、ソ連、こういうところでは、これからつくろうという局もこの中に入っております。したがいまして、この五十三年の十一月二十三日以降におきまして、そういう局がどんどん出てまいりますと、混信ということもまた生ずるわけでございますが、少なくとも現在よりは相当分改良されるであろうというふうに考えております。
 で先生からいま御指摘のように、その前に何か手がないかと。実は、これは一般に、こういう混信の問題につきましては、中継局を設置したり、あるいは既設局の増力を行ったり、あるいはその既設局を移転したりというようなことで解決いたしておりましたけれども、このいずれを見ましても、やはり現在の近隣諸国のその発射状況から見ますと、なかなかこれといった適切な方策というものはむずかしかろうというふうに思われるわけでございます。
 で先生からちょっと御指摘ございましたFM放送を使って何とかできないか、これも一つの案でございますが、実は、現在、FM放送、特にNHKのFM放送でございますが、これは県ごとに同じ番組を流しているわけでございます。したがいまして、もし江津にFM放送を流すといたしますと、松江、要するに島根県全部がその第二放送なり第一放送に変わってしまうわけでございます。ところが、現在、FM放送自体はFM放送の番組を行っておる。江津の方はそういうことで第一、第二は聞けますが、松江の方はいままで行っておりましたFM放送自体が聞けなくなる、その時間帯は。そういうようなこともございまして、必ずしもそのFM放送を使うということが、江津の方にはいいとしましても、ほかの方には御迷惑をかけるということで、こういうやり方はなるべく減らしていこうという方向で進んでいるわけでございますが、詳細につきましては、NHKの方から御説明いただいた方が適切かと思います。
#46
○山中郁子君 わかりました。NHKからの御答弁、きょうの段階では伺わなくて結構です。
 いま御答弁ありましたけれども、私が申し上げたのは、第二FMという全く新しいあれをつくるというようなことを、ちょっと素人考えも含めて提起をしたんですけれども、いずれにしても郵政省もNHKも、当面、そういう障害があって、結果的には同じ受信者としても不公正な結果になっているということは何らかの形で解決しなきゃならぬというふうには御認識だと思いますし、それを来年の十一月まで待っていいということも必ずしも考えていらっしゃらないと思いますので、さらに具体的に、これは現地の方たちも含めて、方策について提起もし、それから相談もしていきたいと思いますので、ぜひとも積極的に御検討いただくようにお願いをして、最後の問題に移ります。
 最後に、沖繩の問題について質問をして、私の質問を終わりたいと思うんですけれども、今回の予算では、沖繩の受信料の引き上げの問題が入っております。
 沖繩の問題につきましては、衆議院におきましてのNHKの予算案の審議に当たりまして、わが党の藤原議員が実際に沖繩へも参りましていろいろ実情も調査し、そしてそうした調査に基づいていろいろと提起もし、また質問もいたしました。で、そこではしかるべき御答弁もお約束もいただいたわけですので、ほんの補足的に申し上げます。
 一つは、沖繩の場合の番組審議会の問題なんですけれども、地方番組審議会が沖繩にはあります。で、これは御承知のように沖繩の特別措置法の問題と関連してあるわけですけれども、これは復帰から五年間だけというふうになっておりますが、御承知のように沖繩では大変ローカル番組の尊重をするという県民性とか地域性とかそういうものがありまして、私は、ぜひともこの五年の期限が切れても、地方番組審議会というのはやはり沖繩で独立させる措置を引き続きとって、そして沖繩における県民のNHKに対する要求を満たしていくという観点から尊重していくという措置をとられるべきだというふうに考えておりますので、そのことが一つです。
 これはもうすでに藤原議員が指摘をいたしましたので御承知だと思いますが、沖繩における受信料の収納の実態ですね、これは五〇%程度でございましょう。そこでまたさらに上げるというこういうお考えで、一体、どれだけ収納率を高める自信がおありになるのかということは、改めて私いま申し上げませんけれども、そうしたこととも関連して、県民の皆さん、受信者の皆さんの希望にこたえていくという基本的な体制として、地方番組審議会の存続ですね、これはぜひともお約束いただきたいところだというふうに思います。これが第一点です。
 それからもう一つは、前にも同僚委員の方が質問なさいましたけれども、大東島の問題で、ここは二時間のやはり放映時間になっているということで、いろいろ御答弁がありました。だから事情やなんかは重ねて伺わなくても結構ですけれども、県民の皆さんの要求として、何とかもう少し時間帯も広げてそして放送してほしい。大東島だってこれは沖繩です。本土並みだっておっしゃるならば、もう少しちゃんとした放送ができるようにしてほしいというのが強い皆さんの意見です。このことについても積極的な対応をぜひともお約束いただきたいと思います。
 それから三点目に、沖繩でいわゆるNHKのテキストを手に入れようとすると、なかなか大変らしいんですね。それで電波に流して、テキストが来るのはずっとその先になる。申し込んでから三週間も四週間もかかってでないと手に入らないのだそうです、テキストがね。そうすると、もう放送がされちゃった後だということになっているので、これはぜひともすぐにテキストが買えるように措置をしてほしいというのが、これは当然な要求で、このことについてはすぐにでも実施をしていただけるものだというふうに思いますが、現実には放送局の営業所ではテキストは扱ってないそうです。これは現地に行って調べて、現地の営業所の人に聞いてまいりましたので確かです。直ちに、これはすぐにテキストが購入できるように措置をしていただきたい。
 そのほかたくさんありますけれども、とりあえず補足的にその三点について、沖繩の問題についての御答弁と、ぜひとも積極的なお約束をいただきたいと思います。
#47
○参考人(堀四志男君) お答え申し上げます。
 地方番組審議会につきましては、政令もあることですので、郵政省の方からできたらお答えいただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、たとえ地方番組審議会が沖繩でなくなりましても、九州における番組審議会の一員としては当然加わりますと、さらに視聴者会議もございますし、さらにわれわれとしても今後とも沖繩のローカル性ということについては非常に大きな関心を持っておりますので、現在よりローカル放送の質が落ちたというようなことにしないように努力をしたいと思います。
 また、南大東につきましては、試験放送で、これは一応二時間ということになって、現段階では内容の充実ということに努めておりますので、来年度も引き続きその点で御了承をお願いしたいと思います。
 また、沖繩におけるテキストの問題でございますが、これはわれわれの調べたところでは、ややおくれていることは、これは船積みその他の関係から認めますけれど、終わってからというのはやや例外的なことではないかというふうに思っております。と申しますのは、テキストは大体二十日ぐらい前に発行いたしまして、沖繩には一週間ぐらいのおくれで到着するという販売のルートになっております。そしてわれわれも全国的にはその販売ルートを使ってテキストを視聴者へお届けすることになっておりますので、特に沖繩だけ別ルートと申しますと全国的な影響が出てまいりますので、その販売ルートを引き続き今後も使いたいと思いますが、なお沖繩につきましては格段の注意をいたします。と同時に、直接にNHKの方へお申し込みいただいて、そしてお送りするという方法の周知をさらに進めまして、通常の流通ルートによらざる方法もあわせて活用していただき、御不満が一日も早く消えるように努力をいたしたいと思っております。
#48
○政府委員(石川晃夫君) 地方番組審議会の問題でございますが、これは「沖繩の復帰に伴う関係法令の改廃に関する法律」というのがございまして、これの九十四条で、暫定的に復帰の時点から五年間、この地域に地方番組審議会を設置するということになっているわけでございます。復帰後五年間経過しました今日でございますが、われわれといたしましては、この条文を設けました沖繩県特有な事情というものがほぼ解消されたというふうに考えられますので、この期間延長ということは現時点では考えていないというのが私たちの考えでございます。
#49
○山中郁子君 NHKでも申されましたように、そして現状としても認識されておりますように、沖繩の受信料の収納率は五〇%です。これがまたさらに引き上がると、一体、これはどうなっていくのかということについては、やはり沖繩の県民の皆さんが要望しているようなよい放送をつくって、そして積極的に支持をしてもらって受信料を納めてもらう、ここに基本の姿勢が置かれなくちゃならないわけです。そのために、とりわけローカル番組の期待が強いですね、日本全体の中でも特に強いです、沖繩は。そうしたものに対応するような形で地方番組審議会の存続を含めるローカル番組の尊重、充実ということを私は申し上げておりますので、この点については引き続きさらに次の機会に追及もしていきたいし、またお約束もしていただくように審議を続けたいというふうに思います。
 いま申し上げましたように、本土並みになったからということをおっしゃるけれども、決して本土並みになっていない。主要な問題は藤原議員が衆議院でるる申し上げましたので私は重ねては申し上げませんでしたけれども、たとえばテキストの配付の問題一つとってみても、そうしたいろいろな格差がございます。大東島の問題もあります。そういうことで、本土並みになったからといって、ことしの予算で沖繩の受信料の引き上げをするということについては私は賛成をいたしかねます。このことはぜひとも御検討いただきたいと思います。そういう意味で沖繩の受信料の引き上げを含む今年度予算の問題に関連して幾つか申し上げましたけれども、NHKがここの中で約束をされたこと、前向きな姿勢でもって取り組むと言われたこと、その点についてぜひとも責任を持った実行を果たしていただきたい、このことをかたく要求いたしまして、私の質問を終わります。
#50
○木島則夫君 最初に、オリンピック放送権問題について伺います。
 いままで私が伺っておりますNHKのオリンピック放送権問題についての姿勢と態度は、次のように承知をしております。もし間違っておりましたら後ほど御指摘をいただきたいと思います。
 坂本会長ら協会首脳は、いままでの放送権交渉に当たっては、まずソビエト側が放送にスポンサーをつける場合は事前にモスクワオリンピック組織委員会の了解を取りつけるよう求めた、オリンピック大会が実行できなかった場合や大会の規模が縮小された場合に放送権料の一部返済を求めるいわば救済措置が明らかにされなかったことなど、いままでのオリンピック放送権交渉と違う点が多かったことを明らかにされております。そうしてNHKとしては何が視聴者のためになるのかということがわれわれの判断の基準であることは言うまでもないが、即オリンピックの放送をすべきかそうでないかということを国民に理解願うべきか、NETの契約条件が不明確のまま、直ちに態度を明らかにできない、しばらく静観しているのが実情である。モスクワへNHKの代表を派遣したのは、ほかの民放の代表を兼ねて出発をしているので、民放各社の意見も十分に承って事を行わなければならない、このように述べておいででございます。
 オリンピックの放送をNHKが実施するかどうかの大きな前提として、今回の放送権交渉のプロセスが明確になることが先決であることを強調をされておりますけれど、会長、いかがでございましょうか、大体、こういう趣旨に受け取ってよろしいでしょうか。
#51
○参考人(坂本朝一君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#52
○木島則夫君 この問題をめぐりまして、NHKは公共放送なんだからどんなことがあってもオリンピック放送はやるべきだという論が多いようでございます。現在の段階としてNHKはこれには踏み切れないのは私はよくわかります。何が国民のためになるかということを踏まえた上で、この問題に取り組んでいきたいと言われたのは筋論としてもよくわかります。
 橋本理事とソビエト側との交渉の中で、たとえばその放送にスポンサーをつける場合事前にモスクワオリンピック組織委員会の了解を取りつけるよう求められた、あるいはオリンピックが実行されなかった場合や縮小された場合に放送権料の一部返済を求める救済措置が明らかにされなかったなど、こういった問題をもしそのままにしておいて契約をした場合にはゆゆしい問題を残し、それが国内の放送にも影響を与える可能性もあるからだというふうに私は解釈をしております。
 ところで、これは非公式な情報でございますけれど、私のところにもいろんな情報が入ってきております。公式な情報ではございませんので、あるいはそういうものを土台にしては論議ができないと言われればそれまででありますけれど、私のところにこういう情報が入っている。
 まず、NETに示された契約書は、NHKと民放三社に示されたものとほぼ同じものであるということ。――四つほどございますので、一応、個条的に申し上げます、それからお答えをいただきます。NETの調印をした契約書には、政治的条件が残されている。スポンサーの事前了解について、同意の要るものとそうでないものの二本立てに修正をされている。契約金は二十五億円以下という内容である。
 これは非公式でございますが、橋本理事にお伺いをいたしますけれど、この四点についてはいかがでございましょうか。
#53
○参考人(橋本忠正君) 私どもNHKと民放三社の代表ということで私参りましたんですが、モスクワの組織委員会から渡されました契約書の草案がございますが、これは常識的に考えてNETさんに示されたものと同じというふうに私は考えております。
 それから、第二点の……
#54
○木島則夫君 政治的条項。
#55
○参考人(橋本忠正君) 政治的条項ですか。私は契約書そのものに政治的な条項があるとかないとかいうことは申し上げられません。向こうからそういうふうなことを言われたということも私は言っておりません。ただ、示された契約書の草案を読んでいけば、人によってあるいはそういうふうに解釈できる点もあるやもしれずという点は言えるかと思います。
 それから第三点のスポンサーの件でございますが、私が示され、現在持っておりますドラフト、草案には、スポンサーと契約する場合には事前にモスクワのオリンピック組織委員会の同意を得べしという条項は明らかにございます。
 それから金額については、私は何とも申し上げられません。ただ、私たちが提示した金額が組織委員会の要求する金額に及ばなかったということでございます。
#56
○木島則夫君 お答えにくい点がございましたらば、遠慮なくお断りいただいて結構でございます。これは民放三社も含めての代表であるという、代弁であるというお立場でございますから、そこはもう遠慮なくおっしゃっていただいて結構でございます。
 まず第一点は、NETに示された契約書の草案は同じものであるということ。それから政治的条件があるかないかについては、これは人によって違うし、そうであるともそうでないとも受け取れるというようなニュアンスでございましたね。それから三番目のスポンサーの事前了解、これははっきりとあったと。契約金二十五億円以下というのは当然この席ではおっしゃりにくいことだろうと思います、よくわかります。
 それでちょっと先に私言わしていただきたいのでございますけれど、特に橋本理事が契約条項をごらんになりまして、これが問題だと思う個所の政治的条件というのはどういう個所でございました。私が聞いております範囲では、ソビエト・日本両国民の友好な理解に積極的に貢献するものであり、このことは世界の緊張緩和及び世界の全国民の間の平和の強化に役立つものであるというような部分が、政治的条件というか条項であるやに承っておりますけれど、そういうものでございましたでしょうか。さっきの問題も含めてどうぞお示しください。
#57
○参考人(橋本忠正君) 私は、重ねて申し上げますが、政治的な圧力だとか政治的なあれが強調されたというふうには言っておりません。示された草案の読み方によっては、いろいろそういうふうに解釈できる部分もあるやもしれずということを言っているわけでございます。
 それから、どういう点が強いて言えばそういうあれに当たるかという御質問でございますが、たとえばスポンサーの件につきましても、これは解釈のしようによってはまあ政治的というふうに解釈できなくもないでありましょうし、それからもう一つは、私が非常に気にいたしましたのは、この契約を実施するに当たり、かつまたオリンピック放送の周知宣伝を行うに当たって、オリンピック憲章にのっとるとか、あるいは大会の精神にのっとるということは当然でございますが、開催国の法律並びに習慣によるという点が私は最後までひっかかりました。
#58
○木島則夫君 私も、実は、外国から中継放送した経験がございます。で、その国には制度とか習慣とか伝統とか立場というのがあることはこれはよく私もわきまえております。で法律、習慣にのっとるということは、写してもらいたくないところはこれは写してはいけないというふうにいろんな制約につながってくることも私は承知をしております。
 これを拡大解釈をいたしますと、要するに、本当はオリンピックの実情をこういう視点からとらえたい、オリンピックに沸く庶民の声をこういう形からとらえたいといっても、その自由な取材ができないということにつながる、そういうものはやっても仕方がないというような意味で、何というか、拒否というんでしょうか、配慮なさってお帰りになったのかどうか。その問題についてNET側の非公式な見解をとりますと、あくまで精神的な条項であって、これは当然に書かれているにすぎない、原案段階でも問題とは考えないで、政治的条件ととるのは筋違いであるというようなことも言われているというふうに聞いておりますけれど、橋本理事はどんなふうにおとりになりましたでしょうか。
#59
○参考人(橋本忠正君) 余り詳しくは交渉の内容とか、あるいは契約のあれに立ち至りますので、大変歯切れの悪いあれになるかと思いますが、先ほど先生御指摘の、何といいますか、契約は国際緊張の緩和とか両国の云々という字句はございます。しかし、それをそのまま政治的におとりになるかどうかは、これは読んだ方のとり方でございまして、私は、むしろスポンサーの問題だとか、先ほど申し上げました開催国の法律、習慣にのっとるとか、あるいはさらには、いままでの私の結んだミュンヘン、モントリオールにございました、オリンピック大会が中止だとか、あるいは延期だとか、大会の規模が大きく変化するという場合の救済措置というものが、中止の場合の条項はございますけれども、私がいままでやったよりは非常に不分明である、いままで私がやってきたほど明確に書かれていなかったという点が、私は最後まで気になったという点でございます。
#60
○木島則夫君 あくまでこれは仮定の問題でございます。それから非公式な問題として伺います。もしお答えできなければお答えできないと言っていただいて結構でございます。
 私が得た非公式な情報でございますと、いわゆる同意するものとしないものと二つに分けたという報道のされ方がございますけれど、これは放送の専門家としてどのようにお受け取りになりますか。で交渉に臨んだときに、そのような雰囲気が生まれてくるような状況であったのかどうか。これは非常にむずかしいことだと思いますけれど、参考のために教えていただきたいと思います。
#61
○参考人(橋本忠正君) その同意できるものとできないものということは、どういう意味でございましょうか。恐れ入りますが、もう一回おっしゃっていただきたいと思います。
#62
○木島則夫君 スポンサーの問題については、原案段階では、大会の放送スポンサーを会社がみずからの方法で選ぶについては、モスクワ組織委員会が大会を実施するに当たり、モスクワ組織委員会がプロモーション用商品とか役務そのほかを選択する努力との間に調整を図るため、会社はスポンサーとの契約に当たってあらかじめモスクワ組織委員の同意を得るものとするとなっていたのを、その後で、同意を得るものとそうでないものに分けたというような非公式な情報がございますけれど、これは交渉の現場で交渉に当たった橋本理事が得た感触とのつながりはどのようなものであるかということを、ちょっと込み入った質問の仕方で恐縮でございますけれど伺っております。
#63
○参考人(橋本忠正君) いま先生御質摘の、前段の同意を得べしというのが私が渡された草案にあった個所でございますし、現在も、それについては何ら変わっておりません。この点が、実は、民放三者の代表でもございましたんで私一存ではなかなかまいらない、したがってこの点については東京の民放代表ともぜひ事前に御相談したかったということは感じておりますが、その条項がなくなったとか、あるいは変わったということは全く私は存じておりません。
#64
○木島則夫君 その問題に関して、済みません、立ち入って伺います。
 つまり、同意を得なければならないということは、コマーシャルも放送であるという範疇で考えるならば、いわゆる放送編集権に対する干渉であるというふうにおとりになって、それはできないというふうにお断りになったのか。
 もう一つ、たとえば大会でもって大会用の時計をセイコーのを使う、つまりセイコーのメーカーの時計を大会の時計として使いますね。そういう場合に、もう一つ同じ業種の、そうですね、どういう業種がありますか、まあリコー時計かなんかがあったとする。そういう場合にかち合うからこれは事前に届けなさいよという、いわゆる全く事務的なコマーシャルベース的な問題としてとらえていいのかどうか。そうでなければ、その両様が含まれているとおとりになったのか、いかがでございましょうか。
#65
○参考人(橋本忠正君) スポンサーとの契約については事前に組織委員会の同意を得べしということは、私としては、やはり民放さんの意見も十分聞いた上でなければこれをそのまま受け入れることができないということでございまして、編集権云々までは私は考えておりません。
 それからもう一つの、競技場においての広告という問題は、これはもうオリンピックの常識でございまして、競技場に一切そういう広告はやってはいけないということになっております。その点は草案にも触れた個所があったというふうに記憶しております。
#66
○木島則夫君 これは非公式な情報でございますから、ここまで本当は詰めて伺いたくなかったのでございますけれど、やっぱりそういう情報が散見をしたり耳に入ってきているものですから、あえて私はお伺いをいたします。
 確かに金額もモントリオールと比べて高額でございます。この辺にも、まあここではおっしゃっておりませんけれど、問題があったことは確かだと思います。また、民放三社とNHKの側でも指摘をしておいでのように、技術的な詰めですね、ソビエトの技術面と日本のメカというか組織というのはこれは違いますですね。ですから、そういうものの詰めを完全に行った上で契約をしなきゃならないということ、これは放送関係者として私は当然だろうと思います。で、こういうところの詰めの問題もやはりまだ残っていて、これが後に尾を引かなければいいなというのが私の危惧でございます。
 で私がここで申し上げたいことは、NETそれからNHK・民放三社が合同しての論議の場にゆだねるべきだとは思いますが、そのNHK・民放三社側に示された案とNET側に示された案がほぼ同じ内容のものであったとすれば、その条項なり条件を受ける側のNETとNHK・民放三社連合との受け取り方に何か差があり過ぎるのではないだろうかという感じも実は受けるわけでございます。この問題の理想的な解決方法としましては、やっぱりNHKと民間放送が一つになってモントリオール方式でいくのが一番いいんだというのはこれはもうだれでもわかっていることですね。しかし、現実問題としては、そうはいかなかった。もしも同じ条件が提示されて、それを受け取る側に何かその政治的条項にしろスポンサー問題にしろ大きな差異があるとしたら、これは私は同じ放送事業体として、放送事業者として問題があるのではないだろうかというふうにすぐ考えるわけでございます。
 これは橋本さんに、これは問題があるよというふうに私が言わせるのは酷です。ですから、これはお答えは要りません。なお、おっしゃりたければおっしゃっていただいて結構でございますよ、何かおっしゃることありますか。
#67
○参考人(橋本忠正君) オリンピックの交渉は、相手は主催都市、主催国の組織委員会並びにその上におりますIOCでございますから、IOC並びに組織委員会が示される内容が違っているというふうには私は考えたくありません。
#68
○木島則夫君 こういう問題がいま盛んに論議をされている中に、私は郵政大臣に余りこう言葉を差しはさんでいただきたくはないんでありますけれど、いかがでしょうか、同じ条件が示されて、同じ条項が示されて片方はこれでいけるじゃないか、片方はいけないじゃないかという放送事業体の体質、考え、そういうものの違いが私はちょっと多過ぎるようにうかがうんでありますけれど、郵政大臣、どういうふうにおとりになりますか。
#69
○国務大臣(小宮山重四郎君) 現実に両者の契約書のドラフトそのものを見ておりませんから何とも論評できませんけれども、ただ、私、一つ申し上げることは、このオリンピック放送権という問題で大変国民はがっかりしただろうと思います。というのは、少なくとも放送法という、日本の放送を取り扱ういわゆるマスコミという中で電波に乗せていろいろな論評をされている方々がこのような争いを行うことは大変残念なことである。
 ただ、私自身は非常に楽観的なんです。と申しますのは、少なくとも最高の知的集団グループであります、また常日ごろ言っていらっしゃるんだから多分解決するだろうと。また放送法第一条、第二条、第三条その他をわきまえておやりになっていけば、少なくとも放送はだれのものであるかということもおわかりになっての話し合いであるから、とことん話し合って、国民のために、皆さんが国民全部がオリンピックが見られるようなことを望んでおる。私は、まだ入る段階ではないけれども、大いに話し合って一本にまとまっていただきたいということが願いであります。
#70
○木島則夫君 この問題は、後日、NET側にもおいでをいただき、また民放三社というか、民放連の会長、それからNHKの代表の方を交えて後日論議の場をつくっていただくことにしたいと思います。
 それと、今回の問題からはいろんなことが放送界全体の問題として私は出てきていると思いますね。一つは、激烈なる過当競争のもとにやっぱりこうせざるを得ないという問題です。こうしたことがいいか悪いかは別問題です。
 それからもう一つは、これは大変ジャーナリスチックな言い方をする人がいますけれど、放送局だけの問題でなくて、新聞社も一枚かんでいるという見方です。まあ余りこういうことを言うと、私もマスコミ出身者でございますから危ない、まあ危ないかどうかはわかりませんけれど、とにかくそういう見方をする人もおります。ですから、そのマスコミのあるべき姿などというように私は片意地を張ってこの問題を論じたくはございませんけれど、私もかつてマスコミにおりました経験上、送り手側の論理といたしまして、何というか、新聞ならばいつも読者と真っ正面から取り組んだいわゆる紙面づくり、紙面の提供、それからテレビならばやっぱり国民、視聴者と四つに組んだ画面づくりというものが本当は第一義、本質であって、横との関係において送り手の論理がつくられるというものがちょっと多過ぎやしないだろうか、そんなような私は考えを抱くものでございます。どっちがいいとか悪いとかという問題ではないんですね。
 で、この問題は、四月十日ですか、NETの側がモスクワに対して第一回の金額をお払いになるとか聞いております。ですから、遠からず私はその内容が公開をされるだろうと思います。そのときにオリンピック放送権の問題と、そしていわゆる放送事業者が置かれている現在の状況、一体こういう競争の仕方というものがこういうものでいいのか、もっと違った形があるんだろうか、こういう問題もひとつひっくるめて集中的に審議をしたい、私はそんなふうに考えているわけでございます。
 それから、橋本さん、もう一つ、ラジオ権料についてどうなりました、その後。公開質問状をお出しになったようであります。
#71
○参考人(橋本忠正君) 御指摘のラジオが、実は、向こうの交渉の席に座って最初に向こうの草案を渡されたときに、真っ先に気がついたことでございまして、ラジオはもう従来権利金なしのただでございます、オープンでございます。独占ということはあり得ません。ただ、技術提供費といいますか、スタジオを借りたりあるいは録音機を借りたり、競技場にアナウンス席を借りるという場合に、これは実費は払います、しかし権料はございません。したがいまして、この点を問いただしたんでありますが、向こうのIOCの代表が、いや今度から取ることになっておるんだということで、そのいきさつ等を聞いたんですけれども、明確に返事がない。とにかく今度の契約書に入っているということでございました。
 したがいまして、私としては、その点が東京へ帰りましてからも非常に何といいますか、すっきりしない点がございましたので、先生御存じのように、今月の二十二日付でIOCのテレビ委員長あてに私の名前で質問状を書きました。
 その中には、まず第一に、ラジオは従来権料なしのオープンであるはずなのに、今回は、そういう中に入っているのはどうも腑に落ちない、これはどういういきさつであるか。それから、今度の放送権の中に、そういうテレビとラジオが一緒になったということも腑に落ちない。さらに、今回、モスクワの組織委員会から私どもにその権料交渉をやろうと言ってきた最初のテレックス、その後のテレックスにもすべてテレビ放送権について話し合おうと、しかもテレビ会社の会長ないし社長に案内状が来たということで、ラジオ単営の会社には全く案内状がなかった。しかし、行ってみたらラジオがテレビの中に入っておった。こういう点が大変腑に落ちませんので、将来の問題もございますので、いま申し上げましたような大体三点を中心に、私の名前でテレビ委員長あてに質問状を出したというのがいきさつでございます。
#72
○木島則夫君 いずれ集中審議の場をつくっていただけるならば、私はそこでお伺いをしたいと思います。
 この問題の締めくくりとしまして、今日までの新しい状況を踏まえて、NHKの会長とそして郵政大臣から、もう一度ひとつ御所見を伺いたいと思うんです。
 私の考え方は、NHKと民放が一本になってモントリオール方式で当たる、これは大前提というか、もういいに決まっているんですね。残念ながら、それができなかった。しかし、できなかったその背景に、日本の放送事業者が置かれている環境の中から問題点を見つけ出すことはできないか。もし問題があったらば、それを今後の日本の放送事業の発展のために何らか集約できないか、というのが私の率直な気持ちです。私は、放送を愛する者の一人として、この問題に含まれているいろいろの要素というのは非常に多いと思いますし、また事は重大だと思います。
 そういう考えのもとに会長にひとつお伺いをし、また郵政大臣にも、あるいは先ほどと同じ御意見かと思いますけれど、締めくくりの御意見を伺って、この問題の締めにしたいと思います。
#73
○参考人(坂本朝一君) 私は、全く先生のおっしゃるとおり、この問題につきましては、いわゆる片ひじ張ったりする気はさらさらございません。素直に事態の推移を見るということでございます。
 ただ、毎々申し上げておりますように、私の置かれております立場というのは、当然、まず視聴者のためにはどうあるべきかということを第一義に考えなければならないということは十分承知しておるつもりでございますけれども、このことに当たりますに当たってNTV、TBS、フジテレビ、さらには12チャンネルという民放の方々と共同の形で事に当たっておりますので、単独にNHKがいまどうこうするというような情勢でもございませんので、そこら辺のところは御理解をいただきたいというふうに思う次第でございます。しかし、常に、恐らく民放さんも同様かと思いますけれども、視聴者ということについてのお考えは同様かというふうに考えております。
#74
○国務大臣(小宮山重四郎君) 簡単なお答えですけれども、さすがは日本の放送界だと言われるような解決をしていただきたいということです。
#75
○木島則夫君 なかなか含みのあるお答えでございます。そうなることを私も期待をいたします。
 とにかく、NHKを取り巻く客観情勢というのは非常に厳しいと思います。その中でも、特にNHKの財政基盤をどうするかというこの問題が最たるものの一つだと思います。五十一年に値上げをした受信料による財政基盤ももう三年もつかもたないかという状況でございます。NHKの基本問題調査会の報告でも、この問題に非常に力点を置いて論じられておりますし、また、今後、NHKがいまの受信料制度を続けていくに当たっての問題点などを具体的に指摘をされているのも、やはりこの問題が一番重要だからだと思うわけでございます。結局、この問題は、私はNHKひとりだけの問題ではなくって、こういう放送制度というか公共放送を本当に残し、つまり自主的な放送機関をいつまでもつくっていくためにこれが必要であるならば、その基本的な制度というものは変えずに、何かそれを支える突っかい棒なり補足的なものが考えられてもいいんではないか。これはみんなが知恵をしぼってこの問題に当たるように私は前から言い続けてきた一人でございます。
 この将来展望を突き詰めてまいりますと、さっきも私が言ったように、値上げをしたって三年もつかもたないかだと、またぞろ値上げをするのかと、そのたんびに公共放送だ公共放送だと言われて肩身の狭い思いをするんだと、一体、NHKの将来はどうなるんですかという声が職員からもずいぶん聞かれるところでございます。それが不安感という重荷になりまして、もう一つ生気が出てこない。値上げのたんびに政治を意識する。これが政治問題の扱いをことさら萎縮をさせる結果につながるなど、一ころのNHKでは考えられないような状況が来ていることも確かでございます。
 で率直に伺いたいんですけれど、会長ね、どうでしょうか、財政基盤の確立について、そのもう一般論は結構ですから、このような腹案がある、こういうものはどうだろうかというもし具体論がおありになりましたら、ひとつお出しになって、それをみんなで知恵をしぼって論議をするきっかけにさしていただけないでしょうか。
#76
○参考人(坂本朝一君) NHKの財政基盤を確立するということには、何といってもやっぱり視聴者の理解を得るということが大前提になろうかと思いますので、そういう意味合いでの視聴者との結びつきを強めるということが私は一番方法論としては考えられる点ではないだろうか、こういうことで、御承知のように経営の中に副会長を長とする広報推進本部を設けまして、それが中心になって全国に視聴者会議というのを設けました。そういうパイプを通じ、さらには、従来いろいろございます方法による視聴者の意向を吸収するということを積極的に図って、NHKを理解していただくということから始めたいというふうに考えておる次第でございます。
#77
○木島則夫君 まあ視聴者会議も大いに結構です。で、私は、そういうものも大いにつくっていただきたいと思いますし、そこに入っていらっしゃる人的構成なり構成メンバーというものも、価値の多様化した現在を網羅するようなものであってほしいと思うんですね。
 それからもう一つは、内部の合理化、たとえば外郭団体に対する補助を切れとか、あるいは福祉的減免措置を国が全面的にこれを肩がわりをしなさい、あるいは国際放送に対する国の財政的増額をしなさいなど、いろいろいろいろ言われています。しかし、こういうものを幾らやったって知れているもんですね、はっきり申し上げて。これはもう知れたものです。やらないよりはやった方がいいけれど、まあはっきり言って知れたものだと思います。
 そこで、何というか、私は、もう一つ、NHKの番組面の中で、こう視聴者と本当の意味ではだを接するというか、共感の場をつくるような生き生きした番組をもっとたくさんつくっていただきたいという、そのことが本当は本筋でなければならないと思いますね。それは視聴者会議も大いに結構ですよ、そういうものをやる、経営委員のメンバーを変えなさい、ここでもいろいろいろいろ御提案が出ている。それはもうよく私もわかりますけれど、やっぱりNHKというのは放送で勝負をするわけですから、民放もNHKも、で放送番組の中にもう一つ生気を私はたぎらしていただきたいということを強調したいわけでございます。何も公共放送だから貧乏でいいなんということはあり得ないと思いますね。NHKの財政的基盤の確立、言葉をかえて言いますと、将来に対する希望がない限り、これはもう自主性のある活力のある豊かな番組はできない。それは結局視聴者との結びつきを密にし、本当に共感をするような――会議もそうでしょうが、番組がやっぱり主であるべきだと私は思うわけです。その番組の先導役となり、その原案となるのが経営委員会だという御指摘もこれも正しいと思うわけでございますが、先細りというのかじり貧状態になりますと、活力のある生き生きした番組は私の経験からも生まれてこないと思いますね、これは。
 だから、さっきも申し上げたように、値上げのたんびに国会という関門をまず通らなきゃなりませんね。それが政治問題を扱う場合には、何かやたらにこう周りに気を使い過ぎたり萎縮をする結果になる。あるいは受信料値上げに伴う不払いあるいは意識的なNHK批判者を多くつくり出す結果、もしもこういった人たちに気がねをしたり意識をしたりした迎合が自主規制という形――自己規制ですかね、で番組に反映したら大変だから、こういうことも申し上げているわけでございます。集金人の方々の御努力も私はよくわかります。ただ受信料をいただけばいいということだけに終わってしまったらば、これはもう自主性も何もあったもんじゃない。私は、番組で勝負をしていただきたいということを、きょう提言をしたい。
 私は、ここ最近のNHKの番組で出色なものは、やっぱりNHK「ニュースセンター9時」だと思いますね。これは磯村さんというすばらしいキャスターを得たことと、従来の活字ニュースの枠をNHKが勇気を持って取っ払った、そこからああいう活力のある、非常に親密感のあるニュース番組が生まれたんだろうと思います。もう少し専門的な表現をかりるならばキャスターの個性、当然客観性を持った個性、活字ニュースからの完全なる脱却、それからニュースに対するテレビ的価値への敏速な対応とでも言いましょうかね、こういうものがやっぱり土台になってあの番組が生まれたと思います。私は非常に大きく評価をしたいと思います。
 で、このニュースがNHKの顔――まあ顔でしょうね、であるとするならば、やっぱりドラマもNHKの顔であるはずでございます。大河ドラマもまた代表的な顔であるはずでございます。そこで伺います。年代順に大河ドラマの題名をお示しください。
#78
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 大河ドラマは、御承知のように、昭和三十八年から発足いたしました。第一回は「花の生涯」、第二回は「赤穂浪士」、三回「太閤記」、「源義経」「三姉妹」「竜馬が行く」「天と地と」「縦ノ木は残った」「春の坂道」「新平家物語」「国盗り物語」「勝海舟」「元禄太平記」「風と雲と虹と」そして十五回目「花神」でございます。
#79
○木島則夫君 さらにお伺いをいたします。大河ドラマの放送に当たりまして、その構想の基底、底にあるものは何ですか、つまり基本的な構想です。
#80
○参考人(堀四志男君) しょせんは文学その他によったものではございますが、その歴史的な時代を描くということがその中心でございます。
#81
○木島則夫君 そういうふうにおっしゃられてしまうと、どうも私の質問が中断をしそうなわけでございます。全部歴史物をやろうという基本構想があるわけでございますか。いや、私は、大河ドラマというから、現代にテーマをとってもいいのではないかということを実は伺いたかったわけであります。
 まあさっきお挙げになった「花の生涯」「赤穂浪士」それから何でしたっけね「縦ノ木は残った」ずいぶん名作がございますね。それぞれにみんな評価をお受けになったものばかりだと思うわけでございます。何かやたらに私は時代物が多過ぎはしないかというふうに考える。私はどうして現代といういまの時代にテーマを選べないのか、あるいは選ばないのか。それはほかの範疇でやっているよと言われればそれまでであります。明治物は確かにおやりになる、しかし、それ以後、近代に近い、最近に近いものというのは余りお取り上げになっていないですね。どうもその基本構想の中に自己規制があって、余り現代に近いものをやると生々し過ぎてという――坂本さん、首を振っていらっしゃるけれど、違うんですか、どうなんですか。
#82
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 明治物をおやりになったというのは「明治の群像」を指しているかと思います。その後を受けまして、この四月から「日本の戦後」ということで、新たな占領時代の文書等もかなり公開されましてやや客観的な資料も入手できますので、その観点に立って「日本の戦後」、まあ占領時代が中心でございますが、そこに焦点を当てて、新たな実験と申しますか、テレビの機能を使っての現代物にいどんでみたいというふうに考えております。
#83
○木島則夫君 時代劇をかりて、あるいは歴史物をかりて現代を批判し、つまり現代に通ずる人間像というか、生きるすべを考えさせるテーマを与えることも、私は一つの大きなあり方であろうと思いますけれど、いま私が申し上げましたように、客観的な資料がもうそろそろ出そろうようなごく近い時代のものもたくさんあるわけですよ。だから、私は、やっぱりそういうものにもスポットを当てていただきたいというのがきょうのお願いなんです。
 そうでないと、何かNHKというのは時代物はかり、歴史物ばかりやっているじゃないかというようにとられ、何かそれを勘ぐって、どうもNHKというのは現代物には余り飛びついていかない、取り組まないんじゃないか、やっぱり何か政治的なものを意識し過ぎているんではないかとかという勘ぐりにつながると、せっかく坂本会長がさっきおっしゃった視聴者との共感をやっぱり得る場がなくなるといけないという意味で私は申し上げているわけでございます。現在の混沌とした政治とか社会とか経済、価値観の急激な変化と多様化の中にこそやっぱり人間ドラマというか社会ドラマがあるはずでございます。こういうものはドキュメンタリーの中で、あるいは現代を語るニュースの中で当然放送しているよと言われてしまえばそれまででございますけれど、やっぱり現代あるいは現代に近い息吹のものが大河ドラマの中でどんどんどんどん一年間視聴者に向かって語られる、こういう番組も私はあってしかるべきだろうという意味で御提案を申し上げたわけでございます。
 それから、これはまあ危惧だろうと思いますけれど、NHKの方というのは、やっぱり公共放送ということを意識する余り自己規制というものが非常にお強いんですね。とっても私は公共放送を意識なさるということは大事なことです。番組は慎重におつくりになるということもこれは大事なことだと思いますけれど、NHKという、何というか、いわゆる国民の広場を一ミリも余さずに自在に使っていただいているかというと、必ずしもそうではないように私は思います。まだ余白の部分が大分あるんじゃないだろうか。だから、ここまでやるとはみ出すんじゃないだろうかと思ってちょうどいいんじゃないでしょうか。もっと自己規制を取りまして、あるいは自在に番組づくりに邁進をしていただきたいと思うわけでございます。
 確かにNHKを取り巻く客観情勢は厳しいです。だからこそ特にそういう生き生きとした生気のある番組をおつくりいただいて、番組で勝負をして、国民との密着度を、親密感をおつくりになる、それが財政基盤を確立していくのに近因的にも遠因的にもつながるんだということを私はここで強調申し上げたいわけでございます。前の委員会のときに、たしか会長に申し上げたと記憶をしております。公共放送を意識しても萎縮しないでほしい、この言葉を最後に申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。最後に、会長のひとつ生気のある番組をつくっていこうという意気込みを聞かせてくださいよ、少し萎縮し過ぎていますよ。
#84
○参考人(坂本朝一君) 私は、局内においても、常々、何といっても番組の充実が第一である、それがいろんな意味で不払いの問題であるとか未収の問題であるとかそういうものに、迂遠のようであっても、番組がよくなるということが解決の第一歩であるということを言っておりますので、その点は、木島先生の御指摘と全く同意見でございます。
 ただ、木島先生が何か萎縮しているんではないか、生気がないんではないかという、それは木島先生の御指摘ですから、それは違いますとは申し上げかねますけれども、少なくとも私自身はそういうことのないように、部内のアイデアなり意見なり、そういうものが活発に生き生きと番組の中に表現されて、それが視聴者の共感を呼ぶというところにつながるべきではないかと思っておりますし、先ほど御指摘の大河ドラマ等につきましても、いわゆる時代劇ではあるけれども、それは常に現代との対話ということの中で鑑賞できるようなドラマづくりということも意識しておるつもりでございますので、できるだけそういう意味の御期待に沿う渾身の努力を図りたいというふうに考えております。
#85
○青島幸男君 私、大臣がかわられるたびに、恒例のようにUHFへの全面移行の問題についてお伺いしているんですけれども、ここ十年来、一向にらちが明かないんで大変にしびれを切らしておるわけでございまして、大臣すでに御了解いただいていると思いますけれども、昭和四十三年ですから、厳密に申しますと九年前ですけれども、全面的にUHFにテレビが移行をしてVをあけて、ほかの重要無線のために開放されるべきであるという趣旨から、閣議了承を得て、その方針で十年後をめどとしてそういうふうにしようじゃないかというふうに言われておりまして、それが三年たち五年たち、経済状況もいろいろ変わってまいりまして、今回のNHKの予算のありようを見ましても、これがUHFへ移行するなどということは全くもって不可能なような事態になっておるわけですね。しかも、もう十年になんなんとしているわけです、一年余しておりますけれども。
 延々、伺っておりますと、郵政省のお答えはいつも決まっておりまして、Vを使用するところの重要無線の要求度が非常に高くなっておる、ですから、どうしてもいつの日かは全面的にUに放送を移行していただいて、Vをあけていただきたいと、その見解は変わらないんだということをずっとお答えになっていらっしゃるわけです。しかし、お約束の十年はあと残すところ一年になりましたね、もう全くめどが立たない実情なんですよ。ここでそのことをお尋ねいたしましても、いままでの大臣の方々すべて、一たんそういうふうに決めたんだし、決めたあり方については間違っていると思わない、ただ実情が変わったんでなかなか早急にいかないんだと、しばらく待ってほしい、そんなに急がなくてもいいじゃないかということですけれど、お約束十年はもう残すところ一年、しかも一年先にも見通しは立たないですね。
 ですから、私としては、およそ十年前にお約束をしたけれども、これは事実上不可能に近いからこの看板を下げるとか、あるいはもう十年後に期待をかけてほしいとか、あるいはその間にすばらしい創意工夫ができてUに移行しなくとも、それにかわる何か手だてができるのを期待しておるとか、あるいは私一存ではならないから、もう一回これを閣議にかけて、この実情を説明して、いままで上げてきた看板にこだわることはもう無理だろうというふうに御了解を閣議で得られるか、いま申しましたいずれかの手だてをとらないと、もう説明がつかないという事態に来ていると思うんですけれども、この点からまず御質問申し上げます。
#86
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先生のおっしゃるように、四十三年に、当時の郵政大臣だった小林武治先生が、閣議了承じゃなくて、閣議報告でございます。御承知のとおり、VHFというのは、戦争中アメリカで開発されて、戦後、昭和二十一、二年だと思います、一番最初に入ってきて、UHFは三十四、五年から大変な技術改革で日本の中へ入ってきた。最初にチャンネルを与えたNHK、NTV等がVHFでやってきたわけです。
 小林大臣のときの十年と、私も閣議報告というのを読みましたけれど、当時の事情といまの事情は違います、はっきり言いまして。私はVHFの帯というものは大変重要であるので、少なくともわれわれとしてはUHFに切りかえたいというのが願望である。少なくともそういうことでの小林大臣の精神というものは受け継いでいきたい。今後とも、それはこれから出てくる新しい局に対してはそういう行政指導をし、少なくともVHFをUHFに切りかえる。当時千六百億ぐらいかかるものですから、いま三千億じゃどうですか、波も短いし、いろんな問題が出てまいります。そういうことがなかなか経済的な問題も大変ございますから、私はそう簡単にできる問題でないと思っております。しかし、われわれはそのVHFの電波というのは大変重要であるということも承知しておる。その辺の悩みはございます。
 ですから、先生に御了解いただきたいことは、郵政省としてはVHFをUHFに変えたいというのは一つの願いでもあるし、そういう方向に今後とも努力するという形で御理解いただきたい。特に三番目に言った点が一番似通っているんではないかと感じております。
#87
○青島幸男君 希望であるということをはっきりお認めになりましたんで、私はそれはそれでいいと思います。実際にいまやろうと思っても、NHKさんにも民放さんにも、Vでカバレージをいまのまま放置しながらUに物理的に変えたらこれは大変なことになると思うんです。ですから、それは希望であるということを明確にお示しいただきましたんで、私は、この問題については了解をいたしまして、今後、余りこのことには触れないようにしたいと思っております。それと、画期的な発明でもできまして、Vが安上がりにあけられる、あるいはVにかわる何か手段が講じられるようになるということに希望をつなぐわけであります。
 その問題はそれまでにしておきまして、今回、問題になっておりますオリンピックの問題なども含めて考えますと、当初、こういう事態になるとはゆめ想像もしなかったんだろうと思いますけれども、いまのようにテレビの受像機が普及をいたしまして日本じゅうのすべての人がこれを聴視することができる、しかもこれだけ影響力を持つようになった。
 しかも、もともとの趣旨としては、民放局がローカリティーとくっついて文化が中央集権化しない方が望ましいということですね。系列化というようなこともここまでは予測しなかったんだと思いますけれども、非常に系列化が進んでまいりましたのが実情御存じのとおりでございます。これは経済的な効果から申しましても自然の勢いだと思いますね。ある程度系列化ができてくるということ、しかも、その系列化のきっかけになりましたのは、相互に利用度の高いニュース、報道番組をつくるという上で系列化を進めていくということが、視聴者の方々にも、あるいは流す局にも有利であるということから系列化がだんだん進んできたことは仕方がないことだったとも思うんですけど、ここまで明確に系列化が進んでまいりますと、しかもそのバックに新聞資本というものがついて、しかもその新聞資本とテレビの系列化というものが明確に、癒着と申しますか、結びついてくると、民間の報道のあり方自体が系列化してくる。しかも、資本主義の自然の摂理と申しますか、寡占化してくるというような状態が先々あらわれてまいりますとゆゆしき問題だというふうに私は考えるんですけれども、今後系列化していく、あるいは統合化していく、そういうような事態が決して望ましいこととは思いませんけれども、まあ望ましいとお思いでしたらそのようにおっしゃっていただいても結構ですけれども、このまま放置しておいていいのかどうかということですね。
 先ほど木島さんの御指摘にもありましたけれども、今度のオリンピックの問題というのは、実は、その点に一番の根源があるんじゃないかというふうに見ている方も多いと思います。ですから、この時期にこそ徹底的に論じておいた方がむしろ後々のためにいいんではないかとさえ私感じておるんですけれども、この系列化の問題について郵政省あるいは大臣はどういうふうにとらえていらっしゃるか、今後どうあるべきだとお考えになっていらっしゃるか、その辺の見解を承りたいと思います。
#88
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先ほど木島先生のお話の中で、最後にNHKの会長さんから御答弁がありましたけれど、私はあの質問に付言していくと、やはりいまの過当競争という問題が非常に大きなもので、その中にNHKも巻き込まれインボルブされてきているという感じがいたします。そういう一つ新しい放送業界というものがある。しかし、私自身も系列化というものが余り巨大化することは好みません。事業体については独禁法というものがあります。ですから、そういうマスコミに対してそういうものがあり得るのかどうなのか知りませんけれども、やはりこれは相当討論すべき問題ではないであろうかと私は思っております。
#89
○青島幸男君 ですから、資本が集中してくるということは、報道のソースあるいは手だてが一本化されてしまうということは実に恐ろしいことなんですね。ですから、系列化してしまうことが望ましくないとするんだったら最小限必要な規制をまずつくるか、第二の問題としては。あるいは系列化による格別の弊害があらわれるまでは事業体の主体に任せる方がいいんじゃないかという考えもありましたけれども、いまとなってはもう何とか考えなきゃいけない時点に来ているんではないかということです。ですから、マスメディアを担当する業界の中にも、報道の分野にも、独禁法みたいなものの考え方を導入していかなきゃいけないんじゃないかという気もするんですけれども、果たしてそれが報道、言論の自由という問題とどう抵触するかということですね、その辺が大変にむずかしい問題です。
 それからもう一つは、資本が統合、巨大化していくということですね、これはどうしても否めない事実だと思います。それでいまいみじくも大臣おっしゃられましたけれども、そこでやっぱりNHKの毅然たる態度が一番国民の立場として要求されてくると思うんです。ということは、民放の場合、それにその放送によって宣伝効果を上げている企業体が資本系列でまた系列化するということがありますね。ですから、ある金融資本の系列にのっとった耐久消費財あるいは弱電メーカーあるいは消費財に至るまで系統化してくる。そうなると、一つの新聞資本あるいはそれと深いかかわりのあるテレビ系列とそれから一つの巨大な資本が結びついて私物化するというようなことがもしあらわれてくれば、これはもう何ともゆゆしき問題になってくるわけです。それが相互に競合したりしているうちはいいんですけれども、それが納得ずくで何かお互いの利益のために国民の利益を損なってまで自分たちの利益を守ろうとするような暗合みたいなものがあれば、ますますひどいことになりますしね。
 そのときに初めて、私は、やっぱりNHKというものが、本当にこのNHKというものが、われわれの出す聴視料によってあがなわれて運営されているし、われわれの希望にのっとって、われわれの良識とわれわれの良心の代表であるというかっこうで、その民放各社と競合がNHKの間で行われる。そうすると雑多な報道が雑多な形で行われ、その中から何が正しいか、何が信じられるべきものかということを模索していくことが私はやっぱり民主主義の根幹だと思いますけれどもね。そういうかっこう、だからNHKが国民にこれから求められる姿勢というのはもっともっとシビアになってくるはずです。
 ですから、経営委員会の問題も当委員会でるる語られておられますように、国民の皆さん方が本当にわれわれの代表があすこにいて、われわれの意見を代表してNHKを運営してくれているんだというオープンな形の親密な信頼関係がなければならないし、それがますます求められていくだろうということを考えるわけですけれども、それは会長を前にして経営委員会のあり方についてどうこうせいということを申し上げられませんけれども、NHKと民放各社とのありようの問題ですね、その辺について、大臣、今後どういうふうにあるべきだというふうにお考えか、御見解を承りたいと思います。
#90
○国務大臣(小宮山重四郎君) 大変むずかしい問題です。波を出しているものは民放とNHKで何ら違いはない。しかし、NHKは一種の公共料金のような形で賄われておる。片一方は、あるキャパシティーの中で広告料をいただいて経営の合理化をして、聴視率というか、それによって勝負をしている。ですから、そういう非常に放送の質そのものが根本的に違うのかもしれません。また理念、哲学も私はNHKは当然厳しいものが求められるし、かつ非常に公共的な作用をしなければならない。それなりにわれわれも聴視料というものを払っているんだろうと思います。
 で、私は、そういう放送だけではなくて、もう一つ、NHKの内部の中で健全なやはり経営をやっていただくことが重要。たとえばこの前ちょっとこの当委員会だと思いますけれども、三年後に値上げ云々なんていうような話が出ましたけれども、いまのままでいったならば、そうなる可能性は十分あり得るのではないか。いわゆる座標グラフを書きますと、収入と支出が五十四年から非常に急激に開き始めてきて大変経営が苦しくなる。ですから、そういう意味でも、この今回の沖繩の値上げ、あるいは予算案について私の一番求めることは、やはり民間の民放とは違ったものですけれども、相当厳しさを持って今後ともやっていただきたいし、民放もそれなりに一生懸命やってますけれども、NHKの先ほどの木島先生の番組の問題にも触れるんです、そのことについては触れません、私は。ただ国民がNHKしっかりしろよという声は大変大きな声だろうと思います。それを踏まえてやっぱり大いにやっていただきたい。大変むずかしい、民放とNHKの違いというのは同じ電波ですから非常にむずかしいのですけれども、そこの根本的な心構えがNHKには求められているという点は非常に大きな違いではないかと思います。
#91
○青島幸男君 ですから、それを国民がどう把握するかということは、経営委員会のメンバーの選ばれ方がもっと国民に納得のいく密着したものであった方がより国民の理解を深めるであろうということを私は申し上げているわけですよ。いまのありようでは国民が本当に私の代表たちがNHKを運営しているという認識は持ちにくいような選ばれ方とシステムになっています、現実の問題として。ということは、この経営委員会の現在のメンバーを見ても、ちょっと納得のいかないというような方々もおいでになるんじゃないかという気もいたしますし、電波がそういうふうに寡占化されてきたりするような状態の中で、一般の視聴者が何を信じ、何をわれわれのよるべき寄る辺とするかということの基本は、本当の意味でNHKがわれわれの代表によって運営されているかどうかという認識にかかっていると思うんですよ。ですから、もっと開放されたもので国民の理解のあるいは納得のしやすい状況の中で選ばれるべきだということを申し上げているわけです。
 一例として、大臣は御存じないかもしれませんけれども、私かつて当委員会でもその旨申し上げたことがあるんですけれども、このことが即法制上可能かどうかは別といたしまして、NHKの聴視料の領収証をもって一票の権利とするというかっこうで経営委員を公選にしたらどうだろうというようなことを申し上げたこともあります。もしそんなことが可能だったら、いまよりもっと好ましくてもっとわかりやすく、国民はわれわれの代表によって運営されているんだ、それでその経営内容もつまびらかにすれば、われわれの代表によってまさしく運営されているNHKは困窮していると、だったら値上げも了としようじゃないかというところまでいくと思うんですよ。だれが何をやっているのかよくわからない、金だけ取りに来るからいやなんだと、こういう認識が残っていたんでは、いつまでたっても国民とNHKの信頼度は高まらないということを申し上げているわけです。もしそのようなことが可能であったら、望ましいとお思いにはなりませんか。
#92
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私、公選制のことを言われてもちょっとわからないんですけれども、たとえばこの六、七月に行われる参議院選挙だけを考えましても、経費は百八十三億ぐらいかかりますよ、そのほかに啓蒙費をかけますと二百億超えるであろうと思う。そういうようなことで実際経営委員の公選制ができるであろうかと。
 ただ、この当委員会でも、衆議院の逓信委員会でも、坂本会長が選ばれたということ、大変ほめておりました。私は、会長というのは経営委員会が任命するのであって、それは逆に言えばりっぱな経営委員がいらっしゃる。歴代のぼくは会長を見てましても、古垣さん、永田さん、野村さん、阿部真之助さん、前田さんなんて見てましても、これは日本のトップの良識の人たちですよ。
 私は、それなりに一番重要なことは何だと言ったら、会長以下理事者が本当に真剣になってNHKのやはり方向、また集金をしている方々の気持ちになって本気になってやっていただきたいというのが、郵政大臣としての願いなんです。
#93
○青島幸男君 それが後で調べまして、わかって私も愕然としたんですけれども、経営委員の方々の中には、四人ほどにわたるんですけれども、現在おいでになる方ですけれども、経団連の高い地位におられまして、企業からの自民党への政治献金の上で大変に重要なポストにおいでになったり、あるいは長期にわたって自民党に企業献金をなさっているところの代表者とか、そういう方々が四人もおいでになるというような実情に接しまして、私も愕然としたんですけれども、それでまた山中先生の御質疑の中にあったこととも触れるんですけれども、郵政省がいままで怠慢じゃなかったかと思うのは、これこれこういう方を御推薦申し上げますという際に、綿密な、といって、どこまでが綿密でどこまでがラフという境界もありませんけれども、いままでどういうことをやってどういう人なんだということを、推薦する以上は、明確にすべきなんじゃないかという御議論がありましたけれども、本当に調べて愕然として私も大変恥じているんですけれども、そういうことがあるわけですよ。
 ですから、こういう点が国民の皆さん方に一番NHKに対する信頼を欠くんじゃないかという気がするんですけれども、たとえば先ほど申しました巨大資本の寡占による放送系列化の支配が一方では行われる。一方では、信頼すべきNHKは政府・自民党によって、あるいは企業からの政治献金によって選挙を戦ってきた自民党の推薦によって入ってきた方々が経営委員会のメンバーになっている。じゃ何を信じていいんだろうというような立場に立った場合に、どなたも愕然となさるんじゃないかというような気がするんですけれども、このシステムをこのまま踏襲していっていいものだろうかどうかということを私も自問自答いたしまして愕然としたんですけれども、そういう危惧をもし大臣がお持ち――いままでの御発言を伺っていますと、全くお持ちになっていないようですけれども、私は、そういう危惧を持つ国民も視聴者の中にかなりおいでになって、これが不払いなんかのかっこうにつながってくるんじゃないかというような気がするんですけれども、その辺、もう一度お答えいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私は、聴視者の中でそういう危惧を持っていらっしゃる方もいらっしゃるだろうし、持っていない方もいらっしゃるだろうし、賛成の方もいらっしゃるだろうと思うんです。ただ、私たちは、郵政省としてはこういう方を内閣から出していただく、両院で議院運営委員会の中で照らしていく。私はそれなりに憲法四十一条、四十三条の国民の代表あるいは国の最高の機関である、かつ内閣はそれを受けて任命するのでありますけれど、国会に対して責任を政府は負うわけでございますから、そういう意味では非常に公平にやっていらっしゃる。
 私はこれは言うまいと思ったんですけれども、前会長の小野さんのやめるときに経営委員会が決定された。私は、青島さんの言うような意味ではなくて、それなりに経営委員会は見識があったと、あるいはそれなりに意見を通されたということについて、やってるんじゃないかという感をひとしお深くいたします。
#95
○青島幸男君 あの問題のときにも、国民の大半は、いま大臣のおっしゃったようなこととは全く逆の方向に考えたんじゃないかというような気もするんですけれども、しかし、おっしゃるようにルールはよくできているんですね、日本の法律というのは。ですから、これはもうこのまま議論をしててもらちが明かない問題かもしれません。
 平たく申し上げますれば、衆参両院で一党が過半数を取って、そういうことで国会が運営されるんだというようなことは、こういうシステムを考案した人あるいは立法の立場では考えなかったと思うんですよ。ですから、これが厳密に言って保革逆転して、あるいはいままでと政党分布のありようが変われば、それこそ違ったかっこうで経営委員の方の任命も決まるわけです。そういう一党が衆参両院で過半数を持ってなければ、一党の考え方のようにはいかないわけですから、自然の摂理でそうなるわけですね。
 いまのところ、事実上、そうなっているということは、それだけ国民の支持が多くあって与党になっていらっしゃるわけだから、これはもう自明の理だと言ってしまえばそれまでなんですけれども、ですから、これ以上私も申しませんけれども、いつの日かはこれがかっこうが変わりまして、もう少し明確にこのシステムが機能するときがくるんじゃないかというふうに私考えまして、そこに私は希望をつなぎまして、きょうの質問を終わりたいと思いますけれども、何かおっしゃりたいことありそうですから、どうぞ御発言になってください。
#96
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私は、経営委員といえども、この第一条、第三条の項目を一切無視することはできない、これを遵守しなければいけません。いま多分花村さんのことかもしれませんけれども、春野鶴子さん、主婦連の副会長も入って大変堂々と意見を述べられ、非常に民主的かつ非常にりっぱな構成であろうと私は思っております。
#97
○委員長(神沢浄君) 本件に対する本日の審査は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後九時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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