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1976/04/26 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第9号
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1976/04/26 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第9号

#1
第080回国会 逓信委員会 第9号
昭和五十二年四月二十六日(火曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     宮田  輝君     川野辺 静君
     堀内 俊夫君     郡  祐一君
     片山 甚市君     森  勝治君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     棚辺 四郎君     岩上 妙子君
     矢原 秀男君     藤原 房雄君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     岩上 妙子君     棚辺 四郎君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     川野辺 静君     中村 太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         神沢  浄君
    理 事
                長田 裕二君
                最上  進君
                案納  勝君
    委 員
               久次米健太郎君
                迫水 久常君
                新谷寅三郎君
                中村 太郎君
               茜ケ久保重光君
                森  勝治君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  佐藤 昭一君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   松井 清武君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   佐野 芳男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   説明員
       労働省労働基準
       局監督課長    倉橋 義定君
       労働省労働基準
       局補償課長    溝辺 秀郎君
   参考人
       国際電信電話株
       式会社取締役社
       長        板野  學君
       国際電信電話株
       式会社取締役副
       社長       増田 元一君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        大島信太郎君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        鶴岡  寛君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        古橋 好夫君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        木村 惇一君
       国際電信電話株
       式会社取締役   志村 静一君
       国際電信電話株
       式会社取締役   井上 洋一君
       国際電信電話株
       式会社取締役   笹本  昇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (国際電信電話株式会社の事業概況に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(神沢浄君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 片山甚市君、宮田輝君、堀内俊夫君及び矢原秀男君が委員を辞任され、その補欠として森勝治君、川野辺静君、郡祐一君及び藤原房雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(神沢浄君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(神沢浄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に西村尚治君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(神沢浄君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 まず、国際電信電話株式会社の事業概況について説明を聴取いたします。板野参考人。
#6
○参考人(板野學君) 当委員会の委員長並びに委員の諸先生方におかれましては、平素より国際電気通信事業に格別の御理解と御支援を賜り、また、本日は、当社の事業概況を御説明申し上げる機会をお与えくださいまして.厚く御礼を申し上げます。
 当社は、昭和二十八年の創業以来、満二十四年を経過しましたが、おかげをもちまして社業も順調に伸展し、今日では、世界のいずれの国と比較いたしましても決して遜色のない国際電気通信サービスを御利用いただけるようになりました。
 当社といたしましては、今後とも世界各国との国際通信網の拡充整備に努めますとともに、日進月歩、とどまるところを知らない技術革新と情報化社会の進展に対応し、旺盛なる企業意欲を持って事業の運営に当たり、たゆまぬ研究と真剣な努力を重ねまして、国民の皆様方に、より一層御満足のいただけるサービスを提供してまいりたいと念願している次第でございます。
 つきましては、ここに、昨年度の事業概況を御報告し、引き続き、本年度の事業計画を御説明申し上げたいと存じます。
 最初に、昭和五十一年度における事業概況について御報告申し上げます。
 営業関係でございますが、昨年度は全般的に不況のうちに推移したにもかかわらず、貿易が比較的順調に伸びたことを反映しまして、国際通信需要は当初の予想を若干上回る結果となりました。主要業種別に年度末現在の概数を申し上げますと、国際電報五百十二万通、国際加入電信千九百八十六万度、国際電話千三十四万度でありまして、前年度と比較いたしまして国際電報は二・五%の減少、国際加入電信及び国際電話は、それぞれ二二・四%、二〇・七%の増加となる見込みでございます。
 次に、財務関係について申し上げます。まず、昭和五十一年度の収支状況でございますが、いまだ決算を終えておりませんので確定的なことを申し上げる段階にはございません。したがいまして内定額を御報告申し上げますと、営業収益九百五億円、営業費用七百五十億円、これらに営業外収益、営業外費用及び特別損益を加減した期末の利益は九十一億五千万円となりまして、おおむね順調な決算となる見込みでございます。
 資産状況につきましても内定額でございますが、年度末現在におきまして総額千三百七十四億円、そのうち流動資産は四百三十八億円、固定資産は九百三十六億円となっております。一方、負債総額は五百五十四億円で、そのうち流動負債は三百六億円、固定負債は二百四十八億円となり、したがいまして差し引き純資産は八百二十億円となっております。
 この間、設備計画も順調に実施してまいりました。昨年八月、加入電信用電子交換設備の運用開始、九月に大阪国際電話局の開局、十月に日中間海底ケーブルの開通、本年一月に電話託送による電報準自動受付システムの運用開始、二月に電話用電子交換設備の運用開始と、昭和五十一年度の当社事業計画に計上いたしました設備の拡充整備計画は順調に実施することができましたことを御報告申し上げます。
 以上で、昭和五十一年度の事業概況報告を終わりまして、続いて本年度の事業計画の概要につきまして御説明申し上げます。
 今後、わが国の国際通信需要は、長期的には内外経済の安定的発展と政治、経済、文化等諸分野における国際化、情報化の進展を反映いたしまして緩やかながら着実な増大を示すものと考えられます。
 本年度におきましては、このような需要の動向に対処し、多様化する通信利用者のニーズにかなったサービスを提供するため、昨年度に引き続き、外種国際通信設備の拡充整備に努めることといたしております。
 なお、その実施に当たりましては、現有設備の有効利用を図るとともに、緊急性、経済性を十分に考慮して、できる限り効率的な設備投資を行ってまいる所存でございます。
 すなわち、当社の昭和五十二年度の事業計画といたしまして、まず、対外通信回線につきましては、引き続き拡張に努めることといたしまして、加入電信回線百三十七回線、電話回線百五十二回線を初め、電報回線、専用回線等、総計三百二十二回線及びテレビジョン伝送対地四対地を新増設する計画でございます。これが実現しますると、当社の対外回線数は全体で三千四十八回線、テレビジョン伝送対地三十九対地となり、国際通信サービスは一層の改善を見ることとなります。
 次に、海底ケーブル設施の拡充でございまするが、沖繩−ルソン−香港ケーブルにつきましては、すでに昨年九月、ルソン−香港間のケーブル敷設が完了しております。引き続き、すでに本年三月から、KDD丸によって、沖繩−ルソン間のケーブル敷設に着手しておりまして、八月には、全区間が開通する予定でございます。
 衛星通信施設につきましては、従来の短波による船舶通信に比べ格段に品質のよい海事衛星通信サービスを本年四月十八日より開始いた、しました。当面は、米国マリサット・システムによりまして、海事衛星電話通話及び海事衛星テレックス通信サービスを提供してまいりますが、昭和五十四年を目途に、国際海事衛星機構すなわちインマルサットの設立準備が進められておりまして、当社は、政府の指定する事業体として、これに参加することとなりましたので、将来は、このインマルサットのシステムを通じまして、よりよい海事衛星通信サービスの提供に努力してまいる所存でございます。
 中央局設備の関係では、昨年度導入いたしました加入電信用及び電話用電子交換設備の機能拡充を行うほか、新規サービスといたしまして今後発展が予想されます国際公衆データ通信サービスを開始するための準備手配、さらに国際航空データ通信用設備等を設置してまいる計画でございます。
 通信非常障害対策としては、昨年九月運用を開始いたしました大阪国際電話局設備の整備拡充を行うとともに、東京−茨城間・第二マイク一波連絡線設備の建設に着手する予定でございます。
 新技術の研究・開発につきましては、各種通信方式の研究に加え海事衛星通信システム、回線情報処理システム、その他各種端末装置等の研究・開発を行うこととしております。
 また、新技術の導入、通信方式の変革に対応いたしまして、職員の能力開発と資質の向上を図るため、本格的な社内研修機関として国際電気通信学園を設置するほか、各種訓練設備を整備する考えでございます。
 以上の計画に対して、設備投資総額約二百二十九億円を予定しております。
 最後に、昭和五十二年度の収支でございますが、主要業務の需要量を国際電報四百九十五万通、国際加入電信二千三百八十三万度、国際電話千二百五十一万度と見込みまして、この予測のもとに、収入については約千九十七億円、支出については、さらに一層の経費節減に努めることとし、約千五億円を予定いたしました。
 簡単ではございますが、以上で事業概況の御説明といたします。
 何とぞ、今後とも一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
#7
○委員長(神沢浄君) 以上で説明聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○案納勝君 参着人の皆さん、大変御帯労さまでございますが、ただいまから若干の質問をさしていただきます。
 大変専門語が素人でございますのでよくわからない点がありますが、間違い等がありましたら、ひとつ御答弁の中で御訂正をいただきたいと思います。
 まず第一は、事業概況について御質問いたします。時間もありませんのでかいつまんで御質問いたしますので、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
 事業概況の中で、どうしても一点お聞きをしたい、こういう点についてお伺いしますが、私は、昨年、七十八臨時国会の席上で、五十一年度の事業概況について御質問をいたしました。それはKDDはまことに健全財政で推移をしていることはきわめて喜ばしいことでありますが、KDDが国営あるいは公社から民営になったということは、その民営の持つ機動性、能率性、こういうものがKDDの中で今後の運営で大変重要な役割りを果たしていくということで運営になって、そこで、今日、KDDの五十一年度の需要予測を見通した場合に、戦後最大の石油ショックなどを受けた後の需要予測について五十一年度の需要予測は少しかた過ぎるんじゃないか、いい意味で言えば、四十九年から五十年度ないし五十年度の決算ではきわめて全体が需要予測というのは回復基調にあるのではないか。そこで余り見通しについて、甘いと言ったら語弊がありますが、下回る見通し、かた過ぎる見通しということについては、私は、この際、とるべきではないのではないか。
 したがって五十一年度の事業計画については、五十年度の決算をそのまま推移をするというふうに見て、積極的な――今日の多様化しているニーズやあるいは情報化社会における進展やあるいは国際電電の事業が世界経済のマクロに左右されるとしても、今日の社会、文化、経済の国際化という波の中で事業というのは上向きにいくのではないか。そういう見通しを持たなければ、財務上五十七億の黒字ということを言いながらも、ふたをあけてみると九十億、百億の黒字になるのではないか、こういうふうに私は質問しました。
 それは単年度の事業計画でなくて、長期というのはむずかしいとしても、中期ぐらいの見通しを持った上で、正確に需要予測というものを立てて、そして能動的にしかも積極的な機動的な民営としての役割りを果たし、今日の激しいといいますか、電気通信事業の技術革新にこたえていくという、そういう積極性というものが私はなければならないのではないか、こういう面で実は指摘をしたんです。
 ところが、実際、ふたをあけて見ますと、まさに五十一年度の需要は当初の予想を大幅に上回っていました。私が申し上げたように、電報の落ち込みは全く予想を下回る、ここに報告をされていますようにテレックスは二二・四%、電話は二〇・七%の伸びとなって、財務関係では五十九億の収入から九十億台という大幅に上回る結果を招いたという結果になっておるわけであります。
 私は、このように予測を大幅に上回る、これは結果的に確かに皆さんの御努力によってこうなったと思います。反面、余り予測と実態とがかけ離れるということについて、私は大変心配するんだ。逆な結果あるいはその経済の見通しその他についてこの出てきた答えというのは余りにもかた過ぎるといいますか、余りにも見通しについて正確でないといいますか、きわめて理事者側として今後の需要予測について甘過ぎたのではないか、甘過ぎたという雷葉が適切かどうかわかりませんが、こういうふうに感じてならないんです。もっと明確に中期あるいは長期にわたっての展望を持ちながら需要予測というのを打ち立てていく、その中で事業計画というのを明確にしていくということになってこなければ、何か引っ込み思案な事業運営ということに落ちていくことになりはしないか、こういう点が実は気になります。
 そこで、このような予測を大幅に上回る原因というのは、どのようにお考えになっておられるのか。特に特別な四十億もあるいは三十億も収入が上回るような経済的な変動というのは私はなかったと思いますが、当初から、去年の十月以降は、あるいは去年一年というのはなかったと思いますが、どのようにお考えになっておられますか、そこらあたりについてお伺いをいたします。
#9
○参考人(鶴岡寛君) ただいま案納先生御指摘のとおり、確かに五十一年度におきましては、われわれの当初の事業計画をある程度実績が上回っております。私どもといたしましては、国際通信需要の動向がいわゆるマクロ経済の動きと密接な関係を持っているということで、そういうマクロ経済の手法を計量モデル等に取り入れて、できるだけ客観的かつ科学的に予測をいたしておったわけでございます。しかし、結果としていま御指摘のようなことになりましたが、その理由は、大体、二つあると考えております。
 その一つは、五十一年度の計画を策定いたしますときに、先ほどもお話にありましたように、五十年度の実績、当時はまだ年度の途中でございましたので五十年度の実績見込みを使ったわけでございます。ところが、その実績見込みがちょっと少な過ぎた、低過ぎたということが一点ございます。
 もう一点は、私どもとしては、世界の経済の動き、そしてまた国内の経済の動き、そういうものにいわば連動するわけでございますが、その基本になるいわゆる世界の経済、すなわちわれわれにとっては貿易予測でございますが、貿易予測の係数が一番大きな比重をわれわれの予測に占めるわけですが、その貿易予測は、通産省のものと、そしてまた民間の各研究機関のうちで最もまあ妥当で中枢値であると考えられます野村総合研究所、この数値を使いまして貿易予測の係数を立てたわけでございますが、その予測自体が大体八%近く実績を下回っておりました。
 そういうことでございまして、結局、主としてその二つの理由から、われわれの事業計画の数字が低かうたということに相なります。
 それからもう一つ、まだオイルショックの影響が世界的にもまた日本国内にもまだまだ五十一年度中は尾を引くであろうという、この懸念がどうしても計画当局としては去らなかったわけでございます。これを計画を収入をオーバーに見ますことは非常にやっぱりわれわれとしては危険でございますので、どうしても低目に見たい、見たがるという傾向、そういうことも確かにあったように存じます。
 それから、五十二年度以降の計画を立てるに当たりましては、ただいま先生御指摘のように、中期の予測、そういうものを慎重に取り入れていこうと考えております。
 ただし、そういうように収入予測を小さくいたしましたことが、ここにございますが、いわゆる国際通信サービスには何らの悪い影響はないと存じております。と申しますのは、御承知のように、ケーブルであれ、第二太平洋ケーブルあるいは日中ケーブル、そういうものは余裕はまだ十分ございますし、また、衛星はこれは必要に応じてこちらの要求分は幾らでも借りられるという現状でございますし、また、交換機その他端末機等にも十分余裕があるわけでございます。局舎においても、同様でございます。したがいまして需要予測が小さかったために利用者の各位に迷惑をかけたということはないと、さように存じております。
 今後とも、この予測の問題については、先生の御指摘また御指導のように、十分に気をつけて、若干積極的な姿勢、そういうものも今後とっていこうということを考えております。
 以上でございます。
#10
○案納勝君 私は放漫経営をやれと、こう言っているわけではないんです。引っ込み思案でなくて、もっと積極的な、今日のきわめて日進月歩の通信事業の発展、あるいは大きく国際環境が変わってきている――まあ後ほど質問します――中でのKDDという事業を預かっておられる皆さんの、民営になっているだけに、そのいい面をできるだけ伸び伸びと取り入れて事業の発展をしてもらいたいという希望で申し上げているわけであります。
 それでもう一点は、実は、この間も、七十八国会でも指摘したのですが、長期というのはむずかしいと思いますが、国際的関係もあってなかなか困難な面もあるでしょうけれども、中期程度の経済見通しあるいは計画という、ビジョンあるいは展望というものをしっかり持った中でそれぞれ単年度の計画を出していただく、あるいは検討するということが私は今日必要じゃないだろうかと、こういうふうに考えながら御質問申し上げておる。きょうは、その点は触れません。ただ、この五十二年度の事業計画を見ますと、五十一年度の需要、これをそのまま、そのままといいますか、大体、この線でいけるというふうに判断をされて出しているやに私はこれを判断するんです。
 そこでお尋ねしますが、このようないまの状況というのは、中期的に余り変化がないというふうに見られているのかどうかですね。今後の四、五年を見た場合に、どのように中期的な展望というのをお考えになっておるのか、あわせてひとつお考えをお聞かせいただきたい。
#11
○参考人(鶴岡寛君) ただいまお尋ねの件でございますが、私どもは、今後の世界の経済また国内の経済というものは、ここ少なくとも四、五年の間はいわゆる低成長から安定成長への移行がまず円滑に行くだろうと、したがいまして私どもの国際通信需要も緩やかではあるが着実な増大を続けるのではないかと考えております。したがいまして電話におきましても度数で一九%、テレックスでも一六、七%の伸びを示し、電報では五%程度の減がいくと、まあ大体そういうような、別の言葉で言いますと、五十一年度あるいは五十二年度のわれわれの考えております予測のように動くのであろうと考えております。
 ただし、そういうようなのは一般的経済情勢、貿易の情勢、そういうものを前提にした考え方でございますが、ただ、ここに、御承知のようなデータ通信の問題がにわかにクローズアップしてまいりました。これはまだ五十二年度においては特別の影響を与えませんが、五十三年度、五十四年度に至りましては、これがどのような影響をわれわれの通信需要に及ぼすか、別の言葉で申しますと、いわゆる需要構造の変化、そういうものをもたらすのではないかと危惧をいたしております。つまり、端的な例が、いままで電報あるいは特にテレックスでやっておりました通信を、今後はこういう同業者が相集まりまして専用回線の共同利用というような形でこれをやります。そうなりますと、非常に回線の使用効率の高いすぐれた伝送容量、伝送速度を持つ専用回線を使ってやられますと、テレクッス等がそれに食われてしまうというような現象が起こるということ、これはわれわれKDDだけではございませんが、世界のコモンキャリアがひとしく憂え、これに対していろいろ対策を立てているところでございます。
 そういうようなことで、要約しますと、経済情勢においては、まずいままでこの一、二年の動きを続けるであろうが、そこに起こった新しい通信需要、ニーズの変化、それによるものについては予測ができないので、それをも勘案いたしますと、なかなかわれわれの需要、したがいましてKDDの経営というものも油断がならないと、そのように考えております。
#12
○案納勝君 いや、実は、鶴岡さん、そこのところが中期見通し等についても私はきわめて重要だと思っているんです。
 今日の段階でコンピューターと広帯域回線との結びつきが強いと。言われたSITA、国際航空データ業務、あるいは国際銀行通信協同組合による国際銀行データ業務、あるいは在庫管理業務、そして私はいま一つの資料で読ましてもらっているんですが、昨年六月、国連の欧州経済委員会の貿易手続簡易化部会専門家会議でアメリカ代表から提起されたというカーゴー・データ・インターエクスチェンジ・システム、こういうのが具体的にどんどん出てきて、各国の中にサブシステムセンターを設置をしていく。こういうことになって、ますます国際データ網ができ上がってくる。IBMのような巨大な多国籍企業が超国家的な大規模な通信ネットワークを形成をして広範なデータ通信の通信サービスを行っている。
 こういう場合に、公衆通信企業という国際電電の場合、私は、これだけじゃないでしょうが、このように国際通信の分野できわめて激烈なその面での競争が激しくなってくる、いままでのようなわけにはいかなくなってくる。とれについて、もうこれそう先のことではないだろうと思います。SITAについてはもうすでにKDDは検討されておると。これらについて、いま鶴岡さんから説明ありましたが、今日の段階でどういうふうに対処しようとされておるのか、少しお聞かせ願いたい。
#13
○参考人(大島信太郎君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、いま国際通信は非常な変革期に直面している、これから変革期に差しかかろうとしているというのが現状でございます。
 それは先生御指摘のとおり、コンピューターと通信回線との結合によりまして、たとえばSITA、SWIFT、あるいはカーゴー・データ・インターエクスチェンジというような、同業者が相集まりまして回線を共同使用して、しかもこれをコンピューターにつなぎまして世界的なネットワークをつくって、その間に非常にエフィシェンシーのいいデータ通信といいますか、一種の通信手段を用い出してきている。そのために、何といいますか、その中を、通信回線を流れます信号が非常に膨大な量になってきているために、逆に申しますと、一通信量に対しまして非常に安い通信料でその間の通信がはけていくであろうと、これはわれわれキャリアがお金を取ってサービスしておりますものよりもはるかに安い料金になってくるということでございまして、そのために各国ともこれに対しまして、従量制と申しますか、その中を流れます通信の量に比例した料金を取ろうという動きが出てまいっておりまして、また、CCITTその他でも、そういう料金制度の導入につきまして積極的な議論が展開されている、そういうことでございますので、これに対処するにはどうしたらいいかということは非常に大きな問題でございますが、われわれといたしましては、将来の問題としては、こういうものを公衆通信網で扱おうという考えを持ちまして、いわゆる公衆加入データサービスというサービスを五十四年度を目途に開始いたす計画をいたして、いま準備中でございまして、こういうふうな同業者の集まりの通信ネットワークは、おのおのそういう同業者でおつくりにならなくても、われわれが公衆データネットワークという非常に信頼の高い、しかも安いサービスをいたしますから、それに入っていただきたいということで、これに吸収いたして、こういうようなサービスを公衆通信として扱っていくというふうに吸収したいと思っております。
 しかし、それまでの過渡期の時間がございますので、それにつきましては、どうしてもやはりある程度中を流れます通信量に応じた一種の従量制料金というものを考えなければいけないんではないかというふうに考えておる次第でございます。
 以上であります。
#14
○案納勝君 いま御説明いただきましたが、データ通信網の確立等、きわめてデータ通信の発展とともに、大事な時期を迎えると思います。それで、この中の事業概況にありますそういう面も含めて、テレックスなどには大きな影響を与えてくると、こういうふうに私は考えるんです。この辺についての対策は十分にひとつ遺漏のないように進めていただきたい、こう思います。
 そこで関連をするわけじゃありませんが、今日、いま言われましたようなニーズの多様性や技術の進歩、こういう面から新しい技術関発がどんどん進んでいますけれども、KDDとして将来予想される通信手段サービスはどういうものになるというふうにお考えになっておられるのか、この辺についてお答えいただきたいと思います。
#15
○参考人(大島信太郎君) 御質問のように、これからわれわれキャリアといたしましては、なるべく広範囲なサービスエリアを確立していきまして、そうしてお客様に便利なサービスを提供していく必要がございます。
 それにつきましては、将来予想されるサービスといたしましては、やはり画像関係に広がっていくんではないかということを考慮いたしておりまして、一つはファクシミリの問題、あるいは静止画像の伝送とか、あるいは郵政省でもお考えになっておりますような電子郵便の問題、その他に広がっていくんではないか。それと同時に、いわゆるお客さんが、自分がやりたいような通信のやり方、データサービス、そういったものと、この二方面が大きな問題ではないかと考えております。
 ファックスにつきましては、先般研究が終了いたしました「クイック・ファックス」というファックスを開発いたしまして、これはCCITTの場にも報告いたしましたが、これはアメリカの主管庁がこれについて試験をいたしました。われわれの装置について試験をしてくれましたんですが、現在のところ、この装置が世界一スピードの速いファクシミリ装置であるという認定を下されておりまして、これは大体A四判といいますと大体これくらいの紙でございますが、これを三十秒以内で送れるというハイスピードのものでございます。しかも、その符号の伝送速度でございますが、これくらいの紙を一分ぐらいで送れる装置が世界じゅうにできてきておりますが、それでは九千六百ボーという符号のスピードで送りますけれども、われわれはその半分の時間で同じ紙を三十秒以内で送れるということで、同じ規格にいたしますと、われわれの装置ですと十五秒で送れるということに相なりまして、現在、世界じゅうで一番速いファックスを開発いたしました。それから、もう一つのファックスといたしましては、速いものではなくて、便利にしかも手軽に使えるという意味で「簡易ファックス」というのを開発いたしまして、これは値段が、三秒から六秒ぐらいの普通のファクシミリでございますと五十万円いたしますが、大体十五万円程度でできるファックスを開発いたしまして、これを広く使っていただくという二種類のファックスを開発して、今後、国際通信に使っていきたい、こう考えております。
 そのほか、テレビジョン関係で、御承知のように日本とヨーロッパでは方式が違いますので、国際中継をいたします場合には、ヨーロッパのPAL方式を日本で使っておりますNTSC方式に変換しなければならない。それからもう一つ、SECAMという方式がございます。この三つの方式が自由に一挙動で変換できる装置を開発いたしまして、これを山口衛星通信所に現在据えつけて実用に供しております。その他テレビジョンの帯域を圧縮いたしまして、非常に簡単に画像が送れるというようなものを開発しておりまして、画像面についても十分意を用いて研究を進めております。
 それからまた、いろんなお客さんが好むサービスが何でもできるというような一種のデータサービス、これにつきましては、それに使います端末のソフトウエア化、これを現在研究所で十分研究を続けている段階でございます。以上でございます。
#16
○案納勝君 郵政省にお尋ねをしますが、いま、将来予想される新しい通信手段、研究課題、研究を進めておられる問題として、たとえばその中のファックス関係は国際電子郵便などにこれは結びついてくるんじゃないかと思いますが、しかし、いま言われた画像通信方式、ファクシミリ方式あるいはデータ交換方式という新しい技術開発を進める。この委員会でいろいろ電電公社やあるいはNHK等審議をする過程で、それぞれNHKにしても電電公社にしても、また国際電電にしても、いまのような通信事業の中ではきわめて進歩が激しいわけでありますが、それで研究をされていますが、しかも、それぞれの研究機関が研究されているのは通信事業に関する研究が中心でありましょう。郵政省ももちろんそういった面についての研究は進められていますが、これらについて、各ばらばらに研究をされているというのでなくして、郵政省として、これらを共同して協力をし合っていくという、そういう指導というのが必要ではないかと思っています。
 そこで、これらの技術開発に対して、監督官庁であります郵政省は、国際通信事業の運営も含めまして、先ほど申し上げました新しい段階を迎えます国際データ網の確立や、それに伴う公衆通信事業の関係等も含めて、どのように指導をされているのか。私は、技術革新あるいは技術開発については、できるだけ郵政省が、各それぞれの機関で同じような重複された研究が進められているとするならば、一本化なり、共同して開発が行われるような積極的な指導が行われてしかるべきじゃないか、こういうふうに考えますが、郵政省としてどういうふうにお考えになりますか。
#17
○政府委員(松井清武君) それぞれの事業内容によりまして独自の研究も必要でございますが、また、共同して研究開発に当たることがより効率的なと思われる面につきましては、先生御指摘のとおり共同して開発に当たることが必要であろうというふうに思うわけでございます。
 現時点におきましても、そういう立場から郵政省といたしましてもそれぞれの機関に対して指導をし、あるいはまた協力を求めておる点でございまして、たとえば、現時点におきまして新海底同軸ケーブルシステム、要するにアルミ同軸ケーブルシステムの開発につきましては、電電公社あるいは国際電電の協力を得まして、現在、開発中でございます。そういった観点で、必要なもの、また効率的と思われるものにつきましては、今後とも、積極的に共同開発の方向に向かって努力してまいりたいと思います。
#18
○案納勝君 たとえばテレックスでも、電電公社のテレックスに加入をしておる場合ですね、すぐこれはKDDの国際関係のテレックスは利用できないんですね。これはそれぞれ、何といいますか、KDDに、国際間のテレックスに加入をすればできるのかもしれませんが、たとえばテレックスの機能自身も違うんじゃないですか。こういった点について、同じように電電公社の国内関係のテレックス――私も、この間、ある工場を見学さしていただいたら、国際電電の関係のテレックス、国際間のテレックス、これ違うんですね、まるっきり。こういった点というのは、一本化された技術開発というものが、そして国内の場合においても国際的にも共通に利用ができるというような、そういう面についての技術開発、共同開発というものはできないものですか、そういうのは。
#19
○政府委員(佐野芳男君) お答えします。
 いま先生確かに痛い点をつかれたわけですが、公社独自のテレックスとそれからKDDが国際に使うテレックスというのは符号の単位数も違いますし、もちろんコンバージョンはできるわけですが、もう一つは、国際だけに加入しておるテレックスの加入者が国内につながらないとか、それぞれの一つのテレックスの発展過程におきまして、公社は公社なりの努力をしてまいったと思いますし、KDDはKDDなりのやっぱり独自の努力があると思いますが、一つの経過的なこともありまして、いま最初からやるのでしたら恐らく統合された形で開発されると思いますが、現在の姿というものを踏まえながら、今後、そういうことのないように、あるいは現在の形でも何かもう少し便法がとれるように、そういうふうなことについて、郵政、もちろん郵政が仲に立っても公社あるいはKDDのそれぞれの研究担当者ともよく打ち合わせをいたしまして、なお一層便利な方式がとれるように指導していきたい、こういうふうに考えております。
#20
○案納勝君 私も、この間から、NHKや公社やKDDの研究関係について、まあ素人ですから機械を見てもよくわかりませんけれども、視察をさしていただいて、同じような研究をしている、中には同じ企業の中に三つも研究所を持っておるとか、一つの通信事業の中で一本化できないものかと。郵政省もやっている。一本化といいますか、共同してやるという、そういう意味での協力関係というようなものがもっとできないものかと感じました。この辺はひとつ今後郵政省で十分な御指導をお願いしたいと思います。
#21
○政府委員(佐野芳男君) 先生の御指摘ごもっともなんですが、公社という企業があり、KDDという企業がある、それからNHKもそうでございますけれども、郵政省にもあります。それぞれ企業の特質というものもありますし、それからこれもやはり歴史的な経緯もあるでしょうし、それから、それぞれの得意分野ということもあると思います。もう一つは研究者のプライドといいますか競争心といいますか、これは研究に競争ということがあっていいのかどうかわかりませんけれども、それからこれからの新しいプロジェクトの開発につきましては少数の天才的な人だけじゃなしにやはり皆さんの力を合わせていかないといいものはできないと思いますが、今後は、御指摘のあったように、実際の運用面で国費のむだ遣いのないように指導していきたい、こういうように思います。
#22
○案納勝君 じゃ次に移ります。
 いま国際通信手段として通信衛星――インテルサットですか、と海底ケーブルがその根幹をなしていると思います。そこでお聞きしたいんですが、どのような場合に通信衛星を使い、どのような場合に海底ケーブルを使っておられるのか、回線の品質は大体どちらがいいのか、海底ケーブルではテレビの伝送はできないのかどうか、この辺についてお答えいただきたい。
#23
○参考人(鶴岡寛君) 一般的にキャリア間の一つの常識といいますか、そういうことになっておりますのは、ケ−ブルというものは非常に通信量の大きい二つの地点間に適しておるということでございます。これに対しまして衛星は、そういう二つの地点間でなしに、地球局さえつくりますと、相手国に地球局があれば幾らでも多数の地点と直通回線を結ぶことができるという点、それとまた衛星の場合は、どんなに遠いところでも、遠距離にでも直通で、これは均一料金でもございますが、均一料金で通信ができるというような点にそれぞれの特色を持っておると存じます。
 また、いまお尋ねの通信品質の点でございますが、これはまずケーブルにしろ衛星にしろ特別な優劣はございません。ただし、衛星の場合でございますと、ずいぶんと地球から離れて三万六千キロの高さにあるところまでまいりまして、またおりてまいりますので、いわば伝送時間が長くかかるというような点があるだけでございます。
 なお、テレビの伝送の点でございますが、これは衛星の方が容量もずっと大きゅうございますのす、テレビの伝送には非常に大容量を要しますので、これは、通常、衛星回線の方を使っております。ただし、海底ケーブルでもいわゆる技術的に不可能ということではございませんが、短距離でならば格別、長距離の海底ケーブルでは莫大な容量を送りますために、通常、経営的な面等からテレビの伝送にはケーブルは使っていない、そういう状況でございます。
#24
○案納勝君 そこでケーブル関係についてお尋ねをします。
 本年の七月に、新たに沖繩−ルソン−香港ケーブルが完成する、こういうように報告をされています。この事業計画の中の「設備計画」の中に、海底ケーブルについて本年七月完成をさせるが、将来のケーブル建設のために準備を進める、こういうように書かれています。三ページですね。それから四ページに六十億九千余万円と。将来のケーブル建設の準備というのは何を考えておられるのか、この辺ひとつ。
#25
○参考人(鶴岡寛君) ケーブル全体で六十億の予算を予定いたしておりますが、これは御案内のように沖繩−ルソン−香港ケーブル等がその主体でございます。
 この三ページにございます「将来のケーブル建設のための準備」とございますのは、これはいわゆる海洋調査でございます。ケーブルを敷きます場合に、海底の状況をあらかじめ調べまして、埋設工法がよろしいか、あるいはもう埋設を要しないとか、あるいはどの地点に陸揚げすれば底びき漁船による被害等を少なくできるかとか、そういうようなことのための調査で、いわば事前調査でございます。これはたとえば本州−沖繩につくります予定を考えておりますケーブル、これはたびたび当委員会でも御質疑いただいておりますが、あのようなケーブル建設などのために、そういう海洋調査もひとつもうやる時期ではなかろうかと、そういうことでここに予定をいたしておると、そういうことでございます。
#26
○案納勝君 それじゃ、この計画というのは、実際に沖繩から東京までのケーブルを考えながらその準備だと、こういうように理解してよろしいですね。そのほかには考えておられませんか。
#27
○参考人(鶴岡寛君) いま現実にどこというわけではございませんが、五十二年度の途中におきまして、われわれのケーブルを敷設するというような話にでもなる場合も、これはもう予想しなければならないので、どこという固定したものはありませんが、そういう場合も含めて、一応の予定をしておる、そういうことでございます。
#28
○案納勝君 郵政省及びKDDにお尋ねしますが、英連邦では七九年に完成を予定して香港−クァンタン−シンガポール間に海底ケーブルを建設する計画を進めています。これはC&Wが行うわけですが、このC&Wというのは国策会社、国営ですね。英国の強力な施策としてこれが行われている、こういうふうに聞いている。また、東南アジアのASEAN諸国の場合は、これに対して昨年の九月に独自のケーブル計画を作成をした、こういうように聞いております。これらについては、当然、東南アジア諸国、わが国としても各国に協力あるいは援助と具体的な問題が私は出てくるのではないかと思います。
 特に今日まで承っておりますと、沖繩−フィリピン−香港というケーブル、これにとどまらず東南アジアカーブルという構想が考えられるという、こういう点も承っていますが、いま申し上げました点について、政府として援助あるいは協力、こういうのはきわめて大事だと思いますが、郵政省はどういうふうにこれらについて受けとめられておるのか、今後どういうふうに対処しようとされておるのか。また、KDDの場合は、どのようにこれについてお考えになっておるのか、お答えをいただきたいんです。
 これとあわせてKDDの方に一緒に御答弁いただきたいのですが、この海底ケーブルがさきに第二太平洋ケーブルが完成し、運用をすでに昨年開始をしまして、昨年、さらに日中海底ケーブルができた。ことし七月は沖繩−ルソン−香港ケーブルが完成する。こういうふうに広帯域通信網の拡充と国際通信需要に応じる体制が強化されてきているわけですが、たとえば第二太平洋ケーブルではKDDの負担が百六十五億と、こう聞いています。日中ケーブルでは約三十億、東南アジアカーブルでは約六十億と聞いています。きわめて多額の投資が必要なんです。今後、先ほど前段で質問しました東南アジアカーブル、こういうものがどういう展望になっていくのか私にはまだわかりませんが、この海底ケーブルの投資に当たってKDDとして経済性と公共性、国益、こういう問題が私はあると思います。これらについてどういうふうに関連をさせながらKDDは今日まで進められてきているのか、あわせてひとつ東南アジアカーブルの問題と関係をさせて御答弁をいただきたいと思います。
#29
○政府委員(松井清武君) 郵政省といたしましては、東南アジア地域における国際通信網を形成するということで、東南アジアカーブル計画を今日まで長年にわたりまして推進をしてまいったところでございます。ただいま先生のお話にもございましたが、東陶アジアカーブル計画の第一段階といたしまして、すでに沖繩−ルソン−香港間のケーブル建設が本年七月には完了する見通しになっておる次第でございます。このほかのルートの建設につきましては、現在、関係諸国、たとえばASEAN諸国等でそういった建設計画の協議が進められているところでございまして、郵政省といたしましては、これらの諸国の希望等を十分考慮いたしまして、必要な場合には、他省庁との協議等も重ねながら、積極的にその計画の実現に努力してまいりたいというふうに考えております。
 なお、先生当初に御指摘のございました英連邦を中心といたします英連邦の香港、シンガポールを起点とする海底ケーブル建設計画につきましては、現在のところ、計画がとだえておるというふうに聞いておりまして、郵政省といたしましては、そういう意味におきましてASEAN計画につきましての協力をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#30
○参考人(鶴岡寛君) まず第一点でございますが、ただいま監理官からお話がございましたように、ASEANケーブルの件でございますが、これに対しましてはまだ具体的にいろいろな諸条件が固まっておりませんが、私ども、会社といたしましては、その条件次第でこれに必要額の投資をしよう、そういう心構えでおる状況でございます。
 それから第二の点でございますが、最近、第二太平洋横断ケーブル、日中ケーブル、あるいはまた沖繩−香港−マニラケーブル等ができておるが、それについての経営面からあるいはまた国策という面から見て、どう考えるかという御質問でございますが、私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、二地点間における、何といいますか、通信量が非常に多い場合、こういう場合には、やはりケーブル投資も当初の建設投資こそ多いのでございますが、長期的に見ては十分に経済性も充足し得ると考えております。確かにただいまの現状では満杯に使うとかいうことからほど遠いわけでございますが、ケーブルの耐用命数は御承知のようにすこぶる長くございます。したがいまして今後大変な発展を続けております東南アジアとの通信あるいは対米通信、こういうものは、いまは経済の低迷期でございますが、いずれ経済環境が回復すると相当急激な伸びを見て、中期、長期にはこのようなケーブルもフルに使う時期も遠くない、そのように考えておる次第でございます。
 そしてまた、もう一点でございますが、ケーブルを結ぶということは、まあ何といいますか、二つの地点、二つの国の間にいろいろな友好関係といいますか、信頼関係を引き起こすということもあって、そういう点すこぶる国際友好の点からも好ましいことではなかろうかと考えております。また、これはすでに御承知のことでございますが、世界的な傾向といたしまして、衛星という無線とそしてケーブルという有線、この二つを必ず二国間に、通信相手との間に持たねばならないという考え方が最近非常に強まっております。いわゆるケーブルと衛星の相互補完といいますか、相互補完体制が叫ばれておるわけでございます。そういう点からしても、ケーブルというものは、私どもキャリアにとって、衛星はもちろんあるにしても、その相互補完という点から建設をしてきたものでございますし、今後も、必要に応じてそういう心構えでいたいと、このように考えております。
#31
○案納勝君 これは郵政省にお尋ねをしますが、たとえばケーブルを敷く場合に、日中ケーブルの場合には総工費六十億、中国側三十億、わがKDD三十億、東南アジアカーブルの場合にはKDDが約四〇%六十億、それでC&W英国が六十億、フィリピンのETPIが二〇%の三十億、約百五十億、こういう各国負担をしていますね。で日中ケーブルの場合には、これはいま敷かれたって採算が合わないという現状だと思いますが、国策的にこれは敷設をされる。東南アジアのKDDの取り扱っている業務量は約六〇%に上るという、ますます今後密接な関係が拡大をしていくことは間違いない。
 そういう中で、さらに寄港からケーブルを延長するにしても、ASEAN計画にしても、私はこれは開発途上の各国にとってはかなりの負担になることは間違いない。英国の場合は国策会社として、しかも国営として積極的にこの辺はある意味では資金的にも積極性を持って対処をしている、開発途上各国への援助体制も一定のものを持ちながら積極性を持っていると、こう聞いています。そこでケーブル敷設については、私は政府間の協議というのがまずベースになっている、こういうふうに承っているんです。具体的実施はKDDが行うと、こうなる。私は、今後の国際貿易あるいは国際間の問題を考えた場合に、東南アジアのこのケーブルはASEAN計画についてはきわめて重要だと思う。その際に、日本政府としてASEAN各国に対して、このケーブル敷設について、たとえば輸出入銀行なりあるいは海外協力基金などの活用を考えて、積極的にわが国から手を差し伸べていくという、そういう方策を私はとるべきだと思いますが、この辺についてどういうふうにお考えになっておるのか。
 さらに、アジア太平洋電気通信共同体憲章というのが採択された。これらについても同じようにアジア電気通信事業についての共同体憲章の中で相互協力、援助ということが具体的に出ている。これもまた政府間べースで行うことになる。これらの関係も考えた上で、いま申し上げましたように、もっと政府としてKDDに、政府間ベースで協議をしました、後はKDDおやんなさいというよりも、国策的に国としていま言った積極的な施策、ASEAN諸国との協議というのを進めてしかるべきだと思いますが、大臣及び郵政省、どういうふうにお考えですか。
#32
○政府委員(佐藤昭一君) 国際協力の関係につきましての先生の御質問につきましては、先生がおっしゃいますように、これまでも開発途上国との間の国際通信施設の拡充のためには、たとえばシンガポール、アルジェリア、パラグアイにおきます衛星通信地球局の建設計画に対しまして海外経済協力基金から円借款を供与いたしまして資金協力を行っておりまして、また、最近におきましては、ビルマとの間の短波無線テレックス直通回線の開設に当たりまして、国際協力事業団を通じまして機材の供与及び専門家の派遣を行って協力を行っております。郵政省といたしましては、今後とも、このような計画につきまして関係各省と緊密な連絡をとりながら協力を積極的に推進してまいりたいと考えております。
#33
○案納勝君 あのね、官房長、それは私は後ほど質問しようと思った。一般的な海外協力について政府間ベースとしてどういうふうにするのかと、こういう答弁だと思う。
 私がいま質問しているのはね、東南アジアカーブル、ASEANケーブル計画について、英国のC&Wは一応立ち消えといいますか、なっているとしても、わが国として、今後、香港からさらにケーブルの敷設についてASEAN諸国が計画を持っているなら、もっと積極的にこれについて対処すべきではないのかと、これについてはもっとたとえば輸出入銀行やあるいは海外協力基金などを使って積極的な働きかけやその他が政府間の中で必要じゃないのか。アジア太平洋電気通信共同体憲章すらできて採択されている今日であるから、特にわが国の場合、置かれている立場からして、そのことはいま積極的に取り組まなくちゃならない課題ではないのか、というふうに質問をしたんですよ。
#34
○政府委員(佐野芳男君) 先生の御指摘の点は、全くそのとおりです。
 で日本の郵政省の立場で、いま憲章ができようとしてるASEAN地域のこういう電気通信に関する技術援助といいましょうか、あるいは資金援助というものは当然なさるべきなんですけれども、御存じのように輸銀だとかOECFですか、その基金ですね、これは現在の段階でもいろいろ努力はしておるんですけれど、やはり利回りの問題だとか返還の問題だとか、いろいろ非常に苦しい限度があります。もう一つは、まあ私たちの努力も足りないんですけれども、電気通信、特に国際電気通信というのはいわゆるコマーシャルベースに乗るんではないかということで、金額で言いますと大して払わないんですけれども、ほかの大型プロジェクトがたくさんあるものですから、どうしてもまあ後回しといいましょうか、そういうふうになってきた。それともう一つは、いま御指摘のASEAN五カ国の、英連邦のやっとは別に、インドネシアだとかマレーシアだとかフィリピン、タイですね、その人たちが考えてる独自の通信網、これは日本にはやはり技術援助あるいは資金援助は欲しいけれども、――これちょっとここで私がこういうことを言うとまた誤解を受けるかもしれませんが、余り口出しはしてほしくない、金は出してほしいというお気持ちがあるように承っているんですが、まあその辺私たちも非常に苦慮はしておるんです。
 御指摘の点については、コマーシャルベースに乗らなくても、やはり日本の置かれている立場から言いまして、先進国ですから、そういう協力は今後とも続けていかなきゃいかぬ。ただ、そのためには非常に隘路がある、この隘路をどうして解決していくか、こういうのが今日の段階ではないかと、こういうふうに思います。
#35
○案納勝君 その隘路というのはよくわからぬけれども、要するに各国の気持ち、ASEAN諸国の気持ちは私どもわからぬでもないんですよ。しかし、いまその上に、先ほど言われたように、憲章が採択をされる段階になってきている。その中に占める経済大国の日本、しかも国際通信需要の六〇%をわが国との関係で占めている開発途上国の諸国間という面から考えた場合に、わが国として、もっとその意味からも積極的に手を伸べていくということがいま必要ではないのか、こういうふうに私は申し上げているんで、これはむずかしい問題はわかりますよ、わかりますけれども、いまやっぱりわが国がむずかしい問題があるから少し様子を見ながらというよりも、私は、郵政省として積極性がこの際必要ではないだろうか、こういうふうに考えるから申し上げたんです。
#36
○政府委員(佐野芳男君) 御指摘の点につきましては、全く先生と同意見でございます。現実問題の処理として、輸銀だとか基金の仮に活用をするといたしましても、なかなか私たちの思ったようにいかないというのが今日ですが、協力する姿勢は全然惜しむ気持ちはありません。
#37
○案納勝君 大臣、ひとつ積極的に開発銀行や輸出入銀行、海外協力基金やその他を活用できるように、これは政治課題だと思いますので、御努力をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#38
○国務大臣(小宮山重四郎君) いまおっしゃる問題、日本としての立場というものを考えますと、やはり積極的でなけりゃいけない。私は、この発展途上国の問題についてはいろいろ意見がございますので差し控えますけれども、特に重要なことは、いまいろんな問題を抱えている中で、内部で、政府、シンガポール等を中心といたしましていろいろ話をして、向こうの国々から借款を要求されればそのような形をとらざるを得ませんけれども、そこの段階まで至っていない。しかし、わが政府としては、やはり積極的に今後とも協力を惜しまないつもりであります。
#39
○案納勝君 次に移りますが、料金の収納についてお尋ねをします。
 料金の滞納の取り扱いについて、当委員会で何回も議論をされましたが、昨年十一月の公衆法の成立の際に四十三条を改正をして、通話停止処分ができるようになりました。したがって、それに関連をして幾つか、時間の関係がありますので、一括して質問をいたしますので、お答えいただきたい。
 まず第一に、四十六期中間事業報告がここに来ています。この現在時点で、三ヵ月以上の料金滞納は何件で、金額は幾らになっていますか、まず明らかに。
 二点目は、現在の料金回収率は何%になっておりますか。
 三点目は、昨年十一月公衆法成立後、通話停止処分は何件になりますか。そしてこの法律の運用はどのようにされているのか。今日までの長期滞納者にも一斉にこの処分を適用するのか、あるいは公衆法成立後の滞納者に限っているのか、この辺についてまずお答えをいただきたいと思います。
#40
○参考人(笹本昇君) ただいま先生から御質問の最初の二点についてお答え申し上げます。
 まず第一点の、今日現在、三カ月以上の料金滞納の件数及び金額でありますが、五十一年九月末現在におきまして調べたデータによりますと、滞納件数及び金額はそれぞれ十一万四千件、二十一億二千三百万円となっております。
 それから第二点の御質問の回収率といたしましては、支払い期限後六カ月目で、三年前の昭和四十八年九月末には九五・八三%となっておりましたが、回収諸施策の効果と関係職員の努力によりまして逐次向上し、昭和五十一年九月末現在で回収率は九七・三九%になっております。
 第三番目の御質問に関しましては、木村参考人からお答えいたします。
 以上でございます。
#41
○参考人(木村惇一君) ただいまの御質問の第三点、昨年十一月の公衆法改正に伴います通話停止処分の件数でございますが、本件に関しましては、御承知のとおり、さきの公衆法の一部改正によりまして、日本電信電話公社に対しましてこれが行われますように要請いたしまして、両者協議の上、実施することになりました。
 そこで、この国際電信電話株式会社と日本電信電話公社との間で、この実施に当たりましての具体的協議方法、連絡体制の確立を初め、苦情処理等につきまして万全を期するための話し合いを行いまして、先般、実施のための協定を締結するに至りました。この協定に基づきまして通話停止を実施いたすわけでございまするが、これは慎重に行うべく、目下、準備を進めておる段階でございまして、今日の段階では、まだ実際に通話停止処分を行ったケースはございません。
 なお、この通話停止措置につきましては、法改正前の長期滞納者に対しましても実施できることとなっておりますす。
 以上でございます。
#42
○案納勝君 その場合に、延滞利子ですね、どのように処理をされるのか、あるいはいままでされていますか。
#43
○参考人(笹本昇君) 料金滞納に伴います延滞利子につきましては、昭和四十九年九月末におきまして、当社の国際通話サービス営業規約等を改正いたしまして、当社が指定した日から支払いの日の前日までの日数分につきまして徴収することを明定いたしました。さらに昭和五十一年七月請求分以降におきましては、とのことを督促状に記載いたしまして周知徹底し、料金の早期回収を図っております。なお、その場合の利率につきましては、当社の場合、小規模低利率の年六%が適用されることになっております。
 以上でございます。
#44
○案納勝君 電電公社の場合の延滞金は一四・五%ですね。
#45
○参考人(笹本昇君) さように聞いております。
#46
○案納勝君 いま御答弁をお聞きしましたが、十一月の公衆法成立後、まだ協議が調わずに最近やっと調ったと、適用してない、こういうお話であります。私はこれは早急に対処をしなくちゃならない課題だと思います。しかも十一万四千件ですか、二十一億に上る金額が今日までなお滞納されている。最近になってやっと料金請求に出す場合に延滞金について徹底をされたようでありますが、今日までのKDDの運営を見ますと、経理内容が大変いいんで、何か無理して取らなくてもいいんじゃないかと、何か殿様商売的な態度が見られるんではないかという印象をぬぐい去ることができないんです。
 しかも、公衆法の審議の際にも意見もありましたように、公衆法の四十三条を改正する前にKDDでもっとやらなくちゃならぬことがあるじゃないかというぐらいの意見が出てきたことは皆さん御案内のとおりです。私は、この公衆法の四十三条による三カ月以上過ぎたものについての通話停止処分について六カ月間と、いまのような状態で放置するなら、六カ月間過ぎれば、これはまた自動的といいますか、通話が再開をされる、払わなくても。そういう結果の繰り返しになるのではないだろうか。四十三条で早期に対処して今日までの滞納を一掃して、それで今後はこれらを発動しなくても済むような体制がいま私はKDDに一番望まれているんじゃないか、そういう体制をつくること、こういうふうに考えます。
 それだけにKDDの今日とっている態度というのは、たとえば利息の問題でも六%、電電公社の場合は一四・五%ですか、これは合わせていくべきじゃないかと思います。でなければきわめて公平を欠く結果になりはしないか、こういう危惧を持ちますが、KDDの理事者の皆さんはどういうふうにお考えになりますか。
#47
○参考人(笹本昇君) ただいま案納先生御指摘の点は、まことにKDDにとりまして今後大いに参考にし、さらに回収率の向上に努めていく上の戒めにしたいと思っております。
 ただ、ここで申し上げますと、その後、社内におきましても、KDD独自でできる企業努力といたしまして、国会でもすでに問題になっております社内の収納体制の強化でありますとか、あるいは通話取り扱い停止措置の強化、あるいは法的措置の強化というようなものを引き続き鋭意進めてまいりました。一応、先ほど申し上げましたように九七・三九%という値になったわけでありますけれども、もちろんこれはすでに昨年先生に御指摘いただきましたように、私どももこれは不十分な値であるというふうに考えております。で残る措置といたしましては、やはり通話の停止という特別な、これは最後の手段ではありますけれども、これをやっていただくことによって、これを九九%ぐらいのところまで上げたいというのが私どもの社内における企業努力でございまして、幸い先般の国会におきまして通話停止が一応できることになりました。協議も電電公社との間で調いましたので、これから通話停止というものをさらに加えることによりまして、これまでのあらゆる面で手を打ってきました企業努力に通話停止をさらに相乗する効果を使いまして、これを目的である九九%のところへ持っていきたいというふうに考えておりまして、決して体質的にのんびりしているというようなことではないつもりでおります。いまの先生の戒めの言葉を体しまして、今後も、一生懸命改善に努力していきたい。以上です。
#48
○案納勝君 社長ね、私はこれ以上この問題再質問しません。問題点がよくおわかりになっておると思うんです。たとえばいまの体制、社内の体制、私は指摘を申し上げるならば幾つかあると思います。しかし、これ以上このことについてはここで触れない方がいいと思いますが、ただ、これだけ、いままで確かに九七・三九%になっていると言いながらも、十一万四千件、二十一億二千三百万円、これがしかもいままで長期三カ月以上の滞納者であります。法案の四十三条の改正も、これは最終的にやむを得ず改正をしたのであって、本来ならば改正をせずに一〇〇%収納をみずからしなくちゃならない課題なんであります。
 そこで、私はここでお願いをしておきたいのは、ことし五十二年度の最大事業目標として、一年の間に、いままでの滞納を一応整理をする、整理というのは電電公社と協議が調ったという四十三条の発動を通じてでも、積み残しのやつを整理をして、今後はそういうものの発動をしなくて済むような体制をとってもらいたい、こういうふうに思うんです。明年以後は、常にそういう四十三条の発動をしなくても収納ができるという内部の体制も含めて、私は社として今回の事業計画の中心に置きながら、もう一回見直してやってもらいたいと思いますが、この辺はいかがですか。
#49
○参考人(板野學君) ただいま案納先生のおっしゃいましたことはまことにごもっともでございまして、私どもも、この料金を収納するということがやはり経営の基本的な一つのもとになるわけでございまするので、せっかく国会におかれましても滞納者に対するそういうような措置もしていただいたわけでございまするから、もともとその基本でありまするこの料金を収納するために、ひとつ一生懸命努力するという体制と、そうして気持ち、こういうものをさらにまた一層強化をいたしまして、私どもいろいろな方法を使いまして、いままでの積滞の解消に努力いたしたいと思います。
 五十二年度中にこれが全部片づくかどうかということは、いろんな事件事件のケースが非常にこの点複雑なものもございまするので、私はここに努力をいたしますということを申し上げまして、ひとつ先生のいまの私どもに対する御指摘に対しましてお答えをいたしたいというように考えております。
#50
○案納勝君 時間ありませんから、最後に海事衛星についてお尋ねをいたします。
 インマルサット条約がすでに今国会に提案をされています。この国際海事衛星機構の基本になるのは、政府の資格で署名をするすでに外務委員会に提案されている海事衛星機構に関する条約、それから政府が指定する通信事業体としての資格で署名する運用協定、この二つがあります。
 そこで事業体はKDDということになっているわけでありますが、KDDは、現在、アメリカの海事衛星システムであるマリサットを利用していよいよ海事衛星サービスを提供する、こういう方針を固めているようであります。これはいつから実施をされることになりますか。そうしてその実施をした場合に、これを利用する船舶の見込み数は大体どのくらいになるものか。このマリサットシステムというのは、政府間協定によってこれがサービスの提供ということに具体的になるのか、独自にKDDがマリサットシステムに政府と関係なく参加をして、こういうサービスの開始ということになったのか、この辺はどういう関係になっていますか。
#51
○参考人(鶴岡寛君) マリサットシステムによります当社の海事衛星通信サービスの開始の時期でございますが、これは四月十二日に郵政大臣の御認可をいただきまして、同月十八日よりすでにサービスを開始いたしております。
 なお、第二の船舶の利用見込み数でございますが、いろいろな諸資料、また船舶会社に対するアンケート、世界の大勢、状況等を勘案しまして、五十二年度は十六隻、五十三、五十四、五十五、五十六と、そういう年度は大体二十隻程度ある見込みで、この五カ年間に九十六隻ぐらいは使ってくれるであろう、そういう予測をいたしております。
 それからなお、そういうような業務の協定のやり方でございますが、これはインマルサットと違いまして、政府間の協定というものではございませんで、このマリサットシステムの所有者であり、また運用者であります米国の通信業者、すなわちコムサット・ジェネラル社、RCAあるいはITT、こういうところとそのマリサットシステムの利用に関する業務協定を行っておる、さようなことでございます。
#52
○案納勝君 郵政省にお尋ねしますが、このマリサットシステムとインマルサットとの関係ですが、昨年、私がこの委員会で御質問申し上げましたところ、究極的にはインマルサットに一元化する方針である、マリサットの場合は五年間の期限がある、海事衛星通信技術を習得をするという意味で当面マリサットを利用するということでKDDに交渉に当たらしている、移行に当たってはユーザーの負担にならないように指導していくという郵政省からの答弁がありました。これはこのとおり理解をしてよろしゅうございますか。
#53
○政府委員(松井清武君) 今日におきましても、事情は変わっておりません。
#54
○案納勝君 最後にお尋ねいたします。
 インマルサットに出資をすることになりますが、これは政府出資ですか、KDDが出資することになるのですか。
#55
○政府委員(松井清武君) KDDが負担いたします。これはインマルサット条約によりまして指定事業体が出資するということが定められております。それによりまして出資するわけでございます。
#56
○案納勝君 そうすると、政府のこの権限というのは、あの条約を政府として保障するという権能しかないわけですか。
#57
○政府委員(松井清武君) このインマルサットにつきましては、基本文書は二つの協定から成ってございまして、政府といたしましてはインマルサットに関する条約に署名をしたわけでございます。またKDDはインマルサットに関する運用協定に署名をしたわけでございます。政府といたしましては、KDDがこの運用協定を遵守するように見守っていくということに相なろうかと思います。
#58
○案納勝君 いままで質問をしてきましたが、インマルサットの問題について、マリサットの関係等、大変私自身まだ十分研究をしていませんけれども、いま答弁がありましたように、技術について習得をする、将来インマルサットへ一本化するという意味でのマリサットの活用、こういう点についてぜひひとつ十分にその筋を通していただきたいと思います。できるだけ五年間で、マリサットは五年間だそうでありますが、インマルサットを通じて国際海事衛星通信サービスが確立できるように、郵政省の今後の指導等を特段にお願いをしまして、きょうの私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#59
○委員長(神沢浄君) 午前の調査は、この程度にとどめます。
 午後一時再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#60
○委員長(神沢浄君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 川野辺静君が委員を辞任され、その補欠として中村太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#61
○委員長(神沢浄君) 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#62
○最上進君 御苦労さまでございます。
 従来、KDDに関しましては、自由民主党が質問に立つということは余りなかったわけでありますけれども、先ほど来板野社長の概況説明等をお伺いしておりまして、時代の要請の波に乗ったと申しましょうか、加えて皆様方の御努力が実られて大変りっぱな実績を上げておられるわけでありますが、さらに督励をする意味で私から二、三御質問をさせていただくわけでございます。
 そこで、まず第一に、昭和五十二年度のいわゆる事業計画策定に当たりまして先ほどるる御説明があったわけでありますけれども、特にこの五十二年度事業計画策定に当たってKDDが留意をして、この点だけはとにかく力を入れてやるんだという、そういう点が当然おありになるはずでありますけれども、そういう点を踏まえてひとつ設備計画、収支計画、資金計画、これらのそれぞれの内容について御説明をいただきたいと思います。
#63
○参考人(板野學君) それでは、ただいま大変先生からありがたいお言葉を賜ったわけでございますが、私どもといたしましては、さらにこの私どもに課せられました国際電気通信のサービス向上ということに向けまして渾身の努力を払っていきたいと思います。
 私から、五十二年度の事業の策定につきまして特に留意いたしました点につきまして申し上げまして、その内容等につきましては担当の役員からお話を申し上げたいと思います。
 ただいまの経済情勢等につきましても、私ども国際的にも国内的にもまだまだ非常にむずかしい点があるということもよく考えまして、この経済情勢、特に貿易の関係と私どもの通信の関係というものがマクロ的に見ましてもいろいろ関連がございますので、そういう点を留意しながら私ども通信の需要の動向というものを特に気をつけております。また、最近は、非常に電気通信技術の発展に伴いまして、国民の要望しておりまするサービスという点が非常に多様化してまいりました。特にデータ通信あるいはファクシミリ通信あるいはそのほかのいろんな要望が出てきておりまするので、私どもといたしましては、これらの要望にこたえるべく積極的にそういうサービスも取り入れまして、また必要な技術も取り入れまして要望にこたえていきたい、こういう姿勢でおるわけでございます。
 また、私どもが建設をいたしまする衛星とケーブル、特に衛星方面につきましても海事衛星等につきましては、かなり多額の資金と長期のやはりバランスといいますか計算というものが必要でございまするので、ある程度中長期の見通しもつけながら、最初の投資におきましてはかなりこの回収に年月を要する、バランスをとっていくまでに年月を要しまするので、私どもといたしまして投資に当たりましても慎重な計画のもとに、また、その経費等につきましても極力節約をしながらその効果を図っていく、こういうことにつきまして私ども非常に注意をこの計画に当たりまして払ったわけでございます。
 また、需要等につきましては、もちろんそこに非常に正確を期してやるわけでございまするけれども、いろいろ国際情勢とか貿易の変化もございまするので、たとえそういうような需要の変化がございましても、私どもといたしましては設備の面でこれが間に合わないというようなことのないように留意をいたしておるわけでございます。
 それから、何と申しましても、この事業を推進していきます分につきましては、従事員の資質、能力というものの向上を図っていかなければならぬ。特に新しい技術に習熟していく、取り扱いがなれるということが非常に大きな問題でございまするので、私どもはさらに一層教育とか研修という方面に力を入れまして、そうしてその従事員の資質を伸ばしていくということを考えております。また、同時に、従事員が健康で、そうして健全な気持ちで、はつらつたる気持ちで事業に取り組んでいける、こういうふうな環境も考えてやりたい、こういうような考え方からこの五十二年度の計画につきまして特にそういう点を留意して計画を策定いたしました。
 概括的な基本的なことをお答え申し上げまして、あと設備その他の面につきまして、どういうふうにこれが盛られておるかということは、担当の役員からひとつお答え申し上げたいと思います。
#64
○参考人(鶴岡寛君) それでは、私より、社長の後を受けまして収支計画、設備計画等につきまして、ごく概要を御説明させていただきたいと存じます。つきましてはお手元の五十二年度事業計画書をごらんいただくと大変ありがたいと存じます。
 まず、収支計画でございますが、その九ページにございますように、収入は、電信収入が五百五十五億五千三百万でございますが、これはそのほとんど大部分を加入確信――テレックスの収入三百七十一億で占めております。そのほか電報料が七十億ばかりございます。それから電話収入でございますが、これが四百九十八億五千六百万円でございますが、これの大部分は電話料、電話通話の収入でございまして、これが四百四十三億ございます。それで、いわゆる電信収入、電話収入の営業収入が両方足しまして千五十四億九百万に相なります。次は、その下にございます営業外収入でございますが、これが四十三億二千六百万円でございますが、このうちのちょうど半分ばかりはいわゆるインテルサットの衛星収入から上がります分配金でございます。これが二十一億ばかりございます。それで以上の合計がこの計の欄にございます千九十七億三千五百万円でございます。
 支出の部は、営業費用が六百四十七億二千万でございます。このうちの四割程度が労務費で三百七十九億九千四百万円でございます。その他経費が二百十二億九千百万でございます。減価償却費は年々これもふえておりまして、百二十六億八千六百万。次は、公社支払費。電電公社に対しまして国際電話の接続料であるとか、あるいは山口の衛星通信所等々から中央へ回線を引っ張って通話を引っ張るわけでございますが、そういう経費、あるいは電報の委託費、そういうものが百十二億八千三百万でございます。営業外費用が二十一億千六百万で、これは借入資金に対します支払い利子がこのうち十五億を占めております。特別損失の九十六億六千五百万は、これはいわゆる法人税、利益にかかります税金でございます。そういうわけで、計一千四億七千万でございます。
 したがいまして、差し引きの利益金は、けさほどから話が出ておりますように、九十二億六千五百余万円の予定でございます。
 次は、設備計画について簡単に触れますが、八ページをごらんいただきます。
 このようなことで設備計画の総額は、八ページの一番左側にございますように、三百二十八億七千二百万でございます。そのうち設備拡充計画が二百十億九千四百万、施設整備計画、施設の整備が十七億七千八百万円でございます。
 設備の拡充につきましては、ここに一項目から九項目までにこれを区分けをしてございますが、これについて簡単に触れます。
 一の営業関係通信設備が五億四千二百万ございますが、そのうちのほとんど大部分は加入電信のいわゆる端末機テレプリンターの新規増でございます。これが五億三千五百万を占めております。
 二番目の衛星通信施設は十九億三千八百万円でございますが、このうちのほとんど大部分が衛星分担金、これが十八億二千五百万でございますが、これはインテルサットヘの資本支出でございます。衛星等を上げますための支出を各加盟国が分担いたしておりますが、当社は五十二年度に十八億出すと、こういうことでございます。
 第三番目の海底ケーブル施設でございますが、これが六十億九千二百万でございますが、このうちの半分ほどが沖繩−ルソン−香港ケーブルに対します投資三十八億二千万円でございます。そのほかにケーブルにIRUという使用権を設定いたしますのが十六億ばかりございます。
 四番目が中央局設備でございますが、これは大手町あるいは新宿のKDDビルあるいはまた大阪の電報局、電話局等への設備投資でございますが、この三十九億のうちの二十億が電子交換設備の増設でございます。そのほかにけさほど話が出ております航空のSITAでございますとか、あるいはオートメックスの増設であるとか、そういうことへ経費を投入いたしております。
 五番目が、中継所・送受信所等の経費でございますが、これは一つは日韓の間にOH回線を百三十数チャンネル増設いたしますための経費、こういうのが一億数千万、そのほかは、私どもの小室受信所のそばを上越・東北新幹線が通りまして非常に通信の阻害が起こりますので、それを北浦その他へ施設を移転しなければならない、そのために国鉄、鉄道建設公団と折衝いたしまして、向こうにその経費は全部負担させるわけでございますが、そのための投資が四億三千三百万ばかりでございます。
 六番は、非常障害対策経費が十八億ございますが、このうちの一つは、いわゆる茨城の衛星通信所と東京を結びますルートが現在当社の施設として一つマイクロ施設がございますが、関東震災等を考慮いたしますと一本でははなはだ心配だと、もう一ルートをつくって安全性を期したいというわけで、それに対する第一次投資分が五億五千五百万でございます。そのほかに、大阪の谷町に交換機を増設する。これも、御承知のごとく、東京の大震災を考慮して大阪に電話局をつくっておる関係で非常障害の対策として考えております。
 次は、七番の土地・建物でございますが、このうち土地はわずか一億でございまして、ほとんど建物が二十四億八千五百万でございます。このうちのほとんど半分程度がKDDビル内の内装工事でございます。これが十億ばかり。そのほかに、けさ説明がありましたような国際電気通信学園をつくるための第一次工事費、それが五億ばかりございます。
 八番は、新技術の研究開発でございますが、これは十二億ございまして、技術の研究がこの主なるもので九億四千万、技術開発経費が二億六千五百万でございます。
 九番目の、能率向上施策が二十三億八千七百万ございますが、このうちのほとんど大部分の二十一億八千六百万がいわゆる厚生施設費でございます。これは都内あるいは各事業所所在地に用地を買収する経灘、そしてそこに社宅を新築する経費とか、あるいはまた新宿分室の関係の経費、そういういわゆる厚生施設がそのほとんど大部分を占めております。
 次は、施設整備でございますが、これは現有設備の取りかえとか修理とか補強とか、そういう関係の経費でございます。
 最後に、十ページをお開き願いたいと思います。
 ここで資金計画について簡単に申し上げますが、前年度の繰越金が二百二十七億六百万円ございます。
 資金収入といたしましては、営業収入の方から千三十八億二千七百万円ございます。これは収支の項目の営業収入の九八・五%を計上しております。次の営業外収入でございますが、これは先ほど申しました収支計画の営業外収入とほとんど変わりません。その次に、その他で五十億ございますが、この資金収入は職員の預かり金でございます。預かり金がほとんど二十億近く、家を建てるためのいわゆる住宅預かり金等でございます。そのほかに破棄すべからざる所有権といいますか、ケーブルのいわゆる無形所有権、こういうものを売却するのが十六億ぐらいございます。これが五十億のその他の資金収入でございます。
 締めまして千百三十一億三千三百万円でございます。
 資金の支出は、営業支出が七百二十九億六千万でございますが、収支欄では八百八十六億でございます。そこに百五十億ばかりの差がございますが、その差の大部分の減価償却費は収支面では出ましても、資金面では社内に留保されるというので、これが残っております。そのほか退職給与金の引当額等も部外に流れ出ませんので、資金としては、これだけ百五十億程度少なくて済むわけでございます。
 それで設備資金については、ただいま申し上げましたとおりでございますが、ただし、先ほど設備資金は二百二十八億七千二百万と申し上げまして、ここには百九十八億しか計上してございません。この差の三十億は、例の沖繩−香港−ルソンのケーブルはいわゆる延べ払い方式をとっておりますので、延べ払い方式をとっております関係上、設備投資としては三十八億本年度必要でございますが、そのうち実際、当年度払いますのは八億ばかりで、あとの三十億は五十三年度以降に繰り延べをいたします。したがいまして設備の資金としては設備計画より三十億ばかり引いたこの百九十八億を計上いたしておる次第でございます。
 次は、利子の十一億七千三百万でございます。これはもういろいろな何といいますか、銀行利子その他でございます。決算資金が百十八億七千九百万でございます。このうちのほとんど大部分が法人税の百億程度でございます。配当金その他十六億でございます。社債償還は三億でございますが、これは第一太平洋ケーブルを建設しますときにアメリカから外債を募集いたしました、その最後の償還分でございます。その他七十億二千八百余万円。これは銀行等の借入金の返済三十二億、住宅貸付金の従業員に対して貸し付けます貸付金が十三億、そしてまた従業員から預かっております金を家を建てるから返してくれ等々で十三億、その他若干の投資でございます。それで締めまして七十億。
 支出の総計が千百三十一億五千三百万で、したがいまして次年度の繰越金は二百二十六億八千六百万円、そういう計算に相なっております。
 以上でございます。
#65
○最上進君 ありがとうございました。
 いま収支計画の中、あるいは資金計画の中でも触れられたんでありますけれども、特に営業外収入の中でのたとえば収支計画の中で四十三億二千六百万のうち、インテルサット関係で二十一億の収益が上がっているというようなお話があったと思います。そこで、このKDDの最近のインテルサットヘの出資の状況、あるいは収支の状況、衛星の利用の状況、この点につきましてひとつ簡潔に御説明をいただきたいと思います。
#66
○参考人(鶴岡寛君) インテルサットにつきましては、加盟国九十五ヵ国ありますが、それぞれの国が出資の分担率がございますが、われわれは四・二八%の分担率を与えられております。この分担率に応じて毎年毎年出資をして、それをある程度蓄積いたしましてインテルサットの星を上げるわけであります。それがいわゆる資本支出の分担金でございますが、当社の五十一年度における資本支出は約十億でございます。
 そして次には運営費の分担がございますが、これはインテルサットの星の追尾についてアレンジをしたり、そしてまた主たる目的は、インテルサット機構を維持運営するための事務局がございますが、その人件費、物件費等々でございます。これを当社はやはり四・二八%の率で分担いたしますが、その経費が五十一年度の例で申しますと、四億ばかりでございます。
 次には衛星使用料でございますが、これは衛星は加盟国九十五カ国はもちろんでございますが、加盟していない国もこれは希望すれば使えるわけでございます。そして、その場合、使いましたいわゆる使用料といいますか、利用料といいますか、これをインテルサットへ支払うわけでございます。私どもももちろんこれを大いに活用しておるわけでございますが、その経費が五十一年度には十六億五千八百万ばかりございます。
 そして最後に衛星収入分配金でございますが、これは私どもの投資に対する報酬も含みまして、いわゆるインテルサットの参加九十五九国に対しましてその投資率に応じて分配を受ける金でございます。これも御年もちろん変わりますが、これが五十一年度で十九億四千五百万円に上っております。
 大体、以上のような状況でございます。
#67
○最上進君 もうちょっと詳しく教えていただきたいんですが、九十五カ国が加盟をされていて、わが国の場合に四・二八%のいわゆる分担率であるというのですけれども、いわゆる九十五カ国の国々に与えられる分配率というものの計算の根拠、これを教えていただきたいと思います。
#68
○参考人(鶴岡寛君) これは九十五カ国がそれぞれ前年度に使いました衛星使用量、衛星回線を使いました利用量、これに応じて分配比率を決める、そういうことになっております。
#69
○最上進君 それは前年度というお話でありますけれども、最初にこれが行われたときの分担率というのはどういう計算の根拠だったのでしょうか、初年度。
#70
○参考人(鶴岡寛君) ただいま申しますように、この分担率は、毎年毎年、その前年度に使いました率で変わりますが、一番最初の配分は、これはたてまえといたしましては大体予測通信量でございます。予測利用量、利用率、そういうもので決めておるわけでございます。
#71
○最上進君 それはどういうような状態でございましたでしょうか、計数的に、初年度。
#72
○参考人(鶴岡寛君) 一番最初は、当社のまだ国際通信の揺籃期とでも申しますか、そういう時点でございましたので、二%程度でございました。
#73
○最上進君 それと加盟をされている国のいわゆる使用料、先ほど使用料とか利用料というお言葉を使われたと思いますが、加盟されている国と加盟されていない国の使うときの違い、この使用料の計算の基礎の違い、これはどういうふうになっておりましょうか。
#74
○参考人(鶴岡寛君) それは先ほどちょっと触れましたように、加盟をいたしております国にも加盟をしていない国にも全く平等な扱いをいたしております。したがいまして一使用チャンネル当たりの使用料、利用料、これはこの点については全く同額でございます。
#75
○最上進君 私の聞き違いかもしれぬですけれども、何か先ほどは違うようなことをおっしゃらなかったですか。じゃ、やっぱり加盟をされている国も加盟をしていない国も、これは基本的に同じである、料金の計算にあっては。そういうふうに理解していいわけですね。
#76
○参考人(鶴岡寛君) さようでございます。
#77
○最上進君 それでは続きましてお伺いしたいんでありますが、昨年九月二十七日に、ケニアのナイロビで開かれましたインテルサット第二回締約国総会の模様、これは郵政省の方からひとつお答えをいただきたいと思います。
#78
○政府委員(松井清武君) 昨年、昭和五十一年の九月二十七日から三十日まで、ケニアにおきまして第二回のインテルサット締約国総会が持たれたわけでございます。参加国といたしましては加盟九十五カ国のうち六十九カ国の代表百八十人が参加して行われました。
 会議の議題といたしましては、署名当事者総会及び理事会からの報告の承認のほかに、中国代表権問題についての審議が行われたわけでございます。
 すなわち、パキスタンほか八カ国の共同提案になる国際機関における中国の代表権に関する国際連合総会決議第二七五八の実施と題する決議を採択いたしました。この決議は、インテルサット締約国総会は中華人民共和国をインテルサットにおいて中国を代表する権能を有する中国の唯一の合法的政府と認め、中華人民共和国がインテルサットに参加することを歓迎する旨の内容でございます。
 おおむね以上でございます。
#79
○最上進君 中国の代表権問題がそこで論議をされたということで、ちょっとこれはまた別の時点の話になるわけですけれども、ちょうど中国問題が出たのでお伺いをしておきたいんでありますが、先般、新聞紙上に出ました日本といわゆる中華民国とは海底ケーブルの問題につきまして、ひとつKDDとしてのお考えを聞かせておいていただきたいと思います。
#80
○参考人(板野學君) 日本と台湾間の通信量というものは、その種別によって違いますけれども、大体二位から五位というような非常に多数の通信量がございますので、私どもといたしましては、この通信が非常に円滑にいきますように、しかも安定した通信が供給できますように常日ごろ非常にいろいろ考えておるわけでございまするが、現在、国際的にも通信を安定させるためには、やはり単に衛星だけではぐあいが悪い、衛星に事故があれば代替ルートとしてケーブルを用いるとか、あるいはその他の方法を用いる、こういうようなことが一般の原則となっておりまして、現在、台湾との間では衛星だけによって通信が行われておる電話回線にいたしましても約八十回線近いものが利用されておる次第でございます。
 したがいまして私どもといたしましては、かねがね台湾との間の通信を安定してやるための措置ということについていろいろ考えてきておりまするし、また、台湾との間においてもよりそういう問題について議論をしてまいったわけでございまするが、昨年の後半期ごろから、アメリカのAT&T、アメリカ電話会社の方から、やはりアメリカと台湾との通信も非常に多いので、これはぜひ通信網強化のために、ケーブルをひとつ敷こうという考え方を自分たちも持っておるんだと、日本としてどういうことを考えておるかというようなことでございました。日本といたしましても、ただ業務という観点からいたしましては、やはりそういうケーブルを敷くということは非常にいいことなんだと、したがいまして私どもとしましても、衛星はもちろんのこと、ケーブルを敷くことによって通信の安定性が期せられるんじゃないか、こういうぐあいにひとつ考えておったわけでございまするが、アメリカの方でも、このAT&Tでございまするが、もし日本にそういう考え方がなければ、自分の方としてはやはりグアムと台湾との間にケーブルを敷く計画もあるんだと、こういう話を私どもは聞いておったわけでございます。
 かねがね台湾との通信を強化するということは非常に業務上私どもも必要だと、こういうふうに考えておりましたので、こういう問題につきまして私ども検討をいままでいろいろ続けてきた、差し支えがなけらにゃやはりそういう措置というものがひとつ考慮されてもいいんじゃないか、こういうふうに考えておるというのが現状でございます。
#81
○最上進君 巷間伝えられておりますところによりますと、
  〔委員長退席、理事案納勝君着席〕
やはり中華人民共和国政府に対しても、公式であるか非公式であるかわかりませんけれども、これの了解を取りつけていくというような考えがあるようでありますけれども、この点につきましてはどのようになっているんでございましょうか。
#82
○政府委員(松井清武君) ただいま板野社長からの説明にもございましたように、現在、日台間のケーブルにつきましては民間ベースにおいてその建設計画について話し合いが進められておるということは私ども承知しておるわけでございますが、現段階におきましては、なおそういった民間ベースによる検討、研究の段階でありまして、具体的な計画が策定されたということについては承知いたしておりません。したがいまして具体的な計画が確定を見ましたならば、それに基づきまして、ただいま先生御指摘ありましたような対中国に対する了解を含めまして検討を加えてまいりたいというふうに考えております。
#83
○最上進君 この問題は非常に政治的な問題をはらんでいて微妙な問題だと思いますが、非常に増加の一途をたどっているいわゆる日台間の需要というものを勘案いたしますときに、大変むずかしい政治情勢も当然勘案しなければならないにしても、ひとつこの点につきましては一段のお力添えをいただきたいというふうに考えているわけでございます。
 この問題はそのくらいにいたしまして、次に、昨年の国会におきまして国内の電報電話料金の値上げ法が成立をしたわけでありますけれども、これが実施されておりまして、今度のいわゆるこの改定というものはKDDの運営というものに対してどの程度の影響を与えてきているか、この辺についてまずお伺いをしておきたいと思います。
 あわせて、昨年、国内料金の改定に伴いまして国際料金との均衡を失することとなるものについては、たしか料金の改定を考慮したいというお答えがおありになったというふうに記憶しているわけでありますけれども、その後、どのような措置をとられたか、お伺いしておきたいと思います。
#84
○参考人(鶴岡寛君) まず第一点のお尋ねでございますが、私ども、電電公社の電話料が上がりましたり、あるいは電報料が上がるということで、たとえば電報であれば公社に委託をしております国際電報の取り扱い費がアップいたしますし、また、電話につきましては国際電話をつなぎます際の国内部分、この料金が上がるわけでございます。さようなものを全部ひっくるめまして五十二年度で二十七億程度でございます。
 それが一点でございますが、もう一点、国内料金とのバランスをとってのわれわれの料金の調整でございますが、これは電報の部分でございますが、国内の欧文電報が一語八十円に上がりましたために、私どもの近隣対地では、たとえば韓国あたりは四十円であった、それで国内の欧文電報よりも一語当たりその半分ぐらいになってしまったというようにバランスが悪くなりましたので、近隣対地――韓国、香港、グアム、フィリピン、台湾、マカオ、タイ、朝鮮民主主義人民共和国等あての料金を一語当たり百円に改定いたしました。一部は百円を超しておったところもございましたが、そういうのは結果として若干の値下げになりましたわけでございます。それを昨年の十二月一日から実施いたしました。
 これが一つと、もう一つは、国際の無線電報料金でございますが、これも公社の国内電報料の値上げに応じ、また海岸局料の値上げ等に相応しまして、これも若干の値上げをいたしております。
 それともう一つは、テレックスの端末設備でございますが、これが公社の方では大体倍額の三万円に値上げをされましたので、私どももこれに応じて、従来三千円アップでございましたが、三万三千円にアップをした。
 大体、そういうものが、公社の料金値上げに相応してアップしました国際関係料金の調整関係でございます。
#85
○最上進君 料金の問題に関連してお伺いをしておきたいんでありますが、年々技術革新が行われて衛星通信などが大変役立てられている今日でありますけれども、そういう中で従来の料金の設定に対する考え方というものはやはり距離の遠近というものが一つの大きな要素になってきたと思うんです。ところが、こういう衛星時代に入ってまいりまして、距離の遠近というものを考えて料金体制を組む要素というものが非常に私は少なくなってきているんじゃないかというふうに感じるわけであります。したがいまして、その距離による大きな料金格差を設けるというようないわゆる従来の料金体系というものを、この際、是正すると申しましょうか、考え直すことも当然一考を要することだというふうに考えるわけでありますけれども、この点についてはどのようにお考えか、社長からお伺いをしたいと思います。
#86
○参考人(板野學君) 先生がおっしゃいましたように、衛星通信というものの出現によりまして距離による格差というものが非常に少なくなりました。それと同時に、また通信のコストの中に占めまする人件費というものも相当の割合を占めてきておる次第でございます。それから一方、需要構造というような面から見まするというと、電報からテレックスへ移行する、あるいは電話へ移行する、あるいはデータ通信へ移行する、こういうような需要の構造の非常な変化がございました。それから、また、この需要の地帯といいますか、アメリカの地帯とかアジア地帯とか地帯別に見まするというと、このアジアの地帯というものが電報とか電話というものは約六〇%も占めておる。
 こういうようなことでございまして、通信技術の発展によりまして、距離というものが料金に及ぼすところの影響というものが非常に少なくなりつつある、こういう現状でございまするし、片一方は、データ通信等によりまして、通信の価値というものを需要の種別というものよりもむしろ量によって、送られる情報の量によってはかっていく、こういうことが国際的にも、またCCITTの場においても、そういうことが非常に慣行となり、また現状となりつつあるという次第でございまするので、国際通信の料金体系を、今後におきましては、そういう最近の技術革新、衛星通信の出現、その他データ通信等の発展、こういうものを含めまして、私ども、先生がおっしゃいましたように、検討を加えていかなきゃならぬというふうに考えている次第でございます。
 以上でございます。
#87
○最上進君 社長の説明よくわかりました。
 ただ、私は、この収支計画とかあるいは資金計画を見ていても、率直に疑問を感ずるんですが、昨年の電報、電話料金のいわゆる値上げ法が実施されて、先ほど御説明いただきましたとおり、国際料金との均衡を失しないようにするという一つの考え方がある一方におきまして、たとえば繰越金を見ましても、五十三年度資金計画では、前年度繰越金二百二十七億、そしてまた次年度繰越金二百二十六億。五十二年度の収支計画では、引き利益金九十二億という大変莫大な利益が生じている中で、私はやっぱりこういう均衝の問題と絡めて、非常に微妙なものがありますけれども、この利用者の負担の軽減をむしろするというような、これもやはり一考を要する問題じゃないかというふうに考えておるのでありますけれども、この点、どのようにお感じでございましょうか。
#88
○参考人(板野學君) ただいま先生のおっしゃいましたように、私どもはやはり将来非常な電気通信の革新によりまする建設を進めていかなければならぬ、しかもその建設というものが非常に多額でございまするし、また、長期にわたってバランスをとらなければならぬ、十年とか十五年ではなかなかバランスがとれない、こういう建設がこれからふえてまいりますので、たとえて申しまするというと、これからまたケーブル関係もございまするし、また海事衛星通信施設等も十年も十五年もしなければバランスがとれない、こういうものもございまするので、そういうものが財務に及ぼしまするやはり影響というものをかなり長期的に私ども考えていかにゃならぬというように思っております。
 また、一方、私どもの電気通信、特に国際電気通信等におきまする利用といいますか、それから経営といいますか、そういうものを他から影響を受けないような独立した一つの考え方でやっていく、こういう面におきましては、やはり余り借入金その他が多いということはこれはぐあいが悪い、やはり経営の健全性というものをあくまでも考えていかにゃならぬというように思いまして、私ども、総資本の中の利益率というものは国際的に見てこの辺が大体いいんじゃないかなというような点をねらいつつ、いままで経営をしてまいったわけでございます。
 ただいま先生のおっしゃいましたように、かなりの繰越金もあるじゃないか、利益もこういうぐあいにあるじゃないか、こういうようなことでございます。私どももそういう点もいろいろ考えまして、この料金体系を是正する場合には、やはり利用者の料金というものも十分考慮に入れつつ、将来、国際電気通信の資金というものがどういうふうになっていく、また利用構造がどういうぐあいになっていくかということを十分考慮しながら、先生がただいまおっしゃいましたように、利益ばかり追求する、こういうことにならないように私ども十分考えていきたい、こういうように思っている次第でございます。
#89
○最上進君 いま借入金のない健全な経営というものが大事だということを御強調されたわけでありますけれども、そのとおりだと思います。
 ただ、先ほどもちょっと収支計画の中で御説明をいただいたわけでありますけれども、借上金の利子が営業外費用で支出の部に当然含まれているわけでありますけれども、この借り入れ状態がどういう状態なのか、ひとつこの際明らかにしていただきたい。
#90
○参考人(鶴岡寛君) 借入金は、四十九年の例のオイルショックの後に非常に各企業の経営が苦しくなるであろうと叫ばれた当時、四十九年五月に四十三億、十一月に四十五億、計八十八億を四十九年に借り入れをいたしました。そうして十四億の返還をすでに済ましておりますので、現在、七十四億が銀行借入金として残っておるわけでございます。それと、これは社債でございますが、社債は同じ時期に募集をいたしまして、大体、発行が五十年の六月でございますが、三十億の社債の発行、これはもちろん国内債でございますが、国内債の発行をいたしております。したがいまして、現在、銀行借入金と社債合わせて再三億ばかりということでございます。
#91
○最上進君 細かいことのようでありますけれども、七十四億まだお借りになっているということですけれども、これはもう出初四十九年お借りになったときのいわゆる利息の利率、これはどういうふうになっているのでしょうか。
#92
○参考人(鶴岡寛君) 利率は四十二億分が九・四%で、四十五億分が九・九%でございます。
#93
○最上進君 この問題はその辺にいたしまして、次に、先ほど案納委員からも指摘をされたわけでありますけれども、借り入れもただいま伺いますとかなりあるようでありますが、ただ、これからのKDDの役割り、これはもうKDDのみならず、わが国の後進国、発展途上国に対する役割りでもあると思いますけれども、やはりこの発展途上国に対する海外技術協力、これが非常に大きな私は大事な点であるというふうに感じているわけであります。
 そこで、先ほども御答弁が一応あったわけでありますけれども、ASEAN五カ国のみならず、いわゆる発展途上国とか後進国とか言われている国々に対して、現段階で、KDDがとっておられるいわゆる海外技術協力あるいは援助、こういうものに対してどういう状態になっているかお聞かせいただきたい、あわせてその計画をひとつお述べいただきたいと思います。
#94
○参考人(志村静一君) お答え申し上げます。
 先生のおっしゃいましたように、発展途上国との通信需要は、国際政治あるいは経済の発展とともに着実に増加しておりまして、これらの国との通信サービスの向上はKDDにとりましてもますます重要な課題になっております。そこで、これら発展途上国の電気通信技術の向上を図るために、KDDとしましては鋭意技術協力活動を拡大実施してまいりましたが、今後もより一層積極的にこれと取り組んでまいる所存でございます。
 現在、当社が行っております技術協力活動を次の四項目、すなわち、一、海外からの研修員の受け入れ、研修の実施、二、専門家の派遣、三、覚書による技術協力、四、コンサルティング業務に分けて御説明申し上げます。
 まず、海外からの研修員の受け入れ、研修の実施につきましては、日本政府の計画による国際電気通信関係集団研修のほか、日本政府、ITU計画及び外国通信主管庁などからの要請によります個別研修を実施しております。このうち、集団研修につきましては、昭和五十一年度におきまして衛星通信技術コース等計五コースを受け入れております。また、昭和五十二年度からは、発展途上国の要望にこたえるため、従来の短波無線技術にかえまして、電話交換機コースを新設する予定でございます。
 次に、専門家の派遣について申し上げます。発展途上国の要請によりまして、日本政府あるいはITUを通じまして、各種専門家を発展途上国に派遣しております。現在、パキスタン、メキシコ、クウェート、アルジェリア等へ職員を派遣しております。そして技術指導に当たらせております。このほか日本青年海外協力隊に対しましても職員を派遣しております。さらにまた、これら長期にわたる派遣のほかに、必要に応じまして発展途上国へ短期間職員を派遣いたしまして技術協力を行っております。
 それから、覚書によります技術協力につきましては、直通通信対地国のうち、積極的な協力を要する諸国を対象といたしまして技術協力覚書をそれらの国と結びまして、民間ベースによる技術協力を行っております。現在、韓国、タイ、クウェート、インドネシアの各通信主管庁及びフィリピン通信衛星会社と覚書を締結しておりますほか、台湾の電信総局とも打ち合わせによりまして技術交流を行っております。
 最後に、コンサルティング業務について申し上げます。
 弊社の保持します高度の技術をもって発展途上国の電気通信施設の建設に寄与するためにコンサルティング業務を当社は行っております。現在、パラグアイ国の衛星通信地球局及び国際電話交換設備の建設に関するコンサルティング業務を行っておりまして、本年末にはこれらの施設を完成する予定でございます。
 なお、衛星通信地球局の建設に関するコンサルティングは特に要請の度が最近高くなっておりまして、弊社といたしましても、条件が整い次第、できる限りこれに応じていく所存でございます。なお、現在、リビア国からもこの種の要請がございまして、目下、契約条件について折衝中でございます。
 以上でございます。
#95
○最上進君 計画はおありですか、今後の計画。簡単にお願いします、重点的で結構です。
#96
○参考人(志村静一君) では、昭和五十二年度の計画について申し上げます。
 海外協力関係の計画といたしましては、海外研修正の受け入れに約四千万円の計画を掲上しております。それから専門家及び職員の派遣に約二千五百万円の計画を掲上しております。それから技術協力の覚書による協力関係に約四千万円の計画を掲上しております。それから発展途上国への基金の供与に関しましては約九千四百万円の経費を計上しております。それからコンサルティング関係では約五百万円の経費を計上しております。
 以上でございます。
#97
○最上進君 いまの問題でちょっとお伺いしておきたいのは、たとえばKDD単独で恐らく海外技術協力をされて援助をされているというのがいまの御報告だと思うんですが、ほかに、民間の企業等と手を組まれてこうした発展途上国に対して技術協力をしている、そういうようなケースもあるわけでしょうか。
#98
○参考人(志村静一君) お答え申し上げます。
 現在、行っております計画の九割方は、政府・郵政省の指導によりまして行っておりまして、約一割ぐらいをKDD単独でやっております。そして、ほかの民間の企業と協力してやっておりますのは非常に少ないのじゃないかと思います。以上でございます。
#99
○最上進君 やっておることはやっておるわけですね、少ないということはやっているということですね。
#100
○理事(案納勝君) やっているんですよ、三菱と。
#101
○参考人(志村静一君) ものによってはやっております。
#102
○最上進君 最後に、一つお伺いしておきたいんですが、先ほどの借金の問題なんですが、この資金計画を見ましても、社債償還は、先ほど三十億お借りになったのは三十億これお返しになるようになっておりますが、七十四億お借りになっていて、これは恐らく長期で四十九年お借りになったのだと思うんですけれども、利子だけでも十一億を払うということになっているわけですので、この辺は次年度繰越金二百二十六億も持つということならば、むしろやはりこの銀行の借り入れに対する返済というものをされていくお考えはないのか。その辺私たちは非常に不思議に思うんですけれども、素人の考えでありますけれども、お聞かせいただきたい。
#103
○参考人(鶴岡寛君) そのように御指摘いただくのは、しごくごもっともだと思います。
 実は、私どもも、先ほど申し上げましたように、このように八十八億を借りましたのは、オイルショック後、もう日本全体の経済というよりも、世界全体の経済がどうなるか非常に危ぶまれた。したがいまして、われわれもそのあおりを受けまして非常に苦しい立場に追い込まれるのではなかろうかという一つの経営上の心配を強くいたしましたわけでございます。そしてまた、翻って考えてみますと、私どもは御承知のように法律でできました会社でございますが、特に財政的に政府その他から援助を受けるということは法律上何らの定めがないわけでございます。強いて申しますならば、社債の借入限度が一般の企業よりも三倍であるとか、外債のときに政府保証があるとか、その程度にとどまるわけでございます。政府から安い金利で多額の金を借りるというような道も開かれていないわけでございます。したがいまして、私どもとしましては経営が行き詰まったときに対する対策をどうしてもしなければいけない。しかるに、また今度は、一般の銀行の系列に入っておる企業でありますと、その銀行からしかるべき手配をしてくれますが、われわれにはそれもないというような現状であったわけでございます。
 したがいまして、いままで借り入れということはほとんどやったことがなくて、会社設立当初に数億の金を借りたばかりでございます。銀行等のコネも全くなかった。それで、そういう四十九年度の現状におきまして、ともかく銀行から、といっても都市銀行全部のいわゆる協調融資でしか貸してくれなかったわけでございますが、とにかく借り入れをして、そういう経営の危機に備えようということが一つと、今後また、万が一借り入れ等が必要な際に銀行等の間にそういうルートをつくっておこうという目的も一つあったわけでございます。
 そういうことで借り入れましたわけでございますが、先ほど来お話がございましたように、幸いにも当社はオイルショックの手ひどい打撃はこれを避け得て、まずまず四十九年度は別といたしまして、五十年度、五十一年度そしてまた五十二年度も一応順調な経営でございます。したがいまして、いま御質問がありましたように、この金は返したらどうかということも、もちろん私どももそれはもう十分に考えて、実は銀行側にもそういうことは話したわけではございます。しかし、御承知かもしれませんが、銀行では、よほど特殊な関係があります財閥系の系列に属する企業であれば別でございますが、われわれのように縁もゆかりもないところに貸しておりますのは全く他人行儀でございまして、とにかく自分の都合が悪そうなときには、ぜひ頼む、貸してくれと言いながら、都合がよくなると、もう返す、利子を払うの惜しくなったというのじゃ、これは通りませんぞ、この次あなた方が金を借りられるときは知りませんぞ――ということまでは申しませんが、まあそのようなことでございますし、また、それが一般のいわゆる金融界、財界の現状でもあるということを、われわれ、その際に、十二分に身にしみて承知をさせられたわけでございます。
  〔理事案納勝君退席、委員長着席〕
 そういうわけで、はなはだいま繰越金が二百二十億あるのに、銀行借り入れが七十四億あるのは財務上きわめて残念でございます。しかし、一方、銀行に利子は払っておりますが、ここに若干の期間的な余裕もございますので、これはなるべく金利の高い方へ回しまして、そしてその利子の損害をきわめて小さい幅に食いとめるように、当社の経理部で非常に苦心をいたしております。
 大体、さような状況でございます。
#104
○最上進君 もう時間ですので、これで打ち切ります。
#105
○藤原房雄君 非常に専門的に多方面にわたりますので、二、三点だけお伺いしたいと思います。
 午前中の社長さんの御説明の中にもございましたが、「世界のいずれの国と比較いたしましても決して遜色のない国際電気通信サービスを御利用いただけるようになりました。」と。技術的には非常に高度なものになっておるということとともに、経営全体といたしましても非常に安定した状態の中にあると。昨年どこの企業も大変不況でのたうち回っておったわけでありますが、しかしKDDは、ここでは「貿易が比較的順調に伸びたことを反映しまして、国際通信需要は当初の予想を若干上回る結果となりました。」と。当初の計画より電報は二・五%ほど減ったようでありますが、電信・電話それぞれ二〇%台という大きな伸びを示している。簡単に「貿易」云々というふうになっておりますが、ほかの企業と根本的に違いますので一律に比較するというわけにはいかないと思いますが、KDDとしましてはこういう不況の中でやっぱり大きな伸びがあったという――大きな伸びといいますか、当初の予想よりも伸びが大きかったという、こういうことについては、どういうふうにとらまえていらっしゃるのか。確かに国内的な動きだけでなくて国際的な経済の動向というものも全部KDDは影響を受けるわけでありますけれども、そういう中で二〇%台の大きな伸びを示したということについては、それなりにいろいろ分析をしていらっしゃると思うんですけれども、その間のことについて最初お伺いしたいと思うんです。
#106
○参考人(鶴岡寛君) ます、お尋ねの五十一年度の計画と実績の問題でございますが、これは先ほどちょっと触れましたわけでございますが、理由としては、二つございまして、一つは五十一年度の計画を策定いたします時期における五十年度の実績見込みがやや低目に行われたということが一点でございます。もう一つは、私どもは通産省あるいは野村総合研究所で出します貿易予測値を使っておるわけでございますが、その貿易予測値、われわれの一番頼りにし、よって、もって立つ予測の柱、これがまた、いわゆる計画が実積見込みよりも八%ばかり低かったというようなことで、私どもの五十一年度実積はこのように予測をある程度上回ったのがその実態でございます。
 それから次に、今後の見込みでございますが、私どもは、そういう経済の発展、世界の経済、日本の経済、そこにリンクいたします貿易、そういうものは今後もずっと一応は伸びていくだろう、緩やかではあるが安定した伸びを続けていくだろう、そのように考えております。と申しますのは、いわゆる国際化といいますか、国際時代といいますか、そういうものがもう十年ぐらい前から来て年々その緊密化、交流化を強くしておるようでございます。そういうようなことからいたしまして、私ども電話もテレックスも一七、八%程度の伸びは今後続けていくだろうというふうに考えております。ただ、先ほどからお話が出ております国際データ通信という新しい通信手段、それが出てきて、特にわれわれの一番大事な財源であるテレックスを食ってしまうのではないかという危惧がございます。大体、そういうような事情にあるわけでございます。
 以上でございます。
#107
○藤原房雄君 いまあらあらお話ございましたけれども、しかし、電報については二・五%の減ということですからね、それで電信・電話が二〇%台の上昇ということですから、そういうことからしますと、電報というのは非常に落ちたといいますか――当初低目に目標を定めたものが二〇%の上昇ということですから、それに比べて電報の方は二・五%の減ということですから、相当な落ち込みがあったという、こういうように考えてよろしいですか。
#108
○参考人(鶴岡寛君) 五十一年度におきます電報でございますが、当初、電報料収入を六十二億に考えましたところ、これが七十一億の実績を示しております。電報は、率で言いますと、相当に落ち込みを懸念されたわけでございますが、実態はほとんど落ち込みがなかった、落ち込みが非常に僅少に済んでおります。そういうことでございます。
#109
○藤原房雄君 件数ではあれでしょう、二・五%の減でしょう。
#110
○参考人(鶴岡寛君) さようでございます。いま申しましたのは料金で――。
#111
○藤原房雄君 すると、結局、それだけ電報の方の利用がだんだん減ってきたということだと思いますが、五十二年度の計画にしましても、大体、十七万ぐらい減らした計画になっておるようですけれども、やっぱりこういう傾向というのは今後ずっとたどるだろうと私どももそう思いますけれども、いろんな試算の上からお定めになられたんだと思いますけれども、その基礎になる考え方等についてちょっとお願いします。
#112
○参考人(鶴岡寛君) いま藤原先生御指摘のとおりでございます。電報という通信手段は漸次減少いたしまして、そしてテレックスにかわっていくと。そしてテレックスが今度は専用線に食われていくというのが、これはもうここ数年来あるいはここ七、八年来の当社の傾向でもございますし、また世界的な傾向でもあるわけでございます。
#113
○藤原房雄君 それから、五十二年度の事業計画等についてもあらあらここにありますが、確かに緊急性、経済性という、こういうKDDに与えられた立場で、できるだけの効率的な設備を投資するということは心がけなければならぬことだと思いますが、そういう緊急性や経済性、そういうことを勘案して施設を拡充してまいりますと、国内的な問題になりますと、やっぱり電電公社との競合というようなことも出てくるだろうと思うわけです。
 で、海底ケーブルのことについては、KDDでは東京−沖繩間に海底ケーブルを敷きたいという、こういう希望があるやに聞いておるんですけど、どうですか。
#114
○参考人(鶴岡寛君) けさほど御質問の際に、五十二年度における海洋調査の御質問がございまして、その際、沖繩と本州との間のケーブルは、ここ数年来、国会等でもお取り上げいただきました問題であるので、それのための予備的事前的なものでございますが、海洋調査を行いたいということで、五十二年度の事業計画に掲上をいたしておるという旨を申し上げました。
 これはこういう意味でございまして、私どもは、この問題につきましては毎回当委員会の席でも申し上げておりますように、電電公社と十分に折衝をし話し合いをし、また郵政省の御指導、そういうものを得ながら、このケーブルを推進していこうということでございまして、われわれが電電と話し合いがつかないうちに、また郵政省の御指導がないのに、ケーブルをつくろうとするとか、そういう意味ではないわけでございます。
#115
○藤原房雄君 それはもちろんそうであるべきなんですが、これからこういう緊急性というか、経済性の方からばかりこれ追求していきますと、まあ電電の資本力といいますか、力とKDDとイコールで結ぶわけにはいかないかもしれませんけれども、どうしても競合する部分が出てまいりますので、そういうことについてはやっぱりこれは郵政省としましても十分なその点についての配慮というものがありませんと、国内の独占的な事業である電電の一つの刺激にはなるかもしれませんけれども、電電の経営も決して容易でないということからいたしまして、やっぱり郵政省としては十分な配慮を払うべきだと思いますが、こういうことについてはどうお考えになりますか。
#116
○政府委員(佐野芳男君) いま先生から提起された問題につきましては、過去の委員会で何度も答弁申し上げています。
 それで私がいつも申し上げていますのは、同じキャリア相互間で、もちろん国内、国際、それぞれの独占企業でございますが、沖繩−本土間のケーブルというのは、ある面では日本国内のケーブルであるし、それから用途によりましてはあくまでもそれが国際通信専用に使われるものだと考えれば、これは国際ケーブルだと。もう一つは、アメリカその他外国との国際電電とのケーブルを敷設する場合の協定その他がありまして、KDDにはKDDの言い分がありますし、電電の方はいま先生の御指摘のありました点もありまして、お互いに良識のある企業ですから、時間が迫ってまいりますと余りゆっくりもしていられませんけれども、まだ時間のある間は十分にその辺を話し合って、郵政省の立場といたしましても、いわゆる国益といいましょうか、ナショナルインタレストを十分満足するように調整をとっていきたい。個々の問題を解決するのにはいろいろまだむずかしい問題があるかもしれませんが、私どもといたしましても御期待に沿うように持っていきたいというふうに考えております。
#117
○藤原房雄君 沖繩というのは、現在でこそ本土と同じに考えておるわけでありますけれども、しかし、国際通信ということから考えますと、いまお話のようなそういう懸念もありますし、いままでの論議を全然知らないわけじゃありませんけれども、どうしてもそういう二重投資というか、国家的に免れば、そういう問題と、それからこの競合の問題、そういうこともありますので、十分な検討といいますか、配慮がなきゃならぬということで申し上げているわけでありますが、その点についてはひとつ十分に御検討ください。
 それから海底ケーブルのことについてちょっとお話ししたわけでありますが、午前中からもいろいろお話ございましたが、日中のケーブルというのは、昨年の十月二十五日ですか、開通したわけでありますが、利用というのは当初の計画どおりなかなかいってないみたいなお話もございましたけれども、この利用状況と、それから当初の予定されたものよりも余り伸びないというのは、それはどこに原因があるのか、また日中間の利用のバランスというのはどういうふうになっているのか、その間のことについてちょっと御説明いただきたいと思います。
#118
○参考人(木村惇一君) お答え申し上げます。
 日本−中国間海底ケーブルは、昨年完成いたしまして、十月二十五日から使用を開始いたしました。
 このケーブルは、当社と上海市郵電管理局が共同で、日本と中国を結ぶ全長約八百キロメートルの海底ケーブルでございます。この建設費は、共同建設部分が約五十八億円でございまして、当社の投資額はその半分の約二十九億円。それに陸上の当社が単独で建設いたします部分の費用約十二億円を合わせまして、約四十一億円というのがKDDの負担額でございます。
 現在のところの利用は、ただいま先生から御指摘のとおり、余り多くはございません。現在、電話回線といたしまして、東京−北京間に八回線、東京−上海間に二回線、それから電報回線といたしまして東京−上海間に四回線、テレックス回線が東京−上海間に二回線。以上でございます。
 今後の計画といたしましては、トラフィック量の増加に応じまして、順次、回線をふやす予定でございますが、とりあえず、本年度は、上海との電話回線等にさらに二回線使用する予定でございます。
 なお、このケーブルは、日本−中国間通信のほかに、日本を経由いたしまして中国と第三国間、たとえばアメリカ合衆国と中国との間の通信等にも利用される可能性が十分あるわけでございまして、すでに関係国の企業から引き合い等も参っております。その具体化につきましては、今後、関係国の協議にまたれる次第でございますが、確かに、御指摘のとおり、現在まだこのケーブルにはかなりの余裕がございます。先ほど申されたごとく、このケーブルの意義は、単なる商業的なものであるという以上に、やはり広い意味での非常に長期的な国益というものの上に立った企画でございますので、長い目で見まするなら、いずれこのケーブルも非常に有効に活用されるときが必ず参るというふうに信じておる次第でございます。
 以上申し上げて、お答え申し上げます。
#119
○藤原房雄君 それから、五十二年度事業計画の中に「日韓間通信および短波による船舶通話の需要増に対処するため、OH通信設備および船舶通話用送信設備の増設を行なう」こうありますが、この船舶通信等について、短波というのはよくわかるわけでありますが、日韓の間の通信というのは、やっぱりこういう近距離の場合は――近距離だけじゃなくて、いろいろな電波の性質から言いましても、海底ケーブルにした方が適切じゃないかというふうに考えるわけですけれども、日韓の通信についても、それから船舶通信については、電波としましても、これはなぜ海底ケーブルというものを増強するといいますか、こういうふうにしなかったのか、この辺の理由といいますか、関係をちょっと御説明いただきたいと思うのです。
#120
○参考人(鶴岡寛君) 日韓の間は非常に距離が短いわけでございます。それに加えまして、その通信量というものは、韓国から見ても日本が一番多いし、われわれから見ても韓国が一番多い。非常に通信量が多うございます。したがって、御指摘のように、これこそケーブルを敷設する典型的な区間じゃないかということは、まことに御指摘のとおりでございます。
 ただ、一番当初、これをOHという形でいたしましたのは、当時は、いまのように、このように通信が膨大に伸びるということが一つはまだ十分に予測がつかなかったのと、それと建設費の関係でございます。ケーブルでございますと、やはり三十億とかそういう経費を要しますが、OHのシステム等はそれに比べると格段に安く済む。これは相手国側の事情にもそういうものがあったようでございますが、まあそういうことで当初はOHで出発をした。しかし、その後、いま申しますように、ことに韓国の経済が興隆をきわめてきましたこの数年非常な伸びでございます。したがって、私どもとしましては、これはひとつケーブルという安定した、そして一挙に大容量を得られるルートをここに構成したいと思っておりますし、また、かたがたもう一つの面から考えますと、世界的な一つの流れ、傾向といたしまして、いわゆる衛星とかあるいはOHとか、そういう無線と、もう一つ海底ケーブルという組み合わせが相互補完の上から回線の信頼性等を非常に高めるということで、そういう違った種類の二ルート化あるいは複数ルート化が世界的な大勢であります。そういう点を考えましても、ここには私どもひとつ何とかケーブルが欲しいというように考えております。
#121
○藤原房雄君 そのいまお話しになったことは、ぼくらも十分理解しておるわけですけれども、今後の需要増とかいろいろなことの絡みの中から、五十二年度のこの施設計画というのはつくられたのだと思いますけれども、ますます増大するであろう日韓の間の中のことで今後またいろいろ御検討なさることだろうと思います。
 短波の話がちょっと出ましたので、それに伴いまして、この十八日から始まりました海事衛星通信サービスのことについてちょっとお伺いしたいと思います。これは短波に比べますと通信事情も大きく改善されるだろうという、こういうように期待するところでありますが、このマリサットシステムの利用開始に関連して、子会社をつくってそこにやらせるという形にしましたですね。マリサットシステムによるサービスの提供がこういう形で行われるのが妥当なのかどうか。
 それから、午前中も御説明がありましたのですけれども、マリサットシステム利用による船舶用海事衛星通信装置というのは非常に価格が高いということ――資料をいただいておりますから大体金額はわかりますけれども、装置の価格と、それから利用料金。船舶としましては大変な経済的な負担を強いられる形になるわけですが、これが確かに短波よりは有効なものであることはよくわかるわけですけれども、こういう経済性ということから今後の利用というものはどれだけに見込まれていらっしゃるのか。価格を設定するにつきましてはいろいろな試算をなさっていらっしゃると思うのですけれども、世界の船舶の利用状況とか、わが国の利用の見通し、こういうものを含めて、ちょっと御説明いただきたいと思いますが。
#122
○参考人(鶴岡寛君) まず、第一点のお尋ねでございました子会社設置の理由でございますが、子会社に船上地球局――船上しに設置します地球局、きわめて小型の地球局ですが、それの保守などをさせるという問題でございますが、これには大体三つほどの理由がございます。
 一つは、従来の無線時代の固定的ななにと違いまして、何といいますか、しょっちゅうこの地球局は海上を移動する。そして潮風をかぶる、そして非常な振動を受ける。したがってまた移動によって衛星を常時追尾するということから非常にデリケートな、むずかしい船上地球局になるわけでございます。したがいましてその保守とか修理、そういうのには非常に特殊な専門技術を要する。そういう次第でございますから、これをKDDの職員をしてやらせます場合に、専門化してしまって職員がその職場に長期間縛りつけられて非常にぐあいの悪い点がある。したがって子会社をつくれば、KDDの退職者あるいはKDDからの希望者あるいはメーカー等からの希望者をその保守要員、修理要員に充てることができて大変ぐあいがいいという点が一つ。
 もう一つは、これはいわゆる保守の場合、日本の船が外国の港に行く、その場合に外国の港で修理をしてもらう、その反対の場合、いわゆる相互主義の立場に立ちまして、日本の港に入ってきました外国船の船舶地球局、こういうのもわれわれは修理をしてやらなければいけない。その場合、KDDという、こういうふうに仕事の幅を法律で規制されました会社では、そういうことまでやることが妥当かどうかという問題等もあったわけでございます。それで、これには子会社をしてやらせると、きわめて円滑にいくということ。
 もう一つ、第三点といたしまして、日本の船舶地球局はいわゆる運航主義をとっておりますので、日本の船会社が外国の船を用船する場合には、日本の地球局、KDDが免許人となった無線局ができるわけでございます。しかし、一たん用船が切られました場合には、その無線局をやめて、その船は本来の船籍を持つ外国の無線局になる、そういう場合、KDDが引き続いてその外国無線局にそういう船上設備を提供していいかという問題もございます。その場合、子会社をしてやらせます場合には、そういう点何らの問題もないというようなことから、子会社の設置をいたしたというようなことでございます。
 第二の御質問でございますが、船舶地球局の購入価格といいますか、そういうものは、大体、いろいろございますが、一台千五百万から二千万ぐらいの価格でございます。また、量産時代に入ると、もっとこれは低減するかと思います。
 利用料金でございますが、利用料金は、何といいますか、太平洋あるいは大西洋上におります日本の船舶から海事衛星を経て、現在では、それを受けます海岸地球局はアメリカにしかございませんから、たとえばアメリカの西海岸の地球局にそれが行く。そういういわゆる経路につきましてはテレックスが六ドル、電話が十ドル、そういうことに相なっております。そしてそれからアメリカに着きました日本船の通信が今度はまた日本の本社の船会社に行きます場合の日本−アメリカ間の料金、そういうものは従来の国際料金を適用する、そういうような定めになっております。それはいわゆる通信料でございますが、もう一つ、船舶地球局の利用料、いわゆる使用料でございますが、これは大体一台当たり四十八万ばかりに予定をいたしております。
 次は、それではそういう高い通信料あるいは使用料を払って利用する者はあるだろうかというその見込みでございますが、私どもは、船会社にアンケートを発しましたり、あるいはその他船主協会とかそういう諸般の向きへいろいろ調査いたしましたり、あるいはまた外国の実情、そういうものを検討いたしました結果、まず、五十二年度では、十六隻程度日本船がそれの設備を希望するであろう、それから五十三年度以降は、大体、二十隻程度希望するであろう、ここ五カ年間で九十六隻ぐらいはそういう希望者があるであろうということを考えております。
 と申しますのは、ただいま先生の御指摘にもありましたように短波時代と全く違った安定した良質の通話あるいはテレックス通信がそれによって得られるわけでございます。したがいまして船会社等におきましては、もうこの安定した、いつでも随時使える、この電話あるいはテレックスがあれば、たとえばいわゆる船の安全はもとよりのこと、運航管理といいますか、あるAの地点に行くという予定が途中からいろいろな商取引の関係でBの地点に急拠船の進路を変えるというような場合にも、この海事衛星の通信を利用することによってそういうことが非常にうまくいく、まあわずかな賃貸料やなんかにはかえられないという声もなかなかに強いわけでございます。そういうようなことで、さしあたり、いま申し上げましたような年間二十隻程度の船がこれを利用するであろうという目測をつけております。
#123
○藤原房雄君 いま、はしなくもお話しになったけれども、子会社には役員も天下りできるしというお話だったけれども、そういう特殊な事情にあるからKDDの中でできるかどうかということについては私どもも十分考えてはおるわけでありますけれども、まあ国際間のこういういろいろな、自国の中だけのことではなくして、他国との関係もあるということからいたしまして、相当な諸外国から信用の置ける技術者と会社の形態というものが相伴いませんと、十分な、現在は隻数も少ないかもしれませんけれども、そのうちだんだん利用度が高くなるということで、相当十分な配慮をしておきませんと、対応できなくなるのじゃないか、こういうこと等も考え合わせまして、KDDで何でも引き受けるというわけではございませんが、現在、これだけの法のもとに運営をいたしておりますKDD、そして今日これだけの発展をした大きなバックの中で、やはりそういう問題については当初しっかりやっていかなければならないのではないかということ等もあわせまして、ちょっとお尋ねしたわけでございます。
 それに伴いまして、海運国そしてまた水産王国と言われる日本の国です。ますます船舶の通信というものは重要になってくるだろうと思いますけれども、ここで今国会に国際海事衛星機構(インマルサット)に関する条約が提出されておるわけでありますが、その運用の事業体にKDDが指名されておりまして、最大の関心をお持ちになっていらっしゃること、だろうと思うんであります。
 本条約の発効要件というのは、非常に厳しいといいますか、経済大国と言われる日本の国でも、参加する隻数というものが五十二年が十六隻、五十三年が二十隻前後というようなこういうことであります。発展途上国等については船舶を対象とする需要というのは非常に少ないのではないか、こういうことから各国の出資額というものが条約を批准するだけの九五%に達するかどうかという、こういうことも非常に心配されているわけであります。まだ三、四年あることはありますけれども、非常に高価なものであるということや、発展途上国等においてそれだけの需要というものが、日本のように、日本でさえもこういう現況ですから、果たしてこれが予定どおり進むのかどうか、私どももあらあら、専門的な知識を持って見ているわけではございませんけれども、厳しいのじゃないかというふうに見ておるわけですけれども、こういう今後の見通し等について、どのようにKDDでは把握していらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
#124
○参考人(鶴岡寛君) いまお話がございましたように、われわれはインマルサット機構に対しまして八・四五%の出資率をもってこれに参加いたします。そして、それについてのインマルサット機構というものの収支の見通しでございますが、これについては非常に強気の税と弱気の説と、いつの場合にもそうかもしれませんが、ございます。
 一つは強気の説でいきますと、何といいますか、先ほどちょっと触れましたように、このような海事衛星を使う通信というものの提供します豊富な大容量の通信回線、そして良質の安定した高品質の回線、こういうものは船会社にとって運航管理からも安全上からもきわめて望ましい渇望していたものであるから、これに対して非常な勢いで希望が殺到するであろうという説と、もう一つは、いま世界的な不況にあるし、また海運界も必ずしも好況とは言えない、このような事情であるから、確かにいいことには違いないが、ここある期間は相当苦しいのではなかろうかというような観測もなされておるわけでございます。
 で、そういうもののいろんな強気、弱気の説のその中間をとりまして考えました場合、大体、これは何といっても収支という場合にはトラフィックの伸びが一番の決め手でございますが、そのトラフィックの伸びを初年度五〇%の伸び、現在世界的には四十一隻でございますから、それを初年度五〇%、そしてだんだん減っていって、だんだん少なく伸びが落ちて、十年目に二五%というような一つのやや弱気の説でございますが、これで計算いたした場合に、収支が相償うのには十年から十四年ぐらいかかるのではないかというような目測がなされておるわけでございます。これは何としましても全く未知の分野でございますし、また世界の経済が今後どう動くかによって非常に影響を受けるわけでございますが、一応、そういうような予測がなされておるという現状でございます。
#125
○藤原房雄君 非常に海運界も、また水産界ですか、大きな問題を抱えているときでありますから、予測といいましてもなかなかむずかしいことかもしれません。KDDの仕事というのは一つはそういう公共的な意味も含まれているわけでありますので、自国の問題についてはひとつせっかく御努力いただいて、広範な利用のいただけるように、他国のことにつきましても国際協力とか先ほどいろいろお話ございましたが、そういう点でより広範な利用のされるような方向で、ひとつ技術的な面について協力できることは国際協力等推進をいただきたいと思うんです。
 次は、話が変わりますが、国際放送のことについて、これもいつも話題になることだと思うのでありますが、放送施設については、国際放送のための放送施設というのはKDDの施設を利用しているわけでありますが、これのNHKとKDDの使用料のことがいつも問題になるわけですけれども、四月八日の電波タイムス紙で、社長は、この国際放送の問題について、放送なんというのは私のところの施設を使ってやっているわけですから、できるだけ改善をし、国の方にもいろいろそういうことを申し上げたい、こういうふうにおっしゃったと載っておるわけです。
 実際にお話を聞きますと、この収支の状況というのはちょっと差があるようなんで、当然、これはそれ相応に郵政省当局に申し上げることは申し上げなければならぬ、だろうと思うんですが、まず、この国際放送の収支状況についてちょっとお尋ねしたいと思います。
#126
○参考人(木村惇一君) 国際放送の収支状況について申し上げます。
 四十九年度におきましては、収入は三億八千万円、支出は十億八千万円でございます。支出の内容といたしましては、KDDは栃木県の八俣の送信所の全設備施設を提供しておりまして、その内容といたしましては、百キロワット八台、五十一キロワット二台、二十キロワット二台、計十二台を使用しており、空中線といたしましては四十九面がございます。そして当送信所におきまして所長以下六十三名の、要員が働いております。
 五十年度におきましては、収入は同じく三億八千万円で、支出は十億七千八百万円でございまして、五十一年度は、目下、作業中でございますが、推算ではございますが、見込みといたしまして五十一年度から収入はやや向上いたしまして四億七千五百万円、支出は物価の上昇等により若干上昇しまして十一億四千九百万円。
 以上でございます。
#127
○藤原房雄君 当初は社長さんのこの発言というのは、私どもいまの説明からしましてある程度の理解をするわけでありますけれども、郵政当局に対してはやはりこの点については申し上げて御理解をいただくように何かなさったんですか。
#128
○参考人(板野學君) ただいま先生がおっしゃいましたように、非常に国際放送、私ども実際の放送設備を備えてサービスを提供しておるわけでございまして、大変大切な業務でございますが、いままでこの収入に対して支出がかなり上回っておりまして、約六億円ぐらいの赤字ということになっております。
 こういう面につきましては、この実情等につきまして郵政御当局にもいろいろお話し申し上げまして、できるだけ赤字でないような方向で料金といいますか、受託料をひとつ値上げをしていただく、こういう面につきましても、いろいろ話しておりまして、当初、三カ年ぐらいのうちにだんだんこの格差を、赤字の差を縮めていく、こういうような御了解も得ておる次第でございます。
 ただし、NHKさんの方もなかなかこの収支状況も大変苦しい際でございまするので、私どもの方といたしましても、できるだけやっぱり経費の節減すべき点は節減に努めまするし、また、実際問題等につきましては、郵政御当局のいろいろなお骨折り、仲介等によりまして、NHKとの話をいたしまして、そうして赤字幅をだんだん縮めて少なくしていく、こういう方向でただいま御了解を得つつある、こういうことでございます。
 以上でございます。
#129
○藤原房雄君 NHKの問題につきましては、国際放送費の問題については、いつも委員会で問題になっておりまして、郵政省としましても適正な交付金というものをひとつなすべきであるという附帯決議もついて、今日までいろいろな論議もされてきたわけです。
 しかし、現在、約六億ですか、KDDについてはいまお話がありましたように、大体六億から七億、こういう差を生じておるわけですけれども、去年のNHKの受信料の値上げのときも、こういう問題の改善が急務ではないかということで相当議論があって、国としてもそれ相応の、われわれから見ると不満足でありますけれども、配慮をしたかに見えるわけであります。ただし、NHKの場合は自分のところの放送もある程度あるわけですが、KDDの場合は認可料金ということで、そのままの施設をそのまま使用するということになるわけですから、現在KDDとしては経営が決して苦しい状態でないということで、ある程度泣いてもらうということになるのかもしれませんけれども、しかし、こういう交付金というものの性格というものを明確にいたしませんと、これがやはり経営が悪化したときに初めてそれが大きな問題になって、何とかしなきゃならぬということではならぬので、NHKはもう現在も大変なんですけれども、幸いKDDはそういう点ではいままあこのぐらいのことについては声を大にして叫ばないのかもしれない。
 しかし、国としては、やっぱり適正な交付金の交付ということ、算定とまた交付ということについては十分な配慮をすべきだという、このように私どもは厳しく見なきゃならぬと思うんですけれども、郵政当局は、どうお考えになっていらっしゃいますか、ちょっと大臣からもお伺いしたいと思うのですけれども。
#130
○政府委員(松井清武君) ただいま先生御指摘のとおり、国際放送用の無線設備の料金収支につきましては、収支相償う合理的な料金の設定が望まれるわけでございます。郵政省といたしましても、こういった面につきましては、国際電電等からつとにその事情を聴取しているところでございます。したがいまして、最近におきましても、昭和五十一年、昭和五十二年にそれぞれ料金の改定をしてきたわけでございますが、なお、現段階におきましても収支率二〇〇%を上回るというような状況でございまして、その改善が求められているところでございます。
 先ほど板野社長からの説明にもございましたが、現在、国際電電におきましても、この面についての合理化に配慮するということで努めておるところでございますが、まだ、今日まで、これらのサービスの提供につきまして国際電電とNHKの間における料金設定についての基本的な協定というものがなされてございません。現在、そういう面について両者において話し合いが持たれておるということを聞いておるわけでございまして、合理的な協定のもとに適切な合理的な料金が設定されるように、今後ともに指導してまいりたいと、かように思っております。
#131
○長田裕二君 ただいまの藤原委員の御質問に関連して、お答えを願いたいと思うんですけれども、国際放送につきましては、国からNHKに差し上げる経費につきましてもNHK側も相半持ち出しになっている。これは放送内容を充実させるとかそういうことも関連しているわけですが、そのNHKから国際電電に支払う額が所要額の半ばにも満たないということ、まことに私は実はうっかりしておりまして、今日までそれほどの事態であるとは知りませんでした。
 国際電電側の方で非常に赤字が出るということになった事情、国際放送をやる初めのころから、NHKとの関係では収入と支出がそういう逆ざやになっていたのか、あるいはまた送信所全体の運営の中で、初めのころは一般の通信も扱っていたのか。太平洋ケーブルあるいは日本海ケーブルあるいは宇宙衛星、そういうようなものに短波通信がだんだん移行していったことに関連して、その結果、国際放送の占める比重が高くなる、割り掛け分がずっと多くなった結果、赤字になったものなのか。あるいはまた、いまのそこの送信所で短波の送信というものがほとんどなされていなくて、まるまるかかってくるようなことになったのか、そこらの事情を少しお答え願えればと思いますが。
#132
○参考人(鶴岡寛君) まず、第一点のお尋ねでございますが、これは決して当初からKDDが赤字をひっかぶってよろしいと、それでいこうといったようなものではございません。やはりもちろん利益というものはないにしろ、もう赤字にはならないということで出発をいたしております。
 それで、いま手元に資料がありませんのではっきりした数字がちょっとわかりかねるんでございますが、それから、実は、人件費が上がり物件費が上がり、日本の経済のインフレ傾向において諸掛かり費が上がったわけでございます。それである時期に赤字段階になりましたが、その際に値上げ要求等をいたしました。たしか記憶によりますと、不正確かもしれませんが、一回程度価上げをしてくれました。しかし、それ以降、本来ならば毎年毎年人件費、物件費が上がりますので、値上げを要求し、向こうがそれに応ずべきでございましたが、御承知のように、NHK自体が経営が苦しいというようなことを理由にして、なかなかその値上げに応じてくれないという点があったわけでございます。また、これは会社といたしましても、いろんな席へ持ち込んでこれを徹底的に追及するという姿勢にやや欠けたかもしれませんが、そういう点はあったかもしれませんが、そういうことで経過をいたしまして、現在のような収支率二〇〇%というような現状に至っております。
 それから、現在の送信所はもうすっかり現段階においてはまる抱えでございます。初めから国際放送の専用のところでございまして、現在も全く国際放送だけをやっておると、ほかの仕事は全然やっていないと……
#133
○長田裕二君 当初から。
#134
○参考人(鶴岡寛君) 実は、この送信所では、国際放送を主として行うほか、一般の曲用無線電話の送信も行っておりましたが、昭和四十七年三月からは、完全に国際放送のみの送信所になっております。
#135
○藤原房雄君 要するに、大臣、五十年度で見ますと、NHKは国際放送費として支出が九億五千万、国からの交付金が三億四千万、差し引き六億一千万の負担。KDDの支出は十億八千万で、収入としてNHKから三億八千万、差し引き七億という、こういう負担。だからNHKとKDDと合わせると十三億ですね。国際放送の持つ意味というのはいろいろ論じられておりますから、くどくど申し上げませんけれども、こういう国際放送をするために概算こんな負担がされておる。
 NHKは独自の放送というものも一部あるかもしれません。しかし、KDDも施設を提供するというわけでこれだけの負担がある。現在まだKDDについては経営がそう悪化しておるわけじゃないからあれですけれども、やっぱりこういうものは早目にきちっとした原則というものを、非常に経済の変動のあった、そしてまた今日まで決して何の対策も講じないできたとは私は申し上げませんけれども、やはりこういうことについてはいつまでも疑義を持たれるようなことをせずに、ひとつ処置を明確にすべきだと私は思うんです。大臣の見解をお伺いしたいと思うんですが。
#136
○国務大臣(小宮山重四郎君) 国際放送だけで相当の方が働いて、かつ、その上大変国際電電の方で赤字を……予算上から見ましてもNHKが二千億に及ぶ大きな規模の予算であり、かつ法律上においては政府は海外放送を命ずることができるということで相当の援助をいたしております。そういうようなことで、今後、郵政省自身、この海外放送については附帯決議の問題等もございますので、私自身も予算の上では大いに考えていきたいと思いますけれども、このような問題もやはり両者で十分話し、かつNHK自身もどうすべきかというような問題、相当数の人数が働いておる、国際放送だけをやっておるということになりますと、私どのぐらいか知りませんけれども、少なくとも六十人ぐらいは働いているんであろうと思います。そういうことから考えますと、これは大変な問題であります。そういうようなことで改善の方向に努力するよう指導したいと思っております。
#137
○山中郁子君 昨年の十月七日のKDDの審議に当たりまして、私は、ごく一部の時間を割きまして職業病、頸肩腕症候群の問題についてお尋ねをいたしましたが、きょうは、この機会にこの問題について基本的な点を詰めてみたいと思います。
 その点をお含みいただきまして、初めに、社長にお尋ねいたしますが、KDDとして事業経営するに当たっての人の問題、働く人々に対する基本的な姿勢をお聞かせいただきたいと思います。
#138
○参考人(板野學君) 先ほど今年度の事業計画に当たりましてどういう点に重点を置いたかと、こういう御質問が他の先生からございましたので、そのときにお答えをいたしましたように、私ども事業の経営に当たりましては、何というても従事員というものが非常に大切でございまするので、従事員の資質の向上、能率の向上、そういうものを十分考えると同時に、また、従事員が安心して、そして気持ちよくそこで働けるような環境、こういうものをつくり上げる、こういうことにひとつ私ども重点を置いて考えていきたい、こういうぐあいに申し上げた次第でございまするが、ただいま先生の御質問がございましたように、私どもは大変従事員というものが非常に大切でございますので、十分その点を考えて重点的にやっておる、こういうぐあいにお答えをいたしたいと思います。
#139
○山中郁子君 そうしますと、頸肩腕症候群の職業病の問題に関しては、いまおっしゃったことに基づいて、職員がそうした病気にならないように、あるいはなった場合にも十分な回復のための措置を会社としてもとる、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
#140
○参考人(板野學君) ただいまおっしゃいましたように、私どもといたしましても、こういうような病気といいますか、そういう面につきましてもその原因等も十分各方面に尋ねまして、また、そういう病気が起こりました際におきましては、十分にまたその手当てをいたすと同時に、これが起こらないようないろんな予防措置等もひとつ私どもも十分に検討を加えてやりたい、また、やっていくつもりでございます。
#141
○山中郁子君 私は、この問題につきましては、いま社長が言われたような基本的な姿勢を本当にKDDがしっかり踏まえた上で誠意を持って対処されるならば、ほとんど解決のつく問題だというふうに思っております。それで、事実、いままでにそうした努力をされて解決を見た部分もなしとはしません。しかし、やはり現状はかなり問題があります。
 そのことについてきょうただしたいと思いますが、初めに、きょうは、私は問題をはっきりさせる意味で、これを電話交換手の問題にしぼりたいと思います。
 電話交換手は、KDDの場合、ほとんど東京電話局に集中しているというふうに私は判断しておりますが、そういう観点からお答えをいただければよろしいわけですが、東京電話局で頸腕にかかって一昨年、五十年の十月に八名の人々が、そして昨年、五十一年の六月に三名の人々が業務上疾病ということで中央労基署で認定をされていると思いますけれども、このことの確認と、それからその後の患者の発生状況についてお知らせいただきたい。
#142
○参考人(井上洋一君) お答え申し上げます。
 昭和五十一年度におきまして、頸肩腕症候群の症状を訴えました者、東京国際電話局で、一年でございますが、二十八名ございます。これは東京だけでございますが、大阪はいまございません。これらに対しまして早期診断、早期治療の方針に基づいて措置を講じております。しかし、そのうち二十名が二週間ないし二カ月程度で治りまして、現在八名が引き続き罹患中でございます。なお、いま申し上げました労災関係の者は、引き続き労災の措置をとっております。
 以上の状況です。
#143
○山中郁子君 昨日、私、会社の方にお尋ねいたしましたら、現在、頸肩腕症候群の特別措置を適用されている者が東京電報で九名、東京電話で九名、大阪電話で五名というふうに御説明いただいたんですけれども、そうすると、これは違っているわけでしょうか。いま現実に正確に特別措置を適用されている、つまり頸腕として会社が認めている人々は何人になりますか。いまのお話だと、きのう御説明いただいた数とちょっと違うので、そこをまずはっきり認識しておきたいと思います。
#144
○参考人(井上洋一君) 数字を少しはっきり申し上げますと、東京電報局一名、東京電話局九名、大阪電報局五名、合計して十五名がこの頸腕にかかっております。このほかに労災認定になった者、これが東京電話で十一名、大阪電報で四名、合計十五名でございます。したがいまして労災認定とこの二つを合わせますと三十名になります。
 以上でございますが、数字が違いますでしょうか。
#145
○山中郁子君 わかりました。大阪電話というふうにお聞きしていたので食い違いがあるなと思いましたけれども、大阪電報なわけですね。
 そうしますと、東京電話に関して言いますと、昨年と一昨年に十一名の人々が労基署でもって業務上の疾病に認定されていて、そのほかに九名の人々が特別措置の適用を受けているということになると思いますが、それでよろしいですか。つまり、東京電話に関しては二十名、業務上認定されている人といない人を含めて。
#146
○参考人(井上洋一君) そうでございます。
#147
○山中郁子君 それで、そうしますと、頸腕の診断を受けていながら業務上の認定をされていない人が、つまり労災適用になっていない人が九名いるということになるわけですけれども、それはどうして認定されていないんですか。業務上疾病という判断になっていないのですか、会社の方で。
#148
○参考人(井上洋一君) お答え申し上げますが、東京電話の先ほど申しました十一名、これはもうすでに労災認定になっておりまして、そのほかのお方でございますが、これはまだ労働基準局の方から本人の方に通知がないのではないかと思います。
 なお、私どもの方では、症状がこういう症状であるという訴えをいただきますと、私どもの方の診療所でもって産業医の方でそれを診断いたしまして、その後、さらに委員会の審査を経まして、その症状によりまして、これまでございます特別対策の適用の中に入れまして、労災がなくても特別対策の適用としまして十分の手当てをすることにしております。
#149
○山中郁子君 この問題は私ちょっと後回しにして質問いたしますけれども、いまここで一つだけお尋ねしたいんですけれども、そうするとKDDでは労基署に提訴をしなければ労災という扱いをしないということですか、とにかく大前提として。
#150
○参考人(井上洋一君) お答え申し上げます。
 法律上そういうふうになっておりまして、そういうふうに扱っております。
#151
○山中郁子君 じゃ、それはまた後ほどお尋ねいたします、後回しにして。
 昨年の委員会で、私がこの問題について質問したことに対して検討を約束された点が幾つかございますが、その後の経過を伺いたいと思います。
 一つは連続着座時間の問題なんですけれども、私は昨年の委員会で連続着座時間一時間とすべきではないかということで申し上げました。これは労働省の通達によってもキャッシャーやキーパンチャーなどの連続作業時間一時間ということの通達が出ておりますし、電電公社もそうしたことではっきりさせておりますので、そのように申し上げたわけですけれども、そのとき井上参考人がそういう方向で検討しておると、こういうお話でございましたので、その後、どう改善されているのかということについてお答えいただきたい。
#152
○参考人(井上洋一君) ただいま先生おっしゃいましたとおりでございまして、昨年以来、検討を続けてきております。
 電話交換作業におきます連続君臨時間につきまして、疲労、健康、こういうふうな面は先生のお話のございました環境事項も検討の中に入れまして、私どもとしましては、会社といたしましては前向きの方向で検討してまいったんでございますが、一回当たりの休息時間の長さあるいは休息の回数あるいはその間隔、こういうようなものも関係がございまして、一回当たりの休息を長くしますと連続着座時間、これも長くなる。あるいはまた連続着座時間を短くすれば休息時間も短くしなくちゃならない、こういうふうな関係にありますので、相互に関係してまいりまして、それぞれにつきまして検討してまいりましたが、現在は、これらの意見をまとめる段階に入りまして組合と折衝をしておりますが、その関係におきましては、現在は、たとえば日勤時間にとりましては全部で八十分ございまして、二十五分、二十五分、三十分というような休息時間をとっております上から、どうしても一時間を若干超え、あるいは一時間半という連続就座時間になっております。これらにつきまして、いま申しましたような問題がございますので、組合と目下協議中でございます。
#153
○山中郁子君 労働省の方お見えになっていただいていると思いますが、このキャッシャーやキーパンチャーに関して一時間ということで通達が出たのはいつなのか、そしてどういう趣旨であるか、お聞かせいただきたい。
#154
○説明員(溝辺秀郎君) 昭和三十九年の九月二十二日付で、都道府県の労働基準局長に対しまして本省基準局長からキーパンチャーの作業管理についてという通達を出しております。この通達は、中央労働基準審議会の答申に基づくものでございまして、いま先生から御質問がございました作業時間、それから一連続せん孔作業時間、休憩時間、平均生産タッチ数、あるいは作業環境等の管理に関しましては騒音、照明、室温、作業室の広さ、休憩施設、作業姿勢あるいは健康診断等について答申がございまして、この答申に基づきまして、指導基準として各都道府県の基準局長に対して指示をしたところでございます。
#155
○山中郁子君 労働省に重ねてお尋ねしたいんですけれども、キーパンチャーですが、これが電話交換手の場合にも法律でどうこうということでなくて、内容的には、当然、交換手の場合でも当てはまるものであるというふうに考えられるのかどうか、そこをお尋ねいたします。
#156
○説明員(溝辺秀郎君) 労災認定の面から申しますと、労災の認定は作業姿勢あるいは手指の過度の使用等によって認定を行っておりますけれども、電話の交換業務がキーパンチャー作業に類似している部分がございますので、現在、認定の分野につきましては、これを準用して処理をしてきております。
#157
○山中郁子君 KDDにお尋ねするんですけれども、電電公社の場合は、中央協約で一時間ということを結んでいます。それからさらに頸腕の患者については、三十分を最高着席時間とするということを支部段階で結んでいるところもあります。具体的に申し上げると、たしかこれは福島県だと思います。会津若松や郡山でかなり頸腕が出て問題になっておりますが、そういうところでは患者については三十分を最高着席時間とする。いま労働省の御見解もありました。この通達はすでに三十九年に出ているわけです。
 私は、KDDが先ほど板野社長がおっしゃったことに基づいて、本当に真剣になって重要な問題の一つとして労働者の健康のことを考えるならば、早急にこの一時間連続着座時間というものを実現すべきだというふうに考えますけれども、労働組合からもそうした要求が出ているというお話でございました。この点については検討しているとおっしゃるけれども、昨年の十月のときにも検討をするとおっしゃって、もう半年過ぎているわけですが、まだ相変らず検討するという御答弁では私はいただけませんので、この辺は、もし必要ならばぜひ先ほどおっしゃった社長の見解に基づいて、社長からお約束をいただきたいところでございます。
#158
○参考人(板野學君) 私ども、ただいま先生のおっしゃいました御趣旨に沿いまして、組合との間の交渉といいますか、話し合いをさらに強力に進めまして、できる限りひとつ基準法の定めておりまする方向で、できるだけ早く処置をやりたい、こういうぐあいに考えます。
#159
○山中郁子君 また次の国会で質問したときに検討しているということのないように、これはそのときにはすでに解決がついたということを期待いたしまして、ぜひともお約束を果たしていただきたいと思います。
 このKDDで頸腕症候群の患者が多発したことの問題と関連しまして、昨年の九月二十八日から二十九日まで中央労基署の臨検があって、そして指導表が出され、これに対してKDDが回答をされているというふうに伺っておりますが、この内容について初めにKDDからお聞かせをいただきたいと思います。どういう指導内容であって、どういう処理をなすって、どういう回答をされたのか、大まかで結構ですけれど。
#160
○参考人(井上洋一君) 申し上げます。
 臨検を受けましたところは、東京……
#161
○山中郁子君 東京電話関係だけでいいです。
#162
○参考人(井上洋一君) 東京露語関係だけ申し上げます。
 東京電話関係につきましては、環境の設備と資金衛生及び定期健診、これらに関しましてでございます。
 環境の設備につきましては、事務室の照明とか、あるいは照明につきまして機能の劣化、照度の低下、そういう点につきまして点検を六カ月に一回定期的に行っていない、こういうふうに言われたわけでございます。これにつきましては、私どもの方は定期的に点検の実施はやっておるんでございますが、その期間が必ずしも六カ月ごとではなかったということ、これは正確に六カ月か、この辺はいろいろ社内事情がございまして六カ月を真ん中に前後しております。それから定期的には行っておりましたのでございますが、問題のないときには、これについて記録をとっていなかったというようなことでございます。したがって記録のないものはやってないんじゃないか、こういうふうなことでおしかりを受けたわけでございます。これにつきましては、事務的な問題でございますので、記録を整備することにいたしました。これらにつきましていろいろ点検を受けまして、実際の照度をはかっていただいたのでありますが、これらにつきましては作業に差し支えるということはなかったようでございます。しかし、記録その他の専務的な問題が十分でなかったということで、これを改善することにいたしました。
 次に、安全衛生につきまして御指摘を受けたわけでございます。これは労働者を雇い入れるときには所定事項の安全衛生教育を行うということになっておりますが、これを行っていないじゃないか。その教育につきましては、作業の手順とか、あるいは当該業務に関しての危険発生の問題とか、あるいは疾病の問題とか、さらにはそれの予防の問題とかそういうこと、あるいは職場における清潔整とんの問題、こういう問題につきまして特に教育をするということでございます。これにつきましては、新入職員の関係につきまして、私どもは徹底して安全教育を実施しておるのでございますが、これもその実施方法あるいは関係職員についてのやり方が必ずしも両一でないということから御指摘を受けました。これは従来にも増しまして、御指摘によりまして安全衛生教育の資料を十分整備して実施することにいたしました。
#163
○山中郁子君 もう少しスピードを上げてください。
#164
○参考人(井上洋一君) なお、応急措置につきましても、教育をすることに指示を受けまして、実施しております。
 次に、もう一つは、短期健診でございますが、この定期健診につきましては、常時使用する労働者に対する定期健康診断について、特に聴力の検査についての項目で健康診断が行われていないという、こういうふうな御指摘を受けました。これにつきましては、聴力の検査の実施は実際やっておるんでございますが、これは異状のないときにはやはり記録をこれまでとどめなかったようでございます。したがいまして、これにつきましても同じような事務上の問題でございますので、甲速記録をとどめて、異状のないときには異状なしという事情を書き込む。
 さらにまた御指摘がございました点は、深夜作業に従事する労働者に対しては、定期健康診断を六カ月に一回少なくとも行うということが定められておりますが、これを行っていないじゃないか、こういうふうな御指摘でございました。これにつきましては、私どもの方は、社内のいろいろな事情で、あるときは五カ月半日あるときは六カ月半と、ちょっと期日が半月ばかり狂ってまいっております。こういう事情でこういう御指摘を受けたのでございますが、今後は、六カ月ということに合わせまして実施する。さらに実施した場合に、先ほどと同じように、実施状況につきまして、診断結果に異状のないときには興状なしという記録を行うということを実施するということにしました。
 以上の点でございます。
#165
○山中郁子君 そのほかに安全衛生管理体制の整備を図る問題とか、空調問題とか、作業場の床の清掃についてとか、年次有給休暇の付与に関しなどということについて指摘があったんじゃないですか。項目的で結構ですから、おっしゃってください。
#166
○参考人(井上洋一君) 失礼いたしました。御指摘のありましたとおりでございまして、ちょっと項目を申し上げます。
 そのほか、ただいま御指摘のありました安全衛生委員会を少なくとも月一回開催するということでございます。
 次に、産業医のことにつきまして御指摘を受けまして、これにつきましては、法律が変わりまして、兼務をせずに、一事業所について五十人以上のところに一名ということを守るということを言われました。特に、これは東京の電報、電話、回線統制局、三局が一緒になっておりましたので、これを三局別々の藤業医を依頼するということにいたしました。
 次に、テレックス業務を行う職場につきましての騒音でございます。これにつきましても七十五ホンを超えないように配慮する、こういうふうな御指摘を受けました。これはこのようなことで実施して、現在、測定していただいたときには、最高七十四ホン、最低六十ホンでございましたが、これにつきましては、今後、テレックスが自動化していきますので、ホンはさらに落ちることと思いますが、なお一層、この騒音には気をつけることにいたしております。
 以上の点でございます。
#167
○山中郁子君 労働省にお尋ねしたいんですけれども、中央労基署で指導表を出した内容をいまKDD側から御説明いただいたんですけれども、それで間違いがないかどうかということと、それに対してKDD側の回答は労働省の指導に対応するものであったのかどうか、そこの見解をお尋ねいたします。
#168
○説明員(倉橋義定君) 中央労働基準監督署が五十一年九月二十八日、二十九日におきまして国際電電に対しまして監督した結果、是正を求め、かつ改善を指導いたした内容の概要につきましては、ただいま国際電電の方からお答えがあったとおりでございます。
#169
○山中郁子君 もう一つお尋ねしたいのは、回答が労働省の指導に見合ったものであるのかどうか。つまり労働省としては満足すべきものであったのかどうかということをお尋ねいたします。
#170
○説明員(倉橋義定君) いわゆる安全衛生法関係及び労働基準法関係につきましては、適正な是正を図っていただいております。
 なお、指導事項の内容につきましては、これはもっぱら行政指導の内容でございまして、今後とも、電電におきまして検討されるべき内容かと思います。より詳細に監督機関がその改善の内容につきまして云々すべき筋合いではないと思っております。
#171
○山中郁子君 そうしますと、先ほど井上さんからお話がありましたけれども、たとえば笈全衛生委員会などが定期的に開かれていなかったとか、そうしたことについての対応の御報告があったのですけれども、幾つかのこうした問題、かなり基本的に労働安全衛生法にもとるから指導があったわけなんですけれども、私は、中小企業だとたまたまそういうことがよくありますけれども、KDDでこうしたことが、近代的な職場の最先端をいくというふうにみずからも認めていらっしゃるその企業で、しかも職業病と言われる頸腕症候群が多発をして労基署認定が行われるというふうな事態のもとで、こうしたかなりの部分についての指摘を受けなければならないということは、やはり労働者の健康という問題について、安全衛生という問題について会社側の姿勢にかなり大きなやはり緩みなり手抜かりなりがあったというふうに言わざるを得ないというふうに思っておりますけれども、その点は、社長、いかがでしょうか。
#172
○参考人(板野學君) ただいま先生がら御指摘ありましたように、また労働基準監督署の方からも御指摘がありましたような点、これは私どもまことにどうも遺憾だと思います。そういう点につきましては、私ども、また心をひとつ新たにいたしまして、十分その意に沿い得るように早急にひとつ対策を講じていきたい、いかねばならない、このように考えております。
#173
○山中郁子君 具体的なことを一つ、二つお尋ねしたいのですけれども、私がさきに伺った中に、いま井上さんからも御答弁あったのですけれども、労働者の定期健康診断ということが言われていますけれども、どういう方向でもって今後改善されるという、そういう見通し、計画をお持ちなのか、そこをお伺いいたします。
#174
○参考人(井上洋一君) お答えいたします。
 健康診断につきましては、これまで兼務しておりました産業医をそれぞれ、先ほど申しましたように、電話局におきましても選定いたします。これは診療所長でございます。特に問題が大きいものでございますから、重要なことになりますので、診療所長を指定たしております。そして診療所長、産業医による職場の巡視並びに各管理者は組合員のその訴えをよく聞いて、すぐ診療所の方に行かして診察を受けさせる。こういうふうな実際的な方法を直ちにまず行ってみるということから出発をしております。
 なお、これらにつきまして、特に副局長を運用部門の管理者に充てまして、それにつきましての業務上疾病並びに衛生関係の事故あるいは健康診断、こういうふうなものにつきまして、計画的にそごのないように実施できるような対策をとることといたしております。
#175
○山中郁子君 この労働安全衛生法で言われる産業医が診療所長であるというお話でしたけれども、この労働安全衛生法の規則の十四条の二項に「産業医は、前項各号に掲げる事項について、」――前項というのは、健康診断の実施だとか衛生教育だとか、そういうことが挙げられているわけですけれども、その「事項について、事業者又は総括安全衛生管理者に対して勧告し、又は衛生管理者に対して指導し、若しくは助言することができる。」と、こうなっておりますけれども、いままで産業医から何らかの勧告を受けたことがおありですか。
#176
○参考人(井上洋一君) ただいまのことにつきまして、特に産業医の方から、私どもの方では勧告を次のような点について受けております。
 罹災者が早期治癒するために、とにかく社内で、特に電話運用部門の中で協力体制をとること。これは特に管理者を指定してやるように、こういうふうなものが一点でございます。
 次は、作業の転換が迅速簡単にできるような体制。これは交換から交換以外のところに迅速に転換ができるということを指摘されております。
 次に、三つ目は、新しい交換機の文字盤の角度、文字の明かるさ、こういうふうなものを適切に自分で調節できるように、しかもまた自分自身が、各人が調節するということを進めるということが言われております。
 次に、二週間以上の病休をとった人、こういうような人に対しまして就業を行うときには必ず受診することを徹底する。
 なお、このほかにも、先ほど申し上げました環境衛生に関係しまして、交換室の温度調節、空調、こういう点について勧告も出ております。
 以上でございます。
#177
○山中郁子君 じゃ、まず、この勧告はいつ出されたのか。それからもう一つ、この勧告に対してどのように対処をしてこられたのか、その三点をお尋ねいたします。
#178
○参考人(井上洋一君) 申し上げます。
 まことに申しわけありませんが、日にちを確実に申すことができませんので恐縮でございますが、事務当局の記憶では、昨年の後半のようでございます。
#179
○山中郁子君 処理の経過。
#180
○参考人(井上洋一君) ただいま申しました勧告につきまして、その都度、若干の注釈をつけ加えましたが、協力体制につきましては、特に運用部門の副局長を中心に体制がとられております。
 次に、作業の転換、迅速簡単ということでございますが、これはその指定を受けましたときには、交換に適しない場合には、できるだけ早く交換以外の部門に変えることに現在庶務部門で実施しております。
 さらに、新しい交換機の文字盤につきましてのことにつきましては、すでに調節可能に設定されました。
 さらに、二週間以上長期病休をとった者の受診につきましても、社内の徹底を図っております。
 以上のとおりでございますが、環境衛生につきましては、温度調節その他につきましては従来からもやっておりますが、厳重に実施することで、すべて勧告は実施しております。
#181
○山中郁子君 昨年の後半だというお話でした。私は、ちょっと率直に申し上げますけれども、産業医というのは、一体、どういう役割りを果たさなくちゃいけないのかということについて、この労働安全衛生法でも明確になっているとおり、働く者の健康を守るということが大前提なわけです。それにもかかわらず、この頸腕の問題が出てきたのはもう大分前ですよね。それは会社も御存じだと思います。これは単に国際電電でたまたま出てきたという問題じゃなくて、いま大変大きな社会問題になっているわけです。その社会問題になってからもかなり年数がたっているわけです。それにもかかわらず、産業医がいて、そしてたくさんの人々がそこで診断を受けて、そして、そうした頸腕症状に苦しめられているにもかかわらず、まさに労基署に提訴するとか、国会で問題になるとか、そういうことがなければ産業医からもそうした勧告が出されていないということは、一体、どういうことが原因だとお思いになりますか。
 当然のことながら、昨年の段階でもうすでに労基署に提訴して、長い間すったもんだして業務上認定という認定が出ているわけですね。そうすると、その人が罹病して自覚症状を訴えて、そのことを会社が把握するに至った時期というのはもっと何年も前のはずなんです、事実そうです。その間に産業医から何もそのことについて勧告がされてないということについて、会社としてどういうふうにお考えですか、私は大変それは解せないことだと思うんですけれども。
#182
○参考人(井上洋一君) お答え申し上げます。
 産業医でございます診療所長の方は熱心にこの問題に取り組みまして、この勧告は正式の勧告でございますが、勧告以前にも問題につきましては毎月記録をとって、その経過を報告されております。特別対策適用者及び労災認定者、さらには治癒者、こういう経過をたどり、その入社年度及び発生時期、こういうことにつきまして慎重に分析がなされております。しかし、いまもってこの種の頸腕症候群というものがどういう原因によるものか、これがまだはっきりつかめない状態にございます。したがって、そういう状態にございますので、それの問題と絡みまして非常に取り扱いがむずかしくなっております。
#183
○山中郁子君 どういう理由によるものかわからないというのは、何ですか、純医学的におっしゃっているんですか、それとも何が原因かわからないと、こういうふうにおっしゃっているんですか。
#184
○参考人(井上洋一君) 申しわけございませんが、ただいま申し上げましたのは産業医の方のことでございますので、医学的な事情でございます。
#185
○山中郁子君 私は率直に社長にお願いをいたしますし、問題も申し上げたいと思うんですけれども、産業医というのは、ともすれば経営者側の意向を受けた形で、そして労働者の健康を守るという立場に立ち切れないという経過があるというふうに、私自身の電電公社で働いていた経験から警戒をしております。そういう面があります。それでこの罹病者の方たちや、また国際電電の東京電話局で働く交換手の方たちからも、事実、そういう意味の訴えがあります。私はいまここで産業医のお医者さんのことについてとやかくは言いたくはありませんけれども、少なくともそういう誤解を受けたり、実際上何年も前から頸腕で苦しんでいる人たちがいるにもかかわらず、産業医がそうした責任持った勧告を会社側にしないという状態自身は、私は放置されるべきではないと思っておりますけれども、その点についての社長の見解をお伺いしたいと思います。
#186
○参考人(板野學君) 私ども、こういう問題が起こりましてもう大分たつと思いますけれども、この診療関係につきましては、もちろんその内容も充実いたしまして、また事務的方面ですけれども、お医者さんが、産業医といいますか、それが働きやすいような事務的補助の方も強化をいたしまして、課も増設いたしたわけでございます。
 また、医学的な見地等につきましては、私ども、これは同じようにやはり電電公社等にもそういう患者さんがおられるということでございまするので、十分そことも連絡をとりながら、そういう問題点というものを早くはっきりさせまして、そして対策を立てる、こういうふうに私どもはよく話しておったわけでございまするが、ただいま先生御指摘がございましたように、このような事柄さえまだ勧告をしなかったじゃないか、こういう点につきましても、私ども十分によく反省をいたしまして、できるだけ横との連絡も十分とり、そしてそういうような的確なひとつ指示が行われるように、私どもといたしましても格段に気をつけていきたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
#187
○山中郁子君 いま井上さんから、産業医の見解として、理由がはっきりしないというお話がありましたけれども、私は理由がはっきりしているからこそ、しているからこそ、労基署でもそれを認定したと理解をしています。
 ところで、一昨年と昨年に認定された場合の認定理由、これをちょっと明らかにしていただきたいと思うんですけれども。
#188
○参考人(井上洋一君) 申し上げます。
 労働基準監督署の方では、本人に通知をいたしまして、私どもの方に通知を出してきておりません。したがいまして、その正確な内容につきましては、正式には私どもの方は了知しておりません。しかし、これにつきまして、それではいけないので、私どもはその本人にいろいろ事情を聞きまして、さらにはこちらから労働基準監督署にも赴いてその事情を聞いてはおります。
 その事情によりますと、国際電電の現状の労働職場というものは非常にいいと言われております。非常にいいんでありますが、ただいま申しましたような御指摘は事務的な指摘が大部分でございますが、さらに、その後、予防改善措置をとって非常によくなっておる、こういうふうに受けております。しかし、行政上の措置として業務に起因するという説明を私どもは受けてまいっておりますので、以上申しましたような点から、本当の医学的な点については非常にむずかしいということで理解しております。
 以上でございます。
#189
○山中郁子君 それでは労働省からお聞かせください。
 二つのケースがございまして、先ほど申し上げましたとおりです。主要な認定の理由ですね。
#190
○説明員(溝辺秀郎君) 五十年の十一月二十二日と五十一年の六月十二日に、それぞれ八人、三人の業務上の認定を行っておりますけれども、この認定事由の内容の詳細につきましては、私ども、現時点、本省としてはつかまえておりません。しかしながら、認定事由としては、現在、業務上認定につきましては、労災補償の認定基準を本省で策定いたしまして、この認定基準に該当するものについて業務上の認定を行わしめておりますので、大要、恐らくはキーパンチャーと頸肩腕症候群の認定基準の各項目に該当しているということでの認定であろうと考えます。
 概略申し上げますと、電話交換手等のように主として手指を過度に使用する作業を行う業務にございましては、上肢を一定の位置にほぼ持続的に保持するような業務に相当期間継続して従事しているということが一つの要件でございますし……。
#191
○山中郁子君 そうしますと、それはいわゆる労働省のキーパンチャーなんかの認定基準をお話しいただくことになると思うので、それだったらわかっておりますから、結構でございます。
 で、後でよろしいんですけれども、この具体的な例ですね、一昨年と昨年の国際電電の交換手について認定した認定理由、これをお聞かせいただきたいと思います。
 それで、この基準については会社の方も御存じだというふうに思いますけれども、いずれにしても、そういう理由によりまして業務上の疾病だということが労基署によって認定されたわけです。ですから、私は、あらゆる面で積極的にやはりその罹病者の立場に立って会社が療養に努めさせて、そして回復を図るということをやっていただくはずで、それはそういうふうに質問すると、そうやってます、誠心誠意やっていますと、こういうふうにおっしゃるんですけれども、それがなかなかされていないということを私は問題にしているわけで、そこのところはぜひ即刻解決を図っていただきたいと思うんです。
 まず、こうした頸腕職業病が発生してくる理由に、その認定基準にもありますように、さまざまな要件がありますが、その中に輪番勤務による肉体的な負担という問題もいままでの経過からいっても入っているわけです。今度の認定の理由の中にも私は入っているというふうに聞いておりますけれでも、これはまた後ほど労働省から確認をいたしますが、やはり交換手がこういう形で病気になるということの大きな理由に、深夜勤務をするという問題があります。
 これは、最近、衆議院の社会労働委員会でも、革新共同の田中美智子議員が世界的な趨勢も踏まえて、労働大臣にその夜間労働の問題について提起をいたしまして、そして夜間労働の問題については確かに過車労働になって、フランスのある学者の調査によると、もう夜間労働をしていると十年寿命が縮まる、こういうふうな統計も出されているということが論議をされております。その中で、石田労働大臣は、その点について早急に調査もし改善も図りたい、こういう答弁をされておりますけれども、私は、少なくとも労働基準法では女子に禁ぜられている深夜労働が適用除外で電話交換手の場合には行われているという事態を踏まえて、深夜労働についての特別の配慮、これはやはり何らかの形であらゆる手段を尽くして行われなければいけないというふうに思っております。
 それでその一つですけれども、仮眠時間が余りにも国際電電の場合には短過ぎると私は思います。それで患者の方たちが六時間の仮眠時間を要求されていますけれども、これは私は当然のことだと思いますが、深夜勤務の際の仮眠時間を延長するおつもりがないかどうか、ぜひともそれは延長を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#192
○参考人(井上洋一君) 申し上げます。
 お説のとおり、深夜労働あるいは夜間労働、これは大変な労働でございます。しかし、私ども、国際通信を預かっておりますところは時差がございまして、こちらが昼ならば向こうが夜、向こうが昼ならばこちらが夜ということで、どうしても四六時中働かなくちゃならないサービスになっております。ここを克服するために、夜間労働につきましては、これまでも十分な配慮をいたしまして、ただいま先生が時間は短いとおっしゃいましたけれども、そのほか休息時間を十分考えたり、各種考えてまいりました。しかし、これ以上時間を延ばすということになりますと、仕事をやりに来ているのか、休みに来ているのか、この辺が非常に今度は労働者の勤労意欲、あるいはサービスに奉仕するという、こういう考えからほど遠くなります。
 したがいまして、私どものところでは、今後考える道といたしまして、できるだけこの時間を仮眠ではなく本当に睡眠のできるようなことで回復ができるようにしたい。それはちょうど日勤の労働者が寝るときには、日勤の労働者は時間中は一生懸命働いて夜は寝る、こういうことでございます。したがいまして、こういう働き方を夜中にやっても、ある短い時間を一生懸命働いて、それからもう勤務から外されて十分寝る、こういうふうな形にする。
 たとえば、十一時あるいは十二時というのは、ちょっと夜の十二時に出てくるのは大変でございますが、十一時あるいは十二時過ぎに出てまいりまして朝の七時、八時まで働きますが、これまではこの時間が夕方の五時に出勤して十六時間勤務でございます。これをできるだけ勤務を短くして、八時間程度の勤務にいたしまして、そして勤務中では休息だけでございますが、本音に睡眠する時間、本当に回復できるようにする時間としまして全然勤務から外して寝るようにする、こういうふうな新しい勤務を取り入れて、労働者の労働条件の向上、こういうふうなことをただいま考えて、組合とも折衝し、組合も大部分これを受け入れて、この方向で十分な睡眠がとれるような方向を考えていこう、こういうふうになっております。
 以上でございます。
#193
○山中郁子君 電話交換手、婦人労働者の場合にも、それをおやりになるというお話ですか。夜中の十二時ごろ出勤させるのですか。
#194
○参考人(井上洋一君) ただいまのことでございますが、最初の試みは、いま先生から申されましたように、女子では大変でございますので、まず男子につきましてそういう出勤について考える。しかし、これが事情がうまくいくならば、その勤務につきまして早い時間に来て早く帰れるような、たとえば往復につきまして私どもの方で特別の自動車を仕立てるとか、こういうふうなことを考えます。ある範囲内では可能なことも考えられます。そういうことから、そういう方法も今後検討していこう、こういうことで目下検討しております。
#195
○山中郁子君 私はKDDが労働組合とどういう交渉をなすっているかということについては何も申し上げません。それはそれで別な問題です。
 だけれども、指摘をしておきますけれども、それはまさに三交代勤務のことでしょう、三交代勤務がいかに非人間的な勤務であるかということはいま大きな問題になっているのですよ。まさに逆行するものじゃないですか。私は、先ほどから言っているように、深夜の仕事というのがいかに大変かということを労働大臣も認めて、そしてそれについても調査もするし改善も図ろう、こう言っているときに、深夜労働をぴっちりやらせるという、そういうことをKDDが指向しているというのは、とんでもない話だと思います。特に婦人労働者に対してなどということは、それはまさに時代の流れに逆行するものではないですか、私はそれは重大な問題だと思います。
 ただし、いま参考人が労働組合と協定を結びつつあるというお話ですから、その点について私はとやかく言うつもりは毛頭ございませんが、だけれど一般的にはそういうことであるし、だからこそ仮眠という形で十六応問勤務をやってきているのです。その仮眠時間が余りにも少ないから、これを延ばしてほしい。これは電電公社の実情もぜひお調べいただきたいと思います。私はここで電電公社がどのくらいかということを細かく申し上げるつもりはありませんけれども、同様の仕事の内容である電電公社の仮眠がどのくらいの実態になっているのか、この辺のことはぜひお調べをいただいて、少なくとも労働著の希望を、さらに頸腕をこれ以上出さないという先ほどからのお話があなた方の本当に心底からの表明ならば、その点については、ぜひ心して検討していただきたい。このことについて私は社長に見解を伺っておきたいと思います。
#196
○参考人(板野學君) ただいま先生おっしゃいましたように、女子が深夜勤務をするということは元来適当ではないというようなことはすでに前から論ぜられておることでございまして、電話の夜間勤務につきましては、特別の事情でそういうことが法律上認められておるということでございます。しかし、元来、そうでございますので、私どもといたしましては、こういうような深夜の勤務というものはなるべく男性に置きかえていく、こういうことで、すでに二、三年前からそういう方向で徐々にはやっておりまするけれども、これを直ちに大きく変えていくということはやはり相当の年月がかかる。しかし、これはできるだけ早くそういう方向で私どもは進みたい。しかし、これも私どもの組合との話し合いによってこれを行なわないというと、これは労働者、従事員の配置転換というような面に影響がございますので、そういうことを私どもは組合と真剣にひとつ今後詰めていきたい。
 それから、ただいま特に婦人の職員につきましてもいろいろ体躯上の問題もございますので、仮眠というのは、実は、深夜間に休息をする一態様として、その時間は仕事がないんだから寝るんですよというようなことで仮眠という言葉が使われたと思いまするけれども、その深夜間における休息をどうしたらいいかということにつきましても、ただいまの基本的な趣旨の線に沿いまして、いろいろ組合との間に私どもも早急に話し合いを進めていきたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
#197
○山中郁子君 お間違いないようにしていただきたいのは、深夜労働というのはそもそも人間にとっては不自然なものなんです。人間のあり方からいって不自然な形になっていますから、同じ時間を深夜で働いたりあるいは昼まで働いたりして同じだというふうなことはよもやお考えになってないと思いますけれども丁男性だから深夜労働してもいいんだなんていうふうに私も毛頭申し上げているわけじゃありません。
 少なくとも深夜労働のこの負担が人間の体を破壊するということは世界的にも学問的にもはっきりされている問題で、国会でももう議論になっている問題なんだから、KDDとしては前進的な立場でもって解決を図っていくようにされたいと、具体的には罹病者の方たちから仮眠時間をふやしてほしいと、こういう要望も出ているわけですから、深夜労働の基本的な考え方、それから罹病者の人たちの回復を図る、こういう観点からも積極的に取り組んで検討していただきたい、こういうことが私の趣旨でございます。その点は社長もお理解いただいているというふうに思いますが、何かありましたら。
#198
○参考人(板野學君) よく私どもわかっておりますので、組合との間もひとつ早急にこういう点につきまして交渉を進めていきたい、こういうぐあいに考えでおります。
#199
○山中郁子君 深夜労働者の問題で、もう一つぜひともこれは善処していただきたいことがあるんですけれども、労働者の中から、深夜勤務、つまり宿直・宿明け勤務になると、生理休暇がほとんどと言っていいほどとれない、こういう苦情があるんです。
 これは私は現実に自分の経験からもよくわかるんですけれども、深夜勤務ほど生理休暇をとらなきやならないということは、また逆に非常に強い要求でもあるし、生理的にもそうなるわけですけれども、きのう会社側に伺いましたらば、三月中の生理休暇の取得状況が、東京電話局の場合に、深夜の場合には四百七十一名が勤務して、泊まり明けでとっている人がたった三人しかいないというんですね。それでそのほか生休をとっている者、つまり昼間とっている人は七百二十九名の勤務者中四百四十五人、六一%が生休をとっている、こういう数字をお教えいただいたんですけれども、これは余りにも違いがあり過ぎますね。ほとんどもう泊まり明けの勤務だと生理休暇をとっていないという事態になっているわけですけれども、これは一体どういうところから出てくることでしょうか、どのように判断していらっしゃいますか。
#200
○参考人(井上洋一君) 申し上げます。
 ただいま先生から御指摘のありました数字につきまして、宿直勤務につきましては、これは三月全部の調査でございますが、宿直・宿明け勤務の者四百七十一名が三月中勤務したわけです。その他の勤務をやった者が七百二十九名おります。これにつきまして、その四百七十一名の宿明け勤務のうち、ただいまお話がありました三名、それからその他の勤務では四百四十五名、これが生休をとっております。こういう事情でございますが、電話局全般の状況を調べますと、宿直・宿明け勤務とその他勤務とどちらにとるのが多いかといいますと、大体、宿直・宿明け勤務の方に一三%、それからその他の方に八七%、こういうふうにとっております。
 この理由は非常にむずかしいんでありますが、私どもの方でその行動から調べてみますと、宿直・宿明けで非常に疲れておるはずでございますが、それからみんな集まってレクリエーションに行くとか、こういうふうなことで、何か宿直・宿明け勤務というのはみんなが集まりやすい勤務のようでございます。宿明け勤務をしまして、そして今度は本当にその勤務から解放されて帰るというときには、そろって帰れるということから、わりと宿直・宿明けの勤務には皆出勤してまいるようでございます。それから日勤勤務、こういうことにつきましては、だれかが出てくれるとか、あるいはこの日勤といいますのは常日勤勤務者もおりますので、わりとそういう休暇がとりやすい、こういう面もありまして、そこに集まっている、これが従来の慣習と申しますか、こういうふうなことになっております。これはよくわかりませんが、作業上の職場の連帯意識というものじゃなかろうかと思っております。
#201
○山中郁子君 全然違うんですよ、それは。私はちょっともう少しまじめに考えて実態をよく見てほしいと思うんです。
 現実に新入社員が入ってくると、宿直・宿明けでは絶対に生理休暇をとるなという、おたく教育をしているんですよ。それから、現実に宿直の場合に一人といえども予備の余裕がないんですよ、だから交換手はとれないんです。夜休むと、結局、その分はほかの人の負担になるんですよ、そういう実態なんです。そういうことが現実にこういう結果としてあらわれてきて、本当は深夜勤務こそ生理休暇をとらなければならない、頸腕症候群の問題から言っても、ごくしぼって職業病の問題から言ったってそうでなければいけないのに、現実にはまるっきり反対な形になって深夜勤務だと全くとれないと、こういう状態になっているんです。
 ですから、私がここで最低お約束をしていただきたいと思うのは、宿直・宿明けだから生理休暇はとるなということではなしに、宿直・宿明けであろうと生理休暇を要求すれば、これはもちろん付与するものであると、このお約束をまず最低してください。細かい御説明は要りません。そんな愚にもつかないことをって考えていらっしゃるとしたら大間違いですよ。
#202
○参考人(井上洋一君) ただいま先生の御指摘のように考えてまいりたいと思いますが、教育につきましては、私どもとしましては、とるなという教育はいまのところ業務上さしておりません。したがいまして、そういうことがございましたら、さらに注意をしていきたいと存じます。
#203
○山中郁子君 これはこの前の委員会で指摘をした問題で、こんなのは私はもう本当につまらない問題だからすぐにも改善されたんだと思っておりましたけれども、まだ改善されていないので、あえてもう一度ここで申し上げて、何とか今度は確実に改善をしていただきたいと思います。それは保養所の利用の問題です。
 健康保険組合の保養所、結局、これは職員の人たちが掛けた掛金によってつくられているものでしょう。だから国際電電の社員が使う場合には、たとえば千二百円とかあるいは安い値段でこれが使えるわけです。これを頸腕にかかっている人たちに健康管理者であるからという理由でこの使用をさせていないという実態が一向に改善されていないんです。私はこれは大変不公正もはなはだしい事態だというふうに思います。
 それで箱根だとか鎌倉だとか千曲川だとか六甲だとか、大変いい保養所がつくられているというお話ですけれども、しかも、それは普通の旅館に泊まれば五千円、一万円て取られるようなところで千二百円とか千三百円とかという、そういうお金で泊まれるという、社員としての自分たちの権利ですね。これが頸腕に罹病ていて、したがって健康管理にかかっているから使えないなんというのはもってのほかだと思いますので、この点については即刻改善をされるようにお約束をいただきたいと思います。電電公社だってこんなことしていませんよ、みんな公平に使えます。
#204
○参考人(井上洋一君) お答え申し上げます。
 前回の委員会におきまして、そのように回答をいたしましたのでございますが、実は、健康管理者は私どもとしましては出張をさせていないのであります。これは電電公社におきましても出張させていないのだろうと思います。
 並びに健康管理につきましてはA級とB級とございまして、特にA級結核関係、結核外のB級、こういう者につきましても、その事情が非常に軽い者、と申しましても産業医の指示によりましてそれによって実施する。出張もできないような状態の者がそういうところへ行くということは、この療養につきまして問題があるんじゃなかろうか、こういうことが考えられますので、私どもとしましては、そういう点からやはり医者の指示による、これが一番いいんじゃなかろうかと、いま考えております。
#205
○山中郁子君 現実には、医者がそうしたものを許可しないとか、そういう問題があって、八時間のフル勤務をしている、健康管理でも八時間のフル勤務をしているケースありますでしょう。あるいは五時間の軽減勤務をしている。実際に毎日込んだ電車に乗って、そして往復して働いているんです。そして、いま頸肩腕症候群については、温泉療法だとか、その他いろいろな運動をするとかレクリエーションに行くとか、そういうことが療法の回復の一つの有効な手段だということで、これはもう常識的になっているのですよ。
 で、私は改めて伺いますけれどもね、KDDの保養所を利用する場合には、職員とその家族が利用できるわけでございましょう。で、そうしましたら、その職員がもし頸腕でKDDに働いていたら、健康管理として、フル勤務はするけれども時間外はできないとか、あるいは五時間の制限勤務を受ける、そういうようなケースだって十分あり得るわけじゃありませんか。そのほかに、KDDに働いていたら頸腕でなくても何らかの疾病によって健康管理を受けるというふうになる場合があり得ますね。だけれども、家族だったら、そんなもののチェックも何にもなくて、安いお金でKDDの保養所を使えて、肝心の職員が現にKDDで働いていてそれが使えないなんて、そんなばかな話はないでしょう。前近代的もはなはだしいと思いますけれども、これは何としたって即刻解決していただかないと、私はこんな不公正な問題はないと思います。社長、いかがですか、こんなばかな話ありますか。
#206
○参考人(井上洋一君) 先生の非常にむずかしい問題でございますが……
#207
○山中郁子君 むずかしくなんかないわよ。
#208
○参考人(井上洋一君) 私どもの方で、実は、そのかかっている御本人のことに十分気をつけなくちゃならないと、そういう御本人がもしもそういうふうに出張できる、あるいはまた……
#209
○山中郁子君 出張と違うのですよ、保養ですよ。
#210
○参考人(井上洋一君) そういう通勤ができ、また八時間勤務も十分できるということなら、これは再度受診をしてもらいまして、その関係を解除してもらう、そういうふうなもとで十分な形で考えていく。なお、リハビリテーションとかそういうことにつきましては、これはまた別でございまして、先生の御指示によりましてやる、こういうふうなことでいま考えております。
#211
○山中郁子君 あなた、それじゃ頚腕の回復のための療法として何があるか言ってみてくださいよ。ハイキングに行ったり水泳に行くんだっていいんですよ。学問的にだって医学的にだってそれはオーソライズされているのですよ、そういうことは。知らないのですか。
 私が言いたいのは、だから私は一番最初社長に確かめたのです。これは意地悪しているだけじゃないですか。そうでしょう、もし家族にそういう症状の人がいたって会社は黙って行かせているわけでしょう、千二百円という安いあれで保養所を使わせているんでしょう。それなのに現実に会社へ来て働いている人が職業病に罹病してさんざん苦しんで、回復のために努力をして働きながらやっている人に何で保養所を使わせないんですか。医学的にも療法的にもこれは有効であるということははっきりしているのですよ。そんなことはだから一切やめてください。それでなければ、あなたが一生懸命職員のために、健康を保持するために誠心誠意やっていますなんて言ったって、そんなのは一〇〇%うそだということになるじゃないですか。
#212
○参考人(板野學君) 頸肩腕の症状にかかられたこういう人たちの健康を回復するということが大変私は必要だと思いますので、そういうことが、そういうことがというのは、ただいま先生がおっしゃいましたように、保養所を使うとか、あるいはハイキングするとかということがこの病気の回復に非常に役立つということにつきまして、もしこれがKDDの方でそれがだめだということは、私はこれはもういけないことだというように思いますので、十分その点を私ども調べまして、治療上効果のある方法につきましては、積極的にひとつ会社からもこれをやっていくということにぜひ私もやらせるようにいたしたいと思いますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
#213
○山中郁子君 私は、治療上いいとか悪いとかということもまたそれで、だから産業医との問題で初めに申し上げたんですけれども、簡単に言いますけれども、医者が意地悪したらどうなるんですか。医者が会社の意を体して、そしてあなたは治療上こういうことはよくないということになったらどうなるんですか。そういうことじゃないの。
 実際問題として、保養所を使うのは職員の権利でしょう。そのために自分たちがお金を出しているんですよ。そして本当に健康が悪かったらそれは保養所を使いません、行きませんよ。外出だってできないで寝ているでしょう。そうじゃなくて、現実に八時間働いているのよ、あるいは五時間働いているのよ。そういう人たちが箱根ぐらいへ出かけて保養所を使えないなんという病状でないことぐらいはっきりしているじゃないですか。そして温泉につかって、いい空気を吸って、ストレスを解消して、それが本当に頸腕の回復のために必要なんだということはもう医学的にはっきりしているんだから、だからいま会社が何らかの抵抗をしてこの人たちにこういうものを使わせないというのは、意地悪している以外の何物でもないんです。電電公社はそんなこと全然していませんよ、いま。だれだって無条件で、希望すれば、そして場所があいてさえいれば、そこへ行かれるわけですよ。保養所というものはそういうものです。どこだってそうですよ。こんなことしているところはどこにもないですよ。そんなことを、だから大KDDが大きな顔をして言わないでください、そのことを私は申し上げます。
 もう一つ、ついでだから申し上げますけれども、おたくはハイキング補助費というのを出していらっしゃる。それに対しても頸腕の患者には全然出してないんです。一年に一人四千円のハイキング補助費というものを出していらっしゃるのにもかかわらず、頸腕の人たちが療養の一環としてももちろんハイキングにも行くでしょう、そういうものについてこの人たちにはお金を一銭も出さないんです。まさにこれは差別であると同時に、患者をいじめて、よけい体を悪くさせるという、それだけの話じゃないですか。
#214
○参考人(井上洋一君) 先生のお話を承りまして今後も考えてまいりますが、私どもの方は、先ほどからも何度も申し上げておりますけれども、決してその患者に意地悪をしているとかいうことではございませんで、その点だけはひとつ御理解いただきたいと思います。
 私どもとしましては、そういうふうな本当の意味の健康の立場に立って、ただいまおっしゃいましたようなことで、ハイキングの費用につきましても、あるいはまたレクリエーションにつきましても、細心の注意を払いまして職員の健康のために一心にやっております。なお、健康である人の立場からしましても、そういうお方に対しまして非常に気の毒に思って、いつでもそういう人に早く休めるように、また勤務がかわれるように、こういうことでお互い同士細心の注意を払っております。こういうような温かい職場でございますので、いまのようなことは決して実情ではございませんで、私どもとしましても一心に早く治癒してお治りいただくことを念願しておるわけでございます。そういう面から、さらに十分に御指摘の点は検討させていただきます。
#215
○山中郁子君 そらぞらしいこと言わないでください。私は、御理解くださいとおっしゃるけれども、絶対理解はできません。もし直ちにこの保養所に対する不公正な扱い、あるいはハイキングの補助費などに対する不公正な扱いをおたくが直ちにおやめになるならば、その時点で理解をいたします。それはぜひとも即刻解決をしていただくように、社長からお約束をいただきたいと思います。
#216
○参考人(板野學君) ただいま先生がおっしゃった点につきましては、私ども十分に考慮いたしまして、そういう方向で処理いたしたいと思います。
#217
○山中郁子君 初めにちょっと触れました問題ですけれども、特別措置を受けて結局頸腕だというふうに会社も認定した人々に対して、労基署に申請をしなければ業務上災害として認めるということにならないというお話がありまして、法律に基づくというお話でしたけれども、どういう法律に基づいてそうなるんでしょうか、簡単にお答えいただきたいと思います。−じゃ時間がかかるようですから、労働省にお尋ねいたします。
 私は、就業規則に基づいて労働災害が発生したら、当然のことながら、それを会社が労災として申請をする、こういう扱いになると思います。それで、もちろん形式的には本人が書面か何かを出すということになりましょうけれども、これが頸腕の場合には別な扱いがあり得るということは私はないと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
#218
○説明員(溝辺秀郎君) 職業性の疾病等、業務上と思われる災害が起こりまして場合には、所轄の労働基準監督署の方に死傷病報告というものを出すことになっております。で、労災の請求につきましては、これの請求は請求権者、すなわちこの場合は労働者ですから、労働者が請求行為を起こすことになります。事業主は、この請求書の中にございます所要の事項について証明をするという立場にございますので、労働者の請求行為が行われなければ、なければといいますか、使用者がこの請求行為を起こすものではございません。
#219
○山中郁子君 それでは、労基署に申請を出すとか、いわゆる提訴をしなければ認められないということではなくて、当然、ほかの災害も同じです、作業中に何かけがをしたとか、そういうことも同じで、KDDとしては、当然のことながら、作業中にけがをすれば、会社側が積極的に労働者にそうした業務上災害の手続もとらせるし、まあ労働者にとらせるというより、むしろ会社側でやるわけですよね、そういうことを。頸腕の問題についても同じように扱うべきであって、違う扱いをするという根拠はないということがいま労働省からも確認されましたけれども、現実に、現在業務上認定をされていないけれども特別措置の対象になっている頸腕患者がいるわけですから、その人々について会社側が積極的に業務上災害としての手続をする指導なり配慮なり、そうした姿勢を打ち出すべきではないでしょうか。そのことについての見解を伺います。
#220
○参考人(井上洋一君) 業務上災害につきましては、組合との間に協定を結んでおります。したがいまして、それに基づきまして処理することにしておりますが、頸腕につきましては、さらに頸腕の相互協約がございます、確認事項がございます。したがいまして、この二つによりまして処理することにいたしております。
#221
○山中郁子君 そうしますと、本人が労災申請をすれば、当然のことながら、積極的にそれを業務上災害として認定を行うという関係になりますか。
#222
○参考人(井上洋一君) そのとおりでございます。
#223
○山中郁子君 では最後に、私は、この職業病の問題とも絡みまして、KDDにおける任用上の差別の問題について、問題提起にとどめますが、申し上げておきたいと思います。
 実は、KDDの東京国際電話局に働いていらっしゃる七名の方から、労働組合に対して任用問題についての要望書というのが出されています。そしてこの人たちの要望書が労働組合に出されて、労働組合としてぜひ解決を図ってほしいという要求で、私のところにもこの陳情がございました。それできょうは時間がありませんので問題だけ申し上げておいて、基本的な見解だけを伺っておきたいと思います。
 その要望書のごく一部を申し上げます。「私たちは、いずれもKDD発足以前に入社しましたので勤続二十四年以上、あと一、二年で三十年に達する者もおります。今日まで、一度も昇格の扱いを受けることなく、いわゆる平社員のまま据置かれております。勿論、その理由について個人的に全く心当るところもなく、又会社からも説明されておりません。」そして特に私は考えていただきたいのは、こういう人たちが長いこと働いて、そしてもう同期の友人がすべて上司になり、さらに最近では自分の娘の年齢の主任や主任代理のもとで働くという非常に精神的な苦痛も受けている。長い間交換台に入って交換をしていますから、結局、頸腕になる確率も非常に高くて、この七名のうち六人が交換をやっておられましたけれども、このうち四名の方が頸腕にかかっていらっしゃる、こういう状態です。
 それで、私は念のため会社にお尋ねいたしましたけれども、まあ一般職員、つまり平社員ですね、彼女たちが言う。平社員の平均年齢は東京国際電話局で二十三・九歳です。そして平均勤続年数は三年九カ月です。それがいまの国際電話局の実態です。それにもかかわらず、いまこのように労働組合に要望を出していられる方たちの平均年齢は四十六・七歳、そして勤続は二十六・七年です。こういう異常なことがどうして起きるのか。
 私は端的に申し上げます。労働組合の役員をしたり、活動家として働いてきたり、そしてまた共産党員だと言われたり、共産党の支持者だと言われて、それ以外に差別をされる理由は何ら心当たりはない。そのことが、結局、陰に陽にあなた方がこの人たちを昇格させない理由にしてさまざまな言動でもって示している、こういう実態があるんです。余りにも露骨じゃないですか。平均年齢二十三・九歳です。それをこの人たちの平均年齢は四十六・七歳なんですよ。自分の娘に当たるような人に指導されるような、そういう状態になっている。語学だって昔で言えばちゃんとした上級の語学をとって、いまは級がないらしいですけれども、そういうことで優秀な交換手として働いてきた人たちです。どうしてこういうむごいことをするんですか、どうしてこういう根拠のない差別をするんですか。私はこの問題は徹底的に究明していきます。だけれども、まず、いま実態を申し上げましたが、なぜこうなっているのかということと、その理由がなければ直ちにこれは是正をする、そういうことの見解があればお伺いしておきたいと思います。
#224
○参考人(井上洋一君) 申し上げます。
 電話局におきます御指摘の状態は、こちらからの資料でおわかりと存じますが、実は、私どもの方としまして、御指摘のようによくできるお方、これにつきましては、将来会社の指導者になっていただくということで、いまおっしゃいましたような年齢のところで現場指導者となっていただいております。いまお話しになりました八名のお方につきましては、それぞれ長い間健康管理あるいは特別勤務――特別勤務と申しますのは半分の勤務、四時間の勤務でございます。また健康管理と申しますと、それぞれ時間短縮でございます。そういうことでございますので、そういうお方が一般の人と同じような健康な状態にお治りになった時期におきまして、それぞれ能力があることでございますと想像しますので、その時点におきまして、それぞれの指導者になっていただくようなことを考えていきたいと思っております。
#225
○参考人(板野學君) ただいま井上参考人から説明いたしましたように、私どもは、その人の能力、それからその人の働きというようなことも十分考えながら、公平なる人事、それをやっていきたい、こういうぐあいに思いますので、この点につきましては、私ども、そういう申請がございましたその件につきましては、十分調査をいたしまして、今後、対処していきたい、こういうように考えております。
#226
○山中郁子君 差別をしたから病気になったんです。それはもう確かにそのとおりなんです。何十年も長いこと、十年も二十年も長いこと交換台に置いて働かせていたら病気になるでしょう。だから、いま井上さんがおっしゃったことについては、私は、たくさん究明しなきゃいけないことがあります。だけれども、もう時間がありませんから、私は、この点については徹底的に解明して明らかにしていただきます、そして善処をしていただく、こういうことを申し上げて、質問を終わります。
#227
○木島則夫君 私は、KDDの人事の問題について、非常に基本的なことをお尋ねをいたします。時間の制約がございますから簡潔にお答えをいただきたいと思います。
 KDDが情報化社会の中に存在をする意義、また、その役割りについては、民間会社の形はとっておりますけれど、その特殊性にかんがみ、ただ単に利益が上がって経営が安定をすればいいというんじゃなくって、国家的な要請という問題とも不可分でございます。したがって五十二年度の事業策定計画についての論議も、揺れ動く国際情勢の中でいかにしてその方向性を見定めて、経営の安定化を図るかという点に結びついていかなければならないと思うわけでございます。そして、その中身は、懸命に情報化社会を支える職員であり、従業員です。もちろん幹部の方を含めたそういった職員の皆さんであることはもちろんでございます。
 ところで、五十年の六月の三日、逓信委員会で、板野社長が人事についてこう言われております。これは議事録からの抜粋でございます。昭和二十八年に新しい特別な法律のもとにKDDが誕生をした。首脳陣は旧逓信省、郵政省、電電公社の人がなる。ある意味ではやむを得ないことかもしれませんが、会社発足当時に入った人たちも中堅陣、大体、課長陣になっており、これらの方々はやがて会社の役員になり、首脳陣を占めていくことを期待をし、その養成、訓育に目下非常に努力をしている旨お述べになっております。
 板野社長、この方針に変わりはございませんか。
#228
○参考人(板野學君) ただいま先生がおっしゃいましたような方針で、私どもも極力努力をいたしているつもりでございます。
#229
○木島則夫君 五十年六月三日の委員会の発言中では、KDD発足当時に入社をされた人たちに首脳陣を占めていただくために、その養成、訓育に非常な努力をしているという点ですね、私は、ここに注目をしているんです。
 具体的に養成、訓育をどうやってやっていらっしゃるんですか。「非常に」とここでおっしゃっていますね、これは無意識的に出たのか、あるいは意識されて出たのか、私は意識をされておっしゃったんだろうと思います。いかがですか。
#230
○参考人(板野學君) 私ども、これからKDDの中堅陣となっていくようなそういう方たち、これはもうだれがだれかということではございませんで、一般的にそういう広いすそ野、そのすそ野を構成するようなそういう教育あるいは訓練というものは、先ほどもちょっと触れましたように、私ども研修所の拡充ということによってこれができると思います。また、それからいろいろ能力を見出していくという方法につきましても、いささかも欠くるところがあるといけないと、こういうぐあいに思いまして、私どもはことしから国際電気通信学園というものも発足させる。それから昨年お答えいたしましたその時点におきましては、私ども、必要なこの能力というものをさらに開発するための方法といたしまして、国内留学制度をとる、あるいは海外の留学制度をとるというような特別の措置もいたしましたし、また通信教育等も充実いたしましたし、また、そのような自分からも勉強し、自分からもその資質を伸ばしていこうという意欲を高めるような全般的なそういう空気を高めるような私ども施策をしてまいったわけでございます。
 そういう意味におきまして、これはもちろん二十八年当時、郵政省あるいは旧国際電気通信といいますか、そういうところから来た人たちも含めましての話でございまして、特にまた会社が発足した当時から入ったというそういう人たちにつきましてのお話をいたしたわけでございます。
#231
○木島則夫君 非常にお立場上大変慎重なお答えをちょうだいをしたんですけれど、NHKでも今度初めて内部から会長が誕生しているわけですね。そうしてなかなか評判がいいわけですよ。ですから、私は、KDDが発足をしてもう二十五年になりますか、やっぱり幹部に生え抜きの人たちがつくというのは、これはもう当然だと思います。きょうは細かい論議は私はいたしません。
 ところが、内部からは、いま社長がおっしゃったようなことはたてまえかもしれない、なるほどそうかもしれないけれど、実情は必ずしもそうではないし、人事の季節がやってくると、どうもやる気がなくなるようなうわさがどこからともなく聞こえてくる。つまり天下り人事によって大事な役職が占められるのではないかという声なんですね。これは私のところへも実際にあるんです。
 郵政省の人事というのは七月だと思いますね。私は、五十年六月三日の逓信委員会で、四十一年十月でやめられた前会長の後九年間空席になっていた会長のいすが埋められたことをきっかけにいたしまして、KDDの人事について伺ったわけでございます。
 その折、私が伺った趣旨は、変転きわまりない世界情勢の中で、KDDがその経営運営を期するためには人事はやっぱり幅広くやらなければならない、フレッシュでなければならない。そうでなければ、世界の激しい競争の中で、たとえ独占的な事業ではあっても対応できていかない。そういう意味で人事に停滞はないんだろうか、誤りがないんだろうか、さらに毎度ささやかれる郵政省などからの天下り人事をめぐって、職員にやる気をなくさせるような雰囲気があったならば、これを払拭をしてもらいたい、こういうことを当時の村上郵政大臣に私ははっきりと御要請を申し上げております。
 さらに、そのときの状況といたしまして、いわゆる官僚の天下りというものが、毎月千件を超える中小企業の倒産、百万を超える失業者、こういう状況の中で、余りにも優雅過ぎて、また余りにも親方日の丸的なありようではないだろうかということもはっきり御指摘を申し上げたことはもちろんでございます。そのとき、村上郵政大臣は、ここに議事録にはっきりおっしゃっていますね。「人事等については公平に、後でだれにも非難されないようなものを残していきたい」と思っている、こうはっきりお答えをされています。
 きょうは、ごく基本的な、本質的な問題の提示でございますので、小宮山郵政大臣にお伺いをいたします。やっぱり形は民間企業でございましても、その持っている使命、特殊性にかんがみまして、郵政大臣の監督というものが当然行われるわけでございます。いかがでしょうか、「人事等については公平に、後でだれにも非難されないようなものを残していきたい」こういう村上郵政大臣の御方針と全くお変わりはありませんでしょうか。
#232
○国務大臣(小宮山重四郎君) 大変マネージメントの問題になりますと、アメリカ式あるいは日本式、ヨーロッパ式と人事の問題相当ございます。アメリカですと、普通のよその社長、重役がぱっとGEの社長になったり、フォードの社長になった例がございます。これはマネージメントでございます。私も、官僚の中では、やはり民間の知恵というものを大いに入れていただきたいと思うし、NHKの人事というような問題についても、もっとパンチがなければいけないと私は思っております。
 で、原則論としては、村上郵政大臣がおっしゃった、公平でなければいけないことは事実だろうと思います。
#233
○木島則夫君 原則論としては、こういう御方針に変わりはないということで了解をしてよろしゅうございますね。
 で、KDDという事業体は、これは最も世界の情勢に敏感でなければならないと思いますね。そうした上に立っての適切な判断を勇気を持って進めていくためには、やっぱり若々しくなければいけない。これから国際データ通信の分野などでも大いに、何というか、オープンにして私は競争をしていかなければいけないと思うのです。郵政、電電あたりからの人を得ての人事も一般にこれは悪いとは言いません。そういう意味で、さっき原則としてというおっしゃり方を大臣がされたのだろうと思います。しかし、それが安易に退職後の生活保障の場になりましたりね、高い給料をもらっていながら、その仕事の内容というものは閑職的あるいは名誉職的なものならば、これはもう国民の指弾を受けるのは当然です。また、郵政、電電などからその真に人を得た人事は別といたしまして、それが安易なファミリーを形成して、激変をする世界情勢におくれをとらないよう、こういうふうに私は希望をいたします。
 原則論だけおっしゃっておりましたけれど、いかがですか、もうちょっと具体的にひとつお聞かせをいただきたい。
#234
○国務大臣(小宮山重四郎君) 日本の企業の中で大変クローズドなコミュニティーというか、クローズドで非常に最近硬直化してきた傾向があることもまた事実。私は、たとえば日本では最近話題になった松下電器の人事、非常にこう低成長経済の中でやはりまずマネージメントというものが主体で、どうあるのだ、そのマネージメントをやり得るかどうかということが一番重要なことであって、その会社自体の経営をどうするのだということがやはり一番重要なことで、そのいま先生が後段におっしゃいました老後保障的なことなどとこれは全然別個の問題であって、そういう意味で、私は、先ほど申し上げた原則論としては正しく公、平でなければいけない。
 ですから、非常に抽象的な論争ですけれども、やはりKDDに、郵政省という意味じゃないんですよ、よそから入ったそれが非常にKDDにパンチを与えて、その業績が伸び、かつ新しいアイデアが出て、従業員をエンカレッジさせるようなものであれば、私は外から入っても何ら差し支えがないであろうと思うし、下から上がっても、そういうものが出てこなけりゃそれは無意味であろうと思う。それはいままでの日本の会社の中での昇進方法というのはやはりところてん方式が非常に多いことも事実だろうと思うんです。それが日本の経済成長の中でいい作用をしている面も相当ございますし、大変一長一短であります。
 私は、人事というものは何としてもマネージメントが主体ではないか。しかし、それにただ単にその人を保障するために入れるんではない。そういう意味で公平でなけりゃならぬという非常に抽象論でございますけれども、私は、そういう意味でも、村上大臣が言った人事は公平でなければならないという考え方については、同感だと思います。
#235
○木島則夫君 細かい問題についてここで、たとえばそのうわさの主がだれであるとか、そのルートがどういうものであるとか、そんな細かいことは私はここじゃ申し上げない。そんなことはどうでもいいことなんです。
 要するに、一つの方針、マネージメントが一番大事だとおっしゃったことは私も全く同感です。ことにKDDというものがいま業績が非常にいいですよね、いいだけに私は将来をやはり心配をするんです。このままでいっちゃいけない、やっぱりこれから世界の荒波の中にKDDというものも立っていかなきゃだめです、これははっきり申し上げて。ことにデータ通信部門なんというのは大変な競争が今後行われるだろうと思いますね。いつまでも郵政省の庇護のもとに、待ってくれ、待ってくれなんと言っているような状況じゃない、現在。これからも私はそうだろうと思います。そうしたときに、いわゆるファミリー的な一家を形成をしながら門戸を閉ざしたり、そういうことがあっちゃならないし、いま大臣が具体的におっしゃった、いわゆる退職後の生活保障なんということはとんでもないとおっしゃった。私もまさにそのとおりだろうと思います。
 もう一回伺います。要するに、人事の季節が来ると、何かやる気をなくすような風聞が出てくる。そういう風聞だけでも私は払拭をするとおっしゃっていただきたいと思います。
#236
○国務大臣(小宮山重四郎君) 私、まだそんなこと何にも考えておりませんので、人事について、いま先生方に国会の法案を通していただくことで目いっぱいでございますので、そういうことはございませんので、村上大臣どおりやります。
 それからもう一つ、先ほどやっぱり山中先生のお話を聞いて、心理的な問題というのは非常に重要です、マネージメントの中で非常に重要なんです。そういう意味では天下りというのは大変問題になるのだろうと思います。ですから、私は、そういう意味でも、先ほどから申しましているように、マネージメント本体がどうなんだ、やっぱりそういう意欲を起こさせるマネージメントに持っていかなければいけないという考え方でございます。
 本当に人事については何も考えておりませんので、何とも申し上げられません。
#237
○木島則夫君 さっき私がちょっと申し上げたように、現在のこの業績というものは、非常に変転きわまりない状況の中で、やっぱり先行性を持ちまして指導性を持って職員が幹部と一体となって今日の業績をおつくりいただいたと思います。それはそれとして私は評価をいたします。現在の実績がりっぱであるだけにやっぱり将来に私は思いをはせまして、あえてこういう問題を御提言をしたわけでございます。
 板野社長から、私は、決意のほどを聞かしていただきたい。
#238
○参考人(板野學君) ただいま先生がおっしゃいましたように、これから本当に国際通信というものがそのような競争の時代に入らなきゃならぬ、また電気通信の技術自体がそういう方向に向かって開発されておる、こういうことを私どもは身にしみて考えておる次第でございまして、今日のこの業績というものは、もちろん、私ども、郵政省の御指導、あるいはいろいろな協力、あるいは私どもの会社の幹部、従事員が一体になってつくり上げたものでございまするので、私どもは、これは結局従事員の一体の原則、考え方から出てきたものでございまするので、その一体感がこれからも保持されるように、人事の面におきましても公正妥当を期して、これからの来るべき荒波を乗り越えて、そうしてますます国際通信の業績を私は上げていきたい、こういう決意でおる次第でございます。
#239
○木島則夫君 結構です。
#240
○委員長(神沢浄君) 本日の調査は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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