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1976/05/17 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第10号
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1976/05/17 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第10号

#1
第080回国会 逓信委員会 第10号
昭和五十二年五月十七日(火曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     中村 太郎君     川野辺 静君
 四月三十日
    辞任         補欠選任
     長田 裕二君     岩上 妙子君
 五月二日
    辞任         補欠選任
     岩上 妙子君     長田 裕二君
     藤原 房雄君     原田  立君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     原田  立君     藤原 房雄君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     最上  進君     内藤誉三郎君
     長田 裕二君     鳩山威一郎君
     藤原 房雄君     多田 省吾君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     多田 省吾君     藤原 房雄君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     鳩山威一郎君     長田 裕二君
     内藤誉三郎君     最上  進君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         神沢  浄君
    理 事
                長田 裕二君
                西村 尚治君
                最上  進君
                案納  勝君
    委 員
               久次米健太郎君
                迫水 久常君
                新谷寅三郎君
               茜ケ久保重光君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  佐藤 昭一君
       郵政省貯金局長  神山 文男君
       郵政省簡易保険
       局長       永末  浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       宍倉 宗夫君
       労働省労働基準
       局福祉課長    中岡 靖忠君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(神沢浄君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在、理事が二名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(神沢浄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に長田裕二君及び最上進君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(神沢浄君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山郵政大臣。
#5
○国務大臣(小宮山重四郎君) ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、郵便貯金の預金者の利益を増進し、あわせて貯蓄の増強に資するため、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額を引き上げるとともに、通常郵便貯金の利子の計算について改善を図ることとするものであります。
 まず、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額の引き上げについて申し上げます。
 現在、この総額制限額は、租税特別措置法に規定する財産形成貯蓄非課税限度額の五百万円の枠の中で、二百万円まで認められているものでありますが、郵便貯金を勤労者の財産形成にさらに寄与するものとするため、これを引き上げて四百五十万円とするものであります。
 次に、通常郵便貯金の利子の計算の改善について申し上げます。
 通常郵便貯金の利子の計算につきましては、従来から膨大な口座数について手作業による計算を行ってきました関係上、簡便な計算方法である月割り計算が採用されておりますが、貯金原簿事務の電子計算機処理化が進捗し、日割り計算への移行が可能な状況となってまいりましたので、この際、要求払い預金の原則である日割り計算に改めようとするものであります。
 なお、この改正法律案の施行期日は、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額の引き上げにつきましては、公布の日から、通常郵便貯金の利子の計算の改善につきましては、昭和五十三年四月一日からということにいたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 引き続きまして、簡易生命保険法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明さしていただきます。
 この法律案は、簡易生命保険の保険金の最高制限額の引き上げ等を行うとともに、定期保険の保険契約に疾病傷害特約を付することができるようにするほか、簡易生命保険契約の申し込みの撤回の制度を創設しようとするものであります。
 まず、保険金の最高制限額の引き上げ等について申し上げます。
 現在、保険金の最高制限額は、被保険者一人につき、定期保険及び特別養老保険につきましては八百万円、その他の保険につきましては五百万円に制限されておりますが、最近における社会経済情勢の推移を考慮いたしまして、国民の経済生活の安定を確保する制度としての機能を十分に発揮することができるよう、財形貯蓄保険に係る保険金の最高制限額を除き、その制限額を千万円に引き上げることとするものであります。同時に、財形貯蓄保険につきましては、この保険が勤労者財産形成貯蓄契約の対象となる貯蓄性の強い保険であること及び租税特別措置法による勤労者財産形成貯蓄契約の非課税措置を受けるものであることを考慮いたしまして、他の保険の最高制限額とは別枠とし、払い込み保険料総額が被保険者一人につき、その非課税限度額を超えてはならないものとしようとするものであります。
 次に、定期保険の保険契約に対する疾病傷害特約の付加について申し上げます。
 現在、定期保険の保険契約につきましては、疾病傷害特約を付することができないこととされておりますが、加入者に対する保障機能の充実を図るため、定期保険の保険契約についても疾病傷害特約を付することができるようにしようとするものであります。
 最後に、保険契約の申し込みの撤回について申し上げます。
 最近の社会経済情勢の推移にかんがみまして、簡易生命保険に加入しようとする者に対する保護を図るため、簡易生命保険約款の定めるところにより、その申し込みの撤回をすることができるようにしようとするものであります。
 なお、改正法律案の施行期日は、本年九月一日からといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#6
○委員長(神沢浄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○茜ケ久保重光君 郵便貯金法の質問に入る前に、郵便貯金の金利引き下げのことについて一言お聞きしたい、金利引き下げの問題について。
 その前に、いわゆる貯金というか預金というか、銀行の場合は預金と申しますね、大体。郵便局の場合には郵便貯金と大体言っているね。この定義とか何とかというそんなむずかしいことじゃなくて、銀行の場合預金と言って、郵便局の場合貯金と言う。私は字が違うだけじゃなくて、何かやっぱり意味というか内容というか、そういったものが違うんじゃないかと思うんですが、これについてはどういうふうな理解をされていますか。いわゆる銀行預金、郵便貯金ということの内容について、貯金局長、どういうように理解されていますか。
#8
○政府委員(神山文男君) 郵便貯金は、先生御承知のように、郵便貯金法に基づいて、目的、それから事業の基本的なことが決められておりまして、この郵便貯金法で言うところの貯金という言葉を私どもは使っているわけであります。
 郵便貯金と一般金融機関というか、民間金融機関の預金との性格の違いといいますか、どういうところにあるかということでございますが、貯蓄の手段としてのサービスの提供の面においては本質的には差異がないというふうに考えておりますが、実体上は相当いろいろの点で違いがあろうかと考えております。
 まず、郵便貯金は比較的少額の貯蓄になっております。これは最高制限額も設けられておりますか、簡易で確実な貯蓄手段を提供するということから、少額の大衆性の貯蓄性の貯金というのが大宗であるということ、それから個人性の色彩の強い貯蓄である。調査の結果も九九・二%が個人の貯蓄であるということで、一般の金融機関が過半を法人性の貯蓄で占めているのとは大きく違っておろうと思います。そういった点、少額、個人性の貯蓄というところに違いがあろうかと、こういうふうに考えております。
#9
○茜ケ久保重光君 大蔵省当局は来ているか。
 いま質問した銀行預金と郵便貯金の名前が違うだけじゃなくて、私は内容が違うんじゃないかと思うんですが、いま貯金局長はああいう答弁をしたが、おたくの方ではどういうふうにこれ理解しているの、銀行の預金と郵便貯金とどういうふうに違うんですか。
#10
○説明員(宍倉宗夫君) ただいま貯金局長が御答弁なされたとおりでございます。
#11
○茜ケ久保重光君 銀行預金というのは、とにかく相当多額の金を預けて、まあ利息もさることながら、それがやっぱしいろんな意味で次の段階というか、預金そのものじゃなくて、預金したものを適当に、経済情勢に応じて、適時引き出して次の利殖の用に供するために一時預けると言ったら言葉がかなり強いと思うんですが、郵便貯金の場合は、貯金局長も言われたように、非常に零細であるし、個人であるし、これはいわゆる貯金と言うんだから、これを適時に引き出してその金で他に利殖の道を講じるというような性格ではないと思うんですね。やはり一番安全と思われる国の機関に預けて、そしてまあ幾らかでもその金がふえていくことを期待する、いわゆる蓄える貯金だと思うんです。
 そうでありますと、その次の質問に関連するんですが、先般、郵政大臣は、いわゆる一般の銀行預金の利率の引き下げに応じて郵便貯金の利下げをされた。しかも電光石火、なかなか小宮山大臣、間髪を入れず、あっという間にやってしまったわけですね。郵政審議会があったようですが、これもどうも私どもの目から見ると形だけで、ほとんど郵政大臣の敷いたレールをそのまま突っ走った、そして結論を得たと、こういうふうに受け取られておるようであります、私自身そうであります。
 私がいま貯金と預金のことをお尋ねしたのは、いわゆる銀行預金というものは、先ほど言ったように、かなり特に個人よりも企業体が主でありまして、預金もするが、さらにその預金を一つの種にして多額の借り入れをする、そういうことでありますから、銀行預金の利率の引き下げは大衆にとってはそう問題はないと思うんでありますけれども、郵便貯金の利率の引き下げというものは、いま貯金局長が言われたように、九九・二%が個人である、少額である。そういうことでありますならば、何も私は一般金融機関と競合する面が少ないんでありますから、いわゆる大衆のそういう経済的な基盤を育成する意味において、一般金融機関に応じて利率を引き下げる必要はないんじゃないか、こういう気がしてなりません。また、大衆もそういう要望が非常に強い。にもかかわらず、大臣は、一般の金融機関に即応して、利率の差はありますが、先ほど指摘したように、電光石火引き下げをされた。これに対する私は郵政大臣の御所見をここでひとつお聞きしたいと思います。どういう根拠で――ただ単に、私は、一般金融機関が利率を引き下げるから郵便貯金も利率を引き下げなくちゃならぬという理由はないと思うんです。また、一般の貯金者もそう思っている。したがってひとつここでそれに対する大臣の御所見を承りたいと思います。
#12
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先生のおっしゃる意味、十分私もよくわかっております。それでございますから、私自身の就任当初からの物の考え方というのはどういうことかと言いますと、長期金利、特に公社債市場というものの動向というものが一番重要になる。二番目は、一般金融機関の利下げ等は必ずしも連動すべきではないという私自身の考え方がございます。
 で、御承知のとおり、三月の十二日の第一回の公定歩合引き下げのときには、大変ないろいろな議論を呼びましたし、特に新聞記者諸君などは、私が利下げをしないということに対しては大変信用をされなかった。どうもそのようなことで、特にNHKなどは、記者発表した次の日の朝、〇・二五%郵貯は引き下げるなんという誤報を出したくらいでございます。私は、そういう意味でも、三月の十二日の第一回の公定歩合〇・五%の引き下げということについては、全然やらなかった。ですから、全体の長期金利、特に国債とか住宅ローン、国民に直接のかかわり合いのあるものなどについての動向というものを見きわめ、そういう意味でも、四月四日の一般市中銀行の要求払いの〇・五%の引き下げについても、私自身、何ら郵政審議会にかけずにやってまいりました。しかし、もう先生大ベテランで御存じのように、郵便貯金法第十二条の二項の後段の方に、一般金融機関の利率に配意せなければならないという条項もございます。そういうような条項もございますけれど、第一回の公定歩合のときには、私は、やはり前段の、国民の利益を増進しということについての考え方をいたしました。
 しかし、四月の十九日に、第二回の公定歩合一%の引き下げがございました。私自身も、公定歩合の引き下げをいたしても、一般金融機関の金利が下がるだけで、あるいは長期金利がそのまま据え置かれるというような問題が残れば、私自身はしなかったであろうと思います。しかし、実際スケジュールが全部出てまいりまして、住宅ローン等のもの、国債についても、あるいはいろいろな信託関係についても、ほとんどの金利が下がることが明確になりましたので、私自身、四月の三十日に幹部会を開いて、五月の十日に郵政審議会を開いて今回の郵貯の金利の改定をいたしました。
 ただ、私自身、ここで非常に苦慮いたしましたのは、先ほど局長が申しましたように、零細な方々の貯金であるということでございます。また三十兆の問題もございますので、その分については、金利については手をつけない、これから新規の方々についてのみ行うということで、そういう結論を自分自身つけましたので、そういう形で郵政審議会に諮問申し上げたのでございまして、もちろん先生のおっしゃるように、金利などは下げない、金利を上げた方がよろしいのでありますけれど、私自身、経済全体から考えると、どうしてもそれは地方自治体に資金運用部資金から一回りしてくるというようなことから考えますと、全体の動きの動向を見きわめて、私自身の決断で郵政審議会にかけたとうのが実情でございますので、御了承いただきたいと思います。
#13
○茜ケ久保重光君 大蔵省当局は、いつも金利引き下げでやっぱり郵政当局に従前ずっと圧力をかけている。ぼくはやっぱりいまも大臣のおっしゃるように、郵政大臣としてはできるだけ下げたくないという気持ち、これはもう歴代あるようであります。これは何といっても、結論としては大蔵省がかなり圧迫をする、一般にそう思っている。今度も、大蔵省当局が一般の金利引き下げに関連して郵政当局にかなりそういった圧力――と言っちゃ語弊があるかもしらぬが、かなりそういうものがあったように巷間言われるのだが、その点いかがです。
#14
○説明員(宍倉宗夫君) 郵政当局とは大蔵省の銀行局の方でよく御相談をしてやっていることは間違いございませんけれども、先生おっしゃるような圧力といったようなものではございませんで、よくお互いに御相談をしていくというようなことだと思います。
#15
○茜ケ久保重光君 答弁としてはそういうことが返ってくるでしょうし、これはぜひとも大蔵大臣にでも少し言いたいことがあるのですが、きょうは時間もないし、そういう機会もなかったのだが、やっぱり、しかし、一般はあなたのそんなわけのわからぬ答弁じゃ納得しないのですよ。
 やはり一般は、これは大蔵省は経済優先というか、大資本擁護というか、そういった観点から、もう常に郵便貯金の貯金者、いわゆる無数の弱小の人たちの零細な金を財投などでかなり使っておいて、そして銀行預金は、先ほど言ったように、かなり預金しておいて、その預金したものを一つのあれにしてかなりの融資を受けて仕事をするというあれがあります。郵便貯金は、最近はある程度の短期間の融資をしますけれども、これを微々たるものであって、何もこれは事業経営等に使う金ではありません。学資とかその他短期の病気とかいう場合に使う金でありますが、郵便貯金はみんな積みっ放しで、そしてそれが結局はいろいろな意味でほかの方に使われている、こういう実態でありますからね。私は、いまここで下げてはいかぬ、下げるものじゃないと言って議論をしているあれもありませんけれども、そういったいわゆる大衆のしかも零細な貯金者を保護するという基本的な立場が貫かれませんと、今後、いろいろな問題が派生すると、私はこう思うのです。
 したがって郵政当局も――大臣が大蔵大臣から圧力を受けるとは思いません。思いませんが、しかし、やっぱり内閣全体の運営の立場から、どうしても郵政当局にそういった力がこれは目に見えないところであることは、いま申し上げるように、一般が思っておるところです。そうじゃないかと言ったら、大臣からはそうじゃないという御答弁が返ってくるので、これは答弁は要求しませんが、しかし、やはりこういう大衆の零細な――いままでに何回もいろいろな機会に、逓信委員会だけじゃなくて、いろいろな場所でこういうことが論じられたことがあるのですね、なかなかそれが実現しない。そこにやっぱり現在の問題があると私は思うのです。
 それはそれとして、郵政審議会というのは、大臣、いつもぱっと諮問してぱっと即座に、打てば響く鐘のように、いつでもそのとおり、いままで諮問がなされたらそのまま即座にこの答申ができたというのが郵政審議会の歴史ですか、これは。
#16
○政府委員(神山文男君) 利下げにつきまして郵政審議会に御諮問を申し上げる例として、過去何回もありますが、私の経験したのでは、五十年の十一月の利率引き下げのときでありました。このときは、郵政審議会に諮問を申し上げる諮問の仕方でございますが、これは具体的な引き下げの数字を添えないで、また引き下げるということも申し上げないで、現下の諸情勢下において郵便貯金金利のあり方いかんといった趣旨の諮問を申し上げたわけでありまして、そこで御議論を願って、その結果、現下の諸情勢下で金利引き下げもやむを得ないという答申をいただいて、それから再度引き下げの諮問を申し上げて答申をいただいて実施したと、こういう二段の諮問の仕方をしたわけです。
 で、今回は、当時と非常に客観情勢が違っておりました。というのは、前回のときは、郵政審議会に金利についての諮問を申し上げるときは、まだ公定歩合も下がっておらず、また一般金融機関の利率も下がっていないという状態でございました。というのは、当時は、まず郵便貯金の金利の引き下げについて郵政審議会に諮問して決定をしてほしいというような要請がありまして、それは郵便貯金の金利を引き下げないと、一般の金融機関の金利も引き下げられない、したがって公定歩合も引き下げられない、景気対策もとれないと、こういったことでございましたが、私どもとしてはそれは順序が逆ではないか。まず公定歩合引き下げが先にあって、景気対策がとられ、それで民間の利率が引き下げられる、それに伴って民間金融機関の利率についても配意するという立場から、郵便貯金もそれに配意をしていくというのが順序であろうかということで、そういう意見も持っておったわけであります。
 今回の引き下げに当たっては、三月の十二日でございますか、まず第一回公定歩合が引き下げられる。続いて第二回の公定歩合の引き下げが、四月の十九日でございましたか、行われたわけでございまして、二回ももうすでに引き下げが行われた。それから民間の預金の利率につきましても、四月の四日に要求払い預金の引き下げが〇・五%行われた。さらに五月六日から最高一%にわたる引き下げが行われた。こういった既成の事実がありまして、その条件の中で郵便貯金としてどうするかということになったわけであります。
 そうしますと、一般の民間金融機関の利率と郵便貯金――先生、先ほど違ってもいいじゃないかという御意見もありましたが、これを格差をつけておきますと、民間の個人性の預金が郵便貯金にシフトしてくるというようなことで、現在の金融秩序と申しますか、そういうものが混乱を招くというような問題が一つございまして、郵便貯金としても一般金融機関の利率に配意するという立場から引き下げもやむを得ないということで、今回は、数字も明示し、郵便貯金の金利を改定するということで御諮問申し上げたわけでありまして、前回と相当諮問の仕方が違っていたということで、前回も利下げやむなしの答申をいただいて、あと具体的な引き下げ幅、実施時期等については非常に短い期間で審議を終えていただいたということでございまして、今回は前回と非常に事情が違っておる。
 しかし、郵政審議会においては相当熱心な御議論がありまして、先生おっしゃるようなこの民間と郵便貯金の利率は違ってもいいじゃないかという御意見ももちろんありました。しかし、結局は、問題はシフトの問題でございまして、そういうことから最後はやむを得ないという御答申をいただいた、こういうことでございます。
#17
○茜ケ久保重光君 いままで諮問して、何か諮問した事項と審議会が反対な答申でもしたことがありますか、いままでの例として。それじゃ、あなた、もう諮問要らぬよ、こんなもの。郵政省の説明したものをそのまま、はいそうですかとやるんなら、こんなものは要らぬです。これはみんなかなり費用もかかるんでしょう、こんなものでも。こんなよけいなものをつくらんで、それだけの自信があるんなら、あなた諮問なんか必要ないと思うんだか、どうです、その点は。大臣、要らぬよ、こんなもの、聞いていると。諮問して、そのまま答申するんなら、何も必要ないと思うんだが、いかがですか。隠れみのという言葉はあるけれども、隠れみのというより、あなた、まるでこれは何と言ったらいいのかな、全く無用の長物だという気がするのですがね、審議会。――いやいや、局長じゃない、大臣に聞いている、大臣に。それは君は後からでもいいが、君に聞いていない、大臣に私は聞いているんだ、よけいなことを言うなよ。
#18
○国務大臣(小宮山重四郎君) 郵政審議会というのは大変ユニークな審議会でありまして、四十五名、各界大変いろいろな方々が入られております。そういう意味でも大変な激論がありまして、私どもも、一日でこれが、いままでの慣例で、こういうようなことになるとは思っておりませんでした。
 しかし、郵便貯金法第十二条の法律もこれあり、かつ、大変私たちもこの附帯決議等を見ておりましても教わるところもございます。そういう意味でも郵政審議会自身、今回、一般金融機関あるいは長期金利等々の変革がございまして、大変な激論を交わす。私も聞いておりまして、大変有益であり、今後、郵政行政の中でこの決議をやはり十分尊重してやっていきたいので、先生どうぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げたいと思います。
#19
○茜ケ久保重光君 何か言いたいことあるの、官房長。言いたいことがあれば、簡単に。
#20
○政府委員(神山文男君) 大臣のおっしゃったとおりでございますが、非常に激論がありまして、各委員の先生方ももちろん心から賛成ということじゃなくて、あの答申書にもありますように、いろいろ検討されたあげく、利下げもやむを得ないという御判断を下されたということでございます。
#21
○政府委員(佐藤昭一君) ただいま先生おっしゃいましたのは、今回の貯金の金利の改定の関係でございましたが、郵政審議会は、この審議会令の趣旨にもございますように、郵政事業、これは電波、放送関係を除きますけれども、事業の全般につきまして、特に重要な問題について大臣の諮問によって調査審議し、また必要により答申をする、意見をいただくということでございますが、非常にいろいろの問題についてやはり貴重な御意見をいただいているわけでございます。
 物によりましては、たとえば最近の例でございますと、例の公衆電気通信法の改正に伴いましての認可事項というようなものについての諮問につきましても、一部の料金につきましては諮問どおりということでなく、一部手直しというようなことを考えたらいいではないかというような貴重な御意見もいただいているわけでございまして、その都度、非常に有益な御意見をいただいているというふうに私ども理解して.いるわけでございます。
#22
○茜ケ久保重光君 幾ら激論しても、結論が同じなら意味ないよ。やっぱり大衆貯金に利益を及ぼすように、パーセントをたとえ少しでも変えるとかいう結論でなければ、大胆かつくって出した諮問どおり変えているんなら、幾ら激論してもそれは意味ないと私は思うんだな。
 それはそれとして、そこで、この郵政審議会のメンバーを見ますと、これはなかなかりっぱな方か皆お顔をそろえていらっしゃるが、りっぱはりっぱでも、この人たちは郵便貯金なんかしている人は一人もいませんな、恐らく。顔はみんな市中銀行の――会長の土光という人は経済団体連合会の会長だな。郵便局とは関係ない、この人はね、会長は。あとずっと調べてみてもみんなお偉い方で、郵便局なんかへ行く人は一人もいない、これはだれを見ても。永岡さんと横川さんがやっているが、まあ近ごろ郵便局には行かぬでしょうな、この人も。逓信委員会の先輩だし、それで入っているんだけれども、あとはみんな関係ない、郵便局には。これは全部がいかぬとは言わぬですよ。しかし、そういうことも思うのは、やっぱり、大臣ね、郵便貯金も実際なさっている方を何人か入れて、貯金部門なんかはそういった人の切実な意見も反映することをしなくちゃ意味ないと思うな。私は全部がいかぬと言わぬよ。しかし、少なくとも簡易保険でもそうです、簡易保険部門でも、簡易保険なんか入っている人はいないと思うんだな、ほとんど。みんな全く違うんだ。
 したがって、いまいろいろ言ったけれども、そういう意味で、いますぐではないがね、将来やっぱりかえるときに、そういう郵便貯金をする人の中にも識見もあり、いろいろな意見を持っている方もあるわけですから、郵便貯金をなさっているような方、あるいは簡易保険に入っていらっしゃる方を何人かやはりこの中に入れるということが望ましいと思うんだな、私はそれはいいことだと思う。将来の更改期にそういったことを考慮してやる御意思はないかどうか、大臣、いかがでしょうか。
#23
○政府委員(佐藤昭一君) 先に御説明させていただきます。
 ただいま郵便貯金などに入っている審議会委員というのはいないんじゃないかというような先生のお話でございますが、郵便貯金にいたしましても、一般的な調査からいたしましても全世帯の六割程度の世帯がそれぞれ郵便貯金を利用しているというようなデータもございますし、また簡易保険にいたしましても、貯金に比べて若干シェアが下がるかと思いますが、やはり相当これも御利用いただいているということでございまして、この審議会の委員の方々の中にも相当数の御利用の方がいらっしゃると私ども思っているわけでございますけれども、実は一人一人入っているか入っていないかというようなことをお尋ねしたことはございませんけれども、現実にお入りになっている方も相当いらっしゃるということは私ども思いますし、また個々にお入りになっている方も実際承知しておりますが、そういった意味におきまして非常にポピュラーなものでございますので、御本人あるいは御家族というような点で、御利用は十分いただいているというふうに理解しております。
 また、そういった面ばかりでなく、そういった利用者という立場、それからまたあわせて広い立場、いろいろと郵政審議会の審議会令にもございますように、学識経験者というような立場からも、あるいは行政機関の代表等、いろいろな立場の方の御意見、そういったものを十分にそういう立場から闘わしていただいて、そこで審議会の御論議をいただいているというふうに私ども理解しております。
 なお、そういった広い立場からいろいろと各界の有識者の方々に審議会の委員というものをやっていただくということにつきまして、なお、これからも慎重に配意をしてまいりたいと思います。
#24
○国務大臣(小宮山重四郎君) 皆さんお入りになっているか私も存じませんけど、土光さんなどは郵便友の会の会長ですから必ず入っていると思っておりますし、ほかの方で力石教授がどうなっているかなんということはわかりませんけれども、私の方で皆さん入っていただくようにまたお願いいたします。
 ただ、私、利下げのときだけではなくて、利上げの問題もあるんです。実を言いますと。過去の例を見ますと、そういう問題がございますので、まず第一、私は、日本経済全体の中でどう考えていくのか。それからもう一つは、郵政省として一番重要なことは、私自身一番責任を感じますのは、やはり附帯決議をどうするんだというような問題、特に附帯決議の中の第一項の物価政策にやはり全力を挙げろというような話もございます。きょうも閣議で、私、その話をいたしておりました。
 それから二番目の、いわゆる直接融資方式を検討すべきである。私は、その中に竹内大蔵事務次官も入っておりますので、前向きに検討すると、前向きに検討するということは郵政審議会の委員からもどういうことなんだと、実現できないことは前向きに検討しないんだということでございますので、大変同意を得たということで、大変心強く私も思っておる。それなりに郵政審議会のあり方というのは大変有意義であったと、また非常に他のほかの審議会と違って各界各層の方々がお入りになって、歯にきぬをかぶせず堂々と討論される、大変その話を聞いておりまして自分自身非常に得るところがございましたし、それをやはり郵政行政の中に反映さしていただきたいという気持ちでございます。
 そういう意味でも、今後ともこの改組とか人間とかというものの、そういうような意識はございませんけれども、今後とも、委員の方々には、いろいろ郵政行政全般についての御理解と、またわれわれ職員が行きましていろいろ御説明申し上げて、一段の御協力をいただきたい。協力というのは、ただ単に郵政省に協力という意味ではございません。批判して、十分郵政百年の歴史の中で新しいページをつくっていただくという意味での御批判をいただきたいと、こう考えております。
#25
○茜ケ久保重光君 こればかりやっていると時間がありませんから、次に郵便貯金法の改正案について若干質問いたします。
 これは一ついま言ったように、大臣、あなた肝心なところ答弁しなかったけれども、つまり、貯金加入者や簡易保険の加入者の代表を将来入れるあれはないかということをちょっと聞いたら、そのことは、あなたいろいろしゃべるけれども、肝心なところを抜かしちゃうんだな、大臣、そこを。
#26
○国務大臣(小宮山重四郎君) それは大変大ぜいの方で、五千万人以上の方が、人口の半分ぐらいの方が加入しておりますし、それは私それなりに各界各層の方々が代表してやっぱり入りておりますので、十分ではないかと思っております。
#27
○茜ケ久保重光君 十分じゃないけれども、しようがないですな、いまのところ。
 そこで、今度は郵便貯金の関係ですが、財形貯蓄ね、今度四百五十万円にしますね、そういう予定ですね、二百万円から。四百五十万円に上げるという、その根拠は、これはどこなんです。何か特別な根拠があって四百五十万――五百万とか六百万とか一千万じゃなくて四百五十万ということにしたのは、これはどういう根拠でされたのか。
#28
○国務大臣(小宮山重四郎君) 財形貯蓄契約に係る四百五十万――現在、租税特別措置法にも規定する財形貯蓄非課税限度額が五百万でございます。しかし、いま別に五十万の住宅積立がございますので、両方合わせまして五百万になるわけでございます。そういう意味で、今回、四百五十万ということでいたしたわけでございます。なお、民間金融機関の非課税貯蓄制限額と総額が八百万ということでございます。ですから四百五十万プラス五十万、ほかに三百万ございますので、ちょうど民間金融機関と同じになったということでございます。
#29
○茜ケ久保重光君 そうすると、民間非課税額が五百万だから、四百五十万にして別枠の住宅積立貯金ですか、これが五十万あるから合計すれば五百万と、そこでまあ四百五十万にしたと、こういうわけですね。
 ちょっとぼくはここで納得いかぬのは、住宅積立郵便貯金と財形貯蓄と、これは全然別でしょう、違うんでしょう、根拠も違うし、いろいろの意味違いがね。そうすると、ここのところがどうも納得いかぬのは、民間の金融機関では五百万いっぱい。財形貯蓄の場合には四百五十万。五十万というのはこれは別だから財形貯蓄だけする人はこの五十万分だけこれはあなた少ないでしょう。そうすると、せっかく民間の金融機関と同じにするということが、あなた方のおっしゃる別途五十万あるから合わせると五百万ということは、これは一応そうだけれども、しかし、財形貯蓄をする人は必ずしも積立郵便貯金をするとは限らないし、住宅積立貯金をした人が必ずしも財形貯蓄をするとは限らぬので、そうすると、それはやっぱり五十万という差があるのは私はおかしいと思うんだが、これはどういうふうに理解したらいいかな。
#30
○政府委員(神山文男君) 確かに住宅積立貯金と財形貯蓄というのは制度として別のものでございます。
 そこで、四百五十万ということで民間の非課税額と五十万の差がございます。この理由は、先ほど大臣が申し上げたとおりでございますが、利用者から見ると五十万の差がある。で、この五十万でございますが、郵政省としては、当初、五百万ということで予算要求の際に要求を出しているわけでありますが、その後、こういう結果になったわけであります。
 それは、結局、郵便貯金には民間金融機関にない五十万を限度とする住宅積立貯金がすでにあったということでございまして、これが非課税の対象になっている、非課税になっているということで、もしそのほかに財形も五百万ということになると、国営の事業が民間の非課税額をオーバーするというような均衡の問題が生じたということで、五十万をへこますことで民間と均衡がとれるということになったわけであります。
 ところで、実情でございますが……
#31
○茜ケ久保重光君 ちょっと待って。郵政省で五百万出したら、だれが四百五十万にしたのですか。
#32
○政府委員(神山文男君) それは予算折衝の過程でそういうふうになったわけでございます。
#33
○茜ケ久保重光君 大蔵省来ていますね。いま聞いているように、だれが考えてもおかしいよ。大蔵省は――まああんたに言ったってしようがないけれども、何でも大蔵省は財界中心で議論して、こういうものまでいま言ったようなところを抑えて四百五十万にしちゃった。どういうことなんだ。大蔵省の立場をひとつ説明してください。
#34
○説明員(宍倉宗夫君) ただいま貯金局長から御答弁あったような経緯があったことは事実でございますが、考え方といたしましては、民間の金融機関の財形は五百万でございますが、郵政省でやっております住積みの制度というのは郵便貯金にしかないわけであります。で経緯的に申しますと、住積みを始めましたときに、郵便貯金の方ではむしろ財形のかわりとして住積みをやるというようなことで住積みが始まっておるわけであります。したがいまして民間の五百万と同じように五百万とするということも、住積みがなければ別に私どもといたしましても四百五十万でいいじゃないかというような考え方はないわけでございまして、住積みが現にあり、また今後も住積みをやっていこうということでございますので、両方のバランスといたしましては、五百万と、それから四百五十万足す五十万で五百万と、ちょうど合っているじゃないかと、こういう考え方でございます。
#35
○茜ケ久保重光君 それは確かにそういうことになるよ。だけど、あなた、それは金融機関の方はそれでいいかもしらぬけれども、貯蓄する方は、いわゆる財形貯蓄だけなら五百万なら五百万積めばいいんでしょう。財形貯蓄だけで住宅積立貯金をしない人はこれは結局四百五十万しかできないわけでしょう。それは理屈としては、別枠五十万あるんだから、この財形貯蓄を四百五十万円にして、またさらに住宅積立貯金を五十万すればいいんじゃないかと、こうおっしゃるかもしれぬけれども、そうはやっぱり簡単にいかぬですよね、実際は。
 そこで、私は、いまのところこれはここで修正案出して修正することもちょっとできないけれども、こういうところがやっぱりお役所仕事というか、自分たちの方でつじつまが合えば、それに関与するたくさんの大衆はどうでもいいとはお考えでないんだろうけれども、ぼくの立場から言うと、どうでもいいようなことになってきているんですね。やっぱり私は利用者本位に物事を考えてもらいたいんですよね、利用者本位に。別に財形貯蓄が五百万でそのほかに住宅積立郵便貯金が五十万あっても何ら差し支えないと思うんですよね。これは利用するかしないかの問題であって、両方利用すれば、確かに五百万にすれば民間の金融機関と違って五十万の余得があるということになりますが、私は、利用者はそれほど敏感ではないような気がするんですがね、どうもこれをずっと拝見しましてそういう気持ちがしてなりません。
 そこで、労働省の方見えてますね。労働省は財形貯蓄なんかをかなり推進していらっしゃるわね。いまお聞きのように、せっかく今度は郵便貯金の関係で二百万が四百五十万になるんですが、いま私が言ったように、五百万にすることが望ましいし、住宅積立貯金は別なんだから、ひとつ財形貯蓄を四百五十万なんと切らずに五百万にしてもらいたいと思うんだが、労働省はこれに対してどのような御意見をお持ちですか。
#36
○説明員(中岡靖忠君) 私どもといたしましては、御存じのように財形貯蓄の非課税限度額、勤労者一人五百万円と、こうなっておるわけでございますが、その五百万の額を決める際にはいろんな物の考え方がございまして、たとえば無理なく勤労者が賃金天引きで貯蓄するわけですから、そういう形態としての貯蓄かどのくらいがふさわしいか、あるいは住宅取得のための自己資金を調達するためにやっておられる方もいますので、そういう意味で住宅取得時の必要な自己資金がどのくらいあればいいかとか、そういったような見地から、四十九年ですか、当時百万だったものを五百万に引き上げたわけでございます。
 そこで、今回、郵便貯金について四百五十万ということにしておるわけでございますが、このこと自体につきましては、先ほどからお答えがありましたようなことで民間金融機関と郵便貯金とのバランスといったみたいなことを考えますと、一つの合理的な割り切りではないかと私どもは思っております。
#37
○茜ケ久保重光君 神山君、今度たとえば五百万として出したな、これがいろいろな過程で四百五十万になったと。過程では大蔵省はもちろんだが、労働省なんかも、こういう郵政省が五百万という案を出したのに対して、結論としては四百五十万になったんですが、これは主に大蔵省関係の予算査定でこうなったんだということなんですが、そういう場合に、労働省なんか、あれですか、協議されるんですか。それない……。
#38
○説明員(中岡靖忠君) 直接の折衝の当事者ではもちろん労働省はございませんが、その都度、郵政省の方からは御連絡をいただいておりました。
#39
○茜ケ久保重光君 そういう場合、やっぱりあれですか、労働省としては労働者の立場から万難を排しても五百万でやるべきだという強い意見などは出なかったんですか。
#40
○説明員(中岡靖忠君) 強いといいますか弱いといいますか、郵政省の当初の要求が五百万であるということは十分承知しておりました。
#41
○茜ケ久保重光君 先ほど言ったように、この委員会で修正案を出すということもできないでしょうから、まあ原案がそのままいくと思いますが、私はやっぱりどうもいまの説明ではこの四百五十万が納得いかないんですね。恐らく貯金をされる方もそうだと思うんですよ。将来、こういうものはなるべく早い機会にひとつ、民間とのつり合いという面も強調されますけれども、住宅積立郵便貯金というものと財形貯蓄とは全く別の制度でありますから、その辺のところをひとつ調整をして五百万という枠に立ち返る努力をしてもらいたいと、こう思うんです。
 そこで、郵便貯金の財形貯蓄の現状についてちょっとお聞きしたいんですが、貯金局長。
#42
○政府委員(神山文男君) 御承知のように、郵便貯金の財形貯蓄、昨年の一月から取り扱いを開始いたしまして、まだ間もないわけでございますが、五十二年の三月末日現在、事業所数約一万百カ所、それから十四万三千人が加入しております。貯金の現在高は約八十一億円、こういう状態でございます。
#43
○茜ケ久保重光君 これは全体の郵便貯金に対する比率はどれくらいになってる。わずかなもんだな、どれくらい。
#44
○政府委員(神山文男君) まだ八十一億円でございますから、郵便貯金の残高の三十兆円と比べますと、ほんの微々たるものでございます。
#45
○茜ケ久保重光君 だんだんふえるというもちろん傾向にあるわけですね。これどうですか、取り扱ってみて、かなり貯金者からは好評であるか、余り大したことはないというあれか、いままでの短い期間であるけれども、あなた方取り扱われた関係でどのような感触をお持ちですか。
#46
○政府委員(神山文男君) 御承知のように、郵便貯金の財形貯蓄の取り扱いは昨年の一月でございまして、一般の金融機関の取り扱いから非常に時期的におくれているわけでございます。一般に、わが国の財形貯蓄制度は四十七年の一月から実施されております。そういうことで非常に立ちおくれているということは私どもも考えておるわけであります。
 ただ、民間の実施状況ですが、事業所数が五十万六千カ所、それで六百五十三万人が加入するという状態でございまして、そういう点から考えますと、この財形貯蓄に対する一般の預金者の要望というのは相当あるものと、こういうふうな推定をいたしておりますが、いかんせん郵便貯金の昨年出発の当初、大きな事業所というのは相当すでに加入しているという状態でございまして、まあしかし、一年間にすれば非常に伸びているというふうに私どもは考えております。
#47
○茜ケ久保重光君 これやっぱりかなり将来急速に伸びるという可能性はあるわけでしょう、この財形貯蓄は。あるとすれば、いわゆる郵便貯金ももちろんかなりふえているとすれば、五百万といういわゆる非課税ということは一つの魅力ですね。
 そうすると、将来はさらに伸びるということになれば、郵便貯金の増加に対する割合が大分ふえてくるということもありますし、いま、あれですか、財形貯蓄に対して専門的な職員を置いてないんですか。一般の貯金関係の職員がこれに当たっていて、財形貯蓄専門の職員というのはないわけですか。また、ないとすれば、かなり有望な貯金のあれであるから、専門的な職員を、これまた組合問題もあるかもしれませんが、それは別として、専門のやっぱし職員をもってかなり急速な発展をさせるということも考えてもいいんじゃないかと思うのですが、この点いかがです。
#48
○政府委員(神山文男君) 貯金につきましてはいろいろ種類がございますが、八割以上が定額貯金というような実態でございます。こういう各種の貯金について、それぞれ専門の職員を置くということは現在いたしておりませんし、また、今後も、貯金ごとに専門の職員を置くということは現在考えておりません。
 しかし、貯金の職員である以上は、財形貯蓄についても十分専門的な知識を持ち、お客様に対して決して御不便をかけるようなことのないよう、いろいろ職員を教育し、あるいは講習会等を開き、そのときどきの問題点などを持ち寄って検討し合っているというようなやり方をとっていきたいと考えております。
#49
○茜ケ久保重光君 次に、さっき利子の計算を、いままで月割りが今度日割りと、あれはやっぱり月割りにしていたのがおかしいんで、どこでもこれは日割りでやるのがあたりまえであって、しかし、いまいろんな数の問題とかあったんだと思うのですが、今度は何か二十八局あるんですか、地方貯金局が。そのうちで十七局は日割り計算にするんですね。これは結構だと思うのですが、問題は、残った十一のいわゆる電算機の入らぬ局も一緒にやるんでしょう、今度は。そうなると、これは局員かえらい労働強化というか非常な――私は、機械でやることを人間がやるんですから、えらい労働強化になる可能性が、危険があると思うのですが、この点いかがですか。
#50
○政府委員(神山文男君) EDPSの機械化につきましては、先生御承知のように、十七局に導入をいたしておりまして、これが完全にこれらの局について原簿事務等が機械に乗るようになりますと、全体の八〇%以上機械に乗る。十七局というのは比較的大局でございますので、仕事の量としては八割以上が機械化されているということになりまして、かねてからこの日割り計算については国会等でも御要望があり、機械化した暁には日割り計算にするということも申し上げてきているわけでありますか、もう八割以上機械化された段階で、なお月割りにするということもどうかということで、日割り計算に踏み切ることにしたということでございまして、残った事務量というのは、全体的に見ると、非常に微々たるものというか、少ない割合になるわけであります。
 で手作業の局があるわけですが、十一局でございますか、その手作業の局は残った十数%の事務量を十一で分けるわけですから、非常に量としては少ないわけです。しかし、若干なりとも手数はふえるということでございまして、これをどうしていくかということについては、十分、私ども取り扱い方法とかいろいろ検討をいたしまして、支障のないように措置いたしていきたい、こういうふうに考えております。
#51
○茜ケ久保重光君 いや、いま聞いているのはね、その十一局の機械の入らぬところが日割り計算して、大変な労働強化になり、職員がやはり苦労をするんじゃないか、これを聞いているんです。
#52
○政府委員(神山文男君) ただいまどうも答弁が十分でなかったかと思いますが、全体の八十数%が機械化され、残り十数%が手作業として残る、これを十一局で分けるわけで、全体の事務量としては非常に少ないわけでございまして、ただ、残った手作業の仕事は、わずかですが、やはりふえるということは言えると思います。そこで、その事務が支障なく運行できるように、十分取り扱い方法その他を検討して、対策を講じていきたい、こういうふうに考えております。
#53
○茜ケ久保重光君 そうすると、あとの十一局は当分機械を入れる余裕はないの。
#54
○政府委員(神山文男君) ただいまオンラインの計画を進めておりまして、現在の機械化はオフラインでございますが、もう遠からずオンラインを導入したいと考えております。もちろんオンラインが導入されれば、そういった心配は全然なくなる、こういうことでございます。
#55
○茜ケ久保重光君 利用者にとっては大変これは日割り計算結構なんだからいいんだが、しかし、そのためにそれに従事する職員の皆さんにえらい負担をかけたらいけないんで、その辺やっぱり考慮してもらわぬといけない。オンラインはいつごろできる。
#56
○政府委員(神山文男君) オンラインは、五十三年度から一部地域というか、具体的に申し上げますと神奈川を考えておりますが、関東地方の一部、神奈川県から始めまして約七年間で全国に普及していきたいと、こういうふうに考えております。
#57
○茜ケ久保重光君 いま言ったように、なるべく労働強化を伴わぬように配慮してもらいたいと思うんです。
 それから、これは日割り計算するのは通常貯金だけなんだな、まだ定額貯金はしないと。貯金の額とすれば、通常より定額がうんと多いんじゃないの。これは通常貯金と定額貯金の比率はどうなってるの、大体。
#58
○政府委員(神山文男君) 先ほども申し上げましたが、定額貯金が全体の八割以上を占めております。通常貯金の……
#59
○茜ケ久保重光君 いや、大体でいい。
 その定額貯金はやはり月割りなんだな。これはそんな大変な額がある定額貯金が月割りというのはどういうことなんですか。これはできないのか、する気があるのか。
#60
○政府委員(神山文男君) 定額貯金になぜ日割り方式を導入しないかというお話でございますか、定額貯金は、当初から、どこの郵便局の窓口でも預入でき、そして六カ月の据え置き期間後いつでも払い戻せる。そしてその期間につきましては六カ月ごとに利子を計算して元金に加えていく、そういう計算をやっておりまして、非常に利子計算全体が複雑になっております。それで、そういう複雑な計算でございまして、郵便局で払い戻しの請求があったときすぐ利子を算出して差し上げなければいけないということで月割り計算の方式をとっておりますし、そういうことでいきたい。
 これを日割り計算に改めますと、一々地方貯金局で計算しましてやりますんで日数がかかると、だから、いつでも窓口ですぐ利子をお受け取りになるということができない、郵便局で計算できないことになりますので、定額貯金については月割り計算でいきたい。それともう一つは、定額貯金は非常に長期性の貯金でございまして、実態的には月割り計算でもそう不合理はないと、残った払い戻しと預入の月の端数の日数だけの問題になる、まあこういうことで、定額貯金はそもそももうつくった当初から日割り計算ということを適当としないというような性格のものとしてつくられたと、こういうことでございます。
#61
○茜ケ久保重光君 要するに、手数がかかるということと、大した差はないということ、通常貯金と違って、日割りでも月割りでも大した差はない、利用者にとって、そういうことかな。
#62
○政府委員(神山文男君) 一つは、長期性の貯蓄でございますからそう大きな差はないのと同時に、日割り計算にしますと利子の計算が非常にむずかしくなり、地方貯金局へ連絡をし、地方貯金局で計算をしてまた郵便局へ通知をして、それから利子をお支払いするというような非常に複雑な手数になり、日数もかかります。月割り計算でございますと、いつでも郵便局で即座に計算して元金と利子と一緒にお支払いできると、こういうことになります。
#63
○茜ケ久保重光君 時間もありません、貯金の関係はこれで。
 簡易保険について簡単に一つ。
 いままで八百万円の限度から今度一千万に上げたいというんですが、かつて五百万円に上げ、八百万円に上げたんですが、さらに今度一千万円に上げようということについては、まあ説明にもありましたが、もうちょっと具体的なその理由をお示し願いたいと思います。
#64
○政府委員(永末浩君) 現在、保険金の最高制限額でございますが、被保険者一人につきまして定期保険、特別養老保険が八百万円、その他の保険が五百万円というようなたてまえになっているわけでございますが、最近の経済情勢を見ますると、もし万一のことを考えた場合に八百万円では余りにも保障としては薄いんじゃないかというふうな考えがあるわけでございます。また、かたがた加入者からももう少し保険金を引き上げてもらいたいという強い要望がございます。また、そのほか、保険金を引き上げることによりまして貯蓄の増強にも資することができるというようなことでございまして、そのような考え方から一千万円への引き上げをお願いしている次第でございます。
#65
○茜ケ久保重光君 私ね、ずっと県内を回って局なんかに寄るんですが、簡易保険の職員に会って聞きますとね、八百万円でもそう加入者はなかなかないようだな、実際は。
 そこで、事務当局でいいから、八百万円に入っている現在の件数は幾らあるか、全体の件数と、金でどのくらいの比率があるか、ちょっとわかる。いままでの最高の八百万円という契約をしている人、何人あるか。
#66
○政府委員(永末浩君) 五十一の奨励年度でございますけれども、平均いたしまして保険金が百四、五十万というようなことになっておりますけれども、簡易保険の場合には、一人について幾種類もの保険に入れるわけでございまして、したがいまして、これは単純に保険金を件数で割った数字でございまして、一人の方についてはもっと高い保険金額になっていると思われるわけでございます。
 それから最高に入っておられる方々のパーセンテージはどのくらいあるかという御質問でございますが、たとえば定期保険について申しますと、定期保険全体のシェアといたしまして大体二二%の方々が定期保険で五百万円以上に入っておられます。ただ、定期保険につきましては八百万円でございますので、八百万円をとらえてみますると七%の件数が目いっぱい入っておられるというような数字が出ているわけでございます。
#67
○茜ケ久保重光君 保険額の高いのは決して悪いとは言えないわけで、それはまあいいと思うんです。ただ、簡易保険の場合は無診査でしょう、一千万円でも。無診査としますとね、またいろんな問題も起きるんじゃないかという危険もあると思うんですが、この点いかがですか。
#68
○政府委員(永末浩君) 簡易保険は、創業以来、無診査――お医者さんにかからなくても加入ができるというシステムをとってきたわけでございます。で、これからも有診査の保険をつくるという考え方は全くございません。
 無診査保検について、一番心配になりますことは弱体者が加入してくるというようなことでございます。したがいまして、先生がおっしゃいますように、簡易保険の保険金額、これは無制限に上げるというわけにはいきません。簡易保険というものは健康な方々がつくっておられる保険団体でございますので、逆選択といいますか、そういった危険性を十分に防止する措置をしなければならないということでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、一千万円の金額というものは十分にそういったものに耐え得る金額であるというふうに私ども考えておりますし、また、一千万円につきましては、先ほど申しましたように、加入者の方々からの強い要望もあるというようなことで一千万円に引き上げようとするものでございます。
#69
○茜ケ久保重光君 無診査であるということになると、勧誘者に対していろいろなやっぱり問題か私は起きる可能性があると思うのですね。いわゆるチェックすることはいろいろありますね、勧誘する場合に。チェックする方法がありますが、それは勧誘者いわゆる保険の職員にいろんな後で問題が起こる可能性があると思うのですね。その辺はよほど配慮してまいりませんと、せっかく一千万円の加入者を獲得して、そのときはよかったんだが、それが後からいわゆる病気とか、いろんな勧誘者が知らなかったことから問題か起きる可能性が出てくる、私はこう思うんですよ。その辺はひとつよく配慮して、いわゆる保険の勧誘に従事する職員に事後つまらぬ責任問題やトラブルが起こらないようにぜひ配慮してもらいたい。
 そのほか、いろいろにお聞きしたいこともありますけれども、私、時間がありませんので、あとはほかの同僚議員にお任せしますが、そういうことをぜひ配慮して、せっかく一千万円というかなりの――いまのインフレの時期であっても一千万という金は決して少ない金じゃありません。したがいまして、利用者がこれは喜ぶことは当然ですが、それと付随して、いま言ったように勧誘の職員に後で問題が起こらぬように、ひとつ十分な配慮をしてもらいたい、こういうことです。
#70
○政府委員(永末浩君) 先ほども申しましたように、無診査保険におきまして保険金額が高額になるに従いまして注意しなければならないのが逆選択の問題、つまり不良契約の防止であろうかと思うわけでございます。
 不良契約の防止につきましては、従来から面接観査の励行等の指導を図りますとともに、また、地方簡易保険局におきましても、面接観査あるいは告知義務の履行等の状況を調査することによってその防止に努めてきたところでございます。今後におきましても、これらの施策により不良契約の防止に努めてまいりたいと考えておりますが、より正しく加入者に告知義務を履行していただくために、保険契約の申し込みの受理の際、申し込み者に告知していただいた内容の写しを交付するというようなふうに改正したいというふうに検討しているところでございます。これによりまして、申し込みの際に言った言わない、告知した告知がなかった、というような争いというものは激減するものと思っております。
#71
○茜ケ久保重光君 最後に、大臣、時間の関係で十分な質問できなかったのですが、要は、貯金にしてもいわゆる大衆の貯金でありますから、やはり預金者の保護を第一に考えていかなければならない。これは利率の件もそうですし、財形でもそうですし、また簡易保険の金額の増加――私は決して反対ではないのです。しかし、まあお聞きのように、ややもすると職員に過重な負担をかけたり、後で問題か起こったりすることがあってはならぬと思うんですよ。そういう面はひとつ大臣として十分な御配慮を願いたい。こういうことをひとつ御要望申し上げて、あなたに一言これに対して所信をお述べ願って、私の質問を終わります。
#72
○国務大臣(小宮山重四郎君) 先生のいろいろのお話を聞いておりまして、四百五十万についても今後とも率直な意見を申し上げますと、私も予算折衝のときには五百万でいじゃないかというような話もいたしました。それから「ゆうゆうローン」にしてもいろいろな討論がございます。それから総制限枠の問題もございます。しかし、そういう大きな枠を決めながらも、片一方、職員に無理なことを強いるようなことのないように、ひとつ、私、郵政業務というのは一つの大きな新しい局面に入ったと思っておりますので、先生の御意見を体して、今後とも、十分慎重にまた前進できるような形にさしていただきたいと思っております。
#73
○最上進君 まず、郵便貯金法改正案に関連いたしまして質問させていただきます。
 去る十日、郵政審議会から郵便貯金の金利引き下げについての答申が出されたわけでございます。二十一日から郵貯金利の引き下げが実施されるわけでありますけれども、この郵貯金利も、当然、金利体系の一環として一般金利に連動させるということはやむを得ないことでありますけれども、やはりこの郵便貯金というものが庶民の零細な貯蓄手段である、零細な貯蓄手段としての郵便貯金であるということを考えますと、利下げに当たりましても、国民の理解と協力というものを得るための特別の配慮というものが当然私は必要であるというふうに考えているわけであります。
 今回の答申におきまして、そのための数点にわたっての指摘がなされているわけでありますけれども、郵政省として、この答申の趣旨を今後どのように生かして実現をさせていくか、簡潔にひとつ郵政大臣からお答えをいただきたいと思います。
#74
○国務大臣(小宮山重四郎君) 特に、この郵政審議会からいただきました答申の中で1、2、3、4と大変きつい御意見をいただいております。
 1については、経済全体の中で物価の抑制をするという全力を注ぐことはもちろんでございますし、私も、閣議の中で、この点については郵政審議会の発言ということで総理等に申し上げておるところであります。
 第二番目の、いわゆる「ゆうゆうローン」以外は貸付を行っていないところから、郵政省はぜひ速やかに郵便貯金による直接的な融資方式を検討すべきであるという討論もいただいておりますので、これについては大変大激論もございました。私は、この直接的な融資方法というものを、先生方の御協力などもいただきまして、金利引き下げや物価上昇による実質減価の一方的な影響を受けることだけではなくて、これらの影響のバランスを保つ意味においても、ぜひこの融資方式を実現したいと考えております。
 三番目の、いわゆる財政投融資を通じて社会資本の充実に役立っているのでありますけれども、反面、預金者の利益の増進に一層資するよう資金運用部資金の中での運用のあり方について考えたいということで、財政当局にもいろいろ話をいたしておりますし、かつ、貯金局の中でどのような形がいいであろうかということをいま検討をいたしておるところであります。
 四番目については、郵便貯金に関する調査研究の中で中間報告が出ておりますパーソナル・ファイナンスというような問題をどう取り扱うのかというようなことが出ております。これを一日も早くこの結果を見て、今後の郵政事業の新しい方式を考えたいということであります。
 で、さきに述べました直接的な融資の問題でもございますけれども、これは審議会の中でも私が提案いたしています奨学資金融資のような問題もいま事務当局の中でいろいろ金利等の問題もございますので、簡単なブリーフィングのようなものをつくりまして、今後とも先生方にもいろいろな御理解をいただいて実現方を図りたい。ただ単に、これも「ゆうゆうローン」だけではいけないという意味だと私ら郵政省自身が郵政審議会からおしかりを受けたものと考えておりますので、考慮して、今後ともやっていきたいと考えております。
#75
○最上進君 九日に、五十一年度の貯蓄実績について日銀が発表しているわけでありますけれども、経済の不況がこういうような実態でありますだけにそれを反映いたしまして貯蓄全体としての伸び率が大幅に低下をしております中で、個人貯蓄が非常に高いウエートを占めております郵便貯金というのは比較的順調な伸びを示しているというふうに見受けられるわけでありますけれども、この五十一年度における増加状況についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
#76
○政府委員(神山文男君) ただいまお話の預貯金全体につきましては、法人預金が景気の影響を受けまして非常に伸び悩んだようでありますが、郵便貯金はそのほとんどが個人預金でありますので、顕著な伸びを示している。過去のいろいろな分析から見ましても、個人の可処分所得の伸びに伴って郵便貯金も伸びているということが言えますので、こういう堅実な動きを示しているのではないかと考えております。
 昭和五十一年度の郵便貯金の総増加額は五兆八千七百六十三億円でございまして、前年度実績に対しまして一一七%ということになっております。ただ、民間の方は前年の実績を下回っているという状態でございまして、郵便貯金の伸び自体も過去の実績から見ますと伸び率は鈍化している、こういうことは言えると思います。
#77
○最上進君 いま後段御説明いただいた、いわゆる他の金融機関に比べれば好調の伸びを続けている郵便貯金であっても、過去の高度成長時代に比べると伸び率が低下傾向にあるということでありますが、過去数年間の郵便貯金の伸び率の推移、これをちょっと御説明いただきたいと思います。
#78
○政府委員(神山文男君) 過去の数字を申し上げますと、たとえば五十一年度からさかのぼって五年間を見てみますと、四十七年度が対前年の総純増の伸びが一三九%、四十八年度が対前年一一七%、四十九年度が一二九%、それから五十年度が一二七%、五十一年度が一一七%、先ほど申し上げましたとおりでございます。過去の数年に比べても五十一年度の伸びが鈍化したということであります。
#79
○最上進君 堅実な庶民の貯蓄意欲に支えられまして、郵便貯金は当然今後もかなり伸びを維持することができるというふうに考えるわけでありますけれども、しかし、高度成長時代のような高い伸びというのはもう期待できないと私は思います。
 そこで、経済の安定成長下における郵便貯金の伸長について郵政省はどのような見通しをお持ちになっておられるのか、お伺いをいたします。
#80
○政府委員(神山文男君) 郵便貯金は個人の可処分所得の伸びと非常に密接な関係を持っているということを申し上げましたが、今後、過去のような経済の非常な高度成長のもとで見られるような伸びというものは私どもとしては期待できないと考えておりますが、いま申し上げましたような個人の可処分所得の伸び、増大というものがある限りは、郵便貯金もそれに沿って堅実な伸びというものがあるんではないかというふうに考えております。
 で、なお五十二年度でございますが、五十二年度は予算目標額が六兆二千億円ということにいたしております。この予算の目標の伸び率も過去の目標の伸び率に比べますと低目に抑えてあるということでございます。先生おっしゃるような高度成長下におけるような急激な二十数%とか三〇%というような伸びというものは期待できないと思いますが、堅実な伸びというものは今後も続こうか、こういうふうに考えております。
#81
○最上進君 いままでお話を伺ってまいりましたとおり、預金獲得面においては比較的好調な郵便貯金であるというふうに考えられるわけでありますけれども、どうも私どもが率直にお話をいたしまして感じますのは、財政面から見ていくと五十二年度予算においても三千億円を超える累積赤字を抱えている状況にあるわけでありますけれども、この赤字が生じてきている原因というものを、この際、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
#82
○政府委員(神山文男君) 郵便貯金の会計の収支でございますが、これは預託利率との関係からいろいろの結果が生じてくると言えるわけでありまして、昭和四十九年度以降、郵貯会計が悪化してまいったわけでありまして、五十一年度では二千三百六億円の当年度損失が見込まれておりますし、五十二年度末には累積赤字が三千百三十五億円という見込みでございます。
 で、この赤字の原因でございますけれども、先ほど申し上げましたようなもっぱら預託利率との関係にあるということでございます。これは郵便貯金の利率、お客様に支払う利子の利率が貯金法十二条によって決められておるというのに対しまして、資金運用部からいただく預託利率ですね、この預託利率は資金運用部資金法によって決められる。収入と支出を左右する利率の決定が二つの仕組みから行われる、異なったところで決められるということから、こういう一時的な赤字が生じたものであります。
 で、もともと貯金の会計というのは、金利という変動性のある要素を含んでおりますので、一時的には収支の不均衝があらわれることがありますが、単年度ではなく、一定期間をとって収支が均衡するかどうかというものを見ていきますと、長期的には安定した収支になっております。現に五十年の十二月に預託利率の引き下げが行われまして、十一月には貯金の利率の引き下げが行われましたが、この際、定額貯金の最高利率と預託利率との間に〇・五%の利差が設けられました。貯金の引き下げは定額貯金の引き下げが一%であったとき、預託利率の引き下げが〇・五%であったわけでありまして、そこに〇・五%の利差が設けられた。で、今後の収支は順次好転するというふうに考えられまして、二、三年後には黒字に転換するし、累積赤字もその後数年にして消えていくというふうに考えております。
#83
○最上進君 預託利率の違いというものが大きく三千億円に上るような累積赤字を生んでいるという御説明でございますけれども、これは間違いなくいまの御答弁どおり二、三年後に黒字に転換をしていけるということを断言をされたといまお受けをしているわけでありますけれども、確認をしておきたいと思います。
#84
○政府委員(神山文男君) そのとおりでございます。
 五十年の十二月から七・五%の預託利率になっております。それで定額貯金の最高の利率が七%でございますから、〇・五%の格差ということでございまして、その後に預託している資金については七・五%の預託利率をいただく、その前の低い時代のものはまだ若干というか相当ありますので、総体の運用利回りはまだ七・五%よりは低いわけですが、新しい資金がふえるに応じて高い利率が適用されていく。それから、この資金の預託は七年据え置きでございますから、古い預託した資金も七年たちますと預けがえをしまして、これもまた七・五%の利率を適用するということで、郵便貯金会計の収入は次第にふえていくということでございまして、二、三年後には黒字に転換すると、現在の状態でいけば転換するという見通しでございます。
#85
○最上進君 いままでの論議の中でわかりますとおり、他の金融機関に比べて郵便貯金がかなり好調な伸びを維持してきているその一つの大きな要因として、私は、全国にある二万二千局に及ぶ――郵便貯金の窓口になっているいわゆる特定郵便局に負うところが非常に大きいと考えているわけでございます。
 そこで、この郵便貯金に占める特定局の比重についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#86
○政府委員(神山文男君) 特定郵便局で預入される郵便貯金の割合でございますが、七〇%以上となっております。
#87
○最上進君 その七〇%という数字は大変だと思うんですけれども、貯金事業においては特定局の比重が非常に高いわけであります。特に、無集配特定局につきまして業務の大半が貯金関係の仕事であると言ってもいいと思います。
 そこで、特定局の窓口環境等も最近大分改善はされてきているわけでありますけれども、他の金融機関に比べるとまだまだ十分なものとは言えない状況にあります。郵便局の設備改善等につきましては、郵務局とかあるいは建築部が担当しているようでありますけれども、この無集配特定局については、業務の大半が貯金関係で占めているところからして見ても、当然、やはり貯金局がもっと積極的にこれを推進をすべきではないかというふうに考えているわけでありますけれども、現状がどのようになっているか、この点につきましてひとつお話をいただきたいと思います。
#88
○政府委員(神山文男君) 無集配特定局の窓口環境の改善につきましては、貯金だけでなく、各事業とも重要なものと考えまして、明るく親しまれる郵便局にするよう努めておるところでございますが、為替貯金事業におきましても、窓口環境の改善の重要性にかんがみまして、従来から窓口に来られるお客様のために、ルームクーラーを置くとか、冷水器を置くとか、あるいは暖房器具を配備するとともに、局舎の美観保全のため内外壁の塗装を実施したり、そのほかに窓口に必要な物品を配備するなど、お客様に愛され親しまれる窓口づくりに努力してまいっております。
 そこで、本年度におきましても総額、これは普通局も含みますが、約三十七億円を予算に計上しております。貯金は、先生御指摘のように、相当無集配特定局の仕事の分野を占めておりますので、今後とも、そういう面について努力していきたいと、こういうふうに考えております。
#89
○最上進君 ただいまの問題については、ひとつ御答弁どおりさらに積極的に推進をいただきたいというふうに考えております。
 次に、簡易生命保険法改正案について若干質問をしたいと思います。
 簡易保険につきましては、私がちょうちょうする必要はないと思います。戦前は、無診査、月掛け、集金というような特色を持ついわゆる小額保険として、政府の独占事業であったわけであります。しかし、戦後、独占が廃止され、現在においては民間生命保険等々との競争関係の中において事業が運営をされているわけでありますけれども、この簡易保険の現在における存在意義について、郵政省はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
#90
○政府委員(永末浩君) 先生先ほどおっしゃいましたように、簡易保険は、大正五年の創業以来、小口、無診査、月掛け、集金ということをモットーに仕事をしてきたわけでございます。また、そのことによって大変国民から愛され親しまれる保険になってきたものと思うわけでございます。
 戦後、民間保険の再建過程におきまして、民間保険も無診査、集金等を行うようになりまして、簡易保険も法律を改正いたしまして、それまでの小口、無診査、月掛け、集金という独占を撤廃することになったわけでございまして、その限りにおきまして、法的には民間保険と競合すると申しますか、競争するというような状態になっているわけでございますけれども、法的にはそうなっておりましても、やはりそれによって簡易保険の存在意義が失われるということは私ないと思うわけでございます。民間保険にない特徴というものは簡易保険は十分にまだ持っているというふうに考えるわけでございます。
 たとえば全国津々浦々約二万の郵便局を通じて、地域的に偏ることなく、国民の生命保険の需要にこたえているほか、民間保険と違いまして、職業による加入制限などもいたしておりません。それによって広く国民に生命保険の加入の機会を提供しているというふうに思うわけでございます。
 また、資金の運用面をとらえてみましても、公共性の強い運用が図られているわけでございまして、加入者の方々の利益の増進、ひいては公共の福祉に大きく寄与しているものと思っております。
 そのほか、簡易保険といたしましては、事業団を設置いたしまして、診療所であるとかあるいはスポーツセンターであるとか、こういったものをつくっておりまして、加入者の方々の福利増進に努めているということも一つの簡易保険の大きな特徴ではないだろうかと思うわけでございます。
 で保険の現状でございますが、アメリカに次ぐ保険の雄ということが言われているわけでございますけれども、私たちはまだまだ未加入の分野というものは相当ある。われわれとしてもまだまだ、民間保険も同様でございますが、手を携えて保険の普及に努力する余地がまだずいぶんあるというふうに思うわけでございます。また、国民生活の水準の向上に伴いまして、保険需要というものはますます高度化するといいますか、多様化していくものと考えられますので、簡易保険、民間保険はそれぞれの特徴を生かして、これらの保険需要に対応していく必要があろうかと思う次第でございます。
#91
○最上進君 保険を募集するという面においては、民間保険等との競合関係にあるわけでありますが、一方、その資金の運用面を見てまいりますと、民間保険等に比べ非常にやはり巌しい制約を受けているというのが実情だと思うわけであります。それが結局やはり運用利回りの格差につながる。この運用利回りの格差が最終的には正味保険料の格差につながって、簡易保険加入者に不利益をもたらす結果になっていると言ってもいいと思うのであります。
 そこで、簡易保険が今後発展していくためには、資金運用面における民間保険との格差を是正することが不可欠の要件であろうというふうに私は考えるわけでありますけれども、現在、その両者の運用利回りにはどの程度の格差が生じてきているのか、この点についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
#92
○政府委員(永末浩君) 先生おっしゃいましたように、簡易保険の資金というのは、国の資金という面と、それから実質的には加入者の信託財産というこの二つの面を持っているわけでございます。したがいまして運用面では、私たち、加入者の信託財産という点に力点を置きまして、できるだけ運用利回りの向上に努力をしてきているつもりでございます。
 たとえば四十八年、四十九年ごろに、金融債を買えるとか、あるいは私鉄債、ガス債を買えるとか、そういったような制度の改善をやってまいりました。できるだけ加入者の共同財産でありますので運用利回りの向上に努めまして、配当を多くし、正味保険料を軽減させるというふうに努力はしているわけでございますけれども、やはり民間保険とはかなりの利回りの格差がございます。
 で、お尋ねの件でございますけれども、五十年度の運用利回りと申しますと、簡易保険は七・〇七%でございます。それから民間保険は八・二五%でございまして、その差は一・一八%の差があるというのが現状でございます。
 で、先ほど申しましたとおり、運用利回りを向上させまして正味保険料の軽減を図ることは、簡易保険事業経営上の重要な課題というふうに私たち考えているわけでございまして、今後とも、運用利回りの向上には極力努力をしていきたいというふうに思っている次第でございます。
#93
○最上進君 やはり運用利回りの差が一・一八%もあるということは大変なことだと思うんです。
 当面の緊急を要するいわゆる資金運用改善策として、簡易保険会計の余裕金を積立金と同様に郵政省の自主運用に改めるということがやはり大変大事な課題であるというふうに考えるわけでありますけれども、最近におきます余裕金の額というものがどの程度に達しているのか、また、それを自主運用することによってどの程度の運用利回りの向上が図れるのか、お伺いをいたします。
#94
○政府委員(永末浩君) 私たち、余裕金と積立金の差でございますけれども、これは単なる会計区分上の問題ではないだろうかというふうに考えているわけでございます。で積立金は郵政大臣が運用するところでございますが、余裕金は、現在のシステムとしては、資金運用部に預託するほか運用することができないことになっております。
 で、この預託の平均利回りでございますが、五・七%でございます。仮にこの余裕金を積立金と同様に運用すれば、この積立金を仮に全額財投計画に計上したといたしましても、その平均利回りは約七・七%となりまして、資金運用部預託金の平均利回り五・七%との差は二%に達するわけでございます。
 で、お尋ねの五十一年度の預託金の額でございますが、これは一兆四千百三十二億円発生いたしております。で、この預託金の一兆四千百三十二億円というのは年度末試算の一七%を占めているわけでございまして、余裕金を積立金と同様に運用すれば金額にして約二百億円の増収となります。で簡易保険の運用利回りは〇・二強向上するものと見込まれております。
#95
○最上進君 簡易保険資金の運用状況の中で、積立金が地方公共団体に貸し付けられているわけでありますけれども、そのパーセンテージでいきますと約四分の一――二五%がその割合になっておりますが、この地方公共団体貸し付けの内容、これをもう少し条件等につきまして御説明をいただきたいと思います。
#96
○政府委員(永末浩君) 簡易保険の資金は全国から入っていただきました加入者の方々の財産とも言うべきものでございますので、地方公共団体に対する貸し付けというのはやはり創業以来重視してきたところでございます。
 で、大体、残高で三割というふうになっているんじゃないかと思うわけでございますか、その内容を申しますと、一般公共事業が百十億でございます。それから公営住宅建設が九百億でございます。それから義務教育施設が二千六百億でございます。それから一般単独事業が三百億、それから辺地その他過疎対策として二百五十億、計四千百六十億を五十二年度の地方債計画として組んでいるところでございます。
#97
○最上進君 こういう国の財政窮乏下でありますから、当然、地方自治体における財政の状況というものも推測がつくわけでありますけれども、そういう中で、今後、やはり簡易保険というものをさらに充実して発展をさせていくためには、私は、この地方公共団体貸し付けというものに対してもっと力を入れていいんじゃないだろうか。これはやはり地方自治体への還元を今度はされるという形になりますと、地方自治体のいわゆるこの簡易保険に対する協力の仕方、力の入れ方というものもかなり、間接的であるにせよ、違ってくるというふうに考えるわけでありますけれども、その点についてのお考えをひとつお聞かせいただきたい。
#98
○政府委員(永末浩君) 先ほど申しましたように、地方公共団体に対しますところの貸し付けは簡保資金としては従来から力点を置いてきたところでございますし、今後とも、十分におっしゃるような趣旨に沿って運用していきたいというふうに思っておる次第でございます。
#99
○最上進君 余裕金問題については、五十二年度予算編成の際の大臣折衝におきまして、引き続き検討するということになった模様でありますけれども、この問題についてぜひ早期実現を期待しておりますので、この際、郵政大臣にひとつ御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(小宮山重四郎君) 余裕金と積立金の差というのはお金の上じゃ全然区別がないので、先ほど局長が申しますように、会計上だけでございます。で、そのお金も、いまお話がございましたように一兆四千億で、かつ、それをうまく回せば二百億ほどの増収になるというようなことでございます。
 私、特にこの余裕金が積立金と同じようなことに使われるということになれば、もっと積極的な、あるいは緊急避難的な、たとえばいま岩手県で災害が出ている、そういうものにも非常に早くお貸しができたり、風水害で倒れた学校などにも早くお金を貸すことができるようなことになるんじゃないか。ぜひ、そういう意味でも非常に社会的にも大変重要であります。
 ただ、現在、資金運用部資金法の第三条で余裕金を相当きつく縛っておりますので、私自身も、今後とも、大蔵とも精力的に折衝して、余裕金が積立金と同じような形で使われるように交渉をいたしたいと思っております。特にこれは受益者のためでもありますので、また、それと同時に、地方、一般国民の社会経済の中にも直接的な役割りを果たしておりますので、ぜひ先生にももっと御指導、御声援のほどをお願い申し上げておきます。
#101
○最上進君 最近、消費者意識が非常に高まる中で、当然、生命保険というものに対するいわゆる利用者の批判もかなりやはり高くなってきていることは事実であります。そのような状況の中で、去る五十年の六月に保険審議会から「今後の保険事業のあり方」についての答申が出されておるわけでありますけれども、その提言に基づいて、すでに民間保険の中ではいろいろ制度改善を実施してきていることも事実であります。今回、提案のクーリング・オフ制度もその一つでありますし、民間保険においては答申を待たず中間報告の段階で四十九年九月から早々と実施をしているわけであります。保険審議会の答申は直接的には民間保険業を対象とするものではありますけれども、間接的にはやはり簡易保険にも関係がありますし、これを無視することはできないというふうに私は感じているわけであります。
 郵政省は、この答申の趣旨をどういうふうに受けとめられて、答申の指摘事項についてどのような検討を行っておられるか、お伺いをいたします。
#102
○政府委員(永末浩君) 五十年の六月に保険審議会の答申がなされたわけでございます。先生先ほどおっしゃいましたように、本審議会の答申は、直接簡易保険に対するものではございません、民間保険に対するものでございますけれども、私どもといたしましても大変傾聴に値する答申であったかと思うわけでございます。
 保険審議会の答申の要旨は、民間生命保険会社に対し、より一層消費者サイドに立ったところの経営を行うよう求めているものでございます。このために募集制度の改善であるとか、あるいは消費者ニーズにこたえる保険商品の開発であるとか、あるいは経営効率の競争を通じて契約者負担を軽減させる、あるいは生命保険に関する正しい情報提供の促進、こういったことの必要性を強調しているわけでございます。民間保険は具体的な指摘事項二十七あるわけでございますが、五十一年度末におきまして現在二十一が実施されており、その対応の仕方というのはかなり速やかでございまして非常に評価されております。
 簡易保険でございますけれども、簡易保険は本答申の対象ではございませんけれども、国営保険として消費者サイドに立った経営が求められているところでございまして、これまでもそのように努めてまいっております。
 具体的に申しますと、本答申で重要な事項として指摘されておりますところの専業外務員体制の推進につきましては、簡易保険ではすでに確立されております。
  〔委員長退席、理事案納勝君着席〕
 また、最近におきましては、民間保険に先駆けての保険料率の引き下げを行いましたほか、五十年四月には集団定期保険及び第三種特別養老保険を創設し、五十一年の九月には、これは約款でございますけれども、保険金の削減支払い制度の改善、あるいはまた失効解約等による消滅契約に対しても剰余金の分配をする、こういった制度改善を実施している次第でございます。
 さらに、保険審議会の答申でクーリング・オフ――保険契約の申し込みの撤回の制度というものが言われておりますが、この申し込みの撤回の制度を創設するため、ただいまお願いいたしております簡易生命保険法の一部を改正する法律案におきまして改正をいたしたいというふうに思っている次第でございます。
 このほか、法律の問題ではございません、約款の問題でございますが、前納割引率の引き上げであるとか、あるいは契約解除の場合の不還付期間の廃止――これは契約が解除されますと六カ月間は積立金も還付しないという規定になっているわけでございますが、契約解除の場合の不還付期間の廃止、こういった制度改善というものを本年度内において実施する方向で検討している次第でございます。
#103
○最上進君 具体的に幾つかお伺いをしたいのでありますが、たとえば、こういう経済情勢下におきましていち早く民間ではいわゆる物価指数定期保険、こういうものが実現をしております。私は、やはりこの簡易保険においてこういうものを取り入れていくお考えがあってしかるべきだと思うのでありますけれども、これを実施をされない何か理由があるのかどうか、あるとすれば、それをお聞かせをいただきたいと思います。
#104
○政府委員(永末浩君) 物価指数保険でございますが、物価指数保険というのは保険金を物価指数等にリンクさせて変動させる保険でございます。物価の上昇によって保険の価値か逓減することに対処しようとするものでございます。
 非常に言葉だけではいいのでございますけれども、いま民間保険で実施しております保険を具体的に申しますと、被保険者か死亡したときに支払われるところの保険金の額というものをば毎年消費者物価指数の上昇率に比例して増額する、そういった仕組みの掛け捨て保険でございますが、また一方、加入者が支払うところの保険料というものは、やはり保険金の増額に応じて保険料も増額するということになっているわけでございます。で保険期間は五年とされております。
 私たちも、こういった保険の新種保険について十分に検討を重ねているところでございますけれども、何分、保険金が自動的に上がると同時に、保険料も上がるという点、民間保険の場合は年掛けが血となっておりますが、簡易保険の場合には月掛けでございます。物価指数に応じてその保険金、保険料を上げるということは非常に事務的にも煩雑であるという問題がございます。それからお客さんの方からも、また後ほど申し上げますけれども、この加入率といいますか非常に少ないわけでございます。いろいろと問題があるわけでございますが、そのほかに、もう一つ物価指数に応じて自動的に上がるとしますと、現在の保険金最高制限額の問題をどうするかという問題も生じてくるわけでございます。私たちも物価の上昇に対するところの保険は何かないかということで検討は続けているわけでございますけれども、どうも物価指数保険というのは余り喜ばれないんじゃないかというようなふうに感ずるわけでございます。
 ちなみに申し上げておきますけれども、民間生命保険会社二十七社ございますけれども、この物価指数保険を実施している会社は八社ございます。で、この物価指数保険の新契約というものがどれだけ取れているかというのをば調べてみますると、八社合わせまして、創設以来、二千五百三件という微々たるものでございます。これは総保険の契約件数のどれだけの占率を占めているかと申しますと〇・〇三%というような状況でございまして、私たちも検討はしているわけでございますけれども、これが本当に商品としてりっぱなものであるかどうかということについてはまだまだ検討の余地があるんじゃないかというふうに思われるわけでございます。
#105
○最上進君 物価指数定期保険の件についてはわかったわけでありますけれども、さらに民間の保険ですでに実施をされております、たとえば保険金中途増額制度とか、あるいは保険契約転換制度というものがやはり民間で行われているわけでありますから、当然、簡易保険の中で行えないという私は理由はないと思うんでありますけれども、この辺簡易保険でやれないという特別な理由がおありになるのかどうか、その点ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#106
○政府委員(永末浩君) 先生おっしゃいました中途増額制度でございますが、これは保険期間の途中で保険金の増額を行うものでございます。現在、民間保険の七社で実施されております。これは途中で保険金を増額すると申しましても、これは定期保険の増額というような形をとっております。それから転換制度でございますが、これは既契約の積立金を有効に生かしながら新種保険に乗りかえるというものでございます。現在、民間保険の八社で実施されております。
 で、どうして簡易保険ができないのかという御質問でございますけれども、簡易保険、十分にこれ検討はしているわけでございますが、簡易保険におきましてこれらの制度を実施するに当たりましては、中途増額制度の場合にはやはり保険金最高制限額との関係が生じます。それから逆選択の防止をどうするかという問題、あるいは事務取り扱いの複雑化、こういった問題があるわけでございます。また、途中で増額するのは、定期保険でございますので、新しくそれじゃ定期保険に入ればいいんじゃないかというような問題もあろうかと思うわけでございます。
 それから転換制度でございますが、これは旧契約の解約のデメリットを与えないで新契約に乗りかえさせようとするものでございます。転換制度の場合には、職換に当たってどの程度の優遇措置を行うかが中心的な問題になろうかと思うわけでございます。旧契約のデメリットを与えないということは、契約を消滅させればそれまででございますけれども、乗りかえますと、たとえば簡易保険の場合には、二年を経過すれば不慮の事故等の場合には満期保険金の倍額を支払うというような制度がございます。あるいはまた告知義務違反の制度、あるいはまた削減支払いと申しますか、一定の期間で事故か起こった場合には保険金を削減するというような制度もあるわけでございますが、契約を乗りかえて旧契約のデメリットを与えないということになりますと、そういった点が救済されるわけでございまして、物価の上昇に対するところの一つの保険としてはやはり一番検討に値するのはこの転換制度ではないかというようなふうに私たち考えるわけでございまして、この点につきましては、いま鋭意検討を重ねているところでございます。
 また、転換制度でございますが、これは民間保険の実施を見ましても、かなり多くの加入件数があるわけでございます。民間保険でこの転換制度を八社行っているわけでございますが、その制度を創設以来、八社合わせまして二十四万七千七十九件の加入があるようでございます。全契約に占めるところの件数占率というのは一三・九%というようなことでございまして、一二・九%という数字がどういうふうな評価になるかちょっと申し上げにくいわけでございますが、ほかの制度よりも非常に売れ行きがいいというようなことでございます。物価に対しますところの保険、簡易保険は長期の契約でございますので、どうしても物価上昇に弱いという面もございますので、この転換制度というのをばいま鋭意検討しているところでございます。
  〔理事案納勝君退席、委員長着席〕
#107
○最上進君 もう一つ、民間ですでに実施をされていて、やはり簡易保険においても取り入れた方かいいのじゃないかというふうに考えておりますことに、いわゆる女性の保険料の問題があります。これはもう御承知のとおり平均寿命が男性よりも女性の方がかなり高くなっております現在におきましては、当然、女性の保険料を民間がすでに取り入れておりますとおり男性よりも安くすべきじゃないか、こうした考え方についてひとつどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。
#108
○政府委員(永末浩君) 簡易保険におきましては、約五千万件という膨大な契約を保有しておりますので、取り扱い者側から言いますと、できる限り業務処理を簡素化するということに努めているところでございまして、保険料の二本立ては現在のところ実施していないわけでございます。
 で、おっしゃいますように、非常に男女の間の差というものができております。これも私たちいま検討しているところでございますか、簡易保険の場合には、新契約としましては貯蓄性の高い普通養老保険、学資保険というのが大半を占めております。貯蓄性の高いこれらの保険におきましては、男女別にいたしましても保険料はそれほど変わりません。したがいまして取り扱いを複雑にするわりにはメリットは少ないものと思われるわけでございます。
 けれども、最近発売しておりますところの保障性の非常に高い保険におきましては、たとえば定期であるとかあるいは特別養老であるとか、こういった保障性の高い保険におきましては、おっしゃいますように女子保険料は男子に比べて安くなります。したがいまして加入者サービスの向上という見地から、今後、男女別保険料の採用ということをば前向きに検討していきたいというふうに思っている次第でございます。
#109
○最上進君 最後に、一つまたお伺いしておきますが、いわゆる利用者に対する保険情報の提供不足の問題であります。
 これは先ほどお話をいたしました保険審議会の答申においても強く指摘をされているところであります。民間保険においては、すでに財団法人生命保険文化センターというものが設立をされまして、情報提供とかあるいは募集文書図画等の改善、あるいは保険約款の契約申し込み時配付等をすでに実施をして情報提供を強化しているわけでありますけれども、こうした利用者に対する保険情報の提供について簡易保険においてはどのような対策、お考えをお持ちでおられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
#110
○政府委員(永末浩君) 先ほど申し上げました保険審議会におきまして、民間保険に対して保険情報の提供ということか強く求められているわけでございます。で簡易保険、私たちといたしましては、このことについては十分に努力をしているつもりでございます。
 従来から、全国津々浦々の郵便局の窓口に保険約款を備えまして、保険契約の申し込みをしようとする方々の閲覧に供しております。また、御加入をいただいたときにはお客様に対しまして保険証書と同時に「ご契約のしおり」、これは簡易保険約款をやさしく、わかりやすくしたものでございますが、これを加入者の方々には全部お渡ししております。それから「ご契約のしおり」というのももっとできるだけ平易なものにいたしますとともに、現在では加入者の方に対して御加入後にこのしおりは渡しているわけでございますか、こういった方法を改めまして、契約の申し込みがあったときにお渡しする、この「ご契約のしおり」を申し込み者に対してその時点においてお渡しするように、今度の改正法案で御審議を願っているわけでございます。これによりまして申し込みと同時にその「ご契約のしおり」を見ていただいて考えていただき、いやだというならば撤回の機会を与えるというようなシステムにしようということでございます。
 また、保険契約を募集する際には、保険制度を正しく御理解いただくためのパンフレット類を外務員に携行させております。さらに制度改善の際には、官報による公示のほか、新聞、雑誌、テレビ等のマスメディア、局前掲出のポスター、保険外務員が持参するビラ、チラシ等の印刷物によりその情報を広く提供しております。このほか広く国民の皆さんに簡易保険事業の現況等をお知らせするためのパンフレットをお配りいたしております。
 このように従来からも努力をし、また今度の保険法の改正におきましてもお願いしているわけでございますが、今後とも、簡易保険に関しますところの情報提供の強化には一層の努力をいたしたいと思っている次第でございます。
#111
○最上進君 終わります。
#112
○委員長(神沢浄君) 午前の審査は、この程度にとどめます。
 午後一時四十五分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十五分開会
#113
○委員長(神沢浄君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#114
○藤原房雄君 午前中もいろいろと質疑があったわけでございますが、最初に、郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、若干、御質問をしたいと思います。後日、保険の方に入りたいと思いますので――。
 郵便貯金法の問題につきましては、午前中の審議もございましたが、やはり私もこの郵便貯金法の法の改正そのものにつきましては特に異議を申し上げる問題はございません、今回の改正につきましては。しかし、このたび二十一日から金利が引き下げになるということを通しまして、郵便貯金というのは一体何なのかということを、ここで政府の考え方をお聞きしなければならないと思うわけであります。
 今度の利下げのことが中心になるわけでありますか、郵便貯金法の第一条の「(この法律の目的)」それから第十二条の利率についてということが中心の課題になるだろうと思うんでありますが、まず最初に、郵便貯金の民営の銀行との差異についてこれは少しく考えてみなければならないと思います。
 まず、第一条にあります「郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」と、こうあるわけでありますが、「簡易で確実な貯蓄の手段として」ということは、一体、どういうように考えるべきなのか。また「あまねく公平に利用させることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」ということは、一体、この郵便貯金法というものは何を目指しているものなのかという、この法の目的についてひとつ政府の見解をお尋ねしたいと思うんであります。
#115
○政府委員(神山文男君) 郵便貯金の目的でございますが、これは貯金法第一条に掲げてあるとおりでございまして、簡易で確実な少額貯蓄の手段をあまねく公平に提供するということにあるわけでありまして、その結果として国民の経済生活の安定を図り、福祉を増進するということでございます。
 この簡易で確実ということでございますが、現在、全国津々浦々に設けてあります郵便局の窓口を通しまして国民の皆様がいつでも容易に利用していただける、手続も簡易にしているということでございます。それから確実ということでございますが、これは第三条にも掲げてありますように「郵便貯金として預入された貯金の払もどし及びその貯金の利子の支払を保証する。」国が保証していくということで、この目的を達成しようということでございます。で、こういった国民に簡易で確実な貯蓄手段を全国津々浦々に設置した郵便局を通じてあまねく公平に提供する、その結果として経済生活の安定に寄与し、福祉の増進を図る、こういうことが目的であるというふうに考えております。
#116
○藤原房雄君 前段はいいんですけれども、その後段の国民生活の安定を図り、福祉を増進するという、ここが問題になるわけですね。
 この問題は、即一般の金融機関との競合という問題にもなるわけでありますが、そこが国民の経済生活の安定を図るという、これは、当然、一般の金融機関とは違う貯蓄機関であるということからして、ここに一つの大きな相違が出てくるだろうと思いますけれども、そこあたりの認識といいますか、政府としてはどういうふうにお考えになっておるのか、御説明いただきたいと思います。
#117
○政府委員(神山文男君) これは先ほど申し上げましたように、簡易で確実な貯蓄手段を各地の郵便局を通じてあまねく公平に提供する、これかサービスの提供でございます。こういうサービスを提供することによって国民の経済生活の安定と向上に寄与し、国民の福祉の増進を図る、こういうことを目的とする、前段が手段でございまして、それによってこういうことを目的とすると、こういうことでございます。
#118
○藤原房雄君 簡易で確実な貯蓄をあまねく公平にということが即国民の経済生活の安定を図り、福祉の増進にと、こういうふうに理解する、理解するというか、政府としては考えておるということですね。
 そこに一つの私どもの考え方と大きく相違する面が出てくるので、何も近くに郵便局があって貯蓄しやすいから、また国が保証するから、そういうことが国民の経済生活を安定するとか福祉を増進するとかということにイコールで結ばれない。もちろん、国が保証するということでは、確実性というもの、国民の信頼度というのは非常に大きいということは私どもはよくわかりますが、あまねく公平にどこでも全国二万二千の郵便局があって、そこで簡易に公平に利用できるという、それかすぐ国民の経済生活の安定を図るということや、また福祉の増進ということに結ばれるということではない。
 一般の金融機関との相違というのは午前中もいろいろ審議ございましたけれども、一般の金融機関の場合は、預金をする、また貸し出しも受ける、こういう関係もございますし、郵便貯金の場合は、貯金をするということで貸し出しを受けないという、受けることは非常に少ないという、こういう差異もございます。それから、どちらかというと、零細な個人が利用するということであって、企業を中心とする方々の利用度の大きい一般の金融機関との相違もあるわけであります。こういうことから、ただ単に、あまねく公平に利用できるようにするということが国民生活を安定するんだということじゃない。やはり国民生活というものに対しての、また福祉というものについても十分な配慮をしなければならないというのがやっぱり法の精神ではないでしょうか。
 この十二条を見ますと、「郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を」すべきだというこの十二条を見れば、さらにこれが敷衍されているんじゃないかと私は思うわけであります。
 このことにつきましては、あなた方の認識がどうであるかということもさることながら、郵政省の貯金局で、「郵便貯金に関する調査研究会」これがことしいっぱいですか、いろいろ多方面から検討して、その結果をまとめることになっているようでありますが、去年の九月に一応中間報告ということで出されておるようですね。郵便貯金に対する一般の方々の利用者の意識というものがどうであるかということは非常に多方面から分析されておるのじゃないでしょうか。これは利用者の方々の意識というものは、この法の目的から逸脱したものでは決してないだろうと思いますし、やっぱり法の目的に沿って運用しているということからいたしまして、意識もまた非常に、郵便貯金に対する意識調査というものの結果というものを見ますと、ただ単に、近くにあるから預けているなんというような、そういう意識ではないということははっきり出ているんじゃないでしょうか。この中間報告の詳しいことを言うと時間ありませんから、あらあら大骨だけでも結構ですけれども、こういう調査の結果であったということだけでも、中間報告ではあるけれども、こういう結果が出ておるというそういうひとつ状況をちょっと御説明いただけますか。
#119
○政府委員(神山文男君) 「郵便貯金に関する調査研究会」でございますが、御指摘のとおり、昨年の九月に郵便貯金についてのいろんな問題を学問的に検討していただこうということで設けさしていただいたわけでございます。
 従来、郵便貯金について各方面でいろいろの御議論がありまして、先生おっしゃるような問題、それから金利一元化の問題とか、その他さまざまな郵便貯金をめぐる議論が各方面において行われました。そういう際でもありますし、また、郵便貯金としても、これからの将来構想というものをどう持っていくかということもわれわれとしてきわめておく必要のあることでございますので、経済学の先生方あるいは金融論の先生あるいは社会学の先生、こういった各専門分野の専門家に集まっていただいて検討を始めていただいたわけであります。それで昨年度と今年度いっぱいをかけて報告書をまとめていただこうと、こういうことにしておりますが、とりあえず五十一年度の最後であるこの三月に中間報告書をまとめて、五十一年度中に調査研究していただいた事柄をまとめていただいたわけであります。
 この中身でございますが、五十一年度は主としてパーソナル・ファイナンスの現状とあり方といったものについて検討していただきまして、そのことについての報告がこの中間報告書のほとんど大部分を占めているわけであります。それから、その中に、日本人の意識と郵便貯金ということで調査された事柄も添えられております。
 それで、このパーソナル・ファイナンスというのは、個人の金融活動を総称した言葉として初めて用いられたということでございますが、そういう用語で総括しておりますが、そういった個人を中心とした金融活動の現状、これからどうあるべきかということを研究していただきましたが、いままでこの金融の研究というのは金融機関の側から見た金融、あるいは政策的に見た場合の金融、そういった側からの研究が主でございまして、個人の立場に立って見た金融論というのはいままで余り、いわば未開拓の分野であったというふうにお聞きしておりますけれども、そういった個人を主体とした分野にメスを入れていただいているということでございまして、現在のところ、この個人というのは金融機関に対しては資金の供給者であって、その資金の融資を受けるという面においては非常にまだ立ちおくれているというようなことに大分触れられております。そういったパーソナル・ファイナンスの分野において、郵便貯金というのはどういう地位を占めるかということ、そして郵便貯金としては将来どういうことをやっていくべきなのか、どうあるべきかといったことは、いよいよ五十二年度から調査の対象になっていくという予定になっております。
 それから、この郵便貯金についての意識調査でございますが、やはり将来の不時の出費に充てるとか、将来の生活に備えておく、あるいは子供の教育資金のためにとか、老後の生活の安定のためにとか、そういった目的が非常に多いというような結果になっております。
#120
○藤原房雄君 個々の項目等については、いきさつとか概括についてのいまのお話ございましたが、私ども全部中身を見たわけでありませんけれども、大まかなことについては、やはり日本国民の意識というものは確かに戦後変わってきておるということと、それに伴いまして貯蓄意識の特徴というものや貯蓄の目的とか、また貯蓄観とか、こういうものがやはり変わりつつあるという結果が出ているんじゃないかと思いますけれども、その中で共通して言えることは、物価が上がるということに対する不安、そういうことに対しての貯蓄をしていなければならないという、こういう意識というのは非常に強いんじゃないでしょうか。
 そういうことからいたしまして、このたびの利息の引き下げということについては、この中間報告の中にもこういうことがはっきり出ておるわけでありますから、これらのものを考え合わせて、これはもう公定歩合が下がったからというので一般金融機関と同じことをするのだったら一わざわざ郵便貯金法という法律をもって国が国民の経済生活を守るとか、また、その福祉を増進させるなという、こんなことを国が大言壮語する必要はないんであって、一般金融機関と違って、やはりこの国民の経済生活を守り、また福祉増進のために国ができるだけのお手伝いをしようといいますか、しなければならないという上に立ったものが郵便貯金であるならば、やはりそこにはそれ相応の――私、何も時間か長いからいいということでは決してないのですけれども、今回のこの審議会の諮問して答申に至る経緯というものは、午前中もいろいろ審議ございましたけれども、余りにも短兵急である。客観情勢から見ますと、もう外堀が埋められてやむを得ざるような環境ができておると言えばそれまでですけれども、しかし、それを諮問する側も、またそれを受ける側も、もう少しこういう国民生活の実態、そしてまた貯金法の精神、また十二条で言われるところの貯金の利率に対しての基本的な考え方というものを勘案して、そうして慎重な態度であるべきではないかと私は思うのですけれども、大臣、どうですか。
#121
○国務大臣(小宮山重四郎君) 大変短兵急だという話でございますけれども、大変な激論を闘わしました。外堀を埋められたということですけれども、私、先生の御趣旨も踏まえて、ずっと公定歩合の引き下げ等に連動しないようにということでがんばってまいりましたけれども、当初から申し上げておりますように、公社債の長期金利等の金利も下がってまいりますと、特に国民生活に関連する国債あるいは住宅ローンの動きが出てまいりますと、先ほどから先生がおっしゃっております郵便貯金法の第十二条の問題の中で後段の問題、三月の十二日のときには、前段ということで私大変抵抗いたしましたけれども、やはりこういう状況になった以上、私も何とかこの機会に郵便貯金法の趣旨を踏まえて金利改定をしないでいきたいとは思いましたけれども、どうもそういう全体の経済情勢から見ますと、やらざるを得ないという状況。
 ただ、私が今回御諮問申し上げました中に、いままでの預貯金については利率を変えないという前提条件を入れてありますので、そういう事情を大変専門家の各層の方々の御理解をいただいて、思わぬほど早く、また大変貴重な御意見をいただいて、このような結果になったのでありまして、外堀を埋めたり、一日で上げるというようなことではなかったのでございますので、御了承いただきたいと思います。
#122
○藤原房雄君 福田内閣が誕生するに当たって、あらゆる立場の人たちがそれぞれだれが大臣になるかということを注目しておったらしいのでありますが、これは郵政大臣というのは大蔵省としては非常に過日来いろいろ審議がありましたように注目をするところである、どなたが大臣になるか。小宮山郵政大臣が任命になったということで胸をなでおろしたみたいにも聞いておるわけでありますが、しかし、その後の発言等は非常に厳しい御発言であって、過日は、また、ハムレットのような心境だなんという御披露もございましたけれども、しかし、結果的にはいまいろいろ御答弁ありましたけれども、どこまで零細な、そしてまたこの打ち続く物価上昇の中でインフレから自分の生活を守らなければならぬということで零細な庶民大衆が貯蓄をするという、そういう人たちのための利益を守るために大臣が御配慮なさったのかということが私は非常に問題だろうと思うのです。
 今回、三十兆を超す大変な貯蓄残高ということですが、これだけのすごい最近の急ピッチの、急ピッチといいますか、預金の伸びというものは、非常に不況だと言われる中でこれだけの伸びを示すという、これに対してどういう認識をしておるのかということが一つは大きな問題だろうと思うんです。そこの庶民大衆の心を知らないといいますか、その現状というものを踏まえた上に立って対策というものを考えていただきませんと、これは本当に一般の金融機関と同じように公定歩合の引き下げに連動して郵便貯金もすぐ下がるということですと、これは何も国営のこういう機関は必要ないんで、一般の金融機関と同じような形にすればいいのでありまして、私が長々申し上げるまでもなく、預金者というのは一方的に郵便貯金をさせられるだけで、「ゆうゆうローン」という三十万の貸し出しの制度がようやくできたわけでありますけれども、一般金融機関から見ますと、どちらかというと一方的に貯金をさせられる立場の人たちに対してその利益を守るという大前提というのは郵政当局にあるんじゃないかと思うんです。
 そういうことを考えますと、こういうインフレ下といいますか、不況の中で貯蓄残高というものはどんどん伸びておるというものに対してどういうふうに認識していらっしゃるのか。そしてそれらの資金というものは、預金なさるお金というのは、一体、どういう性質のものなのか、そこらあたりの認識というものが一体どういうふうにとらまえていらっしゃるのかというのは、私ども非常に危惧するところなんですけれども、どうですか。
#123
○政府委員(神山文男君) 郵便貯金は、先ほどもお答えいたしましたが、五十一年度末で総純増が前年費一一七%ということでございまして、その前の数年間の伸びから見ますとやや鈍化してまいっております。これは郵便貯金は零細で少額の貯蓄から成り立っておりますが、傾向としまして個人の可処分所得の伸びと非常に密接な関係を示しております。したがいまして個人の可処分所得の伸びと同じような傾向の伸び方をしております。
 一方、民間の金融機関は、やはり景気を非常に反映して、景気の盛衰と非常に密接な関係を示すカーブを示しております。五十一年度、先ほど郵便貯金が前年比一一七%と申し上げましたが、民間金融機関はほとんど前年実績を割っております。そういう点から見ますと、郵便貯金は過去の伸び率から見ると鈍化しておりますが、民間の金融機関に比べて伸びている、こういうことでございます。国民の皆様が、先ほど申し上げたように、将来の不時の出費に充てるため、あるいは老後の不安に備えるため、あるいは子弟の将来の教育の出費に充てるため、そういった目的で貯蓄されているというのが実態でございます。
#124
○藤原房雄君 可処分所得の伸びに比例するというお話ですけれども、確かにそういう面もあるかもしれません。それで一方から言うと、こういう不況の中ですから非常に生活がぎりぎりいっぱいだということで貯蓄なんかとてもできないという方々もいらっしゃるだろうと思います。そしてそういう中でもがまんしなければならぬという、そういう無理をなさっておる方々が実は多いわけなんですが、それと一方では、可処分所得の多い方々、そういうことで当初の零細な方々の貯蓄というもの、そういうものがだんだん変わりつつあるのかもしれません。しかし、現在身近にあるということや、そしてまた長年親しまれてきたということや、また国が保証するということや、そういうことを通りまして、郵便貯金というのは、やっぱり大企業の人や多額所得者の方々、高額所得者の方々が安易に利用するというところよりも、やはり零細な方々といいますか一般大衆の方々の利用する度合いというものは多いだろうと思います。
 そういうことから、こういう経済の変動という中でやむを得ない面もわれわれは十分理解できるわけでありますけれども、しかし、それはそれとして、あるいはそこに至るまでの預金なさっている方々に理解を求める手だてというものがあるだろうと思います。十分な熱心な審議をいただきましたと言ったって、一日どんなに熱心に審議をしたって二十四時間しかないわけであります。聞くところによれば、六時間か実質は三時間だとか、それ以前のいろいろな準備があったのかもしれませんけれども、また小委員会等もあるはずですけれども、それらのものをなさっていらっしゃらないことや、こういうことを考えますと、零細な方々の立場に立ってどうあるべきかということについてどれだけの実質的な審議をしたかということは非常に私ども疑問を感ずるわけです。
 ここしばらくの間の新聞の「声」の欄、きょうの朝日にも出ておりましたけれども、やっぱり一般の方々の見る目というのは、非常に諮問して答申がわずか十日の日そこそこという、それから過去のこと等も考えあわせて非常に急であったということや、そういう中でどれだけ実質的に零細な方々の立場に立って審議をしたのだろうかという、そしてまた附帯決議もついておるわけですけれども、これに対して具体的に何をどうするという、まあ日もありませんからそういうことについてまだ決定する余裕もないのかもしれませんけれども、作文が後ろについているというだけであって、何の保証もないという、こういうことを考えますと、預金なさっている方々にすると、やりきれない気持ちだというのは当然だと思います。そんなことだったら一般金融機関と同じような形態にすべきであって、なぜ一般金融機関と違う形態でこの郵便貯金が進められてきたのかということに対しての一般の国民大衆の疑惑といいますか、疑問といいますか、こういうものはぬぐい去ることはできないだろう。私は何も長い時間をかけたから審議が行き届くとかどうだとかは思いませんけれども、やはりこれだけのことをするわけでありますから、それ相応の手順といいますか手だてというものを踏むべきだと思います。
 十二条からいきましても、国民の「経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払うとともに、あわせて一般の金融機関の預金の利率についても配意しなければならない。」というわけでありますから、この預金者の立場に立って十分な審議がなされるべきであって、その結果どういうふうな結果が出るかということはこれは私どもは審議会にお任せするとしましても、これは審議会でだれがどういう発言をしてどうしたかという、そこまで私ども立ち入ることはできない。審議会というものはよくいつも問題になるところでございますけれども、大体、この審議会のメンバーを見ましても、財界筋の人が非常に多いということを考え合わせると、本当にこの審議会の運営というものが適正であったのかどうかという、また、その審議会が審議なさった内容というのは一体どうなのかという、こういう疑問を持つのは当然だろうと思うんです。
 今回、これは法律事項で決めるわけじゃありませんので、審議会の答申があればそれによって決められることでありますから、私がここでくだくだ言ったからといってひっくり返るわけじゃございませんけれども、二度と同じような轍を踏まないように、やっぱり零細な預金者の立場に立って、それらの方々が理解のできるような、理解といいますか、ある程度説得力のある十分な審議、そしてまたそれに対する対応策、こういうものも考え合わせて、今後とも審議会の諮問、答申、こういうものをやっていただきたい、こう思うんです。
 審議会無用論といいますか、いま各省庁にある審議会なんというのは全部やり直せという極端な意見等もありますけれども、いつも審議会にかけると専門家の意見だからということですぐ私どもは口を封じられてしまう。ぜひひとつ、ほかの審議会はそれぞれの立場があるだろうと思いますけれども、郵政審議会も、零細な預金者の大事なお金を預かっている、そしてまたインフレ傾向にある中でせっせとためたものが目減りするという、こういう重大なことを審議する場であるということを考え合わせて、郵政省としては、今後の運営についてはひとつしっかり御検討いただきたい、こう思うんですけれども、どうでしょう。
#125
○政府委員(神山文男君) 先生の御指摘のように、十二条の郵便貯金の利率の決定原則でございますが、確かに預金者の利益の増進ということとあわせて、一般金融機関の利率についても配意しなければならない、こういう二つの原則でございまして、私どもとしては、まさにこのことで非常に頭を痛めているわけでございます。しかし、与えられた条件の中で最大の利益の増進を図っていくということは、われわれとしても当然の責務であるわけでございます。
 ただ、この後段、これは従来郵便貯金の利率は法律で決定されていたわけでありますが、利率、金利の弾力化という趣旨から政令に委任されたわけであります。その際、こういう決定原則が掲げられているわけでありますが、この一般金融機関の利率について配意しなければならないということが、先生がおっしゃるように、ただ追随的に連動するということでは国営機関としての意味がないではないかということはまさにそのとおりでございますが、一方、やはり金利というもの、一般金融機関にも個人性の貯蓄というのが相当占めてきているという実態から、郵便貯金の金利だけをかけ離れたものにするというわけにもなかなかいかない、シフトの問題等ありまして、現実問題としてはそれはできないということで、ここに郵便貯金の金利をどうするかということで非常に問題があるわけでございます。
 そこで郵政審議会においても非常に範囲の広い御議論がありまして、いろいろの方からこの問題について御検討願ったわけでありますが、ちょうど昭和五十年の十一月の金利引き下げの際、これは郵政省は白紙諮問といいますか、郵便貯金金利についてという諮問を申し上げたんですが、そのときは何回も開いていただいて御議論願ったんですが、そのときの論点というものは相当整理されておりまして、そういうことを踏まえての今回の審議でもあったわけでございます。しかも、今回は、先ほども申し上げたように、客観情勢が非常に前回と違っていたというようなこと等から、今回は非常に前回に比べると早い答申をいただけたという結果でございますが、中身の議論というのは前回に劣っていないと私ども拝聴したわけでございます。
#126
○藤原房雄君 今回の一連の金利の引き下げ、公定歩合の引き下げを初めとしての金利の引き下げというものは、日本の経済全体の景気上昇というこういう大前提の上に立って金利政策としてこれらのものがなされたんだろうと思います。これは昭和五十二年の経済成長率六・七%という目標を定めて、これを達成するために公共事業も促進する、また経済全体についても金融面についてもということで、これが予算成立とともにこういう政策は特に景気上昇ということに焦点が当てられてやってきた。しかし、実際、物価上昇というのは五十一年度末も政府の言う八%台には到達し得なかった、依然として九%台という、こういう物価上昇の中で今回の金利の引き下げというわけでありますから、相当ないろんな議論があったろうと思うのです。
 一般金融機関の方々は預金もするけれども貸し出しも受けるという、こういうことで預金する立場とそれから借りる立場と両面あるわけですけれども、郵便貯金の場合は、これは借りるということはほとんど少ないわけでありますから、一方的な預金というものが非常に多い。それだけに利率が下がるということになりますと、郵便貯金の方々にどうしてもしわ寄せがもう大きく来る。これを考えてみますと、景気浮揚ということのために零細な方々に結局はしわ寄せがいくというふうにもうイコールで結んでも何もおかしくないような図式がここにでき上がるという、こういうふうに考えざるを得ないと思うのです。
 ですから、これはどういう議論があったか私どもよくわかりませんけれども、やっぱり物価上昇率というものが政府の目標に達成できなかった場合には、それに伴って利率というものをある程度考えなければならぬということ。それからマル優の現在最高限度額の三百万、これだけのものについては利率をある程度引き下げないでおくとか、やっぱり零細な人たちのために一般金融機関と違う何らかの施策というものが必要ではないか。附帯決議の中にもあり、また大臣も学資資金というようなこういうこともお考えのようですが、ただアドバルーンだけであって、具体的に何がどうなるのかということについては皆目見当がついてないわけでありますけれども、こういう物価が七%なり六%なり下がったのならいざ知らず、九%ということで政府の目標も達し得ない現在の中で、金利を一方的に下げられるということは、これは零細な預金者にとっては非常に手痛いことであり、貯蓄の目的もそこでまた大きく裏切られるということになるわけですね。そういうことから、もっときめの細かい何か施策も同時に講ずるような方策というものはやっぱり考えてあげなければならないのじゃないか。
 マル優限度、そのためには脱税なんかに使われているなんという、こういうそしりを受けるようなことがあってはならぬ、そういう点では最近はずいぶんチェックを巌しくやっているようでありますけれども、そういうこと等もあわせて零細な預金者を守るための具体的な施策というものをあわせて考えなければ、一方的な利率の引き下げということですと、これは現時点、こういう国民生活の経済状態の中では、非常に預金者に負担を強いるといいますか、大きな目減りを生じさせて犠牲を強いるという、こういうことに私はなると思うんです。ある程度のことは附帯決議の中にもあるわけですけれども、これについて今後どういうように検討して実施しようとするのか。ただ、ここにこういうふうに書いてありますというだけで、やっぱり結果的には金利が下がったというだけで何にも残らなかったという、こんなことですと、ますます政治不信といいますか、国民の不満はつのるばかりだと私は非常に憂慮するんですけれども、これを各項目について、四項目あるわけですけれども、これらについて現在この答申を受けてどういうふうに検討しておるのか、今後の見通しなり、今後の具体的な問題についてどういうふうに進めようとするのか、これらをちょっと御説明いただきたいと思うんですが。
#127
○政府委員(神山文男君) 先生のただいまのお話の物価上昇等、これは審議会でも最も議論の出たところでございまして、附帯決議の第一番に物価上昇、物価についての政府に対する要望、また前文にも物価についての要望がつけられているわけであります。
 それから、マル優の利率を据え置いたらどうかというような議論も、もちろん郵政審議会で出たわけでございますが、やはりこの個人の預金量というものも相当のシェアを占めておりまして、民間金融機関においてもシェアが大きいというようなことで、今回景気対策ということで貸し出し金利の引き下げということが非常に要望され、また必要であったわけでありまして、個人の預金なりマル優なりを据え置くということになりますと、貸し出し金利の引き下げに相当の圧迫を加えていくというようなことで、まあ非常に困難だというようなことになったわけであります。
 で、この答申の付帯条件というか、四項目でございますが、これにつきましては、第一項目の物価は郵政省の担当ではございませんが、政府を挙げて物価対策に努めていただきたいと私どもも念願するところであります。第二は、直接の融資方式を検討しろということ。それから第三点は、この現在の郵便貯金の資金、これは大蔵省の資金運用部に預託して運用しているわけでありますが、その運用の仕方の問題でございますが、預金者に還元されるような方向で検討しなさいということ。それから最後に、現在の調査研究会でいろいろ研究しているようだが、その結果の具体策を早く提案しなさいということでございます。
 で私どもに直接関係しますこの直接貸し出しの問題、これは結局先生も御指摘になった、郵便貯金の預金者というのは金利引き下げのデメリットだけを受けて、貸し出し金利の低下のメリットを受けないと、そういう点で郵便貯金の金利引き下げはいつも問題になるのじゃないかという御指摘がありまして、だから直接融資の方策を早急に検討しなさいということでございますので、これを受けまして、早急にわれわれとしても具体案をつくるようにしていきたいと考えております。
 それから最後の調査研究会でございますが、調査研究会は、先ほど申し上げたように、今年度末を一応の目途としておりますが、この中で、これから郵便貯金について相当いろいろの問題提起があろうかと思います。あらゆる点についてのそういう御提案のあった問題につきまして、早急に行政サイドで具体案をまとめてこれも進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#128
○委員長(神沢浄君) 本日の審査は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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