くにさくロゴ
1976/03/01 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 運輸委員会 第2号
姉妹サイト
 
1976/03/01 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 運輸委員会 第2号

#1
第080回国会 運輸委員会 第2号
昭和五十二年三月一日(火曜日)
   午後一時三十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     加瀬  完君     小柳  勇君
    目黒今朝次郎君     吉田忠三郎君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     橘  直治君     細川 護煕君
     宮崎 正雄君     二木 謙吾君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     細川 護煕君     小林 国司君
     二木 謙吾君     藤田 正明君
 二月七日
    辞任         補欠選任
     吉田忠三郎君     藤田  進君
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     藤田 正明君     玉置 和郎君
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     玉置 和郎君     藤田 正明君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上林繁次郎君
    理 事
                岡本  悟君
                中村 太郎君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
    委 員
                江藤  智君
                木村 睦男君
                黒住 忠行君
                小林 国司君
                佐藤 信二君
                福井  勇君
                青木 薪次君
                安武 洋子君
                和田 春生君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  田村  元君
   政府委員
       運輸政務次官   石井  一君
       運輸大臣官房長  山上 孝史君
       運輸大臣官房会
       計課長      西村 英一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
 (昭和五十二年度運輸省及び日本国有鉄道の予
 算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上林繁次郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十八日、加瀬完君及び目黒今朝次郎君が委員を辞任され、その補欠として小柳勇君及び吉田忠三郎君が委員に選任され、同月二十九日、橘直治君及び宮崎正雄君が委員を辞任され、その補欠として細川護熙君及び二木謙吾君が委員に選任され、二月二日、細川護熙君及び二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として小林国司君及び藤田正明君が委員に選任され、また同月七日、吉田忠三郎君が委員を辞任され、その補欠として藤田進君が委員に選任されました。
#3
○委員長(上林繁次郎君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 まず、運輸行政の基本施策に関し、運輸大臣から所信を聴取いたします。田村運輸大臣。
#4
○国務大臣(田村元君) 第八十回国会に当たりまして、当面の運輸行政の諸問題に関し所信の一端を申し述べ、各位の御理解と御支援を賜りたいと存じます。
 私は、いつの時代においても、国民生活と国民経済の基盤たる運輸交通の果たすべき役割りはきわめて重要であり、運輸行政の基本は、安全な輸送サービスを環境との調和を図りつつ国民に提供すべく、交通機関の維持整備に努めていくことにあると信じております。
 この場合において、私は運輸行政の最高責任者として、運輸行政に対する国民の信頼を得てその円滑な遂行を確保するため、従来にも増して、運輸省職員の綱紀の粛正と運輸行政の運営の改善に努めていく決意であります。
 私は、当面次の諸点に重点を置いて運輸行政を遂行してまいりたいと考えております。
 まず第一は、日本国有鉄道の再建であります。
 国鉄は明治以来、わが国における基幹的な輸送機関として、きわめて重要な役割りを果たしてまいりましたが、近年に至ってその財政は急激に悪化し、いまやきわめて憂慮すべき経営状況に立ち至っております。
 しかし、国鉄は、今後ともわが国の陸上交通の分野で重要な機能を果たすべきものと考えており、そのためには、何よりもまずその経営の健全性を回復させることが肝要であります。
 このため政府としては、一昨年暮れに、国鉄再建対策要綱を策定いたしました。この対策要綱は、まず国鉄自身が、厳しい姿勢のもとに責任ある経営体制を確立することを前提として、国による所要の財政援助及び必要な運賃改定により、短期間に収支均衡の回復を図り、その後における健全経営の基盤を確立することを基本的な考え方としております。
 今回政府は、基本的にはこの対策要綱に沿いつつ、その一部修正を行いましたが、その要点は、第一に、諸般の情勢に照らして収支均衡の目標年度をおおむね五十四年度に変更すること、第二は、国鉄運賃の決定方式について暫定的にその弾力化を図り、所要の運賃改定を行うこと、第三は、国鉄自身が、その経営改善のため赤字部門について具体的な対策を樹立し、早急にこれを実施に移すこと、また、関連事業部門についてもその強化を図ること、第四は、以上の措置とあわせて、国の行財政上の援助を強化することであります。
 そして、これらを実施するため、今国会に所要の法案を提出いたした次第でありますので、よろしく御協力を賜りたいと存じます。
 第二は、新海洋秩序への対応であります。
 近年、国際社会においては、新たな海洋秩序の形成が進展しつつあります。運輸省といたしましては、このような情勢を踏まえ、円滑な外航海運活動の確保、海洋汚染の防止等の観点から、今後とも国際的な努力を重ねてまいる所存であります。
 一方、政府においては、主としてわが国沿岸漁業の保護の観点から、わが国の領海幅員を十二海里に拡張すべきことを決定したところであります。これに伴い、海上保安業務が増加することが予想されますので、海上保安庁において巡視船艇、航空機等の増強を計画的に推進し、これに対処する所存であります。
 第三は、新東京国際空港の早期開港の実現であります。
 新東京国際空港につきましては、開港の障害となっている問題を早急に解決し、年内にその開港を達成すべく関係省庁、地方公共団体等の協力のもとに、目下全力を挙げて対処しているところであります。
 第四は、地域における公共交通機関の維持、整備についてであります。最近国民は、生活の質的向上を特に重視するようになっており、交通運輸の分野においても、過疎地域、過密地域を問わず、地域住民の生活のための足を確保することが重要な課題となっております。
 このため運輸省においては、従来から、地方交通対策として国鉄、中小民鉄、地方バス、離島航路、離島航空路に対する助成措置を講じ、これら公共交通機関の経営の維持を図ってきており、また、大都市交通対策として都市高速鉄道の整備を推進するとともに、バス輸送サービスの改善を図ってきております。今後とも、これらの諸施策を着実に推進してまいります。
 第五は、わが国の経済を支え、国民生活の充実の基盤となる港湾、空港、鉄道等の運輸関係社会資本の長期的整備についてであります。これにつきましては、昭和五十年代前期経済計画との整合性を保ちつつ、第五次港湾整備五カ年計画及び第三次空港整備五カ年計画の第二年度として港湾及び空港の整備を推進するとともに、新幹線等を初めとする国鉄輸送力の整備充実を図ることとしております。これら運輸関係社会資本の整備は、全国的な幹線交通ネットワークを形成し、あるいは地域交通の充実を図り、また国際交通の発展を図る上で不可欠なものでありますが、その整備に際しては環境の保全、交通公害の防止についても十分の配慮をなすべきものと考えております。
 第六は、交通安全の確保と災害の防止についてであります。
 私は、安全の確保こそすべての運輸サービスの基本であり、瞬時もゆるがせにすることのできない課題であると確信しております。すなわち陸、海、空のいずれの交通分野におきましても、人命の尊重は何物にも優先するとの認識のもとに、交通従事者の厳しい自覚を前提とした知識、技能の向上、安全管理体制の充実、また、交通環境の整備、被害者の救済の充実、さらには海上衝突予防法等の関係法令の整備等の施策を総合的に推進し、交通安全の確保を図ってまいる所存であります。
 一方、運輸行政は、災害対策の面においても重要な役割りを担っております。特に自然災害については、まず科学的な調査研究を進めて予知、予報の精度を高めるとともに、国土保全のための事業を進め、万一災害が発生した場合には、復旧事業を迅速的確に実施することが重要であります。このため運輸省においては、静止気象衛星の打ち上げを初めとして、気象業務体制の一層の充実を図るとともに、第二次海岸事業五カ年計画に基づき、海岸保全施設等の整備を推進してまいります。特に近年重視されている震災対策につきましては、地震予知体制の強化を初め、関係機関との密接な連携のもとに、諸対策を強力に推進してまいります。
 第七に、交通公害の防止についてであります。
 私は、豊かな国民生活を実現するためには、交通機関のもたらす利便を促進すると同時に、交通機関が与える環境への影響についても十分な配慮を払う必要があると考えております。運輸交通に係る公害問題としては、航空機の騒音問題、新幹線鉄道の騒音、振動問題、自動車の排出ガス、騒音問題、海洋汚染問題等広範多岐にわたっております。
 これらいずれの問題についても、まず基本的には、公害発生源対策としての技術開発を推進し、公害の発生を抑えることが重要であり、次に周辺対策として、必要に応じ民家防音工事等を推進するとともに、土地利用の調整を図ることによってその被害を防止し、さらには、公害に対する規制及び監視取り締まり体制を強化して公害対策の実効を期することが必要であります。私は、今後とも、これら所要の施策を積極的に推進してまいる決意であります。
 最後に、今日の厳しい国際環境の中での造船不況問題、外航海運問題、国際航空問題等の国際的問題について申し上げます。
 まず造船につきましては、その世界的な不況のもとで、わが国としては操業度勧告を実施し、あるいは事業転換を促進するなどの対策を講じております。一方、EC諸国がわが国の造船受注に対して厳しい態度を示しておりますが、これに対しては、OECD等の場を通じ積極的に協議を進め、鋭意解決に努力しているところであります。
 外航海運につきましては、世界的なタンカー船腹の過刻、日本船の国際競争力の低下とこれに伴うわが国商船隊の構成の変化等、構造的ともいえる問題が山積しつつあります。このため、今後の外航海運政策のあり方について、この際抜本的に再検討を加えることとしております。また、最近強化されつつある開発途上国の国旗差別政策に対しましては、いわゆる対抗立法を今国会に提出すべく準備を進めているところであります。
 なお、最近の船員雇用をめぐる厳しい情勢に対処するため、船員対策を計画的に推進することとしております。
 また、従来から懸案になっております日米航空協定の改定問題につきましては、今後とも日米間の航空権益の不均衡を是正すべく努力してまいる所存であります。
 このほか、国際観光の振興、開発途上国等における運輸関係施設の整備に対する国際協力の推進等についても、従来以上の努力を尽くしてまいりたいと考えております。
 以上、運輸行政の当面の諸施策につき申し述べましたが、これらは申すまでもなく、委員各位の深い御理解と絶大なる御支援とを必要とする問題ばかりでございます。
 終わりに当たりまして、重ねて皆様の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(上林繁次郎君) 次に、昭和五十二年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関し、説明を聴取いたします。石井運輸政務次官。
#6
○政府委員(石井一君) 昭和五十二年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。
 初めに、予算の規模について申し上げます。
 まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は、十七億九千六百四十万二千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分七百五十七億六千三百十三万六千円を含み一兆四百七十五億三千六百二十二万七千円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、比率で一五・一%の増加となっております。
 次に、特別会計について申し上げます。
 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆一千九百七十五億九千六百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千三百二十五億三千六百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額二百二十九億一千六百万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額一千百九十億九千二百万円余をそれぞれ計上いたしております。
 また、昭和五十二年度財政投融資計画中には、当省関係の公社・公団分として一兆二千六百八十八億円が予定されております。
 運輸省といたしましては、以上の予算によりましてまず第一に、日本国有鉄道の再建対策を推進することといたしておりますが、この点につきましては、後ほど国鉄予算の御説明をいたします際にあわせて御説明させていただきたいと存じます。
 第二に、新海洋秩序に対応して警備救難、公害監視等の体制を充実させるため、海上保安庁の巡視船艇、航空機等の整備を強力に推進することといたしております。
 第三に、交通基盤施設等の整備につきましては、港湾、海岸及び空港に関する各五カ年計画を推進するとともに、東北、上越両新幹線を初めとする鉄道の整備については重点的に進めることといたしております。
 第四に、安全防災対策といたしましては、地震、火山対策、集中豪雨対策、海上防災対策、被害者救済対策等の充実を図ることとしており、環境保全対策につきましては、騒音防止対策、海上公害対策等を推進することといたしております。
 第五に、経営改善に努力している地方バス、中小民鉄、離島航路等に対し、地方公共団体と協力して助成を行い、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持、確保に努めてまいります。
 第六に、世界的な不況に直面している造船業対策として、輸出船に必要な財政投融資を確保するとともに中小造船業、造船下請業、造船関連工業対策に努力してまいります。
 また、失業に悩む船員の雇用安定対策の充実も図ってまいりたいと考えております。
 次に、日本国有鉄道について申し上げます。
 国鉄の再建については、昭和五十年末に閣議了解された再建対策要綱に基づく諸施策を推進することにより、その達成を図ることといたしておりますが、諸般の情勢にかんがみ、本年一月にその一部の修正を行っております。
 この要点は、国鉄の財政を再建するため、おおむね昭和五十四年度を目標年度として国鉄の収支の均衡の回復を図り、以後経営の健全性の確立を図ることとし、運賃決定方式の暫定的弾力化と所要の運賃改定を行うとともに、国鉄自身の赤字要因の除去のための経営努力を促し、あわせて国の行財政上の援助を行おうとするものであります。
 これに基づき、昭和五十二年度においては、物価対策等に配慮しつつ、国鉄が財政再建の軌道を逆行することのないよう、国鉄運賃について名目一九%の必要最小限度の改定を予定するとともに、国は、一般会計に総額四千四百五十七億円を計上し、国鉄の過去債務対策、工事費補助、地方交通対策の拡充を図るほか、新たに大都市交通対策について財政上の援助を行うことといたしております。
 なお、運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十二年度運輸省予算の説明及び昭和五十二年度日本国有鉄道予算の説明によりまして御承知願いたいと存じます。
 以上をもちまして、昭和五十二年度の運輸省関係の予算についての説明を終わります。
#7
○委員長(上林繁次郎君) 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時五十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト