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1976/04/26 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 商工委員会 第6号
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1976/04/26 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 商工委員会 第6号

#1
第080回国会 商工委員会 第6号
昭和五十二年四月二十六日(火曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     相沢 武彦君     中尾 辰義君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     遠藤  要君     柳田桃太郎君
     佐藤 信二君     楠  正俊君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     金井 元彦君
     斎藤栄三郎君     坂元 親男君
     対馬 孝且君     田  英夫君
     向井 長年君     藤井 恒男君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     金井 元彦君     林田悠紀夫君
     坂元 親男君     斎藤栄三郎君
     田  英夫君     対馬 孝且君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     柳田桃太郎君     後藤 正夫君
     対馬 孝且君     辻  一彦君
     藤井 恒男君     向井 長年君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤 武徳君
    理 事
                福岡日出麿君
                竹田 現照君
                須藤 五郎君
    委 員
                小笠 公韶君
                楠  正俊君
                剱木 亨弘君
                後藤 正夫君
                斎藤栄三郎君
                林田悠起夫君
                吉武 恵市君
                阿具根 登君
                森下 昭司君
                桑名 義治君
                向井 長年君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 龍夫君
   政府委員
       中小企業庁長官  岸田 文武君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       内閣参事官    角田 達郎君
       大蔵省主計局給
       与課長      足立 和基君
   参考人
       小規模企業共済
       事業団理事長   越智 度男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○小規模企業共済法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として辻一彦君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(加藤武徳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 小規模企業共済法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として小規模企業共済事業団理事長越智度男君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(加藤武徳君) 小規模企業共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通産大臣。
#6
○国務大臣(田中龍夫君) 小規模企業共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 小規模企業共済制度は、小規模企業者が相互扶助の精神に基づいて、毎月掛金を積み立て、廃業や死亡といった有事の事態に備えるという共済制度でありますが、小規模企業者にとってその果たす役割りは大きく、昭和四十年十二月の制度発足以来その加入者数は年々累増し、今日までに約五十二万件という加入を得ております。
 現在、制度発足後十一年余りを経過したところでありますが、本制度は法律上、経済事情の変化に対応すべく、制度の眼目である掛金、共済金等の額の検討を五年ごとに行うよう義務づけられております。
 そこで、前回昭和四十七年に改正が行われて以来五年目に当たる本年、改めて制度の見直しを行い、必要な改正を行うべく、この改正法案を提案いたした次第であります。
 改正の趣旨は、最近における所得や物価の推移などの経済事情の変化、小規模企業者から本制度に対して常日ごろから寄せられております要望などを勘案し、本制度の一層の整備を図ろうとするものであります。
 次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。
 まず第一に、掛金月額の上限を現行の一万円から三万円に引き上げ、また下限についても現行の五百円から千円に引き上げることであります。これに伴いまして、共済金の最高額も現行の三倍に引き上げられることとなり、税制上の優遇措置と相まって小規模企業者にとって大変魅力ある制度となると考えております。
 第二は、現行法におきまして、いわゆる老齢給付といたしまして、六十五歳に達した共済契約者は加入期間二十年以上になれば共済金の支給を受けることができることと相なっておりますが、その要件を緩和し、加入期間が十五年で共済金の支給が受けられるようにすることであります。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同をくださいまするようひとえにお願い申し上げます。
#7
○委員長(加藤武徳君) 次に、補足説明を聴取いたします。岸田中小企業庁長官。
#8
○政府委員(岸田文武君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 小規模企業は、わが国の非一次産業に属する事業所の八割強を占め、いわばわが国経済の基盤ともいうべきものでありまして、政府といたしましては、従来から、その健全な発展を図るため、各般の施策を講じてきたところであります。
 小規模企業対策につきましては、その経営基盤を強化するための経営指導、金融面の諸施策と並んで、その廃業、老齢化等の事態に備えるための社会福祉的観点からの施策をも加味していくことが重要であると考えられますが、こうした意味から本共済制度は、小規模企業対策の重要な一環をなすものであります。
 本制度につきましては、昭和四十七年の改正以後五年を経過することとなりますが、政府といたしましては、この間の所得水準及び物価水準の上界等、全体として大きな経済事情の変化が見られた点を考慮するとともに、これまでの十一年余の制度運営の実績と加入者を初めとする各方面からの要望等にできるだけ配慮しつつ、制度内容をより一層魅力あるものとするよう検討いたしまして、改正法案を提案申し上げた次第であります。
 改正の内容といたしましては、まず第一に、掛金月額の上限を現行の二十口、一万円から三万円に引き上げることであります。これにより共済金の最高額も現行の三倍に引き上げられ、本制度の加入者の方々の老後の備えとして有意義なものとなることが期待されます。
 さらに、第一種共済契約の掛金につきましては、税法上その全額につき所得控除が認められることとなっておりますので、掛金最高額の引き上げは本制度に大きな魅力を加えることとなると考えております。
 第二は、いわゆる老齢給付の受給要件の緩和であります。現行法におきましては六十五歳で加入期間二十年以上の共済契約者は共済金の支給が受けられることとなっておりますが、これを加入者の加入時の平均年齢を考慮して、加入期間十五年で共済金の支給が受けられるよう改善することとしております。この改善により、現行制度では六十五歳に達した時点で給付を受けることのできる加入者が約半数にとどまっておりましたのが、七割近くの加入者が六十五歳に達した時点で老齢給付を受ける資格を有することになります。
 なお、今回の法改正には含まれておりませんが、本制度の加入者に対する共済資産を原資とした融資制度につきましては、掛金の積立額の範囲内としている現行制度に加え、本共済制度の円滑な運用に支障のない範囲内で、掛金積立額を超える新しい融資制度を、都道府県の制度融資の形で実施することにより加入者の資金需要に応じ得るよう、別途、所要の措置を講ずることにつき検討を進めております。
 以上、この法案につきまして、補足説明をいたしました。何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#9
○委員長(加藤武徳君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○森下昭司君 この機会に、この改正案につきまして若干の質問をいたしたいと思います。
 まず最初に、この小規模企業共済制度が小規模企業対策の一環といたしまして昭和四十年に発足をいたしまして以来、約十三年間の運用実績を持っている。その目的であります小規模企業者の福祉の増進に、どのような役割りを果たしたと評価しておみえになるのかどうか、その点をまず最初にお伺いをいたします。
#11
○国務大臣(田中龍夫君) 説明にも冒頭申し上げましたごとくに、この中小企業、なかんずく零細企業に対しまする本制度は、むしろ中小企業対策の中における最も社会福祉的な内容を持っておる、かように考える次第でございます。
 もちろんその間におきましては、いわゆる経営上の還付金の活用というふうな、経営上活用いたすべき資金もございますけれども、むしろ本制度におきましては、老齢あるいは廃業に当たりまして、積み立てたお金によって老後の安定とまではいかないにしましても、救済の一助に充て得るということは何と申しましても非常な私は魅力である、さような関係から、もちろん中小企業全体の中におきまして、この加入者の数はまだまだ足りない、一割強でありますけれども、しかしながら、この制度が非常に魅力のあるものであるということにつきましては先生御承知のとおりでございます。
 その間において、五年ごとに改正をいたすことに相なっておりますにつきましても、いろいろと事情の変化やあるいは要望等が出てまいっておりますので、それを加味、調整いたしまして、お手元に出した改正案と相なったわけでございます。
#12
○森下昭司君 いま、非常にいろいろ福祉的な面が加味されて、魅力的なものであるというようなお話がありましたが、その御答弁の中でも、やはり加入者がまだまだ少ないという、反省といいまするか、魅力あるものでありますれば対象者が続々と加入をしなければいけないと、こういう理屈になるわけでありますが、加入者が少ない。また、順次これはお尋ねをいたしまして問題をひとつ明らかにいたしておきたいと思うわけであります。
 そこで、この共済制度の加入対象数というものは会社の役員も含まれまするので、小規模企業数よりも多くなると思うが、このいわゆる企業者以外の、要するに法人の会社役員というものは大体全国的にどのくらいの数があると推定しておみえになるのか、お尋ねをいたす次第であります。
#13
○政府委員(岸田文武君) 小規模企業の数は事業所統計から約四百五十万と推定をされております。加入資格者としては大体この四百五十万を前提として考えている次第でございます。
 いまお話の中に、会社、企業組合、協業組合等の役員があるではないかというお尋ねがございましたが、小規模企業の中における法人の比率が約一八・五%になっております。これらについての加入事例をいろいろ見ておりますと、役員の加入数は一法人当たり一名ないし二名というところでございまして、全体として約四百五十万程度という推定をいたしましても、そう大きな狂いはないのではないか、かように理解をいたしておるところでございます。
#14
○森下昭司君 それは、加入者が一法人一ないし二名という意味なのか、それともたとえば株式会社の法人になれば、いろいろ株主は七名以上とか、あるいは役員についていろいろ商法上の規定がございます。そういうところでまいりますと、いまお話がありました一法人当たり一ないし二名だ、そして事業所数が四百五十万でありまするから、そう大きな変化はないだろうというお話でございますが、法人の役員の一ないし二名というのは加入をしておみえになる方がそういう数になるのか、あるいは法人の役員として存在しておみえになりますのが一ないし二名になるのか、その点をなお明らかにしていただきたい。
#15
○政府委員(岸田文武君) 小規模企業の場合には、会社と申しましてもわりあいに小規模な会社でございます。先ほど申しました一ないし二名と申しますのは、加入の実績、実例に基づきまして推定をいたしました資料でございます。
#16
○森下昭司君 そういたしますと、やはり一つの法人で一ないし二名しか加入していない。しかし、これは一法人で役員の多いところもあるでございましょうから、相当数のやはり四百五十万に上積みする対象者があるというふうに推定できるのではないかと思うのでありますが、現在の加入者数は約五十二万件というふうに私は承知をいたしておりますが、この中に、いま一法人一ないし二名の役員が含まれているということになりますと、加入しておみえになりまするこの五十二万件の中で大体企業者数としてはどのくらいになっているのか、それを明らかにしていただきたい。
#17
○政府委員(岸田文武君) ただいま申し上げましたように、法人等の場合には役員が一ないし二名加わっておる、その分を調整をいたしまして、実質的な対象企業者数と申しますと、五十二万件から約三万件を引いた四十九万件程度ではないかと思っておるところでございます。
#18
○森下昭司君 そういうものはやはりどうですか、長官、統計的に何かはっきりしたものをお調べになって、毎年将来の加入者の募集あるいは周知徹底のための方法にお使いになるというような、具体的な何か統計的なものをお持ちになっているのですか。
#19
○政府委員(岸田文武君) ただいま事業団の経理におきましては、加入者の個人名で整理をいたしておりますために、お話ございましたように、企業数で幾らになるかという正確な統計が現在はございません。
#20
○森下昭司君 これは、先ほども全加入対象者数の中で法人が大体一八%ぐらいあるのじゃないだろうかというお話がございましたので、やはり私は、法人関係の役員に対するPRというものと、それから事業者そのものに対するPRとおのずと違ってくるものがあるのではないか、現に共済金でも役員と事業者に対しましてはそれぞれ一種、二種を通しまして違った給付の仕方がしてあるわけでありますけれども、画一的な宣伝だけじゃいけないと思うんであります。そういう点で、私はやはりそれぞれのメリットを強調することが加入促進の一つのPRとなっていくというようなことも考えられますので、今後できるだけ統計的に明確なものをやっぱりおつくりになるということをまず要望いたしたいのであります。
 そこで今回の改正案の中で、掛金限度額というものを月額一万円から三万円に引き上げられた。これは物価の問題でありまするから、他の年金保険の関係でありますとか、いろんなことが例として挙げられておるわけでありますが、いわゆる小規模企業共済について一万円から三万円に引き上げたというのは、具体的にどういう根拠でこの額が適当であろうと御判断なさったのか、その点お尋ねしたいと思います。
#21
○政府委員(岸田文武君) この法律によりまして御承知のとおり、共済金及び掛金等の額は少なくとも五年ごとに見直すということが法律上義務づけられておるところでございます。ところで、前回四十七年に改正をいたしたわけでございますが、それ以降の物価水準の上昇が約七五%に上っております。
 それから、別途加入者の平均加入時の年齢が比較的高齢でございまして、平均が四十六歳程度となっておるわけでございます。その時点で加入して、しかも大体二十年ぐらいたったら相当まとまった金額が給付金として交付される、こういうようにするにはというふうに考えてみますと、やはり従来の限度ではまだまだ不十分であろう、こういったことを頭に置きまして三倍の引き上げを御提案申し上げた次第でございます。なお、お話にございましたように、他の類似制度におきましてもやはり三倍程度までの引き上げをしておる事例がございますことも参考にさせていただきました。
#22
○森下昭司君 しかし、掛金別の加入状況を見てみますと、四十七年に限度額が五千円から一万円に引き上げられておりますが、四十八年以降は最高限度額である一万円――二十口です、この加入が最も多くなっており、特に五十一年は五五・二%、過半数の人が最高限度の口数で加入しているわけであります。一方、掛金が月一万円の場合の共済金は十年加入で百九十四万三千円、二十年加入で五百六十二万四千六百円となっておりまして、従業員の場合の退職金の水準と比べましても決して恵まれているとは言えないと思うのであります。今回限度額が三万円に引き上げられるものの、もともと掛金の限度額の設定が低過ぎるのではないかと思うのでありますが、もっと思い切ってこれは引き上げてもよいのではないかと思うのでありますが、一応その点についての考え方をお尋ねいたしたいと思います。
#23
○政府委員(岸田文武君) ただいま申し上げましたような、いわば経済的背景と、それから他方で、他の類似制度との均衡ということを頭に置きまして三万円という金額にいたした次第でございます。従来の実績を見ておりますと、最初は非常に平均加入口数が少のうございまして、それが四十七年の改正以降次第にこの制度の魅力が認められて、平均口数も最近は次第に上がってきておるという点は御指摘のとおりでございます。大体今回の三倍に引き上げるという改正、かなり私どもとしては思い切った改正であると思っておるわけでございますが、この程度までいけば一応小規模企業の方々が、老後のことも考えて一応の安心が得られる金額ではなかろうかと思っておるところでございます。
#24
○森下昭司君 これはいわゆる長期な掛金をかけて、それからの給付でありますから、現在三万円の限度額で、一応の条件としては整っているだろうと思われるのでありますが、たとえば二十年先あるいは十五年先等を想定いたしますと、相当の物価上昇等も考えてまいりますと、実際の給付を受ける段階になってまいりますると、なおさらに限度額を引き上げておいた方がよかったのではないだろうかというような考え方も成り立つわけでありまして、私どもといたしましては、やはりそういった長期的な展望に立つ考え方も持つ必要があるのではないだろうか。これは一つ一つ掛金だけの限度額を上げるということだけでは解決する問題ではありませんし、余裕金の運用でありますとか、国庫の補助金でありまするとか、あるいは廃業保険的性格を強めていく問題でありまするとか、たくさんの問題点があると思うのでありますが、私は限度額というものは将来を見越して、ある程度もう少し幅を持って上げておいた方がよかったのではないだろうかという感じがいたします。
 そこで、いわゆる掛金の余裕金の運用をいたします中で、還元融資という制度が行われているわけでありますが、現在行われておりまする契約者貸付制度が十分活用されているとお考えになっているのかどうか、不十分だと思われているのかどうか、その点まず最初にお伺いいたします。
#25
○政府委員(岸田文武君) 現行の貸付制度は昭和四十八年五月から実施をいたしておるところでございますが、五十一年十二月末までの貸付件数は、累計で二万一千二百二十件、それから累積金額で四十四億二千三百万円に上っております。有資格者も次第に増加しておりますし、それから加入者の平均積立額も増加を見ておりますので、最近に至りまして貸付額も徐々に増加をいたしておるところでございます。私どもはこういう制度をせっかく用意をいたしましたので、うまく使っていただくということを念願いたしておりますが、希望があれば、即時無担保で即日借りられるという制度は、少なくともこれを利用していただいた方には喜んでいただいているんではないかと思っているところでございます。
#26
○森下昭司君 五十一年度の貸付規模三十億円、なお大体この最終的な正確な数字はまだわかっておりませんが、一応約二十八億円程度は貸し付けたのではないだろうか。いまお話がありましたように、年々貸付額は増大が見られておりまするが、この五十一年度だけを見ましても、三十億円の大体当初の計画に対しまして約二十八億円、足らなければ足してでも貸しますという考え方がおありのようでありますが、そういう点からまいりますと、やはり全部を出し切ってない、また資格者が借り切ってないというような状況は、この現在の契約者貸付制度に何らかの欠陥なり、あるいは実情にそぐわないような点があるのではないかと思うのでありますが、そういう点についての不平でありまするとか、あるいは改善方についての問題について、それぞれのお考え方がないのかどうか。あるいはそういった点について利用者から、あるいは事業団に対しましてこうしてもらいたいというような希望なり、そういったものは出されなかったのかどうか、その点ひとつお尋ねをいたします。
#27
○政府委員(岸田文武君) 貸し付けの有資格者と申しますと、大体一年以上掛けておる方でございますが、この貸し付けの有資格者につきましては、その全員に対しまして事業団から年に二回、あなたはどの程度まで借りられますよということを連絡をしておりまして、制度の周知徹底にはいろいろ努力をいたしておるところでございます。したがいまして、これで一定の資格があるということで金融機関等に申し出があった場合には、それで断ったというような実例はございません。希望があれば、その需要にこたえて貸し付けをいたしておるというところでございます。金額の点も、このところの実績をごらんいただきますとおわかりのとおり、五十年、五十一年と、大体倍ぐらいふえておりますし、恐らく五十二年にはさらに倍ぐらい利用されるのではないかと思っておるところでございます。もし金額の点で不足を起こす、予定よりもオーバーをするというようなときには、当然それに対する資金手当てをして需要にこたえたいと思っておるところでございます。
#28
○森下昭司君 しかし、貸付限度額というものがございまして、掛金納付済み額に対しましてそれぞれ若干の期限の問題がありますが、最低七〇%から九〇%の範囲しか貸し出しを認めていない。この辺はやはり私はこの共済金の掛金そのものが非常に少額であったという過去の実態、四十七年に五千円から一万円、今回一万円から三万円に掛金の限度額が上昇をすることになりましたけれども、過去に非常に掛金の低い時代があったということを考えてまいりますと、掛金納付済み額の七〇%ないし九〇%以内しか貸さないということは、やはり利用者に若干私は条件としては厳しいものがあるのではないかというような感じがいたしますが、この点について改善をなさるお考え方はございませんか。
#29
○政府委員(岸田文武君) 小規模企業の方々にとりましては、即時無担保で借りられるという制度が控えておるというのは大変心強いことではないかと思っておるところでございます。ただそれを無制限にやりますと、これは事業団全体の資産の運用の面からも問題がございます。私どもが従来一定の限度を設けておりましたのは、おおむねその時点での解約手当金の額以内ということを頭に置きまして処理をいたしておるところでございます。
 ただ、この制度はそれなりに大変喜ばれておると思いますが、なお、別途事業団のかなりの資産がある。これをもっとうまく使うことができないかという意味合いから、この制度と並行いたしまして新しい融資制度をこの際創設してみてはどうか、こう考えた次第でございます。
#30
○森下昭司君 私が調べたわけではございませんが、既存の統計を見てみますると、五十年八月現在で貸付対象者数は九万八千九百八十五人、本制度を利用している者が二千三百三十二件、貸付利用度と申しますか、これは二・四%にすぎません。平均貸出金額は一件当たり十八万二千五百円となっているのであります。これは私はいま申し上げたように七〇%ないし九〇%の範囲内でしか貸さないという条件あるいは過去の掛金が非常に少ないという前提に立って考えました場合に、こういう結果が出てきたのではないかと思うのであります。現行の物価高の状況下におきましてこのような、平均一件当たり十八万二千五百円しか借りることができないというようなことは、効率的な資金運用を妨げている。借りる側からいきますれば、どうでもいいと言いませんけれども、こんなちっぽけな金額では何にも効果が得られないではないかというような危惧があると私は思うのでありますが、この数字の点についてどうお考えになっているのか。
#31
○政府委員(岸田文武君) いま利用率が二・四%というお話ございましたが、これは全加入者に対して利用者が二・四%ということになるわけでございます。しかしながら、有資格者ということでしぼってみまして、それに対する利用者ということであれば、この二・四%よりはるかに高い、五十一年であれば、六・七%の方が利用しておられるという関係にあるわけでございます。それでもまだ低いではないかというお尋ねもあろうかと思いますが、不時の際に利用するということでこの制度ができておりますので、そういうことが起こらないで済んでおる方が非常に多いということが一面言えるかと思います。
 しかし、そういう万が一の場合が起こったときに、この制度だけで全部カバーし切れない問題がある、そういった点を配慮いたしまして、この制度と並行した新しい融資制度を設けるということが、両々相まって意味がでてくるのではないかと思っておるところでございます。
#32
○森下昭司君 ちょっと長官、数字が前提が間違っているんじゃないですか。私は貸出対象者数が九万八千九百八十五名だということを申し上げたんです。いま長官は全加入者という表現でありますが、私のいま手元にあります資料からまいりますと、昭和五十年度現在の在籍件数は四十七万八千一百二十七件になっているんです。したがって私の申し上げたのは、つまり簡単に言えば、条件からまいりますれば、一年以上掛金をちゃんと掛けて、その範囲内でしか借りられないわけでありますから、この要するに条件に当てはまっておった人が五十年八月現在で九万八千九百八十五名、そしてその利用者が先ほど申し上げましたように件数が二千三百三十二件。ですから貸出利用状況というのは二・四%になっている。こう申し上げているんです。これは事業団の編さんされた「小規模企業共済事業団10年のあゆみ」の資料にちゃんと載っているんです。この違いはどうなんですか。
#33
○政府委員(岸田文武君) 五十年八月時点の資料ちょっと手元にございませんので、ちょっとチェックして、またもし違っておりますれば補足して御説明さしていただきますが、私の手元にございます資料によりますと、五十年におけるいわゆる有資格者の数が十一万八千七百となっております。それに対して貸付件数が七千二百四十九。これが五十年の実績貸付件数ということになっておりまして、それで比率をとってみますと六・一%になろうかと思っております。
#34
○森下昭司君 それから、そのパーセンテージで平均貸出金額は一件幾らになっておりますか。
#35
○政府委員(岸田文武君) 五十年におきましては大体二十万円でございます。五十一年が大体二十三万円程度になろうかと思っております。
#36
○森下昭司君 二十万円、二十三万円。先ほども同じことを申し上げて恐縮でございますが、現在のこの状況からまいりまして、確かに小規模でありまするから、二十万、三十万でいいではないかという逆説も成り立つ場合があるかとも存じます。しかし長官自身が先ほど申されましたように、無担保無保証、即日窓口で貸し付け、この簡易さがこの制度の一つの魅力であるというようなことを強調されたわけでありますが、現実に制度融資の中におきまして各自治体が行っておりまする無担保無保証、これは信用保険法で保険をつけるわけでありますが、これでも全体といたしまして大体いま三百万円が一つの限度になっているのです。やはり私は、制度融資といたしまして、無担保無保証で国の指導によって三百万円の限度をもって行われているという実態からまいりますれば、この小規模企業の共済金の運用金を利用するにいたしましても、還元融資と言うに値するような内容には余りにもなっていないのではないかというふうに思うのであります。したがって、無担保無保証で三百万円のことをやっているのですから、私は小規模企業共済の立場からいきましても、現在のこの貸付制度をさらに拡大発展させる。あるいは先ほど申し上げたように七〇%−九〇%、解約手当金の範囲内でというようなお話がありますが、私はやはりある程度のリスクを負うことを覚悟で、この枠というものを拡大していく必要があるのではないか。
 第二には、そういうことになりますれば、三カ月、六カ月、十二カ月という一括返済のこの貸付期間というものをさらに検討する必要があるというふうに私は思うのでありますが、重ねて現行の制度について改善をなさるお考え方はないのかどうか、お尋ねいたします。
#37
○政府委員(岸田文武君) まず一つは、この貸出限度自体が、今度掛金月額がふえましたことによりまして、掛金の月額が三倍になれば、それだけこの還元融資を受けられる限度も上がってくるであろうということが当然予想されるわけでございます。いままで掛けた金の範囲内で貸すという方式自体を根本的に考え直してはどうかという御提案につきましては、従来のやり方のように一定の限度であれば、いわば機械的に即日無担保で貸せるわけでございますが、それを超えて事業団が直接に貸し付けをしようと思いますと、相手の方が本当に返していただける体制にあるのかどうかというような内容に入って審査をしなければならないという点が、いまの事業団の体制上非常に困難があるという点が、私どもとしては問題ではないかと思っておるところでございます。
 そこで、事業団は直接の審査能力がないから、いまのようなやり方は一つの事業団のやれる限界をとことんまで追求するということにいたしまして、別途の制度として新しい制度を設ける。二本立ての制度をとったのも、まさにいま申し上げましたようなことが背景にあるわけでございます。
#38
○森下昭司君 ですから新しい制度を提案したのだというお話でありますが、先ほど私の二・四%という数字に対しまして長官自身がお答えになりましたように、五十年が六・一%、五十一年が六・七%だというお話でありますが、五十年十一万八千人の貸し付けを受けることのできる資格者があるわけであります。それに対しまして利用者が先ほどの御説明によれば七千有余人だと。これは余りにも利用者が少な過ぎると私は思うのであります。しかも五十一年度の予算の中で、三十億に対して二十八億円程度の貸し出しを行っておる、資金的不足ではないのです。そういうことを考えてまいりますと、この制度そのものが、先ほど大臣や長官の改正案に対する趣旨の中でも、魅力ある、魅力あるという言葉がありますが、余り魅力がないのです。もっとこれは商売人の立場で物を言えば、効率的資金運用ができ得ないというところに私は問題があるのではないか。いま長官がお答えになりました事業団の体制が、たとえば拡大して審査能力を持つまでに至らないところにも問題があるという事務的な点についての御説明、それは私、理解いたします。そしてまた銀行等を窓口にいたしますと、銀行は本来の業務に精を出すのでありまして、こういうような零細な金額を取り扱うことは事務的には繁雑でありまして、かえってきらうような傾向のあることも否定できないと思うのです。
 問題はそういう点で残ると思うのでありますが、この利用度から考えますれば、先ほど長官から根本的というお話がありましたが、私は根本的というよりも何らかのかっこうで、もう少し利用度を高めるためにどうすればいいか、どうすれば利用度が高まるかということは当然当事者としてお考えを、検討をしていただかなければならぬ問題だと思うのですよ。このままで結構です、利用度は少なくても仕方がありません、それは事業団に体制がありませんし云々なんということだけでは済まされない問題だと私は思うのです。特に小規模零細企業はこういう簡易な――強調された簡易な魅力ある融資制度を望んでいる、にもかかわらず利用されない。何らか問題がたくさんある。その問題をやはり一つ一つ解決する努力だけは傾けていただかなければなりませんので、今後こういった点については私はやっぱり検討をしていただいて、問題点があれば、なし得るものからこれをひとつ解決をしていくという姿勢が欲しいと思うのでありますが、その点についてはどうですか。
#39
○政府委員(岸田文武君) 先ほども御説明いたしましたように、有資格者についてはその都度周知徹底を図っておるわけでございますから、制度自身を知らないで利用しないということは余り考えにくいわけでございます。しかし、それにもかかわらずいま御指摘のような問題がある。私どもも従来利用している人、あるいはこれから利用する資格のできる人、一体どういう状況なのか、どういう問題を持っているのか、なおよく勉強いたしまして、この制度が本当に生かせるように引き続き勉強し、また努力もいたしたいと思っておるところでございます。
#40
○森下昭司君 そこで新しく御提案になりました今回の改正に出されました問題についてお尋ねいたしますが、今回の要するに制度融資、都道府県を通じまして掛金積立額の三倍程度まで貸し付ける契約者貸付制度というものが設けられることになっておりますが、この具体的な内容についてまず最初に御説明いただきたいと思います。
#41
○政府委員(岸田文武君) 新しい融資制度として現在検討中のものの内容をあらまし御説明いたしますと、都道府県が管下の小規模企業に対して本制度をもっと普及し、また加入者に対して金融が得られやすくする、こういうことを目的として金融機関を指定をし、そして本制度の加入者に対する特別の融資制度を設けることとした場合に、事業団が当該金融機関に対して融資に必要な資金を預託する、こういうやり方でございます。預託は原則として一年定期を考えております。それから各都道府県別の額は、従来の実績等を勘案をして定めることにいたしたいと思っております。
 それからなお、この融資制度の実施に当たりましては、事業団の資金が預託されるわけでございますが、それに加えて都道府県あるいは指定金融機関が資金枠を拡大したり、あるいは金利の引き下げを図るために、必要に応じて資金の預託の積み増しをする、あるいは協調融資をする、こういうこともできたらやってほしいと考えておるところでございます。
 それから実施条件等は、府県の預託の有無によって違ってくる面もございますが、おおむね次のようなことを考えております。一つは貸付対象者でございますが、貸付納付済み月数が一定月数以上の共済契約者を対象とし、貸付限度はおおむね貸付納付済み額の三倍以下程度で、大体三百万円見当を考えてはどうかと思っておるところでございます。それから貸し付け期間といたしましては、一年以上、三年以下ということを念頭に置いております。それから、償還方法は、原則として半年賦の償還を考えております。さらに、金利でございますが、金利につきましては、原則として一年定期預金金利プラス一%以内を目途として考えてはどうかと思っておるところでございます。それから、担保、保証人等については、都道府県の定めるところによる。
 以上のようなことを骨子といたしまして、いま関係都道府県と調整を図っておるところでございます。
#42
○森下昭司君 事業団の資料によりますと、事業団それから県、あるいは金融機関、この三者による制度融資は現在、岩手県、栃木県、奈良県、兵庫県、島根県、香川県、高知県、宮崎県、この八県で実は実施されているというのでありますが、今回設けられました制度融資の新設との関係について、こういった既存の任意で行われておりまする制度融資はどうなるのか。既存の制度は新しい制度に吸収されてしまうのか。この関係についてお尋ねいたします。
#43
○政府委員(岸田文武君) これはいま、関係都道府県とそれぞれお打ち合わせをしながらその内容を詰めておるところでございますが、大体いままでやっておられました府県につきましては、今度の新しい事業団の融資が加わることによってどう調整するかということを相談をいたしまして、新しい制度として新発足をする、あるいはさらに改善した内容によって延長する、こういうことになろうかと思います。それで従来やっていない府県につきましては、今度の制度ができたことによってどういう制度を発足させるかということの内容を詰めて、この場合にはまさに新発足になろうかと思っております。
#44
○森下昭司君 いまいわゆる新しい制度で新発足するとか、または改善をするというようなお話があったわけでありますが、たとえば今回設けられました制度融資は、先ほど御説明がございましたように、一定月数というのは三年以上の共済加入者で、貸し付け限度額は積立金の三倍程度、そして三百万円程度というお話がございました。
 しかし現在、先ほど申し上げました八県の制度融資の内容はそれぞれ若干の違いがございますが、たとえば貸付資格については掛金納付が三カ月ないし一年あれば足りるし、あるいは、貸付限度額も最高兵庫県の場合は三百万円という事例もあります。これは、その新しい制度にこれが吸収されて新発足するというようなことになってまいりますと、融資条件というものがかえって悪くなってしまう場合も出てくると思うのでありますが、こうしたことのないように措置をする必要があると思うんですが、どうですか。
#45
○政府委員(岸田文武君) 私どもも、各府県がやっております既存の制度をいろいろ勉強いたしております。中には、先ほど標準的な形でお示ししました条件よりも有利な条件ですでにやっておられるというところがあることは承知をいたしております。私どもは、この制度ができたために制度が逆行しては元も子もございません。少なくとも従来の条件は維持できる、でき得ればそれをさらに改善できる、こういうような形で指導をいたしたいと思っておるところでございます。
#46
○森下昭司君 そうしますと、たとえば貸し付けの限度額について、掛金積立額の何倍というような制度が設けられていないところが多いわけなんです。したがって、資格の中で口数が何口以上なければいけないとか、島根県や高知県のように五十万円以上貸し付ける場合は加入口数が四口以上なければいけないとかというようなことになっているところもあるわけなんです。ついてはいま私問題になりますのは、兵庫県の三百万円はともかくといたしまして、他の府県におきましては加入口数で資格制限を設けているだけでありまして、今回のような掛金の三倍程度を融資するというようなことは一切ないわけなんであります。そういう点についてどういうふうに具体的に御指導なさるか。たとえばいい点は残していく、そのままやっていくというふうにしていくのか、あるいは今度の新しい制度融資をこれらの府県に実施させようといたしましても、まず貸付対象者の資格の問題は非常に八県は緩和されているわけなんですね。その点どういうふうに具体的に御指導なさるのか、さらに詳しくお尋ねをいたします。
#47
○政府委員(岸田文武君) 見ておりますと、貸付対象を加入期間六カ月以上というような形で処理しておられる例もありますし、貸付限度についても。積立金額にかかわらず一定の金額を予定するというような制度をとっておられるところがございます。実は、こういう制度の背景には県が相当の額の預託をされる、あるいは市中の金融機関の協調融資がかなりの量行われているというようなことが背景にあるわけでございます。
 私どもが先ほど申し上げましたのは、事業団の預託をベースにして、裸でどういう制度ができるかという骨組みをお示ししたわけでございますが、それに対してさらに府県が預託をしたりあるいは金融機関が協調融資をすればさらにより良い条件ができる、こういう関係になるわけでございます。したがいましてすでにかなり有利な制度を県独自でやっておられるという場合には、少なくともその条件を維持できるように、従来から府県がやっておられた協力体制というものを維持していただきたい。それに事業団の資金が加われば一層有利になるはずだ、こういう基本的な構えで各府県と御相談をいたしたいと思っておるところでございます。
#48
○森下昭司君 これは私は今後の指導に待って結果をひとつ見てみたいと思うのでありますが、それから私、今度の新しい制度の問題につきまして、掛金積立額の三倍だというような制限がつけられておるということになりますと、私は現在の貸付制度と同じように非常に厳しい融資条件になるのではないかというような感じがするわけでありまして、やはり一定の金額を金融機関に預託をなさる、一年定期で預託をなさるという御説明がありましたのでありますが、大体制度融資の額からまいりますと、地方自治体で行っておりまする預託の金額の三倍程度は当該銀行が融資をするというのが一つの原則的なことになっているのが一般でありまして、でありまするから、ことしの予算の見通しからまいりますと、六十億程度の全国的に預託をなさる御計画でありますから、三倍の百八十億ということになるわけであります。私はこういうような三カ年以上しかも掛金の三倍というような条件ではなくて、無担保無保証制度、先ほども現行制度の改正の場合の一つの案といたしまして御提起いたしましたように、無担保無保証制度の制度ではございませんが、最高二百万円ぐらいまでは一定の口数及び加入期間があればだれでも利用できるというような内容にすべきではないだろうかというふうに思うわけであります。
 で、先ほどからお話がありましたように、掛金額による限度を設けましてやった場合に、これは一つの例でありますが、四口加入した場合に、事業団方式によれば三年加入で考えてまいりますれば貸付限度額は二十一万六千円ということになるでしょう。これは先ほど申し上げたように効率的な資金の運用という立場からまいりますれば、融資の意味がほとんどなくなってしまうというようなことが考えられるわけでありまして、せっかく制度をつくりましても余り利用者がないというのもどうかと思うのでありますが、こういう点について融資条件というものをさらに私は考え、検討を要するのではないだろうかという感じがいたしますがどうでしょうか。
#49
○政府委員(岸田文武君) 私どもも、せっかく新しい融資制度を発足させるわけでございますから、それが少しでも魅力のあるものであり、また関係者から喜ばれるようなものになってほしいと思っておるところでございます。事業団としては、先ほど六十億円程度の預託というお話がございましたが、私ども、五十二年度におきましては創立当初でございますので、半年分の予算を組みまして約三十億円の預託ということを計画いたしております。将来はこれを百億円程度まで引き上げるという目標も持っておるところでございます。これに対しまして、もし都道府県の方でかなりの預託をし、また金融機関の方で協調融資を思い切ってやっていただくという体制さえできれば、先ほどお話ございましたように、かなりおもしろい融資条件というものが実現できるわけでございます。
 私どもはいま各府県といろいろ御相談いたしておりますが、事業団が預託した程度のことは府県でもあるいは金融機関でもおつき合いを願いたいということでお話をいたしております。
 そうなりますと、融資条件につきましても、先ほど骨格としてお示ししましたような条件よりも少しは有利な条件ができるのではないか、この辺は府県の御協力の程度によるところでございまして、私どもも少しでもいい条件ができるようにということでこれから各府県と相談をいたしたいと思います。
#50
○森下昭司君 私が例として申し上げましたたとえば四口三年掛けまして、その三倍ですから二十一万六千円、これは今回の制度融資によって融資を受けることは可能ですか、四口加入三年で。
#51
○政府委員(岸田文武君) いま具体的な例としてお話ございましたような形のもの、何とかこの新しい制度で救えるようにしたいということで少し工夫さしていただきたいと思います。
 ただ一般的に申しまして、この事業団の預託する資金は、いわば零細な小規模の企業者の方々が、将来何か事があったときにまとまった金が得られるという期待のもとに積み立てられた金でございまして、その資産の運用というのはやはり安全であるということが基本的な課題になっております。事業団自身はやはりそういう宿命を持っておるわけでございますが、他方制度の魅力をつけていきたい、この辺のところが府県との話し合いによって解決されなければならない問題ではないかと思っておるところでございます。
#52
○森下昭司君 私はこの安全度と申しますか回収の点を聞いておるのではなくて、それは限度三百万円までですから、いわゆる掛金の三倍ですから、三百万円貸そうが十万円貸そうが五十万円貸そうが、同じように経営安定ということが一つの前提、回収ということが前提になるわけでありまして、ただ危険度はたくさん貸した場合に損失が大きいということだけなんであります。私は危険度を聞いているわけではないのです。三年以上掛金を掛ける、そうすれば三倍程度の融資を受けるという融資の原則からまいりました場合に、仮に四口の加入者が三年たちました、総額七万二千円の掛金です、その三倍ですから私は二十一万六千円という言葉を使ったのですが、その場合に、この加入者は融資を受けることができますかと聞いたのです。端的にお答え願いたいと思います。
#53
○政府委員(岸田文武君) 正直に申しますと、資金の運用の場合には、余り小口でございますと資金コストが非常に高くかかってしまうという問題もございますが、しかし何と申しましても相手は小規模企業でございます。事業資金がどうしても差し迫って必要だという場合が当然出てまいります。したがって、こういう原則論として資金コストというようなことに余りこだわらずに、やはり実情に沿った貸し出しができるようにするということが大切だと思います。なおそういう方向に従って勉強させていただきたいと思います。
#54
○森下昭司君 これは長官、ちょっとおかしいのです。事業団の理事長もお見えになるのでありますが、「商工共済ニュース」、これは事業団で編集して発行なさっているのですね。その四月号に「新融資制度の創設」という解説記事がある。そこに「限度額」として「おおむね掛金納付済額の三倍程度」、これはいいです。括弧して「五〇万円以上三〇〇万円まで」なんです。長官、三百万円は先ほど私が最初に具体的内容をお尋ねいたしましたときに出ましたからいいです。だから、私はあえて重ねて二十一万六千円になる人でも貸していただけますかと。確かに細かい金をたくさん出すということは、先ほどの事務の量からいきましてコストが高くなるんです。その点の配慮はあります。しかし、長官御説明なさったように、小規模企業という立場に立てばやはり出さなくちゃならぬ、勉強でなくて、これは私こんなこと書かれて、五十万円以上と書かれて、長官が勉強だと言われたって私は納得できませんよ。ちょっと御説明いただきたい。
#55
○政府委員(岸田文武君) いまお話に出ました五十万円というのは、先ほど基本的骨格として御説明しましたものに該当するわけでございます。現に各府県のやっております制度融資の内容では、五十万円以下も対象にしている事例がございます。したがいまして、そこのところは従来から府県が協力していただいた程度の協力を維持し、また新しい府県についてはできるだけの協力をお願いして、標準条件である五十万円以下のところにもこういった貸し付けが実行できると、こういうふうにすることが私どもの努力目標になるわけでございます。そういう意味におきまして先ほど、これからも努力をいたしたいということを御答弁申し上げた次第でございます。
#56
○森下昭司君 私は試算をしてみたのでありますが、たとえば最低の五十万円を借りようといたしますと、掛金が十口、従来の五千円の掛金で三カ年で十八万円ですから、三倍をいたしますと五十四万円、いわば三倍程度という範囲に入ると思うんです。そういう考え方で計算しますと、資格を取ろうといたしますと、掛金四千円の方、これは何と三・八年かかります。掛金三千円では五年かかります。二千円の掛金の方は何と七・五年かかります。掛金二口の一千円では、十五年掛金を掛けなければこれは五十万円借りる資格が出ないんです。
 そこで、おたくの方の資料を読んでみますると、たとえば、昔からお入りになったのでありまするからいろいろ問題はありますが、この口数二という方は五十二万件の加入者の中で何と五分の一、十一万三千五百四十三という個人がお入りになっている。一種ですね。二種も加えます。総合計が何と十四万九百七十三件であります。全体の加入者数からまいりますると、これは何と二一・一%の構成になるわけであります。
 発足して十二年、私はいま試算として申し上げましたが、この二口千円の方が五十万円の金額を借りようとして制度融資の適用を受けようとするためには、十五年間掛金を掛けねば資格は取れないんです。しかも、その方が何と二一・一%、五十二万件の中の構成比として出されているんです。そういう人を無視して、いわゆるコストが高くなりまするから一応の原則としては五十万円以上ですよというのは、余りにも実情というものを無視していませんか。小規模企業共済なら還元融資はする。先ほど、現在の制度でそれは利用されていない、だから、新しい制度を立てて出したというんです。新しい制度を利用拡大を望んでおみえになるにもかかわらず、五十万円という金を借りようとするには、繰り返すようでありますが、五十二万件の構成比の二一・一%の方は、いまだもって今日現在借りようと思ってもこの制度で借りることはできないじゃないですか。これは問題なんですよ。大臣どう思われますか。
#57
○政府委員(岸田文武君) この制度発足当初はこの制度の趣旨がまだ十分理解されるに至りませんでしたために、いわば恐る恐る入ってみるというような感じが非常に多うございまして、一口、二口という加入者が非常に多かったわけでございます。しかしながら、ごく近年におきましてはこの加入口数の大口化が非常に進んできております。最近でございますと、たとえば五十一年四月から十二月をとってみますと、十口加入されるという方が二二・三%、二十口加入される方が五五・二%という状況でございます。したがいまして、これから次第にこの制度の魅力というものが特に税制と結びつきまして、最近非常に認識をされてきておりますので、従来一口、二口入っておられた方が増口をするという傾向がかなり進むんではないかと思っておるところでございます。
 別途、いまお話ございましたように、標準の五十万円というのはいかにも高過ぎるではないかという点につきましては、事業団の預託のみを前提にして一つの制度を組み立ててみますと、そういった数字が一応出てまいりますものの、各府県で従来からやってこられた実績というものを私ども十分尊重をしていかなければならないと思っておりますし、またその基本的骨格以上の条件をいかにしてつくるかということが私どもの課題であるということを考えておりまして、いま都道府県ともこの制度を少しでも魅力あるものにするためにという方向で努力をしておる最中でございます。この辺をひとつ御理解いただきたいと思います。
#58
○森下昭司君 事業団の理事長にちょっとお伺いしますが、あなたはまあ中小企業庁が御指導なさった内容をそのまま共済ニュースに載せられたんじゃないか、というふうに私思うんでありますが、いまこの御説明を聞いておりますと、「(五〇万円以上三〇〇万円まで)」というのは中小企業庁の御指導いただいたことではあるけれども、事業団としてはやはりあなた業務の総理をなさっている、ちゃんとここに書いてあるんですけれども、疑問をお感じになりませんでしたか。いま、私の質問聞いてどうか知りませんけれども、疑問お感じになりませんでしたか。
#59
○参考人(越智度男君) この新融資制度につきましては先年来検討いたしておりますが、まだ細部について実は検討が続いているような現状でございまして、私自身もただいま先生が御指摘になられましたような比較的小口の加入者について、確かにこういうことでは適用がどうしても遅くなるんじゃないか、こういう実情を御指摘いただいたことについて、私傾聴いたしておりましたので、先ほど岸田長官も答えられましたが、なお継続している検討の過程におきまして、その点も十分検討し、都道府県等と提携をして実施に移します場合には、いずれにしましても従前の制度が改悪にならないように配慮してまいりたいと思います。
#60
○森下昭司君 そこで大臣、いま大体おわかりになったと思うんでありますが、この五十万円以上というのは私は中小企業庁が指導要綱の中でお書きになったことではないかと思うんですが、撤回するお考えはありませんか。当然撤回すべきですよ。撤回というか、改めるか、どっちかです。
#61
○政府委員(岸田文武君) いま経過を聞いてみますと、五十万円というのは府県とこの制度をどういうふうに運営するかということにつきまして、下打ち合わせ会のときに素案として示したものの中に含まれていた数字のようでございます。したがいまして、この制度についてのまだ正式の通達は出されておりません。むしろこれから府県と御相談をしていって、どういうような形で最後にまとめていくかということについて話が詰まった段階で、その実情を踏まえて、少しでもいい条件を内容としたような通達を出していきたいと思っておるところでございます。
#62
○森下昭司君 事業団の理事長、申しわけないんですけれども、正式な通達でも何でもないのを商工共済ニュースにこういうことをお書きになること自体が、事業団にはそれは酷なようですけれども、やはり私はこれを是正するために何らかの措置をやっていただかなきゃならぬと思うんですね。五十万円以上というのはこれからなんですよ。それを早手回しでおたくの方でお書きになってしまう、どうかと思うんですね。その是正措置について何かおやりになっていただけますか。
#63
○参考人(越智度男君) いずれにいたしましても、なお検討を続けている制度のことでございますので、さらに確定的になりますといろんな方法でその周知徹底も図りますし、この商工共済ニュースは毎月一回発行される一つの代表的な何といいましょうか、 ニュース伝達方法でありますので、今後適当な時期にこのニュースも使いまして、より確定したものを報道いたしたいと、このように思います。
#64
○森下昭司君 私は、ニュースといたしましてはやはり正確なもの、特に役所で、私は皮肉を言うようで恐縮でございますが、ちゃんと責任者の判こがあって初めて正式の文書になると思いますから、そういう事業団と中小企業庁との関係からまいりますれば、やはり的確なものをひとつお載せいただきたいという希望を事業団の方へは申し入れておきます。
 それから中小企業庁の方もいまお話があったように、私はやはりこういうものは仮に地方の自治体の意見を聞くという中の一つの案として考えるべきであったというなら結構でございますが、私がいま指摘いたしましたように、二一・一%を占める人と、いまだもって借りれない、二十万借りようとするのに三倍という限界があれば。という実情を加味して、十分ひとつ零細企業の実情に合う新しい融資制度をやっていただくように検討を希望しておきます。
 それから金利の問題でありますが、先ほどから金利が一年ものの定期預金の金利プラス一%、こういうようなお話が出ているわけであります。しかし、私はこの一年定期預金が郵便貯金か銀行の金利かは別にいたしまして、安ければやっぱり銀行の一年ものの定期預金だろうという想定をいたしておりますが、銀行は六・七五一%ですが、今回の公定歩合の引き下げ、けさの新聞に金融債が全部こう下がっていると載っておりますが、やはり銀行の定期も少なくとも一%近く下がる見込みだと言われているんです。仮に一%下がれば五・七五一%になるわけであります。貸付信託のように〇・八%にとどまりますればそんなのはあれでありますが、とにかく五・七五一%程度。
 ところがいま私が制度融資で八県が実施しておりまする状況等をながめてみますると、口数とかあるいは借りる金額とか、あるいは保証人があるかないか、そういったことによって若干の保証料の相違がありますが、一般論として申し上げますと、最低は〇・六七%、最高が一・一五%というのが保証料として加算されるわけです。銀行から借りる金利にプラス信用保証料というものが最低〇・六七%から一・一五%加算されるわけです。そういうことになりますと、いま八県が実施しておりまする制度融資の金利は、これも先ほど申し上げたように若干の条件によって相違はございますが、一般論として最低が七・三%、最高が九%になっているわけであります。この状況から考えまして、若干いま申し上げたように、金利自体も下がるというふうに想像されますが、現行の、言うならば八県が実施しておりまする制度融資の金利、信用保証料を含まない金利、この金利だけでも現在の銀行定期預金の一年分プラス一%を目途とする新しい融資制度の金利を超えているんですよ、超えている。この実情からまいりますと、この新しい融資制度の定期預金の金利にプラス一%を目途とするというのは、実際には実施し得ないようなものではないかと私は思うのでありますが、金利の問題について見通しをはっきりしてください。
#65
○政府委員(岸田文武君) この点はいま都道府県と個別にいろいろ御相談をしております最中でございます。私どもとしましては定期預金プラス一%の範囲内で何とかうまくやっていただきたいと思っておりますし、私がいままで聞いております範囲では、手ごたえとしてはかなりいいのではないか、こういう制度をひとつうまく使っていこうという受けとめ方をしていただいている府県がかなり多いというふうに理解をいたしておるところでございます。
 もっとも従来やっておりました府県につきましては保証料を含んでおるという場合もありますし、除いておるという場合もある。また、県の預託の金額の程度というものもいろいろ差があるということでばらつきが出ておるわけでございますが、従来からの県の助成というものをなるべく維持しながら、先ほど申し上げましたような範囲で何とかおさめられるように、これから私どもも努力をいたしていきたいと思っておるところでございます。
#66
○森下昭司君 私は非常にこれはむずかしい問題だと思うんであります、いままでの実情から言ってですね。しかし長官がいま言われましたように、私はそういうように指導をなさって、金利プラス一%の中でおさめたいという指導を確信を持ってやっていただくということを強くこの機会に希望いたしておきます。
 時間がありませんので重要な点だけ二、三あとお尋ねいたしておきます。
 共済契約についてでありますが、加入後一年以内の廃業でありますとか、死亡等による脱退または解約をした場合には共済金が出ない仕組みになっておりますが、一年以内の廃業についてはある程度予測がつくかもしれませんけれども、死亡による脱退については、何らかの措置をとる必要があると思われます。これについて今回の法改正に当たって出されました中小企業政策審議会の意見具申の中におきましても、契約後一年以内の死亡については掛金相当額を支給できるようにすべきであるとしているが、改正案に盛り込まれていないわけであります。これがなぜこの改正案の中に盛られなかったのか、取り上げられなかったのか、その理由をお尋ねいたしますと同時に、早急にこの点については再検討を要する問題ではないかと思うんですが、先にお伺いします。
#67
○政府委員(岸田文武君) いまお話ございましたように、中政審におきましては一年未満の死亡を共済事由として救済してはどうかという提案がございました。私どももそういう提案を受けまして、実はずいぶんいろいろの勉強をいたしてみたところでございます。ただ、実情をほかの制度において検討いたしてみますと、どうもこういう制度のような共済制度においてはほかの諸制度におきましても、一定期間の加入を共済事由の給付要件としておりまして、こういった他の制度との均衡も考えてみますと、一年以内というときにはやはりバランス上も共済事由とすることが適当ではないのではないかという結論に達しまして、法改正に含めなかった次第でございます。
#68
○森下昭司君 私がいま申し上げておりますのは、意見具申の中にそういったことが盛られているわけであります。これは脱退残存表との関係の中で「当面、加入後一年未満の死亡の場合に掛金相当額までを支給すること、」「その実現を図るべきものと考える。」ということが書いてあるわけであります。いわゆる「脱退残存表の見直しが必要となる。」ということを述べているわけですね。いま申し上げた解約金だとか、脱退金の問題、昭和四十六年の八月四日のこの中政審の意見具申でも解約手当金の算定につきましては「掛金額の百分の八十しか支払われない期間があるのを少なくとも百分の九十は支払われるようにし、これに関連して掛金額の百分の百あるいは百分の百五十が支払われることとなる時期を繰り上げるべきである。」ということが書いてございますが、いまだこの資料によりまして見ましても、掛金額の三年未満については百分の八十しか返されないということは、四十六年の中政審の意見具申すらまだ実現していないんです。にもかかわらず、今回また重ねて脱退残存表との関連の中で、脱退残存表を見直しなさい、しかし、とりあえず加入後一年以内の死亡の場合だけは掛金相当額を払いなさいと言っているのに、こんな簡単なことができないですか。
 決算表を見ましても非常に余裕金があります。四十八年から五%の云々ということで利益金も出されておりますというような状況下にあって、なぜこんな、一年以内死亡について掛金相当額出すことが法改正に盛られないんですか、全く私は、これは意見具申を無視したものであるというふうに思うのでありますが、そういうような考えに立ちますときに、この法改正に盛られなかったという、いま長官から御説明をいただきましたが私理解で巻ないのでありまして、重ねてお伺いいたします。
#69
○政府委員(岸田文武君) 先ほども申しましたように、私どももこの問題はせっかく中政審の意見具申に盛り込まれたことでもありますし、何か実現の方策はないかということで部内ではいろいろ議論をいたしたところでございますが、いわばほかの制度との横並びということから見送ったわけでございます。これを一つ認めますと、ほかの制度へもいろいろ波及するというような点が懸念されたのが当面の理由でございます。しかしながらこれはほかの制度もやっぱりいまのままで未来永劫固定的なものとも思われません。私どもも今後事態の推移に応じてこの制度全体を少しでも改善をするということは当然のことかと思っております。したがいまして、今回は見送らしていただきましたが、今後引き続き検討課題とするということにさしていただきたいと思います。
#70
○森下昭司君 それでは事業団の役員関係の問題に入りたいと思います。
 事業団には役員が四名おみえになりまして、三名が通産省、一名が大蔵省出身者ということで、全員役人の退官者、言いかえれば天下りによって占められているようであります。公団、事業団の役員が高級官僚の退職後のポストになっていることにつきまして批判が強いのでありまして、当事業団も私は例外ではないと考えております。役員を関係官庁出身者で占める必然性はないと思うのでありまして、小規模事業団の役員につきましては民間を含めまして幅広く人材の登用を考えるべきではないのかと思うのでありますが、この点について最初に監督者であります通産大臣のお考えがあればお尋ねをいたしておきます。
#71
○国務大臣(田中龍夫君) 事業団の役員は共済法に基づきまして理事長一人理事二人ということに相なっておりまして、監事が一人、この理事長及び監事の任命は通産大臣が行って、また理事は、理事長が通産大臣の認可を受けて任命すると、こういうことに相なっておりまして、事業団の主要な業務は本制度の普及でありますとか、あるいは所定の問題でございますこれら業務に精通いたしました適材をもって充てるということでございますので、必ずしも民間人を排除しておるということではございませんので、その点はどうぞ御了承をいただきとうございます。
#72
○森下昭司君 まあ通産関係でまいりますと、事業団とかいろんな協会等がございますが、一〇〇%この天下り役人によって役員が占められているというものは、たとえば中小企業振興事業団七名、全員これは天下りであります。それから石炭鉱害事業団七名、発明協会二名、それからこの小規模企業共済事業団四名、小さいところでは中小企業診断協会一名というところがございますが、これは全部一〇〇%天下りによって占められているわけであります。私はいま大臣からお話がございましたんで、将来の問題といたしまして、一〇〇%少なくとも天下り役員によって占められているいま申し上げた法人については、これはやはり内部登用なり民間登用を図っていくという考え方を持つ必要があると思うのでありますが、こういう点について、通産大臣所管のこういった特殊法人並びにその他の法人についてお考え方があればお尋ねいたします。
#73
○国務大臣(田中龍夫君) 御指摘の、いろいろな事業団というものが新しい構想でつくられる次第でございますが、その事業団というものがだんだんと業務になれ、また円熟してまいりますれば、当然採用者の中からりっぱな人材が得られるという次第でございまするが、設立当初の場におきましては間々先生の御指摘のような事態の起こる可能性もあるわけでございますが、できるだけそういうふうな仕事の中から練達な幹部を養成し、またそういう方々がりっぱに仕事を、実務で鍛えたりっぱな経験をもって運用していただくように早くなりたいものだとかように考えております。
#74
○森下昭司君 この事業団は当初から通産省三名、大蔵省一名という割り振りになっておりますが、現状もたまたまそうなっていると考えるのが妥当か、それとも初めからそういう割り振りでずっとくるということを暗暗裏のうちに約束してきたのか、どういう理解をしていいのか、その点をお尋ねいたします。
#75
○政府委員(岸田文武君) 事業団の役員を出身省別に割り振るというようなことはいたしておりません。それぞれ適任者を選んで任命を行うという考え方でございます。
#76
○森下昭司君 そこで、事業団の役員月額給与が、理事長が七十四万円、理事五十七万五千円、監事五十万円となっております。これは当事業団の一般職員の最高額が三十七万千六百円に比べましてもかなり高いものになっているわけでありますが、こういったものは何を基準として定められておりますのか、お伺いをいたしたいと思います。たとえば他の公団とか事業団も同額であるからこうしたのか、あるいは一律にこういうような一つの役員の報酬の基準というものが設けられておりまして、その基準に従ったというのか、この点についてその根拠をひとつ明らかにしてください。
#77
○政府委員(岸田文武君) この共済事業団の仕事は、るる御説明いたしておりますように、零細な中小企業の方々に将来に希望を抱かせるという意味で非常に高い公共性を持っております。また、対象が非常に多い事業者に対しましてそれぞれサービスを提供するという意味で、ある種の特殊性を持っておるところでございます。こういった意味合いで役員としてはこういった使命に最もふさわしい練達の方を置くということが必要でございますし、その意味でその人材を広く求めて指導に当たっていただくという体制が必要だろうと思っておるところでございます。
 こういった観点から役員報酬につきましては、特別職、指定職の公務員の給与なりあるいは民間企業の役員の給与とのバランスを考慮して、その都度大蔵大臣と協議の上定めるというやり方をやっておるわけでございます。したがいまして、本事業団の役員報酬が不当に高いとは私ども考えておりません。むしろ、その高い給与に従う、ふさわしいだけの仕事をやっていただく必要があるし、またやっていただいておると理解をいたしておるところでございます。
#78
○森下昭司君 この小規模企業共済法の第五十六条で、第五十一条の承認をしようとするときは大蔵大臣と協議をしろということが書いてあるわけです。ところが、通産大臣の所管する中の自転車産業振興協会は職員が百一名で五十五万円、いわゆるこの共済事業団は職員が現在八十三名程度だと思いますが、七十四万円でありますね。それから中小企業振興事業団、職員は二百四十七名、理事長の報酬は七十三万円、それから日本電気計器検定所、千百七十九名の職員がございますが、理事長は七十三万円、石炭鉱害事業団は三百八十九名の職員でありますが、理事長の報酬は七十三万円などなどと実はなっているわけであります。こういうように長官の御説明からまいりますと、同じような職員数の規模を持つあるいは内容、予算規模等から申し上げましても相当規模の大きい他の法人等におきましてもこの共済事業団の理事長よりも安いところもございます。こういう差ができますということはどういう理由によるんですか。
#79
○政府委員(岸田文武君) 私、ほかの団体のことは余りよく承知いたしておりませんが、お話の中にございました中小企業振興事業団につきましては、ただいま七十三万円というお話ございましたが、その後改定をされてたしか八十一万円になっておるのではないかと思います。私どもはいまお話にございましたように、それぞれの組織の持っております役割りあるいは特殊性というものに着目をし、また、その組織の持っております大きさ等も勘案をしながら、必要なバランスをとって役員給与が決められておる、こう理解をいたしておるところでございます。
#80
○森下昭司君 大蔵省の方御出席しておられますか。――このいわゆる共済法でも第五十六条で大蔵大臣との協議事項が明示されておりまして、給与及び退職手当の支給の基準については、通産大臣が決めるに当たって大蔵省と協議をしろという指摘がございますが、大蔵省といたしましては、政府関係のこういった特殊法人並びに法人等につきまして何らかの役員の給与についての基準、それから一般職員についての基準についてお考え方をお持ちになって、こういうような基準でそれぞれ実施すべきであるというように御指導なさっているのか、あるいはその報酬並びに一般職員の給与に関しましては当該事業団を監督する所管大臣の意見を尊重するというたてまえに立っているのか、明らかにしてもらいたい。
#81
○説明員(足立和基君) お答え申し上げます。いま岸田長官の方からお答えがございましたとおり、特殊法人につきましては、職員、役職員の給与の決定につきまして主管大臣の認可が必要でございますが、その際に大蔵大臣と協議をする、こういうことでございまして、いま問題となっております小規模企業共済事業団であるとかあるいは石炭鉱害事業団であるとか、そういったところの役員の給与あるいは職員の給与の変更につきましては、逐次私どもと協議をいただいておるわけでございます。
 その際に私どもの考え方といたしましてはいま長官御説明のとおりでございまして、役員につきましては民間の役員の動向を勘案しながら定められております特別職の給与、それから一般職給与の中では人事院勧告に載っております指定職の給与、こういったものを参考にバランスをとりながら私ども協議に応じておる次第でございます。
 具体的に申し上げますと、小規模企業共済事業団の理事長につきましては、先生御指摘のとおり七十四万円でございまして、これは現在一般職の指定職の最高号俸と同額ということになってございます。それから理事につきましては、大体一般職の局長程度、それから監事は五十万円でございますが、これは次長程度というような考え方でございます。それからいま御指摘の石炭鉱害事業団等につきましては、若干小規模企業共済事業団よりも規模等が大きゅうございますので、そういった点を勘案いたしまして多少上目に役員の報酬を考えてございます。
 それから特殊法人の職員の給与でございますけれども、これは私ども一般職の公務員の給与に比較いたしましてほぼ一五%程度高目に格づけを行うことといたしてございます。これは一五%程度高目にするということにつきましては、やはり特殊法人につきましてはその身分が私ども公務員に比べますと不安定な点がある、あるいはまたその厚生施設等について劣っておるところがある、こういう点を勘案いたしまして大体一五%程度をめどに私どもの一般公務員よりも高目にしておる次第でございます。
#82
○森下昭司君 そういたしますと、いまお話ありましたが、このいわゆる一般職の指定職なりあるいは特別職の給与と勘案してというお話ございましたが、この小規模企業共済事業団は一般職の指定職の最高号俸を理事長の報酬として決めた、この決め方について石炭鉱害事業団との比較はいま出されましたが、そういうランクづけと申しますか、この事業団は指定職の最高号俸を理事長の報酬に決めることが妥当だ、この事業団の理事長については特別職の指定職の何なりを与えるということが妥当だ、この基準はどうなっているんですか。
#83
○説明員(足立和基君) この基準につきましては、それぞれの所管大臣のまず御判断を尊重することにいたしてございますが、一応現在幾つかの段階に分かれてございまして、特殊法人につきましては、一番高いランクがなされておりますのが輸・開銀から始まりましていろいろと五段階程度に分かれてございます。
 その分かれる根拠でございますけれども、現在のところでは、職員の数であるとかあるいは予算の規模であるとか、あるいはその事業規模、これはいろいろ貸付金でありますとかそういった事業規模、工事の額であるとか、その事業団によりまして、特殊法人によりましていろいろ違うわけでございますけれども、あるいは出資金の額であるとか、こういった点を総合勘案いたしまして、現在格づけを行っておる次第でございます。
#84
○森下昭司君 その格づけは、結局科学的根拠と言うと非常に語弊がありますが、ばっさりようかんを包丁で切るような、はっきりした区分というものはないというふうな理解の仕方でいいんですか。
#85
○説明員(足立和基君) ただいま申し上げましたような諸点を勘案いたしまして、各所管大臣が御判断されましたものが引き続いて今日まできておると、こういうことでございます。
#86
○森下昭司君 いやいや、いま最後の言葉ちょっと気になるんですがね、各所管大臣が御判断といいますと、いまお話があった給与の格づけを大蔵省と協議をいたしますときに、大蔵省が示すのではなくて、あらかじめそういったものを各所管大臣のところへ内示してある、その内示に基づいて所管大臣がこの事業団の理事長はこのランクに規定をするという仕事の手続を踏むんですか。
#87
○説明員(足立和基君) 現在の役員の報酬というものはひとつのまあ私がいま申し上げました役員数、職員数あるいは予算額、事業規模等によりまして定められておりまして、現在ありますその役員報酬の改定につきましては、人事院勧告に基づきまして、まず指定職の役員の改定がございます。それからまたそれに準じまして、今度は特別職――総理大臣から始まりましていろいろ国会議員の先生方ももちろんでございますが、毎年改定を行ってございます。それとのバランスで同じような伸び率で改定を行っておるわけでございまして、その場合に、私どもは同率であれば大体よかろう、こういう形で協議に応じておりますので、それぞれの各所管大臣につきましても同じような考え方できておるわけでございまして、これが特殊法人につきましてその改定率がいろいろと差がございますと、これはなかなか横並びに問題がございますので、現在のところ、そのような対応する特別職あるいは指定職の改定率を使いまして、実際に給与改定は行われておるということでございます。
#88
○森下昭司君 いや、はっきりしてもらいたいのは、大蔵省が判断をするのか、所管大臣が判断をするのかということですよ。
#89
○説明員(足立和基君) 第一義的には所管大臣の判断でございます。
#90
○森下昭司君 時間がありませんので申しわけございません。その点については非常に異論はございます、本当に。大臣にまた次の機会にその点についてお尋ねいたします。
 そこで、事業団の役員の給与、これは私は、小規模企業共済事業団だけではございません、他の特殊法人もそうでございますが、特別手当、国家公務員、地方公務員には決まっておるのでありますが、この一九%の割り増しですね、これは小規模企業共済事業団でいけば、役員給与規程の第四条に書いてありますが、月額給与に一九%の割り増し率を加算した合計額に、いわゆる期末・勤勉手当の支給率を掛けるということになっておるわけでありますが、なぜ一九%の割り増しをつけなければいけないのか、その点についてお尋ねいたします。
#91
○政府委員(岸田文武君) 事業団におきます特別手当とは、公務員で申しますれば期末手当、勤勉手当に相当するものでございます。公務員の場合には、基準内給与、すなわち本俸それから扶養手当、調整手当、これらの五カ月分と定められておるわけでございますが、管理または監督の地位にある者につきましては、管理職手当相当額を算入する趣旨で、期末手当の計算に当たりまして、本俸の百分の二十五までの割り増しが認められておるところでございます。事業団の場合にも、管理職について同様の割り増しを認めておるわけでございますが、ただし、役員、部長につきましては百分の十九、それから課長につきましては百分の十二とされておりまして、公務員の場合よりもむしろ低目に設定をされておるわけでございます。
#92
○森下昭司君 これは、いま調整手当というようなお言葉がございましたが、職員の方は調整手当入ってないんですよ、特殊法人。これは職員給与規程がございますが、その第十四条(特別手当)に、「特別手当の額はそれぞれの基準日現在」「において職員が受けるべき本俸」 「および扶養手当の月額の合計額を基礎として」云々と書いてある。これは特殊法人は調整手当入ってないんですよ、長官。ですから、いま長官のような説明でいけば、職員に対しても何らかの加算が必要じゃないですか。
#93
○説明員(足立和基君) 私からお答えさせていただきますが、先ほど申しましたように、特殊法人の職員につきましても、一般公務員私どもよりは約一五%程度の高い格づけを行っておりますが、その有利性の一つといたしまして、いま問題となりました調整手当、これを実は特殊法人の場合にはすでに本俸に繰り入れてございまして、その分だけが特殊法人の職員についてのむしろ有利性となっておる、こういうことでございます。これは基本的には特殊法人の職員の給与の決定というものは、当事者間の団体交渉によって決めるたてまえでございますので、公務員の場合には調整手当というものが基準内給与で含められてはおりますけれども、本俸と別にあるということでございますが、特殊法人の職員の場合にはそれが本俸の中にいわば入っておる、組み入れられておる、こういうことでございます。したがいまして、いま長官が言われました期末・勤勉手当の管理職割り増し率が若干下がっておる、こういう関係もございます。
#94
○森下昭司君 それじゃ、さっき特殊法人の職員は身分的に不安定な部分があるから一五%という優遇をしてありますというお話がございましたが、いまあなたの御説明は、結局は調整手当本俸組み入れ部分、調整手当、パーセンテージからいけば一五%余分に一般公務員よりはいいというのは、若干の、結果論からいけば優遇論に通ずるものがありますが、一五%そのものがすべて優遇措置であるということではないということは明らかになったことであります。
 そこで、内閣の官房からお見えになっているので、あと二問ぐらいちょっと御質問いたしたいと思うのですが、これは小規模企業共済事業団のみならず、特殊法人については先ほど私がちょっと指摘をいたしました通産関係だけでも一〇〇%、言うならば役人の天下りによって占められているというような点を指摘をいたしましたし、さらにまた、この職員に対する役員の割合をながめてみましても、たとえば日本プラスチック検査協会は職員四人に対し役員が一人とか、あるいは日本プラント協会は職員十三人に対し役員が一人とか、あるいは、中小企業診断協会等につきましても、職員十一人に対しまして天下り役員が一人おるというような関係が出ているわけであります。こういうようなことは他の特殊法人にもたくさんあるわけであります。さらに現在、各特殊法人に天下っておると言われておりまする三百二十九名余りの官僚の出身省庁別をながめて見ますると、通産が六十四名、あるいは農林が第二位であり、第三番目には大蔵であり、第四番目には建設が多いというようなことがそれぞれ指摘をされているわけであります。
 こういうようなことを考えてまいりますと、私はやはり相当特殊法人の人事については昭和五十一年のいわゆる閣議了解事項あるいは昭和四十年の閣議口頭了解事項というようなものを勘案をして今後対処していく必要があると思うんでありますが、この点について基本的な考え方をちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
#95
○説明員(角田達郎君) お答えいたします。
 特殊法人の役員につきましては、ただいまお話ございましたように昭和四十年五月の閣議口頭了解がございまして、役員の選考につきましての基本的な方針が示されております。この中身は公庫、公団等の特殊法人の選考に当たりましては、適任者を広く各界、有識者から人選することを原則としておる。それから特に公務員出身者から選考する場合には、関係省庁の職員にとらわれず、広くほかの省からも適任者を選考するということ。それから公団、公庫等の相互間のたらい回し的な異動は避けろとか、高齢者の起用は努めて避けろとか、それから長期留任は特別の事情のない限りこれを避ける、そういうような基本的な方針が示されておりまして、この方針にのっとりましてそれぞれ所管の、特殊法人を所管しております各省庁で御選考をいただいておるわけでございますが、ある程度の選考ができました時点で官房長官にその都度協議していただくと、こういう手順でやっております。したがいまして、当然それぞれの特殊法人の役員につきましては、適材が選考されておるというふうに考えておるわけでございますが、私どもといたしましても、官房長官協議の段階でいろいろとこの方針に沿うように各省にお願いをしておる、こういう段階でございます。
 それから森下委員、先ほどお話ありました五十一年の閣議了解でございますが、これは特に最近の国の財政事情等が窮屈になってまいりましたので、特殊法人自体の整理合理化も一つの重要なポイントでございますが、特に大規模な特殊法人といいますと、一つのめどといたしまして、常勤の役員が十人以上の特殊法人につきまして、一律、常勤の役員を削減しようではないかということで、昨年の五月に閣議了解をいたしまして、役員の縮減の方針を示したわけでございます。その内容は常勤役員が十人から十五人までの特殊法人にあっては常勤役員を一人削減する。それから十六人以上の特殊法人につきましては二人の常勤役員を縮減するとかこういう中身になっております。これは五月の閣議口頭了解でございまして、実施は七月から実施するということで、所管の省庁におきましてそれぞれ役員の縮減計画を立てていただきまして、現在これを実施しておる、こういう段階でございます。
#96
○森下昭司君 そこで具体的にちょっとお尋ねしておきますが、大臣にこれはお答えいただきたいのでありますが、去る予算委員会で私の方の野田委員が指摘した点につきましては御承知だと思うのです。これはいま内閣の官房から御説明がございました四十年と五十一年の閣議了解事項に該当する問題ではないかというふうに思うんでありまして、そういう点についてやはり善処をなさるお考え方があるのかどうか、これをひとつお尋ねします。――石炭鉱害事業団の讃岐理事長は……。
#97
○国務大臣(田中龍夫君) いま森下先生の御指摘の予算委員会の、これはちょっといま私、具体的に思い起こさないのでございますけれども……。
#98
○森下昭司君 総括質問の冒頭にうちの野田哲さんがやったんです福田総理に。
#99
○国務大臣(田中龍夫君) 石炭鉱害事業団か何かのケースですか。
#100
○森下昭司君 そうそう。
#101
○国務大臣(田中龍夫君) 余人をもってかえがたいという専門的な職能を持った方ももちろん中にはおるだろうと存じますが、原則として、そういうふうな兼務のたくさんの方がないように、あるいはまた天下りその他のことにつきましても、政府の方針といたしましては、行管を初め、厳しくその点については戒めてまいりたいというような基本的な姿勢は変わっておりません。
#102
○森下昭司君 そこで、日本貿易振興会ですね、これは役員が十一人以上おりまして、これは当然五十一年五月の閣議了解事項に該当すると思うんですよ。ところが、いまだかつて役員が減らされたということは聞いていないのでありますが、これは減らすお考え方にお立ちになるのか。言葉をかえれば、閣議了解事項のとおり実行するお考え方があるのかないのか、はっきりしていただきたい。
#103
○国務大臣(田中龍夫君) いまのはJETROのことであろうと存じますが、所要の期間を置きまして、その方針にのっとろうと。直ちにどうこうということもいろいろの任期その他のこともあるのではないかと存じますが、もちろん私どもも政府の一員といたしまして、基本的な方針に対しましては政府の指示どおりにいたさなければならぬのでございます。
#104
○森下昭司君 それは簡単に言うと、任期が満了なさった方がおありになりますれば、そのポストは補充をしないという考え方なのか。理事とか監事とかはおおよその決めは御存じのようにありますけれども、たとえば理事とか監事とか、そのポストの――理事長が任期満了で補充しないというようなわけにはいきませんけれども、たとえば理事とか監事とかが任期満了になれば、そのポストについては補充しないという考えでいくのか。あるいは理事の数を減らすとか監事の数を減らしていくとか、そういうお考え方はまとまっていませんか。
#105
○説明員(角田達郎君) 五十一年の五月の役員の縮減についての閣議口頭了解の趣旨は、それぞれ理事にしましても監事にいたしましても任期が法律で定まっております。したがいまして、任期途中で役員を削減するということは、これは事実上不可能でございますので、縮減の方法といたしましては、一応原則としてある特定の役員が任期が満了したときにその後を補充しない、こういう方法で役員の縮減をするのだ、こういうふうにしております。ただ、そこで原則というふうに言っておりますのは、当該の役員が前任者の任期を引き継ぎまして非常にまだ一年とか二年とかということで短いというような場合には、その役員がたとえ任期がまいりましても縮減してはまずいということで、それから業務の都合上、その役員をもうちょっと長くお仕事をしていただきたいというような場合もありますでしょうし、そういうことを勘案いたしまして、それぞれの省庁でその辺の事情をごしんしゃくの上、縮減の計画を内閣の方に出していただく。それで縮減の計画を出していただいた以上は、そのとおりに役員を縮減していただく、こういうふうにしております。
#106
○森下昭司君 これは通産大臣は真剣に聞いてもらいたいんですがね。いま私はそういうことをお話申し上げて、こういう公開の席で私名前具体的に出しませんけれどもね。やはり閣議で昨年の五月決定で――七月から実施されたんですが、もうこれ四月でしょう、終わろうとしているんです。一年たとうとしているんです。そうすれば実はもう任期満了寸前の人がたくさんあるんです。その中で、原則はいま御説明がございました。その原則に基づいて、たとえばこの閣議了解事項を実施するためには当面JETROが対象になっている、なっているJETROの役員削減について、具体的にはそれじゃどうするというようなお考え方が基本的にまとまってないということは私残念だと思うんですよ。その点、もしも私は通産省としてどう対処するかというお考え方があるならば、この際はっきりしておいてください。
#107
○国務大臣(田中龍夫君) 先生のお話でありますと、昨年の五月閣議決定でございますか、すでに基本方針は決まっておるということでございますが、ただいま内閣の方からもそういうことでございます。必ずや、私はまだ寡聞にして具体的なことは、当該ケースに触れておりませんけれども、官房なり事務当局におきましてはその方針に従って処理をいたしてございましょうと、かように確信いたしております。
 まだ私のところには決裁や何かは出ておりませんことは事実でございます。
#108
○森下昭司君 私は、大臣がそういう決意をお持ちになるならばそのとおりひとつ実行していただきたいという期待を非常に大きく持つものであります。またこういった問題につきましては、大臣御就任以来もう相当の月数を経たわけでありますので、やはり重要な特殊法人の問題につきましては、天下り官僚の問題を含め、渡り鳥だ、やれ報酬が高い、退職金が高い、いろんな問題について時あるごとに各種委員会等で話題になっているときでありますので、こういう問題については十分ひとつ配意をしていただきまして、いまお話のとおりに閣議了解事項に従ってそれぞれ必要な措置を講じていただきたいということを希望いたしまして私の質問を終わります。
#109
○委員長(加藤武徳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。
 午後一時より再開いたします。
   午後零時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#110
○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#111
○委員長(加藤武徳君) 午前に引き続き、小規模企業共済法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#112
○桑名義治君 法案に入る前に、全体的に少しお聞きをしておきたいと思うんですが、四月の二十一日の新聞に「中小企業庁を総理府外局」にという、自民党の改正案がまとまったという記事が載っておるわけでございます。この記事によりますと、中小企業庁設置法改正案をまとめた、改正案の内容は、総理府の外局に中小企業庁を設置し、同長官に国務大臣を充当をするという御原案のようでございますが、こういう案について、通産省としてはどういうふうに対応なさっておられますか。
#113
○国務大臣(田中龍夫君) 二十一日に案がまとまったかどうかは存じませんが、昨日の党大会におきまして斎藤栄三郎君から緊急動議が出まして、中小企業省の設置、それができない場合でも国務大臣を置くようにという動議が出ました。それに対しまして河本政調会長から、その問題は行政管理庁において検討いたしたいという答弁をされました。大体そういう経過でございます。
 さて、それに対して通産省はどうするかということでありますが、これは私の方はどうも当事者でございますので、ちょっと物語るのも変でありますけれども、実はいろいろとそういうふうな声もございますが、いままでにもなくいろいろと議論があったことは事実であります。ちょうど、たまたまきのう、その中小企業省の問題のありましたすぐ後に、今度は全国青年団代表の方が、これまたぜひひとつ青年省という省を新設しろと、こういう御提案もあったものでありますから、どうも中小企業省にせよ青年省にせよ、その一つの問題を横にカットしますといろんな構想が出るのでありまして、そういう点で私は必ずしも効率的ではないのではないかという気がいたします。なかんずく、内閣に新しい省をよしんばつくったとするならば、何と言いましても、いいか悪いか知りませんけれども、官僚機構の中で大蔵省と通産省というのは大変たくましい省でありますが、内閣の方に持っていったならば、これは現場を持たない非常に観念的な、統合調整というのが内閣の職能でありますから、統合調整の機構ではかえって弱体になりはしないか。それから大臣を置いたといたしても、さあ、その大臣がなかなか足のない大臣、省をつくらないで通産省のままでもって閣僚を置いたとしましても、これは非常にやりにくい大臣でありまして、ちょうど対外経済協力に国務大臣をもって閣議に代表させろということがありましたが、それで、これは手足は外務省を使うわけであります。そうすると、外務大臣が別にあって、今度は対外経済協力の閣僚が一人出て、それでと言うと、連絡用の特派大使にミニスター(大臣)という名前をつけただけのような、外務大臣の隷下にある大臣みたいなことになっちゃって、これまた非常にむずかしい大臣ができます。
 以上のようなことで、私は余り賛成をしないことは事実でありますが、何分にも査問会の当事者でございますので、余り元気のいい議論も申せませんことをお許しいただきます。
#114
○桑名義治君 大臣、手足がない大臣とかいろいろなことをおっしゃいましたけれども、科学技術庁というのは現実に大臣がいらっしゃるわけですよ。庁でありながら担当大臣いらっしゃるわけですよ。そういう立場から考えますと、いまや中小企業庁というのはこれは野党各党でも設置をせよという強力な意見がいままであったわけです。現実も存在しているわけです。そして議論がずっと煮詰まっているわけですね。今回おたくの党大会で青年省とかなんとかというお話がございましたけれども、その設置の問題についてはまだ議論全然なされていないわけですよ。ところが中小企業庁についてはこれを省に昇格させろ、そして独立した一つの機構として強力に今後国の行政の面でも推進をしていかなければならないという、そういうコンセンサスがややでき上がりつつある。そういった立場から私はこの問題についていま質問を申し上げているだけであって、その自民党の党大会で青年省かなんか知りませんけれども、その議論と一緒にしてもらったんじゃ私は困る。だからこういう問題に対する考え方なりあるいは通産省当局の方に、自民党としては相談が持ち込まれたのかどうか、その点についてもちょっと触れておきたいと思いますが、どうですか。
#115
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのケースは党としていろいろと御議論はございましょう、またきのうのお話によりまして、政府といたしましては行政管理庁が機構の問題を扱っておりますから、そちらの方で審議をいたすだろうと存じます。大体そういうふうなことであろうと存じますが、私のところにはまだ何にも連絡はございません。
#116
○桑名義治君 じゃもうこの問題は余りまだ鮮明ではないようですからこの程度にしておきます。
 中小企業の不況対策について少し伺っておきたいと思うんですが、最近の中小企業の不況問題というのは非常に重大な問題になっているわけでございまして、昭和四十八年の石油ショックからこの方、このところ中小企業倒産の件数というものは、負債金額とともに毎月記録を更新するような状況であるわけでございますが、最近の中小企業の景気の状況と、今後の見通しをどういうふうに把握されているか、この点について伺っておきたいと思います。
#117
○国務大臣(田中龍夫君) この中小企業の現状につきましては、しばしば申し上げておりますように、実際の事業場数から言いましても九十数%というものが中小企業であり、同時にまたそれに就労しておりまする労働者数、勤労者数から申しましても就労人口の過半数、七割見当は中小企業従事者、かように労働統計でも出ておるような状態でございます。しかしながらそのいまの中小企業問題というものが、経済問題であると同時に日本の最大の私は社会問題とさえ考えておるんでありますが、この中小製造業の生産の状態は五十一年の八−九月ごろ停滞のあとに、十月以降一時ちょっと増加いたしまして持ち直したんでございまするが、本年の一−二月前月比は減少となっております。倒産数も御承知のとおり三月が最大でありまして千七百五件という倒産状況でございます。
 しかしながら、結局は景気が全体的に回復いたしますれば、この中小企業の関係もそういう意味で回復はいたしますけれども、さらに細かく見ますると、業態別に非常に跛行状態がある、たとえば家電のごときものは、あるいはまた一部のものは非常に若干上向いているものもございまするけれども、全体といたしましては非常に落ち込んでいるということは申すまでもございません。倒産の関係についてもわれわれは先般倒産関連の防止対策というものを特に通達をいたしまして防止に努めているような状態であり、あるいはまた官公需の問題も特に配意いたしましてこれに対処いたしております。
 ただ予算が成立いたしましたので、内閣といたしましては上半期に全体の七三%を発注する、しかも四−六に五〇%を出すんだというような、非常な実は上半期に集中して発注いたす態勢を整えておりまするし、特に大蔵大臣を中心といたしまして、中小企業に対しまする問題に焦点を集中いたしまして、景気の回復に全力を挙げるといったような次第でございまして、漸次景気の回復とともに中小企業も上向いてまいるであろう、かように期待をいたしております。
#118
○桑名義治君 漸次景気が上向きになりましても、中小零細企業まで景気が影響してくるということは、またこれ日数が多少かかってくるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。という理由というのは、結局いままで下請に出しておったそういった仕事を、親企業が受けて引き上げる、そして自分のところで消化をしてこの不況を乗り切っていこうという、そういう姿が十二分に見られるわけであります。
 それと同時に、この前地方の公聴会で、予算委員会で参ったわけでございますけれども、これやっぱりなかなか中小企業まで回ってこない、仕事等についてもなかなか回ってこない。それから効果というものもなかなか政府が見込んでおるような効果が出てこないのだというような証言があったわけでございますけれども、そういった立場で、これはきめの細かい政策をやっぱり中小企業庁としてはとっていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。
 そこで政府は、先の公定歩合の引き下げ、これに続きましてさらに政府金融三機関の貸付枠の拡大、あるいは倒産関連保証の期間延長、それから適用業種の拡大、こういう緊急対策を打ち出されたわけでございますけれども、そこで本日の新聞にも載っておりますように、公定歩合の引き下げに引き続いて、それぞれの各金利の引き下げが行われているわけでございますが、今日までの政府系金融機関の貸出金利の引き下げが行われたのは、商工中金だけであるというふうにわれわれは伺っておるわけでございます。
 そこで公定歩合の引き下げ後、民間金融機関の貸出金利はかなり低下してきているようでございますけれども、政府系金融機関の貸出金利をいまだに引き下げようとしないのはどういう理由なのか、まずこの第一点伺っておきたいと思うんですが、それと同時に景気対策を講じようとする政府が、みずからその姿勢を示さないのは私は非常に問題ではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#119
○国務大臣(田中龍夫君) 商工中金の短期貸し出しの金利につきまして、三月の十二日に日銀の公定歩合〇・五%の引き下げ、さらに要求払いの預金の利率の引き下げに伴いまして、去る四月の四日〇・一二五%の引き下げを実施したところでございますが、国民金融公庫及び中小公庫の基準金利につきましては、現在民間金融機関における長期貸出金利を勘案いたしまして八・九%といたしておるような状態でございます。四月十九日、再度日銀公定歩合が一%引き下げられまして、昨日は長期金利が〇・八%引き下げられることが決まったところでございます。政府系の中小企業金融三機関の貸出金利につきましても、長短金利の改定の一環といたしまして、中小公庫、国民公庫の基準金利については〇・八%程度引き下げる方向に検討をさせておる次第でございます。
 なおまた、倒産防止の問題につきましても、先般、あとう限りこれが末端まで浸透いたしますように通産局を通じまして指示をいたしましたが、その内容につきまして、詳細は政府委員からお答えいたします。
#120
○政府委員(岸田文武君) 昨年の秋ごろから倒産の数が非常にふえてまいりまして、私どもも心配をいたしておるところでございます。長い不況を持ちこたえてきた中小企業の方々が、もう一息で景気回復にこぎつけるという段階で倒れてはいかにも残念でございますので、私どももできるだけの対策をいま講じてきておるところでございます。
 従来は、御承知のとおり、政府系の金融機関に資金量を十分確保しましてこれに応対をする、別途、民間金融を円滑に確保するために信用補完制度を充実する。こういった二面の施策を進めてまいりました。特に信用補完関係では倒産関連を重視いたしまして、不況業種を指定いたしましたり、あるいは倒産企業を指定いたしましたりして、特別の保証枠を用意するなどの施策を講じてきたところでございます。ただ、今年に入りましても依然として高い水準が続いておりますので、そういった状態に応じて逐次その対策を強化してまいっております。二月に通産局に通達を出しまして、通産局ごとに、財務局、日銀、政府関係金融機関の出先等々を集めまして情報連絡体制をつくり、機動的に対応できるような体制をとりましたし、また、府県の制度融資において倒産関連対策を進められるときには、国としてもできるだけの応援をするというような措置を講じた次第でございます。さらに追いかけまして、先ほど話の出ました商中の短期金利の引き下げであるとか、あるいは、不況業種につきましては従来は大体少しずつ数を減らす方向にありましたのを、四−六におきましては逆にかなりふやすというような措置もとりました。
 さらにそれを追いかけまして、先般倒産対策に関する緊急融資制度を発足させることにいたしました。これは中小企業金融公庫、あるいは国民金融公庫、沖繩公庫等の貸し出しにつきまして、普通の貸し出し限度以外にさらに特別の枠を用意をいたしまして、倒産が波及をしないというための調整資金を確保することにし、なおかつ、それにつきましては金利についてもあるいは担保条件につきましても、極力弾力化するというような措置を講じた次第でございます。
 私どもも倒産の状況については非常に心配をいたしておりまして、今後ともできるだけの手を講じていきたいと思っておるところでございます。
#121
○桑名義治君 中小企業金融公庫並びに国民金融公庫の長短についても、金利を〇・八下げるように検討されておるわけですか。
#122
○政府委員(岸田文武君) 大体そういう方向でまとめたいと思って、いま調整を図っておるところでございます。
#123
○桑名義治君 いつをめどですか。
#124
○政府委員(岸田文武君) いま確定的な期日を申し上げるわけにはまいりませんが、ほどなくというふうに申し上げて差し支えないかと思います。
#125
○桑名義治君 各種の金利が下げられている現状でございますので、これ早急にやらないと意味がなくなると思いますから、その点考慮をなさって大至急に作業を進めていただきたいと思います。
 では、当面の問題についてはこれで終わりまして、中小企業共済制度は昭和四十年に発足して以来、二回改正が行われておるわけでございますが、今回の改正案の内容は、掛金限度の引き上げ、それから老齢給付要件の緩和等、こういった改正が行われるように提出をされておるわけでございますが、こうした改正が出された背景について、まず最初に伺っておきたいと思います。
#126
○政府委員(岸田文武君) この制度が発足しまして十年余たつわけでございます。制度発足当初は、一方では、従来の中小企業政策にない新しい分野を開拓したものであるという期待が持たれます反面、新しい制度なるがゆえになかなか一般の方になじみができず、創立当初はいろいろの苦労がございましたが、ごく最近に至りまして次第にこの制度が普及をしてまいり、また、これが零細な方々に喜ばれる制度であるということが広まってまいったように思っておるところでございます。
 御承知のとおり、この法律におきましては五年ごとにその制度内容を見直しをして改善を図るということになっておりまして、ちょうど今年が五年目に当たるわけでございます。その意味におきまして、昨年中小企業政策審議会の中にこの問題に関する特別の小委員会を設けまして、この制度のあり方をどうするかということについて御審議をいただきました。前の改正以来五年経過をいたしまして、その間にかなり経済情勢も変わってきております。物価も上昇いたしましたし、中小企業をめぐる環境も変わってまいりました。こういった事情を踏まえまして、従来の制度を見直しをするという点が第一点でございます。それから第二点といたしましては、この制度を少しでも魅力のあるものにしていこうということで、いままでの制度の内容をいろいろ振り返りまして、運用の実績に照らして改善できる点は何かというようなことを御議論をいただきました。
 これらの結果が一応昨年答申としてまとまりましたので、これを受けまして今回の御提案申し上げました法律になったという経緯でございます。
#127
○桑名義治君 今回のこの共済制度の加入条件でございますけれども、個人企業の場合は経営者一人、それから法人の場合は役員ということになっているわけでございますが、この会社の役員はどの範囲を役員と言うんですか。たとえば会社を代表し得る代表取締役に限られるのか、いわゆる平取締役あるいは監査役まで含まれるのか、この点はどうですか。
#128
○政府委員(岸田文武君) 会社におきましては、役員をすべて含むということで、代表権の有無は問わないという運用をいたしております。
#129
○桑名義治君 次の問題として、本法の改正案が出されるにつきましては、必ず中小企業政策審議会の専門小委員会の検討がなされた上で、意見具申のベースに乗って過去二回とも改正されているわけでございます。ところが、その意見具申の答申の中身が完全に盛り込まれていないわけでございますけれども、これはどういうことから除外をされたのか、その理由をお聞きしておきたいと思います。
#130
○政府委員(岸田文武君) いまお話ございました中小企業政策審議会の答申は、大きく分けまして六項目についての意見具申を行っておるところでございます。この各項目ごとに、答申とその実施結果をあらましだけ御報告さしていただきます。
 まず第一は、掛金及び共済金の額についてでございますが、掛金月額を現行の一万円から三万円に引き上げること、また下限が千円以上になるように所要の措置を講ずること、これは今回の法案の中にもそのままで取り込まれております。
 それから、融資制度の拡充につきまして、現行の貸し出し制度を存続しつつ、別途掛金積み立て額の三倍程度を限度とする新融資制度を創設する方向で検討することが適当であろうということにつきましても、大体答申の趣旨に沿って、この法律とは直接関係ございませんが、新しい融資制度を創設をし、この答申の趣旨に沿った運用をいたすことに考えておるところでございます。
 それから三番目には、共済事由の改善でございますが、一つは老齢給付の要件を緩和すべきであるということと、それから他の一つは加入後一年以内の死亡の場合にも掛金相当額までを支給すること、二つの点がうたわれております。前段の老齢給付の要件緩和につきましては、御提案の中にそのまま取り入れておりまして、答申にこたえておるわけでございますが、後段に申し上げました加入後一年以内の死亡の場合の措置につきましては、実は部内でもいろいろ検討をいたしましたが、やはり一定期間掛けるという上で給付される、これがこういった共済制度についてのいわば共通のルールのようでございまして、他の諸制度との均衡から、答申にはございましたが、残念ながら法律化には至らなかったという経緯でございます。
 それから、国庫による助成の問題につきましては、私ども従来から事務費の補助をいたしております。この点につきましても大蔵省といろいろ議論もございましたが、全額国庫補助という体制で引き続いて処理していきたいと思っておりますし、別途事業団の財政基盤を強化するという意味合いで出資を要求いたしておりまして、これも満額確保いたしておるところでございます。
 それから、制度改正に伴うその他の検討事項といたしまして、物価スライド制の導入、それから加入者のための福利厚生施設の設置等がうたわれておりまして、これらについてもひとつ検討してみてはどうかということでございまして、これは検討事項でございまして、私どもも中でいろいろ議論をいたしたところでございます。ただ物価スライド制を入れますと、資金的にも非常に膨大な量がかかりますし、ほかの諸制度とのバランスもございますので、今回は採用するに至りませんでした。それから、二番目に申しました福利厚生施設の問題、これは私どもも一つの大きな研究課題であろうと思っておりますが、まだいまの事業団の財政基盤からいたしますと、もう少し充実してから考えてはどうかと思っておるところでございます。
 それから最後に、加入目標の設定及びその推進方法といたしまして、五十六年度までに加入率を二五%まで引き上げるということが答申の中に書いてございますが、これは私どももその方向で努力をいたしたいと思っておるところでございます。
#131
○桑名義治君 この本法の改正について、直接に担当している事業団の意見がどのように組み込まれ、どのようにくみ上げるような組織になっているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#132
○政府委員(岸田文武君) 先ほどお話を申し上げました中小企業政策審議会の小委員会には、この事業団の理事長にメンバーとして参加をしていただきまして、実情はどうなっているのか、またどういう点が問題であるのか、その辺のところについてお話を聞き、また意見をちょうだいしながら答申がまとめられたという経緯になっております。
#133
○桑名義治君 小規模共済金は一時金であって、継続的に使用される年金という制度は導入をされていないわけです。で、先ほどからその問題につきましては、いろいろとまだコスト的な問題もあるというお話ではございましたけれども、共済金が事業主の廃業の場合等の退職金という性格が強い、こういうふうに考えますと、今日の退職金の場合は一時金と合わして、そして年金の支給の必要性の一般的な認識が非常に高まっていることは、これは否定することのできない事実だろうと思います。そういった立場から、中小企業共済金が事業主の廃業後のいわゆる生活に備えるものだと、こういうふうに考えるならば、一時金よりはむしろ年金の方が必要なのではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございますが、この年金制度の導入について、関係当局の皆さん方はどういうふうな見解をお持ちなんですか。
#134
○政府委員(岸田文武君) この制度は、いわば廃業したときにまとまった金を用意をして、次の転身を図るとか、あるいは老後の安定を図るとかいうような趣旨でできたものでございます。
 お話ございました年金の問題につきましては、一般的には国民年金に加入をしまして、年金の恩典を受け得る道が開かれておるわけでございますが、従来の制度を振り返ってみまして、仮にこの制度がないとしますと、これは一時金も用意できない。それでは余りにも気の毒ではないかということからこの制度が発足したわけでございます。特に従来の掛金限度ではまとまった金が用意できませんでしたけれども、今回の改正によりまして、三倍引き上げられることによってある程度まとまった支給が可能になったというふうに考えておるところでございます。
#135
○桑名義治君 今回の改正の中では老齢給付金の支給要件が緩和をされたというふうになっておるわけですが、この老齢給付金というのは、これは生活費の補てんということになるわけですが、そのためにも一時金よりは年金の方がベターではなかろうかと、こういうふうに思うわけですが、こういうことをいろいろと考えてみると、この制度そのものもそういう方向にやや傾きつつあるんじゃないかというふうに考えるわけです。そういった立場から、今後のあり方として、こういう年金制度を取り入れる用意なり考え方はないのかどうか、急速にはできないと思うのです。
#136
○政府委員(岸田文武君) この共済制度の原資は、毎月中小企業者の方々から積み立てられる掛金でございます。それをうまく運用して、いかにうまく還元をするかということがこの制度の本旨であろうかと思うわけでございます。そのときに一時金でやる方法、それから年金でやる方法、あるいはそれを併用する方法、さまざまな対応の仕方が考え得るわけでございますが、私どもは、いまのところの頭の整理としましては、年金的なものは国民年金等に譲り、重点を一時金に集中をすることによって、まとまった支給が可能になるようにする方が、いわばこれから先何年か後の廃業なり、あるいは新しい転身なりを考えるときに喜ばれるであろうということで、いまのような制度を維持しておるわけでございます。もちろんほかのいろいろの組み合わせもあり得るわけでございまして、今後いろいろこの制度について勉強いたします際には、そういうバリエーションを仮に行ったとすれば、どういう形があるだろうかというようなことを私ども部内でも研究さしていただきたいと思います。
#137
○桑名義治君 今回三年以上の共済加入者に限定をされまして、掛金の三倍までの新融資制度が創設されたわけですが、これは都道府県の制度融資にリンクさせるものであるが、この程度の融資条件ではとても共済制度の加入促進の目玉にはならないというふうに思うわけです。最近は加入者に対する還元融資が共済制度の大きな柱となってきておりますが、その充実が望まれている今日、今回の制度はその要求に十分にこたえていないと、こういうように考えるわけですが、この点どういうふうにお考えですか。
#138
○政府委員(岸田文武君) 従来は掛金の限度内におきまして、即日無担保貸付という制度をやっておりましたが、さらに今度新しい制度を創設いたしまして、掛金額の三倍程度までの還元融資が行えるようにしよう、これは少なくとも一歩前進には相違ないと私どもは考えておるところでございます。ただお話ございましたように、一歩前進ぐらいでなく、二歩も三歩もこの際前進してはどうかという御提案、趣旨は私どももよく理解できるところでございます。
 ただこの新しい制度は、いわば事業団にためられました金を安全確実に利用する、その一環として設けられたものでございます。したがいまして、これを無限に広げるというわけにはまいりませんで、やはり総資産の一割ぐらいの範囲内でやるというようなことがおのずから常識的な限度になってくるのではないかと思っておるところでございます。そういう範囲内でどういううまい制度ができるかということを考えてみましたときに、事業団の直接の資金に加えまして、府県の資金あるいは金融機関の協調融資等をうまく組み合わせれば、ある程度魅力のある制度ができるのではないか、こう考えまして新しい制度を創設した次第でございます。もちろん事業団の資金がさらに今後増強されてまいるだろうと思いますし、その増強に応じてこの制度をさらに魅力のあるものにする、また大きく利用できるものにするという努力は、引き続き続けてまいることが必要であろうと私どもも思っておるところでございます。
#139
○桑名義治君 現行の共済契約者に対する還元融資、これは掛金の納付額の七割から九割を限度としていますけれども、十万円以上という下限が設けられているために掛金合計額がこの条件に満たない加入者は、利用することができないというふうに考えられるわけですが、この制度は先ほどから説明があっておりますように、即日貸し出しという利点があるわけです。利用者の範囲を広げるために、いわゆる貸し出しの条件についてもっと弾力化させる必要があるんじゃないかというように思うわけですが、この点はどうですか。
#140
○政府委員(岸田文武君) 御趣旨は私どももよくわかるわけでございます。いわば窓口事務を簡素化するというような意味合いでいまのような制度ができておるわけでございます。また貸付条件につきましてもやはり全体の資産の運用効率の目標が決められておりますために、なかなか緩和しにくいという面がございます。ただしかしながら、せっかくこういう制度ができておりまして、それが一層喜ばれるようになるということは、私どもとしても喜ばしいことでございますので、今後実際に利用していただいておる人、あるいは一般の加入者の方々の意見も聞きながら、大体骨組みはいまのような形を維持しながら、その中でもう少しいい工夫はないか、こういった点については引き続き勉強もし、また努力もいたしたいと思っておるところでございます。
#141
○桑名義治君 そこで還元融資については、従来の制度も、県とのタイアップによる新しい制度も掛金額を基準としているわけでございますけれども、中小企業政策審議会の意見具申の中にも、掛金額のほかに共済金額を基準とした融資制度を設けることを提言をしているわけでございます。この点について検討する用意があるかどうか、その点どうでしょうか。
#142
○政府委員(岸田文武君) お話の点はたしか前の改正のときの答申に出ていた意見であろうかと思います。ただ、当時はまだまだ事業団の体制もそこまで力が及んでいない状況でございまして見送らざるを得なかったわけでございますが、今回ようやく加入者も五十万を超え、そして資産の額もかれこれ一千億円というところまで達しました。この機会にやはり前回見送りをしました還元融資制度の拡充の問題をどうするかということで、改めて審議会で御議論をいただきました結果が、先ほど申しましたように掛金の三倍程度を目途とした新しい融資制度を考えてはどうか、こういう提案になった次第でございまして、今回の答申につきましては、大体趣旨を生かしながら、さらにそれをもっと府県の協力も得て魅力のあるような制度にするような工夫もしながら、いま関係各県との打ち合わせを進めておるという段階でございます。
#143
○桑名義治君 今回の共済制度に加入した小規模企業者が、不幸にして廃業等の事態に陥った場合、いわゆる掛金納付月数が一年未満の場合、これは共済金は支給されないことになっておるわけでございますが、これは本法の趣旨から考えた場合には早急に改善すべきではないかというふうに思うわけですが、その点どうでしょうか。
#144
○政府委員(岸田文武君) 実は私どもも当初はそういうことをまさに考えたこともございますものですから、考え方自身としては十分そういう考え方はあり得るだろうと思っておるところでございます。ただしかし、先ほども申し上げましたように、そういうことを考えてほかの制度もいろいろ勉強いたしてみましたところ、やはり各制度とも一定期間の納付をした後に制度が動き出すというやり方をとっておりまして、この制度だけがそういう一年未満も救済をする道を開きますと、ほかの制度にも波及をしてしまうという問題がございまして、やはりバランス上これだけ飛び出すわけにいかないということで見送りをした経緯でございます。
 もちろんほかの制度も未来永劫いまのままが続くわけでもございません。また、私どもの制度も今後も引き続きいろいろ制度の改善について見直しをしていくことが必要でございます。そういった諸般の環境というものを頭に置きながら、今後の引き続いての宿題という形で処理さしていただければと思っているところでございます。
#145
○桑名義治君 脱退事由のうちに事業団解約というのが圧倒的に多いわけですね。たとえば事業団が設立された昭和四十年から四十九年までの累計で見ると、総脱退数が十万二千六百五件のうち、事業団解約はその四分の三に当たる七万五千九百一件ということになっているわけです。脱退事由には事業の廃止、法人役員の退職、それから共済金が支給される事由も含まれているので、解約についてだけ見ると、個人任意解約と役員任意解約とを合わせると八千六百二十一件になるわけですが、事業団解約はこの九倍近くに達しているわけです。この事業団解約とはどういうケースなのか、またなぜ事業団解約件数が多いのか、この点について最初に伺っておきたいと思います。
#146
○政府委員(岸田文武君) お話ございました事業団解約、件数を見ますと非常に大きな件数に上っております。その理由でございますが、その大多数が掛金のかけ忘れというケースでございます。私どもはやはりこれは何か対策を講じなければいけないということで、実は四十七年から掛金滞納者に対する注意喚起を徹底する措置を講じまして、年四回実施をいたしております。さらに、四十七年九月からは掛金の口座振替制を実施をいたしました。以上のような措置の結果といたしまして、最近における事業団解約率は毎年着実に下がってきております。参考までに申し上げますと、事業団解約率四十八年度は四・〇六%でございましたのが四十九年には三・六七%、五十年度には二・九二%というような形で逐次下がってきておるところでございます。
#147
○桑名義治君 この事業団解約の中には、十二カ月掛金をかけなければ――滞納すると解約ということになるわけでございますが、そのためには銀行の口座の自動振替による方法を講じてきたという、こういうお話でございます。現在この銀行口座の振替による方法、これは普及率はどの程度ですか。わかりますか。
#148
○政府委員(岸田文武君) 大体全体の約一八%が口座振替を利用しておると聞いております。
#149
○桑名義治君 そうしますと、これ普及率はまだ非常に低いということですね。そうすると今後とも、事業団の解約というものがまだまだ防止できないというふうに考えられるわけですが、この普及のためにはどういう対策をおとりになっていらっしゃいますか。
#150
○政府委員(岸田文武君) 口座振替制をとりますのにつきまして、ほかの口座振替をやっております各種の制度の利用状況も調べてみまして、大体見ておりますと三〇%ぐらいが一つの限度になっておるようでございます。私どももそういうところぐらいまでには何とか早く持っていきたいものだということで、実は各種の制度に関するPRに際しまして、口座振替制を御利用いただきたいということを特に念を入れて書きまして、その普及を促しておるところでございまして、最近逐次上昇を見ておるというふうに理解をいたしております。
#151
○桑名義治君 それともう一つ、共済契約の中途解約の中に契約後一、二回でやめて解約する比率が非常に高くなっている。これはどういう理由なんですかね。ただ単に入れ入れということで、それぞれの団体が入れるだけじゃ意味がないと思うんです。これは継続的なものでなければ意味がない。にもかかわらず、いわゆる中途解約の中に一、二回で解約している場合が非常に多い。事業団はこういう契約件数のわりあいに多くの委託経費を支払うことになっているんじゃないかと思うんです。そういった立場から考えますと、いわゆる脱退数を減らすとともに委託経費の節減をして、本来の共済制度の趣旨に沿った運営をやっていくということが非常に大事なことになる、こういうふうに思うわけでございますが、そういう点についてはどのような対策をお立てになっていらっしゃいますか。
#152
○政府委員(岸田文武君) せっかく加入しまして、しばらくたつと後が続かないというケース、私どもも気にしておるところでございます。確かに趣旨はわかるけれども、しかし将来まとまった金よりもさしあたって出す金が惜しいというような気持ちの方もありましょうし、また中には一生懸命勧められたからお義理で入ったもののという方もないわけではないと思います。ただ、これはいわば制度の魅力とのバランスでございまして、今回のようにかなり思い切って限度を上げ、しかもそれが税法上も優遇されると、この辺の理解がつきますと、これはやはりやった方がいいということはよく考えていただければわかるはずのことでございます。したがって私どもは、やはり制度を十分理解していただくということに全力を挙げていきたいと思っております。
 参考まででございますが、一時は先ほどおっしゃいましたように少し掛けてやめるという人が、ある程度の比率に上っておりましたが、最近そういった方の比率が急速に下がりつつあるということを事業団の方から聞いております。
#153
○桑名義治君 この制度の加入者でございますが、昭和五十一年度においては在籍件数は五十万件を超えてはいるが、最近の加入者数の伸び率は伸び悩みの傾向にあり、全国の小規模事業所数四百五十万と比較しても、加入率というのはまだまだ低いわけでございますが、過去二回にわたって長期加入促進計画を策定しておられますけれども、この計画達成率はどうでしたでしょうか。
#154
○政府委員(岸田文武君) 従来から毎年加入目標をつくりまして、その目標を何とか達成しようということで、各種の中小企業団体あるいは金融機関の御協力を得て、加入促進運動を展開してまいったわけでございます。従来の加入目標と加入実績を対比いたしてみますと、半分ぐらいの年につきましては、加入目標を達成をいたしております。ただ年によりましてはまだ若干届かないという年もございます。これは最近の状況でございまして、大体ここ数年は十万件ぐらいずつの加入を見ておるという状況でございます。振り返って創立当初は非常に低い水準でございまして、やはりその当時に比べますとこの制度が中小企業の方々に理解され、また友達の話を聞いて加入するというようなことがかなり一般化してきたんじゃないかと思っておるところでございます。
#155
○桑名義治君 またこの加入率は、農村よりも地方都市あるいは大都市の方がどんどん低くなっていく、その理由は大体どこにあるというふうにお考えになっていらっしゃるのか、それと同時に加入促進を図るために中小企業庁及び事業団が、関係各機関に対して特別加入促進運動、そしてまた加入促進に貢献した団体については、中小企業庁長官の表彰を行っている、こういうことは私は表彰を行うというのはこれはむだなことじゃないかというふうに思うわけですが、それよりも制度自体を魅力あるものにするならば、私は加入者は順調にまだ増加するはずだとこういうふうに考えておるわけでございますが、今回の改正のほかに、今後こういうふうに運用をすべきであるという腹案的なもの、あるいは今後のこの制度に対する運用についての御所見があれば伺っておきたいと思います。
#156
○政府委員(岸田文武君) 先般の中小企業政策審議会の答申でも、二五%の加入を達成したいということがうたわれております。私どももこの制度の趣旨からしまして、少しでも多くの人に利用できるように努力をしていきたいと思っております。その意味から、五カ年計画と申しましても毎年加入目標をつくりまして、それを何とか実現するというような形でやっていきたいと思っております。当面、五十二年度におきましては、十二万件の加入を目標として諸般の対策を推進していきたいと思っております。やはり何と申しましても中小企業団体の力をかり、また金融機関の力をかりるということが大切でございます。先ほど地方の方が普及率がいいというお話ございましたが、やはり組織率というか、お互いに顔なじみであるというような点がやはり地方の方の率を高くしているというような背景であろうかと思います。したがって少しでも接触の機会を多くして、加入促進に力を入れていきたいと思っておるところでございます。
#157
○桑名義治君 もう時間がありませんので、かいつまんで質問しておきたいと思いますが、事業団は現在一千億の資産を有していると、こういうふうに言われておられるわけですが、この資産の運用の基本的方針というものが明確になっておらなければならないし、非常に有効的な運用というものがまた大事になってくると思いますが、この運用についての今後の考え方、並びにこの一千億の資産は主として加入者の掛金の積立金でこの一千億円が構成をされている、政府出資金は今年度の八億円を入れても二十四億円にすぎないわけですが、もっと政府資金の増額に努めるべきではないかというふうに考えるわけですが、この点についてはこの後の件については通産大臣から御答弁を願いたいと思います。
#158
○政府委員(岸田文武君) 資産の運用の問題につきましては、お話にもございましたように、これが小規模企業の積み立てた大切なお金でございますので、少なくとも安全、確実かつ有利というようなことを基本的なルールとして、資産運用に当たっているところでございます。それと同時に同じ運用するに際しても、小規模企業者の方々に実質的に還元できるような運用方針をとっていきたい、こういう意味合いから、大部分が商工中金の債券の購入に充てるなどの措置を講じておるところでございまして、今後ともそういった意味合いで努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
#159
○国務大臣(田中龍夫君) これらの制度というものは、私は非常に中小企業対策の中でも本当に温かみのあるいい制度であると存じておりますが、これらの自助努力によりまして、なかんずく還元融資の問題等につきましても、出資の八億はこれは充当できた、それからさらに今後この制度というものがいまお話のように、まだまだ足らざる面が多々あるわけでありまして、もっともっと伸ばしていきたいまことにいい制度だと私どもは喜んでおる次第でございます。
#160
○桑名義治君 ぼくそんなことを聞いたんじゃないんですよ。内容がね、そういうお話を伺ったわけじゃないんです。国庫補助の問題について伺ったわけです。
 そこで、中小企業従業員退職金共済制度、これは国庫補助が導入されているわけですね。ところが本制度には導入がない。で、中小企業政策審議会の意見具申においても、国庫補助制度強化の方向については冒頭に中小企業庁長官が対比してお話になったとおりです、指摘をされているわけです。で、共済基金について国庫補助を投入する、前向きで検討する必要があると思うんですが、この点についてどうですか、大臣。
#161
○政府委員(岸田文武君) いまお話の中にございました中小企業の退職金共済制度は、中小企業者がその従業員の退職金に充当するための資金を積み立てるということでございます。それで、この制度は中小企業主自身でございまして、そこに基本的に性格の違いがあるわけでございます。中小企業者の、さらにそれに雇われておる従業員の退職金、これにつきましては中小企業主の力の差によってその制度のアンバランスができては困るというような意味合いで、国庫の、若干でございますが、助成が行われたという経緯のように理解をしております。これに対しまして、この制度は中小企業主自身のいわば共済制度でございまして、それを同じように扱うことがむずかしいことから、若干の制度上の差ができてきたわけでございます。
 国庫の助成につきましては、審議会でもいろいろ御要望ございまして、実は私どもも大蔵省といろいろの議論をいたしてみまして、できるだけのことをやろうということで、今年度予算でも努力をいたしたわけでございますが、その結果、一時は事業費補助につきましてもいろいろの議論ございました。それを要求どおり実現をいたしましたのに加えまして、基金の増強につきましても八億円要求して満額確保したというような経緯になっております。私どもも今後ともこの事業団の経営基盤の安定ということには絶えず配慮していかなければならないと思いまして、基金の増強等につきましては、必要な時期には必要な資金を確保するということで今後とも努力をいたしたいと思います。
#162
○桑名義治君 その点について大臣の御決意を伺っておきたいと思います。と申しますのは、いま退職金制度の場合と共済の場合と内容が違うというように言われましたけれども、いわゆる零細企業、まあ従業員が四人、五人という零細企業は、それこそ経営者とは言いながら従業員みたいなものなんですよ。そういった立場から考えますと、この制度の本旨から考えた場合には、同じような対応をしていくべきではなかろうかと、こういうふうに私は考えるわけです。
 それと同時にもう一点、掛金等の収入と共済金の支給等支出の推移を見ますと、収入は五十一年までの累計で一千七百七億円、支出は五十八億円、掛金収入は支払いの三十倍になっているわけですね。これは掛金から見て共済金が低過ぎるのではないかと、こういうふうに思うわけです。そういった立場から共済金等の給付の水準をもっと改善すべきではなかろうかと、こういうふうに思うわけです。
 この二点について伺って、私の時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。
#163
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほどの御答弁申し上げたときにも、その点が、私自身が割り切れない気持ちが若干あったわけですが、いまお話のような、この制度というものをもっともっと伸ばしていきたいということは事実なんであります。その場合に給付制度、まあこういうふうなものに対してのさらに国の助成の問題と、それからいまの互助努力の問題と、その点については今後まだ議論の余地があると思いますけれども、審議会その他におきましても今後いろいろと御相談もし、また、少しでもこれを伸ばしていきたい、よくしていきたいという気持ちは十分にあるわけでございますから、さらに検討さしていただきたいと思います。
#164
○須藤五郎君 まず第一に、事業団への政府の補助金に関連して伺いたいと思います。
 小規模企業共済事業団の経費は全額政府が出資しております。ところが、昭和四十四年からは出資金による運用益を差し引いた額だけ補助をする、こういうふうになっておりますね。この理由について説明をまずしていただきたいと思います。
#165
○政府委員(岸田文武君) 私どもは、この事業団がそもそも小規模企業の方々に、将来の生活についての安心感を持っていただくことが目的でございますので、そういった特殊な性格にかんがみまして、事業団の事務経費については全額国で見るというようなたてまえで処理していきたい、従来そう考えて、また今日までまいったわけでございます。出資金の運用益というのはいわば事業団の機関的経費を賄う部分でございますので、これはやはり理論的には差し引いて計算をするというのがある意味じゃやむを得ないことではないかと思っておるところでございます。
#166
○須藤五郎君 まあ政府はこういう中小企業を共済するという名前をもって出していることでございますから、そのぐらいなことは政府がやはりめんどうを見て、何もかもおまえらでやれという態度じゃなしに、政府はもう少し立ち入っためんどうを見るのがぼくは当然じゃないかと、こういうふうに思っておりますよ。ですから、いまの長官の答弁は私は満足することが遺憾ながらできないわけですが、もっとめんどうを見ろというのが私たちの主張でございます。
 で、現行の貸付制度は金利が七・八%となっておりますね、この金利は市中金利と比較しましても決して低くないわけでございます。出資金の運用益を利子補給という形に使えば、貸付規模を三十億円としますると、五十二年度に予測されておる運用益約八千万円となります。それを利子補給に回せば二%以上引き下げることができると思います。この点につきまして、ぜひ前向きに検討すべきだと思いますが、大臣はこれに対してどういう見解をお持ちでしょうか、大臣お答えください。
#167
○政府委員(岸田文武君) この事業団にためられました資金というのは、将来小規模企業者が廃業する、あるいは老齢になるというときにまとめてお返しをするという資金でございまして、事の性質上やはり安全、確実に運用していかなければならないというものでございます。で、私どもはこの資金の運用に際しましては、一応長期的な目標としては六・六%の総合運用益を図る、少なくともそれ以上を確保するということで諸般の制度を組み立てておるわけでございます。ただ、ごく最近におきましてはかなり市中の金利が高かったために、実際の実績としての運用益は目標の六・六を上回る運用をいたしておるところでございます。ただし、将来になりますと金利水準がどういうふうに変化するかということは予測の限りではございません。現に公定歩合の引き下げに伴って長短の貸出金利の引き下げということが課題になっております。その意味からいたしますといまの七・八%の還元融資といいますのは、一方でそういう安全確実という努力目標を見ながら、他方市中の金融と比べてもまあまあという金利水準ではないかと、私どもはこう理解をいたしておるところでございます。
#168
○須藤五郎君 基本的にあなたの考えとぼくの考えとは違うようですが、だからその運用益を差し引くんじゃなしに、政府が補助をしていったらどうだというのが私たち。だからその運用益を利子補給の方に回せばこれだけ下げることができるじゃないか、それでこそ初めてこの法案の小規模企業共済ですね、この法の名前に値すると言えるんじゃないかと、そういうふうに私たちは求めているわけです。大臣、こういうことは政治的に意見を聞かないと、事務的な意見ではわからないんですよ。だから政治的な見解を大臣からひとつ伺っておきましょう。
#169
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの須藤委員の御質問と、われわれの考えていることとの間に大分食い違いがあるわけでございますね。それで、いまお話しのようなかような零細企業に対しまする対策というものは、もっともっと本腰を入れて国がめんどうを見たらいいじゃないかというのが率直な御意見だろうと思うのです。しかし、いまの制度というもののそもそもの発足が非常に福祉的な意味があると同時に、事務経費はもちろん国がいたしますけれども、あとの問題はこれはむしろ互助努力といいますか、自助的なものとしての保険制度であって、またその中の一部がこれを運用して還元融資に充てるということでありますけれども、本質的にはいまの掛金によってそれを回していくというところにあったわけでございますから、先生のお話のような、国全体がこれを抱きかかえていくという考え方とは、私は基本的に誤差が出てくるのもやむを得ない、こういうふうに考えます。
#170
○須藤五郎君 政府の考えておるこの法案に対する基本的な物の考え方というものが、大臣なり長官の答弁で明らかになりましたから、これ以上私は議論を吹っかけることはやめますけれども、どうも精神的にぼくら納得できぬ点があるということです。また、中小企業のこの保険に入っている人でもやはり割り切れぬ気持ちが腹の中にはあるんじゃないかと、こう思います。まあ、今後ともよく検討をしていっていただきたいと思います。
 それから三番目ですが、共済制度への加入者というのは、中小企業の中でも最も零細な部分の人が多いと思います。しかも、通常の金融では借りることができないのでこの貸付制度を利用するのでございますから、相当低金利にしてこそ利用価値が出てくると考えます。したがいまして、これはぜひ早急に具体的な課題として取り組んでもらいたいと思いますが、再度この点を大臣に伺っておきます。
#171
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお答え申し上げたような発足でございますので、そこにはやはりある一定の金利というものの限界が出てくるわけでございますけれども、いまお話しのように、対象が何といいましても非常に零細な企業体であり、特にいろいろな福祉的な制度的なものが完備してない零細な企業が本制度によって救われるというときに、もっと国も本腰を入れろと、もっと手厚い処置をとれという御要請につきましては、お気持ちはよくわかるわけでございます。
 しかしながら、いまの組み立てたたてまえというものが申し上げたような次第でございますが、少しでもいい条件になりますように、今後ともに努力を重ねてまいりたいと、かように申し上げてお答えといたします。
#172
○須藤五郎君 小規模企業の数は現在四百五十万と、こういうふうに言われております。ところが共済制度への加入者は五十二万件とわずか一二・五%にすぎない、この原因は一体どこにあるのでございましょうか。どういうふうにお答えになりますか。
#173
○政府委員(岸田文武君) この制度発足当初はなかなか普及がはかどっておりませんでしたが、ここ数年になりましてかなり順調に普及してまいりまして、大体年十万件程度の新規加入を得、いまお話ございましたようにようやく五十二万件まで到達したところでございます。それでもやはり全体の中小企業の中からしますと一〇%余りというところでございまして、私どもはもっともっとこれを高めていきたいと思っておるところでございます。
 なぜまだそういう水準になっているのかという点につきましては、やはり私もよくいろいろな人に会うたびに、入っておられますか、ということを聞きますが、あ、そういう制度あったんですか、と言う人にかなりぶつかっておりまして、やはりこれはもっともっとPRに力を入れなければいけないなあ、ということを自分で痛感をしておるところでございます。従来は中小企業団体を通じ、それから金融機関を通じてその普及を図っておりましたが、私どもはそういった一般のルートに加えまして、府県ごとに集中的にPRをするとか、あるいは商工会議所ごとに特別の集中的なPRをするというようなことを今後とも計画的に進めてまいりたいと思っておるところでございます。
 それと同時に、やはりPRをしまして中身を聞いたときに、それならこれは魅力のあるものだと思えるような内容であることが特に大切だろうと思います。今回の改正によりまして、月に一万円という限度が三万円に拡大をされまして、年にいたしますと三十六万円でございます。それが第一種共済の場合には所得控除される、三十六万円の所得控除の貯金ができる、こういうことは、もし制度の中身をよく理解をされたならば、実質的にはかなり魅力のあるものになってきたのではないかと思っておるところでございます。その他還元融資の拡大等も含めまして、中身をよく理解をしていただいて、本当に長い目で見たらこれはいい制度だということが、胸を張って言えるようになっていくということが特に大切な要素なのではないかと思っておるところでございます。
#174
○須藤五郎君 大臣、この法案に対しまして私たちも賛成をしておる、賛成の立場にあるわけですよ。だから、もっともっとこの法案をよくして、そうして私はもっと積極的に宣伝したいと、私らもそのぐらいの気持ちは持っているんですが、しかし、そのために私は先ほどの利子補給の問題も出した。しかし政府は一向にそれに耳をかそうとしない。そこまでめんどうを見るということになれば、私たちももっと確信を持って中小企業の方にこの法案の宣伝をしてもいいんだが、どうもまだ政府の誠意を信頼することができない感じがするのですね。
 それで、私たちもいろいろの中小企業者に会いまして話を聞くわけです、こういう法案があることを知っておりますか、と。そうすると、知らぬ人が多いんですね。なぜ知らぬのか、政府が怠慢ですよ。本当に自信を持つならば、なぜこれをもっと積極的に宣伝して知らそうとしないのか、知らそうとしないところに問題があるんですよ。私はもっと積極的に知らしてやろうと思うと、私らの要求をあなたたち拒否して一つも入れようとしない。こうなると、どうも変な関係になってくるんですね。だから、あなたたちはそれほど確信を持つならば、中小企業に喜んでもらうようにできるだけこの法案をよくして、もっともっと積極的に知らしめるということ、知らさなきゃいかぬとこう思いますが、いままではなんでしょう、関係の中小企業団体を通じてだけ宣伝しているわけでしょう、それじゃとてもだめです。もっと任意の中小企業団体等にも積極的にPRをして、少しでも中小企業、零細業者が利益を得ることができるように私は宣伝すべきだとこう思います。どうでしょうか、それに対する熱意はお持ちでしょうか。
#175
○国務大臣(田中龍夫君) この制度が非常に魅力のある制度であり、また中小企業対策としてもいい制度だという自信を持っておる次第でございますから、先生の御指摘と同時に、今後もなおさらできる限り、かようなりっぱな制度があるんだということをPRいたしたい、かように存じております。
#176
○須藤五郎君 去る十九日に公定歩合の一%引き下げ措置が決定されました。このことに関連しまして何点かお伺いいたしたいと思いますが、通産省としても現在の不況下において、特に中小零細企業にどのような好影響を与えるか、重大な関心を持っておられることと思いますが、そこでこの見通しなり予測につきまして、まず大臣にお伺いをしておきたいと思います。
#177
○国務大臣(田中龍夫君) 今回の公定歩合の引き下げによりまして都、地銀の一部はすでに短期のプライムレートを引き下げておりますが、貸付原資の大半を占めておりまする預金の金利の引き下げが実現いたしますと、市中金融機関からの長期の金利を含んだ貸出金利の全般の水準が引き下げられることであろうと存じます。中小企業者にとりましても、預金金利の引き下げのことはあっても、全体として金利負担の軽減が図られることは確実でございまして、中小企業としては厳しい経済環境にありますこれらの企業の景気の回復、あるいはまた経営の安定を図る観点から、今回の公定歩合引き下げに伴います貸出金利の引き下げが、中小企業にとってよい影響をもたらすことになるものと私どもは判断をいたしておる次第でございます。
#178
○須藤五郎君 今回の公定歩合の引き下げが景気対策の重要な柱の一つとして実行されたことは明らかだと思いますが、これが景気回復にどの程度の影響を与えるかということはさまざま意見が出ております。しかしどうしても欠かすことのできない問題は、中小零細企業にどの程度の影響を及ぼすかという問題だと、こう私は考えますが、言うまでもないことですが、製造業を例にとりますと、従業者数で七割を占め、出荷額で五割以上を占める中小零細企業の景気回復なしには、わが国経済の景気回復、雇用の安定はあり得ないということになります。したがって今回の公定歩合の引き下げにつきまして、中小零細企業にどれだけ好影響を及ぼすことができるかがきわめて重要だと思うのでございますが、大臣の認識を伺っておきたいと思います。
#179
○政府委員(岸田文武君) 金利の引き下げ、特に貸出金利の引き下げは、一つは景気刺激的な要因、それから一つは企業の経営の中におけるコストの問題、二つの面を持っておると思います。景気刺激的な面につきましては、私ども新聞見ておりまして、さまざまな意見が出ておるように承知いたしておりますが、正直に申しまして中小企業の立場からしますと、一方で国際競争力の強化ということが非常に叫ばれておりまして、設備投資をしたいがさりとて先行きの見通しがなかなか立てにくい、いわば計画を持ちながら迷っているというような部分がある程度あると思っております。これが金利引き下げを機会に、具体的にそれでは思い切ってやろうかというふうになれば、全体としての景気刺激的な効果につながっていく面があろうかと思っております。ただ率直に申しますと、中小企業にとってもっと身近な問題は、企業経営の中における金利コスト、これが非常に大きな要因になっておる、不況の中で何とか経営を維持するために借りられるだけ借りてきた、その金利が相当莫大な金額になっておる、この面が経営の負担になり、企業経営を圧迫しておる。こういった実情を見ておりますと、今回の金利引き下げによりましてこの面の資金負担というか、経営負担というものが軽減されることは、中小企業にとってはもうかなり喜んでもらえる要素になるのではないかと、こう思っておるところでございます。
#180
○須藤五郎君 そのお考えは、何だかぼくに言わすと一方的な楽観論のように思うんですが、まあ次の質問に移りましょう。
 まあ中小企業庁に今度は伺いますが、たとえば五十年四月から五十二年二月までの間に公定歩合は二・五%下がっております。そうして公定歩合に対する市中銀行の貸出金利の追随率は、大蔵省の調査によりますと貸出約定平均金利で見ると四九・四%にしかなっておりません。こういうことについては当然御存じだと思いますが、いかがでございましょうか。
#181
○政府委員(岸田文武君) 私ども金融の専門家ではございませんが、私どもなりに金利の動きについては注目をいたしておるところでございます。公定歩合の推移が即貸出金利の引き下げにつながるということにつきましては、中にいろいろのクッションがございまして、機械的にはまいらないという要因がいろいろあるように聞いておるところでございますが、しかし、一方借りる中小企業の立場からいたしますれば、少しでも借入金利が少なくて済むようにしてほしいということが強い願いでございまして、こういった中小企業の実情を踏まえて、金融機関の方におきましてもでき得る限りの金利引き下げへの努力を払っていただきたいと、こう思っておるところでございます。実情につきましては、よく大蔵省等にも私ども話をいたしておるところでございます。
#182
○須藤五郎君 私がさっき申しましたように、何でこういうことに一体なるんでございましょうか、私は答えは明瞭だと思います。一流企業などに適用される最優遇金利、いわゆるプライムレートは公定歩合に一〇〇%連動して引き下げられておりますね。ところが圧倒的多数の中小企業にとっては、公定歩合が下がり、預金金利が下がっても貸付金利はなかなか下がらないというのが実情だと思うんです、ここに問題があると思うんですよ。下がったとしましても、プライムレートのようには下がらないんです。こういう状態を示していると思うのでございますが、中小企業庁はどういうふうにお考えですか、どうぞ。
#183
○政府委員(岸田文武君) 預金金利が下がりましても、実際には一年物、二年物の定期預金でございまして、資金コストとしてはその分だけ一遍に下がるのではなくて、期間をかけて下がっていくということが一つの大きな問題になってくるのではないかと思っております。したがいまして、公定歩合が下がったから翌日からそれと同じようにスライドして下がっていくというわけにはなかなかまいりにくい事情があろうと思います。その他銀行のコストの面もいろいろあるのではないかと思っております。しかし私どもは、その辺の中身を詰めることが商売じゃございません。いま御指摘ございましたように、中小企業からすれば少しでも安い金利で借りられるということが一番大事な課題でございます。
 したがいまして中小企業の実情はよく大蔵省に伝え、そして中小企業の願いは一日でも早く実質的に借りられる資金コストが下がるということにあることを篤と話をいたしまして、大蔵省、銀行当局におかれましてしかるべき善処をされるように情報の提供あるいは意見の開陳をするというのが私どもの課題であると、こう考えておるところでございます。
#184
○須藤五郎君 あなたの希望するように実現しますか、どうですか。そこが問題なんです。あなた口でそういうふうに希望しますと言ったって、銀行関係が言うこと聞かなきゃそうならないでしょう、どうですか、そういう確信がありますか。大臣、ぜひともそういうふうにするという決意を述べてください。
#185
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま長官から申し上げたように、預金金利の引き下げが直ちに貸出金利まで連動していくには時間的なやっぱり差が出てくることは当然でございますが、しかし、預金金利の引き下げというものは同時に一般金利の引き下げになるでありましょうし、プライムレートのような御案内のただいま御指摘いただきました質のいい資金の融資に対しましては直接的に影響するじゃないかと。しかし中小企業の場合におきましては、何といいましても信用度が低いから結局普通の場合よりも金利が高い。ことに金融機関の場合におきましては、歩積み両建てといったようないろいろな制約も中小企業の場合には存在することも現実の問題でございますし、それから、ことに資金構造から言いまして、自己資本対借入金の比率でも、中小企業の場合のように苦しい経営を続けておりますれば、何といいましても自己資金のウエートが非常に低い、借入金の比率が高いわけですから、いまお話しのように非常に厳しい金利の中に置かれておる。
 でありますから預金金利が、公定歩合が引き下げられても直ちには中小企業に道が開くというようなことにはなりませんでございましょうけれども、全体としてはやはり非常な景気の刺激でもありまするし、同時にまた、中小企業におきましても金利の引き下げというものは非常にいい影響を持つことは事実でございますから、その点先生のおっしゃるように直接的にはいかぬといたしましても、間接的に循環して中小企業に対しての非常に私は好影響をもたらすものと、かように存じております。
#186
○須藤五郎君 大臣、最も金利を早く下げてもらいたいというのは大企業よりも中小企業の側だと思うんですよ。
 ところで、中小企業は信用度が違うとか何とかいうことをおっしゃって、やはり金利が下がって中小企業に潤うのはもっと後ほどになってくるわけなんですね。そういうことはおかしいじゃないか、何で大企業に直ちにそういうふうに関連して、公定歩合が下がればすべてのものがそういうふうに関連していくのに、中小企業だけがほっちらかしになるのか、こういう点を私は言っているわけですね。その点は何よりもまず中小企業、零細企業にメリットがあるようにされるのが私は本当だと思うんですが、どうでございましょう、そういう感覚はお持ちじゃないんでしょうか、大臣。
#187
○国務大臣(田中龍夫君) それはまさにおっしゃるとおりでございますけれども、しかし大蔵省におきましても、拘束預金といったような問題については非常に最近これを注視いたしており、同時にまたわれわれの方といたしましても歩積み両建て等々の金融の圧力ができるだけないように、それからまた金利の問題につきましても、中小企業対策のいろいろな面におきまして、ただいまのお話しの公定歩合の引き下げという問題ではなく、別途な中小企業対策としていろいろな処置をとっておるような次第でございますので、全体が総合的にまいりますれば、金利の問題につきましても重大な関心を持って、特に零細企業、中小企業に対しまする信用補完のあらゆる努力をいたしておるような次第でございます。
#188
○須藤五郎君 なかなかおっしゃることはお上手になられましたけれども、中小企業はあなたの答弁を聞いておって満足しませんよ。最も即刻に、中小企業は自分たちの利益がくることを希望しているのです。そんな長く長く待つ余裕は実際はないのですから、だからもっと早く中小企業に利益になるように考えていくということが私はまず何よりも必要だと思いますよ。大臣の答弁を聞いておりますと、公定歩合が下がっても中小企業には余りメリットがないということになるように思えるのですね。大蔵省などに聞きますと、この理由として大企業と中小企業の信用力などの違いを挙げてくるわけなんですね、先ほどもあなたおっしゃったように。しかし、これは詭弁のたぐいだと私は思います。
 なぜならもともと金利格差がつけられておるのでございますから、したがって、もし大蔵省の言うように、あるいは従来どおりに今回も大企業と中小企業の金利下げ幅に格差をつけるとなりますと、大企業と中小企業の金利負担は一層拡大することになると思います。この点の是正について中小企業庁あるいは通産省は、強力に大蔵省なり日銀に働きかけるべきだと思うのでございますが、通産大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#189
○政府委員(岸田文武君) 実は私どもも金利の引き下げの問題については、中小企業庁なりに十分注目を払ってその推移を見ておるところでございます。御意見もございましたように、中小企業がまさに金利の問題で非常に困っておる。その困っておる実情を踏まえたような対応をぜひ大蔵省の方にもとってもらいたい、こういう気持ちでおりまして、実は大蔵省にもこのところかなりいろいろ情報の交換もし、またこちらの意見の陳述もいたしておるところでございます。中小企業の立場に立って、私どももこの金利の問題を少しでも改善できるように今後とも努力をしていきたいと思っております。
#190
○須藤五郎君 大蔵省おりますか、――いないね。
 それじゃまた後で大蔵省に聞きましょう。
 ところで今回、本日の日銀政策委員会で預金金利の引き下げ決定がされると言われておりますが、これは新聞報道を参考にいたしますと、恐らく三カ月、六カ月定期が〇・七五%、一年、二年定期が一%引き下げということになりそうに思います。ところで、通産大臣は、大企業と中小企業とでどちらが定期預金が多いとお考えになっておりますか。どちらでございましょうか。
#191
○国務大臣(田中龍夫君) ちょっと寡聞にしてこちらの手元に資料もございませんので、調べましてお答えいたしましょう。
#192
○須藤五郎君 中小企業庁もわかりませんか。
#193
○政府委員(岸田文武君) お尋ねのような統計がないかと思いまして、いろいろ調べてみましたんですが、ぴったりと大企業、中小企業別の定期預金率というものを示す資料がございませんので、また引き続き少し調べさしていただきたいと思います。
#194
○須藤五郎君 ないとおっしゃるならば、それじゃぼくの方から数字を出してみましょう。統計上大企業、中小企業と明確に区別することはできませんが、たとえば五十一年九月現在で見ますると、一億円以上の預金が七兆七千八百三十二億円です。一億円以下の預金は十七兆千九百五十四億円。さらに三十兆円を超す個人預金があります。これを見ましても大臣、中小企業の方が多いことは明らかだと思います。としますると、まさに中小企業の定期預金金利、個人の定期預金金利の引き下げで大企業への貸付金利を下げてやる、こういうことになるんではございませんでしょうか。これではまさに中小企業は踏んだりけったり、こういうことになると思いますが、どうでございましょうか。
#195
○政府委員(岸田文武君) 的確な統計ございませんが、いまのお話ございましたように、中小企業がかえって定期預金の比率が高いといたしますと、やはり定期預金の金利が下がることは預金者としての中小企業にとっては確かにマイナスの面がございます。しかしながら、同時にその中小企業は非常に大きな資金の借り手でございまして、総合して見ればやはり借入金の方が相当大きくなっておるという実情ではないかと察せられるわけでございます。したがって、中小企業にとりましても総合点としては今度の金利引き下げによってプラスがあるだろうというふうに想像されるわけでございます。そのときに、大企業と比べてみると、もっともっとプラスがあっていいはずではないかというような点、私どもも少し実情を調べてみて問題の整理をいたしてみたいと思います。
#196
○須藤五郎君 あなたいま大企業の預金と中小企業の預金などに触れられましたが、大臣は中小企業と大企業の市中銀行からの借入額ですね、どちらが多いというふうにお思いでしょう。
#197
○政府委員(岸田文武君) いま手元に資料ございませんが、市中銀行からの借り入れで大体中小企業が五〇%ぐらいでございましたと思いますので、まあ大企業と中小企業ほぼ同じぐらいな借り入れをしておるのではないかと思います。
#198
○須藤五郎君 数をお持ちでなけりゃ私がここにある数を申し上げてもいいんですが、五十二年一月現在ですよ、全国銀行ベースで見ますると、大企業は五十五兆六千六百七十三億円です。中小企業は二十八兆三千二百八十億円、こういうふうになっております。大企業が約二倍の借入金を抱えておるということ言えるんですね。預金は中小企業の方が大企業より二倍も三倍も多いんです。で、銀行から借りるのは大企業の方が中小企業の倍ほど多く借りる、こういうことですね。こうして見ますると、今回の公定歩合の引き下げ措置、引き続く定期預金金利の引き下げがいかに大企業の方に有利になっておるか、中小企業にとってはメリットが少ないかと、こういうことは明瞭になってくると思います。しかも貸出金利は、圧倒的多数の中小企業は余り下げてもらえないんですね。そうして、定期預金金利だけは何の格差もなく一律に引き下げられておる。これでは中小企業は公定歩合が下がったなどといって、先ほどあなたがおっしゃったように、とうてい喜んでおる事態ではないということが数の上ではっきりしてくるじゃないですか。
 当然通産省なり中小企業庁は、こういうことを予測して適切な手を打たなければいけないと思いますが、一体どういう手を打たれましたか、伺っておきたいと思います。
#199
○政府委員(岸田文武君) いまのお話で全国銀行についての借入額について御言及ございましたが、実は中小企業専門の金融機関がございまして、それらからの借入額を全部トータルをしてみますと、金融機関からの借り入れにおいては中小企業と大企業がほぼ同じくらいな金額になるだろうと先ほど申し上げた次第でございます。で、私どもも一番経営が困っており、特に不況によって打撃を受けておる中小企業の立場をいかにして守るかということが、中小企業庁としての最大の当面の課題でございます。その意味におきまして、貸出金利が中小企業にとって特に不公平な引き下げられ方をしたりというようなことがあっては相済まないわけでございまして、貸出金利の状況、あるいはさらにお話ございました預金金利の動向、もう一度中小企業の立場からその実態なり背景なりを勉強いたしまして、いま御指摘のような問題が起こらないように私どもも気をつけてまいりたいし、またその面について問題がございますようであれば、大蔵省とも積極的に話をしていきたい、こう思っておる次第でございます。
#200
○須藤五郎君 いまのあなたの答弁を聞いていますとね、中小企業庁何をやっておったんだと、中小企業庁というのは中小企業のことを考えてなかったのか。いまから考えるというんじゃね、本当に手おくれだという感じがするんですよ。まあ、それでもいいからこれから大いに考えて、中小企業の利益を専一に考えてください。通産大臣は大企業の利益を考えているでしょう。中小企業庁は中小企業のことを考えなきゃいかぬじゃないですか。それをいまから、これまで考えてないでこれからよく考えるようにしましょうでは全く手おくれですよ、本当。わかりましたな。
 次に移りましょう。私は少なくとも大蔵省なり日銀に対しまして、中小企業に対しても一%の金利引き下げ措置を講ずるよう申し入れを行い、大蔵省なり日銀が各銀行に対して指導通達を出すよう要請すべきであると、こういうように私は思うんです。その意思が中小企業庁なり通産大臣にあるかどうか。
 また預金金利引き下げについても中小企業のことを考えれば、当然反対の意向を表明すべきである、こういうふうに考えますが、この二つの意見に対しましてお答えをいただきたい。
#201
○国務大臣(田中龍夫君) いまおっしゃった後段の、預金金利の引き下げについて、中小企業の方が預金が多いから預金金利の引き下げは反対しろとおっしゃるんでありますが、それはおいていただいて、やはり預金金利の引き下げはひいては貸出金利の引き下げにもなります。それからまた同時に、いまの金利の問題預金の問題だけをこう抽出して御議論を賜りますと、まことに恩苦しいような気がいたしますけれども、そうばっかりでもございませんで、預金金利が下がることは結局景気がだんだんよくなることであり、それからまた経済が動き始めてきて、そうして冷え切った経済が活力を持って、だんだんと生産性が出てき、そうして経済が本当に動くことになりますれば、大企業といわず中小企業といわず、また中小企業もそれによってなおさら大きな活力も得、経済が回復してくる、こういう意味における預金金利の問題なり金利の引き下げの問題なり、さらに貸し出しの金利の問題なりということに相なるんだろうと存じます。まあ、つまり言えば景気が回復する、そうすれば中小企業も大いにまた助かると、こういうことで、そういう視点から金利の問題を私どもは考えておる次第なんでございまして、金利だけを抽出した姿における御議論というものとはちょっと私ども考え方が違っておるように思います。
#202
○須藤五郎君 中小企業庁長官、いまの大臣のようなお答えで、中小企業をあずかっておる長官として問題はないんですか。もっと中小企業庁ならば中小企業の立場に立って、前向きに中小企業の立場で答弁してもらいたいと思うんですが、どうですか。もう一度答えてください。
#203
○政府委員(岸田文武君) 大臣、日ごろから中小企業の問題については特に関心をお持ちいただき、また御心配もいただいておるところでございます。私どもも倒産の状況あるいは中小企業の生産動向等については絶えず大臣に御報告し、またそれからの進め方について御指示を得ているところでございます。
 金融の問題は中小企業にとって非常に大きな問題でございます。この金融の問題につきましては、何とか必要な資金を確保し、またその資金コストを少しでも安くするという方向で私どもも従来とも努力をしてまいりましたし、今後とも努力をしてまいります。またその辺につきまして、逐次大臣の御指示を受けながら処理をしていきたいと思っておるところでございます。
#204
○須藤五郎君 日銀、大蔵省に対して、中小企業庁長官は中小企業を代表して、いろいろの要望を伝えて善処するように努力してもらいたい。これはぼくの希望です。やってくれますね。――やるというから、それじゃ次の質問に移りましょう。
 最後に、政府系中小企業金融三機関の貸出金利についてお聞きをいたしますが、長・短期金利の引き下げに伴って当然三機関についてもそれに対応する措置をとられると思いますが、金利の下げ幅及び時期について明らかにしていただきたいと思います。時期が決まっていなければその見通しを明確にしてください。
#205
○政府委員(岸田文武君) 商工中金の短期貸出金利につきましては、三月十二日の日銀公定歩合〇・五%引き下げ及び要求払い預金の利率引き下げに伴いまして、去る四月四日から〇・一二五%の引き下げを実施いたしました。それから残る国民金融公庫及び中小企業金融公庫の基準金利につきましては、現在は御承知のとおり民間の金融機関における長期貸出金利を勘案しまして八・九%と定められておりますが、四月十九日に再度日銀の公定歩合が一・〇%引き下げられ、今後預金金利や長・短期の貸出金利等の引き下げも期待されておるところでございます。したがいまして、政府系中小企業金融三機関の貸出金利につきましても、長・短期金利引き下げの一環といたしまして〇・八%下げるという方向でいま検討中でございます。
#206
○須藤五郎君 これは大した質問じゃないんですが、最後に念のために伺っておきたいのは、この掛金が不景気になって払えなくなって、それで解約することも起こり得ると思いますが、その場合は、掛けた金は利子をつけて全額本人に返すことになっているんですか、どういうふうになっているんですか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#207
○政府委員(岸田文武君) 中小企業の経営を進めていく場合にいろんなことが起こりまして、いままでのような掛金が継続できない、一年間の猶余はあるわけでございますが、しばらく休業するというときであれば、何らかの金融を受けられまして、この事業団の融資でも結構なんですが、つないでおかれる方が長い目で見ますると期間の利益を受けまして給付金の額が大きくもらえるということになるわけでございます。それでもいけなくてどうしても解約というときには、一定期間を経過したものについては契約一時金を給付するというような仕掛けになっておるわけでございます。
#208
○委員長(加藤武徳君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、柳田桃太郎君が委員を辞任され、その補欠として後藤正夫君が委員に選任されました。
#209
○委員長(加藤武徳君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。
 小規模企業共済法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#211
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 竹田君から発言を求められておりますので、これを許します。竹田君。
#212
○竹田現照君 私は、ただいま可決されました小規模企業共済法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党の五常共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   小規模企業共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、小規模企業者のおかれている現下の経済環境にかんがみ、小規模企業諸施策の一層の拡充に努めるとともに、本法施行に当たり、次の点について、適切な対策を講ずべきである。
 一、共済制度への小規模企業者の加入の促進について、引き続き所要の対策を推進するとともに、特に中小企業関係団体等に対し、小規模事業対策としての本制度の趣旨の普及に努めるよう、指導の強化を図ること。
 二、第一種及び第二種共済契約の内容について、引き続き検討を加えるとともに、本共済制度について、更にその充実に努めること。
 三、共済資産については、その効率的な運用を図るとともに、契約者貸付制度の拡充等、加入者のためにする運用についても、更に検討すること。
 四、契約者に対する新たな貸付制度の実施に当たつては、加入者たる小規模企業者の実情に応じられるよう、適切な配慮をすること。
 五、共済制度の本旨にかんがみ、国庫による助成措置の強化の方向で引き続き検討を行うこと。
右決議する。
#213
○委員長(加藤武徳君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#214
○委員長(加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し通産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田中通産大臣。
#215
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御議決をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、対処いたしてまいりたいと存じております。
#216
○委員長(加藤武徳君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#217
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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