くにさくロゴ
1976/03/24 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 農林水産委員会 第5号
姉妹サイト
 
1976/03/24 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第080回国会 農林水産委員会 第5号
昭和五十二年三月二十四日(木曜日)
   午前十時三十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     植木 光教君     山内 一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         橘  直治君
    理 事
                青井 政美君
                鈴木 省吾君
                粕谷 照美君
                鶴園 哲夫君
    委 員
                岩上 妙子君
                大島 友治君
                坂元 親男君
                菅野 儀作君
                初村滝一郎君
                細川 護熙君
                前川  旦君
                相沢 武彦君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                向井 長年君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農 林 大 臣  鈴木 善幸君
   政府委員
       農林大臣官房長  澤邊  守君
       農林省構造改善
       局長       森  整治君
       農林省構造改善
       局次長      福澤 達一君
       食糧庁長官   大河原太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       農林大臣官房審
       議官       石田  徳君
   参考人
       農用地開発公団
       理事長      大和田啓氣君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○農用地開発公団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十三日、植木光教君が委員を辞任され、その補欠として山内一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(橘直治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農用地開発公団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、農用地開発公団理事長大和田啓氣君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(橘直治君) 農用地開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○鶴園哲夫君 まず初めに、八郎潟新農村建設事業団が解散をすることになるわけでありますが、この問題につきまして若干お尋ねをしたいわけです。
 まあ八郎潟の干拓事業は、御承知のように世紀の大事業と言われて大変な干拓事業であったわけですが、それが三十二年ごろから始まって四十年に終わり、そして四十年にこの八郎潟新農村建設事業団法が制定されて、十二年たって今日これが解散をするということになったわけです。そこで、この問題はたくさんの教訓や問題を持っておると思っております。しかしそういう問題はさておきまして、八郎潟の建設事業団が発足して十二年間、その目的としますところは予算書にも明らかなように、干拓をした約一万八千ヘクタールの干拓地に日本農村の模範的な農村をつくるんだということで、この建設事業団が設置を見、十二年運営されてきたわけですけれども、その模範的な農村をつくるということについてお尋ねをしたいわけですが、どのような模範的な農村を建設されるということだったのか。また、どのような模範的な農村をつくられたのか、そういう点をまずお尋ねをしたいわけです。
#7
○政府委員(森整治君) 八郎潟の新農村建設事業につきましては、中央の干拓地で生産性なり所得水準の高い農業経営を創設する。と同時に、村民の生活、経済・社会両面で模範的な新農村を建設するということで、八百五十二億の費用を投じて実施してきたものでございます。その結果、一万七千ヘクタールの土地が造成されまして、大潟村を含めまして十二カ町村、周辺を入れまして耕地が二・五倍になっておる。そのうち大潟村では生産面あるいは生活面でも十分の基盤が整備されまして、営農につきましては大型機械化一貫体系ということできわめて生産性の商い農業経営が憎まれておると、また快適な環境のもとで、入植者は旺盛な意欲を持って営農や新しい村づくりに取り組んでおるということで、相当のわれわれ事業の成果は上がっておるものと考えておる次第でございます。
 ちなみに生産面で申し上げますと、四十四年以来、水稲では全国平均を上回る収量を上げております。それから水稲の労働時間、十アール当たりの労働時間が約三十時間、これは五十年でございますが、全国では約八十時間でございます。そういうことも言えると思います。それから小麦で申しますと四・八時間ということで、全国平均二十六時間に比べますと相当の生産性を上げておる。いろんなことが言えると思います。それからもう一つ、大潟村だけでなしに、この干拓によりまして周辺地域は干ばつがなくなってきたということ、それからまた浸水の被害もなくなってきたということも言えると思います。
 さらに、農業生産額で見ますと、中央、周辺の干拓地合わせてわれわれの推計では百億円をはるかに上回る生産を上げるに至っているというふうに判断をいたしておりまして、まあそういう数字的な問題はともかくといたしまして、やはり外国の人がいろいろ見に来られるようなりっぱな農村が建設されておるというふうにわれわれは評価をいたしておる次第でございます。
#8
○鶴園哲夫君 いま局長がおっしゃいましたように、二十年という年月を要して、また八百五十二億円という大変巨額な金を投じまして、そして模範的農村をつくったというわけなんですが、現実の問題として、このできました大潟村が今後日本の農村の模範として存在し得るのかどうか、日本の農村というのは大潟村を目標にいたしまして進めていくのか、そういう価値を持っているのかという問題だと思うんです。模範というわけですから、今後日本の農村が模範として、それを手本として進んでいく、あるいは政策的に進めていく、そういうような意味合いを持っているんだろうか、こういうのが次のお伺いしたい点です。
#9
○政府委員(森整治君) 長期的に私ども見まして、八郎潟のモデル農村というものは私どもはそれなりに意義があるというふうに考えておるわけでございます。確かに十五ヘクタール、白地につくられた田畑複合経営という経営形態でございます。北海道はともかくといたしまして、内地で直ちにみんなが到達できるものではないというふうには、確かにわれわれ先生御指摘のとおりだと思います。しかし、今後の農業政策の長い目で見た場合に、やはり規模が大きい生産性の高い農業ということを考えますと、現在いろいろ兼業の問題あるいは土地の所有に関する問題、そういう問題をともかくいろいろな手だてで乗り越えて、やはり生産組織を育成したりいろいろな手だてをつくりまして、いわば規模のメリットというのを何とか実現をしていくということはすでに実証をされておるわけでございますから、同じ個別経営で同じものができるということは直ちにできないにいたしましても、やはり大規模な機械化の営農に関する技術、あるいは作業体系、あるいはそういう経営のあり方というものにつきましては、今後いろいろ広く農民の指針になり得るというふうにわれわれは判断をいたしておるわけでございます。
#10
○鶴園哲夫君 先ほど局長がおっしゃったように、一戸当たり十五ヘクタールという、北海道は別にいたしまして、まず大変な大きな規模のものが、日本の内地としてはそういうふうに言えると思います。その十五ヘクタールという水田に対しまして大型機械化一貫の作業体系というものができてくる。したがって、米の労働生産力も大変な上がり方である、あるいは小麦にいたしましても労働生産性の上がり方は画期的なものがある、日本国内においては画期的なものを持っているということはそのとおりだと思います。事実だと思います。しかし、それが直ちにといいますか、あるいはこれから若干の長期の問題を考えました場合に、それが日本の農業の即目標になって、あるいは模範になっていくのかということになりますと、どうも私はそのようには受け取れないわけでありますが、干拓をやりますときに、御存じのように日本からも農業土木技術者がオランダに行って大変な研究もしたし、さらにオランダからもまた専門の技術者が来ていろいろ勉強等々の大変なことをやった。そういう意味では、何かこうオランダの一農村というものが八郎潟にぽつんとでき上がったような感じを受けるわけであります。オランダ的な農村がぽつんと八郎潟にできたと。しかしそれが直ちに、あるいは若干の長期の視野を持って見ても、これが日本の農業の今後の目標であるとかいうことにはなかなかなりがたくなったのが現状ではないだろうかという私は気がしておるわけであります。
 二十年という年月をかけまして金額としましては八百五十二億、しかし今日の金に直しますと恐らく数千億の金だろうと思います。そういう金をかけましてそして五百八十戸の大潟村ができた。しかし、できたものはどうも、私がいま申し上げましたように、白地にと言うのか、オランダの五百八十戸ぐらいの一つの農村がぽかっとあそこにでき上がったと、こういうような感じがしてしようがないわけであります。それが日本の農業なり日本の農村と密着した形で今後存在し得るのかどうかということについては非常に大きな疑問を持つもんですから、何せいまの金で言うと数千億の金をかけてつくったわけですから、さてどうかなという感じがするわけなんです。
 それでもっと言うなら、農基法が三十三年ごろから問題になって成立をしましたのは三十六年でありますけれども、農基法の描いておった私に言わせますれば何かこう夢みたいなものの記念碑ではないか。りっぱな記念碑ではありますけれども、記念碑ではないかというような感じを持っておるものですから、また持たざるを得ないようにも思っておるものですから、この二十年という年月をかけた大変な世紀の大事業が一体どうだったんだろうと、どういう結論なんだろうと、こういう疑問なんですね。何回も局長に答弁さして申しわけないけれども、ぼくの疑問はどうもそういうところにあるんですね。
#11
○政府委員(森整治君) 先生御指摘のように、十五ヘクタールの土地というものを容易に得られないということは、いろいろな面から考えて確かにそうだと思います。ただ現実には、個別経営にしろやはり所有権の移転も進んでおりますし、それ以上に最近は借地権という形での規模拡大がわれわれは進んでおるというふうに判断をいたしておるわけでございます。まあそこまで、借地権までいかなくても、あるいは生産組織なり、できれば農地の利用増進事業等を活用いたしまして、やはり土地の拡大、規模拡大を図ってまいるという、そういう条件というのはできておるというふうに思っておるわけでございます。また、そういう意欲のある農民は全国に多数おると、数の問題は別にいたしまして、そういうふうに判断をいたしておるわけでございます。そこで、技術的な、あるいは作業的な、あるいは機械の一貫体系的なそういう経営、経営といいますか規模のメリットというのは実証されておるわけでございますから、結局土地問題をどういうふうにそこへ接近させていくかということがわれわれの今後の課題であろうし、また個々の農民が描いておる夢であろうというふうに考えておるわけでございまして、今後の地域農政の特別対策事業なり、あるいは合理化法人を活用するなり、あるいは公団ですでにいろいろ根室等でやっておりますような事業、国営の事業、それら合わせましてそういう国としての援助助成を図っていくというふうに考えておるわけでございまして、八郎潟の十五ヘクタールの現在の経営というのは手近なものでないことは間違いないと思いますけれども、決して手の届かないものではなかろうとわれわれは解釈をいたしておるわけでございます。
#12
○鶴園哲夫君 この八郎潟の干拓事業が構想されましたのは、戦後大変な食糧難のときに米を増産しようということで始まったわけなんですが、そしてその干拓が終わるころにはすでに農業基本法というものが制定をされる、あるいは論議をされるという段階に入って、八郎潟新農村建設事業団法が制定をされるということになり、さらに御承知のように米の作付転換をやらなきゃならない、開田抑制をやらなきゃならないという異常な、非常な激動する農政の中で、その八郎潟の農村建設事業というのが進められたわけでありますが、たくさんのむずかしい問題もあったし、また今日もまだ多くの問題を抱えているというふうに思っております。ですが、それらは一応別にいたしまして、その十五ヘクタールを全部水田に使わないで、さしあたり半分半分、半分は水田をつくり、あとの半分はその本来の目的とは違うけれども、大変な激動する農政の中で米をつくらないで畑作物をつくる、こういうような事態に至らざるを得なかったわけでありますが、そのことは一体うまくいっているんだろうか。どういう状況になっているんだろう。当分は半分は水田だと、水稲だと、あとの半分は畑作だという、当初の長年の目的とは非常に違ったものになっているのですけれども、それはうまくいっているんだろうかという感じを持っていますけれども、いかがでしょうか。
#13
○政府委員(森整治君) 後からつけた理屈ではございませんけれども、やはり先生御承知のように干拓地という特殊性、あのヘドロの問題を考えた場合には、やはり相当干し上げる、乾燥させるということが非常に土壌としてもよろしいということで、田畑複合経営ということで基本計画ができ上がっておるわけでございますが、水稲作につきましては問題は私どもない、むしろ非常によ過ぎるぐらいで、去年の冷害に際しましても全然影響ないという、むしろあの調整池が温水ため池みたいな効果を果たしておるというようなことで、非常に高くわれわれも評価をしております。
 そこで、問題の畑作でございますが、水稲作を中心に物を考え、プラス畑作ということで需給の事情なり機械化栽培というそういうことを考えました場合に、その適性からやっぱり小麦が中心的な作物と考えておるわけでございまして、五十年の小麦作が約九百ヘクタール作付されまして、収量は二百五十一キログラムということで、初年度としては良好な成績だったというふうに考えております。現に、五十一年は倍の千九百ヘクタールの栽培になっておるようでございます。また、小麦以外の作物につきましては、大豆なり野菜というようなことが労力の配分問題を考えながら導入をされておりまして、まだ大豆については若干問題が残っておるようにも思いますけれども、一応全国平均並みの収量を上げておるということでございます。もちろん、われわれこれで事終われりというふうには考えておりませんで、従来から事業団があそこに実験農場を設けましていろいろな試験もやってまいりまして、いろいろ耕種基準なり技術なりを普及もし試験もしてまいったわけでございますが、小麦なり大豆につきましては、一応機械化栽培の体系というものを確立しまして、ただいま申し上げました一応の畑作の水準には達しておるというふうに考えておるわけでございます。今後もちろん、事業団が解散された後におきましても、一層の畑作の安定ができるように、秋田県に国の助成によりまして畑作物を中心といたします営農試験を実施する。同時に、あそこに普及所の支所も設けまして、営農指導に万全を期して、今後不安の全くないように措置をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#14
○鶴園哲夫君 この入植農家五百八十戸、大潟村ですね、ここで田畑は当分の間は半分ぐらいということで指導をなさっておるというふうに聞いているのですけれども、手元にいただいております資料によりますと、水稲の作付面積は約五千ヘクタール、畑作はその半分以下の二千三百ヘクタールぐらい、さらに不作付の面積が千二百ヘクタールぐらいというような状況になっておるわけでありますが、これを見ますと不作付面積が千二百十五ヘクタールある。それから畑作面積が水田の半分以下の面積だと。こういう点から見ますと、水稲はともかくとしまして、畑作については、それぞれの作目をとりますと、小麦はどうであるとかいうことになりますとともかくといたしまして、畑作そのものについては大変まだ未成熟な状況にあるのではないか。もちろん、第五次入植はずっとおくれましたですから、大変おくれましたですからそういう点もあろうと思いますが、この畑作物の面積の中で不作付が千二百ヘクタールを超しているという点、あるいは畑作面積そのものが水稲面積の半分をはるかに割っているというような状況を見ますと、これはなかなかやはり大変なんだなあという、水稲と畑作と半々ぐらいの目標で当分やるとおっしゃるけれども、大変なんだなあという印象を強く受けるわけですが、そういうことで当初水稲一本の考え方だったろうと思うのですが、しかし開田の抑制あるいは米作付の転換をしなければならないという状況になってきますというと、いま手元にいただいているような形になってくる。そうしますと大変な償還金があるわけですが、借金を支払っていかなければならないわけですけれども、第五次入植者でいいますと年間に五百九十万円程度の借金を約二十五年間で、毎年この五百九十万円程度のお金を返さなきゃならないということになりますと、これはなかなか大変だろうという気がしてしようがない。つまり水稲作を中心にしていったときの償還計画というものと、米転後におきます状況から見ますと非常にそごができてきて、農家としても相当に償還が苦しいんじゃないだろうかという点を感ずるんですけれども、そういう点はどういうふうに見ていらっしゃるのか。
#15
○政府委員(森整治君) 最初に不作付地の問題でございますが、先生御承知のように、四十八年に基本方針を変更いたしまして、当初開田抑制が出まして少し足踏みをしておりましたが、四十八年に基本方針を改定して、十五ヘクタールおおむね半分ずつの田畑複合経営にするという方針が出されて、実際には五十年から麦の作付が始まっておるわけでございます。当時、最初申し上げましたように、不作付地の方は二千三百三十四ヘクタール、五十年ではございましたけれども、五十一年は麦がさらに伸びまして、逆に不作付地が千二百十五ヘクタールということに下がってきておるわけでございます。確かに御指摘のように、当初水稲で考えておりましたし、入植者もまたそういうつもりでおりましたわけでございますから、麦が相当の収益を上げてきている。また、それに伴って入植者も自信を持ち出したということが一挙に五十一年の作付を倍にしたというふうにもわれわれ見ておるわけでございます。この不作付地というのはやはり麦が一番安定した、政府も買うわけですし、安定した作物として今後この不作付地は相当解消をされていくものと私どもは判断をいたしておるわけでございます。
 そこで、償還はどうだろうかという御指摘でございますが、これは御承知のように、一次から四次までの入植者と五次の入植者とは確かに条件が違います。まあ五次の方が苦しいということになるわけでございましょうが、五次の入植者で見てまいりますと、年間の支払い額がピーク時で戸当たり五百九十万円ぐらいになるというふうにわれわれ推定をいたしておるわけでございます。しかし、この期間はピーク時でございまして、年間の支払い額が五百万円を超えるのは、二十五年間にわたる支払い期間中のわずか二カ年ということになるようでございまして、五次入植のその他の期間は、大体償還額戸当たり四百八十万円ということに相なろうかというふうに判断をいたしております。もちろん、したがいまして、一次から四次までの入植者の年間の支払い額はいろいろ一次から四次それぞれ違いますけれども、おおむね三百七十万を大体下回るというふうに考えておるわけでございます。そこで、米だけでということでなしに、やはりもう麦も相当入ってまいっておりますから、五十一年度の標準的な作付、麦の作付をした農家でわれわれ推定をしてみますと、粗収入から経営費を引いたものは大体九百万円程度に相なるのではなかろうかというふうに思うわけでございます。まあそこで十分引き合う経営ができるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございまして、今後の負担金等の償還につきましては、問題はまずないのではないだろうかというふうに判断をいたしておるわけでございます。
#16
○鶴園哲夫君 一次から五次までの入植五百八十戸が入っておるわけで、大変な厳重な選考をされて五百八十戸というのが五次に分かれて入ったわけですが、いままで入った中で脱退したという者、あるいはこれからの見方として脱退するという者が出るんだろうかというような感じがあるのかどうか。十五ヘクタールという土地を持つことになるわけだからそういうことはあるまいと、また、ああいう非常に厳格な審査をしてそして訓練もして入っているわけですから、過去に脱退者があったとか、これからあるだろうとかということはおかしいというぐらいのお感じかもしれませんが、そういうところはどうお考えになっていらっしゃるか、見ていらっしゃるか。
#17
○政府委員(森整治君) まあ、いまのところは御承知のように非常に快適なものの環境でもございますし、皆さん非常に満足された生活をされているというふうにわれわれ見ておるわけでございます。いまの償還額から申しましても、全部いままで償還金も全員が完納をしておりますし、いまのところそういう徴候があるということはちょっと考えられないわけでございますけれども、今後の個々の個別の経営によりましていろいろな問題が発生をしてくることはもちろん考えられるわけでございますけれども、いまのままの形がずっと長く続くかどうかということは、あるいはさらに規模を拡大される方もありましょうし、いろいろな問題が出てまいると思いますけれども、その辺はわれわれ余り干渉しない方がいいのではないだろうかというふうに考えておるわけでございますが、たださりとて、つくったものが直ちに消滅してしまうということは、それはないと思いますけれども、そういうことは好ましくないわけでございますから、秋田県を通じまして十分営農指導、そういうようなことがないような十分指導をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 で、現在まで入植者の中で六人亡くなられた方が出ておりますが、後継者を認定いたしまして再配分をするというようなことを考えておりまして、いわゆる脱落者ということは現在のところ出ておらないし、また今後もそういうことのないように十分われわれも温かい目で見てまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#18
○鶴園哲夫君 まあ、事業団が十二年続きまして今回解散するわけですけれども、事業団に従事しておりました八十二名の職員、これはどうなったのか、どうしていらっしゃるのかを伺います。
#19
○政府委員(森整治君) 一応法律を準備いたします段階で八十二名ということで想定をしておりましたが、現在の事業団の職員は七十八名ということに相なっております。そのうち六十四名の者が国と秋田県、それから銀行等からの出向職員でございまして、これにつきましては、計画的に出向しましたそのもとのところへ復帰するように考えておるわけでございます。
 で、ただいまの計画、考え方では、七十八名のうち異動をいたしましてそれぞれ引き取る者を引き取るということにいたしますと、四月一日の一応予定の人員は三十一名に相なるというふうに考えております。その後また農林省で引き取るということで、最終段階では二十三名ということを想定をいたしまして一応引き継ぎ事務を完了したいというふうに考えておりますが、これらの方々すべてにつきまして、それぞれ就職先あるいは、まあ復帰職員は別にいたしまして、事業団その他のプロパーの職員等で再就職を希望される方につきましては、一人一人につきまして事業団がすでにあっせんに入っておりまして、いまやめなくても先でどこへ行くということがすでに確定をしておりまして、一応職員の処遇、処理、処理と申しますか、今後の問題につきましては、みんな問題がないというような状態にすでに話し合いがついておるわけでございます。
#20
○鶴園哲夫君 今度は農用地開発公団法の一部改正の問題について若干お尋ねしたいんですが、一つはこの職員の問題、六百二十五名の処遇の問題につきまして、ちょうど三年前でありますが、四十九年のこの公団法を制定をしますときに私もいろいろの論議をいたしました。その中の一つにこの処遇問題が入っておりまして、その処遇問題については本院の附帯決議の第七項にも明記してあるところであります。
 で、三年前に論議しました一つは、臨時職員の俗称定員化の問題ですね。
 もう一つはこの賃金の水準の問題。で、附帯決議の中では、他の同種の政府機関と同程度の水準、論議になりましたのは水資源開発公団の水準と新しくできる開発公団の職員の賃金の水準というものが同じ程度になるようにという論議を行いました。
  〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕
 もう一点は、機械開発公団を新しく農用地開発公団に改組したような形になっておりましたから、たくさんありましたブルドーザー等の操作員、それの職種転換を円滑に行う、この三つが当時論議をした内容になっております。附帯決議にもその趣旨は書いてあるところでありますが、この三つがすでに三年たって今日どういうふうになっているのかという点を、まず初めにお尋ねをしたいわけです。
#21
○政府委員(森整治君) 御指摘の三点の問題でございますが、まず臨時職員、いわゆる準職員の定員化の問題でございますけれども、四十九年に農地開発機械公団から農用地開発公団へ引き継がれた準職員は百三十六名でございます。その後退職をされた方二十二名を除きまして、ただいままだ定員化が行われておらないのが三十五名おるわけでございます。この三十五名の方につきましては、来年度定員化を全部するという予定にいたしておるわけでございます。
 それから二番目の職員の処遇改善の問題でございますが、新しい公団に移行をいたしました後、三カ年にわたりまして給与改定を行いながら類似の政府関係機関の給与との均衡を考えながら是正を図ってまいっておりまして、少なくとも給与表におきまする格差というものは、五十一年度の給与改定によりまして一応格差問題は解消したというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
 それから最後に、いわゆる職種転換の問題でございますが、農用地開発公団の服務規程によります公II、公III、公IVの職種転換につきましては、それぞれ四十九年度以来逐次一般の事務員または技術員に職種転換を図ってまいりまして、五十一年の六月までに全員の職種転換を終わっているということでございます。
#22
○鶴園哲夫君 細かい点については私も検討しておりませんのでいまここでどうというわけにまいりませんですが、いまおっしゃいましたように、準職員の問題について明年度、つまり五十二年度には全部定員化するというお話、それから賃金の水準については三年の間努力なさってこられて、昨年五十一年度の給与表においては水準の差はないと、なくなったと思っているというお話であります。さらに、ブルドーザー等の操作員については、全部職種転換が終わったという話であります。この賃金の水準というのはいろいろ論議の仕方があるわけでありますが、いまお話しのように、給与表から見れば水準差はなくなったという、あるいは同程度になったという、今後もやはりこの問題はそういうような水準を確保していかれるように要望いたしたいわけですが、ちょっと緩みますとこの水準差というものはすぐできてくるものなんですね、私もかつて内閣委員会に長年おりまして国家公務員の給与の問題をやりましたですけれども。ですから、この水準差がなくなったということについて、今後もそういう努力を払っていってもらいたいということを要望いたしたいわけです。
#23
○政府委員(森整治君) 今後の問題は、基本的には公団と組合との話し合いの問題であろうというふうに思っておりますが、われわれも注意深く先生の御指摘の点については善処をしてまいりたいというふうに考えております。
#24
○鶴園哲夫君 今度の法律の改正によりまして八郎潟の権利義務、これを承継することになっておるわけですが、その権利義務を承継するに当たっての公団側の予算とかあるいは人員とかいうものはどのように確保されてあるのか、この点をお尋ねします。
#25
○政府委員(森整治君) まず、八郎潟の事業団からの承継につきましては、とりあえずいろいろ決算事務等相当な事業量が出てくるのではないかというふうに予想をいたしておりまして、このためには全然ずぶの素人がいろいろこれにタッチいたしましても、過渡的にはやはりなかなかかえってうまくいかないのではなかろうかというふうに判断をいたしております。そこで、ただいま考えておりますことは、農林省から八郎潟に出向いたしておりましたような人もおります。よく事情がわかっておる人がおりますので、そういう人たちを農用地開発公団へ出向させまして、必要な体制をとりあえずとったらいいのではなかろうか、その方が円滑な事務処理に役立つのではなかろうかというふうに判断をいたしておるわけでございます。そういう時期を過ぎまして一応通常のルーチンみたいな仕事に戻ってまいるということにつきましては、専従職員を若干名置くということで対処することができるのではなかろうかというふうに考えておりますが、ただいまこの法案につきましていろいろ御審議をいただいているわけでございますが、この法案がもし成立いたしました暁におきましては、その事業団が来年度内に政令で定める日に解散をすることになっております。そこでそのときに、その時点で公団の予算を変更をいたしまして、承継の業務に必要な事務体制あるいは予算的な措置をとるというふうに考えておるわけでございます。
#26
○鶴園哲夫君 引き継いで決算事務等大変な事務量がある、その問題については農林省等から八郎潟に出向しておった者を公団なら公団に出向さしてその事務をやっていく。それから承継の事務というものがルーチンの状態になったら、通常の状態になった場合にあっては専従の職員を考える、置くと。それは解散の時点に当たって予算の変更も行うということになりますと、一切の権利義務を承継して、そして通常の状態になった場合は解散時点に農用地開発公団の予算もこれを変更する部門が出、そして専従の職員も置く、こういうことの答弁のように受け取っていいですか。
#27
○政府委員(森整治君) そのように考えておるわけでございます。
#28
○鶴園哲夫君 次に、この法律の改正によりまし七新しくつけ加わることになりました国営干拓事業によりまして造成された干拓地において、農用地の造成、それと農業用施設の新設、こういう事業を行うことになるわけでありますが、さしあたっていただいた資料等によりますというと河北潟、これは三十八年着工で千百ヘクタール、中海、これが三十八年着工で二千百七十ヘクタール、それと笠岡湾の国営干拓地、これが約九百四十ヘクタール、この三つの国営干拓事業が近く干陸をするわけですが、この三つについて、この法律の改正に基づいて農用地の造成、それからさらに農用施設の新設、こういう事業を公団がやるということに相なるだろうと思うんでありますが、さらにその後国営干拓事業というものが干陸をしてくるわけですが、まあ余りないですけれども、干拓というのは私は八郎潟の干拓が終わると同時に干拓事業というのはもう一段落したと思っております。ですから、四十一、二年以降に着工したものというのは非常に少ないわけです。ですが、いま申し上げたようなものがまだ残っております。そういうものが次々に干陸をしてくるわけですが、そうしますと、今後そういったものについても、農用地開発公団が法律の改正に基づいて事業の対象にしていくということになるのかどうなのか。しかし中身はどうも、農畜産物のということで農がくっついているけれども、畜産中心のような事業になっていますですわね、実際上は。そうしますと畜産に適した干拓地、そういうところを対象に選ばざるを得ないのではないかというふうに思いますし、ですから当面どういうところを対象にして考えられ、今後干陸してくる国営干拓地の中でどういうところを想定をしていらっしゃるのか、それをお伺いします。
#29
○政府委員(森整治君) 今回改正をお願いをしておりますのは、いま先生御指摘のように、近く干陸されたりあるいは干拓地の配分が予定される一部の国営の干拓の地区におきまして、全部ということではございませんにしても、部分的であっても入植によりまして酪農を導入いたしまして、いわゆる酪農の団地を建設をしていくという、そういう必要性があるのではないかという地区が出てまいってきているわけでございます。
 そこで、酪農という、あるいは畜産ということを中心に考えておりますのは、やはり今後開田抑制が相当まだいまの四囲の情勢を見ますと、やはり開田抑制政策は続けざるを得ないであろう、そういうこと。それから一応野菜なりを導入いたすにいたしましてもやはり堆厩肥の問題、そういう必要性が出てまいることはよく考えられるわけでございます。そこであわせて酪農団地を施設なり機械も一貫的に導入いたしまして、短期間にまとまったそういうところを総合的かつ計画的に建設をしてまいるということを念頭に置いておるわけでございます。もちろん、その干拓地の配分なりそういう造成に当たりましては、配分というよりも造成に当たりましては、県の申し出ということで、県がまたそういう入植の予定者等と十分相談をした上で公団の事業を申請してまいるという手続にしておるわけでございますが、ただいま来年度からの予算というのは計上はいたしておりません。
 しかし、現在実施中の国営の干拓事業のうちでその事業の進捗率が非常に高いというところ、それからいま申しましたような酪農などの畜産経営を導入する可能性があるというところ、それといろいろ法律でも書いておりますように、地域のやはり農業を振興していく上に必要なそういう可能性があるというところ、そういうものをわれわれ念頭に考えておるわけでございます。すでに河北潟につきましては――石川県の河北潟でございますが、そういう条件を満たしておるということで、県とも内々いろいろな相談を行っておる段階でございます。
  〔理事鈴木省吾君退席、委員長着席〕
いまの時点ではっきりしたことは申し上げられませんが、恐らく五十三年度の予算にはその計上が可能ではなかろうかとただいまのところ判断をいたしておるわけでございます。
 そのほか、先生御指摘の岡山の笠岡湾、それから鳥取・島根の中海の地区につきましても、その必要性と可能性を今後検討をしてまいるというふうに考えておるわけでございます。
 それ以外でどうかということも御質問でございましたけれども、現在の段階でいろいろ干拓の進捗状況なり土地利用計画なり営農計画なりを見てまいりまして、公団事業の可能性がある地区というのは現在のところまだ検討は行っておりませんが、それぞれの干拓につきましての事業の進行、あるいは地元側の要望、県との協議へそういう過程を通じまして今後公団事業を行うか行わないかということをいろいろ検討をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。あと、大きな事業といたしまして、長崎干拓という問題がございますが、これはちょっとただいま補償問題等でいろいろ協議を重ねておるわけでございます。遠い将来の話といたしましては、もちろんわれわれ念頭には置いておる地区でございます。
#30
○鶴園哲夫君 いまお話のあったところで、石川の河北潟については県の側との協議を進めていって五十三年度の予算には姿を出してくるだろうと。あとの島根・鳥取の中海、これと笠岡湾、これは検討する可能性を持っているというお話。あと国営干拓で続々五カ所ほど干陸をしてくるわけですが、そういうものについて、あるいは五十二年度から始まる予定になっておる長崎干拓等についてはこれからの問題であるというお話でありましたが、いまお話を聞いておりました限りにおいて、そういう事業を進めるについての人員の確保については一体どうなのか、公団側の人員の確保についてはどうかということが一つ。
 もう一つは、国営干拓は農林省の職員がやっておるわけですが、その干拓地について干陸をすると同時に、この公団が入ってきて先ほどのような事業を行う場合に、農林省の職員に対するその身分なり処遇等に影響はないのかどうか、この二つですね。新しく事業がつけ加わってくるわけですから、公団側の人員の問題と、もう一つは、このことによってこの国営事業に働いている人たちの、農林省の職員に対する身分や処遇等に影響はないのかどうかという点ですね。
#31
○政府委員(森整治君) 第一点の問題につきましては、公団で干拓予定地についても事業が行える、それについての人員等の問題はどうかという御質問についてでございますが、先ほども私お答え申し上げましたように、干拓予定地につきます公団事業の実施につきましては、来年度の予算には計上をしておらない。再来年度以降の問題というふうに考えておりますということをお答え申し上げましたけれども、したがいまして当面五十二年度につきましては、その組織、定員上の手当てはとりあえずは考えておりません。しかし、五十三年度以降におきまして干拓関係の事業を開始するということになりますと、当然その組織、人員、そういうものの確保、整備を図ってまいらなければならないわけでございまして、その時点で恐らく公団側とも協議をいたしましてその体制を整備するということにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから第二の御質問の点でございますが、干拓事業というのは農林省が直接事業を行っておる。それが今回の措置によって影響を受けるのではないかという点についてでございますが、現在、先生も御承知のように、昔はいわゆる干拓と農地整備というのを分離して行っておりました。最近は干拓事業と農地整備事業を合わせて国営で行うといういわゆる一貫施工という地区が多いわけでございますが、これにつきましては、今回の法律で御審議をお願いしておりますのは、干拓と農地整備を一貫して行っております干拓地の計画を変更いたしまして、公団事業を行うところについては公団側に農地整備とその上物の施設の造成をあわせて行わせるということを考えておるわけでございます。しかし、そのことによって国営の干拓事業と公団の農地整備あるいは畜産の施設、機械の導入等の事業は実際的には並行をして一緒に完成させるということを私ども想定をいたしておりまして、またそういうように運用を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございますので、その干拓地につきまして直ちに定員問題が出てまいるというふうには私ども考えておらないわけでございます。
 もう一つさらに申し上げますと、これもまた先生御承知のように、国営の事業の事業量にいたしましても、地区数にいたしましても相当ふえてまいっておりまして、そういう関係からも国営関係の職員、定員問題という問題はむしろほかのところの事業の充実に回すということも可能でございまして、むしろ国の職員をいろいろ有効な仕事に配置をしていくという上からは、むしろプラスではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。まあ結論から申し上げますと、この公団の事業によりまして、国側の人員の問題に影響はないというふうにわれわれは考えておる次第でございます。
#32
○鶴園哲夫君 改正されましたこの農用地開発公団の今後の問題についてでありますが、公団側の予算書を見ますというと、五十二年度のこの文書課でつくりました予算の説明によりますというと、言うまでもなく三つの事業を行っていく。一つは、広域農業開発事業、実施地区は十四、全計地区は二。そして五十二年度の予算は国費で二百二億円、ほかに財投七十六億。もう一つは、畜産基地建設、実施地区は十、全計四。五十二年度予算では、国費が五十九億円、ほかに財投二十七億円。もう一つは、これは公団が出しております資料には載っていないのでありますが、これは受託だろうと思いますけれども、農林省の五十二年度の予算の説明によりますというと、共同利用模範牧場設置事業、これが継続三、五十二年度の予算では三億九千万、五十一年は十五億、五十年は十四億、継続九。共同利用模範牧場設置事業というのは五十二年度で終了することになっておる、こうなっておりますが、要するに三つの事業をやってきておるわけです。
 それにもう一つ、いまいろいろ問答いたしましたこの国営干拓地についての公団の仕事が新しくつけ加わるということになるわけでありますが、いままでやってまいりましたこの三つの仕事を見ておりますというと、最後に申しました共同利用模範牧場設置事業、これは四十九年から設置と同時に始まって五十二年度で終わるということになっておりますが、広域農業開発事業、これはいま着工が十三あるわけですけれども、それから畜産基地建設事業、これはいま十の着工をやるわけですが、ここで私、公団のこれからの問題といたしまして、長期的に一体公団というのはどういうような形に見たらいいのかという点でありますが、公団の前身でありました農業機械開発公団と言いましたですかね、これは十八年続いたわけです。そして十八年で解散をして、発展的にいまあります農用地開発公団が、四十九年に発足する。それから、いま引き継ぎましたことになった八郎潟の新農村建設事業団、これは十二年続いて解散をして、今回この農用地開発公団が引き継ぐことになった。こういうことを見ますというと、どうも公団の今後のあり方について、いままで三つやってきておった事業の中の一つの共同利用模範牧場設置事業というのは五十二年度でなくなる。それから新しくつけ加わりましたこの国営干拓事業についての新しい事業、これもどの程度のものになるかということはほぼ見当がつく。さらに広域の農業開発事業、畜産基地建設事業、これは始まってから四年目になってくるわけですが、いよいよ地域的にもだんだんむずかしくなる。そうむやみやたらと玉が転がっているわけではないわけでありまして、地形もだんだん悪くなるでしょうし、探すのもなかなか困難な面も出てくるでしょう。
 そういたしますと、公団の長期の見通しという、農林省のよくおっしゃる長期の見通しで十年ぐらい先を見た場合に、一体公団の位置、地位というもの、存在というものはどういうふうに見たらいいのだろう。過去の例を申し上げましたように、農業機械開発公団というものはよたよたしながら十八年続いた。最後は本当に困っちゃったですね、あれは。まあしかし十八年続いた。八郎潟も十二年続いたのですが、十年という長期目標を見た場合に、公団がこれから十年一体どういうような見通しを持っていらっしゃるのか、あるいはその地位というものは固いものなのかどうなのか、そういうことを考えざるを得ない。特に、公団がいま申し上げたように機械開発公団の発展的な存在になっているし、今回解散する事業団を継ぐというような形にもなっておりますし、一体どうなんだろうかということですね。
#33
○政府委員(森整治君) ただいま先生の御指摘のように、開発事業は別におきまして、共同利用模範牧場設置事業は五十二年で一応終わる。それから受託業務も毎年減らしてまいっておりまして、これはむしろ公団を設立する際のそういうお約束でございますから、逐次減少をさせて、来年度約四十億程度の規模の受託業務に減少させるということにつきましては先生御指摘のとおりでございます。しかし、これは農用地開発公団設立の当初の構想に馴化をしてまいっておるわけでございます。規模の違いによりまして広域農業開発あるいは畜産基地建設ということで、開発事業に重点を移しつつあるわけでございます。
 そこで、いま御指摘の今後の問題についてどういうふうに考えておるのかということでございますが、この本来業務の開発事業につきましては、四十九年の公団の発足以来年々予算規模を、先生おっしゃいましたように拡大をしてきておるわけでございます。その結果、四十九年度には二十億八千五百万円の事業費のベースでございましたけれども、五十二年度で計上しておりますのは二百六十二億ということに相なっておりまして、まだまだわれわれはこの開発事業を伸ばしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、現在すでに調査に入っております関係を申し上げますと、広域農業開発事業につきましては、北上・北岩手、それから阿武隈・八溝、それから阿蘇・九重飯田の三地域の中で、公団事業の予定対象として調査を進めておるわけでございます。さらに五十二年度には、その広域農業開発事業の対象の調査を北海道の天北北部、それから秋田県の出羽丘陵、この二地域につきまして新規の調査の対象に加えることにいたしておるわけでございます。それから、畜産基地建設事業につきましては、全国でただいま十三地区で調室を実施しておりまして、そのうち地域の開発構想を策定するための畜産主産地形成基本調査と申しておりますけれども、これを四地域調査を実施しております。それからさらに、そういうその種の調査を経た後、具体的な事業計画を策定する計画調査を九地区予定をいたしておりまして、ただいま調査を進めているところでございます。こういう地区が実際に今後開発事業として採択をしていく地域になってまいるわけでございまして、これらが出そろってまいりますと、相当な事業量の増加に相なるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。それからただいま御審議いただいております干拓地の事業につきましても、先ほど私御答弁申し上げましたように、当面出てまいりそうな地区がございます。
 こういうことを考えてまいりますと、公団も大変かえって忙しくなってくるのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。そういう事業のほかに、今後やはり農用地開発公団の特殊性と申しますか、われわれ農業基盤整備を相当莫大な金をちょうだいいたしまして事業をいろいろ進めておりますけれども、何と申しましても、公団が計画どおり事業を実施しておるということにつきましては、いろいろ地元の方も非常に喜んでおられるというふうにわれわれ思っておるわけでございます。国営のほかの地区ももっとそういうふうに見習わなきゃいかぬわけでございますけれども、工期問題につきましては、公団事業に関してはまず問題がないというくらいにわれわれ重点的に考えておるわけでございます。そういう公団の何といいますか、機動性と申しますか、そういう公団自身も人件費がかかる、金利がかかる、そういうことから事業の早期完了を自身プロパーとしても考えざるを得ないわけでございます。そういう機能というものを今後やはりわれわれ事業の中でその特殊性を生かすことを、将来の問題としてはさらにわれわれも検討してまいるということも考えるべきだろうというふうに思っております。そういうことで、私ども公団の事業の将来という問題につきましては、決して悲観的な見方はしておらないわけでございます。
#34
○鶴園哲夫君 次に、私は内閣委員会に長くおりまして、機構とかこういうものに関心があるわけですけれども、この公団の機構を見てみまして、まだ発足をして受託業務その他の整理もしなきゃならない。発足して三年だというような点もあろうかと思いますけれども、この機構というものと組織というもの、現在ある機構と組織、そして六百二十五名の職員の配置状況、これを見てみますとなかなか不安定な感じがしてしようがないわけであります。
 ですから、私の希望としてはこの不安定な感じのあるこの機構、組織、これを速やかに安定化する必要があると、こういうふうに思うわけです。それは本社があって支社が北海道の札幌にあるわけですが、あと事務所が東北の岩手の盛岡にある、それから福島市に阿武隈の事務所がある。北海道はいいです、これは大変な事業をやっておりますから。根室を初めとしまして大変な大事業をやっている。東北のこの岩手の盛岡にある事務所、これは三つの事業所を持っているんですね、この事務所は。しかも中心がまあ福島から岩手にかけてでありますから、そして近く五つの事業がまた始まろうとしておるわけですが、この東北の事務所とそれから福島にあります事務所、これはまずいいとして、西部事務所というやつ、これが大阪にある。そうして事業所は一カ所。それで近畿から東海から四国、中国にかけての畜産基地建設事業とか、広域の農業開発事業というものはないわけですね。にかかわらず、この西部事務所というのが大阪にあって事業所は一カ所、こうなっている。それから九州の事務所、これは熊本にあって、福岡、大分、鹿児島、ここに事業所があるわけです。で、その九州の事務所というのは四つの事業所を持っている。さらに近くまた新しく事業所ができてくるということですが、この西部事務所というものの存在、もう一つ、その九州事務所は、これは福岡にあるんですか、熊本にあるんですか。何か私、改組して三年ですし、それから機械開発公団から引き継いだ受託業務の整理という点もありましょうから、私はこれを見て機構的に組織的に何か不安定なものを感ずるわけなんです。
 ですから、速やかにこれらを適切なものにする必要があるのではないか、こう思うんですけれども、本社、事務所、事業所、この組織を、本社、事務所、事業所の特にこの事務所、これの安定化を速やかにやはり図られる必要があるんじゃないか、こういう私は感想を持つわけなんです。
#35
○政府委員(森整治君) 先生御指摘のように、確かに問題ございます。それは、元来農用地開発公団が従前の農地機械開発公団の機能と組織を引き継いできたことにもっぱら基づくものとわれわれは判断をいたしておりますが、受託業務を行うという組織があったわけでございます。今後その受託業務を減らしていくという当初の方針どおり実行をしていくということにいたしますれば、またそのつもりでおるわけでございますが、確かに御指摘の大阪にございます西部事務所、それから熊本に九州の事務所がございまして、福岡に事業部がございます。そういうもっぱら受託業務を行う組織でございますので、受託業務を減らしていくということに伴いまして逐次その機能を、組織を縮小しまして、その限りではその職員を公団の他の組織に配置転換をしていく必要があろうというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、受託業務が全部終わるという時期にはこれらの組織は廃止されるということになろうと思いますが、その際も配置転換の問題がございますので、いろいろ処遇問題についてはわれわれ十分配慮をしていかなければいけないものであろうというふうに考えておるわけでございます。しかし、今後いま御審議いただいております干拓予定地の業務が出てまいりますと、この辺の事情がまたどういうふうに変わってまいりますか。特に西部事務所の管内において、河北潟はそれに属するわけでございますが、そういうことで事業が実施されるということも考えられるわけでございますが、そういう場合の組織整備の必要性がまた別の観点から出てまいるという問題はございます。しかし、当面はこれとは別個の問題として、ただいま先生御指摘の問題につきましては、この新しい事業の話とは切り離しまして、一応機構、組織を変更していくという考えでございます。くどいようですが、干拓関係の事業がいつどこまでの規模になって出てくるかということと最終的にはあわせて検討をしてまいりたいということでございます。
#36
○鶴園哲夫君 北海道の支社、それから東北にあります事務所、それから福島にあります事務所、これはいいとしまして西部事務所、これはいまおっしゃるように干拓地の島根・鳥取にあります中海、それと岡山にありますところの笠岡湾、それと石川の河北潟、こういうものの干陸に従って五十三年からそういう事業が加わってくると。さらに島根に畜産基地を二カ所考えていらっしゃるわけですから、ですから西部事務所というのは、その意味では来年になれば安定化したものになるのではないかという気がします。熊本にありますこの九州事務所、これはどう言いましても、やはり福岡、大分、鹿児島というところに事業所がいっぱいあるわけですから、ですから九州事務所についてもやはり適切な安定化を図る必要がある。この事務所が不安定でありますと、事業所に働いている者がまた不安定になっちゃう。言うならば、九州農政局みたいなものですから、この事務所というのはですね。その九州農政事務局が不安定でありますというと、その下の機関であります事業所はこれまた不安感にとらわれるわけですから、ですからやはり九州事務所の所在地等についても速やかに安定化する必要があるというふうに思います。
 次に、先ほどお話がございましたように、開発公団の事業が大変地元の住民に喜ばれている。確かにそういう点もあります。早期に機動的になかなかうまくやってもらっているということで、地元で好意を持たれている点も確かにあります。がしかし、これは局長も御承知のように、広域開発というのは十四カ所いま実施しておるわけですが、五年で終わるわけですね、五年間で。それからさらに十数カ所実施しようとしている畜産基地、これは三年で事業が終わるわけですね。それから大変機動的にそうして早期完了を目指して努力をしているわけですが、そこに働いている職員にしてみますというと、五年たったらどっかへ異動しなきゃならぬ、三年たったらどっかへ異動しなきゃならぬということにこれは当然なるわけです。大変な犠牲を受けておるわけです。大変不安定です。しかも、地域が非常に限られている。北海道の僻地、そうして岩手や福島の僻地、九州でいいますと熊本、大分、鹿児島のまた僻地、そうして沖繩の石垣島、大変、玉の所在地が非常に文字どおり僻地にある。それも全国にばらまかれている。それが三年で仕事を終わっちまって、あるいは広域事業にいたしましても五年で仕事を終わって、次から次に異動していかなきゃならない。それが機動力であり、一方においては早期完了ということで大変評判もいいということにもなるわけですけれども、しかし従事している職員にとってみますというとこれは大変な問題であって、よく言われるように一年の間に従業員が毎年五人のうちの一人は異動しなきゃならない、転勤をしなきゃならないということになる。これはいろいろ考えなきゃならぬ点があるんじゃないだろうかというふうに思いますですね。
 そして根城である事務所、これの安定化が少しきちっとしないというようなことになりますと、何となく働いておる者にとりましては安定感というものがない。大変だろうと思うんですよ。子弟の教育の問題についても非常な大変な問題だろうと思うんです。三年ごとに異動しなきゃいかぬわけです。あるいは長くて五年ごとに異動しなきゃならぬ。大変な異動を繰り返している。ですから、そういう問題についてどういうような対策をお考えなのか、あるいは考えていくべきなのか。私は、九州農政局に該当する事務所というのがきちっと安定して、そうして事務所と事業所というものとの間で人事交流がうまく行われる。それを中心にして人事交流が行われるというのを基礎にして、そうして公団全体としての人事交流が行われるということも一つでしょう。あるいは何らかのものを設けて処理しないというと、三年ごとに次から次に変わっていかなきゃならぬと、これは大変だと思うんですね。不安定ですね、これ。そういう点について具体的に何らかのやはり私は考え方をとっていかなければ、措置をしていかなければならぬのではないだろうか、こういうふうに見ておるのですけれども、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか。
#37
○政府委員(森整治君) 確かに先生御指摘のような、何といいますか、非常に特殊な勤務形態にならざるを得ない。また、ほかの建設関係の者よりそういう傾向が強い。遠隔地に、畜産の適地というのはまさにそういうところにあるわけでございますから、当然仕事の関係といたしましては、職員といたしますとそういうことにならざるを得ないわけでございます。
 そこで、現在公団において処置をいたしておりますのは、建設関係の特殊法人の例にならいまして、特殊現場作業手当あるいは特地勤務手当等の手当の支給を行ったり、宿舎の貸与などの生活面での配慮を行っておるわけでございますが、特に僻遠の地の事業地に勤務する方々には、在勤の期間が余り長くならないというような配慮もしているわけでございます。まあ先生御指摘のように確かに考えなければならない点はございますので、公団側の意見も十分聞きまして、職員が安心して仕事に携われるという環境づくりにつきましては、われわれもいろいろ知恵を出してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#38
○鶴園哲夫君 これはもう言うまでもございませんし、いま局長のお話のように畜産の基地になるようなところを求めて探して歩くわけですし、そこへ設けられますと三年で終わってしまう、五年で終わってしまう。そしてそれは各県にあるわけじゃありませんで、もう本当に限られた地域、限られた県にしかない。しかも、それも本当に僻遠の地にしかない。しかもそれも北海道から石垣島までという。あちこちすっ飛ばされてしまったら大変なことになってしまいますね、これ。えらいことだろうと思う。でありますから、やはり事務所というものを、熊本なら熊本に事務所というものがあってそこが固定化し安定化している。そこに子弟の教育の施設をつくるとかなんとかの、そういうようなものをやはりつくらないと、これは大変じゃないだろうかという気がしますですね。あっちこっち転勤させられると、これは家も建てられないですよ。各県にあるわけじゃないんですからね。本当にもう五、六県に限られているんですもの。北海道と、あと岩手と福島と、それとあとは鹿児島と熊本と大分と、沖繩にちょっとありますよね。それと山口、島根に今度できそうだと。七県ぐらいなんです。そしてこう動かされますと、これはもうえらいですね。何か考えて、私がさっきから言っておりますように、よりどころである事務所、これを安定化さして、そこに子弟の教育の施設等を置いておくとかなんとかいうこともやはり考慮してもらわなきゃならぬのじゃないだろうかというふうに思っておりますから、その点についてひとつお答えをいただくと同時に、そろそろ時間が大分たってまいりましたので、これは後でお答えいただくとしまして、次に、この農用地開発公団が進めておりますところの広域農業開発事業、あるいは畜産基地の建設事業、あるいは国営干拓事業の干陸について今度新しく進めようとしますところの事業、これはいずれも農畜産という言葉は使っておりますけれども、中心は畜産中心の事業になるわけです。
 そこで、これからの畜産というのはどうなるのかという点についても若干論議しなければならない点もありますし、一昨日農林大臣の所信表明についての質疑の中で、私、畜産の問題について論議をした。当面している最もいま大きな畜産の問題というのはこれは価格問題であります。それについて論議をしましたが、しかし時間が少のうございまして十分な問答はできなかったわけです。質疑というよりも問答ができなかった。そこで、この問題について若干の問答をいたしたいわけです。
 私は、今度の三月末に決まろうといたしております畜産についての行政価格、その考え方がどうも例年のような考え方、去年やったような考え方、おととしやったような考え方で対処しておられるんじゃないだろうかという気がしてしようがないわけなんです。私は、ことしの畜産物の行政価格の決定についてはもっと大きな広い視野で、畜産局の視野と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、畜産局は視野が狭いとかいうような感じは持っておりませんけれども、ただ言いたいことは、従来のような考え方でこの行政価格を決めていいのかどうかという点が私の非常に重大な関心のあるところなんです。
 というのは、一昨日も申しましたように、肉用牛にいたしましても乳用牛にいたしましても、ともかく畜産局が想定されておった想像以上の伸びを示したわけですね。畜産局が去年畜産審議会に出された資料を見ますと、五十二年度の二月一日の牛の頭数は幾らになるという推定をしておられる。それから乳用牛の飼養頭数は幾ら幾らになるという推定をしておられる。いままでは大体畜産局の推定よりもいつも下回ったわけなんですが、今度はそうじゃない。驚くべく驚異的な、高度経済成長じゃないが、高度成長を越えて超高度成長というのを畜産は遂げている。全く私も驚異だと思っている。具体的な数字を挙げてもよろしゅうございますよ。去年お出しになった推定と大変な差があるですよ。非常にこれは喜ぶべきことでありまして、畜産局がお考えになっておった数字よりもはるかにふえたということは大変これは喜ばしいことであって、肉牛について言いますと、五十二年度は百九十二万頭になるだろうという推定をしていらっしゃった。それが二百七万頭という形になったわけですね。これを五十一年から比べますと、伸び率は実に一四、五%の伸び率ですね。百八十五万頭だったのが、二十二万頭伸びている。年間に二十二万頭伸びるなんていうことは、これは畜産局としては想像もできなかったことだろうと思う。これは数字見なくてもいいです。ぼくはちゃんと数字をおたくからもらって持っているんです。高度成長です。不況で安定成長という時代に、高度成長もいいところですね。それから乳用牛につきましても、百八十六万頭になるだろうという推定をしておられた。それが百九十万頭という大変喜ばしい数字が出てきた。豚についてもそうです。
 ですから私は、いまこの非常に不況の中で、それで安定成長だ、低成長であるという時代に、畜産部門については初めて高度成長ということになっちゃった。牛についてはこれは超高度成長でしょう、肉牛については。にかかわらず畜産局の方の見解は、一昨日伺いましたように、いや畜産物の行政価格というものを上げるよりもこれは構造改善だと、そこに重点を置かなきゃならなくなったんだというお話なんですね。これはどうも私は従来の畜産局の、去年やった、おととしやった、そういうやり方でいま畜産を見ようとしていらっしゃるんじゃないかと思っているんですけれどもね。肉牛もそれから乳牛も豚肉も生産は順調であると。生産費は飼料価格が安定をしているので生産費の状況も平穏無事である。規模拡大のメリットも否定できない。さらに最近の卸売物価、卸売の価格を見るというと、ことしの二月で、和牛でありますというと上位価格を少し上回っている。豚肉にいたしましても、中心価格よりもずっと上回っている。まあ上位価格の方に近寄っている。酪農の場合においては、これは滞貨が少しあってちょっと需要が伸びにくいと。こういう状況だから、畜産物の価格というものを上げるよりも構造改善だというお話なんですね。しかし、それでいいのかどうかと私は非常な疑問を持つわけなんです。いま畜産にとっては非常に大きな転機じゃないだろうかと思っているんですけれども、まずその畜産局の――畜産局の考え方わかっておりますけれども、従来のやり方でいいのかどうか。私は転機に来てるんだという点を強調したいわけですけれども、いかがでしょう。
#39
○説明員(石田徳君) ただいま先生がお挙げになりました数字でございますが、われわれのところでは、ことしの二月の数字まで出ておりませんけれども、確かに前年に比べて伸びていることはこれは間違いございません。こういうふうになったのはどういうことが原因であるかということを考えてみますと、いろいろあると思います。先ほど先生がお挙げになりましたような要素があるわけでございます。と同時に、これはまた、これまで伸びてきたというのは、いろんな施策を講じておりますが、その成果もここにあらわれているのじゃないかというふうにわれわれは考えております。これは価格だけでなくて、生産振興あるいは基盤の整備等も含めまして、そういう政策の成果もあらわれているのじゃないかというふうに考えておりますが、目下迫られております問題は各種の行政価格の決定でございますが、この際に当たって従来と方針が変わったかと、こういうことでございますが、先生も先ほど畜産局の考え方はわかっているとおっしゃいましたが、われわれとしては法律に基づいて適正に計算をするわけでございますから、法律が変わらない限りにおいては、価格の決め方というのは基本的には変わらないわけでございます。しかしながら、先ほどお挙げになりましたような情勢等も頭に置いて、また審議会の御意見を踏まえまして適正に決めていくという考え方でございます。
#40
○鶴園哲夫君 それはもう畜産局のお話はそのとおりだと思うんです。数字は、しかし何ですよ、審議官ね、おたく出しておられるんですよ、五十二年度の数字というのは。そして五十三年度の推定値まで出しておられます、畜産審議会で。あなた出している、飼料部会で出してありますよ。二月一日の数字と来年の五十三年の二月一日の推定値まで出している。ですが、私はことしが非常に転機だと思うのは、これはいまおっしゃったように、豚肉にしてもそれから牛肉にいたしましてもこれが急にふえてきた、高度成長を遂げたのはこれは確かに政策の成果というのもあります。あるいは飼料価格が安定してきたということもあります。まだ四十八年よりも高いですけれども、安定してきたということもありますが、私はやっぱりこの水産問題と関連があると思うんです、二百海里の問題と。これは皆言ってますよ、農民は。これは、これからわれわれがたん白質つくらなければいかぬ、こういう感じを持ってますよ。畜産局おくれてますよ、私はそう思うな。それを私は転機だと言うんです。これは水産物というものに変わって、われわれがこれやらなければいけないという感じを持ってるんじゃないですか。これは高くなるという感じ持ってますよ。これは私はやっぱりこれから大きく変わってくると思いますね、畜産物というのは。
 ですから、私は一昨日も言ったんですが、この二百海里問題というのは日本のたん白資源については非常な危機だと思うんですよ。非常な窮迫時代になってくると思うんです。それは一生懸命努力はされます。大臣初め水産庁一生懸命努力されるけれども、これは容易ならぬ事態です。しかもこれは五年や十年で養殖漁業なり何なりがすぐ目に見えて姿をあらわすようなものではない。沿岸漁業をどうやってみたって、五、六十万トンといったら精いっぱいのところです。もっとやれば別ですよ。ですから、日本のたん白資源についてはこれは異常な事態になってくるというのは農民は考えている。それが私は最も大きいと思う、この異常な高度に伸びているということは。今後もこれは高度に伸びていく、伸びざるを得ないと思う。それ以外にいまの日本のたん白資源というのを守る道はないんじゃないかと思う。
 だから、いま私が言うように、畜産物というのはこの十年の間高度成長なんか遂げたことはなかった。停滞ですよ。低成長でもない、停滞。それが急にこういうふうに高度に成長するという意欲をはっきり示してきた、これは非常な機会だと思う。そこへもってきてたん白資源というものが、これが今後の五年のことを考えて、十年のことを考えた場合に非常な窮迫状態というものを考えなければならない。その場合に、従来のような構造改善だと、これは構造改善も必要ですけれども、価格よりも構造改善だというような考え方は、これは私はもっと大きな視野からこの問題考えなければ誤りますよ。ここで水ひっかけられたらえらいですよ。二、三%しか上げないと言ったら完全に水かけられる。ですから、私はぜひ、農家がもう自主的と言ってもいいが、非常な意欲を持ってきている、この段階で水をかけちゃならない。今後のたん白資源の問題等考えた場合に、二つの意味で大きな転機に来ているのだから、だからここで畜産を思い切って伸ばすという政策をとるべきだと思うのです。大臣どうです、これは。
#41
○国務大臣(鈴木善幸君) 私もわが国の畜産が大変な生産の伸びを示しておると、このことを非常に心強く、また大変喜んでおるわけでございます。
 また、たん白食料の面につきましては、先生がいま御指摘になりましたように、厳しい二百海里時代等を迎えまして、たん白食料の確保ということは国民生活にとって重大な問題になっておるわけでございます。したがいまして、畜産の面におきましても、今後この畜産業者の高まってきております意欲、また増産傾向、これは今後とも私どもも伸ばしていかなければならない、このように考えております。そのためには総合的ないろいろな角度からの対策を必要とすると思うわけでございまして、たとえば自給飼料を増産をすると、そのための草地の造成改良を図るという施策も必要でございますし、また流通、加工等の問題もこれは根本的に見直しをする必要があると、このように考えております。その間における価格政策というものも重要な私は要素を持っておりますことも、よく承知をいたしておるわけでございます。
 で、私は、生産農民の諸君の立場を第一義的に考えておるわけでございますが、一面におきまして消費者である国民の皆さんの立場、これも農林省としては十分配慮していかなければならないと考えるわけでございます。現在国際的な肉あるいは酪農製品等々の国際価格に比べまして、二倍ないし三倍というような価格に相なっておりまして、何とか消費者である国民の皆さんにも国際水準にだんだん近づけるような施策を講ずる必要もあると、このように考えております。そのためには、私は今後ぜひ省内を督励して努力をいたしたいと思いますことは、畜産の流通問題でございます。いろいろな農産物関係の流通問題の中で一番畜産関係の流通関係の整備が、合理化がおくれておる、このように認めておるわけでありまして、この合理化と改革によりまして、そのメリットを生産者並びに消費者に還元するような方途を講ずる必要があると、このように考えております。
 価格の面におきましては、指定食肉の場合におきましても、あるいは原料乳等の問題におきましても、再生産を確保することを旨としまして価格の形成を図っていく考えでございまして、畜産の振興の好ましい状況に水をかけてはいけないという御趣旨は十分私もそのとおりと考えておりますので、そういったことで今後努力をしてまいる考えでございます。
#42
○鶴園哲夫君 流通過程もやらなきゃなりませんし、まあおっしゃるとおりだと思います。ですが、私はこの二百海里問題というのがもう少し深刻になってきますというと、これはたん白質は当然上がりますよ。スケトウダラが牛肉ぐらいになったなんて一時あったでしょう。当然ですね、これは上がっちゃうんですから。それは、そんなことは言っておれぬじゃないかと思いますね。どんどんつくりゃいいじゃないですか、せっかくいま高度成長やりおるんですから。停滞のゼロ成長を続けてきたんですから、畜産というのは。肉牛にいたしましてもそれから乳用牛にいたしましても、ゼロ成長だったんです。ちょびっとの低成長だった。それが急に上がってきているというのは、これはやはりたん白資源の問題です。ほっときゃこれは黙っとったって上がるんです。うんとつくりゃ、下がるに決まってるんです。ですから、私は盛り上がっているいまの農民の意欲というもの、それとこれから見通されるところのたん白資源の非常な窮迫事態というものを想定した場合に、これはやはりここでやるべきことは、この農民の意欲というものに水をかけちゃいけないということだと思うんです。そうしませんですと、黙っておったって上がりますよ。ほっといたら上がってしまうに決まってます、これ。非常な値上がりしてくるに違いないです。それじゃまた大変だと私は思うのです。ですから、十年というものを考えた場合に、私は、いまや畜産局はこれはふんどし締め直してがっぱりやってもらいたいですね。農用地開発公団もひとつ馬力かけて、ばかすか畜産基地もつくってというようなことをやるべきじゃないでしょうかね。
 そういうことをひとつ大臣にも十分御配慮を願うように申しまして、もう一つ、飼料問題について、私ちょっとこれがいかんのだな、この飼料問題がね。飼料問題の資料は飼料部会に出しました資料をもらいまして検討いたしました。で、大家畜である乳用牛と肉用牛に対しまする大麦の問題ですね、この大麦の問題がどう考えても、いままでいろいろな努力をされまして、そして去年百二十一万トン、ことし百二十一万トンと、この同量というのはわからないですね。いままで四十八年、四十九年と非常に価格が騰貴した。トン当たり六万ぐらいまでなって、それで食管特別会計も大変そのために赤字が出た。しかし、いまや値段が落ちついてきまして、トン当たり四万ちょっとのところに来ておるんですね。ですから安定している、もう少し下がるかもしれませんですが。ですが、この四十九年、五十年と、非常に小麦にいたしましても大麦にいたしましても、トウモロコシにいたしましても、値段が高騰したときにあっても、そのまま大麦なら大麦の例をとって言えば、その数量をふやしてきたわけですね。ところがいま価格が非常に安定をして、そうしてその食管特別会計もうんと繰り入れが減った。半分以下になっちまった、もっと減っておる。頭数はふえてくると。こういう中で、大型の大家畜である乳用牛と肉牛に対する重要な施策である大麦の量をことしも百二十一万トンだということは、これは不可解ですね。何でこういうふうにされたのか、どうしてもわからない。これはぜひふやすべきだと思うんです。もちろんカナダ、豪州の大麦市場の問題もありましょう。ありましょうが、こういう状態でははなはだこれは理解ができない。しかもこの大麦の問題については、これは百二十一万トンという飼料全体の中で占めます地位というのは非常に少ない。一割ちょっとぐらいでしょう。そういう少ないにかかわらず、大家畜に対しては非常に大きな地位を占めている。非常に大きな地位ですよ。しかも急速にこれが普及をいたしまして、要望が非常に強い。それだけに、この値上がったときにあってもどんどんどんどんふやしてこられた。少ない数字でありますけれども、次々にふやしてこられた。ところが、去年の数字とことしの数字と同じだということについては私は理解ができない。
 もう一つ、この百二十一万トンの配分が不合理である。四年前に私この問題についていろいろ論議をいたしました。何がゆえに牛のあんまりいないようなところにたくさん配分するのか。鹿児島と宮崎で言いますというと、和牛だけで四十二万トン、日本の肉牛の中の二割五分近いものが南九州におる。ところが、えさは大部分は北九州に行ってしまう、大麦は。あそこに荷おろしをする。それで南九州には二万トン。そうすると鹿児島や宮崎の農民は、熊本、福岡から買わなければならない。二割から三割も高いです。だから、それを是正すべきだという論議をいたしました。半分は頭羽数に応じてということで、三年計画でずっと鹿児島の方も南九州の方もふえてきました。いま十一万トンぐらいになっている。ですから、なおこの問題については、これは畜産局として考えていただかなければならぬ問題があると思うのです。その二つ、大麦の問題についてのお考えどうです。お聞きしたいと思います。
#43
○説明員(石田徳君) 政府操作の大麦の量を昨年と全く同じにしているのはどういうわけだと、こういうお尋ねでございますが、先ほど先生のお言葉の中に出ておりましたように、この輸入先でございますカナダ、豪州等におきましても、わが国と同じように大変な畜産危機に見舞われたわけでございますが、立ち直りまして国内需要というものもふえてきておるわけでありまして、両国ともまず国内の需要を再優先に考えておるわけです。そういうことでございますので、輸出余力というものは、昨年度に比較いたしますと減ってきておる。わが国としては、安定的な輸入はそう多くを期待できない、特にこの大麦につきましては。ということで、安定的な輸入を確保するということで、前年と数字は同じにしたわけでございます。ただ量はわずかではございますが、政府で備蓄いたします大麦の量は、昨年に比べまして五万トンだけ上乗せをいたしております。確かに大家畜がふえてまいっております。これに対応するえさの手当てということは当然考えなければならないわけでございますが、一方におきまして、トウモロコシ、マイロ等、ウエートも非常に高くなっておりますし、また価格も安定いたしております。また一方におきまして、国内飼料の自給度を高めるということもこれはわれわれの緊急の課題でございますので、この点にも力を入れていくというようなことも頭に置きまして、昨年と同じように決めたわけでございますが、先生のお言葉もございますので、さらに今後も検討してまいりたいと考えております。
 それから配分でございますが、これも御指摘のように、確かに牛の頭数等に必ずしも比例していないわけでございます。これはいろいろいきさつもございますし、輸入港等の関係もございましてそういうアンバラが出たわけでございますが、これにつきましては、できるだけ畜産の実態に合うように是正していくということで努力いたしております。何分にも長年のいろんないきさつもございますので、一気に御破算にしてしまうというわけにはなかなかまいりませんけれども、合理的な方向に向かってことしも引き続いて配分には努力する所存でございます。
#44
○委員長(橘直治君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時四十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十六分開会
#45
○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農用地開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き、本案に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#46
○相沢武彦君 最初に、各地の干拓地農業経営上の問題点についてお尋ねをしていきたいと思います。
 八郎潟でありますけれども、八郎潟新農村建設事業の基本計画によりますと、田畑複合の経営を基本としているということなんですが、畑作の経営状況というものは現状どういうふうになっているのか、簡単でいいですから御説明してください。
#47
○政府委員(森整治君) 畑作につきましては、需給問題、それから機械化栽培の適性という問題から、小麦が中心的な作目として選択をされております。五十年の小麦は約九百ヘクタールでございまして、収量は十アール当たり二百五十一キログラム。全国平均が二百五十キログラムということで、まあまあ全国平均並みということでございますが、初年度といたしましては一応良好なものであろうというふうに思われます。それから五十一年の作付は約千九百ヘクタールということで倍増をしておるわけでございます。で、経営的にも小麦の五十一年の十アール当たりの労働時間は四・八時間ということで、全国平均で二十六・五時間ということでございますから全国の二割弱で上がっておるということで、生産費も全国の七〇%ということで生産性もきわめて高いというふうに判断をいたしておる次第でございます。で、八郎潟の小麦作というのは米とあわせて大型機械が利用できるということで、その利点を生かして今後も生産性の高い経営ができるというふうに思われますし、作付面積も今後拡大をするであろうというふうにわれわれも考えておるわけでございます。
 そこで、小麦以外の畑作物につきましては、やはり家族労働力の問題もございますし、作目の需給動向及び市場問題というようなものもございますので、そういうものに応じまして、大豆や野菜等各種の作目が次第に導入されておるというのが現状でございます。
#48
○相沢武彦君 今回、八郎潟新農村建設事業が、ここで模範的な新農村建設の目的が達成されたとして農用地開発公団の今度は業務に含まれていくわけですが、特に基幹的な畑作物である、いま御説明のあった小麦、それから大豆について、生産性や収益性などについてまだ入植者の人は若干不安を前途に感じている面もあるんじゃないかと思うんですが、この際、今後どのような生産性、収益性についての見通しを農林省としては持っておられるのか、それをこの際見通しを明らかにしてもらいたい。
#49
○政府委員(森整治君) 御承知のように、事業団が経営指導に当たるということで実験農場をつくりまして、みずからモデル的な農場をやってみたということがございました。そこで、各種作物についてのいろいろな知見なり経験を持ってきておるわけでございます。そういうものを現地の入植者の参考にしていただくということでやってまいったわけでございますが、今後はその八郎潟新農村建設事業団の解散に伴いましてその施設そのものは県に移管をする、そしてその助成も国が行いまして、県が中心になって今後その事業を引き継いでまいるということで、いままでまあまあ一応平均的な収量をただいまのところ上げておる。今後熟畑化していくにつれまして生産力は上がっていくものと期待をいたしておりますけれども、今後は県の一般的な改良事業、普及事業、それと事業団から引き継ぎました試験圃場、そういうものを使いながら今後畑作の振興を図ってまいるというふうに考えておるわけでございます。
#50
○相沢武彦君 たとえば水田との兼作でなくて、畑作だけで収益を上げ、経営が成り立つという見通しはありますか。
#51
○政府委員(森整治君) やはり八郎潟は米で出発したところでございますから、いろいろな種々の事情、需給事情からおおむね半分畑作をやっていただきたいということで、いま田畑複合経営ということに相なっておりますけれども、全体の需給の事情が変わりますれば、これはまた別でございますが、当面、米の過剰基調というものはどうしても避けられないとするならば、ただいまの経営のあり方というもので進めていくというのが当面の考え方ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。また、事業団の担当の方々にいろいろ聞いてみましても、やはりまだ相当、最初に干陸されたところは別にいたしまして、まだやはりヘドロの状況から見ますと相当干し上げた方が土壌条件も非常によくなっていくということで、むしろこの機会に畑作を入れながら土地の熟度を図ってまいるということが当面も得策ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#52
○相沢武彦君 これからも米の生産については抑制の方向で行くんではないかと思うんですが、いまのところ、この八郎潟については半分は畑作にということでの指導でやっているわけですけれども、今後、それをもっと畑をふやして米を減らせというような指導をなさる方向になっていくのか、それとも、そこへ入っている入植者の人たちが自分で希望しない限り現在のままの形態でいくのか、その辺はどうなんですか。
#53
○政府委員(森整治君) 私どもの考えといたしまして、これ以上稲作を減らす、減らしてもらうということは考えておりません。むしろ御希望は稲作志向型ではなかろうかというふうに思いますが、これをまたふやすという方向でも考えておらないわけでございまして、ここ当面はいまのあり方で行っていただきたいし、またそういうふうに御了解も得ているというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
#54
○相沢武彦君 干拓地での農業経営ではいままでもさまざまな問題が出たわけでございますが、特に昨年社会的にも非常に皆さん方に関心を持たれそれから成り行きを心配された問題は、田植えの強行、そして青刈りなど含めた問題を起こした干拓地が十二カ所もあったわけであります。その中でも、福島潟の干拓地では行政訴訟まで起こした地域があったようですが、これらの問題についてその後どうなっているのか、簡単で結構ですから御説明をいただきたいと思います。
#55
○政府委員(森整治君) 最初に、私どもはやっぱり青刈り問題というのは非常に農政としてはマイナスではないだろうか。そこまで至らない段階で御納得をいただいてやっていくというのがやはり行政の姿勢であろうというふうに思っておるわけでありますが、残念ながら去年までいろいろ問題があったことは確かにそのとおりでございます。
 そこで、福島潟につきましては、ただいま裁判所のお勧めもございまして和解の話が進められておりまして、すでに十数回双方の話し合いが進んでおります。私どもといたしましては、できるだけ早い機会、たとえて言えば今年度内にでもこの問題は何とか和解で解決をしていきたいというふうに考えておるわけでございますが、ほかの地域につきまして、干拓地と申しましてもいろいろな段階がございます。すでに完了してしまっているところ、それから福島潟みたいにまだ完了していない、一時使用の段階でいろいろ問題を起こしたところ、また経営でやったところ、それぞれの事情が全部異なるわけでございまして、いずれにいたしましても、やはり強行でどうということよりも、やはりお互いの話し合いで、納得ずくめで稲作の問題というのはやはり扱っていきたい。今後もよく地元と連絡をとりまして協議しながら、お互いにやむを得ない、あるいはそこでお願いするというようなところでおさめていくのが筋ではなかろうか、今後もそういう努力を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#56
○相沢武彦君 どういう形で和解されるにせよ、その関係者の人たちが、ことに日本農業再建、また、自分たちが農業で豊かな暮らしをしていけるという希望を持って、生産意欲をわかして生産に取り組めるような形でこの問題が解決されるように、農林省としては特段の取り組みをお願いしておきたいと思います。
 それから昨年やはり問題になりました滋賀の津田内湖干拓地では、土壌が干拓地特有の湿地ということで、畑作物の生育が思うようにいかない。結局、土壌に合った米をつくったわけですけれども、干拓地の農業としましては、各地とも大なり小なり同じような傾向があるようでありますが、酸性の強い土壌の上に、しかも海面より低い湿地帯で畑作やあるいは畜産、こういうことは非常に困難性が伴うんじゃないかと、こう思うわけでありますが、それを、米の過剰だということで米をつくっちゃいけないという単なる行政指導というようなことであってはなかなか問題の解決がつかないし、福島潟の訴訟問題にも見られるようなことがまた繰り返されるんじゃないかという心配もあるんですが、土壌の転換、あるいは営農指導ということをもっともっと農林省としてはきめ細かく取り上げていく必要があるんじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
#57
○政府委員(森整治君) 先生御指摘のように、干拓地の土壌は、干陸の直後から数カ年間は、本当に干し上がる過程ではやはり強い酸性を示すことが多くの例でございます。ただ、降雨量が日本では多い関係で、排水を図りましていきますれば硫化物、有機酸等の洗脱が促進されるということで、四、五年あるいは十年もかかるところもあるかもしれませんが、弱酸性に落ちつくというわれわれの干拓の経験を持っておるわけでございます。で、そのほかにも、確かに問題は畑地の土壌をどういうふうにつくっていくかということでございますから、排水を強化するということが一つ。それから、酸性の問題を直接的に解決するということで、炭カル等の土壌改良資材を投入をしていく、それによって熟畑化を促進をしていくということがわれわれの考えでございまして、そういう点につきましては、八郎潟でもそうでございますけれども、その他の干拓地につきましても、現地に実際に農家としてやる程度の規模の試験圃場というものをつくりまして、現地の実情に合う作目を選定する、それからいろいろな耕種基準というものの確立のために試験調査を行うということで、予算的にもそういう措置を考えて、今後もそういう対応をして畑作が本当に定着できるように考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#58
○相沢武彦君 干拓地での畑作それから畜産経営というものは非常にむずかしいと困難性を予測するわけですけれども、今度できます事業を編入する農用地開発公団の業務範囲の中で特に営農指導、これは公団で受け継ぐんでしょうか。
#59
○政府委員(森整治君) 当初から事業団が先ほど申しましたように、営農指導で試験圃場を持ってやってまいりましたけれども、これは事業団が廃止の場合には、県の一般の普及事業に引き継ぐという、そういう考え方で進めてまいりました。そのために県との人事交流も図ってまいりましたし、そういうことでスムーズに移行が可能なような配慮もいたしてきたわけでございます。今度はむしろそれを圃場も県に移すし、そのための今度は助成を国として考えるということで、八郎潟につきましては、結論から申しますと、県に引き継いで国がそれを支援すると、こういう体制で普及活動を進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#60
○相沢武彦君 そうすると、定期的に県と国とが当分の間協議をしながら営農指導を行う、こういうような考え方でいいんですか。
#61
○政府委員(森整治君) むしろ県が主体で、県の普及活動としてやっていただく、それについての資金的な援助を国としていたしたい、こういうことでございます。
#62
○相沢武彦君 それから、これまでの問題点で考えておかなきゃならない問題がありますが、水田総合利用奨励補助金をもらって一時的に米から転作をした、ところが、ほかの作物では成り立たない、結局また米をつくらざるを得ないという点が、干拓地ばかりでなくてその他にもいろいろあったわけですが、今後の農政として、これは大臣にお尋ねをしておきたいと思いますけれども、米をつくろうがその他の作物であろうが十分に農家として経営が成り立つ、そういう農政を確立しなきゃならない。そういうことで、特に転作時の生産指導というものは十分に対処する必要があると思うんですが、この点について大臣はどのようにお考えですか。
#63
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の食糧の自給度を高める、しかもそれは主食である米だけでなしに、国民が必要とする麦でありますとか、あるいは大豆でありますとか、その他飼料作物でありますとか、そういうような総合的な自給度を高めていくということを農政の基本として私ども考えておるわけでございます。それを進めてまいりますためには、生産対策、あるいは構造対策、特に基盤整備の問題、いろいろ総合的にやらなければならぬわけでありますが、その中における価格政策というものも重要な一環としてとらえておるわけでございまして、米の生産に携わる方もその他の作目を選んで営農される方も、所得の上に大きな格差が存在をするということでは総合食糧の自給度を全体として高めていくということにならないわけでございますので、相対価格の是正ということを私ども考えておるわけでございます。そういう観点に立ちまして、農林省の中に農産物価格政策の検討委員会というものを設置をいたしまして、ただいま早急に結論を得るように鋭意検討を進めておるところでございます。私は、単にその場合におきましても、国の奨励のための助成費であるとか、いろんなものを勘案をしながら適正な価格をぜひ早急に確立をしたい、このように考えております。
#64
○相沢武彦君 相対価格の是正ということをいま検討されてるとおっしゃいましたが、これまで私どもが何回となく主張している主要農作物にかかわる価格保障制度を今後検討する、このようにとらえてよろしいですか。
#65
○国務大臣(鈴木善幸君) 主な農産物につきましては、すでに御承知のように、態様は変わりますけれども、それぞれの価格の安定制度というものができておるわけでございます。その行政価格を決めます場合におきまして、そこにアンバランスがあってはいけない。まず行政価格を設定いたします場合における相対価格の是正、均衡がとれるようにというようなことを中心に考えておるわけでありまして、他の農作物につきましても安定した農業経営ができるようにということで、今後もそういう面にも配慮しながら研究を進めてまいりたいと、こう思っております。
#66
○相沢武彦君 過剰米対策で伺っておきたいと思うんですが、五十一年度で過剰米は二百五十万トンに達するということでありますが、農林省としてもこの過剰米の問題は非常に頭を痛めていらっしゃる問題だろうと思います。この過剰米対策が見通しつかないと価格の問題についてもなかなか思うような解決策ができないんじゃないかと、こう思うわけですけれども、農林省として、新大臣を迎えてこの過剰米対策をどのようにお考えであるのか、この際改めて御説明いただきたい。
#67
○政府委員(大河原太一郎君) 本件についてでございますが、御案内のとおり供給力の千三百万トンに対しまして需要量は千二百万トン、この需給ギャップをどう埋めるかということで、ただいま大臣からるるお話ございましたような水田総合利用対策等を行いまして、供給サイドからの需給のバランスをとるという施策を講じておるわけでございますが、一方では消費の拡大というようなことについてそれぞれ進めておるわけでございますが、過剰米の認識についてでございますが、御案内のとおりしばしば申し上げておりますように、通常の需給操作としては百万トン程度われわれが在庫を持てばいけると、それに対して内外の食糧需給の情勢から、ただいまではわれわれ両三年で二百万トン持てばいわゆる備蓄というような体制もでき上がるということで進めてまいったわけでございますが、五十年の大豊作で六十万トンということで、二百六十万トンというのが私どもの昨年十一月の新米穀年度に移るときの古米持ち越し量でございます。その二百万トンを超えるものの取り扱い等につきましては、需要の動向なり、あるいは本年の作柄とか、そういうものを見ながら今後検討を進めるべき筋合いのものであるというように考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、過剰米の存在自体は結果でございまして、百万トンになんなんとする需給ギャップというものをいかに調整するかということを急がなければならないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
#68
○相沢武彦君 これはそう急にできるとは思いませんけれども、将来の問題としていまのような米の保管制度ですと、要するに過剰米がふえると結局倉庫に入っているお米がだんだん消費が落ちてくる、消費者はそういう古々米なんか食べたくないということで困ってしまうということがあるんですけれども、いわゆる大凶作とか、あるいは世界の動乱、そういうようなことで食糧が一切入らないというときのための主食である米の備蓄ということ、これを工場による低温倉庫を備えて、モミ米によるところの備蓄ということを将来としては考えなければならぬのではないかと、こういうことを思っているんですが、この点について鈴木農林大臣は、主食である米のモミ米によるところの備蓄ということについて将来構想として結構ですから、私見がございましたらこの際……。
#69
○国務大臣(鈴木善幸君) 低温倉庫による備蓄が、今日までいろいろやってまいりまして相当の私は成果をおさめておる。そこで、今後も必要な低温倉庫の設備の確保を図りまして備蓄に備えてまいりたいと、このように考えております。
 モミによる備蓄の考え方も、御意見もあるようでございますけれども、どうしてもかさばるといいますか、保管のために大きな収容力が必要である。また、品質等の面からいたしましても低温倉庫による保蔵の方がむしろまざっておる、こういうような観点から、今後は低温倉庫の整備を図りまして保管に万全を期してまいりたいと、このように考えております。
#70
○相沢武彦君 食糧自給率の向上という観点から考えますときに、日本の場合はアメリカのように大平原を農地として大規模な農業を行うというようなことはしょせんできない相談でありますし、また穀物生産はコストが高くついてしまうということで、なかなか価格政策の面から穀物の生産というものはそう早急に自給率が向上できない、そういうことで結局わが国の自給率の向上あるいは維持ということからいきましても、米の消費減退をこれ以上進めてはならぬということは大事な問題じゃないかと思うんですが、外国の高い小麦を買ってきてそれを安く売るんじゃなくて、結局パン食を奨励するようなことをやっていたんではなかなか米の消費の拡大につながらないということになるんですが、米の消費向上についてこれまでも大分農林省としては取り組みましたけれども、これまでのそういう対策が効果を上げているのかどうか、また新たに今年度から対策を講じようとするものがあれば、ここでお話をいただきたいと思います。
#71
○政府委員(大河原太一郎君) お示しのとおりでございまして、米の消費の拡大こそ手っ取り早い自給力の強化という点でございまして、単に需給関係が過剰であるということだけでなくて、今後の食生活のあり方と、日本人の基本的な食生活のあり方としての米の位置づけというようなことを考えましても強力に推進すべきものと考えておるわけでございまして、五十一年度から本格的な体制で進めておるわけでございます。まあ役所だけではございませんで、生産者団体あるいは配給団体、消費者団体等を打って一丸といたしまして、中央に推進体制を整備いたしまして、五十一年度からそれを推し進めております。五十二年度は、さらに地方の中小都市等においても一層その推進を図るという体制の整備の関係についても予算その他の裏づけをしておるわけでございますが、今後の問題として最も大事なものは、先生からもかつて御指摘があったと思いますが、学校給食の推進でございます。これについては五十一年度から、従来多年にわたったパン給食のみを完全給食といたすという体制を制度改正をいたしまして、米飯給食をパン給食と並んで取り入れるということで、当面週二回の実施ということで進めておりまして、これに対しては食糧庁といたしましても三五%の値引きということをいたしております。これはわれわれとしては初年度は計画量を一万一千トン程度と見たわけでございますが、実績は一万三千トン程度と、五十二年度は倍以上ということは確かで、そのような予算の配慮もしておるわけでございます。
 少し余計で恐縮でございますが、今日の消費人口一億の中で、戦後パン給食を中心とした学校給食の洗礼を受けた方々が三千六百万人ということでございまして、非常にその点で今後の米の消費との関係で心配されるわけでございますが、やや息の長い話でございますけれども、学校給食による米飯給食の推進ということでこれを進めたいということで考えております。それとの関係で、五十二年度におきましてはさらに米飯の弁当持参に対する体制を、学校給食において受け入れやすい体制を整備する等の予算措置も講じましたし、また、零細企業である学校給食パンのパン屋さんの米飯給食施設への切りかえというものについても助成等を行っておるわけでございまして、これらを中心として一層進めたいということでございます。
 さらに、やはり米につきましても新規の加工食品の開発という問題もおろそかにできませんので、これについては政府米の無償交付というようなことでその辺の施策も進めたいということでございまして、率直に申し上げますと、事柄が事柄でございますので、相当息の長い施策を進めていかなきゃならぬというふうに考えておりますけれども、一段と五十二年度はそれを進めておるということでございまして、予算だけで片づきませんけれども、関係予算も五十一年度十一億八千万に対しまして、五十二年度は二十六億という程度に経費の裏づけも見ていただいておるというような関係で、御指摘のような線で一層進めてまいらなければならぬというふうに考えております。
#72
○相沢武彦君 米の消費拡大の問題については、また後日論議をしたいと思います。
 農用地開発事業についてですけれども、近年開発用地確保がいま非常に困難である、また事業費が著しく増加する、こういうことで、また開発対象地域の地形条件がきわめて劣悪であるというようなことを理由に、農用地開発事業というのは非常にむずかしくなってきていると思うんですが、それだけではなくって、現存する耕地面積が減少しているということは周知の事実であります。現在、国土利用計画法に基づいて府県段階の策定作業が進められているわけなんですけれども、現段階で国土庁へ策定報告のあった十数県は一部を除いて軒並み農地面積を減らしている。各県ごとの細かい数字は省きますけれども、昭和六十年まで農地を十二万ヘクタール増加して五百八十五万ヘクタールにする、こういう計画であったものが、実際には五十一年度で五百五十三万六千ヘクタール、前年比で〇・六%の減少、こういう実情でありますが、こういう様子では目標面積を確保することはとうてい困難ではないかと思われますけれども、この農地確保を今後どうしていくのか、その方針、対策をお聞かせいただきたい。
#73
○政府委員(森整治君) 昨年に決定されました国土利用計画で五百八十五万ヘクタールということで、ただいま各県にそれをおろしまして各県の作業をやっておる過程でございます。ただいま私どもが報告を受けておるところでは十九県出ておりますが、地域的な偏りはございます。しかし、全体の見通しとして国でつくられた農用地の面積の確保には、いまのところ支障を来すことはなかろうという判断をいたしております。これは十九県に関する見解でございます。今後この目標が達成されるようよく県当局とも相談をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
 確かに、御指摘のように、そうは言うもののこれは計画でございまして、農用地を確保していくということは非常にむずかしい問題を含んでおることは、五百八十五万ヘクタールの確保ということは容易ではないということは私どもも認識をいたしておるわけでございますが、農政の基本というのはやっぱり農地をいかに確保しまた造成をしていくか、またその生産力を上げていくかということでございますので、例の国営に関します特別会計制度、あるいは公団の事業の拡充、それから県の合理化法人を活用いたしまして、例の建て売り農場制というのが五十二年度から発足をいたします。そういうことと、もう一つは、壊廃につきましても厳正な許可の運用を図っていくということはもちろんでございますが、一応経済成長が安定をしてまいりまして、壊廃も四十年の前半時代に戻ってまいっておるわけでございますので、これら両々相まちまして、また農振法の適切な運用ということもございます。これらの制度の運用等によりまして、五百八十五万ヘクタールという目標は何とかがんばっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#74
○相沢武彦君 今回の改正案によりますと、国営干拓事業について造成さるべき干拓予定地を対象として農用地の造成と農業用施設の新設、農機具、家畜の導入を一貫して総合的、計画的に実施できるという、そういう公団方式をとろうということを制度化しようとしているわけですが、将来農作地を増大する目標のうち、今後干拓地における公団事業でふやす分はそのうちどれぐらい見込んでいらっしゃるんですか。
#75
○政府委員(森整治君) 先生御承知のように、土地改良の長期計画がございます。その中で織り込まれております干拓地の造成面積は約一万四千ヘクタールということに相なっておるわけでございます。
#76
○相沢武彦君 きょう公団の大和田理事長もいらっしゃっておりますんでお尋ねをしておきたいと思いますが、農用地開発公団による広域農業開発事業として現在全国で十四地域実施しているようですが、その中で最大の規模は北海道の根室地区でございます。農用地造成面積は一万四千六百ヘクタール、総事業費六百五十億という大事業なんですが、四十八年度着工以来現在までの進捗状況について御説明いただきたいと思います。
#77
○参考人(大和田啓氣君) 私どもの公団が根室の事業を引き継ぎましたのが四十九年の後半でございますが、五十一年度の根室の事業費が九十五億でございます。それから五十二年度、ただいま予算案で御審議を煩わしておりますものの中の根室の事業費が百十三億でございます。それで、全体の事業費はこれは物価その他の上昇もございまして、当初六百五十億と想定いたしましたが、現在のところは大体八百二十二億というふうに考えておりますけれども、大体九十五億、百十三億というスピードでございますから、予定どおり七年というわけにはあるいはいかないかもわかりませんけれども、それに一年程度をプラスして事業は完成いたすだろうと思います。すでに一万四千六百ヘクタールの草地造成の予定面積のうち四千ヘクタールを超える草地が造成されておりますし、入植農家もすでに二十八戸、入植及び移転農家が含めて定着いたしておりまして、その人たちはいずれも五十ヘクタールの草地を一団地にして、それに最新式の畜舎あるいは機械を駆使してすでに相当な成績を上げておるわけでございますし、また、私どもの根室の事業は、ただ入植をやるということだけではございませんで、三万五千ヘクタール程度の近傍の草地について交換分合を進めて、それによって大体一団地五十ヘクタール程度の農家を二、三百戸はつくるという考えでございますので、その交換分合につきましても、五十一年度の事業で大体千三、四百ヘクタールについて交換分合の計画を公告いたしまして、この年度が変わりますとそのうちの半分近い草地について所有権が移るというところまでいっておるわけでございます。大体おかげさまで根室の大事業ははなはだ順調に進んでおるということを御報告いたしたいと思います。
#78
○相沢武彦君 途中あの水がれ現象等あって、多頭飼育しておりますし、水不足を生じて不安がられたようでありますけれども、水道事業の方は進んで来年度からは一次給水もできるという見通しで、特にこれまで開発事業として取り残されてきた中標津町の関係者の人たちは大変この進捗状況、進んでいるということで喜んでいらっしゃるようであります。一方、問題も全然ないわけでなくて、入植できなかった近隣の、特に交換分合に応じられた方だと思うんですが、既存農家の人たちの中には、新酪農村の方は営農施設も完備しているし、大型機械も補助でどんどん導入できて恵まれていると。生産上がってきたと。ところが、われわれの方は構造改善事業の指定地域からも外されておるので、なかなか助成に基づく機械購入もできないで営農の改善がなかなかはかばかしくいかないのだと、こういう不満も抱えているようでありますけれども、大型機械の共同購入について運用できる資金制度についてはどうなっているのか。これは構造改善局長ですか。
#79
○政府委員(森整治君) いま先生が御指摘になりましたような事案ということについては、私どもまだつまびらかに実は承知をしておりません。しかしながら、予算の関係等もこれありまして、一応機械のセット数等も限定をされておる。その中でいろいろ事業が取り進められたということから考えますと、そういう地元の声があるということも一応わからないわけではございません。そういうことでございますれば、私どもといたしましては、いろいろ共同購入というようなこともございますし、いろんな方法もあると思いますので、むしろ今後道ともよく相談をいたしまして、それよりもまず地元の実態というのをわれわれつまびらかにまず調査をいたしまして、その上で何らかの方策というものがないかどうかということを、関係機関ともよく協議いたしまして検討をしてまいりたいというふうに思います。
#80
○相沢武彦君 ただいまの意見は別海町の方に多いようなので、ぜひ早急に調査をお願いしたいと思うんです。その上で、道の農政部を通じまして、現地の町や農協の人たちとの営農相談に乗るように取り計らっていただきたいと思います。
 それから、これ、別海町の国営草地造成事業についてもお尋ねしておきたいと思うんですが、西別川の支流の流域に約一千町歩ばかりある湿地帯を草地に造成するために六年前から事業に取りかかっておりますが、河川の汚濁による魚の影響ということで、現地の漁業組合に反対され事業が中断している。現地の酪農家は一戸当たり二、三町歩の湿地帯を抱えておりまして、一日も早く草地造成事業を復活させていただきたい、こう願っておるわけですが、結局河川の水質汚濁防止のための施設を、農家個人あるいは組合としてもなかなか多額なそういう出資はできない、こういうことでありますので、草地造成事業費の中に汚濁防止の施設費を組み入れて、漁業組合との了解を取りつけるなどのそういう対策を講ずることができないのかどうか、この点いかがですか。
#81
○政府委員(森整治君) 御指摘の事業、恐らく国営の農地開発としての西別地区であろうと思いますが、これは千八百六十一ヘクタールの農地造成ということで計画が始まっております。四十六年に着工いたしましたが、四十九年御指摘の問題がありまして、汚濁問題が発生をいたしまして工事を中止したという、取りやめたというところでございます。その後、汚濁の原因と対策をいろいろ調査検討いたしまして、汚濁の原因というのは泥炭地内に含まれる酸化鉄が流出する、そのためであるということが判明をいたしました。そこで、その対策といたしましてはその酸化鉄の沈でん池をつくるということが一つ、それから西別川と言うのですか、そこへ直接排水をしない、そのためにショートカットする放水路をつくるということ等によりまして、一応関係漁協の了解が得られましたので、来年度から農地造成工事を再開いたしまして事業の進捗を図りたいという段階に至っております。
#82
○相沢武彦君 そうすると、来年度、五十三年度から始めて、何年度までで完了する予定ですか。
#83
○政府委員(森整治君) 来年度から始めまして、これは事業期間が着工から完了までのいままでの予定五十六年度ということになっておりますけれども、これはちょっとおくれておりますから、その点もう少し、事業の進捗につきましては今後の予算配分とも関連いたしますが、そういう事情も考えまして、なるべく早く完了するように心がけてみたいというふうに思います。
#84
○相沢武彦君 この法案では、特に畜産の拠点的建設に必要な農用地等の開発、農業用施設の整備等の業務を総合的計画的に行うことによって農畜産物安定供給等農業経営の合理化に資することを目的とするということでありますが、しかし現状の畜産農家の実態は借入金の増大、それから食肉価格の低迷、また配合飼料を初めとする生産諸資材の価格高騰、こういうさまざまな問題を抱えてまさにその経営はもう危機にさらされているわけです。このままでは農家の生産意欲をますます阻害してしまいますし、将来に向けてのいろんな施策が必要なことでありますけれども、現状のこうした実態にかんがみて、危機にさらされている、現在経営困難に陥っている畜産農家を救うことがそれより先の急務の仕事じゃないか、こう思うわけでありますが、こうした意味で、いま畜産物価格決定を前にして連日のように各地から関係者の皆さん方が陳情、要望に来られておりますので、この質問をかりまして生産者の皆さん方の声をお伝えしておきたいと思うんですが、まず加工原料乳保証価格でございますが、現行の八十六円四十一銭では農家は生産費も償えないし、一キログラム当たり百六円十一銭にしてもらいたい、こういう強い要望でございますが、この点についてはどのように検討されておるのか、ぜひ前向きの保証価格の線を示していただきたいと思います。
#85
○説明員(石田徳君) 畜産をめぐる情勢につきましては、われわれとしては飼料価格等も一時の畜産危機時代に比べますとこれも安定している。それから価格も卸売価格の最近の動きを見ますと、大体安定帯価格の中心価格と上位価格との中間ぐらいのところに安定しているということでございますし、また牛乳等につきましても生産も順調に伸びているということを見ますと、確かに数年前の危機のときにはこれは大変でございましたけれども、いまはかなり情勢は落ちついているというふうには見ております。今月末までに来年度の畜産物価格を決めなければならないわけでございますが、その中でまず加工原料乳の保証価格でございますが、これは御承知のように、俗に言っております不足払い法に基づきまして、全国ではなくて主要生産地、具体的には北海道と岩手県になるわけでございますが、そういう加工原料乳の主要生産地における生乳の再生産を確保すると、こう法律に明記されておるわけでございますが、再生産を確保することを旨といたしまして生産の条件、需給事情等十分精査いたしまして、また畜産振興審議会、これは酪農につきましては二十九日、食肉につきましては二十八日に開会が予定されておりますが、この審議会の部会に諮りまして、その御意見をちょうだいした上で適正に決定していきたいというふうに考えております。
#86
○相沢武彦君 農林省の方は価格をできるだけ上げないという基本線があって、そのために上げなくてもいい理由を何とか述べなきゃならないからそういう理屈を述べるんだと思うんですけれども、実際に現地へ行って泊まり込んで、実際労働されている人たちの苦労というものを身で味わった経験がございますか。北海道の弟子屈では昭和二十三年には町で九百三十二戸の酪農家があったんですけれども、いまは半分以下の三百九十一戸。この原因は営農が苦しいから、生活できないから嫁の来手がない。また、したがって後継者もできない。牛を売っ払って町を出なきゃならない。こういうことでだんだん減ってしまうと言うんですね。また二十二日の畜産全国大会の会場でも、弟子屈の農協長さんが訴えられておりましたけれども、いろいろお嫁さんが来るようにということをPRして、せっかく嫁さんに来た短大出のお嫁さんが、こんなばからしい仕事じゃやっていけないということで帰られちゃった。短大卒業して年間百六十六万円の給料をもらっているのに、家族四人で百頭を飼育して経営しても年間二百九十九万円程度だと、一人七十四万円しかならない、こういうことで郷里へ戻ってしまった。ぜひこのお嫁さんが戻ってこれるような乳価を実現してほしい、こういう切実な叫びをしておりましたけれども、基準取引価格の引き上げはこうした農家の切ない願いなんです、最低の願いなんですよ。こういう点をどこまで認識されているのか、組み入れられているのか。その上で審議会の意向を聞いて、それで決めようとされているのか、その辺もう一遍お答えいただきたい。
#87
○説明員(石田徳君) 個々の農家につきましては、確かに先生のお挙げになったような例もあろうかと思います。個々の農家はそうでございますが、われわれといたしましては、確かに最近はそういう酪農家の数も減っております。まあ一時ほど急激ではございませんが、減り続けておることは確かでございます。次第に上層に変移してきていると申しますか、大型化してきていることも確かでございますが、少数飼養の酪農家、その他養豚、肉牛農家が減っていくということはこれは心しなければならないことでございますので、来年度につきましては、そういう中規模クラスの農家に生産振興策を講じるということで、酪農振興団地あるいは養豚団地、肉牛の生産団地等の生産振興のための予算を組みまして、今後はだんだん減ってきておりました畜産農家に歯どめをかけると同時に、さらに経営の規模の拡大を図っていきたいと考えているわけでございます。そういうことを一方に頭に置きながら、先ほど挙げられました価格につきましても、保証乳価格は適正に計算いたしまして、価格とそれから生産振興施策と相まって農家対策を講じていきたいと考えているところでございます。
#88
○国務大臣(鈴木善幸君) 相沢先生が御指摘になりますように、個々の農家によりましては非常に経営が苦しくなっておる方もあるようでございます。しかし、一般的にはいま石田審議官が申し上げたように、飼料の安定その他の市場圏の整備等によりまして、一時石油ショック後における飼料の高騰等によって経営が危機に瀕して脱落した畜産業者もありますけれども、これが上向きになってきておるわけでございます。しかし、経営に困難を訴えております諸君に対しましては、多くの負債を抱えておる、償還期も迫っておる、こういう事情もあるわけでございますから、そういう農家に対する負債対策、これは前向きで私取り組んでまいる考えでございます。
 なおまた、原料乳につきまして限度数量をオーバーしておるのが約十四万トンから十五万トンある、こう言われております。これは昨年の夏時分の気候の低温というようなことで、私どもが予想しておりましたように飲料乳が伸びなかった、大部分が加工原料乳に回ったと、こういう事情もあるようでございます。私どもは、限度数量というものはこれは守っていただかなければならないわけでございますが、しかし、現実にそういう事態が起きておるわけでございますから、この限度数量を超えました十四、五万トン、この分につきましての不足払いの措置につきましては、ただいま大蔵省あるいは畜産振興事業団等と話し合いを進めておりまして、何とかこれらのオーバーした分についての措置につきましても前向きで対処いたしたい、このように考えております。
#89
○相沢武彦君 限度数量オーバー分について前向きの対処という言葉だけで終わらないように、農家の皆さん方がよかったという実際の証拠の出るようなひとつ対処をお願いしますよ。
  〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕
 それから、審議官も大臣も、個々の農家においては経営困難だとおっしゃるけれども、それは認識全然違いますよ。加工原料乳の保証価格が、政府のような、農林省の試算で大して上がらなくてもやっていける個々の農家は何軒かはあるということなんですよ。ところが大半の酪農家はもうやっていけないというのが現状なんですよ。全然現状認識がなってませんよ。御訂正いただきたいと思います。
 それから、算定方式をこの際ぜひ変えてあげてくださいよ。昔と違って、いまは酪農家の人たちはもう農業生産技術者ですよ。品質だって悪ければ買い上げられないわけですから、品質を管理するためにどれだけ頭を使い、企画を立て、あるいはきめ細かい心を配って管理をしなければならないか、その労働力あるいは知識力というものは大変なこれは作業ですよ、労力ですよ。それを算定に入れないというのは酷ですよ、その分見るだけで二円七十銭上がるというわけですから。また、実際の労働時間にしても、いま日本のあらゆる産業労働者の中で一番労働時間長いでしょう。朝もうタンクローリーは六時から七時には来るわけですから、それに入れるための準備をするためには四時から起きなければならぬ。あるいは翌日の準備をするために九時半までは作業をしなければならぬ。それからまた今度二時間かかって記帳もしなければならぬ、大変なことだと思うのですね。それで乳をしぼるだけの肥育労働費、これと、いわゆる自給飼料をつくるための労働費というものに格差をつけているということも、これも解せない。ただ黙って労働だけすれば冬の間の草は確保できるかというと、そうじゃない。天候や気温や、その他忙しい仕事の合間を縫いながら粗飼料を確保しなければならぬという作業をやっているわけですから、ですからこの分については、せめて肥育労働費と同等の算定をするようにこれはしてあげていただきたいと思うのですよ。
 それで、私も現地でいろいろと農村の方のお嫁さん対策を頼まれまして、ぜひ紹介して、嫁さん見つけてくれと頼まれますけれども、私は正直言って、いままで農家の方に御紹介できてまとめることができた仲人役は、農村では一件だけです。しかも、これは岩見沢の近くの北村という農村地帯、わりあい収穫もいい。水田農家のところにはお嫁さんの世話を私できたけれども、酪農家へは頼まれてもなかなかそうは来てくれない。農林大臣、あなたの地元は水産のところが多いわけですけれども、漁業従事者に対してのお嫁さんの世話をされたと思うのですけれども、酪農家へお嫁さんを世話された経験ございますか。ひとつ大蔵大臣にもお聞きになって、大蔵大臣、農林大臣が胸を張って酪農家へお嫁さんが世話できる、それほど酪農家の経営は安定してきた、安定が保障される乳価の保証、これをぜひ実現さしてくださいよ。大臣にはそれをお答えいただきたい。
 それから最後に審議官から、生乳価格支持制度についてですけれども、これを、生産者補給金制度発足十年余の経過を踏んまえて、改めて長期的視点に立った酪農政策の方向を明らかにして、飲料、原料乳を含めた新価格制度の確立を図る、そういう方向をとるかどうか、この二点についてお答えいただいて、私の質問を終わります。
#90
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は岩手県の出身でございまして、岩手県は農業県であり、林業県であり、酪農県であり、水産県でございます。したがいまして、私も昭和二十二年から三十年間政治に携わっておりまして、農村の諸君とも、山村の諸君とも、畜産業者の諸君とも接触をいたしております。したがいまして、そういう岩手県が置かれておる農業の現状、またそれの悩み、今後の農政の方向、これを常に頭に置きながらやっておりますれば、大体全国の農林漁業政策ということにつきましてはそう誤りがないと、こういう気持ちで取り組んでおるわけでございます。お嫁さんの世話も、したがいまして農業者にも畜産業者にも酪農家にも、私はたくさんお世話をいたしておるわけでございます。
#91
○説明員(石田徳君) 飲用乳についても加工原料乳と同じように不足払いの措置を講ずるように、こういう御要望だと思いますが、御承知のように、昭和四十一年にこの制度ができましたときにさかのぼって考えてみますと、加工原料乳と飲用乳との間に大変格差がある、これを埋めようということでいわゆる不足払いという法ができて今日まで来ているわけでございます。現行の法に基づきますと、これは加工乳の主原料地帯の再生産を確保するように、こういうことで加工乳についてだけ規定されておるわけでございまして、この法律の上から直ちに飲用乳に広げていくということは大変困難だと考えておりますし、また飲用乳の性格からいたしまして、この飲用の量等はこれは地域により、また国民の各階層によりまして必ずしも均一でないということもございますし、また国民食糧の中で占めますウエートもまだそれほど高くない。これは栄養食であることは確かでございますけれども、そういう点を考えますと、いま直ちに飲用乳も含めて不足払いの対象にするということは困難ではなかろうかと考えております。
#92
○小笠原貞子君 八郎潟事業団の問題についてお伺いいたします。
 金額にして八百五十二億。ちょっと外から見ただけでも、あの膨大な土地がよくここまで干拓されたというふうに、まさに世紀の事業と言われてもそれなりの大きな事業だったと思うのです。その事業が先ほどからお伺いし、また一昨日もいろいろお伺いしてみますと、大変めでたく事業が終わって解散にいけそうだというように受け取られるわけです。労働時間も短縮されている、そして生産量も米の場合は平均以上だ、小麦も大変よろしい、野菜もいいと。いいことずくめで、ちっとも悪いことがなくて、それはめでたし、めでたしというような御説明を一昨日も伺い、きょうもいろいろ御答弁でいただいたわけです。そんなにうまくいったんだったら、私も本当にこの大事業が完成してよかったなと、一緒に乾杯でもしようという気になるわけなんですけれども、ごらんのように傍聴の方も来ていらっしゃる。そして私のところにもたくさんの陳情が来ております。また、私は最近行って調べるということもできませんでしたので、すぐに問い合わせいたしましたら、けさまたお手紙もいただいた。こういうふうなことから考えますと、せっかくこの大事業をなさったのならば、本当に画竜点睛を欠くということのないようにしっかりしたものとして、心から喜べるようなそういう事業としてめでたく事業団も解散していただきたいと、こう思うわけなんです。
 で、陳情に来ている内容というのは、いま写真を差し上げてごらんいただきましたけれども、「八郎潟新農村建設事業団による所要の基準に基づいて客土を実施して頂いたところであるが、尚極端な微細砂であるため代掻後急速に耕土が締って代掻前よりも固くなり」、そしてまた、そこの写真にございますように、大変水で浮いてしまって苗が機械植えにはできないというような状態なんです。で、それは五十一年、昨年の写真でございます。区域は、B1、C1、D1、H1、E1、F1、F2の区域ということです。これは当初事業団が集落予定地として砂を運んだ区域だということです。それからまた、いま申し上げましたようなこの部分は、A−11、B−9、B−22、B−24というような区域なわけなんです。こういうところで大変困る。先ほどおっしゃったように、確かに平均すると収量も上がり大変いいということになっているけれども、そこにいい土地と、初め予定されていた集落地帯に土を入れたというようなところで非常な差ができているという結果、そういうことになってくるのだろうと思うわけなんです。で、そういたしますと、やっぱりここが本当に生産の上がるようないい土地として、そしてみんなに喜ばれるようなそういう事業として完成させていただきたいと、こう思うわけなんですけれども。
 具体的に――これは決していま始まったことではなくて、きょうもお手紙をいただきましたところでは、「四十三年の初作の年から、土地や施設の補改修が繰り返されて来ました。その数は莫大な件数にのぼります」というふうに書かれているわけで、これはけさいただいたから、おたくの方に質問をするから調べてくれというふうに申し上げる時間ございませんでしたけれども、ざっといままでに何件ぐらいこういう土地の問題、施設の問題でいろいろと問題が起こって、そしてこれは大変だと、当然しなければならない、改修されたというような問題、何件ぐらい、どういう問題であったか。正確なのは後で資料でいただいて結構ですが、おわかりになっているところでお答えをいただきたいと思います。
#93
○政府委員(森整治君) 竣工に当たりまして、事業団では施設や圃場の補修、改修につきましては、土地改良区を通じまして再三要望を伺い、必要なものについては逐次改善を行ってきております。これらの補修、改修につきましては、四十九年度から五十年度にわたりまして約六億五千万円を投じております。線工事――いわゆる幹線用水路、農道、小用水路、そういうようなものと、面工事――いろいろ暗渠ですとか客土ですとか、そういうような種類のものがございますけれども、四十九年で全体で八千四百万円、五十年度で金額といたしまして二億八千二百万円、五十一年度で二億九千二百万円、この三カ年で六億五千八百万円という金を投じて改修を行っておるわけでございます。
 これらの問題は、結局御指摘のようないろいろ膨大な面積にわたる干陸を行いまして、そこでいろいろの地盤的な関係、いまも御指摘のありましたように、当初集落予定地でそこへ砂を運んだというようなこともございます。そういうような地形的な基本的なそういう問題がございます。そこで、いろいろ要望を聞きながら改修をやってまいったわけでございますが、基本的には土地改良区と農家の代表の方、そういう方が立ち会ってもらいまして、現地を調査する。そこでいろいろ相談をいたしまして、農家の営農の範囲でできるもの、そこのところがいろいろ問題かと思いますけれども、そういうものを除いて、補修、改修が必要だという判断をいたしましたものを逐次工事を実施してきておるわけでございまして、いま写真も見ましたが、こういう問題があるということは一応承知はいたしておりますけれども、事業団当局としてはいままでのいろいろな過程から考えて、一応必要な手当ては終わったという判断をいたしておる次第でございます。
#94
○小笠原貞子君 事業団当局としては一応済んだと判断されたと、しかし現実には事業団が畑を毎日見てやっているわけじゃなくて、実際困っているのは農民ですよね。そして、農民がこういう問題がまだ残って困っているというのに、一体事業団の判断というのは何を基準にしてなさるんですか。これだけの規模、これだけのお金を使ってやったからこれでいいんだ、そんな大ざっぱなことじゃないと思うんです。余り時間もかけられませんけれども、やっぱりその判断というのは現実に農民の意見も聞き、現実をごらんになってこういうところがまだ残っているということになれば、その残ったままで引き継いで事業団解散ということは大変困る、大変心配だというので、たくさんの方々がお出になって来ているわけなんです。その点をひとつ一体何を基礎にして判断されたのか、こういう問題があってもこれは無視して、判断したからもうこれは一切関係ないと、そういうふうにおっしゃるのかどうかというのを一点伺いたいと思います。
 それから配分された農地の一部には、先ほど言いましたように砂地圃場に暗渠は必要ないということで暗渠が施工されていない。雨が降ったときには滞水して水が浸透せず、畑作物などの根腐れ現象がひどくて収穫規模が危ぶまれる地域があるということや、またそういうことで暗渠そのものが削溝に詰まってしまって、そして全然役に立たなくなって作物をつくるのに困るというような問題があると、これらの地域については暗渠の施工をしてもらいたい。それから六センチの客土を施工してほしいという要求が出されているわけなんです。いまおっしゃったように、事業団としてもこういう問題があるということは御承知だとおっしゃったとおりなんです。御承知のわけだから、事業団も客土の必要性を認めて、どれくらいの客土が必要かということを五十一年十一月に実験して、苗がつくかどうか調査しているというお話を伺ったのですけれども、その調査結果は当然もう出ていると思うのですけれども、それは一体どういう結果でございましたでしょうか。
#95
○政府委員(森整治君) 一応の御指摘の問題は、元来砂地盤でありました集落予定地の近辺の約百八十ヘクタールかと思いますが、これについて申し上げますと、この砂地盤につきましては、四十九年に追加配分の際に配分をしたところでございますが、この配分に先立ちまして一応現地調査を行いまして一定の米の収穫目標を考えまして、耕土深十五センチにつき粘土含有量二〇%ということで客土施工を施しまして、圃場の造成を行った。これはサンドポンプを使いまして行ったわけでございますが、その後五十一年におきまして、恐らくこの写真の時期だと思いますが、これらの圃場において先生御指摘の代かき後のいつき現象、こう申しておるわけですが、代かき後土が締まるという現象が見られた。そこで事業団としましては、試験区を設けてそれについて検討したわけでございます。その調査結果によりますれば、粘土の含有量に不足はない、ただこのように一部にいつき現象というのが見られることによりまして、田植え期の作業上の難点があるということもある。そこで事業団は、土地改良区それから入植者の代表を通じて話し合いを行った。で、最終的には全体で三万立米の追加客土、これはトラックで運び込んだわけでございますが、これをさらに追加客土を行いまして、そこで第一工区、実は第一工区にもそういう砂地盤がございまして、そこでそういうところも参考にしながら、すでに部分竣工いたしておりまして、それらもその部分竣工地区との対象を考えながら、一応これで入植者に引き渡して、あとは営農努力にゆだねる段階だという判断をいたしたわけでございます。
 まあ第一工区の例というのは最初のあれでございますけれども、すでにいろいろ営農が行われておりまして、これはまあ営農の努力が非常に大きかったということは考えられますけれども、そこで徐々に土壌が熟化し、生産力も増加安定をしてきているというふうなわけで、これだけの大きな面積でいろいろ多数の方に配分をする、しかもこれは追加配分ということで、例の御承知だと思いますが十ヘクタールを十五ヘクタールにする際の問題でございます。そこでその土地が悪いところといいますか、いまのような地域に当たるところにはなるたけヘドロ地区のところを充てる、そういうようにできるだけ、細かくは最後まではできませんけれども、まとまった団地を必要としますからそういう関係がございますけれども、できるだけ公平に配分が行き渡るように、そういうことも考えましていろいろ措置をしたわけでございます。
 その裏側には、どこまでが圃場整備として適当かということになりますと、確かにいろいろ御要望はございましょうけれども、やはり干拓地というのは今後入植される方の営農努力というものも前提として、国なり公団が考えていくというのが一応いままでのたてまえでございます。そういうことで、制度といたしましても干拓地の負担金等につきましては一応据え置き期間ということも考えておるわけでございます。個別的に五百八十戸全部に公平にということは、そういう意味からどうしてもこれだけの広大な面積につきまして、そういうまとまった団地を公平にすべて均等に分けるということは至難のわざに属すると思うわけでございますが、別に努力を惜しむわけではございませんけれども、一応そういうことで今後の営農努力に期待をするということで工事を終わったということでございます。
 しかし、せっかくの御質問でございますので、いまから工事を事業団でやるという考えは持っておりませんけれども、今後農家自身でいろいろ努力をされた、そこでなお改善できないという面がもし出てまいりますれば、これは村を通じてなり、いろいろ県当局とも御相談をしていただきたいというふうに思っております。その場合に秋田県でも、もし必要があればそれに対して対応をいたしますというふうに言っておるわけでございまして、そういう場合にはいろいろ第一工区でもすでに団体営の圃場整備、暗渠の工事が行われておるようでございますし、結局は農林省が補助金を出して県を通じて指導改善を図っていくということになるわけでございます。もし万が一そういう事態が起こりますれば、そういう手立てでわれわれは対応してはいかがなものであろうかというふうに考えておる次第でございます。
#96
○小笠原貞子君 おっしゃるとおり大事業でございますし、そちらでお伺いしたときもおっしゃったけれども、フラスコかき回すようにうまいぐあいにかき回して土地がちゃんとできるわけにいかないと、そのとおりだと思うんです。だから、私もここで一つ一つ意地悪くいびり出して皆さんを責めるという気持ちはありません。しかし、実際に農民の方々の御苦労を思えば、やはりそれなりの誠意を見せていただきたいと。最後におっしゃっていただいたので、私はそのことを現地の農民の皆さんにお知らせしたいと思う。事業団としては解散するけれども、その後問題が起きたときには、それはそれなりにやはり責任を持ってめんどうを見ていくようにというような姿勢をおとりいただいたこと、私大変よかったと思うわけなんで、それを現地に伝えたいと思います。
 確かに農民ももらったからこれでよかったんだと、おれたちはこれでもういいところもらっちゃったんだというんじゃなくて、本当に一人一人の農民の苦労というのは大変なものなんです。私、やっぱり一番言いたいのは、農民の方々を信頼して一緒にいい農政をつくり出していかなきゃならない、農業を発展させなきゃいけないと思うんです。それが余りにもいままでの農政全般を見ていますと、農民を信頼しなさ過ぎるというところに私は大変不満があるわけなんです。営農努力も実によくやっていらっしゃるわけです。きょういただいたお手紙の中にも営農努力という一つ言葉が出ているんですけれども、営農努力というむちは、農民に第二、第三の自殺事件を引き起こさせる危険をはらんでいますというふうに来ているわけです。確かに営農努力が足りないのだと、後、畜産問題で言いますけれども、そういうふうにむち打たれることがもう個人で農民としてやりきれないというところからいままでいろんな悲劇が出てきたということを十分御賢察の上、いまおっしゃったような前向きの御答弁をいただきましたので、これで農民の皆さんにもお話をしていきたいと思います。こういうような大きな干拓地がつくられて、そして日本の食糧自給というのに大きな役割りを果たす。特に今度は干拓地にも濃密な畜産事業団というような形で事業を進めるというような問題から、私はそういうことをお考えになっても、果たして土地ができても農民が意欲をもって畜産に励むことができるだろうかという観点から、酪農問題にちょっと入らせていただきたいと思うわけです。
 先ほど加工原料乳の限度数量枠というものについて、まあ心配ないと、めんどう見るというふうにおっしゃっていただきました。これは大丈夫ですね、もう十五万トン、北海道では九万トン。一番心配したのです。きょうもたくさん来ているのです。私の部屋に、毎日五組くらいなんですよ、町長さんと農民。私も一日応対で、やっときのう質問準備したくらいなんです。心配ないと、大臣一言はっきり言っていただきたいと思います。
#97
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は声が小さいものでございますから……
#98
○小笠原貞子君 いやいや、小さくても中身がよければいいのです。
#99
○国務大臣(鈴木善幸君) 全国に徹底しないと思うのですけれども、衆参両院の予算委員会の場におきましても、また衆参両院の農林水産委員会の場におきましても、この問題につきましては前向きで処理をいたしますと、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#100
○小笠原貞子君 意味深長なんですよね、前向きでというのは。本当に農民の方たちは対象にならないということで心配していらっしゃるわけですけれども、そういう心配はないと、前向きというのはいま九万トン北海道、全国で十四、五万トンというものを本年度は補給金の対象にするということが前向きの姿勢の中身だというふうに再度確認したいと思います。
  〔理事鈴木省吾君退席、委員長着席〕
#101
○国務大臣(鈴木善幸君) 小笠原先生が考えておられるとおり御理解願って結構でございます。
#102
○小笠原貞子君 どうもありがとうございました。
 それでこの問題は今年度大臣がそうおっしゃったから安心だろうと思うんですけれども、これは今年度だけの大変だからというので騒ぐ問題ではなくて、やはりこれからずっと引き続く問題になってくるだろうと。
 そういう立場から少し中身に入ってお伺いしたいと思うわけですけれども、限度枠があると、それよりも余った、過剰というふうな表現が使われるわけですけれども、御承知のように第三次酪農近代化計画がスタートいたしまして、自給率の九四%を目指すという方向が出されたわけなんですね。つまり一〇〇%いっていないのです。第三次酪近でも九四%を目指すというところのわけだから、いわゆるお米なんかで言われる余ったという過剰と全然違うという立場に私は立つべきではないかというふうに考えるのですけれども、いかがですか。
#103
○国務大臣(鈴木善幸君) 生乳の生産目標についてでございますが、これは飲料乳と加工原料乳全体を含めて私ども考えておるわけでございます。五十一年度は気候その他の関係もございまして、飲料乳が私どもが当初考えておったとおり伸びなかった。前年度横ばい、こういう状況でございました。しかし、全体としての生乳の生産は順調に伸びてきておるというようなことで、加工原料乳が限度数量を十四、五万トンオーバーするに至ったと、そのことを言っておるわけでございまして、今後この限度数量の問題につきましても諸般の事情を十分勘案をして適正に来年度は決めてまいりたい、このように考えております。
#104
○小笠原貞子君 第三次酪近なんですけれども、北海道の場合には生乳生産量年率七二三%伸ばすということになっているわけなんです。それで計算いたしますと、四十九年度が百三十九万九千トンだから七・三%増しにしますと五十年度は百五十万一千トン、五十一年度はさらに七・三%増すと百六十一万一千トン、百六十一万一千トンが酪近の計画による目標数なんです。限度数量をオーバーした、需給が緩和したと言っても、生産見込みは百五十二万八千トンなんですね。そうすると、いま言ったような酪近の目標百六十一万一千トンに比べてまだ百五十二万八千トン、マイナス八万三千トンですか、これだけ酪近の計画よりも下回っているわけなんですよ。そうしますと、酪近のあの目標というのは一体何を示しているのか、特に北海道の農民もそうだし、岩手にしてもどこでもそうだろうと思います。これも畜産物生産、自給自足しなきゃならない。特に、二百海里の問題からたん白資源必要だということで、これに向かって前進してきたわけですわね。そして七・三%のところを七・一%くらいまでにつけてきたら、そしたらいや過剰だなんだと心配させられると、これは一体どういうことなのかと。だから端的にお伺いいたしますけれども、第三次酪農近代化計画に対して、大臣は本当にこの計画どおりに進めると、やる気があるのか、やってほしいと農民におっしゃるのか、そのところを簡単に酪近に対しての大臣のお考えをお伺いしたいと思います。大臣に聞きたいですね。
#105
○説明員(石田徳君) 六十年を見通しております数字につきましては、ただいま先生が挙げられたとおりでございますし、それを年率に直してみますと、またこれも挙げられたとおりの率が出るわけございますが、これは毎年毎年きちんと七・三で伸びると、こういうわけでもございません。それからもう一つは需要の伸びを見ているわけでございますが、需要がわれわれが当初見込んだとおりに伸びないと、その間に現実にはどうしても消費されないものが出てくると、こういうことでございまして、単年度で見れば、これは必ずしもそういうふうにはいかない。ちょっとくどくなるようでございますが、五十年度の場合を見ますと、夏が大変暑くて飲用が非常に伸びたけれども、牛が乳を出さなかった。五十一年度は全くその逆になったというようなことがございますので、年度年度ではこれはきちんとは出ないわけでございますが、六十年度を見通した場合には、これはこの目標どおりにやっていただきたいと考えておるわけでございます。
#106
○小笠原貞子君 単年度の需給とは違うという、そこのところが問題なんですよね。だから余るくらいだったら問題ないですよ。足りないんでしょう。目標立ててここまでふやさなければならない、せめて九四%までふやしなさいと、そのためには少なくとも年度七・二二%といえば、最低その年度はこれで押さえていかなかったら、それじゃそれよりも単年度が低かったら次の年にそれを加えてぱっと倍にふえるというそういう状況ですか、いまの酪農。そういう状況では見られないと思うのね。そうすると、単年度だから、だからことし七・一%少し多過ぎるなんという考え方だったら、第三次酪近なんというのは全然計画達成できません。第二次酪近の場合もいまおっしゃったような考え方もあったと思いますが、四十九年の達成時の時点で七五・六%にとどまっているわけですよ。たしかいま頭に記憶ありますけれども、第二次酪近で目標以上に達成したというのは、農家戸数が減少するというのはものすごく達成しているんですよ。この事実から見ても、やっぱり第三次酪近で九四%まで目標を近づけようという、この努力が必要なんだというふうに考えられるかどらかというのを大臣に聞きたいわけですよ、そこのところを。
#107
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十一年度の限度数量の設定、その他全般的な関係につきまして、当初私どもが考えておりました予想と違ってきておったと、このことは私どもも反省もいたし、また今後明年度の限度数量の設定等につきましては十分そういう点も勘案していきたい。しかし全体としての酪近の達成につきましては、農林省としてもあらゆる角度から努力をいたしますし、生産農民の皆さんにも一層御協力をいただきたい、このように考えております。
#108
○小笠原貞子君 そういうふうにぜひ達成に向かって農民の皆さんはがんばってくださいと、そのためには限度枠を超えたなんということで心配させませんと、乳価も上げますというふうにこなきゃうそなんですよ。そうなってもらいたいと思うんです。乳価は後でやりますけれども、いまおっしゃったように、需給が緩和していると言われていますけれども、やっぱり生乳だけではなくて、乳製品も自給率を高めていかなければならないというのは当然のことだろうと思うんです。
 そこで、一体五十一年度の乳製品の輸入はどうなっているのかと、輸入との関係がいま非常に大きな問題になっているからお伺いしたいわけなんです。私の方でも、中央酪農会議の調査で資料を出していただいたわけなんですけれども、五十年に比べて五十一年は生乳換算で四八・八%、数量にすると二百五万八千八百六十二トンと、そういうふうな数字になっていますね。その前の年には百三十八万トンというふうになっております。二百五万九千トン生乳換算で輸入されているということは、加工原料乳の限度数量百三十八万トンよりも全然多いと、大変な多い数になってくるわけですね。この点は一体どういうふうにお考えになるのかということなんです。大蔵省の「貿易月報」に基づいて生乳換算で一体どれくらいの輸入になっているのか、お伺いしたいと思う。
#109
○説明員(石田徳君) 幾らになっているかというのは、なかなか計算がむずかしいわけでございます。中には自由化されているものもございますのでとらえがたいわけでございますが、われわれがキャッチいたしておりますものでは、大体百八十万トンぐらいじゃないかと考えております。
 それから先ほどのお言葉の中に百三十八万トンに比べてこの数字の方が大きいじゃないか、こういうことでございますが、換算して百八十万トンぐらいだと思いますが、その中を見ますと、実はわが国で全然生産の行われていないもの、あるいはナチュラルチーズのごときはこれは需要は伸びておりますけれどもなかなか生産が追っつかない、こういうものはこれは入れざるを得ない。それから学校給食用の脱粉などはこれはパンの中に入れて、学童の、生徒の体位を向上すると、できるだけ安い方がいいということで入れております。それから畜産のためにはえさが要るわけでございますが、これもえさ用の脱粉なども、農家の方からの要望もありましてこれは入れておるわけでございます。そういうようなわが国に生産がないか、あるいはきわめて微弱である、あるいはきわめて公共的な色彩の強いもの、こういうものはこれは入れざるを得ないと思います。そのほかのものにつきましては、事業団の一元輸入をやっているわけでございますが、それはバターだとか脱脂粉乳でございます。この脱脂粉乳やバターにつきましては、国内における需給をみながら衝撃を与えないように事業団でコントロールしながら入れておるということでございまして、先ほどお挙げになりました数字そのものが罪悪視しなければならないような数字ではないわけでございまして、農家の側あるいは国の広い立場から、ぜひほしいと、入れざるを得ない、また国内だけでは追っつかないというようなものがかなり占めておるということを、ひとつ御承知おきいただきたいと思います。
#110
○小笠原貞子君 大臣もやっぱり日本の農民、生産者を大事にし、そうして消費者がまたそれでいい暮らしができるようにという立場だと、所信表明以来の御答弁でいただいたわけなんです。そういう立場から、やっぱり私らは自分の国でなるべくできるようにということを大臣も考えていらっしゃると思う。そうするといろんな問題に関係してくるのだけれども、輸入との関係というのが、非常にいまおっしゃったように、むずかしい、むずかしいということになるわけなんですね。そうしてやっぱり輸入に押されて国内が抑えられるという形というのは、否めない事実になってきているわけですよ。そんなに余るのじゃない、輸入がいまおっしゃった百八十万トンにしても、これだけ輸入するのだったら、なぜ国内で輸入しないで済むような自給率を高めるというそういう道に進めないのかと、私はそう思うし、大臣もそう思っていらっしゃると思う。輸入しないでもなるべく自給率を高めると、そういうような基礎になるものがわからないでは、やはり議論のしようもないし方針も出しようがない。いろいろむずかしい問題あろうと思います、種類によったり、用途によったりして。しかしそういうのをこの際何とか努力して、こういう形式ででも輸入というものの量をきちっと計算してみようじゃないかというお気持ちはありませんか。
#111
○説明員(石田徳君) われわれもなかなかキャッチしがたいといいますか、自由化されているものにつきましては、これはいま直ちに自由化を取り消すというわけにもまいりませんのでなかなかむずかしいわけでございます。それ以外のものについては、これは的確に把握できるわけでございます。それからココアの調整品等につきましては、これは業界に働きかけまして秩序ある輸入をするようにということを再三にわたって指導しておるわけでございますが、今後もそれは続けていきたいと考えております。
#112
○小笠原貞子君 きちっと具体的に毎年なんというわけにいかないけれども、ある時点でやっぱり分析してみる必要があると思うのですね。それがないと、やっぱり発展する土台ができないと思うのです。
 それで、いまココア調整品という言葉が出たので、これについてもお伺いしたいと思うわけなんですけれども、政府が輸入量とおっしゃる場合には、このココア調整品というのは入っていませんですね。それが一つの問題点なんです。ココア調整品と言うから、普通奥さんたちに話せば、ああ、それはココアでしょうと言われるけれども、実際これ見てみますと、無糖のココア調整品の場合にはココアが一〇%ですわ、率にすれば。ココア一〇%で全脂粉乳が九〇%入っている。これは明らかにココア使用が目的ではなくて、ココアをちょっとつけ足した全脂粉乳が輸入される、その道具としてココアが一〇%利用されているというふうに見られてもしようがない。それなのに自由化品目ということで、昭和四十五年には七千七百トンだったのが五十一年には実に二万一千六百トンと、三倍近くに急増しているのですね。これはもう大きな問題だと思う。つまり、これは新聞紙上なんかでも問題になっているけれども、農林省として、大臣、こういういわゆる擬装乳製品の輸入について実態を調査し――これはやっぱり擬装なんです、あくまでも。こういうものについて抑えるという考えはないのか。もしも乳製品の輸入ということであれば、その輸入の中にこれもきちっと入れるというふうに考えられないものか。責任ある立場として、調査してやはり規制すべきではないか、擬装乳製品について。いかがでございますか。
#113
○国務大臣(鈴木善幸君) いままでは擬装乳製品、この輸入量が全体から見ましてきわめて量は少なかったわけでございますが、いま御指摘になりましたように、大分ふえてきておるということ、これがわが国の酪農の振興の上に支障を来す、こういうようなことであってはいけないわけでございまして、十分調査の上でこれらの措置を考えてまいりたい、このように考えます。
#114
○小笠原貞子君 ぜひ御措置をお願いしたいと思います。
 そういうことから考えて、先ほどおっしゃったように、補給金を出すというようなことは当然やっていただけるだろうし、財源が云々というようなものが一部あったけれども、また財源を考えても、五十一年度の畜産振興事業団の収支決算見込み、差益が輸入乳製品で九十九億あると報道されているわけなんですね。そうすると財政上も問題ない、当然酪農民に還元するというふうに考えられていいと思うのだけれども、この輸入乳製品の差益という問題、そのとおり考えていいですか。
#115
○説明員(石田徳君) 確かに輸入乳製品につきまして差益が生じることはお話のとおりでございますが、これは事業団の中では、そのうちの二〇%についてはこれが資本金の二〇%になるまで積み立て、その残りを助成勘定の方に入れることができるわけでございます。この勘定は幾つも分かれておりまして、たとえば不足払いの場合は交付金勘定というのがございますが、そこに政府の一般会計から金を入れて交付金を出しておりますが、助成勘定という勘定がございまして、これに入れますといろんな助成事業に使えるわけでございまして、四十三年の場合は、限度数量をオーバーしたものはこの助成勘定から交付金に準じた形で処理したわけでございます。
#116
○小笠原貞子君 次に、乳価の労働費の評価の問題なんですけれども、これはもう毎年言われ、きょうも言われたわけですけれども、同じ牛飼いをやっていて、飼育労働と飼料生産労働というのがなぜこういうふうに不当に差別されなければならないか。農林省の考え方として、この飼育労働と飼料生産労働と、その労働について差を設けなければならないというような根拠は一体どういう根拠があるのかということなんですね。
 それから、きょうは見えてないけれども、局長がおっしゃっているんだけれども、「〃畜産危機〃の時露呈した体質の弱さ、つまり海外飼料依存の逆ピラミッド構造を今の落ち着いた時に変えてゆくことなどが大切だ。」、これ、日本農業新聞に出ていたのを私見たんですけれども、つまり飼料生産を本当に重視しなければならない。そのことでの労働費を低く評価するというのは、これは理屈が通らないわけなんですよね。そうすると、この点、五十二年度検討中ときっとおっしゃると思いますけれども、この点について、やっぱり飼料が大事だと、そして、もう本当にあっちの方が労働力大変だというような問題を考えれば、この差というのは全く根拠がない、これは考えなければならないというふうに私は当然お答えいただけると思うんです。これは単なる計算上の問題、数字の計算上というより、数字の問題じゃなくて酪農をどう考えていらっしゃるか、飼料というものをどう重視していらっしゃるかという問題に関連しての問題だと思うんです。その点、大臣いかがお考えですか、飼育労働費と飼料生産労働費。
#117
○説明員(石田徳君) 物の考え方にはいろいろあると思いますが、われわれとしてはこのように考えております。
 労働費、家族労働費等を見る場合に、どういう調査があって、どういうふうにいまそれを使っているかということでございますが、ビートとかバレイショだとか、いろんな比較されるような作目があるわけでございますが、そういう場合にもこの家族労働費等は常に問題になるわけでございます。この家族労働費の見方につきましては、従来の考え方を改めまして、ことしから統計情報部の方で新しい見方、端的に申し上げますと、いままでは日雇い労賃、こう言われたものでございますが、今後は農村労賃、農村における農業を含めまして水産業、林業あるいは通信、交通、建設等のそういう労賃を採用するということになっておるわけでございますが、先ほど出ました飼育管理労働と、それからえさつくりの労働でございますが、われわれは、えさつくりにつきましても飼料をつくる労働につきましても、ほかのたとえばビートやバレイショなどとこれはやっぱりバランスをとらなければならない。同じ北海道なら北海道で、同じ地域で農作業が行われているわけでございますから、そういうバランスというのがございます。このバランスを失してはいけないということで、農林省はそういうバランスをとることにしているわけでございますが、一方飼育管理労働につきましては、これは一般の農耕作業と比べまして周年労働性あるいは熟練度を非常に要する。一年じゅう拘束されるとか、先ほど御指摘ございましたが、大変高い熟練度を要するというようなこともございますので、一般の農作業とは区別いたしまして、これはもう前から加工労賃といいますか、それに置きかえてむしろ優遇しているわけでございます。その差をつけたというのは、悪い方に差をつけたのではなくて優遇しているというふうにわれわれは考えているわけでございます。
#118
○小笠原貞子君 物は言いようというのはそういうときに使うんですよね、低いんじゃなくって高くしているんだという。そういう立場では、私は幾ら酪農振興なんておっしゃったって、私はやっぱりちょっと不信を持たざるを得ないわけですよ。いままでの説明はいままでと同じ説明なわけですね。私はやっぱりこの時点で考えてもらいたい。それをいまの時点で、やはりここで安定したと言われるけれども、実際それは生産量から見れば安定して、そして去年まで横ばいだったのが七%まで上がった。確かにそうなんです。それは結果なんですよ。しかし、その陰にどれだけの農民が苦労しているかというここを――人間の政治ですよ、数字じゃないんだわ、そこを本当に考えてもらいたい。特に北海道の寒いところで、もう東京なんかに住んでて数字じゃわかりませんよ。零下何十度といったって牛は朝からおなかをすかすんですもの。零下三十度になろうが四十度になろうが、朝もう五時には少なくとも起きてえさをやらなきゃならないんですよ。そういう中でみんながんばってがんばって、転業したくったって転業できないからしがみついている、本当に苦労なんですよ、それを考えていただきたいですね。もう非常に情緒的な物の言い方しますけれども、やっぱり数字だけで解決できないです。それがいまの農業の中で一番大事な問題だという点で、やはり一道一県の製造労賃で評価するんじゃなくて、やはりこれは農業だから低くていいなんというものじゃないですよ。ほかの作物とバランスをとってこれくらいに抑えるなんというのは、もうそもそも間違っていると思うの。やはり工業も大事、農業も同じ、基幹産業としての労働力である限りは、全国五人以上規模の製造労働賃金で評価すべきだと、そう思いますよ。これは普通の人に言ってもわかってもらえます。せめて米並みにと言われる。その米並み、去年考えても一時間で八百五十七円十七銭ですよ。酪農の場合六百八十一円二十三銭でしょう。なぜお米と酪農と差をつけられるか。しかも、その酪農の中でも飼料と飼育とで差がつけられていると。そして、同業者とも言える乳業メーカーの従事者の賃金というのが千二百七十一円ですよね。これではやっぱり本当に自給率を高める、酪農がんばれなんと言ったって、精神的にがんばれなんと言ったってがんばり切れないということで、やはりいままでの御答弁でなくって、十分にことしは御検討いただきたい。
 で、私のところにはがきがたくさん来ておりまして、それで私はずっと読んだんですけれども、こういうのが一枚出てきました。
  小笠原先生、私は別海町の広大な平野の西春
 別で四十頭程の乳牛を飼養している農家です。
 私は現在三十五歳です。妻は三十歳、一般サラ
 リーマンなら月十五万から二十五万の収入が
 あってもふしぎではない年齢です。また、御承
 知とは思いますけど、酪農家は一年無休、もち
 ろん妻も同様です。このような中で子供を育
 て、夫の作業の手伝い、家事……、又、我々男
 は大型特殊免許、普通免許、牽引免許等の技術
 者です。本来なら大特免許一つでも月二十万か
 ら三十万の月給は取れる身です。最近では、農
 家の主婦の半分以上が普通免許、大特免許を
 持っています。それでも労賃は不当に安いので
 す。と、私は具体的にこう書かれたら本当にこれは安いんじゃないかと、それじゃこの大型特殊免許でやって二十万、三十万かせいだ方がよっぽど楽です。家族みんなひっくるめて、この収入のない中では。こういうことから考えてもやはりこの問題、いままでと同じような形式的な答弁じゃなくて、やはりこういう労働評価という問題について、ことしはそれこそ前向きにひとつ検討してみようというふうに大臣はお考えになっていただけないでしょうか、お伺いしたいと思います。
#119
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど石田審議官からも申し上げましたように、今度は新労賃の導入をやると、こういうことで、いままでの労賃の算定の基準よりも改善を加えるということにいたしておるわけでございます。
 そこで、飼料作物の生産を高めるということはこれは全体として大事な問題でございますが、先般来私申し上げておりますように、各農業における作目別の価格の形成についてのそういう基準、相対価格の問題、こういう問題を農林省としてもぜひ一日も早く検討し結論を出さなければいけないということで、現在検討委員会を設けてやっておる段階でございますので、各価格形成に算入されるそれぞれの要素、要件につきましては十分価格問題総体の中でバランスのとれるように研究をしてまいりたいと、このように考えております。
#120
○小笠原貞子君 毎年いまの時期というのは陳情が多いんですけどね、ことしの陳情は私は特に真剣な態度で具体的な陳情が多かったということなんです。各町長から農協の皆さん、農民の方々がいらっしゃるときには組勘の数字全部持ってきてくださいました。それからまたこれなんかもおもしろくて、きょうごらんいただければと思ったんだけれども、「大樹町牛乳出荷番付」というのがあるんですね。横綱、大関、関脇、小結。そしてここの中から一つ例をとりますと、牛乳出荷番付で張出小結になっているわけですわ、この張出小結の戸水さんという人なんです。これは張出小結までいっているんです。乳牛が六十五頭、生乳生産二百九トン、収入が二千四百四十五万円、経費が千八百十万円、所得は六百三十四万円あると、しかし政府の規模拡大に忠実にこたえて借金で規模拡大を進めてきた結果、償還元金が五百八十万円、これを差し引きますと差し引き余剰はマイナス百七十万円となっている、マイナス百七十万円。この戸水さんの場合は六人家族で四人が酪農に従事しており、それで家計費の方は二百十九万取っているわけですね。六人家族で家計費二百十九万取っているんです。トップクラスの酪農家の経営がこれなんです。それからもう一つ、稚内農協の場合でも二十頭以上規模の酪農家の平均で、家計費が百八十二万円、差し引き余剰はマイナス二十五万、稚内農協の場合。
 こういうように多くの農協から組勘を持ってきて実情を伺ったときに、これは乳価の決め方がまさに大変だと、問題だということを言わざるを得ないわけなんですね。この問題についてやっぱり考えていただきたい。先ほどから、うまくやっているところはやっているんであって、そしてたまたまうまくやっていないところがもう大変なんだと、こういうふうなお言葉がありましたけれども、うまくやっているところはどこだと言ったら、政府の方針に従わなかったところなんですよ。規模拡大、借金して拡大せいというのを、借金しないで着々と伸ばしていったところはうまくやっているんですよ。忠実に政府の方針に従って借金して規模拡大していったというのはみごとにこういうふうに出てきているんですね。これはもう御調査いただければわかると思います。こういうことから考えれば政府の計算した乳価が実情に合っていない。乳価の計算、いろいろ算定方式細かく私も一生懸命勉強して、頭が痛くなるほどめんどうくさいんでややこしいんだけれども、いろいろ言われているけれども、結局は実情に合わない乳価の算定なんです、算定方式そのものが。
 時間がないから最後に、この算定の中の肥料代の問題でひとつお伺いしたいんですけれども、五十一年度保証価格の場合、飼料作目算出基礎になっている肥料費というものは幾らになっていますか、生乳百キログラム当たりについて。時間がないから私の方からもう言いますよ。百キログラム当たり三百七円なんですよ。それから副産物の厩肥、これ二百八十八円なんです。厩肥が副産物になっている、二百八十八円です。これは乳価の場合副産物収入として差し引かれるから、実際に厩肥を販売していませんね。販売して二百八十八円入ってくれば副産物ですよ。しかし厩肥二百八十八円でどこで売っていますか、私は売ったっていう話聞いたことない。だから、差し引き飼料生産に購入肥料代として乳価の中から出せるのは、百キログラム生産するのにたった十九円にしかつかないんですよ、計算してみると。これはもう皆さんの方がおわかりになっていると思う。副産物でこうやっていると、そういうことになるわけなんですね。
 これはもう皆さん御承知だろうと思いますから時間がないから言いますけれども、進みますけれども、実際の場合どうなのかというと、浜中町農協の場合調べてみました。平均して百キログラムでは千二百円かかっているんです。ここでの差は乳価に直すと一キログラムですから、一キログラムに直しますから十九銭と十二円の差、十一円になる。この十九円を搾乳牛一頭当たりに直すと九百三十六円になる。一頭当たり草三十トン必要とすると、面積にすると六十アール必要だと。そうすると、十アール当たり百五十六円しか金肥をまくことができないという計算になる。北海道の飼料作物施肥基準というのは、十アール当たり約八千円かかるということになっている。つまり、そうしますと、五十分の一しかまかないことになって計算されていくわけなんです。しかも先ほど問題にした労働費なんですね、算定の、その労働費の問題だけれども、副産物収入として乳価から差し引かれますその厩肥の中の家族労働費、これは飼育労働費と同様の評価がえが行われているわけなんです。つまり、飼料生産の方の労働時間というのは五百五十九円五十六銭なわけなんですね。ところが、差っ引かれる方の厩肥の中での労働費というのは六百八十一円二十三銭と、こう高く評価しているわけですよ。
 だから、もう低い乳価をつくり出すために使い分けしていると言わざるを得ないんです。実際に収入にならないものを副産物として入れたり、労働費もこういうふうに飼料生産の方とそれから差し引かれる厩肥の方では都合のいいような取り方をしていると、こういう労働費の取り方、ここにいかにごまかしがあるかという点、私はこれもいま始まった問題じゃなくて、いままでも議論されていたところなんだけれども、こういう点から考えてみても、やはり正当な労働評価、そして再生産ができるような所得補償が本当に伴っていくような、そういう計算がされない限り毎年の繰り返しですよ。そして、辛うじて生産ができているといっても、それはもう泣くに泣けないですよ。本当に泣けるというときは心に余裕があるときですよ、泣けるというのは。泣けないんですよ。泣けないし、出かけて逃げるわけにいかないし、死ぬわけにもいかないというところでがんばっているというその酪農民の皆さんの気持ちを考えて、何としてもこの労働費の問題や、それから肥料なんかのこの算定の、私らに言わせればごまかしというような問題、これについてもやっぱりもうちょっと考えていただきたい。これについての御見解を伺って、終わりにしたいと思います。
#121
○説明員(石田徳君) 労働費の問題を挙げられましたが、雇用労賃、それから家族労働費と、こういう区別をしてわれわれは計算しておりますので、そこに差が出てきたのではないかと思います。まだ五十一年の生産費調査は出ておりませんので、どういう数字が出るかはわかりません。間もなくあすあたり出るかと思いますが、それを受けましてわれわれとしては適正な価格の計算をしたいと考えております。
#122
○国務大臣(鈴木善幸君) 酪農経営の安定につきましては、価格問題を含めまして総合的な施策が必要であると、そのように考えまして、私どもも今後諸般の対策を進めてまいりたいと考えております。
 先ほどお話がありました張出小結の戸水さんですかの例をお引きになりましたが、いままでの負債の金利等の重圧、あるいは償還期限の問題、いろいろあるようでございますが、これらの問題につきましては、相沢先生にお答えをいたしましたように、負債対策につきましては私どもも十分対処していく考えでございます。
#123
○喜屋武眞榮君 いい開発公団ができまして、着々成果を上げておられるわけですが、すべてに立ちおくれた沖繩におきましてはまだその緒についたばかり、これからというところであります。ところが、私、いろいろ今日の日本の農政のあり方、あるいは行政のあり方を考えてみまするに、こういういい制度ができておるわけですが、何か裏腹な感じを持ってなりません。
 と申しますのは、実はきのう北海道の酪農関係の皆さんから私も陳情を受けました。それできょうもずっとまた質疑をここで聞いておるわけですが、一緒に聞いておるわけですが、いい制度ができておるわけですから、それは間違いなくその生産者であります農民に密着して、実ってそして生活も潤うてきた、豊かになった、文化も向上した、いわゆる生きがい、働きがいを感じておるべきはずの農民が、これでは食えない、これでは食えない、こういうことで悲鳴を上げてはるばる北海道から陳情に見えておられる。それだけではない、沖繩からも足しげく陳情に――北海道の皆さんから受けたのは酪農、そして沖繩からはもう例外なくサトウキビの問題や、あるいは畜産の肉牛の関連。ところが、その需給のバランスを考えての政策であるべきはずだが、一方では畜産振興と打ち出しながら、あるいは糖業振興と打ち出しながら、その生産者を踏みつけにするような現実を一体どう理解すればよろしいかと私は思うのです。大臣の率直なまず見解をお聞きしたいのです。
 もっと政府は心の通う行政をやってほしい、血の通う農政をやってほしい、その欠如がせっかくいい制度を打ち出しても、その生産を担当しておるところの農民の皆さんがこのように悲鳴を上げて陳情しておる。このギャップは私は心の通わない行政、血の通わない農政、ここにあるのではないかと思われてなりませんが、大臣いかがでしょうか。
#124
○国務大臣(鈴木善幸君) 沖繩県は復帰後まだ年月が浅いわけでございますが、農林省としても沖繩のおくれておる農業の振興、一日も早く本土並みに近づけるようにという目標のもとに努力をいたしておるわけでございます。一昨日も申し上げましたように、亜熱帯性、海洋性の特殊な地形、風土にあるわけでございます。離島も多い。そういう沖繩の持つ特性というものを私ども十分把握をいたしまして、その特性を生かす、そして地域にふさわしい農業を振興する、そういう意味で、その中で沖繩の畜産の将来というものには私どもも大きな着目をいたしておるところでございます。
 この農用地開発事業団の事業の中でも畜産のための事業、この点につきましては今後も引き続き努力をいたしてまいる考えでございます。また、農政に取り組む姿勢といたしましては農民の皆さんの気持ちを十分くみ取りまして、そのお気持ちに沿うように努力をいたす考えでございます。
#125
○喜屋武眞榮君 私は、いま沖繩だけを論じておるつもりはございません。日本の行政、農政のあり方に対する一つの立場から申し上げておるわけであります。と申しますのは、この公団の目的もいわゆる畜産を将励している。農民が本当に豊かな生活ができるように、潤いのある生活ができるようにという目的であるはずであります。ところが、その生産を上げるだけ上げて、足りないならば外国から輸入するということ、これは当然であります。ところが、一方では大いにやれやれ言いながら、一方ではこれに水をぶっかけるような過剰な輸入をして押しつぶす。たとえば畜産であれば、安い牛肉を外国から入れて、そして畜産の振興を国の政策としながら、安い牛肉を外国からどんどん輸入するもんだから、生産農家はもうみんな押しつぶされてばたばた倒れていくこの矛盾。酪農にしてもしかり。本当に生産を精いっぱい上げていくという意図であるならば、もっともっとそこに技術も金も補助も上げてやって、それで生産を上げて、足りないならば外国から輸入するのもこれはやむを得ぬと思うんですよ。ところが一方ではやれやれ言いながら、一方ではどんどん輸入している。ここに私は政策の矛盾があるということを指摘いたしたいのです。
#126
○国務大臣(鈴木善幸君) そういう意味合いでの御質問でありますれば、この際はっきり申し上げておくわけでございますが、私は食糧問題の重要性、これは国民生活の最低の安全保障である、こう心得ておりまして、そのためには国内の総合的な食糧の自給度を高めていく。そのためにあらゆる施策をそれに焦点を合わして展開をしていくと、これが農政の基本である、こういうことを申し上げておるわけでございます。この畜産の問題につきましても、大ざっぱに申し上げまして、国内の需給の関係を見ますと国内の供給力が八〇%程度、その足らざる二〇%程度を、国内の生産の伸びを勘案しながら私どもは進めておるということでございまして、国内の生産を抑制する、これに水をかける、そういうような輸入政策はとっておりません。
 私は、基本的に産業界に対しても秩序ある輸出と貿易ということを強く要請をいたしておるところでございまして、無秩序な集中豪雨的な輸出をして、その貿易のアンバランスを一番弱い農業の面に持ってこられてはわれわれは絶対に容認できない、こういうことをはっきり申し上げておるわけでありまして、そういう点についての姿勢についての御批判であれば、私はいまのようにはっきりした態度を申し上げておく次第であります。
#127
○喜屋武眞榮君 生産者こそ王様である、ぜひ日本の将来のためにも、また現在をよくしていくためにも、いま大臣のきちんとおっしゃったその姿勢でひとつ貫いていただくことを要望しておきます。
 それでは、いい公団と申しましたが、その点から一、二――農用地開発公団事業の今日までの足跡と申しますか、他の国営事業に比べて公団事業のメリットと申しますか、十分生かされておるかどうか。たとえば現在実施中の事業の進捗状態はどうか。あるいはそこから生まれる成果はどうか。それから、いわゆる長期十年計画を一昨日も質問いたしましたが、そういったものとの触れ合いも結びつけながら、大まかな点でようございますから、それをまずお聞きしたいと思います。
#128
○政府委員(森整治君) 農用地開発公団は四十九年から事業を始めておりますが、開発事業と牧場建設事業といいますか、いわゆる共同利用模範牧場、市町村なり農協で子牛の育成をやるというようなそういう事業、それから受託業務、干拓なりいろいろ農用地造成につきまして事業を受けて事業を行う。従来は機械開発公団の時代に受託業務中心に事業を行っておったわけでございますが、農用地開発公団ができましてからはこの受託業務を漸次減少をしていくと、そして開発業務を中心に農畜産物の生産団地を造成していくと、こういうことで事業を進めてまいったわけでございますが、事業費ベースで申し上げますと、四十九年が百五十二億、それから五十年が二百二十八億、五十一年が二百七十億、五十二年が三百十三億ということで、逐次その増強を図ってきておるわけでございます。
 そのうち、牧場建設につきましては、来年度をもって一応事業を完了をいたします。それから受託業務につきましては、漸次百億台から四十億、来年四十億を予定しておりますが、漸次この業務を縮少する。そのかわりに開発事業、先ほどの広域農業開発、これは五百ヘクタールを基準にいたしまして、それ以上の事業を畜産団地を建設するわけですけれども、そういう事業につきましてと、もう一つ畜産基地建設、沖繩の地区でやっておりますのは畜産基地建設でございますが、これは規模の問題でございます。性格は皆同一でございまして、結局、下の農地の造成とその上物、畜舎なりサイロなりを造成していく。こういうことで、この事業を中心に今後考えてまいりたいということで、開発事業につきましては当初予算ベースで申しますと、四十九年には二十億台であったものが、五十二年には二百六十二億という事業量に相なっておるわけでございます。今後、十何ヵ所の事業をすでに実施をいたしておりまして、早いものでは一応予定の完了の時期といたしましては五十二年をもって完了する地区もございますが、これから大いに先ほど御答弁ございましたように、北海道におきます根室の事業、これは大変な事業でございまして、相当な面積にわたる畜産の、五十ヘクタール規模の酪農の農家を約五百八十戸それから交換分合ということで根室の地域一帯にわたります大開発事業を実施しておるわけでございますが、そういうような事業も逐次完成をしてまいりたいということでございます。
 この公団事業の特色と申しますのは、やはり国費を入れるということとあわせて財投資金を当初から入れまして、要するに全体の事業を仕上げていく。そこで県からあとは年賦で償還をしていっていただく。県は個々の入植者なりからその回収を図っていくということでございまして、県の申し出でいろいろ事業を実施をいたしておりますけれども、何と申しましても、全体の農業基盤整備事業の工期が非常におくれておるという問題がございます。公団に関しましては、おおむね予定工期で仕上げるということで非常に機動的に動いておるというふうにわれわれは認識をいたしておるわけで、その点若干の金利負担というものはかかってまいりますけれども、早く仕上がるということのメリットの方が大きいというふうに思っております。そういうことで、いろいろ先生御指摘の今後のやはり食糧のたん白資源というものを考えてまいります場合に、酪農にしろ肉用牛にしろあるいは中小家畜にしろ、やはりこの事業を通じまして相当な農家を育成をしてまいるということにわれわれ今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#129
○喜屋武眞榮君 もう一つ公団の件でお尋ねしておきます。
 もう少しはっきりさしていただきたいんですが、この決定するまでの手順ですね、指定決定するまでの手順と、それから補助率がどうなっておるのか、ちょっとお聞きしたい。
#130
○説明員(石田徳君) それでは中身が畜産基地の建設でございますから、沖繩の件、では私から御説明申し上げます。
 畜産基地建設事業というのはこれは大変規模が大きいわけでございますが、それでございますので、着手までに地元との意思の疎通を十分図ってやらなければ、途中で挫折するようなことがあってはこれは大変なことになるということで、念には念を入れるといいますか、大変配慮を加えておるわけでございます。
 まず、調査は国がこれはみずから担当いたします。そういたしますけれども、国が調査をやるまでには、これは都道府県知事がまずこの辺でやってくれということを申請してくるわけでございます。そこで主産地形成調査を実施いたしまして、その地域の経営条件だとか今後の畜産の方向等概括的にそこで調査いたしまして、その次に今度はこれは事業化の可能度が高いかどうかということを調べまして、これは事業化をしてもよろしいと、かなり可能性が高いということになりますと、今度はその事業の計画と、それから推進を図るための畜産基地建設調査計画とこう呼んでおりますが、そういう計画をそこで実施するわけでございます。まあ診断をするといいますか、事前の診断を十分にやって、そこで開発整備に必要な地勢だとか土地利用計画だとか生産経営の計画等を精密に調査することにいたしております。その次に、この畜産基地建設調査計画というものができ上がりますと、その実施に当たりましては、開発を予定しております地域の今度は市町村長の要請を受けまして、市町村長やりますかやりませんかということで、やりますということになりますと、そこから、まず市町村長から上がってくるわけでございます。それを知事が受けて、農林大臣にひとつやってくれと、こういう申請をするわけでございます。今度は農林大臣はこれを、調査を終わって申請が出てきたものを適当な地域と認めますと、これを指定いたします。そうして知事に通知いたしますと、知事はさらに、これはもう農林大臣からのそういう御指定があったということで市町村長にもそれを通知する。
 こういうふうにして進めていくわけでございますが、この調査を実施する間、これは国がやるわけでございますが、調査の実施期間におきましても市町村あるいは県の協力を得てトラブルのないように調査も進めていくと。そして最後に、知事のいよいよ仕事をやってくれと、こういう申請を受けまして、受けますと農林大臣は調査を完了いたしまして、その知事に対して、当該基本計画に基づきまして事業実施方針というものを定めます。これを県に通知すると同時に、いま議題に上っております農用地開発公団の方にも指示いたしましてそこで公団が事業に着手する、こういう形になっているわけでございまして、もう一回申し上げますと、くどいようでございますが、調査段階では国がこれを担当する、しかし地元と密接な連絡をとり、いよいよ意思の合致を見ました段階で知事に実施方針をおろすと同時に公団にも通知して仕事を始めていく、こういう手順になっております。
#131
○喜屋武眞榮君 補助率。
#132
○説明員(石田徳君) 補助率は、沖繩の場合は、内地は普通六〇%でございますが、北海道の場合は六五%でございますが、沖繩は特に七五%になっております。
#133
○喜屋武眞榮君 いまの手順と補助率わかりましたが、沖繩の場合、決して甘えるわけではありませんが、本土並みという、一昨日も五十年かかると、気の遠い話だと強調いたしましたが、そういった本土並みに持っていくためにはどうしても特別措置をしなければいけないということで特別措置法もあるわけですが、そういう配慮から補助率も他県よりは考慮されておることも認めるわけですが、ところがそれにしても、地元からしますと、その対応費がなかなかつくれないで返上する例もあるし、また、のどから手の出るほどほしいけれども対応費がつくれぬために放棄すると、こういう幾多の事例もあるわけですが、この補助率を本土並みの水準にいくまで十分の十、そこまで配慮願うわけにはいかないものでしょうか。大臣いかがでしょうか。
#134
○国務大臣(鈴木善幸君) 沖繩の開発振興の問題につきましては、沖繩開発計画に基づきまして政府全体として各種事業を進めておるわけでございまして、農業もその一環でございます。そういうような観点から総理府並びに大蔵省等とも協議をいたしていかなければならぬわけでございまして、今後とも沖繩の農業振興につきましては最善を尽くしてまいる考えでございます。
#135
○喜屋武眞榮君 それじゃ本論に戻りまして、沖繩の公団事業の現状、そうして展望と申しますか、まだ緒についたばかりであるわけですが、沖繩における公団事業の現状と展望、その辺についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
#136
○説明員(石田徳君) 先ほどから話が出ておりますように、沖繩では目下取り上げられておりますのは、先生も御承知のように石垣第一と山原第一地区でございます。これは中身につきましてはくどく申し上げるまでもございませんが、造成されました草地への家畜の排泄物の土地還元利用等を基軸といたしまして、大家畜経営と中小家畜経営とを有機的に結合してやります畜種複合型のものとか、それから林地の下草を利用いたしまして林間放牧を組み合わせた合理的な畜産経営群を新しくつくっていきます単一畜種型、この二つあるわけでございますが、沖繩の場合を見ますと、戦前沖繩は豚の大変な生産県でもございましたが、今回の石垣第一と山原第一地区で実施いたしますものは、いずれの地区におきましても肉用牛と豚とを結合する畜種複合型になっております。そこで、石垣第一地区でございますが、これは所在地は石垣市でございますし、面積は四百五十三ヘクタール、造成面積、その中から造成されますものが三百六十ヘクタールでございまして、農家は参加いたしますものが十四経営体でございます。肉用牛が三千三百三十三頭、豚が三百七頭というような規模を考えておりまして、事業費は三十一億四千八百万円、この中には家畜導入の――中身は申し上げませんでしたが、その仕事の中身としては、もう畜産を行うのについて草地の造成から施設等に至るまで、牛に至るまで全部入るわけでございますが、先ほど申し上げました三十一億四千八百万円の事業費の中には家畜導入費も含まれております。これは五十一年度から始まったわけでございまして、五十二年度は第二年度になりますが、いまわれわれが予定いたしております金をつけますと、大体五十二年度で進捗率は三六・八%になる予定でございます。
 それから山原第一の方はまたこれよりも一年おくれになるわけでございまして、五十二年度から進めていくということでございます。これは地区面積はちょっと小さくて二百二十一ヘクタール、造成面積は百七十八ヘクタール、ただし参加する農家は十九戸でございます。総事業費は三十九億六千九百万円を予定いたしております。家畜の規模でございますが、肉用牛を千四百九十頭、これは豚の数が多くて、豚の方は八千九百七十二頭ということを考えております。そういうことでございますが、今後の展望と申しますか、沖繩県は戦前から畜産県でもございましたし、こういう土地も幸いにしてあるわけでございますから、また地元の方々もなかなか熱心に取り組もうとされておるわけでございますから、これは公団の方としても力を入れて建設に取り組むわけで、この展望は非常に明るいのじゃないかというふうに思いますし、また、いまの二つの地区以外についても、今後先ほど申し上げましたいろんな手順を踏みまして、さらにいま玉探しとわれわれ言っておりますが、そういう候補地を探して、今後もこういう事業をできればやっていきたいというふうに考えております。
#137
○喜屋武眞榮君 この山原第一区域、石垣第一区域と、こういうふうに銘打たれておりますが、第一があるということは第二、第三もあるということになりましょうな。
#138
○説明員(石田徳君) 目下のところそれぞれの地区につきまして、石垣第二、山原第二ということで考えておるわけでございます。
#139
○喜屋武眞榮君 これは要望にもなるわけですが、また展望の中にも含まれるわけですが、先ほど来申し上げておりました、まだ緒についたばかりで、沖繩は本当にあらゆる面で立ちおくれております。特に県の政策といたしましても、第一次産業、農業、畜産、水産を特に重視していくというこういうことでありますので、これと相呼応していただく、こういう姿勢でひとつ山原第一区域と銘打ってくださった上は次々第二、第三が生まれるものと思って申し上げたわけですが、石垣第一区域もまた、石垣第一が生まれたんだから第二も第三も、こういうふうに期待いたしておるわけですが、先ほどの手続、手順をお聞きしたのは、あのような民主的な手順を経て積み上げていくなら、間違いなくひとつそれを認めていただいて、第二、第三の指定地域を生み出していただきたい、こういうことを強く要望いたします。
 それから、ちょっと事務所の面で、この構成図を見ますと、本社それから北海道支社、それから事務所がさらに四つに分かれておりますが、沖繩の場合には九州事務所に所属するのですか。あるいはその系統はどうなっておりますか。
#140
○参考人(大和田啓氣君) 沖繩の場合は中央直轄でございます。
#141
○喜屋武眞榮君 じゃ最後に、もう時間も参りましたので、きわめて短い時間で大変食い足りない気持ちでありますが、どうか私の意のあるところを大臣ひとつお察しいただきまして、立ちおくれた沖繩の開発をさらにひとつ拍車をかけていただいて、本土並みに一日も早く引き上げてくださいますよう重ねて要望いたしまして、大臣の決意を承りまして、終わります。
#142
○国務大臣(鈴木善幸君) 沖繩における農、畜、水産、これは何といっても沖繩産業の根幹をなすものでございます。特に、畜産はその中でも基幹的なものでございますので、先ほど来御要望がありました点につきましても十分配慮しながら、沖繩の農業振興について農林省としても特段の努力をしてまいる考えでございます。
#143
○委員長(橘直治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 農用地開発公団法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回の委員会は明日午後一時三十分開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト