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1976/03/31 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 農林水産委員会 第7号
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1976/03/31 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 農林水産委員会 第7号

#1
第080回国会 農林水産委員会 第7号
昭和五十二年三月三十一日(木曜日)
   午後零時十二分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 三月二十八日
   辞任          補欠選任
    宮田  輝君      細川 護熙君
    後藤 正夫君      塚田十一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         橘  直治君
    理 事
                青井 政美君
                鈴木 省吾君
                粕谷 照美君
    委 員
                大島 友治君
                梶木 又三君
                坂元 親男君
                菅野 儀作君
                塚田十一郎君
                初村滝一郎君
                工藤 良平君
                辻  一彦君
                前川  旦君
                相沢 武彦君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                喜屋武眞榮君
   衆議院議員
       農林水産委員長
       代理理事     今井  勇君
   国務大臣
       農 林 大 臣  鈴木 善幸君
   政府委員
       農林省構造改善
       局長       森  整治君
       林野庁長官    藍原 義邦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○松くい虫防除特別措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十八日、宮田輝君及び後藤正夫君が委員を辞任され、その補欠として細川護煕君及び塚田十一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(橘直治君) 松くい虫防除特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木農林大臣。
#4
○国務大臣(鈴木善幸君) 松くい虫防除特別措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 松林は、わが国の重要な森林資源であり、防風、飛砂防止、土砂扞止等の国土保全上の役割りや良好な生活環境の保全上の役割りも大きなものがあります。
 ところが、近年、マツクイムシによる松林の枯損被害が激甚をきわめ、北は宮城県から南は沖繩県までの広域にわたり、約四十五万ヘクタールにも及ぶ被害が発生しており、被害材積も年間百万立方メートルを超えるに至っております。
 このようなマツクイムシによる松林の枯損被害の発生原因につきましては、林業試験場を中心として農林省において鋭意その究明に努めてきたところでありますが、その結果近年ようやくその原因が解明されました。すなわち、線虫類の一種であるマツノザイセンチュウがマツクイムシの一種であるマツノマダラカミキリを介して健全な松の樹体に侵入し、次々に松を枯死させるのであります。
 また、これを防止するためには、マツノマダラカミキリが羽化脱出してマツノザイセンチュウを健全な松に運ぶ時期に松の樹冠に薬剤を散布してマツノマダラカミキリを駆除する方法が有効であることが明らかにされたのであります。
 そこで、農林省におきましては、昭和四十八年度から森林病害虫等防除法に基づきマツクイムシを防除するため、薬剤の空中散布による駆除を進めてきたのでありますが、その実施地域についてみますと、この方法はマツクイムシの防除のためきわめて有効適切な方法であることが実証されております。
 しかしながら、マツクイムシの繁殖力はきわめて旺盛であり、また、これを駆除し、その蔓延を防止するためには、特別防除、すなわち航空機を利用して行う薬剤防除を緊急かつ計画的に推進するための措置を講ずることにより、松林に発生している異常な被害を早急に終息させる必要がありますので、森林病害虫等防除法に特別法として、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 まず第一に、農林大臣は、特別防除を行うべき松林に関する基準等についての基本方針を定めることとするとともに、都道府県知事は、当該基本方針に即して、民有林である松林について特別防除の計画的な実施に関し必要な事項等を内容とする実施計画を定めることといたしております。
 第二に、保安林等の公益的機能の高い松林がその面積の過半を占める松林群または特別防除を緊急に行わなければ被害が著しく拡大することとなると認められる松林群について、マツクイムシを駆除し、その蔓延を防止するため特に必要がある場合には、森林病害虫等防除法の規定に基づく防除の命令にかえて、農林大臣または都道府県知事が特別防除を行うことができるものといたしております。
 第三に、特別防除を行う者は、薬剤の安全かつ適正な使用を確保するとともに、農業、漁業等に対する被害防止措置を講ずべきことといたしております。
 このほか、国有林である松林についての計画的なマツクイムシの防除の実施、都道府県に対する国の補助等について所要の規定を設けますとともに、この法律は、昭和五十六年度末までの時限立法としております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 なお、政府提案に係る本法律案につきましては、衆議院において本法律案の目的及び農林大臣が定める基本方針の内容について修正がなされております。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(橘直治君) 次に、本案に対し、衆議院において修正がなされておりますので、この際、修正部分について衆議院農林水産委員長代理理事今井勇君から説明を聴取いたします。今井勇君。
#6
○衆議院議員(今井勇君) 松くい虫防除特別措置法案に対する衆議院における修正の内容を御説明申し上げます。
 修正の第一は、本法律案の目的において、必要な特別防除の緊急かつ計画的な推進に当たり、周囲の自然環境及び生活環境の保全に適切な考慮を払う旨の規定を追加することとしたことであります。
 第二は、農林大臣が定める基本方針の内容として、特別防除を行う松林の周囲の自然環境及び生活環境の保全に関する事項、特別防除により農業、漁業その他の事業に被害を及ぼさないようにするために必要な措置に関する事項を追加することとしたことであります。
 この二点の修正は、いずれも特別防除の適正かつ円滑な実施に資することを目的としたものであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#7
○委員長(橘直治君) 次に、補足説明を聴取いたします。藍原林野庁長官。
#8
○政府委員(藍原義邦君) 松くい虫防除特別措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 この法律案は、本則十三条及び附則から成っております。
 まず、第一条におきましては、この法律の目的を定めております。
 すなわち、この法律は、森林資源として重要な松林を保護するため、特別防除を緊急かつ計画的に推進する措置を講じ、もって国土の保全に資することをその目的といたしております。
 次に、第二条におきましては、「松くい虫」及び「特別防除」をそれぞれ定義しております。
 まず、「松くい虫」は、松の枯死の原因となる線虫類を運ぶマツクイムシを言うことといたしておりまして、具体的には、線虫類の一種であるマツノザイセンチュウを運ぶマツクイムシの一種であるマツノマダラカミキリを指しております。
 また、「特別防除」は、マツクイムシを駆除し、またはその蔓延を防止する上で最も効果的である航空機を利用して行う薬剤防除を言うことといたしております。
 第三条におきましては、農林大臣が定める基本方針につきまして定めております。
 すなわち、農林大臣は、昭和五十二年度以降の五カ年間においてマツクイムシが運ぶ線虫類により松林に発生している異常な被害が終息することとなるように、関係行政機関の長に協議するとともに、中央森林審議会及び関係都道府県知事の意見を聞いて、特別防除を行うべき松林に関する基準その他マツクイムシの薬剤防除に関する基本的な事項についての基本方針を定めなければならないことといたしております。
 第四条におきましては、都道府県知事が定める実施計画につきまして定めております。
 すなわち、都道府県知事は、都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聞くとともに、農林大臣に協議して、基本方針に即して、民有林である松林につき、マツクイムシの薬剤防除に関する実施計画を定めなければならないことといたしております。
 この実施計画におきましては、基本方針に定める特別防除を行うべき松林に関する基準に適合する二以上の松林を合わせて一の防除の単位として定める松林群ごとの特別防除の計画的な実施に関し必要な事項等を定めることといたしております。
 第五条から第七条までにおきましては、マツクイムシの防除上重要な松林群において特別防除の適正かつ確実な実施を確保するため、松林所有者みずからが防除を行うことをたてまえとする森林病害虫等防除法の規定に基づく薬剤防除の命令にかえて、農林大臣または都道府県知事がみずから特別防除を行う方式を導入することとし、そのための所要の規定を設けております。
 すなわち、都道府県知事は、保安林その他の公益的機能が高い松林がその面積の過半を占める松林群または特別防除を緊急に行わないとすれば、マツクイムシが運ぶ線虫類により松林に発生している被害が著しく拡大することとなると認められる松林群につき、マツクイムシを駆除し、またはその蔓延を防止するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、森林病害虫等防除法に基づく薬剤防除の命令にかえて、特別防除を行うことができることといたしております。
 また、このような松林群で一定の面積以上のものにつきましては、農林大臣が、都道府県知事の申し出があった場合において、早期に、かつ、徹底的に、マツクイムシを駆除し、またはその蔓延を防止するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、森林病害虫等防除法の規定に基づく薬剤防除の命令にかえて、特別防除を行うことができることといたしております。
 また、森林病害虫等防除法の規定にならい、農林大臣または都道府県知事がこの特別防除を行おうとする場合におけるその区域及び期間の公表並びにその公表に係る区域内において松林を所有する者の不服の申し出等につきまして所要の規定を設けますとともに、その区域内の松林の所有者または管理者に対し、公益上の観点から行われる私権の制限として特別防除の実施行為を拒んではならない旨の受忍義務を課する規定を設けております。
 第八条におきましては、松林群において特別防除を行う者は、薬剤の安全かつ適正な使用を確保するとともに、農業、漁業その他の事業に被害を及ぼさないよう被害防止対策等の必要な措置を講ずるものとすることといたしております。
 第九条におきましては、農林大臣または都道府県知事は、マツクイムシの防除に係る森林病害虫等防除法の規定に基づく薬剤防除の命令をするに当たっては、実施計画が達成されることとなるようにしなければならないことといたしております。
 第十条におきましては、国有林である松林を所管する国の機関は、松林所有者の責務として、基本方針に即して、当該松林について計画的にマツクイムシの防除を行うものとすることといたしております。
 第十一条におきましては、国は、都道府県に対し、この法律に基づき都道府県知事が行う特別防除に要する費用の一部を補助することといたしておりまして、具体的には、当該特別防除に係る駆除経費の三分の二を補助する等の措置を予定いたしております。
 第十二条及び第十三条におきましては、協力要請及び分担金についての森林病害虫等防除法の規定の準用について定めますとともに、森林害虫防除員がこの法律に基づく特別防除に関する事務に従事するものとすることといたしております。
 最後に、附則におきましては、この法律の施行期日等について定めておりまして、この法律は、公布の日から施行し、昭和五十七年三月三十一日限り、その効力を失うことといたしております。
 なお、政府提案に係る本法律案につきましては、衆議院において修正がなされておりますが、その内容は、本法律案の目的において、必要な特別防除の緊急かつ計画的な推進に当たり、周囲の自然環境及び生活環境の保全に適切な考慮を払う旨の規定を追加するとともに、農林大臣が定める基本方針の内容として、特別防除を行う松林の周囲の自然環境及び生活環境の保全に関する事項並びに特別防除により農業、漁業その他の事業に被害を及ぼさないようにするために必要な措置に関する事項を追加するものであります。
 以上をもちまして、松くい虫防除特別措置法案の提案理由の補足説明を終わります。
#9
○委員長(橘直治君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(橘直治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 松くい虫防除特別措置法案の審査のため、四月一日の委員会に、参考人として虹の松原保護対策協議会副会長瀬戸尚君、鹿児島県林務部次長地頭睦夫君、全国自然保護連合理事長中村芳男君及び龍谷大学教授吉岡金市君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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