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1976/03/01 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第3号
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1976/03/01 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第080回国会 社会労働委員会 第3号
昭和五十二年三月一日(火曜日)
   午後一時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月一日
    辞任         補欠選任
     高田 浩運君     岩本 政一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                佐々木 満君
                丸茂 重貞君
                浜本 万三君
                小平 芳平君
    委 員
                今泉 正二君
                上原 正吉君
                小川 半次君
                片山 甚市君
               目黒今朝次郎君
                内藤  功君
                柄谷 道一君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  渡辺美智雄君
       労 働 大 臣  石田 博英君
   政府委員
       厚生政務次官   石本  茂君
       厚生大臣官房長  山下 眞臣君
       厚生大臣官房会
       計課長      持永 和見君
       厚生省公衆衛生
       局長       佐分利輝彦君
       厚生省環境衛生
       局長       松浦十四郎君
       厚生省医務局長  石丸 隆治君
       厚生省薬務局長  上村  一君
       厚生省社会局長  曾根田郁夫君
       厚生省児童家庭
       局長       石野 清治君
       厚生省保険局長  八木 哲夫君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
       厚生省援護局長  出原 孝夫君
       労働政務次官   越智 伊平君
       労働大臣官房長  石井 甲二君
       労働大臣官房会
       計課長      寺園 成章君
       労働省労政局長  青木勇之助君
       労働省労働基準
       局長       桑原 敬一君
       労働省婦人少年
       局長       森山 真弓君
       労働省職業安定
       局長       北川 俊夫君
       労働省職業訓練
       局長       岩崎 隆造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
  本日の会議に付した案件
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の基本施策に関する件)
 (昭和五十二年度厚生省関係予算に関する件)
○労働問題に関する調査
 (労働行政の基本施策に関する件)
 (昭和五十二年度労働省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
  〔理事浜本万三君委員長席に着く〕
#2
○理事(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高田浩運君が委員を辞任され、その補欠として岩本政一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(浜本万三君) 先般、当委員会が行いました社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査のための委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。小平君。
#4
○小平芳平君 先般、戸田委員長、森下理事、粕谷、片山、内藤各委員、それに私小平と、一月二十五日から二十七日の三日間、岐阜県と滋賀県の救急医療対策、母子保健対策、心身障害児者の福祉対策及び公衆浴場法をめぐる諸問題に関する実情を調査してまいりました。
 両県からそれぞれ右施策の説明を聴取し、岐阜県では川島町母子総合センター、水野町地域特殊浴場、県立整肢学園、大垣市民病院を、滋賀県では雄琴特殊浴場、大津日赤病院、第一びわこ学園、守山母子健康センターを視察いたしました。
 以下簡単に調査の概要を御報告申し上げます。
 まず、救急医療について申し上げます。救急告示医療機関の設置者では、岐阜県は私的機関が七五%を占め、滋賀県は逆に公的機関が七八%で、他府県に見られない割合となっております。しかし、患者の搬送先では、岐阜県において公的機関へ搬送された割合が多く、全国平均を大きく上回っております。また、医師不在を理由とする転送は、岐阜県が四八・八%あり、全国の約二〇%を大きく上回り、逆に滋賀県では六・九%と少ない数字を示しております。
 休日夜間診療の不備は全国的な問題となっておりますが、岐阜県においては県人口に対し、輪番制とで五〇・八%の実施率となっております。しかし夜間診療体制の整備はおくれております。滋賀県の診療所における夜間診療実施状況は、していない診療所四百六十四に対し、夜間あるいはそれ以降も実施しているが百五十六カ所であります。
 両県の救急医療対策は、国庫補助事業のほか、岐阜県では民間診療機関の施設設備の整備及び外科救急医療施設、休日当番医実施機関の運営費助成等の県単独事業を行うとともに、救命救急センター早期設置を目標に、国立岐阜大学医学部等関係医療機関と施設整備、医療従事者の確保について研究、協議が進められております。
 滋賀県においては、救急病院協力促進、特殊医療機器整備及び乳幼児等救急医療確保に対し、補助をする県単独事業が行われております。
 両県から民間告示施設の施設設備を補助対象にし、休日診療所への助成基準の拡大、自治体病院等不採算地区病院該当要件の緩和、救急医療法制化の位置づけへの要望がありました。
 大垣市民病院は、六百四床、十六診療科、CCU(心疾患集中監視治療室)三床、人工腎臓十二台とICU(集中監視治療室)五床を設備中の大垣市を中心にする広域基幹病院であります。年に一万二千から一万四千の時間外救急患者を扱い、内科系が六一・二%で、小児科は病院全体の患者の三分の一と多く、時間外の入院は日に平均四人という状況でありました。
 病院長より、まず救急医療体制における内科、小児科患者の増加に対応する国の施策の不備についての指摘がなされ、具体的な問題として、第一次急病急患診療所整備の急務と、自治体病院の負担にも限度があるので、地域救急医療分担における経済的負担及び労働条件につき、医師会との連携を保ち、これに対する行政指導を行う必要があり、さらに病院が二次病院の役割りを果たすために入院設備の整備をしなくてはならない。特に脳卒中等高度な医療を要する疾患の治療は広域的医療供給体制の整備とその経済的裏づけが必要であると強調されました。
 大津日赤病院は、七百六十六床、十四科部、看護婦養成施設等をあわせ持ち、四十三年に県から救急医療センターに指定されました。救急センターの時間外患者は年間約六千で、小児、老人の増加が目立ってきております。休日、祭日の診療体制に配慮し、当直勤務は医師、看護婦、検査技師等十一名で当たっておりました。しかし、当直要員の不足、救急医療の不採算性等から救急センターの赤字は年に約一千七百万円に上っております。人件費が六〇%を占めております。年間の当直料として一千七百万円支出し、時間外手当と合わせると約三千万円となります。
 病院から救急センター維持費助成金の増額、設備整備費の補助、救急医療における空床確保料の補てん、及び看護婦養成に対する国庫補助の増額への要望がなされました。
 次に、母子保健について申し上げます。母子保健の水準の指標となる岐阜県及び滋賀県の妊産婦と乳児死亡率を見ますと、岐阜県の妊産婦死亡率を除き、いずれも全国平均を上回っております。母子の健康を守る施策として、岐阜県では特に乳児死亡の実態調査、妊婦の貧血検査、保健所が歯科医師の派遣を依頼して行う乳幼児の歯科相談と、母親に対する歯科知識の普及事業等に県費を投じ、力を入れております。
 滋賀県では、障害児発生予防対策として、本年度から精神発達面に問題のある乳幼児の早期発見、早期治療を行うため、モデル的に四つの保健所で精神発達相談に、及び市町村が実施する乳児保護相談に対し、補助をしております。岐阜県から妊婦、乳児委託健康診査の補助基準単価を大幅に引き上げられたいとの要望があり、滋賀県からは、基本的母子保健施策の市町村移管と市町村母子健康センターの必置をもととする母子保健法の改正、母性保健基本法の制定及び小児慢性特定疾患治療研究での通院治療にも国庫補助をしてほしいとの要望がありました。
 岐阜県内の母子健康センターは三十四カ所あります。その中で木曽川と支流に囲まれた二つの島から成る人口約七千の川島町母子総合センターを視察いたしました。町は、従来の助産及び妊産婦乳幼児保健指導のほかに、幼児の遊びの部門と母性のより広い領域の学習とを取り入れた総合施設として、五十年五月に改築したところであります。ここの特徴は、専任の歯科衛生士による妊婦、乳幼児の歯科指導、検診が行われていることであります。年平均百六十件の分娩が行われ、町内居住者の分娩料は六万六千円で市中より安く、しかも助産婦による十分な乳児指導等が得られるため、好評となっています。しかし、すでに高齢にある助産婦の後任がいないことと、国の特別交付税による助成が五十年度で一施設百三十五万円で少ないことに運営上の悩みを持っております。また、国の設置補助基準は実勢の約四分の一となっているので、基準面積及び平米単価を大幅に引き上げられたいとの要望がなされました。
 守山母子健康センターは、妊産婦、乳児指導相談と助産とを行うため、昭和四十一年に開設されました。市の人口は現在約四万三千であります。年間、市内お産の四分の一の二百件前後の分娩を取り扱っていますが、市民の希望に応じきれず、生活の苦しい方を優先している状況であります。予算は入所料等と県からの補助五十五万円が主な収入ですが、市費を六百万円持ち出して運営に努力いたしております。ここでも助産婦の確保に苦、心しております。また、将来周辺に医療機関が整備されてくると、医師の協力参加も得にくくなると憂慮されております。
 次に、心身障害児者の福祉について申し上げます。身体障害児者は、岐阜県が三万五千二百五十一人、滋賀県が一万四千五百四人、精神薄弱児者は岐阜県が九千四百三十六人、滋賀県が四千三百六十人と推計され、重症心身障害児者は岐阜県が三百二人、滋賀は在宅と施設にいる県内の者とで百八十一人と把握されております。心身障害児施設における就学状況を見ると、岐阜県では学齢児六百十名のうち学籍のないものが六十名おります。滋賀県ではびわこ学園児が学籍がなく、大津市の訪問指導が行われております。両県とも五十四年養護学校の義務化に当たり、これら心身障害児の教育方法及び教育の場の確保に迫られているところであります。
 岐阜県の施設内学級、養護学校の心身障害児の進路状況は、卒業二百七十九名のうち就職が百二十三名、職業訓練へ六十七名となっており、中でも養護学校の卒業者はほとんど就職できない状況であります。
 また、さきに改正された身体障害者雇用促進法について、事業所等は促進法附則第四条による精神薄弱者の雇用促進に関する検討と適切な措置の早期樹立、職場開発への指導援助及び事業内訓練に対する助成の充実を望んでおります。心身障害児者福祉に関し、岐阜県から重症心身障害者の施設入所希望がふえているので、制度上の位置づけと施設整備を国において実現されたい、及び心身障害者扶養共済制度の加入漏れ者の救済措置と加入年齢制限を緩和してほしい。滋賀県からは、施設整備国庫補助の基準単価及び基準面積の改善、運営費の重度加算及び重症指導費の増額等の要望がありました。
 岐阜県立整肢学園は、早期発見が進められたことから入園児が減ってきております。定員に対して八〇%の入園率で、このことは肢体不自由児施設の全国的な傾向であります。在園児百一名のうち脳性小児麻痺が八十二名で年々幼少、重度化しております。園児の訓練はPT、マッサージ士、言語療法士等十人で行われていました。園ではこれを少なくとも十五名にしたいが、OT、PT、看護婦の絶対数が不足しているので困難な状況にあることが述べられるとともに、国のこれら職種の養成が緊急になされることの要望がありました。
 重症心身障害児施設、第一びわこ学園について申し上げます。昭和四十三年に第二びわことあわせて二百七十であった定員は現在二百四十になり、在園児はそれより少ない百六十九名であります。これは昭和四十八年にピークに達した職員の腰痛症の発生であり、一方において職員、特に医療及び看護職員の確保が困難なためやむなくとられた措置の結果であります。学園児百六十九名のうち十六歳から三十歳の者が百三十二名で年長化を示し、体重三十キロ以上が百二十九名おり介護の困難なことを示しております。第一びわこよりも第二びわこの方が年長者、体重の重い者が多くおります。直接介護職員対入園児一対一の比率を若干欠いている状況であります。腰痛、頸腕症候対策として園では温療、マッサージ等の治療、予防体操を実施していますが、労災認定の職員が二十二名おります。園から、びわこ学園在園児よりも重症な子供が家庭で待機しているし、ここの重症児に介護を集中したいので、精神薄弱者施設等の施設体系を整備し、これら施設に対する重度加算の大幅増額を行い、重症心身障害児施設との入所児の交流を進めやすくするとともに、重症指導費の増額について給与改定等に伴う増額措置に準じた処置をしていただきたい、及び省力化機器の補助について限度額の引き上げと継続交付をされたいとの要望がなされました。
 最後に、公衆浴場法をめぐる諸問題のうち滋賀県の雄琴特殊浴場について申し上げます。
 雄琴の個室付浴場業営業禁止除外地域は、滋賀の風紀環境をよくする婦人団体がトルコぶろ営業がこれ以上増加しないようにとの陳情をきっかけとして、昨年十月にこれまでの半分以下の地域に縮小されたところであります。いままで三回地域規制が行われましたが、地域規制がされた年に営業所の増加が目立ち、現在四十六営業所が四万六千平方メートルの地域に林立し、五百七十七名のトルコ嬢がおります。
 現地での滋賀県特殊浴場協会長等からの説明によりますと、賃金台帳、固定給制がいずれも履行されておらず、サービス料を収入源としてトルコ嬢の平均月収は三十万円から四十万円であります。これに対し、県警察本部は四十五万円から五十五万円と推定しております。
 また、一店舗当たりの建築費は二億円前後をかけ、個室一部屋にすると一千万円になります。岐阜市水野町で視察した店舗の改築費が七百万円でありましたから、比較にならない設備投資を行っております。これらの建設資金は主に中小銀行、信用金庫から融資を受けております。九〇%が地元以外の経営者で、最近経営難の状況にあるもののほとんどが営業を継続したいとの希望を持っておりました。視察しました営業所は、最近営業を始めた店舗と初期から営業を続けている店舗と二カ所で、入浴料は一万円と五千円で、その他サービス料であります。入浴料一万円のところは、浴そう、蒸気ぶろ、洗面回りに大理石が張られた豪華な個室であります。個室入り口上部の窓は横六十センチ、縦七十センチで条令改正で大きくなったところであります。外装のネオンは想像を絶し、各営業所がそのけんらんさを競っておりました。
 県警察本部によりますと、人口千人当たりのこの地区の刑法犯罪は大津市の二倍から三倍と多く、売春検挙状況は四十九年十四件、五十年十九件、五十一年四十二件と激増しており、検挙内容は場所提供によるものが多くを占めております。また暴力団が直接営業をする店舗はありませんが、用心棒として介入している店が二、三軒で、その他暴力団関係会社が石けん、タオル等を営業所に卸しているとの説明がありました。
 滋賀県から、個室付浴場の規制については、公衆浴場法に基づく条例、規則では限界があるので、風俗営業等取締法に基づく風俗営業として許可対象にするか、新しい法律によって規制する等の措置を講じてほしいとの要望がありました。
 以上で報告を終わります。
#5
○理事(浜本万三君) 以上で派遣報告の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#6
○理事(浜本万三君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い理事に一名の欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○理事(浜本万三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に丸茂重貞君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#8
○理事(浜本万三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障制度等に関する調査のうち、救急医療に関する件の調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○理事(浜本万三君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○理事(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#11
○理事(浜本万三君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生行政の基本施策について渡辺厚生大臣から所信を聴取いたします。渡辺厚生大臣。
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昨年末、福田新内閣の発足に際しまして、厚生大臣に就任をいたしました渡辺美智雄でございます。社会労働委員会の御審議に先立ち、就任のごあいさつを兼ねて、厚生行政について所信の一端を申し上げたいと存じます。
 現在、わが国の経済は、エネルギー、食糧等の資源や環境上の制約を踏まえつつ、高度成長から安定成長へと移行しつつあります。このような状況下では、従来のような税の大幅な増収は期待できず、国はもちろん、地方公共団体の財政もきわめて厳しい状況にあります。しかし一方、人口の急速な老齢化や都市化が進むにつれ、各般の社会保障の充実が強く要請されております。政府は、昭和五十二年度の予算編成に当たり、社会保障費の増額を図る傍ら、真に福祉施策を必要とする分野に重点的、効率的、かつきめ細かい配慮を加え、その充実に並々ならぬ努力を払った次第であります。その結果、厚生省所管予算は、総額五兆五千九百億円、対前年度比一八%増と、国家予算全体の伸びを相当上回る伸びを見たのであります。
 私は、社会保障制度については、社会的公正の確保に配慮しつつ、着実かつ効率的にその整備を進める決意であります。同時に、国民すべてが福祉の心を社会連帯の基調とすることによって、初めて名実ともに備わった福祉社会の建設が可能になると信ずるものであります。以下当面の主要課題について申し上げます。
 第一に年金制度につきましては、物価の動向等に適切に対処し、九・四%の年金額の引き上げをすることといたしましたが、その実施時期については、厚生年金については八月、国民年金については九月に繰り上げて行うこととしております。また、福祉年金については、物価の上昇率を上回る年金額の引き上げを行うとともに、いわゆる盆暮れ払いを実現することとしております。
 第二に、心身障害者、母子家庭、老人等の社会的、経済的に弱い立場にある人々の生活の安定と福祉の向上を図ることに特に配慮をいたしております。心身障害者の福祉については、特別児童扶養手当及び福祉手当の増額等を図ることとし、さらに心身障害の発生予防のため新たに一歳六カ月児の健康診査を実施するなど母子保健対策を強化することとしております。また、母子家庭、低所得層等に対する福祉施策の増進を図るため、保育対策の強化、児童扶養手当の増額等を行うほか、生活保護については、生活扶助基準額を一二・八%引き上げることとしております。さらに、老人医療費支給制度につきましては、来年度も無料化を継続することといたしております。社会福祉施設については、引き続き計画的に整備を進めるとともに、その運営の改善、入所者の処遇改善を図ることとしております。
 第三に、保健医療の基盤整備の推進であります。まず、救急医療対策につきましては、その問題の重要性にかんがみ、今年度予算の約四倍、関連経費を含め百億円を上回る額を計上し、その体系的な整備を図ることとしております。特に、初期救急医療体制の柱となる地域医師会の在宅当番医制に対する助成や、病院群の輪番制等を含む第二次救急医療体制の整備をすることとし、さらに広域救急医療情報システムの整備を新たに行い、また救命救急センターの大幅な増設、休日夜間急患センターの設置対象地区の拡大等を進めることといたしております。また、僻地医療対策の推進、公的病院等の財政対策の拡充等を図ることとしております。予防接種対策については、昨年の制度改正を踏まえ、その円滑な運用に万全を期したいと考えております。この他、難病対策、循環器病対策、原爆被爆者対策等についても強化充実を図ることとしております。
 第四に、医療保険制度について申し上げます。医療保険制度については、昭和五十三年度を目途に制度全般にわたる基本的な見直しに取り組む所存でありますが、一方、窮迫した健康保険財政の現状は放置できない状況にあります。このため、今国会に、賃金の実態や医療費の状況に対応して標準報酬の上限と一部負担金の額をそれぞれ引き上げるとともに、当面の臨時応急の措置として、特別保険料の徴収に関し所要の規定を設けることとしましたが、同時に、特に要望の高い給付改善として、傷病手当金の支給期間を六カ月から一年半に延長する制度改正を御提案申し上げることとしております。
 また、政府管掌健康保険については、特別保険料の徴収との関連において、従来の定率国庫補助とは別枠で、特別国庫補助百三十億円を計上しております。国民健康保険については、老人の医療費の増加等により、財政状況はきわめて厳しい局面を迎えていますが、来年度におきましても、その健全な運営を確保するため、保険者に対する助成の強化に努めております。懸案の歯科差額問題については、できるだけ早い機会に適切な処置を行うよう誠心誠意努力してまいる所存であります。
 第五に、廃棄物処理対策、水道の整備対策等の生活環境整備の施策を充実するとともに、食品、医薬品、家庭用品の安全性を確保するための施策を推進することとしております。なお、医薬品の副作用による健康被害の救済制度の創設につきましては、現在鋭意検討を進めております。
 最後に、戦傷病者戦没者遺族等の援護については、遺族年金等の額を引き上げるとともに、その支給範囲の拡大等を図ることとしております。
 以上が厚生行政の当面の主要課題でありますが、そのいずれをとりましても国民生活と国民福祉に密接な問題ばかりであります。私は、皆様の御支援を得ながら全力を挙げて取り組む覚悟でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
    ―――――――――――――
#13
○理事(浜本万三君) 次に、労働行政の基本施策について石田労働大臣から所信を聴取いたします。石田労働大臣。
#14
○国務大臣(石田博英君) このたびまた労働大臣に就任いたしました石田でございます。社会労働委員会の御審議に先立ち、就任のごあいさつを兼ねて当面の労働行政について所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
 最近の労働行政を取り巻く環境は、石油危機以降の三年間にわたる、いわゆる調整過程を通じて著しい変貌を遂げつつあります。すなわち、労働力の高齢化、高学歴化が進む一方、労働力の需給の基調は一転いたしました。また労働者の意識と生活態度も、量的拡大を目指した成長中心のものから、質的充実を重視した生活中心のものへと変わりつつあります。このような情勢のもとで、資源のない日本を支えてきた労働者の福祉の増進を図るため手厚い対策を講じることこそ、今日の労働行政が果たすべき責務であると考えます。
 私はこのような見地に立って、当面次の事項に重点を置いて労働行政を推進してまいります。
 当面する最大の課題は、インフレなき完全雇用をいかに達成し、維持するかにあります。このため、政府といたしましては、雇用の動向に十分配慮した経済運営の確保に努め、雇用機会の拡大を図るとともに、雇用対策の面からは、今後の安定経済成長を踏まえて失業の発生を事前に防止することが何よりも大切であるという観点に立ち、雇用安定資金制度を創設することとし、これに必要な雇用保険法等の一部を改正する法律案を今国会に提出することといたしております。
 なお、高齢化の急速な進展の中で、特に再就職が困難となっている高年齢者につきましては、さきの国会で改正された中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法に基づき、高年齢者雇用率制度を新たに創設したところであり、定年延長奨励金などの奨励措置の活用と相まって、定年の延長、雇用の確保に努めてまいります。
 雇用対策と並んで雇用の安定を支える柱である職業訓練の面におきましては、離転職者や雇用調整下にある労働者に対して計画的かっ機動的な訓練を行うとともに、より長期的な見地から生涯訓練制度の確立を目標とした施策の展開を図ってまいります。
 第二は、生命と健康を守る労働災害防止対策の推進であります。労働災害は逐年減少傾向を続けていますが、一方で社会的に大きな関心を呼んでいる職業がんなどの新しい職業病の発生が見られ、その対策が緊急の課題となっております。このため、健康管理の始点である健康診断の徹底を図るとともに、新しい化学物質の有害性調査を行うための実験、研究施設の整備を初めとし、予防、健康管理、治療、補償等の施策を総合的に推進してまいります。特に、職業病対策等の充実強化を図るため有害性調査、疫学調査体制の確立を中、心とする労働安全衛生法の一部を改正する法律案、及び粉じん作業労働者の健康管理の充実を期するためのじん肺法の一部を改正する法律案を今国会に提出することといたしております。
 第三は、勤労者の福祉の向上であります。勤労者財産形成制度については、本年四月から新しく財形持ち家個人融資制度を発足させることとしておりますが、今後も財形制度全体についてさらに検討を加え、一層の充実を図っていく考えであります。
 なお、今後の最低賃金制のあり方につきましては、現在、中央最低賃金審議会において審議が行われているところであり、その結論を待って対処したいと考えております。
 次に、婦人問題につきましては、先般、国内行動計画が策定され、また、昨秋、婦人少年問題審議会の建議も出されております。これらの趣旨に沿って職場における男女平等の促進等、勤労婦人を中心とする婦人の地位向上のための対策を一層充実していく考えであります。
 最後に、労使関係について申し上げます。労使関係を取り巻く情勢が大きく変化する中で、新たな経済社会情勢に対する労使の適応が要請されており、話しい現実に対する共通の認識を育てていくことが必要であると考えます。もとより、賃金問題を初めとする労使間の諸問題は、労使の自主的な話し合いを通じて解決さるべきものでありますが、労使ともわが国経済の現状を踏まえ、相互信頼の上に立って広い視野から徹底した話し合いを行い、良識を持って対処されることを強く期待しております。
 以上、当面する労働行政の重点事項について私の所信を申し述べました。各位の一層の御鞭撻と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
    ―――――――――――――
#15
○理事(浜本万三君) 次に、石本厚生政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。石本厚生政務次官。
#16
○政府委員(石本茂君) お許しをいただきまして、就任のごあいさつを申し上げさせていただきます。
 昨年の暮れに再び厚生政務次官に就任いたしました。今日の情勢を見ておりますと、先ほど大臣も申しておられますように、厚生行政の諸般にわたりましての施策につきましての、基本的な大きな見直しと同時に、各個にわたりましても一層の充実強化が叫ばれておりますので、微力でございますが、大臣の御指示のもとに一生懸命に努力をしてまいるつもりでございますが、委員長様、委員各位の先生方の今日までいただきました御指導、さらには加えましての一層の御指導、御鞭撻を賜りますことを心からお願いいたしまして、私のあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#17
○理事(浜本万三君) 次に、越智労働政務次官から発言を求められておりますから、これを許します。越智労働政務次官。
#18
○政府委員(越智伊平君) 昨年末、労働政務次官を拝命いたしました越智伊平でございます。
 低成長下の労働行政、きわめて重要な時期でございます。微力ではございますが、誠心誠意努力をいたしたいと思いますので、よろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げましてごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
#19
○理事(浜本万三君) 次に、昭和五十二年度厚生省関係予算につきまして、政府から説明を聴取いたします。持永会計課長。
#20
○政府委員(持永和見君) 昭和五十二年度の厚生省所管予算の概要につきまして、お手元にお配りしてございます資料に基づきまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 まず、とびらのページでございますけれども、昭和五十二年度の厚生省所管予算の概要でございます。五兆五千九百四億五千七百万が五十二年度予算でございますが、五十一年度予算に対しまして増加額が八千五百十二億六千七百万、伸び率にいたしまして一八・〇%でございます。
 この予算は、国家予算に占める割合といたしましては一九・六%ということに相なっております。
 以下、個別の事項の主な内容につきまして御説明申し上げます。四枚めくっていただきまして一ページと書いてあるところからでございます。
 まず、保健医療に関する基盤整備の推進でございまして、その第一は救急医療対策の総合的推進でございます。救急医療対策につきましては、その飛躍的な体系的かつ総合的な整備を図ることといたしまして、救急医療の関連予算を含めますと百一億七千万と五十一年度予算の四倍近くの増額を図ることといたしております。
 その内容でございますが、まず、初期救急医療といたしましては、休日夜間急患センターを大幅に拡充すること、新たに当番医制の普及定着化を図ることでございます。また、一ページの真ん中ほどから下の方にございます病院群輪番制の整備あるいは共同利用型病院の整備、次のページにまいりまして、当直医診療科協定の実施といったような、第二次の救急医療体制を整備することを新たに設けることとしております。
 さらに、脳卒中でございますとか心筋梗塞でございますとか、そういった重症患者のための第三次の救命救急センターにつきまして、これを大幅に拡充することといたしております。また、二ページにございますように、新規な施策といたしまして、新たに都道府県を単位といたします広域的な救急医療情報システムの整備を行うこともいたしております。
 以上が救急医療体制の主な内容でございます。
 次は三ページでございますが、母子保健対策の拡充といたしまして掲げてございますが、母子保健対策といたしましては、新たに三ページの備考の欄で真ん中から下の方にございますが、新規の施策といたしまして先天性代謝異常検査、それからその次の四ページでございますが、四ページの下の方にございますが、一歳六カ月児の健康診査、家族計画特別相談事業、こういったものを新規の事業として実施することとしましたほか、四ページの真ん中ほどからちょっと上の方にございますように、従来ございました市町村の母子保健事業につきまして、これを全体として統合メニュー化し、施策の拡充強化を図ることといたしております。
 次は五ページでございますが、五ページは老人保健対策の推進でございます。老人保健対策につきましては、五ページにございます老人健康診査、それからその次のページにございます在宅老人機能回復訓練あるいは老人保健学級、こういったものについて施策の充実を図るとともに、六ページでございますが、老人医療費の支給制度につきましては、五十二年度も引き続き無料化制度を継続することとし、また本人の所得制限につきましてはその限度額の引き上げを図ることといたしております。
 六ページの下の方でございますが、特殊疾病対策の強化のうちの循環器疾患対策でございます。御案内のとおり循環器疾患につきましては、国民の死因順位の首位を占めているものでございますが、この問題につきましては、検診項目の拡大、あるいは検診後の保健指導など健康診断内容の充実を図ることといたしておりますとともに、次のページでございますが、循環器疾患に関し専門的な治療研究、あるいは研修、そういったものを行います国立の中枢機関といたしまして、循環器病センターを開設することといたしております。
 次の七ページの下の方にございますがん対策でございますが、それから八ページにございます腎不全対策、それから九ページでございます精神衛生対策、これらにつきましても、それぞれ施策の所要の推進を図ることといたしております。
 それから、九ページの真ん中から下ほどにございます難病対策でございますが、難病対策につきましては調査研究、医療対策の推進を図りますとともに、十ページでございますけれども、新たに神経、精神、筋、そういったものの発達障害に起因する難治性の疾病につきまして、総合的な研究を行います神経センターを開設することといたしております。
 十一ページが予防対策でございますが、予防対策につきましては、昨年御審議いただきました予防接種法によりまして、予防接種対象疾病の拡大を行いますとともに、予防接種の事故救済給付に関する各種手当の引き上げ、あるいは十二ページにございますけれども、予防接種による健康被害者に対する保健福祉事業の助成などを新たに行うことといたしております。
 十二ページの下の方が新規の施策でございますが、ラッサ熱等の国際的な特殊感染症の患者のために、国際保健対策といたしまして、そういった患者さんを収容いたします特殊感染症の病棟施設整備などを行うこととしておるものでございます。
 十三ページにまいりまして、僻地医療対策でございますが、僻地医療対策につきましては、計画的に僻地中核病院、僻地診療所の整備を初め、所要の施策の推進を図ることといたしております。
 十五ページにまいりまして、公的病院の財政対策でございます。公的病院の財政対策につきましては、新たに自治体病院につきまして、がん診療施設を運営費の補助対象に加えるとともに、日赤等四団体病院につきましては、財政再建のための財政調整費を計上してございます。
 十六ページ以降が福祉に関する基盤整備の推進でございます。まず、心身障害者の発生予防の推進及び治療訓練の高度化につきましては、従来からございますそれぞれの施策の充実、強化を図っております。
 また、老人福祉対策につきましては、十六ページの中ほどから下にございますが、老人就労あっせん事業、あるいは十七ページにまいりまして福祉電話の設置事業、こういったものについて大幅な増設を図ることといたしております。
 次に、在宅の心身障害者の援護対策につきましては、従来からございます地域活動推進事業の一環として、新たに在宅の障害者の社会適応訓練事業を創設することといたしておりますが、そのほか十八ページでございますが、十八ページの中ほどから下に、在宅の心身障害者に支給することといたしております福祉手当につきましては、手当月額を引き上げるとともに、福祉年金を中心といたしまして、受給者の方々などから強い要望がございましたいわゆる盆暮れ払いを実現するために、支払い期月を従来の一月、五月、九月から四月、八月、十二月に変更することといたしております。この支払い期月の変更は、後ほど出てまいります福祉年金、児童扶養手当、特別児童扶養手当、皆同様でございます。
 十八ページの下の方の在宅の心身障害者対策の拡充といたしましては、十九ページにございますが、在宅の精神薄弱者の作業指導、あるいは生活訓練を行うために精神薄弱者の通所援護事業助成を新たに創設することといたしておりますし、また特別児童扶養手当につきましては、障害福祉年金の引き上げとあわせまして、その手当額を引き上げることといたしております。
 二十ページにまいりまして、心身障害者の関係の施設対策でございますが、この問題につきましては心身障害者福祉協会に経営を委託しております高崎コロニーを初めといたしまして、それぞれの施設について所要の施設整備あるいは運営の改善を図るとともに、下にございますが、国立リハビリテーションセンターにつきましては、その設置の推進を図るために所要の予算を計上してございます。
 二十一ページにまいりまして乳児保育等の保育対策、それから二十二ページの児童の健全な成長のための対策につきましても、所要の措置を講ずることといたしております。
 二十三ページでございますが、二十三ページは地域社会におけるボランティア活動の育成強化でございます。これにつきましては、新たに中央にボランティア振興組織を設けるとともに、地方の社会奉仕活動センターを拡充する、あるいはまた民生委員活動、社会福祉協議会活動の強化を図ることといたしております。
 二十四ページでございます。二十四ページは社会福祉施設の関係でございますが、まず施設整備につきましては、所要の整備を従来に引き続き進めますとともに、補助内容について改善を行う等の措置を講ずることといたしております。また施設運営の改善につきましては、給食体制の整備等に必要な大幅な職員の増員を図りますとともに、二十四ページから二十六ページにかけて書いてございますが、職員あるいは入所者の処遇について所要の改善を図ることといたしております。
 二十七ページは低所得者援護対策の強化でございます。まず生活保護につきましては、生活扶助基準を一二・八%引き上げることといたしましたほか、教育、出産、生業、葬祭、そういった各扶助につきまして所要の改善を行うことといたしております。世帯更正資金については、貸し付け原資につきまして所要の額の引き上げを行っております。また母子家庭の自立促進等母子福祉対策につきましては、母子福祉貸付金の増額など貸し付け制度の拡充を図りますとともに、新たに母子家庭及び寡婦自立促進のための自立促進講習会受講の旅費支給制度、こういったものの創設をすることといたしております。また二十八ページの児童扶養手当でございますが、これにつきましては、福祉年金の母子福祉年金にあわせまして所要の額の引き上げを図ることといたしております。
 二十九ページ以降、食品、家庭用品等の安全対策の拡充強化でございますが、これにつきましては従来からの施策の推進を図っておりますほか、食品衛生取り扱い規範の策定、三十ページにございます天然添加物の調査、それから三十ページの中ほどから下にございます家庭用品安全対策調査研究、そういった新規の政策を行うことといたしております。
 三十ページの下の方にございます医薬品等の安全対策につきましても、三十一ページにございますが新たに医薬品製造所交差汚染防止基準を作成することといたしております。
 三十二ページでございますが、医薬品の副作用被害者救済制度の問題でございますが、医薬品について副作用による被害に対する救済制度創設のために所要の調査を進めることといたし、そのための予算を計上してございます。
 三十三ページの環境衛生施設の整備でございます。まず水道関係の施設につきましては、簡易水道につきまして建設条件の悪い市町村に対する補助内容の改善を図りますとともに、水道水源の確保と水道事業の広域化を促進することといたしております。
 三十四ページが廃棄物関係でございます。廃棄物処理施設の整備につきましては、引き続きその整備を計画的に進めますとともに、補助単価につきましてこれを大幅に引き上げております。また三十六ページでございますが、廃棄物総合処理資源化事業を新たに開発することとし、また産業廃棄物につきましては規制の強化が行われたことに伴いましてその対策の拡充を行うことといたしております。
 三十七ページから、看護婦、保母等の処遇の改善及び養成確保でございます。まず、看護婦の確保対策につきましては、看護婦等貸与金の額を引き上げる、あるいは養成所の整備促進等をする、あるいは三十八ページでございますが、ナースバンクの拡充を図るといったような施策を講ずることといたしております。また看護婦の処遇につきましては、三十九ページにございますけれども、夜間看護手当の引き上げを図るほかに、新たに深夜通勤加算制度を設けることといたしております。このほか、看護婦の資質の向上を図るために、五十二年度におきまして新たに看護研修研究センターを開設することといたしております。
 次は、三十九ページの下の方の保母等の福祉施設従事者の養成確保でございますが、これにつきましても、看護婦とあわせまして保母の修学資金貸与金の引き上げを図りますほか、産休代替職員については所要の改善措置を行うことといたしております。
 次は四十二ページでございますが、年金制度の改善でございます。年金制度の改善につきましては、まず福祉年金につきまして、老齢福祉年金を一万五千円に、一級障害福祉年金を二万二千五百円に、二級障害福祉年金を一万五千円に、母子、準母子福祉年金を一万九千五百円に引き上げますほか、所得制限につきましては、老人医療費支給制度と同様、本人の所得制限につきまして所要の引き上げを図ることといたしております。また先ほど御説明いたしましたように、支払い期月につきまして、いわゆる盆暮れ払いの実現を図ることといたしております。
 次は拠出年金でございます。拠出年金につきましては、年金額の物価スライド制による給付改善を、従来と同様その実施時期を厚生年金、船員保険につきましては十一月から八月に、拠出制国民年金につきましては来年の一月から本年の九月に繰り上げることといたしております。
 四十三ページは医療保険でございます。まず、政府管掌健康保険につきましては、財政の健全化を図るための所要の制度改正の中の特別保険料の徴収との関連におきまして、従来の定率国庫負担とは別に定額百三十億円の特別国庫補助制度を導入することといたしまして、これらを合わせまして約三千百三十四億円の国庫負担を計上してございます。
 また、真ん中から下の国民健康保険でございますが、国民健康保険につきましては、一兆四千七百億円の予算を計上してございます。この中には法定の国庫補助のほか、臨時財政調整交付金等の特別助成費を市町村、国保組合合わせまして千百十八億円、さらに助産費の補助基準額の引き上げに要する費用がこの中に含まれております。
 次に四十五ページは、健康保険制度の制度改正の内容を記してあるものでございます。
 四十六ページ以降、その他の重点施策でございますが、まず原爆被爆者対策につきましては、特別手当、健康管理手当等、各種手当につきまして額の引き上げあるいは所得制限の緩和を行うことを考えております。
 そのほかに、四十七ページでございますが、健康診断につきまして、検査項目の拡大等の措置を講ずることといたしております。
 四十七ページの下にございます同和対策につきましては、所要の施策の推進を図ることとしておりますほか、四十八ページに参りまして戦傷病者、戦没者遺族等の援護の問題でございますが、これにつきましては、まず年金につきまして、恩給法の改正に準じましてその額の引き上げ、対象範囲の拡大を行うこととしております。また四十九ページにございますが、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の対象範囲につきましても、その拡大を図ることといたしております。
 また五十ページでございますが、新たに沖繩に戦没者墓苑を建設する経費、あるいは中国等からの引き揚げ者に対して援護措置を強化する経費等を計上してございます。
 五十一ページに参りまして、血液確保対策、それから麻薬、覚せい剤取り締まり対策、それから環境衛生関係営業の振興対策、こういったものにつきましても必要な経費を計上したところでございます。
 なお、この後に各特別会計の歳入、歳出予算の一覧表を付してございますが、説明は省略をさせていただきます。
 以上で終わります。
    ―――――――――――――
#21
○理事(浜本万三君) 次に五十二年度労働省関係予算につきまして政府から説明を聴取いたします。寺園会計課長。
#22
○政府委員(寺園成章君) お手元の「昭和五十二年度労働省関係予算の概要」に基づきまして御説明申し上げます。
 まず第一ページ、五十二年度の予算規模でございますが、真ん中の欄に五十二年度要求額がございます。一般会計三千七百四十六億九千八百万でございます。五十一年度に比べまして九・七%増でございます。
 労働保険特別会計でございますが、要求額二兆一千百六十七億五千四百万、七・七%増でございます。
 それから下の方に参りまして、石炭及び石油対策特別会計五十二年度の要求額百五十八億六千百万円、九・一%増でございます。総計二兆五千七十三億一千三百万、八%増ということでございます。
 以下、主要事項につきまして御説明を申し上げます。二ページでございますが、主要事項の第一が成長率低下のもとにおける完全雇用の達成でございます。その一といたしまして景気変動、産業構造の変化等に対処する雇用安定対策の確立でございますが、(2)に雇用安定資金の設置がございます。先ほどの大臣の説明にもございましたように、失業の発生を事前に防止いたしますために、雇用安定資金制度を新たに創設することといたしております。予算的には雇用安定に要する事業費といたしまして三百七十七億、それから雇用安定資金への繰り入れが百億ということで予算を計上いたしております。
 (3)の職業転換のための援護措置の強化でございますが、職業転換給付金の単価をアップいたしますと同時に、三ページに参りまして、新たに造船業離職者に対しまして職業転換給付金を支給しますのと、寡婦等の求職者に対しまして新たに訓練手当を支給することといたしております。
 事項の二に進んでまいります。雇用構造の改善と雇用促進対策の強化でございますが、(1)に定年延長の促進等高年齢者雇用安定対策の推進がございます。定年延長につきましては、定年延長奨励金を中小企業は八万円から十二万円に、大企業につきましては六万円から九万円に増額をいたしております。率といたしましては五〇%アップしておるところでございます。また、これと関連をいたしまして四ページに参りますと、継続雇用奨励金の適用拡大と増額がございます。六十歳を超えました定年到達者を引き続き雇用することを促進いたしますために、中小企業につきましては四万円から六万円というふうに五〇%アップをいたしますとともに、五十二年度から新たに大企業にもこの制度を適用することといたしております。
 真ん中の(2)心身障害者雇用対策の強化でございます。第一に、身体障害者雇用納付金制度による雇用促進事業を推進してまいりますほか、三にございますように、心身障害者の職業センターの増設、あるいは勤労身体障害者体育施設の増設等の設備の整備を図りますと同時に、精神薄弱者につきましては、一番下にございますように精神薄弱者の相談員を三十人増設いたしますほか、五ページに参りますと、精神薄弱者の適職の調査研究の推進に要する予算を計上いたしておるところでございます。
 五ページの真ん中に(4)高学歴化に対応した雇用対策の推進がございます。大学卒業者の就職を援助いたしますために、五十一年度に引き続きまして学生職業センターをさらに二カ所拡充をしてまいりたい、そのための予算を計上いたしております。
 五ページの下の方に(6)特定離職者等の就職促進対策の推進がございます。一番の駐留軍関係離職者それから沖繩の失業者、二番の同和対策対象地域住民、それから六ページに参りまして炭鉱離職者、出かせぎ労働者、港湾労働等につきましては、従来の施策の充実を中心としてその対策を推進してまいることにいたしております。
 六ページの真ん中辺でございますが、(7)失業対策事業の適切な運営でございます。失業対策事業につきましては、労力費につきまして一二%アップの予算を計上いたしております。
 第二の職業訓練の充実発展と生涯訓練の基礎づくりでございますが、(1)在職労働者に対する職業訓練の推進でございます。これにつきましては、事業主等が行います職業訓練を推進いたしますために、補助単価の大幅な引き上げを図っておるところでございます。金額につきましてはそこに書かれておるとおりでございます。
 このほか、七ページに参りまして成人訓練センター、技能開発センター等、成人訓練の実施体制を充実いたすための所要の予算を計上いたしております。また、一九八〇年代に技能五輪国際大会を開催いたしますための準備をも兼ねまして、関西に技能開発センターを建設いたすことにいたしております。
 七ページの下の方、(4)特定層に対する職業訓練の推進でございますが、国立職業リハビリテーションセンターの機能を持ちます中央身体障害者職業訓練校を所沢に現在建設中でございますが、引き続き五十二年度におきましても建設を進めてまいるための予算を計上いたしております。
 それから八ページにまいります。第三、労働者の健康と生命を守る労働者保護対策の推進でございます。一、総合的健康管理対策の展開でございますが、健康管理対策につきましては有害業務に従事いたします労働者の特殊健康診断を徹底いたしますために、特に中小企業労働者につきましては、新たに助成制度を設けまして、この特殊健康診断の徹底を図ってまいりたいという考えでございます。
 九ページにまいりますと、(2)職業がん等重篤な職業病対策の推進がございます。職業がん対策といたしましては、新しく出てまいります化学物質の有害性調査を行いますために、動物を対象といたしまして長期に吸入実験を行います化学物質等実験検査センターを新しく建設するための予算を計上しておりますほか、疫学調査、海外有害物情報の収集等化学物質の有害性調査を強化するための予算を計上しておるところでございます。
 (3)の産業医学の振興につきましては、職業病の治療方法の開発等のための職業病研究センターを設立するための調査、あるいは産業医科大学の建設を促進していくための予算を計上いたしておるところでございます。十ページにまいりますと、労働者の安全確保対策の推進でございますが、従来の施策を充実してまいりますほか、真ん中辺にございますが、危険機械の検査体制を整備するための予算を計上しております。また、危険業務につきましての免許試験の体制を整備いたしますために、関西に安全衛生技術センターを建設いたすことにいたしております。
 十一ページにまいりまして、労働者の労働条件の確保と向上でございますが、昨年の七月から実施いたしております賃金の立てかえ払い事業につきましては、最高限度額の十三万円を十五万円に引き上げまして、その制度の適切な運営を図っていくことにいたしております。
 第四の事項でございますが、今後の経済社会情勢に即応する合理的な労使関係の形成促進でございます。
 (1)合理的な労使関係形成のための環境づくり、十二ページにまいりまして中小企業におきます労使関係の安定促進、三番目の多国籍企業労働問題に対する施策の推進等、従来の施策をより一層充実するための予算を計上いたしておるところでございます。
 第五の勤労婦人を中心とする婦人の地位向上対策の展開でございますが、国内行動計画に沿いつつ行政を展開してまいりますが、職場における男女平等対策の推進といたしましては、婦人雇用コンサルタントを婦人少年室に一人ずつ配置をすることといたしております。
 また、十三ページにまいりますと、職業生活と家庭生活の調和を図りますために、育児休業奨励金の単価アップ等育児休業制度の普及促進を図ることといたしております。
 また、婦人の能力再開発対策の推進といたしましては、就業を希望いたします家庭婦人に対しまして各種の就業援助を行いますために、婦人就業援助センターを三カ所設置することにいたしておりますほか、寡婦対策といたしましては、母子家庭の母の就業に関する調査を実施いたしまして、今後の施策樹立のための基礎資料を得たいというふうに考えております。また、寡婦等の雇用奨励金の単価を増額することにいたしております。なお、寡婦対策といたしまして、寡婦等の求職者に対しまして訓練手当を支給することにいたしましたことは、先ほど述べましたとおりでございます。
 第六の勤労者福祉の充実でございますが、その(1)が勤労者財産形成制度の推進でございます。財形持ち家転貸融資制度がことしの四月から発足することになっております。その融資枠は、そこにございますように二百億円でございます。なお、従来からございます分譲融資につきましては、五十二年度百五十億円を計上いたしております。
 (2)の勤労者のための福祉施設の整備につきましては、十三ページから十四ページに書かれております施設を整備してまいりますが、五十二年度におきましては、十四ページの上から二番目、勤労者体育施設、三番目、農村教養文化体育施設等、体育施設に力点を置いてその施設の整備を図っていくことといたしております。
 勤労青少年福祉対策の推進でございますが、これにつきましては、勤労青少年のスポーツ活動を振興いたしますために、新たにスポーツ講座を設けますほか、勤労青少年ホームにつきましては二十一カ所増設するための予算を計上いたしております。
 第七、国際化の進展に対応した労働外交の展開でございます。十五ページにまいりまして、アジア地域におきます労働力計画策定につきまして各種の援助を行いますために、日本、ILO労働力計画に関するアジア地域会議を新たに開催しますほか、シンガポールにレーバーアタッシェを一人増員することといたしております。
 第八、労働行政職員の増員等労働行政機能の整備充実でございますが、これにつきましては職員の増員、それから三にございますように労働保険の全面適用を推進いたしますために、労働保険事務組合の指導育成に要する経費を計上いたしておるところでございます。
 以上でございます。
#23
○理事(浜本万三君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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