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1976/03/10 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第5号
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1976/03/10 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第5号

#1
第080回国会 社会労働委員会 第5号
昭和五十二年三月十日(木曜日)
  午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 三月八日
   辞任          補欠選挙
    高田 浩運君      福岡日出麿君
 三月九日
   辞任          補欠選挙
    福岡日出麿君      高田 浩運君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         戸田 菊雄君
    理 事
                佐々木 満君
                浜本 万三君
                小平 芳平君
    委 員
                上原 正吉君
                片山 甚市君
                田中寿美子君
               目黒今朝次郎君
                柏原 ヤス君
                内藤  功君
                柄谷 道一君
   国務大臣
       労 働 大 臣  石田 博英君
   政府委員
       労働大臣官房長  石井 甲二君
       労働省労政局長  青木勇之助君
       労働省労働基準
       局長       桑原 敬一君
       労働省婦人少年
       局長       森山 真弓君
       労働省職業安定
       局長       北川 俊夫君
       労働省職業訓練
       局長       岩崎 隆造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       国税庁直税部法
       人税課長     北村 恭二君
       文部省初等中等
       教育局特殊教育  斎藤 尚夫君
       課長
       文化庁文化部著
       作権課長     小山 忠男君
       林野庁職員部長  馬場 道夫君
       運輸省自動車局
       業務部長     向井  清君
       日本国有鉄道理
       事(常務理事)  橘高 弘昌君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (地方労働委員会の定数に関する件)
 (職業紹介等に関する件)
 (都タクシー株式会社等の労働紛争に関する
 件)
 (丸金証券株式会社の労働紛争に関する件)
 (白ろう病に関する件)
 (国鉄動力車乗務員の労働条件に関する件)
 (身障者の職業訓練と就職問題に関する件)
 (東洋バルブ株式会社の会社更生法適用にとも
  なう労働問題に関する件)
 (安宅産業株式会社と伊藤忠商事株式会社の業
  務提携にともなう労働問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(戸田菊雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 労働問題に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○片山甚市君 本日は地方労働委員会の現状について質疑をさしていただきたいと存じます。
 労働委員会は、御承知のとおり労働者の権利、諸条件を安定させるために、また労使紛争を急速に解決するために欠くことのできない機関だと存じます。この三十年間、当該の委員の方々の御労苦に感謝しながらも、きょうは特定地域になりますが、とりあえず大阪の府の労働委員会の最近の状況についてまずお伺いしたい。
 最近の取り扱い件数というのは、労働省はどのように把握されておりますか、お答え願いたい。
#4
○政府委員(青木勇之助君) 大阪地労委におきまして、かなり件数がふえてまいっておりまして、昭和五十年のデータで見ますと、新規申し立て件数が百四十一件、前年からの繰り越しがございまして、継続件数全部が二百六十件、終結件数が九十六件と、こういう状態に相なっております。
#5
○片山甚市君 このような状態は、産業の規模とかあるいはそこの生産高とかに関係なく、今日のスタグフレーションにおける激しい労使の摩擦現象と思いますし、この両三年、特に著しく高騰しておるように思います。こういうことについて考えるときに、労働委員会の置かれておる立場ということになりますと、関係の委員あるいは職員の御労苦は並み大抵のものでないと思います。
 そこで、昭和三十八年は労働委員会の委員の配置はどのような状態でございましたか。
#6
○政府委員(青木勇之助君) たしか昭和三十八年は、大阪は七、七、七だったと思います。各側七名ずつだったと思います。
#7
○片山甚市君 そうすると、現在のいわゆる九名に変更されたときには、どういうような全体の変更の中で、いつ行われたのか。
#8
○政府委員(青木勇之助君) 大阪におきましては、昭和四十年代に入りましてかなり件数がふえてまいりまして、たとえば昭和四十年の件数で申し上げますと、新規申し立てが九十二件、継続冊数で百二十五件というような件数増がございました。東京も一方非常にふえてまいりまして、そういう実態を踏まえまして四十一年に労組法を改正いたしまして、東京は十一、大阪は各九というふうに改正いたした次第であります。
#9
○片山甚市君 それは九名にしたときの状態、東京が十一名になった状態は比較して二名違いますが、どういうような論拠によるものでしょうか。それをお決め願ったときの状況についてお聞きをしたいと思います。
#10
○政府委員(青木勇之助君) いま具体的な資料手元にございませんが、各県の要望等もございました。それから件数の状況、それから審査の所要日数の状況、その他もろもろの条件を勘案いたしまして十一、九という数字にいたしたわけでございます。
#11
○片山甚市君 そういたしますと、比較をする意味ではございませんが、東京の現状のいわゆる審尋あるいは審問、協議をしておるこの件数の状態と大阪の状態とは、今日では大きな差がございましょうか、近似をしておりましょうか、お伺いいたします。
#12
○政府委員(青木勇之助君) 五十年で見ますと、繰り越し、新規を見まして東京が四百二十七件、大阪が二百六十件と、こういう数字に相なっておりまして、やはり東京がかなり多い状況に相なっております。
#13
○片山甚市君 それでは、件数のことはそのぐらいにいたしまして、内容についてお伺いするんですが、全国労働委員会連絡協議会が五十一年の十一月十日に開かれておりまして、労働側委員からの質問に答えて、労働大臣が定員増については善処を約束しておるように思います。そこで、いわゆるこれを改正していくのについての問題点、いわゆる労働省側から見てどういう点が配慮されなきゃならぬ、こういうふうにお考えなのかお伺いしたい。
#14
○政府委員(青木勇之助君) 先生御指摘のとおりに、不当労働行為の件数が非常にふえてまいっておりまして、審査日数も長引いております。そういうことで各地労委の方から増員の要望が出ておりまして、全労委連絡協議会等でもしばしば取り上げられておることはそのとおりでございます。ただ、不当労働行為の審査にかなりの時間がかかるという点につきましては、もちろん委員の増員という問題も一つの解決の方法であろうかと思いますが、審査手続のあり方等についてもなおいろいろ検討する必要がある面があるんじゃないかということで、全労委協議会におきましても不当労働行為の審査手続等について、審査の迅速化という観点からいろいろ検討をされているやに聞いております。
 なお、委員を増員いたしますためには、先生御存じのように一般の地労委につきましては五ないし七ということが決められておりまして、五名七名の範囲内でありますれば、これは政令の改正で改正ができるわけでございますが、七名を超えまする増員ということに相なりますると、労組法の改正ということが必要に相なります。
 なお、委員の増員の問題につきましては、地方公共団体の行財政との関係もありまして、その問題につきましては関係省庁と調整が必要になると、こういうことでございます。
#15
○片山甚市君 そういたしますと、いまお話を聞いてますと東京、大阪十一名九名ということになっていますが、定員が。それを変更しなきゃならないということになれば、労組法上の改正が法的にとられなければこの問題の解決は図れない。それまでの間、特に大阪の場合非常な困難に逢着しておるんですが、具体的にそれにかわるというか、それを補う方法としてどのようなことが考えられますか。
#16
○政府委員(青木勇之助君) かわる方法といたしましては、結局先ほど申し上げました審査手続、これの合理化、簡素化というものを図るよりちょっとほかないんじゃないかというふうに考えられます。
#17
○片山甚市君 私の手元に、大阪府からのいわゆる資料が来ておるのですが、平均処理日数は昭和四十九年で全終結事件で三百六十五件、五十年で三百九十五件、五十一年で三百七十七件。取り下げ事件では昭和四十九年に三百三十二件、昭和五十年に五百六十件、昭和五十一年に二百八十八件。関与和解事件で四十九年には四百二十六件、五十年には四百四十件、五十一年には二百八十六件。無関与和解事件ですが、これは四十九年で百八十四件、五十年に二百十件、五十一年に二百四十一件。命令事件では四十九年に五百二十八件、五十年に五百七十三件、五十一年に六百九十五件約七百件ございます。
 こういうようなことで見てまいりますと、申し立て事項の中でいわゆる昭和四十九年の十一月六日に申し立ててから、第一回の調査昭和四十九年十二月三日に始まり、いわゆる最終に命令交付したのは昭和五十一年九月九日になっている。このようなことが大体行われておっても、労働省というのは大体不当労働行為などというのはゆっくり、余り急がずに、――だれが不当労働行為しておるかというと使用者側ですから、その方に味方をすることに努力をしたい、・こういうふうなお考えであるのか。それともこういうふうな定員改正だけじゃありませんけれども、手続の改正等についてなぜ進まないのか、こういうような状態を放置されてよろしいのか。私の方が大阪府に聞きましたら、大体模範的ないわゆる命令が出るまでの期間、何とこれだけの月日がかかっておる、日時がかかっておるんですが、これはいかがお考えでございましょうか。所見をいただきたい。
#18
○政府委員(青木勇之助君) 確かに不当労働行為の処理日数は、かなりのものがかかっておるようでございます。早い事件処理の場合ですと、早くもう解決するものもありますが、事件の種類によりまして、それぞれ非常に時間がかかるものもあるようでございます。なお、弁護士代理制度を一応とっておりまして、弁護士さんの双方の日程の調整がつかないとか、その間にはいろいろな事情があるようでございますが、何と申しましても不当労働行為事件、労働者側の権利が侵害されておるという事態を長らく放置することは避けるべきである、できる限り迅速に結論を出すという趣旨はそのとおりでございまして、労働省といたしましても、常々検討はいたしておりますし、先ほど申し上げましたように労働委員会、主として労働委員会の手続問題は労働委員会が中労委規則でもって決めることに相なっておりまして、そういう点の合理化というものについて、現在すでに検討に着手されておりまして、近々規則改正というような運びにもなるやに聞いております。
#19
○片山甚市君 労働省がこういういわゆる労働委員会の委員及び職員あるいは事務の、案件の審査の取り扱い手続、こういうことについて改善を図らなきゃならぬとわかっておるんだけれども、それが優先的にまず取り上げられて解決図られておらないということについては、私非常に遺憾だと思います。日々のことでありまして、そういうのは労働委員会で命令がされたり審決されても、なおかつ労使の間では従わない資本家もたくさんおる、使用者もおる世の中でありまして、実は裁判所に先にかけて、それから労働委員会にかけないと、裁判所の方の身分の確保の方が早いんですね。労働者を救うために裁判所にかけるよりは、むしろ労働委員会にかけた方が早いということ、具体的に双方の和解ができるということでやっておるはずだったのが、いまはもう身分確保を初めとして、弁護士を頼んで裁判所にかけなければ、まず身分を確保しなければ労働委員会にかけられない、こういうような事態はそれは逆さまでないか、アブノーマルでないか。労働委員会にかければ裁判所にかけなくても、いわゆるおおむね労働者や使用者の意見が一致するようにするのが、いわゆる世の中の常態でないかと思いますが、いかがでしょう。
#20
○政府委員(青木勇之助君) 確かに不当労働行為にかかわる事件で、裁判所の仮処分等で事件の解決を図る事例もあることは御指摘のとおりであります。いずれにいたしましても、迅速に解決を図るということが法のたてまえでございまして、そういう方向についてさらに一般と努力してまいりたいというふうに考えております。
#21
○片山甚市君 先ほど東京と大阪のいわゆる取り扱い件数についてのお話がございました。手元に大阪府が私のところへ出しておるところの書類を見ると、不当労働行為審査事件数は昭和三十年仲においては年平均五十五件、昭和四十年から四十六年に至る間においては年平均八十六件と、年を追って増加してきた。昭和四十七年の秋以来どのような変化をしたかというと、昭和四十七年八十九件、東京が百四十三件、全国の一五・四%、の場合は九・六%でした。全国が九百二十八件、これを一〇〇%とします。四十八年になりますし大阪は八十七件で一四・六%、東京は百四件で一七・四%、全国が五百九十六となっています。昭和四十九年、狂乱物価のときですが、これが百十三件、一五・八%です。東京が百三十一件、一八・三%、全国が七百十四件。昭和五十年になりますと大阪は百三十四件、一四・四%、東京が百四十一件、一五・二%、全国はまた大きくなりまして九百二十九件。こういうことで、手元にあります状況を見ますと、昭和五十一年の十月末で大阪が百三十二件、東京が百九になっています。私は、都労委と大阪のいわゆる労働委、東京都の労働委員会とあるいは大阪とがよく均衡のとれた程度に――よくはありませんけれども、人口少ないですから、できたら少ない方がいいんですが――なっているということについては非常に悲しいと思うとともに、それに携わっている人々の御苦労たるや非常に大きい。特に、新規の申し立てが続いておるんですが、不当労働行為の公益委員一・当たりの取り扱いについては、昭和四十七年に九・九件が大阪でありました。東京が十三件。昭和四十八年になりますと、大阪は九・七件、東京が九・一件。昭和四十九年には十二・六件、そして東京では十一・九件。昭和五十年に大阪は十四・九件、東京が十二・八件です。昭和五十一年十月末で大阪は十四・七、東京は九・九。労使関係は東京が安定しておるんだから、その分は少し公益委員の諸君が楽してもいいじゃないかとおっしゃるかもしれぬけれども、これは御承知のように、本業を持っておりまして、これは失礼でございますが非常勤でやってもらっておるんです。そういう方に対して、こういうように大阪ではこのぐらいはやむを得ぬと。私が言うのは、労働委員というと、労働者側だけふやしてくれと言っておるように聞こえたらいけませんよ、大変なんです、不当労働行為というのは。参与には労使が出られますけれども、本当に心血注いで公正に、しかも早くしょうと思ったら、公益委員をふやさなければいけない。それを、いやあ、その手続がというのは、簡便にするのはよろしゅうございますが、そういう点ではいま言った数字、東京がたくさん案件ございますよ、大阪よりは多いんですよと、こう言われたけれども、この実態は否定されますから、大体、大阪府が私たちに提出しておる文書というようなものはおおむね間違いがないというか、――おおむねと言ったら失礼かもわかりませんが、そしてそういうような事態は、これは解決さるべき諸点としてまず不当労働行為ですね、どういうようなお考えでありましょうか。
#22
○政府委員(青木勇之助君) ただいま先生御指摘の数字は、新規申し立て件数につきましては、そのような数字に相なっておるかと思います。なお、東京都の方、先ほど私が申し上げましたのは、新規申し立て。プラス前々の年からの繰り越し件数、そういうものを合わせて見ますと、東京の方がなおかなり件数が多い。ただし、新規申し立てから申しますと、いま先生の御指摘のような数字に相なるかと思います。いずれにいたしましても、こういう実態でございますので、われわれもその改善の方向についてはいろいろと検討しておるところでございます。
#23
○片山甚市君 それなら、不当労働行為でなくて調整、あっせんのことについてお伺いします。あっせん、調整事件についてですが、この申請の趨勢を見ると、審査事件に比較して年ごとの上下の変動が大きいと、こう述べております。昭和三十年以降について五年ごとに集計してみると、いわゆるどのような形になるかというと、昭和三十年から三十四年まで件数は四百五件、年平均で八十一件。昭和三十五年から昭和三十九年まで五百六十三件、年平均百十三件。昭和四十年から昭和四十四年までの間、件数は五百五十件、平均で百十件。昭和四十五年から昭和四十九年まで六百八十八件、平均で百三十八件。昭和五十年になると百六十九件ということになっておるんですが、そこで、増加の数が上向きである、しかも最近その増加が顕著であるということが言われておるのですが、昭和四十年以降の大阪府地方労働委員会の調整事件の総申請件数は千四百七件で、都労委の千六百九十七件とほぼ匹敵する。その他の地方労働委員会の平均申請件数は三百四十七件でありますから、大体どのぐらいの、七名と九名の差のところを見ていただいてもおわかり願える。これはもう誤解があってはいけませんが、東京都を物差しにして何が何でもふやしてくれというのではなくて、東京都がそれであっても困っておるのですから、東京都はこれでいいと言っておるのではないのですよ。それでも大阪の場合は東京に近くまでなっておるのですが、それについての御理解はどういうように一この数字には余り間違いないでしょうか。
#24
○政府委員(青木勇之助君) 私どもが把握しております数字でも、調整件数、たとえば昭和四十年が百二十件、昭和四十五年が百三十六件、昭和五十年、いま先生、百六十九件と申されましたが、私どもの調べで百七十八件程度調整件数がかかっておりまして、もちろん調整事案は年によって変更はありますけれども、近年増加の傾向にあるということは私どもも了知いたしております。
#25
○片山甚市君 そういうことで、先ほど申しましたように、労働委員のいわゆる出局日数と言いますか、お出ましを願う日数がそのために増大をして、審査、調整事件の増加に伴って、各側の方々はどういうことになっておるかと申しますと、昭和五十年度における公益委員の出局日数、お出ましを願った日数は最大で百五十一日、平均で百二十日に達しております。この方に対するお支払いの報酬は月幾らでしょう。
#26
○政府委員(青木勇之助君) ちょっとその手当の方、私ども条例で決められておりますのでちょっと把握いたしておりません。
#27
○片山甚市君 私の方のいわゆる報告によると、月二十万円、こういうことになりますから、公益委員の先生の社会的なことから考えましていかがなものか、いや多いと思いません、非常に御労苦で全部お仕事を一お出ましを願った日ですから、それ以外に取り調べたり何かいろいろなことをしなければならぬ、こういうことは大変なことだと思っておるところです。それでいまのところ、こういうことでは本人、各委員の本来の職業にも支障を来すようになるので、いまのようないわゆる非常勤を原則にするならば、増員方をお願いしたいと思いますが、そういうような私の意見についてはいかがに御感想いただけますか。
#28
○政府委員(青木勇之助君) 中労委もそうでございますが、労働委員会の公益委員の先生方には、特にいろいろお忙しい本業を持っておられますのにかかわりませず、労働問題の重要性ということから、それこそ大変な御苦労を願っておりまして、そういう点については待遇改善等もそれぞれの県で決めることではございますが、それ相応の待遇改善が図られてしかるべきである、こういうように考えております。
#29
○片山甚市君 公益委員を中心として各側委員に非常な御苦労願っておるということがおわかりならば、速やかに御処置をとるように努力をしてもらいたい。というのは、不当労働行為の事件の処理が非常におくれている。昭和四十九年以来、不当労働行為事件の急増に伴って、大阪の労働委員会では昭和四十八年に全終結事件が三百三十日、命令事件が五百十七日、関与事件が二百七十日、無関与和解事件が百四十八日、取り下げが二百九十四日。昭和四十九年には全終結事件が三百六十五日、命令が五百二十八日、関与和解事件が四百二十六日、いわゆる無関与和解事件が百八十四日、取り下げが三百三十二日。昭和五十年に全終結事件が三百九十五日、命令が五百七十三日、関与和解事件が四百四十日、無関与和解事件が二百十日、取り下げが五百六十日になっておるわけです。私はこのような形は、このようにいわゆる命令がおくれてくるというのは、非常に労使関係の安定、労働者の生活を阻害するものと思いますが、局長はいかがお考えですか。
#30
○政府委員(青木勇之助君) 全労働委員会の不当労働行為の処理状況を見ましても、先生いま御指摘の大阪の状況に近い状況でありまして、たとえば昭和四十年で見ますと、全地労委の平均処理日数が二百六日でありましたのが、四十五年には四百二日、五十年が四百二十五日と、これは全国の労働委員会の平均処理日数でありますが、そういうことでありまして、それぞれの事案の性質等に応じて長短の差はあると思いますが、いずれにしても平均処理日数がこういうふうに延びておることは、不当労働行為という事案の性質上やはり問題があると思いまして、そういう点につきましてはわれわれも検討をいたしておりますし、また労働委員会においてもそれぞれその仕組み、運用方法等を検討されておるところでございます。
#31
○片山甚市君 長々と大阪府地方労働委員会の模様を申し上げたのは、全国的でありますけれども、特に摘出してみると労働者の権利がこれほど長い間放置されるということは、労働省というのは労働者のいわゆる保護機関というか、労働者を守るという立場、――弱い者というか、労使の関係で言えばいわゆる対等になり得る条件をつくる、安定感を与えるためだと思う。そこのところが非常に長い間放置されてきた、こういうことについてはふんまんにたえませんし、特にこれらについては、いま委員のことを言いましたけれども、関係職員の増加も図らなければ、幾ら委員をふやしてみても案件の処理はできない。私はいわゆる表に出た、一番頂点に立ったことをお話ししましたけれども、すそ野になる問題については、それぞれの財政措置、行政措置、そういうことをとられなきゃならぬ、こう思いますが、大臣にお伺いするんです。
 せんだって大臣は大阪の方に、二月二十八日にお出ましのようでありました。労働四団体の方々、あるいは労働基準局長なども一緒になった前に、そういう実態をよくお聞きの上、そのことについて善処方を言われておりましたけれども、私は善処方という前に、先ほど労組法の改正ということが大阪や東京を考えるならあるという。それならばこれらについてはやはり速やかな措置をとってもらわなきゃならぬ。ただ、私はこの問題が放置されないために、大臣としてしかといつごろまでにこのことを善処していくのか、こういうようなことについて目安を述べながら、私が申し上げたんですから、大臣は労働問題については最もわれわれ以上に理解をしておるというよりも、わかっておるはずでありますから、長々と言ったのは、記録上こんなことがあるんですということを申し上げておいたんですが、いかがでしょう、大臣として、大阪のことを申しましたけれども、特にこれらについての速やかな審決ができる、結審ができるために、地労委の増員あるいはその他の措置についてのことについての確言をいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(石田博英君) 私はこのたび労働省へ参りまして、久々のことでありますので、関係機関をずうっと順次視察し、事情を聞いて歩いておったわけであります。その際に、中労委を訪問をいたしましたときに、取り扱い件数の激増、その処理に非常にたくさんの時間がかかること、そのために機能の増強、それから委員、特に公益委員の方々にかけている負担、これはいまお話しのような実情を伺って実はちょっと驚いたわけであります。
 その後で大阪へ参りまして、大阪へ参りましたときに、大阪府の労働部長、それから基準監督署長、基準局長、その他労働省関係の人たちから大阪の事情を承りまして、いま片山さんからお話しのような点について詳しく報告がありました。特に最近東京と大阪との間の事件件数の実情というようなことを改めて伺いました。大阪が特にそういう現象が顕著であるということも承知をいたした次第であります。これは大阪は特に顕著でございますから、喫緊を要することは言うまでもありませんけれども、大阪だけでなくて、この制度の本来の役割りを考えますときに、一つの件数を処理するときに、長い場合二年もかかるという話を聞きまして、そういう実情は速やかに改善をしなければならぬと考えた次第であります。したがって、そういう趣旨の発言を私の方からいたしました。そうしてその発言をしただけでなく、この改善方について最善の努力をいたすつもりでございます。この大阪の場合と東京の場合は、これは労組法の改正をしなければなりませんが、それは当然含んで、しかも自治省その他の関係もございますし、その調整をできるだけ急がせまして実現を図ってまいりたいと考えておる次第であります。早期に実現を図りたいと思っておる次第であります。
#33
○片山甚市君 大臣がそうおっしゃっておるのですから、私は大臣の任期の間に実現をするように強く要望をしておきます。
 次の問題ですが、著作権法に関する問題で、文化庁の方おいでですか。――それでは若干御質問さしてもらいます。
 芸能家、芸術家と称されている人々の生活実態は、ときどき社会面をにぎわしておるのですけれども、賃金、労働条件など多くの問題が存在していると思いますが、その場合に協会、団体に入っておらぬ人たちのことについては、文化庁はどのように考えておられますか。
#34
○説明員(小山忠男君) 芸能関係の方の労働条件に関連した御質問でございますけれども、著作権法におきましては、そういう芸能関係のお仕事を担当していらっしゃる人のために著作隣接権という制度を設けております。したがいまして、そういう芸能関係の実演家の方たちに対しましては、この隣接権によりましてその労務に対する報酬というものを支払うというような基本的な仕組みになっております。
#35
○片山甚市君 それで著作権法で保護される受権者は個人であると思いますが、団体でしょうか。個人であれば該当するすべての個人がそれぞれそういう権利を受けることができると思いますが、よろしゅうございますか。
#36
○説明員(小山忠男君) 著作権法で考えております実演家と申しますのは、基本的には個人であるということが原則になっております。
#37
○片山甚市君 第二次使用の問題は今日直接関係するものでありますが、生活権とかかわる問題、いわゆる第二次使用の問題というのはやっぱりその出演者にとって生活権そのものだと思っておるのです。法九十五条の第二項により仲介業務機関、いわゆる団体が介在しており、これは文化庁に指定された団体であるが、本来の役割りを果たしていることに間違いはないか。それは指定をした団体はあなたがおっしゃるような形で役割りを果たしておると思われますか。
#38
○説明員(小山忠男君) 商業用のレコードの二次使用料の徴収につきましては、いま先生おっしゃいましたように、著作権法の第九十五条という規定がございまして、この九十五条によりまして、文化庁の長官が指定をいたしました社団法人日本芸能実演家団体協議会という団体を通じまして、この二次使用料の徴収、分配をするという仕組みになっています。それで現在この社団法人日本芸能実演家団体協議会がその仕事を担当しているのでありますけれども、いわゆる芸団協の業務は適正に執行されておるというふうに考えております。
#39
○片山甚市君 芸団協のお話が出ましたが、その当該団体がジャンル別の全受権者を掌握しておる、こういうふうにお考えでしょうか、あるいは未組織といいますか、そこに入っておらない君たちの受権者の権益は、それではどのように保障されましょうか。
#40
○説明員(小山忠男君) 日本芸能実演家団体協議会には、現在日本の実演家の九〇%が加入しております。数にして五十団体の三万六千人でございます。したがいまして、日本の実演家の大部分を包含しているというふうに考えることができます。この団体に加入をしていない実演家につきましては、この二次使用料の徴収につきましてその権利行使の委任をするという方法がございまして、権利行使の委任をしますと、この団体に入っていない実演家もこの団体を通じまして二次使用料の徴収とそれに関連する分配を受けるということができるというふうになっています。
#41
○片山甚市君 個人の権利はいわゆる留保されるというか、保障されておる場所があると、こういうように理解をしておきますが、よろしゅうございますね。
#42
○説明員(小山忠男君) おっしゃるとおりに理解します。
#43
○片山甚市君 そうすると、団体を指定し、一元使用は当該団体を通じて実演家全体に有効適切に配分されると、こう著作権ハンドブックというところに書いてありますが、そのようなことは文化庁は確かめる方法を持っていますか。
#44
○説明員(小山忠男君) 芸団協からは法令の規定によりまして毎年度収支予算、事業計画並びに収支決算書と事業報告書の報告が参っておりまして、それによりましてこの団体の活動状況を文化庁といたしましては把握します。それで、こういったものを通じまして一応現在の活動は適切であるというふうに理解をしております。
#45
○片山甚市君 たとえば、手元にあなたがおっしゃる社団法人日本芸能実演家団体協議会の名前の文書があるんですが、それによると、「商業用レコード二次使用料各国支払実績比較」ということで、日本としてNHK四千万円ほか民放局合計、一億三千万円昭和五十一年度いただきました。西ドイツは十六億円、スウェーデンは四億円、フランスは四億円で少ないからもっとふやしてほしい、これはNHKの予算に関係して陳情があるんです。その一億三千万円というのはどのように分けたかということは、後日私の方に文書で内訳をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#46
○説明員(小山忠男君) いまおっしゃいました使用料の分配の金額につきましては、資料をつくりまして提出をしたいというふうに考えています。
#47
○片山甚市君 どうも文化庁ありがとうございました。お世話になりました。
 そこで、労働省にお伺いいたします。実は、このいま申しましたところの日本芸能実演家団体協議会、あるいは私の方の手元に来ておるんでありますが、大阪にある労働組合というものがそれぞれ申し立てをしておるのを見ると、職業あっせんに関係する事項がかかわってきておる、こう思いますので、有料職業紹介事業に関する法律に関してお伺いします。
 職業安定法第三十二条ただし書きによる施行規則、施行規則第二十四条に掲げられた二十七種目の職業の現状について、そして職業紹介を掌握しておると思いますので、どのようになっておるのか。いま全国的に有料1お金を取る職業事業所数は幾らあるか、最も多いその場合の職業あっせんをしておる職業は何か、これについてお伺いします。
#48
○政府委員(北川俊夫君) いま先生御指摘のように、職業安定法施行規則の二十四条におきまして、有料職業紹介事業の許可対象職種としまして美術家、音楽家等二十七職種を定めておりまして、その職種に基づいて当該職業紹介を行う団体が適切であるかどうかということを個別に審査をして、それぞれ有料職業紹介の許可を行っております。
 いままでの許可件数でございますけれども、昭和五十年度で二千五十三件でございます。その有料職業紹介を行う団体によりまして求職をいたしておりますのでそこへ紹介をしてほしいと、こういう申し込みをいたしました者が五十年で二十一万七千九百人でございます。その紹介に基づきまして就職をいたしました件数は、五十年で常用労働者として就職をいたした者が十七万件でございます。そのほかに日雇いの職業紹介というものもやっております。なお、職種別に多いものを若干申し上げますと、有料職業紹介で一番多いのは看護婦、家政婦でございます。これは許可件数で約六百九十件。次に多いのが演芸家で約三百十件。あとマネキン二百八十八件、調理士二百七十件等々となっております。
#49
○片山甚市君 そこで、昭和五十二年の二月二十七日「毎日新聞」の紙面によると、「演奏家薄給エレジー 月に十四万円以下」、こういうように書いてあります。そういうことで、タレント業あるいは芸能。プロダクションの実態はどのようになっておるのか有料職業紹介事業を通じてどのようにこれらが動いておるのかということで、まず営利職業紹介事業はどのような数になるか。実費職業紹介事業は現在どのような事業になっておるか。昭和三十一年の三月現在の政府の御答弁は、法律改正のときには十六件だと、実費の場合。いま幾らになっておるか。
#50
○政府委員(北川俊夫君) 有料職業紹介で、営利が五十一年十二月三十一日で二千百六十九件でございます。実費は九件、こういうふうになっております。
#51
○片山甚市君 実は、この有料職業紹介事業のこの数年間の事業所数の変動、いわゆる従業員数それから紹介件数、これについていまおわかりであれば言っていただきたい。わからなければ後日資料としていただきたいと思うが、いかがでしょう。
#52
○政府委員(北川俊夫君) 現在把握しております点をそれではただいま申し上げます。
 許可件数でございますが、先ほど昭和五十年二千五十三件と申し上げましたけれども、四十九年度は千九百三十六件。その前年の四十八年は千九百八件。これに見られますように非常にその需要が最近伸びておると、こういうことが言えると思います。その事業主体に対して紹介を申し込んだ者の数−求職者の数は、五十年が先ほど申しましたように二十一万七千でございますが、四十九年は三十四万三千でございます。四十八年は二十二万九千、こうなっております。
 これらの紹介に基づきまして就職をいたしました件数でございますが、常用についてのみ申し上げますと、五十年が先ほど申しましたように十七万九千、四十九年が十七万六千、四十八年が十七万五百、こういうふうになっております。
#53
○片山甚市君 先ほどおっしゃるように看護婦、家政婦が入っていますからそういうふうになりますが、特に問題としておりますのはタレント業、たとえば音楽家、映画演劇関係技術者などについては、職業紹介としてそれはどのようになっておりましょうか。
#54
○政府委員(北川俊夫君) 現在、有料職業紹介事業といたしまして、音楽家につきましては十件、それから演芸家につきましては三百十六件、映画演劇関係の技術者につきましては二件を許可いたしております。
#55
○片山甚市君 そういたしますと、この二十七職種については現状どのように雇用しておるか、就職しておるか、あっせんしておるかということについては、労働省として、省としては把握しておると理解してよろしゅうございますか。
#56
○政府委員(北川俊夫君) 把握をいたしておると、こう考えております。
#57
○片山甚市君 それでは後日のことがございますので、いわゆる一から二十七にわたるまでの状況について、資料として後日いただきたいのですが、御協力願えましょうか。
#58
○政府委員(北川俊夫君) 資料につきましては作成いたしまして、先生のお手元にお届けしたいと思います。
#59
○片山甚市君 そこで、先ほどの著作権の問題と絡んで大変むずかしいことになるんですが、今日これらの有料職業紹介事業体については、運営などについて社会的にも事業的にも望ましい運営をしておる、こういうように労働省は判断をされておるかどうか。
#60
○政府委員(北川俊夫君) 有料職業紹介の許可に当たりましては、その申請者の特性、あるいは資産の問題等々を慎重に審査をいたしまして、労働大臣の許可をいたしておりますので、許可をいたしました事業主体につきましては、法の趣旨にのっとりまして適正な有料職業紹介を行っており、かつ最近のように労働力の需給構造が非常に複雑になっております現今では、それなりの社会的役割りを果たしておると私たちは評価をいたしております。ただ、法に基づいて許可を受けておる団体以外に、これに類似した有料職業紹介を行っております悪質な芸能プロダクションがあることは、私たちも十分これについては認識をいたしておりまして、これに対する対策は警察当局とも十分連絡をとって、これからも厳正な態度で臨みたい、こう考えております。
#61
○片山甚市君 ILO九十六号を批准したときに、昭和三十一年の三月三十一日、第二十四国会の外務委員会の会議録を見ますと、無料の職業紹介事業が行われておる。これは十数件あると、こういうように書いてあるんですが、今日無料の職業紹介事業はどのような実態ですか。
#62
○政府委員(北川俊夫君) 五十一年十二月末現在で、無料の職業紹介は二百四十四件でございます。
#63
○片山甚市君 その主なるものはどういうものでしょうか。
#64
○政府委員(北川俊夫君) 主なものは家政婦、それから学生関係、それから各種学校、高齢者関係の団体等々となっております。
#65
○片山甚市君 またこれも失礼でありますが、このような無料の職業紹介の事業の状態について、参考の資料としていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#66
○政府委員(北川俊夫君) 資料を整えましてお届けいたします。
#67
○片山甚市君 そこで、ILO九十六号のときに、もぐり営業について特に人身売買が多くなるということで、あっせんや、先ほど申しましたようなもぐりですね、その事実が非常に多いということを戸叶委員が指摘したのに対して、江下政府委員から昭和二十九年でもぐりの違反行為が摘発されたのが六百八十二件だ。今日そういうことで口入れ屋とかあるいはもぐりの職業紹介で違反として公になっておるのはどのくらいですか。
#68
○政府委員(北川俊夫君) 現在、民営の職業紹介事業につきまして監査をいたしておりまして、これの中には許可を受けておる事業所をも監査対象にいたしておりますけれども、もぐりのものも含んでの違反件数もこの中に入っております。五十年で言いますと、監査件数が二千三百九十二件でございました。違反確認件数は六十五件、こういうことになっております。
#69
○片山甚市君 時間が来ましたから、ちょっと急いで質問さしていただきますが、有料職業紹介事業は一L〇九十六号批准によって逐次廃止していくことになっております。こういうふうに述べておるんですが、「ただ特に公共の職業安定機関が取り扱うことが不可能なような職種については、特別に行政官庁の許可」を得てやってもよろしいというたてまえになっておるわけです。こういうように言いながら、実はこのときの審議をいたしました記録は、政府から明確に、「なかなか一朝一夕には改善できませず、今日に至ったわけでございますが、しかしながらお話の通り、今回この条約を批准するということになりますれば、現在認めておりますような有料の職業紹介所は、逐次廃止するような方向に私どもとしては持っていきたい。そのためには、何としても国の職業紹介機関が国民の信用を得、またさらにこれらの指定職種についても、十分やれるだけの態勢を作り上げるということが大事でございます。」と言い、さらに「目安を何年くらいに置くかということを申し上げることは困難ではございますが、できるだけ遠くない期間内に実現したい」、これは有料職業紹介事業については、これを廃止をしていくようにしたいという一ちょうど昭和三十一年でありますから、約二十一年ほどたちました。できるだけ早いというのは、政府が言うのはこのくらいのことを言うんでしょうか。大体政府は、できるだけ早いということを二十一年。それで、これが先ほど言ったようにお仕事がどんどんふえてきたと、こう北川局長もおっしゃっておる。私は何も公共でなきゃならぬ、ならぬとは言っておるんではなくて、こういうものについてのいわゆるプロダクションを含めて、いろいろな暴力事犯のようなことが起こりそうな仕事をこそ国が力を入れるべきで、看護婦とか家政婦というのはもう明々白々で、もうそれは民営であろうと有料であろうと大したことはないんです。一番肝心なことが取り締まり――取り締まりと言っちゃ失礼、把握されておられないということは非常に残念と思いますが、いかがでしょうか。
#70
○政府委員(北川俊夫君) 先生御指摘のように、ILOの九十六号条約批准案件の審議の際に、三十一年でございますが、当時の職業安定局長が御指摘のような御答弁をいたしておることは事実でございます。その節の認識といたしましては、やはりまだ当時、人身売買的といいますか、封建的労働慣行が残っておりました。そういうことがいま二十年たちまして、そういう労働慣行が全然ないということではございませんけれども、かなり近代化されて、労働者意識も高まっている。かつ労働市場の状況は労働力需給が、先ほど言いましたように構造そのものが大変複雑化しておりまして、公共職業安定所のみの機能でいまの労働需給の結合を円滑に図り得るかどうかというような点につきまして、いまもいろいろ検討いたしておりますけれども、その点につきまして、われわれとしましてはいま直ちにこの有料職業紹介制度を廃止するという結論には達しておらないわけでございます。ただ先生御指摘のように、一部芸能関係の職業紹介あるいは芸能プロダクションのやっております類似的行為につきましては、かなりの弊害が出ておることは謙虚に認めざるを得ませんので、これらの事業に対する職業紹介への監督あるいは監査というものを徹底いたしまして、またかつ悪質なものに対しての処罰等につきましては、司法当局とも十分連絡をとりまして、先生のおっしゃるような事態が今後増加することのないように、むしろそれをなくすように最大限の努力をいたしたいと、こう考えております。
#71
○片山甚市君 実は江下政府委員が、「有料職業紹介事業、民営の職業紹介事業は全廃をしていくということが、根本の精神になって」おります。これ第三部というか、ILO九十六号を批准する対象物です。そう言っておるのですから、そういう変更したということはわかりました。この間も、前の大臣のときにも大体ILOの批准などというのは邪魔くさいけど、仕方ないから飾り物としてやっておるんじゃないかと言ったら、そうじゃないと言っていばっておったけれども、どうもいばっておられるにしたら、二十何年の間にこういうものについてはどうしてもこうしたいんだということを言わなければならぬのじゃないかと、こう思います。
 そこで、最後に有料職業紹介事業が暴力団の資金源となっているのではないかとかいろいろ取りざたされております。そこで、別表にありますところのこの手数料、別表第二にあります紹介事業の手数料、こういうことで大体うまくいっておるというお考えなのか。あの数字で営業が成り立つ、あのものずばりでやっていっておると思われますか。やっておるならば、その経営方法について一部でいいですから、一度私の方に資料としていただきたい。やっていっておるという、今日あんな安いお金でやっていけるというのは不思議でございますから、お伺いします。これで終わりますから、きちんと答えてください。
#72
○政府委員(北川俊夫君) 現在、手数料は紹介されました労働者の賃金の一割ということで決めておりますけれども、これにつきましては中央職業安定審議会で特に専門の民営小委員会というものをつくりまして、専門の先生方が常にそのときどきの情勢に応じて御判断をいただいておりますので、私たちは適正とこう考えておりますけれども、なお先生のような御指摘もございますので、今後その点も十分民営小委員会等にお話しをして検討をさらに続けたいと思っております。
 なお、手数料の点につきましての資料は、後で先生のところにお届けをいたすつもりでございます。
#73
○目黒今朝次郎君 きょうは身近な、労働大臣の就任のあいさつもありましたが、私は労働省というのは労働者の権利、生活を守るというのがたてまえだと思いますから、若干具体的な問題を通して考え方をぜひ聞かしてもらいたい。
 今日、昨年から岩手県の都タクシー、県都交通の問題であるとか、あるいは丸金証券の問題であるとか、日赤姫路病院の問題であるとか、高崎国立コロニーの問題であるとか、こういう幾つかの不況下の労働問題が起きているんですが、時間がありませんから全部言及するわけにはまいりませんので、一つ二つ言及したいと思います。
 そこで、都タクシーの問題について、昨年の十月十四日運輸委員会におきまして、当時の石田運輸大臣、それから野崎労政課長ですか、きょう来ていますか、野崎労政課長。それから中村自動車局長、この方々が立ち合いで一時間以上議論しておりますから、時間の節約上前段を省略します。それで、福島のクタシー問題については現労働大臣、当時の運輸大臣の努力によりまして円満に解決したということについては非常に高く評価したいと思うんですが、同時に仙台陸運局長の努力も多としたいと思うんです。しかし、今回のこの都タクシー問題は依然として解決していない。当時、私は運輸委員会に斎藤斉社長を参考人として喚問すべきだと、そこまで提案したわけでありますが、国会解散でパアになっちまった、こういう事情なんです。それで、基準局長おりますか、この都タクシーの紛争が解決しないのは、労働基準局が何を言おうと、陸運局が何を言おうと、おれが一番偉いんだと、法律はおれなんだということでやっているんですがね。
 基準局長にお伺いしますが、昨年の十月十四日の運輸委員会で私が指摘した基準法違反についてはどういう受けとめ方をし、指導をしておりますか。
#74
○政府委員(桑原敬一君) 御指摘の岩手県の北上市所在の都タクシーの問題でございますが、昭和五十一年五月四日、同社の労働者各自に対して新たな労働契約に同意できない者は六月一日をもって退職扱いにするという意思表示をなされたことは事実であることを聞いております。
 本問題は、現在労働者三十一名の方が盛岡地裁に身分保全の仮処分の申請をされて、現在同地裁で係争中になっております。私どもといたしましては監督機関といたしましては、解雇の効力に対しては現在裁判係争中でございますので、現段階においてはとかくの見解は差し控えたい、こういうふうに考えております。
#75
○目黒今朝次郎君 そのほかにだね、十数件基準法違反を提起してあるでしょう。その件はいかがですか。
 それから同時に、県都交通が昨年の十二月の二十四日、基準法第二十四条、三十七条、八十九条違反、約三千万円近くの金を各自に払いなさいと、その結果の報告を一月十日まで労働基準局にしなさいということも含めてどんな指導をしてありますか。
#76
○政府委員(桑原敬一君) 県都交通におかれましては、昭和五十一年十二月二十日、解雇に関する申告がなされたことを契機にいたしまして、私どもの監督機関といたしましてはその監督を実施したわけでございます。
 その結果、毎月支払うべき歩合給を賞与という名目で毎月支払ってないという二十四条違反がまずございまして、それからまた割り増し金の基礎に含めてないという三十七条一項の違反、それがございました。それから、解雇予告手続をとることなく労働者を解雇しているという二十条違反がございました。これらにつきましては是正勧告をいたしております。右の是正勧告に対しましては、同社から本年二月二十五日に是正をいたしましたという報告がなされましたので、現在その是正が適正になされておるかどうか調査中でございます。
#77
○目黒今朝次郎君 ここに私組合の陳述書を持っておるんですがね。その三千万の是正の問題について権利放棄の判こを押せという形でやられておると。会社側の担当者も、これも基準局で再度調べられると大変な問題になるでしょうと、こういうことをテープレコーダーを含めて陳述しているんですがね。その勧告に従ったという書面についてはひとつ盛岡から取って、参考資料として私に提示願いたいとこう思うのですがいかがですか。
#78
○政府委員(桑原敬一君) いま御指摘の勧告の内容につきましては、調製をいたしまして先生のお手元に差し上げます。
#79
○目黒今朝次郎君 勧告に従って会社が是正いたしましたというその是正した会社の届けを参考までにちょうだいというんです。
#80
○政府委員(桑原敬一君) ただいまの御指摘につきましては、その概要につきましてお手元までお届けいたします。
#81
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ。三月十五日、源泉徴収の日なんですけれどもね。労働大臣、よく聞いてください。事業者側が備えておく賃金台帳ですね、給料の賃金台帳、この賃金台帳を、Aさんということにしますがね、この人が年間もらったお金が百八十九万六千三百七十二円なんです。ところが、県都交通の斎藤斉という社長さんが税務署の源泉徴収で届けたお金は二百二十二万一千百四十二円、差額が四十二万四千七百七十円。これやみ幽霊の源泉徴収出しているんですよ。三十人にすると三、四、十二。年間千二百万、二年間で二千四百万。こういうきわめて不可解きわまることをやってるんですがね、この経営者は。これは実際私はきわめて悪質な違法行為だと思うんですが、これ大蔵省か税務署知っていませんか、国税庁お願いしたいんですがね。大蔵省か国税庁、来ていませんか。これは要請してあったんだがな。後で呼んでください。こういうきわめて不可解な、わかりますか、だれか、答弁できないでしょう。とにかくこういう、何というのか、ごまかして金を集めているというか、労働基準法違反では三千万程度のお金を捻出している。こういうことで千二百万程度の金の捻出をしている。きわめて斎藤斉という社長さんは、お金の面でふしだらだというか、疑問を持っているというか、この点を非常に疑問に思いますので、ぜひこれは、速記録に載りますから、政府側で国税局を含めて調査をして報告願いたいとこう思うんですが、いかがですか。これはだれかね、大臣だね、大臣どうですか。
#82
○国務大臣(石田博英君) じゃ私が、労働大臣としてでなく国務大臣として、いまお話しのような事例ですね、脱税行為、これはほうっておけることではございませんので、その実情について調査するように大蔵省に伝達をいたします。
#83
○目黒今朝次郎君 それから陸運局おりませんか。陸運局はね、五十一年の七月二十二日、斎藤斉の都タクシーに警告書を出しておるんですがね、これの実施状況はどうですか。
#84
○説明員(向井清君) いま御質問ございました警告書でございますが、昨年の六月十八日に立入検査を行いまして、その結果に基づきまして七月の二十二日に、かなりの事項につきましての警告書というものを会社側に出したわけでございますが、その是正につきましては、その後何回も会社関係者の呼び出し、警告あるいはその実施結果につきましての再調査あるいは監査というものを数次にわたって行っております。監査の日取りで申しますと、九月七日、十一月二十六日及び本年の三月一日というふうに累次行っております。現在のところ、この累次の監査に基づきましての是正が徐々に功を奏しておりまして、ほぼ是正が図られつつある。ただ、最近の三月一日の監査結果につきましては、まだその結果がまとまって報告立ておりませんので、判明いたしておりませんが、現在のところほぼ是正が図られておるというふうに私ども伺っております。
#85
○目黒今朝次郎君 大分私が現地に行って聞いてきたことと違うんですがね。じゃ時間がない州ら、警告と監査の結果、それから問題点、それを文書で報告願えますか。
#86
○説明員(向井清君) 後刻御報告いたします。
#87
○目黒今朝次郎君 それをよく見てから改めて出た問題にします。
 それで、労政局にお伺いしますがね、私はこの紛争を見ていると、労使に責任があると思うんですがね。この労働協約というのは四十五年の十日二十日に結んだっきり、後は慣行で自動延長自動延長、こういう形できた節があるんですよ、ずうっと賃金改定、交番表その他含めると。そういう慣行法できた労使の関係が、この斎藤斉という社長が五十一年の一月三十一日に都タクシーの社長に就任したんですが、その就任すると途端に、二月の二十五日に労働協約は存在いたしませんという書面通告で一方的に打ち切ったというのがどうもこの紛争の始まりだと、こう思うんですが、労政を預かる者として、労組法上の労働協約の締結権、有効期間、延長権、いろいろありますが、いま言ったような慣行法でやられた場合に、二月二十五日の書面通告で一方通行ということが、労政として妥当かどうかという点についてはどんなものでしょうか。
#88
○政府委員(青木勇之助君) 労働協約は労使間で団体交渉の結果締結されるものでありまして、これを尊重されるべきことは当然であります。なお、ここの協約は四十五年の十月二十日ですか締結されまして、有効期間満了六十日前までに労使いずれからも改定申し入れがないときは一年間自動更新する、こういうような規定になっておるようでありまして、もしこの規定に従って解約通知をしたということになりますれば、法律的にはそれで解約通知になると思うのでありますが、いま先生おっしゃいましたような四十五年以来の労使慣行というものがあるといたしますれば、その間もっと労使で十分話し合いをして、その結果、破棄するなら破棄と、あるいは改定するなら改定するという手続を踏むべきではないか、こういうふうに考えます。
#89
○目黒今朝次郎君 そうすると、この五十一年二月二十五日一方的に通告ということについては、余り好ましくないと、こういう受けとめでいいんですか。
#90
○政府委員(青木勇之助君) 五十一年二月二十五日の通知書を見ますと、現在の労働協約は昭和四十五年十月二十日締結のもので、労組法第十五条の規定により有効期間はすでに切れ、現在の都タクシー労使間は無協約状態に入っていることを確認されたいと、こういうような通知を組合側に出しておるようでありますが、十月の二十日に締結されまして、六十日前でありますから、どういうその間手続になっておったのか、もうちょっと調査してみたいと思います。
  〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕
#91
○目黒今朝次郎君 だから私が言うのはね、労政局長、協約上の三年の有効期間とか、それを過ぎた後の取り扱い、いろいろありますわ、法的にはね。ところがそういう法であることをわかっていながら、慣行としてずっと労使で以下同文以下同文というふうに継続されてきたと、そういう慣行があって、賃金改定なり交番表の改正なりを行われてきたわけですよ。行われてきたということは、裏を返せば、労働協約に準拠して行ってきたんでしょう、実態として。それを二月の二十五日、いま言ったような書面通告で一方的にやったと。その際に、それ以後のそれじゃ労働者の労働条件というのは何によるんですか。
#92
○政府委員(青木勇之助君) 何か廃止申し入れば四十八年の八月二十日に行っておるようでありますが、その事実関係は別にいたしまして、労働協約が廃止になりますれば、結局就業規則の定めるところによって律せられると、こういうように思います。
#93
○目黒今朝次郎君 その就業規則は、就業規則をつくる際には、九十条の手続ですか、そこに労働組合がある場合には労働組合の意見、ない場合には過半数云々という正当な手続がない就業規則は有効かどうか。
#94
○政府委員(桑原敬一君) 私どもといたしましては、当然に労働組合があれば労働組合の意見、なければ過半数の労働者の意見を出すことを前提として行政は進めておりますけれども、その手続がなかったからといって、直ちに就業規則が無効になるというふうには考えておりません。
#95
○目黒今朝次郎君 じゃそこに働いている方々の労働条件というのは、法の手続に従って――現に労働組合あるんですよ、都タクシー労働組合というのが。組合があるのに、労働協約が切れたと。就業規則を設定する際に、全然その組合の意向なり手続をしないでやるというのは、結局独善的な就業規則になりませんか。そんなことで労働者を守れますか。労働者を守るために労働組合あるいは労働組合がないときは過半数の者の代表と、労働者保護の立場から就業規則に一定のブレーキをかけているんじゃありませんか。
#96
○政府委員(桑原敬一君) 就業規則の有効、無効の御議論でございますれば、手続違反だけでは無効にはなりませんと申し上げているわけです。ただ、私どもの行政の進め方といたしましては、当然にそういった労働組合あるいは労働者の過半数の意見を聞いて出されることを私どもとして行政指導しております。
#97
○目黒今朝次郎君 そうするとさつき片山先生も言っておったとおり、労働省というのは法律を解釈して労働者を苦しめるお役所なのか、労使対等できちっと労働者を守ってやるというお役所なのか。そうなると、これは大臣どうですか、そういう解釈だから斎藤斉みたいな金もうけをやっているやつにとんでもない余地を与えるんですよ。
#98
○政府委員(桑原敬一君) 就業規則の有効、無効の民事的な意味は申し上げたとおりでございます。あとは、そういう手続的な違反につきまして行政法的な処罰規定は別にございます。
#99
○目黒今朝次郎君 労働協約と、就業規則が抵触した際は、労働協約が優先するんでしょう、現在は。だから、本来労働者を保護するのは労働協約がたてまえですよ、労働協約が。だから、労働協約がたてまえであって、労働協約が切れたときは新しい協約を結ぶまで現在の労働条件を一応前提として確認し合って、それで改定交渉をやっていくというのが労政の占める具体的な方法じゃないんですか。どうですか、労政局長。私はそうだと思うんですよ。労働協約が満期になった際には一応改定交渉をやる。改定交渉がまとまるまでは一応現行協約が有効だ、そういうような形で厳に行われるのがあたりまえじゃないですか。
#100
○政府委員(青木勇之助君) 労働組合が認められておりまする以上、労使間で労働協約で労働条件を決め、その労働協約に従って労働条件を規律していくというのが基本であることは、先生御指摘のとおりであります。労働協約の有効期間の決め方は、協約によりましてそれぞれの決め方がございますが、当該協約に決めがあります場合、その決めに従って一定の手続をとるということは、これは労使間で合意しておることでございますので、その決められた条項がどういう条項であるか、そしてその解釈はもちろん第三者よりも、それを結びました当事者間で一番はっきりしておるわけでございまして、そういう点で話し合いをする必要があるというふうに私は先ほど申し上げたわけであります。仮に、協約がなくなりました場合、何であとは規律するのかということに相なりますれば、就業規則。いま先生が御指摘のありましたように、労働協約の方が優位法でございまして、就業規則と抵触しておれば就業規則の方が是正されるというかっこうに相なっておりまして、協約の規律するところが優先するわけであります。
 結局、就業規則がそういうかっこうで一応直っておったかどうか、これは非常に法律論的にいきますと労働協約の四項の問題とか、いろんなむずかしい問題があるわけでございますが、従来そういう慣行でやってきておったという、そういう慣行もまた尊重されるべき筋合いのものでありますが、いずれにいたしましても労使間の具体的な協約解釈の問題でありまして、最終的には結局裁判所なり労働委員会で具体的個々の事実に即して判断されることに相なるのではないか、こういうふうに考えます。
#101
○目黒今朝次郎君 時間がないから、いろんないまの労政局長の回答を受けて見てみると、五十一年の三月の八日、組合側に対する回答で、労働条件その他は従来のものを尊重しますと、こういう回答をしているんです、文書で。それから五十一年九月の八日、裁判所で身分保全の答弁書の中で、いわゆる労働条件その他については前の社長当時のことをそのまま尊重いたしますと、こういう答弁しているんですよ。こういう答弁しておれば、組合側からたとえば仮に一歩下がって二月二十五日労働協約切れたと、切れたならば、社長がそういう態度であるならば新しい協約を締結しましょうと、そう申し入れた際に、現行どおりで結ぶというのがたてまえじゃないですか、これは。こういう答弁しているんですから。それを全然結ぼうとしないで就業規則だけに食い逃げしていくということは一体労政上どうなんだろう。私はきわめて別な意図を持っている、こう考えざるを得ないと思うんですが、別な意図とは組合つぶしだ、労働者いじめだ、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#102
○政府委員(青木勇之助君) いま先生御指摘のような答弁を仮に行っておるとすれば、その答弁に沿って労使間で交渉をし、それを協約に結実していくという手続が通常の場合はとられるわけでございます。そういう手続をとらない、何らかの意図があるのじゃないか、これはちょっと推測にたりますので私の方で答弁は差し控えさしていたがきますが、いずれにしても協約は尊重されるべきであり、労使間の信義則というのは守られるべきである、こういうふうに思います。
#103
○目黒今朝次郎君 ここに裁判所の陳述書ありますから、後でお見せしますからどうぞ。
 それで大臣、この問題でやっておりまして時間がきたんですが、これはいろいろ考えてみると、この前も大臣がこういう答弁しているんですね、私の質問に対して、「この問題を取り扱う経営者側の態度というものに幾つか問題点が」あります、これが一つ。それから「途中からは経営者側が交渉に応じない、これは私の所管で言うのではないんで、労働問題を扱ってきました者の立場から言えば穏当ではないと私は考え」ますと、この二つの事実認識が前の大臣の事実認識。それから陸運局、運輸省、これは中村自動車局長の答弁は「陸運局長といたしましても、斎藤社長を局に呼びまして、いまのような状態でストライキが長く継続するということにつきまして、やはり足を確保するということと、輸送の安全を確保するという意味合いから、早期に話し合い」を進める指導をいたします、こう言っているんです。ところが、大臣の答弁と中村自動車局長の答弁といま労政局長の答弁を突き合わせて、私は斎藤という社長さん、この人にやっぱり問題があると思うんですよ。
 それで一つの提案なんですが、やはりここで議論していてもしょうがないから、参考人というのもなかなか大変でしょう。ですから、運輸省の自動車局長と労政局長、御苦労さんでもひとつ現地調査をもう一回きちっとしてもらう、場合によったら私も行ってもいいと思うんですよ。関係者がテーブルに着いて、ストやってどうなのかという点をひとつ真剣に事態収拾に議論する、そういう姿勢について大臣どういうお考えですか。ぜひ私はいま私が言った提案について配慮願いたいと、こう思うんですが。
#104
○国務大臣(石田博英君) いや、私は隣県の方でございますので、私はかなり事情を知っておるつもりでございますが、私自身が別に直接当たったわけではないし、証拠を持っているわけではない。ないけれども、この前に運輸大臣としてお答えを申し上げました考えと現状認識について私は変わりはありません。いつまでもこの紛争が続くことはもちろん望ましいことではありませんし、労働協約が結ばれないで就業規則だけ、しかも一方的に所要の手続をとらないで結ばれたものだけが現状を支配しているという状態は、民事的には手続をとられないからといって無効ではないという判例があるんだそうですが、行政的にはやはりその手続をとらなければ行政上の処分の対象にはなると、こう私は考えるわけであります。
 そこで、実際問題の解決策としまして、私どもが現場に運輸省と相談をしていくということも一つの方法だと思いますけれども、事件がこんがらがってしまって、たとえば基準局の、あるいは労働委員会の職権あっせんとか何とかするようなチャンスもちょっとずれてしまったような感じもします。私は、これは県が、この前の福島県のときと同じように、県が積極的に出てもらうことが一番いいんじゃないかというような感じもいたしますので、岩手県知事と連絡をとりまして、県がこの事態の解決のためにあっせんの労をとにかくとってもらうということをしてもらいたいと、こう考える次第であります。
#105
○目黒今朝次郎君 ここに県がくれた公文書あるんですがね。県は一回、二回、三回中に入ってやっておるんですよ。でも、その斎藤社長は、おれが憲法だ、おれが法律だと、そういうことで一切県は物にならないんです。
 それから、ここに、地元の北上市長さんがあっせんに入って、これもことしまで三回ほどあっせんに入っています。ここにもあります。この北上市長さんのあっせんも、おれが憲法だ、おれが法律だといって聞かないんですよ。そして、組合との団体交渉を見てみると、これはすごいんですよ。強いて言えば生かすも殺すも奪うこともすべての権限を持っていると、こういうことをこれは堂々と言っている方ですからね。こういう方なんです。ですから、私はいま労働大臣の配慮は配慮として十分にお願いしますが、やはり運輸省と労働省の責任者がきちっとして、場合によったら私も行きますから、そういうことで十分なやっぱり配慮が欲しい。同時に、私は運輸省お伺いしますが、こういう方に、確かに道交法上のいろいろな基準ありますよ、免許上の。道交法上のいろんな問題ありますけれども、公益上の利益を阻害するようなこういう方に、一体国民の命を預かるタクシー業を許可していいだろうか、こういう非常に私は疑念に思うんです。ですから、今月の二十五か六ですか、運賃改定の時期でしょう。こういう不穏当な業者に対しては、もう一回きちっと洗って、経理内容とか業績内容を明らかにして、それから料金問題を考える、そういう行政の指導がぜひ私は欲しいと思うんですが、いかがですか。
#106
○説明員(向井清君) 先ほどのお話の中にもございましたように、先般の運輸委員会におきまして私どもの中村自動車局長が御答弁申し上げましたように、運輸事業におきますところのやはり行政の監督指導上の要点と申しますのは、輸送の安全と利用者の利便の確保及びそのための事業運営体制の確保というようなことであろうと思います。
 いま、るる御指摘のような問題につきましても、そのような運輸行政上の観点から問題の内容をくみ上げて、取り上げていくということにつきましては、まさしくそのとおりでございまして、その線にのっとりまして、先ほど御指摘ありましたような監査を随時行っておりまして、三月一日にも行いましたその結果はまだ参っておりませんが、その筋にのっとりまして、さらに事業内容の助成を図るような努力を極力いたしてまいりたいと、このように考えております。
 それから、いま御指摘ありました運賃との関連でございますが、監督、指導に当たりましてどのような手段を活用するか、できるだけ有効な手段を活用するということは当然のことでございますが、事、運賃とかあるいは免許自体の問題とかいうことになりますというと、やはり全体的な輸送の秩序、体制の問題にもかかってまいりますので、何と申しましてもやはり相当慎重な配慮が必要である、そういう慎重な検討、配慮を踏まえました上での対処というようなことになろうかと思いますので、そのように考えておる次第でございます。
#107
○目黒今朝次郎君 私は、運輸省、そんな形式的なことを聞いているんじゃないの。いままで述べたずうっと一連の事実を挙げたでしょう。こういう方に社会的な公益の交通機関という、国民の命を預かるタクシー業という仕事について適格かどうかということを検討する段階まできているんじやありませんか。そう思いません、あなたは。私はそう思うんですよ。ですから、こういう方にどんなに料金改定やって内容を洗っても、私はその料金改定、事業計画をスムーズにやる人ではない、この人は。現に去年からことし、ここに実車率持ってますが、どんな運行してます、このタクシー会社は。きわめて不届き千万ですよ、実車率を見ると。ですから、そういうものについては、運賃改定等についてはさらに慎重な配慮を要する、こういうことについていかがですかと聞いているんですよ。
#108
○説明員(向井清君) いま御指摘ございました経営者の資質の問題、あるいは経営姿勢の問題と申しますのは、やはり監督、指導の立場から申しますというと、その結果出てくるもろもろの違反なり、規制すべき内容なりということについての対処があるわけでございまして、そういう意味で先ほどお答え申し上げた次第でございますが、当然そういう結果を生じます背後にはもろもろの事情がございましょうから、それらも勘案して事業是正、適切な運営というものに対する配慮、指宿をいたしていきたいと、このように考えている次第でございます。
#109
○目黒今朝次郎君 われわれも十分な関心を持ってますからね。仙台陸運局の動向、いまあなたが言ったような形で、やっぱり正しく県民の足が血られる方向に努力をしてもらうということで、あなたの出方を見ることにしましょう。
 それから、時間がありませんから、次に丸金証券の問題について、労政局長、去年の十月九日質問書を出して、十月二十九日答弁書をもらったんですが、その答弁書の中でガードマンの件について七について「警備業法第八条の規定に従い、労働組合の正当な活動に干渉するなどのことがないよう、」業者に十分注意しますと、それから「警備業務の実施に当たっての労働争議への不当介入事案等の防止に努め」ますと、こういうことが書かれてあるんですが、つい最近、これはいつですか、三月の三日午前八時四十五分、また同じようなガードマンでけが人が出たと、こういうことが行われておるんですが、私は昨年の質問書の際に、ここに診断書ありますが、一年間に十八件ですか、同じ診断書を。大体一カ月か三週間けがしたと、こういうガードマンにかかわる問題について、こういう不祥事件が発生しているというのは、どこか私は問題があるような気がするんですよ。ですから、おたくの政府答弁書を実際に具現するために、労働省なり関連する大蔵省などについてもっと事情を調べて、こういうことの起こらないように指導すべきだと思うんですが、いかがですか。
#110
○政府委員(青木勇之助君) 御指摘のとおり、労働紛争に関連いたしましてそういう事案が起こることはきわめて遺憾でありまして、さらに東京都等を通じ、あるいは直接使用者側にも接触いたしまして、そういうことのないよう、さらに一段と努力してまいりたいと思っております。
#111
○目黒今朝次郎君 それから大蔵省は、この答弁書を見ると、労使問題に介入いたしませんということを言っているんですよ。これは政府のいつも常套答弁で、しかし、私は大蔵省だって全然関係ないとは言わせぬと思うんですよ。ですから、大蔵省と十分連携をとってこういうことの再発防止にやってもらいたい。
 それから、何か聞くところによると、近く大蔵省の監査が入るらしいですね、この丸金証券に。監査に入る際に、これらの労働問題についても十分なやっぱり配慮した監査をしてもらいたいとこう思うんですが、いかがでしょうか。
#112
○政府委員(青木勇之助君) 先生のいまの御趣旨、大蔵の方へもさっそく伝達いたしまして、そのように取り計らいたいと思います。
#113
○目黒今朝次郎君 じゃ、そのことを具体的に期待します。
 国税庁が来たそうですからちょっとお伺いしますが、労働者の各事業場に賃金台帳がありますわね。この賃金台帳の、これは県都タクシーですがね、盛岡の、この賃金台帳のAさんという、まあ名前は特に消したんですが、Aさんの賃金台帳が昨年の年間百八十九万六千三百七十二円、ところが年末調整の源泉徴収、これの収入の金額が二百三十二万一千百四十三円、四十二万ちょっとの差があるんですよ。これはちょっとおかしいじゃありませんかということを提案したんですがね。もう時間がないからおかしいならおかしいということで行って、ぜひこの実態を調べて報告をしてもらいたいという思うんですが。
#114
○説明員(北村恭二君) 給与を支払います源泉徴収義務者は、給与を支払いましたその額につきまして源泉徴収票というものを二通作成いたしまして、税務署の方にも一通提出いたしますし、それから当該給与の支払いを受けた人にも交付するということになってございます。いま先生御質問の賃金台帳というものの性格、どういうものかよく存じませんが、仮にそれが年間に支払った給与の総額というものを記載しているものでございましたら、当然その源泉徴収票に記載されております給与の支払い額に一致すべきものだと思います。御指摘の具体的な問題については調査をいたしたいというふうに考えております。
#115
○目黒今朝次郎君 非常に大事な問題なので、県都タクシーと、いまおくれてまいりましたけれども、都タクシー、二つの関係に関係するので、見ようによってはタクシー業界の全体にも影響するかもしれませんから、早急に確実に調べて御報告願いたいとこう思うんです。これは要望しておきます。
 それからあと二点だけ。林野庁にお伺いしますが、前回の社労で振動病にかかわる高知の竹邑さん、それから屋久島の佐々さんの業務上疾病の問題について、早急にできれば昨年の年末ぐらいまで結論出すと、そういうことで努力を要請したんですが、その後どうなってますか。
#116
○説明員(馬場道夫君) ただいまの先生御指摘の件でございますが、本件は振動障害を直接あるいは間接の死亡原因といたしますそういう診断書が主治医から出されているわけでございますが、何分にも初めてのケースでございまして、私ども慎重に検討いたしてきたわけでございます。そこで、医学的な専門的な分野の検討が必要でございますので、臨床のその専門家の方々あるいは公衆衛生の専門の方々の御意見もいろいろお聞きしながら事務処理を進めておるわけでございます。現段階で早急に処理をしたいというふうに考えておるわけでございます。
#117
○目黒今朝次郎君 これは労働大臣、振動病で亡くなった方が、七、八人いらっしゃるんですよ。私はその屋久島と高知にも現に行ってきていろんな問題を見たり、死亡に立ち会った先生にもお話聞いてきたんです。この二人とも、臨床で脈をとった先生はやはり振動病が直接の原因だという死亡診断書書いているんです。しかし、まあいま林野庁が言うとおり、業務上の問題であるのでその診断書をさらに診断するというやつをいま林野庁が行っているんですよ。私はこれは常識で考えて、立ち会ったお医者さんの診断書をさらに診断するというのは、お医者さんの世界でも余り好ましくないことだと言われて聞いているんですがね。この問題については直接は労働省あるいは林野庁の関係ですから、早急にこの問題に対して結論を出してもらいたいとこう思うんですが、ひとつ大臣の、そういう職業病からくる医師の信頼感といいますか、それについて大臣の考えのほどを聞かしてもらいたいとこう思うんです。
#118
○政府委員(石田博英君) チェーンソーを使うようになってから、白ろう病の問題というのは私ども労働省としても何回も扱ったこともございますし、私の郷里も国有林の多いところでありますのでよく承知しておるのでありますが、その白ろう病が直接の原因になって死亡したというのは、実は私も初めて今度聞いたケースであります。直接的にはその判定をするのは林野庁が直接の責任者でありますが、その認定をしてそれに対して処置をするのは私どもの方の役所の仕事でございますので、私どもの方といたしましても慎重に、しかも敏速に処理をいたしたい、こう考えておる次第であります。
 なお、白ろう病そのものに対する対策、これは各種の、特に振動の少ないものの開発とか、あるいは遠隔操作とか、あるいはまた就業時間の制限とか、そういうようなものを励行することによって病気自体の予防、事前防止ということがやはり行政の中心であるという考え方で対処いたしたいと思っております。
#119
○目黒今朝次郎君 林野庁にもう一回聞きますが、いま臨床グループであるとか産業衛生グループとかにいろいろ意見を聞いて最大の努力をしているとこういう話ですが、私はたとえば高知の竹邑さんなどは相当長い間病院に入っていらっしゃって具体的な記録が全部あるんですね。私も全部見てきました。ですから、全体を進めることは結構ですけれども、そういう記録の客観的な証拠物件のあるやつはやっぱりどんどん進めていく。屋久島のようにまだいろいろ記録がなくて、たとえば霧島労災病院の病院長さんと熊本局の厚生課長さんが屋久島へ行っていろいろ調べてきた、そういう物理的に若干時間のかかるものについてはそれなりにかかることもやむを得ないと思うんですが、この高知の竹邑さんのような問題についてはやっぱり年内ぐらいにきちっと結論を出すと、こういうタイムリミットで努力してもらうという点はいかがでしょうか。
#120
○説明員(馬場道夫君) ただいまの先生の御指摘の件でございますが、おっしゃるように高知につきましては比較的データ等もそろっております。それからまた、臨床の先生方あるいは公衆衛生の先生方の意見も聴取を終わっております。そういうことで現在取りまとめに入っている段階でございまして、今月中をめどに努力をいたしたいというふうに考えております。
 もう一件の屋久島の件につきましては、先生いま御指摘のようにデータに不備な点がございまして、さらに資料等を集めまして慎重な検討を要するのではなかろうかというふうに考えておりますので、そういう点も含めてなるべく早く結論を出したいというふうに考えております。
#121
○目黒今朝次郎君 じゃ、その努力を少しまじめにお願いします。
 最後に国鉄にお伺いしますが、一昨日「佐渡三号」が脱線転覆して大変な事故が起きておるんですが、それからこの前二月の十八旧には、「ひかり一六六号」の運転士がキロポストに頭をぶつけていまだに意識不明と、こういう状態、それから同じく十八日、両毛線でダンプにやられて機関士がこれも重傷、お客さん二十何名いたとか、それから雪害関係で大分機関士、運転士が苦労されていらっしゃる、こういう動力車乗務員の人身事故あるいは問題点というのが非常にこのごろ多いのですが、これらの労働条件についてどんな考えを持っていらっしゃいますか。
#122
○説明員(橘高弘昌君) 先生御指摘のとおり、最近また動力車乗務員の業務上の傷害事故が起こっておりまして、まことに残念に思っております。国鉄の業務というのは乗務員を含めまして非常に危険と申しますか不規則と申しますか、また夜間に及ぶということでいろいろとむずかしい問題を含んでおりますので、その辺については私ども慎重に対処したいと思っております。
#123
○目黒今朝次郎君 そういうまあ業務上の事故が非常に多い。それから職場を歩くと、いま国鉄が言ったとおり事故は多いし、勤務はきわめて厳しい。したがってこのごろ若い方はドライでね、もうそういう仕事はいやだ、むしろ朝出て夜帰る、そういう日勤職がいいということで、国鉄側もその乗務員の卵を集めるのに苦労していらっしゃる、そういう事情も聞くわけなんですけれども、私はやっぱりこういう点を考えますと、動力車乗務員の待遇改善ということを真剣に考えてやらないと、いまは間に合っても三年後五年後にハンドルを握る者が素質が落ちてしまうということになると重大事故を必ず惹起する直接の原因になる。これはわれわれの経験でそういうサイクルを回っているわけですがね。ところが、その乗務員の問題についてはこの前の運輸委員会のときに、現在九百円の――これは一カ月ですよ、一日じゃなくて一カ月。一カ月九百円の格差がついているからいいんだというような話があったんですが、この九百円は昭和四十二年三月三十日調停九号で九百円になったんであって、もうそれから十年間据え置きになっているわけですね。私は、この十年間据え置きになって現在の動力近代化を含めて新幹線も含めてそのままというのはちょっと酷じゃありませんかと、こう思うんですが、十年間据え置かれた理由は何ですか。
#124
○説明員(橘高弘昌君) 動力車乗務員の賃金と一般職員の賃金との格差をいかにすべきかという問題は、ここ二十年来労使の間で争われてきた問題でございまして、非常にむずかしい問題でございます。三十二年に仲裁におきましてまあ三百円の格差を認めたらどうだというようなことがございましたのが発端で、まあいろいろと問題はありながらも、このとき暫定的措置として仲裁裁定が出されたわけでございますが、その後これを科学的に何とかしなくてはいかぬなというようなこともございまして、労使の間で職務評価委員会というものをそれぞれ当局側推薦あるいは動労、国労推薦の、あるいはまた鉄労推薦の委員さんから、学識経験者からなりますところの職務評価委員会をつくりまして、六年間にわたりまして調査をいたしてまいりましたけれども、最終段階に至りまして職務評価の要素のウエートづけをどうするかという問題につきまして委員会としての結論が出せずに、各委員さんの個人的な御意見をいただくというようなことで結論を出せずに終わっております。まあそういう状況の中でこの問題をどうすべきかということにつきましては、スライドという御議論もありますけれども、このもの自体にいろいろ問題があるわけでございまして、たとえば本来動力車乗務員と一般職員の格差が幾らでいいのかというのは非常にむずかしい問題でございますし、それから実際に現状で格差がどうあるのかということにつきましては、現在の給与体系というものがある程度職務給を取り入れながらも非常に幅広い定期昇給を含むところの年功賃金的な要素もあります。それからまた職群という制度でやっておりまして、その中に定数をどの程度、職群別の人員をどの程度張りっけるかという問題とも関連してまいりますし、あるいはまた手当をどうするかという問題とも絡んでまいりまして、それらを総合してひっくるめてどう格差を見るべきかという問題もございます。それからまた時々刻々いま現在大変な合理化をやってきておりまして、仕事の職務内容そのものも各職種ごとに変わってきてまいっておるわけでございます。国鉄は非常に複雑多岐な専門的な分野を多く擁しておりまして、職種でも三百近くございますが、その間のバランスというものもございまして、なかなかこの格差問題というのを、ずばりと幾らでいいという結論が出しにくい。そういう中でいろいろと労使で議論してまいっておりまして、なかなか、そういう議論の中で現状のような状態になっておるということでございます。
#125
○目黒今朝次郎君 まあしかし、そういう経過はわかりますが、現実に十年間据え置かれている。十年間の間に新幹線のような巨大列車が走っている、こういう現実もこれは否定できない事情なんで、何かやはりこの二%の格差というのが現存する、制度的にはこれがあるわけでありますから、国鉄側の計算によりますと五十一年四月一日の基本給が十六万一千四百二十二円、それの二%となりますとまあ三千二百円、現行九百円ですから二千四百円程度、この程度は現在の段階でやっぱり手直しをしてやるというぐらいの私は努力について、きょうここで結論ということは言いませんから、そういう方向性について十分慎重な配慮をして検討してもらうということについてはいかがでしようか。
#126
○説明員(橘高弘昌君) ただいま基準内給与の一%ということで計算されましたが、正確に五十一年四月現在をとりますと、基本給――基準内給与じゃございません、基本給が十五万三千七百七十九円でございますから、二%といったら三千百円になります。
 まあそれはともかくとしまして、今後どうするかという問題でございますが、先般動力車労働組合からこの問題についての要求が出ておりまして交渉を一回持っておりますし、きょうもまた午後から組合との間に交渉を持つことになっております。これについての方向づけということは、これは団体交渉いまからやる前に何か私がここで物を言うということは、非常に問題がございますので差し控えさしていただきたいと思いますが、先生の御趣旨も体しながら誠意を持って交渉に対処してまいりたいと思います。
#127
○目黒今朝次郎君 じゃ、それを要請いたします。
 何か新聞を見ると、三月二十八日あたりから具体的な問題もある、こういうことを聞いておりますし、福田内閣も成田空港の問題でいろいろやろうとしておりますが、成田空港の油を輸送するのはこれは乗務員で、だからそういう都合のいいときは乗務員に働いてもらう、都合が悪くなるとがまんしてくれと、これではちょっぴり機関士、運転士を扱うにはちょっと忘れちゃいませんかと、こうなるわけでありますから、相対的に技術革新に見合うような、労務管理面も技術革新に見合うようなひとつ方向で努力してもらうということを要望して、終わります。
#128
○理事(浜本万三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#129
○委員長(戸田菊雄君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、労働問題に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#130
○小平芳平君 初めに私は身体障害者の職業訓練について伺いたいわけですが、大臣の所信表明にも余りそれらしいことは触れられておりませんが、身体障害者の職業訓練、それから、訓練を終わってからの職場への進出、こういう点については労働省は基本的にどのような対策をとっておられますか。
#131
○国務大臣(石田博英君) ハンディキャップを持った人たちの就職機会を増大するためには、特別の訓練を施して技術を持ってもらうことが必要であり、今日やはり中高年齢層の就職問題と、数においては少ないものでありますが、重要度においては同じ程度に私どもは考えて、身体障害者の職業訓練の充実に努力をいたしておるところでございます。これからも特別の配慮と手厚い処置をとっていきたいと考えておる次第でございます。
#132
○小平芳平君 そういう手厚い措置をとっていこうという考え方はそういう考えでしょうけれども、実際問題として、ではこの職業訓練も、一般の職業訓練校とそれから身体障害者職業訓練校と、その定員、それから在校数、それから卒業した後の就職数、こういう点について比較をしてみるとどういうことがいま結果として出ておりますか。
#133
○政府委員(岩崎隆造君) 現在、身体障害者の訓練校は国立で十一校、これは県に委託しておりますが、それに県が独自で建てておりますのが三校でございます。
 それで、身体障害者の訓練校の卒業者は、このところ一年に約千三百人という数字になるわけでございますが。これの就職率は約八〇%ぐらいなことになっております。それから、一般の職業訓練校は、これも県立とそれから雇用促進事業団立の訓練校がございますが、これの就職率は平均いたしますと八七、八%というような数字になっております。これは養成訓練終了者の数字でございます。
#134
○小平芳平君 そういうきわめて概略的なお話ですけれども、もっと具体的に、私がいただいた資料を見ますと、一般職業訓練校と比べて身体障害者職業訓練校は、具体的に二点を申し上げますから、こういう傾向があるかどうかということを御答弁いただきたい。
 第一は、定員に対して、入校あるいは在校、その在校生が少ない。つまり身体障害者職業訓練校が定員を設けてそこに開設されておりましても、実際に入校して訓練を受ける人の数は少ない。定員を大きく下回っている、そういうところが多い。これが第一点です。
 それから第二点は、訓練校を卒業した後の就職率がきわめて悪い。就職率がいまの御答弁だと七、八割ですか、なかなかそんなにいってないという現状にある。
 以上二点はどう把握しておられますか。
#135
○政府委員(岩崎隆造君) 身体障害者の職業訓練校のうち、国立で県へ委託というのが十一校ございますが、それの昭和五十年度の定員が千七百三十名でございます。それで現実の入校者が、これは数字で出てまいりますのが千二百九十七名、約千三百名でございますが、これの入校率が七五%ということになっております。それから就職率でございますが、先ほど概略八〇%というように申し上げました。ただ十一校は、大方ブロックごとと言ってよろしいかと思いますが、一校ずつのようなことになっております中で、一〇〇%超えているような入校率あるいは非常に入校率として五十数%ないし六〇%というような格差があることはございまして、私どもそういった非常に入校率の低いものにつきましては、今後ともに広報活動等によって入校率を高めてまいりたいというように考えております。
 それから就職率でございますが、これは私どもがやはりその国立訓練校でつかんでおりますもの、これは昭和五十年度の実際に訓練校の終了をいたしました方々の雇用労働者として雇われている方、それから自営業につかれる方含めまして就職率というふうに申し上げさしていただきたいのですが、これが終了者千七名に対しまして就職数が八百名、すなわち七九・四%というような数字になっております。
#136
○小平芳平君 この身体障害者の職業訓練校ではどのように募集をし、それから入校を許可する場合は、入校させる場合はどういう手順で入校をさせているかという点です。これは私がいま申し上げる趣旨は、希望者は多いわけです。いわゆる大臣の言われるハンディキャップを持っていらっしゃる方で職業訓練を受けようという、受けたいという希望者は多数いらっしゃる。にもかかわらず、この訓練校自体が制限をしちゃう、ある一定の枠へ入る者しか合格させない。そのために定員は七割としますと三割はあいているわけですが、それはあかせたままでその枠が決められている、こういうところに問題はありませんか。
#137
○政府委員(岩崎隆造君) 身体障害者訓練校が毎年四月に訓練生を募集するわけでございますが、これはもちろん身体障害者訓練校が私ども全国にございます職業安定機関、職業安定所を中心といたします職業安定機関と十分な連携をとりながら、そして職業安定所には身体障害者訓練校のそれぞれパンフレット等を用意いたしまして、身障者の方々の便に供しておるわけでございます。それから、学校等とも連携をとり、また、雇用促進事業団の心身障害者の職業センター等とも連携をとりまして、身体障害者のうち訓練校で訓練を受けたいという方の要請に応じているわけでございますが、先生御指摘の点、私ども必ずしも具体的につかんでおりませんけれども、それぞれの訓練校の立地条件、それから訓練科目等によりましては、場合によってその身体障害者の障害部位、障害の度合いとの関係において、当該訓練校における当該訓練科目に必ずしも適当でないというようなことのために、あるいは御要望に応じられなかったというようなことがあるのかとも存じますけれども、ちょっと具体的な事例をつかんでおりません。
#138
○小平芳平君 それはちょっと具体的なことがわからないと言われるのは非常に心外でして、これは「都立職業訓練校入校案内」というこのパンフレットですが、「体の不自由な方等は、必ずあなたの住所を管轄する公共職業安定所へ申し込んでください。」これは先ほど言われたとおりです。しかも、「身体障害者訓練」といたしまして「障害の程度が中程度の方に設けられたものです。」というふうに、もう障害の程度が中程度ということを初めから決めて募集にかかっている。まあ中程度といってもちょっと漠然としておりますが、そういうところからこの訓練校自体が枠を決めちゃう。したがって、希望者はいるにもかかわらず訓練を受けることができないでいる人がたくさん発生するということを申し上げてるんですが、そのとおりでしょう。
#139
○政府委員(岩崎隆造君) 身体障害の重度、中度、軽度というものと、それから職業に適するいわゆる残存能力がどういうものであるかということと必ずしも連携いたさない場合もございますけれども、一般的に申しまして、私どもも重度の身体障害者の訓練並びに就職が、中度ないし軽度の方々に比べて困難度が強いということは当然考えておるわけでございまして、現在重度の身体障害者を主な対象といたしましてやっております訓練校、これはたとえば兵庫の県立訓練校などがそうなんでございますが、この点での施策につきましては十分に今後も伸長させなければいけないということで、現在所沢に予定しております国立職業リハビリテーションセンターにおきましては治療から社会復帰までということの一環といたしまして、重度の身体障害者を中心として、その方々の職業についての適応能力を十分に検査をし、そして、それに応じた職業訓練をいたしまして、それで就職に持っていこうという構想で、これは現在もう予算は、建物が現在竣工しておりますので、多分五十四年度から開校ということで用意をしております。
#140
○小平芳平君 したがって、私も身体障害者職業訓練校があらゆる障害者を全部受け付けて入れろと、こういうふうに言っているんじゃないわけです。私が言っている趣旨は、さっきから繰り返しておりますように、あらかじめ枠を決める、それはまああり得るわけです。それは中程度なら中程度、あるいはこういうカリキュラムにたえ得るかどうかということを検討した上で合格者、入学者を決めるということはあり得るわけです。また当然かもしれません。ただ、私がいまここで申し上げている趣旨は、そうした訓練校が現状において受け入れてくれる障害者以外に、もっと多くの訓練を受けたい希望者がいるんだと。ですから、国の施策としてはもっと窓口を拡大していく、もっと希望者は多数受け入れていく。そしてまた、訓練の内容についてもこの次に触れたいわけですが、質問したいわけですが、まず窓口を、間口を広げていくという努力をしてくださいと、こういうふうに言っているわけです。
#141
○政府委員(岩崎隆造君) 先生おっしゃる御趣旨はよくわかりました。先ほどのパンフレットに一般の人が見て中程度の障害度というような表現を使って、あたかも重度の方にはもう初めから窓口を閉ざしているような形の表現は必ずしも適切でないと思います。先ほど私が申し上げましたように、中、重ということと、それから残存能力に応じてどのような適職が得られるかと、どういった職種について適応能力があるかということとは別問題でございますので、むしろ親切に適応能力の診断と申しますか、検査と申しますか、そういうようなことをお一人お一人に十分に指導をし、かつそれの適性な者につきまして、たとえばほかにお知らせ申し上げるとか、そういうような訓練校での、あるいは安定機関での窓口の親切さというものは今後十分にそのような方向でやるように指導をしてまいりたいと思います。
#142
○小平芳平君 次に、訓練を受けて卒業された方の就職につきまして、労働省からは身体障害者訓練校の卒業生の就職状況について御答弁いただきたいことと、文部省からは養護学校の卒業生について職場へ進出しているかどうか、また家庭へ逆戻りしているんではないか、そういう点についてどう把握しておられますか。二点についてお尋ねいたします。
#143
○政府委員(岩崎隆造君) 就職状況というのは、先ほど申し上げたような数字でよろしいのでございましょうか。――先ほど申し上げましたように、就職状況はおおよそ修了者の八〇%が就業しているという状況でございます。
#144
○説明員(斎藤尚夫君) 養護学校の卒業生の就職状況についてのお尋ねでございますが、中学部の卒業生につきましては、文部省では学校基本調査に基づきまして集計をいたしておるわけでございます。昭和五十年現在におきまして、就職者の数はかなり減ってきておりまして、一三・六%という数字になっておるわけです。これに比べまして進学者、特に高等部への進学が多くなってまいりまして、それが六二・六%というところにまできておるわけでございます。それから高等部につきましては、昭和五十年現在、就職率は五一・五%という数字になっておりまして、なお高等部からの進学者もございまして、約一〇%という状況になっておるわけでございます。
#145
○小平芳平君 そうしますと、文部省のいま御説明だと、高等部卒業して五一・五%の人が就職される。進学される方が一〇%。それで六一%くらいですから、約四割の人は就職もできない、進学もできない、こういう結果でありますか。
#146
○説明員(斎藤尚夫君) この指定統計の調査では個々の内容はつかんでおりません。けれども、その実態は一つは在宅している子供たち、さらには授産施設等に入所している子供たち、その他があるというふうに考えます。
#147
○小平芳平君 政府では――労働大臣、お聞きいただきたいのですが、政府ではそういう細かいことはわからないんだと、われわれ中央ではもっと大事なことがあるんだからと言うかもしれませんが、実際問題は訓練を受けましても入れてくれる職場がないわけです、きわめて狭いわけです。請願書が出ておりますが、この請願書についてきた「おねがい」という、このパンフレットがありますが、「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」というこのパンフレット、これは身体障害児学校の卒業式は涙の卒業式と言われるのですね。ということは、せっかくいままで養護学校なら養護学校へ通って訓練を受けてきた、あるいは重度障害者はいろんな意味で訓練を受けてきていたんですが、さて卒業した、うまくこの就職ができないわけです。ですから涙の卒業式になっちゃうわけです。この点についてはこの社会労働委員会で岐阜県へ行きましたときにも、岐阜県の県立整肢学園というところでも、そこは病院の形になっておりますが、そこを出て養護学校へ通う。養護学校を卒業する。中学、高校を養護学校で卒業する。その後がもう行き先がないわけです。ですから涙の卒業式になってしまうわけです。それから、ただ家庭にいますから、今度はテレビを見たり家庭でもうじっとしているばかりですから、せっかく機能訓練をしてきたのに動かないものだから、そのせっかくの受けた訓練がまたもとへ戻ってしまう。それからまた歩けた者が歩けなくなるとかいうことで、本人も家庭もそこにもう最大の悩みを抱えているわけです。ですから、いま政府からの御答弁を聞いておりますと、何か八割は就職できるとか、あるいは六割は進学か就職ができるとか、そのほかにも授産施設へ行っているとか、そういうふうに言ってしまえばそれでもう話は終わっちゃったかと思うのですが、実態はそうはなっていないということをお考えをいただきたいのです。
 それで、たとえばこれは東京の場合、練馬に都立大泉福祉作業所というところがあるのです。ところがこういうところへは養護学校高等部を出た人がうんと通いたいわけです。うんと通いたいわけですが、ついきのう聞いたお話ですが、この大泉福祉事務所の作業所の定員は四十名で現在四十名の人が働いておりますから、だれか退職するのを待っているという、それが現実なんですね。ですから、もう少し細かく深く実態を把握していかだきたいわけです。そういう対策を立てていたがきたいわけです。
#148
○国務大臣(石田博英君) 本来、身体障害者の訓練を受けた人は雇用されるか自営業になるかは別として、全部が働けるような体制に持っていくべきである、これは当然思います。御承知のように身体障害者雇用促進法で一定の雇用義務もかけておりますが、そういうことだけではなくて、いまお示しになったような、そういう条件の中にいろ人だけの働く場所をつくり上げる。それから身体障害者でできる仕事のいわゆる訓練科目について実際上雇用と合致するような、整合性を持つような訓練科目の選択、それから訓練を受けるに当たっての通学、あるいは通学不能な者なら寄宿なり、そういうような配慮をもっと広範に広げていく必要は痛感をいたしております。
 実はこれは私ごとで大変恐縮ですが、私は若いときにそういうところで働いたことがあるのでございまして、その当時は日本じゅうでたった一校しかなかったのでありますが、まあその当時に比べればそれは隔世の感でございますけれども、本来せっかく訓練を受けたら、やっぱりどこかで働ける希望を持てるというような方向をさらに進めたいと思っております。現に精神薄弱児だけを雇用している事業所も次第にふえてまいりました。そういう傾向の助長にも努めたいと考えておる次第であります。
#149
○小平芳平君 それから、こういう点は労働省当局は御存じですか。この身体障害者訓練校を出まして一たん就職をします。一たん就職をしますが、何カ月もたたないうちにその職場をやめて、またこの訓練校へ戻って訓練校の生徒になるということが行われている。これは私はいまどこどこの訓練校のだれだれさんという具体的に人も知ってはいるんですが、現にその訓練校へ入っていて、その人は一年訓練を受けて出てきて、いま社会で働いているんですが、その人が実態として、要するに定員が集まらない、定員が大きく不足している、そういうこともあって一たん就職をし、また職場をやめて訓練生として訓練校へ戻っていると、こういうふうに言っているのですが、把握しておられますか。
#150
○政府委員(岩崎隆造君) 身体障害者の訓練校で訓練を受けていただく際には、その障害者の最も残存能力に適応した職種を選んでいただき、そしてそれに適合した就職先をあっせんいたしますように職業安定機関とともに努力をいたしておるわけでございますが、いま先生御指摘のようなケース、これは私ども定員を充足するためというふうに考えるのか、あるいはやはり社会に出てみたけれども、自分のもっとふさわしい仕事があるのではないかというような訓練生の考え方に基づきまして、もう一度別の職種の再訓練を受けたいというようなことで、身体障害者の訓練校に入り直すというような希望に応じてやっているようなケースもあろうかと思いますけれども、私ども具体的にはどの程度あるものか、ちょっと具体的なものとしてはつかめていません。
#151
○小平芳平君 この問題まだ続くわけですが、大臣が退席される時間の関係で別のことで大臣に一言伺って、それで退席していただきたいと思うんですが、具体的には去年の暮れに起きました長野県に主力工場のある東洋バルヴの会社更正法適用申請の問題であります。きのう詳しく説明しておきましたから、余り詳しく説明しなくてもお答えいただけるかと思いますが、簡単に申しますと、私がここでお尋ねしたい趣旨は、会社更生法の適用を申請した、適用を申請した親企業は、賃金その他基準法どおり守られるわけですが、今度はそこへ入っている下請企業、この下請企業の場合でもほとんど労務費に該当する、たとえば資材を受け取って加工して納めるというような労務費、労働賃金にそれがほとんどというような下請企業もあるわけですが、これらの中小企業はどう守られているかということです。実際問題基準監督署ではそういう下請企業に対しても基準法は守ってくれないと困りますよ。賃金は遅払いしてはいけませんと言うからやむを得ず手形不渡りになったものですから、その中小企業の社長さんは個人的に借金して賃金だけは払いました。これじゃとてもたまらないからもう解散しちゃおうかと思うんです、解雇して。解雇しますと言うと、今度は監督署から解雇するなら予告手当を払わなくちゃいけませんよと、こう言われる。ですから、まことにそれは法律どおり守らなくちゃいけないという御趣旨はわかるんですが、こうした問題に対して一体親企業の労働者はこういうふうに守られている、中小企業の労働者はどう守られているか、あるいはこういう点をもっと守っていかなくちゃならないじゃないかという点を検討していただきましたか。
#152
○政府委員(桑原敬一君) 賃金不払いの問題につきましては、私ども監督機関としてはできるだけその不払いは解決できるように、先生おっしゃいますように指導監督いたしております。大体八割から九割解決をしております。もちろん、その問に時間がかかりますけれども、問題は、お話しのように親企業については会社更生法がありまして、いろいろな手続でその賃金不払いについて担保がございますが、なお、私どもはこの会社更生法の百十二条の二の規定によりまして、会社更生法の適用を受けております親会社に関連しました子会社が連鎖倒産が起こるという、そういう緊急事態になります場合には、更生計画認可の決定前に裁判所の許可を受けて下請代金などの債務を弁済することが認められております。こういった規定をできるだけ運用して連鎖倒産にならないように私どもも関係機関と協力してやっております。
 なおまた、不幸にして倒産いたしました場合には、昨年御審議いただきました賃金確保法によりまして一定額の賃金の立てかえ払いをやる、こういうことで一生懸命やっておるようなわけであります。
#153
○国務大臣(石田博英君) いま御指摘のような事件は、間々かなりの数で起こってくるだろうと思います。特に、大型倒産などが行われた場合には危険が多いと思うのでありますが、労働省の立場から申しますと、賃金債権をどうやって確保するかということで、いま基準局長から御説明を申し上げましたような措置を講じておるわけでございます。しかし、問題はそのために下請企業の方が経営が困難になつてつぶれる場合、これは直接的には私どもの所管ではございませんけれども、各種の融資、その他の方法を講じて波及をできるだけないように努めていくべきものだと考えております。
#154
○委員長(戸田菊雄君) 速記とめてください。
  〔速記中止〕
#155
○委員長(戸田菊雄君) 速記起こしてください。
#156
○小平芳平君 会社更生法についてもう一問質問いたしますが、会社更生法百十二条の二によってこれこれしかじかの場合は債権が確保されるという説明を私はいま持っているわけですが、具体的に東洋バルヴの場合でももう三カ月になりますが、実際、法は運用されておりますか、百十二条の二というのは生かされておりますか、どうですか。
#157
○政府委員(桑原敬一君) 先ほど大臣が答弁申し上げましたように、私どもの所管法人でもございませんので、詳細は承知いたしておりませんけれども、こういつた規定はやはりできるだけ活用できるように、私どもも関係機関と十分協議していかなきゃならない、こういうふうに考えております。
#158
○小平芳平君 ほかの経営全般にわたるそういう趣旨で私も質問しているわけではないのでありまして、特に、昨年の暮れ、年末も押し迫ろうというときに更生法の適用申請を出す、途端に相当数の関連中小企業がとにかく何カ月分の手形が不渡りになつちゃうと、先ほど説明しましたように、それはほとんど実際上労働者の賃金に該当するものでありまして、したがって、それが途端に賃金は払わなくちゃいけない、ボーナスどころではない。解雇するにも予告手当、何人か人を使っていたがゆえに、親企業にかわって借金して賃金の遅払い分を払って、その上予告手当を払うためにまたほかから借金して払わなくちゃいけないというふうな現象が起きたわけです、実際に。ですから、そういうときに先ほど言われた百十二条の二が有効に働いておりますかどうか、この辺もし余りはっきりしなかったら実態を調べていただきたいんです。
#159
○政府委員(桑原敬一君) 先ほどお答えいたしましたように、詳細実態を存じておりませんので、さらに私どもとしても調査をいたしたいと思います。
#160
○小平芳平君 結構です。
 今度はまた身体障害者職業訓練に戻りますが、そこで定員を充足させるためにもとの訓練校へ戻しているかどうかは、それは疑問がある、ほかの訓練を受けたいために訓練校に戻ったということもそれはあり得ると思います。あり得るじゃなくて、それはあると思います。が、実際、訓練生のたらい回しというんだそうですが、そういうことが実際行われているというふうに言っている人がいるんです、いま現に。それで、その人の意見としては、もっと高度の訓練、質的な向上といいますか、もっと内容の充実した訓練校であるべきだと。現在程度の訓練で職場がうまくないならば、もっと高度の訓練をし、質的な向上を図り、そして社会的な要請に、社会的な要求を満たす内容と、そういう観点から中身を変えなくちゃだめだと、こう言っているわけです。それはいかがですか。
#161
○政府委員(岩崎隆造君) 私ども、従来から訓練職種として一般的に身体障害者の適応できるようなものを選んでやっておりますし、それから訓練につきましても必要な訓練期間、訓練技法によってやっているとは存じますけれども、先ほど大臣も申しましたように、まあ現在並びに今後のそういった雇用機会にマッチするような職業訓練種目ないし職業訓練のやり方につきまして、さらに適当なものを開発していかなければならないというようには存じておりますし、現在、実際に手がけているものといたしましても、二、三に上って試行的な段階でやっておるものもございます。
#162
○小平芳平君 もう少し積極的にやってもらいたいと言っているわけです、やっていますとおっしゃるけれども。
 精薄児の職業訓練校は幾つありますか。
#163
○政府委員(岩崎隆造君) 精神薄弱者を対象にいたしますそのものだけの訓練校というのは、現実には国立にはございませんで、現在、県立の愛知県の春日台の訓練校で一部精神薄弱者のための職業訓練をやっております。
#164
○小平芳平君 それで、労働省はその精薄児もしくは精薄者に対する職業訓練が必要だと思うんですか、必要じゃないと思うんですか。
#165
○政府委員(岩崎隆造君) 身体障害の実際に肢体不自由とかその他の身体障害者と比べまして、いわゆる精神薄弱者に対しまする職業訓練ということには非常にいろいろな困難がございまして、実際には開発過程にあるというふうに申し上げられるのではないかと思いますけれども、もちろん先生おっしゃいますとおり、精薄者に対する職業訓練につきましても、その方々が一生生活をしていくための何かを身につけるということの必要性は、社会的には考えられるわけでございますから、私どもも現在春日台でやっております精薄者に対する訓練の実績等も見合わせまして、今後対処をしてまいりたい、このように考えます。
#166
○小平芳平君 精薄児、精薄者は全国にいるのであって、愛知県だけにいらっしゃるわけじゃないのであって、その実績等も見てやるんですか、やらないんですか。
#167
○政府委員(岩崎隆造君) 先ほど申し上げましたように、精神薄弱者に対する職業能力の授与ということが、身体障害者一般に比べましてなかなか困難な点が多いわけでございまして、いま春日台にだけしかないというふうにおっしゃっていただきましたが、もちろん、宿舎施設等も整備しておりますから、必ずしも愛知県の方々だけを対象にするということでございませんが、今後ともに学問的な研究、実地の検討等も踏まえまして対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#168
○小平芳平君 学問的な研究とともに、実際その精薄児者の両親とか周囲の方とか本人の意向とか、そういう社会の実際面に立って検討は進めていただきたいんですね。また、そのための行政だと思うんですね。ただ、学問的な検討だけで労働省の仕事が終わるんじゃないわけですから、実際の社会的要請、家庭的な要求、そういうものを踏まえて進めていただきたいと思います。
 それから、先ほどちょっと触れました東京都で言えば福祉作業所というところで養護学校卒業生を受け入れてくれるという、そういう意味の職場の開拓ということはやらないんですか。
#169
○政府委員(岩崎隆造君) 身体障害者の雇用促進につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたように、私どもが最も力を入れて推進しなければならないところでございます。私どもは、やはり身体障害者が職業生活を送るという意味では、一般の健常者と同じように実際の企業に雇用されて働くということが最も好ましい姿であるというように考えます観点から、身体障害者雇用促進法等に基づきまして、現在民間の企業等に呼びかけまして、
  〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕
身体障害者を多数雇うための工場、施設等につきましては低利融資の道等も考え、また施設に対する補助等もいたしまして、そういった面での促進を図ってまいりたい、一般的には私ども雇用を促進するということによって対処してまいりたいと、このように考えております。
#170
○小平芳平君 身体障害者雇用審議会の答申に、精薄者の訓練の充実ということがありましたでしょう。それ以来、どういうふうに充実されましたか。
#171
○政府委員(岩崎隆造君) 先ほど申し上げましたような、現在、春日台を中心といたしましての訓練の実施状況等を見守っておりますので、今後、その成果をできるだけ早く見まして、その後について促進方、努力をしてまいりたいと思っております。
#172
○小平芳平君 その答申はいつですか――それじゃいいです、いつかというのは見ればわかりますから。
 先ほど来、繰り返しておりますように、身体障害者職業訓練校に通っている方、また卒業した方、それから養護学校は文部省だと言って、内容わからないという返事だったですけれども、きのうはですね。実際、そうした連携も必要でしょうし、それから実際職業訓練を受ける――訓練局は訓練だけやればいいのかもしれませんが、受けた訓練は社会に役立つという、職場へ出ていって社会に役立つという、それが訓練の目的であるわけでしょう。それが訓練は受けたが、適当な職場がない。養護学校は卒業したが、社会へ出ていく道が閉ざされている。そういうことで、本人も両親も家庭も大変悩んでいる、そこに大きな問題があるということを私は指摘いたしまして、その解決を要請いたしまして、私の質問を終わります。
#173
○内藤功君 私は、安宅産業と伊藤忠の業務提携、それから会社合併という問題に関連をして、労働問題として労働省当局はどのように認識をし、またこれからの対応を考えておられるかという点についてお尋ねをしたいと思うんです。
 この安宅産業と伊藤忠の業務提携それから合併ということが言われていますが、私はいろんな資料をずっといままで調べてみた、社内の文書もずっと調べてみましたが、いわゆる会社間の合併というような実態よりも、これはもう被合併会社である安宅産業をいろんな部門別に、たとえば鉄鋼とか化学とか建材とか繊維とか、あるいは工作機械とか不動産とかいういろんな部門がありますが、部門ごとにばらばらにして解体して、そうしてそのある部分は伊藤忠に吸収していく、ある部門は今度は期限つき、条件つきというんですが、結局は手放すんだと思うが、期限つきで吸収していく、そしてある部門――これが相当多いんですが、これはもう切り捨てていく、別の会社をつくるとか、あるいはもう企業としてよそに身売りしてしまうという形で、もう切ってしまう、こういういわば解体ですね、企業の解体を行っていく、これがもう実態に一番合っているんだと。そうして、それをやっていく上で相当大量の、これか二が労働省の問題であるが、人員整理というもの州安宅産業に働いておられる方、それから関連企業、下請企業の従業員私の考えでは約二千四百人従業員がおられる。それから関連企業は百数十社、二万人に及ぶだろう。こういう人の人員整理。つまり、その人の個人と家族を入れたら、六、七万人の人に及ぶ生活の問題になってくると思う。昔、三井三池の争議がありましたんですが、これは千二百人の首切りで、大問題、大ストライキに発展した。それに比べると、二千四百Aの従業員と二万人の下請労働者の命の問題でありますから、これはもう社会問題だ。社会問題に必ず発展するというように思うんです。私はいまずっといろんな資料を調べておりますが、幾つかの特徴があるんです。幾つかの点を言うと、一つは安宅産業のこの事態を招いた原因は、大きな原因、最も大きな原因は、NRC――ニューファンドランド・リファイニング・カンパニー、このカナダの企業に対しまして安宅産業の子会社、安宅アメリカが住友銀行から融資を受けてそこに金を貸した。その融資が約一千億円――三億四千万ドルというものが、約一千億円というものが焦げついてしまった。これがだれがそれに原因があるのか。安宅産業だけが責められるのか。それとも、金融筋に原因があるのか。どうして二年数カ月の聞こういう多額の、一千億円に上る焦げつきをどうして二年有半放置していたのか。その途中でなぜチェックしなかったのか。担保は一体どうなるか。そこに日本の政治家や政府は絡んでいるかどうかという実は大問題がある。しかし、これはきょうここでは直接の質問の材料にはしない。つまり、ぼくの言いたいのは、そういうような背景は労働者、働く人たちには何の責任もないことなんです。そういう問題でいま人員整理がされようとしている。これが一つの問題。
 それから二番目は、さっきぼくが言った二千四百有余名の従業員と二万名の関連下請企業の人たちが路頭に迷う、これが二点目です。これは大きいです、規模としては。もしこれが小さいという感覚だったら、ぼくは労働省は大問題だ。
 三つ目は、今度はもう予想される、それ自体がもういまから予想されるということなんです、確実に。五月の末にあれでしょう合併の正式本調印、十月一日に合併しようというんでしょう。それで、その間私は社内のいろんな文書も見ましたですよ。みんなとにかく人員整理が必要だという方向へ向かって動いてきた。
 以上、私は三点、その原因は労働者にないこと、二番目は数が多いこと、三つ目はいまから予想されること、この三つをとりあえず特徴として言った。ほかには、政界が絡んでいる疑いのあること、それから大蔵省、通産省がこの合併にゴーのサインを出していたという問題もあります。しかし、これはきょうは言わない。こういう特徴のある人員整理がいままさに行われようとしておるときに、労働省は一体どういう姿勢をとるべきなのか。やはりこれを詳しく調査をして、そうして詳しく調査をして、いやしくもこの社会問題として大きな解雇や人員整理の問題が起きないようにあらゆる手だてを尽くして、いまからこういう労働者の路頭に迷うようなことのないように、十分な態勢をとっておかなくちゃいかぬと私は思うんですよ。
 争議が起きて、そして首切りが出てきてから、たとえば保険でもって救えばいい、社会保障で救えばいい、これじゃだめなんです。これじゃ労働省の意味はない。それなら保険屋になればよろしい。保険屋さんのやることなんです。それはそうじゃない。事前にどういうふうな姿勢でやるかという点を、私は労働省当局のお考えをしかとまず承っておきたいと思うのであります。
#174
○政府委員(北川俊夫君) 安宅産業の合併問題につきましては、労働省としてはかねがね関心を強く持っておるところでございます。かつてベースアップの問題で中労委に係属したこともございましたけれども、その後合併の方向が明確になりまして、今後解雇問題というものが出る可能性が非常に強くなってきておるという認識を持ちまして、実は私自身も安宅産業のいまの社長の小松さんと直接お会いをして、今後の整理の仕方等につきましては御説明を承ったこともございます。その際に、私たちはぜひ組合との話し合いを十分していただきたいということと、それからその就職あっせんについては特に御留意を願いたい、こういうことを申し上げております。いま先生の御指摘は関連会社の点でございますので、私が申し上げることは直接当たりませんけれども、安宅産業そのものからの離職者に対する就職あっせんについては、すでに有力会社からおよそ――数だけの問題ですけれども、三倍程度の申し込みもあるので、極力心配のないようなあっせんをしたいと、こういうようなお約束もいただいております。
 いま先生が御指摘の安宅産業の関連会社の整理の問題でございますが、この点につきましては、ことしの一月の六日の団交で、会社側が関連会社の一部整理という方向を明確にしておりまして、恐らくこれに関連しての雇用問題ということが発生するものと予測をいたしております。ただ、どこまでが関連会社であるかという把握がなかなかむずかしいんでございますが、私たちが把握をしております、事情聴取の中で把握をしておりますのは、一応こういうことでございます。安宅が一応関連会社、いわゆる株を持っておる持ち株会社ということに限定をしていまいろいろ対策を講じておるようでございますけれども、持ち株会社としての関連会社は九十六社でございます一従業員総数が九千三百八十七名でございまして、今後この関連会社の取り扱いにつきましては、現在かなりの部分については合併先である伊藤忠商事が引き継ぐ、それから他の親会社に引き継いでもらう、それから第三の整理をする、この三区分に振り分ける作業をしておる、こういうことでございますが、組合との話がまだ十分ついておりませんので、その方向については会社でも決めかねておると、こういうことでございます。ただ、親会社の合併の場合に、私たちが小松社長に要望したのと同じように、関連会社につきましてもその就職対策、あっせん等につきましては十分留意をしていただくように強く要望しておるところでございまして、今後われわれといたしましてもこの動向につきましては関心を持ってフォローをいたしまして、失業の防止ということが第一でございますから、失業の防止ができない場合でも、安宅産業の口ききによりまして安定した将来の職場へ転換ができるような努力を、強く行政指導をいたしてまいりたいと思っております。
#175
○内藤功君 三点ほどいまの御答弁についてさらに追加して申し上げておきたいんですが、まず完全に労働契約関係を承継するということが、いま労働組合の方々の一番強い要求なんです。もし失業したときに職場をあっせんします、しかしなかなかこれは簡単なこっちゃないんです。いままでやっていた、なれていた仕事、商社マンとしての仕事を生かせるようにするためには、合併の場合――まあ合併ということにすんなり賛成してはいないんです、労働者の人たちは。しかし、もし合併ということになった場合には、労働契約は当然新しい新会社に承継される、これがまず第一です。こういうことをやっぱり強く働く人たちが希望しているということを申し上げておきたい。いまあなたは、当然それは前提の話だと思うんですけれども、それができない場合のことばっかり言っていて、就職あっせんということを言っている。就職あっせんの前の問題ですね、これがやっぱりとことんやられる必要がある、それが一つ。
 二点目は、しからば労使間において完全に労働契約を承継して、みんな雇用契約を承継してくれという要求が労の側にあって、使の側にはそれに反対の見解がある場合に、これはいかなる方法で片づけますか。団体交渉、自主交渉で。しかも、合併される側の安宅産業、合併をする側の伊藤忠、両方が自主的な団体交渉の相手方になるようにあっせんしなきゃならぬと思うんです、労働省当局としては。正規の団体交渉の権利義務はどうであれ、実際問題片づけるには、問題片づける力を持った人と交渉させるのがいい。したがって、労働省としてもう一踏ん張り研究してもらいたいと思う、検討してもらいたいと思う。この安全承継の問題を中心に。あなた方がそういう行政指導をするという姿勢はいいんだが、もう一歩進めて社長に対して、完全承継問題で労使の自主交渉を尽くしなさいということを、極力やっぱり労働少としては――これは労働委員会のあっせんという問題じゃないんですよ。あっせんという問題じゃなくて、労働省としてもそこまで事態認識があるんですから、御努力をなさっていただいてしかるベきじゃないか。これが二点目です。
 それから三点目は、この関連会社、この数ですが、私どもは数は九千人ではなくてやっぱり二万人に及ぶという調査をしております。これはさらにお調べを願いたい。九千人という規模じゃない、もっと倍ぐらいあると思いますね。
 こういう三点をさらにあなたの方でどう考えていらっしゃるか、御答弁を願いたい。
#176
○政府委員(北川俊夫君) いま労働者が安宅産業と結んでおります雇用契約の内容を、そのまま新会社の方へ包括継承をするようにと、こういう要望が組合側から出ておることは承知をいたしております。ただ、それをそのまま包括するかどうかは、いま先生御指摘のように、労使の自主的交渉によって決めることで、われわれが包括的に継承すべきであるとかすべきでないというようなことを判断すべき事項ではないと思います。ただ、先生おっしゃるように、合併そのものが円満にいくためには、労働組合側の理解と協力がなければスムーズにいかないわけでございますから、自主交渉を尽くすようにという要請を雇用政策の側面から社長に要請するなり、あるいは責任者にお願いをするということは私たちぜひいたしたいと思います。
 それから、労使紛争の当事者の問題、労政局長がおられますので、私は答えを差し控えさせていただいて、関連会社につきましては、先生御指摘の二万何千人という把握があるということでございますけれども、私がちょっとお断りしましたように、私が安宅産業から事情を聴取いたしまして関連会社と申しておりますのは、安宅産業が持ち株を持っておるというものに限定をしておりますので、九千三百という数字が出ておりますけれども、それを取引がかなり縁が深いというようなところまで関連会社というふうに広げれば、あるいはそういう数字になるのかもしれませんが、その辺につきましては、また事情を一度聞いてみたいと思っております。
#177
○政府委員(青木勇之助君) 合併にまつわりまするいろんな問題、これはいま先生御指摘のとおり、労使が誠意をもって自主的に団体交渉によって解決を図るべき筋合いの問題でありまして、私どもといたしましても誠意をもって話し合うようにという指導をしてまいりたいと思います。
#178
○内藤功君 次に、この安宅産業は海外に支店を持っておりますですね。それから海外に投資した会社、四十七社持っているんです。アメリカ合衆国のほか中南米、東南アジアに多うございますね。それで私は、国際的な日本の信用にかかわる問題に発展すると思うんで、なおさらこの労働省の徹底した行政指導をお願いしたいと思っておるんです。
 そこで、一つだけお調べになっているかどうか。海外のお店が六十七あります。そのうちすでにことしに入ってから大分閉鎖されましたですが、まあことしの一月一日現在で六十七店舗ある。この店舗には日本の商社マンの駐在員の方と、現地のアメリカ人、イギリス人、ドイツ人というような、現地の社員がおられるんです。私はいまずっと組合が持っているテレタイプを見ているんですが、外国の労働組合ができる可能性があるところが出ている。現に、たとえば西ドイツのジュッセルドルフでは、現地の方が男二十一名、女性が三十三名、五十四名おられるんですよ。この人方が去年の四月にいち早く労働組合をつくった。ドイツの恐らく労働総同盟に相談しておる。そうして、ドイツではいろんな解雇の制限の法律があるのは御存じのとおりですが、これでいま組合をつくっている。それから、ロンドンからの通信テレタイプによると、英人社員は動揺していて、こういういろんな状況で動揺が日ごとに強まっていて、仕事も手につかない様子だという通信も入っている。こういう海外での問題が起きているんですね。これはやはりきっちりと――海外の問題となりますと、単なる国内労働問題だけじゃなくて、国際労働問題である。経営者側が日本人ですから、日本の労働省の責任でありますが、同時に外交問題や国際経済の問題にも発展する可能性があるんです。そこらあたり、どういう情報を得ておられますか、あるいはこれからどういうふうに調査をし、そこらあたり対処するか、その点だけちょっと聞いておきたい。
#179
○政府委員(青木勇之助君) 安宅産業には先生御指摘のとおりに海外支店五、それから現地法人が十、駐在員事務所が約二十カ所等々あるようでございまして、日本人の派遣社員が百九十五名でございますか、現地従業員約五百名程度おるというふうに聞いております。これらの……
#180
○内藤功君 もっと多いよ。
#181
○政府委員(青木勇之助君) 安宅産業海外部門の今後につきましては、合併作業がどういうかっこうで進んでいくかというものと非常に関連すると思いますが、私どもといたしましても、その動向を十分見守りますと同時に、先生御指摘のとおりに、国際的な問題にも相なりかねませんので、そういう観点からも問題が生じないよう、関係者に適切な指導、助言をしてまいりたいと思っております。
#182
○内藤功君 情報は得ていますか。そういう組合をつくって争議をやる可能性のあるところも出てきているんですよ。そういう情報はどうです。なければ、どういうふうにして調査していきますか。
#183
○政府委員(青木勇之助君) 直接的な情報は入っておりませんが、西ドイツあたりで調停問題等が若干起こっておるとか、そういうことは聞いております。
 いずれにいたしましても、安宅産業当事者の方から事情を聴取し、そういう情報も十分注意してフォローしてまいりたいと思っております。
#184
○内藤功君 もっと聞きたいんですが、きょう大臣がいないんで、私、あと大臣に聞きたいんですけれど、遺憾ながらあとの時間は留保して、次回に続けたいと思います。
#185
○理事(浜本万三君) 質問、終わりですね。
#186
○内藤功君 ええ、きょうは。
#187
○理事(浜本万三君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#188
○理事(浜本万三君) それじゃ速記を起こしてください。
 本調査に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後二時十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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