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1976/05/17 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第9号
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1976/05/17 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第9号

#1
第080回国会 社会労働委員会 第9号
昭和五十二年五月十七日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     柄谷 道一君     中村 利次君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     寺田 熊雄君     田中寿美子君
     内藤  功君     河田 賢治君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     二木 謙吾君     森下  泰君
     永野 嚴雄君     鹿島 俊雄君
     福井  勇君     今泉 正二君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     橋本 繁蔵君     大谷藤之助君
     河田 賢治君     小笠原貞子君
     中村 利次君     和田 春生君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上田  哲君
    理 事
                佐々木 満君
                丸茂 重貞君
                浜本 万三君
                小平 芳平君
    委 員
                上原 正吉君
                大谷藤之助君
                片山 甚市君
               目黒今朝次郎君
                小笠原貞子君
                和田 春生君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  渡辺美智雄君
   政府委員
       厚生大臣官房長  山下 眞臣君
       厚生省公衆衛生
       局長       佐分利輝彦君
       厚生省社会局長  曾根田郁夫君
       厚生省児童家庭
       局長       石野 清治君
       厚生省保険局長  八木 哲夫君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
       厚生省援護局長  出原 孝夫君
       社会保険庁年金
       保険部長     大和田 潔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
  〔理事浜本万三君委員長席に着く〕
#2
○理事(浜本万三君) ただいまから、社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十二日、柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として中村利次君が選任されました。
 また、五月十三日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として河田賢治君が選任されました。
 また、昨十六日、二木謙吾君、永野嚴雄君及び福井勇君が委員を辞任され、その補欠として森下泰君、鹿島俊雄君及び今泉正二君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(浜本万三君) 国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺厚生大臣。
#4
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 老後保障の支えとなる年金制度の改善につきましては、昨年、厚生年金保険及び国民年金を中心に給付水準の大幅な引き上げ、障害年金、遺族年金等についての各種の改善措置の実施等画期的な制度の充実を行ったところでありますが、その後における社会経済情勢の変動を考慮いたしますと、福祉年金の内容をさらに充実させるとともに、拠出制年金についても物価上昇に対処した措置を講ずることが緊要となっております。
 今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、福祉年金の額の引き上げを行うとともに、厚生年金保険、船員保険及び拠出制国民年金の物価スライドの実施時期を繰り上げること等により老人等の福祉の向上を図ろうとするものであります。
 また、本法案は、福祉年金の改善とあわせて、児童扶養手当、特別児童扶養手当等についても額の引き上げその他の改善を行い、心身障害者、母子家庭の福祉の向上を図ることとしております。
 以下、改正法案の内容について概略を御説明申し上げます。
 第一に、福祉年金の額につきましては、老齢福祉年金の額を月額一万三千五百円から一万五千円に、障害福祉年金の額を一級障害について月額二万三百円から二万二千五百円に、二級障害について月額一万三千五百円から一万五千円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額を月額一万七千六百円から一万九千五百円に、それぞれ引き上げることとしております。あわせて福祉年金の支払い期月を現行一月、五月及び九月の三期から四月、八月及び十二月の三期に改め、いわゆる盆暮れ払いを実施することとしております。なお、十二月に支払うべき年金は、受給権者の請求があったときは、その前月に支払うこととしております。
 第二に、昭和五十二年度における物価スライドの実施時期を、厚生年金保険及び船員保険について昭和五十二年十一月から同年六月に、拠出制国民年金については昭和五十三年一月から昭和五十二年七月に、それぞれ繰り上げることとしております。
 第三に、児童扶養手当等の額につきましては、福祉年金の額の引き上げに準じて引き上げることとしており、児童扶養手当の額につきましては、児童一人の場合月額一万七千六百円から一万九千五百円に、児童二人の場合一万九千六百円から二万千五百円に、特別児童扶養手当の額につきましては、障害児一人につき月額一万三千五百円から一万五千円に、重度障害児一人につき月額二万三百円から二万二千五百円に、福祉手当の額につきましては、月額五千円から五千五百円に、それぞれ引き上げることとしております。あわせて児童扶養手当等の支払い期月につきましても、福祉年金と同様の改正を行うこととしております。
 福祉年金、児童扶養手当、特別児童扶養手当及び福祉手当の額の引き上げにつきましては本年八月から、支払い期月の変更につきましては本年十月から、また厚生年金保険、船員保険及び拠出制国民年金の物価スライドの実施時期の繰り上げの規定につきましては公布の日から、それぞれ実施することとしております。
 なお、福祉年金、児童扶養手当、特別児童扶養手当及び福祉手当の額の引き上げ並びに厚生年金保険等の物価スライドの実施時期につきましては、法律案中修正を行い、当初予定していた実施時期を二カ月繰り上げることとしております。
 以上がこの法律案を提出する理由及びその内容の概要でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○理事(浜本万三君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#6
○理事(浜本万三君) 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺厚生大臣。
#7
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 昭和二十年八月広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者については、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により健康診断及び医療の給付を行うとともに、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により特別手当、健康管理手当、保健手当その他の手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持向上と生活の安定を図ってまいったところであります。
 今回、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律について改正を行おうとするものでありますが、その内容について御説明申し上げます。
 改正の第一点は特別手当の改善であります。特別手当は、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の規定により原子爆弾の傷害作用に起因する負傷または疾病の状態にある旨の厚生大臣の認定を受けた被爆者に対して支給されるものでありますが、この特別手当の額について、現に当該認定に係る負傷または疾病の状態にある者に支給する特別手当の額を現行の月額二万七千円から三万円に引き上げ、その状態にない者に支給する特別手当の額を現行の月額一万三千五百円から一万五千円に引き上げるものであります。
 改正の第二点は健康管理手当の改善であります。健康管理手当は、原子爆弾の放射能の影響に関連があると思われる造血機能障害等の特別の障害を伴う疾病にかかっている被爆者で特別手当の支給を受けていないものに対して支給されるものでありますが、この健康管理手当の額を現行の月額一万三千五百円から一万五千円に引き上げるものであります。
 改正の第三点は保健手当の改善であります。保健手当は、爆心地から二キロメートルの区域内において直接被爆した者で特別手当または健康管理手当の支給を受けていない者に対して支給されるものでありますが、この保健手当の額を現行の月額六千八百円から七千五百円に引き上げるものであります。
 今回の改正は、これらの改善を通じて被爆者の福祉を一層増進しようとするものであります。
 なお、特別手当、健康管理手当及び保健手当の額の引き上げの実施時期につきましては、法律案中修正を行い、当初予定していた実施時期を二カ月繰り上げることとしております。
 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#8
○理事(浜本万三君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案の自後の審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#9
○理事(浜本万三君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び国民年金法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○片山甚市君 まず、遺族援護法についてお伺いいたしますが、当時、公務またはこれに準ずる作業に従事した者に限り、援護法の措置を受けていると存じます。当時、空襲が激化した昭和二十年ごろの国内情勢というのはどのような状態であったのかお答えを願いたいと存じます。
#11
○政府委員(出原孝夫君) 昭和二十年の初めから本土、特に東京、大阪等の大都市については空襲が相当激化されてきておりまして、大都市が灰じんに帰するというような状況のあった時期でございます。
#12
○片山甚市君 それは米国の戦略爆撃調査団の報告の、いわゆる総合報告書の一部にこのように書いてあるんですが、「日本の指導者たちを無条件降伏の受諾に追いこんだ重要な要素の一つは、彼らが日本の軍隊は民衆を守る能力を失ったことおよび直接的な空襲と生活の低下の打撃によって、その勝利に対する確信と戦争継続の決意とが急速に衰退しつつあった実状を知ったことであった。」、このように言っております。
 そこで、空襲による国内攻撃というものを強化することによって、一般の日本人に対する戦争継続の戦意を失わせる、そのためのいわゆる直接打撃だと考えます。日本の、日本軍の戦闘能力の喪失、こういうことを考えますと、このことは一般市民が戦争に直接どうかかわっているかということよりも、戦争遂行の条件はそれを継続維持する能力があるかどうかということで、相手国から判断すればすべて攻撃をする目標になり、そこが戦場になる、こういうふうに考えますが、いかがですか。
#13
○政府委員(出原孝夫君) これはいろいろな見方があると思います。そういう意味で、当時特に米軍がわが国の本土自体、しかも生産力を破壊するという形で空襲を行われたという意味におきましては、御指摘のようなこともあったかと存じます。
#14
○片山甚市君 あなたは物のことを言いますが、殺すためにやっておるんでありまして、人が死なぬ前提ではありません。あなたがその生産力を破壊するなどと言っておるのと違うんです。生産力のもとは人間です、人間を殺すために爆弾を落としたんであります。原子爆弾であろうと焼夷弾であろうと何であろうと、木造の家はマッチで火をつけたら燃えるのであります、ばあっと。風の吹く日、たくさんたくさん疎開をした両端へ全部爆弾投げて、どこも逃げられぬようにして焼いてしまったんじゃありませんか。
 それじゃお聞きします。そのときに、ちょうど空襲を受けた期間にどのぐらいの人間がそれでは殺され、焼かれておるか、原子爆弾を含めてどういうように把握をされておりますか。
#15
○政府委員(出原孝夫君) 戦災によります本土におきます人的な被害でございますが、いろいろ戦後調査をされまして、正確な数字はなかなか把握をしがたいんでございますけれども、昭和二十四年に経済安定本部が戦争による被害をまとめましたその結果では、銃後人口の被害としては合計六十六万八千三百十五人というのが上がっております。その内訳は亡くなった方、死亡が二十九万九千人、約三十万人でございます。重傷者が十四万六千人、軽傷者が十六万七千人、その他の負傷者が三万一千人。それから、行方不明が二万四千人あったというように、当時安定本部が調査した結果をまとめております。
#16
○片山甚市君 わかりました。ところが、このアメリカの報告書を見ると、「日本における一般市民の死傷は、九カ月間の空襲の結果として、原爆によるものを含めて約八〇万六〇〇〇名であったが、これらのうち約三二万名は死亡した。これらの死傷者数は、恐らく日本側が全戦争期間中の戦闘による死傷者と推定する、総計約七八万名を上回るものであろう。市民の死亡あるいは負傷の原因の主なものは火災である。全死傷者数の中で、約一八万五〇〇〇名は一九四五年三月九日の東京空襲によるものであった。きわめて破壊的なその他の爆撃における死傷は比較的少なかった。人口九〇万の横浜市は一時間足らずのただ一回の攻撃によって四七パーセントも破壊されたが、死傷は五〇〇〇名以下であった。」というように報告されておりますが、援護局の方は、いわゆるそのような報告について目を通されておりますか。それとも、それについて概括的にそのようなことがあり得る、それはない、こういうようにお考えでしょうか。
#17
○政府委員(出原孝夫君) 先ほどお答えいたしました経済安定本部の報告の中でも、東京都における死亡者は九万七千人という大きな数字が上がっております。大阪府が一万一千人でございますが、御指摘の横浜はもっと小さい数でございますので、大きな死亡者の多い県としては出ておりません。多いのは広島県の八万六千、長崎の二万六千というような数字でございまして、私どもちょっといま先生のおっしゃいましたアメリカの報告そのものに、私自身目を通しておりませんけれども、その他の報告から見ましてもこれをあるいは上回るというようなことはあり得るかと存じます。
#18
○片山甚市君 わかりました。日本の国内で確かに連合軍の兵隊が地上で銃を持ち、いわゆる武器を持って日本人を殺傷をしなかったけれども、空襲という形で空から一万メートル近くのところまたはそれよりもっと低いところで人間を目測しながら撃ち殺したり、われわれを倒したりすることができた。すなわち戦闘状態であったという、戦闘というのはやられっぱなしの戦闘でありまして、こちらは何も武装しておりませんから、もうひどい目にやられたということだけは認められますか。
#19
○政府委員(出原孝夫君) 戦闘という言葉の意味が非常にむずかしゅうございますけれども、いわゆる外地におきまして行われたような軍と軍とが戦場として戦闘するという場合とは異なりまして、これはやはり後方をアメリカの方が空襲をしてきた、その結果としておっしゃられるようなことが行われたということであろうかと存じます。
#20
○片山甚市君 わかりました。そのときの日本の国民、その時分の言葉で言うと臣民は、天皇との間にはどういう言葉で呼ばれておりましたか。
#21
○政府委員(出原孝夫君) ちょっと御質問の趣旨を私十分よくのみ込めないかもしれませんが、いわゆる私どもは陛下の赤子であるというようなことで呼ばれており、みずからもそう考えておった時代でございます。
#22
○片山甚市君 いまおっしゃったように、天皇が親で国民、臣民と称する者たちは子供である、こういうことであります。天皇のいわゆる命令で昭和十六年十二月八日に米英両国を中心として宣戦布告をしたと思いますが、それは間違いありませんか。
#23
○政府委員(出原孝夫君) 私どももその当時御詔勅を承った者の一人でございます。
#24
○片山甚市君 天皇がもしそういう宣戦布告をしなければ、日本の国の本土が爆撃せられるような条件であったでしょうか、お伺いします。
#25
○政府委員(出原孝夫君) これは戦争が起こりました結果、最終的に日本が戦闘の旗色が悪くなって、こういうことになったという意味におきましては、戦争を始めたことによって最終的にこうなったということはそのとおりだと思います。
#26
○片山甚市君 そういたしますと、昭和二十年四月十三日に、状況急迫せる場合に応ずる国民戦闘組織を組織するという閣議決定がなされ、新しく兵役義務がしかれたと思いますが、それはどういうような名前でいつ公布されましたか。
#27
○政府委員(出原孝夫君) 御指摘のものは義勇兵役法のことを御指摘かと存じますが、この義勇兵役法は昭和二十年の六月に公布施行されたものでございます。
#28
○片山甚市君 六月の二十二日に公布されて実施された。その対象は老幼者、病弱者、妊産婦等を除くのほか可及的広範に包合せしめる、こういうように書かれておるんですが、そうすると特定の人間を除いて、いわゆるいま申しました義勇兵役法ということで国民が動員をされた、こういうような状態で戦闘組織が日本の国内に確立されたと思ってよろしゅうございますか。
#29
○政府委員(出原孝夫君) 義勇兵役法が公布施行されたのは、御指摘の昭和二十年の六月でございますが、ただ義勇兵役法を実際に発動するためには、戦闘組織を編成下令をするということが決められております。そういう意味におきまして編成下令のあったものは、職域につきまして鉄道、船舶、船舶救難の三つでございまして、それ以外のものにつきましては編成下令が行われたということにつきまして、私どもは資料その他当たってみましたが承知をいたしませんので、国民一般、特に地域についての義勇兵役法の実際上の適用はあったということについては承知をいたしておりません。
#30
○片山甚市君 その義勇兵役法の場合の召集といいますが、どのような状態で召集ができるようになっておりますか。
#31
○政府委員(出原孝夫君) 政令によりまして召集をする場合には、方針といたしましては従来昭和二十年の三月に編成をされました国民義勇隊を基盤にしてこれを行うということで、実際には先ほど申し上げました政令に基づきまして編成下令が行われるということによって、それぞれの国民の方々に軍隊の組織の中で働いていただくということを義務づけるというようにするというたてまえになっておったと承知をいたしております。
#32
○片山甚市君 そうすると、戦争意欲が喪失し始めて、そういう隊が編成できなかったというように、もうすでに日本の国が敗戦になっておる、もう士気が高まらない、動員する必要がないほど日本の国は負けておったと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#33
○政府委員(出原孝夫君) その辺は私どもも十分承知はいたしませんが、ただ全般的には国民義勇隊があって、それをまだ国民義勇戦闘隊にし、そうして義勇兵役法を発動して行うというのは、要するに情勢緊迫せる時期ということでございますので、そこまでの状況には一般的には立ち至っていなかったと。船舶でございますとか鉄道であるといったような職域では、すでにその必要があったというように私どもは承知をいたしております。
#34
○片山甚市君 そういうような職域にあったけれども、必要があればそれは広げていくために、日本国民はその土地以外に居住が自由にできるような状況でありましたか。
#35
○政府委員(出原孝夫君) 当時の状況ではなかなか引っ越しその他もむずかしい状況であったと思いますが、全般的にまだ、特に疎開を強制される――強制といいますか勧告されて疎開するというようなことも行われていた時代でございますから、ある程度の自由は失われておったと考えざるを得ないと思います。
#36
○片山甚市君 職業につく自由というか、勝手に自分が好きな職場へかわれるようになっておりましたか。
#37
○政府委員(出原孝夫君) 当時、徴用その他で職場を規定された者以外につきましては、なかなか世の中が転職のむずかしい時代ではございましたが、完全に停止されたというようには私どもは承知をいたしておりません。
#38
○片山甚市君 そうすると、防護団という組織がありますが、それは何を防護――防護団という、ありましたね、わかりませんか。
#39
○政府委員(出原孝夫君) 警防団でございますか。
#40
○片山甚市君 あ、失礼しました。
#41
○政府委員(出原孝夫君) 警防団は、当初は、たとえば疎開のために一定の家を壊すとかといったようなことに従事をするといったようなことで整備をされてまいりましたが、その後防空にも従事をされるというように制度的に規定されてきたというように承知をいたしております。
#42
○片山甚市君 で、昭和二十年に入りますと空襲が頻繁に行われる。すなわち敵の飛行機が日本の上空、いわゆる制空権を握るような状態であり、私たちがその下でさんざん爆撃を受けて、先ほどおっしゃったような莫大な損害を受けたのでありますが、先ほど申しましたように、天皇のいわゆる詔勅による戦争開始から起こったものであって、日本国民が天皇の赤子と言われた時代に起こったことでありますから、すべての者が一視同仁に見られるべきではないかと思います。それは先ほど申しましたように、公務またはこれに準ずる者については援護法の措置をとるけれども、いわゆる一般の国民はこれは適用しない、こういうことについては、非常に国民をひとしく見るという趣旨から言えば間違っておるんではないかと思いますが、いかがですか。
#43
○政府委員(出原孝夫君) 私どもが扱っております援護法は、軍人軍属等の公務上の傷病または死亡につきまして援護措置を講ずるというもので、これは、戦争遂行に当たりまして国と一定の使用関係にあるか、あるいはそれに準ずる関係を生じた者に対しての補償的な措置を講ずるということでございます。その他の一般の方々につきましては、戦後、特に社会保障を充実強化していくことによってこれらの方々の救済を図るというように方針が定められ、それによって今日までまいってきたところでございます。
#44
○片山甚市君 それは何回も聞いたのです。あなたの方が言いよることはわかっておるわけです。
 そこで、もう一度お尋ねしますが、いわゆる戦闘行為が行われるというのには、軍隊と軍隊が戦火を交えた状態であればこれは認められるけれども、一方的に相手が攻めてきたときは戦場で戦闘行為でない、こういうように言い切ってよろしゅうございますか。
#45
○政府委員(出原孝夫君) これはいろいろな考え方があると思いますけれども、私どもは、いま申し上げました内地も最終的には戦場に近いものになったわけでございます。ただ私どもの援護法で申し上げておりますのは、そういった戦闘行為の中に巻き込まれると同時に、それぞれの方々が、国との身分的なあるいは行動の拘束関係がかなり濃密にあったということを前提にして、援護法を考えておるという意味で御説明を申し上げた次第でございます。
#46
○片山甚市君 そうすると、日本の国にあった飛行場は、海軍でも陸軍の飛行場でも機もよう飛び立たなかったし、高射砲陣地も一発も鉄砲をよう撃たなかった、敵に対して撃たなかったというように言ってよろしゅうございますね。日本の国の軍艦、普通の艦船、それから高射砲、それから飛行場が一機も敵に向かって飛び上がることができぬで静かに受け身でじっとしておったと。戦闘行為がなかったとおっしゃっておるんですから、そういうように理解してよろしゅうございますね。
#47
○政府委員(出原孝夫君) そういう意味におきましてのことではございませんで、日本の飛行機なりは、事実高射砲も撃ち、飛行機も飛行場から飛び上がったということは事実でございます。ただ、要するに陸上の戦闘を含めましてそれが戦場というところにまで、外地におけるものとは違った状態であったと、こういうことでございます。
#48
○片山甚市君 そうすると、なんですね、戦車が入ってきて、いわゆる敵軍が目の前で機関銃を撃たない限り、ロケットが飛んでくる、そういうことになったときは、その死傷者は契約行為がないから、おまえはしんぼうしろ、どうでもいいじゃないかと、こういうような考えに通じますね。私は何回も聞いておるんですが、いままでの軍人軍属に対する諸問題についてはよくわかっています。そんなことを聞いておるんじゃないんです。一歩進めるあれです。私が一歩進めて聞きたいのは、そのときの状態は日本の本土は戦場であった。そして好むと好まざるとにかかわらず、日本人は逃げ惑って行くところがない。子供ぐらいは疎開をしておるけれども、働ける者は全部工場に行って働かなきゃならぬようになっておる。ところが働けない者もおる。そうですね。体が悪いとかいろんなことありましょう。そういう者たちに対して、それはやむを得ない災害だと、それは爆弾が落ちてくるときにおったんだから、おまえはたまたま本土におったんだから間違いだと、どこかよそへ行っておればよかったんだと、こういうようにとってよろしゅうございますか。そういうようなのが日本政府の大体国民に対するいわゆる気持ちであると。お金の問題でございませんよ。あなたは私が言うたらお金がほしいと思っておるかもわからないけれども、お金でない。本当にそのときにどのようなことで本土を守ってきたのか。一億一心火の玉だと言った。それで戦争しておるときにはいわゆる軍隊と天皇との間に契約を結んだ。政府という名前などよろしい。そんなこと言わない。政府などしないです。このときは天皇なんです。天皇の命令でやれやれと言ってやらした。そうすると、そのときにはそのほかに何と言うたかと言うと、一億一心火の玉だと、こう言った。にかかわらず、一億の一部がそういうように焼かれても知らぬふりができる。そして、そんなことしたら大変だ、金が要るからと。金、金、物、物。こんなこと言うのは福田さんの大きらいなことだから言うておるんです。私は物や金は言うてません。われわれそのときの戦争に連れていかれるときには、天皇の醜の御盾、あるいは天皇の赤子、こんなことを言って洗脳されて本気で友だちが死んでいった。生き残ったわれわれはそのときに涙流して感じたものであります。戦争で負けてよかったなどと思いませんよ。そのときにどうしてよいかわからぬようになった。荘然自失するほどの状態であった。そのときには、国内におる生産を持っておった者はどれだけつらかっただろうかと思います。焼け野が原です。あなたは住んでおられなかったかもしれぬけれども、もう大変です。東京も大阪も跡形もありません。そういうことについてどういうように考えるか。そのときのことが調査ができない、状態がないというようなことについては、何としても納得できない、と思います。
 そこで質問したいんですが、イギリスとフランスと西ドイツでは、そういう民間の方々に対してはどのような措置をとられておるか、お答えを願いたいと思います。
#49
○政府委員(出原孝夫君) 御指摘のところ全部について私どももよく承知はいたしておりませんが、西ドイツとイタリアにおきましては、戦争犠牲者の援護は、軍事上、準軍事上の任務に起因する障害、死亡のほか、直接の戦争影響等による障害、死亡についても援護法の対象にしておりまして、いわゆる一般の戦災者の援護もこの範疇に含まれる模様でございます。イギリスにおいては、戦争年金等の取り扱い上、一部民間の犠牲者も対象にされていると承知をいたしておりますけれども、詳細については十分に承知をいたしておりません。なお、フランスにつきましては私ども承知をしておりません。
#50
○片山甚市君 フランスの場合、私の手元によると、一般市民の戦争犠牲に対する援護措置を定めた主たる法令は二つで、一つは軍人廃疾年金及び戦争犠牲者に関する法典と、二つ目に戦争被害に関する一九四六年十二月二十八日、法律第四十六の二三八九号と、こういうことで適用範囲を民間の戦争犠牲者がこうむった人的被害に対する援護措置を定めた諸規定があるというように内容を示されております。私は外国が、イギリスやフランスや西ドイツ、イタリアがそういう措置をしておるから、それをまねてほしいというのではありません。その国よりは日本の国の方が、戦争に入るときは天皇と国民というのは一体だと言ったんであります。天皇が直接軍隊で召集した、赤紙というふうに称して集めたり、そんな人だけでなくて、すべての人に対して戦争の痛手に対する措置をとるべきではないかという考えですね。そのときの国は天皇主権の国であって、人民主権の国ではありませんでした。いまは国民主権の国になっていますけれども、私たちが戦争したときは、天皇上御一人が何でも決めていいというのが原則なんです。議会があったってそれは翼賛をするということで、はいはいそうですと、こういうことになっておったわけです。ちょっとでも言ったら非国民ということになる。局長はお知りにならぬと思うが、若いから。私の年になると非国民という言葉はよく使われまして、戦争する場合に一億一心火の玉だと、こういうふうになったんです。ですから、われわれはそれだけのことをやってきた。だから戦争が終わったとき、負けたとき泣いた。泣かなかった人でしょう、あなたたちは。よかったと思ったかもわからぬけれども、私は残念だと思うから、びっくりしたんだ、これは。だから、そんなつれない、契約によって、契約結んだ者しかやらぬ、判を持ってこい、そのときどこにおった。日本人であったことは事実、六十なり七十になっておったら、日本の国以外にどこにおりましたか、そのときに。そうでしょう。その人間が戦争の痛手を感じておるなら、爆撃受けようと何しようと、それは考えるというのが普通じゃありませんか。私は、そういうことについて厚生大臣に少し問答式に、禅問答みたいな話になりましたけれども、もう少し新しい厚生大臣になったんだから、そのあたりは人の気持ちを察する厚生行政の革新というか、前進を図ってもらいたい。私が申し上げるのは、いまのままいわゆる民間の戦争による障害者、そういう人たちをほうっておくことは、軍人軍属に対するこの措置を、物価が上がりました、何々が上がりました、いろいろしますと、変えていくのはよくわかるけれども、しかし全く取り残された者がおるということについてどうお考えになるか。いや、私は自分がある法案を出しておる、戦時災害援護法を出しておる、こんなことについてこだわっているのではありません。多くの人々が、いわゆる戦後の痛みを最も体に受けておるというか、気持ちに受けておるのはこんなことでありますから、局長から先ほどからずっとお聞きいたしましたから、大臣として私が申し上げることについて、ひとつ所感を述べていただきたいと思います。
#51
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も戦時中から市民生活をしており、戦争末期には召集をされて軍籍にあったわけであります。したがって、そういうようなことについての気持ちは、恐らく片山さんと同じ気持ちだと私は思います、心情的に。素朴な疑問として軍人だけが何で優遇をされて、われわれだって一緒になって戦争をしたんじゃないかという気持ちのあることは同じだと私は思います。問題は国の政策の立て方の問題だったろうと私は思うのでございます。当時、日本としては敗戦によって打ちのめされて、どの程度はい上がれるかということもなかなかわからない。それから、またずっといままでのしきたりというか、そういうようなことで、直接国と関係ある者についてだけいろいろな法律を適用してきたと、やはりそこのところですね、問題は。
#52
○片山甚市君 そうです。
#53
○国務大臣(渡辺美智雄君) ですから、いままでのいきさつからすれば、法律上雇用関係が明確なものというように限られておるわけです。これは非常に矛盾があると言えば矛盾のあることもございますが、似たような例はたくさんありまして、たとえば、捕虜というような問題、国際間の条約等もございますが、捕虜の待遇ということになると、やはり軍人軍属というものは国際法規上こうこういうこととなっているけれども、民間人の捕虜についてそいつが適用されるのかどうかということ、必ずしも明らかでないというようなことなどもあって、ともかく当時としては軍人軍属に限るということでスタートをしたのであります。もっと早く最初から、それは一般戦災者も救うという線を打ち出せばよかったのかもあるいはわからない。しかしながら、これはそういうことでなくてどこかで歯どめ――歯どめをかけると言っちゃ何ですが、整理がつかなくなっても困るということで軍人軍属に限った。それから三十年これたっちゃったわけですよ。現実の問題として、いろいろその範囲等においても最初よりも範囲を拡大しろという御要望がたくさんあって、何回かにわたって援護法等も改正をして、できる限り少しでも証明のはっきりするものは取り込むということもやってきた。これも皆さん御承知のとおりでございます。ここで、ただ一般戦災者まで広げるということになると、事実関係の把握というような問題が、理論上はわかるにしても現実的には非常にむずかしい問題があるんじゃないか。そういうような観点から、私としてもあなたのお気持ちはよくわかるんだけれども、いま一般戦災者までも取り込んで援護法の中へ入れて救済するんだという、具体的にそういうことになってくると非常にむずかしい問題だなと、こう思っておるわけでございます。大変お気の毒であるという考え方は同じです。
#54
○片山甚市君 気持ちは聞きましたが、私は戦時災害援護法ということで議員立法として公明党、共産党の御協力も得て出しておる立場ですから、大臣の方がそれに対して賛意を表する、または与党の自民党がそれについての意見があれば、いわゆる是正をして、修正をしてでもその気持ちだけでも理解するようにすべきだと考える一人であります。
 それから、私は強要いたしませんが、いま大臣にお聞きしたいのは、私が申し上げておるのは、それでは三十年たった、いわゆる戦災を受けて障害を受けた人々の状態はどのようなことであるのかということについて、把握をすることができていないというふうに聞いているのですが、局長の方ではどうでしょう。
#55
○政府委員(出原孝夫君) 調査につきましては、昭和四十九年度の厚生行政基礎調査の中で、一般戦災の障害者につきまして基礎的な事項を調査をいたしております。昭和五十年度にも厚生行政基礎調査によりまして同様の調査を行いますとともに、その後身体障害者実態調査の一環として、一般の戦災の方が普通の身体障害者の方とどのような相違があるかという観点から比較対照するという意味におきまして、調査を実施しようとしたのでございますが、残念ながら身体障害者の方々の御協力が、特に大都会の地方、数県において得られませんでしたので、正確な数字を把握できないというような状況でございます。一般的な事項につきましては、昭和四十九、五十の厚生行政基礎調査においてある程度の把握はいたしております。
#56
○片山甚市君 私はそういうことを質問してないのです。戦時における災害者について調査をされましたか。そういう資料がありますか。一般の障害者というのは質が違うのです、私の質問はきょうは。質が違うというのは。天皇の命令で戦争が始まって、天皇の赤子だと称して天皇が赤紙を出した者については、仕方がないから契約を結んでおったことにしようじゃないか、だから金を出そうじゃないか、手当てをしようじゃないかと、こう言う。ところが日本の本土におられた者は、お前はおってくれと頼んでない、勝手にけがした方が何を言うとるか、こういうようなことになっておるんですよ。これについて、特別に七十七国会で私が調査をしてもらいたい、それだけ単独にやってもらいたいと言っておるわけです。きょうの質問は、大臣がいま言われたような気持ちがあるならば、戦災による障害者の実態調査を何としてもやっていただきたい。そうして、実態を把握した上で、大臣が言われるように、諸問題があって対処すべきことがあれば、そうせなきゃなりませんが、どのようになっておるかということが、基本台帳があるならわかりますが、それは全員のものが集まってきておりません。そういうことについてのいわゆる取り組みを、局長としてはどのようなお考えでやられますか。
#57
○政府委員(出原孝夫君) これまでの調査によりまして障害者の数、それを男、女の別にどれだけおられるか。そして、それらの障害が、国内の空襲によるものが幾らおられるか。そして特に顔にやけどを負われた方がどの程度おられるか。あるいはその方々の年齢の階層別でございますとか、あるいは職業を持っておられるかどうか、あるいは配偶者を持っておられるかどうか、あるいは現在の健康の状況はどうだといったような事柄についての統計的な把握は昭和四十九、五十年の調査におきまして、ある程度承知をいたしております。それ以上の細かい調査について、さらに行いたいということで、私どもは昭和五十年度に計画をしたわけでございます。ただ、その際におきましては、さらにもう少し詳しくということで、――ただ、こういった調査は一般の人たちとの比較対照をすることにおいて意味があるということで、私どもは愛知県の調査等にも同様な形での調査が行われておりますので、これを参考にいたしながら実施をいたしたいと考えたんでございますけれども、残念ながら実現ができなかったと、こういうことでございます。
#58
○片山甚市君 一般と比較をするということは、あなたの方は大切でしょうが、私の方は比較していただかなくても結構なんです。聞きたいのは、一般の戦災者の状態はどのようになっておるのか、障害をどのように受けておるのかということについて全国調査をやっていただいて、いわゆる戦争による民間人の犠牲者はどのような分布になっておるのか。自動車事故で起こったとか、あるいは工場で働いておって起こったとか、こういうような条件のものはたくさんありましょう。それはそれなりに統計できます。しかし、昭和二十年の戦争のときの統計は、それじゃ名前別にあるのですか、個別的に。そういうような温かみがありますか。軍人軍族、遺家族などであれば、個別にちゃんと名前が出ておるんじゃないですか、数じゃなくて。個別に名前まで出ておるんじゃないですか。私は戦争の犠牲者というものならば、それは一つ一つそういうことについて調査ぐらいはしてもらったら結構だと思う。それで調査をやってもらいたいと言っておるわけです。調査をやってもらいたい。一般のいわゆる身体障害者の状態などを調べてもらいたいと申しません。そんれは自由にやってください。一般のいわゆる身体障害者の調査をするとか、そういうことでプライバシーがどうとか何とかいうことになった。この戦災を受けた人たちは、プライバシーが何とか言っていません。何とかしてくれと言って、皆さんのところへ要望をしたり、陳情したり、要請をしたりしておるのであります。ですから大臣、私からあなたにお願いをしたいのは、この機会に渡辺大臣らしい言い方で調査をやってもらいたい。調査をした結果、資料が出れば、それに対してどう対処するかということありましょう。私は皆さんの方が広がったら困ると、こういうことを言っておるようだけれども、広がるんじゃなくて、あるものをそのまま見てもらいたい、まず。見た上でどういうように現状生活しておるのかということについて把握してもらって、私たちが申し上げていることついて理解をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
#59
○政府委員(出原孝夫君) 大臣がお答えいたします前に簡単に。
 この種の調査は、先ほど申し上げましたように、政策的にはいま申し上げましたような事柄になるわけでございますが、なお、先ほど御指摘のございました軍人軍族等につきましては、元来私どもは名簿を持っておるわけでございます。その名簿によって確認することが可能であるわけでございますけれども、一般の戦災の方々にはそういう名簿を私どもは持っておりませんし、こういった調査を三十年後のいま実施するということは、正確に全体を把握するということは、これはもう不可能に近い技術的なむずかしい問題であるというように考えます。
#60
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど申し上げましたとおり、気持ちにおいては私も同じなんですよ。同じなんですが、実務上の問題ということになりますと、終戦直後でもあればある程度把握できたんでしょうが、現在になると、一般戦災者の名簿というものもない、軍人関係とか、雇用関係があったものはある程度把握できる。ところが片一方は、東京あたりを例にとってみても、もう住所は転々と移っちゃっておる、亡くなった人もいるでしょうし、いろんなことで実際問題として把握というものは困難だ。全体の現状の障害者を調べるということでも、この前お話があったように、大都市においてはなかなか御協力を得られなかったという状態でございますので、それで戦傷者だけを。ただ、申し入れがあるからその人だけというわけにもなかなかこれはいかぬだろうというような点を考えますと、いまの段階になると、やはりこれは非常に困難な問題であるというように私は残念ながら思うわけでございます。
#61
○片山甚市君 厚生省が気持ちでやられるということですから、私たちとしては、どうしても納得できませんですね。先ほどから申しますように、具体的に戦災障害者がおる。その団体の調査は幾つかあります。地方自治体もやっておるのです、実際は。国としてやる意思がないということはわかりました。それは非常に言葉の上ではきれいだけれども、皆さんがおっしゃる福祉とか何とかというようなことは言葉の上ではりっぱだけれども、本当に手を差し伸べてもらいたい者にはやらない。力がない、ばらばらですからね。それはそうでしょう、選挙の票にもならぬ。何のためにもならないからやらぬのでしょうけれども、これはやっぱりいまのいわゆる高度成長の中における、資本主義社会における最も人間の悪の姿、金が要る、何が要る、こういうことでしょうから、これ以上もう突っ込みません。だけれども、いままで皆さんがおっしゃったことは言葉の上の遊びであって、本当に何人かが嘆いておるし、何百人か、何千人かおるということがわかっておって、それにこたえ切れないということは、大きな政治圧力で出れば一も二もなく、はいはい、調査、はいはい、何々とか言うけれども、そうでなければ、ちりちりばらばらにならざるを得ない。悲しい悲しい者に対しては手を差し伸べないのが厚生省の仕事だ、日本政府の仕事だということがよくわかりましたから、国民にもよくお伝えをして、あんまりあてにするなと、ああせいこうせい省であっても、こうしてやろうという厚生省ではねえと、こう言わざるを得なくなる。私たちは陳情を受けてきまして、そうして何とかこれ調査だけでもしてくれというのに、調査もする必要がないし、できない。する必要はないと言わぬけれども、できない。むずかしいから政府にしてくれと言っておるのであります。だけれど、まあ幾らここで言っても、一遍答弁したらそれを覆すことはないでしょうから、温かみがない政府だということだけははっきりした。もう涙ながらに私たちはこの三年間つき合ってきました。つき合ってきて、何とか調査でもして、全国に何人おる、どうなっておる、こうなんだということを知った上で、さて、どうするのかということを考えてみたい。軍人や軍属、遺家族と同じような措置をとってほしいという願いがある。同じ法律でなくともいいからということがある。それについては、天皇は戦争を挑発するという、命令する権利はあるし、やめたと言うて、その演説をしてですよ、ラジオで放送したら、みんなが、はいはいと言って帰ってくるような、偉い人であっても、けがをした人間については何一つ慰めの言葉もない。言葉の上は、大臣が言うように気持ちだけある。気持ちはただですから、よろしいわな。そういうようなことを言います。もう答えは必要ありませんから、次、質問をしたい。
 国民年金制度については、御承知のように、すべての国民が何らかの公的年金制度の対象となっているのですが、いまの国民皆年金の体制の状態の中で、いわゆる年金の無権利状態がどのような状態で存在をしておるのか、お答えを願いたいと思います。
#62
○政府委員(木暮保成君) 昭和三十六年に国民年金を施行いたしまして、いわゆる国民皆年金体制をしくということを目指して努力をいたしてまいってきておるわけでございますが、一つには国民年金がそれまで社会保険、特に年金になじみのない国民の間に実施をいたしましたので、その普及が必ずしも十分ではございません。また、当時は主義をもって入らなかった人もおられたそうでございますが、そういうことで国民年金の対象でありながら、国民年金の老齢年金を受給するのに必要な二十五年の資格期間を満たさないという人が現実にはあるわけでございます。こういう方々につきましては昭和四十五年、それから昭和四十九年の二度にわたりまして、それぞれ二カ年間の猶予を持ちましてさかのぼって保険料を納める措置をとりました。これによりましてかなり大ぜいの方が年金権に結びついたわけでございますけれども、それでもなお年金権に結びつかない方々がおるというふうに承知をいたしております。また、国民年金以外につきましても、被用者の妻の場合でございますが、国民年金の方に任意加入いたしません場合には、高齢で離婚をするというようなときには、少額の年金ないしは無年金状態になるというようなことが現実には起こり得るというふうに考えております。
  〔理事浜本万三君退席、委員長着席〕
#63
○片山甚市君 そういたしますと、いま無年金層というのはどのくらいの数が推計をされますか。
#64
○政府委員(木暮保成君) 前回、昭和四十五年七月から昭和四十七年六月まで、それからまた昭和四十九年一月から五十年十二月まで、二回にわたりまして遡及して保険料を納めることができる措置をとったわけでございますが、第一回では二百十九万件の方が保険料を追加して納めたわけでございます。第二回目は二百八十二万の方々が件数として納めておるわけでございますが、この無年金状態につきましては個々の、国民一人一人の年金の条件を見なければわかりませんものでございますから、まだ残っておるというふうに思っておりますけれども、具体的にその数が幾らということは把握できないでおるわけでございます。
#65
○片山甚市君 私はやはり国民皆年金と言う以上、そのことを何回も繰り返しながら調査をきちんとして、国民全部が何らかの形で年金の権利を受けられるようにすべきだと思いますが、その努力をされますか。
#66
○政府委員(木暮保成君) 国民年金の加入漏れの問題につきましては、私どもも非常に大きな問題というふうに考えまして、過去二回にわたりましてさかのぼって保険料を納める措置をとったわけでございます。しかし、まだ年金に結びつかない方がいることは事実でございますけれども、一方、国民年金を円滑に運営してまいりますためには、国民の保険料納付ということに大きく依存をするわけでございます。特に、若い方が年金の保険料を納めていただくということが、国民年金の運営上非常に重要なことであるわけでございます。前回、二回にわたりまして行いました特例納付は、それなりに非常に大きな効果があったわけでございますけれども、一方では若い方々の保険料納付意欲というものに影響があるのではないかということが心配されておるわけでございます。今後の問題といたしましては、国民年金が円滑に運営できるよう、また法律どおり保険料を納めている方々とのバランスがとれるような方法をぜひ考え出しまして、対処したいというふうに思っております。
#67
○片山甚市君 いわゆる無年金状態はそれではなくしていくし、そういうような状態を解消したい、こういうように御答弁があったものとして考えますと、いわゆる暮らせる年金というか、食べていける年金というのは政府としてどのようにお考えですか。
#68
○政府委員(木暮保成君) 年金の額の水準でございますけれども、これにはいろいろな考え方があろうかと思います。私どもの場合には、まず厚生年金でございますけれども、ILOの条約等に照らしまして、現在直近の標準報酬の六〇%を目標にいたしまして制度を考えておるわけでございます。これは国際的に見ましても妥当な水準ではないかというふうに考えておるわけでございます。このモデル年金でまいりますと、昭和五十一年度で九万円年金ということになるわけでございます。
 一方、国民年金の場合には、これに合わせまして水準を考えておるわけでございますが、二十五年加入で夫婦の場合七万五千円、厚生年金のモデル年金が二十八年加入でございますが、もし二十八年加入の国民年金ということで考えますと八万四千円ということで、水準としては妥当な線ではないかと思うわけでございます。
 問題といたしましては、国民年金は現実には二十五年の資格期間を満たした年金はまだ出ておりませんで、十年年金、五年年金、福祉年金の問題があるわけでございますが、それぞれできる限りの引き上げに努めてまいったわけでございまして、この十年年金、五年年金等の経過年金もかなり国民の方々の生活の支えになっておるというところまできておるのではないかというふうに考えております。
#69
○片山甚市君 そうすると、前の田中正巳厚生大臣が基礎年金の試案を出されたことがあるのですが、二万円の問題で、それはいまのところ政府としてはあのような考え方についてどのような対処をされていますか。
#70
○政府委員(木暮保成君) 福祉年金につきましては、昭和四十八年以来大幅な引き上げを続けてまいりまして、五十二年度では一万五千円というところまで引き上げることができたわけでございます。田中大臣のときにこの老齢福祉年金をさらに引き上げるということを考えたわけでございまして、その一つの手段としては基礎年金という構想もあったわけでございます。しかし、私ども検討をいたしてまいりますと、五年年金、十年年金とのバランスとか、また財政上非常に大きな費用が要るというようなことがございまして、なかなかむずかしいということに逢着をいたしたわけでございます。したがいまして、ただいま専門家の方々にお集まりをいただきまして、年金の基本構想につきまして御審議をいただいておるわけでございますが、基礎年金につきましてもその中で御検討をいただいておる現状でございます。
#71
○片山甚市君 そうしますと、いわゆるいまある八つの年金の制度についてそれぞれ相互に歴史的な過程がありますから、格差あるいは矛盾それぞれがあります。当然成長した度合い、成熟度合いから構成要件、こういうもの、たとえば国家公務員とか一般の民間の人とかいうように、いわゆる社会的な拘束力、その職員としての立場、いろいろ違いましょうし、そういうようなことについて先日自民党の加藤議員から批判が出ておりましたが、あれについて政府はどのようにお考えなんですか。
#72
○政府委員(木暮保成君) ただいま公的年金制度は八つに分かれておるわけでございます。それぞれ歴史的な沿革も違いますし、対象になっております国民の置かれておる状態も違うわけでございます。それぞれ理由があって今日まで発展をいたしてきたものというふうに考えるわけでございますが、一方、国民皆年金体制ができまして、今後の充実を図りますためにはそれぞれ横断的に物事を考えなければならない時点にも達しておるわけでございます。各制度の沿革なり特質を尊重しながら、年金全体が充実するような方途を考えていかなければならないというふうに考えております。
#73
○片山甚市君 そうすると、厚生大臣の私的諮問機関である年金制度基本構想懇談会に対する諮問テーマということで出されていますが、それをどのように消化していくというか、諮問されておるのですが、その内容はどういうことですか。
#74
○政府委員(木暮保成君) 基本構想懇談会につきましては、ただいま申し上げましたように、年金制度の今後の充実ということのためには、各制度が連携をしなければならない問題が非常に多くなっておるわけでございます。そういう観点に立っていただいておるわけでございますが、議論の中身につきましては広く問題を取り上げていただくということにいたしておりまして、現在昨年設置以来十三回にわたりまして御審議をいただいておるわけでございます。今後、具体的な議論に入ってまいりますわけでございますが、現在のところ、今後の年金を考えます上に主要な問題点につきまして、フリーディスカッションが終わったという段階でございます。
#75
○片山甚市君 そういたしますと、本日の議題でありますところの国民年金の受給年齢が、御承知のように六十五歳になっておる。六十歳で掛金を終わることになる。その間五年間空白がありますが、年金を掛けるのに期間の足りなかった者について、それらについて特別の措置をこの機会にとって、年金の額を引き上げることができるようなことで水準確保をする意思はございませんか。
#76
○政府委員(木暮保成君) 国民年金の場合には、老齢年金の支給開始が六十五歳でございまして、保険料を納めるのは六十歳までというふうになっておるわけでございます。実は先ほど御質問のございました国民年金にせっかく入っておりながら、二十五年の資格期間を満たせない場合の対策等の一つといたしまして、そういうことも御提案があるわけでございますが、いろいろ技術的な問題もございますけれども、真剣に研究をしてみたいと思っております。
#77
○片山甚市君 最後に、そうすると国民年金は御承知のように掛金が均一でございます。しかし、成熟をしてまいります過程もありますし、所得比例によるところのいわゆる掛金を取るというような検討は、これから加えられる予定がありましょうか。と申しますのは、共済組合の年金で国鉄を見ましたら、もう掛金よりは払う方が多くなった。成熟し、高齢化社会の最も標本的になっていますね。ですから賦課制度をしたからといって、お金が生まれるんじゃなくて、いまから十五年なり二十年たてば、大体国鉄共済程度に日本国中の年金の状態がなると、そのときに掛金をどういうようにするのかということを広く議論をしなければならぬ。そのときに国民年金だけは税金でわずか三三%ぐらい補助をしてもらっているということ、それは掛金が少ないから三三%してくるんでありまして、掛金が多くなればまたたじろぐんでないか。平均すると五〇%というような、そうでございますが、そういうことで私の質問はいわゆる所得比例になるような形で掛金を徴収するような検討はされておるかどうか、質問をして終わります。
#78
○政府委員(木暮保成君) 国民年金の将来を考えます場合に、いまお話のございました所得比例制を導入するかどうかの一番大きな問題だというふうに思っております。国民年金の被保険者の方も、掛金が若干多くなっても高い年金をもらいたいという希望がございます。また、私どもも率直に申し上げまして、保険料というものを確保していく上には現在の定額制では不十分で、所得比例制で財源を確保したいという気持ちもあるわけでございます。ただ、この国民年金の対象になっております国民階層の所得把握というのが非常にむずかしい問題でございますし、また仮に所得比例制が導入できるという見通しがつきました場合に、定額制で組まれておりまする事務体制の強化、拡充というようなことも必要でございますので、慎重に研究をしてまいりたいというふうに思っております。
#79
○片山甚市君 終わります。
    ―――――――――――――
#80
○委員長(上田哲君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、河田賢治君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#81
○目黒今朝次郎君 ちょっと席を外したので、ダブる点があったらおわびいたしますが、この公的年金ということは私も国会へ来てから、おととしですか、大分議論したんですが、毎回毎回結構な答弁が出てくるんですが、しかし公的年金ということは裏を返せば、長い間苦労した方が年金で食べていけると、生活を保障すると、そういうところに視点を置いた年金制度の確立というところに私は焦点を置くべきじゃなかろうか。前の田中厚生大臣は、場合によってはやはり租税特別措置法、この問題の洗い直しを含めて財源の捻出については取り組むべきだ、こういう発言も去年おととしですか、私に答弁をしておったわけでありますが、この公的年金というものについて、生活保障という点からあらゆる努力をするのが、保険制度であるから保険に見合う反対給付という点で計算をしていくのか、その辺のところの公的年金に対する大臣の考え方を、もう一回やっぱり私は聞かしてもらいたいと、こう思うのです、質問の冒頭。
#82
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは両面から考える必要があると思います。
#83
○目黒今朝次郎君 両面から考えたとしても、非常に三年ほど前から福祉という問題年金という問題についてやっておるのですが、具体的に一皮むいてみると、財政財政という面でむしろ追い込まれている。たとえば、受給権があっても受給制限をされておるとか、あるいは支給の金額だけではなかなか生活できない。国鉄あたりでも、特に局長とか課長とか、そういう高給の方はいざ知らず、ほとんど現場で働いている方は年金で食べられなくて再就職していると、こういう実態。それから、インフレの追い打ちでなかなかこれも追いつけない。あるいは障害年金、遺族年金の方々でもいろいろな不合理がある。こういういろいろな毎回大臣も局長もスタジオ102に出て、いろいろ答弁されておるのでけれども、あのスタジオ102に出てくるいろいろな投書、問題点ということを聞いておって、あれもっと両面はあるけれども、もう一歩突っ込んで公的年金というものは食える年金と、こういうかっこうに踏み出すべきじゃなかろうか。そうしないとどうも看板倒れになって、政府のいうこともどうにもならぬ。私は自民党の代議士とか参議院議員だって、選挙区に行けばずいぶんりっぱなことを言っていると思うのですよ、私らも聞いていますから。しかし、現実になってくるとどうもならぬ。どこが足りないのか。もう一歩私は本当に戦前戦後一生懸命苦労してきた方々に、やっぱり老後の生活を保障するというのは、われわれ若い者の責任であるし、党派を越えた私は国の政策でなければならぬとこう思うのですが、どうしてもう一歩というところが突っ込んでいけないのでしょうか。大臣の考えを聞きたい、こう思うのです。
#84
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは年金で生活がそれだけでできるようにするということを私は望ましいと思います。思いますが、現実の問題からいたしますというと、やはりヨーロッパ諸国を見てもわかるように、政府だけが金出すなんていうところはどこもないわけでございますから、政府がたくさん持つというのは。日本なんかは持っている方なんですよ、比較的。ですから、やはり掛金の問題も、これは裏表になっておるわけです。ですから、これは政府としてもできるだけ財源の調達をすることには努力をいたしますが、やはり負担の方も、それに応じたものでなければならない。これは片側だけ、掛金だけで全部やれというわけには保険じゃないですからそれはいかない。政府の方でうんと半分以上見ろと言われても、なかなか財政の問題とかけ離れて議論することということは実務的でない。ヨーロッパなんかでよく比べられるのですが、ヨーロッパあたりはスウェーデンが六十七歳から支給している。後は六十五歳ぐらいの国が大部分ですね。日本は厚生年金六十歳、共済年金に至っては五十五歳。これは支給年限を上げればもっと手厚くできることもそれは事実なんです。これはしかし雇用の問題、定年制の問題と関係もございますから、一挙にというわけにはいかない。われわれとしてはやっぱり六十歳定年制というのは、民間においてともかくできるだけやってもらうようにPRもして、五十五歳の定年というのは、いまは約三分の一近いものが六十歳定年になってきているわけです。したがって、それが厚生年金と結びつくというようなことで、この点は非常に望ましいとこう思っております。したがって、定年制の問題や支給年限の問題、それから掛金の問題、政府の財政負担の問題等、いろいろ総合的に年金の充実ということについてはさらに検討をしてまいりたいと考えております。
#85
○目黒今朝次郎君 この前の社労委員会の労働省の部でしたね、この委員会で六十歳定年ということが決議されたんですが、私は民間の協力も結構なんですけれども、大体政府みずからが、その点の問題について私はまちまちだと思うんですよ。私は国鉄ですが、国鉄は五十五歳がやっと二、三年前に五十七歳になった。五十七歳になっても、結局は動力車乗務員などはとても重労働でハンドルを握れない、実際は、五十七になっても職場環境から五十五でやめざるを得ない、そういう問題もある。同じ公労協内部でも年齢がまちまちだ。ですから私、民間に協力を要請する、法律をつくるということも結構だけれども、国の機関がみずから、やっぱり六十歳定年が必要だ、それならば政府みずから六十歳というように法律を提案をして、政府もこういう努力をするから民間の諸君も努力してくれ、あるいは中小企業でなかなか大変なところは中小企業の助成を講ずるんだ、そういう具体的な取り決めがないと、幾ら国会で答弁されて、六十歳が望ましい望ましいと言ったって、私は政府みずからにサボタージュがあるんではな
 いか。そういう点はいかがでしょうか。
#86
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に大変な御提案であって、これはやっぱりあなたのような考えも一つのもっともな私は考えだと思うんです。しかし問題は、これは労務条件の問題等の関係もございますから、やはりそれには労働組合と政府側とも話し合いをして、配置転換といいますか、それぞれの職場の中で同じところでやるといっても、職種によいてはいま言ったように、運転で六十近くやで運転しろと言われても、目はなかなか見えなくなる、ともかく体は鈍くなるという問題がこれはございます、現実的に。したがって、やはり政府の内部で定年延長という問題をやっていく場合には、配置の転換等においてそれがスムーズに、円滑に納得ずくでできるようなことなどもやっぱり一緒に考えていかなきゃならぬ。これは直接私の所管じゃございませんが、一つの考え方でございますから、国務大臣としても肝に銘じておきたい、かように存じます。
#87
○目黒今朝次郎君 じゃ、ぜひ国務大臣として閣議で、政府機関がまず六十歳に踏み切る、そういうことも含めて御努力を要請して、来年のこの委員会ではきちっとその実が結ぶように努力を要請します。
 それからもう一つ、財政財政と言われるんですけれども、去年おととしのこの社労で、当時の田中厚生大臣は、必要によっては租税特別措置法を洗い直してまでも、いわゆる年金等の財源については努力します、そういう答弁を私にしてるんですが、その年金の財源捻出などで、租税特別措置法その他の問題を厚生省段階あるいは閣議段階で具体的に洗ったことがあるかどうか、その経過と結論あるいは現在の進行の状態などについて教えてもらいたい、こう思うんです。
#88
○国務大臣(渡辺美智雄君) 特別に年金の財源に充てるために特別措置法について閣議で議論をしたということはございません。ございませんが、これも大きな問題でございまして、これも私は厚生大臣の所管じゃございませんけど、国務大臣という立場で強いて申し上げれば、たとえば退職給与引当金が三兆七千億円もあるではないかというようなことが言われているわけですよ。事実ございます。しかし、これはもう大企業ばかりでなくて、田舎の信用組合から農協から全部一遍に退職したときに金を出せないからといって積み立てておるわけですよ。ですから、こういうようなものをなくすということになって、本当に労使の間で話がついて、退職金制度というよりも、そんなところに積み立てるよりも、年金の方によけい盛ってくれというような話等が出てくれば、これもまた一つの考え方、年金が本当に充実されれば、退職金の問題というものについてはまた別な考えが起きるでしょうから。ですから、これは今後の大きな課題でございますので、それはなかなか自民党だけでこうだというわけにもこれはいかない。やはり、与野党間でよく煮詰め、話し合いでそういうふうな方向の大政策転換がやれるのかどうか、なかなかむずかしいと思いますよ、私は。思いますけれども、それは検討はやっぱりしなきゃならぬ問題だろうと思います。これは簡単にはいかない問題じゃないかと、そう思っています。
#89
○目黒今朝次郎君 だから、私は確かにむずかしいと思うんですよ。むずかしいと思うけども、よく政府と四団体の交渉などがあるんですから、やはり社会党から前の国会に提案されたそういう問題等について、どうだろうか、労働四団体についても、退職手当と年金制度、この二つの問題でどこに力点を置いて老後の保障をするか、そういうかっこうについて、やっぱり財源はこの財源を回そうや、そういう問題についてやっぱり国会で答弁した以上は、大胆に提案を洗ってみて素案でもいいから出してみる、あるいはこの委員会に大体こういう点はどうしようかという、法律案という固まったものでなくて、素案でもいいから提案をしてみて、やっぱり全体の委員の議論を求める、そういう私は具体的なかみ合わせがないと、国会答弁は国会答弁で、さっぱり二年たっても、質問をすれば答弁する、質問しなければナシのつぶて、こういうことでは、私は大臣答弁として、あるいは政府委員の答弁としてちょっとお粗末じゃないか。ですから、その点については、ひとつ渡辺厚生大臣、実力者大臣ですから、具体的にぜひ実行してもらいたいということを、これは要望しておきます。
 それから、暮らせる年金、わかりやすい年金、こういう合い言葉なんですが、この厚生年金の場合には定額はわかりやすいですけれども、何と言いますか、比例報酬部分の平均標準報酬月額、これなどは、私もちょっぴりは賃金問題かじった男なんですけれども、それでもなかなかむずかしい、これはね。ですから、一般の方々はなおむずかしいと、こう思うんですよ。これも西ドイツのポイント方式を採用してみたらどうかという一回議論があった時点があったんですが、年金局長、このポイント方式で自分で自分の年金がわかる、そういうわかりやすい年金という問題について、あなた方でも検討したことがあるか、あるいは検討したとすれば、どこに問題点があってまだ踏み切れない、その辺の、わかりやすい年金のこの部分について、局長の検討の経過などについて見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#90
○政府委員(木暮保成君) 年金は、これから国民の理解を得て保険料も負担していただくという時期に参っておりますので、わかりやすいということが非常に大きな問題になってくると思います。いまの厚生年金のわかりにくい点は、いま御指摘のございましたように、一生の賃金の平均をとるということであるわけでございます。私どもも、就職してからずうっといままでの賃金の額というものを承知しておりませんし、またその生の額を仮に丹念に記帳しておきましても、物価に応じまして過去の賃金をいまのベースに見直すということがございますので、そういう計算もしなければならないということがございまして、個々人の被保険者が自分の年金が幾らになるかということはなかなかわからない状況であるわけでございます。現在、社会保険庁の方に相談がございますのも、そこが一つのポイントになっておるわけでございます。ドイツの場合にポイントを制とっておるわけでございますが、これも私ども非常に参考になる問題だということで研究をいたしておるわけでございますけれども、意外にこのポイントが幾らになっておるかというのは、その時点その時点で被保険者にはわからないような仕組みになっておるようでございます。結局、年金を受給する時点でポイントは幾らになるかということで、初めて計算をするというようなことになっておるようでございます。日本の場合とどうも大差ないのではないかというふうな感じでございますけれど、この点につきましてはさらに研究を重ねてみたいというふうに思っております。
#91
○目黒今朝次郎君 共済年金の関係が問題になっていますが、共済年金などは厚生年金に比べるとわりあいにわかりやすいんです。私は昭和十二年、四十年前に国鉄に入ったんだけれども、当時の給料から計算していま年金幾らかというと、大体自分は、同僚が幾らもらっておれば、勤続年数で何年といえばこのくらいと、こう頭で計算できますわね。いい悪いは抜きにして、現に八つの年金制度があるうち共済年金は大体わりあいにわかりやすい方なんですよ、自分の年金については。その辺については、私は共済年金がけしからぬというだけの追及ではなくて、いい面はいい面としてどう年金全体に生かすかと、このぐらいの私は発想があってもいいんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。
#92
○政府委員(木暮保成君) 共済組合関係が最終報酬に基準を置きまして保険給付の計算をしている点につきましては、実はその実務担当の私どもとしましては非常にうらやましいわけでございます。共済組合の場合には給与体系は一本でございますので、最終給与を基準にいたしましても不公平が特に起こらないという形になるわけでございますが、厚生年金の場合には非常に多くの事業所を対象としておりまして、その事業所の給与体系がてんでんばらばらでございます。職種によりましては最終報酬が一番給料の高いときから見ると下がっておるというようなことが起こり得るわけでございますし、また、ある企業をやめまして第二の就職をした場合等には給料が下がるということがどうも常例のようでございまして、雑多な給与体系の事業所を相手にいたしておりますので、そういう方法はとれないということでございます。
#93
○目黒今朝次郎君 とれない、とれるという方法論は、たとえば五年の平均をとるとか十年の平均をとるとか、四十年さかのぼって昭和十二年に私が入った一円三十銭当時までさかのぼってどうするかなんという遡及の方法よりも、十年なら十年とるとかと、そういう形で私は工夫すれば工夫の方法があるじゃないか。ただ保険料、反対給付と、その支支の原則だけに――給料が下がると、下がるから保険料も安いと、安いから反対給付が云々と、そういう保険計数的な原則だけでやらないで、もう少し弾力を持てば、五年平均とか十年平均と、そういう方法もあるんじゃなかろうかと、そう思うんですがいかがでしょうか。
#94
○政府委員(木暮保成君) 確かに五年平均を最後をとるということも一つの方法なんでございますが、先ほども申し上げましたように、公務員の場合には年功序列型の賃金でございますけれども、民間の場合には最後の五年とか十年がむしろ下がるというようなこともございますんで、必ずしも被保険者の利益に結びつかないというようなことがございます。非常にいろいろむずかしい問題があるわけでございますが、年金制度をわかりやすくするということは確かに一つのポイントでございますので、なお工夫をしてみたいというふうに思います。
#95
○目黒今朝次郎君 ひとつ、われわれよりも専門家ですから、頭のいいところで少し考えてください、わかりやすい年金ということで。それから、この財政の問題についていま片山先生からもあったんですけれども、国民年金の月額が千四百円、四月から二千二百円、六割上がると。来年度はこのままのスライドだけで考えると、もう二千七百円から二千八百円と。この前の新聞などを見ますと七千円とか八千円というんでもないと金額まで推定計算がされておる。こうなりますと非常にこれは財政面で大変だと、こうなるんですが、これは私古い――昨年の「国民年金弘報」ですが、国民年金協会、これで「国民年金制度改革の方向」という見出しで、この協会と自民党の、与党の方の年金部会の皆さんがいろいろ議論されて、これは新聞報道ですから了解したとか了解しないとかということがあるんですが、この中でもやはり所得比例方式という点についてどうだろうかと。この新聞によりますと自民党側はオーケーと、こういう答弁になっておると、こうなっておるんですが、先ほどの片山先生への答弁では、検討しているという答弁だったんですが、この「国民年金制度改革の方向」というこの問題、そして具体的に「新保険料の具体案」ということで今井先生の案とか、それから参議院の鳩山先生の案とか、あるいは協会の喜多案とかと、この三つの案が載っておって、おたくの方で議論されておると、こういうことなんですけれども、この方法についてはどこまで厚生省の段階で検討されているのか。本当に片山先生に答弁したとおり、本当にまだわからなくて本当の検討中なのか、ある程度固まりつつある案なのか、固まりつつあるとすれば来年度あたりに提案する意思があるのかどうか。その辺の財政の見通しについて、あるいは保険料の徴収の改革について検討の見通しについてぜひ教えてもらいたいと、こう思うんです。
#96
○政府委員(木暮保成君) 国民年金はただいまお話のございましたように、非常に財政状態が窮屈になっておりますので、保険料をどういうふうに確保していくかということが今後の大きな問題になっていくわけでございます。その点で、現在定額の保険料でございますのを、所得に応じた保険料が取れないかと、そういうことで保険料を確保していくということが一つ考えられるわけでございます。ある意味では国民年金の将来に対する一番大きな問題でございまして、各方面からもいろいろな御提案があり、私どももいろいろ検討をいたしておるところでございますが、現在のところ、私どもとしてはまだ自信のある方法が見つからないというのが正直なところでございます。と申しますのは、国民年金の対象の国民の方々、非常にいろいろな方がおられまして、この所得の把握ということが非常にむずかしいわけでございます。それで、仮に御提案の幾つかの案をやるということでも、かなり大規模な事務機構を整えていかなければならないという案もございますし、また、保険料は各人に申告さしたらどうかという提案もいまお話の中の一つにはあるんでございますけれど一、税金の申告制の場合にも、後で税務署から回っていって、本当の所得に合っているかどうかということをチェックすることがありまして、初めて申告制で成り立っておるのではないかというふうに思いますので、そこら辺が非常にむずかしいわけでございます。また、仮に保険料を報酬比例にいたしました場合には、どうして一給付の方にもはね返さなければ、これは国民感情に合わないかと思うわけでございます。そういたしますと、仮に保険料を所得比例で取ることができる方法が考えられました場合には、定額保険給付であります国民年金の体系を全く改めるという問題になるわけでございまして、この問題は少し時間をいただいて研究をさせていただきたいというふうに思っております。
#97
○目黒今朝次郎君 わかりました。少し検討をしたらまた教えてください。
 それから、老齢年金の問題については、これも国会でいろいろ大臣から本会議あるいは衆議院の委員会で答弁されておるんですが、片山先生からもあったと思うんですが、この一万五千円では本当にどうにもならない。これは財政の関係だとまた答弁が来ると思うんですが、いままで再三言われておるとおり、同じ厚生省でやっておる養護老人ホームの大体食費代というのは、私は二万五千円程度だと、こうなっておると思うんですよ。ですから、養護老人ホームなりあるいは民間の軽費老人ホーム、この辺あたりで実際考えておるやっぱり二万五、六千円と、このくらいの私は年金は皆さんに上げるべきだと、そのためにも最大の努力をすべきだと、これは二年前から言われているんですけれども、なかなかそこまでいかない。今回も大臣は努力したんでしょうけれども、そこまでいってない。これもう一歩突っ込んで、せめて養護老人ホームの生活費分ぐらいはめんどう見る。めんどう見るというよりも国の政策として保障するというのが私は当然なければならぬと思うんですが、この辺はどうでしょうか。くどいようですが。
#98
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは目黒さんも、予算委員会等で再三質問があったことですからよく御承知だと思いますが、福祉年金は御承知のように掛金を掛けなかった、掛けようと思っても掛けることのできなかった人に暫定措置として差し上げましょうということでスタートしたわけです。ところが、掛金を五年間掛けられる人、十年間掛けられる人、こういう人があったわけで、その人たちとのバランスがあるわけですね。ですから、気持ちとしてはそれはたくさん差し上げれば一番結構なんですけれども、ともかく千円上げると六百億円、それだけで国の持ち出しが出ます。二万円にすると、そういうことになれば三千億円ということになります。ところが、それだけでとまるんならば結構ですが、仮に五年掛けている人が一万六千円しかもらわないのに、掛金を掛けない人が二万円もらうということになれば、五年の年金者が黙っているはずがない。これも恐らく二万円以上にしなきゃならぬ。そうすると、五年掛けた人と十年掛けた人が同じぐらいの話ということになれば、十年の人は黙っているわけがないから、これもふやさなきゃならぬ。それじゃあ二十年掛けた人はどうなんだ、二十五年の人はどうなんだと、で恩給はどうなんだという話になって、それは全部国が持つんですよということになると、これはもう何兆という話になっちゃうんですよ、現実は。だから、そういうような横並びの問題があるので、それだけというわけにいかない。そこに非常に、一番むずかしい問題がある。
 それから、よく生活保護とか何かと比べられますが、福祉年金というのは御承知のとおり財産があってもいただけるわけですね、これは財産があっても。おやじさんが年に八百万円月給もらっておっても奥様はいただけるわけですから、財産がともかく億の財産を持っておったってそれはいただけるわけですから、所得が家族の所得で八百七十五万円以下ならば。そういうところがなかなか条件が違いますからね、もらう人の条件が。だから、生活保護世帯の人は最低二万円だから、これも二万円ぐらいに上げてやらなければと言っても、片方はもう裸、はだしといいますかね、非常に財産も何もないという状態で、国から援助を受けるということなんで、一概には比較できないんじゃないか。やっぱり、掛金も上げて、五年なり十年年金の方ももっと上げるというような時代になってくれば、これはやはりできるだけ上げていくことは望ましいことなんで、そういうようなバランスとの問題等考えながらやっていかなきゃならぬと、かように考えているわけです。気持ちはよくわかるんです。
#99
○目黒今朝次郎君 福田総理大臣がロンドンにまでおいでになって、世界経済のかじ取りだと、世界のD51機関車だと言って群馬県で胸を張っているんですから、世界のD51機関車ぐらいになったらね、私はやっぱり先ほど片山先生も言ったが、この問題が毎回の国会で議論になるのは、一体最低の生活費は幾らなのかと、そういうことについて労働省と厚生省も含めてやはり算定をして、これではこのぐらい金がかかるから、所得のある方についてはしばらくの間がまんしてもらうとか、そういう選別の方法もあると思うんですよ。七十歳以上のお年寄りは一体どのくらい生活費かかるのかと、それをモデル調査でもいいから、思い切って厚生省がやっぱりやるべきだ。それを設定をして、それと五年年金、十年年金、あるいは無拠出の老齢年金をどうするかと、これをやっぱり出して国民に合意を求めれば、五年年金、十年年金掛けた方についても、やはり底上げになって補償されるということになれば、私はそれなりに掛金掛けてむだにならないですから、それなりに合意をしてくれるんじゃないか。具体案を提案しないまま財政の均衡論だけ言ったって、いつまでも、私は大臣の誠意はわかるけれども、具体的な回答にならぬ。なぜ基礎年金というものについて踏み切れないのか、あるいは案を提示できないのか、その点はどうも私は去年、おととしから言っているんだけれども、この問題について非常に不信を持っているんですが、そこのところをもう一回、なぜ踏み切れないのかと、裏を返せばどういう条件が整えば踏み切れるのかと、こういうことについて私は具体的にお聞かせ願いたいと、こう思うんです。
#100
○政府委員(木暮保成君) 基礎年金につきましては、ただいま基本構想懇談会の方で御検討いただいておるわけでございます。基礎年金の場合にはは、半分統合と申しますか、年金の基礎的部分につきましては八つの公的年金がありますけれども、その部分につきましては共同してやろうと、こういう案になるわけでございます。各団体等で御発表になっておる基礎年金構想、若干違いはございますけれども、その点は共通だろうと思うわけでございます。それで、基礎年金をやっていく場合には、ただいま申し上げましたように、各制度の基本部分を共同でやっていくということでございますので、その際各八つの年金がやってまいりましたこととの守備範囲をどうするかという問題が、一つ出てくるわけでございます。それからまた、現に福祉年金を入れてでございますが、一千万人を超える方が年金を受給しておるわけでございますが、こういう方々の年金の支給をどこが受け持っていくかと、そういういろいろ技術的な問題もございまして、いま基本構想懇で御検討いただいておるということでございます。
#101
○目黒今朝次郎君 その基本問題懇談会ですか、この懇談会で相談するのもいいんですけれども、私は行政の最高責任者である厚生省が細案を出さないで、皆さんの御意見をどうぞというのも一つの方法でしょうけれども、やっぱり年金の大元締めの厚生省として大体こういうことでどうだと、この問題を実施するために八つのいろいろな年金の経過から見て、どこにかみ合わない点があるかか、どこがかみ合うかと、かみ合わないやつはどういうふうにすればかみ合わすことができるかとと、いわゆる基礎年金とか最低額の設定の指導権は、イニシアチブは私は厚生省がとるべきじゃないかと思うんですよ。これをとらないから、いつまでたっても何とか懇談会、何とか諮問委員会とかいういわゆる第三者に、第三者というと語弊がありますが、諮問機関にお任せして皆さんの意見を聞きますということは非常にいい態度であるけれども、非常にこの問題の解決をおくらしているる。むしろここまでくれば、もう歴代の厚生大臣もおるし、ベテランもおるんですから、あるいは行政の政府委員もいっぱいおるのですから、少なくとも本件に関するものは厚生省が指導権をとって、文句があるならひとつ元気のいいところで厚生大臣どっと閣議でもらって、本件問題は厚生省が指導権をとると、各省は協力願いたいということぐらいの素案を出して、それで諮問委員会にかけて十分意見を聞く、あるいは国民の世論を聞く、あるいはスタジオ102に出て堂々とテレビを通じて、各民間のテレビ網を通じて国民に協力を願う、理解を願うと、そういうぐらいの積極性があれば、セクトなんていうことはどんどん私は国民の合意の中に解消していくと、こう思うのですがが、その点の指導権をとるということについてはどうでしょうか。
#102
○政府委員(木暮保成君) 年金問題につきましては、厚生省は責任官庁だというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、基本構想懇の運営に当たりましても、先生のおっしゃるように厚生省の案を示して御審議をいただくということができれば一番いいわけでございますけれどもも、年金の問題は全国民八つの制度にわたる問題でもございますし、一方また三十年、四十年先も見通さなければならない問題ということで、私どもも非常にむずかしい問題ということで、案をお示しして、御審議をしていただくということに至っておらないわけでございますが、基本構想懇の審議のやり方といたしましては、普通の懇談会と違いまして私どもも仲間に入れていただきましてて、議論もさせていただき、また先生方の御要望に応じて資料作成をする等、一緒になってやっておるわけでございますので、またこの秋までには一応の意見を取りまとめていただくようにお願いをしておりますので、そういうやり方でいましばらくやらせていただきたいというふうに思います。
#103
○目黒今朝次郎君 年金局長、これも私は三年前に提案したことですからね。私は前の田中厚生大臣から、目黒委員、そんなこと言うなら、あんた国鉄関係をまとめなさいなんて言われて、ひやかされたことがあるんですがね。われわれもその立場になればそれは努力しますよ。ただ、案を提示されないままに――素案でもいいですよ、素案を提示されてこの件で国鉄共済組合の関係も国鉄労使で議論し合おうじゃないか、あるいは他の方でも国家公務員の共済についても話し合おうじゃないかと、あるいは学校の先生の問題は日教組と文部省が一遍話してみようじゃないかと、そういう具体的な歯車を回すための私は懇談会なり、あるいは厚生省の指導性ということがないと、年数がかかるだけであって、質問されると何々懇談会で検討中でございますということを、二年も三年も同じことを繰り返す、どうもその辺が、財政財政とさっきから財政のことも言われておりますが、どうもそこの行政のベースが私が歯がゆいのは、私が短腹なのか、気が早いのか知らぬけれども、三年前ですよ、私は初めて就任してこの社労委員会で提案しているんですよ。ですから、あとどのぐらいかかるんですか、逆に聞きますが、
#104
○政府委員(木暮保成君) 基本構想懇は昨年の五月発足いたしまして、すでに本委員会が十三回、小委員会も折に応じて開催をしていただいておるわけでございますが、非常にむずかしい問題でございますけれども、この秋までには意見の取りまとめを一応していただきたいというお願いをいたしておりまして、委員の先生方もそれを了承されて議論をしていただいておるところでございます。
#105
○目黒今朝次郎君 もう時間が忙しいですから、少しスピードを上げて審議を重ねてください。要請します。
 それから、この老齢年金についても、ここに数字があるとおり、年々減っているんですね。十年後には大体約半分ぐらいと、そういうことも言われておるんですからね。そういう基礎年金構想もなかなか時間がかかるようであるから、今回はやむを得ませんが、次回の際にはやっぱりこの面のことも考えて再度努力してもらいたいと、こう思うんです。これは要請しておきます。
 それから、障害年金の問題について、今回も若干物価にスライドで上がったわけでありますから、私はもう金額については申しません。ただ、厚生大臣ね、これは五十二年の二月の二十一日、参議院予算委員会において参考人として見えられた宮尾さんという方ね、これ、大臣もおったと思うんですが、この方が本委員会で述べておったのは、具体的に昭和五十年の十一月から五十一年の十月まで一年間の平均の支出総額を九万一千七百円と。そのうち奥さんと二人で食費は二万五千九百二十八円、ずいぶん細かい家計簿を持ってきてやっていましたね。電話代は身障者の足がわりになるんだということを含めて、四千八百六十七円、電気料は千五百七十七円、ガス代は二千三百十八円、着物などの衣料費が四千八百五十六円、医療衛生費が九千八百十四円、本代などの文化教養費が千七百十五円と、こういう金額で、これ多分大臣もおったと思うんですがね、この身体障害者の方でこういう生活内容を見てみますと、障害年金が今度引き上げられて二万二千五百円となっても、食事代の二万五千九百二十八円にも満たない。これはけがをするか、あるいはいろんな条件が重なって障害年金をもらっている。これは障害年金の方ぐらいは、やっぱり働けないんですから、食費を満たす、十分満たす、これに若干ガス代、電気代ぐらいのあれを満たすと、そういう程度の年金は差し上げるべきじゃなかろうかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#106
○政府委員(木暮保成君) 当日、私も予算委員会でお話を聞かしていただいたわけでございますが、障害福祉年金はこの六月一日からへ現在二万二百五十円であるわけでございますが、それが一〇%ばかりアップになるわけでございますが、年金のたてまえといたしまして、老齢と障害というものを二つ並べてバランスをとっていくという基本的な考え方に立っておるわけでございます。これは福祉年金の場合だけではございませんで、拠出年金の場合にもそういうことをやっておるわけでございます。老齢福祉年金の五割増しということでやってきておるわけでございます。そういう意味では、できるだけ年金の体系の中で充実を図っておるわけでございますが、宮尾さんの生活実態からは残念ながらかけ離れておると思うわけでございます。今後とも障害福祉年金の充実に努めてまいりたいと思いますけれども、やはり年金の問題といたしましては、年金体系の中のバランスの問題がございまして、限界はあろうかと思いますけれども、充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
#107
○目黒今朝次郎君 委員会でも言っておりましたが、毎月五万円程度両親なり親から送金を受けて、それと年金と合わせてやっと食べていると、あるいは若干善意のカンパなども受けて生活をされているという状態ですからね。いま直ちにはなかなか無理かもしれませんが、やはり身体障害者、身障者と、こういうことは老人問題とはまた別な立場、社会的立場にあるんですから、こういう方々のやっぱり健康と生活を守るというのが私は政治の責任だと、こう思いますから、もう一歩進めたひとつ努力を願いたい。
 同時に、四月二十四日、全国の障害者団体二十四団体一万人の方々が厚生省の前に座り込んで、三つの要求項目を大臣に出している。読み上げますと、障害者福祉年金を現行の二万三百円から、一級の場合六万円にしなさいと。生活保護の問題それから身障者の審議会に障害者の代表を入れてくださいと。この三つの問題について出ておったんですが、この問題についてその後どういうふうになっているか、この点について大臣なりあるいは関係者から、その後の経過についてあるいは見通しについて見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#108
○政府委員(木暮保成君) 福祉年金の問題につきましては、先ほど申し上げたわけでございますけれども、その他の身体福祉行政の問題につきましても、それぞれ所管の部局で検討にたしております。
#109
○目黒今朝次郎君 厚生省にかかる点だけでもいいから。
#110
○国務大臣(渡辺美智雄君) 障害福祉年金については、ただいま局長からも答弁いたしましたが、できるだけ充実をするように努力をいたします。
 それから、障害者団体等の委員を入れろという御要求等がございますが、これらについては、それぞれ学識経験者の中できわめてそういう理解の深い人が入っておりますので、いまのところそういうことは考えておりませんということも私回答をしておきました。以上でございます。
#111
○目黒今朝次郎君 学識経験者もいいんですけれども、やっぱり生の声を聞くということも大事じゃないですか。だから、たとえばそういう方々が委員会に入れなさいという発想がどこから出てくるのか、どこかに現状とそういう委員さんとの間とか、委員会との間にやっぱりすき間風があるような運営なりあるいは問題のかみ合わせなりというところがあるんじゃなかろうか。だから学識経験者の皆さんが本当に身障者の代表の皆さんの意見をくみ上げた委員会の審議、問題の発想あるいは審議すれば皆さん方の代表に会っていろんな報告をするとか、聞くとかと、そういうやっぱり血の通った取り組み方をすれば、私はこういう発想が出てこないと思うんですよ。だから、こういう発想が出てくる以上は、裏を返せば委員会の運営にどこかやっぱり欠ける点があるんじゃなかろうかという点についても、私はもう一回点検し見直す必要があるんじゃなかろうか。それで、こういう団体の皆さんにもそういうことを単に紋切り型の答弁ではなくて、どうすれば皆さんの血の通った点が入るのかということなどについても、私はもっと親切に問題と取り組むべきじゃなかろうかと、こんなふうに思うんですが、大臣どうですか。
#112
○国務大臣(渡辺美智雄君) 宮尾君などの話については、委員ばかりでなくて、私なども直接お会いをして陳情その他の声も実は聞いておるんです。できるだけ親切な取り扱いは今後もしていくつもりであります。
#113
○目黒今朝次郎君 そのようにひとつ、それでこういう問題が解消するように大臣も行政面でもぜひ配慮をしてもらいたいと要望します。それから、遺族年金の関係については、これも何回も言われてきているんですが、大体七〇%か七五%程度に最大の努力をしますと言っているんですけれども、これもまだ懸案事項になっているんですが、この間の経過についてあるいは今後の見通しについて、大臣からちょっと聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#114
○政府委員(木暮保成君) 遺族年金の充実の問題につきましては各方面から御要望があり、また私どもも現状でいいというふうに思っておりませんでしたので、五十一年度の改正ではとりあえず寡婦加算という制度を設けたわけでございます。後に残されました遺族に子供がいる場合、それからまた子供がいなくても高齢の場合につきまして、月額で申しますと、子供が二人いる場合は五千円、それから子供が一人の場合には三千円、子供がおらないけれども残された未亡人の方が高齢の場合には二千円というような寡婦加算を昨年新しく設けたわけでございます。このことによりまして、遺族年金の額がかなり充実をいたしたというふうに考えておるわけでございますけれども、この問題につきましては、さらに引き続き検討いたしてまいりたいと思っております。その際問題になりますのは、一つは、被用者の妻の方が六百万人、国民年金にすでに加入をいたしました。そういう事実がございます。そういう点を考えますと、国民年金に加入された妻の場合には、夫が亡くなった場合にはその遺族年金とそれから国民年金からの老齢年金がもらえるというようなことで、給付水準としてはかなり高いものになるわけでございます。そういう点をどういうふうに考えるかということが一つの課題としてあるわけでございます。それからもう一つの整理しなければならない問題といたしましては、七割五分といういまのお話でございますけれども、仮に十万円の年金ということにいたしますと、いまは夫が五万円、妻は五万円、半々ということで、夫が死ねば妻は五万円でいいではないかという、大ざっぱに言ってそういう考え方でございますが、七割五分という場合には、十万円の年金のうち五万円は共通経費であると、残りの五万円の半分ずつ、二万五千円、二万五千円が夫並びに妻の一人分の金額であると、こういうことになろうかと思うんでございます。で、夫が死ねば共通経費の五万円と妻の二万五千円で七万五千円になると、七割五分ということになるわけでございますが、そういう考え方を突き進めますと、独身の場合、あるいは逆に妻に先立たれた場合にも七万五千円でいいのではないかという問題が出てくるわけでございます。そこら辺の整理にむずかしい問題があるわけでございますが、なお研究を進めてまいりたいというふうに思っております。
#115
○目黒今朝次郎君 まあ、確かに去年やられたことについてはわれわれ百も承知。だけれども新聞の受け取り方は、「ちょぴり寡婦加仰史」と、こういうかっこうで、この前テレビでもやっておりましたがね、ちょくちょくね。やはり私は、これは遺族年金ということは裏を返せばだれか亡くなってもらうということですからね。だんなが亡くなって、あるいは一人の場合はお母さんが亡くなって子供がもらうとか。ですから、亡くなって悲しいわ、大変だわ。片方の面では、お線香のにおいも取れないのにもうきょうからは年金半分だと。さて、生活どうしようやと。お香典があるうちはお香典を食いつぶすけれども、お香典なくなったらそれどうしようやと。体でも悪ければ働けもしないと。こういういろんな条件が、夫の死亡、お父さん、お母さんの死亡ということで重なり合っている、社会的な問題が。だから、これはちょっと読んでいるうち、なるほどな、こういう考えもこれは温かみなんだなあと、こう思ったのは、たとえば西ドイツではこれは人間味がある。三カ月間だけ年金はだんなが死んでもそのまま保障すると。三カ月たった後に、さてどうするかと、そういうことをもう考えられている。ちょっと小さなことだけれども、私はやっぱり人間の愛情というものを十分考えた制度じゃなかろうかと。こういうきめ細かいところも含めて、私は、やっぱり遺族年金などについては社会的条件が違うんですから、われわれと。社会的条件に見合ったやっぱり細かい配慮、あるいは前の田中厚生大臣がやったこの寡婦加算は悪いとは言わぬけれども、抜本的に、いま局長が言った、十万なら五万が基礎で半々で二万五千、七万五千、七五%と、そういうふうな発想の方にむしろ私は一歩を踏み切ってもらいたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#116
○政府委員(木暮保成君) ただいま御指摘のドイツの制度、なかなかおもしろいことをやっておりまして、生計中心者が死んだ場合に、三カ月は従来の年金を支給して遺族が身の振り方を決めるという余裕を持たしておるわけでございます。そういう点ではあれでございますが、また一方、日本の厚生年金の場合には亡くなった被保険者が半年被保険者期間があれば年金が出るのでございますけれども、西ドイツの場合には五年以上の被保険者期間がなければいけないというようなことになっておりましたり、また年金額も、四十五歳未満で子供がない場合には四〇%しか出さない、四十五歳を超えるとかあるいは子供がいる場合には六〇%出すと。厳しい面と配慮している面と二つ組み合わせておるわけでございます。日本の場合にも、語弊はございますけれども、甘過ぎる点もございますし、そういう点も総合的に判断をして検討してまいりたいというふうに思っております。
#117
○目黒今朝次郎君 これは裏面から見れば妻の年金権にもかかわり合いを持つものですからね。いま局長が言ったきつい面と甘い面、私も資料がありますから、四〇%の場合と六〇%の場合、いろいろ出ている。それは承知しています。承知していますが、私が言いたいのは、遺族年金という社会環境が非常に厳しい冷たい環境の中で、もう少し血の通った郷族年金のあり方ということを考えてもいいじゃないかということを申しているんですから、それについては努力方を要請します。それから、時間がありませんから最後に共済年金の問題について、国会でいろいろ議論になりました。なりまして、新聞などで議事録も読ましてもらいました。しかし、私は共済年金のいい悪いという議論をする前に、国家公務員共済組合審議会に政府代表として厚生省からどなたか入っているんでしょう、この審議会に。入ってないですか。
#118
○政府委員(木暮保成君) 厚生省もメンバーに入っております。通告のあるときには出席をすることにいたしております。
#119
○目黒今朝次郎君 そうすると、審議会に入っているとすれば、この国会答弁で、所管でありませんからわかりませんとかなんとかということにはならないじゃありませんか。私は前段申し上げた年金の一元化という問題への意欲と、この公務員の共済組合審議会に入っておって、加藤先生の問題提起に対する答弁の仕方が、余りに私は意欲がなさ過ぎると思うんですよ。どうしてこうなったのかということを、単に親方日の丸論という世論の問題に対するそれは姿勢もいいでしょうけれども、しかじかの理由でこうなったんだというぐらいは、やっぱり年金の元締めであって、しかもこの審議会に正式政府代表として参画していれば、私は迎合的な答弁でなくて、こういう経過だったと、どこが悪いんだと、どこが問題点なんだということをむしろ具体的に議論はかみ合わせて、正しく国民の前に、共済年金のあり方、現在の年金全体のあり方ということをやっぱり私はPRすべきじゃなかったのか。どうも一方交通の気がしてならないんです、私は。その点どうですか。
#120
○政府委員(木暮保成君) 先ほど申し上げましたこと、ちょっと舌が足りませんでしたんですが、厚生省が共済の審議会に入っておりますのは、企画官庁としての厚生省ではございませんで、厚生省にも共済組合があるわけでございます。その厚生省の共済組合の運営担当者として厚生管理官が出ておるわけでございます。なお、共済関係とは常に連絡をとっておりまして、たとえば基本構想懇談会にも共済課から出席をして説明をしてもらっておるということで、連絡はとっておるわけでございます。
#121
○目黒今朝次郎君 それならなおさらのこと、あなたたち厚生省に働いている国家公務員は、この国家公務員共済組合の適用を受けているんでしょう、あなたを含めて。それならその組織機構、たぜこうなったのかということについてはだれよりもわかっている立場でしょう。厚生省だけが別な国家公務員共済組合で、他の方は違うなんていう筋合いじゃないでしょう。いまの国家公務員共済組合がどういう経過でなったのか。前、軍人恩給、それから普通の恩給法、それから今度の国家公務員共済組合法。私もこの恩給法から共済組合になったとき、賃金担当を組合本部でやっておって二年間苦労しましたよ、この問題で。いろいろな経過があったのですよ。その経過を十把一からげにして調整財源という問題に隠れて、そして、親方日の丸だというのは、それに迎合するようなかっこうで、私は問題のとらえ方が正しくない。きょうは時間がありませんから、共済組合問題専門で、国鉄の共済だって破産状態なんですから、なぜそうなったのかということを年金という角度からどう見直すかということがやっぱりあなたたちの大事な仕事じゃないですか。私はそう思うんですよ。ですから、この国会答弁は私はきわめて納得しがたい。もう少し共済組合の歴史と今回の年金のかみ合いと、どこをどう直せばいいのかということについて取り組む必要があると思うのですが、いかがですか。
#122
○政府委員(木暮保成君) 役所の所管の見言になりますけれども、厚生省で所管をいたしておりますのは、厚生年金と船員保険と国民年金でございます。それで共済組合は主として大蔵省の所管ということでございますが、もちろん改正の経過はその都度承知をいたしておるわけでございます。今後、国民皆年金という体制を整備していく上には、先ほど来申し上げましたけれども、各年金制度はそれぞれの独自性に立たなければならない面もありますけれども、共同して物事を考えていかなければならない面も多々あるわけでございます。所管の問題がございますけれども、基本構想懇でも全体的に御議論をいただいておるわけでございます。
 なお、先生の御指導の国会の答弁でございますけれども、その当日は私ども厚生年金等について質問のあったことだけにお答えをしておるつもりでございます。
#123
○目黒今朝次郎君 だから、たとえば年金の受給年齢ね、これは共済年金が五十五で厚生が六十で、国年が六十五、無拠出が七十、それで五十五が余りよ過ぎると。しかし、厚生年金はもともと五十五歳じゃなかったですか、私はそう思うんですよ。五十五で発足した厚生年金をおたくの方が将来六十歳の定年がよかろう、そういう厚生省の判断で五十五歳を六十歳に提案したのは政府みずからじゃなかったですか。あなたたちが直さなければ厚生年金も五十五になっているんですよ。その自分の失敗の誤りのしりぬぐいを、親方日の丸輪にぶっかけるのはちょっと身勝手じゃありませんか。なぜそのときに、厚生年金を五十五から六十にするとき共済組合の問題についても手をつけなかったのか、片手落ちを自分でやっておいて、いまになって五十五と六十をけしからぬと言われたって、これは政府みずからの政策展望の誤りの結果だと私は思うのですが、いかがですか。
#124
○政府委員(木暮保成君) 昭和二十九年に厚生年金を改正いたしましたときに、五十五歳の支給開始年齢を六十歳にいたしたわけでございます。そのときの事情は私ども承知をいたしておりませんけれども、昨年の改正にしろ、たとえば寡婦加算制度を入れたわけでございますけれども、その都度年金の各省連絡協議会を開きまして、連絡をとりつつやっておるわけでございます。
 それからまた、五十五歳と六十歳の問題につきましても、当日の答弁では事実は申し上げたかと思いますけれども、その是非につきましては、答弁はしなかったというふうに記憶しております。
#125
○目黒今朝次郎君 あなたは知らないけれども、私は当時やっぱりこの体で感じておったんですから、あなたたちはかわるけれども、われわれ労働者はずっと、一回タッチしたら死ぬまでタッチするからね。ですから、当時問題になったんですよ、これはわれわれも労使の団交で。ですから、私はきょうは時間がありませんから、とにかく共済年金それから厚生年金、その問題をひとつ集中的な議論をして、悪い点は悪い、いい点はいい、この点は直そう、それを全部国民の前に明らかにしないと、何か国鉄の労働者が一生懸命五十年も働いて、やめて、そして年金で食えなくて、皆アルバイトして、アルバイトと年金の両方で食っているんですよ、いま。いま現に国鉄をやめても。そういう一般の方々は本当にこの新聞を見たら泣きたくなると言う、この前のこの読売新聞を見たら。それは高級官僚はいいだろうけれども、一般の職員はたまったものじゃないですよ、ああいうふうに書かれると。やっぱりそういう点で、ぜひもう少し温かい目で私は検討なら検討をしてもらいたい。こう要望します。
 最後に、在日朝鮮人の方が、東京の荒川区の方が、五十二年の二月の十七日の毎日新聞に載っておりまして、私も関心を持ってその決定書の写しをもらったのです。これは決定書の写しを持っています、私、原本。この方は国年に入れ入れと言われて、私は第三国人ですと断わっても、いや、いいですと言って、入れて、十二年間も掛金を掛けさせておって、そしていざ年金の申請をしようとしたら、あなたは第三国人ですからだめですと言って決定書で門前払いを食わせる。これは年金の行政に問題があったのか。その点の責任はこれはどうするのですか。私はどうも腑に落ちないと思うのですが、もしも情報が入っておったら入っていた、具体的にどういうことであったのか、ひとつ関係者から聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#126
○政府委員(大和田潔君) お答えいたします。ただいまのお話、昭和五十一年の十月七日に李奉化さんという方が荒川区役所に来庁されまして、夫の金井正一さん、この方は韓国名で金鉉釣さんといわれる、この方の国民年金手帳を提示いたしまして、老齢年金の請求をされたわけでございます。ところが、その方から提出されました年齢に関して外国人登録票、これを提示されたわけでございますが、それによりまして韓国籍と実は判明をしたというような事件でございますが、これにつきまして東京都の社会保険審査官、この問題につきましては資格がないということを申し上げて、資格の取り消しを行って、結局過誤納の保険料還付通知書をお送り申し上げたわけでございますが、この決定に不服がございまして、御本人の方から社会保険審査官あて審査の請求が出されております。で、四月の十三日に棄却をされておるわけでございますが、この件につきまして、当時の事情、これはもう十五年以上も前でございまして明確ではございませんが、ただ荒川区長から東京都に対しまして行いました報告によりますと、こういうようなことでございます。
 当時、私どもも各市町村におきましては被保険者からの自主的な届け出を漫然と待つということではなくて、住民の年金権確保のために積極的に戸別勧奨を行っていたわけでございますが、この荒川区におきましてもそうでございます。で、金井正一さん、先ほど申しました金鉉釣さん、ここへ参りまして、適用届の申請を受けたわけでございますけれども、この住所地の荒川区、これは非常に人口の密集地帯でございまして、実は外国籍の居住者はきわめて少ないという地区であったわけであります。それから、制度発足当初、先ほど申し上げました荒川区におきましても、適用対策の一環といたしまして住民票等を資料といたしまして戸別勧奨を行いました。で、その金井さんのお宅へ伺ったわけでございますが、そのときに、金さんは先ほども申しましたように金井正一という実は名前で、生年月日も日本元号で明治四十五年八月九日というふうに実は言っておられたわけでございまして、担当職員はてっきり日本国籍を有するものと判断した、こういうようなことでございます。で、被保険者資格取得届に基づきまして作成されました当時の区の被保険者名簿にも、日本名金井さん、金井正一というふうに書かれておる。そういったようなことで、てっきり日本人の方であるというふうに考えまして、適用した。まことにお気の毒な実はケースで、私ども大変頭が痛いわけでございますが、以上のような事情であったわけでございます。
#127
○目黒今朝次郎君 私も立ち会っているわけじゃありませんから、その事実はなかなかむずかしいんですが、本人は国年の内容を知っておって、私は第三国人ですということを窓口で言ったら、韓国に帰らないならば入った方が得ですよというところまでその窓口の勧誘員が、勧誘に来た方が言ったと、だから本人は、名前はまあほとんど日本の名前を使っていますけれども、第三国人だとわかって勧誘したと、こういう食い違いがあるんですよ、これ。
 それから、私は、この新聞を見ると、荒川区役所の諸橋給付係長ですか、これも新聞報道ですからどこまで真実かわかりませんが、仮に、「他人の国に来ていて、ゴチャゴチャ言わない方が良い」とか、それから、「なぜ戦争が終わった時にすぐ韓国に帰らなかったのか」と、自分自身のあれじゃないかと、窓口に話に行ったその人に、十二年間も掛けたんですよ、十二年も掛けたの。掛けたその被保雄者に、給付係長ともあろう者がこんな侮辱するような発言を、私は第三国人に対してどんな事情があっても言うべきじゃない。このくらいの冷たさがあるものですから、裏を返せばやっぱり韓国人というのわかっていて入れたんじゃないかと言われても、これしようがないんじゃないですか。
 私は、きょう時間がありませんから、この問題については十分に調べて、やはり国際問題などに発展しないように十分に礼を尽くした事後措置をどうするか。本人は裁判かけても争うと言っているんだからね。やっぱり十分な私は行政指導なり、問題があったらあったで謝ると、過ちは謝る。しかし、この点は行政措置で尽くすと。ですから、ひとつこの点で和解するなら和解してほしいというような、やっぱり血の通った行政をぜひ指導してほしいということを、これは厚生大臣に見解を求めて私の質問を終わります。
#128
○国務大臣(渡辺美智雄君) 委細については承知いたしておりませんが、まあ不親切な取り扱い等はいけないので、重々注意をしたいと思います。
#129
○目黒今朝次郎君 私が言っているのは、このトラブルが拡大しないように十分調査をして、そして行政の面で血の通った善処の仕方を取り入れてくださいと、こう言っているんです。私も立ち会っていないから、いいとか悪いとか言いません。現に告訴されて裁判にまで発展しようという問題なんですから、まあ行政のサイドで最大の努力をしてほしいと、こういうことなんですよ。
#130
○国務大臣(渡辺美智雄君) できる限りの努力をいたします。
#131
○委員長(上田哲君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
#132
○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中村利次君が委員を辞任され、その補欠として和田春生君が選任されました。
    ―――――――――――――
#133
○委員長(上田哲君) 午前に引き続き、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び国民年金法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を続けます。質疑のある方は順次御発言願います。
#134
○小平芳平君 初めに、年金関係について質問をいたします。
 午前中の質問にもそういうような系統の質問が出ておりましたが、もう一つはっきりさせていただきたいことは、四月二十六日の当委員会で厚生大臣が積極姿勢で答弁したというふうに新聞にも報道されております。その第一は、未加入者に三回目の特例納付を設けるかどうかという点であります。その大臣の説明の中には、なるべく納付を怠っていて、そして後で一括して納付すれば得するという、そういう風潮があっては困るということを再三おっしゃっておられますが、それは確かにそうだと私も了解いたしますが、実際問題、いま具体的にもう私は年金権がなくなって困っているというふうに訴えてきていらっしゃる具体的な方がいらっしゃるわけです。ですから、そういう方の様子を聞いてみますと、全く知らなかったとかうっかりしたという人でありまして、若いうちに払わないでおいて年とってから一括してやった方がということは、現段階の人では若い人でそういうことを言ってきているんじゃないわけです。すでに相当の年配の方で言ってきているわけです。しかも、若いといっても国民年金ができた当時そんなに若い人じゃなかったわけです。年齢層からいって考えてもそんなに若い層じゃない。したがいまして、これは大臣がおっしゃる意味は、大分私が特例納付を認めてほしいと言う趣旨とちょっと食い違っているのじゃないかと思うんです。ですから、私が特例納付を認めてほしいと言う意味のことは、大臣の方でもそれはやってよろしい、やることを検討するというくらいに考えを進めていただいていいんじゃないでしょうか。
#135
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、国民年金はこれは自主納付になっております。いまのところ非常に納付率がよろしゅうございまして、九八%自分から持ってきて納めていただいておる、そういうふうな大部分の人がよくやっておるわけです。ここで、特例納付過去二回やりましたけれども、いま言ったような方もございましょう。いろいろ残っている方があります。したがって、まじめに納めている人が抵抗を感じないような形をとらないと、あらかじめ、じゃ来年特例納付をやりますよというようなことを言うと、三年に一遍ずつやりますよというようなことをもし言ったら、これは大変なことになって混乱してしまうわけです。しかし、非常に事情やむを得ないというような人等も中には必ず私はいるんじゃないのか。あと三年ぐらい掛ければいいんだけども、ともかくもう年六十になってしまうというような方も中にはおるんじゃないか。こういうようなことについては年金制度の根本的な見直しの際に、十分にこれは前向きで検討をしてみたい、こういうようにいま考えておるわけでございます。
#136
○小平芳平君 そうしますと、特例納付は三年に一遍やれなんて私も言いませんし、またそういうことは当然できないと思いますが、なおかつ、悪意でわざと払わなかったという人がそんなに残っているとは思えないわけです。しかも、相当な年配の方でもありますので、早くこれはやった方がよろしいと思うんですがね。それが一点と、もう一つは、この前も申し上げた老齢年金の受給権が期間が足りない、現に保険料を払っているけれども老齢年金に結びつかないという方、こういう方に対しても従来の厚生省の答弁は、それは確かに老齢年金には結びつかないけれども、たとえば障害年金とかそういうものはちゃんともらえるんだからいいじゃないかというようなことを答弁した局長がいたんですが、それはまことにおかしな話で、現に年金に加入し保険料を払っているということは、老後のためにということが大部分のわけですから、そういう障害者になるとか、離婚するとか、夫が死亡するとか、そういうことを前提に考えて年金に加入しているというわけではないわけですから、大多数の方は。ですから、やはり大臣がここでおっしゃったように、大臣はこのときに専門家が云々と言っておられますけれども、別に専門家がということはそれほどの問題じゃなくて、やはり厚生省として国民皆年金の現状において特例納付はもう一回やることを検討すると、それから老齢年金に結びつかない方には年金受給の時期をおくらすかわりに、掛金を払う期間の延長を認めるというふうな趣旨の発言を、この前もいまもなさっておられますが、この二点は実現する方向で検討していただきたいと思うんです。
#137
○国務大臣(渡辺美智雄君) しばしば申し上げているのでございますが、特例納付を仮にやるという場合でも、これはもう最後でございますよと、かなりPRをしましてね。それで、いま三十三歳とか三十二歳の方は、三十五歳以上になったらもう入れないんですからねと、二回も三回もこういうことをやらないんですからということをかなり徹底をさした上でないと、これは何回でも何回でもやるんじゃないかという風潮は一番困る。
 それからもう一つは、まじめに払った人と同じ額でいいのかどうかというような点等は、やっぱり少し検討してみなければならないし、あるいは受給の額をずっと二十年も掛けてきたような人と、将来そういうふうなことでまた掛け足りなくてまとめて払った人と同じ額でいいのかどうか、これらの問題になりますと、なかなか私も素人でわからないので、専門家の意見も聞いてということは、そういうことを言っておるわけでございます。期間の足りない人を、現在は六十歳までしか掛けられないが、いまずっと掛けているが後から入ったのでどうも期間が三年ぐらい足りなくなるというような人も、現に入っている方の中にもあるかもしれない、現に。そういうような方などのことについては何らか考えなければなるまいと、こう思っておるわけでございます。したがって、それについては当然社会的不公正をつくらないというような観点から、これは御趣旨のような非常にお気の毒な方に対しては、それが達成できるように努力をしていきたいと、かように考えております。
 私がここでやるということを言わなくとも、私が努力すると言うんですから、まるっきり望みのないようなことを努力するなんて言うはずがないので、そこらの点はひとつ心と心で受けとめてもらえたならばいいんじゃないだろうかと、かように思います。
#138
○小平芳平君 心がよくわかりました。
 それで、先ほど目黒委員の質問のケースが、ああいうケースを提起されましたが、こういう場合はどういたしますか、ということは、特例納付をなさった方がいらっしゃる。過去に特例納付の時期にさかのぼって保険料を納付しましたと、納付しましたけれども、実はその任意加入の期間が相当期間入っていたという場合はどうなりますか。
#139
○政府委員(木暮保成君) 従来二回やりました特例納付は、強制被保険者としての期間につきまして特例納付を認めたわけでございますので、さかのぼって任意加入するということは、従来の遡及適用では認めておりませんでしたので、保険料をお返しするということになろうかと思います。
#140
○小平芳平君 そういうことは、その窓口では一切審査とか調査とか、そういうことはやらないわけですよね。窓口へ来て、それで特例納付でこれこれを納めますと言うと、そうですかと言ってぱっと受け取っちゃうわけでしょう。ところが、後から実はあなたには強制加入でなくて任意加入の期間がこれだけあって、これだけの期間は特例納付の対象期間にならないのですよということがわかるんですか。これからわかる方法があるんですか。
#141
○政府委員(大和田潔君) ただいま、先におっしゃいました特例加入の場合に何ら強制も任意も把握しないで保険料を受け取るということではございません。やはり、強制適用の方につきまして、これは特例加入があるということをはっきりいたしまして、任意加入につきましては、それはもう窓口では受け取らないと、こういう形で処理をしております。
#142
○小平芳平君 それで、じゃあ窓口へ来て、私は過去これだけ特例納付をしますと言った場合に、それを見分ける方法があるんですかと聞いているんです。
 それから、すでにもう本人はそういうことは余りよくわからないから、とにかく保険料をさかのぼって払ってしまったという人、そういう方は局長のお話だと保険料を返すことになると言いますが、これからそれが発見されるという可能性があるんですか。
#143
○政府委員(大和田潔君) 市町村の窓口に被保険者台帳がございます。この被保険者台帳には、強制適用、それから任意加入と、この別がはっきりと明記されておるわけでございます。したがいまして、特例納付をやりますときにはこの台帳に記入をいたします。台帳を引っ張り出しまして、その台帳に記入をいたしまして特例加入というようなことの特例納付を行っておるわけでございますけれども、その際に台帳に任意加入の明示があります者につきましては、特例加入の対象ではないという形で窓口でわかるわけでございます。そこで、お断りしているというのが実情でございます。たまたま任意加入で入るという例が絶無とは言えないかもしれませんが、ただいま私が申しましたことが原則になっておりますので、任意加入の人は窓口でお断りするというたてまえになるわけでございます。
#144
○小平芳平君 その台帳には、過去ずっと何十年の経過が全部入っているわけですか。
#145
○政府委員(大和田潔君) さようでございます。
#146
○小平芳平君 それでは次に、社会保障制度審議会の答申はこうなっております。「児童扶養手当及び特別児童扶養手当の引上げについて」は云々と、「今回の引上げについても了承できるが、児童手当について今日まで据え置かれていることは、理解しがたい。」となっておりますが、この「児童手当について」は、制度審議会では「据え置かれていることは、理解しがたい。」となっておりますが、これは厚生省はどういうふうに受け取っておられますか。
#147
○政府委員(石野清治君) 御指摘のとおり、社会保障制度審議会の答申では「理解しがたい。」という言葉を使っております。御存じのとおり、これを額を据え置きました理由でございますけれども、発足時からいろいろな問題がございました。制度自身につきましても、拡大論からあるいは廃止というような非常に幅広い論議もございまして、そこで五十一年の十二月に児童手当制度そのものについての国民の意識あるいは有識者、企業を含めました三本の調査を実施いたした実績がございます。その調査をいたしましている過程でございましたので、実は五十二年度の手当額につきましては、その調査結果を踏まえて考えるという形で額を据え置いたわけでございます。調査をいたしてまいりますると、非常に千差万別の御意見がございますけれども、大半を見ますと児童手当制度そのものにつきましてはまあ私の方は支持されておると、こういうふうに理解をいたしておるわけでございますが、手当の額につきましてはやはり半数が現状でいいと、こういう意識を持っておりますのと、それから少な過ぎるという御意見が実はわりと少のうございまして、全体で見ますと一般世帯調査でも二三%、それから有識者調査でも二七・三%と、こういう数字になっておるわけでございます。こういう調査結果を踏まえまして、今後どうするかということが御指摘の点だと思いますけれども、中央児童福祉審議会に児童手当部会というのがございます。そこで、その調査結果を踏まえまして今後この額についてどうするか、あるいは所得制限をどうするかと、こういう問題について検討してまいりたいと、私どもこのように考えておるわけでございます。
#148
○小平芳平君 行政の運びとしては、審議会の意見を聞いてというふうな答弁になるのでしょうが、大臣としては児童手当を現在一人五千円ということで実施されてきておりますが、本当から言えば五十二年度は六千円に上げたいところだったということでしょうが、いろいろな意見があって、そのまま据え置きということで今回は見送ったと、動かすのを見送ったという経過のように私承知しておりますが、大臣としては児童手当制度をもっと積極的に推し進めていこうというお考えかどうか、いかがでしょうか。
#149
○国務大臣(渡辺美智雄君) これがまあ大変実は議論があったところなんです。御承知のとおり、児童手当というのは第三子から出す。これが産めよふやせよという奨励ということなら、まあだんだん数が多くなれば多くなるほど出すということなんでしょうが、これはいまの時勢には合わない。それじゃあ結局社会保障的なことで困った人に出すと、こういうことであるならば、これは四百五十万なんていう所得制限は高過ぎるんじゃないのかと。実際二百万とか三百万とかで生活保護にはかからないけれども、子供が多くて大変だという人に出すというなら、またその所得制限が四百五十万なんていう所得制限はどうもいかがなものであるかと、こういう議論も実は出ているわけです。どっちにもこれには私はもっともだと思う点がありまして、そういうような点から、ここでそういう議論のあるところを児童手当をふやせば、かなりのお金もこれかかるわけです。厚生省としては他にやらなければならないことが社会福祉の面や何かでもたくさん実際ある。結局は政策の判断、選択の問題というようなことになりまして、それで今回はいろんな世論の調査をしてみたり、専門家の意見を聞いたり、児童手当そのものについてもう一遍再検討してみてはどうだと。その間は前にも後にも退かないということで現状維持でいこうじゃないかというように取り決めた次第でございます。したがって、そういうような意見をさらに聞いた上でどうするかということは今後決めてまいりたい。したがって、いまのところ児童手当をどういうふうに伸ばすかどうかということの結論にはまだ達しておりません。
#150
○小平芳平君 結論には達していないと思いますけれども、何もまだ発表になっておりませんから。この制度審議会が「今日まで据え置かれていることは、理解しがたい。」というふうに意見を大臣あてに提出したのがことしの二月の段階ですから、したがいまして、何らかの結論を出さなくちゃいけないわけでしょう。したがって、五十三年度予算のやがて編成作業というものも始まるでしょうから、そういうことも考えあわせた上で児童手当はまた現状のままでいくか、それとも少なくとも五千円を六千円に引き上げるくらいのことはしようという取り組みをなさるか、その辺のお考えはいかがですか。
#151
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど申し上げましたとおり、省内でも国会の関係や何かで実は議論まだしてないんですよ。いずれ八月には概算要求というようなことにもなってくるでしょうし、予算編成までにはいずれにしても結論を出さなきゃならない問題でございます。しかし、先ほど言ったように、非常に予算の状況も厳しい状況にある。一方、どうしてももっとめんどうを見る、めんどうを見るという言葉はどうか知りませんけれども、もっと手厚くしなきゃならぬという面も必ずこれはある。そういうふうな全体の問題を見まして、限りある予算の中で決めることでございますから、どういうふうにするか、それらの諸情勢を踏まえた上でこれは結論を出すことになるだろうと、かように考えております。
#152
○小平芳平君 現段階ではそういうことでしょうが、ひとつ積極的な推進を私は要望いたします。
 それから、次に年金の支給月が今回の改正で盆、暮れが含まれるようになったという御説明もありましたが、その支給月がそれぞれ違っていて、それで私は昨年の当委員会で年金を審議したときにも問題提起したんですが、この支払い回数ですね、年間支払い回数が四回、三回、二回という非常にまちまちになっているわけでしょう。月給というのは毎月もらうから月給なんですが、しかし、年金生活者にとっては生活のただ一つの糧である、手段である年金の支払い回数というものが四回というと三カ月に一回だし、三回というと四カ月に一回だし、二回なんというと六カ月に一回ですね。これは余りにも、通算年金の人は二回しかもらえないですね。全くもう生活実態を無視した支払い方法がとられているとしか言えないじゃないですか、いかがですか。
#153
○政府委員(大和田潔君) 先生のおっしゃられます年四回の支払いをふやせという、こういうお話でございます。これは確かに外国の例などを見ますと、毎月払いという例が多うございますが、実は私ども全く事務的なことでございますが、現行約四千万件という支払い件数がある。これを毎月払いにいたしますと、一億二千万件というような非常に膨大な件数に実はなってまいります。のみならず、現在の年金、これは非常にスピーディーに成熟化しつつあるわけでございますが、毎年百数十万件ずつ年金受給者もふえておるといったようなことから、私ども検討をするわけでございますけれども、非常にこの回数をふやすということは困難な事情でございますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
#154
○小平芳平君 それぞれの年金がいろんな経過をたどった上でそれぞれの年金制度ができ、そしてまたその都度年間支払い回数というものも検討されて、こういうように決まったわけでしょう。年四回、年三回、年二回、そういうふうに決まったんでしょう。しかし、その当時に比べたら、コンピューターその他事務処理は格段の機械化が進んでいるんじゃないですか。ですから、仮に昭和三十年代とか昭和四十年代にこの年何回払いということが決まった。しかし、その当時は今日から見ると機械化がはるかにおくれていた。しかし、その当時でも年四回払い、三回払い、二回払いというふうに決めたわけでしょう。それを今日これだけ機械化が進んできて、なおかつ全くむずかしい問題だというだけでは済まされないじゃないですか。
#155
○政府委員(大和田潔君) 一つの先ほど年三回と言われましたのは、福祉年金のことだと思いますが、この福祉年金につきましては、実は所得制限、前年度の所得によりまして翌年度の支給を制限する場合がある。したがって、そういった事務がございます。そういったような事務が間に入りますので、どうしても年三回ということでなければできなくなる。これは各県におきます手作業でございますので、そういったようなことになります。
 それから、拠出年金でございますが、ただい生先生のおっしゃいましたようにコンピューターが非常に進んだというお話でございますが、ただこれも年金の実は件数が、先ほど申し上げましたけれども非常に急ピッチで、たとえば昭和四十年、十年ばかり前にはまだ六十数万という件数でございます。それが十年後の現在はその十倍というような数量の六百万件という数量の年金の支給をしていかにゃならぬ。非常に短期間で非常に膨大な数がふえてきておるというようなことでございます。これは現在の年四回払いということでも、実は率直に申しますと私どもの業務課で四苦八苦というような状態でございまして、これをこのまま年金の年金受給者数が百何十万とふえてまいりますと、これを年四回でこなしていくということにつきましても相当な実は無理がある。しかし、これは何としてもこなしていかにゃなりませんのでで、石にかじりついてもこれはやっていくということで、その支払いの方法等につきまして目下検討しておりますけれども、それが現状の年四回でこなしていくのが実は私ども精いっぱいでございまして、まだその回数をふやしていくというところまで手がなかなか届かないというような現状でございます。
#156
○小平芳平君 大臣に伺いますが、いまの御答弁だと、昭和四十年ころは受給者がこのくらいだったと、現在はこのようにふえていると言うけれどど、
  〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕
それはそのくらいのことを予想できなくて年金制度を運用しているんじゃないでしょう。昭和四十年の段階で昭和五十二年になったらどのくらいの受給者が発生するかくらいのことを予想しないで年金制度を運営しているなんていう、そんなことはあるとは思えません。しかし、大臣、それはとにかく受給権者がばあっとふえますから、それの事務に対応する制度なり機械化なりは当然やっていかなくちゃならない、それは大臣ももちろんやりますと、対応していきますとおっしゃると思いますが、私が申し上げている四回はともかく、通算年金の場合、年二回という年金というのは、支払いが年二回というのは六月と十二月と二回しか支払われないんですから、生活実態を無視しているというか、全く年金というものが、要するにもう退職なさった方にとっては年金が生活の費用なんですから、これが月給だって待ち遠しいのに、こんな二回しか支払われないなんというのは、何とかこれは工夫できないもんかというふうに考えられませんか。
#157
○政府委員(大和田潔君) 通算につきましては、従来実は金額も少ないというようなことで推移してきております。これにつきましては各共済組合等とも関連がございます。したがいまして、年金額等のこともございまして、従来二回というようなことでやってきておるわけでございます。
#158
○小平芳平君 だから、金額が少なければなおさらもっとちゃんと支払ってあげなくちゃだめじゃないですか。
#159
○政府委員(大和田潔君) これは共済関係の各省との関係もございますので、そちらの意見あるいはまた支払い窓口であります郵便局の意見等も聞かなきゃならないと思いますが、一つは支払い窓口の問題も実はあろうかと思いますが、その点をなお検討してまいりたいと思います。
#160
○小平芳平君 ですから、大臣にお聞きしているんですよ。通算は郵便局ですか、窓口が。ちゃんと指定された銀行へ入ってますよ。
#161
○政府委員(大和田潔君) 郵便局と銀行とこれは両方とも窓口になっておるわけでございまして、郵便局の場合は約二万郵便局がございますが、そこで、希望する場合は郵便局ということになっているわけです。
#162
○小平芳平君 だから関係ないじゃないですか、郵便局がどうこうということは。ちゃんとこちらで指定したところへ入るんだから、窓口は関係ないじゃないですか。通帳をつくれって言われるんだから、つくったその通帳へ入るんだからら、窓口何の関係があるんですか。大臣ですね、通算の年金の方に、皆さんは額が少ないんですねだから年二回にしますよって、それは逆じゃないですか。むしろ、少なければ少ないほど生活が苦しいんだから、そんなにまとめないで、できることならもっと回数をふやしていくのが、そういう行政が温かい行政と言うんじゃないですか。
#163
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう考え方も一つの私はりっぱな考え方だと思います。私も、実務的のことは詳しくよくわかりませんが、ともかく事務当局としてコンピューター化というものはいまや進めているけれども、全国統一のコンピューターを将来はつけていきたいと、こういうことで目下やっております。そういうものがだんだん実現していきますならば、やはりもう少し分けてやった方がいいに決まっておるわけですから、そういう事務上のさばきというものはなかなか政治的に判断つかないもので、どうしても事務当局が直接現場を担当しておる人たちの意見を聞いて決めておることなので、目下のところやむを得ないのかなと。しかし、それにあぐらをかいておっちゃいけないから、ともかくコンピューター化というものを急いで進めていく必要がある。全国的な規模においてそういうものが機械処理ができるように、体制をつくることが先決じゃないだろうかか、こう考えてやっておるわけでございます。
#164
○小平芳平君 これは政治的に本当に判断すべき問題でない実際の事務処理になりますから、事務処理の問題として考えなくちゃなりませんが、取り組まなくちゃなりませんが、考え方といたしまして、こういういま部長が言うように、通算の諸君は額が少ないんだから半年に一遍にするからがまんしろと言うことは、いかにも、何というか、お役所式といいますか、その考え方ですね。むしろ、ゆとりのある人だったら半年に一回でもいいかもしれませんけれど、額が少ないとは言いながら、とにかく保険料を払い、やってきた方たちなんですから、それを、少ないから半年に一回にするのが当然だみたいな考え方は私はおかしいと思うんですよ。いかがですか。
#165
○政府委員(大和田潔君) 実は要望といたしましては、通算年金も額がだんだんふえてきておる。したがって、むしろそこで四回払いをしてほしいという要望は、実は私どもそういう形で聞いております。したがいまして、私ども手をこまねいているわけではございませんで、事務的に何とかなればというような気持ちは十分あるわけでございまして、ひとつその点御了解いただきたいと思います。
#166
○小平芳平君 どうも、額が少なければ二回でいいんだと、額がふえてきたら四回にしようかというような、それがどうもおかしいと思うんですがね、どうですか大臣。考え方を私は言ってるんですよ。
#167
○国務大臣(渡辺美智雄君) 額が少なければ一回か二回でいいという言い方は適当でないと、あるいは思います。しかしながら、またそれじゃ、非常に細かに毎月みたくしたらいいのかという極端なことを申しますと、非常に零細な金額になってしまうと、こういうこともございますから、そこらのところは両方相まって、二回では足らないということであれば、事務量がさばけるような状態にして、それは回数を適当な回数にするということは私は結構なことだろう。問題は、金額の問題もさることながら、やっぱり事務量の問題が私は一番のネックになっておると、かように思っております。
#168
○小平芳平君 それじゃ、通算は月割りにすると零細になると言うけれども、幾らですか。月割りにしておよそのところ。
#169
○政府委員(大和田潔君) 通算老齢年金の額が五十一年十月末で一件当たり月額が七千五百四十一円ということになっておりますので、それが一カ月当たりでございます。月額の金額ということでございますので。
#170
○小平芳平君 それは、七千円というのはどういう場合の七千円ですか。
#171
○政府委員(大和田潔君) 通算老齢年金の五十一年十月末現在におきますところの平均月額と、こういうことでございます。
#172
○小平芳平君 私の知っている人は七千円という金額じゃない、もっと多い金額ですがね。それはいいといたしまして、先ほど来何回も繰り返しますように、額が少ないほど生活は苦しいということを頭に置いて運営してもらわないと困ると申し上げておるんです、先ほど来。
 それから次に、今度は援護法についてですが、まず、この援護法の関係では具体的に――これは埼玉県本庄市の田沼彦平さん。この方が請求をし、そして、却下されたのですが、この方のちょっと経過を簡単に御説明してください。
#173
○政府委員(出原孝夫君) 申請者の田沼彦平さんは、戦没者陸軍兵長田沼弘さんの事実上の父である、奥さんとあわせまして父母であるということでの御申請でございます。昭和四十二年の十一月に遺族年金の請求がございまして、四十八年の五月にこれが却下になっております。なお、五十年の四月に異議の申し立てが厚生省で受理されまして、五十一年の三月二十六日、援護審査会に諮問をいたしまして、異議の申し立てについては棄却、要するに申し立ての趣旨は通らないということでの棄却が決定されておるケースでございますす。
#174
○小平芳平君 この陸軍兵長の一青年が戦病死なさった。そして、いろいろな証明を出しなさいということでいろんな証明を出しましたが、なかなか結果がわからないものですから、いろいろ厚生省へ聞きに行くと、この隣家ですね、隣の家の証明書を出しなさいとか、区長の証明書を出しなさいということを厚生省が言ったということは、実際に彦平さんがこの亡くなった弘さんの親がわりとして実際やっていたかどうかという、そういう証拠を出しなさいと言ったわけでしょう。ですからそれはどうなったんですか。
#175
○政府委員(出原孝夫君) 田沼彦平さんの申し出の趣旨は、彦平さんのお姉さんに生まれた弘さんにつきまして、お姉さんがよそのうちに嫁に行ってしまわれた後、その弘さんをずっと養っておったということで申し立てがあったわけでございます。援護法の第二十四条三項第四号に言う事実上の養父母であるということにつきましては、この法律で言う事実上の養父母であることを具体的に明らかにする必要があるわけでございます。そういう意味で事実上の養父母であるかどうかということを立証するために、いろんな形で県を通じまして、あるいは本人がお見えになったことについては、私、直接は承知いたしておりませんが、いろいろ御助言を申し上げるということで、できるだけ資料を探して御本人が受けれるものならそのようにということがあるわけでございます。その結果としまして、事実上の養父母とは認定しがたい、こういうことになったわけでございます。
#176
○小平芳平君 事実上の養父母でないというと、それじゃ事実上だれが育てたんですか。
#177
○政府委員(出原孝夫君) 援護法の二十四条第三項四号に言います事実上の養父母といいますのはは、要約をいたしますと、法律上の養父母とは言えないけれども、生活の実態としてその戦没者との間に物心両面にわたり実の親と同様の関係が意識、生活関係あるいは将来の抱養の期待等を含めて実態がございまして、単に法律上の養父母、養子の形式上の手続がとられていない。しかし、実態はまさにそのとられるべき状態に近かったというようなものについて、処遇の対象とするわけでございます。この申し立て人の彦平さんにつきましては、お姉さんの置いていかれた子供を養っていかれた。その間に非常な温かい情が親戚としてあったということは事実であろうと思いますが、一方、申し立ての彦平さんにはみずからの子供さんたちもございます。で、結局、推定されるところは、御当人が当時家督相続人としてお姉さんのお子さんを引き取られたということはありますけれども、この戦没者を養子にするということはできる状態でもございませんでしたし、そういう形での話ではないというように、これは最終的には援護審査会の認定にかかわる問題でございますが、援護審査会の方でそのような御認定をなさった、こういうことでございます。
#178
○小平芳平君 養子にするという環境になかったということですが、実際上幼い弘さんを引き取って育て、それで学校も卒業させ、そして兵隊に行って、そしてその間ずっと彦平さんが見てきたわけですが、そういう関係は認めないんですか。いま私の言ったそういう関係は認めているわけでしょう。実際上、幼い弘さんを彦平さんが引き取り、そして学校も卒業させ、そして兵隊に出してやったということは認めているわけでしょう。したがって、この弘さんが亡くなったんですから、どうして彦平さんに遺族としての扱いができないんですか。
#179
○政府委員(出原孝夫君) 援護法の二十四条におきまするこの趣旨は、届け出が未了等の理由で、法律上親子ではないけれども、事実的にはもうそれに近い状態にあったというものを援護しようという趣旨のものざございまして、御指摘のような場合には、当時者間において非常な深い精神的なつながりはあったにしましても、これを親子の関係と同等に見ることは無理であるというのが援護審査会の御判定の一般的な通念でございます。
#180
○小平芳平君 それは弘さんという子供は、事実上その辺へほったらかしておいて、一人で勝手に育って、一人で勝手に小学校へ通って、それで一人で勝手に兵隊に行ったんじゃないわけですよ。それは実際上めんどう見てくれる人がいたから成長もし、学校も卒業し、兵隊に行ったんじゃないですか、そうでしょう。
 その辺は幾ら言っても、そう決定になったと言うから、次の機会に、また別の機会にこれはひとつもう少し研究したいと思っております。
 もう一人の方は、長野県諏訪郡富士見町というところに住んでいらっしゃる山本美知子さん、この方の請求はどうなっておりますか。
#181
○政府委員(出原孝夫君) 請求者は、実母の山本静江さんでございます。山本静江さんが自分の亡くなられた戦没者の次郎さんにつきましての年金の請求をしておられるわけでございますが、昭和四十九年の十月に長野県が受け付けまして、厚生省に進達されましたのが五十一年の一月でございます。同年の八月に厚生省が審査をいたしておりましたが、資料が十分整っておりませんので、一応長野県にお返しをしまして、現在長野県の方において御当人と当たって資料を整理してもらうように私どもの方からお願いをしておるケースでございます。
 なお、問題点を申し上げましょうか。
#182
○小平芳平君 はい。
#183
○政府委員(出原孝夫君) 問題点を申し上げますと、請求者のお母さんの静江さんと亡くなりました次郎さんとの関係、間柄において生計維持の関係があったかどうかということがポイントでございます。この方々につきましては、請求者の静江さんは日本の内地におられまして、戦没者は外地においでになったようでございます。外地で結婚をして子供さんを設けておられているようでございますので、この間におきまして特に静江さんには戸主の長男もおられますので、次男の次郎さんとの間に生計維持の関係があったかどうかということの事実認定が必要になります。それについての資料を求めておるわけでございますけれども、それがなかなか得られないんではなかろうかというように思います。
#184
○小平芳平君 この方が、山本静江さんが書類を出されたのは町役場へ出したわけですが、もう何年にもなっているわけですが、もう少しスムーズにいかないんですか。
 それから、先ほどの方の場合ですね、田沼彦平さんの場合、じゃ、ちょっと申請を出してからどれだけかかっておりますか。分けまして、田沼彦平さんの場合は申請を出してからどれだけの期間かかかったかということがいまわかりますか。
 それから、この山本静江さんの場合は、役場へ申請を出してからもう何年かかっているかということがわかりますか。
#185
○政府委員(出原孝夫君) 田沼さんの場合は、先ほども申し上げましたが、昭和四十二年に請求がございまして、四十八年に却下をするまでに六年間かかっておるわけでございます。これについては、その間の事情つまびらかにいたしませんが、相当な往復はあったはずでございます。
 それから、山本静江さんのケースにつきましては、昭和四十九年に県で受け付けておりますが、ちょっとその先私どもの方でつかまえておりません。五十一年に厚生省が受け付けましてから一度県にお返しするまでに七カ月近くかかっております。これはもう具体的なケースとして先生から御指摘をいただきましたので、私どももまだ完全に追いかけ切っておりませんが、年配の、もう八十を過ぎた方のことでございますので、結論は私どももこれは急ぐ必要があるというように考えております。
#186
○小平芳平君 まあずいぶん何十年前のことだから、手間取ると言えば手間取るんでしょうが、田沼さんの場合、六年かかるというようなことですね。そうすると、山本さんの場合も町へ出したのは大分前だと言っておりますですがね。しかも、役場でも県でもしばらく書類の下にただ積んでおいて、そしてそのうちに係が変わってしまったりして、ですからもう少しスムーズに事を運んでほしいということが共通しての希望ですが、いかがですか。
#187
○政府委員(出原孝夫君) 御指摘のようなことにつきましては、私どももできるだけそういうことのないようにということでの努力はしてきておるつもりでございますけれども、御指摘のようなケースがやはり出てきておるということも、私ども否定できない事柄であろうと思います。
 一つは恩給と比較をいたしましても、私ども扱っております援護法の対象になられる方につきましては、名簿の整理あるいは履歴の整理等が軍人と比べてむずかしゅうございます。そういう意味でかなり長くかかるケースはあるわけでございます。
 それから一つは、私どもの方の地方を含めまして、あるいは不心得なケースもあるかと思いますけれども、全般的には職員の方々も、できるだけ御本人の身になっていろいろ資料をそろえてみようということがございますので、そういう意味でかえって時間を長引かせておるということもございます。机の中にしまっておられるというケースも、私ども否定できないと思いますので、これはできるだけそういうことのないように私どもも注意をいたしたいと思っておりますけれども、そういった関係がありまして、すぱっと否決あるいは却下をしてしまうというようなことをためらって、さらに遅くなっておるというケースもかなりあるやに承知をいたしておりますので、両方直すべきところは私どもも今後直してまいりたいと思いますが、そういった面もございますので、御了察をお願いいたしたいと思います。
#188
○小平芳平君 これで私の質問終わりますが、特に係の人が本人の身になって世話してあげようという、あるいは却下するという簡単な結論を出すんじゃなくて、なるべく申請してこられた方の身になって書類をそろえようということは非常に必要なことだし、また申請者にとってはありがたいことでありますが、しかし私が聞きます簡囲では、たとえばこの六年というのは長過ぎますね、いずれにしてもね。恐らくこの山本静江さんが役場へ出してからも五年くらいもうたっているかとんうんです、本人もよく記憶がないと言っている思ですけれどもね。ですから、それでもう幾らたっても返事がこないから出かけて行くと、書類の下になっていたとか机の中に入っていたとか、あるいは係が変わっていたとかっていうふうな、五年かかるとか六年かかるというふうなことになると、そういうふうになりがちなんですね、どうしても。で、係も変わるわけでしょう、実際問題。五年、六年同じところに座っているという人の方が少ないかもしれないですから。ですから、そういう点の不信といいますか、何をやっているかわけわからない。とにかく、役所というのはのんきなもので困ったもんだというような、そういう扱いにならないようにやっていただきたい。
#189
○政府委員(出原孝夫君) 御指摘の点につきましては、私どもも十分心すべき事柄でございますので、中央、地方を通じまして趣旨の徹底はさらに図ってまいりたいと思います。
    ―――――――――――――
#190
○理事(浜本万三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、橋本繁蔵君が委員を辞任され、その補欠として大谷藤之助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#191
○小笠原貞子君 経済の福田さんが総理大臣になられた。長引く不況インフレも少しはまともになるんじゃないかと、素直な国民はそういうような期待を持って暮していたわけですけれども、御承知のようにさっぱりこの不況とインフレというのは治らない。そしてまた、最近特に目立っているのは、魚転がしと言われるように魚の値段もまたばかに高くなっていく。こういう生従の中でいつでも谷間に落ちて日の当たらない人たちと言えばやっぱりお年寄りだと思うんです。で、年金の問題でお伺いしたいわけですけれども、まずその前に私、大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、
  〔理事浜本万三君退席、理事佐々木満君着席〕
いま時差出勤というのじゃなくて、時差食事というのがあるのですよ。そんなことお聞きになったことありますか。なきゃないでいいんです、きっとないと思う。
#192
○国務大臣(渡辺美智雄君) ございません。
#193
○小笠原貞子君 そうだと思うんです。もう大臣だけじゃなくて、ここにいらっしゃるお役所の方も、またわれわれもちょっと考えられないようなことなんですけれども、つまり時差食事と言いますのは、やっぱり切り詰めていかなきゃならない、もう衣類や何かというのはもちろん切り詰める、だけれども、いよいよ食品まで切り詰めなきゃいけないというので、食事を時差食事にするわけです。つまり一番先に食べるのは子供に食べさすわけね、やっぱり親だから。そして、残った魚の頭だとかしっぽだとか、ちょっと食べ残したところを親が食べる。それで、いいよいいよ、まずおまえお上がりと言って食べさして、残るのはお年寄りなんですね。そういう食事を時差食事をしているというのが、この日本にあるんだということね。やっぱり先ほどからの御質問と御答弁を伺っておりましたら、いや話はわかるというふうにわかっていただけると思うんだけれども、やっぱり頭の中だけのわかり方なんです。私も方々歩きまして、そして表見れば華やかだし、不況だ何だと言ったって本当にそんなことがあるのかと思うような事実があるわけなんです。しかも、そのお年寄りが、最後に回されてというお年寄りが、それじゃ年金ではどうなのかと言えば、あれば入りたかったのに国の制度のおくれで入れなかったのだというお年寄りが多いわけですね。そして、そのお年寄りたちがどういう業らしをしていたかと言えば、また援護法のところで伺いますけれども、あの第二次世界大戦のときにさんざ苦労された、そしてその後いまなおその苦労はお年寄りの方にかかったきり。だから、私は老人団体やお年寄りの方々が、せめて建三万円欲しいという声は、これは本当に物は聞いていただきたいと思うの。そういう国民の声というのにどうこたえるかというのが、理屈抜きで政治の姿勢をあらわしていると思うんですよ。四十八年と言えば石油ショックのときだったのですけれども、そのとき政府は福祉元年と言われたわけですね。福祉元年と言われて確かに手直しはされました。そして、今年度見ても一万三千五百円から福祉年金一万五千円に確かに上がっています。二カ月早まっています。しかし、いま私がお願いしたいのは、
  〔理事佐々木満君退席、理事浜本万三君着席〕
前に比べていいというのじゃなくて、いまこれで戦中苦労し、戦後また年老いて先の見通しが本当に短くなったお年寄りたちに、これでどうしていいと言えるだろうかと、こういう立場に、頭じゃなくて本当に心情的に国民のお年寄りの願いというものを考えてもらいたいと思うんです。そして、それについて、いやよくわかるんだけれども財源が問題だと必ずお答えになると思うんです。それじゃ、確かに財源が大変だと思いますけれども、これからの福祉年金の受給者というのは減る一方ですね、数字出されているのを見ましても。この老齢福祉年金を受けられるのが五十二年度三百九十一万人ですよ。六十年度になると百九十八万人、六十五年になると八十七万人、がたっと下がっていくわけですよね。つまり、受給者というのは十年後にはもう半数以下になるということは明らかなんですね、これ寿命がきちゃうわけだから。そうすると、予算規模を変えなくても十年後には実質二倍だという給付ができるということが、これも先ほどから出たし、新聞なんかでも言われているけれども、このあたりまえのことをなぜやってもらえないんだろうか。そういうことを本当にこれから、今年は無理でも来年度何とか考えたいというような、そういう姿勢で物を考えていただけるのかどうか、まずその姿勢についてお答えをいただきたいと思います。
#194
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生御承知のように、われわれもできるだけ年金は充実させたいと、かように思っているわけです。ですけれども、財源の問題を言うとまたしかられますが、これはないものはなかなか出せない。現実的にことしもともかく税金が取れない。八兆円から公債を出しておる。そのうち半分は赤字公債、公債のうち半分は、約四兆円ぐらいは赤字公債。で、一万五千円の福祉年金というのは、これはまるまる国費で出しているわけですね。千円上げると約六百億円、二万円にしろということになると三千億円と。三千億円だけでとまらないわけですね、これは。なぜとまらないかというと、一万五千何がしかという五年掛けた人がいるわけですから、掛けない人が上になっちゃえば掛けた人怒りますからね、この人をもっと上にしなければならない。五年年金と十年年金、頭が同じくなれば、十年も掛けて何で五年の人と同じなんだ、そんなばかなことがあるかと、こうなりますわな。二十年掛けた人はもっと上になりますね。ですから、そういうような点を考えるというと、まあ六百億だけで済む話ならわれわれも千円ぐらいよけいにふやしてもいいし、三千億円だけで済む話ならということになりますが、とてもとても横並びの問題があるからそれじゃ済まない。ということになると、結局は財源の問題にぶつかってしまうと、こういうことなんですよ。したがって、またその福祉年金というのは、御承知のとおり億万長者であったってもらえるんですよ、これは。財産があったって所得がなければいいんですから、財産イコール所得とは限らない。まして分離課税というようなことになりますと、ともかく預金があっても申告する必要はないということになれば、所得の捕捉というのはできない、実際は。というようなことなどで、大蔵省のように、とにかくだんなが三百万円以上持っている人は年金やめちゃえと、家族全体でともかく七百万円持っている人はそれは福祉年金やめちまえというのが大蔵省の原案だったですね、最初に。そう急激にしかしそんなことで、一遍くれたものを急にそんなこと言ったって、なかなかこれは理屈は簡単だけれども現実はむずかしい、現実は。そういうようなところから、まあ今回は所得制限という問題について根本的なメスは入らなかったのは事実です、それは。事実ですが、結局、問題は比較の問題で、財産があってももらっておる、もらえるという現状のままでは、そいつを大幅にふやすということは、実際問題としてこれは財源的にも問題があるし、ほかとの比較のバランスの問題もあって、なかなか一挙にふやすということは言うべくしてむずかしいことでございますと、こういうことなんで、まことにこれはまたおしかり受けるのかもしれませんが。
#195
○小笠原貞子君 むずかしいというのはよくわかります。だけれども、そこのところをむずかしいからといって黙っていられたら、これは本当にもうお年寄り大事にできないわけですから、だからこの問題はまた大きい問題ですから、前段としての姿勢を伺ったわけで、まあ余りいい姿勢じゃないなということがわかったので、これでこの辺はとめておきます。
 さて、財源の問題について後でまたやりますけれども、遺族年金の問題でちょっと伺いたいんです。遺族年金の給付率が五〇%というふうになっておりますですね。一人口なら食べられないけれども二人口なら食べられるということわざ、大臣も御承知だろうと思いますけれども、一人の生活費というのは二人でできた分の半分で済むなんというものじゃないですね、生活費になってくれば。そうすると、生活保護なんかの場合でもこういうたてまえに立っていないということから考えれば、これはちょっと五〇%という割り切り方というのは現実ではない。やっぱりそこのところで給付水準の引き上げということを当然考えていただかなければ、これはもうとてもやっていけない。そう給付水準の引き上げについてはどういうふうに考えていらっしゃるか。
#196
○政府委員(木暮保成君) 遺族年金の給付水準でございますけれども、これは前々から充実してほしいという要望があり、私どもも現在の形でいいと思っておりませんでしたので、昨年の改正で寡婦加算ということを新しく行いまして、老齢年金の五割という原則は崩しませんでしたけれども、未亡人が子供二人を抱えております場合には月額で五千円一それから一人の子供を抱えております場合には月額で三千円、さらに子供はなくても未亡人が高齢になっておりますときにはその月額で二千円を加算する制度をつくりまして、水準が上がったというふうに考えておるわけでございますす。しかし、この遺族年金につきましては、私どももさらに検討を続けていきたいというふうに考えておるわけでございますが、なかなかむずかしい点もございまして、いま御質問でもございましたように、共通経費というようなものも考えなければならないといたしますと、十万円の年金のうちいまの考え方では五万円が夫の分、五万円が妻の分。夫が死ねば五万円でいいじゃないかということでございますけれども、共通経費というものもあるとするならば、たとえば十万円のうち五万円が共通経費で、あとの半分を二万五千、二万五千づつ夫の分、妻の分ということになろうかと思いますが、そういう考え方に立ちますと、夫が死んだ場合に共通経費の五万円と妻の分の二万五千円で七万五千円と、こういう形になってくると思います。それは逆に申しますと、独身の場合あるいはまた妻に先立たれた場合の給付水準は七万五千円でもいいんじゃないかという、給付の全体の立て方の問題にひとつなるわけでございます。
 それからまた、これは事実問題でございますけれども、現在サラリーマンの妻の方が六百万人も国民年金に任意加入をいたしておるわけでございます。したがいまして、そういう婦人の年金水準というものは、現実の問題としまして夫の年金から出てまいります遺族年金と、自分で任意に入っておられる国民年金と、老齢年金をあわせて考えなければならない、そういう大きな問題があるわけでございます。そこら辺をよく検討してまいりたいというふうに考えております。
#197
○小笠原貞子君 確かに寡婦加算ができて、大分実質的には上回ってきたということは認めるわけです。ILO百二号条約で遺族年金が四〇%ということになっていて、日本のいまの水準でこういってみると寡婦加算を加えて、いまおっしゃった、やっとそこのところに近づくという段階になってきている。これはもう本当にいいととだと思うんですよね。しかし、来年度から今度スライドされていくというふうになってきますと、四〇%ずっと割っていきますよね。寡婦加算の方は率で上げてないですね。これは額で決めているから。そうすると少なくとも今年度は上がらなかったけれども、率で上げるというのはむずかしくても、この寡婦加算の方の額を来年度も少し上げていこうと、その次も少し上げていこうというようなことは、やっぱり考えてしかるべきではないかというふうに思われるんですけれども、そういうようなお気持ちおありでしょうか。
#198
○政府委員(木暮保成君) 現在、基本年金につきましては物価スライドという法律上の規定がございまして、毎年物価に合わせていくわけでございますが、諸度できました寡婦加算、それからまた従来からございます加給年金、妻一人につきまして建額六千円でございますか、あるわけでございますが、そういうものにつきましては、財政再計算のときに見直しをするということにいたしておるわけでございます。加給年金につきましても寡婦加算につきましても、先ほど申し上げましたようないろいろ妻の年金のあり方という点で問題がありまして、私ども検討を進めてまいりたいと思うわけでございますが、その間と申しますか、従来どおりの財政再計算のときの手直しということでまいりたいと現在考えております。
#199
○小笠原貞子君 それじゃこの寡婦加算の額というのは、絶対もう上げないというのじゃなくて、やっぱり年次検討していくという課題として扱っていただけるわけですね。
#200
○政府委員(木暮保成君) 少なくとも財政再計算のときには見直しをする必要があろうかと思っております。
#201
○小笠原貞子君 先ほどからやっぱり年金になるとどうしても財源がかかってまいりますし、私たちも財源がないのに無理に出せなんというむちゃなことは言ってないわけですね。先ほど大臣が所得が多い金持ちでも年金もらえるんだというような点では不合理だと、私もそう思いますよね、だから、それをどう切るかということになると、これまた非常にむずかしいというわけです。そこでで、むずかしくなくて財源取れる方法というのをやっぱり考えなきゃならない。そういうことから考えますと、私たち共産党は高額の所得者から年金特別税というのを新設して、そして年金の税金を故人に入れるという考え方にしなければ、いまの得度のままで引き上げろ、いや財源がありませんと言ったら、これは繰り返しですよ。だから、何かそこで財源の新しい方針を見つけていかなかったら、財源だけを幾ら大臣努力なすったって努力しようないと思うんです。その年金特別税なんというのは、これは本当にやっぱり高額の方からきちっとたくさん取れるというような形であれば、不公平是正にもなるし、財源に考えるべき問題ではないかと思うんですけれども、そういうことをやってみるお気持ちありませんか。
#202
○政府委員(木暮保成君) 現在、国民年金につきましては、すでに三分の一の国庫負担が入っておるわけでございます。原則三分の一でございますが、そのほかに五年年金、十年年金というような経過年金につきましてはかさ上げを行っておりまして、そのかさ上げの二人の一の国庫負担をいたしております。したがいまして、それをならしますと約四割の国庫負担になっておるわけでございます。厚生年金につきましても二割の国庫負担が入っておりまして、いずれも税金を財源とする一般会計から繰り入れておるわけでございます。これは世界各国を調べましても非常に高い国庫負担でございますので、国庫負担をこれ以上ふやしていくというのもなかなかむずかしい問題があるのじゃないか。今後の年金財政というのは、やはり国民の御理解を得ながら保険料を増額していくということを基本としてやっていかなければならないんじゃないかというふうに考えております。
#203
○小笠原貞子君 だから、保険料を増額していかなけりゃならないから、特別年金税という税金をかけて国民から負担してもらうという意味なんですよ、私が言ったのは。
#204
○政府委員(木暮保成君) 繰り返しになりますけれども、現在すでに国民年金について見ますと、四割、それから厚生年金も二割の国民負担が入っておるわけでございます。これは税金の費目は別といたしまして、すべて税金から繰り入れているということになるわけでございますんで、国庫負担の繰り入れ状況をこれ以上ふやすということは無理じゃないかと、こういうふうに考えているわけでございます。
#205
○理事(浜本万三君) ちょっと緊急に理事懇、理事会開きまして相談したいことがございますのでで、暫時休憩をさしていただきたいと思います。
   午後二時四十八分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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