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1976/06/09 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第13号
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1976/06/09 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 社会労働委員会 第13号

#1
第080回国会 社会労働委員会 第13号
昭和五十二年六月九日(木曜日)
   午後三時二十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     戸塚 進也君     鹿島 俊雄君
     中村 登美君     橋本 繁蔵君
     堀内 俊夫君     玉置 和郎君
     福岡日出麿君     森下  泰君
     福井  勇君     今泉 正二君
     橋本  敦君     沓脱タケ子君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     長谷川 信君     矢野  登君
     片山 甚市君     宮之原貞光君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     長谷川 信君
     宮之原貞光君     片山 甚市君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     森下  泰君     宮田  輝君
     徳永 正利君     中村 太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上田  哲君
    理 事
                佐々木 満君
                丸茂 重貞君
                浜本 万三君
    委 員
                上原 正吉君
                小川 半次君
                鹿島 俊雄君
                中村 太郎君
                長谷川 信君
                宮田  輝君
                片山 甚市君
                田中寿美子君
               目黒今朝次郎君
                内田 善利君
                沓脱タケ子君
                内藤  功君
                柄谷 道一君
   国務大臣
       労働大臣臨時代
       理        田村  元君
   政府委員
       厚生大臣官房長  山下 眞臣君
       労働大臣官房長  石井 甲二君
       労働大臣官房審
       議官       松尾 弘一君
       労働省労働基準
       局長       桑原 敬一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○老人医療の有料化反対に関する請願(第一号)
○労働基準法の改悪反対、母性保護の権利拡大強
 化に関する請願(第二号外八件)
○保育事業振興に関する請願(第八号外六二件)
○国の保育予算の大幅増額等に関する請願(第三
 四号外一〇四件)
○老人医療有料化に反対し医療制度拡充に関する
 請願(第三八号)
○老人医療費の有料化に反対し現行制度の改善に
 関する請願(第三九号外五三件)
○国の保育行財政の改善に関する請願(第六〇号
 外二二件)
○個室付浴場業(トルコぶろ)をなくすため公衆
 浴場法の一部改正に関する請願(第八〇号外七
 七件)
○成人病予防法(仮称)の制定に関する請願(第
 一三四号)
○老人医療費支給制度の充実に関する請願(第一
 三五号)
○老人医療の有料化反対等に関する請願(第一六
 一号)
○腎臓病患者の医療と生活の改善に関する請願
 (第一六九号外一〇件)
○国民健康保険料(税)の引上げ反対等に関する
 請願(第一九〇号外二〇件)
○インフレ・国民総負担増と失業に反対し、社会
 的諸制度改善による国民生活の安定に関する請
 願(第二三一号外三一三件)
○業者婦人の健康と母性の保護に関する請願(第
 二四三号外五件)
○柔道整復師法一部改正に関する請願(第二五四
 号外一件)
○中国残留日本人肉親探し並びに里帰り・永住帰
 国に関する請願(第二六六号外四二件)
○ハンセン氏病療養所の医療の充実、整備の促進
 に関する請願(第二七九号外一九件)
○全国一律最低賃金制の法制化等に関する請願
 (第三一一号外一件)
○建設国民健康保険組合に対する国庫負担の増
 額・法制化に関する請願(第三二一号外一二八
 件)
○母子家庭の母等の雇用促進法制定に関する請願
 (第三三四号)
○難病対策特別措置法制定に関する請願(第三三
 五号)
○原子爆弾被爆者の援護法制定に関する請願(第
 三四三号外三二件)
○国民健康保険の抜本的改善に関する請願(第三
 七〇号外三件)
○乳幼児医療無料の制度化に関する請願(第三七
 四号外一件)
○生協規制反対等に関する請願(第四一〇号外二
 件)
○基準看護指定病院に入院した患者に対する付添
 看護婦等の許容基準の改正に関する請願(第四
 四五号外一件)
○労働大臣許可看護婦家政婦紹介所を人材事業化
 し、個人雇用社会にある看護婦、家政婦に対す
 る労働保険適用措置に関する請願(第四四六
 号)
○精神衛生法の改正に関する請願(第五〇二号外
 一件)
○難病対策に関する請願(第五〇三号外一件)
○インドネシア地域等にある戦没者の遺骨収集に
 関する請願(第五五二号)
○国民健康保険の臨時財政調整交付金の拡充に関
 する請願(第五九四号)
○国民の社会福祉実現に関する請願(第六一一号
 外六八件)
○被爆者援護法制定に関する請願(第八六四号外
 五件)
○被爆者援護法の制定等に関する請願(第八七五
 号外八件)
○医療保険の大改悪反対等に関する請願(第八八
 四号外二三件)
○全国一律最低賃金制確立、雇用・失業保障制度
 等の抜本改善に関する請願(第九八九号外三四
 五件)
○療術単独立法阻止に関する請願(第一一三六号
 外一件)
○大腿四頭筋短縮症「患者」救済に関する請願
 (第一二二四号外三六五件)
○社会保障対策の充実に関する請願(第一三八六
 号外二五件)
○障害者・児の生活の保障等に関する請願(第一
 四七二号外一二件)
○希望する障害者の仕事と生活の保障に関する請
 願(第一四七三号外五件)
○名瀬市生活保護級地の引上げに関する請願(第
 一五七六号)
○「福祉の町づくり」のため国の法制化に関する
 請願(第一六八七号外三件)
○サッカリンの即時全面禁止に関する請願(第一
 六九六号外四件)
○生理休暇を有給で必要日数を保障することの請
 願(第一七一〇号)
○年金改善、高齢者医療の確立に関する請願(第
 一七七七号外六三件)
○健康保険法の一部改正案反対等に関する請願
 (第一八六四号外一九件)
○社会保険診療報酬の引上げ等に関する請願(第
 一八六五号外一五件)
○老人医療費無料化制度の改善に関する請願(第
 一九〇二号)
○老人医療費の有料化と健康保険の改悪反対並び
 に医療の改善に関する請願(第一九五〇号外一
 件)
○老人医療費の有料化反対、現行制度の改善に関
 する請願(第一九五一号)
○季節労働者に対する雇用保険の「九十日支給」
 の継続に関する請願(第一九八九号外一件)
○労働基準法の改正とILO条約第百十一号、第
 百三号、第八十九号の批准に関する請願(第二
 〇八七号外一八二件)
○医療保険制度の大改悪反対等に関する請願(第
 二一一六号外一八七件)
○雇用保障・労働時間短縮、全国一律最賃制及び
 労働基本権確立に関する請願(第二四一三号外
 二件)
○保育器障害をなくし、障害児(者)の生活・教
 育・医療の改善に関する請願(第二四二二号外
 二一件)
○医療保険制度の改悪反対等に関する請願(第二
 四九四号外一〇件)
○生活保護基準の引上げと制度改善に関する請願
 (第二六〇二号外一件)
○国立大田病院の医療改善のために五十二年度定
 員での大幅な増員に関する請願(第二六八一
 号)
○労災認定行為に対し、事業主側にも不服申立で
 きるよう法の改正に関する請願(第二七七一
 号)
○じん肺法の一部改正に関する請願(第二九七〇
 号外一二件)
○交通遺児の母親の雇用確保に関する請願(第二
 九九一号)
○母性保障についての法の改正に関する請願(第
 三〇二七号外九七件)
○増員をはじめとする労働行政体制確立に関する
 請願(第三〇六一号外九七件)
○病院の診療報酬引上げに関する請願(第三二〇
 四号外一九件)
○母性保障基本法制定に関する請願(第三五一九
 号外一八件)
○全国一律最低賃金制確立に関する請願(第三五
 二一号外二二件)
○水道事業に係る国庫補助率の引上げ等財政措置
 の強化に関する請願(第三六六六号)
○健康保険制度(法)改正に関する請願(第三七
 九二号)
○日雇健康保険制度の改善に関する請願(第三七
 九五号外五件)
○全国一律最低賃金制と雇用保障制度確立に関す
 る請願(第三八二一号外二件)
○歯科医療の確保と改善に関する請願(第三八四
 九号外三八件)
○冬期暖房料についての療養担当手当規則を東北
 その他の寒冷地に適用することの請願(第三八
 五〇号外二件)
○健康保険の改定反対に関する請願(第三九一七
 号外三件)
○医療保険の改悪に反対し、現行諸制度改善に関
 する請願(第三九四五号)
○雇用安定基金制度の実現等に関する請願(第三
 九四七号)
○学童保育制度の拡充に関する請願(第四二九五
 号外一件)
○「母性保障法」の制定に関する請願(第四七一
 〇号)
○療術の制度化に関する請願(第四八四六号外一
 四件)
○健康保険改悪に反対し、国庫負担増額に関する
 請願(第四八六一号外一件)
○国立療養所畑賀病院の医療改善等に関する請願
 (第四九〇〇号)
○重度戦傷病者と家族の援護に関する請願(第四
 九一七号外一三件)
○タール系色素をはじめとする食品等の着色料及
 び防腐剤追放に関する請願(第五〇六四号外三
 件)
○生協への規制を取りやめ、生協運動助成強化に
 関する請願(第五〇八四号外二件)
○健康保険法の改悪反対等に関する請願(第五一
 五五号)
○国立寺泊療養所の整備に関する請願(第五一五
 六号外二件)
○季節労働者に対する雇用保険の「九十日支給」
 及び生活保障に関する請願(第五二三九号外三
 件)
○健康保険改悪に反対し、健康保険・共済組合
 (短期)・国民健康保険制度改善に関する請願
 (第五四〇九号外二件)
○雇用保険法に「九十日支給」の特例等に関する
 請願(第五四三四号)
○難治性患者、職業病患者の医療と生活に関する
 請願(第五四三七号外九件)
○全国一律最低賃金制法制化等に関する請願(第
 五五三三号外二件)
○健康保険法の一部改正案に反対し、社会保険診
 療報酬の引上げに関する請願(第五六〇六号外
 一件)
○働く婦人の権利拡充と福祉対策の強化に関する
 請願(第五六一三号外四件)
○医療保険制度の改革に関する請願(第五六一七
 号外二二件)
○医療保険制度大改悪に反対し、国民が安心して
 良い医療を受けられる制度創設に関する請願
 (第五六三四号外四件)
○安心して子どもを生み育てられるよう母性保護
 の強化に関する請願(第五六四七号外二件)
○老人医療費の有料化に反対し、現行制度の改善
 等に関する請願(第五六五〇号外一件)
○公共職業安定所の組織の拡充に関する請願(第
 五六七一号外一件)
○障害児保育の充実改善に関する請願(第五七四
 二号外二一件)
○戦時災害援護法制定等に関する請願(第五七五
 九号外五件)
○国立浜田病院を地域の医療需要(救急老人医療
 を含む)に対応できるような医療機関としての
 整備、拡充等に関する請願(第五七七〇号)
○合成甘味料サッカリンナトリウムに関する請願
 (第五七九八号外一件)
○犬の登録手数料引上げ等に関する請願(第五七
 九九号外一件)
○「百歳長寿者年金」制度創設に関する請願(第
 五八〇二号外一五件)
○寡婦雇用促進法の制定等に関する請願(第五八
 一六号外五件)
○老人福祉に関する請願(第五九一二号)
○老齢福祉年金の大幅引上げ等に関する請願(第
 五九六一号)
○健康保険制度改悪反対等に関する請願(第六〇
 〇五号)
○働く婦人に見合った保育所増設等に関する請願
 (第六二七五号外一二件)
○インドネシヤ、スマトラ島中部に「スマトラ島
 戦争犠牲者慰霊塔」建立に関する請願(第六二
 八五号)
○横浜市旭区に国立総合病院を設立することの請
 願(第六三三八号)
○横浜南部に社会保険事務所増設等の請願(第六
 三三九号)
○民間社会福祉施設職員の給与等改善費の改定に
 伴う加算率算定基準の改善に関する請願(第六
 三四〇号)
○横浜市港南区に休日診療所を設置すること等の
 請願(第六三四一号)
○保育関係予算の大幅増額等に関する請願(第六
 三四二号)
○老人医療費の年齢制限引下げ等に関する請願
 (第六三五九号)
○横浜市内十四区に公立の休日・夜間診療所設置
 促進等に関する請願(第六三六〇号)
○保育事業推進に関する請願(第六四三九号外二
 二件)
○高齢者・低所得者の暮らしと福祉等に関する請
 願(第六五〇一号)
○健康保険の改悪に反対し、医療改善に関する請
 願(第六五〇二号外四件)
○日雇健康保険の改善に関する請願(第六五一五
 号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月二十七日、橋本敦君、戸塚進也君、福井勇君、中村登美君、堀内俊夫君、及び福岡日出麿君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君、鹿島俊雄君、今泉正二君、橋本繁蔵君、玉置和郎君及び森下泰君がそれぞれ選任されました。また、本日、森下泰君が委員を辞任され、その補欠として宮田輝君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上田哲君) 労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○浜本万三君 二つほど簡単に質問をします。この前も私の方から質問をしたんですが、その答えでなお不明確な点がありましたんで、重ねて二つだけお尋ねしたいと思います。
 事業者から届け出られた有害性調査の結果などは、できる限り速やかに評価を終えて、その結果を公表し、労働者の健康障害の防止に資するべきであり、また評価が終わらないものであっても、その経過について適宜中間報告をするなど、国民の不信を招かないようにすべきであると思いますが、いかがですか。
#5
○政府委員(桑原敬一君) 有害性調査の結果等につきましては、できる限り速やかに評価を終えまして、その結果を明らかにするとともに、評価が終わらない場合でありましても、その経過を中間報告する等の措置をとることといたしまして、次のような内容の労働省令を中央労働基準審議会の御意見をも聞いた上で定めることにいたしたいと考えております。
 すなわち第一は、労働大臣は、法第五十七条の二第一項の規定により届け出られました新規化学物質の有害性の調査の結果につきまして、学識経験者の意見を聞いたときは、当該新規化学物質の名称の公表後、一年以内に当該新規化学物質の変異原性に関しまして、中央労働基準審議会に報告をするものといたします。
 第二番目には、労働大臣は、法第五十七条の三第一項の規定による指示を行った有害性の調査の結果が報告されました場合には、一年以内にその結果を中央労働基準審議会に報告いたしたいと考えます。
 第三番目は、労働大臣は、法第百八条の二第一項の規定により疫学的調査等を実施し、または同条第二項の規定による委託を受けた者から、当該委託に係る疫学的調査等の結果の報告がありましたときは、一年以内にその結果を中央労働基準審議会に報告をいたしたいと考えております。
 第四番目に、なお第五十七条の二の第一項の規定により届け出られました新規化学物質の名称は、四半期ごとに一回官報に公表することといたしたいと考えます。それから、新規化学物質の名称の公表は、特許出願を行っている場合等を除きまして、届け出後一年以内に行うことといたしたいと考えております。
#6
○浜本万三君 もう一つ、守秘義務規定につきましては、一部原案の修正が見られるようでありますが、なお関係学識経験者等の学問上の論議をいたずらに制限したり、ましてや職業病隠しという結果を招くこととならないよう、改正法の運用に当たっては十分配慮しなければならないと思いますが、その点について政府の見解を重ねてお尋ねしたいと思います。
#7
○政府委員(桑原敬一君) 改正法案の守秘義務規定の「秘密」に該当するかどうかにつきましては、この守秘義務規定が有害性の調査あるいは疫学的調査等の制度の、円滑な運営を図るために必要があるかどうかという観点から判断さるべきことは当然でございます。また、一般に「秘密」につきましては、その事実を提供する者が「秘密」とする意見を有しているかどうかが一つの重要な要素であると考えております。
 そして、労働大臣は、有害性の調査あるいは疫学的調査等の制度運営についての責任を負っているというべきでございますし、有害性の調査の結果等に関して必要な資料を提供して学識経験者の意見を求める立場にありまして、また、疫学的調査等の実施に関して、専門的知識を有する者に委託をする立場にあるわけでございます。したがって、改正法案の守秘義務規定に言う「秘密」については、労働大臣が「秘密」とする意思を有していたかどうかを含めて判断することになると考えます。
 改正法案の守秘義務規定の「秘密」に該当する事実につきましては、有害性の調査に関して労働大臣が学識経験者に資料を提供する際に「秘密」であることを明示したり、疫学的調査等につきましても労働大臣が委託する際の契約において「秘密」の範囲を明確化することによって、労働大臣がその意思を明らかにしていくことといたしたいと考えます。このように、労働大臣が「秘密」であることを明らかにしたもの以外につきましては、原則といたしまして改正法案の「秘密」には該当しないものと考えます。
 なお、改正法案の附則第一条により、有害性の調査に関する部分の施行期日は、公布から二年以内の政令で定める日とされているところでございます。施行日までに中央労働基準審議会――公・労・使の三者で構成いたしておりますが、ここでいかなる事項が「秘密」になるかを含めまして、守秘義務について十分審議を尽くして合意を得ることといたしまして、いやしくも関係学識経験者等の学問上の論議をいたずらに制限したり、職業病隠しというような結果を招くこととならないようにいたしてまいりたいと考えます。
#8
○委員長(上田哲君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
 なお、修正意見のある方は、討論中にお述べ願います。
#10
○内藤功君 私は政府提出の法案並びに自民党より提出の修正案に反対し――まだ提出していないですか。
#11
○委員長(上田哲君) 討論の中で提出をしていただくことになります。
#12
○内藤功君 私は日本共産党を代表して、政府提出の法案に反対し、守秘義務条項及び罰則規定を削除する内容の修正案を提出いたします。
 私は第一点として、このような守秘義務条項及び罰則規定は、医師、科学者その他の関係者が労働者の労働災害、職業病や国民の健康を守る上で、やむにやまれぬ正義感から事実を明らかにしたり、論文を書いたり、報告や講演をしたりあるいはマスコミの取材に応じたりする行為も含めて禁止、処罰の対象とするおそれがあるということを深く憂うるものであります。このようなことは、憲法に定める言論、表現の自由、学問研究の自由、さらにはマスコミの報道取材の自由を侵し、国民の知る権利を奪うおそれがあり、きわめて重大なものであると、かような観点から反対せざるを得ません。
 第二点として、この法案が提出されるに至った経緯において非常に問題があります。一つは、中央労働基準審議会におきましても、百八条の二のいわゆる疫学的調査の問題を除きましては、かような守秘義務及びかような守秘義務に対する罰則の問題については何ら文書上、答申にもあらわれておりません。二つ目には、この法律が提案される前にわれわれに示された法案要綱なるものにも、この守秘義務の点は何ら書いてありません。
 三点目には、じん肺法改正案という、これは一定の改善内容を含めたものを労働安全衛生法の改正案と一本の法律で出してくる。かようなことは、いわば毒とまんじゅうを一緒にして、一緒に食べろというようなものに等しいとも言えるのであって、私どもはこのような法案の出し方自体に非常に問題があるということを指摘しておきます。
 最後に、この法律案は、たとえば新規化学物質の有害性調査を事業者に行わせる。その結果を労働省へ届け出または報告させることとしておりますが、事業者の調査に任せるということでは、本当に調査結果の客観性が保証されるのか。事業者を性善説の立場で見なければかような法律はできない。労働安全衛生法というのは、事業者がもしかして隠すのではないかという観点からの厳しい姿勢が必要だろうと思うのであります。さらに、公表の問題もございますけれども、届け出のあった新規化学物質の名称を公表するとありますけれども、事業者の調査結果の有害性、無害性のコメントなしで公表されるだけでは、これは十分な化学知識のある人以外には全く危険性についての判断は不明瞭であるということも、指摘をしておきたいと思うのであります。さらに「有害性の調査を行った事業者は、その結果に基づいて、当該化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要な措置を速やかに講じなければならない。」とありますが、これを守らなかった場合の命令なり罰則の規定もございません。私どもはその他多くの問題点があります。かような法案については十分に審議を尽くしたとは言えず、私どもは労働者の健康を本当に守る法律になっていないということを指摘せざるを得ません。
 私は以上のような理由から、この政府提案の法案に反対し、また自民党から提出される予定の修正案についても、いま一言申し上げておきたい。これは、いま私の言った政府案に対する危険性のおそれを何ら払拭するものではないということで、これが提案された場合には賛成しがたいということを申し上げておきたいと思うんであります。
 日本共産党提出の修正案は、かような心配のあるもとである守秘義務の条項と罰則、すべての削除を求めるものであり、これ以外にこの法案に対する国民の疑義を払拭する道はないということを強調して、私の討論を終わります。
#13
○佐々木満君 私はこの際、まず次の修正案を提出をいたします。
 案文を朗読いたします。
    労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案に対する修正案
  労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  第一条のうち第五十七条の次に三条を加える
 改正規定中第五十七条の二第五項及び第五十七条の三第五項に次のただし書を加える。
   ただし、労働者の健康障害を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
  第一条のうち第百八条の次に一条を加える改正規定中第百八条の二第四項に次のただし書を加える。
   ただし、労働者の健康障害を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
 以上が修正の案文でございます。
 この修正を踏まえて、原案に賛成をいたします。
#14
○委員長(上田哲君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、内藤君提出の修正案を問題に供します。内藤君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#16
○委員長(上田哲君) 少数と認めます。よって、内藤君提出の修正案は否決されました。
 次に、佐々木提出の修正案を問題に供します。佐々木君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#17
○委員長(上田哲君) 多数と認めます。よって、佐々木君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#18
○委員長(上田哲君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
#19
○浜本万三君 私は、ただいま可決されました労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党提案の附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、労働者の安全と健康の一層の確保を図るため、左記事項について迅速かつ適切に措置すべきである。
 一、化学物質等の有害性調査のため、施設の整備に努めるとともに、既存の化学物質について、その有害性調査を国際的な連携もとりつつ計画的、積極的に推進すること。
 二、労働者が産業の場で取り扱う化学物質について、労働者の健康を確保するために必要な表示の充実を図るとともに、機械等で労働者に健康障害をもたらすおそれのあるものについても構造規格を定める場合に必要な事項について表示させることとするよう配慮すること。
 三、産業医確保等の実態にかんがみ、その量的確保とあわせて、その資質の向上を図るための積極的な対策を講ずるよう努力すること。
 四、じん肺の合併症については、労働者保護の立場に立ち、専門家の意見を十分尊重して、その範囲及び具体的要件を定めること。
 五、改正じん肺法の運用に当たつては、現行法により労働者に与えられている保護を損なうことのないよう慎重に配慮すること。
 六、本改正法の円滑な施行を確保するため、労働基準監督官、安全・衛生専門官の増員と、労働安全・衛生を担当する行政・体制の整備拡充を図り、労働災害の防止に即応できる態勢を確立すること。
 七、労働災害及び職業病の多発している業種について、労働基準審議会に専門の部会を設置する等、その運用の充実を図るとともに労災防止指導員の活用に努めること。
 八、企業及び国が実施する有害性調査または疫学的調査の結果等については、労働大臣がそれを審査し、できる限り速やかにその結果を中央労働基準審議会に報告するよう明定すること。
  右決議する。
#20
○委員長(上田哲君) ただいま浜本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#21
○委員長(上田哲君) 全会一致と認めます。よって、浜本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田村労働大臣臨時代理から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村労働大臣臨時代理。
#22
○国務大臣(田村元君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして善処してまいる所存でございます。
#23
○委員長(上田哲君) 労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後四時再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後三時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時十分開会
#25
○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 これより請願の審査を行います。
 第一号老人医療の有料化反対に関する請願外二千八百八十一件を議題といたします。
 本委員会に付託されております二千八百八十二件の請願につきましては、委員長及び理事が協議の結果、第二号 労働基準法の改悪反対、母性保護の権利拡大強化に関する請願外千九百八十九件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するもの、第一号 老人医療の有料化反対に関する請願外八百九十一件は保留することに意見が一致しました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#28
○委員長(上田哲君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、これら二件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#31
○委員長(上田哲君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま決定されました二件の継続調査が承認されました場合には、これら二件の実情調査のため委員派遣を行うこととし、その取り扱いにつきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後四時十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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