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1976/03/01 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 文教委員会 第3号
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1976/03/01 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 文教委員会 第3号

#1
第080回国会 文教委員会 第3号
昭和五十二年三月一日(火曜日)
   午後一時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     安永 英雄君     小野  明君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正雄君
    理 事
                中村 登美君
                山崎 竜男君
                松永 忠二君
                小巻 敏雄君
    委 員
                山東 昭子君
                高橋 誉冨君
                内藤誉三郎君
                秋山 長造君
                鈴木美枝子君
                内田 善利君
                星野  力君
                有田 一寿君
   国務大臣
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
   政府委員
       文部政務次官   唐沢俊二郎君
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の基本施策に関する件)
 (昭和五十二年度文部省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二月十八日、安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮崎正雄君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 文教行政の基本施策について文部大臣から所信を聴取いたします。海部文部大臣。
○国務大臣(海部俊樹君) 第八十回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。
 本年は、戦後、新しい学校制度が発足してから三十年目を迎えます。この間、国民の教育に対する熱意と関係者のたゆみない努力によってわが国の学校教育は、着実な普及発展を遂げ、今日のわが国経済社会の礎を培ってまいりました。
 資源に恵まれないわが国が、今後、幾多の試練を乗り越え、世界諸国との協調のもとに、発展を続け、世界の平和と繁栄に貢献していくためには、教育の普及充実と刷新に一段と努力を傾注し、未来を切り開く、創造的英知を備え、かつ、国際的視野に富んだ日本人の育成を図るとともに、新しい知見を開く基礎的科学研究の推進が何よりも大切であると確信いたします。
 私は、このたび、文部大臣の重責を担うに至りましたが、先人の業績を継承しつつ、広く国民の理解と協力の下に、この国民的な重要課題である文教の刷新充実に渾身の力を傾けてまいる決意であります。
 以下、当面する文教行政の諸問題について申し述べます。
 第一は、初等中等教育の改善充実についてであります。
 初等中等教育につきましては、心身ともに健全な国民の育成を目指して、教育内容の改善を図ることが緊要な課題であります。そのため、先般の教育課程審議会の答申を受けて、教育内容を精選し、ゆとりのある、しかも充実した学校生活の中で、知・徳・体の基礎と基本を確実に身につけ、人間性豊かな国民の育成を図るという基本態度に立って、小・中・高等学校の学習指導要領の改定を行い、その改善に取り組んでまいります。
 もとより、教育の基本は人にあります。教職にすぐれた人材を得て、一人一人の教師の情熱に支えられた、はつらつとした教育指導が展開されるよう諸条件の整備を図る必要があります。そのため、教職員の処遇改善について、昨年、不幸にして実施をみなかった教員給与の改善を含め、いわゆる人材確保法に基づく、第三次の給与改善を引き続き進めるとともに、教職員定数についても、所要の改善を図ることといたしております。また、教員の指導力の向上を図るため、これまでも教員の現職教育に意を用いてきたところでありますが、昭和五十二年度からは、特に新規採用教員及び教職経験五年程度の教員の研修を中心に、その一層の充実を期してまいりたいと考えております。
 以上のほか、心身に障害を持つ児童・生徒の教育につきましては、昭和五十四年度からの養護学校教育の義務制実施を控え、その円滑な移行を確保するための諸準備を中心に、障害児の実態に即した特殊教育の拡充整備のための諸措置を進めてまいります。また、幼稚園教育の普及充実については、希望するすべての四・五歳児を就園させることを目標とする幼稚園教育振興計画を引き続き推進してまいります。
 次に、児童・生徒の健康を保持増進し、体力づくりを推進するために、健康診断の充実、学校歯科保健活動の推進など学校保健の改善充実を図るとともに、学校における体育活動を一層充実してまいる考えであります。学校給食につきましては、魅力ある給食の実施を目指し、食事内容の充実向上、学校給食用物資の需給体制の整備を図るとともに、特に米飯給食の普及拡大に努め、その振興充実を図ってまいりたいと存じます。
 さらに、公立の小・中・高等学校の施設の整備につきましては、その事業量の拡充、建築単価の改定を行うことといたしておりますが、特に、昭和五十一年度から創設した高等学校建物の新増設費に対する国の補助を大幅に拡充し、高等学校生徒の増加に対処するとともに、児童・生徒急増市町村における小・中学校用地取得費補助を一層拡充いたしてまいりたいと存じます。
 第二は、高等教育の整備充実及び学術の振興についてであります。
 経済社会の高度化が進む新しい時代の展開に的確に対処していくためには、国民の知的能力を最大限に啓発し、民族の英知を結集していくことが肝要であります。そのため、高等教育につきましては一長期的な展望のもとに、その質的充実と地域的不均衡の是正等に重点を置いて、地方における大学の整備充実、大学院の拡充整備、公立及び私立の大学に対する助成の拡充等を推進するとともに、高等教育に対する国民の多様な要請に柔軟にこたえるため、放送大学の創設準備を推進する等の諸施策を取り進めてまいりたいと存じます。
 また、社会的要請の強い医師等の養成を図るため、医科大学の創設等を推進するとともに、歯学部の設置等を進めることとし、また、資質能力のすぐれた教員の養成確保が、国民共通の強い期待であることにかんがみ、既設の教員養成大学・学部の拡充整備、教員大学院大学の創設準備等の諸施策を引き続き推進してまいります。
 さらに、大学入試の改善につきましては、学歴偏重の社会的風潮の是正、国公私立の各大学の充実整備等の諸施策ともあいまって、わが国の教育全体の正常な発展を期するために、あらゆる努力を払い改善の実を上げてまいりたいと存じます。特に、懸案の共通学力検査については、当面、国立大学の共通第一次試験を昭和五十四年度入学者選抜から実施できるよう、昭和五十二年度には、大学入試センターを設置するなど、その具体的な諸準備を進めることといたしております。なお、国公私立大学を通じた共通学力検査の実現についても、今後、関係者との検討協議を積極的に進めてまいります。
 次に、学術の振興につきましては、科学研究費を拡充するとともに、生物科学総合研究機構の創設等学術研究体制の整備を図り、独創的、先駆的な研究を盛り立ててまいりたいと考えております。特に、わが国のみならず人類の発展と生存に大きな期待の寄せられている核融合、地震予知等の重要な研究領域については、重点的な配慮を加え、その推進に努力してまいりたいと存じます。
 第三は、私学の振興についてであります。
 私立学校は、わが国の学校教育の普及と発展に多大の貢献をいたしてまいりました。このような私立学校の役割りの重要性にかんがみ、昭和五十二年度におきましても、私立学校振興助成法の趣旨に沿って、私立大学等に対する経常費補助及び高等学校以下の私立学校に対する経常費助成の一層の拡充を図り、私立学校教育の充実と向上に資するとともに、育英奨学の充実等の諸施策とあいまって、学校教育の機会均等の実現に努めてまいりたいと存じます。
 また、昨年発足した専修学校につきましては、国民の多様な教育需要に対応して、その振興発展が期待されているところでありますが、当面専修学校の特性に即した適切な振興策の整備を図るため必要な調査検討を進めてまいりたいと考えております。
 第四は、社会教育及び体育・スポーツの振興についてであります。
 社会経済の進展に対応し、とりわけ高齢化社会の到来に備え、国民一人一人が常に学習に励み、スポーツ・芸術・文化に親しみ、生きがいのある健康で文化的な生活を享受できるようにすることが、豊かで活力のある社会を建設するために不可欠であります。このために、これからの社会教育は、学校、家庭、社会との連携を図りつつ、国民各層の教育への積極的な意欲と活動を高め得るよう多様な形で展開される必要があると存じます。
 かかる観点から、自主的な学習活動の拠点となる公民館等の社会教育施設の整備、社会教育関係指導者の充実等の諸施策を引き続き進めるとともに、新たにPTA地域活動の促進、成人大学講座の開設助成等の措置を講じ、生涯教育事業の拡充、振興を図ってまいりたいと存じます。さらに、年次計画により整備を進めております国立少年自然の家につきましては、昭和五十二年度に、国立那須甲子少年自然の家及び長崎県に建設中の第三番目の国立少年自然の家の事業を開始するとともに、婦人教育の振興に資するため、国立婦人教育会館を設置することといたしております。
 また、体育・スポーツの振興につきましても、新たに地域住民が参加するスポーツクラブの活動促進のための諸事業に対し助成措置を講ずることとしたほか、従来から行ってきた各種スポーツ施設の整備、指導者の養成確保、学校体育施設の開放等の諸事業の拡充と相まって、スポーツによる国民の健康増進と明るい地域社会づくりを推進してまいりたいと存じます。
 第五は、文化の振興についてであります。
 今日、人々は経済的な発展のみならず、より内面的な心の豊かさを求めております。その意味からも、今後、すべての国民が日常生活の中ですぐれた芸術文化に接し、自らも新しい芸術文化を創造していくような文化環境を醸成するために、積極的に文化行政を推進し、文化の振興を図ってまいりたいと存じます。
 このため、芸術文化の振興につきましては、芸術祭の充実、芸術文化団体の育成、公立文化施設の整備、文化活動の育成、舞台芸術巡回公演の充実等中央・地方における芸術文化の普及振興のための諸事業の拡充を図るとともに、特に地域住民自らが参加する文化活動を活発にするための諸施策を進めてまいりたいと考えております。
 一方、文化財の保護につきましては、国宝、重要文化財の保存事業の充実、史跡等の公有化の促進を図るとともに、開発事業の進行に適切に対処するため、埋蔵文化財保護対策の充実強化を進め、さらには各地に残る貴重な無形民俗文化財や由緒ある町並みの保存、文化財保存技術の伝承等新しい課題につきましても、その充実を図ってまいります。
 また、わが国文化振興の拠点ともなるべき国立文化施設の整備につきまして、国立国際美術館の開館、国立歴史民俗博物館、国立演芸資料館の建設着工、第二国立劇場、国立能楽堂、国立文楽劇場の創設準備を着実に取り進めてまいりたいと存じます。
 最後に、教育・学術・文化の国際交流の促進について申し述べます。
 わが国がこれからの国際社会において、世界諸国との連帯を揺るぎないものとしていくためには、教育・学術・文化の面においても国際協力を促進し、諸国民相互の心の触れ合いを深めていくことが必要であります。そのため、国際協調の時代にふさわしい日本人の育成に努めるとともに、研究者、教育者、芸術家等の交流を促進し、留学生制度の整備を図り、国際協同事業に積極的に参加するなど、各種国際協力事業を推進してまいります。
 なお、先年、東京に本部を開設した国連大学は、地球上の人類共通の研究課題を世界的な規模で扱う国際機関であり、世界の研究教育活動をわれわれの身近なものとして接することは、まことに有意義なことであり、わが国といたしましては、この研究課題に対応して、積極的に協力してまいりたいと存じます。
 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べましたが、わが国の教育・学術・文化の振興のため、文教委員各位の御協力と御支援を得て、微力を尽くして取り組んでまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
#4
○委員長(宮崎正雄君) 引き続き、昭和五十二年度文部省関係予算について説明を聴取いたします。唐沢文部政務次官。
#5
○政府委員(唐沢俊二郎君) 旧臘二十七日、文部政務次官を拝命いたしました唐沢俊二郎でございます。ふつつか者ではございますが、諸先生の意を体してりっぱな文部行政推進のために努力さしていただくつもりでございます。委員長初め、委員各位の温かい御指導をお願い申し上げます。
 昭和五十二年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、文部省所管の一般会計予算額は三兆一千四百五億七千八百万円、国立学校特別会計の予算額は九千五百八十七億八千七百万円でありまして、その純計額は三兆三千六百五十九億一千九百万円となっております。
 この純計額を昭和五十一年度の当初予算額と比較いたしますと、四千五十三億五百万円の増額となり、その増加率は、一三・七%となっております。また、一般会計予算額の増加率は、十三・八%であります。
 以下、昭和五十二年度予算において取り上げました主要な事項について御説明申し上げます。
 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。
 まず、教員給与の改善につきましては、昭和四十八年度以来、いわゆる人材確保法に基づく計画的改善を実施するため、すでに、第一次及び第二次の改善措置を講じてきたところでありますが、昭和五十二年度においては、既定方針に従い、第三次第一回目分の措置に連続して第三次第二回目分の改善措置を講ずることにより、人材確保法に基づく教員給与の改善を完結させるという考え方に立って、それに必要な経費として、二百二十九億円を計上いたしております。
 次に、義務教育諸学校の教職員定数につきましては、まず、児童・生徒数の増加に伴う教職員定数の増を見込むほか、昭和四十九年度を初年度とする第四次の教職員定数改善五カ年計画に係る教職員定数の増、養護学校及び特殊学級の増設に伴う増等を合わせて、一万五千七百六十二人の増員に必要な経費を計上いたしております。
 次に、教員の現職教育の充実につきましては、教員の処遇の改善と相まって資質の向上を図るため、昭和五十二年度においては、新たに、新規採用教員の全員と、教職経験五年の教員全員に対し、実践的な指導力の向上を図るための研修を実施することといたしております。また、教員の海外派遣につきましても、引き続き、五千人を派遣し、その視野を広めることを期待いたしております。
 幼児教育の普及充実につきましては、父兄の経済的な負担を軽減し、幼稚園教育の普及に資するため、幼稚園就園奨励費補助につき、特に生活が困窮している世帯に重点を置いて、その保育料等の減額免除の限度額を引き上げる等、充実を図るとともに、引き続き、幼稚園の増設を計画的に進めることとし、施設整備の促進を図ることといたしております。
 特殊教育の振興につきましては、前年度に引き続き、年次計画による養護学校及び特殊学級の増設を推進することとし、特に、昭和五十四年度からの養護学校教育の義務制実施に備えて、政令指定都市に係る養護学校小・中学部の新増設の補助については、都道府県に係る場合と同様に取り扱うこととするとともに、重度・重複障害児のための訪問指導員及び介助職員の増員、特殊教育就学奨励費の拡充等を行うことといたしております。
 次に、学校給食の整備充実につきましては、米飯給食の導入を一層推進するため、米飯給食関係の施設設備の整備を大幅に拡充することといたしております。
 学校保健の改善充実につきましては、新たに、心臓・腎臓に係る児童・生徒の健康診断体制の整備と、小学校児童のう歯予防をねらいとした歯科保健活動の推進を図ることといたしております。
 公立文教施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について、事業量の増と補助単価の引き上げを図るとともに、急増指定要件の緩和等の改善を図ることといたしております。
 昭和五十一年度から新たに実施いたしました高等学校新増設建物補助につきましては、事業量を大幅に増加し、また、児童生徒急増市町村の公立小・中学校建設用地取得費補助についても、事業量の拡大を図ることといたしております。
 これらの施策に要する補助金として、昭和五十一年度に対して二〇・二%増の、三千七十九億円を計上いたしております。
 以上のほか、学習指導要領改訂に伴う趣旨徹底、義務教育教科書購入価格の改訂、要保護及び準要保護児童生徒援助の強化等、各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。
 第二は、高等教育の整備充実に関する経費であります。
 まず、高等教育改革の推進につきましては、大学入学者選抜方法の改善を図るため、国立大学共通第一次試験を昭和五十四年度入学者の選抜から実施することを目途に、昭和五十二年度には、大学入試センターを設置し、これを中心として、八万人を対象とする試行テストの実施及び具体的な諸準備を進めることといたしております。
 また、放送大学につきましては、教材を作成し、放送教育の試行を行う等、その創設準備を進めることといたしております。
 このほか、教育大学院大学について、その創設準備等をさらに進めることとし、また、筑波大学について、第三学群を設置し、大学院研究科を増設する等、その整備を進めるとともに、技術科学大学についても、昭和五十三年度の学生受け入れに備えて、所要の整備を進めることといたしております。
 国立大学の整備充実につきましては、医歯学教育の拡充を図るため、福井・山梨・香川における医科大学の創設推進のほか、琉球大学医学部について創設準備を行うこととするとともに、鹿児島大学に歯学部を設置して、昭和五十三年度に学生を受け入れることとし、また、岡山大学及び長崎大学について歯学部の創設準備を行うこととしております。
 さらに、群馬大学及び名古屋大学について医療技術短期大学部の設置を図るほか、医科大学等の付属病院についても、新設の医科大学等の付属病院の創設・創設準備とともに、既設付属病院の救急部の新設整備等、その充実を図ることといたしております。
 教員養成につきましては、引き続き、小学校教員、幼稚園教員、特殊教育教員及び養護教諭を養成する課程等の新設拡充を図るとともに、付属養護学校の新設等、その充実を図ることといたしております。
 以上のほか、岩手大学人文社会科学部の設置、広島大学政経学部、富山大学文理学部及び高知大学文理学部の改組等、地方における国立大学を中心に学部・学科・課程の整備充実を図って、大学学部及び短期大学部の学生入学定員を総数二千十人増員することとし、また、図書館大学の創設準備のほか、信州大学経済学部の創設準備等を行うことといたしております。
 次に、大学院の拡充整備につきましては、九州芸術工科大学、大分大学及び琉球大学に新たに大学院を設置することとするほか、研究科の新設・改組、専攻の新設・整備等により、七百四十六人の入学定員増を行うことといたしております。
 また、国立大学等の教育研究条件の整備を図るため、基準的経費の充実、施設設備の整備に努めるとともに、必要な分野について教職員の増員を図ることといたしております。
 以上の諸施策等に要する国立学校特別会計の予算といたしましては、昭和五十一度の当初予算と比較して一千百二十九億円増の、九千五百八十八億円を計上いたしております。その歳入見積額は、一般会計からの受け入れ七千三百三十四億円、借入金三百九十一億円、自己収入その他一千八百大十三億円であり、歳出予算額は、国立学校運営費八千八十六億円、施設整備費一千三百九十二億円、国債整理基金特別会計への繰り入れ等百十億円となっております。
 次に、公立の医科大学、看護大学に対する助成を初め、公立大学の助成についても、引き続き、充実を図ることといたしております。
 育英奨学事業の拡充につきましては、まず、日本育英会の学資貸与について、高等学校から大学までのすべての貸与種別にわたって、私立学校の学生・生徒に対する貸与月額を増額するとともに、大学院の学生に係る貸与月額の増額と貸与人員の増員を行うこととする等、その拡充を図り、このために必要な経費として、政府貸付金を四百三十一億円計上し、返還金と合わせて、昭和五十一年度に対し六十二億円増の五百十三億円の資金で、学資貸与を行うことといたしております。
 また、私立大学の奨学事業に対する資金援助については、新たに、入学一時金の分納制を実施する場合についても、必要な資金を融資することとする等、その改善を図ることといたしております。
 第三は、学術の振興に関する経費であります。
 まず、重要基礎研究に係る大型プロジェクト研究につきましては、引き続き、核融合、原子力、宇宙科学、加速器、地震予知等に係る研究の推進を図ることといたしております。
 また、生命科学研究の推進を図るため、愛知県岡崎市に生物科学総合研究機構を設置することといたしております。
 科学研究費につきましては、これが、わが国学術の基礎を培い、科学者の独創的、先駆的研究所推進するための基本的な研究費であることにかんがみ、すぐれた研究活動の育成を図るため、総額二百二十九億円を計上いたしております。
 特殊法人日本学術振興会への援助につきましては、従前の事業に対する補助に加えて、新たに、必要な学術情報を提供する体制を確立するための準備調査費を計上いたしております。
 第四は、私学助成の拡充に関する経費であります。
 まず、私立大学等の経常費補助につきましては、専任教職員給与費、教員経費及び学生経費を拡充するほか、新たに、厚生補導費に対する補助を行うこととする等、その充実を図り、昭和五十一年度に対して二四・四%増の、一千六百五億円を計上いたしております。
 また、私立高等学校等の経常費助成拡充のための都道府県に対する補助につきましては、補助単価を引き上げて大幅な増額を図ることとし、昭和五十一年度に対して六六・七%増の、三百億円を計上いたしております。
 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、引き続き、政府出資金十億円を計上するとともに、財政投融資資金からの借入金四百八十五億円を計上し、自己調達資金と合わせて、昭和五十一年度に対して八十八億円増の、六百三十八億円の貸付額を予定いたしております。
 次に、私立学校教職員共済組合の補助につきましては、長期給付の改善を図るため、補助の拡大を行うことといたしております。
 第五は、社会教育の振興に関する経費であります。
 まず、社会教育事業の助成につきましては、生涯教育事業の充実を図るため、国の助成の体制を整備するとともに、成人大学講座、P・T・A地域活動等についても、新たに補助を行うこととし、また、社会教育主事の給与費補助について、員数の増と単価の引き上げを行い、指導者層の充実を図ることといたしております。
 公立の社会教育施設の整備につきましては、特に、公民館の整備について重点的に配慮し、所要の経費を計上いたしております。
 次に、国立の社会教育施設の整備につきましては、まず、かねてから建設工事を進めてまいりました国立婦人教育会館について、昭和五十二年度には、これを文部省付属機関として設置し、事業を開始する運びといたしております。
 また、計画的設置を進めております国立少年自然の家につきましては、長崎県諌早市に国立として第三番目の少年自然の家を設置し、事業を開始することとするほか、計画中の他のものについても、引き続き、所要の施設費、創設調査等の経費を計上いたしております。
 第六は、体育・スポーツの振興に関する経費であります。
 体育・スポーツの普及奨励につきましては、まず、体育・スポーツ施設の整備を進めるため、体育・スポーツ施設に係る補助金の単価の引き上げと基準の改訂を行うとともに、学校体育施設の開放を一層促進することといたしておりますが、それとともに、昭和五十二年度においては、新たに、スポーツクラブ育成の事業を行い、地域住民の日常生活の中で行われるスポーツ活動を、積極的に促進し、スポーツの日常化と明るい地域社会の形成に資することといたしております。
 以上のほか、日本体育協会の補助、国民体育大会及び学校体育大会の助成等、各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。
 第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。
 まず、芸術文化の振興につきましては、新たに、文化活動に対する地域住民の積極的参加を促進するため、必要な助成を行うとともに、高等学校の文化活動に対する補助を行うこととするほか、移動芸術祭の拡充、地方文化施設の整備等、各般の施策につきましても、引き続き、所要の経費を計上し、地方文化の振興、一般国民の文化活動の促進を図ることといたしております。
 また、芸術家の創作活動等の助成についても、新たに、芸術家の国内研修の制度を設けるほか、芸術関係団体補助の増額等、所要の経費を計上し、その充実を図ることといたしております。
 次に、文化財保護の充実につきましては、無形文化財、民俗文化財等の保護に留意し、重要無形文化財保持者に対する特別助成金の増額、重要無形民俗文化財保存団体の助成の拡充、文化財保存技術の伝承者養成補助の拡充を図ることとするほか、地方歴史民俗資料館の整備を進めることといたしております。
 また、史跡買い上げ補助の増額等、文化財の公有化を促進するほか、埋蔵文化財調査、建造物修理等の諸施策の充実についても、引き続き、所要の経費を計上いたしております。
 国立の文化施設の整備につきましては、国立国際美術館及び東京国立近代美術館工芸館を開館する運びとするとともに、国立歴史民俗博物館及び国立演芸資料館の建設工事に着手するほか、第二国立劇場及び国立能楽堂の設立準備をさらに進め、また、新たに、国立文楽劇場の設立についても準備調査を行うことといたしております。
 第八は、教育、学術、文化の国際協力の推進に関する経費であります。
 まず、国際交流の推進につきましては、研究者、教育者、芸術家等の人物交流を推進するとともに、留学生制度の充実を図り、ユネスコ協力事業等の多国間国際協力事業や、文化協定等に基づく二国間協力事業の活発化を図ることといたしております。また、国連大学への協力体制を整備し、第十九次南極地域観測を、引き続き、推進することといたしております。
 次に、海外子女教育の推進につきましては、引き続き、海外子女教育振興財団を助成するほか、帰国子女に対する教育の実施のため、新たに、私立高等学校の設立について特別の助成を行うとともに、国立大学の附属高等学校の学級増を図ることといたしております。
 以上、昭和五十二年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(宮崎正雄君) 以上をもちまして文教行政の基本施策及び昭和五十二年度文部省関係予算についての説明聴取を終わります。
 なお、本件に対する質疑は後日に行いたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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