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1976/05/19 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会 第12号
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1976/05/19 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会 第12号

#1
第080回国会 大蔵委員会 第12号
昭和五十二年五月十九日(木曜日)
   午前十一時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     山本茂一郎君     坂野 重信君
     和田 静夫君     山崎  昇君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安田 隆明君
    理 事         上條 勝久君
                戸塚 進也君
                野々山一三君
                矢追 秀彦君
                三治 重信君
    委 員
                糸山英太郎君
                坂野 重信君
                嶋崎  均君
                中西 一郎君
                宮田  輝君
                竹田 四郎君
                福間 知之君
                鈴木 一弘君
                渡辺  武君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  坊  秀男君
   政府委員
       大蔵政務次官   斎藤 十朗君
       大蔵大臣官房長  長岡  實君
       大蔵大臣官房審
       議官       山内  宏君
       大蔵大臣官房審
       議官       徳田 博美君
       大蔵省主計局次
       長        加藤 隆司君
       大蔵省主税局長  大倉 眞隆君
       大蔵省関税局長  旦  弘昌君
       大蔵省理財局長  岩瀬 義郎君
       大蔵省理財局次
       長        戸塚 岩夫君
       大蔵省証券局長  安井  誠君
       大蔵省国際金融
       局長       藤岡眞佐夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       運輸省航空局経
       理補給課長    宮本 春樹君
       運輸省航空局管
       理課長      増田 信雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(安田隆明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、和田静夫君、山本茂一郎君が委員を辞任され、その補欠として山崎昇君、坂野重信君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(安田隆明君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 矢追秀彦君の委員の異動に伴い、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に矢追秀彦君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(安田隆明君) 昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案、航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○竹田四郎君 時間がありませんから、ごく、二、三点にわたってお伺いしたいと思いますが、この国債の償還計画というのは、予算書に出されているのは年次と金額しか書いてないわけですが、具体的にはその償還のお金というのはどういうふうになっているんですか。
#7
○政府委員(加藤隆司君) この問題も四十一年度以来議論があるわけでございますが、償還計画の性格につきましていろいろ検討いたしたわけでございますけれども、御承知のようにいつ幾らを返すかというような、満期償還を前提にいたしますと、償還計画の要素といたしましてはそういうことになる、現在のようなフォームが考えられておるわけでございます。
 そこで財源のお尋ねでございますが、一つは、国債整理基金特別会計法によりまして、前年度首残高の一・六と、それから剰余金があります場合には財政法で二分の一繰り入れると、それから国債整理基金特別会計法の必要に応じ予算繰り入れと、この三つで一般財源で消却していくというような考え方をとっているわけでございます。
#8
○竹田四郎君 実際問題、前年度の剰余金を繰り入れるといっても、剰余金がうんと出るようだったら特例債というのはもともと出さなくていいわけですね、いままでもそうしてきているわけですからね。それから百分の一・六の問題は、これは主として建設国債を念頭に置いた償還財源の積み立ての問題だと思うんですよ。それからあとは一般会計から繰り入れるというのは、そのときになってということになるわけですが、そうすると現実問題、いま準備されるのは百分の一・六、それしか積み立てない、こういうことになるわけですか。
#9
○政府委員(加藤隆司君) 剰余金の問題は、特例債が出ております限り、御指摘のように四、五月発行規定がございまして、剰余金の出ないように運営すべきことは申すまでもないわけでございます。したがって、基本的にはいま御指摘のとおり、一・六と、それから必要に応じて繰り入れます予算繰り入れということになるわけでございます。ただ本年の三月末で七千五百億円、それから来年の三月末で九千六百億ぐらいの基金に残高がございます。こういうふうなものも当然のことながら活用されるわけでございます。
#10
○竹田四郎君 その大蔵省出してきた財政試算表によりますと、昭和五十五年度の国債費、これは元利償還のおおよその見積もりの額だろうと思うのですが四兆七千億円、Aケース、Bケースとも大体そのくらいになっているわけですが、五十五年まではまあおおよその金額が出るわけですが、現実にはそれ以後特例債、十年の特例債が十年で返還される、これは借りかえなしなわけですからね。そうなりますと、元金というものがずっとふえてくることになるんじゃないかと思うんですけれども、そうしますと大体返すのが六十年からですか、これからになってくると思うのですが、六十年以降の国債費というのは大蔵省ではどんなふうになるというように試算していますか。ただこれが明らかになっていかないと、長期的な財政計画というものが恐らく破綻を来してしまう心配というものが大いに出てくるわけです。かなり私は大きくなるんではないだろうかという気がいたしますけれども、大体どのくらいに六十年度以降なっていく数字になりますか、できたら五十六年度以降どういうふうに国債費が変化していくか、その数字を示していただきたいと思います。
#11
○政府委員(加藤隆司君) 第一点は、御指摘のとおりわれわれも非常に心配しておるわけでございます。
 それから第二点の、五十五年度以降どうなるか、昨年の当委員会におかれましても、こういう御質疑がございましたので、手元に用意いたしたものがございますので、数字を申し上げますが、これもいろいろ去年も、一昨年も申し上げておるわけでございますが、経済の十年間の見通し、そういうようなものが手元にないわけでございます。そこでこれを一体どう見るのか、それからいろいろな基本的な条件の組み合わせがあるわけでございます。税制がどうなるのかとか、この場合単純計算をいたすとすれば弾性値をどう見るのかとか、そういうようないろいろな計算の前提になります条件の組み合わせが非常に多くあるわけでございます。
 そこで私どもといたしましては、自信がないものですから、将来のそういう長期にわたっての数字は計算できませんということを再三申し上げてきたわけでございますが、昨年当委員会におかれまして、仮にこういう前提を置いたらどうだと、そういう計算をしてみろというような御示唆があったわけでございますが、そういうような御示唆に基づきまして計算したものが、いま手元にございますので申し上げてみますと、前提といたしまして、五十五年度のお手元の財政収支試算の表をごらんいただきますと、公債発行額が六兆七千八百億という数字がございます。この数字がそのまま推移するというケース、それからもう一つは、一五・五%という依存度が書いてございますが、そういう依存度で推移する場合と、この二つのケースを考えまして、それから予算規模の方は、やはりお手元の小計の覧をごらんいただきますと一四・五になっておると思いますが、それを丸めまして一四と置きまして、あと五年間延ばしてみるという計算をやってみたものをいま持っておりますので、そういう前提の計算をいたしますと、六十一年のところで、昨年も六十一年の数字が問題になりましたのでそれを申し上げてみますと、予算規模が九十六兆五千七百億になります。これは単純計算でございます。
 それからいまの償還計画にかかわります国債の元利償還費でございますが、これは積み上げで現在の条件で計算するわけでございますが、十一兆三千三百億ということになります。それから公債の発行額は当然のことながら六兆七千八百と、この場合の依存度は七・〇%になります。公債の残高は現在アバウト五十五兆でございますが五十五年度で。五十四兆七千億の残高は八十七兆三千億になります。きわめて機械的にただいま申し上げましたような前提を置きまして単純計算をいたしますと、そういうようなふうに思われます。
 そこで御質問の趣旨は、私どもも心配いたしておることは、果たして公債が償還できるかということになるわけでございますが、ただいま申し上げました数字の中で、予算規模分の元利償還費の割合でございますが、昨年の場合が、これが一一・四になります。ただいま申し上げました数字で言いますと、九十六兆五千七百億分の十一兆三千三百億の割合が一一・七でございます。昨年の財政収支試算では、これが九十五兆九千億分の十兆八千九百億、これが一一・四でございます。まあことし公債が、昨年の財政収支試算で考えておりましたよりふえておりますが、元利償還費の占める割合は、予算規模がかなり大きいものですからほとんど差がない。しかし、相当の率であることは事実でございます。
#12
○竹田四郎君 そうしますとこれは、九十六兆になるということは、GNPの伸びは大体一三%ぐらいに考えているんですか、幾らに考えているんですか。
#13
○政府委員(加藤隆司君) 先ほど申し上げましたように、そういう想定を全然使わないで、仮に現在の財政収支試算の小計の欄のところの伸びが一四・五になっておりますので、そのままで伸ばしまして、GNPや何かの関連は非常にむずかしいものですから、そっちの方の前提は使ってないわけでございます。
#14
○竹田四郎君 使ってなくても、この数字からいけば、GNPの伸びは大体どのくらい、前提には使ってないから、結果的には大体どのくらいになるんですか、考えているんですか。
#15
○政府委員(加藤隆司君) これは、計算のしようが実のところないわけでございまして、財政収支試算のその五十五年の数字を何%、何%でただ伸ばしただけでございます。
#16
○竹田四郎君 それは、後で結構ですが、この数字をもとにすれば、歳出総額が九十六兆というもので考えていけば、恐らくGNPというのは、いまのGNP対一般会計のこの数字しか使う数字ないだろうと思いますから、これからどうなるかわかりませんから、そうすれば大体幾らぐらいかというのは出てくるんじゃないですか。数字的に。どうせ、あなたの方の計算というのは、去年出した財政試算表がことしは狂っているんだから、私どもも、率直に言って、これはこのとおりいくとはもう夢思っておりませんからね。一年で狂うんですから、十年も先のことなんていうのは相当狂うだろうということは、もう当然でありますから、だから、その数字だけ出せると思うんですが、出してみてください。
#17
○政府委員(加藤隆司君) 非常にくどいんでございますが、出しようがないわけなんです。出すとしますと、ぽっぽっとこう置く以外には手がないわけです。何にも手がかりがないわけなんです。非常にまあ、あれでございますが、詳しくまたお伺いいたしまして、御説明してもいいわけでございますが、時間がもったいないんで――これ非常に出しようがないわけです。
#18
○竹田四郎君 私は、この数字自体もあなた方がこう数字を置いただけだと思うんですね。率直に言って。だから、これ自体がいまあなたがおっしゃった、説明したもの自体が必ずしも実態に即しているかどうか、これはわからぬわけですよ。言うならば、今後十年間なら十年間の経済見通しから何から全部はじいていかなければ、この九十六兆というのは本来は出ないと思うんですよ。だから、それについては不確定な要素が非常にあるからというので、さっきの、今日の国債発行高、それから依存率、それから歳出規模の伸び、こういうもので言っているわけですけれども。そういう形で、どうせ余り信頼性ないわけですから、大体、そのころはどんな成長率になっているのか、やっぱりこれを見ないと、国民生活は一体どうなるのか、これ全然わからぬわけですね。
 あなた方はよく、国債発行によることは世代間の負担の均分を図るんだとかいろんなことをおっしゃっているんですけれども、こういうことになって、予算規模だけこれだけふえて、元利償環分も十一兆という大変な額になるということになりますと、私は、相当財政硬直化の問題が起きるんじゃないか。現在だって起きておるわけですね。その辺はどうなんです。私は、かなりの財政硬直化になると思うんですがね。一体、予算の規模が九十六兆に一体なるのかならぬのか。これは税収にも関係してくるわけですね。それに伴う税収がなければ、恐らくそうなっていかないだろうと私は思うんですよ。そういう意味では、やはり一応の架空な数字でありますけれども、それとの関連というものはある程度見てみないといけないと思うんですが、主計局の方ではある意味じゃぼくは計算していると思うんだ。ただ、発表すると差しさわりがあるから数字を出さないだけで、あるいはその数字があなたのところに届いていないだけで、実際は計算はやってみているんでしょう。その辺が一番私は知りたいところだと思うんですよ。どうせ、それが達成できる、達成するというお約束をあなたの方がするとは私は思っちゃいませんけれども、どうでしょうか、それ。
#19
○政府委員(加藤隆司君) 昨年の場合も、私どもの方は、計算がいたしかねるということでお答えをしてまいりまして、それじゃ、自分の方でこういう前提を置くから、それで計算してみたらどうだいというようなことで実はやったものを、昨年のベースのものを本年ベースに直したものがただいまのでございまして、私どもとしては、内部作業としてもそういう作業はしていないわけでございます。まさにいろんな条件が、不確定度が余りにも高過ぎて何とも手がかりがないわけでございます。そこで、ただいま申し上げましたように、委員会の方で、こういうふうに置いてみて計算してみたらどうだ、これは衆議院の大蔵委員会でも御議論ありましたし、当委員会でも、御記憶のとおり、再三御議論がありまして、そういう前提をむしろお決めいただいて、与えていただきまして、計算だけを私どもがしてみたと。それを本日御質問があるというので持参しただけでございまして、何といいますか、きわめて機械的な単純計算――むずかしいですから、いろんな前提がありますから、何とも計算のしょうがないというのが問題の、事柄の性格でございます。
#20
○竹田四郎君 まあ私も、余りこの数字だって期待はしておりませんよ。ただ、物を考えている、こんなふうになるという、まあ本当の単なる計算だけだというふうにしか思えないわけです。
 大蔵大臣、財政試算表によると、五十五年度には特例債ゼロということになっているんですがね。ことしだって狂っているわけですね、大変。この五十五年度赤字特例債をゼロにするというのは、まあ経済の成長がぐっとあって自然増収がうんとあれば、これは別ですがね。いまの国際経済の情勢から見まして、そんなにいままでのような急激な高度成長というのはちょっと考えられないと思うんですが、しかし、ここは、さっき私が言ったのは、六十一年の数字ですから、さらに先のことですが、五十五年度の数字というのはそう遠いことじゃないわけですね、いまのうちからこれに対応していかなくちゃならぬですけれども。実際、これ五十五年度に、これもまあ一年一年変わってくる数字ですから何とも言えないわけですが、ただ、五十五年度をゼロにするという大蔵省の考え方は、かなりかたいように思うんですけれども、これは必ずゼロに、そこへ持っていきますか、どうですか。
#21
○国務大臣(坊秀男君) とにかく、五十五年度には一応の日本の国の財政試算というようなものを描きまして、そうしてその五十五年度における財政の中において、とにもかくにも赤字公債だけはひとつ、特例公債だけは発行せずにいこうと、こういう決意をいたしておるわけでございますが、ただ、それをやっていくために、税の自然増収というものだけに期待をいたしておりましても、これはなかなか困難であろうというようなことで、やはりこれは歳出面においては、いままでの伝統や慣習やといったようなもの、これについては、徹底的に見直しをかけていく。まあ補助金等につきましても見直しをかけていって整理、削減をしていく。その他のことにつきましても歳出面において見直す。それからさらに、歳入面におきましては、やはり租税収入の増加というものを図っていかなければならない。両面をかけまして、そうして五十五年度には少なくともこの特例公債というものは、ひとつ日本の国の財政の中から外してまいりたい、かように考えて、それを実現いたすつもりでやっております。
#22
○竹田四郎君 特例債はとにかく十年ということですし、まあ建設国債と違いまして、世代間の負担の均分ということには、特例債の場合ならないわけですね。建設の公債の場合には、ある意味では一つの施設をつくってそれが百年もつとすれば、これはかなり世代間、将来の利益を先取りしてという趣旨があるわけですけれども、この特例債というのは主として消費に使うわけですから、自分たちが使ったものを将来おまえたち払えということですから、先に対しての利益を、これからの世代に与えるということにはなりませんからね。そういう意味では、とにかく特例債というのは十年でも私は長過ぎると思うんですね、現実に償還期間が十年でも長過ぎるわけです。本来なら、こしは赤字だけど、その赤字分は来年返す、そして自分たちの中でとにかく使ったものは返していく。こういうのが私は特例債の一番重要なことであろうと実は考えるわけですが、そういう意味で私は、まず特例債をゼロにしていくという考え方、いろいろな形でゼロにしていくという考え方は結構なんですが、そういう意味で、ここに坂野さんもいらしゃいますけれども、坂野さんに大変私しかられるかと思うのですけれども、道路の目的財源などというのは一兆円近いものが実は入っているわけですね。だから私は、いま足りない部分というのは目的財源を一般財源に入れて、そして特例債をなくしていくということになりますと、これはかなり特例債というのは減ってくるんじゃないかと思うんですけれどもね、こういう考え方を一つ私は持っております。
 で、一体道路というものをどれだけつくっていっていいのかという問題については、今日にも相当な批判が率直に言ってあるわけですね。そういう意味では、若干は道路財源を一般財源に繰り入れていますけれども、私はもっと大幅に繰り広げて、そしてどうしても道路が必要だという場合には、むしろそれは道路というのは十年でなくなってしまうもんじゃありませんから、これは恐らくかなり長期的なものになるわけですから、その辺を繰りかえていって、特例債をなくしていくというのも、私は一つの手段じゃないかと、こう思うんですが、その辺はお考えになっているんですか、ならないんですか。これは建設省がかなりやかましいことを言うだろうし、かなり反対もありますから、そちらの方の説得ということが必要ではあろうと思いますけれども、しかし、ある程度それを私は進めていってもいいんではないかと、こう思うんですが、どうですか。
#23
○政府委員(加藤隆司君) 五十二年度の数字で念のために申し上げますと、ただいまもお話しのように、揮発油税収入等の特定財源が一兆一千三百億ばかりあります。それから一般財源として千三百億ぐらい投入しておる、全体で一兆二千六百億ぐらいの金が一般会計から道路特会に入っているわけでございます。で、私どもとしては、申すまでもございませんが、特定財源というのは余り好きでないわけでございます。歳出の硬直化の一つの要因になる。道路の場合は、御承知のように、非常に経緯がございまして、その制度的な意義というのはかなり有意義なものがあろうかと思います。二十七、八年ごろから特定財源化されまして、わが国の道路が急速によくなってきた。受益者負担的な考え方、あるいは損傷原因者負担的な考え方のもとに歳出と歳入とがリンクされまして、道路の整備が急速に進展してきたということは、非常に意義があると思います。問題は、今後どうするかということでございますが、一つは、道路の整備水準というのはまだまだ足りないという考え方があるわけでございます。したがって、道路の整備水準がある程度適切なものになった暁には、御指摘のような検討は当然しなきゃならぬと思います。
 それから二番目には、現実問題といたしまして、現在の五カ年計画が五十三年度に見直しになるわけでございます。そういう際に、日程に上がってくる問題であるかどうかということになろうかと思いますが、目下のところは、ただいま申し上げましたように、道路整備水準はまだまだ必ずしも十分ではないんじゃないか。しかしながら、片っ方では、たぞいまの御指摘の問題もありますし、さらに総合エネルギー問題の議論があったりして、いろんなところで議論がなされております。私どもといたしましては、坂野委員の御質問のときにも申し上げたわけでございますが、そういうようないろんな議論を踏まえながら、目下のところは道路の整備水準必ずしもまだ十分ならずという考え方をとっておりますけれども、そういうようないろんな各方面の御議論を踏まえながら、税制面もこれ当然絡んでくるわけでございますので、そういう意味で総合的な検討はしなきゃいかぬと思いますけれども、基本的には現在の制度というのは意義があるのではないかという認識を持っております。
#24
○竹田四郎君 道路も、私もそれは全部がもう整備されて文句はないということを言っているわけじゃないですけれども、大体国道関係というのは大体整備を終わっていると思うのですよ。問題は、一番問題点があるのは市町村だと思うのですよ。こういうのには大体大きな道路には来ますけれど、小さな道路には、市町村の一般財源でやっているというのが多いわけですよ。そういう点では、私はこれをもう少し見直しをした方がいいと思うのですよ。
 それからもう一つですが、土地代というのが、これは公共事業の中でも恐らくかなりの部分を占めているんじゃないかと思うのですね、少なくとも二割ぐらいは土地代金、あるいはそれ以上いっているかもしれません。この土地がまあうんと高く、どんどんウナギ登りに上っていったときは、これはなかなかそこで結着をつけなくちゃならぬということになると思うのですけれども、これからの土地の動向というようなことも私はひとつあると思いますが、極端なことを言えば、土地は上がらないというふうに仮定すれば、これは恐らく金利分だけ余分に負担していかなくちゃならぬということになりますね。だから、土地を国の方で買ってくれという要求も出ている点は、私はその辺で金利負担だけ損するという形になると思うのですが、土地はどうしても私は現金で買わなくちゃならないということにはならないと思うのですね。ある意味では、借りるということもあり得ると思うのです。あるいはそこでは現金で払わないで、何年か計画でゆっくり払っていくということもあり得ると思うのですよ。地価の政策をうまくやって、これからも余り土地は全体的には大して上がるとは思いませんよ。今度上がっても、現実に土地に余ったお金がそんなに行っているというふうには思われないし、経済の成長と関連してくるのですが、そういう土地は何でも金出して買わなくちゃいかぬと、これは国の土地であれ地方の土地であれ同じですが、そういう考え方でいく限りは、まだ土地の方の建設公債を含めて額というものは、借金というのはどんどん多くなっていってしまうわけですけれども、そういう点はどうなんですか。
 たとえば交付公債でやるとか、借りれるものは借りるとか、そうすればそれに対して賃料が払われるわけですから、金利分の負担というのは地主の方はなくなるわけですから、その辺をもっと機動的といいますか、あるいは現実的な方法をとらえていくということになれば、私はそういう国の財政圧迫というような問題も軽くなっていくんじゃないか。皆さんの方の考えているのは、とにかく自然増収とあとは税金でと、あとは若干行政改革によってひねり出そうというんですが、いまそう簡単にその行政改革だってできないと思うんですよ。だから、もう少し大胆にその辺を転換していくというお考え方はできないんですか。
#25
○政府委員(加藤隆司君) 第一点の道路、国道の問題でございますけれども、道路整備事業の中の配分をごらんいただきますと、最近時におきましては、地域住民の足を確保するという観点からの市町村道とか、街路だとか、あるいは積雪寒冷地の事業だとか、そういうふうなものにかなりウエートを置かれてきております。それから国道も現実問題といたしましてバイパスが絶えず必要になってくるわけでございます。経済が伸展いたしますと、一号の場合でもかなりバイパスをやってきております。そういうような問題がございますので、道路の整備水準というのはなかなか満足な水準に至らない。それから同時に生活面に密着した道路網の整備というのにも相当アクセントが置かれてきておるわけでございます。
 それから第二点の土地の問題でございますが、これはいろいろな考え方がございます。土地の値上がりと金利と比較すると、金利の方が楽だから、借金をして先に土地を買っちまった方がいいじゃないかというような議論をなされた時代もございます。ただ私どもとしては、道路の投資需要というのは非常に大きいわけでございますから、そういうような余りに機動的、弾力的なやり方をやりますと、財政放漫につながるというような危惧もなきにしもあらずであったわけでございます。そこで、いろいろな補助事業の場合なぞ一年先ぐらいまでは計算に織り込むとか、そういうようなことを便宜現実に即してやってきておりますけれども、全般的に交付公債というようなもので土地を買っちまうというようなやり方をやることについては、かなり消極的にきたわけでございます。それは投資需要が大きいなるがゆえに放漫に流れるというような問題を念頭に置いてきたわけでございますけれども、今後ただいまのガソリン税の一般財源化の問題、こういうような問題というのは、かなり道路投資の財源需要ということだけでなくて、いろんな各般の観点から検討しなきゃいかぬと思います。ただ先ほども申し上げましたように、昨年の暮れの税制調査会におきましても、道路財源の充実強化はなお必要であるというような答申なぞも出ております。いろんな議論があるわけでございます。ですから、御指摘のような問題意識私どもも持っておるわけでございまして、そういうようなものを含めまして、これからいろんな観点からの検討はしなければいかぬというふうに思います。
#26
○竹田四郎君 それから私はもう一つ、何も六十年たったら元金を必じしも償還しなくてもいいじゃないかというような私は事業があると思うんですね。これは国債がいいか、公債がいいか、地方債がいいか、わかりませんけれども、まあ地方債からそういうことを始めていったらどうだろう。たとえば具体的な、特に地方債の例でいけば、とにかく民間の幼稚園より公立の幼稚園の方がよりベターであることはこれは間違いありません。それから費用の面だっても幾らか安い。それだけの差額というものを考えてみれば、私は、地方債なり国債なりの利子分よりずっとプラスが多いと思うんですよ。そういう点で、国民の目によくわかり、国民の利益につながるものというのは、その換金のシステムさえできれば、必要なときにはその公債を売って換金する、貯金と同じような、株と同じようなものですね。こういうような形に公債というものを発展させていってもいいんではないか。ただ、これ目に見えないような、国民の理解の得られないような事業には、私はむずかしいと思うんです。国民の利益に得られるようなものは、そういう意味では永久債なども一部に取り入れていってみる、こういうことは考えてみたことはございませんか。私は、ある程度は、初めのうちはなかなかむずかしいと思います、これは。恐らくこれだけ国債の発行というものが定着してくれば、特に建設国債の部分なんかでは、そういう永久債をやっても、とにかく支持を得られるということはあり得ると思うんですね。
 現実に神戸市においては神戸の市債というのは地域の人は買っているわけです。かなり消化状況はよかったわけです。これはその発行条件も、利率なんかの点ももちろんありましょうけれども、ある意味では、その金を出したことによって、そうした公共物に対する関心というものが私は深まっていくと思うんですね。そういうことを考えてみれば、いまのような形で国債が一律の形でなくちゃならないということには私はならぬと思うんですね。いろんな形が多様化していっていいんではないか。そのかわり国債の発行目的というものは、はっきりそういう場合には限定しないといけないと思いますけれども、そういうようなことも考えていかなければ、ますます国債の額というのはふえていく可能性の方が多い。これを少なくしていくということは、ゼロにするといっても、なかなかむずかしいことだろうと思うんですよ。恐らくゼロにならないでしょう。こういうことを私は考えてみるべきだと思うんですけれども、そうしてある点で国民に提示をしていってみる、そういうことが必要だろうと思うんですが、これは大臣なり理財局長なり、単なるいままでと同じような一律的な国債発行だけでやっていくというよりも、もう少しいろんな形を変えたもので、あるいは国民の理解できるようなものにしていく、そのことが私は、これから国債発行やっていく上に考えてみなければいかぬ問題だと思うんですが、これは大臣とか理財局長いかがですか。
#27
○政府委員(加藤隆司君) 御指摘のようなお考えもあり得ると思うんでございますけれども、一つは、財源を特定化しますと、何としてもこれは硬直化の原因になるわけでございます。
 第二点は、借金が楽にできるようにいたしますと、口幅ったいんでございますが、財政放漫につながるということになりかねないわけなんです。私どものそういう楽な借金の仕方というのは、本当は安易につけばいきたいというような気も誘惑に駆られないわけじゃないでございますけれども、現在の財政法の考え方の健全財政の精神というものはやはり大事なんではないだろうか。あのただし書きに書いてありますような範囲で公債をお許しいただいていく、そういうような考え方というのは、やはり守っていかなければいけないのじゃないか。一つは、いま申しましたように特定化すれば硬直化要因になるわけでございますし、それから借金を楽にできるようにすれば放漫につながる、やはりできるだけ節度ある財政運営というような観点から考える必要があるんではなかろうか。それから現実はかなり厳しいわけでございまして、ただいまのようなお考え方ももちろんわれわれとしては検討しなければいかぬかと思いますけれども、やはり財政の節度というのは守っていかなければいかぬ。それを危険にさらすような制度というのは、できるだけ避けるべきじゃないかというふうに考えます。
#28
○国務大臣(坊秀男君) 御意見は、一つの見識として私どもといたしましては、いま次長がお答え申し上げましたとおり、これは一つの制度、一つの意見というものについては、やはりいろいろな角度から検討してみなければならないと思いますけれども、一つの見識としてこれはひとつ勉強してまいりたい、かように考えております。
#29
○竹田四郎君 確かにいままで財政法の点で、これは著しく均衡財政とれということをいままでだって厳しく決められているわけですね。それをあなたたち守っていないわけよ、こんなに厳しくたって守れないんですよ。私も、こういう点はむしろ国債の流通の問題、そこに歯どめをかけていって、国債を売りたくたって売れないと、売れないということになれば、これは必然的に国債の発行を少なくせざるを得ないわけですね。そういうところはほったらかしておいて、法律はあってもそれは守らないと、こういうことでどうして財政の節度が守れますか。ぼくはそういう意味で財政の節度を本当にもっと守っていくというなら、国債の歯どめというのを、単に依存率が三〇%以上になったら、それが歯どめでございますというようなことを言ったって、皆さん頭いいからすぐほかでごまかしてしまう。現実にことしだっても実際は地方財政の問題なんというのは、これは国が全部払うんですから、実質的には国債と同じですよ。四千億円だか五千億円ぐらいの地方財政の分を国が借りてこれを国が払うわけでしょう。これは実際問題は国債と同じですよ、名前が違うだけで。実際上はそういう法律があったって守っていないと。あなた方がみずから依存率三〇%というものをつくったって、これは名前を変えてほかにごまかしちゃってると、こういうふうなことでありますから、私はやっぱりそれはもっと国債が市場で売れるか売れないか、そういう経済あるいは金利の法則に基づいて、むしろそっちからの歯どめをかける、このことが私は必要だと思うんですよ。
 国民が一番国債について心配しているのはインフレの問題でしょう。ですから私は、何回かマネーサプライの見通し、これを発表しなさい、こういうことを予算委員会で私は二回も言っているわけです。しかし、これは日銀の問題でしょうから、余り大蔵大臣がああせい、こうせいということになれば、日銀の中立性を侵すということになりますけれども、しかし私は、マネーサプライの一年間の見通しというものを発表するように考えてみたらどうだろうか、それが一つの国債に対する私は歯どめになっていくんじゃないだろうか、こういうふうに思うんですけれども、これは諸外国だって事前に公表しておりますよ。西ドイツにしてもアメリカにしてもイギリスにしてもやっているわけです。そういうところからこの国債の流通利回り、こういうことも絡んでくるわけでありますけれども、そういう経済法則に基づいての歯どめというものをかけていかなければ、ただ単に法文上でやるだけじゃ意味ないと思うんですね。そういう点で大蔵大臣どうなんですか、マネーサプライなどというものを発表をしていく、どうせそれは当たらないと思いますよ。政府の経済見通したって当たったことはないんですからね。それは当たらなかったといって責任とった大臣というのはないわけでありますから、私はそういう形で、国民的に国債の及ぼす影響というものを監視ができる、こういうシステムをつくる方が、口で財政の健全化云々というよりも、実際そういう形でストップがかかると、あるいは低金利にしないでもっと市場金利に発行条件を任していくと、そういう形でやっていかなけりゃ、口で幾らとめる、法律で幾らとめると言ったって法律の、これをくぐってやってきているんですから、現実に。そういうふうな自動的な歯どめの装置を私はつくる以外にないんじゃないかと思うんですけれども、その辺どうですか。
  〔委員長退席、理事戸塚進也君着席〕
#30
○政府委員(岩瀬義郎君) いまの先ほどからの先生の御意見は、まあ国債を発行するに当たってのいろんな歯どめのいろんな御見識を御披露なさいまして、大臣もこの点について一つの御見識ということを表明されたわけでございますが、いまの私どもの考え方は、まあ先生の御意見と余り違わないと思いますけれども、まあおよそ借金というのはしない方がよろしいわけですが、借金をする以上はやはり気をつけてやらにゃいかぬと。まして国債につきましていろんな形における歯どめというものがいまは私は必要であろうと、それが一つの歯どめだけではなかなか効かないと思います。したがいまして、先生のおっしゃるような国債自身における金利の決め方についても、それからまあ、あるいは国債費がかさむとか、あるいは金利が高いとかということからくるところの歯どめという問題が当然に登場してくるであろうと。ただ、その場合にもやはり背景がございまして、そういう歯どめが効くような市場といいますか、そういう流通市場と発行市場との関係とか、そういうものが果たして理想的にすぐ動くかどうかということにつきましても、かなりやっぱり時間的なものも要りましょうし、それから先ほどのマネーサプライのお話も、国債を発行すれば直ちにマネーサプライがふえていくという形にも必ずしもならない。その同じ国債を発行されましても、それがどういう消化のされ方にするか、なるか、あるいは経済の背景あるいは金融環境によりましては、これが直ちにはマネーサプライの増加につながらない場合もあるし、それがマネーサプライに影響する場合もあるというようなこともございますので、いまのマネーサプライ問題も含めまして、私は当分は国債を発行するときに、やはりまず発行者側の慣重な態度が必要であろう。
  〔理事戸塚進也君退席、委員長着席〕
 それから、発行した後における国債の監視と申しますか管理と申しますか、そういうものがやはり出そろってこなければならないであろう。同時に、先生はいま財政論の方からおっしゃいましたいわゆる歯どめ論につきましては、マネーサプライの動向というものを見ることも一つの方法であろうかと思います。それはどうもマネーサプライというのは、通常結果というか、経済の動きの姿の結果が出てくるということになるものでございますから、それをどういうふうにマネーサプライをリードしていくというような形にはなかなかなりにくいかと思います。しかし、結果から顧みてこれから先の将来を予測あるいは断じるというか、マネーサプライが非常に増加しつつあるような状況のときに、警戒信号の旗を上げるというようなそういう形のものは、私はこれからどんどん手法として取り入れられるべきではなかろうかと思っておりますが、その辺は先生の御意見と私どもと余り変わっていないんではないか。
 やっぱり国債をこれだけ大量に発行されて財政の中に占めてまいります以上は、仮に単年度だけ見て、もし国債がゼロであっても、残高というものは膨大なものでございます。したがって、その膨大な市場に出ている国債の管理というものをおろそかにするわけにはまいりませんし、それをおろそかにしておると、新しい発行というものは恐らく不可能になってくる。そういう持ちつ持たれつ的なものがございますので、国債管理政策というものが、ある意味においてはいろんなものの歯どめの武器を、七つ道具と申しますか、そういうようなものが必要になってくるであろう。そういうものの中にいまのマネーサプライというものは、やはり一つの大きな要因として、これはむしろ経済の動向の結果を見る側からの一つの道具ではなかろうかというふうな感じをいたしております。
#31
○竹田四郎君 時間がありませんが、もう少しこの点議論したいと思うんですが、銀行局長、最近企業の銀行離れという話が出ているわけですけれども、確かに民間設備投資が多くならないということになれば、企業自体がみずから自己資金によって賄って金利の負担を下げていくというのは当然だと思うんですけれども、日本のお金の構造というのを見ますと、私は、基本的に貯蓄率が高過ぎるということが非常に大きな問題があると思うんですよ。これがこれからの私は悩みの一つだと思うんですよ。ですから、国民はいまの状態では何かに備えて貯金しなくちゃいかぬというから、二〇%から三〇%の貯蓄率というものは、景気がよかろうが悪かろうが、それだけは自分の食うものも詰めても貯蓄していくという、そういう構造になっていると思うんですね。これは社会保障が徹底して教育費も積まなくてもよろしいと、住宅を取得する金も要らぬということになりますれば、これはもっと貯蓄率は私は下がるだろうと思いますよ。
 しかし、いまの制度の中で貯蓄率が世界一高いということは、不況になろうがどうなろうが、これだけの金というのは出てくるわけですね。それで郵便局に積まれ銀行に積まれるという形になるわけなんです。これには金利を払わなくちゃならぬということになれば、この金はどこへ使うか。こういうような形で、いままではそれが民間の設備投費にその金が使われていたと。間接金融という独特な日本的なものを出してきたわけですけれども、私は、これからはそっちへ行かないと思うんですがね。これはだれか銀行局関係の人、その辺は一体、これからの金の動きというものは銀行局はどういうふうに金が流れていくというふうにお考えなんですか。私は、そっちへ行かなければ、仕方がなしにこれは、社会資本おくれているんですから、その金は社会資本に回っていかざるを得ない。それでなければ、徹底的に社会保障制度をやって貯蓄率を落としていく。そういうふうにならなければ、とにかく庶民の貯金というのはどんどんどんどんふえていくわけですね。まあ福田さんは貯金が好きなんですが、私は貯金を奨励するほど悪い政治家はいないと、こう思っていますよ。貯金をしなくても生活ができるようにすればいいんですよ。そっちをしないから、不況の中であっても物価高の中であっても貯蓄率はどんどん高まる。その辺の今後の金の動きの仕組みというのは一体どうなっていきますか。
#32
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、日本の個人の貯蓄率は非常に高いわけでございまして、欧米諸国は大体一〇%前後でございますが、日本の場合には二五%前後ということになっておりまして、金融を円滑に運営してまいるためには、この個人の高い貯蓄率によって流れ込んだ資金が、これが適正に国民経済の各部門に運用されるということが必要になってくるわけでございます。で、この個人の貯蓄余剰が、これが政府公共部門あるいは企業部門に流れるというのが従来からの日本の金融のパターンでございますけれども、先生御指摘のとおり、最近のように企業の設備投資その他の企業活動がかなり後退してまいりまして、企業部門の資金需要自体がかなり少なくなっておるわけでございます。そこで、相対的に、政府公共部門その他の公共部門、あるいは個人部門の住宅投資を中心とした資金量がふえてまいっておるわけでございまして、これから当面数年間の資金の流れといたしましては、この傾向がますます大きく強まってくるんではないかと、このように考えております。
#33
○竹田四郎君 そうすると、民間部門がその金を使わないということになれば、公共部門がその金を使わざるを得ないということになる。そうすれば、これは財政投融資によるにしても何によるにしても、国が借金をせざるを得ないと。こういうものは私はこれからずっと続いていくんじゃないのか、そういう構造になっていくんじゃないのかと、こういうふうに思うんですが、理財局長なり大蔵大臣どうですか。私は、金はそういうふうにもう流れていかざるを得ない。したがって、国の借金というものはふえざるを得ない。だから、幾ら主計局次長が健全財政健全財政と言っても、その金は流れてこざるを得ないと、こういうふうに思いますがどうですか。
#34
○政府委員(岩瀬義郎君) いまの個人の金融資産というものは、御指摘のように預貯金が大体半分ぐらいになっておるわけでございますが、その金を、それは銀行が預かり郵便貯金になっておる、それをまた使っているわけでございますが、それが、国が財政的に――どちらかと言えば経済がこういうふうな状況のときには、やはり財政主導型の形で資金が調達されていく、そしてそこでもって資金が公的な分野から出されていってやはり民間への刺激を与えていくと。民間への刺激が出てまいりますと、そこに民間の資金需要が出てまいりますから、いずれにしましてもそれはまた民間の資金需要という形においてまた資金調達が行われていく。それは私は、いかに低成長時代でありましても形はそんなに大きく変わってくるというものではなかろうかと思いますので、そこは私は一種の循環みたいなものがあるんではないかというふうに考えております。
 それは今後の予測につきまして、私自身といたしましては、個人の金融資産がもっと多様化して、貯蓄一点張りでなくて、債券部門とかそういうもの、あるいはもっとほかの金融資産にいろいろ回って多様化されていくべきであるというふうな考え方を持っておりますが、それはいかなる形において貯蓄されようとも、それを使う側といたしましては、それは公的部門だけが常にその金を使い、民間部門はいつも逼塞しているということになりますと、それは逆に言えば、ますます財政は借金をし、税収は上がらず、さらに公的部門の借金がふえていって、結局は民間が逼塞してしまうというような形になってはいかぬのでございまして、財政の主導型という意味は、ある程度、やはりいまのような時期にはそういう民間の資金を、民間の資金というか預貯金を動員してでも、財政の一翼を担いながら、国債というものが景気刺激のために役立っていくと。それの目的は何かと言えば、やはりそれはいずれば民間の資金需要活動が起こってくるということが前提でございませんと、永久にそういうことが続くということになにしますと、私は恐らく経済の循環というものが崩れていくというふうに考えるわけでございます。
#35
○竹田四郎君 時間がありませんから、もう少しこの議論をしたいんですけれども、時間が限られているからやめたいと思うんですけれども、しかし、それはあなたの言うような極端な、民間の方は全然金が行かないで公共部門ばかり全部行っちゃうということはないでしょう、これは。それは景気の波がありますから、景気のいいときには民間部門へ金が流れていくんでしょうけれども、しかし、いままでのようなああいう実質十何%伸びるというような、そういうものは世界経済全体から考えてみて私はあり得ないと思うんですよ。もし実質一一%ぐらい伸ばしてごらんなさいよ、日本に対する非難というのはもっと来るわけですから。どこかへ輸出しなくちゃならない。集中豪雨的な輸出にやっぱりなっちゃうわけですよ、世界経済全体から考えてみると。そうすると、やっぱり実質的に伸びたって八%ぐらい伸びりゃもうそれで限度いっぱいだと思うんですよ、これからは。そうなれば、民間の設備投資へ流れる金というものが流れが悪くなるわけですね。量が少なくなるわけですね。あるいは割合が少なくなるわけですね。そうすれば、どうしたってこれはいまのところ公共部門へ流れざるを得ないんじゃないですか。それをあえて断ち切るというなら、貯蓄率を減らす。どこかでなけりゃ、できた金をそのままにしておくわけにはいきませんからね。たとえ銀行に預けたところで、銀行だってそれをどこかへ貸さなくちゃならぬわけでしょう。自分の金庫へ入れておいたってこれは意味ないわけですから。そうなりゃ民間部門へ行くか公共部門へ行くか。民間部門がうんと発展しないということになれば、これは公共部門へ流れていく。これは銀行が金くれるわけじゃありませんから、これからの財政というのは、どうしても借金的な財政にならざるを得ないと思うんですね。そういう中でもインフレを起こさずやっていくためのシステムというものがこれからできていかなければ、いままでのような、主計局長の言うだけの問題では――これは主計局長の悪口言うわけじゃない。これはいままでの法律にあるからそれは守らざるを得ないということをおっしゃっているんですけれども、私はそういう新しいシステムというものをつくっていかないとどうにもならないんじゃないか。
 それは金融資産だっていろいろありますけれども、結局いま一番国民が持っておる金融資産というのは民間部門のものですね。公共部門のものというのはごくわずかですね。そうするとどうしたって、公共部門のものというのを国民が金融資産として選択できるという、こういうものをつくっておかなくちゃいかぬじゃないですか。それには国債にしたって地方債にしたって、金にしたいときにはいつでも売れる、余りロスなしに売れるという、こういうシステムが全然ないわけでしょう。だから私は、これからは非常にその点は困ると思うんですね。金の方はどんどん集まってくる、なかなか使い道がない、使いたいけれどもそれが消化の方法がないというのが私は現状じゃないかと思うんですよ。そういう意味で、もう公社債市場を整備して、ここで容易に換金ができる、こういうシステムを早くつくらないと行き詰まっちゃうんじゃないか、こう思うんですよ。そして同時に、ある一定の歯どめというものがその中につくられていかないと、なるほどそれは健全財政を維持しなくちゃならぬけれども、それとの関連というのは私は出てくるんじゃないかと。その辺は早急にひとつシステムをつくることを考えていただきたいと思うんですが、もう少しこの問題やりたいんですが、もう時間が来ましたから、御答弁がもしありましたら御答弁をいただきたいし、答弁がなければ要りません。
#36
○政府委員(岩瀬義郎君) せっかくの御質問でございますから、公社債市場の育成につきましてはかなり努力してまいりましたが、これからも御指摘の点を十分勘案しながら、その整備のために力を注いでまいりたいと思います。
 ただ、先ほどやはり経済の成長が低い、恐らく先生のおっしゃるように、そんなに高度成長はこれから先も続けていくわけにいかぬわけですが、その場合の財政のあり方というものは、やはりいままでの財政のように、やはりじゃなくて、やはり低成長にふさわしいような財政需要という形で、借金すれば間に合うんだという形はこれからは避けていくべきであろう。そうなりますと、やっぱり健全財政を主体としながら、この時代の趨勢、実力に応じた財政という形で、実力以上の財政の力を出そうとすることが、それがもし借金によって賄われるならば恐らく私は破綻すると思います。その辺は財政自身の私は宿題であろうと同時に、出されるところの国債の市場管理あるいは資本市場というか、公社債市場の育成につきましては、御指摘の点を十分私どもも念頭に入れながら進んでまいりたいと思います。
#37
○委員長(安田隆明君) 暫時休憩いたします。
   午後零時四十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時十三分開会
#38
○委員長(安田隆明君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、三法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#39
○福間知之君 航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律案それから国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、私この二つに関しまして若干の質疑をしたいと思います。
 ただいま午後から羽田の航空貨物の集積あるいは税関手続に関する現場を見てまいったわけでありますが、実感が残っているところで、まず最初にこの問題について少しく伺いたいと思います。
 私は、いまの羽田の貨物さばき、税関手続を見まして、なかなか大変な業務であるなと、こういう印象を持ちましたし、したがって、いま御提案されていますこのコンピューターの導入によるいわゆるNACCSというシステムですね、やや遅きに失しているのではないかというふうな印象すら受けたわけです。と申しますのは、私も海外の旅の経験をかなり持っていますけれども、具体的に海外の空港における貨物をさばく実態はもちろん見ているわけじゃありませんが、空港自体の規模あるいは施設の充実度合いなどから見て、わが国羽田空港よりは一等早くこの種の機械化、電算化といいますか、合理化というものが進んでいるのじゃないか。で、配られていますこの資料によりましても、ロンドンのヒースロー空港あるいはパリのドゴール、オルリー空港、オーストラリアのシドニー、メルボルン等々で、すでに行われつつあるしということであります。その点で、高度成長が続いていたこの十数年という時期に、特に四十九年以降輸入貨物がずいぶんふえたというふうに承知をしていますけれども、そういうことであれば、もっと早くむしろこれは企画し実施されてもよかったのじゃないのかというふうに思うわけです。その点どうであったかということ。
 もう一つは、いま成田空港開港をめぐりまして、まだ事態の円満な推移、展開ということに至っておりませんけれども、一応政府は、年度内空港開港ということをめどにしているということを前提にしますと、羽田と成田との関係で、かなりの距離もありまするから、この点をいまの段階ではどう考えて対処しようとしているのか、この二点まずお聞きしたい。
#40
○政府委員(旦弘昌君) 第一点につきましては、きょうごらんいただきました羽田空港の施設は、おっしゃるとおり諸外国の施設に比べましてかなり劣っておるのでございます。と申しますのも、これはもう数年前から成田に移転が毎年予期されてまいりましたので、新しい投資がされないというような事情があったわけでございますが、成田空港自体は諸外国に比べましても、その扱い量に比例した施設であるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、この増大する航空貨物の処理のために、一日も早く成田に移れば、そういうような混乱も少なくなるという期待をしておる次第でございます。
 御指摘のこのシステムの開発が遅きに失したのではないかということでございますが、おっしゃいましたように、一九七一年に、まずロンドンのLACES、いわゆるLACESというシステムが稼働しまして、これが世界で第一番目でございます。その次に昨年の六月にフランスの空港で同じようなシステムが稼働したわけでございます。ドイツ、オーストラリアなどにつきましては、本年そのシステムを稼働させたいという計画があるのを存じておりますけれども、まだ動いておるとは聞いておらないわけでございます。したがいまして、私どものこのシステムが動きますれば、これは世界で三番目ということになるわけでございます。
 で、おっしゃいますように、航空貨物の増大は、年を追って非常に急増しておりますので、さればこそこういうシステムをとらざるを得なくなったわけでございますが、このシステムの開発につきましては、これは民間も関与する問題でございますので、かなり時間がかかったのが実情でございます。で、当初、約十年近く前でございますけれども、われわれとしましては、将来は電算化をしないと、人もふえないので、早くその検討を進めるべきであるということで、空だけでございませんで、海も含めたところでひとつ検討してみようということで、暗中模索を始めたのが約十年前でございます。その後いろいろ技術的か問題あるいはわからない点が、その当時はどこもございませんでしたので、独自でいろいろやってまいったわけでございますが、そのうちにだんだん、海の問題はさておいて、空だけをひとつやろうということでしぼってきたわけでございます。それが四十六年の末であったわけでございます。で、ちょうどその年がロンドンのこのシステムが稼働した年であったわけでございます。その後、いろいろロンドンの例も参考としつつ検討を加えてまいりまして、官民合同で協議しました結果、昨年の五月に至りまして官民ともこれでいこうということで業界の参加の意思も表明されて、それでことしこの法案をお願いしたということでございます。何分にも新しい分野でございますので、そういうような事情で時間をとったわけでございますが、法案が成立いたしますれば、可及的速やかにシステムの開発を進めて、業務も開始させていただきたいと、かように考えております。
#41
○福間知之君 羽田空港にいま一日当たりでほぼ三百五十トンの荷物が到着をし、処理をしなきゃならぬと、こういうことだと言われているんですが、それは正しいんですか。
#42
○政府委員(旦弘昌君) 先ほどの第二の点をちょっとお答えし忘れましたので追加させていだきますが、仮に、本年内に成田開港ということになりますれば、この計画は来年の、業務が来年の七月に実際にスタートするという予定にいたしておりますので、成田でスタートするということになるわけでございます。しかし、この計画は成田移転とは一応関係のない計画でございまして、もしその成田開港がおくれますれば羽田で早急に実施いたしたいと、つまり来年の予定のとおりでありますれば、七月に羽田で実施をいたしたい。そしてその後成田に移転ということになりますれば、その端末機を移動するという手間がかかるわけでございますけれども、これもやむを得ないことでございますが、成田開港とは切り離しましてできるだけ早く、このシステムに乗りたいというのが第二の点のお答えでございます。
 それから、ただいま御質問になりました航空貨物の量の問題でございますけれども、これはまず件数で申し上げますと、羽田と伊丹と合わせましたところで昨年、暦年で申告件数が六十五万五千件ございます。これは五年前の四十六年には、これが四十五万七千件でございましたので、この五年間に四割三分増になったわけでございます。同じ五年間に海上貨物はどれだけふえたか、これは全国でございますけれども、ふえたかと申しますと、一割五分ふえたわけでございます。したがいまして、この航空貨物のふえ方というのは海上貨物の約三倍であるということでございます。
#43
○福間知之君 いや、それで二番目にお聞きしたように、たとえば羽田の場合に一日に三百五十トン余り着貨すると、こういうことだと聞いているんですが、その程度なんですか。私は三百五十トンというのは、たとえばジャンボ機の場合、何台分になるのか、見当をつけたいんですが。
#44
○政府委員(旦弘昌君) 量でございますけれども、昨年一年で、これは羽田と伊丹と両方合わせた数字になっておりますけれども、一年間で十万五千トンの航空の輸入貨物量がございました。したがいまして、これを日数で割りますと、あるいは三百トン前後になろうかと思います。で、ジャンボ一機につきまして八十トンほど荷物が積めるそうでございますから、三百トンとしますと四機分ぐらいでございます。
#45
○福間知之君 それで、余り細かいことをお聞きする時間がないんではしょらざるを得ないんですが、今回この電算機を導入されて、いわば通関の手続の合理化、近代化ということが主たるねらいのようでございますね。通関の手続というもの、私はいま現場を見せていただいて、同じ導入するんならばもう少し、私ども民間人の目から見れば、業務の拡大を考えてしかるべき作業がたくさんあるような気がしたんですが、当然ここに至るまでの当局としての検討の中にはそういう課題が含まれておったかと推察しますが、いかがですか。
#46
○政府委員(旦弘昌君) 先ほど申し上げましたロンドンのヒースロー空港あるいはフランスのドゴール空港などの同種の楽務内容について見てみますと、ロンドンの場合には主として通関業務、それに若干倉庫の荷物の業界の業務が入っております。それからフランスの場合には、全く通関の業務だけでございまして、非常に政府の仕事といいますか、それだけに限っております。私どもこの計画を考えましたときに、そのイギリスあるいはフランスのような方式でいくのか、これは結局は民間の方にも負担をしていただくわけでございますので、それでありますれば、単に通関の迅速化ということだけでなくて、民間の側で役所とは別に受益される分野があるんではないか、そういうものも取り入れて考えた方が、より経済的ではないかという考えでスタートしたわけでございます。したがいまして、その点で非常に大きなメリットはやはり官民ともにこの通関をめぐる合理化でございますけれども、民間側のメリットといたしましては、そのほかに在庫の管理、それから倉敷料の管理、あるいは料金の計算というような部門もこのコンピューターに乗せてそれで処理するということで、その面では英、仏の計画よりはかなり範囲が広いというふうに考えております。
#47
○福間知之君 いや、いまおっしゃられた話の最後で、在庫管理とか倉敷の管理とか、あるいは手数料といいますか費用の管理とか、それは民間ベースでやることにするというわけなんですか。
#48
○政府委員(旦弘昌君) 民間の業界の方がそれをコンピューターに入力されるなり、計算をする際に、そのコンピューターを使うということでございまして、それは役所側には関係のない話でございます。通関業者の方が輸入者から幾ら手数料を取ろうというような計算もこのコンピューターでするわけでございまして、それは税関の側は何も関係ないことでございますが、同じこのシステムで通関業者の方はいまの点で使えるということでございます。こういうことはイギリスとかフランスのシステムではやっておらないわけでございます。そういう意味で、いまのは一例でございますけれども、そういう意味でわが方の案の方が内容が広いと、民間の利用度も高いということを申し上げたわけであります。
#49
○福間知之君 いや、これは余り時間ないので聞けませんけれども、先ほど見た印象では、たとえばスカイラックなんかがございましたね。あれはなかなかいいシステムを採用されていると思ったんですが、それにしても規模が余りにも小さ過ぎる。あれはもっと本格的に空間を活用する、そのために必要な機械をやっぱりもう何台も備えていいんじゃないかと、私はそういうような感じがしましたし、またああ手狭な空港のことですから、当然といえば当然かもしれませんが、余りにも雑然とし過ぎている。あれじゃ間違いも起こりかねないなと、こういう印象も受けました。ああいう部分に私はコンピューターシステムの導入ということがあっていいんじゃないか。それは民間の仕事とは違うのじゃないか。税関の仕事ではないのか。お手伝いする人は、たとえばヘルメットをかぶってきておった人がたくさんおりますが、それは税関の職員じゃないようですけれども、通関業者の職員らしいですが、それはそれとして結構です。結構ですけれども、システムそのものは、あれは民間が投資してやる筋のものではないと思っておったんです。民間業者自身がそうした後でどうされるかどうかというのは、これは民間の責任でやるべきですけれども、あの税関の中における責任は私は税関じゃないのかと、こう思っているんですがね。
#50
○政府委員(旦弘昌君) 先ほどごらんいただきました時間が飢常に短かったのと、それから非常に騒々しいところでございましたので御説明が十分でなかったのかもしれませんが、いま御指摘のスカイラック、先ほどごらんいただきましたスカイラックは、あれは税関の施設ではございません。あれは、あそこで通称IACTといっております倉庫業者の施設でございます。たまたま支署長が御案内いたしましたので、役人が御案内いたしましたので、税関の施設のように御印象をお与えしたかと思いますが、あの出ました後で検査場がございました、小さなところでございますが、あそこが税関の施設でございまして、いろいろな荷物を仕分けしたりなんかして出てくるところまで、そこは税関の施設でございません。しかし、あのスカイラックのような施設は、あれも大分くたびれておりましたけれども、原木にやはりああいう施設がございまして、これは成田空港の開港を予期してつくったものでございますので、あれよりもはるかに近代的で大規模な施設がすでにできております。現在荷物がそちらに行きますと、それで稼動しております。羽田の方は、先ほども申し上げましたような事情で、成田に移りますればあの施設が要らなくなるわけでございますので、したがいまして、新しい投資をほとんどしてないために非常に古めかしくて汚らしいという御印象をお与えしましたけれども、向こうに移りますれば、非常に近代的な施設がすでにできておるわけでございます。その点を御了承いただきたいと思います。
#51
○福間知之君 これもはしょります。
 そこで、いまのお話に出ましたように、ああいう施設、ああいう荷物さばきの場面は通関の業者にゆだねられていると、こういうことでございますね。
 そこで、先ほどもちょっと中途半端だったんですが、東京税関で話をしておったんですけれども、その通関の業者というのは、羽田に限ってお聞きしましょう。大阪、伊丹は別、横浜は別と、こういうことで、羽田の場合何十社ぐらいあるのかということ。それからたとえばただいまの御答弁にありましたように、空港の中にもすでに通関業者が入って仕事をしている場面がある、場所がある、あるいは建屋がある、施設があるということですが、そういうものは無償で貸しているのか、どうしているのかということですね。空港の周辺には国有地がかなりあるはずでありまして、その国有地を利用させているというふうに判断するんですが、そこらの実態はどうなっているのか。
#52
○政府委員(旦弘昌君) まず第一に、東京税関におきます航空貨物の扱いをしております通関業者の数でございますが、これは五十四社でございます。この五十四社はすべてこのシステムに参加を希望いたしております。
 それから、借料のことにつきましては、運輸省から御答弁があるだろうかと思います。
#53
○説明員(宮本春樹君) 航空局でございます。御説明いたします。
 羽田におきまして通関業者が直接に国有財産を借りておるものは一社でございます。国際倉庫という会社でございますが、そのほかに、ただいま御説明のありましたとおり、あそこで通関料を取っているものは多数ございます。そのものは、空港ビルでございますとか、東急ホテルでございますとか、そのような民間の建物の中で営業を行っておる。そういう実態でございます。
#54
○福間知之君 再確認しますが、しからばそういうホテル等で民間が事務所を借りているという程度であるということなんですか。倉庫などは持っておるということじゃないんですか。
#55
○説明員(増田信雄君) ただいま御説明いたしましたように、倉庫を営業いたしておりますのは一社でございます。東急ホテルという名前出ましたが、そこで事務所を持っているものが四社、そのほかは主として空港ターミナルビルディングに部屋を借りております。
#56
○福間知之君 そうしますと、これは先のことですけれども、成田が開港した場合成田に業者は恐らく移転をする、こういうことになろうと思います。その前段の問題として、何かいま羽田の税関にほぼ三百五十人おると言っておりましたかね、七十人と言っておりましたか、その人々も向こうへかわらなきやならない。そうすると宿舎の問題も出てくる。業者の場合も事務所あるいは働いている人の宿舎、これはまあ民間のことですから当然別個の問題ですけれども、そういう問題が出てまいりますね。そういうことに伴って必要な処置がもうとられているのかどうか。あるいはまた、そのことと関連して、このシステム全体の導入に、そのものに関係の労働組合との間で合意は得られておって問題はないのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
#57
○政府委員(旦弘昌君) まず第一に、成田がオープンいたしますと、おっしゃいますように羽田の税関の職員は大部分がそちらに移動するわけでございます。一部の外国航空機がもし入ってくるといたしますと、その貨物の扱いは、先ほどおいでいただきました本館の方から随時派遣をいたしまして、この処理をするということにいたしたいと考えております。この大部分の職員の事務所あるいは宿舎等につきましては、もう数年前に完成いたしておりまして、待っておる状態でございます。
 それから、労働組合の問題でございますが、この問題につきましては、私どもの労働組合の組合員の中の約九割を占めております組合につきましては、この案につきまして賛成をしておりますし、それから一割のもう一つの組合につきましても、ほぼ御了解を得たものと考えております。ただ職員といたしましては、何分新しい分野でございますので、その労働条件に与える影響等についての御心配もあるようでございますので、これらにつきましては、過去におきましても機会を見つついろいろPRをしてまいりましたし、今後ともその努力を続けてまいりまして不安のないようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。したがいまして、そういう意味での組合の反対はまずないというふうに考えております。
#58
○福間知之君 ところで、具体的に算電機を活用するというお話になりますと、これは電電公社のやつをリースするわけですか。
#59
○政府委員(旦弘昌君) まず、このシステムの中で本体のコンピューター自身がございます。これは予備を含みまして二台設置するわけでございますが、これは電電公社の中野の庁舎の中に設置をいたしまして、これは電電公社が購入いたしまして、このセンターにほかの回線とか付属施設を貸すということで、このセンターがその借料を支払うというかっこうになります。
 それから一方、利用者であります税関及び通関業者あるいは上屋業者等におきましては、その本体と結びました端末機が必要でありますが、この端末機につきましては、これも端末機のリース会社から借りるというかっこうになるわけでございます。それに対しまして借料を支払うというかっこうになると思います。
#60
○福間知之君 いわば、リース料を払って、本体は電電公社に、端末はまた別個にリース料を払わなきゃいかぬということですが、見通しとして、そういう合理化に伴い、さしあたって手数料その他、いわば輸出入当事者に与える影響は特別に懸念されることはないんですか。
#61
○政府委員(旦弘昌君) 利用者側といたしましては、これは税関も含めてでございますけれども、従来と変わりますのは、端末機の借料、それから回線の使用料等を負担するということになりますので、その分につきましては経済的に負担が増加するわけでございます。しかしながら、皆さん大体そういうことも御了解いただきまして、先ほど申し上げましたように、通関業者あるいは航空会社等ほとんど全部参加したいという御回答をいただいております。関係者の中で未回答でありますのは、航空会社のうちのごく一部、四社であったと思いますけれども、それだけがまだ回答をいただいておりませんが、その他の関係者はすべてこれに参加したいという御意向でございますので、その辺は御了承を得たものと考えておる次第でございます。残りました四社も、未回答であるということでございまして、反対であるということではないように考えております。
#62
○福間知之君 時間がないので、国際開発協会の件につきまして、大臣にちょっと最後にお聞きをしておきたい、一言だけ。
 ことしの四月でございましたか、マニラでアジア開銀の総会がございましたね。あれに出席された、そしていろんな感想を持たれたと思うんですけれども、今回提案されています国際開発協会に対する、第二世銀に対する増資ですか、こういう話なんですが、私は、ロンドン会議での経過あるいはまた開発途上国に対するわが国の経済的な御協力、そういうものがかねがね当委員会でも議論が行われてきたところですが、基本的にそういう協力援助というものを拡大をしていくということは必要だと思いますけれども、いま現在開発途上国千八百億ドルに及ぶ累積債務を抱えて、その返済などの見通しに非常に困難が横たわっているように聞くんです。それだけに、これからの協力援助という場合には、その援助協力したことに対する成果、効果が果たして着実に上がっていくという、そういう展望がなければならぬし、またそれを期待してわれわれは協力も拡大していこうということでございますから、そういう点で、ここで細かい数字を挙げてどうこう言うわけじゃないんですけれども、現に私どもはいままで、フィリピンの状況あるいはシンガポール、マレーシアの状況、またお隣の韓国の状況等いろいろ世上問題視されるようなことを耳にするわけであります、あるいはまた書いたものが目に映るわけであります。そういう点について、一体これはわが国では、どこが日常的監視といいますか、必要によってはまた特定の要請などをするのか。外務省なのか、大蔵省なのか、両者寄ってやるのか。私は、援助が拡大していくということを考えれば考えるほどその成果を期待したいのは当然のことでございますので、そういう点について大臣はどういう所見を持っておられますか。
#63
○国務大臣(坊秀男君) 先般私はマニラのアジ銀の総会へ出まして、それからまたロンドンにおけるロンドン会議に出まして感じましたことの一つが、わが国は、世界の何と申しまするか、今日赤字で、経済発展途上にあって骨を折っておる、苦しんでおるというところに対しましては、今後とも、わが国の力の限界内でございますけれども、でき得るだけの協力援助をしていくべきことだ、これはできる限り拡大していくべきだということを私はしみじみと感じてまいりました。しかし問題は、ただお慈悲だとか、何かそういったようなことでは私はいけない。それを受け入れるべき国の事情とか、その心構えだとか、要するに、何と申しますか、少なくともセルフヘルプという意気込みがあって、わが国の慈悲やそういうものじゃありません。わが国は、世界の経済を引き上げていくためには、やはりそういったようなところの経済も上げていかけなればならない、そういったような私は世界的要請だと思う。その要請にこたえてくれるだけの意気込みというものが何よりも大事なことであるということを考えてまいりました。今日までわが国のやった援助協力は、大体におきまして相手国の経済の事情だとか、いろんな心構えだとかいったようなものも、これはよく吟味考慮しましてやっておりますので、私は今後、われわれが期待した所期の、何と申しますか、期待が実現されてくるであろうということを信じております。さような意味におきまして今後とも大いに力を入れていく。べきであるということを感じております。
#64
○福間知之君 もう時間がありませんのでこれで終わりますけれども、私は大臣のおっしゃるようにそう楽観的な見方はできないのではないかと思っています。したがって、これは今後の課題に残して、一度また新たな機会に当委員会でも議論をしたい、こういうふうに思っています。持ち越したいと思います。
#65
○渡辺武君 私は、前回政府の発表された財政収支試算で大量の国債が今後引き続き発行されるということが一応試算として発表されておりますので、その国債が同じ五十五年度までの間にどう消化されるのか、それを保有者別の保有高という形で試算して発表すべきではないかという趣旨のことを申しました。これに対して、いや、それをやるためにはさまざまな仮定を設けなきゃならぬということを理由として、いわば反対の内容の見解が答弁されたわけですが、仮定を設けると言えば財政収支試算自身が仮定の上に立っていることなんですね。大体この下敷きになっている前期経済計画そのものも一つの目標であって、それ自体として仮定だと思うんです。そしてそれにのっとって五十五年度までに赤字公債を是が非でも解消するんだということを前提条件としてこういう試算が発表されているわけですから、仮定を設けなければできないんだというのは理屈にならぬと思うんです。私は、ただ、公債を発行しますよと言うだけでは、国民は一体そのことによって国債がどういう影響を与えるのか、国の経済全体、とりわけ金融あるいははね返って財政そのものにどういう影響があるのかという点に重大な関心を持っているわけですから、どういうように消化できるのかという試算もぜひ計算して発表してほしいと思います。大臣この点御答弁いただきたいと思います。
#66
○政府委員(岩瀬義郎君) いまの御質問は、先般の大蔵委員会でも先生から御指摘がございまして、お気持ちは私も十分わかるわけでございますが、この前から問題になっております財政収支試算でもかなりの仮定を、いまおっしゃるように前提にしてつくられたわけですが、それはそれでも、やはりああいうふうな数字が一度発表されておりますと、言葉は過ぎるかもしれませんけれども、数字としては一人歩きをする可能性がございます。ましてや、国債の消化というのは、たとえば昭和五十二年度をとりましても、まだ、年度間の発行額が決まっておりますけれども、それに対して年度前半にどのくらい、後半にどのくらいというような規模も大まかなところはつかんでおりますけれども、これはやはり金融環境等を勘案しながら決めていかなければならない。ましてそこに日本銀行のオペレーションだとか、あるいは月々の発行額の中で個人消化がどのくらいに進んでいくかというようなこと、あるいはまたそれが日銀と運用部との関係でも、たとえば運用部の資金をもって日本銀行から国債を買うというようなことを考えますと、この五十二年度の年度末に一体保有者がどういう形で保有されているかということを見きわめることはかなりむずかしいし、それは恐らく、たとえば買いオペ率を年間にどのくらいするとか、あるいはその間に、五十五年度までの間には景気の繁閑もございましょうし、そういうものを織り込んでいったり、あるいは国債が予定したよりも少なくて済むというような前提が、もしそういう経済環境がつくられれば、またそれに応じた国債の発行額が変わってくるわけでございますから、かなりの大胆な試算ということになりますので、そういう試算をつくってみることについて、私どもはそういうものを持たなければ、国債の消化あるいは国債に対してわれわれが管理政策の面において手落ちがあるというふうには私ども考えなくていいんではないだろうか。むしろそういうことは一つの計算上は仮に出たとしましても、それは政府が発表いたしますとあたかもそういうようになるというふうに解釈されることの方がむしろ私どもは心配でございまして、保有者別という点は、五十二年度の年度末をとりましても私どもいまはっきりと数字を出すわけにはなかなかいかない。ましてや五十五年度末にどういう保有者別の内訳になっているかというようなことはずっと、まあこの前のときは勉強をいたしまして検討はしていますけれども、大変困難でございますということを、前後二回にわたりまして先生から御指摘がございましたのでお答え申し上げましたが、あれから勉強してみておりますけれども、なかなかそういういま申し上げたような理由で、どういう前提を置いたらいいかという、その前提そのものに私どもは必ずしもすぐ自分らで納得しておりませんので、そういう納得のできない前提に立ってさらに計算をするということにつきましてはお許し願いたいと、こういう感じでございます。
#67
○渡辺武君 この財政収支試算を発表する前もそれに似たような議論があったんですよ、あなた方の中から、どうなるかわからぬのだということで。だから、試算として発表することは困難だとか、いや発表すればそれが一人歩きしてうるさいことになる、卑俗に言えばね。そういうようなことで盛んに抵抗があった。しかし、結局のところこうして出してこられた。で、われわれの側からすれば今後大量に公債を発行しますと、いわば試算でそう出されている。しかし、これがどういうふうに消化されるのか、そのことをはっきりさしてくれなければ、先行き一体どうなるかということの判断もつかぬ。そういう状況ですよ。ことしの上半期に発行してそれが消化できるかどうか、下半期はどうだろう、そのうちの個人消化がどういうことになるかわからぬからと、そういう短期のことじゃないんです。五年間の長期にわたって、大筋でこういう前提でいけば大体こういう消化になるということくらいは、やはり一応めどとして財政当局もつかんでおかなきゃならぬことじゃないですか。これ自体、財政収支試算自体も五十五年までには赤字公債はなくすんだという政策目標を一応前提としてこういうものを出しているわけでしょう。だとすれば、消化に当たっても、インフレの起こらないように、国民経済に混乱を起こさないように、こういうような消化をやりますということを出す義務が私はあると思う。大臣どうですか。ぜひ先ほどのような内容のものを出していただきたいと思いますね。同時に、それを可能にするための前提条件、こういうふうにすればなると思うと、そのくらいのことは政策としてはっきり提示してもらわなきゃ困ると思うんです。御答弁いただきたい。
#68
○政府委員(岩瀬義郎君) まあ繰り返しになりますけれども、たとえば国債買いオペというような例を一つとってみましても、これは日本銀行が金融環境によって判断をいたしまして、日本銀行独自の判断によって行われるものでございます。したがって、本年度だけでも日本銀行の買いオペが幾らになるのかというようなことというのは大蔵省として判断しかねます。したがって、そういう前提というものをいろいろ置かなければ、いま先生御指摘になった大量発行下において国債を消化しょうというのに、言葉を変えて言えば非常に大蔵省としてその準備が足りないではないかというような御指摘でございますけれども、私どもは国債の大量発行下において市中消化というものを原則として、そしてその五十五年度までの一応試算というものを、私どもはその試算ができた前提を見ましたところで市中消化に全力を投入していく、そのときどきにいろいろな経済環境、金融環境が変わってくるであろう、そこに対してはそれに対応するだけの措置を講じながら、基本的には国債が消化されやすい市場の育成とか、あるいは条件づくりとか、そういうものを持ち出しながらやっていこうということでございますから、いささかもその国債の消化に対して不安を抱かせるような、そういう形には持っていかないということをたびたび申し上げて、それに対して研究不十分なところはなお勉強も続けておりますと申し上げているわけです。
 で、いまの環境は御存じのように大変国債に対してはいい環境でございまして、国債は非常に売れておりますし消化も順調であり、またその保有状況というものも安定いたしております。したがいまして、そういう状況がいまからさらに続くかどうかということについても、これからのいろいろな御議論がありましょうが、保有者別が五十五年度末にどうなっているかというような試算ができないから、できないということであるならば、国債消化について不安があるというふうに、すぐそこに持っておいでになる御議論に対しましては、私どもはそれは試算としてできないということを申し上げておるので、消化が不安であるだとか、あるいはそれに対していささかわれわれが自信がないというふうにおとりいただくことにつきましては、これはもう見解の相違かもしれませんけれども、私どもとしては先生の御指摘に対して再三私どもから申し上げている点が食い違っておりますけれども、そういうオペレーション一つをとりましても、大蔵大臣の御判断だけでなく、日本銀行が判断します時期というものは、これは私どもがいま買ってくれとか、いま売ってくれというような状況の判断とは違うものが当然に出てきてしかるべきで、それがまた金融の中立性ということでもございましょうから、そういうものを全部織り込んで毎年毎年オペで幾らぐらい日銀が吸い上げてくれるものだ、それならば日本銀行の保有額が幾らだというような仮定というものを毎年置いてみて、五十五年度末の国債の残高、たとえば日本銀行の保有額が幾らだと推定するということを出せとおっしゃいましても、私どもはできかねる、五十二年度ですらできかねると、こういうふうに申し上げているわけでございまして、財政収支試算という一つの大胆な前提に立った数字の書き方とは、さらに違った意味において私どもむずかしいと申し上げているわけでございます。
#69
○渡辺武君 これは大臣に伺わなきゃならぬと思いますね。私は、そういう技術論を伺っているんじゃないんです。政府が財政収支試算で今後大量の公債を出しますよと、いわばそういう宣言をしたと同じだと思いますね。そういうものを出しておいて、これが一体消化できるのかできないのか、どういう形の消化になるのか、またどういう政策をとればそういうことになるのか等々をやはりあわせて国会に報告し、国会の検討を抑ぐというのが、これは政府当局の私は義務だと思うんです。政治的な義務だと思うんですね。その点を申し上げている。出していただけますか。私はやろうと思えばできると思う。大臣の御答弁をいただきたい。
#70
○国務大臣(坊秀男君) 五十五年度の財政の一応の姿を浮かべてみまして、そしてその五十五年度の財政におきまして、とにかく赤字公債から脱却しようと、そのためには、いろんな問題があろうと思うんです。
 まず一番早い話が、この普通税収入はどれだけあるかといったようなこと、そういったようなことでも、私は何回かお答え申し上げましたが、しからば、その税収入は五十三年度に幾ら、五十四年度には幾ら、それで結局五十五年度にはこうなるんだといったような計画的なことは今日申し上げることはできませんと、せめてそのめどぐらいは、中期税制のめどぐらいはことしの秋ぐらいにつけたいと、こういうふうに申し上げたつもりでございますが、そういったようなことと関連いたしまして、しからば、五十二年度には公債財源はどうだ、五十四年度には公債財源はどうだというふうな計画的な数字というものは、今日これを明確に申し上げるわけにはまいらないと、ただ問題は、五十二年度の財政はどうであると、五十五年度の姿はどうである。そこへ結んでいくためにはこういうことであるという一応の試算が、これは先般提出いたしました財政試算でございますので、そこで何年にどう、何年にどうということをこの際申し上げて、これはどういうふうに消化するということを申し上げかねるという段階にあると、こういうことです。
#71
○渡辺武君 もう時間がどんどんたっちゃいますから。大臣のおうしゃることも本当に筋が通らぬですね。だって、公債はこれこれ、毎年度このくらいの額ですと、税収もこのくらいの額ですと、そうでしょう。支出の方だって、公共事業費はこのくらいだ、振替支出はこのくらいだ、その他はこのくらいだと、大筋の数字出しているでしょう。それは試算をなさっているわけですよ。だから、消化の方も大体どういうことになるんだという試算をなさって出すのが義務じゃないですか。検討していただけますか。――もう時間たってしょうがないから大臣の御答弁いただきたい。あなた長くて困るんだ、ピントはずれたこと言って。大臣御答弁ください。
#72
○政府委員(岩瀬義郎君) ピント外れておりましてもこれは意見として私から答弁させていただきますが、これは私からのお話を先生御理解いただけない点、実は私どもとしては非常に残念な気持ちがありまして、いまたとえば五十一年度末の国債の保有状況というのは、五十一年度末これははっきりいたします。これは結果がはっきりと出ておりますから、この割り振りで五十五年度の発行額までの間を全部その割り振りではじいてみたらどうかと言われても、これはもうそのままで……
#73
○渡辺武君 そんなことを言ってるわけじゃないです。
#74
○政府委員(岩瀬義郎君) だから、それはその年度年度の間の保有状況というのは変わってくるわけでございますね。その変わってくるものをどうやって読むかということの段階、その読み方の問題……
#75
○渡辺武君 もういいです、大臣の答弁求めます。時間もないんだから、やめてください。
#76
○政府委員(岩瀬義郎君) それでは私からの答弁はこれで。
#77
○渡辺武君 大臣どうですか、検討してくれますか。
#78
○国務大臣(坊秀男君) いま申し上げましたとおりでございますが、それをいつまでも計画を立てないと、そういうことではございません。やがてそれは計画を立てまして、そして中期計画を立てたときに、これは公債の見積もりが立つ、こういうことでございます。
#79
○渡辺武君 五十一年度末の保有者別の国債の保有率ですね。全体の残高の中で何%をどこが持っているか、これちょっと言ってください。
#80
○政府委員(岩瀬義郎君) 全体が二十二兆七百六十七億でございますが、それを一〇〇といたしまして、日銀が二七%、運用部が二八・八%、市中金融機関が四二・八%、個人等が十三・四%でございます。
#81
○渡辺武君 そうしますと、日銀と資金運用部の保有で四三・八%ということですね。かなり大量の国債を持っているわけですね。特に、日本銀行二七%というのは大変な比率だと思うんですが、これ五十五年度までこの率でずっと続くとお思いですか。ふえると思うのか、減ると思うのか、この点はどうですか。
#82
○政府委員(岩瀬義郎君) いまの率は五十一年度末のその時点における保有率でございますから、これはどんどん変わってまいります。したがいまして、先ほども申し上げましたように、日銀はこれはオペをいたしました、市中から買い上げたものでございまして、初めから引き受けたものではございません。その率は変わってまいります。
#83
○渡辺武君 そのくらいのことは知っていますよ、端的に答えなさい。どう変わるんですか。
#84
○政府委員(岩瀬義郎君) それは先ほどから何偏も申し上げておりますようにいまから予測はできません。
#85
○渡辺武君 そんなことじゃ、あなた赤字公債含んで大量に公債出すというのに国民安心していられますか。これ日銀の保有率がこれよりもっとふえたらどうなります、大変なもんですよ、これはインフレ激化だ。この前、日本銀行総裁は、日本銀行というのは成長通貨を賄う範囲でしか国債は買いオペしないんだと、だから、保有率は当然現状よりも少なくなるでしょう、低下する方向でしょうと、こういう趣旨の答弁している。あなたはその程度のことも言えないんですか。
#86
○政府委員(岩瀬義郎君) 日本銀行は、その金融環境によってオペレーションをやる、そのやり方というのは、成長通貨を一応めどとしてやるということは言われておるわけでございますから、その範囲内において行われてきた累積が今日二七%になっているんだろうと思います。したがって、今後もオペレーションをやられるものは、成長通貨を一応前提としているんでしょう。しかしながら、その成長通貨というものがどういうふうに伸びていくかということの予測というものをある程度立てれば、それは日本銀行の買いオペの率はその金額はある程度わかってくるかもしれませんが、それは日本銀行がどういうふうな計画を立てるか、あるいは成長通貨というものがその時点においてどう判断されるかと、こういうことでございます。
#87
○渡辺武君 従来はこの経済成長もわりあいに率が高くて、国債の発行の高も余り多くなかった。ところがまさに低成長の時代へ入ってから猛烈な勢いで大量公債が出されるんですよ。公債の増発率の方がはるかに大きい。ですから、日本銀行が経済成長のための成長通貨を賄う範囲で買いオペをやるということになれば、五十五年度末この約五十五兆円と言われているその公債発行残高の中で、日本銀行の保有する部分というのは、現在よりも低下するだろうと考えるのが当然だと思うんですが、これはふえるんですか、同じですか、低下するんですか、どう見ていらっしゃるのか、あなた方の見通しは。
#88
○政府委員(岩瀬義郎君) ですから、それを一定の率として計算をしろとおっしゃるのが、先ほどの私への御質問だったと思うんです。それは恐らく経済の環境によってそのふえるか、減るかということは年によって私は違うと思うわけですね。先ほど先生から御指摘のいろんなインフレとの問題につきまして、その成長通貨の範囲内で日本銀行が買いオペをやった残りの、いわゆる金融機関と市中に残ったもの、そのたまりをどうするかということにつきましても、それがいまのままでいいかどうかということについて、これはほかの先生方からも御指摘がありましたように、これはこれから先の金融、国債政策の一つの大きなポイントだということは私どもわかっております。ただしかし、その日本銀行との関係におきましては、それは成長通貨の範囲内ということで日本銀行が判断するその現在の姿というものは、それは一二、三%というような前提を一応置いているのではないかと思われますけれども、それよりもふえるか減るかということにつきましては、これは経済のこれからの動向によって日本銀行が判断されると思います。
#89
○渡辺武君 一二、三%程度といまおっしゃったが、最初に一言それを言えばもう済むんですよ、時間の節約になるんだ。何でそんな回りくどいことをして答弁避けようとするんです。国民にとっちゃ大問題ですよ。五十五年度末に現在約三十兆円の国債が五十五兆円にもふえてしまう。一体それが日本銀行にどのくらいの保有になるだろうか。成長通貨と言われるけれども、あるいはそれ以上にどおっと日本銀行券が発行されてインフレもっとひどくなるんじゃないか。議論の一つの中心問題なんだ。
 そこで、ちょっと伺いますけれども、日本銀行総裁が、今後保有率は低下するだろうという趣旨のことを言いましたんで、それを前提条件にして考えてみますと、その反面で市中金融機関の保有率、あるいはまた保有の絶対額、これは大幅にふえていくんじゃないかというふうに考えます。で、これがやはり市中金融機関の金融を圧迫するだろう、何とか国債管理政策をしっかりしたものを立てなきゃならぬということは、これは金融界からたびたび意見として出ていることだと思うんですね。この国債管理政策、これ具体的な内容をどんなふうにいま考えていらっしゃいます。
#90
○政府委員(岩瀬義郎君) やはりいろいろな、国債管理政策というのは一言になかなか表現できませんけれども……
#91
○渡辺武君 端的に言ってください。
#92
○政府委員(岩瀬義郎君) いま御指摘の問題につきましては、その金融機関の持っている国債の流動化ということ、それからそれを流動化するためには、やはり流通市場に対しての一つの整備の仕方が入り用であろうというふうに考えております。
#93
○渡辺武君 いま国債は引き受けシンジケート団がつくられて、シンジケート団が引き受けるという形になっておりますね。この引き受けシンジケート団による引き受け方式というのは、昭和四十年でしたか、金融制度調査会の答申もあってずうっと続いているわけですね。私はこれは、いままでの発行高が比較的少なかったということと同時に、その半面で、一年たてば日本銀行が買いオペである程度引き取ってくれる。さっきもこの数字に出ておりました、すでに二七%に及んでいる。そのことがあって金融機関シンジケート団もまあ安心して比較的低利の国債も政府から言われるとおりに引き受けておったというのが実情だと思うんですね。今後、大量の公債が発行される、そしていまおっしゃったように公債の流動化、あるいはまた公社債市場の育成などということがいま検討されているとすれば、引き受けシンジケート団による引き受けということも将来変わってくるんじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
#94
○政府委員(岩瀬義郎君) 金融制度調査会で、いま先生の御指摘のようにそういう考え方が出されたわけですが、その基本はやはり市中の消化について最もそういった能力を持ち知識を持っている人たちの意見を徴しながらその金融環境に合わせた消化の仕方ということが一番民主的であり、かつ市中消化の原則を貫くものであるということから考えられたものでございますので、いま私どもは、大量発行下になりましても、ますますそういう引き受けシンジケート団の活用ということを中心にして消化を図っていくということが一番いい方法だと考えております。
#95
○渡辺武君 いまは金融がわりあいに暖慢だから、この金融機関を中心とする引き受けシンジケート団も大量公債を政府から引き受け頼まれてもそれは受けるだけの余力があると思うんですね。しかし、今後景気が回復してきて、そしてまた同時にそれに伴って金利も上がってくるだろうというような状況のもとで、そして金融もいまよりも引き締まるという条件のもとで、なかなかこれは引き受け切れないという問題が起こってくるんじゃないんでしょうか。どうでしょう。もしそれをなおかつ引き受けシンジケート団を活用して引き受けさせるということになれば、現在のこのシ団引き受け方式を支える柱である日本銀行の買いオペレーションというのを相当活用しなければならぬということになりかねないと思うんですね。この点はどう思いますか。
#96
○政府委員(岩瀬義郎君) やはり先生の御心配もインフレということにあるんだろうと思いますが、私どもも引き受けシンジケート団が一応こうだと判断できるような、そういう発行の仕方というのをよく相談しながらやっていかなきゃいかぬ。そこにはやはり条件というのがかなりのウエートになってくると思います。それから市場の厚さというものもかなり私は状況として、ファクターとして大きなファクターだと思うんです。そういうものをどういうふうに育てていくか。これは早急に、いまわれわれもういろいろなことをやっておりますけれども、なおかつ持続的に辛抱強くやっていかなきゃいかぬと思いますが、そういうものを背景にしてやるならば、私どもはシンジケート団のやり方によって決して無理のないようなやり方は考えていけるんだというふうに考えております。
#97
○渡辺武君 もう時間が大分迫ってきたので端的に伺いますけれども、今度公定歩合の引き下げ、あるいは長期金利のそれに伴う引き下げということともに国債の発行金利も下がりましたね。もし今後景気が回復して、そうして公定歩合も引き上げられる、あるいは長期金利も上がってくるということになりますと、国債の発行金利もまた引き上げられる可能性というのはあるんですか。これが一点。
 それからもう一つ、いま長期国債はときどき借りかえをやっていますね。その借りかえのときは、これはいままでの発行条件八・何%ということでやはり今後の借りかえもやるのか、そのときにたとえば金利が下がっていたり上がっていたりという現在とは違った条件が生まれたときには、それに応じて引き上げたり引き下げたりということをやるのか、この二点伺いたい。
#98
○政府委員(岩瀬義郎君) 国債の金利はなるべく市場実勢に合わせるような努力というものはこれからしていかなければいけませんから、当然に金融の中でのバランスというものを考えていく。やはり国債もその長期金利が動けば、それに合わせた上下の値動きがあると考えてしかるべきだと思いますし、いままでどちらかといえば、国債の金利というのは低目にあったという点についてはは、前二回の最近の改定のときにかなりその点は配慮してきておりまして、国債の商品性という面についての配慮も行ってきておるわけであります。したがいまして、いま国債が売れているというような状況でございます。そういうことの配慮をいたしながらやはり定着させていくということが一つの問題であろうかと思います。
 それから、借りかえのときは、それは新しい条件で、そのときの条件でもって新たに借りかえをやるという形が原則でございます。
#99
○渡辺武君 そうしますと、今度金融が引き締まりぎみになって長期金利も上がってきた、公定歩合も引き上げられたというような状況のもとでは、新規国債の発行はもとより、借りかえ債の金利も上げざるを得ないと、こういうことになるわけですね。もしそうなった場合、国のやはり国債費ですね、特にそのうちの金利部分、これが非常にふえてくるという可能性があると思いますが、その点どうですか。
#100
○政府委員(岩瀬義郎君) 金利が上がれば国債費がかさんでくることは当然だと思います。
#101
○渡辺武君 もう一問。
 そうしますと、国のそういう側面での財政負担、これは全くのこの国債保有者に不労所得を与えるようなものですね、国民の血税を。そうでしょう。そういうものがますますふえてくるということになりますと、これ自体が大きな問題になってくる。あるいはそれをもし避けるとすれば、いままでのような公債金利、低金利政策ですね、これをずっと押し通して、そうして他方で景気の回復に伴う金融の引き締まり、金融機関の持っている国債を、これを日本銀行に買ってもらわなきゃならぬという方向でそれを処理するか、いずれかの道を選ばなきゃならぬと思うのです。どういう方向を選択すると考えますか。
#102
○政府委員(岩瀬義郎君) たびたび申し上げておりますように、国債も一つの市中に出ておるところの、市中金利とのバランスの上において売られたり買われたりしておるわけでございますから、それを逆行するような形の金利のつけ方というものはできかねるわけでございます。もし借りかえのときに、たとえばそれは借りかえだから、しかも、それは日本銀行持っているのだから安くしたらどうかというようなことが仮に行われるといたしますならば、それはまあ逆に言えば、本来もしそういう借りかえを新しく新規で市中で調達するならば、それは当然に諸金利のバランスの上に立っている金利でございますから、ほかの金利も上がっているわけでございます。国債だけは安い金利で処理されるはずがございませんので、それだけの財政負担を覚悟の上で国債は処理されるべきだ。したがって、そこのところは借りかえであるからとか新規であるからということではなくて、やはりその時点における金利というものが中心になるというのが、これは私は債券の常識だと思いますが、そういう形で処理すべきだと思います。
#103
○矢追秀彦君 初めに航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律案について少しお伺いをいたします。
 今回の電算機の導入がもしシステムとしてよいのであれば、どうしてもう少し早く着手をされなかったのか。その点はいかがですか。
#104
○政府委員(旦弘昌君) 今回のシステムの検討は、具体的には四十六年のころから検討しておったわけでございます。その前にも海も含めたところで検討をしてみてはどうかということで着手したのでございますけれども、いろいろその当時まだこういうシステムは世界のどこにもございませんで、そういうことで暗中模索をした時代があったわけでございますが、航空貨物にしぼりまして検討を始めたのが四十六年であったわけでございます。その同じ年にイギリスのシステムがまず動き出したわけでございますが、御案内のとおり、昨年フランスが動いたということで、いわばこれが早急に動きますれば第三番目のシステムでございます。何分にもいろいろな問題がございまして、また民間も絡んだ問題でございますので、その検討に長時間を要したわけでございますが、法案の成立いたしますれば、できるだけ早くこのシステムにしてまいりたい、かように考えております。
  〔委員長退席、理事戸塚進也君着席〕
#105
○矢追秀彦君 このシステムの稼働予定時期、そしてこれと成田空港の開港との関係はどうなっておりますか。
#106
○政府委員(旦弘昌君) このシステムの業務を本格的に開始いたしますのは、来年の七月を予定にしております。その前に法案が成立いたしますと、この法人を設立する手続をとりまして、その法人はことしの十月から発足をさせていただきたいと、かように考えております。
 成田空港との関連につきましては、直接的な関連はございませんで、もし来年の七月に成田空港がオープンしておりますれば成田空港でこの運営が始まる。もしその時点でもなお成田がオープンしてないということでありますれば、羽田及び原木でこのシステムを運営するという段取りでございます。
#107
○矢追秀彦君 今回、これは官民合同のシステムとなっておりまして、いま言われたように法人が設立されるわけでございますが、その職員の配置です。これは民間の方は約百社から拠出ということになっているようでありますけれども、この選び方がどうなるのか。それからその職員の身分ですね。特に給料の問題、そういった点はどのようになっていくのか。
  〔理事戸塚進也君退席、委員長着席〕
 またそういう身分保障いかんによってはいろいろ希望される方、されない方、いろいろあると思いますので、その点はどのような考え方を持っておられますか。
#108
○政府委員(旦弘昌君) このセンターの業務は電算機の使用、管理、それから利用者間の連絡調整等が中心でございますので、その職員は、情報処理に関する技術とか、あるいは航空貨物業務の事情について経験知識を有しているということが必要でございまして、この職員の大部分はシステムの開発関係者、あるいは利用者の中から採用するのが適当ではないかということで考えております。設立当初は職員の数としましては二十五人程度予定いたしておりますけれども、この中には、税関の職員も含まれましょうし、あるいは民間の企業などの職員がこのセンターの職員ということで働くようになると思います。で、税関の職員の場合でございますと、税関の職員を退職いたしまして、このセンターの職員になるということでございます。したがいまして、その際には当然のことながら、センターの職員でございますけれども、ただ後にまた税関に復帰するというような場合には、退職金あるいは年金の通算の手続をとる必要がございます。したがいまして、法案が御承認いただけますならば、その後政令におきましてそれらの規定を整備してまいりたい、かように考えております。
 なお、センターの職員の給与とか退職手当の基準等につきましては、他の同種の法人の例などを見まして、今後検討させていただきたいと、かように考えております。
#109
○矢追秀彦君 先ほどもちょっと聞きましたが、仮に成田開港後におきまして、本システムを使用した税関手続、これはどのようになりますか。
#110
○政府委員(旦弘昌君) このシステムの中心になりますのはコンピューターの本体二基でございまして、これは電電公社の中野の庁舎の中の一部にそれを据えつけるということで、それから回線を引きまして、一番近いところでございますと、先ほど申し上げました市川市の原木に貨物のセンターがすでにございますが、それと、それから成田空港に主として端末機を備えるということで、それぞれの税関あるいは通関業者、あるいは倉庫業者、航空会社等がその端末機を利用いたしまして、中野の本体を通じてそのサービスを受けるということになろうかと考えます。
#111
○矢追秀彦君 この問題の最後ですが、現行の関税の納付方法と、それから法案第四条の振替納税制度、これとはどのように違ってまいりますか、具体的にお答えいただきたい。
#112
○政府委員(旦弘昌君) 現行の方法は、申告書が提出されまして、それが税関職員によって審査されて、正当なものであるということになりますると、税関は納付書を発行いたしまして、通関業者はその納付書を受け取って、それを銀行に持ってまいりまして、税金を払う。で、その領収書を税関に持ってまいりまして、正式に輸入の許可を得て通関をするという手続でございます。この新しい振替納税の制度になりますると、そういうような手続が要らなくなるわけでございますので、その振替納税ということを指定して申告をいたしますれば、納税をいたします特定の口座の金額が十分であるということが確認されますれば、自動的にこれが輸入許可になるということでございまして、その輸入許可の連絡は、電算機を通じて通関業者に伝達される。と同時に、税関は納付書を銀行に送付する。そして銀行はその納付書を受け取りまして、口座からその引き落としをしまして、その税金を国庫に振りかえるという手続をとるわけでございます。したがいまして、お使いさんがたびたび税関との間、あるいは銀行へ行くというような手数がすべて電算機で処理されるということになるわけでございます。
#113
○矢追秀彦君 次に、国債の問題についてお伺いをいたします。国債発行に対する歯どめが必要なことは申すまでもありませんが、いままで政府が言われておりました歯どめというのは、一つは、公共事業等の理由で出す建設国債としての範囲、二つ目には、市中消化の原則、三つ目は、いままでは政府は国債依存度を五%以下に抑える、こういうことでございましたが、この歯どめは現在は歯どめとしての役割りを果たしていないと、こう考えております。その点についてはいかが考えられますか。
#114
○政府委員(加藤隆司君) 国債の歯どめという議論は四十年、四十一年にずいぶん議論をなされたんでございますが、ただいま御指摘がございました考え方、それからもう一つは、財政の規模と内容を国民経済と調和のとれたものにするという前提があるわけでございますが、
  〔委員長退席、理事戸塚進也君着席〕
確かに特例公債が出ております現段階においては、建設公債の原則というものが無視されたような状態にあるわけで、そういう意味では非常に異常、異例な事態でございます。そこで、私どもといたしましては、まず特例公債をなくすというところに焦点を当てまして、本来の公債の歯どめと申しますか、基本的な原則が貫徹できるような状態をつくることが先決ではなかろうかというふうに考えまして、財政収支試算などでいろいろな模索をいたしまして、五十五年度までにともかく特例公債をなくしたい。そうして、ただいま御指摘のような本来の公債政策のあるべき原則が完全に機能するような財政状況に持っていくべきではないかというふうに考えているわけです。
#115
○矢追秀彦君 いまもいろいろおっしゃいましたが、五%以下という昭和四十年代といまとは全然違いますが、そういう長期の不況下とはいえ三割というのは大変なことでして、この三〇%を超えれば危険と考えておられるのか。それとも、ただパーセンテージだけではなくて、ほかの歯どめといいますか、危険の度合いといいますか、それはどのようにお考えになっておりますか。また、その根拠ですね、その点をお伺いしたいと思います。
#116
○政府委員(加藤隆司君) 公債の依存度の数字的な問題につきましては、公債の依存度、分母、分子で出てくるわけでございまして、予算の規模と公債の発行額になるわけでございますから、予算の規模の方の決定のいろいろなファクター、それからそれによって公債の金額、この場合建設公債だけに限定して考えたといたしましても、
  〔理事戸塚進也君退席、委員長着席〕
公共事業系統の金を全部公債で賄うような経済情勢にあるのかどうかというようなことで、分子の方もいろいろなファクターで動くわけでございます。したがって、一義的に何%ということは理論的な問題といたしましても、なかなか決定が困難ではないんだろうかと。いろいろな考え方がございまして、私どももいろんなものを勉強はいたしておりますが、端的に申しまして理論的に一義的に何%が適正であるかというようなことは決定できないんではないかというふうに考えるわけでございます。で、しからば、われわれが五十一年、五十二年、三割の依存度にこだわりました問題でございますが、ともかく五十一年の公債依存度よりも高くしないということをまず財政の一つの節度というふうに考えまして、わずか〇・二ではございましたけれども、ともかく五十一年度の依存度よりは引き下げたいんであるということで、非常に財政再建の第一年目にしたいという意気込みを持って去年の七月からかかったわけでございますが、各般の情勢からそういうようなことが達成できなかったわけでございますが、しかしながら、五十一年度の公債依存度よりはともかく下げたと。
 それから、しからば第三点は、公債依存度が上がるとどういうぐあいが悪いのかという御質問もあったわけでございますが、財政面だけに限定いたしますと、一つは、国債費の関係で財政の硬直化が増すという問題があるわけでございます。それから第二点は、公債の残高がふえますと財政の機動力を喪失するわけでございます。したがって、財政の機能として言われております配分機能の面で硬直化が増すと。それから調整機能の面で機動力を喪失するというような問題が抽象的な整理としては考えられるわけでございます。
#117
○矢追秀彦君 いまの硬直化ですね、配分機能あるいは調整機能、これはたとえば今年度予算ではその点についてはどの程度の判断をしておられますか。
#118
○政府委員(加藤隆司君) 数字的に申し上げてみますと、ただいまの国債費の一般会計に占めます割合でございますが、四十一年度の場合、傾向的に見た方が問題の所在がわかりますのでちょっと長くなりますが申し上げてみますと、四十一年度の場合一般会計が四兆三千億でございました。国債費が四百八十九億と。この比率が一・一%でございます。五十二年度の場合には御承知のような二十八兆五千に対して二兆三千と、これが八・二%になっております。で、先ほど午前中に竹田委員からの御質問があったときに申し上げたわけでございますが、五十五年などはこれがケースのAの場合で一〇・九、ケースのBの場合で一一というようなふうになるわけでございます。何としても国債費は最大の義務費でございますから、こういうパーセントが上がっていくと、これだけ財政の硬直化が高まるというふうに考えられるわけでございます。
 それから、第二点の残高の方で申し上げました調整機能の喪失でございますが、これは四十一年度の場合に残高が一兆一千億円でございました。GNPが当時三十八兆四千億円でございます。したがって三・〇%。五十二年度の場合にはGNPが百九十三兆で国債の残高が三十一兆と、これが一六%になっておるわけです。したがって、景気がさらに悪くなったような場合、公債の発行余力というものはほとんどないような状態にあるわけです。したがって、景気がよくなればできるだけ公債の依存度を下げたいと。これは四十四年に御承知の四・五%ぐらいまで依存度が下がった際に議論がなされたわけでございますが、経済情勢によって公債を減額できる状況があるならば、絶えず公債はできるだけ減らしておくと。で、いざ鎌倉というようなときに経済なり福祉なりを確保するために公債を活用するというような政策が望ましいんではないかと思います。
 四・五%ちょっと間違えまして、四十六年度の場合でございます。
#119
○矢追秀彦君 先ほど数字でなかなかむつかしいと言われておりますけれども、現在のような状況下においてやむを得ない、いま十六%というのが出ておりますけれども、現に、適正と言ったらおかしいんですけれども、まあまあいま言った機動力も失わない、調整能力も失わない程度は、大体どの辺ならば適切と考えられますか。
#120
○政府委員(加藤隆司君) 非常にいろんな議論がございます。御承知のドーマーという学者が、GNPの成長率と、それから国債の金利と、それからGNPに占める公債の比率、この三つで式をつくりまして、大体一定率に収斂するから公債はそんなに心配しなくてもいいというような議論が一つあるわけでございます。これは非常に誤りでございまして、GNPの伸び率が無限に一定率で伸びるという前提があるので、そういう計算になるわけでございます。仮にドーマーの式などを使いまして、何年間にわたってGNPの段階的な収斂、六%から五%、四%というふうに実質GNP落としていくというような計算などでやりまして、内部作業としてはいろんなことをやってみますが、なかなかいろんなファクターの組み合わせがたくさんできちまいますものですから、そういう計数的な作業としては、どうしても端的に何%ぐらいが適切であるというようなことが申し上げにくいと。ただ、四十二年の財政制度審議会のときに、数年のうちに五%ぐらいをめどに公債を減らしていくべきであるというようなことが政策提言としてなされまして、ただいま申し上げましたように、四十六年度の当初予算におきましては四・五%の依存度まで下げ得たことはあるわけでございます。この財政収支試算においても現在の二九・七を五十五年の場合には一五・五というようなところへ下げようというような計算には一応はなっておるわけでございます。何と申しましても、いろんなファクターが絡みますので、どうも一義的に自信を持ってこの程度のところが適正な公債の依存度だというふうに申し上げる材料をなかなか持てないというのが実情でございます。
#121
○矢追秀彦君 まあ、余りはっきりお答えいただけないんですが、結局いままでの、先ほども申し上げた歯どめのうちの建設国債に限定する原則、それから依存度五%以下とする原則、これは完全に今回、昨年もそうですが、この特例法による国債発行によって機能は完全に失われたと、こう考えてもいいと思うんですが、その点のまず判断はいかがですか。
#122
○政府委員(加藤隆司君) 先ほども申し上げましたが、非常に石油、オイルショックをいつも引き合いに出すという御批判もあるわけでございますが、何と申しましても、四十八年秋のオイルショックで、主要国の財政当局はひとしくこの財政赤字に悩まされたわけでございまして、その後主要国は、当時の公債依存度を着実に毎年下げてきておりますが、わが国の場合にはそれがなかなかはかがいかないという点は、非常に私どもとしても憂慮をいたしておりまして、ただ何と申しましても、わが国の経済の場合には、社会資本の整備水準も低い、年金の制度も成熟化がおくれておる、人口の老齢構成も諸外国に比べればまだ低いというようなことがありますので、経済なり生活のことを考えますと、この程度の公債の発行をお許しいただけるんではないかと、確かに、建設公債の原則も外れておりますし、公債の依存度も主要国の中では一番に高いわけでございます。確かに憂慮すべき点が多々ありまして、税制面の問題、それから歳出面の問題、財政収支試算を手がかりにいたしまして、五十五年を目途に再建に何としても努めなければいけないというふうに考えている次第でございます。
#123
○矢追秀彦君 次に、クラウディングアウトの危険性ですが、前もたしか総理だったと思いますが、危険性はないということを言っておられますが、いまのままでいけば確かに、景気の回復はまだ今回の公定歩合の引き下げにもかかわらず、なかなか企業は、貸し出しの方を、資金需要というのは要求していない、そういうようなことがございますから、いまはそういうことはないと思いますが、もし政府の経済見通しのような景気刺激ができた場合、その危険性は出てくると思いますが、その点はいかがですか。
#124
○政府委員(徳田博美君) お答えいたします。
 クラウディングアウトの問題でございますが、ただいま先生御指摘のように、いまのところ見通されます昭和五十年度−五十二年度を通ずる経済環境あるいは金融環境等から見ますと、国債引き受けのために民間への円滑な資金供給ができなくなるような事態が生ずるということは一応考えられないわけでございまして、いわゆるクラウディングアウトによりまして景気に悪影響を及ぼすような懸念はまずないものと、そのように考えておりますけれども、今後の景気の局面によりまして、民間のたとえば設備資金需要が非常に増大してきて、したがって、このような資金需要が盛り上がってきたというような場合には、あるいは御指摘のような事態が生ずるということも考えられるわけでございます。
 で、そのような場合におきましては、当然国債管理政策上からも、何らかの手が打たれると考えられますが、金融政策面におきましても、量的、質的な金融調節手段を弾力的に活用いたしまして、御指摘のような御懸念のないように配慮してまいりたい、このように考えております。
#125
○矢追秀彦君 時間ですから、次に、四月二十二日の本会議の質問でも同僚議員が質問しましたけれども、再度お尋ねをいたしますが、まあ赤字国債発行を極力最小限にとめたいという姿勢であるなら、この財特法の案の権限ですね、これはあくまでも当初予算での四兆五百億円の範囲内に限るべきであると、まあこう思いますが、これが限定していないとなれば、補正予算での赤字国債の発行が自由に行われると、こういうことになるわけでして、その点についてはどうなのか。
 それから、この当初予算の枠内に限定することは、財政当局は果たして賛成なのか反対なのか。その点と。
 それからまあ、大蔵省及び財政制度審議会では、同一会期内での二重議決であるから適当でないとこう言われますが、じゃあ、その二重議決を避けて財特法案の権限を当初予算に限るようにする方法というのは検討されたのかどうか。たとえば第二条に上る「予算をもつて国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。」というところを、当初予算で定められた金額の範囲内と、こういうふうに改めれば、権限も明確に限定されると思いますけれども、その点についてはどういうお考えなのか、その点をお伺いして終わりたいと思います。
#126
○政府委員(加藤隆司君) いま三点御質問があったわけでございますが、これは、昨年、本年も本会議で御質問がございましたが、昨年五月の二十一日かと思いますが、当委員会におきまして鈴木委員からの御指摘がございまして、私どもといたしましては、大平前大臣が、特例公債の歯どめの問題での御指摘かと思うと、ついては法律問題を含めて政府において検討いたしたいという答弁を、大臣がなされております。
 この委員会の審議の線に沿いまして、私どもは昨年、政府部内それから財政制度審議会の法制部会、この二つの場で各般の問題を取り出しまして検討いたしました。その結論は、財政制度審議会の本年の一月の法制部会の報告に出ておるわけでございますが、背景はそういうことでございます。
 第一点の、補正予算で赤字公債をどうするのだという御質問でございますが、この点は、本会議で総理からも御答弁がございましたように、現在のいろいろな議論がございますけれども、私どもとしては万端の努力を払って、赤字公債の増発は避けたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、補正予算に発行権限を、ただいま御審議していただいております法律で発行権限をちょうだいするのを、補正予算に及ばないようにすべきではないかという点でございますが、これは、第三点の御指摘の、そういうふうに及ばない方法を検討したかという問題と非常に絡んでおりますので、両方を合わせて御説明さしていただきたいと思いますが、財政制度審議会の報告にも書いてございますように、三点ございまして、一つは、公債の発行額を法定するという問題でございますが、公債の発行額というのは、歳入、歳出の中から出てくるわけでございますので、予算と表裏一体であると。不即不離の関係にある。したがって、それは予算、この場合は予算総則になりますが、予算総則で設定した方が適切であるのではないかということが、第一点でございます。
 それから第二点は、戦後の立法例を見ますと、すべてただいま御審議願っておりますような法律構成になっておる。発行権限を法律でちょうだいして、発行限度額は予算でちょうだいするという構成になっておる。で、これと特段に変えるメリットが見当たらないというのが第二点でございます。
 それから第三点は、財政法四条の建設公債が財政法二十二条の規定によりまして、予算総則で限度額を設けなさいという規定が財政法にあるわけでございますが、四条公債の方は予算総則で求め、仮に特例公債の方を法定するとすれば、そっちが法律になるということになりますので、制度の仕組み方としてそういう整合性を失うやり方の、もちろん大きなメリットがあれば別でございますが、そういうようなことはどうであろうかというような三点の問題意識から、五十一年度の特例公債法と同様の構成を持った法律を五十二年度特例公債法案としてお願いしたわけでございます。
 それで、三番目の点で御指摘がございましたように、法定をしないとするならば、補正予算に発行権限が及ばないような一つの案として、文言の中に「当初」という言葉を入れてみたらどうだという御指摘があったわけでございますが、この点も検討いたしたわけでございます。
 で、これにつきましては二つ問題がございまして、一つは、特例公債法は、毎年毎年の一年度限りの単年度の限時法としてお願いしておるわけでございますので、その場合に、当初から当初予算という言葉を使いますと、補正予算を想定したことになりかねないわけでございます。言うならば、一つは、単年度限りの制度として仕組むということ、それとの関連におきまして、当初と補正ということを当初から想定してしまうと、財政法は確かに補正予算の制度がございますが、予算作成後の事由に基づいて云々と、いうことで、補正の予算の制度を認めていただいておりますが、それを一月なり二月の段階で、もう行政府として当初から予定しちゃうというようなことはいかがであろうかというふうに考えられまして、この当初予算という文言についても検討いたしたわけでございますが、やはり適当でないんではないか。
 したがって、そこで先ほどの第一の御質問と絡んでくるわけでございますが、昨年の場合も、大平大臣が答弁されておりますが、本年の場合も本会議で総理からも答弁がありましたように、私どもといたしましては、万端の注意を払いまして、特例公債の増発のないような財政運営に努めたいということで、このいまの昨年来いろいろ御指摘がございました問題、この問題につきまして、ただいま申し上げましたような検討結果を御報告さしていただきまして、あわせて五十二年度の財政運営の赤字公債の問題について、本会議の総理の答弁を引用さしていただいて、答弁にかえさしていただくわけでございます。
#127
○三治重信君 きょうは、まず国際金融の問題を先にお尋ねしたいと思いますが、最近の新聞、雑誌等の報道によりますと、石油ショック以来今日までの三年余の中で、非常に国際の貸借関係が変わって、一つは、非産油途上国の累積債務が支払い不能になるんじゃないかと、これに対する対策が一つと、それから先進諸国のイギリス、イタリア等に見られるように、このいわゆる国際収支の赤字をどう解決していくかと、こういう問題があるようでございますが、これに対して日本は、IMFを中心としての国際会議が開かれるわけですが、こういうものに対して日本はどういう態度をとっていかれるか。
#128
○政府委員(藤岡眞佐夫君) 御指摘のとおり、石油危機以降、非産油開発途上国の債務の累積問題が出てきたわけでございますが、最近はそれに加えまして、先進諸国の中にも国際収支の強い国と弱い国と分かれてまいりまして、一方においては、大口の赤字を担う先進国が出てきたわけでございます。で、これは一つには、産油国に非常に大きな黒字が累積してきたということに原因があるわけでございまして、その意味で、いま世界的に国際収支の不均衡は、産油国の黒字問題、それから非産油開発途上国の累積債務の問題、それから一部の先進諸国の大きな赤字の問題、その三つの大きな不均衡があるんではなかろうかと思います。
 で、これに対しましてそれぞれ原因に応じて対応策を考える必要があるわけでございますが、まず、非産油開発途上国につきましては、実は石油危機の起きる前から非産油途上国は赤字で、債務を徐々に累積してまいったわけでございます。で、石油危機の後、もちろん名目的に債務はふえてまいったわけでございますが、基本的には石油危機の前からやはり構造的な赤字という問題を抱えておったわけでございます。したがいまして、それに対しましては、その国自身の債務管理あるいは経済運営を健全にするという問題に加えまして、先進諸国あるいは国際機関が非常に条件の緩い援助の手を差し伸べる、それとともに、先進国におきましては、最近言われておりますように、不況を脱して景気を拡大して、こういった国からの輸入をふやしてやるということが大事じゃなかろうかと思います。
 それから第二の、先進国の赤字問題につきましては、先進国というのは、その経済政策の運営によって国際収支の調整をなし得る国というふうに言われておるわけでございますので、石油危機の後、大幅な石油輸入によって非常に苦しんでおるわけでございますが、その間はIMF等を中心にファイナンスの道を開いてやると、ただこの場合も、ただ資金を貸せばいいというだけではございませんで、資金を貸します際に、その国の経済の安定化計画をも求めまして、こうすれば借金を続けていけるんだという態勢を示すことによりまして、IMF以外の公的部門あるいは民間の金融機関が、安心して赤字国に融資ができるというふうにしむけていくことが大事じゃなかろうかと思います。
 で、日本といたしましては、いま申し上げましたような観点から、IMFの機能の拡充に賛意を表しておりまして、IMFがただ量的に国際収支の赤字のファイナンスに貢献するということに加えまして、いま申し上げましたような貸し出しに際して、借入国の安定化計画を求めるというふうな質的な役割りをも今後IMFとして拡充すべきではないかというふうに考えております。で、このIMFを除きましても、日本として、先般、国会で御承認いただきましたアジア開銀の増資、あるいは今回御審議いただいております第二世銀の増資、そういった方法、あるいは先般、昨年十一月にIMFに対しまして、GABという取り決めのもとで資金供与をふやしたわけでございますが、そういった公的ルートを通じての資金協力、あるいは東京市場におきます円建て債の発行促進というふうな民間部門での資金協力、そういったものをあわせて進めていくべきではないかと思っておる次第でございます。
#129
○三治重信君 日本は現在、非産油発展途上国と、それから先進国の債務国に分けてどれくらいの、何といいますか、債権を持っているのか。
#130
○政府委員(藤岡眞佐夫君) 昨年末で開発途上国に対します政府借款の貸付残高は一兆二千三百億円ございます。それから民間銀行の中、長期の海外貸し付けの残高は約八十億ドル程度ございまして、そのうち半分弱程度は先進諸国に対する貸し付けでございまして、残りが開発途上国に対する貸付残高であろうと推定しております。
#131
○三治重信君 そうしてもう一つは、いまから今後十年間にいまの石油価格がまた維持され、またそれでさらに石油の価格が上がることが予想され、下がることがないということからいくと、OPECに集まる今後十年間の黒字というものが四千五百億ドルになるだろうというふうな予想があるわけなんですが、現在ちょうど、去年の末ですか、今年の末を、七七年末を予想して約千八百億の赤字に対してOPECの黒字が千八百億ドルだと、こういうことからいくと、OPECが今後十年間で四千五百億ドルも黒字になるということになってくると、世界の金融、国際貸借というものが非常に変わってしまうということを予想してみると、日本はこういうことに対して債権国としてどういうふうに海外の投資活動や、債権、まあ金を貸すということですが、そういうことに、またこれが国際貸借上そういうものがどういうふうに進むであろうという予想のもとに、どう対処していこうかということを、考えをお聞きしたいと思うんです。
#132
○政府委員(藤岡眞佐夫君) 石油の大幅かつ急激な値上がりが一九七三年暮れに始まったわけでございますが、そのころは各方面でいろんな推算がございましたが、大体初年度七四年には、OPECの黒字が経常勘定で見まして六百数十億ドル、それから二年目から四百億ぐらい、次第に減っていって、恐らく一九八〇年ぐらいにはある程度マネジできる程度の黒字に狭まるんではないかと。そういたしますと、それまでの累積のOPECの黒字は、七四年の価格でいいまして三千億ドル弱ぐらいで済むんじゃないかというふうな予想が有力であったわけでございます。しかし、その後の動きを見ますと、石油の値上げが何回か行われましたし、今後も行われるかもしれません。それから石油輸入国の石油の消費節約も思ったほど必ずしも進んでおりませんし、代替エネルギーの開発も思ったほど進んでないというふうな感じもいたします。それから産油国の黒字を消しますためには、何といっても産油国の方がそれ以外の世界から輸入をしてくれるということが肝心でございますが、確かに輸入は非常にふえてはおりますが、物理的にもどうも限度があるようでございまして、こういうことを考えまして、最近の一般的な認識としては、いま御指摘になったような四千五百億ドルという数字が適当であるかどうか私ははっきり存じませんけれども、どうも当初考えたよりは、石油危機の国際収支に及ぼします影響が大きくかつ長引くんではないかという感じがするわけでございます。
 そういう事情がありまして、先般ロンドンの首脳会議でも国際収支のファイナンシングの問題が大きく取り上げられましたし、その前の週におきましても、IMFの暫定委員会におきまして、IMFが産油国その他強い先進国から資金を集めまして大口の赤字国に融資をしようというふうな提案がなされたわけでございます。
 こういうふうに大きな国際金融上のアンバランスが出てまいりますと、一つには、国際収支の赤字、黒字の問題をどう調整していくかという問題と、それから二番目には、赤字の続く期間におきましてその赤字をどうファイナンスするかという問題と、三番目には、三千億ドルですか、あるいは四千五百億ドルですか、非常に大きな累積されました産油国の資産の運用がどういうふうに国際金融面で影響を与えるか、あるいは撹乱的影響を与えるのかどうかということが問題になろうかと思います。
 この一番目の調整の問題につきましては、何といいましても、石油の値上がりが続いて、非産油国が石油を大いに輸入する限り、これはもうなかなか調整がむずかしいわけでございまして、その意味におきまして、非産油国の間で調整をできる限り進めていくと。そのためには、赤字国は適正な需要管理政策、経済の安定化政策を進めるとともに、黒字国の方はインフレを招かない適度の範囲におきまして経済を拡大するということは正しい調整の道かと思います。
 それから二番目のファイナンシングの問題につきましては、さっき申し上げましたようなIMFを通ずる方法、あるいは先進各国の資本市場を通ずる方法、その他援助ということで各種の資金をお金のある方からない方へ流してやるということが肝心でなかろうかと思います。それから三番目の蓄積されました資金の動きにつきましては、これはもう非常に今後大事な問題になろうかと思いますが、最近の動きを見ておりますと、石油危機の直後産油国はその余る資金を主としてユーロダラー市場、短期的な形で預金の形で出しておりました。それが次第に市場別にもアメリカへいくとか、あるいは他の先進国にいくとか、それからさらに国際機関に貸し付けるというふうな地域的な分散の方向が見られますとともに、運用形態におきましても、単なる預金から、より長い長期の貸し付け、あるいは証券の取得というふうなところへ多様化しておりますので、この辺につきましては今後さらに注意をする必要がございますが、いまのように産油国の蓄積資金が運用面で多様化され、安定化されていくということになりますると、金額としてはかなり何千億ドルという大きな金額でございますが、それほど国際金融に撹乱的な影響を与えるということも避け得るんじゃないかと思っております。
#133
○三治重信君 日本はそうすると、何といいますか、産油国の黒字から見ると非常に少ないんですが、いまの経済状態からいくと黒字国になっていく、またそうしていこうという経済政策をとると思うんですが、黒字国になっていけば、それに対してその黒字を消すような経済の運営をやらにゃいかぬと、そうするとそういう黒字のやつを海外に投資をしていく、また国際機関に貸すという二つだろうと思うんですけれども、そういうことからいくと、日本の海外投資に対して、またこれ非常に借り手の信用がだんだん不安になっていくという場合に、貿易上のプラント輸出とか、いろいろのことが言われておりますが、基本的にそういう国際金融の部面からいくとどういう態度をとろうと思われるのか。そういうような貿易上のプラント輸出のようなものに貸し出しを強くしていくのか、もっと資源の確保に、そういう黒字ができた場合にはひとつ計画的に日本の将来のエネルギーなり食糧なり、そういう資源の確保の開発のための海外の貸し付けに向かっていこうとか、そういう基本的な債権、黒字を消化していく政策がなくちゃいかぬと思うんですが、そういうものについてひとつどう考えておられますか。
#134
○政府委員(藤岡眞佐夫君) ただいま御指摘ございましたように、日本の黒字に対しましては、まずその黒字を適当に減らしていくという努力は一方においては必要でございますが、それでもございます黒字は海外投資等で有効に使っていくと、そして赤字の国にも回していくということが肝要でなかろうかと思います。
 その際に、どういう方向に日本の対外資産をふやしていけばいいかということでございますが、何といいましても日本は、原材料を輸入して、製品を輸出して、そして栄えていくと、生活していくという国でございますので、一つには、いま御指摘のような資源とか食糧の確保とかいうことが大事になるわけでございます。ただ、これは日本の企業が適当に出てまいりまして、そういうような投資をするということはなかなかむずかしいわけでございまして、やはり受け入れ国の方の要望がございまして日本の方が経済協力をすると。受け入れ国の政策上のプライオリティーと合致いたしましたような場合に、資源の確保というふうな、日本としての目的も達し得るんじゃないかと思います。この辺には、今後とも経済協力がふえてまいりますときに、相手国のニーズにもこたえるが、日本としても好ましい方向を考えていくべきじゃないかと思います。
 それからもう一つは、いま御指摘がございましたプラント輸出でございますが、これはむしろ最近におきましてはプラント輸出の過当競争を抑えようということで、条件について主要国間の申し合わせもございますので、なかなかプラント輸出の延べ払い信用という面で資本輸出をふやしていくということはむずかしかろうとは思います。もちろん認められました条件の範囲内でございますると、この輸出がふえるに従って延べ払い輸出信用というものもふえるかと思いますが、このほかに最近私ども政策的に緩和いたしましたものとして、民間金融機関の対外への貸し付けというものもございます。これは通常アンタイドでございまして、資金を必要としておられる対外に対して銀行が貸し付けすると、それからさっき申し上げましたような国際機関とか、外国の政府が東京市場で円建て債を出して資金を調達するというふうな形の資金の輸出というものは今後ふえていくんじゃなかろうかと思っています。
#135
○三治重信君 そういうふうに、大体いまのところそんなところだろうと思うんですが、私は、ひとつぜひ日本が赤字国に転落しないように経済運営をしていく必要が政府としては、いかなる政府でも日本としてはあるだろうと思うし、またそういうのをため込んでみても、まあこういう石油危機以来、資金の偏在がこれは目に見えているわけで、OPECへたまっていく、すぐわかるわけですから、国際金融というものをしっかりやっていかぬと、日本の貿易立国というものが、国際金融の部面から非常に危機に陥ると、こういう情勢に対処してひとつ大蔵大臣、私は、この石油危機以来、今後の石油の資金の黒字の使い方いかんによって日本に非常な重要な影響を持ってくると思っておるんですが、そういう中でひとつ大蔵大臣として、国際金融の黒字、赤字の調整に対して日本は積極的に意見を出し、日本もそういうことにリードしてやっていく体制をぜひとってもらいたいと思うんですが、そういうことについての大蔵大臣としての御意見をひとつ伺って質問を終わりたいと思います。
#136
○国務大臣(坊秀男君) なかなかこれは簡単には短時日の間にできることではないと思いますけれども、ぜひともそういう方向に持っていかなきゃならぬ。で、これは何と申しましても国内の六・七%という目的を達成いたしまして、国内における日本経済の着実なる成長というものを実現してまいりまして、そして日本の国内需要というものを刺激をしてまいりまして、そして日本の国が今日までは輸出でもって景気を、日本経済の一番の栄えている一つの支柱というようなことに相なっておりましたけれども、そうでなしに、内需を充実していくということによりまして、海外からの輸入といったようなものをさらにこれを充実していくというようなことで、国際収支のバランスというものを、これをとっていくということが一つの基本課題だと私は考えます。
#137
○委員長(安田隆明君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 次回は二十四日とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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