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1976/05/12 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 外務委員会 第9号
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1976/05/12 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 外務委員会 第9号

#1
第080回国会 外務委員会 第9号
昭和五十二年五月十二日(木曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     宮之原貞光君     小柳  勇君
     田渕 哲也君     栗林 卓司君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
                高田 浩運君
     亀井 久興君     坂元 親男君
     高橋 誉冨君     木内 四郎君
     栗林 卓司君     田渕 哲也君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     坂元 親男君     亀井 久興君
 四月三十日
    辞任         補欠選任
     木内 四郎君     林田悠紀夫君
     伊藤 五郎君     小林 国司君
     稲嶺 一郎君     福井  勇君
     田渕 哲也君     中村 利次君
 五月二日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     木内 四郎君
     小林 国司君     伊藤 五郎君
     福井  勇君     稲嶺 一郎君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     中村 利次君     中沢伊登子君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     中沢伊登子君     田渕 哲也君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     田  英夫君     寺田 熊雄君
     田渕 哲也君     中沢伊登子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺本 広作君
    理 事
                大鷹 淑子君
                亀井 久興君
                秦野  章君
                小柳  勇君
    委 員
                伊藤 五郎君
                二木 謙吾君
                久保  亘君
                寺田 熊雄君
                塩出 啓典君
                立木  洋君
   国務大臣
       外 務 大 臣  鳩山威一郎君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局長       宮崎  勇君
       外務省アメリカ
       局長       山崎 敏夫君
       外務省経済局次
       長        賀陽 治憲君
       外務省経済協力
       局長       菊地 清明君
       外務省国際連合
       局長       大川 美雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        服部比左治君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局調査国際協
       力課長      川崎 雅弘君
       大蔵大臣官房調
       査企画課長    大竹 宏繁君
       大蔵省国際金融
       局投資第一課長  加舎  章君
       通商産業省貿易
       局輸出課長    名取 慶二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本
 条約の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○日本国とカナダとの間の文化協定の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
 (ダウニング街における首脳会議に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします
 去る四月二十七日、高橋誉冨君が委員を辞任され、その補欠として木内四郎君が選任されました。
 また、同日、本委員会の委員一名を補充するため、高田浩運君が選任されました。
 また、昨十一日、田渕哲也君及び田英夫君が委員を辞任され、その補欠として中沢伊登子君及び寺田熊雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(寺本広作君) 委員の異動に伴い理事に一名の欠員を生じましたので、この際その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(寺本広作君) 御異議ないものと認めます。
 それでは理事に亀井久興君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(寺本広作君) 次に、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件
 及び、日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)
 右両件を便宜一括して議題とし、政府より趣旨説明を聴取いたします。鳩山外務大臣。
#6
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま議題となりました日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、昭和四十八年十月、田中総理とオーストラリアのウィットラム首相との間で広範な分野における両国の友好協力関係を一層促進するための包括的な条約の締結交渉を行う旨合意したことに基づき、オーストラリア政府との間で、数回の交渉を行ってまいりました。その後オーストラリアにおいては、昭和五十年十二月に行われました総選挙の結果、ウィットラム労働党政権にかわり、フレーザー自由党党首を首相とする自由・国民地方党連合政権が成立いたしましたが、新政権も前労働党政権と同様本件条約の締結に積極的姿勢を示し、さらに数次にわたる交渉の結果、条約の最終案文について合意を見るに至り、昭和五十一年六月十六日に東京において、我が方三木総理と先方フレーザー首相との間でこの条約の署名が行われた次第であります
 この条約は、本文十四ヵ条及び議定書から成り、さらに、オーストラリアの非本土地域に関する交換公文が付属しておりますが、その主要な内容は、次のとおりであります。
 すなわち、両国は、両国間の相互理解と協力を幅広い分野で促進し、両国関係を拡大強化するように努めるとともに、二国間貿易につき、双方がお互いに安定的なかつ信頼し得る供給者・市場であることが相互の利益であることを認識して、公正かつ安定的な基礎の上に貿易の発展を図ること、及び出入国、滞在、事業活動等について、公正かつ衡平で第三国との間で差別的であってはならない待遇を供与することが定められております。また、条約の運用につき定期的に閣僚レベルで検討し、条約の実施から生ずる問題について申し入れができ、この申入れについては友好的考慮を払うことが定められております。
 わが国とオーストラリアとの関係は、両国経済の相互依存性を基礎として近年大きく発展してきており、また両国関係は、経済分野に加え、政治、文化、社会等を含む幅広い分野で拡大、増進されつつあり、さらに同じアジア・太平洋地域に属する先進民主主義国として、同地域の安定と発展に多くの共通の関心を持つに至っております。かかる状況のもとで、この条約を締結することにより、両国の友好協力関係がより確たる基礎の上に置かれ、この関係が将来長きにわたって発展することが期待されます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 次に日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国とカナダの間の文化交流を促進するためにカナダとの間に文化協定を締結することは、両国間の相互理解と友好関係の一層の強化に資するところ大であると考えられましたので、昭和四十九年九月に行われた当時の田中総理のカナダ訪問の際の合意に基づき本件協定の締結のための交渉を行いました結果、昭和五十一年十月二十六日に東京において、わが方当時の小坂外務大臣と先方ブルース・ランキン駐日カナダ大使との間でこの協定の署名を行った次第であります。
 この協定の内容は、戦後わが国が締結した各国との文化協定と同様、文化及び教育の各分野における両国間の文化交流を奨励することを規定しております。
 この協定の締結は、両国間の文化交流の一層の促進に資するところ大であると期待されます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上二件につき何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
 以上でございます。
#7
○委員長(寺本広作君) 以上をもって説明は終わりました。
 両件に対する自後の審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(寺本広作君) 国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 まず、ダウニング街における首脳会議について外務大臣から報告を聴取いたします。鳩山外務大臣。
#9
○国務大臣(鳩山威一郎君) 先般ロンドンで行われました主要国首脳会議につきまして御報告申し上げます。
 今回の首脳会議におきましては、(イ)一般経済情勢、なかんずく世界景気の回復、(ロ)貿易、(ハ)エネルギー、(ニ)南北問題等現下の世界経済が直面する主要な諸問題を議題として各国首脳間で率直かつ核心をついた討議が行われました。
 この種の首脳会議は三回目のものでございますが、これまでの一連の会議を通じて、世界経済の運営に主要な責任を有している先進主要国の首脳間に相互理解と共通の認識が一層深まったと思われる次第であります。
 このような雰囲気の中で、各国首脳は宣言にもうたわれているとおり、世界経済の諸問題の相互関連性と各国経済の相互依存性の現実にかんがみ、今後とも各国間の協力及び適当な国際機関の強化を通ずる国際的協力体制を維持強化していくとの認識のもとに、次の諸点に合意をいたしました。
  インフレ抑制に努めつつ雇用増大を図ること
 が緊要な任務であること、
  世界景気の回復を図るため、各国がそれぞれ
 の状況に応じ、成長目標の達成あるいは安定化
 政策の実施に努めること、
  保護主義を排除し開放的な国際貿易体制の維
 持強化を図ること、
  エネルギー節約を強化するとともに、核拡散
 の危険を回避しつつ世界エネルギー需要に応じ
 るため核エネルギーの平和利用を促進していく
 こと、
  南北問題について開発途上国と建設的な対話
 を継続しつつ、援助及びその他の実物資源の移
 転の増大を目指すこと。
 今回の首脳会議において、総理は世界の直面する難局切り抜けに協力するとの立場に立って、積極的に発言され、特に一九三〇年代の世界経済の経験に徴しつつ、現状が長期化することによる世界経済の総沈みを避けるため、一刻も早く各国経済の立て直しを図り、あるいは持続的回復路線に乗せる必要性を強調されたのであります。このような見地から、わが国としても他の余裕のある諸国とともに世界経済の回復のために最大限の努力を続けていく姿勢を表明いたしましたが、このようなわが国の姿勢は各首脳間で十分な理解と評価をかち得たものと信ずる次第でございます。
 以上、簡単でございますが、御報告を申し上げます。
#10
○委員長(寺本広作君) これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○小柳勇君 外務大臣にまず質問をいたします。
 実は、きょう総理大臣もこの委員会においでいただきまして、総理が帰られて方々で述べておられるこの首脳会議における日本の役割り、胸を張って自慢しておられる将来の展望などを追及するつもりでありましたが、総理は出席できません。外務大臣一緒に総理と会議におられますので、内閣としての見解もお述べ願いたいと思います。
 まず第一は、総理は今度の会議で日本の立場を鮮明にして、特に日本の経済力が先進首脳国の中でも大きく頼りにされるということで、責任よりもむしろ誇りを表明しておられる。私は、今度のこの会議でアメリカ、西ドイツ、日本が機関車の役割りをみずから引き受けて、イギリスやフランスやイタリーが強引にその三国に対して労働組合の団体交渉みたいにみずからの主張を要求して、そうしてアメリカや日本の今後の責任を非常に大きく追及してきたと、そういうふうに判断をいたしています。言うならば大きな荷物を背負い込んで帰られた。日本の政府はこれから一年間でありますか、二年間になりますかわかりませんが、今度の会議で大きな責任を背負い込んで帰った、そういう見解を持っておるのでありますが、外務大臣の見解をお聞きいたします。
#12
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回の首脳会議におきまして日本がどういう発言をしたかということは、新聞で報道されておりますので繰り返しませんが、ごく、何といいますか、根本的な考え方といたしまして、いまの世界経済、各国にオイルショック後の経済の再建と申しますか、これがはかばかしくないわけでございますが、これがいわゆるまあ拡大均衡と申しますか、世界の経済が落ち込まないように拡大することによって解決を図ろう、これがまかり間違いますと縮小均衡といいますか、各国が国際収支上の困難を克服するために貿易障壁を高める、あるいは計画的な経済と申しますか、そういったものに進んでいく場合には世界貿易が総体的に減少の方向に行く危険がある、この点につきまして福田総理自身、一九三〇年代の経験をもとにして主張をされたわけでありますけれども、各国としてこの考え方におおむね賛成が得られた。
 現在の世界経済は昔と違って構造的な変化が行われておる。したがいまして、自由貿易一本ではいけないのではないかという考え方も述べられましたわけでありますが、大勢といたしましては、やはり首脳は努力して世界経済を拡大均衡の方向に持っていこうではないかという方向に一致を見たというのが今回の会議の結果であったと思うのでございます。そういう意味で、総理がおっしゃっております、今回の会談の成果があったということは、そういう意味に私は理解をいたしておるところでございます。
#13
○小柳勇君 この会議を通じて何が一番中心的な課題として論議されたか。この宣言文を見ますと、さっき大臣がおっしゃったように並行的に書いてあります。書いてありますが、外務大臣として、国際的ないまの経済情勢の中で、あるいは政治情勢の中で何を一番中心に話し合われ、これだけまとまったと、こういうことがどういう点で一番大きく感じておられますか。
#14
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま申し上げました貿易、自由な貿易を進めるかどうかという点が私は一番議論が闘わされたところであろうと思います。
 それから、特殊な問題といたしまして核エネルギーの問題、核拡散防止とエネルギーの平和利用、このエネルギーの平和利用がどうしても不可欠だと主張するヨーロッパ各国とアメリカ、あるいはカナダもこれに思想的には同じ考えのようでありましたが、核拡散を非常に警戒をすると――核兵器の拡散でございます。その問題の議論がいわば対立的な意見の述べ合いがあった。
 貿易につきましては先ほど申し述べたところでございますが、東京ラウンド、この貿易障害を減らしていこうという努力をしたいと、そういうことによって開かれた貿易体制と申しますか、これが結局は経済の総沈みを避ける方向であるという主張と、いまの時代は昔とは違うんだと、したがいまして貿易の自由化ということは、もういまやそういう主張はすべきでないという思想が対立したというような感じを受けております。
#15
○小柳勇君 核不拡散の問題は後で聞きますが、いまの自由貿易の問題ですね、表面ではそういうふうに宣言に書いてありますが、それでは一体なぜ、福田総理は集中豪雨型の貿易、輸出などは自粛しなきゃならぬ、そういう発言をしております。私は、この間の予算委員会で、日本の国というものが今日まで貿易立国で経済成長してやってまいったと、その中で黒字が多いので外圧があります。しかし、日米首脳会談の後でアメリカの新聞でも書いておるように、小さい島国で生きていくにはそれ以外ないんだと、同情的な論調もありました。今度みずから福田総理が、自由貿易と言いながらなぜそれじゃ集中豪雨型の日本の貿易は自粛しなければならぬと言われたか、これみずから管理貿易、貿易を自粛する方向ではないかと、そう判断するわけです。そういう点について外務省としては――私は大問題だと思うんですけれどもね、みずから集中豪雨型の貿易は自粛するということを宣言されたんだから。それを待っていたんじゃないかと思うわけですよ、イギリスとかEC諸国。あるいはイギリス、イタリー、フランス、その言葉を待っていたんじゃないかと思う。それにうまうまと福田総理は乗っかかっておられるんじゃないかという気がしてならぬのです。その点についてもう一回御答弁願います。
#16
○国務大臣(鳩山威一郎君) その問題は二つの点が関係してくると思いますが、一つは、日本の進むべき方向といたしまして自由な体制を維持すべきだと、そのためには日本の経済を拡大することによって日本の内需を拡大をする。したがいまして、現在の、あるいは昨年あたりの傾向といたしまして内需が停滞をする、したがって輸出によって生きなきゃならないと、このような形の経済運営、こういったことは直さなければいけない。国内需要を喚起をすることによって輸出圧力を減らす方向に進む、また逆に輸入の必要を高めていくと、そういうことによりまして、経済政策によってこの日本の貿易関係というもの、この異常な黒字の発生というものを防いでいくということが一点でございます。
 それから第二点は、貿易にはルールが必要なわけでございます。自由な開放された貿易体制と申しましても、それはおのずといろんなルールのもとに行われることが必要だと、そのルールといたしましては、ガットが関係しておりまして、いろんな方式があるわけでございます。競争と言いましてもやはり適正な競争でなければならないし、貿易の結果といたしましてその輸出先の経済に被害を与えると、急速な輸出の増加によって相手国の経済に被害を与えるというようなことは避けるべきであるという考え方があるわけでございますので、そのようなルールに従った公正な貿易を心がけるべきであると、こういう意味で集中豪雨型の輸出急増という問題は、これは貿易のルールとしても避けなければならない、こういったことを述べておるのでございまして、決して日本がいろんな重荷をしょってきたと、こういうふうには解しておらないので、以上のように御理解を賜りたいと思うのでございます。
#17
○小柳勇君 管理貿易という言葉ですね、特に今度は管理貿易という言葉を使って新聞などでも報道していますけれども、この先進国首脳会議で使われた管理貿易というその中身は一体どういうことをねらっておるんでしょうか。たとえば西ドイツ、日本、アメリカに対して、あるいはイギリス、フランス、イタリー、あるいはEC諸国など管理貿易という。一番その中心、具体的には日本の経済成長六・七%及び国際経常収支七億ドルの赤字、こういうものをとにかく達成せよということがその背後にはあると思うんです、日本に対する要求が。それを頭に入れながら管理貿易ということですが、諸外国の言う管理貿易というのは一体中身はどういうことですか。
#18
○国務大臣(鳩山威一郎君) 特にフランス側が主張された意見の中に、組織化された貿易と申しますか、オーガナイズというような言葉も聞いたわけでございます。しかし、一体組織化された貿易というものはどういうものなんだということを伺いましても、この説明には二時間もかかるというようなことを言っておられましたが、私どもの想像によりますと、あるいは先方のいろんな発言から考えまして、自国内の主要な産業、たとえば製鉄事業でありますとか造船というような業種を挙げられておりましたが、このような一国として非常に基幹的な産業、あるいは戦略的な産業と申してもいいのかもしれませんが、そういった重要な産業について自国の産業が成立し得るような、逆にいえばその産業が破滅してしまうようなことは困るんだということで、そういう観点から、自由な貿易といいましてもそこに計画性と申しますか、はっきりいえばその産業の保護というものがやはり出てくるのではないかと、そういうような感じがいたしたわけでございます。
#19
○小柳勇君 そうだと思うんですよ、各国とも大変失業、インフレに悩んでいますから。私どもとして言いたいのは、たとえばフォルクスワーゲンでもルノーでもどんどん日本で好む人もいるんだから、安く買えれば日本の車と競争できるわけです。安くないから日本の車が売れるわけですから、したがって管理貿易ということで、みずからの国の産業というものは生産効率が悪くて、そうして日本の貿易を抑えるということに対しては、口で言えばどんなんでもいいですけれども、ちゃんと日本の貿易立国のたてまえを貫いていかなければ、今後私はもう目に見えるように後退すると思います。ただし、いま日本の黒字を解消していかなければならぬこと、これは国際的な経済の中で生きていますから、それはわかります。
 ただ、この会議で胸を張って総理がうまくやりましたと言って帰られて、結局は管理貿易の名のもとに日本の産業を自粛しなきゃならぬ、日本の貿易立国をみずから抑制しなければならぬ、それを具体的にもあるいは抽象的にも約束して帰られたとするならば、これは総理としては相当責任重大だと私は思うわけです。
 いま日本の経済新聞などが余りこれを非難してないのを私は不思議に思っています。この前、三木総理が会議から帰られた後、相当批判があった。経済的な問題で批判があった。今回は余り批判がない。それは福田総理が経済的にベテランだということがどうも先行していないかと思うけれども、三木総理であろうと福田総理であろうと、日本の内閣に対する諸外国の要求というものは同じだと思うんです。そういうことで、いまの貿易政策を根本的に見直すのであるか、あるいは貿易政策そのままでありますと、ただ黒字を減らすとか、あるいはいま諸外国のインフレ、失業など解消するためにわれわれのこの集中豪雨型というのか、そういう貿易を自粛するというのか、そこに少しルールといいますけれども、大きな筋とそれから当面の手段となきゃならぬと思うんですよ。その点いかがですか。
#20
○国務大臣(鳩山威一郎君) 日本自体といたしましてこの集中豪雨型の輸出は自粛をしようと、こういったことは福田総理も前から申しておられるところでございまして、またこれも、貿易のルールといたしましても、それはやはり相手方の産業に甚大な被害を与えるというような急激な輸出の増加というものは、それに対しまして各国が対抗する手段というものは国際的に認められておるわけでございます。そういう意味で各国間のそれぞれの貿易の状態によりまして、それぞれ二国間で話し合っていくと、こういう考え方であります。
 しかし、世界全体として今日の総体的にオイルショック後の経済、特に年間四百五十億ドルに及ぶ産油国の黒字、これにいかに対処するかというそういう過程におきまして、世界的な制度として貿易に対する障壁を高める、一般的に貿易政策というものの大転換をしてすべて自国中心的な対策を講ずるようにすべきである、こういうような行き方に対しまして、今回の首脳会談では明白にそれは大変世界全体のためによくない、また、国民生活上もそういうことはマイナスだという方向にコンセンサスが得られたということにつきましては、私はそれなりの評価はしていいのではないか。ただ、依然といたしまして赤字国の赤字の累積傾向というものが続いておるわけでありますから、そういう厳しい世界環境であるということは、これは会議をしたから変わるという問題ではない。
 したがってこれからの問題は、日本がいかなる経済運営をしていくか、本当に内需を拡大することができるかどうか、これが諸外国の注目をしておるところでございます。そのために日本はやはり思い切った景気拡大策をとるべきであると、このような考えを持っておるところでございまして、貿易政策が非常に障害的な方向に進むということを避けることができたという点は御理解を賜りたいと思います。
#21
○小柳勇君 答弁こんがらがっておるんですけれども、私が言ってるのは、いまの貿易をたとえば自粛するとするならば具体的にはどういう方法で自粛しますかと、あるいは黒字を解消していくというならば、発展途上国あるいはその他の国から輸入をふやさなきゃなりませんね。輸出を減らして輸入をふやさなければならぬわけでしょう。そういうことまで具体的に考えておかなければ、いま大臣がおっしゃったような抽象的なことでは答弁にならぬわけですね。そういうことまでもう約束ができて、あるいは腹の中では福田総理、福田内閣としては今度のこの管理貿易という言葉で表現される、日本の輸出を減らして輸入をふやしましょうと、そういう腹まで決まっておるのですか、簡潔でいいですがね。
#22
○国務大臣(鳩山威一郎君) これから内需を人為的に政策的に拡大していくということが一番現在に適した政策である、その方向に努力をしようと、これが現状におきます最大の政策であるということで、これに対しまして、先般所得税につきましても各党間のお力によりまして実現をしたわけでありますし、また、公定歩合につきましても金融当局も率先して一%という思い切った引き下げをするというようなことで、内需の拡大ということにとにかく力を注ぐということがとりあえずの方法である。
 それから、輸入をふやすという努力はいままで余り日本としてはしておりません。それは確かだと思います。これからの貿易につきまして、輸出を増進を図るということよりも輸入をいかにしてふやしていくか。この輸入をふやすことにつきましては、これはなかなか、国内の業界等の問題がありまして言うべくして実行はなかなかむずかしい面がございます。特に農業関係におきましては大変むずかしいわけでありますが、これらにつきまして、やはりできるものから努力をしていくという、その点につきましての一層の努力が必要であると思っております。
#23
○小柳勇君 次には、外務大臣でも、局長も見えておるようでありますから、具体的な問題を質問します。
 ロンドン会議の付属文書で、不規則な慣行や不適当な行為の排除をうたっておりますが、従来のわが国には国際貿易、金融、通商などの各方面にわたり、原則禁止で官庁の許可、認可を受けた場合に解除されるというやり方であった。順次緩和されてきておりますが、やはり諸外国から見ると不規則な慣行や不適当な行為の多い国という批判が強い。ロンドン会議の結論を踏まえてこれまでのやり方を改めるのかどうか、この問題について答弁願います。
#24
○国務大臣(鳩山威一郎君) 日本にはなかなか輸出がしにくいということは、ヨーロッパの方はよく申されるわけでございます。これにはあるいは言葉の問題等も関係をしてくるとか、あるいは旧来の輸入につきまして特約的な制度が残っておりましたりする面があったりすることはよく聞くところでございます。しかし、この会議で述べられましたこと、特に国連あるいはOECDでやっております、日本の貿易につきまして、あるいは金融、商業も入れましての話でございますが、やはり不正な行為というようなものは廃絶をしてまいろう、そういう努力をしようということがそこにうたわれておるものと思っております。
#25
○小柳勇君 時間が少ないので、基本問題だけで時間がとられてしまいますから、経済企画庁から見えています調整局長に。
 さっきちょっと申しました日本の経済成長率を六・七、それから経常収支赤七億ドルというものに対して非常に強い要望があるようです。これに対するこれからの具体的な方策、この前予算委員会では大臣答弁だけで局長の答弁聞いていません、局長が専門家ですから。特に私が申し上げたいのは、最近おたくから出ている経済報告を見ていまして、設備投資も減っている、まだふえてないです。いわゆる日本の経済力を判断する材料というものがよくないわけです。したがって、いま申し上げました六・七と七億ドルの赤に対する――この間総理は貿易外収支がうんとありますからという話でありましたけれども、これからの見通しとそれから政策、具体的にこういたしますと、今度のこの会議でずいぶんげたをはいてきている部分ですね、局長のお話を聞きたいんです。
#26
○政府委員(宮崎勇君) 今回のロンドンの会議の宣言に、一番冒頭のところで経済政策に関連するところがございまして、黒字国並びに赤字国は、それぞれ責任を持って現在の困難に対処しなければいけないということが述べてございます。
 その際に、黒字国として最も重要なことは、インフレの再燃を防止しつつ国内の景気の拡大を図る、それを通じて各国の国際収支の不均衡を是正し、かつ、それによって世界経済の発展、回復を促す、失業の解消を図る、こういうことでございます。
 いわゆる成績のいい国と申しますか、現在世界経済の中で、御承知のように二極化現象が起こっているわけでございまして、日本、西ドイツ、アメリカというような国は、国際収支の点もそうでありますけれども、国内の成長率あるいは物価の上昇等におきまして、そのほかのフランス、イタリア、イギリスといったような国に比べまして、比較的経済的な業績と申しますか、パフォーマンスがよろしいわけでございます。したがって日本に対しても、この会議では、黒字国としての責任の景気の拡大を軌道に乗せるということが要請されたわけであります。
 この宣言の一番最初に書いてありますように、この成績のいい三国が、それぞれ目標として掲げている成長率を達成することを約束した、英語ではコミットでございますが、したということが書いてございまして、その趣旨は、先ほど外務大臣からも申し上げましたように、これは自動的に強制的に諸外国からこの六・七%の成長率を達成するということを強制されたというような趣旨ではございませんで、第一義的には日本経済自体にとって景気の回復が必要でございまして、現在も失業が百万人に達する状況でございますし、雇用の改善がはかばかしくないというような状況でございますので、景気の回復それ自体は日本にとっても必要であるわけですが、同時に、そのことが日本の内需の拡大を通じまして輸入需要を喚起する、その輸入需要の喚起ということが、国際収支の赤字に悩んでいる国の輸出を助けるという形になるわけでございます。
 ただ、日本の貿易の特殊な構造からまいりまして、必ずしも日本の景気の回復は直ちに現在問題になっております、たとえばヨーロッパの国々からの輸入をふやすということには直接必ずしもつながらない面がございますけれども、日本が景気の回復によりまして原材料やあるいはエネルギー源を輸入するわけでございますが、その輸入先の購買力がふえるということが、ヨーロッパのそれらの国に対する輸出を増大せしめるという、間接的なルートを通じてそれらの国の均衡回復に役立つというふうに考えるわけであります。そういう世界経済の回復に対して日本の景気回復が非常に大きな影響を持っているという点で、日本としても積極的に六・七%の成長を達成するということをコミットしたわけでございます。
 その六・七%の成長を達成するのにつきましては、昨年の半ば以降日本の経済が停滞傾向を続けているわけでございますけれども、そういう事態に対処するために、昨年の十一月の景気対策、七項目から成ります景気対策に続きまして、本年に入りまして補正予算を追加する、あるいは五十二年度予算を早期に成立を図り、そしてその予算におきましては需要拡大効果の大きい公共投資を中心にして編成されている、その公共投資につきましても、上半期に七三%集中前倒し的に支出するということによって経済にはずみをつけるという措置がとられているわけでございます。あわせまして、金融政策の面におきましては公定歩合を三月、四月それぞれ引き下げたわけでございまして、これによって私どもは景気が回復軌道に乗るものと考えているわけでございます。
 昨年の七−九月、あるいは十−十二月の実質国民総生産は、対前期にしましてそれぞれ〇・四%、〇・六%の増加でございますので、大変低い伸びでありますが、一連のとられました措置によりまして、そしてあわせてことしに入りまして輸出がやや伸び率を回復しておりますので、そういういわば外生的な需要ではございますけれども、それをきっかけといたしまして、この一−三月にはかなり実質成長率が回復していると私どもは考えているわけでございます。国民所得統計がまだ一−三月の分につきましては発表されておりませんで、今月の下旬には出るかと思われますが、かなりの高い実質成長率を実現しているんではないかと思われます。
 それから、そういう状況を受けまして、生産がややこのところ回復をしておりますが、生産自体の伸び率もそれほど目立った伸びを示しておりませんが、注目されますのは、この月例報告でも述べておりますように、在庫が七ヵ月ぶりに対前月比でマイナスを示すということで、在庫調整がかなり好調に順調に進展しているというふうに思われるわけです。したがいまして、四−六月におきましても一−三月と同じような状況で景気が回復しているというふうに考えられます。そういういわば政府支出主導型とあわせまして輸出が高水準であるということによって、今年暦年の上半期の経済がかなりの勢いで回復してまいりますと、そのことが下半期におきまして民間の需要、消費、あるいは設備投資を刺激して、だんだん主役が交代しながら景気が回復し、六・七%の成長を実現するということを期待しているわけでございます。
 なお、政府見通しの五十二年度におきまして、経常収支が御指摘のとおりマイナス七億ドルという見通しになっております。率直に申しまして、五十二年度マイナス七億ドルの経常収支を記録するということまで、現在の内需の拡大から輸入の増加ということを期待してそういう数字になるというのは、大変厳しいという感じがするわけでございます。この数字は内需の拡大によって国際収支の赤字、厳密に申しますと貿易収支の黒字の縮小、ひいては現在四十億ドルの水準に達しております経常収支の黒字を縮小し、赤字になることも辞さないという、そういう姿勢を示しているわけでございまして、そういう形において国際協力の実を上げていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#27
○小柳勇君 いま宮崎局長が言われたような方向でいきますと、また資金が足らなくなりまして、国債を発行してインフレの危険性もあると思うし、それから、この前予算委員会でも申し上げましたが、財政支出を増大したから即経済成長に結びついてない。いままでもずっとこれは統計で、アメリカの統計や日本の統計を見まして、財政支出の純計と経済成長率を比べてみまして、財政支出の純計がふえたから経済成長がふえている――全然逆なんです。不景気のときは純計の方が――対前年度成長率が減っていますね。したがって、一回ばんと金を出すのはいい。もう三年来の不景気ですね。三年来の不景気で、いま財政支出を前もって上半期七割出しますと、八兆円の七割出しましても、もう本当に町の人の判断が一番正しいと思いますが、景気直ってないです。本当はもう予算通りまして、いまごろもっと活気出なければなりませんが、活気出ないですね。
 経済論争は、ここは外務委員会ですから、別の機会にいたしますが、そこで通産省から見えておりますけれども、今回のこの会議の後、貿易関係でみずから自粛しなければならぬという方向を通産省も感じておられると思うが、どうですか。
#28
○説明員(名取慶二君) 輸出貿易の問題でございますが、わが国といたしましては、先生も申されましたように貿易立国でございますので、当然従来から自由で多角的な貿易という基本原則のもとに進んでまいっておるわけでございますが、ただ、特定地域に特定品目の輸出が集中するということによって相手国に混乱をもたらす、これが行き過ぎますと、その国での保護主義的な傾向を誘発したり、かえって自由の原則が脅かされるおそれもあるということを考慮いたしまして、秩序ある輸出ということは従来から基本的に貿易政策の考え方として進めてまいったわけでございます。
 これまでもこうした考え方から、在外公館とかジェトロとか、いろいろな機関を通じまして外国の市場状況ということ、わが国の輸出の向こうにもたらしている影響等についての状況の把握に努めてまいったわけでございますが、今後はますますこういった首脳会議の討議の雰囲気などを踏まえまして、やはり基本的には従来とってきた自由貿易という路線そのものは維持するわけでございますが、こうした路線に即しつつ、海外情勢の把握により一層努力いたしまして、その結果、その状況に即応して関係業界に対して必要な場合には指導を行い、その自粛を促してまいりたい。つまり、やはり原則的には輸出活動は業界、各企業の自由な活動であるべきでございますので、その自粛につきましても、管理というふうなことを全面的に持ち出すのではなく、やはり基本は各輸出企業の正しい認識に基づく、自主的な判断に基づく自覚ということではないかと思いますので、そうした情報の提供と指導という方向で努めてまいりたいと考えております。
#29
○小柳勇君 あと核問題について質問いたします。時間がないものですから、ひとつ要点だけ願います。
 まず、核エネルギーの利用問題で、アメリカのカーター大統領の考えも会議で若干変わったという印象も受けますし、そうでないという意見もございます。大臣は、この核エネルギーの利用問題、核不拡散の問題でどういうふうな会議の結論であったか、御答弁を願いまして、あと、科学技術庁と資源エネルギー庁から見えておりますから、この問題についての御説明を願います。
#30
○国務大臣(鳩山威一郎君) 核エネルギーの兵器化、平和利用の兵器化の危険につきまして、まず、カーター大統領から発言があったわけでございます。それに対しまして、各国がそれぞれの見解を申し述べたわけでございまして、一般的にヨーロッパ各国は資源が乏しい、将来の資源としてどうしても核の平和利用に頼らざるを得ないということが強く主張をされたという経緯でございまして、したがいまして、この辺につきましては、アメリカの態度が少し緩和されたのではないかということは、その会議の結果につきましての、その受け取った方のそれぞれの期待が込められておると思います。決してその席で話がついたというような性格のものではないと思います。ただ、ヨーロッパ各国が強く主張された点につきまして、カーター大統領自身も耳を傾けられたわけでありますから、相当理解が進んだんであろうということ、そう考えておるということでございます。
 そして、この会議の席でございませんが、福田総理が再度カーター大統領に会われまして、日本の実情、特に第一次調査団が行ってアメリカと事務的な折衝をしたと、その折衝につきましてひとつ協力をしてもらいたいということを福田総理がカーター大統領に申され、カーター大統領もそれを引き受けられたという経緯がありまして、したがいまして、日本に対する態度というものにつきまして、これからさらに両国間の交渉が進められるということが期待をされているわけでございます。
#31
○小柳勇君 核燃料の再使用の問題もありますけれども、これは部分的な問題ですから別の機会に譲りましょう。
 国連局長が見えておるようでありますから最後に一問しておきますが、それは、今度の会議でたとえば社会主義圏はどう考えているのかというのが一つ。それから、発展途上国の諸君はこの会議をどういうふうにとらえておるか、新聞情報など集めてみましてもいろいろです。日本の政府はどう考えておるかというのが一つでありますが、国連局長として、社会主義圏の諸君がどう考えているか、あるいは発展途上国の諸君がこの会議をどうとらえておるか、この点についての見解をお聞きしておきたいんです。
#32
○政府委員(大川美雄君) ただいま御質問の点につきましては、まだ実はわれわれもいろいろ情報を集めて勉強中でございますが、とりあえずの私の感触を申し上げますと、たとえば開発途上国につきましては、特に南北問題の取り扱い方に関心を向けていたんではないかと思います。
 御存じのとおり、パリで昨年から開かれておりますいわゆる南北問題の会議、CIECというのがございますけれども、それの締めくくりの会議が今月の末から来月の初めにかけて一応予定されておりまして、その際の一つの大きな焦点は、一次産品問題につきましていわゆる共通基金なるものをつくりますかどうかということになっておりますけれども、今度の主要国首脳会議のコミュニケにおきましては、その点につきましては、いろいろ解釈されると思いますけれども、少なくともいまよりはややはっきりした形で前向きにこの問題に取り組んでいくんだという七ヵ国の姿勢があらわれているようにも思われるわけでございます。その点が開発途上国として特に注目している点ではないかと思います。ほかに援助の問題でありますとか、実物資源の移転の問題とかいろいろございますけれども、これは私よりもむしろ私の右におります経済協力局長の分野かと思います。
 核燃料の問題につきましては、これは全般的に開発途上国としても関心を持っておりますけれども、むしろ、特に開発途上国を排除した形で先進工業諸国だけが何らか自分たちだけの間で合意をして、そういった先進国同士の秩序を開発途上国全部に押しつけるようなことがあっては困るというような見方を恐らくしているんではないかと思います。
 東欧圏諸国につきましては、私特にいま材料がございませんけれども、少なくとも核拡散防止の問題につきましては、ソ連を初めとするこれらの国々も、アメリカと似たような立場から、かなり核拡散防止の必要性について懸念をしているというふうに理解いたしております。
#33
○小柳勇君 核燃料の再利用の問題で、若干あの会議後空気が変わって、可能性あるんじゃないかということで宇野長官も自信を持ったというような新聞報道などありますが、科学技術庁としてはどういうふうにとらえておられますか、お聞きいたします。
 なお、発展途上国の経済協力問題などは、予算で寺田委員が扱われておりますので、私も通告しておきましたけれども、この問題は省略いたします。
#34
○説明員(川崎雅弘君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。
 確かに、先ほど来の外務大臣からの御答弁にもありましたように、カーター大統領の出しました新政策、それに対する各国の、特に先進工業諸国の反応が今回の首脳会談で非常によくカーター大統領に伝えられたわけでございまして、しかも、論点といたしましては、われわれと同じ資源状態にありますヨーロッパの各国が、これまでわが国がたびたび米国に対し主張してまいりましたことと同じ角度からカーター大統領の政策に対して意見を述べていた、そういう意味で非常に心強い味方がわれわれにはいると、そういう点では今回の会議は非常に評価できると考えております。
 私どもとしましては、ウラン資源に乏しいわが国の中でエネルギー需要にこたえていくために原子力の平和利用を推進していくという一つの責務がございます。そういう意味で、今後ともあらゆる機会を通じまして、対米の交渉を進め、再処理並びにプルトニウムの利用によりまして軽水炉による現在の原子力発電から高速増殖炉による原子力発電への移行を円滑に進めていきたい、かように考えております。
#35
○小柳勇君 質問を終わります。
#36
○寺田熊雄君 外務大臣にお尋ねをしますが、世界経済の安定と発展のために開かれた今回の首脳会議、外務大臣としては成功だったというふうにお考えですか。これは日本だけじゃなくて、世界各国とも厳しい批判があるようですが、外務大臣いかがですか。
#37
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回の首脳会談が行われましたその背景を考えますと、過去二回のときより非常に厳しい背景があったというふうに考えられております。それはいわば二極化現象と言われていることでございまして、付属文書でも触れられておりますけれども、Aグループ、Bグループというように表現をされたようなこと、この考え方、それから自国本位に政策を進めますとそれの間に開きが出てくるおそれがある、そういう状態のもとで今回の出ました結論というものは最大公約数と言えば最大公約数であろうと言われるもので、その際に失業問題とインフレの問題、この問題につきましていわば赤字国と申しますか、そういう赤字国の立場が出ておりますし、貿易の面では、お互い自国のことばっかりやったんでは世界経済全体としてさらに悪い方向にいく、それを防ごうという意味におきまして、そのAグルーブの方の主張が出てきておるというような感じでございまして、これはやはり妥当な結論が得られたというふうに考えるべきだと思います。
#38
○寺田熊雄君 外務大臣の御答弁を伺いますと、首脳会議宣言の中に出ております相互関連性、あるいは相互依存の事実についての認識を深めたとか、そういうような面に関連するんでしょうけれども、具体的にいまの世界経済の持っているいろいろな困難、これを解決するためにどういう具体的な貢献があったんでしょうね。
#39
○国務大臣(鳩山威一郎君) いまおっしゃいました、世界経済がお互いに関連をし合ってまた依存し合っているということで、自分の国だけの利益ということではなしに、世界全体のことを考えて協力し合っていこうと、こういうことでその大きな方向といいますかが示された。具体的な細かい政策というようなものを決めてはおらないのでありますけれども、やはり首脳同士としての考えるべきこと、そういった大きな方向というものが合意されたというふうに考えております。
#40
○寺田熊雄君 これから具体的にいろいろお伺いしていきたいと思うんですが、この会議で日本の総理大臣が、日本の経済力に見合うような地位と言いますか評価あるいは待遇と言いますか、そういうものを与えられたんでしょうかね。
 と申しますのは、たとえばエリザベス女王の招待晩さん会の席次であるとか、あるいは会議終了後の記者会見での席次とか意見発表の順序、そういうものを見ますと、どうも日本の経済力、GNPが世界第二位であるというような、そういうような経済的実力にふさわしい待遇を与えられていないように思うんですが、その点外務大臣どんなふうにお考えですか。
#41
○国務大臣(鳩山威一郎君) 席次等につきましてはいろんなしきたり等もあろうと思いますし、そしてキャラハン首相が議長になられましたけれども、議長国としてはなるべく公平、平等に運営をしようという、そういう気持ちがよく感ぜられたわけでございます。
 また福田総理自身が、日本が経済大国になったということもございましょうけれども、経済面におきます経験者という意味で非常に評価をされておるということを感じたわけで、発言などにつきましても福田総理の御意見はどうかということを議長も大変気を使っておられた、そういう運営ぶりは感じられたわけでございます。
#42
○寺田熊雄君 余りこういう問題に神経質になることがいいのか悪いのか、私にもわからぬのですけれどもね。ただ、イタリアは昔から非常にヨーロッパでも国際的な地位は低いと見られていたのが、イタリアの首相よりもさらに末席に置かれるような、そういう印象さえも受けたんですがね。これはやはり日本の外交がいままで何か理想がなかった、アメリカに追随ばかりしておったと。自主性がないとか、あるいは貿易面でも他国の利益などを全く無視して、ただ集中豪雨的な輸出をすればいいんだ、エコノミックアニマルであるとか、そういう評価を招く。あるいは開発途上国の援助なども経済大国に全くそぐわないような非常に援助額が少ない。こういうようないろんな原因が結局積もり積もって国際的な評価というものがやはり低いというふうにも思われるんですが、外務大臣いかがでしょう。
#43
○国務大臣(鳩山威一郎君) 特に南北問題におきまして日本の援助が少ないということは、諸外国はよく知っておりまして、いろんな発言の際に私どもも気にかかるような発言があったことも事実でございますし、ここで隠そうと思いません。私どもといたしまして、今後そういうようなことがないように、なくせるように努力をいたしたいと思います。そういう感を強くしたわけでございます。
 しかし一般的に、やはり東洋からただ一国出ておるものでございますから、あるいは言葉の問題等もございまして、これよほど努力をいたしませんと、日本が主要なグループの中で重きをなしていくというためにはやはり大変な努力が要るものだということを感じて帰ってきたわけでございます。
#44
○寺田熊雄君 外務大臣は非常に率直に御答弁になるんで、私も非常に印象としては好感を持つんですが、従来、日本の外交が個性が非常に希薄だし、理想にも乏しいということは事実だと思うんですね。開発途上国に対する援助面での国際的義務を将来果たしていかなきゃいけないという面もあると思うんですが、日本の外交というのは将来どういうふうな理想と言いますか、世界の各国がなるほど日本の外交というものは理想を持っていると。カーター大統領なんかも人権を重んずるというようなことを非常に強調して、これは非常に私は特色がある、個性のあるまたりっぱなものだと思うんですけど、日本の外交に何らかの理想というものを持たせなければいけないんじゃないでしょうか、その点いかがでしょう。
#45
○国務大臣(鳩山威一郎君) 国際社会でリーダーシップをとるというようなことを考える方がいいのか悪いのかという点は、いろいろ考え方があろうと思います。ただ日本が、これは特に最近ますます単独では栄えていくことができない。やはり世界全体と協調をとってこそ発展できるものというふうに思いますし、それにはやはり日本はどこの国とも外交関係、友好関係を正しく結んでいくということが必要であろう。その点につきまして、日本は平和憲法というものを持っておるのでございますから、やはり平和外交ということを主軸にしていく、そういう面では核の問題につきましても日本は核の三原則というものを持っているのだということは、核の問題に対する一つの大きな基礎になると思いますし、平和憲法というものが、日本が各国との外交を進める上で、大きな基礎になっておるというふうに思いますので、たとえば来年の春開かれます国連の軍縮総会というような機会、このようなことにつきましては、日本はやはり世界で一番発言できる機会であろうと思いますので、そのような方向で努力をいたしたいと思います。
#46
○寺田熊雄君 いまの点は、その程度にとどめておきます。
 ただ、いまの核の廃絶の問題なんかでも、やっぱりそれもカーター大統領にお株を奪われてしまったような印象を受けるんですね。まあひとつ鳩山さんに大いにがんばっていただきたいと思うんです。
 次は、いまの集中豪雨的な輸出であるとか、それから開発途上国への援助の問題で十分義務を果たしていないという面で、後者の点についてはちょっといろいろいやみを言われたということをおっしゃったんですが、景気刺激のために経済成長の目標率を達成することを約束するとか、あるいは国際収支の不均衡を軽減させるという努力を約束するとか、IMF資金を増大させることについての合意、こういうものは各国とも共通の問題なんですけれども、特に日本に対する注文がきつかったということはなかったんでしょうか。
#47
○国務大臣(鳩山威一郎君) これらは皆各国協調してやろうと、こういう考えでございまして、特に日本だけがやれというような趣旨ではございませんし、全くそういうような論調ではございません。
#48
○寺田熊雄君 それから、いままでランブイエの会議とかサンフアン会議などにはなかった言葉が出ていますね。たとえば「世界経済の構造的変化」というような言葉が宣言の中にうたわれておりますが、これはどういう内容を持ったものですか、具体的に説明していただきたいんですが。これは付属文書にもうたわれているようですが、どっちにもうたわれていますが。
#49
○国務大臣(鳩山威一郎君) この「構造的変化」の点では、これは若干のやりとりがございましたので御報告申し上げるわけでございます。
 特に、ある国からの主張としてこういう構造的変化があるのだと。したがいまして、組織的な、先ほどオーガナイズされた貿易政策というようなこと……
#50
○寺田熊雄君 「市場」とかいうことでしたか。
#51
○国務大臣(鳩山威一郎君) 「市場」、そういった主張がありまして、それはまだとても内容が理解されるに至っていないというので、抽象的な表現として構造的な変化を考慮すべきだという表現をここに入れたというのが実際のやりとりであったわけでございます。
 そして、特に東京ラウンドのところにいろんな考え方が書かれたわけでございますが、貿易の自由化でありますとか非関税障壁なども軽減していこうと、こういったことがうたわれているわけでございますけれども、しかし時代は変わったんだ、もうそんな状態は過去の考え方ではないかというような主張すらあったわけでございます。そういうところに構造的な変化を考慮に入れるというような表現を入れるべきだという主張がありまして、それに対しまして総理から、一体構造的な変化というのは何を意味するんだという質問をされて、なかなかその説明は時間がかかるというような話がありまして、総理の方から、それじゃこの構造的変化というものは資源エネルギーの有限時代になったという点、または現在は南北問題というような問題が出てきておる、こういうようなことを指して構造的変化と解してよろしいかという確かめを総理がなさいまして、そのとおりだという返事があったということでございまして、そういうような一般的な経済状態、環境が変わっておるということに御理解いただければよろしいと思います。
#52
○寺田熊雄君 大体わかりましたけれども、いわゆる不況下の物価高というようなそういう問題との関連で言われたのじゃなくて、いま大臣がおっしゃったような資源有限時代とか南北問題の格差とか、そういうようなことの方が主なわけですね。
#53
○国務大臣(鳩山威一郎君) そういうように福田総理が積極的に発言をされまして、それに対して「ウイ」という返事があったということでございます。
#54
○寺田熊雄君 わかりました。
 それから、サンフアン会議でも今度の会議でも、世界経済の不況ですね、これが非常に主要な討議のテーマになっているわけですが、この不況というのは何か構造的不況だというような表現をとる人もあるのですけれども、この不況の根本的原因、何でこんなに不況が続くのか、どこに原因があるのか、そういうことにメスが入れられなかったのでしょうか。どうも宣言とか付属文書見ても、そういう点よくわからないのですが、いかがでしょう。
#55
○国務大臣(鳩山威一郎君) この付属文書の中に、石油危機以来の傾向として、また、最近になりましても年間四百五十億ドルというような数字が述べられております。これは要するに、このような直接的な表現はいままでなかったのではないかと思いますが、この問題が依然として解決をされない。そして国際収支の不安定あるいは赤字というような問題がある。この国際収支の大幅赤字がありますと、どうしても各国としては引き締め政策をとらざるを得ない、こういうことが根本にあるという、それは私は認識としては共通にあると思います。しかしここに、やはりこれからの資源問題自体を考えましても産油国との協力関係が必要でございます。そういう観点に立って今度のCIECの会議を何とか成功さしたい、こういう願望が掲げられておるわけでございまして、したがいまして、ここでそういう根本的な非常に厳しい情勢であるという認識が共通してあると思います。それが不況の原因でもあるし、またインフレの原因でもあるということは言外にあるのでございますけれども、そのようにはっきり言うことも適当でないという気持ちもあろうと思います。
#56
○寺田熊雄君 それから、これは新聞で拝見したわけなんですが、福田首相は新しい経済秩序をつくろうという御主張をなさったようですが、これは宣言の中にはどうも採用されていないように思うのですがね。その新聞紙上だけの認識しか私ども持ち得ないのですが、何か資源の新しい利用方法を経済政策に具体化するというようなことをおっしゃっておられるように新聞紙上で拝見しているのですが、外務大臣としては、福田さんの新しい経済秩序をつくるというその内容はどういうふうにお聞きになっておられるのでしょうか。
#57
○国務大臣(鳩山威一郎君) この差し上げました資料の四ページでございますけれども、中段のところに、「これらの任務を遂行するため、われわれは、他国の支援と協力を必要とする。われわれは、このような協力を国際連合、世界銀行、IMF、GATT及びOECD等適当な国際機関において推進する。」というような表現がございますが、国際機関がいろいろあるわけでございますが、これらの国際機関がやはりいまの経済危機を克服するために相一致協力をしてやろうという趣旨がここに書かれております。福田総理とされてもそのようなことを主張をされまして、いろんな国際機関はそれぞれの立場で活動しているけれども、この国際危機を打開するために強力にひとつ努力をすべきではないかというようなことをおっしゃいまして、その趣旨はここに生かされておるように思うのでございます。
#58
○寺田熊雄君 何か新しい経済秩序という、そういう表現も福田さんはなさったわけですか。あるいはまあ資源の新しい利用方法を経済政策の中に生かすと、そういうような御説明も福田さんは会議の中でなさいましたか。
#59
○国務大臣(鳩山威一郎君) 資源の問題は資源のところで国際協力、資源につきまして資源不足時代になったのでひとつ国際的に、自国でばらばらで開発するのは大変であると、まあ核融合というようなこととか、地熱、太陽熱の開発とか、その点はエネルギー問題として国際的に協力して進めようというような発言をされました。
 それから一般の経済情勢のところでは、いまのような、国際機関がたくさんあって大変な時間と労力をかけてやっておる、しかし、経済問題ではひとつこの国際的な経済危機というものを乗り切るために協力をすることを考えるべきではないかというような発言をされました。
#60
○寺田熊雄君 まあ会議前の予想では、日本の非常に暴風雨的な輸出であるとか、国際収支の大幅黒字であるとか、こういうことについて各国から苦情や要請が恐らくたくさん出てくるだろうということがありましたね。これについてはやはり何か約束させられたというようなことはありますですか。別段ないんでしょうか。
#61
○国務大臣(鳩山威一郎君) 経済問題あるいは貿易のときに、集中豪雨的な輸出が過去に行われたけれども、まあ自制と申しますか、そういうことは行わないようにするというような、これは先方、ほかの方から言われて、聞かれて言ったわけではございませんで、こちらの方の考え方として申されたのでございます。
#62
○寺田熊雄君 いまの問題、先ほど小柳委員からも御質問があったのですが、フランスのジスカールデスタン大統領がオーガナイズドマーケットですか、組織化された市場をつくろうという提案をしたという、そういうのがもっぱら報道されていますけれども、このジスカールデスタン大統領の提案というようなものはどこかの国で支持した国がございましたか。だれも支持しなかったんですか。
#63
○国務大臣(鳩山威一郎君) 結論といたしまして、ここにお読みいただいてますように、やはり自由、オープンな体制を維持しようと、こういうことになっておるわけで、御想像いただけると思います。
 特に造船問題につきまして、これはもうことしの初めからずっとECとの間に協議を続けてまいりました。特にわが国の造船のシェアが非常に商いものでございますから、造船につきましてはそういう問題が出ておりまして、それにつきましてある程度の、ECとの話し合いを続けてある程度の了解点に達しておるのでございます。しかし他の品目、造船と鉄鋼というようなことも言われました。ほかの機会でいろいろ聞きますと、もう少しほかの産業のことも考えられておるようでございますが、たとえば電算機のようなことも、これはかつてわが国といたしましても自由化のときにずいぶんもめた問題でございます。したがいまして、産業別にいろいろの問題はあると、しかし、わが国としては個別問題は個別問題として解決に当たってまいったわけでございますし、そのわが国の考え方なりいままでとってきました対策なり協調の態度というものは、私は理解が相当先方にも進んでおるというふうに思います。しかし、これを当然な制度としてそういうことを持ち込みますと、これは非常なもう貿易というものに全く競争というものが排除されるということになりかねないのでございます。したがいまして、個別問題として解決に当たろう。こういうことも含めまして、集中的な、とにかく何でも自由だからどんどん押しまくって輸出をしますというような態度はとるべきでないという意味で、集中豪雨型の輸出というようなものはもう日本は考えてないと、やらないという考えを申し述べられておるわけでございます。
#64
○寺田熊雄君 日本としては、この会議で今日の世界経済のいろんな諸困難というものを打開するために日本としてはこういう方面で貢献できるというような、日本としての主張というのはなさったんですか、具体的に。おれの方はこういうことで貢献ができるぞというような主張はなさいましたか。
#65
○国務大臣(鳩山威一郎君) 経済情勢のときに、日本はやはり景気対策、これを一生懸命やるということが主眼でございまして、それによりまして輸入も増加ができる、また輸出の圧力も減らすことができるということで主張をされてまいりまして、そのような努力をいたすことによりまして、貿易障壁というものを高めるというようなことではだめだと、こういうことを主張したわけでございます。
#66
○寺田熊雄君 わかりました。
 で、三つの機関車論でアメリカが何かしぼんでしまったということが言われますが、やはり三つの機関車論というのはその会議の中でも主張されたんでしょうか。それともそれはもう全然出ませんでしたか。
#67
○国務大臣(鳩山威一郎君) まあ論議の内容は余り克明に申し上げるのはあるいはよくないことかもしれませんが、お尋ねでございますので……。
 福田総理から、特にアメリカがタックスリベートを取りやめたという点につきまして日本の国内でもいろいろ議論が出ておると、その点につきまして、いままでの政策を変えたのか変えないのかということを、まあ自分はアメリカは決して変えてないというふうに考えておるけれどもそれでいいかということで質問されまして、それに対しましてアメリカ側からは、二百億ドルの対策というものを行うんだと、いま日本と西ドイツと一緒になってやろうと、景気の振興の機関車になろうという、その考えは決して変えてないというような応答があったのでございます。
#68
○寺田熊雄君 その機関車論からいたしますと、日本が六・七%の経済成長を達成する、輸出も自制する、輸入は拡大するということだけでそれは果たせるのかどうか、ちょっと私もよくわからないんですけどね。ただ、宣言の中で、「公表されている経済成長目標の達成又は安定化政策の実施を約束する。」というのが二ページにありますでしょう。これはやはり国内の具体的な政策としては、いま大臣がおっしゃたようなことを日本の場合はやれば約束が果たされるわけですか。
#69
○政府委員(宮崎勇君) 先ほど外務大臣から御説明がありましたように、この宣言の一番最初のところに、「世界経済は、全体として考えられなければならない。」という表現がございます。それから、あわせてこの会議で議論されております貿易、エネルギー、南北問題すべては相互関連があるということがございまして、それを踏まえまして福田総理は、こういう問題を解決する第一の前提条件は世界景気の回復を図ることであるということを言われたわけでございます。そして、その世界景気の回復を図るのには、現在先進国の中で黒字国と赤字国がございますけれども、赤字国が節度のある経済政策の運営をやって安定を図ると同時に、黒字国がインフレを起こさないように留意しながら景気拡大を軌道に乗せて、そして世界経済の牽引力になる、こういうことを言っているわけでございまして、いま御指摘の文章の前半の方はどちらかと言えば黒字国の責任、後半の安定化の方は赤字国の責任で、そういうふうにお互いに協調しながら世界景気の回復を図る。そのことによってあとのいろいろな問題を解決する基礎ができると、こういうふうに解釈しております。
#70
○寺田熊雄君 二ページに「IMFの資金を増大させることを約束」するというのがありますね。それから「IMF暫定委員会の最近の合意を強く支持する。」と、これは十ページにあります。それから「IMFの割当額の増大の早期発効により強化されるべきことに合意した。」と、あるいは「われわれは、IMFにおいて次期の割当額の増大が早期に合意されるよう努める。」と、これは具体的な割り当て額といいますか、具体的な数字は大体各国とも暗黙のうちに承認しているんでしょうかね。また、その合意を成立するための会議がいつごろ、どこで開かれるのでしょう。
#71
○政府委員(賀陽治憲君) この会議において具体的な申し合わせ等のことがあったということは承知しておりません。
#72
○寺田熊雄君 しかし、これが「早期に合意されるよう努める。」と、こう言うんでしょう。だから、「早期に」というのは大体いつごろかというようなことは、これから話し合うんですか。それとも大体暗黙のうちに話し合われた、理解されたんだろうか、それとも話し合いがあったんだろうか、、いかがでしょう。
#73
○国務大臣(鳩山威一郎君) 首脳会議の席上で、このIMFに関しまして突っ込んだ話があったというわけではございません。ただ、四百五十億というような年間の産油国の黒字、これに対処することが具体的には最大の問題点でございます。そういう意味で、大いにIMFにひとつ新しいファンクションと申しますか、そういったことをIMFに期待をすると、こういう空気であったというのでございまして、具体的なことは、この文章はむしろ事務当局間の方でつくられたものでございまして、席上議論されたということではないのでございます。
#74
○寺田熊雄君 この暫定委員会はもうすでに済んで、この間日銀総裁も行っていらっしゃったようですね。ですから、この場合はあれじゃないんでしょうか、大体新しい融資の総額といいますか、何か新聞によりますと百四十億SDR程度というような記事もありますね。だから大体そういう目安は立っているんでしょう。
#75
○政府委員(賀陽治憲君) 先月末の暫定委員会で、融資制度の改善強化が原則的に合意されたことは事実でございますが、百四十億SDRという総枠につきましては、まだ最終的には決定に至っていないというふうに私どもは承知しております。
#76
○寺田熊雄君 最終的には各国は合意はできていないにしても、そういう見通しでいま現に話し合いが行われているんですか。それとも大体の了解はついたんですか。
#77
○政府委員(賀陽治憲君) 私どもの承知しておりました限りでは、産油国の拠出が一つの問題点であったようでございますが、原則的にサウジアラビア等が拠出の原則表明をしておりますし、大体大枠の目安としてはその方向で今後決まる可能性が強いということは言えるかと思います。
#78
○寺田熊雄君 大体そういう可能性があるということはわかりましたが、そうすると、日本の割り当て額というのも自動的に出るんですか。
#79
○政府委員(賀陽治憲君) 現在の段階では、日本の割り当て額がどの程度になるかということについては、まだ詳細な話し合いは行われていない、自動的にはこれは決まるものではないというふうに了解しております。
#80
○寺田熊雄君 それからこの十八ページに「IDAの第五次増資に対する約束」、これが約束を履行することが付属文書でうたわれているんですが、これは七億九千万ドルという日本の負担分というのは決まっているわけでしょう。
#81
○説明員(加舎章君) 総額につきましては、約七十六億ドルでございまして、そのうち日本の負担額は七億九千二百万ドルということで合意を見ておるわけでございます。
#82
○寺田熊雄君 それは何年間に、いつまでに日本が義務を果たせばいいことになっていますか。
#83
○説明員(加舎章君) ただいま申し上げました数字は、三年間の融資、IDAの融資約束をカバーするものでございまして、日本といたしましては、ただいま国会の御審議をいただいておるわけでございまして、これが御承認いただけますれば、ことしじゅうに第一回の支払いをいたしまして、来年、再来年と三年の均等分割というものを考えております。
#84
○寺田熊雄君 それから十九ページにある最貧国援助ですね、最貧国援助及びその他の実物資源の移転増大という点がうたわれていますが、これは日本の分担とその実行の方法はどうなんでしょうか。何か、全部で約十億ドルという報道もあるのですけれども、この詳しい内容を……。
#85
○政府委員(賀陽治憲君) ただいま御指摘のございました十億ドルにつきましては、これはこのコミュニケでうたわれておりますCIEC、国際経済協力会議の一つの収拾策といたしまして、先進国から総額十億ドルの援助を行うということが内々合意の方向に向かっておるということでございます。そのうち日本がどの程度の負担になりますかということはまだ決まっておりません。この点は、今後、月末に向かいまして話し合いが行われるものと予想しております。
#86
○寺田熊雄君 この月内に……
#87
○政府委員(賀陽治憲君) 国際経済協力会議は六月一日に終了をするということになっておりますので、それまでにいずれにしても話を決めなければならないという問題でございます。
#88
○寺田熊雄君 福田総理が開発途上国に対する援助を五年間で倍増せよと指示したという報道があるのですが、これは金額じゃない、GNP比率でしょうね。そういう指示が現実にあったんでしょうか。
#89
○国務大臣(鳩山威一郎君) そのようなはっきりした指示というものはございません。いろんな案が出ているという段階でございまして、私どもとしては五年間に倍額というのは、金額的な倍額というのはそれほどの比率の増大にはならないというふうに考えております。総理がそのように指示されたということはございません。
#90
○寺田熊雄君 それから、一次産品価格の安定化のための共通基金創設という点がうたわれていますね。これは具体的にどの程度のものなんでしょう。
#91
○政府委員(賀陽治憲君) 共通基金のいまの御質問は、総額いかんという御質問でございますれば、現在UNCTADで発展途上国側の案として出ておりますのは三十億ドルということになっております。
#92
○寺田熊雄君 これはいつまでにこれを創設するんですか、大体の予定は。
#93
○政府委員(大川美雄君) 一次産品に関しまする共通基金につきましては、実はことしの三月から四月にかけまして交渉会議がジュネーブで開かれたわけでございますが、それが結論を得ませんで、一度中断いたしまして、ことしの十一月までにもう一回次の交渉会議を続行することになっております。でございますから、この次の話し合いが始まりますのはことしの十一月までにということでございまして、それからいつまでに最終的に共通基金をつくる合意が達成されるかどうかということは、まだ正確には申し上げられないところでございます。
#94
○寺田熊雄君 国際貿易体制の問題もお尋ねしたかったんですが、どうも時間がないものですから、最後に一つだけお尋ねしたいのは、最初に大臣に御質問申し上げたように、日本の国際的地位の評価といいますか、そういうものを考えますと、やはりある程度リーダーシップをとるとか、あるいはイニシアチブをとるとかいうこともやっていいんじゃないかと、そうすると、日本において首脳会議を主催するというようなこともやっていいんじゃないかという気もしますが、そういう意思は全然福田さんにはいまのところないわけですか。
#95
○国務大臣(鳩山威一郎君) 総理がどのようにお考えか、現状におきましてまだそのようなお考えを伺ったことはございません。しかし、次回をどこで開くかということにつきましては、まだ全く白紙の状態ということであろうと思います。
#96
○寺田熊雄君 外務大臣のお考えはどうでしょうか。
#97
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私どもは、事務的にはやはり参加国の大半がヨーロッパの国々なものですから、そのヨーロッパの国々の方々をこの日本まで来ていただくのは、総体としては大変なことだなあという感じは持っているのでございます。
#98
○委員長(寺本広作君) 本件に対する午前中の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十三分開会
#99
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
 国際情勢等に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#100
○塩出啓典君 今回の首脳会談について、先ほど外務大臣からいろいろ報告があったわけでありますが、今回の最終的な宣言の中で特にわが国が主張をし、わが国の意見が取り入れられたというところはどういうところであるのか、これは簡単に項目だけでいいと思うんですが。
#101
○国務大臣(鳩山威一郎君) 宣言と付属文書とございます。
 付属文書につきましては、事務的な折衝で長い関わりかた時間をかけてつくったものでございます。
 宣言の部分は、首脳間の議論を主体としてそれを取りまとめたということでございまして、この中でわが国が主張をいたしましたことは、御承知のように、経済政策の面で先進国の間の問題もまた開発途上国との関係の問題も、景気対策を強化することによって好転せしめることができるのではないか。そして、ややもしますと保護主義に陥る、そういう危険がありますので、その保護主義を防ごうといったことで、貿易関係のところでは保護主義を拒否するということが書かれてあるわけでございまして、保護主義をとりますことによって世界経済が萎縮して、かえって失業を増大させることになるというような趣旨が書かれておるわけでございます。
 また、貿易関係といたしましては、東京ラウンドを何とか新たな活力を吹き込むということによりまして、開放されたオープンな貿易経済活動を図ろうと、こういうことが趣旨として入れられておると。
 またエネルギーの問題におきましては、エネルギーが非常に石油に多く依存をしておると、こういったことでありますので、石油関係の依存度を比率的にも下げなければいけないということから、エネルギー資源の多様化と申しますか、こういったことをやるべきだというようなこと。また核エネルギーの平和利用につきましては促進をしなきゃならないというような趣旨が書いてあるわけでございます。このような点でございます。
 また、南北問題につきましては、CIECをとにかく成功させたいということ、これも主張をされたところでございまして、これらの点がおおむねこの宣言に盛り込まれているというように考えます。
#102
○塩出啓典君 先進国の中でもいわゆる米国、西ドイツ、日本、この三国が三つの機関車でなければならない、このように言われながら、実際はアメリカも、先ほども質問にありましたように戻し税減税を中止をする。あるいはカーターの国内政策等を見ますと、非常にエネルギーの節約というものを強調をして、私たちはそういう国際会議における景気回復ということと米国が実際にやっていることとの間には大きな食い違いがあるんじゃないか。この点については、カーター大統領と福田首相が二人だけで会ったときにいろいろ論議になったようにも聞いておるわけでありますが、この点について米側は福田総理にどういう返答をしたのか、それに対してわが国としては納得をしておるのかどうか、その点はどうでしょうか。
#103
○国務大臣(鳩山威一郎君) 会議の過程におきましても、アメリカは戻し税をやめたことにつきまして考え方を変えたのではないということを力説をしておったわけでございますし、この宣言におきましても、いままでアメリカの主張をしていた成長率は維持をする、景気拡大政策はやめない、特に失業対策については十分な配慮をするというようなことを申し述べておるところでございまして、私どもとしては、やはりアメリカの現在がややインフレぎみになってきたというようなことから、減税措置の取りやめというようなことが行われたのではないかというふうに考えておるところでございまして、依然としてやはり根本的な考え方は変わっていないというふうに考えております。
#104
○塩出啓典君 今回の会議の結論として、各国がそれぞれ目標とした経済成長率を達成をするということをお互いに約束をしておるわけでありますが、午前中の経済企画庁の答弁では、これは強制力を持つものではないと、そういうようなお話であったわけでありますが、わが国政府としてはこの問題にどの程度の拘束をされていると考えているのか、わが国を初め、各国ですね。その点はどうですか。
#105
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今度の会議で強調されました点は、このような各国が協力して世界経済を一つのものと考えて努力をしようと、こういう申し合わせができたわけでございますが、ただ申し合わせができたのでは一向意味がないのであって、それがいかに実行されるかという点に最大の意味があるわけでございますので、日本としてはもちろん強制をされるという性格のものではありませんけれども、各首脳の大きな意思として表明をされたことでありますから、その後のフォローアップについては十分有効な手段を考えようと、こういうことでございまして、適当な機会に、あるいは次回の首脳会談が早められて開かれるということもあるかもしれませんし、その間、あるいはもっと実務家が集まってフォローアップを検討しよう、こういうようなことになったのでございます。
#106
○塩出啓典君 この案文の中にも、「必要な場合には、新たな政策を執ることを約束する。」ということは、わが国の場合、今年度経済成長が果たして達成できるのかどうか、非常に実は危ぶまれておるわけであります。そうして前半に公共事業が集中していくと。しかし、そうなると前半はそれでよかったにしても後半はどうなってくるのか。そうなると、いろいろ後期においては大型の補正予算が必要である。しかし、そういう補正予算を組むにしても財源はどうするのか、そういう点を考えると非常に厳しい状態にあるわけでありますが、そういう点、「必要な場合には、新たな政策を執ることを約束する。」という、これはわが国の場合はどのように考えておりますか。これは外務大臣じゃないかもしれませんけれども、元大蔵事務次官という立場もあってですね。
#107
○国務大臣(鳩山威一郎君) 経済の成長率を達成するというのは国際的にはっきりした約束ということではございませんけれども、わが国の政策目標として掲げられたわけでございますから、これは何としても達成に努力をしなきゃならない。そのためには、私はやはり財政も金融も一体となってできるだけのことをすべきであるというふうに思います。財政のみがいままでは需要の造出に努力をする、こういうことでございましたけれども、公定歩合の一%の引き下げというようなことも行われまして、ことしになってもう一・五%も引き下げられたことでございますし、あらゆる政策努力を掲げて努力をいたすべきものと思っております。
#108
○塩出啓典君 それで、今回このような一つの共同宣言が出たという内容は決して悪いことは書いてないわけなんですけれども、しかし、現実にたとえば日本の輸出というものから見た場合には、いろいろ輸出というものも秩序ある輸出にしていかなければならない。言うなれば、輸入、輸出というものは制限される方向にある。一方、経済は成長をしていかなければならない。また、後にやっていきますけれども、エネルギーの節約をしていかなくてはならぬ。それぞれは別に、非常にいいことなんですけれども、しかし、エネルギーを節約するということと輸入、輸出を制限していくということは、当然これは成長率を確保するということとまさに相反するわけですけれども、私たちも、国際会議でいやしくもこういうものができた以上は義務、法的に拘束されるされないにかかわらず、わが国はこれに従っていかなければいかぬわけで、その決まった内容が相反するものがあったのでは非常にこれは机上の空論になってしまうのではないか、私はそういう点を考えるわけでありますが、外務大臣はどう考えるのか、所見を伺っておきたいと思います。
#109
○国務大臣(鳩山威一郎君) 輸出の伸びが低くなれば経済成長率は低まるというのは、そういう傾向を持つことは確かでございます。したがいまして、何よりも内需を拡大をしなきゃならない。しかも、いままでまだまだ沈滞をいたしております企業による投資活動というものが動意を見せてこなければなかなか好況感にはなってこない、こういうふうに思います。またその投資活動というものは、輸出がなかなかこれから厳しくなるだろうということになりますと投資活動の方も起こらないというようなことになりまして、なかなかむずかしいことであろうと思います。
 そういうことで、従来からの政策は、どうも財政で公共事業等によって引きずり上げよう、こういう思想が強いわけでございます。しかし民間の活動につきましても、やはり大きなGNP全体に占める割合から言いましても、民間の経済活動を盛んにするということを十分に考えなければいけないことであろう、こう思うわけでございまして、ただ、エネルギー問題で油の節約をしよう、こういうことになりますと、これまたこの成長と関係が出てくるわけでございます。
 この点につきましては、日本では特に油の消費構造が、産業用の消費が非常に高いわけでございますから、なおさら日本の場合には成長率と油の相関関係が強い、こういう関係になります。したがいまして、これからエネルギー問題に取り組みます場合には、やはり代替エネルギーの開発、あるいは伝統的なエネルギーと申しますか、石炭等の見直しと申しますか、こういったことも考えていかなきゃならないんじゃないか。そういうことによりまして、エネルギーを多様化することによって投資活動が進むような、そういったことにも努力をしなければいくまいかと、このように考えております。
#110
○塩出啓典君 午前中も、この中にあります「世界経済の構造的変化」という、こういう点に質問がありましたが、結局いま世界は資源あるいはエネルギー、そういうものが有限であるという一つの構造的な変化、しかもわが国にとればいままでは食糧も安かった、輸入食糧あるいは油も安かった、そういう物が非常に上がってきた、こういう一つの構造的変化の中でエネルギーを節約し、しかも成長をしていかなくちゃならない、こういう非常に大きな問題を抱えておるわけじゃないかと思うんですね。したがって、どうしてもそれに対応する日本経済あるいは世界経済のあるべき姿についての構造的な変化と申しますか、そういうものが私はあるんじゃないか。それがどういうものかということはわれわれはよくわかりませんけれども、いままでのような行き方は、結局そういう相反するものが両立しなくなるわけですから、だから、たとえば代替エネルギーを開発していくのも一つの道でありましょうし、また一方では、いわゆる石油の弾性値を下げると申しますか、できるだけ、たとえば洗剤ならば石油の洗剤ではなしに粉石けんを使うとか、肥料も化学肥料じゃなしに天然の肥料を使うとか、こういうような質的な変化をどうしていくかと、こういうようなことを私はもうちょっと国際会議で論議をされていくべきじゃないか。何となくこの国際会議というのはいままでの延長路線を行きながら、言っていることはりっぱなことを言っているけれども相反することを言っている。これではやはり本当の意味の先進国、あるいは発展途上国の発展はあり得ないんじゃないか。私はそういう感じがするんですけれども、その点どうですか。まあこれは抽象的な質問ですけれどもね。
#111
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私も、まさにおっしゃるとおりだと思います。特にエネルギーの多様化というようなことで、日本ではサンシャイン計画とかいろんな計画をやっておりまして、地熱発電あるいは潮流の利用とか、いろんな研究が行われて、これらの研究につきましては、特に核融合等のエネルギーの平和利用になりますと、膨大な経費のかかることでもありますので、国際的に力を合わせて研究をしようというようなことも総理から発言をされておるわけでございまして、また、肥料の点も御指摘のとおりだと思いますし、エネルギーの本当の利用という面から見ますと、太陽のエネルギーで、冬の間に耕地を遊ばしておくというようなこと、こういうような面につきましても、やはり今後エネルギーの利用という面からも検討さるべきではないかというように考えるところで、これからエネルギーの有限性ということを考えまして、研究面でも非常に努力をしなきゃなりませんし、政策面におきましても追求しなきゃならない問題が多いだろうと思います。
 急な話といたしますと、やはり石炭ボイラーを重油ボイラーにかえたわけでございますけれども、産業によりまして公害問題などとの関係もございますが、これに取り組みながら、石炭を利用する工業というようなものも違った意味でまた必要になってくるのではないか。また発電設備にいたしましても、重油専焼ばかりがふえるわけでありますが、石炭専焼のボイラー、そして石炭は国産ではなかなか一般炭はむずかしいと言われておりますが、輸入をふやす、石炭を輸入することによって貿易問題にもいい影響が出るわけでございますが、そのようないろんなことも考えなければいけない、このように考えております。
#112
○塩出啓典君 私は、世界でも日本が一番エネルギーでは海外依存の高い国でもありますので、世界に先駆けてそういうことをやっていくべきじゃないかと思います。したがって、今度首脳会談もまたあるわけですから、そういうときには、わが国からそういう世界経済の体質の変化と申しますか、やはり資源エネルギー時代を迎えて各国の経済体質をこのような方向に変えていかなくちゃいけない。そのためのいろいろ国際協力を求めるとか、そういうようなことをわが国として提案すべきである、それどうですか。
#113
○国務大臣(鳩山威一郎君) 御趣旨は全くそのとおりだと思いまして、日本としてもこれらの実質的な国民所得と申しますか、成長率を高める方向でこのエネルギーをいかに活用したらいいかという点に、これは最大の努力をいたすべきだと思います。
#114
○塩出啓典君 これでは、いろいろ各国の経済成長の状況を見て必要な処置を講じて次の国際会議にその結果を持ち寄って検討すると、かなり近い将来に開くようなニュアンスを受けているわけでありますが、大体次はいつごろになりそうなんですか。また、前々からわが国政府としては日本で首脳会議をぜひ開きたい、大体そういうのが今度ロンドンに行ったわけでありますが、この次ぐらいに日本で開くようになるのか、その点はどうなんですか。
#115
○国務大臣(鳩山威一郎君) 次の首脳会議がいつ開かれるか、場所はどこかということは全く決まらないまま終わったわけでございます。ことしの経済がやはり実際にどのように運営されることになるか、これは各国とも最大の関心を持っておりますし、そのためにはフォローアップをきちんとしようじゃないかということもコンセンサスが得られておるわけで、次回の首脳会議が早く開かれるということになるかもしれませんし、またその間に、首脳ではなくして、もっと経済の実際の責任者が集まったらどうかとか、あるいは外務大臣が集まったらどうかとか、いろんなことが言われておったわけでございまして、したがって、今後どうなるかはまだ全く決まってないということでございまして、東京で開かれるかどうかということもまだ決まっておらないのでございます。
#116
○塩出啓典君 それから、時間もありませんが、このエネルギー問題、いわゆる核エネルギーの平和利用の問題、これは今回の会談の一番大きなテーマの一つではなかったかと思うのでありますが、私たちも、当委員会でも論議がありましたように、わが国は核防条約に入り核エネルギーというものを平和利用以外には使わないと、そういうことを約束をしておるわけでありまして、その上、なおかつこの核防条約によるIAEAの査察制度が非常に不十分であると。そういうところから、アメリカはさらにその上に二重の足かせをやろうとしている。これはどう考えても筋には合わないことではないかと思うんですね。こういう点、わが国と立場を同じにする西ドイツ等ともいろいろ話し合ったと思うのですが、こういうアメリカ以外の国の感触はどうであったのか、わが国の立場を認めるような感触であったのかどうか、その点はどうですか。簡単でいいですから。
#117
○国務大臣(鳩山威一郎君) アメリカの主張といたしまして、核兵器のこれ以上の拡散は大変危険だという話をされまして、それに対しましてヨーロッパ各国は、核エネルギーの平和利用は絶対に必要だとして、再処理をしていわゆるプルトニウムを使った燃料サイクル、これをやっぱりやらなければだめだという主張がヨーロッパ各国から強く主張されました。日本と同様な立場が主張されたということでございます。
#118
○塩出啓典君 福田総理はカーター大統領との二人だけの対談のときにも、この問題について日本の立場を主張し、新聞報道では、日本の立場を十分に検討するというようなカーターの回答であったように見ておるわけでありますが、現実の問題として、東海村にできました再処理工場が果たしてこの夏から運転ができるかどうかという問題でありますが、大体そういう見通しはできたのかどうか。いろいろ細かいことは以後の会談にゆだねられているようでありますが、大体、アメリカとしては日本の再処理工場の運転を認める方向にあるのかどうか、その点どうなんですか。
#119
○国務大臣(鳩山威一郎君) この会談で、核の平和利用の問題につきましては、終局的にはこれから二ヵ月間に予備的な研究といいますか分析といいますか、こういったものを二ヵ月間のうちにやって何らかの方向を出そうと、こういうことで、私どもも二ヵ月間であれば東海村の運転まで間に合うというようなことになりますので、それに賛成をいたしたわけでございまして、いまはっきり結論が出ているわけではございませんけれども、この二ヵ月間の予備的な研究あるいはスタディーと申しますか、これは非常に広い範囲のことを検討することになっておるということで、そういった中で東海村のような施設は運転すべきであるという結論が出るようなことを期待をいたしておるわけでございます。
#120
○塩出啓典君 けさの新聞でも、「高速増殖炉の開発延期 米下院委が否決 カーター核政策に打撃」と、こういう報道がされておりました。私はよく内容はわかりませんが、これを見ると、やはりアメリカ国内においても、アメリカ議会においてもカーターの政策というものは必ずしも支持されていない。したがって、私はカーター大統領が核兵器の拡散を防ぐために危険なプルトニウムをつくるような再処理はもうやめさせると、この意味は、その気持ちはわかるわけですけれども、しかし、現実の問題としてはこれに反対する空気が非常に強いわけでありますが、カーター大統領の考え方もかなり軟化してきておると、こういうような印象を受けたのかどうか、その点どうなんですか。
#121
○国務大臣(鳩山威一郎君) カーター大統領は、この核の拡散、核兵器への平和利用の過程からそういったことが行われる可能性があると。また、現にインドで核実験が行われた、こういったことから強くこの核拡散を防ぎたいという熱意を持っておられるということは明らかでありまして、その点につきまして、どなたもそのこと自体に否定をする人はおらないわけで、ほかの国々の各首脳もその危険は極力防ぎたい、その防ぐ方法としていろいろあるではないかと。国際的な管理なり、あるいは核防条約がもっと強化すべき点があれば強化する。そういうような努力をすることによってそういう方途を見つけ出せるのではないかという考え方もあろうと思うのでございまして、それらの点につきましてこの二ヵ月かけて検討しよう、こういうことではないかと思うのでございます。
#122
○塩出啓典君 わが国は、いままでいわゆるIAEAの査察体制を、これは核防条約で決められておるわけですから、それが不十分であればそれをどんどん強化することにしていけばいいわけですから、こういう主張を今度の国際会議でもしたんじゃないかと思うんですが、そういう考え方は、やはり西ドイツとか、フランスは核防条約入っていないからどう言うかしりませんけれども、やはりかなり私は説得性のある考えじゃないかと思うんですが、今回西ドイツあるいはほかの国なんかともかなりこの点については意見の一致を見ておると、このように考えていいわけですか。
#123
○国務大臣(鳩山威一郎君) おおむねいまおっしゃったような考え方であろうと思います。ただ、いろいろなニュアンスの主張が出たことも事実でございまして、共通して言えることは、核兵器国だけで独占してやろうと言ってももうそんなことでは世界がみんな言うことを聞かないというような主張もありまして、したがいまして、もっと世界の国々の協力を得て、この核防条約と申しますか、核の拡散を防ごうということをやらなきゃだめだというような主張も強く述べられたところでございます。
#124
○塩出啓典君 それでは、もう時間もありませんので、首脳会談の問題はこれで終わりたいと思います。
 最後に、一昨日、沖繩の地籍明確化法を衆議院で採決をいたしまして、参議院できょうから審議をされようとしておるわけであります。御存じのように、これは期日が五月十四日が五年目で、それで期限が切れるわけでありますが、現実の問題としてきょうから内閣委員会の審議に入るわけで、当然十四日の期日までに成立することは非常にむずかしいんじゃないか、やはり参議院の慎重な審議をしていくというたてまえから、これは十四日に通すようなものではないと思うのであります。五年間たって沖繩における地籍の明確化が全然進んでないわけでありますので、そういう問題にもメスを入れていくためにはかなり日にちも要するんじゃないか。外務省としては、この法律が十四日までに成立をしなかった場合にはどういう対応を考えておるのか、この点をお尋ねしておきたいと思います。
#125
○国務大臣(鳩山威一郎君) 外務省といたしまして、日米間の安保条約及び地位協定に基づきましてわが国が責任を負っておるわけでございますので、どうかこの五月十五日までに、正確に言えば五月十四日中ということになりましょうが、何とかこの法案の成立を心から期待をいたしておるところでございます。政府の提案ではなしに、各党間の御意見を集約したような法案になったわけでございますので、何とかこの期日内にぜひとも御審議を賜りたいと。もしこれが期日を越えた場合にどうなるか、こういうお尋ねでございますけれども、私ども、不測の事態が発生した場合に大変後で処理に困るような事態になることを心配をいたしておるところでございまして、何とか御審議をいただきたいとお願いをする気持ちで一ぱいでございます。
#126
○塩出啓典君 それは、その気持ちはわかるわけですが、外務省としては、やはりこの法律を十四日までにどうしても成立させなければならないんであるならば、この法律の不成立は国際的に国益にどういう影響があるのか、そういうことをはっきりさせないで、ただ大変だ大変だということで、われわれの感じでは別にこれは問題ないんじゃないか、何日延びても。期限内に成立するにこしたことはないわけですけれども、いろいろ問題はないんじゃないか、こういう認識に立っておるわけですけれども、そういう点で外務大臣としてはどういう理由で十四日までに成立せぬと困るのか、どういう事態を心配されておるのか、その点はどうなんですか。
#127
○政府委員(山崎敏夫君) この法案が、仮に万一五月十四日じゅうに成立いたしません場合におきましても、わが国は安保条約及び地位協定上の国際約束に基づきまして米軍に必要な施設・区域を提供いたす義務がございますので、アメリカ側としてはこの施設・区域を使用する権利は持っていると申さなければならないと思います。しかしながら、他方この法案が成立いたしませんと、五月十五日以降は政府が契約に応じない地主の方々の土地を利用する明文上の根拠がなくなるような事態となりますので、そうしますと米軍の施設の管理、つまり維持とか運営とかそういう面をめぐっていろんな問題が生じてまいるわけでございまして、日本政府がアメリカ側に約束しております米軍の施設・区域の安定的な使用が確保されないことになるわけでございます。これは日本政府として国際信義上もきわめて困った事態になると考えます。したがいまして、先ほど外務大臣から申されましたように、ぜひともこの法案は十四日中に成立さしていただきたくお願い申し上げる次第でございます。
#128
○塩出啓典君 この法律は、五年前に成立したときに、もう五年間でちゃんとそういう地籍の問題も解決をする、そういうことで、そして今回その時期になってまた延長しなければならない。先ほど局長はアメリカとの信義のことを言われましたけれども、しかし、一方沖繩県民に対する約束を果たさなかった、そういう点においては、外務省のみならず防衛庁あるいは沖繩開発庁、政府に責任があると思うんですけれども、やはり外務省にもその責任の一端はある、そのことを申し上げて、この問題についてはまた連合審査等も要求が出されているようでありますので、そのときに譲りまして、本日は質問を終わりたいと思います。
#129
○立木洋君 先般開かれたロンドンでの会議のことなんですが、今度の会議では宣言というのと宣言の付属文書という二つの文書が採択されておるという形になっておりますが、こういうのは余り例を見ないと思うんですけれども、どうしてこういう宣言と付属文書という形になったのか、その経緯、この二つの文書の関係について最初にお尋ねしておきたい。
#130
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回の首脳会議につきましては、事前に十分な打ち合わせをして会議の成果をあらしめよう、こういうことで関係国が代表を出しまして、事前の準備に力をいたしたのでございます。それは、昨年の会議が余りにも急に行われましたために、十分な成果が上がらなかったというようなこともありまして、今回はひとつ十分な準備をおいてやろうということで、関係国が集まりまして文案の作成に当たっておったわけでございます。
 ところが、首脳会議が始まりまして各首脳の御意見が、やはりここで議論をされたものをひとつ出そうではないか、余りに長いものであれば普通の人は読んでくれないから短い簡単なものをつくろう、こういう意見が有力になりまして、この短い宣言と長い付属文書、こういうものができたのが偽らざる過程でございます。中の思想は統一がとれておるものであって、そして長いもの短いものと、こういうものができたというところでございます。
#131
○立木洋君 手続上のようなお話をされましたけれども、実際には十分に準備して、会って話し合ってみると意見の異なっている点も大分出てきたというふうな問題点も私はあるんじゃないかと思うんですが、第一回のランブイエ会議が開かれて、第二回目にサンフアン会議があった。今回ロンドンで行われた。
 先ほど大臣も言われましたけれども、今回はある意味で言うならば背景的にはきわめて深刻な時期であった。ですから、私は今度のロンドン会議というのはそういう意味では非常に特徴を持った会議だっただろうというふうに考えているわけですけれども、今回の特にそういう前二回と異なった特徴点についてお尋ねしたいと思います。
#132
○国務大臣(鳩山威一郎君) いまおっしゃられたとおり、今回の会議では経済環境が非常に厳しい。それは特に国際収支上あらわれております赤字国と黒字国、こういったものが顕著になってきたということが何よりではないか。そのもとをただしますと、やはり石油産出国の四百五十億ドルというような大幅黒字がある。その黒字は結局はほかの国々で赤字を負担をするということになる。そういう環境があるから、したがって、国際収支上から来る経済運営の制約があるんじゃないか、こういうことであります。またしたがいまして、経済の運営につきましても国際収支の赤字国はやはり厳しい経済運営を要請されておるわけでありますから、したがいまして、失業等の問題が深刻になってくる、こういう事態で、そのような背景のもとに赤字国、黒字国それぞれの立場で協力をして世界経済が好転するように努力をしよう、こういうところに特徴があろうと思います。
#133
○立木洋君 その点で言いますと、オイルショックが生じてから、一九七五年十一月にランブイエで最初に開かれた、あるいは二回目は一九七六年に開かれた。そういう問題というのはその時期からある程度想定された。当初第一回目開かれたときには、何といいますか、インフレよりも景気回復、それからさらに二回目ではインフレなき成長というふうな形で進めようとした。しかし、実際に一時期景気が回復するかに見えたけれども、現在の状態ではなかなか思うようになっていないという経緯を経てきたと思うんですが、こういうような経緯をいまの時点に立って大臣はどういうふうに認識されておられますか。今度の会議で取り上げた問題で、そういう先進工業国と言われる国国がここでなされたような内容によって本当に問題が解決されていくというふうに確信を持っておられるかどうか、私は問題点が多分にあるかと思うのですが、そういういままでの三回にわたる首脳会談の経緯を踏まえて、現在のいわゆる景気回復の状態から見ていまの状態がどういうふうに判断されるか、今度の会議で展望が切り開かれるという確信をお持ちなのかどうか、その点について伺いたい。
#134
○国務大臣(鳩山威一郎君) おっしゃるとおり、オイルショック以後、先進国グループといたしましても経済運営が一般的に大変な危機に陥ったわけでございます。その危機に際しまして、日本のように危機がありながらそれから抜け出ることが可能であった、それが昨年の経済の進行とともに非常に明らかになってきたことであって、ほかの国々はまだまだ抜け出れない、こういう過程にあるものでございますから、このような二極化現象ができたんだ、こういうふうに思います。昨年の段階では、一昨年の日本の国際収支が大幅の赤字でございましたので、そのような問題としては認識をされなかったということであろうかと思います。したがいまして、はっきりしたグループ化になってきたということが現在の特徴ではないか、こういうように思います。
 したがいまして、根本的な解決の自信とおっしゃいますが、これは世界全体が根本的に解決するのは私はなかなかむずかしいことであると思います。それは、他方に石油産出国の四百五十億ドルに上る大幅黒字というものがあるということで、この四百五十億ドルの黒字というものをいかにして解消していくことができるかどうか、これはなかなか期間がかかることであろうと思います。それに対するいわばつなぎでございますけれども、それらの資金量というものを国際的な管理を使うことによってその金融的な対処の仕方を見つけ出す、こういうことに問題が、現在金融的に何とか破綻のないようにしようということで、IMFとか世銀とか既存の金融機関の活用あるいはIDA等の増資というようなことによりまして、石油産出国の資金の導入も期待しながら何とかこれを片づけたい、経過的でございますけれども切り抜けたい、こういう考え方であろうと思います。
#135
○立木洋君 先ほども話が出ましたけれども、景気回復に三台の機関車が引っ張っていって努力をする、日本としてもそういう努力をするんだというふうなことについては、前回行われた日米首脳会談のときにも積極的な役割りを果たそうというふうなことが共同コミュニケの中にも述べられているわけですけれども、現実には今度の会議の内容を見ると、やはり景気刺激ということよりもインフレの抑制という点が強調された国が多かった。
 それから、三台の機関車といわれますけれども、アメリカも先ほど来出ております戻し税の問題についてもそうですし、それから西ドイツの場合だって、インフレをもたらすような景気刺激というのは、もう失業の問題は救わないんだというニュアンスで、いわゆる拡大よりもインフレの抑制ということを非常に強調された。物価重視の西ドイツが持っている本来からの持論が強調されたというようなことも出されておりますし、こういうことになると、問題はいわゆるAグループ、Bグループといいますか、そういうふうな区分けではない、もっと問題が複雑になっているんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、今度の会議の中でインフレの抑制というふうな問題が重視されて、そういうことが重点的に議論されたのかどうなのか。その点について私の見た範囲内では福田総理はインフレの抑制の問題についてはほとんど触れられていないかのように私は見ているわけですけれども、そういう問題についての認識はどうなっているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
#136
○国務大臣(鳩山威一郎君) インフレの問題と失業の問題が論ぜられたのでございまして、インフレといってもいろんな性格のインフレがあろうかと思います。ここでインフレといわれている問題の根拠には、やはり、これははっきり言えるかわかりませんけれども、油の値段の四倍あるいは五倍というような急激な変化があったと、しかし、そのこと自体はこれからのCIEC等でいろいろ産出国も入れて話し合いをしなきゃならない、そういう環境でありますからそのようなことははっきり言うわけにはいきませんけれども、いまの失業が非常にふえてきておる、これはオイルショック後の現象としてふえておるわけでありますから、その問題がどこか根底にあるということは私は事実ではないかと思います。
 その失業の問題とインフレの問題がこのように言及をされておりまして、したがいまして、これからインフレが高進をするということになりますと、むしろインフレ政策をとることによって雇用がどんどんふえていくという、どうもそういう過程にない、むしろ逆な傾向になる危険もあるということで、インフレに対してこれ以上インフレが進展しないようにという思想が出てきておるように思います。主としてこれはヨーロッパ各国の方から出た意見でございまして、したがいまして、この失業問題を表面に出してきた気分は、これはやっぱりいまいわゆるヨーロッパ方面の思想が主体となって失業とインフレの問題が提起をされておると、こういうふうな経過でございます。
#137
○立木洋君 いや、総理がインフレの問題等々については触れなかったという点なんですけれども、私はやはり日本のいまの経済の現状を見てみると、いわゆる景気という問題、不況から脱出していく、これは非常に重要な問題になっておるということは当然言うまでもないことですが、しかし、日本においたって物価の問題というのは根本的に解決されていない。政府が出した指標すら実現できるかどうかわからないという現状にあるし、失業の問題だって問題を抱えているわけですから、この問題についてやはり率直にそういう問題点は国際会議の席上で、首脳会議の席上でも述べるということが私はきわめて重要ではないかと思う。やはり三台の機関車で引っ張るといったって、これは事実上私は破綻してしまったと。今回の首脳会議等々の経過を見ても、政府自身としては、そういう暑気刺激策から後退したんではないかと見られるような状態が西ドイツやアメリカ等々に生まれて、このことに非常に一つのショックを受けて新しい対策を検討しなければならないという問題が政府部内でも問題にされてきておるというふうなことも新聞で報道されておりましたし、この点のやはり現在の世界の経済情勢の認識、本当にいまの不況とインフレからどう脱出していくのかという問題についての正確な認識というものが根底になければならない。そうではなくて、一方的に景気回復という問題だけで問題を提起して、本当に国際的なそういう意味での責務を全うされるのかどうかというと、私はどうしても疑問を感ぜざるを得ないと思うんです。
 そこで、先ほど来も問題にされましたけれども、七ページのところに書かれてあります「これら諸国の政府は、」というんですが、これはAグループということでしょうが、「自国の政策を常に検討し、公表された目標率を達成するため、また国際収支不均衡の調整に貢献するため必要な場合には、新たな政策を執ることを約束する。」と、「新たな政策を執ることを約束する。」、先ほど来の大臣の御説明では、内需の拡大ということをきわめて強調されておりましたけれども、この「新たな政策を執る」という点について、日本政府としてはどういう新たな政策をとるというお考えなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#138
○国務大臣(鳩山威一郎君) これは先ほども申し述べましたけれども、言葉でいろいろ言ってもそれが実行されなければ何ともならない。実行をこれからみんなでフォローアップしていこうと、こういう思想でございます。したがいまして、現に日本の場合はこの一−三月の貿易収支というものが依然として黒字基調にある。それにつきましては経済政策が効果を及ぼすにはどうしてもタイムラグを伴いますから、やはり現実に輸入がふえ輸出に若干のブレーキがかかるということが起こりますのはこの四月以降五月、六月というような経過が必要であろうというふうに考えますが、こういった状態が依然として今日現在、あるいは六月になりましても非常な大幅黒字基調というようなことになりますと、日本といたしましても何らかの政策努力をしなければならない、こういうことが書かれてあるわけでございまして、そういった態度を明らかにここにしてあると、こういうふうにお読みいただければいいのではないかと思います。
#139
○立木洋君 先ほども問題になりました成長率六・七%あるいは国際収支の七億ドルの赤字の実現と、さらには、EC等々で問題にされてます農産物の、ECにすれば輸出ですね、輸入の拡大あるいは開発途上国の工業製品の輸入まで拡大してほしいという問題等々については、重ねて今度の先進国首脳会議の前にアメリカの財務長官等々の日本に対する要求的な発言がなされておる。これは私は非常に重大な問題だろうと思うんです。こういう問題に関して、やはり日本の政府としては追加的な景気対策や大型の補正予算の編成等々を問題にする意思があるのかどうなのか、その点についてはどういうふうにお考えになっておられるか。
 どうも新聞等によりますと、自民党の河本さんあたりはそういう問題まで考えぬといかぬみたいな発言があるかに新聞では報道されていますけれども、この点については総理大臣の考え等も大臣伺っておるんじゃないかと思うんですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
#140
○国務大臣(鳩山威一郎君) それは、これからの日本の実質成長がどのような経過をたどるであろうかということにもっぱらかかっているわけでございます。その点につきまして総理は詳細に説明されて、ことしの四月−六月におきます公共事業の集中的な契約を進めるということ、上半期に七三%の契約をしようと、このようなことまで説明をされて、日本としては内需を高めることに一生懸命やっているという説明をされたわけでございます。これらの効果を見ながら今後とるべき策を考えなきゃならないというので、まだ補正予算をどうするかとか、そのような具体的なことまでは考えられておらない段階であろうと思います。
#141
○立木洋君 今度の会議では、そういう意味では従来型の経済成長のやり方ではやはりうまくいかないというふうな問題が、インフレによっては実際には失業が解決されないというふうな問題提起等々にも私は見られているんじゃないかと思うんですね。あるいはいままでのオイルショック以来の状態から見ましても、いわゆるスタグフレーションと言われるような状態の中で、刺激をやろうとするとインフレ状態が生じる。インフレを何とか抑制しようとすると、ある場合にはまた景気に対して引き戻すような事態まで生まれてくる。そういう状態が続く中で、外国からの貿易を防ぐために保護貿易的な考え方も生じてくるというふうな問題点がいまなされてきておる状態で、日本においてそういうふうな景気刺激策を、従来と同じような経済成長のやり方をやっておってはだめだということは予算委員会等々でも繰り返し議論されたことだし、その点では公共投資の流れを変えなければいけないんだとか、国民の本当の購売力を高めるための措置をとることがきわめて重要であるというふうなことを私たちは主張してきたわけです。
 ですから、今度のこういう景気対策の問題に関して日本が相当大きな重荷をしょってきておるということは、これは私は否定できない事実だろうと思うんです、日本の経済として。どういうふうにやるかという問題については大きな重荷をしょってきておる。これが国民に対して犠牲を負わせるような形で問題を処理されることは決してしてはならないということを強く指摘しておかなければならないと思うんですが、その点についてはどのようにお考えか、お聞きしておきたいと思うんですが。
#142
○国務大臣(鳩山威一郎君) 全体の経済が、たとえば景気対策をもっと積極的にやるということは、これは予算委員会におきましても各党から指摘をされたところでございまして、日本として好ましい方向であるというふうに思います。
 それから、輸入をふやしていかなきゃなりませんけれども、輸入がまた日本の雇用の機会を奪うような形で進められることは、これはなかなか抵抗が多いことでありますし、したがいまして、輸入をふやすということは日本の経済が拡大される過程におきまして輸入がふえると、こういうことでなければならないだろうと、このように考えておりまして、いま御指摘のような、新たな負担を国民に負わせるという方向で、そういうことはいけないという御趣旨でありましたが、わが国としてもやはり広い意味では国際的な協力をするという意味で、やはり何らかの意味の負担というようなものは当然日本も覚悟しなければならない面があるであろう。たとえば、先ほどから申し上げましたIMFの増資でありますとか、IDAとか、あるいは南北問題に対します日本の負担をふやしていくと、そういうようなこことは当然いずれは国民の負担になることでございます。したがいまして、国民に対する負担が全くないかというと、それはそうは言えないだろうと思いますし、積極的に負担をしていただかなきゃならないということもあろうと思います。特に財政が三〇%近い赤字の運営であるというようなことを考えますときに、国民に負担は全くかけないでこの危機が乗り切れるかどうかということは、それは絶対に政府はいたしませんということは私は言い過ぎだろうと思いますが、経済の全体の趨勢といたしまして、日本の国民が多大な犠牲をしようというような形で、そういう意味の重荷をしょったということはないと言えると思います。
#143
○立木洋君 今度の場合は三台の機関車というふうなことで盛んに――私の考えで言えば、大分アメリカに、日本の経済というのは目覚ましい発展ぶりであるというふうに大変おほめの言葉をアメリカからいただいて、福田総理は大分喜んでおられるようでありますけれども、しかし、実際にそういうアメリカの主導的な形で日本が役割りを担うということは、いままでの農産物の問題にしてもそうですし、いろんな意味で日本の産業が犠牲を受けてきた。この間の外務委員会でも質問しましたけれども、OPPの問題でも、事実上明確に科学者の結論が出ない、いろいろ疑問があるにもかかわらず、あの問題が認められてしまうというふうな問題点もあったわけですし、ですから私たちは、そういう中小企業やあるいは農業等々の問題についても十分に考えなければならないというふうに考えているわけです。
 この宣言の中では「開放的な国際貿易制度を強化」というふうに表現されておりますが、付属文書では「開放的で無差別な世界貿易制度の遵守」というふうになっておりますが、一方では無差別という言葉が入っていない、一方では入っている、この点はどういう理由でしょうか。
#144
○政府委員(賀陽治憲君) 付属文書は、先ほど大臣からも御説明がございましたけれども、若干解説的な細かい点において記述しておるわけでございます。
 開放的な貿易という言葉は、これ今回を含めまして三回にわたりましていずれも開放的な貿易体制ということを使っておるわけでございますが、無差別というところは、恐らく解説的に、やはりガット等の規約の関係もございましょうし、やや詳細にそういう言葉を用いたのではないか。コミュニケの作成の事前段階の協議の模様ではそういうふうに私は理解をいたしております。
#145
○立木洋君 今度の宣言でも保護貿易は拒否するというふうになっておりますし、もちろん国際的な協力を強めながら相互に経済的な発展を目指していくということであれば、保護貿易をとっておったんではだめなわけですから、そういう点は問題はないでしょうけれども、今回の自由貿易の原則という問題については一般的に認められている。
 しかし、その点について先ほど来もいろいろ議論されてきましたけれども、不公平な貿易で損害を受ける状態が続いても輸入制限をするようなことは誤りではないかというふうな、ある国の首脳の発言もあったというふうな新聞報道もなされておりました。今回のいわゆるOECDの貿易制限自粛宣言が再確認されなかったということも問題があったんではないかというふうな指摘も新聞報道ではありましたけれども、今後のこの自由貿易という問題について、先回当委員会でも大臣に一度お尋ねしましたが、今度の首脳会議が終わった時点で大臣はどういうふうに今後の自由貿易のあり方を描いておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#146
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回のような黒字国と赤字国との二極化の過程におきまして自由な貿易というものを守る、こういうことが確認されたところに最大の意味があろうと思います。したがいまして、いままでの自由貿易とどういうふうに実態が違ってくるかという点につきましては、これはやはり各国の国内の圧力として国内で雇用をふやそう、逆に言えば輸入がふえることによります雇用機会の減少を防ぎたい、こういう圧力は相当強いものがあるということは覚悟をしなければならないところだと思います。そういう意味で、日本自体といたしましていままでのように輸出が伸ばせるものというように安易に考えてはいけないだろうということで、したがいまして、個別の案件といたしまして特定の商品が急に市場を乱すというようなことがないように、やはり日本自体の輸出といたしましては自制といいますか、ある程度の自制ということが必要になってこようかと、このように思いまして、何でも自由だと、こういうように考えることもまた適当でないだろうというふうに思っております。
#147
○立木洋君 若干わかりにくい点もあるんですけれども、自由貿易制度を、前回もお尋ねしましたように、大戦後のアメリカのきわめて経済力の強力な状況の中で多角的な自由の無差別貿易制度という形で発足してきた。前回お尋ねしたときに大臣がお答えになったのは、日本としては自由貿易体制を何としても維持していきたい、しかし国際的なルールを見直す必要があるということもそのとおりである、解決しなければならない問題点もあるというふうな趣旨の御答弁があったわけですが、これは先ほど来問題になりました管理された貿易体制だとか、あるいは組織化された云々というふうな問題の立て方と同じか別かはわかりませんけれども、大臣としていわゆる自由貿易制度のあり方、どこにいま欠陥がある、将来どういう方向に自由貿易のあり方というのがなければならないというふうに考えておられるのか、その点をもうちょっと説明してください。
#148
○国務大臣(鳩山威一郎君) 具体的な問題になりますと大変むずかしい問題になります。商品がフラッドと申しますか、集中豪雨とかいう表現を総理はされたわけでございますけれども、一体どういう事態がそのような集中豪雨型と言えるのか、一体何割ふえたらそうなるかというような点は、これはなかなか個別事案としてそれぞれケース・バイ・ケースに考えざるを得ないんではないか。このルールというのは、やはりいまガット体制にあるわけで、ガットの大きな骨組みの枠内で行われる、こういうことが制度としてあるわけでございますけれども、現実にはなかなかガットに持ち込まれないで、特定の二国間ベースによりまして解決が図られておるというのが現実であろうと思います。そういう意味で本当にどういった段階ならば輸入に対して制限的な措置がとれるのか。この点が一番問題になろうと思うのでございまして、この点につきまして本当に現状におきましてルール化ということはむずかしいことでありますけれども、そういったルールが確立されていくことが望ましいと思うわけでございます。
 また、特定の問題といたしましては南北問題と絡めましたところのたとえば非関税障壁というような問題を発展途上国に対して一体どうすべきかということにつきましても、これもはっきりした制度と申しますか、そういったものがつくられなければならないし、その方向で日本も南北問題として協力をしていかなきゃならないだろう、そういったことをまあ漠然と考えているところでございます。
#149
○立木洋君 まあこれは今度の先進国首脳会議で貿易の問題でも一つの中心的な課題になったと大臣がおっしゃった。この貿易の問題についてもいろいろと議論がたくさん出されて、大体大筋一致する点で宣言にまとめられておる。しかし、この宣言でまとめられている内容ですべてが解決されたんではなくて、今後に問題が残されておる点が私は多々あるだろうと思う。これが七ヵ国の問ですら重大な問題になって、いわゆるきわめて重大な問題として意見の対立等々もある。これはやはり開発途上国の問題になると無差別な自由貿易ということでは全く発展途上国の場合には受け入れがたい、ますます経済格差が開いていくんではないか。いまのような不利益な公易条件の中では開発途上国としては全くこれはついていけないというふうな問題も出されております。問題点というのは非常に重大な問題に私はなる。ただ単なるこの先進国首脳会議における問題ではなくて、その点について政府としてはやはり貿易立国として真剣に考えなければならない問題点ではないだろうかと思うんです。
 それで、大蔵省の方おいでになったと思うんで、先ほど大臣にお尋ねしたんですけれども、いわゆる景気、成長率を六・七%ですか、それから国際収支の七億ドルの赤字等々の問題で大分荷物をしょい込んだのではないかということを述べたら、そうではないという意味のお話だったんですが、これを実現するために「新たな政策を執ることを約束する。」という意味は、いわゆる精神的な内容として受けとめるという意味ですが、大蔵省の方としては今後の景気刺激策あるいは補正予算等々についての問題というのは問題に全然なっていないのかどうなのか、将来とも問題にする意向が当面ないのかどうなのか、その点についてお尋ねしておきたい。
#150
○説明員(大竹宏繁君) 五十二年度の経済成長率の六・七%というものの達成につきましては、さきに三月及び四月の二回にわたりまして公定歩合を引き下げるという金融面の措置を講じたところでありますし、また、財政におきましては五十一年、度に補正予算をすでに追加をしております。それから五十二年度の予算の公共事業費の執行につきましては上期にその七三%を契約をするという目標を立てまして、現在鋭意その目標達成に努力を傾けておるところでございます。したがいまして、このような財政金融一体となった政策運営によりまして、現在やや沈滞しております民間の経済の先行きについての信頼感といいますか、そういうものも出てくるというふうに期待をいたしております。現在私どもといたしましては政策的な面からは必要な措置は講じておるというふうに考えておりますので、六・七%を実現するためにこの上さらに何か追加的な景気対策等を講ずるということは考えておりません。
#151
○立木洋君 核エネルギーの問題、南北の問題等まだあるんですが、きょうは時間がございませんのでこれ以上お尋ねするわけにいかぬわけですが、一点ちょっとお尋ねしておきたいのは、宣言の一ページのところに、「われわれは、未来の挑戦に対して、共同して対処する決意である。」、この「未来の挑戦」というのはどういう意味でしょうか。
#152
○国務大臣(鳩山威一郎君) この文章のところは、実のところ外務大臣同士で書けというようなことを言われまして、いろいろこの文章を直したりしていたんですが、やはりこれから特に資源不足の時代であるとか、油があと何年持つとかいうようなことが言われておりまして、未来に対して大変な心配があるというような感じが出て、そういうふうに受け取りまして、それに対して主要国が集まって力を合わせて立ち向かっていこうと、こうふうに私は率直に理解をいたしましてこのような表現、こういうことでいいんじゃないかとも感ぜられました。
#153
○立木洋君 抽象的な意味だというふうなことをちょっと耳打ちされたようでありますけれども、しかしカーターが言っているのは、「いかなる競合する哲学からの挑戦も成功させないため、その大きな経済・社会・軍事的力を行使する決意」ということをカーター大統領が述べているということを私は指摘しておきたいと思うんです。今日世界の経済の問題を解決していく場合には、いろいろないわゆる哲学の違い、思想、信条の違い、主義の違いがあっても、世界の経済が発展するためには本当に協力していくという真の意味での私は国際協力というのが重要だと思うんです。先進国首脳が集まって排他的な問題を決議をし、あるいは開発途上国等々について、あるいは社会主義の諸国に対する、その他の諸国に対する本当の意味での協力の道を閉ざすということになるならば、これは私は重大な問題だと思う。特に今日この問題で、いろいろと個別的な問題では貿易の問題、核エネルギーの問題あるいは景気浮揚のてこ入れの問題等々については、それぞれの国益があって意見がほとんど一致できにくい状態が今度の首脳会議ではあったようです。しかし大筋でそれが一致したというのは、やはり何としても資本主義的な体制をそういう排他的な意味で維持していこうという政治的な意図がやはり根底に私は強くあったということをどうしても最後に指摘しておかざるを得ないと思うのです。その点について、本当に将来の経済、日本の外交を展望する場合にどういうふうにお考えになっておるのか、最後に大臣の御意見を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#154
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまカーター大統領の演説、ほかのところの演説を御引用になりましたが、そのようなことは一切今回の会議とは無関係のことでございますから、言葉が似ているからと言いまして、言っていることは全然違うというふうに思います。私は、やはり未来というものは大変むずかしい厳しい未来があるということで、それに対しまして共同して力を合わせていこうとこういうことでありますし、内部の今回の議論におきましても、たとえば南北問題を考えますときにも、体制を異にする国々ともやはり力を合わせて取り組むべきであるというようなことも論ぜられておりますし、ここへ書かれてもおるわけでありまして、非常にやはり世界的な視野で対処していかなければならない。わが国の立場といたしまして、先ほども申し上げましたけれども、あらゆる体制を異にする国々とも平和友好関係を進めることによって、平和外交に徹していくというのはこれは国是でございますし、そのような方向で今後とも努力をいたす所存でございます。
#155
○委員長(寺本広作君) 本件に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後二時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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