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1976/05/26 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 外務委員会 第13号
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1976/05/26 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 外務委員会 第13号

#1
第080回国会 外務委員会 第13号
昭和五十二年五月二十六日(木曜日)
   午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     高橋 誉冨君     木内 四郎君
     稲嶺 一郎君     大島 友治君
     矢野  登君     佐藤 信二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺本 広作君
    理 事
                大鷹 淑子君
                亀井 久興君
                小柳  勇君
    委 員
                大島 友治君
                佐藤 信二君
                二木 謙吾君
                青木 薪次君
                大塚  喬君
                久保  亘君
                矢田部 理君
                塩出 啓典君
                矢原 秀男君
                立木  洋君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       外 務 大 臣  鳩山威一郎君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       前田 正道君
       外務省アジア局
       長        中江 要介君
       外務省アジア局
       次長       大森 誠一君
       外務省条約局外
       務参事官     村田 良平君
       通商産業政務次
       官        河本嘉久蔵君
       資源エネルギー
       庁長官      橋本 利一君
       資源エネルギー
       庁次長      大永 勇作君
       資源エネルギー
       庁石油部長    古田 徳昌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        服部比左治君
   説明員
       外務大臣官房外
       務参事官     井口 武夫君
       資源エネルギー
       庁石油部開発課
       長        箕輪  哲君
       会計検査院第五
       局長       東島 駿治君
   参考人
       石油開発公団総
       裁        倉八  正君
       石油開発公団理
       事        楠岡  豪君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関す
 る日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協
 定の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○経済協力に関する日本国とモンゴル人民共和国
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
 棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と
 大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部
 の共同開発に関する協定の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 昨五月二十五日、高橋誉冨君、稲嶺一郎君及び矢野登君が委員を辞任され、その補欠として木内四郎君、大島友治君及び佐藤信二君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(寺本広作君) アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 及び、経済協力に関する日本国とモンゴル人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)
 右両件を便宜一括して議題とし、政府より趣旨説明を聴取いたします。鳩山外務大臣。
#4
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいま議題となりましたアメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関するアメリカ合衆国との間の協定を締結するため、昭和五十一年八月以来東京及びワシントンで交渉を行いました結果、本年三月十八日にワシントンにおいて、わが方東郷駐米大使と先方リッジウェー大使との間でこの協定の署名を行った次第であります。
 この協定は、本文十六カ条並びに附属書I及びIIから成っております。協定の内容としては、アメリカ合衆国の地先沖合の生物資源に関し、両政府がとるべき措置、両政府の間の協議及び協力、アメリカ合衆国が行使する取り締まり権及び裁判権等の事項について定めております。
 アメリカ合衆国は、本年三月一日から、同国の一九七六年漁業保存管理法に基づき、地先沖合の生物資源に対して漁業管理権を行使しておりますところ、この協定の締結により、わが国漁船がアメリカ合衆国沖合水域で引き続き操業することが確保されることとなります。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、経済協力に関する日本国とモンゴル人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 モンゴル政府は、かつて、ノモンハン事件等においてこうむった損害に関連して対日賠償請求を提起するとの態度を示しておりましたが、両国間の外交関係開設の交渉に際しましては、モンゴル側から賠償問題は提起しない旨の言明があり、一九七二年二月の外交関係開設のための共同声明におきまして、両国間の経済的及び文化的協力の発展がうたわれました。
 外交関係開設後、モンゴル政府は、わが国政府に対し無償経済協力の要請を行いましたが、その背景には両国関係の過去の経緯に由来する特殊な対日国民感情が残存していることが認められ、政府といたしましても、かかる事態を放置したままで両国間の安定的な友好関係の発展は期待しがたいとの認識から、モンゴル政府の前記の無償経済協力要請を踏まえて交渉に応ずることとし、右経済協力に関する協定の締結について昭和五十一年七月以来交渉を行いました結果、その成案を得るに至りましたので、本年三月十七日にウランバートルにおいて、わが方柘植在モンゴル大使と先方サルダン対外経済関係国家委員会議長兼国務大臣との間でこの協定に署名を行った次第であります。
 この協定は、本文六カ条から成っており、その内容は、わが国政府よりモンゴル政府に対し、四年間にわたって五十億円を限度とする額の贈与を行い、この贈与はモンゴル政府により、カシミヤ及びラクダの毛の加工工場の建設に必要な日本国の生産物及び日本国民の役務を購入するために使用されることを定めているほか、本件贈与実施の具体的手続、モンゴル側のとるべき措置等について定めております。この協定の締結は、わが国とモンゴルとの二国間に残存しておりました一種のわだかまりを払拭することとなり、今後の両国間の友好関係の促進に多大の貢献をなすものと考える次第であります。
 以上二件につき、何とぞ御審議の上速やかに御承認あらんことを希望いたします。
 以上でございます。
#5
○委員長(寺本広作君) 以上をもって説明は終わりました。
 両件の自後の審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(寺本広作君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、必要に応じ、石油開発公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(寺本広作君) 次に、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○大塚喬君 質問の時間が大変限られておるものですから、前回の外務大臣の答弁で、訂正する旨の発言がございました。それはこの質問時間でなしに、一応冒頭外務大臣から訂正についての要旨を説明いただいて、それから質問に入りたいと思います。
#11
○国務大臣(鳩山威一郎君) 本年四月、当省で作成しましたパンフレット第一部の冒頭(二ページ)にあります「南部共同開発協定が定めた東シナ海大陸棚の共同開発対象区域は、ECAFE(現在のESCAP−アジア太平洋経済社会委員会)の調査をはじめとするこれまでの各種調査によれば、背斜構造の発達した極めて有望な地域で、石油埋蔵量は七億キロリットルを超えるとも推定されています。」との個所につきましては、国会の審議等を通じて、誤解を招くという御批判がありましたことにかんがみ、次のように加筆し、その旨をパンフレットの配布先に速やかにお伝えすることといたしました。
 「南部共同開発協定が定めた東シナ海大陸棚の共同開発対象区域は、ECAFE(現在のESCAP−アジア太平洋経済社会委員会)の調査をはじめとするこれまでの各種調査によれば背斜構造の発達した極めて有望な地域にあり、掘ってみなければ確たることはわかりませんが、石油・天然ガスの埋蔵量を賦存量でみれば七億キロリットルを超えるとも推定されています。」、このように文章を作成いたしまして配布先に配布をいたしたい、このように考えております。
#12
○大塚喬君 質問に入る前に、その他の資料はどうなっているんですか。そこのところをはっきりさしてください。
#13
○政府委員(大森誠一君) 外務省関係でお求めのございました資料は、すべて委員部を通じて提出いたしたはずでございます。
#14
○大塚喬君 十時までに出してもらうことになっているんだが、その資料がなければ質問ができない。
  〔資料配付〕
#15
○大塚喬君 この資料の説明、概要を言ってください。
#16
○国務大臣(鳩山威一郎君) 御提出いたしました資料につきまして、事務当局から御説明をさしていただきますが、その前に、五月三日付の長崎新聞に掲載されました長崎県松田県会議長の発言につきまして御報告申し上げます。
 この松田県会議長の発言は、韓国政府高官数人から日本側が日韓大陸だな協定の批准の見通しを立てないときには日韓漁業協定は廃棄するので、長崎県としても了解しておいてもらいたいとの趣旨の通告を受けたという発言でございますが、これにつきまして、前回の本委員会の審議において大塚委員より事情照会方要請がありました件につきまして、事情照会を行った結果につき御報告いたします。
 外務省としては、水産庁と協議の上、早速長崎県庁を通じて松田県会議長に対し、本件事情照会を行いましたところ、松田議長は、個人的なことであり答えられないと答えられた次第でございまして、今日までこれ以上の返答が得られないというのが実情でございますので、御報告申し上げます。
#17
○小柳勇君 議事進行について。
 いまの外務大臣の答弁について、これは全般的な院の問題ですから、私が理事の立場で発言をいたします。先般、われわれが調査に参りましたときにもそのような話がありました。しかも、その県会議長が韓国の要人から電話で要請があり、おどしがあったと。それを受けて長崎県知事にその話をいたしましたので、県知事名で総理大臣、議長並びに各関係者に電報を打ってあります。この大陸だな早期批准要請がなされています。県会議長という公職にある方が、どのような韓国の要人からの要請があったかということを明らかにしないまま県知事に話し、しかもそれを受けて県知事が各要所に電報要請をしているということは、それを問題にしたわけですから、いま個人的なものだからこれは公にできないということでは、それでは一体あれだけの電報を県知事は捏造したということになります。本当は県知事を呼んでその実態を聞かなきゃならぬことでありますが、その点について外務大臣としては今後の処置をどうされるか、お聞きしておきたい。ただ、これは新聞記事だけならば、記者にいろいろ話すこともありますから、記者が書いたと思います。しかし、公に県知事名で電報が来ています。そういうことが、匿名だからとか個人だからということで、この公の外務委員会の席で、しかも外務大臣が発言されることについては良識を疑う。今後どういうふうな措置をとられるか。必要があれば長崎県知事にわれわれは聞かなきゃならない。どうされるか、考えをお聞きしておきたいと思います。
#18
○国務大臣(鳩山威一郎君) 先般の大塚委員の御指摘によりまして、早速照会をいたしたわけでございます。しかし、ただいま御報告申し上げましたような、個人的なことというのは恐らく個人的な知り合いの筋からの話であるというふうに私どもは受け取っておるわけでございまして、そういう個人的な交友関係から話があったので、その話のあった先方の名前を明かすということはできないと、こういう趣旨の発言、御返答と思うのでございます。それ以上、私ども立ち入る方法がございませんので、ただいま御報告をいたした次第でございます。
#19
○小柳勇君 まあ末梢的なことですから本格的に取り上げたいと思いませんが、新聞記者並びに確たる筋の発言によりまして、県会議長、長崎の県議長が韓国に再々渡航しておられるようです。したがって、ただ電話だということについては信憑性がないと聞いてきました。外務省ですから、渡航手続その他ありましょうから、韓国に最近何回も行っておられるようですから、何回、いつ、長崎の議長が韓国に行かれたか、その資料だけ出してください。これを要請しておきます。
#20
○国務大臣(鳩山威一郎君) 松田県会議長のどの程度韓国へ渡航されているかということは、これは調べればわかることでございますので、私どもの方で調べられる限り調べたいと思います。
#21
○政府委員(大森誠一君) 私から外務省が提出いたしました資料について申し上げます。
 外務省が提出いたしました資料は、「日韓大陸棚協定 早期締結の必要な理由」と題するパンフレットの配布先のリスト、それから「海洋法会議における大陸棚に関する我が国、韓国、中国、北朝鮮の発言」についての資料、次に、「改訂単一草案の大陸棚関連条文(仮訳)」の資料、それから北海油田噴出事故についての在ノルウェー大使館、在英大使館からの報告による概要の資料、以上でございます。
#22
○大塚喬君 資料については、ただいま提出いただいたものですから、初めにお断りをいたしておきますが、これらの関係資料については、一読し、検討の上にさらに再質問の時間をいただくよう、ぜひひとつ委員長に計らいをいただきますようお願いをいたします。
#23
○委員長(寺本広作君) 理事会で相談します。
#24
○大塚喬君 ただいま、一昨日外務大臣から訂正の提案があり、その具体的な訂正文について報告をいただきました。その個所の中で、幾つか問題点がありますが、その第一点は、資源エネルギー庁から提出をいただいたこの資料は各委員の皆さん方のところへは出ておりませんか。――これ至急にやっぱりひとつ配付してください。
#25
○説明員(箕輪哲君) 一昨日の当委員会におきまして資料提出要求がございましたわけでございますけれども、一つは、石油及び可燃性天然ガスの資料でございます。もう一つは、いま席上配付させていただきました日石関係の資料でございます。石油・天然ガス審議会の資料につきましては、これは部数がございませんので、現在ファックスで増刷中でございます。でき次第審議会資料は当委員会に提出させていただきたいと思います。
 いま大塚先生がお示しになりました資料は、これは審議会の資料がないとよく説明のできない資料でございますので、質問の先生には、お渡ししてございますけれども、まだ全委員の先生方にお渡ししてないわけでございます。ただ、当委員会、いまの席上で必要でございますれば早速コピーをとりましてお配りしたいと思います。
#26
○委員長(寺本広作君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#27
○委員長(寺本広作君) 速記起こして。
#28
○大塚喬君 ただいま外務大臣の答弁で、その訂正文の末尾に「石油・天然ガスの埋蔵量を賦存量でみれば七億キロリットルを超えるとも推定されています。」、この数字が大変でたらめというか、不確定な、欺瞞に満ちた数字であるということを私はどうしてももう一度追及をし、たださなければなりません。資源エネルギー庁の石油・天然ガス埋蔵量試算、それで見ますと、沖繩・東シナ海、それから共同水域1、2ということで数字が出されておるわけであります。それで見ますと、データの使用によって数字の違いが出ておりますが、この埋蔵量という問題が大変不確定な疑問の多い数量になるわけであります。このエネルギー庁の報告によりますと、究極可採埋蔵量、原油換算ということで、水域1の試算、これによりますと二億三千五百万キロリッターと、こう数字が出ておるわけであります。これは説明によりますと、いままで日本の新潟等でやった例を基礎にしてどれだけ究極可採埋蔵量かと、こういうことをしますとただいま申し上げたとおり二億三千五百万キロリッター。これは外務大臣が答弁訂正をされました七億キロリットル、こういうものについて実に三分の一の埋蔵量しかないわけであります。その他の最も有利な試算で、共同水域2という試算で三億七千六百万キロリッター、これでいっても二分の一にしかすぎないわけであります。この埋蔵量ということの中身、本当に国民に、しかもまた国会でこれらの重要案件で採掘を共同開発やると、こういうことで審議を求める以上、このことがやっぱり一番重要な数字になるだろうと思うわけでありますが、こういう点は一切表面を糊塗して、覆い隠して、そして私どもの審議の資料にして提出をされ、七億キロリットルと、こう固執をされるわけでありますが、そこの点はひとつ明確にしていただかないと、これから先の審議は軌道に乗らないわけであります。明らかにしていただきたい。
#29
○政府委員(大森誠一君) 埋蔵量と申します場合には、原始埋蔵量、可採埋蔵量、確定埋蔵量等の種々の使い方があるわけでございますが、この外務省が加筆前のパンフレットで用いました埋蔵量とは、原始埋蔵量すなわち賦存量のことを申していたわけでございます。外務省といたしましては通産省から幾つかの推定の数字を得たわけでございますが、その中でこの賦存量というものの数量を用いたわけでございます。その理由は、可採埋蔵量というものは技術水準の進歩により変わり得るものということでございまして、外務省といたしましては変わらない賦存量というものを採用した次第でございます。
#30
○大塚喬君 そういうごまかしの答弁では納得できません。埋蔵量が、たとえばいまお話しありましたように原始埋蔵量とか可採埋蔵量とか推定埋蔵量とかといういろいろ用語があると、こういうことですが、政府機関の説明資料ですからそういう用語についても限定した、こういうことで使ってあると、埋蔵量という言葉の使い方が。それから、どんなところを掘ったって一〇〇%その海底にある油田が全部とれるはずはありません。第一次、第二次ということで具体的に二億三千五百万キロリットル、それから三億七千六百万キロリットル、こういう数字が述べられておるんですから、こういう事実関係を明細にしなければ審議というものは成り立ちませんよ。いまのような答弁では納得できません。
#31
○政府委員(大森誠一君) 先ほど申し上げましたように、可採埋蔵量というものは技術水準の進歩によって可採率が上がっていくものというように承知しているわけでございます。特に天然ガス分が多い際にはその可採埋蔵量、可採率というものは高まるというように聞いているわけでございまして、この通産省が提出いたしました資料によりましても、たとえばこの右側の欄の可採埋蔵量について共同水域2のデータによれば五億九千五百万キロリットルという数字も現時点での技術においての数字として一つの推定として述べられておる次第でございます。
#32
○大塚喬君 あなたのおっしゃることは本当にどなたもわからないと、こうおっしゃっているんだが、現時点でその二億三千五百万キロリットル、現時点で三億七千六百万キロリットル、これがいま審議をする判断の基礎資料になるわけでしょう。そのことをいまのような答弁でごまかされたって、そんなことで納得できるはずはありませんよ。全く政治的な当て推量の答弁じゃありませんか。
#33
○政府委員(古田徳昌君) 私どもの方で御提出いたしました資料でございますので、簡単に御説明さしていただきたいと思います。
 石油の生成はいろんな説があるわけでございますが、大昔の有機物質が堆積層の中にたまりまして、それが長い年月の間に炭化水素に変わっていくということでございます。その炭化水素に変わっていった総量がまずどういう形で把握されるかといいますと、お手元の資料の泥岩中の炭化水素量というのがそれに当たるわけでございます。これがそこにありますように、たとえば沖繩・東シナ海五百二十億トンというふうな非常に大きな数量になるわけでございます。これが根源岩と普通呼ばれているわけでございますが、この石油が数千万年という間に次第に流れていきまして、その右側の貯留岩、石油をためるにふさわしい岩石中に移動していくわけでございまして、その貯留岩にたまります量が、これはいま地域ごとにいろんな数値がございますけれども、ある経験値で考えてみますと、その五百二十億トンというのがそこにありますようにこの計算によりますと十三億トンというふうな数字になっていくというわけでございます。これがたとえば沖繩・東シナ海で考えました場合に、貯留岩の中にあって技術的な発達によっては発見可能な最大限の数量である、この試算によれば最大限の数量であるというふうな形になるわけでございます。
 それからさらに、それに対しまして探鉱活動を行いまして油田を発見する、発見いたしましてそれを採掘するわけでございますが、発見しました油の量すべてが回収できるわけではございません。原油の場合には岩の中を流れるのにどうしてもスピードも遅うございますし、それから歩どまりもよくないというふうなことで、最終的にとり得る量が十三億トンを前提としますとその一欄右に飛んでいただきますように六億八千二百万キロリットルというふうな計算になるわけでございます。これを究極可採埋蔵量ということで私どもの方としては考えているわけでございますが、外務省の方で先ほど可筆するということで御説明いたしましたのは、貯留岩中の炭化水素量の一番下の共同水域の2の七億二千二百万トンを前提とした御説明の数字ということになっているかと思います。
 私どもの方としましては、現時点でのエネルギー政策をいろいろと検討する立場から現在の、技術水準ということでこの六億八千二百万トンというものをとらえまして、これを説明資料として利用さしていただくということでございまして、この場合もガスと油の比率がどうなるかということによって非常にまた差が出てくるわけでございます。ガスが多いと、ガスは油に比べまして非常に流れぐあいがいいということで、最終的な可採、つまり採掘可能な量がふえていくというふうな形になります。この六億八千二百万キロリットルの前提となります究極可採埋蔵量の計算の場合のガスと油の比率につきましても、私どもとしましては比較的現時点での平均的な数値を利用しているわけでございます。
#34
○大塚喬君 全く答弁がめちゃくちゃで、外務省は七億、それからいま六億八千二百万キロリットル、こういう数字ですが、この六億八千二百万キロというのは沖繩・東シナ海全体を含めた数字でしょう。先ほど申し上げたように、用語の使用についても幾つか用語の使用の内容があるわけですけれども、そういうことは一切ぼや隠しに隠して、埋蔵量は七億キロリットルを超えるとも推定されておりますと、全く資源エネルギー庁と外務省の答弁が違っておりますね。ごまかした数字を適当に絡み合わせてそんな答弁されたんじゃ、こちらはもう審議になりません。
#35
○政府委員(大森誠一君) 先ほど申し上げましたように、埋蔵量という場合にいろいろの埋蔵量という概念があるわけでございます。先ほど申し上げましたように、原始埋蔵量、これは賦存量でございますが、あるいは可採埋蔵量、あるいは確定埋蔵量といったような幾つかの概念がありますし、それに基づく幾つかの試算もあるわけでございます。外務省が初めに出しましたパンフレットにおいては、このうちの賦存量、原始埋蔵量というものによる数字を書いたわけでございます。しかし、先ほど大臣が申されましたように、この表現が一部に誤解を与えるということがございますので、今回の加筆いたしましたパンフレットの部分につきましては、「石油・天然ガスの埋蔵量を賦存量でみれば七億キロリットルを超えるとも推定されています。」と、かような表現といたした次第でございます。
#36
○大塚喬君 一つは外務大臣から、ここの中で「速やかに」ということですが、具体的にこれは期日はいつですか。
 それから、いよいよ質問に入ります。お尋ねをいたしますが、この共同開発区域の採掘権者に入っておりますメジャーのガルフ、シェルが撤退をいたしました。このガルフ、シェルの採掘権を取得した経過、それから、一体撤退を余儀なくされた、撤退をした理由は何なのか。
 まず第一番に、石油がこの地域では出ないということでメジャーのガルフやシェルが撤退をしたのか。それから、中国との関係が悪化する、複雑化する、今後重大な米中の外交関係の紛争の種になる、こういうことで撤退をしたのか、この辺をひとつ明細にしていただきたい。
#37
○政府委員(大森誠一君) 韓国側の国内法に基づきまして租鉱権を与えられております企業について、その契約年月日は次のとおりでございます。
 ガルフにつきましては、第二鉱区及び第四鉱区について一九六九年四月十五日でその権利を与えられております。シェルにつきましては、第三鉱区及び第六鉱区について一九七〇年一月二十八日に与えられております。カルテックスにつきましては、第一鉱区及び第五鉱区につきまして一九七〇年二月二十七日に租鉱権を与えられております。それからウエンデル・フィリップス社、後にコアムに引き継がれたわけでございますが、これは第七鉱区につきまして一九七〇年九月二十四日に租鉱権を与えられております。
 次に、米系のメジャー等のこれらの企業がその後探査を打ち切ったのではないかという点の御質問についてお答え申し上げます。
 私どもの調査いたしました結果によれば、第一鉱区テキサコ、第三鉱区シェル、第六鉱区シェルにつきましては一九七六年中に開発契約が切れ、また第二、第四鉱区、これはいずれもガルフでございますが、この鉱区につきましては今年三月で開発契約が切れたと聞いております。これらの企業がこのように今後この区域での試掘を進めないとしている理由につきましては、これら関係企業は必ずしもその理由を明らかにしていないところでございますが、一番の理由は、技術的ないし経済的な理由が挙げられると思います。これらの企業は幾つかの試掘を行ったようでございますが、その結果によれば、これまでのところいずれも今後の商業的採算に合うような思わしい結果が出なかったと、かように承知いたしております。ただし、これらはいずれもこの共同開発区域外の韓国沿岸寄りの鉱区についてでございます。
#38
○大塚喬君 いまの説明は、まだ大変全貌をお答えいただくということになっておらないと思います。それで、これの全資料をひとつ、撤退の経過から撤退の理由、外務省の情報関係で収集した全資料のひとつ提出をお願いしたいと思います。
 私がここで特に声を大にしてこの件に関して指摘をし、ただしたいことは、御承知のようにアメリカ下院のフレーザー委員会、これは正式名称は国際関係委員会国際機関小委員会、こういう内容の機関であります。新聞報道等の伝えるところによれば、この機関が調査をした日米韓、この大陸だな開発協定をめぐって重大な疑惑がある、しかもそれらの資料が近くアメリカの下院で公表される、公開される、こういうことに絡んで、この事件が明るみに出ればこの大陸だな協定に関する疑獄、そういう事件にまで発展するきわめて可能性が大きいと、こう言われておるわけであります。一部の筋で、いま大陸だな協定の促進を何が何でも是が非でも強引に押し通そうと、こういうことの背景の中に、この事件が発覚をすれば日本の政界を揺るがすような、そういう内容にまで発展する、そういうものが含まれておると、こういうことのためにそういう事実をともかく表に出ない前にこの協定をがむしゃらに成立させよう、ロッキード疑獄以上のこれらに絡む黒いうわさの人たちも出てくると、こういうことの中にあるわけですが、これらのことを懸念いたしましたガルフやシェルがそういうことに関連をしてここから撤退をしたという、こういう事実については、外務省はどういうふうにこの情報を把握をし理解をされておりますか、ひとつ詳細に報告をいただきたいと思います。これはもう大きな問題ですからね。
#39
○政府委員(大森誠一君) この日韓大陸だな協定に関連してのそういう疑惑があって調査をされているということは、私どもは承知いたしていないところでございます。
#40
○委員長(寺本広作君) 大塚君に申し上げます。割り当ての時間が大分経過いたしております。先ほど理事からのお話では、いまの前の発言が最後だということでございましたので、その辺で質問を打ち切っていただきたいと思います。
#41
○大塚喬君 質問じゃなくて、ただいままでの私の質問の経過について数々の答弁漏れ、しかも私が納得できるような答弁がありませんでした。これからの質問の権利を保留して、一応私のこの段階での発言を終了いたします。
 なお、外務大臣のさっきのあれいつまでに出してくれるのか、答弁を。
#42
○国務大臣(鳩山威一郎君) 先ほどのパンフレットの問題につきましては、この趣旨でよろしければ即刻出したいと思っております。
#43
○矢田部理君 私は別の手順で質問しようと思っていたんですが、同僚議員の大塚さんの質問の確認の意味を含めて、若干関連した質問をしてみたいと思います。
 まず、資源エネルギー庁にお尋ねをしたいんですが、資源問題を考える場合に、あるいは開発を考える場合に、どの程度石油が掘れるだろうか、どの程度日本の資源に役立っだろうかというようなことを考えるに当たって使う数値というのは可採埋蔵量ですか、それとも賦存量でしょうか、一般的に使われる数字。
#44
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど外務省からの御答弁にもありましたように、埋蔵量につきましては、原始埋蔵量、可採埋蔵量、さらに進みまして確定埋蔵量というふうに三つの段階に分かれるわけでございます。
 当初私どもが探鉱活動を進めます場合に考えますのは、当然のことながら原始埋蔵量の多い地域を対象として考えるということでございますが、具体的にそれではエネルギー政策上考慮すべき数値はどうかということになりますと、その場合は可採埋蔵量ということになりますが、ただここに一つ問題がございますのは、可採埋蔵量は技術の変化あるいは原油の値段によって非常に変わってくるということでございます。つまり、通常の値で言いますと原油の可採率は現在世界平均で二〇とか二五%というふうな数値でございますけれど、これは油田の性質によって四〇%にもなるところもございます。あるいは条件の悪いときには一〇%どまりということもございます。それからさらに原油の値段が上がりますと、第二次回収法と称しまして、水攻法、火攻法等のやり方で、つまり井戸を掘りまして自然に出てくる量だけではなくて、さらにそれに対しまして何らかの圧力を加えまして第二次回収、人為的に、強制的に採取するということになっていくわけでございます。これはコストがかかりますので、それをペイするだけの原油の価格になればまたそういうふうな方式もとられるということでございまして、可採率そのものが長期的には非常に上がっていくという傾向があることは事実でございます。
#45
○矢田部理君 もともと推定値でありますから、実際にはいろんな変化があり得ることは、前提となる概念、そういう説明を私は聞いているんじゃなくて、やっぱりエネルギー問題を考える場合に、原始埋蔵量はどの程度あるかということがポイントになるんじゃなくて、現実にどれくらいとれる可能性があるかということをやっぱり基礎にして見なければエネルギー問題の数値の基礎にはならぬのじゃないですか。それが後で現実にどう変化をするかはまた別問題ですよ。われわれがここで論議をする数値の基本はこれまた推定値であるし、ほかのデータもいろいろあり得ると思うけれども、一応この出た資料を基礎にして考えるならば、可採埋蔵量を基本に、少なくともそれを目安に一つの是非を考えていかなきゃならぬ。全体の炭化水素量がどのぐらいあるかというようなことは現実的な話題、課題ではない、そう思いますがいかがですか。
#46
○政府委員(古田徳昌君) ある地域の石油開発につきましての有望性を考えます場合には、やはり原始埋蔵量、つまりその地域で全体としてどの程度の埋蔵があるかということをどうしても考えざるを得ないということになるかと思います。ただ、具体的な政策的なプロセス、あるいは過程として考えます場合には、さらに進んで可採埋蔵量につきましても考慮に入れていくというふうなことになろうかと思います。いずれにしましても、探鉱開発を進めます大前提としましての地域の有望性についての判断はやはり原始埋蔵量ということからスタートするのではないかというふうに考えております。
#47
○矢田部理君 それは、基礎は原始埋蔵量でしょう。しかし、このエネルギー問題を現実的に考える場合に、それがどの程度可採量になるかということを現実の数字にのせていかなければ、単なる原始埋蔵量がこれだけ大きいからということだけで現実的なエネルギー政策を進めるわけにいかぬ、その点で外務省の賦存量で見るという言い方は、見た数値の推計はこれ自身別に間違いではないでしょう。
 しかし、国民は賦存量とか可採埋蔵量とかなんということを厳密に、あるいは概念的にやっぱり区別必ずしもできない、わかりにくい言葉ですよ。それを非常に国民に幻想を与え、真偽を惑わすような言葉で七億キロリットルという数値を出したこと、これはやっぱり非常に問題だ。だから、私が申し上げたいのは、なるほど賦存量で見れば七億キロリットルという言い方は、このデータに照らして言えばその限りでは別に間違いということにはあるいはならないかもしらぬ。しかし、同時に現実的に見るならば、これは国民に非常に期待感を持たせる、幻想感を持たせる、その点でやっぱりこの表現はよろしくない。鳩山外務大臣に伺っておきたいと思うわけでありますが、賦存量で見ればなどというわかりにくい表現で国民をごまかすのではなくて、正確にこの数値を書いたらどうですか。可採可能と言うか、可採埋蔵量を基礎にしたもの、これが現実の政治じゃありませんか。
 それから、天然ガスも資源の一つでありますけれども、外務省は従来石油埋蔵量論で来た。今度の訂正では、ようやく今度は天然ガスを入れてきた。ようやく合算して賦存量を七億キロという言い方にしてきたわけでありますけれども、その点でも従前のやつは非常に不正確、ごまかしがあったと思うわけでありますが、外務大臣、その点についての見解をひとつ述べていただきたいと思うんです。
#48
○国務大臣(鳩山威一郎君) 今回この加筆しましたところで、私ども、「掘ってみなければ確たることはわかりませんが、」と、ここまで入れたのでございますから、これは私どもの意のあることを、本当のところこれはゼロであるかもしれないのでございます。そういう意味で、それが石油の開発というものでございますので、そういう意味で、私といたしましてこれは掘ってみるまでは本当のことは何もわからないのですということを申したので、その先の表現は存賦量がいいのか、可採埋蔵量−可採埋蔵量というのはやはり当たりましてそれでどれくらい掘れるだろうかと、こういうことになるのだろうと思うんです。当たる前から可採埋蔵量という観念はちょっと出てこないのじゃないか。そういう意味で私どもはこれだけの表現を、掘ってみなければという表現を入れたのでございますから、その点はひとつ御了承を賜りたいと思います。
#49
○矢田部理君 了承できないですね。
 日本のエネルギー政策を考える場合に、日本独自でどのぐらい確保できるのか、その可能性があるのかということをやっぱり現実政治は考えていかなきゃならないわけでしょう。またそれを基本にして、ほかにもいろいろこの大陸だな協定は問題がありますよ。たくさんありますけれども、一つのポイントは日本のエネルギー事情に役立ち得るのかどうか、役立つとすればどの程度の意味合いを持つのか、こういうことをやっぱり議論しなきゃならぬわけでしょう。その点ではもちろんすべてが推定値ですから基盤は非常に弱いわけでありますが、その推定値の枠の中でも現実的に掘れる可能性のある量を基本にしなければ議論にならぬのじゃありませんか。大臣にもう一度答弁を願いたい。
#50
○国務大臣(鳩山威一郎君) お言葉でございますけれども、石油の開発というものは、これはやはり地質構造等でそういう可能性のあるところに挑戦をするということだと思います。そういう意味で、私ども、あたかも七億キロリットルというものがすでに確実にあるんだというふうな印象を与えても私はよろしくはないと思います。これはそういう可能性があるという意味でありますから、したがいまして、現在の段階で可採埋蔵量がどれくらいということは言えないわけでございます。したがいまして、ここで掘ってみなければわかりませんけれども、この背斜構造というものが非常に発達をしておる。そういう意味で、本当にあればそれは非常に有望だということでありますので、可採埋蔵量というような表現はかえってまだいま使うことは妥当な観念じゃないのではないか。そういう意味で、賦存量で見ればこういう推定もあるということで数字を掲げた、こういう意味でありまして、あたかもここに油が確実にあるんだ、こういうことでもないわけでございますから、そういう可能性に挑戦をしていくというのが石油開発のむずかしいところだ、こう思うのでございます。したがいまして、私どもとしては、掘ってみなければ確たることはわかりませんということをここに書きまして、以下の埋蔵量を賦存量で見ればと、こういう一つの可能性を掲げたのでございまして、そういう趣旨で読んでいただきたいと思います。
#51
○矢田部理君 どうも納得できないんですね。もともと賦存量自身も推定値です、可採埋蔵量も推定、すべてこれは推定の上に成り立っている議論ですから、推定が狂えば全部狂うということは当然の前提にあるわけです。その推定の中で現実の政治がどこを中心に議論をして是非を決めるべきかということがやっぱり問題にならなければならぬわけでしょう。外務大臣の言うように、賦存量で政治を考えるわけにはいかぬわけです、エネルギー問題を考えるわけにはいかぬわけです。賦存量が仮に七億キロリットル以上あったとしても、そのうち一〇〇%採掘できるなどというばかなことはないわけです。可採埋蔵量になるということはないわけであります。相当のやっぱり歩どまりを見なければならぬ。どんなに技術が発達したって、これが全部使える石油になるなどということは絶対に考えられない。そういう点で、いままでの経験等々を考えて、一定の数値を当てはめつつ、言うならば賦存量から可採埋蔵量を割り出した推定値がここに出てきているわけです。いまやっぱり政治の議論の焦点はここに置かなければならぬのではないでしょうか。その点で、外務省は何かそれが全部とれるかのような印象を与える文章、可採埋蔵量であるかのような感じを国民にはずっと受けさしてきたわけであります。言葉として、賦存量で見ればということで字面はそれで合うことになりますよ。字面はそれで合うことになりますが現実的でない。依然としてやっぱり問題がこの文章は残されている。
#52
○国務大臣(鳩山威一郎君) 石油の開発は本当に掘ってみねばわからないことでありますし、また、現実に石油が当たった場合に次第に埋蔵量というものがふえていく、こういったこともあるわけでございます。したがいまして、これは本当のところ掘ってみなければわからないということが現実だろうと思います。やはり一定の数値を出す場合にはいろいろな安全率を掛けておるわけでございますから、そしてまたその後、鉱物一般にそうでありますけれども、その次に次第に精密な探鉱をやっていきまして、だんだんはっきりしたことがわかってくると、こういうものでございますから、この七億キロは一〇〇%これが掘れるはず、がないと、こういうことを御指摘であったわけでございますが、その点は私は技術家ではありませんけれども、しかし、当初この程度の埋蔵量であったというものが次第にもっとよけいにあるというようなことになっていくような油田もあるわけでございますから、それは何とも本当のところは言えないと思うのでございます。したがいまして、これは絶対に七億キロリットル以上、たとえばそれ以上可採は絶対にあり得ないかというと、非常にいい油田であればそれ以上出ることも私は可能性としてはなきにしもあらずであろうと思います。しかし、それはもうそういうことを言ってもこれは本当にわからないことでございますから、したがいまして、私ども七億キロリットルの賦存が必ずあるということを申し上げているわけでも全くないのでございまして、掘ってみなければわかりません、しかしこういった計算もあるのですと、こういうことを言っているのでございますので、この七億キロリットルを余りこれを過大視され――書きましたから問題にされるのは当然でございますけれども、しかし七億キロリットルというものは本当に一つの推定値でございますので、掘ってみなければわかりませんというその意をくんでいただきたいのでございます。
#53
○矢田部理君 押し問答してもしようがありませんが、非常にごまかし、誤解を与える、幻想を与える数値を掲げて宣伝をすることについては依然として私は納得をしません。
 もう一つ、もう少しはっきりさせておきたいのは、きょうのこの表を見ればわかりますように、共同開発水域で究極可採埋蔵量の石油、原油はこれは数値が出ておりますが、共同水域1というところを見ますれば、わずかに七千六百万キロリッターですよ、可採埋蔵量。大変な石油が出るのだと宣伝しているにもかかわらず、通産省、エネルギー庁の資料によっても、その一割前後しか究極可採埋蔵量は石油に限って言えばありませんよと、こういうデータなんですよ。もちろん天然ガスも資源の一つだから、それを否定するわけではありません、ありませんが、この七千六百万キロリッターしか可採埋蔵量としては推定できない。それに今度は天然ガスを加える、その数値が天然ガスを加えても二億三千五百万キロリッターでしょう。それを七億キロリットルもある、賦存量だ、こういう言い方でやっぱり国民を私はごまかしてはならぬと思うのですよ。その点で、この問題はきょういただいた資料であるし、まだ関係資料がいろいろあるようですから、別途改めて質問さしてもらいたいと思いますが、大変このパンフは問題だ。きょうの訂正された内容でも、まだまだ国民に誤解を与え、幻想を与え、別の方向へ、誤った方向へ国民を引きずっていく危険性がきわめて高いと言わざるを得ません。
 そこで、今度は資源エネルギー庁に伺いたいと思います。
 参議院の外務委員会に提出した資料の中に、「東シナ海大陸棚の地質構造について」という資料がございますが、これはエネルギー庁で出されたものでしょうか。
#54
○政府委員(古田徳昌君) お手元の資料は、二年ぐらい前に提出した資料のようでございます。その資料のコピーを今回また提出させていただいたそうでございます。
 それから、先ほど石油と天然ガスの問題につきまして……
#55
○矢田部理君 いいよ、聞かないことは。時間がないんだから。
#56
○政府委員(古田徳昌君) 一言だけ御説明させていただきたいと思いますが。
#57
○矢田部理君 次の質問に入っているんだから。後でまた聞きますから。
 私は外務委員会から今回いただいたんですが、何年か前に出した資料を再度出したと、こういうことですか。
#58
○政府委員(古田徳昌君) そのように承知しております。
#59
○矢田部理君 二年前のどういう機会にこれを出したんでしょうか。
#60
○説明員(箕輪哲君) いま原資料を取り寄せまして調べてはっきりしたことを申し上げますが、いま拝見したところでは、二年ほど前に当委員会へ提出した資料をそのまままたこちらへ提出したもののようでございます。
#61
○矢田部理君 同じ表題の資料を衆議院の外務委員会にも出しておりますね。
#62
○説明員(箕輪哲君) 御指摘のとおりでございます。
#63
○矢田部理君 それはいつごろ出したものでしょうか。
#64
○説明員(箕輪哲君) それもいまお答えしました資料と全く同時期のものであると考えます。
#65
○矢田部理君 この資料はどなたが作成したものでしょうか。
#66
○説明員(箕輪哲君) 私が責任課長でございますので、私の作成でございます。
#67
○矢田部理君 同じ表題の資料を衆議院と参議院に出しておりながら、内容が違っているのはどういうわけでしょうか。
#68
○説明員(箕輪哲君) 参議院に提出いたしました資料の中では衆議院に提出しました資料と比べまして尖閣列島周辺の堆積層の厚さについての記述が落ちているというふうに聞いております。(「聞いておりますなんて何事だよ。あんたが責任持って書いたんだろう。」と呼ぶ者あり)
 訂正させていただきます。
 尖閣列島周辺の記述が落ちておるわけでございます。
#69
○矢田部理君 それはこの資料のどの部分ですか。資料は「東シナ海大陸棚の地質構造について」「1、エカフェの調査」「(1)経過 (2)調査結果」、それから「2、日韓共同開発区域における民間企業による調査」というふうになっているんですが、どの項のどの部分でしょうか。
#70
○説明員(箕輪哲君) ただいまお読みいただきました最初の方の「エカフェの調査」の部分でございます。
#71
○矢田部理君 これは先般衆議院の外務委員会でこの審議に当たって出された資料、そして今回二年前の資料だと言っておりながら、二年前かどうかしりませんが、私どもに出された資料、幾つかの点で重大な食い違いがあるのですよ。一つ二つ指摘をしておきましょうか。あなたの答弁では賄い切れない、説明できない。
 その第一は、衆議院で出された資料の中では、「東シナ海及び黄海は石油・天然ガス資源にとって極めて興味ある地域として注目されていた」、こういうふうに書いてあるんですが、その部分が実は削られてしまっている。どうしてこれを落としたのでしょうか。
#72
○説明員(箕輪哲君) 原資料がいま手元にございませんので確たるお答えいたしかねるわけでございますけれども、委員会へ提出いたしました資料を作成していく過程におきまして、全体的に若干の修文をしているわけでございます。その修文の過程でもっていまお読みいただきました「東シナ海 興味ある地域」というのが落ちたのであろうと思います。
#73
○矢田部理君 「東シナ海及び黄海は石油・天然ガス資源にとって極めて興味ある地域として注目され」る、これは資源問題を議論するに当たってきわめて重要な指摘なんです。単に修文したというような性質のものではないはずなんです。何か意図があったんじゃないでしょうか。とりわけこの論議の過程の中で明らかになりつつあるのは、黄海付近にはどうも石油がありそうだ、それから東シナ海も共同開発区域よりも、ここはどうも余り当てにならぬ。台湾の北あたりに相当あるという資料の方が強いわけですよ。
 そこで、そういうところに注目されるのを恐れて、ここを先般衆議院に出したと同じ資料を参議院では改ざんをしてしまったというのが事の真相じゃありませんか。
#74
○説明員(箕輪哲君) 私どもの意図といたしましては、そのような特別の意図を持って改ざんするということはないわけでございます。私どもいま伺いまして修文したということで、私が責任課長でございますから申し上げますが、台湾近辺での地質的な評価と申しますのは、尖閣列島まで含めてでございますけれども、実はいつ行われたかという期日はちょっと記憶にないわけでございますが、尖閣列島の近くで実はボーリングが行われたことがございます。そのボーリングの結果は、実は地質的には有望な地域という結果がありまして、いわゆる新第三紀層であり、かつ堆積盆が発達しているというのが、現在でもそういう地質構造あるわけでございますけれども、また台湾で若干出油を見ているという地層にも属しているわけでございまして、地質的に見れば有望であるということは言えるわけでございますが、実際いま申し上げましたボーリングの結果では、そこには油が全くなかったという事実があるわけでございます。したがいまして、興味ある地域であるということはいまでも変わりがないわけでございますが、一つのボーリングをもってその地帯全体の評価をするというのは非常に危険であろうとは思いますけれども、そういう事実がありますのでその周辺を除いたということであると、こういうことでございます。
#75
○矢田部理君 それは衆議院にこの資料を提出してから後の話ですか。
#76
○説明員(箕輪哲君) そういう評価と申しますか、考え方をしたのは、その衆議院に提出しました後卒然として行われたわけではございませんので、この訂正するときよりむしろ訂正漏れであったというのが実態でございます。
#77
○矢田部理君 そうすると、衆議院に出した資料は間違った資料を出して衆議院の審議に供したと、こういうことになりますか。
#78
○説明員(箕輪哲君) 衆議院に提出いたしました資料と照らし合わせましてもう一度再検討いたしまして、必要があれば直ちに訂正いたします。
#79
○矢田部理君 あなたのいまの言い分によれば、参議院の資料が正しいんで、あるいは現在の資源エネルギー庁としての考え方であるとすれば、衆議院にはそうでないことを基礎にして資料を提出し審議に供した、こういうやり方ありますか。
#80
○政府委員(古田徳昌君) エカフェの調査結果によりますと、東シナ海南部の方が堆積層は厚いということになっているわけでございます。したがいまして、北の方よりも尖閣列島周辺部の方が層としては厚いという結果が出ているわけでございますが、その後、民間企業等で行われました北部につきましてのもう少し詳細な地質調査、物理探鉱等の結果を勘案してみますと必ずしもそうも言い切れないと、断定的な結論は出しにくいというふうなことが私どもの中でも議論されていたわけでございます。そういうことで、資料提出する時期によると思いますけれども、その都度若干の修正をしているということでありまして、前の作文が全く間違っていたというふうなことでは決してないわけでございます。
#81
○矢田部理君 衆議院に資料を出した時点と参議院に提出をした時点の間に事情が変わった、事態を見るに重大な状況の変化があったということならばそれは理解できないわけじゃございませんよ。非常に近接した時期に両院に出しておきながら、通産省ないしはエネルギー庁の評価がかなりやっぱり衆参で違う。それをもとにして別々の資料を両委員会に出して同じ法案の審議に供しているということはやっぱり許せない。いまの部長の説明では納得できません。
#82
○説明員(箕輪哲君) 衆議院の外務委員会に提出いたしました時期でございますけれども、これは五十一年の五月だったと思います。参議院に提出さしていただきましたのは本年度作成した資料でございます。
#83
○矢田部理君 そうしますとますます今度は混乱してくるわけですね。参議院には二年前に先に出した、それを今度またコピーして同じやつを出したんだという説明にさっきはなっておる。それから衆議院に仮に五十一年に出したとしても、審議をしたのはつい最近でしょう。事態が変わっているなら別な資料を出すべきじゃないですか。時間の関係――作成した時間、出した時期等々が非常に答弁が乱れているんじゃありませんか。
#84
○説明員(箕輪哲君) 私、実は先ほど間違えましたので謹んで訂正さしていただきます。
 参議院外務委員会にお出ししました資料、今回の資料は二年前に提出しました資料と申し上げましたけれども、実は、それは間違いでございました。参議院に二年前に提出した資料ではございません。訂正さしていただきます。
 いま申し上げましたように、衆議院の外務委員会に提出しました資料は五十一年の五月に作成した資料でございます。今回提出しました資料は、その衆議院の外務委員会に提出しました資料を若干変えまして提出さしていただいたものでございます。
#85
○矢田部理君 衆議院もつい最近でしょう、強行採決で大陸だなを上げたのは。従前出した資料が違うということであるなら、当然のことながら新しい資料、訂正した資料を出して、従来の誤った資料をもとにして審議をしてもらうのではなく、新しい資料、新しい状況で審議をしてもらうのが政府の当然の務めじゃないでしょうか。
#86
○政府委員(古田徳昌君) 今国会での審議につきましては、衆議院からこの関係につきましての資料の提出の御要望がなかったわけでございます。
 先ほど御説明いたしました点につきましては、つまり尖閣列島周辺部あるいは北部の地域との対比につきましての有望性の議論といったふうなものは、衆議院におきましての議論の過程でも私どもの方から説明さしていただいた次第でございます。
#87
○矢田部理君 従前出した資料が今日の審議の状況に合わない、現状は変わっているという認識、その認議がいいかどうかは別ですよ、に仮に立つとすれば、文書で出しているんですから、新しい文書で訂正をすべきではないんですか。
#88
○政府委員(古田徳昌君) 資料の再提出の御要望がなかったので、私どもとしましては、その資料中の問題点につきまして、先ほど御説明いたしましたように、審議の過程で私どもの考え方についての御説明をさしていただいた次第でございます。
#89
○矢田部理君 古証文出しておいて、今度新しい証文の要求がなかったから出しませんでしたという説明は、どうですか、あなた自身考えてみて説明になると思いますか。
#90
○政府委員(大永勇作君) 先ほど来出ておりますように、石油の埋蔵可能性等につきましての評価というのは、非常に、何といいますか、確実というわけにはまいらないものでございまして、評価の中身につきましても、ある時点では相当有望だと思われましたものがその次の調査では比較的それほどでもないというふうに、時々刻々有望性あるいはその埋蔵量等につきましては変わっていくものでございますので、先ほど来申し上げておりますように、五十一年度当時評価いたしました内容がその後のボーリングその他の経験に基づきまして若干評価が変わったということでございますけれども、基本的な点につきまして変わっているわけではないわけでございまして、現在におきましても尖閣列島近辺というのはわれわれとしても非常に有望な地域であるということで考えておることはそのとおりでございます。ただ、評価のウエートの置き方が多少ずつ変わってきたということで御了承いただきたいというふうに思っております。
#91
○矢田部理君 これは私は文章を正確に読んでほしいんですよ。エカフェが調査をした経過について書いてあるんですよ、この部分は。その後の状況、問題の見方がどうなったかということについての記述じゃないんです。以前といまとで調査に至る経過そのものが変わるなんということはないでしょう。ここに書いてある事実は過去の事実です。したがって答弁になっていない。
 二番目の問題点を指摘します。エカフェの調査結果のマル1のところには、「石油及び天燃ガスの賦存の可能性を考える上で、最もポテンシャルが高いのは第三紀の堆積物であるが、とりわけ東シナ海大陸棚の第三紀の堆積物は有機質含有性が非常に高い」という記述があるわけですね。衆議院に出した資料では、「第三紀の堆積物は黄河及び揚子江による急激な堆積作用により生成されたものと推定されており、」と、つまり中国の大陸だなというか自然延長というようなことを非常に記述として出しながら「有機質含有性が非常に高い」という書き方になっているんですが、なぜか参議院に出した資料には、「第三紀の堆積物は黄河及び揚子江による急激な堆積作用により生成されたものと推定されており、」という記述がこれまた欠落してしまっている、抜いてしまっている。自然的状況、地質学的状況が変わったわけじゃないでしょう。どうしてこれを参議院段階では外してしまったのか、そこを説明してください。
#92
○説明員(箕輪哲君) 御指摘のとおり、エカフェの調査が変わるわけではございませんので、内容を正確に伝えるという趣旨からすれば先生の御指摘のとおりであろうと思います。要約の仕方を変えたということで何か特別の意図があるのではないかという御指摘でございますけれども、当方はそういうようなつもりは全くないわけでございます。衆議院に提出いたしました資料に比べまして、黄河、揚子江から流れ出たものによって堆積されたところは云々というくだりが抜けているという御指摘でございますけれども、これは確かに抜けていることは事実でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、調査結果を正確に伝えるというときのポイントの置き方というところにつきまして若干の技術的な判断があったということでございます。したがいまして、この点につきましては、エカフェの調査内容を取捨することなくここに書くという趣旨から申しますならば、この点は訂正して再提出するということにさしていただきたいと思います。
#93
○委員長(寺本広作君) 午前はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
#94
○委員長(寺本広作君) ただいまから、外務委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との問の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とし、質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
#95
○矢田部理君 午前からの質疑の続行をしたいと思いますが、先ほど、エネルギー庁が出した資料の調査結果についてでありますが、衆議院で出したのは、「第三紀の堆積物は黄河及び揚子江による急激な堆積作用により生成されたものと推定されており、」と、この項がなぜか削除をされている。加えて、もう一つこの項の中で出てきておりますのは、衆議院段階では、「東シナ海大陸棚の第三紀の堆積物は」「有機質含有性が非常に高いという特色がある。」、こう断定的に書かれているわけですが、当委員会で出された資料では、「非常に高いという特色がある。」というところを、「非常に高いということが予想される。」ということで、断定ではなくて予想に変わっているんですが、これはどういう事情の変化でしょうか。
#96
○政府委員(古田徳昌君) 全体としまして、今回参議院の方にお出しする場合に、私どもの方としまして資料のデータを全般的に新しくしますと同時に、作文の簡素化を行ったわけでございます。その簡素化の場合には、技術的な評価については重点的に指摘しておくというふうな立場から行ったわけでございまして、ただいま先生御指摘の有機質含有性が高いという特色につきましては、「非常に高いということが予想される。」ということで、これはエカフェの調査全体としましてこういう探鉱活動の性格でございますけれど、断定的な評価が非常にむずかしいという特性もございますので、こういうふうな表現に改めてお出ししたということでございます。
#97
○矢田部理君 その簡素化、修文なんという言葉を使って逃げようとしているわけですが、その後の経過で事情が変わったという部分の記載じゃないんですね。参議院の記載が正しいということだとすれば、衆議院は間違った記載で資料を提出をしたということにもなるわけなんで、いまの説明では説明にならぬのじゃないですか。簡素化の問題じゃないでしょう。評価が違ってきている。
#98
○政府委員(古田徳昌君) 衆議院にお出しした資料におきましては、「非常に高いという特色がある。」というふうな表現をとったわけでございますが、修文の際に、その点につきましてはエカフェの報告書そのままの表現に実は改めまして、存在するものと予想されるという表現になっておりますので、その言葉を利用したわけでございます。
#99
○矢田部理君 同じく調査結果でありますが、衆議院レベルの資料では、その調査結果のマル2のところで、「本調査によれば、東シナ海大陸棚での新第三紀層の堆積状況は対馬海峡では大体二百メートル未満であるが、南に向って厚さを増し、台湾の北側では二千メートル以上になっている。」、こうなっている。「とくに台湾の海岸よりでは三万ジュールのスパーカーでは測定し得ない堆積物が厚く、二千メートル以上の厚さをもつ範囲は二十万平方キロにわたっている。」、こういう記載が衆議院の資料にはある。ところが参議院では、同じ表題の資料が全面的にこの部分が削除されている。これはきわめて重要なことじゃありませんか。しかも、先ほどから強調しておりますように、「東シナ海大陸棚の地質構造について」という表題、その中身はエカフェの調査の経過と結果が書かれている。つまり、過去の事実についての報告なんですね。新しく何かがつけ加わったとか、別の調査ではこうだったという報告ではないわけです。エカフェ自身の調査の経過と結果を記載したものがかくも違う。意図的に落とされている。簡素化したとか修文したとかという性格のものじゃないでしょう。これは大きな改ざんですよ。その意図は一体何なのか、おかしいじゃありませんか。
#100
○政府委員(古田徳昌君) 意図的な改ざんということはございませんでして、簡素化しながらも、この調査経過なりあるいは結果についてはできるだけ詳細に、正確に御説明したいと思ったわけでございますが、実は衆議院のときにお出ししました資料に書いてございますが、三万ジュールのスパーカーというものが、その後の議論で非常にこれは出力としては比較的弱い、スパーカーの調査方式としては比較的弱いということで、午前中の御審議の際も御説明いたしましたが、その後の民間企業等の調査に基づきましても、北の方にもかなり厚いところがあるというふうな議論等も行われておりましたので、若干その点も考慮しながら、この部分につきまして、参議院にお出ししたような修文を行ったわけでございます。
#101
○矢田部理君 そうじゃないんじゃありませんか。もともとこの日韓大陸だな問題の重要な発端はエカフェの調査だったわけです。ところが、エカフェの調査をしさいに検討をすると、共同開発区域そのものについては弱い。どちらかといえば、いま衆議院段階で出した資料に指摘されているように、台湾の海岸寄りに相当な堆積層がある。そのことを通産省、資源エネルギー庁として説明を強調したのでは共同開発区域論が薄くなってしまう。そのためにそれを削って、たとえば先ほど私が読み上げた部分は、「本調査によれば、東シナ海大陸棚には豊かな第三紀層の堆積物が存在していることが判明した。」という記載に訂正をしているわけです。つまり、台湾の北側付近の有望性を削って、東シナ海全体という包括的な表現で事実をごまかそうとしている。その後の調査結果、他の民間企業の調査結果は、この記載に直接かかわってくるのはおかしいんですよ、エカフェの調査結果についてのエネルギー庁としての理解を記載した文書なんですから。すでに過去のものとなったエカフェの調査結果が、それの報告が変えられる、しかも重要な部分を削ってごまかしている。東シナ海全体だというような評価で説明をしようとする。きわめて意図的じゃありませんか。ここが実は問題なんです。
#102
○政府委員(古田徳昌君) 先ほど御説明いたしましたように、私どもとしましては意図的にこの部分を修正したというわけでございませんでして、この地域全体の堆積物の厚さの分布につきましては、従前と同じようにその後に付表としてつけ加えているわけでございます。
#103
○矢田部理君 ほかにもあるんですよ。
 たとえば衆議院の資料では、「エカフェの調査ではスパーカーを使用したが、スパーカーは今日の地震探鉱で通常使用されているエアガンに比らべ発震エネルギーが小さいため二千メートル以深の地層については鮮明に探査することができないため、エカフェの調査では一括して二千メートル以上として扱っている。」というくだりなど、これは衆議院段階では注に出ておったわけですが、参議院では逆に(1)の経過のところで本文に入れている。つまりエカフェの調査を基本に出発した日韓大陸だな協定、そのエカフェの調査では説明がなかなか共同開発区域についてできないものだから、逆にエカフェの調査結果を薄めようという一貫した意図がこの参議院の資料には流れているわけです。
 そのことが、私が午前中から指摘しているいろんな表現の中に幾つかあらわれているし、その点では修正に一貫性を持っているわけですよ。こういうでたらめをやっちゃいけませんよ。いいですか。何回も言うように、エカフェの調査をできるだけ小さく今度は扱おうとしている態度、それをエカフェの調査報告として出すというやり方、いいですか、エカフェ以外に別にこういう資料があるんだということならまだそれはそれで論理的には話が通りますよ。エカフェの調査経過と結果ということの報告としては、これは少しひど過ぎやしませんか。いまのような説明ではとうてい納得できません。
#104
○政府委員(古田徳昌君) 最初に御説明いたしましたように、簡素化しながらも重要部分については正確に御説明するということで考えたわけでございまして、たとえば、衆議院に出しました資料の中で注という形で入ってございますが、注の形で少し詳しく書いてございますが、説明をかえって結果的に弱めるような形にもなるというふうな感じもいたしまして、むしろ本文に入れまして、調査方法がスパーカーと呼ばれるもので、発電エネルギーがさほど大きくないので余り深いところまではわからないけれど、地下二千メートルまでの地質の概況は把握されたということで、それを本文に入れて、むしろこのエカフェ調査の特性といいますか、性格を明らかにしておるというつもりでございます。
#105
○矢田部理君 全然説明になってないんですよ。そういうことなら、こっちが正しいというなら衆議院に間違った資料、エカフェ調査結果についての間違った理解、不正確な評価をもとにして資料をつくり衆議院には出したと、それが衆議院審議の基調になっている、基礎になっている、その上で強行採決でこちらに持ってくる。おかしいじゃありませんか。いまのような簡素化したとか修文したという議論は全く納得できません。この始末、責任をどうとってくれますか。
 エネルギー庁長官来てない。エネルギー庁長官の要求をきのうからしでいるわけですが、きょうは出てきてない。
#106
○政府委員(大永勇作君) いずれにいたしましても、衆議院にお出ししました資料も、それから参議院に御提出いたしました資料のいずれもエカフェの報告の概要をつくったものでございまして、本文が現に日本語に訳されたものがあるわけでございますので、われわれが意図的にその内容を変えるというふうなことはできないわけでございまして、われわれといたしましては毛頭そのような意図はないわけでございまして、簡単にいたします際の簡単に仕方が少し変わってたというだけのものでございますが、誤解を招くとまずうございますので、日本語の本文の抄訳がございますので、それをお出しするということで御了承いただきたいと存じます。
#107
○矢田部理君 そんな資料は出してもらわなくても持っています。私も読んでいます。問題は、その資料を実際に行政を進める責任者がどう受けとめるか、どう理解し行政の資料にしていくかという受けとめ方の姿勢が実はここにあらわれるわけなんです。そのことを実は私は問題にしている。それが単なる修文とか簡素化とかいうことじゃないでしょう。意図を否定されたって事実はこの文章にあらわれているわけですよ。どうしても同じ資料を参議院段階では修正、書きかえなきゃならぬほど重大な事情でもあったんですか。それがなければ、同じ見出し、同じエカフェの調査結果等についての報告が別の文章になるはずはないでしょう。ここは重大です。だから私はあなたのようないまの説明では話にならぬ。これはもう一回、どっちが本当なのか、どっちが正しいのか、どこが間違っているのか、衆議院にも責任を持って出した資料についてですから、これは政府として、大臣なり長官として明確なやっぱり意思統一をしてもらわないと進められませんよ。簡素化や修文の問題じゃない、中身の問題なんです。大きく横たわっているわけですから。
 委員長、その点の扱いについて相談してください。
#108
○政府委員(大永勇作君) われわれといたしましては、東シナ海の地域につきましてのウエートといいますか、重要性が南の沖繩地域の方がより有望であるのか、あるいはこの共同開発地域がより有望であるのかということで、北の方がより有望だからこちらをやるんだということではございませんで、そういった相対的な評価ではなくて、現在日本は、国産の原油といたしましては多少、わずかでありと言ってもこれが欲しいという非常に緊迫した状態でございますから、南部の台湾沖等との比較において北の地域はより有望だからそちらをやるということではなしに、この共同開発地域の有望性それ自身に目をつけてやっておるわけでございますので、決して台湾沖あるいは沖繩沖よりもこちらの方がもっと有望なんだということをわれわれが意図的に印象づけようとしているというふうな事実はないわけでございまして、ただ、審議の対象がこの共同開発地域でございますので、この共同開発地域につきましての評価が浮き彫りになるといいますか、端的に表現されるような形に資料をつくったというだけのことでございまして、決して南方に比べてこの共同開発地域がより有望であるということを意図的に表現しようとしているものではないということで御了解いただきたいと思うわけでございます。
#109
○矢田部理君 全く了解できないんですよ。中身の問題ありますよ。中身の問題ある。もうそれは一つ一つ指摘して議論をしてきた。その問題じゃないんですよ。同じテーマ、同じものについての評価が衆議院の審議の際と参議院の審議の際にこうも変わっていいものか。こんな食い違いが随所に出るような文書を別々に両院に都合のいい時期に都合のいいように出していいものかと、このことが実は問われているわけですよ。
 これは扱いについて委員長、こんなでたらめを役人に許すわけにいかぬですよ。次長が幾ら答えたってあんた責任とれないでしょう。大臣なり責任ある人が出て、それと打ち合わせて、この扱いを一体どうするのか、委員長として指示してください。
#110
○委員長(寺本広作君) それじゃ委員長からお尋ねいたします。
 委員の要求は、衆議院に出した資料をそのまま参議院に出すようにという要求であったと委員長は承知しております。衆議院に出した資料を全部出すようにという要求であったと思います。したがって、別個のものをお出しになったら、それは要求と違うわけですからお取りかえになることができますか、できませんか。
#111
○政府委員(大永勇作君) 衆議院に出したものをお出しすることはできます。
#112
○委員長(寺本広作君) 資料要求一番審議の初めにあったのは、小柳理事から衆議院に出した資料をそのまま出すようにという要求がありました。それと違った資料をお出しになっておるならばそれは政府側の間違いであって、衆議院に出したものと同じものをお出しになるべきだと委員長は思いますが、いかがですか。
#113
○政府委員(大永勇作君) 御指摘のとおりにいたします。
#114
○委員長(寺本広作君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#115
○委員長(寺本広作君) 速記を起こして。
 それでは暫時休憩いたします。
   午後一時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十九分開会
#116
○委員長(寺本広作君) 委員会を再開いたします。
 政府から提出された資料について、改めて資源エネルギー庁橋本長官から御説明を願います。
#117
○政府委員(橋本利一君) 五十二年の四月に本院に提出いたしました資料と昨年の五月に衆議院の外務委員会に提出いたしました資料の中で、特にエカフェの調査結果の項目の中で、この東シナ海大陸だなの中でも南の方が特に賦存の可能性が高いという部分が記載されておらなかったということで御指摘を受けておるわけでございます。
 私たちといたしまして、本委員会に資料提出を命じられた際に、衆議院のものと同一のものと御指示があったようでございますが、事務方の方で、昨年の五月とことしの四月と、時点を経過いたしておるところから、別途資料を調製して御提出したということでございます。
 私の方といたしましては、まず衆議院に提出した資料をベースにいたしまして、それに追加すべきものを別途追加した方が適当であったということで、いま反省いたしておるわけでございます。特に、ただいま私が申し上げましたその参議院外務委員会に提出した資料で欠落しておる部分が本件審議に当たりましてきわめて重要な部分である、それが結果として落ちておったということはまことに申しわけないと思うわけでございますが、特に審議を有利に取り計らっていただくために意図的にかようなことをしたということではございませんで、結果として非常なミスであったと思うわけでございますが、事務的に整理の過程で欠落したということでございますので、改めて本委員会の御指示に従いまして資料を提出さしていただきたいと思うわけでございます。
#118
○小柳勇君 いまの質問は、後また続けてまいると思います。埋蔵量の問題、一番中心でありますから。ただ資料の扱いでありますから、院の権威のためにも私の方から少しただしておきたい。
 私どもこの審議に入ります前に、冒頭の委員会で、衆議院で出された政府の資料は一切参議院の各委員に提出願いたいと言って要求しておきました。その要求もなかなか完全にまだ手元に届いていない情勢であります。ところが、きょうこの資料が衆議院に出したものと中が変わっている。その内容は、いま長官が言われたように埋蔵量の問題であるし、しかも第七鉱区の共同開発地域ではなくて、尖閣列島付近が大きいということはもう前の調査にもあったわけです。そのようなものを表現を変えている。言うならば、これは長官自身の筆でなかろうけれども、担当者が、なるべく衆議院で理論的に薄弱であったものを避けて、新しい情勢をつくりながら参議院の審議を進めようとした意図がありありとわかるわけです。そういうことでは参議院の権威として許せない。
 この大陸だな法というのは国際的にも問題になっています。近隣諸国も問題にいたしておりますし、国内的にもこれから五十年の九州に近い東シナ海の海での仕事ですから、五十年関係のある法律です。したがって、私どもはただ単にこれを審議を引き延ばそうということではなくて、慎重に審議をして後世の子孫たちから笑われないようにしていきたいという、そういう気持ちで論議しています。だから、正しい資料をもって堂々と討論して、そしてこれが多数の意見で妥当であればこの協定は批准されるのです。もし内容が悪くて、これはいま共同開発をしてもとても日本の国益にならぬと思ったら自民党の諸君だって反対が出るだろう。そしてこの批准はしばらく待てということになるでしょう。しかし、それは日本の将来にとって必要であるし、参議院としてはそのことを、これは可決されるのか否決されるのか、そのことをいま討議しているわけですから、正しい資料で、しかもわかりやすく、出ている全体の議員がわかるような資料を出してもらわなきゃ困るわけです。
 たとえば、いま政府は協定を結んでいるから批准がおくれたら恥かくとか、国際的にも韓国から非難されるとか、それはそうでしょう。しかしその過程で、協定の過程で、調印する前に十分な論議がなされてないんだからそれはやむを得ぬことです。だから十分に正しい資料を出さなきゃなりませんが、一体これはだれが書かれたか、長官ではないと思うが、どういうセクションで書かれたものか。今後もまたこういう資料を、私いま出た資料をまだ見てないから、あるいはあるかもわからぬけれども、どういうセクションでお書きになったのか、もう一回その意図と責任者を長官の口から聞いておきたいと思う。
#119
○政府委員(橋本利一君) だれがこの資料を作成いたしたかということにつきましては、調査もいたしますが、すべてかような問題は私の責任でございます。したがいまして、おしかりは私が受けたいと思うわけでございます。
 それから、ただいま小柳委員から御指摘のとおり、われわれといたしましては、正しい資料に基づいて正しい審議をやっていただきたいという気持ちでございます。特に資源エネルギー庁として本件に寄せる期待は、日本に対するエネルギーの安定供給という立場から、あらゆるソースから資源を求めたいという気持ちでおるわけでございます。決してこの審議を、むしろミスリードするような資料をお出しすることによって、仮にこの協定あるいは関係法案が成立いたしましたとしても、ないところを掘ってもこれは安定供給につながらないわけでございまして、われわれの与えられておる共同開発地域においてどこまで石油が確保できるか、それは採算性に乗るものであるかどうかということが大前提になってくるわけでございます。したがいまして、協定なり特例措置法案が成立した後、それぞれやはり探査活動を続けていくわけでございます。そういった意味合いからいたしましても、あえて資料をミスリードするような気持ちでかような欠落があったということは私は考えられないわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、非常に重要な部分について、また意図的ではなかったかと御指摘を受けるようなことがあった点についてはまことに申しわけないと思いますので、今後かかることのないように篤と指導してまいりたいと思うわけでございます。
#120
○小柳勇君 いま一問。これは議事進行でありますので、これだけ。
 けさ、外務大臣がパンフレットのことで訂正されました。大変苦しかっただろうと思うんです。外務省が担当している法案であるから、外務省の担当局で国民なりあるいは国会議員にPRするために努力される、それは大変御苦労だと思う、それは了解いたします。ただ、国会審議に誤った数字をPRするとかあるいはミスリードして、なるべく早く法案を通そうということはこれは邪道であろうと思うんです。行き過ぎです。そんなことがあっては国会で長時間かけて審議するのはむだです。だからあとの資料も、まだこれから目を通しますけれども、正しい資料を出して、そして早くこれを批准しなきゃならぬ理由を十分に主張されて、討論して、そしてなるほどと思えばあるいは野党だって賛成していくでしょう、それをいまやっているわけですから。この内容の問題はこれからまた矢田部君が質問いたしますけれども、くれぐれもいま長官が私の責任だとおっしゃったから、これ以上これを書いたセクションの追及はいまはいたしません。ただ、これからまだ何時間か何日か論議しますから、その点十分ひとつ列席の各担当官も心して、答弁にも資料提出にも配慮していただきたいと思います。これは答弁は必要ございません。後矢田部君がこの資料について質問してまいりますから、そこでひとついまのいきさつを十分に解明していただきたいと思います。以上です。
#121
○矢田部理君 質問の前にあれしておきたいんですが、ただいまの委員長及び小柳理事の発言とそれに対する政府の答弁は私の持ち時間には繰り込まないようにお願いいたします。
 そこで質問を続けたいと思いますが、いま小柳理事からも鋭く指摘をされましたように、単なる事務上の手違いではなくて内容の重大な改ざんを行う、まさに長官の言うように参議院でミスリードをしようとした。少なくともそのことを重点に審議を進めてもらおうとした。非常に許しがたき文章であります。同じ表題の文章を衆参両院、その場の都合でまちまちに出すなんていうことは許されることではありません。その点は私からも大変重大な責任だということを特に重ねて指摘をしておきたいと思います。
 あわせて、個別の内容に入っていきたいと思いますが、同じ文章、東シナ海大陸だなの地質構造についての一は、エカフェの調査でありますが、二には日韓共同開発区域における民間企業による調査という部分がございます。これがまた衆議院と参議院では変わっている。もう時間もありませんから、一つだけ指摘をしておきますと、この文章を衆議院段階では、「日韓共同開発区域が未だ日韓両国による係争地となる以前にその一部について民間企業による物理探査が実施された。」、つまり民間企業による調査の時期が衆議院では「日韓両国による係争地となる以前」という表現であったのを、参議院段階では「協定対象地域となる以前」に調査をしたと、時期なんていうのははっきりしているわけですから、こういうところの表現がなぜ変わってしまったのか、これはどういう意味なのか、その点だけ追加してお聞きをしておきたいと思います。
#122
○政府委員(古田徳昌君) 衆議院でお出ししました資料の中で「係争地となる以前」という表現を使っていたわけでございますが、この表現があいまいであるというおそれを抱きまして、「協定対象地域」というふうな言い方に改めたわけでございます。
#123
○矢田部理君 まず、調査をした時期はいつですか。
#124
○政府委員(古田徳昌君) この地域につきましては、民間の二社により調査が行われておりまして、これは音波探査による物理探鉱でございますが、日石開発が昭和四十六年の秋に実施しております。それから、西日本石油開発が昭和四十四年から四十八年まで断続的に行っております。
#125
○矢田部理君 それはいずれも「係争地となる以前」ということになりますか、そうしますと。
#126
○政府委員(古田徳昌君) 韓国との間に共同探鉱に関します協定の話が出る前につきまして、私どもの方として係争地というふうな考え方で表現を書いていたわけでございましたので、参議院にお出ししました資料につきましては、「協定対象地域」というふうに改めたわけでございます。
#127
○矢田部理君 改めた理由を聞いているんじゃなくて、それじゃこう聞きましょう。「日韓両国による係争地となる以前」と言ったんだから、係争地となった時期はいつだという理解で衆議院の文章は書いたんですか。
#128
○政府委員(古田徳昌君) 私どもの方としてこういう定義をしましたのは、四十九年の一月に、この協定の調印が行われる以前という考え方で書いたのでございます。
#129
○矢田部理君 参議院に出した文章の言葉の説明を聞いているんじゃなく、衆議院に出した文章では「係争地となる以前」に行ったと書いてあるんだから、それならば係争地となった時期が特定されなければ以前か以後かわからぬだろう。その係争地となった時期はいつと理解してこの衆議院に出した文章は書いたのか、そのことだけ聞いておきますよ。これは余りむずかしい論争じゃないんで、その時期だけ簡単に一言で答えてください。
#130
○政府委員(古田徳昌君) この地域につきましての探鉱問題につきまして、韓国との間では四十五年十一月から話し合いが始まったというふうに承知しております。
#131
○矢田部理君 どうも端的な答えができない。そう答えないことを得意とするような答弁になっているわけですが、もう一点だけ参考のために聞いておきますが、このエカフェの調査でのスパーカーは出力が小さいということが指摘をされておりますが、出力が小さいから深い海については測定がなかなか容易でないということはあるいは言えるかもしれませんが、少なくとも二千メートルより浅い層についても調査が十分でないという趣旨なのか、二千メートルまでは鮮明な測定能力があるというふうに受け取っていいのか、その点このエカフェの調査でのスパーカーの出力問題と関連して確認的な質問をしておきたいと思います。
#132
○政府委員(古田徳昌君) エカフェの調査は、ハント号という海洋調査船を使用しまして、スパーカーの出力は三万ジュールということになっておりました。このスパーカーによる地下反射の記録のほか、プロトン磁力計による磁力測定その他海底地形や水質等の調査も行っておるようでございます。このスパーカーの出力がただいま述べましたように三万ジュールということで、さほど大きくないということで、地下の余り深いところの事情までは正確にわからないものでございますが、大体地下二千メートル程度までの地質状況の概略は把握されたというふうに承知しております。
#133
○矢田部理君 二千メートルまでは把握能力がある、測定能力があると、こういうことですね。それより深いところは問題だと、こう伺っていいですね。――うなづきましたので次の質問に入ります。エネルギー庁少し休んでいただいて、今度は外務省に……。
 まず、海洋法会議等における大陸だな論の情勢ですが、これをどのように認識をされているか。とりわけ自然だな論、略して自然だな、自然延長を中心にする議論と、それから、たなは短くても二百海里まではたなと擬制すると、まあ略して擬制だな論とでも言いましょうか、という議論の状況はどうなっているか。
 それからもう一つ、最近重要な議論として出てきておりますのは、たなのあるなしにかかわらず経済水域は二百海里だということが非常に流れとして出てきていると思うのですが、この辺をめぐる情勢というか、外務省としての受けとめ方について、まず総論的に伺っておきたいと思います。
#134
○説明員(井口武夫君) 海洋法会議において大陸だなの議論は、現在まだ行われておるところでございまして、第六会期は実は今週から開いておるわけでございます。しかし、第四会期、第五会期の討議の結果としまして自然延長論が有力でございまして、議論の方向は、むしろ二百海里を越える自然延長の収益を沿岸国のみならず開発途上国にも国際機関を通して分けるという議論がいま焦点でございまして、むしろ二百海里で切るというよりは、二百海里の自然延長をその場合にどうとらえるか、客観的な基準をどういうふうに決めるかという議論と収益分与の議論が中心でございまして、今会期も恐らくそういうところが最後の大陸だなの問題をめぐる議論になるということが予想されるわけでございます。確かに、経緯的には二百海里という距離で議論されたことがございますが、しかしながらやはり自然延長ということが、これは国際的にも六〇年代にいろいろ大陸だなの分割の協定を結ばれるときにも、非常に強い議論が出まして、六九年の国際司法裁判所の判決でも自然延長という概念が非常に有力になったために、だんだん会議の趨勢もそういうことになりまして、現にアフリカ諸国も当初は二百海里の距離基準ということを言っておりましたけれども、むしろ広い大陸だなを持っている国がその先の収益を後進国に分けるということで、アフリカの諸国にもこれに同調する国がふえておりまして、現在むしろ二百海里を越える自然延長というものは大陸だなのパッケージディールであるということで、第二委員長のアギラールという人が第五会期の一番最後に第二委員会の報告というのを出しておりますけれども、これでも広い大陸だなというものを有する国が広い大陸だなというものをテキストの上で承認することは、パッケージディールの一環としてこれはもうきわめて重要な要素だということになっているわけでございます。
 経済水域との関係に関しましては、これは確かに経済水域の海底ということが四十四条に入っておりますけれども、考え方といたしまして、やはり経済水域の海底も大陸だなの規定が援用されるということで、経済水域の海底の権利義務というものは大陸だなの条項の規定に従って適用を行われるということが明記されまして、やはり大陸だなが優先するという考え方でございまして、いずれにしても経済水域というのは新しい概念で、主としてこれは上部水域に関する規定で海底の部分は大陸だなの規定が援用されるということでございますから、自然延長が有力になるということで、経済水域の海底というものはやはり大陸だなの概念が優先して適用されるということが現在の方向であるということでございます。
#135
○矢田部理君 大陸だなの自然延長論の中で例のコンチネンタルマージンの議論がございますが、この議論の中で海釜、海盆、これは日韓共同開発地域の中にも沖繩海盆があり、いろいろと幾つか海釜、海盆がございますね。こういうものをどのように扱うか、その深さとか大きさ、それは海洋法会議では議論になっているんでしょうか。
#136
○説明員(井口武夫君) 実は、この問題に関しては余り議論が行われておりませんで、したがってこの草案においても、一応議論の集大成した結果ということの単一草案でも、実は海溝、海盆というものが必ずしも明示的にはなっておらないわけでございますが、結局海溝、海盆が問題になるのは向かい合っている、相対している、もしくは相接している国の大陸だなの境界画定の場合でございまして、これは結局二国間の話し合いの問題というようなことが解決の方向であろうと思われますので、現在の大陸だなの、たとえば境界画定の七十一条で衡平の原則というのが優先いたしますけれども、そういうような衡平の原則とか、すべての関連ある事情という中でそういう問題が結局取り扱われるということで、海洋法会議のテキストそのものでは、これを自動的に解決するような規定は何ら設けておらないというのが現状でございます。
#137
○矢田部理君 その是非は別として、外務省のそのような理解を下敷きにしながら日韓間のたな問題について議論を進めていきたいと思うわけですが、先般鳩山外務大臣の説明では、海洋法会議の動向が自然延長論が優勢になりつつある。したがって、時期がおそくなると韓国側に有利になる可能性があるので締結を急いだ、そういう論拠を一つとして示された、そのとおりでしょう。
#138
○政府委員(中江要介君) 大臣が、その角度から見てこの協定をどう評価するかということを述べられましたときの論点は、いま先生が御質問されたようにはっきり言われたかどうかは別といたしまして、私どもが考えておりますことは、この地域の大陸だなが日本と韓国との間にまたがる一つの大陸だなであるか、それとも韓国は大陸だなを持つが日本は大陸だなを持たないのかと、これがそもそもの争点であったわけであります。その場合に、どうして一つの大陸だなとみなさないかというときの論拠に、大陸だなは自然に延長したその外縁までが沿岸国のものであるというのが自然延長論でございますので、韓国はそれを援用しまして日本と論陣を張ったわけでございます。その自然の延長の外縁までという大陸だなの国際法上の制度としての意味は、これはいま海洋法対策室の方からも説明がありましたように、海洋法会議でもますます大陸だなというものはまず第一義的に沿岸国から海洋の方に延びまして、自然の延長の外縁までが沿岸国のものである、そういう立場が強まっておりますので、将来改めて、仮定の問題としてもう一度この点を韓国と論争いたしますときには、三年前に韓国が論陣を張りましたその論拠が、海洋法会議によってさらに裏づけられた形で主張されるであろうから、より日本にとって有利になることはなかろうと、こういう判断でございます。
#139
○矢田部理君 そういうくどくどとした説明を聞くんじゃなくて、この前鳩山外務大臣は三つ挙げられたわけですね。資源開発の必要性、自然延長論が優勢になる、締結してから三年もたっている、だから早く批准をしてくれという三つの理由の中で、自然延長論が海洋法会議で優勢になる、そのために締結をしたんだという締結理由ですがね、どちらかといいますと。
 ところで、いま局長の述べられたように、日本のたなに関する主張というのは、朝鮮から延びてきているたな、中国から出てきているたなが日本にまでつながっている、したがってこれは一つのたなだと、あるいは三国共同のたなだというのが日本の主張であることは間違いありませんね。
#140
○国務大臣(鳩山威一郎君) さきの委員会の私の申し上げたことにちょっと触れさせていただきますが、第二の点として申し上げたことは、海洋法会議で経済水域という議論が出ております。そして、この海洋法会議の結論を待った方が日本が有利になるのではないかと、こういう議論がございますと、そういうことを申し上げました。しかし、私どもの見ておるところによりますと、必ずしも海洋法会議の結論が出るから必ず日本が有利になるという保証はないのだというふうに申し上げたので、海洋法会議の結論で日本は不利になる、韓国側が非常に有利になると、それほどの積極性を持ったお話はいたさなかったつもりでございます。これは速記録を見ていただければはっきりすると思いますけれども、ただいまちょっとその点だけは申し述べさしていただきます。
#141
○矢田部理君 日本政府の主張するように、一つのたなだという前提に立てば、海洋法会議の動向は余り関係ないでしょうね。とりわけ自然延長の外縁といいますか、一番外側の端っこがどこで切れるのかということが一つ問題になるだろうと思いますが、たとえば沖繩海溝、沖繩海盆については、あれはくぼみ、ひだであって切れてないんだというのが外務省の主張でしょう。しかもその海盆等については、さっき政府から答弁があったように、海盆の深さや大きさによって自然延長が切れたり終わったりするということにはならない、その議論は海洋法会議では出ていない、むしろ当事国間の話し合いの問題だという筋で述べられたんだから、そうすると沖繩海盆についてもコンチネンタルマージンになることはない、こっちにつながっているという外務省の主張が基調にあるわけですから。言うならば、海洋法会議の動向いかんによって韓国側の自然延長論が優勢だと、だからあそこで仕切らなければならなかったんだという論拠、一つの論拠、幾つかの資料を見てもそういう議論が出ているわけですが、これはやっぱり成り立たない。一つのたなだという理解に立つならば、その一つのたなを日中朝間でどういうふうに分け合うか、このことが問題になるんでありますから、海洋法会議の結果によっては韓国の自然延長論が優勢になるという議論は、一つのたな論を反撃する議論としては成り立たない、論理的に別の問題だというふうに理解できるんですが、いかがでしょうか。
#142
○政府委員(中江要介君) いま先生のおっしゃいました日本政府の立場というのは全くそのとおりでございまして、そういう国際法上の立場を日本政府はいまも持っているということも何度か申し上げているとおりです。ただ問題は、そういう日本政府のとっております立場が完全に国際法上支持し得る立場であるかどうかについて問題があったと、またいまも問題があると、これがそもそもこの協定を締結しなければならなくなった基本的な原因であったわけです。
 韓国との間で足かけ三年にわたって法律論争いたしましたときに、日本政府はまさしくいま先生がおっしゃいましたように、これは一つの大陸だなだと、そこさえはっきりいたしますれば、海洋法会議がどうありましょうとこれは一つの大陸だなの境界線ですから、まあ原則として衡平の原則に基づけば中間線というのが妥当な線だと一般的に言われておりますので、日本の主張どおり中間線で北部境界と同じように南部についても合意ができたはずでございますが、一つの大陸だなであるかどうかということについて、これは相当いろんな資料を駆使して韓国との間で論争いたしましたけれども、決め手がなかったと、また、決め手が出ないくらいにこの大陸だなの具体的な姿なり形に即して適用し得るような有効な国際法が確立していない。また、いまの海洋法会議の行く末を見ましても、先ほど説明いたしましたように、そういうところについてまではっきりした基準が出る可能性がないと、そういたしますと、しょせん一つの大陸だなか、いや一つでないかという議論が続くと、こういうことになりますので、そういう論争を果てしもなく続けていって海洋法会議でも決め手が出ないという現状のもとで、果たしてどうするのが賢明かということで実際的解決が図られたということを申し上げてきたわけでございます。
#143
○矢田部理君 同時に、海洋法会議でも、新しい問題としては御承知のように経済水域二百海里論あるいは擬制だな論が出てきているわけです。これが今後どういうふうに発展させられるかはいろんな議論がありましょう。しかし、この一つのたな論は基調に置きながら、仮に一つのたなでなくて沖繩海溝で切れているという主張が許されるとしても、経済水域二百海里論なり歴史的に言えば擬制だな論でこれまたもう一つ対応し得る余地が残されているわけですから、その点をやっぱり抜きにして性急に決めたということについてはまだまだ幾つかの疑問があるわけです。
 もう一つ質問しておきたいのは、一つのたなだ、少なくとも中国と朝鮮のたなは一つだ。したがって、一つのたな論の立場に立つならば、日中朝間で話し合いをしなきゃならぬのがこれはもう外交の基本でしょう。この話し合いをしないで、言うならば、中間線で朝中間の仕切りをしたら、その一部は日本と中国との中間線にもなっている、こういうやり方は少しく問題が残されるんじゃありませんか。少しくどころではなく、三者で話し合いすべきものを二者で決めてしまった。それについて外務省は、いや中間線をとったんだからいいんです、こういう議論を盛んに言っているわけですが、その中間線論だって一つの流れではありますけれども確定した国際法ではないわけです。等距離線論もありましょう、あるいは衡平の原則で割るという割り方もあり得るはずです。幾つかの議論がある中で、確定もしていない、流れの一つとしては有力な流れとしてはあるかもしらぬ中間線で勝手に二国間だけで仕切ってしまって、中間線で仕切ったんだから中国は文句を言えないはずだと、こういう対応は、いまの国際関係、アジアにおける国際状況を考えただけでもきわめて問題だったんじゃないでしょうか。その点についてどう考えられますか。
#144
○政府委員(中江要介君) 私どもは、いま先生がおっしゃいましたように、これで何ら問題が残ってないというふうに言い切ってもおりませんし、その点は韓国と中国との間の中間線というのは話し合って決められるべきであるという立場には原則的に何ら異議がないし、そうあるべきだという考え方は何度も申し上げておるつもりでございます。
 問題は、そういう望ましい姿になる用意が両国間にないということでございまして、特に、韓国が一方的にこの大陸だな開発の国内法を制定いたしましたときに中国がそれに異議を申し立てたわけです。そのときに、中国がそういう意見を出しましたすぐ翌日に韓国政府は中国と話し合いましようということを言ったわけですが、その後、韓中間には話し合いをするという発展はなかったわけでございまして、韓国と中国との間に話し合いができない間はだれも指一本この大陸だなの開発に着手してはならぬということでいいのかどうか。つまり現実の外交案件の処理といたしましては、そのときにはやはり次善の策というものを考えて現実に即した処理をしていく。
 その現実に即した処理をするということはどういうことかというと、私どもの立場では一つの大陸だなに三つの国がそれぞれ相接している、これは日本の立場に立ちますと。そうしますと、その中で話し合いのできる国の間でのみ話し合いをして、そしてその二国にかかわる部分について解決をすると、そして第三の国がそれについてさらに話し合いをする用意があるならば、それはいつでも話し合いをすればいいわけでございましょうし、その結果、別の線が出てくればその線を採用すると、これが現実的な資源有効利用の方法ではなかろうか。
 そのときに、それじゃ二国間だけで話し合えば第三国の権利を全く無視していいのかというと、それはそういうわけにはまいりませんので、その時点において国際社会において一応有効と考えられている、妥当と考えられている線といいます場合には、朝鮮半島と中国大陸との間に横たわっておる大陸だなには沖繩海溝のようなみぞもございませんし、だれが見ても一つの大陸だなをはさんで相対しておるわけです。したがいまして、韓国と中国の間には中間線による境界画定というのが一応国際法的にも主張し得る境界線ではないか。したがって、その韓中間に国際法上有効に主張し得ると思われる中間線を想定いたしまして、それによってまず韓中間で分割された韓国側に属する部分についてのみ日韓間でさらに境界を画定した。換言いたしますと、この一つの大陸だなの中で日中間で相対している部分については手をつけていない、そういうことで中国の理解を求めておりますけれども、これで中国に文句はないはずだということは言っておらないんで、われわれとしては中国の権利を侵さないために細心の注意を払ってこの境界は画定しているけれども、これはもちろん話し合いによって最終的には日中間は決まるわけですから、話し合いをいたしましょうということを、最近も北京でわが大使から先方に申し入れている、こういうことでございます。
#145
○矢田部理君 まあ、その手の説明は前々から繰り返されているわけですが、私が申し上げたいのは、三者間で話し合うべきものを二者間だけで話し合って決めてしまう。二者間だけの話し合いならまだしも、決めた上に共同開発と称して開発してしまう。それで第三者の中国の方から話があったら話し合いましょうというのは少しおかしいんじゃありませんかと。確かに外務省も中国に簡単な説明をしたり、話し合いはしますという、言葉では態度示しておりますけれども、現に二者間で決めてそこを開発しようというのですから、これはやっぱり納得できる議論じゃありません。この議論はまた各論で幾つか随時取り上げていきたいと思いますので、次の質問に入ります。
 先ほどから石油が出るのか出ないのか、どのくらいあるのかという議論がありますが、万が一、仮に石油が出たとしても一体これはだれのためのものなんだろうか、このことがこの協定をめぐって厳しく問われなければならぬ。協定のたてまえはなるほど日韓の共同開発だということになっていますが、しかしその中身はどうでしょうか。両国政府から認可を受けた企業、開発権者の手に実は出た石油はゆだねられることになります。その意味ではこの日韓協定というのは日韓双方で協力して石油を開発し、その資源を国内の消費に使うというような法的な裏づけが全然この協定上なされていない。そのことを強行採決をした韓国の国会でも――私どもが韓国と言うときは括弧つきでありますが、韓国の国会でも問題になっているわけです。
 外務省の訳した韓国国会の状況についての資料がここにありますけれども、韓国の国会で政府からこの協定が提案された、その後、委員の質疑に入る前に専門委員から予備検討報告というのが出されます。これは国会の専門委員からその条約案件についていろんな角度から検討して問題点が出されるわけです。金という専門委員が韓国の国会に対してこういう報告をしているわけですね。内容を読みますと、一つの項目を置いて、韓国には、日韓両国双方で開発して石油をとるんだと言っておりながら、資源処分権が欠如している。とれた石油の処分について韓国内に持ち込むという保証は何一つないのがこの協定の問題点なんだ、こう述べています。その理由づけとしてこう言っております。租鉱権者は韓国ではすべて外国業者である、外国業者というのはメジャーであります。その資源はすべて外国業者の手にゆだねる。表現を正確に読めば、「外国に搬出される結果となります。」その点でこの協定は「資源確保の観点から大きな問題である」、こういうふうに言っているわけですよ。日本だってそうじゃありませんか。韓国はこれはもうやってきたと。日本は日本石油開発などが入るわけであります。その企業の実態や内容等については改めて質問なり資料の提供を求めていきたいと思いますが、日本石油開発にしたって、カルテックスと五〇、五〇の共同事業開発契約でしょう。韓国はメジャー、日本は半々。こういうことになりますと、せっかく石油は苦労してとった、その石油のイニシアは一体だれがとるのかということが厳しく問題にされなければならぬと思う。この協定上、石油が採掘された際に日本の国に確保できるという法的保証がなされていますか。あったら条文を示して答えていただきたい。条項を示して答えていただきたい。
#146
○政府委員(古田徳昌君) 日本側取り分の石油や天然ガスにつきましては、日本が石油、天然ガスの巨大な市場であるということを考えますと、取得者であります開発権者は、経済的に考えますと、まず日本以外に持っていくことはないだろうという実態的な予想はつくわけでございます。また、私どもとしましてもそういうことのないように、わが国の国内の安定的な確保に資するように、日本国内への供給を厳重に指導していく所存でございます。また、万一日本側取り分の石油なり天然ガスが外国に輸出されるような事態が予想されましたならば、これは輸出貿易管理令の第一条第六項によりまして、輸出の承認を行わないということも考えております。
#147
○矢田部理君 協定上の条項ではこれに歯どめをかける、国内に確保するために歯どめをかけるような条項は何一つありませんね。
#148
○政府委員(村田良平君) 協定上は先生御存じのとおり、まず第九条において開発権者がそれぞれ天然資源について等分の分配を受けるということになっておりまして、さらに第十六条の規定におきまして、「共同開発区域において採取される天然資源に対する各締約国の法令の適用上、その天然資源のうち第九条の規定に基づき一方の締約国の開発権者が権利を有する部分は、当該一方の締約国が主権的権利を有する大陸棚において採取された天然資源とみなす。」ということになっておるわけでございます。この第十六条の意味合いは、わが方の開発権者の取り分と申しますか、その石油に関しましてはわが国の主権的権利を有する大陸だなにおいて採取された天然資源とみなして法令を適用いたすということでございますから、たとえば関税法、関税定率法あるいは貿管令等がわが国の貨物として適用されるということでございます。したがって、日本の開発権者の取り分はわが国において内国貨物ということになるわけでございますから、それ以上はわが国の国内法令に基づきまして、その石油がさらに外国に輸出されるということを制限する、禁止するという措置がとれるということでございます。
#149
○矢田部理君 協定上は歯どめはないんですよ。先ほど答弁の中心になっておる中江局長自身が、この四月の衆議院外務委員会でこう答えています。掘り出した石油が、日本の国内消費にどの程度利用できるかという点は、これから開発に当たる会社その他との契約の中でどういうふうにあんばいされるか、予見ができない。いつでも慎重でなかなか上手な答弁をするあなたがここまで言い切っている。加えて、それだけでは弱いと思ったのか、資源エネルギー庁が今度は助っ人に出るわけです。古田石油部長が、対日供給させるということで、その旨は厳重に行政指導する、それでも弱いと思ったのか、事業契約の中でも通常明示されているわけです、事業契約は政府と企業との間に結ばれる契約じゃありません、開発権者同士の契約です。つまり、何とか日本に置いてくださいよと、行政指導的なものしか実際はない。企業でありますからどちらに売った方が得になるか、これはかなりの企業活動の自由といいますか、どこに売るかの選択権を企業自身は本来的に持っているわけです。そういう中で実はその協定が締結をされた。韓国はもう全然手がつけれぬと言っているわけですね、国会自身が。日本だって五〇%をカルテックスが持っているということになりますれば、五割方日韓で半分に分けたやつが、さらに今度は五分五分で、カルテックスと日石開発ですが、カルテックスと日石との間で分け合うような結末にならざるを得ない。そういう点では日韓共同開発というのは政府間、国家間の開発じゃなくて、実際はメジャーを中心とした業者間の開発、これに莫大なお金を流す。出てきた石油についての法的歯どめがないかきわめて弱い、これが実は実態じゃありませんか。その点では、一体だれのための石油開発、資源確保なのかが厳しく争われなきゃならないと思うのであります。
 ここで日本石油開発という会社がありますが、カルテックスとの間に五〇、五〇で共同開発事業契約が結ばれていると言われておりますが、この内容を資源エネルギー庁はつかんでおりますか。
#150
○政府委員(古田徳昌君) 日本石油開発はテキサコ及びシェブロンと土佐沖、西九州、この西九州の場合に共同開発区域を含むわけでございますが、両地域につきまして共同事業契約を結んでいるわけであります。企業間の共同事業契約は、石油開発の資金が非常に多額に上りますし、かつリスクが非常に大きいということで世界的に見られる石油開発事業の一つの進め方であるわけでありますが、この共同事業契約の内容につきましても、私どもとしましては会社側からその内容について一応話を聞き、かつ、先ほどもお話がございましたように、たとえば国内持ち込みといいますか、対日供給についての行政指導のための情報としているわけでございます。
 この共同事業契約それ自体は企業間の私的契約でございますので、内容の詳細は御紹介は差し控えさしていただきたいと思いますが、通常、共同事業契約に織り込みます事項は、それぞれの事業割合、それから操業管理者をどちらにするかということ、あるいは費用の負担割合、それから開発に成功した場合の生産物の引き取り割合といったふうなものを内容とするものでございます。
#151
○矢田部理君 その程度の内容では了解しがたいわけです。あなたは、私企業間の問題だからということで出し渋っているようでありますが、莫大な国家資金をこれに投ずるわけでしょう、この協定が仮に発効すれば。そういう企業については、外国企業との契約が結ばれているわけでありますから、契約の全体を詳細にやっぱりつかむ必要がある。その点で、その契約や共同開発事業の内容を示す一切の資料を政府が取り寄せ、国会に提出されることを強く要望しておきますが、委員長、その点をひとつ進めていただきたい。
#152
○委員長(寺本広作君) 速記とめてください。
  〔速記中止〕
#153
○委員長(寺本広作君) 速記起こして。
#154
○政府委員(古田徳昌君) ただいま御指摘の日本石油開発は、現在の鉱業法に基づく出願をしている企業でございまして、この協定成立後の開発権者になるということは決まっているわけではございません。さらに財政資金の問題につきましても、制度的には石油開発公団の投融資対象地域ということになりますが、まだ現在各企業ごとの探鉱計画等も全く未定でございまして、公団の投融資対象とするかどうかということも方針はぎ定の段階でございます。
 それから共同事業契約の内容は、先ほど私申し述べましたように、全くの私企業間の契約でございますので、そのもの自体の提出は差し控えさしていただきたいと思いますが、その主要な内容を織り込みました共同事業契約の主要内容といいますか、モデル的な形のものを用意して提出したいと思います。
#155
○矢田部理君 単なるモデルでは困るんで、実際の資料を出してほしいと思いますが、それはとりあえず出たところでまた私の方で検討さしていただきたいと思います。
 もう一つ伺いますが、韓国側はコアム、テキサコなどのメジャー資本が開発権者になるというふうにいわれています。韓国政府とコアムやテキサコ等との契約内容は、外務省はつかんでいますか。
#156
○政府委員(大森誠一君) 韓国側がメジャー等の企業と結んでおります開発契約につきましては、韓国側といたしましては、これはいずれも韓国側が単独で開発をするということを前提として結ばれたものであるということでございまして、そういう前提に立って結ばれている契約でありますから日韓の大陸だな協定との関係はないわけで、したがって、この開発契約自体を日本側に提示することはできないという立場をとっているわけでございます。もちろん、韓国政府と韓国側開発権者との間で新たにこの協定が発効しました場合に、それに基づく開発契約が結ばれる際には、当然その契約内容を日本側に通報すると、かような態度を示しているところでございます。したがって、私どもとしては遺憾ながら韓国側の開発契約自体は国会に提出するということはできない状況でございますが、他方、現在の開発契約に規定されております諸事項というものは、一つのパターンといたしまして、協定に基づく開発契約に盛り込まれるということになるものもあると考えられますので、その概要を御説明申し上げます。
 その概要によりますれば、これら企業に与えられる権利というものは、石油を開発、生産する権利及び石油生産物を販売する権利ということにされている由でございます。探査期間につきましては八年間与えられる、この八年間というものは三つの期間に分けて与えられるということでございます。また、この期間中に坑井の掘削義務本数、契約区域の一部または全部の放棄といったような義務が規定されているということでございます。生産期間につきましては三十年間とされておりまして、五年づつ二回にわたって延長可能ということでございます。それから企業は政府納付金というものを支払うと、それは署名ボーナスあるいは育英資金の留保、生産ボーナスと、こういったような内容ということでございます。ロイアルティーにつきましては、全石油生産額の一二・五%を納めるということでございます。それから韓国内の石油の需要という項目におきまして、韓国政府はこれら企業に対し、韓国内の消費のために石油を販売し供給することを要求し得るという項目がある由でございます。課税につきましては、課税対象所得の五〇%と規定されておるということでございます。汚染等の公害防止の措置をとる義務というものも課せられているということでございます。また、企業側から韓国政府に対して技術報告、財政報告、経営報告の提出をする義務が課せられていると、概要、以上のような内容からなっていると承知いたしております。
#157
○矢田部理君 概要もさることながら、これはきわめて重大なんですね。つまりいままで議論をしてきましたように、メジャーなど外国の資本がこの開発にどの程度まで絡んでくるのか、イニシアがあるのか、これは取れた石油の配分の問題等にとっても大事であるだけではなしに、もう一つこの協定を読んでみますと、数多くのところに「法令」という言葉が実は出てくるわけですね。しかもこの法令という言葉は、韓国についてだけ韓国政府と開発権者が結んだ契約も法令に入る、こういう重大な議事録確認が行われているわけです。つまり詳細な内容はつかんでいない、韓国とメジャーないしは外国企業との間の契約について。それは民間の私契約じゃないんです、この協定上の条項と同じ力、これが議事録確認で実は与えられているという、つまり契約が法律そのものだと、こういう位置づけになっています、議事録の第一項を見ればおわかりのとおり。そういう契約をこの協定上は法令と同じように取り扱うというふうに入れた意味は何でしょう。
#158
○政府委員(村田良平君) 御指摘のとおり、合意議事録の第一項にそのような規定があるわけでございますが、この理由は、韓国におきましては政府と開発権者との間の開発に関するいろんな権利あるいは義務の関係が、韓国の本件に関します国内法でございますところの海底鉱物資源開発法というもののみならず、政府と開発権者との間で締結されます開発契約によって定められるというシステムになっているからでございまして、わが国のごとく、すべての問題を国内の法令で律するというシステムに韓国がなっておりませんので、わが国の場合であれば国内法で律したであろうというふうな内容が部分的に開発契約にゆだねられておるという韓国側の事情がございまして、したがいまして、このような開発契約の規定に基づいて韓国側は本件協定を実施していくということがございますので、この協定でいう法令には原則として開発契約を含むということにしたわけでございます。
 しかしながら、もちろん合意議事録一項自体に明らかでございますように、文脈に対しまして開発契約が法令としては適用されないということが明らかな事態も多々あるわけでございまして、それ以外のケースに関しましては開発契約が法令としてみなされて適用されるということでございます。
#159
○矢田部理君 大変重大じゃありませんか。私は、この協定の中で法令という言葉が幾つ出てくるかということを数えてみますと、十カ所出てくる。その法令の意味、内容が、韓国がつくった法律や政令だけではなく、民間会社との契約にまで法令の意味を拡大をしている。その契約内容は、条約を批准するに当たっていまだわかりません。つまり、その部分に限っては白地になっているわけです。どのような契約を結ばれようとそれは条約上の協定と同じ効力を持つという、きわめて重大な問題を実は含んでいるわけです。そんなことがわからないということで協定締結できるんですか、批准ができるんですか。業者と韓国政府が結ぶ勝手な契約をこの協定の中身にしていくと、重大なことですよ。しかもこの八条でしたか、南部協定の八条、「一方の締約国の開発権者は、他方の締約国の開発権者が当該他方の締約国の法令に基づく義務を履行する場合において、その義務がこの協定に適合するものである限り、その履行を妨げてはならない。」、韓国政府と企業との間に結ばれた契約が、いろんな権利義務条項が含まれる。どんな義務を課せられようと日本政府は文句を言えない、あるいは日本の開発権者は文句は言えない――日本の開発権者と書いてありますが、こんな協定が許されていいでしょうか。この部分はもう白地、白紙委任条項になっているわけです、これ、どうするつもりですか。条約が発効して、後になってからでしかわからない。その契約というのが、民間と韓国政府との契約ですから、いつどのように変更されるかもわからない。そんなことを議事録確認していいんですか。そんな私契約を法令の中に組み込んでいいんですか。重大な問題ですよ。外務大臣として所見を求めます。
#160
○政府委員(村田良平君) 両国の共同開発は、基本的には事業契約に基づくとということになっておるわけでございまして、その場合に、一方の締約国の開発権者が操業管理者である区域について、協定に別段の定めがない限り、その国の法令が適用されるということになっておるわけでございますが、韓国の場合には、確かに御指摘のとおり、韓国の海底鉱物資源開発法に加えまして、韓国政府と開発権者との間の開発契約というものによって、韓国政府と韓国側の開発権者の権利義務関係というものは定められるわけでございます。しかしながら、この事業契約自体は、日韓両国の承認というものを得て初めて発効するわけでございまして、したがいまして、その事業契約というものの内容をわが国として審査いたします際に、この面のチェックが可能であるわけでございます。
 また、先ほど先生御指摘の第八条の規定でございますが、これはむしろ、おっしゃいました御趣旨とは反対の意味を持つのではないかと思うわけでございますが、この協定に適合するものである限り履行を妨げてはならないという規定ぶりになっておりまして、この第八条に申します法令には開発契約も入るというふうに文脈上考えられるわけでございますが、たとえば、一つの例でございますけれども、韓国政府が開発契約において韓国側の開発権者に対して技術上の報告義務を課するというふうな場合がございますと、そういった問題はこの協定の規定あるいは精神に適合するものと思われますので、日本側の開発権者が韓国側のカウンターパートに対しまして、あなたはそんな資料を韓国政府に出しては困るということを言わないというような趣旨、あるいは、たとえば海洋汚染等に関しましてわが国の法制がさらに強化された、非常に厳重な規制に従ってわが国の開発権者がいろんなことを行うという場合に、そういうことをしてもらっちゃ困るということを韓国側の開発権者は言えないというような事態を想定いたしましてこの第八条を定めたものでございます。したがいまして、開発契約というものがこの第八条の法令に入るということは、むしろそういった事態に対する担保となっておるというふうに考える次第でございます。
#161
○矢田部理君 素人をだますようなことは言わんどいてください。いいですか。あなたも条約専門にやってきたんなら、法律とか条約というのは、その是非を判断するに当たって最も悪く運用された場合、悪く使われた場合にどうなるかということを絶えず考えてその是非を判断しなければならぬ、これは法学部の学生の一年生の基礎の一番初歩ですよ。こんないいこともあるということで説明にならぬことは、説明をするということは、これはもう全然納得できませんよ。しかも、あなたはその事業契約をチェックできるなんという言葉を使った。私が問題にしているのは、韓国政府と企業との間の開発契約を言っている。事業契約というのは開発権者同士の契約なんであって、全然答弁を事業契約と開発契約をすりかえて物を言っている。ごまかしちゃいけませんよ。私はその点で、韓国政府と外国法人との開発契約、モデルが問題じゃないんです、どんな特約が出てくるのか、そこが一番やっぱり関心の的でなければならぬはずです。しかも、この契約は韓国と企業間で随時改廃も可能なんです。そのたびごとにこの協定の内容が変わってくるという、そのことまで認めてしまったのが実はこの協定なんです。こんなことが許されていいでしょうか。少なくとも七〇年代に一度韓国とテキサコでしたかコアムでしたか、コアムですね、韓国との間に開発契約を結んでいる。今度改めてこの協定を発効させるに当たって再協議、再改定をしたという報道もなされているわけでありますから、少なくともこの協定を審議するに当たっては、それが協定の一部に組み込まれるとすれば、その内容ぐらいはやっぱり明確に明らかにし、韓国政府から取り寄せてでもここにやっぱり出すということがなければ、協定の是非を判断するのはできないと言わざるを得ないわけですよ。その点で私はまず外務大臣に、開発計画の具体的な内容を取り寄せて当委員会に提出しますという約束をいただきたいと思います。外務大臣、やってください。
#162
○政府委員(大森誠一君) 先ほど申し上げましたように、韓国側の企業と韓国政府との間に現在結ばれております開発契約は、昭和四十五年ごろに大体結ばれているわけでございます。すなわち、当時韓国側は、自国の国内法に基づきまして、韓国側の企業によってその設けられた鉱区においては、韓国側が単独で開発するという前提でこの契約を結んだわけでございます。したがいまして、日韓大陸だな協定が発効をいたしました場合、その際には日韓の双方の開発権者の間で共同開発ということになるわけでございます。したがいまして、現在結ばれております契約というものは、その日韓共同開発協定というものとは関係がない契約なわけでございます。韓国政府としては、韓国側開発権者との間に、この協定が発効いたしました場合、新たにこの協定に基づく開発契約が結ばれるであろうと、その際には当然その契約内容を日本側に通報いたしますと、かような態度をとっているわけでございます。したがいまして、現時点におきましては現在の開発契約というものを韓国側から入手することはできない状況にございますし、また、その内容というものは現在のところ直接この日韓大陸だな協定とは関連がないものでございます。
#163
○矢田部理君 あなたは、外務省の役人にしちゃあずいぶん古いお話ですね。最近の状況を知らないんじゃありませんか。いいですか、五十一年の七月の五日、韓国の商工部はテキサコ、コアムと新協定発効に伴って従来結んできた契約をどうするのかという交渉をした結果、その契約は妥結に至っているわけです。契約がないから出せないなどという議論は事実に全く反するんです。ここにその資料の一つがあります。いまの答弁は完全に間違いですよ。
#164
○政府委員(大森誠一君) ただいま先生御指摘の契約というものについて、一部に報道がなされましたので、外務省といたしましては、韓国側にその点を照会いたしましたところ、そのような新たな契約は結ばれていないと、かような回答に接しております。
#165
○矢田部理君 内容までこれは紹介されているんです。実際に、最終調印をしたかどうかはまだわかりませんが、今後やっぱりお金の問題をどうするのか、技術的にどうするのか、生産ができたらどういう貢ぎ物というか、税金にしても賦課金にしても払うのか、いろんな取り決めが実は必要なんですね。その内容をまさにこの協定の中の法令の一部として協定は受けとめると、韓国についてのみであります。これも実は変な話なんであります。ここまで決めているその契約内容がわからない、問い合わせてみたけれどもまだ結んでいないと言っている。これじゃ話にならぬじゃありませんか。仮に締結がまだなされていないとしても、どういう条項で締結をしようとしているのか、交渉経過はどうなっているのか、ロイアルティーの問題はどうなるのか、ここを詰めなければ協定がまだ内容的に完結していないわけですよ。いまの答弁ではとうてい納得できない。もう外務省に聞いてもしようがありませんから、委員長――ちょっと待ってください、次長の事務レベルの答えの問題じゃないですよ。外務大臣、この扱いどうするか。
#166
○国務大臣(鳩山威一郎君) ただいまの御質問は非常に協定の法律的な側面でございます。私も詳しく検討してないわけでございますけれども、ただいま御指摘のこの法令というものに韓国政府と開発権者との間の開発契約を含むと、この点でございますが、この点につきましては、「文脈により別に解釈すべき場合を除くほか」ということをうたってございますし、これはただいま御指摘の協定の第八条につきましても、韓国がこの法令に基づいて行動する、開発権者が行動する場合において、その法令はやはり韓国が、本来日本でいえば日本の国内法あるいは政令、省令等で規定をするような内容の事項、これが韓国では開発契約というものを結んでそこで規定をしておると、こういう事情にあるものですから、そういった韓国が法令に基づいて、その契約内容も日本の法令に相当するような事項、それを正当な規制のもとに行う場合ということでありますから、したがいまして、この第八条の場合におきまして、これが契約を含んだからといって非常に支障のある問題ではないだろうというふうに考えておりますが、ただいまの御指摘の、しかし法令に、契約で何が規定されるかわからないではないか、こういう御指摘であります。その点につきまして、この開発契約自体は、これはこの協定が発効いたしませんと恐らく正式の開発契約というものはできないと、こういう関係にありますが、しかし韓国が、ただいま御心配のようなことでありますれば、その法令に相当する開発契約、この開発契約でどのようなことを規定するかと、こういったことはやはり御審議の上に必要かと存じます。
 そういう意味で、具体的な契約はまだできませんけれども、その開発契約において韓国側が規定すべき内容、これらにつきましては御審議に供しますように極力把握をいたしまして、御説明できるように努力をさしていただきたい、このようなことでぜひとも御了承をいただきたいのでございます。
#167
○矢田部理君 了解できないです、結論的に言えば。いま最後に言われたように、どんな契約が結ばれるか見当がつかない。基本条項は私たちだってある程度想定できますよ、法もあれば令もあるわけですから。しかし、特約条項が問題なんですよ。そんな契約内容を白地のまま、しかもその契約内容はこちらの協定の一部になる、これはやっぱりだれが見てもおかしいんじゃありませんか。結構ですというわけにはいきにくいんじゃありませんか。ここはやっぱり明確にしていただかなければ――協定の条項というのがきわめて法三章的なわずかなものです、内容的に言えば。むしろ細目はそういう契約、開発契約とか、開発権者間の事業契約に実態的にやっぱりゆだねられていくという状況を考えてみますと、その契約いかんが協定に波及する、響いてくるというものであるだけに、われわれはこれはやっぱり重視をしていかなければならぬと思います。その点で至急韓国に問い合わせて、締結されているとすればその契約内容、関連資料、また、調印まで至っていないとすれば――交渉はすでにもう前からしているはずなんです。その土台となる契約は七〇年ごろにもう結ばれているわけですから、それはやっぱり至急取り寄せて国会に資料として提出してほしい。それがまさに協定審議の重要な素材、対象になると思います。
#168
○国務大臣(鳩山威一郎君) 国会の御審議をいただく上に参考となるべきことは、極力努力をいたしまして、十分な御説明ができるように努力をさせていただきたいと思います。
 ただいまこの契約というものが入るのは非常に心配だと、こういう御趣旨でありますけれども、やはりそれぞれ国内法令というもの、これもそれぞれ両国が国内法令をつくり得るわけでございます。そうして法令はなるべくこの御審議の用に供する、そういう努力をいたしておりますが、この法令と、韓国政府が開発契約というものを特定の開発権者と結ぶと、その開発契約というものもやはり韓国の一種の国内法令的なものであるということは申せるわけでありまして、いやしくもこれは私的な契約ではございません。韓国が開発事業、地下資源の開発をやる場合に、その開発を認めてやろうというものに対して契約をいたすわけでありますから、これは一つの、形を変えれば、これは一般的なルールとすれば、それは国内法ということになりますし、あるいは日本でいえば政令とか省令とかというもので規定する、そのような事項だと思うのでございます。したがいまして、公的な契約と申せると思いますが、それがここで、韓国の分をここに引用したことは、それほどおかしなことではないというふうに思うのでございまして、その点につきまして、しかし内容が問題でございますから、内容の把握に極力努めて御審議に間に合うように御説明をさしていただきたいと、このように思います。
#169
○矢田部理君 そうしますと、もう一回韓国に問い合わせると、それから契約の成熟段階によりますが、それにかかわる資料をできれば取り寄せる、そしてこの審議に間に合わせたいという約束をいただけますか。
#170
○国務大臣(鳩山威一郎君) 極力調べまして御説明をさしていただきたいと思います。
 ただ、先ほども申し上げましたように、この協定が発効をいたしましてから取り結ぶべき契約でございますから、その点はあるいは予測的なもの、どういったことが定められるであろうかというような、そういったものの御説明になるのはやむを得ないかと思いますので、その点はあらかじめ御了承を賜りたいと思います。
#171
○矢田部理君 これも答えを聞いてみないと何とも言えないわけでありますが、また至急韓国と問い合わせて、その内容をできるだけ確定をし、それをやっぱりこの審議の素材にしてもらう、するという約束をいただいたものと理解をいたします。
 ただ、その鳩山外務大臣が言った政府と民間企業との間に結ぶ契約、これは私契約なんですよね。政府が土地を買う契約が一々法令の内容になったりなんかするなんという議論はないんですよ。政府が机買ったって、これは民間の契約と同じなんです、私人間の契約と。そこが理解が違うし、まして法令の一部に組み込むなんという議論は、法律理論の中にはないんですよ、そういう契約を。
 そこで次の質問に入ります。
 海底鉱物資源開発法、これは法令の中に入りますね。
#172
○委員長(寺本広作君) 質問の内容、わかってますか。
#173
○政府委員(大森誠一君) はいわかりました。
 韓国の海底鉱物資源開発法は法令の中に入ると考えます。
#174
○矢田部理君 そこで、この協定と矛盾する規定があるんですが、わかりますか。
#175
○政府委員(大森誠一君) この韓国の国内法のどの部分がこの協定と矛盾するのかというような点については、私は承知しておりません。
#176
○矢田部理君 共同開発をやるに当たって、韓国の基本法令とも言えるものがこの海底鉱物資源開発法ですね。その位置づけは認められますか。
#177
○政府委員(大森誠一君) 韓国側における海底の資源開発というものの一つの重要な基本法である、そのように理解いたしております。
#178
○矢田部理君 理解はしておっても中身は検討してないようだから私の方から指摘をしますが、この一条の「目的」が条約にそぐわないわけですよ。目的はどう書いてあるかというと、「大韓民国が行使することのできる凡ゆる権利が及ぶ大陸棚に存在する天然資源のうち石油及び天然ガス等を合理的に開発することにより産業発展に寄与することを目的とする。」と書いてあるんですね。あらゆる権利が及ぶ大陸だなに存在する天然資源の開発だということ、条約上はこれは主権の確定はしていないわけでしょう、共同開発区域は、二十八条。主権の確定をしてないところに、あらゆる国の権利が及ぶ開発を向こうにやられる、国内法的に言えば。まあ条約が優先か法律がどうかという問題はありますけれども、ここら辺は日韓交渉の議論の過程でどんな整理をされたのか、また議論にすらならなかったか。
#179
○政府委員(中江要介君) 日韓で協定交渉の過程でどういう扱いであったかという御質問でございますが、私どもはもちろんこの韓国の海底鉱物資源開発法というものを参考にいたしました。しかし、この法律は、ここに書いてございますように、共同開発を前提とした開発のための法律ではなくて、その地域がどこであれ、海底の鉱物資源を開発するために韓国が独自につくった国内法であるわけです。そういう単独開発の法制を持っている韓国と日本とが、今度は共同開発という新しい開発の仕方をするということでこの協定を結んで、この協定にのっとって韓国側も日本側も共同開発を進めていくということでありますので、当然のことといたしまして、協定に反するような国内法は、韓国としては日本に対しては採用し得なくなる。じゃその部分はどういうふうにして扱っていくかという扱い方の一つといたしまして、韓国の国内の法制としてコンセッショナルアグリーメントという、開発契約というものを政府と開発権者との間で結んでいく。そしてその結んだ、この協定が発効しましてから締結されますであろう開発契約の内容については、当然日本に通報してくる、これは当然のことでございます。その通報を受けました開発契約が、協定に照らして協定に反する、あるいは協定の目的に沿わないようなものでありましたならば、そういう開発権者との間で締結された事業契約を日本政府は認めないと言うことができるわけでございまして、韓国政府が開発権者との間に勝手な取り決めをして、それを法令だと称して、そしてこの協定の趣旨に反するようなことをしようといたしましても、それを防ぐ道があるということを先ほど村田参事官も説明したことでございます。
#180
○矢田部理君 この点は韓国の国内法ではありますが、この国内法に基づいて韓国側の開発権者は諸手続をとることになりますね。その国内法の基本であるところの法律がすべての主権の行使、あらゆる権利の行使が可能だという地域についての開発だということをうたっているだけに、この点については条約優先論の立場、法と条約との関係は断つにしても、厳重にやっぱり韓国側に注意をしておかなきゃならぬ問題だというふうに私は受けとめています。
 そこで、石油開発公団に先ほどから来ていただいておりますので、今度は外務省の方は少し休んでいただいて、こちらに。
 先般、石油開発公団法が改正された。その改正の内容は非常に問題点が多いわけでありますが、その一つに、石油開発公団は多額投融資をするわけでありますが、日本国内の企業だけでなくて外国の政府機関にも投融資ができる、外国の政府機関だけではなく、これに準ずる法人にも融資等ができる、こういう規定になりましたね。
 そこでこの大陸だな協定に引き直して考えれば、どうもコアムとかテキサコとかというメジャー系の企業が韓国政府と開発権契約を結ぶ模様です。この企業にも、コアムやテキサコにも法律上、制度上は融資が可能ですね、可能になったわけですね。
#181
○参考人(倉八正君) 法律的にできるできないということになりますと、私は法律的にも非常にむつかしいと思います。また、実際上は融資は不可能だと思います。
#182
○矢田部理君 法律的にできる道を開いたのがこの規定じゃありませんか。実際上どうするかの問題は別の問題として少しおいておきますが、法律上そういう会社にも石油開発公団が融資が可能だと、その道を開いたものだということになるのではありませんか。
#183
○参考人(倉八正君) これはできた当時の趣旨を申し上げた方が一番はっきりすると思います。
 最近、石油の鉱区は大体国または国有会社が保有いたしまして、それをだれかに使わせるという場合に、資金の融資を求めてくるケースが多いんであります。したがいまして、対象としましては政府ないし国有石油会社だというのが一つと、それと第二の要件といたしまして、融資した場合には見返りとして石油をいただくというのが公団法の第一条のいわゆる石油の供給安定に資するという要件でございます。したがいまして、この点から見ますと、韓国にこの大陸だな共同開発地域における石油の産出が成功いたしましても、果たして日本に出せるかどうかということになりますと、韓国でも、私の記憶が間違いなければ、現に二千万トンぐらいの需要がありまして、御承知のように一滴も出てないような国から果たして日本に現物で石油の供給ができるかということは、これはだれが見ても非常に疑わしいことは明らかであります。したがいまして、そういう理由から、韓国の方から要求がありましても私たちの方ではこれを受けられないというのが一つ。
 それともう一つ御説明しておきますと、紛争地域に融資をしてはいけないという趣旨の附帯決議をたまたまその改正のときいただいておりますから、これが紛争地域であるかどうかのまた別な判断から、紛争地域でなくなった場合にしましても、さっき申し上げました理由で融資はできないということでございます。
#184
○矢田部理君 あなた少し先走って答えているんです。私はそういう運用上の問題、現実にどう対応するかという問題まではまだ聞いていないんです。この法律条文をつくったことの意味は、韓国政府とか、政府が一定の参加をする法人、これはたとえばコアムは従前の開発契約では政府二割、コアム八割という分担を決めているわけですけれども、こういう法人等にも法律上は貸す道を開いたのではないか、法律論だけでまず答えてください。
#185
○参考人(倉八正君) 法律の解釈としましても私は非常にむつかしいと思います。
#186
○矢田部理君 むずかしいということとできないということは違うんですよ。むずかしくてもできるということがあるわけだ。そこを正確にしてください。
#187
○参考人(楠岡豪君) 結論的にはできないということでございます。
 そこで、石油開発公団法の十九条をごらんいただきますと、「外国の政府機関(これに準ずる法人を含む。)」とございまして、これに準ずる法人とは、たとえばペルー政府で申しますとペトロペルーという石油公社がございます。こういうものを想定しておりまして、国がある一定の割合を持って私法人と一緒になっている機関、会社等につきましてはこの法律では想定していないというのが私どもの理解でございます。
#188
○矢田部理君 その理解は理解として結構ですが、別に政府出資の公的法人だけを指しているんじゃないようにも読めるんですね。政府機関に準じてさえいればいいんで、私法人も除外された規定にはなっていないようにも読めるのですが、あなたの言うような解釈だとすれば、もうちょっとこれは限定的に条項をすべきだったんじゃありませんか。
#189
○参考人(倉八正君) いま理事が申し上げましたように、第二項の「外国の政府機関(これに準ずる法人を含む。)」という場合に、準ずると言うた場合に、常識的に私はもう政府機関そのものにきわめて近いというのが準ずるだろうと思います。たとえば二割とか三割の政府の出資によってできている機関は、この政府に準ずる機関とは私は言えないと思います。
#190
○矢田部理君 通産省から私が開いた話では、法律上はできるんだ、しかしあとは紛争のおそれだとか見返りだとかということの問題がありますから、現実にはむずかしいという話を聞いたんですが、通産政務次官、考え方どうですか。
#191
○政府委員(河本嘉久蔵君) 公団の参考人がおっしゃるとおりでございます。
#192
○矢田部理君 とおりというのは、もう一回言ってください、どういう内容か。
#193
○政府委員(河本嘉久蔵君) 公社公団のようなたぐいであるということであります。
#194
○矢田部理君 それじゃ、それは政府及び石油開発公団の統一見解と承っていいですね。つまり法律上、制度上、政府機関または公社公団のような、全部が政府出資のような機関にはできるが、そうでない機関にはできないと、ましてや政府が一部出資している民間法人のような場合については法律上も制度上も絶対にできないのだという考え方でいいわけですな。それは政府の統一見解と、あるいは石油公団も含めた統一見解と承ってよろしいでしょうか。
#195
○政府委員(河本嘉久蔵君) そのとおりでございます。
#196
○矢田部理君 だめ押し的質問になりますが、かつてこの石油開発公団法の改正をやるときに衆議院が附帯決議をつけました。国際紛争のおそれがある地域の探鉱事業に対しては投融資をしない。このために投融資をしないという趣旨ではないんですね。その辺の理解はどうなんですか。
#197
○参考人(倉八正君) 絶対そうではございません。
#198
○矢田部理君 いまの答弁の中にも出ましたが、公団法の趣旨として石油資源の確保に眼目がある。だから、見返りがあれば融資するという議論があるわけですが、見返りのあるなしにかかわらず融資はしないんですね。
#199
○参考人(倉八正君) いたしません。
#200
○矢田部理君 それから、コアムその他についてはわかりましたが、韓国政府自体、この大陸だなの問題に関連して融資をすることはあり得るんですか、あり得ないんですか。
#201
○参考人(倉八正君) いまの先生の、韓国政府自体に公団がという意味でございましょうか。
#202
○矢田部理君 はい。
#203
○参考人(倉八正君) そういうことは、私は考えられないと思います。
#204
○矢田部理君 法の体裁上は政府機関ならいいわけですね。それから、政府もコアムと連携して一定の関与をしていく状況が事実としてあるわけですが、その場合、韓国政府自身に融資をするといこともあり得ない、やらない、こういうふうに受けとめ、お聞きしてよろしゅうございますか。
#205
○参考人(倉八正君) そう御解釈になって結構でございます。
#206
○矢田部理君 コアムではまずいと、そこで韓国政府が全額政府出資の公団なり公社なりをつくった場合でも石油開発公団は投融資をしない、このことも断言できますか。
#207
○参考人(倉八正君) いたしません。と申しますのは、韓国から果たして安定した石油の供給があるかどうかということがその場合に大きい考慮の対象になるかと思います。
#208
○矢田部理君 たとえば韓国が、韓国側がもらう分け前を全部こちらに渡すことはできぬが、お金を引き出したいために一部だけそれじゃ供給しましょうというようなことだってあり得るかとも思うんですが、そういう場合でもだめだという趣旨で伺ってよろしゅうございますか。
#209
○参考人(倉八正君) そういう場合は、普通は輸出という形態を私はとろうかと思います。したがいまして、そういうことがありましても韓国政府に対して直接私の方の石油開発公団が融資をすることはないと思います。
#210
○矢田部理君 この協定を見ていきますと、操業管理者ですか、オペレーターといいましょうか、という言葉が随時出てくるわけですが、日韓両方の開発権者の合意、最終的にはくじ引きなどによって操業管理者を決める。この操業管理者の任務というのは、労働力を調達したり、操業全般にわたる管理をやる、資金の調達、支出などもやるかのように書かれている。協定上の概念として出てくるわけですが、この操業管理者が韓国側である、この場合でも操業管理者に投融資をすることはございませんね。
#211
○参考人(倉八正君) そういう場合はございません。
#212
○矢田部理君 そこで外務省にお尋ねをしますが、開発をやっていくということになりますと膨大な資金の調達が必要だろうと思われるわけですが、韓国側には日本の石油開発公団に見合うような政府機関はあるんでしょうか。韓国側がどのようにして資金を調達するか、その辺は外務省としてどう理解をしているんでしょうか。
#213
○政府委員(大森誠一君) 韓国側にはわが国の石油開発公団に相当するような機関は設けられていないと承知いたしております。韓国側におきましては、この協定が発効した上で韓国側がその開発を任命することとなるわけでございますが、従来韓国の国内法で、韓国政府が契約を結んでおります相手方の企業というものが、それぞれが資金を用意する、そして石油の生産及び販売する権利を与えられる、それと見合う形でこれらの企業は韓国政府に対して一定のロイアルティーその他の納付金を支払う、かような形をとっていると理解いたしております。
#214
○矢田部理君 そうすると、日本の石油開発公団のような政府筋からの投融資はなくて、民間調達というのが基本になるわけでしょうか。
#215
○政府委員(大森誠一君) そのように理解いたしております。
#216
○矢田部理君 その辺も実は問題になってくるわけですね。もともと出るか出ないかわからない、掘ってみなきゃわからぬものについて、日本政府の説明は、民間が膨大な資金を投入することはできない、むずかしい。そこで石油開発公団のようなものをつくって莫大な国家投資をやる、出なきゃ払わなくてよろしい、出てもうかったら成功払いで払いなさいと。どうも一般の人にはなかなかなじみにくい機構を日本ではつくったわけですが、韓国などでは民間調達でやれるんですか。そうすると日本の国民の税金を大量に使うのは非常にばかばかしい話なんですが、民間調達というのはメジャーが出すということでしょうか。
#217
○政府委員(大森誠一君) 韓国側はその租鉱権を米国系のメジャー等の企業に与えるに際しましては、それらの資力等を十分に勘案した上で権利を付与したと、かように理解しているわけでございます。これらの企業というものは非常に資金的にも大きな資金源というものを持っているという、そういう判断が韓国側にあったものと考えるわけでございます。
#218
○矢田部理君 わかりました。かなりはっきりしてきました。そうすると、メジャーなど国際石油資本と日本もいろいろ共同事業契約が日本石油開発等にはあるようでありますが、いわば日本側の企業とが連携をして共同開発をやる。こういう内容の大陸だな協定というのが実体だということをいまいみじくも外務省の方で説明があったように受け取れるわけであります。
 石油開発公団総裁にもう数点伺っておきたいと思います。
 公団が発足してからいままでどのぐらい投融資をしてきたか、その会社名、金額等について、これは後で資料いただいてもいいと思いますが、主なところだけでも結構ですから、金額の総額と主な会社名とを挙げていただきましょう。
#219
○参考人(倉八正君) 発足以来いままで投融資した額を申し上げますと、出資が一千四百七十三億円でございまして、融資が千四百五億円でございます。その中で、第二の御指摘のどういう企業体にこれを出したかということでございますが、現在まで四十三社に対して出しておりますが、たとえば主なところは北樺太いわゆるサハリン石油、それからインドネシア石油とか、それから日本で当たりました出光石油だとか合同石油、ジャパン石油、そういうところが主な会社でございます。
#220
○矢田部理君 いまの関係資料ですね、投融資額、会社別投融資額を資料として出していただきたいと思うわけでありますが、それだけの膨大なお金を注ぎ込んで成功例はわずかしかない。しかもお金の使い方についてもいろいろ問題が指摘をされたりなどしているわけでありますが、幾つぐらいの会社が動いておってどの程度成功しているのか。あるいはどんなふうになっているのか、その概況を。
#221
○参考人(倉八正君) 先生のお言葉ではございますが、日本の油田成功率は決して低いわけではございませんで、世界の平均よりもずっと高いということをまず御認識いただきたいと思います。
 それから、いま日本が開発しました油田から引き取る今年度の原油が約三千二百万キロございます。したがいまして、今年の原油輸入が生だきを含めまして二億九千万キロリットルということから見ますと、すでに一一%以上をこういう日本の手にかけた会社から引き取っておるというのが現状でございます。
#222
○矢田部理君 それは何も石油開発公団が胸を張る性質のものじゃないでしょう。アラビア石油なども含めてでしょう。いわば石油開発公団が非常に莫大なお金を投じてどの程度成功したのか。確かにボーリングの結果油徴はある、しかし、採算ベースに乗るかどうかということになると、まだまだというのが相当の会社数あるし、探鉱中だという会社が非常に多いし、冬眠会社といいますか、眠っている会社、何にもやらないで金だけもらって眠っている会社がこれまたかなりの数に上る。その数値を明らかにしてくれませんか。
#223
○参考人(倉八正君) いま御指摘のアラビア石油も私の方で関係しておるわけでございますが、それを除きましても千六百万キロぐらいの原油をすでに日本に持ってきておるわけであります。
 それから、成功したプロジェクトというのがいまアラビアを含めて九社ございます。特にインドネシアのごときは最近非常に大きく伸びまして、日本への原油供給に寄与しておると私は信じております。
 なお、休眠会社というのがございます。と申しますのは、もうすでに権利を放棄しておる会社が数社ございますが、それは現在当該地域におきましてさらに新しい計画に臨んでいくか、あるいは、たとえばオーストラリアにつくりました会社のごときは一〇〇%の日本資本の会社でございます。ところが、その後オーストラリアの法律が変わりまして、一〇〇%の会社は絶対認めないという向こうの資源対策上ございますので、せっかく日本がつくっておって、さらに、たとえば西豪州の大きいLNGを望むというときは、いま現在はなるほど休眠的かもしれませんが、新しくつくってやるということは不可能でございますから、そういうものについては休眠的な状態にしておるかもしれません。
 また、休眠会社が膨大ないろいろ金を使っておるということでございますが、われわれの公団の融資というのは、作業そのものに出すわけでございまして、そういう休眠会社で二人か三名の人が残っておる給与とかその他のものについては、私の方の融資は絶対いたしておりません。
#224
○委員長(寺本広作君) それでは、ここで十分間休憩いたします。
   午後四時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時二十九分開会
#225
○委員長(寺本広作君) 委員会を再開いたします。
 矢田部君の質問を続行願います。
#226
○矢田部理君 協定の六条に「操業管理者」という文言が出てくるわけですが、この操業管理者の概念、法的地位、性格というのはどんなふうに理解をしたらいいのでしょう。
#227
○政府委員(村田良平君) 協定第一条に規定がございますように、共同開発区域の中の一の小区域につきまして、事業契約のもとで操業管理者として指定され及び行動する開発権者ということでございます。
#228
○矢田部理君 私が聞いているのは概念と法的地位、性格とはどういうふうに考えたらいいのか。読んで字のとおりのことは聞かなくてもわかっている。
#229
○政府委員(村田良平君) 概念と先生のおっしゃる意味を正しく理解しておらないかもしれませんけれども、この協定の規定に基づきまして当該小区域において実際的な開発活動あるいは探査活動を行う企業、理論的には自然人ということがあり得るわけでございますけれども、そういうもの、概念としてはそういうことだろうと思います。したがって、法的地位としてはこの協定の規定に基づきまして操業管理者として定められるものというのが法的地位かと思います。
#230
○矢田部理君 これはあれですか、開発権者というのはもともとおりますね。これがどちらかが兼ねることになるわけですが、開発権者との関係では委任ですか代理ですか代表ですか、それともその他の法的諸関係ですか。
#231
○政府委員(村田良平君) いまの御質問は、他方の開発権者から見るということでございますか。
#232
○矢田部理君 いや、開発権者という概念と操業管理者という概念は別のものでしょう、一方の開発権者がくじ引き等によって兼ねるというか、主体は同じになることは事実上あったとしても。だから、その開発権者と操業管理者との法的関係、これはどういうふうになるんですか。
#233
○政府委員(村田良平君) 操業管理者になる開発権者そのものとの関係につきましては、代理関係ではなくてそのもの自体ではなかろうかと存じます。
#234
○矢田部理君 ほかの関係は。
#235
○政府委員(村田良平君) 特定の小区域におきまして開発権者とされます他方の開発権者に関しましては、この協定で定められた規定に従って操業管理を行うというものということで、代理とか委任とかということは特にないのではないかと思います。
#236
○矢田部理君 代理に当たるのか委任になるのか、そこは私はよくわからぬから。しかし、法律関係があるわけでしょう、代表であるのか。そこはどういうふうに外務省は考えているのか。法的地位、開発権者とそうでない……
#237
○政府委員(村田良平君) この開発を行います際には、第五条に基づきまして事業契約が結ばれるわけでございますから、したがいまして、操業管理者とそれから他方の開発権者とはこの事業契約に基づきます契約の双方の当事者という関係であろうと思います。
#238
○矢田部理君 答弁になりますか、それは。
#239
○政府委員(村田良平君) 先生の御質問の意味を正しく理解しておらない答弁にあるいはなるかと思いますが、若干詳しく申し上げますと、先ほど申し上げましたように、開発権者の一方が操業管理者になるわけでございまして、いかにしてするか等の方式は第六条に規定があるわけでございますが、第六条の2の規定に基づきまして、「事業契約に基づくすべての操業の唯一の管理者」というものになるわけで、人員の雇用であるとかあるいは資産の調達等のことを行うわけでございます。したがいまして、開発権者というのは一つの小区域について日韓双方一つずつあるわけでございますから、操業管理者になる方の開発権者との関係というのはいわば一体、開発権者イコール操業管理者ということになるわけでございますし、それから相手側の開発権者との関係は先ほど申し上げましたように、事業契約を結ぶわけでございますから、したがって事業契約の当事者であるということであろうと思います。
#240
○矢田部理君 あなたやっぱりまだ理解をしてないと思うのですね。
 たまたま開発権者と操業管理者が一つになることがあっても、法的主体としては別でしょう。それから操業管理者にならない開発権者もいるわけだから、単なる契約当事者ということでは法律的には説明つかないんじゃないですか。いろんな権限も持つわけでしょう。だから、民事的に説明できない特殊な契約ということもあり得ますが、その関係は委任なのか代表なのか代理なのか、またその他の法的性格、地位を持つのか。
#241
○政府委員(村田良平君) 先ほどの答弁の繰り返しになるかと思いますけれども、操業管理者はあくまで開発権者のいずれかが操業管理者になるわけでございますから、したがいまして、その操業管理者と相手側の開発権者というものの関係は、事業契約に基づきまして双方の開発権者の有する関係と全く同一の関係であろうと思うわけでございます。つまり開発権者であり操業管理者であるという主体と、それから他方の開発権者という主体があって、その間で事業契約が結ばれるわけでございますので、そういった契約関係というふうに理解すべきものと思います。
#242
○矢田部理君 その法律関係は何なのかと聞いているのですよ。
 たとえば代表権があるのかないのか。契約の当事者ということでは法律上の説明にならぬでしょう。その契約の内容は委任なのかそれ以外の契約なのか、法律上の地位、法律関係をどういうふうにあなた方は見ているのか。資金の調達もする、労働者も雇い入れる、いろんなことをやるわけでしょう。それが契約の当事者でありますという説明だけではそこから出て来ないでしょう。法律的説明、法的側面の解明を求めているわけですよ。
#243
○政府委員(村田良平君) その内容自体は事業契約によって定められるものでございますけれども、事業契約に基づきまして、当該小区域を探査開発するという事業に関する管理を他方の開発権者が委託したものというふうに観念できるかと思います。
#244
○矢田部理君 まだわからないな。事実がどうなるか、どういう仕組みになっているかは何もあなたに聞かなくたってこの協定を読めばわかります。法律関係がどうなのか、その評価をどうするのかによってその権限の範囲あるいは権限の根拠とかというのが出てくるわけでしょう、そこを聞いている。
#245
○政府委員(村田良平君) 権限の根拠自体は実はこの協定そのものによって与えられておるというふうに解されると思いますが、まさに第六条の規定によって操業管理者という概念が定められておるわけでございますから、事業契約に基づきまして両開発権者が操業管理者を合意によって指定するということになるわけでございます。
#246
○矢田部理君 わからない人だなあ。代表なのですか、そうすると。――操業管理者はいろいろな行為をやるわけでしょう、開発権者にかわって。いいですか。その場合に人を雇い入れましょう。必要な人員の雇用とか費用の支払いとか資産の調達をやるわけでしょう。それをやるためには権利能力なり法主体性なりが本来は必要なんだ。それを開発権者との関係では委任と見るのか、あるいは委任を越えて両開発権者を概念的には代表するという関係になるのか、またその他の法律関係なのか、そこを聞いているんですよ。契約で決めた人がこういうことをやりますという話は何も条文そのものに書いてあるわけだ。
#247
○政府委員(村田良平君) この一小区域を開発する当事者というのはあくまで二者しかないわけでございまして、両者が別途の操業管理者というものを設けるわけではございませんので、あくまでその双方の関係というのはこの協定に基づきましてつくられます事業契約というものによって律せられるということでございます。
#248
○委員長(寺本広作君) 法制局は来ておられませんか。
 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#249
○委員長(寺本広作君) 速記を起こして。
#250
○矢田部理君 ところで、日本の開発権者には石油開発公団が投融資することができますね。その日本の投融資を受けた、あるいは受けるであろう開発権者と韓国側の開発権者――実体はメジャーです。これが話し合いをしたりくじ引きをしたりして、言うならば操業管理者を決めるわけです。この操業管理者は資産の調達をやる、労働者の雇用をやる、お金の支出をやる。つまりこの協定によれば、日韓双方の開発権者が費用を分担するわけです。その分担した費用の中で、たとえば韓国側メジャーが操業管理者になりますと、そこにお金を全部支出することになるのではないかと思われるわけです。その辺はどういうふうに考えておられますか、石油開発公団でもいいです。
#251
○政府委員(中江要介君) いまの御質問の対象になっております人員の雇用とか費用の支払い、あるいは資産の調達と、こういうものは六条二項にも明記されておりますように、事業契約に基づく共同開発という操業に関連しての仕事でございますので、この操業管理者が事業契約を離れて勝手に何でも調達したり雇用したりするということはできない。これは御承知のことと思います。したがいまして、操業管理者がどちらに指定されましょうと、その操業管理者のなし得ることは、これはあくまで事業契約に拘束されておるわけでございます。したがいまして、日本政府も韓国政府も事業契約を承認するに当たって、その事業契約の中にある、たとえば雇用される人員とか、要する費用とか、あるいは資産の調達というようなことについて満足がいかなければそういう事業契約は承認しないわけであります。他方、これは共同開発という事業を操業するに当たって十分な事業契約だと思って承認いたしました以上は、その事業契約に基づいてどちらか指定された操業管理者がいろいろその事業を遂行するための資金の調達なり人員の雇用なりをいたしましても、――資金の調達はございません、費用を支払ったり資産を調達したりいたしましても、それはその事業を遂行する上に必要なことでございますから、そういうことを双方の開発権者の間でどちらがやるかということを決めるのがこの六条の「操業管理者の指定」という考え方でございます。
#252
○矢田部理君 そこでまた、この操業管理者の権限等が問題になるわけですが、いまの説明を私質問しているのじゃないのですよ。
 開発公団の総裁に伺いますが、日本の開発権者に融資が可能ですね。
#253
○参考人(倉八正君) はい。
#254
○矢田部理君 日本の開発権者にその融資をした、その日本の開発権者といわゆる韓国の開発権者とが協議をして操業管理者を決める。今度は操業管理者の差配のもとで開発事業を進める、こういう関係になるわけでしょう。その費用は折半だという協定になっていますね。折半しなければならない費用を日本で調達をして結局操業管理者に預けることになるでしょう。その預かった費用を支出をしたり何かするわけです。したがって、韓国側が操業管理者になれば、その操業管理者の権限でいろんな支出や調達や等々をすることになる、そういう仕組みになっていることは間違いございませんね。
#255
○参考人(倉八正君) 大体そのとおりでございます。と申しますのは、われわれがもしこの当該地域に出資あるいは融資ができるとすれば、あくまで日本側に出すわけでございまして、たとえば具体的に申し上げますと、一本掘るのに二十億かかるというならば、このうち半々ですから日本は十億円の負担。その十億円の負担に、たとえば公団が五割の出資か投資しますと五億を出すわけでございますが、その場合になかなか厳重なわれわれは規定を持っておりまして、たとえばパイプ一本が幾らかかる、あるいは一キロメーターの深鉱費用がどのくらいするとか、非常に厳重な査定をやりますから、たとえば要求が十億でもわれわれがやるのは四億しか出さなかったという、そういう場合でも開発権者というのは非常に厳重なるさらにまた査定をするだろうと思います。そして、支払いの方法は、これは一括操業権者に渡すか、あるいは、たとえばパイプを買った、あるいはリグを雇ってきたという場合に、その都度出すかは、それは両方の協議の上で決定されることだと思います。
#256
○矢田部理君 融資の仕方が厳重かどうか、これについてはまた別の議論もたくさんあるわけですが、先ほど開発公団の総裁は、法の規定は改正になったけれども韓国側には融資しません、できませんということをお話しになりましたが、いわば、操業管理者を韓国側がとれば、結局費用の分担という形でそこにお金が流れていく。そのお金がどのように使われるかについては、それは開発権者間の事業契約が一応の大綱は出すかもしれませんが、実際の運用はやっぱり操業管理者がやることになりはしまいか。そうすると、いわば幾つかの枠はめはあるにしても、操業管理者の権限とか法的地位の関係、お金が運用上どう使われるのか、これはかなり操業管理者に任せざるを得ない。したがって、それを融資するに当たって開発公団としてはなかなかチェックがしにくい。そのことについて開発公団の考え方、答弁を求めると同時に、開発公団のお金の流れ等については、会計検査院にもおいでいただいておりますが、会計検査院としていろいろ今日までチェックをしてきている経過があるわけですが、費用の分担金として韓国側の操業管理者にお金が渡ってしまう、その責任で支払いその他が行われるという場合に、会計検査院としては向こう側の管理者がやっている支払いについてチェックする方法はありますか。チェックが十分にできるかどうか、会計検査院の方からまず伺います。
#257
○説明員(東島駿治君) 私どもは、政府一〇〇%出資の石油開発公団に関しましては検査権限がございまして、これは厳重に検査しております。それから開発公団から出融資されたものにつきましては、その資金が計画どおり使われているか、有効に使われているかというようなことは、その融資された会社から出てくる資料に基づいて私どもチェックしているわけでございます。私どもとしては厳重にチェックしているつもりでございますけれども、現地を見ていないとか、あるいはその書類の信憑性までもさかのぼって検討するということはなかなかこれは技術的にむずかしゅうございますので、万全とはいかないにしても大筋だけはわれわれとしてもつかんでいるというふうに考えております。
#258
○矢田部理君 ですから、日本の石油開発公団が日本石油開発とか何かに融資したお金については、国内の枠だから、そのやり方がずさんであったかどうかは別にして、一応のチェックはできるたてまえになっているわけですね。しかし同時に、そのお金が分担金として韓国側の操業管理者に渡った場合、操業管理者の責任で今度は支出をするたてまえにこの協定はなっているわけです。その支出の適否等について会計検査院は入れますか、チェックできますかと、こういうことです。
#259
○説明員(東島駿治君) それは私どもとしましては、公団から開発業者に資金が渡ったと、その開発会社がそれをどう使われたかということは、その開発会社から公団に対する報告がございますので、それを私ども見るだけでございまして、それ以上の権限というものは及ばないわけでございます。
#260
○矢田部理君 わかりました。敷衍すれば、開発権者まではいくが、開発権者が分担金としてたとえば韓国側の操業管理者に支払う韓国側の操業管理者がその責任で支出したものについてはチェックできない、こういうことになりますね。イエスかノーか。
#261
○説明員(東島駿治君) いま先生がおっしゃったとおりでございます。
#262
○矢田部理君 これは一つの例であります。それだけに、操業管理者をめぐる問題あるいは法的地位というのはある意味では重要なんです。そのほかにもいろいろな問題が実は――後で次々に指摘をしていきますけれども。
 石油開発公団として日本の開発権者に融資をしますね。その融資をしたお金を開発権者の責任で使う場合には比較的あなたの方もその内容の把握ができる。しかし、これとてもいろいろな問題が今日まで噴出している。石油は出ないけれども問題は噴出しているという話があるぐらいあるわけですけれども。まして、そのお金が開発権者から一括して操業管理者に渡ってしまったと、その責任で支出がなされるというような場合に、貸し主側としてはどんなチェック方法、どんな対応を考えていますか。
#263
○参考人(楠岡豪君) まず手順といたしまして、これはただいま私どもがやっておりますことを例にして申し上げますが、外国の石油会社と日本の業者が組んで開発をやります場合、私どもはまず外国の石油会社と日本の業者との間の、オペレーティングアグリーメントとよく言っておりますけれども、操業協定につきましてまずチェックをいたします。そのチェックポイントは、申すまでもなく、その費用の明細が日本側にとってはっきりするということでございますが、それと同時に、仕事の内容につきましても、どこでどういう井戸を何メートル掘る。物理探鉱で申しますと、どこのところで線を引いて何キロやるといったようなこともあらかじめこちらの承知の上でやってもらうような、そういう操業協定を締結してもらうことをまず私どもは要求しております。
 その次に、今度は具体的な作業の原案を、これはまずいわゆる操業管理者、オペレーターがつくるのが通常でございますが、それを日本の業者に承認を求めてもらいます。これをオペレーティングコミッティと私ども呼んでおりますが、そういう操業委員会でやります事項につきまして、私どもの投融資先である日本の業者、具体的にこういうことが今度の委員会で問題になるから、それを承知していいかということを求めてまいります。そうしてまいりますと、それに基づきまして日本の代表者が委員会に出ていきまして、向こうとの間で、それじゃ今度はこういう仕事をしましょう。その費用は概算幾らですと、こういうことがはっきりするわけでございます。そうした後で、今度はたとえば第一・四半期に井戸を掘る。具体的にどこに掘って費用が幾らぐらいかかるけれどもやってよろしいかというのを、改めて私どもの方にいわば聞いてまいりまして、それを私どもが承知して初めて私どもが後で金を出すという包括的なコミットをしたわけでございます。
 それで、仕事が予定どおりやりますと、先方は井戸をどこに掘って幾らかかった。かかった金額はこれこれで、その内訳は掘削の請負業者に幾ら払う、資材費は幾ら払う、その他関連会社に幾ら払うということを明細に話してまいります。それにつきまして、それぞれその段階で技術的にそういう費用を出したのが妥当であるかどうか、これは技術的な観点からも判断いたしまして、通常、向こうからの金額の明細要求に従いまして、こちらから日本側の業者に決められました比率に従いまして投資あるいは融資をすると、こういうことになるわけでございます。まあ私どもは、実態的には仕事の実情、それから経費のかかりぐあいというのを把握してお金を出しているつもりでございます。
#264
○矢田部理君 長い説明にもかかわらず、実際にはいろいろ問題があるわけです。まあ、石油開発公団全体をどう切るかということはきょうの主要な課題ではありませんから、問題だけにとどめておきたいと思いますが、いまの石油開発公団の貸し出し方法、貸し出し条件と言ってもいいと思いますが、必要とする費用の七割が頭ということになっているようですね。金利は、融資でありますが八%というふうに聞いておりますが、そのとおりでしょうか。もう一つ、そのお金の返済はいわば成功払い。うまく油に突き当たって採掘ができ、かつ採算ベースに乗ったときに払えばいいんだと。失敗すれば払わなくていい。きわめて特殊な契約、出世払いというか成功払いというか、こういう実態になっておりますね。加えて、これでも石油開発業関係は足りないと称している。最近では七〇%ではなくて八〇%にせい、利率も八%ではなくてもっと低くせい、そういう要望も強く出ていると聞きますが、いままでの貸し出し状況はどうなっているか。それからいま業界からどういう要望が出、それにどう対応しようとしているか。そしてさらに、いままでこの成功払いで払われた会社があるのかどうか。非常に莫大な国家資金を非常に数多くの会社に拠出をしている、投融資をしているにもかかわらず、採算ベースに合ったのはわずか一社だけじゃありませんか、公団関係で言えば。その辺についてまとめて答弁をいただきたい。
#265
○参考人(倉八正君) 最初の、限度は幾らかということについて七〇%、これはそのとおりでございます。
 それから貸し出し金利が六・七五%以上であります。
 それから、例の成功払いの件でございますが、これはさっき私が申し上げましたように、国家資金を使う以上、一〇〇%の成功率を見るというのが当然のわれわれの使命としてやっていることも事実でございますが、しかし、それはさっきも申し上げましたように、当たる率というのが百本掘りましても六本ぐらいしか当たらないというのは、これは日本に限られたことだけではないのでありまして、もしもそういうのがむだというようなことになりますと、石油開発というのは実はできないのでございます。したがいまして、われわれとしてはそういう条件に決して満足するだけじゃなくて、百本のうち六本しか当たらないのを八本にし九本にするというのは国家使命として当然努力しておるところでありますし、あるいは技術の向上、経費の有効利用とかで努力しておりますが、基本的にそういうのが開発であるということでこれはぜひ御了承願いたいと思いまして、これは一日本ばかりじゃありませんし、ドイツのDEMINEXはもっと国家の助成が厚いのでありますし、フランスのELFもそうでございますが、その点をぜひ御了承いただきたいと思います。
 それからいまいろいろ、七割というのが少ないからもっと上げてくれという要望があることも事実であります。というのは、日本のようにおくれて出ました国といたしまして、こういう開発に対する蓄積資本が少ないということで、まして不況の折でございますから、よけい出していただきたいという要望があるのも事実であります。
 それから、どのくらい当ったかということになりますと、さっき申し上げました九社というのが非常に、まあそのうちの一、二社を除いては、ちょっと別ですが、大体非常にいい企業内容をしておりますから、こういう場合においては、われわれとしましては投資した果実としての配当、またはその株をたとえば買却いたしまして、それを公団の資金に充てるということで、そういう方面も出資していく所存でございます。
#266
○矢田部理君 成功払いをした例は。
#267
○参考人(倉八正君) 成功払いをした例というのが、まあ七、八社でございます。それは全部いま払ってはおりません。というのは、その債務の完了ということから見ますと、まだ成功払いを適用した例はございません。
#268
○矢田部理君 黒字会社が一社だけだという話もある。しかし、そこすらもまだ成功払いには至っていない、そういう現状なんですね。それだけに、私たちも資源論は重視しますよ。しかし、この資源を開発するためにむだな国家資金を投入することについては慎重でなけりゃならぬ。その慎重さのためには、開発で始まるんじゃなくて、やっぱり調査が徹底的に必要だろうと思うんです。エカフェの調査についても幾つかの問題の指摘がありました。その後はっきりしないけれども、日本石油開発などが一部調査をやったという報告もエネルギー庁からあった。しかし、全体としてはまだまだ調査が不十分なんです。もっと慎重な調査をして、その上でどうするかをやっぱり検討しても決して遅くはない。とりわけここは埋蔵量の問題も含めて大変いろんな指摘が実はあるわけであります。
 石油開発公団に、これは最後の質問になるかと思いますが、あなたのところの任務の中には、業務の中には、地質構造の調査なども入っているんですが、大陸だなについて調査したことありますか。
#269
○参考人(倉八正君) 大陸だな全般につきましては政府の五カ年計画というのもありまして、すでにもう七、八年続けて調査しまして、この測線距離が七万キロぐらいの調査をいたしております。
#270
○矢田部理君 共同開発区域自体については調査したことありますか。
#271
○参考人(倉八正君) いまの当該地区について調査したことはございません。その周囲の一部については調査をいたしました。
#272
○矢田部理君 お金を出すとき、投融資をするときにはあなた方自身も調査をするんでしょうか。そして、これは掘ってみなきゃわからぬというエネルギー庁の言葉もわからないわけじゃないんですが、問題は可能性の強弱の問題ですよ。莫大な国家資金を投ずる以上、しかも調査権限を業務として持っている以上、そういう調査を相当程度やった上で投融資を考えてもいいんじゃないかと思うんですが、その辺は共同開発区域についてはどういうふうに考えておりますか。
#273
○参考人(倉八正君) まず、有望地区につきましては、何が有望かというのにつきまして、まあ一般的には世界で行われておるのは航空機調査だとか、それから当該地区に行われました概査とか、こういうのが第一段階で出てくるわけであります。そうしてこういう地域には、大きい堆積盆地あるいは背斜構造があるということがわかりましたならば、いざ掘るという場合には、それを二段階に分けて調査するわけであります。一つは概査、一つは精査ということで、たとえば網の目のように調査するわけであります。それで、この当該地域は第一段階で有望な地域とわかったということが、われわれとしましては非常に一口で言えば何かやりたいという、資源の確保上からぜひやりたいという考えを持ってくるわけでありますが、先生のいま御指摘になりました、それならばどこに井戸を掘って、どういう掘り方をするかということにつきましては、さらに数段の探査、いわゆる調査を要するわけでございます。
#274
○矢田部理君 そのことは協定以後の問題だから、きょうはこの辺で大体終わりにしますが、もう一点だけ言っておきますと、エカフェの調査でもこの共同開発地域は全部をカバーしていないんです。一部なんです。日本石油開発等の調査も日韓間の紛争前にちょっと行ってきたことがある。後は紛争のおそれがある地帯だから行かなかったと言ってるわけです。つまり、ボーリングをするという前に、もうちょっといろんな調査をしてみなきゃならぬ性格のものであると私は少なくとも受けとめているわけです。
 加えて、この調査の結果についても、たとえば堆積層の厚さなどについてはどうもやっぱりエカフェと日本の企業が調査した、あるいは推定した内容が必ずしも一致しないんです。機械がいいの悪いのという話は一つあるわけです。したがって、開発だ資源だというかけ声だけでわあっといくんじゃなくて、もう少しやっぱり、大塚委員じゃありませんが、資源は逃げないわけであります、あるとすれば。綿密な調査をやっぱり経てやるべきだというのが私どもの主張なんです。それなしに、ただはやし立てられてうかつに金を出すようなことはひとつやめてもらいたい、慎重にしてもらいたいという強い希望を述べて、きょうは御苦労さんでした。検査院も結構です。
#275
○参考人(倉八正君) 全くそのとおりでございまして、私たちも年にいまたとえば一億の、一千万の金を出すときでも調査というのはきわめて綿密に時間をかけてやっておりまして、慎重審議でやっていることを申し上げて終わらしていただきたいと思います。
#276
○矢田部理君 どうも。
 ところで、法制局はまだでしょうか。
#277
○委員長(寺本広作君) 速記をとめて。
  〔午後五時十七分速記中止〕
  〔午後五時四十二分速記開始〕
#278
○委員長(寺本広作君) 速記を起こしてください。
 矢田部君の質問に対し、内閣法制局の前田第三部長から説明を求めます。
#279
○政府委員(前田正道君) 御質問の趣旨を正しく理解しているかどうか、ちょっと不安もございますけれども、ただいま伺いました前提で申し上げますと、協定の第五条には、両締約国の開発権者は、事業契約を締結するとございます。そういたしまして六条の二項では「操業管理者は、事業契約に基づくすべての操業の唯一の管理者で」あるということが規定をされております。この点から申しますと、操業管理者の行為といいますものは、この事業契約に基づきます効果としての行為だと考えております。
 先ほど来問題になっております代理か委任かという問題につきましては、ただいま申し上げましたとおり、この事業契約に基づく効果であるというふうに考えますけれども、その代理なり委任のどちらであるかということでございますれば、一種の委任に近い性質を持ったものであるというふうに考えております。
#280
○矢田部理君 委任に近い法的性格を持っているということですが、この操業管理者は代表権はあるでしょうか。
#281
○政府委員(前田正道君) 代表権とおっしゃる意味がよくわかりませんけれども、操業管理者というものは事業契約というものがございません限りはないわけでございますので、やはり事業契約というものが前提になる、そうしますと、事業契約の効果としまして行為をするということで、代表という概念にはなじまないんじゃないかというふうに考えます。
#282
○矢田部理君 わかりました。
 そうしますと、操業管理者の仕事の内容として、必要な人員の雇用、つまり労働者の雇用、あるいは各般の費用の支払い、さらには資産の調達までやるんですが、それはどういう立場でやるんですか。権利主体になり得るんですか。
#283
○政府委員(前田正道君) いま先生が言われましたことは、六条の二項が予定をしているところであると思います。これにつきましては、その中身が事業契約の内容として定まると思われますので、事業契約の内容として実行するということだと思います。
#284
○矢田部理君 あれこれの契約の主体になるわけでしょう。お金の支払いとか、労働契約とか、資産調達のための契約とか、それは権利主体でなきゃならぬわけでしょう。個人でやるんですか。それとも個人――個人というのは法人も含むわけですが、以外の独自な主体になるんですか。そこら辺がちょっと不明確なんですよね。内部的な関係だけなら契約でもいいでしょう。事業契約でも賄えるでしょう。しかし、対外的な関係が操業管理者は当然出てくるんだから、その権利主体性みたいなものが当然問題になり得る。それをどう評価し、受けとめているかと、こういうことですよ。
#285
○政府委員(前田正道君) 協定の六条二項によりますれば、操業管理者は、操業の唯一の管理者であると規定をされておりますことから申しまして、先生の言われます対外的な面におきましては、事業の権利主体として活動をするということだと思います。
#286
○矢田部理君 そうしますと、その権限、法主体性の発生根拠は、さっき言った委任に基づくのか、それともこの協定自体から発生してくるのか、その辺はどうでしょうか。
#287
○政府委員(前田正道君) それは先ほど来申し上げておりますように、事業契約の内容と申しますか、事業契約が締結された効果として発生をするというふうに考えております。
#288
○矢田部理君 事業契約は委任だと、委任に近いと、委任で法主体性が付与される、権利能力が発生するというのは、ちょっと珍奇な法律論じゃありませんか。
#289
○政府委員(前田正道君) 事業契約の効果として発生するというふうに申し上げましたので、委任と申し上げましたのは、その事業契約に基づきます操業管理者のステークスがどういうものかと申しますと、代理との対比におきましてはどちらかといえば委任に近いものであろうと、こういう御説明をしたつもりでございます。
#290
○矢田部理君 いや、私は委任か代理かと聞いたんじゃないんですよ。何かいろいろ法律関係が考えられるだろう、委任か代理か代表か、その他のしかるべき法的評価が可能なのかという質問なんですから、委任か代理かという二者択一的な質問をしてはいないんです。ただ、契約であれ委任であれ、対外的には操業管理者が権利能力を持つということになりますれば、契約でそれを付与する、委任でそれが発生するということにはならないんじゃないか、そういう法制局の議論はおかしいんじゃないかと、こういうことですよ、私の問題提起は。
#291
○政府委員(前田正道君) 開発権者は事業契約を締結するとございますし、さらに事業契約の中身には操業管理者の指定ということが含まれておると思います。したがいまして、その事業契約が締結されますことの結果としまして操業管理者が選定をされるわけでございますので、その操業管理者はその事業契約の内容に基づきまして操業をするということであろうと思います。
#292
○矢田部理君 経過はそうでしょう。しかし、開発権者はもともと法人ですから、これは権利ありますね。そうでなくて、操業管理者というのは概念としては開発権者とは区別されているわけです。それが権利能力を持つというためには法律的にそれを付与する、あるいは権利能力があると擬制をするか付与するなどの行為がなければできないはずなんです。いわば民間企業間の契約で法主体性が付与される、発生するということは、少なくとも私どもが理解をしている日本の法律論の中にはない。したがって、あなたの言い分は大間偉いですよ。
#293
○政府委員(前田正道君) 御趣旨をよくのみ込んでないかも存じませんが、先ほどから申し上げておりますとおり、操業管理者は協定に基づいてこのような地位を与えられているわけでございます。したがいまして、その意味から先生のおっしゃる権利主体とおっしゃる意味がよくわからないんでございますけれども、この六条二項の地位に基づきまして共同事業契約の内容を行使、実現すると申しますか、そういう地位にあるというふうに考えております。
#294
○矢田部理君 わかりませんか。資産調達したり人を雇ったりするわけでしょう、操業管理者は。つまり労働契約の一方の主体になるわけですよ。賃金払わないときに相手に権利能力なきゃだれに請求するのかという問題が出てくるわけでしょう、一例を挙げれば。あるいは、資産の調達をやって、金を払ってもらわなかったときにだれに請求すればいいのか。そのときに相手に権利能力があるのかどうかと。これは何も争いにならなくたってそういう問題は当然出てくる。その権利能力が契約によって付与されるという議論はないというんですよ。まあせいぜい開発権者間の契約で操業管理者が決まる。決まるとこの条約によってそういう権限が付与されるんだということなら幾らか理屈は通っているかもしらぬし、また別の議論も私はないわけではないけれども、筋道としては理解できないわけじゃないんですが、あなたが契約でそうなるんだという言い方を余りされるから、それはおかしいよと、こう言っているんですよ。
#295
○政府委員(前田正道君) 私が申し上げました趣旨は、開発権者は事業契約を締結いたしまして操業管理者を指定をするわけでございますが、操業管理者の地位につきましては協定六条二項が規定をしておりますので、この操業管理者に指定をされました者は六条二項の規定に基づく権限を行使することになる。そして、その操業管理者と開発権者の関係という点につきましては、そもそも操業管理者の指定ということが事業契約の内容として定まるわけでございますので、その操業管理者の行為というのは事業契約の効果ということになるということで申し上げたつもりでございます。
#296
○矢田部理君 そんなつもりの説明にはなっていない、さっきは。
 そこで、そうするといまの説明を前提にしてお聞きをすれば、六条二項で操業管理者は人を雇ったり物を調達したりする主体としての地位を付与されたというのがいまの答弁になりますか。そういうことを付与した規定だと、法主体性みたいなものを付与した規定だと、それを前提にしてここに書かれているような行為ができる、こういうことになりますか。
#297
○政府委員(前田正道君) 操業管理者が六条二項に規定をしています行為をするということにつきましては、協定が締結されております以上両国間で異論がないということを表明していることと思いますが、それ以外の点につきましては、それ以外にどこまでできるかということにつきましては、恐らく事業契約の内容として定まっていくでしょう。その場合に、操業管理者と申しますのは本来どちらか一方の開発権者に属する法人ということでございますので、当然、六条二項に規定をされていますような権能というものは前提にした上での規定ではなかろうか、こういうふうに考えております。
#298
○矢田部理君 この解説聞いているんじゃないんだよ。法的問題点をどういうふうに見るかということを聞いている。つまり、人を雇ったり物を調達したりする場合の権利義務の一方の当事者になるわけでしょう。通常はそれは権利能力なきゃならぬ。法人であるとか、それから自然人であるとか。ところが、この操業管理者は開発権者の一方がなるという規定はあるけれども、法人である開発権者そのものではない概念なんですよ。そうだとすれば、その権利義務の主体たり得るための根拠は一体何であるか。それが六条二項だということならばそれはそれで一応説明としてはお聞きしましょう。その是非はまた別途議論をするにしても、さしあたりのところは、話を前に進めたいんで、そこはっきりしてくださいよ。余りこの辺の議論だけで時間を使いたくないんですよ。
#299
○政府委員(村田良平君) いまの先生の御指摘によりますと、操業管理者と開発権者とは現実には同じ法人であっても観念的には別のものだというふうな御指摘でございますが、この協定第一条第五項の規定等から見ましても、まさに開発権者自体であると。たまたまそれが事業契約によって操業を委任されているといいますか、オペレーターとされておる開発権者そのものであるというふうに考えるべきものであろうと思うわけでございます。
#300
○矢田部理君 そんなことを言うから話がまたおかしくなるんだ。開発権者は日韓両国のどちらかの法人でしょう、この場合。これはこれでできますよ。開発権者として人を雇ったり資産の調達するわけじゃない、この協定は。操業管理者としてやるわけですよ。人を雇うときだけ開発権者になるわけじゃないんですよ。つまり一方の契約の当事者になるわけですからね、これは。どっちかの一方から選ばれるんだから云々という説明はまた問題を混乱させるだけなんです。私がさっき言ったような意味じゃないんですか。
#301
○政府委員(村田良平君) 第一条の先ほど申し上げました第五項によりますと「操業管理者」とは、「事業契約の下で、操業管理者として指定され及び行動する開発権者をいう。」とございます。この指定される方がまさに第五条の事業契約に基づいて指定されるわけでございますし、また行動するという点は第六条の第二項に定められたような行動ができるということでございます。したがいまして、操業管理者というものは実体的にもまた一つの法人として開発権者と全く同一の開発権者そのものである、ただそのように操業管理者としてあくまで指定され及び行動するところの開発権者であるということで、開発権者ともちろん独立の概念にはなっておりますけれども、しかし実体的には全く同じものであると、その二つの開発権者のうちのこのように指定され行動する権利を付与された開発権者であるということでございます。
#302
○政府委員(中江要介君) 私横で聞いておりまして、きっといまの村田参事官の御説明では先生の期待しておられる裏の方だけを説明して、もう一つ突っ込んで、それじゃどうしてそういう一つの開発権者が操業管理者として行動し得るのか、その根拠いかんという説明の方が少し足りないようでございますが、それは先ほど先生もおっしゃいましたように、協定六条二項から来ているということはこれは明らかであると思います。
#303
○矢田部理君 それ自体も問題がないわけじゃありませんが、それはそれとして一つの考え方として私も理解できないわけじゃない。そうでない物の言い方をするからね、言うならばつまらぬことで時間をとるわけです。
 そこで、いまの局長の答弁を基礎にして次の質問に入りたいと思うんですが、必要な人員の雇用、つまり労働者を雇うという仕事が入っていますね。雇った上でどう労働力として位置づけるかというようなこともこれは入るんでしょうか。雇った後はだれがいわば雇用者として実際の労働につけるとか働くとかいうことになるんでしょうか。
#304
○政府委員(中江要介君) これは当然のことだと思いますけれども、事業契約を結んでいるその双方の開発権者が開発するわけですから、どちらかの開発権者が雇用したいと思いましても、その雇用する管理者としては操業管理者が指定されておるわけですから、指定された操業管理者が雇用した者を一方の開発権者が労働者として使用する、雇用するということは、これはそうしなければそもそも操業はできないと思います。そういったことの中身を詳細に規定するのが事業契約である。したがって、操業管理者といえども、先ほどちょっと私が申し上げましたけれども、事業契約に基づくすべての操業をやる上での管理者ですから、その行動の結果として雇用された人員なり調達された資産は、これはその事業契約に基づいてその共同開発が円滑に行われるように使用される、こういうふうに理解すべきものだろうと思います。
#305
○矢田部理君 そうしますと、ちょっといま正確に聞き取れなかったんですが、雇用は操業管理者がやるが雇用をどのように使うかは開発権者が決める、あるいは使用する、こういう関係だという意味ですか。
#306
○政府委員(中江要介君) そうでなければ、そもそも共同開発は事業契約は実行できないだろうと思います。
#307
○矢田部理君 そうしますと、これは韓国政府が韓国の国会に説明したのとまるきり違いますよ。どう説明しているかわかりますか。――私の方から指摘をしますが、韓国政府が韓国国会に対して「共同開発に関する協定の骨子」として説明をいたしています。この説明文を読んでみますと、これは「運営者」と向こうは言っているのか日本の訳がそうなっているのか、外務省訳ですが、「運営計画に基づきすべての作業の排他的統制」ができる、それをするのが管理者だと、「作業の排他的統制」ということになるときわめて穏やかならぬ言葉が使われ、説明がなされているわけです。これをやるのが操業管理者だと、こう言っている。日本の説明は、雇うのは操業管理者が雇うが使うのは開発権者だと言う。これは大変な矛盾じゃありませんか。
#308
○政府委員(中江要介君) 私は、私が言っていることとこの韓国政府が出していることとは同じことを言っているんですが、字が違うので先生が御指摘のような疑問をお持ちになったんだろうと思うんですが、この7の(2)のところだろうと思いますが、これはまさしく六条第二項のことを恐らく韓国語で書いたものを日本語に直せばこうなっているということで、「作業の排他的統制」というのはまさしく「操業の唯一の管理者」というところに当たりますし、「人員の雇用」というところはまさしく「人員を雇用」、これは同じ字になっております。その次に「費用を支払い」というところが「費用支出」となっております。それから「資産を調達する」というところが「装備取得権を保有」、こういう字になっておるわけでございまして、ここには日本語の字としていろいろ考えがあろうかと思いますけれども、言っている実体はこの六条二項のことを言っているので、ここに違いがあるとは思いません。
#309
○矢田部理君 よく読んでごらんなさい、六条では「操業の唯一の管理者であり、」ということはそれはそれでいいですよ。その同じことを韓国は、すべての作業の排他的統制者だと言っている。これはちょっと違いませんか。唯一の管理者だということと同義語ですか。
#310
○政府委員(中江要介君) これは御参考までに英文の六条二項の字を翻訳といいますか、日本語に直しますときには、日本の条文では「操業の唯一の管理者」と訳しております部分は、「エクスクルーシブ コントロール オブ オール オペレーションズ」と、こう書いてあるわけです。これを「エクスクルーシブ」というものを「排他的」と訳し、「コントロール」を「統制」と訳し、「オール オペレーション」を「作業」と訳しても、これはどうも翻訳としてはそういう翻訳もあり得るような表現になっておるわけです。したがいまして、この使われている字がたとえば「唯一の」か「排他的」であるかということで解釈というか考え方が変わるのではなくて、実体として考えていることは、操業を管理するのはこの「操業管理者」と指定された開発権者が持つと。そういたしませんと、この共同開発という発想が、何度も申し上げますように世界に類のないものですのでいろいろ苦心したわけですが、その場合に、あくまでも共同だと言いましても、最後に一つの作業をやりますときにどこまでも共同ということでは、話が絶えず手間がかかるから、したがって操業管理者というものをどちらかに指定しよう。しかし、その指定をめぐっていろいろ配慮があると困るというので、第六条にどうしてももつれたときにはくじ引きすらやろうというような発想が入っておるのはそういう趣旨でございまして、そういうことをしてまで操業管理者というものを一たん決めました以上は、操業の管理についてはこちらが管理者である、したがって、事業契約に基づく操業の実施についての人員の雇用、費用の支払い、資産の調達、そういうものを操業管理者として指定された方の開発権者がやるということを言っておるわけで、この韓国の日本語に訳しました部分もそのことを言っているにほかならない、こういうふうに受けとめるべきだと思います。
#311
○矢田部理君 英文がいろいろに訳され方をするということが一つ問題なんですよ。それから、そういう訳され方をするというのは、逆に両国の受け取り方に違いが出てくるおそれがあるわけですね。二人で共同でやるんだから管理者を決めてこれがイニシアをとろうという意味で、どっちかが管理者になって管理運営をやっていくということはわからないではない、その限りにおいては。しかし、その管理者が作業については排他的統制権というのは、きわめて強い語感を持つ意味内容になっていますよね。だから、単なる訳の問題でしょうか。こういう受け取られ方もされる、あるいはしている可能性なしとしないものですから、私は実は心配しているんです。
#312
○政府委員(中江要介君) 日本語と韓国語の訳をお比べになりましてそういう疑問を提出されたわけですけれども、この協定の末文に書いてございますように、「千九百七十四年一月三十日にソウルで、英語により本書二通を作成した。」ということになっておりまして、あくまでも準拠すべき協定文の本書は英語だと、こういうことになっておるわけでございます。この英語の正文テキストによりましてなおかつ解釈に違いがございますれば、これはこの協定の解釈及び実施に関する紛争は云々ということで、第二十六条に解釈の紛争についての解決の道はございますけれども、その正文であります英語によりますと、エクスクルーシブなコントロールとございますけれども、「オール オペレーションズ アンダー ジ オペレーティング アグリーメント」と、つまり事業契約のもとにおけるすべてのオペレーションについてはエクスクルーシブなコントロールを持つ。したがって、先ほど来私が何度も申しておりますように、基礎になるのはあくまでも事業契約でございますから、事業契約がはっきり決まりますれば、その事業契約で定められて、オペレートして実際に開発という事業が行われますに当って両方のどちらがそのコントロールを持つかということをここで決めておるというのが六条であります。
#313
○矢田部理君 ここに出ている資料は英文を訳した資料じゃないと思います。韓国の国会で韓国の政府が説明した韓国語を日本語にしたものですから、原文を当たってみなければ正確にはわからないけれども、その韓国語を日本語に訳せばこういう語感、こういう受け取り方を韓国側はしているのではないかという疑い、疑問が強いわけですね。
 そうすると、まあ争いがあれば話し合えばいいんだということですが、初めから受け取り方が違うというのはやっぱり協定上問題が残るわけです。その辺は少なくとも韓国側によく確かめて、受け取り方がスタートから誤りがあるというようなことのないようにしてほしいし、その返事をもらいたいというふうに思います。
 そこで、操業管理者に関連いたしまして、十九条を見ていただきたい。これは、まあ条約、協定というのはなかなか目を通しても意味がわかりにくいんでありますが、天然資源の探査または採掘に関連する事項については、操業管理者の所属国の法令に従うという趣旨のように読めるのですが、そのとおりでいいんでしょうか。
#314
○政府委員(村田良平君) そのとおりでございます。
#315
○矢田部理君 そこで、探査または採掘に関連する事項については、たとえば韓国の案は操業管理者になった場合は韓国法令に従うということになっているわけですね。先ほど操業管理者の議論があった、その中で労働者の雇用等が出てくるわけですが、そこで雇用された労働者は、たとえば操業管理者が韓国側の場合には、これまた韓国の法令に従うことになるんでしょうか。その天然資源の探査、採掘に関連する事項とそうでない事項との区分けがわかりにくいので、どこまでが韓国法令でいくのか、どこからは違うのかという点を明確にしてほしいと思う。
#316
○政府委員(村田良平君) この共同開発区域と申しますのは、両国の主張が重複しているのでこのような実際的解決を図るということにしたわけでございますが、そのために管轄権の抵触という問題が起こりかねませんので、両国の国内法の適用関係というものを明らかにしようということでいろいろ話し合ったわけでございます。その結果、この協定自体においていろいろ定めがございます。十六条、十七条、十八条等々ございますが、それ以外の問題で天然資源の探査あるいは採掘に関連する事項に関しましては、操業管理者方式というルールを採択したわけでございます。したがいまして、いま御指摘のたとえば雇用労働に関する法令という場合には、当然天然資源の探査あるいは採掘に関連して雇用が行われるということでございますので、仮にわが国が操業管理者となりました小区域におきましてはわが国の労働関係の法令が適用され、逆に韓国が操業管理者になれば韓国の法令が適用されるということになるわけでございます。
#317
○矢田部理君 そうなると非常に問題出てくるんじゃありませんか。操業管理者を韓国側がとった、そこに日本人労働者が雇用されたとする、韓国の労働法が適用になる――韓国の労働法制は一体どうなっていますか。
#318
○政府委員(大森誠一君) わが国の主要な労働関係法令とこれに対応する韓国の労働関係法令との間には、若干の相違点はございますが、主要な部分については相違点はないものと認められると思います。
 相違点について若干御説明申し上げます。
 労働時間の規定でございますが、韓国の勤労基準法というものによりますと一日八時間、一週四十八時間労働を基準といたしておりますが、当事者間の合意によりまして一週につき六十時間まで労働させることができることとされており、時間外労働を行わせる場合には保健社会部の認可を得なければならないこととしておりますが、わが国の労働基準法におきましては一日八時間、一週四十八時間労働を原則とし、時間外労働を行わせる場合には時間外労働協定を行政官庁に届け出なければならないこととしております。
 次に、時間外労働等の割り増し賃金についてでございます。韓国におきましては、時間外労働等を行わせた場合には、通常賃金の百分の五十以上の割り増し賃金を支払うべきこととされておりますけれど、わが国におきましては通常賃金の百分の百二十五以上の割り増し賃金を支払うこととされております。
 次に、有給休暇について申し上げます。韓国におきましては年次有給休暇、これは一年間皆勤した者は八日、出勤率九割以上の者は三日、勤続年数一年につき一日を追加されることとなっておりますが、この年次有給休暇のほか月次有給休暇、これは一月に一日がございます。わが国におきましては、その点は年次有給休暇は出勤率八割以上の者は六日、勤続一年につき一日追加ということのほかは有給休暇はございません。
 次に、退職金について御説明します。
#319
○矢田部理君 ちょっと待って。細かく聞いてない。法制はどうなっているかという形を聞いている。
#320
○政府委員(大森誠一君) 主たる法律といたしましては、韓国の勤労基準法というものが一つ基本的な国内法でございます。そのほか産業災害補償保険法というものも災害等の問題を取り扱っていると、かように承知いたしております。
#321
○矢田部理君 労働基準法上の幾つかの問題点がないとは言いませんが、もっと基本になるのは団結立法です。労働基本権をどう確立をしているかというようなことがやっぱり労働法制を考える一番のポイントでなければならぬ。この点が大変問題になる。とりわけ労働者がいろいろ不満を言ったり、その不満の延長の中で朴政権を批判したりすれば、直ちに国家保安法なり大統領緊急措置が発動され、問題が意外な方向に発展する危険すら実はこの法令適用条項は含んでいるわけです。単なる労働立法の枠を越えたいろんな大きな問題が入ってくる余地をこの条項は残している。そこがやっぱり問題なんですね。つまり法令を向こうに預けてしまう、管理者を決めることによって。ここで働く日本人労働者は、これは韓国の人もそうですが、たまったものじゃありません。しかも、刑罰法令まで適用になるということになれば、韓国警察権がここに入ってくる可能性がある。どうなんですかこれは、外務大臣答弁願います。
#322
○国務大臣(鳩山威一郎君) 本件が共同開発でありますので、日本国の法令と韓国の法令とそれぞれ適用を公平にせざるを得なかったわけでございます。しかし、ただいまお触れになりました韓国内の治安立法等の問題につきましては、これは韓国の領域内ではございませんので、これはよくなお専門家が調べなきゃいけませんけれども、そのような、ただいま御指摘のようなことがこの共同開発に持ち込まれるというようなことはおよそ考えられないと思います。しかし、この点は属人的な管轄権と属地的な管轄権の問題がございますので、その辺は日本人が、仮に韓国の属人的な管轄権が及ぶ場合でも、日本人がそのために被害を受けるというようなことはおよそないだろう。属地的な管轄権の場合にはこれは韓国の領域内ではありませんから、属地的なものは当然適用がない。韓国民に対します属人的な管轄権はある程度及ぶかもしれませんが、これは韓国人としての国籍を持っているというために及んでくる効果でありまして、特に共同開発に加わったから特別な法令が及ぶということではないだろう、このように考えておりまして、御指摘のようなことが朴政権の批判というような点につきまして、日本人が巻き込まれるということはあり得ないというふうに考えます。
#323
○矢田部理君 時間がかかるようですから、この点は後でやりますけれども、その労働立法は日本人労務者にも労働者にも適用になる。反共法とか弾圧立法とかというのは、しばしば労働者弾圧立法として一体となって機能してくる場合が過去の歴史の中では多いわけです。したがって、操業管理者国の法令が適用になるということになれば、労働者とのかかわりのところだけ見てもそれをとめる歯どめはない。恐らくそういうことにならないだろうという期待はしたいところだけれども、その危険はなしとしない。そういう問題すら実はこの十九条は含まれている。事実この労働法令の中にも刑罰立法、これはまだ私もよく調べてはおりませんが、あるとすれば、韓国警察権がその違反を理由に入る余地もこの規定は残しているわけでしょう。そういう点でもうちょっと幾つかの項目について質問をしたいわけですが、ちょっと休憩ということでありますから、少し検討してください。
#324
○委員長(寺本広作君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#325
○委員長(寺本広作君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午後六時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後六時三十八分開会
#326
○委員長(寺本広作君) 委員会を再開いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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