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1976/03/29 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第5号
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1976/03/29 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第080回国会 地方行政委員会 第5号
昭和五十二年三月二十九日(火曜日)
   午後零時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     片山 正英君
     後藤 正夫君     塚田十一郎君
     和田 静夫君     山崎  昇君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     塚田十一郎君     後藤 正夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 邦雄君
    理 事
                安孫子藤吉君
                夏目 忠雄君
                野口 忠夫君
                神谷信之助君
    委 員
                井上 吉夫君
                大谷藤之助君
                金井 元彦君
                後藤 正夫君
                小山 一平君
                阿部 憲一君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小川 平二君
   政府委員
       警察庁長官    浅沼清太郎君
       警察庁長官官房
       長        山田 英雄君
       警察庁刑事局保
       安部長      吉田 六郎君
       建設省道路局長  浅井新一郎君
       自治大臣官房長  近藤 隆之君
       自治大臣官房審
       議官       福島  深君
       自治省財政局長  首藤  堯君
       自治省税務局長  森岡  敞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和五十二年度地方財政計画に関する件)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
○警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十五日、和田静夫君及び林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として山崎昇君及び片山正英君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋邦雄君) 地方行政の改革に関する調査のうち、昭和五十二年度地方財政計画に関する件を議題とし、説明を聴取いたします。小川自治大臣。
#4
○国務大臣(小川平二君) 昭和五十二年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 昭和五十二年度の地方財政につきましては、昭和五十一年度に引き続いて厳しい状況にありますが、国と同一の基調により、歳入面におきましては、中小所得者の地方税負担の軽減に意を用いる一方、地方税源の充実強化を図るとともに、財源不足を補てんするための措置をとること等により地方財源の確保を図るものとし、歳出面におきましては、景気の着実な回復に資するため、住民生活向上の基盤となる公共事業等の推進及び社会福祉施策の充実等に重点的に財源の配分を行うほか所要の地方行財政の合理化を図る必要があります。
 昭和五十二年度の地方財政計画はこのような考え方を基本として策定いたしております。以下、その策定方針及び特徴について申し上げます。
 まず第一に、最近の経済社会情勢の推移にかんがみ、地方税負担の軽減合理化を図るため、個人住民税の各種所得控除の引き上げ、個人事業税の事業主控除の引き上げ、料理飲食等消費税、電気税等の免税点の引き上げ等を行うとともに、地方税源の充実強化を図るため法人住民税の均等割の税率の引き上げ等の措置を講ずることとしております。
 第二に、所要の地方財源を確保するため、臨時地方特例交付金を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるとともに、同特別会計において資金運用部資金から借り入れを行うことによって地方交付税の増額を図り、あわせて財源不足に対処するための地方債を発行する等の措置を講ずることとしております。
 第三に、地方債資金を確保するため、政府資金、公営企業金融公庫資金を充実し、民間資金による地方債の消化を円滑にするための措置を講ずるとともに、金利負担の軽減に資するため、所要の措置を講ずることとしております。
 第四に、地方交付税、地方債等の合理的な配分を図ることにより、景気の着実な回復を図ることに配意しつつ、地域住民の福祉充実のための施策を重点的に推進するとともに、生活関連社会資本の充実の要請にこたえるための諸施策を実施することとしております。このため、公共事業及び地方単独事業を増額するとともに、社会福祉施策、教育振興対策等の一層の充実を図ることとし、また、人口急増地域及び過疎地域に対する所要の財政措置を講ずることとしております。
 第五に、地方公営企業の経営の健全化を図るため、引き続き病院事業及び交通事業の再建を推進するとともに、公営企業債の増額を図ることとしております。
 第六に、地方行財政運営の合理化により財政の健全化を図るとともに、国庫補助負担制度の改善等財政秩序の確立を図り、あわせて地方公務員の給与改定その他年度途中における事情の変化に弾力的に対応するよう配慮することとしております。
 以上の方針のもとに昭和五十二年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、二十八兆八千三百六十五億円となり、前年度に対し、三兆五千七百七十億円、一四・二%の増加となっております。
 以上が昭和五十二年度地方財政計画の概要であります。
#5
○委員長(高橋邦雄君) 次に、補足説明を聴取いたします。首藤財政局長。
#6
○政府委員(首藤堯君) 昭和五十二年度地方財政計画の概要につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして補足して御説明いたします。
 (規模)
 明年度の地方財政計画の規模は、二十八兆八千三百六十五億円で、前年度に比較しまして三兆五千七百七十億円、一四・二%の増加となっております。
 (歳入)
 次に、歳入について御説明いたします。
 まず、地方税の収入見込み額でありますが、道府県税五兆三百八十四億円、市町村税五兆四千五百三十三億円、あわせて十兆四千九百十七億円でございます。前年度に対しまして一兆六千八十七億円の増加となっております。その内訳は、道府県税については、七千七百五十八億円、一八・二%の増加、市町村税については八千三百二十九億円、一八・〇%の増加となっております。
 なお、地方税につきましては、住民税所得割等について一千百六億円の減税を行う一方、住民税法人均等割、娯楽施設利用税等の定額課税の税率の引き上げにより三百六十九億円の増収を見込むこととしております。
 地方譲与税につきましては、総額三千二百六十七億円となっております。
 次に、地方交付税でありますが、国税三税の三二%に相当する額に昭和五十年度分の精算額を加算した額四兆六千九十七億円に臨時地方特例交付金一千五百五十七億円及び資金運用部からの借り入れ九千四百億円等を加算いたしまして、総額五兆七千五十五億円を確保いたしております。
 国庫支出金につきましては、総額七兆四千九百五十八億円で、前年度に対しまして一兆三百三十二億円、一六・〇%の増加となっております。これは、生活扶助基準の引き上げ、児童保護、老人医療等の公費負担の充実等社会福祉関係国庫補助負担金、公共事業費補助負担金、義務教育費国庫負担金の増等が主なものであります。
 次に、地方債でございますが、普通会計分の地方債発行予定額は、三兆百七十四億円でございまして、前年度に対しまして一千五億円、三・四%の増加となっております。この中には、地方財源の不足に対処するための建設地方債一兆三百五十億円が含まれております。
 地方債計画全体の規模は五兆五百六十二億円で、前年度に対しまして二千五百五十二億円、五・三%の増加となっております。
 地方債計画の基本方針といたしましては、景気回復を指向しつつ、住民生活に直接の影響を持つ事業を重点的に推進するとともに地方財源の不足に対処することといたしております。
 最後に、使用料及び手数料等でありますが、これは最近における実績の増加率及びその適正化等を考慮して計上いたしております。
 その結果、歳入構成におきましては、地方税が前年度の三五・二%に対し、一・二%増の三六・四%となり、これに地方交付税及び地方譲与税を加えた一般財源は前年度の五六・九%から五七・三%へと歳入構成比率が増加し、反面、地方債は前年度の一一・五%に対し一〇・五%と一・〇%低下しております。
 (歳出)
 次に、歳出について御説明いたします。
 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は九兆五千二百四十四億円で、前年度に対しまして九・三%の伸びを示しております。これに関連いたしまして、職員数については、教育、警察、消防、社会福祉、清掃関係の職員を中心に約二万八千五百人の増員を図ると同時に、国家公務員の定員削減の方針に準じ、約五千八百人の定員合理化を行うこととしております。
 次に、一般行政経費につきましては、総額六兆三千百九億円、前年度に対しまして七千七百七十九億円、一四・一%の増加となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものは三兆三千四十八億円で、前年度に対しまして四千二百十四億円、一四・六%の増加となっており、この中には、生活扶助基準の引き上げ等を図っている生活保護費、児童福祉費、老人福祉費等が含まれております。
 国庫補助負担金を伴わないものは三兆六十一億円で、前年度に対しまして三千五百六十五億円、一三・五%の増加となっております。この中では、社会福祉関係経費を充実するほか、公害対策関係経費として四百三十五億円、災害等年度途中における追加財政需要等に対する財源留保として三千五百億円を計上いたしております。
 なお、内部管理的な一般行政経費は極力抑制するとともに、物件費等について経費の節減を行うこととしております。
 公債費は、総額一兆七千三百二十億円で、前年度に対しまして三千三百二十三億円、二三・七%の増加となっております。
 次に、維持補修費につきましては、補修単価の上昇等の事情を考慮するとともに、一般行政経費と同様経費の節減を行うこととし、前年度に対しまして二百七十二億円の増額を見込み、四千三百八十三億円を計上いたしております。
 投資的経費につきましては、総額十兆三百八十四億円であり、前年度に対しまして、一兆五千六百三十一億円、一八・四%の増加となっております。これは、経済の現況にかんがみ、公共投資の充実を図った結果であります。直轄、公共、失業対策の各事業は国費とあわせて執行されるものでありますが、明年度においては、公共投資充実の方針のもとに一八・六%の増加となっております。
 一般事業費及び特別事業費のいわゆる地方単独事業費は、総額四兆四千八百五十五億円で、前年度に対しまして、六千九百七億円、一八・二%の増加となっております。この単独事業の中には、前年度に引き続き地方債をもって措置する市町村の単独道路整備事業費二千五百億円が含まれております。また、廃棄物処理施設二六・五%、人口急増対策二三・〇%、過疎対策一六・二%増等生活関連施設の整備充実を図るほか、治山、治水二一・九%増等国土保全にも努めることとしております。
 また、公営企業繰出金につきましては、地下鉄、上下水道、病院等国民生活に不可欠なサービスを供給している事業について総額五千五百二十五億円を計上いたしております。
 その結果、歳出構成におきましては、給与関係経費は三三・〇%で、前年度に対し一・五%の減少となっておりますが、反面、投資的経費は前年度三三・六%から一・二%増加し、三四・八%となっております。
 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(高橋邦雄君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。小川自治大臣。
#8
○国務大臣(小川平二君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 明年度の地方税制につきましては、地方税負担の現状と地方財政の実情とにかんがみ、住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人の道府県民税及び市町村民税の所得控除の額、個人事業税の事業主控除の額並びに料理飲食等消費税、電気税及びガス税の免税点をそれぞれ引き上げるとともに、地方税負担の適正化、地方税源の充実強化等を図る見地から、法人の道府県民税及び市町村民税の均等割、娯楽施設利用税、鉱区税、狩猟免許税、入猟税並びに入湯税の税率の引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化等を行う必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減を図るため、課税最低限の引き上げを行うこととし、基礎控除の額及び配偶者控除の額を二十万円に、扶養控除の額を十九万円に、老人扶養親族及び配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族に係る扶養控除の額を二十万円にそれぞれ引き上げることといたしております。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、それぞれ十八万円に引き上げるとともに、特別障害者控除の額を二十万円に引き上げることといたしております。
 なお、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得八十万円までに拡大することといたしております。
 また、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、均等割の税率をおおむね一・一倍ないし三・三倍に引き上げることといたしております。
 その二は、事業税についてであります。個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減を図るため、事業主控除の額を二百二十万円に引き上げることといたしております。
 その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、住宅金融公庫等から貸し付けを受けて建設する分譲住宅等に係る課税標準の特例措置等の整理合理化を図るとともに、心身障害者を多数雇用する事業所の事業用施設に係る減額措置の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その四は、娯楽施設利用税についてであります。娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場に係る標準税率を千円に引き上げるとともに、利用物件の数量を標準とする場合のパチンコ場、マージャン場及び玉突き場に係る標準となる率をパチンコ場にあっては二百五十円に、マージャン場にあっては七百五十円に、玉突き場にあっては千二百円にそれぞれ引き上げることといたしております。
 たお、利用料金課税及び定額課税を行う場合における娯楽施設利用税について制限税率を設けることとし、標準税率に一・五を乗じて得た率を超える税率で課することができないことといたしております。
 その五は、料理飲食等消費税についてであります。料理飲食等消費税につきましては、大衆負担の軽減を図るため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を四千円に、飲食店等における飲食の免税点を二千円に、あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食の免税点を千円にそれぞれ引き上げることといたしております。
 その六は、鉱区税、狩猟免許税及び入猟税についてであります。鉱区税、狩猟免許税及び入猟税につきましては、その税率をそれぞれ二倍に引き上げることといたしております。
 その七は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、変電所等の用に供する固定資産に係る課税標準の特例措置等の整理合理化を図るとともに、石油コンビナート等災害防止法に基づいて設置される流出油等防止堤について非課税とする等の措置を講ずることといたしております。
 その八は、電気税及びガス税についてであります。電気税及びガス税につきましては、住民負担の軽減を図るため、電気税の免税点を二千四百円に、ガス税の免税点を四千八百円にそれぞれ引き上げるほか、亜炭等七品目に係る電気税の非課税措置を廃止することといたしております。
 その九は、特別土地保有税についてであります。特別土地保有税につきましては、一定の廃棄物処理施設の用に供する土地等について非課税とするほか、非課税の対象となる土地について災害その他やむを得ない理由により納税義務の免除に係る期間内に非課税土地として使用することができないと認める場合には、市町村長が定める相当の期間を限って、納税義務の免除に係る期間を延長することができることといたしております。
 その十は、自動車税、軽自動車税及び自動車取得税についてであります。
 まず、自動車税及び軽自動車税につきましては、昭和五十三年度規制適合車の標準税率を、昭和五十二年度に限り、昭和五十一年の地方税法等の一部を改正する法律による改正前の標準税率とすることといたしております。
 次に、自動車取得税につきましては、昭和五十三年度規制適合車について、その税率を、昭和五十二年四月一日から昭和五十三年三月三十一日までの間に取得されたものにあっては百分の〇・二五を、同年四月一日から同年八月三十一日までの間に取得されたものにあっては百分の〇・一二五をそれぞれ現行税率から控除した税率とすることといたしております。なお、電気自動車につきましては、現行の税率の軽減措置の適用期限を昭和五十四年三月三十一日まで延長することといたしております。
 その十一は、入湯税についてであります。入湯税につきましては、鉱泉浴場所在市町村における環境衛生施設等の整備の促進を図るため、税率を百五十円に引き上げることといたしております。
 その十二は、事業所税についてであります。事業所税につきましては、公害防止事業団から譲渡を受けた共同利用建物について新増設に係る事業所税を非課税とする等の措置を講ずることといたしております。
 このほか、地方税制の合理化を図るため所要の規定の整備を行っております。
 以上の改正により、昭和五十二年度におきましては、個人住民税七百八十七億円、個人事業税四十四億円、料理飲食等消費税百八十六億円、電気税及びガス税その他八十九億円、合計千百六億円(平年度千四百二十二億円)の減税を行う一方、法人住民税の均等割等の税率の引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化等により三百六十九億円(平年度八百八十八億円)の増収が見込まれますので、差し引き七百三十七億円(平年度五百三十四億円)の減収となります。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(高橋邦雄君) 次に、補足説明を聴取いたします。森岡税務局長。
#10
○政府委員(森岡敞君) ただいま説明されました地方税法の一部を改正する法律案の主要な内容に
 つきまして、お配りいたしております新旧対照表
 によりまして補足して御説明申し上げます。
 なお、時間的な問題がございますので、お手元にお配りしております補足説明要旨、それより簡略化して御説明申し上げることをお許し願いたいと思います。
 まず、道府県民税の改正であります。
  二ページの第二十四条の五の改正は、障害者、未成年者、老年者、寡婦の非課税限度額の引き上げであります。
 同じく二ページの第三十四条第一項第六号から第九号までの改正は、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額の引き上げであります。
 次の三ページの第三十四条第一項第十号及び第十一号並びに同条第二項及び第三項の改正は、基礎控除及び配偶者控除の額、扶養控除の額、老人扶養親族及び配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族に係る扶養控除の額の引き上げであります。
 なお、これらの引き上げによりまして、住民税の課税最低限は、夫婦子二人の給与所得者の場合、現行の百三十万九千円から百四十一万八千円に引き上げられることになります。
 三ページの第五十二条第一項の改正は、法人等の均等割の標準税率の引き上げであります。
 次は、事業税の改正であります。
 五ページの第七十二条の十八第一項及び第二項の改正は、個人事業税の事業主控除の額の引き上げであります。
 次は、不動産取得税の改正であります。
 五ページの第七十三条第八号の改正は、不動産の取得とみなされる家屋の改築の対象範囲の合理化でございます。
 次に、六ページの第七十三条の四第一項第九号の二から十一ページの第七十三条の二十四までの改正規定は、不動産取得税における非課税、課税標準の特例等の規定の改正であります。
 次は、娯楽施設利用税の改正であります。
 十一ページの第七十八条第一項の改正は、ゴルフ場に係る娯楽施設利用税の標準税率の引き上げであります。
 十一ページの第七十八条第二項の改正は、利用料金課税及び定額課税を行う場合における娯楽施設利用税について制限税率を設ける改正であります。
 十一ページ及び十二ページの第七十八条第三項の改正は、利用物件の数量を標準として娯楽施設利用税を課する場合の標準となる率につきましての引き上げに関する改正であります。
 次は、料理飲食等消費税の改正であります。
 十二ページ及び十三ページの第百十四条の四第一項及び第二項並びに第百十四条の五第一項の改正は、飲食店等における飲食の免税点、あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食の免税点及び旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点の引き上げであります。
 次は、鉱区税の改正であります。
 十四ページの第百八十条第一項の改正は、税率の引き上げの改正であります。
 次は、狩猟免許税の改正であります。
 十四ページ及び十五ページの第二百三十七条の改正は、税率の引き上げの改正であります。
 次は、市町村民税の改正であります。
 十六ページから十八ページまでの第二百九十五条及び第三百十四条の二の改正は、道府県民税と同様であります。
 十七ページの第三百十二条第一項及び第二項の改正は、法人等の均等割の標準税率の引き上げであります。
 次は、固定資産税の改正であります。
 十八ページから十九ページまでの第三百四十八条第二項第六号の二の改正及び十九ページから二十二ページまでの第三百四十九条の三第一項、第十項及び第二十六項の改正は、いずれも固定資産における非課税、課税標準の特例に関する規定の改正であります。
 次は、軽自動車税の改正であります。
 二十二ページから二十三ページまでの第四百四十五条の二第三項及び第四項の改正は、軽自動車税における月割課税に関する規定の改正であります。
 次は、電気税及びガス税の改正であります。
 二十四ページから二十五ページまでの第四百八十九条第一項の改正は、電気税の非課税措置の廃止及び追加に関する改正であります。
 二十五ページから二十六ページまでの第四百九十条の二の改正は、電気税及びガス税の免税点の引き上げの改正であります。
 次は、特別土地保有税の改正であります。
 二十六ページから二十八ページまでの第五百八十六条第二項の改正は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき設置される一定の廃棄物処理施設の用に供する土地等を非課税対象に加えようとするものであります。
 二十八ページから二十九ページまでの第六百一条第一項の改正は、非課税措置の対象とされております住宅用の土地及び高度利用地区等の区域内における適合建築物の敷地の用に供する土地を徴収猶予の適用対象に加えようとするものであります。
 二十九ページの第六百一条第二項及び第四項の改正は、特別土地保有税に関連いたします納税義務の免除に係る期間の延長制度を改めるものであります。
 次は、軽油引取税の改正であります。
 二十九ページから三十ページまでの第七百条の六第三号の改正は、軽油引取税の課税免除の対象範囲に、国鉄の一定の機械の動力源に供する軽油の引き取りを加えようとするものであります。
 次は、入猟税の改正であります。
 三十ページの第七百条の五十二の改正は、税率の引き上げに関する改正であります。
 次は、入湯税の改正であります。
 三十ページの第七百一条の二の改正は、税率の引き上げに関する改正であります。
 次は、事業所税の改正であります。
 三十二ページから三十四ページまでの第七百一条の三十四第五項及び第八項第二号の改正及び三十四ページの第七百一条の四十一第五項の改正は、いずれも事業所税に関する非課税及び課税標準の特別措置に関する改正であります。
 三十六ページの第七百一条の五十一の二の改正は、譲渡担保の目的で事業所用家屋を譲渡する場合における納税義務の免除につきまして規定を整備するものであります。
 次は、国民健康保険税の改正であります。
 三十七ページの第七百三条の四第四項の改正は、国民健康保険税の課税限度額の引き上げの規定であり、同条第十項の改正は、国民健康保険税の課税額の算定に当たり、被保険者でない世帯主に係る所得割額、資産割額及び均等割額は課税額に算入しないものとする改正であります。
 次は、附則の改正であります。
 四十ページの附則第九条の二の改正は、沖繩電力株式会社に係る事業税の標準税率の特例措置の適用期限の延長に関する改正であります。
 次に、四十ページの附則第十条第二項の改正から四十三ページの附則第十一条の二までの改正は、不動産取得税の課税標準の特例に関する改正であります。
 次に、四十四ページの附則第十二条の二の改正は、昭和五十三年度規制適合車に対して課する自動車税の標準税率を昭和五十二年度に限りまして昭和五十一年度の地方税法等の一部を改正する法律による改正前の税率とする改正であります。
 次に、四十五ページの附則第十五条第四項の改正から五十一ページの附則第三十条の二までの改正は、固定資産税、軽自動車税、自動車取得税に関する課税標準の特例ないし減額措置に関する改正であります。
 次に、五十二ページの附則第三十二条第一項の改正は、政府の補助を受けてバス事業を経営する者の取得する一定の一般乗り合い用のバスに係る自動車取得税の非課税措置の適用期限を二年延長しようとする改正であります。
 五十二ページから五十三ページまでの附則第三十二条第三項の改正は、昭和五十三年度規制適合車の取得に対して課する自動車取得税の税率の軽減の改正であります。
 五十三ページから五十六ページまでの附則第三十二条の三第二項及び第三十二条の三の二の改正は、事業所税の非課税ないし課税標準の特例措置に関する改正であります。
 以上が補足説明の要旨でございます。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(高橋邦雄君) 次に、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。小川国家公安委員長。
#12
○国務大臣(小川平二君) ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
 この法律案は、最近における暴力団等による拳銃等の不法所持及び使用の実情にかんがみ、これらの拳銃等の供給源を封ずるため、販売を目的とした模擬銃器の所持を禁止するとともに、拳銃等の輸入禁止違反及び所持禁止違反等に対する罰則を強化することなどをその内容とするものであります。
 まず、販売目的による模擬銃器の所持の禁止について御説明いたします。
 模擬銃器、すなわち、金属でつくられ、かつ、拳銃、小銃、機関銃または猟銃に類似する形態等を有する物で銃砲に改造することができるものの社会的危険性にかんがみ、輸出のため、模擬銃器の製造もしくは輸出を業とする者またはその使用人が業務上所持する場合を除いては、何人も、販売の目的で模擬銃器を所持してはならないことといたしたのであります。
 次に、拳銃等の輸入禁止違反、所持禁止違反等に対する罰則の強化について御説明いたします。
 最近、拳銃等の密輸入事犯が著しく増加の傾向にあり、しかも、そのほとんどが暴力団等に譲渡されている実情にあります。そこで、今回、これらの密輸入事犯を防止するため、その法定刑を引き上げ、違反した者に対しては、重い刑罰をもって臨むことといたしたのであります。
 また、拳銃等が不法に所持され、犯罪に使用されることを未然に防止するため、拳銃等の所持禁止違反についても法定刑を引き上げることといたしたのであります。
 なお、これらの罰則の強化に関連して、鉄砲の製造禁止違反についても、同様の措置が必要でありますので、附則の規定により武器等製造法の罰則の一部を改正することといたしております。
 その他現行の罰金額を経済事情の変動に伴い引き上げることとするなど、所要の改正をしております。
 最後に、この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしておりますが、販売目的による模擬銃器の所持禁止に関する改正規定は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#13
○委員長(高橋邦雄君) 次に、補足説明を聴取いたします。浅沼警察庁長官。
#14
○政府委員(浅沼清太郎君) 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の内容につきまして、逐条御説明をいたします。
 第一は、販売を目的とした模擬銃器の所持の禁止の規定を第二十二条の三として新設したことであります。
 最近、暴力団等が金属製の玩具類拳銃を銃砲に改造する事犯が著しく増加するとともに、改造の対象が金属製の玩具類小銃、機関銃または猟銃にまで及んでいる実情にあります。
 そこで、今回、この種の改造事犯の防止を図るため、金属でつくられ、かつ、拳銃、小銃、機関銃または猟銃に類似する形態及び撃発装置に相当する装置を有する物で、総理府令で定める基準に適合しない改造容易なものを模擬銃器とし、何人も販売の目的でこれを所持してはならないことといたしたのであります。
 ただし、輸出のための模擬銃器の製造もしくは輸出を業とする者またはその使用人が業務上所持する場合は、その所持を認めることといたしております。
 第二は、罰則の整備強化に関する第三十一条以下の改正であります。
 その一は、拳銃等の輸入禁止違反に対する罰則の強化に関する第三十一条の改正であります。
 この種の違反は、その危険性ないし悪性が非常に高いのでありますが、最近、暴力団等による拳銃等の密輸入事犯が著しく増加している実情にありますので、その防止を図るため、この種事犯に対しては、これまでより重い刑罰をもって臨むことといたしたのであります。
 すなわち、拳銃等の輸入禁止違反につきましては、これまでの五年以下の懲役または三十万円以下の罰金を一年以上十年以下の懲役とし、営利の目的の場合は、これまでの七年以下の懲役または五十万円以下の罰金を一年以上の有期懲役または一年以上の有期懲役及び三百万円以下の罰金に、それぞれ法定刑を引き上げることといたしたのであります。
 なお、これに伴い、武器等製造法の一部を附則で改正し、拳銃等の製造禁止違反の罰則をこれまでの五年以下の懲役または三十万円以下の罰金から一年以上十年以下の懲役に引き上げるとともに、新たに営利製造罪を設けてその法定刑を一年以上の有期懲役または一年以上の有期懲役及び三百万円以下の罰金とし、さらに、これらの未遂罪も処罰することといたしたのであります。
 その二は、拳銃等の所持禁止違反及び偽りの方法により拳銃等の所持許可を受けることの禁止違反に対する罰則の強化に関する第三十一条の二及び第三十一条の三の改正であります。
 現行法は、これらの違反について、拳銃等と猟銃の法定刑を同一に規定しているのでありますが、最近、拳銃等が暴力団等によって犯罪に使用されるなどその社会的危険性が高まってきていることにかんがみ、拳銃等の法定刑を引き上げ、猟銃より重く処罰することといたしたのであります。
 すなわち、拳銃等についての法定刑をこれまでの五年以下の懲役または二十万円以下の罰金から十年以下の懲役または百万円以下の罰金に引き上げることとし、猟銃についての懲役刑は、従来と同じものとすることといたしたのであります。
 その三は、販売を目的とした模擬銃器の所持の禁止に伴い、その違反に対する罰則を第三十二条第三号として、新設したことであります。
 これは、銃砲に改造することができる模擬銃器の社会的危険性にかんがみ、その法定刑を一年以下の懲役または二十万円以下の罰金としたのであります。
 その四は、罰金額の引き上げに関する第三十一条の三以下の改正であります。
 現行法における罰金額は、昭和三十三年に定められ、その後現在までほとんど改正されていないため、その後の経済事情の変動から見て実情に沿わないで、最近における他の立法例を参考として、その引き上げを行おうとするものであります。
 すなわち、これまでの二十万円以下を五十万円以下に、十万円以下を三十万円以下に、五万円以下及び三万円以下を二十万円以下に、一万円以下を十万円以下にそれぞれ改めることといたしたのであります。
 なお、販売の目的による模擬銃器の所持の禁止に関する改正規定は、公布の日から起算して六月を経過した日から、その他の改正規定は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしております。
 以上が、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の内容であります。
 何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(高橋邦雄君) 次に、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。小川国家公安委員長。
#16
○国務大臣(小川平二君) ただいま議題となりました警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 国家公務員等について傷病補償年金が設けられること及び警察官の職務に協力援助して災害を受け長期にわたり療養する者の実情にかんがみ、協力援助者災害給付制度に傷病給付を創設して、重度の障害を受けた協力援助者に対する給付の充実を図ろうとするものであります。
 次に、この法街案の内容について、その概要を御説明いたします。
 その改正内容は、警察官の職務に協力援助した者に対する災害給付として、負傷または疾病が治っていない場合の廃疾に対する傷病給付を新たに設けることとするものであります。
 なお、以上の改正は、本年四月一日から実施することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#17
○委員長(高橋邦雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案及び警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案に対する質疑は後日に譲ることとし、地方税法の一部を改正する法律案については、本日、予算委員会散会後、委員会を再開して質疑を行うことといたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時開会
#18
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#19
○野口忠夫君 大分遅くなりましてから大臣に御出席を願って、質問の機会を与えてもらってまことにありがとうございました。
 主に大臣にひとつお尋ねしたいと思うのですが、高度な経済成長の達成を目標にして日本の政治経済、財政金融、教育、労働、社会の全体制をこの一点に集中して、高度経済成長政策は、ある程度まで成功したものとやったことのけしからぬものとを残しておりまして、日本人の立場から言えば、非常に喜んだ人と、あきれ返った人とが今日存在しているだろうと思うのですが、オイルショックという大きな外部規制の中で、この成長路線は再び日本に訪れることはない。これからの日本の経済は安定経済路線を歩まねばならないということを、三木内閣、福田内閣もこれを確認しながら今日の政治を担当しているわけでありますが、安定成長路線というのは一体何だろう。高度な経済成長政策から安定経済成長に移る、具体的にこれを言えば、私は、福祉や年金制度の充実と国民福祉の向上が経済成長を促進する、福祉優先の経済に軽換することが安定経済へ向かう日本の姿ではないか。いま求められている安定経済成長路線の具体的なあり方はそういうものになっていくのではなかろうか、こう私は考えるものでありますが、同じような御認識を大臣にいただけるかどうか、お答えを願いたいと思います。
#20
○国務大臣(小川平二君) いわゆる安定成長路線に経済が乗りました場合にも、なおかつ経済は六%、七%の成長を遂げると、かように私どもは想定をいたしておるわけでございますが、そういう状況のもとで、今日までの高度経済成長への反省から、やはり地方公共団体の地域住民というものが求めておりますることは、良好な生活環境の維持、あるいは自然の保護、あるいは福祉の充実ということであろうと考えておりまするので、そういう地域住民のニーズに対応する施策を実行していくことが今後ますます必要になると、こう考えておるわけでございます。
#21
○野口忠夫君 経済の高度な成長という一点でしぼられて地域は捨てられてきましたし、住民はその捨てられた地域の中で、過疎ないしは過密というような課題の中では、全く生活の中でこの経済成長で与えられたものは多くの住民にとっては不満が多かったというように思うわけでありますが、いまおっしゃいました六%の経済成長、そういうものが常に保たれながら、そこで生まれてくる日本の国の利益というものは、公害を残したり、自然を破壊したり、空気を濁したりするようなそういうことではなくて、あくまでも地域住民のこの一点にやっぱり戻っていくような政策、これが日本の安定した経済成長の基本的な路線ではなかろうか。高度経済成長は、残念ながらそのことを忘れて進められてしまった。六%の国益というものは、そういう地域住民の中に戻っていくというあり方の中で、安定した、国民の納得する、国民の喜ぶそういう経済政策がこれから進められるのだという考え方なのでありますか。
#22
○国務大臣(小川平二君) 根本におきまして、仰せと同じような考え方を私も持っておるわけでございます。
#23
○野口忠夫君 大臣のいまの御答弁で、私と共通の認識を持って、今日の国と地方の将来への発展に向かっての努力は続けられなければならない、目標はそのように言われてくると、こう認識するわけでありますが、やはりこうしたような安定経済成長路線が定着するための地方自治体における行財政のあり方というものは、その責任が非常に重いと思うのです。いわば、新しい一億の日本人がこれから進んでいこうとする国の方向に対して、地方自治体は、この責任の大部分を負うて転換していくこれからの日本に対処していくということになりますと、まさに福祉の原点というものは地域住民の中に存在して、その中から住民の要求というものが、従来までの政治に対する不信と不満の中で、今日、非常に多様化された価値観のもとに大きくこれが拡大しつつあります。
 今日の地方自治体行政の指導を担当する自治省としては、この地域住民の願いというものを正しく受けとめて、これを尊重し、その上で、今日の地域住民の要求が単なる地域住民のエゴに終わらないような、そういう指導を含めて、自治という理念を媒体として、協調と連帯の人間関係を地方自治体の中につくり上げていくという課題、この地域住民の要求を尊重し、尊重した中でこれを温かい指導の手の中で導き、自治という精神の中でつくり上げていく福祉環境、こういうものの中で初めて豊かな日本人の地域住民が生まれて、そこからさらに経済が大きく発展していくという、こういう路線を安定経済成長路線と言うのであろうと思いますから、少なくとも自治省は、この路線の中で、自治省として受け持つ責任と使命とを、だれにも遠慮することなく、果敢に推進するという根性を持たなくちゃならぬじゃないかというふうに私は思うのです。それが今日の日本の民主化の原点ともなるような、一人一人の人間の新たな日本への協力というような態勢が生まれてくる。
 地方議会制というものに対して、非常にいま脱政党、脱政治的な傾向が無関心という層の中であらわれております。私たちがやっていく間接民主主義制を守る意味においても、少なくとも地域住民の一人一人の、直接民主主義の代行としての役目を果たすような間接民主主義をわれわれがいま守らないと、これからの日本の将来にとって大きな問題を残していくのではなかろうかと思われる今日の状態を見るわけでありまするから、これは自治省の役目というものは非常に大事じゃないかということを考えておりますので、私の以上のような認識について大臣はどうお考えになりましょうか。
#24
○国務大臣(小川平二君) 仰せにはことごとく同感でございます。非常に大事な時期に差しかかっておりますので、決心を新たにいたしまして努力をしてまいりたいと存じますから、これからもぜひ御鞭撻をいただきたいと存じます。
#25
○野口忠夫君 当委員会も、ただいま申し上げましたような精神にのっとって、地方行政委員会というものは私はここに参りましてからお邪魔しているわけでございますけれども、ここは超党派です。与党も野党もみんな一つになって、ただいまの問題について営々努力してきたということを私は言いたいと思うのであります。今日の深刻な地方財政の危機は、やっぱり地方自治体が単なる中央の下請団体と化してしまって、自然増収というものに安易に依存しながら、荒廃し、過密化し、過疎化していく地域自治体を捨ててきた自主性のなさの中にこの問題がやっぱりあった。いまこそ地方自治体に、自主的な、主体的な自治の本旨の本来の姿に立ち戻られるような、そういう地方自治、行財政をこの委員会の中でつくりたいということを願いながら論議をしてきたと私は考えております。真剣になってやってきたと思うわけであります。
 御承知でございましょうが、当委員会では委員会独自の決議というものを二回にわたって上げております。この決議の中にある項目は、大臣全部御承知であろうと私は思います。それが立法府におけるわれわれの意思であったということを御確認をいただいて、同時に、福田総理大臣はこの決議に対して、一生懸命実現することに努力します、こういうお約束をわれわれはいただいておるわけであります。われわればかりではありません。地方団体の関係六団体の皆さんが、今日、自治省のもとに提言している、みずからがみずからの責任で地域の中で自治の本旨に基づいて日本の国をひとつ発展さしていきたいという願いに基づく提言は、いままで何度かなされてきたと思うわけであります。これは莫大な費用をかけて、多くの人を使って、ひたすらに地域住民の幸せを願いながらやった地方団体の皆さんの貴重な調査であろうと私は思うのですが、このような提言もなされております。
 さらに、自治省は今度世論調査をなさいました。アンケート調査をなさいました。この調査の結果自治省にもたらしたものは、私どもと全く同じ、そういう姿の中で今日の地方自治体を育成しようとするアンケートの集結の結果であったろうと私は推測いたします。これはまさに国民の声ですね。今日の地方自治体における従属性を振り切って、自主的に地域住民の要求を土台としながら、日本の国の繁栄のためにこれを導き、一つになってひとつ日本の国の再建をやっていこうではないかという、新たな日本の転換に対する全国民の期待であり、希望であろうと私は思うわけでございます。
 そういう中で五十二年度の地方財政計画が出されたわけでございます。われわれは、当委員会で審議をする過程での自治省行政当局の皆さんのお答えの中には、今度こそこの方向に向かって出発するような、そういう五十二年度の地方財政計画がわれわれの前に説明されるであろうと期待したのでございますが、残念ながら二つの点で全くどうも納得できないものがあるわけです。
 一つは、先ほどから申し上げておりまする今日の地方自治体運営のための根性がない。何か地方財政計画はバランスをとっただけの、入ってくるものと出ていくものとのバランスをとっただけのものであって、この中から、先ほどから申し上げておりまする課題を追求するような、そういう根性というものがどうも出てこないように思うのです。
 また第二点には、先ほど申し上げました広い地域での広範なる国民の要求というものを、この財政計画の中で一歩解決しようとするような前進の姿勢は、私は、この地方財政計画では今回見ることができない。これは野口忠夫が見ないだけではございませんで、各種新聞の社説等を見ましても、何で今度の地方財政計画で後年度にツケを回すような借金にしたのだと。何も地方交付税の率を引き上げても同じことではなかろうか。何かいろいろ御苦労なすっていることはよくわかります。しかし、その御苦労はちっとも喜ばれる御苦労ではないのではなかろうか。新聞の記事、あれはみんなが読むわけでございましょうが、あの記事で見る限り、借金財政、つかみ金財政、こんな表現で書かれていることは、政治に信頼を取り戻そうとする今日の段階の中で決して名誉なことではないというふうに思うわけであります。
 私は、大臣の所信表明に対する質疑において、五十二年度は仕方あるまいと、五十三年度はこの根性で出るんだろうと尋ねられましたときに、大臣は、経済が落ち着いてから地方財政を直すというお答えがあったように記憶します。誤っておったら御訂正いただきます。そうではなくて、経済を安定させていく土台としての地方自治だということを、先ほど私の意見に大臣も御表明、御協力いただいたわけです。五十三年度からひとつそういう意味で出発する前提としての五十二年度の委員会に私はしてほしいのです。ここで何遍やったって同じですよ。私は、きょうは会議録をみんな持ってきて、その中で福田さんは何と言ったか、その前の財政局長は一体何と言ったか、みんな出してきてこれは見せたいような気もしたわけですが、あえて見せなくても全部わかっていることだろうと思いまするから、ひとつ五十三年度には日本の経済を立て直すことが自治体の中から生まれてこなければならぬというような観点の中で、高度経済成長に協力した日本の体制というものを地方自治体を中心とする福祉の方向に持っていくような抜本的な体制への切りかえというものを、そして安定成長路線というのはこういうものなんだということをお示しになるような、ひとつ五十三年度の自治大臣の根性をお聞きしたいというように思うわけであります。
#26
○国務大臣(小川平二君) この地方財政計画につきましていろいろの御批判があると存じまするが、今日のような状況下で地方債の活用という手段に頼る、あるいは交付税特別会計が借金をする、これはやむを得ざることだと考えておるわけでございます。現行の税制を前提といたしまする限り、仮に経済が安定をいたしましても、国、地方を通じて財政の均衡を回復するということは困難でございまするから、遠からざる将来に税制の抜本的改正が必ず必要になってくると存じます。経済が一応安定の路線に乗りました暁には、このことを実行しなければならない時期が来ると存じます。そのときに、今日の地方の税財政制度にも根本的な改正を加えまして、そして強固な財政基盤を樹立しなければならない、かように考えております。今日政府が鋭意景気の立て直しの施策を講じておるわけでございますが、私はこれが一日も早く功を奏しまして、五十三年度においてかようなことを実行できるような経済環境が来ることを強く期待をいたしておるわけで、私自身といたしましても、微力でございますがそのために努力をしてまいりたいと、こう考えておるわけであります。
#27
○野口忠夫君 大臣から意欲のほどを承りまして、五十三年度にはひとつ前向きの方向――全部ではないのですからね、自治省の姿勢はこういう方向で行政が行われていくのだという方向の中でわれわれもひとつ御協力できるように、また仕方なかったからなんと言って大蔵省あたりの言うことを聞く自治大臣ではだめだと。いまの日本にとって一番大事なのは私は自治大臣だと思っているのです。大体三千五百を超える地方自治体が一番いま中央に来て悩んでいるのは各省庁ですよ。自治省の扱っている自治団体が本当に苦労しているのは各省庁です。ここに補助金があります、超過負担があります。やっぱり自治大臣にその閣議の中でいろいろあったこともお聞きします。御苦労のほどもわかるのですけれども、私らも一生懸命やることにしまして、御奮闘のほどをお願いして、その点で終わっておきましょう。
 地方財政計画の内容を見るわけでございますが、非常にむずかしいことが書いてあるので、これを一体どうするのかというような感じがするわけでございますが、地方財政計画の方針の説明の文章の前の方に、中小所得者の地方税負担を軽減するとありますね。これは税の負担の軽減というのですね。その後に地方税源の充実強化をすると、こういうふうにあるわけです。そうすると、中小所得者、地域住民の地方税負担は軽減して税源を確保するということになると、一体どうして確保するのだろうか。これが新しい方向に対して考えられることなんですが、五十二年度の自治省の試算によりますと大体税の増は三%、そのうち地方は一%は必要とすると。今回減税が行われたわけですが、約七百三十億のマイナスでございますが、これはこの一%の中から言いますと影響はないものでしょうか。これは大臣でなくてもいいです。
#28
○国務大臣(小川平二君) 今回住民税の減税を実行いたしましたわけでございまするが、ただいまの地方財政の状況からいたしますると、これはありていに申しまして減税のできる状況ではないと信じております。しかし、所得税の方で負担調整的な減税も実行されたことでございまするし、所得税の方のいわゆる控除失格者でなおかつ住民税を負担しなければならない階層の税負担ということも考慮いたしまして、減税を実行いたしたわけであります。将来、中期収支試算が目標といたしておりまする五十五年度に財源の不足をなからしめるという目標から考えますると、税負担は引き上げていかなければならない、そういう状況下でありまするために、住民税の減税ということには私どももいろいろ苦慮したような次第でございまして、一口に申しまするなら、これは御指摘のように、中期の目標という観点からいたしますると矛盾でございます。これはやむを得ないことだったと考えております。
#29
○政府委員(森岡敞君) 補足して申し上げますが、中期地方財政収支試算では、地方税の租税負担率を、四十八年度から五十年度までの三カ年度平均、これが六・九%でございます、それから一%引き上げるという試算をしておるわけでございますが、五丁二年度の地方財政計画に基づきます地方税の負担率は六・五%でございます。したがいまして土台になるところで〇・四%すでに落ち込むということになりますので、一%租税負担率をアップするということはかなりな思い切った税制改正をお願いしなければなかなか困難なことであろうというふうに思います。
#30
○野口忠夫君 同じ五十二年度の収支試算ですが、ここでは地方税の総額はこの試算の中では約二倍というふうなことを言うているわけですがね。結果的には、先ほど言いました中小所得者の地方税負担を軽減をしながら地方税源の充実強化をするという方向は二つですね、やっぱり。一つは増税をするかということです。これからの地方行財政の進め方の中で税源を確保するために増税をするか。もう一つは、高度経済成長という体制の中に巻き込まれた日本の税制政策の中では本当に不公平税制がある、この不公平な税制を正しく直していく、公正な税制のあり方の中で税源を取っていくか、この二つがあるわけでございますね。
 この増税について、中期税制のあり方の中間報告が出されておりますね。ここでは、従来までの枠の中でやれることはできればやるが、そんなことではちょっと間に合わぬ、新しい税項目を起こさねばならぬというような内容の中間報告がなされているわけですが、自治省としては、現在の現行の地方税の枠の中で増税できる項目があるのかどうか。もし財源確保のためにそういうものがないとすれば、新しい税をどんなふうに考えているのか、この税源確保のための皆さんのお考えをお聞きしたい、こういうふうに思います。
#31
○政府委員(森岡敞君) 昨年の六月から十一月にかけまして、税制調査会におきましては、今後の五十年代前半におきます基本的な税制のあり方につきましてかなり広般な御審議を願ったわけであります。大きく分けますと、所得に対する課税、資産に対する課税、消費流通に対する間接税、この三つの項目について御審議をいただいたわけでございます。
 で、中間報告で出ておりますところを要約いたしますと、まず所得に対する課税のうち個人の所得に対する課税は、わが国の場合、所得税も住民税も、欧米先進工業国に比べまして、まず第一に課税最低限はかなり高い水準になっておりまして、また、平均的な所得に対する負担率というものはかなり低くなっております。そういう観点から申しますと、先進工業国の所得税負担に比べてわが国の住民税、所得税の負担はかなり低いという指摘がなされております。一方、法人の所得に対する課税については、実効租税負担率から見まするとほぼ欧米先進工業国並みでございますけれども、なお若干低い、なお若干引き上げる余地があろう、こういうことになっておるわけでございます。
 資産に対する課税につきましては、これは地方税の固定資産税が中心でございますけれども、これにつきましては評価の面でなおいろいろ充実を図る面があるのではないか、こういう御指摘がなされております。
 消費流通に対する間接税につきましては、これは税制の基本に触れる問題であります。要は、現在の個別消費税体系、個別間接税体系というもので今後のわが国の税制を考えるのか、あるいは個別消費税体系から一般消費税という形での税収確保の方策を講ずるのかという大きな問題があろうということで、それらを通じましての結論は今後に持ち越したわけでございます。そういう意味合いで申しますと、現行税目の中でも御指摘のように税負担の増加を求めてしかるべきものもあるわけでございます。また現行税目の中だけで処理し切れない場合には、新税というものも新たな観点から考えていく必要があるということにもなろうかと思います。いずれにいたしましてもこれは大問題でございますのでこの秋までに税制調査会において最終的な結論を得るように私どもお願いしてまいりたい。
 なお、その際に一般的な租税負担の増加を求めます場合には、御指摘のように税負担の不公平があります場合には国民の御理解が得られにくいわけでございますので、租税負担の増加をお願いする場合には、当然税制における公平の確保というものを並行して徹底していかなきゃなるまい、こういう御指摘も行われておるわけでございます。
#32
○野口忠夫君 ちょっと逆でなかろうかというふうに私思うのですがね。国が一つの増税を考えるような答申の中間報告があった、それに準じて地方も考えていく――どんなことを考えるか具体的にはお話がございませんでしたが、秋までにひとつその検討はしていきたいと。やはりこの新しい増税の項目を起こす、あるいは従来までの税負担を増高していくということのためには、やっぱり最初にやるべきものは不公平税制の改正でなければならぬと私は思うのですね、目に余るようなものがあるわけですから。新聞にはちゃんと書いてあるわけです。こちらの方はこれだけふえてくるが、あっちの方は構わないでおくというやり方は、一体これは国会議員も行って何をやっているんだ、一つもわれわれとは通じない政治が行われている、自治省も新しい大臣になったけれども一向に通じないと。やっぱりそういう国民と国会というものとが通い合っていかないような状態がこれはできてくることだと思うのですよ。そういう意味で言えば、不公正税制という、公正を欠く税制ですね、これはやっぱり勇気をもって改めていかねばならぬ課題ではなかろうか。それでも足りないからどうだという形でなければならぬじゃないでしょうか。私も来て以来、この委員会の附帯決議や決議の中に入っているのですが、産業用電気税の非課税措置の撤廃について、これは非常な不公平をもたらしているものだとわれわれは考えるわけでありますが、大体これで減税されている額というのは現在の電気・ガス税額の約半分と。調査していただいたので見ると、五十年度を例にとりますと、税が全部で一千三百九十七億ある、五十年度に。この非課税措置によって減税されている分が八百八億あったという数字が出ております。パーセントにすると五七・八%のこれは減税になっておるわけでありますね。そういうものがわずか九十七品目でございますから、本当に何か特定の業者に対して特定の免税を行っているという不公平税制の尤たるものではなかろうかということで、全会一致の中で電気税の非課税は撤廃すべきであるということをいままでわれわれは主張してきたのですが、杳としてなかなかこれが進まないわけであります。大体非課税品目を製造している企業を見ますと、これは大企業が多くて、担税能力もあるような方々でありまするが、この産業用電気税の非課税措置をまず撤廃する、そういうことから税源の増というようなことについて考えていこうという、そういうお考えの中で、これは自治大臣から非課税の措置の撤廃についてひとつお答えを願いたいと思います。
#33
○国務大臣(小川平二君) この租税特別措置は、これは申すまでもないことでございますが、何らかの政策目的を実現いたしますためにあえて税の公平を犠牲にしておる制度でございますから、制度の効果とそのために与えておる恩恵とのバランスということには絶えず留意して見直しを行っていかなければならない、そういうつもりで今日まで努力をしてきておるわけでございます。ここへきて所得税の減税すらなかなか実行できない大変な論議を呼ぶ状況になっておりまするし、今後の方向としては国民の税負担率を高めていかなければならない時期でございますから、この際、租税特別措置につきましては根本的な見直しをいたしまして、慢性化しておるもの、特権化しておるものにはこれはきわめて峻厳な態度で手を加えて整理をしていかなければならない、こう考えております。根本的にはさような考えで、現行の租税特別措置につきましてもできるだけ地方財政への影響を遮断するということをやってまいっております。輸出関係の海外投資損失準備金でございますとか市場開拓準備金というものはこれは影響を断ち切るということもやっております。
 いまの産業用の電気の非課税でございますが、これは制度の置かれておりまする趣旨は、原料に対する課税を避けよう、こういう趣旨で、重要産業あるいは新規の基幹産業というものに対してコストの中に占める比率が五%以上のものについて課税をしておらないわけでございますが、電気税もその後改定されておるわけでございまするし、かつては一〇%であったものがだんだん引き下げられて、昭和三十六年当時税率一〇%が今日は五%に引き下げられておるという事実もございます。この間に経済環境も非常に変わってきておることでございますから、自治省といたしましてはかねてからこの非課税基準について検討を加えなければならない、そういう方向で税制調査会にも審議をお願いをし、私どもの考え方も申し上げて審議をお願いをいたしておるわけでございますが、ことし一月の答申におきまして、この非課税措置については、今日までの電気税の推移あるいは財政、経済環境の変化に即応して現行の基準の見直しを行い、非課税品目の整理合理化を図るべきである、こういう御意見がある反面、一方において、エネルギー価格の国際比較あるいは企業の国際競争力も考えなければならない、かような観点から、しばらく現行の制度、現行の基準を維持すべしと、こういう御意見も出たわけでございまして、したがってこの電気税のあり方もこの関連においてなお引き続いて検討すべしと、こういうことで税制調査会におきましては結論が出ておらないわけでございます。したがいまして、この問題につきましてはこれからも関係省――通産省とも十分協議を遂げ、かたわら税制調査会の御意見も伺いまして対処してまいりたいと存じておりますが、自治省の考え方はいま申し上げたとおりでございます。なかなか思うようにまいらない点が実際問題としてあるわけでございますけれども、これから先も努力をしてまいりたいと思います。
#34
○野口忠夫君 時間が参りましたので、残余の件は三十一日にひとつやらしていただきます。
 以上で終わっておきます。
#35
○阿部憲一君 地方税法の改正につきまして自治大臣並びに当局に二、三伺いたいと思いますが、地方財政も国家財政と同様に税収不足と歳出増でもって財政全体が一時しのぎを続けておることは残念でありますが、地方財政につきましては昭和四十年代半ばごろから急激な都市化に伴う財政需要などによりまして国からの補助金、交付税に依存する傾向を一層強めております。たとえば昭和四十二年度の交付税の不交付団体が百四十八団体あったのが、昭和五十一年度当初の不交付団体は五十七団体となっております。地方公共団体の九八・二%が交付税団体になっております。このことは、全般的に地方税収が伸び悩んでいる構造上の問題をあらわしていると言えるのではないかと思いますが、この辺につきまして御見解を承りたいと思います。
#36
○国務大臣(小川平二君) 地方財政が昭格五十年度以来、ずっと大幅な財源不足に陥っておりますのは、申すまでもなく地域住民のニーズにこたえてまいりまするための財政需要が急速に大きくなってくる。反面、不況の長期化に伴いまして、特に景気の変動に対して敏感な法人所得関係の税を中心といたしまして、国、地方を通じて税収の伸びが鈍化をしてきておる、根本的にはこういう事情があるわけで、これは国も都道府県も市町村も同様の事情にあると存じます。
 そこで、今日までの税収の推移を見ますると、都道府県につきましては、経済情勢の推移に伴いまして税収の規模が大きくなってきておるわけでございますが、市町村につきましては歳入のうちに占める税収のウエートがだんだん低くなってきておる状況でございまして、ことに大都市におきましては御指摘のようにこの傾向がきわめて顕著でございます。したがいまして、大都市に関する限り、御指摘のようにこれは一つの構造的な問題だと理解すべきだと、こう考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後の安定成長下における地方税制のあり方という点につきましては、今日、税制調査会の御審議を煩わしておるわけでございますけれども、今後構造的に安定性を持ち、かつ伸長性を持った税源を確保するということに配慮しながら地方税源の強化に努めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#37
○阿部憲一君 そこで伺いたいと思うのでございますが、こうした構造上の問題を抱えた地方税制を今後どのような方向に持っていくかということにしぼられると思いますが、さきに、当面の地方財政の状況の見通しにつきまして地方財政収支試算を公表しておりますけれども、これは従前の財政構造をそのまま延長して試算したものとなっておって、地方税の構造上の問題にはこたえていないように思いますが、この点についてどのようになっているか、御説明願いたいと思います。
#38
○国務大臣(小川平二君) この財政収支試算は、昭和五十五年において一般会計の財源不足をゼロにする、その目標に到達するための道程を示した一つの試算でございまして、仰せのように、きわめて具体的な税制改正の問題には事柄の性質上触れておらないわけでございます。
#39
○阿部憲一君 昨年の秋に、政府税制調査会で中期税制のあり方について中間報告を公表していますが、これを見ますと、現行税制の問題点やそれから新税構想の骨子、問題点などを示しておりまするけれども、地方税収の安定化、それから伸長性等を考慮した、すなわち構造上の欠陥について余り検討されていないようでありますが、自治省としても、中期税制のあり方について税調で十分検討してもらうようにすべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
#40
○国務大臣(小川平二君) お言葉の中期税制のあり方におきましてもまた、きわめて具体的な税制改正の問題には取り組んでおりませんが、今後、私どもといたしましても、安定成長下における地方税制のあり方という点につきましては、御意見を伺いつつ鋭意研究をしてまいりたいと思っております。
#41
○阿部憲一君 ことに財政力の強いはずの大都市すらも交付税の交付団体となっているということは、国と地方で税源配分を再検討して、財政力のある地方公共団体が独立財源を持てるようにすべきであると思います。国と地方の財源配分についてはすでに何度か議論されておりまするけれども、一向に改善されていないわけでございまして、安定成長経済下における地方税制を抜本的に考えるべきではないか、このように思うのですが、いかがでしょうか。
#42
○国務大臣(小川平二君) 御指摘のとおり、昭和四十二年と五十一年を対比いたしまする際に、都市におきましては昭和四十二年度において八十五団体が不交付団体であったわけでございますが、今日、この不交付団体が三十二という数字になっておるというような事実がございます。御指摘の点は非常に大事な問題と心得ておりまするので、今後あとう限り努力をしてまいりたいと思います。
#43
○阿部憲一君 また、さらにお伺いしたいのですが、税制調査会における中期税制の論議の前提には、この期間の終わりでありまする昭和五十五年度までに歳入補てんの特例国債を打ち切るという基本的な枠組みがあり、その結果、三%ほど租税負担率を引き上げろ、こういう結論をつけているようでございますが、この三%を国と地方でどのように振り分けるか、はっきりしておりませんが、どうも現在の国と地方の税源配分である二対一の割合で割り振っているように思われますが、この割り振りについても再検討の必要があると思われますが、いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(小川平二君) これは四十八年から五十年の間の国税、地方税の収入額がおおむね二対一でありまするので、さしあたってこの二対一という数字をとっておるわけでございます。それ以外に格別の根拠はございませんので、この点につきましてはこれからも中期税制を検討いたしまする際に検討しなければならない問題だと考えております。
#45
○阿部憲一君 そこで、地方税制の安定的な確保からいたしまして、事業税の外形標準課税、これが全国知事会等から提案されておりますが、もともとこの事業税は、シャウプ税制で事業と労働者がその地方の公共団体の行政サービスを受けることを根拠として応益課税の原則に立っているものでありますから外形課税とすべきものであると思いますが、本年度はなぜ実施に踏み切らなかったのか、お伺いします。
#46
○国務大臣(小川平二君) 仰せのとおりに、地方公共団体の与えまする行政サービスと企業の事業活動との間の応益関係にこれは着目して発足した税でございます。そこで、この税の性格を明らかならしめたい、かたがた府県に対して安定した税収を与えたいという考えで問題を持ち出したわけでございます。この件につきましては税制調査会にお願いをいたしまして、今日の所得基準と外形基準とをあわせ用いることがいいか悪いか、また、その際対象となる企業の範囲をどういうふうにしぼるか、あるいは税率をどうするか、いろいろな問題について御検討いただいたわけでございますが、直ちにこの外形標準の導入に踏み切るべしという御意見があります一方、今日の景気に与える影響ということをも十分考慮しなければいけないという御意見もございまして、結論的にはいま少し時間をかけて慎重に検討すべしという御結論をいただいたわけでございまして、私どもは筋から申しましても、また安定した税収を確保したいという考え方からも、何とかこれを実現したいと考えておりますので、関係方面の御理解を得る努力をこれからも続けてまいりたいと思っております。
#47
○阿部憲一君 税制調査会の答申では、「外形標準課税の導入にふみきることは時期尚早であるという意見」、それからまた、「今後における我が国経済社会の変動に対応してとられるべき将来の税制の姿をも考慮しつつ慎重に検討すべきではないかという意見」などが出されて結論を得るには至らなかったと、こう述べておりまするけれども、中期税制のあり方の答申が得られた時点には事業税の外形課税については結論が出る、こういうふうに考えてもよろしゅうございますか。
#48
○国務大臣(小川平二君) その時期におきまして結論を出していただきたいと考えておるわけでございます。
#49
○阿部憲一君 それでは、昭和五十二年度の地方税法改正案の内容についてお伺いしたいと思いますが、住民税の法人均等割が昨年に続いて引き上げられておりまするが、昨年の改正で引き上げ不足であったのか。また、個人の均等割は法人均等割の額とのバランスなどを理由に引き上げることはしないでしょうか、どうでしょうか、そこら辺を御説明願います。
#50
○政府委員(森岡敞君) 法人住民税の均等割につきましては、御指摘のように五十一年度の税制改正において約三倍、大法人は六倍に引き上げております。この法人均等割ができました昭和二十五年から現段階までの、たとえば国民所得の伸び、これが四十八倍、そういう所得の伸びでありますとか、物価あるいは地方団体の行政サービスの向上などを考えますと、やはりいま少しく負担を求めていいのではないかということで、今回さらに重ねて引き上げをお願いしたわけでございます。この結果、二十五年対比で申しますと、一番最高税率が当時二千四百円でございました。それが十万円に相なりますので、約四十二倍ということになりますので、まあこの辺のところが二年間引き続いて引き上げました結果ほぼ妥当な線になったのではないか、かように考えておるわけでございます。
 なお、個人の住民税の均等割につきましては、これはやっぱり個人の負担に直接かかわる問題でございますので、今回の法人住民税の引き上げとのバランスを考慮してまた引き上げるというふうなことは現段階では考えておりません。ただ、今後の物価なり所得の状況に応じまして、こういう定額課税につきましては、やはり時期に応ずる見直しということをやりませんと負担が相対的に低くなるという問題がございますので、そういう観点からの検討は将来あり得るかと思いますが、今回の法人均等割の引き上げと関連しての検討ということは現段階では考えておりません。
#51
○阿部憲一君 今回の改正で、住民税の課税最低限が夫婦子供二人で百四十一万八千円となっておりますけれども、昭和五十一年度の人事院の標準生計費は百七十万二千六百八十円となっておりまして、この額にもはるかに及ばないわけで、庶民の生活を圧迫したものとなるわけですが、一体住民税の課税最低限の水準をどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(小川平二君) 住民税は、地域社会の費用を地域住民が能力に応じてできるだけ広く分担していこうと、こういう性格の税でございまするから、住民税の課税最低限もそういう趣旨から定められておるものと理解しております。
 そこで、標準生計費は、公務員の給与を定めまする際に、総理府の家計調査に基づきまして、標準的な生計を行うために必要なものとして算出されましたいわば理論的な数値だと存じますが、住民税の方はもともと最低生活費には課税すべからず、課税しない、そういう趣旨で設けられておりまするので、必ずしも住民税の課税最低限がやはり標準生計費を下回ることになってもこれは必ずしもおかしいことではない、やむを得ないことだ、こう考えておるわけでございます。
#53
○阿部憲一君 人事院の標準生計費とそれから住民税の課税最低限を比較してみますると、いま大臣のお話がありましたけれども、年々両者の差が広がってきているわけです。第七十二国会のときに住民税の課税最低限の基準について当時の首藤税務局長は、前年の国の所得税におきます標準家族の課税最低限、これのまあ八割見当と申しますか、そういったものから下らないように措置をしていくようなことを従前からも自治省として考えておったわけでございますが、今後ともそういった線は下らないような額にぜひ設定をしていきたい、こういった趣旨のことを述べておられますけれども、昭和五十一年度は七一・五%、五十二年度は七七・五%と八割に達していないわけでございまして、国会での答弁に責任を持つべきじゃないかと思いますが、大臣いかがですか。
#54
○国務大臣(小川平二君) 後任の税務局長がおりますので、答弁を申し上げます。
#55
○政府委員(森岡敞君) 住民税の課税最低限につきましては、大臣が先ほどお答え申し上げましたように、広く地域社会の費用をできるだけ負担していただくということで、所得税の課税最低限よりは低く定めるという考え方に立っておるわけでございますが、いま御指摘の七十二国会におきます御質問の内容は私も拝見いたしましたが、一応のめどといたしまして、前年の所得税の課税最低限の八割程度をめどとして努力をしたいと当時税務局長が申しております。ただ、それに対しまして御質問者の方が、住民税の課税最低限はいわば会費的なものだから、所得税の八割というのはむしろおかしいんじゃないか、おかしいというか、そういうことを言っておると住民税の性格と矛盾してくるんではないかという御指摘もあり、しさいに見ますと、必ずしも八割というものにとらわれるわけではないけれども、一応のめどとしてそういうものを考えていきたいんだと申し上げておるわけでございます。まあ私は地方財政の状況、それから納税義務者数の推移、納税義務者数がどうなっていくかということと、それから市町村におきます納税義務者の層の範囲というもの、これはやはり住民税というものを考えます場合に慎重に検討する大きな問題だと思うのでございます。ほんの一握りの人しか納めていただかないような住民税でありますとこれはもう住民税という名に値しないので、所得税の付加税でもいいぐらいのものになってしまいます。ですから、その辺のところをいろいろ考え合わせて課税最低限のあり方を考えていきたい。確かに八割というのは一つのめどとして私も考えたいと思いますけれども、そのときどきにおきます財政状況なり納税義務者自身の状況などを考えまして、若干の振れは出てまいるということは御理解を賜りたいものだと思うのでございます。
#56
○阿部憲一君 それでは次に、住民税の各種の控除についてでございますが、中でもこの基礎控除、配偶者控除、これは二十万円になっております。扶養控除を十九万円にしていますけれども、所得税ではすでに昭和五十年度から三控除の額は同額になっております。税の計算の簡素化また負担の軽減などから、早急に一致させるべきであるとも思いますが、この辺、局長、いかがにお考えですか。
#57
○政府委員(森岡敞君) 御指摘の四十八年度の税制改正が行われました際の基礎、配偶、扶養の三控除の金額は、基礎控除が十六万円、配偶者控除が十五万円、扶養控除が十二万円ということでございまして、基礎控除に対しまして配偶者控除は一万円低く、扶養控除が四万円低かったわけでございます。その後、四十九年度に基礎控除と配偶者控除を同額の十八万円にいたしました。扶養控除につきましては、申し上げるまでもなく、この額を引き上げます際には、かなりな減収が生じます。そのようなこともございまして、四十九年度、五十年度、この両年度にわたりまして、順次引き上げてまいりました。しかし、なお二万円の開きがあったわけでございますが、今回その差を一万円にやっと縮めたわけでございます。率直に申しますれば、できるだけ早く縮めたいという気持ちで努力してまいったのでございますが、何しろ明年度の財政の状況でございますので、明年度にこれを一致させるということは困難な状況にあったことを御理解賜りたいと思います。
#58
○阿部憲一君 そうすると、大体来年度、五十三年度あたりには一致するというふうに考えてもよろしゅうございますか。
#59
○政府委員(森岡敞君) もっぱら地方財政の状況にかかわると思いますけれども、私どもといたしましては、御趣旨に沿うような方向で、鋭意努力をしたいと思います。
#60
○阿部憲一君 事業税について伺いたいのですが、今回事業主控除を二十万円引き上げて、二百二十万円にしておりまするけれども、この控除額の根拠について御説明願いたいと思います。
#61
○政府委員(森岡敞君) 事業税につきましては、これもやや経緯を申しますと、四十八年度から四十九年度にかけまして、非常に大幅な事業主控除の引き上げを行ったわけでございます。四十八年度は事業主控除額は八十万円でございましたが、それを約倍近くの百五十万円に引き上げました。それに基づきまして、事業税の納税義務者数が、その前は百四十数万人でございましたが、約六十九万に、半分ぐらいに半減したわけでございます。その後はその納税義務者数がほぼ大きく上回らない、また大きく下回らないように事業主控除額を引き上げるということを一つのめどにしております。同時にまた所得や賃金の伸び、物価の伸び、上昇等も頭に置いておるわけでございますが、私どもといたしましては、この改正によりまして事業税の納税義務者数が、五十一年度は四十六万人でございましたが、恐らく四十二万人強になると思っております。
 その辺を一つのめどといたしましたことと、それから消費者物価の上昇が御承知のように八・四%という率になっております。それらも頭に置きまして一割の引き上げを行ったということでございます。
#62
○阿部憲一君 今回のこの措置によりまして、所得税失格者で事業税を払うという者はどのようになるのでございますか。
#63
○政府委員(森岡敞君) 昭和五十一年度の実績では約二千人でございますが、五十二年度もほぼ同程度の二千人程度というふうに見ております。
#64
○阿部憲一君 ところで、例年国会に対する請願の中でもって、事業主報酬制度を所得税、住民税と同様に事業税にも認めよという趣旨のものが出されておりまするけれども、これについてどのようにお考えでございますか。
#65
○国務大臣(小川平二君) 事業税の性格が、行政サービスと企業の事業活動との応益関係に着目した税でございますから、事業主報酬制度を選択する者としからざる者との間に税負担に開きが出てくるということは、これははなはだおかしいことになるということが問題としてまずあろうかと存じます。
 さらに、この事業主報酬制度は、青色申告をする人にだけ認められておりますから、白色との間のバランスということも考えなければなりませんし、実際問題といたしましては、この事業主報酬の定め方によりまして納税者が激減すると、税を納める人がいなくなってしまうというような現象も起こりかねないということがございます。
 さらに、この事業主報酬制度というものでございますが、これは事業主の所得の勤労部分を概算的に控除するという制度で、年々これを、ただいま御質疑もございましたように、引き上げておるということもございますので、これらの事情を考えまして、五十二年度において事業主報酬制度を導入するということをやらなかったわけでございます。
#66
○阿部憲一君 娯楽施設利用税について伺いますけれども、制限税率をなぜ創設したのか。それから、できるだけこの制限税率というものは設けるべきではないと、こう思いますけれども、その辺についてお考えを承りたいと思います。
#67
○政府委員(森岡敞君) 御承知のように、地方税法におきます標準税率の制度は、地方団体の税制運営上の自主性を尊重する、こういう見地から設けておる制度でございますが、他面、やはり地域間の納税者の負担のバランスというものも税法でもってある程度確保していくという必要がございますので、主要な税目については制限税率の制度を設けておるわけでございます。
 ところで、昭和二十五年の地方税法制定当時は、どちらかと申しますと、市町村税は数多い市町村でございますので相当の税目について制限税率は設けますけれども、都道府県につきましては、できるだけ制限税率は設けないと。数が少のうございますから、十分自治省とも相談をしていただいて、余り無理な、むちゃな負担を求めるということはなかろうと、こういう趣旨で、制限税率制度は多くの税目について設けていなかったわけでございますけれども、しかし、やはり世の中も推移してまいりますといろいろな事態も出てまいりますし、やはり税負担の地域間のバランスということは法律でもってある程度確保しなければ納税者の利益も担保されない、こういうことでございますので、だんだんと、いろいろ御意見がありますけれども、法人事業税についても制限税率を先般設けました。今回娯楽施設利用税に設けまして、これで主要な税目につきましてはほぼ制限税率が設けられておると、こういう状態になっておるわけでございます。
#68
○阿部憲一君 若干細かいことをお伺いしますけれども、改正案で法七十八条の第三項の後段に新規に加えられた括弧書きの部分が、ちょっとわかりにくいので、御説明願いたいと思います。
#69
○政府委員(森岡敞君) やや難解な規定を挿入いたしまして申しわけございませんが、この括弧書きの趣旨といたしますところは、利用料金を課税標準として娯楽施設利用税を課税いたします場合には一〇%の税率で課税――標準税率でございますが、これを超えて超過課税をいたします場合に、この外形標準、外形で課税をいたします部分についても、同じ娯楽施設利用税でございますから負担のバランスをとる必要があろうと、そこで外形によって課税する場合の標準となる率についても、他の施設について超過課税をやりますならばそれと同率によってこの標準となる率を引き上げて条例で税率を定める、こういう趣旨の規定でございます。利用料金課税分について定めた超過税率を百分の十で除して得た割合をこの標準外形課税の場合の標準となる率に乗じて得た率とすると書いておりますのはそのような意味でございます。
#70
○阿部憲一君 次に鉱区税、それから狩猟免許税それから入猟税、これをそれぞれ二倍に引き上げておりますけれども、その根拠は、先ほども野口さんからお伺いしたようですけれども、もう一度ひとつ御説明願いたいと思います。
#71
○政府委員(森岡敞君) 鉱区税につきましては昭和二十五年から税率が据え置かれておるわけでございますが、その間の単位鉱区面積当たりの生産金額をとりますと二・〇六倍になっております。で、鉱区税の性格から、やはりこういう数字をもとにして考えるのがよろしかろうということで二倍にいたしたわけでございます。
 それから狩猟免許税につきましては、四十六年に税率の改正を行っておりますが、その後の国民所得指数、四十六年対五十一年の国民所得指数を見ますと二・〇三倍になっておりますので、その指数によって二倍という数字を設けました。
 それから入猟税は、これは御承知のように鳥獣保護費等の目的税でございます。で、鳥獣保護行政の経費の中で入猟税が占めておる割合は、四十七年度で見ますと九八・三%でございましたが、五十一年になりますと、四一・五%ということで約半減しておるわけでございます。やはりこういう目的税でございますから、相当部分はこの目的税で賄えるようにいたしたいということで二倍に引き上げるという措置をとったわけでございます。
#72
○阿部憲一君 電気税それからガス税の免税点が今回の改正で二千四百円と四千八百円と、こういうふうに二割ずつ引き上げられておりますけれども、昨年の六月ごろからの電気料金、ガス料金の引き上げは二割以上なされております。結局免税点の引き上げ幅が少な過ぎるんじゃないか、こういうふうに思われますが、どうでしょう。
#73
○政府委員(森岡敞君) 御指摘のように、電気料金の九電力会社の平均的なアップ率は二〇%を超えておりますけれども、各電力会社を通じまして、いわゆるナショナルミニマム料金と申しておりますが、月百二十キロワットアワー以下の料金につきましては値上げ率を低く押えております。そこで、現在の二千円という免税点で使えます電力使用可能量は、九電力平均いたしまして百四十キロワットアワーでございます。まあ百二十キロワットアワーがナショナルミニマム量といたしますとほぼその辺のところではなかろうかと。これの九電力平均の値上げ後の金額は約二千四百円でございまして、そのアップ率は一八・六%ということになっております。そのようなことから二割の引き上げをやらしていただいた、こういうことでございます。
#74
○阿部憲一君 事業所税について伺いますけれども、事業所税の税率の資産割の一平方メートル三百円、あるいは新設事業所の一平方メートル五千円というのは、今回の定額税率の見直しで検討したのでございますか。
#75
○政府委員(森岡敞君) 事業所税につきましても、定額で税率を定めておりますこの御指摘の分につきましては一応検討いたしましたが、御案内のように昭和五十年に創設したばかりでございます。それから五十一年度に課税団体の範囲を人口五十万から三十万に引き下げる、こういうふうな改正をしたばかりでもございます。その他の定額税率がいずれも数年あるいは二十年という長い期間据え置いたものについての見直しでございますので、やや事業所税の定額税率分とは様子を異にいたしております。ですから、今回は事業所税につきましては検討の結果見送ることにいたしました。今後の問題として検討してまいりたい、こういうふうなつもりでございます。
#76
○阿部憲一君 この事業所税の定額税率が見直しをされる条件というのはどのようなものですか、御説明願いたいと思います。
#77
○政府委員(森岡敞君) まず一つは、何と申しましても都市の財政需要の動向が一番大きな問題だと思います。都市施設の整備の目的財源でございますから、それを基本に考えてまいりたい。それから固定資産の価額と申しますか、資産価額の推移、これも一つの検討いたします場合の大きな要件であろうと思います。それらを勘案いたしながら、さらに物価でありますとか、国民所得の伸びなども総合的に判断して検討してまいる必要があろうかと思います。
#78
○阿部憲一君 たとえばこの従業者割の給与総額の百分の〇・二五、これと資産割のバランスが創設当初の比率から何割程度乖離したらば定額を見直しするというふうなルールをこれは持つべきだと思いまするけれども、その辺のお考えはいかがですか。
#79
○政府委員(森岡敞君) 確かにいま御指摘の点は一つの問題だと私ども思っております。と申しますのは、当初事業所税を創設いたしました当初は、事業に係る事業所税と新増設に係る事業所税の税収がおおむね半々になるように、同じその事業に係る事業所税のうちで資産割と従業者割がまた半々になるようにということで税率を決めますという経緯があるわけでございます。昭和五十二年度を見ますと、新増設に係るものの税収は一四%でございます。これはまあ御承知のかなり長期の不況でございますから、設備投資も非常に冷え切っておりますので、どうしてもそうならざるを得ない。それから事業に係る事業所税の資産割と従業者割は、半々といいますよりも資産割の方にウエートがかかりまして、資産割が約四九%、従業者割が三七%というふうなことになっております。まあそういうふうな事案と、それからいま申しました創設当初の経緯から申しますと確かに一つの物差しであろうかと思いますけれども、これはしかし絶対のものと考えるのかどうかということになりますと、これだけで決めるのはいかがかという感じがいたします。したがいまして、先ほど申しましたように、財政需要、それから固定資産の価額の状況、所得、物価水準、その辺のところを総合的に勘案して決める方が合理的ではなかろうかという気持ちでおるわけでございます。
#80
○神谷信之助君 前回は地方財政の基本問題について議論をいたしました。きょうは地方の財源を一層強化をするという点で、具体的に道路財源と道路政策、これを中心にひとつ議論をしてみたいと思います。
 すでに御承知のように、四十八年から五十二年度にかけまして第七次の道路整備五カ年計画が進められております。これは来年度五十二年度で第七次計画が一応終わるという段階になるのですが、建設省の方へこちらの方でお聞きをいたしました。時間の関係もありますから私の方から申し上げますが、それの到達状況といいますか、進行状況は、五十二年の三月末の見込みですが、これが一般国道で改良率が八六・七、舗装率が九二・九、都道府県道が同じく五七・六と七三・七、主要地方道が七〇・九、八一・九、それから一般都道府県道ですね、これが五〇・七と六九・四、市町村道が二二・八と二九・二、合計二九・二と三六・八というようにお聞きをしているのですが、道路局長、それでよろしいですか。
#81
○政府委員(浅井新一郎君) 結構でございます。
#82
○神谷信之助君 いま確認をしてもらいましたが、この改良率、舗装率、どっちを見ましても市町村道がべらぼうに低いわけですね。改良率が二二・八、それから舗装率が二九・二です。で、国道、都道府県道、市町村道全部を含めました合計で、改良率が二九・二、舗装率が三六・八ですから、その平均よりも市町村道が非常におくれている。すなわち市町村道の立ちおくれが道路整備の改良率、舗装率を低めているという結果になってきているということをひとつ提起をしておきたいと思うのです。
 その次にもう一つ、今度は、道路局長にお尋ねしますが、第七次計画全体の計画ですね、総事業費十九兆五千億と聞いておりますが、このうち、一般道路関係でどれだけの事業費ですか。その内訳ですが、一般国道、主要地方道、都道府県道、市町村道、その四つに分けていただいて計画の事業量。それと同時にその事業費の区分ですが、特定財源率、国費地方費に分けて。さらに地方費の方は都道府県、指定都市、市町村と、その三つの区分ができればおっしゃっていただきたいと思いますが。
#83
○政府委員(浅井新一郎君) 細かい数字いろいろございますが、まず七次五カ年計画の事業量といたしましては、一般国道は改良が七千五百二十キロ、それから舗装が八千四十キロ、地方道では改良が二万三千三百四十キロ、舗装が二万七千四百七十キロということでございます。
 それからこれを事業費にいたしますと、一般道路で、一般国道は全部で三兆七千七百億、地方道が二兆四千四百億ということでございまして、そのほか雪寒とか調査、交通安全いろいろございますが、全部合わせまして九兆三千四百億というのが一般道路の第七次五カ年計画の合計額でございます。
 あと進捗率……
#84
○神谷信之助君 それはいいです。特定財源率。
#85
○政府委員(浅井新一郎君) 特定財源の比率でございますが、特定財源の比率を申し上げますと、昭和五十二年度の特定財源比率は当初で八九%、五十一年度は補正後が九〇%、五十年度は、補正後の数字でございますが、八二%ということになっております。
#86
○神谷信之助君 そのいまの特定財源率を、国費、地方費での区別わかりませんか。さらに地方費の方は、できれば都道府県道、指定都市、市町村で区別ができないですか。
#87
○政府委員(首藤堯君) 地方費の方の特定財源の比率を申し上げますが、五十二年度で申し上げますと、道府県では五五・八%、それから指定市が五六・一それから市町村は四四・九、約四五でございますが、そのくらいの比率になっておると思います。
#88
○神谷信之助君 国費は……。
#89
○政府委員(首藤堯君) 地方費の全体では五一・八でございます。国費は先ほど道路局長が申し上げました。
#90
○政府委員(浅井新一郎君) 私の申し上げましたのが国費でございます。
#91
○神谷信之助君 ああ、先ほどね。
 いまお聞きのように、道路整備事業で国費の方は特定財源で負担をしている部分というのが五十年度で八二%ですが、八二、九〇、八九というように、特定財源が道路整備事業の圧倒的多数部分を占めている。それから地方費の方は、これを見ますと、都道府県全部一緒で五一・八%、半分ぐらいしか特定財源で負担していない、こういう実態にあります。ですから、ここのところを私はひとついま検討する必要があるんじゃないかというように思うのです。
 それで、第七次の道路整備五カ年計画が立案をされたときのその背景は一体どうであったか。第七次道路整備五カ年計画。
 これは時間の関係もありますから大ざっぱに私の方から申し上げますが、今後十五年間の経済成長率の平均成長率を八ないし九%と見る。それから国内の総生産が、六十年度に四十五年度の三・四倍として二百三十兆ないし二百五十兆と見て、そしてそれに対応する自動車の交通需要が、四十五年に比して旅客は二倍、貨物は三倍、自動車の台数は四十六年の二・二倍の四千二百五十万台、新全総に対応する第六次五カ年計画では三千五百万台という見込みだったのですが、それをさらに上回って四千二百五十万台、こういう自動車の増加に合わせて、現状とほぼ同じ程度の交通状況を考えて第七次の道路整備五カ年計画というのが策定をされています。すなわち、新しいネットワーク、それから高速自動車国道一万キロ、これらを含めて第七次の道路整備五カ年計画が策定されたのですね。
 ところが、御承知のようにこれが高度成長政策というのが崩壊をしています。したがって現段階では、それ以後、その第七次道路整備五カ年計画がそういう今日の新しいいわゆる低成長の時代に立ってどういうように変化をしてきているのかという点ですね。それだけ低成長になり、財政難も強まっておりますから、この計画自身を全体としてスピードダウンをする、そういう方向をとっているのか。それとも、その高成長が失敗をしたわけですから、それに伴って転換を図っていく、そういう方向をとろうとしているのか。この辺についてひとつ道路局長の方から聞かしていただきたい。
#92
○政府委員(浅井新一郎君) 先生御指摘のように、第七次五カ年計画の途中で、石油ショックということで高度成長から安定成長へ移行する時期を迎えたわけでございますが、そういうことから第七次五カ年計画自身の進捗状況は、先ほどもお話ございましたように、五十二年度、現在の計画で終わったとしましても大体八〇%の達成率ということでございまして、これはこれまでの五カ年計画の第六次までの姿から申し上げますと、初めてこういう低い達成率で終わるということになったわけでございます。達成率もさることながら、この間に、石油ショック以降のいろんな道路づくりの方向というものを見直さなければならぬ時期を迎えまして、中身としても、現在第八次の五カ年計画の策定の作業の中でいろいろ考えておりますが、第七次五カ年計画そのものはこういうふうに当初の予定よりも八割の達成率でございますので、その中でいろいろ事業採択に当たっては若干転換を図りつつ執行しておるということで、交通安全事業その他にはかなり重点を置いて進めておるわけでございまして、ただ、根本的に新しい枠組みで仕事を進めるためには、第八次五カ年計画の中ではっきりしたそういう方向を打ち出してやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#93
○神谷信之助君 第七次五カ年計画では、石油ショック以後新しい転換というのは、いわゆる交通安全事業なんかを採択していくという程度のまだ転換ぐらいですか。
#94
○政府委員(浅井新一郎君) 第七次の五カ年計画は五十二年度でもう終わるわけでございまして、五十二年度の予算を組むときに、第八次を組むべきか、あるいは第七次を完全遂行してから第八次に移行するか、まあいろいろな判断があったわけでございますが、やはり第七次の五カ年計画が残事業として相当残っているわけでございますので、その中でやはりその時代に即した事業がかなりあるわけでございます。そういうものを重点的に取り上げながら、たとえばいま交通安全事業と申し上げましたけれども、市町村道事業にもかなりな伸びを見ておりますし、それから雪寒事業、そういった事業、それから中身の環境対策等については個々の施策をこの第七次の五カ年計画の中で打ち出しておりますので、やはり五カ年計画の全体の整備目標そのものは一応数字として枠組みがあるわけでございまして、中身については、その採択の際にいろいろその時点での重点施策を考えながら取り上げていっておりますので、第八次に移行する姿でやはり七次の計画そのものも残事業の中の重点施策ということで逐次方向転換を図ってまいりたいというふうに考えております。
#95
○神谷信之助君 この問題は先般の二月二十二日ですか、参議院の建設委員会と、それからきょうのまた予算委員会でもわが党の上田議員が問題にしたわけですが、いままでの高度成長政策のもとでのモータリゼーション政策といいますか、そのもとで揮発油税、ガソリン税、これをどんどん取って、そして高速自動車道路をどんどんつくる、そして車がどんどんふえる、またガソリン税がふえる、それでまた道路をつくっていく。しかも、それは日本列島改造の計画に基づく、新しいネットワークに基づく高速道路網、それからそれぞれの都市を中心にした道路網というのを中心に大体道路整備事業を進めていく、こういう状況できているわけですね。だから、市町村道に対しても補助対象にしてやっていくという場合でも、市町村道でも一級、二級の幹線道路といいますか、そういうようにして、何といいますか、そういう集中の方向に道路がつくられていく、そういう形で全体に今後道路事業というのは進んでいくと思いますね。これが実は、公害の問題にしましてもいろんな多くの問題を出していますし、それから交通事故で死んだ人が三十四万人ですし、負傷者は国民の十人に一人が交通事故という数字になるわけですね、この数字が一千万を超えていますから。そういう状態も起こしてきています。
 ですから、この特定財源方式というのが、そういう形で高速自動車道路、そしてそれぞれのコンビナート地域とコンビナート地域を結ぶ、そういうところにその補完をする国道の整備あるいはそれに対するさらには都道府県道の整備、主要地方道の整備という形でずっと進められて今日きているんですが、しかし、私はここでちょうど第八次五カ年計画を五十三年度から策定をするという段階ですから、そういう道路政策そのものをひとつ根本的に転換をするということが必要ではないか。たとえば今度の景気浮揚対策にしましても、そういう有料道路あるいは高速自動車道路に対する投資よりも、いわゆる暮らしの道路というか、足元の道路というか、市町村道の整備をもっともっと重点的にやっていく、そこに道路財源を投入をするという方向に転換をする。
 ですからこうなりますと、高速自動車道路は事業費が大きいです。しかし、それは一本のごついラインですわね。市町村道というのは個々の事業費というのは細かいわけです。しかし、その市町村道を整備することによってその地域の中小企業はどんどん各地で仕事を手にすることができる、こういう状況になってきますね。ですから、日本の経済を支えているのが九九%を占める中小企業である、その中小企業がいま不況の中でどんどんと月一千件以上の倒産が相次いでいる、そういう状況の中で景気回復をする場合に、どうしても特にその点をひとつ私どもは重点を置かなければならない。特にこれは自治省としては、住民の自治体に対するそういう市町村道の整備、暮らしの道路の整備に対する要求にこたえるためにも、先ほど言いましたように、二〇%台というような改良率、舗装率がいま一番おくれている市町村道に対して、道路の特定財源をうんと投入をするということが私は必要じゃないか、そういう転換を第八次五カ年計画では大胆に考えるべきではないかと思うのですが、この点についてひとつ自治大臣の御意見を聞きたいと思います。
#96
○国務大臣(小川平二君) お言葉にありますように、モータリゼーションがどんどん進んでまいります。そこで地方の、とりわけ生活関連道路の色彩の強い市町村道の整備を急がなければならない、私どもかねてからこのことを考えておるわけでございますが、舗装率あるいは改良率、現状はいま御指摘のあったとおりでございますので、今日までもあとう限りのことをやってまいりまして、四十九年の税制改正の際には自動車取得税、地方道路税の税率引き上げを実行いたしました。五十一年度にも軽油引取税の税率を上げる、あるいは地方道路税の税率引き上げに伴いまして地方道路譲与税の市町村への一部移譲というようなこともやってまいったわけでございます。道路目的財源の一部を地方に移譲するということも考えなければならぬことだと存じますが、今日国の財政も赤字国債に依存するという火の車の状況でございますので、なかなか今日これを実行するということも困難でございますが、いま御指摘をいただきましたように、第八次道路整備五カ年計画におきましては、ひとつ徹底的に市町村道のめんどうを見てもらうような措置を講ずることができますように、建設省に対して強く要請をし、お願いをするつもりでございます。
#97
○神谷信之助君 これは大臣、お願いをするのじゃなしに、政府の道路政策をどうするかという問題ですからね。これは国務大臣の一人として、閣議の中で、政府の政策決定の問題として私は議論をしてもらいたいというように思うんですよ。すでに国道の方は五十年の四月一日では改良率九九・六、舗装率一〇六・九という数字になっておりますね。それから国道昇格で延長がふえましたから、また改良率、舗装率は、それからまた下がりましたけれども、それでも国道の方は八六・七、九二・九というところへきているわけです。ですから財源を、道路の財源をやっぱり市町村に思い切って渡すということを考えてもらう必要があるんじゃないかと思うんです。五十二年度の予算で見ますと、揮発油税、地方道路税、石油ガス税、軽油引取税、それから自動車重量税、それから自動車取得税、これの総額は二兆二千九十五億ですね。国税で取っている分、地方税で取っている分とありますが、その国税、地方税で取りながら、結局国と地方に分けますわね、国税の部分も。それで、分けた分で見ますと、国の方の、国の道路財源として使われているのが一兆四千二百三十億で、先ほど言いました二兆二千九十五億に対して六四・四%です。それから、地方自治体の方に回っているのが約七千八百六十五億ですか、三五・六%ですよ。ですから、いわゆるこの道路の財源として税収は上がってきている。そのうち国の方で六四・四%使い、地方の方で三五・六%使っている。だから、単純に言えば、これは引っくり返してもいいじゃないか、少なくとも揮発油税の二〇%ぐらいを地方に回す、あるいはその他地方に譲与する分もふやしていくというような方法を考えてみてはどうか。
 これはこの間、当委員会で指定都市の議会の代表の皆さんの陳情がありましたが、その陳情の際にも、この市町村の道路目的財源の増強について、もっと配分割合を引き上げてもらいたいというのが強く要請をされているわけです。それからまた町村会の方も、町村道の整備促進に関する要望の中で、特に町村の道路目的財源の拡充強化を強調しております。ですから、自治体の方の要求というのは、非常に自動車も普及していますから、特に農村の場合は、バスその他が赤字路線で多くなりましたからどんどん減ってくるという関係もあるし、それから農業だけでは食えませんから、働きに出なきゃならぬということで、自動車がふえていますわね。ところが実際には、走る道路というのは大変な状況になっておるというわけですね。
 きょうは一例を一つ申し上げますが、たとえば京都の亀岡市ですが、ここで市道が約千本、その延長が約四百キロです。平均の幅員が三メートル強なんですよね。だから田舎の町、昔の町だったのが近郊都市でどんどん人口がふえてきて、いま人口が六万二千人にふえてきているんですけれども、しかし、古い町並みがそのまま、古い道路がそのままですから、平均幅員三メートル余り。だから幅員が狭くて市道の大半が一車線で、離合はできないという状況ですね。ところが、車の保有状況というのは五十年の三月現在で二万四千台余り、現在恐らく二万五千台を超えているだろう。そうすると、一万七千世帯ですから、一世帯当たり一・四台という状況になるわけですね。向こうは国鉄とあとバスしかありませんから、だからもう九号線一本しかありませんという状況ですから、皆自動車で京都へ通うというのが圧倒的に多くふえている。ところが、国道九号線一本ですから、もうこれが停滞をして、普通なら二十分ぐらいで行くのが一時間半ぐらいかかる、ラッシュにはそういう状況が生まれてます。しかも夏になりますと、海水浴なり何なりに行く人が日本海へ行きますから、どうにもこうにも一日じゅう動きがとれぬという。そうすると、国道を離れて市町村道の方に、市道の方に車がどんどん入ってくるわけですね。それが離合できませんから、あっちでもこっちでもふん詰まりをする。最近、国道が込んで市道を迂回をするということで、小さい橋だけれども古い橋が落ちたという例もあるんですね。小さい小川にかかっているような橋で、昔のままのやつがそのまままだ改良されずに残っているというのが相当あります。しかし、この橋一つ改修するにしても三千万、四千万はすぐかかる、こういう状況なんですね。
 ここのところで、五十一年度の道路、橋梁関係予算を見ますと、総額が三億六千六十九万五千円、譲与税が四千六百八十八万、それから自動車取得税交付金、これが五千八百万、国庫補助が二千四十万で、したがって残りは起債を含めて自分のところで工面しなけりゃいかぬ、これが二億三千五百四十一万五千円、そのうち起債分が、昨年の例の市町村道路整備事業の事業債、これが七千五百万、一般単独債で二千百万、合計九千六百万という起債です。ですから、起債も非常に少ないんで、自己財源を相当持ち出さなければできない。それでもなかなか住民の要求にはこたえることができないという状態がいまだに続いているわけですよ。
 ですから、こういう点を考えますと、先ほども言いましたが、たとえば揮発油税の二〇%、これが一番大きいわけですから、一兆一千百九十億、五十二年度予算でありますから、これならこれの二〇%分とかいうように、国の方の道路財源として使うのじゃなしに、特に市町村が立ちおくれをしているわけですから、整備がおくれているわけですから、そのおくれているところにその道路財源がよけい回ってその地域の仕事ができる、こうしますと、その地域での経済活動もそれだけまた活発になってくるわけですから、過疎問題、これらの解決にも役立つわけですね。
 だから、こういった全体的なことからひとつ私は、建設省にお願いしてということじゃなしに、本当にそういう過疎で悩み、そして苦しんでいる、あるいは今度は人口急増で、古い町並みが残っているようなところでもうにっちもさっちもいかぬ、そういう状態になっている、そういう一切の問題を解決をしていく方法としても、これは自治省としても、この道路政策の転換、そして道路財源の配分について十分に検討して、しっかりした理論体系もつくって、政府部内でも主張をして、少なくとも五十三年度から第八次計画が始まるわけですから、これにやっぱりしっかりこうはめ込んでいくということをぜひひとつ決意をしてもらいたいと思うのですが、大臣にお願いしたいと思います。
#98
○国務大臣(小川平二君) 全く御同感でございますから、ひとつ一生懸命努力をいたします。
#99
○神谷信之助君 ついでにちょっと言っておきますが、五十一年度から始まりました市町村の道路整備事業の事業債、これで、先ほど言いましたように亀岡も七千五百万円起債を認めてもらって助かっておるわけですね。五十二年度も、今度は二千五百億つきましたからいいんですが、聞いてみますとこれは全部縁故債で、利率九・五%ですか、と言っているんですよね。だから、政府が景気対策として市町村道の整備事業を事業債を起こしてやろうと、そういうようにおっしゃるならば、その資金は政府資金で少なくともやってもらいたいと、まあ利子まで全部持てとは言わぬけれども、少なくとも政府資金で持ってくれたっていいじゃないか、あるいはその金利差について負担をしてもらえないか、あるいはこの償還が、聞きますと縁故債はいろいろ条件が違うようですから、いつから返済が始まるかわかりませんが、その公債について交付税措置をするとかあるいは特別の財源措置をするとか、こういうことをせめてしてもらいたいというのが、これはいまのは亀岡の例ですが、あっちこっちでやっぱり聞きます。せっかく市町村道の整備にそういう特別の資金を充当してもらったんだから、仏つくって魂入れずじゃ困るので、そこまでひとつ踏み込んでやってもらいたいという意見が強い。この点ひとつ財政局長にお考えを聞きたい。
#100
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、去年二千億、市町村道の整備事業債を設けまして、大変評判がよろしかったのでございますが、残念なことに、資金は縁故資金を充てざるを得なかったわけであります。縁故資金の消化状況でございますが、五十一年度の年末ぐらいまではかなり高い金利、ただいま御指摘ありましたように九分を超えたようなものも一、二ございましたが、最近はおかげさまで大分金利が落ちてまいりまして、消化も、まあ過渡的なものだと思いますが、かなり円滑に行っておるようでございます。
 ところで、この市町村道整備債は景気浮揚の面からも、生活道路整備の上からも大変評判がよろしゅうございましたので、ことしは二千五百億に増加をいたしたわけでありますが、政府資金の総量がやはり限られておりますので、政府資金というわけになかなかまいりません。しかし、どうしても消化ができないで困るというところもございますので、わずかでございますが五十億ほど政府資金を一応準備をしておるわけであります。
 それから、この金利差問題でございますが、これは地方債計画全般に該当いたしますけれども、全地方債の六〇%まで政府資金であったと仮定をした場合の金利差、これは交府税の中に臨特で将来もらうという措置をしてありますのは先生御案内のとおりでございます。
 それから第三に、このような単独道路の起債償還費が、将来個々の町村にとってどうなるかという問題があるわけでございます。これは今後とも地方交付税の道路費の投資的経費でございますね、これの単位費用を、こういったものの償還が始まります事態に応じまして、これをかさ上げをしていくという措置をとって、道路費の基準財政需要額を増加していこうと。そうしていけば、平均的なかっこうになりますが、こういった償還費が各市町村の財源に充てられるというかっこうになると思いますので、これはそのような措置をとってまいりたいと考えております。
#101
○神谷信之助君 交付税の単位費用の中に算定をするというやつは、これは最低というか、ぎりぎりのところですよね。本来、そうやって国が国の政策として地方に協力を求めて、こういう現ナマをくれるわけでなしに借金さしたというだけですから、そういうのに対してはやっぱり別の特別の財源を充てて、少なくとも利子補給に相当するような方法というのを考える必要があるだろうというようにぼくは思うのです。これはひとつ研究してもらいたいと思います。
 それから、政府資金の五十億、この面で枠をつくっているということですが、これはだから全体に均てんをするという、縁故債について、いわゆる政府資金を上回っている分について全体にばらまくということになるわけですか。
#102
○政府委員(首藤堯君) まあ五十億ほどの金を全部にばらまいても大して効果がないと思いますので、どうしても事業が必要でありながらその地域の特殊な事情のために借りられないというようなところを選んで重点的に措置をすると、こうせざるを得ないと思います。
#103
○神谷信之助君 もう時間がありませんが、最後に例の有料高速道路の課税問題です。これも毎年当委員会で私、問題にしているんですが、ひとつ新しい大臣に対してがんばってもらう意味からも問題をはっきりさしておきたいと思うのです。
 そこで、道路局長の方から、この問題について建設省側の見解、これをまずお聞きしておきます。
#104
○政府委員(浅井新一郎君) 御指摘の点は、高速道路に対する課税問題だと思いますが、建設省といたしましては、高速道路に対する課税措置は、一つには、高速国道はこれを早急に整備するための財源調達の手段として有料制を採用しているにすぎないものでありまして、将来は無料開放されるという原則ははっきりしているわけでございまして、これを理由に一般道路と区別して特別な課税を行うということは適当でないと。それから二番目に、高速国道に対する課税は高速国道の全国的整備に非常に重大な支障を現実に起こすことになります。地方では非常に高速道路を早くつくってくれという一般の要望が強いわけでございますが、そういう地方では課税すべき高速道路も持たないし、しかも高速道路も課税のおかげでなかなか手の届かないところに行ってしまうというような二重の不公平が全国的に起きるというようなこともございまして、そういった点。それからまた、高速国道の整備により地元経済が発展し、税収の増加等、地元市町村道に多大な便益が生じているということも実態でございます。そういった点をいろいろ考えますと、どうもこの課税ということには十分納得できないというようなことでいろいろ協議しておるわけでございますが、この問題は十分慎重に検討したいというふうに考えておるわけでございます。
#105
○神谷信之助君 それから自治省側の方の見解。税務局長の方からですか。
#106
○政府委員(森岡敞君) この問題につきましては、建設省とも税制改正の大綱を決めますまでにかなり熱心に議論をいたしました。
 まず第一に、私どもといたしましては、基本的にいままで非課税の取り扱いをしてまいりましたが、これは道路一本ごとに原価の償還が済みますと無料公開すると、こういうたてまえでありますから非課税の取り扱いをする。しかし、かなり全国的にまたがります多数の高速道路をまとめて料金をプールされておやりになるということになりますと、相当長期間料金を徴収するということになるわけであります。その辺のところはかなり事情が変わったのではないかという認識を私どもは持っておるわけでございます。それがまず第一点でございます。
 それから第二点は、公庫、公団の有料で利用に供しておりますいろんな施設がございますが、国鉄その他の三公社を初めといたしまして、水資源公団のダムとか、そういう受益者負担なり使用料を徴しまして使わしておるものにつきましては、固定資産税か納付金というものは必ず納めていただいておると、こういうのがいまの制度でございます。そういたしますと、この高速有料道路だけ非課税という取り扱いがバランス上どうかと、こういう問題がございます。また、地元のやはりいろんな財政需要というものも出ておりますし、公害問題、その他救急、各般の財政需要も増高してきておりますので、地元市町村としてはやはり何らかの負担を求めたいと、こういう気持ちを持っております。先ほど道路局長が申されましたのと私がいま申しましたのは全く正反対の意見になるわけでございますけれども、しかし、税制調査会の答申におきましても、また建設省と御相談いたしました結果も、お互いに五十三年度までに十分協議し合いまして制度的な結論を得るように努力をしようと、こういうふうにいたしておるわけでございますので、せっかく検討を積極的に進めてまいりたいと、かように思います。
#107
○神谷信之助君 これは前自治大臣の福田さんのときにも、早く建設省と調整をして結論を出したいと、まあ自治、建設の両方でちょうど正反対でぶつかっておるわけですから、税調もなかなか結論が出ぬ、五十三年度中に結論を出せということになっているのですが、私どもはやっぱり固定資産税を課税するあるいは納付金制度とか何らかの方法を考えなければ、メリットの面も確かにあるでしょう。しかし実際に私どもが、もうきょうは時間がありませんから詳しく言いませんが、当該市で幾つかのところで調査をしますと、相当の財政負担なんですね。だから、メリットを超える、高速自動車道があるために余分のそういう財政支出を必要とするということも事実起こってきています。これは、私はある一定の程度両省の事務当局で煮詰めながらも、最後はやっぱり私は政治判断をしないとなかなか結論は出ぬだろう。高速道路をつくってほしいという要求もあるし、しかし、これで課税対象になればそれだけ有料道路の値段も上げなければならぬ、あるいは無料になるのがもっとおくれるとかいう問題も起こるでしょう。これらは、これはこれとしてどう解決するかという問題をひとつはっきりしていかないと、それらを含めてだんごにしてやっても、なかなか両省の間は意見一致しないだろうというように思うのです。三木内閣時代これは結論が出なかったのですが、福田内閣でこの問題について今年度中、五十二年度中に結論を出して、五十三年度にはすっきりした形をつくるということは非常に大事な一つのポイントになる、こういうように思いますから、この点ひとつ大臣の方の決意を最後に伺って、きょうの私の質問を終わりたいと思います。
#108
○国務大臣(小川平二君) いま建設、自治両省から論点をお耳に入れたわけですが、改めてお耳に入れるまでもなく、非常によくこの問題のむずかしさを御理解いただいておるわけでございます。これが、いわば時間切れの形になっておるわけでございますが、五十三年度を目途に結論を出せという税制調査会の答申もいただいておりますから、十分懇談を遂げまして何らかの打開策をどうしても見つけたいと、こう考えております。
#109
○委員長(高橋邦雄君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後九時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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