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1976/03/31 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第6号
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1976/03/31 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第080回国会 地方行政委員会 第6号
昭和五十二年三月三十一日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     鍋島 直紹君     佐々木 満君
     鳩山威一郎君     山東 昭子君
     加瀬  完君     工藤 良平君
     志苫  裕君     大塚  喬君
     多田 省吾君     矢原 秀男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 邦雄君
    理 事
                安孫子藤吉君
                夏目 忠雄君
                野口 忠夫君
                神谷信之助君
    委 員
                井上 吉夫君
                大谷藤之助君
                片山 正英君
                金井 元彦君
                後藤 正夫君
                佐々木 満君
                山東 昭子君
                増田  盛君
                大塚  喬君
                工藤 良平君
                小山 一平君
                山崎  昇君
                阿部 憲一君
                矢原 秀男君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小川 平二君
   政府委員
       警察庁長官    浅沼清太郎君
       警察庁長官官房
       長        山田 英雄君
       自治政務次官   中山 利生君
       自治大臣官房審
       議官       石原 信雄君
       自治大臣官房審
       議官       福島  深君
       自治省行政局長  山本  悟君
       自治省行政局公
       務員部長     石見 隆三君
       自治省財政局長  首藤  堯君
       自治省税務局長  森岡  敞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    矢澤富太郎君
       大蔵省主税局税
       制第三課長    亀井 敬之君
       国税庁長官官房
       企画官      高橋 俊雄君
       自治省税務局府
       県税課長     川俣 芳郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案及び警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○野口忠夫君 一昨日、時間がありませんのできように引き延ばして御質疑申し上げることにしておきましたが、おとといは私は、今日の日本の安定的な経済成長路線をいくものは、地域、そこに住む住民の皆さん方の豊かな生活を保障しながら、豊かな繁栄を地域の中から生み出していく、そういう政策がこれからの安定的な基盤の政策になるという、そういう立場では非常に地方自治体の新しい考え方の上に立ったこれからの推進が重要ではなかろうか、自治省としてのお仕事もまことに重要ではなかろうか、こういうことを申し上げて皆さん方の御奮闘をお願いしたわけでございます。皆さん方のおつくりになった地方財政計画の御説明をわれわれ受けたわけでありますけれども、その中にはそういう根性と情熱がどうも余り見られない、残念なことだということを申し上げて、五十三年に向かっては新たな決意でひとつがんばってもらわなきゃいけないということを申し上げたわけでございましたが、これからの地方財政の豊かな充実というようなものを考えていく中では、地方財政計画の中に示されました方針というものが、一方では住民負担の軽減を図ろう、一方では地方財源の確保をしなければならぬという、こういう二律背反的な中でどうして一体これをかみ合わせていくかという課題が生まれてくるであろうし、地方財源の確保という問題の中での課題は、増税か、新しい税をつくり上げるか、そして財源を確保するかというような、そういう方向性を持ってくるのではないかと思うのです。そのためにはやはり、今日多くの国民から指摘されている公正な税制を実施していくということに踏み切って地方財源の拡充という方向を考えていかない限りは、国民の協力とこれに喜んで参加していただくことはできないのではないかということで、まことに不公正という天下にその名を高くしているこの税制制度の中の部面を改めるために電気税の問題について申し上げたわけでございます。
 本日もまた引き続きその問題でお尋ねしたいと思うのですが、どうしてもやっぱり地域自治体の財源の確保をしていくためには、国民の協力を得るためには、やっぱり公正な課税というものがあって、単に財源確保のために増税というような方向にのみ税制を引っ張っていくということであってはならないのではないか。国民だれもが納得して、進んで納税に協力してくれるような税制にすることが前提ではないか。どうしてもこのためには公正の基準から見た妥当な税制が考えられていかなければならぬと、こういう趣旨でお尋ねしていきたいというふうに思うわけであります。本日は不公正税制の一つとして挙げられている天下に有名な利子、配当の分離課税についてであります。源泉分離選択課税の税率を三〇%から三五%に引き上げておりまするが、これに対して住民税の方では何らかの措置をしてきたのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#4
○政府委員(森岡敞君) 源泉分離課税を選択いたしました利子所得等につきましては、課税技術上、現在の住民税をそのままの形で課税することはとうてい困難、むしろ不可能に近いわけでございます。で、源泉分離選択課税制度ができました後、自治省といたしましては、何らかの形で分離選択をいたしました利子所得等について税負担を求め、地方財源を確保したいという観点から種々検討を重ね、税制調査会にも御議論をお願いしたわけでございます。しかし、率直に申しまして、所得税の課税のシステムが総合課税制度になりますれば住民税も当然課税できるわけでございますけれども、分離選択制度があります以上は、住所地ごとに納税義務者の所得を総合して課税するという現在の住民税の仕組みをそのまま適用して課税するということは、これはむつかしいわけでございます。
 ひるがえって考えてみますと、この住民税の分離選択課税分に対する課税が行われないことによります影響といいますか、一つは税負担のバランスを乱しておるという問題、もう一つは確保すべき地方財源が確保されていないという点、二つあろうかと思います。
 私どもといたしましては、たとえばこの源泉分離課税を選択いたしました所得等につきまして、金融機関所在の都道府県が課税をして市町村にそれを配分していくという方法なども一案ではなかろうかということで、税制調査会に一昨年御議論を願ったわけでございますけれども、それはやはり現在の住民税の仕組みからかなりかけ離れたことになりますので適当ではなかろうという御意見の方が強いわけでございます。
 そういたしますと、いつまでも源泉分離選択課税制度が続くというわけでもございません。むしろ総合課税制度に移行すべきだという国民的な世論も強いわけでございますので、分離選択制度が存続します期間内は、暫定的に少なくとも地方財源を確保する措置を講ずるということで処理をする方が現実的ではないかという考え方に立ったわけでございます。そのような観点から、たとえば分離選択課税をいたしました利子所得等の一部を、臨時特例交付金のような形で地方交付税の財源に組み入れてもらうということを国庫当局に今年度お願いをし、その結果、御案内のように、九百五十億円の臨時特例交付金の交付はその面も考慮して支出をすると、こういうふうな経緯に相なっておるわけでございます。基本的には、先ほども申しましたように、所得税において総合課税制度を速やかに実現してもらう。それに伴って住民税の課税も的確に行っていくということが本来のあるべき姿と思いますが、臨時的な措置として財源確保の手段を検討してまいりたいと、こういう気持ちであるわけでございます。
#5
○野口忠夫君 臨時特例交付金の九百五十億円の中に、いまおっしゃった利子・配当所得の地方税のかからない分として加えられている額はどのくらいになっているんでしょうか。
#6
○政府委員(森岡敞君) 臨時特例交付金は、御承知のように、いま申し上げました源泉分離選択課税制度に伴う地方税の欠落分と申しますか、そういうものと、それから地方財政の全体の状況を総合的に勘案して九百五十億円と決められたわけでございますので、その内訳がこの分が幾らということには実は相なっておりません。と申しますのも、源泉分離選択課税制度を適用いたしました利子所得等のうち、地方税相当分として振り分けるべき分がどれぐらいになるかということは、率直に申して明確でないわけでございます。ですから、その辺のところはなかなか決め方がむつかしいわけでございます。少なくとも私どもといたしましては、かなりこれに国庫当局も理解を示していただきましてこのような措置をとっていただいたものと、かように考えておるわけでございます。
#7
○野口忠夫君 すると、九百五十億円という臨時特例交付金の中に入っているものは、そういうことの中でのつかんだ金になっていると。やっぱり不公平税制として存在している、かけるべき所得にかかってないという問題ですね。一方は大分詳しく吟味されて所得に対してかけられているわけですが、かけるべき存在のあるものの所得に対してかけないでおいているという、こういう意味での九百五十億円ということには、名目としてはそういうものを入れていったけれども、そういう額は入っていなかったと。お話を聞くと、やっぱり選択分離課税というものがなくなって総合課税になれば自治省としては大変結構なんだという、大蔵省待ちのようなかっこうになっているわけですね。これは非常に所得のあるところにかけていないわけですからね。国はそれに向かってかけられているが、何か制度の中でかけるべきものをかけられないでいる。
 大成省にお尋ねしたいのですが、お聞きのとおりでございまして、自治体にとっては税制上からも非常にこれは問題のわけでございますが、大蔵省の方で早く利子、配当の総合課税をやってほしい、それにまって地方自治体にある税制上の大きな問題というものは解決していきたいと、こういう依存の中で言われておるわけですから、大蔵省に聞くほかないのですけれども、大蔵としてはこの利子、配当などの総合課税化は昭和五十三年度からでも実施すると、そういう気持ちでいらっしゃいますかどうか。そうでないと、こういうものがなくならないで非常な不公平感を国民に与えて、国民の不信感の対象になっているわけですから、大蔵省としてはこれは五十三年にはやると、こういうお考えでいるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#8
○説明員(亀井敬之君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございましたように、利子・配当所得につきましては、森岡税務局長もお答えになられましたように、本来的には総合課税に移行することが適当ではないか、またそれが当然であろうかというふうに私ども考えております。ただ、一挙にそれでは先生御指摘のように総合課税に移行できるのかという問題につきましては、こういう利子、配当の所得を把握する体制を十分整備できるかどうかというような問題もございまして、仮にそういったことを考えず、一挙に総合課税に移行するというようなことになりますと、また課税の不公平をかえって招くといったような問題も出てまいりましょうかと思います。税制調査会におきましても、そこら辺につきまして、今後具体的な専門的な検討を一層推進していくように、そういった御意見もちょうだいいたしておりますので、そういった方向で検討が行われていく、こういうふうに理解をいたしておる次第でございます。
#9
○野口忠夫君 重ねてお尋ねしますが、五十二年度の所得税の利子、配当分離課税の総額はどのくらいの見込みでいらっしゃいますか。
#10
○説明員(亀井敬之君) お尋ねでございますが、私ども必ずしも五十二年の数字をつまびらかにいたしておりません。
 お答えになるかどうかわかりませんけれども、五十年の実績で申し上げさしていただきますと、源泉分離課税、源泉分離を選択いたしました利子所得は一兆三百億円程度、こういうことに相なっておるわけでございます。
#11
○野口忠夫君 利子所得ですか。
#12
○説明員(亀井敬之君) 利子所得でございます。
#13
○野口忠夫君 配当はどうなんですか。
#14
○説明員(亀井敬之君) 配当は約七百億円でございます。
#15
○野口忠夫君 この五十年度の分について、源泉分離課税でなくて、これを仮に総合課税にしたとすればどのくらいの額になるのですか。
#16
○説明員(亀井敬之君) 実はそういう状況の計算を、申しわけありませんがいたしておりませんので、手元にそういった資料がございません。お許しをいただきたいと思います。
#17
○野口忠夫君 いまこれは税制調査会でですか、中期税制の答申を受けている、審議中でございましょう。
#18
○説明員(亀井敬之君) さようでございます。
#19
○野口忠夫君 その中で、分離課税をやればこうなる、総合課税はこうすると、こういう国の財源の確保の問題についての二つの方法について、これの見込みといううようなものは全然立たないわけですか、これは。いま聞くと、試算の資料がないというお話でございましたがね。
#20
○説明員(亀井敬之君) お答えに相なりますかどうか、若干心もとのうございますけれども、現在利子、配当等でマル優制度というのがございまして、少額貯蓄非課税と、こう言っておりますが、これによりまして減収になっております分が、五十年でございますが、約九百七十億円程度、それから利子所得の課税の特例というのが百十億円程度、こういった計数がございます。これらが、総合課税になりますとそれが税収として入ってくる、こういうふうに考えていただいてよろしいかと存じます。
#21
○野口忠夫君 非常にこれは公平な税制をするための課題として、まあずいぶん利子・配当所得の分離課税については、金持ち優遇の税制であるということで多くの国民の不信感を買っているわけでしょう。こういうものを改めていかないで、ただ増税というような方向だけを打ち出していくこれからの日本の税制上の方向というものは、国民の信頼を取り戻すようなことにはなっていかないのではないか。そういう中では、いま焦眉の課題になっているこの問題についてもう少しやっぱり前向きの姿勢で大蔵省は考えていただきたいとお願いしたいと思うのです。
 まあ大蔵省の態度はいまのようにお聞きしてわかったわけですけれども、自治省にお尋ねしたいと思うのですが、この不公平税制、地方税制の上から言う不公平性、これは単なる税制技術上から生まれてくる不公平ではなくて、所得のあるところに税金をかけていかなかったという基本的な大きな問題なんですから、こういう同じ所得のある国民に対して、あるところにはかけてあるところにはかけていない、こういう問題については放置しておくことにはいかないと思うのですよ。自治省としては、自治省として何とかこれを対象にして所得のあるところには公平に税をかける、こういう方向でいくべきではないかと思うのですが、いかがでございましょう。
#22
○政府委員(森岡敞君) 利子所得等に対します源泉分離課税制度は、御承知のように戦後かなり長い間続けられてまいったわけでございます。これは一つにはやっぱり貯蓄奨励という政策目的もあったと思います。もう一つは、現在の預金のシステムから申しまして、個々の預金者の預金額を、銀行、郵便貯金、そういうのを全部まとめて総合して把握をするということが非常にむつかしいという課税技術上の問題があったということはこれは否定できないと思うのでございます。で、たとえば総合課税を行っております諸外国では、いわゆる背番号制と申しますか、そういう仕組みをとりまして、健康保険手帳とかそういうものを使って、預金をする際にはそれを示して預金をしてもらう、そういうふうな仕組みをとりますればある程度的確な捕捉はできる。しかし、わが国の場合には架空名義預金とか無記名預金とかというものがかなりあるわけでございますから、そういうふうなことがこの源泉分離課税制度というものがずっと続いてまいった一つの理由になっておる。ですから、総合課税制度を実施いたしますためには、やはり預金の仕組みというものを総合課税の形にはまりますように条件を整えなければならないという問題が基本的にあるわけでございます。
 私どもも、御指摘のように租税負担のバランスという点から考えますと、こういう資産所得につきまして分離選択制度というのはやはりバランスを失しておると思いますから、ぜひ早く総合課税制度に移っていただきたいという気持ちを持っております。地方税の問題もそれによって解決されるわけでございます。まあそういう意味合いで大蔵省とも常々御相談申し上げておるわけでございます。いま申しましたように、できるだけ速やかに環境なり条件を整えまして総合課税制度に移行してもらいたい。ただしかし、それは一挙にはできないと思いますので、その間は少なくともできるだけ地方の財源として確保すべき分は臨時特例交付金その他の形で確保するという努力を並行して続けてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#23
○野口忠夫君 いまおっしゃったことはやっぱりおかしいと思うのですね。まあそれでずっとこう過ごしてこられたように思います、この問題は大分議論されましたが。
 利子、配当の支払い先というのは、金融機関などは知っているのではないかと思うのですね、金融機関は。とすれば、その支払い先の住所の道府県なり市町村に分離課税選択者の住民税分を納入してもらえば済むのではないかというふうに考えるわけなんですがね。金を積んで、住所が書かれていて、そこへ税金を取っていくわけですから、そこで分離されたものが出ていく中で出た金額というものは、これは何も道府県に戻って道府県のところに報告にさえなれば、ただそれだけの理由で地方税制上かけられないんだと言って捨てておくということは、取ってはならないとはだれも言ってないんだろうとぼくは思うのですよ。かけられないから取らないだけの話だと言って捨てておくわけだ。こういうことではどうもおかしいと思うのですがね。金融機関の現在の状況から見てできるのではないかというふうに私は思うのですけれども、いかがでございましょう。
#24
○政府委員(森岡敞君) 端的に申しますと、もし御指摘のような方法で住民税ができるのなら所得税もできるわけです。しかし、支払い調書の提出でありますとか、そういうものがそういう仕組みになっていないものですから、住民税についてまず先にそういう支払い明細書を金融機関に出させてやるということは、これは率直に申してなかなかむずかしいことだと思うのであります。ですから、いままでは源泉分離選択制度をとりながら分離税率を二〇%から二五%、三〇%、三五%と上げてまいったわけですね。それによりまして利子所得に対する課税を強化してまいった。しかし、この段階になりますと、やはり総合課税にできるだけ速やかに移行する方が望ましいということが、これはもう一般的な世論だと思います。ですから、そういう仕組みを所得税、住民税を通じてとれるような条件を整えるということが必要なんでありまして、私はそういう意味合いで、速やかに両税を通じてそういう金融なり預金のシステムを整えてもらう、それで所得税もきちんとしたバランスのとれた総合課税を行い、住民税も同様に課税を行うということが望ましいのではないかと、かように思っております。
#25
○野口忠夫君 どうもそういうことをお願いするのはできにくいみたいなお話ですが、とにかく法定された税金を取るときの税務署の姿勢というのはずいぶん私は厳しいと思うのですがね、あるところに行っては。そして、非常な重圧感を大衆の上に与えて、大衆のいるときにこういうものがあるわけですから、どうもなかなかそういうことをお願いしにくい。結局金融機関というのは、あれですか、大蔵省には、はいはいと言うことを聞くけれども、自治省の言うことは余り聞かないということですか、これ。そういうことだったんじゃないですか、いまの御答弁は。いかがでございますか。
#26
○政府委員(森岡敞君) 大蔵省の言うことを聞いて自治省の言うことは冷たくあしらうというわけでは私は全くないと思います。大蔵省の言うことをもし金融機関が聞くのならば、先ほど来御指摘の総合課税制度はもっと早くできているはずだと思うのであります。所得税における総合課税制度が早くできておりますし、また、住民税のこういう問題も起こらなかったであろう、きちんと課税できたであろうと思うのであります。ですから、やはり基本的に所得税、住民税双方の問題として条件を整える、早く整えて総合課税に速やかに移行する、これが望ましいということだと思っております。
#27
○野口忠夫君 昨年の十一月の二十四日の毎日新聞に、利子・配当所得の捕捉の困難さから言って、国が所得税とともに住民税を徴収するしかないというのが自治省の考え方であると新聞が伝えております。この辺に意欲のほどはわかるわけですけれども、「そして、その税収は地方交付税特別会計を通じて関係市町村に配分する〃第二交付税的〃なものとする案が有力。」だとそう新聞に書いてある。「また、税率は一千億円を超す税収がみこめる一〇%程度としているが、税率については国税の強化ともからむため、大蔵省と折衝したいとしている。」が、今回の地方交付税の臨時地方特例交付金九百五十億円は、まるまる分離選択課税の住民税分として配分したものとしても、当初自治省が住民税分一〇%で一千億円以上と見込んでいたと新聞で言われているのですが、非常に少なくなっているわけですが、大蔵省との間には何かこの特例交付金をめぐって約束でもあるのでございますか。
#28
○政府委員(森岡敞君) 私どもといたしましては、源泉分離選択課税をいたしました利子所得等の一定割合というものを臨時特例交付金として地方交付税特別会計に繰り入れていただきたいというような気持ちは持っておったわけでございます。しかし、その一定割合をどう考えるかということになりますと、なかなか議論が詰まらなかったわけでございまして、そういうふうな経緯を経まして、最終的に臨時特例交付金がその他の事情も考慮して九百五十億円というふうに定まったわけでございます。別にこれにつきまして、それ以外の約束はあるわけではございません。ただ、両掛の覚書にもございますように、地方財政の状況を総合的に勘案するということと、それから分離選択課税の利子所得等に対しては住民税が課税されない、その事実、それを考慮して九百五十億円の臨時特例交付金を交付するというふうに示されております。それ以外に別に取り決めはございません。
#29
○野口忠夫君 大蔵省のお話を聞いても、総合課税制度に非常に期待しながらいきたいと、大蔵省にこう頼っているわけだ。その頼っている大蔵省がどうも御答弁では税調待ちというような姿の中で、ことしの秋にその答申が出るみたいな中間報告があったわけですけれども、昭和五十三年度には、この点についてはやはり総合課税待ちということでの白紙の状態でいくのか。まあ一挙に総合課税化はできないのではないかとすれば、何らかの方法で分離選択課税分について住民税を課すべきだと思う。五十三年度に総合課税化ができなければ、自治省としては、五十二年度予算のときと同様に分離選択分の住民税の非課税部分については強く要求していくことになるかどうか、自治省の態度をひとつお聞きしたいと思います。
#30
○政府委員(森岡敞君) 御指摘の本年秋に出されることが予定されております税制調査会の中期税制に関する答申は、五十五年までのいわば昭和五十年代前半の基本的な税制の仕組みについてのあり方をお示しいただこうと、こういうものでございます。
 そこで、五十三年度におきましてこの利子所得等に対する課税制度の根本的な変革ができるかどうかということになりますと、率直に申してそれはそう簡単にはまいらないだろうと思います。そういう状態のもとで考えます場合には、私どもといたしましては、これは本年大蔵当局に要請いたしましたように、少なくとも地方財源として確保すべきものはぜひ確保さしていただきたいという予算要求を続けてまいりたい、かように思います。
#31
○野口忠夫君 先ほどの新聞に伝えられておりましたが、住民税分としての税率が一〇%というような新聞発表があったわけでございますが、これは自治省からの発表であろうと思うのですけれども、この根拠はどういうことですか。
#32
○政府委員(森岡敞君) これは率直に申しまして、利子所得等の内容が個々の納税義務春ごとに総合して計算されていないわけでございますから、住民税相当分が幾らあるということはこれは計算できないわけでございますね。実質的にどれぐらいあるかということは計算できないわけでございます。ですから、その辺のところはある程度粗いと申しますか、めどを立てて考えなければならない。一応私どもは今年度はまあ一〇%ぐらいという感じで予算要求をしたつもりでございますけれども、しかし、今後の問題といたしましては、もう少しその内容を詰めまして検討してまいりたいと、かように思っております。
#33
○野口忠夫君 さらに伺いたいのは、同じようにやっぱりこれは悪名高いわけですが、地方税における国税の租税特別措置による減免措置についてお伺いしたいと思うのですが、租税特別措置ということを国が行ったことによっての影響を地方税に及ぼすことについて、完全にこれは遮断できないかどうか、お尋ねしたいと思います。
#34
○政府委員(森岡敞君) 法人税や所得税におきます特別措置は、一定の政策目的を持ちまして租税の誘引的機能をその政策目的に合致させるように使う、こういう考え方のものでございますけれども、反面また、それに伴って租税負担の公平を害していることが事実でございます。そういう意味合いでは、私どもといたしましては、一般的に申しますと、できるけ国税の租税特別措置というものは地方税には及ばないように努力をしたい、こういう気持ち由持っておりますけれども、しかし、個別の特別措置の内容の中には、まず第一に、中小企業対策あるいは農林漁業対策のように、国も地方も同じ立場で税制の持つ機能を活用いたしまして、国民経済なり国民生活のために必要な措置を講ずるものもあるはずであります。それらにつきましては、同様な立場で特別措置を設けてそれは差し支えないのじゃないかと思います。
 第二に、そうではなくて、本来国の立場で御措置をいただいて、地方としてはそれは関与しないでもいいじゃないかと、こういう問題ももちろんございます。それらにつきましては、一般論で申しましたように、できるだけ遮断をするように処理してまいりたい、こういうつもりでございますけれども、ただ問題は、課税技術上非常にむつかしい面があるものがございます。たとえば、特別償却というふうな形で租税特別措置が講ぜられますと、それを特別償却なかりしものとして普通償却という形で課税所得の計算をもう一遍地方税で実施をする、計算をするということは、これはもうなかなか大変なことでございます。そういう意味合いで、所得計策に関連いたしますものにつきましては技術的に排除をすることが困難だと、こういうものもあることは御理解願いたいと思うのであります。もしそれを、国税と全く違った形で課税所得の計算を全部やるのだということになりますと、納税者としては、法人、個人を問わず大変な手間と手続と事務とが必要になってまいろうかと思います。
 第三番目に、しかし、国税におきます特別措置が税額控除というふうな形で行われますと、それはその税額控除なかりしものとして計算すればいいわけでございますから、これは地方税の場合には遮断は比較的容易でございます。したがいまして、税額控除の方式で行われておりますようなものはできるだけ遮断をする、こういう形でいままで取り組んでまいりましたし、今後もそういう気持ちで処理してまいりたいと思います。
#35
○野口忠夫君 国のそういう特別措置によっての遮断を完全にやるということについては、中小、大衆の面に及ぼす影響もあるので、この点についてはまあ完全ということにはいかないというお話でございますがね。私はやっぱり、租税特別措置の持っている金持ち優遇的な立場、こういうために起こってくる税制上の不公平を改めてほしいと、そういうことだと思うんですよ、この租税の特別措置は。それの影響を受けている地方の状態、あくまでもこれは自治省としても検討を要する問題があろうと思います。自治省自体で、地方税としても現段階で、地方税に影響を及ぼす必要のないものがあるのではなかろうかと思うのです。現に事業税では、海外市場開拓準備金制度等の不適用、所得税額の損金不算入など、租税特別措置の影響がないようにしているのでありますが、これらに見られるように、必ずしも国で実施する税の減免措置を地方税に取り入れる必要はないのではなかろうかと思います。
 そこで伺うのでありますが、何か基準をもってこの影響を遮断することを考えるべきではないかと思うのです。ただそのときどきの恣意によっての影響の遮断というようなことではなしに、ある基準によってこれを遮断することを考えるべきではなかろうか。たとえば、海外投資等損失準備金、技術等海外所得の特別控除、価格変動準備金、異常危険準備金などは、どうして地方税でも減免しなければならないか、その理由が全くこれはわからないのではなかろうかと思うのです。都市過密対策のための課税の特例あるいは地域開発のための課税の特例ならば、特例措置の是も言われると思うのです。こういう具体的に地方団体に関係があるものは認められるにしても、これは、現状もっとやっぱり、ある一つの基準をもって整理をするという意欲を持って臨まれるべきではなかろうかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#36
○政府委員(森岡敞君) 御指摘の海外投資等損失準備金あるいは技術等海外取引に係る所得の特別控除、あるいは中小企業等海外市場開拓準備金、これらにつきましては、まさに国際貿易という観点から設けられております特別措置でございますので、国の特別措置としては妥当でありましても、地方税における特別措置としてはこれはやはり問題があるということで排除をしておるわけでございます。しかし、その後で御指摘になりました価格変動準備金とか、その辺の各種の準備金なり引当金の問題になってまいりますと、これはやはり同じように所得を課税標準として計算いたします以上は、法人税と法人事業税なり法人住民税との間で別の立て方をするということにつきましては、論理的にもやはりいろいろ議論がございます。先ほど申しました技術的に非常にむつかしい問題が出てまいります。課税所得の計算を二つに分けてやらなきゃいけないわけでございます。納税者としては大変な手間がかかるわけでございます。ですから私は、そういう課税所得の計算についての各種の特別措置につきましては、やはり法人税法なり所得税法でできるだけ整理していただいて、それに基づく地方税の特別措置による減収もできるだけ回復をしていくということで措置をするのが現実的ではないかという感じがいたします。
 なお、先ほど申しましたように、いま一つの問題として、もし本当に地方税に組み入れることが的確でないものは、できれば国税におきましては税額控除という形で処理してもらいますとこれは遮断することが可能でございます。そういう技術面も含めまして、今後大蔵省当局と十分相談してまいりたいと存じます。
#37
○野口忠夫君 どうもやはり自治省としての物の考え方が、こっちをやってもらわないと――ここで整理してもらってその上に乗っていけば楽だと。これは楽なことは楽ですわね。しかし、自治省が、いまの財源不足の非常に危機的な状態にあるという自治体の財政を確保していこうというその姿勢の中では、ほかの方でやったらということではない意欲があるべきではなかろうかと。そういう意味では、地方財政、税制上はこういうものはやっぱり排除されなきゃならぬからそのような方向でということで、何か他省がやってくれることを待って、その上に乗っていけば楽だみたいなかっこうの御検討だけでは何となく物足りない感じがするわけです。地方税独自で非課税措置等を行っている点についても検討する必要があるのではないかと思うのでありますが、たとえば事業税における新聞業及び新聞送達業、学術研究等の出版業及び教育用映画の制作の事業、新聞広告取扱業、教科書供給業、一般放送事業などは、どのような理由でこれは非課税としているのですか。
#38
○政府委員(森岡敞君) いま御指摘の新聞業、出版業等の一連の関連の事業に対する事業税の非課税は、これらの事業の公共性ということを趣旨として非課税措置がとられているものと思います。なお、付言して申しますが、これは国会修正によってつけ加えられた改正点でございます。
#39
○野口忠夫君 事業の公共性というものでやれば、出版業とか放送業、学術研究等の出版業のものを減免すれば済むのではないかと思うのですけれども、新聞送達業、新聞広告取扱業、教科書供給業などは、公共的とは言いながら、ちょっと非課税措置の対象にすることについては一般的な意味から言えば公正さがない、こう言えると思うのですが、そういう意味では、これから税源を拡大して地方を守っていかなきゃならぬという中では、現行の非課税措置の範囲というものもやっぱり縮小していくべきではないかという考え方を、公正という見地の中から持つべきではなかろうかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
 なお、ちょっとつけ加えますが、固定資産税についても、これも昭和五十一年度の試算で見ますと一千九十六億円の一つの税金が抜けているわけですから、これも抜本的に検討すべきではないかと思いますが、この辺のところ、ひとつ御返答いただきたいと思います。
#40
○政府委員(森岡敞君) 今後一般的に租税負担の引き上げをお願いしなければならないという見通しを踏まえておるわけでございますので、御指摘のように、税制上における税負担のアンバランスというものをできるだけ是正をして、公正な税制の確保ということはこれはもう絶対に必要な条件だろうと思います。そういう意味合いで、事業税なり固定資産税の御指摘の非課税措置につきましても十分あらゆる角度から検討を加えて処理してまいりたいと思いますが、ただ、固定資産税のいま御指摘の千億円を超える非課税措置等の減収の中には、新築住宅の軽減というふうな、新築住宅につきまして三年間二分の一に税額を軽減するという特別措置がございます。この辺になりますと、マイホームをささやかでも持ちたいという庶民の感覚、苦労して住宅を持ったら固定資産税が大幅にかかってくるというのに対して、少なくとも最初の間は、ささやかではあるけれども税負担の軽減措置を講じたいと、こういう趣旨で設けられておりますので、それやこれやいろいろ入っておりますから、非課税措置を全部なくしたらいいというわけのものでもあるまいと思いますので、それらもいろいろ総合的に勘案しながら鋭意検討してまいりたいと思います。
#41
○野口忠夫君 いろいろ伺ったのですけれども、やっぱり税の負担は、大衆的な課税を軽くして所得のあるところからちょうだいをしていくという、そういう公正な税制を保っていくために、地方税における非課税措置等による減収の地方税の中に占める位置というものが、国民の信頼と協力を得るような方向でこれは是正されるべきではないかと思うのですが、大分不公正税制が大きく叫ばれているわりあいにはこれは是正されていないのではなかろうかと思うのです。
 ちょっと時間がなくなってしまってもう資料を申し上げられませんが、住民税、事業税、固定資産税、電気・ガス税についてのここに四十七年から五十二年までの資料があるのですが、これで見ますと、減税額を試算した累年比較表があるわけですけれども、四十七年、四十八年には七・二%が五・八%に落ちたというようなことで大変御努力を願ったことになっているのですが、四十九、五十、五十一にいきますと何か〇・三ずつぐらいきり変わっていないわけです。最近不公正税制についていろいろ叫ばれて、この国会の中でも大分やっているのですけれども、減収の割合というものが最近はずっと少しも改められていないようなパーセンテージが出ているわけです。大いにこれは不公正是正のための努力を自治省はすべきだと思うのですけれども、そのことをお聞きしたいと思います。
#42
○政府委員(森岡敞君) 先ほど申しましたように、恐らくいま御指摘の数字は、非課税特別措置等に基づきます減収額のトータルをごらんになっての御指摘だと思いますが、先ほど申しましたように、非課税なり特別措置の中にも中小企業対策でありますとか、農林漁業対策あるいは庶民の住宅対策というふうなものもあるわけでございますので、それらを十把一からげで議論をするということはこれはやっぱり問題があるのではないか。ですから、やはりその中で、国民的な世論から見まして、やはり特定の納税義務者に不当に負担を軽減しておるというふうなもの、あるいは以前においてはそれだけの必要性があったけれども、社会経済環境も変わってきているわけでありますから、それによって必要性がなくなったじゃないかというふうなものもあるわけでございます。それらにつきましてきめ細かく検討して、整理すべきものは徹底的に整理をするということ、そういう考え方で対処してまいりたいと、かように思うわけでございます。
#43
○野口忠夫君 次に、固定資産税の徴収についてお伺いしたいと思うのですが、固定資産税の資産別構成比の年度推移をずっと見ますと、非常に土地の税収が上がっているのですね。償却資産が非常に落ち込んでおりますが、この点に関して伺っておきたいのですけれども、昭和五十一年の五月十日に、土地、建物にかかわる昭和五十一年度固定資産評価額及び課税標準額について決めました固定資産評価審査委員会の決定に対して不服審査の申し出があったのですね。これが新聞に出ておるのですけれども、千葉県の流山市、柏市であったのでございますね。つまりその理由は、サラリーマンが苦労して手に入れた土地、建物は、生存に欠かせない最低限の財産だと。売却を意図してないから、地価が上がってもその収益性はふえない、それなのに周辺の地価の上昇を理由に評価額が上がって税金がふえるのはおかしいと、千葉県流山市と柏市の住民の二人の方が、両市の固定資産評価審査委員会を相手取って、九月十四日の日にこれは裁判を起こしている。土地にかかってくる固定資産税の評価基準ですね、これは売買実例価額をもとに決められているんですけれども、この人たちの主張は、「一般住民の宅地や農地は、生活を維持するのに必要不可欠な生存的財産であり、売却が予定されていない。地価が上がってもその収益性は少しも増えないのに、周辺の地価上昇を理由に評価額が引き上げられるのはおかしい」と主張しているわけであります。で、この評価を前提としても、二人の自宅のすぐ近くにある山林あるいは雑地は、いつでも宅地として売れるのだが、評価額は、地目が違うというだけで宅地の二百分の一程度にすぎないのはきわめて不合理だと、こういうことで、まあこの土地を山林、雑地にしておけば、宅地ですぐ売れるのに、評価額は地目によって宅地の二百分の一程度にすぎないというようなことを新聞で伝えているわけでありますが、どのように考えてもこれはまことに不合理ではなかろうか。つまり雑地にしておけば安くて、売れるわけですね。宅地にしておくというと高くなってしまうと。しかも不動産所得者である大地主の方は山林、雑地が多いわけです。せっかく営々として建てた自分の家のその宅地は付近の地価が上がったという理由によって上がるけれども、これは売れない、そこで生きていくわけですから。ただ税金だけが上がっていくだけで、売ればそれだけに売れるけれども、売ることはできない、住んでいるわけですから。そして税金だけ上がっていくときに、その付近の山林地主の皆さん方は安い税金を払って高い値段で売っている、こういう状態があるということです。固定資産税の評価をめぐっていま裁判で争われているわけでありますが、まことにこれは不合理だと思うのですが、こういうことについてどのように考えておられますか。
#44
○政府委員(森岡敞君) 固定資産税は、御承知のように資産の価値に応じて負担を求める税でございます。したがいまして、いま住宅に使っておって売る土地ではないから評価が安くあってしかるべきだというわけには私はまいらないと思うのです。そこで、その資産価値を的確に各地目を通じまして捕捉をいたしますために、技術的にはいろんな方法があるわけでございます。売買実例価額をとる、あるいは収益還元価額をとるというふうにいろいろございますけれども、しかし、現在の情勢のもとでは、収益還元の方式によりまして地価を算定いたしますことは、これはなかなかむつかしゅうございます。したがいまして、やはりバランスという点から申しますと、かつ技術的な容易さから申しましても、やはり売買実例価額というものを基礎にして算定をするということの方が技術的にも可能でありますし、また、評価の適正化も確保できる、こういう考え方をとっておるわけであります。
 ただ住宅地につきましては、やはり税負担の配慮というものが必要でございますので、評価額の全体といたしまして二分の一に負担を下げるという特別措置を講じております。さらに、小規模住宅用地につきましては、四分の一というふうに思い切って税負担を下げておることは御承知のとおりでございます。
 第二に、山林あるいは雑地という形の土地とそれから宅地との評価にアンバランスがあるのではないかと、こういうお話でございます。私どもといたしましては、山林とか雑種地でありましても、市街地の近郊にありまして、付近の宅地の価格の上昇に伴って価格が上がっておりますものは、その宅地とバランスを失しないように評価をすべきだ、こういう評価の基準を示しておるわけでございます。ただ、現実に市町村の場合にはそういう形で評価をしておる、進んでおるところもありますけれども、なおその辺のところのバランスが十分確保されていないところも、これはないとは申せないと思います。私どもといたしましてはそういう意味合いで、いま申し上げました宅地に近接したり、あるいは市街地の近郊の山林等につきましては、宅地の評価とのバランスをぜひとるように強く指導を進めてまいりたいと思います。まあ千葉県の流山市の具体の問題につきましては、すでに争訟になっておりますので、ここで意見を申し上げることは差し控えたいと、かように思います。
#45
○野口忠夫君 いま大変自治省はうまい指導をしているんだそうですけども、ここでの新聞のあれで見ますと、これは昭和五十一年に起こったことでございましょうが、昨年の評価がえで、住宅の方は一平方メートル一万八千二百円、そこから約五十メートル離れた山林は九十九円だというのだな。なるべくバランスを失しないように御指導なさっているそうだけども、これはどういうことかね。で、柏市なども、次々と宅地化が進む市街化区域内でも、地目が山林だと一平方メートル四十三円とか四十八円という評価額だと。ですから、ここにある高度経済成長以来残ってきたこの高度土地ブームというものの中に残っている、そういうものを目当てとしてのやはり土地による所得の増大みたいなことを考える、そういうものの中では、確かに固定資産税の評価それ自体に対しての問題がやっぱり残ってくると思うのですね、一般的な大衆の感覚から言えば。まあ、そういうような評価がえをされたということでこれが裁判に出ているわけですね。これはまあ裁判の結果にまつということでございますけれども、自治省の行政として、やっぱり一々判決を待って物事を進めていくという世の中は、これは検察ファッショというので、私などはあんまり賛成できません。冷たい法律の文言によってのみ人間の倫理などが決められていくことは、ぼくは余り結構じゃないんじゃないかと。あくまでも話し合いと民主的に行われていくというように行政と立法あたりでこれは処置していかないからこういうことになってしまうわけだと思うのですがね。いまもう裁判に出ているから、裁判の判決の結果を待つなんというようなことでは行政としてあんまり結構ではないんじゃなかろうかというふうに思います。
 これは日本大学の法学部の北野弘久という先生が、固定資産税に、一定、面積以下の住宅地はまさしく生存権的財産であるので、現行の免税点制度を改め、基礎控除制度というようなことにすることはどうかというような提言がなされているのですけれども、こういうことについてはどうですか、検討の余地はございませんか。
#46
○政府委員(森岡敞君) 本来税制におきます基礎控除の制度といいますのは、たとえば所得税あるいは住民税のように、所得を課税標準にいたしまして課税いたします場合に、その所得を稼得するのに必要な経費があるわけでございます。そういうふうなこと、あるいは最低生活費というふうなものを考えながら基礎控除の制度が設けられておるというものであると思います。固定資産税の場合には、これは先ほど申しましたように、資産価値に応じて一定の比例税率によりまして負担を求めるという物税でございますから、こういう物税に基礎控除というものはなじまない。そのようなこともありまして、これまた先ほど御説明いたしましたように、しかし住宅地に対する負担については何らかの配慮が必要であるということから、二分の一に軽減をし、さらに小規模住宅用地については四分の一という特例措置を設けて軽減をいたしておるということでございますので、現行の措置は、税制のあり方についての配慮を十分払いながら合理的な措置を講じておるものというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
#47
○野口忠夫君 住宅というのは物じゃないんだな。物でないんですよ。生存権なんだよ。これは商売する物ではない。物と解釈することによっていまのような提言がけられていくわけですね。そういう新たな観点に立って住宅というものは見ていくべきではなかろうかと、そういう中でいまのような不合理の起こらないような基礎控除制度というようなものをつくってはどうかという提言であるわけですがね。まあ時間がもう全くなくなりましたので、ひとつ御検討のほどをお願いしておきます。まことにこれは大きな問題であろうと私は考えます。全国にそういう問題で評価の問題をめぐっていろいろの問題が起こっているようですから、御検討願いたい。
 次いで、時間がありませんからお聞きしますが、これも昨年の問題でございますけれども、軽油引取税が一キロリットル一万五千円から一万九千五百円に引き上げられましたが、この引き上げた分、一キロリットルについて四千五百円をバス、トラックの業者等に還付しているということを聞くのですけれども、その状況について御説明を願いたいと思います。
#48
○政府委員(森岡敞君) 昨年御指摘のように、軽油引取税の税率を三〇%引き上げまして道路目的財源の拡充を図ったわけでございます。ただしかし、軽油引取税の税率を引き上げます場合に、自家用のものはともかくといたしまして、常業用のバスあるいはトラックについて考えますと相当なコストアップになる。その結果、たとえば公共料金問題に直ちにはね返ってまいるというふうなことから、大変議論が沸いたわけでございます。私どもといたしましては、営業用、自家用を通じまして軽油引取税の税率を引き上げて道路目的財源を拡充したい、しかし反面、いま申しましたような公共料金問題を初めといたします問題がございますので、何らかの形で軽油引取税の税率引き上げに伴うコストアップをある程度緩和をする、あるいはまた運輸事業の振興を図りまして輸送力の増強を図る、こういう措置が必要であろうということから、三〇%引き上げ分の約半分に相当する金額を地方交付税の基準財政需要額の商工行政費に算入をいたしまして、各県がその算入いたしました金額に見合う分を各府県におきますバス協会、トラック協会――これは公益法人でございます――に交付をして、コストアップの抑制あるいは輸送力の増強、さらには労働者の福祉対策というものに資するような交付金を出していただくことが望ましいのではないか、こういう考え方で各府県にお願いをしたわけでございます。そういう意味合いで、いまお話のありましたように、軽油引取税の引き上げ分をそのまま各トラック業者、バス業者に還付をしておるというわけのものではございません。基本的に、輸送力の増強なりあるいはコストアップの緩和なりあるいは労働者の福祉対策という広範な課題に資するためにこの軽油引取税交付金の交付を各府県に御指導申し上げておる、かような次第でございます。
#49
○野口忠夫君 この措置は何に基づいてやったんですか。
#50
○政府委員(森岡敞君) 基本的には、各府県の自主的な単独事業と申しますか、自主的な判断に基づいて行われるものでございます。私どもといたしましては、しかし、各府県ができるだけ地域的に整合性を持った施策がとられることが望ましいと思いますので、通達でもってこのような形にしてはいかがでありましょうかという御指導を申し上げておるわけでございます。
#51
○野口忠夫君 そのお出しになる通達の根拠というのはどういうことなんですか。単なる自治省が通達一本でそういうことが望ましいとおっしゃったけれども、自治省が通達を出す、下ではもう言うことを聞かないとこれまた地方債の方もらえないと、こうなるからね。すると結局は通達というもの、何か自治省通達というものによって行っていくことが非常な問題だと思うのですね。いかがですか。
#52
○政府委員(森岡敞君) この通達は、一般的な行財政指導という観点から出しておる通達でございます。いまお話のありましたように、この通達に従わなければ地方債の制限をするとかその他の措置を講ずるというようなことは毛頭考えておりません。各府県の地域の実情に応じてやっていただくことが望ましいと、こういう判断でお願いをしておるわけでございます。
#53
○野口忠夫君 いや、そんなことやるなんて言ったんじゃ大変だから言わないだろうけれども、そういうところに私はこの地方行政委員会あたりの問答のやり方がちょっと物足りないですわね。私は決して悪いことをやっているなんて言っているのではなくて、そういうような雰囲気が醸し出されているでしょう、現実に。ありませんか。ないとすればよっほどどうもおかしいんだな。
 じゃいまのお話で言うと、各都道府県はこの通達のとおりに実施の義務はないわけですね。これは各都道府県の自主性によってやられていいということになりますと、こうした通達による指示は一つはやっぱり自治権の侵害にならないかどうかという問題が残ります。そしてまた、これに従わないでいくとアンバランスが生まれてきますね。ある県はやった、ある県はやらないということになるわけだ。そうすると、一つの税金をめぐって、公の財産をめぐって、ある県ではやったけれどもある県はやらないというようなことになってくるわけですから、この辺を考えますと、どうしてもこの通達が出たということによって、自治体はやらねばならなくなってきているのではなかろうか。やらないということになりますといまのアンバランスが生まれてくると思うのですけれども、この辺の通達に対する各都道府県の自主財政の自治権の問題、義務、あるいは他とのアンバランスというような問題について、起こってもいいと思っているのかどうかについてお聞きしたいと思います。
#54
○政府委員(森岡敞君) 地方自治法におきましては、御承知のように、地方団体は、公益上必要がある場合においては補助をすることができるという規定があるわけでございます。私どもといたしましては、地域における運輸事業の振興、輸送力の増強あるいはコストによる料金の引き上げの緩和、この辺の問題は地域としてやはり大きな問題だと思うのであります。そういう意味合いで、各府県が自主的にこういう補助金を出していただくということは望ましいことだと思います。ただ、補助金をお出しになる場合に、各地域ごとにアンバランスがあってはこれは望ましくない。やはり軽油引取税の引き上げというものが一つの引き金になっておるわけでございますから、そういう意味合いで、補助金をお出しいただく場合の一定の整合性を保つルールというものを指導の方針としてお示ししたわけでございます。私どもといたしましては、いま申しましたように、基本的には地方団体の判断にゆだねられておる事項でございますけれども、ただ全体の立場として考えますれば、やはり輸送力の増強というのは大きな課題でございますから、国民生活全般にかかわる大きな課題である、中小企業の振興にも大きに関連してまいるわけでございますので、やはりお出しいただくことはそれは適切なことだと思っております。
#55
○野口忠夫君 先ほど、そういうことが望ましいという御姿勢でお出しになられたとおっしゃったわけですね。私はその通達の根拠をお聞きしたら、この通達はそうすることが望ましいと。いまのお話を聞いていると、私が望ましいと思っているのだからそれに従わないのはうまくないというようなふうにも受け取れるわけなんですよ。これほど自治省が望ましいと思っているのに下の方で何をしているんだというようなことになりそうな御返事なんだな。それが言外にあらわれてくるわけだ。これがおっかないんだな、自治省というところは。だから、私の聞いたのは、こういう通達を望ましいとおっしゃって出したことによって何か自治権は侵害されないか。地方治体が自治の本旨に従ってやっていく中で、おれがいいと思っているんだからどうだというような言い方で通達を出すことによって物事を進めていくことは、何か自治権を侵害することにならないだろうかという心配を持つ。あなたのお答えを聞くと、いや、それは望ましいという指導なんだということになって、都道府県に義務がないということになると、いまは一区域の中のアンバランスではないんですよ。ある都道府県は実施した、ある都道府県は実施しないということになったらそれはいけないことだと言外にあなたがおっしゃっているから、どうも通達でこういうことをやっていることについて私は疑問が残るわけであります。よくちょいちょい通達をお出しになるわけですけれども、どうも私たちの考えているものと違って、自治省から出る通達の中には、指導の枠を超えないみたいなことを言いながら、何となく強い、強制的な味わいを持ったものを通達という形でお出しになって、法律よりも通達の方が何か強い権限を持つような印象を各自治体に与えることがたびたびあったのではなかろうかと思うので、おっしゃるとおり、これはこうした方が望ましいと。その望ましいという自治省の考えを、中小企業をという気持ちはわかるのだけれども、それを通達で何かやれるかのごとき印象を持ったような形がここにあるので、これは非常に重大問題だと思っているのです。ですから、これはひとつ保留にしておいて、これはなお後でまたいろんな通達をみんな持ってきてお聞きしたいと思っているのですがね。
 やっぱり下から上に上がってくるような自治の本旨というものですね、上からこうやらせるということではないという意味で本当に指導は必要だと私は申し上げたわけでありまして、これはあんまり皆さんおっしゃらなかったのですけれども、私は指導は必要ではなかろうかと。しかし、相手に対して尊重するということがない指導というのは指導の範囲を逸脱します。これは命令であり強制である場合が多くあるわけでございますから、どうも私はこの通達については非常に疑義を持つわけなんですがね。
 時間がありませんから、全部はしょってしまいます。
 大分、二百海里の問題が大きくなっているのですがね。領海が今度十二海里になるわけでございますが、三海里から十二海里に進むことによって、領海内外におけるところの課税権の問題についてお聞きしたいと思うのです。現在のわが国の領海は三海里となっておりますが、その領海内の自治体の課税権はその水面の所属する自治体にあると思うが、三海里以遠の区域における課税権については現状ではどのようになっているか、お聞きしたいと思うのです。三海里まではそうなっているのが、三海里以遠についての現状はどのようになっているか、お聞きしたい。
#56
○政府委員(森岡敞君) 領海三海里という現在の制度のもとにおきましては、市町村の行政区域はその領海の中にとどまります。したがって、たとえば具体的に申しますと、パイプラインでありますとか海底ケーブルでありますとか、こういうふうな施設がその領海の区域を超えて敷設されております場合には、その部分に対する固定資産税のような税金は現在課税しておらないというのが実態でございます。
#57
○野口忠夫君 三海里以遠の区域についての課税権、これの現状を。いまのお話は三海里内ですね。この以遠についてどういう現状かとお聞きしたんですがね。現状どんなふうになっているか。状態です。
#58
○政府委員(森岡敞君) ただいま申し上げましたように、三海里内につきましては、市町村の行政区域に入っておりますからこれは課税いたしておりますが、三海里を超えてその外側にあります部分につきましては、市町村の行政区域に入りませんので課税をいたしておりません。
#59
○野口忠夫君 大陸だな条約の考え方によって、領海以遠でもやっているのが新潟県あたりにあるんじゃないですか。ありませんか。鉱区税と鉱産税が課されている、新潟沖の阿賀沖のガス・油田の開発。
#60
○政府委員(森岡敞君) 領海の現在の仕組みに伴います一般的なたとえば固定資産税のような税にいてはただいま御説明申し上げたとおりでございますが、いわゆる大陸だなにつきましては、国際的な慣行といたしまして、領海外でありましても主権的権利がその国に属するという、慣行と申しますか、慣習と申しますか、それが認められております。そのようなことから、いま御指摘のように、一部鉱区税のような税を課税をしておる例はございます。
#61
○野口忠夫君 五十二年の二月九日の日本経済新聞にこれは相当大きく出ているんですよ。「開発施設に地方税「領海法」成立と同時発効 自治体に思わぬ財源 業界の反発必至」なんて書かれて、これはもう大した問題になってあるわけですけれども、何だかいまの答弁によると、この問題はあんまりあれでなかったのかというような気もしますがね。新潟県の阿賀沖にはそういう税金をかけていて、以遠でもあると。あれはちょうど六海里ぐらいのところにあるんですね。従来の三海里にしても。今度はこれが十二海里になるわけですが、これは十二海里になってもやっぱり三海里と同じような考え方でいくのかどうか、お聞きしたいと思っています。
#62
○政府委員(森岡敞君) 領海が十二海里に拡大されますと、当然先ほど申しました一般的な考え方といたしましては、その拡大された領海内の区域は市町村の行政区域に含まれますから、十二海里までは当然市町村の課税権が及ぶわけでございます。
#63
○野口忠夫君 その以遠。
#64
○政府委員(森岡敞君) その以遠につきましては、先ほど申しました大陸だなの資源に関する国際慣行というものに応じて、具体の事例について処理してまいる、こういうふうに措置すべきものと、かように考えております。
#65
○野口忠夫君 なぜこの固定資産税を抜くのですか、固定資産税はなぜかけないのですか、以遠の場合は。鉱産税、鉱区税と固定資産税とを領海内の場合はかけているのだけれども、これが以遠になると固定資産税はかかっていないと言うのですけれども、固定資産税をかけないことはなぜですか。
#66
○政府委員(森岡敞君) 固定資産税をかけていないというケースといたしましては、いま御質疑の中に出ておりますような大陸だな以外のものもあるわけでございます。たとえば具体例で申しますと、神奈川県の二宮町に関連いたしまして、海底ケーブルがずっと続いておりますが、そういうふうなものにつきましては、これはやはり十二海里に拡大されました後には、十二海里の範囲内で固定資産税の課税権が及ぶという考え方に立たざるを得ないと思います。しかし、そうでなくて、大陸だなに関連いたしますものにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、国際的な慣習というものを踏まえまして、当然課税し得るものは課税をするという考え方で対処してまいりたいと、かように思います。
#67
○野口忠夫君 そうすると、これからも三海里のところが残りますね。国際海峡と言われるところは三海里ですね。すると、ある自治体にとっては三海里以内ある自治体は十二海里というようなことに国際海峡と言われるところのあれはそういうふうにならざるを得ないわけですか。たとえば宗谷、津軽、対馬、朝鮮、大隅の五海峡は、国際海峡として三海里としておるようですがね。この場合の課税権は一体どうなるかということです。
#68
○政府委員(森岡敞君) 一般論といたしましては、十二海里の領海区域が定められております部分につきましては、十二海里の区域内が市町村の行政区域になり、三海里という部分ができますれば、それは当然三海里の区域内が市町村の行政区域になりますので、基本的にはその領海の区域内に課税権が及ぶと、こういうことにならざるを得ないと思います。
#69
○野口忠夫君 時間がありませんであれですが、これも新聞ですが、昭和五十一年の七月十四日の日本経済新聞に、行政監理委員会では、徴税業務の合理化のため、国と地方公共団体の徴税業務の一本化、一元化について検討すると伝えているが、その後の経過はどのようになっているか。これに対して自治省はどのように考えているか。新聞にそういうのがあったわけですけれども、お答え願いたい。
#70
○政府委員(森岡敞君) 行政事務の簡素化という観点に立って、税務行政の運営につきまして、いまお話しのような国税、地方税の税務行政の一元化を図るということを検討してはどうかという御意見があることは承知をいたしております。ただ、国税、地方税の税務運営あるいは行政事務の執行というものは、単にそういう事務執行の面だけの問題ではございませんで、国と地方との間の財源配分の問題、あるいはさらにその基本におきまして地方自治をどう考えるかという問題に関連いたしますので、技術的な問題あるいは行政事務簡素化という観点だけから処理すべき問題ではない。やはり、わが国の今後の地方自治制度のあり方いかん、そういう問題に関連いたしますので、そのような見地から、広範な観点に立って検討すべきもの、かように思います。
#71
○野口忠夫君 終わります。
#72
○委員長(高橋邦雄君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#73
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案及び警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を一括議題とし、両案に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#74
○小山一平君 過日、自治大臣は所信表明の中で、地方自治の基盤の一層の充実を図る、また行政改革を積極的に進めていく等と述べられておりますし、地方税法の一部を改正する法律案の趣旨説明の中でも、「地方税負担の現状と地方財政の実情とにかんがみ、住民負担の軽減及び合理化を図るため」とか、「地方税負担の適正化、地方税源の充実強化」のためとか、改正の理由や目的について述べられております。私は、そのことにとやかく申し上げるつもりはございませんけれども、今回の一部改正案は、従来の税体系の中で時間的、経済的推移に伴うきわめて事務的な部分修正にすぎませんし、今日の地方財政の危機の抜本、根本に対応するものでもないことは明らかでございます。このことは、地方税法の改正案のみならず、昭和五十二年度の地方財政対策全体についても言えることだと思います。先日の委員会でも若干論議をしたのでありますけれども、行財政制度の抜本的な改革を通じて地方財政の充実あるいは地方自治の確立の方途を講ずべきであるという立場から、そのお考えや方針についてお尋ねしたいのでございますが、きょうは大臣がおりません。ひとつ政務次官は大臣になったつもりで御答弁をお願いをいたしたいと思います。
 現在の法務大臣の福田さんが自治大臣であられたとき、昭和五十二年度を目途に行財政制度の抜本改革に努力するということを強調されてきましたけれども、御承知のとおり何の見るべき改革も行うことができませんでした。また、小川自治大臣も、福田さんと同様に、本年は積極的に努力をしていきたいと、こういう決意を述べられているのでございますが、五十三年度を目途にして抜本的な改革を行うという考えで努力をすると述べられているのかどうか、その点についてまずお尋ねをいたします。
#75
○政府委員(中山利生君) ただいまお尋ねの問題でございますが、自治省といたしましても、先生がいま御指摘になりましたような行財政各方面にわたっての抜本的な改革ということには、まあ政府の中でも率先をして努力をしていることは御承知であろうと思いますが、行政、財政ともにいろいろな問題が重なっておりまして、なかなか思うに任せない。今度の御審議でも十分な提案ができなかったということはまことに残念だと思いますが、五十三年度に向かってできるだけの努力をしてまいりたいと考えておりますことは、大臣がしばしば答弁しておるところでございます。
#76
○小山一平君 毎年同じようなことをおっしゃるけれども、なかなかできないというのが厳しい現実の姿だと思いますが、そこで、福田総理がかつて行政管理庁長官であられたときに、地方事務官の廃止ができないようではその他の行政改革などというものはできっこないことだと、こういうふうに言われました。私はもう金くそのとおりだと思います。政務次官はどう思いますか。
#77
○政府委員(中山利生君) 実は、この問題は三十年来の、当分の間が三十年になったというようなこともございますし、政府部内でのいろいろな問題もあり、また先ほどおっしゃったように、政府側が再三この改革については言明をしておるにもかかわらず、いまだにその見るべき成果が上がっていない。私は、実は衆議院の地方行政委員会の理事をしておりました当時に、衆議院の地方行政委員会の附帯決議をつけた経験がございますが、その附帯決議一つにいたしましても、なかなかいろいろな問題やら重圧がかかってまいりまして、これをつけるのにも非常に骨が折れた思い出がございます。その後も一向に進展しておりませんけれども、まあこれも各省の間にいろいろな問題がございますし、また、各省それぞれにもいろいろなニュアンスの違いもあるようでございます。しかし、われわれ自治省の側がこれまでも常に率先してこの問題の解決に、推進に当たってきており、また、今後もできるだけ早い機会にこれを実現をしていきたい。しかし、これまではどうも政府内部行政の面でのいろいろな論争に終わっていて、もう少し国民サイドで、国民の利便の点でこれがどういうふうに取り扱われなければならないかというような議論がどうもなかったのではないかというような感じも、私個人の感じでございますがしているわけでございまして、できるだけこれを一日も早く整備をして、行政のサービスができるだけ円滑に国民に行き渡るような、そういう改革をしていかなければならない。今度の内閣でも、行政改革と、大きな目標を掲げているようでございますので、この中で改革ができていけば大変幸いなのではないかというふうに感じております。
#78
○小山一平君 私がこの問題を重視をいたしますのは、福田総理のおっしゃるように、この程度の問題さえも解決できないならば大きな行政改革などできるはずがない。したがって、この程度のことの改革が遅々として進まない、こういうところにあるわけです。大きな抜本的な行政改革あるいは財政改革が行われることなくして、現存の地方財政の危機の突破も、よく大臣なども言われるように、自立性を持った地方行政の運営などというものができるはずがないと思うので、この問題を重視をするわけですね。
 御承知のように、昭和三十九年に臨時行政調査会の勧告が出ています。三十九年ですよね。この勧告の中には、「地方事務官が従事している行政事務は、都道府県知事に機関委任されているが、人事権が今なお本省に属していることは、地方事務官を「当分の間」存置するという昭和二二年制定の地方自治法の規定の趣旨に反し、機関委任事務の遂行上異例に属するので、地方事務官は速かに廃止すべきである。」と、きわめて明快な勧告が行われております。それから昭和四十一年の七月には、行政監理委員会の「地方事務官制の改革に関する意見」というのが出ている。四十三年には、第一次行政改革計画の閣議決定というのがある。十一月には「地方事務官制度に関する三大臣覚書」というのがある。四十四年には第二次行政改革計画の閣議決定というのがある。四十九年の五月には衆参両院地方行政委員会の超党派による決議がある。これに伴う総理及び自治大臣の約束もある。にもかかわらずこの改革ができない、廃止ができない。いま政務次官もいろいろ言われましたが、私は行財政改革を可能にするかしないかというのは、この問題がなぜ処理できないかという根源にさかのぼらなければならぬと思うのです。政務次官は一体この根本的な要因はどこにあるか、どうお考えでございますか。
#79
○政府委員(中山利生君) 大変むずかしい問題でございまして、まあ私自身も、福田現総理が以前におっしゃったように、こういうことすら解決できないようなことでは一国の政治はやっていけない、行政改革などは絵にかいたもちにすぎないというようなお話があったそうでございますが、私もそのとおりであろうと思います。しかし、今日のようにいろいろと整備をされた社会制度、国の行政制度ということになりますと、それを改革していくためにはいろいろな抵抗、また各方面にわたる国民生活に与える影響等も考え合わせて、急激な改革はいかがなものであろうか、なるべくそういう影響が少ないような形で進めていきたいというような考え方が、今日までずるずると三十年も引き延ばしてきた一つの原因であろうと思いますし、また行政機構が非常に強力になって、なかなかちょっとやそっとの力ではこれを変えることができない、政治の方の力の不足、大臣も御答弁申し上げておりますように、まあ私の力の足りないところでございますというようなことを申し上げているようでございますが、いつまでもそういうことを言っているわけにはまいらないわけでございまして、自治省が中心になりましてこれの一日も早い解決を見ていきたい。いまいろいろ申されましたように、政府部内でも努力をしていないわけではないわけなんでございますけれども、いまだにその結論が出ない、われわれも非常に残念に思っておるところでございます。
#80
○小山一平君 一言で言ってその原因はどこにあるか。このことをいいかげんにしておいたのじゃ、どんなに努力したってだめですよ。どこにあると思いますか。
#81
○政府委員(中山利生君) 政治を担当する者の決断と実行が足りないということであろうと思います。
#82
○小山一平君 そういう点も大いにあろうかと思いますが、私は少し理屈っぽくなろうかと思いますけれども、この地方事務官廃止という問題は、労働省、厚生省、運輸省、この三省にかかわるものですが、これはこの三省が現在持っている権限と財源を地方へ移譲することですね。そういう改革にこれはなるわけです。それから、この第一次行政改革の答申の中にも、行政改革の内容というものはいずれもこういった内容を持っております。たとえば、
  一、許認可および報告等の整理
  全省庁を通じて、許認可等、千三百八十三件
 については、廃止、統合、委譲および規制の緩
 和を図り、報告一千五百七十一件については、
 廃止、統合および簡素化を図る。
  二、行政事務の下部機関への委任または地方
 公共団体等への移譲
  全省庁を通じて、四百二十七件について行政
 事務の下部機関への委任または地方公共団体へ
 の移譲等を行なうと、こういう内容です。ですから、行政改革というものはこの地方事務官廃止とその質において同じなんです。いずれも現在国が持っている権限または財源を地方団体に移すと、こういう本質を実は持っているわけなんです。これは明らかに地方分権の推進という方向になるわけですね。私は問題というのはここにあると思うのですよ。政務次官いかがですか。
#83
○政府委員(中山利生君) 私も同じような考えを持っておりまして、これを推進することによって、先生がおっしゃるような地方分権、またいろいろな行政の再配分、そういうものが相当程度進むであろうというふうに考えておるわけでございます。
#84
○小山一平君 そして地方自治の確立あるいは行政事務の簡素化、こういうような問題は、いま申し上げたように、国の持っている諸権限を地方に分割移譲をしていく、それが地方分権である。ところが、これに頑強に抵抗してこの改革をさせないという思想は、地方分権を推進するということと反対に、頑強な中央集権の思想がそこにあるからです。私はこの点を明快に認識をすることなしには、どんなに行政改革を唱えてもできないと思うのです。そしてなかなか政治的決断といっても、この強大な官僚機構とそうして強大な力がこうした地方分権を進めるという方向に強固な抵抗を示す中で、いまの自民党政府で決断を下して断固進めるということができるかどうか、私は非常に疑問に思います。どんな抵抗があっても政治的決断を下す決意がございますか。
#85
○政府委員(中山利生君) 地方分権をする方がいいか。もちろん、地方の住民との関連は地方団体が一番密接なわけでありますから、できるだけ地方団体に権限を移譲することが望ましいわけでございますけれども、中には、国がやはり統一をして国の仕事として仕事を進めていくということの方が逆に住民の利便につながる、福祉につながるという事務的な内容のものもあろうかと思います。そういうことが議論の中心でございまして、今日までその決断実行ができなかったというのも、そういう議論を延々とやってきたということにもあるわけでございますが、こういう決断がなかなかできない、やるべきことをしない、国民が期待することをしないということが自民党の、長期低落傾向を助長していると、私自身もそういうふうに思いますので、私も決意を持ってこれの推進に当たってまいりたいと存じております。
#86
○小山一平君 そう卒直におっしゃられると何ですが、私はやっぱりこの根本は憲法認識だと思うのですよ。別にきょうは、私もそう憲法の研究者でもありませんから、深い憲法論議を交わそうなどとは思っておりませんけれども、明治二十一年に市町村制が制定をされた。そうしてこれはもう明治憲法下における中央集権的な国家権力の末端機関として地方自治体は位置づけられたことは明らかですね。そうして富国強兵の国家政策を忠実に遂行するという役目を果たしたことも間違いがございません。そうしてあの戦争、敗戦という経験のもとに現在の憲法ができて、初めて第八章に地方自治という規定ができたわけで、これは私は歴史的にも非常に大きな出来事であるし、そうしてその持つ意味は非常に大きなものがあると思っているのですね。
 そこで、まあ時間もありませんから、余り長々もできませんけれども、当時憲法制定に非常に大きな役割りを果たしてこられた金森徳次郎氏が著書の中で申されております。自治体の根元は人間の自然的性質に求むべきで、国家の権力に求むべきでない。個人の基本的人権と同様な意味において、基本的自治体権というべきものがあって、国家に対抗し得るものではあるまいか。憲法第九十二条の規定はこの意味であり、地方自治の本旨という言葉の中には牢固として抜くべからざる根本の地位が予想されていると述べていらっしゃいます。そしてまた、この規定がいかなる意味においてこの地方自治体を考えているかということについては非常に明確を欠いているけれども、その根本においては自治体の基本的独立というものを予想しているのである。自治の本旨を深く考えると、自治体に独自的な根拠があることは、あたかも基本的人権が個人にとって独自の根底があると同様に解すべきである、こういうふうに、この憲法制定に深くかかわられた金森先生が述べられているわけです。ですから地方自治というものが国の従属的な存在であるという認識とは全く相反する見解であり、また、憲法はそういう意味を持っている、こういうことを先生は指摘をしているわけです。この点、政務次官はどう認識をされておりますか。
#87
○政府委員(中山利生君) 金森先生は今度の憲法の制定の一大功労者でございますし、私もその影響をかなり受けている方でございます。ただいまの自治権の発生あるいは基本的人権の発生というようなことはやはり相通ずるものがあるわけでございまして、ただいまの憲法の一つの大きな基本的な理念になっているであろうと思います。民主主義というのはそういうところから積み上がってきて国家ができ上がっているというふうに私も理解をしておるわけでございますが、ただいまの憲法が、御承知のような経過で、敗戦後国民の中から盛り上がってできた憲法でなくて与えられた憲法だと、しかし、その裏には先生がいまおっしゃったような基本的なものは胎動していたわけでございまして、その制度ができてから三十年間、いろいろな模索あるいは経験、試行錯誤というようなものを繰り返しながら地方自治というものは健全な発展をしてきたのではなかろうか。しかしまだ、そういう意味でまいりますと、先ほどから議論がございましたように、行財政の制度とともにまだまだこれから改革充実をしていかなければならない問題がたくさんあろうかと思います。われわれ自治省といたしましては、そういうものの精神をよく理解しながら、そういうものを踏まえてこれからの改革に当たってまいりたいと存じております。
#88
○小山一平君 ことしは地方自治制度がスタートしてから三十年の記念すべき年になるのですが、あの経済の高度成長時代に、地方税が予定よりも二〇%も三〇%も増収になるという時代であっても、三割自治という言葉がありまして、非常に国の力に比べて地方の力が弱い、あの時期でさえそう言われたことがそれを示していると思います。ですから、今日のような深刻な不況になれば、地方の独自性などというものがますます弱くなるのは当然ですね。そこでさまざまな政府諮問機関が改革についての答申を出したり、あるいは学者がいろんな提言をしたり、地方団体がさまざまな要望や提言を皆さんに出しているのも、共通してこの中央に集まっているさまざまな権限、許認可等の権限あるいは財政的な集中、こういうようなものを地方に分散すべきだ、行政の合理化や簡素化を図る上からも、地方自治体の独自性を高めるような方途を講ずる上からも、地方に諸権限を移譲する、こういうことが抜本的な改革の骨子となっているわけです。政府が常に言われている行政改革も財政制度の改革も、私はいま持っている権限を地方に移譲をするということによって実現をしよう、こういうふうに目指しているはずだと思うのですよ。そうじゃないでしょうか。
#89
○政府委員(中山利生君) 私どももそのように考えて常々努力をしてまいってきているところでございます。しかし、やはり住民の均衡のとれた行政サービスを受けるという権利も大事にしなくてはならないわけでございまして、やはり行財政とも各団体によって大きな格差が出てくるということはできるだけ防いでいかなければなりませんし、そういう面で国が介入といいますか、あるいは指導をし、均衡のある行政サービスを全国の自治体住民が受けられるようなそういうコントロールをしていく必要はあるだろう、そういう面で自治省の役割りというものは非常に大きいのではないかというふうに考えております。
#90
○小山一平君 私は、そのことを決して否定しているわけじゃないんです。そんなことは当然のことでございまして、ただ、私はそんな抽象論でなくて具体的に申し上げているのです。地方事務官の廃止、これはいま言ったように、国の持っている権限を地方に分割移譲しなさい、こういう勧告でしょう。そして自治省もその方針でしょう。それからそのほか、さっきもちょっと申し上げた行政事務の改革というもの、いま持っている権限を地方へ移譲すべきである、こういうことを具体的に指摘をしているわけです。だから、少なくともこうして政府の持っている諮問機関がそういう答申を出し、自治省もそういう方針を出すと言ったら、そのことぐらいは当然実行されなければならない。それはいま政務次官が言ったようなことでごまかすこととは、これは全然中身が違うわけですよ。私の言っているのは、もう限られた具体的な事項というものがありながら、十年たっても二十年たっても解決がつかない。これは握ったものは石ころでも放さないという頑強な中央集権的な思想といいますか、あるいは地方団体不信の考えといいますか、そういうものが根底にあるのではないかということが私の言いたいところなんです。宮沢俊義先生、憲法学者の本の中にございますね。地方自治に対する国家の不当な干渉を排除するための具体的保障を規定しているのが憲法第八章の規定である、こういうふうに言っております。このことは決して適正な指導、監督というものを否定しているわけじゃありませんよ。それからまた、この九十二条に規定されている地方自治の本旨というものは、地方自治の歴史的発展、憲法がかような規定を設けるに至った趣旨及び目的、現代国家における国家と地方自治とのかかわり合い、こういうものを深く認識する必要がある、こういうことも指摘されておりますし、それからこの地方自治の規定が憲法にできたというその趣旨や目的は、過去のわが国の地方行政の中央集権的官僚性が持った欠陥を排除し、より徹底した地方分権と地方行政の偶主化を企図したものである、こういうふうに述べられております。この考えについてはもちろん異論はないと思いますが、念のためお尋ねしておきます。
#91
○政府委員(中山利生君) もちろん異論がないわけでございますし、この地方事務官制度の撤廃につきましても、自治省といたしましては、常に自治体、地方団体の立場でこれまでも仕事を進めてきたわけでございますが、何分にもわれわれの力が足りないために、先生がおっしゃったようなほかの省庁の壁、制度の壁がなかなか破れないというようなところが実態であろうと思います。これからもひとつがんばってやっていきたいと思いますので、先生方の御協力もぜひお願いしたいと思います。
#92
○小山一平君 くどいようでございますが、地方事務官の廃止の問題にしても、その他のいま課題となっている行政改革にしても、いずれも徹底した地方分権と地方行政の民主化につながるこれは課題であるわけでしょう。だから、いろんな問題が一つも進捗しないというのは、この憲法の精神を理解していないというか、時によれば踏みにじっているという姿勢だと私は言いたいのですよ。政府の大臣でも政務次官でも同様だと思いますけれども、皆さんは、この根源についてやはりもう少ししっかりした意思統一と、認識を新たにして立ち向かうことが必要だと。そうでなければ、皆さんはやろうと思ったけれども、ある省の役人連中が強硬な抵抗を示したからこれはとてもできない、われわれのどうも力と決断力に欠けているゆえんだというようなことを繰り返していたのでは、これはいつになったって問題は進んでいかないと思いますね。やりますか。
#93
○政府委員(中山利生君) これまでの重ねてまいりました努力を、また一段と推し進めてがんばっていきたいと思っております。
#94
○小山一平君 ここに、これは毎日新聞の社説でございますけれども、「「分権化」進める地方財政を」なんという題で、いま私が申し上げたように、そしてまたこの行政調査会の答申も示しているように、国の権限や財源を許されるものから地方に移譲すべきである、それが今日の国家財政や地方財政の危機に積極的に対応する道である、こういうことをここにも述べております。私は余り当てにはしませんけれども、しかし、これだけ長い間懸案になっている問題ですから、まあせめて福田総理が言ったように、地方事務官の廃止ができないようでは他の行政改革はできるはずがない。そこでまずことしは、その一番のもとになっている地方事務官の廃止というものをまず断行する。そうすると、私も、いや福田内閣も、もろもろの抜本的制度改革があるいは実行できるかもしらぬという明るい期待を持つことができるのですよ。
 そこで、まずさまざまな改革の手始めに、総理がこの程度のものができなければどうにもならぬと言ったこの程度のものぐらいは、どうですか、ことし、断固として廃止するということをやりましょうよ。その決意と方針についてまずお尋ねしなくちゃならぬと思いますがね。
#95
○政府委員(中山利生君) いれは何回も繰り返しておることでございますが、もう自治省といたしましてはこれをできるだけ早く推進をしたい、これまでもこれは繰り返し繰り返し御答弁を申し上げていたわけでございますし、今日でもその決意は変わっていないわけでございます。こういう仕事は決断も必要であろうと思いますし、まずたゆまぬ努力ということも必要であろうと思います。できるだけ今年度内にでも決着がつけられますように努力をしてまいりたいと思っております。
#96
○小山一平君 私は最初にも申し上げましたように、この地方事務官がどうなるということがそんなに日本の政治や行政にでっかい影響のある問題だとは実は思っていないのです。ですけれども、いま言ったように、これができないようなことでは他の一切ができるはずがないという、質において同じものを持っているがゆえに、行財政の抜本的な改革を通じて地方の財政危機を打開をしたり、あるいは独自性、自立性に富んだ民主的な地方自治を築いていく、そういうことを考えるから、どうしてもこのことに話を集中しないわけにはいかないのです。まあ、ひとつ期待をしておりますから、そしてまた福田内閣はこの八月をめどにさまざまな行政改革の取りまとめをしてやっていこうというようなこともやっているわけですから、私に言わせれば、八月にどんな改革案をまとめてみたところが、この程度のことができないようなら、これもまた絵にかいたもちで、一歩も前進をしないと、こういうことになろうと思うので、特にそのことを強調して、努力のほどをお願いをしておきたいと思います。
 次は、時間がなくなってまいりましたが、豪雪による地方団体の財政負担等の問題でお尋ねをしてみたいのですが、前にも災害対策特別委員会の折にも申し上げたのですが、ことしは大変な豪雪被害がございました。もちろんその除雪のための地方交付税が算入されております。そしてまた、すでに特別交付税も決定を見ました。建設省の補助金措置もとられました。その努力については多といたすわけでございますが、私のお尋ねいたしたいのは、特に豪雪で大変な被害が生じたといわれるような地方団体において、そのために要した経費の総額、それに普通交付税、特別交付税、補助金等々をもって要した経費を一〇〇%賄うことができたのかどうなのか。ぜひ私は一〇〇%見てほしいということを御要望を申し上げておいた関係もありますので、現在の皆さんの掌握されているトータルでどうなっているかという実態の御報告をお願いをしたいと思います。
#97
○政府委員(首藤堯君) 豪雪地帯に対します財源措置でございますが、先生も御案内のように、普通交付税における寒冷補正におきまして、積雪度でもって増加需要を策定いたしておりますのが、普通交付税で、経常経費で約四百二十四億。それから投資的経費で約三百億、合計七百二十四億ほど措置をいたしておるわけであります。
 ところが、今回のような大豪雪になりますと、このような普通交付税で措置をいたしましたものだけでは足りない団体が御指摘のように出てくるわけでございまして、これに対して特別交付税の配分をいたしたわけでございます。これは全団体でございませんで、この普通交付税算入額を所要経費が超過をいたしました団体分につきまして、その実態の概要を申し上げますと、除雪関係経費の所要見込み額、これが約四百三億ほどになりました。それに対しまして、ただいま申し上げました普通交付税のその当該団体に算入しておりますものの額の八割の額、これが二百四十四億ほどになるわけでありまして、その差し引きが百五十九億、こういう数字が出てまいりましたので、そっくりそのままこの百五十九億、約百六十億を当該超過した団体に交付をする、このような措置をとったわけであります。
 したがいまして、各団体ごとに若干の出入り等はあろうかと思いますけれども、全体として除雪費に要した額はこのような措置でほぼ措置がし得たのではなかろうかと、こう考えておる次第であります。
#98
○小山一平君 そういたしますと、普通交付税と特別交付税だけで五十一年度の豪雪による除雪費は一〇〇%見れた、こういうふうに解していいわけですか。
#99
○政府委員(首藤堯君) ただいま申し上げました額は、当該除雪費等に対する地方団体の負担額でございますね、これの所要見込み額でございますので、もちろん各種の豪雪に対します国庫補助そのほかの制度がございますが、そういったものを含めました残りの地方負担額、こういうものに対する措置はほぼ終えたのではなかろうかと考えておるわけであります。
#100
○小山一平君 膨大なものになりますからすぐでなくてもいいのですが、少なくも災害救助法の適用を受けた団体の範囲で結構ですから、そういう数字をひとつ表につくっていただいてちょうだいしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#101
○政府委員(首藤堯君) そのようにさしていただきます。
#102
○小山一平君 それからずいぶんこれは前からの議論があったところでございますが、豪雪というのはこれはある年に偶然にやってくるのでなくて、毎年毎年その地帯では豪雪に見舞われるわけですね。これは例年の問題であるわけです。そのために、尾根に積もった雪をおろさないと家がつぶれてしまうというので、どこの家庭でも雪おろしという仕事をやらにゃならぬ、これには相当の経費がかかる。これをひとつ大蔵省の方でかかった経費の控除制度をつくるべきである、こういうことがいままでずいぶんと主張をされてまいりました。過日の災害対策特別委員会でもこのことがずいぶん出てまいりましたが、なかなか前進的な回答は得られなかったのですが、大蔵委員会で大変前進的な答弁があった、こういうふうに聞いております。どういう内容でございますか。
#103
○説明員(高橋俊雄君) 豪雪の場合の除雪費につきましては、従来から、豪雪によりまして家屋の倒壊を防止するための雪おろしをこれを雑損控除の対象としておりましたが、本日の大蔵委員会におきまして、この豪雪の場合の雑損控除の適用対象を、雪おろし費用だけではなくて、さらに拡大すべきであるという御質問がありまして、これに対しまして、できるだけ弾力的な取り扱いをすること、それから、国税庁におきましてその細目の詰めを行いまして、取り扱い要領がまとまりますれば、これを国税局、税務署に通達することを答弁しております。
#104
○小山一平君 これは以前から雪おろしの経費は雑損控除として認めるというふうになっていたのですか。
#105
○説明員(高橋俊雄君) これは雪おろし費用は本来すべて雑損控除の対象になるというものではございません。しかし、四十九年の災害特別委員会の決議によりまして、四十九年から、豪雪がありまして、その雪をおろさなければ家がつぶれるとか倒れるというような場合については、その雪おろし費用を雑損控除の経費に見るということを四十九年からやっております。
#106
○小山一平君 これは大蔵省、認識がおかしいですよ。だれが、家がつぶれる心配がないのにこの人手不足に金をかけて雪おろしをやるわけはないでしょう。雪おろしをやるということは、雪おろしをやらなきゃ家がつぶれるからやるんですよ。雪おろしというものが家がつぶれるということを防ぐためだぐらいなことは、こんなのはもう常識でしょう。そうして私が言いたいのは、すでにそういうことが決まっていたとしたら、そのことを該当する地域の住民に対して徹底を欠いていたのじゃありませんか。私どもがことしの豪雪の調査に参りましても、ぜひ雪おろしの経費については控除をするような制度をつくってほしいと、どこの市町村へ行ってもそういう要望が出てきているんですよ。そうであるとすれば、いままですでに決まっていたというのであれば、その地域の税務署はきわめて不親切で、その費用は雑損控除として認めるという扱いを私は怠っていたんじゃないかと思うのですが、そうじゃないですか。
#107
○説明員(高橋俊雄君) 従来から、第一線の税務署を通じまして納税者に対して一応やっておったつもりでございますけれども、なお今回の取り扱い要領につきましては、さらに具体的な方法を検討いたしまして十分その周知徹底を図りたい、かように考えております。
#108
○小山一平君 まあそういう指導が不徹底であった、こういう反省の上に立って今後やっていただきたいと思います。
 もう一つお尋ねしたいのは、この雪おろしの費用の雑損控除については何か制限がございますか。
#109
○説明員(矢澤富太郎君) 雑損控除につきましては、年間の所特金額の一〇%を越えるときに、その超えた部分を所得から控除するといういわゆる足切りの限度がございます。
#110
○小山一平君 これでは、全くこんなことを決めようが通達を出そうが、何の意味もないんです。と申しますのは、大抵の家の雪おろし費用というのは、ことしあたりで少ないところで十万円、多くても年間二十万円ぐらいが大体の経費です。そういたしますと、もう二百万円の所得のある人にはこれは何の役にも立たない、絵にかいたもちだ、こういうことになるじゃありませんか。私は、五万円であろうが十万円であろうが、雪の降らない地域に住んでいる人々が負担をしなくてもいい費用を毎年毎年この地域の住民は負担しなきゃならない。ですから、所得の一〇%などという制限でなしに、かかった経費は当然控除するという制度をとっていただかなければ、せっかくの大蔵委員会で煮詰まった結論も何の役にも立たないのですよ。大変いいことをやったように考えましても、全くこれはナンセンスなんです。
 時間がないから私の方からいろいろ申し上げますが、たとえば年に豪雪地帯では十万円ずつの雪おろしの費用がかかるといたしますと、二十歳から七十歳まで税金を払うとすれば、その間十万円ずつかかっても五百万円でしょう。これだけほかの地域に住んでいる人よりよけいな経費を払っている。そうすると、これは地方の中小企業などで働いて、二十年、三十年、四十年働いてもらう退職金にも匹敵する全額ですよ。これを雪の深い地域の住民は、そこに生まれたという因果でよけいに負担をする。これじゃ気の毒じゃありませんか。私はぜひこれを何らかの法改正を行って、所得の一〇%を超えたものについては認めるなんて何の役にも立たないものでなしに、実のあるものにぜひ変えるべきだ、ぜひそういう取り組みをしてもらいたいと思いますが、どうですか。
#111
○説明員(矢澤富太郎君) 先生いま御指摘ございましたように、たとえば豪雪地帯のかかり増しの経費につきまして特別の控除を認めるべきであるという御意見、よく私どもも承っておりますし、それも一つの考え方であろうかと思いますが、ただ税制上の問題といたしましては、豪雪地域ではおっしゃるような経費もかかるとともに、今度は、たとえば沖繩などに参りますれば、クーラーの経費が要るとかいうことで、全国津々浦々にいろいろの事情がございますものですから、税制の問題として、そういった特定の経費を特別の控除というかっこうで認めることは、なかなか制度上なじまないというのが私どもの考え方でもあり、また、たびたび税制調査会にも御検討をいただいておりますが、税制調査会のこれまでの結論でもございます。
 ただ、今回の異常豪雪は、地域住民の方々には大変な負担になっているという実情を考慮いたしまして、この雑損控除の適用対象を拡大するということで、現在の制度の中でできる範囲でのおこたえをしたいということで、先ほど申し上げました適用範囲の拡大をしたところでございます。
#112
○小山一平君 せっかく拡大したが、それは何の役にも立たない。現地の実情を皆さんはもう少ししっかり認識すべきですよ。厚生省の扱っている生活保護法、生活保護を受けている家庭に対しては、雪おろしの費用をちゃんと五万五千円以内で認めているじゃありませんか。生活保護を受ける家庭に対して厚生省がそれだけの配慮をいたしておりますよ。沖繩のクーラーって何ですか。沖繩に住んでいる国民が全部クーラーを使っておりますか。雪の降るところは、金のある者もない者も、好むと好まざるとにかかわらず、雪が降るのですよ。そうして、同じようにそれを取り除く費用を負担しなきゃならないのですよ。沖繩のクーラーと同一にするなんという認識はもってのほかですよ。雨が降れば川がはんらんする、と言えば建設省は堤防を築くでしょう。山の沢に雨が降れば土砂を押し流す、と言えば砂防堰堤をつくるでしょう。雪の降るのは、建設省でも国土庁でもやりようがないんですよ。これはすべてそこに住む住民が心ならずも犠牲になるわけですよ。私は、いかなることがあっても、大蔵省が、なじむのなじまないの、そんなことでなしに、現実の問題として、皆さんがもし豪雪地帯に住んだと考えてごらんなさいよ。毎年毎年、一生の間には、五百万円、六百万円という大金を負担をする。これは余儀ないことでしょう。これをなじまないからなどという官僚的な言葉のあやで解決するなどということは許されない。
 政務次官、いまのやりとりの中でおわかりのように、生活保護世帯には厚生省はちゃんと必要経費として雪おろし費用というものを見ている、十分じゃないけれども。それ以外の人々が余儀なく負担しなければならない雪おろしの費用というものを、補助金で出せとは言いませんけれども、せめて控除をして、若干の税金を低くしてやるぐらいの配慮は当然政治としてとるべき任務じゃないでしょうか。政務次官、どう思いますか。
#113
○政府委員(中山利生君) どうもわれわれのように東日本に住んでいる者にとりましては、豪雪の本当の実情というものはよく認識できないわけであります。今度、ことしの豪雪で、豪雪地帯の皆さんからいろいろな陳情、事情のお話がございまして、頭の中だけでは多少認識を改めたわけでございますけれども、豪雪地帯の方々の生活、また特にことしのような異常豪雪という場合の税制なり補助なり、そういうものに対する考え方というものは、今後とも検討を重ねていかなければならないのではなかろうかというふうに感じております。
 自治省としても、いまのところは、先ほど御説明申し上げましたように、交付税での手当てということでございますが、これだけでは十分とはもちろん言えないわけでございまして、税制その他すべての面で温かい配慮をしていくように検討を続けてまいりたいと思います。
#114
○小山一平君 私は、ぜひひとつ大蔵省ではこの問題に真剣に取り組んでいただきたい。さらに問題は、上の雪をおろすでしょう。ここに山になります。これが県道や国道であれば県や国が運んでくれるのもございます。ところが、小さな市町村ではそれを今度は自分で運ばにゃならぬ。トラックを頼んでしても、一日頼めば二万も三万も取られる。こういう費用も必要なわけですよ。そして豪雪というものの認識が非常に足らない。ことしは豪雪だから特にひどかったけれども、豪雪地帯というのは、去年は年間の降雪量が十メートルであった、ことしはそれが十三メートルであったということなんです。十メートルであったってこれが十三メートルであったって、その地域の苦しみというものは、変わらないことはないけれども、少し重くなると軽いだけの違いであって、ことしは特にひどかったけれども、例年続くことなんです。私はもうこのことは、これからも大蔵省にもときどきここへ来てもらって、これをどういうふうに検討をして対処を前進させているかということを答えていただきます。また、政務次官にも、これはただ自治省という立場ばかりでなしに、自民党・政府、福田内閣という立場に立って、いま私が申し上げたような問題について十分検討をされて、当然とられるべき方策を講ずるようにお願いをいたしたいと思います。よろしゅうございますか。
#115
○政府委員(中山利生君) 先ほど自治省と税制というようなことだけ申し上げましたが、これは雪に対しましては各省庁の持っておるあらゆる施策を動員をいたしましてそして総合的な解決策を図っていきたいと。これは政務次官会議等、政府部内でも検討をしてまいりたいと存じております。
#116
○神谷信之助君 まず最初に、地方税法という法律は一体どういう法律かという問題を中心に少し議論をしてみたいと思いますが、そういう意味から、まず最初に地方税法の第二条の趣旨、これについての自治省の見解を聞かしていただきましょう。
#117
○政府委員(森岡敞君) 地方税法第二条におきましては、「地方団体は、この法律の定めるところによって、地方税を賦課徴収することができる。」と書いてあります。で私は、地方税法という法律は二つの面から理解すべきだと考えております。
 まず第一に、地方公共団体に課税権を付与する。どういう課税の権能を有するかということを明らかにしている。そのことは、たとえば国税としてどういう税を徴収し、地方税としてどういう税を徴収するか。また都道府県税としてどういう税を徴収し、市町村税としてどういう税を徴収するかという租税体系を明らかにする。それからまた、地方公共団体相互間で課税権が重複をするということのないよう、課税権の帰属を明確にする。そういう側面が第一でございます。
 第二は、納税者の面から見ましてどういう租税負担をすることを義務づけるかということを明らかにする。その場合に、地方税でございますから、ある程度の地域間の税負担の格差というのがあることは私は当然であろうと思いますけれども、しかし、それが余りにも拡大いたしまして、地域の納税義務者間で相当な耐えられないような税負担のアンバランスが出るということではこれは地方税としても適当ではございませんので、税負担の均衡化を図るための税率あるいは課税標準の決め方その他につきましての規定を設けておると。地方税法はそういう両面から理解すべきではないかと、かように思います。
#118
○神谷信之助君 いまの御説明は、一つは地方団体が地方税の課税権を持っておるという点ですね。ただし、その中に二つの問題があるという御説明があったと思います。この点は私も賛成なんですが、これは当然自治法の二百二十三条の規定や憲法の九十二条の規定から言ってもそういうことだろうと思います。もちろんその地方団体の課税権が固有の権利であるかどうかという点では議論がまだ分かれておるようでありますが、その固有の権利であるかどうかは別にしても、地方団体に課税権があるという点は確認できるだろうと思います。そしていまおっしゃったように、その一つの機能の中に、地方団体間の課税の調整、それから国と地方団体との間の課税の調整、いわゆる税体系といいますか、こういったものを規定するのが基本的な内容でなきゃならぬというように理解をしたわけですが、それでよろしいでしょうか。
#119
○政府委員(森岡敞君) いま御指摘の面と、それからいま一つ、後段で申し上げましたように、納税者の負担のバランスをやはり確保するということも地方税法の大きな機能、意義であると思います。
#120
○神谷信之助君 後段の点はちょっと後で触れてみたいと思うのです。
 で、前段の部分で考えますと、まあそういうことだけれども、しかし実際にこの地方税法の中身をずっと見てみますと、いろんな規定があるわけですが、余りにも非常に細部にわたって、そしてそういう地方団体相互間あるいは国と地方団体の間の調整を図るという色彩よりも、中央政府の地方税制に対するいろんな枠組みといいますか、統制といいますか、規制、これがきわめてあらゆる部面に出ているように思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
#121
○政府委員(森岡敞君) ただいまお話しの中で、納税者の租税負担に関する地方税法の意義なり機能については後の問題だとおっしゃいましたが、私はやはり双方両面から考えなきゃいかぬと思うのであります。仮にその納税者の租税負担に関する面を省いて、それをたな上げして考えますれば、あるいは御意見がこういうことであろうかと思いますが、法三章的に非常にラフな規定を置いて、あとは地方団体のできるだけ自主的な運営に任せろと、こういうお話になるのだろうと思います。しかし反面、納税者の負担の公正なりバランスというものを地域的にも保っていかなければならないということになりますと、憲法の八十四条の租税法定主義のたてまえもございますので、これはやはりある程度細部にわたって規定してくということでありませんと、地方税法の果たす使命が十分果たし得ない結果になるのではないか。御案内のように、戦前の地方税法は非常に簡素な規定でございますけれども、それに比べますと、現在の地方税法がかなり詳細になっておりますのはそういう趣旨に基づくものではないかと、かように思います。
#122
○神谷信之助君 ところが、そうおっしゃいますが、「新地方自治講座」の八巻の「地方財政制度」、石原さん初め三人の方の共著であります。その一八二ページ、「地方自治の立場からみたのぞましい税制」という項がある。それを見ますと、「地方税は、地方団体の自主財源であるから、地方団体が自主的に課税物件、税率等を決定し得るようにすることがのぞましい。現行地方税制においては、国税、道府県税、市町村税のそれぞれが独立の税とされており、法定外独立税について地方団体の選択の余地を認め、法定税目についても、税率の決定についてある程度の幅を認めている。しかし、法定外独立税を起こすにあたっては自治大臣の許可が必要であり、税率についても、たばこ消費税、電気税等かなりのものが一定税率とされており、税率について地方団体にある程度幅を認めているものの、大部分のものが制限税率を設け、税率の上限を抑えている。しかも、地方税法の非課税規定によって地方団体の課税権が奪われているものも少なくなく、総じて、今日の地方税制は、自主性という面では著しい制約を受けているといえる」と、これはこの部分はたしか石原さんの分担で書かれているものと思うのですが、そういうように指摘しているのですね。もちろん括弧書きで、しかし同時に、経済圏、生活圏が拡大をして、地域住民の地域間移動が激しくなってきたところから、その住民の側から自治体間の違いがあるということについては「強い反撥が出るようになってきているので、地方税制の自主性は、自治体内部の事情によっても弱体化されてきている」というまた別の側面、いま局長の言うた第二の面のものが出ているのですね。私はいま読み上げました文の前段の部分が一つと、ここのところを指摘をしているのです。
 後段の部分については、局長はアンバランスがあっては困るからとおっしゃいます。しかし私は、それが自治体の議会で条例で決めなければならぬわけです。それで非常にアンバランスがあれば、ここにもあるように反発が起こってきます。そして、地域間のアンバランスを改善していくといいますか、そのそれぞれの地域の住民が合意をした線での課税標準なり税率なりが決まっていく。それだから、そういうことを私はもっとこの地方税法を脅える場合に考慮する必要があるのじゃないか。地方自治を本当に強化をしていく、憲法による地方自治の本旨に基づいて地方税体系というものもつくっていくということであれば、現行地方税法のように、非常にあらゆる面で細かく規制をするということではなしに、住民自治に信頼を置いて、あるいはその地域住民に信頼を置いて、もっと自主性を認める方向が望ましいのではないか。これは地方自治体の執行機関の恣意的な問題だけではなしに、その地域の議会制度、これがもっと民主主議が翼に確立されていくならば、より一層住民のコントロール、これが正しく作用していくのです。そういう方向に私は考えなければならぬ、それらを含めて、前段の部分で石原さんらが指摘をしている今日の地方税体系、地方税体制、これが総じて自主性という面では著しい制約を受けているという結論に私自身も賛成なんですが、この点はいかがですか。
#123
○政府委員(森岡敞君) 率直に申しまして、私は地方自治に関し、あるいは地方財政なり地方税制に関し、いろいろな意見のあることは、まことに結構なことだと思うのでございますけれども、その中でも特に自主性の確保ということは大事なことだと私も思います。
 しかし、具体例で申しますと、たとえば市町村民税というのが、これは市町村税の根幹をなす税でありますが、これは昭和二十五年から昭和三十九年までは、当初は五つの課税方式を認めておった。昭和三十六年以降は二つの課税方式に統一し、三十九年から現在の一つの課税方式に、これはう完全に一律の課税方式になってしまったわけでございます。その背後にありましたものは、やはり何と申しましても、自主性を尊重するということは大事だけれども、その結果余りに地域間で個人住民税の租税負担に懸隔が生じ過ぎる。サラリーマンが転勤をすれば、田舎へ行けば税金が高い、これはどうしても納得できないじゃないか、こういうふうな強い要請があったことは事実であります。
 でございますので、私はいま具体例をひとつ申し上げましたけれども、確かに自主性の尊重という点から言いますと、余りに細かい制限を加えることはいかがかという議論はございますが、やはり負担面を考えますと、ある程度の税法による定めというものはしていかなければならないのではないかということが一つございます。
 それからいま一つの問題は、諸外国としばしば比較しての議論がございますが、たとえばアメリカとかイギリスとか、この辺の地方税制は、御承知のように、固定資産税とかレイトとかいう単一ないしはそれに非指に近いような税でもって財政収入を賄っておりますので、税率をいかように決めるかは、全くその地方団体の財政収支のバランスで決めてしまうというふうな仕組みになっております。しかし、またそのレイトの負担が重過ぎるとか、あるいは固定資産税が重過ぎるということで、イギリスやアメリカで大変問題になっておるということも見逃せないと思います。
 しかし、わが国の場合には、市町村税でございますと、住民税、国定資産税が基幹でありますが、そのほかに電気税とかその他の補完税も持ち、府県税になりますとさらに多様な税制を持っておるわけであります。これだけの多様な税制を持ちますと、やはりそれぞれの税目につきましての負担の決め方というものは法律である程度規制していきませんと、これはなかなか租税負担の合理的な求め方というのはできないのじゃないか、こういう問題があろうと思います。
 第三の問題といたしまして、わが国の場合には、これはしばしば皆さんが御指摘なさることでございますが、地方税のほかに交付税という地方財政制度によりまして、全国的地域的な行政のアンバランスが生じない、少なくとも必要最小限のナショナルミニマムというものは確保していこう、こういう仕組みが確立されておるわけでございます。ですから、そういうふうな財政制度が、諸外国では必ずしも見られないような仕組みがとられておるわけでございます。その中における一つの財源調達手段としての地方税の制度でありますから、やはりそういう全体の財政制度の中でどうあるべきかということも見逃せない。
 そういうふうに考えますと、たとえば交付税とリンクした標準税率制度というふうなものは、これはやっぱり必要なものだろうと、かように思うわけでございます。そういう面もいろいろ考えあわせますと、自主性の尊重は必要でございますけれども、現行地方税法で規定しております程度の税負担の求め方に関する各種の規定は必要ではなかろうかと、かように思うわけでございます。
#124
○神谷信之助君 私も課税客体をどうするか、税率をどうするか、すべてをとにかく、自治体は自治権を持っているのだから、それからまた課税権を持っているのだから、それはもう自由にやりなさいというようなことを言っているわけではない。だから税目をどう配分するか。国はどの税目、都道府県はどうだ、市町村はどうだ、こういうことは全体の体制としてこれは国で決めなければならないし、それぞれの一定の標準の税率というものも決めなければならぬでしょう。問題は、この地方税法の場合、国との関係で、自治体の側の意思いかんにかかわらず国の政策によって規制される、この部分が非常に多いのじゃないかという面を感ずるのですね。ですから、問題になっています今日の不公平税制ですね、この不公平税制の基盤というのは、実は現行の地方税法の一つの特質にあるのではないか。だから、現行地方税法の一つの特徴が、それが国税における不公平税制がそのまま地方税にも波及をするというもの、あるいは地方税法そのものにそういう不公平税制が持ち込まれるという問題が、いま私どもちょっとこの地方税法、現行地方税法を考える場合に、先ほど言いました地方団体の課税権という面から考えてみてもひとつ重要な問題ではないだろうか、こういうように思うのです。
 たとえば住民税、事業税の場合ですが、この所得計算、これは国税の計算のやり方をそのまま使っていると思うのですが、この点はいかがですか。
#125
○政府委員(森岡敞君) 住民税の法人税割は法人税額を課税標準にいたしておりますから、これは直に税額そのものを使っております。法人事業税につきましては、御承知のように、この税の性格をめぐりましていろいろ議論がございますけれども、一部の事業を除いては、現在は所得を課税標準にいたしております。所得を課税標準にいたします限りにおいては、納税義務者のいろいろな手続なり、納税事務あるいは負担のあり方、いろいろ考え合わせまして、排除すべきものは排除する必要があると思いますが、原則的には課税所得の計算は法人税と同じような仕組みでやってまいると、こういう仕組みをとっておるわけでございます。
#126
○神谷信之助君 だから、法人住民税は法人税そのものにリンクしますからね。それから、いまおっしゃったような法人の事業税についても、七十二条の十四の一で、「法人税の課税標準である所得の計算の例によって算定する。」と、計算の仕方も法人税でやるということですよね。
 ところが、この所得の計算の問題なんです。これは、一つはさまざまな租税特別措置で所得の実態が減免の措置によって減少しますわね。それからもう一つは、今度は、本税の中に組み込まれているところの大企業及び投資階層への優遇措置、これがあると、これによって所得計算が実態とかけ離れる、こういうもの。私は、この二つが実質の所得と遊離をした、特に恵まれたといいますか、最近特に問題になっている特恵税制の根幹を形づくっているというように思うのです。こういう計算のやり方、これは政府の政策によって生まれてきておるわけです。しかも、その政策によってそういう計算方式がとられますと、それがそのまま地方団体に対して法的に強制をする、こういうことになっている。この点が、地方団体は課税権を持つと言っておりますけれども、その課税権というのは、こういう点との関係で一体どういうように理解をしたらいいのか。地方税はこの税目ですよという枠を与える。ただ、その税目を与えながら、国の政策によって国と同じ所得計算をしなさい。しかし、その所得計算はもう地方団体、課税権を持つ地方団体の意思は反映しない、国の政策によって計算をされる。それをそのまま地方団体は右へならえして、そして課税をしなきゃならぬ、こういう関係ですがね。この点についてのひとつ見解をお聞きしたい。
#127
○政府委員(森岡敞君) いま御指摘の、国税における各種の特別措置のお話がございましたが、その中で、たとえば法人税法本法におきます各種の引当金等についても御指摘があったわけでございますが、これは一般的に申しまして、私どもは法人税法本法で定めております引当金等の規定は、やはり企業会計原則にのっとりました法人所得の計算の原則に立っておると思いますので、所得を課税標準にいたします限りにおいては、それはやはり法人税法と異なった考え方を地方税法の法人事業税とか、法人税割にするということは、これは適当でないと思うのであります。もちろん、法人税法本法において定められております引当金等につきましても、社会経済情勢の変化に伴いまして是正さるべき点はもちろんあろうかと思いますが、それはしかし、基本の法人税法の所得計算のところで直す。地方税の課税所得計算はそれに準拠していくという方が、これは課税団体といたしましても、納税者といたしましても、いろんな観点から考えまして合理的ではないだろうかと。
 次に、租税特別措置法で定めております各種の租税特別措置でございますが、これは、たびたび申し上げておりますように、中小企業対策もあれば農林漁業対策もある、あるいは住宅対策もあるし、公共料金対策もあるし、その他、万般の経済政策に基づきます特別措置が設けられておるわけでございます。この中には、まず第一に、国のベース、国家財政のベースでやっていただくべき筋合いのもので、地方財政としてはその影響は遮断する方が適当だと考えられるものがございます。現在も、たとえば海外投資等損失準備金とか技術海外所得の特別控除とか、そういうものにつきましては、そういう観点からこれを排除をしておるわけでございます。そういうものの選別につきましては、私どもも従来も真剣に考えてまいりましたし、今後もぜひ検討してまいりたい、影響を遮断する点は遮断する方向で検討してまいりたいと思います。
 しかし第二に、課税所得の計算でございますので、非常に二道で計算することが技術的にむつかしいものがございます。準備金とか特別償却とかいうことになりますと、それなかりしものとして計算することは大変でございます。納税者が大変だけでなくて、課税権者であります地方公共団体でも、それをチェックするのは非常に困難な場合が出てまいります。ですから、そういう課税技術面での困難性というものもやはり現実問題としては考えてまいらなければなりません。そういうふうなことを配慮しながら、租税特別措置法に基づく特別措置につきましては、私どもも影響を遮断すべきものは遮断するという基本的な姿勢を持ってまいりたい、かように思うわけでございます。
#128
○神谷信之助君 いまいろいろ御説明になりますけれども、私はいま、一つは本来地方税として与えられた税財源ですね、これを徴収をして、そして自治体の自己財源としてこれを使って住民の要求にこたえて行政を進めていくというはずのところが、額の大小を問わず、いろいろな形で税の仕組みの問題としてそういう特別措置がやられる。それは特別措置も、おっしゃるように農林漁業対策とか中小企業対策として必要なものもあります。われわれはそれを全部一切なくしなさいと言うわけにはいかない。いろいろなことを考えなきやならない。仮にまたなくすとすれば別の方法を考えなきゃならないというようにも思います。だから、そういう中小企業対策あるいは農林漁業対策というのを減税という措置で、あるいは税の免税という方法で措置する以外にないのかというと、それもおかしい。もし減免税で措置されなければその財源は自治体に入ってくるわけですから、そのかわりに補助金とか助成金とかいういろいろな方法をとれば、それは税には関係ないわけですね。ところが、それはまあそれとして、実際にわれわれが問題にするのは、大企業に対して特にとられてきている特別措置の問題、これについていろいろな問題がある。この辺は、国税においても地方税においてもいままで存在をしておるし、いままで問題になってきておると思います。
 もう一つ、第二の問題は、大企業に対する優遇税制の問題であります。いま、会計処理上、法的にも確立をされている損金引当金、その他の問題について、これは当然ではないかというお話があります。それを全部認める必要はないというようには私も言わない。しかし、その内部留保と言われている貸し倒れ準備金、その他の準備金、あるいは引当金、これがべらぼうに課税対象から外されてきておるという問題はこれはどうしても考えなければならぬものじゃないかと。この間も参議院の予算委員会で、自民党の議員さんの方からも、銀行の貸し倒れ準備金、実際年間に起こる貸し倒れ等に比べてべらぼうじゃないか、これを課税対象にすればそれだけでもうんと税収はふえるじゃないかという問題について、これはだから私ども共産党だけが言っているわけじゃない、自民党の皆さんにもそういう意見が出てきている。国の方でそういうものを所得の計算のところで外してしまう。本来なら、それに対して自治体が課税対象として計算をすれば可能なのであるかもわからないという問題もあると思うのですね。
 それから、いまの利子、配当の例の源泉分離の選択課税の問題、これも国の税の方でそういうことをやっておる。今度初めて、どれだけかわからないけれどもつかみ金で臨特で見ようということになった。そうしたら、そういう国が国の政策で減免をしたものについて地方税としては減収をする。今度の分離課税については、減収分がようわからないからというのでつかみ金で臨特してますけれども、そういうような方法もとれないはずはない。やれるじゃないかというようにも思うのですね。あるいは例の列島改造論華やかなりしころ、コンビナートをどんどんつくる、企業誘致をする。そうすると今度は固定資産税を減免をさせる、減免した分については交付税措置をする、これもおかしな話でしてね。交付税は地方の財源なんですから、だから当該自治体の減収分を全国の自治体が全部少しずつ分けてかぶるというのと同じですよね。だから、こんなことはもう先ほど臨特でそういう措置をなさっているのですから、やろうと思えばどきるのですから、本来それは全部交付税で措置するのではなしに、別に政府が財源を与えるべきだ、こういうこともあわせて私は考える必要があると思うのですが、この点はいかがですか。これはひとつ事務的な問題ではなしに、政治的な観点からの問題だと思うので、政務次官の方から御答弁いただきたいと思います。
#129
○政府委員(中山利生君) いろいろ地方団体としてはのどから手の出るほど欲しい財源がたくさんあるわけでございますが、いま御説明申し上げたようないろいろな事情でなかなかそれを把握できない。国の方でも同じような事情であろうと思うわけでありまして、それをいまのような制度にした。これは理想的ではないにしても、いろんな経験から出た知恵で、できるだけ正確な把握の仕方をしていくということからいまのような制度になったのであろうと思いますし、またそれが臨特というような形で地方に配分をされる、これもやはり何といいますか、一種の生活の知恵であろうと思います。しかし、これで満足すべきものでないことはお説のとおりでございまして、私どももこれからも根気強くこういう問題を、どうしたら正確に、また不公平感のないような形で地方団体に税収として把握できるかということを検討してまいりたいと存じております。
#130
○神谷信之助君 五十二年度の非課税措置等による減収額試算の資料をいただきましたが、国税の租税特別措置による地方税の減収見込み額というのは、例の交際課税の問題に手をつけられましたから、五十一年度は総額で二千二百二十一億が地方税にはね返る減収分というのが、五十二年度は七百八十二億ということになっております。それから地方税法の非課税措置による減収見込み額は、これは二千五百九十九億から二千八百四十七億にふえているわけですね。そういう状況があります。ですから、これは私は租税特別措置による減収のはね返りということだけの問題ではなしに、そういう優遇税制それ自身にメスを入れなければならないというように思うのですね。その一つの端緒として、その分はひとつ臨特でちゃんと政府が責任を持って処理をするという道が、今度はつかみ金であっても、分離課税の分、住民税のはね返り分というやつで金額はわからないけれども入ったという話ですね。この道ができてきております。こういう方向を、今度は局長の方にお伺いしますが、さらにこれを拡大をしていくということで自治省としては努力する必要があるのじゃないかと思いますが、この辺はいかがですか、次官の方はそういう方向をお話しになっていますが。
#131
○政府委員(森岡敞君) 私どもが源泉分離選択課税制度のもとにおきます分離選択をした利子所得等につきまして、臨時特例交付金の形で財源を国から付与してもらいたいという要請をいたしましたのは、この利子所得に対する分離選択制度のまさに特殊性から出てきておるものだと私は考えておるわけであります。本来総合課税であることが望ましい、これはもうだれしもが一致しているわけでございますね。しかし、分離選択制度がある以上は、地方税としては、住民税としては課税できないわけでありますから、しかし、それを課税できないままでほうっておくというのはいかにも財源面から見れば私どもとしては忍びない。しかも一面において、できるだけひとつ早く総合課税に移行すべきだという税制調査会の指摘もかねがねあるわけでございまして、議論といたしましては、それじゃそれまでしんぼうしたらどうだという議論も実はあったわけでありますけれども、しかしそれに若干の期間がかかるとすれば、その間何らかの形で地方の財源を確保したい、そういう非常に特殊な意味合いを持ったものとして理解しております。
 通常の租税特別措置に基づきます課税所得計算上出てまいります減収、これにつきましては、やはり必要がなくなったもの、あるいは不公平税制の是正として是正すべきものは速やかに是正すべきだと思うのでありますけれども、しかし是正するまでの間は、経済政策なり産業政策なり、その他農林漁業、中小企業、いろいろな観点から必要として置いておるものでありますから、それに基づく減収につきましては、地方財政全体の中での財源対策として、地方交付税もありますれば、その他の歳入面全体を通じまして、財源不足が出れば必要な財源措置を講ずるということで処理してまいるのが筋であろうか。
 そういう意味合いで、利子所得等に関する御指摘の臨時特例交付金構想といいますのはまきに特殊なものとして私どもは理解しておりますので、ほかの特別措置についてまでこのような考え方を拡充するという気持ちは持っておりません。
#132
○神谷信之助君 私はちょっと納得ができないですね。特に誘致工場に対するいろんな減免の措置に対する交付税措置、これは前に倉敷の例を出して、前の松浦局長時代に議論しました。そのときに、交付税制度の本来の姿から言うと、補助金的なそういう性格を持った交付税の運用は問題があるということを認められて、こういう方向はやっぱり是正をしていかなければいかぬという問題をおっしゃっているのですね。私はもっとさらに一歩進めて、そういう分について国の政策としてそれをやられる場合に、それによって受けるいろんな税上のそういう減収は、それは別の枠でちゃんと政府が責任を持ってやるべきだ。これだけが地方税だと、おまえさんのところはこれだけの税金を使ってそして住民の要求にこたえなさいということで与えられているのを、政府の都合でどんどん取り上げられる。その後の始末もしてもらえないということでは私はどうにも納得ができないと思うのです。
 それからもう一つ、特に法人事業税の問題、これは非常に地方税でも重要な税源ですから、この法人事業税にそういう法人関係の政府のいろんな措置を遮断をするという方法の一つとして、こういうことを考えてはどうなのかというように思うのですがね。それは御承知の七十二条の十二で課税標準を決められ、そして十四の一でその計算方法を規定をして、さらに七十二条の十九で課税標準の特例が定めてある。ですから、この特例の項に第二項をつくって、前項の所得とは、七十二条の十四の一に掲げる所得とは別の計算に基づくことができるという規定を入れて、そしてこの所得の計算については、法人税の所得計算の例によらなくてもそれぞれの自治体が条例で決めて自治体が計算をすることができると、そういうように一項を入れれば、法人事業税に対する国のいろんな措置を遮断をするということが可能だと私は思うのです。この辺については一体いかがですか。
#133
○政府委員(森岡敞君) 所得を課税標準にいたします限りにおいては、私は基本的、原則的にはその所得の計算は国税、地方税を通じて同じ方が、課税団体側から申しましても、納税義務者の面から申しましても、それは望ましいし、むしろ合理的ではないかと思います。むしろ、おっしゃるような趣旨でありますれば、現存地方税法の七十二条の十九に外形標準を使用できるという規定がございます。そういうふうな形での処理の方が理論的でありいたしますので、所得を課税標準といたします限りにおいては、各地方団体ごとにその所得計算が異なるという形をとるのは税制としては論理的に妥当ではないと、こういう感じがいたします。
#134
○神谷信之助君 大蔵省、いま問題になっている引当金、準備金などの問題、これの見直しについて、福田総理が副総理時代にもその必要を答弁をされて、そして五十一年度、若干の見直しをなさっておりますね。それは現在のところへとまるんじゃなしに、さらに是正をしなきゃならぬという問題になっておるように聞いておりますが、この点について少し状況を報告してもらいたいと思います。
#135
○説明員(亀井敬之君) ただいま先生の御指摘の点の問題でございますけれども、従来から租税特別措置につきましては、全面的な兄直しにできるだけ努力をしてまいりました。すでに御承知で、重ねるまでもないかと存じますけれども、五十一年度の税制改正におきまして、全面的な見直しをさせていただきました。企業関係のものを中心に、大幅な整理、合理化を行わせていただいておりまして、さらに本年度、五十二年度の税制改正におきましても、先ほど御指摘がございましたが、利子、配当課税の特例につきまして、現行制度を五十五年まで存続期間中でありますにもかかわりませず、課税の強化を図る、こういった措置をとらしていただいたわけでございます。そのほかにおきましても、適用期限の到来するものを中心といたしまして、五十一年度に引き続きまして、整理、合理化を図らしていただいております。そういったことで、五十一年度、五十二年度を通じてごらんいただきますと、かなりの整理、合理化になっておるのではないか、かように考えておる次第でございます。
#136
○神谷信之助君 いまのは質問に答えていない。租税特別措置の関係でなしに、例の引当金と準備金の問題ですね、これの見直しの状況はどうなっておりますか。
#137
○説明員(亀井敬之君) 大変突然の御下問でございまして、まことに申しわけございませんのですが、そちらの方の点、私直接的な作業に携わっておりませんで、大変申しわけないのですが、いましばらくお待ちをいただきまして、すぐにお答えを申し上げるように努力をいたしたいと思います。
#138
○神谷信之助君 いや、租税特別措置と優遇税制の問題についてお尋ねをするというように申し上げておったので、だからまあ後でしてもらうとして、いずれにしてもあれは、数字は千分の十を千分の八ぐらいに去年したんですかね。何かそういう措置をして、千分の五に一遍にはいけないだろうということだったのじゃなかったかと思うのですが、その見直し作業は、いまそういう方向でずっと引き続いて検討し、努力をしていく、改善をしていくという方向をとっているのじゃないですか。
#139
○説明員(亀井敬之君) 大変失礼をいたしました。一つは先生の御指摘で金融、保険の貸し倒れ引当金、これにつきましては、五十二年度、従来からも貸し倒れ引当金の繰入率の引き下げに努力をいたしてまいりましたが、今回におきましても千分の八から千分の五まで引き下げていく、こういう措置を予定いたしておる次第でございます。
#140
○神谷信之助君 繰入率をどこまで引き下げるかという限度はまだ全体的な合意に達していないと思いますが、そういう方向にいま進んでおるのですね。
 そうすると、税務局長。先ほども、分離課税を総合課税にするということでは大もとが一致をしているわけですね。そういう状況の中で、それに対する政府の特別の措置を要求する根拠がある。そうすればこの問題も、いま金融、それからことしは保険ですね、去年は銀行関係をやっておる。だから、さらにわれわれは、まだ電力とか商社関係とか、いろいろたくさんありますが、こういう大企業、大商社関係のそういう内部留保に対する課税措置、これらはいま国民的な要求にもなっているし、そういう国民の要求に支えられて、そうして、そのことによって地方税が減収をしているという現状、これをどうやって解決するのかという問題を私はもっと真剣に考えてもらわなければならないと思うのです。
 いつでしたか、去年か、おととしでしたか、予算委員会でこの問題を出したら、福田副総理も――当時は副総理でしたが、いまの総理が、租税特別措置だけではなしに、そういった問題を含めて地方への遮断をひとつ研究し、検討していくという意味の答弁をなさっているのですね。私はそういう問題を本当に真剣に考えてもらえるならばと、先ほど法人事業税の遮断処置をするために一つの提案をしたわけです。どうしてもそういうことを自治省なり政府が考えなきゃ、それならひとつ自治体でその所得計算をやろうじゃないかという発想を考えるというようになるのはあたりまえだと思うのですがね。この辺について一体自治省はどれだけ誠意を持って、あるいは努力をされようとするのか。いま地方財政の危機が非常に深まっている中でどういうようにお考えかという点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#141
○政府委員(森岡敞君) 国、地方を通じまして財政が大変困難な状況に陥っている時期でありますし、また社会経済情勢も大きく変わっておる時期でありますから、いまお示しの法人税法自体で定めております貸し倒れ引当金あるいは退職給与引当金というような各種の引当金制度につきましても、やはり是正すべきものは是正すべきだと思います。
 で、いまの御意見は、国税において是正が行われる前に地方税で何らかの措置をとれと、こういうお話だと思いますが、やはり先ほど申しましたように、所得を課税標準にいたします限りにおいては、国税、地方税を通じまして、余り大きな違いが出てくるということは課税団体、納税義務者双方ともに問題があると思いますので、私といたしましては、いま御指摘の問題に関しては、むしろ大蔵省と十分話し合いをいたしまして、法人税本法自体の各種の引当金の合理化につきまして強く要請をし、早急な解決を図るという道をとるのが筋ではないかと、かように思っておるわけでございます。
#142
○神谷信之助君 自治体の方はそれを待っておられないわけですよ、次官。本来ならこの五十二年度には交付税率の引き上げその他を含めた抜本的な措置をとらなければならぬ。このことは国会の答弁でも何遍もやられておる。ところが、ふたをあけてみたら、まさに何といいますか、こう薬張りで、ごまかしのやり方ですね。借金でもうとにかくいける。だからそんな意味において、待ってください、大蔵省と話をしてというようなことを言っているのんびりした状態ではないのですね。大蔵がうん言わなきゃしようがない、その分はちゃんと別に――分離課税じゃないですが、臨特でその分を出せ、出さなければしようがない、自治体の方で自由に所得計算をやって、ちゃんと自治体は課税権を持っているのだから、法人事業税はその所得に課税する。またその所得が実態と離れた、政府が勝手にそういう適当な計算をやっておると。膨大な内部留保を持って、一遍に職員がやめてもどうもないような、三倍、四倍の退職手当引当金がそのまま残っておるわけでしょう。それで課税対象はもうきわめて少ない。そんなばかな話があるかと言うのです。そういうことで不満があるのですね。だから、私は一番いいのは、ちゃんと早く大蔵の方でそういう措置をやって、税調の承認を求めて、そうして国民が納得する所得の計算ができるようにしなきゃいかぬ。それがやれぬのなら、それをやれるまではその分について政府がちゃんと臨特か何かの形でもいいからとりあえず金をよこせ、これは私はもう無理のない主張だと思うのですね。ちょっとその辺、次官、お聞きになっていてぜひひとつ見解を聞かしてもらいたいと思います。
#143
○政府委員(中山利生君) おっしゃるように、この租税行別措置、あるいはいろんな措置による税収の不均衡といいますか、そういう問題については、われわれもこれまで根気強く努力をして解決に向かってがんばってきたわけでございますが、こういう問題はやはり税体系全体の中で考えていかなくてはなりませんし、国と地方は車の両輪ということも言われておりまして、大蔵省も決して地方税制については無理解であるわけではないと私どもは確信しておるわけでございまして、今後とも大蔵省とよく協議をしながら、これの解決に当たっていきたい。そして地方税源の確保を図っていきたい。ことしの地方財政が非常にごまかし、押っつけ、一時しのぎのものであるということにつきましては、確かにそう言われてもやむを得ない面もあろうかと思いますけれども、これはあくまでもことし一年の社会経済情勢を踏まえてのことでございまして、今後とも恒久的な地方財源の充実というものを目指してわれわれが努力をしているということをお認めいただきたい。
#144
○神谷信之助君 それはいま次官は、大蔵の方も理解をしてくれていると思うとおっしゃるのですが、私もそうだと思うのです。しかし、理解はしているけれども無理解の態度だと。そこのところですね、理解はするけれども無理解な態度。だから、あれだけ国会でちゃんと約束をしながらも、五十二年度措置ができなかった。そこで問題は、これは交付税法のたてまえから言っても、本来はすぐにでもやっていいのですよ。しかし、昔の塚田長官の答弁があって、それが一つの原則みたいになって、二年続いて三年目もそうである場合ということになっている。仮に自治省見解、政府見解に従うとしても、五十二年度からやらなければならない。これができなかった。五十二年度中に結論を出して、五十三年度から、必ずこの点は交付税率の引き上げを含め、税制、財政制度、行政制度を含めたそういう抜本的な改革、六条の三項に規定するそういうことをやるということを、そういう決意を明らかにしてもらえませんか。
#145
○政府委員(中山利生君) もうもちろん法律に定められた事項につきましては、私どもも守っていかなくてはならない責務があるわけでございまして、その社会経済情勢の現実とその法律に定められている事項との谷間で非常に苦心惨たんをした成果である。しかし、これは一年だけのことでございますから、このままで置いておくわけにはいきませんで、これからも大蔵当局とも根気強い話し合いを進めていく、また、進める基盤ができたという理解のもとに、今度の制度を皆さんにお諮りをしているわけでございます。
#146
○神谷信之助君 経済情勢がこういう状況だからということですが、あの法律は経済情勢がどうであろうとそれはやらなければいかぬことなんですから、この辺はひとつ、経済的見通しが、展望が立たないというのはそれは政府の責任の問題であって、そのことが自治体の行政に転嫁をされる、あるいは財政に転嫁をされるということはこれは理由にならぬと思うのです。ですから、この辺をひとつ踏まえて努力をしてもらいたいというように思います。
 あと、電気税の問題を予定していたのですが、時間が大分過ぎていますから、先に事業税の外形標準に付加価値を選択する問題、この問題について少し議論したいと思います。
 二月十六日の衆議院の予算委員会で、小川自治大臣は、法人事業税の外形標準課税について、何とか外形標準を導入する方向で決着をつける努力をしたいと、導入について積極的な答弁をされています。この点、来年度をめどにこの問題の決着をつけるというように受け取ってよろしいでしょうか。
#147
○政府委員(森岡敞君) 法人事業税の外形標準課税の導入の問題は、数年来、税制調査会で御審議を願いながらなおいまだに結論を得ていないということでございますが、御案内のように、昭和五十年代前半の中期税制につきまして現在税制調査会で御審議を願っております。秋におおむねその最終的な結論をいただきたいと思っているわけでございます。その時点におきまして、この問題についての最終的な決着も私どもとしてはぜひつけていただきたいと思っております。それを踏まえまして、来年度以降この問題に対処できますような積極的な努力をしてまいりたいと考えております。
#148
○神谷信之助君 五十二年度中にひとつ決着をつけて来年度から実現したいということでありますが、そこで問題になるのは、外形標準に何を選択をするかという問題ですが、これについて自治省は何を予定されておりますか。
#149
○政府委員(森岡敞君) いろいろな議論がございますし、またいま申し上げましたように、なお税制調査会で外形標準を導入することの是非の問題について見解が分かれておるような状況でございますので、私どもとしてこれでなければならないというものはまだ確定はいたしておりません。ただしかしながら、四十三年の税制調査会の答申におきましては、付加価値額あるいは収入金額あるいは売上金額というふうないろんな要素があるけれども、売上金額とか資本金額というものには取るべき外形標準としてはなかなか無理な面もあり、問題もある。で、どちらかというと、付加価値額、それも加算法による付加価値額が最も取るべき基準としては合理的ではないか、こういう御意見が出ております。またその後の税制調査会なり地方制度調査会の御論議を見ましても、外形標準としては、加算法による付加価値額が、事務も簡素になり、また事業の規模なり活動量をあらわす指標としても適格ではないか、こういう御意見が強うございますので、私もそういう方向で検討するのが妥当ではないかなと、かように考えております。
#150
○神谷信之助君 いま付加価値が外形標準としてすぐれているというお話のようですが、そのすぐれている内容ですがね。いわゆる事業活動の規模をあらわす上でこれが適切だというようにおっしゃっているのですが、同時にしかし、これは労働集約型の企業とか、中小企業等に負担の変動が著しいという、そういう欠点もあると思うのですがね。これも調査会の答申で出ておると思いますが、こういった点についてはどうお考えですか。
#151
○政府委員(森岡敞君) 労働集約型の企業に負担が増していくことが基本的に問題かどうかということについては、私は議論があろうかと思います。と申しますのは、法人事業税というものは、企業が事業を行う、それに対して地方公共団体が行政サービスを供給する、その行政サービスを受けることに対する経費の負担をやっていくのだ、こういう種類の税であるという観点から考えますと、従業者数が多いということはそれだけ子弟の教育、あるいは生活関連施設の公共投資あるいは福祉行政等に多大の経費が地方行政としてはかかるわけでございますから、従業者の量に応じた負担を求めていくということは、むしろこの税の性格としては望ましいという議論もかなりあるわけであります。
 ただ、問題になりますのは、外形標準をこういう形で導入いたしました場合には負担が変動します。その負担の変動が急激に起こることはいかがかと、だから、ある程度経過措置とか緩和措置を講じていく必要はあろうと、こういう議論があろうかと思いますが、基本的に労働集約型の企業の負担が増すからいけないんだという議論は私はないと思うのであります。中小企業につきましては、やはり負担面で基本的にいろいろ御議論があろうかと思います。その辺のところはきめ細かく考えていかなければならないのではないかと思います。
#152
○神谷信之助君 外形標準に対する課税ですね、課税標準にするという点はどういう点に欠陥があるわけですか。
#153
○政府委員(森岡敞君) 収入金額ないし売上金額をとりますと、各段階での課税の累積が出てまいる、これが一番致命的な問題だろうと思います。
 それから、資本金をとりました場合には、まず第一に、資本の大小が事業の縦横なり活動量をあらわすということには必ずしもならないという問題がございます。小さな資本でもかなりな事業活動を行っておる企業もあるわけでございます。特に、わが国の場合、よく指摘されることでありますが、企業の自己資本比率というのは非常に低い。借入金に頼って設備投資を行い、事業を実施しておるという面が特徴的でございますから、自己資本をとりますことは、そういう意味合いでも企業の活動量なり規模をあらわすにはほど遠い場合がかなりあると言わざるを得ないと思うのであります。
 それに加えまして、資本金をとりました場合には、恐らく税収入の伸長性というものはそれほど期待できないだろうと思います。これはまた、先ほど申しましたように、自己資本の比率がそれほど高まらないわが国の状況のもとにおきまして、資本金の一定割合を税負担で求めるというようなことをしました場合、恐らく税収としては伸びない、こういうふうな感じもいたします。
#154
○神谷信之助君 大蔵省に聞きますが、坊大蔵大臣が二月の十六日の衆議院の予算委員会で、この問題について、大変重大な問題で、税の根幹に触れる問題だけに、外形標準化については慎重に考えたいと答えておられます。この慎重に考えるという内容ですが、もう少し問題点を具体的に指摘をしてもらいたいと、こう思うのです。
#155
○説明員(亀井敬之君) 先生の御指摘をちょうだいいたしましたように、坊大蔵大臣は、根幹に触れる問題でございますと、こういうような指摘をいたしております。私どもといたしましては、事業税に外形標準課税を導入いたします、こういうことになりますると、まあ赤字の企業に対しても課税が行われるのであるとか、あるいはこれからの、今後のわが国の経済の状況に対して将来どういった税制の姿を描いていくかといったようなことも考えていかなければならない、こういったこともあろうかと。これは私どもといいますよりは、あるいは税制調査会の先生方の御意見と申し上げた方がよろしいかもわかりませんが、そういう御意見もございますので、慎重にこの問題については対処していく必要があるのではないかと、こういうことのように私といたしましては理解をいたしております。
#156
○神谷信之助君 続いて大蔵省にちょっとお伺いしますが、付加価値額とは一体何ですか。
#157
○説明員(亀井敬之君) 付加価値額という御下問でございますが、通常付加価値と言われます場合に、支払い給与であるとか、利子、地代、家賃、そういったものであろうかというふうに理解をいたしております。
#158
○神谷信之助君 そうしますと、この付加価価額に課税をされた場合、課税された額が経費として価格に転嫁するということをすればいいわけですが、転嫁できないということではないと思いますが、この点についてはいかがですか。
#159
○説明員(亀井敬之君) 大変むずかしい御指摘をちょうだいいたしましたが、事業税の課税標準といたしまして付加価値を導入する、あるいは付加価値に課税をいたします、そういう場合に、一般的な意味で申し上げますと、所得を課税標準にいたしております場合に比べて転嫁はあるいは容易に行われるのではないかというふうに一応考えられますけれども、先生御指摘のように、実際に果たして転嫁の状況がどういったことになるかというのは、経済の状況だとかあるいは物価の動向だとか、そういったものの兼ね合いといいますか、関連もございまして、なかなか明確にし得ないのではないかというふうに考えております。
#160
○神谷信之助君 ですから、需給間のバランス問題とかいわゆる経済市況の問題とかいろんな関係、言いかえれば政策上には転嫁できないような状態をつくり出すことも可能だけれども、理論的には転嫁することができるということだと思うのです。ですから、そうしますと、先ほど赤字の企業に負担を求めるという点が一つ問題になったり、あるいは先ほどの税務局長の負担のアンバランスの問題ですか、があったりしましたが、企業負担の変動について、価格へ転嫁をすることができるならそれは別に心配をする必要はないということになるのではないかと思いますが、この点大蔵省いかがですか。
#161
○説明員(亀井敬之君) 先ほど正しく御説明申し上げたのかどうかちょっと心もとのうございましたが、たとえば先先御指摘のような、赤字企業であっても、価格に転嫁して上げればそれで負担がふえないのではないかという御指摘のようにいま承りましたが、その場合に、じゃ赤字企業がほかの黒字企業と対比して価格に転嫁していけるのかどうか。赤字企業がなぜ赤字になっているのだろうかと。それはまあ競争力の関係とかそういった問題もあろうかと思います。そういった点がございますので、先ほど転嫁の関係、まあ一般論としては付加価値課税の方が転嫁が容易であろうかと思うと申し上げましたが、実際にはよくわからないというふうに申し上げた次第でございます。
#162
○神谷信之助君 先ほど自治省の方は、付加価値が企業活動の規模をあらわすものとして最適と――適当ではないかと、最適はちょっと行き過ぎですが、適当ではないかということでしたが、これは一般論としてではあるけれども、価格に転嫁できるということであれば、これは企業が負担をするということにならないということになってきますね。この辺いかがですか。
#163
○政府委員(森岡敞君) 転嫁の問題は、税制なり税理論上一番むずかしい問題だと思います。いま大蔵省からもお話がございましたように、税法上なり法律上の転嫁ということになりますと、これは面接税は転嫁しないというのが基本的な考え方でありましょうし、間接税は転嫁をするたてまえをとっておるということでございますから、その辺のところはそう問題はないと思いますが、しかし、実質的な税負担がどこに帰着をするかという意味での実質的な転嫁の問題になりますと、これはまさに市場における価格形成機構を通じて決まってくることでございますから、これは御承知かと思いますが、たとえばハーバード大学のマスグレイブ教授あたりは、法人税も転嫁するんだと、こういう実証的な発表をやっております。一九六四年ころにはわが国の税制調査会の基礎問題小委員会でも同じような見解を出したことがございます。でございますので、所得を課税標準にするものすら転嫁するんだよと、こういう議論もございますので、その辺の議論は非常にむずかしいと思います。
 ただ私は、そうは申しましても、現実に付加価値額等の外形標準を導入いたしますれば、納税段階での税負担に変動があることはこれはもう明らかな事実でございますから、その意味合いで、たとえば地方制度調査会の起草委員会報告では、その負担の急激な変動はある程度緩和するような措置を考えなきゃなるまいと、こういうふうに言っておるのだろうと思います。転嫁問題を軸としての外形標準課税導入の可否論というのは、私はむしろ議論としては基本に据えるべき問題であるようには思わないのであります。
#164
○神谷信之助君 そういうふうにおっしゃいますがね。昭和二十五年の三月二十五日ですか、衆議院の地方行政委員会で当時の本多国務大臣が、従来の事業税にかえて付加価値税を創設する理由について次のように言っていますね。「従来の事業で税でありますと、まず収益課税たる本質上、非転嫁的なものでありますがゆえに、今日のごとく所得の上に累積的に課税されているときにおいては、事業に対する負担が耐えがたいまでに重くなる」という、そういうことから付加価値税を創設するというように述べております。ここで言われているこの付加価値税は、現在の所得併用課税という点を除きますと、いま問題になっているこの事業税の外形標準課税で付加価値を採用する場合と同一内容であるわけですね。そうしますと、二十五年当時、事業税で累積的に税負担を課していたものを、付加価値課税によってその負担を企業から他に転嫁することを予定をしていたということは明らかではないかと思う。それまでは企業に累積的に課税されていく、ですから事業に対する負担が耐えがたいまでに重くなる、だから今度は付加価値税にしますということですから、逆に言いますと、この負担を企業から他に転嫁することを予定をして付加価値税を創設する、こういう考え方が問題になってあの当時付加価値税が日の目を見ることができなかったと言う学者もおるわけですが、こういう考え方はシャウプ勧告でも裏づけをされております。シャウプ勧告では、「付加価値税はより高い価格で買受人に転嫁されるものである」と、第二次報告の中にそう述べています。したがって、この付加価値税が価格に転嫁をするということが一般論としてもまた理論的にも言い得るわけですから、もちろん、先ほどもおっしゃっているように、この過税の中でいろんな作用がありますから、ストレートにいくという問題ですが、理論的にはそうです。そうなりますと、物税としての事業税の性格上、企業活動を行っているのに赤字だとして税負担を免れるのは許されないということで外形標準課税を行うということ、それは事業税が物税だという性格からくるものでありますから、税負担の根拠がそこの点に求められているわけですね。ですから、この事業税は当然企業が負担するものであり、負担をした税の転嫁はその税理論上からも許されないのではないだろうかと、企業が負担の転嫁をなし得るということが理論的にもある状態で付加価値に課税をするというこのやり方というのは矛盾をするのではないかというように思うのですが、この点はいかがですか。
#165
○政府委員(森岡敞君) 税制なり税理論上、負担の転嫁を予定しておる税というのは私は間接税しかないと思うのであります。したがいまして、法人事業税につきまして課税標準に外形標準を導入した場合にそれが転嫁するかしないかというのは、税制なり税理論の話を離れまして、経済の実態、市場原理に基づいて決まってくることだと思うのであります。その場合に、所得を用いたから転嫁がしにくくて外形標準を用いたから転嫁をしやすいという若干の差はそれはあり得ると思いますけれども、本質的に外形標準なら完全に転嫁をして所得なら転嫁をしないんだと、こういう決めつけは私はいまの市場原理から言いますとできないと思うのですね。その例証といたしまして、先ほど学者の実証的な研究も申し上げたわけでございます。しかも現在の事業税は、御承知のようにコストとして損金算入を認めておりますから、その点では法人税とか所得税と違うわけでございますね。そういう面もございますので、この辺のところは、確かにおっしゃるように税理論上なり税制上いかがかということになりますと、全く転嫁を予定した税であるというふうに言うことは言い過ぎであって、そうではないということであろうと思います。
    ―――――――――――――
#166
○委員長(高橋邦雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鍋島直紹君、鳩山威一郎君及び多田省吾君が委員を辞任され、その補欠として佐々木満君、山東昭子君及び矢原秀男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#167
○神谷信之助君 これは二十九日の衆議院の大蔵委員会で、福田総理が同委員会の質疑の中で、ここ数年間に租税負担率を三%程度引き上げることになろうし、そうでなければ財政運営ができなくなるということを述べると同時に、しかし、付加価値税の創設は物価と非常に対立する、それだけ物価が上がるおそれがあるので、物価が安定していないと妥当でない性質を持っておる、すなわち、付加価値税が物価を押し上げるおそれがあるということを福田総理も述べておるのですがね。ここで言われている付加価値税と、そうしていま外形標準に付加価値を選択をするという問題とストレートではありませんけれども、しかし、物価への転嫁の点では非常に大きな関係があると私は思うのですがね。この辺ひとつ、これはきょうずっと議論をやりましても時間がもうありませんから、自治省の方でもさらに――結論はまだ出しておられないようですから、これをさらに研究をされると思うのですが、十分にひとつこういった点も検討してもらう必要があるというように思います。
 そこで、大蔵省にちょっとお伺いするのですが、西ドイツの営業税についてですが、大蔵省の官房調査企画課で出しておられる「海外経済情報」の五十一年十二月一日号ですが、この西ドイツの営業税についての税のうち、賃金支払い総額を課税標準とする場合の問題点について紹介をされていますが、この内容を示していただけますか。
#168
○説明員(亀井敬之君) 大変申しわけないのでございますけれども、いま手元にその資料も持ち合わせておりませんし、調査企画課でやっております関係で、私あるいはそういうのがあったのかしらと思いますが、目に触れておりませんので、ちょっとお時間を拝借いたしますればと思うのでございます。
#169
○政府委員(森岡敞君) 府県税課長から簡単に御説明申し上げます。
#170
○説明員(川俣芳郎君) 西ドイツの営業税について簡単に御説明申し上げますと、西ドイツの場合、営業税は市町村税でございまして、納税者は営業活動を行う者でございます。課税標準といたしましては三つの課税標準がございまして、一つは、営業収益に長期負債の利子、さらには地代、家賃、使用料をプラスしたものでございます。
 第二の課税標準といたしましては、事業用の資産額、ただしその額から土地、建物の価額を差し引くことになっております。これは、別途地方税といたしまして不動産税の課税対象に土地及び家屋がなっておるからでございます。
 第三のカテゴリーといたしましては、支払い賃金、額がございます。これは、この支払い賃金額を課税標準とするかどうかは地方団体の任意選択に任されておるということでございます。
 税率でございますが、私どもが調査をいたしましたところでは、法人の場合は平均で一五%程度、個人の場合は三%ないし一五%の累進税ということになっておるようでございます。二番目の事業用の資産額に対します税率は平均で〇・六%程度、支払い賃金額に対する税率は一・六%程度ということでございます。
#171
○神谷信之助君 先ほど言いました大蔵省の「海外経済情報」によりますと、賃金支払い総額課税というものについては雇用妨害税だというようにみなされたり、あるいは労働集約的中企業は不当競争促進措置だとみなされているというように述べています。いま御説明があったように、西ドイツの営業税は三種類の税から成り立っていますが、特に賃金支払い総額、つまり付加価値については特に評判が悪い。一部の自治体では禁止をしているところもある。この西ドイツの営業税については、EC付加価値税とのからみでその存立がいま論議もされているという点でいろいろ問題もあるわけです。西ドイツの税制そのものにわれわれとやかく言うつもりはないのですが、この付加価値を課税標準として採用するという場合に、こういった外国の例も他山の石として研究をする必要があるだろうという点で指摘をしておきたいと思います。要するに、物税としての事業税にふさわしい外形標準を選択をするという点でさらにまだ検討の余地があるというように思いますし、自治省の方がこの付加価値を適当な標準だとしているなら、他の外形標準と比較もし、検討して、その結果を明らかにするということがなければ私は説得力がないと言えると思います。したがって、これら研究をされている過程、一定の段階、段階で自治省の見解、あるいは研究をされた成果、これらをひとつ中間的にもわれわれの方にも知らせてもらう。お互いにそういうことを議論し合いながらこの外形標準の最も適当なものを選択をする必要があるのじゃないかというように思うのです。この点ひとつ自治省の方も協力をしてもらったらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#172
○政府委員(森岡敞君) 外形標準課税を導入いたします場合の外形標準として何が最も適当かということになりますと、先ほど申しましたように、いままでの税制調査会なり地方制度調査会の審議の過程を踏まえて考えますと、私どもやっぱり加算法による付加価値額というのが比較すれば最も適当ではないかという気持ちは現段階では持っております。また、知事会が外形標準課税の導入に非常に強い意欲を示しておりますが、これまた加算法による付加価値額が妥当ではないかという見解を発表しております。どうもほかの外形標準をとりました場合には、先ほど申しましたように非常な問題がそれぞれある。そういたしますと、一〇〇%絶対間違いない、これが間違いないので、これ以外は絶対いかぬのだという基準はそれはないと思いますけれども、やはり総体的に比較してどれが一番リーズナブルであるかということで決めなきゃならない。そうなればやっぱり加算法の付加価値額ではなかろうかという気持ちを持っていることを申し上げておきたいと思いますが、なおいろいろ御意見を承りながら検討してまいりたいと思います。
#173
○神谷信之助君 そこで、こうやって議論をしますが、しかし、口頭でやり合っているだけでは、具体的ないろいろなデータを含めて深めるという点ではなかなかうまくいきませんのでね。だから、そういう意味では自治省の方から、資料という形でいいですから、そういう税調の議論を踏まえて自治省自身がこれが最も適切ではないかと思われる諸点なり、それに必要な材料なり、資料といいますか、それらを資料として適宜適当な時期に、全部結論が出るまでということでなしに、適当な時期に当委員会にも出してもらって、われわれ委員の方もそういうものに基づいて研究もし議論もしていくという方法をとりたい。そういう意味で、ひとつそういう一定の段階、段階で自治省の方で資料をまとめてもらって提出をしてもらうということをお願いをしたいと思うのですが、いかがですか。
#174
○政府委員(森岡敞君) 大問題でございますので、あらゆる機会をとらえまして各層各界の御意見を十分承るような手続といいますか、そういうものは考えてまいりたいと思います。
#175
○神谷信之助君 あと、時間がありませんから、いまの局長の話では、外形標準としては付加価値が適当だというお答えですが、御承知のように、わが党は、内部留保を含めた自己資本に対して課税をするという考え方を持っているわけです。この点についてはいずれ、もうきょうは時間がありませんので、改めて次の機会にこれについてもまた批判、議論をしてみたいというように思いますので、きょうはあとまだ電気税関係をやる予定でしたが、これはまたせっかく御準備いただきましたけれども次の機会に譲ることにしたいと思います。
 これで終わります。
#176
○委員長(高橋邦雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認めます。
 暫時休憩いたします。
   午後三時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時三十九分開会
#178
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、加瀬完君及び志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として工藤良平君及び大塚喬君が選任されました。
#179
○委員長(高橋邦雄君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 野口君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 まず、野口君から修正案の趣旨説明を願います。野口君。
#180
○野口忠夫君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブを代表し、その提案理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 不況下にもかかわらず高進するインフレの中で、地方財政は深刻な危機に見舞われており、三割自治に象徴される戦後地方財政制度の根本的な矛盾を露呈しております。大企業優先の高度成長の破綻が、いまやだれの目にも明らかとなっているとき、今後のわが国経済の進むべき道は、福祉、年金制度の充実など、国国福祉の向上が経済成長を促進するいわゆる福祉優先の経済に転換する以外にありません。このような国民的要求を実現するに当たって、今後地方財政が重大な役割りと課題を担わねばならないことは明らかであり、国、地方の税財政制度の根本的改革は緊急の課題と言わねばなりません。
 しかしながら、自民党政府は、こうした国民的要求に背を向け、みずからの経済政策の失敗を国民の負担の増大、福祉抑制、地方財政の借金依存に転嫁し、経済危機を乗り切ろうとしているのであります。とりわけ地方税制においては、こうした国民的課題に対処する思想に全く欠けているばかりか、名ばかりの住民税減税によって住民の実質的税の負担増を放置する一方、大企業課税においては、法人事業税の外形課税への転換を見送るなど、住民に高負担、低福祉のみを強要し、高度成長下の大企業優遇税制を依然として温存しようとしているのであります。
 日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブは、不況下のインフレから国民生活を防衛するためには地方財政の充実が不可欠であるとの立場から、国、地方の税財政の根本的改革を強く要求し、住民の税負担の軽減、法人課税の強化を中心とする地方税源の強化を図り、もって地方自治の強化を図るため、特に緊急と認められる事項について所要の修正を行うこととしたのであります。
 以下、順を追って修正案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、個人住民税についてでありますが、基礎控除、配偶者控除、扶養控除をそれぞれ二十四万円に引き上げ、課税最低限を百七十万七千円といたしております。
 障害者控除、老年者控除、寡夫(新設)、寡婦控除及び勤労学生控除の額を二十二万円に、特別障害者控除の額を二十八万円にそれぞれ引き上げるとともに、老人の扶養控除額については三十二万円に引き上げております。
 障害者、未成年者、老年者、寡夫(新設)及び寡婦の非課税限度額を九十万円に引き上げるとともに、白色事業専従者控除限度額も七十万円に引き上げております。
 次に、現行道府県民税所得割税率を、低所得者との負担の均衡を図るため、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。
 第二は、法人についてであります。
 大企業の都市への集中は、いまや集積の効果よりもマイナスの効果を増大させ、地方自治体の財政需要を急増させております。こうした大企業にある程度の税負担を求めることはきわめて当然であり、法人税割を道府県民税にあっては、五・六%、市町村民税にあっては、一五・五%といたしております。
 第三は、利子・配当所得に対する課税についてであります。
 利子・配当所得については、五十三年度より住民税として総合課税することといたしております。
 第四は、事業税についてであります。
 個人、法人ともに制限税率を撤廃することとし、まず個人事業税は、当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消を図るため、事業主控除を二百六十万円に引き上げることといたしております。
 また、中小事業者の負担軽減を図るため、申告者の専従者控除額を七十万円に引き上げることといたしております。
 法人事業税については、自治体の税収入を安定的に確保するため、五十三年度より外形標準課税を導入することといたしております。
 第五は、電気税でありますが、産業用の非課税措置については廃止することといたしております。
 第六は、事難所税でありますが、地域環境及び都市施設の整備のため、すべての市町村が目的税として条例で課税することができるものとし、公益上必要があると認める場合、非課税措置、課税標準の特例について条例で定めることができることといたしております。
 第七は、娯楽施設利用税についてでありますが、外形課税を行う場合におけるパチンコ場、マージャン場及び玉突き場にかかる税率は、現行税率に据え置くことといたしております。
 以上が修正案の提案理由及び大要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#181
○委員長(高橋邦雄君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようですから、これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#182
○小山一平君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブ提出の修正案に賛成する立場から、反対の討論を申し上げたいと思います。
 五十年度以降の地方財政の状況は、決して一時的な異常事態ではなく、明らかに構造的な財政危機となっております。この構造的危機は、インフレ下の不況という日本経済の現状に伴い、ますます深刻化し、なおかつ今後長期的に推移することが明らかとなっているいま、地方財政の抜本改革は急務であり、深まりゆく日本経済の矛盾に対応したものでなければなりません。
 今日、税財源も行政権限も余りにも国に集中しているがゆえに、国においても敏速な政策対応ができなくなっているのであります。行政の合理化、簡素化、能率化を図るためには、地方自治体にその権限を大幅に移譲することが必要であります。また、権限移譲と並行して、財源再配分を図ることが必要であります。日本経済が、好むと好まざるとにかかわらず低成長経済に移行している今日、これらの問題は避けて通れないはずであります。
 地方財政の基礎である地方税制の根本的な課題に対し、本年度政府がどのように対応していくのか。広く国民や地方団体が期待を持って注目していたところでありますが、残念ながらその期待は裏切られました。政府の地方税改正案においては、今後の地方税制のあり方に対する思想及び根本方針を全く欠如しているのであります。ひたすらに嵐の過ぎ去るのを待って当面をしのぐことにきゅうきゅうとしているだけであります。国と地方は車の両輪であると総理も自治大臣も言いますが、国の車は大きく、地方の車は小さい片ちんばである上に、この両輪を動かす動力としての機能を持つために必要な地方税制に全く根本的な改革の手を加えず、高度成長時代の税制を温存しようとしていることは、時代錯誤もはなはだしいと言わざるを得ません。
 以下、私は具体的に反対理由を申し上げます。
 第一に、住民税の問題であります。
 すでに三千億円の所得税減税が追加されましたが、住民税の課税最低限と所得税最低限との格差は一段と拡大することとなり、住民の税負担の重圧感は一段と増大しております。今日、応益原則を強調することは、勤労国民に対しては増税を意味することであり、課税最低限を思い切って引き上げるべきであります。
 第二は、大企業課税の問題でありますが、知事会が強く要求をしている法人事業税の外形標準課税の導入について、全く具体策を示していないことは承服できません。法人税収入の安定的確保を図るためにも、この際、外形標準課税の導入を図るべきであります。
 第三は、非課税等特別措置の問題であります。
 産業用電気税の非課税措置が若干手直しされたとは言え、それはいまだ氷山の一角に過ぎません。この抜本的改革こそ地方財政危機打開の重要な手段の一つであります。東京都の新財源構想の報告書でも、今日、大企業課税の不公正を正すならば、十分財政危機打開に資することができることが明らかになっており、政府も自治体の意見に謙虚に耳を傾け、その改革に着手すべきであります。
 第四は、自治体の財政自主権の問題であります。
 都市税源の確保を図る立場から、革新自治体の多くは財政自主権の尊重を要求し、法人事業税等において具体的に実行しておりますが、この際、政府は自治体の財政自主権を尊重し、その具体的行使を推進するため事業所税などの課税方法を地方にゆだねるべきであります。
 以上、私は政府案に反対し、わが党を初め四野党の共同修正案に賛成する立場から討論を申し上げましたが、次期地方税改正において自治体を初め住民の声が生かされるよう強く要求し、私の討論を終わります。
#183
○後藤正夫君 私は、自由民主党を代表して、政府提案の地方税法の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブ提案の地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案に反対の討論を行うものであります。
 現下の財政経済政策の最大の課題は、速やかに景気の回復を図り、健全財政への復帰の条件を整備し、安定成長の路線に定着させて国民生活の向上を図ることであります。そのためには、公共事業の拡大推進、社会資本の整備、雇用の安定に重点を置いた景気の浮揚を図る必要があります。このような考え方に立って、わが党は、本年一月に昭和五十二年度税制大綱を定め、これを国民の前に明らかにしているのであります。
 今回の政府提案の地方税法の一部を改正する法律案は、わが党の提唱いたしました税制大綱がその重点となっているのであります。
 すなわち、個人住民税の課税最低限の引き上げ、事業税の事業主控除額、料理飲食等消費税、電気税及びガス税の各免税点の引き上げ等、住民負担の軽減を図るとともに、法人住民税の均等割の引き上げ、娯楽施設利用税、鉱区税、狩猟免許税、入猟税及び入湯税の税率の引き上げ、さらには、電気税の非課税等の特別措置の整理合理化を行う等、地方税負担の適正化及び地方税源の充実強化を図るなど、多彩な措置を内容としております。
 地方税制は、社会経済情勢の変化に対応し、常に合理化が進められなければなりませんが、その改正は、国の経済財政政策を考慮し、かつ、地方団体の個々の財政、住民負担の状況等を十分に配慮すべきものと考えます。
 以上の理由から、今回の政府提案の地方税法の一部を改正する法律案は、時宜にかなった適切、妥当な措置であると思います。
 簡単ではありますが、賛成の理由を申し述べまして私の賛成の討論を終わります。
#184
○阿部憲一君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました内閣提案にかかわる地方税法の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブ共同提案の修正案に賛成する討論を行います。
 以下、その主な理由を申し述べます。
 まず、地方財政の強化についてであります。
 政府の経済政策の失敗とその後の長期不況によって、地方財政が三年連続して二兆円以上に上る財源不足を来しております。しかし、地方財政の危機は、経済環境の変化に伴う構造的な欠陥にあることは言うまでもありません。地方財政の危機は、単に景気変動のみに原因があるわけでなく、現行の地方税制度が地方公共団体の財政需要に照らして、収入の大宗としての機能を十分に果たし得なくなっているからであります。減速経済への移行に伴う今日の危機打開のためには、高度成長期につくり上げられた国と地方の行財政制度の抜本的な改革が最も必要なのであります。
 しかるに、こうした構造上の問題を抱えた地方税制について、今回の政府提案の改正案は何らこたえていないのであります。ことに、財政力の強いはずの大都市すらも交付税の交付団体になっていることは、国と地方で税源配分を再検討し、住民生活に密着した行政の現場である地方公共団体が、みずからの責任において、地域社会の振興、住民福祉の向上を図るためにも、地方公共団体の自主財源の強化充実はきわめて重要であります。現行の地方税制度を実情に即した制度に変えるために、国と地方公共団体間、及び地方公共団体相互の税源配分の適正化をしなければなりません。
 このような措置がとられておりません。これが反対の第一の理由であります。
 次に、住民税についてであります。
 今回の改正案では、課税最低限を標準世帯で十万九千円引き上げ、百四十一万八千円としております。このようなわずかな減税では、政府が言う物価調整減税どころか、依然として生活費に食い込む実質的な増税になります。昭和五十一年度の人事院の標準生活費は百七十万二千六百八十円となっており、この額にもはるかに及ばない、庶民の生活を圧迫したものになっております。少なくとも共同提案の修正案のように、標準世帯で課税最低限を百七十万七千円に引き上げるべきであります。
 また、個人住民税は前年度課税になっておりますが、住民税の課税最低限の水準があいまいになっております。住民税の課税最低限の基準については、前年の国の所得税における標準世帯の課税最低限の八割見当を下らない措置をしていくと自治省は述べてきましたが、その措置すらとられておりません。
 なお、所縁税において、源泉分離課税を選択した利子所得等については、地方税法上住民税の課税対象から除外されており、これがため租税負担の公平の見地から問題があるばかりでなく、所要の地方財源が確保されない結果となっております。そのときどきの臨時地方特例交付金の中で考慮されるのではなく、制度的に解決を図っていくべきであります。
 これらの措置がとられておりません。これが反対の第二の理由であります。
 次に、法人関係税についてであります。
 法人事業税への外形標準課税の導入については、事業税の性格の明確化及び府県税の安定的税源の確保という立場から強く指摘されてきました。しかし、法人事業税の外形標準課税が導入されておりません。
 これが反対の第三の理由であります。
 次に、地方税の非課税措置並びに租税特別措置による地方税の減収遮断についてであります。
 大企業を初めとした地方税の非課税措置の改廃は、税の公平を確保するためにも、地方税独自の立場から整理縮小を図るべきであります。大企業の電気税についても、コストに占める電気料金がおおむね五%以上のものという従来の基本方針を変えない範囲での整理にすぎません。
 そのほか、すでに政策目的を終えて既得権化したものについても全く見直しがなされず、さらに国税の租税特別措置による地方税へのはね返り遮断という最低の措置すら行おうとしておりません。これでは従来の高度経済成長時代の制度や慣行が温存されたままであり、不公平税制の改革という根本問題に何らの解決がなされておりません。
 これが反対理由の第四であります。
 次に、娯楽施設利用について、外形課税を行う場合のパチンコ場、マージャン場、玉突き場の標準税率を大幅に引き上げております。このような措置は大衆課税的なものであり、認めるわけにはまいりません。
 なお、料理飲食等消費税については、従来から温泉地、観光地の清掃等の一般財源として市町村への移譲が強く要望されてきました。料飲税は、これらの見地からその一部を市町村へ移譲すべきであります。
 これらの措置がとられておりません。
 以上、申し述べまして討論を終わります。
#185
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、ただいま提案されております政府提出の地方税法改正案に反対、日本社会党、公明党、日本共産党並びに第二院クラブの共同提出になる同修正案に賛成の討論を行います。
 まず、政府提出の地方税法改正案についてでありますが、何よりも今日の深刻な地方財政危機のもとで、住民要求にこたえ得る地方財源を確保するため、抜本的な改革を実現していない点であります。これは、不況とインフレのはさみ打ちに遭って、生活と経営が困難になっている国民の期待を裏切るばかりか、地方自治関係六団体の切実な要望にこたえていないものと言わねばなりません。
 以下、若干具体的に意見を述べます。
 第一に、物価調整減税によりますところの個人住民税の三控除額の引き上げはおのおのわずか一万円であり、物価の上昇と名目所得の上昇の中にあって、その引き上げ幅は余りにも僅少であり、住民税所得割の納税義務者はこの措置により一段と増加するものと見込まれ、実質は減税でなく、増税と言うべきであり、住民税の大衆課税の性格は一段と強化されようとしていることであります。
 第二は娯楽施設利用税等消費税関係の引き上げについてであります。
 一連の引き上げは、勤労者にとって、ささやかな娯楽や余暇利用にまで税負担の強化を求めるだけでなく、パチンコ等外形課税となるものについては、その負担が零細事業主に転嫁されることとなり、問題であると言わざるを得ません。
 第三に、地方税における特別措置の廃止等税負担の不公正是正についてでありますが、政府は、新規の措置を原則として認めず、従来とってきた特別措置についても見直すという基本方針を掲げながら、改正案ではその努力の跡が十分見られないばかりか、大企業の要望にこたえて新たな非課税措置等を設けているのであります。私どもは、法人均等割における税率負担区分の見直しなど、税負担の不公正是正については、まだまだ実施しなければならない課題は山積していることを指摘するとともに、抜本的な見直しを強く要求するものであります。
 第四に、事業税の外形標準課税、高速道路課税等、地方財政危機の中で関係自治体が実施を強く要求してきた課題について、今回の改正案が全く触れることなく、自治体の独自財源を確保する方途が今回も見送りとなっていることについても遺憾の意を表せざるを得ないのであります。
 以上、政府案は、大企業に有利な不公正税制を是正することなく、住民負担の強化によって当面の財政危機を切り抜けようとするものであり、これには反対せざるを得ないのであります。
 次に、日本社会党、公明党、日本共産党、第二院クラブ提出の修正案についてであります。
 第一に、地方税においても大幅な減税を図ることにより、国民の税負担の軽減を目指しています。
 第二に、不公正税制の是正につきましても、利子・配当所得者の優遇措置の廃止、電気税の産業用電気非課税措置の廃止等、積極的な是正策を講じております。
 第三に、事業所税課税団体制限の廃止等、地方団体の独自財源強化についても一定の改善を行っており、特に一定規模以上の法人に対する事業税の外形標準課税を五十三年度から実施することについては、都道府県の強い要望でもあり、賛同いたします。
 私どもは、この法人事業税の外形課税の課税標準の選択については、この税の負担が他に転嫁されることを防ぐ意味において、自己資本を選択することを要求するものであります。
 以上、本修正案は、国民の減税要求と自治体の財源強化要求にこたえようとするものであり、賛意を表するものであります。
 以上で私の討論を終わります。
#186
○委員長(高橋邦雄君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#187
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより地方税法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、野口君提出の修正案を問題に供します。野口君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#188
○委員長(高橋邦雄君) 少数と認めます。よって、野口君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#189
○委員長(高橋邦雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 夏目君から発言を求められておりますので、これを許します。夏目君。
#190
○夏目忠雄君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブの各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 昨今の経済情勢の下で深刻化している地方財政の状況にもかかわらず、いまだ国・地方自治体間の税財政制度の抜本的改革が行われていない。よって政府は、昭和五十三年度において、地方税源の安定的確保を図り、もって地方自治の発展を期するよう、左記の事項について実現を図るべきである。
一、国・地方自治体間の税源再配分を再検討し、昭和五十三年度を目途として地方自治体の自主財源を充実強化するよう努めること。
二、住民税については、引き続き課税最低限の引上げ等の措置を検討し、住民負担の軽減を図るとともに、中小法人に対する税負担の軽減を図ること。
三、法人事業税の所得課税については、昭和五十三年度より外形標準課税を導入するよう努めること。
四、都市税源の充実を図るため、法人所得課税の地方への配分割合の強化を図るとともに、事業所税の課税団体の範囲を拡大するよう検討すること。
五、産業用電気税の非課税措置の縮減等、地方税における非課税措置を抜本的に整理合理化するとともに、国税の租税特別措置による地方税への影響をしゃ断するよう努めること。
六、利子及び配当所得については、すみやかに総合課税に移行するよう努めるとともに、それまでの間地方税の減収を考慮し補てん措置を講ずること。
七、地方道路財源特に市町村の道路財源の充実を図ること。
八、有料高速道路に対する固定資産税の課税又はこれにかわる措置を、昭和五十三年度より実現するよう努めること。
九、地方自治体の課税自主権を尊重すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#191
○委員長(高橋邦雄君) ただいま夏目君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#192
○委員長(高橋邦雄君) 全会一致と認めます。よって、夏目君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小川自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小川自治大臣。
#193
○国務大臣(小川平二君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#194
○委員長(高橋邦雄君) 次に、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案についてこれより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#195
○委員長(高橋邦雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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