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1976/05/19 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第14号
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1976/05/19 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第080回国会 地方行政委員会 第14号
昭和五十二年五月十九日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     橋本 繁蔵君     大谷藤之助君
     山崎  昇君     和田 静夫君
     片岡 勝治君     小山 一平君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     鳩山威一郎君     望月 邦夫君
     片山 正英君     佐藤 信二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 邦雄君
    理 事
                安孫子藤吉君
                夏目 忠雄君
                野口 忠夫君
                神谷信之助君
    委 員
                井上 吉夫君
                佐藤 信二君
                望月 邦夫君
                増田  盛君
                小山 一平君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                市川 房枝君
   衆議院議員
       地方行政委員長
       代理       木村武千代君
   国務大臣
       自 治 大 臣  小川 平二君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       前田 正道君
       厚生省公衆衛生
       局長       佐分利輝彦君
       自治大臣官房長  近藤 隆之君
       自治大臣官房審
       議官       塩田  章君
       自治省行政局長  山本  悟君
       自治省行政局公
       務員部長     石見 隆三君
       自治省行政局選
       挙部長      佐藤 順一君
       自治省財政局長  首藤  尭君
       消防庁長官    林  忠雄君
       消防庁次長    田中 和夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       警察庁交通局交
       通規制課長    福島 静雄君
       厚生省保険局医
       療課長      三浦 大助君
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部財
       務課長      中村  徹君
       運輸省自動車局
       業務部長     向井  清君
       自治省行政局公
       務員部福利課長  桑名 靖典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法偉業(内閣提出、衆議院送付)
○地方自治法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨五月十八日、山崎昇君及び片岡勝治君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君及び小山一平君が選任されました。
 また本日、鳩山威一郎君及び片山正英君が委員を辞任され、その補欠として望月邦夫君及び佐藤信二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋邦雄君) 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましてはすでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○和田静夫君 共済の改定法につきましては、毎年大体同じような趣旨の附帯決議がずっとつけられて、しかもそれが全会一致で行われてきているのでありますが、自治省はこの決議を当然尊重されると、それぞれ自治大臣はその旨を意見として開陳をされ続けているわけですが、決議を尊重されることについてはこれは変わりませんね。
#5
○国務大臣(小川平二君) 申すまでもなく、決議の趣旨を尊重いたしまして、実現のために努力すべきものだと存じております。
#6
○和田静夫君 そこで、この決議の実現が遅々として進まない、したがって、毎年大体同じような決議になると、こういう経過をたどっていますが、担当者の方では、一体各省間を含んで具体的にはどんなその努力をされてきているわけですか。
#7
○政府委員(石見隆三君) 当委員会におきましてつけられました附帯決議につきましては、ただいま大臣御答弁申し上げましたように、私ども附帯決議の趣旨を体しまして、毎年年金の改定につきましていろいろと努力をいたしておるわけでございますが、具体的には先生御案内のとおり、地方公務員共済年金制度につきましては、同じような制度としての国家公務員に対する年金制度、さらにはまた民間におきます厚生年金制度等、広くいわゆる公的年金制度とのバランスの問題もあるわけであります。したがいまして、私どもといたし決しては、附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、関係各省庁とはいろいろ協議をしあるいは御相談をし、物によりましては強くお願いを申し上げるというようなことをいたしながら、毎年制度の改正をお願いをいたしておるわけであります。
 本年度につきましても、ただいま御審議を賜っておるわけでございますが、附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、本年度年金額の改定あるいは最低保障額の引き上げ、その他できます限りもろもろの処置をとりますよう法案改正をただいまお願いをいたしておるような状況でございます。
#8
○和田静夫君 そこで、この附帯決議との関係で、本年度は所得税の三千億減税が追加された関係もあり、ことしの年金額の改定の実施時期が四月一日からと、こういうことになるわけでありますが、改定時期の繰り上げにつきましては、これまた例年附帯決議が上げられ続けてまいりました。で、ことしは早くなる。今後も引き続いてこういう形での努力が続けられる、こういうふうに含んでおいてよろしいですか。
#9
○政府委員(石見隆三君) 共済年金の額の改定につきましては、御案内のとおり、従来から恩給制度あるいはまた国家公務員共済制度の取り扱いに準じまして、これとの均衡を図りながら進めてまいったところでございます。したがいまして、ただいま御指摘ございましたその改定時期につきましても、恩給制度でございますとか、あるいは国家公務員共済制度の取り扱いと全く軌を一にしてまいったわけでありまして、昭和四十九年以来毎年一カ月ずついわゆる繰り上げてまいりました。いわばそのおくれを取り戻すという措置をいたしてまいったわけでありますが、本年度におきましては、ただいま御審議を賜っております年金法の改正におきましては、恩給制度と同様に、御案内のとおり、ことしの四月から改定を行うということでお願いをいたしておるところでございます。
 しかしながら、これらの年金額の改定率の算出の基礎となります公務員のベア率というのは、御案内のとおり、前年度のものを用いるということにいたしておりますので、たとえば五十二年度について申し上げますれば、五十一年度の公務員の給与改定率を用いているということになっておりますので、実質的には現職の公務員の給与改定の時期に比べましてまだ一年のおくれがあるということは事実だと存じます。
 明年度の共済年金の改定時期をどうするかということにつきましては、申し上げるまでもなく、これはやはり恩給とのバランスあるいはまた国家公務員共済組合との均衡というものも十分図ってまいらなければならないわけでございますが、私どもやはりただいま申し上げましたように、現職の公務員に比べて一年のおくれがあることは事実でございますので、これまでの経緯を踏まえ、あるいはまたことし四月にお願いをしておりますというような状況を踏まえまして、今後ともそのおくれを取り戻すと申しますか、改定実施時期の改善につきましては私ども努力をしてまいらなきゃならないというふうに存じておりますと同時に、翌年度以降これらの関係省庁とも十分協議をして実現に努力をしてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
#10
○和田静夫君 一度実施されたことについてはおおむね既得権として今日までは大体守られてきた。そうしますと、四月一日実施という問題につきましては、内閣委員会では、すでに恩給については今後四月一日実施を続けるという、そういう答弁がなされておりますが、これは共済についても来年度以降も四月一日実施からおくれることがない、むしろ、一年分の現職からのおくれというものを取り返す努力をさらに続けられる、こういうふうに受けとめておいてよろしいですか。
#11
○政府委員(石見隆三君) 御指摘の点につきましては、一つは、やはり財政問題も絡んで、いわば年金改定におきます財政問題も絡んでまいると存じます。あるいはまた、ただいま御答弁申し上げましたように、恩給制度が一体来年度以降どう取り扱われることになるのか、あるいはこれに見合っての国家公務員共済でどう取り扱いになるのかということも十分私ども見きわめなければならないとは存じておりますけれども、この点につきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、私どもやはりこれを次第に縮めていくという努力は来年度以降も続けていきたいというふうに存じておるところでございます。
#12
○和田静夫君 共済組合の給付に要する費用につきましては、厚生年金や私学共済などと比べまして、公的負担が非常に低い、こういう状態になってアンバランスがあるわけでありますが、この是正ですね、共済の公的負担の拡充については、これまたずっと附帯決議がなされてきた経過はございますが、引き上げに努力をされる、こういうふうに踏んでおいてよろしいですか。
#13
○政府委員(石見隆三君) 共済組合の長期給付に必要といたします費用のうちで、地方公共団体の公的負担の割合は、御案内のとおり、国家公務員共済組合におきます国の公的負担の割合と同様に、ただいまは昭和三十九年以来一五%ということに相なっておるところでございます。一方、私学年金あるいはまた農林共済等におきましては、これを上回る率になっておることも事実でございます。で、厚生年金におきます国庫負担の割合が昭和四十年五月から二〇%ということになっておるという状況でもあるわけであります。私ども、もちろん民間におきます厚生年金とやはり国家公務員共済あるいは地方公務員共済が、その内容におきまして若干の差異があることは承知はいたしておるわけではございますけれども、やはりこの一五%を引き上げていただきたいという気持ちを私どもとしては非常に強く持っておるわけであります。
 実は、昭和五十二年度の今回御審議を賜っておりますこの年金法の改正に際しましても、関係省庁ともいろいろ協議をし、お願いもしてまいったわけでございますが、最終結論的に申しますれば、この一五%を引き上げていただくという段階には至らなかったわけであります。しかし、私どもといたしましては、今後もちろん民間厚生年金との給与水準の問題とか、その他もろもろの問題はあるにいたしましても、この一五%を引き上げていただくように私どもとしては今後とも努力をしてまいらなければならないというふうに存じておるところでございます。
#14
○和田静夫君 遺族年金でありますが、給付水準の引き上げが毎年言われてきましたが、遺族年金、なかなか実現をしないわけですね。で、遺族年金の受給者が七万九千二百二十三人、そして遺族年金の受給者の約三分の一は最低保障の適用者である。そこで、まず最低保障額の引き上げについてどういう御方針をお持ちですか。
#15
○政府委員(石見隆三君) 遺族年金につきましては、御案内のとおり、現在退職年金の五〇%ということになっておるわけでございます。私どもといたしましては、やはり遺族年金と申しますものが、残された遺族の方々の生活に資するという非常に大切なものでございますので、この遺族年金の実質的な価値を高めてまいらなければならないということは非常に強く感じておるわけでございます。したがいまして、そういう中でこの遺族年金の支給率の五〇%をさらに引き上げていってはどうかというような御意見のあることも私ども承知をいたしておるわけでございます。しかし、遺族年金のこの支給率を、その遺族年金を改善しますために支給率五〇%自体を引き上げるといいますことは、これはやはりまたもろもろの公的年金等とのバランスもあるわけでありまして、なかなか実現を見ないわけでございますが、私どもといたしましては、遺族年金を受けておられる方の中でも、一般的に稼得能力が低いではないかと考えられますような老齢者、あるいはまた小さな子供さんを抱えておられます寡婦というような、いわば弱い立場におられる、しかもその受給額が少ないという方々に対しましては、緊急な給付改善が必要と考えまして、今回御審議をお願いしております法案の中でも、このような老齢者あるいは寡婦などにつきましては、特にその最低保障額を改善していただくということをお願いをいたしておるところでございます。
 このような改善措置をとりました結果、これらの方々に対します遺族年金の最低保障額は、御案内のとおり、昨年新たに設けられました寡婦加算の措置等とあわせまして、実質的には退職年金の約六割程度の水準に達しておるというふうに考えておるわけでございます。しかし、なお遺族給付の改善につきましては、各方面からもいろいろ御要望もあり、私ども前段申し上げましたように、この遺族年金自身が残された遺族の方々の生活に資するという大きな役割りを担っておりますものでございますので、今後ともこの給付水準あるいは給付内容の改善につきましては、他の公的年金との均衡も見合いながら努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございほす。
#16
○和田静夫君 この最低保障が生活保護基準よりも低いところがありますね。これらのところはもうやっぱり早急にこの手だてをすべきだと、こう思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(小川平二君) ただいま政府委員から申し上げましたように、昨年の寡婦加算措置とあわせてほぼ六割というところまできておるわけでございますが、いま御指摘のような点につきましては、言うまでもなく特別に配慮すべきものだと考えております。
#18
○和田静夫君 いまお答えがありました遺族年金のうちの寡婦加算、扶養加給額、これは幾らになりますか。
#19
○説明員(桑名靖典君) 現在の扶養加給の額は、遺族年金を受ける者が妻である配偶者である場合で、かつ遺族である子供さんがおられる場合に、その子一人について四千八百円でございます。なお、その子供さんが二人までは一人について二万四千円でございます。それから当該遺族年金を受ける者が子供であって、かつ二人以上いる場合には、その子のうち一人を除いた子一人について四千八百円、二人までは一人について二万四千円となっております。
 さらに寡婦加算でございますが、遺族である子供が一人いる場合には三万六千円、遺族である子供が二人以上いる場合には六万円、六十歳以上である人で子供がいない場合は二万四千円と、こうなっております。
#20
○和田静夫君 その寡婦加算は、五十一年、それから扶養加給は四十九年、つくられましてからこれはずっと据え置かれていますよね。物価の上昇などを考えてみますと、この辺大変腑に落ちないわけですが、この辺の見通しはどうなんですか。
#21
○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘にございましたように、寡婦加算あるいは扶養加給の額が昨年の額と同額であるということにつきましては、御指摘のとおりでございます。しかし、この寡婦加算あるいは扶養加給の額につきましては、厚生年金でございますとか、その他公的年金制度も同様ということにされておりまして、ひとり地方公務員共済制度のみでこの問題を措置をするといいますことは、これはまた困難な面もあるわけであります。私どもといたしましては、今回これらの点につきましていろいろ検討いたしたわけでございますが、いま申しましたような他の年金等におきます取り扱いとの均衡ということもありまして、今回は見送らざるを得なかったというのが実情でございます。
 ただ、今回の改正で、遺族年金の最低保障額を引き上げることといたしておりますと同時に、さらに寡婦加算対象者あるいは六十歳以上の方に対する遺族年金の最低保障額につきましては、さらに引き上げることといたしておりまして、実質的にはこれらの方々に対する給付内容の改善を図るという措置をとったわけでございます。したがいまして、先生御指摘ございましたように、扶養加給あるいは寡婦加算自体を引き上げることはできなかったわけでありますが、これらのいま申しましたような方々の最低保障額を引き上げることによりまして実質的な内容の改善を図ったわけでございます。
 なお、今後この寡婦加算あるいは扶養加給の問題等も含めまして、やはり遺族年金自体の実質的な価値を上げていくということにつきましては努力をしてまいらなければならないというふうに存じておるところでございます。
#22
○和田静夫君 昨年のこの附帯決議というのは、遺族年金の給付水準を七〇%までに引き上げる法律上の措置を講ずることと、こういうことになっているわけで、これも御存じのとおり満場一致であります。この附帯決議の実現の努力を最も早い時期に行うというふうにいままでの答弁を理解をしておいて、大臣、よろしいですか。
#23
○国務大臣(小川平二君) あとう限り早い時期に実現を見るように努力するという趣旨に御理解ください。
#24
○和田静夫君 委員長の配慮もありまして、この前交付税の論議で残している部分について引き続いて若干の質問をいたしたいと思います。
 まず、公衆衛生の部分について質問をいたしますが、全国の保健所の総数は現在どれだけで、十年前の昭和四十二年との対比でどういう関係になっているか、ちょっと教えてください。
#25
○政府委員(佐分利輝彦君) 五十二年度の予算では、全国の保健所は八百五十二カ所を計上いたしております。五年前に沖繩の保健所が復帰いたしましたけれども、これが七カ所、それから後で出てまいりましょうが、いわゆる未承認保健所のうちで五十年度に承認したものが六カ所、五十一年度に承認したものが八カ所、さらに新設といたしまして、五十一年度堺市の保健所一カ所を新設いたしております。
#26
○和田静夫君 四十二年は。
#27
○政府委員(佐分利輝彦君) ただいま手元に資料がございませんので、大ざっぱな数になろうかと思うのでございますが、私の記憶では八百三十二カ所であったと思います。
#28
○和田静夫君 これ私は八百二十九カ所と見ておるのですが、全部これ承認分でしょうかね。
#29
○政府委員(佐分利輝彦君) ただいま申し上げました五十二年度八百五十二カ所は全部承認した数字でございます。
 そこで、先走って申し上げるようでございますが、いわゆる未承認と称されておりますものがあと七カ所残っております。
#30
○和田静夫君 法制局に伺いますがね。いま答弁がございましたように、未承認の保健所が放置をされている。そこで、これは地方財政法の趣旨から言って納得ができないわけですが、法制局は十条との関係でどういうふうにお考えになりますか。
#31
○政府委員(前田正道君) 地方財政法の第十条の経費に関しまして、御案内のとおり十一条におきまして、経費の種目、算定基準、それから国と地方公共団体の負担すべき割合は法律または政令で定めると規定をしてあるわけでございますが、この規定の趣旨につきましては、私どもは、国の負担金の算定の仕組みが法律または政令で明らかにされるということを予定した規定だと考えております。そうしました場合、特に政令の場合だと思いますが、政令ですべてを書かなければいけないかという問題になろうかと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように、その仕組みを明らかにするということでございますればそこは足りるのではないか。したがいまして、先生の御指摘は、保健所法で申しますならば、保健所法施行令の九条が、厚生大臣が定める基準、あるいは厚生大臣の定める整備計画ということが何も内容なしに書かれているところが問題ではないかという御指摘ではなかろうかと思います。そうしました場合に、政令ですべてを書かないという点につきましては、物事によりましては厚生大臣が適時決められた方がむしろ制度の趣旨にかなう、情勢の変化に即応できるというような面もあってそのような規定がされているというふうに考えるわけであります。
 ただ、問題は、その厚生大臣の定めが白紙委任と申しますか、そういうものであってはならないことは申し上げるまでもないことでございまして、先ほど申しました基準あるいはその整備計画というものが適切なものであり、合理的な内容のものであるという前提においてであるというふうに考えております。
#32
○和田静夫君 自治省に伺いますがね。これ実態問題がございますから、自治省はこの地方財政法の趣旨から言って、いまも御答弁ありましたが、違法ではないにしても是正をしていくべきだと、こう考えますね、われわれの方は。それは自治省も同じ見解でしょうか。
#33
○政府委員(首藤尭君) 合法、違法の問題はただいま法制局から御指摘がございましたとおり、私どもといたしましても、当該整備計画が適切なものである限りこれは仕方がないことだと、こう考えております。
 しかし、また後段御指摘がありましたように、ただいまございます未承認の保健所、これは私どもといたしましては、やはり地域社会において現実に果たしております機能、そういう面から見ましても、承認を受けておる保健所とそう異なっているということにはならないのではないかと、こう考えておるわけでございます。したがいまして、これらにつきましても国庫負担の対象にできるように、一つには厚生大臣の定める保健所の整備計画、これを改善をしていただきたい。改善をしてこの未承認分も入るようにしていただきたい。それから、これに基づきます承認制度の運用につきましても、ぜひ弾力的に運用していただきたい、こういう希望を持っておるわけでありまして、厚生省にもお願いを申し上げておるところであります。
#34
○和田静夫君 厚生省、保健所職員について、補助対象となる職種と対象外の職種、その身分をちょっと明らかにしてください。
#35
○政府委員(佐分利輝彦君) 保健所におります職員は、大きく分けますと三種類に分かれると思いますが、まず第一が補助対象職員でございます。また第二のグループは交付税対象職員でございます。残る第三の職員は、たとえばと畜検査員とか、あるいは狂犬病予防員のような、使用料、手数料に基づいて、いわゆる特定財源によって都道府県とか政令市が置く職員でございます。
#36
○和田静夫君 保健所の運営というのは、保健所経理事務合理化法に基づいて政令、保健所法施行令の第九条、そういうものによって厚生大臣の定める基準によって補助が行われることになっているわけですが、保健所法第二条の事業の範囲ですが、この範囲は包括的かつ相当広範囲にわたっております。それなのに、なぜ対象内と対象外とに区分をされなければならぬのか、その説明をしていただきたいのですが、特に区分している根拠は何であって、それは一体何に基づいているのかということですね。
#37
○政府委員(佐分利輝彦君) まず一般原則から申しますと、保健所の業務はまず対人保健サービス、人の衛生に関するサービス、また第二に環境保健サービスで、これは環境の、水とか空気だとか食物だとか、そういったもののサービス、さらに第三のものといたしましては医療監視とかあるいは薬事監視といったサービス。最後に残りますのが、衛生統計を含めましてその他のもろもろのサービス並びに業務、こういうことになろうかと思うのでございますが、基本的な考え方は、第一の対人保健サービスつまり人の衛生に関するサービスを担当するような職員については補助対象職員にしようという考え方でございます。
 そのほか、先ほど申し上げました交付税対象職員でございますが、これは具体的には食品衛生監視員だとか環境衛生監視員だとか家庭用品衛生の監視員だとか、そういった方々でございますけれども、これは本来は保健所に置かないで、県の本庁にそういった監視員を置いて、監視の事務をやらせてもいい職種でございます。そのようなことも勘案いたしまして、いま申し上げましたような環境関係また薬事、医務関係、こういったものは交付税の対象職員になっているわけでございます。
 また最後に、と畜検査だとか狂犬病予防だとか、そういった事務の担当職員は、これは使用料、手数料等が入ってまいりますので、当然それを財源にして職員を置けばよろしいということを考えております。
#38
○和田静夫君 保健所法第二条の十一項ですが、第二条の十一項は、「その他地方における公衆衛生の向上及び増進に関する事項」となっていますね。で、受けた形での保健所法施行令の第五条、これは「その他保健所の業務を行うために必要な職員を置かなければならない」で、どう読んでみましても、完全に区分しているのではない、こういうふうに思われるんですよ。そこで法制局にお尋ねしたいんですが、この対象職員、対象外職員という形のものを設けて、そして区別して財政措置をする、しない。これまた地方財政の趣旨からいくと、どうも腑に落ちない面があるわけですね。これは地方財政法に反することではないだろうか。いかがでしょう。
#39
○政府委員(前田正道君) 先ほどの御答弁の繰り返しになるかとも存じますけれども、保健所法施行令の九条におきます厚生大臣の定める基準というものが地方財政法の趣旨に反していないという前提に立ちますならば、問題はその基準のあり方が合理的であるかどうかということに帰着するのではなかろうかと思います。
#40
○和田静夫君 法制局の見解はそれ以上一歩も出ないんでしょうが、これまた実態の問題でありますから、自治省、これは是正すべきではありませんでしょうかね。たとえば交付税で措置するということとはそれは別問題だと思うんですがね。
#41
○政府委員(首藤尭君) 保健所の職員の中で、先ほど上厚生省の方からお話がございましたように、三種類、国庫補助対象にされておりますものと、交付税対象になっておりますものと、使用料、手数料等、特定財源で賄われる、こういう区分があるわけでございます。このうち、いわゆる交付税に算入をされておりますものにつきましては、若干歴史的な因縁もあるわけでございまして、地方財政平衡交付金制度の発足の際に、食品衛生監視員、これにつきましては補助金整理が行われて、地方財政平衡交付金――後の交付税でございますが、これに算入をされたという実態がございます。さらに、その後環境衛生監視員とか、環境衛生指導員とか、こういうものが出てまいりまして、これは厚生省でおっしゃっておりますように、本庁においても業務ができる、それを便宜上保健所に入れてあるんだ、こういうふうな考え方で交付税対象にしてあるというようないきさつをたどっております。
 したがいまして、これらの面につきましては、厚生大臣の定められます基準のあり方、これによるものでございますので、特に私どもとしてはこのことが違法だというようには考えていないのでございますが、それにも増しまして、この補助対象外の職員とされております職員、これにつきましても、現在の状況では経済情勢の変化等に伴いまして、保健所行政とか、職員配置の実態、これが配置基準で必ずしも実態に合っているかどうか、こういった問題があろうかと思うわけであります。したがいまして、こういった点を実態に即した合理的な基準にして補助対象職員を十分ふやしてくれるように、そうでないと保健所が動かないというようなことを絶えず厚生省にはお願いを申し上げておるわけであります。
#42
○和田静夫君 五十二年度の保健所の補助職員の定数は何名でありまして、それは四十二年と比べてみてどのくらい減少になっておりますか。
#43
○政府委員(佐分利輝彦君) 五十二年度の予算におきましては、年度末で補助対象職員定数二万一千百五十四名となっております。そこで、五十二年度における定数の削減でございますが、一般職員については百三十一名を削減いたします。また、沖繩のいわゆる行(二)の職員につきましては、五カ年計画で交付税に振りかえておりますので、その関係で二十四名を交付税に振りかえます。しかしながら、一方においては、たとえば公害保健を担当する職員を八名ふやす。また脳卒中半減対策を担当いたします保健婦を二十三名ふやす、そういったこともいたしております。
#44
○和田静夫君 この減の場合ですが、職種別に何を減員しているわけですか。そしてその積算の根拠というのはどういうことでしょう。
#45
○政府委員(佐分利輝彦君) 職種別には行(一)の方々を削減いたしているわけでございまして、医療職(一)(二)(三)の方々は削減の対象にいたしておりません。で、これは先生も御存じのように、五十二年、度を初年度といたしまして五十五年度まで四カ年計画で第四次定員削減をいたしておりますが、その削減率は二・五%で、内容は国立病院並みの削減計画になっております。
#46
○和田静夫君 いま言われた二十三名の公害関係職員の増員並びに保健所保健婦の職員の増員ですね。これの根拠と配分の予定というのはどういうことですか。
#47
○政府委員(佐分利輝彦君) 公害保健担当職員の増員計画は、すでに第一次の五カ年計画を終わったわけでございますが、第二次の計画の初年度として八名を増員することにしたわけでございます。これは、第一次計画でおおむね公害問題地区の保健所につきましては公害担当職員を配置したわけでございますが、なお若干その周辺の保健所にも職員を配置しなければならないという考え方でございます。また二十三名の保健婦の増員につきましては、脳卒中半減対策の第一年度分といたしましていささか少のうございますけれども、二十三名を増員することにいたしました。
 公害担当職員の方は、先ほど申し上げましたようなことでございますので、おおむね配置する保健所は決まっているわけでございます。脳卒中半減対策担当の保健婦の増員につきましては、これから各県で三カ所ずつ特別対策地区が指定されてまいりますので、その地区の指定状況を見、またその地区の内容を拝見した上でどこに配偶するかを決めてまいりたいと考えております。
#48
○和田静夫君 じゃこれはいつごろまでですか、後者の部分。
#49
○政府委員(佐分利輝彦君) ただいま各都道府県、政令市から御説明を聴取しているところでございまして、できるだけ早く、できれば六月、遅くとも七月ぐらいには決めてまいりたいと考えております。
#50
○和田静夫君 厚生省の調べで、五十年度の保健所の補助職員の数というのは二万四千七百七人ですね。地方財政計画ではこれは三万一千三百四十九人。地方財政計画ではそういうふうになっているのはこれはどういうことでしょうか。
#51
○政府委員(首藤尭君) 地方財政計画では、先ほどからお話がございました国庫補助職員数、これが予算定員として決まってまいっております。この数字を挙げておるわけでございまして、五十年度はただいま御指摘のように二万一千三百四十九人、五十一年は二万一千二百七十八、五十二年は二万一千百五十四、こういう数字になっておりまして、実在をしております職員数と約三千人余り、こういったただいま御指摘のような差がございます。
#52
○和田静夫君 この二万四千七百七人というのは、厚生省、実数ですね。
#53
○政府委員(佐分利輝彦君) 最近の各都道府県、政令市の御報告では、二万四千六百十二というふうになっております。
#54
○和田静夫君 そうするとこの二万四千六百十二人と予算人員二万一千三百四十九人、どうしてこういう差が出るわけですか。
#55
○政府委員(佐分利輝彦君) この点は、私どもの考え方と各都道府県のあるいは政令市の考え方が若干違う点がございます。と申しますのは、私どもはこの二万四千六百十二人の中には交付税対象職員が入っているのじゃないか。また先ほど申し上げました特定財源対象職員が入っているのじゃないかと考えているわけでございますが、地元の方は、いや、そうではありません、これは補助対象職員でございます、こうおっしゃるわけでございまして、見解が分かれておりますが、非常に重要な問題でございますので、現在その内容を詳しく調べているところでございます。
#56
○和田静夫君 この調査はいつごろ完了します。
#57
○政府委員(佐分利輝彦君) 今回の事情聴取が終われば一応大まかな調査は終了すると思いますが、このような重要な問題でございますので、さらにその後を追っかけて若干の精密調査等もしなければならないかと考えております。
#58
○和田静夫君 それだから、その時期はいつごろになるわけですか。
#59
○政府委員(佐分利輝彦君) まだ決めておりません。
#60
○和田静夫君 五十二年度の保健所関係の補助金交付手続が進行していると思うのですが、どういう段階でしょうか。
#61
○政府委員(佐分利輝彦君) 先ほど来御説明しておりますように、現在各都道府県、政令市から説明聴取をしている段階でございます。
#62
○和田静夫君 ヒヤリングが始まっている段階ということですが、五十一年度の交付手続に際しまして、協議資料の中で自治体から要望があった保健所対象職員数というのは、これは何人でしたか。
#63
○政府委員(佐分利輝彦君) それが、先ほど来お話が出ております二万四千六百とか二万四千七百という数字でございます。
#64
○和田静夫君 そこで、これはこの中には未承認の保健所分が含まれているわけですかね。
#65
○政府委員(佐分利輝彦君) 全部は含まれておりません。
#66
○和田静夫君 全部は含まれていないというと、どういうふうに理解したらいいんですか。
#67
○政府委員(佐分利輝彦君) 先ほど、あと残っているいわゆる未承認保健所は七カ所と申し上げましたが、たとえば埼玉県の上尾などのいわゆる保健所は、従来の保健所の規格基準に照らしてみますとその基準に合わないわけでございますので、建物、設備の問題から始まりまして、一番の問題は職員配置の問題でございまして、通常、普通の保健所であれば二十六人程度は職員を配置すべきでございますが、上尾の場合等は八人とか九人しかいらっしゃらない。こういうものはとても規格基準から申しまして保健所とは言えないのじゃないか。いわゆるヘルスステーションといった範疇に入るものじゃないかと思います。
 また、地元の東京都は、従来からこの未承認保健所の承認問題について、何と申しますか、余り御熱心でないと申しますか、要望をなさらないというような傾向がございます。
#68
○和田静夫君 補助金の経理の事務合理化法の通達ですがね、昭和四十四年五月。別に定める人員というふうにあるわけですね。これはどういう基準で総数並びに各県別の人員が決まるわけですか。
#69
○政府委員(佐分利輝彦君) 二十二年に保健所法をつくりましたときには、戦前の昭和十二年からの保健所の歴史があったわけでありますけれども、その延長といたしまして、A、B、C分類で保健所の型別編成整備を進めたわけでございますが、先生よく御存じのように、昭和三十五年に市部別といった新しい型別の保健所再建整備計画を立てまして、そのときに各保健所ごとの必要職員数といったものを積み上げたわけでございますけれども、当時の実際の職員配置はそれをかなり下回ったわけでございます。したがって、三十五年度の実績をもとにいたしましてその後保健所の整備充実を進めてきたわけでございますけれども、特に職員がふえてまいりましたのはここ七、八年というところでございます。その第一は、先ほど来御説明しております公害保健担当職員の増員の問題、それから第二は、山村とか豪雪とか離島とか沖繩だとか、こういった特別地区を担当する保健婦の増員、さらに、ここ二年間始まっております特別僻地対策に必要な保健婦の増員、そういったものをやってまいりました。そのほかに、先ほども御説明いたしましたが、五年前には沖繩の復帰がございまして、あの七カ所の保健所の職員がこちらに入ってきたわけでございます。その後の問題といたしましては、先ほど御説明いたしましたが、五十年度、五十一年度と未承認保健所の解消計画を年次的に進めてまいりましたし、また昨年度は一カ所新設も認めておりますので、そういった関係で増員が図られたということでございます。
#70
○和田静夫君 これ、どうなんですかね、未承認保健所をやっぱり補助対象とするように厚生省は努力をされなけりゃならぬでしょう。そしてそのためにはやっぱり政令は改められるべきではないかと思うんです。国が必要な予算を組まずに、自治体が必要性に基づいてやむを得ず独自に保健所法に従って設置をする、そういうものをやっぱり外すというのは法の精神から言っては好ましい状態ではないんじゃないだろうか、そういうふうに考えますが、どうです。
#71
○政府委員(佐分利輝彦君) 先生の御提案の御趣旨はわかります。基本的にはそのような方向で対処すべきだと思うのでございますけれども、やはりナショナルミニマムとシビルミニマムでは若干計画の食い違ってくるところもございます。また国としてはやはり国の財政というようなことも考えなければなりません。また、各都道府県の保健所の整備を考える場合に、北は北海道から南は沖繩までまんべんなく公平に整備を進めていかなければならないと思うのでございます。そういった基本的な問題がございますが、そのほかに、先ほど申し上げましたように、保健所ではないヘルスステーションのようなものを保健所だとおっしゃっても私どもは戸惑うわけでございます。また、具体的には名前を挙げませんが、一部の計画は、これはどうもだれが考えても少しおかしいのじゃなかろうかというような計画もあるわけでございます。したがって、私どもは各都道府県とか政令市から事前によくお話を聞き、大所高所から国家的に判断をいたしまして整備を進めていくということになると思うのでありまして、各都道府県や政令市が保健所をおつくりになればすべて保健所として承認登録をし、補助対象にするということはできないと思うのでございます。
#72
○和田静夫君 私も、それぞれの都市、都道府県においてつくっていこうというのは必要に応ずるものである、そういうことはもう明らかであって、その辺のものについてはやっぱり十分に協議をされながら整備への努力をしていく、そして承認基準に達するような形での行政指導があります、こういう関係というものは当然あってよいんだろうと思いますね。そのことまでは否定はされませんね。
#73
○政府委員(佐分利輝彦君) 基本的にはそのとおりだと私どもも考えております。ただ、保健所新設に当たりまして、私どもがいつも地元の方にアドバイスをいたしますのは、何も保健所でないといけないというようなことはないのではないか。たとえば団地でありまして、そこのニーズが母子保健ということであるならば、児童家庭局が所管しております母子保健センターを整備するというようなこともございましょうし、もっと医療面等の色彩が強いのであれば、国民健康保険の直営診療所あるいは国民健康保険の保健婦のステーション、そういったものもございましょうし、また、ここ五、六年東京都等でお始めになりましたヘルスステーション、こういったような性格のものもございましょう。そういったところをやはり医学的にあるいは社会的にいろいろと考えた上で地域の保健計画は立てるべきであるというアドバイスをしているわけでございます。
#74
○和田静夫君 保健所の経理事務合理化特別措置法における対象外、対象内職員の区分そのものがおかしいのではないだろうかという疑問の提起をいたしました。さらに、巡回検診車の運転に携わる者なども当然私は対象に入れるべきだと思うのですが、これはどうです。
#75
○政府委員(佐分利輝彦君) 各都道府県が郡部、辺地に対して行っております移動保健所の予算は計上して補助対象にいたしております。また、たとえば結核の検診といった非常に対象の多いサービスがございますが、この場合には、結核検診車が回って検診をいたしておりますが、それも対象にいたしております。しかしながら、サービスの種類によって、たとえばがんの検診のようなものは、これは都道府県の本庁がいろいろと計画をたててやるという形になっておりますし、また一方、脳卒中半減等の循環器疾患対策などは市町村にやっていただくというようなたてまえになっているわけでございます。したがって、そのようなサービスの種類、またそのサービスの進め方、分担に応じて必要なものは補助対象にしているつもりでございます。
#76
○和田静夫君 市町村にやってもらうとか、いろいろのもののいわゆる見方というのは、それらは全体としては交付税で見られる、そういうような形のものであるから、厚生省としてはそういう意味での見落としがあっても構わない、そういう理解でしょうか。
#77
○政府委員(佐分利輝彦君) そうではございません。ただ、住民の健康問題というのはすぐれて市町村の固有事務に属するようなものであろうかと思うのでございますが、特にナショナルミニマムと申しますか、あるいは国策という立場に立ちまして、国民病とかあるいは社会疾病と言われているものについては、法律に基づかないけれども、予算を計上して補助金を交付しているのでありまして、先ほど申し上げました循環器疾患対策は各市町村に対して国が三分の一、県が三分の一、地元が三分の一というような形でやっております。また古いものでは、法定急性伝染病防疫対策でございますが、これも原則は国が三分の一、県が三分の一、市町村が三分の一、そういう形でやっておりますが、やはりこの場合にも、サービスの種類とかその分担ということに応じて市町村にそのように補助金を差し上げる場合もある、また保健所の正規の事業として、保健所の運営費補助金として差し上げる場合もございますし、また県の直轄事業として県の方に差し上げるという場合もあるわけでございます。
#78
○和田静夫君 保健所法の十条で、政令で定めるところによると、こうあるわけですね。政令では、運営豊に関しては、その重要な部分を厚生大臣の定める基準に任せる、こういうことになっている。つまり、政令に委任をしながら、その政令に具体的中身がない。さっきから何回か論議をしました。これはどうもやっぱり地方財政法十一条に違反をするというふうに考えざるを得ないのですが、これは自治省いかがでしょうか。
#79
○政府委員(首藤尭君) 地方財政法では、その国と地方とが負担をします場合に、経費の種目、算定基準、こういったものを法律または政令で決めると、こういうことですが、これは算定の仕組みとか、経費の種目とか、そういうものを客観的に決めていく、こういう趣旨に出ておるものだと思うわけであります。したがいまして、まあ実際的な社会情勢、これに即応するようにできるために厚生大臣がその基準を決めると、こういうような仕組みになっておること自身は、これはまあ財政法十一条に違反をする、ここまでは言い切れないと思うわけでございます。具体的にその内容そのものが、やはり最近の社会的な情勢の実態に合う適切な基準として定められておるかどうか、こういったような実態的な価値判断、これでもってお願いをしなければならぬ仕組みのものじゃなかろうかと私ども考えておるわけでありまして、そういう趣旨に基づいて補助対象のあり方、あるいは補助職員のあり方、あるいは先ほど御指摘のありました無認可の、未承認の保健所のあり方、こういう点については十分御検討をいただくように、これは毎年厚生省には申し上げておる。その趣旨はいま申し上げたように時代の実態に合うように運営をしていただきたい、こういう考え方でございます。
#80
○和田静夫君 法制局もいまの答弁のようなものですか。
#81
○政府委員(前田正道君) ただいまの御答弁は、先ほど私がお答えいたしましたものと同趣旨と考えますので、そのとおりに考えております。
#82
○和田静夫君 そこで自治省、地方財政計画の方の保健所補助職員の定数の算入の仕方はどうも不十分である。先ほども触れましたが、厚生省の数字とも食い違うわけですね。現実を無視して機械的に定数削減が行われるというのは非常におかしいと私は思うのです。東京都の一例を挙げますと、五十二年度の保健所関係条例定数が九百十八人、うち未承認保健所は二カ所で九十三人。内訳が、承認されている保健所のうち補助対象というのは五百四十九人、対象外が二百七十六人、未承認の保健所九十三人のうち厚生省基準で対象とされるべきものが六十八人、対象外が二十五人、国の補助対象調査数は四百四十一人、全く実態とかけ離れているのですよ。で、保健所の運営費については、五十年度も実態調査をしたが、定数についてはやっぱり何ら改善をされない。
 そこで自治大臣、超過負担の問題というのが大変大きな問題なんですが、私は超過負担の問題と同時に、それ以前に自治大臣としてやはり心がけなければならない問題は、法の解釈は先ほど来いろいろありますが、解釈そのものはともあれ、実態的な面から言って、この地方財政法の負担区分の徹底のためにもっと真剣に努力をしないとならないのではないか、そういうふうに思うのですよ。いかがでしょう。
#83
○国務大臣(小川平二君) 超過負担の解消のために努力をしてまいりまする過程で、先ほど来御指摘の問題は当然掘り下げた検討をしなければならない問題だと存じております。職員の問題につきましても、保健所行政の実態に即応するように基準を改善してもらうよう、引き続いて厚生省に要請をするつもりでございます。
#84
○和田静夫君 私は何回かの経験で、たとえば前の自治大臣と法務大臣と一緒に並んでいただきながら、たとえば代用監獄などの問題を論議をしてまいりました。そして約束されたことは、法の改正の部分についてはまだまだ私としては全面的に納得できません、その手直し全部については。しかしながら財政的な措置についてはともあれ今年度予算において前進を見た、こういうことを経験をしてきました。きょうの保健所の論議の問題も、自治大臣、ぜひ記憶にとどめながら、財政的な措置の部分については、やはり財政区分の問題については前進をするように心がけていただきたいと思います。
 同時に、超過負担の問題というのは、やっぱり六団体に調査を任せておいて六団体から要求が上がってきたものに対して対応するというだけではなくて、何といいますか、自治省、政府の側も同じテーブルにお着きになる、こういうことが必要だと思うんです。町村さんが自治大臣の当時に、政府の側からも、六団体に積極的に超過負担解消のための調査委員会等が設けられ調査活動が行われるのならば、そこに人を出していってもよろしいですよ、こういうような合意も私たち中に立ってしたこともあるわけでありまして、ぜひ小川自治大臣もそういう姿勢を堅持をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#85
○国務大臣(小川平二君) よく承りましたので、問題が少しでも前進いたしますように努力をするつもりでございます。
#86
○和田静夫君 大都市交通問題に入ります。
 地下鉄建設の補助金でありますが、この補助金については、昨年五十一年の十月二十八日の参議院地方行政委員会でも伺ったのでありますが、結論から言いまして、運輸省の補助金は運営費補助金であるのか、それとも建設補助金であるのかということが、どうもやっぱりすとんと落ちないんですけれども、いかがですか。どちらですか。
#87
○説明員(中村徹君) 運営費補助と考えております。
#88
○和田静夫君 運営費補助金なのに、たとえば名目は「地下高速鉄道建設費補助金」ですね。積算も建設工事費というふうになっていますね。これがどうも理解できないんですよ。こんな補助金というのはほかにあるでしょうかね。なぜ積算に建設工事費を持ってこなきゃならぬのですか。
#89
○説明員(中村徹君) 地下鉄の運営の場合に、やはり非常に経営上困難な状況が出てまいりますのは、建設をして地下鉄の開業当初が経営上の困難な状況に陥る可能性が多いわけでございます。その時期における経営の補助を行うというような趣旨から、建設をしたということを実績として、建設費を計算の根拠といたしまして補助を行っているわけでございます。
#90
○和田静夫君 明確に運営費補助と、こう言われた。そうすると、運営費補助金なら、いわゆる頭金分一〇%引く。何で一〇%引くんだろう。何で自治体がこれを持たなきゃならぬのですか。
#91
○説明員(中村徹君) 運営費補助の場合に建設費を基礎として計算をいたすわけでございますが、したがいまして、建設費を基礎として計算する場合に、どのような考え方でその建設費を見るかという問題だと思いますが、これは自己資本分が一〇%、これはやはり建設をする自治体として――自治体ないし営団もあるわけでございますが、建設をする自治体がまず自己資金として一〇%は持つという前提で建設を行う。その建設を行う建設費を基礎として計算してきたその金額を、運営費の補助として補助するという形になるわけでございます。
#92
○和田静夫君 あなたの方の説明はそう。そこで、次に間接費を一五%引くでしょう。これは建設利息であるとか、あるいは建設仮勘定の職員人件費だと説明されているわけですね。これは建設に不可分ですからそれはさておくといたしましても、現行の建設費の負担割合では事業者にそれがかかってくる、そういうことになりますから、当然金利負担がかさむことになりますね。これを運営費補助の対象から外す理由というのは、われわれ素人はちょっと理解できないですね、これ。
#93
○説明員(中村徹君) これも運営費補助の計算の仕方の問題でございますけれども、一応われわれがやっております、国鉄の場合も同様なんでございますが、純然たる工事費というものを対象として運営費を、工事費の補助金、運営費の補助金になるわけでございますが、それを計算しているわけで、その純然たる工事費というものではやはり利息等は除かれるということでございます。そして、これは自治省さんの方でおやりいただいておるわけでございますが、地下鉄の建設費の場合には、全額についていわば起債によって、ある部分については財政資金を使って起債を行っておるわけでございまして、その工事費をどう調達するかという問題と私どもの運営費補助というのは一応性格は別のものと、このように考えております。
#94
○和田静夫君 結局、どうも私は運営費補助というのは、何編か、何年間かにわたってこれを取り上げてきてどうも理解ができないんですが、あなたの方のどうも強弁にしか聞こえないんですよ。その理由は私いままで述べてきたとおりでありますが、この建設費を積算の基礎に据えることがどうもおかしい。しかし、それはさておくといたしましても、昭和五十二年の四月二十二日に衆議院でもって一定の答弁をされているわけですね。私には運営費補助だから六年分割であると、そう言われているんですね。ところが向こうでは、他の人に対しては一括払いにしたい、こう言われているでしょう。しかし、これは財政上はできないんだと、そう言っているんですね。これはどういうことなんだろう。そもそも一括払いで建設補助費であるけれども、新線建設が多いので分割にした、そういうことでしょう、両方読み比べてみると。私への答弁と衆議院での答弁、こう読み比べてみて。それでいいんですか。
#95
○説明員(中村徹君) 一括補助か分割補助かという問題と、建設補助か経営補助かという問題は確かに関連すると考えます。したがいまして、経営補助でございますと、いわば建設費を基礎として最初の数年間の非常に苦しい時期を助けるという意味でございますので、したがいまして、これは分割補助をやっていくということになると思います。
 今度はその建設費の補助という形で制度、考え方を変えて補助を行おうという場合に、一括補助か分割補助かという問題はこれは改めて考えなければいけないわけでございますけれども、建設費を一部補助するんだということになれば、その分を一括で補助するという理論は成り立ち得るというふうに思います。ただ、実際上、財源上の問題がございますから、それが可能かどうかというのはまた別問題でございまして、そのときにどのような制度をつくるかというのは、またそこでいろいろな制度が考えられると、このように考えます。
#96
○和田静夫君 結局六年分割となるだけ金利負担がかかるわけでしょう。そういうわけですよ。仮に分割しないとすると、五十二年度は二千八百億ぐらいですよ。ところが、金利八%としても本人年分二百億近い金利ですよ。これはまさに補助の効果を半減をしていますね、補助の効果を半減していますよ。本来一括払いの建設費補助が分割によって金利負担を生ずるわけです。同じに金がないから分割だという――で、そういう何と言いますかね、同時に金がないから分割だと、こう言われて結果的にはこの金利の負担がかさんでいく。そうすると、あなた方の趣旨はどこにあるか、全く行政の実態的な問題としてどうなんですか、それは。
#97
○説明員(中村徹君) 行政の実態と申しますと、やはり現状では運営費の補助をするということで、それの運営費の補助をしていく形として最初の六年間を、建設費に対する六年間でもって開業当初の苦しさをやわらげるというのが現在の行政目的であるわけでございますが、これにつきましては、いろいろ一括補助あるいは建設費補助という性格に変えるべきだという議論もあるわけでございまして、これらの点につきましては、五十二年度にさらに調査、研究をしていくというような考え方でおります。
#98
○和田静夫君 どうもそうだから――研究されるのは別に否定はしませんが、国が財政的には不如意だと。しかし、地方も不如意なんですよ。しかし、地方は莫大な金利がかさんでも知りませんよ、現実そうなっているんですよ。
#99
○説明員(中村徹君) その辺につきましては、私どもはやはり公営企業、交通事業でございます地下鉄経営の場合には、私どもの立場から申しますと、やはり本来は運賃負担でもってこれを負担すべきものだと考えておるわけでございますが、建設費の高騰、建設費が非常に高いといいますか、高くつく、地下鉄の場合には非常に建設費が高くつくという観点から、その経営上の苦しさをやわらげるという意味で補助金を出しておる、こういう考え方でございます。
#100
○和田静夫君 私はやっぱりどうしても、ちょっとこれは――約二週間ばかり深夜業がずっと続いていますから、その意味で非常ににぶいのかもしれませんが、どうお答えになっても。こういうことじゃないですか。やっぱり頭金やら間接費の分というものを当然含めて補助金にされるべきだということ、私の言っている方が素直じゃないですか、そうすべきじゃないですか。そういう努力をされるべきじゃないんですか。
#101
○説明員(中村徹君) 私どもといたしましては、五十二年度におきましては、先生いろいろ先ほど御議論のございました運営費補助か建設費補助かという補助の性格の問題、それからどの程度財源的に可能かという財源の問題、そういうものを含めまして、総合的にこの地下鉄の問題につきましては、経営問題につきましては調査研究をするという考え方でおります。その過程では、先生のいま御指摘のような点も当然議論の対象になってくるというふうに考えております。
#102
○和田静夫君 わかりました。ああ、そうですか。
 そうすると、いま思い出したのですが、予算委員会に当たりまして、私は社会党を代表して、それから政府は、官房長官がソ連へ行っていらっしゃいましたから、塩川副官房長官が代表されて、地下鉄問題で一定の煮詰めをいたしましたね。そのときに、これは自治省にも伺いたいんですが、地下鉄問題については積極的に調査をやりますと、大変重要な問題だと、それは政府内に一つの調査機関的なものを設ける、そういう発想を持ってもいいんですと、こういうお答えがあったのですが、それは、まず自治省の側はそれぐらいに突っ込んだことをおやりになりましょうか、大臣。
#103
○政府委員(塩田章君) 運輸省と建設省と自治省と、いまの段階ではそれぞれお互いに協力し合いながら機関としてはそれぞれ別のものを、自治省の場合は公営企業研究会というのがございますから、それを使いまして研究をするということで、間もなく入るつもりでおります。
#104
○和田静夫君 どうですかね、大臣。自治省とそれから運輸省別々にこれをやられるというよりも、この機会に、運輸大臣も四月十一日の参議院予算委員会で、総括質問ですから、これはうちの野口理事が言ったのに運輸大臣が答えていますがね。総合的な調査はやりますと。総合的に調査をやりますと、いまこちらからもそういう答弁があったんですが、これはやっぱり両者間でそれぞれが機関をころがしていくのではなくて、ひとつ地下鉄問題の総合的な調査機構というものをこの機会におつくりになって、早い時期に、いま私が問題点をあげつらいましたので、まだ一部分でしかありませんけれども、そういうものの改善の努力をされることがよいと思うんですが、自治大臣いかがです。
#105
○国務大臣(小川平二君) 当面お互いが相互に入り合いながら検討をしておるわけでございますが、その結果によりまして、両者が同じテーブルに着いて検討をするということが望ましいと、このように考えております。
#106
○和田静夫君 大臣、同じテーブルに着くということは、自治大臣、運輸大臣を含むところの地下鉄問題調査機関的なものが動いていくと、こういうふうに理解をしてよろしいですか、一定の段階で。
#107
○国務大臣(小川平二君) 当面このために特別の機関を設置する必要があるとは考えておりません。おりませんが、いずれにいたしましても、両省の間で隔意なき話し合いを遂げていかなければならないと考えております。
#108
○和田静夫君 自治大臣、私は自治省も一定の結論に向かって進まれる、それから運輸省の側も一定の調査を総合的にやられる、そして一つが忌憚のない、隔意のない意見交換に両大臣間でなっていくと。その時期というのはやっぱり当然調査機構が、政府としては地下鉄問題、これはいま大都市交通の問題の中で地下鉄問題は非常に大きな問題でありますから、これはその時期というものは当然政府としては地下鉄問題を検討するための機構を設けられながら結論を出される、こういう形のものになっていくというふうに考えておいていいわけですね。
#109
○国務大臣(小川平二君) 両省の間で話し合いをいたしました結果、このために特別の機関を設置しなくとも、秋に概算要求を提出いたしまする段階で一致の結論を見ると、こういうことで考えてまいりたいと存じます。
#110
○和田静夫君 予算委員会当時の論議といいますか、官房副長官との折衝をいろいろ振り返ってみますと、この問題というのは非常に早い時期というものを頭に描くべきである。その早い時期というのは、いま大臣答弁にありましたように、次年度の予算要求のときぐらいまでにはやっぱり一定の解決のめどをつけるべきである。特にいま、最も具体的には運輸省と幾つかやりとりをしてきました問題などが最も焦眉の急ですからね。たとえば機構、機関的なものが設けられなくても、両大臣間ではここの部分については結論を得られて、そして新しい年度に向かっては同一歩調がとれる、こういうふうに考えておいてよろしいですか。
#111
○国務大臣(小川平二君) ぜひそこへ持ってまいりたいと考えております。
#112
○和田静夫君 次に、公営バスに入りますが、公営バス事業につきまして昭和四十八年からいわゆる第一次再建が打ち切られて、そして第二次再建を実施をして、同年に八百七億円の再建債の発行を行ったわけでありますが、その後不良債務というのが、減少するどころか逆に急増をしていますね。四十九年、五十年度の不良債務額及び五十一年の推計というのはどういうことになりますか。
#113
○政府委員(塩田章君) 四十九年度末で六百三十二億二千五百万、五十年度末で一千七十三億三千四百万円ということになっておりますが、五十一年度はいまのところまだちょっと申し上げられる段階ではございませんが、依然として苦しいのじゃないかと。ただ、二十三団体の交通再建団体につきましては、五十一年度の見通しがある程度立っております。それで言いますと、再建団体だけで言いますと、五十一年度の見込みが九百三億円になると、不良債務の見込みが。そういうふうに見通しがつきます。
#114
○和田静夫君 四月二十三日の衆議院の地方行政委員会で、わが党の山田議員の質問に対する自治大臣答弁を読んでみました。そうすると、企業努力と環境整備によって何とか第二次再建を当面実施していきたいと考えておりますと、こういう考え方が明らかであります。しかし、私はそういう抽象論では納得をしかねるのであります。これは論議が非常に継続をされてきているものでありまして、これまでよりも不良債務が増大をし続けている。その金利負担は日々かかっているわけでありますが、これまで企業努力と環境整備、いわゆる内外両面で努力をする。そうすると、そういう努力の結果、どういう成果が上がったんですかね、具体的には。
#115
○政府委員(塩田章君) 御指摘のように、企業の中と外の両面の努力が要るわけでございますが、まず外の、企業外の努力といいますか、企業環境の整備という点につきましては、やはりバスの場合、何といいましてもいわゆるバスレーン――専用レーンあるいは優先レーン、こういうようなことがいまの現状から見て非常に重要な問題でございます。その点についてはっきり申し上げますと、昭和四十八年度に優先レーンあるいは専用レーン合わせて三百七十八キロであったものが、五十年度には八百六十四キロまで延長してきております。これなどは一つの改善しておる例ではないかと思います。
 企業内の努力といたしましては、企業の経営内容の改善についての努力、たとえば人件費の問題でありますとか、あるいは財産の処分の問題、そのほかの経営合理化、経営健全化ということで努力をしておりますわけですが、その結果どういう成果が上がったかと。これはなかなか現状は苦しいわけでございますけれども、五十年度において申し上げますと、単年度収支で黒字になった団体が五団体出ておると。四十九年度には全然なかったわけでございますが、五団体出ておるといったようなことで、もちろん全般的には依然としてむしろ苦しいわけですけれども、そういう成果も一方では上がっておるという状況でございます。
#116
○和田静夫君 警察に伺いますが、通常、バス等の大量公共輸送機関の優先通行が課題とされていますね。そしてその対策としては、いま言われておるバス専用レーンの設定、都市における全面駐車禁止の実施、三番目がバス優先の信号システムの設置、それから四番目が中央線の変位、これが必要と言われておるのですが、これはどれだけ達成されて、今後どういう計画を大都市でお持ちですか。
#117
○説明員(福島静雄君) 御指摘のバスの優先通行を図るための交通規制につきましては、大量輸送機関の優先通行の確保という見地から、都市における交通対策の重点として、警察といたしましても積極的にいま努力をしてまいりましたところでございまして、交通規制といたしましても近年大幅に延びているところでございます。優先通行の交通規制につきましては、これはバス専用通行帯、バス専用道路、バス優先通行帯の三種のものがございますが、昭和五十一年末におきまして、全国で規制延長約千四百キロに及んでいるところでございます。バスの優先対策を実施する場合には、バスの運行台数、道路の構造、幅員それから全体的な交通状況等を勘案する必要があるわけでございますが、これらの状況を勘案しながら、今後とも積極的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 今後の規制計画につきましては、各都道府県警察において計画をつくりまして実施しているところでございまして、現在私どもの方に具体的な数字はちょっと手元にございませんけれども、今後とも、先ほど申し上げました事情を勘案しながら、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 なお、バスの優先信号につきましても、これは第二次の交通安全施設整備事業五カ年計画、昭和五十一年度を初年度といたします計画でございますが、これに新たに新規事業として取り入れたものでございまして、これにつきましては、バスの優先通行を図る必要性が高い交差点を重点に、積極的に設置を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#118
○和田静夫君 とまれ市民のこれまでの実感からして、なかなか優先通行の達成というのはむずかしい。問題は、私はやはり交通体系全体をどうするかという点から考えて整備していく、そういうことが必要だろうと思いますね。で、外部の交通環境の整備というのはなかなか容易ではありません。しかし私はやらなきゃならぬことでありますから、これはもう警察庁としては、むずかしいからといって目標がないということにならぬと思うのでありまして、何年までに一体達成可能だと思われますか。
#119
○説明員(福島静雄君) できるだけ各都道府県警察を指導いたしまして実施を急ぎたいと考えております。先ほども申し上げましたが、第二次交通安全施設整備事業五カ年計画がございまして、バス優先信号等につきましても、この五カ年計画の一環として実施するということになっております。最終年次は五十五年度ということになろうかと存じますが、できるだけ私ども急いで積極的にやりたいというふうに考えておるところでございます。
#120
○和田静夫君 料金問題ですがね、運輸省。これは議会の承認が必要でありますが、それは別といたしまして、交通料金は運輸省の認可が必要とされていますね。そこで認可は、鉄道、バスなど事業の種類によって法律の規定が異なりますが、バスについては道路運送法第八条で運輸大臣の認可が必要である。この認可の基準は、第八条の二項に規定されているわけですけれども、第一号の「適正な原価」ですね、あるいは「適正な利潤」という条件、こういう条件は、たとえばいわゆる不採算路線についても満たすことは可能でしょうか。
#121
○説明員(向井清君) お答えいたします。
 運賃の認可に当たりましては、いまおっしゃいましたような認可基準というものがございまして、採算がとれるかどうか、原価基準に照らして妥当かどうかということを見るわけでございます。それを見ます場合には、総括原価主義というような言葉もございますが、やはりその地域あるいはその事業者全体の収支というものをにらみながら見ていくということでございまして、個別個別の細かい原価をはじいて、それで運賃の算定をするということはいたしておらない次第でございます。
#122
○和田静夫君 バス事業の料金について全国を十九のブロックに分けて、そしてブロック別にこの標準原価を設けて査定をされているわけですが、山間地と平野部との差あるいは混雑度の差、こうしたものはどういうふうに算定されるわけですかね。
#123
○説明員(向井清君) 先生いまおっしゃいましたように、標準原価をはじきます際には全国を十九ブロックに分けると。それから実際いわゆる二年ローテーションと申しておりますが、運賃改定の時期を判断する、あるいはその内容について判断をする際の見直し作業というものは、全国を三十六ブロックに分けていたしております。それで分けましたブロックの中で、おっしゃいましたようにやはり地勢的な条件、社会的な条件がいろいろございますから、一律にはいかないという問題もございますが、これはさっき申しました総括原価主義に立ちましたところの採算を見ました上で、その標準原価との振り合いというものを若干考慮するということで処理をいたしておる次第でござ
#124
○和田静夫君 折り合いを見るんですか。
#125
○説明員(向井清君) 振り合いでございます。
#126
○和田静夫君 これ、どうですか、いま算定されている資料というのは公表できますか。
#127
○説明員(向井清君) 資料の公表でございますが、申請者の出します資料、これは細かい点は別といたしまして、事実上公開されておる、公表されておると申して差し支えないかと思います。
 それから、それに基づきますところの審査あるいは査定をいたしました資料につきましては、これは公表というかっこうでの発表はいたしておりません。
#128
○和田静夫君 ちょっと言い方があれですが、私が資料要求した場合に、先ほどの標準との関係でいろいろと調整をされている部分の資料はいただけますかというのです。
#129
○説明員(向井清君) いろいろなケースがございますので、先生のおっしゃいましたケースがどの辺に当てはまるかよくわからないのでございますが、考え方、それに基づきます、それを基礎づけますところの若干の資料というものについては、あるいは御説明できるかと思います。
#130
○和田静夫君 また、それとの関係で、公営企業における財政措置をどうするのかということですがね。補助制度についてどうお考えですか。
#131
○説明員(向井清君) 運輸省サイドの補助制度でございますが、私どもの考え方といたしましては、生活路線という概念がございまして、やはり住民の生活に不可欠な路線というものをまず押さえるわけでございますが、およそバス路線で地域社会の住民のために必要でないものはないわけでございまして、その中から、いかに経営努力を重ねましても路線の維持が困難である、あるいは不可能であると見られるような状態、端的に申せば、需要の面が経営維持に必要な収入を上げるに至らないというような路線を細かく見まして、これに対して補助をいたしておると。結果的にはいわば過疎路線というような路線、あるいは大都市近郊の新しい団地ができますと、同じような条件が出てまいりますので、そういう路線に対する補助というのをいたしておる次第でございます。
#132
○和田静夫君 いわゆる行政路線の設定が必要になってくるわけですね。
 そこで自治省、基準の設定についてはどうお考えなんですか。
#133
○政府委員(塩田章君) 行政路線の問題は、いまもお話しございましたように、いわゆる生活路線でございまして、公営だけの問題ではないと、民間も含めた共通の問題として考える必要があるように考えられるわけでございます。したがいまして、この点につきましては、運輸省のいままで設けておられます、いわゆるいまお話しございました過疎バスの補助あるいは新住宅団地のバス路線の補助、こういったものを逐次改善充実していただきたい、そういう方向でいきたいと、こういうふうに考えております。
#134
○和田静夫君 給与改定についてですが、再建団体には行政職(二)表を当てはめるということを考えておられるような感じがいたします。これはそういうことですか。
#135
○政府委員(塩田章君) 公営企業の職員のうち、自動車の運転手、機械工作あるいは電工、こういつたいわゆる技能労務職に属する職員の給与につきましては、国家公務員の給与表における行政職(二)表を適用することが適当であると、こういうふうに考えております。
#136
○和田静夫君 ラスによって公営企業の職員の給与を国家公務員と比較する、そういうのは、そういう比較というのは、自治省の方針のもとにやっているのかどうか疑問ですが、それは自治省の方針のもとにやっているんですか。
#137
○政府委員(塩田章君) ちょっとお尋ねの趣旨がよくわかりませんけれども、ラスで比較する、企業職員のラスを比較するという場合に、私どもは企業職員につきましてだけのラスの指数をとっておりませんので、そういう意味では比較はしておらないわけであります。
#138
○和田静夫君 比較はしないと。
 そこで、公営交通については、日本だけにとどまらずに、各国の主要都市とも赤字に陥っていると聞くんですが、ヨーロッパの主要都市では、施設補助については全額企業外負担、そして運営赤字についてもそういう対策が考えられている、そういうふうにわれわれは調査をした結果、そう思うんですね。都市交通の根本問題というのは、都市の交通手段をどう位置づけるかということで、特に公営交通、民営交通、モータリゼーション、そうした多くの事情を考慮して新しい体系を考えるべきだろう。特にヨーロッパ諸都市のように経営の一元化がきわめて重要なんじゃなかろうか。公営交通事業にそうした観点から新たにその役割りを考えていくべきだろうと、こう思うんですが、これは自治大臣いかがです。
#139
○政府委員(塩田章君) ヨーロッパの例をお話しあったわけですけれども、ヨーロッパの場合はいわゆるお話しのように、公共企業体を地方団体とは別につくって、日本の国鉄みたいな式の形の経営が多いということで、またそれに対する補助金につきましても、いまお話がございましたような、建設費は全額補助であるとかといったような形がそれぞれございます。しかし、これはそれぞれ沿革、事情がございますし、特にヨーロッパの地下鉄なんかの場合は、全く別の、たとえば国防的観点からの見地というようなものまで入っておるやに聞いておりますが、そういうようないろんな事情がございますから、直ちにわが国にこれを参考にするというわけにはいかない。ただ非常に参考になる面はもちろんありますので、研究、勉強はしていかなきゃならぬと思います。直ちにそういう意味ではヨーロッパの例をそのままの形で取り入れるというわけにはいかないだろうと。やはりわが国の現在のやり方、これのさらに内容の改善、充実、こういう方向で努力していきたい、こういうように考えておるわけでございます。
#140
○和田静夫君 私は、大都市におけるところの公営交通を中心とするそういう意味での交通体系の一元化というのは、これはやっぱり非常に緊急を要する問題だと思うんですよ。日本の場合は非常に錯綜をしています。その辺の努力というのはやっぱりこれは当然あってしかるべきだと思うのですが、大臣、そういう観点に立った調査をやはり地下鉄問題と同様に進められることが必要だと思いますが、いかがですか。
#141
○国務大臣(小川平二君) 都市交通のあり方につきましてはいろいろ検討すべき問題があると存じます。これは民営を含めまして、ただいま御指摘のありましたような点を含めて、十分研究をしてまいりたい。
#142
○和田静夫君 時間が来ましたからやめますが、最後にちょっと一言だけ。
 消防力の基準問題で幾つかのやりとりをしようと思っておったんですが、もう時間がありませんから、たまたま自治大臣と総務長官との消防職員の団結権問題の御協議もまだ時期的に煮詰まっていないようでありますので、その御答弁をいただく時期に、消防力の基準問題についてさらに詰めた論議をしてみたいと思うのですがね。一つだけ申し上げておきたいのは、たとえば化学消防車と消防自動車が同時出動をすることがないというようなことを前提にしながら、乗員の乗りかえを前提として基準が定められているなど、どうも充実の方向ではなくて、それと反対の方向に減員その他という関係では動いているようにこの基準問題で考えられる点が筋々がたくさんあります。そういう点について、そのようなことがないと言い切れますか。このことだけ一言、きょう答弁求めておきたいと思います。
#143
○政府委員(田中和夫君) 御承知のように、消防力の基準は、市町村が消防責任を果たすために必要な基準を定めてあるわけであります。いろんな事情が、だんだん機器が近代化するとか機種の構造が変わるとか、いろんなことでその基準の改定を行っております。その改定の中でいまお話しのようなこともあるわけでありますが、だんだん充実していきたいという、充実の方向ですべてを見ておるわけでございまして、またこの点につきましては詳しく御説明を申し上げたいと思います。
#144
○和田静夫君 私がその疑問点を実は出したのは、酒田大火の原因が振り返られて、そうしていろいろな反省が出ていますね。そのうちで一番大きな問題になっているのは、消防組合本部は人員不足を挙げているわけですね。そうして全消防車が出動ができなかった。したがって、初期の消火に失敗したので酒田大火になった。これが専門誌等を全部読んでみるとそういうことになっています。そういう点に減員問題等が、あるいは消防力基準の非充実が結びついていくということでは困るわけでありまして、そういうことのないように十分努めるよう、これは大臣、意見を申し述べておきたいと思います。
#145
○委員長(高橋邦雄君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十六分開会
#146
○委員長(高橋邦雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#147
○阿部憲一君 先般、衆議院の社労委員会で取り上げられました年金の官民格差の問題につきまして、ちょっと若干お伺いしたいと思います。
 先般の社労委員会で取り上げられました真意や、それからまた現在マスコミなどで言われている官民格差について、必ずしもつまびらかにするものではございませんけれども、こうした論議が政府の進めておりまする福祉見直し、さらには公的年金の拡充限界論等を進めさせる結果になりはしないか、こういうことを恐れるものでございますし、また、単に皮相的な、また表面的な年金制度の比較に終わってしまって、正当な年金のあり方などを検討するということが忘れられるとしますると、あるべき姿に近づきつつありまする年金を逆の方向に進めることになってしまうのではないか、こう思いますが、こうした官民格差の議論について、自治相はどのようにお考えになっているか、まずお伺いしたいと思います。
#148
○国務大臣(小川平二君) 最近、御指摘のような官民格差論がございますことは事実でございますが、現在のわが国の各種の年金について総合的な検討を行う必要のあることもこれまた事実でございます。そこで、各種審議会等におきまする審議の経過を見て、十分な検討を加えてまいりたいと存じまするが、いずれにいたしましても、この種の論議によって現行の年金制度が後退するようなことがあってはこれはいけないことだと私ども考えております。さようなことがないように配慮してまいりたいと思います。
#149
○阿部憲一君 新聞なんかに掲載されている例を見ますと、公務員の中でも、恩給部分をあわせ持っている者の年金は、民間に比べてもはるかに恵まれているけれども、しかし、これらの者に対する年金のあり方についてどのように考えておられますか、御所見を承りたいと思います。
#150
○政府委員(石見隆三君) 最近言われておりますいわゆる年金の官民格差という問題につきましては、私どもといたしましては確かに御指摘の点も理解できる向きもあるのでございますが、しかしなお、その一部にいわゆる年金全般についての十分な御理解が得られていない部分もあるのではないかというふうにも存じておるわけであります。私どもといたしましては、この辺の事情を正確に理解していただきますように今後とも努力をしなければならないと同時に、ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、いわゆる現在の年金制度が、社会保障制度の一環として組み込まれ、公務員の退職後の生活に資するという大きな役割りを担っておりますものでございますので、これを単純に官民格差というような言葉のもとで後退させるというようなことがあってはならないというふうに強く感じておるところでございます。
 で、いま御指摘にございましたように、恩給部分を持っておりますいわゆる高給者に対しまする年金のあり方の問題だと思うのでございます。御案内のとおり、現行の公務員共済制度は、恩給制度を初めといたしまして従来の年金制度を統合いたしまして、国家公務員につきましては三十四年から、地方公務員につきましては三十七年から新たに発足いたしまして今日に至っておるわけでございます。現在の共済制度はこのような沿革を持っておるわけでございますが、その年金制度の取り扱いにつきましては、それぞれ昭和三十四年あるいは三十七年に発足をいたしました際に、従来の制度の適用を受けておりました組合員につきまして、従来の既得権と申しましょうか、期待権と申しましょうか、というような従来の制度のもとにおける各般の仕組みというものを尊重するという趣旨から、一つには従来の制度の適用を受けておりました在職期間というものを新しい制度の組合員期間に通算するということ、もう一つは、従来の制度の適用を受けておりました期間にかかわります年金の額というのは従来の算定方式によって算定をするという仕組みをとってまいったわけであります。
 したがいまして、恩給制度の適用を受けておりました期間を持っております公務員の中で一部の者につきまして、いわゆる御指摘ございましたような給与の高い者につきましてのみ、その年金についての特別の措置をいま直ちにとるというのは、三十四年なり三十七年につくられました現行制度のたてまえあるいは趣旨、その後この制度が十数年間定着してまいりましたという経緯から見まして、いま直ちに一部のものについてこれの是正措置をとるというのはきわめて問題の多いところと存じますけれども、しかし、何分にもそのような御指摘のございました問題も含めまして、現在の公務員の年金制度のあり方につきまして、国家公務員共済制度審議会あるいはまた地方公務員共済制度審議会等でもいろいろ検討がなされ、特に国家公務員共済制度審議会におきましては、いわゆる今井メモという今井委員の個人的な見解の表明等もございました。これらを中心にして検討が全般的になされているところでございます。私どもといたしましては、御指摘の点につきましては十分問題意識を持ちながら、今後これらの委員会においての検討の状況なりあるいは結論というようなものを見きわめながら、総合的に現在の年金制度のあり方について引き続き検討してまいらなくちゃならない、かように存じておるところでございます。
#151
○阿部憲一君 いわゆる高級官僚と称せられる人たちは、多額の退職金をもらった上に天下りをして、それでそこでもまた高額な給料をもらってその上に年金も受けているというような批判がございますが、こうした点では、私はもし事実とすればえりを、正すべき点が多々あると、このように思うわけでございます。
 そこでお伺いしたいのですけれども、施行法の第三条の三の退職年金の多額所得停止基準の緩和の改正によりますと、退職年金とそれ以外の所得との合計額が、年額、現行の六百九十万円から七百三十八万円まで引き上げられ、それを超える額の二〇%について支給停止を行うこととしていますが、この七百三十八万円とそれからまたこの二〇%、こういうものの数字の根拠はどういうところにありますか、お伺いします。
#152
○政府委員(石見隆三君) 地方公務員共済制度あるいは国家公務員共済制度は、ただいま申し上げましたような経緯で、従来の旧恩給制度等を中心といたしましたもろもろの制度におきます既得権と申しますか、期待権をでき得る限り尊重していくというたてまえで発足をいたしたものでございますが、その間におきまして、いま御質問のございましたいわゆる高額所得の停止があるわけであります。この停止基準の根拠でございますが、この根拠は遠く恩給制度に端を発しておるわけでございまして、私ども恩給制度を所管しておられます所管庁からその辺の事情を伺っております限りでは、この停止基準と申しますのは、昭和六年に当時の国家財政の窮乏にかんがみまして導入された制度であるというふうに伺っておるわけであります。以後、年金の増額改定に見合った形で基準額が引き上げられてきておるということのようであります。
 で、御質問の七百三十八万円と申しますのは、停止の対象基準でございます恩給年額、すなわち百二十三万円とそれに恩給外所得六百十五万円。この六百十五万円の根拠と申しますのは、恩給年額百二十三万円の五倍ということになっておるようでありますが、これとの合算額すなわち七百三十八万円ということになっておるというふうに伺っております。
 また、この停止率の二〇%というのは、この制度発足当時、すなわち昭和六年当時に設けられた基準でありまして、その後これを特段の変更することなく今日に至っておるということであるというふうに私ども伺っておるところでございます。
#153
○阿部憲一君 共済年金の性格としまして保険的な部分もあると考えられますが、やはり社会保障としての役割りをもっと重視すべきではないか、とう思うわけでございます。いまの年間所得七百三十八万円というのは、これはもう高額所得者ではないか、こう考えられますが、やはり高額所得者に対する年金の支給はもっと制限されてもよいではないかと思います。社会保障という観点から見れば、その分最低保障を引き上げるようなことを考えるべきではないかと思いますが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
#154
○政府委員(石見隆三君) 地方公務員の共済制度は、ただいまも御指摘がございましたように、社会保険制度の一環としてその制度の中に組み込まれ、設けられておるものでございまして、共済組合が支給をいたします共済年金というのは、原則として組合員でありましたその期間とその掛け金の基礎となった給料に応じてその額が算定されるという仕組みになっておりますことは御案内のとおりでございます。したがいまして、一般的に高額の給与を受けております組合員につきましては、これに比例をいたしまして高額の掛け金を負担しなければならないということにもちろんなっておるわけであります。したがいまして、同額の給与を受けております者は当然のこととして高額の負担をし、それと同時に、一方その者が退職をしました場合にはその負担をいたしました掛け金に見合ったいわゆる高額と申しますか、掛け金に見合った共済年金を受けるということに、原則と申しますか、基本的な仕組みができ上がっておると思うわけであります。したがいまして私どもといたしましては、いま申しましたように、共済制度自身が社会保険制度の一環といたしまして、その在職しておりました期間、あるいはまたその退職時の給与というものを基礎にいたしまする限りは、高額所得者につきましては、掛け金も高いがしかし年金の支給額もそれに見合って高くなるということではないかというふうに存ずるわけであります。
 とは申しましても、共済組合制度は一面におきまして職員間の相互救済ということを目的といたしております制度でございますので、給料に見合った年額は受け得るというたてまえにも、やはりそこにおのずと一定の限度と申しましょうか、やはり一つの問題があろうかと思うわけであります。そこで、現在給料の額が三十六万円を超えます職員につきましては、三十六万円を限度として掛金を徴収するということにいたしております反面、その年金の額も最高限度額を三十六万円ということにいたしまして、ただいま先生お示しにございましたような非常に高額が給与を受けます者につきましては、掛金あるいは給付額とも三十六万円で制限をしてそのバランスを図っておるという次第でございます。
 なお、後段御質問のございました各種の最低保障額の引き上げにつきましては、私ども全く御意見のとおりだと存ずるわけでありまして、今回も遺族年金等を中心にいたしまして最低保障額の引き上げをただいま御審議をお願いをいたしておるわけでありますが、私どもは、やはり年金と申しますものが組合員ないしはその遺族の退職後の生活に資するきわめて重要なものでございますので、今後とも、その年金の実質的な価値を高めるという意味におきましても、最低保障額の改善につきましては努力をしてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
#155
○阿部憲一君 昨年の七月に自治省が発表されました「退職年金受給者の生活実態調査結果」、これを見ましても、年金受給者の世帯の平均生活費は月額十二万六千円、それに対して平均年金月額は八万円となっております。年金依存割合は六三・五%、こういうことでございます。年金受給者の約半数近くの人が、「病気がちで働けない」あるいは「働きたいが適当な仕事がない」という状況で、年金を頼りにしているという結果が出ております。一方では年間七百万円以上もの、年金を含めて所得を得ている者もいれば、また生活費に満たない年金の地方公務員退職者もいるということでは、現在言われている官民格差の批判にもこたえられないと考えられますが、この調査を通じまして、今後自治省では地方公務員の年金をどのように改善していくつもりなのか。ただいまあなたの御意見で、相互救助という考え方、これをもっと盛り込みまして何か具体的な改善策というものはお持ちであるかどうか、重ねてお伺いしたいと思います。
#156
○政府委員(石見隆三君) ただいまお示しにございました退職年金受給者の生活、実態調査、昭和五十年七月三十一日現在におきます退職年金受給者の生活の実態を調査いたしたものでございまして、その調査の結果は、御指摘にございましたように、一人当たり世帯主の平均生活費に対する平均年金額の割合はおおむね六三・五%程度になっておるということは事実でございます。したがいまして、退職後の生活に占めております年金のウエートといいますものは、あるいはまた先生から御指摘ございましたように、私ども予想しておりましたとおりかなり高いものになっておりますことは御指摘のとおりでございます。このことは、年金が長年忠実に勤務をいたしました公務員の退職後の生活に資するという大きな役割りを担って、社会保険制度の一環として設けられておりますという趣旨にかんがみますれば、これはやはり私どもとしてはこの結果というのは率直に受けとめまして、今後やはりいろんな形での年金額の実質的な価値を高め、そしてその本来の目的に合致するような制度に改善していかなければならないというふうに考えておるわけであります。
 ただ、もう御案内のとおり、この地方公務員の共済年金制度は、同じ、類似の職務でございます国家公務員の年金制度とその制度の上で均衡をとっており、さらにはまたその前提として、民間の厚生年金等、広くいわゆるわが国の公的年金とのバランスという問題もこれまた見逃すことのできない重要な要素でございます。私ども地方公務員共済のみで独自に諸般の改正を行いますことはきわめて困難な事情ではございますが、いま申しましたように、国家公務員共済におきます取り扱い、あるいはまた民間の厚生年金における取り扱い等々を十分見きわめながら、今後ともその改善には努力をしてまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
#157
○阿部憲一君 退職年金、それから遺族年金の受給者のうちで、通年ルールの適用者の割合は最近どのようになっておりますか。さらに、最低保障の適用者はどれくらい、御説明願いたいと思います。
#158
○説明員(桑名靖典君) 今回御審議をいただいております五十二年の改定法による改定前の状況を申し上げますと、退職年金につきましては、通算年金ルール、いわゆる通算退職年金の方式によって算定をいたしますルールの適用者が受給者の五八・九%でございます。遺族年金につきましては、公務外の遺族年金の通産退職年金ルールによる適用者は二〇・四%となっております。
#159
○阿部憲一君 お聞きしましたところによりますと、地方公務員の退職者のほとんどは最低保障額ないしはこの通年ルールの適用者ということになっておりますけれども、この最低保障は、厚生年金にならっており、通年ルールの定額部分は厚生年金の物価スライドを算入していることを考えますと、ほとんど厚生年金と変わらなくなっているのが実態ではないかと思われますけれども、地方公務員法の第四十三条の規定などを考えますと、公務員という特殊な身分に即応した制度として地方公務員の年金のあるべき姿を確立させる必要があるではないかと思いますが、いかがでしょうか。ことに現在、官民格差論が大いに議論されている折でもありますので、企業年金として位置づけるのであればそのあるべき姿を明確にしておくべきでないかと思いますけれども、自治省の御見解を承りたいと思います。
#160
○政府委員(石見隆三君) 公務員の年金制度は、国家公務員あるいは地方公務員を通じまして、その携わっております公務の特殊性といいますものを考慮いたしまして、公務員とその家族の生活の安定に資するという目的をもって設けられたものであるわけであります。と同時に、そのことを通じてまた公務の能率的な運営に資するというねらいも持っておることは事実だと思うのであります。ただいまお示しにございましたそのことにつきましては、地方公務員法の四十三条二項におきましても、「職員が相当年限忠実に勤務して退職した場合」に支給されるということになっておることは、このことを意味しておるというふうに私ども理解をいたすわけであります。しかしながら、ただいまお示しにございましたように、たとえば遺族年金の最低保障額、これはまあ厚生年金の場合と同額になっておるわけでございますが、の適用者が非常に多いというような状況にありますことは、いま申しましたようなこの制度が設けられました趣旨から見まして、私どもとしては、やはりこれについては今後とも改善の努力を払っていかなきゃならないというふうに存ずるわけであります。がしかし、一方この制度は、繰り返し申し上げておりますように、やはりわが国の公的年金制度すべてを通じましての厚生年金との均衡ということも当然考えてまいらなければならないわけであります。私ども、一方におきましてはこのようなわが国におきます公的年金制度とのバランスをどう持っていくか、と同時に、一つはこの公務員の身分の特殊性に基づきます職域的な年金制度というものとどういう形で総合的に調整を図っていくかという問題があるということだと思うのであります ただいま先生の御指摘もその点であったと私ども理解をいたすわけであります。これは非常にむずかしい問題でございまして、現在でも社会保障制度審議会、あるいは年金懇談会等におきましても、これらの問題を総合的にいろんな角度から検討されております。このことは、私どもといたしましては非常に大きな関心をこの審議会には持っておるわけでありまして、直ちにいまこれについて、いわゆる民間の公的年金と公務員の共済年金とをどう位置づけるかということの結論を直ちに得ることはきわめて困難ではありますが、今後ともこれらのいろいろ審議をされております審議会の審議の状況等も伺いながら、私どもとしては基本的にこの問題の検討を進めてまいらなきゃならない、かように思っておるところでございます。
#161
○阿部憲一君 次に、短期給付について若干お伺いしますが、まず掛金が最近非常に高くなってきている点についてですが、各共済組合のうちで五十二年度掛金率の高い組合、また五十一年度に比べて引き上げ率が最も高くなっているところはどのような組合で、また数字はどのようになっていますか、御説明願いたいと思います。
 さらにわかりましたら、それぞれの低い組合と比べてどれくらいの数字になるか、御説明願いたいと思います。
#162
○説明員(桑名靖典君) ただいま御質問がありました点についてお答えする前に、先ほど御質問がありました点で、ちょっと答弁漏れがございましたので補足さしていただきたいと思います。
 最低保障額の適用者のウエートのお尋ねがございましたが、退職年金の受給者のうちで、最低保障の適用を、受けます者が全体の一・四%、それから公務外の遺族年金における最低保障額の適用者が全国で三四%でございます。
 ただいまお尋ねになりました短期の財源率の改善の状況でございますが、市町村職員共済組合における財源率につきましては、平均をいたしまして千分の八十八となっております。そのうち、千分の百を超えます共済組合が八組合ございまして、九十を超える共済組合が十九組合あるわけでございます。
 この財源率を五十一年度と比較いたしまして、引き上げ華の階層別に申し上げますと、全然変更がなかった組合が十八組合でございまして、一番多く財源率を引き上げた組合が千分の十八でございますが、一組合ございます。それから、千分の十から千分の十五までの間で引き上げた組合が十組合ございます。
 以上申し上げましたのが市町村職員共済組合の例でございますが、地方職員共済組合等ほかの組合について申し上げますならば、警察共済組合が千分の十八引き上げております。それから東京都職員共済組合が千分の十三・八引き上げております。名古屋市職員共済組合が千分の十引き上げております。さらに北海道都市職員共済組合が千分の六引き上げているのが実情でございます。
#163
○阿部憲一君 掛金の高い組合と低い組合ということで非常に不合理のように思われますが、この点いかがなんでしょう。
#164
○説明員(桑名靖典君) 財源率の設定に当たりましては、当該年度における収入の予想額と、それから支出の予想額によりまして財源率を設定いたしますために、当該年度におけるその組合の給与のベースアップ等を勘案いたしまして、収入の予想額を立て、また医療費の増高等、あるいは医療費の伸び等を勘案いたしまして設定をいたしますために、地域的な事情はあろうとは思いますけれども、こういうような財源率になるのはやむを得ないのではなかろうかという感じがいたすのでございます。
#165
○阿部憲一君 市町村職員共済の和歌山県の場合に七・五%、それから警察共済の九・〇%などが大きく引き上げられているようですけれども、たとえば和歌山の市町村職員共済に加入している人で本俸十五万円の場合に、月額で千百二十五円、年額一万三千五百円の負担増しということになりますけれども、これは定期昇給分の約三割程度ぐらいになるのではないですか。ベースアップがようやく物価上昇分程度ということを考えますと、地方公務員の給料はその分日減りということになると思われますが、こういう事態についてどのような御見解をお持ちですか、お伺いします。
#166
○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘にございましたように、地方公務員共済組合短期給付の財政事情につきましては、最近の医療費の急増、あるいはまた給与のこれまでのような大幅な昇給率がとうてい見込めなくなったというような状況が相重なりまして、昭和四十九年度を境といたしまして、昭和五十年度から非常に悪くなってきたことは事実でございます。したがいまして、これにつきましてただいま御質問にございましたように、掛金の負担の増加が定期昇給分の約三割にもなっておるではないかというような御指摘があったわけでございますが、たまたまただいま名前が出ましたように、一番本年度市町村職員共済の中で負担率の重くなりましたものは和歌山県の市町村職員共済組合であります。和歌山県の市町村職員共済組合の五十二年度の短期給付の財源率は千分の十五引き上げておりますので、職員の掛金率といたしましては、この半分の千分の七・五ということに相なっておるわけであります。したがいまして、すべて和歌山県の職員が定期昇給の三割の額になったわけではないわけでありますけれども、昇給間差のいかんによりましては、お示しにございましたように、掛金の増加が定期昇給分の約三割に相当するということになるような事態も中には見られるわけであります。
 このように、五十二年度におきまして短期給付の財源率の引き上げを余儀なくされました市町村共済組合は、ただいまも申し上げましたように二十七組合あるわけでございますが、この総平均では、千分の二・五という掛金率の上げ幅になっておるわけであります。このように、それぞれの市町村職員共済によりまして上げ幅が必ずしも一律ではなく、あるいはまたその影響するところが職員に必ずしも一律ではないわけでありますけれども、いずれにいたしましても、五十年度を境としてその負担が次第に重くなってきておることは私ども否めない事実であろうというふうに存ずるわけであります。
 このように、昭和五十二年度、まあ五十一年度もしかりであったわけでございますが、五十二年度におきまして財源率ないしは掛金率を大幅に引き上げざるを得なくなった理由と申しますのは、前段申し上げましたような理由によるものでありますけれども、やはりそういう意味でこれに見合うだけの掛金率の引き上げというのは、課長も申しましたように、やむを得ないものがあったと思うわけであります。
 で、私どもといたしましては、そうは申しましても職員負担が著しく増加をいたしますことは、これはやはり大きな問題でございます。したがいまして、それぞれの組合におきまして、法定給付のみで財源率が千分の百を超えますような組合につきましては、これを千分の百でとどめまして、その足らざる分は一般会計で負担するというような緊急な措置を五十一年度にもとったところであります。
 当面の財政措置といたしましてはそういう措置をとったわけでありますが、私ども今後やはり一つには、当面医療費の増加を、何としてもこの急増を抑制すると申しましょうか、言葉は悪うございますが、乱診あるいは乱療というような事実があるといたしますれば、これを職員全体の問題として、この医療のあり方かかり方の問題について大いにPRもしなきゃならぬと思っております。あるいはまた、組合自身がそれらの自助努力もしてもらわなければならないと思っておるわけであります。と同時に、今後長期的な観点に立ちました場合、国におきましては医療制度の抜本的な見直しをするということでいろいろ検討し、あるいは審議会等でも御検討なさっておるような状況もございます。私ども、長期的にはこのような医療制度の抜本的な見直しに期待をしながら、当面の措置といたしましては、いま申しましたようなできます限りの措置をとって職員の負担の緩和に努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#167
○阿部憲一君 次に掛金率ですけれども、掛金率が千分の五十を超えている組合が多くなってきていると聞きますけれども、五十二年度、どれくらいの組合が千分の五十を超えているのか、御説明願いたいと思います。
#168
○説明員(桑名靖典君) 昭和五十三年度における財源率の設定に当たりまして、千分の百を超えた組合が市町村職員共済組合の中で八組合あるわけでございます。ただ、その中で、先ほども公務員部長が御答弁申し上げましたように、法定給付だけで千分の百を超えるいわゆる緊急の措置をとる対象になると思われる組合は、八組合のうち五組合がその対象になるのではなかろうかということでございます。
#169
○阿部憲一君 昨年、千分の五十を超えている組合に対しては特別交付税で臨時補助金のような形で措置がなされていますけれども、本年を含めて今後も同様な措置をなさるかどうかお伺いします。
#170
○政府委員(石見隆三君) 各市町村共済組合の五十二年度の財源率の設定に当たりましては、ただいま御答弁申し上げましたように、法定給付のみで千分の百を超えるところは千分の百にとどめるという緊急措置をとったわけでありまして、その足らぬ前はそれぞれの組合を構成しております市町村から一般的に補助金として交付をしていただくということにお願いをしておるわけであります。この補助金の裏打ち財源として、五十一年度は特別交付税でもってこれを見たわけでありますが、私どもといたしましては、やはり五十一年度、五十二年度引き続き厳しい状況にございますので、五十二年度につきましても、五十一年度にとりましたと同じように、この不足額につきましては特別交付税で見ていただきたいというふうに私どもの立場としては非常に強く念じておりまして、現在私の方、財政局とはこのことをいま相談をいたしておるところであります。財政局の方ではまだ最終結論は出しておりませんが、十分この辺の事情を理解して協力願えるものというふうに私ども確信をしておるところでございます。
#171
○阿部憲一君 この措置の法的根拠並びにどういう趣旨の支出に当たるのか、官民格差の議論が非常に盛んな折から、御説明を伺っておきたいと思います。
#172
○政府委員(石見隆三君) 短期につきましては、使用者でございます地方公共団体側といわゆる被用者でございます職員とが折半負担によってこれを維持するというのが制度本来のたてまえでありましょうし、あるいはまた、これは何分にも当該年度の医療費に要する財源として徴収するものでございますから、当該年度で収支の均衡はとれるというのが本来のたてまえであろうかと存ずるわけであります。したがいまして、医療費の増高等によりまして支出が非常に多くなりました場合には、当然それに見合った財源率を設定するというのが制度本来の趣旨であろうとは思いますけれども、とは申しましても、最近のような著しい掛金率の上昇というのは、やはり職員負担という面から見ますればこれは大きな問題があることも私は事実だと存ずるのであります。したがいまして、五十一年度、五十二年度はいわゆる緊急の措置としてこういう措置をとったわけでございます。事実上の措置としてこういう措置をとり、それに対してはそれぞれの地方団体から援助を願い、そしてまたこれは特別交付税でもってその裏打ちをしていただくということによってこれを処理しようといたしておるものでございます。
#173
○阿部憲一君 掛金率について考えますと、政管健保で保険料は千分の六十六から八十、組合健保で千分の三十から九十と範囲が決められております。これを組合員と事業主が折半するので、政管健保で最高が千分の四十、組合健保で千分の四十五となるわけですけれども、地方公務員の組合では千分の四十五以上の組合がほとんどであることを考えますと、公務員の場合も、民間との見合いで短期の掛金の最高限度を法律上明記することも必要ではないかと思われますけれども、この点についてはどうお考えですか。
#174
○説明員(桑名靖典君) ただいま御指摘がありました、それぞれの、組合管掌健保あるいは政府管掌健保の保険料の上限の問題でございますが、政府管掌健保におきましては現在千分の七十八でございます。それから健康保険組合における保険料の上限が千分の九十でございますが、それはさらに掛金の上限を設定いたしておりまして、掛金の上限が千分の四十と決められているわけでございます。御案内のように、政府管掌健康保険あるいは組合管掌の健康保険につきましては、標準報酬をもとにいたしておりますので、標準報酬と公務員の共済組合における給料との開きを勘案いたしますと、政府管掌健保における千分の七十八というものが、他の付加給付その他のことを勘案いたしますと千分の百十四・三、健康保険組合における保険料が千分の百十一・七ぐらいに相当するのではなかろうかというふうに考えております。
#175
○阿部憲一君 本年二月の国家公務員共済組合審議会では、共済と健保との官民格差の検討をすべきだと述べておりますけれども、地方公務員の共済の短期給付についてもやはり抜本的に検討すべき時期が来ているのじゃないかと思われますが、共済の短期給付と健保の格差についてはどのように考えておられますか。
#176
○政府委員(石見隆三君) 共済組合が行っております短期給付は、もう御案内のとおり、健康保険制度の代行的な役割りを果たしておるものでございます。そこで、共済組合制度はそういう意味では公務員に対しますいわば一種の職域保険でございますので、共済組合の短期給付の種類あるいはその健康保険制度におきます給付の種類とか程度よりも若干やはり高くなっておる、すなわち公務員共済の方が健保よりも、一律には比較はむずかしいのでございますが、若干高くなっておるということは事実だと思うわけであります。
 たとえば一例を申し上げますならば、配偶者の分娩費につきましては、健康保険では十万円となっておりますが、共済組合では給料の百分の七十で、最低保障は十万ということになっておりますから、必ず十万以上になるということになろうかと思います。あるいはまた家族埋葬料につきましても、健康保険は五万円ということになっておりますが、共済組合では給料の百分の七十、しかし最低保障額が正方ということになっておりますから、これも必ず五万を上回ることになる。その他休業手当金、弔慰金、家族弔慰金あるいは災害見舞金というようなものは、健康保険にはございませんけれども、共済組合にはそれらの制度があるというようなことを比較いたしますれば、この短期給付制度につきましても、やはりその共済組合の置かれております特殊な事情によりまして、健康保険よりも一般的にその内容等が改善されておるということは事実だと思うのであります。
 このように、健康保険制度と共済組合の短期給付制度との間には若干の差異があることは事実でございますけれども、これは健康保険制度においては保険料の上限が設けられておるというような財政的な理由によることもあろうかと思っておるわけでありまして、私ども、これをもって直ちにいわゆるよく言われます官民格差というようなものに当たりますかどうかは、これはまあ問題があろうかと思いますけれども、いずれにしても、事実としてはそういう状況になっておるということだと存じます。
#177
○阿部憲一君 健保では、五十三年度から抜本的な改革について検討をすると聞いておりますけれども、自治省としても、これらの動向を踏まえて、今後どのようなスケジュールでどのような方向に向けて改革するかという、そのおつもりがあるかどうか、お伺いします。
#178
○政府委員(石見隆三君) ただいまお示しにございましたように、健康保険制度の抜本的な改革、見直しにつきましては、昨年の十一月二十六日の社会保険審議会健保問題等懇談会におきまして、昭和五十三年度をめどとして健康保険制度の基本的な見直しをやるということで審議が始められておるところであります。ことしの秋には、五十三年度をめどとしてということになっておりますから、ことしの秋には、一応の結論と申しますか、基本的な物の考え方、見通し等についての意見を取りまとめられるということで、これらの審議会においては現在鋭意検討審議が進められておるというふうに私ども承っておるわけであります。
 共済組合の短期給付につきましては、ただいま申し上げましたように、これは健康保険の代行的な性格を持っておるわけでございますので、このような健康保険の抜本的な見直しというのは共済組合の短期給付にも大きな影響を当然及ぼしてくるということに相なりますので、私どもといたしましては、この懇談会におきますことしの秋をめどにして健保について出そうとしておられます御意見あるいはその見通し等について、私ども重大な関心を持っておるわけでありまして、結局はいま申し上げましたように、この懇談会におきます検討の審議等を見守りながら、いわゆる共済組合の短期のあり方につきましてはこれと並行して検討を進めてまいらなければならない、かように考えておるわけでございまして、いま直ちにこれをどうするかという結論を得るには至っておりませんが、ただいま申しましたような健康保険制度の抜本的な見直しの中で、この共済短期の問題につきましても当然検討を進めてまいらなければならないと、かように考えておるところでございます。
#179
○阿部憲一君 最後に、今回の年金の官民格差議論から、五十年八月に出されましたいわゆる今井メモがクローズアップされてきておりますけれども、これらの細部についてはいろいろ意見もあるところですけれども、共済年金が社会保障の役割りを持つものとして、所得再配分という観点から、掛金の基礎になっている給料の最高限度額の撤廃や、それから現職時の給料差を年金に反映させることの是正などは十分検討して取り入れるべきものと思いますけれども、この点について自治省のお考え方を承りたいと思います。
#180
○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘にございましたいわゆる今井メモと申しますものは、国家公務員共済組合審議会の会長でございます今井委員のいわば個人的な見解を明らかにされたものでございます。そしてその内容を参考としながら、現在、共済年金のあり方につきましてこの国家公務員共済制度審議会においていろいろ検討が進められておるところであります。
 この今井メモの内容でございますが、何分にも非常に詳細なものであり、むずかしい内容を含んでおるわけでありますが、要約して申し上げますれで、公務員年金制度を改正する目的というのは、より社会保障的に内容を組みかえるとともに、その労務管理的な役割りのうち現状に適応いたしますものはこれを確保しようという基本的な考え方のもとに、国家公務員あるいは地方公務員を通じましての共済年金制度の全般を見直すべきであるというような御趣旨であるというふうに私ども承るわけであります。
 このような国家公務員共済制度審議会におきましての今井メモを中心にいたしましての御審議というものがおいおい進んでおります。方万、地方公務員につきましては、この地方公務員の年金制度の基本的なあり方につきまして、この国家公務員共済制度審議会と並行しながら、自治大臣の諮問機関でございます地方公務員共済組合審議会におきまして、過去数回にわたって検討も進められております。私ども、この二つの審議会が並行して現在この今井メモ等を中心にしながら審議が進められておりますので、この審議会におきます審議の動向というようなものも十分うかがいながら、今後、国家公務員、地方公務員を通じましての共済年金制度のあり方について検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#181
○神谷信之助君 まず、市町村共済の短期の問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほどから議論になっておりますように、市町村共済の短期の会計が非常に困難な状態になっておるわけですが、五十一年度で財源率千分の百を超えたところ、これは何件ありますか。
#182
○説明員(桑名靖典君) 五十一年度で千分の百を超えたところが五組合でございます。五十一年度でございますか、五十二年度でございますか。
#183
○神谷信之助君 五十一年度。
#184
○説明員(桑名靖典君) 五十一年度で財源率の千分の百を財えた組合は、五組合でございます。
#185
○神谷信之助君 このうち、特交で特別の措置をしたのは何組合になりますか。
#186
○説明員(桑名靖典君) 特別措置をいたしましたのが二組合でございます。
#187
○神谷信之助君 特交での特別措置をやる基準ですね、これはどういうことになっておりますか。
#188
○説明員(桑名靖典君) 法定給付にかかる費用のみで千分の百を超える財源率を必要とする組合につきましては千分の百といたしまして、その不足額につきまして、関係の地方公共団体側の補助金で赤字を埋めるという取り扱いをいたしております。したがいまして、御質問のございました基準というのは、法定給付のみで千分の百を超える組合で、家族療養費等のいわゆる控除額を三千円としている組合が基準となっているわけでございます。
#189
○神谷信之助君 五十二年度の見通しはどのような状況ですか。
#190
○説明員(桑名靖典君) 五十二年度で、市町村職員共済組合の中で財源率が千分の百を超える組合が八組合あるわけでございますが、それらの組合のうちで、ただいま御指摘のありましたような緊急措置、いわゆる特別措置の対象になるであろうと思われる組合が五組合ございます。
#191
○神谷信之助君 五十二年度の場合、財源率を改正をしないで赤字決算を見込むというところがあと二つぐらいあるんじゃないですか。それを含めると十組合ぐらいが、実質上は千分の百を超えるという状態になるんじゃないかと思いますが、これはどうですか。
#192
○説明員(桑名靖典君) 財源率の設定に当たりましては、御案内のように短期給付における給付に要する費用は単年度で収支の均衡をとるというのが原則でございますので、単年度の赤字を組むということは考えておらないわけでございます。ただ、過去に発生をいたしました累積の赤字につきましては、五十二年度において解消するのが原則でございますけれども、余りにも多額の赤字を抱えている組合につきましては、それを二年ないし三年の複数年次で赤字を解消する措置をとった組合もございまして、二年間で赤字を解消する特例をとったところが五組合、三年で赤字を解消する措置をとったところが一組合ございます。
#193
○神谷信之助君 このように、千分の百を超える組合がだんだんふえてきているわけですが、その原因とその対策、どうお考えかという点についてお伺いしたいと思います。
#194
○政府委員(石見隆三君) 地方公務員共済組合の短期給付の財政事情は、ただいま課長の方から御説明を申し上げましたように、昭和四十九年度を境として、五十年度から非常に厳しい状況になってきておることは事実でございます。この原因と申しますのは、私どもといたしましては、やはりもろもろの事情が相重なってこのような事態に立ち至ったと思うのでございますが、やはり大きな理由といたしましては、一つは最近におきます医療費の急増でございます。先般新聞等でも御案内のとおり、国民総医療費が対前年度二割も伸びたというようなことが言われておるわけでありますが、短期経理につきましても、やはり医療費の増高というのが非常に財政圧迫の大きな原因になっておるということが一つだと思うのであります。
 もう一つの原因は、これまでのような公務員給与がきわめて大きい伸びを示しておりましたときにおきましては、共済組合の収入もきわめて順調であったわけでありますが、最近の厳しい財政事情その他を反映いたしまして、公務員の給与自体の伸びがかつてほど大きなものではないという結果、収入面におきましてきわめて厳しい状況になっておるというこの二つの原因が大きな理由だろうと、私ども感ずるわけであります。
 今後これについてどうするのかという御質問でございますが、私どもといたしましては、緊急な財政措置といたしましては、ただいま御答弁を申し上げましたように、五十一年度及び五十二年度につきましては、とりあえず掛金率が法定給付のみで千分の百を超えるような団体は、千分の百でとどめることによりまして職員の負担をこれ以上急増させることのないように措置をいたしておるわけであります。
 一方、私ども期待をいたしておりますのは、それぞれの組合におきまして、やはり――まあ言葉があるいは悪いかも存じませんけれども、もし乱診あるいは乱療というような事実がございますとしますならば、その点はそれぞれ職員の方々の自覚の問題として、ひとつこれらの医療費の増高についての防止についての御協力方をお願いしなきゃならないというふうに存じておるわけであります。
 現に、市町村職員共済を見ました場合でも、すでに法定給付のみで千分の百を超えるというような団体があります反面、いまだに掛金率が千分の七十程度でとどまっておるというふうな団体もあるのも事実であります。私どもといたしましては、なぜ同じような状況にある地方団体がこのような大きな差が出てくるのかということも一つの大きな私ども疑問点であり、問題点でございます。今後関係の団体なり、あるいは関係地方団体とも十分これらのことについて勉強会なり検討会を持ちまして、このような低い財源率で十分経理を賄い切っておられる団体にはそれ相応のやっぱり御努力があったというふうに私ども思うのでありまして、この辺も十分参考にしながらお互い勉強していきたいというふうに思っておりますと同時に、さらに長期的な観点に立ちましては、ただいま国におきましては医療制度の抜本的な見直しを近くやるべく、各種審議会等におきましていろいろ検討もなされておるようであります。私ども、やはりこの問題は単に共済組合の短期の問題にとどまりませず、健康保険制度全般にかかわります問題でもございますので、これらの審議会におきます医療制度の抜本的な見なおしというようなものにも十分期待をかけ、あるいはまた御審議の状況等も見ながら、長期的な観点に立っての対策を立てる必要があろうと、全体として申し上げますればそのような考え方に立っておるような状況でございます。
#195
○神谷信之助君 財源率が非常に高まってきているという大きな主、要な原因として、医療費の急激な増高と給与の伸びのアンバランスということを挙げられました。これは非常に大きな原因になっていると思うのですが、そこで厚生省の方にお伺いしますがね。まあいま、乱診乱療という問題もありましたが、医療費の増高自身単純にそれに結びつけて考えるわけにはいかないだろうと。国民の健康を守る上で、医療がよりよい医療に改造をされていくということは当然望ましいわけですが、この医療費の、年間二割ぐらいの伸びをしておるという、そういう報道もあるんですが、そういう伸びについて厚生省ではどういうようにお考えになっておりますか。まずこの点をお聞きしたいと思います。
#196
○説明員(三浦大助君) ついせんだって、五十年の国民医療費が発表になりまして、六兆四千億と、対前年度比二〇%増ということになってきておりますが、これはまあ私どもいろいろ伸びの原因をいま研究しているわけでございますけれども、五十年度には医療費改定がなかったわけでございます。なかったにかかわらず、その二〇%ふえたというのはどういうことなんだろう。で、これは前回の医療費改定が四十九年の十月にございまして、半年分でございますから、四十九年度を平年度化しまして、実際、じゃどのくらいふえたんだと申しますと、人口増分も一応減らして考えますと、約一〇%の自然増があるということになろうかと思います。これはまあ医療費改定のたびにいろいろ問題になる議論でございまして、じゃ自然増の一体中身というのは何だろうということでございますが、この中身につきましては、ともかく最近老人人口が非常にふえてきておる、したがって老人性の非常に経費を要する疾病が非常にふえておる、しかもこの疾病は非常に長期にわたって治療を要するというのが、一つの医療費がふえてくる今後の大きな原因になってくるのじゃないかというふうに考えております。
 それからもう一つは、かなり医療が高度化してまいりまして、特に最近は脳の手術、それから心臓手術等もかなりたくさん行われるようになりました。それだけ非常に人命が延びておるわけでございますけれども、その医療技術が非常に高度化してきた。今後もさらに高度化していくということも、医療費を今後ますます伸ばしていく大きな原因であると。さらに、また薬学の進歩ということもございまして、この十年間に新しい薬が三百六十種類ぐらい出ておるわけでございます。これによって非常に助かっている患者さんも片方でたくさんあるということも事実でございます。
 また、大きく医療費が今後伸びていく原因といたしましては、医者と看護婦の人口が非常にふえている。ことに最近医学部の入学定員がものすごくふえてまいりました。私ども仮に計算いたしますと、昭和四十九年から五十年にかけて医学部の卒業生が約四千人ふえております。それらの四千人の人たちが病院に配属されますと、一人前の医者として、病院の経営という問題がございますからして、やはりかせがなきゃならぬ――言葉は悪いですけれども、という問題がございまして、この四千人が仮に四十九年度医師一人の所得分をかせぐとしますと、それだけでもう約三%の医療費増につながっていくという問題がございます。そういう医療供給体制の整備ということがかえってまた需要も換起するということもございまして、かなり毎年毎年この自然増ということはある程度今後見込んでいかなきゃならぬのじゃないかというふうに考えております。
#197
○神谷信之助君 五十年度の医療費の二〇%の伸びが、いろいろ捨象していけば自然増として一〇%程度と、こうなってきますと、最近は給与の、賃金の上界率も一〇%台を割っていますから、この問題を解決しないと、これは財源率を下げるということはできないわけで、ますますアンバランスが出てきますね。
 その問題はちょっと後でまたやりますが、特に厚生省もう一点お聞きしておきたいんですが、報道によりますと、例の薬づけ医療の問題ですね、これが盛んに最近言われています。特に、いわゆる医療機関に保険で支払われる薬代、この薬価基準に比べて実際に薬品がはるかに安く流通していると、それが指摘をされているわけですね。こういう実態が一方ではあると。しかも実際にはそういう薬価基準を下回る価格で薬が流通をしながら、一方製薬会社の方は、大正製薬を筆頭にして、大小ありますから一概に全部が全部だと言えませんが、非常に利潤を上げている、利益を上げていると。最近は薬九層倍以上に収益が上がるという問題がありますね。この薬代というのが医療費の大体四割ぐらいを占めるという話でありますから、ここのところにメスを入れるということも非常に重要な問題ではないかと思うのですが、この辺については厚生省どういうようにお考えですか。
#198
○説明員(三浦大助君) ただいまのお話ですが、薬価基準価格と薬の市場の実勢価格との間にかなり乖離があるということは、しばしば御指摘をいただくわけでございます。これにつきましては、中央社会保険医療協議会というのがございまして、ここで毎年一回薬価基準の調査をしましょう、それによって適正な薬価を定めていきましょうと、こういう御意見をいただいておるわけでございます。これに基づきましていままで薬価基準の価格の適正化を図ってきたわけでございますが、次回の薬価基準の全面改正に際しましては、これをさらに銘柄別に細かくひとつ修正していこうということで現在作業を進めておりますので、次回はいままでよりもかなり実勢価格に近づいてくるのじゃないかというふうに私ども期待しておるわけでございます。
#199
○神谷信之助君 これはいずれにしても薬代を一割下げることができれば、年間の健保の赤字は十分解消できるという状況にあるわけですから、この辺はひとつメスを入れてもらわないと、これは共済組合の方でいかに掛金を引き下げていっても切りがない状況になってきますから、この点ひとつ厚生省の方に特にお願いしておきたいと思います。厚生省関係これで結構です。どうもありがとうございました。その問題が非常に大きいわけです。
 そこで、それはそれとしまして、京都の市町村共済組合で、組合員の給料と一人当たりの医療費の推移というのを調査して見ているわけですね。これを見ますと、四十八年ぐらいは給料の方が一七・五%伸びていますが、医療費の方は一二・七%の伸び、前年比で。ですから、給料の方の伸びが大きかったんですね。四十九年以降が医療費が急激に増加をする、そうしてそれに応じて組合員の平均給料月額の伸びはそれをずっと下回るという状況がこの五十二年度までずっと続いてきました。したがって、財源率をずっと上げざるを得ないということになります。したがって、長期を合わせますと給料の一割ぐらいが掛金になってくるという状況になっているのです。
 そこで、その財源率の負担の問題ですがね。現在は市町村と組合員とで半々の、折半負担になっていますね。現在の共済制度発足前の、旧の市町村共済、この時期の負担率は一体どうであったのかという点はいかがでしょう。
#200
○説明員(桑名靖典君) 全国平均で財源率が七九・二となっております。
#201
○神谷信之助君 財源率が七九・二ですね。
 それから掛金率と負担金率、これはどうですか。
#202
○説明員(桑名靖典君) 掛金率が二九・三、負担金率が四九・九と、こうなっております。
#203
○神谷信之助君 したがって、この七九・二に対する比率がそういう状況ですから、百分比でしますと大体三・七対六・三と、おおむねそういう数字になっています。ですから、旧の市町村共済組合の時期は組合員の負担は三・七、そして市町村負担が六・三と、そういう状況だったんですね。
 それからもう一つお聞きしたいと思うのですが、健康保険、こういう制度で、外国の例ですが、折半負担をしている国というのは多いのか、少ないのか。大体外国の方ではどういう状況になっていますか。
#204
○政府委員(石見隆三君) 諸外国でどういう負担率になっておるかということにつきましては、残念ながら私ども詳細承知をいたしておりません。もともと、単に共済制度だけでなくして、保険制度全体を通じて、諸外国とわが国とがどうなっておるかというところから、したがって、その中身としてどのような負担率になっておるのかというところも探ってまいらなければならないと思っております。この点につきましては、私どもといたしましても関係の団体とも一緒になりまして、ただいまいろいろ国内におきます資料等調査をいたしております。あるいはまた、状況によりましては諸外国の実態についてこの秋以降調査をしたいということで、いま検討をいたしておりますけれども、残念ながら手もとに資料を持っておりません。
#205
○神谷信之助君 ヨーロッパの諸国で折半の制度をやっているのはたしか二カ国ぐらいありますね。あとは三対七もしくは四対六とか、そういう負担率で労働者の負担をできるだけ少なくするという仕組みで運営をしているというのが実情です。
 そこでもう一つは、この新共済制度ができましたときに、すぐ単独の共済健康保険組合をつくりました。で、同じこの市町村の健康保険組合ですね、これで見ますと、掛金と負担金との区分を見ますと、負担金の方で五五・八、それから掛金の方で二五・六で、平均の財源率が八一・四、したがって、全体として見ますと、掛金と負担金の比率は三対七という状況になっていますね。だから、そういう市町村で単独の健康保険組合をつくれば、組合員の負担、労働者の負担を軽減をして、市町村の方でその負担を多くするということが可能でそういう措置がやられておりますが、この共済組合に入ったおかげで、半々、折半負担と、しかも財源率が高くなるにつれて組合員に対する負担が先ほど言いましたように大きくなってくるという問題があると思うのです。したがって、ここに国庫補助制度を導入するという、この問題解消のために国庫補助制度を導入するという考えはないかどうか、この点についてお聞きしたい。
#206
○政府委員(石見隆三君) 確かにただいま先生御指摘ございましたように、いわゆる都市単独でやっております都市職員健保組合におきます負担の状況を私どもも調査をいたしました結果では、五十一年九月現在では事業主が六八・五、被保険者が三一・五ということで、おおむね七、三に近い割合になっておることは事実でございます。この点につきましては、私どもといたしましては、もともとこの共済組合の短期給付と申しますのは、社会保険制度の一環として設けられておるものでございまして、その負担は、本来、使用者でございます地方団体と被用者でございます職員が折半で負担をするというのがたてまえであろうというふうに存ずるわけであります。
 そこで、ただいま御質問にございましたように、短期給付にいわゆる公的負担を導入することいかんという問題指摘でございましたわけでございますが、御案内のとおり、政管健保につきましては、昭和四十八年度の健康保険制度の改正に際しまして、保険財政の危機に対処いたしましてその健全化を図るというところから、その給付に要する費用の一部として、従来の定額補助にかえまして、標準報酬総額の一〇%の定率の国庫補助の制度が導入されましたことは御案内のとおりでございます。
 そこで、これと共済組合との比較になるわけでございますが、政管健保の保険料率は、現在千分の七十八ということになっております。片方いわゆる組合健保におきましては、その上限が千分の九十ということになっておりまして、そのうち被保険者の負担は、千分の四十ということに相なっておるわけでございますが、これらの健康保険制度におきます保険料率をいわば共済組合の財源率に直ちに引き直して比べてみるということは、諸般の状況がもろもろでございますので、面接的な比較は困難でございますが、一つには、何と申しましても健康保険の保険料率というのが標準報酬というものを基礎にいたしておる、これに対して共済の場合には給料月額というものを基礎にしておるという点が、第一点、非常に大きな違いがあろうかと思っております。第三点は、給付内容におきましても、共済組合の方が法定給付の範囲が広くなっておるということもあろうかと存じます。第三点といたしましては、付加給付の給付内容の相違あるいは給付水準というものにも、これやはり健保と共済組合との差があるわけであります。
 したがいまして、直ちに比較をいたしますことは困難といたしましても、これらの点を総合的に勘案をいたしまして、これを共済組合の財源率に仮に引き直して計算をいたしますと、政管健保におきましては、現在の千分の七十八というのは実質的には千分の百十四程度になっておるんではないだろうか。組合管掌健保におきましては、千分の九十というのはこれまた実質的には百十一程度となっておりまして、先ほども御答弁申し上げましたように、現在の地方公務員共済組合の中の財源率の最高は徳島県の市町村共済でございますが、ここでは千分の百八ということに相なっております。これらを見ました場合、一番高いところでも徳島の千分の百八に対しまして政管健保では千分の百十四程度、組合健保では千分の百十一程度ということになりまして、地方公務員共済組合の組合員が、政管健保なりあるいは組合健保の加入者に比しまして負担が重くなっておるという状況にはまだ立ち至っているとは言いにくいのではないかというふうに存じておるわけであります。そういう観点から見ましても、いま直ちに地方公務員、国家公務員を通じましてこの共済組合短期経理につきまして国庫補助の導入を図るということは、若干問題があるのではないかというふうにも存じておるわけであります。
 しかし、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、最近の情勢を踏まえまして、公務員共済の短期給付の財源率が上がってきておりますことも事実であります。そこで先ほどからも申し上げておりますように、これを千分の百にとどめるというふうな措置をとりまして、究極的な対応をいたしておるというのが実態でございます。
#207
○神谷信之助君 いろいろおっしゃいましたが、特に市町村共済の場合は、市町村健保とどうしても同じ条件ですからそこに目がいきますわね。これは千分の四十が上限になっている。したがって、市町村共済でも短期掛金率の上限を千分の四十五としてほしい、してもらいたいということで試算をしていますわね、試算をね。こういう点に
 ついては一体どういうようにお考えですか。
#208
○政府委員(石見隆三君) 先ほど来いろいろ御指摘、御質問を賜っておりますように、最近の地方公務員共済の短期給付の財政事情は非常に悪化し
 てきておるわけでございまして、このために昭和五十一年度、さらに引き続きまして五十二年度におきましては、法定給付だけで千分の百を超えます組合につきましてはそれを千分の百にとどめる、すなわち、職員負担については千分の五十にとどめるという措置をいたして、職員の負担の急激な増加を食いとめておるという状況でございます。
 私どもが財源率で千分の百、すなわち掛金率に置き直しまして千分の五十という数値を一つのめどといたしました理由といたしましては、一つには組合健保におきます被保険者の掛金率の上限が、御案内のとおり千分の四十ということに相なっております。したがいまして、先ほども御答弁申し上げましたように、健保におきましては標準報酬といいますものをとっております関係上、それの中にはいわゆる単なる基本給だけではなくしていろんな諸手当が入っております、それを含めての千分の四十でございます。ところが一方地方公務員の場合には、給料、基本給のみをとっておりますので、その間の差というものをはじきかえますと、大体千分の五十ということで共済組合をセットいたしますことは、ほぼ健保の千分の四十に見合うのではないか。すなわち、大体付加給付の割合というものを置きかえますれば、千分の五十というところが一つのめどではないかと、これによって組合健保あるいは政管健保、民間とのバランスというものもほぼ十分とれておるんではないかという点が第一点でございます。
 もう一点は、同じく地方公務員の短期給付は、国家公務員の短期給付とその趣旨、制度の内容を全く同じにいたしておるわけでありますが、国家公務員につきましても、最近の情勢を反映いたしまして、掛金率が非常に上がってまいっております。そこで、国におきましては昭和五十二年度から、私どもは五十一年度から実施したわけでございますが、国におきましては五十二年度から、地方と同じように、掛金率が千分の五十を超えるところは千分の五十にとどめるという措置を新たにとられたわけであります。これが該当いたしますものは林野共済のようでありまして、林野共済でことしは財源率で千分の百、掛金率で千分の五十を超えるところはそれにとどめて、その不足分一億八千万円を国庫で援助するという措置をとられたわけであります。このように、一つにはやはり国家公務員とのバランスということを見まして千分の五十ということにいたしておるわけであります。
 なお、ただいまお示しにございましたように、市町村共済組合からは、これを千分の九十、すなわち掛金率にして千分の四十五にしてほしいという御要望もあることは承知いたしております。と同時に、また千分の四十五の根拠と申しますか、を挙げておられることも私ども承知をいたしております。ただ、この市町村共済組合でおつくりになりましたこの資料に反論する意味ではございませんが、あえて申し上げさしていただきますれば、このおつくりになりました資料によりますれば、なるほど千分の四十五という数字が出ておりますが、この中身には私ども非常に問題点が含まれておるというふうに言わざるを得ないと思うのであります。まことに反論いたすようで恐縮でございますが、一つには、同じ地方公務員共済でありながら、このおつくりになりました資料の中では県の職員を外しておられて、市町村の職員のみをとらえておられるという点が第一点。しかし、これはやはり地方公務員共済でございますので、県の職員を外して計算するというのは、これまたいかがなものかという点が一点あろうかと思います。
 もう一点は、この中には政令市を外しておられます。これも問題であろうと思っております。
 それから、給料に対する、いわゆる給料総額の比率、すなわち手当を含めましての算定に当たりまして、この資料では一般行政職のみを使っておられます。しかし、地共済に入っておりますのは何も一般行政職のみではございませんで、税務職員、看護職員、消防職員、企業職員、すべてこれに入っておりますので、これを外してしまいますと、この数字が厚生費で約半分ぐらいになっておる。もろもろ、私どもといたしましては若干数個のとり方について疑問を持っておるわけであります。
 しかし、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、地方公務員のこの短期の財源率が上がっていくということは非常に大きな負担の問題を伴っておりますので、今後とももちろんこの資料等も十分検討をさしていただき、いろんな角度から検討は続けてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
#209
○神谷信之助君 そうおっしゃいますが、いままで法定内の基準で千分の百を越えるところについては五十一年度から特交措置をしてきている。五十三年度も引き続いてやるということで財政局と折衝中だというお話が先ほどありましたが、ただことしの四月十五日の自治日報で、石元さんが、自治省の招集した人事委員会の事務局長会議で説明をなさった中に、この千分の百という率、これを近く引き下げる必要があろうというようにお話しになったように記事が出ておるのですがね。いわゆる職員共済組合が短期給付の問題として、先ほどからおっしゃっておるように、医療費の急増と、それから給料が上がらないということで歳入が減ってきて、そして百五十億円の赤字が予想されている。千分の百を超した分については財政措置をしているが、全団体で五十一年には千分の七一・六にまで高まっている。このままでは支払いができなくなるおそれもあるので、千分の百という率を近く引き下げる必要があろうというようなお話をなさったように自治日報では報道されているのですが、この点はどうですか。
#210
○政府委員(石見隆三君) 私、全国人事委員会事務局長会議におきまして、現在当面しております県職員で構成しております地方公務員共済組合の現状を御説明をし、そして容易ならざる事態に来ておるということを御説明をしたわけでございまして、ところが、ただいま先生お示しのような記事が出たわけであります。私ども、その記事を見て私自身びっくりをいたしましたわけでありまして、私、そういうことを申し上げたことはさらさらないわけでありまして、その記事は、私といたしましては記者の方が何らかお話を取り違えておられるのではないかというふうに存じておるところでございます。
 ただ、現在、いま申しましたように、県の人事委員会でございましたので、県の職員が構成しております地方職員共済組合におきましては千分の七一・六という財源率になっておりますが、これでは約百億を超える赤字がことしは出てしまうということになるわけでありまして、こういうことにつきましては容易ならざる事態であり、この財源率は、収支の均衡を保つためには引き上げざるを得ないという事態になっておるという現状を御説明したつもりでございます。
#211
○神谷信之助君 そうすると、千分の百の問題は、これは下げるというところまではいまは考えていないということですね。
#212
○政府委員(石見隆三君) いま申し上げましたように、地共済につきましては、千分の七一・六ではとうていこれはもう収支の均衡はとれないと同時に、千分の百ということは、市町村共済、地共済全体を通じまして、千分の百でとどめたいということは五十二年度も引き続きやりたいということを御説明申し上げたのがどうもちゃんぽんになっておるようでございますが、いま申し上げましたように、私どもといたしましては、五十一年度に引き続き、五十二年度につきましても千分の百という財源率でやってまいりたい、なお今後の推移も十分見たいというふうに存じておる次第でございます。
#213
○神谷信之助君 五十三年度の措置は自治省内部でまだ折衝中だということですか。
#214
○政府委員(石見隆三君) 私ども、現在の段階におきましては、五十二年度分につきまして千分の百でとどめ、そしてこれの足らぬ前は特別交付税で見ていただきたいということをただいま財政局長とは強くお願いをしておるという状態でございまして、五十三年度、すなわち来年四月以降の分につきましては、まだどうするかということは全体として具体的な対策を立てるに至っておらない状況でございます。先ほどから申し上げておりますのは、五十二年度の措置について御答弁申し上げておる次第でございます。
#215
○神谷信之助君 では、大臣にお聞きしますが、いま事務当局の方で、財政局とそれから公務員部の方で折衝中ですから、いまの段階で大臣が軽々には言えないかもしれませんが、五十一年度からは千分の百を超えた分については特交で財政措置をするという制度、これは始まっていると。五十二年度もそうしてもらいたいというのがいまの石見さんの答弁です。国家公務員共済の方も千分の百のところで抑える、それ以上超える部分については国庫を導入するという措置がとられておるわけですから、これは当然五十二年度以降も引き続いてそういう措置をとらざるを得ないと思いますが、その点についての大臣のひとつ見解をお聞きしておきたいと思います。
#216
○国務大臣(小川平二君) この点につきましては、かねてから財政局長が御趣旨のような方向で折衝をすでにいたしておるわけであります。
#217
○神谷信之助君 その次の問題は、その財源措置をするのは、法定の給付内容というか、それに伴ってのその範囲だということですね。で、先ほどの説明の中で、その中で付加給付について、特に家族医療費の基礎控除について三千円足切りをするという方向、これはそれを含めているのか。それをずっとこれからそうするように指導をされているということになるのか、この問題と、それから、なぜ三千円で足切りをするのかという点についてのその根拠ですね、これについてお聞きしたいと思います。
#218
○政府委員(石見隆三君) 家族療養費の付加給付の、ただいま先生お示しにございましたいわゆる基礎控除につきましては、これはもとより当然のことながら、各地方、各共済組合が自主的に御決定なさるというものであることは私ども当然だろうと思っておるわけであります。しかしながら、先ほどからも議論がございましたように、昨今の医療保険財政の実態から見ますれば、これは何としてもやはり自助努力の中で精いっぱいの努力をしていかなければならないと考えます限りにおきましては、その健全化を図りますために、家族療養費の付加給付の基礎控除を引き上げていくということはもうやむを得ない措置ではないかというふうに私ども存ずるわけであります。
 このことは、もういまさら申し上げるまでもないわけでありますが、一つは、やはり何と申しますか、基礎控除を上げることによりまして、やはりそれぞれ医療給付を受けられます場合の職員の方々にひとつその辺の認識を深めていただくということ、さらにはまた、それを通じまして組合の財政の健全化を図っていくというねらいを持っているわけであります。
 国家公務員共済におきましては、非常にそれぞれの組合につきましてこの付加給付の基礎控除額がばらつきがございまして、低いところは数百円から高いところは一万円近い額にまで散らばっておるわけであります。
 私ども地方の市町村共済、地方公務員共済におきましては、このように短期経理の、先ほどから御説明申し上げておりますように、千分の百、一応それを超えるものは千分の百にとどめて、その分について特別な財政援助をするというような緊急措置の対象となる共済組合の家族療養費の基礎控除については、御指摘のように三千円というものをめどにして全国的な指導をしてまいっておるわけであります。したがって、このような緊急措置の適用のないところにつきましては、これはもとよりそれぞれの団体によってお決めになることが当然のことでありますが、私どもは、やはりこのような公的な負担によって緊急措置をとろうとする限りは、そのような緊急措置を受けない組合とのバランスという面から見ますれば、やはりある一定の線を引いてこれを設定して、その条件に該当する組合に対して援助をするというのがより合理的ではないかという観点から、いま申しましたような緊急措置をとられる団体についてのみ三千円というような御指導をいたしておるところであります。
 その結果、市町村職員共済組合で見ました場合、五十二年度でこの足切りを五百円といたしております組合が十組合、千円としておりますものが二十組合、二千円としておりますものが七組合、三千円としておりますものが八組合というふうな状況になっておるわけであります。
 この三千円と申しますのも、そういう意味での一つのねらいといたしましてはいま申しましたような点があるわけでありますが、今後医療費の伸びの動向でございますとか、あるいは健康保険制度の改正の動向等を見まして、この三千円が適正妥当かどうかということはなお今後とも検討していかなければならないと考えておりますが、とりあえずの緊急措置として三千円ということを一応設定した次第でございます。
#219
○神谷信之助君 これは、まあ市町村共済の短期の会計の事情から三千円の足切りを指導されておるということなんですが、私はその会計状況からだけでこの問題は単純に扱うことはできないというように思うんです。
 京都で調べてみますと、京都は足切りは五百円です。仮にこれを千円に引き上げますと、給付件数で二千七百七十四件の減、それから組合員の負担は二千四百八十一万六千円の増ということになります。それで、さらにこれを三千円まで引き上げますと、これはもっと多くなるわけですね。で、御承知のように、一人一カ月一件当たりの足切りですから、家族の一人が一カ月に一万円以上の医療、大体そうなったら三割ですかち三千円を超えると、それでやっと対象になるというんですね。ですから一カ月一万円以上、家族が何人かおると、それが家族一人で一カ月一万円以上の医療費という、まあ相当重いというか、大きいというか、そういうひどい病気になった場合に対象になるけれども、いわゆるそういう重い病気になる前に、病気の軽い間に医者にかかって、重くひどくならないように早く健康回復をするという措置がこの医療保険制度の一つの重要な柱ですわね。ところがその点をどんどんやっていくということになりますと、事実上の受診抑制になってきて、そうして軽い病気のときにはしんぼうしてしまう。重い病気になってからやっとかかるということになって、医療保険制度の根本自身が崩壊をするというこれは重大問題なんです。私はそういうふうに思うんですね。ですから、これは単純に、おまえのところは赤字で困っているんだから、財源率が高くなってきているんだから、千分の百を超えればそうすると国の措置を受けるんだから、だからそういうところは三千円に引き上げろというように単純にこれをやるのは、私は大変な問題があると思うんですよ。だから、医療保険制度そのものを、どうしてその財源を保障するかという問題は問題として考えないと、やっぱり病気は早く医者にかかって軽い間に早く健康を回復すると。いままで従来日本人の死亡年齢がどんどん高まってきたのは、やっぱりそういう保険制度で軽い病気で早く治して、そうすることによって寿命が延びてきているという側面もあるわけですね。ですから、この辺はちょっと単純にそういう自治省の方が単にお金の問題からだけでこういう足切りをどんどん引き上げていくというのは、私は大変な問題があるのじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
#220
○政府委員(石見隆三君) 確かに御指摘をいただきましたように、この足切り率の引き上げ、この額の設定を単なる財政問題だけとして処理をいたしますことは、先生御指摘のとおり、私ども大変な大きな問題を含むということは十分理解いたすものでございます。
 いま申されましたように、この足切り率の引き上げが職員の受診のあるいは支障になり、さらにはまた健康管理に支障を生ずるというようなことになりますれば、これはもう健康保険制度自身にかかわってくる問題になろうかというふうにも存ずるわけであります。私ども、この辺のことは十分考えながら、承知をしてこの問題に対処をしなければならないというふうに御指摘のとおり理解をいたすものでございます。
 ただ、趣旨として申し上げておりますのは、先ほどから申し上げておりますように、もとよりこの足切り率を幾らにするかは、地方団体のそれぞれの実態に応じた自主的な御判断ということに相なろうかと存じますけれども、一つには、先ほどから申し上げておりますように、特別な公的資金を入れてでも財政援助措置をとります限り、どこかでやはり線を引いて、そのような財政援助を受けない団体とのバランスと申しますか、均衡も図らなきゃならないという問題もございまして、一応三千円ということをめどにして設けたわけでございます。
 この点につきましては、一つには三千円に足切りをいたしましても、先生御案内のとおり、各地方団体では今度は互助会というものが一方ではございまして、そこからのまた職員に対する財政負担、援助というようなこととの兼ね合いも出てまいっておるわけであります。私ども、そのこと自身がいいか悪いか直ちにここで判断をいたす材料を持ち合わせておりませんけれども、このような状況の中で、一つには、あるいはまた先ほどお示しがございましたように、一人一カ月一件というのではなくして、一家族当たり幾らというふうなセットの仕方も今後私は一つの大きな検討課題だろうと思っております。
 いずれにいたしましても、先生御指摘にございましたような、この医療保険制度の支障になるような、あるいはその制度を逆に進めるようなことに相なっては趣旨本末転倒いたすものでございますので、その辺は今後とも十分注意しなければならないというふうに存じております。で、今後もちろん地方団体におきましては、それぞれが共済組合等と一緒になりまして、健康管理につきまして、早期受診等についていろいろと検討もなさっておるようであります。私ども関係団体と一緒になりまして、その辺の条件を踏まえて、今後ともこの額をどうしていくのかということは全体的な中で十分御趣旨も踏まえて検討していかなければならないものであろうというふうに考えておる次第でございます。
#221
○神谷信之助君 あと、もう時間がありませんから、問題だけ出しておきますが、それは一つは、この千分の百を超えた部分については交付税措置をしておるという問題。それから長期の分について、これも同じように交付税措置をしているという問題。これはしばしば問題にしておりますから、問題の提起だけをしておきますが、もう時間がありませんからあと議論しません。これは特定財源化するという問題として私どもは重要な問題があるというように思うのです。
 もう一つは、地方職員共済組合などに対する天下りの問題ですね。退職及び休職の自治省の方々が出向あるいは天下りされている問題。これは人事規制の一一−四ですか、これから言っても問題があるという点は、すでに五十年の五月に衆議院でわが党の林議員が問題にし、指摘をしています。当時、もうすでに十年もたって相当組織としても充実をしたと思いますから、今後のあり方については、指摘のような趣旨を含めて検討しなければならぬという答弁をなさっております、当時の公務員部長が。五十年の五月当時は九人の人が退職もしくは休職して地共済その他に出ておられます。現在、いまもなお八名出ておられるわけですね。ですから、指摘をされて、そういうように当時の公務員部長が御答弁なさっているけれども、いまだにこれは改善をされていません。この問題についてもきょうは議論をしたかったわけでありますが、もう時間がありませんから指摘をするだけにとどめて、ひとつこれらの問題について一応の御答弁だけ聞いておきたいと思います。
#222
○政府委員(石見隆三君) 地方職員共済組合に自治省の職員を休職をいたしまして勤務をさしておるという事実は、御指摘のとおりでございます。現在、地共済にこのように国の職員が国家公務員の身分を持ちながら休職扱いをして勤務をいたしておりますのは、先生御案内のとおり、人事院規則の定めるところによって行われておるわけでございますが、その人事院の規則には、やはりその業務が臨時的な場合につきまして、その必要とする限りはこのような道が規則によって開かれておるという規定に基づいて行っておるわけであります。しかし、御指摘のように、地方公務員共済組合も、新しくできまして以後もう十数年を経過しておるわけであります。地方公務員共済独自に採用された職員も徐々に育ってきておるということも事実であります。一方、しかしながら、なおこの共済業務と申しますのはきわめて技術的な面も多いわけでありまして、ある意味では専門的な知識、技能を持った職員をまだ必要としておられる向きがあることも事実であります。このような中で、私どもといたしましては、どんどん育ってきております職員がしかるべく伸びていくということは十分期待をしなきゃならぬところでありまして、現在でも課長クラス全体七名の中で、地方公務員共済組合独自で採用された方が二人すでに課長に就任しておられるというような実績もあるわけでありまして、私どもこのような今後の地方公務員共済組合が円滑な運営が行われますように、人事面その他諸般を通じて十分御協力もし、努力もしてまいりたいというふうに存じておる次第でございます。
#223
○委員長(高橋邦雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#225
○委員長(高橋邦雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 夏目君から発言を求められておりますので、これを許します。夏目君。
#226
○夏目忠雄君 私は、ただいま可決されました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブの各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、地方公務員共済制度の現状にかんがみ、次の諸点について善処すべきである。
一、年金の賃金スライド制を法制化するとともに、その改定は公務員の給与改定時期にあわせるよう特段の配慮をすること。
二、共済組合の給付に要する費用について、公的負担の拡充を図るとともに負担区分のあり方について検討すること。
三、長期給付の財源方式については、賦課方式の採用を含めて検討すること。
四、退職年金等の最低保障額について、引き続きその引上げを図ること。
五、遺族年金の給付水準については、七〇%にするよう法律上の措置を講ずること。
六、年金額の算定の基礎となる給料を退職時の給料とするよう検討すること。
七、老齢者に対する給付について、更に充実するよう努めること。
八、高額所得者に対する年金支給のあり方について、慎重に検討すること。
九、短期給付の水準について一層の充実を図るとともに、短期給付の掛金の負担について、その負担能力等を十分考慮し、健康保険等の諸制度との均衡を失しないよう配慮すること。
十、地方議会議員の年金制度について、その充実改善を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
#227
○委員長(高橋邦雄君) ただいま夏目君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#228
○委員長(高橋邦雄君) 全会一致と認めます。よって、夏目君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小川自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小川自治大臣。
#229
○国務大臣(小川平二君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
#230
○委員長(高橋邦雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#232
○委員長(高橋邦雄君) 次に、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院地方行政委員長代理木村武千代君。
#233
○衆議院議員(木村武千代君) 地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由の説明をさせていただきます。
 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明を申し上げます。
 まず、この法律案を立案しました理由を述べますと、本案は、特別区の特殊性とその現状にかんがみ、都の議会の議員の定数増加についての特例措置の人口基準を緩和しようとするものであります。
 改めまして申し上げるまでもなく、都議会議員の定数につきましては、昭和四十四年の地方自治法の改正により、道府県議会議員の定限百二十人に特別区の存する区域の人口を百五十万人で除して得た数を限度として、条例でこれを百三十人まで増加することができる特例措置が設けられております。
 ところで、都は、首都として、また世界に類を見ない巨大都市として山積する都市問題を初め、特別な行政需要を抱えているほか、地方自治制度上、他府県にはない特別区という特殊な制度があり、その区域を一体として大都市行政を担ってきております。大都市行政につきましては、昭和四十九年の地方自治法の改正により、昭和五十年から特別区は、一般の市とほぼ同等の事務を処理することを原則として、特別区に移管されることとなりましたが、現実には、特別区の実情に応じて種々の特例が設けられており、一般市の事務のうち下水道、廃棄物の処理及び清掃、消防など特別区では処理が困難であり、あるいは多大の数量的処理を要求される事務については依然として都に留保されている状況であります。
 このように、大都市行政需要は、質的に複雑、高度化するとともに、量的にも急激に増大の一途をたどっております。他方、特別区の区域の常住人口は、都心部を中心として減少してきておりまして、今日、両者の間の不均衡は、昭和四十四年の改正で第九十条第二項が設けられた当時よりも一層顕著になっております。
 したがいまして、同条を特別区の特殊性に照応するようにするためには、その立法趣旨を生かし、現行の人口基準を緩和する必要があるのであります。
 次に、本案の内容について御説明を申し上げます。
 都議会議員の定数については、特別区の存する区域の人口を百万人で除して得た数を限度として、百三十人の定限の範囲内で、条例で百二十人を超えて増加することができるものとしております。
 以上が、この法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。
 この法律案は、衆議院におきまして、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの各党の合意のもとに成案を得まして、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会の提出に係る法律案として提案し、全会一致をもって衆議院を通過いたしたものであります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
 以上、終わります。
#234
○委員長(高橋邦雄君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#235
○市川房枝君 提案者の方にお伺いしたいと思います。
 この改正案で、いままで特別区の人口百五十万人基準になっておったのを百万人にお抑えになりましたね。一体百五十万人とか百万人とかという数字は一体どこから来ているのか。これは、実はこの法律を四十四年に、いま御説明があったように新しく設けられたのですね。そのときに私伺ったんですけれども、やっぱりどうしても納得できなかったのですが、どういうふうにお考えになりますか。
#236
○衆議院議員(木村武千代君) これは、このままの状態で置きましたら――これは東京都の都議会の方で問題になりまして、やはりこのままの状態では減数をせにゃいかぬところの区ができてくるわけなんです。たとえば千代田区のような区では一名、定数を改正しますと減る区が出てくるわけです。そうしますと、せっかく持っておるところの議員の数を減らすということは区民にとっては耐えがたいことでございます。そうすると、減らさないで、そして人口のふえたところの定数増加をいたすにはどうしたらいいかと言いますと、どうしても百五十万人にしておくよりも、やはりそれをもう少し緩和しましてそしてやらなければならぬ、こういうわけです。緩和するところの数字がどの程度でいいかと申しますと、大体、自治法では百三十名以内になっておるわけです。百三十名以内で、そして、この都議会の方で要求するところの人数を合わすにはどのような数字が一番いいかと申しますと、やっぱり百万人にすれば大体それに適合するのじゃないかということでございまして、百万人になりましたらどうなるかと申しますと、百二十八名になるわけですよ、百二十八名に。それで大体、百二十八名というところの以下で、大体実際は百二十七名ぐらいのところで定数が実施できますのですが、百万人にしたら大体百二十八名になるんです。一名だけ余分にできるわけなんです。大体百万というのは、そういう数字の関係から一番適当でないかということで百万にいたしたような次第でございます。
#237
○市川房枝君 大変提案者が正直におっしゃいまして……。
 私も、大体いまお話しのように、結局百三十人という制限があるので、その以内の数字で落ち着くような数字をいろいろこね合わせてといいますか、勘定して、そして百五十万とか百万とか、こういうことだろうと思って想像していたんですが、いまの提案者の御説明でなるほどと思うわけなんです。
 その問題は余り追及をしませんで、次の質問に移りたいんですが、この第九十条の第二項に都についての特例が出ているわけなんですが、その九十条を、自治法のさっき拝借しました本で見ますと、それに「要旨」ということで説明がついているんですね。これは自治省の方でおつけになったのではないかと思うんですが、それで私は、その「要旨」ですね、つまり第九十条の第二項についての説明が、「都は、特別区の存する区域においては、市としての役割をも有しているという制度上の特殊性から定数増加の特例を認めたものである」、市としての性格を持っておると、こういうふうに書いてあるんですけれども、この「要旨」の説明といいますか、これは自治省の方からひとつ御説明を願いたいと思います。
#238
○政府委員(山本悟君) ただいま市川先生おっしゃいましたように、この九十条第二項が立案されまして成立いたしました当時の説明といたしましては、二十三区特別区の区域というものは、その区域の実際上の各種の仕事、これは区議会といいますか、区の方にあるものじゃなくて、都の方に引き上げられている、そういうものが多数ある。したがって、議員さんといたしましても、都会議員というものの守備範囲が非常に広い、こういうような特殊事情もあるじゃないか。したがって、通常のベースでの議員の配分、あるいは定数というものでは賄い切れない点がある、こういうような御意見もありまして、この九十条の二項というものができたと、かように聞いているわけでございます。
 したがいまして、そういう点から申し上げますと、現在は区の方にも相当に権限が移ったんではないかという御議論もあるわけでございますが、また同時に、ただいま衆議院の方で御提案になりました理由にも書いてございますように、なおかつ二十三区の中というのは非常にいろいろな事務というのもふくそうをいたしている。人口にいたしましても、定住人口と昼間人口の問題と、いろいろあろうと思いますが、そういったようなものの事情を考慮すれば、やはり二十三区というものは相当程度いろいろとその区域について都としても関心を持ち、議員としてやらなきゃならぬこともある、こういうなのが都側の、何といいますか、説明といいますか主張でございまして、その点が先ほどお触れになりました提案理由説明にも書いているとおりであろうと、かように存じているわけでございます。
#239
○市川房枝君 いまの自治省の御説明もといいますか、あるいはさっきの提案者の御説明も、私にはやっぱり東京都の人口がそれこそ都心――特別区のところは人口がだんだん減っていっている。そして結局三多摩、二十三区以外の土地の人口がどんどんふえる。そうするとそちらの方から定員増の要求が出てくるんだけれども、さっきもちょっとおっしゃいましたように、中央部を減らすことはなかなか困難だというんで、三多摩の方でふえるのをむしろ抑えて中央の区の方の数をまあ温存するといいますか、そんなふうな一つの仕組みみたいに私にはとれまして、だからいままではそれで済んできたかもしれないけれども、もう少しすっきりと、こういうやり方でなくて、私どもにもすぐわかるようなふうに、いますぐでなくてもいいんですけれども、もう一遍お考え直しになるようなお気持ちはありませんか。これは自治省の方。
#240
○政府委員(山本悟君) 確かに、過去の立法の経過から申し上げますと、最初は都道府県ということで、都もたとえば大阪府等と同一のレベルで定限百二十ということできていたわけでございます。しかし、やはり人口の増加の状況その他からいきまして、あるいは仕事の内容からいきまして、それでは困難である。その困難であって単純に定数増というものをいたすということが合理的なのか、あるいは二十三区というものの特殊性に目をつけて、そこで都としての特例を考えるのが合理的なのか、いろいろ御議論があったと聞いております。その結果、やはり他の一般の府県とは違って、都としての考え方、都としてのあり方というものから言って、二十三区についての特例というもので考えるのが合理的ではないか。こういうことでこの九十条の二項というものはできてまいったと、かように存じているわけでございます。また事実、全体として決められました都議会議員の定数の配分につきましても、やはり二十三区は個々の何区何区ということをまず別々にしないで、一本で考えてよろしいと、二十三区一まとめにした人口をもとにして他のところと考えてよろしいと、こういった特例も書いてあるわけでございまして、そういった立法も行われたわけでございます。それらをあわせて考えますと、やはり二十三区というものの特殊性というものは相当に重く見られてきたんじゃないか、こういうように存ずるわけでございまして、御指摘の点は、なお私どもといたしましてももちろん研究しなきゃならぬ事項と存じますけれども、ただいまのところはこういうやり方でやむを得ないのじゃないかというぐあいに思っているわけでございます。
#241
○市川房枝君 いまちょっと二十三区全体として考えてというお言葉があったんですが、都会議員の選挙区は各区ですね。それから区会議員の選挙区の区ですね。そこで、やっぱり都会議員に立候補なさる方は区会議員として区政に参加なすった方が今度は都議会にお出になるということで、それはそれとして、私は順序としてといいましょうか、区政をよく知りまた都政ということは結構だとは思うのですけれども、一方から言いますと、新しい人がちょっと出にくいといいましょうか、私どもはやっぱり都というのはそれこそ首都ですし、やはりもう少し広い視野に立ったそういう候補者が欲しいと思うのですが、ところがどうしてもいまの選挙区制だと出られませんね。だから、東京都全体、知事と同じことのように、全体を一つの選挙区にというようなことは、それは無理だと思うのですけれども、いまお話しのように、二十三区といいましょうか、これをブロックに幾つかでも分けて都会議員の選挙区を決めたらば、もう少し議員の方々もいままでとは変わった方が出ていただけるんじゃないかしらんと、こう思うのですけれども、それはいかがですか。
#242
○政府委員(山本悟君) 一つのお考えを承ったと存ずるわけでございますが、まあやはり選挙区、一般的に申し上げまして、御案内のとおり都道府県の場合郡市の区域に当たるということが原則でございます。その場合に二十三区というものをどう考えるか。確かに議員定数の配分に当たりましては、二十三区一本で物を考えて、そのあとは配当になったものをさらに区に分ける、こういう二段構えの制度に現在なっているわけでございますが、二十三区の各特別区そのものが市とは違った扱いにし得るのかし得ないのか、これはやはりちょっとなかなか研究をさしていただきませんと、私もいま直ちにそういう方向、考え方ということは申し上げにくいことでございまして、研究をさしていただきたいと存じます。
#243
○市川房枝君 都会議員の数を今度は二人ですか三人ですかこの案でおふやしになるんですが、これは都会議員に限らず国会議員の場合もそうなんですが、私が関係をちょっと持っております婦人有権者同盟というのは、四十四年のときの増加にも実は反対しましたし、今度も実は反対をしておるわけでございます。それで、アンバランスは是正しなければいけないけれども、なるべく現在の定員の枠内において是正をしてほしい、こういうふうな考え方ですが、これは私は一般の国民の方、都民の方もわりあいにそういう考えが普通じゃないかと思うのですけれども、その点は自治大臣、どういうふうにお考えになりますか。
#244
○国務大臣(小川平二君) そのような御意見があることはかねて承知をいたしておりまするし、まあ行政の簡素化ということも強く叫ばれておるときであると存じます。しかし、この問題は、いわば東京都の実情といいますか、特殊性から出てきている御提案でありまするし、定員の百三十名を超えてはおらない、その範囲内の比較的わずかな増員でございますので、まあこれはやむを得ないことじゃなかろうかと考えております。
#245
○市川房枝君 さっきの九十条の第三項では、都を初め他の道府県も、条例によって議員の定数を減少することができるという規定がございますね。都の方では減少したことはないと思うのだけれども、ほかの府県では減少しているところがあるように思うのですが、どの程度といいますか、どこがしていますか。ちょっと具体的に伺いたいと思います。
#246
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、都は制限いっぱいで従来百二十でまいったと思いますが、他の大きな府県で見ておりますと、現在は大阪府が定限百二十までいける人口に対しまして百十二、したがってマイナス八でございます。そのほか愛知、兵庫、岐阜、大阪を合わせまして、四府県におきまして現に減少してやってきておると、かようになっております。
#247
○市川房枝君 都会議員の定数のお話を伺いましたが、ついでにちょっと大臣に伺いたいんですが、いま参議院の地方区の定員の問題が十八名増ということで選挙法改正に関する特別委員会で御審議をなすっておいでのわけですが、その提案に際しまして、私どもの二院クラブでは、増員するということは国民がみんな賛成しないでしょうから、現在の枠内で是正をしてほしい、その仕方も相談をしてその案を出したわけでございますが、もう会期もだんだん迫っておりますし、いまの案には自由民主党、新自由クラブが御賛成になっていないようなんで、なかなかこれは成立がむずかしいかと予想するのでありますけれども、しかしこれは参議院の方の地方区の定数のアンバランスというのはもう衆議院よりもはるかに差が大きいし、これは国民の有権者の立場から言いまして、それこそ一票が一票として使えない、もう五分の一票だという状態にもなっておりますので、だからこれをこのまま放置しておくことはできないんじゃないかと思うのですけれども、自治大臣としては、この問題はどうお考えになっておりますか。
#248
○国務大臣(小川平二君) 定数の問題は、これをふやす方向で解決するのかあるいは減らす方向で解決するのか、いずれにいたしましても、これは競争のルールと申しますか、あるいは土俵をつくる問題でありますので、総理大臣がしばしば繰り返して予算委員会等で答弁をなさっておりまするように、これは各党間のお話し合いで解決をしていただきたい、そのお話し合いの推移を見まして政府としての結論を得たいと考えておるわけでございます。この問題に関しましては、どうも政府がイニシアチブをとってどうこうということは適当でないと考えておるわけでございます。
#249
○市川房枝君 昨年の四月に最高裁が、四十七年の衆議院の選挙の際の千葉県の一区は非常なアンバランスがあるので、これは憲法違反だという判決を出したわけですが、あの際参議院でもいろいろ議論がありましたけれども、ある方々は、あれは衆議院の選挙に対しての判決であって参議院は関係ないんだと、こういう議論がありましたけれども、大臣はその点はどうお考えになりますか。
#250
○国務大臣(小川平二君) 仰せの判決は、当時の衆議院の定数につきまして、これの直前に行われました国勢調査の数字に基づいてあのような判決がなされたわけでございます。この判決は確かに投票の価値と申しますか、あるいは一票の重みということについて、そういう大事な問題に触れておる判決だと考えておりまするけれども、これはやはりその当時における衆議院の定数に関してなされた判決でございます。参議院の地方区の議員には、これは一面におきまして地域代表という性格もある、こういうふうに一般に理解されていることでもございまするし、あの判決があったから直ちに参議院の定数問題があの判決によって拘束を受けるものだとは、私もそのようには必ずしも理解いたしておらないわけでございます。
#251
○市川房枝君 最後に、時間が少し延びるかもしれませんけれども、あと一つだけ伺いたいと思います。
 衆議院の方は、判決があります前に昨年の七月に二十名定員をおふやしになって、そしてそれが昨年の十月から実施をされてきているわけなんですが、衆議院の方は、いま大臣からもお話しのように、あれは衆議院の選挙に対する判決であったわけですが、衆議院の方はもう二十名ふやしたのだと、だから最高裁の判決の趣旨に沿っているということでそのままになってきているのですが、ただ判決がありましたときにはちょうど五十年の国勢調査が発表になった後でして、だからあの訴訟をした四十七年の選挙といいますか、私ども小さい市民団体が二つの団体で訴訟をやったわけですが、四十五年の国勢調査の結果によってあるわけですし、それから衆議院の二十名増員も、これもさっきお話しのとおりに四十五年の国勢調査の数字によってなすったわけなんで、それで五十年の国勢調査によりますと、その間、五年間にずいぶんまたアンバランスがふえてきています。そしてもう三・七五ぐらいですか、というアンバランスさえできておるので、最高裁の判決は、つまりアンバランスがどこまでいったら憲法違反といいますか、あるいは、選挙をやり直すのが本旨だけれども、事務面のめんどうなことを考えて選挙は有効とあれはしたわけですけれども、私はやっぱり衆議院としてはもう済んだわけではなくて、また新しい事態に際してこのアンバランスを是正することを考えていただくべきではないか、いや、御承知のとおりに公職選挙法の別表第一、衆議院の方の定員を規定しておるあの別表には、五年目ごとに、直近に行われた国勢調査の数字によって是正するのを例とするですか、ということになっておるので、私はやっぱり五年おきぐらいに新しい数字によって是正するということを、一々運動なり判決なりによらないで公職選挙法の中でそれをはっきり規定していただくということ、さっきの別表にくっついているのも、「例とする」というのではこれは強制力がないので、是正すべしとあれば、私はきっといままで行われてきたのじゃないのかと思うんですけれども、まあしょっちゅうああいうめんどうなといいますか、ことをしないで、それから私は定員というのは有権者から言えば非常に重大な問題なんですが、公職選挙法には実に細かいことがたくさんいろいろ書いてあるんですけれども、定員に関することは全然入っていないんですね。それで最後の別表のところへきているのですけれども、それも一体それでいいのかどうか。というより、私ども法律に少し素人なものはそういう疑問も持つんですけれども、やっぱり適当な機会といいますか、できるだけ早い機会に、私は選挙を担当しておいでになります自治省で、自治大臣でそういう問題をもっと考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#252
○国務大臣(小川平二君) あの判決は当時の衆議院の定数についてなされた判決でございまして、かつ何倍までであれば合憲であり、それを超えれば違憲だというようなことに触れておるわけじゃございませんけれども、まあ著しい不均衡が存在することは好ましくないという考えを前提としてなされた判決だと存じます。そこで、いま衆議院の問題について御指摘があるわけですが、今後さらに不均衡が拡大をいたしました場合には、一方において衆議院の総定数のあり方、一方におきまして選挙区の区画のあり方ということとも関連をさせて、各党の間で話し合いをなさっていただいて是正がなさるべきだと、こう考えております。一定の期限を切って必ず是正をすべしということを法律に書くべしという御意見でございますが、これには多少の技術的なむずかしさが伴うものじゃなかろうかと存じます。政府委員から答弁を申し上げます。
#253
○政府委員(山本悟君) ただいまの、定数が公選法にも何ら原則が書いてなくて別表でぽんと出てくるじゃないかと、また、そのほかのその後の改正も附則の方で行われておるじゃないかと、こういう御意見でございまして、まあ選挙区ごとの定数――別表というのは実を申し上げますと原則を越えまして非常に明確に書いてあるということで、もう原則を書く余地が法律理論的にはないんじゃないだろうかと。自治法のように条例に譲られていると、各団体の定数が条例であるというような場合には、どういうかっこうで決めるべきだ、あるいは選挙区ごとの定数はどういうもので決めろということがまさに原則論といたしまして自治法の中に書いてあるわけでございます。それに従って各地方公共団体にはやっていただいている。それは各団体でお決めになるときは条例で決めていただく、こういうシステムが自治法の中に入っているわけでございます。あるいは公職選挙法に入っているわけでございますが、もう衆議院の定数の場合には、法律そのもので、具体にどこの地区ということを御指定になって何人と、こう決められてしまうものでございますから、ちょっと原則の書きようがない。この別表ができます、あるいは別表を御議決いただきます際の御議論といたしましてはいろいろの御議論があって、それが積み重なって最後の姿が法律にあらわれると、こういうことになっているので、その点はやや法律技術的にはやむを得ないんじゃないかというような感じもいたします。
 また、御案内のとおり、その後の定数是正の際、あるいは選挙区の変更の際に附則でいたしております。この点は、別表を変えます際には基本的に全体手直しをしなきゃならぬというようなことに法律上なっているわけでございまして、なかなかそういう時期になっていない、まあそういう間におきまして定数の変更だけは行われてくると、こういったいろいろな諸般の情勢というものから、法律的にも附則で行われていると。こういうことで過去二回定数是正が行われているわけでございまして、御指摘のとおり、本来言えばもう根っこからきれいに直すべきであると。これは御議論としてはもっともなことと存ずるわけでございますが、やはり政治の情勢その他すべての情勢の上でこういうことで行われてまいったと、かように私どもは存じておるわけでございます。
#254
○市川房枝君 ちょっと一言だけ言わせてください。
 いろいろその問題でありますけれども、時間がありませんからまた別の機会にしますけれども、選挙はそれこそルールですから、各政党が合意なさるということが私はぜひとも必要だと思うのですけれども、しかし自治省は、政府として、選挙を担当する役所として、それは自治省が先に立ってどうというそのやり方の問題もありますけれども、自治省がただもう政党で御相談をくだすってなんと言うことは、少し私は責任の逃避じゃないかと思うんです。
 それで、本当は私は自治省には、というか、自治省に、大体選挙部――部長さんおいでになりますけれども、選挙局を部に引き下げたり何かするのはとんでもない話だ、あれはもっと引き上げるべきだと思っているのです。私は選挙制度といいますか、それはまあ大学で学者の方たち、あるいは政党もそれぞれ専門家がおありになって調査をしておいでになると思うんですけれども、やっぱり国として、私は、本当の選挙制度の公平なというか中立的なというか、党利党略には全然触れない、そういう調査研究があってしかるべきじゃないのかと。ちょっとその選挙制度なんかのときに、一般国民から言うと、どれが本当なのか、どれが本当に国民にとっていいのかわからないんです、迷うんですよ。政党はそれは御自分の政党が利益になるようにという立場でお考えになることはこれは無理もないと思うのですけれども、の側から言えば、そういういわゆる党利党略というのでなくて、公平に、本当の民主主義の立場から国民の意思を政治に正しく反映させる一つの方法といいますか制度といいますか、何がいいのかと。これは非常にむずかしいと思うのですけれども、それが私はできていないんだと。いや、自治省は選挙制度審議会というものを何回かなすって、いろいろな方々をお集めになっているけれども、それは要するにそこで議論になったことの記録を持っておいでになるだけでしょうが。そこで
 一つのいろんな方たちのある程度まとまった、それは意見はいろいろありましょうけれども、少なくともこれの意見はこうと、あるいはこういういろいろな幾通りの意見があるとかなんとかいうことが、私はやっぱり自治省の選挙部というか、これは私はやっぱり役所の管轄下にあっても多少別なものとして、そしてそこには本当の専門家がちゃんといらしてくだすって、われわれ国民が信頼できるような一つの組織をつくっていただきたい。きれいは選挙運動で自治省はずいぶん毎年予算をお取りになって、そうしてこの間も新しい団体を二つ一緒になっておつくりになってやっているんだけれども、あれはもう冷えちゃっているというか、余り役に立たないんですよ。もったいないんです、税金が。だから、むしろそういうものをつくっていただきたいということを心からお願いします。
 どうも時間が超過したかもしれません。ありがとうございました。
#255
○委員長(高橋邦雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方自治法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#256
○委員長(高橋邦雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#257
○委員長(高橋邦雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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