くにさくロゴ
1976/01/31 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第2号
姉妹サイト
 
1976/01/31 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第2号

#1
第080回国会 本会議 第2号
昭和五十二年一月三十一日(月曜日)
   ○開 会 式
 午前十時五十九分 参議院議長、衆議院参議院の副議長、常任委員長及び議員、内閣総理大臣その他の国務大臣及び最高裁判所長官は、式場に入り、所定の位置に着いた。
 午前十一時 天皇陛下は衆議院議長の前行で式場に入られ、お席に着かれた。
   〔一同敬礼〕
 午前十一時二分 衆議院議長保利茂君は式場の中央に進み、次の式辞を述べた。
   式 辞
  天皇陛下の御臨席をいただき、第八十回国会の開会式を行うにあたり、衆議院及び参議院を代表して、式辞を申し述べます。
 わが国をめぐる現下内外の諸情勢はまことにきびしく、国民のわが国会に寄せる期待はいよいよ大なるものがあります。
 このときにあたり、われわれは、決意を新たにして国政を議し、外に対しては、変動する国際社会に即応する方策を確立し、ますます諸外国との協調を深めるとともに、内においては、社会福祉の増進、産業・経済の発展等、各般にわたり適切な施策を強力に推進し、もつて国民生活の安定向上に一層の努力をいたさなければなりません。
 ここに、開会式にあたり、われわれに負荷された重大な使命にかんがみ、日本国憲法の精神を体し、おのおの最善をつくしてその任務を遂行し、もつて国民の委託にこたえようとするものであります。
 次いで、天皇陛下から次のおことばを賜った。
   おことば
 本日、第八十回国会の開会式に臨み、全国民を代表する議員諸君と親しく一堂に会することは、私の喜びとするところであります。
 国会が、国権の最高機関として、国連の進展と世界平和の実現に寄与するため、たゆみ内努力を続けていることは、深く多とするところであります。
 現下の内外の諸情勢は、極めて多端であります。この間に処して、国民生活の安定向上と諸外国との友好親善の維持増進を図るため、全国民が相協力して、なお一層の努力を重ねることが必要であると思います。
 ここに、国会が、当面する諸問題を審議するに当たり、その使命を遺憾なく果たし、国民の信託にこたえることを切に望みます。
   〔一同敬礼〕
 衆議院議長はおことば書をお受けした。
 午前十一時七分 天皇陛下は参議院議長の前行で式場を出られた。
 次いで、一同は式場を出た。
   午前十一時八分式を終わる
     ─────・─────
昭和五十二年一月三十一日(月曜日)
   午後二時三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  昭和五十二年一月三十一日
   午後二時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員及び裁
  判官訴追委員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員及び裁
  判官訴追委員の選挙
 一、永年在職議員表彰の件
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 この際、常任委員長の辞任についてお諮りいたします。
    内閣委員長     中山 太郎君
    地方行政委員長   上田  稔君
    大蔵委員長     岩動 道行君
    文教委員長     山崎 竜男君
    農林水産委員長   小林 国司君
    商工委員長     柳田桃太郎君
    逓信委員長     森勝  治君
    建設委員長     竹田 四郎君
    予算委員長     八木 一郎君
から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(河野謙三君) つきましては、この際、欠員となりました常任委員長の選挙を行います。
#6
○井上吉夫君 常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することの動議を提出いたします。
#7
○和田静夫君 私は、ただいまの井上君の動議に賛成いたします。
#8
○議長(河野謙三君) 井上君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、内閣委員長に増原恵吉君を指名いたします。
   〔拍手〕
 地方行政委員長に高橋邦雄君を指名いたします。
   〔拍手〕
 大蔵委員長に安田隆明君を指名いたします。
   〔拍手〕
 文教委員長に宮崎正雄君を指名いたします。
   〔拍手〕
 農林水産委員長に橘直治君を指名いたします。
   〔拍手〕
 商工委員長に加藤武徳君を指名いたします。
   〔拍手〕
 逓信委員長に神沢浄君を指名いたします。
   〔拍手〕
 建設委員長に小谷守君を指名いたします。
   〔拍手〕
 予算委員長に小川半次君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ―――――・―――――
#10
○議長(河野謙三君) この際、お諮りいたします。
 神沢浄君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、小谷守君から同予備員を、佐々木静子君から裁判官訴追委員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(河野謙三君) つきましては、この際、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判官訴追委員各一名の選挙を行います。
#13
○和田静夫君 裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判官訴追委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#14
○井上吉夫君 私は、ただいまの和田君の動議に賛成いたします。
#15
○議長(河野謙三君) 和田君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に寺田熊雄君を、同予備員に安永英雄君を、裁判官訴追委員に久保亘君を、それぞれ指名いたします。
     ―――――・―――――
#17
○議長(河野謙三君) この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。
 議員野坂参三君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。
 つきましては、院議をもって同君の永年の功労を表彰することとし、その表彰文は議長に一任されたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 議長において起草いたしました表彰文を朗読いたします。
   〔野坂参三君起立〕
  議員野坂参三君君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
  参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもつて表彰します。
   〔拍手〕
    ―――――――――――――
 表彰状の贈呈方は、議長において取り計らいます。
     ―――――・―――――
#19
○議長(河野謙三君) 安井謙君から発言を求められております。発言を許します。安井謙君。
   〔安井謙君登壇、拍手〕
#20
○安井謙君 私は、本院議員を代表いたしまして、ただいま永年在職のゆえをもちまして表彰せられました野坂参三君に対し、一言お祝いの言葉を申し述べます。
 野坂参三君は、昭和二十一年東京一区から衆議院議員に選ばれ、連続三回御当選され、その後昭和三十一年参議院議員通常選挙に御当選になり、今日に至るまで本院議員として御活躍され、国会議員在職二十五年に達せられました。同君は、その高通なる御人格と御識見をもって、本院使命の達成のため多大の貢献をされました。
 また、昭和三十三年日本共産党第七回大会で中央委員会議長となられ、党幹部として御活躍されますとともに、本会議及び委員会等における示唆に富んだ発言を通じ一貫して議会制民主主義の確立のために尽くしてこられたのであります。
 ここに、われわれ議員一同は、同君の二十五年間の御功績に対しまして深優なる敬意を表しますとともに、本日、栄誉ある表彰を受けられましたことに対し、心からの祝意をあらわす次第でございます。
 現下、わが国をめぐる内外の諸情勢はまことに厳しく、本院に対する国民の期待もますます高まっておるのであります。
 どうか、野坂君におかれましては、御健康に留意せられ、本院の使命達成と議会制民主主義の発展のため、より一層の御尽力を賜りますよう切にお願いを申し上げまして、はなはだ簡単ではありますが、お祝いの言葉といたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(河野謙三君) ただいま表彰を受けられました野坂参三君から発言を求められております。発言を許します。野坂参三君。
   〔野坂参三君登壇、拍手〕
#22
○野坂参三君 このたび、私が国会議員として二十五年間その職にあったことにつきまして本院から表彰を受け、さらに、丁重な祝辞をいただいたことに対して、厚くお礼を申し上げます。
 振り返ってみますと、私が初めて衆議院議員に選ばれましたのは、一九四六年四月に行われた戦後最初の総選挙においてであります。それ以来三回連続して当選しましたが、その在任中の一九五〇年六月に、アメリカ占領軍からの政治活動禁止命令によって、国民から付与された議員の資格を不法にも剥奪されました。しかし、その後、一九五六年七月に参議院議員に当選して国会の議席を回復し、それ以来今日まで本院に席を置いてまいりました。これは、ひとえに、国民の皆さんの温かい御支援と同僚議員の皆さんのお力添えによるものであり、ここに、心からお礼を申し上げる次第でございます。
 いま、私が思い起こしますことは、海外から帰国して目の当たりに見た敗戦直後の祖国日本のあの荒廃した姿でありました。そのとき私が心に深く銘じたことは、わが国が再び世界の平和を脅かしてはならず、諸民族の自決権を侵してはならないということであり、また、一日も早く国の真の独立を回復して、侵略戦争や軍国主義、専制政治とは無縁の、国民を文字どおり国の主人公とする民主主義の日本を建設しなければならないということでありました。そして、多くの国民の皆さんが、あの、のろうべき侵略戦争の結果から導き出された将来への教訓も、またここにあったと思うのであります。
 以来、この国民の願いの実現を目指して、私は微力ながら一筋に奮闘してまいりました。憲法制定議会で主権在民を主張して論戦したことも、終生忘れることのできない思い出の一つであります。
 さて、戦後三十年を経たわが国の現実は、決して国民の心から願った姿にはなっておりません。国民生活の問題でも、国の主権と平和の問題でも、また、民主主義の問題でも、なお重大で深刻な事態に直面しております。
 しかしながら、聡明で勤勉な日本国民の皆さんは、どのような困難をも克服して、必ずや平和を守り、議会制民主主義をさらに発展させ、英知を発揮して、明るい豊かな日本をつくり上げるものと私は確信しております。
 私は、近く八十五歳を迎えますが、幸いに健康に恵まれておりますので、一層の長寿を心がけて、新しい平和、中立、民主の日本を目指す国民的事業の達成のために、命ある限り力を尽くす所存でございます。
 以上をもって謝辞といたします。(拍手)
#23
○議長(河野謙三君) これにて休憩いたします。
   午後二時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三分開議
#24
○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件
 内閣総理大臣から施政方針に関し、外務大臣から外交に関し、大蔵大臣から財政に関し、倉成国務大臣から経済に関し、それぞれ発言を求められております。これより順次発言を許します。福田内閣総理大臣。
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(福田赳夫君) 内外情勢の大いなる変化のうちに第八十回国会が再開されるに当たり、新政府の施策に関する基本方針を申し述べ、国民の皆様の御理解を求め、特に議員諸君の御協力を得たいと存じます。
 私は、このたび内閣総理大臣の大任を拝受いたしました。国政の重責を思い、決意を新たにして、国家と国民に対する使命を果たし、日本国の進路に誤りなきよう全力を傾倒してまいる決意でございます。
 三年前、私は大蔵大臣として、この壇上から、わが国経済社会のかじ取りを大きく、かつ、明確に転換すべきときに来ていると申し上げました。そして次の年、昭和五十年一月には、経済企画庁長官として、国も、企業も、家庭も、高度成長の夢よ再びという考え方から脱却し、経済社会についての考え方を根本から転換すべきときに来ていると申し上げました。そのときは、いわゆる石油危機を契機として、わが国経済が異常なインフレの火の手に包まれ、日本社会の大混乱という緊急事態であったのであります。
 しかし、私がそう申し上げましたのは、その緊急事態に対応するという、ただ単にそれだけの理由からではなかったのであります。資源有限時代を迎えて、一体わが国の将来はこのままでいいのだろうかと、心から憂えたからであります。
 戦後三十年余り、世界は平和と科学技術に支えられて、目覚ましい経済の成長と繁栄をなし遂げてまいりました。その結果、つくりましょう、使いましょう、捨てましょうとのいわゆる大量消費社会が出現したのであります。
 この間に、人類は貴重な資源を使い荒らし、遠くない将来に、一部の資源がこの地球上からなくなろうとしておるのであります。しかも、二十一世紀の初頭には、世界人口は現在の二倍に達すると予想され、さらにさらに膨大な資源が求められることは明らかであります。これは大変なことです。人類始まって以来の変化の時代の到来です。人類は、まさに資源有限時代の到来を意識せざるを得なくなったのであります。
 このような大いなる変化の時代には、国々の姿勢にも変化が出てまいります。石油危機はその象徴的な出来事と理解すべきだと存じます。二百海里経済水域問題など海洋をめぐる複雑な動きも出てまいりました。
 資源小国のわが日本国は、資源を世界じゅうから順調に入手できなければ一刻も生きていけない立場にあります。もうこれからの日本社会には従来のような高度成長は期待できないし、また、期待すべきではないのであります。しかし、成長はその高きをもってとうとしといたしません。成長の質こそが大事であります。
 要は、われわれが時代の認識に徹してその対応ができるか否かであり、その対応を誤ることがなければ、より静かで、より落ち着いた社会を実現することができると信じます。今日この時点でのわれわれの選択は、日本民族の将来にかかわる重大な意味を持っておるのであります。
 翻って人類の歴史をながめるときに、われわれは、物質文明の発達が無限の欲望をつくり出してきたという事実を見るのであります。しかしすでに申し上げておりますように、資源は有限であります。無限の欲望と有限の資源という、この相反する命題の解決こそ、現代のわれわれに問われている根源的な課題と申さなければなりません。
 このことは、物の面だけのことにとどまりません。人間の生き方、さらには現代文明のあり方が問われるようになるということであります。高度成長になれ親しみ、繁栄に酔って、物さえあれば、金さえあれば、自分さえよければという風潮に支配される社会は、過去のものにしなければなりません。
 人間はひとりで生きていくわけにはまいらないのであります。一人一人の人間が、その生まれながらの才能を伸ばしに伸ばす、その伸ばした才能を互いに分かち合い、補い合う、その仕組みとしての社会と国家、その社会と国家がよくなるその中で一人一人の人間が完成されていくのだと思います。
 助け合い、補い合い、責任の分かち合い、すなわち協調と連帯こそは、これからの社会に求められる行動原理でなければならないと思うのであります。
 国際社会でも同じです。今日世界はますます相互依存の度を強めています。一国の力だけで生存することは不可能になっています。互いに譲り合い、補い合い、それを通じておのおのの国がその国益を実現することを基本としなければなりません。
 私は、資源有限時代の認識に立ち、協調と連帯の基本理念に立って、世界の中での日本丸の運営に当たり、その枠組みの中で、当面する問題の処理に当たってまいりたい所存でございます。
 まず、経済の問題から申し上げます。
 今年は内外ともに経済の年であると考えるのであります。
 昨年の経済は、全体として見ると、ほぼ順調な歩みだったと思います。しかしながら、上半期の景気急上昇の後、夏以降そのテンポは緩み、業種、地域による格差や企業倒産多発等の現象が見られます。このような状態が続きますと、雇用に不安を生じ、企業意欲を失わさせ、社会の活力を弱めることにもなりかねないことを考えるとき、この際、景気回復への早期てこ入れを必要とすると考えるのであります。
 こうした考え方のもとで、政府は景気対策の一環として昭和五十一年度補正予算を提出することといたしました。
 また、五十二年度予算におきましても、需要喚起の効果もあり、国民生活の充実向上と経済社会の基盤整備に役立つ公共事業等に重点を置くと同時に、雇用安定のための施策を充実することにいたしました。これにより五十二年度のわが国経済には六・七%前後の成長が期待されますが、この目標は先進工業国の中でも最も高い水準であり、国際社会におけるわが国経済への期待にもこたえ得るものと考えます。
 予算の編成に先立って、私は、各党を初め、各界の人々の御意見を承りました。独占禁止法改正案や大企業と中小企業との事業活動調整のための法案については、それらの経緯を踏まえ、各方面と協議を進め、速やかに結論を得たいと存じます。
 さらにまた、大幅減税を行うよう強く求められました。私も真剣に検討しました。しかし、資源の有限性と、これをめぐる国際環境を考えるならば、これまでのような大幅な消費拡大よりも、むしろ国民生活の質的向上へと考え方を切りかえるべきであり、この際は、中小所得者の負担軽減を中心とした減税を行うにとどめたのであります。
 景気問題と並んで私が重視しておりますのは、物価問題であります。物価は安定化の基調ではありますが、その傾向を一層確実なものにするため、各般の施策を講ずることにより、消費者物価の年度中上昇率が七%台になるよう最善を尽くす所存であります。
 何よりも恐ろしいのはインフレであります。インフレは断じて起こしてはならないと存じます。
 国民経済、国民生活から考えて最も大事なことは、資源エネルギーの確保と科学技術の振興の問題であります。これらの問題は、資源小国であるわが国にとって、国の存立と発展にかかわるものであり、まさしく安全保障的な重要性を持つものであります。政府は、原子力を含むエネルギーの安定供給確保、省エネルギー対策等、総合的な資源エネルギー対策のほか、宇宙、海洋開発を初めとする各分野の科学技術の振興対策を強力に推進してまいります。特に国民の皆様の御理解と御協力を得たいのであります。
 次は外交であります。
 世界は、いま二つの大きな変動の波に洗われておるのであります。一つは、先進工業国が軒並み苦しんでいる深刻な景気停滞であり、もう一つは、開発途上諸国の経済自立への苦悩であります。この二つは分かちがたく結びついております。言うまでもなく、今日の相互依存の世界では、南北間の調和的発展なくしては世界の政治的安定もなく、先進工業国の繁栄もあり得ません。他方、先進工業国の成長と安定なくしては、開発途上諸国が期待しているような民生の向上も発展も不可能であります。このような状況のもとにおいて、日本外交が当面取り組むべき緊急の課題として、私は、わが国、米国、西欧等の主要な先進工業国間の協力強化を挙げたいと思うのであります。
 今日の世界におきまして、先進国自身の景気回復も、南北関係の改善も、一国の努力の範囲を超えた問題となっていることは明らかであり、事態解決の責任と能力を分かち合う主要な先進工業国間の協力なしには前進を図りがたいからであります。私が主要先進国の首脳会議の開催を主張しておりますのは、まさにそういった時代の要請にこたえんがためであります。開発途上諸国との経済協力の強化も新しい国際環境の中で、日本外交が真剣に取り組まなければならない主要な課題であります。このため、政府開発援助の水準を主要先進国並みへ引き上げるよう努力するとともに、一次産品問題の解決等にも積極的に取り組みたいと考えております。
 わが国の外交にとって、基本的な重要性を持つものは、戦後日本の繁栄と安全を支えてきた日米両国の友好協力関係であります。政治、経済、安全保障、いずれの面をとってみましても、日米関係は、わが国にとって際立った重要性を持っております。
 幸い日米両国は、過去のさまざまな不協和音の試練を乗り越え、かつてないほど安定した、いわば成熟したパートナーの関係にあります。このような関係のもとで、日米両国が不断の協議によって意思疎通を図ることは、きわめて重要であると考えます。主要先進国の首脳会議に先立って、カーター米大統領と会談を行うことを私が重視しておりますのはそのためでございます。今般カーター大統領にかわり、モンデール副大統領がわが国を訪問されておりますが、私自身、できるだけ早い機会に訪米し、変化する国際情勢に対処するお互いの新しい責任と相互信頼を確かめ合うつもりでございます。
 日米安全保障条約を引き続き堅持するとの政府の基本方針には、いささかの変更もありません。同時に、わが国自身も防衛力の基盤整備に努めなければならないこともまた当然のことであります。
 東南アジア諸国の平和と繁栄は、同じアジアの友邦であるわが国にとって最も大きい関心事であります。このような見地から、ASEANに見られるような自主的発展を目指すさまざまな努力に対し、人的交流、国づくりへの積極的寄与等を通じ、協力してまいる所存であります。
 日中共同声明を基礎として着実に発展している中国との善隣関係を揺るぎないものにすることは、アジアにおける平和な国際環境をつくる上からも、特に大きな意味を持っております。日中平和友好条約に関しましては、できるだけ早期に締結を図ろうとする熱意において両国は一致しており、政府は双方にとって満足のいく形でその実現を目指し、一層の努力を払ってまいる所存でございます。
 日ソ両国の友好関係も、わが国の外交にとってきわめて重要であります。日ソ両国の関係は、経済、貿易、文化、人的交流の面で順調な歩みをたどってまいりました。政府は、経済協力や文化交流などの分野でさらに着実な前進を積み重ね、日ソ関係の強化発展に努めるとともに、北方領土の祖国復帰を実現して平和条約を実現するとのわが国の基本的立場を貫くために、一層の努力を傾ける所存であります。
 朝鮮半島の情勢は、わが国を含む東アジアの平和と安定に深いかかわり合いを持っております。さしあたり、同地域の均衡状態を支えている国際的な枠組みを崩すことなしに南北間の緊張が緩和され、ひいては平和的な統一への道につながることを期待するものであります。
 四面海に囲まれたわが国にとりまして、漁業資源や海底鉱物資源の開発利用の問題をめぐる最近の国際的動向は、きわめて切実な関心事であります。
 国連海洋法会議は、なお最終的な結論を出しておりませんが、経済水域を二百海里に広げる方向は、次第に動かないものとなりつつあります。政府は、この大勢を注視しながら、冷静に長期的国益を踏まえ、国際協調の精神に沿って最善の解決を図る所存であります。
 懸案の領海十二海里問題につきましては、新しい海洋秩序への国際社会全体の急速な歩みを考慮し、沿岸漁業者のかねてからの切実な要望にこたえるため、所要の立法措置を講じます。
 今日の国際社会の際立った特徴の一つは、紛争解決の手段として軍事力を使うことが、超大国を含め、すべての国々にとって許されないことになってきたことであります。紛争を未然に防止すること、万一、不幸にして紛争が生じたときにも、できるだけその拡大を阻止することが今日の外交の重要な任務となっております。このような見地から、不断に発生する小さな誤解や小さな摩擦を賢明に処理すること、すなわちコミュニケーション・ギャップの解消が、外交活動の中で果たす役割はきわめて大きいと考えておるのであります。今後とも一層多角的な国際交流を通じて相互理解を増進し、進んで人類の連帯感を強化するための共通の努力を生み出すように努めてまいる所存でございます。
 資源有限時代を迎えて、不安定な世界の食糧需給、漁業専管水域二百海里時代の到来等の問題に直面し、食糧問題を見直す必要性を痛感しております。このような基本的認識のもとに、農林漁業者が誇りと働きがいを持って農林漁業にいそしめるよう、その体質の強化を進め、食糧自給力の向上を図ることを長期にわたる国政の基本として、比産基盤及び生活環境の整備、需要に即応した生産の増大、生産の担い手と後継者の確保など、農林水産施策の拡充に努める所存であります。
 中小企業は、農林漁業と並んで、わが国経済の安定を支える柱であり、発展を図る活力の源であります。中小企業は、現在安定成長経済への移行の中で厳しい対応を迫られており、政府としては、各般の施策を通じてこの苦難を克服する中小企業の努力を助成することが必要であり、特に小規模企業に対し十分配慮してまいらなければならないと考えております。
 労使の理解と協調は、経済社会安定のかなめであります。幸い、わが国の労使は、これまで一度ならず経済危機に直面して、すぐれた適応力を発揮してまいったのであります。私はこのことを高く評価しております。今後とも労使が日本経済の現状を踏まえ、協調と連帯の精神を持って徹底した話し合いを行い、良識ある対処をされるよう強く期待いたします。
 福祉政策や公共事業などを進めていくに際して、国と地方公共団体とは車の両輪の関係にあります。政府は、地方公共団体の行財政が適切に運営されるように、明年度予算でその財源確保などの措置をとりました。地方公共団体におかれましては、新しい転換の時代に対応して、自主的な責任でその行財政を合理化し、効率的な運営をされるよう期待いたします。
 なお、祖国復帰以来五年を迎える沖繩につきましては、経済、社会の推移や民生安定の実態を見守りつつ、必要な諸施策を推進してまいります。
 真の福祉社会は、福祉の心に裏打ちされてこそ初めて成り立ちます。従来のように経済成長に多くを望むことが困難となった今日、真に社会の援助を必要とする恵まれない人々への心温かい配慮は、格段の重要性を持ってまいっております。私は、社会連帯の考え方のもとに、福祉対策を着実に前進させていきたいと存じます。急速に進行する人口老齢化の趨勢に応じて老齢者に対する年金や医療を充実させ、心身障害者など社会的に恵まれない人々に対してもきめの細かい対策を講ずるとともに、家庭、地域社会、企業などとも力を合わせて、これらの人々の社会参加、社会復帰を促進し、その生きがいを高めるよう配慮いたしてまいります。
 高度成長の過程で相対的に立ちおくれている住宅環境の改善は、国民生活の基盤として強く推し進めなければなりません。住宅の量的拡大もさることながら、今後はその質的向上に目標を置き、住宅金融の充実、公的住宅の供給の確保などに努力し、また地価の安定、宅地供給の促進等、対策に困難を伴うものにつきましても一層真剣に取り組んでまいりたいと存じます。
 公害や自然破壊等の環境問題は、高度成長に伴って急速に深刻化してまいりました。健全な産業活動なくして社会の安定はあり得ませんが、錯綜したさまざまな利害を冷静に調整し合うことで、多様な欲求の合理的接点は必ず得られるものと信じます。この見地に立ちまして、公害防止の充実強化を図り、開発等に当たっては環境汚染の未然防止に努めるとともに、豊かな国土を保全するため、水資源の涵養、治水、防災などの対策を進め、快適な人間環境を確保してまいりたいと存じます。
 わが国社会の進歩と発展のためには、あらゆる分野において、婦人が積極的に参加し、貢献することが必要であります。このため、私は、国連の国際婦人年世界会議の決定にも留意して、国内行動計画を策定いたしました。私は、国民各層の方々とともに、婦人の地位と福祉の向上に一層努力してまいる考えであります。
 およそ国を興し、国を担うものは人であります。民族の繁栄も衰退も、かかって人にあります。資源小国のわが国が幾多の試練を乗り越えて、短期間のうちに今日の日本を築き得たのは、国民の教育水準と普及度の高さによるものであります。人間こそはわが国の財産であり、教育は国政の基本であります。私は、教育を重視し、その基調を、個人の創意、自主性及び社会連帯感を大切にし、世界の平和と繁栄に貢献し得る、知、徳、体の均衡のとれた豊かな日本人の育成に置きたいと思います。このためには、知識偏重の教育を改め、家庭、学校、社会のすべてを結ぶ総合的な教育の仕組みを創造していかなければなりません。特に戦後の学校教育は、入試中心、就職中心の功利主義的な行き過ぎた傾向が目立っております。教育にとって一番大切な、自由な個性、高い知性、豊かな情操、思いやりの心などを育てることを忘れがちであります。新しい時代の要請にこたえて、学校教育をはつらつとした創造的な人間の育成の場とするよう、教育界に人材を集め、教育課程をゆとりあるものに変え、入試の改善を図るなど、教育改革のための着実な一歩を進めたいと考えております。また、芸術、文化、スポーツなどを振興し、次代を担う青少年をはじめ国民の一人一人が、自主的な選択によって、生きがいのある充実した生活を創造し得るような環境づくりに努めてまいる所存でございます。
 最後に、国の内外に迫る厳しい難局打開に当たりまして、私は皆様にお願いいたしたいことがあります。いやしくも、国政に参加するすべての政治家、中央・地方の公務員、公共の仕事に従事する人々は、この際、公私を峻別し、身辺を清潔にし、公に奉仕する喜びと責任を再確認していただきたいということであります。私自身、これを自粛自戒の言葉といたす所存であります。
 政治の頽廃は、社会、民族の没落につながるのであります。
 ロッキード事件の徹底的究明は必ず実行いたします。その結果は、国会に報告いたします。また、このような不祥事が再発しないよう、腐敗防止のために必要な措置を講じます。
 国民の皆様も、この激動期を乗り切るために、いたずらな物欲と、自己本位の欲望に流されがちの世相から訣別し、世代を超え、立場を超え、助け合う人間的連帯の中から、この日本の国土の上に、世界じゅうの国々から信頼と敬意をかち得るように、真に安定した文明社会をつくり上げようではございませんか。
 資源有限時代の激しい嵐の中で、日本丸を安全に航海させ得るかどうかは、一にかかって国民一人一人の自覚と努力にあると思います。日本民族が力を合わせ、手を取り合って進む限り、変動期の激流がいかに激しく、障害がいかに大きくとも、克服し得ないはずはないのであります。
 お互いに勇気を持って日本丸の航路を切り開き、二十一世紀に連なる希望に満ちた社会の実現に向かって前進しようではございませんか。
 重ねて国民の皆様の深甚な御理解と真剣な御協力をお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(河野謙三君) 鳩山外務大臣。
   〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(鳩山威一郎君) 第八十回国会の再開に当たり、最近の国際情勢を概観し、わが外交の基本方針について所信を申し述べます。
 最近の世界の流れを振り返りますと、インドシナ、中東等幾つかの地域における戦火は終息し、引き続き対立を内包する諸地域においても、紛争の発生を防ごうとする努力が続いております。また、東西間においても、米ソ関係を中心に関係改善のための努力が、種々の曲折を経ながらも継続されており、南北間においても、数多くの場において対話が続けられております。このような情勢のもとで、わが国を含む先進民主主義諸国間においては、広く国際的諸問題につき、建設的な協力関係を強化し、もって世界の平和と繁栄を図ろうとする努力が行われております。
 このような最近の動きと同時に、国際関係においては、今日なお種々の不安定要因が根強く存在していることも事実であります。東西関係には依然として各種の対立要因が存在しており、また、世界の多くの地域にはさまざまな不安定要因が見られます。南北関係、海洋問題、さらには通商、資源、環境等の諸問題も、依然として容易ならざる様相を呈しております。
 現下の世界におきましては、政治あるいは経済にかかわるこれらの諸問題がすべて相互に絡み合って人々の生活環境に直接影響を及ぼしております。
 私は、このような国際的諸問題を解決するためには、世界の国々が、自国の利益のみを追求することなく、幅広い視野に立って国際協調の努力を進めていくことが、何よりも要求されていると考えるものであります。また、私は、このような努力が全人類の間にはぐまれつつある連帯感と相まって、問題解決の道を切り開いていくであろうと信ずるものであります。
 戦後わが国は、平和憲法のもとで、自由な、そして開かれた社会を堅持しながら、平和国家としての道を歩んでまいりました。わが国は、体制を異にする諸国を含めて、広く世界の国々との交流を深めることをもって、みずからの発展の基礎としおります。これは、わが国が国際社会全体の平和と繁栄に尽くすことが、みずからの国益を確保するゆえんにほかならないとの一貫した認識を有していたからであります。
 私は、ここに改めてわが国が歩んでまいった道と先達の御努力に思いをいたし、今後とも、さきに申し上げましたような困難な国際的諸問題解決のため、わが国にふさわしい役割りを忍耐強く、着実に果たしていくことを外交の指針としてまいる決意であります。
 このような基本的な立場に基づいて、次にわが外交の主要な分野について所信を申し述べます。
 まず、国際経済関係について申し述べます。
 世界経済、特にその中で重要な責任と役割りとを担う主要先進民主主義諸国の景気回復は、いまだ十分とは申せません。さらに、インフレ、国際収支の赤字などの経済困難から依然として脱却できない国も少なくないのであります。このような状況のもとでは、主要先進民主主義諸国のすべてが、世界的視野に立ってその経済運営に当たることが重要であることは申すまでもありません。特に、国際収支に比較的余裕があり、かつ、経済規模も大きい諸国に対しては、インフレの再燃に配慮しつつ、それぞれの国の実情に見合った形で、世界景気の浮揚に貢献していくことが強く期待されております。わが国としては、かかる国際的期待を考慮しつつ、世界経済の安定的発展のために寄与してまいる所存であります。
 通商面では、最近、各国の国内的諸困難を背景に一部に保護貿易主義的動きが見られます。わが国としては、自由貿易の原則に沿って、相互の利益に配慮しながら国際貿易の安定的拡大を推進するとの観点から、問題の解決を図る所存であります。特に、現在行われておりますガット東京ラウンドにつきましては、これを成功に導くため今後とも積極的な努力を傾注してまいる決意であります。
 世界経済の安定的発展のために不可欠なエネルギー及びその他の資源の安定供給の問題についても、いまなお多くの不安定な要素が存在しております。資源に乏しいわが国としては、国際協力を通じて、資源問題の調和ある解決が図られるよう一層の努力を行う所存であります。特に、世界のエネルギー情勢の安定化のため、主要消費国との協調及び産油国との対話を進めてまいる所存であります。
 南北問題の解決は、いまや国際社会にとってきわめて重要な課題となっております。南北間では、第四回国連貿易開発会議及び国際経済協力会議等を通じて、国際経済における相互依存関係に対する認識が深まっております。同時に、この問題が広範囲にわたる根の深いものであり、相互の立場の相違を調整することのむずかしさも次第に明らかになりました。しかし、今後とも南北双方がなお一層協力して問題の解決のために忍耐強く努力を続けることが、世界全体の平和と発展にとって、きわめて重要であります。
 わが国としては、国際社会の責任ある一員として、他の諸国と協力しつつ、援助、貿易、一次産品等の分野における具体的措置を真剣に検討し、国際的合意が得られたものについては着実に実施に移してまいりたいと思います。特に、開発途上国が重視している一次産品問題の解決に積極的に努力してまいる所存であります。さらに、政府としては、政府開発援助を量、質ともに主要先進民主主義諸国の水準並みまで引き上げることを当面の課題とし、特に二国間の無償協力の拡充を積極的に図る考えであります。
 次に、世界各国、各地域との関係について申し述べます。
 太平洋をはさんだ隣国としての日米両国の友好協力関係は、わが国外交の基軸をなすものであります。日米安保体制を含む米国との協力関係が、わが国の平和と安全を確保し、わが国経済の繁栄を実現する上で、大きな役割りを果たしてきたことは明らかであります。政府としては、先般発足したカーター新政権との間に、単に日米両国間の問題のみならず、アジアの諸問題を含め、日米双方が共通の関心を有する国際的諸問題についても密接な連携を保ち、世界的視野に立って、日米両国政府間に間断なき対話と揺るぎなき協調関係を維持してまいる所存であります。
 今日、わが国を含む先進民主主義諸国間には、緊密かつ多様な相互協力関係が存在しており、国際社会の平和及び発展に大きな貢献を行っております。
 政府としては、西欧諸国との関係を重視し、貿易上の問題を含め、これら諸国との相互理解を深め、協調の道を広げてまいる所存であります。
 カナダ、豪州及びニュージーランドとの間には、アジア・太平洋地域の安定した発展のための相互の協力関係の重要性について、共通の認識が深まりつつあります。カナダとの間には、昨年日加文化協定及び経済協力大綱がそれぞれ署名され、両国関係の今後の一層の発展が期待されます。また、豪州との間では、昨年六月に友好協力基本条約が署名され、さらに、本年一月第四回目豪閣僚委員会が開かれ、日豪関係を一層緊密化する必要性が改めて確認されました。
 アジア地域は、わが国が平和と繁栄を分かち合う最も重要な地域であります。
 わが国と伝統的に友好と協力関係にあるASEAN諸国は、国としての強靱性と自主性の向上及び域内の連帯の強化に引き続き努めております。わが国としては、今後とも人的交流の拡大、国づくりへの積極的寄与等を通じ、これらASEAN諸国及びビルマとの友好協力関係を一層強化したいと考えております。他方、インドシナ諸国については、昨年七月にベトナムの統一が達成され、またわが国は、昨年八月民主カンボジアとの外交関係を回復いたしました。政府としては、今後ともインドシナ三国との間に着実に関係を発展させてまいりたいと考えております。
 中国との関係は、全般的に着実に進展しております。政府としては、今後とも日中共同声明を基礎として、両国間の善隣友好関係を一層確固たるものにするよう努力してまいる決意であります。日中平和友好条約交渉については、両国とも、その早期妥結の熱意において一致しております。政府としては、本条約が、両国国民に真に納得のいく姿で早期に締結されるよう、最善の努力を払ってまいる考えであります。
 朝鮮半島の平和と安定は、わが国のみならず、東アジアの安定と発展に深いかかわり合いを有しておりますが、不幸にも、南北間には依然として対立と緊張が見られます。わが国としては、南北間の均衡と、そのための国際的枠組みの存在が、朝鮮半島の平和の維持に貢献してきたことを十分認識するとともに、同半島の緊張の緩和のための国際環境づくりに関係諸国とともに積極的に協力してまいる所存であります。また、南北間の緊張の緩和の進展が同半島に永続的な平和と安定をもたらし、ひいては民族の念願である統一へ向かう道であるとの見地より、南北双方の当事者が相互不信を克服し、一九七二年の共同声明の精神に基づき、実質的な対話を再開することを強く希望するものであります。
 韓国との関係については、両国間の相互理解をさらに深め、友好協力関係を一層幅広いものとするため、今後とも努力を払ってまいります。特に、政府としては、貴重な独自のエネルギー源を確保する観点から、すでに三年前に署名された日韓大陸棚協定の締結のための国会の承認がぜひとも今国会で得られますよう強く希望いたします。
 北朝鮮との関係については、貿易、人物、文化等の分野における交流を漸次積み重ね、もって相互関係をめぐる雰囲気の改善に資することといたしたいと考える次第であります。
 また、インド亜大陸における平和と安定に対しては、わが国としても深い関心を有している次第であり、同地域の諸国との友好協力関係を一層強化し、この地域の安定と発展に寄与したいと考えます。
 隣国たるソ連との友好関係を発展させることは、わが国外交の一貫した方針であります。一九五六年に国交が回復されて以来、両国関係は、経済、貿易、文化等の面で順調に進展してまいりました。しかしながら、両国間には、領土問題が未解決のため、いまだ平和条約は締結されておりません。政府としては、わが国固有の領土である北方四島の一括返還を実現して平和条約を締結するため、今後ともソ連との間に粘り強い交渉を続けてまいる所存であります。一方、経済協力と貿易の発展に努め、漁業問題についての話し合いを積極的に進めてまいる所存であります。
 わが国と東欧諸国との間においては、経済的及び人的交流において近年ますます関係が深まっております。わが国としては、今後ともこれら諸国との友好関係の強化に努める所存であります。
 中東におきましては、昨年十月以降、関係諸国の努力により、レバノン紛争が収拾に向かい、一応の平静が取り戻されるという歓迎すべき出来事がありました。このことは、中東和平交渉に対しても新たな契機となることが期待されるのであります。わが国は、従来より、中東紛争の全面的解決のためには、国連安全保障理事会決議二四二が早急かつ全面的に実施されるとともに、パレスチナ人の国連憲章に基づく正当な権利が承認されなければならないと考えております。このため、わが国としては、国連における努力にできる限り協力を行うとともに、関係諸国がジュネーブ和平会議の再開等を通ずる話し合いを促進することにより、公正かつ永続的な中東和平の実現に一歩でも近づくことを強く希望するものであります。また、政府としては、今後とも、中東諸国との多面的な交流と協力の一層の拡大を通じて、友好関係の増進に努めつつ、中東地域の発展に寄与する所存であります。
 アフリカ諸国との間では、今後とも友好親善と互恵の精神に基づく協力関係を一層強化してまいります。
 南部アフリカ問題については、わが国は、人種差別反対及び民族自決支援の立場から、この問題につき、平和的かつ速やかな解決が達成されることを切望するものであります。特に、南ローデシア問題については、ジュネーブ会議が成功し、少数者の権利にも留意した多数支配の原則が速やかに実現することを希望しております。
 わが国と中南米諸国とは、伝統的な友好のきずなで結ばれております。特に、近年、中南米諸国は、経済社会開発を意欲的に進めており、これに伴い、わが国との各種の協力関係に対する期待もますます高まりつつあります。このような状況を背景として、わが国と中南米諸国との関係は、通商、経済協力、人的交流等の面で一層強まってまいりました。わが国としては、中南米諸国の重要性にかんがみ、今後とも、これら諸国との間で幅広い分野にわたって交流と協力をさらに推進することに努めてまいる所存であります。
 わが国は、国際連合に加盟して以来これまで、その活動に積極的な貢献をしてまいりましたが、今後とも他の加盟諸国と協力して、その活動に建設的に参加してまいる所存であります。
 わが国は、昨年六月、核兵器の不拡散に関する条約の締約国となり、核兵器を製造、取得しないとのわが国の立場を鮮明にいたしました。政府としては、今後とも非核兵器国家としての立場から、核軍備の削減、核兵器の拡散防止及び包括的核実験禁止等、具体的かつ実効的な核軍縮の実現に努力する一方、原子力の平和利用を推進し、この分野における国際協力に貢献してまいる所存であります。
 わが国は、海洋国家として限られた海洋の漁業資源や海底の鉱物資源を確保するため、また、わが国の生命線とも言うべき海運、貿易が将来にわたり円滑に行われるよう、新たな海洋秩序の形成に深い関心を持つものであります。政府は、このような海洋に関する国益全般の展望に立って、国連海洋法会議の早期妥結のため今後とも一層の努力を傾ける所存であります。特に国民集活に直接の関係を持つわが国漁業の問題については、沿岸漁業者の切実な要望にこたえるため、今般、領海十二海里問題に関し、所要の立法措置をとる方針が決定されましたが、なお今後とも二百海里時代における遠洋、沿岸の漁業利益をともに守るため、国際協調の基礎の上に最善を尽くす所存であります。
 各国間の相互依存関係が深まりつつある今日、広く国際的な相互理解を増進することは、ますます重要になってまいりました。言語、習慣、文化的伝統等、それぞれの社会の基盤について、相互の理解を深めることこそ、真の平和を築き上げる上で最も重要な手段の一つであります。このような観点から、政府としては、今後とも、海外広報活動を強化するとともに、国際交流基金等を通ずる各般の文化交流事業を一層積極的に推進してまいる所存であります。
 以上、わが国の外交につき所信の一端を申し上げました。
 国民各位の御理解と御支援を切にお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○議長(河野謙三君) 坊大蔵大臣。
   〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(坊秀男君) 本日、第八十回国会の再開に当たり、今後における財政金融政策につき所信を申し述べますとともに、昭和五十二年度予算の大綱を御説明いたしたいと存じます。
 世界経済は、石油危機を契機とする戦後最大の不況からようやく立ち直りを見せております。先進国においては、いまだ一部に激しいインフレや国際収支の赤字を克服し得ない国もありますが、全体としては緩やかな回復基調をたどりつつあります。他方、開発途上国においては、世界経済の回復とともに改善の兆しが見られるものの、非産油開発途上国を中心に国際収支の赤字に悩む等、困難な情勢が続いております。
 一方、わが国経済は、五十年春を底に緩やかな回復過程をたどっております。景気回復の足取りは昨年夏以降やや緩慢化しておりますが、生産、出荷とも一年前と比較すれば一〇%以上増加しており、また、企業収益にも相当の改善が見られるなど、景気の失速が懸念される状態ではないと考えます。しかしながら、景気の回復状況には業種や地域により破行性が見られ、また、雇用面の改善のおくれ、倒産の増加等の摩擦的現象も生じております。
 このような情勢にかんがみ、政府は、昨年十一月、公共事業等の執行促進等の措置を決定し、また、その効果を一層確実にするため、昭和五十一年度補正予算を提出することといたしました。私は、これらの措置が昭和五十二年度予算と相まって、一部に見られる先行き不安感を払拭し、景気回復をさらに力強く、かつ、確実なものにすることを期待いたしております。
 以上のような内外経済情勢の現状に顧み、私は、今後の財政金融政策を運営するに当たり、次の三点を重要な課題としてまいりたいと存じます。
 まず第一は、インフレなき経済発展を図ることであります。
 すなわち、景気の回復と国民生活の安定を一層確実なものとし、インフレを回避しつつ持続的成長を達成していくことであります。
 さきに申し述べましたとおり、わが国経済は、長い不況から回復しつつあるとはいえ、なお不況の傷跡とも言うべき問題が残されております。また、石油危機がもたらした構造変化にいかに適応していくかという問題もあります。これらの諸問題を速やかに解決していくためにも、均衡のとれた景気の回復を図ることが必要であります。
 しかし、景気の回復を急ぐの余り、インフレの再燃を招くようなことは厳に避けねばなりません。物価の安定こそは、健全な経済活動を維持し、社会的公正を確保していくための不可欠の前提であり、国民の切実な願望であります。現在、消費者物価は、基調的には比較的落ちついた動きを示しておりますが、騰勢には依然として根強いものがあります。私は、物価の安定に今後とも最大の努力を傾注していく覚悟であります。
 さらに、わが国の国際収支につきましては、石油危機を契機に大幅な赤字を記録しましたが、輸出の好調等に支えられ、昨年来黒字に転じております。最近においては、輸出の増勢に落ちつきが見られる反面、今後、景気回復の進展に伴い輸入の増加が見込まれ、国際収支はおおむね均衡に向かうものと思われます。しかしながら、最近の石油値上げの影響等、世界経済の先行きに多くの不確定要因があることにかんがみ、国際収支の動向については引き続き慎重に注視していく必要があると考えます。
 第二は、財政の健全化に努めることであります。
 わが国財政は、歳入の約三割を特例公債を含む公債金収入により賄うという諸外国にも例を見ない異常な事態に立ち至っております。昭和五十年度以降、大量の公債への依存を余儀なくされた原因は、未曾有の不況のため、歳入面では租税収入が五十年度に大幅な減少を来し、その後の自然増収も過去の高度成長期のように大幅な伸びを見込むことができない状況にある反面、歳出面では景気の回復と国民生活の安定に資するために必要な財政支出はこれを確保する必要があったことによるものであり、やむを得ないことであったと考えます。
 しかしながら、今後かかる大量の公債発行が続くようなことがあれば、公債残高の累増、国債費の増高等を通じて、財政が硬直化し、機動的運営が困難になるのみならず、その資源配分機能が阻害されるおそれなしとしないのであります。また、大量の公債に安易に依存することは、財政の放漫化をもたらすおそれがあるほか、結果的には将来の世代の負担増加を来すこととなり、さらに、民間の資金需要を圧迫し、経済にインフレ要因を持ち込む危険をはらむものであります。財政の健全化は、ひとり財政の立場からの要請ではありません。国民生活の安定と経済の発展を図る上で、財政の果たすべき役割りはきわめて重要であります。その健全性が失われるならば、わが国経済の円滑な運営が困難になるのであり、私は、そのような事態を恐れるものであります。
 昭和五十二年度予算においては、景気回復をより一層確実にするという要請にこたえる一方、公債依存度を五十一年度より引き下げ、財政の健全化に努めることとしております。もとより、財政の健全化は短時日の間に一挙に達成できる問題ではありません。私は、大量の公債への依存、特に特例公債への依存からできるだけ速やかに脱却するため、既存の制度、慣行の見直しを含む歳出の一層の効率化、租税や公共料金の負担水準の適正化等に引き続き全力を尽くす決意であります。
 第三は、世界経済の安定と発展に貢献するよう努めることであります。
 近年、各国経済の相互依存関係がとみに深まっている情勢のもとにおいて、世界経済の発展なくしてわが国経済の発展が期待し得ないことは申すまでもありません。また、わが国経済は、世界経済において大きな比重を占め、米国、欧州とともに重要な役割りを担うに至っております。わが国としても、国力の許す範囲で、世界経済の発展に貢献すべきものと考えます。この意味において、わが国が景気の着実な回復を図り、インフレなき経済発展の道を歩むことは、世界経済の安定的な回復に引き続き寄与していくものと信じます。
 先進諸国間の国際収支の不均衡是正につきましては、基本的には、赤字国の自助努力によるべきものと考えますが、同時に、各国の相互支援等による国際協力の重要性は一層高まってきております。このような見地から、わが国は、昨年十一月、IMFに対する一般借り入れ取り決めの貸付枠を大幅に拡大し、対英IMF借款にも積極的に協力してきております。
 次に、開発途上国に対する経済協力については、従来から二国間及び多国間の協力を通じて努力してきたところでありますが、これを引き続き推進してまいりたいと存じます。特に、今後に予想される世界的な食糧問題の解決に寄与する見地に立ち、開発途上国における計画的な食糧増産を促進するための援助を新たに実施するほか、技術協力の拡充、国際開発金融機関に対する資金協力の充実等にも十分配慮いたしております。
 さらに、自由貿易の精神に基づき、新国際ラウンド交渉を積極的に推進してまいる所存であります。
 昭和五十二年度予算は、以上申し述べました考え方に立って、財政の健全化に努めるとともに、景気の着実な回復と国民生活の安定を図るという二つの課題を達成することを主眼として編成いたしました。
 その特色は、次の諸点であります。
 第一に、予算及び財政投融資計画を通じ、その規模については、財政体質の改善を図り、かつ、景気の着実な回復に資するような適度な水準を確保することといたしております。
 このため、財源を極力重点的、効率的に配分することに配意し、特に、現下の経済情勢に顧み、景気回復をより一層確実にするため、国民生活充実の基盤となる社会資本の整備等の公共事業費について拡充を図ることとしたのであります。また、その他の経費についても、全体的には極力節減を図りつつも、真に国民生活の安定と福祉の充実のため必要な経費についてはできるだけの配慮を払い、効率的な予算を編成することに努めました。この結果、一般会計予算の規模は、二十八兆五千百四十三億円となり、前年度当初予算に比べ一七・四%増となっております。
 また、財政投融資計画につきましても、厳しい原資の制約のもとにおいて、住宅、中小企業金融等、国民生活の向上と福祉の充実に資する分野に対し、重点的に資金を配分するとともに、地方財政の状況にかんがみ、地方債に充てる政府資金及び公営企業金融公庫資金の確保に努めることとしております。この結果、財政投融資計画の規模は、十二兆五千三百八十二億円となり、前年度当初計画に比べ一八・一%増となっております。
 これら一般会計予算及び財政投融資計画の伸び率は、いずれも政府の経済見通しによる国民総生産の伸び率を上回るものとなっております。
 次に、公債につきましては、すでに申し述べました財政の役割りを果たすため、五十一年度に引き続き多額の公債の発行を行わざるを得ない状況にありますが、財政の節度を堅持するため、公債依存度を前年度当初予算における二九・九%から二九・七%に引き下げ、発行総額は八兆四千八百億円としております。このうち四兆四千三百億円は財政法第四条第一項ただし書きの規定に基づく公債の発行によることとし、残余の四兆五百億円については、別途御審議をお願いいたします昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案に基づく公債の発行を予定いたしております。
 第二に、税制面におきましては、最近の社会経済情勢に顧みて、所得税について負担の軽減を行う一方、税負担の公平を一層推進する見地から引き続き租税特別措置の整理合理化を進めるとともに、現行税制の仕組みの中で当面の経済運営の方向と矛盾しない範囲において、増収措置を講ずることといたしております。
 まず、所得税については、中小所得者の負担の軽減を図るため、各種の人的控除の引き上げによる減税を行うことといたしております。その減税規模は、現下の厳しい財政事情にもかかわらず、所得税、住民税を通じ約四千三百億円になっております。他方、租税特別措置については、利子・配当課税の特例の見直しを行うことを中心として、企業関係の特別措置についても、前年度の全面的な見直しに引き続き、整理合理化を推進するとともに、交際費課税を強化することとしているほか、印紙税及び登録免許税について定額税率の引き上げ等を行い、財源の充実を図ることといたしております。
 なお、この機会に所得税減税に対する政府の考え方を申し上げたいと存じます。
 所得税減税につきましては、予算編成の過程におきまして、国民生活の現状から、あるいは景気回復の観点から、この際、大幅な減税を行うべきであるという御意見がありましたことは、政府としても十分承知しているところであります。
 これにつきましては、わが国の所得税負担は主要諸外国のそれに比し、かなり低い水準にあり、今後、福祉その他の公共サービスの確保を図るためにも税負担水準のある程度の引き上げが避けられないと見られる状況のもとで、所得税の大幅な減税を行うことは将来における問題の解決を一層困難にすることになるものと考えます。特に、現在の財政事情のもとにおいて減税を行うとすれば、その財源は特例公債に求めざるを得ませんが、このことは、現在の国民が将来の国民の負担において利益を受けることとなり、安易に行うべきことではないと考えます。また、景気回復を図るためには、その政策効果及び財政の弾力的運用の観点から、公共事業費に重点を置くべきであると判断した次第でございます。
 しかしながら、他方、今年度に引き続き来年度においても所得税減税を見送った場合には、国民の税負担感が高まることもまた懸念されるのでありまして、政府としては、以上述べてまいりましたことを総合勘案いたしました結果、中小所得者の負担軽減を中心として今回提案することといたしました程度の減税を行うことが適当であると判断した次第であります。国民各位におかれましては政府の意のあるところを十分御理解いただきたいと存じます。
 第三に、財源の重点的かつ効率的な配分に努めることにより、財政体質の改善を図るとともに、最近の諸情勢に即応した諸施策の充実を図ることとしております。
 まず、公共事業関係費については、景気の着実な回復に資するとともに、社会資本の充実の要請にこたえるため、その拡充に努めることとし、住宅、下水道、環境衛生等のほか、治山、治水等の国土保全施設の整備、農業基盤整備等の推進を図ることとしております。
 この結果、五十二年度の公共事業関係費の総額は、前年度当初予算に比べ二一・四%増の四兆二千八百十億円となっております。
 なお、治山、治水及び漁港整備の三事業につきまして、それぞれ昭和五十二年度を初年度とする長期計画を策定することといたしております。
 社会保障関係費については、真に必要な福祉施策について重点的にその充実を図ることとし、生活保護基準の引き上げ、救急医療体制の体系的整備、心身障害者対策の充実等を初めとし、各種の施策の充実にきめ細かな配慮を払っております。一方、社会保険料及び受益者負担の適正化を図るなど、既存の制度の合理化に努めることといたしております。
 さらに、最近の雇用情勢に対処するため、雇用安定資金の創設等、雇用調整対策を拡充することとしているほか、中高年齢者を中心とする職業転換対策等につきましても、その充実に配意いたしております。この結果、五十二年度の社会保障関係費は一前年度当初予算に比べ一七・七%増の五兆六千五百八十一億円となっております。
 次に、文教及び科学技術の振興につきましては、公立文教施設の整備を促進することとし、前年度新設された公立高等学校新増設建物整備事業につきましても、事業量の大幅な拡大を図ることとしております。さらに、大学入試制度改善のための施策の推進、私立学校に対する助成や育英事業の充実、新技術の開発、原子力平和利用の推進等、各般の施策につき、その拡充を図ることとしております。
 また、中小企業対策につきましては、特に、小企業経営改善資金融資制度の拡充等小規模事業対策の推進及び中小企業信用保険公庫に対する出資の増額等信用補完制度の充実に重点的に配意するとともに、政府系中小企業金融三機関等の融資規模を拡大することとしております。
 以上のほか、開発途上国に対する経済技術協力の充実を図るとともに、プラント輸出等のため新たに輸出保証保険を創設することとしております。また、国際的な資源・エネルギー問題の動向等に顧み、石油資源の開発、石油備蓄の推進等を図ることといたしております。
 また、食糧の安定供給の確保、自給力向上のための諸施策を推進し、農産物の価格安定、流通対策、農業後継者確保対策等の充実を図ることとしておりますほか、二百海里経済水域問題に対しても所要の施策を講ずることといたしております。
 さらに、国鉄運賃等の公共料金等につきましては、受益者負担の原則に立ってその適正化を図ることとし、引き続き事業経営等の健全化を進めることといたしております。なお、日本国有鉄道の財政再建問題につきましては、諸般の情勢により収支均衡の年限を延期せざるを得ない事態となりましたが、日本国有鉄道が財政再建の軌道を逆行するようなことがあってはならないと考え、必要最小限度の運賃改定を行うこととするとともに、これと並行して、助成措置の拡充を図ることといたしております。
 第四に、地方財政対策としては、地方交付税交付金について、国税三税の三二%相当額に昭和五十年度決算に係る精算分等を加算した金額四兆六千二百二十一億円を計上するほか、臨時地方特例交付金一千五百五十七億円及び資金運用部資金からの借入金九千四百億円の特例措置を講ずること等により、地方団体へ交付すべき地方交付税交付金の総額として五兆七千五十五億円を確保することといたしております。なお、総額四千二百二十五億円の臨時地方特例交付金を、地方交付税交付金の総額の確保に資するため、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度において、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計へ計画的に繰り入れることといたしております。
 また、地方債の消化の円滑化を図るため、政府資金比率を高めるとともに、義務教育施設等については、原則として全額を政府資金で引き受けることとする等、きめ細かな配慮を払っております。
 以上の措置により、五十二年度の地方財政の運営に支障が生じないよう配意したところでありますが、この際、私は、地方公共団体に対し、国と同一の基調により一般行政経費等の抑制と財源の重点的かつ効率的な配分を行い、節度ある財政運営を図るよう要請するものであります。
 なお、この機会に、昭和五十一年度補正予算について一言申し述べます。
 今回、景気の着実な回復及び災害復旧等のための公共事業関係費の追加、農業保険費、人事院勧告の実施に伴う国家公務員等の給与改定費、義務的経費の追加、国債整理基金特別会計への繰り入れ等を内容とする補正予算を提出することといたしております。
 この補正予算における歳出追加額の合計は六千百十一億円でありますが、他方、既定経費の節減、公共事業等予備費及び一般予備費の減額、合計二千五百六十九億円の修正減少を行うこととしておりますので、この補正による歳出総額の増加は三千五百四十二億円となっております。
 歳入については、前年度剰余金受け入れ二千五百四十二億円を計上いたしますとともに、財政法第四条第一項ただし書きの規定に基づく公債二千億円の増発を行うこととしておりますが、他方、昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律に基づく公債を一千億円減額することといたしておりますので、この補正による歳入総額の増加は、三千五百四十二億円となっております。
 以上の結果、昭和五十一年度一般会計補正後予算は、二十四兆六千五百二億円となるのであります。
 以上、予算の大要について御説明いたしました。
 最近の金融情勢を見ますと、企業の資金繰りは、総じて見れば、緩和基調で推移しており、また、国債等の市中消化も順調に進んでおります。このような状況のもとにおいて、当面の金融政策の運営に当たりましては、物価の安定にも配慮しながら、必要な資金の円滑な供給を図ってまいる方針であります。
 また、五十二年度におきましては、前年度に引き続き、国債、地方債等公共債の大量発行を余儀なくされておりますが、その消化に当たっては、従来同様、市中消化の原則を堅持することとし、金融情勢等に十分配慮しながら円滑な消化に努める考えであります。また、国債管理政策に一層配慮しつつ、公社債市場の整備、育成のための積極的な努力を続けてまいる所存であります。
 わが国経済は、過去において他の先進国に類を見ない高度成長を達成してまいりました。その結果、戦後三十余年を経た今日、かつては予想もしなかった豊かな国民生活が実現され、また、国際社会においても、主要先進諸国の一員として確固たる地位を築くことができたのであります。しかしながら、わが国経済の将来を展望いたしますと、資源、立地、環境等内外両面にわたる幾多の制約が強まり、従来のような高度成長を続けることはもはや困難であるのみならず、また、適切でもないことを十分認識する必要があると考えます。
 今後の経済運営に当たりましては、このような諸情勢の変化を踏まえ、これまでの惰性や慣行を断ち切り、均衡のとれた安定成長を実現していかねばなりません。
 私は、財政金融政策の責に任ずる者として、直面する諸問題を国民の前に率直に提示し、国民各位の英知も仰ぎながら、確固たる決意をもって、この難局打開に全力を傾注してまいる覚悟であります。
 国民各位の格別の御理解と御協力を切望する次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(河野謙三君) 倉成国務大臣。
   〔国務大臣倉成正君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(倉成正君) 私は、今後の経済運営についての所信を明らかにし、国民各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
 いま、一九七〇年代は、すでにその三分の二を経過いたしました。振り返りますと、わが国経済にとって、七〇年代は文字どおり激しく厳しい変動の時代となりました。
 その発端となりましたのは、国際通貨危機であります。七〇年代当初に始まる一連の通貨調整は、先進諸国間の経済力を、いわば改めて評価し直すものであったと言えましょう。わが国経済も、こうした世界の新しい胎動の中で、新たな出発点に立つことになったのであります。
 激動の第二波は、三年前の石油危機であります。当時の経験を通じて、われわれは、従来豊富かつ低廉に供給されると考えがちであった資源が実は限られたものであり、その制約を意識することなく経済運営を図ることは、もはや不可能であることを改めて認識したのであります。
 こうして、戦後の世界経済体制を支えていた国際経済バランスが動揺した中で、世界経済は、ここ数年の間、新たな経済秩序と資源有限下における安定軌道を求めて模索を続けております。
 時あたかも、わが国経済は、七〇年代に入るとともに、みずからも量的拡大を目指した成長中心のものから、質的充実を重視した生活中心のものへと、大きくその流れを変えつつありました。これときびすを接して表面化した世界経済の変動の流れにさらされ、厳しい試練の時代を迎えたのであります。
 わが国経済は、交錯する内外二つの奔流の中で、狭い進路を誤りなくかじ取ることにより、変動のうねりを乗り越え、新しい発展の道を切り開いていかなければなりません。そのためには、政府も、企業も、家計も、従来にも増して幅広い視野に立ち、わが国経済の位置するところを正しく見定めながら行動することがぜひとも必要であります。私は、今日の一歩が、あすにつながるという長期的視野に立ち、世界に広がるという国際的視野を失うことなく、経済を展開することが重要であると信じます。
 まず、長期的視野から見たわが国経済という点についてであります。
 わが国経済は、石油危機以降の三年間にわたるいわゆる調整過程を通じて、マイナス成長と二けたインフレから脱却し、マクロ的に見れば、悩みを等しくする先進諸国の中で、多くの国に先がけて変動の衝撃から立ち直りつつあると思われます。しかしながら、なお流動的な内外の動きの中で、将来に対しては、家計も、企業も、必ずしも確固たる展望を持ち得ない状況にあり、先行きに対する気迷いが見られることも事実であります。
 このような時期に当たって最も重要なことは、わが国経済社会が長期にわたって進むべき発展の方向を明らかにすることによって、政府がとるべき政策の基本的方向を見定め、あわせて、民間における経済活動の指針となるべきものを示すことであります。政府が、昨年五月、昭和五十年代前期経済計画を策定いたしましたのも、このような趣旨によるものであります。政府は、今後、同計画に示されている政策体系を踏まえ、所要の施策を着実に実施していくとともに、内外諸情勢が変化する中で、計画が常に生きた計画として働き得るよう、その前向きな展開に努めてまいります。
 同時に、私は、この際、次の点を強調いたしたいのであります。
 その第一は、まず、限られた資源、成長率の低下という厳しい現実を直視する必要があるということであります。
 今後、われわれは、量を競い、規模を誇ること自体が目的となるような華やいだ経済を期待するわけにはまいりません。使い捨てや大量消費を前提とするみせかけの豊かさも過去のものであります。高度成長の条件が失われた現在においても、なお、過去の延長線上に今日を考えがちな面が残されているとすれば、いち早く脱皮し、省資源、省エネルギー化を強力に推進するとともに、構造の転換、企業経営基盤の強化に真剣に取り組んでいかなければなりません。同時に、経済活動が自然や環境や社会に与える影響に十分配慮しつつ、新しい時代に適応していくための態勢の整備に努めることが急務であると考えます。
 第二に、他方で、これから迎える時代においてこそ、民間の活力、前向きな経済活動が一層必要であります。
 わが国の過去の経済成長の歴史は、一曹で言えば、いわば欧米先進諸国の水準を目標値と定め、その水準に到達するための努力の積み重ねでありました。いまや、その多くが達成されつつあります。これからのわが国経済は、よるべき過去の手がかりや世界の先例を求め得ない未知の時代を前にして、みずからの力でみずからの道を切り開いていかなければなりません。自由で公正な経済体制のもとで、創造性に富んだ企業家精神が発揮され、活力に満ちた経済活動が展開されることを期待するとともに、政府としても、適切な政策的対応に努めてまいる所存であります。
 以上、二つの命題は、わが国経済の長期的な発展基盤を確立していく上で、ぜひともやり遂げなければなりません。いま求められている最大のものは、これに取り組む勇気と英知であります。わが国経済が直面している試練がかつてなく厳しいものであるとしても、戦後の幾多の経済的困難を乗り切ってきた経験を思い起こしますとき、将来に対し、いたずらに悲観的になる必要はないのであります。私は、わが国経済がこれまで培ってきた経済力を生かし、潜在的な成長力をさまざまな制約条件に適合させながら持続的に発揮していくことを通じて、安定成長経済のとびらを開き得るものと確信いたしております。
 次に、国際的視野の中でわが国経済を見詰めていく必要があります。
 わが国経済の安定的成長のためには、世界経済がインフレのない持続的成長を続けていくことが不可欠の条件であります。また、エネルギー、資源、食糧等、いずれの面をとってみても、わが国経済が海外に依存する度合いはきわめて大きいものがあります。
 同時に、いまや、世界の総生産の八%、世界貿易の六%を占めるに至ったわが国の動きを抜きにしては、世界経済の諸問題――成長、貿易、通貨、援助等、いずれの問題も語ることはできなくなりました。われわれは、増大した国際的責任を認識し、経済政策を国際的視野に立って選択する必要に迫られております。このため、わが国としては、みずから、変動の少ない適正な経済成長の実現に努めるとともに、国際経済秩序の安定と発展に引き続き積極的な役割りを果たしつつ、各国に対し、保護貿易主義の回避等、世界経済の安定的拡大への協力を強く要請していかなければなりません。また、開発途上国に対する経済協力の推進は国際的にも強く期待されているところであり、政府は、今後とも、政府開発援助の拡充に努力してまいりたいと思います。
 さて、わが国経済は、いま二つの課題に当面しております。その第一は、景気のより着実な、より持続的な回復を図ることであり、第二は、物価の一層の安定に努めることであります。この二つの課題を同時に解決し、国民の期待にこたえることが、新しい年の政府の責務であると考えます。
 わが国経済の最近の動向を見ますと、景気は、基調としては回復過程にあるものの、昨年度以降その回復テンポが緩慢化している中で、業種別、地域別に見ると回復の進度に格差があるほか、企業倒産も高水準に推移し、雇用情勢の改善もはかばかしくない等、なお解決すべき問題が残されております。
 このような情勢のもとで、今後の経済運営に当たっては、まず第一に、景気の回復を一層着実かつ持続的なものとし、特に、雇用の安定について十分な配慮を払ってまいることが最も緊要であります。
 私は、このため、三つの指針を念頭に置いて経済運営に当たってまいります。
 すなわち、第一に、安定的な成長を確保することであります。波の少ないなだらかな回復を図ることが重要であります。
 第二に、均衡のとれた成長を実現することであります。経済の諸指標がバランスをとりつつ回復し、各部門、各分野がそれぞれ足固めをすることが必要であります。
 第三は、その成長が将来に対する自信と活力に裏づけられていることであります。それによって、持続的な回復を期し得るものと考えます。
 このような観点から、政府は、昭和五十一年度補正予算及び昭和五十二年度予算の編成に当たり、財政健全化の基本方針に即しつつ、特に、当面の経済に好ましい需要創出の効果をもたらし、かつ、長期的に見ても、国民生活の充実と経済社会の基盤整備に役立つ公共事業費等の投資的経費に重点を置き、経済情勢に見合った財政規模と投資水準の確保に意を用いたところであります。
 以上、政府の施策の時機に適した機動的な運営と民間の自律回復力とが一体となって、昭和五十二年度のわが国経済は、実質六・七%前後の着実な成長を達成し得るものと考えております。このことを通じて、わが国経済は、内においては、昭和五十年代前期経済計画で想定している長期的な安定成長路線に向かって、さらに着実な歩みを進めるとともに、外にあっては、世界経済の順調な拡大に寄与し得るものと考えております。
 景気が回復しても、物価が上昇したのではバランスのとれた経済であるとは申せません。物価の安定こそ、真に豊かで落ちついた国民生活の基本であります。つましい生活の中で精いっぱい暮らしている方々や、年金や貯えに老後の日々を立てている方々、母と子が肩を寄せ合って生活している方々の悩みに思いをいたすとき、私は、物価の高騰ほど社会的公正を損なうものはないと痛感いたします。国民の一人一人が不安なくあすを設計する上でも、物価が安定していることが何よりも必要であります。
 最近の物価動向を見ますと、卸売物価は昨年夏以降その騰勢が鈍化しており、消費者物価も概して落ちついた動きで推移しているなど、物価は、石油危機に始まるいわゆる狂乱期を脱し、安定的な基調が整いつつあると考えられます。しかし、その上昇率はなお高く、景気が息の長い上昇を続けていくためにも、引き続き一層の安定化を図っていく必要があります。
 このため、政府は、五十二年度においても、物価の安定が引き続き経済運営の重要課題であるという観点に立ち、今後とも、通貨供給の動向を注視しつつ、生活必需物資の安定供給の確保、輸入政策の積極的活用、低生産性部門及び流通機構の近代化の促進、競争政策の推進など、各般の施策を有効適切に運営してまいります。同時に、これらの施策の効果を十二分に発揮していくため、国民各層の御理解と御協力をいただきたいと期待するものであります。
 なお、公共料金につきましては、これらの関係事業がその社会公共の責務を遂行するためにも、経営の合理化の徹底に努めることを前提としつつ、受益者負担の原則により、適時適正な水準に定められるべきものであると考えます。しかしながら、一方において、その改定が国民生活に及ぼす影響についても十分考慮し、物価の安定化を阻害しないよう配意してまいる所存であります。
 以上により、国民の最大関心事である消費者物価につきましては、五十二年度中の上鼻率を七%台にとどめたいと考えております。
 あらゆる政策の究極の目標が、国民生活の安定とその充実向上にあることは申すまでもありません。国民の汗にこたえ、国民の夢をはぐくみ、国民の悩みに心する行政の一層の推進が図られなければなりません。
 景気の回復と、雇用と物価の安定は、国民生活の安定のためのいわば必要最小限度の課題でありますが、国民一人一人の幸せの指標は、住宅を初め、健康や社会保障、教育、環境、安全等、きわめて多岐にわたっております。
 それらの充実のためには、個人個人の自主的な努力と、温かい心のきずなで支えられた社会的連帯にまつところも大きいものがありますが、同時に、国に期待される分野も多く、成長率が低下する中で、責任と費用をどのような形で分かち合うかについての一層の合意を図りながら、国民生活の質の向上のための施策をさらに推進していかなければなりません。
 このような観点から、私は、今後の経済運営に当たりましては、国民の実感に適確にこたえ得るよう一層の努力をいたしますとともに、消費者保護の推進など、総合的な国民生活行政の積極的な展開を図ってまいりたいと考えております。
 われわれが目指している安定成長経済は、また厳しい選択を要求する経済であります。いつでも、どこでも、何でも求め得るというわけにはまいりません。
 当面する景気問題の解決一つをとってみましても、物価問題、雇用問題、財政収支の問題、あるいは対外均衡の問題等、その波及関連するところはきわめて多く、しかも、そのおのおのは互いに矛盾する側面も少なくありません。こうした中で、いずれに重点を置くべきかを選択し、同時に、問題を相互に調和させつつ、ひとしくその解決を図っていくことは容易ならざるものがあります。それは、新しい年の経済運営に課せられたまことに厳しい試練であると考えます。しかし、そのことは逆に、その試練を克服していくことを通じて、この年が新しい時代を切り開く展望の年になり得ることを示すものであります。
 安定して均衡のとれた、しかも活力のある経済の確かな手ごたえをことしこそわれわれのものとするために、私は、課せられた試練に正面から取り組み、全力を尽くします。
 国民各位の御支援と御協力を切にお願いいたします。(拍手)
#32
○議長(河野謙三君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 本日は、これにて散会いたします。
  午後四時四十三分散会
     ―――――・―――――
  出席者は左のとおり。
       議     長  河野 謙三君
       副  議  長  前田佳都男君
    議 員
      太田 淳夫君    矢原 秀男君
      下村  泰君    喜屋武眞榮君
      相沢 武彦君    桑名 義治君
      青島 幸男君    市川 房枝君
      柄谷 道一君    塩出 啓典君
      峯山 昭範君    阿部 憲一君
      三治 重信君    林  ゆう君
      安孫子藤吉君    藤原 房雄君
      原田  立君    三木 忠雄君
      上林繁次郎君    和田 春生君
      平井 卓志君    内田 善利君
      矢追 秀彦君    黒柳  明君
      田代富士男君    木島 則夫君
      山本茂一郎君    鈴木 一弘君
      山田 徹一君    宮崎 正義君
      柏原 ヤス君    田渕 哲也君
      柳田桃太郎君    宮崎 正雄君
      二宮 文造君    白木義一郎君
      小平 芳平君    中尾 辰義君
      中沢伊登子君    向井 長年君
      木内 四郎君    後藤 正夫君
      高橋雄之助君    増田  盛君
      堀内 俊夫君    望月 邦夫君
      最上  進君    青井 政美君
      石破 二朗君    糸山英太郎君
      岩上 妙子君    大島 友治君
      大鷹 淑子君    中村 登美君
      原 文兵衛君    橋本 繁蔵君
      中村 禎二君    上條 勝久君
      中西 一郎君    園田 清充君
      久保田藤麿君    寺本 広作君
      上田  稔君    吉田  実君
      小林 国司君    嶋崎  均君
      西村 尚治君    内藤誉三郎君
      玉置 和郎君    岡本  悟君
      土屋 義彦君    長田 裕二君
      鍋島 直紹君    新谷寅三郎君
      青木 一男君    迫水 久常君
      小川 半次君    神田  博君
      八木 一郎君    丸茂 重貞君
      剱木 亨弘君    矢野  登君
      今泉 正二君    斎藤 十朗君
      宮田  輝君    藤川 一秋君
      秦野  章君    永野 嚴雄君
      岡田  広君    亀井 久興君
      坂野 重信君    山東 昭子君
      井上 吉夫君    中村 太郎君
      遠藤  要君    棚辺 四郎君
      志村 愛子君    高橋 邦雄君
      黒住 忠行君    初村滝一郎君
      中山 太郎君   久次米健太郎君
      鈴木 省吾君    安田 隆明君
      山崎 竜男君    世耕 政隆君
      江藤  智君    林田悠紀夫君
      橘  直治君    木村 睦男君
      加藤 武徳君    熊谷太三郎君
      安井  謙君    吉武 恵市君
      植木 光教君    塚田十一郎君
      増原 恵吉君    伊藤 五郎君
      大谷藤之助君    有田 一寿君
      矢田部 理君    案納  勝君
      松岡 克由君    野末 陳平君
      森下 昭司君    青木 薪次君
      野田  哲君    対馬 孝且君
      高橋 誉冨君    戸塚 進也君
     目黒今朝次郎君    浜本 万三君
      赤桐  操君    大塚  喬君
      田  英夫君    神沢  浄君
      小谷  守君    戸田 菊雄君
      竹田 現照君    村田 秀三君
      源田  実君    二木 謙吾君
      杉山善太郎君   茜ケ久保重光君
      野口 忠夫君    和田 静夫君
      亘  四郎君    羽生 三七君
      戸叶  武君    小柳  勇君
      栗原 俊夫君    安永 英雄君
      福間 知之君    近藤 忠孝君
      山中 郁子君    秦   豊君
      粕谷 照美君    片山 甚市君
      小巻 敏雄君    安武 洋子君
      内藤  功君    寺田 熊雄君
      佐々木静子君    辻  一彦君
      片岡 勝治君    沓脱タケ子君
      神谷信之助君    工藤 良平君
      竹田 四郎君    前川  旦君
      小笠原貞子君    立木  洋君
      橋本  敦君    森  勝治君
      川村 清一君    田中寿美子君
      野々山一三君    加藤  進君
      渡辺  武君    塚田 大願君
      久保  亘君    瀬谷 英行君
      鶴園 哲夫君    松永 忠二君
      須藤 五郎君    岩間 正男君
      星野  力君    阿具根 登君
      小山 一平君    中村 英男君
      秋山 長造君    藤田  進君
      加瀬  完君    河田 賢治君
      野坂 参三君    上田耕一郎君
      春日 正一君
   国務大臣
       内閣総理大臣   福田 赳夫君
       法 務 大 臣  福田  一君
       外 務 大 臣  鳩山威一郎君
       大 蔵 大 臣  坊  秀男君
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
       厚 生 大 臣  渡辺美智雄君
       農 林 大 臣  鈴木 善幸君
       通商産業大臣   田中 龍夫君
       運 輸 大 臣  田村  元君
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
       労 働 大 臣  石田 博英君
       建 設 大 臣  長谷川四郎君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (北海道開発庁
       長官)      小川 平二君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       園田  直君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       藤田 正明君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       西村 英一君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  三原 朝雄君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       倉成  正君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       宇野 宗佑君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  石原慎太郎君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  田澤 吉郎君
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト