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1976/05/13 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第12号
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1976/05/13 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第12号

#1
第080回国会 本会議 第12号
昭和五十二年五月十三日(金曜日)
   午前十時八分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
  昭和五十二年五月十三日
   午前十時開議
 第一 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校
  薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を
  改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 外国等による本邦外航船舶運航事業者に
  対する不利益な取扱いに対する特別措置に関
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 雇用保険法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第四 文部省設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第五 地方交付税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する
  大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日
  本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
  棚の南部の共同開発に関する協定の締結につ
  いて承認を求めるの件(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。鳩山外務大臣。
   〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(鳩山威一郎君) 昭和四十九年一月三十日にソウルにおいて署名いたしました日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明をいたします
 政府は、日韓両国に隣接する大陸だなの問題につきましては、これを話し合いにより解決するとの方針に従って、大韓民国政府との間で交渉を行った結果、昭和四十九年一月三十日にソウルにおいてわが方後宮駐韓国大使と韓国側金外務部長官との間で、両国に隣接する大陸だなの北部の境界画定に関する協定及び両国に隣接する大陸だなの南部の共同開発に関する協定に署名を行いました。これらの協定は、第七十二回国会及び第七十五回国会に提出され、その後、第七十六、七十七、七十八回国会において審議されましたが、審議未了となって今日に至っている次第であります。いま、これらの協定についてその主な点を御説明申し上げれば次のとおりであります。
 両国に隣接する大陸だなの北部の境界画定に関する協定においては、両国に隣接する大陸だなの北部における日本国に属する大陸だなと大韓民国に属する大陸だなとの境界線を、両国から等距離の中間線を基準として、三十五個の座標により定めております。
 また、両国に隣接する大陸だなの南部の共同開発に関する協定は、両国に隣接する大陸だなの南部に当たる部分について、同区域に対する主権的権利の問題を決定し、または大陸だなの境界画定に関する両国の立場を害することなく、その一定区域を三十個の座標により共同開発区域として定め、石油資源の開発を共同で行うことを可能とするものであります。共同開発区域は、幾つかの小区域に分割され、共同開発は両国がおのおの小区域ごとにそれぞれ認可する開発権者によって共同して行われ、採取された石油資源及び共同開発に要する費用は両国の開発権者の間で折半することとなっております。さらに、同協定中には漁業上の利益との調整の問題、課税問題、開発活動より生ずる海洋における衝突の防止、海洋の汚染の防止のためとらるべき措置につき両国が合意すべきこと、開発によって万が一損害が発生した場合の賠償の問題等についても規定が置かれております。海洋の汚染の防止についてさらに申し上げますと、協定及び交換公文により、事故が起こらぬよう万全の措置を講ずることとしておりますが、最近の北海油田の事故のような例もございますので、この点についてはなお一層の配慮を払ってまいる所存であります。また領海十二海里と本協定との関係につきましては、領海法の成立に伴い、当初予定しておりました共同開発区域のごく一部が領海となりますので、その部分は国際法上の原則により、当然に本協定の対象外となります。このことは、理論的に当然のことでありますが、念のために日韓それぞれの文書の往復によって確認しておいた次第であります。
 なお、中国との関係につきましては、東シナ海の大陸だなの境界画定については、関係国間の話し合いで解決すべきであるとの中国の立場には原則としてわが国としても異議のないところでありますが、現下の国際情勢から推して、こうした話し合いの実現性はきわめて薄いと言わざるを得ません。こうした事情にかんがみ、日韓間にまたがる部分に注意深く限定して取り決めを行ったのが本協定であります。すなわち、本協定により定められた共同開発区域は、わが国と中国との間の中間線のわが国側であって日韓両国間の大陸だな部分に限定して設定したものであり、大陸だなに対する中国の国際法上の権利を損なうことのないよう慎重な配慮が加えられております
 大陸だなの石油資源の早期開発は、わが国のエネルギー資源政策上きわめて重要な課題であり、また、エネルギー資源事情が深刻な今日、大陸だなの帰属をめぐり世界各地で問題を生じている次第でありますが、これら両協定の締結によりまして日韓両国に隣接する大陸だなにつきまして、日韓両国間で紛争を生ぜしめることなく、現実に開発を行い得る基盤が整備されることが期待されます。
 以上が、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。
 以上でございます。(拍手)
#6
○議長(河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小柳勇君。
   〔小柳勇君登壇、拍手〕
#7
○小柳勇君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました日韓大陸棚協定について、総理並びに関係閣僚に質問いたします
 石油資源の九九%以上を外国からの輸入に依存いたしておりますわが国が、日本近海の大陸だなの石油開発を推進することは、エネルギー危機が叫ばれている今日、急務ではあります。しかし、わが党としては、いまこの協定を批准することには、根本的には次の二つの点から反対であります。
 まず第一点は、国際法的にもきわめて不合理なものであり、他国の主権を侵害するばかりでなく、日本自身の主権をも損ない、日韓の黒い結びつきを一層強める内容を有しておるからであります。
 第二点は、この協定の批准によって朝鮮の南北分断固定化政策が一層強められ、われわれが今日まで一貫して支持してまいりました朝鮮の自主的平和統一にとって、新たな障害をつくり出すことになるからであります。
 そこで、質問の第一は、日韓、日中の関係を整理しないまま、なぜ今日批准を急ぐのかという点であります。
 人権問題、黒い疑獄など、さまざまな問題を抱える朴政権と本協定を結び、共同開発を行うことによって、これ以上わが国が日韓癒着関係を深める必要は毛頭ございません。しかも、本協定は有効期間が延々五十年にも及ぶものであります。この二十年間にわたる宇宙開発の目覚ましい発展を思うとき、これから五十年間の海洋開発の発展もわれわれの想像を絶するものがあろうと思います。五十年間の協定を結ぶことは、現在の日本国民にとっても、将来の日本の国民にとっても、きわめてゆゆしい問題であります。しかるに、政府・自民党は、二国間条約でこれほど批准がおくれた先例はなく、いつまでも放置しておくことは外交責任上ゆゆしい問題であると言って、衆議院において無理やり採決をいたしております。しかしながら、本協定よりも、核拡散防止条約などはもっと長い間批准が放置されておりました。
 また、いやしくも、議会制民主主義体制をとっておるわが国が、国会で日韓癒着の問題を含め本協定について十二分の審議を尽くし、長期的かつ幅広い観点から、その内容の当否あるいは得失を明らかにすることはわれわれ国会議員の不可欠の義務であると同時に、国民から託された重要な責務であると考えるのであります。日韓癒着問題を明らかにしないままでの会期延長による自然承認などには絶対に反対するものであります。本協定の承認は、本協定批准に厳しい批判をしておる中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国など、近隣諸国との友好に大きな障害になりかねません。政府はなぜにかくも批准を急ぐのか、明確な御答弁を期待いたします。
 第二の問題は、大陸だなの領有権問題であります。
 わが国の大陸だな境界に関する考え方は、従来、大陸棚条約第六条にいう等距離中間線理論であったはずであります。しかるに本協定は、中間線よりわが国寄りの地域を共同開発することになっており、わが国が主権を放棄したことになります。また、本協定にいう共同開発区域の海底は、堆積構造上は中国の江蘇、漸江両省の延長に当たるもので、少なくとも朝鮮半島の継続であるという裏づけはありません。むしろ、大陸棚条約によって、中国を含めた関係国の話し合いによって区分すべきであり、中国の合意なしに本協定の署名を行ったこと自体、国際法上の原則からも疑念を生じることになります。現に、朝鮮民主主義人民共和国は、日韓大陸棚協定調印直後の一九七四年二月二日、外務省スポークスマンの声明を出し、「この協定調印は、朝鮮人民の利益に反し、わが国の自主権と利権を侵害するものだ。わが国政府と全朝鮮人民はこれを無効と宣言する」と抗議し、以来今日まで、繰り返し抗議を続けております。また、中華人民共和国は、七四年二月四日、外務省スポークスマン声明を出し、「日本と南朝鮮の大陸棚協定は中国に対する主権侵犯であり、中国政府は断じて同意できない」と抗議し、以来今日までその主張を一貫して変えてはいないのであります。なぜ、政府は中国と話し合いをしてからこの協定を結ばなかったのか、お尋ねをいたします。
 第三は、共同開発対象区域における石油埋蔵量についてであります。
 一九六八年の国連アジア極東経済委員会の調査によりますと、東シナ海一帯には豊富な石油資源が埋蔵されている可能性は指摘されておりますが、これが外務省のPRでは、共同開発区域に七億キロリットルとなっております。この数字はあくまでも一つの推計であり、御承知のとおり、衆議院の参考人の意見聴取でも埋蔵量に対する疑問が出ており、しかも、この数字は九州の西側海域から台湾北方の尖閣列島付近にかけて埋蔵されておると見られる数字であって、共同開発区域だけの埋蔵量が七億キロリットルということではないのであります。エカフェの調査対象区域の一部である対馬、五島列島沖などの石油試掘がこれまで全部完全に失敗していることなどから類推すれば、共同開発区域の埋蔵量は、わが国の年間輸入量三億キロリットルの一年分で、とても大油田とは思われません。むしろ、出もしない石油をめぐって開発の名目で巨額の金を引き出そうとする陰謀であるとの声がわれわれの胸を強く刺すのでございます。
 政府としては、石油の埋蔵量についてどのような科学的裏づけをもってこの協定を結ぼうとされるのか、私は資料要求いたしておるのでありますが、今日まで何らの資料を得ていません。その根拠を明らかにされたいと思います。
 第四は、漁業問題と海洋汚染問題についてであります。
 共同開発の対象となる区域は、黒潮、対馬海流の分岐点で、イカの産卵場、フグやサバなどの好漁場で、油による汚染の心配はもちろん、油層探査の物理的な調査が魚群に影響を与えるおそれもあり、沿岸漁民にとってはきわめて重大な問題であります。漁業専管水域二百海里時代に入り、わが国の漁業は沿岸漁業の見直しを迫られ、海洋の環境維持の問題がクローズアップされているからであります。
 その問題の一は、大陸だな開発と漁業の調整の問題であり、従来は全く企業ベースにゆだねられてきたため、漁業者に対する補償額に合理的な基準がなく、ともすれば涙金で済まされることが多いことであります。
 その二は、大陸だな開発を海洋環境面から規制する直接の法律がなく、環境庁が検討している環境アセスメント法案の対象からも外されていることであります。
 その三は、事前の事故防止対策、すなわち万一事故が起きた場合の処理対策が欠けていることであり、漁業被害に対する補償などを含めた総合的な制度がぜひ必要であります。四月二十二日には、ノルウェー内閣の総辞職をうわさされるほどの大事故が最新設備を誇る北海油田に起きております。この種の事故がわが国の場合には生じないという保証はありません。
 かかる観点から、政府として、開発するに当たりましては、海洋汚染、漁業に対する不当な影響、事故の際の補償などにどのような対策を講じておられるのか、沿岸漁民の不安解消の上からも、明確な御答弁をお願いいたします。
 第五は、開発主体と資金調達の問題であります。
 本協定によれば、日韓両国から認められた石油開発会社が共同して開発に当たることになっており、開発に要する費用も折半することになっております。日韓共同開発には約五千億円を要するだろうと言われておりますが、実際にはそんな程度では済まないだろうと思います。たとえば、日韓共同開発区域より条件のよい北海油田ですら、一九六四年から七五年の探鉱、開発の総投資額は三兆三千億円以上もかかっておるのであります。また、開発希望の会社は、従来の慣例から、石油公団に対して七割程度の投融資を期待してくるものと思われますが、衆議院の附帯決議で、国際紛争のおそれがある本地域の探鉱事業に石油開発公団の投融資はしないとありますので、民間企業の自己資金だけでいつ本格的な探鉱に入れるのか、全く見通しもつきません。さらに、両国とも海底の石油を採掘するに必要な技術を十分に持っておらないので、カルテックスなどの国際石油資本の力をかりねばならない現状からして、開発会社がダミー化したり、探鉱に巨額な費用を必要とするだけに、利権が生まれる危険性が大いにあります。特に、協定では、政府は韓国側の石油会社に対して何らのクレームをつけることはできないことになっておりますが、この点についても明確な政府の御答弁をいただきたいと存じます。
 最後は、国益の問題であります。
 当面するエネルギー危機に対処するためには、石油輸入先の分散化が現実的な方途であって、世界の確認埋蔵量の八・七%を占めるソ連や、さらに、中国からの輸入を大いに促進すべきであり、中国並びに北朝鮮との平和友好条約締結後にこれら近隣諸国が協議して当該大陸だなの共同開発を実施することこそがわが国にとって国益であると私は信ずる次第でございます。しかも、わが国がいま中間線の主張を譲って韓国の自然延長論に妥協を急ぎますと、この先中国の主張に反論しようとする場合、みずからその論拠を放棄することになります。すなわち、将来地質学的に見て有望な尖閣列島付近を含めた東シナ海の広大な石油鉱床を開発するに当たって十分な権利を主張する際、政府はどこにその論拠を求めたらよいのか、そのことを考えれば、なおさらのことであります。
 いずれにしましても、これから五十年間日本民族の命運を縛り、巨額な金を使う大陸だな問題につきましては、国益に反するような内容の協定を、拙速をもって結ぶことは、厳しく慎しむべきであります。この点を強く警告いたしまして、私り質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 本協定は、第三国との調整ができておらぬ、また南北関係を、これを固定化させると、こういうような状態を醸し出しはしないか、そういうような御批判でございますが、これは、資源対策上わが国としては非常に急ぐんです。そういう意味からいたしまして、とにかく三年前に調印されておる、それをわが国はまだ国会が承認しない、これは国際信義にもとるというふうに思うのであります。
 また、第三国ということでございますが、これは日韓両国に関係のある地域のみについての協定でございます。第三国には関係がありませんですから、その辺は御了承を願います。
 また、日韓癒着、これは、いい癒着であれば善隣友好でいいわけでありますから、悪い癒着は一切いたしませんから、御心配なくお願い申し上げます。
 また、日韓大陸だな開発は中間線理論を放棄したと、こういうことになるが、これは国益を失うことになるんじゃないかと、そういうお話でございますが、これは、両国の主張は違いがある、その立場は留保してあるわけであります。そういう主張の違いがある、そういう中で開発をしようと、これは共同開発以外に道はないんでありますから、その辺は御理解を願いたいと、かように考えます。
 それから、どうも外国資本の介入が出てくるんじゃないか、そういう話でありますが、わが国は、資本的にも技術的にも完全な力を持っておりますから、それはひとつ御安心を願いたい。御理解を願います。(拍手)
   〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(鳩山威一郎君) 総理大臣の御答弁がございましたが、若干補足をさしていただきます。
 この共同開発に当たります大陸だなが中国の延長線にあるのではないかと、こういう御主張でございますけれども、この大陸だなをどのように区分をするか、あるいは管轄権をどう定めるかという問題は、これは自然の延長論と申しましても地質学上で決めるべき問題ではございませんで、やはりこれは国際法上の制度としての決め方が問題でございまして、この際に、御承知のように、九州の西側に沖繩海溝というのがございます。この沖繩海溝というところで大陸だなが切れているのだと、自然の延長論というものは、海溝のところで自然の形態が変わったところまでを言うというのが自然延長論。そうして中間線論というのは、同じ大陸だなに乗っております場合にどこで区分するか、これは公平の原則で分けるわけでありますが、やはり中間線を取るのが一番公平だというので中間線を取ると、こういうわけでございますので、これらは国際法上の観念として決められるべきものである。その際に、日本国の主張は、沖繩海溝というものはひだであるから、このひだによって自然が変わったわけではない、同じ大陸だなに乗っておるという主張をわが国はいたしておる。それに対しまして韓国側の主張は、沖繩海溝におきまして切れてしまう、これが国際法上の観念である、このような主張をして対立をしたわけでございます。この対立関係が続いていく間は、現実問題として開発ができない。そこで、両国で共同して開発をしよう、しかも、その大陸だなの管轄権の帰属という問題はこれはたな上げにして、これには本件の、共同開発をするから境界線を決めるということではない、お互いの、両国の主権には影響を及ぼさないという点を留保をして共同開発をいたしましょうと、こういうことでございますので、したがいまして、中国と韓国との間はこれは同じ大陸だなに乗っていると、こういう関係にありますので、中国と韓国との関係におきまして、これは韓国側の大陸だなだという主張があります。わが国といたしましては、その沖繩海溝というものがこれは同じ大陸だなの性格を変えるものではない。したがいまして、韓国と中国とのこの中間までがわが国が管轄権を及ぼし得るという主張をしておる、このような関係にあるわけでございます。
 で、中国との関係におきましては、この中国の権限を何ら害するものではないということをたびたび御説明を申し上げておるところでございまして、この中国との完全なる了解点には達しておらないことは御指摘のとおりでありますが、この点につきましては、今後わが国政府といたしまして、中国の理解を得るように、この点が日中の国交上支障を及ぼさないように最大限の努力をいたしたいと、こう思うわけでございます。その点につきまして、昨日も小川大使に訓令を出しまして、わが方の立場をもう一度よく改めて中国側に御説明を申し上げるということをいたしておる次第でございます。
 それから、協定では日本国政府は韓国側の会社に何らのクレームもつけられないことになっているがどうかと、こういうお話でございますが、日韓両国の開発権者間の事業契約の締結、あるいはその修正、これには両国政府の承認が必要であります。したがいまして、日本政府といたしまして、韓国側の事業契約の締結、修正につきましても事前に十分コントロールができるたてまえになっております。また、開発開始後に問題が生じました場合には、本協定により設置されます日韓共同委員会がございます。これらの場を通じまして、また外交チャンネルを活用いたしまして協定の円滑な実施を図っていく、このように考えているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣田中龍夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 埋蔵量の問題につきましては、先生の仰せられましたとおり、昭和四十三年のエカフェの調査によりまして、石油の賦存の可能性のきわめて高い堆積層が存在するきわめて有望な地点であるといたしておりまするが、御案内のとおりに、当該地域は、詳細な地震探鉱なり、あるいは試掘が行われておりませんことは御案内のとおりであります。なお、推定の埋蔵量は七億キロリットルということに一応概定をされておりますることも仰せのとおりでございます。
 なおまた、海洋汚染の防止あるいはまた除去のための処置がどうなっておるかという問題でありまするが、交換公文が交わされておりまして、これによって十分対策があり、同時にまた、その原油の掘削作業におきましては、鉱山保安法に基づきまする噴出防止装置の設置等を義務づけておりますので、事故の点につきましては十分にこれを規制いたしております。
 なおまた、新潟沖の大陸だな等、すでに百本ほどの掘削をいたしておりまするが、いまだ一件の事故もないような状態でございまして、これにつきましては十分万全を期したい、かように存じております。
 なお、万一損害を与えましたような場合におきましても、日韓両国の開発権者が無過失連帯賠償責任を負うことに相なっております。
 さらにまた、日本側の開発権者を許可いたしまするに際しましても、経済的な基礎も審査の対象といたしておりまして、賠償のための資金があるかどうか、また事前に十分の審査をいたしまして、損害を受けました漁民等の方々に対しまする補償の万全を期しておるのでございます。
 さらにまた、日本側の開発権者の許可に際しまして、経理的基礎及び技術的能力をば厳重に審査をいたしております。資金力も、あるいは技術力も十分に存しまする企業でなければこの当事者たり得ないということにいたしておりまして、ただいま仰せられましたごとくに、少なくとも日本側におきましてはメジャーに依存しなければならないというようなことは絶対にございません。複数の企業が共同で行うことがあるのは通常行われますることでありますが、それが直ちに不当な権利と結びつくようなことはあり得ないが、政府といたしましてもこの問題につきましては十分に監視してまいるつもりでございます。
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(長谷川四郎君) 日韓の大陸棚協定にかかわる水域は古くからわが国漁業者が開発をして、そして着実な実績を上げておる漁場でございます。したがいまして、優良漁場であるので、本協定に基づきます共同開発事業については、探査その他の作業の実施の時期または地点及び方法の選択に当たって関係漁業者と事前に十分の調整を行うこと、さらに海洋汚染の未然の防止を図ること、さらに不測の事態に当たって十分な救済措置がとられることが必要であると考えております。このために、本協定においては海洋の汚染の防止、除去に関することについて規定し、さらに漁業に影響を及ぼさないような配慮をされておるのでございます。
 なお、不幸にして事故が発生した場合の救済措置につきましては、本協定において裁判管轄の特例を設けたほか、日韓両国の開発権者が連帯をして無過失責任を負うこととされておるところでございます。
   〔国務大臣石原慎太郎君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(石原慎太郎君) 環境庁に対します御質問は、海底油田の開発が環境保全対策上問題がないかということと心得ます。お答えいたします。
 日韓両国間の交換公文中の汚染防止の要項は三つございます。第一は噴出防止装置等に対するもの、第二は油の排出、第三は廃棄物の排出でございます。第一の噴出防止装置等に対しましては鉱山保安法を適用いたします。これは国際レベルをかなり上回る厳しいものが日本にございます。第二、第三の油の排出、廃棄物の排出に対しましては海洋汚染防止法を適用いたします。これは国際レベルと全く同じものでございます。このような措置によりまして、制度面では防止に十分な効果を上げることができると思います。
 なお、協定の二十条によりまして、もし両国間の防止法の規制度、厳しさに差があるならば、より適正な方に片側が合意して歩み寄るべきだと環境庁としては心得ます。こういうことで、油流出等の事故により海洋汚染が生じないよう、第一に汚染防止制度の厳正な運用、第二に施設の技術的なチェックの徹底が肝要と思います。
#13
○議長(河野謙三君) 小柳勇君。
   〔小柳勇君登壇、拍手〕
#14
○小柳勇君 答弁漏れに対して二点質問いたします。
 総理に対する質問でありますが、その前に、通産大臣には要望だけいたしておきます。七億キロリットルの埋蔵量、こういうふうに答弁されました。その資料を私に出してもらいます。それから漁業補償の問題も的確に言われましたから、その資料も私に出してもらいます。
 総理大臣に二点だけ質問いたします。
 第一は、金は日本にあるから大丈夫だということをおっしゃいました。十分勉強してないのではないかと思いまするが、現在の、いま第七鉱区に日本の三つの企業が申請をいたしておりますが、その企業、その資本力及びさっき質問しましたように、衆議院の附帯決議では、石油開発公団からはこれには融資しないということを決議いたしました。したがって、金を政府から出そうとされるのかどうか、その点が第一点。
 第二点で私が一番言いたいのは一日韓癒着の問題であります。この問題については総理の答弁がありません。このそもそもの発端は、エカフェの調査がありました直後、韓国から七鉱区付近の開発に動き出した。その前に日本でも若干探査をいたしています。それが競合いたしましたために、元総理の岸さん、あるいは大平通産大臣、中曽根元大臣などが中心になりまして、韓国の政治と一体となって秘密裏に今日まで話が進んできている。そういうものは、かつての自民党の代議士であった宇都宮さんですら絶対にこれは許せぬと言っている。そういうものに対して、自信があって総理はこの日韓癒着問題に対しては答弁がなされておるのかどうか、この二点を御答弁を願いたいと思います。
   〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#15
○国務大臣(福田赳夫君) 日韓癒着ということにつきましては、皆さんからいろんなことが言われておることは私はよく承知しております。また、特にこの共同開発問題につきまして、元大使をやった人がどうしたとかというようなことが新聞紙上に報ぜられておるというようなことも聞いております。しかし、この問題は、いろいろ考えてみましても、事は急ぐんです。わが国の資源エネルギー対策から見ますと、とにかくわが国の近海において石油の開発ができるというようなことは、これはもう本当にわが国としてはありがたい話でございまして、その発開は急がなきゃならぬ。しかも、この開発をめぐりまして日韓双方におきまして意見の対立がある。その対立の決着を待っておりましたならば、その開発というものがいつになるかわからぬ。そういう際に考えられることは、これはもう共同開発構想以外に道はないんです。その共同開発構想をだれか元大使をやった人が打ち出したとかなんとかというようなことまでとらえまして、どうも日韓癒着の影があるなんというようなことを言う人がありまするけれども、私は、暗い影というものはこの交渉の背景には全然ないというふうに確信をいたしております。まあとにかく韓国という国はわが国と最も近い国である、その間に深い関係が生ずることは当然です、これは。いい関係なら、もうこれは本当にその両国の関係が強化されるということが歓迎されるべきであります。悪い関係につきましては、私どもは断固これを許しませんから、さよう御了承願います。
 なお、この資金をどうするか、開発の企業者をどうするかというような点につきましては、通産大臣からお答えを申し上げます。
   〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#16
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 現在の段階におきまして、探鉱活動が行われておらないことは先生も御承知のとおりでありまするが、石油の存在する構造の数字等もはっきりいたしておりませんことは、エカフェの会議におきましても同様でございます。ただ、この開発に必要な資金の問題につきましての試算でございまするが、詳細な試算は事実上不可能なことは御案内のとおりでありまするが、かつてわが国の周辺の大陸だなで一千万キロの埋蔵量の油田の探鉱から生産までに約三百億を要したという例が新潟沖の場合にございます。これは数年前の例でございまするが、現在ではこの程度の規模の油田の探鉱から生産まで一千億程度がかかると言われておる次第であります。
 なお、探鉱段階で日本側が必要といたしまする資金につきましては、石油開発公団が日本企業の負担額の七割を投融資することによって助成することができ、また、開発段階につきましては、日本開発銀行が融資をすることができるように相なっておりまするが、このいまの附帯決議の点につきましては、今後なお検討いたしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。(発言する者あり)
#17
○議長(河野謙三君) 田中通商産業大臣。
   〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#18
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 衆議院の委員会によります附帯決議につきましては、これを十分に尊重いたしまするが、ただ、そのいまの附帯決議の中の紛争地域であるかどうかということにつきましては、これはわれわれの見解とはおのずから異なるものがあると存じます。
    ―――――――――――――
#19
○議長(河野謙三君) 塩出啓典君。
   〔塩出啓典君登壇、拍手〕
#20
○塩出啓典君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました日韓大陸棚関係二協定を承認するの件について質問をいたします。
 言うまでもなく、わが国は米ソに次いで世界第三位のエネルギー消費国であり、使用する石油の九九%以上を海外に依存をしております。それだけに、日本周辺の大陸だなより石油資源を開発することは、わが国にとっていかに重要であるかは論をまたないところであります。しかしながら、現在の二百海里時代の急速な到来に示されるように、いまや世界の海洋秩序は激しく変化をしているのであります。このようなときに、五十年の長きにわたってわが国を拘束する本協定の審議は、慎重かつ十分に行われるべきは理の当然であります。
   〔議長退席、副議長着席〕
にもかかわらず、衆議院においてあのような強行採決によって処理されたことはまことに遺憾であり、議会史上後世に汚点を残すものと思うのであります。自民党総裁でもある福田総理、あなたはどのように考えておるのか、承っておきたいのであります。
 以下、具体的な諸問題についてお尋ねをいたします。
 第一に、北部の境界画定に関する協定についてでありますが、いわゆる日韓両国の長年の懸案である竹島の所属があいまいにされていることであります。こうしたままで両国の北部境界画定をすることは、将来に紛争を持ち越すことにつながるものであります。竹島問題の解決についてはどういう方針で臨むのか、政府の見解を伺っておきます。
 第二に、わが国の今日までの大陸だな境界に関する考え方は、大陸棚条約第六条に言う、いわゆる等距離中間線理論でございました。本協定の交渉過程において、当初わが国は中間線理論を主張していながら、最終的にはわが国の主張を放棄し、中間線のこちら側に、しかもわが国の沿岸十二海里の中にまで日韓共同開発区域を設定していたのであります。このようにみずからの主張を放棄したことは、今後の海洋法会議その他におけるわが国の外交交渉の立場を著しく傷つけるものと言わなければなりません。
 さらに、新しい海洋秩序づくりを目指す第三次海洋法会議においては、二百海里排他的経済水域、すなわち二百海里内の海底資源及び海中の生物資源について沿岸国の主権的権利が及ぶという方向にあります。もしそうなれば、当然わが国の主権の及ぶ範囲内を本協定において日韓両国の共同開発区域に指定することは、主権の放棄と言うべきであります。
 もし、政府の答弁のように、海洋法会議の結論が大陸だな自然延長論で、本協定の締結がわが国に有利であるとするならば、それは翻って韓国側に不利であり、将来の日韓友好に大きな禍根を残すものと言えましょう。
 このような内容の協定を海洋法会議の結論を待たず急いで結締せねばならないか、理解に苦しむものであります。外務大臣の答弁を求めます。
 第三に、中華人民共和国との関係でありますが、中国は、去る四月二十二日、本協定に対し、中国の主権を侵害するものである旨の抗議を再び日本政府に行っております。東シナ海の大陸だなは、その発生過程から考えるとき、韓国よりはむしろ中国の大陸だなと考えられております。
 大陸棚条約によれば、大陸だなが隣接している場合、その境界は、第一義的に当事国同士の話し合いで決定され、合意がない場合中間線をとるとされております。本協定の日韓共同開発区域は、同時に、中国に隣接しており、中国の同意が必要であろうと思うことは、国際常識から言っても当然であります。本協定が日韓両国間の問題で第三国は関係ないという先ほどの総理の答弁には断じて納得しがたいものであります。このような努力を怠ったまま本協定を発効させることは、中国関係に悪影響を及ぼし、将来の国際紛争の種になるおそれがあります。にもかかわらず、何ゆえにこのように本協定の締結を急ぐのか、政府の見解を伺います。
 昨日、政府は小川中国大使に日韓大陸棚協定で中国政府と話し合う用意があるとの申し入れを中国政府に伝えるよう訓令をしたと報道をされておりますが、その真意はどこにあるのか。特使を派遣するなど、中国に対しもっと誠意のある姿勢を示すべきではないかと思うのでありますが、この点について総理の見解を求めます。
 第四に、本協定での共同開発区域の石油埋蔵量についてでありますが、エカフェの調査では有望であるとの報告が出されております。政府としてはどのような科学的な裏づけを持っているか、この際明らかにされたいのであります。
 埋蔵量は、先ほどもお話がありましたように、東シナ海全体でも七億トン程度と言われ、わが国消費量の二年分程度で、しかも採算的には見合うかどうか疑問視されている向きもあります。むしろ、急いで開発するのではなく、将来に備えて一種の備蓄として貯留すべきであるとの意見も出されております。まことに傾聴すべき意見であると思うのでありますが、通産大臣の見解をあわせて承りたい。
 第五に、石油流出事故対策でありますが、さきの北海油田エコフィスク地区の例を見るまでもなく、油流出事故により、海洋汚染、漁場の荒廃を招くことが最も懸念されるのであります。北海油田の事故の状況については、政府はどのように掌握しているのか。また、共同開発区域の今後の開発に当たって、流出事故を起こさない技術は確立されているのか。万一事故が起きた場合の補償問題はどうなっているのか、政府の見解を求めます。
 この際、関連してお尋ねしたいことでありますが、十一日に発生したサウジアラビア・アブカイク油田の火災事故は日本への影響はどうなのか、政府はどういう対策を考えているのか、重ねてお尋ねをしたいと思います。
 また、漁業の立場から本協定の締結について農林大臣はどう考えているのか、伺っておきます。
 最後に、本協定が今国会で承認されなければ韓国側は一方的に開発を強行するとか、報復手段として二百海里漁業水域を設定するとか伝えられておりますが、政府の見通しはどうか、政府はどう対処するのか、伺っておきます。
 先ほども、福田総理は三年以上も承認されないことは国際信義にもとると言っておりますが、このような考え方は国会に対する不当な干渉であります。本協定が署名されて確かに三年有余を経ていますが、このことは、本協定がいかに問題の多いものである証拠であり、一方、政府によって納得のいく説明が全くなされていないことに対し、政府に強く反省を求めるものであります。従来、政府が結んだ条約、協定で、いまだ国会の審議に付せられていないものが数多くあり、その中には明治時代に署名した条約もあります。しかし、こうした措置は、わが国の国益から考えて当然のことであります。
 本協定に限ってやみくもに審議を急がねばならない理由はなく、焦って締結することは後世に大きな憂えを残すことを警告し、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#21
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 本協定の衆議院における採決は、これは強行採決というか、私はこれをどういうふうに考えておるかと、こういうお尋ねでございますが、私は自由民主党の国会対策をやっております当局から報告を受けておりますが、これは十分な委員会における審議を尽くした上、本会議に上程されたものでありまして、しかも、委員会の審議も自由民主党の単独というような状態でもない、また、国会法のどこに違反するというところもない、合法的に審議され、衆議院において可決されたものであると、こういうことでございますので、私もそのとおりの認識を持っておる次第でございます。私は、国会の運営におきましても協調と連帯ということをかねてから申し上げておるわけでありますが、この精神は今後とも堅持してまいりますということをはっきり申し上げさしていただきます。
 次に、竹島問題についての対処の仕方ということでございますが、竹島問題につきましては、これは日韓の双方におきまして見解の相違がある。というよりは、紛争が続いてきておるわけであります。私は、この紛争状態を日韓両国間に置くということは、これは妥当ではないと、なるべく早く平和的にこれを解決をするということを希望し、そのような努力をいたしておりまするが、なお今日成果を上げておりません。したがいまして、今後とも外交的な手段によりましてこの問題の平和的処理に努力をいたしたいと、こういうふうに考えております。いずれにいたしましても、日本といたしましては、竹島はわが国の固有の領土であるという立場におきましては、いささかの変化はございません。これを踏まえて平和的処理をいたしたいと、かように考えておるのであります。
 次に、日韓間には金大中事件など疑惑が多いが、そういう問題を明らかにし、健全な日韓関係を樹立すべきではないかという御所見でございますが、御承知のとおり、金大中事件は、これは政治的には決着をするということになっておるわけであります。しかし、事件的にはなお捜査を継続中でございます。捜査の進展を見まして、また新しい問題が出てくるということになりますれば、その時点においてこの問題の処置を今後考えなければならないと、かように考えておる次第でございます。その他いろんなことを情報なんかで伝えるものがありまするけれども、まだ政府といたしましては捜査を開始するというような問題としてのとらえ方はいたしておりません。しかし、とにかく韓国は大事な隣の国でございます。そういう国でありますので、これからもその緊密度をますます加えていかなきゃならぬと思います。それだけに、この両国の関係につきましては最大の注意を払って、国民の疑惑を招かないようにいたさなければならないと、かように考える次第でございます。
 それからさらに、この協定の締結に当たりましては、中国側と十分な話し合いがなされなかったではないか、日中関係の円滑化に支障はないかというような御趣旨でございますが、この点は政府といたしましては篤と配慮しておるわけでありまして、先ほど小柳さんに申し上げましたとおり、この日韓大陸棚協定の対象とするところの区域は、日韓両国のみに関係のある地域であると、そういうふうにいたしておるわけであります。しかし、それにいたしましても、念のため中国には、こういう協定が締結されますよというようなことを、また、されましたということを、その後しばしば機会あるごとにこの問題の説明をいたしております。なお、塩出さんからは、この協定についてさらに特使でも出したらどうかというようなお話でありますが、昨日も駐北京大使をして説明もいたさしておりまするし、今後ともできる限り中国の理解を求めるというための努力をいたしたい、さように考えております。
 なお、この協定が国会において承認されなかった場合におきまして、韓国はいろいろの出方をするであろうと、そういう場合にどうするのかというようなお尋ねでございますが、私ども政府といたしましては、この協定が本国会において承認されないというような事態は予想しておりません。良識の府である参議院においては、必ずこれを承認してくださるということを確信しております。
   〔国務大臣鳩山威一郎君登壇〕
#22
○国務大臣(鳩山威一郎君) 総理大臣の御答弁がございましたが、若干補足をさしていただきます。
 海洋法会議の趨勢に従いまして二百海里の経済水域ができますと日本としては大変有利になるではないか、なぜそれまで待たないのかと、こういうお話があったのでございます。この点につきましては、御理解を賜りたいのでございますが、歴史的にも、経済水域の問題あるいは漁業水域の問題は、大陸だなの問題がまず主張をされて、大陸だなのない国は非常に困るということから、この経済水域問題というのが出てまいったわけでございます。そういったことで、海洋法会議におきましても、いま単一草案、改訂された単一草案ができつつあるわけでございますけれども、この経済水域と大陸だなとの関係というものは何ら規定をされておらない。経済水域の方が大陸だなよりも優先するというような方向にあれば、これはお説のとおり、海洋法会議の結論を待った方が有利かという議論が出るわけでございますけれども、この両者の優先関係は全くないのでございまして、また、歴史的に考えましても、大陸だなの主張というものの方が歴史的にも古いものであるし、根拠が深い、このようなことでありますので、海洋法会議の結論が出ましても、さらに日本の立場が有利になるということはない。したがいまして、共同開発区域の地帯におきます石油資源の開発を行おうというのであれば、やはり隣接国との間に話し合いをつけなければならない。そういうわけで今回この協定の御承認をお願いをいたしている次第でございます。
 それから、韓国側は、もしこの批准がなかった場合に単独開発に踏み切るかどうかという見通しでございますが、総理からもお話がございましたが、韓国内におきましては、日本におきます批准がおくれておるということから、国内でいろんな議論が出て、強硬論が大変強まっておるということは事実として承っておりますけれども、政府としてこのようなことを正式に決めたことはございませんし、わが国としてもそのようなことは何とか防ぎたい。したがいまして、何とかこの協定の一日も早く御承認を賜ることを心からお願いを申し上げる次第でございます。
   〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#23
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 埋蔵量の問題は、先ほど申し上げましたように、エカフェの調査でございまするが、何分にも共同開発区域は日韓両国の係争地でございました関係から、詳細な地震探鉱とか試掘が行われておりませんために、正確な予測はなかなか困難でございます。ただ、石油の消費量九九・七というものを海外に依存いたしておりまする日本といたしましては、最も安定的な供給源をわが国の周辺の大陸だなから得て、その産出原油を確保するということは、きわめて重要な問題であると存ずるのであります。ただ、石油開発は探鉱に着手いたしましてから生産開始まで、順調にまいりましても十年近い日子を要するということはいままでの例でありまして、今後のエネルギー需要を考えましても、一日も速やかにこれが着工をいたしたい、着手をいたしたい、かように考えております。
 なおまた、汚染防止の問題につきましても、詳細にこれを防止する規定を持っておりますると同時に、原油の掘削の作業を行いますに当たりましての鉱山保安の関係、噴出防止の措置等に万全を期しておるような次第であります。
 なおまた、この事故の発生の場合の日韓両国の開発権者が無過失連帯賠償責任を全面的に負い、同時にまた、その資金的な面におきましても十分経済的な基礎を持ったものであるようにいたしておりますととは、るる申し上げたとおりでございます。
 なお、これにつきましてサウジアラビアのことにつきまして一言御質問がございましたからお答えをいたしまするが、今日の段階におきまする情報によりますれば、原油の油井というよりも、むしろLPGのプラントの火災であるようでございます。なお、これらにつきましての日本に対する影響でございまするが、五十一年度におきましては、LPGの全消費量の約三〇%をサウジから得ておりますので、これが事故の長引きますことは非常に影響があるわけでありまして、われわれといたしましても情報の収集に努力をいたしておる次第であります。
 また、不測の場合におきましては、スポット輸入によりまするLPGの調達にも全力を挙げなければなりませんし、あるいはまた、石油精製各社に対しましての増産対策も指導いたさなければなりませんし、同時に、価格のつり上げ等につきましては行政指導を行ってまいる所存でございます。
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇〕
#24
○国務大臣(長谷川四郎君) 大陸棚協定につきましては、先ほども申し上げたとおり、古くからこの水域というものはわが国古来漁業者が開発し、また開拓し、そして着実な漁獲を行っておるところでございまして、非常に重要な地区でございます。それだけに、われわれは、この協定につきましても、探査その他の作業の実施の時期だとか、あるいは地点及びその方法、これらの選択に当たって、関係漁業者と事前に十分な調整を行って、そして、海洋汚染の未然の防止を図るとか、あるいは不測の事態が起こった場合には十分な救済措置を行うとかいうようなことも考えておりますし、したがって、このため本協定は海洋の汚染の防止とか除去に関することについては規定をしてありますし、漁業に影響を及ぼさないような配慮をされておるのであります。
 なお、不幸にして事故が発生したような場合があるとするならば、救済措置につきましても、本協定において裁判管轄の特例を設けたほかに、日韓両国の開発権者が連帯をして無過失の責任を負うというようにされておることでございますので、御了承賜りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#25
○副議長(前田佳都男君) 星野力君。
   〔星野力君登壇、拍手〕
#26
○星野力君 私は、日本共産党を代表して、日韓大陸棚協定承認案について、福田総理並びに関係大臣に質問いたします。
 政府がこの日韓大陸棚協定で行おうとしていることは、五十年間にわたってわが国の主権を外国に向かって放棄し、また、海洋の大汚染と漁場荒廃の危険を冒すという、国家民族の将来にとってまことにゆゆしい重大事なのであります。
 この協定は、九州南西沖の石油資源などを韓国政府と共同開発しようというものでありますが、この共同開発区域が二重、三重にわが国の主権を侵すものであることが今日明白になっております。
 第一に、わが国は今回十二海里の領海を設定しましたが、この領海の一部約三十平方キロメートルが共同開発区域に組み入れられていることが明らかにされました。政府は、韓国政府の口上書によって、領海となれば当然共同開発区域から除外されるから問題はないなどと述べております。しかし、口上書が国際法上協定と同じ効力を持たないことは明らかであります。韓国政府が協定文どおりの共同開発区域を主張した場合に、国際法上これに従わざるを得なくなると思うがどうか。このような重大な欠陥を持つこの協定は、わが国の将来にわたる国益を守る上からも、今日当然再検討すべきものであると思うがどうか、明確な答弁を求めます。
 第二に、日韓大陸棚協定の共同開発区域の全部が、わが国の二百海里漁業水域の内に入っているのであります。二百海里水域が、やがて単に漁業水域にとどまらず、沿岸国の排他的経済水域として、天然資源の探査、採取、保全管理のため主権の存する海域となることは、第三次海洋法会議で、この主張がすでに世界の大勢となっていることを見れば明らかであります。政府は、将来わが国の経済水域としてわが国が開発する権利を持つこの水域で、なぜ韓国などと共同開発しようとするのか。また、国民に対する政府の責任からも、少なくとも海洋法会議などでの合意ができるまで待つのが当然と思うがどうか、答弁を求めます。
 第三に、この共同開発区域は、すべてわが国と韓国との間にわたる大陸だなの中間線よりも日本側に設定されております。現在、国際的に広く認められておる大陸棚条約によって世界各国で締結された二十四にわたる大陸だなの境界画定の協定は、すべて等距離中間線の原則によっておるのであります。政府も、以前はこの立場に立って、韓国側を国際司法裁判所に提訴しようとしていたではありませんか。現在、その立場を事実上放棄した理由は何か、答弁を求めます。
 政府は、東シナ海におけるこのような線引きに対して異議を申し入れてきている中華人民共和国に対して、等距離中間線論の原則に基づくことを主張すると言っております。しかし、韓国に対しては、かつて主張したこの立場を事実上放棄して、中間線内での共同開発を認めながら、他の近隣諸国に対しては中間線論をとるという態度が国際的に通用するかどうか、考えているのでありますか。総理の明確な答弁を求めます。
 しかも、このような海底油田の開発が重大な海洋汚染と漁業資源の破壊を起こすおそれのあることは、先日の北海油田の大事故を見ても明白であります。
 この共同開発区域は、スルメイカなどの産卵場であり、以西底びき漁業などにとっての豊漁場の一つであり、さらに黒潮の分岐点として、海洋汚染は、本共同区域にとどまらず、日本海沿岸から北海道の西岸まで、太平洋沿岸は房総沖にまで及ぶおそれを持っていることは、専門家の指摘するところであります。
 共同開発の相手である韓国には、海洋汚染防止の公害規制など、わが国の水準ほどのものもなく、しかも、本協定第十九条による操業管理者が韓国側の場合は、韓国の国内法が適用されることになっております。政府は、このような実情を承知しておられるのか。また、北海油田のような大事故が起これば、わが国沿岸漁業にどのような影響があると認識しているのか、答弁を求めます。
 また、現在政府が準備しておる環境アセスメント法案の中に本共同開発も対象となるよう組み込むことが最低限必要な措置と考えますが、政府にそのような考えがあるかどうか、見解を求めます。
 この協定による共同開発の開発権者は、韓国側は、カルテックスやガルフなどアメリカを中心とする国際石油資本の子会社であります。日本側は、日本石油の子会社である日本石油開発など大石油会社であります。この開発資金は、日本政府が全額出資している石油開発公団から出されることになっております。石油開発公団の融資が、石油の採掘に成功しなければ返さなくてもよろしいという成功払い方式であり、大企業のかっこうの食い物になるおそれを持っていることは、本国会でも指摘されたところであります。政府は、石油資源の開発のためにはやむを得ないなどと言っております。石油資源の開発は必要であります。しかし、この開発で採掘される石油は、アメリカ系メジャーが全体の四分の三の処分権を持ち、日本側にはわずか四分の一の処分権しかないことになっており、石油価格もメジャーの意のままとなる仕組みになっているではありませんか。政府はこれをどう説明しますか。政府は、当然、日本側企業とアメリカ系メジャーとの共同事業契約を含む開発計画の内容や、開発事業の予定総額、また石油開発公団による投融資の見込み額、さらに石油取得予想量などを国民の前に明らかにすべきだと思うが、総理の見解をお聞きいたしたい。
 しかも、この協定案のつくられた経過は世人を納得させるものではございません。すでに述べたように、政府は一九七二年五月まで、国際司法裁判所への提訴を主張しておりました。ところが、その四カ月後に韓国と共同開発することに突然合意しております。しかも、この急転直下の妥結には、岸信介元自民党総裁を会長とする日韓協力委員会が決定的な力となったことは、岸氏自身が、この共同開発を日本側から提案したと語っていることからしても明らかであります。日韓協力委員会がアメリカ系メジャーの策動と呼応して、一九七〇年以来、共同開発構想を一貫して追求してきたことはよく知られております。アメリカ議会では、朴政権が大陸だな石油開発をめぐってガルフ社から三百万ドルの賄賂を受け取ったことが暴露され、わが国では、ソウル地下鉄問題など、日韓関係をめぐる黒い疑惑が世論の指弾を受けております。政府は、わが国の主権と国益を売り渡すに等しい態度になぜ突然変わったのか、総理並びに当時日韓協力委員会の事務総長であった田中通産大臣の明確な答弁を求めるものであります。
 しかも、政府・自民党は、このような協定案の衆議院通過を強行しました。これはわが国の将来に、はかり知れない災いを招くおそれのある協定であります。国家と民族の将来を考えるならば、審議を尽くすべきであります。本協定の自然承認のできるような会期延長は、参議院を無視するに等しいものであります。断じて行ってはならないと思うが、この点について、与党総裁である福田総理の明確な答弁を求めて質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
 今回の共同開発構想はわが国の主権放棄となるのではないかと、こういうようなお話ですが、これは、いきさつにおきまして、わが国はいわゆる中間線を主張し、韓国は自然延長線説を主張すると、こういういきさつがあった。この意見の対立は、どこまでいってもこれが調整されそうな見通しでないんです。そこで、当然これは自然に考えられますのは、そういう立場はお互いに留保いたしまして、共同開発を行うと、こういうことだろうと思います。当然考えらるべきそういう構想を今回日韓両国間において採用したということでありまして、協定にもはっきりとこれは明記してありますが、両国のこの境界線についての主張、これはお互いに留保すると、こういうことになっておりますので、御心配のような事態はございません。
 また、共同開発区域は十二海里のわが国領海に食い込むことになる、ただ単に口上書だけでこの問題が解決される問題じゃないじゃないかというお尋ねでございますが、共同開発区域の中で領海となる部分がありますれば、これは国際法上当然大陸だなとしての効力を失うと、こういうことになるわけです。口上書をつくりました。それは、ただ単に念のため口上書をつくったというだけでありまして、その点も御心配ないようにお願いを申し上げたいと思います。
 それから、海洋法会議で二百海里経済水域が認められ、わが国に有利になる方向にある際、何ゆえ本協定を急ぐのかというお尋ねでございますが、海洋法会議の帰趨は、まだはっきりわかりません。わかりませんが、どうも私どもが聞いているところでは、自然延長線説、これがどうも有力なようであります。ですから、星野さんがおっしゃるような傾向では必ずしもないように思います。しかし、それはそれといたしまして、こういう、この種の問題は、これはまあ海洋法会議の結果どういう結論があるにいたしましても、関係諸国間で話し合いをしなければ円満に片づくものじゃございません。そういう意味合いにおきまして、この日韓間だけに関係のある部分について日韓間で十分に協議いたしまして、この共同開発構想というものをつくり上げたんだというふうに御理解を願いたいのであります。
 また、中国、北朝鮮との境界画定について、何ら相談することなく、日韓双方だけが一方的にやったと、そういう御非難でございまするけれども、これは、北朝鮮はあの辺の水域につきましては関係のないことは御承知のとおりであります。中国は、あの周辺まで大陸だなが来ておる、そういうような関係で、中国との関係は、これは十分慎重にしなけりゃならぬということで、あの今回共同開発の対象とする地域は日韓双方だけに関係のある地域に限定をするということにいたしたわけでありまして、しかし、それにいたしましても、中国との関係、これは密接にしておく必要があるということから、終始十分な連絡をとっております。
 なお、これから先々、東シナ海全域またはその一部につきまして、日中間におきまして大陸棚協定ができる、これは非常に重要なことでありますので、その方向の施策を進めたいと、かように考えております。
 なお、この共同開発、この構想について、日韓協力委員会、まあ岸信介先生が関係しておる、それが策動したんではないかという話でございますが、まあ日韓協力委員会でありまするから、日韓間に起こるいろんな問題につきまして発言し、あるいはこれを推進するということは、私は当然考えられると思うんです。しかし、いいことは幾ら推進してもいいじゃありませんか。悪いことじゃないんです、これは。だれが考えてもこの共同開発構想以外に考えられない。それを日韓協力委員会が推進し、これを援助するということは、私はまあ当然あってしかるべきことであると、かように考えます。
 また、本協定の自然成立を図るために会期延長を考える考えはあるかないかと、こういうお尋ねでございますが、さような考えは持っておりません。
   〔国務大臣鳩山威一郎君登壇〕
#28
○国務大臣(鳩山威一郎君) 共同開発ということに突然に踏み切ったのはどういうわけかと、こういうお話でございますが、御指摘もありましたが、韓国側が大陸だなの開発、この地帯に第七鉱区というものを設定をするということから問題が起こったわけで、話し合いが四十五年から開始をされたわけでございます。そして、わが国といたしましては、それに対して強く異議を申し述べて、国際司法裁判所に提訴をしようというようなこともあったわけでありますけれども、この国際司法裁判所というのは、相手方が応訴をいたしませんと進まないのでございます。したがいまして、国際司法裁判所が決めてくれるというわけにはいかないわけで、もしか、国際司法裁判所では、北海の大陸だなの問題のときにも、共同開発をしたらどうだというような、これも一つの有効な解決方法ではないかというようなことも、国際司法裁判所としてはその判決の中に書き込んである例もございます。したがいまして、このような場合、両方の主張が対立したままいつまでたっても開発できないというような場合には、この共同開発というものが有効な手段であるということは、これは常識的な解決方法であると、このように考えておるわけでございます。
 それから、汚染防止の点につきましてお尋ねがございました。これは環境庁長官の方から御答弁があると思いますけれども、韓国にはわが国の海洋汚染防止法に該当する法規は現在のところございません。しかし、私どもとしては、先進諸国の例にならって立法措置をただいま検討中であるという話も聞いております。しかし、何よりも心配のないように、汚染防止に関する交換公文におきまして、この守るべき基準を約束をしておるわけでありますから、特定のこの交換公文によりまして韓国側は汚染防止の義務を負っておるということになるわけであります。また、事業計画の承認におきましてこれらの環境汚染防止上の義務を履行をさせるということは可能でございますので、協定上の御説明として私から御答弁申し上げさしていただきます。
 なお、経済水域が設けられた場合、海洋法の結論によりまして二百海里の経済水域というものが国際的に認められた場合にはわが国としては有利になるではないかという点にまたお尋ねがありましたが、先ほど御答弁申し上げましたとおりでございますし、また総理大臣からもお話がございました。経済水域になりましても大陸だなというものは依然として強く残っておるということを御理解を賜りたいのでございます。
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇〕
#29
○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、この区域というものは漁業に対して非常に重要な区域でございます。御指摘のように、また産卵、ふ化あるいは成育、こういう点にも影響というものがないように十分に考慮したつもりでございますけれども、なお、それに対しまして、ただいまお話があったように、交換公文が交わされており、漁業に影響を絶対及ぼさないように配慮をされておるところでありまして、なお、万一事故が発生した場合においては、これに対する処置についても十分に配慮をされているということを申し上げておきたいと存じます。
   〔国務大臣石原慎太郎君登壇〕
#30
○国務大臣(石原慎太郎君) 現在準備中のアセスメント法に共同開発区域における海底資源開発を対象項目として入れるべきではないかという御質問でございますが、海底資源開発にもいろいろございますけれども、その最大限目でございます海底油田の開発による汚染は通常の事業による汚染と異なりまして、採掘施設の不備等に起因する油の流出事故が主なようでございます。今回の北海の事故もその起因をつまびらかにいたしませんが、外電等調べますと、やぐらの中間にありますクリスマスツリーと称される部分に事故があったようでございまして、つまり操業における災害防止が眼目ということでございます。でありますから、その防止に、何よりも施設の安全性の厳正な技術的なチェックが必要と思います。それゆえ、採掘施設の設置に当たりまして、事故防止に必要な噴出防止装置等の設置を、先ほど申しましたように、国際レベルをかなり上回ります厳しいわが国の鉱山保安法によって義務づけているわけでございます。これらの制度の厳正な運用で海底油田における事故の汚染は未然に防止できると思いますが、しかし、油田の施設そのものの開設行為、あるいはその他の海底資源の開発が一体どういう影響を与えるかということでございます。
 アセスメントは、従来環境に著しい影響を及ぼすおそれのある開発行為について行われるべきものでありまして、したがって、油田以外の海底資源の開発がこれに当てはまるかどうか、いままでこうした大規模な海底開発の経験がないために、それを対象とすべきであるか、すべきでないか、その判断のために至急研究調査をいたすつもりでございます。
   〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#31
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 私の方の御質問に対しましては、日本側の企業と米系のメジャー等との共同事業契約云々の問題でございまするが、日本周辺の大陸だなで探鉱いたしておりまする企業がリスクの分散といったようなねらいで、外国企業との共同事業を行っておりまする例はございます。日韓共同開発地域におきまする日本側の企業がこのような共同事業を外国企業と行うことになるかどうか、これは開発権者がまだ決まっておりません現時点におきましては、現段階ではわからない状態でございまするが、御指摘のような契約が私的契約でありますることも御承知のとおりでありまして、今後政府がその内容をさらにフォローしてまいりたいと考えております。
 なおまた、この開発地点におきまする物理探鉱や試掘等々もまだできておらないような段階でありまして、どれほどの資金を要するか、試算いたすことはできない段階にございます。
 石油開発公団におきましても、現在のところ、探査事業が具体的に計画されておりませんために、具体的な投融資予定もございませんが、探鉱活動が行われてまいりまするにつれまして逐次明らかになってまいるものと存じます。
 なおまた、御指摘の、お話の中におきまして日韓協力委員会の件がございましたが、御案内のとおりに、この会は日韓両国の間の善隣友好のための親睦団体でございまして、特に石油資源といったようなものにつきましての意見を持っておりましたことは当然でございまするが、しかし、本日韓大陸棚協定はあくまでも政府の判断のもとに調印をせられたものでありまして、また、本協定はわが国の主権的な権利を放棄いたしたものでは断じてございません。
 以上のことをもってお答えといたします。
    ―――――――――――――
#32
○副議長(前田佳都男君) 田渕哲也君。
   〔田渕哲也君登壇、拍手〕
#33
○田渕哲也君 私は、民社党を代表し、ただいま上程されました日韓大陸棚協定に関し、以下七点について政府の所信をただしたいと思います。
 まず第一は、わが国のエネルギー政策についてであります。
 昭和四十八年の石油ショック以来、わが国の経済は深刻な不況に突入し、いまだに立ち直れない状態であり、また、世界の経済情勢もますます困難な状態になりつつあります。その根源には、いわゆる資源有限時代への突入、資源ナショナリズムの台頭、そこから来るエネルギー価格の高騰があることは言うまでもありません。
 過日のロンドンにおける先進国首脳会議も、それらの困難を乗り切るための苦悩のあらわれと言っても過言ではありません。そして、その共同宣言にも、エネルギー需要の抑制、エネルギー供給の増加と多様化の推進がうたわれておりますが、エネルギー問題はまさに人類の生存と繁栄にかかわる重大問題と言わざるを得ません。カーター米大統領は先般エネルギー新計画を発表いたしましたが、その内容は、一九八〇年代のエネルギー危機の予測の上に立ったきわめて厳しいものであります。ロンドン首脳会議の共同宣言にもこの計画を歓迎すると表明されておりますが、わが国においても、政府はこのような長期的な見通しの上に立った総合的なエネルギー基本計画を策定し、明らかにすべきだと思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
 第二の問題は、わが国のエネルギー基本政策に占める日韓大陸棚協定の地位であります。
 この協定で定められている共同開発区域の資源的価値はどのようなものか、外務省は推定埋蔵量七億キロリットルと宣伝しておりますが、この際その科学的な根拠を明らかにしていただきたいと思います。
 また、専門家の意見として、日韓共同開発区域よりも尖閣列島付近の方が資源的価値が大きいとも言われております。もしそうだとするならば、エネルギー戦略上からも、むしろ日本と中国の海底資源開発に関する協定を急ぐべきではありませんか。政府はエネルギー開発に関する日中の話し合いを今後どのように進めていくつもりか、お尋ねをします。
 さらに、中国側は、日韓大陸棚協定は中国の主権の侵犯であるとして抗議を重ねておりますが、日韓の協定を先行して成立させることが将来の日中の話し合いにどういう影響を与えるのか、政府の判断をお伺いいたします。
 やむを得ず日韓大陸棚協定を先行させなければならないとしても、少なくとも今後の日中の話し合いに障害とならぬよう最大の配慮をすることが必要と思いますが、政府はこれについてどのような努力をしてきたか、また今後どうするかをお伺いいたします。
 第三は、朝鮮民主主義人民共和国との関係であります。朝鮮民主主義人民共和国も日韓大陸棚協定について非難を繰り返しております。わが国としても朝鮮半島が平和的に統一されて一つの国家となることを望んでいるわけですが、もし将来現在の国の形態が変わるような事態が生じた場合、この協定はどうなるのか。また、そのことを配慮するならば、朝鮮民主主義人民共和国は大陸棚協定とは全く無関係ということではなく、何らかの形で理解を求める努力が必要ではありませんか。現在朝鮮民主主義人民共和国の議員代表団も来日中ですが、政府は何らかの形で接触をして大陸棚協定問題について了解を求めるつもりはないか、この点お伺いをしたいと思います。
 第四は、国連海洋法会議に臨むわが国の態度についてであります。
 日韓大陸棚協定は、海底資源につき、日本側は中間線論、韓国側は大陸だな自然延長論に立ち、意見が分かれ、その妥協の産物として生まれたものであります。しかし、この問題は、国連海洋法会議においてもまだ統一された結論は出ておりません。最近は二百海里の漁業水域を設定する国がふえつつありますが、海底開発によって惹起されるおそれのある汚染問題と漁業との関係を考えても、わが国としては、海底資源についても、自然延長論ではなく、二百海里経済水域論を主張し、そしてそれが国連の決定となるよう努力すべきだと思いますが、政府の所信をお伺いいたします。
 第五は、竹島、尖閣列島の領有権問題についてであります。
 現在これらの島々は、それぞれ韓国、中国等とわが国との間で領有権について争われております。政府は、竹島については国際司法裁判所への提訴をも考えておるようでありますが、これは韓国側が提訴に応じなければどうにもならない問題であります。また、尖閣列島については、日本、中国とも国際司法裁判所への提訴は考えておらず、平行線の状態が続いております。政府はこの問題をどのように解決をしていくのか、具体的方策をお伺いします。
 また、いずれにしても領土問題の解決には長期の日時を要することは間違いがありません。一方、二百海里の漁業水域問題あるいは海底資源開発の推進はいつまでも延引できるものではなく、いわば焦眉の急となっておるわけであります。
 この際、政府は、領有権問題とこれらの問題をどのように処理をするつもりか。あくまで領有権問題の決着がつかないとこれらの問題は進展をしないのか、あるいは暫定的にたな上げをして、共同乗り入れ、共同開発方式で進めるのか、この点について見解をお伺いします。
 第六は、日韓汚職の疑惑についてであります。
 エネルギー政策から考えた場合、日韓大陸棚協定の重要性は十分理解できるとしながらも、この協定に消極的な意見が多い理由の一つとして、ソウルの地下鉄問題を初めとして日韓をめぐる汚職の疑惑が存在するからであります。総理は、根も葉もないうわさにすぎぬと主張しておられますが、国民世論やマスコミの論調から見る限り、疑惑はぬぐい去られているとは思えません。政府は十分調査し、その結果を明らかにし、疑惑を一掃する努力をすべきではありませんか。
 今回の大陸だなの開発にしても、石油開発公団を通じ多額の資金が投入されるわけであり、もし不正が生ずる疑いがあるならば、国民としてこの協定に二の足を踏むのは当然であります。政府は大陸だな開発に関連して不正を防止するためどのような方策をとるのか、明らかにしていただきたい。
 最後に、日韓大陸棚協定がもしこの国会で批准されなかった場合、韓国側は日韓漁業協定の破棄、共同開発区域内での単独開発の強行など、強硬措置をとることを表明しております。特に、共同開発区域内での開発強行はわが国主権の侵害になり、重大な問題と考えるが、もしこのような事態が生じた場合、わが国としてどのような対抗措置をとるのか、またとり得るのか、この点についてお伺いいたします。
 以上七点について政府の明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。
 まず、わが国におきましてもアメリカ同様に長期エネルギー計画というものを持つべきじゃないか、こういうお話でございますが、それはもうそのとおりでございます。昭和五十年にわが国におきましては総合計画を打ち立てたのでありますが、その後原子エネルギーの部門におきまして大変遅滞を生じておるのであります。その辺を考慮いたしまして、新しい計画を立てなければならぬと、かように存じまして、目下鋭意新総合エネルギー需給計画並びに開発計画、これを作案中でございます。
 そういう中で、日韓大陸棚協定は、わが国エネルギー戦略の中でどのような地位、位置づけになるのかというお話でございますが、わが国はエネルギー源をほとんど石油に依存をしておるわけです。しかも、その石油の七割以上は、これはアラブ諸国の石油に依存しておる。こういうような状態でございまして、どうしてもこのアラブ石油偏在という状態は、これは是正しなきゃならぬ、是正することが妥当である、さように考えておるやさきに、日韓大陸だなにおきまして有望な油田があるということが発見されたわけであります。そういうことから考えまして、この開発を急ぐということは、わが国のエネルギー政策を進める上においてきわめて重要な意味を持つと、かように考えておるのであります。
 また、そういう見地から言いますれば、尖閣列島周辺にもたくさんな埋蔵量が云々されているじゃないか、その開発を急ぐべきではないかというお話でございますが、この辺も大陸だな等の諸国の関係がふくそうしておる地帯でございます。なかなかそれらの関係を調整するということにつきましては、見通しはそう急にというわけにはまいらないと、こういうふうに思いますが、とにかく日韓大陸だながわが国の最も近い地域におきまして開発されそうだと、そういう際に、日韓両国だけに関係のある対象地域におきまして開発を進めるということはまことにこれは手っ取り早く、また自然な考え方であるという見地に立ちまして、まず日韓大陸だな、しかる後に東シナ海全域を対象といたしまして関係諸国間の調整を図っていくということが妥当であるという見解でございます。
 なおまた、それじゃ日韓大陸だなが先行するということになったら、これは尖閣列島等周辺地域の石油開発に支障はないかというようなお話でございまするが、日中間の関係につきましては慎重な配慮をしながらこの協定を進めたということ、また、今後も同様の考え方で中国には対処するということにつきましては、御説明を申し上げたとおりでございます。
 また、国連の海洋法会議で、海底資源問題についてわが国はどういう態度をとるべきかと、こういうお話でございますが、大陸だなにつきましては、これはもう御承知のとおり、二つの議論があるわけであります。自然延長論、それから中間境界論、この二つがありますが、わが国といたしましては、とにかくわが国の海底資源開発が最大限可能になるというような公正な解決ということが望まれるわけでありまして、いわゆる中間線案、これが望ましいのでありまするけれども、大勢といたしますると、この自然延長論の方に傾いておると、こういうのが海洋法会議の現状のように承知しておるのであります。
 竹島の領有権問題につきましてのお尋ねでございますが、これはかねて紛争のある島でございますが、これはどうしても平和的な処理によって解決しなけりゃならぬ。これが基本的な考え方でございまして、今後ともその方向で進めていきたい。わが国の立場といたしましては、これはわが国の固有の領土である、その考え方の上に立って交渉に臨んでおり、また、これからも交渉に臨みたいと、かように考えております。
 田渕さんは、それが解決するまでには時間がかかるじゃないか、その間の現実的諸問題の処理をどうするかというお話でありますが、この周辺におきまする漁業の問題等は平穏に日韓間の話し合いで処理されておるわけでありまするし、また、今後とも両国間において平穏に、起こり得る諸問題につきましては対処してまいりたいと、かように考えております。
 なおまた、尖閣列島の領有権問題についてのお尋ねでございますが、これは日韓間のように紛争のある、また起こり得べき地域ではございません。これは当然わが国の固有の領土であると、こういうふうな見地に立っておるのでありまして、領土権をめぐって日中間にこの問題の紛争が起こるということは考えておりません。また、その周辺における漁業の諸問題、これは日中漁業協定によって円滑に処理されております。また、その周辺の海域におきまして、日中、あるいは他の国も関係してくるかもしれませんけれども、海底資源の開発というような、そういう問題が起こりますれば、これはそのとき関係者間で意見の調整を行うということに相なろうと、かように考えております。
 日韓汚職、汚職と言われますが、これは具体的に捜査権を発動する必要があるというような問題がまだ起こっていないんです。もしそういうような事態があれば、直ちにそのような調査をいたしまするけれども、とにかく日韓という、この両国は、わが国といたしますると最も近い関係のある両国でございます。そういうことでありまするから、近ければ近いほどいろんな問題が起こりやすい、そういう状態につきましては厳に私どもは注意して対処してまいりたいと、かように考えております。
 また、大陸だな開発についての不正防止のためどのような方策をとるかというお話でございますが、これも不正というような問題が起こらないように当然万全の対処措置をとる考えでございます。
 また、韓国が、この協定が成立しなかった、わが国会において承認されなかったという、そういう際に単独開発などの企画を持っておるが、その場合にはどういうふうに対処するかというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、私は何といたしましてもこの協定は今国会において、参議院において可決をしていただきたいと、かように考えておるわけでありまして、それが国益であると、かように考えておる次第でございます。よろしくお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(鳩山威一郎君) 朝鮮半島の統一になった場合にこの協定はどうなるんだと、こういう御質問であります。また、現在朝鮮民主主義人民共和国から代表団が見えておるが、これと接触をする考えはないかと、こういうお話でございますが、将来朝鮮半島の平和的な統一が達成されました場合に、わが国といたしまして、この協定は当然二つの協定ともに引き継がれるべきものであるというふうに理解をいたしております。
 また、今回来日されております朝鮮民主主義人民共和国の方々は通商貿易関係の問題を主としてお話し合いに入国をされておりますので、私どもの方からこの代表団と接触することは考えておらないところでございます。
   〔国務大臣田中龍夫君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 この地域におきまする大陸だなの油田のわが国資源経済におきまする位置づけでございまするけれども、先ほど総理大臣からお答えをいたしましたごとくに、石油資源の全くと申してよろしいほどございません日本といたしましては、
   〔副議長退席、議長着席〕
少なくともわが国の周辺の大陸だなから安定した石油が出るということは、これはもう大変重要な問題でございまして、わが国といたしましてはぜひこれからの大陸棚協定をば成立させることによりましてこの産油を期待をいたす次第でございまするが、同時に、埋蔵量の点におきましても、御案内のとおりに、この大陸だなのエカフェの、国連アジア極東委員会の調査というものがベースでありまして、その後民間等によりまする若干の調査はございまするけれども、いまだこの地域が紛争中の関係もありまして、これを地震探鉱とか科学的な探鉱をいたす機会がなかった次第であります。でありますから、一応はこの地域の七億トン、九州、沖繩西側から一帯の水域にかけまして七億キロリッターの埋蔵が推定される、なおさらに有望であるというだけの問題でございます。しかしながら、これらの問題につきましても、協定の成立とともにさらに調査を進めることによりまして、われわれといたしましては、この油田の将来を大いに期待をいたしながら、ながめておる次第でありまして、ぜひとも本協定の成立を期待する次第であります。
#37
○議長(河野謙三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#38
○議長(河野謙三君) 日程第一 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長宮崎正雄君。
   〔宮崎正雄君登壇、拍手〕
#39
○宮崎正雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国家公務員等について傷病補償年金が設けられたことにかんがみ、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償制度についても傷病補償を創設して、これらの者に対する補償の充実を図ろうとするものであります。
 委員会におきましては、学校医等の配置率と報酬の引き上げ、虫歯、近視等の学校保健対策、学校安全会の充実及び学校災害補償制度確立の必要性等の問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わり、中村委員より施行期日についての修正案が提出されました。
 討論もなく、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#40
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。
     ─────・─────
#42
○議長(河野謙三君) 日程第二 外国等による本邦外航船舶運航事業者に対する不利益な取扱いに対する特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長上林繁次郎君。
   〔上林繁次郎君登壇、拍手〕
#43
○上林繁次郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本案は、外国等による本邦の外航船舶運航事業者に対する不利益な取り扱いのため、その利益が著しく害されている現状にかんがみ、その事態に対処するための特別の措置を講ずることができることとしようとするものでありまして、その主な内容は、第一に、本邦の外航船舶運航事業者が外国等の国旗差別政策により、不利益な取り扱いを受けているため、その利益が著しく害されている場合において必要があると認めるときは、運輸大臣は、当該外国の外航船舶運航事業者に対し、一定期間内にその事態が消滅しないときは、対抗措置を命ずることがある旨を通告することができることとしております。
 第二に、右の一定期間内に本邦の外航船舶運航事業者の利益が著しく害されている事態がなお消滅していないと認める場合には、運輸大臣は、当該外国の外航船舶運航事業者に対し、その船舶について、本邦の港への入港または本邦における貨物の積みおろしの制限または禁止を命ずることができることとしております。その他、当該外国の外航船舶運航事業者が運輸大臣の命令に違反した場合には罰則を適用する等、所要の規定を設けております。
 委員会におきましては、国旗差別の実態、対抗措置発動についての基本方針、外国用船の増大と日本船員の雇用関係等、外航海運政策全般にわたり質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終了し、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、対抗措置の発動については適切に行うこと等を内容とする各派共同提案の附帯決議を全会一致をもって付することに決しました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#44
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#46
○議長(河野謙三君) 日程第三 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長上田哲君。
  〔上田哲君登壇、拍手〕
#47
○上田哲君 ただいま議題となりました雇用保険体等の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案の主なる内容は、第一に、景気の変動、産業構造の変化等により事業活動の縮小等を余儀なくされた場合における失業の予防その他雇用の安定を図るために、雇用保険事業の一環として新たに雇用安定事業を行うこと。第二に、新たに行う雇用安定事業に要する経費に充てるため、雇用保険の保険料率のうち事業主のみの負担に係る部分を千分の〇・五引き上げること。第三に、雇用安定事業を効果的に実施するために、労働保険特別会計の雇用勘定に雇用安定資金を設置すること等であります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論はなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、雇用安定事業実施に当たって、中小企業、下請企業労働者への十分な配慮、中高年齢者に対する職業訓練の充実強化、雇用調整給付金の支給目的達成への特段の行政指導、船員の雇用確保、転職対策の確立等を内容とする附帯決議を全会一致をもって付することに決しました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#48
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#49
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#50
○議長(河野謙三君) 日程第四 文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長増原恵吉君。
   〔増原恵吉君登壇、拍手〕
#51
○増原恵吉君 ただいま議題となりました文部省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法案は、婦人教育指導者、関係者に対する実践的な研修等を行うため、文部省の付属機関として埼玉県に国立婦人教育会館を設置しようとするものであり、また、日本美術の発展と世界の美術との関連を明らかにするに必要な美術作品の収集、観覧等を行うため、万国博美術館の施設を利用し、文化庁の付属機関として吹田市に国立国際美術館を設置しようとするものであります。
 なお、本法案は衆議院において施行期日について所要の修正が行われております。
 委員会におきましては、国立婦人教育会館、国立国際美術館設置の目的及び事業内容、四十八年度以後設置された医科大等の職員を総定員法の枠外にした理由、歯科医師の養成及び新設私立医大に関する諸問題、学級定数のあり方等、文教行政の基本問題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#52
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#53
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#54
○議長(河野謙三君) 日程第五 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長高橋邦雄君。
   〔高橋邦雄君登壇、拍手〕
#55
○高橋邦雄君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本法律案は、昭和五十二年度分の地方交付税の総額について、現行の法定額に一般会計からいわゆる交付税特別会計に繰り入れられる臨時地方特例交付金千五百五十七億円及び同特別会計の借入金九千四百億円を加算した額とする特例措置を講ずるとともに、後年度における地方交付税の総額の確保に資するため、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度において、総額四千二百二十五億円の臨時地方特例交付金を一般会計から交付税特別会計に繰り入れる旨の規定を設けるほか、普通交付税の算定方法について、社会福祉水準の向上、教育の充実等に要する財源を確保するための単位費用の改定を行い、昭和五十一年度の財源対策債の元利償還金を基準財政需要額に算入するため、財源対策債償還費を設ける等、所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、地方交付税法第六条の三第二項と昭和五十二年度地方財政対策の内容、交付税率を含む税、財政制度の抜本改正の時期、地方分権を目指した行財政制度の改革のあり方、国庫補助金の合理化、地方交付税の算定方法の簡素化、昭和五十三年度以降の地方財源対策等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ることを御了承願います。
 質疑を終わりましたところ、野口委員より、日本社会党、公明党、日本共産党、第二院クラブの共同提案として、修正案が提出されました。
 修正案は、地方交付税率を四%引き上げて三六%とする、地方交付税率の引き上げに伴い九千四百億円の借入額を四千二百二十五億円に減額する、昭和五十年度及び昭和五十一年度における交付税特別会計の借入金の元金償還については、昭和五十三年度以降、当該年度に償還する額に相当する額を臨時地方特例交付金として一般会計より繰り入れる、速やかに国、地方を通じて行財政全般にわたり抜本的検討を加え、財源の再配分が実施されるよう必要な措置を講ずる、地方交付税を国税収納整理資金から交付税特別会計へ直接繰り入れる、という内容のものであります。
 本修正案は予算を伴うものであり、小川自治大臣から、政府としては反対であるとの意見が述べられております。
 討論に入りましたところ、日本社会党を代表して志苫委員、公明党を代表して阿部委員、日本共産党を代表して神谷委員から、修正案に賛成、原案に反対、自由民主党を代表して安孫子委員から、修正案に反対、原案に賛成の意見が述べられ、採決に付しました結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#56
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#57
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#58
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#59
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数         百五十五票
 白色票           九十一票
 青色票           六十四票
よって、本案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      九十一名
      安孫子藤吉君    青井 政美君
      青木 一男君    井上 吉夫君
      伊藤 五郎君    岩動 道行君
      石破 二朗君    石本  茂君
      糸山英太郎君    稲嶺 一郎君
      今泉 正二君    上田  稔君
      上原 正吉君    江藤  智君
      遠藤  要君    小川 半次君
      大鷹 淑子君    大谷藤之助君
      岡田  広君    岡本  悟君
      長田 裕二君    加藤 武徳君
      鹿島 俊雄君    片山 正英君
      上條 勝久君    亀井 久興君
      川野 辺静君    木内 四郎君
      久次米健太郎君    熊谷太三郎君
      剱木 亨弘君    源田  実君
      小林 国司君    後藤 正夫君
      郡  祐一君    佐々木 満君
      佐藤 信二君    斎藤栄三郎君
      斎藤 十朗君    坂野 重信君
      迫水 久常君    山東 昭子君
      嶋崎  均君    新谷寅三郎君
      鈴木 省吾君    世耕 政隆君
      高橋 邦雄君    高橋 誉冨君
      高橋雄之助君    棚辺 四郎君
      土屋 義彦君    寺本 廣作君
      戸塚 進也君    中西 一郎君
      中村 太郎君    中村 禎二君
      中村 登美君    中山 太郎君
      永野 嚴雄君    夏目 忠雄君
      西村 尚治君    橋本 繁蔵君
      秦野  章君    初村滝一郎君
      林  ゆう君    林田悠紀夫君
      原 文兵衛君    平井 卓志君
      福井  勇君    福岡日出麿君
      藤井 丙午君    藤川 一秋君
      藤田 正明君    二木 謙吾君
      堀内 俊夫君    前田佳都男君
      増田  盛君    増原 恵吉君
      町村 金五君    丸茂 重貞君
      宮崎 正雄君    宮田  輝君
      望月 邦夫君    安井  謙君
      安田 隆明君    柳田桃太郎君
      山崎 竜男君    山内 一郎君
      吉田  実君    吉武 恵市君
      有田 一寿君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      六十四名
      阿具根 登君    青木 薪次君
      赤桐  操君    案納  勝君
      上田  哲君    大塚  喬君
      粕谷 照美君    久保  亘君
      小柳  勇君    小山 一平君
      志苫  裕君    杉山善太郎君
      瀬谷 英行君    田中寿美子君
      竹田 四郎君    鶴園 哲夫君
      寺田 熊雄君    野口 忠夫君
      野田  哲君    秦   豊君
      浜本 万三君    福間 知之君
      前川  旦君    松永 忠二君
      目黒今朝次郎君    矢田部 理君
      安永 英雄君    吉田忠三郎君
      和田 静夫君    阿部 憲一君
      内田 善利君    太田 淳夫君
      上林繁次郎君    塩出 啓典君
      白木義一郎君    鈴木 一弘君
      多田 省吾君    二宮 文造君
      藤原 房雄君    三木 忠雄君
      峯山 昭範君    矢原 秀男君
      岩間 正男君    上田耕一郎君
      神谷信之助君    河田 賢治君
      小巻 敏雄君    須藤 五郎君
      内藤  功君    野坂 參三君
      橋本  敦君    星野  力君
      安武 洋子君    山中 郁子君
      渡辺  武君    柄谷 道一君
      三治 重信君    田渕 哲也君
      向井 長年君    和田 春生君
      青島 幸男君    市川 房枝君
      喜屋武眞榮君    下村  泰君
     ―――――・―――――

#60
○議長(河野謙三君) 本日は、これにて散会いします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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