くにさくロゴ
1976/05/18 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第13号
姉妹サイト
 
1976/05/18 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第13号

#1
第080回国会 本会議 第13号
昭和五十二年五月十八日(水曜日)
   午後七時八分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
  昭和五十二年五月十八日
   午後三時開議
 第一 緊急質問の件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特
  別措置法案(内閣提出、参議院送付)
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 日程第一 緊急質問の件
 加瀬完君から、成田空港における機動隊の警備問題に関する緊急質問が提出されております。
 加瀬君の緊急質問を行うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。発言を許します。加瀬完君。
   〔加瀬完君登壇、拍手〕
#5
○加瀬完君 私は、日本社会党を代表して、成田空港における機動隊の警備問題に関して緊急質問を行います。特に東山薫君を死に至らしめた疑いについて質問をいたします。
 質問の題一点は、福田総理は、治安維持の理由があれば、警察法の目的とする人命、財産の保護を放てきしても、無差別武器使用も当然という考え方をお認めになりますか。それとも、警察国家は断じて許さないというお立場をおとりになりますか。
 質問の第二点は、国家公安委員長に対してであります。
 特別公務員陵虐致死罪を警察官の職務執行上適用された事案はいままで何件ありますか。それらについてどういう反省と指導を行ってまいりましたか。
 次に、東山君の死因は、死亡診断書によれば、開放性脳損傷及び脳挫傷、そしてその手段及び状況は、入院時同行者の言によれば、として、機動隊員の催涙ガス弾を後頭頂部に直撃されたためとなっております。そして、五月十七日、五月十八日の新聞報道は、千葉大法医学教室の鑑定として、傷は頭皮と頭骨とに分かれ、頭皮の傷は、一部は凶器のめり込んだ挫創、一部は鋭く引き裂かれた裂創で、投石のような不定形なものではなく、表面滑らかな円筒形の物体でできた傷で、頭骨陥没は瞬間的な相当強い力とほば断定、と伝えられております。
 警察当局は、これらの事実をどう判断をしますか。反対派による投石、鉄棒の殴打かもしれない、ガス弾を水平撃ちしたことはない、至近距離から撃ったことはない、ガス弾によるものという断定はできない、こういう主張を繰り返しておりましたけれども、相変わらずこの主張を繰り返しますか。繰り返すというならば、東山君を瞬間的な相当な強い力を発して死亡に至らしめた、表面滑らかな円筒形のガス弾ではない他の物体を確認していると思いますので、ここに御提示を願います。
 質問の第三点は、水平撃ちについてであります。
 初め千葉県警本部長は、水平撃ちやむなし、こう発言されたと報道されました。テレビ、新聞等の写真も、水平撃ちの状況をつぶさに掲示をしております。
 朝日新聞五月九日の夕刊は、「論議呼ぶか水平撃ち」として、千葉県警はこの日ガス銃を武器として頻繁に使った、ガス銃を老人や子供の大ぜいいる密集状態の会場にねらいをつけてポンポン撃ち、しかも四、五メートルの至近距離から発射している、こう伝えております。この報道は事実かという問いに対して、集会場にポンポン撃った覚えはない、そして過激派の警察官殺害計画に対しての武器使用は当然である、こう答えております。
 そこで、改めて伺いますが、老人子供のまじる集会にガス弾を撃ち込んだ理由は何ですか。相手が過激派であるならば、またこれと行動を共にする者は、その状態のいかんにかかわらず、すなわち無抵抗の状態でも人を殺傷する目的の武器を使用してよいという根拠は何でありますか。
 さらに、警職法七条の適用について伺いますが、警察庁は、七条一、二号に該当する行為があったので武器使用をしたと述べております。それでは東山君の場合は、「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こにあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯した」という事実がありますか。また、逮捕状による逮捕の際、もしくは勾引状執行について東山君に執行妨害の事実がありますか。
 警職法七条一、二号は、犯人の身柄保存が目的の規定であります。殺してはならない規定であります。それを殺してもよいという規定と、どうして読み直しができますか、御説明をいただきます。
 東山薫君の父君の告訴状によりますれば、臨時救護所への機動隊の乱入を阻止するためスクラムを組んでいたにすぎないのに、五メートルの至近距離から右後頭部目がけてガス弾を水平発射された、と言っております。この告発内容が事実でないとするならば、立証を願います。
 以上の点、国家公安委員長並びに法制局長官に見解を伺います。
 質問の第四点は、法制局長官に、本件で正当防衛並びに緊急避難の要件が成立するかの問題であります。
 刑法三十六条一項の「已ムコトヲ得サルニ出テタル行為」とは、他に救済する手段がないこと、必要最小限度であること、侵害によって失われる法益と反撃によって害しようとする法益との均衡がとれること、とされております。
 東山君の場合、死に至らしむるもやむを得ない立証はありません。東山君はいかなる法益を侵害したかも何ら立証しておりません。救護所への警察官の乱入を防ぐだけで、東山君は襲いかかってもいないし、相手が緊急避難しなければならない何らの行動もありません。それでも正当防衛もしくは緊急避難の対象になりますか。その根拠は何ですか。
 質問の第五点は、武器使用の責任についてであります。
 警職法七条本文は、ただしその使用は該当事項以外に人に危害を与えてはならないと規定し、この趣旨に沿って、いままでは警棒、警じょうの使用に至るまで、人に危害を与えない規定が守られておりました。合理的に必要とする限度を超えないこと、民衆を刺激することのないようにすること、頭部等を打撃することのないようにすること、このような厳しい規定が制定されておったのであります。ただし、ガス弾に限りその使用規定を一切公夫しないのはなぜでありますか。
 ガス弾は武器でないと言うならば、今回のごとく、用途によっては明らかな武器であります。したがいまして、武器でないという説明はうなずけません。人命損傷があっても自由使用やむなしという方針に変わったのか、そう受け取られても仕方がないのでありますが、いかがでありますか。
 さらに、いままで口頭説明によれば、七十メートル以上離れて撃つこと、三十度の仰角で撃つこと、こういう規律は三里塚においては全然無視されております。不法使用と当然断定せざるを得ないわけでありますので、不法使用の責任の所存、水平撃ちをした刑事上、行政上の責任を明らかに願います。
 第六点は、救護義務の放棄であります。
 「人に危害を与えたときは、救護その他措置に遺憾のないよう配慮し、すみやかにその状況を」「所属長に報告しなければならない。」、こういう規定は今回の場合放棄されております。東山君の事故は午前十一時十分から三十分の間、病院に収容されたのは午後十一時五十五分、この間負傷者に対しどういう措置がとられましたか。
 さらに、東山君傷害について報告の義務も不履行であります。東山君の殺傷が、警察庁の言うごとく、正当防衛もしくは緊急避難とするならば、明らかに東山君の七条一、二号違反が立証されなければなりません。
 また、警察官として七条一、二号の職務執行をしたというならば、だれがしたか明瞭でなければなりません。また、それを指揮した者も明瞭でなければなりません。しかるに、機動隊幹部あるいは発射警察官も一人も名乗り出ません。報告もありません。これはどういうことですか。いままでの東山君の事案についての警察庁の説明は支離滅裂であります。この際、明確にお願いをいたします。終わりに、本件とは直接関係はありませんが、成田空港対策は、賛成者優遇、反対者弾圧の方針で進んでまいりました。いま空港敷地内農民は何らの代替地も営農保障も未解決のままに放置されております。また、付近住民も完全な騒音からの救済対策は何一つありません。こういう空港犠牲者の救済を捨てて、開港のため強権発動のみをもってするならば、本末転倒と言わざるを得ません。改めて運輸大臣の見解を伺います。
 さらに一言付言するならば、われわれは過激派に共鳴するものでもなく、彼らの行動を認めるものでもありません。しかし、現実に東山薫君は死んでおります。子供を殺された父母の怒りと悲しみをわれわれは不問にするわけにはまいりません。この父母への同情もないというならば、その心情はまさに警察国家への志向であります。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 治安維持のためというのであれば、警察は国民の人命財産の保護を無視して武器使用をしてもいいものかと、こういう御質問でございますが、まず私は、今回の成田空港事件によりまして東山さんが死亡された、これは非常に残念な出来事であります。東山さんに対しまして心から御冥福をお祈りしたいと、かように考えます。
 この世の中で一番大事なものは何か、これは私は人の命であると、こういうふうに考えます。同時に、治安の維持は社会存立の基礎であり、それなくいたしましてはこの社会は崩壊をいたします。今回の警察の行動は、故意に人を殺傷する、そういう意図に出たものではないと、かように存じますが、治安維持の責任者として最善を尽くした、そういうふうに認識をいたしております。今回の事件で極左集団が自動車へ放火したり、あるいは火炎びん、劇薬、石ころ、鉄パイプなどを大量に使用するなど、凶悪な犯行をあえてし、官側でも多数の負傷者が出ておる次第でございます。このような状態の中で警察官が催涙ガスなどを使用するのは、これは治安維持の責任者としてやむを得なかったことだと、さように存じます。
 この間におきまして東山さんの死亡事件が起きた、これはまことに残念なことでございますが、負傷警察官各位に対しても深甚な同情の意を表したいと、かように考えるのであります。
 政府といたしましては、人命の尊重に特段の配慮を払っていかなければなりませんが、同時に、国家存立の基盤であるところの治安の維持のためには今後とも十分その責任を果たしてまいる、そういう決意であります。どうか御理解と御協力をお願いいたしたいと、かように思います。
   〔国務大臣小川平二君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。
 特別公務員暴行陵虐致死罪によって警察官が告訴、告発された事例はございますが、この罪名によって警察官が有罪とされた事例はございません。さらに、千葉地方検察庁がかような罪名を用いたことにつきましては、警察官に対する容疑が濃いということではなく、東山氏の死因を早急に究明するための一応の手続としてそのような罪名を用いたものであると法務省の当局から聞いておりまするが、世間一般に与える印象を考え、とりわけ第一線で職務の遂行に当たっておりまする警察官の士気に及ぼす影響を考えまするとき、私はまことに釈然たらざるものを感じておるのでございます。
 東山氏の遺体につきましては、去る五月十三日、解剖が行われましたが、まだ鑑定結果は出されておりません。一部に伝えられておりますような死因は判明していないのでございます。
 五月八日の成田警備におきまして警察部隊が催涙ガス器具を使用したのは、火炎びん、劇薬、石ころ等を大量に投てきし、さらに火災自動車を警察部隊に突入させるなど殺人的凶悪行為を繰り返し行ったため、警察官の生命を守り、かつこれを防ぎ、犯人を逮捕するためにやむなく使用したものでありまして、襲撃集団以外の平穏な集会場にいる無抵抗の者に対して催涙ガスを使用したというような事実は絶対にございません。告訴状によれば、東山氏が救護所にいたと記載されていると承知いたしておりますが、東山氏の負傷時の状況につきましては、目下千葉地検において捜査中であり、まだ結果は出ておらないのであります。
 成田闘争の警備については、これまでに三人の警察官が殉職し、三千二百七十九人という多数の警察官が重軽傷を負うという厳しい警備を行ってきております。今回の妨害鉄塔撤去に関しましても、極左暴力集団等においては、鉄塔死守を表明し、警察官の殺害、空港施設の破壊等を公言し、現に五月六日の鉄塔除去以来、火炎びん、劇薬、石塊、火災自動車等を使用した殺人的凶悪犯罪を繰り返し敢行しており、これにより警察官百四十四人が重軽傷を負っているところであります。治安責任を持つ警察において、このような凶悪犯罪が行われる場合、所要の体制を確立して警備を行い、事案の拡大防止と早期鎮圧を図ることは当然の責務であり、今般の一連の成田警備が過剰であるという主張は当を得ないものと考えております。申すまでもなく、暴力は民主主義と相入れないものであり、広く国民の協力を得て暴力の排除に努力してまいる所存でございます。(拍手)
 なお、水平撃ちが行われたとの前提に立っての御質疑でございまするが、指揮者が水平撃ちを指示したということは報告を受けておりません。また、指示の有無にかかわらず、現実に水平撃ちが行われたという報告も聞いておりません。少なくとも法律に定める要件が存在せざる場合に警察官が水平撃ちを行ったというようなことはあり得べからざることだと、かように信じております。(拍手)
   〔国務大臣田村元君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(田村元君) まずもって、私の所管にかかわる事項につきまして不測の事態が起こり、多数の負傷者、特に死者を出しましたことは、まことに遺憾に存じます。心から負傷者のお見舞いと東山君に対する哀悼の意を・表したいと存じます。
 さて、先ほどの御質問でございますが、成田新空港を早期に開港するためばかりでなく、開港後も同空港が周辺地域と末長く共存共栄の実を上げていくためには、地域住民の全面的な御理解と御協力が何にも増して必要であると考えております。この意味におきましても、空港周辺地域の振興に留意するほか、特に空港用地の提供者、騒音区域内の移転希望の住民に対する措置等につきましては、誠意を持ってこれを講じていく所存でございます。(拍手)
   〔政府委員真田秀夫君登壇、拍手〕
#9
○政府委員(真田秀夫君) お答えを申し上げます。
 私に対する御質問の第一点は、東山氏の死亡事件と警職法第七条の関係についてのお尋ねであったと存じます。
 東山氏の死亡事件につきましては、催涙ガス弾の命中したことが原因となったのかどうかということや、その他の詳細な事実関係は現在捜査中であるということでありますが、催涙ガス銃の発射に対する警職法第七条の規定の適用を一般的な法解釈として申し上げますと、大体次のようなことになろうか存じます。すなわち、催涙弾が至近距離で直接相手に命中するような状態でガス銃を発射して相手に危害を与えることが警職法第七条の規定に照らして許されるかどうかということにつきましては、それが犯人の逮捕等のために必要であると認められる相当な理由があり、その事態に応じて合理的と判断される限度内のものであって、かつ、同条ただし書きに規定される要件を満たすものであるかどうかということによって判断されるべきものであると考えます。
 次に、御質問の第二点は、警職法第七条の精神についてのお尋ねであったと存じますが、警職法第七条の精神は、同条ただし書きのいわゆる危害要件が具備されておりましても、常に相手方に危害を与えることが許されるものではないということであると存じます。
#10
○議長(河野謙三君) 加瀬完君。
   〔加瀬完君登壇、拍手〕
#11
○加瀬完君 いま法制局長官が答えられたように、警職法は人命に危害を与えないということを原則にしている。現実に一人の人を殺しておいて、その立証も解明もできないで責任を糊塗するというのはもってのほかである。以下、若干追加して伺います。
 人命損傷をする水平撃ちが現実に行われていることは明らかでありませんか。これを言いわけをする理由はどこにもありません。警察官の士気が大事か、国民の保護が大事か、警職法は国民の保護を第一にしている。これをわきまえておりません。老人や子供のいる集会に発砲をした事実は、ポンポンとは撃たなかったけれども、撃ったということは警察庁が証明している。警職法七条一、二号は、立証がなければ警察官の犯罪を構成する。何にも立証をしてないじゃないか。しかも、警察官の人命を殺傷しようという計画があったという立証があるか。うわさによってやっているだけじゃないか。立証をしてごらんなさい。何にも立証をしないで……(「やっているよ」と呼ぶ者あり)やっているなら立証を挙げなさい。相当なる理由ということがなければ警察官は攻撃できない。相当なる理由というのは、立証をして、なるほどとうなずけるものを出さなければ相当なる理由にはならない。相当なる理由があるなら、はっきり出しなさい。(拍手)
   〔国務大臣小川平二君登壇〕
#12
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。
 水平撃ちが現にあったという前提での御質疑でございますが、水平撃ちが現実に行われたということは客観的に立証されておらないのでございます。したがいまして、さような前提に立っての御質疑にはお答えがいたしかねるのでございます。客観的に相当な理由があったかという御質疑でございますが、これは当時の現場の事態、要するに事実関係に関連をする問題でございます。この点は、すでに千葉地検が捜査を開始しておるのでございますから、捜査の進展に伴って明らかになる、かように考えております。(拍手)
     ―――――・―――――
#13
○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、
 沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長増原恵吉君。
   〔増原恵吉君登壇、拍手〕
#15
○増原恵吉君 ただいま議題となりました沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法案は、沖繩県の復帰に際し、暫定的に駐留軍用地等の使用を認めた期限が到来いたしますので、その区域内土地の位置境界の明確化のための必要措置を定めるとともに、駐留軍用地等を引き続き使用する場合の使用手続の特例を定める内容をもって提出されたのでありますが、衆議院において全面修正されたものであります。
 その主なる内容は、第一に、沖繩県の区域内における境界不明地域について、その明確化を図ることとし、駐留軍用地等については防衛施設庁長官、それ以外の土地については沖繩開発庁長官をその実施機関の長とすること、第二に、実施機関の長は、おおむね五年間を目途とした明確化の計画を作成すること、第三に、関係所有者の申し出があった場合には、実施機関の長が審議会の意見を聞いて位置境界について勧告をすることができることとすること、第四に、駐留軍用地等以外の土地の位置境界が明確となった場合、その土地の有効な利用の促進等に資するため、所要の措置を講ずること、第五に、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律による暫定使用の期間を五年間延長すること、などであります。
 委員会におきましては、沖繩県における地籍及び軍用地問題の重要性にかんがみ、五月十三日より本日まで六日間にわたり、熱心な審査を行ったのであります。
 その間における主なる質疑は、境界不明地域の実態と復帰後の措置、地籍明確化事業の見通し、集団和解方式を地籍確定の基本とすることの疑問、公用地等暫定使用法の適用状況、同法による使用期間の期限切れに関して政府の責任と対策、期限切れ後の公用地等暫定使用法の効果と期限延長措置をとることの有効性、衆議院における修正内容の妥当性、読谷飛行場国有地をめぐる疑義、在韓米軍撤退と沖繩米軍基地との関連、憲法第九十五条による住民投票の必要性、自衛隊用地に対する土地収用法適用の妥当性等であります。
 なお、期限切れ後の公用地等暫定使用法の効果について、政府から法的見解が示されました。
 これらの詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 かくて、五月十七日、坂野委員提出の質疑終局の動議が可決されましたが、議長あっせんの趣旨に沿い、本日、補充質疑を行いました。
 補充質疑が終わりましたところ、岩間委員より、さらに慎重審議すべき旨の動議が提出されましたが、否決され、次いで討論に入りましたところ、日本社会党を代表して野田委員より反対、自由民主党を代表して上田委員より賛成、公明党を代表して峯山委員より反対、民社党を代表して柄谷委員より賛成、日本共産党を代表して河田委員より反対する旨の発言がありました。
 次いで採決の結果、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#16
○議長(河野謙三君) 本案に対し、秦豊君外三名から、成規の賛成者を得て、修正案が提出されております。
 この際、修正案の趣旨説明を求めます。秦豊君。
   〔秦豊君登壇、拍手〕
#17
○秦豊君 私は、日本社会党、公明党、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対する修正案について、その提案の理由を説明いたしたいと存じます。
 まず、その理由について若干述べておきたいと思います。
 沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案の全部を、「沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法」として修正をする理由は、まず、附則第六項の期間延長は、われわれ三党としては絶対に容認し得るものではないので、これは削除をし、その他の部分についても、提案者みずからが認めているように、不完全かつ不徹底なものであり、したがってこれらを全面的に修正して、位置境界不明土地の地籍等を明確化する措置を実施することにより、沖繩県民の生活と権利の向上を目的として、新たに制定しようとするものであります。
 以上が、日本社会党、公明党、日本共産党の野党三党が新たに修正案を提案いたした理由であります。
 私たち日本社会党、公明党、日本共産党の三党は、何よりも次の三点を強調したいと思います。
 第一には、沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案は、まず、衆議院におきまして、御高承のとおり、内閣委員会、さらには本会議等、いずれの場合におきましても、政府が、与党・自民党を初め、民社党、新自由クラブ等と結託をして進めた、あの許されざる強行採決という暴挙の所産であることを、まずもってあなた方は銘記すべきでありましょう。(拍手)
 また、本院内閣委員会におきましても、去る十二日以来、延々として七日、開かれた理事会あるいは理事懇談会だけでも前後実に三十四回、十四時間にも及んだわけでありますけれども、与党・自民党は、われわれ三党の一貫した要求である円満な審議、慎重審議を強引に退け、与党を含めた全党合意のルールをさえ次々と理不尽に無視じゅうりんをして、ついには昨十七日午後二時三十八分質疑の打ち切りをさえ強行いたしました。しかも、この間、増原恵吉内閣委員長は、ひたすらに困惑、ろうばいして、常になすところを知らず、ただおろおろと、論旨不明、意味あいまい、しばしばその発言を二転三転訂正するなど、常任委員長としての権威と見識と備えるべき水準は果たしていずくにありやを疑わしめたことは、すでにして公知の、また周知の事実ではありませんか。(拍手)
 しかも加えて、本来ならば、あの増原委員長の傍らにあって終始冷静かつ的確、厳正に補佐の任に当たるべき二名の与党理事の方々が、この委員長にまさるとも劣らず、まさに「類は友」のたぐいであり、まことにもって、兄たりがたく、また弟たりがたし、そのうろうろとうろたえた情けないありようが、事態全般の混迷と停滞に拍車をかけたことは、お二人の御本人たちといえども、よも否定はなさりますまい。
 本年まさに七十四歳、増原恵吉内閣委員長、与党の国会対策にその老いの鼻面を引き回されたあのおぼつかなさは、ある意味では、なるほど悲壮でもあり、痛々しいまでの情景と言わねばなりませんけれども、しかしながら、この七日間を通じたあなた方与党内部のあの見るにたえない幾多の混乱ぶりは、わが議会史上、けだし珍重と憫笑に値するものと言わざるを得ません。
 次に、法的な内容に入っていきたいと存じます。
 沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法のいわゆる附則第六項の問題であります。この附則第六項は、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律、いわゆる公用地法第二条の第一項が定めております米軍、自衛隊等の土地の暫定使用期間たる五カ年を十カ年と改正すべく規定をしております。問題はまさにここに存します。すなわち、いまから五年前に成立をしました公用地法は、五カ年の期限を限りまして米軍と自衛隊等に土地の暫定的な使用権原を付与したものであります。そして、その付与された使用権原は、まさに本年の五月十四日をもって終了したことも、法制局長官すら認めざるを得ない厳々乎たる事実であります。したがって、現在なお沖繩の米軍、自衛隊は、任意の賃貸借契約を拒否しておりますいわゆる反戦地主会の皆さんの土地を、言ってみれば不法に占有、使用している状態にあることもまた自明のことでありましょう。
 ところで、いま申し上げましたこの公用地法第二条の第一項が定める期限がすでに切れてしまっているいま、果たして公用地法の当該規定を改正することなどは許されることでありましょうか。政府・自民党などのグループは、有効にこれは改正ができる、つまり、一たん死んだがまた生き返る、一たん切れたがつながっていく、こういうことを強弁しております。また、現にその主たる論拠を、公用地法がその形式上完全な意味での限時法、いわゆる時限立法として規定されていないことにあなた方の論拠を求めております。しかし、私たち日本社会党、また公明党、日本共産党の野党三党は、このようなあなた方の強引な法解釈には断然承服を与えることができません。
 そもそもこの公用地法は、その表題が示しておりますように、暫定使用権原、これを定めることが目的でありますし、したがって、法文もいわゆる簡潔な法三章、わずか五カ条で構成されているにすぎない、きわめて簡潔な表現となっております。そして、その法文を皆さんに検討をしていただければ明らかでありますが、その中核的な規定はどこにあるか。ただ一点であります。明らかに同法の第二条が定めております、米軍と自衛隊等の五カ年間を限った土地の暫定使用権原を付与する、まさにポイントはその一点であります。そこで、同法の第四条を除きます他の部分は、他の規定は、この第二条の規定をいわば補うだけの、補完する形式的な条項にすぎません。さらに、同法第四条は、使用権原消滅の後に、その土地の正当な権利者に対しては原状に復する、いわゆるもとの状態に回復をして返還すべきことを定めている当然の規定でありますから、どこから見ましても、この公用地法は、第四条を除きましては、明らかに、どなたがどのように強弁をなさろうとも、本年の五月十四日をもって完全に失効、消滅したものと解するのがむしろ当然ではありませんか。
 このように、公用地法が実質的な限時法としての性格を持つものである以上、申し上げましたように、五月十四日を経過した後からその暫定使用権原を定める規定それ自体を改めるということは、明らかに無理があります。歪曲であります。それはちょうど、形式的には問題のない、いわば完全な限時法の有効期間経過の後にそれの改正が考えられないのと全く同じ法理に立脚をしております。同じ法理ではないかと思います。さすれば、本日はまさに一九七七年五月十八日、すなわち五年前から施行されました公用地法の暫定使用権原を定める期間が切れてから、やがてほどなく四日目を終わろうとしています。そうだといたしますれば、公用地法の第二条第一項を改正することを定めるあなた方自民党グループの沖繩駐留軍用地等特別措置法の附則第六項は、もはや審議、採択される対象ともなり得ないものと、私ども三党はひとしく考えております。しかるに、これを本院がいまなお正当な手続を踏んで送付されてきた法案として扱うならば、それはまさに重大な違法、不当をあえて犯したと後世のそしりを受けたとしても、やむを得ないところであろうと考えます。私は、また私ども三党は、申し上げましたような根拠に立ちまして、この附則第六項がここに審議、採決の対象となることに断固として反対をし、強くその削除を要求するものであります。もしも政府が、今後とも使用権原を欲する、有効性の存続を求めるというのであれば、それは改めて別の法律、新法を新しく制定すべく直ちに法案を準備するのが、どこから見ても公明な、フェアな、正しい立法手続のありようであることも、同時に強く申し述べておきたいと存じます。
 ところで、世上、公用地法の期限切れ後の事態につきまして、ニュース用語として「法的空白期間」などという言葉が盛んに使われているわけでありますが、この法的空白期間などという言葉は、一体、ためにする不当な表現ではないでしょうか。だれの立場に立った言葉なのか。なぜならば、公用地法は、私が壇上から申し上げましたように、本年の五月十四日をもってその中核的な規定が失効、消滅をして、後はただ政府の側に本来の権利者たる反戦地主に対し遅滞なく土地を返還する義務のみが残っている、これが正当な解釈でなければならないと思います。この点について、沖繩の反戦地主に対する遅滞なき返還の措置を無視して、その行政上の任務に反した政府、とりわけ三原長官率いる防衛庁関係機関の五月十五日以降における措置は厳しく糾弾されねばならないと思います。
 政府・自民党及び民社党、新自由クラブは、こうした法理上の正論をあえて無視、歪曲をして、何が何でも、しゃにむに公用地法の延長を図ろうとしていますけれども、ここにこそ、是が非でも駐留軍特措法を成立させようとする政府・与党らの本音が、本当の意図が隠されていると言わざるを得ません。地籍の明確化は、あなた方政府・与党グループにとっては、その意味ではまさに「イチジクの葉」にすぎないとさえ私には思われます。
 そもそもこの公用地法は、本来ならば憲法第十四条、さらに続いて憲法二十九条、さらには憲法三十一条に反するものであります。六年前の法案審議の際には、きょうの立場とはまさに百八十度違いまして、公用地法に対する断固たる反対を表明された民社党小平議員による衆議院本会議での代表討論の何カ所かを若干引用するだけでも、その違憲性は明白になると思います。民社党の小平議員の討論部分を引用さしていただきたいと思う。
 まず、沖繩返還協定自体に触れまして、民社党の小平議員は、次のように述べておられます。――沖繩返還協定は核抜きが不明確であるばかりでなく、基地の整理、縮小についてもそのスケジュール自体が明らかでないこと、また、本土法のワクを飛び越えて、ボイス・オブ・アメリカ、VOAが存続すること等、まことに重大な問題をはらんでおり、決して言われるごとき本土並みとは言えない内容であることは、これまでの本院の審議を通じて明らかであります、と、まず全体的な認識と立場を述べられた後、沖繩の軍事基地群と沖繩経済との関連につきましては次のような表現をとっておられます。――沖繩県にとって最大の問題点は、まさに軍事基地でありましょう。たとえば嘉手納村においては全面積の八〇%、コザ市では七〇%、浦添市では八〇%以上が米軍基地として接収されているごとく、沖繩本島だけを取り上げてみても全体の実に二三%という膨大な面積の返還、この膨大な面積の返還なくして何の沖繩開発ということができ得ましょう――このような表現で、まことに的確かつ正しい把握を展開されております。
 民社党の小平氏は、その討論の締めくくりの部分におきまして、問題の公用地法を鋭く論難されております。いわく――この法律案については、すでに本院の本会議並びに沖繩・北方問題特別委員会の審議の全体を通じて、その憲法違反、違憲性が明らかにされ、その意味ではまさに史上類例のない悪法としての内容が究明されたところであります。そもそも、同法案は、沖繩返還協定と不可分一体の性格を持っており、特に、本土では地位協定の実施に伴う土地等に関する特別法によって、強制収用が六カ月間に限定されているにもかかわらず、今回の沖繩法案では、これが実におよそ十倍にも当たる五カ年間に延長されています。
   〔議長退席、副議長着席〕
また、本土法では決して認められてはいない自衛隊の基地についてまで強制使用の対象を拡大すること、さらに、道路、水道、電気事業などの純粋な公共用地についても、これとは全く異質の軍用地を抱き合わせると、こういう形で、本土土地関係法の体系を混乱に陥れるものであり、断じて容認できないゆえんであります。このことは、やがては本土法の改悪、変質にまで及ぶおそれがきわめて大きいこと、しかも、この法案に基づく土地利用の前提となるべき沖繩県の地籍調査が、アメリカ政府との話し合いで行うことができたにもかかわらず、いままでそれを全く放置し、さらに今後の地籍調査計画自体も明らかにされてはいません。要するに、この法律案は、どの見地、どの角度から見ましても、悪法の典型と言うほかはなく、先ほども私が指摘したごとく、きわめて違憲性の高いものであり、民社党として決して容認できないところであります一このように、お聞きのように、実に明快に民社党はこの法の本質を喝破されております。
 自来、五年有半、ひとしく政治家たる者、公党のありようについて思いをひそめないわけにはまいりません。
 さて、さらに論旨を進めたいと存じます。
 沖繩駐留軍用地等に関する特別措置法、これでありますが、これは、沖繩県民の強い要求であります地籍問題の解決、この観点から申しましても、抽象的かつ不十分なものにすぎません。そう言わざるを得ないからです。当初の政府原案が、できもせず、またやる気もない、まあ言ってみれば及び腰で地籍の問題を取り上げたものである以上、その本質を隠しおおせるものではありますまい。そのことは、法律上及び事業を実施する上での国の責任を不明確にしております。明らかではありません。表現が、規定があいまいになっています。つまり、軍用地は防衛施設庁、軍用地以外は沖繩開発庁にと、所管を全く異にしています。こればかりではありません。境界確定の方法が、とても現実的でない、実効性を持ち得ないものでありまして、土地境界の明確化に関して、協議それから確認が得られない場合の措置が全く講じられてはおりません。これは重大な欠落と言うべきかと思います。
 さらに問題点を、不十分な点を追及してみますと、地籍の明確化を促進するための補償、それから権利の調整を定める規定、こういう肝心なところもなぜか欠落をしております。また、沖繩開発庁設置法の附則第三条によりますと、この種の事務は沖繩総合事務局に委任ができるように定めているのに対しまして、この自民党グループの駐留軍用地等特別措置法案では、沖繩県知事に対して事務委任を定めているなど、言ってみれば、立法上の措置としては一貫した立場をとっておりません。
 以上申し上げました欠陥はほんの一例であります。これを詳しく、逐条審議的に詳細な欠陥や不備をあげつらえば、それこそ枚挙にいとまがありません。このような欠陥と不備につきましては、政府原案に対する修正案を衆議院で提出をし、本院でも先ほどまで内閣委員会で答弁に当たられていました自由民主党の木野晴夫議員でさえ、本院内閣委員会の席上で、わが党矢田部委員の質問に対して、みずから認めているわけですから、まさに何をか言わんやであります。
 沖繩の地籍がこのように混乱をしている、不明確であるということの最大の原因は、申すまでもなく、あの忌まわしい第二次世界大戦、太平洋戦争におきまして、沖繩が最後の決戦場、戦場と化して徹底的に荒廃し、公簿、公図がほとんど全く消滅したことに源を発しております。さらには、その敗戦を契機として上陸をしました占領米軍による強引非道な基地群の建設によりまして、戦禍に加えて徹底的に地形が改変されたことが今日の沖繩問題の地籍混乱を生み出していることは、何人も否定はできますまい。戦後、沖繩の人々は、このアメリカ占領軍による強奪とも言える土地の取り上げによって、本土のわれわれでは実感ができないような、本土ではとうてい想像もできないような深刻な苦悩を味わってこられました。こうした沖繩県民の苦しみに対して、政府・自民党グループの原案は、正面から誠意をもってこれを受けとめた本格的で真摯な対応とはとても思われません。
 以上の諸点からいたしまして、この無責任かつ不徹底な、沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法の全文を削除することが、むしろ沖繩県民並びに広範な国民の要求に合致をするゆえんであると、私ども三党は深く確信をいたしております。
 これに対して、私たち、日本社会党、公明党、日本共産党の三党が先ほど提案をしております、沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案は、まさに沖繩の地籍不明と混乱に堂々と対処をし、これを解決するための最良かつ最も有効な法案であると確信を抱いております。
 社会党、公明党、日本共産党三党の修正案は、事業の責任者を、あなた方の案とは違っていまして、沖繩開発庁長官一人にしぼって、地籍明確化作業における国の責任というものを明らかにしております。それから、国の事業計画の策定にかかわる責務、責任、権限をも同時に明らかにしていること。さらに、開発庁長官に対しまして位置境界の決定権――これが肝心かと思われますけれども、紛争の伴いがちなこういうケースに対しまして、開発庁長官に何の権限もないということは、それ自体が重大な欠陥であります。そこで、われわれ三党としましては、開発庁長官に位置境界の決定権を付与するとともに、さらに民主的な配慮をいたしまして、聴聞、異議の申し立て、訴訟などのさまざまな民主的な当然の手続をも定めたことなどを基本にいたしております。
 つまり、以上羅列をいたしましたポイントを集約いたしてみますと、先ほど指摘をし、論難をした自民党グループ案の欠陥、不備は、われわれ三党案によって完全に補い得られております。また、何よりもわれわれの三党案は、国の怠慢と無策に抵抗をして、戦後一貫して地籍問題に取り組んで苦闘を続けてこられた沖繩県側の要望や意見を、ほぼ完全に反映している内容となっております。まあこれほどまでに民主的で行き届いて、また運営としての実効性と、さらには説得性を持った法案がまたとあり得ましょうか。(拍手)
 以上が私たち三党修正案のほんの要点でありますけれども、最後に、返還土地の原状回復や、地主が利用し得る時点までの補償、この補償などにつきましては別途に政府として措置をする必要があること、補償問題であります。それから、本法案成立の際には、憲法第九十五条にいう住民投票に付すべきものであるという考えをもあわせて三党の意見として、あえてこの議場において表明をしておきたいと存じます。
 以上で、日本社会党、公明党、日本共産党、三党提案に係ります修正案の提案理由説明の部分を一応終えたいと思いますけれども、この際改めて、政府・与党グループが、なぜにまたかくも公用地法案の強行に執着をしている最大の理由と目的、あるいは背景等について一言しないわけにはまいりません。
 政府・与党グループの最大の理由とねらいは、公用地法の強行によって、沖繩県の基地を、あなた方の感覚では安定的に使用し、いわゆる対米責任を全うして、アメリカのアジア戦略に一〇〇%貢献をし追随することがあなた方の何よりの眼目であることはすでに明白ではありませんか。私ども三党は、その共通の立場を踏まえ直して、この際改めて、沖繩基地群の機能と実態、作戦戦略、あるいは役割り等についてあとう限り見直し、再検討を詰めておきたいと思います。
 まず、現在の沖繩基地でありますが、これは高度に完成をされた総合機能を持った、ほとんど完璧に近い第一級の複合基地群であると思います。たとえば、全面核戦争から通常型戦闘、限定戦、局地戦闘、ゲリラ戦など、一切の戦闘機能を完備しております。つまり、核攻撃と核攻撃に対する報復、出撃待機、あるいは進攻基地、前線兵たん基地、心理出撃待機、あるいは謀略通信情報基地、あるいは対空、対潜哨戒、さらに訓練など、つまり沖繩の米軍基地群にとってはあらゆることが可能であります。そうした意味で、私ども三党は、現在展開されている沖繩県の米軍基地、あるいは米軍基地群を指して、高度の総合機能を持った第一級の軍事基地であると断定をいたしております。
 去る五月一日現在の資料でございますが、現在の沖繩県における軍用地面積は、米軍と自衛隊で八十二の施設、総面積二億六千六百三十万平方メートル、うち米軍関係が五十三施設、二億六千二百九十三万平方メートル、このただいま挙げました数字は、全国の米軍基地との比率では実に五五%、さらに沖繩本島の面積では二〇%を占有しております。特に強調いたしたいことば、いわゆるマリーン、海兵隊を頂点にした基地機能の急速な強化が目立っております。カーター政権が、言われている在韓米軍のうちで、陸軍第二歩兵師団、あるいは原子砲、オネストジョンを中心にした春川配備の第四、ミサイル部隊の撤退をすでに打ち出してからその方針が目立っています。海兵隊は緊急出撃、打撃部隊、いわゆるストライクコマンドとして編成配備されていまして、最も訓練の行き届いた第三海兵師団であり、水陸両用部隊として絶えず戦闘配備についています。第一海兵航空団をも加えまして、水陸両用でもあり、空戦の能力をも兼ねた、いわば、これまた総合機能を持った最新鋭の師団であり、兵力総数は一万八千五百人にも達しております。特に、このうちの一個大隊はヘリ空母「オキナワ」らとともに第七艦隊に組み込まれていまして、常に洋上待機をしています。したがって、プエブロ号事件、あるいはカンボジア事件、あるいはベトナム戦争等々、一連の実戦においてはそのような洋上待機部隊、すなわちストライクコマンドが目覚ましい活躍を示したこともすでに事実であります。
 そうして、たとえば昨年の八月に発生をしました板門店事件での対応を見ると明らかであります。板門店事件が発生をするや否や、まず、沖繩県嘉手納基地のアメリカ第五空軍第三一三航空師団所属のF4ファントム戦闘爆撃機一個中隊、さらに兵員四百四十名が韓国の群山基地に展開をしております。この部隊は、御存じのように、伊江島で模擬核爆弾の訓練を日常的に展開をしている部隊であります。この戦闘爆撃機部隊に続いて、先ほど申し上げました洋上待機中のマリーン一個大隊、さらに山口県岩国基地からは第一海兵航空師団の垂直上昇機AV8ハリア、さらにグアム島基地からはB52戦略爆撃機が韓国の上空にデモンストレーションを展開したことなどを見ましても、前進基地であり、あるいは核攻撃基地としての沖繩の機能の一端がうかがえようかと思います。
 一般に、この沖繩基地のことを指しましてキーストーン論が言われておりますけれども、アメリカの世界戦略、とりわけアジア戦略の観点から見ますれば、沖繩だけではなくて、日本全体が、四つの島が、列島全体が、まさにキーストーンそのものであり、まことに寛大な日本政府の存在に助けられて、実に伸びやかな自由出撃がいつでも可能な、文字どおりの聖域であることは言うまでもありますまい。その中で、沖繩基地群こそが、その中でも最も完璧な、いわゆるストロングポイントであることば見逃せない点であると思います。日米安保条約は当然のこととしまして、沖繩の基地群は、日米安保条約は当然としまして、アメリカと台湾、米台相互防衛条約、米韓相互防衛条約、アメリカとフィリピン、つまり米比相互防衛条約、さらにはオーストラリア、ニュージーランド及びアメリカ合衆国の間の三国安保条約、いわゆるANZUS条約のいずれもの適用地域にすっぽりと入っています。このことは、きわめて沖繩の戦略的な地位を考える上で重大かと思われます。あらゆる複合的な軍事同盟の適用地域に入っている。深々と絡み合っている。こういう現実を見れば、沖繩がキーストーン、かなめ石であり、さらにはアメリカの世界戦略の展開において、本当の意味の巨大な結節点、節目、結び合わされた節目である、文字どおりのかなめ石だということが実感できると思います。
 さらに私どもは指摘しなければなりませんのは、以上申し上げました条約によってアメリカが負っている国際的な義務というものを迅速かつ効果的に遂行をするためにこそ沖繩基地群があると、こういう点であります。しかも、すでに一九六九年十一月二十一日、佐藤・ニクソン共同声明によりまして、当時のジョンソン国務次官の、いわゆる特派員グループに対する背景説明によりますと、佐藤総理大臣は、韓国が武力攻撃を受けた場合、日本からの米軍出撃や日本への核持ち込みについては積極的かつ迅速にわれわれの要請にこたえることを裏づけた、こういう背景説明をジョンソン国務次官はいたしております。当時、われわれはこのことをとらえまして、 このことは「日米安保の沖繩化」とし、あるいは米軍による平時における包括的な自由使用の権利、また、際の自由発進、核持ち込みの了承というふうに批判を加えたわけでありますが、それ以後の日本政府側の歩みはますますもってこのことを裏づけております。
 さらに、去る三月二十三日の福田赳夫及びジミー・カーターの福田・カーター日米共同声明の第五項によりますと、アメリカ大統領は、アメリカが西太平洋において均衡がとれ、かつ、柔軟な軍事的存在を維持する意向であり、日本国の福田総理は、アメリカ大統領のかかる意向を歓迎し、日本がこの地域、つまり西太平洋の安定のために一層の貢献を行う旨表明した、とあります。この福田総理の言う「一層の貢献」と申しますのは、沖繩基地群をその重要な拠点としたシーレーン、いわゆる海域分担のうち南西航路帯の哨戒警備は、近い将来防衛庁が恐らくはつなぎ導入するであろう悪名高いロッキードエアクラフト製作P3Cが沖繩基地に配備され、岩国のアメリカ軍P3Bが主として日本海方面を担当し、沖繩に配備されている現用のP2J九機と新たに購入されるP3Cとが南西列局、バシー海峡以北をという、いわゆる防衛分担にまで突き進むことはいまから確たる予見を持てようかと思います。
 さらに申し上げたいことは、沖繩の地理的な条件、これは、たとえば那覇−ソウル一千六百キロメートル、上海までわずかに八百キロメートル、東京−那覇一千六百キロ等の地理的な条件そのものが沖繩の戦略的な価値を大きくしていることも一つの側面であろうと思います。
 内閣委員会の審議におきまして、しばしばわれわれ野党三党が追及をしました次の論点、つまり在韓米軍の撤退と沖繩基地群との関連にもまた触れないわけにはまいりません。在韓米軍の撤退は何よりも第一義的には沖繩基地の効果的な再編強化を招き寄せると思います。すでに海兵隊部隊を中心にした組織の強化はスタートを切っているわけでありますが、特に空軍と海軍を主体として、日本の自衛隊を組み込んだ形での、いわゆるわれわれの用語に言う米日韓軍事ネットワークは急速に強化されると見なければなりますまいし、それから、沖繩がその日米韓三国軍事ネットワークのキーステーションとしての中枢を占め続けることも明らかであると思います。
 元来、アメリカ国防総省の軍事地図では、日本と韓国は単に空域あるいは防空識別圏のみならず、日本と韓国は一つの軍事的な地域、エリア、つまり作戦地域として表現されております。ワシントンのペンタゴンの感覚から見れば、東京とソウルはワンセットの作戦地域にすぎません。最近、米日韓三国軍事体制の強化を象徴する具体的な演習が行われています。福田総理が、あの特徴のある小さな肩を揺すり揺すりワシントンを訪問していましたあの日米首脳会談と期間を同じゅうしまして、三月中旬から四月中旬にかけまして、アメリカ太平洋軍が、「チームスピリットII」、こう呼ぶ最大規模の演習を西太平洋の全域で展開をしました。恐らく防衛庁も御存じのとおりかと思います。このチームスピリットIIという演習は、横須賀を母港にしております空母「ミッドウェー」がまず日本海に入った、そうして、アメリカ本土からの長距離の兵員・武器展開作戦に続いて、四月一日から四月十日は、韓国東海岸の例のコンビナート、浦項近郊でのアメリカ・韓国合同の敵前上陸演習が行われました。この敵前上陸演習には、沖繩基地からは第一海兵航空師団の飛行機、さらに岩国基地からはA4Mあるいはハリアなど、同基地のほとんど全機、これが出動、さらに第七艦隊は、空母「ミッドウェー」など十隻、さらに航空自衛隊第七航空団百里基地の第三〇飛行隊の某幹部が空対空戦用法の検討、打ち合わせと称して、それを名目としてF4Jで岩国基地に入っています。こうした大規模な演習は、昨年の十一月、さらには今年の一月七日にも行われました「コープダイヤモンド作戦」、つまり朝鮮半島からの敵機侵攻を想定しましたアメリカ第七艦隊と在沖繩アメリカ空軍、沖繩配備及び百里、新田原所属の航空自衛隊、韓国の陸海空軍の合同訓練であったことは明らかであります。私がいま申し上げておりますような演習は、明らかに在緯アメリカ地上軍の漸滅方針を見据えた軍事的なデモンストレーションであると、こう思うわけです。こうした演習を朴正煕大統領が視察をし、さらに東京ではそれより少しおくれて、四月十八日に有事作戦大綱を決めるための日米防衛協力小委員会が開催され、いよいよ具体的なアメリカ・日本・韓国三国軍事体制の実態的な検討が、指揮命令系統、情報、後方支援などの各部門ですでにスタートを切っております。
 さらに、私どもは沖繩基地を考える場合には、沖繩における核配備について申し上げないわけにはまいりません。一九七一年六月、アメリカの国防総省と国務省がホワイトハウスに対しまして、沖繩に配備している数百発の戦術用核弾頭を韓国、台湾、グアム、フィリピン、さらにはアメリカ本土等に移送することを提案したことは、これは事実であります。
 さらに、五年前の施政権返還に当たりまして、いわゆる佐藤政権によって振りまかれたキャンペーンは、「核抜き本土並み」の一大言論攻勢であったことは御存じのとおりであります。しかし、私どもによれば、沖繩に核が配備されているということは軍事常識であるということも申し上げておかなければなりません。
 以上、沖繩のいわゆる戦略背景、なぜ政府・与党がかくも沖繩基地の安定使用に狂奔するかという、いわば軍事的な観点からの議論を述べたわけでありますが、最後に、この閣僚席にはすでにいないけれども福田総理、並びに三原防衛庁長官には格別に申し上げておきたいことがあります。
 そもそも、沖繩の基地問題の根源には、余りにも明白な国際法的な違法性が指摘されています。つまり、一九七二年五月十五日のいわゆる施政権返還の法的な側面について、いま一度思いをいたしてほしいと思います。本来、施政権の返還とは軍事占領の終結を意味しており、軍事占領終結に当たっての最大の基準が原状回復の原則であることは国際法上すでに確定を見ております。また、軍事占領終結の後で、他国の領域に継続的な基地を建設し使用することは、ハーグ陸戦法規においても認められてはありません。仮にこれを百歩譲るとしましても、沖繩返還に際してアメリカがなすべき最低の義務は、沖繩県全域の一切の軍事基地と施設を撤去返還して原状を回復し、違法不当な使用によって生じたすべての損害を補償することではなかったのか。特に米軍による継続使用を認めなかった地主に対しては、何をおいてもまず返還すべきではなかったのか。また、日本政府は沖繩百万県民にかわってこのことをこそ堂々と要求をするのが、主権者たる国民から負託され、憲法に基づいて国政を行ってきたものの当然の義務ではなかったのか。
 ところが、日本政府はこの当然の義務を怠ったのみか、沖繩返還協定の第四条によって、正当な請求権を無原則に放置した上、さらに憲法違反の疑い濃い、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律によって、米軍はおろか、新たに配備された自衛隊が強制的に用地を取得できる道をさえ開いたではありませんか。日ごろ法の遵守を説いてやまない日本政府が、何ゆえに沖繩に対してのみ土地収用法に定められた収用手続をさえ無視した乱暴な措置を強行したのか。用地の暫定使用が五年という異例の長さとともに、断じて許さるべきではありますまい。しかもまた、今回自民党などいわゆる三党案の採決によって、新たな不法と不当に、改めて道を開こうとしているではないか。ここにはいないが福田総理、そしてその席にいる憂わしげな三原防衛庁長官、あなた方は、きょうというこの日をこそ、あなた方の強行しようとする政治的な選択の重大さをかみしめ、そうして鋭い自省を加えるべきだと私は言いたい。
 改めて私は申し上げたい。沖繩問題とは基地問題である。真の沖繩問題解決のためには、軍事基地を正面から見据えた抜本的な対応以外にはあり得ないことを、防衛庁長官を初め、全閣僚は厳しく銘記すべきだと思う。沖繩現地の人々が一体どのような複雑な思いでこの本院におけるあの審議を見詰めていたことか、行政の衝に当たる福田総理を初め、全閣僚の深甚な反省と決意を促し、私の発言を終わりたいと思います。(拍手)
#18
○副議長(前田佳都男君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。野田哲君。
   〔野田哲君登壇、拍手〕
#19
○野田哲君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対して強い憤りを込めて反対の意思を表明し、あわせて日本社会党、公明党、日本共産党三党提案の修正案に全面的に賛意を表し、討論を行うものであります。
 福田総理、三原防衛庁長官を初め、関係各閣僚、そして本席の議員諸公は、五月十六日放映された沖繩県の現地の姿をごらんになったと思います。どのようにお感じになったでしょうか。それは、三十二年間にわたって、わが土地であるにもかかわらず、くわを入れて耕すことはおろか、足を踏み入れることさえ許されなかった所有者が、有刺鉄線に囲われた変わり果てたわが土地を踏みしめて、この土地でつくったスイカはおいしかった、また、この土地でスイカをつくりたい、こう感慨深く語っておられた姿であったのであります。この原案は、この沖繩県民の三十二年間にわたる切々とした願いを無残に打ち砕くものであります。
 われわれがこの法案に反対する第一の理由は、この法案が日本国憲法に定める国民の権利を不当に侵害しているからであります。
 日本国憲法第二十九条は、「財産権は、これを侵してはならない。」と明確に規定をしており、政府は国民のためにこれを保障する責務を課せられているのであります。その政府が、ろくろく疑問が解消されていない一片の法律によって、所有者の合意もなくして、日本国憲法に定める国民の財産権を奪い去ることが許されるでしょうか。沖繩県民には憲法に定める財産権を主張する権利は許されないのでありましょうか。沖繩県民を不当に差別をし、沖繩県民に不当な犠牲を引き続き強要するこの法案は、すべて国民は法のもとに平等であることを定めた日本国憲法第十四条の規定に照らしても、憲法に違反するという疑念を抱かざるを得ないのであります。
 反対の第二の理由は、この法案が国民の財産権を不当に侵害し、沖繩県民にのみ不当な犠牲を強要する不平等性を持っているという憲法上重要な疑義があるにもかかわらず、審議の過程でその疑問点が全く解明されていない点であります。
 特に附則第六項は、すでにその期限が終了した公用地暫定使用法による五年の使用期限を十年としてさらに延長しようとしている点であります。この公用地暫定使用法そのものがすでに憲法違反、憲法に違反する重大な疑義を持たれているものであります。この憲法違反の疑いのある公用地暫定使用法に基づく使用期限は、本年五月十四日二十四時をもって終了していることは全く疑う余地がないのであります。法的には、五月十五日午前零時をもって、未契約の土地は所有者に返還されていることになっていることも、これまた疑う余地はないのであります。五年前、アメリカの統治からようやく日本に復帰するに当たっても、不当な憲法違反の疑いを持たれている法律によって財産権を奪われ、それがようやく期限が終了して所有者の手に返ったにもかかわらず、四日間経過したら、またしても死文化した使用期間が延長されるということが法手続として許されるのかどうか。憲法違反の死んだ法律を違法な手続によって生き返らせるという、この最も問題視しなければならない重要な点が、内閣委員会の審議の過程では何ら解明をされていないのであります。この点が解明されないままに採決に付されることは立法機関としての重大な誤りを犯すことになり、参議院としての権威を大きく損なうものではないでしょうか。
 反対の第三の理由は、この法案は表面では地籍の明確化をうたい、沖繩県民の長年の願望にこたえるかのごとく装いながら、実質的には、附則第六項によって、土地取り上げの永久化、基地の永久化を意図する基地確保法案という性格を持っていることであります。
 沖繩県民が先祖代々守り育ててきた沖繩県は、日本の国土の中で太平洋戦争の直接戦闘行為が行われたただ一つの地域であります。家を破壊され、土地を奪われ、戦火の中を逃げ惑い、そして戦火が絶えた後は二十数年間も異民族の軍事支配を受け続ける中で、沖繩の島々はアメリカの極東戦略のキーストーンと位置づけられ、朝鮮戦争、ベトナム戦争の重要な基地としての役割りを果たされ続けてきたのであります。太平洋戦争以来今日まで三十余年にわたって、沖繩県民の暮らしから、硝煙のにおい、軍靴の響き、戦闘機の爆音がとだえたことがあるでしょうか。
 この姿は、復帰後五年たった今日でも、いささかも変わっていないのであります。変わるどころか、復帰後五年の間に、日米韓三国にまたがる軍事機能は、沖繩に所在する基地を中心にして、ますます強化されつつあると言わなければなりません。先ほどの秦議員の趣旨説明の中にもありました、沖繩の那覇基地、嘉手納基地、そして韓国の烏山基地、群山基地を結んで展開をされている「コープダイヤモンド作戦」と呼ばれる作戦行動の訓練は、まさに日米韓軍事体制の典型とも言えるものではないでしょうか。
 この原案は、沖繩の土地を引き続いて県民から奪い、このような危険な方向にエスカレートしつつある日米韓三国の軍事体制の強化に島ぐるみ投入をし、永久化するものであると指摘しなければなりません。このような危険な意図を持った法案を私たちは絶対に容認をすることはできません。
 反対の第四の理由は、この法案の審議がきわめて不正常な状態で行われ、尽くすべき審議が十分尽くされていないし、多くの疑問が残されたままになっているということであります。
 この政府原案、そして衆議院の木野晴夫君提出に係る修正案、これは、さきにも述べたとおり、憲法で保障されている国民の財産権を不当に侵害し、また、憲法で定める、国民は法のもとにすべて平等である、この原則から言っても、沖繩県民に不当な犠牲を強要している点について、審議の過程で憲法学者等の権威から意見を求め、さらにまた、この法案の付託を受けた内閣委員会が現地の実情をつぶさに調査するとともに、現地において該当の土地の所有権者、沖繩県知事を初め基地所在の市町村長、実務担当者などから十分な意見の聴取を行って、実態の把握に万全を期する必要があることを痛感をしているところであります。このような本法案審議に当たって必要欠くべからざる法学者等の意見聴取、現地の実態把握等の措置が全くとられないままに進められている点を私は指摘をしなければなりません。
 さらにまた、審議の過程では、修正案の提案者である衆議院議員木野晴夫君自身が、わが党矢田部君の質問に答えて、三回にわたって、矢田部先生の御指摘のとおりこの修正案には抜けているところがありますと、みずから答えているのであります。修正案提案者自身の態度はきわめて率直で、政府委員のごまかし答弁よりも感情的には好感が持てるといたしましても、法案の審議として、みずからが抜けているところがあると告白される法案を、私たちはそのまま見過ごすことはできないのであります。
 さらにまた、この案は、附則第六項によって、すでに期限切れとなって法的には所有権者に返還された土地を、改めて期間延長しようとする法制上の疑義もぬぐい切れておりません。
 このような審議の過程で、新たに幾つもの疑義が生じているにもかかわらず、この法案の審議に当たった内閣委員会の運営は、数回にわたって理事会の決定を無視した運営が行われ、そしてさらに、二回にわたって質疑打ち切りの暴挙が強行されているのであります。このような不正常な運営が行われ、ただすべき疑点がただされないままに報告された先ほどの増原内閣委員長の審議経過の報告に対して、私は、強い憤りをもって反対の意思を表明するものであります。
 反対の第五の理由として、この法案審議の期間中の政府の態度について指摘をしなければなりません。
 関係閣僚並びに関係各省庁の政府委員は、われわれに対しての説明としては、五月十四日までに法案が成立しなければ未契約地主の土地については不法使用となるので、要求があれば返還しなければならない、そうなると基地の維持は困難となって、対米関係についても大きな障害を起こすと説明をしているのであります。五月十四日の前後になると、沖繩の基地周辺において流血の惨事が起こるという流言飛語を私たちの周辺に流しているのであります。
 それがどうでしょうか。五月十四日以降になって、地主の土地返還の要求に対しては、国は依然として土地の管理権を持っているという詭弁をもてあそんで、地主の要求を拒んでいるのではありませんか。土地立ち入りの要求についても、厳しい条件をつけて、自由な立ち入りを拒んでいるではありませんか。ある時点では返還しなければならない、ある時点で、五月十五日以降になると、国は管理権を持っている、こういう詭弁を弄してわれわれに接してきた政府の態度はきわめて不当であると指摘せざるを得ないのであります。さらに、五月十四日までに法案が成立しなければ五月十五日以降流血の惨事が起き対米関係も重要な局面を迎えると言ってきたが、一体どこに流血の惨事が起きたでしょうか。日米関係にどう変化があったのでしょうか。
 さらに付言して言うならば、私たちにはこのような詭弁を弄して重大な局面を迎えると言いながら、その最高責任者である福田総理の日程はそのときどうであったでしょうか。使用期限が満了する五月十四日の晩から五月十五日、十六日にかけて、夫人やお孫さんに囲まれて、雨に煙る箱根の新緑を楽しんでおられたのであります。お断りをしておきますが、私はあのときの総理の休養をなじっているのではありません。休養は必要であります。問題は、法律をそのときどきで曲解をして説明をし、にせ情報を流し、詭弁を弄して、今回の法案審議に影響を及ぼそうとした政府側の態度はきわめて不当なものであると害わなければなりません。
 いま、この席で内閣委員会の経過を振り返ってみるとき、審議すればするほど、最近の歌の文句ではありませんが、欠陥ぼろぼろ、詭弁がぼろぼろ、あふれるようにこぼれて落ちたのがこの法案の審議であります。政府並びに自由民主党、さらにこれに同調する諸君がこの法案の審議を急ぎに急いだのは、審議すればするほど欠陥が明らかになる、つじつまが合わなくなる、そのぼろ隠し、つじつま合わせでしかなかったと指摘しなければなりません。
 私たちは、多くの審議中明らかになった疑問点、矛盾点を持ったまま場当たりの詭弁を羅列した政府側の答弁の中で進められたただいまの委員長報告に、強い反対の意向を表明するものであります。
 いま沖繩にとるべき一番必要な措置は、暫定使用法の期限切れとなった今日、その延長を行わないことであります。未契約の土地については直ちに所有者に返還をすること、そして一日も早く全沖繩の基地を全面的に返還を求めるための外交的措置をとりつつ、早期に国が責任を持って地籍を確定をし、利用効率を高めて、生産に役立つ土地として沖繩県民の使用に供することであります。
 重ねて私は申し上げます。今回の原案は、もともと憲法違反の疑いがある公用地暫定使用法を、その使用期限が終了して法的には所有者に返還されたことになっているものを、重ねて違法な手続によって強制使用をしようとしているのであります。このような欠陥に満ちた原案を、ただ単に多数であることによって決定をすることは、立法機関としての参議院の権威を著しく損ない、後世に大きな汚点を残すことになるのであります。
 以上の立場に立って、私は、重ねて強い憤りを込めて原案に反対の意思を表明し、日本社会党、公明党、日本共産党共同提案による修正案に全面的に賛意を表し、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○副議長(前田佳都男君) 上田稔君。
   〔上田稔君登壇、拍手〕
#21
○上田稔君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出にかかる沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に賛成し、日本社会党、公明党、日本共産党の三党提出の修正案に反対の討論を行うものであります。(拍手)
 国民期待の沖繩の復帰が実現をいたしましてから、早くも五年を迎えました。太平洋戦争の惨禍と四半世紀に及ぶ異民族支配のもとにおける沖繩県民の御労苦に報いるため、わが党は、復帰後の沖繩の復興と社会経済の発展、生活水準の向上に、これまで各般の施策を傾注してきたところであります。
 申すまでもなく、沖繩県の特色は、嘉手納基地を初めとする米軍及び自衛隊の基地を抱え、わが国の防衛に重大な役割りを果たしておることであります。国を守るということは、独立と平和を守り、国の安全を保持することであります。国に平和と安全なくして、国民の自由も、発展も、希望もありません。(拍手)したがいまして、国の独立と平和は何物にもかえがたい崇高なものであり、いかなる犠牲を払ってもこれを守り抜くことは、独立国として最高の政治課題であります。今日、わが党及び政府が、自衛力としての自衛隊と日米安全保障体制とにより、わが国の平和と安全を確保する防衛政策をとっていることは、国家存立のため、きわめて妥当なものであります。この防衛体制の維持のため、防衛上または条約上、米軍に基地を供与することは当然のことであり、自衛隊の基地とともに、わが国の防衛にとって必要不可欠であります。
 沖繩は、太平洋戦争における本土防衛の主戦場として悲惨な戦禍を受け、かつ、いまなお沖繩県の全面積の一二%が基地として接収されていることは、沖繩県の経済や地域開発に多大の影響を及ぼしております。これがため解決を図らねばならない問題が山積しておることは御承知のとおりであります。とりわけ、太平洋戦争の戦禍及び戦後の米軍の行為により、米軍基地の内外にわたり地籍不明地が広範かつ大規模に存在しているので、これに対する政府の施策が必ずしも十分ではなく、未解決となっているため、沖繩県民の社会的、経済的生活に種々の支障を与えている地籍の明確化に関する問題は重大であり、かつ差し迫ったものとして、その早急な解決が必要とされているところであります。沖繩県民も、一日も早い完全な地籍の明確化を強く訴え、本法案の早期成立を熱望しております。
 今日、沖繩県における基地のうち、土地所有者との間に土地使用契約は約二万八千件締結されておりますが、不幸にして未契約の分が約三百三十件残っております。基地使用の根拠法である沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律による暫定使用の期間が去る五月十四日をもって切れ、今日使用の権原に空白を生じており、このため、未契約者に対する返還義務が発生し、米軍、自衛隊の防衛活動、とりわけ基地機能に著しい支障を及ぼしつつあります。
 国の存立の基盤である防衛政策が、わが国防衛の中枢である沖繩において、たとえ一時なりとも基地使用に空白を生じ、すでに過激派による基地突入等の事態にかんがみまして、一日おくれんか、いかなる混乱が発生するやもしれず、このことは、国際信用のみならず、主権国家、法治国家としてまことにゆゆしき事態であり、立法府、行政府の責任は重大で、深く自省すべきであります。
 以下、本法律案の内容と問題点について申し述べたいと存じます。
 まず、地籍の明確化については、土地の位置境界は所有権の及ぶ範囲を画するものでありまして、その確認は、所有者同士が納得するまで協議し、自主的に解決することを基本的な考え方とし、この所有者が協議を円滑に行えるようにするため、政府は、基地の内外を対象として五年以内に地籍の明確化を達成することを目途とした計画を定め、次のような推進援助措置をとることといたしております。
 すなわち、第一に、戦前と現在との土地の状況を詳しく写した航空写真や、土地の位置境界を確認する際に証拠となるものを記入した地図を関係所有者の代表者に交付する、第二に、土地所有者に対し、現地で土地の位置境界を確認するために必要な立ち会いの通知を行う、第三に、所有者が現地で土地の位置境界を確認したときは、国土調査法による地籍調査と同様の調査測量を行う、第四に、土地の所有者同士の協議が成立しない場合には、その対策として行政勧告を行う、などの措置を講ずることを定めております。
 さらに、地籍が明確となった場合には、米軍基地外の土地の有効な利用の促進を図るために、返還地の利用の促進、一定の公共施設の整備についての財政措置、土地の交換等のあっせん、資金の融通のあっせん等、所要の措置を講ずるとともに、返還後の原状回復が困難な場合の措置、米軍等の基地の用地の買い入れ等の措置を講ずることを定めております。
 また、附則第六項におきましては、去る五月十五日以降使用の権原に空白が生じております米軍及び自衛隊基地内にある未契約地について、使用の権原を設定するため、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律の一部を改正する定めがあります。
 これらの内容につきましては、本院内閣委員会におきまして、地籍の明確化に関する規定に不備、欠陥があるのではないか、附則第六項は無効ではないか等の意見が出ましたが、現在の民事制度、財産制度のもとにおきましては、地籍の明確化に、一部の意見にある行政裁定や優先賃借権の制度を導入することはむしろ問題があります。本法案の地籍の明確化に関する諸規定は、沖繩県民の社会的、経済的な支障を一刻も早く除去するとの観点から、わが国の民事制度のもとにおいて最大限の適切な措置を定めたものと評価することができるのでありまして、これらの規定により、五年以内に必ずや地籍の明確化が行われるものと確信されます。
 一方、附則第六項に関しまして、元来、約三百五十人の未契約者の土地について政府は使用の権原がないとの意見がありますが、現に駐留軍または自衛隊の用という公共の用に供している事実に着目すれば、公用地暫定使用法による使用の期限が切れても、事実上使用の権原は存続していると言うべきであって、未契約者から明け渡し請求、返還義務履行要求があったとしても、それこそ、むしろ、いわれなき権利の乱用であると言うべきであります。
 本法律案は、衆議院において地籍調査の対象を非軍用地まで拡大することなど、現地の土地所有者や野党の意見を最大限に取り入れたもので、現段階では最善のものと評価されているものであります。日米安保条約に反対、自衛隊を認めないなどという原則論に固執することだけでは、現実的な問題の処理は不可能であります。(拍手)
 以下、日本社会党、公明党、日本共産党の提出に係る修正案に対する反論を申し上げたいと存じます。
 第一点は、地籍の明確化を、基地の内外を問わず、沖繩開発庁長官が所管するという点であります。
 政府の説明によると、従来から基地以外の土地は沖繩開発庁が、基地内の土地は防衛施設庁が、それぞれ整々と地籍の明確化を行っているところであります。この現在までの秩序を変更することは非能率、非効率であって、地籍の明確化の早期実現にとって決して有益なことではありません。さらに、基地内の土地についても沖繩開発庁長官が実施することは、基地内の立ち入りの問題等があって現実的ではありません。
 第二点は、所有者同士の協議により土地の位置境界が確認されない場合に、行政裁定の制度を導入していることであります。
 沖繩県民の経済的、社会的安定のため地籍問題を一刻も早く解決することは私の最も念願するところであります。しかしながら、地籍問題の解決は、土地所有者各人の納得なくして解決できるものではありません。なぜならば、土地の位置や境界は財産権の及ぶ場所と範囲を画するものであり、土地の所有者にとっては生命の次に大切なものであります。このように所有者にとって生命同様に大切な事柄を行政裁定で一方的に決めることは、所有者の納得するところではないと確信しております。また、行政裁定の制度を導入すると、土地所有者はこれに頼り、かえって問題解決をおくらせることになるおそれがあります。それゆえに、私は、行政裁定の導入は地籍の明確化を早期に実施するための政策として適当ではないと考えますが、さらに法律的に見ましても、行政裁定で、昔あった土地の位置境界を決定するのか、または新たな土地の位置境界を決定するのか、新たな土地の位置境界を決定するとすれば、この決定により土地の面積が減少した場合に、憲法第二十九条との関係をどうするのか、裁判制度を混乱させるのではないかなどなど、幾多の重大な問題を含んでおります。
 第三点は、法定賃借権を設定する規定を挿入していることであります。
 この規定は、建物所有者と土地所有者との現在の生活秩序を維持しようとするものであると思われますが、そもそもこの問題は、地籍の明確化の後で、土地の所有者及び建物の所有者が自主的に解決すべきものであります。さらに、この規定は、建物の所有者の保護のみを重視する余り、土地の所有者の権利を無視しており、憲法上からも疑問があります。
 第四点は、現に米軍または自衛隊が使用している未契約地について、使用の権原を設定する規定がないことであります。
 これは、先に申しましたように、わが国防衛政策の観点からまことに重大な点でありまして、故意にこの問題を除外したとすれば、公党としては真に無責任きわまる不見識な態度と言わざるを得ません。
 以上の理由により、修正案には断固反対するものであります。
 沖繩が祖国復帰して五年、この間、本土経済は停滞している中で、沖繩県の経済は県民所得で二・五倍にふえ、政府の振興施策がようやく実りかけているものの、失業率は全国平均の三倍という雇用不安が続いております。基地の中の沖繩から脱却して、真に沖繩県の自立的発展のために政府は今後とも格段の配慮を払うとともに、本院は、法の空白という異常事態を一刻も早く解消して、基地の安定的な使用及びわが国の国際信用の回復を図るために、速やかに本法案の成立を期すべきであります。(拍手)
 以上、政府提出の本案に賛成、日本社会党、公明党、日本共産党提出の修正案に反対する意見を述べまして、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○副議長(前田佳都男君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#23
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に反対し、日本社会党、公明党、日本共産党三党共同提案による修正案に賛成の討論を行うものであります。
 沖繩最大の問題、それは基地であると思います。平良沖繩県知事は、基地の苦悩について次のように語っています。「沖繩中部の那覇市を中心とした七市町村で、その総面積は沖繩全陸地の八%しかありません。この八%の中の四八%が軍用地であります。残りの狭いところに沖繩の総人口の五二・八%の人々が生活をし、全児童の五四先が教育を受けている。将来のことを思うと憂慮せざるを得ない」と、悲痛な叫びを上げております。いまさら申し上げるまでもなく、沖繩県民が心から望んだ本土復帰は、軍事基地のない、平和で豊かな沖繩の構築であったはずであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
ところが、現実はまさに基地の中の沖繩と言うべきであります。したがって、沖繩の最大の問題でありますこの軍事基地について私は申し述べたい。
 この軍事基地は、戦後、米軍が占領の名のもとに、銃剣とブルドーザーにより、強制的に沖繩県民の土地及び財産を奪ったのであります。昭和四十七年、沖繩は復帰されたのでありますが、政府は、沖繩県民の土地及び財産を引き続き強制的に収用するため、公用地暫定使用法案を提出し、わが党を初め沖繩県民の強い反対を押し切り、強行採決を行い、この法案を成立させたのであります。この暫定使用法の期限は五年と限定されており、本年五月十四日の期限切れと同時に当該地主に接収した土地及び財産を返還するのは当然の措置であるにもかかわらず、位置及び境界の不明確を理由に、三たび沖繩県民から五年間強制収用しようとしていることは、沖繩県民の心を著しく冒濱するものと言わざるを得ません。
 沖繩の基地は、日本全国の米軍基地の五三%を占め、まさに基地の中の沖繩と言っても過言ではありません。その沖繩が、第二次大戦による破壊と荒廃、さらに米国占領軍の横行によって、土地の形質、地形が一変し、公簿、公図が消滅し、土地の位置及び境界が不明となった地域が広範かつ大規模に存在しておるのであります。したがって、土地の売買も円滑にできず、借入金の担保とすることもできず、さらに、相続による分筆もできないなど、土地の取引並びに利用について重大な障害が生じているのであります。
 そこで、このような土地の位置及び境界の明確化を図ることは沖繩県民の切実な願いであり、沖繩県民の生活の安定と向上のための緊急な課題であります。したがって、その抜本的な解決のために、わが虎は共同して地籍明確化のみを目的とした地籍明確化法案を提出したのであります。
 しかるに、政府は、公用地暫定使用法の期限切れである五月十四日を目前にして、基地の永久使用、恒久化を目指し、いわゆる基地確保新法案を提出したのであります。周知のとおり、衆議院において、わが党を初め野党の反対により、修正を余儀なくされたのであります。参議院におきましても、公明党初め野党三党は、沖繩県民の立場から慎重審議を行い、連合審査、参考人の意見聴取及び現地視察等を強く要求し、連日の徹底した審議を続けてきたのであります。この審議により、従前の公用地暫定使用法は、去る十四日期限切れとなったことは周知のとおりであります。
 しかしながら、政府は執拗に、基地の永久確保、固定化を図るため、二度にわたる質疑打ち切りの動議を提出するなど、あくまで修正案の可決を図ろうとしているのは、まさに真の沖繩県民の平和と福祉及び生活の向上を踏みにじる、断じて許せない暴挙と言わざるを得ません。
 したがって、政府のいわゆる基地確保法案に対する問題点を指摘し、反対の理由を述べるものであります。
 反対理由の第一は、政府の姿勢についてであります。
 政府は、沖繩国会におけるこの法案の審議過程において、五年という暫定期間をさらに延長することはあり得ないことを再三明らかにしてまいりました。しかるに、政府は、みずからの怠慢をいたずらに糊塗し、理不尽にも、地籍明確化を装い、公用地暫定使用法をさらに五年間延長しようというのであります。元来、沖繩公用地暫定使用法は、沖繩県民に犠牲と差別を強要し、戦争につながる軍事基地を永久固定化するものであり、これをさらに五年間延長しようとする姿勢に対して、私は激しい憤りを覚えるとともに、断じて許すことができないのであります。
 反対の理由の第二は、基地内外の地籍確定を実施するに当たり、主務所管を防衛施設庁長官と沖繩開発庁長官との二元化を図っている点であります。
 なぜならば、土地の連続性や調査結果の法的評価の一律性を図るためには、統一して調査しない限り、調査地域の競合や空白が生じるおそれがあり、その責任の所在も不明確になるからであります。
 反対理由の第三は、この法律の目的において、沖繩住民の地籍明確化による土地所有者の権利の回復、土地の高度利用を図る必要性については、何ら具体性がないことであります。
 つまり、地籍確定について最終的な調整がつかない場合、主務大臣に勧告権限を付与しているが、単なる勧告では法的効果がなく、実効性に乏しく、沖繩の実態に即応した地籍明確化の真の解決にはなり得ないからであります。この点、三党共同提案による地籍明確化法案による以外には抜本的に解決を図り得ないことを強く主張するものであります。
 第四に、補償規定が不十分な点であります。
 法案の第二十二条で公共施設整備について、また、第二十三条で駐留軍用地に限って原状回復及び損失補償の財政措置を講じておりますが、民有地のつぶれ地補償、残地補償についての規定がないのは、真に沖繩県民の要望にこたえていないということであります。
 第五に、地籍の明確化を促進するためには、補償、権利の調整が必要であるにもかかわらず、民有地においては、土地または建物の買い取りのための資金の融資、土地の交換等のあっせんにすべてをゆだね、補償及び権利の調整には何ら具体的方途を示していないことは、ふくそうした沖繩の地籍明確化の最終的な解決にはなり得ないのであります。
 第六に、憲法違反の疑いがあるということであります。
 沖繩の土地は、一たん米国からすべての基地が返還され、少なくとも土地所有者等との間では新たな条件につき協議がなされ、合意があって初めて米駐留軍及び自衛隊の公用地としての使用関係に入るべきところを、いわゆる基地確保法案によって再度五年間という期間を引き続き継続使用を容認するという特別立法措置をとっているのであります。いわゆるこの基地確保法案は、その目的が、収用した土地を、憲法第九条の平和条項の趣旨に反する疑いがある軍用地に提供されているという点であります。また、その強制的使用を認める暫定期間が、五年からさらに十年という長期にわたる差別的立法措置を強行しようとしていることは、憲法第十四条の法のもとの平等の権利を踏みにじるものと言わざるを得ないのであります。
 今回の法案の再延長により、私有財産に対する権利が著しく制約され、土地の所有者に何らの不服、異議申し立てなどの手続ができないことは、憲法第二十九条の財産権の侵害、第三十一条の法定手続の保障の否定、さらに第三十二条の裁判を受ける権利の侵害に連なっているのであります。
 以上が、いわゆる基地確保法案に反対する理由であります。
 沖繩県民の悲願は、戦争の後遺症とも言うべき軍事基地の重圧から解放され、日本国民として基本的人権を回復し、平和で明るい沖繩を建設していくことであります。
 以上、いま政府が強行しようとしている沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に強く反対し、日本社会党、公明党、共産党三党共同提出の修正案に賛成の意を表して、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(河野謙三君) 柄谷道一君。
   〔柄谷道一君登壇、拍手〕
#25
○柄谷道一君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対し、修正案に反対、原案に賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 以下、その理由を明らかにいたします。
 まず、冒頭に、私は重要な指摘をいたしたいと思います。
 そもそも、沖繩の戦後処理について最大の課題は、地籍を早急に明確化するということでありました。したがって、わが党は、沖繩復帰の際、地籍明確化のための特別措置法の制定を強く政府に求めてまいりましたが、政府は、行政措置により対応すると強弁しながら、いたずらに五年間を推移させ、多くの位置境界不明地域を残したまま今日の事態を迎えました。これは明らかに政府の怠慢であり、その責任は厳しく指摘されるべきであります。
 さて、私が本案に賛成する理由は、今回私どもの要求が取り入れられ、地籍明確化の問題が本法案のメインに据えられたことであります。沖繩の地籍明確化は、圧倒的多数の地主の要望でもあり、画期的なことと言わざるを得ません。いささか遅きに失した感は免れませんが、本案成立を契機として、今後政府が全力を挙げてこの作業に取り組むよう要求いたします。
 今回、衆議院段階で、われわれは特に調査対象地を基地の内外とすること、国はその責任において五年を目途とした責任ある作業計画を策定すること、調査主体は防衛施設庁とともに沖繩開発庁を加え、両者の協力を強めること、行政裁定のための勧告の規定を設けること、勧告の際の諮問機関として審議会を置くこと、そして、公共施設用地整備の財政措置、土地交換等のあっせん、融資、原状回復措置などを織り込むことを求めました。
 かくして、これらの要求はすべて生かされ、政府案は全面的に修正されたのであります。しかしながら、地籍明確化の作業は五年を要するという現状から、公用地の暫定使用はそのうらはらの関係であるものと認識し、附則第六による延長はやむを得ないものと考えるのであります。
 以上が本案に賛成する主たる理由であります。
 次に、本案に対し野党三党よりの修正案が提出されておりますが、これについて一言申し上げます。
 この修正案は、沖繩の地籍確定だけで、沖繩の米軍基地並びに自衛隊基地の使用を停止させんとするものであります。しかし、それは自衛隊解散、安保破棄というイデオロギー論に基づくものであり、現実的な対応とは考えられません。
 イデオロギーはともかくとして、現実に自衛隊が合憲的に存在していることは明らかであり、また、米軍基地も日米安保条約に基づいて合法的に存在していることは紛れもない事実であります。憲法九十八条が、わが国が条約を遵守する義務があることをはっきり明記していることも周知のとおりであります。みずからが気に食わない法律だからといって、これを無視することは法治国家として許されないとともに、議会制民主主義を守る政党としてはあるまじきことと言わなければなりません。(拍手)われわれは、かかる理由から本法案に対する修正案に反対するものであります。
 いま、沖繩県民の多くが真に求めているものは、原則論やたてまえ論ではなく、現実的対応策の確立であると信じます。そのために政府は、本法案の成立を契機として強力な対米交渉により基地の縮小を図り、「基地の中の沖繩」と言われる県民の重圧を軽減すること、また、その基地縮小と並行して、基地依存経済からの脱皮を図るため、総合的沖繩開発計画を立て、これを推進すること、以上二点の実現をこの際政府に強く要求いたします。
 なおこの際、去る十五日以来もたらされた法的空白という異常事態について一言申し上げたいと思います。
 沖繩地籍法が法的空白四日間を生じた後、本日ようやく成立を見ようとしておりますが、現地の破局的な混乱をどうにか回避し得たとはいえ、去る二月四日提案以来今日に至る国会の経緯は不毛の対立と無責任な駆け引きに終始し、本案件に対し終始一貫筋を通し対処してきたわが党としては、まことに遺憾千万であると言わざるを得ません。(拍手)
 この事態を招いた第一の責任は、沖繩の地籍明確化問題に対する一貫した態度を欠き、実りなき国会内の取引に埋没し、期限切れ以前の適切な法案処理に怠慢であった内閣と政府・与党にあると言わなければなりません。まさに統治能力なき自民党政府の実態をさらけ出したものにほかなりません。
 同時に、衆議院段階においてわれわれとともに政府案を事実上撤回させるほどの大幅な修正をかち取り、共同作業をしたにもかかわらず、本院においては本法案に絶対反対を唱え、反対のための反対の手段として現実を無視した修正案を持ち出したり、慎重審議を口実に、実際は国会審議を空転させ、正常な立法機能を阻害し、国会の権威をみずから失墜せしめた一部野党の態度について反省を促すものであります。(拍手)もしこのような事態が続くならば、政治に対する国民の信頼は失われ、議会制民主主義の崩壊につながることを、私は野党の一員としても心から憂えるものであります。(拍手)
 与野党伯仲下の国会において、政府並びに各党がその政治責任を十分自覚するよう強く促し、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(河野謙三君) 岩間正男君。
   〔岩間正男君登壇、拍手〕
#27
○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、本法案に反対し、わが党と社会、公明三党提出の修正案に賛成する立場から討論を行うものであります。
 私は、まず初めに、政府と自民、民社両党が多数の暴挙で本法案の成立を強行したとしても、本法案附則第六項は未来永劫無効であることを宣言するものであります。(拍手)なぜならば、現行の公用地暫定使用法第二条による米軍、自衛隊基地の強制使用期間は五月十四日で満了し、これによって政府の基地使用の法的権原が消滅したからであり、衆議院先例集にもあるように、使用期間満了後の使用期間延長が法理上不可能であり、強制使用期間を五カ年間延長することを内容とする本法案附則第六項は期間満了と同時に消滅したからであります。
 そもそも、今日見るアジア最大の侵略基地、沖繩の基地は、米軍がポツダム宣言やへーグ陸戦協定などに違反する不法、不当な全面占領のもとで銃剣をもって沖繩県民を追い立て、家を焼き払い、ブルドーザーで田畑を初め先祖代々の霊が眠っている墓までも掘り返して構築したものであります。伊江島では、一抱えもあるマキの太柱の先祖伝来の由緒ある家が屋根がわらもろともワイヤーロープで引き倒され、その跡をブルドーザーで敷きならし、また、農民の草刈り場にはガソリンをまいて焼き払うなどの残虐きわまりない強奪が行われたのであります。こうして人口七千二百人の伊江島の土地の六三%が軍用地として取り上げられ、真謝部落では百五十二戸が立ち退きを強要され、住民は行き場所を失ったのであります。
 私は、昨年五月十四日、共産党の現地調査団の一人として伊江島に渡って、つぶさに現地の実情を視察してきましたが、ことに、米軍の射爆場である真謝の現状は、全く目に余るものがあったのであります。赤土の生々と露出した一地帯、そこには大きな弾痕が地中深くうがたれ、ところどころにはドラムかんを半切りにしたものに油を満たし、それに火をつけて夜間爆撃の目標にする。こうして嘉手納基地の米第一八戦術戦闘航空団のF4Eファントム機が核模擬爆弾その他を積んで海上を低空飛行で飛来し、爆撃訓練を繰り返しているのであります。こうした中で、米兵が革刈り中の山城青年を狙撃して傷を負わせるという殺人未遂事件を起こして大きな問題になったのは、まだ国民の記憶に新しいところであります。
 米軍は、こうした銃剣、ブルドーザーによる残虐な軍用地強奪によって、沖繩に極東最大の軍事基地をつくり上げたのではありませんか。現在、沖繩県には、日本にある米軍専用施設のうち、実に七三・九%が集中し、沖繩本島の一八.四%という膨大な地域を占め、県土の民主的な開発、県経済と産業の発展、県民生活の向上を全く阻害する最大の要因になっているのであります。施政権一返還時点で、銃剣、ブルドーザーにかわって再びこの土地を強奪したのがこの暫定使用法ではありませんか。
 このような暫定使用法は、米軍による土地強奪の蛮行を免罪するとともに、戦時中の国家総動員法でさえなし得なかった、権力による問答無用の土地強奪を合法化する希代の悪法であり、憲法第二十九条国民の財産権保障規定、憲法第三十一条適法手続条項、憲法第十四条法の前の平等の原則に違反し、立法手続においても、憲法第九十五条地方自治特別法の住民投票の規定などに違反する悪法であり、当時の西村防衛庁長官でさえ、延長しようなどとは全然考えていないと答弁せざるを得なかった類例のない憲法じゅうりん法であることは明らかであります。本法案の提出者である、先ほど討論をやりました民社党党でさえも、当時、憲法違反の希代の悪法として反対の態度をとらざるを得なかったではありませんか。
 この悪法による軍用地の強制使用期間を、暫定使用期間満了後、法理、先例に反して延長することとした本法案附則六項を多数の暴挙で立法化することは、沖繩県民と本土の平和民主勢力に対する重大な挑戦であり、さらに、憲法を遵守すべき国権の最高機関たる国会が、白昼公然と憲法をじゅうりんしてはばからないという類例のない暴挙であります。絶対に容認することができません。
 本法案の違憲性、反動性が露呈することを恐れた政府・自民党は、わが党などの慎重審議のための具体的提案を無視し、職権開会、審議打ち切りを繰り返し、委員会の採決を強行しました。かかる政府・自民党の策謀は、議会制民主主義を破壊するファッショ的暴挙であり、断じて許すことはできないのであります。また、河野議長のあっせん案の内容は、このような暴挙を追認して、参議院にもう一つの汚点を重ねるものと言わなければなりません。
 政府・自民党とこれに追従する一部野党は、軍用地の強制使用期間が満了した現在の事態を、空白だとか、混乱などと称して、採決強行を正当化しようとしていますが、これは全くの欺瞞であります。
 期限満了と同時に、政府には、現行の公用地暫定使用法第四条の規定により、軍用地の返還義務が生ずるのであって、政府がこの義務を厳正に履行するならば、空白などの生ずる余地は全くないのであります。また、軍用地地主を初め沖繩の平和民主勢力の闘いは整然と展開されており、何らの混乱もありません。この闘いを、沖繩県民の権利回復の一大叙事詩と見るか、混乱と見るかは、その党の国民観を推しはかるバロメーターであると言わなければなりません。
 政府・自民党が民社党や新自由クラブの協力を得ながら、あくまでも沖繩県民の土地を引き続き軍用地として強制使用しようとするのは、まさに安保条約の義務履行のためには、国民の基本的人権を保障した憲法の諸規定や議会制民主主義の原則をじゅうりんしてはばからないという反国民的な日米安保条約優先の立場を如実に示すものであり、沖繩基地を、ベトナム後、朝鮮半島に照準を当てたアメリカの新しいアジア戦略に即応して、一大前進基地として強化し、この沖繩基地を中軸に、米日韓軍事一体化路線を維持するためであることは明らかであります。それは、日本とアジアの平和と安全を脅かし、国民をその意に反してアメリカの侵略的なアジア戦略に一層深く巻き込む危険な反動の道であると言わねばなりません。歴史の審判は、政府・自民党と、これに協力、加担した民社、新自由クラブのこのような暴挙を必ず断罪するでありましょう。
 次に、自民、民社、新自由クラブ三党が提出した修正案の最大のセールスポイントとしており、また法案の各称にまでしている地籍明確化の問題について申し述べたいと思います。
 これは、第二次大戦中、国内で唯一の直接の戦場となったあの悲惨な沖繩戦と、引き続き行われた米軍の全面軍事占領下で引き起こされた地籍混乱地域の課題を、土地の位置境界の明確化のみに矮小化し、沖繩県民のこうむった損害の補償と奪われた権利を回復するという最も中心的な課題の解決については、これを顧みないとするものであります。これこそ、まさに、この三党の安保条約と基地確保を優先させる立場を如実に示しているものと言わねばなりません。
 これに対し、共産、社会、公明三党提出の地籍明確化の修正案は、戦後処理の一環として、県民の権利の回復を目指すものであります。
 この二つは、まさに似て非なるものであり、私は、わが党を初めとする三党修正案の実現こそ、合理的で実現的な地籍問題解決と基地解放への道であることを強く主張するものであります。
 最後に、私は、日本の政治路線について一言したい。
 かつて私は、あの摩文仁ヶ丘の旧蹟に立って、次のような感懐を述べました。
 追いつめられ追いつめられて この丘に果て
 しいのちか ああ二十万
 誤てる 国の路線をさながらに この丘に果て
 し若きいのちなりこの道を再び繰り返してはならないと思います。(拍手)核も基地もない平和で豊かな沖繩を実現するため、民族の首かせとも言うべき安保条約廃棄、基地全面撤去のために、さらに全力を挙げて奮闘することを誓って、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
#28
○議長(河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決をいたします。
 まず、沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対する秦豊君外三名提出の修正案の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#29
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#30
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#31
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         百八十四票
  白色票           八十一票
  青色票            百三票
 よって、本修正案は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      八十一名
      阿具根 登君    青木 薪次君
      赤桐  操君    案納  勝君
      上田  哲君    大塚  喬君
      加瀬  完君    粕谷 照美君
      片岡 勝治君    片山 甚市君
      神沢  浄君    久保  亘君
      栗原 俊夫君    小柳  勇君
      小山 一平君    佐々木静子君
      沢田 政治君    杉山善太郎君
      鈴木  力君    瀬谷 英行君
      田中寿美子君    竹田 現照君
      竹田 四郎君    対馬 孝且君
      辻  一彦君    鶴園 哲夫君
      寺田 熊雄君    田  英夫君
      戸叶  武君    戸田 菊雄君
      野口 忠夫君    野田  哲君
      野々山一三君    秦   豊君
      浜本 万三君    福間 知之君
      前川  旦君    松永 忠二君
      宮之原貞光君    村田 秀三君
      目黒今朝次郎君    森下 昭司君
      矢田部 理君    安永 英雄君
      山崎  昇君    吉田忠三郎君
      和田 静夫君    阿部 憲一君
      相沢 武彦君    内田 善利君
      太田 淳夫君    上林繁次郎君
      桑名 義治君    塩出 啓典君
      鈴木 一弘君    二宮 文造君
      藤原 房雄君    三木 忠雄君
      峯山 昭範君    矢原 秀男君
      岩間 正男君    上田耕一郎君
      小笠原貞子君    加藤  進君
      春日 正一君    神谷信之助君
      河田 賢治君    沓脱タケ子君
      須藤 五郎君    立木  洋君
      塚田 大願君    内藤  功君
      野坂 參三君    橋本  敦君
      星野  力君    安武 洋子君
      山中 郁子君    渡辺  武君
      青島 幸男君    市川 房枝君
      喜屋武眞榮君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百三名
      安孫子藤吉君    青井 政美君
      青木 一男君    井上 吉夫君
      伊藤 五郎君    岩動 道行君
      石破 二朗君    石本  茂君
      糸山英太郎君    今泉 正二君
      上田  稔君    上原 正吉君
      植木 光教君    江藤  智君
      遠藤  要君    小笠 公韶君
      小川 半次君    大島 友治君
      大鷹 淑子君    大谷藤之助君
      岡田  広君    岡本  悟君
      長田 裕二君    加藤 武徳君
      鹿島 俊雄君    梶木 又三君
      金井 元彦君    上條 勝久君
      亀井 久興君    河本嘉久蔵君
      木内 四郎君    木村 睦男君
      久次米健太郎君    楠  正俊君
      熊谷太三郎君    剱木 亨弘君
      源田  実君    小林 国司君
      後藤 正夫君    佐々木 満君
      佐藤 信二君    斎藤栄三郎君
      斎藤 十朗君    坂野 重信君
      坂元 親男君    山東 昭子君
      志村 愛子君    嶋崎  均君
      新谷寅三郎君    菅野 儀作君
      鈴木 省吾君    世耕 政隆君
      園田 清充君    高橋 邦雄君
      高橋 誉冨君    高橋雄之助君
      橘直  治君    玉置 和郎君
      塚田十一郎君    土屋 義彦君
      寺下 岩蔵君    寺本 廣作君
      戸塚 進也君    内藤誉三郎君
      中西 一郎君    中村 太郎君
      中山 太郎君    永野 嚴雄君
      夏目 忠雄君    鍋島 直紹君
      西村 尚治君    秦野  章君
      初村滝一郎君    林  ゆう君
      林田悠紀夫君    原 文兵衛君
      平井 卓志君    福井  勇君
      福岡日出麿君    藤井 丙午君
      藤川 一秋君    藤田 正明君
      二木 謙吾君    堀内 俊夫君
      前田佳都男君    増田  盛君
      増原 恵吉君    丸茂 重貞君
      宮田  輝君    最上  進君
      望月 邦夫君    矢野  登君
      安井  謙君    安田 隆明君
      柳田桃太郎君    山崎 竜男君
      吉田  実君    吉武 恵市君
      柄谷 道一君    三治 重信君
      田渕 哲也君    向井 長年君
      和田 春生君
     ―――――・―――――

#32
○議長(河野謙三君) 次に、沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案の原案の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。原案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#33
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#34
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#35
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         百八十四票
  白色票            百三票
  青色票           八十一票
 よって、沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百三名
      安孫子藤吉君    青井 政美君
      青木 一男君    井上 吉夫君
      伊藤 五郎君    岩動 道行君
      石破 二朗君    石本  茂君
      糸山英太郎君    今泉 正二君
      上田  稔君    上原 正吉君
      植木 光教君    江藤  智君
      遠藤  要君    小笠 公韶君
      小川 半次君    大島 友治君
      大鷹 淑子君    大谷藤之助君
      岡田  広君    岡本  悟君
      長田 裕二君    加藤 武徳君
      鹿島 俊雄君    梶木 又三君
      金井 元彦君    上條 勝久君
      亀井 久興君    河本嘉久蔵君
      木内 四郎君    木村 睦男君
      久次米健太郎君    楠  正俊君
      熊谷太三郎君    剱木 亨弘君
      源田  実君    小林 国司君
      後藤 正夫君    佐々木 満君
      佐藤 信二君    斎藤栄三郎君
      斎藤 十朗君    坂野 重信君
      坂元 親男君    山東 昭子君
      志村 愛子君    嶋崎  均君
      新谷寅三郎君    菅野 儀作君
      鈴木 省吾君    世耕 政隆君
      園田 清充君    高橋 邦雄君
      高橋 誉冨君    高橋雄之助君
      橘直  治君    玉置 和郎君
      塚田十一郎君    土屋 義彦君
      寺下 岩蔵君    寺本 廣作君
      戸塚 進也君    内藤誉三郎君
      中西 一郎君    中村 太郎君
      中山 太郎君    永野 嚴雄君
      夏目 忠雄君    鍋島 直紹君
      西村 尚治君    秦野  章君
      初村滝一郎君    林  ゆう君
      林田悠紀夫君    原 文兵衛君
      平井 卓志君    福井  勇君
      福岡日出麿君    藤井 丙午君
      藤川 一秋君    藤田 正明君
      二木 謙吾君    堀内 俊夫君
      前田佳都男君    増田  盛君
      増原 恵吉君    丸茂 重貞君
      宮田  輝君    最上  進君
      望月 邦夫君    矢野  登君
      安井  謙君    安田 隆明君
      柳田桃太郎君    山崎 竜男君
      吉田  実君    吉武 恵市君
      柄谷 道一君    三治 重信君
      田渕 哲也君    向井 長年君
      和田 春生君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      八十一名
      阿具根 登君    青木 薪次君
      赤桐  操君    案納  勝君
      上田  哲君    大塚  喬君
      加瀬  完君    粕谷 照美君
      片岡 勝治君    片山 甚市君
      神沢  浄君    久保  亘君
      栗原 俊夫君    小柳  勇君
      小山 一平君    佐々木静子君
      沢田 政治君    杉山善太郎君
      鈴木  力君    瀬谷 英行君
      田中寿美子君    竹田 現照君
      竹田 四郎君    対馬 孝且君
      辻  一彦君    鶴園 哲夫君
      寺田 熊雄君    田  英夫君
      戸叶  武君    戸田 菊雄君
      野口 忠夫君    野田  哲君
      野々山一三君    秦   豊君
      浜本 万三君    福間 知之君
      前川  旦君    松永 忠二君
      宮之原貞光君    村田 秀三君
      目黒今朝次郎君    森下 昭司君
      矢田部 理君    安永 英雄君
      山崎  昇君    吉田忠三郎君
      和田 静夫君    阿部 憲一君
      相沢 武彦君    内田 善利君
      太田 淳夫君    上林繁次郎君
      桑名 義治君    塩出 啓典君
      鈴木 一弘君    二宮 文造君
      藤原 房雄君    三木 忠雄君
      峯山 昭範君    矢原 秀男君
      岩間 正男君    上田耕一郎君
      小笠原貞子君    加藤  進君
      春日 正一君    神谷信之助君
      河田 賢治君    沓脱タケ子君
      須藤 五郎君    立木  洋君
      塚田 大願君    内藤  功君
      野坂 參三君    橋本  敦君
      星野  力君    安武 洋子君
      山中 郁子君    渡辺  武君
      青島 幸男君    市川 房枝君
      喜屋武眞榮君
     ─────・─────
#36
○議長(河野謙三君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後十時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト