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1976/05/20 第80回国会 参議院 参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第14号
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1976/05/20 第80回国会 参議院

参議院会議録情報 第080回国会 本会議 第14号

#1
第080回国会 本会議 第14号
昭和五十二年五月二十日(金曜日)
   午前十時十四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十四号
  昭和五十二年五月二十日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(昭和四十九
  年度決算の概要について)
 第二 日本国とオーストラリアとの間の友好協
  力基本条約の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第三 日本国とカナダとの間の文化協定の締結
  について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第四 昭和四十二年度以後における地方公務員
  等共済組合法の年金の額の改定等に関する法
  律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第五 地方自治法の一部を改正する法律案(衆
  議院提出)
 第六 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 国民年金法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第八 獣医師法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(昭和四十九年度決算の概要について)
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。坊大蔵大臣。
   [国務大臣坊秀男君登壇、拍手]
#4
○国務大臣(坊秀男君) 昭和四十九年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 昭和四十九年度予算は、昭和四十九年四月十日に成立いたしました。
 この予算は、国民生活の安定と福祉の充実に配意しつつ、経済の正常化を速やかに達成するため総需要の抑制を図ることを基本として編成されたものであります。
 さらに、その後における人事院勧告の実施に伴う公務員の給与改善等について措置するほか、経済情勢の変化等に伴い、特に緊要となった経費について所要の措置を講ずるため、昭和四十九年十二月二十三日補正予算が成立いたしました。
 この補正によりまして、昭和四十九年度一般会計予算は、歳入歳出とも十九兆千九百八十一億円余となりました。
 以下、昭和四十九年度決算について、その内容を数字を挙げて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は二十兆三千七百九十一億円余、歳出の決算額は十九兆九百九十七億円余でありまして、差し引き一兆二千七百九十三億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和四十九年度における財政法第六条の純剰余金は四百六億円余であります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額十九兆千九百八十一億円余に比べて、一兆千八百九億円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額一兆二千五百九十一億円余が含まれているので、これを差し引きますと、昭和四十九年度の歳入の純減少額は七百八十一億円余となるのであります。これは、雑収入、専売納付金等において二千五百九十九億円余を増加いたしましたが、租税及び印紙収入、公債金において三千三百八十一億円余を減少いたしましたためであります。
 一方、歳出につきましては、予算額十九兆千九百八十一億円余に、昭和四十八年度からの繰越額五千六百十三億円余を加えました歳出予算現額十九兆七千五百九十四億円余に対しまして、支出済み歳出額は十九兆九百九十七億円余でありまして、その差額六千五百九十七億円余のうち、昭和五十年度に繰り越しました額は四千七百八十七億円余となっており、不用となりました額は千八百十億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和四十九年度一般会計における予備費の予算額は千四百十億円であり、その使用額は八百二十億円余であります。
 次に、昭和四十九年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十二でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和四十九年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は十五兆四千三百八十七億円余でありまして、この資金から一般会計等の歳入への組み入れ額等は十五兆四千五十二億円余でありますので、差し引き三百三十五億円余が昭和四十九年度末の資金残額となります。
 これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和四十九年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。
 以上、昭和四十九年度の一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
#5
○議長(河野謙三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。大塚喬君。
   〔大塚喬君登壇、拍手〕
#6
○大塚喬君 私は、日本社会党を代表して、ただいま報告のありました昭和四十九年度決算について、福田総理初め関係各大臣に質問をいたしたいと存ずるものであります。
 御承知のように、昭和四十九年度は、戦後初のマイナス成長、戦後最高の企業倒産、いわゆる田中金脈の追及による田中内閣の崩壊等、政治の混乱、経済の後退、国民生活の圧迫など、真に暗い一年であったと言えると思うのであります。
 まず、経済、財政運営について申し上げます。
 四十九年の十二月に田中が総理を辞任し、三木内閣が発足いたしました。このとき副総理、経済企画庁長官に就任をし、経済音痴の三木氏を助け、経済は私にお任せをと自負していたのが、福田総理、あなたではありませんか。その任せた結果がこのていたらく。四十九年度末期から五十年九月までに行ってきた景気対策を振り返ってみますと、いずれもそのタイミングの悪さ、けちけちムードの小出し策等、政策運営の失敗によって今日の不況がもたらされた。あくまでも人為的なものであることは、火を見るよりも明らかであります。この期間中に、もうすぐ景気はよくなると、いつも言い続けてきたのが、福田さん、あなたであります。日本経済は冷え切ってしまい、あなたが「オオカミが来た」と言っても、いまではどの企業も、どこも信用しなくなりました。これも今日の不況の大きな心理的な原因になっているのであります。
 一方、ちまたではどう言っているか。福田総理、あなたは御存じでしょうか。経済運営について、田中はアクセルを踏みっ放しにしてインフレを招いたが、福田さん、あなたはブレーキをかけっ放しで、長期に回復できないほどオーバーキルにしてしまったと言われているのであります。
 また、こうも言われております。三木氏は確かに景気対策について音痴だったが、あなたは、福田さんはだるまだ、手も足も出ない――まことに当を得た批評ではございませんか。福田総理が経済の第一人者と言われながら、政権の座になかなか座れなかったのは、いろいろ党内事情もあったでしょう。しかし、この不況の克服ができなかったということを、財界筋や中小企業者がきらったからではないでしょうか。福田経済は過去のものであり、今日の複雑な混合経済体制のもとではとても通用しない、博物館入りのしろものだとも言われているのも、なるほどとうなずけるわけであります。
 このようなことから、四十九年度の経済の結果は、企業倒産件数にして一万一千余件、負債総額は一兆六千五百億円にも達し、しかも、そのうち中小企業の倒産は、四十九年十月、十一月、十二月、この三カ月何と毎月千百件を超えるほど急増し、五十年二月には完全失業者が百万人を超えるなど、日本経済を、簡単に立ち直れない、どろ沼にたたき込んだのであります。このような四十九年度経済運営の大きな失敗について、どのような反省を持っておられるのか、今日まで一貫して経済運営を行ってきた福田総理、そして坊大蔵大臣の御所見を承りたいものであります。
 次に、対外経済協力について、外務大臣及び通産大臣にお尋ねをいたします。
 わが国の対外経済協力については、全体の額が少ないという批判もさることながら、本当に相手国のために役立っていないという問題があります。その中でも、わが国が戦争によって与えた損害を償うために東南アジア諸国に対して行ってきた賠償については、ほぼその支払いが終わったわけでありますが、これが全く相手国のためになっていないということが最近明らかになってきております。
 私が本院決算委員会で指摘いたしましたフィリピン賠償にかかわるYS11の問題でありますが、これは、総合商社トーメンのダミー東信交易が、いかに付属部品を高く見積もっても、機体合わせて八億円余りにしかならないものを、六億円上乗せをした十四億円という価格でフィリピンに賠償品として売り渡したというものであります。外務省では内容を余りチェックしないようでありますが、実質的審査をした通産省では、外らか何らかの圧力があったのか、この法外な価格に何らの疑惑を抱かず、そのまま認めたのであります。この差額の六億円は、日本国内あるいは相手国フィリピンの政府高官にばらまかれたのではないかと言われておるわけであります。
 この事例は、ほんの氷山の一角であり、フィリピン関係では、そのほかに造船に関する疑惑も取りざたされており、対韓経済協力について言えば、これは再三にわたる政府の否定にもかかわらず、新韓碍子、ソウル地下鉄車両、韓国アルミ等、疑惑はいよいよ深まり、増す一方であります。
 これらの手口は、まず、日本国内で疑念を抱かせないために政府高官が暗躍をし、また、相手国の政府高官に対しては日本の政治家が働きかけをする、その仲介にわが国商社が介在をするというパターンが確立していると言われておるのであります。
 賠償は、本来、日本が戦争で多大の被害を与えたアジアの国々に対して、反省の心をもって、真に相手国の発展を願って供与しているものでありますが、それがこのように一〇〇%相手方に伝わらない、これほど腹立たしいことはありません。
 このように、過去の賠償について種々の疑惑がありますが、これを洗い直して国民の前に明らかにする必要があると思いますが、関係各大臣の御答弁をいただきたいと思います。特にYS11の賠償については、通産大臣、どういういきさつになっていたのか、明確にしていただきたいと思うのであります。
 また、このような賠償を初めとした経済協力のやり方について反省はないのかどうか、本当に関係機関相互のチェック機能が生かされるよう有効なシステムを考えるべきではないのか、あわせてお伺いをいたします。
 最後に、ロッキード問題について福田総理並びに福田法務大臣にお伺いをいたします。
 五十一年二月四日、アメリカの上院多国籍企業小委員会で明らかになったわけでありますが、今日までどれほどの解明がなされたのでありますか、はなはだ心もとない限りであります。このような状況に一体国民はどのようにこれを見ているのか、総理は御存じでし上うか。福田総理は、徹底解明の姿勢を貫いており、三木前総理の姿勢から少しも後退していないと言い張っておられます。しかし、世間は決してそうは見ておりません。昨年暮れの政権交代からロッキード隠し内閣が誕生をしたので、もはや事件の究明はほとんどあきらめておる、こういう実情であろうと思います。それは、いまの内閣に対して国民が何と言っているかということをおわかりいだだけばわかるのでありますが、いまの内閣は、将棋にたとえて申しますならば、こまの一つである角の効いている角筋内閣と言われておるのであります。また、こうも言われておるのであります。福田内閣といっても、角が全面的に影響力を行使しているということから、角の影のある角影内閣だと言われているのであります。ロッキード裁判の被告となっている田中角榮が実際の権限を握っている内閣であってみれば、真相究明などはとうてい期待できるわけがありません。
 福田内閣は、前の内閣が何もしなかったかのように印象づけをし、「さあ働こう内閣」を旗印にして、いかにも自分たちは仕事をするようなことを言っていますが、私に言わせていただけば、ロッキード事件については、「さあ働こう内閣」どころか、「さあ隠れよう内閣」、「さあ隠そう内閣」ではありませんか。
 中曽根氏の証人喚問にしても、本人が判断することだとか、国会が決めることだとか、すぐ逃げようとしております。そうしてまいりました。中曽根氏については、本人の名前が出てから一年余りという長期間をかけて各方面に口封じを行い、理論武装をしてからようやく証人として出頭いたしました。それはまた、相変わらずのかっこうのよさを売り物にする彼の面目躍如といったところでありました。それが証拠には、先日の元殖産住宅社長の証人喚問で、児玉との関係は大きな食い違いを暴露しておるのであります。
 自民党内部は、寄り合い世帯でいろいろ事情はありましょうが、中曽根氏を初め、自民党内で疑いをかけられている灰色高官の証人出頭については、公の党である、そのことを自任する自民党で、しかも政権を担当して、捜査、検察権力を握っているからには、いやしくもその党員の中にロッキード事件に関して疑いを持たれているような者がいれば、総理、総裁が率先して、本人に対して、本人に対して、国会に証人として出席をし身の潔白を立証するように勧めるのが物の道理であり、世間の常識ではございませんか。それをお互いにすねに傷を持つ者同士が、このようなかばい立てをするというのは、自民党内は、黒色、灰色高官といずれも同じ穴のムジナではないかとさえ言われても仕方ないのではないかと思うのであります。
 福田総理、自民党総裁として端的にお伺いをいたします。疑いを持たれている党員に対して、国会に証人として出頭するよう勧めるお気持ちはございませんか。
 次に、灰色高官の氏名公表問題について福田法務大臣にお伺いをいたします。
 九十ユニット関係の十三人の氏名を明らかにすることをかたくなに拒否をいたしておりますが、国会の有する国政調査権は、ロッキード事件の解明については何も刑事事件に限定をしているわけではありません。むしろ、同僚の国会議員の中にあのような汚い金を手にしながら、のうのうとしている者を明らかにして、政治的道義的責任を追及するのが国会の使命であり、したがって、灰色高官の人権を理由に行政府が渋るのは、口では国会に全面的に協力すると言いながら、その実は、田中金脈事件のときに守秘義務を盾に疑惑を覆い隠そうとしたのと同じことを政府はロッキード事件でも行い、これをやみに葬ろうとしているものであり、断じて許すわけにはまいりません。福田総理と法務大臣の見解を伺って、私の質問を終わりといたします。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 まず、私の経済政策につきまして手厳しい御批判でございますが、三年半前のあの石油ショックは、これはもう大変なことだったんです。いまなお全世界が混乱状態にある。その原因は、これは石油ショックにあるんです。そういう中で、わが国は最も甚大な影響をこの石油ショックから受けた。石油依存度が最も高い工業国であるからであります。あの影響というものは、四十九年、あの石油ショックの翌年を見てみますると、物価は狂乱だと、ああいう状態。国際収支は百三十億ドルを記録すると、こういう状態です。それがいま今日どうでありましょうか。成長は五十一年度におきましては五%台になる。それから物価は、卸は三・四%というような水準までになってくる。消費者物価は八・四――四月の水準であります。国際収支は総合で三十億を上回るというような黒字に転ずる。世界じゅうがびっくりしているんです。あの高度成長のことを第一の奇跡と、こういうふうに言っておりましたが、日本に第二の奇跡が起こったと、そこまで世界は評価しておるんでありまして、私は、大塚さんいろいろ言われましたが、この評価というものは、国際的、客観的評価と非常に違っておるということを申し上げたいのであります。今後に問題があるわけでありますが、インフレのない成長を目指しまして努力してまいりたい。さすが福田さんだと言われるような実績を上げるということを期して邁進いたしたいと、かように考えております。
 ロッキード事件につきましては、これは徹底解明ということ、これを方針としておるんです。あの事件が起きたとき、真っ先に私は、これは徹底解明すべきであると、こういうふうに呼号をいたしたわけでありまするが、そのとおりに事は動いてきておる。ただ、児玉・小佐野ルート、これはまだ未解明でございます。しかし、この未解明を妨げておるところの要因が解除されるということになりますれば、これもまた徹底的に解明をするという方針でございます。
 証人の喚問は、これは相当慎重にやらなきゃならぬ問題であると、こういうふうに思います。つまり、いまの日本の風潮では、証人に喚問されただけで、あれは犯人だ、あれは責任があるなんというふうにとられがちなんです。そこで、私は、この証人喚問問題につきましては非常に慎重な態度をとっておりまするけれども、これは本当にこの事件解明のために必要があるということが確認されまするならば、これはもう証人喚問、自由民ております。現にそうしておるじゃありませんか。元幹事長の中曽根康弘さんまで証人に出てもらうということに同意をしておる。この一事をもっても、私どもの態度は慎重にしてかつ非常に明快であるというふうに御理解を願いたいのであります。
 その他まあ日韓の問題とか、いろいろ言われましたが、これはそういう話は聞いております。その話を聞きまして、私ども調査もしております。しかし、捜査を必要とするというような事実の確認は得ておりません。もし捜査を必要とするというような事態が確認されるならば、これはロッキード事件と同様であります。徹底的に解明し究明すると、そういう方針であるということをはっきり申し上げてお答えといたします。(拍手)
   〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(坊秀男君) 私に対しましては景気についての御質問でございますが、福田総理から実に詳細にお答えがございましたが、財政当局からも意見を述べろということでございまするから、私からも、あるいは重複するかもしれませんけれども、簡単にお答え申し上げます。
 石油危機によって、四十九年から五十年にかけまして物価の高騰、国際収支の悪化、景気の落ち込みという困難に対しまして、政府はまず物価安定を図るということが、これがその後の安定成長の基礎を築くことにあると考えまして、これを最優先の課題としてこれと取り組んでまいりましたが、その後次第に景気の着実な回復を図ってまいったことでございます。最近の景気動向を見ますと、物価は安定の方向にあり、また、景気も緩やかながら回復の過程を歩んでおります。このような困難経験をいたしました先進諸国の中にあっても、比較的順調な推移をたどっておるのがわが国の経済かと思います。先般のロンドン会議におきましても、わが国の経済の回復、成長につきましては、各国から非常に大きな期待と希望が寄せられておるということも、私はこの目で見てまいったような次第でございます。
 以上お答え申し上げます。
   〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(鳩山威一郎君) 大塚先生は、この戦後の賠償並びに経済協力が相手国のために全く役に立っておらないというような御指摘があったわけでございます。私ども東南アジア四カ国に対します賠償を振り返ってみますと、これは途上国であります四カ国の経済の発展に対しまして大変な効果があったものと、このように考えております。戦争のための賠償という観点のみならず、両国間の友好関係の増進、また、資本不足に悩んでおりますこの東南アジア各国に対しまして有力な資本財を供給するというような面におきましても、社会の発展に対しまして貢献をしたものと、このように考えております。
 ところで、賠償の実施の仕方というのが、御承知のとおり、現金賠償ということでなく、役務賠償という形をとりました。したがいまして、この賠償ということが、相手国の調達機関が日本の国内におきまして調達契約をいたすわけでございます。そこに民間の契約が介在いたします。しかし、調達をいたします責任は相手国の権限でございます。
 そこで、この価格の問題で高い安いという問題が当然出てまいるわけでございますけれども、これらの点につきまして、実施に当たりましては、通産当局とともに外務省も責任を持っておるわけでございますが、この点につきましては疑惑を招くことがないように努めてまいったところでございますけれども、御指摘のようなことが言われておりますことは大変遺憾に存ずるところでございますけれども、今後とも、この点につきましては、経済協力の面でいまだ日本の役務賠償的な方式が残っております。まだ日本の経済協力というものが現金ベースで行われないで、日本からの輸出を伴う方式をとっておりますので、この点につきましては今後とも十分注意をしてまいりたいと思っております。
 なお、フィリピン賠償におきますYS11機あるいは船舶の問題につきまして御指摘がありました。これらにつきまして、私どもも真相の解明には努めておりますけれども、違法な行為があったというようなことは、私どもまだ把握しておらないところでございます。
 なお、その他の、お触れになりました、問題になりましたインドネシアにおきますLNGの問題とか、対韓問題の新韓碍子とか、韓国アルミ等の問題につきまして、これは一般の問題になっております点は輸出契約の問題でございまして、賠償あるいは経済協力等の問題ではございませんので、その点は御理解を賜りたいと思います。
   〔国務大臣田中龍夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 総理並びに大蔵、外務各大臣からすでにお答えをいたしておりますので、私の申し上げることも余りございませんが、まず、フィリピンのYS11に対しまする問題につきましてお答えをいたします。
 本件は、御案内のとおりに、戦後処理の一環としての賠償でございまするが、これはフィリピン側がみずから賠償法を制定いたしまして、フィリピン政府のもとに入札が行われ、同時にまた、フィリピン側が自主性、主体性に基づきまして行われた契約でございます。フィリピン賠償のYS11の問題につきましては、いろいろと疑惑もございましたので、実態解明を行いましたが、現在までのところ、賠償契約の記載どおり、機体、フライトチェック機器等が輸出関連法令等の手続に従いまして本邦より積み出しされたものでありまして、これを確認いたしております。何らその間には違法はございません。
 さらにまた、今後の経済協力につきましての疑惑を防止しなきゃならぬということは当然でございまするが、そのような問題につきましては、極力その解明に努めますると同時に、今後ともかようなことがございませんように、公正な経済協力の実施に努めてまいりたい、かように考えております。
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 ロッキード問題につきましては、総理から御答弁がございましたとおり、徹底究明の態度で臨んでおります。
 なお、検察当局といたしましては、六月の半ば以降に発表されるであろうと言われておりますSECの資料等によって新しい事実が出てまいりますれば、捜査を続ける覚悟で準備をいたしておるわけでございます。
 灰色高官の問題でございますが、これにつきましては、灰色とは何であるかということについての定義がはっきりいたしまして、五名の者について資料を出せということでございましたので、国会に資料を提出いたしたわけでございますが、その他の灰色高官と言われる者につきましては、刑事訴訟法の秘密を守るというたてまえから見て、ただいまこれを明らかにすることは適当でないと考えておるのがわれわれの考えであります。
    ―――――――――――――
#12
○議長(河野謙三君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#13
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十九年度決算について、総理並びに関係大臣に対し質問をしたいと存じます。
 御承知のように、昭和四十九年度予算は、昭和四十八年末に始まった石油ショックと、それに伴うインフレという非常事態を乗り切るため、総需要抑制に総力を挙げることを方針として編成されたものでありました。その結果、この年は昭和二十六年以来初めて実質経済成長率がマイナス〇・二のマイナス成長を記録する事態に立ち至り、政治、経済、社会の各分野において混乱と模索が続く年となったのであります。
 このような情勢の中で、昭和四十九年度の税収は所得税、法人税を中心として大きく伸び悩み、年度末には七千七百億円にも上る税収不足、歳入欠陥が出るのではないかという異常な事態を招来いたしました。私は、この税収不足の問題に関連してお尋ねしたいと思うのであります。
 第一点は、国民経済と財政の動向について、政府の認識と見込みが余りにも不十分、不的確ではなかったかという点であります。
 このような税収不足はどうして起こったのか。昭和四十九年度は租税及び印紙収入が当初見込みより年度後半において落ち込みがあったことであります。中でも、申告所得税と法人税の見込み違いは、不況により事業所得等が伸びなかったことや、さらに土地譲渡所得が当初見込みを大きく見誤ったことと思われるのであります。昭和四十九年十二月、政府は当然増経費の増加支出に見合う歳入を確保するため、二兆九百八十七億円に上る補正予算案を組み、国会に提出したのでありますが、その補正予算の歳入増分として見込んだ税目は所得税、法人税であります。それが結果的には、またまた見込み外れとなったのであります。法人税とか申告所得税とかは、いずれも景気の動向に左右されやすいものであり、景気後退期にありながらこれらのものに期待をかけた財政当局は、一体国民経済の動向や徴税額の計算をどのように捕捉していたのか、全く疑問と言わざるを得ないのでありまして、その責任は大いに追及されなければならないのであります。しかも、その後不況から立ち上がれず、毎年歳入欠陥に悩まされ、赤字公債発行に追い込まれたのは、実にこの年度からの経済政策の失敗、財政運営の誤りが尾を引いているからであります。この点について、当時閣僚の一員であった福田総理並びに坊大蔵大臣はどう反省しているか、伺いたいのであります。
 第二点は、この税収不足のつじつまを合わせるために行ったいわゆる税の前倒しに関連して、国家財政に対する政府の基本的な考え方についてただしたいと思うのであります。
 政府は、昭和四十九年度の税収が約七千億円不足で、歳入欠陥の懸念のあることを新年度の予算が成立した直後に認め、その穴埋めとして、国税収納金整理資金法施行令の改正により、従来新年度の税収とされていた四月分の税収の一定部分を前年度に繰り入れることと、歳出面での不用額を歳入に充当することとし、五十年四月十五日政令の改正を行ってつじつまを合わせたのであります。国家財政に対し、政令改正とはいいながら、行政府が勝手に操作するということは、予算執行の単年度主義の原則を破るものと言えないかとの疑義があるのでありますが、この点について、総理並びに大蔵大臣のお考えを承りたいのであります。
 次に、私は予算の繰り越しの問題を取り上げたいと思います。
 昭和四十九年度における公営住宅建設に対する補助として計上された建設省所管の公営住宅建設費の予算額は千六百五十六億円であり、これに前年度繰越額を加えると、歳出予算現額は二千二百七十六億円でありますが、これに対する支出済み歳出額は七二%の千六百四十二億円であり、翌年度繰越額は二七・六%の六百二十八億円となっております。
 この繰越額は、前年度からの繰越額六百二十四億円とほぼ同額となっております。繰り越しせざるを得なかった理由はいろいろ言われておりますが、前年度からの繰越額に匹敵する巨額の経費をまた翌年度に繰り越すということは、財政法に定める単年度主義の精神に反するものと思うのでありますが、この点について、福田総理、坊大蔵大臣のお考えを伺いたいのであります。
 次に、私は、国の契約にかかわる入札のあり方についてお尋ねしたいと思います。
 財政法、会計法等の示す入札の原則は公開競争入札のはずでありますが、特に膨大な経費を投入している公共事業においては、いまや指名競争入札が業者登録制度を背景にして通例となっているのが実情であります。法の命ずる原則が例外となり、例外としての措置と法が定めるものが通例となっている現状に対して、総理はどう考えておられるのか。また、大蔵大臣、建設大臣はどう考えられるのか、お尋ねしておきたいのであります。法が実情に合わなくなったと見るか、法の示す原則に向かって現状を改めるべきものと考えるか、見解の明示を求めるものであります。
 私は、ここ何代かの内閣は公開自由競争入札の原則を無視してきたと思うのであります。法の示す公開入札の原則に戻り、入札の公正化を図るべきではないか。また、大型工事の分割によって中小企業の参加の機会を多くし、公開競争とするなどの施策を一層進めるべきだと思いますが、福田総理並びに大蔵大臣、建設大臣の見解をお尋ねいたします。
 次に、行政改革問題についてお伺いいたします。
 福田総理は、去る三月一日の閣議で行政改革問題について特に発言し、各省庁でも政府全体の問題として行政管理庁に協力し、真剣に実現するよう努力してほしい旨指示し、並み並みならぬ熱意を示されたとのことであります。その後行政管理庁が中心でこの問題に取り組むこととなり、一昨日の十八日には行政改革本部が初会合を開いて今後の進め方を協議したようでありますが、要は、実行できるかどうかという政治的決断であると思います。
 行政改革が従来ほとんど実効の上がらなかった理由は、いわゆる官僚群がその組織を挙げて強い抵抗をするためであることは周知のことでありますが、そのほか、政財界にもこれら官僚機構の温存を図る動きがないとは言えないのであります。
 今回の行政改革についても、いまからもう、推進の先頭に立つ行政管理庁内部にさえ、そう簡単にはいかぬとの声が上がっているようであり、大蔵省も、金は出したくないし、行政改革はいやだと、内心ジレンマに陥っていると聞いております。こういうところから、問題は早くも福田内閣の重荷になってきているのではないかとの見方も出てきております。
 政府は、行政改革問題について、八月中成案を目指しているようであるが、今日でもこの予定に変わりはないか。さらに、実行の段階でしり込みして小手先だけで終わり、抜本的なメスを入れることができないのではないかとの懸念があるのでありますが、これらの点について、福田総理、西村行政管理庁長官、坊大蔵大臣から御答弁を願いたいのであります。
 最後に、わが国の原子力行政について、福田総理、宇野科学技術庁長官にお伺いしたいと存じます。
 将来の日本のエネルギー問題の解決は、原子力の開発利用のいかんにあると言っても過言ではありません。しかし、この原子力の開発利用は、その効率的な使用と安全性の確保が先決要件であります。効率的な使用については燃料の再処理問題、安全性の確保には機器、設備等の設計、運転が完全でなければなりません。一体、この二つの問題の解決はどうなっているのでありましょうか。
 燃料の再処理について、わが国でも国産化による再処理施設がすでに臨界実験まで終わっているにもかかわらず、さきのロンドンにおける先進国首脳会議においても結論が得られず、将来の問題として持ち越されており、また、安全性については、すでに二十数年の歳月を経、現実に原子力発電の開発利用、原子力船の開発等が進められているのにかかわらず、まともに動いている発電炉は四つにすぎず、ほかは機器の欠陥によって放射線漏れが直されず、随所で地元住民の設置反対などによって種々の紛糾が生じ、遅々として設置と運転が進んでいません。しかも、政府はこういう欠陥を躍起になって隠そうとしています。政府は、再処理問題の今後と安全性の問題について、どのように考え、どう対処されようとされるのか、お伺いします。
 次に、安全性の問題に絡んで、原子力船「むつ」について伺います。
 むつ市の母港撤去に伴う新しい「むつ」の定係港をめぐってのさまざまな動きは御承知のとおりであり、会計検査院も国費のむだ遣いではないかと、神経をとがらせて見守っておりますが、この「むつ」問題は、原子力問題についての政府の場当たり的な施策によって原子力平和利用問題をますます混迷に陥れた実証例であって、政府の責任はまことに重大と言わねばなりません。「むつ」の処理問題も含めて、今後の原子力船の開発について政府はどのような考えで進もうとされるのか、総理並びに科学技術庁長官の御所見を承りまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
 四十九年度におきまして税収不足が生じた、これは経済の見通しの誤りではないかと、こういう御指摘でございますが、そうおっしゃられると、そのとおりでございます。とにかく資源小国といいますか、石油依存度の世界で最も高い工業国としての日本といたしまして、あの石油ショックは甚大な影響を受けたわけであります。しかし、あれがもうあの狂乱を招き、百三十億ドルという国際収支上の大赤字を出し、しかも戦後初めてマイナス成長だと、こういうところまでなろうなどとは実は思わなかった。そういうことは率直に、私どもの見通しが甘かったという御理解でやむを得ないと、こういうふうに存じます。まあその状況というものは今日もなお尾を引きまして、多額の公債発行という事態になっておりますが、私は、石油ショックという、ああいう大きな衝撃は受けましたものの、当時調整に三カ年を要する、こう言っておったのです。もう三カ年で大方私はその調整は済んだ、こういうふうに思っておりますが、ただ一つ大きな後遺症は残した。これは財政であります。財政赤字の解消に向かいまして最大の努力を尽くしていきたいと、かように考えておるのであります。
 また、四十九年度予算の処置の過程におきまして、いわゆる税収入の前倒しということをやりたじゃないか、そういうことについての御批判であり、これが会計年度原則を乱すものではあるまいかという御指摘でございますが、あの当時の状況といたしまして、やむを得ざる措置としてああいうことはやりました。やりましたが、さああのやった措置、あれは御承知のように、国税収納金整理資金に関する法律というのがありまして、そうしてこの四月中に集まってまいりますところの税収入を、それを新しい年度のつまり収入として整理するのか、あるいは前の年度の、三月以前の年度の収入として整理するのか、それは政令で決めることになっておる。従来におきましては、それを納期末日までの分は、納期末日の属する年度、それによるという考え方でありましたものを、納税義務の成立した日の属する年度というふうに、四月に入ってきた金、それを三月までの年度、その前の三月までの年度の収入として整理するというふうに変えたんですが、これをまた都合によってひっくり返すとかなんとかすると、これは年度主義を乱したという御批判になると思いまするけれども、今後はずっと新しい制度によってやってまいるという考えでございますので、年度の原則を乱したという考え方をいたしておりません。
 また、公営住宅予算のごとく大幅な繰り延べをしたのはけしからぬじゃないかというような御指摘でもありまするけれども、繰り越しというのは、御承知のように、予算の総則におきまして繰越明許という条項がありまして、こういう予算は繰り越し得ると、こういうことになっておるんです。その条項に従いまして公営住宅予算の繰り越しが行われておる。しかも、これはことさらに繰り越し、工事を延ばしたというんじゃないんです。公営住宅というのは、非常にこれは竣工がむずかしい。むずかしゅうございますのは、土地取得難、そこに問題があるわけなんでありますが、やむを得ざる事情によりまして繰り越し処置をいたしたものでありまして、しかも、これは財政法に従って行われておるものでありまして、故意に会計原則を乱るというようなことではございません。
 なお、行政改革の問題についての御質問でございますが、申し上げるまでもなく、世の中が非常な変化の時を迎えておるわけであります。つまり、資源エネルギー有限という世の中になってきた、そういう態勢になりますると、もう国も、企業も、家庭も、みんな姿勢転換を行わなきゃならぬ。そういう中で、国は率先して姿勢の転換を行うべきである、そういうこと。それから財政が非常に窮乏というか、大きな赤字を抱えておるという状態である、財政上の配慮もしなけりゃならぬ、そういう事態にかんがみまして、行財政全般にわたって改革、見直しを行おうというのが内閣の方針でございます。そして、どういうことを一体やるんだということになりますると、まず行政機構の改革問題があります。また、定員の管理をどうするかという問題があります。特殊法人問題あり、また審議会の問題、補助金の問題、それから行政事務執行のあり方の問題等、多々あるのでありまするが、それらの具体的な改革をどうするかということにつきましては、八月を目途に成案を得て、そして法律を要するものは皆さんの御審議を求めなけりゃならぬ。また、法律を要しないというものにつきましては逐次実行をいたしていきたい、かように考えております。
 それから、核政策についてのお尋ねでございますが、この核政策を進める上におきまして、御指摘の安全問題ですね。これはもう最優先の問題でございます。そういう心組みをもちまして、安全対策につきましては、従来ともずっと強力にこれを進めてまいっておりまするが、今国会におきましても、その見地から皆さんにいろいろな点につきまして御審議をいただいておるということは、御承知のとおりでございます。
 また、再処理問題、これにつきましてのお尋ねでございますが、わが国はウラン資源が乏しい。プルトニウムにつきましてもきわめて入手困難な状態にあるわけであります。そういう立場のわが国といたしますると、使用済みになりましたウラン、プルトニウム、これを最大限に利用するということ、これができませんと、わが国の核エネルギー政策が成り立たないんです。これはしばしば申し上げておることでございますので、まあ言及する必要はないと思いまするけれども、わが国のエネルギー源というものはほとんどを石油に依存しておる。しかし、石油の寿命というものはまあ三十年、四十年というふうに言われまするけれども、その石油エネルギーが有限のものであるという意識、これが世界に満ち満ちてきておるのです。その影響というものは、これは私は、この十年、十一年ぐらいの間は、まあまあ具体的な影響はそう出ずに済むかもしれませんと思いますけれども、とにかく世紀末、そういう十年たった、十五年たったという段階になると、石油の供給について非常に不安な、不安定な時代が来るのではないか。それを代替し得るものは何だというと、まあいろいろありまするけれども、太陽熱だ、地熱だ、石炭の増産だとか、いろいろあります。ありますけれども、本当に実効的に実力を持ってその谷間を補い得るエネルギー源というものは、これは核しかないと思うんです。その核の平和的利用を考えまするときに、核の再処理というものは非常に重大な問題である。ところが、核エネルギー、核の再処理、この問題を実行しょうと、こういうことになりますると、これは日米原子力協定によりまして、アメリカの理解と協力を求めなきゃならない、こういうことになるわけであります。したがいまして、アメリカに対しまして、わが国のこの再処理問題についての重要性、これはわが国にとりましては生か死かというくらいな大問題であるという表現まで用いましてカーター大統領の理解と協力を求めておるわけでありまするが、私は、かなりアメリカ大統領においてはわが国の立場を理解してくれたと、かようにいま考えておる次第でございます。
 なお、原子力船「むつ」についてどういうふうな考え方をしておるかということでございますが、これは、原子力船時代というのはもう始まっているんです。そういう中で、わが国だけが原子力船を使わないという状態でありますると、世界におけるわが国の立場、これは非常に私は弱いものになってくるというふうに思うのでありまして、まあいろいろ問題があります。ありまするけれども、そのいろいろな困難を克服いたしまして、この原子力船の開発、「むつ」の完成ということにつきましては、これを強力に推進してまいりたいと、かように考えておるのでありまして、目下地元の理解、協力、それから安全の確保等、各般の面にわたりまして努力をいたしておるということでございます。(拍手)
   〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(坊秀男君) お答えを申し上げます。
 四十九年度の税収不足の原因とか、これに対する措置等につきましては、総理大臣から御答弁がございましたが、財政当局といたしましては、これを契機として生じました歳入補てん公債、つまり特例公債、これが今日まで尾を引いておりますが、できるだけ速やかにこの特例公債から脱却してまいりたいと、鋭意これに努める所存でございます。
 それから、五十年度税収の一部を四十九年税収に繰り入れということにつきましては、これは総理がきわめて詳細にお答えになりましたから、私は省略をいたします。
 それから、連年にわたり公営住宅建設の予算が剰余しておるではないか、こういうことでございます。これにつきましても、総理から、用地の取得難等が大きな影響をしておるというお答えでございましたが、さらに補足して申し上げますと、関連公共公益施設が、地元との間にその調整がなかなかむずかしかったり、そういうようなことで事業がはかどらなかったわけでございますが、政府といたしましては、公営住宅の建設促進を図る見地から、こういったような関連公共施設の整備に対する助成だとか、あるいは建てかえ事業に対する助成等各般の施策を講じているところでございまして、今後ともそのようなことのないようにでき得る限りの努力をしてまいりたい、かように考えております。
 それから、財政法、会計法における入札の件について御質問がございましたが、契約の性質または目的によりまして、一般競争による必要のない場合等におきまして、どうしても一般競争の手続きをとるというような行き方で参りますと、かえって国費の効率的な使用に適しないというような場合も生ずるのでございまして、そういったような場合には指名競争入札によるということが認められるわけでございます。国の行う契約につきまして、一般競争、指名競争、随意契約、それぞれの特質があるわけでございますが、それぞれのケース・バイ・ケースによりまして最も適切なる入札方式をとっておりますが、一般競争の件数が相対的に少ないということでもってこれは不適正な契約がなされておるというように断ずるわけにはいかない。最も適切なる方法をとっておるということでございます。
 それから、行政改革につきましては、これまた総理から詳しく御説明がございましたが、財政当局といたしましては、財政の健全化を図っていくためにも、簡素にして能率的な行政を実現すべく、行政、財政の見直しを進めてまいりまして、歳出の節約、節減、合理化に努めてまいる所存でございます。
 以上お答え申します。(拍手)
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(長谷川四郎君) お答え申し上げます。
 建設省所管の公共工事につきましては、経験または能力に応じて建設業者を等級別に区別をいたしまして、発注工事の規模、内容に応じて相応の業者を指名、選定して競争入札に付しているところでございますが、このように具体の工事の施行にふさわしい技術、能力等を有する業者をして施行に当たらしめておるということによりまして公共工事の適切な施行の確保を図っておるのでございますが、なお、指名競争入札について指摘された弊害につきましては、極力その除去に努めておるところでありまして、御指摘の公開競争入札を含めまして、入札の公正化については今後ともさらに十分検討を加えてまいるつもりでございます。
 さらに、中小建設業の育成を図るためにも、中小建設業者の企業体をつくらせるとか、共同体をつくらせるとか、こういうふうなことにいたしまして、受注の機会の増大を図っておるところでございます。
 さらに、分割発注はもちろん、発注標準の遵守とか、あるいは共同請負制度の活用をさらに今後も続けてまいる考え方でございます。(拍手)
   〔国務大臣西村英一君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(西村英一君) お答えいたします。
 今回の行政改革の構想につきましては、八月を目途として取りまとめよと総理から私は指令を受けましたので、以来、私としては行政の全般について見直しをやっておる最中でございます。去る四月の二十五日に、総理、大蔵大臣、官房長官、私と協議をいろいろいたしましたが、それを受けまして、五月の四日の閣議におきまして、総理からも、各閣僚につきまして、政府としては行政改革に取り組むという御発言があった次第でございます。
 お話にもありましたように、ただいま内閣に行政改革本部がございますが、私、行政管理庁の長官が本部長でございまして、十八日に委員会を開催をいたしました。その席でも私は各委員の方々と御協議をして、ある事項についてはそれぞれ委員の方々に指令をいたしたような次第でございまして、今後もこの行政改革については取り組んでいくつもりでございます。
 しかし、お話にもありましたように、呼び声だけは高くて実行はできないではないかということでございますが、非常に経済事情も違ってまいりましたし、また、政府は財政の大変困難に遭遇いたしておることにもかんがみまして、ぜひともこの際行政の改革、合理化を一層推進をしてまいりたいと存じておる次第でございます。ただし、具体的な問題になりますと、全部これは法律事項でございます。法律事項でございまするから、われわれも各方面の意見を聞きまして進めたいと思いますが、議員の皆様方にもぜひともひとつ積極的に御協力を賜りまするよう、私からもお願いを申し上げる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(宇野宗佑君) 日米原子力協定に関する日米交渉は、近く第二次交渉団をアメリカに派遣いたしまして、そしてその交渉団で結論を得たいと、かように考えております。もちろん、交渉に際しましては、従前よりわれわれが主張してまいりました主張は毫も変わっておりません。すなわち、平和利用と核の不拡散とは両立すべきであるということ、また、NPTの参加国においては核保有国と非保有国との間に差別があってはならないということ、核燃料サイクルの確立は日本にとっては死活問題であること、これを主張いたしたいと存じますが、幸いにも、去る日のロンドン会議において福田・カーター会談が行われましたが、そのとき非常に双方の理解が示されておりますので、そうした環境のもとに極力この外交を強力に進めまして、一日も早く共同決定ができるようにしたいと考えております。
 第二番目は、安全問題でありますが、この国会におきまして、われわれといたしましては、従来より安全と開発の両方の機能を持っておりました原子力委員会を分けまして安全委員会を新しく設立する、同時に、安全性の確立に関しましては所管官庁においてその責任の一貫化を図るという法案を提出いたしております。したがいまして、再処理工場に関しましても、同様、われわれは二重三重の安全を今後も確認していきたいと存じます。御承知のとおりに、環境に対する安全、従業員に関する安全、同時に、管理、運転に対する安全等いろいろございますが、いずれも保安規定がございますので、これを厳重に守らせまして、そうして執行していきたいと存ずる次第でございます。
 第三番目は、原子力船「むつ」でございますが、これに関しましては、総理がおっしゃいましたとおりに、やはり将来の原子力船時代に備えまして、わが国といたしましても一日も速やかにこの「むつ」の実験船としての使命を果たさせたいと存じておるところでございます。幸いにも修理港が受け入れられるというふうな報道がございましたから、決定がなされましたから、われわれといたしましては近くそうした準備に取りかかりたいと存じますが、おおむね修繕には三年かかります。そうして、その後一年間出力検査をやります。そうして、その後五年間は実験航海にかかりたいと存じます。そうして、ちょうど十一年目から「むつ」は実用船として次の船にその使命を渡していくわけでございまして、それだけの実験を「むつ」にせしめたいというのが政府といたしましての考え方でございます。どうか格段の御理解を賜りますようにお願いを申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(河野謙三君) 神谷信之助君。
   〔神谷信之助君登壇、拍手〕
#20
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表し、総理並びに関係各大臣に質問いたします。
 本題に入る前に、緊急の問題について一言質問いたします。
 それは、ようやくにして仮調印にこぎつけたと伝えられる日ソ漁業交渉についてであります。
 わが党は、日ソ交渉に当たり、わが国領海十二海里内でのソ連操業を認めないこと、千島のソ連領有を追認せず、千島列島周辺水域におけるソ連二百海里線引きを保留させることなどを基本として、国際正義に基づく解決を実現すべきことを主張し続けてまいりました。ところで、今回の交渉難航の主な対立点は何であったのですか。また、ソ連側の主張点とこれに対する政府の基本方針は何だったのか。わが党の主張してきた主な点に照らし、その要点の報告を求めるものであります。
 また、わが党は、領土問題は解決済みとするソ連側の理不尽な態度を厳しく批判すると同時に、サンフランシスコ条約で千島列島を放棄し、その誤りを正すことなく、領土問題は未解決という確認をとることで、その易しのぎをしてきた政府の外交姿勢が、結局ソ連側の強硬な主張を許し、交渉が長引く結果となっていることをはっきり指摘しないわけにはいきません。
 本国会ですでに成立した漁業水域法に基づく千島周辺水域でのわが国の二百海里線引きの権利は、今回の交渉でどう処理されたのか、領土問題と密接な関連を持つので、明確に答弁していただきたい。
 今回の交渉で最も重要な問題の一つだったわが国の領海十二海里内でのソ連船の操業要求はどうなったのか。一部の新聞には、第八条と関連して、国連海洋法会議まで保留されることとなったとあるが、そうした事実はないのか。さらに、第八条で漁業に限ることも明記されず、最終的に「その他の」が削除されることによって領土についてのソ連の主張を追認した危険は生まれていないか。また、四月七日鳩山外相らの発言として伝えられた、魚に限ってソ連の二百海里線引きを認めようという後退と同じことになったのではないか、明確な答弁を求めます。
 さらに、政府は速やかにサンフランシスコ条約第二条C項の破棄を関係各国に通告し、全千島返還の交渉を進め得る国際法上の立場を明確にすべきであると考えますが、総理の見解を求めます。
 また、交渉長期化による北洋漁業関係者及び関連業者の経営と生活の不安をなくし、当面の日ソ交渉打開のための国民一丸となった体制をつくることもきわめて重要であります。政府は、当面は融資で、補償は交渉妥結後、と言っていますが、この際万全の補償措置をとるという方針を表明すべきだと思うが、いかがですか。総理の答弁を求めます。
 さて、漁業交渉の難航にもあらわれているように、わが国はいま、政治、経済、外交、文化などのすべての面にわたって深刻な危機に襲われています。このような時期こそ、過去の予算とその執行の結果などを厳しく検討し、その誤りを徹底的に改めることこそ、政府のとるべき態度であります。
 四十九年度決算は、石油ショックに乗じた物価狂乱のもとで推し進められた、当時の田中総理の日本列島改造型の大型公共事業と大量の公債発行によるインフレ促進などが、今日のインフレと不況、国民の深刻な生活難などの重要な原因をなしたものであることを物語っております。
 ところが、政府は今年度も欧米諸国にも類のない六・七%という高度成長を目指し、物価安定は二の次、三の次にしております。ロンドンの七カ国首脳会議では、西欧諸国の首脳さえ、インフレは失業の主要な原因の一つであると強調しているではありませんか。政府もこの妥当な見解に立ち、不況、失業対策のためにも物価安定を第一とすべきではありませんか。総理、いかがですか。
 特に、今回アジ、サバ、カツオなどの大衆魚の大幅な値上がりが国民の台所を直撃しております。東京、大阪などの大消費地での在庫は昨年よりも多く、大手水産会社の利益が急増し、すでに魚転がしなどの投機的行為が明らかになっている現在、政府は直ちに、買い占め売り惜しみ防止法を発動し、大企業の倉庫への立入検査、在庫放出命令などを行うべきであると思うが、福田総理、いかがですか。
 今後、わが国漁業には漁獲高の減少など深刻な事態が予想されます。政府は、魚価安定のため価格安定基金制度を設け、また、大衆魚の流通業者に特別奨励金制度も検討すべきだと思いますが、農林大臣の見解を伺います。
 また、総理は、独占禁止法改正案を今国会で今度こそは必ず成立させ、物価安定のために役立たせる決意があるか、伺いたい。
 さらに、国鉄運賃法、健康保険法の改悪は物価安定のためにもきわめて有害であります。政府は、この法案の成立をあきらめ、今国会では国鉄財政、健保財政の再建政策をこそ徹底的に論議し、確立させるべきだと思いますが、総理の見解はどうですか。
 いま、五十二年度生産者米価の決定期に来ております。ことしもまた、昨年に引き続き広範囲な冷害が憂慮されている折から、政府は、生産者米価決定に当たって、農民の要求を十分に考慮し、大幅に引き上げるべきであり、消費者米価は据え置くべきであると思うが、農林大臣の見解を承りたい。
 また、さきのロンドン会議においても核燃料再処理問題は依然として対立状態であり、その解決は将来に残されています。このことは、四十八年から四十九年にあらわれた深刻な石油パニックとともに、政府の対米従属的なエネルギー政策がどれほど危険なものであるかを明白に示しております。政府は核燃料問題についてどのような打開策と展望をお持ちか、総理に伺いたい。
 また、今後、原子力研究、開発全般を安全優先で指導できる原子力安全委員会を設置し、核燃料の供給先を多様化するなど供給の安定化を図るとともに、資源の有効利用を図る多様な炉型を積極的に開発するなど、原子力開発政策の根本的転換を図るべきだと思いますが、科学技術庁長官の見解を承りたいと思います。
 さらに、石油、石炭、電力、ガスなどの大企業を総合エネルギー公社に統合し、石炭などの国内資源の積極的開発と、資源産出国との自主的資源外交などによってエネルギー政策の自主性を確立すべきだと思うが、総理の見解を伺います。
 最後に、四十九年度は対韓協力費が前年度に比べ一・五倍と急増した年であり、田中金脈事件に始まり、ロッキード事件からさらに日韓癒着へと、歴代自民党政府の金権腐敗政治の実態が集中的に露呈し始めた年であります。そして、総理自身、この年、こうした金権腐敗体質を批判をして田中内閣の閣僚を辞任したのではなかったのですか。
 ところが、今日、福田内閣は、国民の声には背を向けて、戦後最大の疑獄、ロッキード事件には幕を引き、日韓癒着に至っては、においもしないと暴言を吐き、幕さえあけていないのであります。総理は、日韓のよい癒着は結構だ、調査の必要はないなどと居直っているが、現にこの国会でソウル地下鉄不正水増し、韓国アルミ不正融資など重大な疑惑が指摘され、外務省、経企庁、会計検査院などは調査を約束しているではありませんか。総理は、PXL問題については国民に疑惑を持たれないよう選定すると約束しました。そうであるなら、国民の間に疑惑の火が燃えている日韓癒着についても、まず疑惑を解明することが今後の日韓関係のすべてに優先する最大の課題ではありませんか。総理にその姿勢があるかどうか。また、解明のために、自民党総裁として日韓問題調査特別委員会の設置に踏み切るなど、具体的な方法について総理の明快な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(福田赳夫君) 日ソ交渉についてのお尋ねでございますが、この問題は、ことしは例年あります日ソ漁業交渉と違いまして、ソビエト連邦が二百海里を採用したということに伴う日ソ漁業暫定協定、この問題の交渉があったわけであります。この問題に取り組むわが国の姿勢につきましては、常に申し上げておるところでございますが、日ソ間には北方領土という懸案事項があるわけであります。わが国の主張とソビエトの主張が真っ向から対立して今日に至っておる。この問題が漁業交渉とかかわりを生じやすい問題なんです。しかし、かかわりが出てくるということになりますると、漁業交渉はこれは非常に長期化せざるを得ない。
 そこで、私どもの方の第一の方針は、領土は領土、漁業は漁業として截然と分離して漁業協定をいたしたいと、こういうことであったわけであります。同時に、漁業問題がどうなってもいいというんじゃないんです。伝統的にわが国はソビエト周辺において相当多額の漁獲をしてきておるわけでありまするが、その伝統的漁獲量の確保、この二つが対ソ漁業交渉に臨む基本的な方針であったわけであります。
 ところで、交渉が難航いたしたわけでありまするが、漁業協定のつくり方によりますると、この領土問題、これにかかわりを持ちがちである。持たしてはならないわが国の立場を踏まえてということになりまするから、どうしても交渉がややこしくなり、長引くということになったんでございまするけれども、昨日深夜になりまして、漁業は漁業、領土は領土というたてまえが完全に貫かれた形におきまして、この協定が妥結するという見通しができた次第でございます。この間、各党から私どもの立場につきまして大変御理解と御支援を賜った。また、国民からも大変な激励を賜ったということを、神谷さんを含め、全党の皆さん、また全国の皆さんに厚く御礼を申し上げたい、かように存ずる次第でございます。本当にありがとうございました。
 ただ、この問題は、まだ大山を越えたというだけでありまして、まだ漁獲量の交渉という問題等が残っておるわけであります。それらが片づいた後、日ソ漁業暫定協定じゃなくて、今度は、ソ日、つまりわが国の漁業水域においてソビエトの漁獲がどういうふうに行われるかという問題の交渉等が残るわけでありまして、なおいろいろの問題を抱えておりますので、この上とも御協力のほどをお願いいたしたい、かように存ずる次第でございます。
 いろいろ具体的に細かい御質問がありましたが、それはまだお答えできる段階ではございません。
 それから、物価問題を重視せよというお話でありまするけれども、これは、物価の安定こそは社会存立の基盤でございます。景気政策、景気政策と私は言っております。と言ってはおりまするけれども、それはもう物価安定ということを基礎として景気浮揚政策を行うということでありまして、インフレのなき景気、これを念願しておるんだということでありますので、その点はそのように御理解を願いたい、かように存じます。
 それから、魚転がしだとか、そういう問題につきましては、私もこれはかたい決意をもって臨む姿勢でございますが、農林大臣から御答弁があるはずでございます。
 それから、独占禁止法改正につきまして、これを実現させる決意はいかんと言うんですが、もう私の決意の問題じゃないんです。私は法律案を提案をいたしまして、すでにもう御審議を願っておるわけでありまして、これは国会の方でお通しくださるかどうかと、こういう問題でありますので、ひとつ御理解のある御協力をお願いしたい、かように考える次第でございます。
 また、国鉄運賃法改悪を断念せよというようなお話でございますが、国鉄のいまの状態というものはもう大変むずかしい状態になってきておる、これを再建しないと本当に国民の足というものに重大な影響があるような事態でございます。それに対しまして、私どもはいま二つの御提案を申し上げておる次第でございまするけれども、結局、国鉄自体が合理化等を断行する、こういうことは、これはかなめでなけりゃならぬ。同時に国民の協力、つまり利用者の協力です。これは運賃問題という問題であります。それから、その上に立ちまして、政府の支援、協力、この三本柱の上にのみ私は国鉄の再建はあり得ると思うのでありまして、その三本柱を実現するための議案でありますので、ぜひ御協力を賜りたいと、これはこちらの方からお願いをいたしたいのであります。
 健康保険法改悪、これも改悪というお話でございますが、これはやはり国民の健康を守っていかなければならぬということは大事なことでありまするけれども、それには金がかかるんです。その金を一体どうするか、どこから金を持ってくるんですか、神谷さん。その金なくしてやれと、借金でするほかない。借金でやるということになったら一体、先はどうなりますか。やっぱり国民の御協力、御負担もある程度願わなければならない。これはぜひひとつ御理解ある御協力をお願いをいたしたい、かように存ずる次第でございます。
 使用済み核燃料の再処理の問題でございますが、これは先ほどるる申し上げたとおりでありまして、アメリカとの間で最善のいま交渉をいたしております。また、カナダとの間の交渉についても言及されましたが、これもいまカナダとの間の交渉が続けられておりまして、これは見通しがかなり明確になってきております。満足し得るような結果になる、かように考えておるのであります。
 それから、石油、石炭、電力、ガスなんかを、これは総合エネルギー公社とでも言うものにひとつ統合したらどうかということでございますが、これは私は、公社制度につきましていろいろ問題が起きておる、そういう際に、また新たなるそういう公社をつくるというような気にはなれません。むしろ、これは民間の創意工夫を活用するという従来の考え方をさらに合理化するという方が有効であるというふうに考えておるので、せっかくの御所見でありまするけれども、これは賛成はいたさない。
 それから、日韓癒着の問題でございます。日韓癒着につきまして、これをひとつ解明し究明せよと、こういうようなお話でございまするけれども、これはいろいろこういう問題について話はあるんです。政府はそういう話につきまして調査もいたしております。おりまするけれども、いわゆる政府が捜査を必要とするというような、そういう問題は確認をされておりません。もしそういうことがありますれば、これはもう政府は、ロッキード事件同様、この徹底究明をいたしますから、その辺はひとつそのように御理解を願いたいと、かように存ずる次第でございます。
 なお、日韓問題調査特別委員会というがごときものを国会に設置したらどうかというようなお話でございますが、ひとつ、これは国会の問題でありますので、国会の間におきまして十分御討議のほどをお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(長谷川四郎君) お答え申し上げます。
 魚の値段が上がったということ、これは御承知のように、昨年多獲性の魚が非常に少なかったと、とれ方が少なかったと、それとあわせまして、日ソ漁業というような交渉の経緯から北洋漁業の操業停止と、こういうようなものがその中に加わりまして、魚価が高騰をしたということはそのとおりであります。したがって、需給関係に関しましては基本的変化は多かったと。そこで、国民生活にも影響をしないようにというようなことで、特に総理からもこの点には厳重に申しつけられまして、五月六日、それから十三日、六日には全員お集まり願って御協力をお願い申し上げ、さらに十七日には文書をもって提出をして、そして自粛要求をしておるところであり、さらに冷蔵庫等につきましては、抜き打ちと言いましょうか、われわれは、黙って行って、そしてその調査を進めて協力をしてもらっておるところでございます。
 さらにまた、需給調整用に大規模冷蔵庫の設置、あるいは産地−消費地を通ずる水産物の価格の安定を図ると、こういうようなための水産物調整保管事業ということを実施しております。さらに、これを補完する財団法人魚価安定基金を昨年度設立したところでございまして、今後とも制度の運営状況を見つつ、所要の改善を加えてまいりたいと考えております。
 また、零細魚販売店について、わが国の水産物流通の末端にある重要な流通機能を果たしているところでありますから、その育成についての諸政策を十分行ってまいる考え方でございます。(拍手)
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(宇野宗佑君) 原子力行政は常に安全性ということを基盤といたさなければならないことは論を待ちません。この国会におきましても、さような意味で、安全委員会の設置と、そして安全性の確認に対しましては一貫化を図るという内容を盛った法案を提出いたした次第でございます。
 第二点の、核燃料の供給先をもっと多様化せよというお話でございまして、もっともだと存じます。日本にはわずか一万トンしか埋蔵量はございません。さような意味合いにおきましても、今後海外における探鉱を進め、そして開発輸入を進めたいと存じます。同時にまた、天然ウランを濃縮する技術を開発いたしたいと存じますが、いずれも本年度の予算におきまして大きく前進したと考えております。
 第三点は、炉型に関する問題でありますが、やはりウランを効率的に使おうと思えば――軽水炉のままでございますと、世界の確認埋蔵量もあと二十年だと言われております。したがいまして、その六十倍あるいは七十倍の効率を持つと言われる夢の原子炉が高速増殖炉でございます。幸いにも、去る四月、わが国は世界で第六番目の国家として、高速増殖炉の実験炉ではございますが、臨界に達することができました。さらには、原型炉、実証炉、そして実用炉という段階を経るわけでありますが、実用化されるのは一九九五年と存じております。したがいまして、一日もこの研究はおろそかにできませんので、さような意味合いにおきましても、再処理工場のこの七月のホットランはわが国にとりまして非常に重大な問題であるということを申し上げておる次第でございます。なお、高速増殖炉のつなぎといたしましての新型転換炉もまた開発中でございまして、これは明春に臨界に達する予定でございます。(拍手)
#24
○議長(河野謙三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#25
○議長(河野謙三君) 日程第二 日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長寺本広作君。
   〔寺本広作君登壇、拍手〕
#26
○寺本広作君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 まず、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約は、両国関係の基礎を永続的な平和と友好に置き、相互理解と協力を幅広い分野で促進するとともに、両国関係を拡大強化するように努めること、両国間貿易につき、それぞれ相手国が安定的な、かつ信頼し得る供給者及び市場であることが相互の利益であることを認識して、公正かつ安定的な基礎の上に貿易の発展を図ること、出入国、滞在、事業活動等について、相互に公正かつ衡平で第三国との間で差別的でない待遇を供与すること等について定めたものであります。
 次に、日本国とカナダとの間の文化協定は、戦後わが国が各国と締結した文化協定と同様に、文化及び教育の分野における両国間の交流を奨励することを規定したものであります。
 委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知を願います。
 昨十九日、質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#27
○議長(河野謙三君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#28
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#29
○議長(河野謙三君) 日程第四 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第五 地方自治法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長高橋邦雄君。
   〔高橋邦雄君登壇、拍手〕
#30
○高橋邦雄君 ただいま議題となりました二法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 まず、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案は、恩給法等の改正内容に準じて、地方公務員共済組合の退職年金等の額を増額改定し、退職年金等の最低保障額の引き上げ等を行うほか、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額の引き上げ、公共企業体に転出した組合員に係る長期給付の受給資格等についての特例措置を講ずるとともに、地方議会議員の退職年金、地方団体関係団体職員の年金制度についても所要の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院において、施行期日を公布の日とする等の修正が行われております。
 委員会における質疑の詳細は会議録に譲ることを御了承願います。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、年金の賃金スライドの法制化、改定実施時期の繰り上げ、公的負担割合の引き上げ、遺族年金の給付水準の引き上げ等、十項目にわたる附帯決議を付しております。
 次に、地方自治法の一部を改正する法律案は、衆議院地方行政委員長の提出に係るものでありまして、都の特殊性にかんがみ、都議会議員の定数について、特別区の存する区域の人口を百万人で除して得た数を限度として、百三十人の定限の範囲内で、条例で、百二十人を超えて増加することができるようにしようとするものであります。
 本案の質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#31
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 まず、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#33
○議長(河野謙三君) 次に、地方自治法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(河野謙三君) 日程第六 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案
 日程第七 国民年金法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長上田哲君。
   〔上田哲君登壇、拍手〕
#36
○上田哲君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案は、戦傷病者戦没者遺族等援護法のほか、関連する五法律を改正しようとするものであります。
 その主な内容は、第一に、戦傷病者戦没者遺族等に対する障害年金、遺族年金等の額を恩給法に準じて引き上げるとともに、遺族年金等の支給範囲を拡大し、遺族一時金にかえて遺族年金等を支給すること、第二に、未帰還者留守家族に支給される留守家族手当の月額を、遺族年金の増額に準じて引き上げること、第三に、満州事変において、公務上の傷病にかかり、これにより死亡した軍人の遺族に対して、新たに特別弔慰金を支給するとともに、特別弔慰金を受けることのできる遺族の範囲を、戦没者等と生計関係にあった三親等内の親族まで拡大すること、第四に、昭和五十一年の遺族援護法の改正により、遺族年金等を受けることとなった戦没者の妻及び父母等に対し、特別給付金を支給すること、等であります。
 なお、本法律案は、障害年金、遺族年金等の額の引き上げ等の実施時期を二カ月繰り上げる内閣修正が行われ、また、衆議院において施行期日の一部について修正が行われております。
 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案は、国民年金法のほか関連する三法律を改正しようとするものであります。
 その主な内容は、第一に、老齢、障害、母子、準母子の各福祉年金の額を引き上げるとともに、福祉年金の支払い期月を改め、いわゆる盆暮れ払いを実施すること、第二に、昭和五十二年度におけるスライドの実施時期を繰り上げて、厚生年金及び船員保険は五十二年六月から、国民年金は同年七月からとすること、第三に、児童扶養手当、特別児童扶養手当、福祉手当の額をそれぞれ引き上げるとともに、これらの手当の支払い期月について福祉年金と同様の改正を行うこと、等であります。
 なお、本法律案は、福祉年金、児童扶養手当等の額の引き上げ及び厚生年金、国民年金等のスライドの実施時期を、それぞれ二カ月繰り上げる内閣修正が行われております。
 委員会におきましては、以上二案を一括議題として慎重に審議を進めましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論はなく、順次採決の結果、二法案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対し、物価の著しい上昇及び国民の生活水準の向上に見合う援護水準の引き上げ、満州開拓青年義勇隊員等の実情調査と処遇の改善、一般戦災者の実態調査の実施等を内容とする附帯決議を、また、国民年金法等の一部を改正する法律案に対しましては、公的年金制度の抜本的な改善、年金受給権に結びつかない者への受給権の確保、五人未満事業所への厚生年金保険の適用等を内容とする附帯決議を、全会一致をもって付することに決しました。
 以上報告いたします。(拍手)
#37
○議長(河野謙三君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#39
○議長(河野謙三君) 日程第八 獣医師法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長橘直治君。
   〔橘直治君登壇、拍手〕
#40
○橘直治君 御報告いたします。
 本法律案は、獣医師の資質をさらに向上させるため、獣医師国家試験の受験資格を、大学院において獣医学の修士の課程を終了した者にまで引き上げようとするものであります。
 委員会において問題となりました主な事項は、獣医学教育のあり方、獣医学部六年制の早期実施、獣医師の待遇改善、教育年限延長に伴う私立大学への助成措置等についてであります。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、五項目の附帯決議を全会一致をもって行いました。
 以上であります。(拍手)
#41
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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