くにさくロゴ
1976/03/16 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第4号
姉妹サイト
 
1976/03/16 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第4号

#1
第080回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第4号
昭和五十二年三月十六日(水曜日)
    午後零時三十五分開議
 出席委員
   委員長 原 健三郎君
   理事 内海 英男君 理事 増田甲子七君
   理事 箕輪  登君 理事 小林  進君
   理事 横路 孝弘君 理事 坂井 弘一君
   理事 大内 啓伍君
      瀬戸山三男君    野田  毅君
      羽田野忠文君    武藤 嘉文君
      保岡 興治君    坂本 恭一君
      鍛冶  清君    鳥居 一雄君
      中野 寛成君    正森 成二君
      加地  和君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 福田  一君
        運 輸 大 臣 田村  元君
 出席政府委員
        法務政務次官  塩崎  潤君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        運輸省航空局長 高橋 寿夫君
 委員外の出席者
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       長崎  寛君
    ―――――――――――――
二月二十五日
 ロッキード事件の徹底解明に関する請願(正森
 成二君紹介)(第八三四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月一日
 ロッキード事件の真相究明に関する陳情書外四
 件(北海道虻田郡虻田町議会議長妻木繁雄外二
 百一名)(第九二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 ロッキード問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○原委員長 これより会議を開きます。
 ロッキード問題に関する件につき調査を進めます。
 去る二月二十四日の委員会における鯨岡委員の質疑に対する法務大臣の答弁に関し、この際、委員長から法務大臣に申し上げます。
 ロッキード問題に関する調査特別委員会の経緯にかんがみ、国会の国政調査権に対し協力してもらいたいと存じますので、これに対する法務大臣の所信を求めます。福田法務大臣。
#3
○福田(一)国務大臣 私は、前回の委員会におきまして、灰色高官について法務省としては今後資料は提出いたさないという意味の発言をいたしましたが、これは取り消しまして、議長裁定の趣旨に沿って、国会の国政調査に対しまして協力いたします。
    ―――――――――――――
#4
○原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本恭一君。
#5
○坂本(恭)委員 いま法務大臣の方から発言がございましたけれども、この間三週間経過をいたしました。大変な問題になって、最終的に、いま読み上げられましたように、国会には協力をいたしますという御発言があったわけです。その点について、これまでの経過がありますから、若干その点についてまず質問を申し上げたいと存じます。
 二月二十四日の当委員会での発言では、まさに今後一切資料は出さないという発言がございました。それから予算委員会に上がっていって、予算委員会ではほかの問題も付加されて、さらに議運の問題にまでなっていきました。特に当委員会で問題になったのは、まさに灰色高官の公表の問題であったろうと思います。そういう点で前国会、選挙がありましたけれども、十一月一日、二日あたりの経過については、これは法務大臣としてはあの行為といいますか、当委員会がとった措置についてはお認めになるわけですね。
#6
○福田(一)国務大臣 いまも坂本さんがお話しになりましたように、公表の問題でございますけれども、あのときも政府として公表をしたわけではない。三木総理もまた稻葉法務大臣も公表をしたわけではございません。まあ、稻葉法務大臣は記者会見等でいろいろのことも言っておりましたけれども、とにかく秘密会に資料として提供をいたします、こういうことを申して資料を提出したわけでございます。その後における委員会の措置については、これは委員会でおやりになることでありますから、政府としてこれに云々することはできないと思いますが、私の申し上げたいことは、政府も希望は申し述べさしていただきたいということを言っておったわけでございます。
#7
○坂本(恭)委員 そうすると、今後いわゆる灰色高官の定義といいますか、範囲といいますか、そういう問題について当委員会でそれなりの決議なり何なりということがあれば、当然、法務省としては、大臣としては、その資料の提出については御異議はないということですね。
#8
○福田(一)国務大臣 私は、議長裁定の御趣旨が、国政調査権に関して刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて十分協力をしてもらいたい、こういうことでございますから、その趣旨で御協力はいたさなければならない、かように考えておるわけであります。
#9
○坂本(恭)委員 議長裁定の趣旨に沿ってというお話ですが、これは主として議長裁定の第四項の問題であろうと思います。そういう意味で、予算委員会の際にも私は申し上げたのですが、いわゆる議長裁定第四項の趣旨というのは刑事訴訟法四十七条ただし書きの趣旨を十分踏まえているんじゃないか。その点については大臣はどうお考えでございますか。
#10
○福田(一)国務大臣 四十七条だけではなくて、立法の趣旨を踏まえてということですから、第一条から全部刑事訴訟法のその精神を踏まえて、こういうふうな裁定があったと心得ております。
#11
○坂本(恭)委員 四十七条ただし書きの問題については、予算委員会の方でもかなり詳細に議論がなされておったと思いますから、深入りはいたしませんけれども、あの議長裁定の四項が設けられたのは、その経過については当時国家公安委員長でおられたわけですから十分御承知だろうと思うのですが、その四十七条ただし書きをどう盛り込むかの問題で、私どもは刑事訴訟法の趣旨というのはもちろんわかりますけれども、その中でもただし書きの問題を当時非常に議論をされた、そしてああいう四項という形で議長裁定の中に盛り込まれたと理解をしているわけですが、いまの法務大臣の発言ですと、まさに刑事訴訟法第一条から全部ということで、四十七条ただし書きはまさにその中のほんの一条のただし書きにすぎない、そういうふうに聞こえるのですが、いかがでございますか。
#12
○福田(一)国務大臣 この問題について、刑事訴訟法の精神を踏まえてということは議長裁定の文言にございますけれども、具体的な問題になってきたときには、御説のとおり、四十七条の問題が一つの、まあこれはいろいろの経緯があって挿入されたと私は存じておりますけれども、一般的にはやはり四十七条を踏まえてやるんだ、こういう趣旨に相なっておると思います。
#13
○坂本(恭)委員 大臣のいまの答弁を聞いて、それで理解をしてしまってもいいのかもしれませんが、もう一歩だけ突っ込ましていただきたいと思うのです。
 四十七条全体としてお考えになるのはいいです。しかし、その経過というのを踏まえて考えれば、灰色高官の問題というのはただし書きの運用の問題だろうと思うのです。そういう意味で、四十七条ただし書きを踏まえて、これから法務大臣としてはいろいろな資料の提供等についてしていただけるのかどうか、その辺をちょっと確めておきたいと思います。
#14
○福田(一)国務大臣 私は、四十七条の法文の解釈の場合に、それはあなたもよくおわかりと思うけれども、条文の本文の方を差しおいてただし書きだけ適用するという考え方はいかがかと思います。やはり四十七条の精神を踏まえてやる。四十七条の精神を踏まえてやりますけれども、しかし、その四十七条にはいま仰せになったようなただし書きがございます。この精神をやはり理解して処理をしなければならない、かように考えておるわけであります。
#15
○坂本(恭)委員 四十七条ただし書きの方に重点を置いて私どもは理解をしているし、そういうことで申し上げているのですが、二月二十四日以降の予算委員会で戒告決議というので終わっているわけですが、その間の大臣の発言を聞いていると、四十七条を理解する場合にも、むしろ本文の方が頭の中に大部分あって、ただし書きの方はどうも余り出てこないんじゃないかという危惧を私は抱いているわけです。そういう意味でお尋ねをしているので、もう一度答弁をお願いします。
#16
○福田(一)国務大臣 四十七条全体を踏まえておりますから、もちろんただし書きもそれは十分に考えていかなければなりません。
#17
○坂本(恭)委員 それでは、これから証人喚問等も行われますし、当然灰色高官の問題についても前回片づいていない問題もあるわけですから、これからそういう問題について当委員会でいろいろ論議もなされ、あるいは決議もなされるだろうと思いますが、ぜひただし書きの運用を含めて協力を願いたい、お願いを申し上げておきます。
 ところで、この報告書の件ですが、三週間前に当委員会で報告がなされて大分日がたったのですが、若干この報告書についてお尋ねをしたいと思います。
 いま申し上げましたように、法務大臣のこのロッキード事件に対する考え方というのが、この報告書を作成した時点とその後現時点で、予算委員会等その経過を含めた上でのお考えが多少は変わってきているのじゃないかと思うのですね。そうなると、報告書の中身も本来なら変わってこなければならないのじゃないかと思うのですが、この報告書を変えてもう一度報告をなさるというような御意思はありませんか。
#18
○福田(一)国務大臣 一月二十一日に小佐野、児玉の関係においてまた公訴を提起いたしましたが、その段階といまとで何か私の考え方に変わったことがあるかといえば、何も変わったこともございませんし、特別その後新しい事情もございません。たとえば両人の病気がどうなっておるかというような問題についても、まだ十分取り調べをするような段階ではないように聞いておりますし、それから、捜査本部を解かないようにということにいたしましてあるわけは、三月中には、何かSECにロッキードの会社自体が調査をした内容を提出する、こういうこともありまして、その場合にはこれが公表されるのではないか、公表された内容のうちに新しい事実がございますればまたこれは捜査をなさなければならないということもありますし、そういうことを踏まえておるわけでありまして、特別その後の経過において私としては変わった考え方を持っておるわけではございません。
#19
○坂本(恭)委員 私はそういう趣旨でお尋ねをしたのではないのです。えらい簡単な、これは法務大臣の報告ではなくて、まさに捜査本部の簡単な報告書みたいな形にしか私どもには思えないのです。ですから、政治的道義的な責任云々ということで当委員会というものが設けられているはずですから、当然その辺のことも含めて報告というのはなされるべきではないかと思うわけです。その点についてはこの報告書は全然触れられておりませんですね。これをつくられたときは、例の灰色高官公表などけしからぬと大臣はお考えであったわけですから、こういうふうになったのかもしれませんけれども、いまはそうじゃなくて、いまここで最初に申されたように、国会に協力をいたしますという考え方に変わったわけですから、現時点でもう一度この報告を、もっと政治的なあるいは道義的な問題も含めたいわば政治報告的なものをお出しになる気がありませんかということなのです。
#20
○福田(一)国務大臣 政治的道義的の問題をということでございますが、これは三木さんも、昨年の十一月の委員会においても申し述べられておりますように、それは政府として公表すべきというか、申し上げることは、全部の捜査が終わった段階でなければいたしかねるということをしばしば申しておられたと思うのであります。いまこの段階において考えてみまして、報告が少し少な過ぎるじゃないか、少量に過ぎる、もっと詳細であるべきだというお話ですけれども、丸紅と全日空との関係については前回の稻葉法相の報告でかなり詳しく報告をされたわけであります。残っておるのは小佐野、児玉の両氏の関係でありますが、この方はとにかく病気でもって取り調べがなかなか進まないという段階でございまして、特に捜査をしてその間に、あの後の中間報告があった後においてそれほどの捜査の進展を見ておらないわけであります。したがって、中間報告をするにいたしましてもそれほど詳しく申し上げる資料がないというか、それだけの取り調べの材料がないというわけで、皆さまははなはだ意に満たぬとお思いになるかもしれませんが、われわれとしては中間報告としてはあの程度しか御報告を申し上げることができないと考えておるのでありまして、いまの段階におきましてもあれ以上に敷衍をして申し上げることははなはだ困難であると思っております。
#21
○坂本(恭)委員 そうすると、この報告書はあくまで中間報告であるということになるわけですか。
#22
○福田(一)国務大臣 お説のとおりでございます。
#23
○坂本(恭)委員 中間報告であれば、いずれ最終的な報告というものが行われることになるんだろうと思いますけれども、この中身を見ていきますと、どうも最終的な報告書みたいな形に読み取れるわけですね。先ほどもお話がありましたように、捜査本部は残してありますという言葉はもちろんこの中にも書かれています。しかし、捜査本部を存続しても、今後新たな何らかの動きがない限りはもうこれで終わってしまうのじゃないか、そういうふうに読めるわけですが、その点についてはいかがでしょうか。
#24
○福田(一)国務大臣 捜査のことでございますから、新しい事実が出れば当然捜査をしなければなりません。そうすればまたそこに御報告をなさなければならないことが起きると思いますが、それは必然性の問題ではなくて蓋然性の問題と言わなければなりません。そうなると、いまの段階においては御報告申し上げた程度であるが、将来また新しい事態が起きますればまた御報告を追加するというか、最終段階になればまたこれは政治的に、三木さんが最終報告の場合にはそういう問題も含めて報告をしたいと言うておられる、福田内閣はロッキード問題については三木内閣のその方針を踏襲するということを組閣以来言っておるのでありますから、私は当然いたさなければならないかと思っております。
#25
○坂本(恭)委員 いまのお答弁を聞いても、何か新たな問題が出てくれば追加報告をするということですね。それでは、それがなければ、もうこの報告で終わってしまうという趣旨ですか。
#26
○福田(一)国務大臣 この報告で終わってしまうというところへ重点を置いていきますと、これはもうこれでやめてしまうのじゃないか、こうおっしゃることになるので、われわれとしてはそういう気持ちではないので、これはあくまでも中間報告であって、新しい事態が起きればまた御報告をしなければならない、こう考えておるわけでございます。
#27
○坂本(恭)委員 そうすると、先ほどの答弁の中にありましたけれども、いわゆる政治的な意味も含めた最終的な報告というのは、いまのところ、いつごろとか何だとかということは言えないのですか。
#28
○福田(一)国務大臣 いまのところ、申し上げることは困難でございます。
#29
○坂本(恭)委員 報告書の中身についてちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、現時点での児玉、小佐野の病状といいますか、病気の程度はどの程度なんでしょうか。
#30
○安原政府委員 簡単に結論から申しますと、児玉譽士夫についてはやや好転の兆しがある、小佐野賢治については変わりがないということに尽きるわけですが、さらに詳しく申し上げますと、検察当局といたしましては、児玉の病状につきましては主治医でございます東京女子医大の喜多村教授から、小佐野の病状についてはやはり主治医である山口三郎医師と順天堂大学の教授である北村和夫医師から報告を徴しておりますほかに、さらに念を入れるために東京慈恵会医科大学の上田教授らにこの児玉、小佐野両名の病状について診断を依頼したのでございますが、その診断の結果は一致をしておるのでございまして、その結果によりますと、児玉の病名は脳血栓による脳梗塞後遺症であり、現在病状は従前に比して好転してきているとのことでございますし、一方、小佐野の病名は高血圧症及び狭心症を伴う高血圧性心疾患であり、高血圧及び狭心症の発作が発生する恐れのある状態が続いておるという報告を受けております。
#31
○坂本(恭)委員 いまの診断の日にちはいつなんですか。
#32
○安原政府委員 児玉につきましては二月十日でございます。それから小佐野につきましては一月十四日でございます。
#33
○坂本(恭)委員 いまの時期からすると、一月十四日と言えばもう二カ月前になります、二月十日と言えば一カ月以上前。かなり前のあれなんですが、現時点というのはおわかりにならないわけなんですか。
#34
○安原政府委員 報告は受けておりませんが、検察当局としては関心を持っておるはずでございますので、顕著な変化があれば報告があるはずだと思っております。
#35
○坂本(恭)委員 そうすると、法務当局としては、起訴は一月中にされたのですが、公判の見通しというのはどの辺に置いておられるのですか。
#36
○安原政府委員 児玉譽士夫につきましては、再三延期がありまして、ただいまのところ六月二日が第一回公判、小佐野についてはまだ期日の指定がございません。
#37
○坂本(恭)委員 この報告書の中で、これは五ページの後ろの方に「留保状況及び使途関係につき、一部不明な点があるものの、相当程度の解明をしており、その内容は、同人に対する所得税法違反及び外為法違反被告事件の公判において逐次明らかに」なるというふうに書かれているわけですね。これが、公判がいつ開かれるかわからない。使途関係、留保状況については、いつ開かれるかわからないその公判の中で明らかになる。至って無責任な報告ではないかと思うのですが、いかがですか。
#38
○安原政府委員 無責任と申しますよりも、本人の病状で公判が延期されておる結果のやむを得ざる事態でございまして、公判が開始されないと確定したわけでもございませんので、私どもといたしましては、やはりこのような事柄は公判廷において明らかにしていくことだとかたく信じておる次第でございます。
#39
○坂本(恭)委員 いずれ公判が開かれる、その中で明らかにされますというのは、当委員会に対する、国会に対する報告としてはいささか無責任じゃないかと私は考えるわけですが、大臣、その点についていかがですか。
#40
○福田(一)国務大臣 私は病気のために公判が開かれないというのは不可抗力といいますか、やむを得ないことだと思います。開かれた段階においてそれは明らかにされると言っておる刑事局長の申し上げておるとおりではないかと思っております。
#41
○坂本(恭)委員 留保状況あるいは使途関係について報告書ということになれば、ある程度事実がわかるような報告をすべきではないかと思うわけです。それを全部不可抗力――病気というのはまさに不可抗力でして、まあいつ開かれるか、小佐野についてはまだ第一回公判期日の指定もできないというような状況の中で、その中身一切、それは公判が開かれなければ外に出すわけにはいかぬのだというのは無責任じゃないかというふうに考えておるのですが、法務大臣はどうお考えですか。
#42
○福田(一)国務大臣 私は、罪を裁くとかあるいは追及するとかというような立場に置かれる法務省の立場としては、公判が開かれない前に何らかの問題を提起することは、被告人に便宜を与える形も起きるかもしれませんし、いろいろの意味で支障が起きるかもしれません。これは、私は専門家じゃございませんから、そういうような印象を受けるのでありまして、法務省がとっておる態度でよろしいかと考えております。
#43
○坂本(恭)委員 使途関係あるいは留保状況について一つずつお尋ねをしていけば、それに対して答えられるのか答えられないのかということがわかるのかもしれませんけれども、きょうは時間的にもそういう余裕はなさそうですから、いずれその点は改めてやりたいと思います。
 それで、捜査本部を存続させているということですが、いまの体制はどういうことですか。
#44
○安原政府委員 検察官五名、それから事務官十二名でございます。
 なお、先ほどの坂本委員のお尋ねで、児玉の十七億の使途、留保状況については相当程度解明しておるということで、詳しいことは、やはりこれは所得税法違反につきましては御案内の損益計算あるいは財産計算という意味において非常に密接な関連を有する事柄でございまして、単なる病状の問題ではございませんわけでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思いますとともに、いままでわかっておる使途の中からは、最も御関心の深いであろう国会議員との絡みにおきまして金銭が渡されたという事実は認められないということは、先般参議院のロッキード委員会でも申し上げたことでございまして、その点はつけ加えさせていただきたいと思います。
#45
○坂本(恭)委員 先ほどの大臣のお話の中にあったのですが、証券取引委員会に、ロッキード社の社外重役が調査委員会をつくっておってその報告書が、三月中という表現を使われたと思いますが、前の話ですと三月中ごろというようなことを私ども聞いておるのですが、そういう報告書が出されたかどうか、確認をされておりますか。
#46
○安原政府委員 外務省を通じての情報によりますると、まず最初に、ロッキード社に設けられた特別調査委員会から米国の証券取引委員会に対して行われる調査結果の報告書の取り扱いは、同委員会において決定されることと考えまするけれども、おおむね公表されるものというふうに理解しておりまするが、この報告書はまずロッキード社の中に設けられている先ほどの特別調査委員会からロッキード社の役員会に本年三月三十一日までに提出される、その後一カ月間くらいのうちにロッキード社から証券取引委員会に提出されるということでございますので、いまの計算でいきますと、報告書が公開されますのは、今後何らか予定の変更のない限りは五月一日以降ということになると思います。
#47
○坂本(恭)委員 その中身の大部分が公表されるということになればそれは当然こちらにわかるわけですが、公表されない部分も恐らくあるだろうと思います。そういう点については、法務省としてはそれを入手するような予備的な折衝なり何なりというのは現在はやっておるのですかおられないのですか。
#48
○安原政府委員 恐らく私どもの推測では全部公表されるのではないかと思っておりまするが、仮に公表されない部分に、先ほど大臣の申されました、今後ロッキード事件の究明の上で必要なものがあるという判断でございますれば、これは御案内の司法取り決めによりまして、秘密の取り扱いのもとにこれを要求しこれの提供を受ける協定がございまするから、当然それが適用になって入手できるものと考えております。
#49
○坂本(恭)委員 終わります。
#50
○原委員長 次は、横路孝弘君。
#51
○横路委員 児玉に対する問題なんですが、金員の支払いが十七億円ということですが、この十七億円の中にはいわゆる児玉から小佐野に対して工作費として五億円というようなことが言われているわけですが、十七億の中にその五億円というのは含まれているのですか、含まれていないのですか。
#52
○安原政府委員 いま御指摘のようなことが言われておるわけでございまするが、今日までの捜査の結果によりますると、十七億円の中から小佐野賢治に五億円何がしが渡されたという事実は認定しておりません。
#53
○横路委員 紛失した小切手五億円と言われているものがありますね。これは十七億円の中に入っているのですか。
#54
○安原政府委員 十七億の中に盗難小切手の五億円は入っておりません。その見返りとしてその後為替相場の変動で四億四千というのが来た、それが入っております。
#55
○横路委員 この報告によりますと、十七億円の使途はほぼ解明されたということですけれども、児玉から先、第三者に流れているお金というのは、この十七億円のうちにあるのですかないのですか。
#56
○安原政府委員 横路委員御案内のとおり、この五ページのところに「児玉に流入した約十七億円に関しては、その留保状況及び使途関係につき、一部不明な点があるものの、」とございまして、使途関係についてもわかっておるということは、使途と言えばやはり第三者に渡っておるということでございます。
#57
○横路委員 その第三者に渡った、それはいわゆる売り込みの工作と関係があるのですかないのですか。
#58
○安原政府委員 それは先ほどから坂本委員にお願いしておりますように、公判廷で明らかにしたいことの事柄の一つでございますので、ひとつしばらく御猶予を願いたいと思います。
#59
○横路委員 この報告の最大の不満、われわれから言うと不満な点は、児玉に十七億の金が流れた、しかしその十七億が一体トライスター売り込みのいわゆる工作、児玉自身の何らかの工作とかかわり合いが普通常識的にあるだろうと考えるわけだけれども、それが全く出ていないということですね。児玉がどういう工作をしたかということがこの報告の中に全く出ていないという点が、この報告書の非常に弱い点というか、問題な点なわけです。
 そこでちょっとお尋ねしたいのですが、十七億のお金をもらって何もしなかったというのはこれは考えられないので、やはり売り込みのための工作は児玉はやったんでしょう。
#60
○安原政府委員 その使途の趣旨ということは公判廷で立証したいということでございまして、ただ、先ほど来申し上げておりますように、いま御関心の深いその十七億の中に小佐野に行った五億が入っているかとお聞きのことにつきましては、五億が入っているという報告は受けていない、現在のところではその点はわかっていないということを申し上げ、かつ、使途関係で第三者に行っておるものがあるということを申し上げるとともに、その使途関係の中に政治家に渡されたものがあるという認定は、捜査の結果の報告は受けていないという、ややネガティブなことばかりで恐縮でございますが、ある程度申し上げたことでもって御了承いただきたい、かように思います。
#61
○横路委員 それでは国民はわけがわからぬですよ。十七億という大きなお金が動いて、児玉が何をやったのかというのはさっぱりわからない。この報告に一切出てこないわけでしょう。そこのところ、たとえば大韓航空に対する売り込みなんというのは、これは契約書がありますね。この辺のところは皆さんの方で調べられたのですか、この大韓航空に対する売り込みというのは。児玉がどういう動きをしたのかというようなことは、いかがですか。
#62
○安原政府委員 国民が知りたがっているということのために私は最大限に申し上げているつもりなんでございますが、御満足いただけないのははなはだ遺憾でございますけれども、やはりこれは公判廷という場において明らかにして国民にも知らせていくということで、来るべき冒頭陳述等にひとつ御期待、と言えばおかしいですが、ごらんいただきたい、かように思いますとともに、大韓航空その他、少なくとも児玉の十七億、これだけの巨額の金が彼に入っているということの趣旨というものは十分に検察当局としては捜査したはずでございます。
#63
○横路委員 国会としては、このロッキード事件の中で一番大きな問題というのは、やはりこの児玉譽士夫みたいな男が登場してきて、これが日本の政界や経済界の中にどうしてこう大きな力を持っているのかという点が非常に大きな点なわけです。そこをやはり解明して、問題点がどこにあるのかということがこの委員会の非常に大きな任務なんでありまして、それを、十七億という金は行っている、しかし児玉が何をやったかは一切報告できませんというのでは、これはちょっと大きい問題があると思うのですね。
 ちょっと具体的に聞いていきますが、たとえば大庭オプションの問題について、コーチャンがその回想録、いわゆる朝日から出ている「ロッキード売り込み作戦」というのがありますね。これは実は冒頭陳述を読んでみて、冒頭陳述とこの「売り込み作戦」ですか、コーチャンのいわば証言の内容というのが非常に重要な点において一致をしているということ、重要な点ばかりじゃない、細かい点についても一致をしているということで、これの内容の信憑性というのは相当高いものじゃないかなということを、照らし合わせながら読んで感じたわけであります。
 この中でコーチャンが、DC10の三機がアメリカで発注をされてつくられている、注文主が不明だというので調べてみたところ日本だ、しかもそれは三井物産であるということが六九年の十一月ころに判明をして、児玉譽士夫に連絡をして調べてもらった、その結果、全日空の最高首脳部で何か疑惑ありげなことが確かに進行中だ、さらに詳しく調べるということを児玉譽士夫はコーチャンに対して約束をした、その後七〇年の春、いわゆる金融事件に巻き込まれたということで大庭当時の全日空社長がやめたということを聞いて、その直後に契約料値上げの要求が児玉譽士夫からコーチャンの方に来たというのが、このコーチャンの証言の中に明らかになっているわけですね。すると、いままでの報告の中で、一体そのいわゆるDC10に対するオプションの問題、全日空の大庭社長がなぜやめたのか、その間のさまざまな動きというものは検察庁もずいぶんいろんな人を呼んで調べているわけです。これは明らかにされているわけですね。そうすると、この辺のところあたりで、つまり児玉による工作というのはやはりあったのかどうなのか、この辺のところは非常に大きな問題じゃないかというように思うわけです。国会でも何人か人を呼んで証言を求めたわけですけれども、このオプションの関係について児玉の工作というのはあったのかなかったのか、あったとすればどういう程度なのか。これは皆さんの方が冒陳で明らかにするということですけれども、そのことと直接関係なく、つまり金の動きと関係なく、児玉譽士夫が果たして動いたのか動かないのかという、お金と関係ない行動についてひとつ御答弁いただきたい。
#64
○安原政府委員 児玉の十七億の使途を究明するという意味においてあらゆる点から情報等を得て捜査をしたと思いまするけれども、犯罪の容疑の認められるものにつきましてはすでに公訴を提起することによって天下に明らかにしておりますが、それ以外のことにつきましては、捜査の内容にわたることでございまして、冒頭陳述あるいは公判における立証ということでもって国民の皆様にお知らせするということで、ひとつ御勘弁を願いたいと思います。
#65
○横路委員 国会の方は捜査そのものでなくて、先ほどお話ししたように、今後二度とこういうことが行われないように、たとえば、そのためには、この問題で言いますと、全日空における大庭さんがやめたときの株主総会と児玉譽士夫との関係はどういうようなものなんだろうか、いま総会屋と言われるような実態というのはどうなっているのかとか、いろいろな問題があるわけですよ。だから、この辺のところをもし知っているならば、報告を受けているならば、これは国会でもずいぶん問題になった点でもありますから、ぜひここで明らかにしていただきたい。報告を受けてなくて知らないというなら仕方がないわけですけれども、この辺のところはかなり国会でも議論された点でありますし、皆さんの方も相当関心を持っておった点ではないか。しかも児玉譽士夫とロッキード社とのいわゆるトライスター売り込み契約からいきますと、この辺のところはまさに契約初期の段階なわけでありまして、この辺からやはり何らかの工作があったというように考えるのが常識的ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#66
○安原政府委員 重ね重ね同じことを申し上げて恐縮でございますが、いま御指摘のようなことも当然に捜査したはずでございますが、報告は受けておりません。
#67
○横路委員 それは明らかになったところで今後の公判に差しさわりがあるというようなことではありませんので、ひとつ問い合わせをしてみて、大庭オプションに関連する児玉譽士夫のいわゆる工作と言われるような、全日空の大庭さんがやめる経過について、これは裁判と特に関係がないでしょう、調べて御報告いただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#68
○安原政府委員 先ほど来大臣が申しておられますように、刑事訴訟法の趣旨、特に四十七条の本文及びただし書きの趣旨に従って最大限の御協力を申し上げるという観点から、いまの点を捜査当局とも協議をいたしまして、最大限出し得るもの、つまり本文で妨げられる、公判へあるいは人権へあるいは捜査への影響がないかどうかを勘案いたしまして、善処いたしたいと考えております。
#69
○横路委員 生の資料と言ってもそれは無理かもしれませんから、その辺のところをまとめてどういうことだったのか、ずっと経過というものをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
 もう一つ、コーチャンの回想録なんですけれども、ちょっとその前に、刑事局長はこれをお読みになりましたか、この朝日新聞社のものは。
#70
○安原政府委員 朝日新聞のあの記事は読みました。回想録も買いました。しかし、大体同じことであったように思っております。
#71
○横路委員 いや、いまの御答弁、非常に大事なんで、つまり、ここに書いてあることが冒頭陳述とほぼ事実について一緒ですね。このコーチャンの回想録、これはもう何月何日というところまで細かく書いていますけれども、たとえば八月二十二日の行動なんというのは、冒陳における丸紅関係そのほかの行動とこの本の中に書かれている行動、登場人物も、これはほぼ一致していますね。
#72
○安原政府委員 冒頭陳述とコーチャン回想録と一致している個所が、私の見ただけで八カ所ございます。
#73
○横路委員 それは、これをそのまま冒頭陳述にしたわけじゃありませんから、これは全体的な売り込み状況になっていますから、この程度詳しく冒頭陳述をやってもらうとより明確になるわけですけれども、大筋において変わってないわけですよ。もちろん出ていない事実がある。つまり一致しているということが実は重要なんでありまして、皆さんの方が冒頭陳述で取り上げていない、あるいは取り調べの中で一体調べたかどうか、つまり落ちているところの方が問題なわけです。
 そこで、もうちょっと議論しますと、コーチャンによると、昭和四十七年の六月に大阪の騒音問題で児玉譽士夫が笹川良一氏を紹介したというのがありますけれども、これは皆さんの方で確かめられておるでしょうか。笹川良一氏は一体児玉に頼まれて何をやったのでしょうか。
#74
○安原政府委員 コーチャン回想録は重要な情報資料でございますので、当然関心を持ったと思いまするけれども、現実に報告は受けておりません。
#75
○横路委員 その大阪の騒音問題というのも、運輸大臣おられますけれども、大阪空港の問題というのは今日でも非常に大きな問題になっているわけです。したがって、これも先ほどのオプションの話と同じように、いままで起訴を提起された事実そのものとは余り関係がありませんから、ひとつ検察当局の方で調べられて、もしここに何らかの工作があったということになりますと、これはまた別の意味で問題が大きいわけでありますが、それも御協力願うということでよろしいでしょうか。
#76
○安原政府委員 それは、そういうものはわかっておることとして御協力をするかどうかを検討させていただきたいと思いまするが、横路委員あるいは国会の国政調査と違いまして、犯罪の容疑がある、その容疑の有無を確かめるというのが捜査の本質でございまして、それ以外に一々捜査権を発動すべきではないということからいいまして、まあ御期待は御期待でありがたいのでございまするが、万能でもございませんので、わからぬこともあることもひとつ御了承願いたいと思います。
#77
○横路委員 次に、小佐野賢治の起訴状なんですけれども、四十八年の十一月の初旬ごろ、ロサンゼルス空港でコーチャンの指示を受けたクラッターからロッキード社の児玉に対する支払い金員の一部の二十万ドルを受け取ったということになっていますね。これはちょっと公訴事実の内容になりますから微妙な点はございますけれども、この「児玉に対する支払い金員の一部」というのは、いわゆる昭和四十七年の八月二十二日に児玉がコーチャンに要求した五億円の一部がここで支払われたんだということなんでしょうか。
#78
○安原政府委員 そういうことはこれから小佐野の偽証の事件の公判の過程で、冒頭陳述等で申し上げることでございますので、しばらくお待ちを願いたいと思います。
#79
○横路委員 それは公訴事実の内容に関連しますから――ただ、この金は国内に持ち込まれたのですか、そのままアメリカで使われちゃったのですか。(小林(進)委員「それくらいのことはわかっているんだろう、何にも言わないんじゃ困っちゃうな」と呼ぶ)
#80
○安原政府委員 小林委員からのお声が気にかかるわけでございますが、やはりこれは公訴事実の中の一部の重要な事柄でございますので、これまたしばらくお待ちを願いたいと思います。
#81
○横路委員 ただ、この点に関しては、何かアメリカの方でもFBIが捜査を始めたというニュースもございますけれども、そういう報告は法務省の方では聞いておられますか。
#82
○安原政府委員 聞いておりません。
#83
○横路委員 このコーチャンの回想録によりますと、昭和四十七年の十月五日に、日本航空がトライスターで、全日空がDC10だという、この本の中では陰謀といっておりますけれども、それが発覚して、これをつぶすための工作が行われた。そこで中曽根康弘自民党代議士が出てくるわけですけれども、こういうようないろいろな一連の動きの中で、一時、日本航空がトライスター、全日空がDC10ということに決められかかったという事実はあるのですか。
#84
○安原政府委員 冒陳には出てない事柄でございますとともに、確かにコーチャン回想録につきましてはいろいろ関心を持って捜査をしたと思いまするが、捜査の内容については、まだすべてが終わっていないという大臣の御言明もございまするから、いま申し上げることは、特にだれを調べたとかいうようなことを含めて申し上げるわけにはまいりません。
#85
○横路委員 どうも先回りして答弁されちゃったのですけれども、疑いを持ったということになると、これもいわばトライスター売り込みの最後の段階におけるきわめて重要な工作ですね。私たちがロッキード事件が発覚した直後考えておったのは、やはりかなり早い段階からこのトライスターという方向に沿ったことでいろいろな行政指導その他が行われたのじゃないかという感じを持ちながらずっと質疑をして、調査もやってきたわけです。冒頭陣述では、これは四十七年のぎりぎりの段階でお金が動いて決まったということになっているわけですが、この児玉譽士夫の工作の中で中曽根代議士が出てくるわけですけれども、これはあれですか、これが事実であるならば、十七億円というお金といい、重要な意味を持ってくるわけなんですが、これはもちろん本人にその有無について確かめることはされたんでしょうね。
#86
○安原政府委員 同じ答えで恐縮でございますが、この十七億の使途につきましてはまさに関心を持って捜査をしたわけでありまして、必要なことはすべてやったと思いまするが、だれを調べたかということはお答えいたしかねます。
#87
○横路委員 いままで調べた国会議員の総数というのは明らかにできますか。
#88
○安原政府委員 遅くなりまして申しわけありません。十七名でございます。
#89
○横路委員 十七名ですか。それは被疑者と参考人と両方入っているのですか。参考人だけの数ですか。
#90
○安原政府委員 両方、合計でございます。
#91
○横路委員 その十七名というのは、つまり逮捕して調べた人も入っているのですか、任意捜査の人だけが十七名なんですか。
#92
○安原政府委員 強制捜査の対象になった方も入っております。
#93
○横路委員 しかし、この問題について具体的には答弁できない、こういうことですな。具体的に答弁できないというのは、国会で、きょうの理事会で、中曽根自民党代議士をこの委員会に呼んで証人喚問しようという提案が五野党そろって出されたわけなんですけれども、たとえば証人喚問する場合に、皆さんの方でお持ちになっている関連する資料みたいなものをあらかじめ事前に出してもらって、国会の証人喚問に協力してもらうというような方法もあるわけですね。そこでちょっとお尋ねしているわけですが、これは調べたかどうかということのその有無についてはっきりさせることはやはりまずいですか。
#94
○安原政府委員 どういう資料をというようなことも含めまして、ケース・バイ・ケースで証人喚問の目的等に照らして、まさに四十七条の趣旨にかんがみて最大限の協力を申し上げたい、抽象的でございますが、やはりこれはケース・バイ・ケースの問題だと思います。
#95
○横路委員 いや、その場合、こっちの方は中曽根さんがいろいろと調べられているのかどうなのかということによって、それに関連する何か書類があるのかないのかということになるわけなんで、つまり、調べられたかどうなのかというその有無について明らかにすることはできないのですか、こういうことを言っているのです。
#96
○安原政府委員 そのこともその段階になりました時点で、どういう方法でいわゆる国会にお知らせするかを含めまして、方法等も含めて一遍具体的に検討させていただきたいと思います。
#97
○横路委員 ちょっと資料の話が出ましたから、これはこの前の鯨岡代議士の質問とも関連するのですけれども、昭和五十一年十一月四日、この日はこの委員会でいわゆる灰色高官として公表された人たちの弁明が行われたときです。その弁明の中で二階堂進代議士がこういう発言をしています。自分はともかく真っ白だ、ないということの証明は悪魔の証明で不可能じゃないか、どうしてくれるんだ、こういうことを言っておられるわけです。そこで、ロッキード社の航空機売り込みに関して金銭を受け取ったと言うならば、いつ、だれから金銭を受け取ったというのか、法務省当局は全資料を直ちに公開すべきだ、私に金銭を渡したという者がいるなら、いつでも対決をする用意がある、金銭を受け取ったということを公表した以上、政府は当然資料を公開しなければ片手落ちで、その義務がある、もし私の利益のために資料の公開をしないと言うならば、私は自分に与えられている権利を放棄するから、即刻一切の資料を公開していただきたい、こういうことを言っておられるわけですし、御本人も過日の衆議院総選挙の中で自分は国会に呼ばれたらいつでも出て証言する用意があるということを選挙民に公約され、また当選されて出てきているわけであります。四十七条のただし書きとの関連において、これは刑事訴訟法そのものというのは、真実を発見するとか、人権を守るとか、公益を守るとか、いろいろな要素があるわけですけれども、国会が議決をすることは公益性が一つはあるということに判断の比重が非常にそちらにいくということで、そうなると、本人自身が、自分の権利を放棄するから提出してみんなで判断してくれ、こういうことを言っているというのは、皆さんの方が出すに当たっては非常に大きな参考になるのではないか。法務大臣、四十七条本文、本文とおっしゃるけれども、その本文とおっしゃるのは、いままでは基本的人権が問題なんだ、こういうお話だったわけですね。だから、本人が放棄すると言っているのだから後は国会の方で一まあ本人が放棄すると言っている、だからというわけではなくて、国会の方でなおかつ、ではそれは提出してもらおうということになれば、まさに四十七条ただし書きにこれが該当せずしてほかに該当するものはないだろうと思うでのありますが、法務大臣、どうですか。
#98
○安原政府委員 横路委員は御専門ですから、これは釈迦に説法でございますが、四十七条本文が守ろうとする法益は、人権もございますが、そのほかに公判への影響、捜査への影響ということもございまして、法益は数種複合しておるわけでございまして、その意味におきまして、二階堂氏が何と言われたにいたしましても、とにかくこの三十ユニット関係というものの証拠関係は密接不可分で可分にはできない証拠関係になっておるものございますから、現に公判係属中の橋本、佐藤両被告人の公判事件の立証にいずれ使われるであろうという書類の内容を明らかにすることは、公判に対する影響という四十七条本文の法益からいって、国政調査もとより尊重すべきでありますが、書類の保管者である検察当局といたしましては、やはり司法の利益ということを考えますと、いかに御本人が出してもらってもいいと言われても、直ちに出すわけにはまいりません。
#99
○横路委員 直ちにではないけれども、その判断としては非常に比重は高くなるわけでしょう、本人が放棄すると言っているのですから。
#100
○安原政府委員 公判においてこれが提出されれば公になるわけでございますから、いまや四十七条本文のことを特に考えることもない事態になりますとともに、ただいま御指摘のように、人権を守るということも四十七条の趣旨とすれば、人権の主体であります取り調べを受けたとされる人が、あらぬ疑いを受けたとされる人が、その利益を放棄すると言われるならば、それはその判断をする上においての具体的な資料として考慮すべき事情であることは間違いないと思います。
#101
○横路委員 後は国会、そこから先は委員会の方の問題ですから、本人が出てくるということになった場合に、事前にそういう資料を出してもらって検討してからやるのが真相解明のためには一番いいのじゃないかと思うわけです。しかも、出し方だって、いろいろな部分があるのでしょうし、供述調書というのはずうっと続いているわけでもないのでしょうから、そこの部分だけ出すとか、これはいろいろな工夫もあるだろうと思いますから、それはそれで国会の方にひとつ任せてもらって、あとは先ほどの法務大臣答弁の趣旨に従った御協力をひとつお願いしておきたいと思います。
 そこで冒陳を読んでいてあるいはいままでの公判の推移の中で、これは私たちも委員会の中で非常に大きな疑問を持ってきたのですが、三井物産も大分政治工作はやっていたようですね、DC10の売り込みに関して。そこで、最終的に決まったのは十月二十四日の田中・若狭会談なわけですけれども、この田中・若狭会談のすぐ後に田中・若杉三井物産当時の社長との会談が行われているわけです。そして三井物産はあえて相当な損害をしてしまったわけですけれども、その後の状況を見ると、日本航空がDC10を購入する、東亜国内がDC9を購入するというのが四十八年の一月、二月という段階で、ダグラスの方の飛行機の売り込みが成功するわけです。つまり損害をそこで取り戻しているわけですね。この辺のところは、その事前からの政治工作にかんがみて、どうも三井物産、きれいなことばかり言っておりますけれども、いろいろやはりあったのじゃないかという疑いを私たち国会の委員会の中でも、これは昨年の八月十九日に私なんかも議論をしているわけですけれども、この辺のところは、これはいかがだったのですか。それともこれは検察庁にとってはいわば自分たちの方の証人ですから、そのためにいろいろな配慮があったのかもしれませんが、ひとつその辺の経過はどうなっているのか。特にこの田中・若杉会談、十月二十四日のこの肝心かなめの日の会談というのはどういうことだったのか。解明されているのかいないのか。今後の公判の中でその辺は明らかにされるのかどうか。
#102
○安原政府委員 冒陳の中で、三井物産から田中元総理に陳情があったということを明らかにしておるわけでありますから、そういう陳情があった事実は証拠をもって立証できるはずでございますが、いま横路委員の御推察の、三井物産にも同じようなことがあったのではないかという点については、恐らく検察当局として丸紅だけを憎しとしてやったわけではございませんので、三井物産にもそういう疑いがあれば当然捜査したと思いますけれども、少なくとも三井物産についてそのような犯罪の容疑を見出さなかったものであろうと思います。
#103
○横路委員 もう一つ、これは予算委員会の方でも議論されたのですけれども、ハワイ会談の経過。
 話はちょっと戻りますが、日米の捜査資料の取り決めの中では、日本側の捜査資料もアメリカに送っているわけですね。交換しているわけでしょう。そのアメリカ側に送っているというのは、どの範囲の部分を送っているのでしょうか。
#104
○安原政府委員 交換はしております。しかし、この取り決めをごらんになれば一見明白のように、どんなものを渡したかはお互いに秘密になっておりますので、それ以上申し上げるわけにはまいりません。
#105
○横路委員 つまり、この冒陳の方の状況を見ると、ハワイのトップ会談のところで話が出たということでしょう。そうすると、アメリカ側だって非常にそこのところは関心があるのじゃないですか。つまり、ニクソン大統領についてどういうお金の動きになっているかよくわかりませんけれども……。
#106
○安原政府委員 横路委員にはまさに御理解いただけることでございますが、要するに、たびたび申し上げておりますように、田中元総理がどう働きかけたかということは、どういうことを言ったかということが問題なんで、その言った中身が本当であるかどうかはいわば検察にとってはどうしても立証しなければならぬ、事実を確定しなければならない必要な事項ではない。そういう意味においては立証上は必要条件ではないということでございます。どう言ったか、だからニクソン会談でそのことの話があったかどうかという真否は直接には犯罪の立証には必要がないということでございまして、これも先回って恐縮でございますが、検察当局はその真否を確かめるような捜査はいたしておりません。
#107
○横路委員 しかし、それは情状にはかなり関係があるのじゃないですか。つまりトップ会談で、アメリカと日本との今日における関係において、アメリカからこの飛行機を買ってくれと特に頼まれたと言えば、それは状況によっては非常に情状証拠にもなり得るでしょう。もっともその後金をもらって、やったということになれば、それはまた別の問題になるわけですけれどもね。少なくともそういう経過中で、アメリカ側とどうやりとりがあったかというのは、これは今度の事件の中ではかなり重要な部分を占めているわけで、犯罪事実そのものには関係ないかもしらぬけれども、その犯罪の事実について特にこの本人の情状という点から言うと、アメリカ側から懇請されたかどうかということはやはり一つの情状となり得るのじゃないのですか。そのことを検察庁から出すということはあり得ないので、弁護団の方からあるいは出てくるかもしれませんけれどもね。だから、この辺のところは全然触れていないのですか。この周辺で、たとえばこの日米会談に加わった者とかそれに参加した通訳の人だとかいうような人の事情聴取というのは一切行っていないのですか。
#108
○安原政府委員 本件の背景事情として、いわゆるドル減らしといいますか、日米会談の経緯、経過のあらましにつきましては、総理大臣の職務権限との関係において調べたいと思いますが、いまのお尋ねの点につきましては、なるほどそういう御意見もあろうかと思いますが、犯罪の情状としてぜひ調べなければならないと検察当局では判断しなかったものと思います。
#109
○横路委員 どうも味気ない報告書と、それからいろいろとちらつかせている冒頭陳述書とを読み比べると、検察庁の方は楽しんでおられるのかもしれませんけれども、われわれの方は、この事件の問題というものを一体どういうぐあいに掘り下げていって、再発をいかに防止するかという観点から言うと、どうもさっぱり役立たないわけです。そういう意味で言うと、法廷ですべてをと言ったって、それは刑事事件としての範囲にしぼられるわけでありますから、そんな意味で、検察庁に実は余り関係ない部分が、本来から言うと政治的にきわめて重要なわけです。そこのところは、刑事局長も十分、政治のよくわかる人ですから、おわかりいただけると思うのですが、そのあたりはもうちょっと明らかにできぬものですか。つまり、ニクソン会談のくだりは、刑事捜査は確かにそうかもしれないけれども、われわれからいうと、一国の総理大臣と大統領が会ったところで、民間機のどの飛行機を買ってくれ、よし買おうという次元でトップ会談が行われているなんというのは、まことに政治の問題としては大きな問題なんでありまして、その辺のところはもうちょっと細かく明らかにされますと、今度福田総理も訪米されてどんな話をするのかわかりませんが、まあいろいろと問題の提起もできるわけなんでありまして、その辺のところはいかがなんですか。これもさっきの例じゃありませんが、検察庁とも相談をしていただいて――わざわざ小佐野賢治氏に話した内容として実に細かく何カ所かで話が出ているわけですね。われわれこれを透かしていろいろ見るだけなんでありまして、その辺のところをもうちょっと明らかにしていただければいいんじゃないかと思います。
#110
○安原政府委員 御指摘はよくわかりますが、法務当局あるいは検察当局としてはやはり捜査権というものは限界があるわけで、犯罪の容疑を持ってその容疑の有無の立証ということに全力を注いで、それ以外のことに関心を持って調べるなどということは捜査権の行き過ぎでございますから、おのずからわかることにも限度があることも、法律家である横路先生はよく御理解いただけることと思います。そこで、われわれのわかっている限りにおいて国政調査という観点から御協力を申し上げるということでございまして、冒頭陳述などは、恐らくは検察がわかり得たすべてのことを洗いざらいにしているものと思います。
#111
○横路委員 この辺のところがすべてだと断言されるのはどういう根拠なのかよくわかりませんけれども、公判の公訴事実そのものについて余り関係のない部分で、しかしながら政治的にはわれわれにとって非常に重要な意味を持つ点がございますので、先ほど言った幾つかの点について、法務大臣、刑事局長からお約束いただいていますけれども、相談していただいて、ひとつ検察庁の方から経過を明らかにできるものは明らかにするということで、われわれとしてはともかく今後こういう事件が起きないために立法府として、あるいは行政に対してどういうようなことを考えなければいけないのかという点でありますが、法務大臣からも確認をしておきたい。よろしいですか。
#112
○福田(一)国務大臣 ただいま刑事局長がお答えをいたしました範囲内において努力をさせていただきたいと考えております。
#113
○横路委員 法務大臣は結構です、何か委員会があるんでしょう。あと運輸大臣を中心にしてちょっとお尋ねをいたします。
 それで運輸大臣、去年一年間いろいろと議論してきて、これは先日の委員会で鯨岡代議士からも発言がありましたけれども、結論から言えば、去年一年間、運輸省の答弁は全くでたらめであったということで、皆さん方がそれぞれかばったのはわかりますけれども、たとえばロッキード事件が起きてから昨年の六月二十三日に、四十六年二月の行政指導、四十七年七月一日の通達、この二つが問題になりまして、これが大体少しおかしいじゃないか、この辺にロッキード事件の真相を解明するかぎがあるということで、みんなで議論してきたわけです。
 特に四十六年二月の行政指導、これについて、いわばいま橋本登美三郎が収賄で起訴されているわけなんですけれども、一体だれがどういう形でもってこの行政指導をするに至ったのかということを何回もこの委員会で、私たちはいろいろな書類や何かを持ってきては議論したわけですね。そしてこれは委員会でいろいろ詰められて、最終的に六月二十三日に、行政指導を直接したのはだれかということで、当時の木村運輸大臣から御答弁があるわけです。これが冒頭陳述とまるきり違うのですね。つまり、去年一年間のいろいろな答弁というのは完全にでたらめだった。これは監督課長に責任を負わせて、結局、冒陳を見るとそうではなくて、そのもう一つ上の部長クラスのところでやっていた。話を直接持ってきたのは、下からいろいろ上げたのではなくて、橋本運輸大臣、町田事務次官という形でおりてきたということが、今度の冒陳の中で明らかになっているわけですよ。われわれ一年間やってきて、皆さん方が役所の中でそれぞれいろいろと先輩をかばったりなにかする――あるいはこれは監督課長にある意味で言うと行政指導は全部責任を負わしたのでありますから、いつものパターンで、下のところに責任をとらすみたいな形になっている。冒頭陳述を読んでみてとにかく私が一番憤りを覚えたのは、去年一年間、これは完全に運輸省にはだまされたというのが率直な感じなわけですよ。
 大臣、これはこの前鯨岡代議士からも質疑を受けていますので、そういう経過は運輸大臣として調べられたのか、なぜ国会にこんなうその報告をしたのか。これは故意でやったのかどうだったのか。皆さんの方は冒陳の事実の内容を当然知っておったと思うのですけれどもね。橋本運輸大臣、町田事務次官、そして、各航空会社には当時の住田監理部長ですか、からやったということに冒頭陳述はなっているのですよ。皆さんの方は、そうじゃない、これはいろいろ需給関係を見て下から調べていったことで、しかもいろいろ連絡を全日空、日本航空に対して行ったのは監督課長であるという答弁だった。ものすごく大きな食い違いがあるわけです。一体、この辺のところを皆さんの方で、運輸大臣としてこれはもうすでにこの前のロッキード委員会で指摘を受けているわけですから、どうしてこんなでたらめな報告になったのか、その後、それは調べられたでしょうか。
#114
○高橋(寿)政府委員 お答えいたします。
 運輸省といたしましては、この事件が発生いたしまして以来、航空局が中心になって当時の関係官に対しまして、再三にわたって当時問題にされている時代の事情聴取をいたしました。それらを取りまとめて国会報告を申し上げたわけでございます。
 それで、このことと冒頭陳述の内容とを比べてみますと、明らかに食い違いがございます。小さい点は別として、最大の点は、いま先生御指摘の、当時の大臣からの指示があったかなかったかという点についてが最大の違いであると思います。そこで私ども、この件に関してでございますけれども、昨年この問題が起こったとき以来、私どもは行政機関として調べ得る限り、これは部内の人間をかばおうとかという気持ちは全く持たずに、本事件を正しく解明するという姿勢に立ちまして関係者すべてにわたりまして、本当に再三にわたって、当時の大臣、事務次官も一緒になりまして話を聞いた結果まとめたものが、昨年の国会報告でございました。今日の時点でも私どもはこれを変えるだけの事実をつかんでないわけでございます。
#115
○横路委員 いやいや、その変えるだけの事実をつかんでいないにしたって、この冒陳を見ると、初め、全日空の若狭が航空局長の内村さんと監理部長の住田さんのところへ行って、延期してくれと陳情するわけでしょう。これは、このお二人は断るわけですね。そこで橋本運輸大臣のところへ行って、橋本、町田という線でこれがまたおろされてくるわけですよ。そしてそこでもって、じゃあ延期しようという。これは日本航空は猛烈に反対したのだけれども、全日空の事情でということで延期してしまう。その延期の指導をだれがやったかというと、これは住田さんがやったということになっていますね。ひっくり返すその事実はないと言ったって、公判廷でこういう事実が明らかになっていたら、行政指導のあり方だとか、皆さんの方は一生懸命、ともかく需給の関係なんだということを――われわれはそうじゃない、そんな需要が急激に減ったなんということじゃなくて、行政指導していたじゃないかということを、ずいぶんいろんな資料を各党が出して議論してきたけれども、皆さんの方はそうじゃない、あくまでも事務レベルでもって需給関係を見て延期の指導をしたんだということの答弁に終始してきたわけです。これはもうよく御存じだと思うのですね。
 これは明らかに検察庁の方から示された事実というのは、皆さんが答弁してきた内容と違うわけ、ですから、われわれ去年一年間議論してきた答弁というのは全くでたらめだった。これは故意があったかどうかは別にして、少なくとも事実に反していたということは、局長、事実でしょう、この行政指導の重要な点については。この行政指導だけでもって何回議論したか、何人がどのくらいの時間をかけて議論したかということはよく知られているはずです。そうするならば、これは事実と違っておると言わないで、やはり国会の答弁としては、きちんと訂正してもらって、一体去年どうして調べがつかなかったのか。それはやはり町田さんをかばったりしたわけでしょう、そして監督課長のところに責任を全部押しつけたんじゃないの、実際は。ぼくらそういう疑いを持たざるを得ないですね。
#116
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。
 昨年答弁申し上げてきたことの内容と、冒頭陳述に書かれておりますことの内容とが違っていることは事実でございます。その場合に、どちらが真実かという点につきまして、私どもは私どもの立場で、昨年も可能な限りの方法で当時の関係者を調べた結果が国会に答弁申し上げましたことでございまして、今日の段階で、昨年答弁申し上げたことを、私どもの立場で自信を持ってこれを修正するだけの事実を私どもは現在引き出してないわけでございます。これは御了解願いたいわけでございます。私どもは検察官と違いまして、強制捜査権が裏にあるわけではございませんので、やはり私たちが調べる限界がございます。当時の人をかばおうとかいう気持ちは全くございません。ございませんけれども、限界がございますので、これ以上はどうしても私どもの手で真実の解明はできない。しかし、真実は一つでございまして、いずれの日か明らかになるでございましょう。私たちの立場で、昨年御答弁申し上げたこと以上のことを現在調査し出すということは、私たちの能力上不可能であるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
#117
○横路委員 それは、捜査権がないわけですから……。しかし、皆さん方むしろ身内なん、だから、ざっくばらんに話を聞くということだってできるんじゃないですか。これを見ると、少なくとも町田さんとか内村さんとか住田さんという人は事実を知っていますね。これは何も全日空の方の供述だけからこういう事実を導いているというようには見えぬわけですね。それはやはりかばったんでしょう。だから、質疑の中で皆さんが正直に言っておられれば、去年の段階で、町田事務次官が橋本登美三郎の意を受けて、日本航空は抵抗したけれども、延期の行政指導をしたんだということになっておったはずですよ、去年の早い段階で。だから、そこのところは、すぐ皆さん方わかったと思うんだな。これは、ロッキード事件が起きて行政指導がおかしいということになったときに、当時の関係者はすぐ、ああ、あのとき事務レベルでは反対したやつが、政治的に上からおりてきたあれだなということは、やはり関係者はみんな知ったわけだし、そのことを表に出せば、当時の運輸大臣がすぐ疑われるということもあって、かばわれたんでしょう。そうとしかこれはどうも思えないんですね。
 だからもう一度、もうこれは起訴されて明るみになっちゃったわけだから、当時の人たちを調べてみて――だって事務レベルで反対したと書いてあるでしょう、これを見ると。陳情したときに、当時の航空局長も監理部長も、そんな行政指導なんかできないと言って反対したというわけでしょう。それが町田事務次官を通しておりてきたということで、これが延期の行政指導に変わるわけですね。そういう場合は一体どういうところに責任が出てくるのか。一度こういう冒陳でこれだけ明らかにされたわけですし、去年の国会での質疑の経過もあるから、それは運輸省うそを言っていたなということで終わりにしちゃうにはちょっと、去年時間をかけていろいろやっているわけなので、それだけではちょっと済まないような感じがするので、もう一度ちょっと関係の人たちを調べてみて、どっちが正しいのか、去年の答弁が間違っていたなら間違っていたで、ちゃんと訂正し、経過はどうだったのかという四十六年二月の行政指導に至る経過みたいなものを運輸省としてもう一度調べて、そうしてこの委員会に報告をし直すべきではないか。六月二十三日に木村運輸大臣は、これは何回もやりとりがあった後ようやく、行政指導したのは監督課長でしたと言って報告したわけでありますから、それが違っていたわけだから、ひとつ調べ直して訂正されたらいかがでしょうか。
#118
○田村国務大臣 実は、私は当時は直接の担当者でございませんでしたから、実際に身をもってその答弁を体験したというわけでもありませんが、私が受けました報告を赤裸々に申し上げてみたいと思います。
 それは、まず事務次官、もちろん、ここにおります航空局長も同席をしておりましたが、要するに、先ほど局長が申しましたように、とにかく本当のことを言ってくれと、ずいぶん責めました。しかし、強制捜査権を持たないから、これはもう、ただ本当のことを言ってくれということ以外に言いようがございません。それで本人たちは、これが本当のことである、こう言って答えたことを基礎にして答弁をした、こういうことのようでございます。それで私自身が――固有名詞が出ましたから固有名詞で申し上げますと、住田君あたりに、実際はどうだったのだ、こう言って聞いたのでありますけれども、住田君が、私は元来エアバス導入に消極的な考え方を持っておった、私自身の意見でございました、こう言ってがんばるわけでありまして、私自身も、きりきり白状せいと言って峻烈な取り調べをするというわけにもまいらず、次官や局長、住田君等のいわゆる経緯の報告を聞いた、こういうわけでございます。
 なおも調べろということでございますから調べはいたしますが、結局、強制捜査権を持っていないという悩みがございます。いま公判が始まっておるわけでありますから、私は公判廷ですべて明らかになると確信をいたしております。そのときにシロと出るのかクロと出るのか、それは私は想像もできませんけれども、公判の経過を見る以外にないという現在の心境でございます。
#119
○横路委員 運輸省は調べたけれどもわからない、この前の報告のとおりである、検察庁の方はそれと全く違うことで、事実関係が違って、そうして起訴して公判をやっている。だから、公判の推移を見守りたいと言ったって、皆さんの方は違う答弁を従来再三再四してきているわけですね。それがまさに一つのポイントにもなるわけなんで、当委員会の任務の一つは、航空機の機種選定というようなものが、どうしてそのたびに事件が発生するのかというあたりをやはりこれから少し詰めていこうじゃないかということがこの委員会の任務の一つでもあるわけです。それだけに、それは記憶を喚起していただければ――これを見ると、検察庁の方は、たとえば住田さんから直接行政指導をしているわけでしょう。皆さんの方の答弁は、監督課長が行政指導をした、こういうことになっていますね。それから、皆さんの方の答弁は、事務レベルでずっと上がっていって、そうして決断、運輸省としての方針を決めたのだ、延期の行政指導をしたのだ。ところが、この冒陳によると、陳情したけれども断った、内村さんも住田さんも断ったとある。断ったやつを、今度もう一度政治的に上から落としていった、こういうことになっているわけですから、事実関係はまるきり違うので、その辺のところを――それは検察庁のこれだって単なる一つの主張にしかすぎないわけですけれども、しかし、これはやはり証拠に基づいて行われているものでしょうから、ひとつ点検をしていただいて、この四十六年の行政指導の経過というようなものを、この冒陳を踏まえて少し記憶を喚起してもらって、報告のし直しをぜひしてもらいたいというふうに思うのです。いまになればもう大体皆さん思い出すのじゃないですか。私はそういうぐあいに思います、これだけ明らかになっているわけですから。ひとつそれをお願いをしたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#120
○田村国務大臣 インテリで有能な官僚がそんな簡単に物事を忘れるはずはないわけでありますから、真実は一つでありましょう、それを記憶していることは間違いない、私はそのように想像いたします。いずれにいたしましても、もう一回調べ直して、特に冒陳との関連がございますから、事実関係等を調べ直して、私どもの方でわかった範囲内においてお答えをいたしたいと思います。
#121
○横路委員 終わります。
#122
○原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト