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1976/03/23 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
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1976/03/23 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会 第3号

#1
第080回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
昭和五十二年三月二十三日(水曜日)
    午後一時二分開議
 出席委員
   委員長 鈴切 康雄君
   理事 加藤 六月君 理事 丹羽 久章君
   理事 野中 英二君 理事 井上  泉君
   理事 太田 一夫君 理事 新井 彬之君
   理事 青山  丘君
      井上  裕君    北川 石松君
      古屋  亨君    堀内 光雄君
      前田治一郎君    久保 三郎君
      草野  威君    寺前  巖君
      伊藤 公介君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 田村  元君
        建 設 大 臣 長谷川四郎君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      藤田 正明君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房交通安全対策
        室長      室城 庸之君
        警察庁交通局長 杉原  正君
        運輸省鉄道監督
        局長      住田 正二君
        運輸省自動車局
        長       中村 四郎君
        運輸省自動車局
        整備部長    犬丸 令門君
        運輸省航空局長 高橋 寿夫君
        建設政務次官  小沢 一郎君
 委員外の出席者
        建設省都市局街路
        課長      渡部與四郎君
        建設省道路局企
        画課長     山根  孟君
        建設省道路局高
        速国道課長   住友 栄吉君
        自治省税務局府
        県税課長    川俣 芳郎君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     高橋 浩二君
        日本国有鉄道常
        務理事     尾関 雅則君
        日本国有鉄道常
        務理事     吉武 秀夫君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 交通安全対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○鈴切委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 この際、落石による上越線列車脱線転覆事故及び全日空連続強取事件について、運輸大臣及び日本国有鉄道当局より発言を求められておりますので、これを許します。田村運輸大臣。
#3
○田村国務大臣 昭和五十二年三月八日二十時三十分、上越線津久田−岩本間において、下り急行列車佐渡三号が、山腹から落石どめ擁壁を乗り越して線路に落下した岩石に衝撃して、四両が脱線、うち二両が横転いたしました。
 このため重傷者五名、うち一名は、三月十三日にお亡くなりになりました。大変申しわけないことでございましたが、重傷者五名を含む計百十名の負傷者を生じたことは、まことに遺憾のきわみでございます。
 国鉄は、直ちに事故復旧対策本部を設けて、負傷者の救護に当たるとともに、事故現場の復旧に努め、十日早朝から運転を再開いたしました。
 本事故にかんがみ、運輸省といたしましては、国鉄に対し、被害を受けられた方々に対する救済に誠意をもって当たるよう指示いたしますとともに、今後、同種事故の再発防止のため、沿線の落石崩壊のおそれがある個所の再点検を実施し、必要な措置を講じ、輸送の安全確保に万全を期するよう指示いたしました。
 以上が、上越線列車脱線事故についての御報告でございます。
 次に、全日空機のハイジャック事件について御報告を申し上げます。
 全日本空輸千歳発仙台行き七二四便ボーイング727型機は、千歳空港を三月十七日午後零時四十五分に離陸し、仙台空港へ向け飛行中のところ、午後一時五分、函館南方約三十五マイルの上空において、ナイフを持った若い男が客室内でハイジャックを試みましたが、付近の乗客に取り押さえられました。
 当該機は、午後一時二十四分函館空港に緊急着陸し、犯人は、機内に乗り込んだ警察官によって逮捕されました。
 なお、三十六名の乗客と七名の乗務員に異常はございませんでした。
 続きまして、全日本空輸東京発仙台行き八一七便ボーイング727型機は、東京国際空港を、同じく三月十七日午後六時三十分離陸いたしましたが、午後六時三十四分、同空港から東方五マイルの地点で、ピストルのような物を持った犯人がハイジャックを試みたため、午後六時四十一分同空港へ引き返しました。
 犯人は、機内で自殺を図りましたが、乗り込んだ警察官に逮捕され、病院で死亡が確認されました。
 なお、乗客三名が軽傷を負いましたが、残り百七十名の乗客と七名の乗務員は無事でございました。
 運輸省では、事件発生後、直ちに各空港に配置されている検査機器が正常に作動しているかどうかを中心に、機器並びに要員を含めての体制全般について総点検を実施いたしました。その結果、おおむね適正であったとの報告を受けております。
 今後とも、この点検結果を踏まえ、この種事件の再発防止に一層努力してまいりたいと考えております。
 以上、御報告を終わります。
#4
○鈴切委員長 次に、高本日本国有鉄道総裁。
#5
○高木説明員 ただいま運輸大臣から御報告がございましたように、過日上越線で落石事故のために、非常に大きな事故を起こしました。事故の大きさに比べまして、死傷者の数が少なかったということは、不幸中の幸いでございましたけれども、とにかく、間違えば大変な事故になる、多くの人身事故を起こす可能性のある事故でございました。御迷惑をおかけいたしまして、申しわけないと思っております。
 そもそも落石につきましては、ふだんから注意はいたしておりますが、何しろ相当の延長キロでございますし、日本の地形から言いまして、やはりかなり危険をはらんでおるわけでございます。ただいまの御説明にございましたように、もちろん直ちに点検はいたしておりますが、なお相当工事をいたしまして、予防対策をとらなければならない個所がたくさんございます。安全につきましては、すべての工事に優先して処置をするという方針でいたしておるところでございます。
 長い目で見ていただきますと、事故は漸次減少はいたしてきておりますが、まだ年間で五十件くらいの落石事故というのが絶えないわけでございまして、私ども鋭意努力をいたしまして、その予防対策に努める所存でございます。
 いずれにいたしましても、大変御迷惑をおかけし、御心配をおかけいたしましたわけでございます。この機会に深くおわびをいたす次第でございます。今後とも職員一同大いに対策には取り組んでまいります。
#6
○鈴切委員長 尾関常務理事。
#7
○尾関説明員 ただいまの上越線津久田−岩本駅間におきます列車脱線事故につきまして、お手元にございます資料によりまして御説明をいたします。
 昭和五十二年三月八日二十時三十分に発生をいたしまして、場所は、高崎の鉄道管理局、上越線の津久田−岩本駅の間でございます。この下り線で発生をいたしております。
 列車は、急行の第七〇五M列車佐渡三号でございまして、十三両の電車で編成されております列車でございます。
 原因は、山腹の斜面から約三メートルくらいの大きさの石が落ちてまいりまして、その石に衝撃をしたためでございます。
 概況は、当該列車が敷島駅を四分おくれて通過いたしまして、時速約七十五キロのスピードで運転中、列車の進行左側の山腹の斜面から線路のわきに落ちてきました石に衝撃をし、一両目は進行右側に脱線し、約四・七メートル下の国道十七号線に転落横転いたしました。二両目の電車は脱線して、上り線上で横転をいたしまして、三両目の電車は上り線を支障して全軸脱線、四両目の電車は前一軸が脱線しております。四枚目にその状況の絵が出ておりますので、ごらんいただきたいと思います。
 この事故によりまして、お客様八百三十七名のうち百八名の方が負傷を受けられ、うち重傷の方が三名でございます。このうちお一人の方は、十三日の十四時二十五分に亡くなられました。まことに遺憾でございます。
 このため、負傷者は付近の病院に収容して加療いたしますとともに、復旧対策本部を設置しまして、九日二十二時には線路は復旧いたしまして、十日の朝六時十分から開通をいたしたわけでございます。本社からも関係者を派遣して、調査に当たらせております。
 なお、落石は、線路のわきにあります高さ五十五メートルの山腹斜面の岩盤の一部が落ちてきたものでございます。現地には落石どめの擁壁がございますが、これを一部破壊し、乗り越えて落ちてまいったものでございます。この個所の落石等の検査は、昨年九月六日に実施しておりますが、そのときは異常がございませんでした。当該個所は、半径四百メートルのカーブで千分の五の下り勾配でございました。
 その前後の列車の状況でございますが、上り貨物列車が十分前に、それからこの列車の前に下り列車が四十分前に現地を通過しております。そのときは異常がなかったわけであります。これに対向して向かってくる上り列車は、岩本駅で出発信号が赤になっていたためにとまって、事なきを得ております。
 負傷の程度は、ここに書いてありますように、三名の方が重傷でございまして、一人は亡くなったわけでございます。そのほか、職員は運転士と車掌がけがをしております。
 対策としましては、応急対策として現地を調査し、崩壊のおそれのあるものを全部取り除き、それから立木を利用してさくをつくり、警報器を設置する等、防護設備を強化する。なお、全国的に同様な個所の総点検を行い、その結果に基づいて安全対策を再検討しまして対策をいたし、事故の再発防止に万全を期したいと考えております。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#8
○鈴切委員長 次に、交通安全対策に関する件について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀内光雄君。
#9
○堀内委員 私は、二月の二十五日に当委員会におきまして各担当大臣から行われました所信の表明に基づいて、自由民主党を代表して若干の質問をさしていただきます。
 まず、本論の質問に入ります前に、ただいま運輸大臣から御報告を受けました全日空の連続ハイジャック未遂事件に関連をいたしまして、空港の管理、チェックの問題、こういう問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 新聞報道によりますと、空港におきますところの旅客の手小荷物のチェックというものは、航空会社が主体となりまして、航空会社から民間の警備会社に委託をしているという形式になっているように書いてございます。そして、航空会社が行う旅客に対しますところのチェックというものは、法律的には運送約款に盛られたところの機内持ち込み禁止品目を確認するというような、そういう程度のための行為だというふうに伺っております。こういうチェックの法的な問題とチェックの責任の所在という問題についてお伺いをいたしたいと思います。
#10
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。
 ハイジャックのチェックを行っておりますのは、ただいま先生のお話がございましたように、根拠は、航空会社の運送約款に基づきまして、航空会社の責任で行っているわけでございます。現場の事務は、航空会社が雇用いたしましたガードマンによって行われております。それから、その検査を行うための各種の機械でございますが、これは航空会社が買います。この機械を買うお金、あるいはガードマンを雇用するお金、この一部を国が補助いたしております。
#11
○堀内委員 今回の場合、千歳空港でのナイフ、それから羽田の場合におきますところの改造モデルガンというものを新聞で見ますと、どうしてこんなものが無事通過してしまったのかというふうに疑問に思わざるを得ないわけでございます。
 しかし、その状況などをお伺いしますと、かえってこういう手口がわかったりしてはまたマイナスになるかもしれませんので、これは御遠慮いたしますが、事前チェックの法的な根拠をもっとしっかりしたものにする必要はないのだろうか。いまの運送約款に基づくという程度の根拠のものではないもの、もう少ししっかりしたものにする必要はないだろうか。諸外国のチェックの体制というようなものや法的な裏づけを含めて、参考にお伺いをいたしたいと思います。
#12
○高橋(寿)政府委員 私どもが調べた限りにおいては、諸外国におきましてハイジャック防止のためにとられております保安対策は、一律ではございません。
 私どもの調べでは、欧州関係では、ほとんどの場合、警察の仕事にされていることが多いようでありまして、警察官による機内持ち込み手荷物の点検あるいはボデーチェック等が行われていると聞いております。それから、アメリカを中心とする米州諸国あるいは東南アジアの一部等におきましては、日本のように、各航空会社の責任におきまして、航空会社の職員あるいは委託された職員が検査、ボデーチェックを行っている、こういうふうに聞いております。
#13
○堀内委員 チェックの責任の所在というものは航空会社にあるというふうに、先ほど御答弁をいただいたわけでございまして、基本的な責任体制というものはそこにあることはわかったのでありますが、いまの民間ガードマン会社に依頼をするという方法、これは何か責任を運用の面で不明確にしているような感じがするわけでありますが、こういういままでのやり方のままでいいとお考えになっていらっしゃるかどうか、それをちょっと承りたいと思います。
#14
○高橋(寿)政府委員 ボデーチェックまたは荷物の検査をします根拠は、運送約款でございまして、御承知のように、お客さんと運送会社の間に取り決められる一つの決まりでございますが、これによりまして、武器その他危険なものを携帯しているお客さん、あるいはいわゆるボデーチェックを拒否したお客さん、これにつきましては、航空会社が搭乗を拒否するという形で処理するたてまえになっておるわけでありますが、ただ、御指摘のように、ガードマンには司法警察権がございませんので、理屈の上では納得ずくで検査をするというたてまえを変えられないわけでございます。そこで、一つの実力の問題といたしまして、ガードマンの横に警察官に随時いていただきまして、問題がある場合には、警察官の方にお願いをして、そこで警察権に基づいてチェックしていただく、こういうシステムをとっているわけであります。各空港ごとにそういう関係者の委員会がございまして、地元の警察署、それから航空会社、その雇用するガードマン、これらの関係で常にそういったシステムをきちんとするようにしております。
 今後もなお、それを一層強化して、漏れがないようにすることによりまして、私どもは防止の実を上げることができるというふうに考えている次第であります。
#15
○堀内委員 ただいまの御答弁で、今後ますますチェックの体制を固めていかれるということで、まことに心強い感じがいたすわけであります。
 それと同時に、もう一つの問題点といたしましては、事件が起きますと、あわててチェックが非常に厳重になってくる。そうしますと、この間の場合と同じように、事件の翌日は羽田で行列がずっと並んでしまいまして、乗客が行列をして、飛行機の発着時間までめちゃくちゃになるというような混乱状態が起きてきているわけでありますが、そもそもチェック台というようなもの、先ほどの機械の問題それからチェックする人間の数、こういう問題が少し足りないのではないかと思いますが、いまのままで十分だというふうにお考えでございますか。
#16
○高橋(寿)政府委員 現在主要空港、全国で十七ほどございますが、これらにつきましては、エックス線の検査機を三十五基、これは主としてかばんなどを調べるものでございます。それからゲート式の検査機を約五十基、これは人間の身につけてある凶器等を調べるものでございます。その他、三種空港にもゲート式の検査機を十二基備えてございます。
 私ども、機械の数ば、ほぼこれでいいのではないかと思っておりますが、問題は、この機械を使いまして検査を処理する体制につきましてもう一層の工夫が要ると思います。場所によりましては、やはりガードマンの増員をいたしまして、また、かつそれらと警察官との連係プレーを確実にするというふうな形によりまして今後一層強化をしていくべきだ、こういうふうに考えまして、現在総点検の結果に基づきまして、現地でそれぞれ検討をいたしておる段階でございます。
#17
○堀内委員 今後、さらに適切な体制をとっていただきたいと思います。
 結局のところ、チェックを厳しくしますと、旅客の人権問題に絡んでくるところが泣きどころではないかというふうに思うわけでございます。旅客の安全に力を入れますと、チェックが厳しくなって、旅客からも苦情が出てくる。苦情を少なくするためにはチェックが緩やかになってしまって、この兼ね合いというものが非常に問題になるものだと思います。
 今回の連続のハイジャック事件で、羽田では百八十名の乗員と乗客の方々、また千歳では四十三人の方々が大変な危険にさらされたわけでございます。また、仄聞するところによりますと、石井政務次官は、二度にわたりまして、本当に真剣に身がわりになることを考えて、決意のほどをひそかに披瀝をされたということを承っております。こういう石井次官の真剣な決意に対して、心から敬意を表しますとともに、幸いにして今回は大事に至らずに終結を迎えたわけでありますが、一たんハイジャックをされますと、犯人の言うままに、飛行機というものはあちこち持っていかれるということが常識になっておりますだけに、何よりもまず武器を機内に持ち込ませないということが一番の先決ではないかというふうに思います。ぜひとも、そういう意味で、今後この種の事件がなくなるように、いままで以上の万全の手を打っていただくようにお願いを申し上げまして、この問題についての質疑は打ち切らさせていただきます。
 次に、建設大臣の御都合がおありのようですから、高速自動車道路上の問題、特に安全対策について伺いたいと思います。
 一つは、交通事故の統計をながめてまいりますと、総体的には件数並びに死傷者の数というものが減少をいたしている中で、ただ一つだけ、高速自動車道路上での事故は、かえってふえている面もあるようであります。
 昭和五十年と五十一年の事故の内容を比較いたしますと、事故件数、死傷者数、負傷者数というものがともに増加をいたしておるわけでございます。この現象は、供用キロ数の増加というものにもよるものであるとは思いますが、現在、高速自動車道路の供用キロ数が二千キロを超えまして、今後ますますふえ続けていくというような現状を考えますと、高速自動車道路上の事故対策というものがこれからの一番大きな、重大な問題点になるのではないかというふうに思うわけでございます。高速自動車道時代を迎えまして、道路の構造の問題とか、あるいは完成されて供用開始になりました後のメンテナンス、路面の整備というような問題、こういうような問題、いろいろの対策が必要になってくると思いますが、建設大臣に今後とるべき処置などについてお伺いいたしたいと思います。
#18
○長谷川国務大臣 まことに申しわけないけれども、皆様方におわびを申し上げる事件がございますので、先にこれを御報告をさせていただきます。
 本日、岐阜県の国道三百三号において落石事故がございまして、場所は岐阜県揖斐郡久瀬村東津汲、ここでございます。管理は県管理でございます。事故は、バスが運転手一名、七名の客を乗せて走行中、落石をいたしまして、揖斐川に転落をしたものでございます。ただいま現在では、四名は救助することができたけれども、二名は遺体となって発見をされ、二名は行方不明である。このような報告を受けましたので、答弁の先にこの御報告を申し上げておきます。御了承を賜りたいと存じます。
 高速道路につきましての詳細は、ただいま局長が来ておりますから、局長から詳細にわたって御報告をいたさせます。
#19
○住友説明員 先生御指摘のとおり、高速道路につきましては、事故件数がふえております。しかしながら指標となっております走行一億台キロの事故比率、それでいきますと大体減少しておる状態でございます。
 しかしながら、これから先生のおっしゃられますように、高速道路が延びてくる時代でございますので、これに対しましては、路面の整備等につきましては万全の注意を払うことを考えておりまして、舗装のオーバレイあるいは段差修正あるいは防護さく、その他交通安全の確保につきましては、毎年苦心いたしておりまして、今後とも交通事故の減少を図ってまいりたい、かように考えているわけでございます。
#20
○堀内委員 基本的な、これから延びていく高速道路上の問題点について、非常にいろいろ事故対策というものを考えていらしゃることを承りましたが、具体的な問題として一つ、中央高速自動車道上の安全対策の問題がございます。
 この問題につきましては、当委員会でも交通安全対策上の問題点があるということで取り上げられまして、関係当局から善処をするという御答弁をいただいております。しかし大月−河口湖間は引き続き変則二車線の欠陥道路のままで、事故の場合には、救急車の円滑なる活動さえできないという状態のままに放置されているのであります。高速自動車道路は全国で二千キロ以上の供用が開始されておりますが、変則二車線のままで供用されております道路は、この中央道の河口湖線の二十二キロと、同じく中央道の恵那山トンネルとその前後の二ヵ所だけであります。恵那山トンネルの方は、トンネルというような特殊事情がございますから、ドライバーも注意をして、事故も余り起きていないというようなありさまですが、河口湖線の方は構造上からも全く紛らわしいような状態が続いておりまして、事故の発生率もきわめて高いわけでございます。基本計画では、いずれは四車線の中央分離帯の形の中で拡大をされるということになっているわけでありますが、現に事故の多発をいたしております現状に対しまして、いつ本来の四車線に整備をされるのか、この点について建設大臣にお伺いいたしたいと思います。
#21
○長谷川国務大臣 お答え申し上げます。中央自動車道大月−富士吉田間二十二・四キロの件につきましては、昭和五十年の平均の交通量というものも多くなり、さらにこの区間の交通が非常に多くなってきている現在でございますので、これらの問題を何とか考えなければならぬというようなことで、この整備をいつ行うかということでございますけれども、設計基準交通量に達するまでには、まだ四車線になるだけの交通量がないというわけでございますけれども、努めて早目にこれの計画の変更を行いたい、こう考えて、せっかくただいまいろいろな角度からこれに対する検討を加えておるところでございます。
#22
○堀内委員 ただいま前向きに御検討いただいているお話をちょうだいいたしましたが、交通量の問題もさることながら、交通安全対策という見地からさらにお願いを申し上げたいと思います。
 と申しますのは、中央高速道路の富士吉田線におきましては、高速自動車国道法の適用の道路でありますにもかかわらず、分離帯がない変則二車線でございます。先ほど申し上げたとおりでございます。そのために事故の八〇%までが正面衝突で、非常に危険きわまりない状態になっているわけでございます。昨年の九月二十六日には、非常に大きな正面衝突の事故が一日に二件ございました。続けて起きまして、六人死亡、六人重軽傷というような惨事が起きたわけでございます。
 この事故を契機に、警察庁では道路公団に対しまして、基本的に速やかに全線四車線の実現を申し入れられるとともに、当面の暫定処置といたしまして、全区間を速度制限六十キロに落としまして、全線を追い越し禁止というような状態に指定をされたわけでございます。
 しかし、速度制限の一つだけを例に取り上げましても、ことしの一月の県警の調べによりますと、この速度制限を守っているのは全体のわずか四一・八%、半分以下でございまして、半分以上は全部速度をオーバーしているという実際の数字が出ております。また、中央に黄色い線を引いただけでありますから、物理的には追い越しも可能な状態でございます。そういう意味で、再度、正面衝突による重大事故というものが起こらないとも限らないというのが現状のありさまでございます。
 そういう意味で、建設大臣にお願いしたいのは、人命尊重の立場から、現在の通行量の制限一万二百台というようなものを基準としたしゃくし定規なことではなくて、一日も早い四車線への踏み切りということをお願いをいたしたいわけでございます。
 同時に、すでに買収済みの四車線の区域、こういうところの四車線化、あるいは追い越し禁止になっておりまして、一台低速車が入りますと全部が渋滞してしまうというような状態を見ますと、追い越し路線の建設というような、手のつけられるものから手をつけていただきまして、事故の再発防止というものに御配慮を願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#23
○住友説明員 先生の御指摘のように、警察の方の処置といたしまして、速度規制とかいろいろやってございます。中央分離帯ということも考えたわけでございますけれども、二車線の区間でございますので、やはりあの地区は雪の件もございますし、事故車の処理ということもございまして、中央分離帯はちょっとむずかしいのではないか、かように考えておりまして、それで対策といたしましては、いわゆるPR活動といいますか標識、あるいは追い越し禁止のPRといったもののほかに、今年度は、路面に段だら模様の薄層舗装をいたしまして注意を喚起するというような処置をしていきたいと思います。
 それから、大臣から御答弁のありましたように、この四車線化といった問題につきましても、現在交通量が平均的には横ばいの関係でございますので、その辺も検討してございます。
 それから、いまの用地買収の区間でございますが、一部四車線の用地を取っている区間がございます。その辺につきましても、現在検討しておりますけれども、部分的に四車線にいたしますと、また流入のところが事故を起こすというような議論もございまして、その辺のところも検討しておるわけでございますが、やはり先ほど大臣からお話のありましたように、四車線といったものについての検討をわれわれはやっておりますし、現在の交通量といたしましては、五十七年か八年ぐらいに、先ほど申しました基準交通量程度になろうかと思います。そういたしますと、工期から見ますと、四年ぐらいかかるというふうに考えますと、やはりここ一、二年の間には何らかの手を打たなければならぬ、四車線化の問題にしても、しなければならぬというふうに考えて、事務当局で検討しているわけでございます。
#24
○堀内委員 一、二年の間にはというような御返事なんですが、実際問題として、いまの交通量の基準というものを考えましたときには、全面追い越し禁止路線に指定して、六十キロの速度制限をした場合と、普通の高速道路上の交通許容量というのは大分違うと思うのです。いまの状態で課長のおっしゃるような交通量はまだまだ余裕があるというふうにお思いでございますか。
#25
○住友説明員 設計基準交通量が一万二百台というのは、一応正しいと考えております。
#26
○堀内委員 速度の制限、追い越し禁止、そういうものが出た場合と出ない場合と、全く同じでございますか。
#27
○住友説明員 いま標準車という考え方にしておりますものですから、確かに先生のおっしゃるとおり、遅い車が走った場合ということになりますと、交通量はさばけないわけでございますけれども、設計上の考え方といたしましては、一応その数字が基準交通量でございますので、それは可能だと考えているわけでございます。
#28
○堀内委員 人命尊重という意味合いと、現在の高速道路としての機能を非常に失うような制限を置いた状態、こういうものを考えましたとき、もう少し色よい御返事を建設大臣からいただきたいと思っていたわけでございますが、なかなかいい御返事がありません。
 そういう意味でまいりますと、前向きに検討するということをおっしゃっておりますが、昭和三十九年の二月に道路局長から道路公団に対しまして、大月−富士吉田間の用地買収というものは、従来買っている四車線というものはそのままよろしいが、今後は二車線にとどめるようにという通達が出ております。これがある限り、公団では四車線に向かって動き出すことができないと言っておりますが、いまのように前向きで御検討になるということは、この通達は、もうすでに空文化しているというふうに受け取っていいわけでございますか。
#29
○住友説明員 昭和三十九年に道路局長通達で二車線の用地にとどめるようにという通達を出してございます。これは御存じだと思いますけれども、富士吉田線の整備計画が精進湖回りのルートでございました。ところが昭和三十九年六月で諏訪回りに変更いたしまして、国土開発幹線自動車道建設法の公布によりましてそういうふうに予定路線が変わりました。そのために大月−富士吉田間が枝線になったわけでございます。そういたしますと、やはりその当時の状態でございますけれども、枝線になりますと交通量が多くないということが一つと、高速道路の建設が途上にございますものですから、いわゆるうちの予算も非常に厳しいときでございますので、その辺で、用地については二車線にとどめるようにという通達を出したわけでございます。
 ですから、今度もし四車線になるとすれば、整備計画を変更いたしまして、四車線の用地買収と工事にかかっていきたいというふうに考えるわけでございます。ですから、これから四車線にいたす場合には、審議会の議を経まして整備計画を変更して四車線にしたい、かように考えているわけでございます。
#30
○長谷川国務大臣 御納得がいかないでしょうね。いずれにしても、長野県の諏訪市を経て富士吉田、大月−富士吉田間は支線ということになるものですからただいまそういうような御通知を申し上げたんだと思いますけれども、いずれにいたしましても、現在の情勢ではまことにその機能を発揮したとは言えないと思います。通達はいずれにいたしましても、この点は、前向きで検討するように十分私からも局長に伝えておきますから、色よい返事をするようにいたします。
#31
○堀内委員 ただいま建設大臣から色よい感じの御返事をちょうだいいたしまして、本当にありがとうございます。
 課長は、いまの大臣の御答弁に対して、そういう方向で進んでいただけるということでございますか。
#32
○住友説明員 大臣の御指示のとおりいたしたいと思います。
#33
○堀内委員 どうもありがとうございます。ぜひその検討をしていただきまして、その結果をまた当委員会に御報告をいただきたいと思います。
 それでは次に、総論的なものに入らしていただきたいと思います。
 先日の各大臣の所信表明にございますとおり、交通事故は、昭和四十六年以来連続六年間にわたりまして事故件数並びに死傷者の数は減少いたしました。特に、昨年一年間の交通事故による死者の数は、昭和三十二年以来十八年ぶりに一万人を割るに至りました。このことは、当委員会及び関係者の並み並みならぬ御努力の実られたものというふうに考えまして、心から敬意を表する次第でございます。
 このように着々と成果は上がっておりますが、いまだに事故件数は年間四十七万一千件、死傷者の数は六十二万人に上っているわけでございまして、国家公安委員長は、所信表明において、交通事故による死者を過去の最高であった昭和四十五年の数の半分以下に抑えることを目標にするということを言っておられます。また、総務長官も交通事故の大幅な減少というものに対して非常に強い決意を出されております。総合的な交通安全対策を強力に進められるというその決意も、こういう状態をながめてまいりますと、通常の努力ではこの目標達成はなかなか困難ではないかというふうに思うわけでございますが、総理府総務長官には目標達成のための具体的な対策を持っておられるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
#34
○藤田国務大臣 おっしゃるとおりに、第一次の交通対策におきまして、これは昭和四十六年から五十年まででありますし、第二次が五十一年から五十五年でありますが、昭和四十五年の、最高の交通事故の死没者が一万六千七百六十五人でございましたが、五十一年には九千七百三十四人、一万人を割ったところでございます。
 今後毎年五%ずつ減少さしていくといたしますと、第二次交通対策の終わりの年であります昭和五十五年には八千人を割るということになりまして、そういう数字でいきますれば、確かに半減をさせることができるわけでございますが、御指摘のとおりに、従来どおりのことをやっておったのでは、いまからはなかなかむずかしいと思います。交通安全施設の整備に重点を置いてまいりましたけれども、今後は精神的に、あるいは感覚的に、個人に交通安全思想というものを普及徹底させなければならぬという段階に来ておる、かように思っております。
#35
○堀内委員 ただいまの総務長官の御答弁のように、これからはやはり安全施設ももちろん充実してまいらなければなりませんが、運転する人、歩く人、そういう個人個人の方に重点を持っていくということが必要になると思います。
 そういう意味では、安全運動というようなもの、あるいは運転者教育というようなものも何かマンネリ化してまいりまして、迫力に欠ける点があるように思われるわけでございますが、これから具体的に警察庁として、この問題について何か新たに効果のある対策というものを考えていらっしゃるかどうか伺いたいと思います。
#36
○杉原政府委員 先ほど総務長官からお話がございましたとおりでございまして、いままで事故をずっと減してきました大きな推進力になっておりますのが、安全施設の面でいい流れに物理的にやっていくということ、それから監視力を強化して交通の秩序を確保していくという、いわばハードウエアの領域の成果が中心になってきたと思います。これから三千五百万と言われるドライバーを中心にして、これのいわゆる運転者対策というものをかなり積極的に推進していかなければならないという感じがいたします。
 同時に、子供さんでありますとかお年寄りであるとかいう、いわゆる道路交通の領域で非常に弱い立場におられる方の犠牲が非常に多うございますので、これらにつきまして、いろいろな社会活動等を通じまして啓発をしていくというふうな面にこれからうんと力を入れていかなければいかぬのじゃないかというふうに考えております。
#37
○堀内委員 ただいま、人を対象としたものにもつとしっかり打ち込んでいきたいというような御答弁でございます。まことに結構なものだと思います。
 現に交通事故の状態別の発生をながめてまいりますと、歩行者と自転車利用者を含めましたいわゆる交通弱者の方の死者数が全死亡者の四五・七%と非常に高い率を示しております。その中でも特に、老人と幼児の事故の占める割合がまた非常に高いわけでございまして、同時に、減少率も少ないように感じられます。幼児の場合、特に発生状況を見ますと、母親がついていた、あるいは父親がついていたというような、保護者が一緒についている場合が全体で約三分の一になっております。これなどは、やはり親の責任の面もずいぶんあるのではないかというふうな感じがいたします。それだけに、今度は、交通安全週間もこれから、来月六日から始まるわけでありますが、この交通安全週間などにおきましても、もっと具体的な、ワンポイント、ワンポイントを打ち出していくようなそういう方法、たとえば母と子が手をつないで歩く運動というような一つ一つを取り上げて強烈に守ってもらう、そういう方法が必要ではないかというふうに思っているわけでございまして、ぜひそういう何か具体性を持ったポイント、ポイントを推していくような全国の交通安全運動というものも実施をして、マンネリ化している状態から脱却していただきたいというふうにお願いをする次第でございます。
 時間もございませんので、それでは、生活ゾーンの問題についてちょっとお話を承りたいと思います。各種の幹線道路対策というものが進みます一方、幹線を追われた自動車、こういうものが裏通りや生活道路にどんどん進入してくるというのが事故を招く原因になってきているんではないかと思います。こういうものが幼児あるいは老人の事故の多発にもつながってきていると思います。この問題は、当委員会でも再三にわたって取り上げられている問題でありますが、現状は、まだまだ満足すべき状態ではないと思います。特に、二十キロ制限の生活道路に大型車が入り込んで軒先すれすれに四十キロ、五十キロというような状態で飛ばすありさまは、裏通りの生活道路の安全というものに非常に危険を与えていると思います。
 その折も折、新聞によりますと、警視庁では生活道路となっている裏通りから二トン以上のトラックを全部締め出して事故の防止を行うということが新聞に出ておりました。二トン以上と申しますが、二トン車は中小企業で一番使われている車だというふうに思いますと、これはなかなか勇断を要する問題だというふうに思います。アイデア倒れでおしまいになっては困るわけでございまして、実現可能な問題であればぜひ実行に移していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#38
○杉原政府委員 東京につきまして、従来から、都市総合交通規制と言われるものの一環としまして、住宅街、学校、そういういわゆる生活ゾーンと言われている地域から大型車の通行を排除するという意味での交通規制をいろいろやっております。
 ただ、調べてみますと、大型車ばかりでなくて、裏通りに入ってきました二トン車によります死亡事故がかなり多うございます。ちなみに昨年の例で言いますと、貨物自動車の中で第一当事者になった死亡事故は百二十五名おりますが、その一七%のものが二トン車であるというふうな実態がございますので、これは先ほど堀内委員からもお話がありましたように、この二トン車というのは、中小企業で使われているケースが非常に多うございまして、地域のいろんな特殊性は十分考えなければいけませんが、そういうたまたま表通りが込むので、通過に二トン車が入り込むというふうなものにつきましては、生活ゾーンから排除していかなければいかぬということで、今後そういう方向でいろいろ地域の実情等も勘案し、相談をしながら進めてまいるというぐあいに考えております。
#39
○堀内委員 ぜひよいと思われるような方策はどしどし実行に移して、交通事故の減少に意を払っていただきたいということをお願い申し上げる次第です。
 まだ、いろいろございますが、最後に専用レーンの問題について、一言運輸大臣にお伺いいたしたいと思います。
 裏通り、生活道路への迂回車両の進入というものは、もともとが幹線道路の渋滞に起因するものでございます。幹線道路の渋滞をなくして、都市の交通機能を最大限に有効に発揮させるというためには、やはり大量輸送機関に重点を置いて道路効率を上げていくことを考えなければいけないのではないかというふうに思います。バスを快適で時間どおりに利用できる通勤手段というようなものに戻していけば、自然にマイカーからバスへの転移というものもあらわれてくるのではないかというふうに思います。その意味で、バス専用道路、専用レーン、優先レーンといった問題も、地域の実情に沿って、もっと積極的に進めていくべきだと思うわけでございます。現在、専用レーンは、朝晩のラッシュのときだけになっておりますが、これを終日にするとか、それに伴ってバスの定時発車だとか回数の増加というようなものを実行させていくとか、取り組むべき問題は非常に多いと思うわけでございます。
 同時に、専用レーンというものを営業バスだけではなくて、工員の輸送のバスだとかそういうものにも許可を与えて、大量輸送機関としての効用を発揮させるような方法をとるとか、いままでの、考えようによりましては、業者本位の専用レーンから利用者本位の専用レーンというものに切りかえていく必要があり、同時に、これがまた交通事故防止の対策になるというふうに思うのですが、運輸大臣に一言御答弁を賜りたいと思います。
#40
○田村国務大臣 非常に示唆に富んだ、時宜に適した御質問であります。まさに堀内委員おっしゃるとおりでありまして、これから大量輸送の公共性を発揮していく意味においてのバスというものの効率をうんと高めていかなければならないことは申すまでもありません。そこでレーンの問題等、当然警察に十分お願いをしなければならぬものでありますが、おかげさまで警察当局も大変この問題については御苦心を願っております。今後とも、警察当局とも十分緊密な連絡をとって、お願いも申し上げながら、御趣旨のような成果を上げるための最大限の努力をいたしたい、このように考えております。
#41
○堀内委員 時間が来ましたので、質問をこれをもって終わります。どうもありがとうございました。
#42
○鈴切委員長 次に、井上泉君。
#43
○井上(泉)委員 大臣の時間がありませんので、まず建設大臣に端的に質問を申し上げたいと思います。
 建設大臣、所信表明の中身についていろいろ議論をしたいわけでありますけれども、その時間がありません。ただいま三百三号線の岩石崩れの事故報告をなされたわけでありますが、いままで道路上におけるこうした落石事故に対する補償責任というものは道路管理者にあるという判決が絶えずなされておるわけです。そういう点から考えましても、やはり国道なり、いわゆる道路を安全な通行路として確保するためには、道路に面した点の砂防というものにもつと意を用いなければいかぬじゃないか。ところが、交通安全のこの所信表明でも、ただ、「既存道路における危険個所の解消を図るべく道路防災事業を強力に推進してまいる」、こういうことで事を終わらせておるわけでありますが、やはりもっと道路に面した場所の砂防というようなものに意を用いなければ、道路交通の安全を確保することができないと思うので、この点についての見解。
 さらに、この所信表明の中で自動車関係のことがずいぶん書かれておるわけでありますけれども、私は、大型自動車等における事故というものは、砂利トラとかこういうものに最も多いわけなので、そういう面においても、やはり建設事業関係、つまり公共事業における工事現場においてはシロトラナンバーを使用するとかいうようなことがあってはならないということを常々指摘をしてまいったところであります。それは、それぞれの自分の会社の自家用ならばいざ知らず、ほとんどその場限りの契約によるシロトラが建設工事現場では利用されておる例がたくさんあるわけですが、こういう点についてのこの適正化を期するような建設行政というものがなくてはならないと思うわけなので、この二点について大臣の見解を承りたいと思います。
#44
○長谷川国務大臣 本日の事故はまことに申しわけないことでございますが、所信表明で申し上げましたとおり、全国に向かって道路のこの点についての調査をいよいよ行って、五ヵ年間のうちに全部済ませようというような考え方でせっかくその努力をしているやさきでありまして、今日の事故の現場におきましても、モルタル吹きつけでロックネット張りであったというところにも欠陥があったのかもわかりませんが、いずれにいたしましても、こういうような事故のないように今後十分に注意をいたしてまいるつもりでございます。
 もう一つのシロトラの問題でございますけれども、建設省としては、かねてから建設業界全般にわたりましてシロトラというものを使っては相ならぬということにつきまして、建設業界そのものに警告を発しているところであり、また、その憂慮すべき事態の現状にもかんがみまして、工事を受注、発注する場合に当たっても、これらの問題に対しては、厳しくその態度を発注先、受注者に向かって植えつけておるところであります。さらに、年に一回次官通達をもって、請負業に当たる場合、自家用以外のシロトラは使っては相ならぬということを通達をしてあるのであります。今後は、さらにこれに対し、厳しい態度をもって臨みたいと考えておりますので、御了解いただきたいと存じます。
#45
○井上(泉)委員 大臣に対する質問は、二時から大臣が出られるそうでありますので、また次の機会にいたしたいと思います。
 そこで、上越線の事故に関連する問題でありまするが、この山の管理責任というか、これは国鉄側にあったものでしょうか、それとも民有林であったのか、その点、まず承りたいと思います。
#46
○高橋説明員 今回、上越線で落石によりまして脱線事故を起こしまして、大変どうも申しわけございません。
 いま御質問の、落ちました落石地帯は、最近になりまして、国鉄の方で買収をした、ここの部分については、国鉄の方で買収した用地内にありました岩盤が落ちたものでございます。
#47
○井上(泉)委員 そこで、いまこれは高木総裁は退席されるような話を聞いておりましたけれども、大体委員長、この委員会は、私は、公安委員長に対しても御出席を要求したけれども、これは他の審議の関係で出席できないということであれば、せめて警察庁の長官ぐらいはこれは出席をしてしかるべきだと思うわけなんですが、そういう点について非常に、何といいましょうか、交通安全特別委員会を軽視しておるように思われてならないわけですが、この点ひとつ委員長として注意を喚起してもらいたいと思うので、委員長の見解を承りたい。
#48
○鈴切委員長 国鉄総裁は、高熱を出しておられますので、退席をさしていただきましたが、そういう問題については、今後、井上委員の言われることを十分配慮してまいりたい、そのように思っております。
#49
○井上(泉)委員 運輸大臣に質問申し上げますが、こういう上越線における列車事故の、ちょうどこの山が国鉄の山である、つまり、これは自分の山を自分で管理して不十分であったがためにこういう結果が生まれたわけですから、これは国鉄の重大な責任であると言わざるを得ないわけです。こういうふうな危険個所というものは随所にあるわけで、その点については、たとえば土讃線等におきましても相当な危険個所があって、予土線なんかは開通してから、年に三月か四月しか通ってない。この間も上越線の事故と相前後して大きな土砂の崩壊があって、また予土線の通行がとまった。こういうふうに各地にこうした危険個所があるわけですが、これに対して、これはやはり私は、大量輸送機関としての列車の安全性を確保するためにも、この見直しというものを、総点検というものを早急にやらねばならないと思うし、またその危険個所についての対策等については、これは国鉄財政が赤字だからと言って、この国鉄にそのことを要求をするような形で、対策工事がおくれるようなことがあってはならないと思うので、その点について、運輸当局はどう考えておるのか、運輸大臣の見解を伺いたい。
#50
○田村国務大臣 総点検をしなければならぬことは当然でございます。各地で災害が起こっておりますだけに、国鉄の経営状態がどうあろうこうあろうということと、災害防除といいますか、災害に対する対策というものとは関係がありません。これはもう財政以前のものであります。十分にその対策を講ぜしめたいと思ってります。
 なお、国鉄の予算編成の内容にまで立ち入ることになりますが、こういう問題については、特に重点的に編成を行うべきであると考えております。そのように指導をしてまいりたいと思っております。
#51
○井上(泉)委員 これは相当な工事費が要るわけですし、そういう場合に、上越線の場合には幹線の線路でありますので、早急な復旧工事というものがなされてきたわけですけれども、往々にしてローカル線においては、国鉄にいまとても金がないから、だから復旧は当分できないとかいうようなことで、じんぜん日を経過する例がたくさんあるわけですが、そういう点でその上に事故でも発生しておったら、これは大変なことですけれども、そういう地域における、地方路線におけるこういう危険個所の総点検というものもこの際は早急になすべきである、こういうふうに私は思うわけです。
 そこで、いまのこの土砂の崩壊がたまたま国鉄の所有地から出たわけですが、これが民有地等から岩石が崩れたということになった場合には、その責任体制というものは、その責任の所在というものは、その山の所有者にあるのか、あるいはそうした管理体制を怠った運輸当局にあるのか、どちらにあるのでしょうか。
#52
○高橋説明員 国鉄周辺には、国鉄の用地以外に民有地の方がはるかに多くございまして、いま先生の御指摘のようなケースが、今回は国鉄の用地でございましたけれども、そういう民有地から起こってくるというケースがございます。私どもは、仮に、民有地であっても、広域的な巡回検査等を絶えず行っており、また樹木を伐採したり、あるいは宅地造成のための開発を行ったりというときには、そういう環境変化をされる方々にいろいろ私の方から前もってその対策についての申し込み等をして、平素そういう方法でやっておるわけですけれども、一応国鉄の力だけでなかなか限界があるということで、そういう災害のおそれのあるところについては、たとえば道路がそばにあれば道路管理者、あるいは山林等国有林があれば林野庁とよく御相談をして、その防災対策をやっておるのが実態でございます。
 したがって、だれに責任があるかということになりますと、ケース・バイ・ケースでいろいろあろうかと思いますけれども、国鉄側もどんな場合でも責任があるのだという意識で、私どもの方は絶えず警戒なり対策等を講じておるのが実情でございます。
#53
○井上(泉)委員 だれに責任があろうとも、どんな場合でも責任を持つというようなことでも、その責任を持つということがなかなかぐあいよくいかぬものです。たとえば高知県の大川村でスクールバスの転落事故があった。それが道路管理者の責任としてこうしたバスの転落が生じたのか、あるいはバスの運転手のミスによってそういうことが起こったのか、この当特別委員会でも調査をしたけれども、いまだにその結論も出ていないわけで、それによって保険の出し方が違うてくるわけです。だから、こういう場合における責任の所在というものを明らかにし、その責任によって山主なら山主がその崩壊の危険のある個所、そういうものに対する砂防工事ができないとするならば、これを国がそれにかわって列車の運行の安全を確保するためにこの砂防工事をするとかいうようなことに、早急な手を打たねばならないわけでありますが、いま運輸大臣が言われた、そうした危険と思われる個所の総点検の指示もしておるということであるが、その指示の内容がどういうものであり、危険な個所があった場合には、これは国鉄に予算があるとかないとかということは問題なしに、早急に防災工事がなされることができるかどうか、その点を承りたいと思います。
#54
○高橋説明員 危険個所が約千七百ヵ所くらいあるというふうに新聞等で報ぜられておりますが、危険個所ということは、ちょっと言葉と実態が合わないかと思いますけれども、落石を重点的に警戒をしております個所が千七百ヵ所でございます。
 全国非常に長い延長にわたって落石区間がございます。その大部分については、防護設備等を処置しておりますけれども、なお風化が進むとか、あるいは岩石の割れ目が大きくなるとか、節理が進むとかというのが絶えず進行いたしますので、私の方は絶えず重点的にそういう区間については監視を行って巡視をし、また必要があれば防護設備等の処置をいたしておるというのが千七百ヵ所ございます。
 今回の事故にかんがみまして、それらが従来監視していたような形だけでいいのかどうか、従来小さな石しか落ちなかったからといって、大きな石が落ちないだろうか、あるいは仮に大きな石が落ちてきた場合に、すでに設置した防護設備で十分もつかどうか、そういう点を現地に指示をして、総点検をしておるところでございます。
#55
○井上(泉)委員 それではお尋ねするわけですけれども、上越線における事故個所というものは危険個所に指定をしてあったところですか、なかったところですか。
#56
○高橋説明員 以前は、危険個所ということで指定をしておりました。(井上(泉)委員「以前というのは」と呼ぶ)以前というのは、もう十数年前ですけれども、固定警戒をつけて、実は四六時中夜も昼も監視をしていた場所でございます。その後、岩石の落ちるものは落とし、なおかつこの区間については、防護設備といいますか、防護工といいますか、コンクリートの重力式のもので、落石はそのコンクリートでとめようという設備をいたしました後、固定警戒を外しまして一応設備としては完了したというふうに私どもも考えていたところでございます。
#57
○井上(泉)委員 そうしたところでこうした大きな事故が起こったわけでありまするから、いかに国鉄の監視体制というか、危険個所の設定というか、そういうようなものがいいかげんなものであるか、こう指摘せざるを得ないわけですが、反省しますか。
#58
○高橋説明員 まことにそのとおりでございまして、この十年間にこの区間では落ちてまいりました落石が比較的小さな物でございまして、従来は防護壁の裏には数多くの落石が全部とまっておりました。今回、直径が二メーターないし三メーターという非常に大きな物が一度に相当数量落ちてきたということで、防護壁を乗り越えて線路の上に落ちたということでございます。そういう点については、非常に技術的な判断が未熟でございました。今後ますます技術的な研さんをいたしまして、なお一層のこれに対する対策なりあるいは研究なりをいたしたいというふうに考えております。
#59
○井上(泉)委員 そこで、国鉄のいまのそういう体制では非常に不十分なものであるし、地域の住民たちが非常にここは危険だというように指摘をした場所で、これを国鉄当局に要求しても、それに対する防災装置をする工事予算がないというようなことでその工事を怠ったり、あるいは住民が要求しても、それは心配ないというような形で放置したりする例がたくさんあるわけですが、そうした危険な個所が指摘をされた場合に、これの防災措置をするのに予算がないからということで、いろいろな理屈をつけておくらすとかやらないとかいうようなことはしないでしょうか。依然としてするでしょうか。
#60
○高橋説明員 国鉄では、この防災関係の工事費というのを年間約二百億くらいずっと使っております。そのうち落石の対策に使っておりますので大体一割ぐらいの工事費でございます。落石以外にのり面の崩壊とかあるいは橋梁の洗掘による破壊とか、実ばいろいろ防災上意を用いて工事をしなくちゃならぬものがたくさんございます。いまお金がないからというよりも、まだ私どもの方の技術的な未熟のためにいろいろ御迷惑をかけている点が多いかと思いますが、先ほど大臣も言われましたように、お金がないということで処置をしないというところがないように、私の方も与えられた予算の中で最大の処置をしていきたいというふうに考えております。
#61
○井上(泉)委員 与えられた予算の中でやるということは、結局その予算の範囲内だけでしか仕事ができない、こういうことに国鉄当局はなるでしょう。これは間違いないでしょう。そうすると、こうした危険個所がある、今度それをこういうふうに点検をするということになると、私は二百億やそこらの工事費ではとても足りないと思うわけですが、国鉄当局は与えられた予算の範囲内で足りると思っておるのですか。
#62
○高橋説明員 安全の点については、いま申し上げたのは設備の防災関係で、それ以外に線路を安全に維持し、なおかつ列車を安全に運行するためには、相当多額のお金を実は使っております。
 安全については、お金の問題じゃなくて、私の方は技術的に最大の努力、判断をして解決をしたいということでございまして、お金がないからやらないというようなことは決してございません。ただ技術未熟のためチャンスの問題で、確率上の問題で私らの及ばざるところでいろいろなことが起こってまいりますけれども、それについては、なお一層の研さんをいたしたいというふうに考えております。
#63
○井上(泉)委員 この安全対策で予算がないからやらないということではないと言う、その意向はわかるわけですけれども、何かしら私は、国鉄当局のいまの赤字財政の状態の中で、今度総点検をしてやれば、かなりな膨大な防災工事費というものが必要じゃないか、こういうふうに思うわけなので、あえて質問を申し上げておるようなわけです。
 そうした場合に、来年度の予算の要求とか、大臣の言われるような予算編成の過程とかいうこともあるでありましょう、それは個人の会計と違うから。違うから、そういうこともあり得るでしょうけれども、やはりこの際は、そうした安全対策について思い切った点検をした予算というものを要求すべきである、私はこういうふうに強く思うわけなので、そのことに対して運輸大臣は、そうした国鉄側の調査に基づく――これは運輸省も一体となってやるのでありましょう。そうした場合に、この安全対策というものに十二分の措置をとるところの決意があるかどうか、再度承って、この落石問題についての質問は終わります。
#64
○田村国務大臣 申すまでもないところでございます。金がどうのこうのと言う前に、その金をわれわれは使わせなければならないことは当然でございます。総点検の結果に基づいて懸命の努力をいたしたいと思っております。
#65
○井上(泉)委員 そこで私は、総点検を指示した、こういうふうなことが言われておりますので、どういう指示の内容であるのか、その指示の通達というようなものを資料として要求をしたいと思うわけですが、出していただけるでしょうか。
#66
○田村国務大臣 鉄監局長がいまおりませんが、なんでございましたら後ほど申し上げますが、国鉄の方から聞いてみてください。
#67
○高橋説明員 私の方で指示したことについては、お申し出のとおり、御提出いたしたいと思います。
#68
○井上(泉)委員 そういう、よく指示をしたとか厳重に注意をしたとかいう話は、いつも聞くわけでありますけれども、私は、具体的にどういう指示をしておるのかということを承知をしないと、その指示の内容というものによって、危険個所というものの判定の度合いというものがわかるわけだから、その指示の内容というものを承りたい、こういうふうに思うわけであります。
#69
○田村国務大臣 いま鉄監局長がいませんでしたので、私ちょっと戸惑ったのでありますが、あの事故の直後に口頭で厳しい指示を与えております。
#70
○井上(泉)委員 次に、やはりこれは運輸省の所管になるわけですが、廃車ナンバーの車が潜在横行しておる。たとえば高知県でも約一千台ある、こういうことが言われておるわけですが、こういう廃車ナンバーがなぜ潜在横行するのか、その辺の原因について運輸当局は究明したことがあるのかどうか。
#71
○中村(四)政府委員 廃車ナンバーにつきましては、私どもの方も、これが悪用された場合の影響が非常に大きいものですから、非常に重大な関心を持っておるところでございまして、通常、登録を受けておる自動車を廃車いたしますときは、道路運送車両法によりまして抹消登録を受けるということになっております。その際には、ナンバープレートを返却させまして、これを切断する、そういうことによりまして、ナンバープレートが不正に使用されることを防止しておるわけでございます。
 また、この抹消登録手続をいたしませんと、引き続いて自動車税の徴収が行われるということになりますので、廃車いたしました際に、抹消登録手続を行われないというようなケースは通常考えられないわけでございます。
 ところが、いま先生御指摘のように、高知等におきまして、使用者が行方不明と申しますか所在不明で、このようなケースが発生したわけでございます。これにつきましては、早速、高松陸運局あるいは高知県陸運事務所において調査いたしました。今後とも抹消登録手続を適正に励行していくと同時に、ナンバープレートの不正使用の防止につきまして、他の陸運局にも強く指示をいたしたところでございます。(「高知県は悪いやつがぎょうさんそろっておるんだよ」と呼ぶ者あり)
#72
○井上(泉)委員 これは高知県だけじゃないです。別にもやもやした灰色じゃないです、これははっきりしておるのですから。高知県だけでも一千台あるというから、私は高知県の人間だけがクロの人間じゃないと思う。
 そこで、いま自動車局長の答弁によると、なぜ廃車したナンバープレートを使うようになるのか、その原因というものを究明できたら、その原因を根絶する措置というものはとれるはずじゃないですか、これだけ自動車の管理というものはやかましいのですから。できないですか。
#73
○中村(四)政府委員 私どもの方といたしましては、抹消登録をいたします際にナンバープレートが返却されないというケースにおきまして、プレートの紛失とかあるいは解体等の確認、これにつきましては、一層厳格にして、不正使用を防止していかなければならないというふうに思っております。
 自動車の販売あるいは整備事業者に対しまして、下取り車のナンバープレートの回収、あるいは不正使用の防止につきまして、車検証との照合をさらに徹底をさせていくというようなこと、それから警察当局とも密接に連絡いたしまして、不正使用の防止に努めますとともに、県税当局とも、自動車税滞納者につきまして抹消登録手続の励行を進めていこう、こういうようなことを考え、また実施に移しておるところでございます。
#74
○井上(泉)委員 大臣、いまお聞きになったように、廃車したナンバープレートを使用した自動車が道路上を走り回っておる、こういうことを想像してもぞっとすると思うのです、廃車した車には保険も掛けてないですから。だから廃車処分、抹消登録というものがなされないうちに自動車の販売業者が販売するなり、あるいはまた自動車税の課税を怠っておるとかいうようなこと、私はこれは常識として運輸行政を担当する者として考えられない状態じゃないかと思うのですが、大臣どう思いますか。
#75
○田村国務大臣 まさに常識で考えられないことであります。どうも厳正さを欠いておるように思います。これについては厳しい指示をいたします。
 高知県でそういう事例があった、これはいまのお話を承って、高知県だけでなく、全国を考えれば大変なことだろうと思うのです。高知県だけが決して悪いんじゃない。私も高知の出身ですから……。決して悪いんじゃありませんが、全国的なことを考えれば、本当にいまの話じゃないが、身の毛のよだつといいますか恐ろしいことでございます。厳しくやります。
#76
○井上(泉)委員 そこで、これはなぜ県税を課税保留にするのか。県税ですから、これも高知県なら高知県ということになるでしょう。ところがこうしたものを課税保留にするから、大体こういうことが起こるわけなんだが、自治省どうですか、これは。
#77
○川俣説明員 登録された自動車でございましても、それが滅失、解体されておるというような場合には、実は課税客体にはならないわけでございます。何しろ、ただいま全国で約二千二百万台ほどの自動車税課税対象車があるわけでございます。実際、県で課税いたします場合には、登録されている自動車につきまして電算処理をいたしまして、それで納税通知書を交付するという仕組みになっておるわけなんでございますが、そういたしますと、ただいまお話しになっておりますような、もう解体されまして、当然抹消登録をしなければならないような自動車についても、抹消登録がなされておらないために、電算処理上納税通知書が出ていくという場合がございます。そういう車につきましては、所在不明なんかのような場合が多いわけでございますけれども、そういう場合は、納税通知書が返ってまいります。返ってまいりますと、その納税義務者がどこにいるか、所有者がどこにいるかというので県税当局がいろいろ捜したりいたしまして、それで所在を突きとめて、その車が実際滅失、解体をしておるというようなものにつきましては、そこで納税義務を消滅させるということになるわけであります。
 ただいま課税保留をしておるではないかというお話でございますが、私ども、その実態をよく承知いたしておりませんけれども、課税保留になっておりますのは、恐らくそういったことで、納税通知書が出た車につきまして、何度も出しましても所在不明で納税通知書が返ってくるというようなものについて、場合によっては県当局で課税保留の扱いをしておるものもあるかと思います。
 いずれにいたしましても、抹消登録が円滑に行われておれば、そういう事態は防げるわけでございまして、私どもといたしましても、関係当局に抹消登録がスムーズに行われるようにお願いをしておるというようなことでございます。
#78
○井上(泉)委員 自動車を廃車するときに抹消登録の手続をすることになっておるけれども、それをしない。せずに、課税保留にしておって、そのまま今度は廃車ナンバーの車が横行しておる、こういうことであるわけなので、だから、これは自治省の方も、こうした課税保留の扱いを簡単にやり過ぎはせぬか、こういうように私は思うわけです。もっと課税保留も全部そういうものの処理をしておけば、こんな廃車ナンバーの車が走り回ることはない。廃車ナンバーの車は、往々にして保険を掛けていない車が大半ですから、危険この上もない車が横行しておる。
 私は、自治省においても、自動車税の課税保留の実態がどうなっておるか、こういうことは調査してしかるべきだと思うわけですが、自治省当局どうですか。
#79
○川俣説明員 ただいま申し上げましたように、課税保留をしておる事例が現実にあるかどうか、私どもつまびらかにしておりませんけれども、全くないわけじゃないだろうと思います。それは先ほど申し上げたような事情に基づくものだろうと思います。
 いずれにいたしましても、廃車をすべき状態にある車について抹消登録がなされますならば、それ以上課税をするというようなことは起こらないわけでありまして、この問題の解決にはそういったアプローチでやっていくのが適切じゃないかと思います。
#80
○井上(泉)委員 そこで私は、こうした潜在横行する廃車ナンバーの車等についての調査をもっと車検の関係あるいは税金の関係、保険の関係、そういういろいろな形ですれば、これはできるはずだと思うので、その点をこれは交通安全の総合的な施策の面からひとつ総理府あたりで知恵をしぼって、各省庁の関係を密にしてやっていただきたいということを要望すると同時に、課税保留をした全国資料というものをぜひ出していただきたい、こういうように思うわけです。これは総理府でそういう知恵を出してやるのか、あるいは自治省でやるのか、運輸省でやるのか、いずれでも結構ですけれども、ぜひとも課税保留したものの全国資料を出していただきたいというように思うのです。
#81
○室城政府委員 ただいま御指摘の点については、早速検討してみたいと思います。
#82
○井上(泉)委員 そこで私は、きょうは警察庁の長官が来てないことを非常に残念に思うわけでありますけれども、優秀な交通局長が来ておりますので、交通局長にお尋ねします。
 交通事故が多発をして、それに対する検分の状態というものは非常に危険きわまりない状態の中にある、これは私もいままで何回となく交通安全の委員会でいろいろ指摘をして、交通事故の検分というものをもっと科学的にできないのか。高知県でも、検分をしておったところをダンプカーにひかれて死んだという、痛ましい警察官の事故があったわけです。それで、この間も、都内だったか、交通事故の検分中に警察官がはねられて、一人は死亡、一人は重傷、こういう痛ましい事故が発生をしておるわけです。これは非常に交通のふくそうをきわめるところでありますし、そういう中で幾ら安全灯を周囲に置いても、その外でやっておるのですから、身の安全を確保するということはなかなか困難だと思うのです。そこにもつと科学的な事故処理の仕方というものが考えられないものかどうか。これは警察官の労力負担、あるいは検査の確実を期する意味において、もっと科学的な事故処理の方法というものがないかどうか、私は交通局長に承りたいと思います。
#83
○杉原政府委員 井上委員から御指摘いただきましたとおりでございまして、非常に困難な交通の現場での実況検分を中心にいたします処理でございます。そういう警察官の犠牲者を出さないために、いろいろ処理要領をつくったり、事故防止資機材の活用をやらしたりしておるわけでございます。また場所によりますと、事故処理をやっております前方といいますか後方といいますか、対向車が来るところに、これは新しい機材でございますが、自動警報装置などというものを備えて、そこを車が通過をしますと、大きなブザーが鳴るというふうな仕組みのものを活用したりいたしておるわけでございます。
 ただ、つい最近ございました千葉の事例などにつきましては、これは移動交番車で参りまして、事故現場のかなり手前のところに赤色回転灯をつけて車を置いておく。その事故の起こった現場と移動交番車との間で実況検分をやっておった。そこに、これは居眠りだったかわき見だったか、実態はよくわかりませんけれども、トラックが赤色回転灯の点滅しておりました移動交番車にぶつかったというふうなことでございます。
 それにいたしましても、まだまだやる手だてというものは私どもも十分であるとは思っておりませんので、御趣旨の方向に沿って、今後もさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#84
○井上(泉)委員 いつも努力、努力という話はよく聞くわけですけれども、その努力が一向実らない間に、この間も千葉で警察官が亡くなった。まあその瞬間でも事故というものは発生するかもしれぬから、これは予想はされないわけです。私も交通事故の検分の場所等にいつ行っても、これは大変な時間がかかりますよ。あなたはそのことはよく承知をしておると思いますが、そうすると勢い交通渋滞も激しくなる。そうすると、その横合いをさっと抜けて出るというようなことで、交通事故の調査をすることによって交通渋滞をよけいに起こして、またそこで事故を起こす。そうしてまたそれをやっておる警察官が重大な事故に遭う、こういう状態であるわけなので、そこら辺思い切って警察庁は、交通事故調査に――私は、これだけ進んだ世の中だから、せめて交通事故の調査にはもっと科学性というものが取り入れられて、そうしてそれに対する措置というものがなされるべきものであるというふうに思うわけですが、検討、検討と言うて、何ですか、また来年あたりまで検討ということになるのでしょうか。
#85
○杉原政府委員 これは実態上は、後で、加害者と被害者との関係のいわゆる正確なデータというものが一面では捜査資料という形でどうしても要請をされるということでございますが、ただ、いまやっておりますような交通事故の現場で巻尺ではかってやるというふうなことは、かなり原始的なやり方でございますので、こういうふうなものを、いまやっておりますのはステレオカメラ車というのがございますが、これを積んでいきまして、上から一遍に写して立体図にするというふうな、そういう装置もかなり開発をされ、導入をされておりますので、そういうふうなものを今後もっと積極的にふやして、道路の条件で使えるところと使えないところとございますけれども、そういうふうなものの活用に今後さらに積極的に努力するというふうに考えております。
#86
○井上(泉)委員 時間が参りましたので、終わるわけですが、交通安全というものは、これば一つの省、庁で事足れりというものではないわけで、あらゆる機関と総合的に調整をとってなさねばならないと思います。
 そこで、自動車産業は、ずいぶん膨大な広告をしておるわけです。膨大な広告をしておるけれども、最近は、交通安全というものが広告の中に若干入ってきておるわけですけれども、この辺に対する指導というもの、私はこの点についても、いずれ機会を見て究明をいたしたいと思いますので、その点についての調査というものを政府においてもしておいていただきたい。
 それからまた委員長にお願いしたいのですが、私は、最近ハイジャックあるいは日航の酔っぱらい操縦士とかいうような、大量死につながるような交通機関の安全対策というものがどうも緩やかになっておるのじゃないか、こういうような気持ちがするわけなので、理事会等で相談をして、一般質問の場合に参考人として航空関係者を呼んで、航空における安全対策というものを検討していただくようなことをお考えになっていただきたいということを要望して、私の質問な終わりたいと思います。
#87
○鈴切委員長 次に、新井彬之君。
#88
○新井委員 私は、先ほど報告のありました件、それから大臣の所信表明にありました件につきまして、若干の質問をいたしたい、このように思います。
 初めに、ハイジャックの問題でございます。
 この経過とか問題点については、いろいろ説明をお伺いしたわけでございます。先ほどもこのハイジャックの問題についての質疑がございまして、いろいろ論議されたわけでございますけれども、結果的に、ハイジャックをしようというような者が何とか凶器を隠し持っていくということで、いろいろなことを考えてくるわけでございますから、ある意味では完璧なまでにチェックができなければならぬ、こういうことであるわけでございます。
 そこで、まず初めにお伺いしておきたいことは、いままでいろいろチェックをやりまして、そういうことでつかまった例があるかどうか。あなた刃物を持っているじゃないかとか、あるいはピストルを持っているじゃないかとか、そういうのが始終つかまっているというならまた一つのことでございますが、そういう経過はいかがでございますか。
#89
○高橋(寿)政府委員 最近の件数を申し上げたいと思いますが、たとえば昭和五十年でございますが、危険物を十三万個ほど発見いたしております。それから五十一年では二十五万個を発見いたしております。
#90
○新井委員 そうしますと、その危険物の中には、いろいろありますが、たとえて言いますと、火薬類とかダイナマイトであるとか、そういうようなものについては、いかがなっておりますか。
#91
○高橋(寿)政府委員 現在の検査機器がエックス線あるいは金属探知機によるものでございますので、ダイナマイトの粉だけ入っているというふうな場合には、ボデーチェック等をやりまして、不審な挙動をきっかけにして調べるということになろうかと思います。
#92
○新井委員 そうしますと、火薬類とかダイナマイト類については、現在のチェック体制ではできない。たとえて言いますと、初めに入るときにはエックス線でまずやりますね。そのときにエックス線でキャッチされて、これは金属類を持っているんだ、その金属類の内容は何かということになりますと、これが刃物であるとかあるいはまた拳銃類であるとか、そういうことになって、チェックされるということになるわけですけれども、それ以外に、これは非常に危険な物だということを指定しておるものであって、チェックできないようなものは、何がございますか。
#93
○高橋(寿)政府委員 検査の基礎になっております航空運送約款の定めでは、航空機の運航に危険を生じさせるおそれがあるものというのは全部含まれておりますので、そういったものをガードマンが気がつけば、全部チェックできるようにはなっております。
#94
○新井委員 気がつけばチェックできるのでございますが、気がつくようにしようと思えば、やはりボストンバッグを全部あけるとか、あるいはまたボデーチェックを完璧にするとか、それ以外に何か方法がございますか。
#95
○高橋(寿)政府委員 方法としては、かばんをあけることと、それからボデーチェックを完全にやること以外にはございません。
#96
○新井委員 現在の状況からいきますと、エックス線とかいろいろのことがございますけれども、やはり当然最終的にはそれをやらなければ完璧なまでのチェックはできないということではないかと私は思います。
 したがいまして、先ほどからお話がございましたが、確かにボデーチェックをするなんということは、ほとんどの方はいやがりますし、何十万人に一人、何百万人に一人の人がそういう意図をしてやることに対してのボデーチェックでございますから、大変な労力等、大変なことになろうかと思いますけれども、やはり全面的に事故を防止していくということについては、こればやらなければならぬのではないかということが一つでございます。
 それからもう一つの問題といたしまして、刃物は持ってはいけないことになっておりますけれども、果物ナイフが凶器と見られるかどうかということも非常に議論があるところだと思います。そういうような、これからのボデーチェックにおいてどこまでを見るかという問題です。その二つについて御答弁を願いたいと思います。
#97
○高橋(寿)政府委員 先ほどお答えいたしました件数の中には、果物ナイフも入っているわけでございまして、一応私どもは、これも使い方によっては凶器となり得るという観点でチェックの対象にいたしております。
 それからボデーチェックの厳重化の問題でございます。これは運送約款に基づいておりますので、あくまでも納得ずくということになっておりますので、結局はお客様の御理解を得るというところが基本になると思うのでありますが、飛行機を利用する方はお互いさまでございますので、この点は、多少不便がかかってもお互いの安全のために協力していただくということで、私どもは、もちろん無用の混乱を避ける努力はいたさなければなりませんけれども、乗客の不満が多少出ましても、安全第一に確実な点検をすることが大事だと思っております。
#98
○新井委員 それからもう一つの問題は、離着陸のときには操縦席のドアをあけておくというようなことがあるようでございます。したがいまして、あけなければいけないという内容はわかりますけれども、そこら辺の工夫というものは今後どのように考えるかということでございますが、いかがですか。
#99
○高橋(寿)政府委員 操縦席との間の仕切りドアの問題でありますが、現在の規定で、巡航中はこれは必ずロックをしておくということになっておりますが、先生お示しのように、離着陸のときは、これはあけておくことになっております。
 と申しますのは、離着陸は飛行機でも一番危険の多い時間でございますので、このときに何か事故が起こった場合に、直ちに乗務員が客席に赴いてお客さんの救助をするというふうなことのためにそのところはあけておかなければならないことになっておりまして、いま離着陸時だけはあけておりますが、離着陸の状態の以前、以後におきましては必ずロックをするということを励行させるとか、また離着陸時におきましても、そこを全くノーガードにしないで、たとえばスチュワーデスが必ずそこに立って、おかしな人が入ってきたときにはチェックできるようにするというふうなことを考えなければいけないと思っております。
#100
○新井委員 もう一つは、先ほど、航空約款に基づきまして、そして航空会社がガードマンを雇いましてその問題に当たる、こういうことになっておるわけでございますが、この責任、チェックできなかったために起こったことの責任というものは、当然航空会社が背負うような形になると思いますが、それに対して、国の方としましても、そういう問題に対する技術援助であるとか、ある程度やっていることはわかりますけれども、その件については、今後とも、世界のいろいろな新しい機械であるとか、また新しい考え方も導入して、ただ航空約款で航空会社の責任だからと言うだけでなしにやっていただきたい、こういう要望をいたしておきたい、このように思います。
 それからもう一つは、先ほどの上越線の脱線事故の問題でございますが、初めに総理府総務長官にお伺いしたいと思うのでございます。
 日本の国というのは、非常に山岳部が多いわけでございまして、あっちこっちで落石事故――先ほども建設大臣から三百三号の問題がありました。何も飛騨川の事故だけをとらなくても、各所で非常に落石事故というのが起こっておる。「落石注意」と書いてあるところがたくさんあるわけでございますが、私は、一体どのように注意したらいいのかということを建設大臣にいろいろ質問したことがございますけれども、この落石の問題というのは、何も国鉄であるとか道路を管理している建設省とか県だけの問題ではなくて、各省にまたがったいろいろな状況というのがあろうかと思います。したがいまして、落石に対する今回の五十一年度から五十五年度までにおける交通安全対策の基本的な位置づけ、そしてそれに対してはどこまでやるのだということについての基本的なお考えはいかがなっておりますか。
#101
○藤田国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、道路安全あるいは交通安全に対しまして、至るところにこういうふうな落石の危険がある。ですから、長年にわたってこの落石に対しましては、運輸省はもちろんのこと、道路管理者であります建設省、警察庁、林野庁その他、いろいろな役所においてそれぞれの注意をいたしてきましたけれども、なおかつこういうふうなことがあるということでございますので、特に今冬のいろいろな異常気候といいますか、そういうものも影響いたしておるのではないか、いてついた土地がこの暖かさで緩んできた、そういうこともこれまたあると思います。こういうことがないように、第二次の交通安全対策においては大いに重点を置いて考えたいと思います。
#102
○新井委員 今回の落石のことから見ましても、何も上越線が脱線しただけではなしに、国道が大渋滞をいたしておるわけでございます。そういうことで、もしも汽車が通ってないときに、それなら下の国道を通っているときに石が落ちてきた場合は、これは当然どこの責任になるんだということで、建設省に移るだけだということになるわけでございまして、この問題についてはいまから具体的に私申し上げますが、本当にやる、やるという言葉がございますが、なかなか現実にはできていない、このように思うわけでございます。
 もう一度先ほどの質問から確認をいたしますが、危険個所の千七百ヵ所のところには現在は入っていなかったわけですね。いかがですか。
#103
○高橋説明員 上越線のここは、すでに処置済みということで私どもは考えております。
#104
○新井委員 そうしますと、国鉄の方で、これは現在、幹線系と地方交通線系と分けまして、合計で千七百三十ヵ所控ございますね。その地域については、少なくとも千七百三十ヵ所については、いつまでに危険防止の工事をやられるわけですか。
#105
○高橋説明員 先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、千七百ヵ所すべての工事をするということでなくて、私の方は、落石を重点的に巡回警戒をする個所が千七百ヵ所あるということでございます。その中には、たとえば目で見た場合に、あの石が落ちそうだなというような状況になっていて、その石が落ちそうな状況になる亀裂が進行しているかどうか、そういう石については印を明白につけまして、その石の移動あるいは亀裂の進行等を監視しているところがございます。そういうものを全部含めて千七百ヵ所ということでございます。
 それが亀裂が進行する状況になるという技術的な判断が得られますと、それに対する防護さくをしたり、防護工をしたり、あるいは巡回検査の密度を濃くしたり、いろいろの処置を考えていっているのが実態でございます。
#106
○新井委員 じゃ、もう一遍また別の角度から申し上げます。
 いま千七百ヵ所危険個所がございますね。それからまた、今度は橋梁とかトンネルですね、これが非常に老朽化している。そういう個所が、国鉄が調査をして危ないなというのを合わせますと、約三千三十一ヵ所というぐあいに出ているのではないかと思います。
 そこで、それでは、そういう危険個所についていま余り具体的に言われなかったわけでございますが、過去において、十年間でも結構でございますけれども、それに対する修理や工事を行ってきた予算額は、どの程度使っているのですか。
#107
○高橋説明員 線路工作物と申しますか、いまのトンネル、橋梁それからのり面、これを私どもは線路工作物と申しておりますけれども、それらの構造物が老朽化してきたのを取りかえたり、あるいは防護をして強化したり、あるいはいまののり面等を落石が落ちないように防護する、そういうのを防災設備費と申しておりますけれども、それらに投じておりますのは、最近一年間に約二百億円ぐらいを投じております。そのうち、落石等、のり面対策ということで使っておるのが、その金のうちの約一割前後でございます。
#108
○新井委員 そうしますと、いまこの工事、概算幾らぐらいかかるかということで、いろいろなところで計算されておりますけれども、一千億円かかる。これでもなかなか現実は不十分じゃないかと思いますけれども、その不十分な中でも二十年ぐらいはかかるということですね。しかし逆に言えば、二十年間にまた老朽化が進んだり、危険個所が出てくる、こういうことがございますから、先ほども運輸大臣が答弁されましたが、これは国鉄の赤字の問題ではないんだ、それ以前の問題なんだ、こういうことでございますから、当然やはりこれは年度計画を決め、明確にこれはこのように解決をしていくというものが出てこなければ具体的にはやはり解決しないだろう、こういうぐあいに思うわけでございますが、運輸大臣いかがでございますか。
#109
○田村国務大臣 先ほども申し上げましたように、これは国鉄の財政内容以前のものであります。一生懸命にその対策に国鉄自身も専念してもらいたいし、われわれも一生懸命に協力をしたいと考えております。
#110
○新井委員 今回のこの事故に対しまして、公明党といたしましても、調査団が参りまして、現地をつぶさに調査をしたわけでございます。その中で、先ほど千七百ヵ所には入ってないとおっしゃいましたが、この地域については、保線掛の方から再三にわたって危険なんですということが前から何回も言われているわけです。そういうことについての御事情、おわかりですか。
#111
○高橋説明員 そういう現場の保線関係の職員からも、そういう話があって、逐次防護工の範囲を拡大をしてまいる。一応この最近四、五年間に落石防護工に実際に落石が落ちてまいりまして、落石防護工でとめております。その落石の大きさは、従来の実績では比較的小さなものでございましたので、私どもの方の判断は、一応この防護工で目的を達しているというふうに実は判断をいたしております。しかし、その辺が私どもの技術的な判断の甘さといいますか、実際に落ちてまいりましたのは非常に大きな、直径三メートル以上にも及ぶような大きなものが崩れてまいりました。それだけ奥深くから崩れてくるということは予測しなかったということについて非常に反省をいたして、まことに遺憾なこと、今後、ますますこの点については、技術的な判断、その他いろいろ処置をしていきたいというふうにただいま反省をいたしておるところでございます。
#112
○新井委員 この安全輸送の管理をするについては、渋川保線区がやっておるわけでございますが、この渋川保線区は、群馬総社から水上までの約四十キロと渋川−大前間の吾妻線の五十五キロ、非常に広範囲なところにおいて管理をやっておるわけでございます。したがいまして、その検査人員というのはたった六人で、年に一度か二度しかこの危険個所を回ることができない。それももう毎日やって精いっぱいであるわけでございます。
 そういうことで、こういう危険個所について検査人員が六名ということで、一体毎日どういうぐあいにやられておったか。これじゃとてもじゃないけれども、検査はできないのじゃなかったか、こういうぐあいに考えられるわけでございますが、そういう現実的な検査体制、いかがですか。
#113
○高橋説明員 線路の問題につきましては、落石だけではなくて、先ほど申し上げましたように、橋梁、トンネル、いろいろなものがございます。それらおのおの構造物別に一応検査基準というものを私の方は決めまして、こういうものについては何年に一回巡回検査、こういうものについては何ヵ月に一回こういう検査をしろというような基準がございます。一応その基準に従って、各構造物別にその検査班の職員が検査をするわけでございますが、検査の上で一番むずかしいのは、のり面崩壊と落石でございます。これはただ見ただけでわかるというか、見ただけである程度の見当がつく場合と、見ただけではなかなかわからない場合、いろいろな器械を持ち込んで判定をしなければならないといういろいろなケースがございます。非常にむずかしい問題については、これは本局の管理局なりあるいは技術研究所等の専門家をそこに派遣いたしまして、精密の検査をして判定をするという処置をとっているわけです。通常の検査では、いわゆる巡回検査というもの、特に雨季だとかあるいはなだれの多い期間、そういうときには特別に密度を濃くいたしますけれども、通常は決められた基準に従って検査をしているというのが実態でございます。
#114
○新井委員 私は、いま答弁があったようなことは、よく承知の上でお伺いしているわけでございます。したがって、いまと同じようなことを言っていれば、何も今回のこの事故だけではなくて、今後とも直していかなければそういう事故は多発するのじゃないかということを心配して言っているわけでございますから、こういうところはいかがですかということを言っているわけです。だから、いままでが完璧な検査体制であり、それで今後ともこれを続けていけば完璧だというなら問題は何もないわけでございますよ。
 そこで、吾妻線にも、いま言った約四十ヵ所の危険個所があるわけです。これは一昨年の夏にも、この線の羽根尾駅付近で二十数人の重軽傷者を出した落石事故というのが起こっている、こういうこともあるわけです。それから一日に四十往復するわけでございますから、大きな石が落ちてきたら大変であるということで非常に関係者もみんな心配をしている。いまも言われたように、防災対策の要綱等、比較的細かい基準が決められておりますけれども、幾らそれを決められても、これが危ないからこういうぐあいに直すということがなければ、やはりいつまでも心配しなければいけないという現状が残っておるということです。
 それからもう一つは、いま器械を持ち込んで検査をするとかなんとかいろいろ話がありましたが、やはり現在は目視による個人の経験的技術ということが非常に中心でございまして、近代的な防災、いま言ったような器械を使うとか、そういうような技術というものは非常におくれておる、こういうぐあいに考えられるわけでございます。こういうところについては、今後やっていくというような答弁だったと思いますけれども、国鉄当局におきましても、あるいはまた運輸大臣におきましても、現場の声と現実とを確認しながらやっていくという姿勢でなければこれからの事故というものはとまらない、このように思うわけでございますが、その件についてお伺いしておきたいと思います。
#115
○高橋説明員 確かに技術的に非常にむずかしい点が実はございました。私の方も技術を過信することなく、よく現場の実情を知っている職員の意見を聞いて、対策になお一層努力いたしたいというふうに考えております。
#116
○田村国務大臣 現場のことは現場の人が一番よく知っているわけです。でありますから、国鉄当局は十分現場の声に耳を傾けるように、私どもこれから厳しく指導をしてまいりたいと思っております。
#117
○新井委員 私は一つの考え方として提案もしておきたいと思うのでございますが、落石の防止につきましては、さっきも言いましたように、国鉄も予算の前の問題だと言われますけれども、予算的にもなかなかない。したがいまして、監視体制にしましても何も――そこの町にも町役場がございますし、県にもやはり県庁があるわけです。そういうことで、みんなが災害を受けないという意味からチェック体制なんかもみんな検討いたしまして、どこがどの分担で直していくかというようなことも、やはりこれは交通安全対策の一環としてそういうことを考えていただきまして、やっていかなければ早急な解決はできないのではないか、このように思うわけでございまして、そういう点についてもよろしくひとつ検討を願いたい、このように思うわけでございます。
 それから、日本航空所属の貨物機がアンカレジ空港において墜落をした、これは一月十三日午前六時三十分ということでございますが、この原因が、機長のマーシュが大量のアルコールを飲んでおった、これは日航機の問題でございますが、この件については当然航空法第七十条違反ということになりますし、運輸省としても明確に航空会社に対して指導している。航空会社はそれに基づいてきちっとチェックをしておるわけですね。だから、あれを見た限りにおいて事故が起こるなんということはだれも考えられなかったわけでございますが、それが起こったというところに問題があると思うのです。その原因というものはどこにありますか。
#118
○高橋(寿)政府委員 これは私の推測になります。また、言葉が多少過ぎるかもしれませんけれども、わが国におきましては、航空機の乗務員が非常に特殊な危険な職業であるというところから、一般の産業に比べまして、かなり高い給料を取っているというふうなところがだんだん慣例化いたしまして、職員の中に何といいますか、特権意識と申しましたら言い過ぎかもしれませんけれども、若干そういった気持ちを持っておる人が間々中にいるのではないか。これは決してそういうことであってはいけないのでありまして、私ども危険な仕事をする方に十分な待遇をすることは大いに結構なことで、この点においては、これからだって心がけていくことでございますけれども、さりとて安全に対するおごりが一切あってはいけない。そこのところの履き違えをした人がこういつた法律違反なり、あるいは会社の運航規程違反なりを犯したことになるんじゃないかというふうに考えるわけでありまして、このようなことは、今後絶対あってはなりませんので、会社の中の単なるパイロットの技能をみがくという意味の訓練だけではなくて、パイロットの方たちの社会的な自覚というか生きがいというか、そういった全人間的なことまで考慮した、本当の要員体制というものをきちっとする必要があるということで厳しく会社に申しまして、会社もそのつもりで現在やっております。
 また、それに対するチェックといたしましては、各種のチェック方法を考えて、人権を尊重しつつ、最小限度チェックをするということも厳しくやることにいたしております。
#119
○新井委員 こういうような全く人災といいますか、とめられるようなことについての事故というのは再び繰り返すことはないと思いますが、やはりこういうことが出てきたということは、きちっとしたあたりまえのことをあたりまえにチェックしていなかったというところに大きな問題があると思います。とにかく十二時間前から酒を飲んじゃいけないとか、あるいはまた麻薬剤を打つちゃいけないとか、こういうようなことがありますね。そういうようなことがありますので、本当に事前にチェックができなかったなんということはあり術ないことでございますが、そういうことについては、今後ともないようにひとつよく指導していただきたい、このように思います。
 それからもう一つ、これに関連をいたしましてお聞きしておきたいのですが、非常に健康な方が急に脳卒中で倒れてお亡くなりになる場合もあるわけでございます。したがいまして、健康管理といいますか、そういうようなことについてのチェックはどのように行っておるか、お伺いしておきたいと思います。
#120
○高橋(寿)政府委員 非常に危険な、また高度な判断を要する仕事でございますので、乗務員の人が心身ともに常に健全な状態であるということは最低の要件でございます。会社の側でも定期的な健康診断を行っているほか、乗務前に運航管理者、ディスバッチャーと言っておりますが、この運航管理者が航空機に乗り込む人の健康状態あるいは精神状態等について厳しくチェックをする、そして少しでもおかしいときにはこれを排除するということをするようにいたしております。この点につきましても、今後いわゆる運航管理者というものの社内における地位を高めるということも関連いたしまして、十分事前の心身状態のチェックができるように、さらに厳しく指導していくつもりでございます。
#121
○新井委員 国鉄の問題ばかりでちょっと申しわけないのですが、たくさんあるのですけれども、時間がきょうは四十分でございまして、まことに申しわけないと思います。
 新幹線がこの前、神戸駅で事故を起こしたわけでございます。これはいままで在来線になかったような状況ですね。二百キロのスピードで新幹線を走らした場合は、六十五メートルですか、何か突風が起こって、下に雪がありますと全部車体の下にひっつきまして、そしてある程度走ると、そのついた雪がぽんと落ちまして、下の石をはね上げて窓ガラスを割ったり、あるいはまたほかの交通事故の原因になるというようなことはよく承知しておるわけでございますが、こんな基本的な、もう四十二年にすごいおくれを出して、ことし五十二年にまたそういう事故のためにおくれを出して記録を破ったわけでございますけれども、現在十年たっているわけです。その十年たった中で、そういう一番基礎的なことの解決ができるような技術的な開発というのはなかったのですかね。いかがですか。
#122
○高橋説明員 雪につきましては、十年前、実は在来線では百キロまでの経験しかございません。新幹線が二百キロで走るようになりましてから、米原付近では毎年雪によって列車の速度を落とさなくちゃならないという状況が出てまいります。したがって、私の方は、雪に対する対策を何とかしなければいかぬということで、今後つくるべき上越新幹線等については、いろいろ研究いたしておりますけれども、すでにでき上がった米原付近については、一応降った雪ができるだけ舞い上がらないようにということで、水をかけて雪を固めてしまうということを考えて、設備を逐次増強しているというのが実態でございます。
 しかしこれは根本的な解決になりません。やはり雪が降っているときには、二百キロでなくて百キロ程度の速度に落とさないと、雪が降っている最中にはスプリンクラー等だけでは役に立ちません。したがって、根本的解決は、一つには覆いを完全にかけるか、今度車両の方で解決する、両方の研究が相まっていかなくてはならぬというふうに考えております。ただ、いま運行中の線路に覆いを全部かけるということは非常に危険でもあり、また工事費もかかりますので、できるだけ将来は車両で解決をする方法はないかということをいろいろ研究をしてまいりたいというか、現在研究をしているところでございます。
    〔委員長退席、太田委員長代理着席〕
#123
○新井委員 東北新幹線はいま一生懸命建設をやっておるわけですね。それを早めてやったって仕方がないんじゃないかと私思うんですよ。と言いますのは、現在の山陽新幹線ですね、そういうようなところからいきましても、たった七十キロ区間で一時間も二時間もおくれるような現状の新幹線でございますから、当然冬季の半分は東北新幹線だって在来線よりもゆっくり走らなければいけない。在来線は九十キロとか百キロぐらいで走っているんだけれども、いつも新幹線が抜かれまして、悪くいくとまたストップするというようなことになるわけです。したがいまして、多くの一般の乗客の方というのは、当然新幹線というのは技術の粋を集めたものなんだ、だから何で雪なんかでとまるのかということはほとんど御存じありませんから、一体どうなっているんだということになっているわけでございます。いままでそういうことに対しては大分研究されて、改良されてきたことは私も知っておりますけれども、これをいまもシールドのやり方は大変だとか、あるいはまたスプリンクラーの問題とかをどうするかとか、いろいろ車体の問題もありますけれども、これに対して実際問題、解決をされるめどというのはいつごろに目標を置いておるわけでございますか。
#124
○高橋説明員 現に使っております東海道新幹線の米原付近については、冬のある期間だけは特定のダイヤをつくって走るということがとりあえずの対策になろうかというふうにも考えておりますけれども、いま現に走っているものを設備等で補うということはどうもいまのところ技術的に見通しが立っていない。したがって、いま車両については、車両全体をもう少し下の方を覆う方法が考えられておりますので、これについては近いうちに試験をして、米原付近について効果があるかどうかということも確認をしたいというふうに考えております。
#125
○新井委員 もう一つ、現在、ATCとかCTCとか自動制御装置をやっておりますけれども、橄欖石が敷かれているところで自動的に電気が流れて、本来ならば切れなければいけないところで流れてしまったとか、あるいはまたウォッシャーでボデーを洗うわけですが、そのときに水をたくさん使っておりますからそれに流れたとか、絶対的に大丈夫であるというようなことも言えない。まあ、ブレーキというものは一種類でやるのではなくて、電気系統を使えばあとのあれはエアにするとか、エアというか、いろいろの種類に応じてダブルでやるのが安全であるということも言われておるわけでございますが、そういうような件につきましても非常に考えていただきたいし、それからまた、現在、東海道新幹線については揺れるといいますか、非常に揺れがひどい。これはNASAの研究結果等によりましても、人体に与える影響といいますか、これは衝突して事故があるという問題じゃありませんけれども、非常の疲れであるとか、いろいろの問題ですね。
    〔太田委員長代理退席、委員長着席〕
それからまた湿度の内容によっては、それがまた人体に及ぼす影響であるとか、非常にいろいろのことが研究されたものが出ているわけでございますが、新幹線等におきましては、やはりそういうものも考慮をされてひとつやっていただきたいということを要望しまして、時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思います。
#126
○鈴切委員長 次に、青山丘君。
#127
○青山委員 過日の国家公安委員長の所信表明におきまして、第一に交通事故による死者数を昭和四十五年のピーク時の半分以下に抑えること、安全で住みよい生活環境の確保を図ること、この二つの長期目標達成のために、第二次交通安全施設等の整備事業五ヵ年計画を軸とするところの都市総合交通規制の推進を述べておられます。
 まず最初に、その効果が上がってきているのかどうか、お尋ねをいたします。
#128
○杉原政府委員 お尋ねの件でございますが、各種の施策を通じてみまして若干指数的にお話しいたしますと、昭和四十八年末におきます各種の都市総合交通規制値を一〇〇といたしますと、昨年の九月末の現在におきまして、例を歩行者用道路について見ますと一六六・二%、先ほども話がありましたバス優先対策、これは同じく四十八年を一〇〇としまして三四三・六、駐停車禁止が一五一というふうな形に一応なっておりまして、それぞれに着々と実施の成果を上げておるというふうに考えております。
#129
○青山委員 実際、その成果が上がっていると思っておられるのですか。
#130
○杉原政府委員 いろいろな点を考え合わせまして、それなりに効果を上げてきているものと考えております。
#131
○青山委員 都市総合交通規制によって、たしか昭和五十年、五十一年二年間で交通総量を一〇%削減をすると打ち出しておられたわけですが、その結果でどういうふうな判断をしておられるか。
#132
○杉原政府委員 五十年、五十一年の二ヵ年間で交通総量を一〇%削減するという形でいろいろな実施計画を各都市についてつくりましたのですが、昨年の九月末現在でのこの実施状況につきましては、約七六%の進捗状況で、中身は交通流の改善対策、駐車規制対策、生活ゾーン対策、バス優先対策等でございますが、こういうものを中心にして七六%の進捗状況になっておりまして、本年の三月末までに何とか完成をさせたいというぐあいに考えております。
#133
○青山委員 それでは昭和五十二年度以降はどのようなお考え方ですか。
#134
○杉原政府委員 この一〇%削減は五十年、五十一年を目途にしたものでございまして、五十二年度につきまして全体計画として延長する考えは持っておりません。都市総合交通規制の範囲で必要な措置については引き続き実施をしていくという考えでおります。
#135
○青山委員 交通規制で交通量を減らすことができると考えておられますか。
#136
○杉原政府委員 私どもがやります交通総量削減対策というのは、いわゆる交通規制の措置によりまして、現実の交通需要を充足させながら輸送効率の高い他の交通機関への転換をするとか、あるいは輸送の合理化を結果的にやっていただくとかいうふうなことを基本にしておるものでございまして、警察としましても、かなりの困難の中でいままで各種の施策をやってきておりますが、この一〇%削減というのは、われわれの規制措置では最大限だと思います。
 これ以上の問題につきましては、やはり都市機能を支えます基本的な活動に関連をするものでございますので、現に存在いたします交通需要というものを交通規制だけによって削減を図ることはむずかしい。今後は、そういう交通需要の発生自体を抑制するような都市構造の改善であるとか、バス等の大量輸送機関の整備、物流の合理化、そういったいわゆる警察以前の対策というものが長期的、基本的にとられなければならないというふうに考えております。
#137
○青山委員 私も規制だけでは交通量は少なくすることはできないと思います。現実には自動車交通に対する需要というのは増しているわけです。何といっても便利ですね。ところがその便利さが、これは規制の問題とちょっとそれるかもしれませんが、道路が狭くて、あるいは交通量が多くて、あるいは都市の機能が非常に渾然としておるためにスムーズな交通ができない、そういう問題を考えていくときに、規制の面だけではできない。規制の面だけで、それじゃ一体どこまで進めていくことができるとお考えですか。
#138
○杉原政府委員 先ほどお話ししましたように、五十年、五十一年、この二ヵ年でわれわれとしてはやれる精いっぱいをやってきたという感じでございます。バスの優先対策などというものはこれからも進めますけれども、その範囲内においては若干マイカーをそっちの方に移転させるということはできましても、これ以上のものにつきましては、抜本的な都市構造の改善であるとか輸送体系の問題とかいうものに手をつけざるを得ないのじゃないだろうかという感じがいたします。
#139
○青山委員 そこで建設大臣はおられませんが、建設省の方ひとつ……。
 いまお話を聞いても、規制だけでは抜本的な解決はしないと言っておられるし、私自身もそう思います。したがって、交通混雑を解決していくのにはいろいろな抜本的な対策を立てなければだめじゃないかと私は思います。その点で、たとえば車を市内に入れない、都市内に入れない、その都市内に入れない方策としてはいろいろあると思うのです。具体的にどんな策をお考えなのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#140
○渡部説明員 いまおっしゃるように、私たちも日夜その辺の検討をいろいろやっておりますが、特に五十二年度からは主要都市の枢要部、たとえば都心部とか駅前地区等の都市活動が非常に行われておるところでございますが、そういうところについて総合都市交通施設整備事業、非常に長ったらしい言葉でありますけれども、ヨーロッパ等でやっておりますセル方式に類似した方式ですが、そういうやり方で、あるところまではサービスするけれども、あるところまであサービスしないということで、そのために、その地区を回る外郭環状線をつくりまして、その中には広域交通規制、それからバスの再編成等を入れながら、先ほど問題になった広場とか歩行者専用道路とか、駐車場とか、ターミナル、そういうものをワンセットでつくりたい、だからその中では、ほとんど車の需要を起こさせないというやり方を考えております。
#141
○青山委員 それで、たとえば駐車場をつくるといっても、外国あたりでは郊外の駅にいわゆるパーク・アンド・ライド方式というものでたくさんの駐車場をつくって、自宅から駅まで車で通う、そしてそこから大量輸送機関によって都心へ入ってくる、こういう抜本的なやり方――抜本的と言えるかどうか、それはいろいろ考え方があるのでしょうが、一つの都心へ入れない代替施設というものを考えてやっておられるわけですね。そういう代替施設を考えないで規制だけ幾らしても基本的に解決しない。だから本当に交通の便利さというものが享受できていない、駐車場について一つはそういうふうに思うのです。その辺の御見解をひとつ聞かしていただきたいと思います。
#142
○渡部説明員 おっしゃるとおり、四十三年から人の移動を起終点的にながめる、人の移動とか物の移動、流れを十分ながめまして、その流れをひとつ適切な交通体系で処理する、私たちは総合交通体系と称しておりますけれども、そういうやり方で、やはり先生おっしゃるように物事を判断し、解決しないとうまくいかないということで、たとえばいまおっしゃった通勤交通という立場を見ましても、単に鉄道とかバス輸送とか自動車がばらばらにやるのではなくて、それと連関させる。たとえば郊外駅に駐車場とか広場をつくりまして、そこにバスとか何かを、フィーダーサービスと言っておりますけれども、そういう形で組み合わせをしまして、何とかうまく処理しようということを四十三年ごろから心がけ、一部そういう実施を、主として鉄道高架事業とかそういうものに合わせてやっておるわけでございます。
#143
○青山委員 一つはやはり都心部において駐車場をたくさんつくっていくこと、それからもう一つは郊外駅の近くに公共の駐車場をたくさんつくっていくこと、私は、そういう二つの面が、たとえば駐車場だけの問題を考えていくと必要だと思うのです。公共の駐車場というよりも利益目的のための駐車場が多いようですね。公共の駐車場についての考え方をお持ちですか。
#144
○渡部説明員 駐車場、これは駐車場法というのがありまして、路外駐車場とか路上駐車場とか、それから施設に伴って付置義務駐車場、この三つの体系を考えておりますけれども、ある一定規模以上の床面積を持つ建築物については、義務的に付置義務駐車場をつくらなければいかぬということで処理するわけでありますけれども、その他の問題については、路外駐車場をもっと道路の一環として考える、都市計画的に配置する。たとえば二百メーター間隔くらいに配置するということについて積極的にやっておりまして、それについて道路整備特別会計の方から一五%の融資をする。これは二十年の償還でございますけれども、そういう制度を入れながら実際やっておるわけであります。
 これからも、この辺の規制と車庫との関係を十分ながめながら、零細な建物を持っている方々の利用率も高まったものですから、いわゆる共同駐車場的な路外駐車場をもっと整備しなければいかぬのじゃないかというような方向で検討しておるわけであります。
#145
○青山委員 たとえば外国あたりでは、確かに都心での駐車規制というのは非常に厳しくして、交通の円滑を図っていくという面と、交通量の非常に少ないところの住宅地については、許可を与えて駐車をさせているというような考え方がいまありますね。そういうきめの細かい行政というのが必要じゃないかと私は思うのですが、御見解を伺います。
#146
○杉原政府委員 駐車の問題というのは、自動車交通の基本的な問題にもなります。車を使うということでありますと、駐車の問題というのは、どうしても出てまいります。先ほどおっしゃられたように、駐車問題については、さらにきめの細かい、場所的な、時間別の面についての検討をこれからも加えていきたいというふうにわれわれ思っております。
#147
○青山委員 いまの駐車場の話ですが、交通混雑を解決していく一つの考え方としては、都市内に入っていく車と都市内を通過していく車、つまり通過交通を分けていく、先ほどおっしゃった。それは環状道路でさばいていくという考え方がありますね。環状道路も一本だけですと、東京みたいなああいう姿になるわけです。その中での分散をさせる目的、それから全く通過交通のための車、どうしても環状道路は一本じゃいけないと私は思うのです。そういう意味で、特に東京なんか、いまの状況ではまだまだ問題が解決していかないと思うのですね。将来の方向としてどのような考え方を持っておられるか。
#148
○山根説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、大都市地域におきます交通処理の問題、中小都市におきます交通処理の問題、それぞれ違ったパターンがあろうかと思います。中小都市におきましては、一般に国道のバイパスないしこれとリンクをいたします環状線、大体一本で通過交通及びその都市に起終点を持つ交通の大部分をさばけることになります。したがいまして、既成市街地を縦貫する部分の幹線交通からは、いま申し上げましたようなスルーの交通が排除されるということになる。
 しかしながら、大都市地域におきましては、御指摘のように、一本の環状線ですべて分担するというわけにはまいりません。大都市地域は、いろいろな都市機能がそれぞれ集積をいたしております。したがいまして、たとえば東京について申しますと、いま力を入れてやっておりますのが湾岸道路であります。つまり、現在東京を通過する交通は、実は放射線を二本使って都心を経由してまた抜けていくということがありますので、まず湾岸道路でさばく。しかし、これとても十全ではございませんので、環状線ということで、現在環状七号線にかなりな負担がかかっておりますが、この外側に環状八号線、長期的には外郭環状線。さらに外側には国道十六号線がございます。かなり整備が進んでまいっておりますが、さらに長期的には、この国道十六号線の外側に能率の高い道路計画の構想を持っております。
 以上のような段階に応じた環状線の整備、湾岸道路といったようなもので処理をするのが結局適切ではなかろうかというぐあいに考えております。
#149
○青山委員 やはり内環状線、外環状線という考え方が特に大都市においては必要だとおっしゃる、私もそう思うのです。それで交通規制をして交通の円滑を図っていくということになってきますと、外側の環状線のあたりに、先ほど申し上げた、郊外の駅でのパーク・アンド・ライド・システムの駐車場と同じような考え方で、たとえばバスライド、先ほどおっしゃったバス交通を考えていく場合には、外環状周辺に駐車場を積極的に推進していく考え方がなければ、基本的な交通対策にはなっていかないと私は思うのです。それが一つ。
 それから、都市内における各機能といいますか都市機能、学校だとか病院だとか住宅、ビジネス、レジャー、そういういろいろな機能をできるだけ分散させていけるような形の都市再開発といいますか建設、そういう考え方もなければいけないのじゃないか、基本的な解決策にはなっていかないのじゃないかと私は思うのですが、御見解はどうですか。
#150
○渡部説明員 第一点の問題については、おっしゃる方向だと思います。ただ、私たちやってみて感じる点は、料金の問題でございまして、ヨーロッパ等では、料金のゾーンシステムという言葉を使っておりまして、あるゾーンからあるゾーンまで行く間にどんな交通機関を使っても料金が一緒であるというようなことで、非常に込んでいるところに人が行かないというふうなわけの適切な分散が図られるというところでうまくやっておりますが、そういうことをあわせ持たないと、やはり固定的な流れがそこに集まってしまうというところがあると思います。
 それから、第二の問題については、国土庁と一緒にやっておるわけでありまして、私たちとしても、いまの多核都心型ですか、そういう核づくりに向かっての受けざらを整備したいという意味で、再開発法の改正とかいろいろなこともやりましたけれども、積極的にそういう核になるところの面開発を重視したい、こう思っておるわけであります。
#151
○青山委員 それで、具体的にはいまの都市の交通混雑の問題、それから駐車場不足の問題を解決していくのには、やはり予算の問題にかかってくると思うのです。
 建設省の方の予算は、まあ五十一年度に比べてわりあいアップしていますね。――アップしてないのですか。いまのような方向に進めていくお考えがあるかどうか。
#152
○渡部説明員 昨年、五十一年に比較しますと、五十二年は一五%増になっておりまして、実質、私たちの事業量の面から言いますと、十年前より非常に低いわけでございます。そういう中で、何とかいま先生おっしゃるように重点的指向をしながら、都市の持つ確実なるアクティビティーを確保したいという方向で環状線等、重視しながら整備したいと思っております。
#153
○青山委員 大都市はもちろんそうですし、地方都市においても、いまの環状道路を積極的に進めていく考え方が私は必要だと思うのです。いまの環状道路について、ひとつ政務次官の御見解を聞かせてください。
#154
○小沢(一)政府委員 ただいまの先生の御指摘、私どもも極力推進してまいりたいと思っております。いま答弁いたしましたように、一定の枠内での予算の中で行政を進めていかなければならないという現状でありますが、その限度内で精いっぱい最善の努力をいたしたいと思っております。
#155
○青山委員 わが国における交通事故を類型別に見ていきますと、歩行者及び自転車利用者の事故件数の割合が非常に多い。先進諸外国と比べて高い。昭和五十一年度の交通事故死者数のうち、歩行者の死者が三四%、自転車利用者の死者が一二%、こんなにあるわけです。もちろんこれはわが国の特殊事情によるものでしょうが、歩行者保護のための歩道の整備が結局おくれている、これが原因の一つになっていると思うのです。
 そこで、特に、これは聞いた話ですが、昭和五十年三月末現在で、歩道の設置対象となっておるところの一般道路の実延長に対する歩道の実延長の割合が非常に低い。何%ぐらいだと調査をしておられるのですか。
#156
○山根説明員 お答えいたします。
 対象としております市町村道まで含めますと、八十万八千三百六十三キロメートルというのが、実はわが国の全体の道路でございますが、これに対しては四・八%と大変低い。ただ、自動車交通が可能であるという延長、これは三十五万三千三百九十三キロメートルございますが、これに対しての設置率、これは五十年度末の数字でございますが、一一%ということになっております。ただ、交通量等が多く、歩道をぜひ設置をいたしたい、こういう延長が実は九万七千二百キロございます。これに対しては現在のところ四〇%の設置率ということでございます。
#157
○青山委員 国道、都道府県道に限ってはいまどれくらいだと調べておられますか。
#158
○山根説明員 最終的に申し上げましたカテゴリーで申し上げますと、一般国道については四八%、都道府県道につきましては三三%でございます。
#159
○青山委員 それで、もうここまで整備したのだからかなり整備したのだと考えられるパーセンテージはどれくらいだと受けとめておられますか。もちろん一〇〇%でしょうが、そうではなくて……。
#160
○山根説明員 私ども緊急にやらなければならない延長としましては、先ほど申し上げました九万七千二百キロをぜひとも早急に整備をいたしたい、かように考えております。
#161
○青山委員 それでその歩道が、段差のある歩道からいまいろいろな歩道ができておりますが、ただラインを引いただけの歩道は加わってないでしょうね。
#162
○山根説明員 何らかの、車道とセパレートしたものをもって歩道というぐあいに考えております。したがいまして、ガードレールなりマウントアップをするとか、そういうものを対象にいたしております。
#163
○青山委員 それじゃ、ラインだけで区分してあるものは含まれておりませんね。
#164
○山根説明員 おりません。
#165
○青山委員 結局歩行者の死者が現実に毎年三五%以上もある。少しも減少しておらない。自動車の保有台数がどんどんふえておる。それは国民的な需要が伸びておる。その需要に対してこたえておらないのが歩道だ、私はそういうふうに思っておるのです。結局歩道の整備が追いつかないから車と人間を切り離すことができないから、こういう歩行者の交通事故が一向に減らない、私はそういうふうに思うのですが、建設省の御見解はどうでしょう。
#166
○山根説明員 実はわが国の道路自身の整備が本格的になり出しましたのが昭和三十年代からでございます。したがいまして、そのプロセスにおきましては、確かに、自動車を通すということがむしろ昭和三十年代では中心であったかと思います。
 そういったこともありますが、十年前と比べますと、自動車は三倍に伸びておるというのが現状です。十年前に比べれば、歩道の延べ延長は実は十倍程度になっております。昭和四十五年をピークにいたしまして、おかげさまで、いろいろな総合施策によりまして事故件数は減少を見ておりますが、しかしまだまだ交通安全の施策、とりわけ車と人、自転車を分離する施設の整備というのは足らない、かように考えておりまして、第二次の交通安全施設等整備五ヵ年計画におきましても、これを重点的に整備をしてまいるという考え方をとっておるところでございます。
#167
○青山委員 重点的に整備をしておるとおっしゃるが、たとえば建設大臣がさきの所信表明の中においても、来年度は第二次交通安全施設等整備事業五ヵ年計画の第二年度として交通安全施設等の整備を促進し、特に弱い立場にある歩行者、自転車利用者を交通事故から守っていく、そのための施設の整備に重点を置くと言っておられます。ところが、同じ趣旨の発言が歴代の大臣にずっと続いてきた。にもかかわらず、なかなか整備されておらない、なぜなんでしょうね。
#168
○小沢(一)政府委員 この歩道の問題でもそうですか、道路にいたしましても、あるいはその他のいろいろな公共資本、社会資本の蓄積というのが先生御承知のように、非常にわが国はおくれておる。おくれているにもかかわらず、自動車の台数の増加量にいたしましても、いろいろなものが非常な勢いで伸びた。日本の、大きく言えば経済の実態のアンバランスの一つの現象だろうと思いますが、その中にありまして、そうばかりも言っておられません。私どもといたしましては、いま企画課長から申し上げましたように、歩道整備ということは重点課題といたしまして積極的に推進しておるつもりでありますし、また今後も五十五年度末までは十万キロ近い歩道を整備しようといたしておるところであります。今後とも先生御指摘のように、最善を尽くしてまいりたいと思います。
#169
○青山委員 ぜひそうしていただきたいのですが、昭和五十五年度には、最終年度、いま十万キロ近いとおっしゃったが、どんな整備状況になっていくんですか。
#170
○山根説明員 延べ延長で約九万七千キロでございまして、緊急に整備をいたさねばならぬものにつきましては、おおむねこれで五十五年までに整備をいたしたい、かように考えております。
 ただ、交通安全施設等のみでございませんで、一般の改築事業も含めまして、交通安全対策に万全を期したい、かように考えております。
#171
○青山委員 私、まだほかに質問することがたくさんあるのですが、もうあと時間がないので、最後に、せっかく運輸大臣おられるのですから、ちょっと……。いまの歩道の話は、また機会を改めて続きをやらせていただきます。積極的にひとつ歩道を設置していっていただきたい、そう思います。
 愛知県瀬戸市にある、日本住宅公団と県の住宅供給公社が建設してきました菱野団地が人口三万、これは中規模団地であります。人員二万人といえば、一つの市を構成するに足る規模ですから、通常ならば小都市と言えると思うのです。したがって、交通機関ならかなり整備されていなければならない、そう思うのです。しかし、この菱野団地のバス路線の運行状況を調べてみますと、名古屋の近くの地下鉄の駅まで行くのに、朝は三十分に一本、夜は八時に一本、九時に一本、最終バスがこの九時零分で終わりなんです。いまの一般に勤めているサラリーマンの生活実感の中で、全部九時で帰ってきてしまうということが一体考えられるかどうかですね。そうすると、九時以降は一本も何もないのです。したがって、やむを得ないから、無理に車を買って、都心部へ入っていかなければいけない。都心部へ入っても駐車場がないものですから、非常に無理をして朝早く奪い合いのようにして、まさしく戦争ですよ。こういう状況なんですね。これはやはりバス運行というものが円滑にいっておればかなり防げる問題ではないかと思うのです。特に、この団地の人たちに聞きますと、帰りに困っている。行きは隣の人に頼む、乗せてもらう、いろいろの方法がある。違う電車を利用して行くためのバスに乗って行ってもいい。けれどもしかし、非常に近いところに地下鉄の駅があるにもかかわらず、――そこには夜の十一時、十二時まで来ているんです。にもかかわらず、そちらを利用できない。何か不合理じゃないか。都市においては、バスはやはり非常に大切な交通機関ですから、こういうような状態ではどうしようもないんじゃないかと言っているのです。ぜひひとつその辺の運輸大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#172
○田村国務大臣 これは私も隣県ですから、あの辺わりあいに知っておるわけですが、いま突然のお話なんで、しかもローカル問題ですから、ちょっと詳しく事情を掌握できません。そこで、早速調べまして、その結果を私自身で検討してみたい、こう思います。
#173
○青山委員 運輸大臣、せっかくですから、住民は帰りの交通機関に困っている、この辺をひとつ考慮していただきたいと思います。
 時間が来ましたので、また改めて質問させていただきます。
#174
○鈴切委員長 次に、寺前巖君。
#175
○寺前委員 きょうは時間が限られておるようですから、この委員会の最初にお話のありました上越線の津久田−岩本駅間における列車脱線事故について一つはお聞きをしたい。
 あわせて、せっかくの機会ですから、新幹線をめぐって起こった事故とか、雪害をめぐって起こった事故などについて、時間の許せる範囲でお聞きをしたいと思います。
 まず最初に、上越線の列車脱線事故の問題ですが、先ほど説明を聞いておりましたら、誠意をもって御迷惑をかけた方々に対する補償をするというお話でございました。具体的に、補償というのはどういうふうな内容なのか、お聞きをしたいと思います。
#176
○尾関説明員 補償問題につきましては、ケース・バイ・ケースでございまして、一概にこういう基準であるということはなかなか申し上げにくいのでございますけれども、考え方としましては、今回の事故の責任は国鉄が全面的に持っておるという考え方をもとにして、誠意をもって被害者の方とお話し合いをし、納得のいく線を決めたいというふうに考えております。
#177
○寺前委員 全面的に国鉄の責任だという立場からこの問題を見られるならば、それでは私は次に、今度の事件についての教訓をお聞きしたいと思うのです。
 昭和二十二年の六月十四日に、今度の事故現場とほとんど同じところで下り貨物列車が大きな落石二個に乗り上げて、機関車が脱線したという話を聞いております。一昨年の四月十四日には、午前九時四十五分湯檜曽と土合の駅間で約二千立米の大規模な土砂崩れがあった。このときには運転士の発見が早く、事故につながらなかったが、復旧に四十二日間もかかったということを聞いております。さらに同年七月三十一日には、吾妻線の長野原−群馬大津駅間を走っていた普通電車に大きな岩石が直撃をして、乗客二十人と乗務員四人が重軽傷を負ったということを聞いております。大体、この地方における事故というのは、ずっと歴史的に考えて、かなりな事故が起こっているわけです。そこで、私どもとしましては、早速調査団も派遣をし、関係者にお話を聞かしていただいてまいりました。
 そこでお伺いをしたいわけですが、まずこういうような現場に対する検査の体制というのは一体どうなっておるんだろう。構造物検査といって、建造物検査標準というのを内規でお持ちになって、二年に一回検査をやっていられるというふうに聞いております。現地の人に聞くと、昭和五十一年九月六日にもこの検査を実施した。その実施の結果が一体この地域ではどういう結論になっていたんだろうか。前にも事故があったところだけに、この二年間に一回の検査の結果というのは一体どうだったんだろうかということについて私はお聞きをしたいと思うのです。いかがでしょうか。
#178
○高橋説明員 のり面の崩壊は、いま先生がお挙げになった三つの例も、そこの岩石の状況、土砂の状況、おのおのいずれも違っておりました。したがって、その落石なり土砂崩壊の起きた原因は、おのおの別の原因によって起きておるわけでございます。
 今回の上越線で落盤に近き落石が起きたということにつきましては、いま先生の御指摘のように、数ヵ月前に検査をいたしておりますけれども、この検査は目視による検査でございました。実際に落ちてまいりましたのは、奥行き三メーター以上の奥からの亀裂を境にいたしまして落ちてまいった。そういうことで、目視検査だけではどうもこれは事前に予測することはむずかしいなというふうにただいま反省をいたしておるところでございます。
 この事故によりまして、もう少し奥行きの深い岩盤の亀裂等についてどういう検査なり処置なりをすればいいかということについては、今後の研究によっていろいろ技術開発等も行いまして、処置を考えていきたいというふうに、ただいまいろいろな点で反省をしておるところでございます。
#179
○寺前委員 現場の構造物検査掛の人に会ってみたら、検査長を含めて六人ですね。この六人の人で吾妻線五十五キロ、上越線四十キロを見ているんだ、目視するんだ。目視というのはどういうのだ。私も直接見てみました。これではわからないじゃないですか。これでは確かに構造物検査掛というのは大変だ。ですから、地理的な問題も絡んで今回のような事故があるということになると、もう少し精密な調査が必要となっていると言わざるを得ないと私は思うのです。聞いてみると、「土木建造物取替の考え方」という本をこれら専門的な検査掛の人は持っておられました。持っておられるけれども、実際問題として検査標準をこの水準に合うようにやろうというならば、人員も、検査センターというような要員も含めて、全面的に見直してくれなかったならば、責任を持てるものではないということを異口同音にこれらの係の方々は言っておられる。
 ですから、あなたもいまおっしゃられたように、こういうような危険な個所というのが全国的にあるはずなんだから、これを全面的に見直さないと大変になる。新聞報道を見ていると、全国で何ヵ所と言っていましたかな、千七百ヵ所と言っておられましたか。これにふさわしい体制をぜひとももう一度見直してもらうということを強く要望したいと思いますが、その点についてのお答えをもう一度改めて聞きたいと思います。
 さらにまた、昭和三十年ごろまでは、岩本−綾戸間には、落石最重点個所として常駐の保線区員が置かれていたということを聞きました。また、現場付近には警戒小屋があったということを聞きました。その警戒小屋というのは、昭和四十二年以来の合理化によってどんどん人員が減らされて、いまでは一人もいないということに変わってしまっている。そうすると、歴史的な事実というのは、検査のあり方を考え直さなければならない体制に一方ではあり、昔あったところの体制はなくなっている。私は、これは異常なことをつくってしまったものだなということをつくづく考えさせられるわけです。ですから、昔あったところの危険個所としての常駐の保線区体制の問題、現に警戒小屋があったのにもかかわらず、それをなくしてしまったという問題、このことについてどういうふうにお考えなのか、第二番目に聞きたい。
 第三番目に、高崎鉄道管理局管内には危険個所が七十七ヵ所ありながら六つのところしか危険個所に対する警戒の装置がついていない。高崎管内だけが特別に悪いのか、全国的にもそうなっていないのか、この点についてどういうふうに改善をされるつもりなのか、そのままでよろしいとおっしゃるのか、私はこの点についての改善点についてもお聞きをしたいと思います。
 以上三点、お答えをいただきたい。
#180
○高橋説明員 まず最初に、検査の問題でございますが、十五、六年ほど前までは特に検査の専門家というのを設けてございませんでした。線路を保守いたしております保線区員が全員で自分の持ち分の範囲の構造物の警戒並びに検査をして、したがって、特に検査専門ということでなくてやっておりました。十五年ほど前からそういう検査専門の職員を置いて、そしてそれに技術的な能力等の教育もいたしまして、やっておる。それで、先ほど先生の申されたように、この保線区間内の専任の検査職員というのが、六人でお互いに協同し合いながら検査をいたしておるというのが実情でございます。いまこの職員等については、いま先生もおっしゃいましたように、「土木建造物取替の考え方」という、これは技術的な指導書でございますが、本社で部外の先生方も入れた委員会でいろいろ検討した結果を、現場の教育指導書ということでそういうものを現地に渡して、それを一つのよりどころにして検査をいたしております。
 検査の中で一番むずかしいのは、橋梁、トンネル等については、比較的はっきり結果が出てまいります。しかし残念なことに、のり面対策については、その検査が技術的に判断が非常にむずかしいということ、またコンクリート構造物等に比べて、その進行が非常に不規則で、かつ速いというような問題がございまして、まだまだ研究しなくちゃならない点は多々あるかと思います。ただ、検査体制だけの問題ではなくて、私の方は防護設備等々をどういうふうにつくっていくかというようなこととも両方相まって、事故防止の万全を期したいというふうに考えております。
 それから第二点は、従来――従来というのは昭和二十二、三年ごろのことでございますけれども、この区間については危険個所ということで固定警戒員が昼夜を分かたず、一名でございますが交代でおりました。それをその後、この区間につきましては、固定警戒というのは、昼夜を分かたず一人でそこで警戒していることは労働条件から見ても、どちらかというと非常に過酷な条件の問題だというふうに考え、私の方はそれを設備に置きかえることによって、そういうものをなくしていきたいということで、この区間についてコンクリートの防護設備を、実施いたしたわけであります。その後、この固定警戒というものをやめまして、設備に置きかえていったということでございます。
 それから、第三点の警報装置について、非常に少ないではないかというふうに言われておりますけれども、私の方は落石対策というのは、まず防護設備をつくることを第一義的に考えておりまして、それの補助手段として警報装置を考えております。警報装置というのは、金網等に鉄線を一緒につけておきまして、落石によってその線が切れますと、警報が鳴る、あるいは発煙筒が燃えるというような装置でございます。したがいまして、これは金網を破って石が線路の上に転がってくる場合に、効果というか、音が出たり、発煙されたりというものでございまして、出会い頭に落石が出ますと、これは脱線防止には直接には役に立たないということで、私の方は落石をとめる防護法に最重点を置いて処置をいたしております。したがって、重要線区というか、非常に高速線区については、むしろ警報装置というのは補助的に考えているというのが実情でございます。そういうことでございますので、何も警報装置が少ないということではなく、警報装置は、補助的に考えた設備であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#181
○寺前委員 常駐して見るという体制は労働条件上悪い、悪いので防護壁を考えた。防護壁を破って出てくる事態が現実に発生している。そういうことで、危険な個所が七十七ヵ所もありながら、そこで体制がとれているのは、六ヵ所だけは補助手段として警報がある、これだけでは結局前よりよくなった防御体制になったとは言えぬですね。全体を見渡す体制は別個につくったからといっても、これはまた全体を見るだけの体制はない。そうすると、やはり全国千七百ヵ所ですか、御指定になっているとするならば、直接的検査体制というのも弱いし、それから補助的手段の方の体制も必ずしもそうはなっていないということになったら、全面的に、やはり事故は発生してから云々したって遅いのだから、事故が起こらないような積極的体制というのは何ぼたくさんやったって一つも悪いことないのだから、もっと積極的に打って出るというふうに国鉄当局も考えていただきたいし、運輸省も積極的にそういうふうに見直しをもう一度この問題をめぐって、二度とこういうことにならないように、ぜひとも御検討いただきたいということを私は大臣に聞きたいわけですが、大臣いかがなものでしょうか。
#182
○田村国務大臣 見直しをしていくことは当然だろうと存じます。せっかく、鋭意努力をいたす所存でございます。
#183
○寺前委員 建設省は来ていますか。――それでは、時間もあれですから、次にいきます。
 次に、この前に新幹線で異常な事故が起こった問題について、新聞に載りました。「ひかり一六六号運転室の怪」という形で、ことしの二月十九日に新聞にばっと載りました。「“非番”がハンドル 事故の前から 検査せずに折り返し」というような形で載りましたし、あるいはまた「新幹線で運転士重体」ということで、「走行中、機器に頭強打幸い二人乗務制だった 関ヶ原付近」、一体国鉄の勤務員は何をしているんだろうかと、私は疑問に思いました。ところが、この間東京駅へ来ましたら、「違法建築により乗務員が殺されかかる」というビラが、今度はこれは国鉄職員の労働組合からもらいました。一体、この二月十八日のひかり一六六号の藤原運転士の問題をめぐって何が起こったのか。この新聞の報道とこのビラだけを見ておると、さっぱりわからないことになる。私は正確にこの場で、この新幹線の事故は一体何だったのか、だれの責任が何を起こしたのかということをはっきりさせてもらう必要があると思うのです。どなたから御答弁がいただけるでしょうか。
#184
○尾関説明員 先生御指摘の事故でございますが、この原因ははっきりいたしておりまして、雪のために米原付近を徐行して速度規制をして走っておりましたひかりの運転室の窓から、検査担当の藤原運転士が雪の舞い上がっている状態を見ようとしまして、窓の外へ首を出した。たまたまその際に非常に接近をして設置をされていた運転距離標にぶつかって衝撃を受けて大けがをしたということでございます。
 その責任でございますけれども、新幹線は、在来線と比較しまして、建設当初から非常に余裕のある設備で標準化された構造であるという過信を持っておりました設備管理の甘さといいますか、そういうものから、非常に接近しておったというのに気がつかなかったということで、設備管理の側に責任があるわけでございます。
 支障のおそれのある標識等については、早速撤去をいたしました。ほかにも似たようなものがあるといけませんので、それも全線にわたり調査をして、何ヵ所かそういうものを発見して、撤去を完了しております。今後は、支障物の有無について定期的に検測できるような体制と設備を整備して、定期的にそういうものを調べて、そのような事故が二度と起きないように処置をしたいというふうに考えております。
#185
○寺前委員 そうすると、まずその藤原運転士がのぞくという行為は、これはよかったのか、悪かったのか。
#186
○尾関説明員 窓をあけてのぞくということは規制をしておりません。運転士の判断でやったものと思われますけれども、そのことの規制はございませんし、スピードが遅かったというので悪いことではないし、運転士の責任ということではないと思います。
#187
○寺前委員 そうすると、新幹線の鉄道構造の規則というのがありますね。これに基づくところの沿線の配置に問題があった、こういうことですか。
#188
○尾関説明員 御指摘のとおりでございます。
#189
○寺前委員 そうすると、その構造規則の中で、これは一体直接国鉄がこういう構造をやったのか。どこかの下請にやらしたのか。下請にやらしたとするならば、やった結果に対するところの検査はやることに制度的にもなっているのかどうか。ここは規則的にはどうなっているのですか。
#190
○尾関説明員 この工事は、昨年乗務員の要望によりまして、施設を管理しております側で請負工事に出しまして設置をさせたものでございます。請負工事でございますから、当然検修のときに規格に合っているかどうかをチェックする義務がございます。これは当局側にあるわけでございます。
#191
○寺前委員 では、当局側がしなかったというところに責任がある、明確ですね。
#192
○尾関説明員 そのとおりでございます。
#193
○寺前委員 それから先ほど、この運転距離の標識を撤去したというお話でしたが、それ以外のもので、この新幹線鉄道構造規則に反するような配置はあったのですか、なかったのですか。キロポストだけが問題だったのですか。
#194
○尾関説明員 キロポストもその場所のほか何ヵ所かございましたし、キロポスト以外に、はっきり覚えておりませんが、二、三そういう支障する物があったように、調査の結果聞いております。
#195
○寺前委員 そうすると、あれだけ速い列車が走るところにこれだけの危険な姿で構造規則に反するような配置がされておるということになったら、大臣、これは異常なことだと言わなければならないと思うのです。私が聞いておるところでは、五十何センチか離れておらなければいかぬということを聞いておりました。ところが、実際にはそれよりずっと接近したところまでキロポストが出ておったというのでしょう、十何センチか。これは異常だと思うのです。私は、運転士だけではなくして、ほかの事故をも考えさせられる問題を含んでいるなとつくづくこの問題で思うわけです。私は、そういう意味では、先ほど御指摘のあったように、限界測定車というのを在来線でも走らしているけれども、少なくとも月一回はこの新幹線にもそういう列車を走らすべきだというふうに思いますし、さらにこういうキロ程の導入なんというのは、今日カウンター方式でもって、あの列車の中で見えるような装置などは簡単にできることじゃないか。そういうようなカウンター方式での設備なんかも考えられるべきことじゃないでしょうか。いかがなものでしょうか。
#196
○田村国務大臣 まことにもってけしからぬ話です。気のたるみといいますか、私自身も怒りが込み上げてくるようないまの気持ちであります。とにかくあらゆる手を尽くして安全を図るべきであると考えますし、そのように厳しく指導いたします。
#197
○寺前委員 迷惑を受けられたのは、なかんずく藤原運転士だと思います。この人の容態と、そしてどういうふうに国鉄としてその責任をとろうとしておられるのか、それをお聞きしたいと思います。
#198
○尾関説明員 現在名古屋の病院に入院をしております。入院直後は意識がなかったようでありますが、次第に回復に向かっております。現在家族の方々が付き添い看護のために名古屋に来ておるわけでございますけれども、ここには病院の近くに一軒家を借りまして、子供さんも小さいですから、そこに住んでいただいて、お父さんと奥さんがかかり切りになって、またわれわれの方の職員も交代で毎日見舞いに行き、様子を見て、ひたすら本人の回復するのを祈る気持ちで見守っておるわけでございます。
#199
○寺前委員 今後の補償はどういうことをお考えになっておるのでしょうか。
#200
○尾関説明員 できる限りのことをして、十分な手を尽くしたいというふうに考えております。
#201
○寺前委員 時間がございませんので、私は最後に雪害をめぐっての事故について若干お聞きをしたいと思います。
 私の住んでいるところですが、京都の宮津線で一月の四日にこういう事故が起こりました。久美浜町の平田というところでタンクローリーが百二十メートル列車に引きずられたという問題であります。簡単に言うと、こういうことです。府の道路がございます。府道の除雪を府の土木工営所がやりました。そうしたら片一方は、ラッセル車が走ってきました。ラッセル車が雪をかいてだあっと走ってきます。そうすると、府道のところとこの踏切道のところで、ラッセル車がかき分けたところの雪が左右に積まれてしまいました。ラッセル車はそのまま行ってしまいました。今度は後から来たところのタンクローリー、これは府道を走っています。完全な装備をして走ってきたわけですが、この府道に積み上げたところの雪を乗り越えて踏切の上に入りました。前も雪、後ろも雪、ついにスリップして動かないという事態が生まれてしまいました。さて、タンクローリーの運転手にすれば、私はちゃんと装備をして入ってきたのに、そこまで府道は除雪してあったのに、雪を越えた瞬間から前にも進まず後ろにも進まないという事態がつくられてしまった、たまったものじゃない。こういう踏切道をめぐるところの事故が私は大分出てきておると思うのです。
 同じようなことは、少しこれは事件が違いますが、私の方の舞鶴というところで、これは三月六日のことでしたけれども、今度はタクシーが、あの踏切道のところに雪が、圧雪と言うのですか、があっと詰められて、凍ってしまって、そのためにスリップして、ここでも事故が起こりました。
 この種の踏切道をめぐるところの事故というのが、福知山の鉄道管理局にも聞いたら、百から二百ぐらいことしあったんと違うでしょうかという話が言われました。全国的にこの大雪の中で、踏切道をめぐっての問題というのはかなりあったんじゃないだろうか。結局のところ、ポイントのところで熱でもって解かしてしまうという問題だけではなくして、その前段の段階から温風か何かで雪を消してしまうという措置をとらないことには、この問題は解決しないんじゃないかということをつくづく思うのですが、国鉄としてこの問題に対する経験から来年度どのように対応しようとしておられるのか、私は最後にそれを聞きたいと思います。
#202
○高橋説明員 踏切事故というのは、私の方は普通の月ですと月間全国で約百件くらいございます。しかしながら冬、雪が降りますと、確かに、雪が降るあるいは積もるということによって、踏切事故の数がふえてまいります。したがって、十二月、一月、二月等には踏切事故の全国の件数が百二、三十件に上がってまいります。この差がいわゆる降雪等による踏切事故の増加であろうというふうに大づかみには私の方は考えておるわけでございます。
 これの対策でございますが、鉄道は鉄道の方の除雪をする、道路は道路側の除雪をする、ちょうどその交差点でどうも盲点になっているということで、いま御指摘のようなところがあるように私どもも考えておるわけです。
 まず第一義的に考えていかなくちゃならないのは、この踏切の除雪について、この部分を相互に、どういうふうに協力し合ってやっていくかということをまず道路管理者とよく協議をして、踏切ごとに国鉄と道路管理者、また道路管理者を通じて付近の住民の方々の御協力を得て踏切の除雪対策ということをやっていきたい。
 第二点には、設備による処置でございますが、踏切のところの雪を遠くに飛ばすということは非常にむずかしゅうございます。したがって、踏切付近における融雪装置を開発したいということで、すでに数件は試験的に踏切の融雪装置というものを、熱で雪を解かしてしまうというものをいま開発中でございます。したがって、ポイントは、確かに先生のおっしゃるとおり、熱でいま解かしておりますけれども、それと同じようなことで踏切にも融雪というか、雪を解かすという方式のものを開発していかなくちゃならないなというふうに考えております。まだ試験段階でございますし、また非常にお金がかかるということもございまして、すぐには大量につけるということにはならぬと思いますけれども、技術がもう少し進歩して改良されれば、広く使用したいというふうに考えております。
#203
○寺前委員 運輸大臣、これは国鉄の財政問題だけの話で済まぬ内容になるんですね。さっきあったように、ことしも百五十件から二百件近く踏切道のところでの事故が発生するわけですよ。さっきも言いましたように、本人たちの努力に関係なしに、この除雪との関係で事故が起こらざるを得なくなってしまうのですね。雪が降っていて、除雪した雪を積んでしまう、またそこへ雪を詰めていく。だから、金をかければ解決する装置ができる。こうなったら、やはり国家的に、予算を積むのは運輸省になるのか、建設省になるのか、それは国民にとっては知ったことじゃない。要するに踏切道におけるところの、自動車が発達した段階においては事故がたくさん起こる状態をつくっているのだから、ことしの経験から、いま持っている最良の方法でもって来年度そういうことにならないような対策を直ちに検討するということを私は政府としてやるべきだと思うのですよ。もちろん国鉄にやらすということが直接的だろうと思うのですけれども、財源やその他の問題云々ということで時期を逃してはならない。ですから、それをぜひともお考えをいただきたいと思いますが、いかがなものでしょう。
#204
○田村国務大臣 鉄道監督局並びに国鉄と、この点につきまして一遍十分相談してみます。
#205
○寺前委員 さきの上越線の列車が、山から石が落ちてきて第一両目がばたんと脱線をして国道まで落ちてしまう、こういう事故が起こったわけでしょう。危険な個所というのは各所にそういうところがある。ところが問題は、あれは夜だったから国道筋の事故にまでいかなかったわけですよ。それから国鉄の危険な個所に対する中で、国道にまで影響を及ぼしたら大変だというところはどこだということを建設省として検討しているのかどうか。そこに対して、そういう場合にあんなフェンスだけでいいのだろうか、事故を鉄道から国道にまで及ぼさない対策を考えておく必要があるのではないだろうか。わかりますか、問題提起していること。これを建設省で考えていないのだったら、ぼくは国鉄なり私鉄なりと関係のところを検討会をやって、どういう対策をやったらいいのかというのはやるべきだと思うのですよ。この問題をせっかくだから政務次官にちょっと提起をして、御検討いただいたらありがたいと思います。
#206
○小沢(一)政府委員 ただいま先生御指摘のような、具体的にどこの個所が国道にまで影響を及ぼすような地点であるかということ、その具体的な地名まではいま挙げられませんけれども、そういう点につきましては、建設省といたしましても危険な個所を点検いたしまして、十分対策を今後立てていきたいと考えております。
#207
○寺前委員 それではお約束の時間になりましたので、終わります。
#208
○鈴切委員長 次に、伊藤公介君。
#209
○伊藤(公)委員 きょうは基本的なことについて、まずお尋ねをしたいと思うのであります。
 私どもがいま東京を歩きますと、歩道橋あるいは信号が非常にふえてまいりました。これは人命を守るというためには、私たちは必要だと思っております。しかし今日、世界どこの町を歩いても、東京を初め日本の都市ほど歩道橋あるいは信号の多い町は恐らくなかろうと思うのです。私も五ヵ年間海外に生活をしておりましたけれども、一体命を守るためにという名のもとに、いまのような細切れ都市政策、あるいは交通安全という形だけでいいのか。私どもは、まさに都市づくりに関しての交通安全対策は基本的な発想の転換をしていかなければならない。まさに美しい東京、そして私たち市民にとって快適な町づくりを推進をしていかなければならないときだと思いますけれども、基本的な問題について、今後どんな形で交通安全の問題を都市づくりの中で考えていかれるのか。きわめて限られた時間でございますので、簡明に御答弁をいただきたいと思います。
#210
○藤田国務大臣 日本の歴史的過程の中で考えてみますと、都市の発展というものが何十年、何百年とかかっておりますけれども、このようなモータリゼーションと言われるような世の中になったのはここ何十年間であります。そういう意味合いで、現在のこういう混乱を起こしていることも、あるいはある意味ではやむを得ない。ですから継ぎはぎと申しますか、こう薬張りの対策をやらざるを得ない、こういうことになっておるかと思いますが、新しい都市をつくるためには、それは本当に総合的な計画が必要であろうかと思います。現在もニュータウンと称せられるものが大都市郊外にできておりますけれども、それらにつきましても、まだ考えてみますと、総合的なそういう交通的な系列、組織立ったものが十分とは思いません。先生御指摘のように、それらにつきましては、なお検討もし、研究もし、そして各省別に分かれることなく総合的な計画のもとにこれをやっていかなければならない、かように思っております。
#211
○伊藤(公)委員 総務長官からお話を伺ったわけでありますが、もちろん私が考えていたとおりの答弁しかない。
 やはりいま政治家が、挙げてこの都市の新しい町づくりの考え方に対して転換をしなければならないと考えているわけでありますが、たまたまきょうは建設大臣、私どもぜひ御出席をいただいて質疑をしたかったわけでありますけれども、大臣の御都合で、改めて大臣には次の機会に御質問をしていきたいと思いますけれども、私とちょうど同世代の政務次官か御出席でございますので、基本的な建設政務次官としてのお考えをお聞きしたいと思います。
#212
○小沢(一)政府委員 新しいいわゆる都市づくり、特に大都会におけるいろいろな環境整備等につきましては、この日本の経済発展の歴史的な背景もいろいろあると思いますが、そういう中に置かれておるわけですけれども、われわれといたしましては、そういう中から新しい都市の環境整備というものを鋭意進めておるつもりでありますけれども、特に大都会などにおきまして、いろいろな道路にいたしましても、その他の問題にいたしましても、これを進めていくためには何としてもお互いの有しておるいわゆる権利義務、そういうものの調和、そういう考え方がなければいけないと思います。そういうような認識をいただきながら、われわれとしては、この新しい都市の環境の整備というものも進めてまいりたいと考えておるわけであります。
#213
○伊藤(公)委員 東京を初め大都市における都市づくり、交通安全の問題は、いままでの継続の形ではなしに、私たちは新しい都市づくり、大胆な都市づくりをしていかなければならない、こう思っております。思い切った今後の施策をぜひ進めていただきたいことを要望して、具体的な問題について触れていきたいと思います。
 実は、私も東京にいま住んでいるわけでありますけれども、連日悲しい交通戦争が繰り広げられているわけでありますけれども、父親や一家の働き手をなくしてしまった十八歳以下の交通遺児はいま全国で約十二万、こう推定をされているわけでありますけれども、まだ高校に在学中の交通遺児の方々が約二万人いる、こう言われております。そこで、高校の進学率はすでに九〇%を超えている現状の中で、実は五十一年度に公立、私立高校の授業料の減免制度がスタートしました。この制度の利用者は、実は予定の二割にしか達しなかった。当初国費で二億五千万円のうち二億円が実は宙に浮いてしまった、こういうことが最近明らかになりました。授業料減免補助制度の内容についてお伺いをしたいと思います。
#214
○中村(四)政府委員 昭和五十一年に初めて創設いたしました制度でございまして、高等学校授業料減免制度と申しておりますが、高等学校と高等専門学校に在学します交通遺児等で、経済的理由で就学が困難だという方々の授業料につきまして、都道府県が減免いたしました場合に、国といたしまして予算の範囲内でその減免額の二分の一を補助しようというのがこの補助制度の内容でございます。
#215
○伊藤(公)委員 当初、五十一年度二億五千万円計画をされていたのに、実際には五千万円しか活用されなかった。それはなぜ活用されなかったのか、その理由をまずお聞きしたいと思います。
#216
○中村(四)政府委員 私ども、初めての制度でございますので、まず第一に、都道府県に対します周知徹底を図らなければならぬということで出発いたしまして、打ち合わせ会議等で補助要綱の徹底を図ったわけでございますが、そういたしまして、一たん十二月に決めました期限も一月末まで延長いたしまして、そして制度の利用の慫慂に努力したわけでございます。しかしながら、結果的には、先生御指摘のような、予算額を大幅に下回るという状態が出たわけでございます。
 これにつきましては、当初の授業料の単価なり補助対象人員等につきまして、最初のことでございますので、安全サイドに見込んだということが一つございますが、都道府県の方にも似たような制度等がございまして、それとの調整等でなかなか思うように申請に至らなかったというのが原因であろう、かように考えております。
#217
○伊藤(公)委員 具体的にはどういう形でこの制度ができて、各地方自治体には通達をされたのですか。
#218
○中村(四)政府委員 自動車損害賠償制度を運輸省が担当しておりますが、その自動車損害賠償責任再保険特別会計の予算といたしまして、ただいま申し上げましたように五十一年度二億五千万円を計上しまして、そして五月の中旬に、予算成立後、補助要綱の作成作業に入り、そして数回都道府県との連絡調整を行い、また総理府とも御相談しまして、ブロック的な会議も催してその慫慂を図ったわけでございます。
#219
○伊藤(公)委員 実際にこういう国の力を非常に必要とされている交通遺児の方々が、切実に力をかしてほしいという方々が全国にいるのに、末端のそういう方々のことを気持ちとして十分くみ上げていない。つまり、役所の中で計画だけは立てる、しかし、この問題に限らず、予算というものが組まれる、組まれたら使わなければならないというようなことをかなり私たちは見受けてまいりました。しかし、この国公私立高校の授業料の減免の問題に関しては、現実に必要としている方々がいるわけです。もっときめの細かな、そして特にまた親がわりに国自身がなってあげなければならない年齢の生徒、児童の方々でございますので、愛情のある政治というものが行われなければならない、こう私は思います。
 実はこの問題について、私ども、実際に交通遺児の何人かの方々にも、いろいろな方面から情報を得てお会いをして、お話を伺ったり、いろいろ調査をしてきたわけでありますが、交通遺児というものは、確かに昨今の交通戦争の中で非常に重要な問題であります。しかし、遺児ということになりますと、交通だけに限らず、たとえば労働災害あるいは天災、こういうものによる遺児もいるわけですね。そうしますと、すべての人々の命が平等に大切にされるということであるなら、交通遺児に限らず、すべての遺児の方々、たとえば炭鉱で働いていて両親あるいは父親を失った、こういう方々や、あるいはそれぞれの職場で両親を失った、こういう遺児の方々にも平等にこうした制度が活用されていくべきではないか、こう私は考えますけれども、これは総務長官でございますか、まず大臣に御見解を承りたいと思います。
#220
○藤田国務大臣 交通遺児の方々だけにそういうことがなされておるのかというと、決してそうではないのでありまして、別な角度から、たとえば遺族の方々、恩給関係もそうでありますし、それからまた、母子家庭と言われる方々に対しても、別な面からの恩典がございます。いろいろと各省それぞれ御担当別に対策が現在ある、そのように思っております。
#221
○伊藤(公)委員 いろいろな災害があるわけでございまして、実際に同じ世代の方々でこうした恩恵から外れてしまっている人たちがいるわけでありますけれども、この交通遺児に対する授業料の免除というようなことをもっと広げて、遺児、同じ世代の方々には、平等にこうしたことが活用できる道を開いていただきたい、こう思いますけれども、今後の見通し、御検討をいただけるかどうか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#222
○藤田国務大臣 それぞれの省の管轄がございますけれども、ただいまの伊藤委員のお話につきましては、各省とも相談をいたしまして検討いたします。
#223
○伊藤(公)委員 もちろん、今後授業料の免除というだけで十分とは思いませんけれども、本当に、まだまだ親を必要としているのにそういう災害に遭った、しかしまだ学校にも行かなければならない、しかも自力ではまだ独立をしてやっていけない、こういう若い方々には、やはり国が親がわりになってあげる、こういう温かい政治を、大臣のただいまの答弁にもうかがえますから、こういう制度から漏れた方々がたくさん現実にありますので、ぜひ早急に具体的な御検討をお願いをしたいと思います。
 次に、実は先ほど私は東京を初め都市における交通安全という問題が現状のままでいいのか、こういう問題提起をさしていただいたわけでありますけれども、私もいま毎朝電車で通勤をしながら、この殺人的な混雑、たとえばお年寄りの方は全くラッシュ時には電車に乗れない、あるいは女性の方々がいまの通勤時の電車に乗れば、乗りかえのときにハイヒールを踏み外して乗りおくれる、あるいは後ろから押してくる方々に押しつぶされてしまうというケースを本当にかなりの回数、自分の目で確かめ、そしてこういうことが行われているのにそれに対して思い切った具体的な政治の道が開かれてこない、何とかしなければならないと自分なりに考えながら、毎日通勤をしている一人でございます。
 たとえば東京のこの交通混雑を緩和する道として、もちろん道路の問題、それから鉄道の問題があると思いますけれども、もう一つ大きな、この都市交通の一端を担えるものがもしあるとすれば、それは自転車だと私は思うのです。たとえばヨーロッパにおいて、自転車は非常に生活に密着しているわけでございますけれども、いま私ども東京を歩いて、たとえばサイクリングロードというものができておりますけれども、これはストレートに直線何メートル、何千メートル、それだけのも一のでしかあり得ない。つまり本当に生活道路としての自転車道路ではない。たとえば学校の子供たちの通学のための自転車道路、あるいは奥さん方が買い物に行ける生活道路、そういうものとしての自転車道路というものが、特に都市の中では今後重要な問題だと思います。
 私どもいろいろ調査をしてまいりますと、自転車道路というものは、ほとんど重要な問題として取り上げてこられないで、それぞれの地方自治体が細切れ的にサイクリングロードをつくっているにすぎないわけでありますけれども、都市の交通機関、生活道路として、国自身が大きな都市における自転車道路というものを生活に結びつけてつくっていくというお考えはないのか、まず御見解をお伺いしたいと思います。
#224
○室城政府委員 第一次五ヵ年計画を昭和四十六年から五十年までにわたって進めたわけでございますが、その途中で自転車というものを見直したらどうだということから、四十八年を初年度とします三ヵ年計画で自転車道路の整備並びに自転車駐車場の問題こういったものを促進していこうということで、六十四のモデル都市につきましてこれを推進するということをやってまいったわけであります。
 昭和五十一年、今年度からの第二次五ヵ年計画、交通安全基本計画におきましては、第一次のそういったことも踏まえまして、基本計画の中に大きくこの自転車の問題を取り入れてございます。したがいまして、従来は、比較的都道府県以下の段階に任せて現実的な解決を図ってきたという面が強かったわけでございますけれども、五十一年度以降の計画につきましては、道路、警察、こういった各関係機関と交通安全五ヵ年計画に基づきまして、それぞれ積極的に施策に取り組んでいくというような姿勢で進めておるわけでございます。
#225
○伊藤(公)委員 時間がありませんので、端的にお伺いしたいのですが、具体的にいま東京の中で自転車道路をつくるという計画がございますか。
#226
○室城政府委員 自転車道路そのものは建設省の所管の計画に上がってまいりますし、それからいわゆる歩道の上を自転車を通すとか、レーンの一つを自転車に割り当てるというふうなことは、交通規制の面で警察の方で主としてやっておりますので、そちらの方から……。
#227
○山根説明員 自転車道の整備の問題につきましては、ただいま室長の方からお話がありましたように、第二次交通安全事業の五ヵ年計画で重点の一つに考えております。
 全国的に申し上げますと、五十年度末の自転車道が整備されております道路の延長が九千キロでございますが、これを五十五年度末までには二万百キロ、ざっと二倍強まで高めたい、かように考えております。
 先生御指摘のように、こういった自転車道路の整備をいたします場合に、私ども一つの事業として考えておりますのは、居住環境整備事業というのを実はやっております。つまり幹線道路に囲まれたいわば居住地域、これに通過交通を入れない、したがって、その中は日常生活に密着した、徒歩なり自転車の交通が中心になりますので、歩行者専用道路あるいは自転車専用道路のネットワークを整備をしながら居住環境地区の整備をいたす、こういう事業とあわせて整備をしてまいるというような考え方を一方でとっておるところでございます。
 なお、さらに大規模自転車道というような考え方で、全国的に各県に大体一ヵ所ずつでございますが、補助事業としてやっておるところでございます。
#228
○伊藤(公)委員 具体的に、東京ではどんな計画になっておりますか。
#229
○山根説明員 お答え申し上げます。
 東京都につきましては、三多摩地区の都道保谷――狭山自然公園線、私ども通称多摩湖自転車道と言っておりますが、これを先ほども申し上げましたように、大規模自転車道事業として昭和四十八年度から補助事業として実施をいたしております。本年度末には全延長二十三・五キロメートルのうちの十一キロメートルの区間が完成をいたす予定になっております。五十二年度も引き続き事業を進めていくことにしておりまして、全区間の完成は昭和五十五年度末を目途にいたしております。
#230
○伊藤(公)委員 私が考えている生活道路としての自転車道路は、いささかいまの御計画のお考えとは違っているような気がいたします。つまり狭山を初め今日までのサイクリングロード、自転車道路というものは、どうも観光的な、あるいは自然の中につくられるということを目的とした自転車道路でありますけれども、たとえば東京の中でも、かなり高層の団地が次々とできているわけでありますけれども、たとえば多摩ニュータウンなんかは完成をしますと四十二、三万、周辺を集めて五十万都市になるわけであります。こうした新しいニュータウンづくりの中に、いま申し上げたとおり、子供たちの通学のために、あるいは買い物のために、これはまさに、たとえば車からも遮断をされていくわけでありますし、もちろん総理がよく言われている資源有限時代、ガソリンが要らないわけでありますし、あわせて健康管理にもなる、こういう自転車道路を生活道路としてわれわれの生活に密着をした形で――何キロできればいい、何ヵ年計画の中で何キロ伸びたということに決して意味があるものではなくて、われわれの生活の中に、しかもわれわれここでいま交通安全ということを議論をしているわけですから、そういう意味を含めた自転車道路というものを再検討しなければならないという時期が来ている、こう私は思うわけでございます。本来であれば大臣に聞きたいのでありますけれども、大臣おりませんので、政務次官、ひとつ思い切った前向きな御発言をお聞きしたいと思います。
#231
○小沢(一)政府委員 ただいま先生の御指摘になりました趣旨のことにつきましては、企画課長の答弁の中にも含まれておったと思いますけれども、いわゆる町の中の生活道路としての、特に大都市の交通問題の解決の一つの大きな策としてその自転車道というようなものを考えていかなければならないことは御指摘のとおりだと思います。
 この歩行者専用道あるいは自転車専用道、そういうことにつきましても、モデルケースといたしまして、そういう自転車道のネットワークをつくろうということでいまやっておるところでありまして、今後も引き続き積極的に進めてまいりたいと思います。
#232
○伊藤(公)委員 かつて河野一郎さんが建設大臣をしておりましたときに、多摩川の両サイドを思い切って活用せよとハッパをかけたことがあったわけでありますが、いま多摩川の両サイドは御承知のように、東京都民にとってはまさに憩いの場であり、それはスポーツの場でもございます。そしてその両サイドは開発をしていけば、またやる気になれば、自転車道路の問題は土地を買収しなくても、河川をしっかりつくるだけのことで、これはすぐ生活に密着した生活道路、かなり多くの東京の皆様方に利用していただける生活道路としてのものもできるわけでありますから、こうしたことも、より具体的にひとつ御検討いただきたいと思います。
 大変時間がありませんので、この辺は、今後東京の町づくりについては非常に重要な問題だと私ども思っておりますので、きょうは二大臣御出席でございますから、ぜひひとつ御検討を、それぞれの省を超えて東京の新しい交通改革に取り組んでいただきたい、こう思います。
 それからもう一つ具体的な問題でありますが、この自転車の問題に関してでありますけれども、現在五十万台に近い自転車が使われていると言われておりますけれども、二十万台近い自転車が私どもいま駅に参りますと、駅の周辺に全部雨ざらしになっている。そうしてささやかな庶民の方々が、車でなくて自転車で通ってきて、ついそのままにしていって、帰ってくると自転車がないというケースが非常に多いわけであります。いや、この間自転車が、帰ってきたらなくなっちゃっているということを私どもよく身近に聞くわけでありますけれども、かなり以前から駅周辺における自転車置き場の確保ということが議論をされてきたわけでありますが、今後の見通しを聞きたいと思います。
#233
○室城政府委員 ただいま御指摘がありましたように、私ども承知しておりますデータで、東京都が昨年実施しました調査の結果では、都内に約八万台の自転車が駅前に放置されておるということが言われております。さらにそれを含めまして全国の市長会の方で調査しました結果では、約三十万台の自転車が駅前に放置されておるというふうに聞いております。それに対して私ども、先ほど申し上げましたように、昭和四十八年から自転車の問題というものも早急に整備をしていこうということで、可能な限り駅前に自転車駐車場をつくろうということで、使える土地があれば、そこに市町村が中心になりまして駐車の施設を設けるというようなことで、現在大ざっぱに申しまして、全国で約一千ヵ所、自転車の収容台数で約十四万台、そういう形で収容できるような公共施設ができております。そのほかには、昔からある駅前の自転車預かり場というようなものがプライベートにやっておるというような実態があるわけでありますけれども、いずれにしても、公共施設として約三十万台の放置自転車を早急に解決しなければならないということで、ただいま関係機関集まりまして、いろいろ研究会をやっております。結論を得次第、それぞれの省庁の施策に乗せて進めてまいりたいと思います。
 御承知のように、駅前というのは、非常に地価が高いところにもつてきまして、空地が現実に非常に得がたいというような問題もございますので、そういった問題を今後どう解決していくかというようなことで、もしどうしてもそのことのために新しい立法措置が必要であるというようなことであるならば、それも積極的に前向きに取り組んでみようというぐらいの意気込みでいま考えておりますので、いずれ結論を得次第、そういう基本的な解決をやる。それまでの間も、いまやっておりますが、できる限りのことは、現実の問題として処理していこうということでやっております。
#234
○伊藤(公)委員 生活道路としての自転車道路の問題、そして駅前の自転車置き場の問題を、ひとつできることなら私も皆様方にもお願いを申し上げて、今後、都市における生活道路としての自転車道路建設ということを含めまして、特別立法みたいな形でもしこれが、提案ができればという考えを持っているわけでありますが、具体的なことは、さらにまた次の委員会等でいろいろとお願いをしていきたいと思います。
 次に、先ほど申し上げたとおり東京の交通機関、たとえば、特に東京の二十三区からいま三多摩という多摩地区に人口は完全に逆転をしてまいりまして、多摩地域が非常に急速に人口がふえてきたわけでありますけれども、しかしその交通機関は、依然としてそのままという状態であります。したがって、先ほど申し上げたとおり、もう殺人的なラッシュ時の混雑、しかもそれが一向に解消される方向にない、これは国鉄も私鉄も含めてであります。
 大変に限られた時間でありますから、具体的な問題について触れていきたいと思います。
 私どもがいまいろいろと東京の中で調査もし、いろいろな皆様から意見も聞いた中で、小田急線、新宿から小田原に向かって走っている電車でありますけれども、この小田急線はこの周辺一本だけしかないわけであります。この小田急の高架複々線の問題と、さらに国鉄の横浜線というのがあるのですけれども、横浜線と小田急が交差しているわけでありますけれども、これに田園都市線の乗り入れということが地域でいま非常に具体的に要求が出てきているわけでございます。田園都市線はちょうど渋谷から営団地下鉄で間もなく直通になっていくわけでありますが、横浜線への乗り入れが可能になりますと、小田急だけに頼っている世田谷、町田あるいは相模原、この方々はもう一つ渋谷から中央へ出るという道が開かれるわけでございまして、横浜線へ田園都市線をぜひ乗り入れをせよという声が高まっているわけでありますが、小田急線の複々線の問題、それから横浜線への田園都市線の乗り入れの問題についてお答えをいただきたいと思います。
#235
○住田政府委員 小田急の複々線工事でございますけれども、御承知のように、現在地下鉄九号線の延長工事をやっています。来年ぐらいに延長工事ができるという見通しでございますが、その先の複々線工事につきましては、地元との間で日照権の問題とかいろいろの問題が解決しておりませんので、鋭意そういう問題の解決に努めている状況でございます。
 それから横浜線と田園都市線の相互乗り入れのお話でございますけれども、私どもといたしましてまだ関係者――この場合は国鉄と東急ということになっておりますけれども、両方からそういう具体的な話はまだ聞いていない状況でございます。私どもが聞いた話では、現在横浜線から田園都市線への乗りかえ客の数は非常に少ないというように聞いております。
#236
○伊藤(公)委員 具体的に数字をお調べになったかどうかわかりませんけれども、いま小田急は多摩ニュータウンができておりまして、現状でももう通勤時、電車に乗れないで、次の電車に乗るというような状況なんです。これに多摩ニュータウンが――まだいまほんの一部入居したところですが、やがていままで全くなかったところに四十二、三万人の人たちがあそこに入るわけです。この半分くらいは小田急に流れてくるわけですね。そうすると、いまの小田急でさえも大変な状況であるのに、小田急の複々線の問題についてもいまの御答弁では前進的ではない、まして横浜線の問題についてはそう利用者が、田園都市線が入ってもないかのようなお話ですが、実情は違う。よくひとつお調べをいただいて、私も毎日通勤をして、実際に一般の人たちと乗ってきているわけですから、大変な混雑ですから、ひとつあしたでも乗ってみていただいて、実情を調べていただきたい。そして具体的に国鉄と東急の田園都市線のお話し合いを進めていただいて、実情を調査していただきたいと思います。お願いできますか。
#237
○住田政府委員 横浜線と田園都市線の相互乗り入れの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ全然話を聞いてない状況でございます。(伊藤(公)委員「そんなことはない、ぼくは三ヵ月前にちゃんと言ったじゃないですか」と呼ぶ)
#238
○田村国務大臣 両者から。
#239
○住田政府委員 いまお話がございましたので、両者を呼びましてどういう問題があるか、いろいろ検討をいたしたいと思っております。
#240
○伊藤(公)委員 すでにその実情は、国鉄にも運輸省にも私の方から正式にお話を申し上げているはずであります。ひとつ早急に御検討いただきたいと思いますが、御検討いただけるかどうかだけお聞きをしておきたい。
#241
○住田政府委員 早急に検討をいたしたいと思います。
#242
○伊藤(公)委員 多くの方々からそういう要望もすでに出ておりますので、ぜひひとつ早急に御検討をしていただきたいと思います。
 それから同じ国鉄の問題でありますけれども、東京の外れといいますか西多摩地域に五日市線なり青梅線というのがございます。この西多摩地域に関して、最近通勤客が非常にふえてきた。しかし、ここも依然として単線という状況でありまして、五日市線、青梅線かいわいの方が東京に直通で通勤できる道を開いていただきたい、こういう要望が出ているわけであります。五日市線、青梅線の、特に拝島が一つの拠点になると思いますけれども、駅の改造等の計画はいかん。
 最後に、運輸大臣にお聞きをしたいと思うのでありますが、いま多摩地域における個人タクシーの認可の問題で、すでに運転をしている運転手さんの会ができて、長い間運動がされているわけであります。しかしなかなか認可されない。個人タクシーに私ども乗りますと、普通の会社のタクシーよりも個人タクシーの方が乗り心地がいいという利用者の声も聞いておりますし、タクシーの運転手さんからしますと、三年間無事故、無違反でありますと、個人タクシーを認可してもらえる資格があるわけでございます。これは認可されている地域に関してでありますが、そうしますと、タクシーを運転している運転手さんの励みにもなる。ところが事故をやっても、やらなくても、違反をしても、どうせ同じだということになりますと、運転手さんの励みにもならない。多摩地域におきましては、依然として個人タクシーの認可がされないという状況でありますが、憲法でも職業選択の自由というものがうたわれているわけでありますから、個人タクシーの認可の見通しについてお聞きをして、私の質問を終わりたいと思います。
#243
○田村国務大臣 早急に一度自動車局長によく調査をさせます。
#244
○吉武説明員 青梅線、五日市線から中央線に直通運転をもう少しできないかというお話でございます。
 現在もある程度はやっておりまして、大体一日で十数本の直通運転はあるわけでございますが、ラッシュの時間に先ほどお話がありましたように、拝島で三両つけて十両にいたしまして中央線に持ってきます。中央線の輸送力が非常に逼迫いたしておりますものですから、中央線の線内を短い電車で走らすことはできないので、まず拝島まで七両で来て、三両つけて十両にして中央線に入れておるということでございますので、実は拝島のところで三両つける作業にある程度時間が必要なわけでございます。したがって、現状ではこれ以上中央線に直通電車を動かしますと、青梅線内の総体的な輸送力が落ちてしまうということでございますので、現在考えておりますのは、青梅線の線内輸送の立川終着のものにつきまして、ホームを増設して七両にしたい、それで青梅線の線内の輸送力をつけまして、直通運転は変わりませんが、立川の乗りかえを含めまして、総体的な輸送力をつけたいということを考えておるわけでございます。
#245
○鈴切委員長 次回は、公報でお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後五時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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