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1976/04/21 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 物価問題等に関する特別委員会 第10号
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1976/04/21 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 物価問題等に関する特別委員会 第10号

#1
第080回国会 物価問題等に関する特別委員会 第10号
昭和五十二年四月二十一日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 西宮  弘君
   理事 青木 正久君 理事 加藤 紘一君
   理事 片岡 清一君 理事 砂田 重民君
   理事 金子 みつ君 理事 武部  文君
   理事 中川 嘉美君
      愛知 和男君    宇野  亨君
      中村  靖君    湯川  宏君
      藤原ひろ子君    依田  実君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局経済部長 吉野 秀雄君
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        農林大臣官房審
        議官      増田 甚平君
        通商産業政務次
        官       松永  光君
        資源エネルギー
        庁長官     橋本 利一君
        資源エネルギー
        庁石油部長   古田 徳昌君
 委員外の出席者
        大蔵省関税局輸
        入課長     高瀬 昌明君
        国税庁間税部酒
        税課長     吉田 哲朗君
        農林大臣官房審
        議官      石田  徳君
        林野庁林政部林
        産課長     輪湖 元彦君
        水産庁漁政部水
        産流通課長   塩飽 二郎君
        物価問題等に関
        する特別委員会
        調査室長    芦田 茂男君
    ―――――――――――――
四月二十日
 公共料金の値上げ反対等に関する請願(伊賀定
 盛君紹介)(第三七五二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○西宮委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川嘉美君。
#3
○中川(嘉)委員 過日の委員会におきまして、円高そして石油問題等に関する御質問が多々出されたわけでございますが、私はきょうはこの問題にも関連したことを二、三お聞きした上で、さらに今度は食肉の問題等にも関連した御質問に発展をさしてまいりたい、このように思っております。
 最近の円高によって為替差益が石油企業を潤しているわけですけれども、このことに関連して基本的なことを、先ほども申し上げたように、二、三伺ってみたいと思います。
 昭和四十九年度は八百十八億円の差損、それから昭和五十年度も百九十三億円の差損で累積一千十一億円の差損でありますけれども、五十一年度は上期だけで四百四億円の差益である。このことはもう前回の委員会でも幾たびか議論されておりまして、この状態が順調に続きますと、五十二年度上期で累積赤字は解消される、その後は国民に還元することができるのではないか、こういうことなんです。せんだっても御答弁をいただいていたようでございますが、基本的な問題としていま一度、国民に還元できるできないという問題について、お聞きをしておきたいと思います。
#4
○橋本(利)政府委員 ただいま中川委員が御指摘になりましたように、円高レートで推移いたしておりますために、いままでの累積赤字はその限りにおいて減少していっている、あるいは企業によってはむしろプラスが出てくるものもあろうかと思います。
 ただ、外資系と民族系の差といったことも念頭に置いておく必要もあろうかと思いますが、問題は、そういった累積赤字が仮に解消いたしたといたしましても、一方でいわゆるOPECの二重価格制による値上げという問題がございます。これを試算いたしますと、大体七ないし八%原油代の上昇になるのじゃなかろうか。といたしますと、五十二年一年間でかれこれ十七、八億ドル、レートにもよりますが、五千億前後の、原油代に限りましても、コスト上昇要因があるということ、それからそのほかに備蓄のための経費だとか、あるいは防災のための経費あるいは人件費の上昇といったようなコストアップ要因もございます。そういった新たなるコストアップ要因を加えていきますと、累積赤字が仮に解消いたしたといたしましても、円高レートによる為替差益の存在のほかにコストアップ要因もある。そういったものを総合的に判断せざるを得ないということも御理解いただきたいと思うわけでございます。
#5
○中川(嘉)委員 民族系、外資系という問題について、それでは伺いますけれども、外資系に比べて民族系の業績はいかにもこれは悪いわけです。昭和四十九年度の経常損益がマイナス九百八十九億円、このうち民族系が九百七十三億円のマイナスに対して外資系はわずか十六億円、こういう赤字にすぎないわけでありますが、昭和五十年度に至っては民族系が一千百四十五億円の赤字に対して外資系は反対に三十一億円の黒字を出している。また五十一年度上期はともに黒字になりましたけれども、民族系が百七十一億円、外資系が七百三十四億円となっている。このような違いはどうして起こるのか、また国として民族系の体質を改善するのか、その方策について述べていただきたいと思います。
#6
○橋本(利)政府委員 外資系と民族系につきましては、ただいま御指摘のような経理上の差があるわけでございます。この主たる理由は、外資系の方の設備投資が民族系よりも以前に行われておるということからいたしまして、いわゆる償却利子といったような資本費が民族系に比べて低い。それから第二点は、どちらかと申しますと、外資系の方が軽質油を手当てしやすい立場にございまして、それとの関連で、どちらかと申しますと、採算性の高いいわゆる白物の得率の方が民族系に比べて高い。こういうことが影響いたしまして、外資系の方が民族系よりも経営体質がいいという現実になっておるわけでございます。
 そういった事情に即応いたしまして、民族系につきましてはいわゆる設備の近代化に対する融資等についても助成はいたしておりますが、さらに民族系の構造改善と申しますか、集約化という方向でわれわれといたしましても側面から助成していきたい。ただ、いまの段階におきましては、業務提携その他の動きは出てきておりますが、本格的な構造的な取り組み方というものがいまだしというのが実感でございます。私たちといたしましては、民族系企業が自分の置かれておる環境の厳しさを自覚いたしまして、自分の進むべき道というものをみずから決めていく、それに対して政府が側面から助成していくといったようなことで民族系の体質改善を図ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#7
○中川(嘉)委員 石油関係に関連をした質問はきょうはこの程度にして、次に、私は円高に関連をして、先ほど申し上げたように、牛肉の問題について話を発展させてまいりたい、このように思いますので、この点を御理解いただきたいと思います。
 まず第一点ですけれども、首相の諮問機関である物価安定政策会議の政策部会が四月八日に開かれました。円高を物価に反映させることなどについて検討されたそうでありますが、円高が卸売物価の引き下げに役立っていることは認められるものの、消費者物価、特に食肉あるいは小麦などの価格形成は円高を価格引き下げに結びつけられる体制になっていないことについて問題があるのではないだろうかというようなことが報道されておりまして、八日に開かれた次の日、そういった報道がなされたわけであります。
 そこで、まず農林省に伺いたいと思います。昭和五十年に牛肉の価格安定制度が発足したわけですが、制度を発足させた目的と畜産振興事業団の目的とをあわせてお聞かせをいただきたい、こう思うわけです。私が思うには、飼育農家の経営の安定とそれから消費者物価の安定そのものが目的であるというふうに解釈しておりますが、そうであるかどうかという点だけ、簡単にひとつお答えをいただくだけで結構でございます。
#8
○石田説明員 畜産振興事業団の目的は、これは畜安法の十二条に書いてあり、先生御承知のとおりでございますが、「主要な畜産物」、たとえば牛肉とか豚肉、あるいは乳製品も入りますが、「価格の安定、乳業者等の経営に要する資金の調達の円滑化及び畜産の振興に資するための事業に対する助成等に必要な業務を行なう」、こういうことを目的にしてつくられておる機関でございます。
 それから、価格安定制度でございますが、豚肉につきましてはもう以前からあったわけでございますが、先生先ほど御指摘のように、五十年の五月から、牛肉についてもこれを拡大して制度化したわけでございます。先ほどお言葉にありましたように、卸売価格は自由形成されるわけでございますが、これの一定の価格帯の中での安定を図ることによりまして、片一方では畜産農家の再生産を確保し、また片一方では消費者に対して安定した価格で肉を供給するというのがねらいでございます。
#9
○中川(嘉)委員 牛肉の市場価格が政府の支持価格を上回る場合には事業団が肉を放出して相場を冷やす、逆の場合は買い上げて相場を維持するという操作を行うわけですけれども、東京市場で結構ですから、牛肉の価格安定制度が発足してから、去勢和牛の中と乳用肥育雄の中の価格が、安定価格帯の中で推移してきたのかどうかをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#10
○石田説明員 牛肉につきましては発足後年数が非常に短いわけでございますが、その中で乳用肥育牛いわゆる乳雄につきましては、安定上位価格を五十年の八月以降上回っておりまして、五十年いっぱいは高水準で推移いたしました。しかしながら、その後、輸入牛肉の適正な放出等を行うことによりまして五十年の一月をピークに鎮静に向かいまして、九月以降は安定帯価格の中に入って今日まできておるわけでございます。最近では、日によりましては中心価格を割ることもございます。
 それから、去勢和牛の中でございますが、これは五十年の五月から七月まで、五十一年に入りまして五月、それから五十二年は、ごく最近でございますが、三月以降は安定帯価格の中に入って推移いたしております。
#11
○中川(嘉)委員 乳用牛のことについて、いま五十年の九月と言われたのでしょうか、五十一年九月以降と……。ちょっとそのことを確認しておきたいと思います。
#12
○石田説明員 五十一年九月でございます。
#13
○中川(嘉)委員 ということは、価格安定制度が十分機能していないことが示されたのではないかと思うのです。牛肉について価格安定制度がとられたのが五十年四月、そしてその四カ月後の八月にはすでに上限を突破して、以後ずっと突破したままである。したがって、私は、畜産振興事業団の輸入肉の放出の仕方に問題があるのじゃないかと思うわけであります。事業団は一体どんな価格で放出をしているのか、この点を伺いたいと思います。
#14
○石田説明員 事業団が外国から輸入する場合には、国内価格よりもかなり安いわけでございますが、放出は原則として時価でございます。方法といたしましては、卸売市場を通じての放出、入札による放出、あるいは一部チルドにつきましては随契も行っておりますが、原則は時価でございます。
#15
○中川(嘉)委員 いま御答弁があったように、畜産振興事業団の放出する牛肉そのものは輸入物であるわけですから、本来、国内相場とは問題にならないほど安いものであるのに、放出に当たっては調整金とか差金を取るわけですから、国内相場に見合う価格になってしまう。そればかりでなく、競り売りにかけたりする場合でも、市場相場を基準にして指し値をして、その上、相場を冷やすだけの大量の牛肉を放出しないということで、高値に推移している相場につられて放出肉がさっぱり安く出回ってこない、こういうところだと思うのです。この全肉連に放出する場合でも、価格安定帯の下限とか中位価格で売らないで、上限価格で放出しているので安い輸入肉が出回らない。これは消費者団体が訴えているところですけれども、こんなことだから、当然市場価格を冷やすことができないんじゃないだろうか。
 物価安定政策会議が四十五年七月三日に「行政介入と物価について」、こういう意見書を出しておりますけれども、その中でこのように言っているわけです。「安定価格帯が生産者に対する最低価格保証としては機能するが、消費者に対して価格高騰を抑制する手段としては機能し得ていない」このように言った後に、現行制度を再検討して、消費者のため「安定上位価格を突破しないような保証を与える政策的な仕組みを考えるべきである。」このように言っているわけです。農林省はこの点について検討をされたのかどうか、この点を伺いたいと思います。
#16
○石田説明員 いまの御指摘の意見書は、四十五年七月三日のものでございまして、この時点におきましては、牛肉につきましては価格安定制度がまだ発足いたしておりませんでした。豚肉についての意見書でございます。
 農林省といたしましては、豚肉についてその後検討いたしましたし、次の年の四十六年の十月でございますが、豚肉につきましては輸入の自由化が行われました。しかも、そこで関税率につきましても、従来は一〇%でございましたが、この際、差額関税とあわせて、と申しますのは、中心価格をせきとめ価格といたします差額関税と一〇%といずれか高い額ということに変えたわけでございますが、さらに国内の豚価が高騰いたしております場合には、関税の減免を行うことによりまして輸入をしやすくしたわけでございます。そういうことがございますので、豚肉についてはそこでかなり改められたと思います。
 それから、先ほど申し上げました関税の減免につきましても、意見書の提出後、四十五年七月から十二月にかけ、また四十六年七月から十二月にかけ、四十七年は四月から十月にかけ、四十八年には三月から十月、五十年は三月、五十年六月から五十一年三月、最近では五十一年五月から十月、このように関税を減免いたしまして輸入を図ったわけでございます。
 先ほどのお話は、牛肉についてということでございますが、牛肉は五十年の五月から価格安定制度が発動されておるわけでございますが、豚肉とはちょっと違いまして、いまだに割り当て制でございます。必要量を割り当てておるわけでございますが、国内価格の動向を見ながら放出していくということで、たとえば上限価格を超えたような場合には多く放出する、価格が冷えているようなときには放出を差し控えるという操作を事業団が行うことによって、価格の安定を図っているところでございます。
#17
○中川(嘉)委員 事業団のこのような放出のやり方、ここにはかなり問題があるように私は思います。時価で放出するために巨額の売買益が生じるわけでありまして、そしてこの売買益はほとんど生産者の振興のために助成とかあるいは補給金として交付されているのが現状であるわけであります。
 この事業団の決算書で見てみますと、四十八年度、この助成事業費と補給金事業費とで三百二億円、こういった額を使っているわけで、なおかつ百億円の当期利益を計上している。それから四十九年度を見てみますと、助成それから補給金、この事業で合計四百三十一億円、なおかつ二十四億円近い利益を計上している。それから五十年度で見てみますと、助成及び補給金の合計が四百七十一億円、当期純益金が百六十九億円、こういった利益を計上しているわけです。すなわち、年々この額が増大してきているわけであります。農林省は、この助成事業費等を通じて肉の生産等を振興して、結果的には消費者の利益になっていくのだ、このように言っておられますけれども、消費者の利益につながるどころか、牛肉の価格は年々上昇している。そのために消費そのものは低迷といった状態にあることはもう御存じのとおりであるわけですが、畜産振興事業団の売買益は昨年以来の円高基調でますます利幅が大きくなり、その上、牛肉の輸入価格が大幅に値下がりをしているということでありまして、昭和四十五年を一〇〇とした場合、四十八年が二二一・八、四十九年が二三八・九、五十年が二〇六・九と下がって、五十一年当初は一二〇台で推移をしている。五月に入って急激に下落して七九・七、それ以降六〇台ないし七〇台で推移してきている。五十二年二月現在で六七・〇、昭和四十五年の価格をも大きく下回っている状態であります。
 このように円高による利益と輸入価格の下落による利益が、五十一年度の事業団決算には巨大な額として計上されることと思うわけですけれども、五十一年度決算の助成、補給金事業費と、それから当年度利益は果たして何億円ぐらいになる見込みか。先ほどずっと例を挙げてあれしましたけれども、五十一年度のことについて、何億円ぐらいになる見込みであるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。見込みで結構でございます。
#18
○石田説明員 先ほど先生がお挙げになりました四十九年、五十年の数字の中には、国の一般会計から、たとえば学校給食のために児童に補助する金、あるいはいわゆる不足払い法によります差額等も入っているわけでございまして、一般会計の金がかなり入っております。もちろん事業団としては一般会計からもらうわけでございますが、これは差益から出るものではございません。いまお尋ねの件は輸入肉等の差益から出る金の分だろうと思いますが、五十一年度につきましては、まだ全部経理を締めてございませんので、数字ははっきりしておりませんが、輸入牛肉についてだけ考えてみますと、これは大体十一月ごろまでの差益でありますと、約二百三十億円程度でございます。その後のものを入れますと、これを上回ると考えられます。
 それから、ちなみに五十年でありますが、五十年は輸入牛肉だけからは、いわゆる利益といいますか差益は百五十一億円出ておりまして、差益が輸入牛肉の勘定等から出た場合には、そのうちの一部は積み立ていたしますが、大体八〇%は助成勘定の方に回しまして、そこで助成事業として使うわけでございます。これも大体百四十五億ぐらいを見込んでおります。まだ決算してございませんが、大体の見込みはそういうことでございます。
#19
○中川(嘉)委員 私が先ほど例を挙げて読み上げた数字、この数字がいまいろいろ含まれているというようにおっしゃったわけなんで、やはり一応比較をする意味でも、そういったものを含めると、それじゃ、どういうふうになるだろうか。この点についても、見込みで結構かと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#20
○石田説明員 ちょっと大ざっぱな数字でございますが、学校給食用には、予算としては百七十億ほど組んでおりますが、いつも全部使いませんので、百五十億ぐらいは使うと思います。その学校給食の分と、それから加工原料乳の不足払い分を合わせまして、五十一年度の見込みが四百八十二億何がしでございます。それ以外、先ほど申し上げました輸入牛肉による差益でございますが、これはまだ前の年のものを使うことになっておりますので、百四十五億ぐらいを見込んでいるということでございます。そのほか、乳製品の輸入もいたしておりますが、その差額というのは、これは大体国の一般会計から入れられたものと一緒にいたしまして、不足払い等にも充てているわけでございます。
#21
○中川(嘉)委員 いずれにしましても、このような巨額の利益の大半を振興事業費のみに使うのじゃなくして、直接、肉の消費者物価を引き下げることに使われるべきではないか。いま御答弁の中では、いろいろなものが含まれる云々というお話がございますけれども、私たちが強調したいところは、当然こういうところであるわけです。輸入価格が大幅に下がっているのにもかかわらず、消費者は相変わらず年々高くなる牛肉をやむなく買わされるという行政に対して大きな不満を持っているわけであります。こういった消費者の立場に立った要望というものに対してどのように受けとめておられるか、今後どのように対処していこうとされるか、この点について御意見を伺いたいと思います。
#22
○石田説明員 確かに消費者側から、牛肉は高い、こういう声がございますし、われわれもその点は十分承知いたしております。ただ、輸入牛肉は確かに国内の牛肉の価格に比べて安うございますけれども、これを直ちに輸入した価格そのもので放出いたしましても、これは流通段階で吸収されてしまいまして、必ずしも消費者に安い価格で行かない、こういうことでございますので、流通段階にも大変問題がございます。
 そこで、流通段階についてこれは合理化を図らなければならないということで、若干金も出しておりますが、それぞれの段階で、たとえば枝肉、部分肉あるいは小売段階に至るまで規格を定めてこれの普及を図る、こういうことにしないと、どうしても品物の価値がよくわかりませんので、最初出したたとえば卸売価格から末端価格までそれが連動しないということでございますので、この点にいま力を入れまして、やっと規格の基準ができましたので、これの普及にいま努めておるところでございます。そのほか流通段階についてさらにこれは合理化に努力しなければ、いかに安い肉を元の方で放り込んでも末端までいかないということもございますので、いまいろいろ検討しているところでございます。
 御承知のように、日本では大量生産を行っておりませんので、成牛の個体一個一個について皆相違があるわけでございます。外国では大量のものを飼育いたしておりますから均一の品物がたくさんできる。そこで、部分肉等の市場もあれば、どんな部分肉でも多量に品ぞろえができて手に入るという形になっておりますので、流通段階でも処理しやすいわけですが、日本は残念ながらなかなかそこまでいっていないということで、できるものからやっていこうということで手をつけておるわけでございます。そういうことでございますので、その成果というのは一朝にしては出てこないかとも思いますけれども、しんぼう強く流通段階の合理化等を図ると同時に、差益等の金もこれは生産段階にもつぎ込みまして、できるだけ安定した安い肉が供給されるようにということで、生産振興にも努めておるわけでございます。
#23
○中川(嘉)委員 五十二年度の牛肉の政府支持価格を、去る三月三十日でしたか、五%引き上げることを決定されたそうですか、牛肉の輸入価格は五十年九月以来下げ続けてきた。本年二月には昭和四十五年価格の六七%にまで下落しているわけです。輸入価格が下落すれば、通常、国内小売価格も下落するだろう、こう期待するわけですけれども、肉の場合はそれが逆に上昇している、上昇するようなシステムになっているわけですね。国民はこの点に大きな不満を持っていることも事実であります。そして、事業団の利益金そのものは大半が生産者や流通関係の方に流される、政府はそれがひいては消費者のためになるんだと言われますけれども、一向に値段が下がらない、上昇の一途を続けている、こういうふうに理解をしております。国民はこの点に不満を持って矛盾を感ずるのは率直に言って当然だ、このように私は思います。輸入価格は昭和五十年平均の三分の一になっているのに、小売価格は昭和五十年平均の一・一八倍になっているのですから、これはもう当然だれでも矛盾を感ずるのじゃないか、こう思います。牛肉の価格安定制度も十分機能しないという点もありますので、この放出の方法を改めるべきじゃないだろうか。もう一度この点を御答弁いただきたいと思います。
#24
○石田説明員 輸入肉の値段は、確かに先生の御指摘のように、輸出国の国内事情もございまして下がっておりますが、わが国に輸入される場合には下がっておりますけれども、非常にわずかでございまして、横ばいか、若干下がっているというようなことでございます。しかし、それは別にいたしまして、放出はすべて国内の時価でやっておるわけでございますから、外国で仮に下がったとしても、それはもろには響いていないということは御指摘のとおりでございます。
 そこで、放出でございますが、この制度が発足いたしました五十年の五月ごろと申しますのは、それからごく最近までは世界を通じまして畜産危機の影響が非常にございましたし、またわが国は四十九年以降しばらく輸入を停止いたしておりましたので、入ってくるものがそれほど多くなかったということと、それからフローズンが入ってきておるわけでございまして、国内の価格を冷やすにはやはりチルドが要るわけでございます。そういう国内の価格を冷やすのに直ちに余り力のないような種類の肉がその当時は輸入されたということがございますので、その後はチルドの輸入をふやすことにして、それを放出することによって国内価格を冷やすのに役立ててきたわけでございますが、残念ながら小売価格の方は卸売価格が下がったようには下がっておりません。これは放出の仕方等にも問題があろうかとも思いますけれども、要は、やはり流通段階の合理化ができていないというところにあるのじゃなかろうか。先ほど申し上げましたように、流通段階の合理化を図るとともに、今後は放出の方法についてもチルドあるいはフローズンの使い分け等に注意いたしまして、細かく慎重に対処しながらできるだけ国内の価格を冷やしていきたいと思うわけでございます。
 話はちょっと別になりますけれども、豚肉の方につきましては、これはわれわれの行政指導によりましてかなりの値下げを去年から実行いたしておりますが、牛肉の方は、正直なところ横ばいでございまして、なかなか下がりません。今後はさらに業界にも働きかけまして、卸売価格の下がったものに見合う分はぜひ小売価格も引き下げるようにという運動を行うと同時に、事業団から指定小売店等に放出いたしました肉の、安売りとまではいきませんけれども、適正価格でこれを販売することによってその波及効果を一般の小売店にも期待して、できるだけ小売価格を下げていきたいと考えております。
#25
○中川(嘉)委員 消費者の側に立った見方、また要望、それに十分こたえ得る対応をこの際ぜひとも要望しておきたいと思いますので、いまおっしゃられたその御答弁の内容に沿って、ひとつ着々と実現にこぎつけていただきたい。重ねて要望をいたしておきます。
 小麦の問題あるいはその他いろいろな問題に入ってまいりたかったわけですけれども、ちょっと時間が中途になる可能性もありますので、きょうのところは牛肉に問題をしぼって、最後に申し上げておきたいことは、近く公定歩合の引き下げが行われて、これに伴って預金金利も連動して引き下げられるように報道されております。消費者の側から見るならば、もともと物価の上昇率にも及ばない、こういう預金金利ですから、預金が目減りしているところへさらに金利を下げられる、そして目減りを加速される。一方、為替差益の方は一向に消費者には還元されない。物価は上がる一方ということであっては、国民は政治や行政に対して不満を持つのも当然ではないか、このように思うわけであります。先ほど引用した物価安定政策会議の意見書でも、消費者は政府の輸入制限とかあるいは価格介入によって物資の高価格購入を余儀なくされているわけですから、今後は国内関連業界の方ばかりに目を向けないで、消費者の利益につながるように、輸入量であるとか放出のタイミングなど、価格介入以外の市場流通量のコントロールを通じての経済政策に変えていくべきだ、このように提言をしているわけですが、いま申し上げたことについての所信を伺って、きょうの私の質問の締めくくりとしてまいりたいと思います。
#26
○藤井(直)政府委員 五十二年度の経済運営については、景気の回復と同時に物価の安定ということを重要な政策課題としてやってまいるわけでございますが、ただいまお話のように、公定歩合の引き下げに伴って預金金利が下がるというようなことになりますと、より一層物価の安定という問題が重要な意味を持ってくるわけでございますので、五十二年度に予定しております。%台の物価ということについて全力を挙げてやっていきたいと思っております。
 ただいま御指摘の中で輸入の問題がございましたけれども、私ども物価対策をいろいろ考えております中で、やはり輸入政策を活用していくということは非常に重要なテーマだと思っておりますので、その点についても十分物価対策を進めていく上において重点を置いてやっていきたいと思っております。
#27
○中川(嘉)委員 どうかひとつ、先ほども申し上げたとおり、こういったときにあって国民の要望に沿う対応というものを一日も早く、一気には無理かと思いますけれども、一歩一歩実現にこぎつけられんことを再びここで強く要望いたしまして、きょうの質問を終わりたいと思います。
#28
○西宮委員長 中川嘉美君の質疑は終了いたしました。
 次は、藤原ひろ子君。
#29
○藤原委員 まず経済企画庁にお尋ねを申したいと思います。
 為替差益を物価に還元するという場合でございますが、それにはまず最も重要なことは、差益がどこにたまっているのか、このことを明らかにすることが重要だと私は思いますが、いかがでしょうか。
#30
○藤井(直)政府委員 円高の基調が出てまいりましてから大分時間が経過したわけでございますが、私どもフロート下の円高というものにつきまして、その動向がどうなるかということは非常に関心を持っているわけでございます。やはり現実に、その円高によりまして輸入価格が下がってきて、そしてそれが消費者の段階まで及んでいくということは望ましいことでございます。そこで、現に卸売物価指数を見てまいりますと、五十一年度の卸売物価についてはかなり一−三月の円高の影響が出てきておるわけでございます。これがどういう形でこれから波及していくかということにつきましては、具体的に差益の状況をよく把握するということが必要だと思っております。
#31
○藤原委員 先日の参議院の予算委員会の経企庁長官の答弁では、消費者物資について調査中だというふうにお答えになっておりましたが、その場合に、日本の輸入総量の六割以上を占めます大商社にメスを入れるということが最も肝心なことだ、こういうふうに考えます。
 そこで、当然、調査する場合には大商社が重要な対象となるというふうに経企庁はお考えになっておりますでしょうか、いかがなものでしょうか。
#32
○藤井(直)政府委員 円高の影響というのは、輸出の場合は為替差損になってあらわれてまいりますし、輸入の場合は為替差益ということになってくるわけでございます。
 そこで、商社の問題ですが、そういうことになりますと、商社は輸出、輸入ともに扱っておりますので、商社がその輸出、輸入をどのくらい扱っているかとか、それから実際の契約条件が外貨建てか円建てかというようなこともありますし、それから輸出であればメーカーと商社、輸入であればユーザーと商社との間のリスクの負担関係がどうなっているかというようなこともやはり前提としていろいろ問題になるかと思います。それから為替の先物予約をどの程度しているかということも、為替の相場の変動に伴う差損、差益の関係については出てくるわけでございます。そういうことで見ますと、やはり差損と差益の両面について商社の場合見なくちゃいけないと思われますので、どうも差益だけの関係で商社を見ていくということがなかなかむずかしい。商社活動の全般に及んでいくという面もありますので、私どもとしては、これから追跡調査をいたしますその個別品目の差益の実態を把握する段階で、当然に商社が関与しているものであれば商社の問題が出てくるわけでございますので、その段階で検討いたしたいと思っております。
#33
○藤原委員 それでは、具体的にお聞きをしたいと思います。
 農林省にお答え願いたいわけでございますが、大商社の扱う輸入水産物につきまして、差益はどこに滞留をしておりますでしょうか。もしわかっておりましたら、この御答弁をいただきたいし、まだわからないということであれば、簡単にそのようにお答えいただいたら結構でございます。
#34
○塩飽説明員 先ほど経企庁の方からお答えになりましたように、差益の発生あるいは差損の発生という可能性につきましては、単に為替レートそのものの変動以外に、さまざまな需給状況とか、あるいは為替の予約をやっているかどうかといったような各種の多角的な要因が介在してまいりますので、一概には言えないのは事実でございます。
 ただ、私どもの方の水産物に限りましても、昨年で見ますと、現実に五千数億円の輸入が現に行われておるわけでありまして、その価格が国内の水産物全体ひいては消費者の水産物の値段、それに大きな影響を与えるということはかねて私どもよく認識いたしておりまして、通常の業務におきましてもそれが価格面でどういう影響を与えるかということを絶えずフォローしているわけでございますけれども、今回の為替レートの変動に伴いまして、御指摘のような差益の発生等の問題については、具体的な品目に着目いたしましていろいろな要因を検討しながら今後調査を進めていきたいと思っておる段階でございまして、まだ具体的にいま御質問のありましたような差益がどこに現実に発生しているのかということにつきましては、正確に把握している段階ではございません。
#35
○藤原委員 私どもの調査によりますと、北米からの輸入水産物のシェアの二〇%を持っております丸紅では、宝幸水産、中村水産、丸紅冷蔵などと共同で買い付け、販売業務を行っており、損益や為替リスクにつきましては五〇対五〇ないし七五対二五で分け合う、こういうことになっております。こういう仕組は、私、丸紅にも行きまして確かめてきたことでございます。こういう事実を御存じでしょうか、農林省にお伺いいたします。
#36
○塩飽説明員 いま御指摘の具体的な丸紅のケースにつきましては、私ども確かにおっしゃるような具体的な取引形態をとっているというふうに伺っております。ただ、水産物の輸入を行っている商社多数おるわけでございますけれども、それぞれの商社がそれぞれの産品について具体的にどのような取引方法、国内における販売の形態をとっているかということについて、現在の段階では詳細には承知いたしておりません。
#37
○藤原委員 この取引形態を見ますと、為替の差益は丸紅と共同事業者であります相手方の両者に一〇〇%滞留している、こういうことになりまして、還元される仕組みにはなっていないわけでございます。これが問題なのであって、ここにメスを入れるべきだ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#38
○塩飽説明員 今後調査を進めていく過程におきましては、ただいま御指摘のありましたような点も含めまして調査を進めてまいりたい、かように考えております。
#39
○藤原委員 私のお会いいたしましたこの担当課長さんは、円高傾向が続く限り差益は出る、こういうふうにおっしゃっていたわけでございます。ですから、直ちに調査をすべきだというふうに強く要望いたしたいと思います。
 次にお尋ねいたしますのは、木材のことでございます。木材価格についてですが、これも大商社の扱う重要な品目でございます。外材輸入について差益はどれくらい出ているのか、そのうち北洋材についてはどうなのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#40
○輪湖説明員 木材に関しましては、為替相場の円高傾向が続くことが輸入業者にとりましては確かに有利な条件の一つであるというように考えますけれども、木材の国内価格というものが国内の需給要因を初めとするいろいろな要因で決まるものでございますので、必ずしも輸入価格と連動して決まっているわけではないわけでございます。したがいまして、為替差益だけを取り出しましてこれを把握するということはなかなかむずかしい問題でございますけれども、輸入態様あるいは決済の方法あるいは時期、あるいは為替変動のリスクに対する対応の仕方、いろいろの変化条件がございまして、そういったものを勘案しながら、どういうふうに把握したらよろしいか、私ども現在検討しているところでございます。
#41
○藤原委員 委員長のお許しを得てちょっと図を配りたいと思います。――いまお渡しをいたしました図のAと表の一、これをまず見ていただきたいと思います。これは私どもの調査でございますが、一立方メートルにつきまして、五十一年の一月から三月までは契約価格は四十八ドル八十六セント、四月から九月までは五十一ドル十セント、十月から十二月までは六十一ドルと契約価格が変更しておりますにもかかわらず、為替レートの方を見ますと、一、二月は三百円台、三月が二百九十五円八十九銭、九月が二百九十二円十二銭、十二月は二百八十二円三十七銭と、円高傾向が続きます限り、その表をごらんのとおり、必ず差益が出ているということは、これを図のAにあらわしますと一目瞭然でございます。北洋材に限りましても、昨年一年間だけで十大商社の為替差益というのは、この表の一の計にありますように、二十四億円にも上っているわけでございます。この分については当然還元されるべきだ、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
#42
○輪湖説明員 この表でお見受けする限り確かにそういった計算が成り立ち得るかと思いますけれども、実は先ほど申し上げましたように、国内の木材の価格形成というものが単に輸入価格だけで決まっておるわけではございませんので、流通関係、外材でございますと、輸入商社それから原木問屋、さらには製材工場に入りまして、その間にさらに一次、二次の問屋系統の卸があるということで、非常に複雑な流通形態を持っておりますけれども、そういったものからいたしまして、どの段階でどのようなかっこうの取引契約があるかといったものを把握いたしませんと、なかなかむずかしい問題であろうと考えておるわけでございます。そういった国内での各流通段階での価格形成、そういう要因を分析いたしませんと、全般的な判断がなかなかむずかしいのではなかろうかと考えておる次第でございます。
#43
○藤原委員 経企庁の長官は、参議院の予算委員会で、原材料の物資については業者間の話し合いに任せて大丈夫だ、こういうふうに答弁をしておられます。その例証としまして、卸売物価が下がっている、こういうふうに言われましたが、木材についてもこういうふうに考えておられるのか、経企庁にお尋ねしたいと思います。
#44
○藤井(直)政府委員 全体として生産財の問題については、現在の需給緩和の状況のもとでは、業者間の自主的な交渉に任せてそれを見守っていく方が、差益の還元という点から言って適当ではないかということを申し上げておるわけでございます。
 木材については、先ほどから、輸入価格と国内価格とどうも連動しない。それは、国内価格というのがもっぱら建築の量がどうなるかということ等の国内的な要因で決まってきて、輸入価格との関係が少ないというのが従来の傾向でございます。そういう点で、差益の問題等を把握することはなかなか困難でございますけれども、私どもとしては、これは農林省とも御相談しなければいけませんけれども、木材の差益についての調査はしたいと考えております。
#45
○藤原委員 大変困難だということですけれども、いまお配りしました図のBを見ていただきたいのです。この図は農林省が出しております統計情報部の資料をもとにして私どもでつくったものでございます。北洋材の中で代表的なものとしてエゾマツ板と平割りについて、昨年一年間の卸売価格と小売価格を指数化したものでございます。私は京都市で製材屋さんに直接会って話を聞いてみました。すると、この製材屋さんは、エゾマツの場合、長さ三・八メートルの角材、十五本一束のものが、五十一年の二月には仕入れ価格が千七百円であったものが、ことしの三月には六百円値上がりをして二千三百円、こういうことになっている。一方、小売価格の方では、二千三百円であったものが四百円しか上げられなくて二千七百円だ、こういうことで大変困っている、というふうに訴えておられました。このように卸売物価はほとんど下がっていないわけです。つまり、差益は還元されておらず、小売店はそのために泣かされておるというのが実態ではないでしょうか。
 経企庁にお尋ねをいたしますが、なぜこういうことになるのでしょうか。
#46
○藤井(直)政府委員 林野庁の方から御答弁させていただきます。
#47
○輪湖説明員 お答えいたします。
 北洋材の中では、確かにエゾマツの丸太が一応代表的な種類であるというふうに私どもも考えておるわけでございますが、いま御指摘の表は日銀の調べの表でございましたでしょうか。
#48
○藤原委員 この図のBは農林省の統計情報部、おたくのこれを指数化して図にしたものです。
#49
○輪湖説明員 エゾマツの丸太でございますと、卸売で、動向を申し上げますと、五十一年の四月に立方当たり二万二千四百円でございましたが、本年の三月には二万六千五百円、一一八%という指数でございます。それの製品のエゾマツの平割りでございますが、これの卸売価格が五十一年四月が四万一千百円、本年三月には四万九千百円、やはり一一九%の上昇ということで、これに対します小売のエゾマツの平割りでございますが、昨年の四月には一本三百十円でございましたが、本年三月、三百五十円、一一三%ということでございます。
 ただ、製品につきましては、北洋材の製品と米材あるいは国内材の製品、いろいろその需給関係で競合もございまして、最終製品でもあるいは卸売段階でもそういった変動をいたしておるわけでございます。たとえば卸売価格でも昨年の八月に一一八%いったわけでございますが、九月には一%ダウン、十月にまた一一八に戻りましたけれども、十一月、十二月とまた下落しておるというふうに、月々その需給関係によりまして変動するわけでございます。その変動要因が単に北洋材だけの需給関係ではなくて、ほかの木材、さらには非木質の製品との競合もございまして、複雑な動きをいたすものでございますから、単純に卸あるいは小売というふうなリンクでの比較がなかなかむずかしい性格のものでございます。
#50
○藤原委員 しかし、おたくの方の資料によりましてこの北洋エゾマツの卸、小売価格の推移を描けばこういうことになるわけです。そういった中で、先ほど申し上げましたように、これをごらんのとおり、この小売価格との比較をいたしましたら、差益というのはほとんど還元されていない。いま実例を挙げましたように、小売店はそのために大変困っている、泣いている、この実態、なぜこういうことになるのかということをお聞きしている。いま御説明いただいたのは、これは表の見方をいろいろ教えていただいたということではないかと思いますが、なぜこういうことになるのかということを聞いたわけです。
 では、余り明快に出ませんので、私、持ち時間が少ないので、次に進みます。
 こちらにあります物価安定政策会議の第一調査部会、昭和五十年七月三十日、ここが発表いたしました「建築用木材の流通・価格対策について」というのがございますが、これの六ページに外材丸太の流通について書いてございます。「外材丸の流通については、大手商社のシェアが大きく、それら輸入商社と原木問屋との間には、ほぼ系列関係が定着している。原木問屋は、仕分け、在庫機能を果し、物流上重要な役割を担っているが、商流の面では、末端の需要を商社に能動的に伝達する機能は極めて弱い。一部の製材業者は、原木問屋を通さず組合を通じて複数の商社から直接購入している例があるが、その場合でも商社への能動的働きかけはほとんどない。」こういうふうに書いているではありませんか。またこの十一ページには、こういう中で「建築材料としての木材価格に対しては、消費者も大工・工務店も全く受動的であり、また、木材価格の上昇が安易に住宅価格に転嫁されがちである。」こういうふうに記しているわけです。私の調査によりましても、この指摘どおりの結果が出たわけです。木材の流通経路が商社に系列化されておりますために、為替差益が大商社に滞留をして消費者には還元をしない、こういう仕組みになっているわけです。ですから、ここのところを徹底して調査をしてメスを入れなければ、差益の還元といったところでそれは空念仏に終わってしまいます。さらに、北洋材は輸入外材の六分の一ぐらいにしかすぎないわけです。外材全体では莫大な差益が出ているはずです。
 経企庁は、これを直ちに調査をして、還元のための具体的な措置を講ずるべきだ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#51
○藤井(直)政府委員 先ほど申し上げましたのですが、輸入価格が下がった場合の問題ですが、円高の場合でも、全体の需給の状況が非常に悪い場合にはなかなか国内価格が上がらない。そういうことでございますと、かえって円高であっても損失が出るということもケースとしてはあり得るわけです。逆の場合として、国内価格が上がっておれば為替差益も実現するということになってくると思います。そういうようなことで、木材についての差益の検討というのは非常にむずかしい問題だと思いますが、私どもとしては何とかこの木材を追跡調査の対象のリストに入れていったらどうかと思っているわけでございます。
 ただ、一般的に、先ほどから出ておりますように、商社から原木問屋を通って製材工場にいき、卸、小売を通っていくという流通段階が非常に複雑でございまして、その段階についてのそれぞれの経営状況とか、それからコストの状況とかマージンの率がどうなっているかということをしさいに検討しませんとなかなかその差益の追及ができないということで、いわば流通機構全体の問題を取り上げると同じような問題になってくる点がございますので、非常にむずかしい調査だろうと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、調査リストの中に入れたいということで現在考えております。
#52
○藤原委員 一般的な話ではなくて、ぜひいまおっしゃいました追跡調査、これを急いでやっていただきたい。対象に木材を挙げて調査するということですから、追跡ですから、これは急がなければならないというふうに思います。
 それから、流通段階が大変複雑だ、こういうふうにおっしゃいましたが、私が見ておりますところは、複雑とそれを言うのかどうか、系列化している、こういうことが考えられるわけです。ですから、下の方から上を向いて物が言えないというふうな状況もあるわけですから、ぜひとも調査の結果、適切な手当てが必要だ、指導が必要だというふうに思います。
 以上のように、水産物と木材を例にして私は質問をしたわけでございますが、これで明らかになりましたのは、これらの品物に限りまして大商社に差益が滞留しているのではなくて、大商社の扱うすべての品物について多かれ少なかれ滞留するという仕組みになっているわけです。ここのところに政府が本腰を入れて大商社にメスを入れる、このことが非常に重要です。直ちにこれをやっていただきたい。経企庁はいかがでしょうか。
#53
○藤井(直)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、商社の場合は輸出、輸入、両方扱っておりますので、どうも円高の関係が為替差損になってあらわれたり、輸入の場合為替差益になってあらわれるわけでございますので、商社全体というものをつかまえて議論するというよりは、個別の品目についての調査をする。その過程で商社が関与しておるものは商社の問題が出てくるということでございますので、調査としてはそういう形でやりたいと思います。
#54
○藤原委員 いま挙げました例で私が調査してもこういうことですから、ぜひ徹底的なメスを入れるということをお願いしたいというふうに思います。
 それでは、次の問題に進みたいと思います。
 為替差益を消費者に還元するという問題では、先日来議論になっております石油の問題、これがございます。この問題につきましては、一昨日までの各委員の質問と政府側の答弁を踏まえて二、三の点についてお伺いを申し上げたいと思います。橋本資源エネルギー庁長官は、三月二十三日の衆議院の商工委員会における安田議員の質問や一昨日の同僚議員の質問に対して、差益の還元を含めて値上げの問題については、たとえば三月二十三日の質問に対します答弁ではこうおっしゃっております。「現在値決め交渉中と聞いておりますが、そういった中においていま御指摘のような数字がどのように消化されていくかという売買両当事者の話し合いの問題ではなかろうか、かように考えるわけでございます。」こういうふうに述べておられるわけでございます。一昨日の答弁でも、売買両当事者間の話し合いを見守っていくのだという意味の答弁を繰り返して行っておられるわけでございます。私はこの意見に対しましては別の意見を持っているわけでございます。しかし、それはこの際おくといたしまして、長官が言っておられるいわゆる見守っているという結果についてお聞きしたいわけでございます。
 それじゃ、長官、現在まで石油各社はどこと話し合いを持っているのか、つかんでいらっしゃれば、その相手を御報告いただきたいと思います。
#55
○橋本(利)政府委員 御承知のように、石油元売企業はOPECによる原油価格の引き上げということを踏まえまして、石油製品の価格引き上げを打ち出しておるわけでございますが、現在までのところ、三月一日から値上げしたいという先発組の価格交渉の方はむしろ後退いたしまして、後発組の四月一日から二千円というのが価格交渉のベースになっておると聞いております。具体的にはそれぞれの油種ごとに相手方が異なってくるわけでございますが、油種ごとにそれぞれの相手方と現在交渉に入っておるわけでございますが、御承知のように、現在の景気動向、それに加えまして先般来御議論になっております為替差益の問題、こういったものを背景といたしまして、いずれの需要業界においても強くこの値上げに対して反対しておるということで、いままでいずれの油種につきましても価格決定がなされたということは聞いておりません。
 ただ、御承知のように、灯油につきましては、いち早くわれわれの方といたしましても価格据え置きの指導を継続して実施いたしておる、こういうことでございます。
#56
○藤原委員 これまでの長官の御答弁が繰り返し話し合いを見守っているのだということでしたので、事の進展状況というのは大変よくつかんでいらっしゃるのだろう、こういうふうに考えていたのです。この相手を報告していただきたい、こう言ったけれども明確に出ないわけですので、私は大変心配になるわけです。私も少し調べてみたわけでございますが、C重油だとか軽油といったものにつきましては話し合いをしようとするものもあるようですけれども、これはいわゆる大企業、大口需要者、こういうところなんです。これらは油種については話し合いができるようでございますけれども、小口の需要者を対象にしたものにつきましてはほとんど話し合いなどはないようでございます。こういう場合は一方的にメーカーの言うとおりの値段で買わされるということになるわけですが、このような場合も政府は、話し合いの結果決まった値上げだというふうに思うのか、それとも、これは全く不公平だ、こういうふうに考えるので何らかの形でこの小口需要者、いわゆる一般の国民の意見、要求、こういったものが反映されるような対策をとる必要があるというふうにお考えになっているのか、通産省はいかがでしょうか。
#57
○橋本(利)政府委員 先ほど申し上げましたように、灯油のように一般家庭で使う、したがって、小口のものにつきましては、特に冬場の需要期であったということもございまして、われわれとしては価格の据え置き指導をいたしたわけでございます。その次に比較的小口のものとしてはガソリンがございますが、これは御承知のように、ガソリンスタンドが非常に数が多いといったようなこともございまして、過当競争ぎみである、むしろこの値段は通っておらないというふうにわれわれも承知いたしておるわけでございます。
 ただ、御指摘のような問題につきましては、やはり一般的に価格というものは契約の期間あるいは支払い条件あるいは取引単位の大小、こういったものによりまして実際の値段というのは変わってくる場合が一般でございまして、御指摘のような点につきましては二つの点からお答えできると思います。一つは、現在、石油の元売業者間におきましてはむしろ過当競争ぎみであるといったようなことがございまして、ただいま申し上げたような具体的な価格形成以上に、それを離れて差別的な不当な価格形成ができるような状態でないということが一つでございます。われわれといたしましては少なくとも二つ目の問題といたしましては、そういった小口あるいは先生のお言葉をかりれば、交渉力の弱い人たちが不当に利益が害されることがないように、言葉をかえますと、経済的優位性をもって石油の元売業者が高い価格を押しつけるといったことのないように十分ケアしてまいりたい、かように考えるわけでございます。
#58
○藤原委員 私は京都でこの問題を少し調べてみたわけでございます。軽油の需要が大きい京都市の交通局、ここでは確かに値上げの話が持ち込まれております。一キロリットル二千円と二千四百円の二つ、こういう問題ですね。しかし、これらはいまからの交渉の問題だ、こういうふうに話しております。これは橋本長官がおっしゃいましたとおりに、当事者同士の話し合いが行われる、こういうようでございます。一方、町のガソリンスタンドに行って聞いてみますと、どうなっているのかと言いますと、四月から一リットル五円の値上げだ、こう言っております。一リットル五円ですから、一キロリットルにいたしますと五千円になるわけですね。私の聞いたところでは、モービルの代理店からガソリンを買っているところですが、ここでは四月から三円の値上げで、中身は、二円はメーカーの取り分、あとの一円は店の経費アップのためだ、こういうふうに言っているわけです。ここは相当大口なのでこれだけに値引きをしたのだそうです。このように、一方では一キロリットル二千円以下になることは確実なのに、他方、一般国民が個々に買うものにつきましては、それの倍にも倍以上にも上がるということになっているわけです。
 私はガソリンだけではなくて、家庭用の灯油もほっておけない、これと全く同じことになりかねないというふうに心から心配をするものでございます。特に家庭の主婦といたしましては、もう夏が来たから大丈夫という問題ではありません。この冬、もういまから心配なわけです。これが私たち国民の姿、特に家庭を持つ主婦の姿であるわけです。これでは差益を消費者や国民に還元するどころか、弱い者いじめだとしか考えられないというふうに思うわけです。
 物価局長さんにお尋ねをいたしますが、消費者保護を担当する省庁といたしまして、このような問題が起きないように、消費者の意見が差益の還元、価格決定に反映されるような対策をとるつもりがあるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#59
○藤井(直)政府委員 輸入物資を使って生産される消費財、それから直接消費財として輸入されるもの等につきまして、ともかく調査をいたしまして、その差益の実態を明らかにする、そしてそれを情報として提供するということで考えているわけでございます。先ほどの石油製品のお話でございますと、資源エネルギー庁長官からお話がありましたように、直接消費者に響く家庭用灯油につきましては、その値上げが行われないようにこの需要期中指導するということも行われているわけでございまして、全体としてそういう消費用物資についての配慮は十分いたしていきたいと思っております。
#60
○藤原委員 いまの調査をするという御答弁は、国政の最高機関で御答弁になったことでございます。四十七年のときには調査が一年もかかっているではありませんか。これは動かせない歴史的な事実だと思います。このような歴史を絶対に繰り返すことがないように、いま御答弁いただきました調査をするということを直ちにやるべきだと思います。もっと政府は真剣に調査をして、為替差益について国民に還元をする、この立場に立って急いでやっていただきたいということを強く要望いたしまして、時間が参りましたので、終わらせていただきたいと思います。
#61
○西宮委員長 藤原ひろ子君の質疑は終わりました。
 次は、依田実君。
#62
○依田委員 きょうは、皆さん、為替差益の問題をいろいろ御質問のようでございますけれども、これは為替差益の方から言うと少し問題が小さいかもしれませんが、輸入の洋酒のことについていろいろお尋ねをしてみたい、こういうふうに思います。嗜好品でありますから、いわゆる消費者物価というものとも少し離れるかもしれませんけれども、いろいろ問題点をお尋ねしてまいりたい、こういうふうに思っております。
 最初に、最近の洋酒の輸入量と国内消費量の中における洋酒の占める割合、この辺についてお尋ねしたいと思います。
#63
○高瀬説明員 洋酒と申しましても、ちょっとウイスキーだけを申しますと、ウイスキーの最近の輸入量は、五十一年の数字で見ますと、二千二百四十万リットル、これはいわゆるスコッチタイプのウイスキーでございます。
 国内消費のことは、ちょっと調べますから……。
#64
○依田委員 いまスコッチウイスキーの輸入量をお答えになりましたものですから、それを例にいろいろお聞きをしてみたいと思います。
 われわれに一番なじみの深いいわゆるジョニ赤というウィスキーがございますけれども、これの七百六十ミリリットル、いわゆる普通のびんは、日本へ入ってくるCIFの値段で約三百九十八円、これは五十一年八月と聞いておりますが、われわれが買うときにはこれが大体三千五百円、十倍とはいきませんけれども、約九倍になっておるわけであります。この間、関税あるいはマージン、いろいろ入るのでございましょうけれども、三百九十八円が大体三千五百円になるこの価格の仕組みといいますか、価格の変動のぐあいをお聞かせいただきたいと思います。
#65
○高瀬説明員 一応ジョニーウォーカーの赤を例にとりますと、課税価格といいますかCIF価格は、先生がおっしゃいましたように約四百円でございます。それに対しまして関税が約三百円、したがって、関税賦課後の価格は約七百円でございます。それに酒税が、一五〇%かかりますので約千円、したがって、酒税賦課後の価格として約千七百円になります。
 それから、先ほどのあれでございますが、国産と輸入ウイスキーとの比率は、輸入の比率が大体八%程度でございます。
#66
○依田委員 いま関税と、従価税で酒税がかかっておるわけでありますけれども、合わせて約千七百円ちょっとになるわけでございます。いま、いわゆるEC、ヨーロッパ各国から、日本との貿易のアンバランスといいますか、そういうものを解消するということで、いろいろ消費財を日本が買ってくれぬか、こういう要求が出ておると思うのでありますけれども、その中で、こういう洋酒について関税が少し高いのじゃないか、これを下げてくれというような要求が来ておりますでしょうか。
#67
○高瀬説明員 おっしゃいますように、わが国のウイスキーの関税につきまして、英国からその引き下げを要求されている事実はございます。
#68
○依田委員 国際的に見てこの関税が高いのか安いのか、そこで決まると思うのでありますけれども、いま大蔵当局はこの要求に対してどういうふうにお考えになっておりますでしょうか。
#69
○高瀬説明員 その問題はあくまでも、いまガットで行われていますMTNの場での問題としまして、相互引き下げの交渉の問題ということでございます。
#70
○依田委員 ほかの国の関税、つまり英国からのウイスキーに対する関税、これは日本と比べてどの程度になっておるのでしょうか。
#71
○高瀬説明員 ほかの国のウイスキーと申しましても、関税率は、いわゆるバーボンウイスキーとその他のウイスキーと分かれておりまして……
#72
○依田委員 ちょっと私の説明の仕方が悪かったと思うのですが、イギリスからほかの国が輸入するときに、そのイギリスのお酒にかける関税の率です。
#73
○高瀬説明員 すぐ調べてお答えします。
#74
○依田委員 要するに、ガットでいろいろ話し合いが行われるわけでありますけれども、他国の関税に比べて日本が必ずしも高くなれば問題はないわけでありまして、他国の関税に比べて日本が高い場合にはいろいろ問題が出てくるのじゃないか、こういう意味でお聞きをしたわけであります。
 この洋酒でありますけれども、流通経路は、イギリスのジョニ赤ならば、コールドペックというイギリスの会社から日本コールドペックというところへ入りまして、それから問屋、そして小売店、こういうふうに流れてくると聞いておるわけであります。
 ところで、千七百何円かのが、町でわれわれが買うときには三千五百円になるわけでございます。つまり約二倍近くになる。この間に、総輸入元の日本コールドペック、問屋、そして小売店、それぞれマージンを取るのだと思うのでありますけれども、そのマージンの分け合う比率というのは、大蔵省は御存じでしょうか。
#75
○吉田説明員 スコッチウィスキーのスタンダード物の価格についてのお尋ねでございますけれども、ただいま関税局の方から御答弁がありましたが、実は、その千七百数十円というような見当の数字は昨年の暮れの実績でございまして、その後、ことしの一月になりまして値上げがあったものですから、現在は若干それより高くなっております。そのほかにエージェントが引き取る引き取り運賃がおよそ二百五、六十円から二百六、七十円ぐらいかかっておると思いますので、輸入業者の実質的な仕入れ価格は、銘柄によって若干ばらつきがございますけれども、スタンダード物でおおむね二千百円ぐらいか、こう私ども見ておるわけでございます。
 そこで、お尋ねのマージンでございますけれども、いまおっしゃいましたスタンダード物の三千五百円というのは、デパートの標準価格でございまして、御案内のように、デパートでもいろいろ三千円未満のバーゲンをやっておりますし、また一般の小売店では大体二千円台で売られているのが相当多いわけでございます。そこで私ども聞きましたところでは、エージェントの建て値は一応二千七百円前後というふうに聞いておりますが、実際は、いま申しましたように、三千円未満で、二千円台で売られているところから見ますと、およそ実勢は二千三、四百円ぐらいではないか。そういうことから推算をいたしますと、一応エージェントのマージンは三百円前後というのが大体実勢に近いところじゃないか、推定でございますけれども、そういうふうに見ておるわけでございます。
#76
○依田委員 私がほかのところで聞いたところでは、そのエージェント、それから問屋、小売、この三段階を通して、やはりエージェントが相当にマージンを取っておるのじゃないか。これはいわゆる総代理店、つまりほかから輸入することができない、そういうシステムになっておりますから、比喩は当たっておるかどうか知りませんけれども、一種の独占みたいなことになっておる、そういうことでエージェントが非常に利益を上げておるのじゃないか、こういうふうに言われておるわけであります。
 その問題は後でやりますけれども、こういうものに対して、わきから、つまり並行輸入、そういうシステムがあると聞いておりますけれども、ウイスキーに関する並行輸入の状況、そしてまた、それが総輸入量の中に占めるパーセンテージみたいなもの、これをひとつお答えいただけないでしょうか。
#77
○高瀬説明員 並行輸入につきましては、御承知のとおり、四十七年十月一日から始めておりまして現在に至っておるわけでございますが、税関における取り扱いといたしましては、並行輸入であってもまたソールエージェントのものであっても、いわゆる通常の商品の輸入と一緒でございまして、特に現在、並行輸入が幾らかという実績はとっておりません。ただ、たまたま四十九年の十月から十二月にちょっと並行輸入の実態を調べたことがございまして、そのときの数字で申し上げますと、ウイスキーにつきましての並行輸入の数量は、全体のウイスキー輸入数量に対しまして約一二、三%程度が並行輸入でございました。
 それから、先ほどの関税率の問題でございますが、ウイスキーの日本の関税率は、御承知のように、一リットル当たり三百九十二円でございますが、アメリカが約三十四円、それからECが約百三十円でございます。
#78
○依田委員 いまちょうど関税の資料が出ましたが、こう見ますと、やはり国際的に比べて相当高いのじゃないか、こういうような気がするわけであります。ガットの交渉の成り行きになるわけでございますけれども、いまのところ、大蔵省としてこれについて将来下げる、そういうようなお考えはありますか。
#79
○高瀬説明員 いまのところは、あくまでも交渉の問題でございまして、白紙でございます。
#80
○依田委員 先ほどの話、並行輸入の方へ戻らしていただきます。
 いま一二、三%という数字が出ましたけれども、この並行輸入、どういう国からどういう経路で入ってくるか、その辺についてウイスキーに限ってお答えいただけたらと思います。
#81
○高瀬説明員 その具体的な事実は税関として調査したことはございません。ですから、私が一応仄聞している点を申し上げますと、そういうような並行輸入を取り扱う業者がありまして、大体主に香港から入ってくるというふうに聞いております。
#82
○依田委員 この総代理店、ソールエージェント、こういうシステムでございますけれども、これはウイスキーだけに限らず、いろいろな消費財の輸入あるいはまたそのほかのものについての輸入にいろいろあるわけでございます。先ほどの大蔵省のお答えでは、三百円ぐらいで大したマージンではないということでございますけれども、物によってはやはり相当総代理店というのが利益を上げておるんじゃないか、こういうふうに思うのであります。
 これは公取の方へお聞きすることになるかと思いますが、これからいろいろ国際企業、それから日本の貿易が発展をしてくる、そうしますと、この総代理店システムというもの、これが果たしていいのかどうか。これは民間の契約でございますから、そこまではおっしゃれないかもしれませんけれども、しかし、一種の独占みたいなもので、そこで価格が硬直するということになると困るのであります。この総代理店システムというものについてどういうふうにお考えになっておりますでしょうか。
#83
○吉野政府委員 現在、総代理店方式で商品が売られておりますことは、わが国はもちろん、欧米諸外国でも広く行われておるところでございます。そして、この方式に対しましては、現在のところ、わが国初め諸外国でも直接規制の対象にはしておりません。ただ、総代理店契約の条項の中に、自由な競争を制限するような条項、たとえばわが国の当事者に対して再販売価格を指示したり、あるいは販売の相手方を制限したり、あるいはただいま問題になっております並行輸入を阻止するような条項があったり、そういう場合には、これは独禁法の不公正な取引法に該当いたしますので、そういった条項は破棄させております。
 それからもう一つ、外国とわが国の契約の当事者が競争関係にあるような事業の場合、外国のウイスキー業者と日本国内のウイスキー業者が代理店契約の当事者である場合に、その外国から輸入するウイスキーの数量と、それからわが国の当事者の国内における市場のシェア、これを合算した場合にかなり大きなウエートを占める場合には、やはり国内のウイスキー販売業界の競争を実質的に制限するんじゃないかという観点から、そういった契約については慎重に検討をいたしておるところでございます。
#84
○依田委員 たとえばスコッチですが、イギリスのスコッチ協会、こういうところが、たとえば日本へ出すウイスキーの値段について、これ以下では売ってはいけないというような協定みたいなものをしておる、こういうような形跡はありますでしょうか。
#85
○吉野政府委員 公取といたしましては、いまのところ、そういった事実はつかんでおりません。もしそういった事実がございますれば、適当な指導をいたしたいと思います。
#86
○依田委員 このウイスキーだけに限らず、将来いろいろ同じような問題がもし出てきた場合、つまり外国に問題がある場合に、これを公取としていろいろ訴えたい、こういう場合には、国際機関みたいなものがあるのでしょうか。
#87
○吉野政府委員 ただいま問題になっております総代理店の取引につきまして、いろいろ商標権の権利の問題とも絡みまして、現在OECDの機関で、この問題にどう対処していくべきか、国際的に検討を進めておる段階でございます。
#88
○依田委員 少し問題が変わりますけれども、この洋酒の輸入をやりたい、代理店になりたい、こういうことで申請をする、これは大蔵省の方へ申請をするわけでございますけれども、聞くところによると、一部でしょうけれども、既成の輸入エージェント、そういうものを保護するというのでしょうか、新規参入者に対して非常に厳しい。最近はワインや何かの輸入申請が多いらしいのでございますけれども、いままでの既成の代理店を通して輸入したらどうだ、新しく代理店をつくる必要もないじゃないか、代理店になる必要もないじゃないかというようなことも言われるというのが一部にあるわけでございますけれども、この審査の基準、これはどうなっておるでしょう。
#89
○吉田説明員 輸入洋酒につきまして輸入代理店になるかどうかということは、輸入しようとする業者とそれから相手国のメーカーとの個別の契約によって決まるものでございまして、これにつきましては税務当局は全く関知いたしておりません。
 ただ、輸入業者であれ、だれであれ、輸入した洋酒を国内で販売しようとする場合には、酒税法の基準に基づきまして酒類販売業免許が必要であるわけでございます。そこで、酒類販売業免許、いろんな種類があるわけでございますが、輸入洋酒に対する免許の考え方としましては、一応四つほどの基準を設けております。一つとしましては、申請者が一定の店舗を構えていること、それから第二点としまして、年間の輸入洋酒の販売見込み数量が原則として六キロリットル以上であること、第三点といたしまして、その輸入酒を販売しようとする業者が販売業を経営するに十分な資力を持っているということ、それから第四点としまして、契約等をチェックいたしまして、酒類を輸入することが確実であるかどうか、一応この四つを基準として運用しておるわけでございます。
#90
○依田委員 最近のエージェントの申請の数、そしてまた、それを認可した数というのはどうなっておりますでしょうか。
#91
○吉田説明員 輸入業者で国内で輸入洋酒を販売しようという数字でございますけれども、販売業免許の仕事は原則として税務署限りで処理することになっておりますので、詳細な内訳というのは私ども持ち合わせておらないわけでございますけれども、統計としましては、輸出入酒類の免許付与件数というものがございます。輸出入酒類の免許付与件数のうちほとんど大部分が輸入酒類の免許件数であると考えておりますので、一応そういった輸出入酒類の販売免許の付与件数を申し上げますと、四十七年度で六十五件、四十八年度で八十七件、四十九年度で百十九件、五十年度で四十件ということになっておりまして、大体申請件数の八、九割ぐらいは認めておる、こういうような見当になろうかと思います。
#92
○依田委員 膨大な資料を要求されるとか、いろいろ一部にはそういうことがあるのですが、いま八、九割認められている、こういうことになれば、そう問題もなさそうなわけであります。
 きょうは、輸入ウイスキーの途中の価格の動きなどを見ながらいろいろ御説明をいただいたわけでございますけれども、こういう物資は嗜好品でございます。また高級なものですから、特別にここで取り上げるのはどうかと思いましたけれども、一つの輸入の価格の動きというのをちょっと調べてみたい、こういうことで伺ったわけでございます。
 時間もわりあい短かかったのですけれども、これで私の質問は終わらせていただきます。
#93
○西宮委員長 依田実君の質疑はこれで終わりました。
 次回は公報をもってお知らせすることにし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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