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1976/03/15 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第5号
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1976/03/15 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第5号

#1
第080回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第5号
昭和五十二年三月十五日(火曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 島本 虎三君
   理事 林  義郎君 理事 向山 一人君
   理事 土井たか子君 理事 水田  稔君
   理事 古寺  宏君
      相沢 英之君    戸井田三郎君
      永田 亮一君    福島 譲二君
      山崎武三郎君    山本 政弘君
      岡本 富夫君    中野 寛成君
      東中 光雄君    河野 洋平君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 石原慎太郎君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       金子 太郎君
        環境庁企画調整
        局長      柳瀬 孝吉君
        環境庁大気保全
        局長      橋本 道夫君
        環境庁水質保全
        局長      二瓶  博君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
 委員外の出席者
        通商産業省基礎
        産業局基礎化学
        品課長     石原 純徳君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十五日
 辞任         補欠選任
  中井  洽君     中野 寛成君
  刀祢館正也君     河野 洋平君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     中井  洽君
  河野 洋平君     刀祢館正也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 公害対策並びに環境保全に関する件(水質汚濁
 及び騒音対策等)
     ――――◇―――――
#2
○島本委員長 これより会議を開きます。
 この際、連合審査会開会の申し入れの件についてお諮りをいたします。
 ただいま農林水産委員会において審査中の松くい虫防除特別措置法案について、農林水産委員会に連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○島本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会日時につきましては、委員長間において協議の上、追って公報をもってお知らせいたしますが、一応明十六日を開会の予定とし、協議しておりますので、御了承願ます。
     ――――◇―――――
#4
○島本委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
#5
○岡本委員 最初に環境庁長官にちょっとお聞きしておきたいことがあるのですが、「文藝春秋」のあなたが野坂さんとの対談の中で、読んでおりますと「私、核保有論者じゃございませんから。書いたものをよく読んで御発言願います。」こういう発言があるわけです。ところが「新旧の対決か調和か」というあなたの書物を読ましていただきますと「日本人は相変わらず「核は困る。核アレルギーじゃない。とにかくわれわれは核を拒否する。それは人間として人間的な主張である」の一点張りです。」というような、もっとこっちにあるのですけれども、その前のところには「今日世界の国際情勢、外交は核を持っているかいないかが決定的要因になっている。それが日本人はどうですか。核アレルギー、核の無知だけだ。」云々とありますけれども、このあなたの思想を見ますと、「外交は核を持っているかいないかが決定的要因」だというような書物が出ているわけですが、どうもこれと相矛盾をするように思うのですが、ちょっとお聞きしておきたいと思うのですが、いかがですか。
#6
○石原国務大臣 私、茅さんとの対談であると思いますけれども、そこで申しましたことは、国際政治一般に対します私の概括的な印象でございまして、あくまでも私の個人的な印象と申しましょうか、見解でございますが、どうもいままでの国際情勢を見ておりますと、事が紛糾したときやはり残念ながら核兵器を含む強大な軍事力を持っている国のいわばエゴが半ば一方的に通るという節があります。そういう印象を申しただけでございまして、それがひいては私自身の国でございます日本の核保有につながるわけではございませんし、またそういう印象、国際政治の概括的な私の判断の中で、それゆえに日本が核兵器を持つべきであるという発言は私は一度もしたことはございません。
#7
○岡本委員 日本が核兵器を持つべきだという発言は表面には出ていないのですけれども、この百六ページを読みますと「今日世界の国際情勢、外交は核を持っているかいないかが決定的要因になっている。それが日本人はどうですか。核アレルギー、核の無知だけだ。」こういうようなあなたの御主張でありますから、やはり核を持っていないと外交も弱いのだというように受け取れるわけであります。
 そこで私が非常に心配しておりますのは、わが党の有島委員が分科会でしたか、あなたに、核兵器また核というのは一番大きな地球を壊してしまうような公害でありますからあれですが、それに対して非核三原則を必ず守るあなたの考えなのかということに対して、それは守るのだ。ただし福田内閣に席を置いている間だけとはおっしゃっておりませんけれども、それに近いような発言であったようであります。
 あなたの思想として、特にまた閣僚でなくとも、この非核三原則に対しては厳然と守っていくという本当のお考えなのかということをひとつお聞かせを願っておきたいと思うのです。
#8
○石原国務大臣 そのとおりでございます。
#9
○岡本委員 その点は一応確かめておきまして、今度環境庁で出そうとしておりますところの環境アセスメント法、これには電気事業法あるいはガス事業法、これも含めたアセスメントをしようとする法案でありますが、電気事業には、御承知のようにこれから、いまもすでに行われておりますが、原子力発電というものがございます。この原子力発電、原子力問題もやはりこのアセスメントの中に入れるつもりをしておるのか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。これは事務当局から伺います。
#10
○柳瀬政府委員 現在アセスメントをいわゆる電源開発事業についてやっておるわけでございまして、その中で、これは原子力発電所も含んでアセスメントをやっておるわけでございまして、法案をつくる場合でも当然に、現にやっております内容について、やはりそれを含めるべきものというふうに私どもは考えております。
    〔委員長退席、水田委員長代理着席〕
#11
○岡本委員 そうしますと、公害対策基本法にはこの原子力問題について第八条に「放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法その他の関係法律で定めるところによる。」そして公害対策基本法からは適用除外になっているのです。そうすると、この適用除外をやはり外さなければ、公害対策基本法の中にきちんとこれも入れてしまわなければ、片一方のアセスメント法の方では入っている、が、環境庁の所管である公害対策基本法には入ってない、ここのところはちょっと矛盾があるように思うのですが、これはやはり見直す必要があろうと思うのですが、いかがですか。
#12
○柳瀬政府委員 原子力発電所の問題について私どもがアセスメントをやっているのは、いろいろな面から環境問題を検討しておるわけでございますが、その中で、その安全性の問題というのがあるのですが、この安全性の問題については科学技術庁の方で所管をしておるわけでございまして、その面については科学技術庁の方で御検討いただく、私どもの方ではそれ以外の環境問題について検討する。たとえば自然環境の保全の問題とかあるいは温排水による水に対する影響とか、そういうようなものを検討しておるわけでございます。
#13
○岡本委員 これは昭和四十二年に、公害対策基本法がなかったために私どもが対案を出して、そしてやっとできた法律なんです。そのときにも若干討議をいたしましたけれども、第八条の先ほど申しました放射性物質による大気汚染、水質汚濁あるいは土壌汚染、これは安全も入りますけれども、公害の問題も大きなファクターを占めると私は思うのですね。そうしますと、これは安全の問題もありますから、安全の問題は原子力基本法でやればよいと思いますけれども、外に出るところの影響に対してはやはり環境庁が所管すべきである、それによって初めてこの環境アセスメントもできるのである。したがって、このあたりで検討しなければならぬ時期に来ているのではないかと思うのですが、長官いかがですか。
#14
○石原国務大臣 おっしゃいますように、確かに放射能汚染というのは一番深刻な汚染でございますし、公害でございますので、これはやはりたてまえからいったら環境庁がこれを所轄事項として管理すべきものだと私は思います。ですが、その調査というものに非常に高度に技術的なものを要するので、一種の例外事項になっているのではないかと思います。たとえば外国の大使館におります日本の武官と申しましょうか、自衛隊から行っております外交官の報告が外務省と防衛庁に同時にもたらされているようでございますけれども、私は、科学技術庁が放射能汚染に対する調査をするのは、これは向こうが持っている技術性からして当然だと思いますけれども、しかし、それはやはり科学技術庁だけで管理される情報ではなしに、あくまでも時間的に並行して重ねて環境庁にそれが報告され、並行してアセスメントの中に勘案されるべきものだと思います。
#15
○岡本委員 私、そのとおりだと思うのです。だから、そういうことになりますと、アセスメント法をつくると同時に、今度は公害対策基本法という根本の基本法も長官やはりここでいじっておかなければ、いじると言うとおかしいけれども、変えてこなければ、原子力問題、先ほど申しました放射能の大気汚染あるいは水質汚濁、こういうものだったらもう環境庁は全然関係ないんだ、いままで、適用除外だから、そっちの方はもう原子力基本法で科学技術庁の分野です、こういうように絶えず言ってきたわけですので、法律に基づいて物事は行われるわけですから、この適用除外を一応再検討する時代が来たんではないか、こう思うのですが、その点いかがですか。そっちの方を聞いておるのです。
#16
○柳瀬政府委員 環境影響評価法案というのは、環境に対する影響の予測、評価をするというようなことの手続を決めるという法律を考えておるわけでございまして、したがって、手続によっていわゆる各省間の仕事を変えていくということは非常に無理な問題なんで、もし変えるとすれば、それはもとのいわゆる規制の仕方をどうするか、環境庁が原子力の安全性問題を所管とするのか、あるいは科学技術庁が安全性の所管をするのか、そのもとを考えるべき問題なんでありまして、アセスメント法案の手続法でそれを変えていくということは、これはちょっと無理な問題だと思うのでございます。
 その問題につきましては、確かにどこが所管するのがいいのかという問題は残りますけれども、少なくとも環境影響評価法案でそれを解決する問題ではないと思うわけでございます。
#17
○岡本委員 いや、それは環境アセスメントの手続法で解決するんではないから、だから、権限を環境庁が持つためにはやはり公害対策基本法のこの原子力問題の適用除外をここではずさなければ、環境庁の権限は及ばぬわけですよ。
 今度原子力船「むつ」の問題でも、これに対して環境庁長官は、原子力船「むつ」問題では前田科学技術庁長官が試験船なんだから事故が起こっても仕方がないと言うているけれども、それは前田さんの言うとおりだ、事故の非は認めて、こういうわけで事故は起こったと説明すべきであった、こういうような非常に率直な御意見をなされておるわけですが、これはこれといたしまして、そうすると、科学技術庁だけに任しておくと、ほかの省が全然タッチしない。通産省あたりしておりますけれども、これは環境問題だとか、あるいはそうでなくて推進する方の役目でありますから、私は公害対策基本法の適用除外というところを削って、そして環境庁もそこにタッチしていくということによって今後の大気汚染あるいは水質汚濁、どうですか、これは御検討の余地あるでしょう、いかがですか。
#18
○柳瀬政府委員 原子力の安全性問題を科学技術庁でやるかあるいは環境庁でやるかという問題は公害対策基本法だけではなくて、科学技術庁の設置法も全部変えて、科学技術庁はそれをやらないで環境庁がやるとか、あるいは原子力基本法でも主務大臣は科学技術庁長官になっておるわけでございますから、そういう法律もすべて検討しなければならぬという問題になってくるわけでございまして、単に公害対策基本法だけの問題じゃないわけでございます。そこで、そういう問題については御議論もあろうとは思いますけれども、現段階では、私どものところで引き受けるというにはいろいろ問題も多々あろうと思うので、いまのところそういうことは考えておらないわけでございます。
#19
○岡本委員 どうもこれはちょっと後へ残しておきます。
 本論に入りますけれども、苛性ソーダ転換問題についてお聞きいたしますけれども、四十八年に当委員会でも相当論議をいたしましたところでありますけれども、環境庁長官が中心になりました水銀等汚染対策推進会議ができたわけでありますけれども、この当時の理由と背景、これをお聞かせ願いたい。これは環境庁長官の方からです。
#20
○柳瀬政府委員 水銀問題が水俣病の問題等を契機といたしまして、非常にやかましくなってまいりまして、それに基づきましてその後第二水俣病、阿賀野川周辺の問題、あるいは第三水俣病というような問題が起きまして、それに対応いたしまして水銀等汚染対策推進会議というのを四十八年六月に閣議におきまして口頭了解をもってつくられたわけでございまして、その会議は環境庁長官がまとめ役といいますか、そういうことになりまして、政務次官あるいは事務次官というものが構成員となり、また関係の各省庁、通産省、厚生省、その他いろいろの省庁から局長クラスを構成員としてこの会議を持ったわけでございます。
#21
○岡本委員 通産省の見解をひとつ。
#22
○石原説明員 いま環境庁の方から御説明あったとおりの背景と了解しております。
#23
○岡本委員 その後、これは環境庁長官が中心になっておりますが、環境庁長官の方で五十年九月までに全設備の三分の二を、それから五十三年の三月までに全施設を水銀法から隔膜法にかえるという決定が、環境庁の長官が議長ですから、変わっておりますか、いかがですか。
#24
○柳瀬政府委員 基本方針は変わっておりません。
#25
○岡本委員 通産省どうですか。
#26
○石原説明員 会議の決定自身は変わっておりません。
#27
○岡本委員 ところが分科会やあるいはあちらこちらで新聞の報道、こういうものを見ますと、通産省の考え方が隔膜法ではだめなんだというようなことを言っているようでありますが、この点の御説明をひとつ通産省からいただきましょう。
#28
○石原説明員 まずただいまの転換の達成状況から御説明をいたしますと、五十一年十二月末の転換の比率が六一%ということでございまして、おおむね六割の転換を達成しているわけでございます。問題はあとの四割が水銀法の設備が残っているわけでございまして、これを今後どういうかっこうで転換を進めていくかということでございますが、先生からいま若干御指摘がございましたように、実は苛性ソーダのユーザーいろいろあるわけでございますが、その中にはたとえば化学繊維、人絹でございますとか、スフでございますとか、そういう化学繊維とか、幾つかの業界におきましてかなり高品位の苛性ソーダを要求される分野というのがあるわけでございます。従前の六割の転換の主体の技術はアスベスト隔膜法ということでやってまいりましたが、この製法でまいりますと、品位の高い苛性ソーダはどうしてもつくれないという問題がございまして、今後の四割の転換を進めますためにはどうしても新しい技術、つまりイオン交換膜法という技術でございますが、これに依存せざるを得ないであろうというのが私どもの考え方でございます。問題はこのイオン交換膜法の技術自身が、それではすでに十分に工業用の技術として実用化段階に入っているかどうかという点でございまして、この点につきましては幾つかの会社がただいま技術開発を進めておる段階でございますが、私どもとしては、まだこれで十分使えるかどうかというところの自信が持てないというのが現状でございます。何しろあとの四割の転換を完了いたしてしまいますと、水銀法のものはもう日本ではつくらなくなるわけでございますし、その際に、仮にイオン交換膜法の技術でうまく製品がつくれないということになりますと、これは関連需要業界にも非常に深刻な影響を与えることになりますので、その点イオン交換膜法の技術の進捗状況というものを非常にウオッチしているといいますか、非常に関心を持って見守っているというのがいまの段階でございます。
#29
○岡本委員 そうしますと、四〇%ですか、これをやっていないところ、これが何社と、その企業名、こういうのがわかれば通産省から公表していただきたい。
#30
○石原説明員 いま手元に会社の個別リストは持っておりませんが、会社の数にいたしまして二十二社未転換の会社が残っております。
#31
○岡本委員 これは新聞にちょこちょこ報道されておるわけですが、そうしますと、すでに政府の指導によって隔膜法に転換した企業、それからぐずぐずしてやらなかった企業、一生懸命政府の言われたとおりやった方は、あなたの言葉から聞くと粗悪品で、化繊とかそういうところに使えない、がんばっておった方はいまだに水銀法でやっている、非常に不公平があるように思うのですが、この点いかがですか、通産省の方は。
#32
○石原説明員 いま御指摘の点でございますが、実は、私ども四十八年の第三回の会議の決定を受けまして、三分の二の転換をする組と、三分の一の、後で転換をする組と分けましたときに、一応の基準はあったわけでございます。細かいことは省略させていただきますが、大ざっぱに言いますと、償却の終わったところは早目に転換をする、まだ償却の終わってないところは比較的後に延ばすというふうな大ざっぱな基準で分けて転換をいたしたわけでございますので、ある意味では、早目に転換したところと遅目に転換したところの一応のわれわれなりの公平は担保したつもりでございます。ただ、そうは申しましても、現実に片方のつくるものはコストが高くて製品が悪い、片方はコストが安くて製品がいいということになりますと、いま先生が御指摘のように、正直者がばかをみるというふうなことになるわけでございますので、私どもといたしましては、現在融通制度というのを行政指導でやっておりまして、つまり、隔膜法で早目に転換した人が、水銀法の製品は手持ちがない、そのためにみすみすお客を失ってしまうというふうなことになりますと公平を失しますので、そういう転換が済んだ会社には水銀法で残っている人の製品を融通をしてもらう、逆に、水銀法の設備が残っている会社には、隔膜法の製品を隔膜法でつくっている会社から引き取って、それをやはり自分のチャンネルで売るということで、業界こぞってアスベスト法の商品の需要開拓に努めてもらうということで、極力不公平のないように努力をしているつもりでございます。
#33
○岡本委員 そうしますと、通産省の方では、水銀等汚染対策推進会議で決定をいたしましたとおり、五十三年の三月までに全設備を転換する計画、これはそのまま進めるわけですか。いかがですか。
#34
○石原説明員 これは実は非常にむずかしい問題でございまして、まだ通産省としても必ずしも意思統一をしたわけではございませんが、私個人の意見を言わせていただきますと、五十三年三月に全部転換するということはかなりむずかしいのではないかという感じがいたします。したがいまして、今後通産省の中でも議論を整理をいたしまして、もしこれで非常にむずかしい、しからばこの後どう持っていくかということを、考え方を整理をいたしましたら、環境庁その他関係省庁と御相談をいたしたいというふうに思っております。
#35
○岡本委員 本年の予算を見ますと、隔膜法転換のための予算、こういうものが大幅に削られておるわけですね。要するに、五十三年の三月までには苛性ソーダ製造の全企業を転換しないというようにも、この予算面を見ましても明らかになっておるのですが、この面はいかがですか。
#36
○石原説明員 本年度のこの転換のための財政投融資、一応二百四十億円の枠を確保いたしておりますが、先生御指摘のとおり、これで全部その転換を五十三年三月に進めるために十分できるかという御質問から申しますと、確かにやや無理がある数字だと思います。ただ、私ども、予算の編成の段階で大蔵省とも十分相談をいたしまして、大蔵省としては、要するにこの転換の問題が資金面から制約が生じることがないように、必要な資金は追加をするという了解を得ておりますので、資金面から転換が制約されるようなことはないだろうというふうに思っております。
#37
○岡本委員 資金面から制約されるということはない。そうなると、あなたの方でいま行政指導しておりますのは、隔膜法でやったものは粗悪品であるからそれは使えない、したがって、いま水銀法によってやっているところからいいのをこっちへ分けているんだと。これを全部五十三年度までに隔膜法にかえてしまいますと、粗悪品ばかりできると、こういうことになるんですね、この点いかがですか。今度は分けるところはなくなるのですよ。どうですか、この点。
#38
○石原説明員 まさに、アスベスト法で全面転換いたしますと、先生おっしゃいましたように、そういう事態になるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、先ほども申し上げたかとも思いますが、残りの四割はイオン交換膜法の技術を主体にして転換を進めてまいりたい。ただ、それが五十三年三月という一つのターゲットとどういう関係になるかというところをいま苦慮しているということでございます。
#39
○岡本委員 私の方の調べによると、イオン交換法ですか、旭化成でやっておりますけれども、この技術がどうもまだしっかりしてないですね。五十三年というと来年ですね。これは一体どうするんですか。答弁は、十分検討しながら苦慮しておりますと、こういうことですが、この点はいかがですか。
#40
○石原説明員 先ほど申しましたように、イオン交換膜法の技術は、先生御指摘のとおり、私ども見る限りにおいては、まだ完全に工業化技術として完成したものであるというにはちょっと早い段階にあるのではなかろうかというふうに思っております。大体工場の建設は、もちろん規模とかいろいろなものにもよるのですが、どう考えても一年ぐらいはかかるのではなかろうかという感じからいたしますと、やはりもうこの辺が、この三月ごろの時期というものが、さっき御指摘の時期から見ますと、御指摘の、ターゲットとしてできるかという問題との関連の時期として見ますと、やはり一つの節目になってきているのではないかというふうに思っております。したがいまして、先ほど申しましたように、まだ私見ではございますが、通産省としては今後の持っていき方についての考え方を至急整理した上で、環境庁その他関係省庁と御相談をしていきたいというふうに思っております。
#41
○岡本委員 通産省の方は、技術ができても、中の設備をかえるのには相当かかりますからね、五十三年三月までに要するに水銀等汚染対策推進会議で決定したことができないんじゃないですか。見通しは無理なんでしょう。そういうふうにまたあなたの方では分科会では答弁していますが、これはどうなんですか。
#42
○石原説明員 先ほどから繰り返し申し上げましたように、かなり困難な事態になっていると思います。ただ、それじゃ今後どうするかという問題があるわけでございますから、私どもの考え方を整理した上で、今後の取り扱いを環境庁その他関係省庁と御相談をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#43
○岡本委員 環境庁長官、あなたは推進会議の議長さんなんですがね、このことについて当時十省間で検討した推進会議なんですよね、その会議の長があなたです。これは何か、いろいろな検討をなさり、また通産省に回答を与える、こういうことをしているわけですか。その点お聞きしておきます。
#44
○石原国務大臣 この問題についての正式な連絡は、私自身は受けておりません。いまこの席で石原課長が、残りの四〇%はアスベスト法ではなしにイオン交換膜でいくのだと発言されましたが、これも初めてでございまして、分科会で天谷局長が関係省庁との折衝に入るということをいっておりますけれども、具体的には何もつまびらかにしておりません。とにかく第二、第三の水俣が起きて一種のパニックになって、業界と通産省が何とか方法はないかということでこの基本路線が決まったわけですけれども、環境庁としては、現段階では、一度決めた基本路線に変更を来すということは非常に遺憾でございますし、まあむだな投資をするということは確かにむだで、産業界も大きな痛手をこうむることは明らかでございますが、しかし、いずれにしても業界の言い分をもう少し十分に聞き取ってもらいたいと思いますし、それからやはり国民の納得のいく説明というものが必要だと思います。
#45
○岡本委員 せっかく閣議決定して、あなたが長で、要するに環境庁長官が長になった推進会議があって、そして既定方針ができておる。ところが、国会の正式な答弁では、いまもちょっと話がありましたように、また分科会でお話があったように、通産省の方ではこの決定したとおりはむずかしい。ということは、はっきり言いましてできないことなんですよ。このことをやはり推進会議長であるところの環境庁長官は、実は見通しはこうなった、早速その会議を開いて――これはその後もう三遍ほど開いておったわけですが、中を見ましてもその当時はそんな話はなかった。それでやはり何らかのきちっとした見解を立て、そして推進会議長の意見もきちんとしたものによって国会答弁やあるいはまた何といいますか企業に対する指導、こういうものをしなければ――どうも環境庁長官、あなた無視されているんじゃないですか。推進会議はもう全然関係ないことになっておる。勝手にやっておるでしょう。この点いかがですか。もっとしっかりしてもらわなかったら環境庁困りますよ。
#46
○石原国務大臣 決して環境庁が無視されたというわけではないと思います。通産省としてはいままで業界側からいろいろ事情の聴取を終え、こういう発言になったと思いますけれども、こういう発言が公式の場でなされた限り、できるだけ早期に対策の推進会議を持つべきだと心得ますので、そのように図ります。
#47
○岡本委員 やはり水俣病の姿を見ましてもいろいろなのを見ましたよ。事前にもう発言をあっちこっちやっておるわけですから、どういう状況にあるんだ、こういうことでちゃんとひとつどうするかという――五十三年三月といったらもう一年しかない。設備投資は企業でもそんなに早くできないですよ。もう少しきちっとした方向づけ、あるいはまた環境問題の一番中心である環境庁の役目というものが、閣議決定までしたものに対して無視されているわけです、この点は早急に会議を持ってひとつ詰めていただきたい。この点いかがですか。
#48
○石原国務大臣 そのつもりで取り組みます。
#49
○岡本委員 そこで、閣議決定して、環境庁長官が権限あるこういう推進会議の会議長でありながら、通産省の方ではそんなこと無視して、無視してと言うとおかしいけれども、どんどん分科会で発表しておるということになりますと、先ほど申しました原子力問題にしましても環境庁に何の権限もなければ、大気汚染やいろいろなものに対して権限がありながら無視されて、権限なかったら全然お話にならぬじゃないでしょうが。したがって、私は、公害対策基本法の見直しというものをいますぐとは言いませんけれども、ひとつ考えたらいかがか、こういう提案をいたしておるのですが、長官の所信をひとつ承っておきたい。
#50
○石原国務大臣 私がこういう発言をすると多分役所は困ると思うのですが、私は法律にそれほど詳しくございませんけれども、いまの行政の縦の分化というのは非常に徹底したものがございますが、このアセスメント法そのものがいままでの行政原理になかったものでございまして、この公害対策基本法の八条をいじらなくても、これはこれとしておきながら、かつアセスメント法の中にこの八条の限りで行われた措置なり調査というものを一つの必要条件として入れるという形ができるんではないか。岡本先生おっしゃるように、やはり環境の問題の中から抜きがたい要件でございますので、何らかの形でやはりアセスメント法の中に、原子力基本法による措置なり調査というものとオーバーラップした形で新しい法律の中にうたわれるべきものではないかと私は思います。その努力をし研究もしてみるつもりでございます。
#51
○岡本委員 これは環境庁長官、初代の環境庁長官は山中さんで、それはつくっただけであって、後の大石さんは、後の役人が困るんじゃないかというくらいどんどん発言をして、それで引っ張っていったのですよ。環境庁の皆さんはそう困らないのですよ。あなたの発言したことによってどんどん環境行政は進むわけなんですよ。だから、何か環境庁長官でないような発言をしたのでは困る。大石さんは相当なことを言いながら、後で閣議の場所に行って謝ったりしていましたけれども、それでもわりに進んだのです。だから、いますぐにそう言ってもあなたも困るでしょうから、余り困らすのもあれですが、その点はひとつ考慮して、要するに公害対策基本法というものが一番根本なんですから、それによっていろいろ――これは手続法関係ないのですよ。その点ひとつもう一遍勉強していただいて、検討してもらいたいと思うのです。また次の機会にそれはあれします。
 時間がありませんから、次に急ぎますが、新聞報道によりますと、イランの国に水銀法の苛性ソーダ製法、これを輸出するという契約ができておるわけですが、通産省、この点についてひとつ経過並びに現状を報告してもらいたい。
#52
○石原説明員 イランの案件につきましては、苛性ソーダをつくるための水銀法の設備でございますが、これが実はイランで、エチレン三十万トンをベースにします石油化学コンビナートの一環といたしまして、塩化ビニールをつくるための塩素をとるための設備といたしまして苛性ソーダの電気分解技術が欲しいという話が四十六年ぐらいからあったかと記憶しております。現実にそれが大体話がまとまりまして、苛性ソーダの部分につきまして申し上げますと、四十九年の一月に技術を輸出し、それから設備を日本から出すという約束ができ上がったわけでございます。先ほどお話もございましたように、水銀法の対策会議で国内の転換を決めましたのが四十八年暮れでございますので、私どもとしましても、こういう設備で国内でも非常に問題を生じている折からいいのかということを、当時の技術輸出を担当しておりました三井物産その他を通じまして現地に確認をとらせましたところが、むしろ現地の状況から見て水銀法で問題がない、したがって取り出してもらいたいということが文書によって回答が参りまして、そこまで言うならばということで、四十九年一月の技術ライセンス契約の発行は認められたわけでございます。しかしながら私どもといたしましては、四十八年の暮れの推進会議の決定というものもあるわけでございますし、やはりこういう日本で禁止している設備の海外への輸出ということは望ましいことではないのではなかろうかということで、四十九年の六月にそういう方針を内部的に決定をいたしまして、過去の経過的に認められたものは別として、今後新しくそういう話を横合いから持ち込まれた場合にはやめるようにという行政指導をするという方針を四十九年の六月に決定をいたしまして、自来この種の輸出案件は一切生じていないという現状でございます。
#53
○岡本委員 環境庁長官、水俣の患者の皆さんの姿をテレビやらあるいは直接お会いになったかと思いますが、ちょうどコカコーラのびんに水銀を入れて飲ますみたいなものです。相手はそれは構わないから飲ましてくれと言う。変な話になりますけれども、イランの方は構わないから、私どもはそれで結構だから、こういう言い方だというのですね。契約してしまったから仕方がない、しかし日本の国ではこれはぐあいが悪いというのでとめているわけですよね。そういうものを輸出するということについて環境庁はどういうふうにお考えになりますか。
#54
○柳瀬政府委員 日本の国内でそういう製法の転換を図ろうということでアスベスト法なりイオン交換膜法に転換しようとしている段階で、国外に水銀の製法による工場をつくるということは原則としては好ましいことではないというふうに思いますけれども、これにはいろいろな経過もあるようでございますし、それからヨーロッパなどでは現在水銀法でやっておる国がたくさんあるわけでもございますし、それからイラン国政府がどういうふうにその製法なりそれに基づく規制なりをやるかということについて第一義的には考えるべき問題だというふうに思いますので、この件については、そういう経過等を考えまして好ましいことではないとは思いますが、やむを得ないのではなかろうかというふうに考えております。
#55
○岡本委員 新聞報道を見ますと、環境庁の柳瀬孝吉さんという方がいるのです。この人は企画調整局長さんで、水銀法の電解のイラン輸出は初耳だ、国内でだめなものは外国ならいいというのはおかしい、こうあなたは発言された。いまのとちょっと矛盾しますよ。長官、そういった工場をつくって、日本の五〇%、五〇%の企業ですね、そしてすぐにそういう被害は出ない、何年か先に出てきてそのときに日本に対する、公害輸出という反発というものが非常に出てくるわけです。この間、韓国も日本の廃油をどんどん買っていった。そしていまになってこの廃油をこんな公害を持ってきては困るということでストップしているわけでしょう。全部排日感情になるわけですね。そこでなぜこんなことが行われるかと申しますと、米国では環境政策法第百二条二項Cの条文の中に国際活動に関して、その国でとめられておるものは輸出してはならないというような、こういう立法措置があるのですよ。環境庁はこういうものをつくらなければならないのです。法律はあれですが、そういう提案をしなければならないんですよ。こういうところが抜けているから、結局公害輸出問題で、後でいろいろと問題が起こり、日本の信用あるいは信頼というものがだめになってしまうのではないか。特に日本は御承知のように諸外国と仲よくしていかなければならない。排日感情を受けてはならないというのが大事な問題ではないでしょうか。この点はひとつ提案をして、環境庁長官の決意を伺っておきたいと思うんですが、いかがですか。
#56
○石原国務大臣 おっしゃるとおり日本は最大の技術輸出国の一つでもございますので、当然そういう措置が法的にも講ぜらるべきだと思います。その線で検討してみたいと思いますが、今回のその水銀による苛性ソーダの製法が、果たしていま先生が引かれましたアメリカのその条項に該当するものであるかどうかということは、私技術的につまびらかでございませんので論評を差し控えますけれども、ヨーロッパでも同じ製法で苛性ソーダをつくりながら、日本のように水俣病というものを起こさずに安全に操業している国もあるわけでございまして、クローズド化というものがどれほど信頼性の置けるものかどうかということは私存じませんけれども、少なくともヨーロッパの事例を見ましても、イランの場合に私たちが最低限希望することは、関係する商社も良心的にクローズド化を徹底し、チッソが行いましたようなでたらめな操業というものは厳に慎んでもらい、結果として日本から公害が輸出されたということがないように努力してもらいたいものだと思います。
#57
○岡本委員 どうもちょっとその答弁は……。そういう期待感はだれでもあるんですよ、あなただけでなくて、チッソみたいにしてもろうては困るぞ。これはやはり一つの立法措置というものを環境庁で検討しなければいかぬです。これを検討するということが一つ。
 それからいまあなたがおっしゃったように、ヨーロッパで水銀法でそういうことがないようにちゃんとしているところがあるんだというのであれば、この四十八年の水銀等汚染対策推進会議で決定したものは間違いなんです。そこまで検討せずにやったということになるんですよ。だからその肝心の長が環境庁長官なんですから、もう少ししっかりしてもらわなければ困ると思うんです。あなたがいま発言したのも、恐らく政府の役人から書いてもろうたやつを読んだだけで、ヨーロッパでこんなものがあるなんて言うておるんですよ。そんなものが本当にあるなら日本でもできるのですから、こんな四十八年の閣議決定は間違いということになるんじゃないですか。そうでしょう。どうもその点がしっかりしないと思うんです。だから最後に、これも公害輸出をしないという立法措置を考えるかどうか検討するということ。
 それからもう一つは、先ほど申しました水銀等汚染対策推進会議、これを早急に招集して方針を決める。この二つをお約束願いたいと思うのですが、いかがですか。
#58
○石原国務大臣 公害輸出を禁止する立法措置は必要だと思いますので、積極的に検討いたします。
 それから公式の席で通産省側からこういった発言がなされました限り、早急に推進会議を開いて対策を講ずるつもりでございます。
#59
○岡本委員 終わります。
#60
○水田委員長代理 東中光雄君。
#61
○東中委員 前回、エアバスを導入した場合のWECPNL値について運輸省にいろいろお聞きしたわけでありますが、前回の当委員会では、昭和五十年十一月現在の計算値、豊南小学校における九十二・六という数値は、航空局次長のそのときの答弁では、B727ないし737の改修後の数値を入れて、機数だけが五十年十一月現在であるというふうな答弁があったわけでありますが、これは事実に反すると思うのですが、その点、本日明らかにしていただきたい、こう思います。
#62
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 実は、先生のただいまの問題は、去る三月十日の御指摘におきまして、私大変大きな勘違いをしておりまして、機数だけを五十年十一月の数字に合わせ、727及び737については改修後の音をベースにして計算をした、こういうふうに確かに御答弁申し上げたわけでありますが、その後役所へ帰りまして、当時の資料を詳細に点検をいたしましたところ、私の大変大きな勘違いでございまして、機数はもとよりでございますが、727、737のいずれにつきましても改修前の状態でございます。いわゆるクワイエットナセルと称します減音ナセルをつける前の状態で勘定をしたものであるというふうにここに改めて訂正させていただきます。
 ただ、数値的には、先生御指摘になりました九十二・〇という数値と、私どもが環境庁に対しましての回答書の中に書いております九十二・六という数値との間の差が問題になるわけでございますが、先生の方で試算されました九十二・〇と申しますのは、私どもが環境庁に出しました騒音予測値、これは小数点以下一位が実は切り下げ切り上げ、四捨五入してございます。その数値を用いまして、改修後という前提で計算いたしますと、先生おっしゃいましたように、確かに九十二・〇WECPNLになる。それから私どもがお答えしておりました九十二・六と申しますのは、改修前という前提のほかに、騒音値といたしましてスラントディスタンスによります騒音の変化を内挿法によって求めまして、小数点以下一位まで実は原表には求めてあるわけでございますが、これを表に出します場合、現在の騒音計の性能その他から申しまして、デシベルAで出した場合にコンマ幾らというふうな数字は非常に精度が低うございます。これを四捨五入した形にいたしまして、あの十三項目の表には載せたわけでございます。しかしながら、私どもが計算をいたしましたときには、内挿法で出しました関係上、小数点以下一位までを出しまして、それをベースに計算をいたしております。それによりますと、改修前の場合は九十二・六、改修後の場合は九十一・八、こういう数字になります。ちなみに、先生がおやりになりましたように、丸めた数字で改修前の状態を計算いたしますと九十二・七、こういうことになります。
 以上が数字の差と私の答弁の勘違いのおわびでございます。
#63
○東中委員 コンマ以下の部分については、誤差もあるから四捨五入して、そしてアセスメントにはそのコンマ以下をのけたものを出しておるのだ、こう言われておるわけですが、それなら、その出されたものについて計算をするというのが当然のことではないか。誤差があるから大して意味がないからということで発表されている以上は、発表したものについて計算をしていくということであるべきであって、実はその奥の方にまだ幾らか四捨五入の分があって、それでやっているのだということを言われるのは、あれをもらった人はそんなことはわからないわけです。誤差の範囲内のものであるならば、そういうふうに当然さるべきだと思うのです。
 そのこと自体は大して意味がないと思うのですが、いまこの問題でお聞きしたいのは、なぜ現に改修されて、現在問題になっておるその騒音についてエアバス導入との関係で比較をしないで、わざわざ五十年の十一月までさかのぼって、騒音の高い状態と比較をしたのか。いまの次長のお話では、コンマ以下の数字も入れてやれば、現時点、すなわちエアバス導入前で727、737の改修が行われた後の計算をやれば九十一・八というふうに言われましたが、そうすると、五十年の十一月現在では九十二・六で現状では九十一・八、これは〇・八違う。私たちの計算では、表に出されておるものでいけば九十二・〇で〇・六しか違わないけれども、いま言われたのでは〇・八違うということにさえなるわけですが、その騒音が改修前の時点でやられて、いま地域の人たちが毎日感じておる改修後の事態でなぜやられなかったのかということが依然として残るわけですね。その点については、その部分だけ計算すれば、十五分もあれば計算できることですから、何も前にさかのぼる必要はないわけですし、それからこの問の答弁でも、できるだけ最近のものをやれというのが環境庁からの意見だった。だから、四十九年四月現在のを五十年の十一月現在まで近寄せたのだと言われたのですが、それならなぜ現状に近寄せをされなかったのか、この点をもう一回ただしておきます。
    〔水田委員長代理退席、委員長着席〕
#64
○松本(操)政府委員 まず数字の違いでございますが、私どもの丸めない方の数字を申し上げますと、改修前、つまり五十年十一月が九十二・六。全機改修したのが昨年の十一月でございます。なお日本全国ではあと三機残っておりますけれども、一応大阪に出入りするという前提を置きますと、全機改修を終わったのが五十一年十一月でございますが、そういう状況で計算をいたしますと九十一・八、その差が〇・八WECPNLでございます。
 それから、丸めた数字で計算をいたしますと、九十二・七と九十二・〇でございますので、その差が〇・七WECPNL、この〇・七WECPNLという差が確かに数字上ございます。
 それでは、この〇・七という数字がどれだけの意味を持つのかということになりますと、これは非常に議論のあるところであろうかと思います。ただ、いま先生の御指摘は、どうせ出すならアップデートしたものを出せばいいのではないか、これは故意に古いデータを使って、つまり音の高い方を拾ってきて比較検討の対象にしたのではないか、こういうような御趣旨かと承ったわけでございますが、実はせんだっての本委員会の席上でも私お断り申し上げましたように、この議論を開始いたしましたのが五十年の十二月の時点でございます。それまでは私どもは四十九年の四月の数字を一貫して使っておったわけで、一部にはこれを表に出してしまってあったものもあるわけでございます。そこで、比較考量いたします場合に、べースになるところがやたらと変わるということを避けようという単純な考えで、しかも改修いたしましても、その効き方が劇的に効いてくるというふうな数字にはならないということもありましたものですから、そういう意味において五十年十一月の数字をそのまま前提とし、その後の変化というものを計算をしていった、こういう単純な考え方でございます。特にそこに意図的なものがあったわけでもございません。いま先生がおっしゃいますように、どうせやるならもう一度全部初めからやり直せばいいではないかというお考えもあるいはあろうかと思いますけれども、私どもとしては、中間的にこういうふうな数字を、地元の方々に求められて去年じゅうずっと説明もしておった、そういうふうな経緯もあったわけでございます。それが、次のエディションが出るとまたぱっと数字が変わってしまうということを避けようという単純な気持ちから、五十年十一月というスタートのときに決めた数字をそのまま踏襲した、それだけのことでございますので、何とぞ御了承をいただきたいと思います。
#65
○東中委員 なぜ改修をやったのかということを考えてみれば、騒音を少しでも減らそうということでやったわけでしょう。そして改修をやって騒音が減っておる。その状態から見てどうなるのだということを比較するのは、素直に考えれば当然だれだってそうすることであります。現に作業を始めたときには四十九年の四月現在でやろうと思ったけれども、それについては、それでは騒音の高いところの時点をとることになるからだめだ、なるべく最近のということを環境庁が言ったから、五十年十一月まで上ったのだ、こう言っておるわけですから、その趣旨から言えば、さらに改修後の現在の状態と当然比較すべきではないか、こう思うわけです。その点をまずひとつ指摘をしておきたいと思います。
 それから、この間申し上げましたが、豊南小学校の場合でありますが、WECPNLではYS11百三十二便をのけても数値が上がる。だから、これは一般的な生身の人間が騒音で悩まされる人の立場から見れば、実感と違った、事実上騒音が減るはずなのに数値が上がるという性質をこの単位は持っておるということについて、WECPNLという単位での調査だけではなくて、最高時のたとえばホーンによる計算とかいうふうなものも当然やるべきではないか、こう思うのですが、そういう点はいかがですか。
#66
○松本(操)政府委員 まず、先日三月十日の当委員会で先生から御指摘のございました、YS11を除外した場合にWECPNLで〇・一上がる、これは常識的な感覚と異なるではないか、こういう御指摘でございますが、せんだって私のお答えいたしました中に多少不十分な点があったかと思いますので、その点をまず最初にお答えをさせていただきたいと思います。
 ICAOによって決められましたWBCPNLというものは、EPNLの平均値に十倍のログといたしまして、そして回数を十倍したものを一日の秒数で割る、こういうふうな非常に複雑な計算になっております。それに対しまして、環境庁の方で環境基準として告示をされておりますWECPNLの出し方は、先生御案内のようにデシベルAのパワー平均値プラス十倍のログN、そのNはもちろん時間帯によって計数が掛けてございますが、そのマイナス二十七、こういう数字になっております。
 そこで、これによって計算をいたしました場合に、どうして先生御指摘のようなことが起こってくるかということでございますが、まずこの式を簡略化いたしまして実際の数字を入れて計算をしてまいりますと、回数の効きというものが五%効いてまいります。つまりラージNという数字を出しますときにいろいろ変わりますから、それが五%効いてきます。それに対してパワー平均の方が五%効いてこない、この違いがあるものですから、その結果として〇・一程度の差が出てくる。
 しからば、その〇・一というのは人間が感じるうるささの指標として有意義なものかどうかということになると、これは先ほどお答えしましたように多少議論があるように私は聞いております。
 そこで、生のdB(A)というものを出したらどうだ、こういう御指摘でございますが、これにつきましては、私どもが行いました評価の中でも、つまり十二項目の回答の中でも生のdB(A)というものを出してあるわけでございまして、これにつきましては、この表の中にも入ってございますので、今度のたとえばテストフライトを行うようなときには、直接騒音計を持っていって確かめていただくということが可能であろうかと考えております。
#67
○東中委員 時間がないので次へ行きますが、私の言いたい趣旨は、算式の説明ではなくて、この単位のとり方自体が問題だということ、WECPNL値でやっていくこと自体に問題があるということを言っておるのだということだけをはっきりしておきたいと思います。
 それでもう一つですが、NOxについてですけれども、環境庁の保全局長から航空局長あての文書で、窒素酸化物の排出量が増加することは否定できないけれども大気汚染に対する寄与度は小さいということになっておるわけです。大阪、豊中における寄与度は、このアセスメントの二十七ページによりますと、「測定値の〇・〇二−〇・七五パーセントである。」というふうになっておりますが、これの内容をちょっと簡単に説明していただきたいと思います。
#68
○松本(操)政府委員 これの算出のやり方は、まず航空機の排出ガスがどの程度のものであるかというものを、十三項目の表の中にございますが、その中から出しております。それをベースにいたしまして、これを点源からぱっぱっとガスが出てくるという前提にいたしましてシミュレーションをいたしました。そのシミュレーションのやり方は環境庁のお決めになった方法でございます。それをベースにして拡散の度合いを全部計算をいたしました。大体ppbのオーダーになっております。今度は、その数字と、それから空港周辺に各市あるいは大阪府等が持っております固定測定点がございますが、この固定測定点において測定をいたしております数字、これを分母の方に持ってまいりまして、その間においての増減というものを寄与度という概念でとらえてある、これが勘定の仕方でございます。
#69
○東中委員 これは大阪市、豊中市というふうにやってあるのですが、アセスメントの三十二ページでは、「周辺地域の年平均NO、濃度をみてみると、豊中市勝部地区で〇・〇〇三一八ppm走井の空港隣接地点で〇・〇〇五四三ppmである。」、こうなっているのですが、これの今度の寄与率はどれくらいになりますか。
#70
○松本(操)政府委員 この三十三ページのコンピューターで打ちました表をごらんいただくとおわかりいただけるのでございますが、五・四三ppb、つまり走井地区とこう申しておりますところは空港にきわめて隣接した地点でございます。それから勝部地区の三・一八ppbと申しますのは、滑走路の南方、大体XY座標のちょうど原点の近傍でございます。この近所には固定の測定点がございませんので、したがってこれはただ生の数字をそのまま掲げたということでございまして、比較すべきものがなかったというだけのことでございます。
#71
○東中委員 財団法人の航空公害防止協会が五十一年六月に出しておる「大阪国際空港内の大気汚染監視測定室における常時測定報告書」、これによりますと、その二十五ページにあるのでありますが、二酸化窒素濃度、四十九年一月から十二月までの年平均は二・七pphm、それから一酸化窒素の濃度は年平均一・七pphmというふうになっているわけです。これを両方合わせてNOxと計算すれば、二つを足しますと〇・〇四四ppmになるわけですね。そこで、いまの勝部、走井の〇・〇〇三一八ppmあるいは〇・〇〇五四三ppmを計算して寄与率を考えれば、勝部の場合は七・二%になる。それから走井の場合は一二・三%になる。これは〇・〇二%なんというようなものではなくて、局地的に見れば、何と〇・〇二だなんということを言われている点から言えば六百倍ですね、一二・三%ということになれば。こういう窒素酸化物による被害を受けるのは一般的に平均的に受けるのではなくて、それぞれの地域でそれぞれ具体的に受けるわけです。しかもそれは平均だ、だから今度の場合の寄与率はNOxは大したことないんだ、寄与率は非常に小さいんだというふうに言われているけれども、走井や勝部の場合は非常に大きな影響を受ける、そういう関係になるのですが、その点はどうでしょう。
#72
○松本(操)政府委員 まず第一の、先生から御指摘ありました〇・幾つとか二・幾つとかいう数字は三十ページに全部書いてあるわけでございまして、それはこういう場所で、こういう測定局があって、そこではかった数字と、それからそこで出してきた、計算上求めてきたppmとの比がこうなりますという前提を明らかにして御説明をしておるわけであります。
 次に、御指摘のありましたいまの勝部の固定測定点の場所というものは、先生が比較されたところと必ずしも一致いたしません。一致しないけれども近いじゃないかという御指摘はあろうかと思います。しかし、これはあそこに御案内のように壁もありますし、土手もありますし、そういうふうなきわめて局地的な微小な地形上の変異がありますときに、これをシミュレーションで求めるということはきわめて困難である。シミュレーションで求めるということは計算はあるいはできるかもしれませんけれども、その精度という点になると非常に問題がある。こういうことは環境庁を含めていろいろと専門家に伺いましたけれども、結果はそのようなことでございました。したがいまして、前提の違う数字をいたずらに比較をするということをしなかったというだけのことでございまして、比較したからにはここで比較しておりますということをはっきりと申し上げてあるわけでございます。
#73
○東中委員 三十ページに書いてあるのは、それ自体を今度はトータルして平均を出してある。それはもう書いてあること自体でわかるわけであります。私は、そのことを言っているのではなくて、この大阪国際空港のエアバス導入についてのNOx増加の寄与率といいますか、という場合に最も大きな影響を受けるところ、その場所が、いま私が述べましたような、これは完全に正確でないにしても〇・〇二%というのと、七%あるいは一二%余りというのでは、もう全然違うわけですから、だから勝部とか走井とかについて、これはアセスメントでは出てこない。そして数字だけを出されておるわけですけれども、寄与率という形で言えば非常に大きなものなんだ。こういう問題については個別的にまずそこで測定をすること自体も必要でありますし、測定点も防止協会の方はやっておるけれども国の方ではやってない、あるいは自治体ではやってないということもありますし、そういう点について、これはアセスメントは非常に科学的なデータに基づくきわめて正確な詳細なということをこの前もずいぶん言われたんですけれども、しかし具体的な問題で言えばこういう大きな差が出てくるということを言っておるわけです。この点について、走井やあるいは勝部のそういう地域の騒音及びNOx、そういったものについて測定をするような体制をぜひとられるべきだ、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
#74
○松本(操)政府委員 長期的な測定点というものがございませんと正確な比較考量ができないという意味において寄与率というものを出さなかっただけである点は、先ほども申し上げました。〇・〇二もあるけれども二・幾つもあるということも正直に出してあるつもりでございます。
 そこで今後どうするか、こういう点につきましては、環境基準の達成状況を点検していくということが当然必要になってまいります。そういう意味におきまして測定の場所というものを今後どこに置けば一番適切であるのか、どういう測定方法をやっていけばいいのかという点につきまして、さらにまた環境庁の専門家の方々の御意見なども聞きながら、そういう点は今後の問題として先生おっしゃるような方向で検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#75
○東中委員 環境庁、その点はいかがですか。
#76
○橋本(道)政府委員 いま運輸省からもお答えいたしたところでございますが、環境庁の大気保全局長の通牒の中にも一番最後の方に書いておりまして、「運輸省においても空港周辺地域に大気汚染測定ステーションを設置することを検討するとともに、これまで地元地方公共団体、航空公害防止協会等が行ってきている大気汚染測定結果等を常時解析評価し、定期的に公表するなど、エアバス導入による大気汚染の影響を十分監視できる体制の確立を図ること。」ということを申しておりまして、これに対してまた運輸省から具体的な回答があるというぐあいに私たちは期待しております。
 もう一点は、いまおっしゃったような問題の手がかりといたしまして、環境庁がつけました参考資料の中に、この勝部の地点等の問題を、鼻血のときの調査であるとか、あるいは一時間値の推計であるとか空港測定点のデータというのを出して御参考には供しているわけでございます。
#77
○東中委員 勝部や走井の、とりわけ直接受けるのは勝部が非常に大きいわけですけれども、こういうところを具体的な常時測定個所にするということを、これは一般的に検討するのじゃなくて、そういう方向で進めてもらいたい。こういうことを運輸省どうでしょうか、そういう方向で行けますか。
#78
○松本(操)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、あるいはまたいま橋本局長から重ねて御答弁がございましたように、環境庁の方からもそういう御注文をいただいておるわけでございますので、私どもの方としてはどこにどういうふうなものを置いていけばよろしいのかというふうな点を含めまして前向きに研究をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#79
○東中委員 それでは、前回以来いろいろな数値についてただしてまいったのでありますが、テストフライトに入る前に、そういうたとえば勝部のような地域的に特別に集中しているような問題もありますので、地元の人たち、あるいは公共団体との理解と協力を得るための最大の努力だけではなくて、ぜひこれは具体的な納得と理解と、できれば同意。直接一番ひどいところとの関係で物を見なければ、遠いところの直接関係のないところの協力やら理解を得たって、これは意味をなさないわけですから、だから、これは長官に特に申し上げておきたいのでありますが、やはり一番被害の多いところの同意を得るということでなければ、一部のものというふうな形で数で換言する性質のものじゃありませんので、この点を特に納得、事実上の同意が得られるまでテストフライトを強行することはしないというふうにぜひやっていただきたいと思いますが、長官どうでございましょうか。
#80
○石原国務大臣 基本的にそのような姿勢でテストフライトに取り組みたいと思います。
#81
○東中委員 じゃ質問を終わります。
#82
○島本委員長 東中光雄君の質疑は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    正午散会
ソース: 国立国会図書館
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