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1976/03/16 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
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1976/03/16 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号

#1
第080回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
昭和五十二年三月十六日(水曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 山田 太郎君
   理事 木野 晴夫君 理事 佐々木義武君
   理事 宮崎 茂一君 理事 石野 久男君
   理事 日野 市朗君 理事 貝沼 次郎君
   理事 小宮 武喜君
      伊藤宗一郎君    竹中 修一君
      原田昇左右君    与謝野 馨君
      渡辺 栄一君    瀬崎 博義君
      中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      宇野 宗佑君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     小山  実君
        科学技術庁計画
        局長      大澤 弘之君
        科学技術庁研究
        調整局長    園山 重道君
        科学技術庁原子
        力局長     山野 正登君
        科学技術庁原子
        力安全局長   伊原 義徳君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       武田  康君
委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      佐藤徳太郎君
        運輸省船舶局首
        席船舶検査官  堀之北克朗君
        参  考  人
        (日本原子力船
        開発事業団専務
        理事)     倉本 昌昭君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興対策に関する件(原子力船むつ及
 び科学技術振興の基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○山田委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 まず、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力船「むつ」に関する問題調査のため、本日、日本原子力船開発事業団専務理事倉本昌昭君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承を願います。
    ―――――――――――――
#4
○山田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。瀬崎博義君。
#5
○瀬崎委員 まず、大臣に確認をしておきたいのでありますが、原子力船の「むつ」を佐世保に押しつけるという意図は持っていない、あくまで長崎県民の意見を尊重する、このことには変わりはありませんね。
#6
○宇野国務大臣 この間からお話しいたしておりますとおり、知事並びに市長が決断をされると思いますから、それを尊重してまいりたいと思っております。
#7
○瀬崎委員 だとすれば、結局、佐世保に受け入れをオーケーする場合、それから断る場合、条件をつけてくる場合、大体三つのケースが考えられます。当然、長崎県民に選択の自由をお認めになっているのならば、この三つのケースに対応する策を政府側としては持っていらっしゃると思うのですが、それをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
#8
○宇野国務大臣 現在のところも、昨年お願いして、ぜひとも「むつ」の改修並びに修繕をしたい、総点検をしたい、こう言っておりますから、政府といたしましては、ただこの線だけを今日も期待をいたしておるわけでございます。したがいまして、断られるということに対しましては、私たちは毛頭考えておりませんし、いままで努力をしてまいりましたから、多分「むつ」の修理港を受け入れられるものであるということで、今日、いろいろとその対策を練っておるところでございます。
#9
○瀬崎委員 そうすると、長崎県民の側の選択の自由ということについては受け入れの場合しかない、こういうふうな前提に立っていらっしゃるのですか。
#10
○宇野国務大臣 最終的には知事あるいは市長がお決めになることでありましょうが、こちらはお願いをしたわけでありますから、したがいまして、現在、私の頭の中には「むつ」は受け入れていただきたい、それだけでございます。
#11
○瀬崎委員 しかし、断られれば、断られた長崎県民の意思も尊重されるわけですね。
#12
○宇野国務大臣 そういうことは今日考えておりません。もうひたすらお願いしたい。貴重な原子力船ですから、その点はひとつお互いにわかっていただきたい。もう十分私たちもその面は努力してまいったつもりでございますから、私はいま断られた場合はどうしようかということは全く考えておらないのであります。それは、じゃ現在、長崎県民の意思を無視しておるかというと、決して無視はしておらないと思います。長崎県民もいろいろとお考えになっていただいておるのじゃなかろうか、こう思っております。
#13
○瀬崎委員 じゃ、青森県民に対しては四者協定を守ることをお約束していらっしゃるわけなんですが、それは長崎県に断られた場合のことは考えずに約束の履行だけを青森県民にしていらっしゃる、こういうことになるわけですね。
#14
○宇野国務大臣 端的に言えば、やはり青森県に四者協定を守りながら、当然「むつ」は長崎県に受け入れてもらえる、そういう姿勢で今日臨んでおります。
#15
○瀬崎委員 私が直接大臣の発言を聞いたのではありませんけれども、伝えられるところによれば、燃料棒は引き抜かなくても安全なんだ、何なら私がさわってみてもよいというふうなことも言われたとかであります。もしそうだとすれば、何も佐世保にこだわらなくても、そんなに安全で燃料棒を積んだままでいいとお考えならば、だれが考えても「むつ」をつくった三菱であるとか石川島播磨に修理を頼むのが筋だ、こういうことになりはしませんか。
#16
○宇野国務大臣 これは内閣の継続性でございますから、前内閣のお決めになったことは私も今日責任を持って臨んでおるわけでありますが、佐世保にお願いした経緯に関しましては、やはり施設設備等がある、さらには原子力船に関する監視体制も整うておる、そうしたことからお願いしたことであります。
#17
○瀬崎委員 手でさわっても燃料棒は大丈夫だとおっしゃるくらいの船ならば、何も監視体制など問題にならないじゃないですか。
#18
○宇野国務大臣 もうすでに二年半たって、今日、燃料棒そのものは冷態停止態勢である、こう言われておるわけですから、それを保証するものならば私みずからも喜んで手でさわっても結構です、私はこういうふうに申し上げておるわけで、そこまでやはり安全性というものに対しまして、これは科学が立証するものでありますから、そうしたことをひとつ長崎県民の方にも十分に御理解を願って、そして速やかにあの船は佐世保に回航させたい。これはわれわれ科学技術庁が決めたというよりもむしろ、御承知のとおりに放射線漏れが起こりました直後に内閣に大山委員会という調査の委員会ができまして、その大山委員会におきまして「むつ」に関するいろいろな所見が出て、修繕さえ終わるならばこれはわが国の原子力船第一号としてりっぱに活躍してくれるであろう、こういう方針に基づいて前内閣が決めたわけでございます。
 したがいまして、いまの瀬崎さんのようなお考え方でほとんどの方々がいていただければ結構でしょうけれども、やはり原子力船である以上はいろいろと不安を感じている県民もいらっしゃるわけであります。したがいまして、私は、現在は安全だからどうかそのままの船体で受け入れを願いたい、こういうふうにお願いをいたしておるところでございます。
#19
○瀬崎委員 知事や市長がどういう見解を表明されるかに立ち入る気は私はありませんが、しかし、現に佐世保で漁民の方々が一万人も集まって集会を開かれたり、被爆者団体その他の方々も折折集まって受け入れに反対の意思表示をしていらっしゃることはよくよく御存じだと思う。これは二年半前の、「むつ」が事故を起こす以前の青森県の状態に大変よく似ていると私は思うのです。したがって、もし政府が「むつ」の佐世保回航を強行した場合に、その「むつ」がまた佐世保の直前で立ち往生するということも、これは賢明な大臣なら十分考えていらっしゃると思うのです。私は二度とあのような大きな混乱を起こさないようにしてほしいのでありますが、いまのそういう長崎の状況を見て、大臣どう判断されています。
#20
○宇野国務大臣 反対運動がこの間の日曜日にもあったということは、新聞あるいはまたテレビ等によって私も十分認識いたしております。それに対しまして、やはり十分認識を持っていただいている方々も多いということも私十分承知いたしております。したがいまして、そうした声をいろいろと検討しながら知事、市長は最終判断を下すだろうと思いますから、いま瀬崎さんもおっしゃったとおり、私自身といたしましても過般、各委員の御質問に対しましてお答えいたしておるのですが、青森県を整々粛々と出て、そして長崎県に整整粛々と入りたい、もうこの一言であります。
#21
○瀬崎委員 運輸省に尋ねたいのですが、「むつ」はたとえ原子炉を動かさなくても補助エンジンで動かす場合には、当然臨時の航行検査が必要になると思うのですが、この航行検査の手順は決まっているのかどうかということと、何日くらいかかるものなのかということをお尋ねしたいと思います。
#22
○堀之北説明員 お答えいたします。
 「むつ」が現在の定係港から佐世保に回航するに当たりましては、この船の所有者でございます日本原子力船事業団は船舶安全法に基づきまして臨時航行検査を受けることになるわけでございます。この検査は原子炉を使用しないで補助ボイラーによりまして安全に航行できるかどうか、船体、機関その他救命等の諸設備につきまして検査を行うことになるわけでございます。
 「むつ」は現在、日本原子力船開発事業団の維持管理計画によりまして、船底外板につきましては年二回の潜水夫による点検並びに船底付着物の除去作業等を行っております。またタービン機械、そういったものの機器につきましても、定期的に保守点検を行う等によりまして、常に航行し得る状態に維持管理されておりますが、先ほど申し上げました臨時航行検査におきましては、「むつ」が長期間係留されておりますので、船底外板につきましては水中写真あるいは潜水夫の調査、超音波厚み計によります外板の厚みの計測、そういうことを実施いたしましてその外板の腐食状況等の検査を行うことになります。(瀬崎委員「簡単にやってください」と呼ぶ)
 また、補助ボイラーにつきましても必要な検査を実施するわけでございますが、このボイラーによりまして運転するわけでございますので、海上運転も行いまして入念に検査を行うことにしております。したがいまして、この検査に大体数日間必要であろうといま考えております。
#23
○瀬崎委員 その検査をいつ行う予定にしているのですか。
#24
○堀之北説明員 これは、先ほども申し上げましたように船舶所有者でございます日本原子力船事業団からの申請によりまして検査を行うことになるわけでございます。(瀬崎委員「申請はない」と呼ぶ)まだ申請は受けておりません。
#25
○瀬崎委員 事業団の方にお聞きしたいのですが、それでは四月十四日以前にこの臨時航行検査の申請をするのですか、しないのですか。
#26
○倉本参考人 この「むつ」出港に当たりましては……(瀬崎委員「聞いたことだけ言ってください」と呼ぶ)佐世保の方の受け入れが決まりましてそれから準備を開始いたしたい、かように考えております。
#27
○瀬崎委員 いまのではっきりしたことは、もう四月十四日を事実上無視している、こういうことですね。
 そこで「むつ」の総点検、改修と政府が称している事業に、一体どれくらいの予算がかかるのかをお聞きしたいわけであります。大蔵省ではすでに五十一年、五十二年と改修設計、点検費用を認めているわけでありますが、「むつ」の改修、総点検全体にどれだけの費用がかかるという見通しのもとに五十一、五十二年度の予算をつけてきたのですか。
#28
○山野政府委員 今後、安全性の総点検並びに遮蔽の改修を進めるに当たりましては、先生御承知のとおります初年度は基本設計をいたしまして、次年度に安全性の点検並びに安全審査等を行い、最終年度に具体的な改修工事を行うといったような段取りになっておるわけでございますので、これら点検等が済みまして将来の具体的な改修工事計画が明確になりました段階、まあ年度で申し上げれば、今後修理港問題がスムーズに進むと仮定いたしますれば、五十三年度以降の予算においてそれらの具体的な積算をするようなタイミングになるのではないかと思っておりますので、きょう現在、具体的な数字を持っておりません。
#29
○瀬崎委員 この点については大蔵省も結局、先の見通しはつけないまま、とりあえず単年度の予算だけ認めている、こういうことですか。
#30
○佐藤説明員 先生のただいまのお話のように、「むつ」につきましては本年度は安全性総点検とか定係港維持管理というようなことの経費、出資金として六億百万円を計上しているはずでございます。
#31
○瀬崎委員 すでに修理につながる基本設計費まで入っているんじゃないですか、大蔵省。
#32
○佐藤説明員 五十一年度予算のお話だと思いますが、五十一年度予算で遮蔽改修の予算は二億一千六百三十九万二千円ございますが、その中の一部に基本的な設計の経費が入っております。
#33
○瀬崎委員 大体大型プロジェクトの研究開発費をつける場合、たとえば高温還元ガス利用による直接製鉄、これは開発期間は第一期が四十八年から五十三年となっております。総額百二十三億という大体のめどは当初から出ていますね。あるいは電磁流体発電、これは開発期間が五十一年から五十七年で、これも七年間で約百二十億円というめどが出ている。
 こういうふうに、全体が幾らかかるかというめどを抜きにして、何十億かあるいは百億以上かかるか知れないようなこういうプロジェクトに予算をなし崩しでつけるということが一体通常のやり方なんでしょうか。大蔵省にお尋ねしたいのです。
#34
○佐藤説明員 先生お話しのように、全体の計画が十分明らかになって、それについて年次的な計画で予算をつける方法が好ましいというぐあいに私どもは考えますけれども、本件の場合には、先ほど科学技術庁の方からお話もございましたように、新しい研究開発要素を非常に含んでいるような事業でございますので、科学技術庁としても全体の見通しがまだつけがたいという段階でございます。ただ一方、これは前から長官等からお話がございますように、「むつ」の開発といいますのは、原子力委員会等でいろいろ検討いたしまして、ぜひ必要であるというふうなことから私ども御要求を受けておりますので、それに従って積算計上した次第でございます。
#35
○瀬崎委員 私は、いま原子力船の開発が必要か必要でないかを聞いているんではなくて、このような大きなプロジェクトに対する予算の査定の仕方の問題を聞いているわけですね。
 原子力船を最初建造するときには、六千トンで三十数億円とか、これで入札に応ずる者がなかったから、随意契約で六十数億円とかいう、ちゃんと事前の全体の予算見積もりといいますか見通しは立てて、単年度の出資金なり補助金なりをつけておったのでしょう。今度修理になったら途端に、その全体の見通しが立たないまま、好ましくないけれども、単年度認めていく。なぜそういうふうに修理の段階であれば大蔵省は寛容になるのですか。
#36
○佐藤説明員 先ほども申し上げましたように、修理の段階になればというこことでなしに、本件の修理につきましてはいろいろ検討し、新しい事項等がございますれば、全体の計画について見通しがなかなか立てがたいという現状でございますので、現状でわかりますところで予算を積算計上したわけでございます。
#37
○瀬崎委員 それはおかしいと思うのですよ。すでに五十一年度と五十二年度で「むつ」の修理関係の予算がついていますね。五十一年度六億五千七百万、五十二年度二億一千三百万、合わせまして八億七千万ほどでありますが、この内容については、たとえばSG伝熱管探傷、制御棒駆動機構試験、主要機器の機能確認試験で六千二百万円とか、原子炉プラント設計再評価に一億三千三百万円とか、あるいは原子炉のプラント事故解析二億九百万とか、ECCS関連実験三千七百万、基本設計費一億五千九百万円等々詳細に項目ごとに予算が確定されているんじゃないですか。いかがですか。
#38
○山野政府委員 原子力船「むつ」に関する予算の考え方につきましてちょっと補足的に申し上げますが、先ほど申し上げましたとおり、今後行います修理作業の細目がまだ決まっていないこと、あるいは今後長期的に見ますれば定係港等不確定要素がかなりございますので、全体としての所要資金というものの概数をまだ積算するタイミングになっていませんけれども、しかしながら、私どもは今後の原子力船の開発の長期的な展望、スケジュールというものを立てました上で、そのスケジュールを今後手がたく進めていきます、まあ一歩一歩を固める意味で、五十一年度、五十二年度という単年度の予算を大蔵省の方にお願いしておるわけでございます。
 そういうことで五十一年度、五十二年度に行うべき事業の内容と申しますのは、原船事業団で立案し、かつ、いわゆる安藤委員会でも妥当であろうというお墨つきをちょうだいした上で財政当局に予算をお願いしてこれを予算化し、執行しておるといったふうな状況でございます。
#39
○瀬崎委員 そのお墨つきはすでにもらったということで、私がいま明細を申し上げました設計段階、総点検段階のみならず、今後の改修の工事手順であるとか、使用材料等についても相当詳細に明らかにしているわけでしょう。たとえば工事手順の方でいけば、遮蔽体などの設計及び製作が一番、第二に原子力船の回航という作業があって、第三には改修工事に入る。その改修工事の内容に
 ついても、格納容器内の工事、格納容器外の工事――内の工事にはフランジ部の遮蔽体であるとか、上部一次遮蔽コンクリートの設置であるとか、読み上げたら切りがないほど詳細に出ているんですね。その後復旧工事をやる。遮蔽材料についても重コンクリートを使った場合であるとか水酸化ジルコニウムをつくった場合であるとか、四つほどの種類の遮蔽体の材料の特徴まで出しているわけでしょう。
 ここまで出ておれば、大体これに基づいて改修の全体の見積もりは出るはずのものだと思うのですが、こういう工事手順や材料によって多少の幅があるとしても改修工事が全体としてどれくらいかかるものなのですか。
#40
○山野政府委員 ただいまいわゆる「むつ」の総点検・改修技術検討委員会で検討されて結論が出ておりますのは、まだ第一次報告、つまり、基本計画の段階までのお墨つきでございまして、今後は計画の進展に応じまして、いま御指摘のような各種作業段階について一々御審議をいただいて、また御了承を得ることになると思うのでございますけれども、遮蔽改修にしましても、今後基本設計を進め、さらにその基本設計に基づいて工事計画をつくり相手と交渉するという手順が残っておりますし、またお手持ちの資料にもあると存じますが、安全性の総点検につきましては、原子炉プラントの設計の再評価あるいはプラントの事故解析、関連実験研究といったふうなものにつきましては、これは今後の検討の結果ふぐあい点等を見つけました場合には、要すれば五十四年度以降改修工事をするといったふうなことになっておりまして、何分にもまだまだそういう不確定要素がかなり多い段階でございますので、いまの時点で大体今後の遮蔽改修総点検費を幾ら幾らということを明確に申し上げる段階でないと思っております。
#41
○瀬崎委員 少なくとも、国会で予算審議を行なう場合に、わずかな幅であるならば――数億程度でも大き過ぎるかもしれませんが、そういう幅であるならば、われわれも今後のいろんな計算や再実験等の様子を見ないとということになりますが、新聞等で報じられているところでは、たとえば四十億ないし六十億の工事総額というのもあるし、数十億かかるであろうというのもありますね。ところが、私がこの間からずっと民間の造船会社の技術関係の責任者の方々や役員の方に会って御意見を聞いてみると、いや、たかだか数億円ぐらいでできるはずのものなんだ、数十億なんてなぜかかるのだろう、こういう話が多いのですよ。数億と数十億では、これはわれわれにとって考えざるを得ない開きですよ。だから、今後それは多少の工事の方法なりあるいは使う材料の違いはあるでしょうが、それが一体そういう何十億という開きをつくり出すものなのかどうか、この点はどうなんですか。
#42
○山野政府委員 先ほど御答弁申し上げましたとおりでございまして、現在この金額につきまして、五十二年度という単年度を取り上げました場合には、これはきわめて内容が確定しておりますので積算もできますけれども、それ以降遮蔽改修工事までとなりますと、先ほど申し上げましたような不確定要素もございますので、まだどれだけの幅かということも申し上げるのは適当でないかと存じます。
#43
○瀬崎委員 すでにこれは事業団の方でも関係している技術者の方々は一定のめどを出していらっしゃるのでありますが、なぜ政府として大体こういうめどでやっているんだということを国会に報告しないのですか。
#44
○山野政府委員 事業団はいろいろなケースを想定して作業はしておると思いますけれども、まだ私どもが報告を受けましてこれを外部に発表するといった段階ではないということを申し上げておるわけでございます。
#45
○瀬崎委員 では、いろいろ検討していらっしゃる事業団の方としては、大体最低で幾らぐらい、最高ではどのくらいというふうな幅を踏んでいらっしゃるのですか。
#46
○倉本参考人 私どもの方におきましては、現在、改修工事方法について、いろいろ材料の問題、また材料によりましてその加工方法の問題、またさらには改修工事、構造そのものの問題等つきまして検討を進めておる段階でございまして、各担当者レベルにおきましては大体その場合において恐らく見当はつけておるかと思いますけれども、まだ私ども事業団として、改修工事はどのくらいの金額に上るであろうかというところまで至っておりません。もちろん、ただいま数億円というようなお話もございましたけれども、私どもの現在の改修工事から検討をいたしましたところでは、数億円というようなことにはならないかと思います。その幅につきましては、改修工事そのものが二十億ぐらいかかるのか、あるいは十五億ぐらいかかるのか、あるいは三十億であるのかというような点の見当も、まだ現在の段階ではつきかねておる状況でございます。
#47
○瀬崎委員 直接技術関係に携わっていらっしゃる人のお話では、大体やらなければならない改修工事の内容、それからその方法、それから使用する材料は決まってきているので、そのやり方や順序、使用材料が多少変わったところでそれが十五億のものが三十億になるというふうなものではない、これはむしろ技術以外の要素の方が大きい、こういうふうにおっしゃっているわけですね。
 その点で、これは事業団の方にお尋ねしますが、実際の工事は、基本設計、その後に来る詳細設計、あるいは工事実施設計と言った方がいいかもしれませんが、これと一体になるのですか、分離して行われるのですか。
#48
○倉本参考人 現在改修計画につきましては一応改修についての基本的な考え方をまとめた時点でございまして、これからいわゆる基本設計に入っていこうということにいたしております。それから、基本設計――言葉はいろいろございますが、私ども基本設計と呼んでおりまして、基本設計が終わりますと、その時点で今度は工事自身の、工事の施行をする工事契約という形に移ってまいります。したがいまして、基本設計といわゆる工事とは別に現在考えておるわけでございます。
#49
○瀬崎委員 基本設計についてはもうほぼ発注先を決めているのじゃないですか。
#50
○倉本参考人 基本設計と申しますと改修の工事そのものについても配慮をいたさなければなりません。そういたしますと、その工事をどこでするかということによりまして相手先も若干変わってくる。もちろん、本船は石川島播磨及び三菱重工が設計をし製造をいたしたわけでございますので、この両社は当然その当事者になってくるわけでございますが、現在佐世保で修理を行っていただけるということになりまして具体的に佐世保重工がその工事の一端を請け負うということになりますと、佐世保重工自身の工事のやり方等もございますので、石川島播磨及び三菱、佐世保というこの三社と基本設計についてのお話し合いを進めるということになります。
#51
○瀬崎委員 少し話がおかしいのです。三菱重工側は、すでに基本設計については事業団から相談を受けているし、当然これは三菱でやらざるを得なくなるであろう、こういうふうに話していますね。もし佐世保重工に発注するということになれば、当然その基本設計は原子力委員会の安全審査にかかると思うのです。
 これは科技庁の方に尋ねるのですが、佐世保重工というのはいままで原子炉の製作の経験も持ってないし、「むつ」の建造にも全く携わっていないし、三菱などとも特別な関係を持った会社ではない。この佐世保重工が工事能力において安全審査をパスする見通しは確実なんですか。
#52
○山野政府委員 まず最初にお断り申し上げたいと思うのでございますが、まだ佐世保に入港が可能になったわけでもございませんし、また佐世保重工に相手業者を決めたわけでもございませんので、全く仮定の問題としてきわめて有力だと考えられておる佐世保重工はどうだという趣旨での御質問に対するお答えを申し上げるわけでございますが、御指摘のとおり、これまで佐世保重工という会社が原子力船関係の仕事をしたといったふうなことはないと思います。これはまだ事業団から私詳しく説明を聞いておりませんけれども、私の全く個人的な感触でございますが、恐らく、その社が実際にこの仕事をするといったふうなことになった場合には、ほかの関係会社の技術的な支援、協力を得て行うといったふうなことも一案として考えられるのではないかと考えております。なお、これは事業団からそのような報告を受けたわけではなくて、私の現在の個人的な考え方でございます。
#53
○瀬崎委員 私は、宇野長官が佐世保だけしか考えていない、断わられることはないであろう、こういう前提で話をされているから、そうなったら佐世保に「むつ」を入れる以上、佐世保重工、SSK以外に修理するところはないわけですから、そこで、当然のことながらSSKが問題にならざるを得ない、こう考えて質問しているわけですね。いまの原子力局長の答弁からいけば、佐世保重工が単独で「むつ」の修理を請け負うということになれば、これは安全審査上非常にむずかしくなってくるということから、技術支援が必要だ、こういうふうにおっしゃっているんでしょうね。
#54
○山野政府委員 私は、安全審査を申請した段階で、その社の技術能力が低いために安全審査に合格しないであろう、ついては、ほかの会社の技術支援が要るであろうという趣旨で申し上げておるわけでは決してございませんで、安全審査の結果どうなるかということは、これは規制当局が決めるべきことでございまして、現時点で私どもがとやかく言う筋合いのものではございませんけれども、この遮蔽改修並びに安全性の総点検というものをできるだけ将来技術的に禍根の残らないようにりっぱな作業をするためには、これまで原子力船についての経験のある会社の支援等がある方がより望ましいであろうということを申し上げておるわけでございまして、その社の技術能力が安全審査の結果合格しないであろうということを申し上げておるわけでは決してございません。
#55
○瀬崎委員 三菱重工あるいは三菱原子力工業が工事をやるのであれば、安全審査上、事実上工事能力の審査は省略されてくるんじゃないですか。
#56
○伊原政府委員 先生の御質問の趣旨をあるいは的確に把握しておらないかもしれませんが、設計につきましての審査という段階と実際の工事という段階とではこれは別でございまして、工事の段階になりますと、これは原子力規制法におきましても、許可の次の段階といたしまして、設計及び工事の方法の認可という段階になるわけでございます。したがいまして、その認可の段階で具体的に工事がどういうふうに行われるかということにつきましては、設置許可段階の検討とは別の検討が行われる、こういうことでございます。
#57
○瀬崎委員 当然これは原子炉の設置変更の許可を求める申請になると思うのですが、その場合に、工事施工者の能力も審査対象になるし、当然「むつ」の当初の安全審査書を見れば、石川島播磨とそれから三菱原子力工業について、工事能力とか運行の能力は十分あると審査されているでしょう。そういう意味で、私がいま聞いているのは、佐世保重工が三菱原子力工業あるいは三菱重工などと同列に審査が受けられるのか、こういう点を聞いているわけです。
#58
○伊原政府委員 遮蔽改修工事の内容が、現在受けております許可の範囲の中であるか外であるか、これは申請を具体的に受けてみなければわからないわけでございますが、もし、これが現在の許可の範囲の外であるといたしますと、そのときに許可の変更につきましての審査が必要でございまして、そのときには、造船事業者につきましてもその技術的能力について検討をするということになっております。ただ、その場合に、造船業者がどういう組み合わせになるかというふうなことの実態も十分に検討をすることになると思われます。
#59
○瀬崎委員 これは長官にお尋ねしたいのですが、佐世保に受け入れてもらおうということになれば、いまの話のとおり、基本設計、その後の工事については第一次的にやはり佐世保重工を考えざるを得なくなってくる。したがって、決して原子力委員会のいろいろな審査にいまからわれわれが予見を持とうとか、あらかじめ感触を聞かしてくれというのではないけれども、しかし、佐世保重工で大丈夫工事はやれるような状態が将来生まれるという確認なしに船を入れたかて、ここでまた下手をすると、安全審査等の段階でぶつかって佐世保重工以外のところを探さなくちゃいけない、こんなことになったら、大変なことになるでしょう。そういう点の見通しがあるかないかを私は聞いているわけなんですが、長官はその点をどうお考えなんですか。
#60
○宇野国務大臣 それぞれ担当者がいままで詳しくお答えをしたような線だろうと私は思います。そうしてまた、御質問なさっておるとおり、佐世保に入れるにはSSKしかないわけですから、その点に関しましても佐世保重工みずからも今日ただいま非常に慎重で、そうしてやる以上はりっぱな業績を残したい、こういうふうなお考え方をお持ちであるということを私は仄聞いたしておりますから、その点に関しましては当然それだけの自信を持って遮蔽改修並びに修繕に当たっていただけるとわれわれは考えております。
#61
○瀬崎委員 私が聞いているのは、佐世保重工を設計並びに工事の発注先とした場合に、佐世保重工がその工事能力において十分自後の審査にパスしていけるという見通しを確実に持っていらっしゃるのかどうか、この点をお聞きしているわけです。
#62
○宇野国務大臣 当然そうしたことは大丈夫だという見通しのもとに今日すべてを進めております。
#63
○瀬崎委員 事業団にお尋ねしますが、そうしますと、事実上事業団も佐世保重工を対象者としていますべての交渉を進めているわけですか。
#64
○倉本参考人 佐世保重工におきましては、この修理港につきまして政府の方から佐世保市及び長崎県に御要請がありました時点から、当然佐世保市に受け入れられた場合には自分たちのところでこの工事を受け持たざるを得ないということで、原子力に関する勉強、また原子力船「むつ」につきましての勉強等を開始をされ、また、これにつきまして私どもの方にいろいろ資料の提供、またあるいは「むつ」についての遮蔽改修及び総点検等についての考え方等について御質問等もございますので、これにつきましては私どもとして協力をいたしております。
 また、幸いにして佐世保が私ども「むつ」の受け入れ、修理を行っていただけるということになりました段階には、佐世保と三菱、石播と私どもの間でこの基本設計につきましての契約等を行わなければなりませんので、私どもといたしましてはそういうことについての内部での検討はいたしておるわけでございます
#65
○瀬崎委員 佐世保重工で一番問題になってくるのは、最後の性能保証を含めてその能力があるかどうかという点だと思うんですね。その点について事業団はどういう見通しを持っているのですか。
#66
○倉本参考人 この改修につきましては、事業団が責任を持ってこの改修設計を最終的には完成いたしまして、一応その基本設計等につきましてこの三社に発注をしていくわけでございますけれども、この設計につきましては遮蔽の改修にかかわりましてやりました遮蔽のモックアップ実験、またさらに遮蔽材料等につきましての検討、試験等も事業団で進めてまいっておりますので、この改修そのものについての責任は当然事業団が持っておる。また実際この改修工事そのものの施工につきましての責任は当然施工者が持つものである、かように考えております。
#67
○瀬崎委員 「むつ」の建造の過程で一番問題になって、かつ大山報告でも教訓として指摘している点は、本来船というものは船炉一体で発注され、船炉一体で施工業者が性能保証の責任を持つべきものなんだ。「むつ」についてはそれができなくて、結局船炉分離になった、こういう点が災いの一つの大きなもとであったというのでしょう。今度の改修の場合に、いまのお話では結局SSKと三菱重工あるいは三菱原子力工業それから石川島播磨の三つの組み合わせになるようですが、もしこれが横並びで三分割でそれぞれ仕事の分担ごとの発注となった場合に、それじゃ全体としての工事責任は一体どこが持つのか、この問題が最後にまた残りますね。こういう点について、この建造過程での教訓を一体どこに生かそうとしているわけですか。
#68
○倉本参考人 ただいまお話ございました「むつ」についての船炉分離契約でございますが、一般の商船等、すでに技術も完成いたしたものにつきましては、大部分の船が造船所に船としてエンジンを積んだ形で発注をされておるのが一般でございますけれども、「むつ」の場合にはまだ開発段階でございまして、この前の契約自体も船体は石川島播磨にお願いをいたしまして、もちろん石川島の方では原子炉は責任を持たないということがございますし、原子炉につきましては三菱が担当して完成をさせた。しかし、この船全体としての性能の確認、また本船を完成させていくためのいろいろ技術開発等も出てまいりますので、そういった点については事業団が責任を持って船を完成させるという考え方で、船炉は分けて契約が行われた、かように理解をいたしておるわけでございます。
 これからの開発におきましても、この放射線漏れにつきましての原因究明、どこにその原因があったかということにつきましての究明につきまして、やはり事業団が責任を持ち、その究明を行ってまいりました。また、それに対してどこをどういうぐあいに改修したらいいかということにつきましても事業団として検討をいたしました。それに必要な各種の試験あるいは解析等につきましても、事業団の責任でこれを行ってまいっておるわけでございます。もちろん、その中の一部分は原子力研究所でございますとかその他民間会社等に解析をお願いした部分もございますけれども、これらを全体として改修計画を取りまとめたのは事業団の責任であるわけでございます。その改修計画を、実際に具体的に本船の炉を改修をしていく段階で、その炉に今度は工事上これをどういうぐあいにアプライしていくかといった点でやはり施工技術上の問題がそこに入ってくるわけでございます。
 この施工の段階になりますと、その造船所におきます溶接のやり方あるいは材料の加工の問題等がございますので、この施工上の問題についてはこれは当然事業団が責任を持つということにはなりません。この施工方法につきましても、各工場、会社によりましてそれぞれのしきたりもありますので、その施工、工事方法については各社にお願いをしてこの設計をやっていただく、またその仕様に従って工事も進めていただくということでございます。この工事にかかわりますものについては、これは当然その工事を行うメーカーに責任はとってもらわなければならないわけでございますが、改修後の遮蔽性能そのものが設計上のミスであるかどうかというような点が出てまいりました場合には、これは事業団がこの責任を持つという考え方でやっておるわけでございます。
#69
○瀬崎委員 結局、今日まで「むつ」を建造してきた過程で一番重大な欠陥であると指摘された部分が解決しないままこれからの修理も行われてくる。だから、いまそういうように分けて言われますけれども、では改修の方針を事業団が立てる、これが正しく基本設計に移しかえられたかどうか、これはやはり基本設計を請け負う会社が持つべきだと思うし、今度は以後その基本設計どおりの工事実施設計なり、あるいはそれに基づく工事が完全に行われたかどうか、これはやはり当然矛のメーカーが持つべきだと思う。だから基本設計以後の段階については、できるだけ一つの会社がこれを受け持って、そうして事業団の出した改修方針が全うされたかどうかのすべての責任を会社に持たせる、これが一番妥当な契約方法だと私は思うのですね。そうしなさいというのが大山報告の大体の指摘なんでしょう。結局今度は、やはり相手方メーカー側の都合があってそれが非常にむずかしいということをいまくどくど話されたのだと思うのですね。
 現に、私も関係メーカーに会っております。たとえば三菱の場合は三菱が元請になって、下請を佐世保重工にする、そうすると責任は三菱が受けなくちゃならない、こういうことは実際にはできかねる。何となれば、佐世保重工の工事能力そのものが、三菱として、必ずしも三菱の責任を受け持ってくれるとは言いがたいから、こういう話をしていますね。といって、佐世保重工へ入れるのに、まさかドックだけ借りて後は一切合財全部三菱が直接やる、こんなことはとうてい考えられませんね。どうしても主力は佐世保重工を使わざるを得ない。逆に今度は佐世保重工を表に立てて、ではその下を三菱がやるか、こんなことは考えられない。
 そういうことになれば今後の契約相手が一体どこになるのか、それぞれの部門について一括になるのか分割になるのか、責任はどこになるのか、これは非常に大きな問題を数々残している。まだそういうことを事業団としてもなかなか固め得ないという悩みを示していると思うのです。
 問題は、契約上にもこういうふうな相当な難問を残したまま、とにかく「むつ」だけは佐世保に入れよう、すでに基本設計段階までの予算は出ている、もしこういう契約がうまくいかないような場合になったら、せっかくつけた予算、消化した予算がまたむだになる。大蔵省はこういうことでもいい、今後とも科技庁の要求について予算を出す、そういうことですか。
#70
○佐藤説明員 大切な国民の税金を使うことでございますので、予算が十分成果を上げる執行をしていただくように私どもは期待しておるわけでございます。
#71
○瀬崎委員 私が聞いているのは、いまのように、通常なら問題なくメーカー側が喜んで契約に応ずるはずの問題なんだけれども、この「むつ」に関しては逆に契約相手の選定、契約の内容がむずかしいわけですね。こういうことの見通しがまだ立っていない段階で大蔵省は予算をこれからも認めていくのか、こういうことなんです。
#72
○佐藤説明員 実行の段階におきまして、科技庁なり事業団が相手方なり契約のなにについて問題点を解決したりっぱな契約をしていただくように私どもは期待しております。
#73
○瀬崎委員 この契約に非常に問題が多いということはお認めになりますね。
#74
○佐藤説明員 現在、先生と事業団側の御議論を初めていろいろ伺っておるわけでございまして、それぞれのお話の中で問題がいろいろあるのではなかろうかという感じはございますが、実際の実行の場合においては十分責任を持った執行がなされるものと私どもは考えておる次第でございます。
#75
○瀬崎委員 次に、原子力船の実用化の時代が一体来るのか来ないのか、来るとすれば一体いつごろなのか、これも「むつ」の改修を考える場合大きな要素だと思うのです。
 まず、これは長官にお伺いしたいのですが、この原子力船の実用化ということにどの程度の緊急性を考えていらっしゃるのか、簡単にお願いしたいと思います。
#76
○宇野国務大臣 原子力船を開発しなければならないのは、やはりわが国の資源事情からきておるということは御承知だろうと思います。海国でございますから、日本が輸入いたしております商品輸入、昭和五十年度の実績を考えてみましても六百億ドル、そのうちの三分の一を石油に外貨を使っておる、その石油の一割を船舶が使っておる、こういう状態でございますから、その石油を中近東から運んでくるのに石油を食う、現在は二十万トン級で速度が十六ノットくらいで大体四%ぐらい食うだろうと思いますが、将来はやはりまだまだ石油が要るわけでございます。したがいまして、そうしたことを考えた場合に、やはり石油を運ぶのに石油を食わないような体制をわれわれといたしましてもまず整える必要がある。このことは、現に英国におきましても大型タンカーをアメリカに発注をいたしておりますね、あるいはドイツにおきましてはオット・ハーンが事実実用化されておる。そうしたことから考えまして、わが国におきましてもやはり将来は原子力船に依存するところが多い、こういう想定のもとに、またそうあらねばならぬという決意のもとにこの「むつ」が建造されたという経緯でございますから、われわれは速やかなる原子力船時代を迎えたいと思います。
 ただし、「むつ」から勘定いたしますと、御承知のとおりに、その総点検あるいは修繕に三年かかります。その後出力テストあるいは航海実験等等ございますから、いまのところは十年という歳月をけみしなければならないであろうと思いますが、それを原子力船時代の第一ページにいたしたい、こういう体制で科学技術庁は取り組んでおる次第でございます。
#77
○瀬崎委員 海運業界とか造船業界も大臣と同じような考えを持っていると思っていらっしゃいますか。
#78
○宇野国務大臣 私は直接そうした方々にはまだ接触をいたしておりませんが、しかし、私が接触いたしております経済団体におきましては、当然この「むつ」の就航が将来の原子力船に重大な影響を与える、さらにはわが国の原子力開発そのもの自体にも大きな影響がある、こういうふうに皆異口同音に申しております。
#79
○瀬崎委員 大臣の願望はよくわかるのですけれども、もちろん私も私の主観ではいけないから、海運界とか造船界の意見というものを聞いてみました。共通しているのは、いつの時代か原子力船時代は到来するものと思われる、こういう点は共通しておるわけでございます。同時に、一九八〇年代あるいはその前半に原子力船時代が来るとは思われない、この点も大体共通する。極端なことを言う人は、今世紀原子力船時代はまず来ないであろうというふうな方もありますね。これは大体造船界なんです。ところが、海運界の方々になりますとがらっと変わりますね。これは船主協会の月報が出ておりますが、その中で「諸外国の動向からも現時点では実用原子力船建造の緊急度は薄いと見られる。」こういうふうに書いておりますが、大体これに代表されていると思いますね。現在原子力船時代というものを対象には考えていないというのが海運界の大手の見解ですね。その理由として、いまから五年ほど前には確かにタンカーの大型化、高速化が世界的な競争になっていた。六十万トンで三十ノット以上ともなれば石油の消費は莫大だから、当然それにかわる原子力というので、十万馬力とか十二万馬力の舶用原子炉というものが対象になっている。いま英国の船会社が六十万トンの原子力船タンカーを注文したとおっしゃいましたが、あれをまともに信じている人はまず業界にないですね。皆こんなことをしてまゆつばものだ、それは相手の会社がそういう会社だからと、歴史のある会社じゃないということのようですね。ところが、オイルショック以後はこういう状況ががらっと変わっている。つまり燃料は速度の三乗に比例して消費されるので、こういう低成長時代になってくると全部出力を半分ぐらいに落として、大体十数ノットぐらいで走っている。しかもこれは今後長期に定着するだろう。こうなってくると、原子力船が在来船と競合し得るようになるというのは、五、六万馬力の原子炉で、そして在来の舶用エンジンと並ぶような、そういう時代でなければならない。そういう点から言えば、一ころの騒がれたころに比べれば大分原子力船時代というのは先へ延びたというふうに考えられるのではないか、こういう意見を私は聞いてきているわけであります。
 だから、いま国全体の予算が大変厳しいときにいろいろ問題を抱えたままで原子力船の、それも数億の金で済むんじゃない、数十億はまずかかりそうだということは大体おっしゃっていますから、そういうことを急ぐ必要があるのかどうか、この点はもうちょっと慎重でなければならないと思うのです。いかがですか。
#80
○宇野国務大臣 しばしば私も国会で答弁いたしておりますが、わが国のエネルギー事情というものはそう甘いものじゃないのです。他国に比しまして本当に日本ほどエネルギー小国、資源少国はございません。だから、やはりその面は政府そのものが強力に指導していく、こういう体制が必要であります。したがいまして、原子力開発におきましても、いろいろ国内に反対がございましても、それに対しては安全を第一としていまや政府が国民の方々の御協力を得るべくあらゆる努力をいたしておりますから、そうした原子力開発の中において「むつ」の今回の修繕というものは非常に重要な地位を占めておる、私はかように信じております。
#81
○瀬崎委員 それでは、原子力船の場合の開発の最大の問題点ということになれば、結局舶用炉の開発なんですよね。では、民間の大手メーカーで舶用炉あるいは原子力船開発の体制が一体拡大の方向に向いているとお考えなのか、縮小の傾向に向いているとお考えなのか、どちらですか。
#82
○宇野国務大臣 第一号の原子力船「むつ」が科学技術の面よりもむしろ今日は政治化してしまっておる。そうした面におきまして、やはりこれに対する業界そのものの熱意はさきに見られたようなものよりはあるいは少ないかもしれませんが、しかし、今後この「むつ」が大山委員会が立証いたしておりまするとおり相当高度のレベルに達した原子力船であり、そして改修によってりっぱに就航し得る、こういう折り紙を今度は国自体がつけたい、それによって業界もやがて目を見開いていただいて、これに寄せられるところの関心はいまよりも深くなるであろう、こういうふうに信じて私たちは行政を担当いたしておるわけであります。
#83
○瀬崎委員 果たして、そういう宇野長官の熱意に業界がこたえるかどうか、いまの経済体制のもとではここは大事な点だと思うのです。
 私がいろいろと問い合わせもしたり調べた中で、最初「むつ」を建造する段階で入札指名を受けました七社がどうなっているか調べてみたのです。川崎重工は一時原子力船担当のセクションを置いていたけれども、これは現在閉鎖していて、原子力船専門の担当セクションはないということですね。それから日本鋼管の場合は、五年ぐらい前までは原子力課を置いていた。しかし、最近では機関基本設計部開発設計室原子力チームということで十名ほどを残している。それから日立造船の場合ですと、一応技術開発本部原子力部というものを過去も現在も置いている。以前は大体スタッフ四十名おったけれども、現在は約半分の二十名に縮小している。三井造船の場合、特に舶用炉専門としての部課は置いていない。事業本部原子力事業室として陸上も含めてやっている。従来は舶用炉専門として四、五名のスタッフを当てていたけれども、いまは置いていない。結局従来よりも強化しているなと感じたのは石川島播磨重工、ここでは船舶事業部技術開発室原子力船開発部というのがあって、スタッフはいま二十二名だ、少しずつながら増員の傾向にある、こう答えていますね。それから三菱重工業、ここは舶用炉担当というものは置いていないけれども、陸上炉でずいぶん実績もあるからいつでも転用は可能だ。原子力部全体のスタッフは大体五十名で余り変化はない、大体こういう傾向なんですよ。そのうちの一社の浦賀重工業は住友に現在吸収されているわけです。それから最初の七社のうち、石川島播磨と三菱を除いては、まあ原子力船の戦線からは撤退してきている、こういう一般的傾向があるわけです。この中でまあ国が指導して何とかしようということになる、こういう客観情勢だけはやはり十分政府側も理解をしておかなければ将来を誤ると思うのですね。
 この点はひとつ、私も事実をもって申し上げているわけですから、長官としても十分留意をしてほしいと思うのですが、いかがですか。
#84
○宇野国務大臣 まあ現在はそういうことでございましょう。しかしながら、科学技術というのはやはり常に国民のためにあらゆる面で開発をしなければならないのだし、いままでの日本のようにすべてあなた任せで、外国任せでやっていてはとうてい私はやっていけないと思いますから、すべからく科学技術は国産だというのが私のスローガンであります。したがいまして、将来に備えるためには、政府は強力に指導すべきは指導すべきである。そうした意味がこの「むつ」にかかっておる、これは私はただいま信じております。したがいまして、業界は、今後の政府の指導方針、また「むつ」の成果いかんによりまして、新しく原子力船時代を迎えなければならぬというふうに痛感をしてくれるであろうと思っております。
#85
○瀬崎委員 その「むつ」が今後の日本の原子力船開発の中でどういう位置を占めるかということは、現在多少なりとも原子炉の経験とかあるいは技術の開発に取り組んでいる各メーカーがどうこれを利用しようと思っているかということと全く無関係ではないと思うのです。
 そこで、各社が「むつ」をどう見ているか、これも私も聞いてみておるわけであります。これは確かに共通意見として、「むつ」が動けばそれはそれだけのことはある、参考にはなる、これは皆おっしゃいます。しかし「むつ」の原子炉が旧式といいますか、きわめて保守的な設計でできている点も、これまた大体共通した御意見です。したがって、あれを動かして炉心特性などをとってみても、これはほとんど今後の役には立たない。結局、原子力船「むつ」を動かして役に立つのは、実際の運転で得られる、特に急激な出力変動など、それに原子炉が追随するかどうか、動特性といいますかそういう点では参考になる、こういうことではないかと思うのですね。しかし、その場合も「むつ」がここ数年のうちに順調に運航してくれた場合の話で、いまの状況では各メーカーとも「むつ」を待って将来の舶用炉開発を行うという体制ではない。「むつ」がどうであれこうであれ、それぞれ各社はそれなりに将来の舶用炉について、自社開発かあるいは他社との提携か、その他いろいろな方法は考えている、こういうこともまた事実であります。だからこういう点で、余りに「むつ」の位置づけを過大視されるのもどうかと思うのですが、少しこの点は政府側も、造船業界の動き、原子炉メーカーの動きなどをよく見られて、「むつ」に対する今後の方針を立てられるべきではないか、このように思うのですが、いかがですか。
#86
○宇野国務大臣 瀬崎さん、いろいろと非常に熱心に調査なさっておられることに関しましては、私も先ほどから耳を傾けております。したがいまして、今後のことはいろいろございましょうが、やはり原子力開発というものは非常に大切なものですから、「むつ」自体について既定路線を変えるのかということになりますれば、これは変えてはいけない、私はさように存じております。
#87
○瀬崎委員 私がこういう話をするのは、もし本当に政府が原子力船を開発する、しかも国の力でやるというなら、よほどの決意とよほどの体制が必要だぞ、こういうことを言いたいために、いまの業界の動向というものをいろいろ調べて申し上げているわけですね。
 特に、海運会社の考え方というのはひどいですよ。相当責任ある方ですが、率直にその言葉をお伝えしますと、航空機会社と海運会社は同じだ、日本航空が果たしてコンコルドなどを開発しますか、開発されたものをわれわれは買えばよい、開発費は当然買うときに価格に含めて買いますよ、こういうことですね。海運会社にとっては、原子力船であれ在来船であれ何でもいいのです、要は同じような扱いができるようにならなければ原子力船は問題になりません、こういうことですね。したがって、造船会社もお得意さんは、ユーザーは海運会社になりますから、結局その範囲内にとどまってしまうのですね。
 これもある方の御意見を生でお伝えしてみましょうか。造船会社です。電力会社の場合は国内的な独占企業体だ、だから世界一高い料金を取って開発費をその中に入れればいいのだ、しかし海運界は国際競争のるつぼの中にあってとても開発費負担どころの騒ぎではない、そういう海運界を相手に造船界は船をつくっているのだ、だからその造船会社が、この莫大な経費を食い、リスクを覚悟しなければならない原子炉の開発に力が入れられるか、したがって造船会社として考えておくことは、必要なときに必要な舶用炉が買えてそれを船にちゃんと積み込む技術と能力さえ養っておけばいいと思う、極端な言い方をすれば、舶用炉の会社というのは一つか二つあったらいいのだ、それで今後の原子力船は賄えるだろう、こういうことなんですね。ただ、欲しいときに欲しい値段で舶用炉が買えなかったら困るからそれに対する手当てはいろいろ考える、こういうふうな声であります。
 そういう点で、冒頭申し上げましたように、本当に「むつ」に莫大な金をつぎ込んで何とかしようというなら、その先の先のことまで政府自身で考え及ばなければならないと思うのですが、そこで原子力第二船の問題をどう考えていらっしゃいますか。
#88
○山野政府委員 わが国における原子力船開発のあり方につきましては、昭和五十年に、原子力船懇談会におきましていま御指摘の海運業界、造船業界の識者の方々にもお集まりいただきましていろいろと検討願いました上で、今後のわが国における原子力船開発のあり方を決めていただき、また、その中における「むつ」の位置づけというのも明確にしていただいたわけでございます。
 そのときの結論をごく端的に申し上げるならば、やはり今後基礎研究なり舶用炉の開発あるいは建造、運航の実績を積むべき実験船の開発といったようなものは政府が中心になって行い、民間がこれに協力する体制が一番よろしいという結論を出しておられますし、またその意味合いから申し上げまして、現在の「むつ」も今後開発を継続すべきであるというのがその結論でございます。あわせて、その成果を受けて第二船以降は、これもかねて官民の一致した意見でございますけれども、民間においてこれを建造する方向で考えようというのがその結論であったかと考えております。
#89
○瀬崎委員 だから、民間に建造する意欲がいま全然ない、これははっきりしている。とすれば、結局「むつ」が動いたとしても、とにかく「むつ」どまりというのは避けられないいまの日本の現状だろうと思うのです。このことについてその次をどうするか、それもちゃんと、民間がどう動こうとこう動こうと国産技術の開発は政府が責任を持つのだという明確な方針があればそれはまたそれで考え得ると思う。いまの政府の計画はあくまで原子力第一船どまりでしょう。
 その上問題なのは、「むつ」に積み込んでいる舶用炉はいわゆる旧式の分離型でしょう。現在の舶用炉の開発の主力は分離型なのかそれとも一体型、つまり炉心部と蒸気発生器などを一体にした型なのか、どちらですか。
#90
○山野政府委員 舶用炉には一体型、分離型いろいろあると思いますが、一概に分離型であるから旧式であると言うのは当たらないと思います。これはそれぞれの特徴があるわけでございます。ただ御指摘のように、現在の一般的な趨勢としましては、一体型で設計がなされておる例が多いということは言えるようでございます。
#91
○瀬崎委員 政府が原子力平和利用委託研究費を出して舶用炉の一体型炉の研究を進めていますね。こういうのが毎年あるいは二、三年に一遍ずつ出ています。その中の一つで、舶用炉型式の技術的評価に関する研究というのがあって、ここで一体型と分離型の比較検討が行われている。ここで言われていることは、今後の原子力船開発の核ともなるべき舶用炉の開発を成功させるためには、まず開発の対象とすべき炉型式を選定し、これが一つ。それからまた開発の実施方法、これが二つ。それから三つ目が、開発実施機関等を具体的に明示した国としての舶用炉開発計画が必要であり、その早急な確立が望まれる。政府が研究費を出してやっている研究者の結論がちゃんとここに出ているのですね。これに対しては政府はどうこたえるのですか。
#92
○山野政府委員 先ほど申し上げました基礎研究舶用炉開発並びに実験船の開発という分担でございますが、基礎研究につきましては日本原子力研究所が中心になって行っております。また舶用炉開発につきましては、民間の協力もございますけれども、政府機関といたしましては運輸省の船舶技術研究所が中心になって行っておるわけでございます。また「むつ」につきましては原船事業団が中心になって行っておることは御承知のとおりだと思います。
 これらの研究開発の内容につきましては、毎年、原子力委員会におきまして予算の見積もりをするに際しまして整合性ある予算配分になるように、また整合性ある研究開発が進め得るようにいろいろ配慮されておると考えております。
#93
○瀬崎委員 大体造船あるいは原子炉メーカー関係を見ましても、私が直接会った範囲内では三菱重工業が、分離型か一体型かの問題は要はどういう船をつくるかということによって決まる問題だ、過去分離型をやってきた三菱でもそういう答えなんです。他はおしなべて今後の舶用炉は一体型だ、それしかわが社は研究しない、こういうことになっているのです。したがって、本当に原子力船を開発しようと思えば、一体型の舶用炉の開発を進めなければ結局物にならないということになるわけですよ。そこで、こういう研究も出てくる。早くこの方針を政府の方で決めてくれ、こう言っているが、これもまだ未確定だ。この中には、四十六年度の委託研究費による概念設計を第一次として、次に第二次概念設計、そして基本設計、製作というふうに移っていくべきだという結論も出ております。
 こういう研究をやらしている限りは、こういう結論を政府は尊重すべきだと思うのですが、具体的に聞いて、一体型舶用炉の第二次概念設計はいつごろやろうとしているのですか。−時間の関係もありますから。結局そういう点がはっきりしてないわけですよ。だから、これもある意味で言うたら研究費の出しっぱなしなんです。日本の原子力船全体のいわゆる研究計画というか長期の展望は何もないまま、「むつ」の修理だけが進められる。こんなことが国費の本当に有効な使い方かどうか、この点は大蔵省、そういう状態だということを認識して、改めてもう少し予算の査定もしっかりしてほしいのですが、いかがですか。
#94
○佐藤説明員 日本原子力船開発事業団に対する出資金、補助金につきましては、「むつ」開発の必要性等を十分考慮いたしまして計上しておるわけでございます。五十二年度の出資金予算は六億一百万円、五十一年度九億七千八百万円に比べまして三億七千七百万円の減でございます。補助金につきましては五十二年度予算が十一億五千九百万円、五十一年度十億八百万円に比べまして一億五千百万円の増、こういうことで必要所要額を計上したわけでございます。
#95
○瀬崎委員 そんな数字を聞いているのじゃなくて、少なくとも原子力船開発のために貴重な予算をつけているのだろうと思うのだが、開発の全体の計画がいまのようにまだ全然まとまってないのですね。一体「むつ」を修理していけるのかどうか非常に危うい、こういうところで大蔵省もう少し目を開いて――ほかの予算は非常に渋いのです。ここだけが大変寛大なんです。こういうことは一体どうかということなんです。これからは十分慎重にやってほしいと思うのですよ。
 次に、どっちにしても日本原子力船事業団は政府の提出法案どおりいっても、また十一年来ればこれは廃止になるのですよ。当初原子力船事業団が九年という時限で設立されたときに、事業団が廃止後、「むつ」はどこへどのように引き継がれる予定であったのですか。
#96
○山野政府委員 「むつ」が開発の目的を達しました後、その処分につきましてはその時点において決定することになっておったと思います。
#97
○瀬崎委員 運輸省がこれを引き受けることになっていたのではないですか。
#98
○堀之北説明員 ただいま科学技術庁の原子力局長の御答弁のとおりでございまして、開発が終わった時点におきましてこれがどういうふうに処分されるかということは決まっておりません。
#99
○瀬崎委員 おかしいじゃないですか。昭和三十八年二月の委員会で、当時の島村原子力局長はこう答えてますでしょう。運輸省におかれては、あるいは海上保安庁であるとか水路部であるとか気象庁の関係、海洋関係の観測に深い関係を持っておられるので、中間略しますが、運輸省内のどこの所属にするかは未定だけれども、運輸省に引き継ぐと。どうなっているのですか、運輸省。
#100
○堀之北説明員 当時そのような検討は行われたかと思いますが、先ほども御答弁いたしましたとおり、最終的には現在決まっておりませんで、開発が終わった時点でそれをどうするかということは決められることになっております。
#101
○瀬崎委員 今後、十一年間延長した後、「むつ」をどこへ引き継ぐか、それは検討されているのですか。
#102
○山野政府委員 今後、開発が終了しました時点におきましては、その開発の成果とともに、この「むつ」の活用方法というのはその時点において検討するというのが私どもの方針でございます。
#103
○瀬崎委員 科技庁からの要請があれば運輸省でこれを引き受ける、そういうことですか。
#104
○堀之北説明員 ただいま科学技術庁の原子力局長の御答弁のとおりでございまして、その話があれば引き受けるかどうかということは未決定の段階でございます。
#105
○瀬崎委員 科技庁に聞きますけれども、民間に引き取ってもらう、利用してもらうということも考えているのですか。
#106
○山野政府委員 現在あらゆる可能性を否定し得ないと思いますので、その場合もあるいはあり得るかもしれません。
#107
○瀬崎委員 現在およそ民間で何らかの形でこの「むつ」を身受けしようか、あるいは借りてでも利用しようかという、そんなのはさらさらないですね。そんなことを口にでも出したら背任罪に問われる――これはその言葉のとおり申し上げている。そう言っている重役さんもあるぐらいであります。「むつ」を後々運航する、あるいは維持管理するのは、結局政府部内で検討せざるを得ないと思う。で、事業団は有限だ。このときに運輸省が引き受けるという意思をはっきりさせなかったら、またこれは宙に浮いてくると思うのですね。そんな不安定な状況で果たして「むつ」の修理に大金をつぎ込んでいいのかどうか、ここにも一つ大きな問題がある。
 時間が来ておりますので、もう一つだけ質問しておきます。
 それは、その事業団の十一年延長法案も二回の国会で未成立、そして今国会にまた出てきているわけであります。この事業団の現在の体制を見ますと、大山報告で指摘された欠陥は一つも改まっていない。あの中では、寄り合い世帯ではだめだということ、それから二年や三年で技術者がくるくるかわっていくというようなことでは人材も技術も蓄積されない、まずここから改めていくべきだというのですが、さて現在、技術関係が約二十人いらっしゃるのですね。この中で、比較的古くからいらっしゃるというのは航海訓練所御出身の管理課長さんと、それから船舶技研御出身の技術第一課にいらっしゃる方の二人だけなんですよ。あとは民間からの出向で、長い方でせいぜい二年ですね。まだ数カ月という方もいらっしゃる。しかも、優秀な技術者でいらっしゃる技術第一課長さんなどは、約二年ほどするとまたもとの古巣の三菱原子力工業にお帰りになるそうですね。これでは長官が何とおっしゃいましても、政府が責任を持って「むつ」を修理して、その技術を蓄積して、国の責任でこれを将来に引き継ぐと言えませんよ。こういうことだから、原子力船事業団の延長法案が今国会で通るかどうかということは、これまたきわめて不確定要素が多いと私は思うのです。不成立という場合も当然考えなくてはいけないと思う。
 そこで、これは大蔵省に聞くわけです。「むつ」は、私はそういうことをしてはいけないと思うが、まあ佐世保に押し込んだ。一方、基本設計などはすでに予算もついていますから手がけて、国会の方では事業団の延長法案は通らなかった、こういう事態が来たときに、自後の修理の予算を大蔵省は認めるのですか、認めないのですか。
#108
○佐藤説明員 法律的な問題をいまここで申し上げる気はございませんが、いまのお話でございますが、やはり原子力船というものが現在ございますから、それを現在までのいろいろの成果を取りまとめたり、あるいはそれを維持管理したりするということは、これはぜひ必要なことではないだろうか。そのための予算というものは私どもとしても十分見ていく必要があろうかと思います。
 それはまた、では法律が通らなければそれ以外のことはできないのかどうかという議論は、これはいろいろ私どもは議論があると思うのでございますが、現在、法律を審議している段階でございますので、その審議の段階では、科学技術庁の方でも維持管理あるいは従来の成果の取りまとめという方向で予算執行していきたいという考え方でおりますので、私どもとしてもそういう考え方でいるわけでございます。
#109
○瀬崎委員 では、その維持管理、成果の取りまとめの範囲ですが、先ほど事業団の方がちょっと答えられました、今後の改修費が数億ということはないとはっきり否定されていますね。十五億とか三十億とかいうふうな数字をおっしゃっているわけです。いずれにしても数十億というのはやはりかかると見なければなりませんね。そういう予算も、いまおっしゃった維持管理あるいは研究の成果の取りまとめの範囲に入りますか。
#110
○佐藤説明員 これは先ほど来原子力局長の方からお話がございましたように、まだ全体の計画なり数字、計数が決まってない段階でございますので、個々の問題について科学技術庁の方からの御検討を受けて、私どもの方で検討してまいることになっております。
#111
○瀬崎委員 これは大蔵省としても困る問題だろうと思うのです。順序が逆なんですね。やはり「むつ」を抱えている事業主体の事業団の運命がどうなるか、これが前提にあって、それから「むつ」の修理や点検はどうするか、こういう順序に進まなければならない。でないと、もしも延長が認められなくて――大蔵省はどっちとも言われない。ということは、大きな改修予算がつけられない場合もあると、これは中途半端になっちゃう。また、ここに大きなむだも起こるし新たな難題を抱えることになる。こういう点では、現在の政府のやっている、とにもかくにも「むつ」を佐世保に入れよう、とにもかくにも「むつ」を修理しようということのまず前提条件を整えるべきだと思うのです。
 こういう点で、最後に大臣の見解をお聞きして、終わりたいと思います。
#112
○宇野国務大臣 「むつ」に関しましてはいろいろ経緯がございますが、先ほどから民間でこれを引き取る人はいないだろうというふうなお話もございまして、事実聞かれた話ですから、そういうふうな話をされた方もおると思いますが、何と申しましても今日ただいまでは「むつ」の入ること自体において大変苦労しておるわけです。国民の中には唯一の被爆国ということから、核アレルギーがある。そうしたことも大きな原因だろうと思いますから、私は、まず国民の方々の核に対する認識をより一層深めていただいて、平和利用に徹しようとする政府の姿勢も評価していただきたい、これをまず私は第一番として推進していかなければならない。そうしたことがあれば、六十日以前に入港届を出せば、必ず日本津々浦々どこの港でも原子力船が入り得るという体制をこの十年間は整えていかなければならない。そうしたことによってやっていかなければならないわけでありますが、いま残念ながらその体制ができておりませんから、民間におきましてもこの原子力船「むつ」を引き受ける、そういうことは大変だとおっしゃる方があるいはいらっしゃるかもしれません。しかし、それであってはわが国の将来が案ぜられますので、われわれといたしましてはやはり原子力開発に対しては慎重な態度をとりつつも、何といたしましても安全を先駆けまして、そして国民の御理解を得たい、こう思っておるわけでございます。
 したがいまして、原子力船開発事業団はそういう使命で誕生いたした事業団でございます。考えようによりましては、何も期限を定めずにやっておった方がよかったのではないか、そういう意見もなきにしもあらずでございますが、そこは政府は非常に正直でございますから、前回も四年間の提案をした。そしてその間に思いがけざるああいうふうな事故が起こったわけでございます。しかし、先ほどから私も御答弁申し上げておりますとおりに、「むつ」の成果というものは今後の日本の原子力開発そのものの大きな成果につながっておりますので、何といたしましてもやはり国民の御理解を仰ぎたい。その前には、これからのエネルギー問題等々を議論する上におきましては、たとえば瀬崎さんの属される政党が天下をおとりになられましてもエネルギー問題だけは変わらない。これだけはやはり将来民族の共通の問題として考えていかなければなりませんので、私は本当にこの原子力開発につきましては政党が同じ土俵の上で話ができるような体制を持ちたい、こう思うわけでございます。そうしたところに今回もこの原子力船事業団の十一年間の生命を与えていただきたい。その生命のもとにしっかりした原子力開発の第一船を物のみごとに国民の御期待にこたえるべくりっぱな成果を上げよう、こういう趣旨で出しておるわけでございますので、格段の御理解のほどをお願い申し上げます。
#113
○瀬崎委員 私は、同じ滋賀県を選挙区にしておって、長官と余り目くじらを立てたいとは思いませんが、しかし、いまのお言葉が出ましたので申し上げるのですが、それならそれで順序を踏んでいただきたい。だから余り話を一般化しないでお答えいただきたいのですが、何といったってこの国会に原子力船事業団法の延長問題がかかっているわけであります。これがどうなるかはいやでもおうでも「むつ」の今後に響かざるを得ない問題だから、この国会審議をまず尊重して「むつ」の修理問題は考えられるべきではないか、これが一つ、この点のお答えをいただきたい。
 それから第二点。それは先ほど言いましたように、近い現在だけではなく、遠い将来にわたって、電力会社と海運界、造船界との違いは非常に明確なんです。陸上炉の場合はユーザー、電力会社がいいか悪いかは別にしてみずから主導してやっていくんですね。船の場合は全然違うのです。だから政府が本腰を入れて、政府みずからが第二船、第三船をつくられるような体制にでもない限りはだめだということを私は感じているわけです。だとすれば、せいぜい全部集めて百人くらいの事業団で、技術スタッフは二十人ほどで、これが二、三年で入れかわりたちかわり交代されていく。ドイツのGKSSだって大体国が主体の機関で、みずから研究施設、研究装置を持っているわけでしょう。最低あれくらいのことはなければ、事業団が責任を持つ責任を持つと専務理事はおっしゃいますけれども、持つ体制がないのです。だからもう事業団方式をやめて、国が長期の将来にわたって、基礎研究から実用化の段階まで責任を持って応じていけるような地についた研究体制をこの際考えられるべきではないか、その上に立って「むつ」を考えられたらどうか、この二点についてお答えをいただいて終わります。
#114
○宇野国務大臣 事業団法に関しましてはいまおっしゃったとおりで、この国会に私も提案をいたしまして、そしてこの国会でひとつぜひとも成立を期したい、これをひたすらお願い申し上げておるわけでございます。これがございませんと、今後の「むつ」の改修、修繕にも重大な影響がございますから、これはいまさら申し上げるまでもないところでございます。そうした意味合いにおきましても、一般論として原子力開発に関する国民の方々の御理解を仰ぎたい。その前提として、各政党の方々の同じ土俵の上での原子力開発に対する御理解も仰ぎたい、こういうふうに考えておるわけでございますので、今後ともよろしく一日も速やかに御審議に入っていただきたい、かように存ずる次第でございます。
 なお、今後の開発等々に関しましては、確かにいまいろいろと御指摘がありましたが、しかし、せっかくある事業団でございますから、その事業団の改正法案を出しました以上は、よりその内容に関しましても、御指摘等々の点については私みずからが今後は御期待にこたえるように努力してまいりたいと考えます。そしてこの事業団にりっぱな生命を与え、そしてその成果を得たい、かように存じております。どうかよろしくお願いいたします。
#115
○山野政府委員 先ほどの舶用炉の概念設計についての御質問にお答え申し上げておきます。
 四十六年−四十八年に行いましたこの概念設計に続きます第二次の概念設計研究につきましては、昭和五十二年度以降の原子力平和利用研究委託費でこれを行うことにいたしております。
#116
○山田委員長 これにて瀬崎博義君の質疑は終了いたしました。
 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後零時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十七分開議
#117
○山田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策について、質疑の申し出がありますので、これを許します。中馬弘毅君。
#118
○中馬(弘)委員 先般の科学技術庁長官の所信表明に対しまして、まず基本的な点について質問さしていただきます。
 科学技術に関する諸政策は、長期的視野に立ち、かつ明確なビジョンを持ってこれに当たらなければならないと思量いたしますが、わが国の科学技術政策の基本を規定する科学技術基本法が第五十八回国会に提出されましてその後、審議未了のまま第六十回国会で廃案になっております。科学技術基本法もなきままに科学技術政策並びに行政というものがなされているために、原子力の問題、海洋開発の問題、宇宙開発の問題その他もろもろの問題において、国策上何を目的としてなされているのか、どこに重点が置かれているのか、いつをめどとされているのか、こういったいろいろな面におきまして不明確な点が多く、そのために誤解を含めて多くの混乱を起こしているのではないか、かように思うわけでございます。
 すなわち、行政面では総花的な予算になってしまったり、あるいはむだな組織ができたり、また産業界においても自主的な計画立案が行いがたく、基礎的な研究に消極的にならざるを得ないといった事態になっている、かように思います。
 科学技術振興対策についての長期的かつ基本的なビジョンを具体的に国民に提示するという点について、長官の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#119
○宇野国務大臣 科学技術基本法に関しましては、いま御指摘のとおりの経緯がございました。御承知のとおり科学技術庁設置法の中では、科学技術の総合的な行政を推進するのが科学技術庁でございます。しかしながら、特に人文科学に関しましてはこの限りにあらず、また大学の研究当然であります。したがいまして、基本法が国会でいろいろ議論されましたときにも、実はそうしたことが一番大きな話題となりまして、そして意見の一致を見るに至らなかったという問題もございます。
 そうしたようなことでございますから、今日ただいま、われわれといたしましては非常にむずかしい問題でございますので、この問題はまだ、直接どうするかということは決めておりません。しかしながらおっしゃるとおりに確かに科学技術は将来あらゆる分野においてわれわれ民族の死活問題につながる重要な政策でございますから、われわれといたしましても、毎年この問題に関しましては鋭意努力はいたしております。
 御承知のとおり、科学技術会議というものもございまして、ここでおおむね何年度はどういうふうな方策をするかといろいろと検討をし、またその答申を仰いでおるということでございますが、現在の科技庁、私自身といたしましては次のような観点から今後科学技術の振興を図っていかなければならないと思うのであります。
 約五つばかりでございますが、第一番目は、何といたしましてもわが国は資源小国でございますから、そうした制約を克服する科学技術の推進、こういうことでございます。特にエネルギー政策はこの中で一番大切な問題でございましょう。さらに、長期的展望に立つのならば、核融合という二十一世紀の夢もあるわけでございまして、こうした問題に関しましても、本年度、ただいま御審議願っております予算の中におきましても大体頭を並べて、将来の国民生活に備えたいと思っております。
 二番目は、やはり安全ということが大切でございますから、したがいまして、環境の安全、これに関する科学技術の振興、これを忘れてはならないと存じます。
 三番目は、われわれ国民の健康であります。これに関するところの科学技術というものも私たちは大いに振興すべきであると考えております。
 その次に考えられますのは、国際的に、わが国は常に資源を輸入いたしまして、それに付加価値をつけまして、そしてそれを世界の信用を得て世界のマーケットでいろいろとさばいてきた国でございますから、今後もさような面におけるところの科学技術の振興をいたさなければなりません。国際競争力を強める、こういうふうに申しますと、またまた諸外国からいろいろな目で見られるかもしれませんが、言うならば、諸外国にもさような意味で貢献し得る立場の科学技術の振興、そうしたことも忘れてはならないと存ずるのでございます。
 その次には、特に先導的な科学技術の振興ということを考えていかなくちゃなりません。先般「きく二号」が成功いたしまして、そして世界で第三番目の静止衛星を上げる国家となったことはまことに喜ばしいと存ずるのであります。こうしたことはすべて先導的な技術でございましょうが、将来国民の通信、放送、気象に関しまして重要な貢献をしてくれる、かように存じておりますので、いま申し述べましたようなことを一つの考え方といたしまして、それぞれ強弱はございますが、本年度の予算編成にも臨んだわけでございます。
 特に、一番に申し上げました資源的な制約を克服する科学技術、これはどういたしましても今日ただいまの問題でございますから、全般的な予算の伸びよりもはるかに大きな一八・八%というふうな伸び率を得てこれに専念しておるということでございまして、科学技術と一口に申し上げましても、決して総花的ではなくて、いろいろと私たちもターゲットを決めまして、そのターゲットに近づくべく最大の努力をしておる、これが私の所信として過般申し述べたところでございます。
#120
○中馬(弘)委員 理念的には非常にすばらしいことを目標とされておりますけれども、もう少し具体的に、国の指針となるような長期ビジョンをはっきり出される御意図はおありになるかどうか。
#121
○宇野国務大臣 六号諮問というのがございまして、そこには「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」ということが一つの課題になっております。それに対しましては、エネルギー、食糧等の資源問題はいま申したところであります。さらに、環境安全及び経済成長の問題、そうした面に関しまして新たな科学技術政策をわれわれといたしましても早急に打ち立てたい、かように存じているところであります。
#122
○中馬(弘)委員 そういった面に少し触れながらお伺いしたいと思うのでございますが、科学技術の活動におきまして、わが国の場合、先進諸国に比べまして現在までのところ研究費支出における政府の負担割合が少なく、民間の負担割合が高くなっております。数字で申しますと、日本が二六、七%に対しましてアメリカが五四%ぐらい、イギリス、ドイツ、フランスが四五%ぐらい、またイタリアは三八%と、いずれも政府支出が多くなっておるわけでございますが、この点に関しまして今後とも研究開発は民間依存型でいくのか、それとも欧米先進国のように政府の負担割合を高めていくのか、その御方針をお尋ねしたいと思います。
#123
○宇野国務大臣 科学技術会議といたしましては、これは総理大臣が議長でございまして、私もそのメンバーの一人でございますが、いま中馬さんが御指摘なさったような点を非常に重視いたしまして、今後はひとつ国民所得の二・五%、そこら辺を目指した研究技術というものをやはり打ち出すべきであろう、こういうふうに考えております。現在といたしましては、まだそこにちょっと及ばないというところでございますが、今後は御指摘の面におきまして努力をしなければならない、かように存じております。
#124
○中馬(弘)委員 これも具体的にもろもろの面において、たとえば民間企業に大きく依存するというんじゃなくて、政府がかなり具体的に一つのプロジェクトあたりも推し進めていくということに解釈してよろしゅうございますか。
#125
○宇野国務大臣 民間もやはりそれぞれ努力をしておりますから、この二五対七五というふうな大ざっぱな比率を縮めていくということはあるいはむずかしいことであるかもしれません。しかしながら、今後のプロジェクトに関しましては、政府が確固たる信念を持ってどんどんと開発をしていかなければならない面がたくさんございますから、したがいまして、政府がその気でやるならば、やがては二五対七五というふうな比率もおのずから格差が縮まっていくであろう、それを心がけてやっていかなくちゃならない、かように存じています。
#126
○中馬(弘)委員 民間に依存してばかりいては、民族の非常に長期的なことまでも含めた、現時点においては採算にならないことまでも大きくやっていかなければならないいまの時代におきまして、将来が非常に危惧されるわけなんで、そういうものについては明確にひとつ国の方のプロジェクトとして最大限の力を出していただきたい、かように思っている次第でございます。
 その点の一つとしまして、エネルギー政策、これの長期のビジョンでございますが、五十年十二月エネルギー開発会議に出されました基本方向、これは六十年までしかございません。これもあと八年のことでございます。もっと長期的なエネルギーの需給――石油はどうなんだ、あるいは原子力はどうなんだ、核融合はどう考えているんだとか、こういったたとえば二十一世紀あたりを考えたところのビジョンというのはどうなっているのか、このあたりをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#127
○宇野国務大臣 一番長期のビジョンを申し上げますと、やはり核融合だと存じます。しかし、これはもう各国とも言うのでございますが、二十一世紀を迎えてなおかつ三十年ぐらいは必要ではないだろうかということでございます。しかし、わが国といたしましては、現在プラズマの核融合、臨界プラズマの実験をするという予算も本年度提出をいたしておるわけでありまして、鋭意いま研究が進められております。過般予算委員会で申し述べたのでございますが、現在の研究はあるいは日本は世界で一番とっぱなを走っているかもしれないと言われるほどの面もあるわけでございますので、こうしたことがたとえ二十一世紀の夢でございましても、決して遠いところだと思わずに鋭意努力をしていきたい、かように存じております。
 しかし、これだけではとうていいま御指摘にたりました昭和六十年、一九八五年のエネルギーには間に合いません。したがいまして、ではそれをどうするかという問題でございますが、勢い、わが国にはウランもございません。また石油もございません。したがいまして、将来は肝心かなめのその資源を最高度に利用するようなエネルギーとして、やはり原子力は一番必要だが、同じ原子炉にいたしましても、ウランを効率的に利用する方法は何かということが、御承知賜っておると思いますが、高速増殖炉でございます。この高速増殖炉の燃料はプルトニウムでございます。このプルトニウムは再処理によって得られるものでございます。したがいまして、現在は再処理工場がこの夏にはホットランというふうな段階を迎えますし、さらに高速増殖炉はまだ実験炉でございますが、この四月の中ごろに臨界に達します。その高速増殖炉までにつなぎとしてやはり新型転換炉が必要でございますので、新型転換炉は原型炉でございますが、現在これは明年度に臨界に達するというところまで原子力の開発は力強く進んでいる、こう申し上げて過言でないと存ずる次第でございます。
 さらに、天然ウランを濃縮するという技術もやはりみずから開発をしておかなくてはなりません。したがいまして、濃縮技術に関しましても、今年度はパイロットプラントを予算上計上いたしまして御審議を願っておるところでございます。
 これらがいわゆる核燃料サイクルでありまして、この重要な原子力に関しまして、石油と同じように海外へ依存ばかりで日本は済むものではございませんから、あらゆる困難を克服しながらみずからの技術を開発したい。そして開発された原子力はもう国産だというところまで持っていきたいということで、現在鋭意その開発を進めておるところでございます。
 ただ、そのためにはやはり国民の御理解が必要でございますが、なかなかパブリックアクセプタンスというものが得られない現状でございますので、立地条件が芳しくなく、今日原発の建設も大幅におくれているということははなはだ残念でございますが、そのためにまず国民の方々に原子力に対するアレルギーを取り除いていただきたい。そのためには、行政面においても実際面においても、安全ということを大きな旗印として国民的な合意を仰がなければならない、こういうことで、いま申し上げました各プロジェクトの開発と並行いたしまして、この国会には原子力の基本法という一番大きな問題の改正案を提出させていただきまして、そこで安全に関する幾つかの問題を御審議願いたい、こういうふうな体制でございます。
#128
○中馬(弘)委員 これは通産省の分野になるかもしれませんが、地熱発電だとかあるいは太陽熱、そういったものの今後につきまして、これはやはり日本のエネルギー需要の中でその供給というのは非常に微々たるものなのか、ある程度の期待をしているのか、その点についての御見解をお願いいたします。
#129
○宇野国務大臣 サンシャイン計画は今日通産省の大きなプロジェクトとなっておりまして、その中におきましても石炭のガス化並びに液化、これは非常に研究が進められております。各国ともに現在研究中でございますが、おおむねこれは一九九〇年代の問題であろう、こういうふうにされておるわけでございます。太陽熱に関しましてもいろいろと今日研究が進められておりますが、非常にむずかしい問題もございます。
 日本には年間に石油換算すると四百五十億キロリットルに相当する太陽熱のエネルギーが放射されている、こういうふうなこともございますから、十二分に今後は考えまして、五千万キロワットの発電所ができるのだという説もあるわけでございますから、これができればしめたものでございますから、そうした点も鋭意検討を進めなければならぬだろうと存じます。地熱に関しましては、現在五万キロワットくらいの地熱が二カ所ばかりございます。そこで発電がなされております。したがいまして、本来ならば温泉地あたりにおきましてそうしたことが推進されるといいのでございましょうけれども、しかし、温泉地は観光地でございますから、環境がどうであろうかとか、あるいは温泉を主として業となしておられる方々から見れば、これもやはり限られた資源だが、そんなところに資源を使ってしまったら枯渇するのではないか、いろいろと国会内外においてもこの問題は議論を呼んだことがあるわけであります。
 しかしながら、そうしたことも踏まえながらやはりサンシャイン計画というものは進めてもらいたいと思いまして、特に科学技術庁といたしましては、御承知のとおりにそうした調整費、これは特別調整費というものを持っておりますから、いろいろな調整をして、そして重点事項にはその調整費を配分するとか、あるいは予算編成のときにはお互いにこの見積もりが間違うということがあっては困りますから、その見積もりをそれぞれ指導して、そして実行性、整合性を伴うものをどんどん推進するとか、そういうふうなこともやっておりますが、今後ともそうした面におきましては、エネルギー全般として常に通産省あるいはエネルギー庁と十分な連絡を保って今日もやっておりますので、その点では御安心願っていいのではないかと思います。ただ、残念ながら今日ただいまそれが巨大なエネルギーとして私たちの生活なり産業を支えてくれるかと申しますと、もう少しく日時がかかるのではないかということでございます。
#130
○中馬(弘)委員 こういったものに対するエネルギー開発にしましても、たとえば二〇〇〇年におきましては、これがわが国のエネルギーの一〇%を賄うのだとか、あるいは二%にしか過ぎないのだとか、その辺のめどがはっきりしていないためにもろもろの混乱が起こるということを私は先ほども申し上げているわけで、その辺について何らかの合意というものがあるのかないのか、これはやはりそれに取り組む研究者の意欲も違ってくると思いますので、そのあたりの御見解をお伺いしているわけでございます。
#131
○宇野国務大臣 いまのところ政府といたしましては、長期というのは大体何年くらいを指すのかということに相なりますが、いまのところ一応十年ということを目途にいたしております。そしてつくりましたのが二年前の昭和五十年の十二月につくりましたエネルギーの長期需給計画でございますが、これがほとんど整合性を欠く、また実行性を伴わない数字でございますから、私もこの点を指摘いたしまして、先般新しく組織いたしました閣僚会議においてこの問題を取り上げまして、そしてもう一度国民の生活に間に合う、本当にそれを支え得るだけの目標を定めなくてはならぬということで、いまその見直しをやっておるところでございます。しかし、それでは八年先のことだということでございますから、さらに昭和六十五年という分をも含めてやろうではないかということになっております。そうしたことは産業、経済、社会に及ぼす影響が大きゅうございますので、だから二十一世紀になれば太陽熱が何%、何が何%、地熱が何%あるいは石炭の液化あるいはガス化が何%というところまでは、まだまだ数値を置くというところまでまいっておりません。
 とにかく長期と申し上げましてもここ十年、それをどうするか、それに全力を上げようではないか、こういうことでございますが、確かに仰せのとおりのもう一つ長いプランをつくることも決して無理なことではない、むしろ必要なことであろうと私個人としては考えておりますが、ではそういうふうな数字が上げられるだろうかといいますと、やはりいましばらくいろいろな面からの検討をしなければならないのではないか、こういうふうに考えております。
#132
○中馬(弘)委員 一つの政治のあり方から考えましても、たとえば何年先には月に行くのだとか、こういった夢というものを国民に与えることによって、国民が一丸となってその方向に向かうのであって、ただ、いま先のことはわからないからわかる範囲の数字しか出せないのだというのでなく、夢がなくては国というものはなかなか引っ張っていけないのではないかと少しおこがましくは思うわけでございます。そういうことの希望も含めて申し上げさせていただきます。
 それをもう少し具体的に申し上げますが、原子力に対する基本的方針としまして、六十年度四千九百万キロワット、これは実現不可能ということではございましょうが、この割合が九・六%ということになっております。これをまだまだ高めていくのか、九・六%、一〇%内外のところで原子力の役割りというものを考えているのか。アメリカあたりでも、この間少し長期のことを聞いてまいりましたが、一三%くらいのところしか見ていないようでございます。これは二〇〇〇年の時点でございますが、日本として原子力をどの程度のものとして期待しているのか、その辺のお考えはいかがですか。
#133
○山野政府委員 各国のエネルギー計画の中におきます原子力発電の規模でございますけれども、ざっと拝見しますと、たとえば米国等は一九八五年において一二・一%、西ドイツは一四・六%、フランスは二五%といったところを目指しておるわけでございまして、いずれも先生御指摘のわが国の九・六%よりもかなり大きいところを目標にしておるわけでございますので、私どもは、でき得べくんば原子力発電のシェアというものをもっともっと大きくしたいという強い願いを持っておるのでございます。ただ、不幸にいたしまして、現在各種の事情によりまして立地難でなかなか計画どおり進んでおりませんけれども、これら所要の施策を講じまして、今後ともできるだけこの原子力発電のシェアというものは拡大していく方向で考えてまいりたいと思っております。
#134
○中馬(弘)委員 現行の原子力の軽水炉を主体とする方式、これには非常に問題があるということは、いままでのいろんな御質問なりなんなりを通じて議論されているところでございますが、いろんな学者あたりの意見もかなりそのことが強いようでございます。このことに関しまして、現行方式における原子力の利用というものが、これは、石油の代替エネルギーになり得るものか、あるいは次の核融合とかそういったものまでの一部補完としての役割りなのか、あるいはつなぎといいますか、そういったものなのか、この辺のところの御認識はどうなんでございましょうか。
#135
○山野政府委員 先ほど大臣からも答弁申し上げましたけれども、現在、私どもの考えておりますこの原子力発電の将来体系というものは、当面は、すでに実証炉として使われておりますこの軽水型の原子力発電によりまして進める。これは大体今世紀いっぱいぐらいはこの軽水炉型の発電というものが主流を占めるというふうに考えております。これに続きまして、新型転換炉あるいは高速増殖炉といったふうなものを一九八五年から九五年の間に実用化いたしまして、軽水炉につなげるという路線を考えておるわけでございまして、そういう意味におきまして、その軽水炉発電というものは、あるいは過渡的なものかもしれないと思うのでございますけれども、しかし、いずれにせよ、今世紀いっぱいは引き続き原子力発電の主流を占めるものであるという位置づけには変わりはないと考えております。
#136
○中馬(弘)委員 ということは、いまいみじくもおっしゃったように、せいぜい二、三十年のものだ、このように認識していいわけですか。
#137
○山野政府委員 この軽水炉時代に引き続きまして、今世紀末から新型転換炉が炉型の中に組み入れられる時代になるわけでございまして、その時代になれば、直ちに軽水炉は全部消滅しまして、新型炉だけになるかと申しますとそうではないのでございまして、来世紀に入りましても、引き続き新型炉の割合は次第にふえていくと思われますけれども、新型炉と軽水炉とが混在する期間というのが若干期間あると思います。それ以降、新型炉が中心になりまして、その先の核融合炉に続いていくといったふうな形ではないかと私ども考えております。
#138
○中馬(弘)委員 いまかなり過渡的なものだということも含めての回答がございましたけれども、安全性の面で見ましても、各国でいろんなトラブルを起こしております。それから、廃棄物の処理の方式、こういったこともまだ十分な結論が出ていないかと思います。核燃料の資源にいたしましても、これはわが国にはほとんど産しないことは御存じのとおりでございます。海外で探鉱を若干始めておるようでございますが、その点についてちょっとお知らせいただけますか。
#139
○山野政府委員 天然ウランの確保につきましては、現在約十四万トンばかりのものを確保いたしておるわけでございまして、大体昭和六十年代の当初までのものは、必要量は確保済みでございますけれども、何分にもこういった天然ウランというものは、探鉱から始めまして入手までに相当長いリードタイム、大体十年程度のリードタイムを要するものでございますので、この現在の確保量に加えまして、引き続き長い将来の必要量を確保しますために、できるだけ開発輸入方式というものの比重を高めるべく努力していきたいと考えております。
 この線に沿いまして、政府関係機関では、動力炉・核燃料開発事業団におきまして、本年度は約十二億円の予算をもって、また来年度政府予算原案におきましては、約二十四億円を計上いたしておりますけれども、これらの予算をもって、カナダ、オーストラリア、アフリカ等諸地域におきまして、必要な探鉱活動をする予定にいたしております。
 それからまた、民間におきましても関係の会社が約九社であったかと存じますが、ございまして、これも諸外国と共同で各種の探鉱活動というものを進めております。
#140
○中馬(弘)委員 諸外国の鉱山、こういったところはほとんどメジャーあるいは非鉄大手に押さえられていると聞くのですが、その点はどうなんですか。
#141
○武田政府委員 先生御指摘のようにメジャー等相当な探鉱努力を前からいたしておりまして、先ほど科技庁から御答弁がありましたように、日本もこのところ大いにその力を入れ、予算をふやしておりますけれども、御指摘のような事実があろうかと思います。
 しかし、現在時点での私ども日本の力で探鉱努力をすべき適質な場所というのは、動燃事業団その他の努力で次第に開拓されつつはございます。したがって、そういう探鉱開発すべき場所を探し、それからそこに必要な資金を投入するという努力を今後ともさらに拡大していくべき性質のものかと思っております。
#142
○中馬(弘)委員 いろいろそういう資源確保という面から見ましても、これは石油とかなり似通った状況になってきておると思うのでございます。外国との協定による輸入の確保といったような問題につきましても、必ずしも安定はしないでございましょうし、それから資源外交の道具に使われることは、この間のカナダのウラン禁輸問題についてもすでに出始めております。こういったようなことで、特にいまの外国に依存し、そうして濃縮についても米国に頼らざるを得ないといったこの原子力というものに対してもう一度少し考えてみる時期じゃないか。わが国の次の時代のエネルギーの基本と本当になるのかどうか、もしそういうものがあるならば、いまから別の観点から取り組んでいく必要があるのじゃないか、かように思う次第でございます。この点についての御見解を少しお願いいたします。
#143
○武田政府委員 原子力の将来につきましては、先ほど原子力局長、それから大臣からビジョンのお話ございましたけれども、私ども通産省といたしましても、石油にかわるべきエネルギーで最も有望なものは原子力と考えているわけでございます。
 ただ、原子力にもある意味の限界がございまして、一つは、御指摘のようにウランその他外国から入手しなければいけない、その努力は自発的に大いにやらなければいけないわけでございますが、同時に、別途現在のタイプの原子炉では電気としての利用しかできません。電気はエネルギーの三分の一程度でございます。もっとも現在いろいろ研究を進められております高温ガス炉その他が出てまいりますと、もう少し利用範囲が広くなろうかとも思います。したがいまして、現在の技術で考えますと、あるいは現在の軽水炉で考えますと、石油にかわるエネルギーは原子力のみであるというふうに考えることはできないわけでございます。
 したがいまして、たとえば同じ輸入でございましても、石油のほか石炭の輸入を考える、あるいはLNGの輸入を考える。また、国内の資源でございますけれども、現在ある水力をもっと開発する。また、先ほどお話の出ました地熱につきましても、現に動いておる発電所もございますが、そういうものも大いにやっていく。そのほか先ほど大臣からエネルギー関係の研究についてお話ございましたけれども、たとえば太陽熱その他、そういったものも一生懸命やっていくというふうに多面的、多角的な努力を積み重ねていく。しかし、仮にそういう原子力以外のもの全部を大いにやったといたしましても、原子力なしで石油にかわるというふうなことができるかというようなお話であれば、それはなかなかむずかしいことでございまして、やっぱり一番有力なものは将来ともその中心に据えられていくべき性質のものかと思います。
 この辺につきましては、閣僚会議のレベルで高所の御判断を議論していただくことになっておりますし、それからまた事務レベル、それから学識経験者レベルでは私どもの方に総合エネルギー調査会のいろいろな部会がございまして、そういうところで長い先のこともいろいろ検討してもらうというような体制でございます。
#144
○中馬(弘)委員 原子力を今後開発していかなければならないという点に関しましては、私の認識が違うわけでも何でもないわけでございますが、先ほど申されましたように、幅広い観点に立って、あるいはもう少し長期的な観点に立ってのもろもろの政策が必要じゃないかという点で御質問したような次第でございます。
 次に、原子力船の「むつ」の問題。これもいまの問題とひっかかってくるわけでございますが、一つ始めたものに対していつまでもこだわっているのがいいのかどうか。場合によっては発想の転換をしなければならないのじゃないか。また、一つの「むつ」なら「むつ」という問題に対していろいろなものが混在してはいないか、この点のことでちょっとお伺いしたいのでございますが、まず、「むつ」に対する、関連投資を含めたいままでの支出総額をちょっとお知らせいただきたいと思います。
#145
○山野政府委員 ごく大ざっぱに申し上げまして、昭和五十年までの統計で百七十億円になっております。
#146
○中馬(弘)委員 成果としまして、技術的な成果あるいは経済的な成果、もろもろあるでしょうが、いまの時点でどのように御判断なさっておりますか。
#147
○山野政府委員 「むつ」のこれまでの成果につきましては、「むつ」放射線漏れ問題調査委員会という場、いわゆる大山委員会の場におきましていろいろ評価をしていただいたのでございますが、結論を申し上げれば、技術的に見ればある程度の開発段階に達しており、今後所要の改修を加えることによりまして、所期の開発目標を達成し得るという評価をちょうだいいたしております。
#148
○中馬(弘)委員 現行の「むつ」のあの方式を今後とも続けていけるものか、何といいますか、将来ともあの方式でもって実用化され得るものかどうか。これは十年前に始めたことでございますので、その点についてお伺いします。
#149
○山野政府委員 いまの先生の御質問、いろいろな角度からお答え申し上げる必要があろうかと存じますが、まず「むつ」の技術的な評価というものはいま申し上げましたとおりでございますが、体制面で従来のとおりでよろしいかどうかという点につきましては、原子力委員会の中に設けました原子力船懇談会におきまして、今後の開発体制についても御検討願ったわけでございます。その結論といたしておりますところは、基礎研究、舶用炉の研究並びに実験船の建造、運航といったようなことを今後総合的に進めていくわけでございますが、それらを担当する機関としましては、現在の日本原子力船開発事業団、これに加えまして、主として基礎研究部門を担当いたします日本原子力研究所、それから舶用炉の研究を担当いたします運輸省の船舶技術研究所、こういったふうな政府関係機関の協力に加えまして、民間も積極的な協力体制をとる、そういう体制が一番望ましいのではないかというふうな結論をいただいております。
 したがいまして、その結論に従って、今後とも原子力船事業団を中心にしまして、実験船の建造並びに運航といったような経験を積んでいく必要があろうかと考えております。
#150
○中馬(弘)委員 「むつ」の開発といいますか、原子力船の開発を始めたときは、これは海運造船国日本としての次の船舶エンジン、商船のエンジンだ、かように解釈しておりますが、特殊船とか軍艦だけに限ったものなのか、そのところはどうなんですか。
#151
○山野政府委員 私どもがただいま原子力船の開発を進めておりますのは、将来これを軍事目的に利用しようという意図は全くございませんで、もっぱら商船として将来これを活用するために必要な技術開発を行っておるものでございます。
#152
○中馬(弘)委員 商船としての採算コストに乗るような形で開発が可能とお考えでございますか、現時点におきまして。
#153
○山野政府委員 ただいま開発いたしております「むつ」自体は昭和三十八年度から設計を開始しましたようなものでございまして、率直に申し上げまして、炉型その他かなり旧式なものもございますので、かつまた、実験船でもございますので、この船が、開発が進みました暁において直ちに商船として活用できるとは考えておりません。やはりこれは必要な技術を蓄積するための実験船でございまして、これによって培われました技術を使いまして、実用に供し得る第二船以降を建造していくというふうになろうかと存じます。第二船を建造していくような段階になりましたときには、世界的に見ましてコンテナ船の高速化とかタンカーの大型化といったような一般的な傾向があるわけでございまして、こういったふうな方向に船が向かいますれば、それらについては高出力の推進機関が必要になる、高出力の推進機関としては原子力はきわめて有望であるといったふうな評価は世界的にあるわけでございますし、事実、一昨年のニューヨークにおきます原子力船に関する国際会議におきましても、大体一九八〇年代後半には原子力商船時代が来るであろうといったような評価もあるわけでございますので、そういう時点になりますれば、いま申し上げましたような船種につきましては、経済的に十分採算のとれる商船になり得るというふうに私どもは考えております。
#154
○中馬(弘)委員 これは全く私見でございますが、いまのような形での原子力船が七つの海に走り回るといったようなことをどうも想像できないわけでございまして、あるいは爆発とか座礁、そういった事故のときの海洋汚染の問題、またいろいろな乗員の安全性の問題、こういったことに対していまの方式を続けることがいいのかどうか、ここに私は非常に疑問を持っておるわけでございます。もし第二船がすばらしい一つのアイデアを含めた、新しい方式を含めたものであるとするならば、その第二船の方を早く着工することの方がむしろ大事じゃないか、かように思うのでございますけれども、その点の御見解をお願いいたします。
#155
○山野政府委員 ただいま開発いたしております「むつ」と申しますのは、まさに先生御指摘のように、第二船以降をつくりますために必要な技術の勉強をしておる段階でございまして、単なる技術導入等によりまして直接実用船をつくるといったような道ももちろんあり得ることではございますが、私どもとしましては、従来造船国、海運国でもあるわが国でございますので、できるだけ自主開発部分を大きくいたしまして、自主技術によって将来の原子力実用船をつくっていきたいという強い希望を持っておりますので、そういう趣旨におきまして引き続き「むつ」の開発は必要かと存じております。
#156
○中馬(弘)委員 これはもちろん原子力の開発という面におきましては必要なことかもしれませんが、また別の観点からしますならば、商船、物を運ぶという観点に立つならば、別に原子力船でなくてもいいかもしれない。これは原子力船を否定するものではないのですよ。物を運ぶということを考えるときに、原子力船でなければならないのかどうか。もう少し何かバージのようなものをつないで引っ張ってくるということの方が効率がいいのかもしれませんし、こういったようなことも現場の造船技術者あたりではかなり検討もしておるようでございます。そこで、余りにも商船としての原子力船にこだわることがいいのかどうか。大方の学者あたりにしましても、どうも採算ベースに乗るような形で商船としての原子力船というのは少なくともいまの形では開発困難だ、あり得ないということすらはっきり申す方もおられます現状におきまして、この点をどうお考えになりますか。
#157
○山野政府委員 私どもの主張いたしておりますのは、将来商船はすべて原子力推進化されるということを主張申し上げておるわけではございませんで、先ほども例示で申し上げましたように、コンテナ船と申しますのはかなり高速で運航することによって経済性が確保し得ると言われておるものでございますが、そういう原子力推進が有利な船種につきましては、かなり早い時点において実用化が図り得るであろうということを申し上げておる次第でございます。
 したがいまして、商船、貨物船というものは、もちろんその目的によりまして、在来型の推進機関で有利であるというものもございましょうし、また原子力推進を利用することによってより経済性を高め得るという船種もあろうかと存じますので、その辺はその目的に応じて使い分けていくことになろうかと存じます。
#158
○中馬(弘)委員 そういう観点からするならば、原子力部分だけを陸上に外して、そこで研究を続けるとか、これは私、全く素人的な発言をいたしますけれども、そういうことで物を運ぶという商船としての機能をいかに高めるか、あるいは次のものを考えるかといったことと原子力の開発ということをここで分離する必要があるのではないかという気がするのです。その点についての御見解をお願いします。
#159
○山野政府委員 先生の御指摘なさいましておるのは、舶用炉の開発をするにつきまして、一度陸上で十分実験を尽くしてその上で船の開発をしたらどうかという御趣旨かと存じまして、そういうことでお答え申し上げます。
 もちろん御指摘のように、陸上におきまして実験炉、原型炉を経まして、実証炉、実用炉といったような開発段階を踏むといったケースも当然あり得るわけでございまして、新型転換炉あるいは高速増殖炉といった新しい炉型につきましてはそのような開発手順を踏んでおるわけでございます。ただいま「むつ」に搭載いたしておりますものは軽水加圧水型の原子炉でございまして、これらは陸上におきましてかなりの建造実績を持っているものでございまして、必ずしも陸上において原型炉等の過程を踏まなければ建造できないというたぐいのものでもないという判断で、私どもは直接船に積みます実用炉から従来の経験を生かして建造に着手したということでございまして、先生のおっしゃいますような方向での開発路線というものを全く否定するものではございませんが、私どもは、従来はそういう路線ではなくて、従来の陸上炉の経験を生かして直接舶用の実用炉をつくるという路線を選んだということでございます。
#160
○中馬(弘)委員 もろもろの問題がございまして、これは法案の審議ではございませんので、きょうは基本的なことだけに触れておきますが、今後十年間ああいった形で続けるのがいいのかどうかの理非の問題も含めまして、これはひとつ科学技術庁長官の一つの御決意になるかと思うのです。いまの時期におきまして、たとえば十年後、二十年後においてあのときにあれをやっておってよかったということになるか、あるいはあのときに間違った判断で非常なむだをしてしまったということになるのか、これは歴史が判断するのだと思いますが、必ず実用化してみせるんだという長官の御決意がありましたら、それをひとつ御開陳願いたいと思います。
#161
○宇野国務大臣 やはり資源という面から考えましても、また、わが国が資源を生み出すという点から考えましても、どうしてもこれは実用化を急がなければならない、こう思っております。そのために、率直に申し上げまして、朝もいろいろ議論をいたしたわけですが、現在のように原子力といいますと何かすぐ反対の旗が立つ。いろいろ原因がございます。政府のPRも下手であったろう、あるいは安全の確認も国民にもっとしていただかなければならぬが、その努力を怠っておったであろう。幾つも政府にも落ち度がありますから、私はそういうことを率直に反省して、わが国四面海で、そして津々浦々港があるわけでございますから、国内といえどもどこへでもきさくに原子力船が入り得る、そしてそこら辺から通商につながる、あるいは貿易につながる、そういうふうな時代を迎えなければなりませんので、その意味からも、私は、この十年間の「むつ」の開発、これが非常に大きなウエートを占めておるのではないだろうか、こういうふうに存ずる次第であります。
#162
○中馬(弘)委員 全くおっしゃるとおりで、いま非常に政治問題化しております「むつ」のあの問題で、国民に非常に誤解を与えてしまったり、あるいは違った方向での反対が出てきたりということで、これをむしろはっきり分ける必要があるのではないか、そのようなことでいま関連の御質問をさせていただいたわけでございますが、そういう点につきまして、長官、いままでにこだわらずに新しい観点でこれを進めていただきたい、かように願う次第でございます。
 次に、宇宙開発の長期のビジョンについて少し御質問させていただきます。
 宇宙開発といいますのは技術の波及効果が非常に大きなものだと思います。特に昨今のように、外国の技術をどんどん買って、それを国内で商品化するといったことができなくなってきております。これは技術がほとんど同レベルにまで達したということもございましょうし、また、各国政府も日本に技術を提供して、それが逆に自国への輸入ということではね返ってくることに対する恐れもございまして、これはかなり制限をつけようとし始めております。
 そういうことで、将来の技術先導産業というものを何に置くかといったときに、日本といういまの姿を考えたときに、宇宙開発というのが最も技術先導的な産業になり得るのじゃないか、かように思うわけでございます。特に、いろいろな材料の問題にしましても、無重力、真空の状態でありますと、非常に新しいものができてくるといったようなもろもろのこともございましょう。そういうことで、宇宙開発につきましては大きな力を入れていかなければならないと思いますが、この点に関しまして、本当に大きく取り組んでいく御意欲なのか、あるいはただ産業の一分野としてお考えなのか、このあたりを御質問いたします。
#163
○宇野国務大臣 私は、宇宙開発委員会の委員長もやっておりますが、本当に宇宙開発がいま御指摘のとおり将来のわが国の国益に大きくつながるという観点から、現在全力を宇宙開発にも入れておるわけでございます。しかしながら、国民の方方から見ていただくと、静止衛星とは一体何だ、こういうふうなこともございましょう。そうした面におけるPRもまだまだ不足しておるのではないかと思いますが、幸いにも事業団が行いました幾つかの衛星は、いずれも非常にスムーズに、しかも大きな成果を上げておりますから、これだけの研究開発というものを土台といたしまして、将来は衛星にいたしましても、そうした問題全部自力で開発していく、そして国産のものも完全にマスターし得る体制まで持ち込んで、気象にあるいは放送に、あるいはまた通信にと本当に日本のためになるような一大プロジェクトとしたい、こういうふうに念願しております。
 特にわが国は、地震国でもございますし、さらにはまた台風の国でもございますから、そういう面から考えますと、いつ何どき大災害が起こるかわからない。そういう大災害に直面いたしましても、宇宙からのいろんな援助を私たちは受けておる、それを将来に備えるべきであるということは大切なことだと思いますので、今後も努力いたす所存でございます。
#164
○中馬(弘)委員 こういったものも自力で開発して、初めてわが国の技術水準の向上になるわけでございまして、この点に関していま自主開発の方を重んじていくのだとおっしゃいましたが、宇宙開発の研究開発投資に占める外国の機器の購入あるいは技術料、こういった外国に対する支払いはどの程度か。たとえばここ数年間の平均でもよろしゅうございますが、幾らぐらいになっておりますか。
#165
○園山政府委員 先生御指摘の外国に出ていく金でございますけれども、現在宇宙開発事業団がこの二、三年の間の開発に使っております総額の中で、約五〇%程度というものが外国へいく分という形になっております。
#166
○中馬(弘)委員 五〇%、かなり低いわけでございますが、これを本当に自主開発に持っていく、外国の機器あるいは外国のロケットに打ち上げてもらうといったようなことじゃなくて、全く自分でやっていく、このことはお考えなんですか。ある程度は外国の分というのが今後も出てくるのか。
#167
○園山政府委員 御承知のように、宇宙開発、特にロケット、人工衛星といったものは非常に先進技術が入るものでございます。したがって、わが国といたしましては、たとえば宇宙開発事業団で実用衛星あるいは静止衛星といったものを打ち上げられるロケットの開発等に当たりましては、当初から諸外国がいろいろ経験いたしました失敗というものをそのまま繰り返していくということは非常に効率の悪いことでございますし、またいろいろ安全性の問題等もございますので、当初におきましては、いわゆる外国の失敗の経験を金で買えるものであるならば買っていくという形の技術導入を盛んに行っておるわけでございます。現在、たとえば先般「きく二号」を打ち上げましたNロケット、これのいわゆる国産率というのは約五七%ということになっておりますけれども、現在の計画では、これを九〇%近くまで上げていきたい、こう考えております。ただ全般的に見まして、必ずしも一から十まで全部国産品でつくるということが重要ということではないと考えております。したがいまして、非常に需要が少なくて、国産でもできるけれども購入した方が経済的なものというものは、やはり購入できる限り買っていくことが、全体の経費を安くするという意味で必要かと思っております。ただ先生御指摘のように、いわゆる技術先導力という点から見まして、どうしても日本で開発すべきもの、あるいはまた、諸外国がだんだん技術というものを出さなくなります。そういうものにつきましては、集中的に国産、自主技術で開発していくということを考えておるところでございます。
#168
○中馬(弘)委員 そういったことも含めて、宇宙開発の全体を取り仕切る主管部門といいますか、これがどうも明確でないような気がするんですけれども、これはどこなんですか。宇宙開発委員会なのか、事業団なのか、科学技術庁なのか、あるいは各省庁――運輸省、郵政省、文部省、いろいろありましょう。どこなのか、この点についてちょっとお知らせ願いたいと思います。
#169
○園山政府委員 現在、日本の宇宙開発につきまして企画、審議、立案をいたしておりますのは、宇宙開発委員会でございます。しかし、御承知のように、たとえば通信衛星を開発して打ち上げる、その後それをどのように使うか。たとえば使用料金をどうするかとか、あるいはその周波数をどうするかといったような問題は、通信政策の一環として郵政省が考えるというような関係になっておるわけでございます。
#170
○中馬(弘)委員 そこで、宇宙科学の利用という面と宇宙技術の開発という面が何か混在しているような気がするわけですね。確かに利用という面からしますならば、コストが安い方がいいでしょう。外国からでき合いのものを買ってきた方がいいでしょう。それに積んでもらって、ただ調べるだけの方をやればいいかもしれません。あるいはその方が早いかもしれない。こういった宇宙科学の利用という面からするならば、これはいま言ったようなことで効率がいいということになるかもしれませんが、日本の一つの技術水準を高めるんだとか、あるいは技術先導産業に育てていくんだといった場合、これはすなわち宇宙技術の開発の問題になると思いますけれども、ここが何か混在されているような気がするわけです。未分離だというような気がするわけです。この点についてお伺いしたいと思います。
#171
○園山政府委員 御指摘のように宇宙技術というのは、大変技術先導力があるということで、できるだけこの重要な部分につきましては、先ほども申し上げましたように自主技術を育成していく、自主技術で取り組んでいくという基本的な理念を持っているわけでございますが、一方におきまして、今日すでに、先ほど大臣のお話もございました気象衛星とか通信放送衛星といったものは、国民に対しまして非常に有効な効用を持っておるわけでございます。それぞれの利用者の方からそういうものを早く使いたいという場合に、これを達成するということも、また一つの宇宙開発の大きな任務であるかと考えておりますので、そういった有効に利用するということと、それから自主技術を高める、こういった両方の立場を総合いたしまして、宇宙開発委員会で開発の計画を立てているところでございます。
#172
○中馬(弘)委員 この主管部門がばらばらであったり、あるいはそこの科学技術の利用という面と開発という面が混在されておるといったようなことに関しまして、長官の方のお考えを承りたいと思います。
#173
○宇野国務大臣 いま局長申しましたとおり、開発委員会が中心となって強力に推し進めております。特に人工衛星のこれに関しましては、先ほど申し上げましたが、まだまだ出発がおくれておりましたから、現在はやはり外国の技術に負うところが多くございましょうけれども、将来はたとえばもっと大きく国民の利益に合致せんがためには、いまのような百三十キロじゃなくて三百五十キロ、さらには五百キロというふうな大きな人工衛星を上げて、そして国民の福祉につながっていくという面も多うございますから、いろいろな面からいたしましても、現在といたしましては、やはり宇宙開発委員会が中心となってこれを推し進めております。
 もちろん、大学でも研究いたしておりますし、そういう面でいま御指摘の研究過程において国と大学がもう少しがっちりすればいいじゃないかというふうな面は、あるいはなきにしもあらずだったかもしれませんが、特に今後新しいロケットエンジンの液水、液酸という問題に関しましては、ひとつ事業団と大学が一致してやろうではないか、これはすべて国のためなんだから、大学の名誉あるいは事業団の名誉ということを乗り越えてやろう、こういうふうなこともことしになりまして非常にうまくスムーズに行っておる、こう存ずる次第でございますから、重要な分野でございますので、ただいま御指摘の面は十分今後考えまして、やはり行政そのものががっちりとして一本化していくというふうな体制をとることは常に念頭に置いてやっていきたい、かように存じております。
#174
○中馬(弘)委員 たとえばNASAのような、ひとつ国家が大きな力を入れてそこに取り組んでいくんだということをおやりになるお気持ちはおありなのかどうか。
#175
○宇野国務大臣 現在、それを宇宙開発事業団がやっておるわけでございますが、さらにいろいろと過去を振り返ってみて、今後のいろいろな行政能力というものもございましょうから、そうしたことを考えつつやっていきたいと思います。
#176
○中馬(弘)委員 コストの重視、これは大事なことかもしれませんけれども、こういった幼稚産業だとかあるいは国策上重要な技術開発といったものについては、これを保護育成の必要があるわけで、これこそ大きな国家プロジェクトとしてやっていく必要があるんじゃないか、かように思量する次第でございます。
 今日の対策とかあるいはあすの対策といったようなものは、行政サイドでできることかもしれません。しかし、あさってのことを考えると、いま手を打つことが必要だといったようなことが、これこそ政治のやることではないか、かように思うわけです。そういう意味で、科学技術対策あるいは宇宙開発の問題、これこそ政治的な判断でもって、いま国の施策として大きくやっていくべきだということを打ち出す必要があるかと思います。
 このようなことを申し上げまして、きょうは少し時間を残しておりますけれども、私の質問にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。
#177
○山田委員長 これにて中馬弘毅君の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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