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1976/07/13 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 科学技術振興対策特別委員会 第18号
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1976/07/13 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 科学技術振興対策特別委員会 第18号

#1
第080回国会 科学技術振興対策特別委員会 第18号
昭和五十二年七月十三日(水曜日)
    午前十時二十分開議
 出席委員
   委員長 山田 太郎君
   理事 木野 晴夫君 理事 佐々木義武君
   理事 中村 弘海君 理事 宮崎 茂一君
   理事 石野 久男君 理事 日野 市朗君
   理事 貝沼 次郎君 理事 小宮 武喜君
      塚原 俊平君    与謝野 馨君
      上坂  昇君    村山 喜一君
      瀬崎 博義君    中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      宇野 宗佑君
 委員外の出席者
        科学技術庁長官
        官房長     半澤 治雄君
        科学技術庁原子
        力局長     山野 正登君
        科学技術庁原子
        力安全局長   牧村 信之君
        科学技術庁原子
        力安全局原子炉
        規制課長    松田  泰君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       武田  康君
    ―――――――――――――
六月九日
 一、原子力基本法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出第二五号)
 二、日本原子力船開発事業団法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出第一二号)
 三、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制
  に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
  提出第七五号)
 四、科学技術振興対策に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興対策に関する件(使用済核燃料の
 再処理、原子力の安全性確保及び原子力船むつ
 に関する問題等)
     ――――◇―――――
#2
○山田委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮崎茂一君。
#3
○宮崎委員 先月の二十六日ですか、それからつい最近まで日米の専門家によりまして東海村の動燃の再処理工場の運転に関する合同調査が行われたわけでございます。いままでの第二次の日米交渉あるいはまた二回ほどトップレベルの会談が持たれましたが、その線に沿っていると思いますけれども、具体的にどういうことを調査されたのか、概括的でよろしゅうございますからお答え願いたいと思います。
#4
○宇野国務大臣 日米合同調査団による調査は、六月の二十七日から七月の十一日まで約二週間行われたわけであります。これは第二次の交渉の結果、ひとつ両国政府で東海村再処理施設そのものに関しまして、既存の運転方法並びにそれにかわるべき代替運転方法、そうしたものについて白紙の立場で一度調査しよう、そうして核不拡散というカーター大統領が従来から主張し、わが国もそのことについては賛意を表しておる問題等々に関しまして、その施設を今後どういうふうに運転していくのであろうか、ついてはその期間はどれだけかかるか、また改造するとすれば資金はどれだけかかるか、あるいはまた技術的にそのことが可能かどうか、そうしたようなことを目的といたしまして調査されたわけでございます。したがいまして、このこと自体の中には政策的判断はあくまでも含まれぬ、あくまでも純技術的にこれを調査するのだというふうなことで進められたわけでございまして、われわれといたしましても、日米原子力協定問題のこの交渉が、最初アメリカの意図いたしておりました再処理無期延期というふうな原則から考えますと非常に大きな進展を見せて、そうして第二次交渉の結果、そういう調査をしようという合意に達しましたことは、私といたしましても大きな進展だ、こういうふうに考えておる次第でございます。
 したがいまして、すでに日本政府といたしましてもその報告をきのうの朝受けましたので、今後そのレポートに関しましてなお一層慎重に検討して、そしてわが国の政府としての態度を決めたい。その後、日米間におきましてそれぞれのレポートの評価、それについての意見交換をして、そして再処理施設の運転にわれわれとしては速やかに持ち込みたい、こういう段階でございます。
#5
○宮崎委員 その報告書の内容でございますが、いまこれから検討というお話ですが、私ども承知しておりますのは、日本側の方は、平和利用ということで既存の計画に沿ってプルトニウムを取り出して、それを核燃料サイクルの一環にしよう、アメリカの方は、それでは原爆に利用されるのでいわゆる混合抽出にすべきだ、こういう主張だというふうに聞いておるわけでございますが、そのいずれがいいとか、あるいははっきりと技術的なレベルで混合抽出は容易だとか、あるいはどのくらいの期間がかかるんだとか、そういうことはここで明らかにできないのでしょうか、その辺、どういう判断でございますか。
#6
○宇野国務大臣 結論から申し上げますと、この調査報告の内容に関しましては、両国政府においてお互いに発表しないということが確認されておりますので、はなはだ残念でございますが発表しがたい、私もこう申さざるを得ません。ただ、いま宮崎委員御指摘のとおりに、従来の主張からいたしますと、われわれとしては既存の運転方法でやる、アメリカはその代替方法を考えた、これが白紙の状態で検討されたわけでございまして、私といたしましては、非常に抽象的ではございますが、両国のそうした主張は純技術的にも非常に慎重に検討された結果、この報告書の中においてはいわゆる両論併記というものはなされておらないということだけは申し上げてよいのではないか、こういうふうに思います。したがいまして、われわれといたしましては、現在としてはそれなりの評価をいたしておるつもりでございます。
#7
○宮崎委員 いま両論併記はないということでございます。つまり、この内容というものは技術的な内容ではございますが、一つ一つの内容について、アメリカ側はこう思うけれども日本側はこう思う、こういうようなことはない、日米両方の専門委員が全部賛成をしているのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#8
○宇野国務大臣 いわゆる両論併記というのは、たとえば米審等の答申におきまして生産者側の意見と消費者側の意見が併記されておる、ああいうことを想定いたしまして、そういうふうな対立的な意見の併記はないのだ、こういうふうに御理解賜ればいかがであろうかと思っております。
#9
○宮崎委員 けさの日経の社説に、両国政府に提出された報告書の内容みたいなのが一部載っております。十五の代替案というのですから、いま日本政府が考えているほかに非常にたくさんの技術的なやり方があるものだなと思います。私もよくわかりませんけれども、その十五について、どのくらい改造の期間がかかるか、費用、得失、その裏には必ず保障措置の問題もあるのだろうと思います。そういったものが書いてある。それで政策決定というのはどうしても二カ月から四カ月もかかるのだ。これは記者の見通しだろうと思いますが、そんなに長くかかっていいものかどうか。御存じのように、大臣は七月にすぐ運転したいとおっしゃっておりますし、きのうの新聞でも七月はちょっとむずかしいかもわからぬ。私は、これは交渉の問題だから延期になったところで構わぬと思いますが、しかし、日本側は七月から運転しようというのに、この新聞だと、これは憶測でしょうけれども、二カ月も四カ月もになる、ことしの末くらいになる、こういうことですが、その辺の見通しはどうなのか。また、今度のそういったレポートがいままでの交渉よりも前進をしたというふうに評価されているようですが、果たしてそういうふうに受けとめていいのかどうか。なおまた、これからまた政策ベースの政治折衝みたいなのをおやりになるのか。つまり、事務折衝をやった後でまた大臣間のトップレベルの折衝をやるのか。その三点くらい申し上げましたが、その点についてお答え願いたい。
#10
○宇野国務大臣 まず運転時期は、当初われわれの計画に従えば七月ホットランということでございますから、従来そのことを主張し続けてまいりました。しかし、今度の調査というのは、私は、日米間における新しき原子力時代の入り口である、こういうふうに解釈いたしております。したがいまして、その調査の結果のレポート、それはわれわれといたしましても、一つの大きなステップとして重大な意義を持つものであり、また、わが国としてもそれだけ評価し得るものである。同時にそのことは、わが国だけではなくして、やはり日米親善という長い路線の上に立ちましても、今度の問題で日米親善にひび割れが入るようなことがあってはいけない。私は米国側の要人に会ったときに常に言っておったのですが、そうした結果、両国が、言うならば本当に一歩ずつ踏み固めてやってきたものである、そういうふうな労苦というものがこの調査報告には十二分ににじみ出ておる、こういうふうに私は思っておる次第でございます。したがいまして、その調査報告を踏まえてこれから両国においてそれを評価し、さらに今後、原子力協定に基づくところの共同決定という段階、そうしたいろいろな手続を経て、われわれとしては再処理工場施設の運転ということを考えておるわけでございますから、したがいまして、さような意味におきましては、従来の七月ということはわれわれの既存方針ではあるが、新しい段階を迎えたのであるから、いたずらにそのことのみに固執して事を処するに余り性急になり過ぎて、かえって今後に災いを残してもいけない、こういうふうな配慮を私もいたしておりまして、ここはひとつ慎重に進もうではないかという考え方でございますので、昨日の記者会見におきましては、従来七月の運転ということを強く主張してまいったが、いま新しい段階を迎えたところであるから、それのみにこだわることは余りしない方がよいというふうな私の考え方を述べたわけでございます。したがいまして、それというのもこの調査報告そのものの内容は、今後の日米間の外交交渉にとりましても大きな重要な土台だと私は存じますし、それなりの評価を私たちはいたしております。アメリカも当然そのことに関しましては、従来の日本の主張をより一層こうした施設の調査を通じて認識してくれるのではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。
 この間も、団長のシャインマンさんが表敬に参りましたから、そのときにいろいろと今後のアメリカのスケジュールを私聞きました。そのときには、帰ってこれを国務省並びにERDAに報告し、同時に大統領の指示を仰ぐことになるであろう、その期間が十日ぐらいかかるだろうというふうなことでありまして、われわれといたしましても当然そのことはわが国におきましてもそれぐらいの日時をかけて、そして評価しなければならぬ。しかし、評価が終わったらすぐにでも両国の意見を交換して、そして可及的速やかに私たちは再処理施設の運転に入りたいのだということを申し添えておきました。
 くどいようでありますが、わが国の平和利用、そしてそのためには高速増殖炉の開発が必要ですし、そのためには再処理ということはもう不可欠の条件でございますから、資源小国の日本としては、ウランの効率的利用という点から考えましてもこの点は不可欠だ、これもくどいほど私は団長にも伝言として伝えておきました。そのことを政府によく伝えておいてほしいということを申し上げてあります。そのときにシャインマン氏も私に対しまして、もうあと残すところはできるだけ早くお互いが妥結に入るのだということを言っておりました。その後の記者会見でシャインマン団長がいろいろと記者諸公の質問に答えまして、あるいは二月ぐらいかかるかな、四月ぐらいかかるかなということを言ったということも聞いておりますが、それは団長としての感触でございましょうから、私どもといたしましては極力早く運転にこぎつけたいものであるということは今後も強く主張していく所存でございます。
#11
○宮崎委員 しつこいようですがもう一遍お伺いしますが、日米首脳間では、日米双方が困らないような解決策を早期に見出す、こういう基本原則は了解しているわけですから、東海村の工場は運転をするということが前提ではなかろうかと思うのですが、今回のこの調査を通じて大体明るい見通し――なかなか言いにくいと思いますけれども、明るい見通し、こういうふうに考えていいのでしょうか。つまり、大臣の政治折衝によって何とかそっちの方へ明るい、われわれの考えている方向へ持っていけるというふうな見通しに立っておられるかどうか、もう一遍。
#12
○宇野国務大臣 私自身といたしましては、両国の努力によりまして非常に明るい方向へ進んでおる、こういうふうに現在のところ分析いたしております。なお、そのためには今後さらに外交的努力をしなければならないことはもちろんでございますから、大統領がいろんな指示を恐らく米国政府なりにされると思いますが、そうしたことに関しましても極力外交ルート等を通じましてわが国の立場を何度も何度も明らかにしていく、これが必要じゃないか、こう思います。なおかつ、過般のアメリカ国会におけるこの問題に関するいろんな審査が行われておりますが、そのときもナイ国務次官補、現在この問題に直接タッチしておる人ですが、この人も、決して日本の再処理施設の運転そのものを阻害しようというふうな意図は全くありません、こういうふうに言っております。ただ、保障措置という問題等々をつかまえまして、現在INFCEPという重大な会議も控えておることであるから、日本だけの問題としてこれを扱うべきか、あるいはまた独特の問題としてこれを扱うべきかということについてはアメリカの方の判断するところも多かろうと思いますが、われわれといたしましては、すでにもう何度もこの委員会で申し上げましたとおり、わが国は既存の運転方法というものによって七月ホットランというところまで来ておるわけでありまして、そのためには多額の国費を使い、国民の方々の、言うならば税金を使っておるわけでありまして、そうして多くの技術、歳月をかけた問題でありますから、したがって、このことに関してはやはり徹底した平和利用ということをわが国は主張しておるのだから、これは米国もはっきりしてもらったらどうだろうか、これは今後も主張してまいります。
 現在、調査団といたしましては別に政治的判断をいたしておりませんが、しかし、日本にやって来まして、いろんな施設を細部にわたって点検をして、なるほど日本が徹底した平和利用ということのみで現在進んでおるということは強く印象を受けたということを語っておりますから、われわれといたしましてもこれが率直に米国政府にも報告され、そうしたことを通じまして今後の見通しは明るいものである、運転にこぎつけることができるものであると私は思っております。ただ、それを極力一日も早くやっていきたいというのが今日の立場でございます。
#13
○宮崎委員 今後の日米交渉でございますが、つまり、いま報告書を両国政府が受け取って、内容を――十五種類あるのかどうかわかりませんが、いろんな問題から政治的判断をして、そして日米交渉ということになるのか。今後の妥結までの交渉の見通し、これは言えるのか。もちろん相手のあることですからわからないかもしれませんが、大臣としては今後具体的にどういうふうに交渉を進めていかれるつもりであるのか、お伺いしたい。
#14
○宇野国務大臣 御承知のとおり、政府にはこの問題に関しまして対策閣僚会議というのを設けております。メンバーは私と外務大臣と通産大臣、この会議を昨日も実は開きました。そこで次のようなことをわれわれは確認いたしております。
 それは、第二次交渉に引き続いて第三次交渉をする。その第三次交渉において、今回のレポートをもととして、そして日米原子力協定に示された具体的な作業に入る、それを通じて速やかな運転を図る、これが一つの考え方でございます。
 しかし、もう一つの考え方として、第三次交渉以前にむしろ私が先方へ出かけて、そして先方のそれ相応の責任者と折衝して骨組みをつくる。その骨組みに基づいて保障措置を初めいろんな作業をしてもらう、こういうことも一つの方法ではなかろうか、こういうふうに思っております。
 そのこと自体はアメリカにも伝えてありますし、どちらでも私はいいと思う。必ずどちらでなくちゃならぬとは考えておりません。要は効果的であり、そしてまた実効を伴うものであり、なおかつできるだけ早く解決に近づく方法である。そのことについては今後も日米双方で努力しようじゃないか、そういうふうに言っておるわけであります。
#15
○宮崎委員 東海村の工場がわが方の思うとおり運転できるように交渉をお願いしたい。
 そして、もう一つお伺いしたいのは、われわれは平和利用ということを世界に向かって言っているわけですが、それを今度の調査団が非常によく理解してくれたという話でございます。いま一つアメリカの方はプルトニウムの盗難ということがあるわけですが、平和利用ということと盗難防止ということさえきちっとアメリカの主張どおり守れば、現実にプルトニウムの単体抽出があってもアメリカは工場の再開を拒否するというようなことはないのかどうか、その辺はどうですか。その辺まだはっきりしないかどうか。
#16
○宇野国務大臣 そういうことも調査の大きな目的の一つであったわけであります。特に保障措置に関しましては、やはり技術専門家ばかりの会議でございますから、幾つかそうしたことが述べられております。それに関しましても私たちは重大な関心を払って今後検討しなければならないと思いますが、一つには、やはり日米だけの問題じゃなくして、保障措置という大きな問題は国際間で同じような歩調をとるということが一番必要なことじゃないだろうか。したがいまして、そうしたことも単に二国間だけじゃなくて多国間との関係もあるということで、われわれとして今後前向きの姿勢を示していかなければならない、こういうふうに思う次第でございます。
 特に、保障措置と同じように防護措置に関しましても、これはアメリカの方も非常に強い関心を抱いておったわけであります。従来日本といたしましては、他国はいざ知らずわが国においては銃砲刀剣類所持等取締法があるわけでありまして、国民がそう簡単にピストルあるいは凶器を持つということは許されておりませんから、したがって間々あるがごとき大仕掛けな集団によるところの施設への侵入ということはわが国においては想定されない、そのことはアメリカと違うよということはわれわれは申し述べてきたわけでございます。したがいまして、今日私たちは非常にりっぱな防護措置を講じておると自信を持っておりますが、その防護措置に関しまして、過般も、世界で一番進んだような姿においてやっておることについてはむしろ感銘をしたというようなことを調査団員も申し述べておるということが、これは私直接は聞きませんが、記者会見において明らかにされて、新聞も報道いたしておるとおりでありまして、このことは私たちも従来から申し上げております。
 しかし、今後より一層保障措置なりあるいはPP問題も国際的にもっと検討して、国際間で一つの合意が得られればわれわれは喜んでそういう問題にも参画する用意があるということを鮮明にしなければなりません。なおかつ、合意に達しましていよいよ運転をした、その結果のいろいろな詳細なデータにつきましては、私たちは今後常に核不拡散という原則を持ち続けて、その線に沿った研究も怠ってはならない、かように存じます。そうしたことに関しましては国際機関への報告なりあるいは情報の提供なりもわれわれは積極的にやっていかなくてはならない、こういう姿勢でございます。このことはいずれもこの調査期間を通じましてそれぞれが意見を交換した際にも、わが方の団長並びに団員からそうした意見が申し述べられておりますから、そのことも評価されておるんじゃないか、かように考えております。
#17
○宮崎委員 この日米交渉に関係ないのかあるのかわかりませんが、東海村の再処理の工場に向かって隣の原研の方から使用済み燃料をもうきょう、あすにも搬入することに決定したという新聞情報を私は見たように思うのでございますが、これはいまの日米交渉に何ら関係はないのかどうか、これをどういうふうにお考えになるのか、この点をひとつお願いしたい。
#18
○宇野国務大臣 当然再処理施設運転のためには使用済み燃料の搬入が前提条件でございます。これは本来は六月の初めにもそのような準備をしたい、かように思いました。しかしながら、たまたま第二次折衝が行われており、その結果調査団による調査ということが決定されましたから、そういうときに事を混同するといけませんので、多少その辺はわれわれも手控えいたしました。
 しかしながら、従来から七月運転ということが既定の方針でございました。そういう方針から申し上げれば、やはり使用済み燃料の搬入ということも重大な要件でございますから、私といたしましては、ちょうど調査団がまだ調査の最中でございましたけれども、そうしたことを念頭に置きまして、そしてひとつ使用済み燃料の搬入をせよということを命じたわけであります。そのこと自体は日米原子力協定の対象ではございません。したがって、これは日本独特の仕事であって、アメリカの許可なりあるいは内意を必要とするものでも何でもないわけであります。搬入をいたしまして、後その燃料を切断するとかあるいはまた溶解するとかそういう段階に来ますと、もうこれはホットランというふうな範疇に入ってまいりますから、これはやはり原子力協定に基づいて日米が合意をしなければならぬと思いますが、搬入そのものはそうじゃない。
 だから、われわれといたしましても、七月ホットランという既定方針を持っておったものですから、これをやはり鮮明にするためには搬入すべきであるというので、調査団がおられる最中でしたが、私はその断を下したわけであります。このことは調査団員にも十分説明を申し上げ、なおかつ外交ルート、大使館等を通じまして米国政府にも事前に申し述べまして、むしろ米国政府からもそういう細かいところまで御連絡賜って、意思の疎通を欠かずに済んで非常によかったというふうな返答も来ておりますので、この点はすでに両国において十分了解済みでございます。したがいまして、十五日にそういうふうな搬入がなされる予定でございます。
#19
○宮崎委員 その点ははっきり了解いたしました。
 それからいま一つ、いわゆるカーター大統領の核政策という問題がアメリカの国会の中でいろいろと批判をされているということを聞いております。日本政府はカーター大統領の政権と交渉しているわけですが、アメリカの議会ではテネシー州にありますところのクリンチリバーですか、そのサイトにある高速増殖炉を、大統領の意に反して建設しろということを決議したようでございますし、また世界の大勢、つまりフランス、ドイツもカーター政策にそう賛成はしていない。やはり日本と同じような立場であるし、プルトニウムを現につくって、そして核燃料サイクルを完成させておる、こういうことでございます。
 ですから、いままで私どももアメリカから濃縮ウランを購入し、そしてまた、日米原子力協定に従っていろいろとアメリカの言うことを聞かなければならぬでしょうが、何かカーター大統領の核政策というものが世界全般に容認されていない、アメリカの国会の中ですらそう賛成を得ていない。そういうときに長期間の核交渉というものをいまのカーター政権の思うとおりにするということは、どうも理解できないような感じがします。そしてまた、きょうはアメリカは中性子爆弾をつくるんだ、こういうことです。アメリカは原爆を持っておりますし、どうも大国主義的な態度があるんじゃないか。弱い者いじめをして――日本は平和利用だけしようとこれだけ言っているわけですから、大きな目で許してくれてもよさそうなものじゃないか、こういうふうに思うのです。
 アメリカの中の情勢あるいは世界的な情勢、これを踏まえて慎重にやらなければならぬと思いますが、こういうことに対して、大臣のひとつお考えなりそういったものをお聞かせ願えれば非常にありがたいと思っております。
#20
○宇野国務大臣 カーターさんが選挙のときに公約いたしました核不拡散の原則は、もう総理大臣も数度にわたってカーター大統領との会見で賛意を表しておられます。唯一の被爆国であるわが国、非核三原則を持つわが国といたしましては、むしろ世界に先がけてそのことを主張しております。ただ、われわれといたしましては、そのことに賛意を表すると同時に、平和利用についてチェックし、それならば軍事利用ということが人類の一番恐れをなしておるところだから、そうした問題についてもはっきりしてもらわなくては困るじゃないかということは、常にわが国としては主張しておるところでございます。なおかつ、特に資源小国の日本とアメリカとは問題になりません。石炭もいまのままだと五十年で枯渇する日本と、まだ露天掘りで二千年あるアメリカとは比較にならない。
 したがって、そのことも強く主張いたしておりますが、なかんずく米ソという核保有国だけが核の不拡散についての管理能力があって、そのほかの国々はさながらなきがごときことだから、ひとついろいろと今後問題があるのだというような考え方で出発されると大きな問題で、われわれも核不拡散というのを民族の悲願として掲げておるものである。これはもう国会においても、与野党を問わず皆が賛成していただいている問題である。したがって、日本だけその面において欠くるところありとか、あるいは米ソ以外の国はさような面において欠くるところありとおっしゃることについては、いささかわれわれも反発せざるを得ませんよということも常に申し上げておるわけでございます。
 したがいまして、私は、核の不拡散ということに関しましては、今後も日本政府は常に機会あるごとに世界に鮮明にしておく必要があると思います。ただし、それとまた核の平和利用というものは両立できる問題でございますから、したがいまして、平和利用ということに関しましては、特にそれ相応の技術を持つに至りました日本といたしましては、これまた世界と協調しながら平和利用の確立ということを怠ってはならない、こういうように考えております。そのことも常に米国に申し上げておるわけであります。
 特にアメリカの国会におきましても、従来そうした日本の主張なりあるいは今日までの原子力に関する日米のいろんな経緯、その点に関して余り皆が皆御存じでなかったようでありますが、先般の佐々木並びに与謝野両議員の派米におきまして、相当両議員にがんばっていただきましたので、その点は非常にアメリカの国会におきましても理解を持っていただいておるというふうなことが、いろんな情報によって私たちも確認し、また喜んでおる次第でございます。
 しかし、カーター大統領の政策における問題は、あくまで大統領とアメリカの国会の問題でございますから、私はそれに対して言及するということは、あるいは内政干渉というふうな重大な問題にもなりかねませんので、それはそれで、われわれも新聞等々によりまして、十二分に知っておくというだけでありますが、あとはやはりアメリカの政府にもまたアメリカの議会にも、日本の立場というものを特によく理解をしてもらう。そしてその上に立って、速やかに日米間の原子力問題を解決するような方途を見出すべきである。これが現在の政府といたしましての方針でございます。
#21
○宮崎委員 日本の国益になるように、これからあるいはむずかしい対米折衝であるかもしれませんが、腰を落ちつけてひとつ交渉をやっていただきたいと念願をいたします。
 最後に一問だけお尋ねいたしたいのですが、そうやって東海村の再処理工場の運転が多分いずれはできるのではないか、そういうふうに考えられるわけですけれども、ほかの、いろいろ問題になっておりますような原子力発電所の安全性という問題も出ておりますので、この東海村の再処理施設の安全確保という問題は、相当慎重に気をつけてやるべきではないかと思いますが、この点につきまして大臣の所信を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
#22
○宇野国務大臣 非常によき御進言並びに御意見を拝聴いたしまして、心からお礼を申し上げます。
 おっしゃるとおりに、再処理ということは、わが国の核燃料サイクルの上におきましても一番重要な部面でございます。したがいまして、いよいよ慎重に慎重を期して今日までホットランの段階を迎えるべくすべてが進行してまいったわけでありますから、今後もし、ささいなりとも思わぬ事故等々が出ました場合には、やはり政府といたしましてもその責任を痛感しなくちゃなりませんし、そのこと自体は将来の核燃料サイクルについての国民の御理解、これを得るという面におきましても大きな影響がございますので、われわれといたしましては、再処理工場の運転に関しましては、本当に微に入り細にわたりまして、神経をすり減らして今日まで関係者はまいったわけでございます。現在といたしましては満を持しておるというようなところでございますが、そういうような意味からも今後安全操業、そうしたことに関しましては十二分にわれわれも留意しなくちゃなりませんし、同時に、再処理工場の安全性に関しましては、やはり米国もそういう面でいろいろ今後注文があるか、かように存じますが、十二分にそれにこたえるような体制を私たちもとっておると存じます。
 そうしたことを踏まえまして、今後の折衝に当たって国民にも安心をしていただいて、原子力の平和利用に関する国民の理解をなお一層深める、こういう方向で進めていきたい、かように思っております。
#23
○宮崎委員 以上で私の質問を終わります。
#24
○山田委員長 次に、石野久男君。
#25
○石野委員 大臣にお尋ねします。
 いま宮崎委員から、再処理工場についての日米交渉の問題でいろいろ御質問がありましたが、最初に大臣にお尋ねしたいことは、ちょうど選挙の終わるまでの間、この問題についての大臣の発言は、七月にはホットランに入るのだ、十一日になったら報告書が出たということで、それにはこだわらない、こういうふうに変わりましたが、その大臣の、急にやわらか腰になった理由はどういうところにあるのですか。何か考え方の違いがあったわけですか。
#26
○宇野国務大臣 別にやわらかい腰になったわけではございません。今後重大な外交を迎えておりますから、やはりわが方の主張は十二分に主張していかなくちゃなりません。
 しかし、先ほどもお答えいたしましたとおりに、調査報告書の提出ということは一つの新しい段階でございまして、私はその内容をつぶさに報告を受けたわけでございますが、日米両国の今日までのいろいろ対立点もあっただろうけれども、それがこの調査報告書によりまして、先ほども申し述べましたとおり、いわゆる両論併記というふうな場面がなくて済んだということは、やはり調査団も純粋に、慎重に調査の結果そうなったのだ、こういうふうに思いますと、もう答えというものはおのずから、いつの日にかは運転できるのではなかろうかというふうな、私といたしましては心証と申しましょうか、そうしたものを現在も得ておるわけでございます。
 さようなことでありますから、米国においても十日間くらい余裕を得て、そうして大統領の指示を仰いで、その大統領の指示の結果、どういうふうな検討をするかということについて、団長は団長なりの意見の発表もしておったわけでございますから、そういうふうなことを考えてまいりますと、七月中、七月中ということを、この新しい段階で日本政府がまだ固執しているかのごとく申し述べることは、せっかく積み上げてまいりました努力を少しも政府そのものが考えておらないというふうなことであっては、やはり外交にも大きな支障を来すのではなかろうか、こういうふうな配慮からでございまして、私自身は、やはり外交はわが方の主張を最後までとことん貫くというのが私の方針でございます。その過程としての一時点というものが非常に重大でございましたので、必ずしも七月の点にこだわるものじゃございません。まだ七月の点、できるかもわかりません。それは望んでおります。望んでおりますが、必ずしもそれにこだわるものじゃない、こういうふうに申し上げましたので、その辺もひとつ御了解賜りたいと思います。
#27
○石野委員 調査報告書の内容は、双方とも発表しないということになっておるそうですから憶測はできませんけれども、先ほども話がありましたように、報告書の中には幾つかの代替案というようなものが提示されるというふうに聞き及んでおります。
 この代替案というのは、少なくとも従来政府が主張しておった線とは相当違った方向にあるものと推測します。したがって、この代替案が日米両国の合意の上で実施されるということになれば、十日や二十日でそれが実現可能になるというふうには、私たち外から見ておって考えられないわけなんです。これはもう多くを言う必要はないのですが、大臣が少なくとも外交上の問題等も考えて、自分の意見だけを固執することはよろしくないという判断に立つに至ったことなども推測いたしますると、私はやはり、アメリカ側の主張というのは日米原子力協定を基底にして解決へ向かっていくことでありますことと、もう一つは、カーターのいわゆる核政策が一つそれにかみ合わさっているというふうに見ますると、大臣が考えているように七月中にもしかしたら運転再開になるかもしれないというような推測はとてもできない。少なくとも相当な日月がかかるのじゃないだろうかというふうに思いますけれども、大臣のお考えでは、場合によれば七月中に話し合いがついて再開されるというような、そういうふうに非常に安易な――安易と言っちゃいけませんけれども、非常にむずかしくない情勢で解決の道が出るというようなお考えなのでしょうか、どうなのか。
 それからもう一つ、この問題の解決については、技術的な側面ということ、純技術的な側面ではもうちょっと日本の主張はなかなか通りにくい、私はそう思うのです。むしろやはり政治折衝、そういうことをやらなければこの問題の解決はできないのではないだろうかというふうに思いますけれども、その点についても大臣のひとつお考えを……。
#28
○宇野国務大臣 ひょっとすると七月中にもというのは、これは私がレポートをながめまして、結論的には両論併記じゃないということを申し述べ、なおかつ、そのことは明るい見通しだということは、やはり技術的にもわれわれの主張しておるところは非常に大きくこれは両国が認識するところではなかっただろうかというふうな評価が私にはございます。
 したがいまして、従来から申し上げますと、カーター大統領の方針の中には再処理の無期延期ということがありましたし、特にアメリカ国内におきましては商業用再処理工場の運転無期延期、こういうふうな表現もあったわけでございまして、果たして東海の再処理施設が商業用かどうかという問題もあったのですが、この問題は第二次折衝のときにすでに明らかにされまして、これは商業用じゃない、実験用であり研究用だということが、これは両方がもうすでに合意をいたしておる点でございます。そうした点から考えてまいりました場合には、私は従来から福田総理ともしばしば会見なさった賢明な大統領であれば、日本が七月から再開をしたいということに対して大統領がもしそれ理解を示されるならば、そのこともあり得るだろうということが私としての推測であります。しかし、それはいまおっしゃるとおりに甘いじゃないかとおっしゃれば、私もそのこと自体は甘い期待であるかもしれない、こういうふうに存じます。
 しかし、今日の純粋な技術的な調査並びに政治判断を加えない調査というものにおきまして、私が申し上げたとおりに両論併記でないということは、つまり、われわれの既存の運転方法とそれにかわるべき代替運転方法、この二つが言うならばもう幾つかの項目に分かれましていろいろ検討されて、そのことが技術的にも両論併記されておらないというふうにわれわれは受けとめておるわけでございますから、したがって私は、そうしたことからこのレポートをアメリカ政府が評価してもらうならば、やはり当然日本のいままで主張してまいったそうした主張を正しく評価してもらえるのじゃなかろうか、こういうふうなことを私は申し述べておるわけでございます。したがいまして、私の気持ちを申し述べたわけで、七月にひょっとしたらということは、非常に甘い見方じゃなくして、むしろそういうようなことは期待してはならぬという方が強うございますから、したがって必ずしも七月の点にこだわりませんよということを申し述べた。しかし、いまの関係から申し上げますと、われわれはそういうふうな評価で今後も外交折衝に臨みたい、こう思っておるわけでございます。
#29
○石野委員 大臣は、カーターがプルトニウムの問題について問題提起をしている、しかも保障措置の問題について言えば、一国だけを特別に扱えないという考え方、これはすでに何遍か大臣の答弁の中に出ておるわけですね。そういたしますると、この保障措置の問題で平和利用だから日本だけは特別に扱い得るという可能性が、私は、国際間の問題からしましても、カーター政策の国内的なアピールからしましても、非常にむずかしいのじゃないだろうか。それを日本だけが特別に例外をつくり得るという可能性は、相当な政治折衝か何かでない限りはできないだろうと私は思いますけれども、その点については大臣はどういうふうに考えますか。
#30
○宇野国務大臣 おっしゃるところは非常によくわかります。したがいまして、最終的にはやはり政治折衝によって解決をせざるを得ないであろう。そのためには、今回のレポートが政治判断を両国がする一つの大きな重要な資料であるということでございます。
 したがいまして、わが国だけ例外云々という問題は、これは現在そうした意味で長期に見通した場合の何か平和利用についてより一層確実な保障措置というものはないかということをINFCEPという会議でやっていくわけでございますが、それ以前の問題といたしまして、現在再処理施設をすでにして持つに至っておる国は何カ国あって、その国とアメリカとの間における原子力協定があるから、だから同時決定という手続が必要だという一つのしぼりをかけますと、これは日本だけであるわけでございます。アメリカと原子力協定を結んでおる国はたくさんございますけれども、その中においてすでにホットランという段階まで来ておるというのは日本だけでありますから、したがいまして、そういう点におきましては、それは日本だけということになれば、世界から見れば例外かもしれませんが、それは例外とするに足りないという主張もなお私たちは持っておるわけでございます。
 ドイツはどうかということになりますと、ドイツはユーラトムに入っておりますから、したがいまして、アメリカとの間におきまして日本との間におけるような厳しい条件つきの協定というものはないわけでありますから、ドイツは再処理問題に関しましても何ら同時決定という段階を踏まなくてよい、こういうことでございますので、その意味ではやはりわが国は世界において独自の立場だということを私は主張するということが必要だろう、こう思うのであります。
#31
○石野委員 時間的にも余り討議を深めることができないのですけれども、しかし、日本とアメリカとの関係は原子力協定が一つある。それで、その協定のらち外にはどんな交渉をしても出られないだろうと私は思います。にもかかわらず、やはりそこに日本の平和利用が特別なものとして扱われない限り、いま大臣の答弁はやはり信憑性を持たないわけですから、そうすると、その特別な扱いをされるについて日米原子力協定の内容に触れる問題、あるいはそれを例外とするという別なまた何かの日米間におけるところの話し合いなりあるいは取り決め、そういうものがなければ、通常の国際外交上の常識からして可能性を見出すことはなかなかむずかしい。したがって、大臣がやはりこの問題を、日本の平和利用は特殊な、軍事利用とは全然違うのだから、平和利用を認めろよということを言うための保障は何であるかという問題が、われわれにとって非常に重大になってきます。この日米両国の調査報告の線に沿って、もし日本の意図が損なわれない形で実現するとするときの交渉の担保になるものは何なのか、これを私たちは知りたいのですが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#32
○宇野国務大臣 まだ折衝中で、政府そのものの方針も決まっておりません。ということは、このレポートをきのう受けたばかりでありまして、これから国内におきましても政治的な判断をそれによってするという段階を迎えるわけで、今週中に総理を初めわれわれ三閣僚が集まりまして一つの評価をしよう、こういうことでございますから、まだそうした意味合いにおきましては方針が決まっておりませんので、本日ただいまこの場で申し述べるということは、まだ尚早に過ぎると存じます。
 ただ言えることは、やはり原子力協定がある以上は、これは一つの日米間における外交的な取り決めでございますから、したがって、どういたしましても外交折衝によるある時期における合意ということが必要でございます。したがいまして、アメリカが、いま申し上げましたとおりに、原子力協定は日本と同じような内容のものを各国とも結んでおるわけでございますから、そういう意味においては、いま石野委員御指摘のとおり、日本だけをどういうふうに扱うのかという問題は今後残ってまいろう、こう思うのでございます。
 ただ、その場合の主張は、日本はすでにホットランという段階まで来ておりますよ、しかもこれは三年前までアメリカとずっと折衝を続けてきた結果、アメリカがむしろプルトニウムを単体として抽出をして、それで再処理をやって、それから高速増殖炉へ進んだ方がお互いに得ですよというアドバイスに基づいてやってきたものだということは、これは明らかな歴史でございますから、この点はやはり申し述べなければならない一番ポイントであろうと思います。
 ただし、やはり保障措置ということは重大なことでございますから、現在の調査結果を待ちまして、より一層完全な保障措置があれば、十分私たちもそのことを前進的に考えなければなりませんし、なおかつ、運転をしながらいろいろ得られる資料等に関しましては、これはINFCEPを初めIAEA等の国際機関にも十分に提起をしましょう、サプライいたしましょう、これぐらいの気持ちで臨みたい、これはいま申し上げてもいいのじゃないかと思う次第であります。
#33
○石野委員 三年前にアドバイスを受けて、日本はそれを実行してきたものだからというのは、一つの外交交渉のてこにはなると思うのです。しかし、アメリカはその後に大統領選挙を通じて非常に激しい政治論争をして、国民の世論にこたえてカーターが出てきた。カーターの主張する核政策は、選挙を通じて国民にアピールしているわけです。しかもこの問題は、先ほど宮崎委員からもお話があったように、アメリカの国内においても若干の批判を受けつつもカーターはこれを世界に宣言し、実行しようとしておる。したがって、私どもは福田総理がカーターの核政策を理解し、支持するというたてまえからしますと、特殊な例を、三年前のアドバイスに基づいているからということだけで逃げ切ることはなかなかできないだろう、こういうふうに私は思うのです。したがって、先ほど質問しましたように、日米原子力協定というものがあって、その中で特殊な位置づけを日本がその協定のらち外で確保しようとすれば、これは何らかの担保がなければそういう外交交渉の成果は得られないだろう、こう思います。
 大臣のお話では、まだそれについての検討は進んでないということだそうですから、やはりその検討が進みました場合には、われわれは外交の秘密性はよくわかりますけれども、日米原子力協定というものは国会の論議にものっている問題ですし、国際間の協定の問題でもございますから、それに何らかの条件がついてくる場合はそれを知らなければいけない。だからこれはひとつ早急に、そういうものがあったときには、われわれにわかるような資料提供なり何かしてもらうことをお願いしておきます。これは非常に重大だと私は思っておりますので、その点ひとつ、次の委員会は臨時国会の召集後だということを聞きますけれども、それ以前に当然そういうことが行われると思いますので、何らかの方法でそういうことがわれわれにわかるように大臣は措置してほしいと思いますが、いかがですか。
#34
○宇野国務大臣 いま申しましたとおり、外交のいろいろな交渉中に果たしてそうしたことが可能かどうかという面もございます。これもやはり慎重を期さなければなりませんが、しかし、わが方の主張は常に明らかにしなければならない、こう思っておりますから、したがいまして、そういう主張に関しましては、われわれがよりました、そうしてこういう方針が大体決まったということに対してはやはり内外に常に明らかにすることがたてまえだと存じますので、そうした方針等々に関しましては私はやはり明らかにする時期があろう、こう考えております。
#35
○石野委員 そういうものができれば、当然やはり――技術折衝、第三次交渉に入るそれ以前にも大臣はみずから訪米しなければならないかもしれないという先ほどの御答弁がございました。当然やはり、訪米する段階ではそういうものが一定程度内閣で方針が出てないといけないだろうと思うのです。いまの見通しからいいまして大臣は、臨時国会は今月の末に開会されるように聞き及んでおりますが、その間大臣がやはり訪米するというようなことを考えておりますか。
#36
○宇野国務大臣 これは先ほど申し上げましたとおり、現在の私といたしましては、今後の折衝に二つの方法あり、一つは、第二次に引き続いて第三次もやって、そこで政治レベル問題が残されて、そのハイレベル問題を両国の担当者が交渉して煮詰めるという方法と、最初から両国のハイレベルの担当者が寄って、そうして一つの枠組みをこしらえて、その枠組みの中で、たとえば保障措置、日米間において保障措置をどうしましょう東海の保障措置をどうしましょうという問題をやはり鮮明にしていかなければならぬ、私はこう思います。したがいまして、現在でよいのか、それとも今後研究にまつところがあるのか、いろいろございましょうから、そうした問題を一つの枠組みといたしまして、それではその問題に関してはひとつ今後事務レベルで速やかにその枠組みの中の作業をしてもらう、そこで両国が合意しよう、こういう方法の二つがあるということでございます。
 したがいまして、私はどちらでもいいよ、こう言っておりますが、しかし、じんぜんと日を待つということは今日許されません、日本の情勢から申し上げましても。だから、ただアメリカさんから返答が来るのを待っておるのだというふうなことではいけないので、むしろこちらからアクションをどんどん起こすべきだ、こういうふうに申し上げておりますので、したがいまして、私といたしましてはそうしたことも今後関係閣僚会議なりあるいはまた総理を交えまして、十二分に慎重に検討して決定をしていきたい、さようなことでございますから、もしいま私が申し上げました二番目のことが一つの方針として打ち出され、アメリカもそれになるほどというふうな同意を得るならば、私は訪米も極力早い機会にしなければならない、こう考えておるところであります。
#37
○石野委員 シャインマン団長がこの報告書に基づいての報告をアメリカで大統領まで上申するといいますか、そのときに大統領が一つの結論をどういうふうに出すのか知りませんけれども、日本はその大統領の結論が――現に調査報告書は両論併記はないのですから、その内容がどうなっているかは憶測の限りでありませんけれども、少なくとも主張点の上から言えば、アメリカの主張が非常に重い力点を持っておるのだと私は予測するのですよ。これは間違っているかもしれませんよ。だけれども、恐らく私の推測ば間違っていないと私は思っておりますから、そうしましたときに、大統領の決断が出て日本に一定の報告をなされた場合には、それは素直にその報告を聞くというような政府の構えであるのか、あるいはそれはまだ交渉の過程にある問題だというふうに見るのか、そこのところをひとつ。
#38
○宇野国務大臣 そこが非常に重大なところでございます。きのうも私は提言をいたしておりますが、大統領決断ということはあり得ないだろう、なぜかならば、外交交渉中に決断してしまって、そうしてこれだということだと一方的な押し切りにしかすぎないので、話し合いというものはどこにもないじゃないか、決断じゃなくして自分の内意を示して方針なり方向なりそうしたことを指示することはあるであろう、こういうふうにお互いに考え、そのことをまた外交ルートを通じてわれわれそういうことだということをはっきりしておかなくちゃいけないよ、こういうふうに申し上げておるわけでございまして、私とシャィンマンとの話し合いにおきましても、決断ということはないのであります。大統領はそれなりにこれを読んで評価されるだろう、それに基づいて第三次交渉が始まるだろう、シャインマンはこう言っておりますから、したがって交渉の余地があるということでございます。したがって、一方的に押し切ってしまって、それに従ってくれ、それが交渉だというものであるとは私たちは考えておりません。
#39
○石野委員 そうしますと、どうしても大臣はやはり早い時期にアメリカへ行くということは決定的に考えなければならぬものだというふうに思います。大臣もそういうふうに思っておられますか。
#40
○宇野国務大臣 私自身の個人的な判断からいたしますと、従来の外交パターンがどうであれ、そういうものとはまた別の新しい外交でございますから、したがってむしろ何度でも行って、やはり日本の真意を伝える、そうして運転にこぎつけるということが必要なことである。だから、そういう意味ではむしろ早く行って、この調査結果に基づくわが国の考え方をはっきり申し述べ、そうしてそれによって枠組みを決めた方がいいんじゃないだろうか、私自身はそういうふうに考えております。
#41
○石野委員 東海の再処理工場は商業用のものではなくて実験用のものであるということは双方認め合った。この実験用のものであるということは認めたということは、その代替案との関連ですね、幾つか報告書の中で出ておる代替案というのは何らかの形で作業工程の設計上の変化等が含まれておるものと思います。そういうものを含まれている段階で従来の既定方針どおりのホットランへずっと入るということは恐らく無理だろう、できないだろう。だから、その代替案というものを抱え込んだ中で作業が進むというのでないと、双方の調査結果を実践するについてのやはり裏打ちができないのじゃないかというふうに私は思うのですよ。代替案は代替案だ、日本は既定方針どおりのホットランへ入っていくのだ、こういうことはあり得ないと思うのですが、大臣はそういうことはあるというふうな主張でお話をなさっておるのか。その代替案を抱え込んででないと、東海の運転に入り込む、ホットランに入るということはできないというふうに見る私のこの考え方に対してどういう御意見なのか、ちょっと聞かしてください。
#42
○宇野国務大臣 非常にデリケートでございまして、いま石野委員の御質問に対しましてすっと答えますと、実は何か内容に触れてしまったというふうなことになってしまいますね。そこでもう少しく私的な解釈をいたしますれば、この両調査団はあくまで政策的な判断はしませんよ、純粋の技術的判断だけでございますよ、そうしてそのことは、日本がいますでに既存の運転方法を決めておる、これも当然一つの調査の対象にいたしましょう、そうしてカーターさんは核不拡散という哲学を持っておるのだから、原則を持っておるのだから、できたらその線にも沿いたいから、いわゆる代替案はいかがであろうか。このことは新聞でも明らかになりましたようにいっぱいございました。では、既存の運転方針を切りかえて代替案にした場合には、一体全体どれだけの日数を必要とするのか、技術的にそのことは困難なことなのか、イージーなことなのか、あるいはまた、お金は第一どれだけかかるのだ。そのお金は何もアメリカが出すのではなくて、日本国民の税金からちょうだいしなければならぬ。税金を使うわけですから、どれだけかかるのだろう、こういうことになりますから、アメリカといたしましても、日本がせっかくここまでやってきた日本の核燃料サイクルそのものにこのこと自体が重大な影響を与えるのか与えないのかというふうな、そうしたことが一つの調査目的でございまして、その調査目的に従いまして非常に微に入り細にわたりましていろいろと調査がなされた結果でございます。だから私は、両論併記はございません、一つとらまえて、抽象的ではございますが、両論併記はなかったことに対してわれわれは実は評価いたしております。こういうふうに申し上げておるわけでございますから、石野先生がいまおっしゃったことを私が全面的に頭から否定してしまっておるという意味では決してございません。否定してしまうということになれば、これは内容に入ったような感触なきにしもあらずということでもございますから、そうした意味ではございませんが、われわれといたしましては、いま申し上げたような目的、その結果として報告を受けた感触を申し上げれば、両論併記でなかったということに対して、日米両方の調査団が真剣に純技術的な立場で調査をしていただいたことにむしろ私は非常に喜んでおる、これが日米間のステップ・バイ・ステップの非常に大きなステップであったというふうに評価しておるということでございます。
#43
○石野委員 両論併記をしなかったということの見方はいろいろあると思うのですよ。いま大臣の言われるように、わが国の立場からも非常に評価できるものだというのが外交辞令上の言葉ということでなく真実であれば、日本の意図は相当程度その中に入り込むわけですね。しかし、そうでなく、やはり両論併記しなかったことを評価するということか一つの外交辞令的言葉として出てくるとすれば、日本の主張はやはり日米原子力協定等を踏まえて一定程度枠がはめられているというふうに見ざるを得ない。どちらであるにせよ、代替案がその中に幾つか出ておるということになりますれば、ホットランなり何なり実際の運開ということになりました場合に、それを無視してホットランなり何なりに入り得るということは考えられない、これは私どもはそう思う。そこで私は、大臣が言うように日本の方に非常に有利に進んでいるんだということになれば、運開はずっと進んでいくと思いますけれども、私はなかなかそう簡単にはいかないように思います。これは報告書を見ていないのだから、推測だけで言うことですから、何か雲をつかむようなことでどうにもなりませんけれども、交渉の過程や、それから特に急転直下、七月再開について、これはならないという大臣の見解表明等を見ますると、その交渉は必ずしも日本に有利には進んでないように私は思う。
 こういう問題は、再処理工場の問題について基本的に私たちが考えていることは別としまして、外交交渉の側面におけるその実体を国民が見ようとする場合に、もっとはっきりしないと過ちを犯しますし、それから人々の判断が非常に混乱を生ずることになると思うのです。ですから、私はなるべくやはり――選挙中でわれわれもこの問題をずいぶん論議しましたが、その間政府の方針は七月運開だけで押し通してきたわけですよ。選挙が終わった途端にがらっと変わった、百八十度変わった方向の見解表明になってきた。この点私は何だか非常に疑問を持っております。卒直に言いますと。選挙運動との関係もあるのじゃないかなと思ったりするぐらいの疑義を私は持っておるのです。
 それはさておきまして、まあ現状からいたしますと報告書に基づいて対処しなければならないことだけは明らかになった。それはなかなか道は近くないのだ、遠いのだという感じもいたします。
 そこで、先ほど大臣は、というよりも私は茨城ですから非常に関係も深いのでございますけれども、原研から動燃の方へ核燃料の運搬をするということが、やはり協定などが結ばれて、そしてしかも大臣の指示によってこの十四日か十五日に運搬されるのだということも聞き及んでいるのです。大臣の言うように今月中とか来月中にホットランへ入っていくということならば、この運搬はその方面からする必要性の問題について出てくるだろう。だけれども、日米交渉の中で、それが簡単に来月や再来月ではないのだということになったときに、早急に地域住民との協定を結んで強引に原研の責任において運搬しますというようなこと、われわれがびっくりするような形でぱっと出てきたこの問題について、私は、地元住民から見ると一つの驚きがあるのです。むしろ方向が明確でなければ、やはりこの運搬は一定の方針が出るまで原子力研究所の中へそのまま置いておいたらいいじゃないか。合意に達した上でやってもちっとも遅くないことだ、持っていっても何も作業が行われないのですからね。先ほどお話しのように切断も何もできないのです。そんな急ぐ必要はないじゃないか。急ぐという理由は、むしろ政府の原子力政策なり何なりというものを住民にアピールしたり国民にアピールすることのねらいがあるのじゃないだろうかというように私は疑問を持ちます。
 大臣、これは合意が早急にできないという段階であるならば、この核燃料運搬は、もう少し合意に達するまで運搬することを急がないで、そのままにしておくという意思はございませんか。
#44
○宇野国務大臣 これはもう明らかにわれわれの判断でやればよい仕事でございますから、先ほど申し上げたとおり、一々アメリカの了解を得なくちゃならぬという問題ではないわけであります。しかも再処理施設の運転ということは、わが国にとりましては将来の死活問題につながる問題だ。したがいまして、すべての準備はあらゆる場面に備えまして一日も早くいっときも早くしておく必要があろうし、また、こうしたことに関しましてもやはり訓練ということも必要でございます。そのプールにつけるために、そうしたことも従業員の人たちのより一層安全を期するためにはいろいろな取り扱いの面でも、その間決してプールにつけたままでほうっておくというのじゃなくして、やはり動燃は動燃でそうしたことも考えなくちゃならない、かように存じますし、一応合意を得なくてもよい問題ではあるが、外交交渉の最中であるから両国の意思の疎通を図る上においてもきちっとお互いに連絡し合って、向こうからもそのような細かいところまで御連絡賜って非常にかたじけない、そういうふうな返答まですでに来ておるというような状態でございますから、私は既定方針どおりこれはやっていきたいと存じます。また、安全性に関しましては、すでにそれぞれの機関でその安全性を確認いたしておるような次第でございますので、ひとつその点も御了解賜りたいと存じます。
#45
○石野委員 無理に急がぬでもいいような気が私はしますけれども、方針であればそれは承っておきます。
 けさの新聞によりますと、福島の発電所でいろいろな故障があって問題が大きく、夏のピーク時における給電にも差し支えが来るのだというようなことがございましたが、やはり福島の事故というのはかねてから私も指摘しておったことと符合する面が多分にあると思っておりますけれども、また新たに戻りノズルのところにひび割れが起こったということが言われております。簡単でよろしいですから、事情の報告なり説明をちょっとしてもらいたい。
#46
○武田説明員 福島の発電所につきましては一号機、二号機、三号機があるわけでございますが、三台同時並行していま定期検査をしているところでございます。
 それで、定期検査の過程で月に一遍か二月に一遍ぐらい、その一月、二月の間に新たにわかったことをまとめてプレス等にレリースするというようなプラクティスをこの二月以来私どもとっておりまして、それで実は昨日発表いたしましたのは、たしか五月以降じゃなかったかと思いますけれども、前回発表して以来定期検査の進行に伴いまして新たに見つけ、それで手配をするあるいは処理をするというような事項を三件を発表したわけでございます。
 一号機、二号機、三号機に即しまして簡単に申し上げますと、福島の一号機につきましては、いままでわかっていたこと以外に再循環系の分岐配管の点検というのが最近行われまして、その結果一部ににじみなりあるいは超音波の探傷検査での異常な指示、こういったものが発見されまして、これは従来もほかのケースであったような事象でございますけれども、当該部分を取りかえるというようなことで作業をさせることにいたしております。
 それから二号機につきましては、先ほど先生おっしゃったことでございますが、制御棒駆動水戻りノズル、ちょうど二号機はその定検のタイミングになりまして、それを調べましたところ、ノズルの部分に微細なひびが発見されたということでございます。これは福島の一号機、三号機はすでにもうそういう点検をもう少し前の時期に終わっておりまして、いずれも微細なひびが発見されておりますが、その一号機等と同様な措置をとるというような手配をさせているところでございます。
 それから三号機でございますけれども、三号機につきましてはコレット、リテーナ・チューブ、ちょっと専門用語でございますけれども、制御棒の位置固定装置をカバーしているチューブでございますが、そこで液体浸透の探傷試験、こういうものをやりまして、微細なひびを発見しております。それでこれはもっと前の時期に福島の二号機でも似たようなことがございまして、現在三号機につきましては詳細調査をしているところでございます。
 これが御指摘のひび等々の最近、前回いろいろあちこちに御報告して以来の福島の定検状況でございました。ただいま申し上げましたようなことの処置も含めまして、これから作業するわけでございます。
 以上でございます。
#47
○石野委員 また別な状態で、大洗の原子力研究所のJMTRで去る六月の七日に配管の破断があって漏水している、一次系の漏水があったという事実についてひとつ御説明願いたい。
#48
○牧村説明員 先生ただいまおっしゃいますように、六月七日の未明でございますけれども、JMTRの原子力一次冷却水入り口圧力計の指示値がゼロになりました。これは後に故障ということのようでございますが、そのために原子炉が緊急停止したわけでございます。この指示値がゼロになりましたために、炉心内に水を急速に送るというような操作が当然働くわけでございますが、その操作等の関連であろうかと思いますけれども、主ポンプ室におきまして一次系の水が若干漏洩したということでございます。それで、推定の漏出量は約七立米ということを原研から報告は受けております。
 この漏洩水は、床ドレーンから排水貯槽に貯留されまして、施設外に漏洩することなく、また被曝した者もいないということのようでございます。現在、研究所といたしましては、炉を当然とめたわけでございますが、燃料棒を抜き取り、故障した、漏洩があった配管部分を切り取ってその原因を調査中でございます。
 以上でございます。
#49
○石野委員 ラスムッセン報告によると、こういういわゆる一次系配管の破断なんということは絶対にあり得ないことだという想定が行われておって、まず考えられないことだというふうに報告の中では記述されているわけですね。そういうようなことがこれに出て、われわれがいままでいろいろ心配していることが次から次へ起きてくるわけですね。私は、きょうはもう余り時間がございませんからこのことの深い追及はしませんけれども、これはいずれもう少し細かく報告してもらいたい。少なくともきょう現在の段階では、それがどういう原因であったかということのいままでわかっている範囲での報告と、どういう処置をしたのかというようなことですね。そしてまた、いま約七立米の漏水がありまして、それは別に貯蔵タンクの方へ管理保管されているわけですが、少なくともこれは一次冷却水でございますから、やはり相当な放射能のなにがあるであろうと思うのです。その漏水に基づいて労働者の被曝が必ず出ているはずですね。だから、その被曝状況はどういうようになっているかということだけをこの際ここでひとつ報告してもらいたい。
#50
○松田説明員 原因につきましては、現在までのところこれはまだ明確には――破片の調査の必要がございますが、一次系の圧力が、計器だけの信号が下がりましたために圧力が下がったということは水がなくなっているということと器械は解釈しまして、水を送り込んだわけです。したがいまして、結果として圧力が上がりましたことから圧力を逃すための自動的なバルブが働きまして、そのバルブがかなりばたばた出したり閉じたりした、その振動に基づくパイプの振動が原因になりまして一種の亀裂を発生したというふうに一応考えております。
 それからパイプといいましてもいわゆるメインのパイプではございませんで、メインのパイプから分岐した小さいパイプでございます。これは圧力を逃すようなバルブにつながっているパイプでございます。
 それから、いま御質問のございました一次冷却水の処置でございますが、当然別の貯槽に流れ込んでいるわけでございますが、一次冷却水の放射性物質の濃度は、報告によりますと、いわゆる全ベータというもので、一・八掛ける十のマイナス二乗マイクロキュリー・パーcc、主な核種はナトリウム24、こういうデータでございます。これは計器類でございますので、いわゆる軽水炉とちょっと違った核種などが組成上当然出てくるわけでございます。
 それから、作業員の放射線の被曝につきましては、この作業によって最大十四ミリレムという程度でございまして、物が小さい関係上そんなに大きな被曝は起こってないという程度でございます。
#51
○石野委員 労働者の被曝の状況はどういうふうになっておりますか。
#52
○松田説明員 いま申し上げました十四ミリレムといいますのがこの一次冷却水の漏れをとめるためにいろいろ作業をした人たちの被曝の中の最大でございます。
#53
○石野委員 これは後で細かい資料を出してもらいたいと思うのです。もう時間がないから細かく聞けないので、その資料を提出してもらうことをひとつ要請しておきます。
 大臣、再処理の問題はいま日米の間でずいぶん交渉が行われておって、再処理をしなければ日本の今後の生命にかかわるのだというようなことを盛んに言われるわけですけれども、現在、原子炉というのは、十三のうち稼働しているものが率直に言って幾つあるのでございますか。
#54
○武田説明員 営業運転に入りましたのは、先生おっしゃっているように十三台でございます。ただ、先ほどの福島を含めまして定期検査をしているものが半分以上ございまして、現在運転しておりますものが五台、原子力発電会社の東海、中部電力の浜岡、関西電力の美浜のうちの一台、高浜は二台のうちの一台、それに九州電力の玄海、これが運転中でございます。ただ、定期検査の最終の段階では、出力を出して運転して性能をチェックするというような部分も定期検査に含まれている場合がございまして、そういった段階、いわば正式の運転と言うとちょっとおかしいのでございますが、表につくりますと検査中、しかし出力を出して運転しているという中途半端なものがほかに一、二台ございます。
 以上でございます。
#55
○石野委員 再処理工場というのは、幾ら材料を調えてみても、結局原子力発電所、発電炉が稼働しなければ意味をなさないですね。その発電炉の中に多くの事故、故障等が起きているわけです。この問題を抜きにして原子力政策は考えられないと思いますが、再処理工場の問題は再処理の問題で日米交渉があるのだから、それは別途にそういう交渉を進められるのは政府の勝手ですけれども、原子力政策並びにエネルギー問題の上で次から次へ起きてくる原子力発電所の事故、故障というものについてもう少し落ちついた形で物を見るということをしないと、これはだめなのじゃないだろうかということを深く感ずるのです。
 先般、新聞によりますと、大臣は原子炉の安全設計で新指針を原子力委員会として出されたそうですか、これはいま具体的にはどういう扱いなり進行過程に入っており、また、この設計の新指針というのはどういうところに重点を置いているのですか。
#56
○松田説明員 安全設計審査指針は、原子力委員会で決定を見まして、その後科学技術庁及び安全審査会、それから通産省に、こういう指針を定めたので、これによって設置許可の審査を行われたいというふうに送られておりまして、当然、安全審査会は、目下安全審査をしております対象の炉の審査にこれを使ってやるという作業を行っております。それから、設計審査指針の内容は、実は前に決められました、つまりいままであった設計審査指針の条文に比べましてかなり追加になっておりますが、追加された内容は、実際上の原子炉の審査におきまして、その後の運転経験あるいは設計上の改良点等によって蓄積された経験で実際審査には使っておりましたいろいろな内規的なものを全部この際明確に審査基準に格上げしたというものがほとんどでございます。ただ、そのほかにも、たとえば例の有名なアメリカのTVAの火災というような経験、つまり外国で起きましたいろいろな経験等にかんがみまして、火災についても十分設計上の考慮が払われるようにという条文でありますとか、あるいは外部から、たとえば飛行機のようなものが衝突する場合というようなことについても千分検討しなさいとか、そういういままで一応検討されておりましたけれども、この際改めて基準に取り入れた新しい要素も若干ございます。まあその辺が大体主なものでございます。
#57
○石野委員 安全審査新指針というものが一つ出たのは、アメリカのそういうようなものに示唆を得てということもありますけれども、現実に日本でやはり現に炉をとめているといういろいろな問題がありますね。特にひび割れの問題等については、これは材質の問題なのかあるいは設計構造上の問題なのかどうかわかりませんけれども、こういうような問題がもう一遍見直しされ、再検討されなくてはならないような感じがするのです。
 私はやはり、この新指針の中には、現実に炉をとめている具体的な事象、そういうようなものがどの程度取り上げられているのか、それはひとつ後で教えてもらいたいのです。ただ指針があるというようなことで形だけは整えてあるけれども、実質的には違った方向でどんどん問題が出てきているということになると、どうも日本の原子力に関する施策というものが常にアメリカで出てきた問題に右へならえしていく、日本独自の自主的な問題としての視点が明確に出てこない、やはりそういう感じがしてなりませんので、それはひとつ後で資料を提供してください。
 それから、この際、私は大臣にちょっとお聞きしておきたいのです。これは通産の方あるいは経企庁の方からも来ておりますけれども、石油連盟の方で為替差益をよそに石油業界は値上げを実現するという動きをどんどんしているという問題について、政府はこの石油業界の値上げというものをどういうふうに見るのか、為替差益の問題それからエネルギー政策の問題、石油確保の問題、そして一般の国民の生活の問題、それらを含めて政府はこういう業界の石油の値上げ問題をどのように見ているかということについての見解をひとつお伺いしたいと思います。
#58
○宇野国務大臣 石油業界は私の直接関係するところではございませんが、まあ国務大臣としての私見を申し述べろということだろうと思います。
 石油に関しましては、現在、一番大切なことは常に安定供給がなされることである、そのためには備蓄ということも忘れてはならない。現在、立地条件が非常に悪うございますから、まだ九十日というふうな備蓄がなされておりません。そうしたことに対しましても、今後は、政府も民間もさらには地域の方々にも十二分に理解を得て備蓄政策も進めていかなければならぬと思います。
 そうしたことから考えますと、単に業界のみにその責めをすべて負わすことの是か非かということも考えていかなければならないわけでありまして、従来特に九九・七%輸入いたしております石油に関しましては、もしそれ海外において値上げがなされた、そのことがたちまちわが国の物価の面におきましてはいわゆる輸入インフレとしての要素が常に二〇%以上あると言われておる問題でありますから、こうした面に関しましても考えていかなければなりません。しかし、それが純粋に外的要因によるものであった、そしてそれが備蓄量によって薄めることができないような要因であったということに関しましては、やはり国民もそれだけの負担はしてもらうのが当然であって、余り何でもかんでも業界、何でもかんでも政府というのではなくして、非常に限られたエネルギーでございますから、さような意味では、消費者に転稼される面もあってもよい、私はこういうふうに考えております。
 しかしながら、いまおっしゃる、差益金があったにもかかわらずその過程において値上げをするのはどうかという問題に関しましては、差益金という問題が、今日やはり差損の場合もありましょうし、いろいろこの問題をかつて私は党にいたときにも検討したことがございました。非常にデリケートな問題で、中には差損を生じたときには補償をしろというふうな話があって、では補償するのだったら差益のときには出すのか、こういうような逆の議論もあったような次第でございます。現在、細密にわたって備蓄と海外要因と現在の為替差益との問題がどういう関連にあるかは私存じませんので、その辺に関しましては私から御答弁申し上げることは差し控えたいと存じます。しかしながら、国民生活は石油によって非常に支えられておりますから、お互いに自粛をしながら、考えながら、こうした問題も協力していかなければならない、政府も当然最大の配慮をしていかなければならない問題である、かように存じております。
#59
○石野委員 時間がありませんので最後に一つだけお聞きしておきますが、総理大臣が選挙中に青森で、原子力船「むつ」の母港について複数を考えるということを記者会見で発表しておりますが、大臣はその問題はどういうふうにいま扱われておるのですか。
#60
○宇野国務大臣 これは総理よりも先に私が、しばしば通常国会におきましても予算委員会でもそういう御質問があったときに、母港即佐世保かというふうな御判断のもとの発言があったり、母港とはすなわち大湊かというふうな御発言もございましたが、まだそうした母港は決めておらない、しかし将来原子力船時代を迎えなければならないし、そのためには母港は必ず設けなければなりません、現在まだどことも接触いたしておりませんし決めたわけではございませんが、そうした意味において私は複数を考えている、こういうふうに申し上げておりますので、そうした私の従来からの方針、これを総理もお認めになっての発言であろうと存じております。
#61
○石野委員 大臣は、その問題について全然まだ複数の場所に対してはタッチしていないのですかどうなんですか、もう一遍お聞きします。
#62
○宇野国務大臣 全く白紙でございます。
#63
○石野委員 終わります。
#64
○山田委員長 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十七分休憩
     ――――◇――――−
    午後一時五分開議
#65
○山田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。貝沼次郎君。
#66
○貝沼委員 午前中も話題になっておりましたけれども、今回行われました日米合同専門家調査団の調査の結果、記者会見がなされております。その声明をもとにして質問を若干いたしたいと思います。
 それで、この問題に非常にかかわってくるのでありますが、その前提といたしまして一言聞いておきたいと思いますのは、この日米原子力協定の第八条C項の解釈であります。ことに、合意がなされなければならないわけでありますが、合意がなされるための条件、これはどのような法的解釈になっておるのでしょうか、事務当局にお尋ねいたします。
#67
○山野説明員 再処理をわが国で行うに当たりまして、米国産の濃縮ウランの場合には、わが国においてその使用済み燃料を再処理する件につきまして保障措置が効果的に適用できるということを条件としておるわけでございまして、効果的に適用できるかどうかという点について両国政府が共同決定をする、こういう趣旨でございます。
#68
○貝沼委員 そういう趣旨はわかりますが、その合意がなされるために、たとえば日本国と米国との間で書類によってあるいは話し合いによってこの合意というものが成立するという解釈によるものなのか、それとも今回のように両方の調査団というようなものが出て、そして実地にながめて検討して、さらに合意がなされなければならないという趣旨の解釈になるものなのか、この辺はどうですか。
#69
○山野説明員 今回の調査団と申しますのは、調査団自身の位置づけといたしましては、これが交渉を行うという趣旨ではございませんで、二次交渉の結論に基づきまして各種の技術的観点から現在の東海の再処理工場というものを検討して、その事実に基づいたデータを今回の日米の交渉に役立たせようという配慮によるものでございまして、八条C項を行うに当たりまして、調査団による調査を行うということが必須の条件であるということはないかと存じます。日米間で話し合いをいたしまして、合意に達すれば八条C項が発動される、こういうことになろうかと存じます。
#70
○貝沼委員 そういたしますと、今回のこの調査団は八条C項にかかわって結成されたものではないという意味になりますか。
#71
○山野説明員 ただいま四月以降進めておりますこの日米の再処理についての交渉というのは、もともと御指摘の日米協定の八条C項に基づく交渉でございますので、調査というものの広い意味でその交渉の過程における一環であるというふうに理解すれば、この八条C項にかかわる現地調査というふうな言い方もできようかと存じます。
#72
○貝沼委員 八条C項にかかわる現地調査であるとするならば、今後こういった問題が起こった場合に、やはり現在のこの調査というものが一つの前例になって、そして調査団というようなものがっくられ、実地調査が行われていくというふうになってまいりますと、八条C項の解釈といささか違った面が出てくるような気がするわけでありますが、その点はどういうことになりますか。
#73
○山野説明員 今後この八条C項を適用するに当たりまして、必ず技術的な調査団を組んで合同で現場を調査するということが必須の条件になるかどうかということは、私どもは必須の条件になるとは考えていないわけでございまして、今回たまたま第二次交渉の過程におきまして、現場も一度しさいに検討して今後の交渉に役立たせようという趣旨で行われたものでございまして、今回のは特殊なケースであるというふうに理解しております。
#74
○貝沼委員 特殊なケースと理解しておるのはわが国の方でありまして、同時に調査をいたしましたアメリカの側といたしましては、この確認はなされておるのですか。
#75
○山野説明員 今後八条C項による協議というものが将来別の機会にありました場合に、こういう調査をするかしないかといったふうなことは、一切触れられておりません。
#76
○貝沼委員 それが触れられないのに、こちらとしてはこれは前例には恐らくならない、必須条件にはならないという判断をしておるわけですけれども、これは一方的な判断であって、向こうがこれを一つの前例としてきた場合には、わが国の立場というのは非常に弱い立場になっていくのではないか。こういうところから考えて、この再処理の問題にいたしましても、後で触れますたとえば濃縮の技術の問題にいたしましても、いま日本の国では自主開発ということが非常に重要な段階に入っておる、そういうようなときに、一々その国の調査団が入ってきて、中を見なければ話し合いがつかないという段階は私はちょっと心配があるわけであります。そういう点から、そういう調査団が結成された時点で、これはもう前例にはならないのであるとか、あるいは八条C項とは切り離しての問題であるとかというような詰めがなされておらなければならなかったと思うわけでありますが、この点は全然詰めはなされなかったのですか。
#77
○山野説明員 現場についての調査が要るか要らないかというのはまさにケース・バイ・ケースの判断でございまして、今回の交渉においてば、現場を共同で調査するのが今後の交渉を進める上で非常に役に立つというふうに日米双方が判断したので、そのように取り計らったわけでございまして、今後再度同じようなケースがある場合には、その時点における必要性というものをまた両国政府が改めて判断いたしまして、事を処するというふうなことになろうかと考えております。
#78
○貝沼委員 要するに、今回の場合はそういうところまでチェックはしていなかったということですね。今度またそういった事件が起こった場合には、また両国政府において話し合いがなされてどちらかの態度が決定されるであろうという答弁だと思いますけれども、私はそういうケース・バイ・ケースということはわからぬわけでもございませんけれども、ケース・バイ・ケースは原則あっての上でのケース・バイ・ケースであって、ケース・バイ・ケースが原則になるなんということはちょっと考えられないと思いますが、この点いかがでしょう。
#79
○山野説明員 わが方が、調査をするということは前例にすまいということを事前に言っておるわけではございませんが、一方米側が、今後八条C項を共同決定するに当たりましては必ず調査をするということを要件と考えましょうということも言っていないわけでございまして、そういう趣旨におきまして、私は特に悪い先例になって、米側がこの先例を盾に、八条C項の場合には調査は必須の条件であるといったふうなことを強要してくるおそれはないというように考えております。
#80
○貝沼委員 ないと言いますけれども、それはそう確信しているだけの話であって、何ら歯どめになるものはないわけですね。これは先ほど申し上げましたように、私は、自主開発という問題がそれでもってなし崩しにされるのではないかということを心配しておるわけであります。
 そこで、本当に日本の自主開発というものを進めようとするならば、その辺の技術の問題、これは事務当局としてもきちっと詰めるところは詰め、そして今後の弊害にならないように、悪い条件にならないようにやはり歯どめをしていかなければならぬと私は思うのですね。ただ再処理を急ぐ余り、とにかく少しでもアメリカがいい顔をしてくれるならばというので余り急いだのでは、これは決して将来の日本のためによくない、こういうふうに私は考えるので、この点を言っているわけであります。
 この点、いままで大臣、聞いておられたわけでありますけれども、どのようにお考えになりますか。
#81
○宇野国務大臣 まことに適切な御指摘だろうと思います。
 仰せのとおり、将来はわれわれはエネルギー問題に関しましても、自主開発によって首の根っこを海外に押さえられない体制をつくりたい、こういうことでございます。残念ながら現在はまだきわめて、第一段階、第二段階といった程度の実験段階でございまして、すべて日米原子力協定に基づくようなことが多うございますから、したがって、われわれといたしましても、この共同調査によってよりアメリカの理解が得られるであろう、はっきりするであろう、そういうふうなことでこの調査に踏み切ったという経緯もございますので、もちろんこれは悪い例として残ったものではない、いま局長の申したとおりである、こういうふうに存じておりますが、しかし、自主開発というたてまえを今後も強く貫く上からは、そうしたことが一つのパターンで、今後かえってそれによる拘束がありはしないかという御指摘に対しましては、今後とも十二分に検討いたしまして、慎重に対処していきたい、かように存じております。
#82
○貝沼委員 そこで、この声明の中身について二、三お尋ねいたします。
 要するに日米合同専門家調査団の調査の目的と、それからその成果、それで、それをどのように評価しているかということに尽きるわけでありますが、まず具体的に目的の問題でありますけれども、記者会見の声明では、読んでみると、これが何となくわかるようでわからない。午前中の質問でも、この目的について大臣からいろいろ答弁がありました。それも少しこれと違うようなニュアンスの答弁も出ております。そこで、この目的というものが果たしてどこにあったのかということが私は非常に疑問に思うわけであります。
 たとえば、福田総理大臣は先月の初め遊説先で、調査は東海村工場の試運転を認めることを前提にして行われるものだ、こういう発言をしておるわけですね。また宇野長官は、計画どおり七月運転を目指す――これは目指すのですから私は問題がないと思いますけれども、何かそのためにこの調査という感じがあります。それからシャインマン団長、これは午前中長官が言っておりましたけれども、日本の核物質防護措置は万全で、感銘を受けた――果たしてそういう言葉かどうかわかりませんが、そういう趣旨のものが載っておりました。
 こういうように、この一連の報道を見てまいりますと、いかにもそのための調査、こういうふうに見えます。
 しかし、今度は反面、米国側の様子を見てみますと、七月十二日の報道によりますと、米国務省筋が十一日に発表したという中に、プルトニウムの単体抽出は、現在いかなる条件でもカーター大統領の包括的核政策とは合致しない、こう言っているわけですね。それから再処理する使用済み燃料のたとえば五%ないし一〇%がプルトニウム単体で抽出される、そして残りがウランとプルトニウムの混合で取り出されるような方式がたとえ実施可能としても、それはカーター政策に反することになる、こういうようなことが述べられております。
 こういったことを考えてみますと、要するに単体抽出は無理だ、アメリカではこう言っているように聞こえます。そうだとするならば、代替運転方法にならざるを得ない。そのためには設備を改造しなければならない。設備改造のためには、これはホットランしたのでは大変ですから、それをする前に設備の改造をしなければならぬ。設備の改造のためにはいろいろな問題がたくさんありますので、ここにもちらちら出ておりますけれども、最低三年から十五年ぐらいはかかるのではないかと予想されておるらしいのですね。
 こういったことを考えると、総理大臣や宇野長官の発言とそれからアメリカの言っておることと何となく合わない点が多いわけですね。したがって、この調査は本当に、たとえばアメリカ側の言うように単体以外のやり方で抽出する方法を目指してのものであったのか、それとも日本側の言うようにあくまで単体を主にした考え方での調査目的であったのか、この辺のところが実ははっきりしておらないわけであります。したがって、そのことにつきまして長官の見解を承りたいと思います。
#83
○宇野国務大臣 調査のレポートが出されるまでは両国はそれぞれ従来の主張を当事者は申し述べてまいった、こういうふうに私は考えております。したがいまして、われわれも七月運転を目指す、このことを申しております。またアメリカにおきましても、単体以外の方法が望ましいんだということは繰り返し申されておりました。しかし、調査の結果を踏まえたときに、やはり午前中にもお話しいたしましたように、新しいそういう機会を得たわけでございますから、だから双方が慎重にこの調査結果を評価しようという段階を迎えるわけでございますので、おのずからそれ以後の両者の考え方というものは変わってきて当然であろう、そして極力お互いが理解し合い、そしてこの問題に関する外交を円満のうちに解決しようではないか、このことも確認されたわけでございます。
 最初、調査を許すか許さないかという問題、これもわが方にとりましては重大な場面であったわけでありますが、第二次交渉団の鋭意努力した結果、アメリカ側もそうしたことをくぐり抜けることにおいてより一層日本に理解を深めたい、またアメリカの言っておることも東海の施設の調査を通じて日本にも理解してもらったらどうだろうかというふうなことでありましたから、総理大臣といたしましては当然わが国は再処理施設を動かすのだ、それが前提でなくてはうそだよ。私も、わが国の従来からの研究なり施設、そうしたすべてのものを考えますと、恐らくそうならざるを得ないでありましょう。そのとき記者会見で総理大臣が、たまたま私が飛行機の中で話しましたが、いま私たちはビールをつくるべくビールの施設をつくっておるのだが、それをサイダーに切りかえてくれと言われたってこれは大変なことだというような話をしまして、そのとおり総理大臣も言われたような次第で、だから私たちはあくまで平和利用に徹しておりまして、核不拡散の原則を守っておりますから、それはまたNPTでも明らかでありますから、自信を持ちまして調査を合同でやろうじゃないかという向こうの提案に応じた、こういう経緯でございます。
#84
○貝沼委員 この声明を読む範囲では、この目的が実は非常にぼやけておるわけであります。そこで、この調査の結果、日本でも三閣僚が寄って結論を出す、アメリカでも大統領中心で恐らく結論を出すでありましょう。そして、その後の交渉が行われていくと思うのですけれども、その結論の出る段階までこの内容についてば公開しないということになっておるわけですか。
    〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕
#85
○宇野国務大臣 当然両国で検討するわけでございますから、調査団同士の申し合わせとして公開しないということである。しかしながら、いずれまた、そうしたことが貴重なデータとして、やはり明らかにするところは明らかにした方が、なお一層こうした問題を鮮明にするということもわれわれ考えておりますから、いずれかまたそのことは両国で話し合って、お互いにこういうふうなことであったということを明らかにすることも必要じゃなかろうかと思っております。しかし、何分にも現在検討中でございますから、両調査団のそうした合意をわれわれといたしましても尊重したいと思っております。
#86
○貝沼委員 大臣の言わんとすることは内容はわかりますが、これを全般として見て感じることは、やはり単体抽出というものはかなりむずかしいというので、ほかの方法をいろいろ検討したかに受け取れる部分がかなりあるわけですね。
 そこで、たとえばこの声明の中で「東海再処理施設のための既存及び代替運転方法に関する事実関係を示すデータを明らかにし、そして、その調査結果を両国政府に報告することにあつた。」こうなっておるわけでありますが、この「既存」というのは、恐らく現在予定の方法であるプルトニウム単体抽出のことだろうと私は想像するわけであります。それから「代替運転方法」これはプルトニウムとウランをまぜた混合抽出法やあるいは原子灰や超ウラン元素などの不純物をプルトニウムに打ち込む、いわゆるスパイク法というようなもの、先ほど十五という数字も他の委員からも出ておりましたけれども、まあ大きく五つぐらいの可能性を検討したのではないかと思うわけであります。こういうようなことに対する調査結果というものが報告されるわけですけれども、これは大体どういったことを中心としてまとめられておるかということですね。たとえば日本の核燃料サイクルというものを成就させるための方向としてこれがまとまっておるのか、それとも、そうではなしに、将来どういう方法が一番いいという、そういう判断の上からのまとめ方をしておるのか、その辺は発言できますか。
#87
○宇野国務大臣 目的に関しましては、先ほど何回も申し上げましたから省略いたしますが、やはりこの調査の結果というもの、両調査団が心血を注いでおりますが、これはやはりわが国の施設であって、しかも動燃の施設である、商業用ではない。午前中、商業用じゃないということが第二次交渉団のときに合意を見たと言いましたが、これは商業用じゃないからすぐに運転というふうに結びつくものではなくて、いわゆるカテゴリーとして考えた場合には、アメリカのやつはほとんど民間の株式会社経営であるけれども、わが方は株式会社経営ではない、政府機関ですよと、そういうふうな意味合いの認識ということでございますが、そうしたことから考えましても、いま単体以外の代替法は幾つか考えられたと思います。それについてもやはり真剣な調査がなされておりますが、たとえばそれによっていまの既存の運転方法を変えなくちゃならぬ、その技術が可能かどうかということも当然その調査の対象になっておりますし、可能であって、それはあとどれくらいかかるのだろうかというふうなことも調査の対象になっておりますし、なおかつ、ある程度の期間を経て直すことも可能であっても、じゃどれだけかかるかということにつきましても、やはり調査団は詳細に検討しておるわけでございます。それらすべて、アメリカの負担ではなくていずれも日本の負担であるということもアメリカは十分理解をいたしております。
 したがいまして、われわれといたしましてもそうした面からながめました場合に、特に資源小国の日本として平和利用と核不拡散とは両立できるのだという原則で進んでおりますから、さような意味においては私は両論併記ではなかったというふうにお話を申し上げておるわけでございます。特に、やはりアメリカにも一つの良識がありまして、すでにカーター大統領が初めて核政策を発表なさったときに、日独は再処理問題等々、そうした新しいサイクルの確立については固有の権利を持っておるのだということを言っております。したがいまして、アメリカはあえてそれに内政干渉をするつもりはないのだ、またできないのだということを述べております。ただ、日本とアメリカとの間には、ドイツと違って日米原子力協定というものがあって、そこに八条C項というものがあるから、そうした手続だけは踏まないことには、ドイツと同じように日本は考えられませんよというのが、そのときのナイ国務次官補が言った新聞記者会見における内容でございますから、そうした状況のもとにこう推移してきたわけでございますので、いま内容には触れたくありませんが、概略御質問にお答えすると言えばそうしたことでございます。
#88
○貝沼委員 これは内容が検討できないのでもうそこから先へは入りませんけれども、この声明の中にも、「技術、資金、時期等の関連諸問題」とある。こういう言葉が恐らくそうだろうと思いますが、この中にはセーフガードの問題も含まれておるわけですか。
#89
○宇野国務大臣 当然主たる問題として含まれております。
#90
○貝沼委員 セーフガードの問題がこの文書の中に言葉としてほとんど出ていないように思えるのですが、それは何か考えがあってのことですか。
#91
○山野説明員 この声明の第三パラグラフでございますが、「それがもたらす核不拡散効果と共に、」という表現がございますが、これがそれを含んだ表現でございます。
#92
○貝沼委員 この「核不拡散効果と共に、」というところ、これがセーフガードを検討した証拠だというわけですね。そうですか、これは核不拡散という動かすことのできない理念というものをもとにして検討したということではありませんか。
#93
○山野説明員 この「不拡散効果」というのはかなり広い概念でございますが、セーフガードにつきましてもこの中で検討したということでございます。検討をいたしました。
#94
○貝沼委員 それでは、そのセーフガードについて、検討の結果、ほぼどういうような結論でございましたか。
#95
○山野説明員 先ほど来大臣が申し上げておりますとおり、内容につきましては御答弁できませんので、御了解賜りたいと思います。
#96
○貝沼委員 じゃ、もう一点お伺いいたします。
 この文書の中に「調査の間、調査団は東海再処理施設及び東海にあるその他の関連施設への広範な出入りを許された。」こういうふうになっておりますが、この「その他の関連施設」というところであります。いろいろな施設があるのですけれども、しかも「広範な」と書いてありますからかなり広いのだろうと思いますが、この範囲、たとえばウランの濃縮技術で遠心分離法をやっておるわけでありますが、これは世界的にも新しい技術であって、写真を撮ることすら禁じられておる場所であります。したがって、これは日本の自主開発という面から非常に誇りを持っておると言われておりますが、そういうような部分にまでも出入りをしたということになるのでしょうか。
#97
○山野説明員 ここで言っております出入りを許された施設と申しますのは、再処理施設とプルトニウム燃料の開発施設等でございまして、濃縮関係の施設への出入りというのは行われておりません。
#98
○貝沼委員 これは濃縮は入っていないかもしれませんが、わざわざ「広範な」という言葉を使っているのですね。ところが、いまの局長の答弁だと、恐らく狭い範囲の行動なんですね、出入りは。ところが、これがことさら「広範な」と言う。それならば、出入りを許された範囲というのはどことどこになりますか、それを言ってください。
#99
○山野説明員 ただいま申し上げました再処理施設、プルトニウム燃料開発施設に加えまして、技術部の分析関係への出入りが許されております。
#100
○貝沼委員 それだけなんですね。私は、こういう言葉を見るときに、先ほども申し上げましたように、日本の自主開発という面から、ことに日本の特殊な技術のあるようなところに外国の調査団が入って見られるようなそういう条件が少しでも出てくると、非常に将来に問題を残す、ことに日本の弱腰というものが明らかにそこに見えてくるのじゃないかという感じがしますので、あえてこの濃縮技術というものを出して質問しておるわけでありますけれども、意図するところは、たとえアメリカとどういう条件の協定を結ぶ間柄であろうとも、日本としてきちっとしなければならないところはあくまでも守っていくという姿勢が厳然となければならない、こういうふうに思うわけであります。そこで、非常に心配であったものですからこの問題を尋ねたわけであります。
 それからもう一点でありますが、「調査団は、幾つもの代替案について、各々の核不拡散上の内容と効果、技術的実現可能性、新たに必要となる研究開発、工場改造とそれに伴なう費用、計画の進行への影響、要員への影響、日本において再処理工場からの生産物の日本の高速炉・新型転換炉・軽水炉への活用の適合性を含め、将来の日本の核燃料サイクル及び日本の原子力計画全体に対する影響、といった点に力点を置きつつ、体系的な検討を行った。」こうなっております。どうもはっきりわからないような気がするわけですけれども、これは大体どういうことを言わんとしておるわけでしょうか。
#101
○山野説明員 これは、幾つもの運転方式のおのおのにつきまして、「核不拡散上の内容と効果」と申しますのは、核不拡散の観点から、おのおのぶどのような特徴を持ち、どのような効果を持っておるかというふうな問題、また「技術的実現可能性」につきましては、それを実現いたしますためにはいかなる技術が必要か、また果たして技術的に実現し得るものかどうかといったふうな問題、また「新たに必要となる研究開発」と申しますのは、必要とされます技術を実現するために新たに研究開発を実施しなければならないかどうか、あるとすればいかなるたぐいの研究開発であるかといったふうな問題、それから「工場改造とそれに伴なう費用」でございますが、ある運転のためにはいかなる改造がその工場について必要であるか、またその改造にどれだけの費用がかかるかといったふうな問題、それから「計画の進行への影響」でございますが、再処理並びに燃料加工等の各種の計画の遂行に対しまして時間的にどのような影響、具体的には時間的にどのようなおくれが生じてくるかといったふうな問題、それから「再処理工場からの生産物の高速炉などへの適合性」と申しますのは、再処理施設から高速増殖炉などの原子炉の燃料として十分使用し得る品質の生産物が得られるかどうかという問題、また「核燃料サイクル及び日本の原子力計画全体に対する影響」と申しますのは、将来その運転を行いました場合に核燃料サイクルがどのような形になり、それが原子力利用計画全般にどのような影響を与えるかといったふうな問題、そういったようなものをこのような表現で示しておるわけでございます。
#102
○貝沼委員 いろいろ書いてありますけれども、代替運転の方法がかなりたくさん書いてあるわけですね。それで代替運転法が論議の中心になっていたのか、それとも東海村工場の核物質の出入りの監視や核物質保護、フィジカルプロテクションと言われるものですが、これが中心になっておると考えた方がいいのか、この辺はどうお考えでしょうか。
#103
○山野説明員 運転方式につきましては、従来計画されておる方式並びにこれにかわる方式ということで、特にいずれに重点があったというわけではございません。
 それから、検討項目につきましては、ただいま私がるる申し上げたおのおのの点を同様の重要度をもって調査したということでございます。
#104
○貝沼委員 それではさらに長官にお尋ねをしたいと思いますが、午前中の質疑で今後の交渉の問題につきましては出ておりましたので、私はくどくど申し上げたいと思いません。しかし、長官の答弁では今後二つの方法がある。それは第三次日米原子力交渉を開いた後ハイレベルでの決着、それからもう一点は、政治的判断をもとにした後の事務レベルの詰めというような二つになるのではないかと思います。それでこれに対して、できることならば後の方で早い機会に出かけていって話をつけたいというような内容だったと思いますが、この場合、たとえばハイレベルという話は、当事者として科学技術庁長官が出かけていくということをお考えなのか、それともハイレベルはやはり総理大臣と大統領との間の結論というか話し合いで決まるというふうにお考えなのか、この辺はどうお考えでしょうか。
#105
○宇野国務大臣 ハイレベルの解釈は、日本としましては私、並びにアメリカではそれに相当する人、こういうふうに考えております。
#106
○貝沼委員 もう時間が参りましたので最後に一言だけ。
 これはこの再処理とは直接関係ありませんけれども、実はけさの新聞などに、先ほども話に出ておりましたが、中性子爆弾というような新しい形の兵器が報道されておるわけであります。わが国としては、これは核兵器被爆国として世界唯一の民族でありますし、それから私個人の考えでありますけれども、人類の恒久平和というような点から考えるならば、そういう大量殺人の兵器というものば許されていいはずがありません。したがって、他の国がどういう態度をとろうと、少なくともわが日本国政府としては、こういう新しい大型の兵器に対しては強い怒りと関心を持たなければならないと私は思うわけであります。したがって、これは何もアメリカに限らず、たとえどこの国のものであろうとも、そういう大量殺人をするような兵器が出現しようとする時点において、わが国政府としては何かそれに対して抗議をするとかそういう態度を示すべきではないかと私は考えるわけであります。この点、長官はどのようにお考えでしょうか。
#107
○宇野国務大臣 日米原子力交渉そのものには直接関係ありませんが、しかし、核という問題をめぐりまして私たちはあくまでも平和利用を主張し、なおかつ、カーター大統領と福田総理との会見の中におきましても、福田総理は、強くいま貝沼委員がおっしゃったような精神に基づいた核の平和利用並びに核不拡散に賛成ということを述べられております。したがいまして、率直に申し上げますと、平和利用に対していろいろ注文をつけなさるが、しかし軍事利用の方は一向ないのだろうかというような疑念は当然私たちは抱いてしかるべきであって、またそのことは、私もしょっちゅうアメリカの要人と出会うたびに言っておるのです。今後も日本人としては理解しがたい問題だという点に関しましては、当然われわれとしても機会あるごとにそうしたことを主張していきたい、かように存じております。
#108
○貝沼委員 時間が参りましたので終わりますが、先ほどからの議論を通じ、私は、今回のアメリカとの交渉はそう簡単ではないと思います。したがって、いまこそ原子力エネルギー以外のエネルギー源の開発、こういったものに政府としても力を入れるべきときではないか、こういう意見を述べまして終わりにいたします。
#109
○宮崎委員長代理 小宮武喜君。
#110
○小宮委員 率直に大臣にお聞きしますけれども、現在「むつ」問題はどうなっておりますか。前国会で長崎県側の態度が燃料棒抜き受け入れという回答がありまして、それを受けて政府は、いわゆる原子力船「むつ」の燃料棒引き抜きについての安全性の問題について安藤委員会で検討するということでございました。その際、私の質問に対して大臣は、安藤委員会の検討期間は大体一カ月ぐらいはかかるであろうという答弁をされておりましたけれども、これは五月二十五日の私の質問に対しての答弁ですから、その意味ではもうすでに大体五十日近くなるわけですが、どういうふうになっておりますか、大体いつごろ結論が出るのか、ひとつ明らかにしてもらいたい。
#111
○宇野国務大臣 あのとき私からも、数回の審議が必要だろうし、少なくとも一カ月はかかるでしょう、こういうふうに答弁したと存じます。もちろん、これはせっかく受け入れようという長崎の御意図もございますし、それについての是非でありますから極力急いでいただいておりますが、もちろん慎重を期さなければなりません。ちょうどきょう第四回目を開催いたしております。そして報告書の取りまとめにきょう入るということでございますので、順調にいけば今月中にも結論が得られるのではないだろうか、こういう見通しでございます。
 しかし、何分にも大きな問題でございますから、安藤委員会といたしましても、拙速はたっとばずに十分審議をいたしますと言っておられますから、もう一回会合がなされるのではないだろうか、こういうふうに考えております。ちょうど五回ぐらいは必要だろうというようなことに相なるのではないかと思います。なおかつ、これがそういうようなことで出ましたら、われわれといたしましては自民党の根本委員長の手元にこの報告書を提出するという幕がまだございます。だから、今月中に出るだろうということを期待しながら待っておるわけであります。
#112
○小宮委員 いままで大臣の答弁もそうぴったり約束どおりなかなかできておらぬので、大体七月中にはということがいろいろ新聞紙上にも報道されておりましたけれども、五月二十五日から七月いっぱいということになると、少なくとも一カ月といっても、二カ月またがって結論が出されようとしておるので、少なくとも一カ月という表現とはなかなか違うんで、三十日が三十四、五日だとか四十日だということならまだわかるけれども、二カ月以上たって結論が出るということになると、われわれの目から見れば、何かえらい長くかかっておるけれども、それには原因があるのではないかという推測もされるわけです。
 大体、安藤委員会でこの問題を、いまさら燃料棒を抜くことの安全性についていろいろそう時間をかけて論議しなければならないような問題があるのかどうか。もちろん、その修理要請をするときからすでにそれらの問題についてはやはり検討されていてしかるべきではなかったのか。だから、そういう新しい問題が出てきたので新しく検討するというようなことではちょっと――政府がせっかく佐世保、長崎県に要請をする以前の問題として、そういうようなことはやはり検討されておるのが当然であって、それを県側の態度が出たからといって、それを受けて改めてその問題を審議するということについて、われわれも割り切れないものを持つわけですが、大体、安藤委員会ではどういうことを検討しておるのですか。ただ燃料棒を引き抜くについての安全性の問題と言われるけれども、安全性の問題だけなら、私が先ほど言ったとおりのことをわれわれも考えますので、どういうことを検討されておるのか、もう少し具体的な内容について説明を願いたいと思います。
#113
○宇野国務大臣 具体的な内容は局長からずっと説明をしてもらいたいと思いますが、これはやはりわれわれといたしましても、そこまであらかじめ検討しておけばよかったかもしれませんが、何分にも燃料体そのものは冷態停止状態になっておるのだと、したがって、それが入っておりましても決して心配をかけるようなものではございませんよという説明を十分にしてまいった経緯もございます。そうした経緯もありましたが、しかし、長崎県知事も懸命になって努力されて、そしてみずから諮問委員会をつくられて、その諮問委員会が、できたならばその方が安全ではないか、こういうふうな答えを出された。それに従って受け入れるがという条件をおつけになったのでございますので、われわれといたしましても、そういう条件がつくというようなことはその時点まで夢想だにしておらなかった。しかし、それは長崎県知事の諮問機関の答えがその一つの大きな根拠である。それに対して、やはり政府自体も、そうしたものが出たならば、そうですかというふうなことではなくして、やはり政府が権威を持って、この問題はいろいろと国民の方々の間の理解を深めておるところなんだから、だからやはり政府としても当然それにこたうべく専門家の調査をすべきであるというのが党のお答えでございますので、だから、まあ多少時間がかかって、はなはだ申しわけないような感じもいたすのでございますが、やはり長崎県議会の決議というものを尊重するならそうなります。また、佐世保の方の市会は一大変御迷惑をかげながら、そのままでよろしいということでありますから、まだわれわれとしましては、右するか左せんかは決めておらないというわけでございますが、しかし、一応そうした答えが政府に出された以上は、こちらもそれに対応するような方法を考えるということでございますので、勢いすぐにでも、あしたにでも答えを出したらいいじゃないかというわけにもまいるまい、多少これは時間がかかったような感じもいたします。しかし、委員会が決してその間じっとしておられたわけではなく、非常に努力されたと私は存じておりますし、そういうようなことでございますので、御了解賜りたいと思います。
 内容はひとつ局長の方から……。
#114
○山野説明員 仮に、現在の「むつ」から燃料体を取り出すと仮定いたしました場合に、この燃料体の取り出しの作業、取り出した燃料体の保管場所への輸送、さらに燃料体の保管というこの三つの項目につきまして、その具体的な方法でございますとかあるいは所要の施設設備でございますとか、それらの作業を行う場合の安全性の確保策といったふうなおのおのについて慎重に審議をしていただいておるところでございます。
#115
○小宮委員 少なくとも一カ月以上という表現を使ったにしても、やはりこの七月いっぱいということになると、二カ月以上かかることになります。そうなりますと、やはり一般のいわゆる市民から見れば、燃料棒を引き抜くことの安全性について、そんなことがいままで全然検討されていなかったのか、そのこと自体に二カ月もかかってやるということは、いろいろ事情はもう私もわかりますけれども、そんなにかかるのか、とすれば、それはやはり何か問題があるのではないかというようなことで、むしろ政府の原子力行政に対して不信と不安がさらに生まれてくる結果になるのですよ。そのことを私はやはり指摘したいのです。
 私ども、これは悪く勘ぐれば、参議院選挙もあるので、まあこれは参議院選挙前にいろいろ結論を出すことも差しさわりがあるのではないかということで、参議院選挙に悪影響を及ぼすことを考えて、参議院選挙後までその結論を延ばしたのではないかという勘ぐりまでしたくなるわけですよ。それはもう現にいままで実例があるわけですからね。たとえば長崎県が受け入れの態度を決定するにしても、衆議院選挙が済むまではやはりこの問題はそっとして、それで総選挙後この問題に取り組んだという経過もありますしね。だから、そういう意味で、もしそうであるとすれば、これは私は大変な問題だと思うのですよ。私がここで、参議院選挙の影響を考慮して結論を引き延ばしたのではないかと言ってみても、大臣は、まあそうではございませんと言うに決まっておるわけですけれども、そういうこともいろいろやはり話が出てくるわけです。それがやはり、政府が本当に「むつ」問題に対して取り組んでおるのかどうかというようなことが出てくるのですよ。そのことによって政府に対する、原子力行政への不信がいまでも芽生えてきておりますから、もしこれが大きく発展するとすれば、やはり皆さんは、佐世保市長が受け入れると言ったからまあ佐世保市は大丈夫だろうと思っていても、必ずしもそういう結果になるかどうかは、これはわかりませんよ。だからそういう意味で、私はこの問題について非常にそういう人たちの気持ちを代弁して言っておるわけですから、そういうように理解してもらいたいと思うのです。これはもうそのとおり、たとえば鈴木農林大臣が選挙中にむつに行って、むつでも、むつの市長選挙が九月にあるので、それまではいろいろこの母港撤去交渉もやはり中断せざるを得ないだろうとかという、あちらこちらにそういうような発言が出ているものだから、やはりその問題についてわれわれはそういう勘ぐりをしたくなるわけです。
 それにしても、その安藤委員会が七月に、またこれも私は七月ということを断定的に言うわけではございませんが、七月中に結論が出るとすれば、いわゆる自民党の「むつ」対策特別委員会ですか、これにまた諮るわけですね。ここでまた一つ疑問があるのは、いわゆる「むつ」の修理問題については、これはもう政府が責任を持って行うわけですから、それを政府がやはり何らかの機関を設けて、そこでこの問題についていろいろ諮問するならわかるけれども、その自民党の特別委員会というのはあくまで、与党であろうともやはりこれは政府とは別個のものですからね。それは言われる気持ちはわかりますよ。しかし、本来の筋として、政府が何らかの機関を設けて、そこで安藤委員会の結論をどう受けるかという問題を審議するならまた話はわかりますよ。自民党の「むつ」対策特別委員会に諮問するということは、筋から言ってもおかしいのではないかという気がするのですが、その辺はどうですか。
#116
○宇野国務大臣 政府が諮問したので、その答申を得るわけで、そのことを自民党に報告をする、そして報告に基づきまして自民党は自民党の判断をしてくれると思いますが、しかし、決して政府与党ですから私は何もかも自民党任せですよというような運営はいままでいたしておりません。やはり政府の基本方針なりあるいはまたいろんな対応策に関しましてはこういうことを私は考えておるのです、だからそのことに関して御了解を賜りたいというふうなことでやはり運営はなされております。決して何もかもあなた任せじゃありません。しかし、時と場合によりましては、この委員会には長崎の国会議員も入っていただいておる、出口の方の青森の国会議員も入っていただいておるということでございますから、やはり地元の方々の御意見もわれわれとしましては直接聞かなくちゃなりませんから、そういうような機関でございますので、そうした意味で設けたので、決して何もかもあなた任せというわけじゃございません。やはりきちっとした政府の方針を持ち、対応策もお話をして、御理解を得るなりあるいはよきアドバイスをちょうだいする、こういうことで表裏一体でやっておりますので、その点はそういうように、政党のあり方として当然そういう方法は必要じゃないかと思っておりますので、御理解を願いたいと思います。
#117
○小宮委員 政府が意思決定をするための参考意見というか、そういう一つの材料にするために自民党の「むつ」対策特別委員会に報告するということでございますか。そうですか。
#118
○宇野国務大臣 当然そういうふうな結果になります。政府として安藤委員会にかけたわけですが、根本委員会にも報告して、根本委員会の御意見も拝聴しなければならないということであります。
#119
○小宮委員 たとえば安藤委員会にはいわゆる燃料棒を抜くことについての安全性の問題を諮問した、出てくるものは、燃料棒の安全性についての答申が安全かどうかという問題を含めて出てくると思いますけれども、そうしたら、この前大臣は私の質問に対して、私はそういうことを受けて燃料棒を抜くことの安全について安藤委員会に諮問したわけですから、だからそこでどういう意見が出てくるか、安全だったら安全といった場合に、そうしたら自民党の特別委員会にそのことを報告し、検討を願うというのは、私はこの前、たとえば特別委員会は抜くという答申が出てきたということであれば、それをどこで抜くかということを特別委員会で検討するものというふうに私は理解していたわけですね。ところがまた、この前の質問で大臣は、抜くことを前提で特別委員会にお諮りすることではございません、抜くこともあるあるいは抜かないこともあるということを含めて特別委員会で検討してもらうというようなことをこの前言われましたね。
 そうなれば、一方では抜くことの安全だとか、片一方では抜くことについての、抜くか抜かぬかを含めて特別委員会に諮問するということですけれども、筋であれば、こちらではたとえば長崎県なら長崎県の態度を受けて、やはり燃料棒抜きの修理ならよろしいという回答が出てきた、そのために安藤委員会に、これは抜いて大丈夫でしょうかという諮問をした。そういう一連の流れから見れば、特別委員会というのは抜くとしたらどこで抜くかということを検討するのが一つの流れの筋であって、それを抜くか抜かぬかを検討するということになれば、長崎県側の回答あるいは安藤委員会の検討の内容全体を考えようによっては否定するような立場にもならざるを得ない。だから私は、流れとしては抜くことであれば、大体政府もそういう方針でやっておるようでございますから、それならどこで抜くかということを自民党の特別委員会で検討されるのは、この流れから見ても当然だと思うのですが、それをなぜ抜くことを含めて、あるいは抜かないこともあり得るということも含めての、答申という言葉は悪ければ、意見を聞くということはどういうことですか。どうですか、その点は。
#120
○宇野国務大臣 党内にも、抜かなくたって大丈夫なんだ、実はもうその声の方が圧倒的なんですよ。しかしながら、やはり長崎でそういうふうなお話もあったら、政府はどうなんだ。政府は決して抜くとも抜かぬともまだ言っておりません。しかし、そういうことを御心配ならば、ひとつ抜くということになればどこかで抜かなくちゃならぬが、じゃそのときに安全なのか安全でないのかということも政府は自信を持たなくちゃなりません。そういうような意味でひとつ検討願いましょう、こう言っていることでございまして、だからわれわれといたしましてはまだ抜く抜かぬは決めておらない、またその場所ももちろん決めておらない、こういうことでございます。
 だから、わが党の中におきましては、抜けという声よりも、抜かなくたって大丈夫じゃないか、これの方が圧倒的に多いのであります。しかし、まあ根本委員長としては、いずれにしてもああやって地元が非常に苦労された、市会の方も苦労されたし、県会も苦労されておる。一筋なわや二筋なわではいかなかった問題かもしれぬ、唯一の被爆県であるから。だからそういうふうなことの中で、やはり県会がそういうような意思表示をし、知事もした以上は、それについてもやはり自民党としては当然検討しておくべきであろう、こうおっしゃったわけでございますので、そういうふうにひとつ平らかにとっていただいたらどうだろうかと思います。
#121
○小宮委員 これははっきりさせぬと、したがってこれは佐世保市長は政府に対して、結局いつ、どこで燃料棒を抜くのか、それで佐世保回航はいつごろになるのか、この見通しを明らかにしてもらいたいというような、これは口頭か質問書かどちらか知りませんけれども、新聞報道で見ればそういうことまで言っているわけですね。これに対しては政府として佐世保市長に、正式な質問状が出たかどうかよく知りませんけれども、これに対してはどういう回答をされたのですか。
#122
○宇野国務大臣 私もいま初めて承りまして、いまちょっと聞きましたが、出ておりません。
#123
○小宮委員 それでは私から改めてこれは聞きましょう。安藤委員会の結論は大体七月中には出るであろう、それでは自民党の「むつ」対策特別委員会の結論はいつごろ出るのか、いつごろを目途としておるのか、また燃料棒を抜くとすれば、これは抜く場所については触れないとしても、大体いつごろ抜くのか、それで佐世保回航はいつごろになるのか。少なくともいまの大臣の答弁を聞いておると、大体もう出たとこ勝負で、はっきりめどを置いてやっておるようにはどうも受け取れぬのですよ。だから、やはり受け入れを決定した方の佐世保側としてはそういうことを明らかにしてもらいたいというのは当然のことであって、むしろ政府の方が何か都合が悪い問題が出てくれば、たとえば選挙なんかあるとすぐ後回しなら後回しということになっておるので、佐世保市民としてみると、余りこけにするなという気持ちがこの中にも出ておるのですよ。
 だから、そういうような意味でひとつその辺はっきり、私が言って大臣が答弁したからといって、おまえは何月何日までと言ったけれども何も出なかったんじゃないかということまでは余り言いませんけれども、大体のめどぐらい明らかにしてもらわぬと、佐世保市長あたりも大体もう来年になるであろうということを語ったというような新聞報道もあるわけですよ。しかし、来年なら来年で、いつになるのか、そういう今後のめどというものをはっきりして、その過程でいろいろ検討していくようにしてもらわぬと、出たとこ勝負で、何日までかかろうと、またそれが終わってから次に行って、これが何カ月かかろうと、それからまたあと先一年かかろうと二年かかろうと、そんなことで佐世保市が承知しませんよ。その点ひとつ明らかにしてください。
#124
○宇野国務大臣 現在として言い得ることは、極力早くやりたい、もうこちらの方は本当に四月十四日の四者協定も完全に、これはもう青森県に対しては申しわけない姿になっておるわけでございますから、少なくとも早くやりたいということであります。したがいまして、安藤委員会に対しましても、きょうこういうふうな議論が国会においてもなされたからひとつ結論の方は早くと、きょうはまた改めて私からお願いするつもりにしております。それと同様に、根本委員会に対しましても政府の方針も定かにいたしまして、そして根本委員会といろいろ御相談申し上げたいと存じます。
 佐世保の決議どおりに長崎県議会も決めていただいておるならば、いまごろすでにドックに入っておるわけで、カキがら落としが始まっておるかもしれませんが、そうはいかないという事情は、これまた政府が、長崎県議会も苦労されてお決めになったことを政府の意に沿わぬからあなたたちのはどうもだめだよ、こんなことはとてもとても言えない立場でございますし、やはり原子力行政というものを今後推進するに当たりましては拙速をたっとばずに極力国民の方々の御理解も仰ぎたいという気持ちが私にございますし、また言うならば、乱暴なことをしてもいい問題だろうか、特に長崎という特殊な被爆県であるという事態等々を考えますと、たとえ何パーセントか知りませんが被爆者の方々もおられ、あるいは漁連も猛烈な反対をしておられるというときに乱暴なことをしていいものだろうか。こう考えますと、やはり佐世保の市会の決議も非常にありがたい決議であり、同時にまた、長崎県議会の決議もわれわれといたしましては条件づきであっても受け入れようということに決めていただいたことには感謝しておるわけでございます。ただ、そうなると次々と問題が出てきまして、どこで抜くんだ、それは安全か安全でないかという議論が巻き起こっておることは事実でございますので、これに対しましてははなはだわれわれも目先がきいてなかったと言えばそうであるかもしれませんが、そういう新しい事態に備えて実は努力しているのです。もう本当に選挙中といえども決してなおざりにいたしておりません。努力いたしております。いろいろのことを何とか、入り口も出口もうまくおさまる方法がないだろうかと本当に努力しておるのでございます。現在はただ単に安藤委員会を待っておるというだけではなくして、その他の面におきましてもいろいろと御理解を得るように努力をしております。しかし、何分にもなかなかむずかしい感情問題もございますので、そう一筋なわにはいきません。それでやはり安藤委員会の結論を待ちまして、わが党並びに政府が相はかりまして、どういうふうな結論を出すかということが今日ただいまとしては一番重要な問題になっておるということも十分存じておりますので、極力早急に結論を得るために努力をする、それだけをお約束いたしまして、いつ幾日ということはちょっとまあ、努力いたしますから御勘弁賜りたいと思うのです。
#125
○小宮委員 やはりそこが、努力する努力すると言っておるけれども、努力する目標をいつごろまでに置くのか、その点を明確にしていただかないと――少なくともそれくらいの、大臣の腹の中では大体腹案はあるんだろうと思うけれども、なかなかここで明らかにされないという問題もありましょうけれども、しかしながら、大体安藤委員会をいつごろまで、自民党の特別委員会をいつごろまで、それで政府の方針決定はいつごろまでというくらいのめどを明らかにしないと、努力します努力しますじゃちょっと納得しませんよ。しかし、それもそのとおりいかなければまた私から文句を言われるものだから、少し明らかにせずにほかしておった方がいいというふうに考えておられるのかどうか知りませんけれども、青森では、青森県側とは何を折衝をするのですか、どうですか。
#126
○宇野国務大臣 青森県も十二分に長崎の市会の決議あるいはまた県議会の決議を承知しております。それに対しまして、もう大変な評価はいろいろございます。そうしたことを私もいろいろ事業団の人から聞き、あるいはわれわれの国会議員から聞いて、そしてやっておるわけでありまして、まだ知事と折衝したりあるいは市長と折衝するという材料も何もないわけであります。ただ長崎県がこう決められたことに対する反応と申しましょうか、そうしたものにつきましては、いろいろな方法で御意見を伺っておる、このことはもうずっと続いておるわけであります。
 率直に申し上げますと、青森といたしましても、長崎が抜けと言うが、どこで抜くんだ、それは青森はお断りだよというふうなお答えを現在としてはやはり関係者が持っておられる。県民の何%、そういうことは別といたしまして関係者は、そんなことはまたおれたち知らぬよと、こういうふうに思っておられることは事実であります。そこら辺が今後どういうふうになっていきますか、われわれといたしましてもそういう情勢判断をいたしておるわけで、いずれにしましても、まだ青森で抜くということは決めたわけでもございませんし、抜くこと自体も決めたわけじゃありませんが、さような意味で、とにかくその前提の段階と申しましょうか、安藤委員会がどういうふうにこれを評価するかということも一つの出発点じゃなかろうか、こう思っておるわけであります。
#127
○小宮委員 私がなぜこういうようなことを質問するかといえば、もうすでに四月十四日の母港撤去期間は過ぎたわけですね。それに対する交渉というより、むしろ向こうの方に延び延びになっておることを理解してもらう以外にないわけですね。
    〔宮崎委員長代理退席、委員長着席〕
そうした場合にもう前提になるのは、どういう結論が出て、いつごろまでかという交渉、折衝の形になってこなければならぬと思うのですよ。それが自民党の「むつ」対策特別委員会でも何の結論も出ておらぬ。仮にそういう「むつ」の燃料棒を抜くか抜かぬかの問題を含めて自民党の「むつ」対策特別委員会が検討するというようになった場合に、抜くとなった場合は、まあだれが見たって、ほかにもあるかも知れませんけれども、むつで抜くのではないかという見方も一般的な見方としてあるわけですよ。だから、そういう交渉をやられるのか、そのことも含めてやるのか。抜かないということになった場合には今度は長崎県側に再度要請をするということになるでありましょうし、そうした場合に、長崎県知事の選挙は来年二月にあるのですよ。そうすると、これもまた選挙前にはそれはもうとうてい知事が、燃料棒抜きで県側の態度を出したものを今度は燃料棒づきだということになれば、知事選挙まではこれはまた凍結ですよ。そうすると、いつの日にこの問題は大体どういうふうになるのか、さっぱりわれわれも政府の考え方がわからぬし、地元の人たちもさてどうなることやらさっぱりわからぬというような状態です。
 そういう意味で、いまのように安藤委員会は燃料棒を抜くことを前提にしての審議をやっておるけれども、あと自民党の特別委員会で抜くか抜かぬかを含めて検討するということになれば、これは仮定の問題ですが、抜くとすればどこで抜くかという問題、そのことを含めて青森側と交渉するのかどうか。もし抜かなくてもよろしいということになった場合は、これは佐世保に要請するわけにはいかぬでしょう。当然長崎県側に再要請するということになるでしょう。そうした場合にもう知事選挙も来年二月には始まるということになれば、それも来年の二月の選挙が済むまではお預けと、こうなると、これはもう八方ふさがりで、根本的に何か考え直さなければならぬような事態が来るような気もするので、もう少し大臣もしっかりしてもらわぬと、いまのようなぬらりくらりの答弁では地元の人は納得しませんよ。だから、その点は大臣もよほど自信があってゆっくり構えておるのか知らぬけれども、しかしながら、この問題は大事な問題ですから、いま地元では、先ほども言いましたように佐世保の市民も、もうこれ以上こけにされたらかなわぬ、だからわれわれも考え直すぞというような意見が賛成派の中から出ているのも事実だ。まあそれを喜んでおる人たちもおるかもわからぬですよ。しかしながら、そうであってはいかぬので、政府がもっと決意を持って取り組まないと、この問題は大きな問題になりますよ。そのことだけ忠告しておきます。しかし、いまからまたいろいろ、臨時国会がありますので、あなたたちの動きを見守りながら、国会のたびにちょくちょくやりますからね。どうですか、ひとつ何か意見でもあったら言ってください。
#128
○宇野国務大臣 地方の首長選挙というものは非常に重大なエレメントであろうと思いますが、われわれはそうしたことは抜きにして考えていきたいと思いますし、先ほど来申しましたとおり、やはり安藤委員会の結果をどう評価するかということが一つの政府の意思決定の場面だろう、こういうふうに思っております。
#129
○小宮委員 もう時間が余りなくなりましたけれども、やはり選挙疲れで少し気合いが入りませんけれども、先ほどからいろいろ質問がありましたように、使用済み核燃料の再処理をめぐる日米交渉の問題、それからその交渉に基づいての東海村の再処理工場の共同調査の問題、この問題は、もうその経過は結構ですけれども、第三次交渉をやるとかいろいろな問題が言われておりますけれども、私、率直に言ってどうも大臣の考え方は甘いような気がします。だから、この問題が第三次交渉でまとまるという見通しも、あるのかどうかということも非常に疑問を持ちますよ。
 大体どうですか、大臣は一生懸命日本の立場だけを主張しておるけれども、問題は、ただ主張してそれでわかるぐらいならこの問題はこういうふうにこんがらがってはこないのですよ。私は、やはり何か深い背景がありそうな気がするのです。そういうことを含めて、第三次交渉で何かまとまるような見通しでもありますか。
#130
○宇野国務大臣 少なくとも第二次交渉の合意として、調査団によって技術的な調査報告を受けよう、それに基づいて第三次交渉でさらに詰めよう、そしてその後政治レベルの話し合いに移りたい、こういうことは大体もうすでに合意済みでございますから、したがって、その過程におけるワンステップとしての調査結果というものは、内容には触れるわけにはまいりませんが、先ほどから申し上げたような私の感触であります。私はさような意味で、じゃ、あすにでも運転できるかということに対しましては非常にむずかしいということを申し上げざるを得ませんが、しかし、両国が非常に努力をしてこつこつと積み上げてまいったその実績、そうしたものがいま目の前に見えておるということは、これは私は事実であると確信いたしております。
 特に、シャインマンさんのポストは、わが国で言うところのそう大きな立場ではございません。単なる調査団長ですが、しかし、この人も、言うならばさような意味においてはナイ国務次官補等々に対する連絡なりそういう意味のポストとしては重要な方ですが、これはやはり日本に来まして、おおむね日米交渉は峠を越えて、いま下り坂になったんだということを来るなり言っておる。この間も、離国に際しましてさらに記者会見がありまして、どうなんだということに対しまして、ステップ・バイ・ステップであることは事実であろう、しかしながら、妥結の方向に向かって進んでおる、ただ、自分の考えとしては二カ月か四カ月くらいかかるだろうかと、こういうふうに言っておるわけで、それは、シャインマンが単なる技術屋の団長として来たものですから、政治的配慮抜きの言葉なのか、あるいは出国に際してある程度大体感触を得ての言葉なのか、これはいろいろ取り方はございます。接触をしてまいりました者としては取り方がございますが、しかし、それを一々ああだこうだというような解釈をしておりますとそれがまた大きなひびになりかねないと存じますが、少なくとも調査団長の、じかに二週間本当にはだに触れ合ってきたいろいろな結果を私が報告を受けました感触としては、これは大きく妥結への方向へ前進しておる、こういうふうに私は確信いたしております。
#131
○小宮委員 それでは再処理工場の試運転は、第三次交渉が、その後にいろいろ問題はありましょうけれども、それまではやはり試運転は一応中止をするということですか。その点いかがですか。その試運転はいつごろになりますか。
#132
○宇野国務大臣 中止をするというよりも、やはり日米間の合意事項という対象でございますから、したがって、あくまでも両国が合意することが必要である。だから、わが国としてはそれは不本意な話だけれども、しかし、ここまでお互いに理解を深めてきた以上は、さらに理解を深めるように努力をしようじゃないかという段階でございます。いつごろかという具体的な問題になりますと、われわれといたしましては、これは日本にとって大切な問題だから一日も早く頼むと、また、シャインマン氏も、私に対する表敬のときには、一番最後の別れ際に、できるだけ一日も早い方を私たちも望んでおるということを言って帰っておりますから、私も、そういう方向でよろしく大統領初め国務長官等々に御伝言賜りたいと言っておきました。
#133
○小宮委員 これは、アメリカとの交渉の問題だけではなくて、イギリスとの問題もありますね。再処理委託契約についての調印延期申し入れがあったというように報道されておりますが、その理由と、その後の経過はどうなっていますか。
#134
○宇野国務大臣 細かいことは局長から申し上げますが、これも非常に大切なことで、これはあくまで民間の契約に基づくもので、政府が介入すべきことじゃございませんが、しかし、今後のエネルギー問題で一番重要な問題でございますから、常に電力会社等々とはわれわれは連絡はとっております。
 英国といたしましては、現在拡張工事に関して再処理工場周辺の公聴会をしておるからもう少し待ってくれないかというのが一つの理由でございました。もう一つの理由としては、やはり七カ国首脳会談が開かれてこの原子力問題が話題になった、カーターさんもいろいろ考えておるだろうから、そうしたこともやはり英国としては一応念頭に置いておるのだ、しかし、これは向こうにとりましても一つの商売だから、その点は、日本という大きなお得意さんであるということについては十分認識しておるということでございます。この点フランスとはやや趣が違いますが、なお詳細にわたりましては局長から話させます。
#135
○山野説明員 英国の場合に商談が遅延しております理由としましては、ただいま大臣の申しましたとおりでございまして、公聴会がことしの六月から秋ぐらいまでの間に行われるということでございますので、この公聴会が済みますまでは現在の再処理工場の増設ということは不可能なわけでございますので、英国としても日本との商談を延ばさざるを得ないといったふうな事情にあろうかと存じております。それからフランスは、それと同じような事情が別途あるわけではございませんで、特段の支障はございません。両方の契約とも大筋の合意はすでにでき上がっておりまして、あとは細部の詰めを残すだけでございますので、フランスの方はそれほど日ならずしてできるものというふうに期待しております。
#136
○小宮委員 これは、細かいことは次の機会に譲りますけれども、オーストラリアも、ウランの輸出について、再処理、濃縮の事前同意など、核兵器拡散防止の立場から非常に厳しい規制を打ち出しておりますね。この政策をわが国にも適用されるということになれば、これもまた大きな問題になる。そういった場合に、日豪原子力協力協定の改定問題も起きてくるようにも思われますけれども、それにどう対処するのかということと、あわせて、カナダの天然ウランの対日供給規制問題を協議する日米加の専門家会議もなかなか進展していないということで、カナダウランの供給も中断されて、非常に長期化の傾向にあるということを言われておりますが、そういうものの見通しはどうかということを、ひとつ、二つあわせて御答弁願いたい。
#137
○宇野国務大臣 ともにウラン産出国といたしましては、日米原子力協定と同じようなことで、われわれが提供した材料を再処理あるいは輸出する場合には事前の合意が必要だ、こういうような意図を明らかにいたしております。ただ、豪州の方は、この間調査に参りまして、そして外務省、科学技術庁、通産省の課長クラスとの話をして帰ったという程度でございますが、カナダは明らかにそのことを申しておるわけであります。しかし、日本といたしましては二重、三重にチェックされることは非常に迷惑千万な話で、何も日本がいまさら、いわゆる核を拡散するような意図なんて毛頭ないわけでございますが、そうしたことを考えますと、天然ウランでも首の根っこを押さえられ、さらに濃縮で押さえられるというようなことでは、まさに自主開発も何もあったものじゃございません。だからこれは、早く解決したいというのじゃなくして、じっくり腰を落ちつけまして、そして、そうしたことはグローバルな場面であっても結構だろうと思いますから、何も二重三重のチェックは必要じゃないということを今後も主張していきたい。これは欧州勢もやはり日本と同じような考え方でございますから、いますぐに日加原子力協定を改定してまで、よろしゅうございます。アメリカと同様の措置をとりましょうというような考え方は現在われわれ毛頭ございません。
#138
○小宮委員 これで質問を終わりますけれども、いろいろ政府の努力にもかかわらず、やはりわが国の原子力行政を取り巻く情勢は非常に厳しいものとわれわれは受けとめております。そういうような意味で、何か八方ふさがりのような感じもいたしますけれども、政府自身も大いに努力してもらいたいと思います。これらのいろいろな問題、たとえばイギリスの問題、あるいはカナダの問題、いろいろありますけれども、こういうような問題もひとつ積極的に打開の方向に努力してもらいたいということを意見として申し上げまして、私の質問を終わります。
#139
○山田委員長 次に、瀬崎博義君。
#140
○瀬崎委員 まず、再処理に関する日米交渉で質問をいたします。
 率直に言って、日本政府としては、既存の運転方法、つまり単体抽出の方法で保障措置は十分満足できると考えているのですか。それとも、日本政府も不十分だ、こういう考えを持っておるのですか。
#141
○宇野国務大臣 そうした御質問だと、やはりわれわれといたしましては、いまの施設は単体抽出ということを目的としてつくったものでございますから、現在といたしましてはそれ以外に方法はございませんし、現在といたしましても保障措置に関しましては十分自信を持っているところの施設である、こういうふうに思っております。
#142
○瀬崎委員 これは技術的に見た場合の話なんですが、日本がいまとっている単体抽出の方法と、それからアメリカ側が中心的に要求していると言われる混合抽出の方法との間には、いわゆる折衷案といいましょうか、両者を妥協するような方法があり得るのかどうか。これは大臣ですか、あるいは局長の答弁をいただいてもいいと思います。
#143
○山野説明員 ただいまの先生の御質問の趣旨でございますが、従来わが方の予定しておりました運転方式と、これにかえて代替の運転方式、言われておりますような混合抽出等を含んだ運転方式との両方の中間にあるような運転方式といったものがあるかという御趣旨かと存じますけれども、今回調査の対象にいたしましたのは、相当数多い運転方式をやったわけでございまして、二つのケースについてやったというだけでございません。おっしゃいますように、各種の組み合わせ、中間的な運転方式というものを含めてやったわけでございます。
#144
○瀬崎委員 幾つかの組み合わせでやったと言われるのが、アメリカ側からリストアップしてきたものが十数種類、日本側も五、六種類出しているというふうにも聞くわけなんですが、中身は私は詳細知りませんけれども、問題はその両者の提案の中に共通するふうな技術的な方法が現在存在するのか、それとも全部がすれ違っているのか、その点はどうですか。
#145
○山野説明員 これは調査団自体がどのような運転方式を採用しようかという趣旨でリストアップしたわけではございませんで、将来日米間の交渉に役立たせ得るようなデータを得るために、純技術的な調査をするに際してどういうケースについて調査をしようかということを両方の調査団が相談をいたしまして、そして、ある数の運転方式というものをリストアップして、それについての調査を行ったという実情でございます。
#146
○瀬崎委員 それでは角度を変えて質問しますけれども、今後政治折衝の方に移っていくような話と聞きましたが、その場合日本側の既存の運転方法、つまり現在の単体抽出の方法を米側が認めるか、または日本側がいわゆる代替の抽出方法、主として混合抽出型だろうと思うのですが、こういうものを認めて設備の改造に踏み切っていくのか、それともこの両者以外の別の解決方法がある、こういうことも言えるのですか、その点ひとつお聞きしたいと思います。
#147
○宇野国務大臣 そのことを今後評価したい、こう思っておるわけですが、現在といたしましては、技術者が純粋技術の立場で出したものをよく言われる政治的にごちゃまぜにして足して割るというならば、そういうことはあり得ないと考えております。そしておっしゃるように、たとえばアメリカが代替法をひとつ採用してほしいと言われましても、そこに金がどれだけかかるのだろうか、期間がどれだけかかるのだろうか、その金は決してアメリカから来るのじゃなくてわれわれ国民の税金だということもアメリカは十分承知していると思いますから、そうした意味合いにおきましても足して割るということは私はできないのじゃないだろうか、こういうふうな解釈でございます。
 ただ、保障措置という純粋な問題に関しましては、何らかの方法は、その中からもしこれならばより一層安全だよということがあらば、これは日米原子力協定の問題といたしまして考えていけばどうであろうかということもあるだろうと思います。それと同時に、いま評価されました幾つかの技術的な問題をやってみて、じゃその保障措置は本当に完全なのだろうかというふうなことも日本は日本としてやはり考えてまいりませんと、そこら辺の評価もあるわけで、だから政治的な判断と申し上げましても、私は決してあらゆる方法を足して割るというのじゃなくして、どちらかはっきりした方がきちっとする、こういう立場で今後も臨んでいきたい、こう思っておるのであります。
#148
○瀬崎委員 足して二で割るような方法はないし、どちらかはっきりした方がよいと言われるのは、結局日本側の既存の運転方法を米側に認めさせるか、それとも米側が出してくる代替案を日本側が受け入れて設備改造に踏み切っていくのか、結局この二者択一になってくる以外には方法がない、こういう理解をしておいていいわけですか。
#149
○宇野国務大臣 おおむねそういう理解で私たちも臨んだ方がいい、こう考えております。どちらかだと考えております。
#150
○瀬崎委員 そうすると恐らく、大臣のけさほど来の見解を聞いておれば、まず前者で日本が押していきたいけれども、どうしてもそれが通らなければ結局米側の代替案をのまざるを得ない、こういうことに最後は落ちつく、こういうことになりますね。
#151
○宇野国務大臣 私としては、それはやはり日本の計画そのものに重大なそごを与えるようなことはできない、こう思うのであります。つまり、そのことば先ほどから申し上げておりますとおり、やはりお金の問題、さらには技術の問題、さらには期間の問題、こういうことはわが国の核燃料サイクル確立のためにも非常に重要なことでございます。そして、いままですでにこの施設に投じましたお金がいつも申し上げておる約五百億投じておるわけでございますから、そういうような判断から、さらにそれプラスどれだけ要るか知りませんが、そうした意味をわれわれ評価したいと思いますから、したがいまして、アメリカさんもそこまで言い得るであろうかどうであろうかという問題も、私は当然われわれの主張としてははっきりしたことは言い得るのじゃないだろうか、こういうふうに考えております。
 そこで、いま瀬崎さん、いかにも日本案はだめで押し切られてしまってアメリカの代替案かとおっしゃいますが、決してわれわれはさようなものではありません。しかしながら、アメリカの代替案の中でも本当にすばらしいものがあればそれは結構でございましょうが、それをこれから評価しようということであります。ただ、午前中申し上げましたとおり、私のレポートを受けました際の感触と申しましょうか、印象から申し上げますと、十二分にアメリカは日本の立場を理解してくれるであろう、こうした純粋な技術調査の結果、これを一つの重要な資料として政治上で判断する場合には非常に日本の立場を理解してくれるであろう、こういうふうに現在私としては評価をしているということは午前中申し上げたわけであります。
#152
○瀬崎委員 私がいま、結局最後は日本側が譲歩して米側の代替案の方に乗っていかざるを得なくなるんじゃないかと言いましたのは、大臣の論理をつなぎ合わせていきますと、今回の調査団の報告書は両論併記ではない、こうおっしゃっていますね。つまり、相対立する意見が並列的に並べられただけではないんだというふうにおっしゃっているので、そうなってくると、両方が何らかの形で一致するという前提の報告書というふうに結局われわれは考えざるを得ぬということになったら、結果的にはアメリカ側代替案の方に接近することにならざるを得ぬと思うんですが、大臣、自分でお話しになっていてそういう話になると思われませんか。
#153
○宇野国務大臣 私の両論併記ではないというのは、日本はこうだがアメリカはこうだというふうなことは書いておらぬという意味であります。両方が純粋な立場でこういう方法がございますよということがずっと書いてあるわけでありまして、日本はこれに賛成、反対、アメリカもこれに賛成、反対ということは決して書いておらない。しかし、その中を読めば、やはり事は日本の問題でアメリカの問題じゃないんですから、カーターさんがどうおっしゃろうとも、これはやはり日本の主権に関する問題でございますから、われわれが判断する。そして、そこには出費を要する問題この場合はこれだけの金かかかる、これだけの期間かかかる、これだけの技術を必要とする、いろいろそういうものをずっと書いてあるわけで、そういう意味では、この方法は金額が違うとかあるいは技術が違うとか、そういうふうないわゆる両論併記はどこにもされておらないわけであります。そうしたものを政治的に私がきちっと読んで今後評価をしなくてはならないわけでありますが、そうした面から見れば、われわれといたしましては、やはり日本がこの調査をしてもらってよかったな、調査をしてもらって日本の立場なり従来からの日本の主張というものがこの調査において十分アメリカに理解してもらえるんじゃないだろうか、こういうふうな印象を持っておる、こういうふうに申し上げておるわけであります。
 だから、両論併記でないというのはそういう意味であります。だから、ウィッチ・イズということは、代替案というのはアメリカ案でもなければ日本案でもないんです、日本もアメリカも両方の立場になって並べてある案でありますから。だから、それをごちゃまぜにするわけにはいきませんし、アメリカ案と日本案のウィッチ・イズじゃなくて、代替案と従来の既存案とございますが、これは日米両方ともにこれだけだなということを評価して書いてあるわけでありますから、それをさらに政治的に評価しようというわけでございますので、ウィッチ・イズという意味も、そういうふうになってくると、それでは両論併記じゃないかとお考えかもしれませんが、そうじゃなくて、日米両方の合意のもとにこの報告書ができ上がっておる。その中から政治的にこれです、これですということはあり得ましょう。あり得ましょうが、私の印象といたしましては、やはりこの調査をしてもらってかえって前進した、こういうふうに受けとめておるということでございます。
#154
○瀬崎委員 そうすると結局、予想されることはこういうことになるんじゃないですか。現在の既存の運転方法でいけるのか、それとも代替運転方法をとるのか、これが第一段階。どうしても既存の運転方法は認められぬとなった場合には、今度の調査団のリストアップの対象になった十数種類の代替運転方法の中からどれかがピックアップされてくる、こういうことになるという意味なんじゃないですか。
#155
○宇野国務大臣 つまり、現在はまだ白紙ですから、これから検討しなくてはなりませんよ。だから、アメリカもこのレポートをこれから評価するわけですから、いま私が科学技術庁長官だからほかの人たちの意見を無視して私だけが先取りしてこうだと言うわけにはまいりませんが、ただ、われわれの印象だけをお伝えするとすれば、私は、非常に大きな重大な資料で、そしてわれわれの一歩前進のための資料である、こういうふうに解釈しておる、こうお考えなされば結構でございます。アメリカもそのことは、やはりこの資料をずっと一覧していただくと、いろいろ評価されるのじゃないだろうか。
 しかしながら、いま言うたように代替案ということになりますと、お金もかかるし、期間もかかるということになるわけでございます。だから、新聞記者会見においても、向こうもその点は言っておるわけでありまして、そうしたことがわが国の現在の立場なりあるいはまた計画なりに重大な影響があるかないかということになれば、やはりこれも現在評価しなくちゃならない。だめだと私は言っておりません。しかしながら、それは評価しなくちゃなりません。評価するということは必要でございまして、評価したがとても日本ではそんなことはだめですというふうな答えのときには、はっきりそのことをアメリカに言わなくちゃなりません。あなたがどうおっしゃったって、あなたが金を出すわけじゃなく、国民の税金を使うわけだし、お金の問題だけでなく、技術的に無理だ、あるいはまた期間から申し上げて無理だ、こういうふうに申し上げなくちゃならないこともあるだろう、こういうふうに言っておるわけでございますから、そこはひとつ十分わかっていただいたと思いますがね。
#156
○瀬崎委員 そこまで言われますと、先ほど言われたように、現在動燃事業団でとってきた既存の運転方法、抽出方法で保障措置も十分であると考えておる、こう言われるのだし、それから現在調査団が報告書に挙げた幾つかの代替運転方法については、金の点、期間の点等々で非常に困難で、そう簡単に受けられるものではない、こうなってくると、わが国としては、結局これまでの運転方法を貫く以外にない。もしそこで後ずさりするようであれば、これは重大な主権侵害を認めることになるのじゃないかと私は思うので、政府の今後の態度を注目したいと思うのです。
 次に、これも先ほど同僚議員の質問に対する答弁の中でちょっと出たので非常に気になることなんですが、今回の米国調査団の調査の根拠については、局長が原子力協定の第八条C項によるものだ、こうおっしゃいましたね。第八条C項による米国側調査がこういう形で広範囲に行われるとすると、この原子力協定が存在する以上、今後いつどんなときにどういう範囲で米国側が再処理工場に対する立入調査を要求してくるかわからぬと思うのですね。そういう危険性が一つあるのではないかということと、その場合に、日本側としてこれを拒否し得るものなのかどうか。拒否してそのまた反対給付として報復処置を受けるようなこと、たとえばこの濃縮ウランの供給をとめられるというようなことにはならないのかどうか、そういう点の政府の考え方を聞いておきたいと思います。
#157
○山野説明員 私の先ほどの答弁に若干誤解があったようでございます。私は、今回の調査が日米協定の八条C項に基づく調査であるというふうに申し上げておるわけでは決してございませんで、ただいま進められております日米間の再処理についての交渉というのは、八条C項というものが存在するから日米交渉が行われておるということを申し上げたわけでございます。
 日米交渉を進めていく過程におきまして、具体的には第二次交渉においてでございますけれども、双方で調査団をつくって再処理工場の調査をするのが日米の交渉を進める上できわめて有益であろうということを日米両国政府が認めて合意した上で今回の調査が行われたという運びになるわけでございまして、今回の例をベースにいたしまして、今後同じ八条C項の協議があるたびにこの調査が義務づけられるといったふうなことにはなり得ないだろうというふうに考えております。
#158
○瀬崎委員 なり得ないだろうというのは局長側の願望であるわけなんですが、しかし、アメリカ側としては、一応八条C項があることを盾にとって、あるいはまた今回の調査が可能になったことを盾にとって、今後立入調査を要求してくる場合があり得るのではないか、このことに対する問いに一つは答えてほしいこと。その場合に、日本政府側が場合によってはこれを拒否する、そういう意思は持っておるのかどうかということ。それから第三点は、拒否した場合に、アメリカが報復処置をとってくるような心配は、この日米原子力協定上ないかどうか、こういう点はどうですか。
#159
○山野説明員 将来別の機会に日米協定の八条C項に基づく日米交渉というものは当然あり得るわけだと思いますが、その際に米側が再び現地の調査をしたいという希望を言う可能性というものは当然あると思います。あり得ると思いますが、その際にわが方が判断しまして必要であり有益であると認めれば、合意をして調査をするということもあり得ましょうが、その際、不必要であるとわが方が判断して合意に至らなければ、そのような調査は行い得ないわけでございますが、そのときに直ちに米側が報復措置を講ずるかどうかということは、これは仮定の問題でございますので、ただいまの時点で何とも申し上げかねる問題かと存じます。
#160
○瀬崎委員 そういう点では、私は日米原子力協定というのは非常に厄介な問題を含んでおると思うのですね。そういう点で、アメリカ側はもっとシビアなものに改定しようと言うし、日本側は日本側として、もう少し日本の主権が、平等なものが保障されるような内容のものに改められてしかるべきだと私は思うわけです、いますぐとかそういうことは別にして。
 時間の都合で次に進みますが、サンゴバン社が昭和四十五年十二月に動燃との間に結んだ契約では、技術情報秘匿の約束をしているやに聞いております。当然こういう米側の立ち入り調査については、サンゴバン社はこういう契約を盾にとっていろいろ注文をつけてしかるべきだと思うのです。また、あったようにも聞くわけですね。
 政府としては、動燃とサンゴバン社との間に存在するこのような情報秘匿の契約内容と、日米原子力協定に基づいていろいろ要求される調査と、どちらが優位に位すると考えるわけですか。
#161
○山野説明員 動燃とサンゴバン社の契約には明らかに産業機密保護の条項があるわけでございまして、これは動燃としては当然守る義務があるわけでございます。したがいまして、今回の日米の合同調査におきましては、両国政府の調査団は、この条項を十分に尊重するという前提で行われたものでございます。
#162
○瀬崎委員 次に、問題が変わりまして、人形峠にウランの濃縮パイロットプラントをつくるという計画がありますが、これについてちょっと聞きたいと思うのですね。大体どのくらいの規模の濃縮プラントを考えているのか、また、人形峠を選んだ理由、これを聞きたいと思います。
#163
○山野説明員 規模の細かい数字につきましては、かねて私ども正式の場では申し上げないということにしておりますので、御容赦いただきたいわけでございますが、大体目標としましては、数千台規模の遠心分離機を持ったパイロットプラントをつくろうというふうに考えておるわけでございます。
 それから、立地としまして岡山県を選びました理由といたしましては、御承知のように人形峠に鉱業所を持っておるわけでございまして、ここに相当広大な借地を持っておりますし、かつまた、地元の上斎原村もこのようなパイロットプラントを地元に誘致したいという希望もあったことでございますので、この地を選んだというふうに承知いたしております。
#164
○瀬崎委員 ウランの濃縮の度合いですね。どの程度の濃縮度までできるようなプラントを考えていますか。
#165
○山野説明員 目標としまして、当然軽水炉に使います低濃縮ウランでございます。
#166
○瀬崎委員 高濃縮に発展させるという計画はありませんか。
#167
○山野説明員 ただいまおっしゃいます高濃縮の程度でございますが、少なくとも研究開発用に使っておりますような九〇%以上といったふうな高濃縮のものをつくるといったふうな計画は、現在持っておりません。
#168
○瀬崎委員 この濃縮プラントがまたカーター政権の核不拡散政策、まあきわめて不十分な核不拡散政策ですけれども、こういうものに抵触してきて、いろいろ文句をつけられるという心配はないのですか。
#169
○山野説明員 アメリカが四月に発表しました国内原子力政策の中の一つに、いま御指摘の濃縮施設等の輸出禁止の継続といったふうなこともあるわけでございまして、そういう意味におきましては、米国は、外国において濃縮工場がどんどん建設されるといったふうなことは歓迎しないと存じますけれども、これは日米協定上わが方が八条C項のような義務を負っておる問題でもございませんので、米側が今回の東海村のように協定を根拠に協議を求めてくるといったふうなことはないと考えております。
#170
○瀬崎委員 もう一つは、使用する天然ウランですね。これは主として入手先はまた海外になると思うのです。先ほども指摘がありましたように、カナダとかオーストラリアは、二国間協定の規制強化にいま乗り出してきているわけですから、そのように原料入手が不安定だという条件が一方にありながら、一方でこのプラントの施設をつくっていく、この点でも私は非常に矛盾を感ずるわけなんですが、そういう点での政府側の将来の見通し等はどうなんですか。
#171
○宇野国務大臣 これはかねて申しておりまするとおり、現在は輸入もしなくちゃなりませんが、わが国みずからが海外において探鉱する、そして開発輸入する、この労は決して今日私たちは惜しんでおりません。むしろどんどん積極的にやっております。
 具体的に申しますと、アフリカのマリという国がございます。これはオリンピックのときたった一人の旗手と選手だけが歩いたというあの国でございますが、そこの関係大臣がこの間やってまいりまして、日本とマリとの間の話し合いがいろいろと進みました。ここでは最近大きな露頭を発見いたしております。
 そうしたことで、極力あちらこちらでわが国といたしましてもウラン産出国との提携を深めてまいりたいと存じておる次第であります。
#172
○瀬崎委員 この人形峠のパイロットプラントは、従業員としては何人ぐらい必要になるのですか。
#173
○山野説明員 最終的には百数十名かと存じております。
#174
○瀬崎委員 その従業員は、現地採用で大半は賄えるのか、それとも現在の動燃の人員配置が中心になるのですか、どうですか。
#175
○山野説明員 ただいま私、詳細を承知いたしませんが、高度の技術を要する仕事でございますので、技術幹部等につきましては、恐らく現在の東海におります幹部が異動していくといったふうなことになろうかと思います。もちろん、労働力等につきましては現地の労働力を活用するといったふうな面もあろうかと存じます。
#176
○瀬崎委員 場所がきわめて不便な、へんぴなところなので、決して政府あるいは動燃当局が考えているほどに簡単に転勤のできるようなものではないと思うのですね。しかも、家族を持っている人も多いと思います。そういう点では、これから政府としても十分そういう職場をかわる人々の条件については配慮しなければならないと思うし、また、そういう本人の意思を無視して強制的な配置転換というようなことは避けられなければならないと思うので、そういう点についてはひとつ十分配慮するように求めておきたいと思うのです。答弁を一言求めておきます。
#177
○宇野国務大臣 非常に大切な点でございますから、十分配慮いたしたいと思います。
#178
○瀬崎委員 結局、今回の再処理の日米交渉の経過等を見ながら思うのですけれども、国家主権という面から考えますと、どう見てもやはり日本側の主権が米側に侵害されている、日本はアメリカに従属する形で問題の打開を図らざるを得ないような立場に追い込まれている、こういうふうに私は思います。
 それからもう一つ、科学技術的な面から見れば、大臣は日本の過去のやり方で保障措置も十分だとおっしゃるけれども、しかし、アメリカから見れば、これはまだ安心ならぬということであるし、また、その抽出方法等についても、いろいろな技術的な方法が現に出てくることは事実ですね。そういうことも含めて、再処理技術全体はやはり未完成技術という思いをこういう経過から私は強く感ずるわけなんです。したがって、この際、アメリカを中心に外国に依存して日本の原子力の平和利用を進めるということは一日も早く改める必要がある。日本にはすぐれた学者がたくさんいらっしゃるのだから、政府の好ききらいは別にして、その英知はやはり結集して、日本の自主的な開発研究、安全優先の体制を確立する方に切りかえる必要がある。そういうことを全然急がないで、結局アメリカに対する外交交渉に頼りっ放し、こういう非常に頼りないという印象をわれわれは持つわけですね。こういう点は早急に改めてほしいこと。
 それからもう一つは、従来原子力発電は準国産エネルギーだ、こう言われてきたのだけれども、改めてアメリカは濃縮の方で日本の首を絞めてくる、天然ウランの産出国も従来の主要な取引先がいろいろと注文をつけてくる。今後はできるだけ窓口を広げて世界じゅうあちこちに求めるのだとおっしゃるけれども、そうなればなるだけまた不安定な要素も多くなる、計画的に入手しにくくなるという面があると思うのですね。そういう点で、単純に原子力を準国産と言い得ないことが非常に明瞭になってきているのも最近の特徴だと思うのです。したがって、やはりできるだけ日本のエネルギー源は多面的に総合的に求めていくこと、それから節約も考えること、こういうようなことが必要なので、何でもかんでも原子力に頼るということも改めるべきではないかと思うのです。
 以上の点について大臣の見解を求めておきます。
#179
○宇野国務大臣 現在の方式として考えますと、原子力発電というものは非常に重要な部面を占めており、今後もより一層そのウエートが高まるということは御承知のところでございます。ただ、私たちがいままで申し述べてまいりましたのは、ここまで規模が拡大された日本経済、産業、文化、国民生活、こうしたものを維持していかなければなりませんから、そのためには常に経済成長を保たなくてはならぬ。それは決して高度のものではありませんよ、安定成長で結構なんだ。その場合にそれはどんなものかといえば、やはり六%台だということももうすでに国会でも表明しておりますが、これが万一がたんと落ちました場合のことを考えると大変だから落とさないように努力しろということになれば、先ほど貝沼委員からも原子力以外のいわゆるサンシャイン計画等に基づくエネルギーの開発に努力せよ、これは当然の仰せで、私たちも最大の努力はいたしますが、ではこれがすぐにたちまちに今日の規模の産業、経済を支えてくれるかというと、非常にまだまだむずかしい感じもいたします。しかしながら、努力は怠ってはいけない、こう思います。
 したがって、言うならば選択の問題のようなかっこうで、四%も落ちてもいいのか、三%も落ちてもいいのか、落ちてもいいから原子力は放てきせよ、中にはそうおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり政権を担当いたしている者から考えますれば、国民生活を守らなければなりませんから、そう簡単に原子力を放棄して成長率が落ちてもいいのだというわけにはまいりません。そうなってまいりますと、もうただただ国内において原子力に対する理解を深めていただきたい、そのために仰せのとおり私たちも懸命の努力をして、その安全ということの行政面における確立、これをいま進めているわけでございます。そうしたことがない限りはやはり日本の将来が案ぜられます。
 だから、私はこの原子力が準国産だということの夢は忘れてはならないと存じますし、この安全体制をしくならばそのことはかなえられる。現にこの間も、名前は申し上げませんが、二、三の新聞がこのことに関しまして調査をいたし、なおかつ、内閣の方でも調査をいたしましたが、たまたま原子力の平和利用についてあなたは賛成か反対かということに対しては約八〇%の国民の方々が賛成でございます。では発電はということになりますと、五〇%強の方々が賛成だというのでありまして、本当に努力さえするならば多くの国民の方々は賛成していただける、こういう自信を私たちも深めておるわけでございます。
 だから、現在といたしましては、本当にこのアメリカの問題も、瀬崎さんも私も同じ気持ちだと思います。ただ、内閣にいる以上野党の皆さんのようにぼんぼん言えない面があるいは外交上あるかもわかりませんが、しかし、私はその点は相当言っている方なんです。しかし、外交の責任者でございますから、十二分にいまおっしゃっているような面におきましては、確かに資源小国というのは本当にこういう立場になるとつらいものだということを思いつつも、現在首の根っこを押さえられておる状態なんでありますが、これをはねのけるためには一日も速やかに国論をひとつ与野党の差なく、各政党の差なくエネルギーに関しましてはひとつぜひとも統一したコンセンサスを得たいものだ、常にこう申しておる、結論はそこに帰ってくるわけでありますので、どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。
#180
○瀬崎委員 われわれもだれも原子力の平和利用に反対だと言っておりませんが、しかし、いまずいぶん痛い目に遭ったし、大臣一番痛い目に遭っていらっしゃると思う。だから、その点からいっても、原子力の技術開発の面について外国に依存しておったことの弱みというのがここに出てくるわけだから、いまやはりはっきり国民の目にもわかるように、日本はこれからは自主的な研究開発に力を入れますということが示されなければいけない。結局アメリカにおんぶにだっこされて、とにかくアメリカが何とかオーケーしてくれないと打開できない、こういう状態のまま他のことに手をつけていないということだけを改めてほしい、こういうことなんですね。
 最後に、時間が少なくなりましたが、日本ラジオアイソトープ協会が滋賀県の信楽町に照射研究施設の相当大きな計画を持っているわけですね。私の聞いたところではすでに用地の手当てをしているようであります。大臣はよく御存じの信楽町の神山に、一応区長とRI協会との間に仮契約が交わされて、すでに手付金三百万円も支払われている、全体の買収予定面積は三万五千平米というふうに聞いているのです。この計画について必ずしも地元が全面的に合意するとかあるいは賛成の意を表明しているものでないという点にやはり一つ大きな問題がある。これには、一つはやはり施設に対する不安と、それからもう一つは、これまでの用地の売買契約成立に至る経過に不明朗な点があるわけですね、その両方が重なっていると思うのです。
 そこで、政府側がどの程度この施設の全容をつかんでくれているのかというのが問題になるのですが、研究施設とはいいながら、われわれが聞いている範囲ではこれは実用施設だというふうに思うのですが、その点いかがですか。
#181
○山野説明員 実はまだ日本アイソトープ協会から寄付行為の変更申請も出ておりませんので、正式に話を聞いておるわけではございませんけれども、本日まで私どもが調査しましたところ、大体いま先生おっしゃいましたような敷地面積につきまして、その一部について仮契約をしておるといったふうな状況のようでございます。
 地元との関係につきましては、五月の半ばに地元に対する説明会を開いて、できるだけ地元の了解を得ながら事を進めたいという努力はしておるようでございますが、なお一部の地区にこれに反対する向きもあるというのもまた事実のようでございます。
 私どもは、この計画につきまして本来認めるかどうかということすらまだ決めていない段階でございまして、今後この計画の内容につきまして、正確には申請の提出を待ってでございますが、非公式にも協会からいろいろ話を聞いて慎重に対処したいというふうに考えております。
#182
○瀬崎委員 ここで使用される線源はコバルト60で、何か医療器具の滅菌をやりたいということですね。線源の強さが大体五十万ないし五十五万キュリーというふうに聞くのですが、これは原研の高崎などに比べれば小さいかもしれません。しかし、現在日本にある照射施設としては最大規模のクラスに属すると思うのですが、そういうことではないのですか。
#183
○山野説明員 私ども事務当局の聞いたところでは、当面五十万キュリー程度を考えておるということでございますから、仰せのとおりだと思います。
#184
○瀬崎委員 当初は約一万坪のうちで使用する面積は二千ないし三千坪だと聞いているのですが、恐らく将来拡張する意図がなければこんな広大な土地の手当てはしないだろうと思うのです。そういう点では、やはり事前によほど慎重な安全審査と言っていいのかどうか知りませんが、そういうことと、それから地元の合意を十分取りつけることがなければ、これは将来必ず禍根を残すと思うのです。
 大臣は御存じだと思いますが、大体あの地区は、最初は京大の医学部の放射線生物研究センターにするとか、あるいは蹴上にありますサイクロトロンの移転を行うというふうな話から始まって、一時は兵庫にあります立花病院の有料老人ホーム、ゴルフ場などもついた、そういう一種の健康回復施設をつくるという話が持ち上がったこともあるのですが、いずれもうまくいかなくて、このRI協会の話になってきた。決して今回のこのRI協会の施設の社会的な必要性を地元が認めてどうぞおいでくださいと言ったのではない、いろいろ土地を振り回しているうちにやむを得ずこういうところへということになったような感じなんですね。そういう点で今後いろいろと問題を醸し出すであろうというふうなこと。それから、下流に属する大津市ですね、すでに昨年の十月の大津の市議会でも、一番信楽に近い田土地域の選出の市会議員さんが市議会に問題を持ち出して大津市の態度をただしているわけですが、現在大津市自身が、どちらかといえば反対的な態度であるというふうにも聞いているわけなんですね。
 そういうことも全体含めて、最後に大臣に今後の基本方針を伺っておきたいのですが、できればいま局長も言っている正式な申請以前の非公式の接触において、いろいろな意味を総合して果たしてあの地域が適地であるかどうか十分行政指導を行ってほしいこと。県にはすでに開発の事業申請が出ているわけですね。県自身も、これはそう簡単にいかぬので、半年とか一年というものをオーダーにした慎重な審議をさしてもらいたい、こういうふうにも言っておるわけなんですが、事をせいて後に失敗を残さないように、できるだけ慎重な審議が関係機関で行われるような配慮も十分大臣として行っていただきたいと思います。御答弁をいただいて終わりたいと思います。
#185
○宇野国務大臣 これは財団の理事長の東大元総長の茅先生が来てそういう計画があるからよろしくとおっしゃっただけで、私もことさら地元に、こういうものだから承認してやれとかどうせいと言うたことはないのです。また、町から来るかなと思っておりましたが、別に町からその話も来ませんし、たまたま選挙中町長に出会ったから、こういう話があるが聞いているかと言ったら、ちらっと聞きましたという程度でございました。だから、その後に瀬崎さんから、いろいろこういう事情があったということを初めて聞きましたので、もちろんまだ正式に書類は出ておりませんが、大切なことでございますから、その点は十二分に慎重にやっていきたいと思います。
 ただ、アイソトープ協会がやっておるアイソトープの取り扱いそのものは従来から国内において行われて、将来、医療器具の滅菌なんかは必要なことだと私は思っておりますが、ただ協会が公的な性格を持っておるものですから、その事業そのものが果たして公的な性格に合致するや否や、いろいろわれわれとしても検討しなくちゃならない問題がございますし、もし必要なら必要で地元の方々の了解を得るということがやはり先決でございましょうし、そうした点も十二分に慎重に考えていきたいと思っております。
#186
○山田委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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