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1947/08/06 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第4号
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1947/08/06 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第4号

#1
第001回国会 農林委員会 第4号
  付託事件
○農地調整法の改正に關する陳情(第
 一號)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に關する陳情(第十號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 十三號)
○農業復興運動に關する陳情(第十四
 號)
○水利組合費賦課に關する陳情(第二
 十二號)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧配給公團法案(内閣送付)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第四十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第六十一號)
○薪炭生産のあい路打開に關する陳情
 (第六十二號)
○茶業振興に關する陳情(第六十三
 號)
○農業用電力料金の引下げ及び換地處
 分經費の全額國庫助成等に關する陳
 情(第六十七號)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出對策改善に關する陳情
 (第六十八號)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反對に關する陳情(第七十號)
○農地委員會の經費を全額國庫負擔と
 することに關する陳情(第七十三
 號)
○林道飯田、赤石線開設に關する請願
 (第十七號)
○主食需給計畫の根本的改革に關する
 陳情(第七十四號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第七十七號)
○農業會の農業技術者給與を國庫負擔
 とすることに關する陳情(第八十
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第八十四號)
○愛知縣豐川沿岸農業水利事業經費を
 國庫負擔とすることに關する陳情
 (第八十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百九號)
○蠶繭の増産に關する陳情(第百十五
 號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百十九號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月六日(水曜日)
   午前十時五十三分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○食糧對策に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員會を開會いたします。物價廳から長谷川第二部長が見えておりますので、物價の問題について、特に昨日の委員會でいわゆるパリテイ・システムによる米價の決定方法について御質問がありました。それらの問題を中心にして第二部長から御説明を伺うことにいたします。と同時に物價の問題について、この際關聯して御質問等がありますれば引續いて質疑をいたしたいと思います。そういうふうにお取り運びを願いたいと思います。それではこれから御説明を伺うことにいたします。
#3
○政府委員(長谷川清君) 第二部長の長谷川でございます。只今お話のパリテイ・システムにつきまして大體の考え方、尚この度決定されました麥の價格につきまして取られましたパリテイ・システムの内容につきまして御説明申上げたいと考えます。ただ司令部との關係もありまして、非常に細かい點につきましては、特に公表を差控えるように申渡されておりますので、そういう點になりましたならば、速記等の點につきましては特に御遠慮を願わなければならないかと考えまするが、豫めお含み置き願いたいと考えております。大體パリテイ・システムの考え方につきましては、すでに御承知のことと思いまするが、大體の考え方を申上げますると、これは昨年の米價を決定する際から取られましたシステムであります。その大要はまず昭和九年、十年、十一年の三ケ年を基準年度といたしまして考えまして、その三ケ年の基準年度において、農家が購入いたしました物資の價格を一應算定いたしまして、その價格が麥の例で申上げますると、本年の六月から七月頃の状況において、どういうふうに値上りになつておるかという關係を彈きまして、その値上り率を昭和九、十、十一年の基準年度におきまする米價に乘じて、本年の六七月頃にあるべき米價というものを想定いたしまして、その米價との比率を勘案いたしまして、今度の麥の價格を決めた。こういうことに相成るのであります。然らばその農家の購入物資はどういう種類のものを取つておるかと申しますると、大體全品目が六十四品目でありまして、内譯を申上げますると、まず農業經營用品を十八品目取つております。それから生活用品を四十六品目採用しております。まず農業經營用品の内譯を申上げますると、肥料、農機具、諸材料というふうに、三つに大分けいたしまして、その内肥料しとて考えておりますものは硫安と石炭窒素、それから油粕、それから石灰、過燐酸石灰、「いわし粕」、これだけの六品目を肥料の内譯として取つております。それからその次の農機具でありますが、農機具の細かい内譯といたしましては、鍬、馬鍬、鎌、肥料桶、鋤、唐箕、ホーク、以上の七品目を取いております。それから諸材料の内譯は石油、繩、叺、電力量、古俵、この五品目を取つております。それから生活用品の四十六品目の内譯を大ざつぱに申上げますと、まず食料品、それから被服身廻品、それから住居、光熱關係の費用、それから嗜好品、衛生用品の六つの内譯があります。その一つ一つの細かい内容をざつと申し上げますると、食料品につきましては、「さば」、「いわし」、「するめ」、「にぼし」、「みがきにしん」、牛肉、罐詰、大豆、豆腐、「のり」、「こんぶ」、鹽、醤油、食用油、酢、そういう品目を取つております。それから被服身廻品につきましては、學童服、作業衣、銘仙、フランネル、晒、木綿、下駄、足袋、靴下、糸、地下足袋、そういう品目であります。住居費として取られておりますのは、これは障子紙、疊表であります。光熱費は電燈料、木炭、薪、マッチ、「ろうそく」、電球であります。それから嗜好品の内譯は煙草、酒、「みかん」、茶、ビール。それから衞生用品の内譯が脱脂綿、「熱さまし」、目藥、髪油、理髪、「ちり紙」、クリーム、石鹸、こういうようなそれぞれの品目を合計いたしまして、六十四品目を取りました。でこれらの品目のそれぞれの基準年度における價格というものが分つておりますので、その價格を全部集計をいたしております。そうしてそのそれぞれの品目のそれぞれの價格が本年の六七月においてあるべき價格というものをそれぞれの品目について公定價格によりまして算定をいたしております。そういたしましてその基準年度における價格と、來年の六七月頃における價格との騰貴率を算定をいたしたのであります。ただその騰貴率を算定いたします場合におきまして、先程申上げました肥料なり、農機具なり、或いは食料品なり、被服品なり、これらの主なる品目別に農家が實際に現金を支出しておる量というものがあります。例えば今申上げました六十四品目の總支出を千といたしました場合に、大體肥料代は千の中でどのくらい使つておるか、農機具代はどのくらい使つておるかという全體に對する割合と申しますか、重さ……ウエイトと申しておりますが、重さがあるのであります。それを例えば肥料につきましては大體全體を千といたしまして、肥料が四十三、農機具が百というような一つの重さがあるのであります。その重さによりまして、今の値上り率を重さによつて加算平均をいたしております。そういうふうにいたしまして値上り率の總平均というものを求めました。その値上り率を基準年度におきまする、東京深川市場におきまする米價に乗じまして、あるべき米價というものを算定したのであります。ちよつと速記を止めて頂きたいのですが……。
#4
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて……。
#5
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて……
#6
○政府委員(長谷川清君) 大體以上がパリテイ・システムの考え方竝びにその具體的の内容であります。説明の足りませんところは御質問等によりまして、又お答えいたすことにいたしたいと思います。
#7
○北村一男君 ちよつと伺いますが、基準年度におきましては勿論物價は自由價格でありましたわけですが、今度比較に取つた六月は統制によるマル公を對象になさるというのですが、それで物價の騰貴率を御覧になるということでは適正にを期することができるのでありませうか。
#8
○政府委員(長谷川清君) このパリテイ・システムに取りました價格を全部公定價格に取りました點は、成るべく現在のように相當闇價格が他にあるという現状から見ますと、どうかと思はれる節もないではないと考えるのでありまするけれども、併しながら大體物價の水準均衡というものを考えて行きます場合におきまして、我々物價廰といたしましては、闇價格を取つて、それで現實にこれだけの支出があるというものを採用いたしましたのでは、公定價格が闇價格を追駈けて闇價格について公定價格を決めて行くというような結果になるのでありまして、我々といたしましては飽く迄も闇價格を取ることはできないというふうに考えております。ただ、先程申しましたウエートの點でありますが、ウエートの點につきましては、これは調査農家が實際に肥料代として幾らの金を拂つておるか、農器具代として幾らの金を拂つておるか、これは現實に拂つた金を取つてウエートにいたしておりますので、非常に肥料代が高くなる、闇の肥料を買いまして、そのために肥料の現金支出が非常に多くなるということになりますれば、それだけ肥料のウエートは高くなるということによつて間接には實際の農家の支出經濟というものを現しておるということが言えるのじやないか、こういうふうに考えられるのでありまするが、併しながら考え方の中心といたしましては、闇價格を直接に取ることはできないというふうに考えております。
#9
○北村一男君 ちよつと關聯いたしますが、經濟白書に實行價格というものがございますが、大體ああいう取り方をなさつたわけなのでありますか。
#10
○政府委員(長谷川清君) あの實行價格という考え方をその儘取つておりませんです。
#11
○島村軍次君 本年の六月七月にあるべき價格という意味は、今囘の新内閣ができたと同時に價格の水準を或一定の限度まで千八百圓を基準に引上げるということとの關係はどうか。
 それから農具やなんかは相當途中で上つた點もあり、又食糧、衣料、住居費等はすでに供出をすべき時には相當値段が公定價格においても増額いたしたと思いますが、それに關する考え方を一應承つて置きたい。
 もう一つは、ウエートに對する比率の問題でありますが、物價廰でおやりになつた調査農家と言いますか、基準になつたのは、一體どういう所を標準にお考えになりましたか。
 それから農具その他の價格の問題は、價格の計算の基礎になつたのは、九、十、十一の基準年度の價格というものは何處の市場とか或は卸か小賣か、勿論小賣だろうと思いますが、自由經濟時代でありますが、非常に價格の相違があつたと思うのであります。その取つた元の地方別とか或は基礎を一つお聞かせ願いたいと思います。
#12
○政府委員(長谷川清君) 本年六月七月にあるべき價格と申上げました點は言葉は足りませんで御質問があつた譯でありますが、全く御質問の通りのことを申上げた次第でありまして、新しい内閣ができまして新物價體系が形成せられ、色々の物資が値上りをされるということが豫想せられておつたのでありますから、このバリテイ計算をいたしまする時のあるべき價格と申しまするものは、大體その當時にこの程度値上りするであろうということを豫想いたしまして、その價格を織込んで今のバリテイ計算をいたしたのであります。大體のところその時に考えました値上り率と餘り大差はありませんが、併し物によりましてはその時考えましたものと若干の相違を來しておるものも具體的にはあります。まだ新物價體系の全部の品目が改定されておりませんので、從つてバリテイ計算のこの數字を全部確定的にこういうふうになつたということを申上げる時期に至つておりませんけれども、何れこれが全部終了いたしますれば、それに基きまして又この數字は當然變つて來る、こういうふうに考えていいと思います。ウエートの問題でありますが、大體調査農家は全國農業會がやつておりまする農家經濟調査を基礎資料といたしまして取つておりまして、それの各個人の支出いたしました支出金額の平均をとる、こういうやり方でやつております。
 それから第三の基準年次のそれぞれの品物の價格でありますが、これは勿論消費者價格でありますから、小賣價格を採用しておるのであります。その地方別の價格は、これは恐らく大體地方の總平均をいたしまして、大體全國的にかくあるべき價格、こういう一應の基準をおきまして、それに基いて拵えたものであるのであります。
#13
○板野勝次君 大體基準年度から行くと、今度の新物價體系では、他のいろいろな都會の工産品は大體、〇倍程度が豫想されておるのに、先程お示しのような數ですと、いろいろな點から觀察してみると、都會の工産品と農産物價との釣り合いは、バリテイ計算のいろいろな基礎がこれからできるであろう物價もあるのですから、六七月という面から行くと、非常に價格差ができて、農家の經濟というものがますます困つて來ると思いますが、その點はどうでしようか、それが一つ。
 それから闇で計算することはできないという面は、逆に闇でなくても農家に最小限度のものの供給が確保でき得るという状態の上に初めて考えられるのに、農家の必需物資が殆んどが闇値で入つて來なければならないという現状でそういう計算をすれば、實際の農家經濟と非常な開きができて來ると思う。それで農村の必需物資に對する確保と睨み合せて、そういうことがなされたかどうか。そういう二つの點を伺います。
#14
○政府委員(長谷川清君) 今度の麥の値段を決めましたときのバリテイが、巷間言われております〇〇の比率より若干低いようであつて、從つてそれだけ農家經濟を不當に壓迫しておるのではないかというような御意見であつたかと思いますが、實は〇〇という數字は、經濟白書にも掲げられてあつたと思いますが、これは要するに非常に生産條件の惡い主として工業品につきまして、基準年次の價格よりも〇〇以上騰貴するものについては、一方消費者に與える影響も考えられなければならないから、〇〇以上騰貴するものについては、國家が價格調整補給金を出すという一つの目安の線に、〇〇という線を安定帶という名前において一應設定されたのでありまして、今度の新物價體系によるいろいろの價格が全部〇〇まで上げていいという趣旨で〇〇というパーセンテージが言われておるのではないのでありまして、私の承知しております限度におきましては、大體五十倍、ものによつて五十五倍というようなところが大體の基準になつておるというふうに現在のところみております。その點は非常に誤解が方々にあるように思うのでありますが、何も全部のものを基準年次の價格の〇〇倍に引き上げるというようなことは、新物價體系は考えておるわけでないのであります。どうしても止むを得ないものにつきまして、〇〇以上超えるものについては、政府は特別の助成金等を考えよう、こういう線に考えておるのでありまして、その點は一つ御了承を願いたいと思うのであります。
 それから闇の價格の點が全然これに觸れておらないのは、どうも合點がいかないという御説でありまして、これは、一應御尤もなことと考えるのでありまするけれども、併しながら、現在いろいろ經濟状態なり社會状態なりが普通の状態と違つておることは、御承知の通りでありまして、それらの事情をも全部價格に織り込んで、そうして價格でこれを解決するということは、これはなかなか言うべくしてできない問題であります。併しながら現實にそういう事態もあるということは、我々としてもよく分るのでありまして、從いましてこれらにつきましては、たとえば價格以外に報奬金の制度でありますとか、或いは報奬物資の制度でありますとか、そういうような價格以外の施策によりまして、できるだけ農家の實際支出と公定價格との開きというようなものにつきましての埋め合せを考えて行くというようなことが必要ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第であります。
#15
○板野勝次君 その點、報奬物資、報奬制度という問題がありますが、これは次官に尋ねるべき問題だと思いますが、從來農産物價が非常に安いために、報奬物資が出されても、それの半分くらいしかよう買わないというふうな事情等をお知りになつて、こういう問題をやはり檢討されたのでしようか。
#16
○政府委員(長谷川清君) ちよつと失禮でございますが、もう一度……
#17
○板野勝次君 從來農村に供給される報奬物資がいろいろあるのですが、それが農家では欲しくても買えない。こういう實情にあつたかと思うのです。そういう報奬物資の消化されておる、供給されておる状況等を十分斟酌されて、只今のようなバリテイ計算をされる場合に考慮に入れてなされたかどうかという點です。
#18
○政府委員(長谷川清君) 今のお話は、むしろ逆に考えた方がいいんじやないかと思うのでありまして、私共もバリテイ計算のときには、これは建前上すべての物資を公定價格の制度によつてものを考えて行くという考え方で計算をし、それによつて、あるべき價格というものを決定する、ただそういたしますると、御説のように、現實には相當闇の價格というものがあるわけでありまして、それとの均衡が面白くないというような點がありますので、從つてその公定價格の穴を埋めるというような意味において、別に報奬物資なり或いは報奬金というものが考えられると、こういうふうに理解した方がいいのじやないかと、こういうふうに考えておる次第であります。
#19
○板野勝次君 ちよつと私の尋ねようとしたこととは違つて來たのでありますが、現在の農家の非常に窮乏しておる状態では、從來までの報奬物資でも買い得なかつたという實情ですね。それが十分考慮されたから今度の價格の上にそれが盛込まれるのだ、こういう説明なんですが、今度盛込まれようとするものは、六七月を大體の基準とされておる、將來、それらのものが改定されるということが、その價格の設定の場合に豫想されていないと思うのですが、それはもう、すでに六七月でいろいろな必需物資等のものは、大體決つてしまつておるのであります。若しもそうでなかつたならば、それらのものが新らしい價格が決められて、報奬物資として出て來ても農家は引き上つた必需物資を買うことができないという状態が出て來ると思うのであります。
#20
○政府委員(長谷川清君) 大體今度の麥の値段を決めましたときの基礎にいたしました六七月のあるべき價格と申しまするのは、先程の他の委員からのお尋ねにお答えいたしましたように、今度の新物價體系で肥料は大體三倍程度上る、或いは農機具は二倍半程度上るというような要素を一応織込んで、これは計算してある譯でありまして、從つて農家に、現實に現在いろいろ配給されております肥料、その他の値段というものは、このバリテイーシステムの中にすでに織込まれておると、こういうふうにお考えになつて差支えないのじやないかと、こういうふうに思つておる次第であります。
#21
○岡村文四郎君 ちよつと尋ねいたします。バリテイー計算を出された基準で、九、十、十一年三ケ年計畫というものがありますが、その當時の農機具、肥料、經濟用品、その他のあらゆる六十四品目の中で、六十四品目が今の品物と格段の差があります。そこで、とくに農機具あたりは大體終戰後、非常に各工業者が、農機具は一番作りやすいし、材料もあるという關系から作つたり、又あれが一番できやすいというので作つたりしたが、いろいろな方面において粗悪なものがある、殆んど全部そうである。我々はそう考えておらなかつた。肥料でさえも効き目が非常に違つておる。こういう譯で成る程農作物の米にしましても、豆にしましても、十分な肥料をやつて作つたのとは違いまして、確かにそれを分析して見ますると違いますが、考慮するほどの差はないと思います。そこで農作物は、どうにかその数字さえあれば間に合うと思つておりますが、購入品は三年使えるものが、一年半しか、或いは一年しか使えない。そこの差が非常に多いのですが、その點考慮をされておるか、一應お聽きしたいと思います。
#22
○政府委員(長谷川清君) とくに農家が、農業經營上必要なるいろいろな資材等が、基準年次におけるときと大分、品質その他が惡くなつておる、耐久年限等も非常に惡くなつておる。從つて、そういう點も考えておるか、というような今のお話だつたかと思いまするが、これは直接的には、それはこのシステムには入つておらんと申上げる以外にないと思いますが、間接的には、先程申しましたように、このウエートの取り方が、農家の現金支出を、これは現金支出を中心に考えておりますし、その現金支出というのは、現實に農家が拂つた金を中心に考えておりますので、闇のものもありましようし、それから物の品質が惡ければ、度々物を買わにやならんというようなことになりまして、從つて、それには相當金が嵩むという結果、品質の悪いものはウエートに重くかかつて來るということは、これは觀念的に考えられるのじやないかというふうに思う譯であります。直接的にはどうも現われてはおらないように考えます。
#23
○岡村文四郎君 それでは非常に困りますので、生産の計畫を立てましても、バリテー計算で合計しませんと分りませんが、これはやればやるほどむつかしいもので、役所にも大部やつて貰つておるようでありますが、これは勘で行くより外ないようであります。ところが生産計畫には全部それが入つておる、非常に農具が惡いとか、或いは經濟用品が粗惡で惡いとかいうようなものを勘案したものが生産費のうちに織り込まれて價格が出るわけだが、それが若し一つも入つておらん、現金支出のみを對象として價格を立てられたのでは、これはとても成立たんから、その點なんとか一つお考えを願つて、案の中に入れて貰わなければならんと思いますが、如何でございましようか。
#24
○政府委員(長谷川清君) 先程もちよつと申上げましたように、パリテイーシステムの考え方は、昨年の米價以來採用せられて今囘が二度目の考え方であるわけでありまして、まだいろいろの問題は、このシステムに對するいろいろの考え方というものはあるわけであります。これについては、先程も申上げましたように、極めて事務的にと申しまするか、極めて學究的に我々の係官と司令部の方の係官と定期的に會合を持ちまして、いろいろ研究をしておるような状況であります。今のお話のような點につきましても、更によく勉強をいたして見たい、こういうように考えております。
#25
○山崎恒君 今の岡村さんの意見に關聯して、新しい價格の立て方が、勿論基準年度と採用品目の加重因數によつて決定されるというようなことになるのですが、その加重因數によるところの品目竝びに當時の價格というものが非常に品物によつて甲乙がありますし、又今度の價格というものが、全然闇というものを當時のものは基準にしてないというようなことになるのですが、一應新物價體系から行くというと、物によつては〇〇倍までは上げて宜しいというようなこととなると、特に米價の……米の、主食の問題に限つては、最も重要なものであるが故に、この引上げる品目中特に米に限つては最優位の取り方を取るべきだろう、こう考えるのですが、假りにこれが〇〇倍を取れば千九百圓近くになるということになると、一應うなずける相場になるのですが、千三百圓という價格は、非常に我々樂觀した價格で、これじや農林大臣の大幅引上げというような問題とは非常にこれはもう豫想外の意表に出た價格じやなかろうかと思いますが、そういうような關係からどうしても〇〇倍程度の價格に引上げるような、何らかの方法で考えられはしないか、こう思うのですが、勿論報將物資が適正ルートで確實に入るというような見通しが、そこに裏附けられておるかどうかというようなことも考えられるのですが、そうした問題も現状ではなかなか農家の必要なだけの、再生産必需資材といものは入る見込みは恐らくないだろう、こういうような考え方を持つておるのであります。
#26
○政府委員(長谷川清君) 騰貴率は先程來申しますような考え方から一應出たのでありまして、その騰貴率が今政府で言つておりまする安定禮の〇〇倍というのと、大分開きがあるようだという點についてのお話は、先程も外の委員に對してお話申上げましたので、御了解を頂けるかと思うのであります。何も全部〇〇倍にするということが基礎になつておるのではないのであります。先程來申しますような、それぞれのものについて原價計算なり、或いはこれと同じようなパリテイー・システムで参りまして、そうして出て來たものについて物價廳としては價格を決めておるのでありまして、その結果は私が先程申しましたように〇〇倍に至つておるものは主として戰災等によりまして、工場等が非常に損傷を受けておるとか、或いは原材料の配給が非常に少なくて、繰業度が非常に縮小されておるというような、特定産業のものに多いようでありまして、特に農業のようにあまり直接的な戰災を受けておらないもの、無論肥料その他の資材が窮屈でありますので、農家の努力はなかなか大變ではありまするけれども、とにかくにも、從來の作付面積を持ち、それに對して耕作をしておる。こういうものとはそこにおのずから考え方が違い、出て來るパリテイーの比率が違うということも、これも亦見方によりますると、肯ずける数字ではないか、こういうふうに考えるのであります。
#27
○木下源吾君 お伺いしますが、この計質には勞力、畜力は見なかつたのですか。
#28
○政府委員(長谷川清君) これには見ておりません。
#29
○木下源吾君 それから又別の農林省のほうから、生産價格とは再生産の保障ということをいつておるんですが、そういう要領でできておるんですが、この點に物價廳は考慮を拂わないのですか、この二點をまず伺いたいと思います。
#30
○政府委員(長谷川清君) 第一點の勞賃の關係は、このパリティー計算には直接には見られておりません。畜力も見られておりません。
 それからパリティー・システムは要するに、農家が基準田地において、支出した金額と現在支出すべき金額とのパリティーによつて、米價なり物價なりを決めるという考え方でありまして、從つて普通と勞力なり或は畜力なりにたいして、現金支出をしておらない状態でありますので、當然それはパリテイー・システムには現在のところはまだ見てありません。なお段々精細にやつてゆきます場合には、或いはそういうことも必要になるということも考えられるかと考えております。
 第二の再生産費の關係でありますが、これも直接的にはパリティー・システムとは全然關係はないと申上げるほかないと考えます。ただ最近のように物價が相當のスピードを以て上昇しておるというふうな現實の状態におきまして、農家の收穫物が一囘であるというような品物について、當初決めました價格でその儘ずつと難關を押通すということが、非常に困難であるというような場合もこれは當然豫想をせられるのでありますし、現に昨年米價が五百五十圓と十月に決定をいたされましてから、その後の諸物價の昂騰は相當ひどいものがあつたのであります。そういう場合につきましては、これは又別な時期を選んで一つのパリティーシステムの方法による價格というものが考えられるかと思うのであります。その價格を基礎にいたしまして、農業の再生産に支障のないような別途の方法を考慮することが必要ではないか、こういうふうに考え、又現に昨年のような場合におきましては、御承知の特別報奬金というような制度を新たに設けまして、確か二十數億の國費を出しまして、今申上げましたような米價決定當時の事情と、その後の事情の變化による割安を、そういう報奬金というような名目でこれをカヴァーするというようなことも考えられたのでありまして、將來も若しそういう事態がありまするならば、そういうような考え方で、特別な制度を別途に考えるということで考えて行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#31
○木下源吾君 基準年度昭和九年、十年、十一年という年は御案内の通りの農民にとつては、あまりかんばしくない年であつたのです。この年度を選んだ、何か特に選んだという事情、どういうわけでこの三年を選んだか、それからもう一つは今いろいろお聽きしておりますと、おやりになつておるこの計算の方は可なり不合理等があつて、今後いろいろ是正せられるということをお考えになつておるようですか、この是正せられる場合に、やはり今までの物價廳の方々だけでおやりになるか、おやりになるとしても又何か他から公正妥當なるものを作ることができる何等かの方法をお考えになつておるか、それを一つお伺いしたいと思います。
#32
○政府委員(長谷川清君) 第一の基準年度の取り方でありますが、これは昨年米價を決定せられまするときに取られた年次であります。その當時非常に米價の決定を急ぐ事情がありまして、この基準年次の九、十、十一年が果して妥當なものであるかどうかということを非常に深く研究する時間がなかつたのでありまするが、併し結果的に見ますると、そう大して農家に不利な年であるということは言えないのではないか、というふうに考えておりますし、又いろいろの數字がそれを示しておるように思うのであります。大體の九、十、十一年のあの時の事情考えてみますると、御承知のように昭和の初めからずつと農業恐慌がありまして、農家の方の負擔も非常に大きく、米價も非常に割安であつたというふうなことが考えられるのでありまするが、九年頃には大分それが持ち直して來ておるというこが考えられるようであります。特にあの年には相當の旱魃もあつたようでありまして、米價は相當九年から上つて來ておるというふうに見られております。尚御承知のように昭和九年は米穀統制法が初めて施行せられた年でありまして、いわゆる最低米價が保障せられた、農家とては、農村としては記念すべき年であるわけでありますが、そういう面から見ましても九年をまず最初の年の取つたということはそう間違つた年度であるというふうには考えておりません。尚又最後の年を十一年に取つてありますが、御承知のように十二・十三年となりますると、支那事變等の影響が、だんだん戰爭經濟の影響ができて參りまして、いわゆる人爲的な價格がいろいろ織り込まれておるということが考えられるのでありまして、從いまして丁度その間にある九・十・十一年は農産物の價格を決定いたしまする基準といたしましては、今のところ一應妥當な年度であるというふうに考えておる次第でありますが、併しこれも先程申しましたように、我々の研究會合におきましては、尚、更に研究を進めるということでやつておるような状況であります。
 それから第二の御質問でありまするが、無論特にこの米價はいろいろな物價の中心をなすものでありますし米價をどう決めるか、從つてこの、バリテイ・システムの具體的なやり方いかんということは非常に重要なことでありますので、ひとり物價廳の役人だけでものを考えますると、どうしても十分なる考えができないという場合もお説のようにあると考えまして、實は今の研究會等につきましても、それぞれ適當なるその道の權威のあるお方に御參加を願い、又御指示も頂きまして、成るべく正確なる誤りのない計算をやるようにいたしたいということで、具體的にそういう人選等をもやつておるような状況であります。
#33
○北村一男君 ちよつと簡單でありますから……只今第二部長の御説明で、基準年度をお取りになつた事情は了承いたしましたが、併し御説明の中にあるように、昭和九年は米價の最低價格を決定した記念すべき年でありますが、又最低價格を決定しなければならんような非常に不況であつたということも言えるのじやないかと思います。ですから木下委員のおつしやるように農家にとつてはあまり面白くない年であるということは私も同感であります。それからもう一つ伺いたいのは、當時からこれはまあ最近終戰までは、朝鮮、臺灣から相當米が入つておつた。それから人口は今日のように多くなかつた。だから米の値が今日から見ると、不當と申さんでも安い原因が内在しておつた。それから一面工業品は滿洲事變から引續き騰貴の傾向にあつたというようなことから、工業品の騰貴率は餘りに多くないにしても、米は不當に安くおかれて騰貴率を缺いた結果、不當に安くなるというような結果はないでしようか、そういうことを大體御考慮になつたでしようか、どうでしようか。
#34
○政府委員(長谷川清君) これは先き程申しましたように、この基準年度を取るときに、豫めいろいろのデーターを集めて恐らくはこの基準年度を決めたという行き方でなしに、まず基準年度がさきに去年に特殊事情で決まつた。あとからこれをよく檢討して見たわけでありますが、確かお話のように昭和九年に若干の値下りはあるようでありますけれども、併しながら昭和九年には關西が非常に旱魃でありまして、それで米價はもつと下るべきところが下らずに、相當のところで止つておるという風に考えられるようであります。その後はずつと上昇をして來ておるのであります。ここに一つの表もありますけれども、普通に考えられる年次といたしましては適當な年次であるように今のところ考えております。尚そうでないというような意見もあるようでありまして、それは今資料を集めまして、今の研究會でこれをもつと掘下げて考えようということで進んでおるような状態であります。
#35
○板野勝次君 その價格の問題で政務次官に尋ねたいと思います。主食の價格については特に農民が納得するという値段でないと、從來の供出等の問題でも農産物價が安かつたので、農民の納得し得る價格を算出するためにも、勞働團體とか、或いは農民團體等による主要食糧の價格を審議する。そういうところで民主的に決定されたものを採用するというふうなことを政府としてはお考えになつてはいないのですか、やはり今の物價廳で官僚的に數字で算出したものを上から押付けて行くということになるのでしようか。
#36
○政府委員(井上良次君) 今板野委員からの御質問につきましては、單に農産物價だけではなしに、農産物價を決めますのには、物價全體の綜合的な見地においてこれを扱わなければならんというのでございますから、米價なら米價だけをやる場合ではそういうこと、或いは農産物價なら農産物價だけを扱う場合はそういう行き方も十分採用して、農民も納得するような方法を採るということは、政府としてはやらなけりやならんことであろうと思います。ただ併し實際それを行なう場合において具體的にどうするかという問題になつたときに、果して適當な委員をどう選び上げるかという問題になつて來ます。そこで政府といたしましては、それらの問題の全體を合理的に檢討を加え、最も耕作農民が納得し得る價格を生みだすという面からも、今度中央食糧委員會を農林大臣の諮問機關として作りますが、中央食糧委員會の中には國會議員の方々、それから生産者團體、消費者團體の代表者、學識經驗者等によつてこの委員會を構成したいと思つております。この委員會では大體政府當局から色々な原案を提出いたしまして、そうして委員會の色々な角度からの御檢討を願つて、それを大體中央の決定として行きたいという方法を採りたいと考えておりますから、當然板野委員の御質問になりましたような、農民が納得し得る米價、或いは農産物價というようなものも、この委員會で十分意見を聽くことができるようになりはせんかと、こういうふうに私は考えておるのであります。尚部門的にこれは農産物價をどうするか、工業生産品をどうするか、或いは水産品をどうするかというふうになつて來ますと、これはなかなか厄介な問題になつて參りますので、大體今申しました供出問題にからんで、米價問題を決定するには、そういう方法で行きたいと思います。
#37
○岩木哲夫君 私は供出制度の根本的な改革をすべきことの意思のあることを農林大臣が屡々申されておるのでありますが、要は政府がこうして割當供出する以外に、まだ世の中に現われ流れておる食糧というものも合せてこの供出制度の中に關聨性を持たすことが今日一番大きな問題であろうと思います。御案内の通り米穀法から米穀統制法時代には、その年の實收高の農家の販賣米というものは、その年の實收額の六割乃至七割まで概ね販賣米であつた。こうしたことから米穀法、米穀統制法において、政府當局は色々手段なり方案を建てられた經驗で、幾多の苦い經驗も、貴重なる經驗も重ねられたと思う。要するに實收額の六割乃至七割、即ち平均六割五分ぐらいのものが大體の販賣米と推定されることは、もう常識一般であります。この例は食糧管理法が布かれて以來、管理制度を行なつた割當供出以外に、闇や横流れに一千五百萬石、二千萬石横流れをしておるという事情に徴しましても明らかであります。そこで政府は食糧管理を對象とする枠内のこうした供出制度に對します合理的な、或いは基本的な草案を練るということは必要でありますし、これらに對する技術改善は當然でありまするが、もう一歩外の枠にもこの供出制度に關聨性を持たす、即ち食糧管理法に照されたるこうした割當供出、いわゆる基本供出と申しますか、基本供出以外の特別供出、即ち超過供出と申しますか、こうした問題に對する政府の對策なり施策をもつと積極的に、明確に謳はれる手段を講ぜられることが必要じやないか、今回第三次でありますか、今印刷物で配付されておる中にも、超過供出に對する報奬金制度が一項謳はれておりまするが、これはその時の需給なり、遅配なり或いは缺配なりの實情、その時々に應じて追掛的に報奬金を出すというような、言わば彌縫策に過ぎないのでありまして、基本的な希望供出と超過供出というものの二つの建て方を明確に謳つて、超過供出においては今囘中央地方に食糧委員會ができるそうでありますが、毎月の地方における米麥芋類の超過供出に對する價格というものを協定する。そうしたようなことをよつて、これを固より政府が統制集荷するわけでありますが、ただ價格だけをその毎月ごとに協定をして之を收録把握するということにおいて、現在闇や横流れに流れておる……例えば昔は平均六割五分ぐらい販賣米があつたという食糧を、相當程度統制の粋に把握できるのではないか、固よりこれがやや時價といつたような傾きから、非常に困難な向きもありまするが、併しこれを或る程度まで制度化するということによつて、この基本供出の米價の問題も、或いは再生産の經濟上の問題も、或いは農村が増産に勵みを持つ意氣合いにおきましても、これはソ連のコルホーズの制度に似たような考え方でありますが、實收高からの農家の自家保有米を差引いて、そうしてその中から八割なり或いは九割というものは、即ち基本供出のこの制度による割當供出として、殘餘の農村の餘剩或いは節約されたものを、今申上げましたような工合に超過供出と名づけて、特定の價格を以て基本的にそういう委員會で協定して、これを收録把握するということになりますれば、非常に農村の増産なり價格の問題、再生産の問題、その他供出完了の自主的な督勵等も合せて效果があるのではないかというような點を深く考えておるのでありますが、そういう點は政府はお考ありませんかどうか。私はこの制度によらざる限り、なかなかこの供出一本、現在の制度一本ではなかなか食糧問題は解決しないように深く思つておるわけであります。御所存を承りたいのであります。
#38
○政府委員(井上良次君) 政府といたしましては、超過供出の分に對しては重きを置いておりません。やはりこの實收額を確實に把握いたしまして、その把握した實數に基きます責任供出數量を割當てるのでありますから、だから一〇〇%なら一〇〇%供出することに必要なる農家經濟、再生産資材の確保、これらを安定せしめることによりまして、それによつて大體政府としては民間の食糧需給推算を確定したい、こういう立て方でありまして、それ以上の超過供出の分に對しては、これに大きな豫想、望みを懸けて對策を立てて置くということは、この際やらんがいいではないかという、こういう考え方でおります。ただ本年に限りましては、農業生産調整法がまだ實行が、米及び甘藷、雜穀についてはできませんので、そこで本年といたしましては、どうしても豫想割當てによる方法を採らざるを得ないのでありますから、そこでどうしても實收額に對する超過とか或いは減少とかいうような問題が相當幅廣く出て來はせんかという危險がありますので、この點に對して一項目を設けて皆さんの御協力を願うという方針に立つておりますけれども、大體政府の建前は飽くまで實收額を正當に把握して、その把握したものを正當な價格で買上げて、農家の經濟を安定せしめるという、一〇〇%供出に對する上においての民間の食糧需給推算を確立したい、この建前であります。だから超過供出に對しては、この際特別に法制或いは制度を設けてこれに大きな重きを掛けるという考え方は今持つておりません。
#39
○佐々木鹿藏君 相當時間も經過したようでありますし、午前中の會議は物價の問題についていろいろ御審議になつたのでありますが、これを一つ片附けまして、その次において供出問題についてそれぞれ相當に御意見があると思います。そこで物價の問題を一應終了後にこの話を進めることにいたしたらどうですか。
#40
○羽生三七君 皆さんの御意見で大體決定的な意見は述べられたようでありますが、基準年度の取り方に不合理があつたり、その外いろいろこのパリテイ方式そのものに檢討が加えられたようでありますけれども、この結論として、先程部長さんからのお話では、今尚檢討せられておるというようなお話でありましたけれども、檢討の結果他の一般諸物價と農産物價格との比率の上の多少の開きというものが是正されるというようなお見通しなり、或いはそういう御努力がなされつつあるわけでありますが、その邊を結論的に承りたいと思います。
#41
○委員長(楠見義男君) ちよつと今の羽生さんの問題に關聯して委員長から、實は最後に總括的にお聽きしても、本日恐らく部長或いは政務次官から御返事は頂けないと思いますので、農林大臣から安本長官に御相談の結果意見を別の機會に伺いたい、こういうことで聞いておつた問題があるのですが、ちようど今羽生さんの御質問になつた問題、それから先程山崎さん、岡村さん、木下さん、それから板野さんが特にその問題について中心にお衝きになつて御質問になつたのですが、結局滿足せらるべき囘答を得られなかつたのです。ということはこれは委員長としてはつきりさして置きたいと思うことは、恐らくこういう點だろうと思うのです。それは先般農林大臣は、麥と馬鈴薯の價格決定のときには、すでに豫想米價というものが決まつておつたと、これは先程物價廳第二部長から御説明になつたああいう經路で決まつたものだろうと思います。その豫想米價というものが決まつておると、併しその後の物價の昂騰事情によつて考えると、相當現在の米價から大幅に、現在の米價というのはその豫想米價のことだろうと思うのでありますが、大幅に上げねばならんと考えておると、こういうことをお述べになつたのです。そこで昨日も問題は、例えば供出について各委員から良い案があつたら聞かして貰いたいというときに、岡村さんから、適正な價格でさえあれば農民は喜んで米を出すと、それ以外のことは何も要らんと、こういうような御議論もあつたくらいなのでありますが、そこで問題は、その豫想米價というものから上るかどうかということについて皆さん關心を持つてお聞きになつておることだろうと思うのであります。ところが一方同じ政府内でありますけれども、經濟安定本部を中心にしておる綜合物價體系、これはまあ經濟安定本部中心というよりも現在の内閣の案なんですが、綜合物價體系については、その綜合物價體系を維持するのに政府は最善の努力を拂うと、こういうことを機會あることに言われておるのであります。そうなつて來ると、豫想米價というものについては、細かい點は先程來第二部長からお話がありましたように、技術的には更に檢討をするにしても、大筋についてはそれを維持することに最善の努力を拂う、一方の方では、それでは到底現在の事情に合わないということから、もやもやしておるために、板野さんの御質問になり、或は山崎さんの御質問になり、岡村さんの御意見なり御質問、又最後に羽生さんの御質問になつたと思うのであります。その點は農林省、それから物價廳、兩大臣によく御傳えを願つて、それらの點ははつきりとせられて置く必要があるのではないか。又先程來の物價廳からの御説明によると、價格の點として報奬金制度その他において考えられるような口吻のようにも窺われたのですが、果してそういうことなのか、或は農林大臣が言われておるように、價格改定ということで行かれるのか、そこら邊が、これは恐らく今御相談せられても結論は得んと思いますから、これは委員長から御兩人にお願いするのでありますが、その邊よく御相談になつてはつきりしたところをお決め置きを願いたい。又今佐々木委員から御提案になりましたたように、米價の問題は集荷對策その他のこれからの問題に關しましても中心の大きな問題だろうと思ひますから、更に別の機會に掘下げて檢討したいと思ひますが、本日は午前は米價の問題についてはこの程度で一應打切りたいと思いますが、いかがでありましようか。
#42
○委員長(楠見義男君) それではそういうふうにいたします。食糧の問題についてはまだございますが、農林當局の方の御都合が惡いようでありますから、本日は委員會としてはこれで散會いたしまして、先程申上げましたように、一時半から研究會として協同組合の説明を聽くことにいたしたいと思ひます。それから明日は午前十時から開きたいと思ひます。公團の問題、それから食糧の問題、合せて伺いたいと思ひます。それでは本日はこれで散會いたします。
   午後零時十九分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事      木下 源吾君
   委員
           門田 定藏君
           羽生 三七君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           西山 龜七君
           岩木 哲夫君
           佐々木鹿藏君
           宇都宮 登君
           岡村文四郎君
           河井 彌八君
           島村 軍次君
           徳川 宗敬君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           廣瀬與兵衞君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
   總理廳事務官
   (物價廳第二部
   長)      長谷川 清君
ソース: 国立国会図書館
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