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1949/04/08 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会大蔵委員会水産委員会連合審査会 第1号
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1949/04/08 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会大蔵委員会水産委員会連合審査会 第1号

#1
第007回国会 地方行政委員会大蔵委員会水産委員会連合審査会 第1号
昭和二十五年四月八日(土曜日)
    午前十一時十一分開議
 出席委員
  地方行政委員会
   委員長 中島 守利君
   理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君
   理事 菅家 喜六君 理事 野村專太郎君
   理事 藤田 義光君 理事 立花 敏男君
   理事 大石ヨシエ君
      生田 和平君    清水 逸平君
      塚田十一郎君    吉田吉太郎君
      龍野喜一郎君    大矢 省三君
      門司  亮君    床次 徳二君
      池田 峯雄君
  大蔵委員会
   委員長 川野 芳滿君
   理事 岡野 清豪君 理事 北澤 直吉君
   理事 小山 長規君 理事 島村 一郎君
   理事 前尾繁三郎君 理事 川島 金次君
   理事 内藤 友明君
      大内 一郎君    奧村又十郎君
      甲木  保君    鹿野 彦吉君
      高間 松吉君    西村 直己君
      三宅 則義君    宮腰 喜助君
      竹村奈良一君    田島 ひで君
  水産委員会
   委員長 石原 圓吉君
   理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 夏堀源三郎君 理事 松田 鐵藏君
   理事 林 好次君
      小高 熹郎君    川端 佳夫君
      高木 松吉君    田口長治郎君
      田渕 光一君    玉置 信一君
      永田  節君    福田 喜東君
      井之口政雄君    岡田 勢一君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
        国 務 大 臣 本多 市郎君
 出席政府委員
        地方自治政務次
        官       小野  哲君
        地方自治庁次長 荻田  保君
        総理府事務官
        (地方自治庁財
        政部財政課長) 奧野 誠亮君
        大蔵事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        專門員     有松  昇君
        地方行政委員会
        專門員     長橋 茂男君
        大蔵委員会專門
        員       椎木 文也君
        大蔵委員会專門
        員       黒田 久太君
        水産委員会專門
        員       斎藤 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 地方税法案(内閣提出第一二三号)
    ―――――――――――――
#2
○中島委員長 これより地方行政委員会、大蔵委員会、水産委員会の連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして私が委員長の職務を行わせていただきます。
 これより地方税法案(内閣提出第一二三号)を議題といたしますが、法案の審査上まず政府より法案の趣旨の説明を聴取した後、質疑を行う方が適当と考えられますので、質疑をなさる方はあらかじめ委員会ごとに通告してくださるようにお願いいたします。それではまず政府のごく簡單な御説明を願います。
#3
○小野(哲)政府委員 今回地方税法の根本的な改正を企図いたしまして、地方税法案を提案いたしておるのでございますが、その趣旨につきまして簡單に御説明を申し上げてみたいと存じます。
 今回の地方税改正法律案は、その目標といたしまして、御承知のごとく、新たに道府県税と市町村税との間の分離をいたしまして、道府県税につきましては附加価値税、遊興飲食税及び入場税を基本的な税といたしまして、新たに独立の財源を付與するという建前になつておるのであります。また市町村税につきましては市町村民税及び固定資産税を大宗といたしまして、それぞれ固有の財源を付與する建前をとつておるのでございます。現行税法との相違点につきまして最初に申し上げるべきでございますが、これを省略さしていただきまして、今回の地方税改正の基本的な改革の方針について申し上げておきたいと存じます。
 まず第一は財産課税の重課、流通課税の整理、消費課税の減少軽減、所得課税の増加、事業課税の軽減、雑税の整理等を行いまして、地方税全般にわたつてその負担の合理化と均等化を徹底することでございます。
 第二には課税標準、税率等に関する地方団体の権限を拡充いたしまして、地方税制の自主性を強化するとともに、道府県税と市町村税とを完全に分離いたしまして、税務行政の責任の帰属を明確にいたすことでございます。これによりまして道府県税といたしましたものは、普通税で附加価値税、入場税、遊興飲食税、自動車税、鉱区税、漁業権税及び狩猟者税の七税目でありまして、目的税で水利地益税でございます。また市町村税といたしましたものは、普通税で市町村民税、固定資産税、自転車税、荷車税、電気ガス税、鉱産税、木材引取税、広告税、入湯税及び接客人税の十税目でございまして、目的税で水利地益税及び共同施設税を設定いたしたいと存じております。
 第三には有力な直接税を市町村税として、その收入の強化をはかりますとともに、住民の市町村行政に対する関心の増大を求め、地方自治の基盤をつちかうとともに、民主政治の推進を期することでございます。
 第四は特別徴收に関する規定を整備することでございまして、納税秩序を強化すること等によりまして、税收入確保の方途を講ずることであります。
 第五は税率を全税目にわたつて明確に規定することによりまして、地域間における地方税負担の衡平化を期することであります。
 かようにいたしまして、地方税法を全文にわたつて改正いたしたのでありますが、これによりまして、昭和二十五年度において地方団体が收入することのできる税額は千九百八億円となる見込みでございます。昭和二十四年度千五百二十四億円と比較いたしますると、三百八十四億円の増税ということに相なります。この地方税のほかに地方財政平衡交付金の創設、災害復旧費全額国庫負担等を行いますので、相当の財源が増加に相なりますが、もちろんこれにより、地方財源ははなはだしく潤沢になつたということは言えませんが、現下の国民租税負担の現状にかんがみまして、地方税としてはこの程度の増收にとどめることを、適当とすると考えた次第でございます。
 簡單に新設されまする税目について説明を申し上げておきたいと存じます。
 まず第一は、附加価値税でございます。附加価値税は、事業税及び特別所得税を廃止するとともに、これらの課税客体であつた事業の附加価値に対し、附加価値額を課税標準として、事業所または事務所所在の道府県において課税するものでございます。ここに附加価値と申しますのは、当該事業がその段階において、国民総所得に附加した価値をさすものでありまして、生産国民所得の観念で申しますならば、一定期間における当該事業の総売上金額より他の事業から購入した土地、建物、機械設備、原材料、商品、動力等を控除したものを申すのでありまして、逆にこれを分配国民所得の観念で申しますならば、賃金、地代、利子及び企業者利潤を合算したものと言えましよう。このような附加価値額を課税標準とするところの附加価値税を、従来の事業税にかえて創設するゆえんは、第一に従来の事業税でありますと、まず收益課税たる本質上、非転嫁的なるものでありますがゆえに、今日のごとく所得の上に累積的に課税されているときにおいては、事業に対する負担がたえがたいまでに重くなることであります。
 第二に、事業税の課税標準は所得であるがゆえに、必然的に国税たる所得税及び法人税の課税標準の算定の結果に追随せざるを得ないこととなりまして、事業税についての責任の帰属を不明確にすることであります。
 第三に、事業税によるときは、所得のないものは常に課税を免れるが、事業を継続している以上は、常に地方団体の施設の恩恵に浴しているのであるから、事業はすべて応分の地方税負担をすべきであることなどの欠陷を有するのに対しまして、附加価値税においては、これらのいずれの欠陷をも一応克服できる上に、取引高税のごとく重複課税とならないことであります。企業の垂直的結合を促進するがごとき欠陥を有しないことなどの長所があり、さらに進んで固定設備の購入代金が課税標準から控除されるがゆえに、現下のわが国経済にとつて、最も必要であるところの産業の有機的構成の高度化を促進するという効果もまた期待できるのであります。
 しかして附加価値税は、農業、林業並びに鉱物の掘採及び採取の事業に対しては、非課税の取扱いといたしたいと考えております。その理由は前二者につきましては、主として固定資産税の負担が相当重くなつていることによるものであり、後者につきましては、別途鉱産税が存置されているからであります。
 次に附加価値税の税率は、標準税率を四%とし、最高税率を八%としているのでありますが、原始産業も自由業等につきましては、標準税率を三%、最高税率を六%とし、免税点はいずれも附加価値額の総額が十二月分として、九万円を原則といたしております。
 さらに、附加価値税の徴收手続は、申告納付の方法によるものとしております。これらの点につきましては、説明を省略させていただきます。
 なおこれと関連しまして附加価値税につきましても、青色申告書の制度を採用することとしておるのでございます。
 また、昭和二十五年度限りの課税標準算定の特例として、金融業、運送業及び倉庫業につきましては、その選択によつて、総売上金額の一定額をもつて附加価値額とすることができるものとしておりますが、その理由は、主としてさしあたり負担の急変をかけようとする趣旨に出たものであります。この附加価値税の收入見込額は昭和三十五年度四百十九億円、平年度四百四十一億円であります。
 新税のその二は市町村民税であります。同じ税目は従前にも存していたわけでありますが、その性格を一変しているのでありまして、市町村内に住所を有する個人に対しては、均等割及び所得割により、事務所、事業所または家屋敷を有する、個人及び事務所または事業所を有する法人に対しては、均等割によつて課するところの税であります。
 従来の市町村民税と異なりますのは、第一には、世帶主を納税義務者とする家族主義的な構成をとつていたものを、所得のある限りは成年者をすべて納税義務者とする個人主義的な構成をとつていることであり、第二には、均等割、資産割及び所得割の三者によつて課税していたのを、資産割を廃止して、均等割と所得割の二者によつて課税することとしたことであり、第三には、法人に対しては均等割しか課税しないことにしたことであります。
 しかして均等割の額は、人口五十万以上の市において、個人は八百円を標準とし、最高一千円、法人は二千四百円を標準とし、最高四千円、人口五万以上五十万未満の市において、個人は六百円を標準とし、最高七百五十円、法人は千八百円を標準とし、最高三千円、これら以外の市町村において、個人は四百円を標準とし、最高五百円、法人は千二百円を標準とし、最高二千円としているのであります。
 他方、所得割につきましては、前年の所得税額を課税標準とし、その百分の十八を標準とし、百分の二十を最高とする方式及び前年の課税総所得金額を課税標準とし、百分の十を最高とする方式、並びに前年の課税総所得金額から所得税額を控除した後の金額を課税標準とし、百分の二十を最高とする方式の三方式のいずれかを選択し得るものとしておりますが、昭和二十五年度におきましては、第一の方式のみを採用することとしております。
 なお市町村民税は、前年において所得がなかつた者及び生活保護法の適用を受ける者並びに不具者及び未成年者に対してはその全部を、同居の妻に対しては均等割を課さないものとしております。ただ未成者前び不具者であつても、一定額以上の資産所得または事業所得を有し、かつ独立の生計を営む場合、または同居の妻であつても、その夫が市町村民税の納税義務者でない場合においては、非課税の取扱いを受けないのであります。
 課税団体は、六月一日現在において、住所または事務所、事業所もしくは家屋敷が所在した市町村で、その課税方法は賦課処分によるものとし、納期は原則として均等割のみを納付するものは七月、その他のものは七月、九月、十二月及び二月の四回としております。また收入見込額は、昭和二十五年度において五百七十五億円、平年度において四百八十七億円であります。
 薪税のその三は固定資産税であります。固定資産税は、土地、家屋及び減価償却の可能な有形固定資産に対し、その価格を標準として、原則として所有者に課するところの税であります。これは従来の地租、家屋税を拡充したものでありまして、そのおもな相違点は、課税客体が土地、家屋のほかに償却資産の加えられていること、課税標準が賃貸価格と異なる価格であることであります。
 しこうしてその価格は毎年一月一日の時価を基準として、おおむね各市町村に設置される固定資産評価員の行う評価に基き、市町村長が決定いたします。この市町村長が決定した価格は、固定資産税の課税の必要上、市町村に作成を義務づけられた固定資産課税台帳に登録し、一定期間関係者の縦覧に供して、確定することとしております。但し、昭和二十五年度分の固定資産税の課税標準に限り、農地以外の土地及び家屋については賃貸価格の九百倍の額、農地については自作農創設特別措置法による買收農地の対価に二二・五を乗じて得た額とするものとしております。
 また償却資産の価格については、資産評価法の規定によつて再評価を行つた場合における再評価額の限度額と、同法の規定によつて償却資産の所有者が現実に行つた再評価額、または再評価を行わない場合にあつては、その資産の帳簿価格とを見て、市町村長が決正するのでありますが、原則として資産再評価法による再評価額の限度額を、課税標準たる価格とするよう指導すべきものと考えております。固定資産税の税率は、百分の一・七五を標準としておりますが、当分の間百分の三を最高とし、かつ昭和二十五年度分に限り、百分の一・七五に一定したのであります。いずれも課税の條件を同一にすることによつて、課税標準額について存する不均衡の所在を明確にし、次の機会における固定資産の公正な評価を容易ならしめるようとする趣旨であります。
 なお、大規模の工場や発電施設が近隣の市町村の公共費の支出に直接かつ重要な影響を與えたり、これらの地方における経済と直接かつ重要な関連を有する場合におきましては、地方財政委員会がこれらの固定資産を指定し、これを評価してその価格を決定し、固定資産の存在する市町村のいかんにかかわらず、その価格を関係市町村に配分することができるものといたしておりますのは、税源の極端な偏在を防止しようとする趣旨にほかならないものであります。
 また船舶、車両、その他二以上の市町村にわたつて使用される移動性もしくは可動性償却資産及び鉄軌道、発送配電施設。その他二以上の市町村にわたつて所在する固定資産のうちも地方財政委員会が指定したものについては、地方財政委員会が価格を決定し、その価額を関係市町村に配分するものとしておりますが、その趣旨は、主として関係市町村間における評価の適正を期そうとするところにあるわけでございます。固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とし、納期は原則として、四月、六月、八月及び十一月の四回としておりますが、昭和二十五年度分の償却資産に対する固定資産税に限り、一月一回ときめております。この税の收入見込額は、昭和二十五年度において約五百二十億円であり、平年度において五百七十八億円であります。
 第二は、既存税目に対して加えられた変更に関する説明でございますが、その一は入場税に関するものであります。第一点は、税率を従来の十五割の部分を十割に、また従来の六割の部分を四割に、それぞれ三分の一ずつ引上げておることでございます。第二点は、新たに課税除外の規定を設けたことでございます。第三点は、催しものの主催者等に所定の入場券または利用券の発行義務を課するとともにも入場者が入場し、または利用者が利用する際に、その入場券または利用券の一半を切り取つて、他の一半を入場者または利用者に交付する義務を課したこと、及び全員を無料で入場させたような場合におきましても、その状況により、経費を課税標準として課することができるものといたした等、徴税の強化をはかつた点でございます。
 その二は、遊興飲食税に関するものであります。第一点は、現行の税率十五割、八割、五割及び二割を十割、四割及び二割に引下げ、もつて負担の軽減と徴税の適正化をはからんといたしたことでございます。第二点は、條令で領收証発行及び証紙使用の義務を課し得るものとし、乱れがちな遊興飲食税の徴收を確保する道を規定したことであります。
 その三は、自動車税、漁業権税、自転車税、荷車税、広告税、入場税及び接客人税についても新たに標準税率を定め、もつて地域間の負担の均衡化をはかるとともに、その課税手続、救済、罰則等に関する所要の規定を整備して、納税者の理解に便ならしめようといたしたことであります。
 第三は、賦課徴收について改正を加えました諸点でございます。過納にかかる地方団体の徴收金の還付の問題であるとか、あるいは未納の徴收金に充当する場合において加算金の制度の創設というような問題、あるいはまだ納税者もしくは特別徴收義務者について滞納処分、強制執行、破産宣告等があつた場合における地方団体の処置の問題であるとか、あるいはまた納税者に交付すべき徴税令書の問題であるとか、あるいはまた入場税、遊興飲食税、電気ガス税、木材引取税等を特別徴收によつて徴收させる場合における特別徴收義務者に関する規定等を整備いたしておるのでございます。なお所要の罰則規定を整備して、徴收の強化をはかつたこと等を申し添えておきたいと存じます。
 今回の改正によつて廃止される税は、さきに成立いたしました地方税法の一部を改正する法律とあわせ、道府県民税、地租、家屋税、事業税、特別所得税、不動産取得税、酒消費税、電話税、軌道税、電柱税、船舶税、舟税、金庫税、屠畜税、使用人税、漁業権の取得に対する漁業権税、自動車の取得に対する自動車税、自転車の取得に対する自転車税、荷車の取得に対する荷車税、都市計画税等の多数に上るのであります。
 以上を要約いたしますと、今次改正案は実にわが国の地方税制の創始以来の画期的なものでございまして、特に附加価値税、固定資産税及び市町村民税の三大新税の創設、道府県税体系と市町村税体系との明確な分離、及び賦課徴收手続の明確化等の諸点においてきわめて特典なる特色を持つておりまして、地方財政の確立ないし地方自治強化のために貢献するところが期待されるのでございますが、反面それだけに、新地方税制の実施にあたつては、幾多の困難と障害とが予想されるのでありまして、これを一言に申しますと、国民大衆に今次の国及び地方を通ずるところの税制改革において、租税負担の軽減を衷心より希望し、かつ現に国税については、所得税及び法人税において相当の減税が実現される見通しにあるにもかかわらず、ひとり地方税のみが逆に負担が重くなるということは、きわめて解しがたいという意見と、地方団体の徴税能力では、新たな地方税法の運用にあたつてはきわめて無力であり、その結果、地方税收入の確保も期し得ないし、また地方住民の受ける圧迫感も増大するであろうという意見についてであります。
 この二つの意見の中に、前者については冒頭に述べましたような地方財政の現実のもとにおいて、国政民主化をはかつて行くという観点から、何と申しましても地方自治の基盤を確立しなければならぬという高い要請にかんがみ、地方財政を確立するために、当然避け得られないところともいうべきでありまして、この点、地方税負担の重くなることは、まことに遺憾でありますが、わが国政治の発展を期待する上からは、真にやむを得ないところであると御了解いただきたいのであります。また後者につきましては、確かに現在の地方税務機構をもつて足れりとは考えていないのでありまして、要員の急速な充足、ないし教養訓練の徹底によつて、質量ともにすぐれた税務機構を確立するよう都道府県、市町村ともにせつかく努力していることを申し上げておきたいと存じます。
 以上はなはだ概略簡單でございますが、今回地方税法案を提案いたしましたその内容につきまして、簡單に御説明を申し上げた次第であります。
#4
○中島委員長 これより質疑に入りますが、各委員会を交互に質疑を許すことにいたします。まず三宅君。
#5
○三宅(則)委員 私はただいま広汎なる御説明がありまして了承いたしたわけでありますが、結論の方から先へ質問いたしまして、恐縮でありますが、こういうような附加価値税とか、あるいは市町村住民税とか、あるいは固定資産税というような厖大な案に対しましては、よほど愼重に研究しなければならぬ点があると思います。その質疑に入る前において、最後に申し述べられました通り、現在の税務機構におきまして、税務署でもなかなか目こぼしがありましたり、また調査が十分でない点がありますが、それではたして市町村におきまして、あるいは地方団体において、正確にその数字が把握できると考えておられますか。私ども考えますならば、おそらくこれは本年や、来年くらいでもまだ未熟であつて、相当もんちやくが起るであろうということを考えておりますが、政府といたしましては、どのような数字をもつて――現段階においても、国税庁では七万人の税務官吏を擁しておるのです。私の調査によりますと、その七万人のうち平均年齢は二十三歳半、経験年数わずか二箇年半弱、こういうような者が第一線に立つておるのでありますが、はたして現段階において、各地方の税務行政に携わろうといたしますところの人間の数、もしくはその素質、教養、これらについて御答弁を承りたいと思います。それらを承つてから、だんだん入ります。
#6
○小野(哲)政府委員 お答え申し上げます。先ほど私の説明の中に申し上げましたように、またただいま御指摘になりましたように、今回の新税を実施いたします場合における地方団体の税務機構、並びに能力の問題は、まことにごもつともな御指摘の点と存じます。ただ新しく附加価値税、あるいは固定資産税を創設いたしますにつきましては、御案内のごとく、昨年シャウプの税制報告書が出まして以来、各地方団体におきましては、その心組みをもつて、実は準備に着手いたして参つておるのでございます。また中央における所管庁である地方自治庁としても、できるだけこれが実施につきまして齟齬を来さないようにという心組みから、適当な方法により、また機会をとらえてできるだけ助言をいたし、指導もするようにとりはからつて参つておりますので、おそらく地方団体におきましては、この税法が実施いたされます場合においては、相当の準備が進められておるものと期待はいたしておるのでございます。しかしただいま御指摘になりましたように、決して完璧とは申し得ないのではないかと存じます。それにつきましては、仰せのごとく税務吏員を十分に整備いたして参らなければならぬ。こういう問題があるのでございます。税務吏員の整備につきましては、国税においても相当の要員を必要とするように、地方団体におきましても所要の人員を要することはこれまた申し上げるまでもございません。またそれに必要な徴税費も要することは申し上げるまでもないのでございます。ただ今回附加価値税を創設いたし、また固定資産税を設けますにつきまして、従来とも地方団体におきまましては、事業税等の税を取扱つておる経験もございますし、また固定資産税につきましては、資産再評価等の関係から割合にこれを取扱うことは困難ではなかろうと考えておるのでございます。しかしながら何と申しましても、この種大きな法律の改正でございますので、できるだけ優秀な税務吏員を養成するということはまことに急務であると存じますし、またその取扱いいかんによりましては、地方住民に対して至大な迷惑をかける懸念もないことはないのでございますので、一面これに対する講習訓練等をいたしますとともに、地方団体におきましては、適当なる所要の人員を増員する計画も持つておるものと考えておるような次第であります。しかしお説のようにこの法律を実施いたします場合におきましては、中央、地方相協力いたしまして十分その適正をはかつて行かなければならぬことはまことにごもつともな点でございますので、担当の地方自治庁といたしましては、ただいままで相当の準備は進めつつありますけれども、さらに御趣旨に沿うように一層の努力を続けて参りたい、かように考えておるのでございます。
#7
○三宅(則)委員 ただいまの御答弁によりますと、概略的のことでございますが、私の聞かんとする事柄は、準備というのはただ大ざつぱな準備というようにお考えになつていらつしやるようでありますが、もう少し具体的に、たとえば地方の県庁にはどのくらい置こうとか、町村にはどのくらい置こうとか、どういう教養のものをどういう制度によつてやろうというような、もう少し具体的なことを、事務当局でけつこうですから、一応承つてから、またやります。
#8
○小野(哲)政府委員 私から概略の御説明を申し上げて恐縮に存じました。さらに数字について事務当局から説明いたします。
#9
○奧野政府委員 現在の徴税吏員の数を今手元に持つておりませんので、すぐに調べてあとで報告さしていただきたいと思います。
#10
○三宅(則)委員 先ほど政務次官から、地方の事柄については事業税等をやつた経験もある。こういうお話でありました。地方税については各府県等がやつておつたわけでありますが、これはどちらかと申しますと、国税におぶさつておつた、決して自主的にやつておりません。趣旨といたしましては、地方の事業税というものは、地方自体によつてこれを計算し、課税するのが本体でありますにかかわりませず、今までの私の調査の実績によりますと、事実はそうじやない。国税に依存してやつておつたのでありまして、何ら自主的でありませんでした。はなはだ失礼な話でありますか、考えてみますと今日は盲が急につえを失つたような状態であると私は感じておる。でありますからこれに対して事務当局の力ある言を承りたい、こう考えます。
#11
○奧野政府委員 地方の徴税機構は、昭和十五年の税制改革におきまして、地方税制を極度の中央集権的なものに切りかえました以前には、かなり力のあるものであつたのでございます。しかしながら戰争準備の体制というか、そういう見地から、もつぱら中央依存の税制に切りかえられましたために、今日いろいろ指摘されますような弱体な面を持つておるわけであります。しかしながら事業税が地方の独立税に切りかえられましたのはすでに一昨年であります。切りかえられた当時は、主として国税に依存せざるを得ないわけでありましたけれども、しかしながらその後漸次体制も整つて参つておりまして、ある面においては相当成果を上げているところも事実あるのであります。しかもこれはまだ切りかえられてからようやく二年を経たけでありまして、今回三年目に入るのでありますが、われわれが考えておりますところでは、非常に急激なスピードで税制体制が整えられて来たと考えて来ておるのであります。現に府県会におきましても、主たる論議の問題はもつぱら税の問題であります。府県におきましても知事以下首脳部としては、主として税制の点に非常な注意を拂つて来ている。それだけにまた税務に携わる者も真劍にこの問題と取組んでいることは、私は率直に申し上げられると思います。しかもまた先ほど政務次官からお話のありましたように、税制の改革は昨年来つとにとなえられている問題であります。また切りかえらるべき税制の内容につきましても、非常に真劍な研究を積んで参つているわけであります。われわれといたしましても、すでに数度にわたり講習会を実施して参りました。こういう点から考えますと、事業税よりも、言いかえれば所得の計算よりもはるかに簡易な附加価値の計算でありますから、われわれとしては、従来の事業税が国税に基礎をある程度持つていた時代よりも、はるかにやりやすくなつて来るのではないかという考え方をいたしているわけでありまして、しかもまた附加価値税になりましても、必ずしも国の所得税や法人税等と無関係ではないのであります。国税と地方税とが相互に協力し合いながら、課税の均衡を保持して行くことになるわけでありまして、單に地方税が国税に依存するということではなしに、逆にまた私は国税も地方のやり方に、あるいは地方税の検討しておりますところを参考とされるところが非常に多くなつて来るのではないか、かなり自負したというように聞えるかもしれませんが、おそらく私は国税と地方税が互いに協力し合いながら、公平な課税の徹底ということに力を盡して行ける態勢が、ことしから始まり得るものだということを確信いたしておるものであります。
#12
○三宅(則)委員 ただいま政府委員の御答弁によりますと、事業税は二、三年前から地方に参つた、こういうお話でございます。取引高税は御承知の通り悪税であると思いまして、わが党では廃止に協力して、結局廃止になつたのでありますが、これも過去のことを申して、はなはだ失礼でありますが、取引高税等については、およそ帳面を見ていない税務官吏が参りまして、お前のところはおよそこのくらいあるだろうから出しなさい。また納税者の方でも、帳簿を確然といたしておりませんから、やむなくこれに同調せしめられておつた。もしくははなはだしきに至りましては、お前のところはないかもしれぬが、これは寄付と思つてやつてもらいたいなどと言つてまわつたことは事実であります。これははなはだ悪税でありましたからして、今回改正になつて廃止になつたのでありますが、今度の附加価値税におきましては、これは帳簿も嚴格につけるようにはだんだんなつて参りましようけれども、相当これは基準に対してもんちやくが起る、かように考えておりますが、政府は現段階におきまして、地方の各業者等が相当帳簿をつけていると考えておられますか、どのように考えておりますか、承りたい。
#13
○奧野政府委員 現行の事業税が国に依存しているから、独立税でもこれでやれたのだ、しかしながら附加価値税になると形がかわつて来るから、従来よりも非常に困難になるのじやないかという御質問であるといたしますならば、私は事業税が国税に依存して課税できたものなら、附加価値税もまた国税の結果に依存して課税して行ける、こういうようなお答えをいたしたのであります。しかしながら決して附加価値税の実施を、もつぱら国税に依存してやつて行くのだということを申し上げるわけではございませんけれども、もし国の所得税なりあるいは法人税の決定額に依存しようとしますならば、たとえば国税の所得税の決定にあたりまして、利潤というものをきめております。それからまた支拂い給與額は、企業者は源泉で所得税を徴收する義務を負つております。従つてこの面から支拂い給與額を把握することができます。あと小さい額でありますけれども、支拂い地代、あるいは支拂い家賃の額も捕捉は割合に容易なものだろうと思います。さらに所得税や法人税の計算の際に控除を認めております減価償却費を加えまして、それからその年に取得いたしました固定資産の取得額を控除すれば、大体において附加価値額は合致するわけであります。従いましてこれらの要素は国税の賦課徴收の結果から拾い上げて行こうとすれば、簡單に拾い上げて来れる性質のものであります。従いまして私は事業税は国税に依存できたからよかつたが、附加価何税は医科に依存できないから困るのだ、こういう御議論であるとすれば、事業税が国税に依存できたように、附加価値税も国税に依存できる、こういうよるにお答えいたしたいのであります。
#14
○三宅(則)委員 今政府当局は相当自信滿々たるような御答弁でございましたが、私はまだ自信満々とは行かないと思います。その原因はたくさんございますが、それは議論でありますからさしおきまして、質疑を続行いたしたいと思います。この附加価値に対しましても割合に簡單に計算できるようでありますが、やはり基準といたしましては、営業者におきましては帳簿がないからたいへんであろうと考えております。しかし私どもは今の事情から考えますと、国税でありますいわゆる所得税等につきましても、青色申告というものはほとんどやつておりません。わずか一割以内くらいしか青色申告していない。そうしてみますと、今の段階では八割、九割というものは、帳簿は売上帳とか、仕上帳とかいうものはありましようけれども、総体の財産の増減、変化、これらに対しまする元帳というものは完備いたしているところは割合に少い。多くは帳簿はあるというけれども、それは單純な売り買いにすぎない。こういうものでありますから、おそらく係官はその売上帳なり仕入帳なりを見て御決定なさると考えますが、これはどういうふうに決定なさる考えを持つておられるか、承りたい。
#15
○奧野政府委員 ただいまの御指摘の帳簿のないものについて、どういうふうにして決定するかという御質問でありますが、帳簿のない人たちにつきましても、できるだけ帳簿をつけていただけるように、今回青色申告の制度が採用されたわけでありまして、できるだけ納税者側と徴税側との摩擦の起きないように、御協力くださるようにお願いいたして行かなければならないと思います。もとより帳簿のないものにつきましては、あるいは取引先を調べましたり、いろいろ各方面から捕捉して行かなければならないものでして、これは国税、地方税ともどもに同じような困難な面に逢着するだろうと思います。しかしながらその場合でありましても、その人については、国税で所得税においてどのような把握をいたしておるか、あるいはまて町村でどのような見方をしておるか、あるいはまた固定資産税においてどういう結果が現われておるか、やはり、各税につきまして、その結果を取捨しながら、総合的な判断をして行かなければならないだろうというふうに考えております。
#16
○三宅(則)委員 今政府当局に伺いますと、やはり事務的のことはよくわからぬというような御答弁でありますが、やむを得ない点もあろうと思いますが、私はこの際ひとつ政府に御参考までに申し上げたい点があるのです。この事柄はかつては地方におきましては相当な人によつて、あるいは前には各町村、各郡に所得税調査員というものがありまして、調査員等の意見を聞いて税務署がきめられた場合があるのです。ところがこれらの納税は第三者の容喙を入れず、自分自身の予算を立てて、自分自身が納税する、こういうシャウプ勧告の線に沿つてわれわれはやるわけであります。でありますから、まず第一に都会等におきましては、相当に帳簿の知識も発達し得ると考えておりますが、地方団体もしくは地方の所得者等に対しましては、まだ行き渡らぬ、そこまで行つていたい、こういう観点から考えまして、ある意味におきますところの、調査員ではありませんが、第三者の意見を聞きまして、これを参考に供するというような希望を、この附加価値にお用いになつておるかどうかということを承りたい。
#17
○奧野政府委員 現行の事業税におきましては、国税との関連もあるからでありますけれども、事業税調査委員会的な制度を設けるようにという指示をして参つて来ております。しかしながら今回の附加価値税の課税にあたりまして、制度的に課税標準を決定するために、特別な委員会をつくるというようなことは考えていないわけであります。しかしながら今お話のありました帳簿のない者等について調査決定いたします際には、もとより各方面の意見を聞かなければならないわけでありますけれども、そういうふうな委員会というものを制度的に一定いたしますことは、過去の例からも見られますように、かえつて特定のものについての減税手段といいますか、そういうかつこうになる欠陷もあるものでありますから、やはり制度的なものとして、そういうものを條件といたしますことは、課税の公平といいますか、適正をかえつて欠くのじやないかという心配を、現にわれわれは持つておるわけであります。
#18
○三宅(則)委員 私はあまり追究するものではありませんが、政府の今回おとりになります趣旨を徹底いたしますように、自主的に皆さんが好んで附加価値に関する申告をなさるようにいたしますが、第一種業業につきましては、百分の四から百分の八まであるわけでありますが、これを決定いたしますのは、これは各府県によつてきめて来るものと考えております。これに対しまして相当税率が高いということを考えておりまして、わが党でも、塚田氏が先頭に立つてこれを修正しておるようなわけでありますが、一体どのくらいとつて、どのくらいの集計があるということの試案の資料ができておりますか。ありましたら参考にお聞きしたいと思います。
#19
○本多国務大臣 これは原案によりまする標準税率で算定いたしまして、附加価値税は四百十九億程度とれるということになつております。その資料はございますから、まだ配付になつていないとすれば、配付いたしたいと思います。
#20
○塚田委員 関連して……。附加価値の算出の方法が困難だろうということを御質問があるようでありますが、私もそうだろうと思うのであります。ことに今の地方税務機構の連中の今までの徴税の経験からしましたら、非常な困難をするだろうと思うのです。それでやり方としては、あまり芳ばしくないのでありますけれども、附加価値の標準比率というものを、業種別にでもひとつ一応の数字を出されて、そういうものをあらかじめ各府県に與えておいて、そうして徴税をするというような何か便法が、少くともなれるまでの間は必要なのじやないかと思うのですが、そういう点に対して何かお考えがあるかどうか。
#21
○本多国務大臣 この附加価値の標準比率の問題は、まことにむずかしい問題と思いますけれども、十分研究いたしまして、適当な標準が得られたならば、そういうことも考慮いたしたいと存じます。今の標準比率というものを押える場合、仕入れと売上げを押えて、その上でならば標準率の適用ができますけれども、その仕入れか売上げかどつちか押えなければ、標準率の活用の仕方がなかろうかと考えております。従来の、所得を捕捉して課税する、計算する方法に比べますと、附加価値の捕捉は、それに比較して容易であると考えられます。従前各税務署の実施の面において、業種別の純益率等を調査の資料として、各税務署に配付して、所得をやつたことがあると思いますが、やはりそうしたものに似たような附加価値の標準をつくるということは、まことに困難なように思われます。それが品種別からいつて、こういう品物は仕入れと売上げの差額がこれくらいあるものだという、そういうものを全国に示しても、およそこれによつてもらえるだろうという見通しのつきますものについては、それがまた役に立つかとも考えられますので、十分研究いたしたいと考えます。
#22
○塚田委員 結局問題になるのは、中小の商工業が一番問題になると思うのです。帳簿がないところでも、売上金額、製造高ぐらいは何とかして押えられるということになると、やはり標準比率というものを一応おきめになつていただいた方がいいのではないかと思いますが、この標準比率をつくられた場合に、今の国税の所得税なんかも、一応小さい業態に対しては、当局は持つておるらしいのですが、ひた隠しにしておる。自分だけこうして見ておつて、結局売上げを押えて、お前のところはこれくらいの所得だとやつておる。私は少くとも附加価値税については、そんなにお隠しにならずに、大体こういう業態は、われわれはこのくらいの附加価値率を見ておるから、それに異議であるから、ひとつしつかりした根拠のある数字を出して説明たさいというように、むしろついて来るような数字をお出しになつて、はつきりと公表されておくというのが、徴税の一つの便法ではないかと思う。これらの点を十分御研究願つておきたいと思います。
#23
○荻田政府委員 業種別の附加価値の分は、すでに研究しております。一部のものは今出しましたような率が、お手元に配りました資料の中に入つておるわけでありますが、これを示す場合には、国税と違いまして、地方団体に対しまして、こういうような標準を示しますから、このことは全部公表されることになります。内部の役人だけでどうということなく、出すとすればもちろん公表されるようになります。
#24
○三宅(則)委員 私どもも過日群馬県地方の税務行政の視察をいたしました場合に痛感いたしたことでありますが、およそ今までの税務行政の官吏の心理というものは、先ほど塚田先生のお話になりましたように、一応は目安を持つておる。これは国税庁並びに地方の国税局、あるいは税務管内等が、少くとも一府県で相談をいたしておる。実はこのひな形を私はきよう持つて参りましたが、昭和二十四年度でも六月の予定申告をする場合には、こういうものに対しては、何割の削減の増、二割から十割ないし十二割までの削減の増の表ができておる。これはおそらく税務官吏ばかりが見ておつて、一般のものは見る者もありましようが、見ない者もある。これは一つの目安である。しからば私はこういうことを言いたいのであつて、附加価値を算定なさるにつきまして、各府県において大都市、中都市、農村、こういうふうに三段階もしくは四段階くらいの基準を設けられまして、模範商店、模範工場、模範農民こういうふうな段階をつくつて、これらの者にはある程度帳簿をつけさせて、それを確実に検査してその基準を立てる、こういうことが一番早く便利であると考えておるのでありますが、先ほど政府委員のお話では、今着々やつておると言つておられますが、どういうふうな組織でそれを見ておられますか。推定ですか、何か計算の根拠があつてですか、それをひとつ承りたい。
#25
○本多国務大臣 附加価値の率を今研究しておるのでありまして、これが全般的にお示ししても誤りなかろうという結論が出ましたならば、そういうことも考慮いたしておる次第でありますが、ただいまの基準調査の点はまことに適当な御意見であると思います。やはり標準になると申しましようか、基準調査をやつたのちと、調査できないうちとの権衡をとりますために、ある程度の調査をやりまして、それを権衡をとつて類推して行く。これは地方団体においてもそういう方向へ進むものと考えておりますが、またそういうふうに指導して行きたいと考えております。
#26
○三宅(則)委員 これに対しましてひとつ御参考までに申し上げたい点があるのであります。国税の方ではあまりそういうことがやられておりませんが、地方税に対しますると、地方のボスというものが相当暗曜するということを聞いておるのでありまして、もし附加価値税その他によりまして、あるボス、あるいは中心になつた者のうちが割合に安くして、多少意見を異にし、正論を吐いた者が高くさめられるということがあつては、断じて相ならぬと考えますから、今本多国務大臣の仰せになりましたような、模範商人、模範工場というものによつて、ぜひある一定の基準を示されまして、たとえば東京都はどうである、郡部はどうである、あるいは地方の各府県はどういう基準点を早急にお示しなさつて、今度の徴税にとりかかられるということが、第一の方法であろうと考えておるのであります。
 次にもう一つついでに申し上げておきますが、第一種事業は百分の四から百分の八となりました。第二種、第三種というのはほとんど自由業でありますが、これを百分の三ないしは百分の六と御決定なさつていらつしやるのですが、第二種、第三種のような自由業は、割合に所得が把握しやすいとも考えられるのでありまして、特に自分の勤労を提供いたしました所得と考えられますから、もう少しく率を下げる方法が権衡上よいと考えておるのでありますが、百分の四、百分の三とわずか一%しか差がない。政府はこの点はどこに基準を置かれたのですか、これを承りたい。
#27
○荻田政府委員 附加価値の元来の性質から申しますと、差等をつける必要はないのでありますが、今申しましたように、自家労力の割合は、第三種、第二種の事業において重くなりますので、多少差等をつけることにしたのであります。
 しからば一%の根拠はいかんということでありますが、これは現行の事業税におきましても、一五%とか一〇%とか違いがございましたので、そういう点をしんしやくいたしまして、一%の差をつけた次第でございます。
#28
○三宅(則)委員 これは政府当局の御調査がどうも本格的に行つていないように私は考える。もちろん普通の物品販売なり、銀行業、信任業その他の事業につきましては、相当利潤があるべきものであるとすることは当然であります。ことにこの最後にあります料理業、旅館、修繕業等に至りましては、これまた相当の収益があると確信いたしておるのでありますが、畜産業とか水産業とか、あるいは医者、歯医者、弁護士、公証人、計理士その他のものに対しましては、少くとも事業所得のかと私は考えておるのでありますが、これがわずかに一%の差であるということは、政府のお考えが少しく甘いと申しますか、辛いと申しますか、穏健でないと考えておりますが、もう少し自由業に対しては、同情ある責任ある答弁を賜わりたいと考えておる。
#29
○荻田政府委員 ただいまも申し上げましたように、附加価値税の率は全部均等であるべきだと考えておりますが、今申しましたように、過去におきまして、事業税において差等がついておつたという事情もございますし、自家労力が多いということもございますので、一%程度をもつて適当と考えたのでありまして、もしこれを下げますることによつて、今度は逆に一般の方を上げなければならないということになりますと、これはかえつて負担の不公平を来すので、むしろ全体的に率は一緒にしておいて、なるべく少い率でとる、こういう方針で一彦という措置をきめた次第であります。
#30
○三宅(則)委員 ここにいろいろな表が出て来たわけでありますが、附加価値を算定いたします基礎ということにつきましても私は非常に心配をいたしたのでありますが、土地、建物、機械設備、原材料、商品等を除くとなつておりますから、賃金、地代、利子及び企業者利潤を合算したものと言えるのでありますが、場合によりましては、保険業者とか、その他人をたくさん使つておるものにつきましては、非常に高額になるおそれがあると考えておりますが、政府はどういうように考えておられますか、承りたい。
#31
○本多国務大臣 附加価値がどういうように支拂われて行くかということを見ますと、分配の面から地代、家賃、利潤あるいは給與ということになるわけでありまして、この給與を文拂つて勤労者を使用いたしますのは、附加価値を増加せんがために人を雇つて給與を拂うのでありまして、これはやはり附加価値の増加と勤労者の数とは比例し、負担力もまたそれに比例して行くものであると考えられます。従つて分配の而において、給與にはなりますけれども、決して給與に対して税をかけるというわけではないのでございまして、ほかの営業利得との関係と同じようにお考え願えば、御納得できるのではないかと考えております。
#32
○三宅(則)委員 青色申告制度を採用せよということをわれわれも考えておるのでありますが、今の段階では、青色申告制度はますます徹底するようにいたしたいと思いますが、なかなか徹底しておりません。そういたしますと、相当もんちやくが起つて参ります。このもんちやくは政府としては早く解決しなければならぬと考えておりますが、そのもんちやくの解決方法につきまして確信を持つておりますか、それを承りたい。
#33
○本多国務大臣 青色申告の更正決定についてのお話かと思いますが、それはやはり国税の処理方法と大体同じような方法で、それぞれの当該地方団体でできないものは、その上級の地方団体、あるいは財政委員会、最後には裁判所というような順序を経まして、解決することになつております。これは国の場合よりも、市町村という手近なところで調査されることでありますために、むしろ両者の納得はかえつて早いのではないかと考えております。
#34
○三宅(則)委員 私の心配いたしております事柄は、今度国税と地方税ともどもに、差押えあるいはその他の行政処分は、同列にやり得ることになつておるのでありますが、考えてみますと、地方においては、先ほども申しましたが、相当ボスというような関係もありましたりして、ボスには甘くやつておいて、正論を吐く者には極端にやるということもでき得ると考えておりますが、これにつきましては、相当嚴重にこれを催促いたしまして、あるいは強制執行までやつて取上げるということを考えておられますか、その辺の構想をこの際承りたい。
#35
○本多国務大臣 そういう弊害が起らないかということはしばしば聞くのでございますが、今度の地方税を公正に執行するという熱意に地方団体も燃えております。またこれを公正に執行し得るのでなければ、将来の地方財政の確立も自治の確立も期待できないわけでありまして、そうした弊風はこれを敢然として地方団体が一掃して、公正適正な課税をして行くようにしなければならなぬと存じます。国税の場合には、国の機関でありますために、そうした不権衡に対する関心の度合いも、地方民の人たちには少いかと存じますけれども、今度は自分の市町村内の税で、だれがどういうふうに不権衡であるかということは、一般の関心もここに集中されるわけでありまして、そういう点からもいろいろ国税等についてありました弊害は、是正されて行くのではないかと考えております。もちろんボスとかいうような者が納税を拒むような場合には、均衡に適正に課税いたしまして、強制執行等によつて処理して行くことは当然のことと存じております。
#36
○三宅(則)委員 附加価位税のことに関連してちよつと申し上げておきますが、遊興飲食税というものが割合に各府県ともにはつきりしていない。たとえて申しますと、とつたのかとらないのか、十割とつておつても半分も納めないこういうことがあるのでありますが、地方税に関係いたしましては、ややもいたしますと正確なことか把握できないということになつている。この間群馬県に行つた際でありますが、遊興飲食税については、四月から特に伝票のようなものをこしらえて、はつきりと渡す渡される、こういうのでありますが、それらに対しまして附加価値税の附加価値と関係がありますが、相当準備をしておられますか、どういうことですか、承りたい。
#37
○奧野政府委員 遊興飲食税の徴收の現状についておつしやいましたが、われわれもまことに遺憾に考えておるわけであります。しかし現在の遊興飲食税の徴收があまり適正に行つていない根本的な原因は、最近まで料理飲食営業の停止が講ぜられておつた。従いまして現実に遊興飲食の行為がありましても、そこにもし課税いたして行きますと、課税を承認した側は刑罰に処せられるというふうな非常にむずかしい関係もありましたために、これがもつぱら今日の遊興飲食税の徴收の困難さを来していると思うのであります。しかしながら地方団体でも近来非常に努力いたしておりまして、毎月々々目に見えてこの点について成果を上げつつあることを私は確信しておるのでありまして、おそらく二十五年度あたりからは、よほど軌道に乗つた徴税が行われて行くだろうと思うのであります。しかし私は決して遊興飲食税が、地方団体が徴收しているから今日このような不均衡な課税になつているということは当らないと思うのでありまして、現に入場遊が国税から地方税になりましてから、かえつて成績を上げているということすら言われている面もあるのでありまして、決して地方団体の徴税能力のいかんの問題ではないということを確信しておるわけであります。しかしながら逐興飲食税の微收につきまして、いろいろ不適正な点がありますので、今回の改正の中におきまして、府県は條例の規定をもちまして、あるいは遊興飲食業者に対しましては、領收証を発行しなければならないというような義務を課する、あるいは証紙をもつて徴收しなければならないという義務を課しておるというふうなことをいたしておるのでありまして、府県は遊興飲食業者の協力の度合において、必要に応じこういう義務を課して行くということになるだろうと思うのでありまして、相あわせまして今後遊興飲食税の徴税の成果を上げて行きたいと考えております。
#38
○三宅(則)委員 これに関連いたしまして入場税のことをちよつと申し上げたいのですが、これは御存じの通り、県庁などが監督いたしておるわけでありますが、これでもたいへん不拂いがあつたり。あるいは切符のごまかしというのでありますか、あるいは正当な意思を欠いたといいますか、非常に入場税の滞納があると考えておりますが、入場税は先にとるものと思つておりましたが、あとから納入するというのですか、その辺の税の実態を承りたい。
#39
○奧野政府委員 入場税の問題につきましては、率直に申し上げまして、十五割の入場税はあまりにも苛酷であつたという考え方を、われわれはいたしておるわけであります。従いまして入場料金の税制が解除されましても、税があまりに高いために、税込みの入場料の必要なものを必ずしも徴收できなかつたという面もあるのではないかと思うのであります。しかしながら法の建前からいたしますと、入場税に関係する業者の客から受取つております金の中には、税の部分と入場料の部分とあるのでありまして、税の部分はこれは税として客からとつておるわけでありますからも條例の定めるところによりまして、おそくとも一月以内には府県に納入しなければならないわけであります。しかしながらただいま申し上げました事情もあつて、納入の遅れている面も若干あるようであります。こういう面につきましても、府県はある程度苛酷と思われるほど嚴正な態度をとつているのが一般でありまして、今回の入場税の軽減によりまして、一層嚴正な態度をもつて、府県は徴收に当つて行けるだろうというふうに考えているわけであります。しかしながら入場税の徴收は全体としまして非常に成果を上げておる、国税にまさるとも劣らない成績を上げているということは、われわれは確信いたしておるものでありますことを申し上げておきたいと思います。
#40
○三宅(則)委員 時間がありませんから大急ぎで二、三点聞きまして、午後からにいたしたいと思うのであります。市町村民税ということになつておりますが、この市町村民税というものは均等制と所得割というふうになるわけでありますが、人口によつてきめられておるのか、ここに表が出ておるわけでありますが、この基準点は大体その地方の財政状況とにらみ合せて、こういう算定をせられたのでありましようか、その辺を承りたい。
#41
○奧野政府委員 均等割につきまして、市町村の段階において差をつけている根拠はもどこにあるかというふうな御質問だつたと思います。大体大都市になりますればなりますほど、人口が密集して参りますので、従つて都市といたしましてもいろいろな施設を特に講じなければならぬわけであります。あるいは土木施設にいたしましても、あるいは衛生施設にいたしましても、特に人口密度の少い所よりも経費をかけて施設して行かなければならぬわけであります。言いかえれば、そういう団体におけるところの住民は、この団体から、他の団体における場合よりも、ずつと多くの利益を得ているということが言えるわけであります。一面こういう受益の問題を考え、あるいはまた現金收入が町村よりは高い者が一般的には多いと言えるので、そういう面からいつても、ある程度均等割に差を設けることは、必ずしも苛酷だとは言えない、こういう見地から均等割にあの程度の差等を設けたわけであります。
#42
○三宅(則)委員 個人のはわかるのでありますが、法人を五十万人以上新税は二千四百円というふうにきめられておりますが、もう少し高くてもいいと考えられるのであります。これは他の税法との関係上、こういうふうな線が引かれたのでありましようかもその辺を承りたい。
#43
○奧野政府委員 法人の均等割が低過ぎるのじやないかという御質問でございましたら、実は法人に対しては町村民税は課さないという建前をとつておるわけなのであります。法人の経営というものは個人の活動の擬制だというふうな建前をとつておりまして、応能的な法人に対する負担はさせない。ただ応益的な意味におきまして、個人が事業所を持つているたけで、住所を持つていませんでも均等割が課せられるのと調子を合せまして、均等割をとることにしたわけであります。従いまして法人にも千差万別のものがあるわけなのでありまして、均等割といたしましては、特に個人よりも多くのものをとらなければならない根拠も、少し発見に苦しむわけなのであります。総合的に考えますと、まずこの程度がいいのではないか。民法上でも大法人だけ考えて参りますと、ある程度負担することができるだろうと思うのでありますけれども、これは必ずしも応能的な負担をねらつているのではなく、応益的な負担をねらつたわけでありまして、また法人でも少さい法人は相当多いのでありますから、まずこの程度が穏当だろうこういう考え方をいたしております。
#44
○三宅(則)委員 たくさんありますが、時間が参りましたから、あと大ざつぱな質問で恐縮でありますが、固定資産税につきましてちよつと伺いたいと思います。私の考え方によりますと、固定資産税ということになるとたいへんな税額がふえますので、各工場を持つておるものでありますと、大企業をいたさんとしておりますものは相当な過重であると思いますが、これに対しまして、政府といたしましては、何か救済方法を考える必要があると思いますが、政府のお考えを伺いたい。
#45
○本多国務大臣 旧税制の不均衡を是正するための根本的改革でございますので、個々の税あるいは個々の納税者においては、相当負担が増加する面もございますけれども、これを国税の改正と総合的にその負担を調査してみますと、それほど負担の増加にはならないのでございまして、今回従来の土地家産税に比較いたしまして、固定費産税が上りますことは、これは従来の不動産の負担があまりに他の税種と比較して、不均衡に安かつたということの是正である、かように根本的に御了解願うほかはなかろうと思います。
#46
○三宅(則)委員 私は固定資産に対しましては、これは各町村もしくは府県に設けられるところの固定資産の調査会、あるいは委員会、こういうようなものによつてきめられることと信じておりますが、これに対しての選出方法その他について、政府は相当指示を與うべきことが必要だろうと思いますが、自主的にやらせるつもりでありますか、その辺の政府のお考えを承りたい。
#47
○本多国務大臣 これは固定資産調査員を置くことになつておりますが、固定資産の調査にはそれぞれ経験知識のある人を市町村長が推薦をいたしまして、それをその議会の決定によつて任命するということになつております。選挙等によるのではないのでございますけれども、議会がやはり承認をするという形でありまして、どういう人を選ふかということは、その地方の固定資産調査に適当な人ということで、自主的にやはり決定してもらいたいと思つております。
#48
○三宅(則)委員 資産再評価ということが本年行われることになつておりますから、少くとも資産再評価というものは、大蔵省、国税庁、また各地方の国税局に資産再評価の審議会あるいは調査会があるわけでありますが、もう一歩引下げて、これらと関係がありますから、各市町村の固定資産の調査員というものをこの際早急にきめて、そして人格識見ともに、すぐれた人物をもつて、固定資産の評価は少くとも資産袴評価と調子を合せる。この線を強く本多国務大臣に出してもらいたいと思いますが、大臣のお考えを承りたい。
#49
○本多国務大臣 資産再評価に関する委員会の調査決定は、そのまま税務署に資料として出され、税務署からまた市町村にそのままただちに配付してもらうことになつておりますので、その資産再評価の対象になりました面については、ただいまの機構の関係から、それらの人の調査の結果によることとなるわけでございます。
#50
○三宅(則)委員 たくさんまだ開きたいことがありますが、あまり一人で長くやつておつてもいけませんから、この辺でやめますが、私は重ねて申し上げたい点があります。政府の税務行政をやるところの税務署もなかなか完全に行つていないという点から申えましても早急に地方の税務行政に当る人をふやす。私の希望としては、なるべく年齢も二十歳や二十二、三歳の若手の未経験者ではいけない。少くとも三十歳あるいは三十五歳くらいの、相当の経験を持ち、家庭を持つたくらいの人間で、世の中の事理に通じた人を、この地方の税務の担当官にしてもらいたいと考える。しからずんば、ややともすると法律一本やりになつて、行き過ぎたり、あるいは悪感情を持たれたり、あるいは不平、不満が勃発する原因がそこにあると思う。でありますから、地方庁といたしましては、ぜひ経験を持ち、人情もすべてに精通した人を採用してもらいたい。ことにその主任に属するような者は、少くとも会社も含まれることでありますから、相当專門学校くらいを出た人で、経験と学識ともにすぐれた人物を、税務行政の担当者に備えるようにして、それで各地方庁とも国税と調子を合せてひとつやつてもらいたい。但し今の附加価値税に関しては、独自の見地から、地方は地方の情勢をよくわきまえた者によつて調査をするというふうにやつていただきたい、かように考えますが、最後に本多国務大臣の御熱意ある御答弁を承つて、一応打切りたいと思います。
#51
○本多国務大臣 地方税務職員の採用に関しましては、まつたく御趣旨の線に沿うように指導いたしたいと考えております。
#52
○中島委員長 ちようど晝飯の時間になりましたから、午前の質疑はこの程度にいたしておきまして、午後は一時三十分より再開をすることにいたしましてその間休憩をいたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時六分開議
#53
○菅家委員長代理 再開いたします。
 休憩前に引続き地方税法案を議題として質疑を続行いたします。
 この際水産委員の夏堀源三郎君に発言をお許しする順序でありますが、ちよつと御相談申し上げたいのであります。それは地方行政よりたびたび大蔵大臣の出席の要求がありましたが、時間の都合上今日までその機会がなかつたので、本会議に大蔵大臣が出席する間、三十分間だけ出席を求めましたので、地方行政の立花敏男君に先に質疑を許したいと思いますから、夏堀さんどうぞ御了解願います。それでは立花敏男君。
#54
○立花委員 他の委員会の方に先だちまして質問を許されましたことを感謝いたします。大蔵大臣はあまり出席がありませんのでお聞きする機会がありませんでしたから、この際お聞きいたしたいと思います。
 地方税と国税とは密接不可分でございまして、出す方から申しますと、これは同じさいふの中から出しますので、どうしても一緒に見ていただかなければいけないと思うのであります。遺憾ながら地方税だけが遅れまして現在まだ審議の途上にありますが、この問題に関しまして、大蔵大臣は地方税と国税は密接不可分である。これはやはり納税者の立場に立ちまして、どうしても関連のあるものとして考えなければいけない。この点に関してどういうふうにお考えになつていらつしやいますか。国税は減税だということに現われておりますが、地方税では庭大なる増徴になりますので、特に大蔵大臣の御意見を最初にお聞きしておきたいと思います。
#55
○池田国務大臣 国民の負担にかわりはないのでありまして、両者一体として検討しなければならないと思つているのであります。従いまして、シャウプ勧告案におきましても両者一緒に考えて勧告が出されたのであります。国税の方につきましては大蔵大臣が主管大臣でございますが、地方税の決定につきましても、私は政治的に大臣といたしまして関係は持つているのであります。ただ直接に関係がないというだけであります。
#56
○立花委員 やはり地方税の問題につきましても直接に関係はないが、実質的には関係があり、またそういう意味で実質的に責任を負つていただけるということに、ただいまの御答弁を理解したのでございますが、そういう観点から地方税の問題につきましても少し御意見を承りたい。国税の方におきましては、一応数字の上では減税になつておりますが、国税の減税そのものに関しましても、私どもはやはりまだ十分現在の勤労者の生活に即した減税が行われておるとは考えておりません。特に地方税の増徴の場合を見ますと、あらゆる場合に大衆課税、勤労者負担という形がはつきりと現われておるのでございますが、この点で大臣はどういうふうにお考えになつておるか。国税の方で負担が減つたから、地方税でこれくらいが大衆負担になるのは当然だ、それで相殺されるとお考えになつておるかどうか承りたいと思います。特に国税の方で、基礎控除などが多少引上げられておりますが、地方税の増税によりまして、引上げられました基礎控除に対しましても、大幅に軽減をいたしまして、実際の大衆の生活は、かえつて政府がお考えになつておるように、今度の税制改革によつて楽になるということは言えませんので、特に地方税と国税と総合いたしました観点から、どうなつておるかという点をお伺いいたしたいと思います。
#57
○池田国務大臣 この問題は本会議並びに各委員会でたびたび申し上げたことであります。また国税と地方税とを通じましての負担の数字的根拠をごらんに入れておるわけでございます。私は全体といたしまして、租税は軽減されておると確信いたしております。
#58
○立花委員 私どもそういう形式的な見方、あるいは御答弁には、ちよつと地方税の審議をいたして参りました結果といたしまして、承服しかねるものがあるから、御質問を申し上げておるのでございまして、今までの御説明では実は納得行かない面があるのでございます。と申しますのは、政府なり大蔵大臣が、今まで国税、地方税合せまして減税だというふうに結論をお出しになりました数字と申しますものが、非常にあいまいな数字である。しかも比較できない数字を比較なさつての結論をお出しになつておる。たとえば四百億円の減税にいたしましても、これは比較にならない両方の数字を比較なさつて、四百億減税だという数字が出ておるのであります。この点は地方税の具体的な審査をやりました結果、政府の御答弁なり、あるいはその他の資料によつて、はつきり現われておりますので、この点を大臣はどういうふうに、お考えになつておられるか、これをお聞きしたいと思います。たとえば附加価値税なんかにおきましても、大臣あるいは政府が減税だとおつしやつても国税と地方税を比較なさいました根拠の数字は、約四百二十億という数字なんでございますが、これは結局さらに四百二十憾はとれるという数字でございまして、まつたく国税の数字とは比較できない範疇の違つた数字なんでございまして、この二つを比較なさいまして減税だとおつしやいますのは、少し当を得ないのではないか、もつと具体的に、地方税によつて実際の負担がどうなるかということをお考えくださいませんと、簡單には大衆の、あるいは中小企業者の生活の負担の軽減になるとは言えないと思います。その点をもう少し具体的に御答弁願いたいと思います。
#59
○池田国務大臣 国と地方を通じまして、減税になるかたらぬかという問題は、これまた議論したのでございますが、国税におきましては、二十四年度において五千百数十億、地方税におきまして千五百億、合せて六千七百億円ばかりでございます。今度御審議願つております国におきまして四千四百四十数億、地方税におきまして千九百億、合計いたしますと六千三百億円、これでも全体が非常に減つておるということはおわかりでございましよう。そうすれば、徴收見込みの税額が減つておれば、それだけ国民全体としては減税になつておるのであります。しかもわれわれは、千九百億円の地方税を予定いたしました場合におきまして、寄付金で今までとつておるものが、相当減らされるということを考えて参りますと、実際のふところでは今の差額以上に減税になるのであります。附加価値税とほかのものと比べて、範疇が違うというお話でございますが、御質問の点がわかりませんが、今まで地方税でとつておりました事業税、特別所得税、あるいは国税でとつておりました取引高税、こういうものを総合したようなものでありますので、四百二十億円という附加価値税は、私は適当な税收だと考えておるのであります。御質問の点がはつきりわかりませんので、再質問によつて御答弁申し上げます。
#60
○立花委員 私の質問がおわかりにならないというのは、やはり大臣がそういう点まで深くお考えになつていないからじやないかと思うのでございます。私が比較すべき数字の概念が違うと申し上げましたのは、今大臣が御説明なさいました国税で四千四百億とれる、地方税で千九百億しかとれないと申しますこの千九百億という数字と、四千四百億という数字は、比べることのできない数字であるということです。附加価値税の問題だけでなしに、地方税全体の千九百億という、この数字の持つております意味が、大蔵大臣の言われます国税の四千四百億とは、概念が違うのだということであります。概念の違う数字を比較なさつておるということです。この点で大臣が質問の意味がおわかりにならないと思いますので、この点をやはり根本的にはつきりしておく必要があるのじやないかと思います。この二つの数字の概念が違うということを大臣はお認めになられるか、またそれを理解されておられるかどうか承りたいと思います。
#61
○池田国務大臣 税法が違つておるのでありますから、それは当然違つておるのはあたりまえでございます。あなたの御質問は、片方は定額制あるいは定率制だ、片方は標準税率だ、これは税法にはつきり書いてあるのでありますから、標準税率をもつて予定しております税負担、定率制で予定しております税、これは予定には違いありません。ただやつてみた場合において、標準税率を動かされる、このことだけであります。概念が違うとか、範疇が違うとかいう問題ではない。税法に書いてある通りであります。
#62
○立花委員 非常に何と申しますか、そつけないお返事でございますが、やはりこれは概念が違うと言うた方がいいのではないか。四千四百億の方ははつきりした数字でございますが、千九百億という数字は、一応平衡交付金を配付するための標準税率というものによりまして算出した数字でございまして、根本的にこれは数字の出方が違うわけなのであります。この間から本多国務大臣にもお尋ねいたしましたところ、制限税率まではとつてもいいのだ、しかも累進でとつてもいいのだということまでおつしやられますので、この千九百億という数字は、四千四百億という数字とは考え方の違う数字である。だから千九百億は実はこれは幾らとれるかわからない。これは自治庁の調査にもありますように、地方の自治体が標準税率と制限税率までの間で、幾らでもきめてとればとれる数字でありまして、千九百億という数字は、必ずしも四千四百億のようにきまつた数字ではございませんで、実際現在の苦しい地方自治体の財政から参りますと、おそらく標準率税を上まわると思います。現在でも地方におきましては、決してこの標準税率でとつておるところはございませんので、全部標準を上まわつて税金をとつております。これが圧倒的な例になつております。従つて標準税率でとるであろうということを予定してお出しになりました数字は、非常に現実とは離れた数字である、実際とりますのはもつと莫大な数字になつて来るのだ。こういう観点から私は再三附加価値税の例をあげたのでございますが、附加価値税でも現在四分で御計算になつておりますが、これは八分までとれる。しかも八分までとらないという保証はどこにもないわけです。しかも附加価値税でも、税法の法理論から行きますと、累進でやつてもいいということになつておりますので、これは倍とれる。とられる方から申しますと、八分とられても文句は言えないわけであります。だから四百二十億とお見積りになつておる附加価値税におきましても、さらに四百二十億の附加価値税がとれるというふうな建前になつておりますので、この千九百億という数字は莫大な額に上る数字なのでございます。従つてこの数字と四千四百価とを比較なさつて、そうして結局において四百億減税だということは、比較できない数字を比較なさつておるというように考えられたのでありますが、その点でもう少し御親切な御答弁を承りたいと思います。
#63
○池田国務大臣 私は誠意をもつて親切に答えておるつもりであります。この四千四百四十六億円というのは、国の歳入予算であります。予算でありますから動くこともございます。しかし国が一つの団体といたしまして歳入歳出の予算をやつておるのでありますから、これは一応のはつきりしたものと言えるのであります。しかし千九百億の地方税收入、あるいは四百二十億の附加価値税というのは、大体地方団体全体として見積つたのであります。これは各府県におきまして歳入歳出の予算で見積られると思うのであります。だから国の予算としての四千四百四十六億と、府県全体として見ました四百二十億というものとはもちろんかわつたものであります。ただ標準税率によつて府県は歳入歳出を見合いなからスケールをきめる。そうして標準税率の範囲内においてやつておる、そういう意味において違うのであります。これは初めから地方税と国とは違う。だからここで千九百億円というのは全体の地方団体の大体のわくであり、予算ではございません。これは国のものと違うことは当然であります。
#64
○立花委員 だから比較にならない数字を比較なさつておるというのです。国の予算だと政府で予算を一応つくつて、それを国会で審議して決定してやるのでありますから、それは確定した数字であります。しかし地方の予算というものは今のところでは、千九百億という数字は地方の予算になつていないのであります。国会で審議はしておりますが、これは参考的な数字についてでありまして、これが決して地方の予算にそのまま現われて来るかどうかということは、必ずしもこれは断言できないのであります。だからこれは予算としてのはつきりした数字ではなく、一応のサンプル的な数字にしかすぎないのであります。一方は国の確定した数字でありまして、地方は未確定の予算の数字であります。この二つを比較するということはむりだと思います。従つて私どもはこの二つの比較から出た減税の意見には、断じて承服することはできないのであります。しかもこれを制限税率一ぱいまでとるということになりますと、おそらく千九百億だけではとどまらずに、二千数百億、あるいは三千億近い金になるかもしれません。しかもそれをとつてはいけないということはどこにもないし、とれないこともないし、政府はこれを制限される何らの措置も講じていないわけである。だからこの二つを比較なさつて本年度は減税になる、従つて人民の生活が安定する、中小企業者の生活が救われるというふうにお考えになることは尚早ではないかと思います。この問題を私が特に問題にいたしますのは、この千九百億でも私ども非常に増税であると思つておるが、さらにこれが非常に増大される危険があり、しかもそれが勤労者の負担、中小商工業者の負担になるという点で問題にするのでありまして、その根本である千九百億という数字を、大蔵大臣はどういうふうに御自身お考えになつておるのか、もう一度はつきりお伺いしたいと思います。
#65
○池田国務大臣 大蔵大臣といたしましては、国民の負担を考えまして、地方団体として徴收し得る大体の税は、千九百億が適当であろうと考えておるのであります。四千四百四十六億円との比較という言葉を使つたが、比較はしておらない、比較にはならないのであります。所得税と附加価値税とは比較にはならない。ただ負担の問題として、国と地方を両方合せて何ぼになつて、その一人当りがとうだ、こういうことを言つておりますが、比較というのは同じベースに立つたもので初めて比較だと思います。立たないものを比較しようとしても、これは比較にはなりません。全体の税の負担がどうなるということは、――これは地方の歳出入につきましては、われわれとしましては大体のわくをきめる。そうして各地方団体が適当におきめになります。これが地方分権であります。どこどこの市町村はこれだけのわくでなければいかぬ、何県はこれだけでなければいかぬということは、国会できめるべきものではないと思います。これは地方庁が地方自治の精神にのつとつて適当におきめになります。ただ法律として大体のわくを国会できめるのが適当だ、こう思つて御審議を願つておるわけであります。
#66
○立花委員 比較にならないということをお認めになつたのでありますから、それで大体私けつこうだと思います。しかし結果におきましては比較にならないものを比較なさつて、国税においてこれだけ減税になる、地方税においてこれだけ増收になるのだから、差引四百億の減税だと言つておられるのはおかしいと思います。もちろん比較にならないと、大蔵大臣がお認めになりましたように、比較にならないものを比較して、減税だとおつしやつておるのはおかしいと思います。附加価値税と所得税とが比較にならないのはもちろんでありますが、数字におきましても、比較にならないものを比較なさつて言つておられるのはおかしいと思います。結局この問題は、大蔵大臣が比較にならないということを認めましたので、私の質問の点は解決されたのでありますから、次に移りたいと思います。
 大蔵大臣は地方税が勤労者の負担になつておる、あるいは中小商工業者の負担になつておるということを御存じでありますか。たとえば附加価値税におきまして、附加価値税の課税対象であります部分が二つにわけられて出されております。一つは事業所得、一つは勤労所得、二つ合せまして附加価値税の課税対象となつておりますが、その二つの合計総額は約一兆五千億ばかりになつておるのであります。そのうち三分の三の一兆はいわゆる勤労所得になつております。これは概算でありますが、この一兆という勤労所得、とれに対しまして附加価値が四%ないし八%かかつて参りますと、勤労所得に対して年に約四百億ないし八百億の負担が加里されるわけであります。このことは勤労者にとつて大問題であると思います。年に四百億ないし八百億の勤労所得に対する負担が重加されて来る、これが実質上勤労者の負担に転嫁されるかどうか。これは実に重要な問題だと思います。この点で勤労者に対する重圧が、実際に勤労者の負担になるものと私ども確信しておりますが、大蔵大臣はこれが勤労者の負担にならないという、何らかの御意見なり御施策がありましたならば、承りたいと思います。
#67
○池田国務大臣 今の比較論でありますが、所得税と附加価値税を比較することはできない。しかし国民負担は前年に対して今年はどうかということは、全体の税收入で比較ができると思いますから、誤解のないように願いたい。私が減税になるということは、前年度における国民の納める国税、地方税を通じた納税額、今年度における国税、地方税を通じた合計額、これを比べることによつて比較になると思います。しかし附加価値税と所得税は、税法が違うのでありますから比較のしようがない、こういうことであります。この一点でおわかりだろうと思います。だから国民負担という問題は、前年と本年とで比較ができる、誤解のないように願います。
 なお附加価値税を創設した場合において、それが勤労階級に転嫁されるかどうかという問題でありますが、これは勤労階級のみならず一般の方々にも転嫁せられましよう。これは取引高税が転嫁されたり、あるいは事業税が直接税で、転嫁すると予定いたしてはいないけれども、転嫁される部分がなおあるのと同じことであるのであります。
#68
○菅家委員長代理 なお立花君に申し上げますが、あと三十分で予定時間が参りますから、なるべく要点だけで簡單に願います。
#69
○立花委員 増税になるか減税になるか、これが一番要点だと思いますので、私これで打切るつもりでおりましたが、大蔵大臣がそのようにおつしやいますなら、もう一ぺんこれを聞かなければならなくなつたのですが、前年度と比べて減るとおつしやいますが、前年度の地方税と今年度の地方税は根本的に違つておるのです。だから今年度に千九百億お見積りになりましたのは、決して千九百億で済まされない、また済まされるという保証もどこにもない。地方の予算で実際上上つて参りますのは、幾らになるか今のところわからないというところから、前年度と今年度は比較にならないのだ。そういう形の地方税の改正が今問題になつているのだ。とろうと思えば三千億近くもとれるような税法が今問題になつているのだ。だから去年とは比較にならない。千九百価というのは平衡交付金を出すための参考的な数字でしかないのだ。だから大蔵大臣が前年度と比較できるという、そのお考えの根本的な態度がやはり違うのじやないか、そういう意味で、大蔵大臣は新しい地方税法の本質をおつかみになつていないのじやないか。同じ標準税率という言葉は、古い地方税法でも新しい地方税法でも使つておりますが、その標準税率という概念が根本的に違つているわけであります。こういう点から私は、大蔵大臣は去年の税收入と今年の税收入と比較し得るとおつしやいますが、そういう意味で去年の税收予定総額と今年の千九百億という数字は根本的に違つておると思う。違つておると申しますのは、地方税法そのものの性格が根本的に違つて来ておるからなんだ。だからこの点はやはり具体的にはつきりおつかみになつて、その影響を個々の業者あるいは勤労者にどう與えるか、あるいは現在の地方税自治体の財政状態から見まして、これを法案できめてある、あるいは政府が予想しておる標準税率で、はたしてそのまま受入れられるかどうか、こういうところまで具体的にお考えにならないと、千九百億というような單なる仮定の数字では比較できない。従つて個々の納税者の立場に立ちますと、非常に重要な問題が起つて参ります。あるいは突き詰めて申しますと、生活の破綻の問題、あるいは営業の破産の問題が起つて来るわけになります。だからこの点をもつと根本的に、しかも具体的におつかみ願いたいと思うのであります。
#70
○池田国務大臣 前お答えしたところで繰返す必要もないと思いますが、千九百億円とわれわれは期待いたしておるのであります。千九百億円でも三千億円とるのだ、こういう前提のもとならば、これは比較いたしましたら負担が多くなると思う。われわれは千九百億円ならば、大体平衡交付金も行きますし、地方の財政の適正な規模からいつて、千九百億円で適当だと考えるのであります。しかしこれの最後的決定は地方議会でいたすのであります。われわれといたしましては千九百億で十分だと考えておるのでありまして、それで十分じやないのだ、もつととるのだということになりますと、これは地方議会がお考えになることで、われわれはこれくらいで適当だと考えております。
#71
○菅家委員長代理 立花君、大体その問題ですか。まだ立花君のほかに質問もたくさんありますから、議事の進行上その程度で打切られたらいかがですか、また地方行政委員会でもできますから。大体それ以上言つても、それは意見の相違じやないかと思いますが……
#72
○立花委員 私の質問は地方行政委員会でも大分残つておると思いますが、他日また御出席願えれば、きようはこれで打切ります。
#73
○菅家委員長代理 次は水産委員の夏堀源三郎君。
#74
○夏堀委員 午前中に大蔵委員の方々から広汎にわたつての御質疑があつたので、私は水産関係について、特に固定資産税、附加価値税、こうした面について質疑を行いたいと思います。午前中に配付になりました要綱を拜見いたしますと、地方税制を根本的に改革して、国民の地方税負担の合理化及び均衡化を確保すること、これがこの目標となつておるのであります。これは最もこの法律案の重点であると考えてよろしいと私は考えております。しかし地方税の改正によつて、もし実施の面においてこの目的を達成することができなければ、これはたいへんな問題となると私は考えております。この目的の達成のために、実際にきようのこの委員会で私は專門的に水産面を検討して、これから申し述べることによつて、業種別に見てあまり均衡がとれておらぬのだ、合理的に行つておらぬのだという点がもしありましたならば、政府はこの目的達成のために、適当に修正に応ずるというような御所存があるかどうか、まずそれを伺つて、順次私の意見を発表いたしたいと存じます。
#75
○本多国務大臣 現行の地方税制の不適正、不均衡を是正するという品的をもつて提案いたしておるのでございまして、ただいまの段階におきましては、この原案に対して修正を加えなければならぬという点は、政府として認めておらないのでございます。しかし御審議中まことにごもつともである、政府としてもまつたく同感であると思われるような問題がありました場合には、その問題によりまして具体的にまた研究をいたすことも、これは決してやぶさかでないことを申し上げます。
#76
○夏堀委員 内容を申し述べて、これはどうしても不均衡な点が多々あるのだ、こうなれば修正することもさしつかえない、こう承知してさしつかえありませんか。
#77
○本多国務大臣 結論においてはお話の通りでございますが、ただいまのところそうした点を政府は認めておりません。
#78
○夏堀委員 修正することを認めておらぬということでありますか。しかし修正することを認めておらぬという御意見であれば、ここでいくら議論して、どのようなことを申し上げたところでそれは何のかいもないことであつて、正しい意見であつたならば、これに対する修正をお認めになさつてさしつかえないだろうと私は考えておりますが、いかがでありましようか。
#79
○本多国務大臣 さいぜんお答えした通りでありまして、ただいまのところは修正すべき点を認めないのでございますが、さらに御審議等によりまして、政府もなるほどそれはその方が妥当であるというような、具体的な問題が生じました場合には、それについて研究いたしたいと考えます。
#80
○夏堀委員 私は全日本の三百万漁民、特にこれに附帶しておる数千万人の水産業者を代表して、水産業者は立ち行くかどうか、私の検討したところによりますと、立ち行かないという結論に達しますので、非常に重大な問題でありますので、ここに私のこれから申し上げること、また何か次に書面によつて提出することによつて、正しい意見のことであつたならば修正していただきたい。そうしてそれはもうすでにあらゆる方面の輿論というばかりではなくて、事業的に成立たないということです。それをこれから私が説明申し上げるのですから、どうぞ政府も修正を絶対やらぬという御決意のもとに、そしてその前提のもとに、この審議を進めるということに対しては、若干の御修正を願いたいと存じます。
#81
○本多国務大臣 これは国会側が修正せられる場合聾もちろん政府として干渉すべき範囲ではないと思うのでありまして、お話の通り、さらにこれが正論であるというようなものが現われましたら、政府としてもそういう結論に到達いたしました際は、政府もむしろ積極的にこれを是正するというふうに進みたいと存じます。
#82
○夏堀委員 シャウプ勧告案によりますと、日本の水産についてはあまりよく研究しておらぬということをおつしやつておるようであります。もちろんそうでしよう。日本の水産に対しては、おそらく非常に軽視されており、世界一の水産を持つていながらにして、政府自体がこれを軽視しておるということは、これはもうはつきりしておりますので、これはあとの問題といたします。研究しておらぬということを前提として勧告書に明記してありますが、政府がこれに対して十分に御調査になつて、この案をお立てになつたのであるかどうか。もしそれが十分に御調査になつておらぬとすれば、先ほど申し上げたような、これに対する修正は当然であろうというような結論に達するのでありますが、この調査の程度の御説明を願いたいと存じます。
#83
○本多国務大臣 政府におきましても、他の業態と水産業との負担の均衡化という点につきましては、愼承に研究調査をいたしました結果でございます。
#84
○夏堀委員 「附加価値税は、農業、林業並びに鉱物の掘採及び採取の事業に対しましては、非課税の取扱いといたしたいと考えております。その理由は前二者につきましては、主として固定資産税の負机が相当重くなつていることによるものであり。後者につきましては、別途鉱産税が在置されているからであります。」こう政府の方でお述べになつておるのであります。そこで私お伺いしたいことは、農業と漁業とのその違いは、どこにあるか、どちらもいわゆる原始産業であり、それでたくさんの労力を要する事業であります。農業と林業は非課税となつた、特に漁業だけは課税されなければならぬという理論的根拠はどこにあるか。それから鉱物の掘採、採取の面でありますが、これは鉱産税があるからと言つておりますが、漁業には漁業権税があり、そのほかに漁業法の改正によつて漁業権税、免許料、許可料、そうしたようなものがこの附加価値税以上の率をもつて賦課されるのであリます。これが重複して行つた場合に、免税になつたそれとこの漁業関係と比較して、これを特に取上げて課税しなければならぬという点が、どこにあるかということをお伺いしたいのであります。
#85
○本多国務大臣 農業は御承知の通りに、田畑というものが生産の基礎でございまして、この田畑には固定資産として固定資産税が課せられるのでありまして、この固定資産税の及ぼす影響は水産業と比較いたしまして、はるかに大きいものがあると考えるのであります。そうした相違点から、土地を主として生産の基本にする原始産業について、附加価値税を課さないことにいたした次第でございます。
#86
○夏堀委員 ただいまの御説明は当らないと存じます。そういう御答弁があるかと存じまして、先ほど御調査になつたかどうかということを私は伺つたので、何か御調査になつたかのようなあいまいな御答弁でありますけれども、私はおそらく御調査になつておらぬだろうと思う。大蔵大臣は今退席されましたけれども、これは私の推察でありますけれども、大ざつぱに見て、まあまあ農業も林業も非課税にはなつたけれども、漁業だけは何か大きな資本家も入つているようだから、これは入れたらよいだろうというような漠たる考えで、これに入れたんじやないだろうか、こう私は推測しておりますが、今の御答弁でいわゆる地租、固定資産税は農業の方が多い。こう申されておりますが、私どものこれは全体の調査ではありませんが、ある一地区を調査したのであつて、これは全体の調査をしてみても、あるいはこれ以上の支出が現われるであろうが、こう存じております。これは清水市の近郊の標準的だ実例でありますが、漁業者と農業者の負担を比較したところ、漁業者がその所得に対して、三・八九%を負担するに比し、農業者が三・三〇%負担しておるのでありまして、ここに〇・五九%のいわゆる重い負担をしておるという結果になるのであります。なおもつと範囲を広めて、昭和二十三年の北陸の農家所得が、一戸当り平均二十万一千八百五十二円というのは、農林省の当時の農家経済調査報告等によつて、これは明確になつております。昭和二十三年度推定せるものによると、すなわち全国平均して北海道を除いてなお十一万二千百四十円が非課税となるというのに対して、漁業関係においては、三重県の小漁民の賦課は、平均が十二万三千六百十二円となつておつて、漁業の收入の平均が二十万五千八百四十六円となつておる。これに対して課税せられるのであります。これは平均でありますけれども、なお全国について見ましたならば、この統計からいつて五〇%のものが三十万円以上の所得になるだろうと私は考えております。北海道は除いておりますけれども、北海道もこれに入れましたならば、四十万円以上になると私は推定することができるだろうと思います。そうしてこれが非課税となつて、この小漁業の統計に現われたものが、課税されなければならぬという理論的根拠はどこにあるか。一応まずこの点をお伺いしたいのであります。
#87
○本多国務大臣 私の答弁は政府委員から補足さしたいと思いますが、漁業でもやはり原始産業であります関係上、負担力も考慮いたしまして、自家労力、すなわち家族の労力による程度のものまでは、免税にすることになつておるのでございます。
#88
○奧野政府委員 農業と水産業との比較の問題を特に徴されておるようでございますが、附加価値税は副税的なものでありますので、原則としたあらゆる業態同じような課税をいたして参りたい、こういう考え方を根本に持つておるわけでございます。現在しかしながら、事業税におきましても、農業につきましては主要食糧に関する大部分は、全面的に課税を除外いたしておりますので、おおむね農業には事業税が課税せられていない。しかし水産業についてはそういう面を現に設けていないわけであります。しかしながら反面、さらに今回固定資産税の創設に伴いまして、土地の負担が急激に重くなる関係上、農業につきましては全面的に課税しないというふうな方針がとられたわけであります。さらにまた、ただいま負担が非常に重くなるようなお考えをお話になつたわけでありますが、先ほどお話になりましたように、水産業につきましても企業的なものは課税してさしつかえない、こういうお考えをもしお持ちになつておりますならば、われわれはそれ以外のものは相当負担は大幅に軽くなる。水産業につきましてもかように考えております。その理由は企業的ではない水産業におきましては、大体総売上金額に対します所得の割合というものと、附加価値額の割合というものとがかわらないだろう、こういう見方をしておるわけであります。それに対しまして、従前の事業税は一〇%であるが、今回の附加価値税は三%であるというふうなかつこうになつて来るわけであります。さらにまた先ほど、新しい制度では漁業免許料を支拂わなければならない、こういうふうなお話があつたようでありますが、これも従来漁業権者に対しまして支拂つておりました使用料と新しい漁業の免許料と比較しましたら、必ずしも重くなるのじやない、こういうふうなことが言えるのじやないかと思います。その反面所有権の移動もあるわけでありますから、あわせて全体を考えて行きたい、こういう希望を持つているわけであります。
#89
○夏堀委員 どうも政府の説明はよくわからぬくせにごまかそうとするのだから、私はあきれざるを得ないのでありまして、あなたは何をおつしやつているのか。だからわからぬならわからぬと言えばいい。わからぬくせにわかつたふりをするから、とんでもないことになる。今までの漁業権税というものは、ほとんどただのようになつております。それが今度は三%、それ以上も漁業免許料――漁業全体からいろいろなものを拂わなければならないという事態が生じたのであります。先ほどあなたは事漁税は一〇%、今度は三%とおつしやつたが、事業税はいわゆる收益から生ずる一〇%ではありませんか。そうしてこれは全体から見た、幾分控除したあとの三%じやないか。それも一緒くたにして一〇%と三%とどつちが少いのか多いのかとごまかすようなことをおつしやつたのでは、はなはだ迷惑千万であります。ここにちよつとお伺いしたいことは、全体的に見て、今度の附加価値は、大企業者と中小企業者とを比較して、今度の地方税の実施によつて、結果において大企業者が負担が重くなるのか、中企業者が重くなるのか、この点をお伺いしたい。
#90
○奧野政府委員 先ほど漁業免許料の問題でいろいろ御意見があつたようでありますが、もし住民が共同して使用しておりましたような漁業権についての問題でありましたら、今お話のような魚も考慮いたしまして、新しい漁業権税におきましては従来の專用漁業権、新しい漁業権の制度によりますと共同漁業権といわれますものについて、漁業権税を課することができない。特に非課税の制度を今回の地方税法案の中には盛つておりますことを御了解願つておきたいと思います。
#91
○本多国務大臣 大企業家に重くたるのか、それ以外の中小企業家に重くなるのかという点でございますが、これは大企業家に重くなると申しますか、小さな企業家に比較して今回の地方税は、大企業家の方に増加して行くと考えております。附加価値税でありますから、実は附加価値と正比例して税額がきまつて行きますから、どちらにどう高いという税率を盛つているわけではありませんけれども、今までの大企業は多く附加価値に正比例して利益というものが算出されているわけでございます。今までの事業税は純益課税でありましたために、大企業であつても純益がなければ事業税がかからぬということになつており、利益が少ければ、いかに大企業であつても少額の税金で済んでいるという点がありますが、今度のは外形標準の附加価値になりました関係で、附加価値に正比例する。特に税率の上において大企業の附助価値は高くとるという意味ではありませんが、そうした課税方法がかわります結果、今まで利益を少額にしか上げておらなかつた、また欠損等になつていたということのために、大企業が非常に不均衡に税が軽かつたのでありますから、これが是正されるという今回の地方税改正でありまして、大企業に重くなり、中小企業の方は軽くなる。傾向としてはその傾向であると思います。
#92
○夏堀委員 先ほどの漁業権税のことですが、これは私ども、あの大きな漁業法を相当な日数を費して審議いたしました関係上、あなたのおつしやるのとは非常に違つております。全漁獲高、あらめる業種別に見て、三%程度の免許料、許可料を支拂いしなければならぬということに問題が残されておつたのでありますが、それはそれとしてあなたのおつしやつたことは当らないということははつきり申し上げておきます。
 今本多国務相のおつしやつた御説明に対しては、私はむしろ反対の意見を持つているのであります。私の意見といたしますと、これは非常に重大な問題でありますが、大企業に対してはこれまで軽課されてあつた、こうお述べになつておりますが、私は大企業に対しては、あるいは軽課されてあつたかもしれませんが、今度の改正案によつてなお一層課税されるであろう、そういうような感じを持つているのであります。そうしてかわつて重課されるものは何か、それは中企業ではないか。その理由は、大企業は資本の力によつて近代設備、能率的な機械を購入し、そうして非常に能率的なる作業をして利益を上げ、その設備は控除されるのであつて、非常に能率的である。中企業は反対に金がないから、そういう設備をすることができないのだ、労力をもつてその製品をつくらなければならぬのでありますから、そういう関係の労力に附加される建前となつておる附加価値税は、中企業に対しては非常に軍点に行くのではなかろうかということは、予想ではなくて、結果においてそうなるだろう、こう私は考えております。
 なお、こうした面からいつて、漁業に対しては近代設備といつたところが、捕鯨などは特別ですが、全体に原始産業である。漁業はほとんど漁業労務者の力によつて漁獲を上げております、そういうような関係で漁業に対しては、おそらく、私の考えでは、全産額の七〇%ないし八〇%は附加価値税として徴されるのではないであろうか。そういう結果になりますと、先ほど申し上げましたように、中企業に対してはむしろ重課されるということになり、漁業に対しては一層その度がはげしいということになれば、結果において――日本の経済再建は、中企業によつて行わなければならないのである。けれどもこのような金詰まりで思うように行きませんが、なお加えて附加価値税のこの恐るべき権税の方法によつて、中企業は壊滅状態になるおそれが多分にあると私は考えておる。そうして、結果において、特に漁業はもはやそういう段階に入つたのでありますが、設備を売り放して現金にかえて商業資本をつくり、そうしてここにいわゆる商業利益の差益をとつた方がいいという傾向が多分に生れて来たのであります。もしそういうような傾向が大きく全国民の中に展開いたしましたならば、これは日本の産業経済にとつてゆゆしき問題であり、そうして人口問題、失業問題、そうした恐るべき段階に到達することを私は恐るるものであります。日本の産業経済はただ高度の、いわゆる能率的な仕組みによつてのみやること、これはよろしいのでありますけれども、日本の人口、労力を軽視し、特にこの課税の面においてそういう操作が行われるということは、私は非常に憂慮にたえたい事態が来るのではないだろうかと考えておるのでありますが、大臣はどのようなお考えを持つておりますか伺いたい。
#93
○本多国務大臣 さいぜんも御答弁申し上げました通り、数の上において大多数を占めますところの家族労働による漁業には附加価値税は課せないのであります。そうした点、さらに中どころの企業というのが今後中心にならなければならないという意味のお話でありましたが、この中小商工業を今般的に今回は国税、地方税を総合的に計算いたしますと、相当幅の減税になるのでございます。そういう関係から、今回の税制改正が、特にただいま御心配のようなことにはならないと思います。水産業にいたしましても、やはりその影響は一般中小商工業程度ではないかと考えております。
#94
○夏堀委員 はなはだ遺憾ではありますけれども、私は大臣の御意見とはかわつた考えであります。大企業に対してはなお一層軽課されることであつて、小企業に対して今の自家労働、これはある程度救われるでありましようけれども、日本の産業経済の中核となるところの中企業というものは、どうしても貧乏くじを引くのだという結果になるだろう。これが附加価値税の実施の面に現われる最も恐るべきことであると私は考えております。しかしこれは見解の相違であるとおつしやればそれまででありますが、理論的にはこれは非常によろしいと思いますけれども、世界に類例のない課税であります。もしどこかの国でこれを試験したことでもあれば、たいへんよろしいのでありますけれども、世界に類例のないこの課税の方法、今これを実施するとし、国民全体がこれに対してどういう批判を持つておるか。私は與党として、政府に対してはなはだ申しにくいのでありますけれども、これが恐るべき事態に到達する前に、これに対して何とか修正はできないものであろうかという悲痛な声は、全日本の国民にみなぎつておるのであります。もしこれがどうしても修正が行われないで実施されるという段階になつたたらば、そしてそのとき国民の日本再建の一途をたどつて進みつつある気魄がくずれて、どうにもならぬという段階になつたならば、また敗戰国民として再び救うことのできない経済面が展開したならば、どうなりますか、これは絶対に政府の責任ということになるであろう、これを私は心配するのでありますから、ここに與党として政府に対して若干の意見を申し上げ、そうしてそういう事態にならぬように国民を救済してもらいたいということを申し上げておきます。
 なお今大臣のおつしやつたそれと、私の求めた資料によつて若干意見を申し上げたいのでありますが、これは漁業関係であります。これはあぐり漁業――あぐりというのはいわしをとる綱でありますが、たいへん不況になつております。しかしそれをこの資料と若干損の行く表と、二つにらみ合せて申し上げますが、ある船は千三百四十五万五千円をとつた。数量は十一万五千貫とつた。こうした場合に資材に五百七万二千五百円要した。それから漁船費が六十四万円を要した。人件費は六百八十万四千円を要した。このように人件費は大きいのですよ。金利及び公課その他は百万円であつた。合計千三百五十一万六千円という経費を要しておるのであつて、ここに欠損は六万一千五百円となつた。ここに結果として現われたものは、現行法においては船舶税はわずか一万一千四百円であります。そうして損ですから所得税はかからない。このほか多少雑税はあるかもしれませんけれども、大ざつぱに申し上げますと、改正案によります附加価値税は二十三万二千二百七十五円を要する。船舶税が十三万九千六百五十円を要する。ここに損失なお三十七万一千九百二十五円となるのであります。ここに三十六万五百二十五円の増額となつて、現行法と比較してその比率は三十二倍となるのであります。そこでなお利益のあつた場合はどうか。こまかしいことは申し上げませんで、利益の数字だけを申し上げます。なかなかこういうことはありませんが、二百二十一万六千円とつた船があつたと仮定いたします。それで多少利潤があれば減つて来るが、ようようここに一・一倍の増になるのであります。こういうぐあいに――ここでまぐろのことをちよつと申し上げますと、平均一航海一万貫、年額千八百六十三万円とつた船、この場合に損は百三十七万九千三百六円になります。現行法の改正との負担の比率は三十倍で、非常に増額になるのであります。一万一千五百貫、年額二千百四十二万五千円とつた際に二十八万九千円の利益になります。それで多少利益になりますので、ここに三・七倍の増額になるのであります。
 なおたくさんの資料はありますけれども時間もありませんのでやめます。漁業の面において幸いに変動所得としてその損失の繰延べ、繰もどしを認められたのであつて、私どもはまことに感謝にたえないのであります。しかしこうした恩恵を受けておりながら、一方シャウプ勧告案においてはもよく知らぬと言つておるから、確かに知らぬことであつて、御意見はなかつたでしよう。ただ政府だけが知つたふりをしてこれをやつたのだというふうに私は解釈しております。もしそうであつたならば、政府はろくな調査もせずして、こうした恐るべき課税を国民になすりつけて、そうして産業を壊滅状態に陥れるという段階に達するおそれが多分にあると思います。もしこれが私の予想する通り参りましたならば、特に中企業に対しては再び救うことのできない段階に陷れるのじやなかろうか。せつかくアメリカは日本の生産に対して貴重な資材を援助物資として與えて、そして日本は世界一のいわゆる水産国として現在伸びつつあるのであります。しかるにこの税の操作によつて、産業を壊滅状態に陥れるということになりましたならば、これははつきりと政府の責任ということになることは当然であろうと思いますので、この問題の取扱いについては、なお時間があればあとで申し上げたいのでありますけれども、結論的に私どもは修正案をあとで委員長の手元まで提出し、この漁業に対しては絶対修正していただきたいと存じておるのであります。あとで漁民大衆が騒いでからどうこう言つても、追いつくこともできません。漁業者特に零細漁民というものはまことに無知と申しましようか、宣伝下手と申しましようか、たとえばある地方で漁具、船舶、疊、ふすま、そういうものまでも全部税金のために差押えされたのだけれども、これを訴えるいかなる方法もとれなかつた。けれどもこれは国税徴收法の第十六條と第十七條にはつきり明示しておりまして、いわゆる生活に絶対必要な資材に対しては差押えはできないのだということになつておるのでありますが、しかしそうしたようなことに対して、抗議を申し出べき何らの知識もないのであります。ただ黙々として働いており、そして終戦後いち早く立ち上つて、争議一つ起さず、あの船板一枚下は地獄という危險な作業にさらされて、日本の産業のために非常に努力して来た漁民に対して、それにつけ込んで、知らずにいるし騒がないからまあまあというようなことで、こういうような重税を賦課したということにたりますれば、私どもは国民代表として、特に漁業者代表として、漁業者の窮状を全然顧みないという立場に置かれて、私どもはまみえる顔がないのであります。そうしたような意味から、まことに與党として申しにくいのでありますけれども、国民の真摯な声、もうすでに破滅の状態になつている姿を見るに見かねて、政府に対して前申上げたようなことを私ども申し述べまして、これに対する適当な修正の方法をお考えになつていただきたい。こういうことを要望して、あとで修正案に対しては書面をもつて申し上げるということにいたします。これで私の質問を終ります。
#95
○菅家委員長代理 次は奥村又十郎君。
#96
○奧村委員 ただいま夏堀委員から主として水産に関する御質問が出たのでありますが、私も今回は主として水産のみに関してお伺いをいたしたい。それも他の同僚議員にたくさん御質問があろうと思いますので、特に現在水産委員が用意しておりますところの、地方税法に対する修正案に関連して、政府の見解を参考のためにお伺いしておきたい。これに限定してお尋ねをいたしてみたいと思います。
 昨年の第六国会において、大臣も御存じの通り漁業法が通過いたしまして、ごく最近にこれが実施されておる。申すまでもなく、これは漁業権の制度が根本的に改革いたしまして、従来の封建的な漁業権制度を改革し、これを零細漁民の団体である漁業協同組合を中心にして国が貸し與えて行こう、こういう農村の土地改革にも比すべき漁業権の根本的な改革を行うことになりました。ところがシャウプ勧告は昨年の夏用意せられて出されたものであり、その後にこの漁業権の制度が根本的に改革された。シャウプ勧告においては、この新たな漁業制度の改革は考慮されておらない。少くともこの漁業制度の改革は、シャウプ勧告よりももう一歩新しい事態に即して、この法律案がシャウプ勧告を訂正してつくられねばならぬと考える。ところがその訂正ができておらない。こういうふうに考えるので、これに重点を置いてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず漁業権税でありますが、漁業権に税をかけると規定しておりますが、この漁業権なるものは、最近に実施されておる漁業法における漁業権の意味であろうと思います。そういたしますと、今の漁業法の漁業権としては、共同漁業権、区画漁業権、定置漁業権の三つに限られておるのであります。この法律案においては共同漁業権は除くとしてありますから、定置漁業権と区画漁業権のみにこの漁業権税がかかるのであるかどうか、この点をお伺いいたします。
#97
○奧野政府委員 現在法律上認められております漁業権には全部漁業権税がかかる、そのうちで共同漁業権だけ除くという趣旨であります。
#98
○奧村委員 どうかはつきり御答弁を願います。今の漁業法の規定によりますと、漁業権の定義は区画漁業権と定置漁業権と共同漁業権の三種に限つております。そのうち共同漁業権を除くと明記してあるのであるから、区画漁業権と定置漁業権のみに限るのであるかどうか。重ねてお尋ねいたしますならば、ほかの許可による漁業は漁業権としてはこの漁業法においては認めておらぬ。従つて許可漁業には漁業権税はかからぬのかどうか、こういう意味を含んでおります。
#99
○奧野政府委員 私は実は現在の漁業法におきましては、漁業権の種類が三種類であつたか四種類であつたか、今少し忘れてしまいましたので、それで今申し上げたようなあいまいな答弁を申し上げたわけであります。しかし許可漁業権を含むのか含まないのかという意味のお考えでしたら、許可漁業権は含みません。現行の漁業法に言つております種類の漁業だけであります。許可漁業権は慣例上漁業権と言つておりますけれども、法律上は漁業権という言葉を使つておりませんので、含まないというふうに考えております。
#100
○奧村委員 これは重大な問題であります。ただいまの政府委員の答弁はまことにあいまいである。漁業権の内容も御存じでなしに、また忘れたと言われますが、さような答弁では満足できない。そこで大臣に念を押してお尋ねをいたしておきますが、もちろん漁業権と規定してある以上は、現行法における漁業権という意味、その現行法をお読みになれば、漁業権の種類は三つに限定されております。許可漁業は入つておりません。今まで許可漁業には漁業権税がかかつておりますが、今回のこの法律規定によつて、許可漁業には漁業権税はかからぬのでありますね。この点をもう一度はつきりお尋ねしておきます。
#101
○本多国務大臣 せつかく私に答えをしろというお話でございますが、手元に資料がございませんし、さらにまた研究もいたした上にいたしたいと思いますので、とりあえず政府委員で今答え得る程度のところで御答弁申し上げます。
#102
○奧村委員 どうも與党としてはあまりつつ込めませんが、現在の漁業の実態で行きますと、また将来ますますこの許可漁業がふえて、漁業法における漁業権というものは漁業全体からというと、まことに少くなつて行く傾向であります。そういう重大な事実をもお調べにならずに、この法律を規定するということは、それ一つ見ても、これは時間がなかつた関係かもしれないが、ずいぶん準備が足らないのじやないかと思います。この点をはつきりいたさないと、私も質問が進められないのでありますが、それではこれは一旦保留いたします。先ほどちよつと言葉をにおわされたようでありますが、明らかにしておきたいことは、今回実施の漁業法において、新たに免許、許可をされる漁業権に対しては、漁業権税をかけないという御答弁があつたようでありますが、それはほんとうであるかどうか、前の予算委員会において、荻田政府委員がはつきりその答弁をなさつたのであります。そこでそういう大事な規定がこの條文の中に入つておるか調べてみましたが出ておりません。條文の一体どこに規定されておるのかお尋ねいたします。
#103
○奧野政府委員 漁業権の実態をよくきわめないで立案しているのではないかという御心配でありますが、決してさようなことはありませんで、漁業権の種類等を詳細に調べております。ただ手元に持つておりませんために、大事をとりまして今のような御説明を申し上げたわけであります。実は漁業権税は従来から悪税でありました。従来から運営されて来ましたのも、漁業法で物権とみなされております漁業権だけであります。新しい法律におきましても同じ扱いをするわけであります。従つて許可を受けまして漁業を行うことができるような種類につきましては、漁業権税の対象にはなりません。しかしながら府県が、そういう許可を経て行います漁業につきましても新しい課税をしようといたしますならば、法定外の普通税として地方財政委員会に許可を受けなければならない、こういうことになつておるわけであります。法律上は法川外の税を置くことはならぬという規正は設けておりません。しかし漁業権税の課税の範囲には入つておりません。
#104
○奧村委員 私のお尋ねいたしたことと食い違つております。今の御答弁についてもあんたの方では漁業権についても十分調べた上法律をつぐつたと言われるならば、もう一応お尋ねしなければならぬことになります。この漁業法の附則でも規定してありますように、従来の漁業権はまだ将来二箇年はあります。この現在の漁業権と今度実施される新漁業法における漁業権と内容、性格が根本から違う。その点をお調べになつておるかどうか。今までの專用漁業権は根本からかわつて来ておる。漁業権には三種類あるということをお調べになつておるかどうか、そういう簡單なことでも御答弁ができぬのに、いや調べた、こう言われるから私はお尋ねするのでありますが、それでは底引き、きんちやく、流し網、その他はえなわ、地引、こういう許可漁業について、この法律規定においては税をかけないということになるのでありますが、これでは従来の漁業権に対する税の三分の二は税收が減ることになる。標準の所得が減ることになりますが、そういうことをお調べになつた上であるかどうか。
#105
○奧野政府委員 お話の通りでありまして、将来の共同漁業権を除外いたします関係上、税收入は相当に減るわけであります。それで農林省と相談いたしまして、その減收分を実は他の漁業権でかぶつてもらうというようなかつこうにおいて、今回の標準税率が定められておるわけであります。しかし必ずしも全部かかるというわけではありませんので、現行の課税の状況も見ながら、この程度ならばあえて苛酷ではないというような程度で定めたわけであります。なお、お話のようなものは、許可を受けておりますもの、また従来の專用漁業権に属しておつたものについておつしやつておつたようでありますが、そういうものも今回は課税しない。また新しい漁業法が二年先に動き出します場合には、やはり大臣もこの前答弁されましたように、この漁業権の本質についてさらに検討を加えて、考え直す必要があるだろうというようなことも、研究いたしてれるわけであります。
#106
○奧村委員 政府委員の御答弁では、十分お調べになつた上でこの法律をつくつたということでありますから、これは意地が悪いようでありますが、私は大臣にはつきり御答弁を願いたい。この漁業権というものは新法による漁業権を意味するのである、従つて許可漁業は漁業権ではないのでありますから、これは税金をかけない、その方針だけをここではつきりと言明していただきたいと思います。
#107
○奧野政府委員 現在でも漁業権として登録されておるものがございます。漁業権として登録されておるものを漁業権税の対象としております。
#108
○奧村委員 私のお尋ねいたしております点は、今回提案されたこの税法の漁業権という意味は、現在の漁業法において規定しておる漁業権のことであるかどうか、それならば御答弁ができると思います。
#109
○奧野政府委員 漁業権として先ほど申し上げましたように、日本の法律制度上認められておる漁業権、もとより私の言う法律制度というのは漁業法であります。しかしながら旧法によりますと漁業権が消滅してしまうわけではありませんで、残つておるわけであります。残つておる限りにおいて課税の対象となる、かように申し上げておるわけであります。
#110
○奧村委員 それでは新法において将来許可漁業が許可されるが、それには漁業権として税金をかけない、許可の場合には税金をかけない、こういうことに解釈してよろしゆうございますか、大臣の御答弁を願います。
#111
○本多国務大臣 新たにただいまのようなことがありましたときには、課税しないようにしたいとただいま考慮いたしております。その措置を講じたいと思つております。
#112
○奧村委員 それでは次に移りまして、大臣にお尋ねいたしますが、新法によりまして免許、許可された漁業権については、漁業権税はかけないということは、前にも予算委員会で荻田政府委員がはつきり答弁しておるのであります。おそらく政府もその御方針でありましようが、それはこの條文には載つておりませんが、どういうふうになつておりますか。
#113
○本多国務大臣 何分奥村さんのような漁業についての專門家のまつたく詳しい御質問でありまして、答弁の準備の足らない点がございますので、よくお伺いいたしまして調査いたしまして、準備を整えてお答えいたしたいと思います。ただ漁業権というものの中にはいろいろな意味が含まれるようなお話でございますので、その方面に詳しくない私として不用意な答弁もできませんので、十分に研究いたしまして答弁いたしますから、どうかひとつ御質問の趣旨をこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
#114
○奧村委員 政府のお立場もよくわかるのでありますが、ごく近日中に国会でこれを審議終了しなければならぬ、われわれも修正案を出さなければならぬ。ところが政府の見解が明らかでない。一番大事な問題が明らかでない。これでは審議が進まない。私はこれに関連してお尋ねしておきたいのは、この新漁業法によつて、漁業権に対して免許料、許可料から徴收されることになる。そしてまた府県において漁業権に漁業権税がかかる。これは明らかに二十課税である。これはシャウプ勧告以後において起つた事態であるから、当然改訂すべきであるが、これに対する政府の方針をはつきりしなければならぬ。従つて新漁業法によつて、漁業権に対する漁業権税はかけないということを、はつきりしていただかぬと、審議できません。
#115
○本多国務大臣 その点につきましては、先日も予算委員会で答弁いたしました通り、二重課税にならないように漁業法の実施に伴うて措置したいということを申し述べておりまして、その方針にかわりはないのでありますけれども、その措置がどういうふうに具体的にとられているかということにつきましては、私がただいま心得ていないものでありますから、お答えがはつきりできないわけであります。方針といたしましては、漁業法の実施に伴つて二重の課税にならないようにしたいという方針は、きまつております。
#116
○奧村委員 先日の予算委員会のときには、まだ漁業法が実施になつていなかつたのであるから、荻田政府委員の答弁で満足した。実施の場合においては新漁業法における漁業権は課税しないという答弁で満足したが、もうすでに実施になつておる。従つてこの点は明らかに條文の中に盛り込まるべきであるが、なぜ盛り込まれなかつたか、その点をお聞きしたい。
#117
○奧野政府委員 ちよつとこの際お伺いしたいのですが、質問者奥村さんの言つておられる将来許可漁業になるというものは、現在漁業法の漁業権であつて、それが将来主務省の許可を受けるだけで漁業ができるという種類のものを、何か連想しておられるのでしようか。そうでありませんでしたら、お話しの通りであります。ただわれわれ大事をとり過ぎて答弁をしているものですから、御満足が得られないようですが、現在物権とみなされて登録されておる漁業権があります。旧漁業法でこの扱いを受けていないものが、将来やはりそういう扱いは受けないが、許可を要する、こういうものに課税するかしないかといえば、明らかに課税の対象に入つておりません。
#118
○奧村委員 どうもこの点については、水産庁の方と十分の御相談、お打合せがなくして、法律をおつくりになつたのではないかと私は想像いたします。この漁業法の実施によつて、今年と来年の二箇年以内に、従来の漁業権は全部消滅をする。この新漁業法によつて漁業権が許可される場合には、免許料、許可料なるものが新たに賦課される、その際に漁業権税もかけられるということになれば、明らかに二重課税になる。従つて免許料、許可料を徴收する場合においては、漁業権税は二重になるから。これはやめるという方針が立つておるはずです。であるならば、これは漁業権もなし、許可漁業もなし、すべて二年以内に漁業権税というものは消滅するはずである。それがこの法の條文に規定されておるべきだ、これがなぜ規定されておらぬか。
#119
○奧野政府委員 お話の点がだんだんとわかつて参つたのでありますが、そういう意味のお尋ねでございましたから、そのときにもう一ぺんよく検討しようということでやつておるのであります。そういう趣旨で、漁業権の課税標準を、賃貸料または評定賃貸料という言葉を使つているのでありますが、新しい漁業法が完全に施行されたならば、賃貸料を課税標準にするということはまずないわけであります。従つて当然にそのあかつきには、この漁業権税を検討いたしまして、改正を加えなければいけないので、水産庁ともこの点よく話合いをいたしたわけでありますけれども、さらに将来の問題として残そう、こういうことになつておるわけであります。
#120
○奧村委員 これは当然この際條文に規定さるべきである。何となれば、従来の漁業権は二箇年以内に消滅する。しかし新たな免許、許可については、場合によつて今年でも来年でも許可される、免許料、許可料はとられるということになりますと、これに漁業権税をかけるか、かけないかということは、現実今日の問題である。その際免許料、許可料と並行して漁業権税がかけられるかどうか。それを法律に規定してないか、この点はどうなのか。
#121
○奧野政府委員 実はただいまの地方税法案の中にありますような、課税標準は賃貸料または評定賃貸料としてありますと、当然に新しい漁業法の完全施行に際しましては、何らかの改正を加えなければならぬわけであります。従いまして、その際にいずれ国会の議決を求めなければならぬと思いますから、その際の問題としてもさしつかえないじやないか、こういう考え方を持つておつたわけであります。さらにまた、漁業免許料の性質というものは、漁業権の取得に要する代価も含まれているという考え方もあるわけでありますから、そういう点を総合的に考えて、さらに愼重な検討を加えて行きたい、こういう考え方を持つておつたわけであります。
#122
○奧村委員 どうもまだその点ははつきりしておりません。これは水産庁と連絡がついておらぬはずです。もう今年の八月には、新法によつて漁業調整委員会ができて、新たに漁業が許可あるいは免許される。その際に免許料、許可料と並行して、この漁業権税がかけられるかどうか、それをお尋ねしている。二年先の話じやない。
#123
○奧野政府委員 御希望されております点は、私にはよくわかるわけであります。ただしかしながら、漁業免許料をとるようになるから、漁業権税を課してはならないというりくつも、当然には起きて来ないと私は思うのであります。漁業者が今後の状況をもにらみ合せまして、考えるべき問題がやはり残つているという考え方をいたしておるわけであります。そういう意味で、さらに二箇年推移を見て、検討を加えて行きたいという考え方を上ているわけであります。
#124
○奧村委員 それでだんだんわかりました。私どもは、この免許料、許可料と漁業権税とは二重課税であるから、免許料制度を国がとる場合には、あくまでも漁業権税は廃止すべきであると考えるが、その根本の方針が政府の方で立つておらぬから、そういう御答弁になる。しかしそこをもやもやと御答弁になるので、私の申し上げたいことは、これ以上申し上げても何にもなりませんので、これもこの程度で保留いたしておきます。
 次に地方税法案の第二十四條の七号であります。これはたびたび大臣も御答弁になつておりますように、主として自家労力を用いて行う第二種事業については、附加価値税を課税しないということでありますが、そういう大きな問題は当然地方税法に規定さるべきであります。これを政令に讓つている点を明らかにしていただきたいと思います。主として自家労力を用いて行う第二種無業で、しかも政令で定めるというその政令とはいかなる形であるか、どういう規定をおつくりになるか、お尋ねいたします。
#125
○小野(哲)政府委員 ただいま奥村さんからお話がございましたように、第二種事業、特に水産業につきましては、主として自家労力を用いる場合においては、運用面において相当考慮して行く必要があるであろうという関係から、法律ではつきりきめますよりも、むしろ運営の面に重点を置きまして、政令によつてこれを考えて行く方が妥当であろう、こういう考え方から、その内容については政令に委任するというように考えた次第であります。
#126
○奧村委員 ところがその政令の規定の仕方によつて、これはたいへんな相違ができて来る。そこでその政令の内容がはつきりしませんと、われわれとしてこれから審議が進まぬ。たとえば政令で一箇年の漁獲高を、かりに二十万円以下を免税する。そういうような規定にしたとするならば、これはせつかく本文ではつきり自家労力と書いてあつても、本文の精神が骨抜きになる。こういつたことにかんがみて、たとえば金額で免税点を規定するのか、あるいは漁業の業種別で規定するのか、その政令の内容をお伺いいたします。
#127
○奧野政府委員 労働日数の中で三分の二以上が自己または同居の親族の労働によつて営まれるものは、自家労力による事業として非課税の対象にいたしたい、こういう考えでございます。
#128
○奧村委員 そういたしますと、この七号の「主として自家労力を用いて行う」という文章の内容を規定するのか。業種にわたつての規定はないか、または金額にわたつての規定はないか。
#129
○奧野政府委員 お話の通りであります。
#130
○奧村委員 第三十條の九項「農業協同組合その他政令6定める特別法人が取り扱つた物の数量、価額」こういうことが出ておりますが、農業協同組合と漁業協同組合とは性格はほとんど同じものでありますから、もちろん漁業協同組合も「その他政令で定める」の中に入つておるのだろうと思いますが、入るのかどうか、また少くとも農業協同組合と漁業協同組合とははつきり書けば、あとのは政令で定めてもいいが、何か漁業協同組合を無視しておるようで、われわれ水産委員としては非常に不満であります。この点は意見であります。そこでその取扱つた物の数量、価額、これは支出金額として認める。しかしその取扱つた物の数量、価額、これを支拂うものとするならば、何も特別にこの九項に書かなくても、ほかの條項で商品代金というものは支出金額として差引くことになつておる。なぜこれを特別に取上げて書いたか。その点特にこれを取上げた理由についてお伺いいたします。
#131
○奧野政府委員 どれを例にあげてもいいのであります。漁業協同組合法によりますものは、全部この適用を受けるように政令で書きたいと思つております。ただその範囲が單に協同組合だけではありませんで、非常に多くのものがございますので、一例をあげただけでございます。また附加価値税の課税標準の計算上、総売上金額から控除いたしますものは、外部に支拂つた金額だけであります。従つて内部に支拂つた金額は控除されません。しかしながら内部に支拂つた金額も控除するために、こういう規定を置いております。
#132
○奧村委員 内部と申されまと、いわゆる組合員に拂つた価額のことを意味するのだろうと思います。れからそその他事業の分量に応じて分配すべき金額、これは利益配当を意味しておるのでありますか。
#133
○奧野政府委員 利益配当はこの中に入つておりません。
#134
○奧村委員 大体この農業協同組合、漁業協同組合などは、組合員に対して事業分量に応じて利益分配をいたしております。今回の法人税法において、これらの法人が事業分量に応じて分配した利益分配金には法人税はかけない。たしかそういうことになつております。そういたしますと、特にこの地方税法においては、利益分配について附加価値税をかける。これは法人税と少し食い違いが出て来ておると思いますが、この点はどうでありますか。
#135
○奧野政府委員 利益の分配金と事業の分量に応じまして割もどしします金との取扱いは、法人税の場合と同じであります。手数料としてたくさんとつておつたが、そんなにかからなかつた。だからその分量に応じて、割もどす。これは当然控除いたします。しかしながらある程度の利益が出た。その利益の配分の仕方はいろいろあるかもしれませんが、いわゆる利益の配分は出資額に応じて行われる。これは当然控除されない。ただそうでありませんで、私の申し上げますのは、とり過ぎておつた金を割もどしする、こういう種類のものは控除されるという趣旨であります。
#136
○奧村委員 これは私の表現がまずかつたように思います。つまり組合員から代金をとり過ぎておつたが、それだけ経費がかからなかつた。そういう意味においての事業分量に応じての分配、これは控除する。こういう意味であるように承知いたしました。私の質問はこれをもつて終ります。
#137
○菅家委員長代理 次は川島金次君。
#138
○川島委員 若干なるべく簡單に御質問を申し上げたいと思います。
 まず第一にお伺いを申し上げたいのは、この地方税法における問題の附加価値税の事柄であります。この附加価値税について、先ほど当局から配付になりました参考資料によりますと、第一種、第二種、第三種の中で最もわれわれが注目いたすべき点は、この附加価値税の対象となる労賃、すなわち勤労所得の問題であります。この勤労所得がこの参考資料によりますと、一兆二百七十億ということになつております。一方政府の予算説明書によりますと、勤労所得はこの一兆二百七十億と違いまして、二十五年度は一兆三千八百五十億となつておるのでありますが、この政府予算の説明書によるところの国民勤労所得の算定の額と、地方自治庁における勤労所得の算定の総額とが大分食い違いを生じでおる。これがここに明らかになつておるのでありますが、この相違の生じた経過というものは、どういう事情でありますかをお伺いしたいと思います。
#139
○奧野政府委員 地方財政に関する参考計数資料の二に書いてありますものは、大蔵省が国税の審議に提出されております資料を基礎にして計算をいたしております。
#140
○川島委員 今申し上げました二十五年度の予算の説明書により、捕捉された勤労所得がここに明らかになつておる。同じ大蔵省が提示されたところの勤労所得にはなはだしく相違があるという事柄は、ちよつとうなずけない点であるのでありますが、大蔵省は地方庁の方に勤労所得は一兆二百七十億という資料を出されておるのですか。
#141
○奧野政府委員 勤労所得の中で非課税に入る部分があるのであります。たとえば公務の関係で受けております給與とか、要するに官公署に勤めておるものであります。また農業関係で受けております給與などは控除しなければならないわけであります。その点の控除額の関係ではないかというふうに思います。
#142
○川島委員 その関係にしても、かりにそれが差引かれたとすれば、もつと少くならなければならないと私は思う。農業所得は別です。勤労所得だけです。
#143
○奧野政府委員 勤労所得計算の基礎を一応御説明しますと、あるいはおわかり願えるかと思います。昭和二十五年度の所得税の課税所得の見込額が四千二百六十五億一千二百万円、これに対しまして算出上、失格部分として控除されたもの、さらに勤労控除分として控除されたもの、基礎控除分として控除されたもの、扶養控除分として控除されたもの、こういうものも附加価値税の計算にあたりましては合算しなければならないわけであります。これらを全部合算いたしますと一千百二十四億九千二百万円となるわけであります。これを昭和二十五年度の国民所得の業種別による推計を安本で行つておりますので、これに按分いたしまして第一種事業に幾ら、第二種事業に幾ら、第三種事業に幾らかということを調べまして、その結果公務によつて受けております給與額、あるいは農業関係で受けております給與額というようなものを控除するというような方法を用いましたので、結果において課税の計算の基礎といたしました数字が一兆二百七十億三千九百万円、こういう数字が出たわけであります。
#144
○川島委員 それはその程度にしておきまして、前進したお尋ねをしたいのですが、大体附加価値税は、事業所得、勤労所得を中心としての対象になつて行きますが、問題は、今申し上げました勤労所得が附加価値の対象になる――大体シャウプ勧告でも、この点私どもは納得行かぬのだが、従来の事業税というものは非転嫁税、転嫁が不可能な税である。従つて事業主にたいへんな負担の過重をしているのだ、こういうシャウプ勧告では考え方を持つている、しかし今度はこの附加価値税にすれば、非常に転嫁性が加わつて来る、従つてそれが合理的だ。こういうような意味のことを言われているように、私は記憶している、そこで問題となるのは、勤労所得が今の説明のように一兆二百七十億も附加価値としての対象にされている。先ほども立花君からも大蔵大臣に質問があつたのでありますが、それが時間の都合でしり切れとんぼになつている形でありますが、ここに私は重視すべき点があると思うのです。と申しますのは、勤労者にとりまして、国税におきましては、御承知のように二十四年度は千三百五十一億の勤労所得税が源泉徴收される、今度国税の改正によつて、本年度は勤労所得源泉徴收は九百八十三億、差引三百六十八億が、勤労者にとつては国税の面においては、まさに減税になるということは、数字上明らかである。しかしながら一方において附加価値税においては一兆二百七十億を加えた勤労所得を総合して、新たに附加価値税というものが課せられ、しかもその税率は実に四%から始まつて最高制限は八%もかけられるということになりますと、国税の面においては明らかに三百六十八億の減税ではありますが、附加価値税の面において、一兆二百七十億の勤労所得というものを基礎として計算いたしました場合には、その四%かければ四百億だという計算も成立ち得るようになつて来る。そうすると国税の方面において三百六十八億の減税をしても、附加価値においては勤労者は間接的に新たに四百億ないし数百億万円の負担をまわりまわつて転嫁される形になる。しかもその転嫁たるや、シャウプ勧告の中で明瞭にされている。こういう転嫁さるべき性質であるところの附加価値税が徴收されるということは、勤労者にとつては大きな間接的な増税となる。増税とならなければ間接的には貸金のくぎづけとなる。あるいはまた企業の合理化等となつて、労働者の馘首整理等も行われるという必然のものを伴うのではないか、こういうふうに私どもは強く感ずるのでありますが、その点についてこの附加価値税の立案者である当局は、この労働者に対する、ことに給與所得者に対するところの影響を、どういうふうに考えておるだろうかということについての所見を、特に大臣から承つておきたいと思う。
#145
○本多国務大臣 勤労者に対する給與は、附加価値の中から支拂われることには間違いなかろうと思います。その受取る所得にもちろん影響は及ぼすでありましようが、しかしそれを対象として課税するわけでございませんので、ただいまお話のような方法、率をもつて転嫁されるとは、これは考えられないのでございます。ただこの附加価値の計算方法、あるいは内容を明らかにするために、引き算の反対の足し算をもつてすれば、地代、家貸、純益、給與、こういうことになる内容を示したわけでありまして、これはほかの営業経費が増加することを余儀なくされた場合と同じ関係においては、その勤労者の給與に対しましての影響を及ぼすでありましよう。たとえば電力料金が上つたということがどういうふうに影響するか、それはやはり経営の合理化というような点から、給與にも影響を及ぼして行くでありましよう。ちようど営業費が避くるべからざる事情で増額されたという関係からの影響はあると思いますけれども、ただいまお話のように、直接そうした勤労者に対する給與に対して、全部が転嫁されるというふうには考えられないのであります。これはその他の経費の節減によつて企業自体の吸收し得る分、さらにまたやむを得ない場合には製品の価格等によつて転嫁されて行く、こういうふうに考えております。
#146
○川島委員 私はそういう大臣の御説明にはちよつと納得しかねるものがある。もう一度重ねてお尋ねいたしますが、ことに第一種附加価値の方につきましても、大体八〇%は勤労所得が加わる。そうすると事業の性質によつては、労貸だけがおもなる事業というものもかなりあるわけであります。たとえば印刷業等もその一例でありましようが、そういつた事業体を持つ事業は、実際の面においてはこの附加価値税によつて非常な圧力、重税を負担しなければならぬ形になつて来るのではないか。しかもそれによつて、労貸が主体となる税金のために、その負担すべき事業主はそのかかえ込んでおります労働者の貸金のくぎづけ、あるいはまたくぎづけでなくても、さらに最悪のものは企業の合理化と称する、いわゆる労働者の整理ということがどうしても必然的に起つて来るのではないか、こういうように私は考えるので、この附加価値税の中で大部分を占める勤労所得を基礎といたしての課税対象というものは、大衆に対する一つの間接的な課税になつて来る可能性が強い、こういうように自分は考えておるのであります。そこでお伺いいたしたいのは、このような附加価値税というものを改めて、與党自身からもすでに修正案などが出ておりますが、この附加価値税にかわるような別途の、もつと公正な、しかも適実、合理的な税制を考える余地はなかつたのかどうか、この点についてあらためてお伺いしておきたいと思うのであります。
#147
○本多国務大臣 この際の税制の改正は、国税、地方税を通じましての改正でございまして、この国税、地方税を通じて総合的に計算をいたしますと、中小企業に対する負担はむしろ軽減をされる。但し個々の納税者につきましては、税制の改革であり、今日までの不均衡を是正するという目的を持つております改革でございますから、それぞれ負担の変勤はありますけれども、大体において中小企業の負担は全体的には軽減をされる。こういう際でありますから、これが勤労者の給與にただちに転嫁されて、切下げをしなければならぬというようなことは、その理由にならないと総括的には考えられます。また企業者が勤労者を使用いたします目的は、それぞれ附加価値を増加せんがための雇用でありまして、その目的をもつて附加価値が増加いたしましたそれを対象として課税をする場合、担税力の点についても、現在の提案いたしております程度ならばむりはない、負担し得るものと考えております。
#148
○川島委員 総体的には今の大臣の説明のようになる両もあろうかと思うのでありますが、局部的には逆に事業主はその勤労者の源泉徴收の義務者、そして多くの労働力をかかえております事業、しかも労働力が主体となるべき性質である事業の事業主は、さらにまた附加価値税においてその労働賃金というものが主体的に課税されるということになれば、どうしてもこれはりくつでなしに、実際的には労働者の賃金のくぎづけとなり、あるいは労働者の整理ということになることは、必然の勢いではないかと私は考えておるのであります。しかも前段に申し上げましたように、シャウプ勧告におきましては、従来の事業税というものは非転嫁的の性質のものだ、従つて事業主には負担が重くなるのだということを言われており、従つて今度の附加価値税は強く転嫁的なものを取上げたのだということを、一概にいえば、言つておられる。従つてそういうことからいいましても、この附加価値税というものは転嫁の性質の非常に濃厚なものだということを言わざるを得ない。これはシャウプ勧告にも明瞭にうたつてあるということになれば、大臣の説明は説明といたしましても、シャウプ勧告自身が、この税は転嫁すべき性質だということを言われておるのですから、いやおうなしに、実際の面においてもシャウプ勧告の言つた通りに転嫁になつて来ると言わざるを得ないと私は考えますので、そのようなことを言うのであります。これは大臣と議論をいたしましても盡きないところでありますから、この程度にしておくわけでありますが、第二点の問題の点についてお尋ねをいたしたいのであります。
 次に固定資産税の問題でありますが、この固定資産税の問題につきましても、政府は屡次その筋とも折衝されまして、倍率の修正などが折衝されたようでありますが、それが事志と違つたような結果になつて、やむを得ず今日の原案が出されているように私どもは承知いたしているのであります。この固定資産税におきましても、大体政府の資料に基きましてこれをこの通りにかけて行くことになりますれば、附加価値税と同様に相当厖大な徴税額が可能となるものではないかと、私どもは非常な懸念を持つているのでありますが、この政府原案をこのまま実施することによりまして、一般の地方民の負担が、政府の予定している以上の大きな負担の過重になるおそれはないかどうか、その点についての政府の確固とした、しかも率直な見通しをこの際聞かしてほしいと思うのであります。
#149
○本多国務大臣 お話の通り、この最後的法案が決定に至ります以前におきまして、政府といたしましても、この際地方財政の計画の範囲内において、国民負担はできるだけ増加しないように低くいたしたいという考えから、この税の見積りについていろいろ研究をいたしたのでございます。いま少しく税率を下げ、倍数等も下げても、予定計画の財政收入は上げられるのではなかろうかという観点から、いろいろ研究いたしたのでございますが、結局大蔵省、自治庁、関係方面の專門家等が寄りまして、この程度では、どうしても予定收入を確保することはできないであろう、さらに下げるということになると、固定資産税において予定いたしておりまする五百二十億を維持することが困難であろう、堅実な見方で進まねばならぬという点から、かように決定いたした次第でございまして、この税率を引下げますと、その堅実性がゆがめられると考えるのであります。
#150
○川島委員 前にもどりますが、この附加価値税におきましても、固定資産税以上にそういう懸念が強いのではないかと私は思うのでありますが、その点については、先ほど立花君からの質問に対する大蔵大臣の説明もありましたけれども、ここに重ねて本多国務大臣のその点についての見通しと、率直な見解を聞かしていただきたいと思います。
#151
○本多国務大臣 固定資産税につきましては、倍率、税率は二十五年度は定税率、定倍率でやることになつておりますので、そうした点については、地方団体が実際に收入いたします金高と大体においてこの見通しとが一致するのではないかと思います。ただ附加価値税は標準税率でございますので、立花君においても御疑念がありました通り、この標準税率の上をとるか、下をとるか、ちようど標準税率をとるものがどれだけあるかによつて、現実に收入する金額とは一致しない場合があるのではないかということは、よけいに考えられておるわけでありますが、担し標準税率は、普通の場合において、この標準税率を適用すべきものとなつておりますので、大体においてはこの標準税率で徴收するものと考えられます。またこの標準税率をもつて徴收すれば、平衝交付金とこれが一緒になりまして、普通の標準財政費はまかなえる財政計画になつております。但し特別の財政的な需要、特別の財政的な必要、あるいはまた公益上の必要から、この標準税率によらないようなものも出て来るのでありますが、これをまた下の方にも、極端に少くとるであろうということも考えられませんし、日本中の府県がいずれも制限税率までとるなどということは、これまた夢想できないことでございまして、結局は財政計画と一致するこの標準税率を、普通の状態として、大部分の府県においてはとり得ると考えられます。特別の財政上の事由のある場合、これに標準税率の下も上も、とることができることにはなうておりますが、私どもの標準税率によつて見込みを立てております金高に対しまして、上下に行くものがあつても、大なる相違がないものであると考えておる次第であります。
#152
○川島委員 その次にお伺いしますが、入場税の問題であります。入場税は今度は税率が下りまして、百分の百になることはけつこうでありますが、この入場税の中で、私は日本の現実に照し、一般の国民大衆の耐乏生活もある程度やむを得ない事柄であるということは率直に認めるのでありますが、ことに文化的な諸種の催し、そういつた問題に対しましても同じような大体の率がかかつて来る。映画といい、劇といい、非常に文化的に推奨に値するものもあるし、そういつたものは国家がよろしい助長すべき性質のものでなかろうか。またそういつた面に対しましても、一般の働く国民大衆の入場を勧奬し、そうして文化的な素養、教養を高める、あるいは健全な娯楽の一つとして働く者の休養慰安、こういつたものを與える機会は広くしなければならぬということも言えるのでありますが、その場合において、しかも一般の研究、もしくは学生、生徒、そういつたものの運動競技の観覧というものまでも百分の百ではないが、百分の四十かけるというのが、政府の原案でございますが、こういつた特殊な研究、鑑賞等をいたします入場税についても、もう少し政府は考慮を要するところではなかつたかと思うのでありますが、その点についてどういうふうな考え方をもつてこの百分の四十というものを定められたか。同じ興行でありましても、きわめてぜいたくな、特殊階級でなければ見ることのできないような興業も世中にはあるわけであります。そういつた方面に対してむしろ高率課税があつてしかるべきである、しかもその反面におきましては、一般大衆が出入りするような興行に対しては税率を低くして、大衆の負担を軽くし、そうして働く者の慰安にも資するというような考え方ごそが、私は入場税の根本的な建前ではないかと思うのであります、がそういう事柄についての大臣の所見をこの際承つておきたいと思う。
#153
○本多国務大臣 入場税改正の今後の方針といたしましては、お話の通り大体われわれも考えておるのでございますが、他の税種と比較いたしまして、負担均衡の見地から、提案いたしております程度の税率を定めていただきたいと考えている次第でございます。この学生等の競技によりますものも、やはりその利益等が個人に最終的に帰属するというような制度でやります場合、応分の、やはり提案いたしております程度の課税が適当ではないかと考えております。将来の問題といたしましては、お話の通り、さらに国費の節減等によつて税軽減という場合には、お話のような方針で進みたい考えでございます。
#154
○川島委員 特殊な推奬すべき競技、あるいは劇、映画、こういつた問題について特殊な、興行者にあらざる者が催す場合、しかもそれが催しの結果、必ずしも利益があるとは言えないものが多いのであります。まごまごしておりますと、地方におきましては、せつかくの大衆的な、娯楽的な催しというものが欠損を生ずる、そういう場合でも、結局は高い入場税というものを、地方の税務署に拂わなければならぬというような事態が従来もしばしばあつたし、今後もおそらくそういう事態が各所に起るのではないかと私は思うのであります。入場料のうちには税金が入つておるのだから、それは当然納められるではないかと一応は考えられるのでございますけれども、実際の面においては、そうでない事態が実は随所に起つて来て、税金の納入について、従来は地方事務所との間にもんちやくが起つた例は、ほとんど枚挙にいとまないほどあつたわけであります。そういう事柄について、何か特別の措置を私は講ずる用意が多少あつてしかるべきではないかとも思うのですが、その点はいかがですか。
#155
○本多国務大臣 ただいま提案しております入場税法は、入場する人からとる税でありますが、いかなる興行について税をとるかということについては、主催者のいかんによつて入場する人からとる、こういう建前になつております。またこういう興行ものでございますから、その興行全体を決算して、利益があつたかということによつて課税をする、あるいは税率を差別するというような方法でとりますことは、やはり地方財政の確保ということか困難になつて来はしないかと思われます。そういう特にお話の、国民に奬励して好ましいようなこと、あるいはまた入る人によつて、どういう種類の人たちが入るものは税率を考えるべきではないかというような点もあるのでございますが、大衆的なものは入場料が安い。安ければそれだけ税が安いというようなことで、ただいまのところ行くことが適当ではないかと考えております。
#156
○川島委員 それはわかるのでありますが、実際の問題として、東京方面のことは知りませんが、地方において、たとえば地方の文化団体あるいは運動団体とか、競技団体場が主催で野球を行う。その野球を行つたが、天候あるいはその事情でもつて、入場者が少かつた、少かつたが入場税は拂わなければならない。しかるにその野球団体を招聘する一つのギャランティーというものはさまつておる。それで計算をすると、結局大きな欠損だということなり得ることが非常に多かつたのであります。そういう問題については、特段の何か措置をするという一つの特別な用意があつてしかるべきじやないか、こういうふうに考えるのでお尋ねをいたしておる。そういうことについて何か特別なお考えはないかという問題であります。
#157
○本多国務大臣 これは困難であると思います。私の方でもそれにちようど対応するような適当な方法は困難と思います。但しただいまのお話の、国家としても大いに奬励すべきものであるというような場合に、その地方団体の意思によりまして、公益しの必要から減免をすることはできると存じます。ただ非常に見込み違いをして、不況に終つたというような場合でありましても、入場者から入場税だけは、その興行上の損益計算上とは別に、とつていただく趣旨でございますので、この点も御期待に沿いかねると存じます。
#158
○川島委員 そのことはあとで、また議論をいたしたいと思いますが、次に一つ一つ恐縮でありますが、遊興飲食税の問題でございます。従来遊興飲食税で、しかも花代を伴うものは百分の百五十ぐらいではなかつたかと思いますが、それが百分の百に下つた。しかも宿泊やほんとうの飲食だけを目的とする飲食店に百分の二十をかけるといつたような形は、私は今日においてどうかと考えるのであります。そこで大臣にお尋ねをしておきたいのですが、こういつた純粋な遊興、しかも特定の人でなければ近づけないような遊興飲食に対してはむしろ高率をかけて、宿泊だとか、あるいは大衆食堂におけるまじめな飲食、こういつたものはむしろ私は無税にすべき性質のものではないか、そういうことによつてまた大衆の負担をいくらかでも軽減するという措置を、税の面を通じて講ずるということが、きわめて好ましてやり方ではないかと思うのでありますが、その点について大臣はどうお考えになりますか。その点もあわせてお尋ねしたいと思う。
#159
○本多国務大臣 この点もごもつともな御意見であると思うのでありますが、奢侈的なもの、中間的なもの、まつたく実質的に生活に必要なもの、遊興飲食税の中には各段階がずつとつながつているものでございますが、それに対しまして芸者花代等最も奢侈的な方面に高い税率をかけ、さらにごく普通の飲食店に旅館と同じ二割というようなことになつておりますが、これはやはり一本の税率にして、その段階ごとに提案しておりまする程度の負担をしていただくということは、ほかの税との均衡上、この程度が適当じやなかろうかと考えられます。これもお話の通り、さらに国家的に地方財政もだんだんゆたかになりまして、減税ができるという段階になりますならば、そうした方面の軽減が行われなければならぬものと考えますが、この飲食の中で奢侈の程度がどの程度であるか、その奢侈の程度が非常にむずかしい。それから旅館と申しましても、まつたく奢侈ということは考えられないもの、あるいは少しぐらいは奢侈ではないか、はなはだしく奢侈ではないかといういろいろな段階があるわけでございますが、今回の改正はそういうことも考えまして、負担の均衡を保つておると考えます。
#160
○川島委員 そういう段階があることはわかります。そういう段階があるならあつたときのように、たとえば一定の免税点を設けて、その免税点以上の飲食、宿泊料というものに対して税をかける方法は私はあろうと思うのです。最近全国の風潮だと思いますが、まことにざつくばらんな話で恐縮ですが、どこの遊興都市、あるいは遊覧都市に行きましても、最近私の聞き及んでおるところによりますれば、相当芸妓などの数がふえておる。月々ふえて行くのではないかというような繁昌ぶりであるように聞いております。そういう特殊なしかも奢侈的な業務が盛んになつておる。盛んになつておるという面に対しては、これまた同じように税率を下げて、そういうまじめな最低限度の宿泊、あるいは最低限度のまじめな飲食に対しても、これまた同じようなつり合いを必要とするから税をかけて行くのだというやり方は、私は今日の日本の段階において考え直すべき時期ではないか、こういうふうに考えるのでありまして、このお尋ねをしつこくいたしたような次第であります。そういう方向に行くべきである、税收の面におきましても、私はおそらくこういつた特殊な面の税率を引上げれば、おそらくまじめな宿泊、一定最低限度のまじめな飲食等については無税にいたしましても、地方の税收は確保できるのだというふうに考えるのであります。重ねて恐縮ですが、その点大臣においては何かもう一ぺん考え直してみる必要がないと考えておりましようかどうか、しつこいですが承つておきたいと思います。
#161
○本多国務大臣 遊興飲食税の最低限度が従来一倍半ということになつておりましたが、これは奢侈的な面であり、従つて政策的にもこうした税を高くとつてもいいのじやないかということが一応考えられるのでございます。しかし今日までの実施の結果は、税率があまりに高いために非常に捕促が困難であり、徴税が円滑に行かぬという面もございますので、かえつて今回の十割ぐらいに引下げました方が、実質的には増收がはかれるのではなかろうかと考えられます。やはりむりな税金というものは結果において捕捉が困難であり、徴收が確保されないという欠点もございますので、十割程度の税を課すということでありますれば、大体ほかのものとも均衡を失しないのではなかろうかと考えております。
#162
○川島委員 その問題もこの程度にしておきます。
 次に市町村民税の問題について問題となりますのは、所得割のほかに、均等割税も存続するようでございますが、しかも今度の市町村民税はその市町村に在住するいかなる個人に対してもかけるのだということが建前であつて、但し未成年者、不具者その他等は別である。そういう別途の措置はあるのでありますが、この均等割ということはややもすると、少額所得者の一種の人頭税ということになつて、たとえば勤労者の世帶で、娘も働き、息子も働かなければ生計が成立たないというような人たちが、今日の経済事情においては実におびただしい数に上つている。そういう場合におきましていかなる所得者にも課税をするということになりますことは、そういつた勤労世帶主に対する大きな税金の面から家計の膨脹となり、さらに生活を圧迫するというような実態が、どうしても生れて来るのではないかと思うのでありまして、この均等割の問題について何らかの原則を持つて臨んで、そういつた実際面についての特別な考慮があまり拂われていないと私は感ずるのでありますけれども、大臣はそういつた現実的な面に対して、何らか考えるという気持はなかつたかどうか。また均等割というものが人頭税的であることは、問題としてあまり好ましい問題ではないと思つておるのでありますが、その点についての御見解を一応お尋ねしておきたいと思うのであります。
#163
○本多国務大臣 これは地方税が応益的性質を加味しておるという点を特に考えるのでありますので、やはり負担にたえる程度の低い均等割というものを設定して、そしてこれによつて負担の均分をして行くということが、地方財政確立のために適当であろうという見解のもとに、かように改正いたしたいと考えておる次第でございます。これは人頭税的であるというお話でありますが、まことに成年者にとりましては、生活救助等の例外的な免税の人たちを除きますと、人頭税的でございます。これは結局所得のない家族の分はその世帶主がやはり負担するということになるでありましようが、ただこういう計算方法によることと、従来の戸数割等と比較いたしますと、これは負担もかえつてこの方が均衡がとれるばかりではなく、家族の所得が合算されて累進率で課税され、それを標準として今日までの住民税がかかつていたということと比較いたしますと、この方がかえつて家族が何人もで働いていたという少額所得者の今までの合算に比べて、負担も軽減されるわけでございます。
#164
○川島委員 私はそういうふうにちよつと考えられないのであります。現実の問題をとらえてみますと非常に少額所得者の世帶にとつては大きな負担とたつて参りまして、生活の困難とむしろ倍加するようなおそれがある均等割だと考えておる。持に今度の地方住民税によりますと、たとえば一箇年十万円の所得のある者で国税においてはなるほど三千円くらいは所得税が軽減されるような形になつておりますが、住民税によるとこれがまた新しく二倍半以上になりまして、そのために千四、五百円というものを新たに一人ずつ負担する。その上にまたせがれさんとかまた娘さんが働いておりますと、それにもかかつて来る。そうしてしかもそれは所得割と合せて均頭割がかかつて来るというようなわけで、実際においては、政府は国税において軽減され、地方税において増税にはなるが、全体的に軽減になるのだという説明をしばしば強く繰返しておるのでありますが、個々の実態につきますると、かえつてその負担が重くなるという矛盾した結果を見るような場合もあるのであります。ことにまた最近における賃金は言うまでもなく、一昨年の七月の物価基準にのつとりましての六千三百円ベース、そういうベースがくぎづけになつておる。くぎづけになつておるほかに最近における一部の特殊なものは物価は値上りを示している。そういつた家計費の膨脹等を勘案して、さらに今度の全般的な住民税その他を勘案いたしますと、大よそ逆に生計費は著しい膨脹をいたしまして、勤労大衆の生活の困難が加重されて来るというふうに計算は成立つて来るのでありますが、そういう面について大臣及び政府は、あくまでもこれは減税であつて、国民の負担は確かに軽減され、そうして勤労大衆のいわゆる実質賃金の充実になるのだと説明いたしておりますが、はたして事実上そういうことが実現されるのだというかたい確信と見通しを持たれておるのかどうか、その点について重ねて明らかにこの際説明を願いたいと思います。
#165
○本多国務大臣 これはきわめて特殊な例をお引きになりますと、今回の減税に比例しての税の軽減にならない人も生じて来ようかと存じますが、これは従来の不均衡を是正するという点から、そういう一律に行かないのはやむを得ないことと考えております。しかし総体的に見ました場合、負担が大小はあつても軽減し、さらに今日までの不均衡を是正してよくなつて行く、非常に合理的な税の負担になつて行くというふうに考えております。
#166
○川島委員 たとえば個々のことではなくて、九万から十万円くらいの所得を持つております勤労者の実態を見ますと、二十四年度の税額を主体として今度の市町村民税をとることになつておる。従つて今年度の税額であれば若干の軽減になるのでありますが、ことしに限つて前年度の税額を基礎として地方税も納めなければならぬ、こういうことを計算してみますと、大体十万円の勤労所得者でわずかに一箇年を通じて四百円か五百円の軽減にしかならないという計算となつて来るのではないか。しかもただいま申し上げましたように、一般の配給物資の値段というものは上つております。それからきた汽車賃も、最近では電気、ガスあるいまた私鉄の運賃等も上ろうといたしておる。こういつたことを考えますと、一箇年四百円ぐらいの実質上の軽減が、はたして勤労大衆にとつて実質賃金の充実になるかどうかという問題であります。政府は今度の国会の冒頭におきまして、賃金は上げない、しかしながら減税その他において等質賃金の充実をはかつて、できるだけ賃金の低下を防いで、勤労大衆の生活の安定をはかるのだ。こういうふうにしばしば言われておるのですが、実際には今度のこの地方税においてもそういうことを考えると、少しも実質賃金の充実にならないということが、たとえば今の十万円の所得者の例をとつても、きわめて明らかになるような実態にあるのであります。その点について個々の現象においてというのでなく、私は普遍的な十万円程度の所得者をとらえて見ただけでも、そういう形になるのだということを、私は計算の上ではつきりわかつたのでありますが、それでも大臣におかれましては、この地方税の改正によつて、実質賃金の充実が政府の考えておるように可能なのであるか、実現できるのかどうかという点については、私は非常な疑問を持つておりますので、重ねてその点をお尋ねしたいと思うのであります。
#167
○本多国務大臣 これは生活費の全般的なことから実質賃金の向上ができるかできないかということになりますと、いろいろ見方の相違やまた意見の相違等から、非常に多岐にわたるお話になりますので、私といたしまして十分な研究もありませんし、ここで御答弁するのは差控えたいと存じますが、国税、地方税を通じての税負担の面からは、負担はおしなべて大体において軽減をされ、勤労所得については大体増税になる人は、個々の納税者についてもないと存じておりますが、しかし事業家にとつては負担変動の緒川果、あるいは従来よりも多くなる方があるかと思います。そういう関係でございますから、税の面から来る実質賃金への悪影響というものは、国税、地方税を通じての今町の改正からはないものと考えております。
#168
○川島委員 私は税の面を通じて実質賃金に悪影響を及ぼすという意味で言つておるのではなくて、政府の国民に声明したように賃金は、ことに公務員の賃金はくぎづけだ、改変はしない。しかしながら減税その他によつて実質賃金の充実を期するのだ、こう天下に声明をいたしておるのであります。ところが今申し上げましたように十万円内外の所得者で、しかも扶養家族一、二名の者でも実際の地方税と国税とを勘定に入れて計算いたしますと、わずかに一箇年四、五百円の減税にしかならない。それをもつてしてもなおかつ実質賃金の政府の天下に声明した通りの充実になるということが言えるのかどうか、私はそういうことはあまり言えないのじやないかということをお尋ねしているわけであります。
#169
○本多国務大臣 御指摘の十万円程度で二、三名の家族の税が、中央、地方を通じてどれくらいの軽減になるかという資料についてただいま御説明申上げます。
#170
○奧野政府委員 川島さんが所得税と住民税の関係でお話になつておるようでありますので、その比較を申し上げます。勤労者で所得額が十万円扶養親族を二人といたしますと、昭和二十四年度の所得税は一万千四百円であるのに対しまして、二十五年度は七千二百円となりまして四千二百円の軽減になります。これに反しまして住民税が七百五十円であつたのが、二千六百五十三円になるので一躍千九百二円ふえます。しかしながら差引きまして二千二百九十八円の減になるわけであります。
#171
○川島委員 政府の声明をいたしました実質賃金の充実の方策の一つとして、税制の改正を強く取上げて、それを誇示しておるわけでありますけれども、実態の面において、ことに勤労大衆にとつては、この国税及び地方税の両改正を通じてだけでは、政府の言う通りの実質的な賃金の充実にはならぬというふうに実は考えておるものであります。そこでさらにお伺いいたしますが、この市町村民税の中で、国の方から生活保護その他を受けておる者は除外されるようでありますけれども、單に生業扶助あるいは医療の扶助その他一時的な扶助を受ける者は、市町村民税はとるぞというふうになつておるらしいのであります。そういう一時的であつても扶助を受けたければならぬ階級に対してまで、市町村民税をかけなければならぬというこの考え方に対しまして、私は非常な疑問を持つておるのでありますが、どうしてそういう方面には除外せずして、この住民税をかけようという原則を立てたかという根拠を、私はお尋ねしておきたいと思います。
#172
○奧野政府委員 市町村民税を課しない者の中に、前年において所得のなかつた者、それから生活扶助を受ける者というふうな規定を置いております。今お話になりました医療費が非常にかさんだといいました場合には、それらは收入金額から経費を落される。従つて所得が非情に少くなる、ある場合にはマイナスになるだろうと思います。自然所得がありませんと課税しないので、結果において今川島さんの御心配になつておりますようなことは、市町村民税の非課税の中に入るのではないかというふうに考えております。
#173
○川島委員 さらに市町村税の方で固定資産税については、三万円の免税点があつたのではないかと記憶いたしておりますが、この三万円程度の免税点を設けたという根拠はどういうのですか。
#174
○奧野政府委員 固定資産税の免税点を押えた根拠でありますが、現在の地租におきましては、土地の賃貸価格の五円未満は課税しない。また家屋税につきましても、家屋の賃貸価格五円米満には課税しないことにいたしております。今回土地や家屋の課税標準を価格にかえます際に、さしあたり賃貸価格の九百倍の数字をとることにしております。従いまして土地につきましては五円の九百倍の四千五百円、家屋につきましても四千五百円新たに資産が加わつたわけでありますから、全部合せますと一万五千円内外、それを若干引上げるという方針をとりまして、二借程度の三万円というところに線を引いたわけでございます。
#175
○川島委員 その免税点を五万円くらいに引上げたならば、税收はどのくらい違つて来ますか。
#176
○奧野政府委員 実はこの免税を三万円にきめましたところが、市町村方面から非常な反対が出ておりまして、それでは山林を持つておるような人たちにはほとんど固定資産税がかからぬようにたるのではないか。事実山林の所有者の名義を家族何人にも割つているとか、あるいはまたそういうものを相当多くの町村に分散して持つておるというふうなことで苦情を開いておる次第でございます。今五万円に引上げた場合にどれだけ減收になるかというれ請でありましたが、私はそういうことにいたしました場合には、固定資産税をのがれようとする人たちが非常に多くなるのではないか。またそういうことがかなりやりやすくなりまして、その結果減收額が非常に大きな額に上石のではないか。だからわれわれは固定資産税というふうな物税的な免税点は、できるだけ低い方がいいのではないかという考え方をしております。これは固定資産課税台帳の上に登録されました所有者を所有者として課税して行くものでありますから、分散が自由であります。従いましてあまり大きな額にいたしますと、のがれられる部分が大きくなるということを心配しておわけであります。
#177
○川島委員 この固定資産税の実施によりまして、必然的に地租、家屋の税が増徴され、結局それが原因となつて家賃等の値上げが必至の勢いとなつて、もうすでに全国的に家主はその用働をしたり、あるいは実際にもう値上げの交渉をしておるという実際面があるのであります。はなはだしきは一躍三倍くらい家賃を上げるというような交渉を無謀にもやつておる面さえも現われておりますが、この固定資産税に伴う家賃等の値上りに対して、政府はいかなる特別な措置を講ずるつもりか、その点をもあわせて承つておきたいと思います。
#178
○奧野政府委員 固定資産税を創設いたします結果、地代、家賃に響きます関係というものは、固定資産税が課税標準を賃貸価格に置きます関係上、賃貸価格の高い家屋、いいかえればいい家屋におきましては、この影響が割合大きいわけであります。しかしながら賃貸価格の低い家屋におきましては、言いかえれば悪い家屋におきましては、その影響は割合少いということが言えるわけであります。しかし一応標準的な東京におきます例について見て行きますと、ほかの要素は全部そのままにいたしまして、固定資産税の影響だけを見て行きますと、固定資産税の関係だけでは現在の統制地代、家賃は約九割増になります。あとの面をどう見るか、管理その他の経費の値上りをどう見るかということで、その倍数が加わつて来るわけでありますけれども、現在の地代、家賃の統制をもし継続して行くならば、現在の統制額はある程度改訂したければならぬというふうに考えるわけであります。
#179
○川島委員 すでに実際の面としては家賃の引上げ、あるいは地代の引上げ等の具体的な交渉が、東京でもそうでありましようが、全国的にもう行われております。そして非常に無謀な家主なども今日実際に現われておる。そういうことを放置されておりますと、せつかくの政府の減税政策も、結果においては、家賃一つだけの値上りによつて、勤労者にとつては大きな負担となるおそれが、十分今日のところ実際面においてはあるのであります。従つて政府は家賃、地代等の無謀な引上げに対する特別な強制的な措置が相併行しなければならぬということは、当然言えるのではないかと思うのであります。その事柄についてどのような用意があるか。その具体的な用意について承つておきたい。
#180
○本多国務大臣 お話の通り、固定資産税が家賃に及ぼす影響は相当なるものがあるのでございます。しかしこれは戰後の低い家賃統制令の公定賃率程度のものをとつておるところにおきましては、今度かかります固定資産税の増徴分だけは、公定家賃を引上げて示さなければならないことになると思います。但し戰後相当高い家賃を拂つて、公定以上のものを拂つておるものにつきましては、不当な家賃の値上げを抑制いたしまして、公定によらしめるように改正しなければならぬと思います。そこでは家主自体においてこの税金の程度吸收できるものも相当にあると思います。この家賃統制令の実施の取締りにつきましては、それぞれ地方当局において力を入れて行くことになつております。
#181
○川島委員 政府としてはそういうことを考えられて行くことは当然でありますが、実際の面におきましてはそうならない。昔からある公定家賃的なものなんというものは、ほとんどこれはおとぎ詰みたいなもので、この実例はきわめて微々たるものだ。大体において統制の上からいえばみなやみ家賃であります。やみ家賃の上にさらに高額な値上げというものかどうしても行われてれるのである。そういうことになつて、さりとて借家人はよそに行く方法もございませんから、結局はその不当な要求に対しても泣寝りせざるを得ないことになる、そうなるとそれが直接勤労大衆にとつては大きな生計の痛手となる。少しくらいの税金の軽減を実施されましても、実際の生活の面においては逆にそれがために負担の増となり、生計を困難に追い込んで行くということは、実際問題として非常に多いのであります。そういうことに対しては、ただ單に取締りを励行するという言葉だけであつては、私はそういうことは防止はできないと思う。今回に限つて地方税の大増徴があるのであります。しかも実屋税の二倍半以上の増税を機会として、それを名目として一斉に行われようとする家賃の値上げに対して特別の措置がなくんば、勤労者の生計というものは絶対に擁護できない。こういうふうに強く考えておるのでありまして、従つてこの機会には何らか特別の措置が必要であるのではないか。そうでなければ私は勤労大衆にとつては一大脅威となるのではないかと強く考えるのであります。その点を強く私は感じておりますがゆえに、この点はぜひとも国務大臣としていずれ閣議におきましても十分な検討の上、特別な措置を必要とする。こういうふうに私は思うのであります。
#182
○本多国務大臣 御心配の点はまつたく同感でございまして、研究をいたしまして、適当な特別の措置を講ずるようにいたして行きたいと存じます。
#183
○川島委員 最後にお尋ねをいたしますが、今度道府県税、市町村税で大分廃税になりましたものがあります。まことにけつこうなものがあるが、一考を要すべきものがあるのではないかと思うのであります。たとえば道府県税の中で廃税になりました不動産取得税、私どもはこの不動産取得税はある程度とつてもよろしいのだという考え方を持つておるのです。但し中小企業者の店舗あるいはまた一般勤労大衆の住宅、こういつた今日の物価で申し上げますれば、その不動産の取得する価格が二十万ないし三十万程度のものは、これは当然取得税などをとるということはやめなければなりませんが、ことにぜいたくな高級な住宅等、あるいは芸妓屋あるいは待合、あるいは高級な奢侈的な料理屋、そういつたものも、かなり今日諸方に建設をされて行く向きが多いのであります。こういつた方面の不動産取得に対してはやはり負担の力があるものと見まして、一定の税率をかけて、やはり不動産取得税というものは存続すべき性質のものではないか、こういうふうに私どもは強く考えておるのでありますが、その点についての御所見を承りたいことと、ついでにさらに市町村税の方におきましては、金庫税、あるいは使用人税、あるいは余裕住宅税、こういつた問題のごときも、これはやはり一般大衆以上の生計実力、生活力を持つた者のみが大体において所有するものであります。こういつた方面については、やはりある程度免税点は設ける必要があれば設けるといたしましても、存続をする方が私はよかつたのではないか、かように考えるのでありますが、大臣のこれに対する御所見を承りたいと思います。
#184
○本多国務大臣 不動産取得税につきましては、住宅の拂底のときでもありますので、やはり建築を促進するというような意味においても、不動産取得税を新築した者に課さない方がよかろうという政策的見地からであります。いま一つは他に讓渡して、その家を十分に活用させたいというような場合にも、讓渡に重い税金がかかるということによつて、そうした建物の活用ということが阻害されることにもなりますので、そうした見地からこの二つの理由が主となりまして、今回廃止されることになつたものでございます。さらに余裕住宅税の話でございますが、そうした点は今回の固定資産税というものが相当重くなります点から、でき得る限り自分の生活の規模に合うような住宅に住まわなければ、税負担の点で牽制されることになつて行くように考えます。
#185
○川島委員 不動産取得税については、私どもはどうも今の大臣の考え方と違りのでありますが、これは保留します。そこでこの不動産取得税が出ましたからお伺いをしておきたいのですが、この取得税は二月一ぱいをもつて廃止されたわけであります。ところが三月中に、しかも二月の中旬に建築のしたくを始めた、そうして二月中に建前が行われた。まだ三月に入つても、実際は住宅らしいもののかつこうさえできておらぬというような状態のものにまでも、目下地方におきましては、やはり不動産取得税を総ざらい的にかけて非常に必死の努力をやつておりますが、法の遡及しない。という原則的な建前から行けば、そういうものにまで取得税をかけるということは、ちよつと常識的にも納得できないものがあるのでありますが、そういう経過的な問題につきましては、政府はどのように地方に対して指導しておりますか、その点についての見解を明らかにしていただきたいと思います。
#186
○奧野政府委員 不動産取得税は三月一日から廃止されておりますので、二月末日現在において、不動産取得税の対象になるかならないかということが、課税の限界になるわけであります。従いまして二月末現在におきまして、家屋でありますと、その家屋が不動産と言える状態に置かれているかどうかという問題になるわけであります。従来不動産と言えるかどうかということにつきましては、いろいろの判例がございます。その判例をかいつまんで申し上げますと、たとえば屋根をふいた、それだけでは不動産とは言えない、しかしながら半面に荒壁を塗つた。中にはまだ疊は敷いてない。しかし疊を入れれば住まえるようになつている。これはもとより不動産と言える。こういうふうな見解がいろいろ判例に出ているわけであります。この判例を示しまして、これらを標準にして、判断をするようにというような趣旨の通達を出しております。あくまでもそれは府県が課税すべきであるか、課税しないでおくべきか、行き過ぎをやつてもいけませんので、従来の判例から徴しますところの判断の基準を示したわけであります。
#187
○川島委員 これは地方自治庁の方から訓達が出ているようにも私は聞いておるのですが、至るところで問題となつているのであります。たとえば私の最近知りました事柄でありますが、農村におきまして納屋をつくつた、納屋も農村のことでありますからかわらぶきなどで納屋をつくつた。それで屋根だけはふいた。それは二月末なんです。三月の今日になりましても、まだ全部できておらないというにかかわらず、屋根だけ張つたからというので不動産取得税をとる。この納屋は大体二十万円ぐらいであるから四万円納めなければならぬというような、これもきわめて簡單に地方の税務官がそれぞれ点検してやつておるのですが、こういう今のような建前をして屋根だけをふいた。しかし何もほかにはまだ工作がされておらない。こういつた建物に対しましても、不動産を取得したものとして二割の課税をするという訓達になつておりますかどうか、その点はいかがですか。
#188
○奧野政府委員 ただいまも申し上げましたように、屋根だけをふいて壁も何も塗つてないというものは、従来不動産とは認定しないという判例がございます。これに反しまして荒壁を塗つただけで、床も敷いてなければ疊も入つてない、しかしながらこれを不動産と認定した判例がございます。実際問題といたしまして、具体の例に当つて参りませんと、抽象的な言葉ではなかなか認定がつきがたい問題がたくさんあるだろうと思います。従つてそういうことで摩擦を起してはなりませんので、全国に従来の判例を示したわけであります。しかし将来にもし不都合な点がありましたら、われわれといたしましても、なるたけ課税を適切にやつて行かなければなりませんので、お教えを受けまして適当な処置をいたして参りたいと考えております。
#189
○菅家委員長代理 ちよつと川島さん、あなただけですでに二時間以上経過するのですが、まだたくさん通告があるのであります。あなた一人でおやりになつてはどうも連合審査が成立たないと思いますから、その辺でどうですか。
#190
○川島委員 あと一分間で終ります。今私が申し上げたのは、單なる一例の納屋の問題ですが、実際問題として至るところにこれは起つておりまして、事件になつております。それで弁護士などに相談をしたり、鑑定を願つたりしている人たちも多いのであります。また弁護士の方から聞くと、いわゆる法律というものは遡及せざるという本乗の建前である、従つて二月中にかりに大半でき上つても、住めるまでに至つておらないのは、それは法律がなくなつたのだから課税の対象にはならない、そして新しい問題でこれは処理されるべきではないのだ、こういうふうな鑑定をする人もおるのです。そういうことで地方民がますます迷つている。しかしながら一方では税務官がお百度を踏んで、強硬にこれは徴税をするという態度で臨んでいるということで、地方民がこの問題については少からず悩んでおります。従つて今までのような抽象象な訓達であつては、この問題の結末が容易でないと思う。もつと具体的に大体説明をして、この程度まではいかぬ、この程度以上のものはやむを得ないが税をとる、しかしその税をとるにしても、二月中にまだ半分もでき上りておらないものについて税をとるというのは、不動産としての価値においては、二月中にはまだ全面的に住宅としての価値が発生しておらない、それに対しましてもあるいは十五坪のものを二万円平均で三十万というものになると、そういうものはやはり法律がなくなつたのに、実際の建物、不動産の価値は、まだ半分きり工事が進んでおらない、あるいは請負人が請負つて、その請負人の引渡しが三月の半ばあるいは今日になつてもまだできないというような事態もあるのです。そういうことであつてもやはり建主は引渡したとき、あるいはしつかりでき上つたと同じような形の価位を判断されて、税金を納めなければならぬということになりますと、国民としては、常識を持つておる者ではちよつと納得が行かないことになるわけです。従つてこういう問題について、もつと私は訓達をもつて具体的に親切に通達をして、しかも地方の税務官をして誤りのないように、また国民に不当、不要の迷惑のかからないような形に、指導すべき必要が目下のところあるのじやないか、こういうふうに私は思いますので、どうぞ十分の留意をされまして、重ねて具体的な通達を出して、課税の円満を期せられるようにお願いしたいと思うのであります。
#191
○菅家委員長代理 質問の通告者がありますので、なるべく関連質問は簡略にお願いいたします。
#192
○玉置(信)委員 私は先ほど夏堀委員から質問され、それに対する国務大臣の御答弁に対して、重ねて重要な面を三つばかりこの機会にお伺いしておきたいと思います。その質問に入る前に漁業に対する固定資産の対象となる物件範囲、それから先ほど政府委員の御答弁のうちに、自家労力による漁業に対しては三分の二以上云々ということがありましたので、これをまず先にお伺いいたします。
#193
○奧野政府委員 総労働の延日数のうちの三分の二以上が自己あるいは同居の親族の労働によつて営まれたのは、これを自家労力として課税しないようにいたしたいと思います。
 なお漁業に関します固定資産税の課税の範囲の問題でありますが、その水産業者が持つておりまする物を資産といたしまして、それの減価償却費を所得の計算にあたりまして、必要な経費として控除を必要といたします限りにおいては、それは課税の対象になりません。
#194
○玉置(信)委員 持つている物という種類はどういうものでありますか。
#195
○奧野政府委員 船舶、舟、漁具等みな入るわけであります。しかしながら必ずしも減価償却を必要としない非常にこまかい、いわゆる備品に類するようなもの、器具に類するようなものがたくさんあるだろうと思うのでありますが、その際に業者がそれをあえて必要経費として主張しない場合、つまりこまかいものにつきましても、課税するためにあさつて行くということは、おもしろいことではありませんので、そういうものにつきましては、耐用の年数が三年以上のものである、さらに一組または一個の価格が一万円以上のものである、こういうふうなところから課税対象として捕捉するように指導して参りたいと考えております。
#196
○玉置(信)委員 先ほど夏堀委員の御質問に対する本多国務大臣の御答弁のうちに、農業に対する附加価値税を免除したその基本的な問題として、生産資材である土地が固定資産の対象として非常に重きをなして来るから、これを免除したというがごとき御答弁であつたように私は拜聽いたしたのであります。そうしますと漁業経営の面におきましては、ただいま政府委員の御答弁がありましたように、小さな舟、漁具一万円以上のものに対して対象となる以上は、漁業の面に対しては相当な固定資産税を負担しなければならないものがあるわけであります。たとえば漁業は企業でありますが、今日中小漁業の両におきまして、小漁業の部類に属するところの一人か二人で舟をこいで漁業をする舟、昔は五百円か八百円でできた舟が今日五万円も六万円も建造費がかかるのであります。それから中漁業におきましても定置漁業に使うところの、たとえば北海道のにしん漁業のごときわく船一つつくりますのに、これまた今日では三十万余もかかるというような状態であります。また小さな発動機船十二、三トンから十四、五トンのものをつくるにいたしましても、八十万円から百万円はかかる、あるいは百二十万円かかるというような状態である。しかもこうした高額な漁業資材を要し、しかも沖へ出ますと、農業のような安全感を持つてその経営に当ることはできないことは御承知の通りであります。板子一枚上におきまして生命を賭して働いているのが、昔から今日に至りましてこの漁業の実態でございます。しかもまた一年のうちには数回暴風雨にさらされまして、人命を落す場合が非常に多い。これに比較いたしまして、農業経営の面におきましては、もちろん凶作もございますが、これは何年目にか遭遇する事態でありますが、漁業におきましては一年に数回遭遇するという危険な企業でございます。
    〔菅家委員長代理退席、川西委員長代理着席〕
こうした面を考慮せずして、この漁業に対する附加価値税を賦課するという法律をつくたように私は思うのでありますが、この立法の衝に当られた方々には、先ほどの御答弁によりましては、すこぶるあいまいでありましたが、はたしてかくのごとき実態について、精密なる科学的な調査に基いたデーターによつて、こうした法案を出されたものであるかどうか、この点をまずお伺いしたいのであります。
#197
○奧野政府委員 固定資産税は物に対する課税でありますので、なるたけ一律な課税の方針をとりたいということを根本に考えておるわけであります。従いまして、水産業を行う人たちにおきまして、固定資産税である程度負担が加わつて参る人もあることは事実でありますが、全体の問題として御了解を願わなければならないと思うのであります。反面現在行われておりますところの船税、船舶税、こういうものは固定資産税との関係において廃止することにいたした次第であります。ことに法定外の独立税といたしまして、漁具税等を起している団体が相当多数ございます。こういうものを全部やめさせる方針をとつているわけであります。
#198
○玉置(信)委員 附加価値税の問題であります。その点について、先ほどの御答弁によりますと、船舶、漁具は固定資産の対象となるというような御答弁でありましたが、ただいまのお話では、それは全部対象にならぬというのでありますか。
#199
○奧野政府委員 私のただいま申し上げましたのは、船舶税や船税をやめまして、反対に船舶や船に対して固定資産税を課税する、こう申し上げたわけであります。
#200
○玉置(信)委員 そこで私はそうした固定資産税を、農業経営の面以上の大きな負担をする漁業に対して、附加価値税を課税することは、はなはだ矛盾でないかという附加価値税の問題を根本として当局にお伺いしたのでありますが、大臣から御答弁を願いたいと思います。
#201
○本多国務大臣 これはさいぜん申し上げました通りに、農業者に対する固定資産税の負担が相当急激に重くなるという点、今の漁業者にとりまして、相当の固定資産税がかかるわけでございますけれども、船舶、漁具等の税を廃止するというようなことで負担の均衡をはかる、この固定資産税の及ぼす影響が農業は漁業に比べて、相当大きく影響するというその均衡の問題から、かようにいたした次第であります。
#202
○玉置(信)委員 先ほどの夏堀委員に対する大臣の御答弁とただいまの御答弁と、どうも私ども実際のその面に携わつている立場から見ると、はなはだ満足できない御答弁でありますが、これ以上時間もありませんのでやめます。要は、先ほど夏堀委員からも申されましたごとく、この中小企業に属する漁業家は、大臣の御答弁と反対に、私は夏堀委員と同じ意見を持つものであります。大企業、独占企業というようなことがしばしば言われておりますが、中小企業は大企業と違いまして、大企業は他に転嫁する面がございますが、中小企業におきましては、他に転嫁する何ものもないわけであります。従つて今日の経済情勢下において推移するならば、立たないものは壞滅に瀕してもいたしかたないという政策をとるならば、現内閣の方式といたしまして中小企業の振興救済に重点を置こうとして目下力を入れんとしつつある現状から考えますときに、こうした中小企業を、しかも今日の食糧供給の重大な使命を果しつつある漁民大衆の窮乏を救うということが、喫緊の要事でなければならぬと思います。従いましてこうした線に沿いまして、私ども委員会といたしましては、相当の案を持つておりますので、後刻これを書面等によつて提出いたしまして、大臣の格別な御検討をお願いしたいと思うわけであります。
 なお自家労力による漁業の問題でございますが、これもただいまの御説明の範囲によりますと、おそらく一人か二人乗りだけがこの附加価値税を免除されることになりまして、十二、三人も乘つて漁業経営をするというものは、ことごとく附加価値税の対象になる。そうしますと、ほとんど問題にならない数が免除されて、大多数の大衆漁民が附加価値税を課せられるという事態になるわけであります。こうした点も農業経営に比較いたしまして、非常な矛盾がありますことは、私ども書面をもつて提出いたしました上で、特に御検討されまして、できることならばひとつ修正に応じていただきたいということを、強く要望いたしまして私の質問を打切ります。
#203
○川西委員長代理 次は大蔵委員の小山長規君。
#204
○小山委員 簡單に一、二点お伺いいたします。まだ皆さんから御質問の点がありませんので伺いたいのでありますが、大臣は新聞その他で見るところによりますと、地方税の税率引下げについて非常に奮闘されたように伺つておるのでありますが、しかしそのかいもなく、このような法律が出て参つたのであります。一体幾ら地方税をとれば十分であるというような一応の目安はあるのでありましようか、それをひとつ伺つてみたいと思います。
#205
○本多国務大臣 お話の通り、これが最終的決定に至りますまで、司令部方面と税率の問題について折衝いたしました。この税率をいかにきめれば適当であるかということは、地方の財政計画によります予定收入と各税率による税の見積りとの関係で、ここにできれば調整ができたわけでありますけれども、この地方税は千九百億程度確保するということを、地方の財政計画の点から方針といたしております。従つてそのわくのうち、シャウプ氏もそれぞれ今回の新税について見積額のわくを調査してきめておられるのでありますが、私どももそのきめた税の見積額はそれぞれ適当であると考えております。附加価値税におきましては四百二十億程度、固定資産税におきましては五百二十億程度、それから住民税については五百七十五億程度、その他雑税を合計いたしまして――雑税については、あまり問題の点はないのでありまして、一千九百億円程度というところがその目標でございます。それぞれの税種についてもう少し税率を低くしても、予定收入が得られるのではなかろうかという見地で研究をいたし、計算をいたしまして、折衝いたした次第でございます。さもぜんも申し上げました通り、大蔵省、自治庁、司令部方面の專門家等もそれぞれの見積りを持ち寄りまして、相談をいたしました結果、やはり結論として私どものいろいろ試みました計算は、基礎が薄弱であるという結論になつて、結局この税率によらなければ、歳入に欠陷を生ずるであろうということに落ちついた次第であります。
#206
○小山委員 そういたしますとこの税法によりますれば、制限税率というのがありまして、附加価値税の場合については最高八%あるいは六%というような制限税率がありますが、一体この財政計画あるいは標準税率等を用いましてやりました場合に、この制限税率をどの程度まで行けばとり過ぎだ、これは少し税金がとり過ぎになるというような限度というものがございますか、一応伺つてみたいのであります。
#207
○本多国務大臣 通常の場合でありましたならば、標準税率までで間に合う計画になつております。これは平衡交付金が参りますので、それと自分で標準税率程度の税收を上げれば、普通の財政計画、すなわち標準財政需要は間に合うことになると考えておりますが、ただ標準税率以上制限税率まで増徴するという場合は、財政上の特別な事由があるので、これは各自治団体それぞれに事情があるわけでありまして、その自治体内の住民の方々の総意で、税を少しはよけい出しても、こういうことをやりたいとか、あるいは少しく本年はしんぼうして、施設も延ばして、標準税率より下にしておきたいとか、いろいろそこの財政的な需要、そういう方面からの必要がある場合には、そういうふうになるわけでありまして、それらも勘案いたしまして、大体やはり上、下においての総計としては、千九百億程度標準税率を見積りました程度になるものと考えております。
#208
○小山委員 ただいままで伺つたところによりまして、政府においては、大体千九百億程度の税收が上ればよろしいとお考えになつておるようであります。そういたしますと、今度の税率については、各党とも少し高過ぎるのではないか、あるいは倍率が高過ぎるのではないかという意見があつて、それでただいままでのいろいろの質問が出たのであろうと思うのでありますが、しからば千九百億は確保できるという見通しがついた場合、当然にこの税法は改正される心組みで提出されておるのでありますか、それを伺つておきたいのであります。
#209
○本多国務大臣 私どもも千九百億の確保ができるという見通しがつきますならば、税率は低い方がいいと考えておるのであります。しかし今までの調査、研究によりましては、これを下げては確保できないという結論に到達いたしておる次第であります。
#210
○小山委員 私が申し上げましたのは、この税法を施行いたしまして、大体府県あるいは市町村で課税をやつて参ります。そうしますと、その推計のもとにおいて、年度末までには、千九百億を突破するであろう、あるいは何百億突破するであろうという推計が出たあかつきにおいては、改正税法を提案されるお心組みであるかどうか、これを伺つておきたいのであります。
#211
○本多国務大臣 これには来年度の地方財政計画、それと実績とを考えて、税率に考慮を加える場合があるかもしれません。しかし年度の途中で、あるいは課税標準を調査して、その地方の條例が固まります段階において、――固まりますということは、地方議会等にこれが付託せられた場合、課税標準を調査した結果が、相当見込みを上まわつた、従つてこの標準税率をもつてすれば、財政需要をまかなつて余りがあるので、いま少しく税率を引下げて課税したいというようなことがありました場合には、個々の市町村において、それは調整される場合も可能であります。政府といたしましては、この標準税率は、普通の場合ならばこれによるべきものとして、この税率を示すのでありまして、このことによつて、平衡交付金法における、各市町村の標準收入額というものを測定する基準にもなるのでありまして、この標準税率は普通の場合はこれによる、これによれば地方財政計画と一致するのでありますが、お話の通り実施の途中でもそういうことはできないことはないと存じます。すなわち、年度の途中で、地方団体において、非常にたくさんとれる見込みがありましたならば、税率を低くしておとりになるのも自由であります。但し附加価値税につきましては、年度の途中では税率がかえられないということを示されております。
    〔川西委員長代理退席、菅家委員長代理着席〕
#212
○小山委員 われわれがこの税法をどう扱うべきかということの前提としましては、われわれの感じとしては、これは高過ぎる、よいけとり過ぎるというような感じがするのでありまして、ただお示しになつた数字を前提とすれば、なるほどこの税率程度では、この程度の金額であろうと考えられますけれども、実際やつでみると、これはとり過ぎることになるのではないかという心配は、おそらく全国会議員が持つておるのではないかと思います。従つて確かにこれではとり過ぎるという推計が出た場合には、勇敗にこれは標準税率もお下げになるのであるという御言明があれば、われわれはこれに賛成するにやぶさかでないという気もするのでありますが、これはあくまでも今年中は、この標準税率はかえないというところでお進みになるのでありますか、はなはだ失礼ですが、重ねて御質問します。
#213
○本多国務大臣 これは全体の総計で出ておりますので、各市町村において事情が異なるだろうと存ぜられます。市町村において、この税法の標準税率をもつて算定したら、思いのほか税金が見積りよりも多かつたとか、あるいは少かつたとかいうようなものが現われて来ると存じます。そうした場合に、その税案の調節ということは、各地方議会でできようと存じておりますが、この政府の標準税率は、ただいま申し上げました通りに、これは一つの標準税率で算定するものでありまして、何らこれをもつて地方を拘束するものではないのでございます。地方の市町村の財政力を、この標準税率によつて一回算定してみるという性質のものでございますので、そうした多くとり過ぎるとか、少くとり過ぎるとかいうことは、各市町村のそれぞれ事情によつていろいろ違つた点もあろうと思いますので、そうした点は、各地方団体によつて調整され、考慮されて行くべきものではないかと考えておりますので、政府といたしまして、年度内に標準税率を、よけいにとれる見込みだからということでかえることは、現在のところ考えておらないのであります。
#214
○小山委員 伺いますと、政府の考えとしては、地方の財政計画と、それから平衡交付金の額とをにらみ合せて、ただいまのような御答弁をされたのであろうと思いますが、これから私がお尋ねしようと思う前提として、まず伺つておきたいのは、各府県別に地方税が幾らとれるか、あるいは市町村ごとに幾ら市町村税がとれるか、そしてそれに対して平衡交付金をどういうふうにして分配して行くかという数字並びに計画はできておりましようか。
#215
○本多国務大臣 ただいまのところ、府県別にまでは資料ができております。市町村については、総計ではできておりますが、個々にはまだ資料は準備しておりません。
#216
○小山委員 その府県別の資料はまだ御提出になつていないと思いますが、それをひとつ御提出願いたいと思います。
 私が、年度の途中において標準税率をおかえになつたらどうかと考えておりますのは、今度の税法によりますと、大企業を持たないところの府県、従つまた市町村。それから、農業のように、附加価値税を免除されているところの、農業をもつて立つところの府県あるいは市町村というものは、財政收入が、平衡交付金で補つても、なおかつ二十四年度の財政收入と比べて、相当足りなくなるのではないか。そういたしますと、それらの府県並びに市町村におけるところの附加価値税あるいは固定資産税の税率、あるいは住民税の均等割というものは、――これは今年は所得割は一割八分で押えられておりますが、来年度においては三つの方法があります関係上、住民税の所得割、これらのものに相当影響して来まして、貧弱な府県、あるいは財政力の貧弱な市町村は、すぐ隣の大企業を持ち、あるいは大きな設備を持つておるところの府県、あるいは市町村との間に、非常な負担の不均衡を来しはしないか、その場合には標準税率を引下げて、その余つた財政力をもつて、平衡交付金の方にまわすべきではないかというので、お尋ねしておるわけでありますが、今年度における平衡交付金は、貧弱なる、税收の大して上らない府県と、しからざる府県辺附加価値税なり、固定資産税なりの間に、大きな不均衡が起らないように配分されるようになつておるのでありますか、それを伺つてでないと、先刻の大臣の答弁には満足できないのであります。
#217
○本多国務大臣 お話の通り、標準財政費を支出するのには、その程度までのところは、いかにみずから財源の乏しいところでも、平衡交付金で補填されることになつております。平衡交付金の交付方法は、税の面におきまして標準税率で税收入額を算定いたします。従つて大きな固定資産等のないところ、あるいは営業等の盛んでないというようなところは、單純なる農村等でありますので、標準税率で算定いたしました標準收入見込額というものが小さくなります。しかし人口、面積等によります標準財政費というものは、人口による多少の段階はございますけれども、大体全国一律に標準財政費を算定いたします。その標準財政費と標準收入額とを比較いたしまして、不足部分は平衡交付金で補填されるという建前をとつております。従つて標準財政費の程度まででありましたならば、大体これで補填されますから、困らないことになります。しかし標準財政費による標準施設以上のことをやろうという場合には、それだけ自分の力のないところは不自由になろうと存ぜられます。ゆえに日本中どこに大きな税源があるといたしましても、それは全国の市町村に影響を及ぼすものであると考えてよかろうと存じます。
#218
○小山委員 時間がありますと、もう少し標準財政費とは何であるかということをお伺いしたいのでありますが、その中で一点伺つておきたいのは、大臣も去年南九州をおまわりになりましたから御存じでありましようが、非常に風水害の多いところであります。これらの従来負抗しておりました復興のための県債。これの元利償還金は、標準財政費の中に入つておりますかどうかということが一つ。それからもう一つは、先ほど私が申し上げた質問に対しまして、今度の標準税率で行つて、非常にとり過ぎや財政收入が多い県は、それだけ税率を減らせばいいというお話でありますが、そういたしますと、その隣の県あるいは市町村との間に非常な不均衡ができて来るかもしれない。これに対しては平衡交付金その他による調整方法が何らか講ぜられることになつておりますか、この二点をお伺いしまして、私の質問を終ります。
#219
○本多国務大臣 災害復旧のための起債の元本利子等につきまして、標準財政費の中に、平衡交付金算定の中に入れて行きたいと考えております。従つてそれだけ財政費用が多くなるということになりますから、その面も平衡交付金で補填されることになつて参るのでございます。
 それから各市町村間に、また府県の間に財政的な自主権を與えるという建前になつておりますので、府県間、市町村間において、財政上の特別の事由がある場合、標準税率をとる、あるは標準税率よりも下をとる、上をとるということになりますから、その場合の負担が同じでないという点については、いかんともいたしがたいところであると考えております。
#220
○菅家委員長代理 次に井之口政雄君。
#221
○井之口委員 大臣に五、六項目お聞きしたいと思います。先ほどから自由党の水産委員の方々が繰返しておつしやいます通り、とりわけ附加価値税の水産方面に対して課せられる部分は、水産委員会の小委員会においても反対しておるわけであります。そうして先ほどからるる述べられました点においても、明らかなことだろうと思う。水産委員の人たちも、專門的に詳しく調べて、これの不当を鳴らしておいでになる。農民に対しては、附加価値税が除去されておるのに、水産業に対しては附加価値税がかけられて来る。こまかなりくつは、いろいろ相違点をあげればありましようが、簡單に常識的に考えて、こうした遅れた中世的な企業に対して、税金をかけられるということは、実に不当と思うのであります。與党側の自由党の方々がみなこれに反対しておられるのであります。それであるのに、なおかつ政府は反対を押し切つてまでも、これを強行されようとするような御意思なのでございましようか。
#222
○本多国務大臣 政府といたしましては、この程度は負担の均衡を得るものと結論において考えておる次第でございますが、御承知のように漁業には自家労力による半農半漁というようなものから、だんだんあるわけであります。この漁業の面において、大企業となりますと、同じ原始産業とは申しながら、農業あたりとまつたく違う大規模なものになつて行くのでありまして、自家労力によるものを免税いたしまして、企業的なものに附加価値税を課するということは、農業の固定資産税が高くなつたことを考えますと、農業との負担の均衡上も、その他の企業との均衡上も適当ではないかと考えております。
#223
○井之口委員 政府ではそうお考えになつても、委員の方々自身がこれは不当であるというふうなことをみな異口同音に言つておられるのであります。それだのに、政府としてやはりこれを固執せられなければならぬのか。それはどういう根拠で、この委員の人たちの面子をつぶしてでも、どうしてでも、これを通した方がいいというお考えであるか。また水産方面はそういう重要な大きな負担がかかつても、これはまたいたしかたがない。倒れてもしかたがないというふうに考えておいでになるのかどうか。
#224
○本多国務大臣 これは意見の相違でありましようが、政府といたしましては、この原案をただいまのところ変更する意思はないのでございまして、これをもつて負担の均衡化ができると考えております。たとえば漁業につきましては、今日まで農業と違いまして、全面的に事業税等もかかつていたことも考えてみますと、事業税が全面的に廃止されるというようなところから、旧来の負担から行きましても、均衡であり、他の業種と改正税法について勘案いたしましても、均衡のとれたものではなかろうかと考えております。
#225
○井之口委員 海洋漁業に対しましては、なるほど至れり盡せりのいろいろの保護を與えております。しかもこの海洋漁業がむしろ最近は中の方に入つて来る状態にある。それで中小以下の沿岸漁業は、漁場を荒されて、そのためにほとんどその日の配給物さえもとれないという零細漁民が一ぱい出て来ておる。もしもここへ明確に、そういう方々に対してはこの附加価値税なるものはとれないというふうな何らかの政令でも出されるつもりかどうか。今のようにただ漠然と自家労力によるというふうにしておりましたならば、実際とられたつて反対するような法的の根拠も何もない。一体この附加価値税でもつて全体として従来の事業税よりは幾らくらい今度増徴になる予定でありますか。水産方面について特にお願いしたいと思います。
#226
○本多国務大臣 これは従来の地方の特別所得税、これは少額でありますが、地方税の事業税、これを二十五年に実施するといたしますと、六百五十億の收入が得られると考えます。それに対しまして附加価値税はこれと見合いの税として設けられるのでございますが、四百十九億の收入見込みでありますから、特別所得税、事業税をそのまま存置した場合に比べまして、事業家の負担はそれだけこの税では軽減されることができようと存じます。水産業のみの資料につきましては、今手元にはありませんので、調べましてお答え申し上げます。
#227
○井之口委員 一般的にはそうなるかもしれませんが、水産業の点についていずれ資料を出していただきとうございます。
 それからこの水産業につきましては、自家労力によつておるものに対しては、今課税しないという御方針だそうでございますが、たとえばどこかモデル地区をとつてみまして、淡路の辺の由良とか福長とか、これは漁業を主としておる町でございますが、そういうところをモデル地区としてとつてみて、そこで零細漁民として免税を受けるような人が何割くらいの程度に及ぶものであるか。数にして幾らくらいで、金額にしておよそ幾らくらいの見当になりますか。
#228
○奧野政府委員 水産の附加価値の問題は、ただいま計算をいたしておりますので、終りまでにできましたらお答えしたいと思います。
 それから自家労力によつて附加価値税が非課税になる範囲は、水産庁ともいろいろ話合いをしておるのでありますけれども、どの範囲まで附加価値税をとらないかという問題、企業的にやつておる形態をどの範囲まで見るかという問題でありますが、水産業におきましても雇用労力を使つておるという場合には、やはり同じような考え方を大体においてして行きたい。水産業の特性をいろいろ聞いてはおるのでありますけれども、やはり自家労力という面から考えてみましたら、やはり雇用労力というものは、自己または同居の親族によつて行います労働よりも、少くなければならないというふうな考え方をとつておるわけであります。
#229
○井之口委員 先ほどは同居の親族の方々と共同でやつておるような零細漁民に対しても、これは免除されるというふうなお話であつたのですが、それで確認してよろしゆうございますか。
#230
○奧野政府委員 同居の親族の労働も自家労力に入れます。
#231
○井之口委員 そのモデル地区で免除がどのくらいになりますか。
#232
○奧野政府委員 ただいまのお話、若干の資料は持つておるのでありますけれども、直接調べたものがございませんので、信を置きがたいので、ここではつきりお答えすることができません。
#233
○井之口委員 この地方税法は法律となつて、実行されて、四月から出て来るわけであります。そういう場合に実際適用してどういう結果に立至るかまだわからぬというふうなことを聞くのは、まことに意外の感を持つものであります。先ほども申しました通り、漁村の荒廃は非常に深刻なものであります。この上にもこういう重税がかぶさつて来るということは、当然徴税あらしが舞い込むことを意味する。国家におきましては、市町村の徴税費として増加額をどのくらい算定しておいでになるのでございましようか。
#234
○奧野政府委員 ただいま御質問のありました、一体どれくらい地方団体において徴税に必要な経費を考えておるかということですが、大体私どもといたしましては全地方団体を通じて六十億程度と考えております。
#235
○井之口委員 六十億の徴税費を国庫から援助して、まず何人くらいの徴税官をふやすおつもりでございますか。
#236
○本多国務大臣 国庫から補助するのではありませんで、地方の財政計画としては一応六十億くらいが新税のために徴税費が増加するであろう。財政計画全体の中に見込んでおるわけでございます。新税法施行のためにどれくらいの人員を増加しなければならぬかということにつきましては、大体府県において二千人程度、市町村において一万七、八千人の徴税職員を増加せねばならぬであろうと見込んでおります。
#237
○井之口委員 自由党政府の方針といたしましては、行政整理によつて官吏の数を減らし、税金の負担を軽くするというのが選挙のときでも、今日でも持つておいでになる政策と了解しております。それなのに有用な生産に携わつておる国鉄だとかあるいは郵便事業、そういうところから二万、三万という首切りをやつておきながら、税金の取立てという、まつたくこういう不生産的な官吏を、二万人も三万人もふやすというふうなことは、自由党の政策の本旨にそむくものじやないか。税金をとる税法そのものがすでに苛酷だから、むりやりな税金の徴收をしなければならなくなつて来るのではないか。しかも今度の地方税法によりますと、御承知の通り国税の徴收方法が採用され、非常な大きな権限をもつて、市町村の二十歳くらいの吏員が出かけて行つて、むちやな差押えでも何でもやる。はなはだしきに至つては女の身体検査までもできる。それも立会人のない場合でも可能だというふうな点がこれに規定されておる。そういうことになれば、漁村なんかにこうした執達吏がおもむいて来るということになりますと、必ず気の荒い漁民のことであります。そこにいろいろな不祥事が現われることは明らかであります。そういう点も政府は考慮の上に、こうした税法をお定めになつたかどうか、ちよつとお聞きしたい。
#238
○本多国務大臣 国家全体としての徴税費に関する財政負担ということは十分考慮しておるので“ざいます。何分にも全国ということになりますと、市町村の数が一万を越えるのでありまして、それだけのところでこの新税法を運営するためには、それぐらいの人手は必要なのではないかと考えられるのでございます。政府の方針といたしましてはお話の通り、でき得るだけ行政費を節約いたしまして、国民の税負担を軽減したい考えでございますが、またこうした新税法施行の際に徴税宮の陣容が整いませんと、国民負掛のその金高以上の迷惑を国民に及ぼすということにもなりますので、その程度のことは充実をいたしまして、円満なる税務行政が実行施行される。かように期待いたしておる次第でございます。
#239
○井之口委員 期待はたいがい越中ふんどしと同じで、前からはずれてしまうものですが、とにかく自由党の方々の多い水産委員会においてさえも、この附加価値税の不当であるゆえんが委員会において立証されておる。共産党といたしましてはもとより反対であります。全免を主張しております。こういうふうなものに対しては、あらためてもう一ぺん一考を煩わしていただきたいものだと思います。
 次に固定資産税ございますが、固定資産税も、今度従来の家屋税や地租というふうなものがこういう形になつて来た。これでさきの法律をもつてする場合と、今度の法律をもつてする場合において、漁家方面にとつては幾らぐらいの増加になるでしようか。その点の解説をちよつとお知らせしていただきとうございます。
#240
○奧野政府委員 土地や家屋につきましては、従来の地租や家屋税の負担と比べまして、大体二・六倍ぐらいになると見ております。償却資産の面につきましては、船舶税が区々にわたつておりますので、必ずしも一律に申し上げられません。従来の課税の仕方というものは、トン数によつて差別を設けておりまして、大体新船の建造費のトン当りを基礎にいたしまして、千分の一から千分の五までの課税をいたしております。今回は古い船舶になりますと、それだけ船価が安くなつて参りますので、新しい船と古い船とではかなり違つて来ると思います。船舶につきましては船舶取得税がかかつておつたのが、今度は船舶取得税がかからない。こういう計算もしなければならないのでありまして、若干重くなるわけでありますけれども、物によつて多少違う。こういうふうに思つております。
#241
○井之口委員 大企業としての漁業方面はそうでもありませんが、この法律によつて非常な損害を受けるのは沿岸の中小漁民であります。この点が非常に重要である。まず固定資産税にいたしましたところで、それのかけられる範囲が非常にあいまいである。第一海岸辺にありますところの網をかける道具、網をかけるいろいろなたな、こういうものにも税がかかつて来るのかどすることに一定いたしておりますけれども、二十六年以後は三つの方法を選択的に課税することができます。それは所得金額、あるいは所得金高から所得税を引いた税引きの所得金高、これらについては、その所得高による累進課税になつてはおりませんので、制限兜率の範囲内においてさような課税方法ももちろんさしつかえたいと考えております。
#242
○井之口委員 非常におもしろいことをお聞きしたのですが、国務大臣はやつぱり大きな所得があるものに対しては累進所得でけつこうだというお話であります。もとよりけつこうであります。ところがどうも今度は普通の所得税の場合にいたしましても、五十万円を越えてももう五割五分より上は累進しないようなふうに税制が改められておる。去年よりは、その方針から行くとどうもぐあいが悪い。これは逆行しておると思うのですが、大臣はそういういい考えを持つておられても、自由党の内閣においてはそれができないのではないか。先ほどの委員の方々が一生懸命になつて附加価値税の反対を叫ばれておいでになつても、これはどこかやつぱり今の政府はほかの所から命令を受けて、ほかの所で決定権を持たれて、そうしてどうにもこうにもできない、みんながいいと思うことをやれないというふうになつておるのではないか。どうでしよう。
#243
○本多国務大臣 累進税率にいたしましても、その累進税率がどの程度がいいかということは、これはまた別問題でございまして、今回改正を見まする所得税法のあの所得税につきましては、累進率程度が適当であると今日の段階においては考えておる次第でございます。これは自主的にやつているかいないかという御質問でありますが、この点につきましてはこれは司令部の容認をせられておりまする範囲内においては、極力自主的に問題を処理しておる次第でございます。
#244
○菅家委員長代理 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後六時五分散会することに一定いたしておりますけれども、二十六年以後は三つの方法を選択的に課税することができます。それは所得金額、あるいは所得金高から所得税を引いた税引きの所得金高、これらについては、その所得高による累進課税になつてはおりませんので、制限兜率の範囲内においてさような課税方法ももちろんさしつかえたいと考えております。
#245
○井之口委員 非常におもしろいことをお聞きしたのですが、国務大臣はやつぱり大きな所得があるものに対しては累進所得でけつこうだというお話であります。もとよりけつこうであります。ところがどうも今度は普通の所得税の場合にいたしましても、五十万円を越えてももう五割五分より上は累進しないようなふうに税制が改められておる。去年よりは、その方針から行くとどうもぐあいが悪い。これは逆行しておると思うのですが、大臣はそういういい考えを持つておられても、自由党の内閣においてはそれができないのではないか。先ほどの委員の方々が一生懸命になつて附加価値税の反対を叫ばれておいでになつても、これはどこかやつぱり今の政府はほかの所から命令を受けて、ほかの所で決定権を持たれて、そうしてどうにもこうにもできない、みんながいいと思うことをやれないというふうになつておるのではないか。どうでしよう。
#246
○本多国務大臣 累進税率にいたしましても、その累進税率がどの程度がいいかということは、これはまた別問題でございまして、今回改正を見まする所得税法のあの所得税につきましては、累進率程度が適当であると今日の段階においては考えておる次第でございます。これは自主的にやつているかいないかという御質問でありますが、この点につきましてはこれは司令部の容認をせられておりまする範囲内においては、極力自主的に問題を処理しておる次第でございます。
#247
○菅家委員長代理 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後六時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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