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1976/05/17 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 決算委員会 第23号
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1976/05/17 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 決算委員会 第23号

#1
第080回国会 決算委員会 第23号
昭和五十二年五月十七日(火曜日)
    午前十時四十分開議
 出席委員
   委員長 芳賀  貢君
   理事 天野 光晴君 理事 葉梨 信行君
   理事 森下 元晴君 理事 北山 愛郎君
   理事 原   茂君 理事 林  孝矩君
      井出一太郎君    宇野  亨君
      櫻内 義雄君    染谷  誠君
      谷川 寛三君    玉生 孝久君
      津島 雄二君    西田  司君
      早川  崇君    村上  勇君
      馬場猪太郎君    春田 重昭君
      中井  洽君    安藤  巖君
      永原  稔君    麻生 良方君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 坊  秀男君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房審
        議官      額田 毅也君
        大蔵省主計局次
        長       高橋  元君
        労働大臣官房会
        計課長     寺園 成章君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総局第一局長  前田 泰男君
        会計検査院事務
        総局第三局長  小沼 敬八君
        決算委員会調査
        室長      黒田 能行君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十七日
 辞任         補欠選任
  丹羽 久章君     玉生 孝久君
  野田 卯一君     谷川 寛三君
  塚本 三郎君     中井  洽君
  山口 敏夫君     永原  稔君
同日
 辞任         補欠選任
  谷川 寛三君     野田 卯一君
  玉生 孝久君     丹羽 久章君
  中井  洽君     塚本 三郎君
  永原  稔君     山口 敏夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十年度一般会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その2)
 昭和五十年度特別会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その2)
 昭和五十年度特別会計予算総則第
 十一条に基づく経費増額総調書及
 び各省各庁所管経費増額調書(そ (承諾を求
 の2)             めるの件)
 昭和五十一年度一般会計公共事業
 等予備費使用総調書及び各省各庁
 所管使用調書(その1)
 昭和五十一年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その1)
 昭和五十一年度特別会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その1)
 昭和五十一年度特別会計予算総則
 第十一条に基づく経費増額総調書
 及び各省各庁所管経費増額調書  (承諾を求
 (その1)           めるの件)
 昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書
 (その2)
 昭和五十一年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(その1)
     ――――◇―――――
#2
○芳賀委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の承諾を求めるの件、及び昭和五十一年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外三件の承諾を求めるの件、並びに昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)、及び昭和五十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を一括して議題といたしす。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。春田重昭君。
#3
○春田委員 私は、予備費の本質、またそのあり方、運用等につきまして、きょうは予備費の問題点のみにしぼりまして、最初にお伺いしたいと思っているわけでございますが、まず最初に、予備費の原則的な問題につきまして質問を展開してまいりたいと思っております。
 予備費の項目を分けてみますれば、既定予算の項目の額の不足を補うものと、既定予算の項目にはない項目を新設して、新たな予算を補うものの二種類があると思います。戦前の旧会計法においては、前者を第一予備金と呼び、後者を第二予備金と称していたわけでございますけれども、この点につきまして大蔵省の御見解をお尋ねしたい、このように思うわけでございます。
#4
○高橋(元)政府委員 御指摘のございましたように、戦前の旧会計法では、予備費につきまして二種類に分かっております。すなわち、旧会計法の九条に、予備費の規定がございまして、第一予備金と第二予備金と二つの種類の予備費を認めておったわけでございます。
 「第一予備金ハ避クヘカラサル予算ノ不足ヲ補フモノトス」「第二予備金ハ予算外ニ生シタル必要ノ費用ニ充ツルモノトス」ということでございまして、やや詳しく申し上げますと、会計法に基づきますところの勅令、旧会計規則によりますと、「第一予備金ヲ以テ補充シ得ヘキ費途ハ毎年度予メ勅令ヲ以テ之ヲ定ム」ということになっておりまして、いわゆる義務的な経費の補充に充てるということで、年度初めに勅令をもって費途を指定して、それに補充することを許したわけでございます。
 第二予備金の方は、いわゆる予算外支出でございますから、予算に計上された費途以外の費途に使用するということでございまして、その必要に応じて、いかなる目的にも使用することができるという差がございました。
#5
○春田委員 第一予備金と第二予備金というふうに呼んでいたわけでございますけれども、このように旧会計法で分類したのは、その取り扱いに差をつける必要があるということで、このようになったと思うわけでございますけれども、その点をもう一回確認しておきたいと思うわけでございます。
 つまり、第一予備金は既定予算の項目の増額でありますし、予算として項目という政策の議決を受けているわけでございます。それに対しまして、第二予備金は新しい項目、すなわち、新たな政策の追加であるということから、たとえ予備費として、一つの枠として国会の議決を受けているとしても、その使用については、第一予備金である既定の項目の上での使用と、第二予備金である項目自体の新設による使用とは、質的に完全に異なるものであると私は考えるわけでございますけれども、この点はどうでしょうか。
#6
○高橋(元)政府委員 これは旧帝国憲法まで、さかのぼって考えていただく必要があろうかと思いますが、旧帝国憲法の第六十九条では、予備費を設置する理由といたしまして、二つ書いてございます。「避クヘカラサル豫算ノ不足ヲ補フ爲ニ又ハ豫算ノ外ニ生シタル必要ノ費用ニ充ツル爲ニ豫備費ヲ設クヘシ」こうなっておりまして、予備費を使用する場合は、予算の不足、すなわち、既定の款項の額に不足を生じた場合及び予算の款項の外に、いわゆる予算外に生じたやむを得ざる費用に充てるためと、このように分けておったわけでございます。しかしながら、現在の日本国憲法の第八十七条及びそれを受けましたところの財政法の二十四条、これでは予見することのできない予算の不足に充てるために予備費を設ける、こうなっておりまして、二つの概念を包摂して、一つの予備費というものを構成しておるわけでございます。
 したがいまして、現在の財政法二十四条に基づきますところの予備費の運用といたしましては、旧帝国憲法または旧会計法で言っておりました第一予備金、第二予備金を合体したもの、すなわち、予算外支出と予算超過支出と、二つの概念がその中に入っておりまして、運用としては一体になっております。
#7
○春田委員 一体とはなっておりますけれども、この第一予備金的なものと、第二予備金的なものとの質的差異に基づいて、との取り扱いについても当然差異があるべきであると私は思うわけでございますけれども、その点はどうでしょうか。
#8
○高橋(元)政府委員 戦前の取り扱いで申し上げますと、第一予備金につきましては、先ほども申し上げましたように、勅令をもって費途が指定されておったわけでございますから、したがいまして、たとえば年金でありますとか、恩給でございますとか、賠償、訴訟費でございますとか、伝染病予防費、その他百余りの経費に使用し得ることになっておりまして、その費途に使用することが必要になりました場合には、各省大臣が要求書を作成して大蔵大臣の承認を経れば使用できたわけでございます。
 これに対しまして第二予備金は、繰り返し申し上げておりますように、予算外の支出を賄うに必要なものでございますから、金額、理由及び計算根拠を明らかにした要求書をつくって大蔵大臣に送付をいたしますと、大蔵大臣はこれを精査して「意見ヲ附シテ勅裁ヲ請フ」当時の言葉でございますから「勅裁ヲ請フ」ということが、旧会計規則で決まっておったわけでございます。
 したがいまして、予備費の支出につきましては、第一予備金の場合よりも、第二予備金の場合の方が重い形式であった。現在は、予算超過支出でございましても、予算外支出でございましても、財政法の三十五条の規定によりまして、各省各庁の長から要求がございますと、大蔵大臣が予備費使用書をつくりまして、これを閣議にかけまして、閣議をもって決定を経るということになっております。したがいまして、戦前の第一予備金と第二予備金の扱いにつきまして、第一予備金の方がやや簡易な形式を認めておりましたのに対して、現在では三十五条の三項で、大蔵大臣限り使用し得るという例外は認められておりますけれども、その点を除きますれば、現在の方が使用手続としては厳格に相なっておるというふうに承知しております。
#9
○春田委員 次に、国会開会中の予備費の現実の取り扱いは、どうなっているかを御質問していきたいと思っておるわけでございます。
 第一点は、五十年度の一般会計予備費使用総調費(その2)の閣議決定分とございますが、これは何件でございますか。
#10
○高橋(元)政府委員 ただいま件数は調べておりますので、後ほどすぐお答えを申し上げたいと思います。
    〔委員長退席、原(茂)委員長代理着席〕
#11
○春田委員 少なくとも閣議決定された分ぐらいは、ちゃんと記憶にとめておいてほしいのですがね。これは大事な問題ですよ。
 それから、その閣議決定の時期に相応する第七十七国会の開催された時期は、何年何月何日から何年何月何日までか、それは御存じですか。
#12
○高橋(元)政府委員 先ほど御質問のございました予備費使用の件数でございますが、これは二十二件でございます。
 第七十七回常会でございますが、五十年十二月二十七日に開会され、五十一年の五月二十四日まで会期が続いておりました。
#13
○春田委員 ただいま答弁のありました二十二件の閣議決定の時期と、この第七十七回国会の会期とは、どうであったかということでございますけれども、この二十二件は会期中であったかどうか、この辺お答え願いたいと思うのです。
#14
○高橋(元)政府委員 一般会計につきましては、五十年度使用総調書(その2)に掲載しております厚生省所管の環境衛生施設災害復旧に必要な経費、これが二月二十七日の閣議決定でございます。それから厚生本省、災害による廃棄物処理事業に必要な経費、これも国会開会中でございます。それから所管運輸本省、運輸省施設その他災害復旧に必要な経費、これが二月十七日で国会開会中でございます。それから建設本省、水防資材整備に必要な経費及び地方道路公社有料道路災害復旧事業に必要な経費、これも国会開会中の使用でございます。
#15
○春田委員 いや、私が聞いているのは閣議決定されたのが二十二件でしょう。この二十二件が、いずれも七十七回国会中に決定されたかどうかということを聞いているのです。件数を聞いているのです。
    〔原(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
#16
○高橋(元)政府委員 先ほどお答え申し上げました二十二件全部でございます。
#17
○春田委員 なぜこのような質問をするかと言えば、予備費の使用と国会の審議の重要性の問題につきまして、非常に関連があるということで私は聞いているわけでございまして、大蔵省から出た資料を見れば、これはすぐわかることでありまして、当然頭の中に置いていただきたいということで私は質問しているわけでございます。国会開会中は、補正予算の議決に要する期日は数日で済むという慣例になっているわけでございまして、私は勘ぐるわけでございますが、政府は結局めんどうくさいから、国会に補正として出すことを考慮しなかったのではないかという疑いを持つわけでございますけれども、この点、どうですか。
#18
○高橋(元)政府委員 先ほども申し上げましたように、予備費は予見し得ない予算の不足に充てるため、その必要があります都度、使用を決定いたしまして各省に配賦されるわけでございます。したがいまして、その予備費の使用につきましては、憲法で定めております予算の事前国会議決主義の原則の例外に当たりますので、運用につきまして厳格を期しておるつもりでございます。
 国会開会中に予備費を使用いたします場合につきましては、昭和二十九年四月に、閣議決定がございまして、国会開会中に使用できる経費といたしましては、義務的な経費のほかには「事業量の増加等に伴う経常の経費。」第二番目に「法令又は国庫債務負担行為により支出義務が発生した経費。」それから「災害に基因して必要を生じた諸経費その他予備費の使用によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急な経費。」「その他比較的軽微と認められる経費。」四項目にしぼっておるわけでございます。
 先ほども申し上げましたように、予備費使用総調書(その2)に出ております予備費というものは、大体国会開会中でございますが、その予備費の使用の理由というものは、そこでもごらんいただけますように、主として災害の復旧その他災害に関連して必要となった経費、それから義務的な経費に基づきます金額の不足を補充するための経費等々、この閣議決定の趣旨に従いまして、国会開会中の予備費の使用につきまして、厳格に自制をいたしておるところでございます。
#19
○春田委員 それでは、いまの質問と同じようなことでございますが、五十一年度の一般会計の予備費使用総調書(その一)にも閣議決定分が記載されておりますけれども、これは何件か御存じですか。
#20
○高橋(元)政府委員 いま至急取り調べまして、お答え申し上げます。
#21
○春田委員 これも調べてくださいよ、恐らくこれも即答できないと思いますから。同じく第七十八回国会の会期、いつから始まっていつ終わったかということ、さらに三十二件、一応その二点だけ答えてください。
#22
○高橋(元)政府委員 予備費使用の件数はいま調べておりますので、すぐお答え申し上げますが、第七十八回臨時会は五十一年九月十六日に召集されて、五十一年十一月四日まで会期が継続いたしております。
#23
○春田委員 限られた時間でありますので、こちらの方から、もう答えを出しますけれども、三十二件なんです。この三十二件のうちで、国会開会中に決定したものは五件になっているわけです。よく御承知願いたいと思うのです。
 このように質問に、すらすらお答え願えないということ自体が、国会開会中といえども、予備費使用で既定予算の不足や新たな不足を補い、補正で国会の予算審議をした方がよいという考え方は、政府には全くなかったということを証明しているように私は思うわけですね。大蔵大臣は、この現実に対して、どのようにお考えになっていますかね。大臣から御答弁願いたいと思うのです。
#24
○坊国務大臣 予備費は先ほど来、政府委員からお答え申し上げましたとおり、年度開始の前に、予算を編成するときに歳入歳出を見積もりますので、そこで、どうしてもぴったりといかない、予見、予想外の経費が出てくるというものにつきまして、それについての措置が憲法上許されておるということで予備費が計上されるということでございますが、これはお説のとおり、本当にできるだけぴったりといければ、そんな必要もないのでございます。
 さような意味におきまして、予備費が過不足というようなことには、できるだけならないようにつくるということでございますけれども、どうしても予見しがたいものが必要である、そういった場合に、過小に予備費をつくっておきますと、なるほどそれは臨時国会といった手段によって、そういう予備費でなくてもやれないこともないのですが、しかし機動的に――大災害でも起こって相当大きなお金が要るときには、もちろん国会開会を避けるわけでも何でもございませんです。われわれは国会を何とかしてやらずに済まそうなんという気持ちは毛頭ございません。しかしながら、そこまで至らぬ経費を賄うためには予備費を使う。多少予備費が過大になるかもしれませんが、予備費を組んでおく。もし予備費が過小であったというときには、にっちもさっちもならぬというようなことも考えられますので、おのずから予備費は若干、これは結果におきまして過大であったという批判をされる余地があろうと思います。しかし、予算編成の際におきましての財政当局の気持ちも、ひとつぜひ御理解を願いたい、かように思います。
#25
○春田委員 予備費の使用につきましては、憲法第八十七条にも「豫見し難い豫算の不足に充てる」こういうことで財政法第二十四条にもそれを受けて、相当額を歳入歳出予算に計上できるとうたわれてありますけれども、少なくとも国会開会中は、できるだけ補正予算として国会の議決を求めるように努めるというのが私は本当ではなかろうかと思うのですね。この点、もう一回だけ大臣に確認しておきたいと思うのです。
#26
○坊国務大臣 予算の執行に当たりまして、国会開会中に予備費を出すことにつきましては、できるだけそういうことでなしに、御趣旨のように運営をしておるつもりでございますが、先ほど来、政府委員がお答え申し上げましたとおり、できるだけそういうふうな趣旨でもってやっておるということでございます。
#27
○春田委員 大臣、しかし現実に、いま質問したように、五十年度では二十二件の閣議決定のうち、国会開会中で全部が予備費として使用されているわけでしょう。五十一年につきましては、三十二件のうち、五件が国会開会中で、やはり予備費として使用されているわけですからね。こういう現実を踏まえて、予備費の使用につきましては、ただ単なる予見しがたい予算であるから一応こちらの方で、国会の議決は要らないんだという形で使用されておったら、問題じゃなかろうかと私は思うんですね。その辺の基本的な問題は、私は今後に大きな問題を残していくのじゃなかろうかと思いますので、しつこいですけれども、聞いているわけでございますので、その点よく御認識を願いたいと思うのです。
 さらに、国会の予算修正権との関連でお尋ねしたいわけでございますけれども、ただいま明らかになったように、政府は、国会開会中で補正予算の国会議決は可能だとしても、第二予備金的な予備費使用は当然できることであって、補正予算によって新しい項目の設定について国会の議決を求めないという姿勢であったということであると私は思うのですが、この点を確認しておきたいと思うのです。
#28
○高橋(元)政府委員 昭和二十二年に財政法が制定されました後、現在の財政法二十四条の規定に基づきます予備費の制度に移ったわけでございますが、その予備費の国会開会中の使用につきましては、先ほど来重ねてお答え申し上げておりますように、「事業量の増加等に伴う経常の経費。」これは経費の性質を全部の予備費について当たってはおりませんけれども、おおむね、これは既定の項に金額を追加するという場合に該当すると思います。それから「法令又は国庫債務負担行為により支出義務が発生した経費。」これにつきましても、そのほとんどが、やはり第一予備金的な予算超過支出というものに当たるものであると思います。それから「災害に基因して必要を生じた諸経費その他予備費の使用によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急な経費。」、これにつきましても公共施設の災害復旧の国庫負担でありますとか、農業用施設の災害の復旧に必要な経費でありますとかいうものでございますれば、これはすでに大きな項がございますから、その項に金額を追加するという形で、これまた第一予備金的な内容を持っておると思います。
 したがいまして、第一予備金か、第二予備金か、そういう戦前の予備費制度との類推で申し上げましても、第二予備金的なものは、国会開会中は使用されておらないということが、ほとんどの場合について申し上げられると思います。「その他比較的軽微と認められる経費。」これにつきましては、若干の例外があろうかと思いますけれども、これらはほとんどが行政的な経費でございますから、既存の、たとえば私どもの方で申し上げますれば、大蔵省所管の項、大蔵本省、それから外務省所管であれば項、外務本省、そういった行政経費に追加していく場合が、ほとんどではなかろうかというふうに考えます。
 問題は、第一予備金的なもの、第二予備金的なもの、予算超過支出か予算外支出かという観点とは、また離れまして、国会開会中に予備費の使用を閣議で決定をいたしておりますものは、災害がほとんどでございますから、災害の場合には、その復旧が緊急の必要を生じておって、あらかじめ予算の御審議をいただいて、その中で予備費としてお認めいただいた金額、それの使用によりまして対処することが必要であるということから、戦後ずっと災害につきましては、国会開会中も予備費を使用する、閣議でそういう方針をとっておりまして、その方針に従って運用してまいっております。
 決して、いま先生からお示しのように、予備費の使用を、補正予算を提出することを避けるためにやっておるということでございませんで、予備費の適正な運用によりまして、国会の予算の事前議決主義の要請と、それから義務的または災害復旧のような緊急の民生上必要な支出を賄っていくという予算の弾力的な執行という二つの要請を満たしておるというふうに考えておる次第でございます。
 なお、つけ加えて申し上げますれば、予備費は財政法二十四条で予見しがたい予算の不足に充てるために使用するということになっておりますし、それから補正予算は財政法二十九条で、予算作成後に生じた事由に基づいて緊急に支出の必要があるときに補正予算を提出することができると相なっております。補正予算の要件と予備費使用の要件とは、法令的にはほとんど同じでございます。
 それから、補正予算は作成することができる、国会に提出することができると相なっておりますことから、法令的には、これはかつて繰り返し法制局長官からもお答えをしておったわけでございます。これは予備費によるか補正予算の提出によるかということは、内閣と申しますか、行政府の裁量に任されておるということであろうかと思いますが、ただ繰り返し申し上げておりますように、財政の国会議決主義という原則からいたしまして、国会開会中につきましては、先ほど申し上げましたような四項目にしぼりまして、予備費の使用をいたすというたてまえで臨んでおるところでございます。
#29
○春田委員 私は、いままでの政府姿勢、つまり国会軽視という姿勢が、去る二月の予算委員会における国会の予算修正権の範囲に対する政府答弁にも、如実にあらわれておったようにも思うわけであります。
 ここで改めて御質問をいたしますが、国会の予算修正権は、新しい項目の設定を含むかどうか、その範囲は限定性があるのか、その根拠があったら、明らかにしていただきたいと思うわけです。
#30
○高橋(元)政府委員 非常に重要な御質問でございますから、ことしの二月、三月の本年度の予算の御審議の際に、予算委員会で政府から申し上げた統一見解を、ただいま取り調べまして、お答えを申し上げさせていただきたいと思います。
#31
○春田委員 この回答、答弁がなかったら、ちょっと次の質問ができないわけですけれども、どれぐらいかかるのですか。
#32
○高橋(元)政府委員 できるだけ短時間に、いま取り寄せておりますので、こちらに到着次第お答え申し上げます。
#33
○春田委員 それでは、その時間だけもったいないので、次の問題を続けさせていただきますけれども、五十一年度の一般会計の公共事業等予備費について、お尋ねしていきたいと思うわけでございます。
 公共事業等につきましては、五十一年度予算総則第七条に規定されております。この「公共事業等」のうちの公共事業の項は、どれとどれとどれに当たるのか。また「等」となっておりますけれども、この「等」とは何を指すのか、明らかにしていただきたいと思うのです。
#34
○高橋(元)政府委員 五十一年度一般会計予算総則の第十五条によりまして「甲号歳入歳出予算に計上した公共事業等予備費は、第七条に掲げる経費以外には使用しないものとする。」すなわち、公共事業等予備費の使用の対象となりますものは、一般会計予算総則の第七条に掲げております、公共事業費百余の項目が並んでおりますが、この項に限定されておるということでございます。
 たとえば、国会所管でございますれば、衆議院施設費、参議院施設費。それから、飛び飛びに申し上げまますと、北海道開発庁の所管でございますれば、北海道治水事業費、北海道治水事業工事諸費、北海道治山事業費、北海道海岸事業費等々数十項目。それから文部本省でございますれば、文部本省施設費、産業教育振興費、社会教育助成費、体育施設整備費等々。それから、建設本省でございますれば、官庁営繕費、河川管理施設整備費、治水事業費、急傾斜地崩壊対策事業費、海岸事業費、海岸事業工事諸費、道路整備事業費、住宅建設事業費、都市計画事業費、河川等災害復旧事業費、河川等災害復旧事業工事諸費、都市災害復旧事業費、河川等災害関連事業費。こういうような費目でございまして、それぞれ予算書で御議決をいただきました項に金額を追加する場合が、公共事業等予備費の使用の対象でございます。
#35
○春田委員 この予備費の総額は幾らなのか、それから使用額は幾らなのか、これをお答え願いたいと思います。
#36
○高橋(元)政府委員 当初予算に計上いたしました公共事業等予備費は千五百億でございましたが、五十一年の補正第一号によりまして百五十億減額いたしましたので、補正後の予備費の額は千三百五十億円でございまして、このうち、使用いたしましたのは千二百六十八億円余でございます。
#37
○春田委員 次長、使用額をもう一回お答え願います。
#38
○高橋(元)政府委員 億円単位で申し上げますと、公共土木等災害復旧に千億円、冷害等に伴う救農土木事業に百十億円、豪雪に伴う除雪事業に二十一億円、その他の災害復旧に百三十七億円、合計千二百六十八億円でございます。
#39
○春田委員 この予算総額一千三百五十億円の予備費というものは、憲法第八十七条、また財政法第二十四条の予見できない費用であったかどうか、この点はどうですか。
#40
○高橋(元)政府委員 公共事業等予備費も、設置の根拠は財政法の二十四条でございまして、予見しがたい予算の不足に充てるために設置したものでございますし、その使用につきましても、ただいまも申し上げました災害復旧、冷害に伴う救農土木、豪雪に伴う除雪その他の災害復旧、いずれも予見しがたい予算の不足を生じたために使用されたものでございます。
#41
○春田委員 これは先ほどから論議を展開しております第一予備金か第二予備金かと分けた場合、どちらの方に入りますか。
#42
○高橋(元)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたが、五十一年の一般会計予算総則十五条によりまして、予算総則第七条に掲げた各項の金額にのみ使用することができるということでございます。したがいまして、既存の項の金額を増加するという意味で予算超過支出、すなわち、戦前の用語で申し上げますれば、第一予備金に該当するというふうに考えております。
#43
○春田委員 ただいま答弁がありましたように、第一予備金の範疇のものということは、予算総則第七条の本予算の項でしか使用できないものかどうか、この点をお伺いいたします。
#44
○高橋(元)政府委員 予算総則第七条に掲げた各項の金額に追加する場合、すなわち、予算の金額を超過する場合に限っておるということでございますから、それ以外の項に、公共事業等予備費を使用はいたせないわけでございます。
 昨日も御質問があったわけでございますが、たとえば農林省所管で愛知豊川用水施設災害復旧事業費の補助金というものを予備費使用をいたしておるわけでございますが、これは同じ五十一年の災害に起因いたします豊川用水の施設の災害復旧でございますけれども、水資源公団に対する補助金でありますので、公共事業等予備費は、予算総則第七条の規定によって使用できないという意味で、一般の予備費を使用いたしております。
 それから建設省の所管でも、地方道路公社有料道路災害復旧事業費の補助金、これは一億二千四百万円、水資源開発公団の災害復旧事業の交付金八千九百万円、これはいずれも既存の項がございませんので、事柄は災害復旧で緊急を要するわけでございますけれども、公共事業等予備費によらず、一般の予備費を使用しておるということでございます。
#45
○春田委員 この第一予備金の範疇の中で千三百五十億円だけは、なぜ本予算の中の項を決めて、それ以外には使用できなくしたのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
#46
○高橋(元)政府委員 五十一年度予算を編成いたします際に、当時の経済情勢から考えまして、景気の本格的な立ち直りを財政面からもサポートするということが非常に必要でございました。そのために、年度途中で予期せざる経済情勢の変化というものが起こった場合に備えまして、もう一つ総合予算主義という五十一年度の予算上の要請もございましたので、予備費を四千五百億円に増額いたしたわけでございます。
 五十年の当初予算で三千億円、補正後で二千億円でございましたから、予備費としては、かなりふえたわけでございますが、その中で千五百億円を限りまして、公共事業にしか使用しないという限定を加えまして、公共事業等予備費として御議決願ったわけでございます。
 その際に、公共事業の範囲をどのようにいたすかという規定上の問題があったわけでございますが、たまたま財政法の四条で公共事業費というものを、これは公債対象としてお決めいただくことになっております。これは予算をもって国会でお決めいただくわけでございます。その公共事業費の範囲と同一にして、疑義を避けるということにいたしたわけでございます。
 したがいまして、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、一般会計の予算総則の第七条によりまして、百数十の項目を決めまして、その項に限り、公共事業等予備費を使用できるという構成をとったわけでございます。
#47
○春田委員 もう一回確認しますけれども、この公共事業による景気浮揚のために限定したということなのかどうか、明らかにしていただきたいと思うのです。
#48
○高橋(元)政府委員 これは現実には、災害復旧にそのほとんどが充てられたわけでございますから、いわば仮定の問題になろうかと思いますが、農林省で申しますれば、土地改良工事費、治山事業費、造林事業費等々。水産庁で申しますれば、海岸事業費、漁港施設費。それから建設省で申しますれば、治山治水事業費、海岸事業費、道路整備事業費、住宅建設事業費、都市計画事業費。こういった公共事業の項、五十一年度当初予算で計上されておりました三兆何千億かに上りますところの公共事業の項というものが指定されておりまして、五十一年の経済の推移によりまして、仮に景気対策として、これらの項に金額を追加する必要がありました場合には、これらの既定の項に金額を追加いたしまして、それによりまして景気の浮揚を図るということであったかと思います。
 しかしながら現実の推移では、先ほども申し上げました千二百六十八億円は、全部が災害の復旧またはそれに関連した支出に充てられたわけでございます。景気対策といたしましては、五十一年度の補正予算第一号によりまして、千五百億円の公共事業費の追加をいたすという形に相なったわけでございます。
#49
○春田委員 この公共投資予算は補正で上げることができなかったのか、その点をお聞きしたいわけでございますが、それとともに、閣議決定三十二件のうち、七十八国会中のものは何件で、金額は幾らか、この点も明らかにしていただきたいと思うのです。
#50
○高橋(元)政府委員 件数は五件でございますが、金額はただいま集計いたしております。
#51
○春田委員 金額を出してくださいよ。
#52
○高橋(元)政府委員 計算でき次第お答え申し上げますが、ちょっとお待ちをいただきたいと思います。――先ほどお答えを延ばさしていただいておりました国会の予算修正のことでございますが、予算委員会における統一見解として申し上げたことでございますが、「国会の予算修正については、それがどの範囲で行いうるかは、内閣の予算提案権と国会の審議権の調整の問題であり、憲法の規定からみて、国会の予算修正は内閣の予算提案権を損わない範囲内において可能と考えられる。」かようでございました。
#53
○春田委員 答弁がばらばらですので、質問もばらばらになってしまうわけですけれども、予算修正権の問題につきましても答弁がありましたから、その問題に入っていきますけれども、予算修正権の問題が、国会の力関係の変化によって、この予算修正権の内容、範囲も当然変化が起こると思うのですね。現実問題として、私たちの書記長の矢野発言のごとく、国会に完全に権限があるとすることは、政府としては、これは現在でも認めないのか、これは大臣にお聞きしたいと思うのです。
#54
○坊国務大臣 申すまでもなく、国会が政府の提案した予算に対して修正権があるということを、あの統一見解は認めたものだ、かように私は考えております。
#55
○春田委員 先ほどの金額はわかりませんか。
#56
○高橋(元)政府委員 大変遅くなりまして、失礼いたしました。五十一年度予備費使用総調書(その1)に掲げておりますうち、国会開会中の使用に当たります五件、合計いたしまして九十七億二千八百万円でございます。
#57
○春田委員 この予算は、補正に入れるべきではないかと私は思うわけでございますけれども、その点どうですか。
#58
○高橋(元)政府委員 国会開会中の使用に当たります一般の予備費二件は、秋田県選挙区選出の参議院議員の補欠選挙に必要な経費、これが五月十四日の決定でございます。
 それから、同じく大分県選挙区及び奈良県選挙区選出の参議院議員の補欠選挙に必要な経費、これが九月十七日の決定でございます。
 それから、公共事業等予備費につきましては、いずれも災害復旧の費途に充てたということでございます。
#59
○春田委員 私の見解は、ちょっと大蔵省の見解と違うわけでございますけれども、千三百五十億円は憲法第八十七条、財政法二十四条の予見できない使用ではなくて、景気調整対策費用を補正する手続に拘束されないで、政府が勝手に使用できるようにしたままのことであって、私は歴史的にも異例のものであり、予備費制度を政府独善に悪用したものと断ぜざるを得ないと思うのでございますが、この点はどうですか。
#60
○高橋(元)政府委員 五十一年の経済の推移、それから、それに対応いたしますところの財政政策という観点から、公共事業等予備費を計上した経緯につきましては、先ほどお答えを申し上げました。
 この公共事業等予備費は、その節も申し上げたことでございますが、予備費を四千五百億円に増額を図りまして、予見できないような、ちょうど五十年の深刻な不況からの立ち直りの時期でございますから、経済見通しといたしましては、所期の経済成長ができるという前提で、各般の予算を編成したわけでございますけれども、年度の経過中に予期しないような、何と申しますか足踏みが起こった場合に、それを一般会計で補充する必要が起こり得るかもしれない。それに備えまして予備費を増額をして、増額したうち、千五百億円を公共事業に限って使用できるという形に限定いたしたわけでございまして、決して御説のように国会の御審議の権能を侵害したというふうに思っておりませんで、むしろ予備費の使用できる場合を限定をいたした。それで国会から御議決をいただいたところによって公共事業等予備費の運用を図ったということでございます。
 それから、その実際の使用につきましては、そのような景気対策的な使用でございませんで、これは全額災害復旧に充てられた。したがいまして、金額といたしましては、その全部が第一予備金か第二予備金かということになりますと、第一予備金という形で使用されたというのが実態でございます。
#61
○春田委員 次に、会計検査の不当事項と、五十年度予備費使用についてお尋ねしていきたいと思うのですが、最初に、五十年度会計検査院報告の八十五ページから八十七ページの労働省所管就職支度金についての報告番号六二号と、同じく雇用調整給付金の支給についての報告番号六三号について、会計検査院の方から御説明願いたいと思います。
#62
○小沼会計検査院説明員 御説明いたします。
 「雇用調整給付金の支給が適正でなかったもの」につきましては、この案文に書いてあるとおりでございますけれども、これは北海道外二十七都府県において六百四十五事業所の事業主に対して支給した雇用調整給付金三十一億三千七百十四万六千余円について本院が調査した結果を書いたものでございます。
 要するに、国が休業手当の一部を助成するもので、支給に当たって事業主から休業実施日、休業対象被保険者、休業手当の額等休業の実績を記載した申請書を提出してもらいまして、支給要件に適合しているかどうか、これについて検査院が検査したわけでございますが、その結果、就業規則などによって従来定休日としていた日を、支給要件を満たすため、労使間協定などによりまして取り消し、または他の日に振りかえて労働日とした。その上、この日を支給対象の休業日としたり、実際には休業していなかった日を支給対象の休日としていたりなどしまして、支給要件を欠いていたものがあったのが、この表に書いてありますような内容どおり、調査した六百四十五事業所に対する支給額のうち、三十三事業所事業主分一億六千三百五十二万五千四円について、千二百三十五万二千八百五十一円が不適正に支給された事案でございます。
#63
○春田委員 それでは、会計検査院の方にさらにお尋ねしますけれども、この六二号において、七千二百六十八万七千百四十円の不適正な支給が札幌公共職業安定所ほか百六十一カ所で行われておりますね。この行われた年月日がわかれば、御説明願いたいと思うのです。
 また、労働省の方にお尋ねいたしますけれども、労働省おいでになってますね。――この就職支度金の支給に充てるための予備費の支出年月日がわかれば、明らかにしていただきたいと思うのです。
#64
○小沼会計検査院説明員 年月日の内容につきましては、ただいま手元に資料がございませんので、取り急ぎ調べます。
#65
○寺園政府委員 就職支度金の不足を補いますために、予備費を使用いたしました閣議決定の日付は、五十年の五月二十三日でございます。
#66
○小沼会計検査院説明員 ただいま申し上げました年月日につきましては、担当課の方でも、ちょっと時間を要するとのことでございますので、御了承いただきたいと思います。
#67
○春田委員 さらに、六三号の北海道ほか四都県で雇用調整給付金の不適正支給が行われておりますけれども、これも会計検査院の方にお尋ねいたしますけれども、年月日がわかれば、明らかにしていただきたいと思うのです。
 また労働省にも、同じく同給付金のための予備費の支出年月日がわかったら、これも明らかにしていただきたいと思います。
#68
○小沼会計検査院説明員 年月日の内容につきましては、ただいま同じく資料がございませんので、取り急ぎ調べて、後で御報告したいと思います。
#69
○寺園政府委員 雇用調整給付金の不足を補いますために、予備費の使用決定は二回やっておりますが、五十年の八月十五日が第一回目でございます。第二回目は、五十一年一月二十三日でございます。
#70
○春田委員 予備費使用が不当事項となっているかどうか、本委員会で明らかにすることが、私は当然責務であろうと思うわけですね。当然、私は会計検査院の明快な答弁が得られると思っておりましたけれども、ただいま御説明あったように、会計検査院の方は、後でお答えするということで即答できないわけでございまして、労働省の方の答弁と突き合わせができません。非常に私は残念に思うわけでございますし、会計検査院の方に、これは後刻御報告いただきたいと思いますが、これを委員長の方から、ひとつ取り計らっていただきたいと思います。
 以上をもって、私の予備費使用に関する質疑を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#71
○芳賀委員長 これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#72
○芳賀委員長 これより昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の承諾を求めるの件、及び昭和五十一年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外三件の承諾を求めるの件について討論に入ります。
 討論の申し出がございますので、順次これを許します。森下元晴君。
#73
○森下委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について、賛成の意を表したいと存じます。
 昭和五十年度(その2)の予備費使用額は、一般会計の国民年金国庫負担金の不足を補うために必要な経費等一千五百七十九億七千八百十万六千円、特別会計は労働保険特別会計勘定における失業給付金の不足を補うために必要な経費等一千五百七十四億二千四百八十三万円、また、特別会計予算総則第十一条の規定によるもの一千九百十九億四千九百六十八万一千円となっております。
 昭和五十一年度(その1)の予備費使用額は、一般会計の国内産糖製造業等特別対策に必要な経費等百八十五億四千三百七十七万七千円、公共事業等予備費は河川等災害復旧事業等に必要な経費等一千二百四十二億九千六十九万八千円、特別会計は食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費等一千七百四十五億九千四百二十一万三千円、また、特別会計予算総則第十一条の規定によるもの六百九十五億九千六十三万九千円となっております。これら予備費の使用は、いずれも予見しがたい予算の不足に充てるためのものでありまして、憲法、財政法の規定に照らし、適当であると認められます。
 なお、一般会計の予備費は、昭和五十年度当初予算額三千億円に対し、補正後予算額二千億、昭和五十一年度当初予算額三千億円に対し、補正後予算額一千五百五十億円と、それぞれ減額されております。
 このように、当初予算額と補正後予算額との差が相当多額になっておりますので、今後予備費を歳出予算に計上する場合は、一層適切な配慮を望みます。
 以上、一言希望を申し添え、賛成討論を終わります。
#74
○芳賀委員長 原茂君。
#75
○原(茂)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件につきまして、反対の意見を表したいと思います。
 わが党は、予備費の当初予算額の計上、補正減額、各省各庁の長の要求額に対する使用額の決定及び調整、使用未済額等について検討いたしますと、次の諸点について、今後明確にすべき事項、または改善すべき事項が散見されるのは、まことに遺憾であります。
 以下、その主な事例を申し上げます。
 すなわち、昭和五十年度一般会計予備費の当初予算額三千億円から補正減額一千億円と使用未済額二百十六億円を合計し、差し引くと、約四〇%強の不用額。また、五十一年度一般会計予備費の当初予算額三千億円から補正減額千四百五十億円と使用未済額七百十三億円を合計し、差し引くと、約七〇%が不用額となり、これは不必要に大きな額が当初予算に計上され、それが補正段階で減額され、補正予算の有力財源となっている証拠であります。
 財政法第二十四条の規定による「相当と認める金額」の基準を明確にし、最小限度必要な予備費を予算に計上するよう改善すべきだと思われます。
 昭和五十一年度一般会計公共事業等予備費使用総額約千二百六十八億円のうち、災害復旧事業及び冷害に伴う河川事業費等に使用した額は、約一千百二十億円となっている。このような経費は、公共事業等予備費に計上するよりも、従前どおり一般会計予備費に計上すべきものと思われます。
 また、公共事業等予備費を創設して、予備費全体の構成比を一・八五%に高め、景気に機動的に対処しようとしたわけだが、政府の思惑どおりの効果が上がったようには絶対思われません。
 財政法第三十五条の規定によると、大蔵大臣は、各省各庁の長の要求を調査し、これに所要の調整を加えて使用額を決定しておりますが、いずれも不明確であります。今後、各省各庁の要求額及び所要の調整方法と調整額を明示すべきだと思われます。
 申すまでもなく、予備費の使用は、財政民主主義の原則の例外として、政府の裁量に任せられた権限でありまして、その行使は、国の財政は、国会の議決に基づいて行使するという憲法の本旨に沿って厳正を期する必要があります。
 政府は、予備費の歳出予算に計上及び使用等については、このような指摘を受けないよう、十分に注意をされたいものと思います。
 以上をもって、反対討論といたします。
#76
○芳賀委員長 春田重昭君。
#77
○春田委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費案件につきまして、不承認の意思を表明するものであります。
 その理由は、先ほどの質疑で、次のことが明らかになったからでございます。
 第一に、予備費について政府は、既定予算の項の額の不足を補うもの、すなわち、旧会計法の第一予備金的なものと、新しく項を設定して予備費を使用する旧会計法第二予備金的なものとの質的な差異についての自覚を完全に欠落していること。
 第二、国会開会中にもかかわらず、その国会の存在を自覚することなく、また関係なく予備費使用の決定をしていること。
 第三、政府は、旧会計法の第二予備金的な予備費につきましては、みずからの新項の設定は独善的、専権的によろしいとしながら、国会の予算修正権は新項の設定には及ばないと、国会の最高機関性を無視する姿勢を牢固として保持していること。
 第四、予備費使用の分についての不当事項の有無すら明確にしていない姿勢が明らかであること。
 以上、四点の各事項は、予備費使用の基本的重大な問題であります。
 この重大な基本問題に対する姿勢及び認識は、国会財政中心主義ないし財政民主主義の原則から、とうてい承服できないところであります。
 以上の理由から、予備費使用等の承諾を求める案件につきましては、不承諾の意を表明いたしまして、私の反対討論といたします。
#78
○芳賀委員長 安藤巖君。
#79
○安藤委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、予備費使用調書等の承諾を求めるの件のうち、昭和五十一年度特別会計予備費使用総調書(その1)を除く六件について、不承諾の意を表明いたします。
 これらの予備費使用等の大部分は、社会保障関係や災害関係など承諾できるものではありますが、その中には、黙過し得ない重大なものが含まれております。
 一例を挙げれば、公職選挙法、政治資金規正法改悪を強行した七十五国会会期延長経費や、酒、たばこ、郵便料金引き上げのための七十六臨時国会経費、あるいは、旧憲法下の侵略戦争と暗黒政治の責任を不問に付し、天皇元首化の方向を正当化しようとする天皇在位五十周年式典経費、アメリカ主導のもとに主要独占資本主義国の政治的同盟のデモンストレーションを行い、政治の民主的転換を求める各国の国民に対する敵意を示したプエルトリコ首脳会議の経費などは、断じて承認し得ないものであります。
 また、公共事業等予備費は、総合予算主義の名のもとに新たな制度を新設して予備費枠を五割も拡大し、景気対策という経済運営の基本にかかわる施策に使おうというもので、その新設自体が財政民主主義への重大な挑戦であります。現実に使用されたものは、これが通常の予備費の使用であれば、承諾し得るものではありますが、このような不当な公共事業等予備費の使用である以上、これを承諾することはできません。
 なお、景気対策は、結局補正予算で措置せざるを得なかったこと自体、公共事業等予備費新設の誤りを実証するものであり、再びこのような予備費制度を設けることのないよう、強く反省を促すものであります。
 昭和五十一年度特別会計予備費使用総調書(その1)については、たとえば、良質米奨励金などは予算として国会の議決を経るべき性質のものでありますが、やむを得ない経過もあり、本来適正な基本米価で措置すべきであることを指摘し、承諾いたします。
 弾力条項については、制度上若干の問題点もあり、内容においても、国土総合開発事業等に調整費などという、つかみ金を設けて勝手にこれを使用するなどということは認めがたいものであります。また、国立学校特別会計の委託研究費等は、その実際の内容が不明であり、いろいろと問題も含まれておりますので、今後委託者、研究テーマ等の全容を資料として提出するよう要求したいと思います。
 以上で、私の討論を終わります。
#80
○芳賀委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#81
○芳賀委員長 これより採決に入ります。
 まず、昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件について採決いたします。
 三件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#82
○芳賀委員長 起立多数。よって、三件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十一年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十一年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十一年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件について採決いたします。
 三件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#83
○芳賀委員長 起立多数。よって、三件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十一年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決いたします。
 本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#84
○芳賀委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)及び昭和五十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上両件について討論に入るのでございますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに両件を順次採決いたします。
 まず、昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)について採決いたします。
 本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#85
○芳賀委員長 起立総員。よって、本件は異議がないと決しました。
 次に、昭和五十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)について採決いたします。
 本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#86
○芳賀委員長 起立総員。よって、本件は異議がないと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#88
○芳賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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