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1976/04/15 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 建設委員会中小建設業振興に関する小委員会 第2号
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1976/04/15 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 建設委員会中小建設業振興に関する小委員会 第2号

#1
第080回国会 建設委員会中小建設業振興に関する小委員会 第2号
昭和五十二年四月十五日(金曜日)
    午後二時六分開議
 出席小委員
   小委員長 福岡 義登君
      塩谷 一夫君    谷川 寛三君
      渡辺 紘三君    渡部 行雄君
      古川 雅司君    西村 章三君
      瀬崎 博義君    甘利  正君
 出席政府委員
        建設大臣官房長 粟屋 敏信君
 小委員外の出席者
        建 設 委 員 渡辺 栄一君
        建 設 委 員 中村  茂君
        建設大臣官房参
        事官      升本 達夫君
        建設大臣官房地
        方厚生課長   浜  典夫君
        建設省計画局技
        術調査官    中沢 弌仁君
        建設省計画局総
        務課長     福田多嘉夫君
        建設省計画局建
        設労務資材調査
        室長      浪岡 洋一君
        建設省計画局建
        設業課長    広瀬  優君
        建設省計画局建
        設振興課長   中川 澄人君
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中小建設業振興に関する件(中小建設業の振興
 対策に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○福岡小委員長 これより中小建設業振興に関する小委員会を開きます。
 中小建設業振興に関する件について調査を進めます。
 中小建設業の振興対策について、大臣官房参事官から説明を聴取いたします。升本参事官。
#3
○升本説明員 官房参事官の升本でございます。お手元の資料によりまして「建設業の現状」の御説明をさせていただきます。
 お配りいたしてございます資料の中身でございますが、最初に目次というところを、ちょっとお目通しをいただきまして、第1といたしまして、建設業が現在まで行ってまいりました仕事の総量並びに、その内容に関する資料といたしまして「建設需要の動向」という表題でまとめてございます。
 第二番目の資料といたしまして、この建設工事の仕事をこなしてまいります建設業者の側の実態に関する資料といたしまして「建設工事の施工体制」という表題でまとめてございます。
 第3といたしまして、特に建設産業の他産業との比較におきまして特徴的な事柄を資料としてまとめてございます。
 最後に、第4といたしまして、建設業界の中で中小企業の位置づけと申しますか、シェアと申しますか、それを説明いたします資料といたしまして「受注状況」の資料をつけてございます。
 以上が、お手元の資料の概要でございます。以下、逐次御説明を申し上げます。
 一ページでございますが「第1 建設需要の動向」でございます。
 その(1)といたしまして「建設需要の推移」建設総投資額がどのように動いてきたかという趣旨の資料でございます。
 御承知のような高度経済成長期を通じまして、設備投資、住宅投資、公共投資が軒をそろえまして高い伸びを経てまいったわけでございますが、昭和四十八年度の石油ショックの年度を境といたしまして、極端に民間設備投資の落ち込みを見、さらに公共投資の抑制等の契機もございまして、現在五十一年度の水準で申し上げますと、ここに数字が書いてございませんけれども、五十一年度の総投資額は三十四兆七千億円という数字になっておりまして、これを四十五年度の基準時価格で申し上げますと十九兆二千五百億円。この五十一年度の水準を四十八年度と比較いたしますと六・三%低下しております。マイナスになっておるという状況でございます。ただいま申し上げました関係は「表1」といたしまして四ページに掲げてございます。以下四ページ以降、数表を掲げてございますけれども数表の説明は便宜、省略させていただきます。
 それから「(2)需要構造の変化」といたしまして、建設投資の内容について御説明を申し上げております。
 昭和五十一年度の建設投資の中身でございますが、建築と土木に分けますと、ごらんのように建築が六四・七%、土木が三五・三%という割合になっております。この割合は三十年代以降、現在までの歩みを見てまいりますと逐年、建築の比率がふえてまいっております。その内容は、特に住宅関係を中心といたしました建築活動が相対的に活発になってまいり、建築の比率が伸びてまいっております。それから次に「投資主体別」と書いてございますが、民間の発注、政府の発注、それぞれの分け前を比較いたしてみますと、昭和五十一年度におきまして民間の発注分が全体の六三%、政府関係が三七%となっておりまして、ほぼ二対一の割合でございます。この割合は過去十数年、大体一定をいたしております。
 次に、最近の状況といたしまして、特に大手企業を中心といたしました海外工事の受注額が最近、大変急増をいたしておりまして、五十年度におきまして約三千三百億円という額に達し、これは前年度比で二・八倍と急増をいたしておるわけでございますが、全体の規模といたしましては、まだまだ大変小そうございまして、五十年度の総建設投資額が三十一兆六千億と計算されておりますので、その大体一・一%程度のものが海外工事に充てられておるということでございます。
 次に、公共投資部分を発注者別に見てまいりますと、大きく分けまして国と公団等の国の関係機関、それから都道府県、市町村の公共団体並びにその関係機関と分けて対比をいたしますと、昭和五十年度におきまして国及びその関係機関の比重は全体の三四・八%という数字になっておりますが、これは十年ほど前、昭和四十年時点の比率を見ますと四三・五%でございまして、すなわち、この十年間に国及びその関係機関の比重が一〇%程度、低下しておる。逆に都道府県、市町村、特に市町村段階におきます発注比率が増加をいたしておるという状況でございます。これは公共投資と申しますが、その投資の内容が、鉄道でございますとか、あるいは電電公社関係あるいは幹線道路と申しますような基幹産業的投資から、学校、環境衛生あるいは住宅といったような生活関連関係の施設投資に重点が移りつつあるという姿が、ただいま申し上げました数字に反映しているものと考えられます。
 次に「民間建設投資」でございますが、民間建設投資につきましては、建築が土木に対しまして圧倒的に大きくなっておりまして、昭和五十一年度で申しますと全体の八七%が建築、残り一三%が土木という率になっております。そのうち特に住宅が全体の五九%という数字を占めております。
 以上が「建設需要の動向」に関しての御説明でございます。
 第2といたしまして「建設工事の施工体制」でございますが、まず「建設業者の実態」でございます。
 五十一年十二月末現在におきまして、建設業法に基づき建設業の許可を受けております業者は全国で四十二万六千業者という数字になっております。この内訳を申し上げますと、資本金一億円以下のいわゆる中小の建設業者が全体の九九・四%を占めております。さらに現在、建設業の許可は、二府県以上にまたがる業態のものにつきましては建設大臣許可、一府県におさまる業態につきましては都道府県知事許可という体制をとっておりますが、全体の九八・三%が知事許可業者ということになっておりまして、以上、申し上げました数字から御判断いただけますように、ほとんど大部分が大変、営業活動範囲の狭い小さな業者であるということになろうかと思います。
 次に「元請と下請の関係」でございますが、建設業は、御承知のとおり土工工事でございますとか電気工事、管工事、さらに鉄筋、大工、左官といったような各種の工事部門に分かれておりまして、その各種の工事部門から総合的に組み立てられる、いわば組み立て産業でございます。このような性格から申しまして、一般的に下請が大変多く使われております。下請の状況を数字で申し上げますと「全体の8割以上」と書いてございますが、八四%の建設業者が多かれ少なかれ下請業を使って工事を行っているという状況でございます。
 若干、細かくなって恐縮でございますが、この下請に対する依存率は、企業の大小によりまして大変異なっておりまして、たとえば企業の資本金規模五千万円以上の建設業者においては、全体の四〇%の業者が自分の仕事を行います場合に、その全体の工事額の七五%以上を下請へ出しておるという状況でございますし、他方、資本金五千万円未満の中小規模の業者におきましては、その半分、五〇%の業者がほとんど下請を使っておらない、二五%未満の下請で済ませておるという状況がございます。
 (3)といたしまして「請負契約と紛争事案」でございますが、先ほど申し上げましたように、建設業は基本的には一品生産、注文生産でございまして、しかも土地に密着した生産形態でございます関係から、かつ、仕事のやりくりで多数の工程が複雑に絡み合っておるということから、工事の施工に伴います契約上のトラブルが大変多く発生をいたしております。現在、国、都道府県の窓口にもたらされます請負契約関係の紛争に関する相談件数が、一年で大体二千件という数字に上っておりまして、中央の建設省及び各都道府県に置かれております建設工事紛争審査会に、あっせん、調停あるいは仲裁といった申請に及ばれます件数が、一年に百件という数字になっております。これは年々、著しく増大しておる状況でございます。
 次に、第3といたしまして「建設企業の特質」でございますが、まず「経営基盤の弱さ」といたしてございますが、先ほどお目通しのごとく、建設業は中小零細企業が大多数でございまして、加えて生産形態が移動型でございまして、労働集約型のものでもございます。このような関係から、資産内容を見ますと固定資産の比率が大変低くなっておりまして、片や受注産業という特性からいたしまして、経営の合理化が大変むずかしいという状況もございます。それこれの条件から大変、経営基盤が他産業に比して脆弱であると指摘されております。この結果といたしまして、建設業の倒産率が大変高くなっておりまして、全企業数に対する倒産企業数の割合でございますが、昭和五十年度におきまして建設業は一・九八%という数値でございます。これは全産業で見ますと〇・九四%、したがいまして二倍以上の高い倒産率を示しております。
 次に、経営内容を示す端的な指標でございます自己資本比率、総資本に対します自己資本の比率でございますが、四十七年以前におきましては約二一%程度の水準でございましたのが、四十八年を境にいたしまして、それ以降一七%程度に低下をいたしております。この率は製造業その他の産業部門に比較いたしまして、かなり悪化が著しい状況にあります。
 このような経営基盤の脆弱性を相互扶助いたす必要から、特に中小規模の企業につきまして建設業協同組合等、事業の共同化、組織化が進められておりまして、建設業協同組合の設立数は五十一年におきまして二千九百九十二という高い設置数になっております。これは全産業の協同組合設立数の七%に当たる数値でございます。数年前、四十六年時点におきます全産業に対する設置数比率は四・六%でございましたので、この間の建設業における協同組合化の進行については、相当の努力をお認めいただけるものと考えております。
 次に、労働生産性の問題でございますが、建設生産の労働集約的な特性からいたしまして、資本集約型の他産業に比べますと、労働生産性の上昇率は相対的に低い形で推移いたしております。数字を申し上げますと、過去十三年間の年平均生産性伸び率は、建設産業におきましては六・九%でございましたが、全産業平均では八・七%という数値になっております。生産性の基準となります一人年当たりの付加価値額で申し上げますと、四十八年時点でございますが、建設産業は一人一年百三十万円、これに比較いたしまして、全産業では百七十万円、特に製造業を取り出してみますと二百二十万円という数値になっております。
 次に、三ページに参りまして「(3) 労働環境の現状」でございますが、建設業に就業いたしております者の数は、五十一年におきまして総数で四百九十二万人、これは全産業五千二百七十一万人の九・三%に当たる数字でございます。就業者数の総数といたしましては以上のごとく、かなり大きな数値、伸びを見ておりますが、その質の面で申し上げますと問題点がいろいろございます。
 一つは、技能労働者の数が不足をいたしておる。五十一年時点の調査結果によりますと、技能労働者の不足数は十九万六千人、不足率で申しまして一二・九%という、かなり大きな不足率を示しております。
 二番目に、他産業に比べまして臨時雇い、日雇いといったような、いわゆる不安定雇用の被用者の割合が高くなっております。昭和五十一年度におきまして臨時雇い、日雇いの割合は建設産業一九・七%でございまして、他産業の平均八・一%に比較いたしますと二倍以上の比率を示しております。さらに賃金問題でございますが、賃金につきましては全産業の賃金水準を一〇〇といたしまして、五十一年度におきましては建設産業の賃金水準は八五%という数値になっております。さらに賃金の不払い件数が多く出ておりまして、全産業の不払い件数のうち、その四四%が建設産業の不払い件数であるという数値になっております。労働時間が長いという問題もございまして、全産業平均が月百八十五時間という労働時間に対しまして、建設産業労働時間は百九十時間、さらに労働災害の発生件数におきましても、全産業の労働災害発生件数の四〇%を建設産業が占めるという形になっております。このようなことから、いわゆる労働環境、労働条件が低下をいたしておりまして、これがために、特に、この産業に若年層を吸収することが大変困難になりつつある状況でございます。
 その結果といたしまして、建設労働者の高年齢化が進みつつございまして、五十一年におきましては、四十歳以上の層の割合が四五・五%という数値を示しております。ちなみに製造業の場合は、この数値が四三・〇%でございます。特に懸念をいたしておりますのは、この経年変化を見てまいりますと、四十七年時点、四十歳以上の層の割合は建設産業におきましては四〇・八%という数値になっておりまして、四年間のうちに、このパーセンテージが五%程度増加しておるという数値でございます。
 このほか、企業の労働対策面におきまして、たとえば健康保険、厚生年金保険の加入状況が悪い、あるいは退職金制度の普及状況が十分ではない、技能訓練等の実施率が低いという、各般にわたりまして不十分な点が見受けられるという状況でございます。
 最後に「中小建設業者の受注状況」でございますが、昭和五十年度の数値で申し上げますが、建設工事施工統計、これはいわば全建設工事総投資額というふうに御理解いただいて結構かと思いますが、この中で中小建設業の占めます完工高のシェアは、全体の五三・六%を中小建設業が受け持っております。さらに建設省関係の発注の実績で申し上げますと、同じ五十年度でございますが中小建設業は、金額の比率で見まして二七・三%、工事件数の比率で申し上げまして五二・六%というシェアを占めております。これらの数値は、いずれも四十八年度以降、漸増をいたしております。
 大変、簡単でございますが、以上で説明を終わらせていただきます。
#4
○福岡小委員長 これにて説明は終わりました。
 これより懇談に入ります。
    〔午後二時三十四分懇談に入る〕
    〔午後三時二十三分懇談を終わる〕
#5
○福岡小委員長 これにて懇談は終わりました。
 次回は、来る二十日水曜日午後三時から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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