くにさくロゴ
1947/08/07 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第5号
姉妹サイト
 
1947/08/07 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第5号

#1
第001回国会 農林委員会 第5号
  付託事件
○農地調整法の改正に關する陳情(第
 一號)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に關する陳情(第十號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 十三號)
○農業復興運動に關する陳情(第十四
 號)
○水利組合費賦課に關する陳情(第二
 十二號)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧配給公團法案(内閣送付)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第四十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第六十一號)
○薪炭生産のあい路打開に關する陳情
 (第六十二號)
○茶業振興に關する陳情(第六十三
 號)
○農業用電力料金の引下げ及び換地處
 分經費の全額國庫助成等に關する陳
 情(第六十七號)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出對策改善に關する陳情
 (第六十八號)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反對に關する陳情(第七十號)
○農地委員會の經費を全額國庫負擔と
 することに關する陳情(第七十三
 號)
○林道飯田、赤石線開設に關する請願
 (第十七號)
○主食需給計畫の根本的改革に關する
 陳情(第七十四號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第七十七號)
○農業會の農業技術者給與を國庫負擔
 とすることに關する陳情(第八十
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第八十四號)
○愛知縣豐川沿岸農業水利事業經費を
 國庫負擔とすることに關する陳情
 (第八十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百九號)
○蠶繭の増産に關する陳情(第百十五
 號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百十九號)
○食糧對策に關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月七日(木曜日)
   午前十時三十八分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○食糧對策に關する件
○食料品配給公團法案
○油糧配給公團法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員會を開催いたします。本日は、午前中は大體昨日に引續きまして、本年産米、その他甘藷、雜穀等の供出對策について、農林當局の方からも最初にいろいろ御説明のありました際に、十分に質疑を交し、又國會の方からの意見も十分に伺つて參考に資したい。こういうような御所見の御開陳もあつたような次第でありまして、從つて本日は、大體午前中でその問題を打切りたいと思いますが、各委員の方方から十分御質疑なり、又御意見の御開陳を願いたいと存じます。それから午後一時頃から農林大臣が出席せられるようでありますので、これ又昨日留保になつておりました公團關係のことを中心にいたしまして、農林大臣と質疑を交したいと思いますので、そういうようにお取り運びを願いたいと思います。食糧問題について御質疑等がございますればどうぞ……。
#3
○門田定藏君 今度の食糧供出問題についての原案をお伺いしたいのですが……。
#4
○政府委員(井上良次君) 今取りに行つております。
#5
○羽生三七君 先日の農家の保有米の問題でありますが、經營面積によつて遞増するという問題で、この間自分の意見を申上げましたけれども、この前も申上げましたように大體經營面積の多い方は、收穫目標を上廻つた場合におきましては、面積の多いだけ自分の收穫になるので、その必要はないのではないかと私申上げたわけでありますが、併し面積の多いだけ又投下勞力も多くなるわけでありますから、これは或る程度やはり考慮をしなければ、ならないでしようが、從來例えば田植時期、或いはその他の投下勞力に對しましては、これは地域的な問題かも知れませんが、例えば田植時の加配米とか、そういうような形でその季節的な投下勞力に應じて、そういうものが配られたと思ふのであります。そうでありますから、その經營面積に必要なる投下勞働力が幾ばくであるかということはわかると思うのであります。それに必要なる限度で……、もし強いて必要があるとすればその限度であつて、三百六十五日全部に保有米を取るというような考え方を持たなくとも、私はその經營面積に必要な投下勞働力の凡その限界というものが想定された場合に、ここに問題が片付くと思うのであります。それでつまり私は、收穫目標を下廻るような經營をやつておつちや困るので、效ず收穫目標を上廻つて貰はなければならん。この場合には、先程申上げましたように、經營面積の多いだけ自家保有が餘分に取られるわけでありますから、年間を通じて全部遞増的に自家保有米を許さなくとも、この必要な投下勞力を算定いたしまして、各町村單位の食糧委員會が民主的にこれを決定したらいいのじやないか。私はこういうふうに考えております。
#6
○政府委員(片柳眞吉君) 非常に御研究になりました御意見を拜聽いたしまして、有難うございました。大體私共は實は司令部の方ともいろいろ共同研究をやつておる最中でございまして、勿論この經營面積に應じて、或る程度遞増的に保有量を殖やすという場合におきましても、御指摘のように、大體一段歩當りなら一段歩當りの投下勞働力の調べがあるわけであります。これは直接の投下勞力と、それから自給肥料等を作る努力等を合計いたしまして、大體まあ二十數日というような調べがあるのであります。
#7
○羽生三七君 段當りですか。
#8
○政府委員(片柳眞吉君) 段當りです。段當りで、例えば三十五、六日の勞力を要することになりますれば、それに相應して一定の勞務加配の趣旨で保有量を殖やす。こういう考え方で現在も研究いたしておるようなわけであります。ただ問題は、非常に經營面積が大きくなつて參りました場合には、自家勞力だけではできませんので、結局一部は他の勞務者を日傭いたす。こういうことになろうと思いまするが、この他の勞務者を日傭する場合は、その日傭すべき分まで保有に認めますか、或いはこれは保有量では認めない、詰り農繁期の勞務加配として別途に配給するということがいいかどうかは、これは尚研究して見たいと思つております。大體考え方は、御意見のような段當に要する實際の投下勞力を調査して、それに應ずる保有量を認めて貰いたい。こういうことで考えております。
#9
○羽生三七君 もう一つ。これは技術的な問題ではないのでありますが、食糧供出の政策を決定して行く場合に、その時々、或いはその年々によつて多少の相違が起るのは止むを得ませんが、農民の一番嫌うのは、毎年々々その方式が變つて行くことであります。それから私共實際に食糧割當を末端でやつて見まして、始終方式の變つて行くのは非常に困難するわけであります。そういう意味において、大體本年あたりのこの案というものは十分根本的に檢討を加えられて、その年の客觀的な條件で起る變化は止むを得ませんが、大體構造としては凡そ暫らくはこれで行けるというものを御想定願わないと、農民の特に割當の委員なんかは、こう毎年變つちやかなわんという聲が非常に強いのですから、その點は特に大體これで行きたいということを、本年度は決定的なもので一つ御想定願いたいと思います。
#10
○河井彌八君 主要食糧の米の收穫を以つてしてはどうしても今日の切迫した食糧事情を緩和することはできない。そこで政府の御説明があつたと思いますが、早掘り甘藷の問題であります。どうしてもこれによらなければならない。これは甘藷を利用することにおいて確かに國は助かる。こう私は深く信じております。ところで、早掘り甘藷というものは一體何時から何時までにわたつて供出させるかということを承りたい。
#11
○政府委員(片柳眞吉君) 早掘り甘藷のいわゆる早掘りという期間でありますが、これは早いものは今月からもぼつぼつ出て參りますが、大體八月頃から十月までの間に出ましたものを早掘り甘藷と見て參ります。尚地域的に若干の相違があると思いますから、この點は多少の差等は地域的にも付けて參りたいということで、今研究しておるようなわけであります。
#12
○河井彌八君  早掘り甘藷を供出させることは誠に止むを得ない事情と推察いたすのでありますが、八月は何時からやりますか。
#13
○政府委員(片柳眞吉君) これは河井委員も御承知と思うのでありますが、例えば神奈川縣の一部あたりは、これは秋蒔きの大根等の關係で、從來も八月中に掘つておるものもありますので、これは自然に放置して置きましても、實は今月中には或る所は出て參ると思います。從いましてこちらから八月に幾らと申しませんでも、神奈川縣等については八月から出て參ります。これにもやはり一定の早掘り甘藷として取扱をして參りたい。でありますから、計畫的に私の方で本格的に見て參りたいのは、九月、十月が主たるものになつております。八月は特殊の地帶に出るものをそれを早握りとして見參りたい。こういうのであります。
#14
○河井彌八君 只今の御説明で或る程度わかりましたが、極く特殊地域における早握り甘藷と申しますと、これはほんの、數量において申しますれば、餘り國民を養う力としては十分でない。かように考えます。結局九月から、或いは九月十日頃から九月一杯ぐらいのものは、一番早掘り甘藷として國民の食糧解決に役立つものでと私は信ずるのであります。その場合において甘藷の成長そのものをどういうふうにお考えになりますか。例えば九月十日に早掘りをした。それを成熟の十月一杯まで置いたならばどのくらいになるか。大體私共の實驗においては、三倍半ぐらいの成長になるのであります。そこでどうしてもこれは、食糧不足でありますから、早掘りをして食べさせなければならんというせつは詰まつた實情から考えますれば、止むを得ないのでありますけれども、このまま置けば先ず三倍にはどうしてもなるというものを、早く取つて食べてしまうというようなことになるのでありますが、そういうことに對して、政府に價格なり或いは報奬の方法なりにつきまして、十分なお考え、方法を採つておられるか。それを伺いたい。
#15
○政府委員(片柳眞吉君) 御指摘のように、昨年も大體早掘り甘藷につきましては、時期に應じまして、昨年は確か五段階に分けまして、五つの時期に分けまして、それぞれの早掘りによる減收率をカバーする意味で價格もつけておるのであります。勿論これは品種なり、地方によりまして、或る程度の相違があると思いますが、たしか昨年のものは最高が收量は半分である。完全に畑に置きますれば一〇〇%になるものを五〇%の時期におるものを最高のものといたしまして、それを最高として逐次差等を付けて參りたい。さような減收率に應じまして、早掘り奬勵金をつけておるわけであります。今年はまだ確定的な案を得ませんが、大體昨年度の方法に準じまして、減收量をカバーするだけのものは奬勵金で見て參りたいというふうに考えて、今調査をしておるのであります。
#16
○河井彌八君 只今の政府委員の御説明は、或る特殊の場合には當るかも知れませんけれども、甘藷の成育時期というものは、九月の半ばから十月一杯ぐらいにかけと非常に急速に伸びる。その點につきまして、五〇%というお見込では、私は甚だ見込み方が少い。こういうふうに考えます。もう一つ、今年のように、東北地方はこれは別でありますが、甘藷の主産地でありませんからこれは論外といたしますが、大體において旱魃が非常に續いておる。こういうときに恐らく八月現在……。そこにも作つておりますが、成長は止つております。これから後に急に相當な雨が降りますと、その成長率の速やかなることは驚くべきものがある。四倍にも五倍にもなるのであります。適當な収穫時期まで置けばそういうふうになるものでありまするから、その年の氣候に合せて、本當に適當な方策を採つて頂かなけりやならんかと思うのであります。これは希望として置きます。それからもう一つ代金を以て買上げはしない。何か奬勵金を交付せられるということでありますが、どちらにしましても、大體價格の見透しが付かなければ、奬勵金を幾ら渡してよろしいかということはわからないだろうと思うんです。從つて甘藷の價格を改定せられることは、これは當然でありますが、これは何時やられますか、大體それについての見込、或いは方式というものは決まつておるのでありますか、どうでありますか。それを伺いたいと思います。
#17
○政府委員(片柳眞吉君) 早掘り甘藷の減收率を五〇%は少いというような御意見であります。これは私もそういうふうにも感じとおりますが、實はこの問題は關連方面でも實はいろいろ意見があるわけであります。勿論食糧事情が苦しければ非常に芋が太らん時に早掘りをすることも止むを得ませんが、關係方面等の意見が、それはできるだけ太らした芋を取るということでやつて欲しいという意見もあるわけでありまして、これは結局輸入食糧の數量いかんとも關聯をいたる問題でありまして、ただどうも半分以下のところでこれを掘るということになりますると、實はなかなか話も通らんようなわけになつております。それらの事情もありまして、最高が半分というようなことで、昨年も了解を得ておるようなわけであります。實は本年の北海道の馬鈴薯につきましても、北海道の食糧事情から、北海道廳といたしましても、馬鈴薯の早掘りをいたしたいということが今日まで來ておりましたが、最近司令部側の意向もありまして、それはいけないということになつたわけでありまして、特にこれは御承知の種芋の補給にも關係のある事情もありまして、その代り北海道に關しては早掘り甘藷の相當量を輸入食糧で別途にカバーするからということで決定をいたしたようなわけでありまして、從いまして今年の早掘り甘藷の問題につきましても、結局は輸入食糧の補給の問題と關聯をいたすわけであります。餘り細い時にこれを掘るということは、できるだけやはり輸入食糧等がありますれば避けて參りたいということら勘案して決定して行きたいと思つております。
 それから早掘り奬勵金は、一應物價體系との關係もありますので、奬勵金という字句を使つておりまするが、實際上は價格と同じような扱いになると思うのであります。そこでこの奬勵金を何時頃決定するかという問題でありまするが、これは早場米と早掘り甘藷の兩方を實は一緒に決めて頂きたいという意味で、今いろいろ研究をしておりますわけでありますが、先程お話がございましたように、早いものは今月中にも出て來るというようなわけでありまするから、はつきりした時日はまだ折衝等の關係もありまするから確定的なことは申上げられませんが、大體今月末或いは來月早々には何とか決定して參りたいというふうに考えております。
#18
○河井彌八君 奬勵金の問題、結局交付する金はいかなる名目を以てしましても、やはり價格というものについての目當てが確定しなければ、そういうものは、本當に國民が信頼する政府の政策ということはできないのであります。そういうふうに考えます。今長官の御説明があつたごとく、或いは神奈川縣、或いは大阪府あたり、随分早く薩摩芋を出しております。そういうのに拘わらず、八月の末でなければというようなことでは、私は甚だ……政府は折角食糧問題について骨を折られる以上、どうも遺憾に考えられるのであります。
 それともう一つ失禮でありますが、もつともつと甘藷に對する御研究を本當にやつて頂きたいと思うのであります。これについては特にお願いします。それから馬鈴薯につきましても、私共農村において一〇〇%の供出は疾うにしました。併しそれに拘わらず代金の支拂のないのがあるのであります。こういうふうなことでは、凡そどんなに政府が一生懸命になつて農民の道義心を刺戟せられましても、これはどうも甚だ農民としては不滿に考えるのであります。只今お話があつた早掘り甘藷の奬勵金も、八月の末に決めるというようなことであつては、やはりこれはいかんと、こう考えます。その點については甘藷の成熟して行くその實情の研究と共に、もつと適切な方策を立てて頂きたいということをお願いして置きます。
 それからもう一つ米と甘藷、どうせ米を以て主食とする關係から、甘藷を主食の代りに供出させるということでありますから、米と甘藷との養分の相當率をどういうふうに見ておるか。それが早掘り甘藷において、例えば九月十日の場合、十月一日の場合というような時期において、どういうふうにその相當率を見ておるかということ、これは品種によつて皆違うのであります。政府はそういうことに關してどういうふうにお調ベになつておるか。もう一つは成熟したる甘藷と米との榮養の對等率をどういうふうに見ておられるかというようなことを御説明願いたいのであります。併しこれはかなり専門的でありまするから、何か表を拵えて委員諸君に配つて戴きたいと思うのでありますが、いかがでしようか。
#19
○政府委員(片柳眞吉君) 米と甘藷とのカロリーなどの比較の點でありますが、今手許に資料を持つておりませんので、これは正式な調査をいたしまして、書面をお配りいたしたいと思います。勿論完全に成熟した甘藷と早掘りした場合との澱粉の含有率等も相當違うと思うのでありますが、勿論この調査もあると思つておりますが、ただ品種なり、或いは早掘りの時期等によつて、これは理論的には差等を付くべきと思つておりますが、なかなか配給上そこまでの細かい操作も困難でありますので、現在は御承知のように、米一石、甘藷百六十貫ということで、平均の率でやつております。御指摘のカロリー等につきましては、別途書面でお配りをいたして參りたいと思つております。今の全體の調査といたしましては、米の百グラム當りのカロリーが三百五十一カロリーでありまするが、それに對して甘藷は、勿論これは品種等によつて違いがありまするが、平均して百二十カロリー、まあこういうことで現在はやつておるようなわけであります。
#20
○河井彌八君 私はこの食糧問題について、供出の問題、それから配給の問題、今國民が生きておるのが不思議だと思う程切迫しておる食糧問題でありますから、供出の問題或いは配給について眞劍な討議をなさるということは、これは當然なことであると考えます。積極的に食糧増産、これならば國民が生きて行けるという方策を先ずここへ御發表になつて、そうしてそれと併行して供出なり配給なりの政策を檢討して戴きたいと思うのであります。結局二百萬トン足りないから、これを進駐軍の厚意に縋つて辨じて行こうというようなことになるでありましようが、私は政策の立て方によつては、食糧は國内で立派に自給自足ができるのだと、こういうふうに私は考えておるのであります。或る時期に自分の意見を發表さして戴きたいのであります。併しこれはこういう微細な點に亙つて檢討をすればする程、實際國民は憂鬱になつてしまつて、將來への力とか、氣力というものはなくなると思うのであります。願わくば、積極的に本當に増産ができるという方法をとつて戴きたい。その方針は、政府も本當に推進して戴きたいということを申上げて置くのであります。それにはやはり私は甘藷、馬鈴薯によるべきものだという結論を持つております。殊に私は馬鈴薯につきましてはまだ研究が未熟でありまするが、甘藷につきましては、馬鈴薯よりも或る程度研究しております。これによつて國が救われるのだ、自給自足ができるのだということを私は考えておるのでありますが、そういう希望を申上げて置きます、只今政府委員から承わりました御説明では、早掘りの甘藷に對してもまだ政府においての御研究は十分でないように考えますが、これらについて、もつと適切な方法をとつて戴きたいということをお願い申上げて置きます。
#21
○羽生三七君 私も今の河井委員の御意見と同様で、結局供出問題も重大でありますが、更に重大な問題は今後の日本の農業經營の問題だと思いますが、これは他に適當な機會があると思いますので、その際に述べさして戴きたいと思います。一つお伺いいたしたいのは、これは私の誤まりかどうかと思うのでありますが、或いは地方によつて違う事情があるかも知れませんが、甘藷、馬鈴薯等を農家から供出を求める場合には、米換算百六十貫だと思うのでありますが、これが消費者に渡る時には百四十貫だつたと思うのであります。この理由を一つ承わりたいと思います。
#22
○政府委員(片柳眞吉君) お話のように、供出の場合に百六十貫で、消費者配給の場合には百四十貫ということで昨年度やつておりまするが、實はこれはざつくばらんに申上げて參りますると、カロリーから申しますると、大體百四十貫で支障はないようでありまするが、從前は供出した同じ率で消費者にも配給いたしておつたわけでありますが、昨年の食糧事情等が苦しくなりましたので、消費者との關係は百四十貫ということに臨時にいたしておるのでありまして、これはできればやはりパーでやつて行きたいというふうに考えておりますが、カロリーの點から言いますれば、百四十貫で大體支障はないようであります。それと多少牽強附會になりまするが、理窟を付けて參りますると、芋のことでありまするから、百十六貫で買うて百六十貫で賣はますると、途中の腐敗、或いは目減り等の關係で、その邊の若干のロスを見込まなければならんというような關係もありまするので、これは僅かな理由でありまするが、そういうことも考えまして、これは飽くまで消費規正として、苦しい時の止むを得ざる措置ということでこれをやつておるわけであります。
#23
○羽生三七君 それで御註文があるのでありますが、本年はそのロスの場合には他に適當な消費者負擔の方法があると思うのであります。併し石換算で二十貫というものが生産者から出たものが消費者に渡らぬとすれば、消費者としては重大な問題だと思うのであります。本年は、消費規正という問題もあるでしようが、できるだけその幅をなくすること。なくすることができなければ、できるだけその幅を少なくするようにして載きたいと思います。
#24
○政府委員(片柳眞吉君) それはできるだけそういうようにいたしたいと思います。
#25
○板野勝次君 供出の問題に絡んで強權發動の問題について一つお伺いしたいと思うのであります。強權發動につきまして、農民の生産意欲というものが非常に低下して、從來の米作農民もその一割は轉作しておると言われておるのでありますが、例えば青森縣であるとか、あるいは山形縣などでは、土地の放棄の傾向が現われて、そうして青森縣の單作地帶では、七ヶ村で二百町歩に及ぶ耕作放棄があるのだというふうなことが傳えられておるのですが、それに對して政府は具體的な實情を掴んでおるのでしようか。そうしてその數字とそれに對する對策とを伺いたいと思うのであります。
 それからもう一つ、福岡縣の朝食郡の三輪村ですが、これは多分當局の方にも陳情があつたのではないかと思うのですが、部落民に對する差別的な強權發動がなされようとしておる。それに對して政府は實情を御存じなんだろうかどうだろうかということです。
 それから第三番目に、強權發動によりまするところの取調べの件數は、二百件を超えておると言われておるのでありますが、起訴され、檢擧された數は大體どの位に上つておるのでしようか。それから起訴、檢擧された者に對してはどういうふうに對策を持つておられましようか。
 それからそれに關聯して、政府の今度採つた縁故米の制度というふうなものが、食糧管理法を政府自身が破つたものではないかと思うのですが、それに對する見解をお伺いしたいのであります。
#26
○政府委員(片柳眞吉君) 最初の御質問はあとで政務次官から大きな問題でありますからお答え願いたいと思います。第二點の福岡縣朝倉郡の三輪村でありますが、これはまだ私は報告を受けておりませんので、尚調べて行きたいと思います。まだ私は承知をしておりません。
 それから第三點の起訴件數の點につきましては、司法省の方から連絡がある筈でございますから、若し必要でありますれば數字を以て別途お答を申し上げたいと思います。それから縁故米制度の點は、これからはいろいろの見方があろうと思いますが、我々といたしましては實質上は御指摘のように、政府がみづから食糧を買入れて賣却をいたすという見地から見ますれば、多少食糧管理の邪道といいまするか、これが多少そういう方向を崩したというような點は確かにあろうと思います。ただ一應法律的な解釋といたしましては、一一〇%を供出しました農家が、自分の縁故者に自家保有米の中から贈與をいたすという關係で、これは一應食糧管理法の規定には勿論牴觸いたさないわけであります。實體論としては御意見のような御批判も一部はあり得ると思うのでありますが、法律論といたしましては、自家保有米を縁故者に讓渡いたすという關係で、それから縣外移動につきましては特に關係法令を改正いたしまして、あの限度までは發送ができるというふうに法令を改正しておりますので、法規の面からは一應合理的である。こういうふうに考えております。
#27
○政府委員(井上良次君) 強權發動の問題に關して特に青森、山形等の例を擧げられて御質問でございましたが、政府といたしましては、本年度の供米對策を實行することによりまして從來とかく問題になつておりますこの強權發動を今後できるだけなくしたい。強權發動をせなければならない供米對策であつたのでは意味がないのでありますから、從つて十分耕作農民と納得の上で供出對策を立てるということを基礎にいたしております。ただ從來特に今御指摘の地域が強權發動の重要な對象地となつた所以は、これらの地域が單作地として農家經濟の裏付が十分に行われてなかつた。これらの地域は、農家經濟の中心が米作農業中心になつておる。從つて、その米の割當がどう決められるかということは農家一ヶ年間の經濟に重大な影響を持つておるというような、農家の實質的な考え方と、それから政府の考えております食糧全體の調整との上に食い違いの生じた結果から起つた問題でありますので、今後政府としては單作地帶に對する十分の裏付をいたしまして、本年以後においてはかくのごときことの起らないような處置を考えております。尚假に、政府はいろいろ具體的な農家經濟に對する裏付をあらゆる手を講じていたすにも拘わらず、又供出割當が合理的な方法において行われるに拘わらず、正當の理由がなくして供出割當を完遂をしない場合には、これは遺憾ながら強制措置をとらざるを得ないのでありまして、併しそれを行う場合は、飽くまで政縣及び市町村の食糧委員會の協力を求めまして、それらの委員會がこれはどうしてもいかないという場合に限つて行いたいと考えておるような次第でございます。今後の取扱については十分注意いたしたいと考えております。
#28
○板野勝次君 只今載きました書類と關聯して來るのですが、供出制度について民主的に行なつて來ればそういう強權發動等の必要もなくなつて來るのですが、ところがこのお示しの供出對策要領案から參りましても、供出割當の基礎になりますものが、豫想收穫高と推定實收高の決定というものが作物報告事務所、食糧事務所の一方的な調査によつて行われて來て、農民の意思というものは十分には取入れられていないということが一つと、それから食糧調整委員會というものが一應公選の形をとるようにはなつておりますが、その權限というものが上からの割當の範圍内のみにおいてするところの調整に過ぎないので、府縣中心の食糧委員會というものが官僚の單なる諮問機關に過ぎないので、こういうふうな供出機構というものは、結局天下り割當を合理化するための單に……一層民主化するとは言いながら民主的な僞裝の止まつておる。こういう點から見るならば、もう少し食糧調整委員會というものが決定權を持ち、更に供出等の問題についても非常な紛糾を來す等の場合には、公聽會を開いて飽くまで民主化の徹底を期するというようなことが、強權發動等を繰返さないようになる點ではないかと思うのですが、その點に對する見解をお伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(井上良次君) 本年行います豫想收穫の的確なる把握をいたすに當りまして、その調査方法が一方的な機關において行われて、農民の意思を十分に反映さすことが困難ではないか。又一方それに基いて實收高との上における割當を行う場合に、いろいろな機關を設けておるけれども、それは民主的の僞裝ではないかという一つのお考えのように伺いましたですが、政府としてはそういう腹黒い考え方でこの案を御相談しておるのではないのであります。いかにすれば現在の日本の食糧事情を農民の人も理解をして貰い、又農民みずからその汗水垂らした耕作農作物を喜んで納得して出して貰うかということを基礎にして考えておるのでありまして、そのためには飽くまで耕作農民が納得するということが條件にならなければなりません。從つて政府におきましてはその收穫高把握に關する措置の(ハ)と(ニ)を讀んで載きたいいのであります。(一)の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)とありますその(ハ)と(ニ)をお讀み下さいましたならば、よくその事情がおわかりになると思いますが、町村において調査機關の行う調査の内容方法は、市町村又は部落の代表者、若しくは生産者等に公開し、その公正なることを認識させることに努めるということが(ハ)に謳うてあります。このことが一番大事な問題でありまして、いかに立派な調査を行いましようとも、又いかに民主的な割當を行いましようとも、このことが市町村、部落の代表者、又は生産者等にこれが公正妥當なものとして確認されなければ駄目でありますので、この點を政府は特に重要視してやりたいと考えております。尚こうしてやりますが、何と申しましても、やはりいろいろな關係で、村と村との關係が不均衡な状態を來して問題を起す場合がございますので、町村間の不均衡や、都道府縣間の不均衡は、その次に書いてあります(ニ)の事項においてこれを調整したい。即ち作物報告事務所長及び食糧事務所長は、必要に應じ、調査に關し、府縣、市町村長、食糧調整委員會、農地委員會、農業會、農民組合等の意見を聽くこととし、又調査班を編成して、合同調査を行う等の方法により市長村間の均衡を圖る樣努めること、ということが(ニ)に謳うてありますが、かくのごとき方法によりまして、大體その正確さを期したい。併しこれを決めて假に確認いたしましても、更にこれだけで一方的な決定ということになつては問題でございますので、その次の(ホ)の條項において、件物報告事務所長及び食糧事務所長は調査の結果を作物報告委員會に諮り充分檢討の上決定する。こういう文句が書いてございます。これらのことによりまして、今板野さんから御心配になるような點は十方防止できるのできないかと考えております。尚この食糧調整委員會の運用及びその性格等については、ここの書いてあります通り、從來の食糧調整委員會の構成というものが、得てして天不り的な一方的な選任に見られる機關のように考えられましたから、一番下部組織は大體これを選任をいたしまして、つまり選擧によつて委員を決める。更に特に重要な方々に對しては委囑をいたす。こういう方向と二つを以ちまして、この委員會が民主的な構成を持ち、且つ運用できるような方向にいたしたいつもりでございますから、決してこれを民主化するための一つの僞装機關として政府は運用しようという考えはございませんから、御了解を頂きたいと思います。
#30
○板野勝次君 その點は、民主的に僞装されておるという點は、只今の御説明で、いろいろ民主的に運營されるようには一應なつておるけれども、根本の元締めになる面が、結局最後の決定權は官僚機構が握つておるので、人民の側から公正妥當な方法が最後まで貫徹し得る途が拓けていないので、その點は、やはり官僚機構が嚴として控えておるために、それを突き破つて民主的な意見が貫徴するという方向がないから、民主的な僞装であると、こう言つたので飽くまで最後まで人民的な方向によつて決定されるということこそ私は供出の民主化ではないかと思うので、そういう點に政府が十分意を用いて貰わないと、一應は民主的に運営されるように、どの項を見てもなつておるけれども、最後にものを決定されるときには、農民の意思、全體の人民の意思が無視されて、官僚の機構によつて決定される。この弊害を除去して貰いたいと思うのです。そういう點が、今不十分にしか説されていないように思うのです。
#31
○政府委員(井上良次君) 今の御意見は、一應は農民の意見を聽くことになつておるが、最後の決定權は政府が持つておるのじやないか。それでは農民の意思は中途で頓坐してしまつて、結局天下り割當になるじやないか。こういうお言葉のように承つたのでありますが、勿論その割當に對しましては、農民の眞實の聲を我々は聽きまして、而して妥當公正なる方向にこれを決定するという行き方を採らなければなりません。そうかといつて、農民だけの利己的な主張だけに基いて供出割當を我々は決めるというわけには參りません。國全體の食糧事情というものと睨み合せて、そうしてあらゆる角度からの公正な調査をそれに參考として、これならば誰が見ても納得し得る的確な数量であるということを以て認めて頂くというやり方を採らなければなりませんので、飽くまで農民の意向は尊重して、そうしてそれを基礎にして、我が國の食糧の需給状況と睨み合せて、公正妥當なるものを決めるという行き方にしなければ、食糧對策は立たないのでありますから、この點は一應御了承願いたいと思います。
#32
○板野勝次君 今私が申したのは、農民だけじやなくて、いろいろな各層から出て來た代表者によつて決定されるという意味で、農民の一方的意思によつて供出を片づけようという意味じやないのです。
#33
○政府委員(井上良次君) その點は一番しまいの、中央食糧委員會というのがございます。この中央食糧委員會の事項を讀んで頂きますと、その點がお分り下さると思いますが、委員は國會議会、生産者團體、消費者團體の代表者、學識經驗者等より政府これを委囑し、會長は農林大臣とするということになつておりますが、この委員會は、次に書いてあるような事項を決定するのでありまして、從つて大體この委員會の決定したことを下部の各委員會にお諮りをいたしまして、この委員會にかけられるまでは、下部から出て來ますところの意見がここへ全部反映して來る組織になりますから、これによりますならば、衆參両院の專門的な議員の方々を委囑し、或いは農業會、或いは農業復興會議、或いは農民組合、農村協同組合、或いは都市の消費者團體の代表者、その他學識經驗者等を以て、國最高の中央食糧委員會を構成するのでありますから、この委員會で、大體全國の各都道府縣の食糧委員會の調査報告を待ちまして、これで公正妥當なものを決めるという行き方をいたしたいというのが政府の考え方でありますから、板野委員の考えておられる點は、この點で、大分御了解を得るようにはなりませんかと思います。これをどう運營するかという問題が一番問題なのでありまして、十分民主的な方向を誤らんように、政府としてはいたしたいという、こういうつもりでおります。
#34
○門田定藏君 簡單に、先日から質問があつたことですけれども、重ねて質問したいと思いますが、この生産者價格についての割當ですが、農家の經濟の維持できるような生産者價格を設定するということですが、この間も話がありました通り、何といつてもこの農家の經濟を安定させるという點については、農民の勞賃というものを織込まんというと、全然農民の所得というものは成立たんと思うのですが……。先刻もお話のあつた通り、二十日乃至二十五日に對する農民の勞賃について、政府はこれをいかなる考を持つておられるでしようか。政府のお考えを承りたいと思います。
 それからこの間もありましたが、地力に對する割當についてですが、大體島村委員あたりの意見もありましたが、地力に對して大體の割當をするということは、よくこれは考慮すべき問題であつて、我々数十年の農業の經驗によりますと、地力のいい所は、或る程自由經濟時代で肥料が十分にあつた時代には、その地力を十分に發揮することができたんですが、近來、戰爭のために肥料が非常に生産が少くなつたために、その地力も本當に發揮することができなかつた。ここらをよく考慮して、そうして今年の割當については實收を本位とする。これは地力がいかによくても、實際に收穫のない所が澤山ある。年によつてきこれまで地力のよかつた所が惡くて、東京の惡かつたような所がいい所があるんです、この收穫の割當については、これは根本をなすものであるからして、地力と實際の收量ということを的確に調査して、一方に偏せんように、十分なる調査を要すると思います。これについては御意見がございましたら承りたいと思います。
 次はこの米作の單作地帶ですが、單作地帶について或る程度考慮するということでありますが、我々は鳥取縣なり他の縣を廻つて見ますのに、單に單作地帶については、他の方面に畑とか何とかの耕作をしておる場合も澤山ある。そうして稻一毛作であるからして、それに相當なる手心を加えるということは……、水田は一毛作であるけれども、その他についてどれだけの耕作をしておるか、畑の作物についてどれだけの耕作をしておるかというようなことをよく十分にこれは調査した上で、ただ單作であるからして、これは二毛作とは加減する。手心するというような、輕率な割當であつてはいかんと思います。これらについて政府のお考えを承りたいと思います。それから次は段當割當の問題でありますが、段當について、段當を成る程多く作つておる人には、ある程度まで考慮するということが考えられ得るけれども、實際を調べて見ますというと、家族が少くて土地を多く作つておる人がある。これらの人は段當について重點をおいて割當をするというと、家族が少いのに、段別を多く作つておる人は、保有米を澤山残すことになる。そうしてその結果は横流れする米が殖えて來る、又一面においては米價もこういうふうに値段が上つて來るしすると、自家の勞力だけでなくして、勞力を傭入れて段別を多く耕作して行く人がある。これらの點をよく調査しないというと、ただ段別のみによつて段別を多く作つておる人によつて、割當をやるということになると、これらの弊害が起つて來ると思います。本年は聞くところによれば、大幅の米の値上になるから、相當の勞賃を上げても耕作をしているという所がある。これらのことを十分調査して、供出の根本をなすところの割當が誤まりないようにして頂きたいと思う。これらについてかなるお考えで、あるか。當局のお考えを承りたいと思います。
#35
○政府委員(井上良次君) 米價の問題についてお尋ねがございましたのですが、この算定の基礎になる一つとして、勞力竝びに畜力を除くということは穩当を缺くという御意見でございますが、政府としましても當然勞力及び畜力というものは加算をして貰わなければならんという意見を、我々は強く主張したいと考えております。ただ今日豫想されております米價というものの算定の基準が、昨日も物價廰の第二部長からお話がございました通り、勞力、畜力はその算定の基礎に入つてない。ただ農家が農業經營をいたす場合に必要なる資材及びその家庭生活になくてはならん主要生活必要物資、こういうものを當時の物價で基準量を割出して、それから現在までの騰貴率を見て、一定の基準量を出すというこの行き方は、いろいろこれには我々としても意見があります。從つてこれは昨日委員長からもお話がございました通り、この問題につきましては、物價廰と農林省との間でもつと議論をいたしまして、そうして十分政府としての一定の新米價にいたす意見を經めまして、皆さんにお諮りするようにしたらどうかと、こう考えておりますが、本日はこの程度で御容赦頂きたいと思います。尚その他は長官からお答えいたします。
#36
○政府委員(片柳眞吉君) 肥料の減少によつて當然これは米なりその他の生産高に影響がありますことは、これは當然でありますから、これは從來におきましても農事試驗場等の調査に基きまして、例えば本年度段當五貫なら五貫であれば、どの程度の減收になるかということは、當然從來も考慮に入れておるのであります。併し尚この點は、今後の割當につきましては、特に御指摘の點は注意もして行きたいと思つております。それから單作地帶の考慮につきましての御意見でありまするが、勿論私の方でも、いわゆる世間にいわれております東北なり北陸が單作地帶である。こういうことでありまするが、それ以外の地域におきましても、同じ縣内でも勿論單作地帶も當然あるわけでありまして、この邊も當然均霑し得るような方向で單作地帶の考慮を全體的にやはり考えて參りたいと、こう思つております。
 それから最後の點は先程も羽生委員に對して私からお答えいたしたところでありまして、家族が少ないにも拘わらず經營面積が多い場合におきまして、經營面積全部について段當加配を見て行きますれば、自分の家族の食べる以外に相當プラスが残るわけでありまして、それがやがて横流し等の原因になることも十分承知しておるのであります。そこで私先きに言いましたように、例えば家族が五人であれば、それによる、自家勞力による最高の經營面積が例えば何段歩というふうに限定いたしまして、その限度までは程度的に保有量を認める。それを越した分は他の勞務者を雇い入れるということになりましようから、その分については別途に勞務加配等で考慮いたすということもどうであろうかということで、實は研究しておるのであります。これは私もその點は全く同様に思つておりますから、その點は十分一つ研究して行きたいと思つております。
 それから先程他の委員から御指摘の點は非常に重大な點でありますから、私も一言附加えて御答え申上げて見たいと思いますが、實は生産見込を付けるにつきましては、從來も非常に苦心をしておるのでありまして、そこで私共の考えといたしましては、從來は供出等に關係のある食糧檢査所であるとか、その他の要するに供出等に關係のある機關がこれを決定しますと、どうしても一方に遍するという嫌いもありますので、これはどうしましても、今後の方向はすべて供出にも何にも無關係な、純粹無色の立場で農民の意見も聽き、或いはその他の各方面の意見を公平に聽いて、無色の立場で生産見込を決定する。こういう方向以外に私はないのではないだろうか。こういうふうに實は考えて、そのラインから作物報告事務所というものも一應できたわけでありまして、勿論現在の機構では直ぐ様そこまでは行き得ない状況でありますから、本年度は便宜的に從來やつておりました食糧檢査所系統が作物報告事務所の方に應援はいたしまするが、やがては實はこの方面からは、食糧管理關係の役人が生産見込高の決定にタツチをするということから手を引いて參りたい。むしろこの作物報告事務所の系統を經濟的方面からも或いは人的の方面からも十分これを擴充して、丁度裁判官というような立場において、純粹無色の立場において生産見込を決定する。無論この場合におきましては、農村なりその他の意見は十分聽きまするし、又みずからもできるだけ精密な客觀的な調査もいたしまして、ともかくも供出なり配給なりには無關係な純粹の立場において決定をする。こういう方向を強化する以外にないのではないかというふうに考えておるのでありまして、この點は私共も非常に惱んでおる問題でありますので、現在考えております考え方を申上げまして御參考にいたします。
#37
○岩木哲夫君 ちよつと關聯される事項と飛び離れて誠に恐縮でありますが、農家の自家保有米に對しまして新たなる檢討が加えられることは、御提出の書類等で窺われるのでありますが、加工、消費等においても随分科學的な割當なり、或いはカロリーであるとかいつたような問題も、現在押詰つて實行されておるような實情から見まして、農家の自家保有量の原則についても、實際主要食糧の耕作勞務者、耕作に從事する農耕要員と、農家の家族であるが實際の耕作に從事しておらない家族とがあるわけであります。然るに現在までは一律一體に四合割當という工合になつているようでありますが、この際こうした自家保有量の調整をなさる御意思があるならば、今仰せになりましたように、實際米作或いは主食の耕作勞務に携われる農家に、四合で足りなければ五合でも六合でも加配を行い、實際農耕に從事せざる家族、これは實際あるのでありますが、こうはたものはこれは一般消費者と同様の二合五勺の基準を決めるということが、非常に消費者方面においては意見が出ておるのであります。但しこれらの方においても農繁期であるとか、出來秋等においては、それぞれやはり手傳いをしますから、その手傳いをする日數の割合に應じて勞務加配はこれは又必要でありますが、原則としてはこういうことがやはり必要ではないか、これをやらない限り、いわゆる飯米農家と稱するものが今度の農地法改正に伴い非常に澤山割り込むという氣配もある實情等から、これらに對する拔本的な御考慮が願えないものかどうかが一つと、それから第二は、供出割當の基本的原則というものは、どういう點を以て割當供出の基本的な原則としておるのかどうか。農家の生産收量から農家の自家保有量を引いたものに對して一定の歩合を出しているようでありますが、ややともいたしますれば、本食糧年度及び咋食糧年度の政府の割當の供出の實績を見ますれば、需給上非常に困難だから實收額はこれであるがこういう割當をしようという手心が、需給状態において加えられておる。どこが原則であるか一向明瞭を缺いておるのであります。實收額から自家保有量を差引いたものを全部割當供出とするのか。それに對しては一定歩合何十パーセントを以つて割當をするのか。若し何十パーセント割當をする場合には、殘餘のものは農家再生産經濟上必要なる……闇横流しとは申さないが……必要なる物交として、政府は暗に認められているのか。潤いとして認めるのか。認めておるとすればそれに對する適當なる措置が講ぜられなければならん筈でありますが、この間におけるどうも基本的な原則はわからないのでありますが、この際伺いたい。もう一つ最後に私は、食糧行政と警察行政の不一致から、これはもう實收額の査定においても、供出割當の上においても、或いは供出成績の上においても、或いは輸送の上においても、加工の上においても、配給の上においても、消費の上においても、随分各府縣てんでんばらばらの警察行政が行われておる。勿論法に準據されておる警察權の發動は悪くないわけでありますが、併しながらなかなかその各府縣各銘々の實情が、或る府縣は供出に對して非常に嚴重な所がある。或る所は百パーセント出せばあと闇は認めるという警察の行き方もあれば、或いは縣外に出すのを取締るものもあれば、縣内に入る買出しを引捕えるのがある。或いは加工の方面においても、濁酒闇醸造といつたようなものの取締りの點でありますとか、これはもう配給、消費、加工、生産、供出、實收額の調査、各般に互りまして現下の最も重要な食糧政策、國家の運命を支配するといつたような食糧對策に對して、あれこれ管理法についてもこうしたことをするのは結構でありますが、併しながら内務省が携わつておる食糧警察行政というものと、農林省が主宰する食糧管理法を基盤とする食糧行政とのどうしてもぴつたり來ない點が、いかに生産者を苦しめ消費者を惑わし、或いは現在の食糧事情を混迷に陷いれ、割れ切れないものが多數に出ておるか知れないのであります。
 この食糧行政と警察行政と一致させる方法はないものかどうか、冀くば我々は食糧關係の専門の警察を農林省に委嘱する。農林省がそれを把握するような制度、これはもう生産から、調査から、輸送から、加工から、消費から有らゆるものを、食糧關係を一貫せる十分こうした點の事情に通せる警察官制度を別途に農林省が把握したらどうか。そうでなかつたならば、警察行政と食糧行政のもつと一致した方法を全國的に統一して貰うか。これが現在大いなる世間の非難となり、これが食糧行政を混迷に陷れている事實でありますから、こうした點における根本的な考え方を是非とつて頂きたいと思いますが、これに對する御所見を伺いたいと思います。以上。
#38
○政府委員(片柳眞吉君) 第一點の農家保有量の點で、農家の人で例えば役場に勤めておりますとか、農業會に出ておるとかいう人について、これは消費者というような立場において農家としての保有量は認めないで、一般消量者なみの保有で行けという御意見と大體承知したわけでありますが、さような意見も實は我々も現在いろいろ問題としておるのでありましまして、まだ結論に到達しておりませんが、ただそこまで行きますると、やはり朝夕歸つて來て、自分の家の手傳いもいたしまするとか、或いはお話のように農繁期には或いは役場を休んで自分の家の農事を手傳うというようなこともありまするから、なかなか同じ家族の中でどの人を農業委員と見、そうでない者を消費者に見るかということが理論上は一應成り立つと思いまするが、實際上の判定においては相當のやはり困難性もあろうと思います。この點は尚十分研究をして行きたいと思つております。それから供出制度の基本的原則といいますものは、これは冒頭に政務次官からお話がありましたことで大體御了解と私は思うのでありますが、お話の生産見込よりも實收高が殖えた場合における措置等についての御質問でありましたが、要しまするに從来の供出制度で行きますると、農家がいろいろ努力をして米なり麥を澤山作ると、作つただけ供出に全部取られてしまう。この邊が今後の再生産にも非常な惡影響もある。こういうことを是正して行きたいというのが今囘の制度の一番の狙いでありまして、やがて農業生産調整法の思想も大體同じ趣旨で法律が制定されると思うのでありますが、從いまして生産見込よりも實際の實收高が殖えました場合におきましては、これは昨年の米のように、實は自發的供出といいながら、實際上は強制に近いような供出をするというようなことは、これは避けて參りたいとう思うのであります。それは一定の報奬施設等の誘引によつて、自動的にこれを出して頂くということで、これを無理矢理取るということでないような方法で處理をして行きたい。從つて若しこれを出さない場合におきましては、勿論法律上の問題にもなりませんし、それだけ自家保有には彈力性が出て來るのでありますが、ただ出さない場合に、これを全然放置していいかどうかは一つの問題と思います。これを法制上取るわけには參りませんが、それをどんどん横に流したりすることについては、これは當然取締をして行かなければなりません。やがて相當實收がとれておりながら殆んど供出がなかつたという以上は、やはり或る程度はその後の食糧の供出についても、一部の考慮にはやはり加えて行かなければならんのじやないかというふうに考えておりますが、とにかく努力してできたものを強制的に追加供出のような恰好で取るということは、これははつきり止めて參りたいというのが、大體今囘の制度の眼目と考えておるのであります。
 それから第三點の食糧行政と警察行政との關聯でありまするが、この點は頗るむずかしい問題と思うのでありまするが、勿論從來からも食糧行政の遂行につきましては、内務省その他警察關係方面とも十分連絡をとつておるつもりでありまするが、これは食糧行政と警察行政とをあまり一體化するというようなことが、却つて今後の供出面にいい影響があるかどうかは、相當私といたしましては疑問に思うのであります。むしろ飽くまで食糧行政は御審議のような、かような方向でやつて參りたいのでありまして、裏の方に警察行政の實權を隱して食糧の供出その他の行政をやるということが、却つてどうだろうかというような感じも持つておるのであります。ただ警察の力が非常に農村等では、食糧管理方面ではそこまで手の及ばないというような事例も聞いておるのでありまして、我々の一部の意見といたしましては、或いは村におりまする食糧檢査員等について、食糧管理法の範圍内において、或いは一部の警察權を附與したらどうだろうかというような意見も出ておるのでありまして、丁度鐵道の官吏に一部の取締的な警察權を附與しているというようなことがあるわけでありますが、それと同じようなことをやつたらどうだろうかというような意見もありまするが、實は私といたしましては、先程言つたような趣旨から、末端の食糧檢査員に、一部ではあれ、警察的な權能を附與することが、どうも現在の實態では却つて弊害が多いのではないだろうかということで、むしろ私は、連絡はよくして行きたいと思つておりますが、食糧行政の中に警察權能をこの際導入することにつきましては、私はむしろ否定的な考えを持つているわけでありますが、尚この點は十分研究して行きたいと思います。
#39
○佐々木鹿藏君 私は河井委員と同感の意見を持ちまする者で、割當等も重大な問題でありますが、根本の食糧増産という對策が十分にやられる國内の自給自足體制が確保できなければ、何年でもかようなことを繰返して、窮屈な生活をしなれけばならんということになるのであります。そこで政府は、参議院、衆議院において食糧増産のみに専念する食糧増産對策委員を作る意思があるかどうか。これをお尋ねいたします。
 それから第二點は、昨年の供出未了、割當供出未了の農家に對しての處置はどうか。この處置いかんによつては、今後供出さるべき食糧が供出不振に終る虞れが多分にあると思うのであります。それについての御意見いかん。
 尚昨日の委員會において、政務次官が供出の超過はないような方面に行きたいということであります。供出に對する奬勵、超過に對する奬勵はとりたくないというような御意見のように聞いておりますが、この要網を見ますと、超過供出については報奬金を以て當てるということになつておりますが、これはただ金のみで結末をつけるのか。從來のごとく國民の必要物資を報奬に當てるのか、これについて伺いたい。この三點をお尋ねしたい。そうして私の意見を更に加えたいと思います。
#40
○政府委員(井上良次君) 最前河井委員及び佐々木委員から、原則的に國内の食糧の自給體制を確立せよ。そのためには國内においてあらゆる手を盡して、増産の方法を確立することが絶對に必要である。これは少くとも食糧問題で頭を惱ましている人々は、全部の人がそう考えることでありまして、當局である政府といたしましては、この國民的な意見を大幅にとり上げまして、積極的には開墾の計畫を大々的に立て、干拓の計畫を大々的にやる。更に又既耕地の多收穫の方法に對する非常手段を講する。又主要食糧であります米麥、それから芋類、雜穀、これらの増産に對しましても、それぞれ必要な手を打つておるわけであります。今後あらん限りの力を盡して、政府といたしましては食糧の自給態勢を國内において圖る方法に全力を注ぎたいと考えております。從つてこの立前から國會議員の各位の方々が、この食糧非常増産のために特別委員會を設けて計畫をお立て下さることがありますならば、政府は進んでこれらの機關に對しての御協力をお願いしたいと考えておりますし、又そういう機關が設置されることを政府は切望するわけであります。ただ國會には御存じの通り參議院、衆議院に農林委員會が常任委員會として設置されておりますので、この兩常任委員會において、今佐々木委員から發言がありましたようなことが、積極的な國家計畫としてとり上げられて立案される方向に御討議下さることを、政府としてもお願いをいたしたいと考えます。
 尚その次に、二十一年度産米の政府割當に對する未供出分に對してどう處置するかという御意見でございますが、これに對しましてはそれぞれ都道府縣の知事にお願いをいたしまして、できるだけその未供出分は供出を完了して貰うし、萬一米で供出ができない場合は代替食糧において供出を完了して貰いたいというようなことをお願いをいたしておる次第でありまして、政府としましては供出の未了分につきましては、できるだけこれを完了する方法をとつて、一一〇%完納した者と、完納できなかつた者との不公平を是正することに努めておる次第であります。但し天災地變その他の事情によつて止むを得ない者に對しましては、その事情を參酌いたしまして、これは止むを得なかつたという處置をとりたいと考えておるのであります。
 第三番目の超過供出に對する報奬制度についての御質問でございますが、昨日私が申上げました點は、超過供出に非常に重點を置きますと、政府が一番大きくこの食糧自給態勢の上で掴もうとしますところの、農家の一〇〇%完全供出というものに狂いを生じて來ますから、政府といたしましては一一〇%供出に全力を擧げて、これで大體農家の經濟も成り立ち、これで又次の再生産の方向も確立し、又國の食糧自給態勢も確立するということを堅持して行きたい。それから残ります超過供出の分については、それは特に農家の、國の現状を憂えての奉仕的な農家の感情でございますから、これに對してはそれらに相當の報奬の制度を設けて補いたいというところの氣持を持つておるのでありまして、政府の食糧行政の根幹は飽くまでも一〇〇%供出にある。それで大體年間の需給推算を確立したいという見地を明らかにしておいて、それ以上超過分に對しては農家に對する農民の心に應えるの處置を講じたい。こういうつもりでおるのでありますから、御了承頂きたいと思います。
#41
○佐々木鹿藏君 只今の次官の御答辯に對して、一〇〇%供出せしめる割當をしたいという御意見に對しても、私も誠に同感のことであつて、非常なゆとりのある供出方法をお決めになることは却つて供出をうまくできない方法になると考えますが、私のお尋ねしたのは一〇〇%以上超過供出した者に對しては、この要綱では報奬金、金ということになつておりますが金だけで報奬をおやりになるのか、或いは物をお出しになるのかということをお尋ねいたします。ついでにもう一つは一〇〇%までの供出は當然であると見ておるのか。或いは九〇%まで供出した者に對してはもう一歩一〇%の供出を促進するために、何か具體的の案があるのか。そういう點を更にお尋ねいたします。
#42
○政府委員(井上良次君) 一〇〇%以上の超過供出分に對して、政府は報奬金を中心にするか、報奬物資を中心にするかというお尋ねのように伺いましたが、大體政府といたしましては報奬金を中心にして行きたいという氣持であります。併し實際上農家の要望もございまして、又希望のこれに對する物資の割當も睨み合わせまして、報奬物資として農家が喜び得るような物資が掴めまするならば、それを提出する處置を講じたいと考えております。尚この九〇%まで供出ができた。尚もう一〇%で一〇〇%になるから、これを更に拍車をかける一つの手段として政府は何か考えておるかと、こういうお尋ねでありますが。政府はこの際九〇%から一〇〇%への完遂を來す處置を今こう考えておるとか、どうとかいうことを言明を避けたいと考えます。これは却つて一〇〇%供出の上にいろいろな弊害を生じて來る考え方を與えますから、これは後でゆつくり檢討を加えて、御意思に副いたいと思います。
#43
○島村軍次君 今度の對策を辿つて考えますと、政府はこの原案をお立てになりましたのに、相當御苦心のあつたことは想像されるのでありますが、先程板野議員からお話のありました問題がどうも割り切れぬ問題が殘つておる。何となれば民主化という問題に對して、その一環が結局作物の豫想報告と實收高報告であるということになる。この調査要綱によりますと、ここに報告事務所長及び食糧事務所長は必要に應じ實收高に關し意見を徴するとあります。それから次には作物報告委員會に諮り十分檢討の上、自己の責任においてこれを決定すと、そこでこれらの事務的處置を通じて考えますると、結局食糧局長官の御答辯の根本の趣旨は分りますが、決定は結局この事務所長竝びに作物報告事務所長により、而も今度の要綱の(ホ)ですか、作物報告事務所長と作物報告委員會の關係がどうなるのか。つまり作物報告委員會というものが、最後の決定をやる。それから尚、割當については、むしろ前内閣當時において自治的供出ということが言葉に使われておつたのでありますが、今度の内閣においては、一層民主化することという言葉は使つてありますが、結局割當方法は中の段階においては、委員會制度で形は民主化されるようでありますが、やはり天下りのものである。農民はそれに甘んぜねばならんという點が相當あるように受取れるのであります。實際のこの運行に當つて、作物報告事務所長なり、或いは作物報告委員會というものの運營を本當に民主化することをやらなければ嘘だと思うのでありますが、それらに對しては事務的にどういうふうなお考えをお持ちになつておりますか。お伺いしたいと思います。それから尚この農民の心理を我々が付度して考えますというと、やはり推定實收高及びその實收高によつて割當を受けるということは、成るべく早く割當をすると言われますが、併し結局不安の状態は從來と變らんと思います。
 それから尚この割當に對する公正、町村別間の公正、部落間別の公正を期することが……、これが今日の割當制度の一番難しい點であるということが遺憾である。この見地に立ちまするときは、私は先般の委員會で申上げましたように、この地力というものにあまり理論的に重きを置くということは、これは適當でないとか、いや非常にこれに重きを持たせるということに對しては、議論の餘地はあろうと思うのでありますが、ちようともう一遍繰返します、重要な點でありますから……。この地力の點に對して非常に重きを置くということに對しては、先般申上げたように食糧局長官と意見を異にしておるのでありますが、併し公平ならざる割當というものが、結局このここの要網に上つておりまするように、調査班を編成して合同調査を行う等の方法によつては、なかなか均衡を得ることはできんと思います。何となれば、私の縣でこういうふうなことをやつたこともありますが、なかなかこの責任の歸屬というものが、不十分であるということ、一片の要網によつて統制を圖るというペーパープランではなかなかそれができんと思う。それはやはり豫想収穫高或いは實収高というものの他に地力要素というものの調査がないから……。といつても、これは調査のあるところもあるし、又多少の調査の不十分がありましようとも、これを採り入れてそうして数年後において完成するという積極的な態度に出て貰うことを私は強く主張いたしたいと思う。その點に對して重ねて御答辯を願いたいと思います。
 それからもう一つは、部落を對象とした割當に對しては、從來やつたりやらなかつたり、又今日の一貫した思想というものは、個人を對象にしておりますが、實際の事務については市町村長が、責任者になるといたしましても、市町村長はこの各個人間の農林省でお考えになつたような問題を算術的に計算するのには、係員は數日又は十數日を要し、食糧事務所或いは作物報告事務所からの御指令によつていろいろな要素を加味するためにも、非常な困難を來しておるのであります。從いまして、基礎數字ができればわけのないようなことでありますが、部落に行きました場合には、この割當が理窟通りには必ず參らぬというのが今日の實情であります。又この方法を採るということは、事實問題としては非常に困難性を伴うものじやないかと思うのであります。そこで部落でぼかされて個人割當が行われるということになると思うのでありますが、部落に對する、或いは實行組合その他に對する取扱をどういうふうに今後お考えになつておりますか。以上三點についてお伺いいたしたいと思います。
#44
○政府委員(片柳眞吉君) 生産見込をつけるという點につきましては、先程も板野委員に私からお答えをいたしましたが、實はこれは供出の基本的の問題でありますから、非常に今日までも、實は苦勞もいたし、又適當の方法がないかということで研究して參りました。今後の方向につきましては、先程私から申上げたような作物報告事務所というこの機構をできるだけ擴充して、食糧管理行政から分離した、しつかりした機構として、各般の情勢を調査をした上で、ここで一つ無色な決定をして貰いたい。併し差當りは或いはそうも參りませんので、本年度は便宜的に私の方の食糧檢査員を作物報告事務所の調査に應援をさせるという暫定的措置をとらざる得ませんが、この點はできるだけ一つ私の方でも作物報告事務所の機構の擴充と相持つて、手を引いて參りたいということで、先程も申上げたのでありますが、そこで實は從來からも、實際から言いましても、町村から出て來る數字が相當低いということは、遺憾ながらこれは争いのない事實でありまして、而も又その申告の度合いにつきましても、町村によつて相當のこれは凸凹があるのでありまして、どうしても、これはその凸凹なり過小評價の點をできるだけ直して行きたいということで、本年度の調査要網も決定をしたわけでありまして、各町村別の生産見込につきましては、要網にもありまするように、市町村の調査機關の報告に基ずいて作物報告委員會に諮つて決定をいたす。それから都道府縣なり全國のものは、これは委員會において十分審議の上決定をするということになつておるのでありまして、ただ生産見込を作ります場合には、これはやはり委員會ではありまするが、多數決で決定するとかいうような筋合では私はないと思うのであります。飽くまでこれは客觀的な生産見込をそこで十分審議をいたして頂きたい意味でありますから、島村さんから御指摘になりましたような委員會の人選等につきましては、これはできるだけ實情に明るい人なり、又公正な立場から判定のできる經験者を加えまして、この間に遺漏のないようにして行きたいと思つております。この點がすこぶる實は私といたしましても、むずかしい點と考えておるのでありまして、この點は委員會の委員の人選等につきましては、十分これは獨斷に陥らないような方向で、委員會の委員の選任なり又委員會の運營を期して參りたいというふうに考えておるのであります。
 それから地力の點につきましては、これは私も島村委員のお説に勿論反對ではないのであります。實は耕地の實面積と地力の調査につきましては、一つ根本的な調査をやつて參りたいということを從來からも私は考えておつたのでありまして、その點は何ら私といたしましても反對の意見は毛頭持つておらないのであります。ただ遺憾ながら今日におきましては、縣によりましては地力調査を農業會等に力によつて相當整備されておる所がありますから、そういう點におきましては、これを十分活用することにつきましては異存がありませんが、ただ全國的にこれを見ることにつきましては、全面的な調査がありませんから、この點はできるだけ早い機會にこの地力調査を完成をして參りたい。この間も島村委員から御意見がありましたから、歸りまして統計調査局長と相談をいたしまして、いろいろ御意見も傳えておるのであります。少なくとも農業生産調整法が施行されますると、播付前なり或いは植付前なりに生産見込を立てるわけでありますから、これはどうしましても地力調査がなければ精巧なる生産割當はでき得ないことは申すまでもないのであります。農業生産調整法の完全な運営を期する點からも、できるだけ全面的な地力調査をやるべきだと思つておるのであります。これは統計調査局とも十分連絡をいたしまして、できるだけ早くこの地力調査の完備しまするように豫算その他の點でも努力をして行きたいと考えております。
 第三の御質問の點でありますが、部落の使い方でありまするが、やはり實際上は部落を通じて各人別の割當をする方向にどうしてもなると思うのでありまして、その間にはいろいろ村の委員會なり或いは部落においてもいろいろ家族の員數なりその他につきまして、事務的ないろいろな調査を要することは當然と思うのであります。實は現在でも極く僅かの委員會の助成費が出ておりますが、これでは問題になりませんので、できるだけ委員會のかような調査に要する費用等の助成の豫算を出して參りたい。實は農業生産調整法でできます委員會には相當の豫算が大體通ると思うのであります。これが通りました場合におきましては、或いはその豫算を取敢えずこの委員會の方にも廻して參りたいということも、寄り寄り話を進めておるのであります。尚私の方で食糧檢査員を通じまして、各農家の食糧管理臺帳を實はこれは相當整備をしておるのてありまして、これは各農家の経營面積なり、或いは家族の員數なり、或いは家畜の頭數なり、これらを出來るだけ整備するということを今やらしておりますから、これらの食糧檢査員の持つておりまする食糧管理臺帳につきましても、私は資料を十分に提供して、委員會の運營に協力をさして頂きたいというふうに考えております。
#45
○岡村文四郎君 各委員からいろいろと御質問がありまして、大體お尋ねしたい點は終つたように見えますが生産調査は最も基礎を掴む重要な點でありまして、これはでき得る限り民主化した方法でやらなければいかんということは十分お互いが承知いたしております。そこで生産調査と供出というものを一緒に考えてやりますと、これは間違つて來るのであります。作物の調査は實にむずかしいものでありまして、我々百姓が自分でやつて見ましても、この畠にはこれだけのものがとれるということを豫想をしても、秋になつて落ちていることがあります。非常に多いこともあります。これはよがらによつて左右されますが、土地は、一等地の地質は少々惡くても作柄が落ちないが、惡い土地は少し作が惡いとどんと落ちる。又豐作になりますと土地の上下が割合に隔たりがない。肥料を多くやつてもその效果さえも見えないというのが百姓の現状であります。そこで調査をして徹底的に數字を掴んで、政府が安心をしてこれだけのものがあるということの自信を付けるためには、大いにやらなければならんことでありまするから、これはどこまでもできるだけ實情に近いものを採つて貰うようにして貰いたいと思います。ところが供出をさせるということにつきましては、理窟や警察權でさせるということでは、これは絶對に相成らんのでありまして、又昨年同樣のことを繰返して、強權發動も止むを得んじやないかということに相成ると思います。これは農家の中には決して惡農がおらんとは申上げられませんから、止むを得んと言われておりますが、私は強權發動をしなければならんようにさせる政府、又國會に携わる者が甚だ不都合だとかように考えておりますが、本年は絶對にそういうことのないように、喜んで出すようにして貰いたい。百姓は作つたものを何年も蓄えて置いたり、或いは脇へやつたりしようということを決して考えてはおりません。どうもいろいろ御議論を承わりますと、百姓は作つたものをどこへやるかわからんということであるが、百姓としては自分の作つたものは必ず出すに決まつております。又必ず出させるようにするのが政府の責任であり、我々の責任であると思います。是非共出させるようにお考えを願わなければならんと思いますが、政府に百姓がこの際喜んで出すようにする何かお考えがあるかないか。無暗に調査にばかり重きを置き、供出にばかり重きを置いて、出させることの話が出ませんからわかりませんが、どうすれば出すという何か案が立つておるのでありますか。百姓は何のために作物を作つておるかということをよく考えて貰いたい。そうすればすぐわかる。どうか百姓の喜んで出す方法を考えて貰いたいのであります。それから割當以上の供出に對しては、いろいろの報奬をするお考えのように見えます。先刻次官は餘りその點は考えておらんというように承わりましたが、私は割當以上のものに對して特殊のものは要らんと思います。出せるものは全部出して貰うという行き方で、喜んで出すようにすれば、要らんことであります。それはよくないことでありまするから、全部出すような方法を講ずることが第一番であつて、それさえできれば、萬事オーライであります。その考えがどうなつておるか、お聽きしたいと思います。
#46
○政府委員(井上良次君) 問題は、いかに立派な技術や要綱を作り、命令を出しても、農民が喜んでその耕作物を供出するという處置を講じなければならんのではないかという御意見でございますが、全くその通りであります。政府としてはそのためにここでわざわざ貴重な時間を拜借いたしまして、どうしたならば農民の方々が政府の割當を妥當と考え、且つ耕作されたものを喜んで出して呉れるかということについて、皆さん方のお智慧を拜借しておるような次第でございまして、大體政府といたしましては、問題の骨子は、農家が今日のインフレと闇の嵐の中において、どうして農家の經濟を確保して再生産にいそしむことができるかという、このことを堅持しなければ供出問題は解決できないと考えております。だから政府といたしましては飽くまで農家の生活を確保いたしまして、再生産を行い得るに役立つ方法をあらゆる點で講じまして、この政府のためならば、この内閣のためならばという大きな信頼を持てる農業政策を實行することによつて、供出問題は具體的に解決する途が開けることと、こう私共は考えて全力を注いでおる次第であります。從つて本年二十二年度産米、甘藷、雜穀等に對しましては、今お手許に示してありまするような案件によりまして、できるだけ農家の期待に副う對策を確立して、速かに實行したいと考えておりますから、是非これらの案件に對しまして、皆さん方の率直な御希望と御意見を承わり、更によく農家の得心し得る對策を立てたいというのが政府の意向であります。御了承願いたいと思います。
#47
○岡村文四郎君 時間がありませんから詳しく申上げませんが、私の考えておることと違うのでありますが、分けて申上げる積りです。政府當局では現在のままで供出を計畫し、いずれの價格に決めるか存じませんが、どうにか再生産のできる價格に決めれば、闇の買出しがなくなるとお考えになつておるかどうか。
#48
○政府委員(井上良次君) 米價を中心にして他の農産諸物價の問題につきましては、これは農家の經濟を確立する基本的なものでございますから、從つて政府といたしましては、この米價が國の經濟の原則となつて參ります。今後日本の再建の基礎的な土臺もここから出發されると我々は考えております。だからこの米價問題を他の工業生産品と對等に取扱つて、これを農家の經濟、農家を取り巻くところの社會情勢の一切を無視して、單なる机上の科學的計算に基く米價決定には贊成できかねるのであります。從つて我々としてはこの米價が今日の他の諸物價と睨み合せ、闇とインフレの嵐の中に立つておる農家の經濟をどうして守るかという、この問題が一應經濟的にも政治的にも解決される方向に確立しませんと、今年の産米供出には重大な影響を來すと考えております。從つて私共はこの問題を非常に重要視して、これを速かな關係當局と折衝いたしまして、決定したいと考えておりますが、それは飽くまで米を一〇〇%供出して貰うという農家の考え方に立つて、又日本の食糧需給全體の上に立つてやりたいと考えておりますから、御了承頂きたいと思います。
#49
○委員長(楠見義男君) どうでしよう。時間も晝食時間が過ぎたようですが、この邊で打切りたいと思います。これで休憩いたしまして午後は一時半から開會いたします。
   午後零時三十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十五分開會
#50
○委員長(楠見義男君) それでは午前に引續きまして委員會を再會いたします。現在豫備審査のために付託されておりまする食料品配給公團法案と、油糧配給公團法案につきましては、法案の内容の審議に入ります前に、一番根本の問題であります統制方針として公團の形式をとる必要があるかどうかということが、當初から問題になつておつたことは御承知の通りであります。これらの品目について、それぞれの需給事情から見まして、統制をする必要があることは明らかでありますけれども、併し今申しますように、その方式として公團がいいかどうか、適當かどうかということが問題で、先日來食品局長から一應事務的の御説明を伺つたわけでありますが、尚盡きないところがございますので、かねて委員の皆さんからも御希望がありまして、農林大臣を中心にして突き進んで質疑をいたしたいということで、本日農林大臣の出席を煩わした次第であります。農林大臣も衆議院とこちらで、又その問臨時閣議等があり、お忙しい際でありますから、でたるだけ大臣が御出席になつておる間に有效的に審議をいたしたいと思いますので、そういう意味合でできる限り時間を有效にお使い願いたいと思つております。最初にそれだけお願いしておきまして、審議に入りたいと思つております。
#51
○岩木哲夫君 農林大臣にお尋ねいたしたいと思います。只今委員長から公團の性格、方式等につきましてのお話もありましたが、又先般の委員會において食品局長よりその内容のいろいろのことにつきまして承わつたのでありますが、私はこの際原則的にお尋ねいたしたいことは曾て議會の劈頭に、片山首相が將來の經濟統制の在り方は民主的に行く旨を再三再四述べられておるのであります。又この新らしい國會における各黨、各議員におきましても、その經濟方式についてはすべて民主的統制を主張して、すべての選擧に臨まれ、その政策を明らかにしておつたのであります。然るに今般のこの公團方式の内容をつぶさに承わりますれば、私的獨占禁止法による代りの手段として、只今のかようなものを設立されるという行き方は、一應理論としては成り立つか知れないが、政治的の從來の責任或いは傾向において、この資本を否定するような或いは認めないような、いわゆる正當な事由を認めないようなこういう官廳組織、官僚組織で、こうした重要生活必需物資配給の業務に當るということについては、非常に政治上においても矛盾があると思うのであります。その方面からの御示達になつたものもしばしば承わるのでありますが、その深さと幅というものの程度がまだ委員會においては明瞭に指示されておらない。私的獨占禁止に代るべき措置を……事業者がいろいろこういう統制方式の團體を拵らえ、或いは配給統制を行うことは私的獨占禁止法に牴觸するわけでありますが、それに代る官僚組織というものが、果してこれに代るべき正しい行き方であるかどうか。ひとしく民衆なり社會情勢は決してこれを歡迎しておらない。こうした事由において果し、この政府統制、官僚統制のこうした方式が適當であるか。事業主にあらざる者でもこうした方法はとり得る餘地があると、十分我々は承知いたしておるのでありますが、この點について先づお伺いいたしたいことが第一と、それから第二は、葛帝國議會において石油、石炭等の公團が設立されましたが、これはその時の政治情勢等を承りますれば、やがて解散、選擧、或いは非常な短時日の審議期間等における、いわゆるドサクサにおいて、十分審議を盡さずしてやつたということは御承知の通りであります。而も葛帝國議會におきまするそうした社會情勢、政治情勢というものと、今石油、石炭公團が出たからこれも同様の取扱いでというような筆法には参り難いものがあると思いますが、私はすべからくこれは分離した觀念において審議さるべきものだと思いますが、これにつきましても承りたいと思います。
 第三は、これらの私的獨占禁止法に牴觸するといつて統制會社、組合等の解散を命ぜられたことにつきまして、果してこれらの機關が私的獨占禁止法に牴觸する經濟機關であつたかどうかにつきましては、重ねて檢討を要するものがあると思う。即ち今囘この食料品公團、油糧公團等に包攝せられんとする葛事業團體は、決して私的獨占禁止法の條文に全部は該當しておらん。一部は牴觸する嫌いがあるかもしれませんが、これは見方によりましての相違であるかもしれませんが、とにかくその原料なり製造なりというものは、政府が割當製造の命名を出されて、政府は政府の指示する團體においてこれを引繼がれ、政府が割當計費をしてこれを配給の手段に移す。尚價格においても消費規正においても、すべて政府の命令によつて代行する事務連絡機關に過ぎないのであつて、決して私的に利益を獨占して、公益のために大いに害のある措置をとつたかということにつきましては、極めて疑問を有しておるのでありますが、この私的獨占禁止法に、どういう工合でこれらの包攝されんとする團體機關等が牴觸いたしておるかどうかということを先す承わりまして、又大臣の御意見によりましてお尋ねいたします。
#52
○國務大臣(平野力三君) ちよつと第一の質問にお答えするについては、ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#53
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて。
#54
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。
#55
○國務大臣(平野力三君) 從いまして今囘現下の状況に鑑みて、かような公團法式によることが妥當であるという結論に到達いたしたのであります。しばしば民主的なる統制を主張しながら、かような官製的なことのみによるということはどうかという御質問でありますが、これは考えようでありまして、かような重要物資であつて、而も非常に數量が少いのでありますから、勢いかような統制方式をとることが、横流れであるとか、闇であるとか、或は配給の公平化を期するというような點において、現段階においてはこれがいい、かように思つておるのであります。
 次の御質問でありますが、然らば從來のいろいろなる、ここの公團に變更されて行く前の半官半民的なる統制會社が、果して獨占禁止法に觸れるや否やという御質問について、これは厳密にはなかなかむずかしいと思うのでありますが、大體においてこの際從來の配給機構に對して、殊に指定重要物資については、新たなる配給方法をとることが、日本政府といたしましては妥當であるという見解に基ずいたものであります。もとより尚この點についてもつと掘下げて、十分に從來の半官半民統制會社がなぜ獨占禁止法に觸れるかというような點を、はつきり法的に、御希望でありますならば、尚研究の上御答辯いたしたいと思います。
#56
○岩木哲夫君 この現下の情勢に鑑みて、半官半民の諸統制機關が私的獨占禁止法に牴觸するや否やの嚴密なることは、尚調査されるという言葉でありましたが、それは假に別問題といたしまして、現下の情勢に鑑みてということにつきましては、お説によりますれば、需給上、或いは闇、横流れを防止するためにというお説でありますが、政府は果してこういう官業組織で需給、闇の取締等の圓滑を期するという具合の十分な御確信があるのかどうか。この現下の情勢に鑑みてということについての……何故こういう官僚統制によらなければならないか、民營によつて國家が管理しても必ずしも惡くはないのでありまして、むしろ現下の情勢は、民營にして國家が管理するのが現下の情勢ではないかと思うのでありますが、この點につきましての御見解を重ねて承りたい。
#57
○國務大臣(平野力三君) これは見解の相違になると思いますが、然らば、岩木さん御指摘のように、單に民營と申しましても、これ又過去の經驗から申しまして、なかなかうまく參らんのでありまして、私共といたしましては、かような品目を扱うのには、一應かような公團方式によつて遺憾なきを期して行きたい。もとよりこの運營に當りましては、從來非難をされましたような、官吏が國民に對して非常に不親切であるとか、或いは又官僚機構であつて、につちもさつちもならないというような、そういう固苦しいものではなく、この機關に携わるところの人的要素としては、十分にその間の業界に精通された人を以て構成いたしまして、いわゆる從來の官營、いわゆる役人が仕事をすることの弊害というものは、この公團法式からは抹殺をし拂拭をして行きたいと、かように私は考えております。
#58
○岩木哲夫君 又重ねてなんでありますが、現在の社會情勢というものは、こういつた官業組織によることがすべてが不圓滑に、或いは物が澁滯に陷るというようなこと、これはもう一般常識であるます。そういう一般政治情勢、社會情勢の反對を押し切つてまで、政府はあくまで、これを敢行する考であるか。更に嚴密に牴觸するかどうかということを精査して見るというお話でありましたが、又當らなかつたら他の方法によられる御趣旨でありますか。この二つの點について……。
#59
○國務大臣(平野力三君) 重ねてお問いでありますが、私は非常に萬全を期する意味において、尚研究すると申しましたが、大體において私的獨占禁止法に牴觸するという解釋をとるのであります。又いかにもこれが民主的でないというお説でありますが、例えば米の供出制度等の問題についても、民主的民主的とは申しますれども、アメリカから輸入食糧を受けて、政府自體がすベての食糧に對して配給というものを統制いたして行きまするこの現在の食糧行政の段階においては、やはり民主的々々々という言葉の名の下に農民に割當をしたりして行くということはできないのであります。やはりここの官製的なものがありますことは、現在の食糧行政全體が輸入食糧に仰ぎ、仰いだものを公平に配給するという立場をとつているような私としましては、現在の食糧行政全體が輸入食糧に負うたものを公平に配給するという立場をとつておる點において、私としては現在はこの方式によることがよろしいと、かように考えてやつておる次第であります。
#60
○宇都宮登君 只今の岩木委員のお説に私も同感であります。現在殘つております半民半官の統制機構でさえ國民は非常に不滿を持つておる。而も今囘の國會が眞の民主化された國會であるということに國民全體の大きな期待がかけられておるところへ、今度のこの公團法は半民半官を逆戻りしまして全然官吏統制になつておる。その官吏統制をやつて國民がどこまで納得するか、國家經済における利害が、どういう利害があるか。もう一つ配給機構に對して先程大臣のおつしすつたように、横流れを防ぐとおつしやつたが、どういう程度で官吏統制にすれば配給の横流れが防ぎ得るかという點を、はつきり國民の納得のゆくような御説明を伺いたいと思います。
#61
○國務大臣(平野力三君) これはもとより實際において運用をいたして見ない前に、餘りこういうことをはつきり申上げることは、自分といたしましては多少言い過ぎかと思いまするが、從來の半官半民の統制機構より、かように農林大臣の名の下に任命いたしまするところのこの機關、これは相當に公共性を持つておるのであります。もとよりこれが先刻來方す通りに、いわゆる官吏的な、人民に對して不深切であるとか、或いは痒いところに手が届かんという諸點については、今後訂正しなければならんと思います。これが半官半民よりもつと公共性を持つて來るという意味において、竝びに横流れを防止し又公正なる配給を期するという點は、私は確たる信念を持つておる。從つて御指摘のような點は十分尊重しながら、この運用のよろしきを得て行きたいと思つておる次第であります。
#62
○宇都宮登君 現在の配給機構と新公團法による配給機構との比較ですね。特典を竝べて最末の民間にも分るようなはつきりした表示ができないものでありますか。
#63
○國務大臣(平野力三君) この關係資料を差し方げてあると思いますが、この資料の圖解を御覧になつて載きますように、從來よりは相當に單純化してあります。それから大體において機構は簡單になつて参りまして、この部分はかようによくなるということを餘り明確に申上げることは、ちよつとできないのでありまするが、この圖表によつて御覧を願う通りに、大體においてはつきり品物が公團を通じて一般消費者に届く。その間に横流れとか……或いはその他不便の點は十分これを緩和するということを申上げる以外に、現在の段階においてはいたし方ないと思います。この點で御了承願いたいと思います。
#64
○宇都宮登君 圖解を見まして説明を得ればはつきり分るのでありますけれども、國民の全體は一々圖解を見て説明して歩くわけにいかないので、この公團法を政府が提案した理由がどういう點に特徴があるか。現在の國民生活の上にどういう特徴があるかとういことを一言にして、或いは一目にして分る方法はないものでしようか。
#65
○國務大臣(平野力三君) これはその提案理由を一つよく徹底するように、非常に長い提案理由を書いておるのでありますが、これをよく或いはラジオ、新聞その他の機關を通じまして、何が故に公團方式に移らなければならなかつたかという點については、これを明らかにいたしたいと思います。
#66
○岩木哲夫君 この新らしい公團方式によると難も、製造業者と末端配給業者は別個の立場に置いておるようでありまして、從來の統制會社、統制機關というものが今申上げましたように、政府が受入れの計畫を指令し、これの配給の計畫を指令し、價格を制定して消費の實體に副うような配給責任を政府がすべの負つておるものを、更にそれを官營組織でやらなければうまくいかない。民營でやるとうまくゆかず、官營組織であつたらうまくゆくということは、一般社會通念といたしまして、最近の情勢かち見まして、どうも合點がいかない。そこに先程私が申上げた通り、世間全般を通じてこういう官營組織は不可であつて、そこに政府當局のみがそれがよいと言われておるのは。どうもますます合點がゆかない。官營ならうまくゆくが民營ならうまくゆかんという理由が、一般大衆にはどうしても合點がゆかないのでありますが、一般大衆のそういう輿論に反對してまでこれがよいと言われる點と理由がどうも合點がゆかないのでありますが、一手買取り、一手販賣の組織は必ずしも官營組織によらずしても、その事務に携わるものは民營組織であつてもよいと思います。それが新らしい最近の政治動向でありますし、社會情勢でもあるわけでありますが、それを一般大衆がどうしでも官營組織はいかんと言つておるものを、お役所ではそれがよいと言われる。これは重ねて申上げます通りどうしても合點がゆかないのでありますが、そういう點はどういうように一言で言えばよいのでありますか。その點を承わりたいと思います。
#67
○國務大臣(平野力三君) これは一つイデオロギーと申しますか、一般的なる輿論としては成るべく民主的にという御議論があるので、何となく公團のような役人を以て構成するということに對して大きなる反對があるということはもとより了承するのでありますが、さて然らば岩木さんの御意見のように、これを民營でやる。味噌とか醤油とか砂糖というものを民營でやると假定しましても、結局はそんなに自由に勝手にやることは許されないのであつて、落著くところは大體においてかような機關になると思います。もとより政府といたしましても、非常に僅少なる品物を非常に公平に配給するという立場に立つ現段階においては、かようなる官吏的な統制であるが、かような方法でやることがよいと考えるのでありまして、いかように反對されましても我々はよいということに思つておるので、これ以上は議論になるのでありますから、大體この程度で御了承を願いたいと思います。
#68
○岡村文四郎君 實は公團のことでないので甚だ申譯ありませんが、丁度農林大臣が委員會に御出席になつておりますので、非常に重大な要件で、急ぐことでありますから、御提示をお願いしたいと思いますが、これは農業會が閉鎖機關に指定されるか、されないかということであります。實は北海道で今除蟲菊が出廻りますので、御承知のように相當價格も高いので相當な金額を要しますので、資金を準備いたしまして集荷に著手いたそうとしたのでありますが、昨夜電話が参りまして、實は中央金庫が御承知のように思うように参りませんので、住友銀行から金を借りる約束をして、一應その金を借りることになつたのですが、住友銀行の本店から農業會は閉鎖機關に指定されるから貸してはいけないというので、取消すということで、政府にその點を十分聽いて即時返事をしろという電話が來たのでありますが、どういうことになりますか。一つ腹藏のないお話を伺いたい。何でも他から聞きますと、他の面でも非常にデマもありましようが、そんな関係で、本州方面でも、いろいろなことになつておるようでありますが、解散は勿論されるにしても、今からそうなつては事業が止つてしまいます。是非共これははつきりと明らかにして置いて貰わんと、農業會全體のためにならんと思います。甚だ御迷惑かも知れませんが、この席で御趣旨を承わりたいと思います。
#69
○國務大臣(平野力三君) 誠に御尤もな御質問でありまして、はつきりお答えいたしたいと思います。今囘農業協同組合法が閣議を通過いたしまして、議會に上程せられることに相成つたのであります。この農業協同組合法が通過いたしますと、農業協同組合の施行規則というものに附随いたしまして、順次農業會が解散をして行くのであります。從つて或る意味において、農業協同組合法が閣議を通過した瞬間に、全國の農業會は即時解散せられるのではないかというような一つの風潮が起つております。これは當然であります。併し私共といたしましては、この農業協同組合法が通りました後、農業會をいかにして解散し、いかにして農業會の後の整理を行うかということについては極めて愼重に考えておるのであります。御承知の通り農業會は大體解散までに八ヶ月の間の楢豫がありますのと、色々な清算をつけて一應これを官廳に提出するのに約二ヶ月の餘裕があるのであります。尚我々といたしましては、農業會協同組合法が通れば、農業會は解散されるという、一つの理念としてはなようでありますが、併し農業協同組合法ができた瞬間において、農民は自由に組合を形成することができるのであつて、從來の農業會よりもつといい農業會を形成する自由を與えられるということに相成りますので、農民が農業會的な從來の一つの……そのままのことを繼續するということは、形式においてはできないのでありますけれども、併し新らしいところの農業協同組合による立派な農民の團體を形成するこどができますので、この點においては從來の農業會に從事せられました人たちにも打開の方法は十分残されておるのであります。で政府といたしましては、この間の問題に關しては特に農林大臣の談話を發表し、又その他の方法を以ちまして、農業會等には動揺のないように十分手配をいたしたい。殊に金融面においては、この點は非常に重大なる問題でありますので、只今御指摘になりましたようなことは特に注意をいたしまして、さような動揺のないようにして行きたいと思います。特に現在米の供出及び現在の食糧事情等から見まして、農業會にかような急激な衝動を與えるということは面白くないことと思いますので、これは農業協同組合法が本格的に議會に上程されました場合において、或いは本會議において、或いはこういう委員會におきまして、我々といたしましては十分この點の内容を明らかにいたしたいと、かように思います。
#70
○佐々木鹿藏君 岩木委員の大臣に對する質問に對して大臣は、輿論は反對してもこの法案は實行するのだ。こういうふうに言われたと考えますが、果してそうか。そうであるとした場合には、政府章はこの反對はやつては困ると思うのであるが何らかの關係からいたし方ないのであるというような解釋していいのか。この點をはつきりお願いしたい。
#71
○國務大臣(平野力三君) 公團法を政府が採用いたしました直接の動機については、最初御説明をいたしました通りでありまするから、再び申しませんが、この點は御了承願います。それからこの公團法が、民主的でないという反對論については、結局ここに盛つてありますところの物資が公平にして而も適切に配給せられればこれはいいのでありまして、而もこの公團法というものは非常に永久的なものではなく、現在の逼迫せる時局に對する應急的な處置として採られたのでありますから、私といたしましてはこの公團法による方式について、輿論の上には相當非難がありましても、實質の上においては配給を公平にすることによつて國民に答えて行きたい。こう思つております。
#72
○佐々木鹿藏君 然らばお尋ねしたいのでありますが、この公團法は國民のために作るのでありますか。或いは一つの政府としての案を固執するために實施したいのか。この點がはつきり承りたい。私が考えますと、かような案を實施した暁においては、今までの業者、關係者が運營をいたしておつた場合と、今度實施された官吏になつた場合と、能率の上において、どれだけの差があるかということ十分御檢討になつて御實施になるか。この點もはつきりしたいと思います。
#73
○国務大臣(平野力三君) この點はしばしば申上げておりまするように、こういう官營的なお官僚的な機構が、從來ややもすれば御指摘のような缺點があつたことは、これは認めるのであります。併し現在公團法による機構が、必ずしも從來あなたの御指摘になるようなものとは、私は思わんのであります。これは、やり様によつては十分に民主的にやり得る方法もありますから、結局國民に必要物資が届けば、これによつてこの問題は解消し得るのでおりますから、私といたしましてはこの方式によつて運營よろしきを得ることに萬全を盡したい。かように考えております。
#74
○岩木哲夫君 只今佐々木委員の質問に對して、大臣は、公平に適正に配給し得るならばよいのである。敢てこの方式によらずともよいのであるとお答えになつたと了承したわけでありますが、若しそういうことでありますれば、官營組織にあらざる他の方法によつてもよいという意味に解釋してよろしいかどうか、承りたい。
#75
○國務大臣(平野力三君) そういう答えをしたのではないのであります。この方式によつても適當なる物資が適當に到著すれば、配給できれば、あなた方の御指摘のような官營的であつて、民主的でないという非難は、敢て私は大して心配しない。この方式によつて十分滿足できるのだ。こう答えたのであります。
#76
○羽生三七君 内容の點でちよつとお尋ねしたいのですが、第三十一條の「この法律は昭和二十三四月一日又は經濟安定本部廢取の時の何れか早い時にその効力を失う。」という場合でありますが、これはどういう意味でありますか、どなたからでもよろしいのですが。
#77
○國務大臣(平野力三君) これはしばしば申上げておるように、この公團自體が現在の時局についての非常に暫定的なものであるということを申上げたのでありますが、經濟安定本部が廢止せられれば、それと同時にこの公團も發止らせれるのであります。併し現實問題といたしましては、直ぐ安定本部が廢止されるのではないのでありまして、これは尚經續して安定本部が續くと、こうなるので、從つて本條は法律的にはこう書いてありますが、安定本部は繼續するということを前提として、この公團法も成立つておるわけであります。
#78
○羽生三七君 そうすると相當期間永續するということを想定されるわけですか。
#79
○國務大臣(平野力三君) この時間をここで申上げることは非常に困難であると思いますが、例えば現在假に公團法を撤廢いたしましても、ここに或物資が消費者の手に十分届き得るような經濟状態になれば、安定本部も解消され、同時に公團も解消されます。こういう解釋を取つておるのであります。それがいつ頃の時期に來るかということはここで申上げかねます。
#80
○佐々木鹿藏君 それは實施した暁においての問題でありますが、この法案が實施された場合には二つの命令が出るような感じがいたします。大枠については安本からされ、安本の指示によつて農林大臣が實施されるようになつておりますが、かような屋上屋を架するようなことは、なかなか困難が多かろうと思います。これはこの法案に賛成した意味ではありませんが、かような屋上屋を架するような……主務大臣が何でもやれるような法案ならまた別であるが、もう一つ主務大臣が納得しても安本長官が納得しないというのでは實施できないというような法案は誠に國民が迷惑すると思います。それに對する大臣の見解はいかがですか。
#81
○國務大臣(平野力三君) 安本長官と農林大臣との權能の問題でありますが、安本長官の本案に及ばしまするところの大體の權能は、指定重要物資の綜合計費というものを、安定本部が立てることになつておりますので、その形においては安本長官は商工大臣、農林大臣等の所管する物資の上に、形式的に上におるのであります。これはどうも現在の安本の機構というものは、そういう機構である限りその通りであります。併し實質廳といたしまして、本案の施行に當つては、農林大臣がこの現物についての實質權を持つておるのでありますから、具體的なる事實の上においては、農林大臣の意見が十分行い得る。こういう解繹の下に、私はこの公團法を扱つておるのであります。もとよりこの逐條的に取り上げられておりまするところの、各條文、條文の解繹といたしましては、かなり難解な點があるのでありまして、これをいわゆる法制的に論じますと、なかなか議論の多いところがあろうと思います。併し大體の氣構えといたしましては、安本長官對農林大臣の所管の問題は、以上のような形において一應御了承願つて置きたいと思います。
#82
○岩木哲夫君 只今のに關聯する事項等でありますが、そういう物資需給上の機構において安本が上にあるということでありますが、元來物資需給上に關しての安本の上にあるということ、及びこうしたことについて、安本總務長官と國務大臣とどちらが偉いのか。どちらが上席か。その官制というものはどの邊にあるのか。それが一つと、それから先程大臣のお話の中に、こうした組織によつては皆さんの御心配をなくして、うまく行く自信があるのだということでありますが、誠に御提案された以上は當然あるべき御所存だとは考えまするが、こうした從來多数の從事員を擁して、最近思想がいろいろ變化いたしておるものを、全部これを官吏にするという趣旨であります。即ちこの食料品公團におきましても、油糧公團におきましても、数千名に近いものが役人になるのであります。この中にはいかがわしいものもありまするが、随分これらが一夜作りに役人になつたということにおいて、さなきだに統制機關の業者の立場においても不親切であるし、構柄であるし、社會民衆のとかくの議論もあつた上に、一夜においていかがわしい者が直ちに役人になつて、役人風を吹かし、詰らん言動をするいとうことが社會を悪く刺激することは、目に見えて明らかであります。更に第十三條においては、これらの役人になる者にはいろいろこれは關係する賣買業、製造、保管、輸送等、これらに關聯する會社の株式を一株も持ついはいかんというような工合に、殆んど副業その他、他の收入を得られる途を禁じておるのであります。役人の給料が高いのか安いのか存じませんが、恐らく現在の官制におきまする官吏の收入状態と、これらの實情を考えまして、相營收入が減ることにおいて、良い人は外れる、或いは入らない。いかがわしい者のみが役人になつてこれを運營するという上において、政府は十分の自信のある統制方式が得られるかどうか。恐らくこの機關におきましては、又社會の怨嗟の的となる虞れが殆んど明らかなように考えられますが、こういつた點においてはどういう御確信があるのか承わりたい。
#83
○國務大臣(平野力三君) 第一安本長官と農林大臣との資格の問題でありますが、國務大臣という點においては、閣内においては全く同等であります。これは憲法の保障するところであります。問題は先程申上げました通りに、綜合的な物資の計畫というものについて、安本長官が各省の上において一つの計畫を立てる。こういう形式だけはその面に關してはやはり上位にあるのである。併し實質の官廳は、商工省においては商工大臣、農林省においては農林大臣、こうなつておりますから、事實の上においては主官大臣の方が實質權を持つておる。こういう解繹を私はとつておるのであります。この點について尚法制的に御異議がありますならば、一つ法制局長官でも呼びまして御説明をいたしたいと思つております。
 それから重ねてこの法案を施行する自信があるかどうかという御質問でありますが、私は實際こう思つておるのです。從來非常に少ない物資を國民に配給する上においては、餘程これが民主的にやつたとか、或いは業者に自主的に任した。こう申しましても、やはりその弊害というものはなかなか抜け切らないのでありまして、やはり國民には相當な不満な點が多いのであります。併し今日私はこの法律が實際通過いたしまして、公團をやる限りにおいては、私としては官吏であるから必ずしも民間人はいけないという理由はないと思います。官吏は又官吏としこの長所と、又官吏的なる機構を持つておる。官吏としてのやはり公共性を持つて行ける部分があるのでありますから、私は飽くまでもこの方式によつて國民の期待に副うように主官大臣としては飽くまでやつて見よう。こういう見地に立つておるということを申上げて御了解を得たい。こう思うのであります。
#84
○佐々木鹿藏君 私のお尋ねしました安本と主務大臣との問題は、事實上そうではないかという懸念が大いにある。問題は今大臣の御答辯になりました計畫、即ち枠を作ることが安本の仕事であるように聞いておりますが、その枠を取ることに、いわゆる主管各部課長は骨を折つて、やれやれ安本の枠が取れた。これで一先ず安心だというので、安本より枠を取ることに汲々として、それでこの本體であるところの公團ならば公團を實施した場合に、その方がおろそかになる。空になるという場合が多分にあると思います。
 それからもう一つ岩木委員の質問に對する御答辯でありますが、私は大臣の、官吏は官吏としての特徴があるということについては私も同感であります。それは官吏になられた人は、學校を出て官吏を志して大いに勉強された人であるから、官吏としての機能を發揮せられると思いますが、今囘實施せられますところの公團の官吏は、一夜作りの官吏でありまして、官吏の眞以ができるかどうか、この染つたところの何十年の習慣が、一夜作りの官吏になつて、果して大臣が思われるような良い官吏、良い配給員になれるか。この點が誠に心配であります。大臣は野に居られる時は、誠に民間の事情をよく御承知になつておるから、私が説明せんでも、よくお分りと思うのでありますが、いかがでありましようか。
#85
○國務大臣(平野力三君) どうも重ね重ねの御質問で、同じことを答辯することになるのでありますが、結局それではあなた方の御意見のように、かような機構を用いないで、ただ民間に味噌や醤油、砂糖、罐詰の配給を任せる。こういいましても、やはり品物が少ない限りにおいては、諸般の弊害を指摘せざるを得ないのであります。そこで私といたしましては、とにかくこの法案は政府として提案をしなければならない原動力の問題は、最初申上げた通りであります。從つてかような形において出て参りましたのでありますから、要はこれが通過した後において、御指摘のような弊害がないようにこの機構を運營する。この點については誠意を以て善處する、努力する。そうして國民の期待に反しないようにするという點で、この部分に関することは御了承を願いたい。こう思います。これ以上は見解の相違で、幾ら議論をいたしても議論の盡きないところでありますので、御了承を願います。
#86
○佐々木鹿藏君 今私のお尋ねしたのは安本の枠を取るために汲々とせられておるように考える。そうして枠が決まつたら、やれ安心したというような嫌いが多分にあると思いますがということであります。
#87
○國務大臣(平野力三君) これは安本の大體の機構は、例えば農林省は食糧、商工省は石炭、鹽、煙草のようなものは大藏省と、こういうふうに物資が各省に分れておるのでありまして、例えば農林省が鹽が欲しいと言えば、大藏省は鹽を造るには石炭が要る。こういうふうに循環して、品物が各省々々だれでは片付かない關係になつております。從つて本來ならば經済閣僚會議において各大臣がやればよいのでありますが、そこに各省綜合して新らしい物資の計畫を立てるために安本というものができた。その動機は、大體私が申上げるまでもなく皆様御承知の通りであります。從つて嚴密に言うならば、この安本の機構というものについては、相當議論のあるところでありましようが、現在公團を運用するに當つて、安本に主管大臣たる農林大臣がそんなにぎゆうぎゆういじめられたり、又一々枠を取るために頭を下げなければならんということではなく、綜合的な面におけるこれらの物資が、安本というものにおいて一應管理をされる。實質面においては主管大臣が十分管理してやるということについては、餘り御心配なくしてよいとこう思つております。
#88
○委員長(楠見義男君) ちよつとお諮りいたしますが、委員外の一松商業常任委員長から發言を求められておりますが、發言を許したいと思いますが、御異議ありませんか。
#89
○委員外議員(一松政二君) その點については、常任委員長は各委員會に出て發言する資格があるのでありまして、許可を得て發言するという順序はちよつと違つておりますから、ちよつと御参考のために申上げます。
#90
○委員長(楠見義男君) その點は、委員の質問がまだ終了しておりませんので、そういうわけでお諮りしたのであります。
#91
○委員外議員(一松政二君) そういう意味なら結構です。
 私は先程來、農林大臣のこの公團を設立するに至つた動機とそれから、これがいいといういろいろの説明をここで承わつておつたのでありますが、どうもまだはつきり分らない。ということは、重要物資を公平に分けるのであるから公團がいいというふうに一方では言われるし、一方ではいわゆる獨占禁止法に引掛るからいけないというのと、どつちが主であつたのか、はつきり私には了解できないのであります。今まで私は酒類配給公團について伺いましても、別に配給公團になつたから特によくなるということは言つていないのであります。農林大臣は、今の配給機構では非常に不正が行われておる。横流しが多い。それ故にこういう配給公團を作るというふうに一面には御答辯いたしておられる。そのいずれがこの根本の趣旨であるか。それを先ず承わりたいことと、私的獨占禁止法案は、何らそこに事業者が自主的に、公共の福祉に反して國民一般大衆の利益をも考えずに我がままなことをやるというものに對して、獨占禁止法案の趣旨はあるのでありまして、趣旨から行けば、今やつておる統制方式が、獨占禁止法案のその精神の上から引掛るとは考えられないのであります。ただ形の上において獨占禁止法の第五條に、事業者が一手買取、一手販賣のそういう結合をしてはいけないという形式上にかかつておると、他の委員會では承わつておるのであります。然らば先程岩木委員から指摘されましたように、事業者がそういうことをやつちやいけないというのでありまして、事業者以外の方法で、官吏機構によらずともやる方法はある筈と私は考えるのであります。それを一躍して、これを全部官吏にして、官吏方式にやるというところに、國民全體として、私はこれに不贊成であると存ずるのであります。いわゆる官吏にせずして……而も農林大臣は、今の配給方法ではいけないからと言うのでありますけれども、私はさようには考えられない。多分獨占禁止法案に引掛るから、こういう形式を持つて來たのだということの方が正しいのであろうと思うのでありまするが、それによつて、今より公平に配給ができるとは私は信じないのであります。ただ昨年の十一月かにその方面からのお話があつたということで、すべての物資にこの公團方式を探ろうとしておるものであると私は信ずるのであります。從いまして、ちよつと問題を離れますけれども、先頃私は石炭の視察に參りましたときにも、石炭の國家管理についても、勞働組合の方々が官僚統制には絶對反對だ。管理は民主的な管理方法であつて、若しこれが官僚統制に墮するならば絶對反對だということは、恐らく大臣の御所屬なさつておるところの社會黨の皆様も同意見であろうと思うのであります。それを先程來、官吏に對して非常に不滿を持つておる。而も今の官吏が惡いというのではなくして、官吏という組織の中に國民が入つた場合に、甚だ残念なことではあるが、日本人は、いわゆるアメリカ流の公僕という精神に徹して行くことができずして、とかく官尊民卑であつた時代の弊害から威張ることの方が先になる。從つて官吏というものを國民が非常に好まない。公團になつてから非常によくなるような御答辯でありますが、私はその點について大臣の御答辯は、一體どつちがこの公團を主張される根本であるのかを、もう一度はつきり承わりたいと思うのであります。
#92
○國務大臣(平野力三君) はつきり申しますならば、從來の統制會社が獨占禁止法に觸れる。こういう形においてこれを改組しなければならない。こういう認識に立つておるのであります。然らばといつて、新らしい公團が從來より惡いけれども止むを得ずやるのだと、こういうことじやないのです。かような公團にいたします限りにおいては、從來よりももつとよく運用をいたしまして、國民の期待に副うようにいたすということは、これを提案いたしましたる所管大臣としては當然の義務でありますので、この點は私は、種々御懸念はありましようけれども、全力を擧げて、全誠意を以て、國民の期待に反しないように、この運用を誤またないようにと、こう申上げておるのであります。
#93
○委員外議員(一松政二君) 今の統制方式を、獨占禁止法に引掛るから公團によつたという御答辯でありまするが、然らば公團によらずして、獨占禁止法に形式上觸れない組織をお考えになつて見たことはあるのでありましようか、ないのでありますか。その點をはつきり承わりたいのであります。
#94
○國務大臣(平野力三君) それは他の方法を考えて見ておらんのであります。勢いどうしてもこの公團方式、この程度に移行しなければならないと考えたのであります。
#95
○委員外議員(一松政二君) その點につきましては私は他の方法があると確信するのでありまして、これは意見の相違でありますから、今日は大臣に對する私の質問はこれで打ち切つておきます。他に私は方法があるということだけを申上げておきます。
#96
○岡村文四郎君 先程お尋ねをしてお返事を頂きましたが、實は大臣のお話になられたことと違いまして、實は、これは御無理かも知れませんが、農業會が閉鎖機關に指定されるかされないかということを、はつきりはお話はできんかも知れませんが、そこで非常に不安があるのでありますから、その點をここでばかりでなしに、ラジオなり新聞なりで迷いのないように一つ申上げなければならんと思いますが、この點一つどうぞ。
#97
○國務大臣(平野力三君) 農業協同組合法が提出をせられ、それから起つて參ります農業會の動搖に關しては、極めて重要でありますので、御指摘になつたような弊害のないやうに、あらゆる方面において努力をいたしたいとこう思つております。
#98
○岩木哲夫君 これは委員長にお諮りいたしますが、先程來公團問題につきまして、いろいろ委員から當局に質問申上げ、大臣からも御懇切なる御所見の御披瀝があつて委細は承わつたのでありますが、殆んど、各委員からのお尋ねに對する點と、大臣がお答えなさつた點とは、殆んど各委員共意見が相違しておるように了承いたしまして、一致いたしておる點は眞に少ないのであります。私たちはこの公團法の各條文、その他細目につきましても尚多数の疑義があるのでありますが、こういう工合に、もう殆んどが根本的の意見の相違のまま、この案はこのまま審議を續行されます御意思がありますか。その點をお伺いいたしたい。
#99
○木下源吾君 只今のお説ですが、黙つておれば何かしやべつた人に贊成だとこういうふうに考えられることが、どうも少し行過ぎじやないかと思うのであります。私もいろいろお説を伺つておる中に、大臣に一つ聽きたいと思う。由來私は、營利をなくして配給というもので行くならば、これはこういう方式をこの時期には採らなければいかんのだということは、これは國民全部といいますか、大多数の勤勞階級はそう思つておるのであります。一方に協同組合を作り、一方に消費者の協同組合を作つて、これを育成して行つて、今まで仕入れして來たのに儲けられるというのこ弊害を除くには、……産業組合ができて、内部においてはみんな公平に分配して行きますけれども、産業組合が仕入れる元で儲けられるという弊害を除くのには、生産者から配給という直接というこの内容において、現在においてはこういう方式を採らなければいかんと私は思うのであります。ただいろいろのお説の中にあるように、この方式を惡いというのは、官僚的になりはせんか。これは同感です。そこでどうすれば官僚的にならないかということは、官僚は元々獨立した性格のものではなくして、その背後には金融資本或いは産業資本というこの獨裁的資本の背景を持つております故であると、私は考えている。而も一面においては獨占資本が禁止せられるというこのことは、これらの巨大なる獨裁的な權力をなくすると同時に、片方においては配給という營利でないものを以て不足な品物を國民に公平に分配するということになるのであつて、私はこの機構、この中に入る人々が、現在までのイデオロギーで行き、そのしきたりで行くならば、これは官僚的になるだろうけども、同時に政府が一切のその他の機構をもこれと竝行して進めて行くことにおいては、私はあながち今日から悲観する必要がないではないか。そこで大臣にお尋ねしたいのは、皆さんの御懸念になるような、例えば局長とか或いは總裁とか何か知らんが、えらいようなそういう肩書を付けるものではなく、もつと一般になり合うような名前を付けて、そうした親しめるような恰好に一つ役人をやつて行くというお考えがあるか。この一點と思いますので、それを一つお尋ねしたいと思つているのであります。
#100
○國務大臣(平野力三君) 木下君の御質問から先にお答えいたします。全く木下君の御指摘の通り私も考えておるのでありまして、現在の利潤を抜きにした配給機構という點でありますならば、大體この制度において國民も了承する。かように思つておるのであります。
 それから先刻來申した通りに、これが農林大臣の任命であるから、形式上官吏である。從つてすべて役人的なる、昔から非難さるるような、國民に不親切な態度をとるだろう。こういう非難については、さようなことのないようにして行けると、私は固く思つているのであります。もとよりやつて見なければ、分らん。今大きなことを言つてもしようがないと言われますが、私はその點において十分善處できると思います。この點は重ねて御了承を願います。非常に反對であるが、この反對論はどうするかということでありますが、これは今私がお答えするより、委員長に然るべき御意見があると思いますが、國會は自由なる意思によつてものを決定するのであります。これはあなた方の御自由な意思によつて十分御檢討あつて然るべきものと私は考えます。
#101
○委員長(楠見義男君) 委員長に御質問がありましたから、私はこれからの進め方について、考えていることを申上げます。そりは最初にお斷りいたして置きましたように、現在この二つの法律案は豫備審査のためにかかつておるのでありますが、併し審議の便宜上、將來衆議院から參議院にこの法案が廻つて來たときに、できるだけ早く審議を時間的に節約したい。こういう意味で現在審議をいたしておるのであります。先程岩木さんから、公團方式についての考え方については、各委員とそれから農林大臣との質疑應答によつて大體はつきりしたようだと、こういうようなことでありましたが、實は委員長自身まだはつきりしておらんくらいでありますから、全部の委員がはつきりしたとは私は思つておらないのであります。併しこれは速記を取つていたしておりますと、どうも言い足りない所ができたり、或いは同じことを別の角度、いろいろの所から、同じことを、同じ場所を繰返しているような所もありますので、農林大臣に對して公團方式を採ることについての理由ということの説明を求め、又質疑をいたすことは、大體一應この程度にして、更にその後懇談等の機會を作つて進めたいと思つております。委員長としては、そういうような審議の進め方をいたしたいと考えております。それから衆議院から正式にこの案が廻つて來ますれば、實は法案は内容についてまだ一向伺つておりませんが、例えば事業計畫參考資料……いろいろ出して頂いておりますが、事業計畫なり、或いは資金の點とか、これを運營して行く場合のいろいろの事務的な點については、まだ詳細政府當局から伺つておりません。從つてこれらは正式に本委員會に付託になつた場合に、これらの問題はやつて頂きたいと思います。從つてこの公團の問題については、一應豫備審査はこの程度にいたしまして、更に別途懇談等の機會を作りたいと、こういうふうに考えておりますから、さように御承知願いたいと思います。それからこの機會に申上げて置きますが、農林大臣がお見えになつた機會に、先般蠶絲關係について島村委員から御質問になつて、御答辯が留保になつておりますので、これをこの機會に伺つて置きたいと思います。
#102
○國務大臣(平野力三君) 先般島村委員から御質問がありました我が國の蠶絲業の現状について、いかようなる方策を持つておるかということについて、この際お答えいたして置きたいと思います。現在アメリカ向けに參りまするところの日本の生絲が、從來通り非常に澤山賣れると、こういうことを多く期待することはできないと思います。併しながら一定數量が相當にアメリカにおいて買い得られる。こういうことも又考えられるのであります。同時に日本の生絲は、アメリカのみならず、最近におきましてはフランスにおいても、或いはインドにおいても、その他東亞諸國からの相當なる注文がありまして、これらの數量を大體勘案いたして見ますると、現在日本において生産せられまするところの約二十萬俵ぐらいな生絲に對しましては、當然これを外國向けに向けるということはできると思うのであります。同時に又この生絲を國内消費に使用するということができるのでありますが、現在の生産量を全部國内に向けましても、これ又十分に國内においては必要となるのでございます。從いまして、現在の養蠶業の前途というものに對して、非常に悲觀的なる見方を投げ與えて、養蠶農民に甚だしき失望感を與えるということは、私としてはいたしたくないのであります。ただ問題は、大體日本の生絲といえば、アメリカに對してどれだけ賣れるかという、これが基本原則になつておりますので、この面だけから見れで、作ればどれだけでも賣れるという、そういう多量なる賣れ口というものが考え得られない點だけは、現在の蠶絲業においては十分考えなければならない。從つてどんどん桑を植えて、現在食糧がないのに、尚桑畑を植えて行くという程に我が國の蠶絲業というものを奬勵するということについては、總體的なる關係から見て、これは行き過ぎであると思いますが、現状の桑畑せ擁護して、現在の我が國の蠶絲業を現状において相當これを護るという點においては、現在のところ私はかように考えて行きたいと思うのであります。以上大體の方針を申し上げます。
 それから繭を買うところの資金、即ち購繭資金の問題について、いろいろ御要求があるようでありますが、これは農林大臣といたしましては、大藏大臣に十分折衝いたしまして、この面については十分盡力をするつもりであります。
#103
○島村軍次君 只今の御答辯によりまして、大體は諒承したのでありますが、この問題は農業經營の今後に對する問題と關聯し、且つ桑園に整理、減段というような問題に關聯を持ちまして、單に國内消費、或いは現状にままを以て大體やり得るのだという程度では、なかなか養蠶業者が納得が行かないのでじやないかと思うのであります。尚且つ先般新聞紙上に、桑園整理、桑園の減段をやらせると、こういうことが出ておりましたので、この點に對する御見解と、それから政府は先きに蠶絲業の五ヶ年計畫をお立てになつております。その五ヶ年計畫によりますというと、年々桑園も擴張し、或いは製絲に對してもどうと、或いは製絲以外の、桑園以外の繭の生産技術の點についてはどうというような、各般についての計畫をお立てになつて、その線に沿うて著々進んで參つていたのでありますが、只今大臣の答辯によりますというと、現在の程度ならばというふうな、非常に消極的の意見であると思いますが、先船蠶絲局長が、これは非公式で、研究會でありましたが、その時のお話し合いと多少齟齬した點もあるように思われるのでありますが、そういう點に對して國民にはつきりと御明示を願いたいと同時に、このアメリカにおけるナイロンの問題は、國民の知識の程度も不十分な點があると思いますが、これらに對する見解を併せて承わつて見たいと思うのであります。
 尚資金につきましては、購繭資金ということも一つの考え方でありますが、結局滯貨のために金が製絲業者に渡らない。製絲業者に渡らないということが、結局今後の購繭資金に影響すると、こういうことになつておるのであります。これらに對しましては、積極的に大臣自身が十分この資金の面に對する知識を豐富にされまして、御研究された上で、積極的な御對策を講ぜられんことを希望いたします。
#104
○國務大臣(平野力三君) 先般新聞に出ておりました記事は、減段をするという記事ではありません、つまり増段をするということについて、これを大體認めない。これは同じようなことでありますが、大分違うのでありまして、繭價が段々値上りをいたしまして、主要食料品をむやみに桑の方へ廻すというようなことは、現在の段階においては大體好ましくないのでありますが、併し特に桑畑を潰して、養蠶は非常に前途のないものであるというような態度は絶對にとらないのでありまして、從いまして、蠶絲局長といたしましては、かような状況の下に積極的な蠶絲業の五ヶ年對策というものを立ててやつておりますことは事實でありまして、農林大臣といたしましても、養蠶業の前途について十分あらゆる方面を勘案いたしまして、努力を惜しまないということは當然であります、ただ繰放して申しますのは、むやみに、實際上の繭の賣れ方、生絲の賣れ方というものの具體性を掴まないうちに、今日養蠶業は非常に前途あるというような空景氣を付けて、勢を付けるということも又これ無責任なことになりますので、この點については堅實な態度をとりたいと、かように思つておりますのが現在の心境であります。
 ナイロンについてのお話でありますが、もとより未だこの問題については、十分檢討を加えていないのでありますので、これについては、御指摘の通り、私共といたしましても今後研究いたしたいと思います。ただ日本の生絲については、聞いているところによりますれば、依然として非常に優秀な物は相當量賣れるということについては自信を持つているのであります。ただ價格の問題等が一定の價格においてどの程度維持されるかというようなことは、現在これを測定するのが困難でありますので、これらについては、養蠶業について餘り確信を以て農民に呼びかけられない弱みがあります、併し政府としては、貿易再開に睨み合せて十分盡力したいと思つております。
 尚繭の、いわゆる買上等に關するところの資金面については、農林大臣としては十分に御指摘のような點を盡力いたしますことは、これは當然であります。
#105
○委員外議員(一松政二君) 私は本會議の農林大臣に對する質問の中で青果物に對する統制はどうなつておるのか。統制しておるのか。統制してないのか。或いは價格統制等はどうなつているのか伺つたのでありまするが、青果物に對する御答辯がなかつたのであります。丁度幸いに農林大臣がここにお見えになつておりますから、この青果物の統制をどういうふうに考えておられるか。或いは自由販賣になつておるのか。或いは價格だけ統制しているのか。どういう統制の段階に考えておられるのか伺いたいのです。
#106
○國務大臣(平野力三君) 野菜は統制しております。
#107
○委員外議員(一松政二君) 野菜は分つている。果物です。
#108
○國務大臣(平野力三君) 果物の統制に關しましては、現在統制を撤廢いたしているわけではありません。併しこの統制問題については、現在行われておりまするところの統制の實情というものが甚だしく統制の方式に沿つておらない。こういうことは認めております。從つて新たに果物に對するところの統制方式をいかようにするかということは現在研究中であります。これについては近く成案を得ましたならば一つ御相談をいたしたいと思つております。
#109
○委員外議員(一松政二君) 値段の統制もないのでありますか。業者の自由になつておるのでありますか。その點について、非常に今果物の出廻り時期でありまして、果物はどこへ行つてもある。そうして値段も相當高い値段が貼つてあるのであります。若し統制でないならば、各自が勝手に産地から競爭で買つて來ると共に、又賣る方も競爭で賣ることができて、從つてもつと價格が安くなるであろうと思うが、その點について伺いたい。
#110
○國務大臣(平野力三君) これは統制ばしておるのであります。今申しました通りに統制をいたしておりますが、統制の目的に沿つておらないという實情を承知している。こう申したのであります。從つて現在の段階において、いかようにするがよいかということは研究中でありますので、成案を得たならば一つ御相談をして發表したいと思うのであります。
#111
○委員外議員(一松政二君) 然らばその統制の研究の結果或いは値段等については、いつ頃御發表になる御豫定でありますか。その點を承わらないと、果物がなくなつた後にそういう問題が起きても仕方ないと思います。
#112
○國務大臣(平野力三君) 成るべく早くいたしたいと思つております。
#113
○木下源吾君 本委員會は一つの目的を以て開いておるのであります。然るによそから委員長であるか、なんか來て、そうしてこの目的以外のことをどんどんやられたのでは、議事進行の形式上甚だ遺憾だと思うのです。この點については委員長も一つ御考慮を願いたい。
#114
○委員長(楠見義男君) 私から申上げますが、主題は一應打切つて、幸い農林大臣がおられるから、この前に質問になつて答辯の留保されておるものもありますし、それに關聯して二三質問を許したということになつた次第でありますが……。
#115
○木下源吾君 こんなことでは困る。
#116
○佐々木鹿藏君 先般の委員會において大臣に對して質問をいたしまして、大臣から留保されました精麥を八八%にすることについての御意見を承わりたい。研究して御返事をするということてありましたが、御研究になりましたか。
#117
○國務大臣(平野力三君) まだ研究の途中にありますから、この次に願います。
#118
○委員長(楠見義男君) それでは一應委員會はこれで閉じまして、あと墾談會でもやりたいと思いますから、そういうように御了承を願います。
   午後三時十四分散會
 出席者左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   委員
           太田 敏兄君
           門田 定藏君
           羽生 三七君
           西山 龜七君
           平沼彌太郎君
           岩木 哲夫君
           小杉 繁安君
           佐々木鹿藏君
           竹中 七郎君
           宇都宮 登君
           岡村文四郎君
           河井 彌八君
           島村 軍次君
           寺尾  博君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
           板野 勝次君
           廣瀬與兵衞君
  委員外議員
   商業委員長   一松 政二君
  國務大臣
   農 林 大 臣 平野 力三君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
   農林事務官
   (食品局長)  三堀 參郎君
   食糧管理局長官 片柳 眞吉君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト