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1976/05/20 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 建設委員会 第10号
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1976/05/20 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 建設委員会 第10号

#1
第080回国会 建設委員会 第10号
昭和五十二年五月二十日(金曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 北側 義一君
   理事 内海 英男君 理事 塩谷 一夫君
   理事 野中 英二君 理事 渡辺 栄一君
   理事 中村  茂君 理事 福岡 義登君
   理事 岡本 富夫君 理事 渡辺 武三君
      有馬 元治君    江藤 隆美君
      大塚 雄司君    瓦   力君
      住  栄作君    谷川 寛三君
      中島  衛君    渡辺 紘三君
      井上  泉君    下平 正一君
      山田 芳治君    谷口 是巨君
      西村 章三君    瀬崎 博義君
      甘利  正君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 長谷川四郎君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 石原慎太郎君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 田澤 吉郎君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       金子 太郎君
        国土庁長官官房
        長       河野 正三君
        国土庁計画・調
        整局長     下河辺 淳君
        国土庁水資源局
        長       飯塚 敏夫君
        建設政務次官  小沢 一郎君
        建設大臣官房長 粟屋 敏信君
        建設省計画局長 大富  宏君
        建設省都市局長 中村  清君
        建設省河川局長 栂野 康行君
        建設省道路局長 浅井新一郎君
        建設省住宅局長 山岡 一男君
        建設省住宅局参
        事官      救仁郷 斉君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部下
        請課長     植木 邦之君
        日本電信電話公
        社総務理事   山本  孝君
        日本電信電話公
        社建設局長   山口 開生君
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十七日
 辞任         補欠選任
  谷川 寛三君     野田 卯一君
同日
 辞任         補欠選任
  野田 卯一君     谷川 寛三君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  渡部 行雄君     山田 芳治君
同日
 辞任         補欠選任
  山田 芳治君     渡部 行雄君
    ―――――――――――――
五月十九日
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案(岡本
 富夫君外二名提出、衆法第四八号)
同月十四日
 建設省所管の防災・環境改善費増額等に関する
 請願(受田新吉君紹介)(第五〇七一号)
同月十九日
 公営住宅政策に関する請願外一件(中村茂君紹
 介)(第五七七〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十六日
 高速自動車道の建設促進等に関する陳情書(全
 国市議会議長会長岡山市議会議長松本一外一
 名)(第二四四号)
 道路整備事業の促進等に関する陳情書(近畿二
 府六県議会議長会代表和歌山県議会議長塙坂治
 郎五郎外七名)(第二四五号)
 心身障害者の有料道路通行料金等の減免措置に
 関する陳情書(兵庫県議会議長鷲尾弘志)(第
 二四六号)
 幹線道路の消融雪装置設置促進に関する陳情書
 外一件(石川県議会議長竹野清次外七名)(第
 二四七号)
 北陸高速自動車道の無雪、不凍化実現に関する
 陳情書(金沢市長岡良一)(第二四八号)
 北陸自動車道の無雪、不凍化実現に関する陳情
 書(金沢市議会議長室井光栄)(第二四九号)
 中国一周自転車道の整備促進に関する陳情書(
 中国五県議会正副議長会議代表鳥取県議会議長
 土谷栄一外四名)(第二五〇号)
 本州四国連絡橋の建設促進等に関する陳情書(
 四国四県議会正副議長会代表徳島県議会議長鈴
 木利市)(第二五一号)
 都市計画街路事業による鉄道高架事業の推進措
 置に関する陳情書(関東一都九県議会議長会常
 任幹事東京都議会議長山村久外九名)(第二五
 二号)
 建築基準法の運用改善等に関する陳情書(長岡
 市表町一の四の一〇新潟県建築組合連合会中越
 支部長藤川晴一外四十九名)(第二五三号)
 木曽三川水源地域対策基金に対する財政援助に
 関する陳情書(愛知県議会議長佐橋薫)(第二
 五四号)
 河川改修緊急整備に関する陳情書(羽曳野市議
 会議長辻内覚三)(第二五五号)
 都市防災対策の特別措置に関する陳情書(関東
 一都九県議会議長会常任幹事東京都議会議長山
 村久外九名)(第二五六号)
 地盤沈下対策の推進等に関する陳情書外二件(
 愛知県議会議長佐橋薫外十一名)(第二五七
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○北側委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大塚雄司君。
#3
○大塚委員 私は、大都市政策の中で、特に都市計画、住宅建築行政にわたる基本的な問題について、お尋ねをさしていただきたいと思います。
 今日、大都市に起こっている公害あるいは日照の問題等々、いわゆる都市問題につきましては、戦後三十年それぞれの都市の形成の過程で、基本的には、都市の形成に対応した諸施策がおくれたということの相乗作用によって起きてきたというふうな理解を、私はいたしておるわけでありますが、特に首都東京、大阪、名古屋というような大都市におきましては、いわゆる木造中心主義の時代から今日のコンクリート時代に変わっていくプロセスで、特に都市計画諸法の対応が、それぞれ手直し程度にとどまり、抜本的に見直されていなかったというところに大きな原因があると考えるわけであります。そういう中で、限られた時間でありますから、私は数点にしぼって、お尋ねをさしていただきたいと思うわけであります。
 いま当委員会においても小委員会を設けて、空き家の問題であるとか、いろいろ論議をしておりますけれども、私は、都市というのは、まず基本的に都市計画がしっかりしておらなければ、いい都市ができないという理念におきましても、はっきりしておるように、いまの都市計画諸法すなわち都市計画法あるいは建築行政につきましては建築基準法等が、若干の改正は積み重ねられてまいりましたけれども、その中でも特に用途地域、容積率等についてお尋ねをいたしたい。
 まず第一に、用途地域につきましては、その純化が行われることが、環境良好な都市をつくっていく一番基本になるわけでありますけれども、いまから約四年半前に、基準法の改正に伴いまして用途地域の指定がえも行われましたけれども、その純化についての施策について、建設省の御見解をまず伺いたい。
#4
○中村(清)政府委員 お答えを申し上げます。
 大塚先生に対して、あるいは釈迦に説法になるかもしれませんが、いまの都市計画法の中で大体、都市計画というものについての定義がございますが、その三つの大きな柱としまして、土地利用それから都市施設の整備それから市街地開発事業、この三つが大きな柱になっておるわけでございます。
 そこで、まず土地利用につきましては、具体的には都市計画の面では、地域地区に関する都市計画ということで、あらわれてまいるわけでございますが、御指摘のように良好な都市環境を形成いたしまして機能的な都市活動を確保するというためには、土地利用の純化を図る必要があるだろうというふうに思っております。いま御指摘がございましたように建築基準法の改正がございまして、一種住専、二種住専というふうな制度が新しくできたというのも、土地利用の純化を目指してのことであったというふうに、われわれは意識をしておりますが、今後の運用としましては、地域地区に関する都市計画を定めるに当たりましては、専用地区という制度がございますから、専用地域の指定を推進いたします。同時に特別用途地区という制度も、あわせて、あるわけでございまして、両々相まって、きめ細かい土地利用規制をやっていきまして、土地利用の合理化に寄与したいというふうに考えておる次第でございます。
#5
○大塚委員 もちろん、その純化のためには、特別用途地域を設ける等のことは今日まで行われてきたことは、もう私も十分承知しておるのですけれども、そこで一番問題なのは、やはり過密と過疎の問題、あるいは郊外にスプロールをしていく今日までのプロセスで、やはり職住接近という問題も、これは都市計画の観点ばかりでなくて、あらゆる角度から必要なんですが、商業用地あるいは近隣商業、住居地域というふうに、そのグレードが変わっていくにつれまして一番大事なのは、やはり商業用地というのは純粋な商業用地であり、そして近隣商業あるいは住居地域さらに第二種住専という中に業務施設が、法の規制はあっても混在をしていくところに住居環境が悪くなっていく。そしてまた同時に、最近のマンション等を考えましても、結局はマンションは建てるけれども、それがいわゆる用途地域が商業地域に近いところについては、すでにもう商業用地のような使われ方が行われているというところに問題がある。
 そういう意味で私は一つの発想として、いま郊外に住宅ができても空き家ができたり問題になっているときに、そろそろ用途地域の指定が、いわゆる面的に決めていくのではなくて階層別に住居地を決めていく。たとえば住居地域においては二階以上は、いわゆる住専の地域に組みかえていくというようなことによって、職住接近ないしは都心においては夜間人口を確保するという方策にもまいりますし、また一面では、いわゆる地価対策にもつながるというふうに私は考えるのですけれども、そういうような考え方について何らかの御見解があるかどうか、承りたい。
#6
○山岡政府委員 今後、大都市におきましても職住近接を進めるということは非常に大切であろうと考えております。そのための施策につきましても、いろいろ講じてまいっておりますが、特に建築基準法、都市計画法の運用等に当たりまして、当面ただいま先生が御提案の点などは十分検討に値する問題だと思っております。
 現在のところ、新しくつくりました第二種住居専用地域におきましては、住居地域の環境の安寧を確保するという趣旨から、昨年の十一月の建築基準法改正におきまして新しい試みといたしまして、三階以上の部分を事務所、店舗等の用に供することを制限をするという意味の立体的用途規制を加味いたしております。そういうような立体的な用途規制の必要性については、われわれも十分検討に値すると考えておりますので、今後それらの第二種住専の施行等の状況を見守りながら、引き続き検討を続けてまいりたいと考えております。
#7
○大塚委員 昨年の改正で若干そういう試みも行われましたけれども、私が申し上げているのは、もっと大胆に取り入れることを、ここで考えるべきではないか。これがやはり都市の再開発にもつながっていき、住宅施策にもつながっていくということであるので、お尋ねをしたわけであります。
 さらに、次に容積率の問題について、お尋ねをしたいのであります。
 いま各都市とも容積率の指定はされておるけれども、現実の姿としては道路の斜線制限であるとか、あるいは北側斜線等の規制によって、現実は敷地の規模の大きいプロジェクトは別としましても、小さい細分化された敷地での建築については、必ずしも、そのような高容積の建物は建てられないわけであります。しかし、そういう指定があることによって、素人である住民の方の感情としては、たくさん建てられるのだという素朴な気持ちを持っておる。それがやはり、ある意味では地価にも影響しているというのが実態であって、率直に言えば、実際に建たないのであれば、そんな容積の指定というのは矛盾があるというふうにもなりますし、それから、さらに私は一歩進んで、容積率そのものはむしろ低率化する必要があるのではないか。低率化して、そしてむしろ容積を与えるということは従来の総合設計制度あるいは特定街区というような制度で運用ができる。そのまま、それが適用できるということではありませんけれども、考え方としては、容積を増すということは、ある程度、敷地の規模が大きくて、そしてまた日照の影響も他に与えない、あるいは空地もとれるというようなときに初めて容積を与えるというような制度を、いわゆる別の特定街区とか総合設計制度というのでなくて、容積を指定する段階で、そういう考え方を取り入れるということが必要ではないかと思うのでありますが、それについての御見解を承りたいと思います。
#8
○中村(清)政府委員 用途地域に関する都市計画におきましては、いろんな容積率に幅があるわけでございまして、地域ごとに幅があるわけでございますが、いままでの指導といたしましては、できるだけ低い率で決めてくれということで指導しております。具体的に申し上げますと、一例を引きますと、たとえば二種住専につきましては最低十分の二十から上いろいろあるわけでございますが、これは指導としましては十分の二十というふうなことでやってほしいというふうな指導もしておりますし、今度の基準法の改正で十分の四十というものがなくなって、さらに低い率ができたというふうなこともございます。
 そういったことで、できるだけ低率の容積率を定めるということにしておりますし、ただいま御指摘がございましたように、容積率を低く抑えるということと並行いたしまして、特定街区の制度でございますとか、あるいは総合設計といった、こういった制度を活用しまして良好な環境の建築プロジェクトの拡大の道を開くということによりまして、計画的な市街地整備に資していきたいというふうに考えておりますし、今後とも、そういう運用でまいりたいというふうに考えております。
#9
○大塚委員 その方向で考えるということはわかるのですけれども、現実論として、いまのような指定をしておっても、これは木造ないしは防火構造の建築の場合は別としまして、いわゆるコンクリート構造のものでも恐らく容積は、その範囲をはるかに下回るものしか建てられないということです。それは結局は敷地の規模であると思うのです。それから道路の問題である。
 そこで私は、特に容積率について、いまのようなことを申し上げたのも、いままでは、いわゆる木造中心主義の建築基準法であって、それを手直ししたにすぎませんから、いろいろな問題を起こしておる。特に建築敷地について何の規制もない。たとえば五百坪の場合も十倍の場合も敷地については建蔽率も容積率も全く関係なく確認をしていくという制度ですね。私は良好な環境をつくるというのは、木造の時代は別として、もうすでにコンクリートの時代を迎えた以上は、やはりある程度、建築基準法に敷地の規模を取り入れる、そうして大きいものについては容積も、それに伴う与え方をしていくというような考え方を入れていかないと良好な環境はできない。
 それから同時に、建築敷地と道路の関係についても私は意見があるわけです。といいますのは、いまの基準法によれば、建築敷地は道路に二メートル以上接していれば建築ができるわけです。したがって、いまミニ開発なんというのも、そういうようなところで、できるわけですけれども、実際にはコンクリートの建物を建てる場合には、二メートル以上接していればいいというような考え方では、いわゆる、ろうそくビルや、あるいはまた将来コンクリートのスラムになるような建築しかできないというのが現実の姿だと思うのです。そこで私は、建築基準法に、もうこういう時代になった以上は、敷地の規模を定めるという考え方を取り入れるべきだという意見を持っておるのですけれども、その考え方に対して建設省としてはどうお考えになっておるか、お答え願いたい。
#10
○山岡政府委員 最近の建築の実情等を見ましても、先生おっしゃいますとおり敷地の広さの問題は今後、非常に問題になると思っております。ただ現在の建築基準法のたてまえでは、敷地と道路との関係に、なお着目いたしまして、やはり、そういうものを中心に規定をいたしております。建築基準法はあくまでオールジャパンに適用いたします最低の基準だということでございますので、やはり、そういうことから、いま踏み出すことに、ちゅうちょしておるのが実情でございます。
 それからなお私の個人的見解でございますけれども、個人の考え方といたしましては、そういう敷地の小さいものにつきましては、減税をやめるとか、もしくは融資の道を断つとかというような意味で、いいものを奨励する方向を、まずやってみたらどうかと個人的には考えておりますが、法的規制の問題といたしましては、新しく改正いたしました建築基準法におきましても、前面道路の幅員が十二メートル未満である建築物の前面道路の幅員による容積率制限というのをきつくいたしまして、従来の十分の六掛けを十分の四掛けにしたというような改正も行ってまいっております。それから、さらに敷地の規模と道路との関係につきまして、これは二メートル以上、公道に接しなければならぬというようなことになっておりますけれども、それにつきましても、やはり地方公共団体が条例で必要に応じて付加できるというふうな規定があるわけでありまして、現に東京都等では相当つけ加えました接道義務等についても決めておるわけでございます。それらのものも十分考えていかなければなりませんが、何分、東京都におきましても三十坪以下の敷地が四割を占めるというような状況から見まして、いま直ちに敷地の制限を建築基準法に取り入れることがいいかどうかということについては、さらに検討してみたいと考えております。
#11
○大塚委員 そこで私は、いま局長から東京都の場合のみならず敷地の規模が三十坪以下が四〇%、これは確かに全国的にそうだと思うのです。そんなに大きい敷地ばかりではないわけです。そういう問題がありますからこそ、三十坪あるいは二十坪という敷地に鉄筋の建物が次々に建っていくことは、結果的にスラムをつくってしまうということでありますから、その敷地の規模を取り入れるというのは、木造ないしは軽量鉄骨以下のものにまで私はそれを組み入れろと言っているのではないわけです。確かに法律はオールジャパンですから、一千百万の大東京も、あるいは五十万の都市も同じに考えようというところに、大体どだい無理があるわけでありまして、大都市については特に、そういう配慮をしなければいけないからこそ申し上げておるわけであります。特に、そういうコンクリートスラムになるような敷地の使い方をさせない手法としては、最低限、法律では木造とか、あるいは構造の比較的やわらかいものについては従来どおりで私はいいと思いますけれども、少なくともコンクリートになる場合は、そういう厳しい制限を加えていかないと千載に悔いを残すというふうに私は思うのですが、そういうような、たとえば構造別によって規制ができるかどうか。たとえば、それは法制的に非常に無理があるとか私権の制限になるので、むずかしいのであるとかというようなことが具体的にあるかどうか、いかがですか。
#12
○山岡政府委員 構造別の規制についても、私いま考えますが特に問題はないと思います。十分に検討に値する問題だと思っております。ただ先ほど申し上げましたように、たとえば確かにコンクリート系のものが小さい敷地に建つということは、まことに困るわけでございます。現在、先ほど申し上げましたように、たとえば公庫の融資等につきましては千平米以下については融資しないというふうなことで徐々に、その基準を上げてまいっておりますけれども、それでも、まだ狭いかと思います。いま先生がおっしゃいましたようなことは今後の問題として十分検討したいと思っております。
#13
○大塚委員 実際に住宅公庫の融資とか公的にチェックのできるようなものについては、そういう行政指導をやっていくということで救われるかもしれませんけれども、融資住宅というのは、おのずから限度があるわけでして、一般民間建築が大半を占める中で、まあなかなか、むずかしい問題ですから前向きの御答弁もいただけないと思いますけれども、これは、ぜひひとつ敷地の規模を取り入れることについては真剣に取り組んでいただきたい。
 これが一番問題であるのは昨年の改正ですね、基準法改正で御承知のように日影規制を加え、一年以内に施行されるという状況ですけれども、私は、いままでの日照紛争をずっと見る中で、結果的に、やはり基準法なり都市計画法の抜本的改正がない限りは大変、悲劇な解決しかできないんだ、実際問題として。日影規制でやりましても結局は何らかの日照の影響があることは間違いないし、いまの住民運動からすれば結果的に金銭解決による解決しか残されていないという現状の中で、やはり、これを抜本的に改正することの方が実際には私は大事ではないかと思うから、そういうお尋ねをしておるわけです。
 第一、ちょっと別になりますけれども、昨年の改正によって日影規制、それぞれの確認の申請ごとにチェックをするという大変な作業があるんですね。私も、いろいろ検討してみましたけれども、この改正が施行になった場合に各地方公共団体で実際に対応できるかどうか。それぞれの設計事務所からも、いろいろの意見があるのですけれども、隣地に対する日影規制を、それぞれのプロジェクトが一律じゃないのですから大変な作業だ。これはちょっと質問としては具体的なことになるのですけれども、地方公共団体でも、これを施行していくのには相当な人間を張りつけたり時間がかかったり、ましてや基準法の法定の二十一日間で、これを確認していくということは大変むずかしいんだ。しかも、いまは二十一日なんというのは、もう、ほとんど無視されたような状況ではありますけれども、そういう今度の改正を施行していく上において、どんなふうに考えておられるか。実際に人間を、どういうふうにふやしていくかとか、さらには市とか特別区におきましても権限が委譲されておりますから、それを調べていくことは大変なことだと思うのですがいいかがですか。
#14
○山岡政府委員 日影規制の改正に伴います建築行政上の事務の円滑化ということにつきましては、おっしゃいますとおり相当、問題があると思っております。ただ、この法案の改正を実施いたしますのに一年以内というふうな猶予期間を設けておりますのも、そのための準備期間等も含めて考えておるわけでございます。
 その間におきまして現在までのところ、審査を正確かつ簡便に行うというために、いろんな簡便な日影投影図ができるような手法だとかいうものの開発が行われておりますが、それの普及を現在、図っております。それから地方公共団体の担当職員が円滑に審査できるというようにするために具体的演習を含む講習会を数次にわたって行っております。今後も行っていくつもりでございます。それからさらに、昭和五十年度から、わずかではございますけれども地方交付税の算定基礎に建築行政の人員増を見込んでいただいております。五十二年度におきましても、来年度の要求に当たりましては、さらに、そういう点も加味いたしまして十分交渉してみたいと思っております。たとえば人口二十五万ですと一人、人口百五十万ですと三人、人口百七十万ですと四人というふうに、当面きわめてわずかではございますが、ふえております。こんなことでは、まだまだ足らないと思いますので、十分努力をして、そういうような実情に沿うような努力をしてみたいと考えております。
#15
○大塚委員 恐らく法律を改正されて、いま建設省でも、確かに、それだけの人間が必要だということで、二十五万に一人というような基準でお考えのようですけれども、そんな、なまぬるいものではなかろう。恐らく相当な人員を要するであろうし、また逆に、設計事務所等においても大変に、この問題については対処の仕方に困っておるわけです。したがいまして、これにつきましては、ともかく設計事務所等に対しても十分な行政指導をしていただいて、円滑にいくようにしていただくということに、特に御配慮を願いたいと思います。
 そこで、また本題に返りますけれども、特に、いまのお話の中で容積率の問題あるいは用途地域の純化等々全般を考えまして、いままでは再開発法であるとか他の法律によって、そういう問題点を補完してきたわけですけれども、いま建設大臣が御列席でございませんで政務次官がおいででございますけれども、特に、きょうは、そういう専門的な話になりますので局長の方から、こういう問題と、どうやって取り組んで改善をしていくかということについて、何かお考えがあったら、両局長から、お答えをいただきたいのであります。
#16
○中村(清)政府委員 先ほどから御指摘がございました、たとえば容積率の問題でございますとか、地域地区こういった都市計画全般の問題につきまして、私ども、いろいろやっておりますが、現状では必ずしも都市の現状にマッチできないという面が多々あることも事実でございます。私どもは、こういう問題があることを予想いたしまして、実は昨年でございますが、建設省に都市計画中央審議会というのがございますが、都市計画中央審議会に二〇〇〇年を目標とした都市整備の基本方向はいかにあるべきかというふうなことで諮問をいたしておりまして、いろいろ関係の先生方にお集まりをいただきまして、目下いろいろ御審議をいただいておる最中でございますが、問題が非常に大きい問題でございますし、また複雑でございますので、大体二年間ぐらい、結論をいただくまでに、かかるであろうというふうに考えておりますが、そういう御答申をいただきますれば、もちろん御答申の趣旨に沿って、いろいろ考えなければいけませんし、御答申をいただく前の段階でも、行政のサイドとして対応できる問題については敏速に対応していきたいというふうに考えております。
#17
○山岡政府委員 住宅サイドにおきましても、昨年の建築基準法の改正を行います原案につきまして建築審議会に諮りましたけれども、日照、容積率の縮小等についての原案をかけたわけでございますが、その際に、当面の措置としては、これでよろしいじゃないか、ただし「今後検討する必要のある事項」ということで、まさに、いま先生がいろいろおっしゃいましたような抜本的な「土地利用関係法令等の再検討」それから「建築確認制度の再検討」これは許可制度も含む問題でございます。それから「建築計画制度の導入」これは詳細計画の導入のことでございます。この三点につきまして、建築審議会の今後、引き績き検討すべき事項というふうに示されております。先生がおっしゃいましたお話は、これはもう全部、包含されておるように私は思います。この点の勉強につきまして現在、鋭意行っておるわけでございますが、適正な結論を得て実行に移すように努力してまいりたいと思っております。
#18
○大塚委員 両局長さんにお答えをいただいたのは、実は私、余り言いたくないことなんですけれども、いま住宅公団の問題で、これにどう対応していくかという論議も盛んに行われているとき、率直に言って、いわゆる住宅行政と都市計画行政というものが、住宅局と都市局とに分かれているからという言い方はしませんけれども、何か縁が大変遠いとは言いませんが、そこに問題があるのじゃないかというふうに私は思うわけです。たとえば建築基準法のような法律については、それはオールジャパンですけれども、むしろ都市計画的な問題としてとらえていかなければ、結局はやはり、いま起こるような問題が自然に起きてくる。そういうものの積み重ねなんだ。ですから、あいている住宅をどうしようということを幾ら論議しても、今後のことを考えていったら、やはり、その一番基本になる部分をきちっとしなければ、いつになっても、こういう問題は解消しないと私は思うわけです。
 たとえば住宅政策につきましても、戦後三十年、政府・自民党もそれぞれ、いろいろな施策を立てながら、やってきましたけれども、これは党派を超えて、実際に住宅政策というのはどうあるべきなんだ、そしてまた、どういうふうに住宅を供給していくかという基本的な問題として、まだ掘り下げが足りなかったところに問題がある。たとえば、ことしの住宅政策は何戸建てます、そして、それができれば、もうこれで国民の支持があるのだというような発想、私はいわゆる戸数主義と言うのですが、そういうもので終始してきた感がなきにしもあらずであります。したがって、これからの住宅政策というのは、やはり方向転換しなければいかぬ。
 たとえば、いま東京都にある例を出しますと、都営住宅の中でも五十円という家賃の住宅も実際にまだ残っておる。そうかと思うと、片方では何万円というのもある。たとえば公営住宅は、もちろん、そういう性格ですから月収の基準を抑えるとか、いろいろやっておりますが、幾ら月収の基準を抑えても、月収がうんと上がってしまっても入っておるというのが現実ですよ。ですから私が、戸数主義が原点であることからの発想の転換が必要だと言うのは、いわゆる住宅政策にしても守備範囲を、それぞれ、この辺で抜本的に考えなければいかぬ。たとえば社会福祉的な住宅のものと、そうでない住宅と区分をするとかということも考えなければいかぬ。しかも、その立地については職住接近であるとか、あるいは交通計画であるとか、そういうものが総合的に検討されて初めて正しい住宅政策と言えるのではないかと思うのです。
 そういう形の中で、決して都市局と住宅局がどうこうと言うのじゃないのですけれども、私は両局長さんに、ぜひひとつ、もう一度こういう問題について抜本的に改正をしていく、というのは都市計画中央審議会の皆さんに答申を求めてというよりも、建設省内部の組織の中から、もっと両局が本当に、この問題に対処できるような検討をすべきではないかと私は思いますが、それに対する御見解がいただけたら、お願いをしたいと思います。
#19
○山岡政府委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。それぞれ別々に勉強しておるというわけではございませんで、力を合わせて勉強を進めているというのが実情でございます。確かに住宅政策につきまして、第二期五カ年計画の半ばごろまで戸数主義を守ってきたことは私は事実だと思います。しかし、その後さま変わりをいたしました世相に加えまして、質の向上に重点を置いてやっております。第三期五カ年計画の閣議決定の中にも、住宅の供給は町づくりの一環として環境対策の中でやるべきだということが、はっきりと書かれております。そこの中では当然、都市づくりということで都市行政と一緒になるわけでございまして、この実行につきましては、住宅局、都市局というような細かいことを言わないで真っ正面から立ち向かうというつもりでおります。
 先ほど申し上げました建築審議会の「今後検討する必要のある事項」の中に書いてございますことも、試みに読んでみますと、「最近における都市の土地利用の複雑化、多様化に伴い、市街地における土地利用の混乱が問題となってきている。このような現状を是正し、良好な市街地環境の形成を進めていくためには、土地利用に関し、一層総合的かつ計画的な規制、誘導を行うことが必要である。しかしながら、現行の都市計画法、建築基準法をはじめとする各種土地利用関係法令及び都市整備事業に関する各種事業関係法令の体係はこの点において必らずしも充分であるとはいい難いので、これらの法令の再編成を含めた抜本的な法体系の整備を行うことを検討する必要がある。」という提言でございます。この「抜本的」という中には、都市行政、住宅行政を当然コンバインをいたしまして考えるということがあるだろうと思っております。両局、力を合わせてやるつもりでございます。
#20
○中村(清)政府委員 ただいま住宅局長がお答えしたとおりでございまして、私ども力を合わせて都市問題、住宅問題の解決に力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#21
○大塚委員 この問題は、私は決して両局が対立しているとかなんとかという意味でなくて、もちろん、やっておられると思うのですけれども、そこはまず一本になって物を考える。そこへ、たとえば運輸省であるとか各省それぞれ関連の方々が集まってきて、初めて都市というものを、住宅政策も含めまして、どうやって、よくしていくかという論議に入っていくのだ、そういうことで申し上げたわけでございまして、できれば部内で、そういうようなチームでもつくって、なお一層、御検討いただけたら、ありがたいと思います。
 限られた時間で、あと大してございませんが、特に、さっきの住宅政策の中で、住宅供給というのは民間の能力によるものが大部分であることは間違いのないことです。確かに公的住宅については家賃の論争がたくさん行われるけれども、公的住宅の供給量にも限界がある。そしてまた、そこにも入れない人たち、民間住宅によって生活をしている人たちの、いわゆる家賃負担、これを下げていくというところに住宅政策の本来の目的があるのではないかというふうに思うのですけれども、これは時間がありませんから、考え方として公民の住宅の家賃の格差を縮める施策というものも考えなければいかぬ。公団住宅というと家賃が安いのがあたりまえなんだということだが、実際には費用負担がそれだけあって、家賃としては民間と比べれば安くても、入らないという問題を考えますと、そういう公民家賃の格差を縮めるのには、どういうふうにしたらいいかということですね。そういうことを、ぜひ御検討いただきたいと思います。これは意見でございますから、お答えは要りません。
 最後に、もう一つ伺っておきたいのは地震対策でございます。東京、大阪、名古屋という大都市に地震が来たら、国民の生命を守っていくのは大変だということは御承知のとおりですが、どうも今日までの地震対策というのは、避難広場をつくるとか防災拠点をつくるというように、焼けたら、どこへ逃げたらいいか、そして、どうやって生命を守るかというところに力点がいってしまっておって、その前に地震による倒壊による人命の救助というものについては余り積極的な施策が行われていないと思うのです。というのは戦後三十年、三十年というと木造については、もうすでに建物も限界に来ておりますから、そういう老朽危険建築物というのは都内にも各都市にも、うんとあるわけですね。ところが実際には、これ自体のインスペクションなどは、言うことはできても、なかなか、やるのはむずかしいと思うのです、建設省としては公共建築物については、すでに、そういうインスペクションをいろいろな手だてで、やっておられるけれども、私は、公共建築物よりも民間の建築物の中でも大変、人がたくさん集まるところとか、比較的大きな建物で老朽し、なおかつ非常に危険な建物、こういうもののインスペクションをやって、事前に生命を守っていく施策を打ち出すべきである。それから次が防災拠点であり、逃げ場であるというように思うのですけれども、そういう点について何らかの御計画なり考えがありましたら、お答えをいただきたいと思います。
#22
○山岡政府委員 先生御案内のとおり、現在の建築基準法で企図しております最低の基準といたしましては、関東大震災程度の地震に対する安全度を見るということで安全性を見た、いろいろな基準が決められております。しかしながら最近、新しい建物がどんどん出てまいりまして、たとえばピロティ方式というようなものにつきまして、構造上の安全は一応、確保したけれども、全体のでき上がった結果としての、しなやかさ、もしくは柔軟性等に欠くる点があるというようなことが指摘をされております。そこで建設省といたしましては、過去四年にわたりまして総合プロジェクトというので相当、金をつぎ込みまして新しい耐震設計のための勉強をしていただきまして、先ごろ答申をいただきました。そういうものを今後いろいろな方面に反映させていくということが、まず一つでございます。
 それから当面の問題といたしましては、たとえば木造の建物等につきましては、耐震のための点検要領、補修要領等につきまして一応、成果品がございますので、これを建築士事務所等を通じまして、もしくは県の建築関係を通じまして、方々へPRに努めているというところでございます。
 それからさらに、その総合プロジェクトの検討過程におきまして、少なくとも、たとえば鉄骨造等のものにつきましても、そういうふうな点検、補修のものが現在できております。早速いま講習会等を始めたところでございますけれども、引き続き鉄筋等につきましても、そういうようなものをもっと活用していくようなことに努めたい。
 それからさらに、地震がございましたときの、もう一つの問題は火事でございます。したがいまして、そういうふうなときに自動的に余りガスが出ないようなガスの自動閉鎖装置もしくは、いろいろなこんろ等についても安全機器の開発等につきまして通産省その他と、いろいろとプロジェクトチームをつくりまして検討して、その成果を進めている、そのための技術補助等も行っているというところでございます。
#23
○大塚委員 時間がありませんので最後に申し上げますけれども、私は要するに構造の方の問題を御質問しているので、特に民間のものについて幾らPRをして、こういう基準で調べなさいといっても実際にはできない。私はロサンゼルスの地震があったときに、たしか救仁郷さんも、あのとき行かれたと思うのですけれども、ともかく建物のインスペクションは制度的に考えて、それは膨大な予算を伴うかもしれぬけれども、地方公共団体等も協力をしてやってもらえば、あるいは設計事務所等にも協力をしてもらえば十分対応できる、また、これは早急にやらなければならない問題なんだという意味で、もう一度、最後にお答えをいただきたいと思います。
#24
○山岡政府委員 実は、その辺につきましても、たとえば病院、警察、それから、いろいろな通信設備の基点となるところというような非常に根幹となるところにつきましては、当面、直ちにやりたいということで、実は予算要求等に努めたわけでございますが、やはり五十二年度予算については成功いたしておりません。先生のおっしゃいますとおり、いろいろな金なり応援の方法が要るわけでございます。そういう点につきましても今後、努力をしてまいりたいと思っております。
#25
○大塚委員 もう時間がありません。きょうは大臣が御欠席でございますが、限られた時間ですので十分言い尽くせませんけれども、私が申し上げた趣旨を、ぜひ大臣にお伝えいただいて、ひとつ善処方を御検討願いたいと思います。
 以上で終わります。
#26
○北側委員長 井上泉君。
#27
○井上(泉)委員 私は石原長官に若干、当建設委員会に関係する問題でお尋ねをしたいと思うわけですが、われわれは、あなたが政治家になる前には文学者として、よく承知をしておったわけです。だから、いわゆる言葉で決着をつけなければいかぬものを、今度は言葉で決着をつけるのをやめて、行動つまり政治の場へ出た。ところが政治の場で決着のつかないことを今度は言葉でごまかす、そういうふうな、あなたにとっては名誉な評価というものがされていない、そのことは御存じだと思うわけです。
 そこで、まず第一番に、あなたは環境庁長官として、本四架橋は三本も要らぬ、こういう話をされたのですが、それは環境庁の長官として言ったのですか、それとも政治家として言ったのですか、あるいはまた文学者として言ったのですか、どっちですか。
#28
○石原国務大臣 本四架橋が三本も要らぬと申しましたのは、私が閣僚に就任する前のことでございますが、いずれにしても政治家として申しました。
#29
○井上(泉)委員 政治家である以上は政治信念というものがある。あなたは政治は理念だ、こういうことをよく言っているのですから、理念を持った発言だと私は思うわけですが、三本も要らぬということは一本は要る、こういうことですか。
#30
○石原国務大臣 ですから、同時に三本もかける必要はあるまい、需要に応じて、それが二本なり三本になるのはわかりますが、あの時期は大変、高度成長ブームの時期でございましたけれども、それにしても一度に四国のような、それほど面積の広くないところに向かって、それほどの間隔を置かず、あれほど規模の大きな橋を三本もかけるという考え方というのは、私にはどうも納得がいかぬ、そういう意味で申したわけでございます。
#31
○井上(泉)委員 その納得がいかぬというのは、三本もかけるということは納得がいかぬということはわかるけれども、三本も要らぬけれども一本なら納得がいくのですか。それで現状をどう把握しておるのですか。
#32
○石原国務大臣 まず一本かけられるということは、私は妥当なことだと思います。
#33
○井上(泉)委員 いや、それは現状はどうなっておるかということの現状認識、つまり、いま三つの橋がやられるようなことで進められておるのですが、その現状はどうなっておるかという、あなたの認識と、さらにまた一本ということなら、あなたは政治家である以上は、三本も要らぬけれども一本はいいという、その一本は、どこでもいいというような考え方ではないでしょう。いま、あなた、四国のようなちっぽけなと言うのですけれども、四国だって沖繩だって、どこだって、ちっぽけなということはわが国土の中に当てはまらないでしょう、どうですか。ちっぽけななんて、そんな軽々なこと言うのはよしなさい。
#34
○石原国務大臣 ちっぽけとは申しません。(井上(泉)委員「四国のようなと言ったでしょう」と呼ぶ)四国のような決して大きくない……(井上(泉)委員「大きくないということは小さいことじゃないですか」と呼ぶ)いや、そこに住んでおられます人口の数あるいは、その他の諸条件を勘案しましても、その島に向かって一度に、あれほどの規模の橋を三本もかけるという構想には、私は承服しがたいということでございます。
#35
○井上(泉)委員 それで、現実には三本かける方向にいっておることに対して、あなたは閣内で反対を主張し、また政治家として、その反対の行動をとっておるのですか。
#36
○石原国務大臣 現実に福田内閣は、あそこに一遍に橋を三本かけようという姿勢ではございません。ここに国土庁の長官もおられますけれども、あくまでも当面、一本の橋をかけるということで、環境庁としては、そのアセスメント云々についての所見を述べてきた次第でございます。
#37
○井上(泉)委員 あなたは現状認識というものを非常にごまかして答弁をしておるわけです。
 それから四国のようなということは、私は四国の選出だから言うんじゃないですよ。日本の国土を見る場合に、四国の国土の中での位置づけがそんなに価値のないような、そういうふうな見方で、この橋の問題も評価する、すべてのことを、そういう形で見られる。あなたの住む東京都は、そりゃたくさん人口がおって日本の首都としてのなにはあるでしょう。しかし、やはり日本の国土というものは四国もあり、九州もあり、北海道もあり、いま問題の北方領土、あの島ですら、国民が命を賭してでも返還をしなければならぬ、こういう強い闘いをしておるでしょう、沖繩でも。それに対して、そういう政治姿勢というものは、私はあなたが環境庁長官として言ったんではない、政治家として言ったんだというなら、やはり政治家としての理念を貫いた行動があって、しかるべきだと思うのですけれども、政治家たるものは地域の大小によって行政を差別すべきものじゃないと思うのですが、どうですか。
#38
○石原国務大臣 ですから私は、地域の大小によって行政を差別するなどということは一言も申しておりませんし……(井上(泉)委員「そんなこと言ってないですよ。四国のようなと言っただけです。その言外にあなたは」と呼ぶ)いや、言外のことは、どういうふうに御想像されるか、そちらの御自由でございますが、私は申したとおりのことを申しているわけです。
#39
○井上(泉)委員 それでは四国のようなとは、どういうことを指して、四国のようなところには三本の橋は要らないと言うのですか。四国のようなとは、どういうところですか。
    〔委員長退席、岡本委員長代理着席〕
#40
○石原国務大臣 四国について、いろんな説明の仕方があると思いますけれども、これは先生の方がよく御存じでしょうから、私は、ここで割愛さしていただきます。四国は四国でございます。それは人口の数、都市の数あるいは、そこに潜在している経済的な可能性、いろいろございましょうけれども、しかし、そういう可能性を勘案しながらも、なおかつ一時期に三本、橋をかけるということは、どうも、ちょっと行き過ぎではないか。そしてまた福田内閣が、一時期に、あそこに三本、橋をかけるという姿勢を出すならば、私は閣内で過去に発言しました所信にのっとって私なりの所見を申し述べ、閣議としての議論を誘発することにやぶさかでございませんが、とにかく当面まず一本かけるということでございますから、私は、その限りでは賛成だ。環境庁としてもアセスメントについての、いろいろな指針というものを用意しているつもりでございます。
#41
○井上(泉)委員 いま坂出−児島ルート、尾道−今治ルートあるいは鳴門ルート、それぞれの形で作業が進められておるということは、あなたは認識をしておるでしょう。そして福田内閣が一本しかかけないというわけですけれども、現実に大鳴門の起工式も終わっておるでしょう。三島橋の方も、尾道−今治ルートの方も、仕事は始まっておるでしょう。まだ着工されていないのは児島−坂出のルートだけでしょう。これは、あなた国務大臣として認識はあるのでしょう、ないのですか。
#42
○石原国務大臣 三橋一ルートとして認識しております。
#43
○井上(泉)委員 本四で三本の橋というのと三橋一ルートと、どこが違うのですか。本四の閥に橋を三本かけるということと一ルート三橋とかいうのと、どう違うのですか。何も違わないじゃないですか。
#44
○石原国務大臣 それは三ルートと一ルート三橋とは明らかに違うと思います。その三橋に関しては、その地域なりの開発というものが目的として設定されておるのでしょうけれども、これを、やがては、つなげることになるのかもしれませんが、しかし当面、地域開発というものを主眼にして三橋を設けられ、そして本土と四国を結ぶ一ルートということで私は承知しておるわけでございます。
#45
○井上(泉)委員 あなたは、福田内閣の大臣になる前には、福田のような年寄りが内閣を背負ったところで、しようがない、こう言っておった。ところが環境庁長官になると非常に居心地がよいのか、おるわけですが、本四架橋は三本も要らぬ、本四架橋は一ルートであって、あとは橋だというように言葉でごまかして逃げる、そういう悪い政治家の――あなた、政治というものは理念だ、こういう評価をしながらも、一方においては政治家はやくざみたいなものだ、こういうようなことも親しい者には漏らしておるというような話も聞くわけです。私は聞いてないけれども、そういう話もよく聞くわけなんです。三橋一ルートで、あとは本四架橋ルートでないとか、そういう認識のもとに言われるということは非常に不見識だと思うわけです。それは、いわゆる老害の政治家ならいざ知らず、あなたのような政治家が、将来、政治家をやめて、また文学で生きるならば別ですよ。しかしながら政治家としての、あなたの、そうした、現状認識そして、そういうとらえ方。また環境アセスメント法、これさえ今度の国会には出ない、後退しておるじゃないか。環境庁長官として、みずからの行政の中で十分なこともせずに、反対に本四架橋は一本でいいとか。
 それから、この間、国土庁と環境庁と合併せよ、こういうことを言われたのですが、これは、あなたも政治家としての信念に基づいて言われたものだと思うわけです。前にテニスのときにも参議院では、ずいぶん陳謝して回った。ところが、そのことは余り反省をしたような話もないわけです。それは言葉で、どうでも言えることですが、国土庁と環境庁と合併が適当だというようなことを発言されて、これに対して、また官房長官から、おしかりを受けたというような新聞記事、私どもは野党ですから新聞で承知する以外に承知しないのですが、あなたも福田内閣の国務大臣として、新聞で取りざたされた問題について、この際あなたの政治理念というもの、そして国務大臣としての責任ある見解をお示し願いたいと思います。
#46
○石原国務大臣 御質問の前に、いろいろ興味のある前説を拝聴いたしましたけれども、どうも伝聞のさらに伝聞を、こういう公式の席でおっしゃられることは私ちょっと異存がございます。(井上(泉)委員「異存があれば言いなさい」と呼ぶ)ええ。私が政治家はやくざであるとか、それから福田さんのような年寄りが総理大臣になったら仕方がないとか、そんなこと申してございません。つまり、政治家の高齢化、自民党の高齢化については確かに選挙の前に言及いたしましたが、個人について云々したことはございません。
 それで、国土庁と環境庁が合併した方がいいのではないかと言った問題でございますけれども、これは、ここにもおられますが、私が鳥取で政経文化パーティーがありましたときに発言をしまして、そのときは地方紙にも詳しく念のために申しました。田澤長官の指導していらっしゃる行政あるいは今日の国土庁の行政を云々、非難したことではなしに、むしろ高度成長の後、今日の不況下、国土庁自身が国土の保全ということで行政というものを非常に転換されております。これは私は非常に評価されるべきことと思いまして、そういうことなら、なおさら環境問題というものは国土の非常にきめの細かい利用というものを考えなければ、とても達成し得ないというわけでございまして、そういう意味で、行政改革を云々されておることですし、たとえばイギリスのように、行政改革を大改革いたしまして、つまり国土行政と環境行政というものを一体化して、その実を上げている例もございますし、そういう意味からしましても、できるだけ近い将来、国土行政と環境行政というものが合併すべきではないか。それでなければ国土行政のレーゾンデートルも希薄なものになるし、同時に環境行政そのものも実を上げずに希薄なものになりかねないという意味で申したわけでございます。
#47
○井上(泉)委員 言ったことは言ったが、そういう方向で、あなたは今後も進めますか。
#48
○石原国務大臣 私は、その説を事あるごとに、やはり主張するつもりでございます。
#49
○井上(泉)委員 そうすると現実に、もう環境庁と国土庁とがあるでしょう。あなたが、そのことを主張される中で国民は、あなたが言うように国土庁が列島改造の落とし子のようなものであるというようなことの認識のもとに国土庁を評価し、そして、あなたが冨山で、いまの環境庁には金がない、力がない、だから国土庁と環境庁と一緒にすれば金も力もつく、こういうふうなことを言われた。そのことに対して新聞では、あなたは金と権力とに志向する型だ、こういう新聞の書き方になったわけですが、そういう金と権力に志向するために国土庁と環境庁を一つにしたらよい、そういう受けとめ方を私もしておる、新聞記事だけではなしに。そういうことじゃないですか。
#50
○石原国務大臣 国土庁に金も力もないということは申しましたが、だから金と力を得るために、国土庁なり、あるいは下水道の事業というものを環境庁が受け持つべきであるというようなことを言ったのではございません。それはコンテクストが、書かれた記者の方で非常に混乱されているわけで、私は、そういう言い方をしているわけではございません。
    〔岡本委員長代理退席、委員長着席〕
ただ環境行政、これは単に一省庁の問題ではなしに、これから明治百年を終えて産業時代を脱した次の明治百年と申しましょうか、二百年、私たちが新しい国家なり民族の生きがい、目的というものを設定し直してかかるときに、すべての省庁にかかわる、つまり人間の健康あるいは自然環境の保全といった問題を、いわば政治の大きな眼目として据えて行うためにも、もう一回、本気で行政改革をする気があるならば、他の省にも、そういう問題があるかもしれませんが、少なくとも環境問題を中心にして考える限り、どちらが、どういう形での合併なり併合なり、いずれにしても、ともかく国土行政と環境行政というものが一元化されることが、私は、これからの日本のために好ましいと思っているわけでございます。
#51
○井上(泉)委員 それは国土行政、国土庁の行政だけじゃないでしょう。厚生省の関係でも運輸省の関係でも、環境行政とマッチさせるということは、どこの省庁も同じじゃないですか。とりわけ国土庁に限定したのはどういうわけですか。両方が金も力もないから、この際、金と力をひとつ、つけようじゃないか、そういう権力志向の精神のあらわれで言ったのじゃないですか。
#52
○石原国務大臣 ですから、そうでございません。いま私が答弁したとおり、これからの新しい世紀の政治の一つの大きな主題であります環境問題というものを、できるだけ合理的に実を上げるためにもそういう再編成というものが望ましいのではないかということで申したわけでございます。
#53
○井上(泉)委員 それじゃ、そういう考えなら、あなた環境庁の長官をやめられて、聞くところによると、あなたは自民党の青嵐会のボスだとかいう話もあるのですが、あなたは口も立つし筆も立つし、そういう面で、やはり長官、国務大臣という福田内閣の重要なポストにおって、その中でいろいろやられるより、あなたの高邁な識見というものは、野に下ってやられたらどうですか。環境庁の長官であるがために、本心は仲がいいのかもしれぬけれども、新聞では田澤長官とどうだとか、だれとどうだとかというようなことをよく言われるのですが、それより、いっそ野に下った方が、あなたとしては行動の幅というものができて、よくないですか。私は、あなたほど才能もない男ですから、何も私が忠告するわけじゃないけれども、一国民の声として、どうですか。
#54
○石原国務大臣 私、はからずも環境庁の長官を拝命いたしましたが、やはり政府の中に入ってみれば、それだけ野にあってできない仕事もあるということを痛感もいたしました。そしてまた、福田内閣の一つの大きな指針といたしまして、七月目途に各省から行政改革の試案を出すということでございますので、どうも時と場所を誤ったと申しましょうか、私は必ずしも、そうとも思いませんが、しかし、特に田澤長官には非常に誤解を招き、申しわけないと思っておりますけれども、いずれにしても、私は環境庁として行政改革の試案を出すというときに当然、国土庁の長官とも御相談して、つまり、こういう案はどうだろうかという形で、やはり内閣の行革の眼目の一つとして、それを申したいと思っておりますし、それは閣内でなくては、できないことでございますので、やがては、また私も一議員に戻るでしょうが、そのときはそのとき、このときはこのときで、すべき仕事を自分の所信に基づいて行いたいと思っております。
#55
○井上(泉)委員 それは非常に結構な考えですけれども、あなたが環境庁長官になって、おれはこれをやったぞ、こういう目玉が何かあるのですか。それから国土庁だけを相手に選んだ本音というもの、国土庁だけ選んだということ。たとえば建設省も下水道から、いろいろありますよ。どの省庁をとらえても、あなたの所管の環境行政に関係のないものはないわけだから、そういう点から考えて、国土庁を出したということは、あなたにとっても私は非常に軽率じゃなかったか、こういうふうに思うのですけれども、それは依然として信念に基づいて言ったことであって正しい、こう、いまでも判断しておるのですか。
#56
○石原国務大臣 私の考え方が正しいか正しくないかは、いろいろな機会に御審議、御討論いただければ結構だと思います。そして、それが間違いであるとなれば、私も、それは甘んじて受けますが、私が数ある省庁のうちから特に国土庁を選んだというわけではございませんで、環境行政をやっておりますと、これは国土行政と本当に切っても切れない問題がたくさんございます。そういう意味で、やはり国土庁自身も、かつての高度成長時代と違って、田澤長官の指揮のもとに非常に大きな転身をされまして、国土の保全ということを最大眼目に置いての行政をしていらっしゃいます。これはやはり今日の自然の破壊の未然防止という環境行政の大きな眼目と全く重なるものでございますから、私は、何といっても環境行政を中心にして考えるならば、環境行政の実を上げるためにも、国土庁と環境庁が一元化されて、そういう意味で行政が行われることで、国土に関する行政、環境に関する行政も一元化されることで実が上がると思って、そういう意見を申しました。
#57
○井上(泉)委員 私は内閣の行政というものは、それぞれ、ばらばらであってはならないと思うし、何も国土庁と環境庁とが一元化とかいうようなことじゃないと思いますが、あなたは、どうして国土庁となら、そういう一元的な行政をやるべきであるという根拠をお持ちでしょうか、ひとつ教えてもらいたいです。あなたも指摘したように国土庁が一番、金も力もないですから、何も山を切り開いたりしていないですよ。切り開いておるのは建設省だ。あるいは運営をしておるのは通産省の関係だ。だから、そういう中で環境行政というものは各省全般につながりがあるわけだから、なぜ国土庁だけ婿選びをしたのか。田澤長官がお人よしだから、田澤長官と仲がいいから、こういう意味ですか。
#58
○石原国務大臣 でございますから、環境行政というものに少し御配慮いただければわかることだと私は思います。(井上(泉)委員「国土庁だけじゃないですよ、環境行政の関係するところは」と呼ぶ)しかし、環境行政の大眼目の一つでございます……(井上(泉)委員「それは一つだね。一つということは、十分の一なら十分の一ですよ」と呼ぶ)いま私は発言中でございますから。
#59
○北側委員長 委員長の許可を求めて発言していただきます。
#60
○石原国務大臣 自然保護、環境保全というものは、どうしても人間が住んでおります要するに土地、つまり国土というものと切っても切れない関係があるわけでございます。そういう意味で、どのようなプロジェクトを考えましても、国土の行政と環境行政というものは一体であるということで、私はそう申したわけです。
#61
○井上(泉)委員 あなたと論議をする機会も、また、あろうかと思うわけなので、あなたとだけ、やったのでは私の時間がなくなるので、私は、ここで一応の結末をつけたいと思いますが、それだけれども国土庁だけ特別に、国土庁が金も力もないから、環境庁も同じように金も力もないから、一緒にやろう。田澤国土庁長官の大きな体躯で、ひとつ、やろうという意味で言ったものでないということだけは確かですか。
#62
○石原国務大臣 いまの最後の御質問の意味が、ちょっとわかりませんが。
#63
○井上(泉)委員 国土庁なら組みしやすいと思って言ったものではないですか。
#64
○石原国務大臣 そうではございません。
#65
○井上(泉)委員 そうでなければ、環境行政というものは各省にまたがっておる重要な役所であるし、そうして各省と連絡をとって進めなければいかぬ省庁であるという認識はしておると思うわけですが、その点について、もう一言あなたの信念のほどを聞かしていただきます。
#66
○石原国務大臣 認識を持つか持たないかと聞かれて、いきなり信念と言われても、どうも答える方が混乱するのですけれども、環境行政は、アセスメント法そのものの成り行きを見ましても、とにかく二十省庁近い他省との関係がございます。その認識は私も、そのとおり持っております。
#67
○井上(泉)委員 それでは石原長官に対する質問は、きょうのところは、これで終わります。どうも御苦労でした。
 そこで田澤長官にお尋ねするわけですが、これも別に私は田澤長官に、石原長官の見解をどうのこうのというような、そんな質問をするつもりではありません。いま日本の国政の中で資源問題が非常にやかましいのですが、あらゆる資源は、鉄鉱の資源にしても油の資源にしても、最近よく言われる原子力の資源にしても外国に依存しなければいかぬ。日本の国にあるのは、水資源というものは非常に大切な資源であると思うわけです。そこで、国土庁における水資源の局の仕事の状態というものは、まだ私は十分勉強しておらぬので、わかりませんけれども、少なくとも水資源の需給というものは、いまのままの状態であったならば、日本の国民を養っていく水、そうして国民の産業、生活に必要な水というものは必ず不足をする状態が来るのではないか、こういうことが言われておるわけですが、それについての大臣の見解を伺いたい。
    〔委員長退席、岡本委員長代理着席〕
#68
○田澤国務大臣 先生お話しのように、最近の生活の向上だとか経済のいわゆる発展あるいは人口の増加等によりまして、水の需要は非常に大きくなっているのは御案内のとおりでございます。ですから、昭和六十年までに四十ないし六十億トン不足するであろうということが予測されているわけでございます。そこで私たちといたしましては、まずダム建設その他、水資源開発の施設を建設するということ、一方、水の再利用を含めて水の合理的な利用を図らなければならないという長期的な展望に立っての計画を、ただいま立てておるわけでございます。ことに、水は天からもらい水というような認識を改めていただかなければならないという観点から、「水の週間」あるいは「水の日」を決めまして、国民に水に対する認識を深めていただこうということが、ただいま私たちのとっている水に対する施策でございます。
#69
○井上(泉)委員 国土庁が今度、第三次全国総合開発計画を立てる中でも、国民に安心を与える水の需給計画というものを、ぜひ立てるべきであるということと、そうして、そのことは今日、水で苦しめられておる、たとえば高知県のようなところは、水害でいつも苦しめられている、一方では水が不足をしておるところがある。同じ県内でも、そういう状態というものがあるわけです。だから、わが国土の中にある最大の資源である水に対する国政の位置づけというものを明確にし、安心をさすことができるような行政の体制をとっていただくということが、国土庁の存在価値を大きく位置づけるものであって、何も、そうしたことが環境破壊とかいうことじゃなしに、環境を守るために、そうした水資源というものを活用する計画、国民に安心を与える施策というものを、あなたがいま立案の中で、ぜひ考慮してもらいたいと思うのですが、どうですか。
#70
○田澤国務大臣 先生御案内のように、いま三全総の作業を進めているわけでございますが、三全総は新全総の見直しと長期展望計画を踏まえて新しい計画を立てなさいという国総審の答申に従って、いま進めているわけでございまして、その基本は、過疎過密の状態を排除いたしまして、水だとか食糧だとかエネルギーだとか住宅問題その他、いま、わが国で一番問題になっている諸問題を解決するための基本を、この三全総において長期的に解決していこうというのが三全総のねらいでございますから、そのためには人口の定住化構想というものを基本にしながら、いわゆる人口の動態を長期に見まして、それにのっとって、その地域の開発を図ろう、その地域のいろいろな資源等をも考慮しながら長期の計画を立てようということでございますので、水資源についても、その三全総において、先生いま御指摘のような問題を、できるだけ正しい位置づけをしてまいりたい、こう考えております。
#71
○井上(泉)委員 それでは、さっき石原長官が何か国土庁合併とかいうことを言われておるわけですが、私は、いまの段階で大臣が、よもや、そういうふうな考えの中にあるとは思わぬわけですが、国土庁の持っておる今日の国政の中における位置づけ、そのことから考えて、この省庁の合併の中に環境庁と合併なんということは考えられることか、あるいは、そういうことはとんでもないことという認識の上に立っておるのかどうか、その点について大臣の見解を承って、あなたに対する質問を終わります。
#72
○田澤国務大臣 行政改革につきましては、政府といたしましては、いわゆる行政改革推進本部というものをつくりまして、いま鋭意、努力をいたしていることでございますので、行政改革についての考え方は、いま申し上げるわけにまいりません。
 ただ、先生御案内のように国土庁というのは、その時代の経済あるいは社会の基調を基本にいたして、いわゆる限られた国土を、まず適正に利用すること、そのことによって私たちの生活環境というものを豊かで文化的なものにしていこう。そのためには国土利用計画法というものを皆様方の努力によってつくっていただきまして、いま国民が、すべての人が国土をまんべんなく均等に利用できるような形をつくろう。しかも価格の面でも、できるだけ投機的な取引のないようなあり方にしていこうというのが私たちの仕事なんでございます。
 もう一つは、狭い国土を均衡ある発展を図るために私たちは努力をしなければならない。そうして国民が将来とも安全で豊かで住みよい生活ができるような地域社会をつくるということが私たちの願いでございますから、それを基本にしながら、長期計画、国土計画を立てているわけです。そのために、いわゆる首都圏の整備だとか地方の振興あるいは、ただいま御質問のございました水資源のあり方等を、私たちは長期的な見通しに立って進めていこうとしているわけでございます。さらに災害だとか、あるいは地震だとか、いわゆる国土保全に関しての仕事もいたしているわけでございます。
 そこで日本人は、ともすれば長期計画というものに対する考え方というのは、どうも、なじまないのですね。そのときそのときの行政、そのときそのときの政策で事足れりとするきらいが非常に強いのでございますが、先生御案内のように、高度経済成長から安定成長に切りかえた段階で、私たちは配分というものを基本にして政策を進めていかなければならないといたしますならば、配分はあくまでも不均衡の是正ですよ。不均衡の是正を図って、よりよい政治を行うとすれば、あくまでも長期の計画にのっとって、さいの河原の石を積むように、計画的に熱意を持って汗をかきながら、一日一日の政策を進めてまいらなければならないときであろうと思うのです。だとすれば、あくまでも長期計画を立てて、それが着実に実行されるような形を今後進めてまいらなければならない。
    〔岡本委員長代理退席、委員長着席〕
たとえばイギリスでは、いまイギリスへ行ってみますというと、いまの水道が百年の計画でつくられている。あるいはまたフランス、パリのあの都市計画はエッフェル塔を中心にして、あの長期にわたった計画などを考えますというと、日本の行政というものは、あくまでも長期計画にのっとった政治、行政でなければならない。そのためには国土行政が国の柱でなければならないと私は考えておるのでございます。
 しかも、いま縦割り行政というものが言われておりますが、縦割り行政だけでは国民に本当に幸せをもたらすわけにまいりません。たとえば文部省あるいは厚生省あるいは通産省でも、その省だけの役割りでは、私は国民にサービスすることはできないと思うのです。ですから、文部省の仕事も農林省にもまたがり、通産省にもまたがり、あるいは建設省にもまたがる現状でございますから、縦割り行政の弊害をなくすためには、どうしても調整機関が必要である。調整官庁が必要で、そのことによって国民に、よりよい行政のサービスをするというのが、これからの新しい行政のあり方ではなかろうかと思いますだけに、国土庁は国の基本をなす人と国土を預かる重要な役所でございますので、そういう意味では責任が非常に大きい役所であると私は考えておりますので、その点を基本にしながら鋭意、努力をいたしておるところでございます。
#73
○井上(泉)委員 国土庁長官の決意のもとに行政を進めてください。これは文学者のちゃらんぽらりんな、いいかげんな発言に惑わされるようなことがあっては、もう、これは日本の国の計画を狂わすことです。
 そこで時間がなくなったので、私も、ひとつ建設大臣に、みっちりお尋ねしたい、こう思っておりましたけれども、お尋ねする時間が非常に少ないので、ただ一つだけ問います。あなたは、ちょうどいま農林大臣も兼務されて非常に活躍されておるわけです。いま石原環境庁長官は、四国のようなと言って、四国を非常にべっ視をしたような発言をされたわけです。あなたは、まさか、そういう見解はないと思うわけです。しかも、四国の高知と言えば、これは日本の三大漁場の一つというところの豊かな漁場を抱えているわけですから、漁場を開拓をし、漁場から生産をされた、とられた魚族というものを、魚類を搬出するにしても、あるいは、こうした暖地地帯の農産物を搬出するにも、この四国というほど、四国の中の高知ほど、道路環境に恵まれてないところはないのですよ。
 そこで、いつも四国横断自動車道の早期建設とかいうて、わいわい陳情して、そうして自民党の先生方も今度はおれがやってやる、おれがやってやるというような形で出てきて、もう二十年もたっておるわけですが、ひとつ今日、四国横断自動車道、少なくとも北から南へ抜ける横断自動車道ぐらいは早期に完成をするような、そういう大臣としての行政の選択の基準を、もっと四国の高知というものにウェートを置いてもらわなければいかぬと思うのですが、この自動車道を含めて、どうですか。
#74
○長谷川国務大臣 しごく、ごもっともでございますが、いま御承知のように本四もいよいよ内定をいたしまして、本四架橋とあわせまして、おっしゃるような四国の縦断道路というものは当然、必要であると私たちも考えております。したがいまして、あとう限りの努力をいたしまして、その目的を達してまいりたい、こういうふうに念願をしております。
#75
○井上(泉)委員 それでは、そういうあなたの気持ちを実際行政の面で生かしてもらわなければ、あなたも、ここで言うただけで、だらろん長官のようになるんですから、だから言うたことは、してもらわなければいかぬですが、あなたの在任中に四国横断自動車道の建設の方向というものを決定づけるぐらいのことはできますか。やる決意ですか。
#76
○浅井政府委員 四国横断自動車道の現状は、先生御承知のように現在全線が長期計画で決められております。ただ整備計画としては善通寺−川之江問の三十六キロが決められ、さらに高知県内に入りまして大豊−南国間の整備計画を決められて、日本道路公団において、いま施行中の段階でございます。鋭意、工事の進捗を図るつもりで現在、本年度から用地に入れるような段階を迎えておるわけでございますが、四国横断道全線の開通は、やはり相当な年月と投資が要るわけでございまして、現時点では、まだちょっと、いつまでというような目標は立てにくいわけでございますが、現在、計画しております三全総の中で整備のペースを一応はっきりさせまして、その線に沿って促進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#77
○井上(泉)委員 大臣の決意を聞かしてください。事務当局だけじゃ行政は進まぬから。
#78
○長谷川国務大臣 いま道路局長からお話し申し上げたように、皆さんからおっしゃらなくても私たちが当然なさなければならない問題だと考えております。鋭意、目的が達せられるように努力を重ねてまいることをお誓い申し上げます。
#79
○井上(泉)委員 終わります。
#80
○北側委員長 山田芳治君。
#81
○山田(芳)委員 本年の二月十八日に閣議了解という形で治水事業の五カ年計画ができたわけです。総額七兆六千三百億ということになっておるわけでありますが、その中で著しく整備の立ちおくれている中小河川、都市河川の整備を積極的に図るということがうたわれております。
 そこで、まず第一にお伺いをしたいのは、確かに治水の面というものは、道路のように特定財源がございませんので、後でもお伺いしますけれども、道路の五カ年計画は地方単独事業を基調として約二十五兆というふうな話が、いま出ておるわけでありますが、治水はそれに比べると、これから五年間七兆六千億というのは、きわめて少ないというふうに思います。とりわけ、いわゆる中小河川でございますが、中小河川の定義もきわめて、いろいろあるようでありますから、いわゆる直轄河川以外の補助河川なり、あるいは、その補助もついていない、しかも一級河川というような河川が多々あるわけでありますが、そこで、まず第一にお伺いをしたいのですが、この内訳を見ますと災害関連事業、地方単独事業一兆二千四百億というのがあるわけですね。ここに実は写真があるので大臣に見ていただきたいと思うのですが、そこの川は一つの例でありますが、私の地元の由良川水系の犀川の、まだ支流の西方川という川の状況でありますが、これは、いわゆる一級河川に指定をされております。ところが一遍も国費が投入をされていない。何が工事が行われるかというと、災害が起こったら災害だけが復旧される。したがって、災害が起こったところだけは確かに災害復旧で護岸ができるけれども、災害がなければ、そのままでありますから、その次の年になると原形復申したところだけは確かにはっきり残るのですが、今度は弱いところが残ってきますから、また、そこに災害が起こるということで、一つの例から言いましても四十九、五十、五十一、恐らく、ことしもあるでしょう、もう累年災害ということで災害が非常に多い。
 中小河川の改修を、この五カ年計画では大いにやるということでありますから、大いに期待をしているわけですが、いま申し上げたように一兆二千四百億、これは地方単独事業と災害関連事業が込みになっておりますが、これについての内訳がありますか。私は先ほど自治省の方へ、地方単独事業は、どのくらい交付税において積算をされるかということを伺ったところが、五十二年で恐らく四百億程度である、こういう話でありましたが、この一兆二千四百億、五十二年から五十六年までの五カ年間における災害関連事業と地方単独事業の年次別内訳というものがありましたら、ひとつ示していただきたいと思うのですが。
#82
○長谷川国務大臣 いま一番大事なことは、やはり防災ということが一番大切でありまして、災害に遭ってから災害復旧だということではなくて、今年度の五カ年計画というものは、何といっても防災ということに重点が置かれなければならぬ、こういうような観点に立って本年度の五カ年計画というものを立てたわけであります。
 御指摘のような部分につきましては局長から細かく御説明を申し上げます。
#83
○栂野政府委員 お答えいたします。
 災害関連と、いわゆる府県単独事業、合わせまして一兆二千四百億円でございます。それで府県単独と災害関連との配分でございますけれども、現在、鋭意検討中でございます。一応の案はございますけれども、現在、手元に資料を持っておりません。近くまた各省とも打ち合わせをしながら煮詰めていきたいというふうに考えます。
#84
○山田(芳)委員 いま言いましたように一兆二千四百億というのですが、自治省では単独事業として恐らく交付税で本年度は四百億程度だというのですから、五年で平均に掛けても二千億ですね。だから一兆二千四百億のうち二千億が単独で一兆円が災害関連だというふうに大枠なるのではないか。それでは余りにも地方単独事業が少な過ぎるというふうに思うわけですね。地方財政、非常に厳しい折ですから、なかなか単独事業をやらない。ですから、そこの、いま大臣にお見せしたような川ですね、災害復旧だけはやるけれども単独事業はなかなかついてないということですから、もう本当に災害待ち、災害が起こらなければ河川の整備がしてもらえない。これでは、いま大臣の言われた予防に対する行政というものとは、およそ遠い。
 そこで私は、幾ら抽象的な議論をしても仕方がないから、この一兆二千四百億の内訳の中で、いま私が言ったのは、自治省の財政課長に先ほど聞いたら、先ほど言いましたように五十二年で四百億程度のものが交付税の中に包括算入されている。これで地方単独事業やるのです、こうおっしゃるのですが、その程度のものであるとすれば、本当に全国で単独事業の河川の費用が四百億なんというような程度ですね。五年間で二千億、これでは大臣の言われた予防などというものとは、およそ遠いのですが、この点について、どうお考ええになるか。抽象的に大臣にお答えをいただけば、それは確かにそうだとおっしゃるだろうけれども、事務当局として、これにもう少し、やはり本当に力を入れてもらわないと、道路のように道路財源があるわけじゃありませんから、一兆二千四百億でさえ少ないと思っているのに、そのうちの単独事業というものでも入れなければ、災害関連も、もちろん予算によって個所づけられますから、これ一体どの程度どうなるかというのが、まだ決まってないということは、まことに遺憾なんで、これからお決めになるというならば、ここらあたりを、どういうふうにお考えになるか。ひとつ、これから各省と折衝する、その態度ですね、考え方をちょっと、お示しをいただきたい。
#85
○栂野政府委員 お答えいたします。
 府県の単独事業でございますけれども、これはやはり府県の財政というものが、また関連してまいると思います。それで一兆二千四百億という総枠が決まっておりまして、いわゆる、そのあるべき姿については、先ほど申し上げましたように現在、鋭意検討中でございますけれども、ですから、もし府県単独事業、少なくなれば、それだけ関連事業あるいは助成事業によって、いわゆる河川の改修事業が進捗するというふうな、何といいますか、うらはらの関係になろうかと思います。今後とも、まず、その両方の分担がどうあるべきか十分検討してまいりたいというふうに考えます。
#86
○山田(芳)委員 それで、たとえば、これはきのうも事務当局に申し上げておいた、いま私が例を挙げた西方川ですね。これは一銭も国費が入っておりませんね。地方の単独事業費も入っておりませんね。しかし累年、十何カ所も二十カ所も災害が起こる、こういう中小河川、一級河川ではあるけれども、いわゆる中小河川、こういうものに対しては建設省としては、どういうふうにお考えになって整備されるのか、治水五カ年計画との関連においてお答えをいただきたい。
#87
○栂野政府委員 お答えいたします。
 先生がおっしゃいますように、いわゆる災害復旧だけで、それに改良事業が入っていかないという姿は好ましくないことでございまして、できるだけ災害復旧と改修というものを進めていくというのが好ましいというふうに考えるわけでございます。それで災害を受けますと、災害復旧事業というもので災害を直していくわけでございますけれども、これは、いままでは原形復旧というものが原則でございましたけれども、近年の激甚な災害というものにかんがみまして、できるだけ、いわゆる改良事業を含めました関連事業あるいは助成事業で、こういう被害を受けた川につきまして改修を行っていきたいというふうに考えるわけでございます。
 それからまた現在、中小河川とか、あるいは小規模河川で改修をやっておる川につきましては、こういう災害を受けた川を五カ年の中におきましても重点的に取り上げて、できるだけ早く改良、改修が進むというふうに現在、煮詰めておる段階でございます。また、非常に人口が多いとか、あるいは、そういうことで地域におきます災害を受けた川、これで現在そういう改修事業に入ってない川につきましては新規に取り上げるとか、そういうふうに川々の性格に応じまして総合的に進めていきたいというふうに考えます。
#88
○山田(芳)委員 ひとつ大臣にも河川局長にもお願いをしておきたいのは、そういうふうに累年災害が起こっている。災害が起こって災害復旧は原形復旧で、原形復申したら、その部分はいいけれども、今度は残っていますから、その弱い部分が、その次の年には必ず災害が起こる。全面的な改修計画というものを立ててほしいといっても、いま言ったように基本の、この中小河川に対する河川の五カ年計画総体が十分でありませんので、この点については、ひとつ発足したばかりの治水五カ年計画ですから、すぐに改定というわけにはいきませんけれども、道路に比べて、ずいぶん治水の面はおくれている。これは冬になると水が引くので夏になると大いに災害その他が起こる。どうも、ときどき忘れてしまうという点があるのではないか。
 それから、もう一つは非常に河川については従来から予算が取りにくいと言われている原因が、やはり道路なら、すぐに地域の人の恩恵というものがわかるという形になりますが、河川というのは、そういった季節的な問題があるという点が多いと思うのですが、河川こそ、まさに国土保全のための重要な問題ですから、ひとつそういう点で、この治水五カ年計画に出ているように、やはり都市河川、中小河川を重点にして整備をしていただきたい。特に、いま言いましたように二十数カ所も切れているというようなところの川を、国費も地方の単独費用も一銭も入らない原形復旧の災害復旧だけだということでは、地域の住民は納得をしません。この点について一言、決意をもう一度、大臣からお願いをしたい。
#89
○長谷川国務大臣 今年は特に防災という面に重点を置いて進めて、そして全国的に重点施策として、どことどこからやっていかなければならないかというような、いろいろな一切の資料が集まってまいりました。それに準じて行っていく考え方でございます。でありますから必ずや、こういうような、いま写真で見せてもらったような河川、由良川のようなところになりますと、当然その中の第一級に入っていくだろう、こういうふうに考えます。
#90
○山田(芳)委員 ちょっと河川局長、一言答えてください。
#91
○栂野政府委員 いま大臣がおっしゃいましたように今後とも、いわゆるそういう小規模河川あるいは中小河川そういうものに重点を置いて、やってまいりたいというふうに考えます。
#92
○山田(芳)委員 河川の方は結構です。
 次は、道路五カ年計画について、時間がございませんから、きわめて簡単に伺いますが、先ほども、ちょっと触れましたようにいよいよ道路の五カ年計画が新しく改定をされるということであります。もちろん、これは三全総の見直しという三全総の改定作業が今秋を目途に進められ、国土庁では二十四日に初会合が行われるということを伺っております。道路五カ年計画と、いわゆる今回の秋に策定をされるであろう三全総との関連は、きわめて重要だというふうに思うのですが、まず総枠二十五兆、地方単独事業もひとつ、この際は切り捨てていく、財源的には二兆円ぐらい足らないということで、財源をどうするかということで非常に困っていること等も言われておりますが、道路五カ年計画の作業日程、総枠その他まだ、これから作業中であろうと思いますけれども、現在わかっており、大体の概況がもし、いま話がいただければお願いをしたいとともに、これは昨日の読売新聞にもありますように道路整備水準の国際比較を見ますと、高速道路など、先ほど井上委員からもお話がありましたように、高速道路は非常に少ないようでありますが、ここらあたりは一体どのくらいになるだろうか。七千キロとかいう説もありますけれども、そこらあたりも、もしおわかりなら、ひとつ、それとの関連においてお答えをいただきたいと思います。
#93
○浅井政府委員 新しい道路整備五カ年計画についての御質問でございますが、第八次道路整備五カ年計画は五十三年度からスタートすることになりますので現在、鋭意作業中でございまして、当然、五十三年度の概算要求は新しい五カ年計画を前提として要求することになりますので、この八月の概算要求の時点には大筋をまとめなければならないということで現在、作業を急いでおる段階でございます。
 それから先ほど先生のお話に二十五兆というような数字がございましたが、これはまあ、そういうような作業の過程で、従来の五十年代前期経済計画の中でセットされております十九兆五千億をもとにしまして、これを物価スライドでデフレーターを掛けて試算しますと、大体その辺の規模になるということで試算した経緯もございます。しかし、これは作業中の段階での試算でございまして、今後いろいろ中身を積み上げた結果、全体の規模が決まるわけでございまして、現時点では、まだ、その辺のお話をできる段階までに至っておりません。
 ただ計画を策定するに当たりましては、道路に対する現状認識がまず前提だと思いますが、道路のわが国の現状は、先ほど高速道路について先生からもお話がございましたが、道路全般につきまして大ざっぱに考えてみましても、まず自動車が全く通れない区間が国道、県道について見ましても約五千キロあるというような状況でございます。それからまた、自動車が満足にすれ違えないような道路がバス路線で約三万キロあるというようなことでございます。幹線道路全体で考えましても約半分が、バスが満足にすれ違えない。これは結局、交通サービスのミニマムとして非常に大きな問題ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それからまた、大都市でバイパス、これは通過交通を都市内に流さないために、ぜひ環境対策その他からも必要な事業でございますが、これがまだ、まず県庁所在地だけをとらえて考えてみましても、こういったバイパスの整備がされていないだめに交通混雑、交通事故などの重大な問題を抱えている都市が半分以上の二十八都市にわたっているというような状況でございます。
 そのほか歩道の整備だとか環境対策、道路の質的水準のおくれというものは諸外国に比べて非常に大きなものがあるわけでございます。それからまた、最近いろいろ問題になっております山間部の道路での落石だとか、なだれ等による防災対策事業、こういうものも、まだまだ必要な段階でございまして、こういった現状認識の上に立って必要な事業を積み上げて全体の計画を一応、組み上げるわけでございますが、いずれにいたしましても今後の道路が国民生活と生産活動を支えます基本的な施設であるという認識の上に立って、国土の均衡ある発展と豊かな地域づくり、安全で快適な生活基盤づくりのために必要な道路整備の促進を図るという視点から計画を組んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから高速道路につきましては、三千百キロという目標を第七次五カ年計画のときに立てたわけでございますが、御承知のような事情で大分おくれまして、先ほどの五十年代前期経済計画では、これを三千二百キロに目標を改めまして、現在その線で整備を進めているわけでございます。現在、供用延長の二千キロを突破しましたが、今後の建設については、この三千二百キロの目標を、おおよそ大体、軌道として伸ばしていきたいというふうに考えておりますが、五カ年計画で何キロ盛り込むかということは、まだ作業中の段階でございます。
#94
○山田(芳)委員 もう時間が来たというのですが、これでは余りひどいので、ちょっと伺います。
 まだ、わかりませんと言いますが、大体、目標はどうですかと先ほどお伺いしたのですが、作業は参議院選挙中もやられるというようなお話も伺っておりますが、いずれにしても道路審議会等も行われるでしょうが、目標としては三全総の行われる秋との、やっぱり平仄の関係があるだろうと思うのですが、その点はどうかというのが一点。
 もう時間がありませんので、もう一つ、お伺いしたいんですが、先ほどの井上泉さんではありませんが、私のところにも近畿縦貫自動車道というのがあって、近畿は経済的に、きわめて高いシェアを持っているところですが、福知山までの整備計画はあるのですが舞鶴まではないというようなことで、これも自民党の議員さんも一緒に超党派的にやっております。今回の五カ年計画には、ぜひ実現をいただきたい。福知山で切ると、北海道やその他に通ずる貨物の輸送その他フェリーもあるわけですから、これは非常に効率が悪くなるので、この点はぜひ延ばしてほしいという問題が、ここ十年来、地元から強く出ているわけであります。この点についての考え方も、あわせてひとつお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#95
○浅井政府委員 お答えいたします。
 今度の五カ年計画での高速道路の建設目標でございますが、まだ数字は出ておりませんが、先ほど申し上げましたように、前期経済計画で昭和五十五年までに三千二百キロといっておりますので、今度の五カ年計画が五十三年から五十七年まででございまして、二カ年のずれがございますので、その軌道の上に乗って大体、整備を進めていくというような考え方ですので、おおよその数字は御想像いただけると思います。
 そういう線で各地の高速道路の建設を促進してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、御指摘の舞鶴線それから四国の横断自動車道、いずれも非常に重要な路線だというふうに認識しておりまして、いずれ三全総で全体の計画と、その位置づけ等については、はっきりするということになりますので、その線に沿って整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#96
○山田(芳)委員 では、大臣にもひとつ、これを強く要望をしておきまして、私の質問を終わります。
#97
○北側委員長 谷口是巨君。
#98
○谷口委員 大臣がちょっと中座をされますので、大臣から直接、答弁いただきたい問題については後に回しまして、最初に建設省の御意見を伺っておきたいと思います。
 ここ数年来、非常に不況の中にございまして、建設業界も大きなあおりを受けておることは、倒産件数その他を見れば明らかになるわけでありますけれども、そうした中にあって元請の企業と下請の企業との間が果たして、うまくいっているかどうか、こういう問題について建設省の総体的な御意見を伺っておきたいと思います。
#99
○大富政府委員 お答えいたします。
 建設業というのは、それぞれ専門工事業を分担し、それを組み立てる、いわば総合工事業でございますものですから、勢い元請、下請関係が出てくるわけでございます。最近、建設業の体質改善で非常に問題になりますのは、こういう下請関係が出るのはやむを得ないにいたしましても、不必要に重層下請が出てくる、これが一番問題でございまして、これを極力ひとつ是正いたしたいということが第一点でございますが、建設業法も何年も何回にもわたって改正いたしておりますが、元請が適正な下請関係を指導するような規定も、ずいぶん置いております。それから下請代金を過酷な条件で下請させるとか、いろいろな不適正な関係ができないような規制を、いっぱいやっているわけでございます。
 ことに、こういう不況時代になりますと、元請から下請に、さらに仕事をおろす場合に、いろいろなしわ寄せを全部、下請業者にやるという問題を、私どもも、ずいぶん耳にするわけでございます。ことに問題なのは下請代金の支払い条件が非常に悪化しているということを、現にわれわれも、いろいろな調査で、そういうデータを入手しているわけでございますが、極力こういうことがないように、しばしば行政指導いたしているところでございまして、昨年末も、そういう計画局長通達を出しました。この通達を受けまして、各建設業団体で会員の建設業者にも、それぞれ、しかるべき指導をするようにやっておりますが、この面については今後とも十分な指導をやっていきたいと考えております。
#100
○谷口委員 公取委員会の年次報告によりますと、大体、毎年同じようなことが記載されているわけであります。「建設業の下請取引における不公正な取引方法の規制」こういう項目について、実は「本年度中に建設業法第42条及び第42条の2の規定に基づく、建設大臣、都道府県知事、中小企業庁長官からの措置請求はなかった。」このように載っているわけでございますが、公取に伺いますけれども、公取まで上がってこない、そういう問題が果たして、ないのであろうかということですね。公取まで来ていないで、こういう状況の報告がなされているのか。どういうふうに把握されているか、公取の認識を伺いたいと思います。
#101
○植木説明員 お答えいたします。
 先生いま御指摘なさいましたように建設業法につきましては、建設大臣あるいは中小企業庁長官、都道府県知事から、もし独占禁止法に違反するような建設業の下請取引がありますと、私の方に請求していただくという形になっております。この点でございますが、当然、私どもの方は独占禁止法で不公正な取引を取り締まっておるわけですから、年に若干件数、建設業の下請の方から、いろいろ御相談にお見えになることがございます。そういう事情を私どもが見ておりますと、御相談になる事例というのは独占禁止法に直接、当たるというようなものより、どうも民事的な紛争というような種類のものが多いのでございますが、そういうようなことが、われわれの方に御相談があるということから見ますと、建設業法に関連しますような下請取引の問題が全くないということはないのではなかろうかというように思っております。
 それで、御承知のとおり私どもの方は下請代金支払遅延等防止法というのを運用しておりまして、主として製造業の関係でございますので、そちらの方に主力を置いて調査しておるわけでございますので、建設業の方につきまして特に重点的に調査するということはございませんが、このようなことが、もし独占禁止法に当たるというようなことに相なりましたら、これは当然、私どもの方で調査して、しかるべき措置をするということになろうと思っております。
#102
○谷口委員 答弁の中には全くないことはないのじゃないかと思うということでございますが、確かに、そのとおりでございます。
 電電公社にお伺いいたしますけれども、基本的なことですが、公社の仕事の発注についてですけれども、その発注の相手は元請会社であるわけでありますけれども、基本的には、元請が受けた仕事が公社の希望するとおりの仕事でできれば、それでよろしいという考え方なのか。あるいは元請は必ず下請へ出しておるわけでありますけれども、その下請の企業も、きちんとした経営が成り立つような、そういう状態であることを望んでいらっしゃるか、基本的なことについて簡単にお答え願いたいと思います。
#103
○山口説明員 お答えいたします。
 ただいま先生から御質問がございました私どもの電気通信設備の建設工事についてでございますが、もちろん電気通信設備を完全なる設備を建設することが私どもの業務の一つでございまして、したがいまして、その工事につきましては電電公社がみずから実施する工事もございますけれども、一般のといいますか、公社関連の認定業者に契約をいたしまして通信工事を実施してまいっております。したがいまして、その業者が請負契約に基づきまして、公社の設計仕様に基づきまして完全な工事をしてもらう、これがまず第一義ではございますけれども、ただいま、お話のございましたように、元請業者は必ずしも自分自身の力だけで工事をしてまいっておるわけでもございません。やはり下請業者さんの協力を得まして、この工事をやってきてまいっております。そういったことから見まして、私どもは元請業者だけがいいということは決して望んでいるわけではございません。といいますのは、私どもの通信建設工事といいますのは、先生御承知のように大変、高度な技術を要しておりますので、業界全体として、元請さんも下請さんも全体として技術力の向上、経営基盤の充実、そういったものをしっかりやっていただく、全体として成長していただく、こういうことを望んでおる次第でございます。
#104
○谷口委員 下請も、ともに成長することを望むということは、行政のあり方として当然のことであると私は思います。それを踏まえて質問をいたすわけでございますが、電電公社は前渡金を工事の内容によっては支払うことがあると思うわけですけれども、その場合、電電公社は前渡金に対して金利を取るのですか、取らないのですか。
#105
○山口説明員 必要な適正な金利をちょうだいしております。
#106
○谷口委員 公社の仕事をする業界内にあっては、前渡金に対して貸付金のような形で金利をずっと取っているということも商習慣化しているような面があるわけですけれども、それは認めていらっしゃるわけですか。
#107
○山口説明員 お答えします。
 ただいま、私どもの電電公社が元請業者に前渡金として渡しますものの金利につきましては、工事代金を決済するときに精算するわけでございますが、元請業者さんと下請業者さんの関係につきましては、公社が直接、具体的に指導はしてございません。
#108
○谷口委員 私の調査によりますと、ある一級の元請業者で下請企業に対して前渡金百五十万円渡した。その際、三万五千八百円の金利を工事代金から差し引いた事実があるわけですね。これは工事期間が大体四カ月ありますから、単純に計算いたしますと年利七・一六%に相当するようになると思うのです。そういたしますと、これは定期預金に近い金額になるわけです。こういう面から考えると、まさに、もう元請企業の地位の乱用、こういうことになりはしないかと私は思いますが、その点についての考えを発表していただきたいと思います。
#109
○山口説明員 ただいまの金利計算がちょっと高過ぎるというような御指摘でございまして、私、元請さんと下請さんの関係がどのようになっているか詳しく存じておりません。ただいま先生から初めてお話をお伺いしたわけでございますが、いまの数字で申しますと、どうかなという感じはいたしておりますが、私ども実は具体的に把握しておりませんので、感じとしては、そのように考えられます。
#110
○谷口委員 それでは実態をやはり調べられて、もし、どうかなという状態が事実とすれば、適切な指導をやっていただきたいと思います。
 それから、公社の工事費の積算根拠についてでございますけれども、この建設業界の下請請負制度を考慮に入れた上で、そして元請も下請も利益が上がるような積算をして、工事の価格を決定しておられると思いますが、その点を確認しておきたいと思います。
#111
○山口説明員 お答えします。
 私どもの積算の内容につきましては、実は工事全体につきまして、その工事のどの部分を下請さんがおやりになるかというごとにつきましては、事前に把握できないわけでございます。したがいまして、工事の積算は、すべてといいますか、とにかく元請さんが仕事をやっていくという前提で積算をしております。それを請負った元請が、どの部分を下請に出すかについては元請が判断するわけでございまして、私どもとしましては、元請さんと下請さん含めて全体的に適正な利益が出るように積算をしておるわけでございます。
#112
○谷口委員 それでは具体的にお尋ねをいたしますけれども、もし工事を請負った、その金額を、もう、まる投げに近い状況で、いわゆる元請が下請に出す、あるいは元請が、そのまま自分でやる場合でございますけれども、もし、いま仮に一千万円の工事があったとすると、これを下請に出しますね、そのときのいわゆる一般管理費あるいは現場管理費、そういうものが要ると思いますけれども、常識的に見て一体この一千万のどのくらい程度が妥当という考えを持っておられますか。
#113
○山口説明員 お答えします。
 工事を実施する場合には、いまの御質問の中で、たとえば一千万のうち、どの程度が適正であるかということにつきましては、実はその工事のケース・バイ・ケースといいますか、工事に当たりまして、やはり元請がある程度の負担があろうかと思います。つまり元請がやるべき仕事というのは決まっておりますし、それから下請さんにつきましても、下請さんが一社である場合あるいは二社である場合、そういった、いろいろなケースがあろうかと思いまして、一概に何%がいいというようなことを私ども実は標準的につかんでおりません。耳にいたしますところでありますと、二〇とか四〇とか、こういう話を聞きますが、それはケース・バイ・ケースで、やはり元請が負担をしておる材料なり、あるいは現場経費なり、あるいは、その他の直接工事をやっておる、そういった負担をしている度合いによって決まるかと思いまして、標準的にどうということは申し上げにくい問題でございます。
#114
○谷口委員 いまの答弁を聞いて非常に私は納得できない問題があるわけです。工事の経費を計算する場合、先ほどの答弁の中では元請も下請も、ともに、ある程度、成り立っていかなければならないという考え方が根底にあるわけですね。しからば一千万の経費が出てくるならば、その中でおおよそ、どのくらいという目算がない限り、下請も元請も、ともに何とかなっていく状態というのは計算できないじゃないですか。役所として、そういうものは根底になくて、こういう工事計画を組んでいるのですか。もう一度、答弁し直してください。
#115
○山口説明員 大変、失礼いたしました。もちろん公社の積算の場合には一般経費というものを、これは別に元請、下請というふうに分けてはございません、一括して経費を計算しております。ただ、その数字につきまして、これは積算の内容でございますので、私ども公表をいたしかねるところでございます。
#116
○谷口委員 あなた方は都合が悪くなると、すぐ公表を避けてしまいますね。しかし常識的なということは必ずあるわけですよ。たとえば一千万の中で五百万も幾らも、そんな経費がかかるはずはありませんね。あなた方のそういう答弁を国民が納得しますか。公表できませんと言うが、あなた方は国民の税金を使っているのです。その中で、これぐらいという、ある程度の目安は示さなければいけないのじゃないですか。これは委員長、ひとつ善処してください。
#117
○山口説明員 お答えします。
 公表を避けておりますのは、積算の内容を、たとえば数字的に公表いたしますと、私どもが競争入札をしております関係上、その積算の内容が競争入札に参加する業者に知れるということは不公正を招くもと、こういうふうに考えておりますので、公表をいたしておりません。
#118
○谷口委員 そんなばかな答弁はないですよ。おおよそ、どれくらいということは当然、何でもあるはずです。それをあなたは一切、委員会に発表しないのですか。おおよその、たとえば二〇%台だとか三〇%台だとか四〇%台だとか、そういうことの答弁が出ないのはけしからぬと思いますよ。委員会軽視ですよ。答弁し直してください。
#119
○山口説明員 そういった数字で申し上げますと、十数%から二十数%ぐらいではなかろうかと思っております。
#120
○谷口委員 さっさと初めから、それを言えばいいじゃありませんか。時間がむだになる。私はけしからぬと思います。
 一例を挙げますけれども、これはある企業の例で、私は、ここに工事契約の写しを持っています、名前は発表いたしませんが。これは公社が発注した金額は八百七十万です。そして追加工事を五十万いたしましたから、合計九百二十万円の工事であったわけです。それを元請は下請に対して四百万の値段で請負をさせたのです。そして、その追加部分は、五十万出た中で三十万、下請にやったのです。そういたしますと、この合計からいきますと、下請が請けた金額の割合からいきますと、公社が出した分のたしか四七%ぐらいになると私は思うのですよ。あなたは、こういうことについて、どのような見解をお持ちですか。
#121
○山口説明員 いま手元に資料を持っておりませんので正確な数字ではないかもしれませんが、いま指摘されました工事につきまして、元請から下請に渡った金額四百数十万というお金以外に、他の業者にも一連の中で工事を発注しているというふうに承知しております。
#122
○谷口委員 それは重大な発言ですね。この下請については十何年来のずっと継続した仲なんだそうですよ。この事柄だけでいきますと、いまのあなたの答弁は、ちょっと疑問がありますよ。たとえば正確な資料を持たないとおっしゃるけれども、あなた方はいつも、そうやって逃げるわけです。ここに私は正確な資料を持っているのです。これからいきますと、公社が工事の計算をする場合、四七%ぐらいでできるものなら、この工事費の計算はまことにずさんなものですよ。五三%にも及ぶような、いわば利潤でしょう。しかも、それは自分でやっていないのです。下請に出しているのです。下請を育成していこうという、あなた方の考え方と全く相反する方式じゃないですか。どうするのですか。
#123
○山本説明員 いま局長がちょっと調べている間に概括的なことだけ簡単に申し上げますが、先ほどからの御質問の一般管理費の、局長がお答えしました十数%ないし二十数%ということと、それから先生の御指摘のあった五三%は全然、関係がないと私は思っております。といいますのは、下請にまる投げということではありませんで、この工事の場合も、それぞれ専門がございまして、この工事では、ちょっと私つまびらかにしませんが、たとえば道路舗装工事でありますとか、あるいは、その他の異種の下請がございます。それですから、ただいまの九百二十万の工事が全部その業者にいくわけではございません。これは公社といたしましても建設省その他の御指導によって、適正に下請を育成するということには努力をしているつもりでございます。
#124
○谷口委員 この問題については余りにひどかったために後に請求をされまして、百万円赤字補てんをしたという事実があるのです。しかし現実に、こういう問題が行われていることに目をつぶってはいけないと私は思うのです。あなた方は直接、自分たちの身分に関係がなければ、いわば余りタッチしたくない。実際、被害を受けるというか苦しんでいる人たちの立場を考えるのが私は行政の立場であると思う。そういう意味から私は、この問題は、これ以上触れませんが、厳重な注意をしておきたいと思います。
 次に、建設の方でございますが、大臣が出られましたから端的に伺いますけれども、いま首都圏あるいは近郊でも公団がつくった住宅がかなり、あいてきているわけですね。狭い、高い、遠いという、いろいろな問題から非常に空き家がふえてきているわけでございますが、そういう面から、じゃ果たして、もう住宅は十分なのかというと、そうではない。実際、国民は住宅を求めている。その結果が、いまの一番新しい発表によりますと一部の報道でございますけれども、首都圏で、ことし三月に売り出されたマンションの数は六千百八十六戸、そういう空前の大量を出しているわけです。これはいままでの最高が四十八年の十月で五千九百七十二尺これを上回っているわけですよ。しかも契約率からいきますと連続十四カ月間六〇%を超えている。過去は最高六カ月しか続いていない。いま十四カ月も続いている。中に一カ月ちょっと落ちておりますけれども通算十四カ月、こういう状態からいきますと、非常に住宅を求めている状態が、ここで証明をされると思うわけです。ところが、そういう人たちが、いま何に走っておるかというと、マンション業者の建てたマンションに結局、殺到しているということになるわけであります。その分について、いま、あちらこちらで非常に紛争が増してきているわけでございますが、そういう問題について建設省はどのように把握されておるか、簡単に御答弁願いたい。
#125
○長谷川国務大臣 公団住宅の空き家があるということは認めております。しかし、これをつくったときと現在とでは、国民生活環境に大きな違いが出てきている。その時代のような、たとえば2DKを必要とする、どれでも入ればいいのだというときではなくなってきて、それだけの経済力を保ってまいりましたから、やはり、それに伴った家が欲しくなるのは当然なことだ思うのであります。
 でありまするから現在では、そのあいておる2DKというようなものを、二つを一つにするとか、三つを二つにするとか、そういうふうな理想的なものに新しく変えていこう、こういうことで改築をして、いま新たな募集をやっておるところでございます。改築をすると途端に現在、本当に、もう従前どおりの奪い合いと言ってはおかしいかもしれませんけれども、抽せんをしなければならぬというようなことにまで変わってきておる。でありますから、もう量の問題ではなくて質の問題でなければならぬ、こういうことで質の改善に努力を加えておるところでございます。
 したがって高い問題については、いろいろな施設がありますが、その施設も国で持てるものは国で持つとか、また、いままでのような、たとえば運動場にいたしましても、なるべく、これらに対しましては住んで、そして運動の十分できるような、たとえば、いろいろな機械を入れるよりもキャッチボールが子供たちにもできるような空地を必要としているんではないか、そういうようなことにして、いまは推進をしているところでございます。
#126
○谷口委員 時間が迫りましたから、私、自分の方から、ある程度、申し上げてみたいと思います。
 現在いわゆる建築業者の建てたマンションに入っている方々の、いろいろなトラブルが、いま起こりつつあるわけであります。あなた方に届いておる、そのトラブルについては、数においては非常に少ないかもしれません。それはなぜかというと、いま起こっている問題を要約いたしますと、こういうことになるようでございますが、大体二つに分けられるのですね。一つは、土地つき分譲として販売したにもかかわらず、巧妙な手段で業者が敷地の一部を自己名義にして、それを抵当に入れて金を借り、または社宅を建てたりというような、そういう場合がたくさんあるわけです。先ほど資料をあげておきましたから、資料を見て、ひとつ答えてください。それから、もう一つは共有敷地あるいは建物の共有部分に専用使用権を設定して、その部分の利用により業者が利益を上げている場合。大体二つあると思うのです。ごく最近も建設省が介入をされて、その種の問題を解決された例がございますね。
 あげた資料の中にも入っておりますが、これは一つの例でありますけれども、マンション業者が購入者に対しての、いろいろなPRといいますか、そういう問題あるいは契約を含めての一連の動きの中に、法的に非常に知識の乏しいというか素人、また、ややこしい条文を読みなれない人たち、そういう方々がだまされるような一つの文章が、ずっと出されてきているわけですよ。それは建設省が一番知っているわけですね。たとえば例を挙げますと朝日建物ですか、本省は御承知のはずですね、皆さんから出された資料の中にもありますから。
 その中の一つの例を挙げていきますと、もう時間がありませんから代表的に挙げますと三共マンション、マンション目黒苑、マンション南目黒苑、マンション恵比寿苑、マンション雅叙苑、マンション西目黒苑、マンション高輪苑、マンション清水台、その資料にあるはずです。こういう問題をとってみますと、たとえば三共マンションを例に挙げますと、物件説明書の中では敷地が三百五十坪と印刷されてあるわけですね。実際は、それは三百二十七坪でありますから三百五十坪はうそでありまして、三百二十七坪が本当であります。この宣伝は、土地つき価格でございます。こういうふうに宣伝をしているものですから、買う方は、その全部の敷地、三百五十坪が全部、自分たちのいわば個人専有もしくは共有のものであるという認識を持つようになるわけですね、これを見れば。いざ今度は売買契約になりますと、そういかないのです。たとえば、宅地としては三百二十七坪二合二勺のうち建物底地の三十分の一であるとか、こういうふうな数字を出してくるわけですね。買う方は何のことかいなと思いながら、相手に念を押すところまでいかないで契約してしまう。そして現実に、今度は後で気がついてみれば、だまされていたというケースが、いまの八つ挙げた中の一つの例であります。
 これは一つの会社の例であります。この調査については三共マンションの例を挙げますと、三百二十七坪を六つの敷地に分筆してあるわけですよ。そして、その中の一部の百坪に足りない分が、いわば、そのマンションに入った人たちの土地になるのです。あとは全部、自分たちのものに名儀がえしてあるのですよ。しかも貸してあるのです、駐車場とか喫茶店とか。いろんな形において彼らは不当な利益を得ておるのです。しかも、これを銀行の担保にして、たとえば三共マンションであれば四十年三月には二千万、四十二年一月には八千万、四十三年三月で五千万、こういうふうにお金を借り出して、その金で、さらに次に同じ手を打っているのです。こういうインチキが許されるものか、いままでの話の中で答弁願いたいと思う。
#127
○大富政府委員 マンションにつきましては、毎年、私どもで宅地建物取引業法施行状況の調査をやっておりますが、これに基づきまして各都道府県、建設省に対しまして苦情が参りますのは三万件でございますけれども、マンションにつきましては、これは東京とか神奈川、大阪という八大都県だけでございますが、そのうちの一〇%程度、千二百件くらいあります。
 その苦情の主なものは確かに、いま先生御指摘になりましたような問題が非常に多いわけです。例示されました三共マンションこれは、その後、名称を変えまして朝日管理建物となっておりまして、現在は、ほとんどマンションの維持管理だけしか行っておりませんけれども、四十一年ごろ売ったもの、あるいは四十四年の雅叙苑あるいは四十七年の清水台とか高輪苑とか、こういうものにつきまして確かに非常に問題になりますのは、分譲するときに敷地の一部が会社の保有地であるにもかかわらず、これを販売するときに売買するのは敷地の一部というような表現を使いまして、非常にあいまいで正確な表示がなされていない。それに伴って屡次の紛争が起きております。
 これにつきまして建設省に相談があっておりますのは、清水台とか高輪苑につきましては五十一年に相談がございますし、雅叙苑につきましても目黒苑につきましても四十八年ごろ相談があってございます。それから、お示しになりました三共マンションにつきましても四十九年、五十一年に相談が来ておりますが、こういう問題が頻発いたしておりますので、朝日管理は五十年以降につきましては、こういう会社敷地を一部保有して残部についてだけ売って、しかも、その表示が明確でないというような仕組みをすっかり改めまして、敷地につきましては全部、共有とするような指導を建設省はいたしておりますが、まあ私どもが相談にあずかっている件数につきましては、ほぼ、そういうかっこうで解決されたやに私どもは理解いたしております。
 ただ、もう一つ問題なのは、そういうぐあいに、売っている物件の肝心な問題についてマンションを購入する人に十分明示してなかった。現在は宅地建物業法の三十五条に、そういうものは重要事項の説明をしなさいよと書いてあるわけでございますが、これは実は四十二年に法律を改正したわけでございまして、それ以前は確かに御指摘のように非常にあいまいな表示で販売がなされ、それに基づいてトラブルが頻発したという事情は十分あると私どもは思います。そういうことがないように昨年末、いわゆる欠陥マンションの事件に基づきまして建設省の指導通達を流しております。それに従って業界が十分適正な販売を行うということで指導いたしております。
#128
○谷口委員 時間が迫って、まことに恐縮でございますが、いま、あなた方が答えられた問題は、入っている被害者の方々が非常に苦労をして調べた、そのデータによって、あなた方はその結果を知ったわけです。役所の権力をもって調べるなら登記簿なんて、すぐ見れるのです。ところが、力のない庶民がこれを調べる場合は非常に、いろいろ、めんどうな手続がある。しかも、いろんな妨害がある、誘惑がある、切り崩しがある。そういう中で調べられた非常に貴重な資料であります。こういう問題で、いまなお多くの方が悩んでいらっしゃる。現実に裁判に訴えて住民のものになった土地もあります。たとえば、いまの三共マンションのように建設省が間に入って住民に返さした例もある。こういう問題を踏まえて大臣、先ほど、あなたにも資料をあげておいたはずでございますが、こういう問題は今後、厳重に取り締まらなければいけませんし、また解決に努力していかなければいけませんが、大臣、これは全部大臣の免許の業者なんですよ。長いこと、そういうことを繰り返して太りに太った、いわば国民の被害の上に成り立った悪らつな商行為の一つであると私は思うのです。
 最後に、時間が来ましたので大臣の今後の結論を聞いて、できれば、それで終わりたいと思います。
#129
○長谷川国務大臣 そういうような事故が起きた、私の方で免許を与えるときには、そういうことをやるといって免許を与えたわけではございませんので、消費者の方も十分に、そういう点については気をつけて売買をしてもらわなければならぬ。しかし、欠陥があるとするならば、その免許と違った方向にあるとするならば、当然、私の方も監督の上に立って免許取り消しでも何でも厳重な方法をとらなければならぬ、こういうふうに考えております。
#130
○谷口委員 大臣のお話を聞きますが、確かに初めからインチキをしますと言って来る人はいませんね。だからこそ後の指導監督が大事なんです。だから大臣おっしゃっていることを、ただ言うだけではなくて今後、現実の姿で実行していただくことを強く要望して、私の質問を終わります。
#131
○北側委員長 次回は、来る二十五日水曜日午前十一時理事会、午前十一時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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