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1976/04/20 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第12号
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1976/04/20 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 逓信委員会 第12号

#1
第080回国会 逓信委員会 第12号
昭和五十二年四月二十日(水曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 八百板 正君
   理事 稲村 利幸君 理事 加藤常太郎君
   理事 左藤  恵君 理事 志賀  節君
   理事 阿部未喜男君 理事 久保  等君
   理事 田中 昭二君 理事 小宮 武喜君
      荒舩清十郎君    伊藤宗一郎君
      片岡 清一君    原田昇左右君
      福田 篤泰君    堀之内久男君
      本名  武君    渡辺 秀央君
      鈴木  強君    古川 喜一君
      山花 貞夫君    大野  潔君
      竹内 勝彦君    鳥居 一雄君
      青山  丘君    藤原ひろ子君
      依田  実君
 出席国務大臣
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  綿貫 民輔君
        郵政大臣官房長 佐藤 昭一君
        郵政省貯金局長 神山 文男君
        郵政省簡易保険
        局長      永末  浩君
 委員外の出席者
        大蔵大臣官房企
        画官      十枝 壯伍君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   矢澤富太郎君
        大蔵省銀行局総
        務課長     宮本 保孝君
        大蔵省銀行局特
        別金融課長   藤田 恒郎君
        通信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十八日
 辞任         補欠選任
  依田  実君     中馬 弘毅君
同日
 辞任         補欠選任
  中馬 弘毅君     依田  実君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  堀之内久男君     藤本 孝雄君
同日
 辞任         補欠選任
  藤本 孝雄君     堀之内久男君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  亀岡 高夫君     片岡 清一君
  服部 安司君     渡辺 秀央君
同日
 辞任         補欠選任
  片岡 清一君     亀岡 高夫君
  渡辺 秀央君     服部 安司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四二号)
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四三号)
     ――――◇―――――
#2
○八百板委員長 これより会議を開きます。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案、簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内勝彦君。
#3
○竹内(勝)委員 私はまず最初に、日銀が四月十九日より公定歩合を六・〇%から一%下げて五・〇%に踏み切りました。この引き下げ実施に伴い郵貯の金利についても、小宮山郵政相は郵政審議会に金利引き下げ、こういったものを諮問する考えを明らかにしておる、このように新聞等に報道されておりますが、その辺の真意のほど、あるいはどう対処していくのか、こういったところからお伺いしたいと思います。
#4
○小宮山国務大臣 新聞紙上でそのようなことが出ているやに聞きましたけれども、私はいまだ郵政審議会に諮問した覚えもないし、いままでお答えしたとおり、郵便貯金法第十二条の趣旨を尊重してやっていく所存でございます。
#5
○竹内(勝)委員 この前、四月六日に私が、公定歩合が今後また下がっていくのではないか、こういうことを予想して、この席で大臣にお伺いしました。そのときにも大臣は、現在引き下げる、そういったことは一切考えていない。またいまの答弁もそういうような慎重な答弁でございますし、私は、当然そうでなければならないと思っておりますけれども、しかし現在の状況はいよいよはっきりしたわけでございますので、慎重かつ厳正にこれに対処していくと、大臣は前から言っておりましたけれども、それならば、今後この金利の引き下げという問題に関してどう対処していくのか、その辺具体的に述べていただきたい、こう思うわけでございます。
#6
○小宮山国務大臣 一昨日の夕刻公定歩合の引き下げを日銀政策委員会が決定された。しかし、その後一般金融機関がどうなるのか私も知りませんけれども、まだその推移もわかりませんので、私も昨日の閣議では大蔵大臣から発議がございました問題について、私自身としてはまだ白紙であることも閣議の中で申し述べておきました。
#7
○竹内(勝)委員 日本経済新聞を私ちょっとここに持ってきました。四月十九日付でございます。そのところに四段見出しで、「郵貯金利連動下げ
 小宮山郵政相一両日中にも手続き」「小宮山郵政相は十八日夜、郵便貯金金利の引き下げ問題について「郵便貯金は庶民の零細な預金であるので、その金利の引き下げについては、慎重に対処したい。ただ、国の金利体系全体とのかねあいもあるので、今は両者のバランスを考える時期にきていると思う。郵貯金利は郵政審議会の諮問事項なので、一両日中にもその手続きをとり、結論を出したい」と初めて郵貯金利の連動引き下げの可能性を示唆した。」こうありますが、これは事実ですか。
#8
○小宮山国務大臣 そのようなことを申した記憶もございません。二両日中なんということを言った覚えもなければ、どこからその記事が出てきたのか、私には大変不可解なことでございます。
#9
○竹内(勝)委員 そこで、大臣の考え方というものはいま白紙であり今後の問題になっていく、こういうことでございますけれども、このまま進んでいきますと、もうすでに近々この再引き下げというものがいよいよ行われるのではないかと予測する人々は多いわけでございますし、それを懸念するがゆえに、大臣に再三にわたって今後どうするかということを尋ねてきたわけですね。そのときに大臣は、当面引き下げる考えはない、こう言われましたが、じゃその当面というものは一体いつまで引き下げないのか、これをここではっきりさせていただきたい。
#10
○小宮山国務大臣 考えてないので、当面ということは当面と言わざるを得ないのであります。
#11
○竹内(勝)委員 それは現在の時点でもそういうことでいいのですか。この前の私が四月六日に聞いたときにはまだ公定歩合は下がっておりませんでした。ですが、この四月十九日よりいよいよ一%下げて実施したわけでございますが、現在もその考え方でよいのですか。
#12
○小宮山国務大臣 三月十一日の公定歩合のときも同じような質問をいただきました。またそのときも同じような答えをいたしました。ですから、私はいま白紙でございますということでございます。
#13
○竹内(勝)委員 この郵貯というものは、庶民の汗の結晶によってなされ、百円、二百円と切り詰めて生活防衛という意味からこの郵便貯金というものを成り立たせ、そうして現在のように郵貯が三十兆円を超えてばく大なものに発展していったわけでございますけれども、ぜひ庶民を守る立場から、市中銀行等がこれに連動して下げていくから郵貯もこれによって下げざるを得ないというような考え方ではなくして、そこに何か庶民を守っていく手はないのかどうか。いま白紙の点はわかりますが、今後の問題としてこれにどのように対処していくか、まず当事者の局長から、そういった面をお伺いしたいと思います。
#14
○神山政府委員 日銀におきまして公定歩合の下げを決定したということでございますが、郵便貯金の利率は公定歩合と直接の関係にあるというものではございません。ただ、その後の民間の金融機関の預金の金利の利率の動向等まだわかっておりませんし、いま郵便貯金の利率について云々するときではないと私は考えております。なおそういう動向等は今後慎重に見守っていきたいと思いますが、ただいまのところはそういう段階でございます。
#15
○竹内(勝)委員 いまどうこうすることはないということはよくわかります。それではいつの時点で今後どのように考えていくのか、それをこの際はっきりしてください。
#16
○神山政府委員 郵便貯金として現在どうこうするという考えはございません。ただ、先ほどの今後どういう状況になっていくかということは、やはりわれわれ十分見きわめていかなければいけないと考えておるわけですが、現在私の方からどうこうするというような考えは持っておりません。
#17
○竹内(勝)委員 大臣とそれから局長にお伺いしたわけですが、私は、これは一つの新聞だけを取り上げてこういうことを言っているのではないのです。全紙にこういうような意味の大臣の発言が載っておるわけでございます。これはいま国民の最も関心事です。それを大臣も局長もそういうように今後のことは全然わからないと答えておって、国民の利益を守っていくために国民とコンセンサスをもってやっていく郵貯の態度として果たしていいのでしょうか。その辺、もう一度はっきりしてください。
#18
○小宮山国務大臣 この発言について載っておりますのは、日本経済新聞だけでございます。日本経済新聞のミスリードであろうと思います。
#19
○竹内(勝)委員 大臣、この内容自体については確かに日本経済新聞に詳しく載っておりますが、しかし、意味としてはそういった表現を使ったものが幾つも私の手元に調べたところではあったわけでございますから、いまそう言ったわけですが、では、これは完全なミスで、今後少なくとも半年やあるいは一年そういうことは考えないのだ、そういうことでよろしいですか。
#20
○小宮山国務大臣 私としては郵便貯金法第十二条を尊重し、今後とも慎重に対処していきたいと思っております。
#21
○竹内(勝)委員 いま私は期限を切ったわけですが、それに関して答えていただきたいと思います。
#22
○小宮山国務大臣 経済というものは生き物であります。ですから期限を切って物を言うことは大変むずかしいことであります。そういう意味で先月、三月からも、そのような発言を繰り返しているわけであります。
#23
○竹内(勝)委員 確かにおっしゃるとおりでございまして、もう近々に郵貯の金利連動下げということを大臣は考えているだろうなんということは、私どもは一切考えたくもございませんし、決してそうなってはならない、こう思っておりますから、大臣のお考えのとおりに持っていきたい、私どもはそう思っております。だが、現実の問題としてこのようになってきたわけでございますので、ぜひともその辺は、今後これが近いうちにその考え方が変わりましたというようなものでなくして、やはりこの委員会におきましていろいろと論議を重ねてそうして合意を見ていくということが大事ではないかと私は考えます。したがって、どうかそういう意味からも、この郵貯という問題に関しては、私どもの要望が通るようなそういった体制でぜひお願いしたいと思いますし、私はここで申し上げておきたいのは、市中銀行等がいよいよこれに伴って下げていく、そういう立場から郵貯もそれに連動するというようなそういった態度を決してとらないようにしていただきたい。この金利の逆ざや現象というものは、もう今回初めてではございません。四十年の不況のときもあるいは四十七年の不況の際にも、この金利を下回る金利を設定しながらもその不況を脱出し、郵貯の公共性の立場から営利のみを追求するというものは排していきたい、こう考えるものでございます。こういう意味から、ぜひとも誠意ある態度を国民に示していただきたいと思いますので、大臣の現在考えていない、どうかこれを長続きできるようにお願いしたいと思いますし、御存じのように、この不況とインフレ、大変な状況でございます。物価の方が九・三%も上がり、そうして貯金金利はいままで一年ものでも六・七五%、これ一つをとっても庶民の側から見ればこれはもう激しい目減りでございます。したがって、これこそ逆ざやという形になっておるわけでございますので、どうかこの面を、私はこの前も申し上げておきましたが、郵貯は庶民の本当に生活防衛として頼みとするただ一つのものであることから考えて、この郵貯の金利引き下げという問題に関してはぜひ慎重な態度で、国民が要望しておるように、庶民のものはもう守っていくという立場でぜひお願いしたいと思うわけでございます。
 そこで、今後この問題がもう一歩進んできたときに、総理あるいは関係の人たちと大臣は話し合う考え方を持っておりますか。
#24
○神山政府委員 預金金利でございますが、一般金融機関の金利引き下げということになると、大蔵省から何らかの話というものはあろうかと思いますが、われわれは、そういう民間の動向というのは絶えず情報を得て対処していきたいというふうに、従来もやってまいっておりますし、今後ともそういうことには十分配意していきたい、こういうふうに考えております。(竹内(勝)委員「大臣、いかがですか」と呼ぶ)
#25
○小宮山国務大臣 意味が十分とれなかったのでございますけれども、そういう話は話として、また、あれば聞くことにやぶさかではございませんけれども、判断は私は郵便貯金法第十二条を尊重することでやっていきたいと思っております。
#26
○竹内(勝)委員 ぜひひとつ、この前からずっと大臣が言われておるように、慎重かつ厳正な態度でお願いしたいことを、この郵貯の連動の問題に関してはここでお願いしておきたいと思います。
 そこで、次に移ります。
 まず、簡保の問題に移りますけれども、国民に果たす役割りについて、この簡保の問題点、簡保の推移を見ると、これは戦前は民間保険の補完的役割りをして、民保とはっきり違った国営の保険としての特徴があった、このように解釈しておりますが、現在この民間保険との間に特に顕著な開きがなくなったのではないか、あるいは競合状態にあるのではないか、こういった面が考えられるわけですが、簡保としての特徴は一体何なのか、今後どのように持っていくのか、この辺からお伺いしたいと思います。
#27
○永末政府委員 簡易保険は大正五年に創業いたしたわけでございますが、当時は、小口であるあるいは無診査である、お医者さんにかからぬでもよろしい、あるいはまた毎月集金にお伺いいたします、月掛けということで発足したわけでございます。御承知のように、昭和二十一年になりましてこの独占というのが撤廃になりました。したがいまして、少なくとも法的には簡易保険と民間保険というものは競合するというような状態になっているわけでございます。私たちは、現在の保険の普及状況等を見ますると、まだまだ未開拓の分野があるというふうに思っております。したがいまして、簡易保険も、民保二十一社も、ともどもに保険を普及していくことによってお互いに共存共栄が図れるというふうに思っております。
 法的には少なくとも独占というのは撤廃になったわけでございますが、それでは簡易保険の特徴は何かということになろうかと思います。いろいろと挙げられると思いますが、先ほど申しましたように、比較的小口であるあるいは無診査である、あるいはまた月掛け集金であるというのが一つの大きな特徴として挙げられるかと思うのでございます。そのほかに、たとえば、民間保険と比べまして、職業によるところの制限と申しますか、そういったものをば簡易保険はやっていないとか、あるいはまたお客さんからの、集められました保険料によりまして、福祉施設を充実しているとか、あるいはまた法律の上でも加入者保護の規定というものがつくられている。たとえば保険金であるとか還付金の譲渡を禁止するとか、あるいは差し押さえを禁止するとか、あるいはまた加入者との間に起こりました権利義務に関するところの争いは、すべて訴訟を提起する前に簡易保険郵便年金審査会というものに持っていかなくちゃならない。これはもちろん無料でございますが、これは学識経験者によって判定されるということになっておるわけでございます。そういったことが、やはり民間保険と異なっているところの特徴ではないかと思う次第でございます。
#28
○竹内(勝)委員 今回、この保険金最高限度額を一千万円に引き上げるわけですが、この理由は何でしょうか。
#29
○永末政府委員 御承知のように、現在の保険は被保険者一人当たり八百万円というふうになっているわけでございます。特別養老保険、定期保険が八百万円、それからその他の保険種類が五百万円というふうになっているわけでございますが、現在の情勢を考えますと、やはり八百万の保険金額では保障として余りにも少ないのじゃないか。調査をいたしてみますと、もしもの場合があったときにはやはり二千万円程度の保障が欲しいんだというような意見もございます。そういったことを考えまして、最高制限額を一千万円に引き上げたいというふうなことでございます。
#30
○竹内(勝)委員 ここで具体的にちょっとお伺いしますが、たとえば十五年満期で一千万円の養老保険に入る場合、四十歳の人が入るとして月々の負担はどのようになりますか。そういう例で結構です。私のいま申し上げたものでなくてもそれに関連したもの、何か概略ございましたならば、その負担の面でちょっとお伺いしたいと思います。
#31
○永末政府委員 ちょっと四十歳のを持ち合わせていないわけでございますが、たとえば加入年齢を三十歳といたしますと、終身払い込みの終身保険の場合が月額一万五千円でございます。それから五年定期保険の場合が六千五百円でございます。それから十年満期養老保険の場合が七万七千円でございます。それから全払い十五年満期養老保険の場合が四万六千五百円、二十年満期養老保険の場合が三万四千円、こういった保険料の掛け込みになろうかと思います。
#32
○竹内(勝)委員 いま十年満期あるいは十五年、二十年を聞きました。これは、たとえば十年でも七万七千円というように、この負担というものが非常に高いものになってきておるように考えられますけれども、最高限度額を一千万円に引き上げても、今度はその保険料負担がこのように高額になってくると、加入できる人が限られてきて簡保の当初の趣旨にそういった面で合致しないおそれはないか。その辺の何かデータがございましたら、説明していただきたいと思います。
#33
○永末政府委員 私たち、五十年の十一月に簡易保険に関する市場調査というのを行ったわけでございます。保険金の方は先ほど申し上げたようなことでございますが、一体一世帯当たりの一月当たりの保険料支払い限度額というのは平均してどんなものだろうかということを調べたわけでございます。いろいろと数字は出てまいりました。これは一家の経済状態だけの問題ではなくして、やはりその方々が保険に対してどういう考え方を持っておられるか、そういったことによってもかなり数字が違ってくるのじゃないかと思いますが、平均して一万六千二百円という数字が出てきたわけでございます。この一万六千二百円という数字でございますが、先ほど申しましたように保険金額一千万円で見ますと、終身払い込みの終身保険あるいは定期保険であるとかあるいはまた三十年満期の養老保険、特別養老保険といったものにつきましては、大体その限度額に近いものになるのじゃないかというふうに思うわけでございます。また、一千万円というのは被保険者一人当たりの限度額を定めているわけでございまして、保険料の非常に高い養老保険あるいはまた非常に安い定期保険、こういったものをミックスして加入されるというようなこともあろうかと思うわけでございまして、一千万円というのは負担能力から考えてそう高いものとも言えないのではないかと思います。また、現在の八百万円の範囲内でも目いっぱい入っておられる方々もおられるわけでございます。また加入者の方々からも、やはり一千万円を超えるような保障にしてもらいたいというような要望が非常に強いというのが現状でございます。
#34
○竹内(勝)委員 庶民の側からお願いしたい点は、もうできるだけ低い掛金で、そして何か事があった際には高い保障が得られる、これが保険の趣旨でございます。ですから、この信頼できる体制にふさわしい簡保の原点に戻っていただきたい、このように思いますし、ここで一千万円に変わるわけですが、確かにこれだけ物価が上がってまいりますと、有事の際には、いままで五百万なり六百万なり入っておってもいろんな面で相当費用がかさみます。また家族の保障とかいろんな面から考えても、確かにこの一千万円でもまだまだ完璧なものでないことは御存じのとおりでございます。
 そこで、では仮に一千万円に切りかえようと考えた場合、いままで五百万円の保険に入っていた人が、今回限度額を一千万円に引き上げるに際して、いままで入っていた五百万円をそのまま生かして一千万円に切りかえができますか、この点をお伺いしたいと思います。
#35
○永末政府委員 現在の制度のもとでは、そのことはできないようになっております。
#36
○竹内(勝)委員 民間においてはそういうような制度がありますか。
#37
○永末政府委員 民間保険におきましては、転換制度というものをば採用しているところが相当ございます。この転換制度を採用いたしますと、既契約を有効に生かしつつ新しい保険に乗りかえるということができるわけでございます。
#38
○竹内(勝)委員 民間でできるのに簡保としてはなぜできないのでしょうか、その辺の理由をちょっとお伺いしたいと思います。
#39
○永末政府委員 実は私たちもそういった転換の方法を鋭意研究しているわけでございます。民間の動向等も十分に注意しているわけでございますが、既契約を解約して新しい保険に入れば、これはいまの制度のもとでもできるわけでございますが、解約のデメリットというものを与えないでそのまま新契約に乗りかえるということでございます。この新契約につきましては、たとえばまだいろいろの問題点がございます。簡易保険の場合には保険金の倍額支払いというのをやっております。それからまた、余り早く事故が起こったときには保険金の削減支払いというのをやっております。あるいはまた、告知義務違反があった場合には解除ということをやっておりますが、たとえば告知義務違反の場合でも、旧契約部分については転換後の契約を告知義務違反により解除をする場合でも解除しないとか、あるいはまた保険金の支払い免責というのがございますが、こういった場合もどうするか、できるだけ新契約に既契約のデメリットを与えないようにどういうふうな優遇措置をするかということでただいま検討中でございますが、できるだけ早くこの制度は実現いたしたいというふうに思っているところでございます。
#40
○竹内(勝)委員 いま局長が言われたように、いままで入っておる人が、物価も上がってきたことだし、いまの時点では保障というものがこれでは非常に低いから一千万円に上げよう、こういった趣旨なんですから、それならばそれに合ったように、いままで入っておった人たちに対してそれを全部解約してとなったならば、これはいままで入っていたのが結局掛け捨てというような形になってしまうわけでございまして、その意味からも、この新規加入という時点でいま局長が前向きにぜひ検討したい、こう言われましたので、民間でできることをどうして簡保でできないのか、やはり国民の方もそういった面を望んでおる、こう解釈しますので、ぜひこれは早急にこういった面を検討いただいて善処されるようお願いしたいと思います。
 そこで、郵政省としては今後の物価上昇の推移をどのように考えておるか。いままで最高八百万円のを今度一千万円に上げたわけですが、また今後こういったようなことがどんどん続いていくのか。過去においては、戦中戦後の混乱期、あるいは最近においても石油ショックによる大変なインフレ、こういった面で事態が大きく変わっております。これはよく承知しておりますが、今後こういった事態が起きないという保障もございませんし、したがって、この一千万円というのを出して、そして今後一体物価の推移というものをどういうように見て、またひょっとしてすぐ変えていかなければならないというのでは、国民としても、本当に信頼してやっていいのかという面で疑問が出てくるわけでございますので、その辺の推移という面からどう見てこれに臨んでおるのか、この辺、概略で結構でございます。お願いします。
#41
○永末政府委員 生命保険、簡易保険というのは、御承知のように非常に長期間の契約にわたるわけでございまして、物価の変動、インフレがございますと加入者に非常に不測の損害をかけるということにもなるわけでございます。したがいまして、私たち、いま保険としてインフレに十分に対応できるような商品というものは何かないだろうかということを検討しているわけでございます。
 民間の保険ではかなりこういったことが進んでおります。たとえば物価指数保険というのがございます。これは、物価指数の上昇に応じて保険金それから保険料、両方とも上げていくというものでございます。わが国では、五十年の七月中旬から住友生命から発売され、以後、大手の会社がこれに続いて発売いたしております。それからまた、保険金を増額させるという制度、これは、これまでの積立金を繰り入れまして保険金、保険料を増額させるというものでございます。こういったものも発売されております。
 こういった動向は私たちもインフレ対応商品として十分に注目しているわけでございますけれども、この点につきましては、民間の売れ行きというものは微々たるものであるということが現状でございます。したがいまして、そういったものもできておるわけでございますが、先ほど申しましたような転換制度、これがやはり一番有効なインフレ対応商品ではないだろうかというようなことで、むしろ私たちそちらの方に検討を十分続けているわけでございます。
 ただ、先ほど先生、五百万、八百万を一千万円に転換させる方法はないかということをおっしゃったわけでございますが、転換制度は、転換させる場合に保険金最高限度額の問題にひっかかるわけでございます。転換させる場合に、千五百万とかあるいは二千万という転換の仕方も出てこようかと思いますが、そのあたりになりますとやはり最高制限額の問題にひっかかってくるということを御承知をお願いしたいと思います。
#42
○竹内(勝)委員 ここで、いままでありました郵便年金の状況は現在どういうふうになっておりますか、これをお伺いしたいと思います。
#43
○永末政府委員 郵便年金につきましては、いま積極的な推進策を立てていないわけでございます。したがいまして、既存の契約は微々たるものであるわけでございます。御承知のように、郵便年金につきましては特別措置というのをかつて行ったわけでございます。この特別措置に応じた件数は全体の大体八〇%程度でございました。この特別措置に応ぜられなかったものの中には、すでに消滅したものもかなりあると思われますので、この特別措置を受けないまま存続している年金契約の件数はごくわずかであろうと思っております。
#44
○竹内(勝)委員 ここでちょっと、一つの具体例からぜひこの問題を考えていただきたいということから申し上げたいわけですが、実は大変なインフレ、極度の物価高、戦中戦後の混乱期、これは大変なものがあったのは御存じのとおりでございますが、昭和十四、五年ごろこの郵便年金に入っておった、現在その方が生きておりまして、北九州に住む現在七十七歳になる御老人でございます。この郵便年金証書を宝のように大事に持っております。この方は十一件入ったわけです。ですから、昭和十四年に契約したのを皮切りに、昭和二十二年まで、その合計年金額は毎年千四百二十円をもらうようになっております。これは平均でございますけれども。
 この当時どれくらい掛金を納めたかといいますと、最初の年金を始めたのが昭和十四年十月からです。最後のが二十二年五月からです。最後の掛金が終わるのが六年後です。そうすると、延べ十五年間、平均月百三十九円をこの方は掛金として納めております。
 当時の百三十九円、これは大変なものです。この人が私たちの関係の人に言っておりましたけれども、郵便局の偉い人が来られて、そうしてバラ色の老後の保障というものを示してくれた。したがって、ぜひこれは入りたいということから、その郵便局の方が言われたことを信じて入った。ですから、当時百三十九円を納めるということは、当時の財産等も相当投げ出してそうして納めてきた、こういうように言っております。
 ちょっと私ここにデータを持ってきましたけれども、国土庁が発表した中で、これは昭和五十年十月に発表したものでございますが、戦前お米の値段は、昭和元年から十一年の平均で一升三十四銭です。それが四十九年の平均ということで出ていますが、その一千二十三倍に当たる一升三百五十六円です。そうして賃金は、当時の労働者の月給は昭和十年に五十円強です。これが、昭和四十九年、労働者の月給の平均は約十四万六千円、三千倍になっております。それから土地の価格でございますけれども、地価の方は昭和十一年の市街地価格を一とすると、昭和四十九年は実に八五九一でございます。つまり八千六百倍という莫大なものになっております。
 そうすると、いま私が申し上げました、当時この人が平均百三十九円を支払ったということは、これは大変なお金を支払ったことになる。一番低い指数で見ても約一千倍強です。そうすると、毎月平均十三万九千円、現在の価格に直すとこれほどのものを納めておった。しかし、それは老後の保障ということで、これが現在の価格に直すと実は年間百四十万円からの年金がおりてくるわけでございますから、この人がこれに飛びついたのは当然のことではないか、こう思うわけです。
 しかし、局長も御存じのとおり、その後の大混乱を経て、いざ受けるときにはお金の値打ちというものが下がってしまいました。大暴落です。したがって、年金をもらいに行くのにもバス賃の方が高くなって、もうわざわざ取りに来るのも大変ですからということから、御存じのように、あの四十二年の第五十五特別国会で、昭和二十二年以前の郵便年金に関する特別措置法を制定しました。そしてこのような人に特別付加金をつけて一括して一時金の支払いを行いました。しかし、この人にとってみますと、一時金と付加金を合わせても、当時約四万円しかいただけないのです。実はその当時月々百三十九円、いまのお金に直せば十三万九千円というような莫大なものを納めておりながら、このときに一時金として四万円をもらうというのでは、これはだれが考えても余りにもひどい仕打ちではないか。こういうことから奥さんはそのショックを受けて自殺同然の死に方をした、このように言われております。本人はいまだに納得できない。正直者がばかを見ない世の中にしてほしい、社会的に弱い立場の人を守るように、こう訴えておりますけれども、こういうような人が現在おるということを御認識いただき、こういうものへの救済策はないでしょうか。
#45
○永末政府委員 一般論で申しますと、先ほども申しましたように、生命保険あるいはまた郵便年金は、インフレによるところの被害を最も多く受ける商品ではないかというふうに思うわけでございます。したがいまして、私たちもできるだけその満期のときなどに配当金をよけいつけるというようなことを努力しているわけでございます。
 ただ、簡易保険はやはり国営でございますので、たとえば民間の保険のように株を買うとかあるいは土地を買うとか、そういったことはできないわけでございます。また、私たちにそういうことをやろうという気もないわけでございます。ただ、そういったことはできませんけれども、できるだけ与えられた範囲内での運用利回りの向上を図ってきたわけでございます。たとえば財投の中でも有利部門を選ぶとか、あるいはまた社債あるいは金融債、こういったものを購入する枠を広げるとか、そういったことで運用利回りを向上させ、あるいはまた経営比率をばできるだけ落とすことによって加入者の方々にできるだけのことはしてあげたいというふうにやってきたつもりであるわけでございます。もっとも数年前のひどいインフレ、こういったものに対しては及びもつかないわけでございますけれども、その点につきましては、先ほども申しましたように、何かそういった商品ができないものかというふうに検討しているところであるわけでございます。
 お尋ねの年金の件でございますが、これは先ほど先生がおっしゃいましたように、特別措置をやったわけでございます。これは被保険者の方々の残存余命というものをばこちらで計算いたしまして、二千五百円でございますか、プレミアムをつけまして打ち切るという措置であったわけでございます。この法律ができましたので、私たちとしましては入っておられる方々に極力周知を進めたわけでございます。ほとんどの方がその特別措置に応じられたわけでございますけれども、やはり応じられなかった方もおられることも事実でございます。その方々、いまそれならばそういった制度ができないかということになりますと、はっきり申しましてできないというようなことでございます。したがいまして、残っている契約の方々に対しては、先ほども申しましたように、運用利回りの向上に努め、できるだけ配当をふやす、こういった形でやっていくよりいまのところ方法がないというふうに考えております。
#46
○竹内(勝)委員 いま私は北九州の御老人の例を取り上げましたが、こういうような例はほかにもございますか。何かこういうケースがありましたらお聞かせください。
#47
○永末政府委員 一般論といたしまして、年金は非常にインフレに弱いというような話は聞くわけでございますけれども、具体的なそういった例というのはただいま初めてでございます。
#48
○竹内(勝)委員 それならば、こういう例というものはごくまれなものではないか。ましてやこれを、このような特別措置というものがあったが、しかし、この御老人が受け取らなかった。これはだれが見ても余りにもひどい仕打ちであるからこそ、それを受け取る気にもなれなかったということは私どもも理解できます。どうかそういう意味で、決してこれはこちらの関係者が悪いとか、そういうことで私、申し上げているのではございません。ああいった戦中戦後の大混乱、そうしてこのような価格の変動という形で、このようになったということは重々私どももよくわかっております。だがしかし、社会の片すみでこのように自分の財産を投げ出し、自分の奥さんがそういうような形でショックを受けて死んでいった。そうして宝のように大事に抱えていた年金が紙切れ同然になってしまった。ここに年金の写しを私持ってきましたけれども、これが当時のものでしたらすごい値打ちのあるものでございます。ところが、こういうような紙切れ同然のものになってしまったということから考えて、私は先ほどからずっと今後の物価の推移というものをどう考えておるかというようなことから、この論議を重ねてきたわけでございますけれども、こういった一人の人を守れずして、どうして国民の味方としてやっていくことができるか、そういう意味からも、ぜひこの特別措置というものをもう一度検討する考え方がないでしょうか。この辺をお伺いしたいと思います。
#49
○永末政府委員 先ほど申しましたように、最近、年金をお勧めすることをすべて停止しているわけでございます。と申しますのは、ただいま私たち年金の制度の存廃を含めて検討している段階であるわけでございます。必ずしも廃止するとも決めておりません。また、存続するにしては、そういった問題点をどういうふうな制度として、制度の中に盛り込むかというようなことを、諸外国の例なども見きわめながら検討している段階でございます。もし廃止するというようなことが仮に出ますとするならば、そのときに一体既存の契約をどうするかということは当然問題になろうかと思うわけでございます。
#50
○竹内(勝)委員 それでは、ここで戦後の混乱期を抜けた後、どのように物価上昇の経緯というものがあったか、これを考えてみたいと思いますが、昭和三十年を例として、昭和三十年というと戦後十年を過ぎたわけでございます。このときにたとえば年金に入るとして、このときの最高限度額はその当時どうなっていましたか。昭和三十年の例で結構でございます。
#51
○永末政府委員 ちょっとわかりにくかったわけでございますが、簡易保険でございましょうか。
#52
○竹内(勝)委員 保険で結構です。昭和三十年の保険の最高限度額です。
#53
○永末政府委員 保険の最高限度額は十五万円でございます。
#54
○竹内(勝)委員 昭和三十年のときにたとえば四十歳の人が、最高限度額十五万円の終身保険に入ったとします。現在六十二歳です。万一死亡したときには、この十五万円がおりてくるわけでございますね。そうしますと、一体これぐらいの低い金額で何ができるか、これはもう葬式も出せません。そういう状態で、こういったことから推しはかるならば、先ほどの私の論議は現在の一千万円がたとえば今後二十年後あるいは十五年後、一体どういうような推移になっていくか、こういう面から考えても、わが国は資本主義国家として、このように物価高というものが、この一年を考えても九・三%上がっていっておる。あるいはこの前の石油ショックのときなどは大変な上がり方をしたわけでございますので、今後この保険というものを続けていく限り、必ずこういった事態にぶち当たっていくわけです。したがって、私はここで要望しておきたいわけですが、この保険というものを物価にスライドする考え方はないか、この辺の見解をお伺いしたいわけです。
#55
○永末政府委員 物価にスライドさせるということ、先ほども申しましたように、民間保険が行っておりますところの物価指数保険ということがまず考えられるわけでございます。これは保険金を物価にスライドさせて上げていく、と同時に、払い込み保険料も物価にスライドさせて上げていくということになるわけでございますが、これも民間はやっておりますので、私たち検討はしたわけでございます。
 ただ、民間の売れ行きというのは微々たるものでございます。これは非常に手数が煩瑣であるということ、あるいはまた保険料もそれだけ引き上がるというようなことでございますので、そういったところに原因があろうかと思うわけでございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、既存の契約にデメリットを与えないで新契約を転換させていく、こういったことをただいま検討しているところでございます。
#56
○竹内(勝)委員 ぜひその検討をよろしくお願いしたいと思います。
 もう時間がございませんので、この辺でこの論議を終わりますけれども、大臣、いまの件聞いておいていただいたと思いますが、この北九州の御老人は、当時のお金で月々、現在に直せば十三万九千円も納めて、そうして年金として毎年約百四十万円もおりてくる、そういったバラ色のものを示されて、そうして自分の財産を投げ出して、そうして年金に入ったわけです。ところが外的条件で、このような価格の大変動で、べらぼうなものになってしまったわけです。これは決してだれが悪いというものではございませんけれども、しかし社会の片すみでこういう泣いておる人たちがおるということをよく御認識いただき、いま局長が言われた、その一つは契約の変更、これをいままで入っておる人でも、そのままそれが生かされて契約が変えられるようなものに検討したいということ。それからもう一つ、私の提案の、物価スライドというものをこの辺で考えなかったならば、また一千万円が果たして十年後、二十年後にはどういう値打ちになっていくか、そういった面から考えても、ぜひ前向きの決意をお願いしたいと思います。どういう考え方で今後ともやっていくか、その辺の所見を大臣からお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#57
○小宮山国務大臣 せっかくの先生の御意見でございます。今後とも検討さしていただきたいと思っております。
#58
○八百板委員長 田中昭二君。
#59
○田中(昭)委員 私も、引き続きまして、まず公定歩合の引き下げの問題につきまして、大臣にいろいろ教えていただきたいと思います。
 大臣は、金融のことは専門であると思います。この前当委員会で、預金をすれば十年後には金利が幾らになるかという質問に対して、局長よりも先にいい答弁なさったから、金利のことについてはこれはもう当然大臣としましてもいろんな御見識があろうかと思いますが、まず公定歩合の引き下げをやらなければならないというわが国のいまのこの現時点の状況、こういうことについて、郵政大臣であるとともに国務大臣でございますから、そういう立場でひとつ現在のわが国の経済状況、公定歩合の引き下げ、こういう問題をどのように理解すればいいのか、御見識を伺いたいと思います。
#60
○小宮山国務大臣 郵政大臣ということになりますと、私は経済閣僚懇談会の議員でもございませんのでなかなか申しずらいのでありますけれども、経済企画庁あたりが見ております昭和五十五年までの平均の物価上昇というものは六%前後ということでございます。かつ、最近の倒産件数を見ておりましても千六百件、大変な大きな倒産件数であります。そういうことから見ましても、どうしてもやはり国内の企業を振興していかなければいけないというか、そういうようなことで公定歩合を引き下げたのであろうと私は感じております。
#61
○田中(昭)委員 わが国の金利政策、これはどういうふうに御理解なさっておりますか。
#62
○小宮山国務大臣 御承知のとおり、わが国の金利政策は臨時金利調整法によるものと、それから郵貯の金利、こう二本立てでございます。実際言いまして、私などの希望論から言うと、やはり公社債市場というものが確立されて、そこでそういうものが確立してくれば、それはまた別の論争になるであろうとは思いますけれども、現時点では二本立てでいっておるものと考えております。
#63
○田中(昭)委員 大蔵省は現在の金利政策をどのようにお考えになっておりますか。
#64
○宮本説明員 お答え申します。
 私どもといたしましては、経済政策の一環といたしまして、金利をその経済情勢に応じましてそのときどき弾力的に変更いたしまして経済政策の一助にいたしたい、こういうふうに考えております。
#65
○田中(昭)委員 大体、国の施策で金利というのは統一といいますか、そういうふうな状況である、このように思いますが、もう少し大臣の率直な御発言を聞いてから入りたいと思いますが、先ほどから聞いておりますと、何かきのうの夕刊によります報道はミスリードであるということを先ほどおっしゃったのですが、現実にきのうの閣議で大蔵大臣とどういう御発言、また閣議の中でどういうふうな問題が取り上げられて、それに対して大蔵大臣がどういう御発言をなさって、郵政大臣はそれに対してどういうふうな御発言があったのか。新聞報道がミスであれば、当然それに対するはっきりしたものも報道してもらわなければなりませんから、そういう意味からきのうの閣議の模様をひとつ率直にお伝え願いたい。
#66
○小宮山国務大臣 昨日の閣議に先立って、経済政策に関する閣僚協議会と申しますか、そういうものが八時半からスタートされまして、それには私は出席もいたしておりません。その後九時から閣議が始まりまして、閣議の前で官房長官から今回の公定歩合改定についての発言がございました。市中金融機関の金利についても話がございましたので、私は特に発言を求めまして、郵政大臣としては郵貯については現時点では白紙であるということを申し述べておきました。なお、大蔵大臣から閣議前に公定歩合の改正をやった旨の話がございました。
#67
○田中(昭)委員 くどいようですけれども、公定歩合の引き下げの話があったときに、郵貯については郵政大臣としては白紙である、ただこういうふうに答えたというのですが、もう少し親切にやりとりされたものをおっしゃっていただかないと、先ほどからの論議を聞いておりましても、それでは前進しないような感じがするのです。
#68
○小宮山国務大臣 大変親切、不親切というお話がありますけれども、私どもは簡潔にそれだけしかしゃべっておりませんので、それ以上しゃべりようがございません。
#69
○田中(昭)委員 どうも口がかたいようでございますから、角度を変えて質問してみますが、やはり公定歩合の引き下げのこのたびの経過を見ておりますと、約一カ月そこそこで一・五%結論的に下げるということは、これは通常の状態では考えられないようなものではなかろうか、こう思うのです。でありますから、預貯金金利の引き下げということも当然連動するとかしないとかという議論は別にしまして、私は、預貯金金利との関係をどうするかということは腹を決めなければならない時期に来ておる、こう思うのです。その点はどうですか。
#70
○小宮山国務大臣 公定歩合についても日銀が決められたのは、その不況ということと、ほかに国際経済情勢等を考えての問題であろうと思います。その公定歩合に連動して一般金融機関の金利の下げはどのような形になるか、私たち存じ上げておりませんけれども、先ほど申しましたように、私は郵便貯金法第十二条の趣旨を尊重するということで今後とも対処いたしていきたいと思っております。
#71
○田中(昭)委員 結論的には経済が生きものであるとか、金利の逆ざやであるとか、そういうことと、過去の政府のとってきた金利政策を見てみますと、やはり引き下げという問題が当然起こってくる。その場合に、その機関があるわけでしょうが、そういうことによっていわゆる零細貯金の貯蓄機関であります郵貯と、それから金利によってもうけを得ておる民間の金融機関、その金融機関を利用しております大口の貸し出し、預け入れ関係のそれぞれのところに影響が出てくるわけですね。その影響というものを当然考えなければならないし、いままでの議論からいっても、当然国営の貯蓄機関である郵便貯金であるならば、いま大臣がおっしゃったように郵便貯金法十二条の精神を踏まえるならば、私は当然弱者保護、国営機関としての貯蓄機関というその郵貯を守り育てていく上からも一般の金融機関の金利とは違った形にさせるべきである、このように思うのですが、これはいかがでしょうか。
#72
○小宮山国務大臣 三月にも先生から同じような御質問があったかと思いますけれども、私、今回の公定歩合の改定についても前回同様慎重かつ十二条を尊重していくと申し上げる以外にない。経済は生き物でございますので、この国会の発言の中で軽々に物をしゃべるものではないと私は思っておりますし、非常に慎重でございます。
#73
○田中(昭)委員 慎重であらなければならないわけですが、その慎重に慎重を重ねた結果、いわゆる郵便貯金に預け入れをしている零細貯金者の利益を守るということを考えてもらわなければならないじゃないか、こういうことを私は言っておるわけでございます。
 そこで、この前私当委員会で、そういう郵便貯金者を守る上においては、現在の時点では金利の高い定期性のものにかえるといいますか、具体的に言えば通常預金から定額預金等にかわるというようなことが考えられる、そういうことを前もって、預金者の保護という意味で私は申し上げたわけですが、その辺の関係は現実に現場の窓口ではそれに関連した変わったことがありますか、どうですか。ごく最近のことですからあれだと思いますが、一応何かその辺の感じがあれば教えていただきたいと思います。
#74
○神山政府委員 通常貯金をおろして定額貯金に移しかえるということ自体、そういう点の調査はいたしておりませんので、私は数字的に申し上げることはできませんけれども、通常貯金はいつでも預け入れまた払い出すことができるということでございまして、それなりの目的を持った貯金でございまして、それはそういう目的に合った御利用をいただいているということでございます。この通常貯金がある一定の額に達したときこれをまとめて定額貯金に移しかえるということはあり得ることであると考えておりますが、それが急激にいまこの時点で定額貯金に移行しているということは、先ほど申し上げたように、特にその点についての調査はいたしておりませんのではっきり申し上げかねますが、特段のそういう報告は受けておりません。
#75
○田中(昭)委員 またちょっと先ほどの私の質問の問題に返りますが、この公定歩合の引き下げで、いわゆる預金の目減りがさらにひどくなってかわいそうな状態になるという人と、逆に貸出金利が下がることによってものすごく負担の軽減が図られる、企業の金利負担が軽くなるというようなことが起こってくるわけです。ある日本の大企業、新日鉄ですか、年間約六十五億円の利子負担が軽減される、そういうふうに昨日も報道されておりました。これはその金利負担を本当に軽くしてやらなければならない企業ももちろん軽くなりますが、そういうことが要らないような優秀な大企業が、いま言ったように一社で年間六十五億円もの金利負担が軽くなるということがどうも私たちは納得できないのですが、大蔵省としてどうですかね。日本の大企業で、この一・五%、三月からの公定歩合の引き下げで、大企業十社から二十社ぐらいの中でどのくらい金利負担が軽くなるのですか。おおよそで結構ですから教えていただけますか。
#76
○宮本説明員 ちょっと計数持っておりませんので、至急調査いたしましてお答えいたします。
#77
○田中(昭)委員 それは相当な、結局数百億、数千億負担が軽くなる。その企業が、現在のこの不況の日本経済の中で、当然そのくらいの負担軽減が図られなければならないかというと、私はいまのわが国のいわゆる需要の傾向といいますか、国内需要が冷え切った中でそういう大企業の負担軽減が必要でないようなところに負担軽減がなされて、そのかわりとして郵便貯金者まで一%前後の金利が下がるということはどうしても納得がいかない。現実にこれはもう起こってくる問題ですからね。現時点ではそれは白紙ですと言っておっても、現実に時の流れが来てそういう結果を招くことはこれはもう既定の事実だろうと思うのです。こういうことを言っている私のあれが根本的にそうならないと言えるものか。しかし、そういう場合にはこういう手当てもあるし、できるだけ郵便貯金は普通の民間の金融機関との本質的な相違があるんだから、郵便貯金だけは守りますというようなことの御発言はいただけないんでしょうかね。
#78
○小宮山国務大臣 郵貯のほとんどは財政投融資、大蔵省の資金運用部資金法によって運用されておりますので、先生がおっしゃっるような基幹産業に行きます部分は非常に少なくて、ほとんど住宅あるいは道路等の方に回っておりますし、そういう意味では、私が先生のお尋ねにここで論評をいたしますのは、お答えしますのは差し控えさしていただきたいと思っております。
#79
○田中(昭)委員 どうもこの問題は繰り返すばかりで先に進まないようですから、関連して、いまいわゆる零細な所得者に預貯金の問題で優遇措置としまして非課税限度額があるマル優制度等がございます。また最近は財形貯蓄制度というものができておるわけでありますが、この財形貯蓄それぞれの限度額内の金額の預金に対しては税金は非課税になっておる、こういうことですが、仮に財形貯蓄の五百万円までの預金に対しては非課税という措置が完全にとられておるかどうか、当局からお答え願いたいと思います。
#80
○神山政府委員 御質問の趣旨が正確に把握できてないかもしれませんが、限度内額であれば利子は非課税であるということでございまして、現実におきましては総額制限額以内しか郵便貯金はできないことですから、そういう限度額以内にするように措置をとってきているということでございます。
#81
○田中(昭)委員 大蔵省にお尋ねしますが、財形貯蓄で民間の金融機関で五百万までは非課税という処置になっておると思いますが、私聞くところによりますと、ある金融機関では五百万までを毎月毎月のサラリーから差し引いて積み立てますね。そういう段階で何か課税されておるというようなことも聞いたのですが、そういうことはございませんか。
#82
○十枝説明員 お答えいたします。
 御承知のように、財形貯蓄につきましては五百万までは非課税ということになっておるわけでございますけれども、少し細かくなりますが、五百万の非課税というのは財形貯蓄の商品として認められている預貯金、債券、投資信託、いろいろなものを全部含めまして、それから店でもいろいろな店ごとに合わせて五百万ということになっております。それとの関連で信託銀行の商品というのが非常に特殊な商品になっておりまして、実は普通の貯蓄取り扱い機関ですと単一の商品でやっておるのですが、信託銀行の場合は預貯金と金銭信託というものを組み合わせた商品をつくっておるわけでございます。なぜそんな商品をつくっておるかと申しますと、実は現在の金銭信託というのは最低の預入単位が五千円ということになっておりまして、毎月毎月の給料からの天引き額が五千円以上のものですとそのまますぐ全部金銭信託として受け入れが可能でございますけれども、五千円未満で、たとえば毎月千円ずつ積み立てたいというお客さんがいたときは金銭信託を使った財形貯蓄は不可能になる、それではやはり勤労者のためにならぬだろうということから、信託銀行におきましても千円以上のものについて勤労者の方の御希望があれば財形貯蓄として扱います、しかし一方では、金銭信託は五千円以上でなければいかぬという制約がございますので、その両方をうまくカバーするために、毎月の貯金額が五千円になるまでは普通預金にして預かります、五千円を超えた都度金銭信託に振りかえますという、いわば特殊な商品を信託銀行においては財形貯蓄として扱っているわけでございます。そういうような信託銀行の金銭信託を利用した財形貯蓄の場合に、先生御指摘のような事例が現にあるわけでございます。
#83
○田中(昭)委員 何か私が指摘したような、いわゆる五百万の限度額の貯金のためにいろいろな形でサラリーから引かれておる場合に、税金が課税されているというのですね。これはここに実際課税された明細がちゃんとあるわけですけれども、いま銀行局が言ったように、五千円一口で信託の商品があるわけですね。そうしますと、五千円になれば信託のそっちの方にいくのですが、仮に千円ずつ積み立てた場合は、三千円から四千円かがある期日に普通預金の残高になっている。だから、その四千円の普通預金の残高にはその一定時点では利子が付されて、その利子からまた税金を引かれておる、こういう形ですね。しかし、その法律の趣旨は五百万までは非課税にしますよという趣旨から、わずかな本当に細かい問題ですが、サラリーから千円、二千円積み立てられておる。ならば、わずか千円、二千円積み立てているものに課税をして、そして五百万までは課税になりませんよというようなことを言うこと、それからまたその千円、二千円積み立てられる場合は、事業主がそれをやるわけですから、本人は幾らずつ積み立てられているか全然知らない、聞けば教えてくれるでしょうけれども。そうやって、いま言ったようにある時点で四千円になっておれば利子もついて税金がかかるというようなことは、私は、財形貯蓄という五百万円までは利子も課税しませんよというその法の趣旨から見れば、ちょっとおかしいのじゃないかと思うのですが、大臣いかがでしょう。
#84
○小宮山国務大臣 大変技術的なことで、多分郵政省ではないと思います。大蔵省ではないかと思いますので、私の方ではお答えができません。
#85
○田中(昭)委員 大蔵省はそういうことを御存じのようでございますから、それはいま私が言いました法の趣旨から言っていかがなものでしょうか。
#86
○十枝説明員 お答えいたします。
 財形貯蓄につきまして、商品はいろいろございますけれども、それを全体として一定の手続をとれば非課税にし得るという制度には現在なっておるわけでございます。問題は、それぞれの取扱金融機関が財形貯蓄商品として扱っておる商品がそれぞれに違っておりまして、信託銀行が現在扱っておりますのが、実は一部預貯金に残留している期間だけ非課税にしない扱いになっておる。これは制度発足当初いろいろ関係者で何か相当審議の末決められたものだということになっております。
#87
○田中(昭)委員 金融機関からもそういうことを大蔵当局の方に、そういうわずかな何千円か積み立てた金額に対して、残留しておるからといって利子をつけて税金を取るというようなことはおかしいじゃないかという要望に対してこたえてやるということは、それはどうですか。
#88
○十枝説明員 金融機関の方からそういう手続もして非課税の扱いをしようとすれば、現行の制度では制度的にはできるようになっております。
#89
○田中(昭)委員 できるようになっておるものが現実にこうやって利子から税金まで引いているということがあるのですから、そういうようになっておればそういうふうな指導をしてやることが、財形貯蓄を非課税限度額まで決めて進めていく上で当然の措置であろう、こういうように私は思います。ですから、よく事情はわかっておるはずでございますから、わずかなサラリーから事業者の方で天引きするその積立額がどのような金額であろうとも、非課税ということにしてもらわなければならないと思いますが、その趣旨は大臣もおわかりいただいたでしょうか――。では、大蔵当局からもう一回。
#90
○十枝説明員 御指摘の趣旨はよくわかっておりますので、いろいろ経緯はあったようでございますし、いまその辺を信託銀行全部について変えるということになりますといろいろな問題があるようでございますけれども、先生の御指摘の趣旨を踏まえまして検討するということで御了承願いたいと思います。
#91
○田中(昭)委員 次に、簡保の問題に移ります。
 簡保は、法律の第一条の目的からいきましても、その特徴というのは、先ほどからるるお話があっておりますように、無診査で気軽にだれでも安い保険料で高い保障を受けられるということであろうと思います。そういう簡保の種類もいろいろございますけれども、本来ならば定期性の強い保険に簡保の方向として力を入れるべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#92
○永末政府委員 純理論的に申しますと、生命保険の本来の姿といいますか本来のものは、御指摘のように定期保険に代表されるような保障中心のものであろうかと考えるわけでございます。ところが現実には多くのお客さんが満期保険金を受け取ることを望んでおられるわけでございまして、保障と貯蓄と兼ねた養老保険も伝統的によく売れているわけでございます。最近、社会情勢やお客様の意識の変化に伴いまして、保障を中心とするものの需要も多くなってきておりますので、簡易保険でも保障性の強い定期保険や特別養老保険などをつくってこれにこたえているわけでございます。保険金最高制限額が引き上げられますとお客様に比較的少ない負担でかなり高い保障を提供することが可能となるわけでございますので、この機会にお客様のニードに合わせながらも保障に重点を置いた保険の普及に努力をしていきたいと思っている次第でございます。
#93
○田中(昭)委員 次に、保険の限度額ですが、今度一千万にしてもらうわけですが、一年ちょっと前に、五十年の十二月に八百万になったわけですが、この限度額について、やはり郵便貯金と同じに、また勝手に郵便局の勧誘員の勧めによってもう限度額なんというのはあってなきがごとくどんどん加入させて、それでせっかく法で決めた限度額が守られていない。そういうことがまた民保の方からいよいよ官業による民業圧迫じゃないかというようなことで、郵便貯金と同じようなことが起こっておる。この実態は郵政省の簡易保険局の方で調べてありますか。
#94
○永末政府委員 限度額を超える契約、超過契約の問題であろうかと思うわけでございますが、この超過契約につきましては、ここ数年、その方針について特に厳しく関係職員を指導いたしますとともに、規制措置というものをば強化してまいりました結果、大幅に減少をいたしております。もう少し詳しく申し上げますと、超過契約は従前、新契約百件中に一件程度の割合で発生していたと思われるわけでございますが、超過契約につきまして厳しく規制をいたしました結果、五十年九月一日以降の状況を見ますと千件中に一件程度と従前の十分の一にまで減少しております。超過契約の防止につきましては、今後とも指導を緩めることなく、さらにこれの定着を図っていきたいと存じております。
#95
○田中(昭)委員 努力されておることはわかるのですが、この超過契約も、なかなか、現場での募集実績といいますか、募集の状態といいますか、そういうものを見ると、こういう国会では、そういう超過契約のないように努力します、こう言いながらも、現場ではどうもそれが守られていないというようなことがずっと続いてあるわけですが、これは限度額をきちっとけじめをもって守らせるという、そういう解決策というのが何かございますか。
#96
○永末政府委員 超過契約を具体的に阻止する方法でございますけれども、一応名寄せという問題があるわけでございますが、簡易保険は大量の保険契約を保有しておりますので、名寄せを行うことになりますと、その事務量は膨大なものになります。また、処理日数が増加して、加入者サービスの低下を余儀なくされるなど、その実施はきわめて困難なため、現在名寄せは行っておりません。しかしながら、超過契約の防止につきましては、ここ数年特に、先ほど申しましたように、厳しく職員を指導いたしますとともに、規制措置を数次にわたって強化してまいりました。
 その主な改正点を申し上げますと、まず、郵便局におきますチェックシステムを強化するため、従来郵便局において過去一カ月間の新契約につきまして受け入れ簿によって超過契約の検査をしておりましたが、さらに毎年二月に過去六カ月、それから八月は奨励年度の終わりでございますが、八月に過去一年間の新契約について検査することに改めますとともに、必要に応じまして、外務員が持って出ます勧奨カードに既契約の状況を記載する等、職員が事前に見込み客の加入状況を把握できるようにいたしました。
 さらに、保険契約の申し込みを受理する際には、申し込み者に対しまして保険金の最高制限額の説明をいたしますとともに、既契約の有無を申込書の所定欄に記載することにいたしました。
 また、そういったチェックをいたしましても、新しい契約が超過契約になった場合には、募集当務者に対しまして、超過契約にかかる募集手当をば支給しなことにいたしました。
 強化措置といいますか、こういった措置をずっと打ってきたわけでございますが、先ほど申しましたように、超過契約の件数は急激に減っているということになろうかと思うわけでございます。
#97
○田中(昭)委員 いま局長さんから御説明を聞きしたが、大臣、いま聞いておりましても、やはり、この超過契約をなくするということは、言うはやすくして実際むずかしい。そのために経費も要るとかなんとかで名寄せもやってないというようなことですが、その問題は、オンライン化ですか、そういうことも進めばまた変わった状況も出てくると思いますが、やはり、こういうことを考えますと、この超過契約一つとってみましても、たとえばせっかく約定に従って契約加入が成立すれば、超過した部分、いわゆる超過した保険金額がどうなるかとか、それからまたその法律的ないわゆる効力の問題、それからまた事実そういうことが法律上そのまま実行されたとすると、やはり今度は募集取ってきた方が勝ちじゃないかというような悪環境を操り返すということでございますが、こういう状態でいわゆる民間保険――保険は民間保険もござますし、そういうものと国営の機関である簡保というのが今後どういうふうに競合していくものか、そういう面について私は心配するわけですが、そういう点は何か将来の見通しとしてはっきりしたものがございましょうか、どうでしょうか。
#98
○永末政府委員 いろいろの御質問があったわけでございますが、地方保険局で超過契約を発見いたしました場合には、契約の締結を拒絶いたしております。
 それから、契約がもし成立した場合の効力でございますが、これはやはりお客様に不測の損害を与えることになりますので、そういった立場からやはり契約の責任というものは郵政省が負うようにいたしております。
 それから民間保険との関係でございますが、一千万円に引き上げ、これはそう何千万円引き上げというようなことになりますと、私たち無診査保険でざいますのでやはりある程度の危険というものを感じるわけでございます。それで、無診査保険の限度というのはあるわけでざいますけれども、民間保険も現在無診査の限度というのは八百万あるいは会社によっては一千万、一千二百万というようなことになっているわけでございまして、そのあたり民間保険との関係はある程度のバランスがとれているというふうに感ずるわけでございます。
#99
○田中(昭)委員 先ほど私ちょっと触れましたが、このオンライン化というのは大体どういう計画で、どういう実態をいま伴っておるのか、これをちょっと説明してください。
#100
○永末政府委員 いま全国で地方保険局は七局あるわけでございます。東京の保険局、それから京都の保険局、これをセンターにいたしまして全国の普通局一千局をオンラインで結ぶというような計画でございます。
 それで現在の進行状況でございますけれども、本年の二月に東京のセンターがサービスインしたわけでございます。ただ、端末機は現在十局しかまだ設置できておりませんので、センターと端末機設置局十局、それから札幌、仙台のサブセンターと申しておりますが、それをつなぐところのサービスは開始いたしております。こういったことで、五十五年末までに全国一千局を結ぶところのオンライン計画というものを現在立てているところでございます。
#101
○田中(昭)委員 そういうふうにオンラインの全国化をずっと進めますと、超過契約というのは具体的に何か歯どめがきくのですか。実態は、そういうものとの関係はどうなるのか。
#102
○永末政府委員 とにかく五千万件くらいの契約が読み込まれるわけでございます。それから、保険の約款は非常に細かでございますので、かなりむずかしいプログラムで入っております。これはもし被保険者別に一つのそういったシステムをつくるということになりますと、やはりいまのメインにありますところの電子計算機ではとても間に合わないというようなことでございまして、現行システムができましても、そういったことを規制するというのはちょっとむずししいのではないかと思っております。
#103
○田中(昭)委員 いろいろの問題がありますが、もう時間も来ましたから最後に、いままで当委員会でこの簡保についていろいろ問題の指摘もあったわけですが、特に七十五国会での改正のときに附帯決議がついておったと思います。それは「保険契約の団体取扱いについては、簡易生命保険事業の目的及び法一約款の本旨に照らし、団体組成の適正化等の改善策を講ずるとともに、保険料集金等について厳正な指導を行うこと。」これが附帯決議としてついておったわけですが、この附帯決議を受けて当局はその後どのような施策を実行されておりますか、簡単にお答え願いたい。
#104
○永末政府委員 保険料払い込み団体の適正化につきましては、既存団体の改善整備、新規組成の場合の事前承認制を実施いたしますとともに、簡易生命保険約款を二回にわたって改正いたしました。昭和四十九年の一月には、保険料払い込み団体について保険取扱局――郵便局でございますが、保険取扱局が必要と認めたときは、払い込み団体の運営に関する事項を記載した書類等の提出を求めることとし、払い込み団体としてその運営に適切を欠き、団体保険料の払い込みに支障を及ぼすおそれがあると認められる団体につきましては、保険料の団体払い込みの取り扱いの請求には応じないことといたしました。さらに五十二年の九月には、保険料払い込み団体について保険取扱局が必要あるときは、団体の運営に関する事項につき調査することを求めることができることといたしまして、払い込み団体のうちち保険料の取りまとめの方法あるいは取りまとめた保険料の保管方法等に適切を欠き、保険料の併合払い込みができなくなるおそれがあるものと認めたものにつきましては、これを廃止することができるようにいたしました。特に同趣会、同好会を母体とする払い込み団体につきましては、事故の未然防止に万全を期するため、その集金事務等を郵政省の指導監督下にありますところの公益法人へ委託させるように指導しているところでございます。
#105
○田中(昭)委員 以上で終わります。
#106
○八百板委員長 午後一時委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時二十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時九分開議
#107
○八百板委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。久保等君。
#108
○久保(等)委員 けさほど来、当面の金利引き下げ問題をめぐっていろいろ質疑応答がございましたが、私、この問題はやはり緊急の課題でもありますし、そもそも郵便貯金制度そのものの存在に関係した性格も持っておると思いますので、大臣並びに局長等にお尋ねをしたいと思うのです。
 先月の十二日に公定歩合の引き下げが行われて、またさらに昨日、十九日から公定歩合一%引き下げということになったわけなんですが、当然これに連動していろいろな、特に郵貯の利子の引き下げが必至ではないかというようなことも伝えられておるのですけれども、郵政大臣は現在白紙の立場だとおっしゃっておられるのですが、私はそれはそれなりに結構だと思います。と同時に、むしろ今度は逆に、冷静に国民の生活実態というようなものをもう少し見詰めてみる必要があるのではないかと思うのです。例の消費者物価の問題にいたしましても、この一月あたり、福田総理も、何とか七%程度の上昇に持ってまいりたいといったようなことも言っておられたのですが、現実には残念ながら五十一年度は九・二%といったような上昇が伝えられておるわけなんです。そういう中にあって、郵貯の利子というものが一体どういう関係にあるかといえば、この消費者物価の上昇にもはるかに及ばない状況に置かれていると思うのです。しかも、郵便貯金は何といっても銀行その他の預金と違って、限度額すなわち総額において三百万円という制限が設けられている。小口零細預金という制度として発足をしておりまする郵便貯金の制度としては、この最高限度額というものが設定されていることは当然だと思いますし、また一面から言えば、そういう特質を持ったものであるだけに、この問題については、郵便貯金法第一条を待つまでもなく、国民一般大衆の零細な預金というものを守ってまいらなければならぬという郵便貯金制度の本質的な使命があると思います。そういった点から考えると、いま問題になっておるのは、何か利下げ利下げへとすべての物事がなびいていくような風潮があるけれども、消費者物価の現実を考えたときには、むしろ現在の金利そのものが低きに失するという状態にあるんだろうと私は思うのです。しかも、限度額そのものも果たして三百万円でいいのかどうかという問題もあると思うのです。そこで私は、限度額三百万円、これも卒直に言って、いまのような消費者物価の関係からすると、いわゆる目減りをしておるという現実に置かれておるわけですから、そういう点から考えると、最高限度額そのものも引き上げるべではないかという感じがするのですが、この点郵政大臣はいかがお考えになりますか。
#109
○神山政府委員 限度額の引き上げについてでございますが、貯金局といたしましては、これをかねてから引き上げたいということで検討を続けてまいりまして、五十二年度の予算編成の際にも、関係当局にも相当折衝を重ねまして要請をしてまいり、また大臣にも相当御努力願ったわけでありますけれども、一般金融機関のマル優との均衡問題、これは事実上従来とも均衡をとってまいっておるという経過がございまして、郵便貯金の限度額を引き上げますと、マル優もそれにならった措置をとらなければいかぬということで、現在の税収その他の面から見て、非常に困難な問題であるということで、今回は一応断念したわけでございますが、今後ともこれは引き上げていただくよう努力を続けていきたいと考えております。
#110
○久保(等)委員 大蔵省の方から。
#111
○矢澤説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のように、限度額引き上げについての御要望が多いことは事実でございます。それから私どもの立場で郵貯の限度額を考える場合には、郵貯の限度額それ自体として考えるわけではございませんで、ただいま郵政省の局長さんから御指摘のございましたように、他の金融機関の非課税限度額とのバランスということで考えておるわけでございます。
 ところで次の問題は、現在いわゆるマル優の制度が少額貯蓄非課税制度として三百万円、それから国債の別枠が三百万円、それから郵貯の利子の非課税が三百万円、他に財形貯蓄の利子の非課税が五百万円、合計千四百万円と、非課税の枠は形としてあるわけでございます。問題は、いまの一般の家庭の平均の貯蓄から見まして、その枠がきついのか緩いのかということでございますが、最近の新聞なんかで拝見いたしますと、一般の平均の貯蓄高は三百万ちょっとというような数字でございますので、それから見る限りは、ただいまの非課税制度の数字、枠組みというのはそれほどきついのではないのではないかという考え方でいるわけでございます。
#112
○久保(等)委員 大蔵省にお尋ねしますが、問題は、だから郵政省の考え方ははっきりしているわけなんですが、そのことに対して、大蔵省としてもいま言ったことに対して反対をするという立場ではなくて、制度は別ですけれども、実質的には運用として連動してバランスをとっていくという形で今日までやってきたと思うのです。したがって、そういった郵政省の考え方には大蔵省としても異存はないし、できればそういった方向に進むなら協力をしてもいいというような気持ちでおられるのか。どうもそれに対しては消極的だという考え方なんですか、どうですか。
#113
○矢澤説明員 将来のことでございますので、明確な御答弁はできないかと思いますが、従来の経緯から見まして、一般の金融機関のマル優の限度が上がった場合には、それにスライドいたしまして郵便貯金の非課税限度も上がっておりますので、そういう必要が認められ、また妥当であるというように私どもも判断し、世の中の人にも認めていただけるようになりましたときには、そういう可能性は当然あり得ると思います。
#114
○久保(等)委員 非常に消極的な態度ですが、郵政省のとっておられる態度には私も全面的に賛成ですし、これはいま局長の方からお答えがありましたから大臣からお答えを願わなくても、これは一体のお考え方で積極的に御努力をぜひ今後この問題についても願いたいと思うのです。それは要するに、いま申し上げたような消費者物価、国民の経済生活の実態等から考えて、むしろ引き上げるという方向に努力をせられるのが当然だと私は思います。そういう点で、局長の御答弁で私も結構でございますが、大臣にもその点については今後とも御努力を願いたいと思うのです。
 ところで、当面の預金金利の引き下げの問題なんですが、けさほどから大臣の御答弁も承って、従来のお考え方と変わらない。大臣の心境は、要するに四月六日、当委員会での質疑の際に言われたとおりの心境と変わらないというように理解をしてよろしいのでしょうか、大臣のお答えを願いたいと思います。
#115
○小宮山国務大臣 新しく公定歩合が改定になりました。これについては新しい局面を迎えたということで経済事情も変わったということもございますけれども、私自身としては、いまのところそれに対して閣議で確認したとおり白紙の状態で、そのような考え方を持っておりません。今後とも大いに慎重にやっていきたいと思っております。
#116
○久保(等)委員 先ほど申し上げましたように、消費者物価が非常に安定をしておるという情勢が生まれてまいればこれはまた私は一つの経済情勢の変転といいますか、従来と違った一つの新しい条件が備わってきたと思うのですよ。現在のような状態で、しかも今年度自体も公共料金の値上げもやらないんだというかたい決意で政府が臨んでおるかというと必ずしもそうでない。今国会でも、これから問題になるでありましょう健保法案の問題であるとか、国鉄運賃値上げの問題であるとか、片方においては公共料金の値上げの問題が従来と同じように若干スピードは落ちたにいたしましても、そういう政策をとりながら、しかも現実には五十一年度の消費者物価の上昇が九・二%になったというような現状にありながら特に郵便貯金の金利を下げなければならぬという理由はどう考えてみても私はないと思うのです。むしろいまも申し上げたように、どんどんと預金そのものが目減りをしているという現実をどう一体救済をしていくか、むしろこれに対する補償制度といいますか、補償措置というものを考えていかなければならぬ、これが実は現実だと思うのです。そういうことについての必要性を感じられますか、いかがですか、郵政大臣。
#117
○神山政府委員 物価が上がっているときに金利を下げるということは、私どもとしては郵便貯金を取り扱っているものとしては、非常に困った問題であるという感じがするわけです。ただ先生御承知のように、郵便貯金の金利は預金者の利益の増進という観点と同時にまた一般の金融機関の利率についても考慮しなければならないという二つの問題がございまして、この辺の兼ね合いというものを絶えず見ていかなければいけないということで先ほどから郵便法十二条の問題を申し上げているわけで、この趣旨を体してわれわれは今後とも臨んでいきたいと思っておりますが、今回の公定歩合の引き下げ、これについてはまだ民間の金利がどうなるのかということについてはわれわれ把握しておりませんし、それはその時点で慎重に考えていかなければいけない問題であると考えておりまして、現時点においては白紙であるという大臣のお答えのとおりでございます。
#118
○久保(等)委員 いまの貯金の利率の問題ですが、この十二条にしてもこれはいろいろな場合が考えられると思うのですね。単に下げるばかりの事情じゃなくて、逆に一般民間の市中銀行あたりの率が非常に高いという場合に逆にそれこそそういった情勢をにらんでむしろ引き上げていかなければならぬという情勢もあると思うのですね。だから、これは一概に下げるときだけの話で民間が下げるんなら当然郵便貯金も連動して下げなければならぬという理屈にはこれはならない。特に郵便貯金そのものの性格は、何と言っても限度額そのものをきちんと抑えているところに郵便貯金としての本質があると思うのですね。だから一般の市中銀行における預金とはそこが私は違った郵便貯金の最大の特質だと思うのですね。もし連動してやるんだというなら何も郵便貯金という制度なんかは要らないと思うのですね。だけれども要するに限度額を設けて、したがって小口零細な資金というもの、国民の資金というものをいかに生活の面でプラスになるように、利益になるように守っていくかということが貯金法の大黒柱だと私は思うのですね。これが第一条の趣旨でもあるしまた「貯金の利率」というところでも規定せられておるゆえんだと思うのです。だからそういう点でいま局長の言われた後半のところに重点を置いて物を考えるか、それとも前段のところに最重点を置いて考えるか、これはまたそこらが問題だと思うのですけれども、しかし、この郵便貯金制度そのものの成り立ちまたは存在意義というものは、実はいま申し上げたようなところにあるだろうと思うのですね。それでなければ、何も二本立てにして国営と民営といったような形にする必要はないので、何か金融機関が一本であればそれで事足りるわけですが、しかし少額の金額を押さえてその範囲内でとにかく最大限国がむしろ積極的に守ってやるんだ。守ってやるという言葉は余り適当じゃないが、守るんだという趣旨が大体郵便貯金制度のできた根本的な理由だと私は思うのですね。しかもそれで先ほど申し上げるようないま置かれている経済情勢、客観的な条件というものは、そういう場合に郵便貯金の金利を下げなければならぬという理由はどこにもないと思う。ただ、景気回復とかなんとか言っているんですが、そういったことのために国民生活が犠牲にせられていいということにはならぬと思うのです。といって、私が申し上げておるのはこれは郵便貯金に関する問題として申し上げているので、金融一般の利子を全部何が何でも上げちゃいけないんだという考え方じゃないんで、むしろその点の区別をきちっとしたらどうか。要するにいまの限度額が三百万円と決められておるのなら、三百万円以上についてはこれは私は適当に利子を引き下げればいいと思うのです。だからそれとのバランスを考えていけばいいのであって、それこそ大も小も全部ひっくるめて金利を下げようという風潮。この風潮には、郵便貯金を扱っておりまするいわゆる郵政大臣を初めとする当局の皆さん方は、私はこの郵便貯金制度の本来の趣旨からいって、その本質というものを曲げることのないようにぜひ堅持をしていくべきだ、そういう立場で今回の利下げの問題について取り組んでいくべきだと思う。私の考え方に、郵政大臣、一言で結構ですけれどもいかがですか。
#119
○小宮山国務大臣 大変むずかしい論理でございますけれども、先ほど申し上げましたように私は白紙であります。しかし、経済そのものの動きを見ていった場合に、その根幹になります公定歩合、金利というものが相当重要な要素になる。たとえばの例を申しますと、つい最近までカーター政権が戻し税をやろうということであったが、それはインフレを過熱するおそれがあるということで、急拠戻し税をやめたというような例なども、やはり経済が生き物であるといういい例ではないかと思っております。私自身、個人的な見解でありますけれども、金利というのは、やはり日本にはない公社債市場というものの確立とあわせて物を考えるべきであろうという個人的な考え方はありますけれども、実際いままでの公定歩合の引き上げなどを見ますと、やはり四十八年に五度にわたって引き上げをし、またその前、四十五年の末から四十六年にはやはり六回にわたっての引き下げをやっております。やはりそれなりに経済の調整を大きくいたしたのでありまして、私は郵便貯金法第十二条という問題の趣旨というものも今後とも十分わきまえて今後とも慎重にしていく。しかし先生、私は非常にこの発言が慎重であるということは、やはり郵便貯金のお金が資金運用部資金に使われているという面を、ただ郵便貯金特別会計だけ赤字にしたらいいじゃないかという議論は私はとるべきではないと思っておりますけれども、やはりその辺のところの兼ね合いなどもありますので、私は昨日の閣議でも、市中金利の連動について郵便貯金については白紙であるという発言をあえていたしております。そういう意味でも今後慎重に対処していきたいと思っております。
#120
○久保(等)委員 大臣も非常に御努力をされておること、私も評価をしたいと思うのですが、先ほど来申し上げまするような郵便貯金そのものの基本的な考え方の問題にも関連しておると思うのです。経済が生き物であり連日いろいろな情勢によって左右せられておりますことは当然ですし、私はだから申し上げるのは、先ほど来申し上げまするように、消費者物価の上昇というきわめて生活不安の中に置かれておりまする状態でいま言ったような問題が出ておるところに、非常にわれわれが利下げの問題に強く反対をせざるを得ない理由があるわけですから、何もいつまでも、情勢がどう変わろうととにかく金科玉条にある一定の金利を堅持していればいいんだという性格のものではもちろんないと思います。しかし、今日ただいまの情勢の中における問題として私は申し上げているわけでありますから、その点についてはぜひひとつ大臣の一層の御努力を願いたいと思うのです。ただ気になるのは、新聞の報道によりますると、福田総理が何か今月の十日に小山郵政省貯金局次長を官邸に呼んで利下げの問題を検討するように指示した、こういうような記事があるのですが、この真相のほどはいかがなものでしょう。
#121
○神山政府委員 そのような事実はございません。
#122
○久保(等)委員 全くないという御答弁ですから、これも先ほど大臣の言ったようなことで、情報として必ずしも的確なものでないということで、その点はわかりました。したがって、先ほど来申し上げますような立場で大臣にぜひひとつ一層御努力願いたいと思います。
 それで、大蔵省の方にちょっとお尋ねしたいと思うのですが、マル優制度、これは先ほどちょっとお答えを願ったのですが、この制度そのものは本来どういうところに目的があってこういう制度が生まれてまいったのか。大蔵省の方からひとつお答えを願いたいと思うのです。
#123
○矢澤説明員 お答え申し上げます。
 最初にマル優制度ができましたのは昭和三十八年でございますが、制度創設のいきさつといたしましては、その前に国民貯蓄組合法というのがございまして、五十万円までは非課税という制度がございました。それを引き継いで、昭和三十八年度に現在のマル優制度が生まれたわけでございます。その目的といたしますところは、当時の解説書によりますと個人の貯蓄の増強を通じて、当時は資本の蓄積あるいは社会資本の充実を図らなければならない、あわせて個人の家庭の福祉の向上にも備える、そういった貯蓄増強全般のムードの中で、特に零細な貯蓄を優遇しようということで生まれたように伺っております。
#124
○久保(等)委員 郵政省との関連で物事を考えるようになったのはいつごろからですか。
#125
○矢澤説明員 郵政は最初から郵便貯金の方は非課税でございまして、郵貯の限度額とマル優の限度額が並びましたのは、マル優が百五十万円になった昭和四十七年からでございます。
#126
○久保(等)委員 そうすると、スタートは若干違っておったのですが、今日ではそういうバランスというか郵貯との関係を考えるようになったというお話なんですが、先ほどはどうもこの限度額の引き上げ問題等についても、どちらかといえば消極的な見解を発表せられたのですが、だから金額もいま言うきわめて零細な、小口預金と目される限度については、一般の銀行預金といえども同じように扱っていこうという考え方のようですが、そこらの問題について、私はもう少し何といいますか、特に金融関係を扱っておる大蔵省という立場であるだけに、何かただ単に郵貯が上がればそれとの関係でこちらもおつき合いをしようという程度ではなくて、やはり一つの考え方があってしかるべきだと思うのですね。したがって、少なくとも郵政省、大蔵省、同じ政府部内ですから、いま言った限度額の問題については同一認識で問題を取り運んでいくという考え方であるべきだと思うのですが、そのあたりいかがですか。
#127
○矢澤説明員 先ほどの答弁をちょっと訂正させていただきますが、昭和二十年代から、国民貯蓄組合法がありました当時から非課税限度額と郵貯の限度額は大体同じような足取りを示しておりますので、そこはちょっと訂正させていただきます。
 ただいまの御質問につきましては、従来のそういった経緯から見まして、一般の金融機関のマル優の限度額とそれから郵便貯金の非課税限度額は足並みをそろえているということでございますから、そういう意味で特に郵貯を差別して不利に扱っておるということもございませんし、また郵貯だけ取り出して、それを他の金融機関と比べて有利に扱っておるという扱いもしておりません。それがいままでの経緯でございます。
#128
○久保(等)委員 この非課税の問題、これについては当然、先ほど来申し上げますようにできればもう少し積極的にこの郵貯の預金者を保護する、そういう立場で御努力を願いたいということも申し上げたのですが、特に現在あるこの非課税制度、これについてはぜひ堅持をしていかなければならぬと思うのです。大蔵省の方にお尋ねしたいと思うのですが、大蔵省の考え方はいかがですか。
#129
○矢澤説明員 一般的な最近の情勢から申し上げますと、たとえば預金の利子の分離課税につきましては、これは不公平税制であるということで撤廃すべきであるという御主張が非常にございまして、私ども年々これを上げておりまして、たとえば五十二年度の改正では三〇%から三五%に引き上げたわけでございます。ところが、ただいまのマル優の制度ができた当時を考えますと、これは逆に源泉分離課税が一〇%から五%に引き下げられたような、一般的に貯蓄増強を国の施策として推奨するような時期にできた制度がこのマル優でございます。したがいまして、ある意味ではマル優の制度が余り大きな金額になりましてある限界を超しますと、これはまた新たな意味での不公平税制になるという懸念もあるのではなかろうかと思います。現在マル優の関係で非課税になっております。いわゆる租税特別措置法で非課税になっております金額は、約一千億余りに達するわけでございますが、一部にはそのこと自身が不公平税制ではないかというような状況でございます。この制度ができましたときと最近の情勢では、貯蓄増強ということに対する取り組み方と申しますか、国の一般的な地合いはかなり変わっているかと思います。ただ、このマル優の制度につきましては、国民の生活の問に定着しておるものでございますし、皆さんそれをめどとして貯蓄に励んでおられるというような事情もございますので、これの引き下げということはそう現実的な問題ではないと考えておりますが、この限度額の引き上げにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、国民一般の貯蓄水準をにらみながら決めていくべき問題ではないかと考えております。
#130
○久保(等)委員 社会的不公正とかなんとかという問題は、われわれも非常に重視をしておる問題なんです。だけれども、郵便貯金との関連においてマル優の問題は考えられておる問題だと思うのですが、郵貯につきましては、これはもういま大蔵省の方で言われる貯蓄増強とかなんとかという意味じゃなくて、あくまでもこれは国民の経済生活そのものをどう安定させるか、またそのことに国としても協力するという立場で郵貯が生まれておることは、これは第一条に規定するとおりだと思うのですね。だから、そういう立場で考えていくのと、何か貯蓄増強の一翼を担っておるという物の考え方とでは、物の考え方は本質的に違ってくると思うのですね。だから、考え方の基礎が一体どこにあるのかという問題になってくるわけですね。貯蓄増強ということであれば、金額が大きくなればなるほど結構だという物の考え方になってくると思うのですが、郵貯の場合にはそうじゃなくて、限度がもうきちっと決まっておるのが郵便貯金だ、限度がないのが一般の市中銀行の預金だということになるだろうと思うのです。だから、限度を設けておるところに郵便貯金の本質があり、性格があるのであって、天井を取ってしまったらこれはもう郵便貯金じゃないのですね。したがって、限度があるいわゆる零細小口の預金については、これは何としても預金者の経済生活というものの安定をいかに図っていくかという立場で守っていかなければならぬ、そういう使命があると思うのです。だから、社会的不公正という問題は、われわれは預金者全部の利子を下げることには反対だということを申し上げておるのではなくて、私は、むしろ上の方はそれこそ区分けをして、三百万円という限度があるなら、限度内についてはできるだけ金利についても有利に扱っていく、しかし、それ以上のものについてはむしろ積極的に、それこそこういった情勢になれば金利をうんと下げてもいいんじゃないかと私は思うのです。だから、そういう物の考え方で扱っていけば、大臣の言われる、それこそ生きた経済に対処する行き方というのは、そういうものじゃないかと思うのです。一律に金利を下げることに反対だという立場ではないのです。その点はぜひ誤解のないように御理解を願って、大蔵省の言う物の考え方は私は納得いきかねるのですね。マル優制度というものに対して、一体どういう考え方でマル優制度というものは生まれてきているのか。だから、これがもう天井を外してしまったような全体の貯蓄奨励運動というような問題の一翼として考えているならば、大体貯金との連動させること自体がおかしくなってくると思うのですが、そこらあたりの認識をもうちょっと、マル優制度そのものが一体どういう趣旨でできたのか、なおちょっと疑念を持つわけなんですが、いかがですか。
#131
○矢澤説明員 御説明がくどくて恐縮だったと思いますが、端的に申しますれば、零細貯蓄の優遇ということでできている制度であると思います。
#132
○久保(等)委員 したがって、これは、郵便貯金の方は現在の非課税措置というもの、これはもう当然の措置として堅持していくということは当然だと思うのですが、とにかく先ほど来申し上げておりますように、物価そのものの安定しない情勢の中での金利の引き下げという問題になってまいりますと、特に政治に携わるわれわれまた国会の立場からしても、それこそかなえの軽重を問われる問題でもあると思うのですね。情け容赦なく物価は上がっておるが、さらに追い打ちをかけるような形で金利まで引き下げるということでは、それこそ郵便貯金の存在意義いずこにありやという疑問が私は出てまいると思うのです。そういう点でひとつ一層の御努力を願って、とにかく今日の情勢下においての利下げというようなものは、どう考えてみても決して合理的なものではないし、妥当な政策だとは考えられないわけなんですが、大臣に、ぜひひとつそういう立場で御努力を願いたいと思うのです。大臣一言そのことについてくどいようですが、お願いします。
#133
○小宮山国務大臣 大変いろいろなお話を承りましたけれども、先ほども申しましたように、アメリカのカーター大統領が戻し税をやめたなんというのを新聞報道で見ますと、経済が過熱するんだというようなことで、いろいろな生き物のいい例になるのではないかということであります。私は、やはり郵便貯金法第十二条を踏まえて、今後とも慎重に対処いたしていきたいと思っております。
#134
○久保(等)委員 次に、総額の制限についてなお若干お尋ねをいたしたいと思うのですが、いろいろ世の批判を受けておりまする制限額を超えての預金の問題、その問題について若干お尋ねしたいと思うのです。
 このことについてはいろいろ指導も行っておられると思うのですが、どういう指導を現実に行っておられるのか、簡単にお答え願いたいと思います。
#135
○神山政府委員 総額制限については、もう従来からこれをオーバーすることのないようにあらゆる手段を尽くして指導し、周知をしてきたわけでありますけれども、一部の報道でそういう事例があるというようなことを聞きます。私の方も、現実にいろいろ名寄せその他で調べた結果、制限額をオーバーしているという事例もあるわけでございまして、こういう点については、今後なおよく徹底するように指導してまいりたいと思います。
 どんな方法をとっているかという御質問でございますが、第一は、郵便局の窓口において制限額をオーバーすることのないようにチェックするということが大切であろうかと思います。そのために、いろいろ、預入者の身分を明らかにしていただくようなもの、身分証明書その他の書類等を必要があれば提示していただく等の措置もとってまいっているわけでありますが、何といっても郵便貯金の趣旨が、先生もおっしゃったように、国民大衆に簡易で確実な貯蓄手段を提供する。簡易なということも一つの重要な要素でございまして、窓口で余り根掘り葉掘り厳重な措置をとるということも、事務能率の点から見ても非常に困難な問題でありますが、まあできるだけこの窓口のチェックを第一に、簡便な方法でですね、やるようなことを、今後とも十分考えていきたい。
 それから、どこの郵便局でも出し入れできますから、一つの郵便局の窓口だけで完全にこれを押さえるというのは、事実問題として非常にむずかしいことでございまして、そのため、後方の地方貯金局で、原簿を保管しているところで名寄せという作業を行わざるを得ない。
 そういうことで、二段構えの総額制限超過防止なりその事後処置ですか、そういう方法をとってまいっているところでありますが、今後ともなお力を入れていきたい、こういうふうに考えております。
#136
○久保(等)委員 部外に対してどういう方法で周知を図り徹底を期しておるのですか。
#137
○神山政府委員 ポスター等で周知するようにやっておりまして、郵便局の公衆室ですね、こういうところに掲げるようにしておりますが、今年度、何かお客様がすぐわかるようなものを窓口に設置したいということで、いま検討中でございます。
#138
○久保(等)委員 郵便局の窓口にぶら下げるというのも一つの周知の方法かもしらぬけれども、これだけテレビだとかラジオといった、これはまた郵政省の指導監督下にもあるものですね、しかもテレビの威力がどういうものかは、これはだれしもが大変な聴視をしている時代ですから、そういったものが非常に効果的じゃないかと思うのですね。ポスターをながめてみればわかるじゃないかというやり方は、非常に古いというか、余り効果がないのじゃないかと思うのですが、そういったことは考えておられませんか。
#139
○神山政府委員 私も、貯金局に参りましてから、そういうテレビとか新聞も大いに利用しなさいということでやってまいっておりまして、ただいまそういうこともやっております。
#140
○久保(等)委員 部内に対する指導について、先ほどちょっとお話があったのですが、通牒等も下部に出されてやっておられるようですが、四十五年の三月二十八日、何か郵貯第二〇号そういったもので通牒を出されたこともあるようですが、その当時はどういったことを具体的には指導せられたのですか。
#141
○神山政府委員 確かに通知を出しまして、具体的に窓口における、御本人であるということを確認する方法とか、その他、私いまちょっと記憶しておりませんけれども、相当細かく規定して流しておりますし、また、最近においても、さらにこれは出しております。
#142
○久保(等)委員 ことしになって、二月九日に出しておられるようですが、これはいまお尋ねした前回と似たり寄ったりなのか、あるいは特に最近、こういった世論も厳しくなってまいって、いろいろ批判も受けているわけですから、そういった点で、前回に比べて何か真新しいことが中身として言われておるのかどうなのか、そのあたりのことを少し御説明願いたいと思います。
#143
○神山政府委員 若干異なっておる点もありますが、本旨はほとんど同じでございまして、架空名義について若干具体的に規定しているということでございます。
 それから、奨励方針というのは毎年度出しますが、この中においても、国営事業として品位と節度のある募集をしなさいということを中心に下部を指導するようにいたしておりまして、そのかわり国民の広い分野の方々に限度額以内で利用していただく、そのかわり対象者を広げていく、こういう方面に今後奨励をするようにという指導をしております。
#144
○久保(等)委員 いわゆる成績主義といいますか、できるだけ募集をやれ、やれといったような形の指導をやっておったところにも問題があるのじゃないかというふうな感じがいたします。したがって、そういう点の指導、あわせて先ほどちょっとお尋ねしたように、周知を図ってまいらなければなりませんが、同時に、特に直接仕事に携わる職員に対する指導というもの、大いに成績を上げろ上げろとしりをたたきながら、最高限度額のところでは非常に厳しくやる。これは、若干趣旨は違うのだと言いながら、結果的には問題を起こすようなことになるだろうと私は思うのです。だから、そこらの従来の指導の基本的な姿勢というものについて十分に考えていかなければならぬ問題があるのじゃないかと私は思うのです。だから、そのあたりのところをぜひひとつ、絶対預金総額については守っていかなければならないのだ、法律もそういうことに規定しているわけですから。そういったようなことでの指導を従来と違った意味で、強力な御指導を願わなければならぬじゃないかと私は思うのですが、そこらの基本姿勢の問題について、当局はどんなふうにお考えになっていますか。
#145
○神山政府委員 貯金の募集というのは、やはりある程度職員の努力にまつという面もあるわけでございまして、いろいろ研究をしていただいて、国民の方々のためになるように、貯金の増強ということに努めなければいけないわけであります。しかし、先生御指摘のように、無理な目標なりをつくって無理な募集をするということは、結果的に郵便貯金にとっても長い目で見ますとマイナスになりますし、国営貯金としての国民の信頼というものをかち得ていかなければいけない。
 そこで、先ほども申し上げましたが、できるだけ多数の方々に利用していただく、これこそ郵便貯金の将来発展のためにも必要なことであるということで、その増強というのを利用者層の拡大ということで今後やっていきたい。それで、目標の設定に当たっても、前年度の実績、それから経済環境等も考えて無理のないように決めていこうということで、本年度は昨年度の実績から見ても本当に無理のないものにいたしたい、こういうことでおります。
#146
○久保(等)委員 その目標額の設定の問題なんですけれども、私は、その目標というのは恐らく従来の実績、それから経済情勢、そういったものはもちろん勘案をして決めておられるのだと思うのですが、問題は、実際に募集に従事される諸君、こういった方々の意見もくみ入れながら目標を設定していくという方法を考えていくべきではないかと思うのです。そうすれば、そこにおのずから無理な目標設定というものは生まれてこないと思うのですが、さっき大蔵省の方からも説明があったのですが、とかく貯蓄増強という立場で、上の方で多少無理だと思われるような目標を逆に定めて、それに向かってとにかく進め進めといったような式の指導の仕方をやっておったのが長い過去の歴史じゃないかと思うのです。ごく最近の具体的に細かいことは私も知りませんけれども、実際、こういう時代ですから、働く人たちの直接の経験と、それから将来に対する意欲、そういったようなことも含めて、それこそ民主的という言葉が適当であるかどうか知らぬけれども、実際やられる方々の意見、そういったものを集約しながら目標を設定する、そういうことをおやりになったらいいのじゃないかと思うのですが、どうですか。
#147
○神山政府委員 目標額でございますが、予算編成の際、事業計画というものをつくって、そして翌年度の予算のいろいろな施策等も決めていく必要から、この程度の目標というものを決めていかなければいけないということで、これは総純増額でございますけれども、そういうものをつくるというのが一つございます。
 今度はこれを実行に移す際、郵便局やそういう実際働く機関とのコミュニケーションということが必要になるわけで、そのためには総純増だけ示していてもこれはかみ合わないというか、実際上適当でないというので、定額貯金をどの程度新規に募集したら歩どまりがどのくらいになるだろうという試算をしまして、そういう総体的な数字をもって郵政局と相談する、郵政局はまた管内でいろいろ各局の事情を聞き、また各局にも全体的な情報も知らせて、郵便局においてはそういう情報を得、郵政局との連絡の上に立って自主的に各局の目標をつくっていくというようなやり方にいたしておりまして、現在はそういう自主目標方式といいますか、そういう各局ごとに努力目標というものをつくってもらう、こういうやり方でおるわけでございます。
#148
○久保(等)委員 それは、全体的な資金需要というものが一つあります。しかし、初めて始めるわけではないので、そういう実績が、すでに過去においてずっとやってきたものがあるわけですから、そういうものとにらみ合わせながら来年度は一体どうするかという場合に、各局の局内において直接仕事に携わる人たちの意見を集約して目標を定めていく、それをまた全部トータルして総体の目標が決まっていくということにすれば、自分たちが協議し、自分たちもいろいろ意見を吐いて決まった目標なんだから、これはこの際とにかく何とかしてやらなければならぬということで、しりをたたかなくてもそれこそ積極的な意欲を持って貯金の募集なんかに精励されると思うのです。いまの局長の御答弁も大体そういうことをやっておられるようなお話なんですけれども、一層そういった意欲的な募集活動ができるように配慮していってもらいたい、かように考えます。
 それから次に、これと関連するのですが、特定局における募集活動、こういったことについて若干お尋ねしたいと思うのですが、郵便貯金のすべての現在高、できるだけ最近の金額からまいりますとどのくらいになりますか。
#149
○神山政府委員 郵便貯金の現在高でございますが、五十二年の四月十九日現在の現在高、これは毎日の報告書の日報計数によりますと、三十兆四千三百十九億円となっております。
#150
○久保(等)委員 ここでいきなりお尋ねするんですから準備も十分にできておらないかと思うのですが、そのうち定額貯金について特定局で募集をせられた金額というものは、定額貯金に限ってのお尋ねなんですけれども、一体どの程度の比率を占めますか。
#151
○神山政府委員 先ほど申し上げた数字とは直接つながりません。先ほどのはごく最近の資料でございますので、申し上げるのは、五十年度の預入状況で見ますと、定額貯金預入総額が八兆七百十三億円、そのうち特定局預入分が五兆七千五百十三億円、この割合を見ますと、七一・三%、これが特定局の預入になっております。
#152
○久保(等)委員 それから、この特定局の募集に携わった職員の方は何人ぐらいになりますか。
#153
○神山政府委員 特定局の何というか、外務員、募集要員、そういうことでお答え申し上げますが、貯金の外務要員は特定局で約四千人になっております。
#154
○久保(等)委員 そうすると、四千人でいまの定額貯金の場合について言うなら、五兆七千五百十三億円、これを募集したということになるわけですね。
#155
○神山政府委員 郵便貯金は窓口でも預入できるという措置をとっておりまして、この外務員の方は集金かたがた募集をするというようなことでございまして、割合から見ますと、特定局全体の中で八%という金額になっております。
 四千名で集金をしながら、集金がもう大半の仕事でございまして、その合い間に募集もするということでございまして、特定局全体の八%に当たる募集をしております。
#156
○久保(等)委員 それで、特定局長が実際この募集に携わって上げられた実績というものはわかりますか。細かい数字は別として、大まかな数字でいいですが……。
#157
○神山政府委員 特定局長一人だけで募集したという額については把握しておりません。
#158
○久保(等)委員 特定局といっても、大きい局、小さい局、小は本当に局長と職員二人、三人といったような局も非常に多いと思うのですが、一人ないしは二人、したがって、局長を入れれば二人ないし三人ですね。こういった特定局というものは数にするとどのくらいあるものですか、おおよそ。
#159
○神山政府委員 貯金局では把握しておりませんので、ただいま資料がございません。
#160
○久保(等)委員 これはまた後ででもお知らせ願うようにして次へまいりますが、問題は、そういう小さな特定局あたりで局長が非常に熱心で募集関係に携わって努力をしておると思うのですが、実はそのことが局内的な業務の面から見るとまたいろいろ問題を起こす。局長というのは、大体局内で職員その他をいい意味で指導監督あるいはまた総括的な業務の運行について責任を持たなければならぬということなんです。よくわれわれも散見するのですが、局長がよく不在――仕事をやっておられるのだろうと思うのですが、いま言った募集あたりに参加をしておられるのだと思うのです。そういったようなことでいろいろ現場においては問題になる場合も間々あるわけでして、そういったことについて、特定局制度の問題にも関連をするのですけれども、私はやはりそういった外務的な仕事の問題については、これは局長みずからが募集に当たって回られるということはやはり問題があると思うのですね。したがって、そこらの問題について、そのことが職員にとってはまた大変ないろいろ仕事が加重せられる。あるいはまた一人、二人の職員しかいないようなところでは代務者もいないとったようなことで、十分に休養もとれないといったようなことにもなっておる面があると思うのです。したがって、正常なる局務の運営を考えるならば、やはりそういったことはやるべきでないというふうに思うのです。これは貯金関係の問題だけとしてお尋ねしているのですが、いかがなものですか。
#161
○神山政府委員 特定局長の局務運営全般となりますと、貯金局でお答えする事柄ではないかもしれませんけれども、御承知のように特定局、小局においては貯金の業務というのは相当大きいわけでございまして、郵便とか保険の業務というのは比較的閑散であるというようなことは言えようかと思います。
 そこで、特定局長は局の運営全般に当然責任を持つ立場にありますが、また、貯金の奨励についてもやはり他の業務と区別することなく責任を持っていただく、特別な分野ではないというふうに考えておりまして、局長も局務運営全般の見地から総合的判断の上に立って運営を図っていってもらいたい、こういうふうに考えるわけであります。
#162
○久保(等)委員 貯金局長にお尋ねするのは、的を外れているわけじゃないのですが、貯金局長だけでお答えできる問題じゃないと思うのですが、ただ郵政大臣がおられるから、特定局制度の問題で一言ちょっと申し上げたり、大臣のお考えも承りたいと思うのです。
 御承知のように、特定局制度の中で問題になります一つには、局長の任命が一般の役所の組織と違って部外者からの任用を行う、あるいはまた、世襲のような形で任用するというようなことが現在なお行われておるわけなんですが、このことについては少しずつ改善といいますか、戦後のかつての特定局制度とは違った形に進んではきているように見受けられるのですけれども、しかし、もちろん根本的な解決にはほど遠い現状にあるわけなんですね。そのことがこれは局務の仕事の面からいってもどうしても長い間経験を積んだという形にはならない、そういった局長が局員を指揮監督をするというようなことにもなり、また、ただいまもちょっとお尋ねしたように、局長が外によく出歩くといったようなこと等もあって、この特定局制度の問題については前々から非常に大きな問題であるわけなんですが、こういったようなことについては、やはり私はできる限り何とか部内者を登用していくという方向で、こういった問題も解決をしていくべき問題じゃないかと思うのですが、こういう制度について十分にひとつ善処を願いたいと思うのですが、大臣いかにお考えになりますか。
#163
○小宮山国務大臣 特定郵便局長の任用については、基準等照らし合わせて大体部内者を任用しているのが実情であります。大体その九割が部内採用者であります。特に縁故者というものはほとんどなくなったというのが私の認識であります。
 ただ、先生のおっしゃった、夜集金のようなことがこの前当委員会でも問題になりました。このようなことがないように、今後とも気をつけるように、各特定郵便局を通して通達を出しているところであります。
#164
○久保(等)委員 ぜひこれは改善を願いたいと思います。
 それから、だんだんと時間もなくなりますので、次にやはり貯金関係でお尋ねしたいと思うのですが、今度の法改正の中で、月割り計算を今度は日割り計算に改正をすることになるわけなんですが、これは非常に郵政当局にとっては大変な改善といいますか、改革の一つだと思うのですが、これは市中銀行との違いなんかもあると思うのですが、銀行との関係を含めて、日割り計算に切りかえた理由というものは一体どういうところにあるのか。結構なことなんですが、むしろ遅きに失したんじゃないかという感じすらするのですけれども、そこらの理由を少し御説明願いたいと思うのです。
#165
○神山政府委員 通常貯金の利子のつけ方でございますが、先生御承知のように、現在は月割り計算という特殊な方法をとっておりますが、これは手作業を軽減するという趣旨からまいっておりまして、こういう方法をとることによって相当事務量が軽減されるということでございますが、この方法の欠陥と申しますと、月の十六日以降に預入された分については、その月の利子をつけないということでございまして、また、払い戻しの月についてもその月の利子はつけないという方法でございますので、十六日に預け入れられた方が、翌月いっぱい月を越えて翌月の末に払い戻すと一銭も利子がつかない。一カ月半近く置いても一銭もつかないという場合も生じてくる。また反面、十六日の一日前の十五日に預入された方は、その月の利子がつきます。それで、その月の月末におろすと約半月間ですが、それでも一カ月の利子がつく。こういったことで得になる方、損になる方、いろいろあるわけでございますが、これを日割り計算にすることによって預け入れた日数に応じた利子がつくということで、非常に公平になるということでございまして、かねてからそういう御要望もありまして検討してまいったのですが、何しろ手数がふえるんじゃないかということでいままで延びたわけですが、御承知のようにEDPSの機械化、これも大分進捗しまして、地方貯金局の事務の約八割以上が機械に乗るという状態になりまして、もうこういう状態になればいつまでもこの利子の計算方法をほうっておくのはお客様にとっても決して適当ではないであろうということで、今回踏み切ろうということにいたしたわけでございます。
#166
○久保(等)委員 これで仕事が非常にふえると思うのですが、業務量がふえると思うのですが、要員の措置についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#167
○神山政府委員 ただいま申し上げましたが、機械化された貯金局においてはこれはもう影響しない。機械で処理できるということでございまして、問題は機械化されてない地方貯金局の事務が若干増加するということでございますが、ただいま申し上げたように八割以上、八十数%いま進んでいるEDPSの機械化がもっと進みますと、ただいま申し上げた程度の原簿事務が機械化される。そうしますと、残った十数%でございますが、それがなお手作業で残る。これが作業としては幾つかの地方貯金局に分散するわけですが、これの処理のことですが、当然私どももこれを支障のないように処理していきたいということで各局ごとの事務量等も検討いたしまして、無理のなく支障なく仕事が行われるように措置をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#168
○久保(等)委員 ほとんどが機械化されて、八十数%を超える機械化がされたようなお話なんですが、二十八局のうち十局くらいまだ機械化されていないのじゃないですか。それがなぜ八十数%まで何か機械化されたというような御答弁になるのですか。それと、やはり要員の面で要員を少なくとも若干はふやさなければならぬという問題がいずれにしてもあると思うのですが、だから、それならそれで要員の問題についてはやはりふやすのだ、何名ふやすか、これはそんな数字までここでお聞きしょうとは思いませんが、十分にそういった措置をとるのだというお答えを願いたいと思うのですが。
#169
○神山政府委員 現在十七局ですか、EDPS。ところが大局が多いですから、事務量としては八割を超えるという状態になります。それで、残ったところは、仕事の量もそういう機械化されたところに比べると非常に少ないということでございまして、そういうことで申し上げたわけでございます。
 それで、残された手作業の局でございますが、これについては若干の手数増というものは考えられます。それで、そういう局についてはこれから具体的にどういう取り扱い方法をやったらいいかということを、取り扱い方法全般について十分検討しまして、それから事務処理に支障のないようにやっていきたいというふうに考えております。
#170
○久保(等)委員 要員措置を十分に行うのだというふうなお答えにはなってはいないのですけれども、要員措置を含めて十分にそういったことについて支障のないようにやっていくのだというように理解してよろしゅうございますか。
#171
○神山政府委員 当然いろいろの方法を考えていく、その中にはもちろん必要とあれば要員も考えていかなければいけないと考えております。
#172
○久保(等)委員 次に、全国に貯金局がこれは二十八局ですか、現在あるようですが、これを全国的な配置状況をながめてみると、大分アンバランスというか地域的に偏在というか、とにかく何かこうすっきりしない状況が見受けられるのですが、いろいろ歴史的な経過があるのだろうと思うのですが、この設置基準と言えば設置基準ですが、そういったものが非常に不分明というか、どういうことで今日この二十八局が設置せられておるのか。時間がありませんから余り細かいことをお尋ねしようと思わないのですが、私、資料をぜひひとつ後でお出しを願いたいと思うのですが、それは要するに、各局ごとについて発足当時の要員が一体幾らだったのか、あるいは現在それがどうなってきているのか、それからその局が設置せられたいきさつといいますか、あるいは理由といいますか、そういったようなことをわかる範囲内で調べていただきたいと思うのです。同時に建物も、いろいろ新しいのも古いのもあるのだろうと思いますが、その建物の建った時期が一体いつだったのか、それからもし改築を要すると判断せられてその予定があるのならば、改築の予定等についてもひとつお調べ願いたい、そんなふうに考えるのです。この貯金局は、戦時中のこともありますし、私も若干当時の事情は知らないでもないのですが、空襲その他を考えて地方に疎開をしたりしたような経緯もあるようでありますが、偏在するところには非常に偏在したようなかっこうで、中国あたりは四局あるが、私の四国なんかの場合には一局しかないといったようなこともあったりしまして、そういうことになっておるのですが、どういう事情があったか。細かいことは別として、こういう現状になっておる理由を簡単にお答え願いたいと思います。
#173
○神山政府委員 地域的にアンバラであるという御指摘でございますが、当初はやはり業務量とか、しかるべき理由があってつくっておったようでありますが、戦時中、お客様の預金の原簿を空襲から守らなければいけないということで、危険分散の意味で若干貯金局をつくって原簿を移したということがこのアンバラの原因ではないかと考えているわけであります。
 建物について資料の御要求がありましたが、できるだけ早急に調べて先生にお届けいたしたいと思いますけれども、戦前に建てた貯金局の建物で現在残っているのが、昭和九年建設の下関、それから昭和十年建設の仙台、昭和十二年建設の広島とこの三局が残っておりまして、このうち下関は現在新築工事中でありますが、残った広島と仙台につきましては、現在オンラインの計画を進めておりまして、これとの関連を考えまして新築を計画していきたい、こういうふうに考えております。
#174
○久保(等)委員 それでは次に移って、簡保の方にお尋ねしたいと思うのですが、簡保の方は、会計検査院の会計検査報告の問題についてちょっとお尋ねしたいと思うのです。
 昭和五十年度の決算検査報告書なんですが、この中に、「簡易生命保険契約の適正化等について処置を要求したもの」として、郵政大臣あてに昭和五十一年十一月十六日付で会計検査院の方から通達がいっていると思うのです。中身は読むと長いから略しますが、要するに告知義務違反をしたと思われる案件のうち、実はその扱い方について十分に被保険者に対して理解をしてもらわなかったというような問題等もあって、一見告知義務に違反をしたような形ではあったけれども、結果的には保険金の支払いをせざるを得ない結果になって、結局国損につながったというような指摘事項になっておるのです。
 こういった問題は単に会計検査院で指摘されているだけではなくて、当然ほかにも幾らかあると思うのです。私がちょうだいした資料によりますると、こういった問題がこれの約倍ぐらい全国的にあるようであります。この会計検査院の報告書についてまずお伺いしたいと思うのですが、どういう措置をとったというふうに会計検査院には報告を出されましたか。
#175
○永末政府委員 保険に加入しようとする人が健康状態あるいは病気などにつきまして事実を告げず、また真実でないことを告げたりした場合に、国は二年以内に限ってその契約を解除することができるようになっているわけでございますが、その際、国に過失があった場合にはその解除をすることができないというふうに法律でなっているわけでございまして、いわゆる解除権行使不能というようなことで私たち言っているわけでございます。それで、検査院から指摘されました告知義務違反に対する解除権行使不能の件数でございますが、一応こういった告知義務違反で解除しました件数が、五十年度で申しますと四千九百三十七件でございます。そしてその中で、解除権行使が不能であるというようなことで保険金を支払った件数が四百五十八件ございます。こういったことで検査院から指摘があったわけでございまして、この点につきましては、現在いろいろの防止措置を考えているわけでございますが、検査院にはまだはっきりとした報告はいたしておりません。
 それで、こういったケースは私たちといたしましてはまことに残念なことでございまして、郵便局員が申し込みを受理した際に適正な取り扱いを励行すれば問題はないわけでございます。これまでも職員に対しましては、告知義務と面接観査についての手引書を作成し、外務員全員に配付いたしますとともに、いろいろの研修であるとか会議、通達等によってその徹底を図ってきておりますが、まあ、こういったことで指摘されたわけでございます。今後におきまして私たちいま検討しておりますことは、告知義務制度や質問表の取り扱いに関する教材、手引書を充実いたしますとともに、研修、職場訓練の強化を図りまして、その防止に努めたいと思っております。また、加入者の側におきましても、生命保険に対する告知義務制度について十分な御理解をいただいていない向きもあろうかと思いますので、今回の法改正が成りましたときには「ご契約のしおり」を配布するようにいたしたいと思っておりますが、そういった点につきましても、その制度を十分に周知させ、将来このようなトラブルが発生することのないようにいたしたいと思っております。
#176
○久保(等)委員 実は私も最近これに似通ったような問題を聞かされたことがあるのですが、ここに指摘せられておりまする問題は、被保険者が亡くなった場合についての案件のようです。特に病気等になった場合の医療給付に関連する問題が、これはまた死亡件数よりもはるかに多いんじゃないかというような感じが私はするのですが、その実態はどうなっておりましょうか。
#177
○永末政府委員 死亡等の場合にはそういったトラブルは非常に少ないわけでございます。ただ、特約制度というのができましてから、特に疾病傷害特約でございますが、この特約保険金、特に入院保険金でございますが、それの請求になったときにいろいろの問題が発生することが多いわけでございます。と申しますのは、一番多く起こりますケースとしましては、入院をするようになったときの疾病が特約に加入する以前の病気であったかあるいは後の病気であったか、このあたりの問題でございます。保険金の請求、これは問題のないのは郵便局で即時払いするわけでございますけれども、そういったものは一応地方簡易保険局に上げまして、地方簡易保険局がかかられた病院であるとかお医者さんなどにいろいろと調査をしなければならないというようなことになっておりまして、そういった点でのトラブルと申しますか、件数が非常に増加してきているということが現状でございます。
#178
○久保(等)委員 確かにそういった問題が非常に頻発をしているんじゃないかと思うのです。これは後からトラブルになってくると感情的な問題も出てきたりしてなかなかむずかしいと思うのですが、もう少し事務的に能率的に処理をせられることを考えていかないと、こういった問題で一件処理をするのに相当な時間がかかるような状況じゃないかと思うのですが、いま局長の言われたように入った当時の健康状態が一体どうだったのかというようなことを後になって水かけ論みたいな議論になっているような案件が多いんじゃないかと思うのです。水かけ論みたいな案件だったら、これは郵政省の方で支払いをすべき性格のものだと思うんですね。はっきりとその当時もうだれが見ても――だから、無診査というところにまた簡易保険の特質があるんだろうと私は思うんです。
 したがって、加入を一遍受けつけたからには、後で約款に定められたような問題が起きたときには、やはりそれにほとんど無条件で支払っていくようなことにでもしていかないと、一々当時健康であったのか健康でなかったのか、本人の告知義務がどうとかこうとか言ってみても、恐らく、面接をやったとすれば面接をした局員の方が健康だというように判断したからこそ加入を勧めたんだろうと私は思うのです。後になって、あの当時病気だったんじゃないかといったようなことで問題を提起するものですから、入った人間からいうとペテンにかけたんじゃないかといったようなことで感情的な問題にもなって、事と次第によったら裁判で争ってもいいんだというような人たちもいるようですし、最近も私は実はそういう問題に一つぶつかったのですが、そういったような点でもう少しこの問題については――死亡案件だけでも会計検査院から指摘せられております案件が大変な数量なんですが、ましてや入院といったようなことで医療給付の問題になってまいりますとずっと案件が多いと思うんですね。もう少し能率的にスムーズに処理できないものかどうか。
 私の聞かされております問題は、同じ時期に入ってそれで病に倒れた、加入して半年前後ぐらいなんですけれども、民間の方では支払ってもらった、ところが簡易保険の方では、名前が簡易な保険だと思っておったら、めんどうくさくてなかなか支払ってもらえない、国がやっておりながら非常にうるさいことを言って支払ってもらえぬのはけしからぬ、そういう苦情なんかが来たりしているんですけれども、一たん加入して受けつけたからには、しかもそのときには面接をやっておるはずですから、後になって言いがかりをつけるような扱い方をされることは簡易保険そのものの名誉にも関することだと私は思うんですね。いかがお考えになりますか。
#179
○永末政府委員 簡易保険の制度と申しますのは、健康な人たちが相集まって保険団体を構成し、お互いに助け合うというようなことにあろうかと思うわけでございます。したがいまして、健康な人たちに加入していただくということがまず第一の条件でございますが、簡易保険というのは御承知のように無診査保険でございます。したがいまして、当然のこととして告知義務というのを課しているわけでございますが、これはやはり加入される方々が厳重にこの告知義務というのを守っていただかなければ、かえってほかの保険団体を構成している加入者の方々に不測の迷惑をかけるというふうにも結論的にはなるわけでございまして、この点につきましては、加入者の方々には厳重に守っていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 また、片や募集をする方でございますけれども、先ほども申しましたように、告知制度というのを御存じないような方々もおられようかと思いますので、必ずそのことを告げて、そして告知していただくように厳重に指導しているところでございます。
 よく起こりますケースというのは、外務員が保険契約申込書を代書した場合でございます。契約書を代書した場合も、その記載について誤りがないかどうか、申込書に読み聞かせをしまたは閲覧させることにより確認いたしまして申し込みを受理することとしておりますが、なお、今後の問題といたしまして、告知の取り扱いに間違いが生じないようにする方策といたしまして、申込書裏面の質問票の内容を平易かつ見やすいものに改めますとともに、質問票の写しをば申込者に交付するというようなことをして、将来のトラブル発生の防止に努めたいと思っているところでございます。
 それから、先ほどの入院保険金、疾病障害特約の問題でございますが、これは契約時に病気にかかっているということがお医者さん等の書類によりましてはっきりした場合には入院保険金を支払わない。これはやはり、先ほど申しましたように、健康な人たち、加入者の他の方々の利益を損ねるということにも究極的にはなりますので、支払わないことにしているわけでございます。
 ただ、その証明書類などによって、いつかかったかというのがはっきりとわからない場合とか、いろいろあるわけでございます。したがいまして、そういった点では、ある程度簡略化することができないかということをば検討いたしております。たとえば五年前、十年前、病気がどうだった、契約前に病気がどうだったというようなことをば取りざたいたしましても、なかなかむずかしい場合もあるわけでございまして、まあ何年間でもう打ち切ろうとか、あるいはまた病院からもらうところの入院証明書、こういったものも、書類の様式を簡略化する、そういったことで、できるだけ事務のスピード化を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
#180
○久保(等)委員 簡易生命保険という特質も生かさなくてはならないし、それから、いま言ったような告知義務に明らかに違反したという場合は、これはもう法律の定めるところによって処理していいと思うのですけれども、一般的にいえば、この加入手続が終わったという状態は、加入者にしてみれば、事故が起きた場合に――事故というのは要するに保険金支給の事故が起きた場合には、当然そういった保険給付は受けられるのだという気持ちにだれしもなると思うのですね。ところが、後でいざ現実にそれにぶつかったら、ああでもない、こうでもないといって支払わないというのは、これはもう役所の仕事としては私は加入者の立場からいえばまことにけしからぬという気持ちになると思うのですね。せっかく本人に対して面接観査をやるわけですし、同時に質問もしたり何かするのですから、少なくともそういう手続がとられた後には余りトラブルにならぬように扱っていかなければ、役所でやっておる簡易保険というものの性格からいってもおかしいと思うのですね。だから問題はそこのところだけきちっとしておけば、あとは、とにかくそれこそ事故が起きたときには当然それに対して保険給付をやるのだというふうにしていかぬと、起きてから今度はうるさくなるというのでは、何のために入ったんだかわからぬし、また何のために入ってもらったんだかわからぬということになると思うのです。だから、そこのところについて、今後工夫をせられて、後でトラブルの起きないように、ぜひひとつ十分にお考えを願いたいと思うのです。
 時間がありませんから、貯金会館の問題で、今度は貯金局長にお尋ねしたいと思うのですが、貯金会館、全国で幾つありましたか、同時にこれの運営についてか何か郵貯の振興会、そういったようなところで運営を一切やっておるように聞いておるわけなんですが、その運営状況についてもお尋ねしたいと思います。
#181
○神山政府委員 郵便貯金会館でございますが、前国会において貯金会館の法的基盤を明確にするということで貯金法の改正をお願いいたしまして成立いたしまして、四月一日から従来財団法人郵便貯金振興会に委託して運営させていたわけでございますが、法律に基づく郵便貯金振興会という法人に管理委託させるということで運営をすることになりました。で、現在そういう方法をとっております郵便貯金会館は全国で沖繩を含めまして十一カ所ございます。
#182
○久保(等)委員 この振興会そのものは、いま局長の御説明にありますように、できてまだ間がないわけでありますか。
#183
○神山政府委員 四月一日から発足しております。
#184
○久保(等)委員 ですから、今後の課題だと思うのですけれども、果たして郵便貯金振興会といったようなもので適当なのかどうなのか。それはなぜかと申しますと、片や簡保の事業団といったようなものができて、相当長い間もうすでに経験も積んできているのですが、あれと比べて貯金振興会というものは何か私、経営形態としてちょっとなじまないような感じがするので、果たして大丈夫なのかという感じもするわけなんですが、この運営については、何か、協議会といいますか、評議員会というか、そういうものがあるんですか、ないんですか、この振興会というものは。
#185
○神山政府委員 郵便貯金会館の施設は国有財産でございまして、従来は国みずからが管理責任を持つ、ただ運営の中身は非常にサービス業的な仕事が主でございますので、財団法人郵便貯金振興会というものにその中のサービス業等の運営は委託してやってもらっていたということでございますが、国会において法的な基盤が明確でないではないかという御指摘もあり、これを明確にする法律案を出しまして、そしてこの国有財産を認可法人というものをつくって管理委託させるという方法をとったわけでございます。国有財産を管理委託させるというのは、本来は国有財産ですから国みずから管理すべき事柄でございます。ただ、運営の中身がサービス業的なもので、国民に郵便貯金の周知宣伝をするという役目でございまして、その中身は非常にサービス業的、だから国みずからが運営するということにも必ずしもなじまないということで、法的な基盤を持ち、そして郵政大臣の監督権限も明確に法律で規定するというような団体をつくりまして、これに管理委託させるということにしたわけです。国有財産ですから、国以外の団体に管理委託するというのは例が非常に少ないわけです。特殊な例であることはあるんですが、それにしても認可法人に委託するというようなことも余り前例のないことでございますが、この仕事の中身がこういうことですからそういう道を開いていただいた。ただ、これは郵政大臣が最終的には責任を持つものでございますから、法律で非常に監督権限を明確にして指導していく、こういうことにいたすたてまえになっております。
#186
○久保(等)委員 一言、時間が来ましたから終わりにしますが、そうすると、この経営は独立採算というものをたてまえにしているのですか。もし欠損が出れば何か交付金みたいなものを入れるといったようなことなんですか。経営の収支関係はどういう方針でやっておるのですか。
#187
○神山政府委員 国から交付金とか補助金とかそういうものを交付するという規定は法律にございません。したがって、独立採算というか、会館利用によって得る収入をもって支出に充てる、こういうことでいきたいと考えております。
#188
○久保(等)委員 その運営についてできるだけ民主的にというか、国有財産の運営ではあっても、中身がさっき局長の言われるようにサービス的な仕事といいますか、運営をやるわけですから、そういう点ではいろいろ利用者の意見もありましょうし、広く一般の方々の意見というようなものも反映されるようなことで、できるだけ民主的な運営ということもお考えをいただく必要があると思うのです。これは簡保の事業団の場合についても同じだと思うのですが、時間がありませんから簡保関係の方は省略をいたしますけれども、いまお尋ねした振興会の運営については、そういう意味合いでサービス事業ということになると、余りお役所的な運営ではなじまないと思うのですが、それにつけてもぜひひとつ民主的な運営というようなことも考えてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#189
○神山政府委員 サービス的な仕事でございますから、いろいろ民間その他のお客様の動向等も随時把握して適切な運営をする必要があろうと思いますが、やはり国有財産であり、最終的な責任というのは郵政省にあるわけでありまして、監督的立場に立って郵政省としては適切な運営をするように指導していきたい、こういうふうに考えております。
#190
○久保(等)委員 終わります。
#191
○八百板委員長 小宮武喜君。
#192
○小宮委員 簡易生命保険法について質問をします。
 今回、法律改正を行って、保険金の最高限度額を現行の八百万円から一千万円に引き上げようとしておるその理由について説明を願いたい。
#193
○永末政府委員 現在、保険の制度は被保険者一人当たり八百万円というふうに決められているわけでございます。種類別に申しますと、保障性の高いもの、特別養老保険あるいは定期保険が八百万円、その他の保険が五百万円となっているわけでございますが、最近の経済情勢のもとでは生命保険の保障機能を十分に発揮し得ない状況となっているように思われること、また加入者の方々からも保険金最高制限額をさらに引き上げるようにという強い要望がございますこと、また、この引き上げによって貯蓄増強に資することにもなろうというようなこと、そういったことで引き上げをお願いしているわけでございますが、また、被保険者が死亡した場合の医療費、葬祭費及び遺族の当分の間の生活費等も考慮いたしまして一千万円に引き上げようとするものでございます。
#194
○小宮委員 私が質問しておるのはそういう抽象的なことではなくて、なぜ一千万円に引き上げなければならないかという根拠について具体的に説明してもらいたいということなんです。
#195
○永末政府委員 先ほど医療費、葬祭費あるいは遺族の生活費等を勘案して一千万円ということを申したわけでございますが、医療費につきましては、細かな数字になるかもしれませんが、六十七万九千円というのが出ているわけでございます。これは郵政省の簡易保険局が四十五年の二月に行いました死亡保険金有用性調査の死亡者の平均医療費が三十五万二千円でございました。したがいまして、その三十五万二千円に消費者物価指数を掛けまして昭和五十二年十月現在に換算した額でございます。
 それから葬祭費でございますが、その当時三十六万四千円でございました。同様にこれを消費者物価指数によって換算したわけでございます。
 それから遺族の生活費でございますが、これは昭和四十九年総理府家計調査年報等によりまして、昭和五十二年度における同年報の全世帯の一カ月平均一人当たりの支出額を推計いたしまして、これに遺族数三人を乗じた額を十二倍して年間の支出額とし、これで五年間の遺族の生活費を算出いたしました。
 こういったことでトータルで一千九十一万円という数字が出たわけでございますが、これを丸くして一千万円にしたわけでございます。
 また、五十年にどのくらいの保険金をもしもの場合必要とするかというような調査をいたしましたところ、大体二千万円ぐらいが必要だという答えも出てきているわけでございます。
 また、四十八年度に裁判所において判決により認定されました交通事故死亡者に対する賠償額は平均千四十六万円となっておりますが、まあ一千万円を超えるものが四四%を占めているというようなことでございまして、先ほどから申しましたように簡易保険は小口とは言いますけれども、やはり必要な保障だけは十分にやっていかなくちゃならないということで一千万円という保険金をお願いしているわけでございます。
#196
○小宮委員 確かに保険金最高限度額の引き上げの理由として、医療費が六十七万九千円、葬祭費が七十万三千円、遺族生活費が九百五十三万六千円、合計一千九十二万八千円になるので一千万円に上げたいというのが理由のようです。
 ところがそこで、私ちょっと疑問が生まれてくるのは、医療費の六十七万九千円の算出の根拠として郵政省簡易保険局が昭和四十五年二月に行った死亡保険金有用性調査の死亡者の平均医療費三十五万二千円を消費者物価指数によって昭和五十二年十月現在に換算した、こういうふうになっておるわけですけれども、それでは昭和四十五年の資料をもとにしてやっているわけです。ところが私たちから見れば、こういう医療費にしても四十五年の資料をなぜ使わなければならないのか、四十五年にだけそういう調査をやったのか、その後は調査をしていないのかどうかという点についてひとつお聞きしたいと思うのです。こういう七年前の資料を使わぬでも、その後の物価指数を乗じて換算したと言っておるけれども、四十五年にそのような調査をしておれば当然その後も調査を続け、そして新しい資料で算出するというのなら理屈はわかりますけれども、それはその後調査をしていないから四十五年の調査に基づいたのか。そして調査はその後しておらないとすれば、どういう理由で調査しておらぬのか、その点いかがですか。
#197
○永末政府委員 死亡保険金の有用性調査でございますが、これはそれ以後やっていないわけでございます。
 その理由といたしまして、実はその調査をいたしますときに非常にむずかしい点がある。と申しますのは、保険金については人の生死に関する問題でございます。したがいまして、簡易保険の死亡保険金が死亡者の医療費、葬儀費及び遺族の生活保障等にどの程度の役割りを果たしたかということを調査するわけでございますが、四十五年にこれは直接にお亡くなりになりました遺族の方々に面接して行ったわけでございます。そういったことで、その性格から技術的に非常に困難な面があったということ、また遺族の方々からも非常にいやがられたというような状況がございましたので、それ以後死亡保険金の有用性調査は差し控えているわけでございます。
 ただ、私その一千万円の根拠を申し上げたわけでございますが、先ほど申し上げました葬儀費あるいは医療費は消費者物価指数を乗じて出したわけでございますが、抽象的に考えてみましても、現在やはりそのくらいは要るような数字ではないかというふうに思われるわけでございまして、調査はやっておりませんけれども、その数字を出すよりほかいたし方なかったわけでございます。
 この有用性調査というのはそういった事情でやめたわけでございますが、五十年に簡易生命保険の市場調査というのをやっております。そのときに一般の方々にもしもの場合に一体どのくらいの保険金を必要とするだろうかというようなことを問いを投げかけまして調査したわけでございますが、それは大体二千万円というような数字が出てきたわけでございます。
#198
○小宮委員 医療費を換算するのに物価指数でやった方が正確なのか、あるいは四十五年以降医療費がどれだけ値上がりしておるのか、医療費だけを換算するならば、物価指数によるよりはむしろ医療費の値上がりを調査して、それによって換算をし係数を掛けていった方がより正確に出るのじゃないか、私はこういうふうに考えますが、この医療費の値上がりは四十五年以降幾らになっておりますか。
#199
○永末政府委員 先ほど申しましたように一応四十五年の有用性調査に基づいて、消費者物価指数を乗じたというようなことで出しているわけでございますが、先生おっしゃるような医療費の値上がりは実は調査していないわけでございまして、どういった数字が出るかということにつきましては、ちょっといまお答えできないわけでございます。
#200
○小宮委員 その物価指数も大事だけれども、医療費の算出に当たって、医療費が四十五年以降どれだけ上がっているかといった医療費の値上がり等も十分調査した上で、物価指数もこうですよ、また医療費もこれだけ上がっておりますというように今日の実態に即して資料を提出することがより説得性があるし、またより納得性があるわけです。それを四十五年の資料を使って、それでこうですからこうですということだけでは、なかなかわれわれは納得しがたいのです。しかし、その問題は別としてたとえば葬祭費にしてもそうでしょう。これも(1)と同じようにいわゆる四十五年の資料に基づいているわけです。葬祭費あたりは、これは現実にたとえば葬祭費が幾らかかるかというのはこれは調べればすぐわかるわけですよ。一番高い葬祭費が幾らなのかあるいは一番安くて幾らなのか、大体平均はこれくらいだ。そういう今日の実態に即して、葬祭費が幾らかかりますというなら、これはまたわれわれも納得するわけですけれども、これも葬祭費についても、四十五年の資料をもとにして物価指数を掛けてみたりしていろいろやっておるわけですけれどもね。そういう資料のとり方についてわれわれが説明を受ける場合に何かぴんと来ないということを感じますし、だから葬祭費なんかも現実にもうすでにみんな調べればわかるわけだから、そういう中でやはり今日の生活はこうでございますと。ここで法律案をいまから上げようとするわけですから、だから上げようとするならば、その時点での葬祭費が幾らかかるのか、医療費が幾らかかるのかということを思量してこの一千万円を値上げした理由として私はやるべきだと思うのです。
 それからもう一つ、たとえば遺族の生活費にしてもそれでは何で五年間の生活費保障をするのか、これは十年でもいいじゃないのかあるいは七年でもいいじゃないかという意見が出てくるわけですけれども、なぜ五年間の生活保障費ということで五年間に抑えたのか、その点いかがですか。
#201
○永末政府委員 遺族の生活費の算出根拠でございますが、先ほど申しましたように、四十九年でございますかの統計に基づいて行ったわけでございます。遺族の生活費を算出するに当たりまして五年間を考慮することとしておりますのは、簡易保険の目的にかんがみまして、遺族の当座の間の生活費を確保することが必要であろうかと考え、五年程度の期間について生活の保障があればおおむね遺族も経済的に立ち直ることができるであろうというような、考え方としてはそういった考えに基づいているわけでございます。もっとも先生がおっしゃいますように七年、十年という場合もあろうかと思うわけでございますが、こういった五年というのは大体のめどとしてそういうものではなかろうかというような形で出したわけでございます。
 それから加入者の家族数でございますが、これは簡易保険の加入者の家族数はどれだけかということは調査はいたしておりませんので、はっきりといたしませんが、その普及の広さから見て総理府の家計調査年報の一世帯当たりの世帯人員三・九人でございますが、それと同程度ではなかろうかというようなことで、まあ三人というふうに一応のめどとして見たわけでございます。
#202
○小宮委員 それは、標準世帯が四人とした場合に、御主人が亡くなる、だから遺族が三人というふうに私たちは理解しておったがね。しかしながら、私は少なくとも簡易保険として遺族の生活費を算出するならば、やはりその簡易保険に加入しておる人の平均世帯家族数は幾らなのかというところまで資料を出してもらって、そういう中で、平均家族を出して三人の人もおろうし、五人の人も六人の人もおろう、そういうような平均を出して、簡易保険としての最高限度額を引き上げるわけですから、そういう実態に即した計算をしてもらいたかった。そうしないと、どうも今度の一千万円の理由というのは、何か無理して取ってくっつけたような理由をひっつけておるような感じがするわけです。そうであれば、むしろ四十五年の資料をいろいろ使っておりますけれども、たとえばこの資料から見ましても、五十年の十二月に定期保険と特別養老保険は八百万円に上げておるわけですよ。そうすれば、この八百万円に上げる場合もいまのような資料を使ったのか。これは全種類の保険を今度は全部一千万円に上げるわけですからそういうような資料もわからぬわけではないけれども、少なくとも五十年の十二月に定期保険と特別養老保険を八百万円に引き上げておるわけですから、そうであればこの定期保険と特別養老保険を八百万円から一千万円に上げる理由、いわゆる二百万円をなぜ上げなければならないかという理由を明らかにすべきなんです。そうでしょう。しかし、ここの一方の資料によれば、ただ単に最高限度額を上げた理由として、いま言うように医療費が六十七万九千円、葬祭費が七十万三千円、遺族生活費が九百五十三万六千円で一千九十一万八千円になりますから一千万円に上げますというように、われわれは理解できないわけです。そうすると五十年十二月に上げた定期保険と養老保険については五十年じゅうに上げておるわけですから、そんなら今度一千万円に上げるその差額の二百万円はこうこうこういう理由で二百万円を上げることにしましたという理由がなければいかぬわけです。この点私は、それは全体を今度は財形貯蓄を除いては全部一千万円に上げておるわけですから、この資料の使い方もこれは全然無意味だとは言いませんけれども、そういう理由であればやはり今度の二百万円の問題についてどうして二百万円上げなければならないかという理由をやっぱり明らかにしてもらわなければいかぬ。そうするといまの一千万円に最高限度額を引き上げたという理由はこの問題に関しては通用できないのです。どうですか、局長。
#203
○永末政府委員 先ほど、四十五年でございますかの有用性調査に基づいて消費者物価を乗じて一千万幾らという数字を出したと申しましたけれども、これが一千万円でなければならないという決め手の資料とは私たち申し上げているつもりはないわけでございまして、もしもの場合を考えた場合にどのくらいのものだろうかということを一応推算いたしましたところが、最低このくらいのものが必要ではないだろうかというふうな数字として先ほど申し上げたわけでございます。実際、先ほど申しましたように五十年に簡易保険の市場調査をいたしました。そのときに一般の方々から、どのくらいの額をもしもの場合に期待するかという質問を投げかけたわけでございますが、その際には二千万円程度の額が必要であるというような回答も得ているわけでございます。また一般の加入者の方々からも八百万円の保障では余りにも少な過ぎるというような要望も強うございます。そういったいろいろのことを勘案いたしまして一千万円の引き上げをお願いしているわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたところの調査資料、これが唯一の一千万円に引き上げる理由であるというふうに私申したつもりではございませんので御了解いただきたいと思います。
#204
○小宮委員 いや、大体私もまあ上げるとすれば一千万円ぐらいが妥当だろうという気持ちは持っておるんだけれども、せっかく資料が、こうこうして一千万円に上げますという資料が出てくると、これはちょっとおかしいじゃないか。こういうとり方でもう少し上手にやってもらわぬと。だからそのことについては何も追及するということでなくて、初めから大体八百万円なら切りのいいように一千万円くらいだ、そういうようないろんな希望もありました、要望もありましたということで素直に言えばはっきりしているわけだ。それぐらいが妥当であるなと。しかし理由が出ると、やっぱりその資料のとり方についてもこれはちょっと実態に即していないのではないか。もう少しやるならばやっぱり実態に即してこういうような資料のとり方をした方がより納得性と説得性があるんじゃないかということを申しておるわけですから。これはつじつまを合わせておるわけですから、初めから言ったように、とってつけたような理由をくっつけておるから……。
 そこで、これの第一表に簡易生命保険の新契約及び現在の契約状況が記載されております。それによると、五十一年度について言えば、昨年末現在の新契約は二百九十八万八千件で保険金額は四兆二千八百八十九億九千六百万円で、一件当たりの保険金額が百四七三万円強になっております。五十年度を見ても、契約件数は四百十三万三千件で保険金額が五兆六千四百七十六億六千一百万円で、一件当たりの保険金額は百三十六万円ぐらいです。こういうように一件当たりの保険金額から推定した場合に一千万円に引き上げることについていかがかなというような感じもするわけです。そこで五十年十二月に八百万円に引き上げられてから五十一年度末までに八百万円の契約件数はどれだけありますか。
#205
○永末政府委員 前もってお断りいたしておきますが、先ほど一件当たりの平均保険金でございますか、おっしゃったわけでございますが、簡易保険五千万件ぐらいあるわけでございます。被保険者一人につきまして何件も入っていいということになっているわけでございまして、全契約件数で単純に割った数字がそういった先ほどお話しになりましたような金額になるわけでございまして、実際に被保険者一人が幾ら保険に入っているかという数字はいきなりそれからは出てこないということは御理解いただきたいと思うわけでございます。
 それから、最高制限額を八百万円に引き上げてから八百万円に加入した件数でございますが、これはちょっとよけいなことになるかと思いますが、実は定期保険というのは全般的に非常に売れ行きが悪いわけでございます。日本ではどちらかというと、掛け捨ての保険よりも貯蓄性の高い保険を好まれるといいような傾向があるわけでございます。八百万円に引き上げましたのは、特別養老保険それから定期保険でございます。これは非常に保障性の強いものでございますが、できましてから五十一年の十二月までの八百万円の契約は、特別養老保険が三万四千件、定期保険が一千件、合計三万五千件というのが数字でございます。
#206
○小宮委員 それでは、最高制限額超過契約申し込みを拒絶した事例がありますか。あるとすれば何件ぐらいありますか。
#207
○永末政府委員 超過契約の問題はずいぶん前からいろいろと指摘されておるわけでございまして、私たちも超過契約の規制についてはずいぶんと職員を指導し、また郵便局あるいは地方簡易保険局でそれをチェックする措置を講じているところでございます。拒絶した件数でございますけれども、五十一奨励年度で申し上げますと、超過契約として拒絶した件数が三千七百三十二件でございます。奨励年度の全契約件数からパーセンテージを出しますと、〇・〇九%というのが発生率でございます。
#208
○小宮委員 この超過契約申し込み拒絶件数というのは、外務員の人が勧誘に行って、その人が、たとえば八百万円が最高限度額であるにもかかわらず、私は一千万円に加わりたいとか言ったのを、それは八百万円が最高限度額ですから、八百万円までしかできませんよということで拒絶した件数がいまの数字だということですか。その点、どうですか。
#209
○永末政府委員 外務員が行ってそこで拒絶した件数ではございません。先ほど申し上げましたように、いま外務員が勧誘に行きます場合には、大体そこの家庭の人はどのくらいの保険に入っておられるのかということを勧奨カードに書いて持っていっております。超過契約というのは十分に説明しているわけでございまして、そういった申し出がありましたものを現地で拒絶した件数が先ほど申し上げました件数ではございません。外務員はとって帰った、しかし被保険者一人について五百万、八百万と申しましてもいろいろのところで入っているというようなケースもございます。そういったことでわからなくて、地方貯金局あたりに参りまして、やはりこれは超過契約だということがわかりまして、申し込みを拒絶した件数、これが先ほど申し上げました数字でございます。
#210
○小宮委員 そうすれば八百万円の最高限度額を一千万円に引き上げたいという理由の中には、私は一千万加わりたいけれども最高限度額は八百万円にしかなっておりませんので、八百万円しか入られませんということで、一千万入りたかったけれども入られなかった人だというふうに理解しておったけれども、そうではなくて、いまの説明からいけば、いろいろ入っておるから皆さん総額において上回るからだめですよということの拒絶の件数である、そういうふうに理解されますね。だから私が知りたいのは、一千万円に上げるなら、やはりそういうふうな一千万円に上げてくれ、いまの八百万円ではどうしても少ないということで、そういうふうな声として出てきたものがこの申し込み拒絶件数の中に入っておるのかと思っておったらそうじゃないのですね。
#211
○永末政府委員 先ほども申しましたように、その数字は入っておりません。また、そういった場合が何件あったかということを現在とっていないわけでございます。外務員が勧誘に参ります。その際に、契約は八百万が最高限度だということを話します。加入しようと思っておられる方々がもっと入りたいというような申し出をした場合、これはやはりかなりあるのじゃないかと思いますけれども、その数字は現在のところとっていないわけでございます。一度申し込みをして、それと同時に第一回の保険料を払い込んだ、そしてその後に超過契約というものがわかって申し込みを拒絶した件数が、先ほど申しました件数でございます。
#212
○小宮委員 それでは五十年度、五十一年度は保険金額の階級別にはどうなっておりますか。簡単でいいです。
#213
○永末政府委員 五十年度で申しますと、保険金額の段階別の加入割合は、保険金額百万円未満が四三・九%、百万円以上三百万円未満が四一・二%、三百万円以上五百万円未満が六・九%、五百万円以上が八・〇%でございます。それから五十一年度について見ますと、百万円未満が三九・一%、百万円以上三百万円未満が四五・六%、三百万円以上五百万円未満が七・六%、五百万円以上が七・七%でございます。このうち五百万円以上について細かく見ますと、特別養老保険では三四・六%、定期保険では二二%が五百万円以上の契約で占められております。
#214
○小宮委員 ここに私がもらっておる資料から見ても、保険金額の階級別の実績を五十年度、五十一年度別に見ても、五十万円以上四百万円未満が全体の九一・二%になっておるのです。したがって、この簡易保険の本来の目的というのは、低所得者を対象とする小口保険であるとわれわれは理解しているわけですが、小口保険というのはどれくらいまでの金額を小口保険というふうに理解需ればいいですか。
#215
○永末政府委員 まず初めに申し上げておきますが、先ほどの保険金の段階別のパーセンテージでございますが、これは一件一件の金額でございます。したがいまして、被保険者一人当たり幾らの保険金に入っているという数字ではございません。たとえば定期と養老と終身、そういった、細かく分けて何種類も入って五百万円の保障を受けている、あるいは八百万円の保障を受けているというような場合もあるわけでございますので、先ほど申し上げました数字で、にわかにどうこうということはできないのじゃないかというふうに思うわけでございます。
 それから、御質問のどの程度までが小口であるかということでございますが、私たち大正五年創業以来、小口であり、無診査であり、また月掛け、集金に伺うというようなことで発足し、戦後もそういったことをモットーにしてやっているわけでございます。小口の問題でございますが、これは一般の保険に対する理解の仕方あるいはまた経済情勢あるいは民保との関係、いろいろ考えてみて相対的なものじゃないかと思うわけでございますが、一千万円というのは初めに申し上げましたように、余りにも現在の保険金額では保障としての実質がないというようなことで、一千万円に上げようというわけでございます。決して一千万円に上げたことが私どもが考えておりますところの小口保険の範疇を脱するものであるというふうには私考えておりません。
#216
○小宮委員 この最高限度額を設ける理由は何ですか。
#217
○永末政府委員 私たち募集する立場になりますと、上げれば上げるほどいいのかということになろうかとも思うわけでございますが、決してそんなものではございません。やはり保険金を上げるにはそれ相当の、先ほど小口をどういうふうに考えるかというような問題もございますが、そのほかに無診査保険、こういったものが絡んでくるわけでございます。簡易保険はお医者さんにかからなくても加入できるというようなことであるわけでございます。できるだけ簡便に入れるということをモットーにしておるわけでございまして、そのためには無制限に何千万あるいは一億とかいうような保険金をつけるというようなことは、とうてい私たちの経営上の問題として、あるいはまたほかの健康で保険団体をつくっておられる加入者の方々、このような方々に不測の迷惑をかけることにもなるわけでございまして、そこにはおのずからなる無診査保険としての最高限度額の制限というのはあろうかと思います。
#218
○小宮委員 確かに無診査というのは経営上やはり問題があるのではないかというふうに考えます。これはこれから八百万が一千万に上がった、さらに今後も最高限度額を引き上げられていくと思うのですが、そういう場合に、ただそういうふうに無診査制度をいつまでも適用していいのかどうかという、これは皆さん方のことを私は心配して言っているのですよ。だがしかし、簡易保険としての目的からいけば、それはそれなりに私は高く評価するものでございますけれども、やはりこれが最高限度額をどんどん引き上げていく場合に、いまのままでいいのかどうかという気もしないでもありません。したがって、無診査制度というのをどういう理由で設けたのか。それから民保にも当初は無診査制度はなかったわけです。ところが、最近無診査制度が設けられておるようですが、民保の無診査制度の最高限度額は幾らになっておるのか、その点あわせて御答弁願いたい。
#219
○永末政府委員 生命保険は、加入の際に加入者の身体を医師が診査して異常のないことを確めた上、加入を承諾するのが普通の形であろうかと思うわけでございます。先ほど申しましたように、簡易保険は大正五年制度創設以来、国民の皆さん方からできるだけ簡便に加入できる生命保険として無診査、月掛けとしているわけでございます。先ほども申しましたように、この無診査保険におきまして保険金額が高額になるに従いまして注意しなければならないのが逆選択の問題、つまり不良契約、弱体者が加入してくるという問題であろうかと思います。したがいまして、新契約の募集に際しましては面接観査を厳重に行う、不良契約を提起しないように極力今後とも努めていかなくちゃならないというふうに考えております。
 それから、昔は民間保険はすべて有診査であったわけでございますが、戦後、簡易保険の無診査、小口、こういった独占が撤廃されまして、現在では民間保険でも無診査保険がかなりできているわけでございます。民間保険の無診査保険の保険金最高制限額は、大体私の方と肩を並べているわけでございます。おおむね八百万円以下というふうに定められております。
 無診査保険で一千万円以上とするものは三種類ございます。それで保険金の最高制限額を一千万円以上とする保険、その制限額を二千万円とする日本生命の「青春の保険」というのがございます。それから一千万円とする第百生命の定期保険及び養老保険がございます。また、ちなみに申しておきますが、農協共済におきましては最高制限額は、組合員を被保険者、被共済者と申しますか、被共済者とする場合は千二百万円、他の場合は八百万円以下に定められております。
#220
○小宮委員 この簡易保険の最高限度額が今後とも引き上げられていくと思いますけれども、そういう場合であっても、やはり簡易保険としてはこの無診査制度は今後とも継続するというように理解していいですか。
#221
○永末政府委員 先ほど申しましたように、簡易保険は国民の方々が手軽に入っていただくということを創業以来のモットーとしてきたわけでございます。この無診査の制度ということにつきましては、今後もこれをなくして有診査扱いの保険を始めるというようなことは、現在のところ考えておりません。
#222
○小宮委員 簡易生命保険法の目的は、「国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し」云々とありますけれども、最高限度額を一千万円に引き上げられることによって保険料はかなり高額になるものとも考えられます。そこで、年齢三十歳で一千万円に加入した場合の保険料月額は幾らになるのか、保険種類別に示してもらいたい。
#223
○永末政府委員 三十歳の方が一千万円に加入された場合の保険料でございますが、いろいろの種類がございます。まず十年満期の養老保険でございますが、これは七万七千円でございます。それから十五年の養老保険では四万六千五百円、それから五年の定期保険では一千万円の保障に対しまして六千五百円、そういった払い込みの保険料になろうかと思います。
#224
○小宮委員 ただいまも答弁がありましたように、これはかなり毎月の保険料というのが高くなりますね。これは毎月七万円とか四万円とか言やておりますけれども、果たして毎月で四万、七万の保険料を払い得る、いわゆる負担能力のある人がどれだけおるだろうか。これは、だからある一定の所得のある人に限られてくるのではないかというようにも考えられます。そういう立場からすれば、この簡易保険の本来の目的と合致しておるのかどうかという気もしないでもないのです。
 そこで、この簡易保険は国営保険として安い保険料で高い保障でなければならないと私は思うのですよ。そうした場合に、私が申し上げましたように、同じ三十歳で一千万円に加入した場合、この民保と簡保の保険料の相違、同じ条件のもとで計算してもらって結構ですから、保険料がどうなるのか。
 それから、配当金の問題ですが、これは民保の場合は配当金が毎年返ってくるわけですが、簡保の場合は最後に配当金をもらうようですけれども、そういった意味から見て、保険料はどういうふうに違うのか、その配当金が民保と比べてどうなるのか、その点をひとつ御説明願いたい。
#225
○永末政府委員 保険料の民間保険との違い、差でございますが、たとえば定期保険などというのは、保障内容がずいぶん変わっておりますので、一概に言えないわけでございます。非常に似たものを取り上げてみたわけでございますが、たとえば十年満期養老保険、三十歳で一千万円と仮定いたしますと、先ほど申し上げましたように、保険料が七万七千円でございます。民間保険で七万七千五百円という数字になっております。それから十五年全期間払い養老保険で、簡保では四万六千五百円、民保で四万七千五百円、それから第一種十五年特別養老保険、これは二倍保障するものでございますが、簡易保険では二万五千五百円、民間保険では二万六千五百五十円、こういったふうに保険料だけはなっているわけでございます。
 簡易保険の配当でございますけれども、先ほど申し上げました保険種類別に申し上げますと、十年満期養老保険で、これは満期時でございますが、八十五万円の配当がつきます。それから、十五年養老保険で百四十四万円の配当がつきます。それから、第一種特別養老で七十四万円の配当がつくようになっております。民間保険の配当がどうなっているかということを調べましたけれども、民間保険の配当につきましては、配当金額を発表いたしておりませんので、わからない次第でございます。
#226
○小宮委員 今回の改正に当たって、財形貯蓄を除いて、全種類の保険金額を同一に一千万円に引き上げたわけですが、その理由は何ですか。いままでの歴史を見れば、四十二年七月に特別養老保険のみ上げた。また四十九年十月は定期保険のみ上げた。五十年十二月は定期保険と特別養老保険のみ上げたということになっておりますが、今回同一に全種類の保険金を上げたというのはどういうことですか。
#227
○永末政府委員 前回の保険金の最高制限額の引き上げにおきましては、定期保険及び特別養老保険の保険金最高制限額のみを引き上げまして、その結果他の保険の保険金最高制限額との間に差がつくことになりましたが、これは普通養老保険の保険金最高制限額の引き上げの時期、五十年の四月でございましたが、その引き上げの時期から前回の引き上げの時期、五十年十二月でございましたが、それまでの期間が非常に短かったことから、当面の措置といたしまして、最高額への加入割合が高く、加入者からの要望の強い保険で、保険料も比較的低廉な定期保険及び特別養老保険に限って引き上げることとしたことによるものでございます。今回の引き上げにつきましては、一千万円程度の金額では保険種類に差を設ける意味にも乏しいのじゃないか、それからまた、募集をする私たちの立場といたしましても、超過契約を規制するとかなんとかいうときに、一人当たりの保険種類で差があるというようなことは取り扱い側としても非常に不便である、そういったような理由がございまして、今回一律に引き上げていただきたいというふうにいたしたわけでございます。
#228
○小宮委員 時間もおいおい追ってきますので、次に急ぎます。
 財形貯蓄保険については、保険金最高制限額を他の保険とは別枠として、払い込み保険料総額が財形貯蓄の非課税限度額を超えてはならないというふうにした理由は何ですか。
#229
○永末政府委員 先ほど申し上げましたように、保険金の最高制限額は無診査保険として負担し得る危険の限度額、こういったものを一応考慮して定めているものでございますが、財形貯蓄保険と申しますのは、その仕組み上危険を選択する必要がございません。非常に貯蓄性の強いところの保険でございます。財形貯蓄専用の保険でありますので、他の保険の保険金最高制限額とは関係なく加入できるようにするのが勤労者の資産形成を目的とする財形制度の趣旨に沿うのじゃないかというような考えでございます。このようなことから、財形貯蓄保険の加入限度額につきましては、他の保険とは別枠とした次第でございます。
 また、この加入限度額を定めるに当たりまして、財形貯蓄の対象となる生命保険につきましては、租税特別措置法におきまして、払い込み保険料総額五百万円から生じる果実、差益と申しますか、五百万円から生じるところの差益について非課税措置が講ぜられますので、その非課税限度額を全額活用することができるように保険金額で制限することに変えまして、保険料は五百万で制限することとし、払い込み保険料の総額がその非課税限度額五百万円を超えてはならないものとした次第でございます。
#230
○小宮委員 簡易保険は終身保険、定期保険、養老保険、家族保険に種類が分かれておりますが、それぞれの種類別の契約件数並びに保険金額について説明を願いたい。
#231
○永末政府委員 五十一年度の計数はただいま集計中でございますので、五十年度末について申し上げますと、普通養老が三千十九万件、全体の六〇・一%でございます。保険金額では十四兆八千八百一億円、五四・五%でございます。これが最も多うございます。次いで普通終身が六百八万件、一二・一%でございます。保険金額では一兆四千三百八十一億円、五・三%でございます。それに続いて学資保険が四百三十三万件、八・六%。保険金額では二兆四千二百八十一億円、八・九%でございます。
#232
○小宮委員 簡易保険の昨年末の契約高は三十兆三千億に達しておりますけれども、年間の収入保険料は幾らになりますか。
#233
○永末政府委員 五十毎度の保険料収入で申し上げますと一兆五千三百六億円でございます。
#234
○小宮委員 簡易保険会計の収支及び資金の運用はどういうふうにしておりますか。
#235
○永末政府委員 簡易保険特別会計の保険勘定の収支状況を五十年度の決算で申し上げます。
 保険料収入、この歳入合計が一兆九千五百二十二億円ございます。それから保険金等の歳出合計が七千三百十三億円でございます。歳入歳出差し引きまして一兆二千二百九億円の過剰を生じております。ただ、これは単に現金収支の差額でございまして、簡保がもうけた利益という数字ではございません。そのほとんどが将来の保険金等を支払うため準備金へ積み立てられますので、このような計算をいたしますと、五十年度の剰余金というものは千六百八十八億円でございます。この千六百八十八億円というのも、将来分配金の増配という形で加入者に還元されることになるわけでございます。
#236
○小宮委員 この簡保資金の運用については積立金運用法第一条によって「確実で有利な方法により、且つ公共の利益になるように運用する」こういうふうに規定されておりますけれども、今後、資金の有利な運用を図るためにはどのようにするのか。たとえばその運用範囲を拡大するとかいうふうな考え方を持っておりますか。
#237
○永末政府委員 簡易保険のお金、保険料は、加入者の方々の信託財産にも等しいものと思われるわけでございます。片や、やはり国の資金という性格も持っているというようなことでございまして、創業以来、その積立金というのは確実なものでなくてはならない、加入者のためにできるだけ有利に運用しなくてはならない、それから、やはり公共的なものに投資していかなくてはならない、加入者のために地方にできるだけ還元しなくてはならない、こういった四つの方針といいますか、柱でもって運用してきたところでございます。その間いろいろないきさつはございましたけれども、現在におきましてもできるだけ有利に運用しなくてはならない、また確実でなくてはならない、また地方の方々に利益を還元するという意味から地方公共団体に対しての貸し付けをよけいしなくてはならない、そういう方針で臨んでいるわけでございます。何分、公共的なお金でございますので、株に投資するとか、やはりそういうふうなことまではとても考えられないと思うわけでございます。したがいまして、運用をどういうふうにして利回りを向上させるかということになりますと、やはり財投の枠内でもできるだけ金利の高いものを選びたいという一つの気持ちがございます。それから四十八年、四十九年ごろから、運用利回りの向上を図るために枠外で社債等を購入することができるようになったわけでございますが、そういったものの購入の限度をできるだけ大きく図る、こういったことが、冒頭に申し上げました制約の中での運用利回りを向上させる一つの方法ではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
 そのほかにもう一つ、私たちが宿題といたしておりまして関係の省庁と強力に折衝しているわけでございますが、余裕金の問題がございます。これは御承知かと思いますけれども、歳入歳出の差、これは一年間の余裕金として預金部資金に預託することになっております。決算終了後積立金として、郵政大臣が運用するわけでございますが、その積立金の運用につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。この余裕金を郵政大臣が直接運用することができるようになれば、相当の運用利回りの向上が図れるというふうに私たちは思っているわけでございます。関係の省庁と極力折衝いたしましたけれども、本年度の予算の段階では合意に至りませんで、引き続きお互いに検討をしようということになっているのが現状でございます。
#238
○小宮委員 民保と簡保の運用利回りはどうなっておりますか。
#239
○永末政府委員 これははっきり申しまして、簡保の運用には先ほど申しましたような制約がございますので、ある程度民保の運用利回りとの格差がございますことはいたし方ないと思っているわけでございますが、五十年度になりまして簡保の運用利回りが初めて七・〇七%と、七%台に乗ったわけでございます。民保との利回り格差は依然として一ポイント以上あり、五十年度では民保の八・二五%に比べて簡保は一・一八ポイントの利回り格差を生じております。
#240
○小宮委員 今回の改正で保険契約の申し込みについて撤回ができることとした理由。それからその撤回が四日というのは短過ぎるという感じもしますけれども、どうして四日というように決めたのか、その点説明願いたい。
#241
○永末政府委員 最近、消費者保護運動が高まりまして、各方面から消費者保護が強く叫ばれているところでございます。このような状況のもとで、最近になりまして、割賦販売及び訪問販売において申し込みの撤回の制度、クーリングオフと申しておりますが、このクーリングオフ制度が取り入れられ、民間保険におきましてもこの制度が採用されておりますので、簡易保険におきましても加入者サービスの向上を図るためにこの制度をば採用しようとするものでございます。
 また、保険契約の申し込みを撤回することができる期間でございますけれども、現在、民間保険、それから割賦販売及び訪問販売におきましては、ごく一部の例外を除きまして四日間とされております。通常この程度の期間があれば、契約を締結するかどうかにつきまして、十分に考慮することができるものと考えられますので、簡易保険におきましてもこれらと同様、保険約款におきまして、保険契約の申し込みの撤回ができる期間は、保険契約の申し込みの日から起算して四日間と定めたいと考えているわけでございます。
#242
○小宮委員 時間が刻々迫ってまいりましたので、かけ足で行きます。
 最近三カ年間における簡保と民保の失効、解約状況はどうなっておるのか。
#243
○永末政府委員 最近三年間におきます簡易保険の失効、解約の状況でございますが、失効、解約率において四十九奨励年度が三・三七%、それから五十奨励年度におきまして三・五三%、五十一奨励年度におきまして三・二四%となっており、最近、増加傾向にございましたが、五十一奨励年度に至りまして改善の兆しが見られてまいりました。今後とも失効、解約の防止については十分に意を注いでまいりたいと思っております。
 それから民間保険の失効、解約状況でございますが、ただいまちょっと件数で持っておりませんので金額で申し上げますと、四十八年度が失解率が一〇・八九%でございます。それから四十九年度が一一・四七%、五十年度が一一・三六%、これが民間の失解率の状況でございます。
#244
○小宮委員 この郵便年金の現状はどうなっておるのか、それからまた郵便年金制度そのものについて抜本的に検討する必要がないかどうか。その点いかがですか。
#245
○永末政府委員 郵便年金は昭和四十三年の一月から二年間にわたりまして、昭和二十二年十二月以前の郵便年金契約につきまして特別措置を行いました。また四十三年の九月から新契約の積極的な募集を差し控えることとしましたため、保有契約は毎年大幅な減少が続いております。五十一年十二月末現在で件数約十三万件、年金額二十六億七千万円であります。また、新契約は同月末現在、件数十六件、年金額四十五万八千円、一件平均年金額約二万九千円でございます。これから先郵便年金制度についてどうするかにつきましては、将来におきますところのわが国の社会経済情勢のもとでの私的年金制度のあり方あるいはまた諸外国におきますところの私的個人年金制度の状況、こういったものを踏まえまして慎重に検討をする必要があろうと考えております。さしあたりまして、諸外国での私的個人年金制度の調査研究を民間経済研究機関に依頼することを検討している段階でございます。
#246
○小宮委員 簡易生命保険の昨年十二月末現在における保有契約高は三十兆三千億に達して、民間生保のトップクラスと肩を並べるぐらいになってまいりました。したがって、五十年度の収入保険料も、先ほどの答弁にありましたように一兆五千億以上、民間生保二十一社の合計三兆九千億のほぼ三八%に相当しているわけですが、今回の最高限度引き上げについても、郵貯と同様に官業の民営圧迫だということで民間の生保業界では批判をしております。しかしながら、簡易保険は民保に比べてどういうところに特色があるのか、ひとつ改めてまたお聞きしたいと思うのです。
#247
○永末政府委員 先ほどおっしゃいましたように、簡易保険は五十一年の十二月末で契約高が三十兆円を超えましたが、民間保険は、同時点で二十一社をとらえてみますと三百二十二兆円を超えているわけでございます。保険金額で約十倍以上になっているわけでございます。また農協生命共済を加えましたところの五十年度末の生保市場におきまして、簡易保険は件数で二二・一%、保険金で八・四%ということになっておりまして、そのシェアというのは簡易保険が若干低下傾向を示しているわけでございます。
 それから、一千万円に引き上げることによりまして民間保険を圧迫するというような御質問でございますけれども、過去でもずいぶんと保険金を引き上げたこともあったわけでございますが、そのときに民間保険との関係がどうなったかということは調べてみたわけでございますけれども、それによって民間保険が非常に圧迫され、簡易保険がぐっと伸びたというような資料というものは全く見当たらないわけでございます。今回一千万円に引き上げましても、私たちは民間保険の圧迫になろうとは全く考えていないわけでございます。保険全体を考えてみましても、保険の末開拓分野というものはまだ相当あろうかと思うわけでございまして、むしろ民間保険と簡易保険がお互いに手をそろえてがんばっていけば、圧迫するどころか、それなりに民間保険も繁栄することになるのじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 それから、特色は何かという御意見でございますが、先ほども申しましたように二十一年に小口無診査あるいはまた個別に集金いたしますというように、法的には独占を撤廃したわけでございますけれども、特徴といたしましては、民間保険との差はやはり小口でありあるいはまた無診査であり、毎月集金に伺う。もちろん民間もそういったことができるわけでございますけれども、やはり簡易保険の特徴というものはそういうことにあるのじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 そのほかに民間保険と比べまして簡易保険の特徴として挙げられますことは、加入者について職業による制限をしていないということでございます。それから加入年齢も比較的広いというようなことでございます。それから、印紙税の免税であるとかあるいは保険金還付金等の譲渡、差し押さえの禁止であるとかあるいはまた簡易生命保険郵便年金審査会の制度を設ける等、民間保険に比べまして加入者保護が図られているということも一つの特徴ではないかと思うわけでございます。その他加入者ホームであるとかあるいは保養センター、診療所等を設けまして、加入者の福祉の増進を図っているということも一つの特徴だと思います。それから、先ほど申しましたように、簡易保険の積立金が主として地方公共団体、政府関係機関に対する貸し付け等、社会公共の利益のために投資されているといったことも簡易保険の一つの特徴として挙げられることではないだろうかと思う次第でございます。
#248
○小宮委員 最後に、簡易保険は歴史的に見れば民保の補完的役割りを果たしていたのではないか。国営保険としての特徴は認めますけれども、今日のように簡保も大口化されて、さらに保険の性格、種類も似通ってきたのではないかというようにいわれております。したがって、簡保と民保のそれぞれの役割りと分担を明確にせよという意見もいま強く出ておりますが、簡保と民保の生い立ちの歴史とそれから役割り、分担の明確化の問題についてはどのように考えられておりますか、この点をお伺いして私の質問を終わります。
#249
○永末政府委員 簡易保険と民間保険の生い立ちということでございますが、郵政省は郵便貯金と保険をやっているわけでございますが、貯金が明治八年にできました。その当時から、簡易保険をつくったらというような声はあった模様でございますけれども、何せその当時保険思想というものは全くない、あるいはまた保険に必要な技術的な資料もないというようなことで見送りになったというような経緯がございます。保険といたしましては、明治十七年に明治生命が発足をいたしまして、これがわが国における生命保険の第一号ではないかと思うわけでございます。二十七、八年の日清戦争でございますか、そのころから、折からの企業ブームに乗りまして、生命保険の会社というものが続々とできてまいりました。しかしながら、その当時の生命保険の会社は、非常に大口ばかりをねらうとか、あるいはまた都会だけの、富裕な人たちだけを募集するというようなことであった模様でございます。また、技術的にもいろいろの整備が整わなかったせいでございましょうか、三十年代、四十年代になりまして、倒産する会社も相当出てまいりました。
 そういったことで、一部の人たちだけを保険、保障するような制度よりも、もう少し大衆的な保険をつくったらどうかというようなことで、小口、無診査、月掛け、集金、簡易に保険に入れますというようなことで、簡易生命保険が大正五年に創業をいたしたわけでございます。
 私、思いますのに、戦前まで独占してまいりました。ただしかし、戦前ほとんど日本全国保険思想というものは普及していないというようなことで、一万ほどありますところの簡易保険の店舗を利用して全国津々浦々に保険を普及したという功績は非常に大きいものと思います。また、これによりまして、民間保険においても大いに助かった点があるのじゃないかと思うわけでございます。
 戦後、二十一年なりまして、独占が撤廃になりまして、少なくとも民間保険とは同じ土俵の上で相撲をとるような関係、法的には競合関係を生じてきたわけでございますが、現在まで簡易保険、民保が無用の競争を行うこともなく、ともにわが国生命保険の普及に寄与してきたというふうに思うわけでございます。今後、わが国の国民生活におきます任意保険の必要性は、国民生活の進展に伴う保険需要の高度化、多様化によりましてますます高まっていくものと予想されますが、簡易保険、民間保険は、それぞれの特微を発揮して、これらの保険需要に対応していく必要があろうかと思います。したがいまして、簡易保険といたしましては、今後とも国営保険として全国的な基盤に立ち、簡易に利用できる生命保険をできるだけ安い保険料で提供する等、その特色を発揮したサービスを提供することによりまして、民間保険とともに生命保険の普及と発展を図り、ひいては国民の福利増進に寄与していくべきものと考えている次第でございます。
#250
○小宮委員 質問を終わります。
#251
○八百板委員長 山花貞夫君。
#252
○山花委員 郵便貯金法と簡易生命保険法の改正について審議も終盤になったわけでございますけれども、私は実は両法案についての質疑の冒頭に、いわゆる高度成長から低成長の時代を迎えた今日、郵便貯金事業のあり方について改めて検討をすべき時期が来ているのではないか、こういう観点から幾つかお伺いいたしました。きょうは残された時間簡易生命保険法の関係について、まず同じ観点でお伺いをしたいと思います。
 ただいまの質疑の中でも局長の方から簡保についての特色についてお答えがありました。ただ、その中にもありましたとおり、戦前は小口であること、あるいは無診査加入、月掛けといったような簡易保険のみに認められていた制度というものが、昭和二十一年の法改正を機会に、民営の保険にも認められたことから、そこでの競合関係が生じたことについては御指摘のとおりだったと思います。しかし、その中でなお簡易保険についての幾つかの特微を強調されておったわけでありますけれども、その点に関連いたしまして、御指摘のような特色は法の理念からも、あるいはあるべき姿からも説明されるかもしれませんけれども、現実に戦後の混乱の時代を経て、高度成長の背景のもとにありましては、簡易保険の本来の姿である、法第一条に書かれているなるべく安い保険料で、確実な経営により、簡易に利用できる生命保険を国民に提供する、こういう観点がいささか失われていたのではなかろうかと思わざるを得ないわけであります。特にインフレに対する懸念の中で貯蓄性を強める、十年十五年の高掛金といったところに経営の施策の力点が置かれていたのではなかったかと思わざるを得ないわけであります。この点については今般の法改正との関連でなお後ほどお伺いしたいと思いますけれども、インフレ対策あるいは貯蓄性を強めるという観点から、高掛金に経営施策の力点を置くというようなことが、従来のような形で続いていくとするならば、簡保法一条の本来の思想とかけ離れて、かつての集中満期に見られるような、集中満期による落ち込み現象がまた出てくるのではないか、こういうことを心配しなければならないのではないか、こういう心配を感ぜざるを得ないわけであります。きょうの質疑の中でも大臣が、五十五年度までは物価上昇率大体六%、こういうお話をされておりましたけれども、従来のような高度成長だけはなかろう、実は六%でおさまるかどうかということについては、五十一年度の物価上昇などを振り返ってみると、いささか予測に疑問を感ぜざるを得ないのもありますけれども、ただ大臣のおっしゃった六%という言葉に表現されているとおり、低成長の時代に入っているということは間違いないと思います。こうした時代を迎えて、簡易生命保険の性格というものを改めて確認し直さなければならないのではないかと思いますけれども、まず簡易保険の今日における性格づけをどうお考えになっているか、これは簡易保険局長の方から伺いたいと思います。
#253
○永末政府委員 簡易保険は、大正五年創業以来お客様の生活に密着したものとして親しまれてきたわけでございます。したがいまして、私たち事業の推進に当たりましては、お客様のニード、事業経営上の要請等いろいろな面を総合的に勘案いたしまして、諸制度、諸施策を改善して事業目的を実現するよう努力してまいったところでございます。また今後もそういったことを強めていくことが必要ではないかというふうに思うわけでございます。
 それから、前段の先生の御質問でございますけれども、純理論的に申しますと、生命保険の本来の姿といいますかあり方というのは、御指摘のとおり定期保険に代表されるような、できるだけ安い掛金で保障を強くする保障中心のものであろうかと思うわけでございます。しかしながら、現実には多くのお客さんが満期保険金を受け取ることを望んでおられますので、保障と貯蓄とを兼ねた養老保険も伝統的によく売れております。近年社会情勢やお客様の意識の変化に伴いまして、保障を中心とするものの需要も高くなってきておりますので、簡易保険でも保障性の強い定期保険や特別養老保険などをつくってこれにこたえているわけでございます。保険金の最高制限額が引き上げられますと、お客様に比較的少ない負担でかなり高い保障を提供することが特別養老保険、定期保険等につきましては可能となるわけでございますので、この機会にお客様のニードに合わせながらも保障に重点を置いた保険の普及に努めていくことが簡易保険のこれからのあり方ではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
#254
○山花委員 いまのお話の中にも保障に一つの焦点を当ててというお話がありましたので、その点と関連してお伺いしたいと思うわけであります。今回の改正の一千万という金額についてはいろいろ御説明いただきましたけれども、利用者の側の必要性、希望ということについては、だれもが認めるところではないかというように考えます。ただ問題は、これまた論議の過程で明らかになりました掛金の負担能力ということについて一方配慮しなければならないのだと思うわけであります。きょうの応答の中にも出ておりましたけれども、十年満期養老保険で月七万七千円、十五年ですと四万六千五百円、こうした金額であるわけですし、学資保険の方についてみれば、これまでの議論で説明していただきましたけれども、全期間払い込み十五年満期で月十七万円の掛金であります。また十八歳満期でありますと十万二千五百円の掛金ということであります。こうした掛金ということを考えてみますと、局長のこの委員会における説明を振り返ってみますと、さまざまの保険種類を準備しているので、利用者の側に選択の機会があるのだ、安い掛金でという場合も選択できる。こういうように幅があることを御説明されているわけですけれども、現実には長期とか定期の占有率というものは大変低いのじゃないでしょうか。この点について、全体の中で長期あるいは定期の占めている占有率について、おわかりになる範囲で御説明いただきたいと思います。
#255
○永末政府委員 保険種類別の百分比でございますけれども、たとえば五十一年度で申しますと、普通養老が四六%でございます。それから学資保険が二四%でございます。特別養老、これが保障性の非常に高いものでございますが、これが一三%でございます。それから特別終身、これは一一・一%でございます。普通終身が四・三%、家族保険が〇・七%というようなことでございます。それで定期保険が〇・四%の占有率になっているわけでございます。
 先ほども申し上げましたように、本当の保険の意味というものを理解していただけるならば、やはり保険は定期であるということになろうかと思うわけでございますが、いままで伝統的――伝統的という言葉は当たらないかもしれませんけれども、余り売れていないというのが現状でございます。これは、一つには日本人の保険思想の問題もあるのじゃないかというふうに考えるわけでございますが、やはりこれからいろいろの問題が起こる世の中でございますので、低い掛金で保障性の高い定期、〇・四%という占有率でございますけれども、もっと大いにこういった募集に力を注がなくてはならないのじゃないかというふうに考えている次第でございます。
#256
○山花委員 いまの御説明の中でも保障性の高い定期がわずか〇・四%である、そしていわば長期型といいましょうか、普通終身、特別終身についてはそれぞれ四・三、一一・一、こういう御説明がありました。いまの三つを合計いたしますと、一五・八%の占有率ということになります。また冒頭数字を挙げました普通養老、特別養老、それから学資については全体で八三・三%という占有率であります。いま局長は、わが国の国民の保険思想というようにおっしゃいましたけれども、そのことと同時に、一つの経営の思想といいましょうか施策の力点といいましょうか、これがやはり短期型に置かれ過ぎていたのではないかというような気が実はするわけですけれども、この点いかがでしょうか。われわれは、かつて四十六年から五十年にかけて簡保がいささか混乱した時代があったことを思い起こすわけであります。この場合の主役は、言われております十年払い込み十五年養老という形であったわけでありますけれども、高い保険料収入を上げるためにあたかも貯蓄型であるようにPRをしたことから混乱を生じたものである、こういう経験を持っているわけであります。今般一千万という額を提案する場合には、こうした保険思想あるいは経営の施策についてもう一偏考えていただく必要があるのではなかろうかと思いますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
#257
○永末政府委員 確かに高額の保険料が入ること、これは経営効率をよくするゆえんでございますので、気持ちとしてはそういったことを経営者として持つことも無理からぬことだと思いますが、簡易保険が本当に将来にわたって繁盛していくためにはやはり保険料を追うことのみであってはいけない、そういったことでは将来長きにわたって繁栄していくゆえんにならないと思うわけでございまして、十分にこれからは保障性の強いもの、こういったことが将来の問題に備えて必要であるということをお客さんに十分に訴えて、そういった形で保険金を上げるということにも今後とも十分に努力をしていかなくてはならないのじゃないかというふうに考えている次第でございます。
#258
○山花委員 実は、単なる国民の保険思想ということだけではなく、郵政省のあるいは局の側の一つの施策に問題があるのではないかということを私は申し上げたわけでありますけれども、現在、募集目標というものを収入保険料で定めており、真に加入者の利益にかなった長期、高額の保険、この募集は努力をしても余り評価されないという面があるのではないかというように考えるわけですけれども、この点は実情どうなっているのでしょうか、率直な現状についてのお話をいただきたいと思います。
#259
○永末政府委員 保険の募集の目標の立ち方は、確かにいままで保険料中心であったわけでございます。先ほども申し上げましたように、国民の要望を受けて保険種類も多様化し、保障内容も一層充実しようとしている今日でございます。事業発展の基礎となります新契約募集のあり方につきましても、たとえば募集目標の立て方等を含めて、先ほど申しましたような趣旨から検討の必要があろうかと考えているところでございます。
 ただ、募集目標の立て方一つをとりましても、新契約募集上の根幹をなす重要な問題でございますので、慎重な判断を要しますので、にわかに結論を得ることは困難でございますが、御指摘の趣旨を踏まえて可能な方策から実施できるように今後とも努力をいたしていきたいと存じております。
#260
○山花委員 実はこの審議のちょうど終盤を迎えたこの時期、ついせんだって四月十八日の読売新聞でありますけれども、「アリコの終身保険」という一面の広告が出ておりました。
 これなどを見ておりますと、これはアメリカの場合でありますけれども、生命保険加入者の六三%が終身保険である、こういう実情が広告の内容として記載されているわけであります。日本では大変なじみが薄いかもしれないけれども、最も加入者の多い生命保険がこの終身保険であるということで、詳しい説明がなされているわけであります。
 きょうの質問でも、簡保と民保とのさまざまな比較の問題がありましたけれども、この終身保険の内容を見てみますと、いわゆる全額を平均して払い込むのか二段階で払い込むのかという問題について、きめ細かな利用者の立場に立ったサービス精神あふれるような内容を実感として感じたわけであります。一般的には、一千万円をもらうためには毎月一万三千二百円、これが平均の掛金ということでございますけれども、中身を見てみますと、これについても二段階で、契約をして初めのうちはわりあい安い、五年ぐらいたってから少し高くなっていく、こういうような形で利用者の立場を考えているわけであります。
 実はこうした保険思想については、きょうも先ほど他の委員の先生の質問で、戦争中の保険契約というものが一片の紙片と化したではないかという大変重要な問題の指摘がございました。私どもは御質問を興味深く伺っておったわけでありますが、局長の方がいかに同情的な言葉をもってそのことについての説明をされましても、しかし、なお問題が残っているのではないか、こういうような感じを禁じ得なかったわけであります。しかし、そうした時代を経て、しかも戦後の混乱期を経て、かつ高度成長時代を経て、そうしていま、ちょうど昨年で還暦を迎えた簡保ということのようでありますけれども、これからの低成長の時代ということを展望した場合には、こうした終身保険について改めて一定の位置づけをしていく必要があるのではなかろうかというように考えるわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
 またもう一つ関連して、いまお答えいただきましたけれども、指摘した問題については新奨励年度以降可能な方策から実施したい、こういうふうにおっしゃっていましたけれども、この点についても、これは希望となりますけれども、具体的な施策が立ち次第、ぜひ実行をしていただきたいという希望を含めて、この点について御質問したいと思います。
#261
○永末政府委員 終身保険は、昔は普通終身だけであったわけでございますけれども、いろいろお客さんからの要望もございまして、途中で保険金を一部支払うという特別終身保険というような制度も創設いたしました。また、途中で余り老齢になられた方々には配当金の一部をばお支払いするというような制度もつくったわけでございます。
 先生が先ほど御指摘になりましたアリコの終身保険、実は私はまだ保障内容をよく存じておりませんけれども、確かにおっしゃいますように、これからの保険というのは終身あるいは定期であろうかと思うわけでありまして、よくそのあたり、その内容につきましても、簡易保険の終身保険につきまして今後とも検討を加えていきたいというふうに思っている次第でございます。
#262
○山花委員 こうした簡易保険のあり方については、かつて昭和四十三年「特色ある簡易保険とするための方策に関する答申」ということで郵政審議会から答申が出ているようであります。また、比較的近い時期ということで見てみますと、五十年六月に保険審議会の答申、これは生保業界に対してということでありますけれども、「今後の保険事業のあり方について」ということで出されておるようであります。
    〔委員長退席、久保(等)委員長代理着席〕
 実は、私はこの内容を読んでまいりますと、まさにその時代のものであって、国民の生活水準の向上、高度成長下における所得水準の上野ということを前提としながら、ますます高度化し、多様化していく国民生活に応じてどうしたらいいか、こういう観点なわけですけれども、改めて議論すべき時期が来ているのではなかろうか、こういう観点からお伺いしているわけであります。
 先ほどのお答えの中で、保険のあり方をも含めて新契約募集のあり方、この問題については、われわれとすれば、先ほどの説明の中にも一部含まれておったようでありますけれども、募集目標の立て方あるいは募集手当の制度、こういうことも含めて改めて今後の問題として御検討いただきたいと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
#263
○永末政府委員 先ほども申しましたように、よく検討いたしたいと思っているわけでございます。
 それは募集目標の立て方、それから件数であるとか保険金額をどういうふうに加味していくのかという問題あるいは募集手当のあり方、こういったものを含めまして検討したいということを申し上げたわけでございますけれども、何分これは非常に重要な問題を含んでいるわけでございますので、十分に前向きの姿勢で検討はいたしたいと思っている次第でございます。
#264
○山花委員 いまのお答えを伺ってのわれわれの希望も含めてでありますけれども、郵政省、そして保険局の方では、どうも従来の傾向としては高料金の保険を売る姿勢をとり続けてきたのではないか、これがわれわれの意見であるわけでありますけれども、簡保国営の理念ということを考えて保険についての思想の転換の時期が来ているのではないか、こういうふうに強調したいわけであります。その観点に立った場合には具体的な施策、指導理念というものをできるだけ早急に打ち立てた中で対策を立てていただきたい、これは希望しておきたいと思います。
 きょうは時間の関係もありますので、次の質問に移りたいと思います。
 クーリングオフの制度について、法改正の部分でもありますので伺いたいと思うのですけれども、先ほど民保業界との比較で短期失解に関するデータの御説明をいただきました。実はその点と関連をして簡易保険全体について失効、解約とその中で占めている短期失効の解約率、これがどうなっているのかということについて資料がありましたら御説明いただきたいと思います。
#265
○永末政府委員 契約の締結後一年以内の短期失効、解約について申し上げます。
 全失効、解約に占める一年以内の短期失解のパーセンテージにつきましては、四十六奨励年度が五八・三五%を頂点に以後年々低下してまいりました。五十一奨励年度は三五・一九%と改善されてきております。なお、今後とも一層この低下に努めたいと思っている次第でございます。
#266
○山花委員 全体の失効、解約率については、先ほど御説明いただきましたけれども、民保業界に比べて大変少ない。これは一つの努力のあらわれだと高く評価するわけでありますけれども、ただ、その中での短期失効、解約率が五十一年で三五・一九%という数字を御説明いただきましたけれども、四十七、八年は、あるいはその時期までは過半数を越していた、なお五十一年度段階において三分の一以上であるということになってまいりますと、この問題については最近局の中で皆さんの論文をお書きになったものもあったようですけれども、大変それぞれの損失という面においてもなお問題として見過ごすことができないデータではないかと考えるわけです。
 重複しない範囲で御説明いただきたいと思うのですけれども、短期の失解の主な原因とこれに対しての対策についてはどのような施策をお持ちかということについて伺いたいと思います。
#267
○永末政府委員 短期失解の原因でございますけれども、いろいろなものがあるわけでございます。非常に高過ぎるとか長過ぎるということで失解が出ていることもございます。
 失効、解約の防止は、契約を維持する基本として私たち万全を尽くしておる次第でございます。
 新契約につきましては、募集時において保険内容を十分に納得した上で加入していただく、良質契約を確保することが肝要でございますので、これから申し込み時に「ご契約のしおり」を配付すること、またクーリングオフ制度を実施するなどして一層配意していきたいと思っております。
 また、既契約につきましては、契約者貸付制度の活用等、契約継続の勧奨を行いますとともに、契約者の不在、転居等に対しましては契約者との連絡を密にして、集金不能に陥らないようにする等の施策についても万全の配意をしていく所存でございます。
#268
○山花委員 万全の施策というふうにおっしゃいましたが、大体が保険に関する約款が利用者に大変わかりにくいということについては、従来から逓信委員会で議論されておったところだと思います。附帯決議の内容についての措置について報告があったのを私もかなり古いのから拝見いたしましたけれども、それを見ますと、この約款のむずかしいという問題がいつも指摘され、これに対する努力はされておるようでありますけれども、このいま短期失解の対策のうちの一つとして関連して御説明いただきましたクーリングオフの制度についても、この場でもいろいろ議論があった。四日の初日起算点あるいは四日目の休日の勘定をどうするかという問題について、この逓信委員会ですら議論があったわけですから、一般の人の場合にはなおわかりにくいという問題がたくさんあるのではなかろうかと思います。この点については、ひとつ利用者にわかりやすい説明なり対策なりを講じていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 そこで一つだけ伺いたいと思うのですけれども、この四日とした新しい制度について利用者にいかに説明したといたしましても、先ほど四日という期日の選び方については割賦契約の問題その他お挙げになりましたけれども、この保険の場合には若干違う事情があるのではないかと考えるわけです。形がある物を買う、何か品物を買うという場合であったといたしますと、四日間の期間があれば、目の前に物があるということでありますから、その物についての瑕疵を四日間の間に意識して、じゃ契約をやめよう、こういうことを比較的考えやすいと思いますが、いわば保険契約は形にないものですから、形にある物を買って瑕疵を感ずるというのとは違った意味でこの四日間という期間が少し短いのではないか。普通の割賦契約のように目に見える物を買うというような事例とは一緒にならないのではないかと思うわけですけれども、そうした事情についてどうなのかということと、もしそうした事情について検討する余地ありといたしますならば、四日間という問題についてもしゃくし定規的にきわめて厳格に取り扱っていくということではなく、個別対策上は少しく弾力的に事を運用していただく必要もあるのではないかと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
#269
○永末政府委員 保険約款が非常にむずかしい、国民の皆さん方に親しみにくいものになっているということにつきましては委員会あるいは諸所でそういった指摘がなされているわけでございまして、できるだけ約款をわかりやすいものにするために、私たち財形貯蓄保険をつくります際にも、現在の約款の別枠といたしました。
    〔久保(等)委員長代理退席、委員長着席〕
 また、非常にわかりにくい原因の一つとしまして、保険種類は五種類あるわけでございますが、保険料払い込み期間とか年齢等によりまして二十六種類に分かれているわけでございまして、それが非常にわかりにくくなっている原因ではないだろうかということで、保険種類ごとにたとえば養老保険については養老保険だけの保険約款をつくる、そうすればわかりやすいものになるのではないだろうかということで検討も続けております。しかしそういたしますと非常に膨大なものになって国民の皆さん方にまた親しみにくいものになるのではないかというような心配もあるわけでございます。
 したがいまして、私たちが本当に約款を理解してもらうためには、今度のクーリングオフという制度もそれに関連して考えたわけでございます。従来は保険証書を発行しますときに約款を簡単にしたもの、「ご契約のしおり」というものを一緒に送付していたわけでございますけれども、もしこのクーリングオフの制度が御承認いただけますならば、申し込みがあったときに保険約款を簡略化したものを申し込みをした人に差し上げる、そして申し込みをした人によくこの保険の約款を理解していただいて、四日間の期間内に、もしいやだという御判断をなさった場合には、保険の申し込みの撤回ができるというようなことにもなるわけでございまして、ある意味では、約款をわかりやすくするという趣旨はそういった点で貫かれるんじゃないかと考えるわけでございます。
 それから四日間の問題でございますけれども、無形の商品と有形の商品とは違うのではないかというような御指摘がございました。それはある意味ではそういうふうにも考えられるわけでございますが、やはり民間保険も大体四日間ということを限度にしているわけでございます。また、約款を本当に理解してもらうためには、四日間程度の期間があればそれで十分ではないだろうかというふうにも考えるわけでございまして、四日間ということにしているわけでございます。ただ、それならば長きにこしたことはないということになりますと、やはりその四日間の間は保障しているわけでございます。したがいましてそのあたりの問題がどうなるのかということ、あるいはまた法的な安定性が失われるというようなことも考えられるわけでございまして、現在のところ四日ということにしているわけでございます。
 ただ、日曜の問題とかいろいろと問題がありましたけれども、運用の面でそのあたりは十分に考えなくてはならない問題ではないだろうかと思っている次第でございます。
#270
○山花委員 いま運用の問題だというふうにおっしゃいましたけれども、私はそうした問題があるだけにしゃくし定規的に厳格にやっていくということだけではなく、個別対策については十分問題点を配慮していただきたいということを要望したわけですけれども、この点はどうでしょうか。
#271
○永末政府委員 先ほども申しましたように、撤回できる期間につきましては、四日程度の期間があれば保険契約の内容を十分知ることができ、保険契約をそのまま締結するかどうか十分考慮することができるものと考えられますし、ほかの約款であるとか法律も四日間とされていることから、簡易保険におきましてもこれらと同様としようとするわけでございます。しかしながら、撤回できる期間につきましては、将来、実施後の状況であるとかあるいは民間保険の動向等をも考慮して、弾力的に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。したがいまして、四日間というのを約款に書きましたのも、将来の動向等を想定したものでございますので、御了承いただきたいと思います。
#272
○山花委員 いまの期日の問題について、民間の動向をというお話がありました。実はこの問題についても、民間よりもおくれていたではないかということが一つの問題としてあるのじゃなかろうかと思います。先ほどの終身保険の問題もそうですし、あるいはきょう御説明いただきましたように、民間の業界におきましてはインフレ対策の商品の開発なども行っているとか、あるいは種類の切りかえ、転換の問題についても進んでいるとか、民間の方がどうも一歩先行しているのじゃないか、こういう印象を持つ場面があるわけですけれども、とにかく郵政省としても簡易保険の主体性を確立して、民間追従ということではなく、本来の簡易保険の任務ということを踏まえて、ひとつ積極的に施策を講じていただきたいというように考えるわけですけれども、この点どうでしょうか。
#273
○永末政府委員 民間は四十九年からクーリングオフの制度を始めたわけでございます。私の方も検討はしていたわけでございますが、やはりクーリングオフの制度は、実行上の問題としてはいままでもやってきたわけでありますけれども、やはり法律上はっきりさせなければということで今度審議をお願いをしているところでございます。
 それで先生からいろいろ御指摘がありましたインフレ対策、転換の問題であるとか、あるいはクーリングオフの問題であるとか、私たちもやはり民間保険に劣らないようなサービスの充実をしていかなくちゃならないと思いますので、今後とも十分にそういった点の検討を怠らないようにしたいと思っている次第でございます。
#274
○山花委員 最後に、余裕金の問題について若干伺っておきたいと思います。
 実はこの余裕金の問題については、郵政省側の考え方についても幾度か伺う機会があったわけですけれども、こういう形で伺ってみたいと思うのです。この余裕金を現状を改善して自主運用ということにした場合には、保険加入者に一体どれだけのメリットがあるのかということ、これを試算することができるでしょうか。もし試算することができましたら、この点について御説明いただきたいと思います。
#275
○永末政府委員 余裕金の問題は、私たち積立金と同じような性格のものである、ただ会計経理上の区分の相違ではないかということで関係省庁と折衝を続けているところでございます。今度の予算の際にもお互いに検討するということになっておりますが、簡易保険の商品内容をよくすることの一つとして、どうしても余裕金の運用の問題、それによって運用利回りを上げるという問題があるわけでございます。私たち加入者の立場に立って、余裕金が積立金と同様に郵政大臣が運用できるように、今後とも大いに努力をいたしたいと思っているところでございます。
 それで、具体的にという御質問でございますが、余裕金を積立金と同様に運用することになりましたならば、仮に全額を財投計画に計上したとしてその平均利回りは約七・九%となり、現在の資金運用部預託金の平均利回り、これは余裕金の利回りでございますが、五・七%でございますので、二・二ポイント強となります。そして余裕金は年度末運用資産の一七%、一八%、年間一兆円以上も発生しておりますので、余裕金が積立金と同様に運用できるようになりますと、平年度約二百億円以上の増収となり、簡易保険資金全体の運用利回りは〇・三%程度向上するものと見込まれます。それからこれはもう仮の試算でございますが、この運用利回りの向上したものを全額配当に回すといたしますと、たとえば加入年齢が三十歳、二十年養老、保険金百万円の契約を仮定しますと、現在では約二十七万円の配当金が出るわけでございますが、この二十七万円の配当に加えまして四万円の増額が可能となろうかと思います。
#276
○山花委員 いまのお話で、もし余裕金を自主運用にいたしますと新たに二百億の財源ができる、その他大変加入者にとって利益があるという御説明をいただきました。実は郵政省の方でも従来この問題に努力されてきた経過については当委員会においてもお話がございましたけれども、最後に、この問題についてもう一度大臣の御所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#277
○小宮山国務大臣 余裕金と積立金については資金運用部資金法の第三条の規定がございますが、しかしいま局長が話しますように会計上の処理だけの問題でございます。かつ、簡保において利益を還元するという意味であれば、余裕金をもっと効果的に利用することによって大ぜいの方に利益を還元できるような形になる。そういう意味でも、これはいま短期で大蔵省部内で使っていますものよりも、郵政省にとっては、特に簡易保険事業にとっては非常に有利になるということだと思います。俗な言葉で言いますとお金に印がないわけで、会計上だけの問題でありますから、私は今後ともその辺を強く要求してまいりたいと思います。
#278
○山花委員 一層の努力を期待したいと思います。
#279
○八百板委員長 関連質問を許します。鈴木強君。
#280
○鈴木(強)委員 私、前回の質問の際に、大蔵の銀行局の方からおいでをいただいておりませんでしたので質疑できなかった点がございますので、きょう、関連質問で時間をいただいたのでございます。
 その前に郵政省にちょっとお伺いしますが、財投の原資になっております郵便貯金の積立金なり、あるいはいま問題になりました山花委員の簡易保険の余裕金ですね。一番近い現在でわかる数字で結構ですが、こういったものが現在、簡易保険と郵便貯金と両方、何ぼになっておりますかね。
#281
○神山政府委員 郵便貯金について申し上げますと、五十二年度の予定でございますが、財投の原資として六兆二千億を予定いたしております。財投の原資が十三兆五千三百八十二億円でございまして、そのうち六兆二千億円が郵便貯金、割合で四五・八%でございます。
#282
○永末政府委員 簡易保険の資金総額は八兆四百六十七億でございます。それから余裕金が三月末現在で一兆二千六百八十億、大体そのくらいの数字でございます。
#283
○鈴木(強)委員 これは五十二年度の原資なわけですね。いままで五十一年度なり五十年度なりそれぞれ原資として資金運用部資金の方に出しているでしょう。そういったものとの合計はどうなるのですか。
#284
○神山政府委員 五十二年三月末現在の資金運用部資金残高はまだちょっとわかりませんので、五十二年二月現在で申し上げますと、郵便貯金資金が二十九兆八千二百四十五億円、資金運用部資金残高は五十兆七千百九十二億円でございまして、資金運用部資金残高に占める郵便貯金の割合が五八・八%、こういうことになっております。
#285
○鈴木(強)委員 簡保のほうはどうですか。
#286
○永末政府委員 五十二年二月末現在でございますけれども、簡易保険の郵便年金預託金が一兆一千二百六十四億でございます。これは、年度が変わりまして決算が済みますと積立金になる性格のものでございます。
#287
○鈴木(強)委員 五十一年度に余裕金として資金運用部資金へ出したのがありますね。そういったものの残高というのはないですか。全部その年にその分だけは相殺されていくという仕組みになっているのですか。
#288
○永末政府委員 大まかに言いますと、この余裕金は毎年毎年トータルとしては伸びてきております。ただそれは翌年度になりまして積立金になるという性格のものでございます。
#289
○鈴木(強)委員 それで、公定歩合が一%下がりまして、これから郵便貯金の利回りがどうなるのか、これは連動していま論議になっておるのですけれども、郵政省としては、大臣のおっしゃるように白紙で、従来どおりの考え方でいきたい、こういうことのようでございますから、その点はぜひひとつやっていただくことにいたしまして、これから運用部資金の運用利回りについて、公定歩合の引き下げがなされた場合どのくらいの影響があるのかないのか、この点、わかっておったらちょっと教えてもらいたい。
#290
○神山政府委員 公定歩合の引き下げが直ちに運用利回りと理論的に結びつくという問題ではないわけでございますが、今後財投資金なり資金運用部の融資の条件をどうするかという問題は、これは私の方ではまだ伺っておりませんので、ちょっとわかりかねることでございます。
#291
○鈴木(強)委員 けさの新聞を見ますと、新日鉄では、一%引き下げによって五十億もうかった、そういう記事が載っておりました。ですからこれは将来一%の引き下げによって因果関係が出てきますからね。必ず予定している利回りにいくかどうかは大分問題じゃないですか。五十二年度六兆二千億ですね、これの利回りというのは一体幾らに予定しているわけですか。
#292
○神山政府委員 運用利回りでございますが、五十二年度の予定では七・二七%、五十一年度の予算は七・一四%、五十年の決算では六・九七%、若干上がってまいっております。
#293
○鈴木(強)委員 これは銀行局の方にちょっとお尋ねしますけれども、直接大蔵省の方で運用されると思うのですけれども、いまの質問に対して、どういうふうになるのか、もしおわかりでしたら……。銀行局の方ではわからぬですか。
#294
○藤田説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御質問の点につきましては、私直接所管しておりませんので、詳しい計数を存じません。まことに申しわけございません。
#295
○鈴木(強)委員 山花委員からも言われておりますように、ぜひこの資金の効率的な運用を期して、預金者なり簡易保険の加入者にできるだけ有利にしていただきたい、結局そういうことだと思うのでございます。
 それで効率的な運用ということについていろいろいままで質疑がありましたけれども、何かこうしたらいいああしたらいいというような一つの目安といいますか、そういったものを郵政当局として考えておりますか、貯金局長。これは直接には大蔵省の方で運用されるわけです。ですから保険の方からしてみても、一兆円というものが余裕金として資金運用部の方に持っていかれているわけですから、少なくともそれを自主運用すれば、さっき言ったように相当な、二百数十億の利潤を生むことが間違いなくできるわけです。それが余裕金として運用部の方へ持っていかれておるものですから^その分だけは実際問題として損していることでしょう。貯金の方だって、自分でやったらこうできるというような一つのプリンシプルといいますか、そういうものがあると思うのですね。そういう点があったら、この際ひとつ聞きたい。
#296
○神山政府委員 ただいまの御質問でございますが、現在は、御承知のように郵便貯金の資金はすべて、すべてというか若干のとめ置き資金それから「ゆうゆうローン」の資金を除きまして、資金運用部資金法によりまして資金運用部に預託して、その預託利率をいただいてこれで事業を運営していくというやり方をとっておりまして、私ども自分で運営すればもっと利益が上がって、あるいは御質問の趣旨が違うかもしれませんが、そういったことで何か考えていないかという御質問だと思いますが、私の方としては個人の金融活動というか、貯金をしたりあるいは金をどこかから借りる、それから送金決済をするとか、個人の金融活動という点についての検討というのが、わが国においてはいままで余りなされてなかったという点で、実はただいま、これは私的な研究グループでございますが、郵便貯金に関する調査研究会というのを貯金局に設けて、大学の金融論とか経済学その他社会学の先生方にお願いして、そういう研究をやっていただいているわけですが、その中で、個人の金融活動というのはどうあるべきか、また現在の金融体系の中で個人というものはどういう地位を占めるのか、そしてまたその中で、郵便貯金というものはどういう機能を果たすのか、また将来どうあるべきかというようなことを広範に、純学問的に検討していただこうということで、昨年の九月から鋭意研究していただいて、この前三月末に中間報告を出していただきましたが、これは今年度も一年間続けていって、その結果、どういう郵便貯金の機能についての調査結果報告を出していただけるかまだわかりませんけれども、あるいはその中でいろいろ提言というようなものもあるかもしれません。そういうのを踏まえて、私たち将来の郵便貯金というものをどう持っていくか検討いたしたい、こういうふうに考えている次第です。
#297
○鈴木(強)委員 ちょっとポイントがずれているように思うのですけれども、私の聞きたいのは、ことしは三十兆と言われているわけですね。そういった預金者のお金をそっくり運用部資金に持っていかれているわけですね。そして比較的安い利率で運用されておるわけですから、これを自主的に運用するような方法を何か郵政当局が考えるべきではないかということなんです。これは国家財政全体のことになりますから、貯金局長に私がこういうことを言うのは酷かもしれませんけれども、しかしわれわれは、そういう自主運営的なものがあった方が、郵便貯金の預金者に対して、創立の趣旨に沿うようになるのじゃないかということをいつも思っているものですから、前回もちょっとそのような話はいたしましたけれども、後から私大蔵省に聞くわけですけれども、そういう感を非常に強くするわけです。ですからその辺、郵政省としてこうしたいという念願があったら、言ってほしいのです。
#298
○小宮山国務大臣 これは大変政治的な問題で、資金運用部資金法の問題にも絡みます。しかし、五十二年度の目標額が六兆二千億でございます。それがそのまま資金運用部資金に入って、大蔵省で運営をしております。かつ、来年になりますと、私は八月ぐらいと思いましたが、いまのままですともう少し早くなるのではないかと思いますが、四十兆に達するだろうと思います。
 そういうことから考えますと、目標金額の一、二%、二%と思っておりますけれども、それぐらいの金がたとえば私学振興とかあるいは災害とか地方財政に貸せる、大蔵省と協調して郵政が緊急にそのようなことができるような形になればという希望を持っております。
 もう一つの方は、資金運用部資金法の中での余裕金を、やはり決算が終わらないうちは使えないのは困るということでございます。
#299
○鈴木(強)委員 まあそれは、大臣のお話も漸進的な一つの方法としてはわかります。しかし、終局的には、それでは非常に不満足に私たちは思うわけですね。ですから、将来構想としては、かって郵政省が郵便貯金の運用について運用権を持っておったという時代もある、そういう点から考えても、何かそういう方向に持っていくことが必要ではないかということを強く考えているわけです。
 そこで、ちょっと二、三年前の話になりまして恐縮ですけれども、私が参議院におりました当時、昭和四十九年三月十三日の予算委員会で、当時の福田大蔵大臣それから中曾根通産大臣、それから田中総理大臣にこの問題について質疑をしたことがございます。そのときに問題になりましたのは、われわれの郵便貯金なり簡易保険の余裕金なりあるいは国民年金の積立金、こういったものが資金運用部資金になっておるのだが、その金が当時狂乱物価を生み出した悪徳商社、そういうところに日本輸出入銀行なり開発銀行なりを通じて融資されておるという問題があったわけです。
 そのときの議事録にもございますが、四十八年九月現在で三井物産に千六百四十九億、三菱商事に千四百五十四億、丸紅が八百九十億、伊藤忠が六百二十七億、住友商事が四百四十九億、日商岩井が四百三十億、トーメンが三百五十一億、兼松江商が百二億、安宅産業が百億、日綿実業八十二億、こういうふうに相当多額な金が資金運用部資金から輸出入銀行を通じて貸し付けられておるという事実があったわけです。
 全く腹が立つことではないですか。われわれの零細な郵便貯金が、物を買い占め、売り惜しみして自分たちの首を絞めておる商社に貸し付けられるということは何事かというのが当時の問題の論点だったんです。田中総理も、これはルールがまだないと言うのです。したがって、ルールについては早く決めようという話まで出たのです。そういうことが国民の前に明らかになりますと、実際郵便貯金をしておる人たちから見ると、あほらしくて物が言えないという率直な感情があるわけです。ですから、当時質疑の中で、通産の方でも大蔵の方でも、総理大臣自体も何か一つの物差しをつくって、それに対する歯どめをしておく必要があるということは認めたわけです。そこで、政府関係金融機関に金を貸す場合、それから先に融資する場合、そういったものに対する一つの物差しなり歯どめをつくっておくべきだと私は思うのですが、銀行局からも来ていただいておりますし、今後のこともありますから、その後そういう点がどうなっておるか、聞かしてほしいと思います。
#300
○藤田説明員 先生御質問のありました、いわゆる石油危機直後の反社会的な企業に対します政府系の金融機関の融資につきましては、先生の御質問がたしか四十九年三月であったと思いますけれども、その直後の四十九年の四月十六日に、大蔵大臣の方から「政府関係金融機関の融資のあり方について」という閣議口頭報告をしていただきまして、そういった反社会的な行為を行いました企業に対しまして政府系の金融機関が融資を停止し、あるいは条件の変更を行う、こういう措置を決めたわけでございます。
 その措置の概要をかいつまんで申し上げますと、政府系の金融機関というのは、これはもう申し上げるまでもないことと思いますけれども、政策金融を担当しておるわけでございます。したがって、先ほど御質問ございました三井物産あるいは丸紅、こういったものに対しましても輸出金融という形で相当巨額な融資が行われております。しかしこの金は、単に三井なり丸紅なりの利潤に帰すというものではなくて、わが国の経済協力関係を推進する上でもまた必要なことであろうかと思います。しかもまた、プラント輸出を促進することによりまして機械メーカーを潤し、さらにはその下請の中小企業に対しましても経済的な利潤をもたらすという意味で、国民経済的には必要不可欠な融資であろうか、こういうふうに考えております。したがいまして、こういった融資を、単に企業が違法行為を行ったからといって取りやめるということにつきましては、その違法行為自体にそれぞれの法に基づいて制裁が行われます以上、非常に慎重に考えなければならないというのが基本原則であろうと思います。しかし、石油危機直後のような非常に緊張した経済情勢において売り惜しみあるいは半カルテル行為を行った、こういう企業が国民の利益に非常な損害をかけた、こういう趣旨から、金融機関の融資として適格かどうかという判断もしてもいいのではなかろうか、こういうふうに考えまして融資の手続を定めたわけでございます。
 その手続といたしましては、まず企業が政府系金融機関に融資を申し込みました場合に、それが適当であるかどうか、その企業が反社会的な行為を犯していないかどうかという点につきまして、事業の所管大臣が主務大臣、これは大部分の場合大蔵大臣でございますけれども、大蔵大臣に対して意見を通知する、大蔵大臣はそれを受けまして関係各省あるいは事業所管大臣と十分相談いたしまして、確かに反社会的企業で国民に非常な害をもたらしたということがはっきりいたしました場合には、融資を停止しあるいは融資条件の変更を行う、期限前返済も行う、こういうことをとり得るのだという趣旨のことを閣議で報告をいたしまして、現にこれを受けまして、四十九年当時の売り惜しみをいたしました商社に対して融資を一時留保するとか、さらには半カルテル行為で起訴されました石油企業に対しましては融資を取り下げさせるとか、そういう措置をとっております。しかもこの閣議報告の趣旨は現在も生きておるとわれわれは思いますので、今後ともにこの趣旨を体しまして慎重に運用してまいりたい、こういうふうに考えております。
#301
○鈴木(強)委員 一応措置をしていただきましたことについては感謝をいたしますが、聞いておりますと、少し微温的なところもあるようでして、そういう点は今後の問題として十分御検討をいただきたいと思います。
 それで、この日本輸出入銀行から商社に融資する場合の金利については銀行局の方で何かタッチできるわけですか。それはどこに貸そうと自由ということなんですか。そういうわけじゃないでしょう。金利がどのくらいになっているか、開発銀行と輸出入銀行と、それはわかりますか。
#302
○藤田説明員 輸出入銀行の金利でございますけれども、これは業務方法書上六ないし九%の間で金融機関が、すなわち輸銀が判断できるというたてまえになっております。しかし、実際上は、輸出金融につきましては主要国間の輸出条件についての輸出金利についての申し合わせがございまして、その申し合わせの趣旨に沿ってやらなればならないということになっております。したがいまして、たとえば後進国に対するプラントの輸出であれば金利は八%でなければならないという申し合わせを、米国を初め主要工業国が集まってやっておりますので、その方からの拘束があるわけでございます。
 それは輸出金融についてでございますが、それから輸出金融以外のいわゆる投資金融、たとえばカリマンタンの銅の開発とか、そういった場合の投資金融にも使われておりますけれども、この場合には、われわれの方が十分指導いたしまして、たとえば資源エネルギー案件、こういったものについてはできるだけ低利に、そうでないものについてはコマーシャルベースで、かなり金利を上げてもらう、こういう指導をやっております。要するにケース・バイ・ケースに、その案件の重要性に応じで決められる、こういうたてまえになっておるわけでございます。
#303
○鈴木(強)委員 大蔵省としては一応ノータッチということですか。
#304
○藤田説明員 大蔵省としては六ないし九%という間を決めておりまして、あとは事実上の指導という形でやっております。
#305
○鈴木(強)委員 それでは大変恐縮ですけれども、日本輸出入銀行と日本開発銀行それから北海道東北開発公庫、この三つの四十九年、五十年、五十一年がわかりましたら五十一年を含めまして、どこに何分の利率で融資しているのか、そういった資料を後ほど出していただくようにお願いいたしたいのですが、それができますかどうか、ちょっとお答えいただきます。
#306
○藤田説明員 資料は後刻御提出申し上げます。
#307
○鈴木(強)委員 大臣、これは非常にむずかしい問題で、さっきの大臣の郵便貯金の運用の問題についても斬新的な問題としてわかりますけれども、やはりこれはもう少し前向きに運用権そのものが郵政大臣の手元でやれないかどうか、全額と言っても一遍にはできないでしょうけれども、これからある程度だんだんと運用資金も多くなっていくわけですから、そういったものも含めまして、郵政省独自の運用ができるような、そういった方途を検討していただきたい、こう思いますが、いかがでしょう。
#308
○小宮山国務大臣 先生の御発言、私も今後とも大いに研究する課題であろうと思います。たとえば中央公論に出ておりました大蔵省の考え方という沖繩開発公庫の理事長の岩尾君が書いた沖繩開発公庫などを見てみますと、ほとんど財投資金であります。その財投資金が脱税の根幹だというような論文を書かれていることは大変不愉快であり、そういう面についても先生の御意見ともに今後とも大いに研究、努力することだろうと私は思っております。
#309
○鈴木(強)委員 では、これで終わります。
#310
○八百板委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#311
○八百板委員長 これより両案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#312
○八百板委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#313
○八百板委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#314
○八百板委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、左藤恵君外五名より、それぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、両動議について提出者より順次趣旨の説明を求めます。左藤恵君。
#315
○左藤委員 私は、ただいま議題となりました両法律案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元にお配りしてあるとおりでございます。
 この両決議案は、いずれも自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党共同提案に係るものでありまして、案文も当委員会における質疑等を参酌して作成したものでありますから、その趣旨については改めて御説明するまでもないと存じますので、この際、省略させていただきます。
 何とぞ全会一致、この両決議案に御賛同くださいますようお願いする次第であります。
―――――――――――――
郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
この法律の施行に当たり、政府は次の各項の実施に努むべきである。
一、郵便貯金法第十二条の趣旨にのっとり、預金者の利益を保護するよう努力すること。
一、郵便貯金総額の制限額を引き上げるよう努力すること。
一、預金者貸付金の制限額を引き上げるよう努めること。
一、郵便貯金の奨励推進に当たっては、事業の性格にかんがみ、行き過ぎのないよう運営の適性を期すること。
右決議する。
―――――――――――――
簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
本法改正の施行に当たり、政府は簡易生命保険事業本来の趣旨をふまえ、国民の需要に即応するよう運営するため、次の各項の実施に努むべきである。
一、募集に関する方針の策定に当たっては、実効ある諸施策を講ずるとともに、適正な募集活動が行われるよう厳正な指導を行うこと。
一、簡易保険余裕金は、本来積立金と同一のものであるので、積立金として直接運用できるよう制度の改正を検討し、もって加入者の利益の向上に資すること。
一、保険契約の団体取扱いについては、団体組成の適性化等の改善策を講ずるとともに、保険料集金等について厳正な指導をより一層強化すること。
右決議する。
―――――――――――――
#316
○八百板委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 両動議についてほかに発言もありませんので、採決いたします。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する左藤恵君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#317
○八百板委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する左藤恵君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#318
○八百板委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、両附帯決議について小宮山郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小宮山郵政大臣。
#319
○小宮山国務大臣 このたびは大変御熱心な御審議をいただきまして、ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の御可決をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 この委員会の審議を通じまして承りました御意見につきましては今後の事業運営面に十分反映させたいと存じます。
 さらに、ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましてもその御趣旨を尊重してまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
#320
○八百板委員長 なお、ただいま議決いたしました両案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#321
○八百板委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
#322
○八百板委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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