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1976/04/13 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 商工委員会 第11号
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1976/04/13 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 商工委員会 第11号

#1
第080回国会 商工委員会 第11号
昭和五十二年四月十三日(水曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 野呂 恭一君
   理事 中島源太郎君 理事 橋口  隆君
   理事 武藤 嘉文君 理事 山崎  拓君
   理事 上坂  昇君 理事 佐野  進君
   理事 松本 忠助君
      青木 正久君    鹿野 道彦君
      粕谷  茂君    藏内 修治君
      佐々木義武君    西銘 順治君
      萩原 幸雄君    前田治一郎君
      板川 正吾君    岡田 哲児君
      加藤 清二君    後藤  茂君
      清水  勇君    武部  文君
      中村 重光君    渡辺 三郎君
      長田 武士君    玉城 栄一君
      宮田 早苗君    安田 純治君
      大成 正雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 龍夫君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       松永  光君
        通商産業大臣官
        房審議官    栗原 昭平君
        中小企業庁長官 岸田 文武君
        中小企業庁小規
        模企業部長   岸  薫夫君
 委員外の出席者
        議     員 板川 正吾君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
四月十二日
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第七二
 号)
同月十三日
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(多賀谷真稔君外八
 名提出、衆法第二八号)
同月八日
 小売商業調整特別措置法の厳正実施等に関する
 請願(田中美智子君紹介)(第二六九二号)
 中小企業事業分野法の制定等に関する請願(河
 村勝君紹介)(第二七二二号)
 同(小宮武喜君紹介)(第二七二三号)
 同(玉置一徳君紹介)(第二七二四号)
 同(宮田早苗君紹介)(第二七二五号)
 中小企業事業分野確保法の制定に関する請願(
 清水勇君紹介)(第二七八七号)
 同(渋沢利久君紹介)(第二八四二号)
 同(渡辺三郎君紹介)(第二八四三号)
同月十二日
 中小企業事業分野確保法の制定に関する請願(
 山花貞夫君紹介)(第二九〇二号)
 同(上坂昇君紹介)(第三〇五五号)
 同(武部文君紹介)(第三〇五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小規模企業共済法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五四号)
 小規模企業共済法の一部を改正する法律案(板
 川正吾君外九名提出、衆法第五号)
     ――――◇―――――
#2
○野呂委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、小規模企業共済法の一部を改正する法律案及び板川正吾君外九名提出、小規模企業共済法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。清水勇君。
#3
○清水委員 政府から提出されている小規模企業共済法の一部を改正する法律案並びに日本社会党から提出の小規模企業共済法の一部を改正する法律案についてお尋ねをしたいと思います。
 大臣も御存じのように、わが日本社会党は、かねて、小規模企業共済制度について、これを評価をするという立場に立っております。しかし、現行制度の内容が、その後の情勢の推移等を見た場合、必ずしも今日の情勢に適合しているかどうかというふうに感じられる部分がかなりあるわけでありますから、社会党としては、内容の改善を図り、還元融資など制度の拡大強化を図り、そのことを通じて小企業者がこの制度に魅力をより感ずるというようなものに変えていく必要があるのではないかというような立場に立ちながら、以下お尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
 さて、そこで、具体的な改正案の内容についてお尋ねをする前に、私は、その前提となる今日的な小規模企業をめぐる経済情勢といったようなものについて若干お尋ねをしたいと思います。
 まず、第一点は、政府あるいは通産省も、今日の日本経済の状況をいわば安定成長というふうに特徴づけております。しかし、安定成長というごろは大変聞こえはいいわけでありますが、日本経済の今日的な現状、とりわけ中小企業等を取り巻く状況というものは、いわゆる高成長時代から低成長時代に移行をするという中で、安定どころの騒ぎではなしに、きわめて不安定な状況をもたらしている。ある意味で言えば、小規模企業を取り巻くこの情勢というものは不安定成長期だと言った方が適当ではないかと私は思うわけでございますが、そういう見方についてどのようにお感じになっておられるのか、最初にお聞かせいただきたいと思うのです。
#4
○田中国務大臣 お答えいたします。
 御質問の趣旨は、低成長下におきまする中小企業がどのような状態にあるかという御質問と存じます。小規模企業はわが国の民営、つまり非一次産業と申しますか、農林を除きまする二次、三次に属する事業所の約八割を占めておりまして、わが国の経済の基盤を形成するものとして、政府といたしましても、従来からその健全な発展を図りまするために諸種の施策を重点的に講じてまいったところでございまするが、現下の経済情勢は御指摘のように小零細企業に一層厳しいものと相なっておりますることを考えまして、これに対応いたしまして、経営指導面、金融面及び税制等の面からきめの細かい各般の施策をさらに拡充改善をしてまいることがぜひ必要である、昭和五十二年度におきましてはこういう趣旨からこれらの制度の一層の拡充強化を図ろう、かように存じておる次第でございます。
#5
○清水委員 いま大臣も述べておられるように、中小企業、なかんずく小規模企業を取り巻く環境は非常に厳しい。私も、大変にシビアな状況にあるというふうにさっき申し上げたわけでありますが、そこで、小規模企業の存立基盤というものをそういう状況からいささかでも改善し、安定度を深めていくということが望まれていると思いますし、とりわけ、景況のいかんによってはいつ倒産に追い込まれるかもわからない、あるいは転廃業を余儀なくされるかもわからないというような状況もあるわけでありますから、こうした深刻な事態というものを横に見ながら、単に五年ごとに制度を見直すから、そこで時期が来たから改正に手をつけるといった消極的な態度ではなしに、この際抜本的な制度の改善を図るということをまず基本的に求めておきたいというふうに私は思うわけであります。
 いま大臣も言われるように、小規模企業者の数は中小企業の八〇%、全国で四百五十万を占めているというふうに言われるわけでありますが、率直に言って、このように広い日本経済のすそ野を構成する小規模企業が、あたかも枯れ草のような吹けば飛ぶような存在になるのか、そうではなしに、大地に根を生やした生き生きとした存在として将来を展望できるのかということを考える場合に、そのいかんというものはわが国の将来のいわば明暗を分けるということにもつながるというふうに私は思っておりますので、そういう意味で、本制度の改善というものが少なくとも小企業の経営基盤を確保するといいましょうか、ある意味で安定感を増幅するといいましょうか、そういうものに寄与するものでなければならないと私は考えているわけでありますが、その辺の考え方をひとつお聞かせ願いたいと思うわけであります。
#6
○岸田政府委員 ただいまお話がございましたように、小規模企業は中小企業の八割を占める方々でございます。いわば中小企業の底辺を占めるということになろうかと思いますが、底辺を占めると同時に、逆に中小企業が日本経済の中で果たしておる役割りを見ますと、その中で小規模企業の方々はいわば活力の源泉になっておるという意味合いもあるのではないかと思っておるところでございます。これらの方々が日ごろ国民生活に非常に密着した仕事をしてくださっており、あるいは大企業と関連しながら日本産業全体の歯車の重要な一環をなしているわけで、こういう面を大いに生かしていくということが中小企業政策としても特に大事な課題ではないかと思っておるところでございます。
 中小企業対策は各般の施策を講じておりますが、その中でも小規模企業対策というものにつきましては一番重点を置いて私どもも考えておる次第でございます。これらに対する施策につきましては大臣が先ほど御説明いたしましたが、今後ともこれらの施策の充実については絶えず意を用いていかなければならないと思っておるところでございます。そして、今回御提案申し上げております法律もいわばその一環として位置づけまして、小規模企業の方々に本当に活力を持って安心して仕事をしていただけるというような役割りを果たしていきたいものだと念願をいたしておる次第でございます。
#7
○清水委員 そこで、次に進んでいきたいと思うのですが、私が今度の法律改正に当たって最も留意しなければならないと思っていることは、この制度の魅力をどのように高めていくかということ、このことに尽きるんじゃないかというふうに思うのです。通産当局も言われているように、制度発足後十年余を経過しているわけでありますけれども、四百五十万と言われる小規模企業者のうち約一割強の五十二万の加入にすぎないということ、あるいはその程度に停滞をしているということは、今度の改正に当たって最も重視しなければならないポイントじゃないかと私は思っているわけなんです。
 そこで、まずお尋ねをしたいことは、何ゆえに一割強という程度に加入者がとどまっているのか、その原因がどこにあるのかということで、この辺を最初にお尋ねしたいと思います。
#8
○岸田政府委員 ただいまお話がございましたように、現在の加入者数が五十万を若干超えたという程度でございまして、小規模企業者の中で一二%程度でございます。
 正直に申しますと、従来の経緯を振り返ってみますと、発足の当初この制度は中小企業のために非常に役立つ制度であるという趣旨で発足いたしたものの、なかなか加入が進みにくいという実情にございまして、このために振興事業団を中心に各県あるいは各種団体の協力を得まして、その普及のために一生懸命努力をし、今日に至ったという経緯がございます。ただ、この数年におきましては、いま申し上げましたような努力がかなりの成果を結んでおりまして、年の加入者が大体十万件程度に達するということでございまして、この数字自体は発足当初に比べますと隔世の感があるほどの前進を見ておるのではないかと思っておるところでございますが、それにいたしましてもまだ一二%である。
 私は、この制度はもっともっと普及されるべき制度であるし、また、普及することの意味がある制度であると思っておるところでございまして、私どもは、今回の法律改正に際しまして内部でもいろいろの議論をいたしました。何とかこの加入率を高めていきたいということで、一つの目標としまして、五十六年度までに加入率を二五%まで引き上げていきたいと考えておるところでございます。
 いままで一二%程度にとどまっておる理由としましては、やはり、この制度についての一般の方々の認識がまだ徹底をしていないという面が一番のポイントではないかと思っておるところでございまして、この制度の普及また周知徹底という点が第一のポイントではないかと思います。
 それと同時に、少しでも魅力のある制度を用意することによって、小規模企業の方々がぜひこれに入ろうではないかという機運を増すことができるかと思いますので、今回の改正も、いわばそういった意味で少しでも魅力を増そうという意味合いから御提案を申し上げた次第でございます。
#9
○清水委員 いまの答弁の中で、ここ数年は飛躍的に加入者がふえているというふうに言われるわけでありますが、しかし、反面忘れてはならないことは、相変わらずこの制度からの脱退者が多出をしていることだと思います。たとえば商工委員会調査室の出された資料を拝見しても、制度発足以来十年余にわたって、現在加入者は約五十二万人だと言われているわけでありますが、十五万人の人が脱退している。これは現在の加入者の三〇%に相当する非常に大きな数字なんでありますが、わけても、いわゆる共済金等の支給を受けないで脱退している人、つまり、加入してから十二カ月未満での脱退者の数が全体の五六%、八万四千五百九十六人という多数に及んでおり、金額的にも二億三千万円ほどになる部分が掛け捨てになっているということなんであります。
 いま長官が言われるように、この制度を利用することによって安心感を持つ、あるいは老後の一定の展望を開くといった気持ちで入ったにもかかわらず、現実には一年足らずでいま申し上げたような膨大な人々が脱退をする。あるいは解約手当金支給対象という数字も出ておりますが、こうした方も実に三万七千人余に及んでいる。こういうことを考えてみますと、一面では四十二年、四十七年の改正を通じてある程度制度の一部改善が図られたということは言えるわけでありますが、依然として制度に魅力を感じない、あるいは制度に期待が抱けない、それゆえに脱退者が相次ぐという状況が残っているんじゃないかと思うが、この辺についてどのようにごらんになっているのか、お聞かせを願いたいと思います。
#10
○岸田政府委員 いまお話がございましたように、脱退者の数がある程度の数に上っておるということは事実でございます。私どももその原因は何であるかということについていろいろ勉強もいたしております。確かに、一部には、せっかく加入をしたものの、将来のことを考えるよりは目先のお金の支出がどうにもうまくいかないということで、魅力のあることは理屈としてはわかっていながら続けられないというようなケースがございます。それと同時に、脱退件数の大部分を構成しておりますのは、いわば掛け忘れというような形が相当数ございます。こういった点の実情の把握をいたしましたので、掛金の滞納者をいかにして防いでいくかということについてこのところ一生懸命力を入れてやっておるところでございます。個別に注意を喚起いたしますほかに、四十七年から口座振替制をとりまして、こういった掛け忘れというようなことのないようにという措置も講じてまいりました。
 以上のような措置が講ぜられました結果としまして、解約率もこのところ毎年着実に下がってきておりますし、一方で、この制度をどんどん魅力のあるものにしていって小規模企業者の方の期待にこたえ、そしてその制度を一層普及していくということと並びまして、いま申し上げました点での努力も今後積極的に続けていく必要があろうと思っておるところでございます。
#11
○清水委員 この点については社会党案の提案者である板川議員にもぜひ見解をお尋ねしたいと思うのでありますが、あわせて、いま長官から御説明がございましたけれども、だんだんに魅力あるものにしていきたい、そしてそのことを通じて一面では加入の普及を図ると同時に解約をストップさせていくというふうな腹構えを私は聞かせてもらっているわけなのでありますが、審議会などでも答申の中で述べておりますように、相変わらず事業団の余裕金の一部を割いて還元融資に充てるというこういった事業団資産の一部運用という程度に制度の運用をとどめている限りは、抜本的といいましょうか、制度の思い切った拡大強化を図ることによって小規模企業者の魅力を増大するというようなところまではなかなか進まないのじゃないかと思います。
 こういう意味で、その辺のところをどうすることが望ましいのか、板川議員に、提案者という立場で、最前の問題とあわせてお尋ねをしたいと思います。
#12
○板川議員 清水委員にお答えをいたします。
 私に対する質問は二点あると思いますが、総括してお答え申し上げたいと思いますが、この「小規模企業共済の実績あるいは共済金解約金等の脱退状況」という資料などを見てもわかりますように、対象者が四百五十万人の中で、加入者は十年たってもわずか五十二万人の、一二%にすぎない。その加入者のうち十五万人、二二%が十年間に脱退しておる。その脱退状況を見ますと、共済金を支給されて脱退した人はわずか一九%しかいない。解約手当支給は、これは積んだ金よりも割り引きされた少ない金で解約手当金をもらってやめていった人が多いのでありますが、この件数が二五%、金は積んだが解約金も支給されないで掛け捨てでやめていった者が五六%という比率を示しております。
 いま、中小企業庁長官から、共済金を一時払って一銭ももらわないで掛け捨てていく理由は何かということに対して、目先の金が欲しいからだというような話がありましたが、私は、五六%を占めておるところの解約金を支給されないで解約した人は、目先の金と言うほど積んでいないだろうと思うのです。目先の金じゃないのだろうと思うのです。それから、掛け忘れている人もあるかもしれませんが、しかし、これは五六%のうちの相当の数じゃないと思います。結局は、入ってみたが、これは小規模企業者の退職金制度でありますから、長期的に掛けても魅力がないというところから途中で掛け捨てで脱退者が出ていくのだろうと思うのですね。ですから、共済法の内容を魅力あるものに変えていかない限りは、結局掛け捨てになる層が依然として大多数を占めるという結果になるだろうと思います。
 今回また前国会に続いて私どもが提案する気持ちになったのは、この小規模共済法を抜本的に改正してもっと魅力あるものにしたい、国の補助もふやして魅力あるものにしたいという発意から私どもは提案を申し上げた次第であります。御了承を願います。
#13
○清水委員 そこで、重ねて長官にお尋ねをしたいわけでありますが、いまの板川先生の答弁の中にもちらっとのぞかれていたのでありますが、私は、率直に言って、この際この制度の大胆な改善を図るというような発想法から、たとえば事業団の行なう資金貸し付け業務、そういう事業費の一部を国庫が見ていくという立場を新たにとるべきではないのかというふうに考えているわけであります。現在国庫補助は人件費とか管理費など事業団の一般経費に対して行われているわけでありますが、その程度では、先ほど来述べておられるような基盤の脆弱な小規模企業者に対して、社会福祉政策といった立場で制度の機能を高めていくというようなことにはつながらないのじゃないかと思うわけでありますが、その辺のことについて考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#14
○岸田政府委員 この制度をより魅力のあるものにするということがポイントであるという提案、まさに御指摘のとおりでございます。私どもが今回御提案申し上げましたのも同様の趣旨に出ておるわけでございまして、たとえば掛金の月の限度を、従来一万円まででございましたのを三万円までに引き上げるということは、これはある程度の期間続けていけば相当まとまった給付金がもらえるということになり、それなりの十分な魅力を備えるに至るのではないかと期待して御提案を申し上げた次第でございます。
 特に、この制度の大部分を占める第一種のものにつきましては、税制上におきましても所得控除されるという裏打ちがついておりますことから、この辺の事情をよく説明すれば小規模の方々は必ずや魅力を感じていただけるものだと信じておるところでございますし、また、私ども、いろいろと中小企業団体にこの法案について説明いたしましたときにも大変喜んでいただいておるところでございます。
 また、老齢給付の給付事由を改善いたしまして、より給付が受けられやすくなった点も、これから先のことを考えている方々には魅力を持って迎えられるのではないかと思っておるところでございます。
 さらに、それに加えまして、いまお話がございました融資制度の改善でございますが、従来、掛金の範囲内において即日に無担保で還元融資が行われるという制度がございましたが、それはそれなりに活用されておりますし、また、中小企業の方々にも喜んでいただいておるわけでございますが、それに加えてさらに一歩前進せよというような各般の声を受けまして、この法律には直接表には出てきておりませんが、還元融資制度を別途拡大する措置を考えておるところでございます。
 それらにつきまして国庫補助をさらに考えてみてはどうかという御提案でございますが、この小規模企業共済制度は、御承知のとおり、小規模企業者同士が相互に扶助をしながらこの制度を盛り立てていこうということが基本の考え方になっておりまして、いわば任意加入が原則になっておるわけでございます。ほかの法律で強制加入の場合には国庫補助を行っておる例もございますが、その辺がやはり基本的な違いになってくるのではないかと思っておるところでございます。
 しかし、いずれにせよ、ある程度の金が事業団の中にプールされております。それをいかにうまく使っていくかということは私どもとしても十分考えていかなければならないことであろうと考えておるところでございます。
#15
○清水委員 ところで、中小企業政策審議会が昨年の八月に意見具申をされていますが、その中にいま私が触れたことも実はうたっているわけですね。「本制度のもつ社会福祉政策的機能の見地から、共済金に対し、国庫助成を行ってその給付の改善を図るべきである」と言っています。これは共済金のことを言っておるわけでありますけれども、しかし、同時に、「景況の変動に際し、緊急に必要となる事業資金を本融資制度によって調達しうるようにする」として、調達すべきだと言っているが、ここで言っている景況の変動という言葉のニュアンスには、少なくとも、単に運転資金的なものだけを予想しているのではなしに、たとえば景況のいかんによって転業せざるを得ないというような場合にはそういうことが円滑に行い得るような、そういう一つのバックグラウンドをある程度与えていくというような意味で、この制度の加入者がそれにふさわしい融資の恩典を受け得るといったようなことなどを通しながら加入者の要望にこたえるべきじゃないかということを言っていると私は思うのでありますが、今度の法律改正案の中ではその辺の触れ方がどうも非常に弱いのじゃないかというふうに感じられるわけであります。
 あわせて審議会が述べていることで、たとえば「加入者のための福利厚生施設の設置等」として、つまり、魅力をつける一つの方策としてそういう面にまで配慮を払うことが必要なのじゃないかということを具申しているはずなのでありますが、いわば、こういう還元融資ないし新しい福利政策等についてどうも取り組みが弱いというふうに私は思わざるを得ないので、審議会の意見具申について、一体どの程度これを尊重しようとしているのか、お聞かせを願いたいと思います。
#16
○岸田政府委員 この制度の持っております社会的な意味合いを頭に置きまして、実は、この共済制度の運営に関する事務経費については全額国庫補助で応援をいたしておるところでございます。五十二年度の予算額も十九億円用意されております。それから、事業団の基盤強化のための国の出資も、五十一年度末までの累計で十五億九千万円行われておりますし、さらに、五十二年度においては八億円の増資を予定いたしておるところでございます。これらによって、国としてもこの制度を積極的に応援するという姿勢を示しておるとごろでございます。
 答申の中で融資制度の改善がうたわれておるが、その取り組みいかんという点につきましては、先ほど少しく触れましたように、従来からございます掛金の範囲内における即日無担保融資という制度に加えまして、新たに融資制度の創設を考えておる旨を先ほど御説明いたしました。その内容といたしましては、共済金の運用の新しい形態といたしまして、積み立てられております金を府県の制度融資を通じて共済の掛金を掛けておる小規模企業者の方々に還元融資しようという考え方でございまして、金利の点でも優遇を考えております。また、金額の限度におきましても、大体掛金の三倍ぐらいまでを限度とするということで、従来の制度に比べればより活用のしやすい方法を考えておるところでございます。資金の使途といたしましては事業資金を予定をいたしております。したがって、いまのお話がございました事業転換等で金が要るというときにも、事業資金の一つの項目として利用できると思っておるところでございます。
 それをもっともっと広げてさまざまな使い道を考えてはどうかという点になりますと、実は、この制度自体の目的に照らしておのずからある程度の限界があるのではないかと思っておるところでございます。といいますのは、この掛金を長期に安定して、なおかつ有利に運営しながら、最後に小規模企業者の方々にまとまった給付金を提供できるようにするということが基本的なねらいでございます。その運用の中で余りリスクの多い融資を行いますことはやはり問題があろうかと思います。また、特定の方に余り多額の融資をし、それが長期間固定するということになりますと、やはり、ほかの加入者の方々とのバランスを考えていかなければならない。そういった面を頭に置きながらこの融資制度を考えていくということが必要なのではないかと思っております。とりあえず、先ほどお示しいたしましたような構想を持って還元融資制度の前進を図っていきたいと思っておるところでございます。
 さらに、お話の中に、福祉施設等について答申が一つの提案をしておるが、それについてはどうであろうかという点でございますが、私どもも、あの提案を受けまして、具体的にどういうふうにやるかというようなことについて中でもいろいろな議論をいたしております。ただ、正直に申しますと、いまの事業団の資金全部合わせて約一千億程度でございまして、いまの段階でそうまとまった福祉施設ということになりますとやはり問題があろうかと思いますが、しかし、将来の課題としては私どもも前向きに考えてよいテーマであろうかと思っておるところでございます。
#17
○清水委員 時間が余りありませんので掘り下げたお尋ねがなかなかできないのですけれども、長官にお尋ねをしたいのですが、新しい貸し付け事業、三年以上の加入者、掛金相当額の三倍ぐらいというふうに言っておりますね。これはどのくらいの金額というものを想定されておるのでしょうか。つまり、三倍という金額は平均加入口数から判断して大体どのくらいの金額になるのでしょうか。
#18
○岸田政府委員 いままで加入者の実情をいろいろ調べてみますと、一番高い人で約百万円ぐらい積んでおるのではないかと思います。したがいまして、それの三倍として三百万円程度を限度とするということを頭の中に置いておるわけでございます。
 資金量といたしましては、初年度とりあえず、これは十月ぐらいから発足するといたしまして、三十億円程度の資金があれば初年度は運営できるのではないかと思っております。平年度化しました場合にも約百億円程度の資金規模をとりあえず念頭に置いておる次第でございます。
#19
○清水委員 いま、最高限度の積立者の場合を例にとられているわけですけれども、平均加入日数は資料によると約九日と言われていますね。だから、その平均的な金額はどのくらいになるかということを私は聞いているわけなんです。
#20
○岸田政府委員 平均で申しますと、借り入れ可能額が大体五十二万円程度になろうかと思っております。
#21
○清水委員 今日のこういう状況のもとで平均五十万程度の事業資金では、たとえば先ほど長官がこの資金をもって状況によっては転業資金たり得るというふうに説明をされておるわけでありますけれども、そういう説明自身に非常に無理があるのじゃないかと私は思うのです。
 そこで、先ほど来私が申し上げているように、事業費の一部を国庫がめんどうを見ていくというような配慮に立ちながら、先ほどの長官の言では一般原資についてあるいは出資金について応援をしておるということなんですけれども、そうではなしに、そこまで進んでいくべき情勢に今日なっているのではないかというふうに考えているわけなんでありますが、その辺についてもう一回お聞かせ願いたい。
#22
○岸田政府委員 先ほど五十二万円というお話を申し上げましたが、これは従来の掛金限度を前提にした実績をもとにした数字でございます。今回掛金の限度が大幅に引き上げられましたことによって、この借り入れ可能限度も将来においてはかなりふえていくだろうということが言えるかと思っておるところでございます。
 続きまして、お尋ねの中のもっと国の助成を強化すべきではないかという点でございますが、私どもも、この制度をお預かりしておりまして、何とかこの制度自体を少しでも魅力のあるものにしていきたいという気持ちは同じでございます。この気持ちのもとに立って何とかいい工夫はないかということで、あれこれ制度の内容を改めてみて、改善できるものはしようということから今回の御提案を申し上げることになった次第でございますが、ただ、お話の中の融資についての特別の助成ということになりますと、これは他の制度とのバランス等から見まして、いろいろ研究してみましたが、やはりむずかしいということが答えでございます。したがいまして、ほかの点につきましてはなおかつ今後とも引き続きいろいろ検討してまいりたいと思っておりますが、その点は制度上なかなかむずかしいのではないかと感じておるところでございます。
#23
○清水委員 ただいまの点について板川議員にお尋ねしたいのでありますが、このいわゆる還元融資の拡大といったようなことを通しながら制度そのものに魅力をつけていく、そのことを通じて加入者を広げると同時に、たとえば脱退者を防止するといった、そういう配慮があっていいのじゃないかという感じがするのですけれども、先生、どのようにお考えですか。
#24
○板川議員 私ども社会党の案には国の補助規定を入れております。
 なぜ入れたかと申しますと、この小規模共済制度が発足以来十三年間、一体政府はどの程度の補助をしたのかと計算してみましたならば、六十八億であり、それは一年平均わずかに五億二千万程度であります。国庫出資の方も二十四億としまして、これまた年平均一億八千万程度である。四百五十万という小規模零細業者の社会福祉上の退職金制度としては余りにも政府の出資なり援助が少ないじゃないか、これでは魅力あるものにすることができないというふうに考えまして、零細業者の老後の生活安定を図るためにはどうしてももっと国庫の支出をすべきであるというふうに考えておるわけであります。それなくして魅力ある共済制度というものはなかなかできないのじゃないだろうかと考えます。
#25
○清水委員 ぼつぼつ時間になりますので、最後に要望を含めてお尋ねをいたしますが、昨年末で事業団の資産といいましょうか、資金が一千億という大台に乗ることになった。歴史的に過去を振り返って見ても、四十三年あるいは四十七年の改正を通じ、その直後に加入者が急増しておるというような経過もある。だから、私どもが主張しておるような内容を含めて制度の改善が図られていけばさらに加入者が増大をしていくのではないかということを一応政府側としても予想をされているのだろうと思うのです。
 この四百五十万に対して二五%という加入率がどの程度の性質を持っておるのか、つまり、現状に立って捕捉し得るよりベターな数字なのであるのか、あるいはまだ経過措置的な低い数字であるのか、こういう見方について私は意見を持っておりますけれども、きょうは残念ながら時間がないのでそのことには触れませんけれども、しかし、いずれにせよ加入者がふえていくという見通しを持っておられる。しかも今度は掛金の限度額が、社会党案をもっても政府案をもっても金額的には三万円ということで、三倍に引き上げられていく。そうなってまいりますと、勢い短い期間の間にかなり事業団資金というものが大規模なものにふくれ上がっていくのではないかというふうに私は見ておるわけであります。
 ですから、一面ではそうした点も配慮をしながら、いわゆる制度の拡大をし、あるいはより魅力を持たせる内容に改善をするといったことについては、現行の法律の中でも事業団の行う事業として認められているイからハまであるわけですから、そういうことを踏まえながら、臨機応変といいましょうか、抜本的に改善をしていくというような気持ちを持っておられるのかどうか。私は持つべきではないかというふうに思うのでありますが、これを申し上げたいと思うのです。
 それから、いま一つは、いま申し上げたようにますます資金量が大きくなっていく。これが杞憂であれば幸いなのでありますが、大蔵省がこれを果たしてほっておくのかどうかということを私は心配せざるを得ない。たとえば財投資金にこれを吸い上げていくなどというようなことが万が一にもあるとすれば、これはこの制度の意義から言って大変な問題につながっていくのではないか。ですから、小規模企業者の福利のために、あるいはその基盤を守っていくために、そういう施策の一翼を担うものとして、これはどこまでもしっかり掌握していってもらわなければならないというふうに思っておるわけでありますが、その辺のところを最後にお尋ねをしておきたいと思います。
#26
○田中国務大臣 御質問の御意見は私どもも全く感を同じゅうするものがございます。いまや、この小規模企業に対しましての今回の保険、さらに預託、ひいては貸し出しの問題等につきましては、中小企業諸施策の中で最も丸みのある、さらにまた単なる企業経営上の金融というばかりではなく、福祉的な内容をも含んだ本制度というものは今後ともにさらに伸ばしてまいりたい、加入者の点においてももっと魅力のあるものといたしたい、同時に、また、御懸念になりました大蔵省方面のいろいろな問題に対しましても私どもは篤と理解をしてもらい、当該制度についてはこのままの姿でもっと伸ばしていきたい、私はこういうふうな気持ちでいっぱいでございます。
 御質問いただきましてありがとうございました。
#27
○清水委員 終ります。
#28
○野呂委員長 松本忠助君。
#29
○松本(忠)委員 まず、最初に長官にお伺いをいたしますが、第四条の改正の趣旨について一応の御説明を承りたい。
#30
○岸田政府委員 今回改正案を御提案申し上げましたのは、この制度を運用いたしまして長い年月がたってまいりまして、その間における経済情勢の変化を頭に置きながら、この制度をより魅力のあるものにしていきたいということが基本的な考え方でございます。
 具体的な改正点といたしましては、一つは掛金の月額についての修正でございまして、内容といたしましては、掛金の最高限度従来は月一万円でございましたのを三万円に引き上げる。同時に下限につきましても調整をいたしまして、従来は月五百円ということが下限になっておりましたのを月千円に改定するというのが第一点でございます。
 それと同時に、第二点といたしましては、給付事由について改善を加えまして、特に老齢給付につきまして、従来は二十年掛けて六十五歳になったときに老齢給付が受けられるということになっておりましたのを、十五年掛ければ六十五歳になったときに給付が受けられるということにいたしました点が第二点の改正点でございます。
 なお、この法律の直接の表には出てきておりませんが、還元融資の制度につきましても、この法律の改正に際しまして一歩前進を図りたいと考えておるところでございます。
#31
○松本(忠)委員 そこで、お伺いをするわけでございますが、第四条の掛金月額の改正の件でございますけれども、今回の政府案によりますと、一口の金額五百円を改めて、「千円以上であって五百円に整数を乗じて得た額」というふうに改正しようとされているわけでございますけれども、中小企業政策審議会の意見具申の「小規模企業共済制度の見直しについて」に述べられておりますように、本制度の加入者がかなり高年齢層に偏っておるところから、加入後の経過年数が短い場合でも相当額の共済金を受給できるようにするということに本改正の重要課題があるといういまのお話でございます。
 そこで、掛金月額の限度を現行の一万円を三万円まで上限を引き上げたということで一応の目的が達成し得るのではないかと思うわけでございますが、そうすれば現行の制度の口数の増加、この改正を織り込むだけで済むのではないかと思うわけでございます。法というものは簡便で簡略で用を足せればいいわけでございまして、何かちょっと説明を受けないとわからなくなるようなことでない方がいいのではないかと思いますので、そういう意味で、今回の改正についてもう一遍わかりやすい体制にすることが必要ではないかというふうに私は思いますが、どうでしょうか。
#32
○岸田政府委員 いま御指摘をいただきました点は、いわば最低限度を従来の五百円から千円に改正したことに伴う問題ではないかと思うわけでございます。従来のように最低限度五百円にしておけば刻みも五百円であるということから、口数というような形での表示が可能でございますが、最低限度一千円にいたしましたために口数という形をとらずに表現をすることになったという経緯でございます。
 さすれば最底限度五百円から千円に上げる背景は何かということに問題が進むわけでございますが、御承知のとおり、掛金月額の下限五百円といいますのは、昭和四十年の発足以来十一年間据え置かれてきたわけでございます。その間所得水準あるいは物価水準ともに二倍以上の上昇を見ておりまして、当時の五百円というのはいまで言えば一千円の感覚に相当するような事態にもうすでになってきておるように思っております。いわば、負担感の面から言って、一千円に上げてもそれほど大きな負担にはならないであろうということで、現に最近の加入申し込み状況を見ておりますと、五百円の申し込みというのは非常に例外的な形になってきておる実情にあるわけでございます。さらに、事業団の経理からいたしましても、五百円でございますと、これはいわば十二カ月分の六千円、それを利回りで計算した収入と実際に一口の処理にかかる経費を比べてみますと大幅な赤字になってしまうというような実情もございまして、いわば実情を踏まえて五百円から千円に変えたという経緯があるわけでございます。
 したがいまして、ここを千円にいたしますと従来の口数制というような形がとりにくいことから、実際の運用としましては、千円をベースにしまして五百円刻みでやるというやり方は同じでございますが、法律の表現上いま申し上げましたような形をとらざるを得なかったという経緯でございます。
#33
○松本(忠)委員 窓口のやりやすいような、そして間違いのないような施行ができることが好ましいわけでございますから、その点は理解できます。
 そこで、大臣にお尋ねをいたしたい点がございますが、大臣の担当部門と言うとおかしいのでありますけれども、実際上は大臣がおやりになるわけではございませんが、この法の五十七条に「雑則」として「あっせん」の規定が置かれております。「共済契約の成立若しくはその解除の効力、共済金等、掛金又は申込金に関して、事業団と共済契約の申込者又は共済契約者若しくはその遺族との間に紛争が生じた場合において、共済契約の申込者又は共済契約者若しくはその遺族から請求があったときは、通商産業大臣は、その紛争の解決についてあっせんをすることができる。」ということになっておる。こういう規則が一つ乗っかっておるわけでございます。しかし、実際にこの規定によるあっせんの請求があったのかなかったのか。恐らく余りないのではなかろうかと思うのでありますけれども、実際あったのかなかったのか、この点は事務当局からお答えを聞きたいわけでございますが、そのあっせんということについて、仲裁とは違いまして、監督官庁である通産大臣がその任に当たることは、当然規則の上でそうなっておるわけでございますが、運用によってははなはだ小規模企業者側の不利になりかねないと思うわけでございます。小規模企業共済制度が発展すればするほど、また、世の中が非常にぎすぎすしてくればくるほどこういう問題も出てくると思いますので、具体的にもっと中立的な機関を創設することがむしろ好ましいのではないか、問題解決になるのではないかというふうに私は考えるわけでございます。
 あっせんの件数があったかなかったかについては事務当局からお答えをいただくとして、こういったあっせんの業務について大臣としては今後どのように取り組んでいかれるお考えがあるのか、伺っておきたいわけでございます。
#34
○田中国務大臣 お答えいたします。
 ただいまの御質問の事例はございませんけれども、共済契約に関しまする紛争は、今後加入者の数がふえまするとともにますます増加する傾向が出てくるのではないかと思われます。その内容は、現在までのところ事務処理上のミスによるものが大部分でございまして、ほとんどの苦情等につきましては事業団自体で処理することができておる、かように聞いております。
 したがいまして、これまで大臣権限としてのあっせん等に入ったことは、ただいま申し上げたようにございませんが、もしそのようなケースが生じた場合には、事業団に対しまする監督と本制度の適正な執行の責任を持つ通産大臣といたしまして、適切な処置をとる考えでございます。
#35
○松本(忠)委員 わかりました。実際問題としてそのようなことが起きては困るわけでございますので、そういうことが起きた場合のことを考慮しての規則でございます。今後経済的な不況が長引き、そしてまた人心が非常にぎすぎすしてくるとそういうことが起きかねないと思います。こういった規定が活用されないようなことの方が結構でございますので、この点は理解ができます。わかります。
 それから、五十九条についてでございますが、「市町村長は、当該市町村の条例で定めるところにより、事業団又は共済金等の支給を受ける権利を有する者に対し、共済金等の支給を受ける権利を有する者の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができる。」という規定がございますが、このような措置をとっている市町村というのは一体どれくらいの数に上っているのか、この点を事務当局からお答えをいただきたい。
#36
○岸田政府委員 本条を適用しまして所要の条例を定めている市町村の数、それから、それによって無料証明を受けている実績でございますが、全貌をつかむことが時間的にちょっと余裕がございませんのでできませんでしたが、いろいろ聞いてみますと、やはり現状ではきわめて例が少ないのではないかと感じておるところでございます。
 これは市町村が条例で定めるということになっておりますが、こういった必要性がかなりたくさん事例が出てまいって、やはりこの際これを督促することがどうしても必要だというような環境になりました際には、私どももしかるべき対応を図っていただくような指導が必要なのではないかと思っておるところでございます。
#37
○松本(忠)委員 確かに、これは各市町村で条例で定めることでありますから、できることになっておるということであって、やらないということならそのままの話でございます。実際、東京などでも、最近は地方財政が逼迫しておりますので、いろいろな意味から収入の増加を図ろうということでこういった証明の費用も一斉に値上がりをしております。そうした中で、実際問題として無料で戸籍証明を発行しておるというところは現実にはないと私は思います。これもやむ得ないことだと思いますけれども、本当に戸籍証明をとらなければならないような状態になったときに、サービスがよくてそういう場合には無料であるということになると一層小規模企業者にとって魅力あるものの一つに数えられるのではないか、また、ひいてはこれが加入促進につながっていくのではないかということが考えられるわけでございます。
 できもしないことを書いておいてもしようがないのじゃないかという気持ちがしますので、ある意味から言えばむしろ腹立たしいというふうにも考えられますけれども、長官、これは無料で発行してもらえるような働きかけをぜひやっておいた方が一つの魅力ある制度になり、そして、また、ひいてはこれが加入の促進につながるというふうに私は考えますので、この点は重ねて伺っておきます。
#38
○岸田政府委員 せっかく御提案をいただきましたことでございますので、私どもも少し実情を調べまして、なるべくそういうような方向に沿ってもらえるような工夫をいたしたいと思います。
#39
○松本(忠)委員 前回の四十七年の改正の際に私どもの党の松尾委員から出た質問でございますが、第一種契約と第二種契約の問題について松尾委員が四十七年の四月二十五日に質問をしております。その質問の中で、加入者の実態から第二種契約というものはほとんど契約の伸びが見られていない、利用されていないという現状を踏まえて質問をいたしておりますが、この第二種契約は昔の制度だからだらだらと残しているようなものでは意味がない、第一種契約に焦点を合わせていくべきであるということの主張を松尾委員がしております。そして、当時の中小企業庁長官から同感の意味の答弁がございました。そしてさらに長官は松尾委員の質問に答えて、「方向といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、第一種共済契約が主体となっていくべきものであるという考えでございます。」と述べておるわけでございます。
 四十七年からもうすでに五年間を経過して、この制度の見直しをすべき時期に達した今日、第二種契約は今後どうなさるおつもりなのか、このまま第一種契約とあわせて併存していくというおつもりなのか、第二種契約の廃止の意向があるのかないのか、こういう点をあわせてお答をいただきたいと思います。
#40
○岸田政府委員 第一種、第二種と二つの制度が併存しておりまして、仕掛けとしてわかりにくいという感じは率直にして私どもも感じられないわけではないわけですが、第一種は言うなれば保険的な色彩がかなり濃厚であり、第二種はそれに比べてみると貯蓄的性格が濃厚であり、それぞれの持ち味が確かにあることはあるわけでございます。
 特に、第二種につきましては、役員の退職について任意退職を含むという点が特色でございまして、役員などの場合にはやはり第二種を選んだ方が有利であると感じられる向きも依然としてあるわけでございます。したがいまして、両方を統合してしまえば制度としてはもっと簡素化できるわけですが、現にそういう需要があることは無視できないということから、とりあえずしばらくの間やはり第一種、第二種を並行してやっていこうと思っておるところでございます。
 ただ、御指摘の趣旨は私どももよくわかりますし、第二種がこれからどういうふうに実際に運営されていくか、実情を見ながら引き続き検討していくということが一番正しい答えなのではないかと思っておるところでございます。
#41
○松本(忠)委員 大臣に伺いますが、前回の四十七年四月二十六日に、当商工委員会におきまして、小規模企業共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議がついております。その中で、第一の項目として、「第一種及び第二種共済制度のあり方について早急に検討を加えるとともに、」ということがございますが、この制度の見直しと、それから同時にまた、経済情勢に応じての掛金、給付金等の問題を変えなければならないというところから五年目、五年目の制度の見直しということが規定されているわけでございます。
 前回四十七年にこのような附帯決議がつけられているわけでございますけれども、早急に検討を加えろということを当時の大臣は了承をしているわけでございますが、いまの長官のお答えでございますと、第一種、第二種の制度の問題について附帯決議にあるような早急な検討がなかなか加えられていないように私には感ぜられるわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。
#42
○田中国務大臣 お答えいたします。
 第一種及び第二種の共済制度のあり方につきまして、中小企業政策審議会のもとに共済制度小委員会を置きまして鋭意検討を加えてまいったことは御承知のとおりでございますが、諸般の問題もありまして今回の改正で措置を講ずるに至らなかった次第であります。しかしながら、答申におきましても今後検討すべき点の指摘を受けておりますことでもございますし、附帯決議等もこれあり、これらの点を含めまして引き続いてそのあり方について検討をいたしてまいりたい。第二種共済契約につきましての加入実績が少ないということでいろいろと論議のありましたこともお説のとおりでございまして、引き続いてこれを検討してまいることをこの機会に申し上げておきたいと思います。
#43
○松本(忠)委員 その検討がまた五年目になるわけでありまして、五年たたなければ恐らくその結論は出てこないのじゃなかろうかと思うわけでございます。これは答申の趣旨も生かし、また、附帯決議の精神も生かすならば、今回そのものがこうあるべきだという方向性が打ち立てられなかったことは政府当局としてもちょっと怠慢ではなかろうかと私は思うわけでございます。せっかく検討を加えるということでございますから一応了解はしますけれども、こういう問題は、附帯決議が単にそのまま何も見られないで置かれておるということではいかぬと思いますので、この点は次回までにはぜひ成案を得て提案されるように希望しておくわけでございます。
 それから、少し細かいことになりますので長官にまたお伺いをいたしますが、「小規模企業共済制度の概要」というものが中小企業庁から五十二年の二月十日付で出ております。この中の二十一ページのところでございますけれども、一応加入件数で見てまいりますと、四十九年度が九万七千二百五十件、五十年度が九万三千七百二十三件となっておるわけでございます。五十一年度は四月から十二月までの計が五万七千百二十八というふうに出ております。五十一年度末の集計はまだ出ておらないと思うわけでございますけれども、仮に大ざっぱな単純な計算をしてみますと、この五万七千百二十八を四月から十二月までの九カ月で除して平均をとり十二倍して計算をすると七万六千百七十という数字が出てくるわけでございまして、四十九年、五十年度の実績に比べて落ち込むのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。口数においても同じことが言えるのでありまして、これまた単純な計算をしてみますと、七十一万五百十口というのが九十四万七千三百四十口というふうに計算上は出てくるわけでございまして、これまた四十九年、五十年度に比べますと大幅な減少になるわけでございます。
 実際の加入件数、口数というものは近く発表があると思いますが、発表の時期はいつなのか、また、私がいま申し上げたような数字が事実になってあらわれたときには件数、口数とも非常に減少の傾向になるわけでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
#44
○岸田政府委員 お話にございましたように、十二月末現在の加入件数は五万七千百二十八件でございますが、実は、例年見ておりますと、一−三月期に非常に加入者が多いのでございます。特に、各団体あるいは各府県がこの期間に集中的に加入促進をするというようなケースが多いことが背景にあろうかと思っております。
 今年の見通しでございますが、いま中間速報を得ておりますが、これによりますと大体九万五千件程度の加入でございまして、前年ないし前々年に匹敵する加入が得られるのではないかと思っております。確報は大体四月末になりますとわかりますが、大体いま申し上げました程度ではないかと思っておるところでございます。
#45
○松本(忠)委員 件数が九万五千ということでわかりましたが、口数はどれくらいですか。
#46
○岸田政府委員 概数で大変恐縮でございますが、口数にしまして大体百二十三万口程度ではないかと予想いたしております。
#47
○松本(忠)委員 いずれにしても、正確な数が近日中に出てくると思うわけでございますが、九万五千件あるいは百二十三万口ということになりますと、私の申し上げた数字というものが全くの杞憂になるわけでございまして、結構なことだと思うわけでございます。
 ただ、中小企業、零細企業という方々が非常に大変な生活の状況の中で新しく加入をし、そしてまたそれだけ出銭がふえるというわけでございますので、いまの長官のお答えのような数字があらわれてくるならば大変結構なことでございますが、この点については新年度においてもなお一層強力なPRを展開してやっていただきたいと思うわけでございます。
 次の質問でございますが、この小規模企業者の範囲の拡大という問題について私は提案を申し上げてみたいと思うわけでございますけれども、非常に打ち続く不況でございまして、これらの企業が大変な重圧の中で経営基盤の劣弱を何とか打開しようとして一生懸命になってがんばっているという状態でございます。先般も発表がございました商工リサーチ等によるところの倒産の月例報告でも明らかなように、意思と努力にかかわりなく廃業、倒産に至っているのが現状でございますし、特に三月期の倒産が非常に多かったわけで、こういうことを見ますと、その倒産の余波を受けての関連的に倒産をしてくる下請企業というものが非常に多いわけでございます。
 そこで、私は、この制度も非常にいい制度なんだから、もう少し小規模企業というものの枠を広げて、そして加入を促進してはどうかと思うわけです。これはこの法律の最初から、加入者の枠について、第二条一項の一号に、「常時使用する従業員の数が二十人以下の個人であって、工業、鉱業、運送業その他の業種に属する事業を主たる事業として営むもの」とあり、第二号に、「常時使用する従業員の数が五人以下の個人であって、商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営むもの」というふうな規定がございますので、もちろん根本を変えなければできないことなんでありますけれども、とにかく共済法の対象の枠組みの中に入れていく者をもうちょっと上げてはどうか。たとえて言えば商業、サービス業では十名以下とか、その他の業種では三十名以下とか、それをこの対象の枠の中に組み入れられるようにしたならば小規模企業にとっても大変いいことではなかろうかと思うし、また、一つは、社会福祉政策的な機能を果たすことではなかろうかと私は考えるわけでございます。
 この問題については、法そのものの根本の定義を変えなければならないことでございますので無理だとは思いますけれども、何とかこの辺について抜本的に考えるという体制はないものか、これを大臣にお答えいただきたいと思うわけでございます。
#48
○岸田政府委員 この制度の発足の趣旨が、中小企業の中でも特に小さい方々を何とかお互いの力で助け合うことによって希望を持たせるようにしようということでございまして、小規模企業者ということの枠を越えるということは基本的にやはりいろいろ問題があろうかと思っておるところでございます。
 ただ、そうは申しましても、現に活用されております事例を見ますと、小規模企業の中でも特に小さい層というものが圧倒的多数でございまして、そのような実情から見れば、とりあえずこのような制度のままで進めていってもおおむね所期の目的を達し得るのではないかと思っておるところでございます。
 ただ、現実には従業員の数が変動いたしましたりする場合も出てまいりますので、そういう場合にはやはり加入時の従業員数という形で処理をいいだしておりまして、その点は多少弾力的な運用の余地が残されておるかと思っておるところでございます。
#49
○松本(忠)委員 それから、次にお伺いしたいことは加入者数の問題でございます。それから脱退を引きました現在数という問題でございますが、五十一年の十二月現在で、この資料の二十三ページから二十四ページにかけてのところを見ると六十七万四十六という数字が出ているわけでございます。そこで、脱退の十五万四百六十二件というものを差し引きますと正味五十一万九千五百八十四件です。発足以来十年有余でございまして、かなりの減少を示しているわけでございます。
 そこで、昭和五十二年度の加入目標というものは一体どれくらいに設定しているのか、これを伺いたいわけでございます。
 それから、五十一年八月二十四日の中小企業政策審議会の意見具申の中でも、五十二年度から五十六年度までの五年間に加入率を二五%、百十五万件まで引き上げることが要望されておりますけれども、この達成の可能性はあるのかないのか、この二つの点についてお答えをいただきたいと思います。
#50
○岸田政府委員 私どもは、この制度は小規模企業の方々に安心して仕事をしていただけるために大きな意味を持った制度だと思っております。その意味におきまして、少しでも多くの方々がこの制度に加入をしていただくように制度を魅力のあるものにし、また、この制度自体の普及に努力をしていかなければならないと思っておるところでございます。五十六年度における加入率を二五%にするようにということが答申の中にもうたわれておりますので、私どもはこの目標を何とか実現をするように持っていきたいと思っております。
 一応五カ年間の計画をつくっておりまして、五十二年度においては十二万件の新規加入を達成いたしたい、その次の年には十三万件の目標を達成するように努力をいたしたいというようなある程度ブレークダウンをした目標を持って、いまそれに対する対応策を準備いたしておるところでございます。
 提案を申し上げましたような形で加入限度が引き上げられ、あるいは老齢給付の給付事由が改善をされ、また還元融資も用意されるといったことが一つの大きなきっかけになりまして、一層魅力のあるものとして感じていただけるのではないかと思っておるところでございますが、その魅力をいかにして多くの方々にわかっていただけるかということが一つのポイントになろうかと思います。
 したがいまして、従来から、モデル県運動というようなことで県を選びまして、そこに集中的にPRをするというような運動、あるいは地域を特定いたしましてそこに集中的にPRする運動等をやっておりますが、こういう従来の活動をもっともっと積極的に行っていくことによりましていまのような目的を達成いたしたいと思っておるところでございます。
#51
○松本(忠)委員 先般も私は町へ出まして、この審議に当たりますについて、付近の方々に小規模企業共済法というものを知っていますかということをちょっと聞いてみたわけですが、まるっきり知らないわけです。それで、私も実は不勉強でございますが、これはいけないなと思いまして、それから今度の法律案の要点、改正点等も申し上げて、皆さん方にぜひ加入してほしいということを政府にかわってPRをしたわけでありますが、本当に知られていないわけですね。
 いま長官は各府県別にいろいろの方策を立ててPRをしているというふうに言われていますけれども、なかなかこれが具体的に実を結んでいないと私は思いますので、一層この点のPR活動を十分にして、要するに中小企業政策審議会から要望されている加入率五十六年度二五%達成ということをぜひとも実現してもらいたいと思うわけでございます。
 それから、資料の二十二ページにございますが、「脱退状況」の中で、「共済金等を支給しないもの」というのがあるわけでございますが、これは一体中身はどういうことを意味するのか、改めてお伺いをしておきたいわけでございます。
#52
○岸田政府委員 先ほどの話にちょっと振り返らせていただきますが、業種別に見ておりますと小売業などはかなり加入の率がよろしいようでございます。また、製造業もある程度高いかと思っておりますが、その他の業種におきましては必ずしも高くない。御指摘のように、私もいろいろと人に会うたびに入っておるかということを聞くのでありますが、まだまだ周知徹底が不十分であると感じておりますので、この普及広報の面ではもっともっと力を入れてまいりたいと思っておるところでございます。
 ただいまお尋ねのございました共済金を支給することとならない解約による脱退が多いということにつきましては、件数はいまお話がございましたような形でございますが、その多くはどうも加入者の掛金の掛け忘れというケースに属するようでございます。私どももこれはどうも問題だなと感じておるところでございまして、やはり、掛金滞納者に対しまして注意喚起をするということによりましてこういうケースを少しでも少なくしていきたいと思っておるところでございます。
 それと同時に、四十七年九月から掛金の口座振替制を実施いたしましたが、これをもっと普及していけばいま申し上げました掛け忘れというようなケースもなくなってまいるわけでございまして、こういった点については特に力を入れてまいりたいと思っております。
 ただ、いま申し上げましたようないろいろな措置によりまして、事業団の解約率はこのところ数年毎年着実に下がってきております。四十八年度における事業団解約率が四・〇六%、四十九年度が三・六七%、五十年度が二・九二%というような形で逐次低下をしておりますことを御報告申し上げたいと思います。
#53
○松本(忠)委員 それでは時間も参りましたので、あと質問をしたかった先ほど長官が述べられました新融資制度の問題、あるいはまた貸し付け、貸し出し、回収の現況等についてもお伺いをいたしたいと思っておったわけでございますが、残念ながら次回に譲ることにいたしまして、最後に大臣にお伺いしておきたい点がございます。
 本制度は発足以来時間的に大変短く、まだ成熟していない育成の期間というふうに思われるわけでございますが、しかし、本当に小規模事業者の魅力のある制度としてだれもが進んで加入できるようにPRしなければならない。先ほど私が実情を申し上げたように、町のおやじさんたちはこの制度の存在を知らないということがはっきり言えると私は思うわけでございます。そこで、大臣に最後に締めくくりでお答えをいただきたい点は、通産当局としても中小企業庁としても、本制度に対して本当に真剣に取り組んでいく用意があるのかないのか、この御決意を聞いて私はきょうの質問をひとまず閉じることにいたしたいと思います。
#54
○田中国務大臣 お答えいたします。
 御質問の内容は、これに対します取り組む決意でございますが、中小企業の対策はいろいろと数多くのものがございますが、本制度のような社会福祉的な温かい内容を持った制度というものは私はむしろ非常に評価いたす次第でございまして、これだけのいい制度でありながら、あるいはPRが不足しておるというような結果から生じますところの伸びがないこと、せっかく二五%という目標がありながらなかなか達成ができないこと、あるいは還元融資の点がまだまだ足りないことというような欠陥はあるといたしましても、中政審の御協力もいろいろといただきまして、また皆様方の御協力もいただきまして、本制度をぜひひとつ今後ともに大いに拡充いたしてまいりたい、かようにかたく思っておる次第でございます。
#55
○松本(忠)委員 終わります。
#56
○野呂委員長 上坂昇君。
    〔委員長退席、中島一源一委員長代理着席〕
#57
○上坂委員 小規模企業共済法が昭和四十年に制定されて、第二次の改正が行われ、その間拡充の方向が何回かあったわけでありますが、今回が第三次の改正になるというふうに思います。
 そこで、昭和四十六年の八月に行われました中小企業政策審議会の「小規模企業共済制度の見直しについて」ということの中で、掛けどめ制度の導入をすべきであるという意見があるわけでありますが、これについての実現をどういうふうに図っていくのか、お答えをいただきたいと思います。
#58
○岸田政府委員 お話にございましたように、掛けどめ制度について四十六年にいろいろな議論が行われまして、それを受けまして、今回の改正の際にも審議会の中でその議論が出ておりますが、ただ、この制度は長い期間掛けて、そして相当まとまった果実を得られるというところに一番基本的な魅力があるので、やはり、その制度自体を生かしていくということが一番穏当な答えなのではないかということで、掛けどめ制度についてはそう議論を詰めることがなく今回の答申に至ったという経緯でございます。
#59
○上坂委員 掛けどめ制度は一定期間掛金をすれば後は掛金なくしても契約は続くという制度でありますが、ぼくは非常にいい制度だと思うのです。これをやはり前向きに検討していく必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#60
○岸田政府委員 この制度は法律上は一応五年ごとに見直しをするということになっておりますが、私どもも、少しでもいい知恵があればそれにこだわることなく改善の方策を講じていくことの方がより必要なことではないかと思っておるところでございます。
 御指摘の点につきましても引き続き議論をいたしますが、従来の議論の経過を聞いてみますと、技術的にもなかなかむずかしい問題があるようでございます。そういう問題に対する一つの答えとして、今回老齢給付についての給付事由を改善したということによって、御希望の点の一部分にはこたえたことになるのではないかと思っておるところでございます。
#61
○上坂委員 この問題はなお検討を要するだろうと思いますが、次に移ります。
 現在時点で、四百五十万企業者のうちで加入が五十二万件、一〇%強となっております。これらについではほかの委員からもいろいろ質問がされているところでありますが、この非常に加入が少ないという原因が一体どこにあるのかという、これをお答えいただきたいんです。
#62
○岸田政府委員 率直に申しまして、この制度のあることをまだ知らないという人がかなり多いのではないかと私は思っております。従来も、各種の団体を通じ、あるいは地方公共団体を通じましてこの制度の普及にはいろいろ努力をしてまいりましたし、地域的な集中的なPR運動なども進めてまいりましたが、対象は非常に数が多いわけでございまして、それでもやはりいまだにこの制度の存在を知らない方々、あるいはそれによって受ける利益についての知識が不十分であるという方々がたくさん残っておられるというのが現状であろうかと思っておるところでございます。私どもが日ごろ接します方々に入っておられますかというようなことを聞いてみますと、製造業あるいは小売業ですとわりあいに入っているという答えを得られる場合が多いわけですが、サービス業関係になりますと非常に率が低いような感じがいたします。特に、この制度は製造業、サービス業、それから卸、小売業以外の各般の業種にも適用できる制度でございまして、もっともっと私どもも守備範囲を広くして、普及徹底を図っていくということが必要であろうと思っております。
 ただ、これを説明しますときにこれだけのメリットのある制度ですということが言えれば一層そのPRにも迫力が出るわけでございまして、今回の改正によりまして掛金限度が三倍に引き上げられ、そしてそれを相当年度続ければこれだけの金が一定の事由によって得られるというようなことが言えることによりまして、この普及にも一層力が入れられるんではないかと期待をいたしておるところでございます。
#63
○上坂委員 この加入者が非常に少ないというのは必ずしもPRだけの問題じゃないと私は思うのです。というのは、この法律がせっかくつくられても、先ほど来問題になっておるところの魅力がないというところだと思うのです。
 この魅力がないということは何かというと、いままで実際に掛けてももらえる金額がまず少なかったという点です。したがって、ここのところは今度は直して、もっとこれを上げなくちゃいけないというところで今度の法改正ということになったということと、それから、もう一つは、満期期間が長過ぎると思うのですね。ですから、非常に長い間掛けていかなくちゃならぬわけです。ここがやはり第二点として問題になってくる。
 それから、もう一つは、老齢給付の場合六十五歳以上にならぬとこれが来ないわけですね。これは六十五歳という年齢ではなかなか大変だと思うのです。いまの経済の中で、小規模の事業者の人たちは非常に困って、新しい体質改善をしなければならぬということになりますと、これはやはり子供に譲るとか、あるいは第二世、第三世という人が受け持っていかないと新しい感覚の中で企業を伸ばしていくということはできないわけなんです。ですから、どうしても六十歳程度で譲って後を任せるというような状況が必要になってくると思うのですが、そういう場合に、これは六十歳から老齢給付はしていくということに改めていく必要があるのじゃないかというふうに思うわけです。答申にもやはりそういう点で年齢を引き下げよという答申が出ております。こういう点をやっていけば非常に魅力があるものになるし、そしてそこにPRが行き届いていけばかなり加入者がふえてくるのではないかと私は思っております。
 それで、これは大臣から、私がいま考えているような点も前向きに検討をいただけるかどうか、もう一度お答えをいただきたいと思うのです。
#64
○田中国務大臣 お答えいたします。
 ただいまの先生の御指摘のように、本制度がこれだけいい構想でありながら加入者も少ないという点は、PRが足りないという点が一つと、もう一つは、ただいまの掛金が余りに長期であるということだと思いますが、これは二十年を今回十五年に改めようということとか、なおまた、その間にさらに還元融資という問題につきましても枠を広げようというふうないろいろの施策を講じまして、特に本制度の普及徹底をこれから図ってまいりたいと思っております。
 中小企業と申しましても、なかんずく零細なこれらの対象の企業に対しまして、むしろ社会福祉的な本制度の魅力というものを皆さん方にも知っていただくように、今後ともに私どもは一層努力に励むつもりでございます。
#65
○上坂委員 これはいまそこでわかるかどうかわかりませんが、中小企業の退職金共済制度というものがありますが、これについてはどのくらいの加入状況になっているか。これはいますぐわからなければ、質問の終わりごろで結構ですから答えていただきたいと思います。
 それから、五十一年十二月末の「加入脱退在籍状況」を見ますと、四十年以来の加入が六十七万四十六件で、口数にして五百六十五万九千八百八十五となっております。そして脱退が十五万件あるわけです。これが口数で八十四万一千七百六十七件となっておりますが、この脱退の主な原因といいますか、理由といいますか、これは何であるか。
 それから、もう一つは、業種別に見て、――これは加入者の多い少ないがもちろんありますからいろいろ違ってくるとは思いますが、率的に見て脱退の多い業種というのはどういう業種であるか。この点をお答えいただきたい。
#66
○岸田政府委員 最初にお尋ねがございました中小企業の退職共済でございますが、共済契約者は、これはいわば会社がこれに相当するわけでございますが、これの件数がごく最近で十八万三千五十一件の加入でございます。
 それから、被共済者数は、これは従業員に該当するわけでございますが、この数が最近で百四十五万七千八百六という数字が報告をされております。
 それから、脱退の理由でございますが、これは余り正確な統計はございませんが、先ほども御答弁申し上げておりますように、やはり掛け忘れという場合が非常に多いというふうに聞いておりまして、掛け忘れ防止対策ということについて特に私どもは力を入れてやっていかなければならないと思っておるところでございます。
 それから、加入、脱退についての業種別の内容はどうなっているかということでございますが、まず、加入状況につきましては、業種別に見ますと、小売業が四一%、それから製造業が二七%、サービス業が一四%でございまして、その三業種で全体の加入者の八二%を占めております。
 それから、脱退についての業種別統計はございませんが、先ほど申し上げましたような理由から推察をいたしますと、特に業種別の特色があるというような形ではないと理解いたしております。
#67
○上坂委員 脱退とか解約がなければ掛金の運用の収入はふえるわけでありますから、これはせっかく契約したものを解約などはしないように十分努力をしていただきたいと思います。
 それから、ここに資料がありまして、小規模企業共済法の一部を改正する法律案の参考資料というのが中小企業庁から出ておりますが、この中の五ページに「掛金収入及び共済金等支払状況」という形で年度別の掛金等の収入状況が出ております。これは五十一年の十二月末でありますが、ここに「その他」という項がありますが、この「その他」というのは何ですか。
#68
○岸田政府委員 このお示ししました表で「その他」に分類されておりますのは、内容としては後払いの割増金ということで、後から払いますときには多少の割増金をちょうだいするということになっております。これが一つでございます。それから、他の例といたしましては、未払い給付金の繰り入れ計上等が「その他」の主な内容と報告されております。
#69
○上坂委員 ここで収入でありますが、掛金等収入が九百十二億六千七十九万三千円で、それから運用収入の合計が四十年度から五十一年度までで百六十四億一千九百四十九万二千円で、「その他」の、いまの後払い割増金等の収入が二千六十五万七千円で、合計が一千七十七億九十四万二千円となっております。
 一方、年度別の共済金等の支払い状況を見ますと、共済金が、四十年度から五十一年度までで二万八千六百六十二件で、四十二億九千二百四十五万円、それから解約手当金が三万七千二百四件で、十四億七千百七十七万三千円、合計で六万五千八百六十六件の支払い件数があって、この金額が五十七億六千四百二十二万三千円であります。単純に計算しますと差し引き約一千二十億円が残っている勘定になる。
 そして、それが「資産運用状況」に入ってきまして、資産残高として九百九十四億九千七百五十五万二千円というふうになっておるわけでありますが、このうちで融資をしているもの、いわゆる貸付金が十八億百三十九万三千円で、一・八一%程度しかないわけですね。この貸付金はそういうふうな解釈をしていいのかどうかわかりませんが、一千億円の掛金をやって貸付金は十八億余、それから共済支払いは現在のところ五十七億六千四百万円程度ということになりますと、これは率から言って非常に少ないというふうに思うのです。
 そこで、いろいろ質問が出てくるわけでありますが、今度の改正で掛金を三万円まで上限を上げますと、昭和五十五年度でちょうど十五年目ではどのくらいの資産残高というものが予想できるのか。これは加入状況と見合ってくると思いますからなかなかむずかしいとは思いますが、政府の方で立てている見込みをひとつお知らせをいただきたいと思います。
#70
○岸田政府委員 これは私どものこれからの努力いかんにかかっている面がいろいろございますが、今後の五年間について一応の計画も持っておりますし、それを前提にして試算をさせていただきました。前提といたしましては、五十二年度で十二万件の新規加入者、五十三年度で十三万件、五十四年度で十三万件、五十五年度で十四万件。このような加入者を前提にし、平均口数も逐次ふえていくという前提のもとにラフな試算をいたしてみますと、五十五年度末の共済資金総額が約四千億円程度になろうかと思っております。
#71
○上坂委員 それから、もう一つ、昭和五十五年度で一人当たりの共済金を一千四十七万六千余円と試算をされております。これは中小企業庁の方で試算をされて、この資料に載っております。それから、老齢給付の場合には、十五年で掛金を三万円とすると八百三十三万八千二百円というふうに試算をされております。私は、加入者がふえればさらに資産残高はふえていくというふうに思いますが、しかし、いまの時点でこれだけの金額でも、いまのように年一〇%に近い物価上昇が行われるとこれはかなり目減りをしてしまう。そこで、どうしても物価スライド制を導入する必要があるというふうに思うのです。この物価スライド制については答申でも要望をしているところであります。これを本当にやらないと、十年、十五年あるいは二十年後にせっかくもらったものが老後安定資金にはならない。こういうことになったのでは長い間掛金をやってもつまらぬ。生命保険が全然少なかったという例は、われわれは戦争中からいままでの例でも非常によく体験をしているところであります。
 したがって、今度できなければこの次の改正ででも何でも、どうしても物価スライド制を導入すべきであるというふうに私は思いますが、いかがですか。
#72
○岸田政府委員 今回の掛金月額の限度の引き上げによりまして、従来であれば二十年たったときの共済金が五百六十万円程度であったものが千六百八十七万円程度まで引き上げられるということで、いままでに比べますとある程度まとまった金が欲しいという希望にはこたえられることになるのではないかと思っておるところでございます。
 それに関連して、さらに物価スライド制を導入してはどうかという御意見は、実は審議会の中でもいろいろ議論が交わされたところでございます。議論をいたしてみますと、この制度が基本的には小規模企業者の相互扶助の精神に基づいた共済制度であって、いわば任意の申し込みを基礎として行われておる。さらに加えまして、掛金収入と共済金との支出をバランスさせるということがこの制度の基本になっておる。こういう前提からいたしますと、物価スライド制を導入することによりまして収支の均衡が大幅に崩れる可能性があるのではないかという懸念が議論の中でも出された次第でございます。しかし、より魅力のあるものにするために今後引き続き何とか研究してもらえないかという御意見がございました。
 答申の中にもございますように、これは今後の引き続きの研究の課題として私どもは受けとめさせていただきたいと思っておるところでございます。
#73
○上坂委員 先ほど「資産運用状況」の中で、融資経理貸付金という項があるということを私は申し上げましたが、これと同じ資料の九ページにある「契約者貸付・貸出・回収・残高状況」の中に貸出件数と金額が載っておりますが、これとはどういう関係があるのか、お答えをいただきたいんです。
#74
○岸田政府委員 お手元に資料がございますかと思いますが、お手元の資料の七ページに「融資経理貸付金」として掲示をされております金額は、事業団の経理におきまして、給付経理から融資経理へ移しかえた金額でございます。この移しかえられたものをもとにして融資業務が実際に行われるわけでございますが、その状況を示しておりますのが、九ページの資料でございます。先ほどの原資をもとに貸し出しをし、回収をし、その残高が九ページの表のような数字になっております。この数字で、七ページの残高と九ページの残高との相違は、貸し出し、回収に伴う、いわば時間的なギャップに基づくものでございます。
#75
○上坂委員 そうすると、この貸し出しの金額は、九ページの金額をとってみますと、これは累計でありますが、四十四億二千二百八十五万円になります。これは実は掛金等の収入に比較いたしますと〇・〇二%強程度なんですね。そこで、貸出件数が二万一千二百二十件でありますが、この件数も加入者の件数から見ますと〇・〇三%にしか当たらない。これは非常に少ない。
 そこで、問題なのは、もう一つここに未回収というのが出てくるわけでありますが、回収金額が二十四億八千九百五十三万円で、件数にしまして一万二千七百四十五件、これは回収をされておりますが、未回収の金額が残高として、八千四百七十五件で十九億三千三百三十三万円あるわけであります。これの未回収の分の回収の見通しはどのようになっているか、お聞かせをいただきたい。
#76
○岸田政府委員 いままでの資産運用の中で貸し付けに回しておる部分が余りにも少ないではないかという御意見につきましては、実は、貸付制度自体が発足したのがわりあい近年のことでございます。したがって、全体の資金規模と比べますと、それはおのずから率としては低くなるという面があるとは御理解いただきたいと思います。
 しかし、現実の運用といたしましては、この還元融資につきまして申し込みがあったのを断るというようなケースはほとんどございません。希望があれば、その希望にこたえて即時に必要な手元資金を応援するという形で運用をしておるわけでございます。さらに、今回新しい制度ができまして、この面で契約者に対するサービスが一段と向上できることになろうかと思っておるところでございます。
 ただ、これをどこまでふやせるかということになりますと、やはり、確実に資金を運営していかなければならないという課題と、しかも中小企業のためになるような運用を考えていかなければならないという課題からいたしますと、余りふやして危険の多い貸し出しに走るというようなことは慎まなければいけないという感じがいたしておるところでございます。
 なお、お尋ねの中で、貸し出しと回収との差額につきまして、数字の御指摘がございましたが、これは回収しなかった残が回収不能ということに直ちになるのではなくて、いわば貸し出し中の金額というのが圧倒的多数でございます。貸し出した後に回収が不能になるケースも確かに間々ございますが、その場合には、一定の処理によりまして、従来の掛金との相殺等によりまして経理をいたしておるところでございます。
#77
○上坂委員 いわゆる貸し出しについてはリスクは非常に少ない、簡単に言うとそういうことだと思うのです。ですから、大体回収できると見て差し支えない、よほどのことでないと取れなくなってしまうということはない、ということはもっと融資の幅を広げてもいい、こういうことだろうと私は思うのです。しかも、五十五年度になりますと四千億以上の金が実際掛金として集まってくるという見通しになるわけでありますから、これは年々ふやしていき、そして額も上げていくという形で中小企業を助けていくという形が必要だと思うのです。これは単なる中小企業者の共済だけではなくて、中小企業の振興に寄与するということが目的にうたわれておるわけでありまして、そういう意味では、小規模経営者の事業の繁栄といいますか、そういうものにも非常に大きく重点を置かなくちゃならぬ制度だと思います。
 その点で、いま私が言った貸し出し、貸し付けをしてもリスクが非常に少ないということを前提にしてわが党は事業転換資金あるいは住宅建設資金貸し付けというものを提起しているが、なぜこれができないのか、やるのかやらないのかということについてお答えをいただきたい。
#78
○岸田政府委員 事業団の資金量がふえてまいりますれば、それをいかにして安全にかつ有効に使っていくかということは一層大きな課題になってまいろうかと思っておるところでございます。
 答申の中にありますような福利厚生施設などの整備等につきましては、やってみたいと思いながら、いまの段階では、いまの資金量では手をつけるのはまだまだ早いのではないかと思っておりますが、やはり、将来の課題としては十分考えておかなくちゃならない問題であろうと思っております。また、還元融資の面につきましても、資金量がふえてまいりますればそれなりに弾力的な扱いができる道が開かれるだろうと思っておるところでございます。ただ、先ほど来からも申しておりますように、この資金は零細な中小企業の方々がこつこつ積み立てていった金でございまして、何よりも安全ということを基本原則として考えておかなければならない問題であろうと思っておりますし、また、それがすべての加入者の方々に平等に受けとめられるようなしかけでなければならないだろうと思っておるところでございます。
 融資制度につきまして、五十二年度から新しい制度を発足いたしまして、従来の制度に比べれば、たとえば限度におきましても従来は掛け金の限度内であったものが三倍までふやされるという意味でかなりの前進になろうかと思っておるところでございます。それをもっとふやせということになりますと、やはりこれは使い方の面でいろいろ問題が出てくる可能性がある。そこは慎重にやる必要があるのではないかという感じがいたしております。
 たとえばいまお話がございましたような住宅資金の問題などは私どもも議論をいたしましたが、ただ、住宅資金ということになりますと金額の面でも相当大きな金額が必要でございます。また、事の性質上相当長い期間寝かせておかなければならないという面がございます。こういった長い期間、しかも特定の人に貸し付けをするというようなところまではちょっとまだ事業団自身の体力がついていっていない。やはり、これはやれるものから逐次前進を図っていくというようなやり方に当面はならざるを得ないのではないかという感じがいたしておるところでございます。
#79
○上坂委員 非常に慎重な貸し出しをしていって、危険をなくしていくということが小規模経営者を安定させることにつながるというお話はよくわかります。したがって、非常に慎重な貸し方をするわけですから、返済というのは大体確実にされる、こういうように私は思うのですね。返済をちゃんとできるということを見通して貸すわけだから、したがって余り危険性がないのだから、問題なのは返済期間を少し延ばしたらどうかというふうに思うのです。いままでは三カ月、六カ月、一年という形になっていたと思いますが、今度は期間を延長することになっているのかどうか、この点が第一点です。
 それから事業資金ですね。いわゆる共済契約の事業資金というふうに出ておりますが、これは運転資金なのか、設備資金なのか、どちらに使ってもいいのか、あるいは店舗改造等に使ってもいいのか、その使い道を固定していないのかどうかという点についてお答えをいただきたい。
#80
○岸田政府委員 従来の契約限度内における還元融資制度におきましては、いわばとっさの資金が欲しいということに対応して即日に貸せるということが大変特色であり、まだ、メリットであろうと思います。こういうやり方につきましては、やはり、従来の貸し付け期間であります三カ月とか六カ月とか十二カ月といったやり方で機動的に使っていきたいと思っております。
 これに対しまして、新しく用意いたしております新貸し付け制度におきましては、期間を弾力化いたしまして、三年以内までの貸し付けを対象とし得るようにいたしたいと思っておるところでございます。
 その内容につきまして、設備資金、運転資金のどちらなのかというお尋ねでございますが、私どもは事業の資金であればいずれの用途にも使い得るというふうに考えておりますし、また、お話の中にございました店舗改装資金も事業資金の中に含まれるという解釈で運用をいたしたいと思っておるところでございます。
#81
○上坂委員 大臣がお帰りになる時間が来ているようでありますから、ちょっとその前に聞いておきます。
 共済事業団がこの運営に当たっており、その役員が四名となっておりますが、この四名の氏名と、それから前の職歴、勤務年数――これは任期は四年だそうでありますが、それから役員報酬、これらについてお知らせをいただきたいと思うのです。
 この中でいますぐ答えていただきたいのは、役員でやめられた人がどのくらいの退職金をもらってやめられているか、一例で結構ですから挙げてください。
#82
○岸田政府委員 細かい点につきましては資料をもってお答えをさせていただきたいと思います。
 ただ、役員の退職手当について特にお話がございましたので、その面についてだけ御報告をさせていただきますと、理事長の交代が先般ございましたが、前の理事長の退職手当が一千四百六十八万八千円でございます。
#83
○上坂委員 任期が四年で一千四百六十八万円退職金がもらえる。中小企業者の場合には十五年間掛け金をやって共済給付になるのは一千万円。あるいは老齢給付だともっと低い。こういうことになっているところにやはり小規模経営者に対する問題があると私は思うのです。これはいろいろ決められていることだから出すのはあたりまえだと言うのでしょうが、大体、こういう理事だとかなんとかいう人はほとんど役人の中からの天下りになっているのじゃないかと私は予想するわけです。したがって、給料もまたほとんどいまの役人時代よりも高いお金を取っている。そういう人たちが運営をしているということになると、本当の小規模経営に対するあたたかい配慮というものがどうもなくなるような気がするのですね。
 こういうことは一体改善ができないものかどうか、この辺のところを大臣にお伺いをいたしたい。
#84
○田中国務大臣 これら公団、公社等の理事、総裁等の退職金の問題は予算委員会等におきましてもたびたび問題となっておるところでございますが、ただいまのお話は、二十年、十五年と掛け金を掛けて、そしてそれの還元融資を受ける量からお比べになっておられますが、同時に、また、そういうふうな問題と人事の給与体系というものとはおのずから別個な問題であることは当然でございますが、なおいろいろと問題の存するところでもございます。
 たまたまこれが公社、公団と申しましても、特に中小企業、零細企業を取り扱う対象なだけに特段の御指摘があったと思いますが、いまの給与体系の問題ともあわせて考えまして、応分の、これらの問題につきましての才能あるいは職責、責任等いろいろな問題を彼此勘案いたしまして決められておるところであろうと存じます。
 正規の規定に従いましての退職金でございましょうが、予算委員会等でいろいろと問題になっておりますことも篤と承知をいたしておりまする関係から、御意見のほどは承っておきたいと存じます。
#85
○上坂委員 大臣、結構です。
 資料要求をいたします。
 これは五十一年度の方がいいと思いますが、事業団の経費の中で人件費が三億六千百九十七万三千円となっておりますが、この人件費の内訳を資料として出していただきたい。これは職員が八十七人で役員が四人であります。
 それから、もう一つは、この人件費というものの中には、先ほど指摘しましたいわゆる退職金というものが含まれているのかどうか、その点もあわせてお願いいたします。これはいますぐお答えいただければ答えていただきたいと思います。
 それから、退職した役員がいままで何名おられて、その退職金の額は一人当たりどうなっているか、これについても提出をしてもらいたいと思います。
 それから、これは質問でありますが、事業団の経費について、資本金が全額政府出資で四千万円というふうになっておりまして、これは予算上ふやしていくことができることに二十六条で条文上なっておりますが、現在の資本金は、ここに書いてあるこれではちょっとわからないので、どのくらいになっているか、お答えをいただきたいと思います。
 それから、時間がありませんからもう一つ聞きますが、共済法第四章の雑則の五十七条に「あつせん」の項があります。紛争が起きた場合にあっせんをすることになっておるわけでありますが、紛争件数というのは現在何件かあるのかどうか、もしあればその結果はどんなふうになっているのか、具体例を示してもらいたいと思います。
 それから、もう一つ、先ほどの貸し付けの項に移りますが、現在、いまの契約者でありますが、これは最高額でどのくらい借りることができるのか。
 この三点についてお答えをいただきたいと思います。
#86
○岸田政府委員 人件費に関する資料は別途お手元にお届けさせていただきたいと存じます。
 第二点にお尋ねがございました資本金でございますが、もしお手元に共済法一部改正法律案に関する参考資料がございますれば、それを御参照いただきたいと思いますが、この資料の十ページから十一ページにかけまして、この表の下から二番目の欄に「出資金累計」というのがございます。これによりますと、五十一年度における出資金が十五億九千万円でございます。これに対しまして、五十二年度予算におきましてはさらに八億円の出資を追加することが予定されておりますので、五十二年度の予算が動き出しますと出資金が二十三億九千万円になろうかと思っております。
 それから、第三番目にあっせんの規定の実際の運営状況でございますが、この共済制度に関してトラブルがあるという事例は、納めたはずなのに通知が来ないとかいうようなかなり事務的な案件がほとんどでございます。したがって、事業団等においてほとんど事務的に処理をされております。私どものところにもときどきいま申し上げましたようなものと同じような趣旨の電話が入ったりいたしますが、これは事業団の方でその都度うまく処理していただいておりますので、現実に支給について大きな問題が起ったというケースはございません。したがって、そのあっせんに関する条文を現実に動かしたという事例もまたないわけであります。もし問題が起こりましたときには当然利用者の立場も考えて公正に処理をいたしたいと思っておるところでございます。
 それから、貸し付けの規定が動いていきまして一体どの程度まで貸し付けられるものであろうかという点でございますが、現在の契約者の中で積立額の最も大きい方が九十四万五千円でございます。平均で申しますと十七万四千八百円になっております。したがって、私どもは大体これの三倍くらいまで新制度では貸し出しができるようにしたいと思っておりますので、最高のケースで二百八十三万五千円、平均の場合で五十二万円程度の貸し付けが可能であると考えておるところでございます。
#87
○上坂委員 質問はこれで終わりますが、先ほど言った理事の退職金等から考えて、これらもこれから何年かたちますとまたこの退職金というものは上がっていくわけですね。しかし、中小企業者の掛金をやっている人の方はなかなか物価に応じた上げ方ができないということになりますから、ぜひこの物価スライド制を十分検討していただくように希望いたしまして、質問を終わります。
#88
○中島(源)委員長代理 次回は、明十四日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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